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2003/03/27 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第6号
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2003/03/27 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第6号

#1
第156回国会 経済産業委員会 第6号
平成十五年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任   
     藤原 正司君     峰崎 直樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                松田 岩夫君
                木俣 佳丈君
                平田 健二君
    委 員
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                福島啓史郎君
                保坂 三蔵君
                直嶋 正行君
                藤原 正司君
                峰崎 直樹君
                簗瀬  進君
                若林 秀樹君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   衆議院議員
       修正案提出者   田中 慶秋君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       内閣府副大臣   根本  匠君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  森山  裕君
       経済産業大臣政
       務官       西川 公也君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       内閣府産業再生
       機構(仮称)設
       立準備室長    江崎 芳雄君
       法務省民事局長  房村 精一君
       財務大臣官房審
       議官       石井 道遠君
       国税庁課税部長  村上 喜堂君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        望月 晴文君
       経済産業大臣官
       房審議官     中嶋  誠君
       経済産業省経済
       産業政策局長   林  良造君
       経済産業省商務
       情報政策局長   林  洋和君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
       国土交通大臣官
       房審議官     松原 文雄君
   参考人
       日本銀行理事   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○株式会社産業再生機構法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律
 の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○公正取引委員会を内閣府の外局に移行させるた
 めの関係法律の整備に関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に内閣府産業再生機構(仮称)設立準備室長江崎芳雄君、法務省民事局長房村精一君、財務大臣官房審議官石井道遠君、国税庁課税部長村上喜堂君、経済産業大臣官房商務流通審議官望月晴文君、経済産業大臣官房審議官中嶋誠君、経済産業省経済産業政策局長林良造君、経済産業省商務情報政策局長林洋和君、中小企業庁長官杉山秀二君及び国土交通大臣官房審議官松原文雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田浦直君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に日本銀行理事白川方明君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(田浦直君) 株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#7
○近藤剛君 おはようございます。自由民主党の近藤剛です。
 産業再生関連三法案につき質問させていただきます。
 御高承のとおり、日本経済はイラク問題を始めといたします変転窮まりない国際情勢にありまして予断を許さない状況にございます。三月十七日発表の内閣府月例経済報告におきましても、政府は八か月ぶりに、景気はおおむね横ばいと、景気判断をある意味では上方修正をいたしたわけでございますが、世界経済の先行き不透明感が一層深まる中にありまして、我が国経済が脆弱な基盤の上に微妙な均衡状態にあることに変わりはないと思います。
 そこで、まず産業活力再生特別措置法につきまして平沼大臣にお伺いをいたします。
 今申し上げました日本経済の現状にありまして、産業再生は持続的経済成長を目指す上で極めて重要な要素であると思います。不良債権処理と並行いたしまして是非とも成功させねばならないと思っております。
 現行の特別措置法は三年半前の平成十一年十月一日に施行されました。その目的は、経営資源の効率的な活用を通じて我が国経済の生産性の向上を図るため、特別の措置として、事業者が実施する事業再構築を円滑化するための便宜を図り、特に中小企業者による新事業の開拓を支援することなどを通じて、我が国産業の活力の再生を速やかに実現することであると理解いたしております。
 施行後三年六か月を経た今、同法に基づく認定事業は本年二月二十七日現在で総計百八十三件に達していると聞いております。当該事業者には、登録免許税の軽減、不動産取得税の軽減、設備廃棄に伴う欠損金の特例、政府系金融機関の低利融資等の支援措置が適用されてきたわけであります。
 一方、日本経済の現状はデフレ状態から脱却できず、また三つの過剰、すなわち過剰債務、過剰供給、言い換えれば、需要不足あるいは過剰雇用にある状況は依然解消されていないと思います。
 これを踏まえまして、現行の特別措置法の三年半の実績をどのように総括をされるのか、目的は十分に達成されたと考えておられるのか、また何が評価でき、また何が力不足であったかなどにつきまして、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
#8
○国務大臣(平沼赳夫君) 近藤先生にお答えをさせていただきます。
 現行の産業再生法といいますのは、企業の選択と集中を促進することによりまして生産性の向上を図りまして、我が国産業の活力を再生することを基本理念として、御指摘のように一九九九年の十一月一日に制定をさせていただきました。その制定から現時点までの三年半の間に百八十三件と、こういうふうにおっしゃられましたけれども、百九十四件の事業再構築計画の認定実績がございます。例えば、日産自動車、トヨタ、ソニー等の企業が事業再編をし、その競争力を強化する際に、実例としては同法を活用してきております。
 これまで当省が認定した案件のうちに、計画期間が終了をいたしまして、実施状況の報告があった案件は十四件でございますが、その八割程度、十一件のケースで生産性に対する改善目標値を達成をしているところでございます。
 また、現在進行中の案件につきましては、昨年度末の時点で報告のあった当省所管六十五件の認定計画のうち、六割強が計画前に比較して生産性向上に関する基準目標値において何らかの改善が見られ、さらに、既に四割超の計画で、計画の途中段階であるにもかかわらず基準目標値を達成をしていると、こういう今実態でございます。
 他方、我が国産業全体の生産性を示すROEの推移を見ますと、産業再生法の制定後、いったんは持ち直したものの、その後再び下落に転じておりまして、回復基調が御指摘のように定着したとは言い難い状況にございます。
 そういう観点から、所期の目的というのは一応順調に達成しつつありますけれども、私どもとしては、現在更に厳しいそういう状況の中で、私どもは、多くの事業分野において御指摘のように過剰供給構造が見られたり、あるいは過剰債務問題が深刻化している、こういう状況でございますので、今回、更に改正をして、新たなそういう枠組みの中で日本の経済に活力を持たせる、こういう形でお願いをしていると、こういうところでございます。
#9
○近藤剛君 ありがとうございました。
 次に、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案につき、お尋ねをいたします。
 改正案は、対象を拡大をいたしまして、事業再構築計画に加えて、共同事業再編計画、経営資源再活用計画及び事業革新設備導入計画の三つを認定制度として新設をしております。
 これは大変前向きで適切な改正であると評価をしたいと思いますが、対象拡大に至った背景と考え方につきまして、先ほどの御説明と関連いたしますが、現行法の限界を踏まえてお答えをいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(平沼赳夫君) 私どもは、そういう形で先ほどちょっと答弁で申し上げましたけれども、我が国産業全体の生産性を示すROAの推移を見ますと、産業再生法の制定後はいったんは持ち直したんですけれども、再びそれが下落に転じておりまして、回復基調が定着し難い、こういう状況にあると、こういうふうに思っております。
 これは、御指摘のように過剰供給構造、そして過剰債務問題が一段と深刻化していると、こういう状況でございますので、この産業再生法の抜本改正案では過剰供給構造や過剰債務の問題にも対応するために、今お触れいただきましたけれども、過剰供給構造にある事業分野において複数の企業が共同して、あるいは過剰債務企業から他の企業が事業を承継をして、企業の壁を越えて、技術、人材等の経営資源を強みのある分野に集中する思い切った取組に対して、税制ですとか商法上の特例措置、こういうことを支援することによって私どもは実を上げていきたい、そういう一つの背景の中で、今回、産業のいわゆる再生法の抜本改正、こういうことをお願いをしている、こういうことでございます。
#11
○近藤剛君 ありがとうございました。
 改正案におきます支援措置を拡大拡充して、商法の特例、課税の特例、中小企業信用保険法の特別枠、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律の特例が図られております。また、税制面においても法人税の欠損金の繰越期間、五年から七年への延長、さかのぼる期間は一年であるが、繰戻し還付の対象範囲拡大、すなわち従来の設備廃棄等の帳簿、簿価に加えまして施設設備撤去費、割増退職金等を追加したことを高く評価したいと思います。ただ、関係者の間からは、登録免許税の免除あるいは欠損金繰越期間の更なる延長の必要性などを要望する声がございます。
 この際、産業再生を思い切って進めるためには、このような思い切った税制面の特別な配慮があってもしかるべしと考えますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回、今御指摘のようないろいろな仕組みを作りまして、そして再生が円滑にいくように措置をしたところでございます。
 今御指摘のいろいろな御要望に関しても、我々としてはしっかりと受け止めて、そして今後しっかりと検討しなければならないと、このように思っております。
#13
○近藤剛君 ありがとうございました。
 次に、産業再生に関し、重要な対象分野であります流通並びに建設・不動産業界につき、お尋ねをいたします。
 まず、流通業界の問題を今までどのように認識され、どのような再生策を考え、具体的に何を実施されてきたのか、そして今回の法改正以降は基本的方向として何をどう進めていかれると、いけるとお考えなのか、主務官庁であります経済産業省にお伺いをいたします。
#14
○副大臣(高市早苗君) 流通業の現状をどうとらえるかということですが、消費の低迷の中で売上げが六年連続対前年割れをしております。これは商業販売統計によるものでございますが、非常に厳しい状況に置かれております。消費者ニーズを的確にとらえて伸びている企業もございますけれども、経営不振の企業、更には経営破綻に至る企業も多くございます。
 こうした状況におきまして、経営不振の流通企業がどのように経営再建を進めるかということにつきましては、基本的には当該企業と金融機関などが話し合って自主的に判断すべきものであると思います。そして、当該企業自らが金融機関の支援の下で危機感を持った構造改革の取組を行う場合には、当省といたしましても、現在御審議いただいております産業再生法等も活用してまいりたいと考えております。
 一方で、経営計画の目標を達成できずに、金融機関の支援を受けられない中で法的整理に移行するような場合も生じておりますが、このような場合には、中小企業や雇用などのセーフティーネット対策、こちらに万全を期してまいりたいと思います。既にセーフティーネット保証制度で、先生御存じのとおり、例えば取引先の倒産ですとかいろんな指標に応じまして対象を広げております。セーフティーネットを通じて主に支援をしてまいりたいと思っております。
#15
○近藤剛君 ありがとうございました。
 引き続き、今度の改正法も十分活用されまして、施策を進めていただきたいと存じます。
 同様の質問を建設・不動産業界につきまして、国土交通省にお伺いをいたします。
#16
○政府参考人(松原文雄君) 建設業界の状況についてでございますけれども、ほぼ十年くらい前に建設投資がピークでございましたが、そのときに比べまして、現在、市場規模が約三割縮小をしておる中でございます。全産業に占めます建設業の倒産件数も約三分の一に上るというようなことになっておりまして、過剰供給構造という中で非常に厳しい経営環境に置かれております。
 そういった中で、既に大手あるいは準大手のゼネコンの間では、例えば会社更生法ですとかあるいは民事再生法等の法的整理、これが相次いでおりますが、これに加えまして合併それから経営統合、不採算部門の分社化などなど、再編の動きが次々と具体化をされているところでございます。
 私ども、個々の企業の再編、再生につきましては、行政としてどうのこうのということではなくて、基本的にその企業の経営者の方、あるいはその関係の皆様方で御決断、あるいはその御責任で御判断をいただくということだと思っておりますが、行政といたしましても、例えば一定規模以上の公共工事につきまして、履行保証割合を引き上げることによりまして、経営不振企業が公共工事に参入することにつきまして一定の抑制を行うとか、あるいは企業が得意分野を伸ばすためのいろんな再編を行います場合に、建設業法の許可手続でございますとかあるいは企業の評価制度、そういったものの面におきまして、そういった取組がしやすくなるような改正を順次行ってきておるところでございます。
 技術と経営に優れた企業が生き延びれるようにということで従来から取り組んできておるところでございますけれども、特に昨年末に、政府全体として企業・産業再生に関する基本指針が策定された際に、事業分野別の指針といたしまして、建設業の再生に向けた基本指針を策定をいたしました。この中で、特に建設業は供給過剰構造にあるということを踏まえまして、安易な企業救済とならないように再生可能な企業に絞って事業再生を支援をするという考え方の下に、通常の基準に加えまして、一つには事業規模の縮小又は二以上の企業の経営統合あるいは事業再編を伴うことと、二つ目には、収益性、安定性、健全性などの三つの観点から見て、再生計画によって再生した暁には、したがっておおむね三年程度がめどということになるわけでございますけれども、その暁には業界の平均的水準並みにまで立ち直ることということを要件として加重をいたしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、技術と経営に優れた企業が生き延びれるような、そういった環境整備に私ども努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
 もう一つ、不動産業につきまして御指摘ございました。不動産業につきましても、御指摘のとおり、いろんなデフレ現象の中でかなり厳しい状況が進んでおります。そういった中でどのように対処するのかということで、いろいろございますけれども、先ほどお話のありました、例えばいろんな税制面でございますとか、そういったものによりまして、この業界につきましても、今いろんな、何といいましょうか、再編、再生、そういった努力が各企業におきまして進んでおるところでございます。特に、新たな芽といたしまして、不動産の証券化というような新しいビジネス、そういったものも出てきておりまして、そういったところに向けまして、これも同様に行政といたしまして環境整備に努めていきたいと、このように考えておるところでございます。
#17
○近藤剛君 ありがとうございました。非常によく分かりました。
 正におっしゃるとおり、企業再生ではなく産業再生をねらいとすべきであると思います。産業全体の競争力、生産性向上に向けて引き続き、先ほど御説明ございましたような税制等も含めまして、あらゆる施策を動員をして御努力をお願いをいたしたいと存じます。
 次に、改正法第二十九条の三にあります中小企業再生協議会についてお伺いをいたします。
 本改正案を先取りする形で、福井県におきまして早速、中小企業地域再生協議会が結成されたと聞いております。その他の地域も含めまして近く合計二十七の協議会が結成される、そして最終的には全四十七都道府県に一つずつ協議会が設立されるとのことであります。地域経済の担い手であります商工会議所、商工会などが中核となっております。事業再生を進める中小企業を支援していく地元組織として、その活躍を大いに期待したいと思っております。
 政府として中小企業地域再生協議会の活動がどのようなものであってほしいのか、また政府としてどのように支援、協力していくのか、基本的な考え方につきまして、中小企業庁長官にお伺いをしたいと思います。
 また、中小企業地域再生協議会を運営する民間側から幾つかの要望が出されております。そのうち主なものといたしましては、税制面については、経営改善計画に沿って金融機関が債権の一部放棄など軽減措置を取る場合には、税制上の措置として無税償却を認めてほしいとのことであります。また、一昨日の本委員会でも議論されましたが、債権区分につきましては、経営改善計画に基づき金融機関が協力して再建支援に取り組む場合、金融機関は債権区分のランク引下げを余儀なくされることにならぬよう格段の配慮をしてほしいとするものであります。また、経営改善計画に基づく資金調達につきましては、特別融資制度の創設、信用保証協会が行う信用保証に対する損失補てんの強化が必要であるという意見もあります。さらに、中小企業地域再生協議会の運営につきまして予算を十分に手当てしてほしい、窓口及び専門スタッフの充実が不可欠であるといった要望も聞いております。
 これらの諸点も含めまして、長官にお答えいただきたいと思います。
#18
○副大臣(西川太一郎君) 長官に御指名でございますので、具体的なことは長官からお答えをいたしたいと思いますが、基本的に、ともかく多種多様であり地域性の強い中小企業の支援のためには一生懸命やりますということを申し上げたいと思います。
 二月七日に福井県をスタートしまして、三月二十四日に愛知県と鳥取県が加わりまして二十七、そして六十六人の専門家を常駐させまして行うわけでございますが、全体会議と支援業務部門という二つに分かれておりますが、全体会議には商工会議所でございますとか県の中小企業センターでありますとか地域金融、中小企業のいわゆる政府系金融機関、こういうものが加わってしっかりと御支援をしてまいりますし、財務の専門家、法律の専門家、再建ビジネスに携わっている方、こういう方々を中心にやっていきたいと、一生懸命これをやるということ、政府の基本姿勢を申し上げたいと思います。
 残りのことにつきましては、長官からお答えいたします。
#19
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 順番があれでございますが、まず予算の点で申し上げますと、補正予算、十四年度の補正予算、それから十五年度の本予算で、総計で約二十億円の予算を私ども確保したいということでお願いをいたしております。その中身は、主として常駐の専門家に対する謝金というようなものを中心にいたしておりまして、それ以外に、それらに協力をする専門家の方々の日当といいますか、謝金というようなものを中心にいたしております。
 現在、一年で一か所当たり大体三千八百万円ぐらいの予算を講じているところでございますが、今、先生御指摘のとおり、やはり良質の人をきちっとそこにいていただくというのが業務遂行上大変重要でございますので、私ども状況をよく見ながら、そういった予算面での不都合によって機能が損なわれるということがないように、そこは十分に配慮をしていきたいというふうに考えております。
 それから、政府系金融機関によります融資制度の点でございますが、御指摘のように、中小企業が再生に取り組む場合におきましては金融面での支援というのが大変重要であるというのは先生御指摘のとおりだと思います。
 このために、政府系金融機関あるいは信用保証協会におきまして、再生を図るための中小企業に対する金融支援策というものを順次拡充をしてきておりまして、例えば政府系金融機関ですと、従来ではなかなか貸せなかったようなそういう企業にも、企業再生を支援するという観点から、踏み込んだ融資制度というものもこの二月から発足をいたしております。そういった企業再建の貸付制度というものを、既に実績も出ておりますけれども、こういったものも活用していきたいと思っております。
 それから、保証制度につきましても、DIP保証とか、あるいはそういう再生のための保証制度というものもお作りをいただいておりますので、そういったことを拡充をしていきたいと思っております。
 それから、保証に関します基金といいますか、その拡充でございますが、これも保証がうまくいくためにはそういった保証渋りが起こらないような財政的な手当てが必須であるということも御指摘のとおりでございます。この点につきましては、十四年度補正予算でお手当てをいただきましたけれども、私ども状況を見ながら、ありとあらゆる機会をとらまえて、そういった保証のための財政基盤の強化というものは図っていきたいというふうに考えております。
 それから、債権の債務者区分の問題の御質問でございました。私ども、金融当局が金融機関に対して検査を実施します折には、やはり債務者区分は中小企業の有するいろんな特性を十分勘案して御判断をいただきたいというふうに考えておりまして、その点は金融庁の金融検査マニュアル・別冊中小企業編でも明記をされているところでございます。
 こういった趣旨に照らして考えますと、やはり協議会の支援を通じまして、その企業の業況の改善あるいは今後の計画というものが十分立派なものになるというような評価を受ける場合には、その債務者区分の判断の要素にそういった点も十分組み込まれるというふうに私ども考えておりますし、そういった点につきましては引き続き事務的に金融庁ともよく御相談をさせていただきたいというふうに考えております。
 それから、最後になりますが、債権放棄の御指摘がございました。協議会におきまして、場合によりまして債権放棄を含みます再生計画の作成というものを支援するという場合もあると存じます。そういった場合に、支援を行う金額が合理的であって、かつ皆さんの間の負担も合理的であるというような場合には、できるだけそういった格好で私ども支援をすることになると思いますけれども、そういったようなことがちゃんと担保されるというようなときには、私ども、今、先生がおっしゃいましたような税制上の配慮が十分行われるべきだと思っておりまして、その点につきまして税務当局と今協議をいたしておりますが、引き続きそういった方向での協議をきちっとやっていきたいというふうに考えているところでございます。
#20
○近藤剛君 ありがとうございました。おっしゃったとおり、特に税制面、予算面、しっかりと実行をしていただきたいと存じます。
 それでは、次に、産業再生機構関連二法案につきお伺いをいたします。
 まず、この法律によって設立されます株式会社産業再生機構と、第十四条により設置されることになります産業再生委員会の人事につきまして、谷垣大臣にお尋ねしたいと思います。
 このような組織が本来の目的を達成できるか否かのかぎを握るのがその任に当たる人材であります。社長、委員長、取締役、委員、メンバーの選任基準、期待される具体的な役割などにつきまして、基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(谷垣禎一君) 機構の社長、それから産業再生委員会の委員長、このお役目は、産業再生ビジネスの真っただ中で機構を運営していく責任を担っていただくわけです。
 この機構の性格から見まして、ある意味で公といいますか、公が関与する仕組みでもございますので、公正公平な立場から機構を運営していただく、そういう方でなければいけないというのは当然のことだろうと思いますが、それと同時に、マーケットから信頼を得る方でないとこのような仕事をうまく担っていただけないだろうと。そういう能力、経験をお持ちの方が必要だというふうに考えてまいりまして、先般、あくまでこれは候補ということでございますが、お二人のお名前を発表させていただいて、私としては、先ほど述べたような考え方からベストの人選ができたのではないかと思っております。
 そこで、社長候補の斉藤惇さんですが、この方は野村証券あるいは住友ライフ・インベストメントで仕事をされました経験から、債券とか株式あるいは国際業務といったあらゆるマーケットに精通しておられますので、投資家としての幅広い視点というものも持っておられる。そういう意味で、機構の運営に当たっていただく、そういう幅広い視点、マーケットへの見識という点から機構の経営に、運営に当たっていただくことを期待しているところでございます。
 それから、委員長候補の高木新二郎教授ですが、この方は弁護士で裁判官の経験も、経歴もお持ちでございます。また、私的整理ガイドライン研究会の座長もお務めになりまして、このガイドラインに基づいて多くの再生案件に関与されましたし、さらに、経済産業省の早期事業再生研究会の座長もお務めになっているところでありますが、企業再生に関する法務実務の第一人者という方であろうと思っております。
 そういうお立場から委員会の運営に当たっていただくということを期待していると、こういうことでございます。
#22
○近藤剛君 よく分かりました。
 お話しいただきましたとおり、社長、委員長に続きまして、実務を担当される立場の取締役の人選につきましてもしっかりと取り組んでいただきたいと存じます。
 関連いたしまして、再生機構社長と再生委員会委員長の権限と責任につき、お尋ねをいたしたいと思います。
 具体的な事業再生案件につきまして支援するか否かの決定につきましては、第十五条におきまして、社長ではなく、会社内部の組織である産業再生委員会が権限を持つとされております。一方、会社経営の全体の責任、業績にかかわる責任は当然、最高経営責任者としての社長が負うことになると思います。この仕組みで、権限と責任とのそごという問題が生じないのでしょうか。
 社長、委員長、委員会の権限、責任をどのように整理して理解したらよいのか、基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(谷垣禎一君) 機構の社長は、代表取締役として、会社の意思決定機関である取締役会の決定事項を執行する責任と権限を持つ立場と、これは商法上も当然のことだろうと思います。
 他方、産業再生委員会の方は、機構法上、その取締役会の決定事項の中で、再生支援の決定それから買取り決定と、こういった重要決定を行うことをその取締役会から委任されるというんでしょうか、そういう任務を負っているわけでありまして、いわゆる取締役会の中のインナーボードでございます。
 ちょうど商法改正でこの四月一日から施行されることになります重要財産決定委員会ですか、あれもその取締役会の中のインナーボードとして新たに商法上認められたものでございますが、ある意味では、そういったものと考え方を同じくしているわけでございますけれども、そういうことで、その委員会の運営の責任者と、その決定をした執行責任者という形で権限、責任関係というのは明確に区別されているというふうに考えます。
 もう少し具体的に申し上げれば、社長は個別の再生計画についての関係者の調整であるとか、あるいは財務、人事を含めた機構の経営に関する──先ほど重要財産決定委員会と申しましたが、重要財産委員会の間違いでございました。失礼いたします。社長は再生計画についての関係者の調整、財務、人事を含めた機構の経営に関する最高責任者でありますが、産業再生委員会の委員長は、個別案件に関する支援決定などについて、再生可能性といった観点から審査、決定を行う合議体の長としての役割を担っていただくと。
 更に申し上げれば、じゃ、どういう案件をどういうふうに取り扱うかというのは、社長の下で実際の実務担当者がいろいろ言わばおぜん立てをし、メニューも作ると。そういうおぜん立てが本当に実行可能な妥当なものであるのかどうかを委員会の言わばお墨付きをいただいて、それをまた社長の下で実行していくと。言わば、そういう客観性、公正性を担保するために、このような取締役会の中のインナーボードを設けたわけでございます。
 こういう仕組みは、何だか権限と責任が分離して責任の所在がはっきりしないんではないかという御批判もあるやに思っておりますが、一般企業でも最高経営責任者といいますか、いわゆるCEOと、それから取締役会の議長である会長、意思決定機関の合議体の長である会長というものを別々の方がおやりになっている例は多いわけでありまして、そういう一般の企業から見ても、必ずしも特殊なことをここでやっているわけではない。ただ、実際の業務の客観性を担保するためにこういう仕組みにしていると、こういうことでございます。
#24
○近藤剛君 ありがとうございました。極めて明快にお答えいただいたと思います。
 しかし、仕組みどおりに機能するのかどうかは、いかに適切な人材をそこに得られるのか、そしてその人間関係がいかにスムーズに運営されるのかに懸かっていると思います。そういう意味で、人事面に十分な配慮が配慮されますように改めてお願いをしておきたいと思います。
 さて、我々がここで議論しております産業再生の施策、措置は、その方向を同じくするマクロ、ミクロ両面にわたる経済政策の支えがなければ所期の目的は達成できないと思います。
 冒頭申し上げましたとおり、日本を取り巻く国際情勢が不透明感を増す中にありまして、我が国の経済状況は予断を許さないわけであります。この厳しい状況の中にありまして産業再生を進めるわけでありますが、産業面での施策は、金融、財政、規制など経済全般にわたる政策との整合性を保つことが極めて重要だと思います。
 そこで、まず日本銀行にお伺いをいたしたいと思います。
 日銀は、三月二十五日の金融政策決定会合で、潤沢な流動性への供給などを通じて金融市場の安定確保に万全を期す方針であることを改めて再確認されました。
 また、現下の厳しい金融経済情勢を踏まえまして、今後、金融政策の基本的な枠組みについて更に検討を進めること並びに金融政策の透明性向上と金融緩和のメカニズム強化に関する検討を次回政策決定会合までに進める方針である旨の発表もなされました。特に、透明性向上とは具体的に何を意味するのか、多少気になるところでございます。
 これらの諸点を含めまして、日銀の財務構成、ポートフォリオのリスク増大、通貨発行額の当面の上限のめど、国庫納付金、国債バブルに関する備え等の論点につきまして、基本的な考え方で結構でございます、お示しいただきたいと思います。
#25
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 近藤先生御指摘のとおり、日本銀行は、一昨日、臨時の金融政策決定会合を開きまして、米国等による対イラク武力行使の開始など、経済金融情勢を取り巻く不透明感が強い下で危機の未然防止の観点から取り得る措置はないか、それから、やや長い目で見た場合に現在の金融緩和の枠組みを見直す余地がないかといった点について、極力早期に点検し、必要な対応を決定するというために開催したわけでございます。
 会合で決定しました内容につきましては、今、近藤先生から御指摘のあったとおりでございます。
 今回の決定した内容のうち、大きく分けまして二つございますけれども、一つは期末あるいはイラクとの武力行使、こういう情勢を踏まえまして、流動性確保に万全を期すということも改めて確認いたしました。この措置は、金融市場の安定を確保するということを通じてデフレスパイラルに陥るということを防ぐ、そういう意味では大きな効果があるというふうに思っておりますけれども、そうしたことも改めて確認をしたということでございます。
 それから、やや長い目で見た場合の金融政策の枠組みということでございます。
 先生御案内のとおり、日本銀行は二年前に量的緩和を採用いたしまして、以来、日本銀行による資金供給を大幅に増やしてまいりました。現在、当時から比べますと、マネタリーベースの伸び率は四割以上増えておるわけでございますけれども、しかし、これが景気、物価を刺激するにはなかなか至らないということでございます。
 その背景を考えてみますと、幾つかの要因がございますけれども、一つは金融システムの機能が必ずしも万全ではないということで、金融システムを強化していく必要があるというふうに考えております。この点では、不良債権処理あるいは金融機関自身の収益力向上の努力が必要でございます。
 それから、魅力的な投資機会がもっともっと増えていくということが大事で、この点につきましては、もう言い尽くされたことではございますけれども、規制改革あるいは税制改革が必要であるというふうに考えております。
 潤沢に供給しています量が本当に生きていくために、日本銀行だけでできるということは限られているかもしれませんけれども、しかし日本銀行という面でできることは何だろうかということを改めて点検してみようということでございます。
 これまでも、中小企業向けの売り掛け債権等を担保とします、裏付け資産としますABCPを担保に受け入れるということを通じてこのマーケットを大きくしていこうと、それを通じて中小企業にももっとお金が回るような仕組みを作っていこうということで努力しておりますけれども、そうしたことも含めまして、今後どういうことができるかということをしっかり検討していこうというふうに思っております。
 それから、財務の健全性でございます。
 日本銀行、量的緩和を現在いたしておりまして、その結果、日本銀行のバランスシートの規模、これは大幅に拡大していることは先生御指摘のとおりでございます。日本銀行は、こうした量的緩和政策の遂行に当たりまして、財務の健全性確保という点にも常に、を念頭に置きながら対応してきております。
 例えば、これは金融政策という位置付けではございません、金融システムという面での位置付けでございますけれども、株式の購入を取ってみますと、金融機関が保有する株式を購入する際、格付の高い株、銘柄に限定して買い入れておりますほか、含み損が発生した場合にはこれは引当金を計上するということを行っております。
 それから、資産サイドで最も大きなウエートをしております、ウエートを持っております国債につきましても、価格変動に備えましてリスクに見合って十分な引き当てをするということも行っております。
 いずれにせよ、日本銀行としまして、財務の健全性を維持するということは政策遂行能力を確保する、あるいは通貨に対する信認を維持することは非常に大事だというふうに思っておりますので、今後とも、資産保有に伴う様々なリスクを適切に把握しまして、その上で財務の健全性確保にも努めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、国債バブルという点の御質問でございます。
 現在、日本銀行は長期国債を買い入れておりますけれども、その際、長期国債の買入れというものを銀行券の残高、これを上限としますよということを二年前に発表をしております。これは、先ほど先生の御質問の、日本銀行の財務の健全性等も含めまして、通貨あるいはその財政に対する信認を確保するという意味でも、大きな意味を果たしているというふうに思います。
 そうしたものに対する疑念がいささかなりとも生じますと、それでその市場が不安定になってくるということが懸念される。そうなりますと、デフレの克服ということ自体がまた危うくなってまいります。その辺も十分に意識して政策運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
#26
○近藤剛君 ありがとうございました。お話を伺いまして、安心をいたしました。
 福井新総裁のお言葉をおかりいたしますと、正に金融政策には魔法のつえはないと私は思っております。本来の中央銀行としての役割を骨太に果たし続けてほしいと考える次第でございます。
 次に、金融庁にお尋ねいたします。
 当面のデフレ対策として、いろいろな場で、固定資産減損会計導入時期の延期あるいは有価証券の強制評価減の見直しの議論がなされております。直接的には企業会計基準委員会の担当ではあろうかと思いますが、金融庁として、この問題につき、どのように考えておられるのか。国際的な視点も踏まえまして、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
#27
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 国際的な視点も含めてというお話でございましたが、やはり前提として、証券市場に対する内外の投資家の信頼を高めて、そして市場の活力というものを向上させていくためには、その適正な財務認識とそれからディスクロージャーが極めて大切である、不可欠であるというふうに考えております。
 そうした観点からしますと、その会計基準を仮に恣意的に変更することによって、その企業の活動の実態というものを隠していく、あるいは見えにくくするということになれば、これは投資家の信頼を失いかねないんではないかというふうに考えております。
 今、様々な指標を見てみますと、例えばPBRが一を割っている、こうした企業が少なくありません。これを見ますと、そうした企業というのは、これからその株価が上がっていく可能性というのは極めて高いものがございますし、それぞれの上場企業は今厳しい経済状態の中にあっても様々な努力をいたしておりまして、例えば、この含みの問題についても、この含みを当てにせずに、そして時価というものを前提にして資産効率を上げていくと、そういう努力もいたしているわけであります。
 今月末の決算を予定をしている上場企業を見ましても、七割近くはその増益を確保するということが予想されているわけでありますし、経常利益の合計を予想で見てみますと、これはあのITバブルのときになされた二〇〇一年の三月期決算と比較をすると、もう九〇%近い状態にもう戻ってきているわけでありますから、こうした企業の努力というものを機関投資家だけではなくて個人投資家も是非評価をしていただいて、その投資をそうした企業の努力に対してしていただくと。そのことによってその市場の厚みが増していくことによって市場がやはり活性化していくということが極めて大切ではないかなというふうに思っております。
 お尋ねがありました固定資産の減損会計につきましては、財団法人の財務会計基準機構におきまして適用のための実務上の指針の検討が進められているところでありますし、また有価証券の強制評価減につきましては、従来から商法及び会計基準に定められており、実務でも定着をしているというふうに認識をしております。
 与党におきまして議論がなされておりますことを承知をいたしておりますが、まずはこうした財務会計基準の機構において産業界あるいは金融界を含めた経済界の意見を踏まえてその実務的に検討していただくことが必要であり、私どもはその議論を注視をしてまいりたいというふうに考えております。
#28
○近藤剛君 ありがとうございました。
 副大臣の御説明は極めて心強いものであると感じてお聞きをいたしました。正に健全な資本市場の育成、生産性の向上を通じた実体経済の改善こそが極めて重要な段階にあると私も認識をしております。
 また、産業再生と並行して進めるべき不良債権の処理に関連をいたしまして、金融機関の貸出し債権に係る引当金割増し、引当金積み増しあるいは償却に関する税制の問題がございます。昨年の税制改正の議論に際しまして金融庁はパッケージとしての御提案をされたわけでございますが、残念ながら実現をされておりません。不良債権処理の促進と金融機関の自己資本の質的な強化に向けた税効果会計見直しの大前提といたしまして金融庁の提案は速やかに実現されるべきと考えますが、この点につきまして、金融庁のこれからの進め方についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#29
○副大臣(伊藤達也君) 御指摘のこの繰延税金資産にかかわる税制の改正については、私どもも大変重要である、金融システムの信頼性の観点からも非常に大切であるということで、昨年来要望を行い、関係当局に要請をしてきたところでございます。
 この要望につきましては、与党の皆様方の中でもこの税制改正を早急にやっぱり検討していくことが必要だということで改めて御提案をいただいているところでございますので、先生にもこの問題についても積極的に取り組んでいただいておりますので、私どもとしても引き続き強力に本税制の改正が実現できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#30
○近藤剛君 ありがとうございました。
 ただいま金融庁から御説明のありました引当金・償却税制につきまして財務省はどのようにお考えか、お聞かせいただけませんでしょうか。
#31
○大臣政務官(森山裕君) 金融機関の不良債権にかかわる税制上の対応についてでございますけれども、銀行の自己資本の充実に関する金融行政及び企業会計制度を含めた対応の全体像と併せ、課税の適正公平、税務執行、納税者全体に及ぼす影響等を踏まえつつ、今後も検討を続けてまいりたいと考えております。
#32
○近藤剛君 ありがとうございました。
 不良債権の処理と金融システムの再生は小泉内閣の進めております経済政策の正に一丁目一番地であろうかと思います。税制はそのかなめでございます。かりそめにも閣内不一致と言われるような事態が起こりませんように、是非閣内のこの点に関する思想統一を図っていただくことをお願いをしておきたいと思います。
 引き続きまして、財務省にお伺いをいたします。
 三月に入りましてから株式市場はバブル崩壊後の安値を更新をしております。また、長期金利は質の逃避等を背景に過去最低を更新いたしました。今や国債バブルであることは間違いないと思います。金融部門が保有する国債の残高に、国の民間からの借入金や郵貯、簡保等を加えましたいわゆる公的債務は、二〇〇〇年度末には約七百六十六兆円に達しているわけであります。正にGDPの一・四倍を超しているという状況であります。財務省の公的債務管理政策に関する研究会が三月の五日に第一回目の会合を開いたと承知をしておりますが、これなどは大変意義の深い動きであると思います。
 国債の平成十五年度新規発行三十六兆円ということでございます。これからの借換えの問題もあるわけであります。国債管理を適切に行うことは喫緊の課題であろうかと思います。
 財務省として国債管理政策をどのように進めていかれるのか、また、先ほど日銀の方からお話ございました日銀の抱えるリスク増大の可能性と通貨発行益の処理の在り方につきまして、基本的な財務省としての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#33
○大臣政務官(森山裕君) 国債の管理政策に関する件でございますが、今、先生がお触れいただきましたように、財務省の理財局の下に国債等に関する懇談会、研究会が三つございます。
 一つは国債市場懇談会でございまして、平成十二年九月より議論を重ねてまいりまして、二十五回その会議を開催をいたしております。主に、国債の発行手続の在り方や、国債の種類あるいは国債の商品性等々非常に具体的な国債発行政策の在り方について議論をお願いをしておりまして、この市場懇談会は国債を売る立場の方々の御意見を伺っているところでございます。
 もう一つは国債投資家懇談会でございますけれども、この投資家懇談会は、国債を買っていただく投資家の方々の御意見を伺うわけでございますが、これは平成十四年の四月からこの懇談会を持っておりまして、これまで四回ほど開催をさせていただきました。
 今、近藤先生お触れになりました公的債務管理政策に関する研究会は、経済財政諮問会議において提案をされたものが具体化された研究会でございますけれども、ここでは非常にマクロな視点から、国債に限らず、郵貯や年金あるいは政府保証債務などを含めて公的資金が金融市場においてどういう影響を与えるか等々について専門家の方々の御意見を伺うということでございまして、このように三つの懇談会、研究会の御意見を伺っているところでございますが、おっしゃるとおり、今後も国債の大量発行が続いていくことが予測をされますので、国債発行当局といたしましては、国債の確実かつ円滑な消化を図るとともに、長期的な調達コストを抑制をするため様々な取組を行ってまいりたいと考えております。
 もう一点、日銀の通貨発行益等の問題についてでございますけれども、通貨発行益は基本的には国民に帰属すべき性格のものであると考えております。他方では、中央銀行の信認を維持するために日銀の財務の健全性にも十分配慮していく必要があるとも考えております。したがって、日銀が株式等の購入を行う場合には、当該資産の価格の変動により生ずる不測の損失に対し引当金の計上等適切な対応を行う必要があります。このため、日銀納付金への影響を極力回避することはもちろんでありますが、財務省としては、納付金への影響だけでなく、その目的や効果、損失の発生が極力回避される仕組みとなっているか等具体的な内容に沿って様々な観点から検討し、十分議論をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#34
○近藤剛君 森山大臣政務官、本当にありがとうございました。まだいろいろとお聞きしたいことがございますが、残り時間もわずかとなりました。厳しい経済環境が続く中にありまして日本経済の再生に向けて産業再生は喫緊の課題であり、経済政策のかなめであると思います。是非、小泉内閣の総力を挙げて成功させていただきたいと思います。
 今までの議論を踏まえまして、最後に、平沼大臣と谷垣大臣の御決意と御抱負をお伺いをいたしたいと存じます。
#35
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、日本というのはデフレ状況の中で非常に厳しい状況にあるわけでありまして、これまでもそのデフレ克服のために経済産業省としてはいろいろな施策を行ってまいりました。産業競争力のいわゆる強化の問題、中小企業の対策、さらにはこの国の経済の血液にも等しいエネルギーの安定供給、そしてさらには、我々としてはイノベーションを起こして、そして技術革新によって我々は競争力も付けていかなければならないと、こういったことを一連やってまいりましたし、それに対応して、例えば補正予算で予算を獲得さしていただいて中小企業に対するセーフティーネットを拡充すると、こういうこともやらしていただいております。
 そして、御指摘のように、産業再生というのは非常に大切でございますので、今改正をお願いしているこの改正法案と、そしてこの機構法案が車の両輪として、そして最大の効果が上がるように全力で頑張ってまいりたいと、このように思っております。
#36
○国務大臣(谷垣禎一君) 産業再生機構は、機構法の目的にもございますように、事業、産業の再生を、不良債権処理の加速化と併せまして、委員がおっしゃいましたように総力を挙げて強力、迅速に推進していく、そういう目的の下に作られるものでございます。
 そこで、機構そのものはあくまでミクロの事業再生という手法を通じて産業の再生に寄与するものでございますけれども、今もいろいろ御議論のございましたマクロの目的というものも念頭に置きながら、十分念頭に置きながら、機構が民間マーケットの創出や、あるいは更に大きく言えば日本経済の再活性化の起爆剤になるように私どもも全力を挙げて取り組みたいと思っております。
#37
○近藤剛君 終わります。ありがとうございました。
#38
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。
 具体的な法案の質問に入る前に、産業全体についての課題についてお伺いしたいと思います。
 産業再生というのは今に始まったわけじゃありませんし、常に時代のやっぱり付き物だと思うんですよね。なぜ機構法案まで、機構まで作らなきゃいけないまでになったかという、その原因がどうなのかということを、私はやっぱりきちっとはっきりさせることが必要ではないかなというふうに思っています。
 不良債権処理、過剰債務等、これは病気で言えば症状なんですよね。対症療法というのはもちろん必要ですけれども、やっぱり病根、病巣に行かないと本当の意味での私は再生にならないのではないかなというふうに思いますので、まず、谷垣大臣に、根本的な問題として、特に八〇年代後半からバブル崩壊後この十数年間に何が起きたのか、何が問題、本質なのかということについてお伺いしたいなというふうに思います。
#39
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の経済は世界的規模の社会経済変動が起こっている中で、単なる景気循環というだけじゃなくて、複合的な構造要因と申しますか、そういう停滞に直面しているんだろうというふうに思います。
 産業再生の現状も、上場企業の収益性とか効率性に関する基本的指標であるROAが九〇年代を通じまして非常に低迷しておりました。それから、設備や雇用の過剰感も一時は改善傾向というものにあったわけですが、九八年以降、またその過剰感が上昇してきておりますし、技術進歩の伸び、いわゆるTFPというんでしょうか、そういう技術進歩の伸びも低迷したような状況になっていると。
 こういう状況の背景にはデフレによる実質的な金利負担が重くなってきているということがあって、いわゆる研究開発投資であるとかあるいは設備投資というものを企業が手控えてしまっているという状況がございますし、その新規設備投資や新規事業投資の不信、研究開発の低迷、新市場開拓や需要創出の低迷というようなことになってきているわけであると思います。全般としては、過剰供給構造とか過剰債務の問題が一向に解消していないと、こういう認識を持っているわけでございます。
 こういう状況を踏まえまして、現在、まず金融面においては金融システムに対する信頼を回復すると、そのために不良債権問題を迅速に処理していくということが大きな課題となっておりますが、他方、産業面においても過剰債務企業が抱える優良な経営資源、優良な経営資源を持ちながら過剰債務に足を取られている。そういう優良な経営資源を再生しなければなりませんし、過剰供給構造を解消するための産業再編も促進していくということが必要となっているのではないかと。すなわち、産業と金融の一体となった対応が必要となってきているんじゃないかと、こういうふうに思います。
 そういう中で、産業再生機構が果たしていく役割は、先ほども近藤委員に対して、マクロな課題を、マクロな視野も持ちつつと申しましたけれども、そういうマクロな視点を持ちながら具体的にはミクロの事業を再生していくことによって産業再生に寄与していくという、そういうミクロ的なアプローチを取ろうとしているわけでありますが、そういうことを言わばオールジャパンで強力に進めて、先ほど申し上げたような現状認識の中で突破口を作っていきたいと、こんなふうに考えているわけでございます。
#40
○若林秀樹君 お話は分かるんですけれども、出た話も、やはりROA幾らとか過剰債務が出てきたとか、あるいはデフレーションとかいいます、これもやっぱり症状ですから、根本的な問題というのは、私はやはりこのグローバル経済の中で総体的に産業の競争力が弱まってきていると、そこがやっぱり根本的な問題ではないかなというふうに思います。
 その上で、今マクロとミクロの話がありましたけれども、平沼大臣に、我が国の目指すべき将来の産業構造をどう考えるのかというふうにお伺いしたいと思います。
 もう既に課題は出ているんですが、目の前の企業、産業を再生することによって、そのことが将来目指すべき産業とどういう位置にあるのかということが今回の機構の中ではやっぱり見えないんですよね。取りあえず目の前に、産業再生可能だったらやってみる、それはいいんですけれども、気が付いたら全然別の方向に行っている可能性がありますし、再生したものの、そのトータルの産業の需要に対してこの再生したものはどういうかかわり方があるかということが整理されていないですね。結局、再生したものは結局ほかに影響を与えるわけですから、その辺の関係は、私はやっぱりきちっとビジョンで政府として示し、それを業界に言い、その上でやるんだったらまだ分かるんです。そこが私は基本的に整理されていないんですが、将来構造、目指すべき産業構造を含めて、どういうふうにここの関係を考えておられるか、お聞きいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変重要な御指摘だと思っています。
 我が国の経済というものが右肩上がりで、そしてどんどん成長しているときは、産業の構造としては、一つは成長産業をいかに伸ばすか、そして衰退する産業をどういうふうに収束するかと、こういうことで政策、構造上の政策力点が私は置かれていたと思っています。
 現在は、こういう日本の経済というのは成熟をして、そういう意味では、一つの成熟した企業の中にも将来これが非常に大きくポテンシャリティーを持っているという部門がある、しかしその別の部門では非常にこれは競争力がなくなってきた部門がある。ですから、今おっしゃったように、そういった将来競争力がある分野を伸ばしていくということは、やはり産業構造として基本的には伸ばすべき分野だと思っています。
 ですから、そこは、多少そうじゃない部分がありますけれども、総体的にはそういう方向が、私は伸ばしていけば日本の産業競争力が付いていく、そういうことだと思っております。
 そういう中で、私どもといたしましては、今回はそういう形で、今の企業が持っている、そして産業の中でグローバルで見ても伸びていく分野というものをなるべくインセンティブを与えて伸ばしていくということが、今おっしゃったようなところにも私はつながっていくと思っています。
 そして、これからの日本というのは、やっぱり産業競争力とおっしゃいましたけれども、産業競争力をいかに付けていくかということが非常に重大だと思っておりまして、私どもとしても、一昨年の十一月に、省内にいわゆる産学の方々に集まっていただいて、そして約六か月掛けて産業競争力戦略会議というのをやりました。そこでいろいろ議論をしていただいて、やっぱり日本の目指すべき産業競争力の分野というのは四つの柱という形にさせていただきました。
 一つは、これはもうわざわざ言う必要はないと思いますけれども、一つは、やっぱりバイオテクノロジーを中心としたそういった分野が日本としては非常に大きなポテンシャリティーがあるだろうと。これに関係しては、いろいろライフサイエンスの問題、こういうものも含まれている。
 それから、日本が従来得意としている、今例えば一企業の中で家電ということを取りますと、家電の伸びる分野というのは例えば情報家電なんというようなところがあります。そういった形で、ITとそういった情報、そういったものを結び付けたものが一つの柱。
 それから、今の企業の中でもそれぞれ非常に力を持っていますけれども、一つは材料だとかナノテクノロジーというような分野でございますとか、さらには、これからそれぞれの企業がやはり優位性で、今これからそこを伸ばそうとしているような環境、エネルギーの分野、こういったものを中心の柱としてこの産業構造を作っていこう。
 それに更に加えて、これからは少子高齢化という時代の中でサービス部門というのが非常に大きくなってきます。ですから、そういったところも含めて、やはり日本は大きな産業構造の転換を目指して、そしてその一助としてこの産業再生というものがあると、こういうふうに私どもは思っております。
#42
○若林秀樹君 丁寧な御説明、ありがとうございました。時間もありますので、少し簡潔にいただけたら有り難いなと思います。
 そういう意味では私は、事業所管大臣というんですか、その役割というのは私はあると思うので、目の前は、競争力あるんじゃなくて、やっぱり目指す方向とここをどうやって合致させるという意味での役割は私はあるんじゃないかなと思いますので、積極的に果たしていただきたいと思います。
 その上で、産業競争力の低下ということで、やっぱり具体的な事例を出して申し上げた方がいいんじゃないかなと思いまして、我が国の電機・電子産業のことについてちょっとお伺いしたいと思います。
 これは、予算委員会の中でちょっと中途半端になりまして、西川副大臣にお答えいただいた、私も質問の仕方が悪くて、時間がなかったので本当に恐縮だったんですが、改めてちょっとお伺いしたいなというふうに思っているところでございます。
 既にこれは予算委員会でグラフで出したんですけれども、(資料を示す)赤いのがサムスン電子、この青いのが七社の合計の税引き前というところの損益でございますが、七社足しても全然及ばないという収益率で、昨日はマイクロソフトとの比較もありましたけれども、サムスン電子は、御存じのように、一九六〇年代の後半だったと思いますが、そのときに設立されて基本的には日本が技術指導をした企業が、今やこれだけのやっぱり収益力を上げていると。
 これは、なぜこうなったのかということについての明確な反省がやっぱり必要じゃないかなというふうに思いますので、その辺について、内容はちょっとダブるかもしれませんが、もう一度、ちょっと丁寧に御説明いただきたいと思います。
#43
○副大臣(西川太一郎君) まず、三月十九日の予算委員会で若林先生から御指摘をいただいて、私ども、正直言って強い反省のきっかけをいただいたと思って感謝をいたしております。まず御礼を申し上げたいと思います。
 その上で、簡単に御答弁申し上げれば、確かにサムスン電子は二〇〇〇年の決算で最終損益では七千億円の利益を計上している。一方、今、先生御指摘のように、我が国の七大大手メーカーは二兆円の欠損。この差はなぜ出てくるのかと。
 これ、一つは、韓国は国家的な戦略をしっかり持ったということ。そのきっかけは、IMFの管理体制に、通貨危機、金融危機が陥ったということもあって、その中でサムスン電子を調べてみますと、韓国の友人たちからいろいろ聞いてみたのでございますけれども、まず第一に非常に人材の層が厚いと。四万八千人の社員のうち、博士号、修士号を持っている研究者が五千五百人もいると。それから、こんなこと言うとしかられますが、労働組合がないと。それから、三万人のリストラを二年間でやった、三人に一人退職をしてもらったと。それから、コーポレートガバナンスで、外部のアウトソーシングで、十七人の取締役のうち七人を外部から優れた人を招いたと。
 こういう努力があって、それからもう一つは、やはり三十四事業を整理をして、五十二品目を整理をして、選択と集中を徹底させて、DRAMでは遂に世界一になったと。それから、アメリカ市場では、もう日本がある意味では携帯の分野では駆逐されちゃったと。液晶でも、世界の分野ではもう一位、二位になっている、下っても三位というところだと。
 そういうことに比べて、我が国の七社は、もうDVDはみんなで作る、冷蔵庫はみんなで作る、テレビはみんなやるというふうに、みんな横並びで、白物家電から始まって、バブルのころ、良かったときはそれでいいんですが、今や正に合従連衡や集中と選択、選択と集中、これをやっていかないといけない。
 そういう意味では私は、結論として、韓国が税制で思い切った国家戦略をやったように、研究開発の減税とかIT投資減税とか、そういうものを積極的に国もやって、産業を指導していかなきゃいけないと、こういう反省を、先生の御質問から短期間でありますが、私ども、体勢を立て直して臨んでいこうと、こう思っております。
#44
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 もう過去のことを言ってもしようがないと思うんですけれども、八〇年代後半から九〇年代の初めぐらいまで非常にアメリカを中心に経済摩擦があって、バブル経済でいって、はじけたんですけれども、その反動というんでしょうか、九〇年代は通産省も規制緩和していればいいんだというような雰囲気が私はあったと思うんです、それは。それは、いろんな人との話。
 そういう意味で、本当の意味で産業政策、産業政策誘導等を私はやっぱり九〇年代怠ってきたんではないかなというふうに思いますので、その辺の別に答弁はもう要りませんけれども、是非とも今、副大臣がおっしゃったように、競争力強化に向けた政策を、改めて経産省としての役割を積極的に果たしていただきたいなという感じがしているところでございます。
 まだまだ質問も用意しているんですが、ちょっと先に、ちょっと時間の関係上、再生機構の方を、ばあっと飛びますので、済みません、後ろの方に行って、私の通告した中では十三番目になるんですけれども、(発言する者あり)あ、そうですか。
 私も改めて感じるのは、やっぱり現時点ではまだまだ政府が企業の生死を判断する事業はなじまないと思っていますし、本当にその判断する能力があるなんていうふうに思うのは、私は現時点では思っておりません。
 生死を判断するというんじゃないという、多分、谷垣大臣はおっしゃるかと思いますけれども、基本的には、再生計画を見て本当にこれでいけるのかどうかという判断をするのはやはり機構であり再生委員会であるわけですから、私はやっぱり生死を判断すると言っても過言ではないのではないかなというふうに思います。
 火曜日の議論を聞いていて、私は、非常にちょっと甘いんじゃないかと、見通しが。私も二十数年それなりに企業の盛衰にかかわってきましたし、客観的に見てきた立場でいいますと、そんな生易しいものじゃないんですよというふうには私はあえて言いたいと思います。アウトソーシングすりゃいいなんていうふうに多分、オーケストラの指揮者と言いましたけれども、指揮者というのは、例えば百人のオーケストラがいれば百人のパートスコアを全部暗記しているんですよね。それで音楽的センス、経験があって掌握力があって初めて指揮ができるんであって、そういう人材がいれば別に問題ないわけで、それが足りないからアウトソーシングすりゃ済むなんていう問題じゃ私は全然ないと思いますので、そこはやっぱり本当に慎重にやらないと、私は大変な過ちに私はなるんじゃないかなと。
 今でも、やはり政府のやることは、平沼大臣がいつもおっしゃっているように市場原理にゆだねるということが基本でなきゃいけないと思うんですけれども、改めてそこについてのお考えをちょっと伺いたいと思います。
#45
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、委員がおっしゃるように、本当に政府でできるのか、やっぱり民間で進めるべきではないかと。私は、おっしゃることはよく分かるわけであります。それで、またそれができるための環境整備もいろいろやらなきゃならないことも事実でございまして、事業再生がうまく進んでいくためには、倒産法制の整備とか税制であるとか会計の在り方であるとか、あるいは金融の、何というんでしょうか、プロジェクトファイナンスみたいなようなことがよく言われますけれども、いろんな金融に関する新しい、何というんでしょうか、ビジネスモデルを作っていくというようなことが多分みんな必要なんだろうというふうに私は思っております。
 それで、もちろんそういったことの主体は民間で進めていただかなきゃなりませんし、政府がやるべきところもあると思いますが、しかし、この、じゃ、不良再建処理と表裏の一体を成す事業再生というものが今まで民間でスムーズに進んできたかと言われると、やっぱりそれはそうとは言えない。どうすればいいのかというのは、言わばありていに申し上げますと、我々がこういう機構を考えるのも相当ある意味では矛盾のある、矛盾のあると私が言ってはいけないかもしれませんが、矛盾のある決断であったことも事実でございます。
 そういう中で、認識が甘いんではないかというふうにおっしゃいました。私も、日本でそれだけ人材も育っていない、マーケットも育っていない中でこういう機構を作って、そんなに甘いものだというふうに思っているわけではありません。
 ただ、諸外国の事例等も見ましても、RTC、アメリカではRTCを作っていろいろなことを進められたときに、やっぱりアメリカも必ずしもあれができたころに十分な人材がいたわけでもなかった。もちろん、金融機関と企業の関係なんか日本と違いますから日本と状況の違うところもございますけれども、やはりRTCがいろいろな活動をする中において人材も育ってきたということがあるかと思います。
 私は、アウトソーシングすればそれで済むなんというふうに簡単に思っているわけではございません。それから、現実に相当難しい再生案件を処理された方々の経験を伺いましても、それはもう非常に厳しいものであると思います。
 やはり、こういう言葉が適切かどうか分かりませんが、一種のハングリー精神というんでしょうか、やっぱりこの企業を立て直して、この事業を立て直して、自分がリスクをしょって立て直すことによって、これができたら自分もまた将来が開ける、これができなければ自分の言わばこの社会におけるキャリアもこれでおしまいだというような、切迫した緊迫感を持ちながら大きな事業の立て直しを行ってこられた方々、私は、そういうお話を聞きますと、やっぱりそういう緊張感がなければなかなか我々の機構も成功しないだろうと思います。
 さらに、その話をしますと難しくなりますのは、そういうものが果たして、背景に言わば国がおりますような機構でそういうような切迫感を持ち得るのかというようなことも、非常にこれはやはり相当な緊張感を持たなければなかなかそうはいかないだろうという思いもいたします。にもかかわらず、やはりこういうもので一歩を進めることによって、言わばブレークスルーをして、マーケットも育て、人も育てということを果たしていきたい。
 非常に私も、私自身も難しい道を歩むということはよく承知しておりますけれども、そういう緊張感で臨めば私は道が開けてくるのではないかと、こんなふうに考えております。
#46
○若林秀樹君 ありがとうございました。御決意は非常に伝わってくるものがありますけれども、中身はまた別の問題でもありますので。
 さらに、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今回は株式会社の形態を取っておりますけれども、何ゆえに政府系の機関ではなく株式会社の形態を取るのかということと、じゃ株式会社としての収益、目指すべき約款に書くそういう源泉は何なのかということについて、二つちょっと併せてお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(谷垣禎一君) この機構は、先ほどの御議論のように、できるだけやはり民間が本来力を発揮すべきところであるということにかんがえますと、この機構は、もちろん資金調達に関する政府保証の付与とか、それから主務大臣に作っていただく過剰構造といったもの、支援基準、過剰構造を排除していくためにいろいろ支援基準を作っていただくというふうに、言わば政治といいますか公、行政といいますか、それが関与する、公的性格も持っておりますけれども、基本的に、ここでやります仕事は民間の事業再生ファンドがやっておられるような仕事、それを、ここもやって背中を押していくという性格のものでありますから、政府が関与するとか公が関与する組織の在り方も、これはいろんなものがございますけれども、そういう中で、一番民間の組織に、株式会社というのは本来民間の組織ですが、それを法で決めた言わば特殊会社と申しますか、認可、政府が認可をするという形にして、一番政府が関与する中では民間に近い形で作ったと、こういうねらいでございます。
 そこで、収益はどうするのかということですが、この機構が買い取る債権は要管理先債権が中心ということでありますが、これは金利収入が見込むことができるという債権でございますから、機構はこの金利収入を一つの収益源としているわけであります。
 それから、ここは正に機構の成否を分けるわけですが、買い取った債権を最終的には売っていくわけですから、その買取り額と売却の額の差額というものが収益ということになるわけです。ここはもちろん、買取り価格の設定、それから再生計画の作り方というものに関与してくるわけですが、これがもう一つの収益源でございます。
 それから、買い取った債権をいわゆるデット・エクイティー・スワップといいますか、株式化した場合にその売却による利益も機構の収益になると、大体そういうことを考えているわけです。
#48
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 株式会社という民間の経営のシステムを取りながら政府が関与するという、非常に難しさが、私はそこに何か落とし穴がありそうな感じもしないわけではないわけですけれども、やっぱり十兆円もの最大で融資を伴う、現実に経営者が民間のシステムの中でやるわけですから、その責任の在り方についてはまた後ほどお伺いしたいと思いますけれども、御趣旨は理解したところでございます。
 その上で、株式会社の出資規模と配当の考え方、そして年間の予算規模をちょっと教えていただきたいと思います。昨日、銀行等に五百億ぐらいの出資金を求めているという、一方、預金保険機構ですか、からまた二分の一という話もありますので、その辺の全体をちょっと教えていただきたいと思います。
#49
○政府参考人(江崎芳雄君) お答え申し上げます。
 今、先生のお話にございましたように、現在、金融機関等から預金保険機構に対しまして拠出ということで、五百億円程度の方向で調整中でございます。預金保険機構がこの拠出金をもちまして機構に出資をするということになるわけでございます。機構は株式会社でございますので、その業務から生じた収益につきましては株主に還元する必要があるという具合に考えてございます。
 ただ、機構につきましては、資金調達にいたしましても政府保証でございますとか政府の寄与ということもございますので、その辺りは、そういうものも勘案しながら、企業一般の配当動向、その他経済情勢等を踏まえて、一定割合の、利益が上がりました場合には一定割合の利益配当を行うということでございます。
 それから、もう一点のお尋ねの機構の年間の予算規模ということでございますが、機構法におきまして、毎営業年度の開始前に主務大臣の認可を受けなければならないとされてございます。ただ、附則で、初年度でございますが、この初年度につきましては機構の成立後遅滞なく認可を受ければいいということになってございます。
 このため、機構が設置された後、機構において予算を作成をいたしまして認可を受けるということでございますが、機構は、その性格上、買取りの申込みがあって、その再生計画等々で出口が見えるというものを買い取ってまいるという性格でございますので、現時点で買取り規模でございますとか、そういうものを設定をするということはなかなか困難な面がございます。
 したがいまして、今の時点で予算規模、初年度はこういう額になるということをなかなか申し上げるのは困難であるということは御理解をいただきたいと思います。
#50
○若林秀樹君 買取りが始まってから初めて予算規模を作るなんというのは、ちょっと私は株式会社をスタートさせるに当たっておかしいと思いますよ、それは。ある程度予算を組んで、その上でそれを変更するんだったら分かるんですけれども、取りあえず大体こんな規模で、まずはやっぱり人も集めなきゃいけないですし、会社をどこで、家賃で借りて云々というのはありますが、そういう積算もあるわけですから、その辺の大体の概要についてお伺いしたいと思います。
#51
○政府参考人(江崎芳雄君) 機構が設立をされましたら、先生御指摘のように、その時点で厳格な金額を予算として設定をするということはなかなか困難であろうかと考えますが、ある程度余裕を持った金額を設定をして予算認可を受けるということになるのではなかろうかと考えてございます。
#52
○若林秀樹君 ちょっとよく分からないですけれども、次の質問に移りたいと思います。
 あっち行ったりこっち行ったり、済みません、二十番、言わなくていいのかと思いますけれども、取締役会と再生委員会の関係について、よろしいでしょうか、そこに行きましたので、はい。
 私は、まず、これ法的な側面とガバナンスの問題、二つあると思うんですよね。
 私は、再生委員会というのは、やっぱり経営の二重構造を単に作っているにすぎないんじゃないかという感じもしているんです。さっきは、委員会は次に掲げることを決定するということで、支援するかどうかの決定、買取り期間の延長、処分まで含めて、もう機構そのものを、経営そのものを決定するということを決めているわけですよね、これ。これ、さっき委任という言葉を使われましたけれども、ここが決定するということに法律上はなっているんですよ、これは。
 一方、取締役会というのは、当然商法上の取締役会の権限と責任があるわけで、当然会社の方針を決定して取締役を監視するとか、あるいは権限では、恐らく私の記憶では、多額な借金をしたりするときとか、処分、財産を処分するとか、これ全部取締役会で決めなきゃいけないんですよね。さっき、財産何とか委員会でしたっけ、(「重要財産委員会」と呼ぶ者あり)というのがありましたが、これ取締役会の一部の責任をそこに負っているんであって、今回、これを見ますと、もう経営方針そのものを委員会にゆだねているんですよ、これは等しいと、私はそういう理解をし、決定するということをここに書いているわけですから、どうしてもやっぱり矛盾するんで、まず法務省の御見解をちょっとお伺いしたいなと思います。
#53
○政府参考人(房村精一君) 商法の基本的な考え方といたしまして、株式会社における経営事項のうち、重要な財産の処分であるとか一定の重要なものにつきましては、これは取締役会が自ら決すべきであると、こういう原則を取っております。
 ただ、御指摘の重要財産委員会、これは一定規模の大会社について、取締役会の一部の取締役で構成される委員会でございますが、こういうものの設置を認めまして、そして取締役会で決定すべきこととされております重要財産の処分であるとか、一定の事項を更に取締役会から重要財産委員会に委任をすることを認めております。委任がされますと、その重要財産委員会の決定が即取締役会の決定ということになりますので、商法上はそのような、取締役会からその一部で構成されるものについて、経営事項の重要なものについても更に権限を移譲するということが制度上はあり得るということでございます。
#54
○若林秀樹君 今のその御答弁の、関する質問なんですけれども、その一部を委任するわけですよね。これはもうほとんど機構そのものを、全部をここへ委任しているわけですよ。さらに、これは委任じゃなくて、決定をするということを株式会社の法律の中に、ここに書いているわけですよ。委任じゃないんです、これは。それで、なおかつ委員会の委員長は、さっき言いましたように、取締役じゃないんですよ。これはやっぱりちょっと、恐らく取締役を入れるという話をされると思うんですが、ちょっとその辺、もう一回ちょっとその辺、法務省のちょっと見解をお伺いしたい。
#55
○政府参考人(房村精一君) 直接的にはこの法律には所管ではございませんが、基本的な考え方といたしまして、先ほども申し上げましたように、法律の考え方としては取締役会が原則決めるべきである、しかし一定の事情の下に、法律でその取締役会が決定されているものを、更にほかへ委任することを認めるということはあり得るわけでございます。したがいまして、それはその必要性等についての判断によるわけだろうと思います。必ずしも、商法の株式会社の考え方からして、そのような取締役会の権限が更に移譲されるということは許されないものではないということでございます。
#56
○若林秀樹君 一部とすべてのちょっと関係がよく分からないんですけれども。もう基本的には債権の買取りというのは、これはもう正に十兆円の保証枠を使うかどうかというもう決定的な判断ですよね。債権の処分、買取り期間の延長、再生支援するかどうかと、これは一部じゃないですよ。これ、もう機構そのもののやっぱり権限をここで決めるということが、私は屋上屋を重ねている部分もあるし、ガバナンスの問題としてもあると思うんですよね。改めてその辺、谷垣大臣の御答弁を伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、委員がおっしゃいますように、通常のごく一般的な株式会社を前提としますと、この私どもの委員会で決定することは本来取締役会の決定事項ということになると思います。しかし、取締役会のメンバーは、当然、全取締役でございますが、その中にはいわゆる管理、人事とか、そういうものをやっている者もいるわけですね。
 ですから、先ほどちょっと委任という言葉を使いましたのは必ずしも私も正確に用語を使わなかったと思いますが、先ほど房村民事局長が御答弁したような、この四月から発足するその重要財産委員会というような取締役会の権限の一部を行う委員会があることを参考にしまして、そういう制度が一方商法でも作られているんだから、ここでその制度を、何というんでしょうか、応用した形にしてはどうかというふうに考えたわけです。
 それで、そのねらいは二つございまして、一つは、取締役会のメンバーは必ずしも事業再生ということばかりを経験しているばかりではない、人事や何かをやる者もおると、だから、そういうことが一つございます。
 それからもう一つは、実際のこの機構の動き方を考えますと、まず金融機関へ企業から御相談に見える、それは業務を担当する者どもがその相談を受けて、言わば下ごしらえといいますか、再生計画の概要を作るわけですね。それで、そういう事業を執行したり事業を運営していく者とやはり少し距離を置いてと言うといけませんけれども、もう少し客観的な立場から言わば専門的な経験を持つ方に言わばお墨付きを出してもらおう、それ判定して、妥当性を判断してもらおうというのがこの委員会の性格でございます。
 それで、もう一つ申し上げますが、この委員会のメンバーは全員取締役でございます。全員取締役でございますが、考え方としては、そういう計画を立てた、業務をやっている者が立てたものの妥当性を判断する委員会でございますから、一部、社長なんかはもちろん、社長になる方は業務執行もいたしますが、このメンバーに当然入っていただくことになりますが、大部分は、執行をやる形の、業務執行を担当する取締役と、この委員会に入ってそれを、妥当性を判断する取締役、すなわち委員とは、大部分は切り離すという考え方で考えております。
#58
○若林秀樹君 今ちょっとだんだん御説明いただいて理解も進んだんですけれども、でも、それだったら、こんな経営の重要なことを決定する責任者が、代表取締役社長ではなく、ほかの方がやっぱり担っているということは、やや違和感を私は感じるんですけれども、いかがですか、そこは。
#59
○国務大臣(谷垣禎一君) そこはいろんな考え方があると思います。
 私が先ほど御説明の例に挙げましたのは、通常の会社でも、業務の決定機関である取締役会の議長は普通は会長というお立場の方がおやりになり、その取締役会の決議を受けて実際に業務執行の責任を負うのは、CEOといいますか、代表、社長がそういうことをおやりになって、決定機関と執行機関のその責任体制を分けているというのが多くの企業の例だと思います。そういうふうに考えますと、そういう一般の企業の例と必ずしも異質なものではないというふうに思うんですが、この委員会の場合は、そこのところにいろんな取締役の方を入れるんじゃなくて、再生計画というようなものを判断するのに最適の方々、そういうふうに特化したと言うとちょっと言葉に語弊がございますが、そういうメンバーで客観性を担保しようという、そういう考え方でございます。
#60
○若林秀樹君 大分理解も進んで、分からないわけじゃないんですけれども、やっぱり、まだまだやっぱりその責任の所在というものが、この株式会社の形態を取ったときにやっぱりあいまいなところは私はぬぐえないんじゃないかなという感じがします。
 その上でまたお伺いしたいんですけれども、支援決定の審査のその優先順位ですね、基準。取りあえず来た者をどんどんさばいていくという感じになるのかもしれないですけれども、いっときに大量の申込みがあったときには、その優先順位の付け方というのも私はあってもしかるべきではないかなというふうに思います。
 例えば、仮に一時的に大量の患者が押し寄せたときに、十人の重症患者がいたときに、端から診療していく、気が付いたら助かる人も助からないで死んでしまったというよりは、十人いたら、まず助かりそうな人を最初に選んでやっぱり診療するというやり方が、私は、判断基準、一つの考え方としてあってしかるべきだと思いますけれども、その辺については何かお考えあるのか、お聞かせいただきたい。
#61
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員がおっしゃったようなことと同じかどうか分かりませんが、例えば業種とかあるいは企業規模というようなことで、じゃ来た場合にできるだけ中小企業を先にしましょうとか、あるいは大企業先にしましょうとか、あるいは、何というんでしょうか、いわゆる過剰競争の部分、部門を先にしましょうというような順序を必ずしも我々考えているわけではありません。しかし、現実にこの機構に持ち込まれる案件の中には熟度はいろんなものがあるんだろうと思います。かなり当事者でお話合いが進んでもうほとんどうまくできているものもあれば、まだ、何というか、とにかくもう、取りあえず持ち込もうというようなものまで、いろんなものがありますので、そこはその辺を見ながら臨機に判断をしなければならない部分があると思います。
 そこら辺りは、やはり社長なり業務執行を担当していく役員の方々の、何というんでしょうか、手腕が問われるということになるのではないかと思っております。
#62
○若林秀樹君 何となく分かったような分からないような感じがしますけれども、やっぱり、そういう臨機応変な判断というのも時にやっぱり必要なときもあるんではないかなという感じがしているところです。
 実際、どれだけ来るかは分からないわけですけれども、基本的には守秘義務がやっぱりあるわけですから、決定するまではやらないということですので、是非ともその風評被害を避けるように守秘義務きっちり守ると。特に銀行側から話が漏れるという場合も結構私はあるんじゃないかと。その銀行の守秘義務とリンク、必ずしもしていないですよね。既に今週の何か週刊誌によると、銀行側が漏らしたと、通産省からそういう依頼を受けているというようなくだりの雑誌も出ていまして、是非そういう守秘義務はきちっとやっぱり守ってもらうということが必要じゃないかなというふうに思っていますんで、その辺をよろしくお願い申し上げたいと。──あっ、質問じゃないんですけれども。よろしいですか。もしあれば、せっかくですから。
#63
○国務大臣(谷垣禎一君) その辺の守秘、コンプライアンス体制、御質問ではないというので余り長くお答えしてはいけないかと思いますが、民間企業も一般にそういうことをこのごろ非常に気を遣っておられると思います。業種によってその辺の感覚はかなりそれでも違うところがございまして、私どもが調査しますと、この事業再生をやっておられるのは、ファンドとかこういうところは企業の生き死にの情報を扱うわけですので、その業種の中でも最もコンプライアンス体制とかその守秘の体制が厳しい業界であると思います。当然、そういう業界、業界と同じことをやるわけですから、我々も、あそこはわきが甘いと言われないようなことをきちっとやらなければならないと思っております。
#64
○若林秀樹君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、債権の買取り価格なんですけれども、今回も、支援決定にかかわる事業再生計画を勘案した適正な価格、時価というふうになっています。RCCと比較した場合には、RCC即それは清算ということを前提にした価格でありますので、そこの価格とは違うというのはもちろん分からないわけじゃないんですけれども、私は、これは非常に価格決定方式のあいまいさを残しているというふうに思います。
 確かに、売却するにもやっぱり売却意欲がわくようなやっぱり水準というのも一方では必要なことは分からないわけじゃないですけれども、場合によっては国民の血税をつぎ込むようなこともあり得るようなこの価格の、買取り価格をこういう形であいまいにしておくというのは、私はおかしいんじゃないかなと。
 一つの案として、例えば価格を、買っても売却時に損が出たらその分の瑕疵担保条項を例えば一〇%の範囲内で決めておくとか、何らかのやっぱり担保が私は必要じゃないかなというふうに思いますし、やっぱり余り行き過ぎると、銀行、もちろん企業もそうですけれども、モラルハザードが非常に引き起こしやすいんで、ここら辺の、何というか、そういうあいまいさをなくすということに対してどんなお考えでこれからやろうとしているのか。もし瑕疵担保条項みたいなのが一案だというふうに思っていらっしゃるんだったら、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(谷垣禎一君) 時価という概念ですが、御指摘のように、RCCには時価と書いてあるわけですね。RCCが時価という場合も、実際は二つの時価が、私はRCCでないんで推測ですが、要するに、もう実際清算せざるを得ない清算価値の時価と、それからRCCがやっておられる中でも、再生可能で、ある程度再生を考えながらの時価と、二通りあるのではないか。それで、RCCの場合はその両方をおやりになるので、時価という表現の中でその二つの時価が共存しているような規定になっているのではないかと思います。
 しかし、我々の方は、再生可能であるという判断をして、その計画を前提として買うわけでございますから、それは当然、清算する時価ではなくて、もう一つの方の時価、いわゆるゴーイングコンサーンと申しますか、その時価の方でございまして、その表現が再生計画を念頭に置いた適正な時価という表現になっているんで、要するに、これ以上明確な表現というのはなかなか法文上私はできないんではないかというふうに思うんです。
 それで、もう一つは、じゃ、そういう再生を前提に置いたいわゆるゴーイングコンサーンの時価というものは何なんだというのは、先ほど委員からおっしゃいましたように、はかりに掛けたら何グラムというようなそんな一義的な形ではなかなか出てこないと。いわゆるDCFというような手法を念頭に置くとしても、割引率をどのぐらいにするかとかなんとかで、いろいろ幅の、実際は幅のあるものにならざるを得ないというのが実態だろうと思います。この機構は、言わばそういう入口である金融機関と出口であるスポンサーと申しますか、その間で言わば市場を作っていくような機能を果たさなきゃいけないのかなと、こう思うわけでございますけれども、これ以上なかなか明確に書けというのは難しいんで、先ほど申し上げた委員会の判断や何かで適正さを担保していかなきゃいけない。
 今のところ、瑕疵担保というようなことを我々は特に想定しているわけではございません。むしろ、その入口のところの判定をしっかりやっていくということを念頭に置いて判断をしていかなきゃならないと、こういうふうに考えております。
#66
○若林秀樹君 御趣旨は分かるんですけれども、本当に再生計画どおりにいくなんという保障はないわけですから、やっぱりそこに国民の税金を使うということに必ずつながる可能性もあるわけです。それに対してやっぱりきちっと厳選したやっぱり価格の設定というのはもちろんありますし、瑕疵担保条項みたいなのも一つの検討の一案として私はやっぱり入れても、これだけリスクなマネーを扱うわけですから、私はそういう考えもあってもいいんではないかなという感じはしております。
 その上で、もうだんだん時間がなくなってきて、田中衆議院議員もお忙しいところ来ていただいていますので、やはり質問させていただきたいなというふうに思います。
 今回、企業再生、産業再生という中で、やはり人の位置付けというものが私は欠けているんではないかなというふうに思います。我が国の労使関係等も含めて雇用を大切にしてきたというのは、リストラをややしにくくする面も、側面もないわけじゃないですけれども、やっぱり守ってきたことが、私は士気の向上、全体的な社会の安定も含めて私はなったというふうに思っています。
 そういう意味では、今回、野党四党で雇用への配慮を含めて修正されたというところでございますので、その雇用の安定等に配慮しつつ、あるいは労働者との協議の状況等に配慮するということについて、どういう意味を、どういうことを考えてこの法案に盛り込んだのかということについて、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
#67
○衆議院議員(田中慶秋君) 若林先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 実は、今度の法案の中で、マスコミを始めとした一つの風評は、一つには銀行救済法じゃないかとか、あるいはリストラ法じゃないかとか、さらには大企業優先の法案ではないかという、こんなことが風評として流れていたわけでありまして、そういう中でこの法案を検討させていただくに当たって考えたことは、やはり日本という国が、資源のない日本が今日の繁栄を見たときに、やはり何といっても人的資源あるいは人的パワーということを大切にしなければいけない、こういう前提に立ちながら考えてまいりますと、雇用というものを最優先にしなければいかぬだろう。
 今御案内のように、失業が三百五十万、こういうふうに言われておりますし、あるいは大卒高卒を始めとする新卒の人たちが、社会人としての夢を持ってそれぞれ勉学に励んだ人たちがその採用が約六割と言われるわけでありますから、これはやはり政治の責任が重いだろう、こんなことも含めながら雇用というものについて、雇用の安定というのを大前提としなければいけないんじゃないか、こんなことをこの法案の中で私たちは十分議論をさせていただきました。そして、この目的のところに雇用の安定を配慮するという、この一項目を導入させていただいたわけでありまして、それぞれ議論はありましたけれども、与党と私ども民主党が中心となってこの法案の修正をさせていただいたところであります。
 もう一つは、やはり日本の今日までの過程を考えてまいりますと、近代的な労使関係ということが非常に重要視されているわけであります。先ほど申し上げましたように、リストラ法案ではないかという心配もありました。あるいはまた、民事再生法やあるいは営業譲渡の問題を考えたときも、民事再生法についてはそれぞれ労使関係の話合いということが十分ここには導入されておりますけれども、営業譲渡の問題、営業権譲渡の問題については、正しくこの労働組合の意向等々については何もそこには反映されていないわけであります。
 しかし、今日のいろんな問題を考えたときに、やはりこの新しい一つの日本を再生する場合、働く側の人たちの意向も十分反映をさせていただこう、こんな考え方で労使、政労使ということが外国ではよく言われるわけでありますけれども、しかし日本の場合のこの労使関係というものについても、やはりここにはしっかりとした位置付けをする必要があるだろう。特に委員会のメンバー等については、労働組合の代表というわけにはまいりませんけれども、その経験者や学識経験者としてそれなりのいろんな知識を持った人たちがそこに参加をさせることが必要じゃないか。そんなことを踏まえながら、私たちは今回のこの再生支援機構等の問題については労使関係、労使協議というものを十分に配慮すべきであろうということを踏まえながら、今回の法案の中にそのことが十分反映できるように位置付けをさせていただこうということで、今回の修正をさせていただいたわけであります。
 質問にはなかったわけでありますが、三つの大企業だけじゃないかという不安の問題については、私たちは、そうじゃない、九九%が日本は中小企業でありますから、その技術や能力、十分反映をさせていただくためには、やはりこの中小企業というものについて、この法案によって中小企業が不利益を被るようなことがあってはいけない、こんな形でこの修正の考え方、三つに絞って修正をさせていただいたところでありまして、十分その辺も先生も御理解いただけると思いますので、そのことを踏まえてこの修正をさせていただいた経過を申し上げて、私たちはあらゆる業界や団体や、あるいはまた労働組合の皆さんからも意向を十分お聞きした中でこのことをお願いしたところであります。
 以上でございます。
#68
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 正に企業を生かすも殺すもやっぱり人次第ですから、この経済再生の中で人をしっかり位置付けると、その法の趣旨にのっとってしっかり施行していくことが重要じゃないかというふうに思います。
 それで、最後になりますので、谷垣大臣それから平沼経産大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
 今、中小企業という話がありましたが、一方、地域への配慮ということをどうやってこの法律を施行するに当たってやっていくかということが重要ではないかなというふうに思っています。これは、地域における供給と、需給のバランスもありますけれども、一方、日本全体で考えたときに必ずしも地域ということが考慮されない場合が私はあるんじゃないかなと。地域から見ると、一工場が仮に撤退しただけでもこれは非常に大きな打撃がありますので、それに対するやっぱり配慮というのもやっぱり必要じゃないかなというふうに思いますので、その辺を仕組みとしてどう考えるかについて、谷垣大臣。
 そして経産、平沼大臣は、地域産業に与える影響ということでどういうふうにかかわっていくかということについてお答えいただきたい。最後に、これが最後でございます。
#69
○国務大臣(谷垣禎一君) 若林委員がおっしゃいましたように、私もこの機構を設計するときにいろんな方のお話を伺いましたが、一般的にこれが過剰供給であるとかなんとかなかなか言えない、地域によってえらく違うというような業種もあると。そういうお話も伺いまして、委員のおっしゃるようなことは十分頭に入れておかなきゃいけないんではないかと、こう思っているわけです。
 機構法上は、主務大臣から意見を伺ったり、それから事業所管大臣から意見を言っていただくということができる仕組みになっておりまして、直接地域の自治体から意見を聞くというスキームはこの中にはございませんけれども、事業所管大臣が過剰供給構造そのほか当該事業者の属する事業の分野の実態を考慮されると、こういうことを書いてありますが、それを考慮される際には地域経済の影響なども十分に踏まえて行動していただけるのではないかなと考えております。
#70
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、谷垣大臣からも答弁がございましたけれども、この機構法の二十二条の六項におきまして、事業所管大臣は主務大臣からの通知を受けて、そして事業分野の実態を考慮して、必要と認めるときはと、こういうふうに出ております。その中にはいろんな要素が含まれると思いますけれども、市場の例えば動向や特性でございますとか、あるいは雇用への影響、当然そこには地域経済への影響と、こういうことが含まれていると思います。御指摘のように、やはり私も選挙区が地方でございまして、そういう中で、現実にそれまで相当な規模で展開していたそういう工場が撤退をするということになると大変大きな影響があります。
 ですから、経済産業省といたしましては、そういった実態も当然踏まえると、こういう形で私は担当大臣としてこの問題にかかわっていかなければならないと、このように思います。
#71
○若林秀樹君 いいです、質問を終わりますので。
 ありがとうございました。
#72
○委員長(田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#73
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤原正司君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君が選任されました。
    ─────────────
#74
○委員長(田浦直君) 休憩前に引き続き、株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#75
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 実は、私は、経済、財政金融部門の方でいつも質疑をしておりまして、商工委員会、昔で言う商工委員会で、今は経済産業委員会ですが、何年ぶりかなと。当選したのも一九九二年でございましたけれども、その年、商工委員会に属しまして、当時の通産大臣が渡部恒三通産大臣ということで、本当に隔世の感があるんですが。
 でも、私が当選して十一年、やや十一年近くたつんですけれども、とにかく一貫して不良債権問題で、しかも、私、一九九五年だったと思いますけれども、参議院の予算委員会で要するにデフレ問題を、実は後で検索をしてみますと初めて恐らく、フローのデフレの問題ですね、ストックではなくてフローのデフレについて注意を喚起したという、恐らく九五年の三月というのは早い時期じゃなかったかと思うんですが。
 それ以来ずっとこの問題出ていまして、今回この産業再生機構法というものができるということ、機構ができるということで、生い立ちを見ると、今日は伊藤副大臣お見えになっていますけれども、昨年の十月の終わりに竹中大臣の下で金融再生プログラムが作られると、その中でばたばたと、この何か産業再生機構法が、機構というものがアイデアが出てきたような感じがするんですが、これが出てきて、本当にこれは一体何なんだろうなと、果たしてこれが本当に機能するのかなというふうにいろいろ疑問を持っているんですが、何せかんせ、この場の雰囲気がまだよく分からないものですから、最初に、改めて産業再生機構というのは何のために作られる法律なのかなというところ辺りからちょっと入らさせていただきたいと思いますが。
#76
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、峰崎委員が、ずっと不良債権問題を扱ってこられたけれども、この機構についてはやや唐突な感じを覚えたとおっしゃったんだと思うんです。
 私も昨年十一月にこの仕事を拝命したとき、それまで治安のことばかりやっていたものですから、さて何をやるのかというところから私自身もスタートしたようなわけでございますが、結局のところ、この不良債権、金融の方から見ました不良債権と裏表の関係になると思いますが、過剰債務を負っている企業がたくさんあると。しかも、しかしそれはコアとなる事業は有用な経営資源がありながら過剰債務に足を取られていると。何とかそれを引き離すことができればその経営資源が羽ばたいていくことができると。
 それで、そういうことをやっていくときに、しかし同時に産業全体の過剰供給構造みたいなのがございますから、それを是正していくということを視野に入れながらやっていくと。ですから、いわゆる不良債権処理の加速化と合わせて、車の両輪のごとく、早急かつ強力にということだろうと思いますが、その問題を推進していくと、そういう組織であろうと思います。
 それで、根本的な疑問は、そういうことは本来市場でやるべきことではないかと、それをなぜ行政が背後にいてやるのかということになると思いますが、これは私的整理ガイドラインなんかもお作りいただいていろいろ民間で御苦労をいただいたけれども、いま一つ弾みが付かないということが客観的にあったのではないかと思います。
 そういうところに、何というんでしょうか、弾みを付ける役割を果たすにはどうしたらいいかと考えますと、たくさん債権者がある中でなかなかそれらの間の利害関係の調整が難しいとか、あるいは不良債権処理の必要なマーケットが十分育っていないとか、あるいは過剰供給で再編を進める場合には異なった金融機関をメーンバンクとする企業の合併等も必要となると思いますが、なかなかそれがメーンバンクが違うと話が進まない、こういうことがございますので、言わば対等な立場でやるというよりも、中立的な調整者と申しますか、そういう立場に立って強力に進めていく機関が必要なのではないかと、こういう考えの下にこの機構というものができたわけでございまして、ミクロな事業の再生ということを直接の目的とするわけでありますけれども、その過程を通じて、過剰供給構造その他の事業分野の実態を考えて行うことによって、単なる事業再生ということではなく、産業分野の再生ということにもつなげていきたいと、こういうことではないかと思います。
#77
○峰崎直樹君 伊藤大臣がお見えになっていますが、これまで不良債権問題というのはなぜ進展しなかったのかなと、ここまで延びてきたのか。そこの原因というのは、もう我々、財政金融委員会で腐るほど議論しているわけですけれども、意外に分かっているようでいて実は分かっていないというのがこの問題じゃないかと思っているんですよね。それはどのように認識されていますか。
#78
○副大臣(伊藤達也君) 先生には財政金融委員会で大変御指導いただいておりますし、当委員会でも、不良債権問題を考えるに当たってまず第一に大切なことは、その不良債権を正しく認識することだと、こういう議論が昨日来行われているわけであります。
 この正しく認識していくに当たって、今まで不良債権のディスクロージャーというものが国際的に比較可能な基準に基づいて行われるようになったのは比較的近年になってからでありまして、その後、不良債権のディスクロージャーというものを充実をさせ、そして不良債権というものを正しく認識して対応していくための累次の施策というものを行い、金融機関の不良債権の状況というものを厳しく認識するようになってきたのではないかというふうに思っております。
 金融再生プログラムに基づきまして、昨年の十一月に、銀行の自己査定と、そして私どもの検査の格差を集計ベースで公表をさせていただきました。一巡目におきましては、その乖離額が十二兆四千八十六億円、増加率で三五・九%。これで、これが二巡目に入りますとかなり縮小して、この乖離額というものが、これは貸出金の分類額でありますけれども、一兆七千四百二十四億円、増加率で一四・五%。そして、償却、引き当て額で見てみますと、一巡目の検査ではこの格差というものが四兆八千九百二十三億円、増加率で四七・一%だったものが、二巡目検査との比較の中では八千六十三億円、二三・七%に増加率というものが縮小されてきているわけでありますが、この格差の中身を見てみますと、債務者の財務内容の把握でありますとか、あるいは再建計画の妥当性の検証が十分でないという事例があったことに原因があるというふうに私どもとして考えておりまして、今回は金融再生プログラムで更に市場との評価の整合性を図りながらこの不良債権問題に対してしっかりとした対応を進めていくということで、DCFを基礎とした個別的な引き当てを導入をしていく、あるいは再建計画の検証というものをしっかりやっていくということで再生プログラムを作成をさせていただいておりますので、作業工程表に基づきこうした施策を着実に実施することによって、この不良債権問題というものを終局に向けて私どもとしても一生懸命努力をしていきたいと考えているところでございます。
#79
○峰崎直樹君 伊藤大臣、今のはこれからの決意なんですが、私が聞いているのは、なぜ進まなかったのかということなんですね。
 もう、私も先ほど申し上げたようにもう十年以上たっているわけですよね。たしか、一番早く指摘されたのは九二年の八月の宮澤当時の総理大臣だったと思いますけれどもね。株価が大変下落をして、我々もちょうど当選した直後でございましたけれども、日本経済はこれは大変だなという思いを持ちながら、その実態がなかなか分からないできたと。
 衆議院の議事録とか、いろいろ読まさせていただいてなるほどなと思ったのは、やはり日本の金融機関にしても、あるいは事業会社にしてもそうなんだと思うんですが、やっぱりこの不良債権処理を遅らせた方がいい、あるいは遅らさざるを得ないような何か日本の企業風土みたいなものがやっぱりあったんだろうと思うんですよね。多分、それはメーンバンク制だとか、いろんなものがあったんだろうと思うんですが、結局それがある意味ではずるずるずるずる来て、今日ここまで来て、株式の含み益を持っている間はよかったけれども、それももうすってんてんになっちゃったという今日、現状になっていると思うんですが。
 その中で、柳澤さんの時代だったと思うんですが、去年だったか、おととしだったか、それぞれ今度は金融の逆のレベルで、産業のレベルから、ある意味では国土交通大臣にも経済産業大臣にも、ある意味では不良債権の裏側にある例えばゼネコンだとか流通だとか不動産だとか、そういうところの、いわゆる問題企業と言われているところを、やっぱり一緒になってやりましょうよと、これは実は提起をされてきたにもかかわらず、それは今まで何も進んでいなかったという、そこら辺はなぜだったのかなというのは、この再生機構法案が出てくる前に、一体、政府・与党の方はこういう問題を処理をしようというふうに努力をされてきたという一面的にはあるにしても、何かそこを遅らせてきた何か背景みたいなものがあるのかなと。
 その理由みたいなところは、今日は、たしか金融担当大臣に、たしか担当大臣はやっておりましたね、谷垣大臣は。その意味も含めて、なぜこんなところまで遅れちゃったのかねという辺りに何かもし思い当たるところがあれば、お聞きしたいんですが。
#80
○国務大臣(谷垣禎一君) うまくお答えできるかどうか分かりませんが、私が金融再生委員長をやらせていただいた当時の認識は、不良債権問題、不良債権に対してきちっと査定をして、きちっと引き当てを積もう、それでなければ駄目だという意識はかなりあったところでございますが、その当時は、引き当てしたものをオフバランス化していくというところまでの取組は余り十分でなかったと、そういう、ちょっとやや意識が遅れていたのかなと、これは私自身の当時の取組の意識かもしれませんが、そういう気がいたします。
 それで、柳澤大臣の当時のことは私もはっきり分かりませんが、柳澤大臣も、一体となった取組が、産業と一体になった取組が必要だということは随分意識しておられたように私も仄聞をしておりますが、なかなかやはりそこらの、何というんでしょうか、うまく歯車がかみ合わなかったことも事実でございます。
 今になりまして、その当時、なぜオフバランス化するというところまで意識が進まなかったのかとか、いろいろ考えてみますと、先ほど峰崎委員のおっしゃったことでありますが、産業側から、産業の側から見ると、早期再生に取り組まなければならないんだけれども、早期再生に取り組むだけの金融機関の話合いも難しかったし、また必要なマーケット等も十分にできていなかった。
 その理由は何かと考えますと、ちょっとおっしゃったことになりますが、我が国の今までの金融機関の在り方が、事業のリスクを評価してそれに応じた金利を設定するという方向よりも、その事業者との長期的な取引関係というものを前提としたいわゆるメーンバンク制の下で、不動産担保に過度に依存したビジネスモデルといいますか、そういうものがやはり非常によく機能した時代もあったんだと思いますが、そういうものがずっと続いてきたと。そうすると、やはり今必要なのはそういうビジネスモデルの変化なのかなと、こんな気が、こんなふうに感じを持ちまして、今機構というものをどうしたらいいかということを考えてきたわけでございます。
#81
○峰崎直樹君 金融問題やっているわけじゃないですから、機構の方に行く前に、もうそっちの方、終わりにしたいんですが、私、もちろん財務省の、大蔵、旧大蔵省の護送船団だとか、行政側の責任の問題とか、いろいろ僕はあったと思うんですが、この九〇年代、特に九五年以降がそうなんだと思うんですが、ゼロ金利であるという、要するに金利が付かないというのは、これが一体、日本の経済社会に与えた影響というのは大変大きいんじゃないかというふうに思っているんです。
 もちろん、今直ちに公定歩合をばんと上げろとかと言っているんではなくて、実は今日、お手元にちょっと資料をお渡ししていると思いますが、あるこれエコノミストの人からちょうだいした資料で、是非、私はやっぱり市場メカニズムという、市場がその判断をして市場でちゃんときちんとやっていくべきだという方向というのは正しいと思うんですが、その大前提として、やっぱり金利がちゃんと当たり前に付いていくという時代を迎えないとできないんじゃないかなというふうに思っているんですが。
 ちょっと一枚目の、下に@と書いてある数字を見ていただきたいんですが、これは、いわゆる金融資産のうち、利息が付くところを、制度部門別有利子金融資産・負債ということで、上がいわゆる、それぞれ四部門に分けて、非金融法人部門、金融機関、一般政府、家計と。そして、制度部門別の利子所得はどのようになっているのか、それぞれ負債と受取がありまして、金融機関は逆になるわけでありますけれども。最後は、その利回りをずっと見たわけです。
 何が言いたいかというと、Aというのは、二〇〇一年に、見ていただくと真ん中の段ですね、真ん中の制度部門別利子所得の二〇〇一年のところに横網が掛けてあると思いますが、これ横にずらっと出してあるだけですけれども、非金融法人部門は利子の受取と支払額でいうと、実はネットでいうと支払の方が多くて、十三・二兆受取よりも支払が多いと。要するに、当然これは借金をしているわけですね。それから、一般政府の方も実は支払の方が受取よりも多いと。家計部門の方も支払よりも受取の方が多いということで、唯一、金融機関がそれを全部取っているということに構造的にはなるわけでありますが。
 このBは、九二年の利回りというのは、一番下段のところですが、一番左のように、非金融法人部門が支払では六・五%、受取では五・二%、そのスプレッドはマイナス一・四ということで、ずっと、こう。それを全部実は二〇〇一年の保有に掛けていったわけです。要するに、九二年の当時の利息、利率でいけば二〇〇一年ではどのぐらいの実は、何といいますか、利子所得その他がネットでどうなるのかということを計算したんです。
 そうすると、Bのところに、ごらんになっているように、そのマイナス部分は二七・〇。それから、一般政府はもっと増えなきゃいけない。そして、家計部門は実は受取超過で、本来ならば十九兆円の利率が入ってこなきゃいけない。これが実は、現実には利率は入ってこないどころか、どんどん減っていっているわけです。
 Cは、実際の利子所得と九三年利回りの、実際の所得との差額でありますが、要するに非金融法人部門は十三・八兆円得をしていると、このゼロ金利の下ですね。それから、一般政府の方も利払いが減っていますから、これも十七・八兆円得をしていると。家計部門だけが唯一、二十六兆円もの過大な実は利払いを、本来入るべき利息収入が入ってこないどころか、逆に負担の方が重くなっちゃっているということで、ゼロ金利のしわ寄せが一気にこれは実は家計部門に来ているということを表わしているわけなんです。
 それは、もちろん金融機関がすべてプラスになっていくわけでありますが、私は一つは、ここに消費が今日非常に伸びていかないという大きな要因というのは、ここに私は一つ要因があるんだろうと思うんですね。これはやはり、日本銀行のやはり金融政策のもたらした一つの要因だと思いますが。
 さて、その次のページ見ていただきたいわけです。今度は図にしてありますが、経済活動別に営業余剰というのを、営業余剰というのはこれは税引き前でございますし、特別損失とか、そういうものを出す前の数字でございまして、製造業とか建設業とか、業態別に五業種選んで出しておりますが。
 ごらんになっていただいたら非常に分かるんですが、製造業というのはずっと落ち込んできているということでございますが、唯一というふうに申し上げていいのかな、卸売、小売も少し上がっていますが、九〇年の段階で金融・保険業だけは九・八兆円の営業余剰であったものが二〇〇一年には十八・一兆円と倍になっている、やや倍ですよ。あとの製造業とか、あとは建設業とか、それからサービス業と言われているものはなべてずっと落ち込んでいっているわけですね。
 これは景気が良くないとかということなんだろうと思いますが、逆に就業者を調べてみると、サービス業だけ伸びていって、あと卸売、小売も少し、やや微増です。それから、建設業もやや微増だったんですが、最近は落ちてきていますが、製造業が一貫して下がると同時に金融・保険業もやや下がってきているということです。
 一人頭に直します。次のページです。就業者一人当たりの営業余剰を見ていただくと、ごらんのように金融・保険業というのは断トツに営業余剰は高いわけです。一人当たり四百五十九万円の営業余剰がやや倍ですね。倍をちょっと超えて九百三十八万円。あとは全部下の方にちょろちょろちょろっと一人当たりに直すと落ち込んでいる。
 賃金の方は、雇用者報酬はどうなっているかというと、それは隣のページでございまして、今怨嗟の的になっている金融・保険業というのはこんなに下がった下がったといいながらまだほぼ横ばいで、一人当たり六百五十七万円ということですから、サービス業なんかのざっと倍近くになっているわけですね。
 私、これを何で出してきたかというと、一言で言えば、この十年間というのは銀行を救済するために実は低金利政策を進めたおかげで一体どういうことが起きてきているかというと、銀行が一番もうかっている分野なんだけれども、そのもうけはどこに支出されているかというと、不良債権の処理に支出されている。そうすると、一番日本で利益が上がる分野として今日あった銀行は、上がった利益を建設的な次の投資へというふうに向かう、あるいは次の融資へと向かうんじゃなくて、不良債権の処理だけに向かっていっている。そして、日本銀行からじゃぶじゃぶ与えられたいわゆるお金というマネタリーなベースは、マネーサプライになっていかないどころか、実は国債を買うことだけももちろんマネーサプライを引き上げることになりますけれども、しかし、よくよく考えてみると、中小企業に対する貸しはがしはやって、実はそこでやっているのは国債だけを買っていっているという、およそこれでは日本の経済強くなれ強くなれといっても無理なんじゃないかと思うような行動になっているのが今の日本の資本主義じゃないかなと、日本の経済じゃないかなと。
 そうすると、結論から私申し上げたいんですが、これは日本の銀行というものは不良債権処理にこれから何年掛かるか分からぬ。二年半だとか三年先にはやりますとかと言っているけれども、今までのずっと流れを見ていると、そのもうかった分を全部不良債権に投入していって次の新しいものに向かわないというこの状態を早く断ち切らないと、実は活発に投資をしなきゃいけないところとか、新しい産業にお金を投資しなきゃいかぬというところに確実に向かわなくなっているわけですね。
 だから、私たち民主党は、この不良債権処理の問題は、やはり早く不良債権を処理して、むしろ国有化をして、そしていわゆる、中小企業はちょっと別ですが、その不良なものを、先ほどコアビジネスは優れているんだけれども過剰なものが残っているんだ、駄目なものが残っているんだと。それを一つ一つ産業再生機構を作ってああだこうだとやるんじゃなくて、ある意味で、やるのであれば本当に銀行というものを国有化して、そしてその中から不良なものといいものとを分けていく。そして、中小企業については、これはある意味では二年、三年掛けて多少の問題があってもそれは伸ばしていくと。
 こういう形で早くやらないと、このままずるずるずるずる行くと問題が非常に、銀行が自分の体力の範囲内で今までやってきて、今もう体力も限界になってきて自己増資し始めているけれども、しかし依然としていわゆる一番本来もうかっている銀行分野が一番駄目なところに費やしているその分野なんだとすれば、それを早く分けなきゃいけないんじゃないかというふうに私ども考えていまして、その意味で、産業再生機構というものが、これを作られるというふうに言っているけれども、どうも私どもはそこはなかなか、いや市場に任せるべきなんだけれども実はこういうものを作っていますというふうに言うけれども、それにしてはちょっとそれならば余りにも中途半端で、しかも規模が十兆円ですか、たしか予算規模からしたら。しかも、メーンと非メーンで、非メーンから買い取って、それから三年間ぐらい掛けてやりますというような話なんですが、どうもそんなものを待っておったら日本の経済というのは、財政面からしてもそうだけれども、金融面からしてももう毎年のように三月期、期末を迎えれば大変だ大変だと言い続けてきているわけですけれども、しかもその次の展望が見えてこないという、そういう意味では、お隣の韓国にしてもスウェーデンにしても、金融機関の不良債権処理をやったときのやり方を見たときには、やはりかなり大規模に一気にやっているわけですから、私は、それをやらない限り、同じことをずるずるずるずる繰り返していくんじゃないかというふうに思えてならないんです。
 この点は、金融担当大臣も経験された谷垣大臣、一体どういうふうに思われるか。それから、産業部門を担当しておられる平沼大臣にもそのことについてどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#82
○国務大臣(谷垣禎一君) スピードが必要だということはおっしゃるとおりだと私は思います。
 それで、したがいまして金融機関の方の体質をどう変えていくかという問題は今金融庁の方で竹中大臣の下で一生懸命取り組んでおられる。私が今やっております産業再生機構ではまどろっこしいのではないかという御趣旨だったと思いますが、仮に金融機関が、例えば委員のおっしゃるように国有化なりなんなりして強力に進めるとしても、そのときに実際事業再生をどう進めていくかというような、いろんなマーケットやインフラというのは作っていかざるを得ないんだろうと思います。
 私は、手法は若干、今、委員のおっしゃったのとは違いますけれども、この産業再生機構を利用していただくことによりまして、そういうマーケットを作ったり早期再生のいろいろな人を作ったり、そういう役割は果たせるのではないかと、こういうふうに思っております。
#83
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変説得力のある資料で、私も非常にこれはいい資料だなと、こういうふうに思って見させていただき、聞かせていただきました。
 そういった側面は私はあったと、こういうふうに思っています。ただ、一方、金融界においては、金融機関においてはこの十年間でバブル期に発生した不良債権が約百十兆ある、こういうふうに言われておりましたけれども、今そういう形で、ゼロ金利のお話もされましたけれども、そういう中で、この百十兆に対しては約九十兆、八割は処理をしたということは事実としてあるわけであります。しかし、その後、バブル崩壊後のデフレ状況の中で九十兆は処理したんだけれども、御指摘のように新規に発生をして、そしてそれがまた今非常にこのデフレ下の中でいわゆる金融機関の経営あるいは経済全体に非常に大きな悪影響を与える、こういうことも事実でございます。
 足元の不良債権問題というのは、我が国経済がデフレ状況にある中で、やっぱり産業構造や企業経営の転換圧力を背景としまして、新規に発生する不良債権にいかに対処するか、こういう側面が非常に強くなっていると、こういうふうに思っています。
 したがって、不良債権処理を更に進捗させるためには、産業と金融が一体的再生という問題意識を持って取り組むことが必要だと我々考えておりまして、このために、経済産業省といたしましては、金融サイドにおける不良債権処理の加速化に向けた取組と併せまして、現在御審議をしていただいております産業再生法改正法案、そして機構法案、この両方を車の両輪として産業サイドの取組に私どもは万全を期していかなければならない、こう思っています。
 ですから、そういう中で、確かに韓国やスウェーデンのようにやるということは、それは一つの選択肢だったと思いますけれども、しかし、日本の場合にはこの十年間、そうじゃなくてやっぱりいろんな政策で、ゼロ金利もその一つですけれども、九十兆は消してきた、しかしデフレの中から脱却できていない、こういう中ですから、今度はそういう新しい仕組みで、そして車の両輪でこの法案を利用して、そして活性化を図っていく、このことが必要じゃないかと、こういうふうに思っております。
#84
○峰崎直樹君 さっき新規発生が百十から百二十のうちもう九十は処理したんだと、残りは二十ぐらいで、その後にまた新規発生したんだというので、新規発生の要素はもちろんそうなんですが、先ほど伊藤大臣がおっしゃったように、もう今日はそれ以上議論しませんけれども、昨年十一月八日に金融庁が過去の検査と銀行の自己査定との間の矛盾、差を指摘しましたよね。それは何かというと、要するに検査をした結果と自己査定とが違っているけれども、銀行監督の方からすれば、本当にその差を早く埋めなさいよという指導よりも、ある意味でそこはずっと放置してきたということなんです。ということは、新規発生分というのは、なるほどもちろん中小企業にしても、僕らもそうだろうと思います、土地も担保も下がっているという意味では分からないわけじゃないんですが、要するにこの過去の金融行政というのが、言ってみれば、その差がありながらもそれは体力の範囲内で、そのうち日本の経済よくなったら、いや土地の値段がまた回復し始めたら、いや株価が回復し始めたらということで、ずるずるずるずるその間放置してきたという、そういう行政のやはり私は監督責任というか、それはやっぱり絶対に僕はあったというふうに思って、今も思っているわけです。
 現実に、去年十一月だったでしょうか、九月だったでしょうか、長銀の破綻をした後に大野木頭取なんかが逮捕されて、裁判ありましたですね。あの中で、追い貸しをしているとか、いわゆる商法における背任である特別背任だと、全部犯罪として摘発されました。私の出身の拓銀でも、問題あるじゃないかということで指摘されたんです。あれ全部、今の銀行もやっているんじゃないですか、そんな同じようなことを。だから、このいわゆる今の銀行がそういう状態にあるということが本当に表に出ないようにするために一生懸命一生懸命、今はもう自己資本、国有化銀行にされたら大変だと思いながらああいう一生懸命作業をやっているんじゃないんですか。もうそこは大体、我々もう十年も見ていると、ああ、それはもう恐らくあの二つの銀行だけが、あるいはあおぞら銀行、前の日債銀とそれから長銀とそれから拓銀だけが都市銀行で問題あったんじゃなくて、そのほかの銀行も全部やっているんじゃないのかというのは分かりますよね、これはもう大体のプロセスとしては。
 そういう意味で、そこを早くどこかで決別しないとずるずるずるずる同じことが進んでいますよということを私は思って、これは金融の方でいつもやっていることですからやりませんが、先ほど私は、あたかも何か一遍に全部やって企業を切り捨てていけばいいということで、それだけ言っているのかといったら、民主党もちゃんと雇用の受皿として新しい産業だとか規制をきちんと緩和しなきゃいかぬというようなことは別途もちろん言っておりますので、それはそういった点も併せて追加をしておかなきゃいけないんですが。
 そういう前提の下で、今度のいわゆる産業再生機構というのは、先ほど私は、ちょっと中途半端というか、本当にそれをこういう政府がある程度、これは政府がやっているというか、株式会社作って、一体全体これは性格は何なのかなというのはよく分からないところがあるんですけれども、そのことは別にして、そういう政府が十兆円という予算を作ってその債権を買い取って、そしてそれを再生さしていくという、本当にそんな三年間というテンポでやっていけるのかなというのが一つと、もう一つは、今度は実際にやり始めたら、これ、そういう機構を作ってやるとなったときには、やっぱりこれは非常に多くの問題があるのかなという感じがするんですね。
 それは、やはりいろいろ出てくるわけですが、まず第一番目に、私が前から疑問に思って、この間もRCC、預金保険機構に問い合わせしたわけですけれども、RCC、つまりRCCができていながら、そこは確かに中小企業を中心にしたものですよとか、あるいは再生部門を設けたけれども、これはいわゆる要管理は入っていませんよとか、そういう債権の範囲が違うんで別の領域だということになっているけれども、しかし別の領域であるにせよ、RCCが再生部門を持ち始めたのならなぜこういう産業再生機構という、また作って、屋上屋作るようなものをどうして作ったのかなと。じゃ、RCCを拡充して、せっかくあそこで育ち始めたんだから、そこを大きくしていって、対象範囲を拡大していって、そしてそこで再生機能を持たせていくということはどうしてできなかったのかなというのは、素朴に実は思っているわけですね。この点は一体、もう答弁大分されているんでしょうけれども、どういう答えになるでしょうか。
#85
○副大臣(根本匠君) 私も今、委員の発言、大変興味深く聞いておりました。これは簡単に言うと私は立法論だと思うんですね。
 確認のために申し上げたいと思いますが、もう委員御案内のように、整理回収機構、RCCの機能は何か。このRCCの機能は、一つは債権回収が目的である、さらに原則として破綻懸念先以下の債権を買い取って、その回収を行う、これを業務としております。それから、その中で、再生可能なものにつきましては、再生機能も付与をしておりますので、買い取った債権の中で再建可能なものは再建する、こういう枠組みがRCCの枠組みで、言わばこれは不良債権処理の受皿として債権買取り先行型の組織だと思います。
 それから、これに対しまして今御提案している産業再生機構、これは目的が事業の再生を目的としております。そして、具体的には、再生可能であると判断される場合に、金融機関等の利害調整を行って、非メーンの金融機関から債権を買い取って集約する、そして中立的な調整者として再生を図っていく。さらに、RCCは持っておりませんが、債務者に対する貸付けを行う、こういう機能も持たせるということで、再生、再生可能性先行型の組織という基本的な性格の違いがあります。
 この基本的な性格が違いますので、これを、RCCを私もかつては拡充RCC、拡大RCCという発想が必要ではないかと、こう思っておりましたが、今回、RCCの機能を拡充するということも私は政策論として、立法論としては考えられますが、政府としては、新たに産業再生機構というものを設立し、事業再生を図るという目的をはっきりと位置付けて、整理回収機構と明確に機能を分けて対応した方がより効率的に、効果的にやれるだろうという考え方で今回の産業再生機構を提案しているということであります。
#86
○峰崎直樹君 いや、根本さん、本当に何か苦しい答弁だなと思うんだけれども。つまり、昔はそういうことを言っていたと。根本さんも、本当に塩崎さんだとかいろんな方々で、随分いい提案されているなと思いながら、私も尊敬をしていた一人なんですけれども、今お話を聞いていると、私はそう思ったけれども政府としてはこう考えている。政府は出したんだからそう考えているんでしょう。
 そうじゃなくて、なぜ、これはまた冒頭に戻っちゃうんですけれども、なぜこの再生機構なるものを作っちゃったのかなと。それよりもRCCを法改正していって、それを拡充していくということが、いや、あのファイナンスの問題でもDIPファイナンスが新しく出てきていますよね。再生ファンドなどもでき始めてきている。だから、そういう意味で言うと、また屋上屋というか、私、これだんだんこう思い始めたんですけれども、これは、再生機構はきっとなかなかこれは機能しないんじゃないかなというふうに、こういろんなことを考えると思って、いや、随分時間を掛けて議論した割には機能しなかったなというのは、言っちゃ悪いんですけれども、過去与党の方で出されてきた、あるいは政府が出されてきたあの株の買取機構だって、これも機能しないんですよねと、八%があるからとか、いろいろ出されたものが大抵機能しないか、それとも先送り。
 つまり、今度も株価が下がったと、時価会計を、どうもお互いの持ち合いになっている株だけは時価会計を延期しよう、凍結しようじゃないかとか、要するに危機を、危機が起きているんだけれども危機を見たくない。そのためには、私はこの間ちょっと話したが、ダチョウが砂の穴の中に潜り込んで、もう見たくないといって危険が来たら逃げないで、そこの中でもう見ないようにしているという、どうもそんな発想みたいなものが政府の方に、政府というかこれは与党なのかもしれませんが、政府はそうじゃないよと言うかもしれませんが、どうもそんなふうに思えてちょっとならないわけですけれども、今のお話を聞いていても、どうもやはりこれは、何でわざわざ作るのに、RCCは多分あれは預金保険機構、その上は多分これは金融庁の所管だな、これは財務省からこの案が出たんじゃないか、いや経済産業省から案が出たからこう出ているんじゃないかとか、そんなげすの勘ぐりみたいなのばっかり出てくるわけですよね。ちょっと何か感想ありますか。
#87
○副大臣(根本匠君) 私も峰崎委員に後れること数年してこの不良債権処理問題ずっとやってまいりました。私は元々、要は最初は金融機関の背中を押す政策が必要だと、背中を押す政策をやってきたわけですね。ところが、やはり実際には不良債権処理で金融機関から切り離すことが必要ですから、これはやはり受皿としての産業再生、企業再生、事業再生が必要だと。RCCも債権回収専門機関でしたから、私も、RCCに再生機能を付けて、もっと切り離すようなインセンティブをやるべきだと、こういうことを私も主張してきたんですね。今回、立法論だと申し上げましたのは、やはりRCCは回収専門でやってきましたから、しかも破綻懸念先でやってまいりましたので、ここに新たに機能を拡充するというよりは、むしろ私は、立法論としてきちんと事業再生という目的を明確にして、そこで中立的な、公正な中立的な立場から非メーンの債権を集約して、メーンと対等な立場で話をして事業再生を図る、こういう新しい仕掛けの方が私は政策としてはパンチがありますし、分かりやすいし、効率的になるだろうと。
 しかも、今回、新しい組織を作ることによって、RCCの機能拡充ではなくて新しい組織を作りますから、民間の英知を限りなく、民間の知恵と英知を結集する、民間から腕利きの人間を集めてこれでやろうということですから、政府が関与をしておりますが、限りなく民間の株式会社に近い民のエネルギーで再生させようということで、私は、やはり政策論、立法論としては新しい組織で、要は新しい革袋に新しい酒を入れてスタートした方が、この事業再生、産業再生はRCCを拡充するよりは私は効果的、効率的にやれるという感想を持っております。
#88
○峰崎直樹君 余りちょっと説得力がないなという感じがしますが、新しいものを作ろうと。じゃ、今度は別の側面からお聞きしたいと思うんですが、今おっしゃったように、今度は民間にその力があるから民間の力をかりると。で、民間に力があるんだったら、銀行も自分の持っている不良債権をある意味では再生機構に持ち込んで解決できるという展望あるんだったら、しかしそれなら自分のところでやっちゃうんじゃないのと、やれないものを持ってくるんじゃないのと、こうなるんですよね。
 やれない理由というのが今、非メーンを束ねていくんだと、こういう話で、いろいろ聞くと、情報の非対称性を政府がそれをカバーするからというふうにおっしゃっているんですけれども。私は、どうもそこのところが本当に、非メーンの方々がある意味では今まで不良債権を処理しようとしたときに、非メーンの方々がいろんな話合いが付かなくて解決が付かなかったと、こうおっしゃるんだけれども、それであるのなら、分かりました、私的整理ではなくて、私的整理もガイドラインはまた後で言いますが、法的なら出るところへ出ましょうと、こういうふうに持っていったら、実は、本来四割ぐらいは返ってきませんよというのが法的整理だったら二割になっちゃうよと、そうしたらどっちが正しいかということは、それは司法の場へ出たら、ああ損するな、じゃここで解決しましょうと。だから、非メーンの方々とメーンの話合いが付かないというのは本当にそういうちゃんと付けられるということ、それが本当に、今申し上げたようなことだけなのかどうか分かりませんけれども、そのことだけでこんなものが再生機構を作って機能するようになるんだろうかね。
 銀行がどうしてももう、もしここに出すとしても、もうどうにもならなくなったやつしか出てきて、もう私のところでは解決付きませんと。それは、実は再生機構を持ってきてもそう簡単にできないから、五年間、三年間か五年間か、持てる範囲は、存続期間は五年間ですから、塩漬けにしたままで実はそのまま終わっちゃうと、こういう危険性が私は多分に残るような気がしてならないんですけれども、そこはどう考えておられますか。
#89
○国務大臣(谷垣禎一君) 再生できるものであるならば、金融機関の話合いでできるんじゃないかと。
 これもいろいろ再生実務をやってこられた方のお話を聞きますと、非メーンの方は、やっぱり面倒を見てきた責任があるじゃないか、メーンもっと持てというようなメーン寄せの議論がやっぱり起こると。それに対して、今、委員がおっしゃいましたように、いや、そんなことを言うのなら法的整理だと、法的整理へ行ったらこれだけ戻りませんよというような言わば脅し合いといいますか、そういうのをやって、法的整理に持っていけるものなら持っていってみろというような話合いが延々と続いて進まないという実例がこれはたくさんあるように私は実務をやっておられる方から聞くわけでございます。
 したがって、やっぱりそこである程度、私ども、機構の役割は中立的という、中立的あるいは公平な立場と言っておるのでありますが、国会で答弁するとそういう答弁、表現が適切かと思うんですが、実態を申しますと、もう少し強力に、何というか、そんな理不尽なことを言うなというようなところに突っ込んでいきませんと、実際はなかなか動かない場合があるだろうと。それで、むしろそういうところに一つ期待があるのかなと思います。
 それで、ぎりぎりいけば、委員がおっしゃったように、この再生機構が十分機能を発揮できるとしますれば、これは再生機構はこれでいけると言ったものを、あなた、なかなかいろんなことを言って買取りに応じないのであれば、じゃ、もうそれは法的整理をやりますよと、しかし法的整理をやったらこれだけの保証はありませんよと言う覚悟はやっぱり、言うだけの覚悟は常にこの機構は持っていなきゃならぬと思います。そこのところは、なかなか今、当事者、対等当事者間の話合いだけではなかなか進まなかった現実が私はあると思います。
#90
○峰崎直樹君 それは、メーンの銀行がそれだけ言えないという、つまり非メーンの方々がいろいろ言ってくる、おまえのところで全部責任取れよというような形で言ってくる。いや、駄目ですよ、それはもうできませんよと、そのやり取りで、それなら出るところへ出ましょうかというのは、メーンには言えない何かがあるということなんですか、そうなると。いや、具体的なことで分からない、ちょっと抽象的になりますけれども。
#91
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も個別の事案をよく全部知っているわけではもちろんありませんから、ただメーン、非メーンのやり取りの中には、実際、客観的な立場から見れば、こんな議論をやっているのかというのが幾つもあると。
 これは、たしか衆議院で参考人に出られた方のお話だったと思いますが、要するに、前のこの件ではおまえのところに貸しがある、おれたちは貸しがあるんだぞと。いや、その貸しは返したはずだというような、言わばはたから見れば取るに足らない議論でじんぜんと時間を取るというようなこともしばしばあるように聞いておりますので、やはりそこは対等、対等な立場でやるよりか中立的な機構がその辺を裁定すると、調整するというようなことがやっぱり意味を持つんじゃないかと私は思います。
#92
○峰崎直樹君 いやいや、もしその中立的な立場ということを言えば、それは司法の場へ持っていって更生裁判所へ持っていった方がそれは早いわけじゃないですかね。
 そういう意味では、どうもおっしゃっていることは、これを作ったがゆえにこれがこういうことをやるんですよと言っているけれども、どうもそうじゃなくて、それは作らなくても、ちゃんと今までのいわゆる商法なりあるいは破産法なり、そういう手続でもってかなりもう日本の場合は事実上できるようになっているんじゃないですか。
#93
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、委員のおっしゃったような面がありまして、私も実はこの仕事を命ぜられましてからちょっと振り返ってみますと、かつてに比べると確かに法制、法的整理もいろんな手法も増えてきておりまして、例えば昔であれば金融機関を法的整理をやるような手段は余りなかったかもしれませんが、更生特例法のようなものもできているとか法的整理の手法も整備されておりますし、それから私的整理についてもガイドラインみたいなものを持ってやろうというのが進んできていることは事実であります。
 しかし、法的整理に参りますと、何というんでしょうか、金融債権だけではなくて一般の取引債権もどうするという問題が起きてまいりまして、再生を図る場合には取引先や何かをいじらずにやはり金融面をいじっていくということが必要だと思います。
 そのところに着目した法的整理の手法は必ずしも十分ではございませんし、それをやろうとするとやはり私的整理だということになるんですが、私的整理がさっき言ったように当事者間の話でなかなか進んでいかない、その背景にはそういう当事者間の調整の難しさもあると思いますが、そういう不良債権等を持っていくマーケットも十分できていないということもあると思いますが、そこで、やはりそういう当事者間の調整を促進させるシステムが必要かなというふうに考えたわけでございます。
#94
○峰崎直樹君 ちょうどうまい具合に、今、一般債権とかおっしゃったんですね。そうすると、一般債権だとか労働債権とか、いわゆる金融債権以外の債権については、この扱いはこの機構の中ではどんなふうに取り扱われるんですか。
#95
○国務大臣(谷垣禎一君) この機構は金融債権、金融機関からその債権を買い取ると、ここを、ここで整理をしていくということを考えておりまして、それ以外の一般の取引先や何かの債権について手を入れるということは、買い取るというようなことは考えていないわけです。
#96
○峰崎直樹君 そうすると、やっぱり我々が危惧している雇用の問題だとか中小企業の皆さん方の一般債権、それがどうなっていくのかなという、非常にそこが我々も非常に気になるところなんですよね。衆議院の方では修正をされたり、あるいは附帯決議を付けられているので、それはできる限りそこで直していただきたいと思うんですが、どうもやはりそこが、だから金融の、金融の裏返しとしてこの問題がやっぱり出てきているなということをつくづく、そこをきちんとしないと片付かないのかもしれませんけれども。だから、そういう意味で、ちょっとまだ私はそこはなかなかよく分かりにくいなというふうに思っているところで、時間がありませんので先に進みたいと思いますが。
 そこで、今度、いろいろともう議論されているんでしょうが、機構がこれを買い取るよというふうに言うときに、我々が一番心配しているのは買取り価格の問題です。これも随分もう多分いろんな議論で、二次ロスが生じることがないかというような議論、もちろん後でまた出していただきたいと思うんですが。
 私は、やはりそのときに、これは一番新しい、木村剛さんが、竹中さんが出した金融再生プロジェクトの裏側を書いたところの一番最後の方に出てくるんですけれども、産婆屋、つまり仲人役というか、そういうものに徹するというふうにしないとこの産業再生機構というのは余りいいものとは思えませんねということを書いておられるんですね。そういう意味で、産婆さん、産婆さんというか、仲人役で、これとこれを、売手と買手を結び付けて早く処理しちゃうと。
 ところが、これは三年と書いてありますよね。三年以内と書いてあるから、三年というのはちょっとえらい長いものだなと。つまり、この再生機構を作って、さっきおっしゃっているように非メーンを寄せて、どうやらこれは何とかなりそうだねと、こう思った債権が仮にあったとしますよね。そうすると、その買い取るときはほぼ売れるという前提のところを、つまり仲人さんですから結婚、それを結び付けていくのに、出口のところもほぼ見付かって初めてあれが、二次ロスやいろんな問題をクリアできるんじゃないかとおっしゃっているんですが、それについてはどういうふうに思われますか。
#97
○国務大臣(谷垣禎一君) 大体方向はそういうことでございまして、持ち込まれた案件を、例えば三年後ぐらいの出口を見据えて、三年後にスポンサーが付くなり、自分でファイナンスができるような状況にするにはどのような再生計画をしたらいいか、そうしたときの企業価値はどういうことかということで価格と再生計画を決めていくという考え方で組み立てているわけであります。
 もちろん、そのときに大体もうおおよそ事実上のスポンサーが固まっているような場合があればこれは一番理想でございますし、何も三年でなくてそういうスポンサーが現れて、機構の持っている債権を例えば半年ぐらいでどんどん買って、譲り受けてやっていただけるようなところがあればこれは非常に我々としてはいいなと思いますが、必ずしもそういうもの、具体的にそういうものがある場合ばかりとは、場合だけではややちょっと不十分かなと。やはり、もちろん十分深掘りした再生計画を立てることが前提ですけれども、現れる、スポンサーが現れる蓋然性がかなり見込めるもの、こういうこともやはり必要なんじゃないかと。
 そう考えますと、三年は長過ぎるとおっしゃいますが、半年ぐらいでできれば理想ですが、やっぱり三年ぐらいの間での処理というものを考えざるを得ないのかなと、こんなふうに思っているわけです。
#98
○峰崎直樹君 その三年間という間に本当に買い入れましたねと。買い入れた価格で、再生計画でもう事実上できているんでしょうけれども、それで三年間こう計画を立てましたと。今度は売るときに、これで売りますよと。その出口のときに、入口のときに想定したとき以上に、以上にというか、それよりも本当に、じゃ二次ロスというのが、ここ正に出るところだと思うんですが、これが本当に今のお話しのように、すぐ見付かればいいけれども、見付からなくてもとにかくそれはやらなきゃいけないんですよと。つまり、展望がないままにいわゆる買い入れていくということであると、徐々にこれは塩漬けになっていくというおそれというのは、危険性というのは、これは必ずもう三年たったら放棄します、三年たっても現れなかったらRCC送りです、あるいは法的整理ですと、こういう話になるんですか。
#99
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと私の申し上げ方が悪かったのかもしれませんが、確実にスポンサーが現れるものじゃない、言わば不安定なものもやると今おっしゃいましたけれども、やはりそこは再生計画も相当深掘りして、健全にやれるような蓋然性も高くなきゃいけませんし、そういう意味で、今確実に現れていなくてもその蓋然性が、スポンサーが現れる蓋然性が高くなきゃいかぬというのはまず前提にございます。
 そうして、じゃ、三年は最大限の目標でございますが、三年たったときにスポンサーが現れないとか、あるいは売った場合でも、最初の、当初の計画どおりうまくいかなくて、もっともっと、何というんでしょうか、買手が付かないと、こういう場合もないわけではないと思いますが、そういう場合には、いろんなことが考えられると思いますが、一つは法的整理であり、一つはRCCということもそれはあるんだろうと思います。
#100
○峰崎直樹君 そうすると、その出口のところの、これは必ず、必ずでもないですね、蓋然性とおっしゃっているんですから、ほぼこれは買われていくだろうというふうな見通しを持たれるときのこの蓋然性の基準というか、それは一体何なんでしょうか。
#101
○国務大臣(谷垣禎一君) それはいわゆる支援基準と言っておりまして、今幾つか決めて、紙にも書き込んでおりますが、そういうものが一つの基準でございます。
#102
○峰崎直樹君 そうすると、そのいわゆる基準を満たしたと。そうすると、そのときはこの企業というのは、この再生機構に入ってきているという企業というのは、この会社の株式というのは市場、これは別にまだ破綻しているわけじゃないですね、そうすると株式市場ではどういう評価を受けるのかということが当然出てまいりますわね。
 そうすると、そのときに依然として非常に低株価だとかいうものであれば、これは恐らく、さっきおっしゃったいろいろな基準というのはたしか産業再生法のときの基準ですかね、いろいろ私も見ておりますけれども、本当にそれが、この会社は立派な会社ですよというのは、ある意味ではそこが、いろいろ数字でおっしゃったけれども、市場でどう評価されているかということについて、やっぱり株式市場での評価というのは一つの大きなポイントになるんでしょうかね、そういう蓋然性というときには。
#103
○国務大臣(谷垣禎一君) それも一つの有力な評価だと思いますが、必ずしもそれだけではないんではないかと思います。
#104
○峰崎直樹君 いずれにしても、その買いと、入口のその差額というのが、当然これプラスになればもっといいんだろうと思うんですが、多分、恐らく二次ロスという問題がこれ避けられないだろうと。たしか斉藤さんという新しい何か社長候補というのが、この法案が通る前にもう社長なんかが決まったり委員長が決まったりしていて妙なものだなと思いながら聞いていたんですけれども、たしか新聞のインタビューで、国民に負担はこれはもう避けられないとおっしゃっていたんですけれども、昨年、RCCが実は買取り価格を時価というふうに変えまして、それで調べて、聞いてびっくりしたんですけれども、やっぱりある程度買取り価格は上がっているんですね、数字を見ると。そのことによってロスは、二次ロスは生じませんかと言ったら、今のところは生じていないということをおっしゃっていましたけれども。
 この再生機構が二次ロスを生じるということで、もちろん出資金の枠の中で収まればいいんですけれども、それをはみ出すようなものになったときの責任論というのは、衆議院でも議論されたと思うんですが、私どもやはり、一番特に今の国民の気持ちからすれば、もう過去何十兆円もこういう銀行に対する不良債権処理のための公的な資金の投入とか、あるいは破綻した金融機関に対する破綻処理に要したお金とか、もう何十兆にも達している中でまた同じように出てくるのかと、この責任問題というのはやっぱりある程度避けられないんじゃないかと思うんですよね。
 この責任の問題について再確認の意味も込めて質問させていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#105
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった問題は、まず第一に、その再生計画というものがきちっと立てられるかどうかということに、その認定がきちっとできるかどうかということにまず懸かっておりますから、ここをきちっとできるやはり人と仕組みというものがまず第一になければならないと思います。その上で、個々の案件でプラスが出る場合もあると思いますし、こういう再生というのはある意味でリスクを負った仕事ですからマイナスの出る場合もあると思います。それで、最後トータルでやはり締めた場合にどうなるのかということになるわけでございます。
 株式会社でございますから、経営を担当される方としては、やっぱりその目標というのはプラスになるということが目標であると私も思いますけれども、しかし現実になかなか今まで進んでいかなかったリスクの多いことであるとマイナスが出るということも私はこれはなしとしないと思います。それで、第一は先ほどおっしゃいましたようにそれは資本金で埋めていく、出資金で埋めていくというのは当然なことでございますが、それができなかった場合には国が補てんをすることができるというスキームになっております。
 国が補てんするということができるスキームになっているのは二つ意味がございまして、これを全然、これを何も書きませんと、要するにかなりいろんな問題があるときに、何というか非常に手法が制限された中でやりますと、何か体が前に行かない、後ろ向きの仕事をしてしまうということを我々は恐れるわけであります。しかし、他方、全部補てんできると決めてしまいますと、やっぱりモラルハザードの問題があります。
 やはりそういう最後は赤になったときにどういう責任が生ずるかというのは、例えば商法上のいろいろな株主代表訴訟の対象になるような場合もあると思いますし、いろんな場合がございますので、現時点においては補てんすることができると、こういうことで制度を立てているわけであります。
#106
○峰崎直樹君 終わります。
#107
○委員長(田浦直君) この際、暫時休憩いたします。
   午後二時一分休憩
     ─────・─────
   午後二時四分開会
#108
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#109
○松あきら君 金融界御出身の峰崎先生のすばらしい御質問の後で芸能界出身の私が一生懸命に質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、火曜日に引き続きまして、今日は私は二日目の質疑でございます。まず、産業再生機構法案に係ります税務上の問題点についてお伺いをしたいと思います。
 債権を機構に売却をした金融機関等につきましては、売却損を無税で損金に計上することができるというふうに理解をしておりますけれども、それでよろしゅうございますでしょうか。
#110
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。
 まず、一般論で申し上げますが、法人が債権を他に譲渡した場合におきましては、その価格が適正と認められる場合には、譲渡価格と帳簿価格の差額は税務上も益金又は損金の額に算入されることになります。
 このたびの御質問の産業再生機構への債権の譲渡につきましては、その買取り価格は、産業再生機構と各金融機関という利害の対立する第三者間での交渉の上で決定されたものと考えられますので、その債権譲渡により生じました譲渡損は税務上も損金の額に算入されると考えております。
#111
○松あきら君 それでは、この本機構及びメーン銀行、これが再建計画に基づいて債権放棄をした場合も、同様に無税で損金計上をすることができるというふうに思ってよろしいんですよね。いかがでしょうか。
#112
○政府参考人(村上喜堂君) 債権放棄の場合は寄附金に該当するかどうかという問題になるのでありますが、当該債権放棄が合理的な再建計画に基づくものである場合は、あるなど、債権放棄をしたことに経済的合理性があると認められるときは、それによって生じる損失は損金の額に算入されると、そういうふうになっております。
 今お尋ねの産業再生機構が関与して作成されました再生計画に基づいて実施されました債権放棄が、今申し上げました合理的な再建計画に該当するかどうかにつきましては、現段階で具体的な事案が出ておりませんので、明確にお答えすることはできないのでありますが、少なくとも再生計画に基づいて行われる債権放棄につきましては、機構の公的な性格あるいはその再建計画の公平性等を十分に念頭に置いて、個々の事実関係に即して適正に取り扱うことになるということだけは申し上げられるかと思います。
#113
○松あきら君 そうですか、個々を見ないと分からない。ほとんど大丈夫だというふうに私は思っている次第でございますけれども。
 事業者である債務者は、債権の免除を受けた場合は、いわゆるその免除益課税が発生しまして、基本的にはその部分について課税が生じるわけです。しかしながら、債務者が債権放棄を受け、しかもその債務者が本機構の手続にのっとって再生を期待される場合において、この免除益課税は完全なる再生に障害となる場合も考えられるわけでございます。
 すなわち、今までの債権者は、メーンであれ非メーンであれ、税務当局のように強制的な、公権力とは言いません、権限を持って債権を取り立てることはなかったのに、この免除益課税が発生することによりまして、やはり強力な国家権限に裏付けられた課税当局が、債権額を継承されるとはいえ、その事業再生を望む債務者から取立てを厳しく行うことができるようになっちゃうんです。すなわち、免除益課税の発生により、多大な債務を抱えつつも再建が可能な企業が実質上再建をすることが困難になってくる可能性が大いに出てくるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 これでは、一方で十兆円もの公的資金のバックアップを準備して、そして国家として産業再生機構に基づく事業の再生を考えている方針と逆行する結果を生むことになるのではないかというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
#114
○政府参考人(石井道遠君) 制度論にわたる点がございますので、財務省の方からお答え申し上げます。
 今、先生御指摘がございましたとおり、法人が取引先などから債務免除を受けた場合の扱いでございますけれども、これは債務者にとってはその分経済的利益、免除益が生ずるものですから、税務上は法人税法にも無償による資産の譲受けには課税をするということが書いてございまして、それに当たるものとしてその課税の対象になることは今おっしゃられましたとおりでございます。
 なお、企業会計上もそのように益金に当たるという扱いになっておるわけでございます。
 ただ、制度上、このようなことだけですと企業の再建に支障が生じかねないという点は御指摘のとおり問題がございますものですから、現在の法人税法におきましても、会社更生法の更生手続ですとか民事再生法、あるいはこれらに準ずる事実が生じることにより債務免除を受けたような場合には、債務免除によって生じる益金の金額の範囲内で、過去の累積欠損金があります場合に、これを損金算入できるという措置を取っているわけでございます。
 この背景にある基本的な考え方でございますけれども、この債務免除益自体を益金からあらかじめ除外してしまうということは、これは税法なり企業会計の基本的な考え方にかかわるものですから、これはなかなか適当ではないものの、再建中の企業がこの過去の累積欠損金を抱えている中で免除益に課税することは、これは支障を生じさせかねないということから、政策的措置として税法上もこのような対応を取っているところでございまして、そういう仕組みの中で今後、具体的な運用の問題として個別具体の措置がこの累積欠損金の損金算入に当たるのかどうか、これは課税当局との間でいろいろ協議をされていくものというふうに考えております。
#115
○松あきら君 今そのような御答弁でございますけれども、やはり私は、政府全体としてこの点を考慮した統一した不良債権処理スキームを構築する必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。
 また、債務者、事業者が有する保有資産の未実現の評価損につきましては、現在、産業再生機構準備室と国税庁との間で協議で評価損分を免除益課税と相殺させることができるか否かについてその協議がされているということなんですけれども、その現状はどうなっているんでしょうか、お聞かせいただきたいんです。
 現在はこのような措置は会社更生法に基づく手続のみに認められているということで、そのほかの手続には認められていないというふうに認識しておりますけれども、その点についてもいかがでございましょうか。
#116
○政府参考人(村上喜堂君) いろいろ財務省から答弁いたしましたように、債務免除益は確かに益金なんでありますが、一方、必ず累積欠損金が引けますので、通常の場合はそれで恐らく課税所得が発生しないんだろうと思います。制度的にゼロになるというんではなくて、引けばゼロですというふうになれば税金は出ないということなんですが、今のお話にございました評価損は、それに加えまして評価損の制度がございます。これは法人税法上、企業の再建に当たって法人がその有する資産に係る評価損の金額が損金の額に算入される場合として、例えば固定資産なんかの評価損も算入するということでありますが、例えば、会社更生法の規定により更生手続開始の決定があったことや商法の規定による整理開始の命令があったことにより当該資産につき評価替えをする必要が生じた場合のほか、これに準ずる特別な事実が生じた場合などがこれに該当すると法律で規定されております。
 さらに、特別な事実とはどういうことかと申しますと、例えば、民事再生法の規定により再生手続の開始の決定があったことにより当該資産につき評価替えをする必要が生じた場合などがこれに当たるとして取り扱っております。
 お尋ねの改正産業再生法における債権放棄を含む再建計画につきましても、これらの現行の取扱いを踏まえつつ、一定の要件、申請手続と見直しの内容がこれに準ずるものであるということになれば、その評価損につきまして損金算入が認められるものと考えております。
 現在、御指摘のとおり、経済産業省との間でその点について検討をさせていただいているところであります。
#117
○松あきら君 実質的には民事再生法と同じように準じていればということでという、いいお答えじゃなかったのかなというふうに今解釈をしておりますけれども、あっ、もう一人、まだまだ、まだ続きが、何か手を挙げていらっしゃる。
#118
○政府参考人(村上喜堂君) 産業再生法に関連する法令に何らかの規定を設けていただくとか、そういった措置は必要かと思います。
#119
○松あきら君 まあ、今その協議については細かく言えないんだというふうに思いますけれども、やはりどういう方法でもいいですから認めていただきたいというのが国民の願いであるというふうに思うわけでございます。
 もう一つ、税制について御質問いたします。
 対象となる債務者、事業者は五年間の青色欠損金の繰越分を免除益課税と相殺することができることになっていると思われますけれども、産業活力再生特別措置法の改正はこの期間が五年から七年に延長されるのに対しまして、その本機構法案ではそのような措置が取られていないのは不適正ではないかというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#120
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに機構法では、おっしゃった繰越金の問題は触れていないんです。この理由は、機構で扱います事業再生というのは本来の性格が私的整理でありますけれども、なかなか、これも度々申し上げているように、民間だけでは進んでいかないのがありますので、期間を限ってこういう機構でバックアップしようということでありますので、その本質は私的整理ですから、民間で一般に行われる私的整理と余りに違うというのは良くないと、こういうことでこの法律には決めていないんです。
 ただ、現実には、基本指針で示されているように、機構の支援基準では、産業再生法の生産性向上基準あるいは財務健全化基準を満たすことを要件としておりますので、この対象事業者が産業再生法の認定を受ければさっきおっしゃった規定が使えるわけでありますので、かなり多くの場合に実際上はこの繰越期間の延長が使えることになるのではないかと考えております。
#121
○松あきら君 ありがとうございます。
 認定をされれば、法律には決めていないけれどもほとんどオーケーであるという、こうした御答弁であったというふうに解釈してよろしいですか。
#122
○国務大臣(谷垣禎一君) 産業再生法の認定を受ければ使えると、こういうことでございます。多くの場合、基準が共通しているところがありますから、産業再生法のハードルも越えられるものは多いであろうと、こう申し上げたわけであります。
#123
○松あきら君 ありがとうございます。
 ちょっと一つ、この法案とは関係ないんですけれども、一つ挟ませていただきたいと思います。
 昨日も申し上げました十兆円の資金繰り円滑化借換え保証制度、これはとても皆さん喜んでいらっしゃって、私も昨日委嘱でそれを申し上げたんですけれども、今、三月二十五日現在で三万八千四百四十八件、六千二百七十五億円出ているという、すごい数だなあというふうにうれしく思っているんですけれども、昨日、部屋へ帰りましたら一杯いろんなところからいろんなことが来ておりまして、ちょっと一つこれ申し上げたいなと思いました。
 この制度の利用を銀行に申し込んだところ、この制度は明日の資金繰りが分からない危ない会社に勧めて、優良な会社には実は勧めていないと言われたそうなんです。これを利用すると今後の融資はできないという考えで、どうでもよい会社にはどんどん勧めるけれども、今後とも取引をする会社には勧めてしまうと後が利かなくなってしまうので勧めないということらしいんですね。つまり、銀行が信用保証協会に聞いて、銀行から聞いてもらったら次はできないと、こう言われたということで、我が党もこれ強力に推し進めましたし、やっていただいて有り難いと思っているんですけれども、この方は銀行からそう言われてしまって、憤慨しているということなんですね。実はこういうことが、この方だけではなくて、いろんなところから聞こえてきていると。
 その点に関して、こうした実態に対してどう思われているのか、また、どういう対処をこれからしていかれるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
#124
○副大臣(西川太一郎君) 松先生も経済産業大臣政務官当時からこの問題に大変御熱心に働いていただいた結果であると私は思っておりますが。
   〔委員長退席、理事松田岩夫君着席〕
 これにつきましては、今日ここに御出席の伊藤金融庁副大臣も大変熱心に働いていただいておりまして、二月二十四日の日でございましたか、全国の銀行の代表者の皆さん、信用金庫、信用組合、政府系金融機関、こういう代表者に金融庁にお集まりをいただきまして、竹中大臣、伊藤副大臣から、そして不肖からも、こういうことが、ただいま先生の御懸念のようなことがないように徹底をしていただきましたし、いたしました。
 特に、伊藤副大臣からは、検査マニュアルの別冊に、これは条件緩和債権には当たらない、つまり調達金利を下回る金利で貸し出すというそんなものではないわけでありますから、通常のビジネスで銀行はやるわけでありますから、この場合にはそういう条件には当たらない、それを理由にしてただいまのようなことがあってはならないと、こういう御趣旨を徹底していただきました。
 その後、平沼大臣からも、全国信用保証協会の代表者に当省にお集まりをいただきまして、このことにつきましては厳重に大臣からお話をしていただきました。
 そしてさらに、杉山長官の下で、管理職が全国に飛びまして、このことにつきまして徹底しておりますので、ただいまのような具体例がございましたら、どうぞ御遠慮なく御教示をいただきまして、私ども対処していきたいと思っております。
#125
○副大臣(伊藤達也君) 今、西川副大臣からもお話がございましたように、二月の二十四日の金融機関の方々との意見交換会で、西川副大臣も出席する中、竹中大臣からも私からも、この借換え保証制度の趣旨というものを金融機関の皆様方はよく理解をして、中小企業に対する資金の円滑化に努めていただきたいということは強く要請をいたしているところでございます。
 また、財務局におきましても、こうした趣旨を徹底させるために地域におきましていろいろな意見交換をさせていただき、その中で周知徹底を図っているところでございますので、今日の先生の御質問も受けまして、私どもとしては更にこの制度の意義というものを金融機関に御理解をいただくために努力をしていきたいというふうに思っております。
#126
○松あきら君 力強い両副大臣からの御答弁、ありがとうございました。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、次は中小企業の関連に移らせて、元に戻らせていただきたいというふうに思います。
 金融庁は、金融機関に対して不良債権の早期処理を指導する一方で、中小企業向け融資も要請をしております。しかし、金融機関にしてみれば、やはり資産圧縮、自己資本ですね、この充実を至上命題としている以上、やはりこのリスクの大きい中小企業向け融資をやはり敬遠せざるを得ない、あるいは少しでも経営が苦しくなってきたらしい中小企業からはやはり早く取っておかないと、もしかしたら不良債権になってしまうかも分からないという、まあそういう思いがあるのでしょう。やはり、なりふり構わず回収に走らざるを得ないのかなというふうに思います。
 先ほども峰崎先生から不良債権の処理、どうして先送りしてしまったのだろうという、いろいろ御答弁も私も聞いておりまして、もうこれはいろんな要件、もういろんなことが絡み合ってこうなってしまったというふうに思いますけれども、やはり先送りすると得なシステムがやっぱりどこかにあったのかななんという思いもするわけですね。やはり情報開示の義務が弱いとか、あるいはやっていても罰則が余りないとか、税制上のメリットも余りないとか、いろんなことが絡み合って今日に至ってしまったのかなというふうに、こう思うわけでございますけれども、今こういう状況が現実に一つあるわけです。
 そして全国銀行、全国銀行の中小企業向け事業資金貸出し残高につきましては、中小企業庁の中小企業調査月報で見ますと、平成十四年三月の二百十二兆円が同年九月には百九十七兆円と、十五兆円も減少しているわけでございます。こうした金融政策上の矛盾を解決しない限り、貸し渋り、貸しはがしというのはなくならないのではないかなというふうに思うところでございます。
 産業再生機構法案では、一方では金融機関の不良債権処理を促進し、他方では過大な債務を負っている事業者に対して金融機関が有する債権の買取り等を通じてその事業再生を支援しようとするものであり、これはもうこの間も、今日もさんざん出たわけでございます。こういうところでございます。それにこの質疑の中でも、この法案は、機構法案は大企業に限ってというわけではありませんという御答弁もあったというふうに思います。
 であれば、この結果は、金融機関の中小企業向けの貸し渋りやあるいは貸しはがしに多少とも寄与すると理解してよろしいんでしょうか、お伺いいたします。
#127
○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆる貸し渋り、貸しはがしと言われている問題の背景に何があるかと考えますと、先ほども申し上げたところでございますけれども、日本の金融機関の、何というか、ビジネスモデルといいますか、いわゆるメーンバンク制の下で一つ一つ、融資をするときに一つ一つの事業のリスクをきちっと判定して、そのリスクに見合った金利を取るというよりも、長い企業との付き合いということを前提として企業自体を対象として丸ごと貸し付ける、そして不動産担保を取るというようなやり方でやってきたと思うんですが、こういうデフレの状況になりますと、そういう状況の下では、もう貸し付けた債権の収益力も乏しいし、また担保の価値自体も下がってきて収益力もない、余力もない、こういうことで貸し渋り、貸しはがしという現象が起きてきているということだろうと思います。
 それで、産業再生機構は、結局、金融機関などが有している債権を直接買い取って事業再生を助けていくというシステムですが、そういうことによりまして、金融機関にとっては、機構に債権を売却してしまえば不良債権を切り離すことができるし、それから、ずっと持っている場合でも、それが事業再生によって正常債権化していくということができれば貸出し余力というものが出てくると。だから、これはうまく機能、うまく機能させれば、その方向で私は十分役に立つものだと、こういうふうに思っております。
#128
○松あきら君 私も是非貸出し余力が出てくることを期待いたしております。
 私も何回も申し上げるようでございますけれども、やはり政府は、この本機構、本産業再生機構のその資金調達、十兆円のバックアップをするわけでございます。やはりこの機構が個別企業を救済するために国の資金を使うのではないか、国民の多くはやはりそういう思いが、これは払拭できないというふうに私も思うんですね。不良債権処理の加速によって内閣府の試算でも十七万人もの失業が生じることを考えますと、これらの失業者が吸収されるような明確な産業構造転換ビジョンの下に、機構は債権の買取りを通じて産業再生を支援していくことが必要ではないかというふうに思います。そうでなければ、やはり国民も納得が得られないのではないかというふうに思うわけでございます。
 そのためには、産業再生機構が当該企業の再生に当たりまして、中核となる事業分野を残し、従業員も含めてどのように転換させるかという骨太の産業構造転換政策がそのバックボーンとして必要ではないかと思います。本機構が産業構造転換政策とどのように関連するのか、経済産業大臣の御所見を伺いたいと思います。
#129
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。
 かつて我が国では、成長産業と衰退産業というのが右肩上がりのそういう経済発展の中で歴然としておりました。したがいまして、成長産業を伸ばして、そして衰退産業を円滑に縮小していく、こういう産業構造調整を行うことは政策的に意義があったわけです。しかし、日本の経済も成熟してまいりましたし、それからグローバライゼーションの中で、やはり高度に産業が発展をして、そして市場も成熟をしてまいりますと、例えば今の自動車ですとか家電に代表されるように、既存産業で衰退をしているということじゃなくて、むしろそういう一つの、何といいますか、例えば自動車では低公害車ですとか、あるいは家電ですとIT家電が主力になっていく、そういう形で市場と業態を多様化させながら発展をしていかなければならないと、こういう今状況に相なっていると思っています。
 したがって、成長産業を伸ばして衰退産業を縮小するということじゃなくて、それぞれの産業の中で劣位にある企業において、谷垣大臣も度々言っておられますけれども、不採算部門からの撤退とそして得意分野への経営資源の集中というのが必要になってくるわけでございます。こうした状況を踏まえまして、今回の改正産業再生法というのは、企業単位での選択と集中を促すとともに、新たに過剰供給構造の解消に向けて企業の壁を超えた事業再編、これを促すこととしておりまして、これらによりまして我が国経済全体として経営資源の有効活用を通じた産業の再生と望ましい産業構造の実現を図ることにいたしているわけでございます。
 産業再生機構というのは、産業再生法とそして基本理念を同じくしておりまして、安易な再生支援を行うものではございませんし、例えば支援を行う場合であっても、過剰供給構造にある場合には、供給能力の削減や他の事業者との事業統合でございますとか合併、こういったことを、合併など集約を行うことによりまして主たる経営資源を将来の成長性の可能性の高いそういう分野にシフトさせるなど抜本的な事業再構築を行う、これを支援するそういう仕組みでございます。
 改正産業再生法と産業再生機構が、よく私も申し上げますけれども、車の両輪となって、民間の自助努力を支援して、我が国産業の技術や人材などのポテンシャルの高い経営資源を最大限に活用して、そして我が国自体を高付加価値の拠点とする、こういうことで産業構造の展開を図っていく、こういったところに私どもは主眼を置いているわけでございます。
#130
○松あきら君 ありがとうございます。期待をしているところでございます。
 たくさん通告してあるんですけれども、どれを抜かそうかと、今もう、時間四十分までなので、どれをやろうかというふうに思っておりますけれども。
 例えば、さっき午前中にも出ましたけれども、やはり今、中小企業の我が国経済における役割やあるいは中小企業再生の必要を考えますと、このたび産業再生法の改正で新たに中小企業再生の規定が設けられまして、各地域の認定を受けた商工会議所等に地域関係者から成る中小企業再生支援協議会が設置をされまして、中小企業の再生への取組に対する指導及び助言を行う体制が整えられた、これは大いに私は評価されるところであるというふうに思います。また、この協議会には、腕利きの会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士など、中小企業の再生支援の専門家を配置して、ケース・バイ・ケースできめ細やかな対応が行われているというふうに聞いております。
 しかし、中小企業の再生は、その財務というだけで解決できる問題ではないというふうに思います。技術も正しく評価ができる専門家が対応してくれるかどうかに掛かっているというふうに思うわけでございます。優秀な人材の確保についてはどのような見通しを持っておるか。先ほども出ましたけれども、優秀な人材というのはやはり高額でありますし、その予算措置も含めてお伺いをしたいというふうに思います。
#131
○大臣政務官(西川公也君) 今まで二十七の協議会が設置されました。各地域の状況を見てみますと、確かに法務、財務、こういうものに精通した人たちが当たると、こういうケースが多いようでございます。現在までに各地区二名から三名、専門家を選んできましたが、合計六十六名の内訳を見ますと、銀行出身が四割ということで、二十八名になっています。それから、中小企業診断士が約三割ということで、両方合わせると七割が中小企業診断士と銀行出身と、こういうことになっております。
 確かに、御指摘のとおり、技術を評価できる、そういう専門家が必要なケースもあると考えておりますし、これらにつきましては中小企業支援センターに登録されております専門家等を活用して対応していきたいと、こう考えております。
#132
○松あきら君 大事な観点でございますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
 最近のある経済雑誌なんですけれども、中小企業再生の事例が記載をされております。これは私の地元の神奈川県の横浜銀行のことなんですけれども、中小企業再生の成功例などを情報マイスター制度と、こういう名前を付けまして作っております。そして、情報収集、データ管理を行っておりまして、再建可能と判断した中小企業に対しましては専門的な知識や経験を持った行員を派遣しまして、そして支援企業の再生に大きな効果を上げているというふうに聞いております。とてもうまくいっているそうでございます。
 この事例でも分かりますように、中小企業再生が功を奏するかどうかは、やはり社長のやる気をいかに引き出すか、そういう引き出す情報を提供できるか、これも一つの大きなポイントであるというふうに思うわけでございます。
 そこで、中小企業の再生が成功した事例、失敗した事例をデータベース化しまして、中小企業再生協議会でアドバイスに当たる専門家の資料として役立つことも検討してはどうかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#133
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、横浜銀行の取組に対してお話をいただきました。私どももそのことは承知をさせていただいております。
 中小企業再生支援協議会につきましては、もうこれは松先生御承知のとおり、既に二十七の都道府県の協議会で相談業務が開始をされておるところでございます。三月二十日時点までに延べ二百九件の相談が寄せられているところでございます。今後は、単なる相談業務だけではなくて、再生計画策定の支援など、より具体的な支援の段階に入っていくと、こういうことになると思っております。
 今御指摘のとおり、中小企業の再生事例を専門家同士で共有するということは非常に再生支援を進める上で効果があることだと、このように思っておりまして、当省といたしましては、一つは、再生支援業務の本格化に伴い、地域ブロック、全国のレベルで協議会の常駐専門家による連絡会議を設けようと思っております。そして、専門家同士で情報交換を行いまして連携していくための枠組みを構築をいたしたいと思っております。
 二つ目は、個別企業の再生支援に係る具体的な内容は、すべて個別の、いわゆる帳票によって、帳面の帳の票、帳票によって全国統一フォーマットで管理をしていくこととしておりまして、再生支援の成功事例でございますとか失敗事例等について、個別企業情報等、守秘義務に係る情報の扱いには十分配慮しなければなりませんけれども、お互い参照できるようなデータベース、これをしっかりと構築をしていきたいと、このように思っています。
#134
○松あきら君 ありがとうございました。
 時間が来ましたので、終わります。済みません、残しましたけれども。
#135
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 本会議と一昨日の質問で、今回の産業再生法の骨格の一部が少し見えてきたかなというふうな思いでございます。
 平沼大臣も、一昨日の私の質問に対しまして、経済産業省としては元々機構のようなアイデアを正直に申し上げて検討してきたのではないと、不良債権の加速策とともに企業再生の方策として政府部内で検討が始まったんだと、こういうふうに率直にその経過と認識の発展といいますか、必要性というか、そういうことについても話されたと思います。
 私も経過を振り返って、非常に産業再生機構の構想が出てきたということは、非常にドラスチックにできたと、急に出てきたと。その背景には、なぜ急に出てきたかといえば、昨年十月の総合デフレ対策で不良債権の処理を二〇〇四年度末までに半減させる、最終処理策、これを行わなければいけないという、こういう動機が働いたと思います。だから、急にドラスチックに、経済産業省としてもアイデアとしては余り考えていなかったんだけれども、そういうことでやらなければいけないかなということで始めたと。こういうふうに理解をしたいと思うんですね。
 私は、やはりこういう強引なやり方で、不良債権の処理を私たちも必要だと思います、しかし、その処理のやり方というのは、やはり消費購買力をうんと高めることによって景気を良くすると、そういうことで解消を図っていくということでありまして、今のように不良債権の処理をぐっと追い掛けまして、それをばんばん切っていく、強制的に切っていくというやり方は、結局は小泉政権になってからも不良債権は実は増えております。ということで、やはりこれはデフレ加速策にもなるし、おやめになった方がいいのではないかということをずっと申し上げてきているところです。
 そういう基本的な立場がございますので、その立場を踏まえながら、一昨日に引き続いて、最初は国民負担の問題、やっぱり国民がどれだけ血税を使われるのかと、その使われるのも正当な目的であればいいんだけれども、そうでないものに使われるということについては、やはり大きな問題を感じますので、一昨日の後段の質問のやり取りから少し確かめながら御質問をさせていただきたいなというふうに思います。
 不良債権の処理は、本来、問題の当事者であります銀行や企業の責任で行うのが筋だと私は思っております。企業の再生がうまくいかない、あるいは銀行の不良債権の回収がうまくいかないということで、国民の血税をそれにぼんぼん使うということはやはりモラルハザードを引き起こす誤った方法ではないかと思うんですね。
 この法律、第四十条、四十六条を見ますと、政府保証ということが、仕組みとして、この機構というのはそういうことができるようにしてあるのですよということが四十条、四十六条にございます。
 一昨日の質問に、谷垣大臣、私が十兆円というのは、今は十兆円ということになっているけれども、それはリミットではないのではないかと、場合によっては小さく産んで大きく育てていく、十兆円にはとどまらない、そういう懸念を持つけれどもどうかと言えば、いろいろ御答弁ありまして、そこは出口を見据えた歯止めというものがやはりある、この点も御理解くださいというふうに御答弁なさっているんですけれども、そこは出口を見据えた歯止めというのは、これはどうやって、この法律上は歯止めが、どこに歯止めがあるんでしょうか。説明をしていただきたいなと思います。
#136
○国務大臣(谷垣禎一君) 歯止めと申しますのは、要するに買い取る債権の対象である企業ですね、その企業が三年ぐらいを終えたときにきちっと独り立ちをしていけるのかどうか、あるいはだれかスポンサーが現れるかどうか、そういう再生計画であるかどうかをきちんと判定すると。それは産業再生委員会でやっていただく、そういう仕組みを設けていることが歯止めになっていると思います。
 それからもう一つ、買取り価格は適正な時価で、再生計画を見据えた適正な時価を上回らないとしているのも歯止めであります。
#137
○西山登紀子君 なかなか先が読めないところに今の企業の再生とか産業の再生の難しさがあるわけですが、出口をちゃんと見据えて、十兆円超えないように見据えていくということ自体、私は非常に固定できないというふうに思っておりまして、やはりこの法律上は政府保証ができる仕組みになっており、また損失が出た場合には政府が全部又は一部に相当する金額を補助することができるという仕組みがきちっとここに書かれているということが非常に大きな問題だというふうに申し上げているわけですね。
   〔理事松田岩夫君退席、委員長着席〕
 一昨日、五百億円の話をいたしまして、いや、これはたまたま符牒合った五百億、五百億だということで、委員の皆さんからも産業再生法の方で認定企業、今百九十二社と今朝御報告ありましたですが、百九十二社の登録免許税の減免を、総額六百六十億円なんですが、その中で上位六行で幾らかという、銀行で幾らかというと五百九億円なんですよね。だから、一昨日、五百億円銀行がまけてもらって、そして銀行が拠出するのは五百億だと。こっちでまけてもらってこっちで拠出して、そして十兆円の買物をしてもらおうというのは、こんな虫のいい話があるのかということで、たまたまそれは一つの符牒が合うということで例を出しましたけれども、こちらでまけてもらってこちらでお金を使うという、お金には色が付いていないので、そういうことも言えるのかなというふうには思いますが、これは深入りはいたしません。
 そこで、銀行が五百億拠出するというその五百億、なぜ五百億なんでしょうか。そして、また銀行側の拠出義務というのは、これは谷垣大臣、どうでしょうか、あるんですか。
#138
○国務大臣(谷垣禎一君) 義務かどうかということですか。
#139
○西山登紀子君 義務かどうかということと、なぜ五百億求めるのかという。
#140
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、オール金融界というようなことで五百億円程度の拠出を検討されているわけですが、それは産業再生機構が金融機関からの債権の買取りとかあるいは金融機関同士の利害調整を業務として行うために、金融界として応分の責任を果たしていこうという姿勢、金融界がそれを示していただいているものだと思っております。
 なぜ五百億円なのかということですが、かつてのいわゆる奉加帳行政と言われた時代とは違いまして、行政の側からこれだけ出してくださいということで要請しているわけではありません。金融界として想定される機構の業務量などを金融界としてお考えになって、五百億程度の資本があれば機構の業務運営に支障を生じないであろうと、判断に基づいて検討されているというふうに理解しております。
 それで、これは義務かどうかということですが、今のような性格上、当然任意のものでありまして、強制的な拠出をお願いするということではないわけでございます。
#141
○西山登紀子君 強制的ではないということでございました。任意のものであると。
 そういたしますと、各銀行がそれぞれ額についてはそれぞればらばらで任意でいいんでしょうか。そうなっているんですか。
#142
○国務大臣(谷垣禎一君) これは当然金融界としてお話をいただいて、そういう中で任意に出していただくわけでございますから割当て、奉加帳みたいに割当てをして回すわけではございません。
#143
○西山登紀子君 非常に、五百億の拠出そのものも義務ではないし任意のものであるし、それぞれの銀行に対しても割当てではないというような非常にあいまいなものでございますね。
 それで、そんなふうにして拠出されたものにつきまして、例えば赤が出たときに更なる負担を負わせるのかどうかということについては、一昨日も聞いたと思うんですが、もう一度。
#144
○国務大臣(谷垣禎一君) 最終的に閉めたときに赤が出ている場合は、まずその資本金で補てんすると、昨日もこれは申し上げました。それで、それを超えてどうなっているかというと、先ほどお引きになりました条文のように、国がそれを埋めることができるという仕組みにしております。
 それで、これは埋めることができるとしておりますのは、この仕事は率直に申し上げて、石橋をたたいて渡らないというようなことではこの機構を作った意味がないわけでございまして、なかなか民間でもできなかった再生業務をやると、ある場合にはリスクもあるだろうと思います。したがいまして、何にもそういうことがなしでは機構の業務が言わば萎縮したものになってしまうおそれがあると、しかし他方、必ず国が埋めるんだとすれば、それはモラルハザードも招きかねないということで、現段階ではこういう規定の仕方にしているということであります。
#145
○西山登紀子君 拠出されるのは銀行だけですか。
#146
○政府参考人(江崎芳雄君) 預金保険機構の方に言わばオール金融界として拠出をするということは検討されてございます。
 なお、ほかのところで、目下のところ、その預金保険機構に拠出するという話は、今のところ私どもは聞いておりません。
#147
○西山登紀子君 いや、聞いてないんだけれども、ほかにこの、例えば出資をしてもらう一般企業なんというものは排除はしているんですか。
#148
○国務大臣(谷垣禎一君) 特に排除しているというわけではございません。
#149
○西山登紀子君 なかなか出資を申し出るような企業が少ないというようなことも聞いているんですが、私は、中立的調整者として機構の役割を随分強調されるんですけれども、やはり私は、拠出者という、幾ら額を出しているかということによって、機構側が認定をする場合にも、それはやっぱりいかに中立的とはいえ、拠出者の拠出額によって、さじ加減というか、そういうものというのは起こり得るんじゃないかなと思うんですが、そういう点をどこかで排除する、担保しているようなところがこの法律であるでしょうか。
#150
○政府参考人(江崎芳雄君) 機構に出資をいたしますのは預金保険機構ということでございますが、法律上、常時、産業再生機構の二分の一以上の株式を保有すると、預金保険機構が二分の一以上の株式を保有するということになっております。
 また、役員でございますとか産業再生委員会の委員、これはそれぞれ株式会社として選任をされるわけでございますけれども、これらの選任につきましても主務大臣の認可を必要とするという形で政府が一定の関与を行うという仕組みになってございまして、機構の業務運営の公平性というものは十分担保されておると、このように考えてございます。
#151
○西山登紀子君 買い取るのが不良債権でございますし、銀行が拠出をするということになり、先ほどのお話では、銀行に出資する拠出額というのは非常に任意であると、各行の任意であるということになりますと、やはり大きな、たくさん拠出したところがおれところのものをたくさん買ってくれというふうに言わずもがなというような気もするし、そういう点でのこの機構の、そもそもの設計そのものが中立的になり得ないような私は気がいたします。
 そして、機構に支援を申し込んだと、支援を受けたと、そしてうまくいかなかった。じゃ、その責任はだれが取るかということなんですが、その場合の経営者の責任はどのように求められるんでしょうか。
 大臣でも室長でも結構です。
#152
○国務大臣(谷垣禎一君) 機構が支援をするという決定をして、そして買取りを、買取り決定をして、その再生計画に着手をしたと。だけれども、必ずしも当初のもくろみどおりいかなくて、気息えんえんとしているということは、これはそういう可能性があるということは否定できないわけですね。
 それで、その場合、その企業の、再生させる企業の経営陣の責任については、計画とどれだけ離れてしまった、その度合いもあると思いますし、それから原因とか、それからその経営陣がどういうふうに事業遂行していたというような状況もありますし、それからスポンサー企業が、スポンサー候補と言ってもいいかもしれませんが、スポンサーが経営者に対してどういう意向を持っているか、こういうことをいろいろ総合的に考えて、個々のケースごとに判断せざるを得ないのではないかと思います。
#153
○西山登紀子君 そして、失敗をして、うまくいって、むしろ国庫に戻ってくるというふうなことは余り想定がされないと。結局、その損失が出た場合に、先ほど来お話には、拠出者にはそれ以上の負担は求めないということになりますと……(発言する者あり)求めないんでしょう。──求めないと。
#154
○国務大臣(谷垣禎一君) 返ってくることは考えられないというのもちょっと違う。
#155
○西山登紀子君 それ以上求めないということになりますと、結局国民の負担が、まあそれを穴埋めせざるを得ない。しかも、今は十兆円なんだけれども、この法律の仕組み上からいいますと、予算の中で決めていくということになって、十兆円の、今は十兆円だけれども、そのリミットというものは事の進展によっては膨れ上がる場合もあり得ると。そして、国民の血税が穴埋めに更にたくさん使われる場合もあり得るということになると思うんです、今のこの仕組み上から見ますと、歯止めがないわけですからね。
 やっぱりこんなモラルハザードはないのでありまして、よく小泉さんは、痛みを伴う構造改革と言っては、よく国民には個人に痛みを、今ひどい痛みを押し付けております。自分で負えということで押し付けております。ところが、こういうふうな企業、それもとりわけ大きな企業、大企業や大手銀行の痛みというものはむしろ国民に押し付けてはばからないと、これはどうしても筋が通らない。
 もう一度、一昨日も聞きましたけれども、御答弁がちょっと弱かったと思いますので、もう一度聞きたいと思います。
#156
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の西山委員の御議論は、いみじくもおっしゃいましたように、買い取った債権が回収できるなんということはほとんど考えられないという前提の下に議論をお組み立てになっているんだと思うんですね。そこが私、さっきおっしゃっているときに首をひねりながら聞いていたところでございまして、現実に、確かにまだ日本の事業再生というものは十分にマーケットもでき上がっておりませんけれども、現実に幾つか非常に成功事例もできております。したがいまして、きちっと計画を立てて、きちっと認定をしていけば、私は、回収できるものもたくさんある、場合によっては利益を生むような案件もないとは言えないと思います。
 私が申し上げているのは、手掛けた案件がすべて黒になるとか、すべて成功するということは、これはなかなか難しいということ、それは率直に認めなければいけないと思いますが、十兆全部結局持ち出しになり、それで挙げ句の果てに、それを更に積み重ねていくなんというようなことは、この機構の仕組み自体からもそういうことは考えていないわけなんで、ちょっと前提が違うなという感じ、思いでございます。
#157
○西山登紀子君 私が申し上げているのは、十兆円超えることが問題だと言っているのではなくて、国民の負担が、何の責任もない国民から血税を穴埋めのために、十兆の範囲内で今は一部、すべて使えるとしておるけれども、これがもっと、うんと、今の状況ですから、事態はずっと経済的にも深刻になっていくような事態になっていけば、十兆円じゃとどまらないでしょうということを言っています。十兆円を超えるかどうかということじゃない、十兆円の枠の中だって国民の血税を使うということについても私はモラルハザードで問題だと申し上げているわけであります。
#158
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、十兆円にとどまらないでしょうとおっしゃいましたが、そこがやっぱりちょっと違うんでございまして……
#159
○西山登紀子君 いや、仕組みとして。
#160
○国務大臣(谷垣禎一君) いやいや、仕組みとしてやっぱり十兆円というのは、現在でもそうではございますけれども、予算措置をきちっとしなければ十兆円使えないわけですね。それで、それを更に歯止めなくやるとおっしゃいましたけれども、それはやはり国会でまた予算措置をそんな歯止めなくするようなことは、とても私どもとして国会に申し上げられる筋はないと思うんですね。だから、そこがちょっと違うんじゃないかなと思いますね。
#161
○西山登紀子君 法律の仕組みとしてそういうことができるようになっているんですよ。そして、拠出金以外に、以上に負担は押し付けないというふうなこともおっしゃっているわけですから、それならば、損失が出た場合の負担はだれが負うのかといえば、この法律の仕組み上は国民が負うと。しかも、それはもちろん国会で予算措置を取ってということになりますけれども、今進めていらっしゃる皆さんが多数で国会でお決めになるというようなことであれば、そういうことも可能になる、仕組み上そうなっている。
 だから、この法律の問題点は一番そこのところに大きな問題があると。何の責任もない国民のところに言わば血税で穴埋めをさせるという仕組み、仕組みをきちっとこの中に入っているんですね。そこが問題だと申し上げているわけです。
 谷垣大臣が、担当大臣がお分かりにならなかったらとても困っちゃうわけで、次に移らせていただきますけれども、大臣、産業再生機構が非常に、(発言する者あり)脳天気というか、産業再生機構が支援するのは再生可能な企業に限られるとよく大臣がおっしゃっているんですけれども、再生できない企業というのは支援しないということなんでしょうか、当然ながら。
#162
○国務大臣(谷垣禎一君) それは再生可能性がないものをお受けすれば、委員が御心配のように、それはすべて赤になってくるというわけですから、そんなことをやっぱり認めるわけにはいかないんで、やっぱり再生可能性がなければ、それは市場で淘汰していただくというようなことになると思いますね。やっぱり、いいものがあって、あるけれどもたまたま今過剰債務で苦しんでいるところを何とか救えないかということなんでございます。
#163
○西山登紀子君 そういうことになりますと、機構が支援を決定すると国が再建のお墨付きを与えたというふうな形にもなるわけですね。再生可能ですね、認められたということになりましょう。
 反対に、これが支援がされないということになりますと、これはもうやはり逆のお墨付きになってしまって悪い結果にならないか、そういうことでいえば、塩川財務大臣が企業の生き死にを判断する閻魔大王のような役割が必要だなということで、こういう機構ができたと思っているんですけれども、この産業再生機構というのは企業の生き死にを握る、こういう理解でよろしいでしょうか。
#164
○国務大臣(谷垣禎一君) 閻魔大王というのは私、どうもちょっと違うような気がするんですね。こういうのは例えでございますから、例えというのはどうしても正確さを欠くところがあると思いますが、私はやっぱり、病気の企業が入院をして、手術をして、元気にしてお出しするようなところではないかと思います。
 先ほどおっしゃいましたように、我々の機構ではお受けできないという例もあると思います。それは再生できない、とても再生の可能性がないと判断してお受けできないという場合もあるかもしれませんし、しかし必ずしも再生の可能性がないからできないというだけではなくて、やはり何というんでしょうか、当事者がなかなか合理性のある再生計画を、何というか同意していただけないような場合には、本当は再生可能なものがあるわけですけれども、どうしても当事者やメーンバンクが御承知なさらないということであれば、できない場合というのもあろうかと思います。
 ただ、今、委員の御心配になったことは、恐らくそういう、あそこの病院に持っていったけれども病院で入院を許可してくれなかったということになると、もう不治の病だというようなことになってしまうといけないじゃないかということだろうと思いますから、その点は私どもはお受けできないような事案、お受けできないというようなものはあくまでその守秘、きちっとその秘密を保持するというようなことが市場に対する配慮からも大事かなと思っております。
#165
○西山登紀子君 ネーミングの問題で、閻魔大王はよくなかったとか、弥勒菩薩の方がよかったとか、いろんな何か新聞で言われているようですけれども、そういう名前のネーミングが独り歩きするという問題というよりも、私はやっぱり産業再生という名の下に、やはり企業の生き死にを判断して不良債権を加速的に処理をしていくというための役割を担っているものであるというきちっとした認識が必要だと。
 そういう点からいうと、弥勒菩薩というよりもむしろ閻魔大王の方が言い得て妙ではないかなという思いはいたしますが、閻魔大王ということになりますと、もうそこまで行かない前にもういろんなことが起こってしまうというふうにも思いますね。
 次に、支援基準の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、国民の税金を使う以上、支援基準は公正でなければならないということで、本会議でも質問させていただきました。結局、基準はあるというけれども、やっぱり個別業界、あるいは個別企業ごとの恣意的なものにならざるを得ないんじゃないかというふうに申し上げましたら、大臣、谷垣大臣の御答弁は、昨年の十二月十九日の企業・産業再生に関する基本方針に従ってやっていくんだということで、本会議ですから余り詳しい御答弁ではなかったように思いますので、その基準の中身について少し御説明いただいたらと思います。
#166
○政府参考人(江崎芳雄君) 産業再生機構の支援基準でございますが、先生御指摘のように、昨年十二月の産業再生・雇用対策戦略本部、ここで決定をいたしました企業・産業再生に関する基本指針、これに従って定めるということにしてございます。
 その主な内容でございますが、数点ございます。
 一点目は、再生計画終了時点におきまして生産性が向上し財務構造が改善をすると。これにつきましては幾つかの数値が書かれてございます。
 二点目でございますが、対象企業の清算価値よりも回収価値が多いことと、再生するよりもその場でばらした方が高いということはないということでございます。
 三番目に、買取り価格は再生計画を勘案した適正な時価とするということでございます。さらに、再生計画の終了時点におきまして、新たな再生スポンサーの関与等によりまして資金調達、ほかから新しいお金が入ってくるという、これが可能な状況となり、その結果、機構として債権の処分が可能となるという蓋然性が高いと見込まれると、こういったことをその内容としてございます。
#167
○西山登紀子君 それで、いろんな生産性向上基準だとか財務健全化基準だとかということで数値目標が出ているんですよね。ちょっとその点を問題にしたいなというふうに思っているんですけれども、例えばキャッシュフロー全体に対する有利子負債の比率が十倍以内というふうな、こういう数値がございますね。この数値を適用すると、この十倍以下であるような業界というのは、いろんな業界がありますけれども、ばらばらしちゃって、最初から十倍以内というふうになっちゃうと十倍以上の業界というのはもちろん対象にならないと、こういうふうなことになるんじゃないかと思うんですね。
 例えば、国内で優良企業と言われるオリックスリースというのはキャッシュフロー四十八倍だとか、いろいろばらつきがございます、ここに資料もございますけれども。こういう場合は最初から対象にならない業界が出てくるけれども、その点はどういうふうにお考えなんでしょうか。
#168
○政府参考人(江崎芳雄君) 先ほどお答えを申し上げました生産性基準なり財務構造基準、この中に先生が御指摘になりました有利子負債のキャッシュフローに対する比率が十倍以内、これは計画の終了時点の見込みでございますが、そういうものが含まれてございます。
 これらの指標でございますが、対象企業の生産性でございますとか財務の健全性、こういったものを客観的に判断をする、示すものということで、企業の状況を的確に把握するための有力な手段だと考えてございます。
 ただ、機構といたしましては、先ほど四点ばかりの基準を申し上げましたが、その中の一つでございまして、業種特性等を勘案いたしまして合理的と認められる特段の事情があると、こういった場合にはその基準を硬直的に適用しないということを考えてございます。
#169
○西山登紀子君 硬直的に適用しないということは、非常に弾力的に運用もするということですからね。だから、私は、やっぱり公正的な共通の基準というのは、なかなかこういうふうな仕事の場合には、可能性としてはなかなか難しくて、結局恣意的なあるいは企業別の個別の弾力的なと、こういうふうになっていってしまうんじゃないかという点を大変危惧をしております。
 そこで、ちょっと時間がないので質問を、経済産業に関する過剰供給構造の質問を少し三つぐらい飛ばさせていただきまして、谷垣大臣に、法案の二十一条、その支援基準の問題について、この法律では産業再生法の基本指針、所管大臣のいろんな規定がございますよね。この中に、所管大臣が支援基準でいろいろ意見を述べるときには産業再生法の基本指針、事業分野別方針との整合性に配慮しなければならないとか、二十二条の支援決定では、第六項ですけれども、事業所管大臣は、過剰供給構造その他の当該事業者の属する事業分野の実態を考慮して必要あるときは機構に対して意見を述べることができるという規定をわざわざ置いております。この理由は何なんでしょうか。
#170
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、主として、個々の事業を再生させることが可能だと考えられる場合でも、例えば非常に供給過剰の分野があって、よくある例は、債権放棄なんかを受けて元気になって戻ってきたけれども、債権放棄を受けないで頑張っているところの足を更に引っ張るというような御批判がございます。
 したがいまして、それぞれの事業分野で、事業分野の状況をよく見て、みんなで足を引っ張って競争力をなくすというようなことは避けなきゃいけないと。こういうようなことを判断いたしますために、いろいろ業務、いろいろ担当、事業所管大臣の御意見等を聞いてその判断をしていこうと、こういう趣旨であります。
#171
○西山登紀子君 事業所管大臣が意見を述べる、主務大臣はその意見を聞かなきゃいけないというようないろんな規定が置かれておるんですけれども、これは平沼大臣にお伺いしたいんですけれども、そういう不振企業の再生を左右する、再生がどうかという判断が必要になってくるような問題につきまして政治が介入するおそれがないかという懸念は、これは言われておりますね。特に、先ほどずっと聞いてまいりましたように、支援決定の数値基準というのを非常に弾力的に運用が行われる可能性もあるということになりますと、そういう点では事業所管大臣が意見を述べてその機構が支援決定をしないというようなことになりますとこれは大変なことになるということで、業界保護のために意見を言うというふうなおそれが入ってこないとも限らない。その点は大臣、どのようにお考えですか。
#172
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山先生御指摘のとり、機構法の第二十一条及び第二十二条においてはそれぞれ、支援基準の決定及び個別の再建計画の支援決定に当たりまして事業所管大臣が意見を述べることができる、こういう仕組みになっております。これは、機構による支援が企業の単なる延命を図ることにつながったり、あるいは過剰供給構造を助長しないようにするためのものである、こういうふうに私どもは基本的に考えております。
 具体的には、支援基準に対する意見は産業再生法によってあらかじめ定められた基本指針及び事業分野別指針との整合性に配慮することが求められていることで、また支援決定に対する意見というのは過剰供給構造その他の当該事業分野の実態を踏まえたものとすることでそれぞれ担保をされているところでございます。さらに、これらの事業所管大臣の意見を踏まえつつ、最終的な支援の判断というのは産業再生機構における産業再生委員会が決定することになっているわけであります。
 したがって、機構による支援が政治の介入を受けたり業界保護の観点からの安易な支援に陥るおそれはないものと考えておりまして、逆に、こうしたことを回避するため事業所管大臣は意見を述べることができると、こういう趣旨だと思っております。
#173
○西山登紀子君 法文上は確かにそういうふうに読めるわけですが、昨今の政治というのは非常に癒着という問題がございまして、むしろ私なんかは所管大臣は何か物を言うとゆがんでいくんじゃないかというふうな思いを強くするものですから、その額面どおりに受け取れないという、そういう不信を持って国民が見ているということなんですよね。そういうことも是非心しておいていただきたいなというふうに思います。
 それで、流通業界の実態について、次に移りたいと思います。そして、資料も配付をしていただいておりますので、ちょっと局長さんの方から御説明いただけますか。
#174
○政府参考人(望月晴文君) お尋ねの一九九一年から現時点までの流通業界の大体実態の数字を御説明申し上げます。
 先般、二〇〇二年の商業統計速報が出ましたので、これに基づきましてお答えを申したいと思います。
 まず、店舗数に関しましては、九一年には百六十万店舗あった店舗数が二〇〇二年では百三十万店舗に減少をいたしております。特に、従業員数四人以下の小規模店舗につきましては、九一年に百二十七万店舗あった店舗数が三十八万店舗減少し、二〇〇二年では八十九万店舗になっております。
 また、年間販売額に関しましても、一九九一年に全体で百四十二兆円あった販売額が、九四年、九七年には増加をいたしましたもののその後は減少をいたしまして、二〇〇二年には百三十五兆円になってございます。
 一方、売場面積に関しましては、九一年に一億九百九十万平米だった売場面積が二〇〇二年には一億四千六十四万平米にまで増加をいたしているというのが実態でございます。
#175
○西山登紀子君 これはもう点線を見ていただきますと、この点線は従業員四人以下の小さなお店でございます。実線の、黒い丸の実線は小売店舗の数でございます。これは八二年からずっと減っているということはお分かりいただけますし、九一年から急激に減っているということも左側の図でお分かりいただけると思うんですね。
 売場面積はぐんぐんと増えておりまして、右側のグラフを見ていただきますと、売場面積が増える。そして、一時期、小売業の販売額というのも九七年が非常にピークになっているんですが、その後ずっとやっぱり減ってきて、マイナス十二・六兆円という形になってきております。このギャップが結局、過剰ということになってきて、今、大型店のむしろ撤退がずっと起こってきているのはこういうところに原因があります。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、大きな店舗の問題ももちろんございますが、見ていただきますと、小さな店舗がこの間九一年から約四十万店ほど消えていっているという問題があるんですね。先ほど大きな企業が倒れたときの影響も、大臣、心配しておっしゃっておられました。私も何も大企業がつぶれたらいいだなんて思っているわけでは絶対なくて、大企業の果たすべき社会的な役割はもちろんあります。しかし、こう見ていただきますと、小さなお店がずっと、目立たないかもしれませんけれども、オールジャパンで統計いたしますと四十万店もこの間減っていると。
 これはやはり規制緩和の影響が大きく出ておりまして、その点について、まず大臣の、これはもう時間が来ましたので、一つは、そういうふうにつぶしてきた、大型店の出店を規制緩和をしてラッシュを作り出し、そして小売店はむしろシャッター通りなどなど、つぶしていって商店のにぎわいを消してきたと、そういうことで、そして今こういう過剰状態が一方では起こりながら問題だというふうに言っていると。これはやはり政治の一つの責任、政策の間違いがあったということについて大臣の責任を一つはお伺いしたいのと、もう二つ続けて聞いてしまいます。
 昨年は、産業再生法の基準を緩和してダイエーを認定をされましたですよね。そして、この産業再生法、再生機構法のいろいろ取りざたがされましたときに、一月ごろですか、この機構の第一号は西武百貨店じゃないかというようなことがマスコミに載ったことがあって、今はそれはもう解決されているということなんですけれども、産業活力再生法にいたしましても、この機構法にいたしましても、決して手を差し伸べようとしているのは小さな小さな中小零細商店ではございませんですよね。その点で、やはりこれは一つの例でございますけれども、過剰供給構造の解消の名の下に正に過剰供給構造を生み出してきた特定の大企業などを救済するようなこの二つの法案、機構法案と活力再生法案については、やはりこれは国民は納得できないというふうに思います。
 その二点についての大臣の御所見を伺って、終わります。
#176
○国務大臣(平沼赳夫君) まず、ダイエーの方から先にお答えさせていただきたいと思うんです。
 ダイエーについては、経済産業省が、先ほど出ましたけれども、閻魔大王になってそういう振り分けたわけじゃございませんで、あくまでも主力銀行による債権放棄等の下で自主的な構造改革の取組を行っていると、こういうふうに私どもは理解しておりまして、当省としては、あくまでも産業再生法の趣旨に照らして審査をして、その定める要件に合致すると認められたことから認定をして、そして法にのっとって減税措置等の支援を講ずることとしたものでございまして、国として救済をしたと、こういうことではないわけでございます。
 その中で、やはり私どもは中小の商店、商店街はもとより重要だと思っておりまして、私どもは、身近な買物の場の提供に加えて地域住民の交流の場、そういった場の提供等、地域のコミュニティーの中核として大きな役割を果たしてきたものと、こういうふうに思っておりますので、これは中心市街地活性化法による、そういった手だてで今やっているところでございます。
 それから、最初のお尋ねでございますけれども、私どもとしては、確かにこのグラフで示されているとおり、四十万店舗も減少していることは事実です。そして、各地域の小売店ですとか商店街の状況を見ますと、一部の地域には元気な商店街や商業集積も見られるなど、地域ごとに差はありますけれども、本当に御指摘のように一般的には大変厳しい状況に置かれております。私どもは、このような状況の背景には、我が国の小売業を取り巻く環境の大きな変化があると、こういうふうに考えております。
 すなわち、まず第一点としては、近年、消費者のニーズ、志向は短期間で大きく変化をして、またモータリゼーションの進展等によりまして消費者の行動範囲というのが非常に大きく拡大をしている、小売業はこれに機敏に対応することが求められて、様々な業態間の競争が激化している、こういう実態があると思っております。
 また、小売業を取り巻く国際的な規制環境等の変化も踏まえて、大店法の規制緩和、さらには大店立地法を始めとするいわゆる町づくり三法の制定などが行われたわけでございまして、この町づくり三法というのは、需給調整ではなくて、都市計画や地域環境との整合を図りながら市街地の活性化を進めようと、こういうふうにしているものでございます。非常にこの少子高齢化の中で中小小売店の経営者の高齢化や後継者不足等による廃業というものも深刻な問題だと、こういうふうに思っております。
 このような環境変化の中で、その時々の時代の要請や地域の実情を踏まえて、まず当省としては、中小小売商業に対して商店街の振興や、やる気のある中小小売商業の支援をずっと行ってきたところでございまして、私どもとしては、そういった背景の中で、本当に厳しい現状はありますけれども、今後とも流通業を取り巻くそういう状況を注意深く見守りながら、中心市街地の活性化、これはやっぱり文化の継承という問題も含めておりまして大変重要な問題ですから、こういったこともしっかり取り組んでいかなければならない、このように思っております。
#177
○広野ただし君 自由党・無所属の会の、国会改革連絡会の広野ただしです。
 先日に続きまして、質疑を続行させていただきたいと思います。
 やはり企業の再生といいますか、企業の経営というのは、日産のゴーンさんが非常に端的に見事にやられたと思いますけれども、やはり経営者の手腕、そしてまた結局人、その人を一丸となって一つの目的に向かってやっていくと、こういうところがやはり大きな企業再生に占めるウエートがあるんだろうと思うんです。
 そういうときに、経営者、持ち込まれる対象企業の経営者の責任についてお伺いをしたいと思います。
 大体持ち込まれる企業数、大手では多分数十、この間は八十件というような話がありましたけれども、数十件だろうと、こう思いますが、そういう中で大宗を占めるのは、多分、現下の経済情勢から考えますと、流通業あるいは商社あるいは信販等のノンバンクといいますか、そういうところであろうし、あるいは土木建設業、不動産業、そして大規模レジャーあるいはリゾート、ホテルといったようなところではないのかと、こう推察をしているわけなんですが、そういうときに、私は、やはり再生をするというときに、大変な社員に迷惑を掛け、従業員を路頭に迷わせる、そしてまた借金を棒引きにしてもらわないとやっていけない、そういうようなそれまでの経営責任ということを考えますと、経営者は必ず交代をしてもらわなきゃいけないと、こう思うんですね。
 ところが、この間からの御答弁をお伺いしておりますと、必ずしもそこを奥歯の物が挟まったように何かはっきり言われない、場合によっては続投といいますか、されるような話があります。
 私は、そういう、何といいますか、従業員を路頭に迷わせて、借金を棒引きにしてもらって踏み倒した、ある意味では踏み倒すような話なんですね、そういう経営者が次の企業再生を決してうまくやれるわけがないと、こう思うんですね。ですから、そのことについて、事業が一番多いであろう平沼大臣と、また国土交通省、中馬副大臣もお見えでございますので、それぞれお伺いさせていただきたいと思います。
#178
○国務大臣(平沼赳夫君) 通常、経営の悪化によりまして金融機関の債権放棄が行われる場合には、その責任を有する経営者の退任が求められる、これが一般的だと思っております。産業再生機関の支援対象企業についても同様に、責任ある経営者の退任が求められることが私どもはあることは当然だと、こういうふうに思います。
 ただし、現実の案件は、経営を悪化させた責任のある経営者が既に退任をしているというようなケースも考えられますし、経営再建のための新たな経営者が就任している、そういった場合もありますし、新しいスポンサーが事業再生の観点から経営者の留任を支持する場合、あるいは現経営者に代わる適切な新しい経営者を見いだすことが、特に地域の中小企業なんかで多いと思いますけれども、困難な場合など多種多様なケースがあるので、一律には私は言えないと思います。しかし、根底は、おっしゃるとおり、経営責任を取って辞めるべきことは、私は当然だと、このように思っています。
#179
○副大臣(中馬弘毅君) 御認識は広野委員と正に一緒でございまして、やはり企業の社会的責任、自己責任というのは、これは非常に重いものでありますし、自由主義経済の基本原則でございますから、これは経営者がちゃんとした責任を取ってもらわなければいけないと思いますし、また一般の、私たち今、大阪、中小企業、大変な苦労をしておりますが、そこでこういう状況になりますと、大抵のところは家屋敷も全部取られて、倒産して、夜逃げをして、タクシーの運転手さんから再出発しなければいけないというのがほとんどですから、そういうことで、これで非常に助けられたりしますと、経営者がのうのうと大邸宅に相変わらず住んでいるということになりますと、大変な怒りもありますので、そういうことで私は、この機構においてもそういうことでちゃんと判断していただけるものだと、このように思っております。
 しかし、今、平沼大臣の方からもお話がありましたように、これはやはり再生を目的としてのスキームでございますから、債権者がどれだけ債権放棄をするか、あるいは株主がどれだけ減資に応ずるかといったようなことを前提として、経営者ももちろん責任を取りながらも、しかし過去の経験等でやはりこうして留任して、おまえにはもう一度やってみろという要請がある場合にはそういうことも一つは方法論と思いますし、それがこの選択がゆだねられているわけですから、そのことも含めてやはり機構においてこれも判断をされるものと私どもも期待をいたしております。
#180
○広野ただし君 先ほどお二人とも言われました中小企業は、私は確かにそれに代わる人材がいない場合が確かにあるかもしれません。だけれども、大企業の場合はこれはもうしっかりとその責任を取ってもらうということを、まあ奥歯に挟まったようなことではなくてはっきりとやっていただきたいなと、こう思っております。
 それともう一つは、それのことのほかに、経営者でも正にそういうよたよたの企業にまでした、そういうときにはいろんな背任行為とか、特別背任あるいは詐欺まがいのことをやっている場合が私は往々にしてあると思うんです。ですから、金融機関に対しては預金保険機構あるいはRCCは告発、告訴告発の権限あるいは損害賠償請求、そういう権限を持っているわけでありますけれども、ここの企業再生機構はそのことはどうなっておるんでございましょうか、これ谷垣大臣に。
#181
○国務大臣(谷垣禎一君) 機構が業務を行っていく際、その対象となる企業が仮に取締役による特別背任などが行われておったということが分かったときには、それは告発も含めて適宜な措置を取ることは私はこれ当然のことだろうと思います。
 ただ、その機構の業務の主目的はそういう前の経営者の非違を摘発するというのが目的では必ずしもございませんで、事業や産業の再生をするということが本来の目的でありますから、私的整理をよりスピーディーで踏み込んだものとするためのものと、こういうことでありますから、企業の経営者の背任行為の追及を主な目的として業務行為を行うことはこれはないと、念のために付け加えておきます。
#182
○広野ただし君 私もそれを主な目的にということを言っておるわけじゃありませんで、少なくともこの企業は救われ、この企業は救われないということになるわけですね。しかも、ある意味でゼネコンなんかでよく言われますのは、おれらは一生懸命やって利益を出してきたと、片一方は何かある意味でずさんな経営をやって、あるいは別のところに手を出して傾いたと、それをある意味で国が関与して助けると。そうしますと、こっちは競争力がある意味で出てくるわけですね。お金の、しかも注文をこちらに公共事業を重点的に出すと、こういうことになるとまじめにやっていた我々はどうなるんだというのがある意味での経営者の声でもあるんです。まともにやっている人たちの声でもあるんですね。
 そうしますと、やはり今度助けるという意味でやるんであれば、そういう経営者の責任と、対象企業の経営者の責任というのはやっぱり徹底的にやってもらいませんと、それは非常に不公平なことをやるということだろうと思うんですね。ですから、そういう場合は、預金保険機構も出資をするわけですから、あるいはRCC等を活用してちゃんとやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#183
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員の御趣旨はよく分かります。ですから、先ほどのように犯罪ありと認めた場合は告発をするとか、あるいは場合によっては、例えばデット・エクイティー・スワップで株主の地位を取得したときは、場合によっては株主代表訴訟というようなものを提起することもこれはあり得ると思います。したがいまして、何というんでしょうか、そこまで企業を悪化させた責任というものに対してある程度それはできることはやっていくということが必要だろうとは思うんです。
 ただ他方、もう一つ我々が考えておりますことは、今まで日本のその事業再生という意味では、どちらかというと例えばメーンバンクも追い貸しなんかをして、気付いた、ぎりぎりまで頑張ってしまって、それで頑張らなきゃいかぬというんで頑張って、気付いたときにはもう手後れなように体じゅうにがんが転移してどうにもならないというような事例も現にあるわけですね。
 で、私どもが今目指しますのは、むしろ早期に決断をして、なるほどここは事業に一時進出したけれどもここでは収益が上がらない、したがってやっぱりいろいろ関係の助力も得て思い切った整理をして、本来いい、何というんでしょうか、事業ができるところに特化していこうというようなことを早期にやはりやってもらう、そういうその、何というんでしょうか、手法と場といいますか、そういうことも我々はやっていきたいというふうに考えておりまして、先ほどのようなもう今までいろいろ隠ぺいしておって、気が付いてみてふたを開けてみたら中に臭いものがうようよしているなんという事例では当然委員がおっしゃったようなことでなければならないと思いますが、他方、早期に気持ちを切り替えてもらって新たに思いを進めていくというような場合にはいろいろまた考慮しなきゃならぬ場合もあるのではないかと思います。
#184
○広野ただし君 ところで、土木建設業あるいは不動産業におきましてはもう既に債権放棄が行われて、なお復活ができないという企業がかなりあるわけですね。それがある意味でまた現下の経済情勢を引っ張っているという点もあるわけなんですが、そういう本当にこの土木建設業、先ほどもちょっとお聞きしましたらば需要が三割は減っていると、こういうことですね。そういう中で、本当に企業再生というのが政府が関与したからといってできるんでしょうか。副大臣、どうでしょうか。
#185
○副大臣(中馬弘毅君) 御指摘のように建設業は建設投資、ピークのときから三割需要が減っているわけでございまして、大変な業界状況にあることは御承知のとおりでございます。
 そういう中で、もう倒産したところもありますし、収益性の一部高い本業の方に特化するとか、企業間の連携とか統合が始まっていることは、これまた御承知のとおりそれぞれが自助努力していることもありますし、またこの再生機構による再生を目指すところも一つの選択肢としてあることも現実でもございます。
 そういうことで、国土交通省がどう関与するということではないんですけれども、やはり安易な企業救済とならないように、私どもは再生可能な企業に限ってこの再生支援事業のスキームの方にしてもらいたいというのが正直な気持ちでもございます。そして、そのために国土交通省としましても建設業の再生に向けた基本指針というのを策定いたしまして、一般的な基準に加えまして事業規模の縮小又は二つ以上の企業の経営統合・事業の再編が行われること、そういうことの条件を付けております。それから、再生が確実に行われ中途半端な再生とならないよう収益性、安定性、健全性の三つの観点を示す指標が三年以内に建設業の平均的な水準並みになると、こういうことの政策支援の要件といたしておるところでございまして、安易な形での支援じゃなくてこうしたことを一つ条件を付けながらもやっていただきたいということを再生機構の方にもお願いしているところでございます。
#186
○広野ただし君 特に準ゼネコンと言われる、一度の債権放棄、更には二度の債権放棄という形で受けているような、この間どなたかもおっしゃいましたが、正にゾンビ企業になるような、そういうような企業を本当に復活させるということになるんでしょうか。
#187
○副大臣(中馬弘毅君) 先ほど言いましたように、もう業界自体が一つの需要構造が非常に少なくなってきているわけでございますから、これを正直申しまして、つぶれるところはつぶれた方がいいという立場でも半分あるわけでございまして、しかし先ほど言いましたような社会的な影響も多うございますから、何とか再生できることにつきましては再生することは一つの社会的な責任であるし、またその指導を一定の条件の下ですることも我々国土交通省の役目だと存じております。
#188
○広野ただし君 私の立場は、先日も申し上げましたが、民がなすべきところは民に任せるという正に小泉総理の、正に企業の生き死にあるいは存続について、法的整理をやるなら法的措置があるんですからそこでやっていくということであって、政府が関与するべきではないと、そこに関与するところによって非常な不公平なものになっていくんではないかと、こういう立場なんですが。そういう中で、やはりどうしてもそこに権力者が介在をするというようなことになって利権の温床になるんではないかというおそれが、やっぱり心配があるわけです。
 この間も本会議場でお聞きしました。これは銀行については、公的資金が入ったところについては、自民党さんは自粛をするという措置を現在取っておられるんだと、こういうことであります。じゃ、今度再生機構によって救済される企業あるいは債権を買い取った銀行等から政治献金を受けることについてはどのようにお考えか、谷垣大臣、平沼大臣、そしてまた国土交通副大臣にお伺いしたいと思います。
#189
○国務大臣(谷垣禎一君) 政治献金につきましては、国民から疑惑を招くことがないように一定の規制の下で、そして透明性が担保されるというようなことじゃなきゃならないと思っておりますが、機構が支援する企業も、政治資金規正法とかあるいは公職選挙法等の関係法令に従うことは当然でございますし、その厳格な運用が求められることは言うまでもないと思います。これはきちっと厳格に適用しなきゃならぬ。
 それから、私ども担当閣僚であるわけですが、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範というようなものもできておりますので、そういうものをきちっと遵守してやっていくのは当然のことだと思っております。
#190
○国務大臣(平沼赳夫君) 谷垣大臣と同じ答弁になると思いますけれども、産業再生機構が支援対象とする企業、そしてその関連企業からの献金については、政治資金規正法等の関係法令、これを従うのはもう当たり前のことでございまして、私どもとしてはそこのところはしっかりと厳格にやっていかなければならないと、このように思っております。
#191
○副大臣(中馬弘毅君) 広野委員おっしゃることは当然でございまして、そうした政府から支援を受けながら政治献金というのは私はやるべきでないと思っていますし、今のところ、国民政治協会にしたものを見ましても、十三年度におきましてはフジタが五千万しておりましたが、それも返したようでございましたが、すべての債務免除企業、ゼネコン、これはゼロに十三年はなっております、現実問題で。
 また、個人の場合におきましても、御承知のとおり、パーティーでは二十万円まで、それから政治献金といいますか、五万円以上は名前が出ますから、今名前が出ましたらもう逆に有権者からの批判も浴びますし、また出すのを嫌がってほとんどのところは出していないようでございまして、現実問題としては、今のところ、裏献金は知りませんが、ともかくそういう形での、我々が把握する限りにおきましては、政治献金がこういうところから大きく出ているということは今ないようでございます。
#192
○広野ただし君 ここにおそろいの大臣及び有力閣僚といいますか、の方々は将来もあり、また非常に清潔な方々と私は信じておりますが、自民党内においてやはりこういう再生機構で救われた企業あるいは買い取った銀行というところからは献金は自粛をするという声を是非大きくしていただきたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。
#193
○委員長(田浦直君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#194
○委員長(田浦直君) 次に、公正取引委員会を内閣府の外局に移行させるための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。福田内閣官房長官。
#195
○国務大臣(福田康夫君) ただいま議題となりました公正取引委員会を内閣府の外局に移行させるための関係法律の整備に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公正取引委員会の位置付けについては、平成十三年六月に閣議決定した今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針等において、「よりふさわしい体制に移行することを検討する。」としていたところでありますが、このたび、中央省庁等再編後の状況の変化等を踏まえ、公正取引委員会を総務省の外局から内閣府の外局に移行させることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 この法律案は、内閣府設置法に基づいて公正取引委員会を置くこととし、また公正取引委員会は内閣総理大臣の所轄に属するものとするとともに、これに伴って関係法律について所要の規定の整備を行うものでございます。
 なお、法律案は、施行期日を「平成十五年四月一日」として提案いたしておりますが、審議の現況を踏まえ、衆議院において「公布の日」に修正されておりますので御報告いたします。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
#196
○委員長(田浦直君) 以上で趣旨説明の聴取は終了いたしました。
 本案に対する質疑は後日行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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