くにさくロゴ
2003/05/27 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第18号
姉妹サイト
 
2003/05/27 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第18号

#1
第156回国会 経済産業委員会 第18号
平成十五年五月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任   
     片山虎之助君     岡田  広君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                松田 岩夫君
                木俣 佳丈君
                平田 健二君
    委 員
                岡田  広君
                小林  温君
                近藤  剛君
                関谷 勝嗣君
                福島啓史郎君
                保坂 三蔵君
                直嶋 正行君
                中島 章夫君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                鶴岡  洋君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   国務大臣
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
   副大臣
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       桜田 義孝君
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
   参考人
       早稲田大学商学
       部教授      鵜飼 信一君
       社団法人日本金
       型工業会会長
       大垣精工株式会
       社代表取締役社
       長        上田 勝弘君
       全国ソフトウェ
       ア協同組合連合
       会専務理事
       首都圏コンピュ
       ータ技術者協同
       組合理事長    横尾 良明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○下請中小企業振興法の一部を改正する法律案(
 内閣提出)
○小規模企業共済法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○議案の撤回に関する件



    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として早稲田大学商学部教授鵜飼信一君、社団法人日本金型工業会会長・大垣精工株式会社代表取締役社長上田勝弘君及び全国ソフトウェア協同組合連合会専務理事・首都圏コンピュータ技術者協同組合理事長横尾良明君の三名の御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
 皆様から忌憚のない御意見を御拝聴し、今後の法案の審査の参考にいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席したままで結構でございます。
 それでは、参考人の皆様から御意見を伺います。
 まず、鵜飼参考人にお願いをいたします。鵜飼参考人。
#3
○参考人(鵜飼信一君) 早稲田大学の鵜飼です。よろしくお願いします。
 今日、こういう機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 まず今日は、最初に、私がこの中小企業の今の現況をどうとらえているかということと、それから下請法の意義と、それから今回の下請法改正案についての企業取引研究会に出席した立場としての意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、国内の製造業を中心とした中小企業を見てみますと、明らかに今、我が国の産業というのは国内生産の中では量産から多品種少量という方向に大きく動いていると思います。量産部門というのは中国を始めとする海外の方へどんどん行くという動きが、これは中小企業の側では止められない状況であります。
 こういった中で生き残っていくためには、中小企業の側も今までの量産対応の組織体制を改めて、ここは大事なんですけれども、企業規模を今よりは少し小さくして、そして技術と技能、そしてノウハウを組み合わせて付加価値を生み出していくことが基本だと思います。
 こうした行き方が基本であって、いわゆる世間的にみんなこっちへ行けと言われているような自社製品開発とかあるいはベンチャー企業という行き方は、そういった行き方のほんの一部だということを認識していただきたいと思います。多くの中小企業というのは、やはり依然、これまでもそしてこれからも、部品の加工とか製造といった下請的な仕事で生きていかざるを得ないという状況であります。
 もう一つ重要なことは、先ほど多品種少量型になってきたと申し上げましたけれども、実は内実的には多品種少量というよりも多品種変量と言っても過言ではないと思います。この変量というのは受注がゼロになることも結構あるという意味であります。
 これは、一番いい例が半導体製造装置を取って考えていただくと結構なんですけれども、半導体製造装置というのはいろんな種類がありますが、大体一つの生産工程には一台という形ですね。この半導体製造装置というのは、日本の強い分野であります。バブル崩壊以降の中小企業の多くは、こういった分野の部品の加工とかこういうことをやってかなり一息ついてきたということがございます。ところが、この半導体製造装置というのは半導体の生産量に影響されますから、この半導体の生産量が絶えず大きく変動するというとその製造装置の売上げも大きく変動する、そうすると、その部品を加工しているところも、去年はよかったけれども今年はもう仕事は全く来ないというような状態が特にこの数年続いております。
 こういったところを乗り切っていくにはどうすればいいかというと、大体の企業はみんな規模を小さくして、ここからが日本の中小企業の非常に特徴的なところですが、経営者も家族も、あるいは老いも若きもみんな現場で働く、特に大都市圏の集積の中では職住一体あるいは職住近接で働く、こういったことで何とかしのいでいるわけであります。こういう状態で働けば、稼働率がどかっと落ちたときでも何とか乗り切れると。息子さんには給料をちょっと待ってもらうとかいうようなこともやっているわけですね。それから、残業になればもう経営者が率先して夜中も働くという状態がずっと続いているんだと思います。
 私は、こういう企業を、言葉がいいかどうかは分かりませんが、生業、生きる業だと思っております。こういう生業的な形で企業形態をやっていくことで何とかこの稼働率の低い時期を乗り切っているというのが現状であります。
 ただし、こういった小規模な企業に逆に勝機も結構ある部分があります。これは要するに、多品種少量生産においては個人の持つ技能とか技術とかノウハウというのが、非常にそれに依存する部分が大きいわけです。こういったものというのは小さな企業こそ十分に発揮できる、そしてその持ち主が、そういった技術とか技能とかノウハウの持ち主が経営者であることが非常に多いわけで、そうなると、思い切った企画とか方向転換も即時的にできるというメリットもあるわけで、そういったところを活用している企業というのが現時点で大きく活躍しているんじゃないかなと思います。これは製造業でもサービス業でも同じことが言えると思います。
 続きまして、下請法の役割という点に移らさせていただきますが、こういった今申し上げたようなことから考えますと、下請法の役割というのは非常にますます大きくなると思っております。要するに、規模を少し縮小していくということが中小企業の生き残りの方策であるとすれば、大企業との力の格差というのはますます開くわけであります。しかも、中小企業というのは、実は例えば株式会社という形態を取っていましても大企業の株式会社とは全く違うものであります。これは特に資金調達面から考えてみていただければ簡単に分かると思うんですが、株式会社という名を取っていても、株式市場で資金を調達できる中小企業というのはほんの一部であります。ほとんどは、わずかな自己資金と経営者の自己資産を担保とした間接金融で何とか賄っているというものであります。しかも、従業員構成は非常に高齢の方から経営者もみんな働くというような形態を取っているわけで、そういう意味では、中小企業株式会社というのは、正に先ほど申し上げました生業だというふうに考えられます。
 要するに、株式会社というのは、中小企業の場合はある意味では株式会社の制度を適用するためのある種の擬制といいますか、擬というのはてへんに疑うというやつですね、擬制的な株式会社ではないかというふうに思っています。
 そういった中小企業の多くというのは、必ずしも末はマザーズとかヘラクレス、この間まではナスダックでしたっけ、といった、そういう上場を目指しているようなわけではないわけですね。要するに、自分と家族と、それからわずかな従業員が過不足なく、できればより良く暮らしていきたいというふうに願っているだけでありまして、そういう意味では、私は日本というのは生業資本主義の国だと思っております。法人資本主義の国だとおっしゃる方もいらっしゃいますが、中小企業に焦点を合わせれば生業資本主義だと思っております。
 この生業が実は産業や企業の基盤でありまして、産業や企業を政策によって作り出すことが実は非常に難しいわけで、ベンチャー創業支援といってもなかなか成果を上げていないのはお分かりになると思います。やはり将来の優秀な企業も今ある生業の中から生まれてくると考えるべきだと思っております。この生業を守るのが中小企業に係る法律制度の基本だと思っております。
 先ほど申し上げましたように、規模を小さくして生業的な形態を取っていくことが重要な生き残り策の一つであるならば、この企業規模格差により生ずる取引の不公正から中小企業を守ることが国策としても重要な意義があると思っております。
 今回の下請法改正案については、私も実は平成十一年に中小企業庁の下請中小企業政策研究会というのに出席もしておりましたので、非常に、昭和三十一年にできた法律がようやく改正されることになって非常にうれしく思っています。
 特に評価をすべきところは、金型を入れたというところだと思います。金型というのは、部品と似たような側面と、それからソフトウエアとしての側面と両方持っているわけですね。ほかの製品に転用が全く利かないという点では専用部品とも似ていると思いますが、金型の場合は、設計図、これCADで作る場合が多いんですけれども、そこに物づくりのノウハウがびっしり書き込まれているわけですね。ですから、金型を受け取らないでも、このCADの図面さえ作らせちゃえば、それをもらってしまえば、よそに、もっと安いところで金型作ってくれということができるわけですね。実際にそういう事態が起きているわけです。この辺がほかの設備機器とか自工具の場合とはちょっと違うところだと思っております。しかも、この金型産業というのが、先ほど申し上げました多品種少量生産に向かう国内での物づくりのコアになるものだと思っています。その多くを中小企業が担っているという意味で、この金型を入れたという意義は非常に大きいと、これを私らはスタートラインと考えております。
 それからもう一つは、サービス業の一部が入れられたということであります。
 私も実は三十代にこういった業界におりましたけれども、一部における優越的地位の濫用というのは非常によく耳にいたしました。特に、こういったサービス業というのは労働集約的な産業ですので、こういった分野では非常にこういう優越的地位の濫用というのが起こりやすい要素があるのではないかと思っております。
 このサービス業の拡大というのが我が国の産業全体にとっても、産業基盤的な意味でも、あるいは、例えば産業基盤的というのは、製品に組み込まれるいろんなソフトウエアがありますので、そういった意味です。それから、やはり成長分野も実はここに多くあると。映像制作とかいうのもその分野だと思いますが、そういう意味でもこれからの重要な産業だと思っております。ただし、こういった産業を支えるのは資金力という点では製造業以下の中小企業が非常に多いので、こういった企業を守る法律として、この下請法は重要な意義を持つと、こう思っております。
 以上でございます。
#4
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 次に、上田参考人にお願いいたします。上田参考人。
#5
○参考人(上田勝弘君) 社団法人日本金型工業会の会長を拝命いたしております上田でございます。今日は岐阜県から参ったわけでございます。
 先ほど鵜飼先生の方からお話も一部ございましたが、金型という産業、この中で金型というのは金の型と書く字でございますが、これは最近まで、我々は金型、金型と数十年この業界におりますんですが、一般的にはあれはキンケイと読むんじゃないかという人もたくさんおられて、やっとここ最近になってあれは金型だと、金型企業大丈夫かと、こういう認知を最近になってやっといただいたと、これが私は非常に一番うれしゅうございます。
 御承知のとおり、金型というのは欲しい部品を作るためにその型を作るということで、これは歴史は古いわけでございますが、日本では本格的には戦後のいわゆる自動車あるいは家電製品、これの発展とともに金型産業もイコールの勢いでずっと発展をしてまいりました。途中、バブル崩壊の平成三年までは、いわゆるオイルショック等のいろんな経済激変期がありましたが、そのときも、一時金型産業はがくっと下がりながらも、基本的にはV字回復をして、自動車産業、電気製品、電子機器、こういったもので随分発展をしてまいりました。
 しかしながらその規模たるや、金型の業界は、当時一万二千社全国にあると、こう言っておったわけですが、この業界の数が平成三年のバブル崩壊後、順次減ってまいりました。現在では約一万社になろうとしております。また、平成三年をピークにいたします金型の総生産額は約二兆円と。これはかなり規模の大きい、金額では規模の大きい産業でございますが、企業規模は、一万二千社の中で、従業員が二十名以下という企業が大体九六%を占めていると。ですから、全くこれは中小企業集約型の代表的ないわゆる産業構造を成しているわけでございます。
 しかしながら、金型メーカーというのは大手企業の要請によって世界に冠たる製品を作るために随分頑張ってまいりました。しかしながら、経営基盤が弱いばっかりに、技術は非常に強いが経営基盤が弱いという体質の中でも、あふれる仕事をいただきながらそれなりにいわゆる潤ってきた時代もございました。
 しかしながら、御承知のとおり、円高の進行とともに日本の製造産業が海外に移転を始めたときから、事態は急変をしてまいります。これは、平成七年、八年と、一時海外へ行った企業が、円高の関係で日本の金型は高いから海外で調達しようよということで、随分大手電機メーカーのいわゆる購買担当者が金型の調達のために中国、台湾、韓国へ走りました。そして、ある部分的にはその発注をして、これは日本の大体六〇%ぐらいでできるなというようなことで発注をした実績も多数ございます。しかしながら、発注をしてみたものの、品質だとか後のアフターケアにおいては随分これは大変な時間を要するし、自分の思っておる品質のものが上がってこないというようなことで、やはり金型というのは日本の中で慣れた業者が慣れた商慣習の中でやることが一番いいんだというようなことが一時ありまして、回復基調が、平成十年にいわゆるバブル崩壊の平成三年と大体同水準まで回復をいたします。
 我々は、やっぱり金型は日本のこれは基本的なもので日本人に一番適した産業だと、こういうことで一時は安堵をいたしましたが、それから御承知のとおり、世界大競争、世界調達主義の、大競争調達主義の中で、大企業は本格的に今度は工場移転を海外に進め、プロジェクトチームを作って、海外でやはり金型も調達しなければ、これはコスト安にはならないよというようなことを本格的に取り組んできたわけでございます。
 それと同時に、金型というのは、新しいNCで制御をいたしますコンピューターを付いた最新鋭の機械がどんどんと日本から、あるいはドイツ、スイスから生産をされて、中国、台湾、韓国等の東南アジアを含める諸国では金さえ出せばいわゆる金型ができるNCマシンを購入することができると、こういうことが大きく金型産業の海外移転に拍車を掛けてまいりました。
 そして、日本の業者では、いわゆる今まで潤っておった業者は、海外との競争の波にさらされると。海外、中国では三〇%安でできますよと。いや、作れるものなら作ってみてくださいというようなことは言えないんです。いったん、そうやって言いますと、もう仕事がぱたっと来なくなる。仕方なしに三〇%あるいは四〇%のコストダウンで仕事をやらざるを得ない、そうしなければ従業員の給料も払えない、こういう事態に陥っているわけでございます。ただし、金型業界の中でも二〇%強はいわゆるそういった競争にさらされずに、独自の強い技術でもって、中国や台湾、東南アジア諸国あるいはアメリカ、ヨーロッパに負けない技術力でもって堂々と商売しておる企業もございます。これはやっぱり中堅以上の企業でございまして、数からいえば非常に少ない、少数派になるわけでございます。
 そういった中で、金型の問題が、東京でいきますと大田区、あるいは大阪では東大阪地区のいわゆる金型業界が集約をいたしております集約の地域でいわゆる倒産、廃業が続出をしておるわけでございます。同時に、生産額も随分落ちてまいりまして、工業統計でも絶頂期の二兆円から一兆五千億までに落ちております。このままで日本の金型産業あるいは製造を支えておるサポートインダストリーと言われたこの産業が、将来これでいいのかと。日本産業の製造、貿易立国、物づくり立国でやってきた日本はこれでいいのだろうかという論議が、いわゆる廃業するあるいはもう倒産前夜の人々の中から強い声として沸いてまいりました。
 金型工業会といたしましても、私どもは実態調査をいたしまして、どういうことで今困っているんですかということを実態調査をいたしました。これは東京と大阪、別個に行いましたが、その中で一番問題は、仕事が少なくなっている、絶対仕事量が少なくなってきた。そこへ輪を掛けてコストがもう安くたたかれてきている、それから不正な取引が発生している、このままでは我々はもう将来夢がありませんと、こういう声が随分全国から出てまいりまして、金型工業会としても、これはもう異常な事態になってきたという危機感から、経済産業省の御協力を得て、いわゆる実態調査あるいはまた経済産業省としてのユーザーに対する指針、買いたたきの防止、それから先ほども鵜飼先生が申されましたようにソフト、一生懸命精魂込めて作ったコンピューターのデータ、これを修理という名目で取り上げられて、それを、データを海外で渡して、このとおりに金型を作りなさいと、こういうアンフェアな取引が最近目立ってきたと。こういうことも防止してもらわなければ、日本の、今問題になっております中国のコピー製品、これを日本はこれから立ち向かっていかないかぬと。そういうことが、国内の業者でそういうことが行われておったんでは、どうして対中国に対する著作権の問題であるとかいわゆるコピー製品の追放であるとか、こういうものに立ち向かっていけるのかということもございます。
 それと同時に、我々金型業界としては、一番問題は、新規参入がもうほとんどございません、新規参入が。ということは、我々の金型を始めた三十数年前というのは金型はいい産業だということで、どんどん核分裂をするように新しい業者が発生をしてまいりましたが、今はございません。なぜかというと、金型産業に未来はないという認識で一致しておるようでございます。ただし、中国辺りでは、これから物づくりは中国の番だというようなことで、金型産業はいよいよ新しい設備を入れて、人材を育成しながら、金型産業というものは成長産業であると、こういうとらえ方をしております。この落差が私は日本の製造産業の問題点として非常に重要じゃないかなというふうに思っております。
 また、金型産業は、先ほど申し上げましたように、小規模のいわゆる業態が多いゆえに、大手企業との取引慣習というのが、契約書を基に取引をしているというのは非常に少なかったんです。ツーカーの仲で、やってくれよ、はい、分かりましたと、こういうふうなことでやってきた。しかし、それが今日ではあだとなって、いわゆる取引慣習が崩れてきた。図面をちょっと出しなさい、それを、どこか、いつの間にか海外へ持っていかれると、こういうことが頻繁に行われるようになりました。昔はそういうことが、昔からあったんですが、それはちゃんと見返りがあったんです。トラブルが起こらなかった。今日、そういうことが非常に全国の金型業界の中から大きな声として出ております。
 金型業界としてはこれを無視することができないというようなことで、今、経済産業省の御協力を得て今鋭意頑張っておるところでございまして、また昨年とおととしは経済産業省の御協力によって、金型の実態をいわゆる実業者、我々の業者が実際に見るために、中国への調査団、東南アジアの調査団を派遣いたしまして、どのぐらいの競争力があって、どういうユーザーがあって、どういう方向で金型業界、業態を運営しているのか、こういうことをつぶさに調査をしてまいりました。報告書は全部提出をさせていただいております。
 こういったことから、我々はこの日本の製造を支えてきた金型産業が今やもうピンチに陥ってきている、競争力を更に弱くしている、これをこのまま放置しては日本の製造業の明日はないと、こういうことで、金型業界というのは本当に今苦境に立っておるわけでございまして、昨年辺りから新聞紙上、報道で随分バックアップのキャンペーンをしていただいたわけでございますし、いわゆる法律、今回の法律の改正でも金型という文字がここに独立していわゆる掲示をさせていただいたということは、我々にとっては非常に金型というものをいよいよ重要視していただいたという証拠だと思っておりまして、非常に有り難く思っているわけでございます。何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思っております。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#6
○委員長(田浦直君) ありがとうございました。
 それでは、次に横尾参考人にお願いをいたします。横尾参考人。
#7
○参考人(横尾良明君) どうもありがとうございます。ただいま御紹介にあずかりました横尾でございます。
 レジュメに従ってお話ししたいと存じますが、このような機会を与えていただいた関係各位に深く感謝しております。
 さて、末端事業者である個人事業主の実態ということですが、まず首都圏コンピュータ技術者協同組合の話と並行してお話ししたいと思っております。手元の方に資料がちょっとありますので、ごらんください。
 首都圏コンピュータ技術者協同組合は、平成元年にIT業界のプログラマー、システムエンジニアが集まり組織された事業協同組合です。組合員はすべて個人事業主でございます。税務署に開業届を出して青色申告をしているということです。下請法の中では末端の事業者になります。
 このような個人事業主がこれから大変な勢いで増えてくると私は思っています。というのは、企業は人は雇わないどころか、人件費の削減をしているんですね。失業しても就職先を見付けられない、仕方なく個人事業主になる。これが経済産業省で言っているマイクロビジネスの人たちになるということだと思いますけれどもね。このような人たちを下請法の改正で守り、育成することにつながることを今回はちょっと期待しているところもあります。
 個人事業主としては、仕事をするというのは実は大変なことなんです。私はよくこういう話をするんですけれども、サラリーマンは天からお金が降ってきますよと言います。会社にさえ行っていれば必ず給料日にお金が振り込まれているんですね。ですけれども、個人事業主はそういうわけにいかないんです。個人事業主の場合は営業をして仕事をしても、必ずお金になるとは限りません。当たり前のことですが、お金にするまでにはいろいろな手続が必要なんです。
 まず営業、その中で、話し合い、条件を聞き、見積書を作り、契約を交わして初めて仕事が始まり、仕事をし終わってもお金にならない。しかも、この過程がすごく不明確になっているところも多いということですよね、サービス業の場合は特に。
 じゃ、お金もらうためには何をしなきゃいけないかと。最低限、相手先に合わせた請求書は出さなきゃいけませんよね、そうしないとお金にはなりません。取引先によっては納品書、相手発行の物品受領書が必要な場合もあります。
 すべての手続をして、入金日にお金を下ろそうと思ったら残高不足になっている。慌てて入金を確かめてみると、入金がない。このようなことはしょっちゅうとは言いませんが、間々あることなんですね。当たり前のことですが、お金は入金の確認をしないと使えない。また、世の中の必然として、支払は弱いところから遅らせるのが現実ですということです。一つの仕事をするだけでも、このように細かいことまで全部一人でやらなければいけないのが個人事業主だということです。それが末端の下請事業者の立場だということを御理解ください。
 そこで、当組合では、営業の代行から契約の代行、仕事の終了確認後の請求業務、入金の確認、振り込みまでの事務の代行を全部組合員に成り代わってやっているのが首都圏コンピュータ技術者協同組合ですということです。
 次に移ります。中小企業の下請の現実ということです。
 もう一つ、首都圏ソフトウェア協同組合の代表理事というのも実はやっております。これは、首都圏コンピュータ技術者協同組合は個人事業主です。首都圏ソフトウェア協同組合というのは中小企業の集まりです。これは今五十三社あります。それから、もう一つの資料にあります全国ソフトウェア協同組合連合会、こちらの方は、北は北海道から南は沖縄にあるソフトウエア関連の協同組合の連合会です、集まりでございます。現在十七団体、構成員として個人事業主も含めると千は優に超えていると思います。
 その人たちは何をやっているかといいますと、アプリケーション系と呼ばれるソフトウエア制作をやっている企業、それから制御系と言われるプログラムを開発している企業、ゲームソフトの会社もあります、インターネット、ウエブコンテンツ系の会社もあります。今、ソフトウエア業界あるいは情報サービス産業の中の会社は大体入っているということでございます。その中でも一番多いのは、実は大手同業者又は大手コンピューターメーカーからの下請、孫請、ひ孫請、それより以下という仕事もありますけれども、そういう仕事をやっている企業がやっぱり一番多いというのが現状でございます。
 もう一つ、うちの社団法人情報サービス産業協会というのがあります。これはソフトウエア業界の中で最大の団体です。大手の集まりだと思っても結構ですが、大体この会員の売上げを全部合わせるとソフトウエア業界あるいは情報サービス産業業界の半分以上になるというふうに言われています。この協会で、実は企業取引委員会というのがありまして、下請部会の委員として昨年の夏より情報サービス産業業界での実態、問題点の調査、その対応策等を検討してきました。そのようなことがありましたので今度の参考人に選ばれたのかな、こういうふうに思っております。
 では、どんな状況かというお話をしますと、情報サービス産業あるいはソフトウエア産業というのは、金融関係を筆頭に大手の企業が大型システムの開発をしてきたわけです。その大型システムに引っ張られて、あるいは大型システムのおかげで伸びてきた産業でございます。ですから、どういうふうになってきたかというと、まず初期は大型コンピューターの言うなればおまけのようにソフトウエアというのは扱われた時代があるわけですね。
 それからどういうふうになってきたかというと、その流れがありますので、大手企業であるエンドユーザーは、大手コンピューターメーカーに仕事を出すわけです。メーカーは子会社に出します。メーカーとか大手通信業者は、原則として子会社にしか仕事を出せないんですね。そういう仕組みになっているんです、例外はもちろんあります。そこから今度は協力会社と言われる大手中堅のソフトウエア会社に出されて、さらに中小企業あるいは個人事業に出されていく、こういう仕組みになっています。ですから、メーカーから数えると二次、三次は、これは当たり前ですよね。四次、五次、六次なんというのもよくある話だ、こういうふうに思ってください。その結果、エンドユーザーから受けた仕事が本当の末端に行けば半分以下になっているということもよくある話です。
 しかし、この構造も悪いとは言えないんです。実は、どういうことかというと、エンドユーザーから入金がなくても当然下請には支払をしているんです。言い換えれば、金融が一緒にくっ付いてきているということです。しかし、このところ、今度の三番目の問題にも入りますけれども、実は大手メーカーその他が逼迫してきているんですね。ですから、この数年、突然一律の値下げ要請や締め日から支払日の延長の要請、そういうものも出てきたということです。メーカーが例えば一律の値下げを要求すると、三次、四次、五次、六次とだんだんと同じ要請が順送りになってくるんですね。そういうことが間々あった、近年、要するに見受けられるようになってきた、こういうふうに思っていただければ分かりやすいと思います。
 それからもう一つ、三番目に移りますが、ソフトウエア業界の下請問題で特有の問題があります。どういうことか、本当に特有かな、というのはほかの業界にもあるような気がしますけれども、そこの三番目のところにちょっと図がかいてあります。それはどういう図かといいますと、なかなか値段が決まらぬということですね。なぜかというと、物を要するに作るときに、その過程においてだんだんだんだん値段が決まっていきますよということです。それを見ていただくとちょっと分かると思いますけれども。
 今まで幾度かソフトウエア業界も下請法の対象業種にするという話は実は出てきています。その都度話が流れたのは、そういう理由なんですね。ソフトウエアの開発は、走りながら考えるどころか走りながら作るようなところがあるんです。私がこの業界に入った当時は、SE、プログラマーが大変不足していたんですね。当時、通産省は、百万人足らなくなる、こういう話を言っていましたよね。皆さん覚えていると思いますけれども。現実にはそうなっていないんですけれども。
 ですから、どういうことが起きたかというと、一つのプロジェクトが始まるためには、まず人集めですね、人を集めます。技術者の技術力よりも頭数の時代だったんです。ソフトウエア開発代金が今でも問題が多いと言われている人月単価になったのもこの時代だと思ってください。極端な言い方をすれば、集まった技術者の数に合わせて、それに見合う仕事を持ってくるような状況、かといって、ただ人を遊ばせているわけにもいきませんから、当然価格も期限も何も決まっていないまま見込みだけで仕事が始まるということも間々あったわけです。
 そのような業界で発注書等の書類はもちろんおざなりですよね、当然です。また、大手企業の発注書は仕事が終わってから物品受領書と一緒に出てくる、訳の分からないようなことがまかり通っていた、今でも多少まかり通っているところがあるんですが。というのがソフトウエア業界の現状だということです。ですから、最先端の業界と思われている業界がこのような状況というのも皮肉かなというふうにも思います。
 現状でもいろいろな発注方法はあります。ですから、それを先ほどお手元のレジュメで見てもらったんですが、これが段階的な発注です。ですから、すべての受発注を同じレベルで扱うということの難しさというのは情報サービス産業の中にはあるということだけ御認識していただければいいと思います。
 それから四番目、プログラム制御機器とプログラムということでございますが、プログラム制御機器のプログラム、よくちょっと分からないところがあるんですが、結論から申し上げますと、一般のプログラムと制御プログラムと製品組み込み型プログラムとチップ内蔵型プログラムを分けることがすごく難しい時代に入ってきたんですね。どういうことかというと、工作機械でも先ほどいろいろお話ありましたけれども、それから家電製品でもパチンコ台にしても多機能なものが多くなってきたわけです。多機能だというと、その中には要するに機能をプログラムで制御しているものももちろんありますが、それだけではなくアプリケーションソフト、ソフトウエアそのものが機能になっているという場合も物すごく多いんですね。
 ですから、先ほどの金型のお話や何かの中でも、いろいろなものを、いろいろな要するに条件を向こうが持っていっちゃって作っちゃいましたよというと、これは制御プログラムなのかな、アプリケーションなのかなと、こう訳の分からない話が一杯出てきたということです。あるいは、今情報家電なんというお話が出ていると思いますけれども、これは実験が始まっているんですけれども、冷蔵庫と通信を合体させて、それで要するにどうなりますかねというお話ですよね。だから、そういうようなことまで考え合わせると、いろいろ分けるのは難しいかな、こういうふうに思っています。
 五番目、あと五分しかございませんので、下請法による影響ということです。
 下請法の執行による影響としては、当然のことですが、対象企業の取引はもちろん、下請法対象以外の取引についても取引書類の整備がなされるようになると思います。それをやっていかないと、下の方に通じていきませんので、IT業界だけでなく、サービス産業そのもの、いろいろなものに対象が広げられれば、企業間取引の標準モデルを作ることに最終的にはなるんだと思います。
 それは、実は大変なことです。実は、それをやることによって何が始まるかというと、電子商取引が始まる可能性があります。なぜか。どの企業も今、発注書等の書類を手で書いていないんです。コンピューターで作っているんです。それをプリントして封筒に詰めているんです。その上、切手張っているんです。それで出すんです。おかしいですよね。どう考えても、コンピューターで発行したものはコンピューターで送ることができる時代ですし、それが当たり前の時代に入っているんです、もう。にもかかわらず、そんなことをやっている。
 じゃ、何でそんなことをやっているかというと、企業間の取引のルールが標準化されていないからなんですね。ですけれども、今回の法律を通すことによって、企業間取引のルールが確立される可能性が僕はあると思っています。これは大きなことだと思います。しかも、サービス業の中で、全部で。
 ということは、これを機会に官がリーダーシップを発揮して電子商取引の推進を図ることができるような気がしています。これをやると、どういうことが起きるかというと、官公需ですね。今、電子入札が始まったんです。電子入札以降、どうやって電子でやるのって決まっていないんです。取りあえず入札なんです。そうですよね。電子でいろいろなものを納品しなさいと言いながら、電子の契約書がないんですね。あんなものはすぐできますよね。あれもみんなワープロで打つかあれで打っていますからね、電子契約書を作りゃいいわけです。ということは、これをきっかけに、実は電子政府、電子自治体、こちらの方にも波及すると思います。
 もしそちらの方に波及しますと、どういうことが起こるかと。官公需から電子取引を始めた場合に、民間のところで官公需をやっているところが二つ系統を持たなきゃいけなくなっちゃうんですね。官公庁とやるときはコンピューター、そうじゃないときは紙、今までどおり封筒に詰めてやるんだと、これ、面倒くさいですよねという話になったときに、ようやく世の中全体が動き始めるような気がしています。
 ですから、下請法の直接間接の影響をよりいい方向に利用することが将来の日本にとって大切なことだと私は信じています。
 私見を交えながらいろいろしゃべらせていただきましたけれども、どうもありがとうございました。
#8
○委員長(田浦直君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人各位の御意見の陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎でございます。今日は三人の参考人の皆様、本当にお忙しい中御出席いただき、また貴重な御発言をいただき、大変ありがとうございました。
 まず、お一人ずつにお伺いしたいわけでございますが、まず鵜飼先生でございますけれども、先生、今の中小企業の状態ですね、企業規模が小さく、経営者と家族と、また少数の従業員でみんなで働くと、職住近接だと、西洋的な方向にむしろ向かっているという御発言なんですが、私、これは正に日本経済の宿痾と言われました二重構造がむしろ解消に向かっていた、高度成長の中で解消に向かっていたと思っていたわけでございますけれども、むしろそれが新しい形で固定化しつつあるというふうに思えるわけでございますが、その点について、今後の展望を含めてどういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
#10
○参考人(鵜飼信一君) 二重構造論というのはどうとらえていいのか、ちょっと私もよく分からないところがあるんですよ。何か、もう解消したんだというようなこともおっしゃられる先生方もいらっしゃいますし。
 ただ、非常に単純に考えて、同じ業種で、同じ年齢で、もらっている給料は明らかに違うと思いますよね。大きな企業と小さい企業では、本当に零細な企業ではやはりもらっている給料も少ないということは間違いないと思いますね。それから、いわゆるフリンジベネフィットのようなものも少ないと思いますね。
 これがどういう方向に行くかというと、要するに一律に全部すごく差があるというだけの話ではないと思うんですね。要するに、中小企業でも例えば十人で売上げ六億とかそんな会社もあるわけですね。これは製造業でもそうですね。ですから、凸凹は物すごくあるという、いいところは物すごくいいと、だけれども、細々とやっているところも多いというとらえ方だと思うんですね。だから、一律に二重構造が復活したとか、いや、そもそも解消したのかどうかもよく分からないんですけれども、そういう一律な言い方ではできないと思うんですけれどもね。
 ただ、やはり先ほどのソフトウエアの業界のお話も正にそういうことだと思うんですけれども、一人でおやりになる方が増えていらっしゃって、これは明らかに大企業の中でソフトウエア技術者としてやるよりは、非常にうまくいく人はあっと時流に乗るかもしれませんけれども、ずっと細々とやっていらっしゃる下請のソフト屋、プログラマーというか技術者もいらっしゃると思うんですよね。ですから、その辺の非常に差が大きくなる。いわゆる形としては小規模でも、中身は非常に差があるという、そんなむしろばらつきの多い状況になっていくという、もし二重構造が新たに出るとすれば、それは非常にばらつきの多い形で出るというふうに見ていいんじゃないかなと思います。
#11
○福島啓史郎君 ちょっと追加してお聞きしたいんですが、ということは、従来言われておりました二重構造、大企業とそれから従属的な中小企業、零細企業という、そういう二重構造の復活というより、むしろ小企業の方に、何といいますか、選択性なり自発性なりが、あるいは多様な展開ができる、そういう可能性を持った構造であると、大と中小の構造であるということなんでしょうか。
#12
○参考人(鵜飼信一君) 可能性を持っているところもあると。
#13
○福島啓史郎君 じゃ、上田参考人にお聞きしたいと思いますけれども、私も昨年、大田区の金型工場を見てまいりました。また、昨年の五月にはインドに参りまして、ちょうどインドに、オートバイあるいは自動車工場が海外に出たものでございますから、金型工場も出ざるを得なかったということで出た静岡の金型工場でございますが、見てきたわけでございます。
 それで、お聞きしたい点は、これからの金型企業はやはり中国あるいは台湾、韓国といったようなもう安く作れるところと競争していかなきゃいけないという、これ、やむを得ざるところがあると思うんですね。したがって、対応は二つあるだろうと思うんですが、一つは国内でしかできないようなものを作っていく、かつコストを下げていくという方向と、それから今申し上げました、さっき例を申し上げたんですが、海外へ自ら出ていって、そこでもって現地の例えば中国なら中国企業を相手にした金型企業を起こしていくという方向。今、特にコンピューター注文が入ってきますので、そういった方向もかなり容易になってきていると、前者の場合でございますが、付加価値、高付加価値で物を取っていく。それからもう一つは、海外に出ていって、現地での工場、製造工場を相手にしていくという方向が考えられると思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#14
○参考人(上田勝弘君) 金型の、いわゆる今、先生がおっしゃいましたインドに出ていっておる金型メーカー等は、これは非常に地元のいわゆるオートバイメーカーと密接な関係があって、そして企業規模もある程度やっぱりしっかりした企業であろうかと思います。
 私が先ほど申し上げましたように、金型の実態は、そういった実力のある企業も二〇%はあるということでございますが、八〇%はいわゆる資金にしても情報にしても人材にしても、そういったことができないという企業が圧倒的に多いわけでございまして、これが今一番問題になっているわけでございます。
 また、今現在利益がもう出ないという企業がもう圧倒的でございまして、六十五歳になると社長の職を辞して、そして年金をもらいながらアドバイスだけはやると、こういったことやとか、あるいは社長の給料をもう辞退をして経費を削減すると、こういった並々ならぬ経営努力をしながらも、金型業をやめるわけにもいかないし、やめる決断もできないし、借金もあるし、こういったことが非常に圧倒的に数が多いという、ここに金型業界が抱えておる問題があるわけでございます。
 海外へ行く企業というのはそれだけの実力を持った企業で、これはもう海外へ行って現地日系メーカーとのいわゆる供給を行うというようなことで、これはもう非常に望ましい姿ですけれども、そういうことが全部できないというところに悩みがあるということだけを御理解をいただきたいと思います。
#15
○福島啓史郎君 続けて上田参考人にお聞きしたいわけでございますが、そうしますと、その八〇%の資金なり情報なり人材の乏しい金型企業、これの振興策といいますか、どういう施策でもってこうした方々が経営やっていけるようにしたらいいというふうにお思いでしょうか、どういう施策が必要かと。
#16
○参考人(上田勝弘君) これは、東京都下で行いました金型の実際の調査、どういうことを望んでいるんだというようなことを調査した資料がございます。この中ではもう極論も随分出てまいりまして、国の方が金型は日本で作るように大手ユーザーに行政指導してくれとか、金型のいわゆる輸入もございます、海外で作った金型を日本で使うという。これについては課税を強化してくれとか、取りあえず金型業界に仕事がいわゆる潤うような施策を取っていただきたいと、こういう切実な声がございます。
 自由競争の時代ですからそんなことは一概に、できるものとできないものとあるんですけれども、やっぱり一番問題は仕事がないという、なくなってきているということと、コストがもうたたかれて、弱者の立場でいやが上にも低コスト、受注のときから赤字を覚悟しながら仕事しなきゃならぬ、こういう声が、それをどうするのかという問題が我々に課せられた問題でございます。
#17
○福島啓史郎君 続きまして、横尾参考人にお聞きしたいわけでございますが、今、こうした中小のソフトウエア産業の規模が大体三兆四千億というのが、九七年のデータ出ているわけでございますが、その大半といいますか、三分の二、六三%はアウトソーサーという形で下請が中心だということなんですが、これは今も変わっていないんでしょうか。つまり、下請以外の、例えば地域ネットワークなりあるいは特定市場向けの製品開発なり、つまり自主性を持って、自発性を持って開発する、あるいは営業ができる、そういった分野での市場は余り伸びていないんでしょうか。
#18
○参考人(横尾良明君) 日本のソフトウエア産業をよその国と比べると大変変なところがあるんです。どこが変だというと、アメリカの場合には要するにパッケージからいっているんですね。もっと言うと、自分のところに合ったパッケージを買ってきてそれで要するに使っていくという。ですから、向こうは早かったんです。もっと逆に言いますと、アメリカの企業はどういうふうになっているかというと、パッケージに合わせて組織を変えていったんです。それがリエンジニアリングです。
 日本の場合には首切りができませんから、実は、自分のところに合わせてソフトウエアを作ってくれと言うんですね、中堅企業でも。そうすると、実は要らない判こを押すようなところまで作んなきゃいけないというのが現状なわけです。ということはどういうことかというと、どうしても注文生産のソフトウエアをそれに合わせて作っていく、そうするとその中には下請構造も生まれてくるということですね。ですから、日本のパッケージソフトというのは余り育っていないんです。
 ただ、これからパッケージソフトの時代になるんじゃないかなとも言われています。そういう意味では、そういう会社が、伸びてきている会社もあります。それから、業種型、うちはこういう業種に合わせてやっていくんだよという企業も間々あります。ただ、全体ではありません。
#19
○福島啓史郎君 横尾参考人に引き続きお伺いしたいわけでございますけれども、ソフト業界の、中小ソフト業界の特許等の知的所有権に対する取組はどんな状況でしょうか。横尾さんのところもこういう特許等の知的所有権の取得を目指しておられるわけでしょうか。その辺り、あるいは他の同業者を含めてその様子をちょっとお聞かせください。
#20
○参考人(横尾良明君) 特許と、もう一つ著作権の問題があります。特許が取れるようになってきたんですが、どちらかというと、アルゴリズム、基本のところにかかわるようなもの、それから、要するにその製品そのもので特許取るというのはなかなかまだ難しい状況にはあります。特に中小企業の場合はあります。
 ただ、著作権の問題は、実は複雑に絡みます。というのはどういうことかといいますと、先ほど言ったように何重構造になっていますね。著作権というのは本来、猿ではない人間が一番最初に物を書いたらこれが著作権です。そうすると、一番最初にそれは個人が持っているものですね。その個人が持っているものを、社員であると会社に帰属するわけです。それから派遣社員だと、それも会社に帰属するわけです、日本の場合はですよ。よその国の場合には会社とは限らないんですけれどもね。というのは、自分の書いた物は会社に帰属すると別の契約を持っていれば別です。
 ですから、そこら辺がまず、日本の社会そのものが企業中心になっていますから、そこから今度発生して、次のところには、じゃその著作権は上げましょうというより著作権込みの値段ですよというような契約がなされていっているというふうに解釈しないと、例えば大きな銀行のシステムが止まりましたと、でも実はあの中にはいろいろな著作権が入っているんですよということですよね。どこのやつなんだという権利関係を調べてきたときに実は何百社も出てきちゃうという訳分からない話が出てくると問題がありますよね。
 ということで、そこら辺を回避しながらというところがあるんですが、逆に言うと、そこも召し上げられちゃうという世界もあるかもしれないです。ですから、そこら辺はルール決めがこれから特に必要になってくる部分でもあると思います。
#21
○福島啓史郎君 今の横尾参考人の言われました特許等の会社と社員の関係、契約主義に移行ということで検討が進められているわけでございますが、これは次なる特許法等の改正のときに十分意見を踏まえて対応していきたいと思っております。
 非常に、上田参考人、厳しい状況でございますが、是非頑張っていただいて、我々もこの下請法の改正等できる限り行政あるいは立法府として協力できるところは協力していきたいというふうに思っております。
 また、鵜飼先生、今日はどうもありがとうございました。
 終わります。
#22
○木俣佳丈君 私、民主党・新緑風会という会派でございます、参議院の木俣佳丈でございます。
 今日、早朝から遠路、また岐阜の方からもまたお越し、三参考人にはお越しいただきましたことを、まずもって心から御礼を申し上げます。
 我々民主党は、実はもう二年前からこの下請法の素案を出しておりまして、一年半前からは実は臨時国会の方にも、これは実は院の方にも出してこれを検討を進めてまいりました。結果、内閣の方から閣法ということで出して来、それを修正するという、逆にいびつな形で今回修正案が通るということをまず御認識いただきたいというふうに思っております。ですから、本当に皆様方下請の立場に立って、下請という言葉自体がやはりどうかな、協力会社とかですね、そういう思いで我々はおりますので、よろしくお願いします。
 質問に入りますが、四点にわたりましてちょっと質問をさせていただきます。
 まず、鵜飼先生から。
 この研究会で、先ほどから、平成十一年ぐらいから先生も入っていただいてレポートをまとめていただきましたけれども、今回、ソフト業、サービス業ということで適用範囲は広がるわけでございますけれども、もちろん金型の方々も入るということは非常に喜ばしいことではありますけれども、このレポートの、去年の十月二十四日の議事録を見ましても、金型さんだけを下請法の対象にするんではなくて、製造委託のみならず特殊な工作機械の製造委託、特別な工具、例えば自動車でいうと治具とか、いろいろあるわけでございます。包装機械、機器とかありまして、そういう結論が書いてありますけれども、この辺りからどのような御感想をお持ちか、まずお願いします。
#23
○参考人(鵜飼信一君) 金型に関して、基本的には、中小企業の側からすれば、法の網の目で救っていただける範囲が広ければ広いほどいいとは思っております。ただ、なぜ金型だったのかということですが、金型以外にも製造設備、製造ラインにはいろんな設備機器とか治具とか、鋳物でいうと木型とか、実際には発泡スチロール型とかが多いんですが、そういったような非常に金型と似たような性質を、特性を持つものは一杯あると思います。
 ただ、何で金型だけなのかという、だけというか、私は金型が最初だと思っておるんですが、要するに、親企業にとっては図面だけを受け取って、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、要するに渡すことが非常に容易になると。非常に生産化、今ほとんどCADで作っていますので、相手側が、金型を作る側がいい機械設備を持っていれば、ぽんと乗っければできちゃうという意味では親と下請の力の潜在的格差というのが非常に大きくなるといいますか、要するに下請にとっては全く転用の利かないものを作っているわけですよね。だけれども、親企業にとってみれば、図面さえうまく引っ張ってきちゃえば、金型を実際に親企業は下請に作らせなくても、もっと安いところに、海外に持っていって作らせるという意味で、よそへ移転が親企業にとっては容易だという、そういう意味で力の格差が非常に開きやすいというところが一点。
 それで、例えば木型とか設備器具とか治具というのもこれは実は非常に重要なもので、先々はこの辺も検討していただきたいんですが、やはりこれは図面だけ出させてよそで作らせたという例は余り聞かないわけで、現物出した後でコピー製品が出回ったというのはよく聞く話ではありますけれども、そういう意味では、まず金型を取り上げていただいたということは、私は、それでは評価できると思っておりますけれども。
#24
○木俣佳丈君 この議事録によれば、これだけは、金型さんだけというのは疑問があるというのが公式な文書なものですから、そのようにお答えいただきたいと思うんですけれども。
 次に、資本金区分でございますけれども、今回、サービス、ソフト業種が入るということで、別の資本金区分一千万、五千万というバーを作ったものと、それから従来一億だったものを一千万と三億ということにバーを設定いたしました。
 ただ、私も、実は本委員会の質疑の中で、自動車修理業はこれは中小企業基本法の中ではサービス業に入るわけであります。ところが、下請法の網羅する中では修理委託に入るわけでございます。ですから、ねじれているということでありまして、先ほど鵜飼先生が今度の修正でまた是非新しい法律をということなんですが、実は四十六年変わっていないんですね。私が生まれるはるか前から、昭和三十一年、この法律ができて初めて改正をされる。四十六年たってまた入れればいいのか、そのころにはもう本当にどうかなっちゃっているんですね。ですから、今回、私は、今ここから検討しなさいというお言葉でございましたが、検討すべきだということを思っておりまして、それで、そういった意味で基本法と下請法のねじれが完全に生じているわけであります。
 そして、またこの中にはソフト業も三億のバーということで入るわけでありまして、実は一千一万円と二億九千九百九十九万円が同じテーブルにのるというのは私はおかしいというふうに思って、少しでも、かといって余り細分化しても、これは独禁法の特別法でございますので、これはまた施行が、執行がしにくいということでありますけれども、一億のバーぐらいを一つ入れて分けるというのは私は適切ではないかと。これは前根來委員長も同様にお答えいただいておるんですが、このことについて鵜飼参考人、それから横尾参考人、お二人からちょっと簡便にお答えいただければと思います。
#25
○参考人(鵜飼信一君) 中小企業にとっては是非、法の網が、先ほども言いましたように、細かいほど有り難いということは言えると思います。従来一億がラインでしたわけですから、当然今回の、今回というか、あれを変えたことで漏れるところがやはりあるわけで。ただ、研究会での議論では、どうも大企業と中小企業の取引を規制するものだからというようなロジックが主流であったと思います。それで救えない部分は独禁法の方でやるというような議論になったと思っております。
 修理委託の件なんですけれども、これはやはり非常に長年、今、それは全く同感でして、長年改正をしておかなかったことで法律間でそごを来しているということは私も実感しております。
 それから、あと下請法の全体のちょっと構造が、やはり類型を全部、対象業種と類型というのを決めていってやっていくという、そういう意味では非常に継ぎはぎになりやすい構造を持っていると思うんです。私は法律の専門じゃないんでよく分からないんですが、そういう意味ではどうしても次から次へと、本当はだからもう少し、もっと頻繁に現状に合わせて改正していくというスタンスが本当は私は必要だと思います。
 私としてはそういう意見しか言えません。
#26
○参考人(横尾良明君) まず、サービス業ですけれども、特例で三億円、一千万の方にしようという話になっていますよね。僕は、まず三億円という線は大事だと思っています。なぜかというと、先ほども言いましたように、大きなところから、大きなところが変わるとちっちゃいところまでどどどっと変わるんですね、うちの業界は。何重請けにもなっていますから。そういう意味では大きいところ、三億円というバーは絶対に必要だと。
 なぜかというと、三億円だけの企業で物ができないということです。今、下請コードで使って、アウトソーシングという言葉を使っていただきましたけれども、そういうところがみんな寄り集まって作っているわけですね。そうすると、そこにバーがもしなければぐじゃぐじゃになっちゃうと思うんですけれども、三億円以上の企業が三億円以下の企業を使わなければ仕事ができないという意味ではこれは必要でしょうと。じゃ、その中間がどうなんだろうということになったときには、よく分かりません。一千万あるいは個人事業主のところも必要だとは思います。というのは、先ほど一番最初に言いましたように、そこが弱いところでもありますから。
 というのは、ということは要するに、僕の、私の本当に私的な意見ですけれども、まずはこの下請法が無事に通っていただいて、三億円でもどこでもいいんですけれども、で、その中でやっていただいて、次に改正をしていただいた方が、というのは、いろいろな不都合が出たときにですね、というような気はしています。
#27
○木俣佳丈君 今の質問をまとめれば、鵜飼先生からもありましたように、かなり法案の中でそごを来しているところがあると、継ぎはぎが目立つというようなことだと思います。
 次の質問でありますけれども、これは公取の調べでも、例えば、ソフトウエアの横尾さんに、要するに発注内容の変更等を、これは調査によれば、ユーザーとの間で七割、それから同業者でも六割三分という変更要請があるということ、先ほどもいろいろ突然の額の変更、締め日の延長とか、これは特有の問題も逆に、また発注と納品書が一緒に来るとか、いろいろお話ありました。一番最先端が一番泥臭い仕事をしているんだというお話だったと思います。こういった発注の変更とかやはりやり直しというものが、私も友人、ソフトハウスの方、多くありますので、かなり頻繁にあると。
 ただ、言われましたように、段階的な発注というような一つの業態の在り方というのもありますけれども、しかし書面の発行、契約書の発行というものも段階に合わせたやり方というのがあるはずなんですね。ですから、電子商取引でももちろんさようでございますけれども。
 少し、特別な、これはまず仮の契約であってみたいなやり方は、これは別にほかの業界だってあるわけでございますので、ですから、我々としては現法、今直ちに書面の発行をしなさいというものから、実は内閣の方は若干二、三段下りた、まあ「遅滞なく」という言葉になっておりますけれども、我々は、やはり直ちに、取りあえず、やはり書面の、書類のやり取りをしなさいという修正をしたいと思っておりますけれども、この違反行為の数又は比率、そして先ほどの陳述等も含めて、こういった問題どういうふうにお考えでしょうか。
#28
○参考人(横尾良明君) まず、直ちに必要なものは出してくださいというのは下請側から見れば当たり前のことです。ただ、決まらないものもありますよ、その場合は仮でもいいじゃないかというところももちろんあります。そのためにこれを付けておいたんですが。金額がなかなか決まりません、でも実は算定根拠がこういうふうにありますよというものもあるんですね。そういうものは必ず付けていただく。
 というのはどういうことかというと、うちの、ソフトウエア業界の場合には先ほど言った人月単価的なものがありますので、ですから、まだどこまでやればどういうふうに仕上がるか分かりませんけれども、この数か月はこれ働いてもらっちゃってますよね、この働いてもらっているこの一人月に対しては幾らですよね、これは決まっているんですね。そういうものは、決まっているものについてはどんどん出し、どんどんと言ったらおかしいですけれども、決まった時点でちゃんと出していただいて、決まらない部分については、最終的には決まるわけですけれども、分かった時点でちゃんと出していただくということがないと、逆に資金繰りそのものもなかなか付かないという状況が生まれやすいと思っています。そういう意味ではそのとおりだと思います。
#29
○木俣佳丈君 かいつまんでもう一問。
 先ほど質問の中に入ってしまっておりますけれども、やり直しとかですね、ということについてはどんな。
#30
○参考人(横尾良明君) 現実に、先ほどもあれしましたように、走りながら作るようなところがありますから、やり直しというのは必ず生じるんですが、そのやり直しが生じたときに全額必ずくれるというふうには今の現状ではなっていないというのも事実です。
 ですけれども、下請としては、やっぱりやり直しした分については、それなりにというよりも全額ちゃんといただきたいなという気持ちは当然あります。ただ、話合いという部分が全くないとは言い切れませんが、基本的には、要するにやり直し、無理なやり直しはやりたくないし、ただでやり直しはしたくない。また、そんなことばっかりやっていれば会社がつぶれてしまうというのが現実だと思います。
#31
○木俣佳丈君 終わります。
 ありがとうございました。
#32
○松あきら君 今日は三人の先生方、お忙しい中を本当にありがとうございます。
 伺おうと思っていたことが今までお二人の質問の中で出ましたんですけれども、私もいろいろ質問させていただきました。
 この下請法、正に今まで長い間、こうした例えば情報成果物作成委託あるいは役務提供、金型の製造委託の規制対象の拡大が今回なされるんですけれども、特に公正取引委員会では今まで役務の委託取引を下請法の規制対象とすることに反対でありました。今回いろいろ変わるということで、しかし、先ほど木俣先生のねじれというようなお話もあったように思います。
 私自身も、例えば先ほどもちょっと出ましたけれども、例えば親が二億円の資本金で、あるいは下請が千二百五十万円だったら規制の対象から外れると、こうした場合はどういうこと、どうなるのかというふうに伺いましたら、これはまた公正取引法でやるから大丈夫というふうな答えもあったんですけれども、しかし今、この資本金によらない、親あるいは下請を今分けているんですけれども、そうした不公正取引を取り締まるためには資本金によらない法制度もこれは必要なんじゃないかという、こういう意見もあります。
 これについては、まずお三方の、鵜飼先生、それから上田参考人、そして横尾参考人、お三方からまずお伺いをしたいというふうに思います。
#33
○参考人(鵜飼信一君) 取引上の地位が資本金だけで決まるものでないというのは、実は私も研究会でたしか発言したような記憶があります。ただ、特に数多く町工場を見てきますと、やはり実感的には企業規模というのは売上高と従業員数が一番代表的な数値だなと私も思っております。
 私は、これは意見として申し上げました。ただ、会議では、やはり法律の規定というふうになると別だという議論の方が強かったように記憶しております。理想としては、本当はそういうものを入れていくべきじゃないかなと思います。一番力の格差が出るところだと思います、そこは。
#34
○参考人(上田勝弘君) 資本金の件でございますが、日本の株式会社の資本金というのは、これは適正に会社の規模を表しているわけではございません。平均的に言って、やっぱり全部過少資本の傾向がございますので、これは、資本金で会社の規模あるいは実力を表すのは私は間違っていると思います。鵜飼先生がおっしゃったように、売上高、従業員、これでやっぱり企業のスケールがはっきりいわゆる表れてくるわけでございまして、資本金はあくまで第二次的な参考というのが私はよろしいんではなかろうかなというふうに思っております。
#35
○参考人(横尾良明君) 両方のおっしゃるとおりでもあると思うんですが、実は人数といっても、これからのことを考えますと、うちの業界特にそうですけれども、固定費の削減をしていかないと企業が成り立っていかないわけです。ということはどういうことといいますと、固定費の削減、固定費イコール人件費なんですね。我々技術者の世界ですから、そうすると、技術者を何千人抱えていた、ずっと抱えていくとその会社つぶれるんです。必要なときに必要な技術者だけいればいいんです。そういうことですよね。そういうふうに今、世の中が動き始めているときに、人数だというのがどうなのかなというところは一つあります。
 それから、それじゃ資本金がどうだって、これはよく分かりません。ただ、資本金の方が、資本金が大きい会社、どうのこうのという方が分かりやすいということは、あれを見て、要するに第三者が常に見れますので、常に分かりますから、という意味では資本金も一理はあるかなというような気はします。
#36
○松あきら君 次に、海外展開あるいは低価格等を理由にした中小企業への一方的な発注停止あるいは大幅削減、あるいは取消し、買いたたき、取引条件の変更など、不公平な、不公正な取引が訴えられておりますけれども、改善策としてどのような措置を望まれていらっしゃいますでしょうか。
 これは上田社長それから横尾専務理事、お二方にお伺いをしたいと思うんです。
#37
○参考人(上田勝弘君) 買いたたき、不公正な取引、アンフェアな取引、これが今我々の業界で一番問題になっております。
 ですから、要は、今までずっと金型企業というのはもう基本的には国内産業を中心だったわけでございまして、海外からのいわゆる安い金型の流入であるとか、あるいは企業が本格的に海外に行って金型を調達するということはほとんどなかったんですよね。ところが、ここ最近になってそういうことが増えてきましたので、いわゆる中国の金型と日本の金型を比較されると、金型というのは材料費は一応少ないんですけれども、人件費が高いんですよね。人件費そのもの、同じものが作れるとするなら日本の所得水準の高い人件費はもう負けということははっきりしております。
 ですから、これは私は、もうやはり人件費のみならず、電気代も高いし、物流コストも高いし、高速道路で金型運べば高いし、高いコストの中で金型を今やっているわけでございまして、これは、私どもとしてはそういう解決策は見当たりません、はっきり申し上げて。このままじり貧になっていいんでしょうかということが今の金型業界の実態でございます。
#38
○参考人(横尾良明君) 今も出てきましたけれども、中国問題というのはソフトウエア産業の中でももう出てきております。そういう意味では、これからのことを考えるとやはり大きな、もっと言いますと、かなりの数のソフトウエアの再委託が中国になされている。また中国の中でそれが物すごい勢いで育っているというのが現状です。そうすると、それを今度は中小企業もいかに利用していくか、逆に言うと、そういう人たちとどうやって手を組んでいくかということを考えていかないと生き残れないと思います。
 では、買いたたき、買いたたきというより、買いたたきなんでしょうけれども、先ほど述べましたように、一律どうのこうのとかそういうお話は確かに出ております。というのは、それが中国の影響だけかというと、違う部分もあると思います。それじゃ、仕事をやらなくていいのかというと、そういうわけにもいきません。
 もう一つ大きなことは、ソフトウエア産業もようやく普通の産業と同じようになったということです。どういうことかというと、予定どおり仕事が終わる。納期を守るような状況が出てきています。ということはどういうことかといいますと、先ほど言いましたように、官公需もそうですが、大手企業というのは全部予算で動いているわけですね。予算で動いている場合には、実は仕事は四月から始まって三月に終わるんです。三月に終わって四月から始まったときは仕事がないんです。ないんです。でも、今までは半年延びていたんです。ですから仕事あったんです。ぴったり止まるようになると、季節産業と同じように人が余るんです。
 そういう状況も出ていますから、そういうことも全部踏まえながら全体的に考えていかないと、買いたたき、中国どうのこうのというだけではない大きな問題も抱えているということです。
#39
○松あきら君 ありがとうございます。
 やはり中国だけの問題ではない、全体的に考えていかないとというふうに伺いましたけれども、やはり私自身は中国という問題も非常に大きいと。つまり、模倣品云々もそうですけれども、今、知的財産立国を中国が目指している。韓国もそうなんですけれども、特に中国は人が多いですからね。今ITの部門で非常に伸びているんですね。そうした技術者等々の、あるいはそうした博士等々も含めまして、非常に育成をしているんですね。そして、もちろん人件費も非常に安い、すべてが安いという中で、特に金型などは日本が一番優れていると私も思っているんですけれども、こうした問題を、今、上田社長は、打つ手がない、どうしたらいいのか、今こうしてほしいというのは思いはあるけれども。やはりそれ今伺っていて、正に国がしっかりとこれは取り組んでいかなければ、それぞれの業界の方たちにそれを押し付けるような問題じゃ絶対にないという、今日は本当に思いを強くいたしました。
 今後、この委員会もまた頑張って、これはもう与党、野党ないですから、頑張ってまいりたいというふうに思います。
 最後に、鵜飼先生、公正取引委員会は下請取引の実態を余り調査していない、こういう意見もあるんですね。公正取引委員会にどのような施策を望まれるのでしょうか。
 これで終わりにいたします。
#40
○参考人(鵜飼信一君) やはり取引実態を正確につかむことが次の、何というんですか、改正というんですか、につながると思うんですね。
 先ほど、どなたかおっしゃっていた、そういう、さっきの金型を入れて、ほかのはという話もありましたよね。ああいうのも、やはりまずどういう取引実態が、金型以外の、例えば設備機械とか木型とか、そういったところで行われているかというのを、やはり取引実態をしっかりとつかむということと、もう一つ、迅速に行動していただきたいと。
 これは、先ほどからよく優越的地位の濫用というのは独禁法の方でもコントロールできるんだという議論もありましたけれども、やはりそれは運用を迅速に機動的にやっていただくというのが前提ですので、そちらもしっかりやっていただきたいなと思っています。
#41
○松あきら君 ありがとうございました。
#42
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。大変有益なお話ありがとうございました。
 まず、上田参考人にお伺いしたいと思うんです。
 金型も流用といいますか、それが持ち出されるという問題が、お話がありました。
 実は私、一年前に蒲田のやはり金型業者の方から怒りを持った告発をいただきまして、これが大企業を通じて海外に流れていると。結局、自分たちの技術を盗むという、そういう話が聞きまして、当委員会で、これはちょうど議事録持ってきましたけれども、去年の四月の十八日に質問いたしました。
 金型を作製して、商品を内製化して、しかも自分の書いた製図が、また金型が外に流れていくと、無断で。これは一体いかなる問題かと。知的所有権の魂、それが持ち出される問題について質問しました。
 平沼経済産業大臣が、その問題について、技術流出の問題については知的財産権あるいは公正競争上の観点からしっかり措置を取っていくということを答弁したわけですけれども、やはりこの一年間、先ほどお話伺ってみても、やはりその流れは止まっていないどころか一層ひどくなっているというそういう印象を持ちましたけれども、その実態についてお伺いしたいと思います。
#43
○参考人(上田勝弘君) 経済産業省の方から昨年指針を出していただきまして、日本の金型業界の三大ユーザー、自動車工業界、自動車部品工業界、電子情報機器、その業界に産業局長名で指針を出していただきました。
 これを受けて、我々は今実態調査をしているところでございます。惜しむらくは、三大メーカー以外にいわゆる金型のユーザーはまだ一杯あるわけでございまして、経済産業省の指針をもう少し各界満遍なくやはり通達を出して行政指導をしていただく必要があろうかと私は思っております。
 そういった意味で、まだ隠れたそういった今、先生がおっしゃった問題があるとは思いますが、これから、いったん国の行政指針に基づいて我々これから現場へ入り込んでそういう実態調査を真剣に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#44
○緒方靖夫君 横尾参考人にお伺いします。
 今と同じような問題です。つまり、知的所有権の問題、著作権の問題で、ソフトウエア業界というのは一層、正にそれが命の業界ですから、その問題多々あるんじゃないかと想像するんですけれども、その問題について、どんなことがあるのかについて、もしあれば、こんなことがあるということについてお教えいただければと思います。
#45
○参考人(横尾良明君) まず、特許権のお話をしますと、うちの組合員の中でも優秀な会社がありまして、特許を幾つか持っている会社があります。圧縮伸長技術ですとか音声認識的なものですとか、いろいろなものがあるんですが、結構古くなるんですね、うちの業界速いですから。いろいろな技術がどんどんどんどん出てきますから。
 ですから、それじゃそれは守られているかというと、それはそれなりに特許のものは守られていると思います。というのは、世界特許をある程度取っていかないとどこにでも流れるものですから、またそういう努力をしていますので。ただ、特許が万能というふうには全く思っていません。特許が売れるものというふうにも思っていません。
 というのは、特許はそんなに簡単なものではありません。特許は製品になって初めて、特許を持っていようが持っていなかろうが、製品になって初めて価値を生むものなんですね。逆に言うと、もう一つの特許の使い方というのはあります。実はちょっと前に騒がれたサブマリン特許ですよね。よそが製品として売っているものの中にうちの特許が含まれているよと。売れるのを待つだけです。言わないんです。それから取りに行くんですよ。そうしないと特許は金にならないんです。
 それぐらいのことを日本もみんな今勉強していますから、特許権そのものというものにどれだけの価値を見いだしているかというのはちょっと疑問のところはありますけれども、それはそれなりに取っていっています、これは自分のところに必要だと思えば。
 著作権の問題にします。著作権は一時かなり騒がれたところがあるんですが、現実問題言いますと、先ほど言ったような問題ってあるんですね。どうしても、お客様にこのソフトをお納めしました、そうすると、そこに要するに著作権が一杯、本来である著作権が全部くっ付いてきちゃったといったときに、何かが起こったときの大きな問題が出てくる。ということを考えると、余りしつこくそこを追及するかどうかというより、現実に合わせることの方が必要かなというふうには思っています。ただ、全部要するに召し上げるような話は駄目だと思います。
 それよりも、もう一つは、それに近い話ですけれども、パッケージソフトの話があると思います。自分の、あるいは自分のところで持っているソフトウエアというのがあるわけですね、それが著作権に近くなると思いますけれども。それを要するに、今度のシステムの中には組み込みますといったときに、それを幾らで評価して、幾らで買っていただくかということですよね。ここはやっぱり交渉事。これも要するに、全部がオーケー、全部がいや駄目だよということは余りないと思います。じゃ、それをどこまでちっちゃいものまでやるかという話もあるんです。
 というのは、極端なことを言いますと、時間を表す本当に単純なソフトウエアであっても、これは要するに斬新的なものであるというものがあったとします。でも、こんなものは時計表さなきゃいけないから、うちでもう組み込んでおきますよ、大したものじゃないからという話もありますよね。でも、もっと要するに複雑なものもあるわけです。それを使えば、一から作ると大変手間が掛かるんだけれども、今自分たちでもう持っているものを組み込めば安く上がりますよねと。ですから、この分についてはこういうふうに下さい、これも交渉事ですよね。
 ですから、そこら辺がかなり、いやそこでだまされたとか、いや持っていかれちゃったとか、そういうような話というのも間々聞くんです。聞くんですが、実際の要するに取引形態の中まで踏み込んでいかないとよく分からぬという部分が結構ある難しい問題ではあります。
#46
○緒方靖夫君 鵜飼先生にお尋ねします。
 実態を踏まえて学問的かつ大局的にお話を伺いたいと思うんですけれども、一つは、大きなテーマなんですけれども、先生が先ほどおっしゃられた大企業の優越的地位の濫用、これを止めさせる、これは非常に大きな課題だと思うんですけれども、これを実効あるものにしていく上で今求められているものは何かという、そういう点でお伺いできればと思いますが。
#47
○参考人(鵜飼信一君) なかなか難しい話ですけれども、やはり何というんですか、法律の運用をやっぱり機動的にやっていただくというのがまず基本だと思うんですね。
 ただ、最近いろいろ、何というんですか、手を替え品を替えというか、非常につかまえにくいようなものが一杯あるんですね。ですから、そういう意味では、よく運用する側が現状を、要するに生産現場の、製造業でいえば生産現場の現状をしっかり知っていただかないと難しくなってきていると思うんですね。
 一例言いますと、最近ちょっと気になっているのは、ISOを取りますよね、九〇〇一とか二とか。ああいうのを取ると、特に品質関係のところだとQC工程表とかいうのは、これは取っても取っていなくてもやるところはやっているんですけれども、品質を管理するQC工程表というものを作るんですよ。要するに、ここの工程ではこれをチェックしてとかいう、こういう一覧表みたいなやつを。こういうのって、実は品質管理のある意味じゃノウハウですよね。そうすると、親が下に、大体ISOを取るときも、取っていなきゃ仕事を出さないよというようなことが元々ありますからね。これもそもそもちょっと問題といえば問題なんですけれども。
 取ったら取ったで、じゃQC工程表をちょっと出しなさいと言われることがあるわけですよね。そうすると、ある意味では品質管理のノウハウが吸い上げられる可能性はあるわけですよね。先ほどの金型のCAD図面じゃないですけれども、そいつをそのままひょいと持っていくことも可能なわけですよね。
 そういうことがいろいろあるという実態をちゃんと押さえていないと、機動的な運用というのはなかなか難しいですよね。ですから、その辺がもうポイントだと思いますね。
#48
○緒方靖夫君 続けてもう一つ、空洞化の問題ですね。これは先ほどからお話になっていますけれども、これは本当に大きな問題なんですが、これをどういうふうにしていったらいいか。例えば、中国では時給三十五円なんということがあるわけですよ。これはもう勝負にならないです、労働力のコストからしても。そうすると、その問題について先生はどういうふうにお考えでしょうか。
#49
○参考人(鵜飼信一君) そうですね、基本的な行き方はやはり、より付加価値の高いものを作るということしかないんですよね。ただし、その行き方が、私は、必ずしも言われているような高度技術とか先端技術を使うものだけではないなとは思っております。
 一例で、一例というか、要するに、何というんですか、従来の技術、まあ多少高度な技術でもいいんですが、技術と例えば技能みたいなものですね、これを組み合わせて作るというものが一杯実はあるわけですね。それから、作り方でもまだまだいろんな工夫ができる分野はあると思うんですね。
 これ、一例で言いますと、例えば私は、その付加価値を高めるもとというものを追求していくと最後は材料に行くと思っているんですよ。そうすると、材料というのは金属もあれば木もあれば、いろんなものありますよね。その辺の研究というのは実はよそで絶対まねられない部分になってくると思うんですね。ですから、まねられない部分って、機械で単に、コンピューターで設計したような部分というのは割とまねられちゃいますけれども、材料をどうするんだとか、非常に細かいところの工夫とかに仕掛けがあれば、必ずしもそう簡単にまねられないものが作れると。
 材料の方でずっと行きますと、これ例えば、すごいすばらしい工芸品なんというのは、これは絶対まねできないですよね。そうすると、あれの材料技術というのは実は物すごい、ただ刀にしても刀かじの伝統的な作り方というものは全然違う、量産体制とは全く違う作り方ですよね。そういったところにも何かヒントがあるんじゃないかなと思うんですね。
 ですから、より付加価値の高いものを作るというのは基本方向です。ですけれども、そのやり方というのは、従来言われているような単にDNAをいじくり回すようなところばかりにあるわけではないと思っています。
#50
○緒方靖夫君 最後に、上田参考人にお伺いしたいと思いますけれども、大企業とそれから下請との関係ということはいつも大きな問題になると思うんですね。そのときに、結局、例えば下請業者が親事業者の例えば違反行為とかそういうのが目に付いても、仕事を継続したいというそういうこともいろいろあったりして、それを何といいますか、正面から取り上げるということは非常にやりにくい立場にあるということは非常にはっきりしていると思うんですね。ですから、そういう中で、やはりいろいろ中小企業庁の調査でも違反行為が指摘されるケースもあるんですけれども、それはごくごく氷山の一角だというのは常識だと思うんですね。
 そういう中で、本当に実効ある形でそういう行為をなくしていくという、そういうために公正な取引ルール、これを作るためにどんなことが必要か、現場におられて、また現場で一番その状況を知っている上田参考人として、その点についてどうお考えになるのか、それについてお伺いしたいと思います。
#51
○参考人(上田勝弘君) 今おっしゃっていただいたことは、全く我々の一番重要なポイントでございます。
 さきに、今、私個人の私見でございますが、この下請法、この下請というのは、先ほど木俣先生が冒頭おっしゃったように、ちょっとこの言葉は、下請はというようないろいろなことを言われておったんですが、私自身も、これは下請という言葉は私は差別用語じゃないかと、今日、というふうに思っております。韓国へ行きましても、タクシーの運ちゃんとは言いませんからね、運転技師という名前を尊敬用語で必ず使っております。
 我々は大垣から参りましたので、紡績の町でしたけれども、昔は女工と言った、女工哀史という言葉がありましたが、今は専務員という名前に変わっていますね。ですから、私は、下請というのは上があって下だと。これは上下の関係を表す、イメージを表す。また、大手企業の大学を出てきた窓口担当者がうちの下請がと、こういう言葉を発するということは、私は正しくこれはもうこの言葉自体を変えていただきたいというふうに私は思っております。
 私はたまたま名前が上田でございますから、下田でなくて良かったなと私は思っているわけでございまして、領収書を出してくれと言っても、何と書きましょう、上様で結構ですと申し上げている。
 ですから、やっぱり時代の、昭和三十一年にできた法律の、下請という一応分かりやすい構図ですが、これはやっぱり私は先生方のあれで、努力で変えていただいて、イコールパートナーとしてやっぱりマッチするような名前を付けていただきたいと。アメリカにはこんな下請という言葉はございません。パーツサプライヤーでございます、部品を供給する業者と。もっとイコールパートナーとしての意識が強いわけですから、これはもう日本もこの何十年前の下請、下請と、こういうひとつ差別用語は何とかひとつやめていただきたいと、改正していただきたいと、まずそこからスタートだと私は思っております。
#52
○緒方靖夫君 よく分かりました。
#53
○委員長(田浦直君) いいですか。
#54
○緒方靖夫君 はい、終わります。
#55
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 本当に今日、御三人の方、参考になる御意見、本当にありがとうございます。私が最後になりますから、リラックスしてお願いしたいと思います。
 今、上田参考人が言われたことでもうほとんど尽きているんだと思います。もう日本の場合は親と子、親子関係といいますか、非常に封建的なものが色濃く残っておって、やはり対等の関係というものに直していかないと、本当に何か隷属的な、誠におかしなことが日常茶飯事で起こっているということだと思いますので、全く同感でございます。
 また、私どもも努力していきたいと思いますが、まず、今度の下請代金遅延防止法で情報成果物と役務という、それと金型が追加をされるということなんですが、私はまず鵜飼参考人にお伺いしたいんですが、そういうので追加をされる、そのほかに、実際問題、最も上下関係といいますか親子関係というので厳しいのが土木建設業なんですね。これは業法があって、そっちでやっておりますという。日本の場合いろんな業法がありまして、そこでまた、あるいは港湾運送事業法、ここも乙仲関係で大変なことがあるわけで、ということですとか、いろんな業法でそれが除かれて、公取も自分のところは人員が制限されているものですから、いよいよできなくて各省に任せる、こういうような話にどうしてもなってくるわけですね。
 私、もう一つ大事なところで、流通業ですね、ここで大規模店舗等とそこへの納入業者、あるいは同じ小売業でも、そこに行って、売り子さんまで派遣をしてやっている例が物すごくあるんですね。ですから、言わばあらゆる業界でこういう下請関係の話があるんで、一つずつ、よりきめ細かく目を光らすのも大事なんですけれども、その大きな流通業が抜けているところに非常に私どうなのかなと、こう思っているんですが、その点いかがですか。
#56
○参考人(鵜飼信一君) 私、流通業は余り研究していないんですけれども、よくデパートでも中に派遣してというのがありますよね。その辺は当然問題も多い分野だと思っております。何らかの形でやはり検討した方がいいんじゃないかなと思いますけれども。
#57
○広野ただし君 それと、やはり今アウトソーシングの時代で、これだけのリストラですとかいろんなことをやる、リエンジニアリングをやっていく、もう企業のあらゆる分野で、財務会計ですね、営業を始めあらゆる、コンピューターはもちろん、それで製造部門までというようなことでアウトソーシングを求めていく時代になっているわけですね。
 そうしますと、そこでまた下請関係みたいなのができる、こういうことになっていまして、それを現在は人材派遣業という形で人材派遣をして対応しているような、人材派遣がいかにも近代的なごとくに言いますけれども、そこへ例えば財務経理で入りますと、そっちにも、発注者側にもいるわけですね。そこでまたいろんなトラブルが起こるというようなことがあるわけですけれども、この人材派遣のところと下請関係というところについて、何か御意見ございますですか。
#58
○参考人(鵜飼信一君) 人材派遣については私も深く考えたことがないですけれども、やはり問題はいろいろあると思いますね。本来、例えばある会社に任せたということになると、これは規模が小さければ下請関係になりますよね。そこに人材を派遣するという形になると当然全く違った形態になりますけれども、実態としてはアウトソーシングという点では同じですよね。ですから、しかも、その場合の方が保護されていない、少なくとも派遣された人間は非常に保護されていない可能性が強いと思いますね。
 そういう意味で、ですから、どうなんでしょうかね、下請法というのが全部そこカバーできるものなのか、よく法律の専門家じゃないので分からないんですけれども、対策が必要であるということは間違いないと思います。
#59
○広野ただし君 公正取引委員会は、そういう特定の業種以外のものは独禁法で、そういう優越的地位を濫用するという場合は独禁法の不公正取引に当たるんで、それで見ます、こう言っているんですけれども、なかなか実態はそれができないということになっております。
 ところで、上田社長、もう久しぶりにお会いすることになったわけでございますけれども、本当にこの下請でいろんな実態があっても、実際のところ、次の報復といいますか、報復を恐れて、実際問題なかなか訴えるとか改善措置を正々堂々と言い出すということができなくて泣き寝入りをしているというのが現在の実態だろうと思うんですね。もちろん、今こういう形で明確な基準なりガイドラインを示すことによってある程度改善はされる、こういうふうには思うんですが、そういう泣き寝入りを防ぐために何か具体的なやり方といいますか、そういうものが何かないでしょうかね。
#60
○参考人(上田勝弘君) 私も下請の委員をやらせていただいておりまして、岐阜県代表で。日常、余り下請関係の問題で苦情が、私は公にしているんですけれども、苦情が来ません。ということは、やはり民間対民間、取引業者の中でそれを言いますと必ず犯人捜しが始まる、だれが垂れ込んだかと。報復が怖いために、そういうことは実態出てこないんですね。しかし、業界でいわゆる覆面座談会をやりますといろんなことが堂々と出てまいります。これは民対民の折衝では駄目でございますから、やはり経済産業省等、中小企業庁あるいは関係官庁の方から実態をうまくキャッチしていただいて、そしてやっぱり御指導をいただく。
 実際問題、この前の調査でももう実名がどんどんと出てくるようになりました、全国で調査いたしますと、会社の名前がはっきり。そのはっきり出てくる名前の会社については、経済産業省の方から、こういうことが出ていますよ、もう少し外部取引との関係を改善してくださいというような勧告をしてもらう、こういうことまで少し改善が見られてきました。
#61
○広野ただし君 私は、またそういう改善を訴え出た人をしっかりと保護する制度が必要だと思っておりまして、またそういうこともやっていかなきゃいけないかな、こう思っております。
 それともう一つ、図面等が流出をするということで、先ごろ不公正競争防止法ということでそういう営業機密、もっと簡単に言えば産業スパイ的なものは罰することができることになったわけですけれども、特に金型の場合、もうそれこそ職人芸、名人芸的なものがあって、私は最後まで日本の大事な守るべき産業だと、こう思っておるんですけれども、どうしてもやはり流出していくということ。特にまた、金型業界ではないんでしょうけれども、金曜日の晩に中国へ行って日曜日の晩に帰ってきているということで、月曜日にはさっと出てこられるという、そこでいろんなことをちょっと、本当の名人芸的なものを教えてこられる、こういうことがあるやにも聞いております。
 そうしますと、それをやはり今度、そういう不公正競争防止法で取り締まるということもある程度はできるんですが、そういう知的財産あるいはノウハウというものが出ていくことに防止する有効な手だてというものを社内とかいろんなことでやっておられるものでしょうか。
#62
○参考人(上田勝弘君) 今、広野先生がおっしゃっていただいたことが一番頭が痛い問題でございます。
 中国、東南アジアも金型の競争力を非常に高めてまいりまして、日本を脅かすまでに来ているんですが、東南アジア、中国で一番金型業界で頭の痛い問題は何ですかといったら、人材の問題なんですよ。この人材は、ジョブホッピング、いわゆるヘッドハンティング、金型の技術をちょっと覚えると、それを、こちらが給料を出すから来なさいということでヘッドハンティングする。本当の金型の技術を知り尽くしたベテラン技術者が東南アジア、中国に少ないんですよね。これは日本に多いんです。日本の場合は賃金が高くなりましたから、ベテランの技術者を何とか辞めていただきたい。会社に残って、技術の流出にならないように頑張って残っていただきたいんだが、人件費も高いので辞めていただきたい、と言って辞めていただいて、二十万の給料で、今まで七十万、八十万取っておったベテランの技術者が二十万の給料でおってくださいということは言えません。すると、もう覚悟をして辞めていただきますね。
 そうすると、辞められた方は、今度は年金生活に入ります。年金二十五、六万では今の生活は十分とは言えませんから、そういう方が全部、中国のネットワークを通じて指導に行かれるという、東南アジア、タイなんかに。そうすると、もう正しく東南アジア、中国が欲しておる人材が楽々と企業に来てくれると。中では、奥さんに先立たれた人が東南アジアへ行って三十歳も年違ういわゆる奥さんをもらって、これで私の人生はもう本当に良かったと言って満足しておられる方がおられるんですよ。その方が全部教えておられるんです、金型の技術を。これが私ども頭が痛い人材の流出でございます。だから、年金制度もひとつどうにかしていただきたいということですね。
#63
○広野ただし君 横尾社長にまたお伺いしたいと思いますが、下請、孫請だけじゃなくて、四次、五次、六次だというようなお話もお聞きしたんですが、土木建設業なんかの場合はそのたびにピンはねがあって、単価がぐんぐんぐんぐん下がって、本当に実施者が来たときにはもう三割ぐらいあるいは二割五分ぐらいになっちゃっているというひどい状況があるわけですけれども、それで単価の決定のところで、マン・アワーをベースにして、それに単価が掛かると。
 このマン・アワーというのと単価というのは誠におかしなもので、お医者さんの診療報酬みたいなもので、名医とそうでないのと一緒くたにして報酬を適当に決められますと、せっかくのすばらしいソフトウエアの技術が評価されないと。人員と月というような掛け算だけで決まってくると、これはもう誠にもっておかしいなと、こうやはり思うんですが、それを改善するのにはどういうふうなことをやっておられるんでしょうか。
#64
○参考人(横尾良明君) まず、ソフトウエアがどういうふうに作られているか、どうやってピンはねされているかというお話をしますと、まず大きなソフトウエア、お客様から、もっと言えば大手の企業から発注されましたと、これはメーカーの方に行きます。これが大体はおかしいんです。日本はおかしいんですよ。車が欲しければ車屋さんに言えばいいんです。タイヤが欲しければタイヤ屋さんに言うのが普通なんです。コンピューターのソフトウエアはある意味で言うとタイヤなんです。コンピューターメーカーで作っていないんです。ただ扱ってはいます。当然ですよね。それがまず日本の産業のおかしいところで、ですから、まずメーカーに行っちゃう。メーカーから子会社に行くわけです。
 じゃ、メーカーで受けたらどういうふうにするかというと、子会社で、それぞれ得意分野のところに、あるいは人が余っているところにばらすんですね。ばらばらと言ったらおかしいですけれども、そのときに、例えば五つなら五つにばらして、その子会社から、今度、協力会社の方にまたばらすわけです。全部を一遍にやり切れないからとか、あるいはもう一つはお金の問題もあります。メーカーは、メーカーというよりお客さんはでき上がらないとやっぱりお金を払いたがらないですよね。官公需もそうです、年に一遍しか出てこないわけですから、中小企業がなかなか手を出せないのはそういうところもあるんですが、その問題はちょっと置いておいても、そうすると、そういうふうになるわけですね。
 で、ばらしたと。そこからまたばらされるわけですね。そうすると、実はばらすのには適当にはばらせないんです。ここの部分はこういうふうにばらしたら後からつなぎやすいよねということを考えながらばらしていかなきゃいけないということですよね、下請に出すにしても。そこには手間が掛かるわけです。もちろん、要するにでき上がった、ばらばらになって、例えば要するに部品が百なら百、二百なら二百、できたものをそれぞれの場所で組み合わせて、最終的に五つになったものを全部で結合して動かしてみると、こういうことですね。
 そうすると、その間にやはり手間も掛かるし、いろいろなものを、いろいろな技術的なものもあるわけですね。ですから、一概にそこでピンはねすることはいけないと僕は思っていません。ただし、ピンはねし過ぎるところもあるんです。あるいは実は本当にそれも自分のところで受けたのをそのまま何もやらずに下請にぼんと渡しちゃって、それで自分のところでやったがごとくして納めているものも中にはいろいろ出てくるんですね。そうすると、そこに、いろいろ違うじゃないかという話が出てくるわけです。ですから、一概には言えませんけれども、細かいところを見ていけばいろいろそれは問題はあります。
 ですけれども、そういうことも考えなければいけませんけれども、一番考えなきゃいけないのは、やっぱりユーザーです。ユーザーが何でもメーカーがいいと思っているところがいけないですね。メーカーはコンピューターを作っているんです。ハードメーカーです、ソフトウエアメーカーじゃないんです。そうですよね。それを、何でもコンピューターメーカーに出そうという、そこら辺に、もっと言えば大きい企業が安心だ、大きい企業の方がいいだろうというふうにまだ、まだですよ、今の経営者方が思っているんです。なぜかというと、今の経営者方が全部年寄りだからです。世の中を知らないからです。ですから、新しいところは自分のところでも研究しながら、こうこうこういうものはこれの方がいいんじゃないか、いろいろな意味でもっと安くいいものを手に入れる方法を考えているというのが現状だと思います。
#65
○広野ただし君 どうも貴重な御意見、ありがとうございました。
#66
○委員長(田浦直君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。(拍手)
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#67
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りします。
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案、小規模企業共済法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君及び中小企業庁長官杉山秀二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#69
○委員長(田浦直君) 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案、小規模企業共済法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#70
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。
 今日は、午前の参考人の質疑に続きまして、午後はこの委員会で質疑、採決ということになっておるわけでございますが、我が党は、現在経済状況が非常に悪い、こういうことを非常に重く当然考えておりまして、再度でございますが、特にここ数年来の景気後退というか不況というか、いうものは甚だ、特に下請中小企業、小規模企業にとっては大変な影響があると。こういう観点から、この二年前から下請法というものについてしっかりもう一回改正をしながら、下請、協力会社というんでしょうか、いうものをやはり守っていかなきゃいけない、こういう観点で我が党から院の方に昨年法律を提案し、そして昨年は審議までさせていただいたわけであります。大分遅くなってから公取からこういった、内閣から法案が出るわけでありますが、本当にこれ、遅きに失しているというのはこういうことを言うんではないかと。
 さらには、この下請法というものが今まで製造業、修理業からかなり大きな幅を持って、これ多分対象企業もこれからサービス、運輸・通信、こういったものが入りますと、今までの二十九万八千、約三十万からプラス三十二万六千ということで我々は見積もっておりますけれども、かなりの大幅な改正になることは、再度私もこの場で言わせていただきたいと思っております。大変な競争が激化する中で、やはり、じゃ、この市場をどういうふうに守って、大きなものだけが独り勝ちにならないような、そういう態度が今こそ大事であるということであります。
 思い起こせば百年前、トヨタができたころは、井桁商会というものがたしか一八九九年にできたと思いますけれども、百年たつとあの十数兆円の産業になると。しかし、初めは本当に小さな、吹けば飛ぶような、そういうものが百年たつとあのようになる。そしてまた、もっと戦後でいえば、ホンダさんとかいろいろありますけれども、やはり小さな芽を絶対に奪ってはいけない、これが我々、我が党の問題を見る目であります。
 修正の案を出させていただきたいということで今協議中でございますけれども、午前中の質疑で、この下請法の下請の範囲に入る、適用の範囲について拡大をさせたらどうかという私は質問をしました。これは企業取引研究会の第四回の議事録の中にもございますように、今回、金型の製造委託のみならず、やはりもう少し広げるべきだと、こういう意見に従ったわけでございます。そうしましたところ、委員の一人が、これが始めであってこれからどんどん広げていった方がいいという御提案がありましたが、まず委員長からこの辺り、再度、どのようにお考えなのか、委員長がお答えになって、大臣にちょっとお願いしたいと思いますが。
#71
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お答え申し上げます。
 前回の御審議でも、金型だけじゃなくて、他に転用ができないような特殊な工具を作っているようなものもあるではないかと、こういう御指摘をいただいたわけでございます。
 私どもも、その論点も含めて企業取引研究会で議論をしていただいたわけでございますが、金型の場合には正にそれ以外に、その製品を作るためにしか使えない、汎用性がないという特徴がございますし、それから中小企業が大変多くを占めていて、その総売上高も一兆五千億円ぐらいになる大きな規模を成している。
 それからもう一つは、金型に特有の問題といたしまして、現行法でも、その親が自分で金型を作っている、その親が下請に出す場合には今でもその金型の製造委託は下請法の対象になっている。しかしながら、その親が自ら作らずに、すべて外注にしてしまうという場合には対象になっておらないというアンバランスも現行法の下ではあるというふうなことから、金型についてはこれを対象にきちんと含めて同じような扱いにするのがいいだろうと。
 ただ、一方で、確かに特殊な工具等というのはあることはあるわけでございますが、これはやはり、その特殊性をいかに汎用性のある工具との間の線引きをするかという話になりますと、これは実態は相当区々であろうと思います。
 したがって、実務上のさばきがうまくいくかという問題と、金型に比べると、まとめて今度下請法の対象に同時にするというだけ、まで問題が行っているかということについては、私どもはまだそうではないだろうという判断で今回はこのようにさせていただいておりますが、今後、そういった特殊な工具等のたぐいで、やはり取引上も大変意味のある重要な位置付けのものであるというようなものがはっきりしてまいりましたら、そこは柔軟に対応させていただきたい、将来の法律の改正の検討対象にもさせていただきたいと、このように思っております。
#72
○国務大臣(平沼赳夫君) 木俣先生にお答えさせていただきます。
 いろいろ状況というのは時の流れに従って時々刻々変化していくものでございますし、想定しなかったようなことも起こってくるわけでございますから、基本的には今、公取委員長が答弁をしたと同じ私も考えですけれども、しかし御指摘の点もよく踏まえながら、慎重に私どもは、その時の流れ、そういうものがありますし、それからその実態というものをよく把握して、よく検討を加えていきたいと。そしてまた、そういう必要があれば迅速に対応すべきだと、こういうふうに思っております。
#73
○木俣佳丈君 大分、大臣と委員長の温度差があるなと、よく分かります。やはり産業を守るという立場と市場を何とか公正にしなきゃいけないという立場かもしれませんけれども、しかし結局、ある業者、今日も実は私の後援者が来ておりまして、この中に例えば砂型とかいろいろ特殊な、それしか使えないもので下請に出すなんということをやっている方もいるんですよ。ですから、今日はもう是非聞いていただきたいと。どういう国会で答弁をされていて、どういう情熱で要は答弁をされているかというのを生で聞いていただこうと思うわけでありますけれども。
 やはり今、公取の委員長が言われたのはちょっと私は解せないわけでありまして、それはなぜかといえば、この企業取引研究会の中で、そしてまた、今日午前中の参考人の先生がやはりこれは広げていく方で考えていくべきではないかと、こういうことをだから言って、そしてまた報告書にも金型だけでいいのかということは書いてあるんですね。ですから、これは私はそのままでは、はいそうですかということでは私はないということをまず申し上げたいと思っております。
 さらに、例の資本金区分で区切って下請関係ということをするときに、今日午前中もソフトの業者の方々や来ていただいております。その中でこの企業取引委員会の、先ほどの委員も言われておりましたけれども、やはりこの下請法が昭和三十一年、そして中小企業基本法が三十八年ということで考えますと、法律の中で継ぎはぎになりがちであって、そごを来しているということを明確に述べているわけなんです。
 これは、恐らく中小企業基本法を所管する平沼大臣に伺う方がいいのかなと思いますけれども、やはりある法律とある法律と同じような、対象が同じようなところを網羅するもので、かなりねじれているというか、今日の参考人が言ったような、そごを来しているという問題について先般も私も学びましたけれども、下請という名前が付いている法律が二十二あると大臣がおっしゃって、初めて私も知りましたが、そのようにたくさんある中で、これはこうだけれども、これはこうじゃないという、しかも同じ実はベースでなければいけないというものが、ねじれているというものに対して是非これ早急に改変をしていただきたいと大臣に要求をしたいんですが、どうでしょうか。
#74
○国務大臣(平沼赳夫君) 経済産業省といたしましては、中小企業基本法におきまして、大企業と中小企業、これを区分する基準を、御承知のように定めております。下請代金法におきましても、基本的には大企業を親企業として優越的地位に立つものとして見るとの観点から資本金基準を設定した、こういうふうに承知しています。
 もちろん、今後とも下請代金法の運用状況でございますとか、あるいは取引実態を踏まえまして、不断に規制の見直しを行っていく、このことは私当然必要なことだと、こういうふうに思っておりまして、御指摘のそういった点につきましても、今申し上げたような観点から、私どもとしては検討課題になると、このような認識を持っております。
#75
○木俣佳丈君 この下請法ではございませんが、産業全体を図っていただいておる大臣から非常に前向きな御答弁いただきましたので、是非、必要があれば見直すではなくて、もう必要があるわけですので、是非この見直しを前提に考えていただきたいというふうに思っております。
 この下請法の効力というのは、申すまでもなく独占禁止法の優越的地位の濫用というものが年間数件に対して、下請法のこの適用というものが、非常にこのルールが明確でありますので、千五百に、それを超えているんでしょうかね、なんなんとしているということにかんがみても、この対象が倍に、約倍になるということで考えると、一刻も早く、これが成案になり世に出ていきながら、やはりこの協力会社というか、下請さんというか、という方々のためになればなということであります。
 とにかく、この法律ができましたのが、何度も繰り返しますように昭和三十一年でありまして、私は四十年生まれでありますので、本当に私が生まれる前からこれは見直されていなかった、四十六年ぶりに見直されるということでありまして、先ほど実は参考人にもちょっと反論のようなことを言ったわけでありますけれども、検討をする検討をするといって五十年掛かって検討していたら、一つの産業がもうなくなってしまうわけであります。ですから、こういった検討については可及的速やかに、昨年、特に九月から五回の審議を持って研究会を閉じて委員長のリーダーシップの下で、まあ突如という言い方を我々もするわけでありますが、我々の追従をいただいてこの法案を出していただいたわけであります。
 これ、実は委員部で調べました。委員部で調べましたら、これ、もしかしたら委員部が間違っているかもしれませんけれども、この二十年間で、閣法が出てきて参議院の方で修正をして、そして衆議院に送り込んだのが二十年のうちで二件だけだそうです。私はその事実を聞いて非常に愕然としたわけでありますけれども。
 やはり見直しをすることを委員長がそういうふうに早めてもらったことが、結局はこういうような形で少しは、正に法律というのは世の中のルール、そして形を変えるものだと私は思います。ですから、今回に私は足りないというふうに思っております。合意はさせていただきましたが、まだまだ足りない部分もあるということで、是非、委員長から、その他この経済状況をかんがみ、そして本当に検討していく場合には、正に去年していただいたように速やかな検討をもって、法律化、ルール化していくということを御決意をいただいておきたいんですが、どうでしょう。
#76
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お話しのとおり、下請法の改正につきましては、民主党の御提案というのが大変大きな刺激になって、また参考にもさせていただいたということでございますので、改めて敬意を表させていただきたいと思います。
 今回、実質的には昭和四十年以来の改正だと思いますけれども、そういう意味では、限られた時間の中で精一杯の検討をさせていただいたつもりでございます。しかしながら、世の中の変化はますます激しいものがございますし、今回いろいろな御意見もいただきました。そういったこと一つ一つにつきまして、これからの運用を通しまして、我々も実態把握にきちんと努めて、変えるべきものは迅速に変えていくという姿勢で臨ませていただきたいというふうに思います。
#77
○木俣佳丈君 これを最後に平田筆頭理事に移りたいと思いますけれども、やはり例えば最近のりそなのショックというものもあります。例えば、名前を挙げていいかは分かりませんが、流通業ダイエーの債務放棄ということもあります。非常に不公平というのがやはり一般的な庶民の気持ちであります。それだったら何で自分のこの債務というのが免除されないんだろうかという思いの中で自分で命を絶つ方が、何度も言いますように四万人近くいるというような何か、そしてまたこの中には、中にはというか、その中には含まれない数字が倍以上いるではないかというふうに言われている昨今でありますので、是非、こういった協力会社、下になって本当に経済の下支えをして雇用の受皿になっていただいておる、そしてまた、やはり日本の一番強かった物づくりというもの、かったというのは、過去形ではいけないかもしれませんが、その一番の礎になって、石垣になってくれている方々が、やはり海外に出るんではなくて日本でやろうと、日本で頑張ろうと。今日、朝いらっしゃった金型のやはり方々もそういうことを言っていらっしゃいました。そういう方々を是非、別に保護するというのは私はおかしいと思っております。保護して何も起きないと思っております。しかしながら、やっぱり励まし、そしてまた方向付けをしていきながら、大きな枠組みの中で正に公平公正なルールづくりを心からお願いを申し上げていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、時間でございますが、同僚の平田理事に替わりまして、質問を終わります。
 よろしくお願いします。
#78
○平田健二君 替わりまして、平田です。よろしくお願いします。
 まず、外務省にお尋ねをしますが──まだ外務省来ていない。それでは、外務省に聞く前に、経済産業省に先にお尋ねしましょう。
 今、SARSの問題が大変国際的に大変な状況になっております。御承知のように、中国、台湾を始め、シンガポール、あらゆる国に我が国の企業が進出しておるわけですけれども、例えば私の地元の岐阜県からも、繊維を中心に大変多くの企業が進出をしております。当然、影響が出ておりまして、特に繊維の場合ですと、ファッションコンテストの延期、契約、商談の延期、また移動制限による新規開拓や買い付け等、発注が滞ったケースも報告されております。自宅勤務や事務所分散などリスクを回避している企業もありますけれども、大臣、大変難しいと思いますが、現地の日系企業について何らかの対策を取られる方針かどうか、お尋ねをしたいと思います。
#79
○副大臣(高市早苗君) それでは、現地の日系企業ということで申し上げますが、現在のところ、SARSを直接の原因とした生産活動の停滞などの深刻な影響というのはまだ生じていないと認識をしております。つまり、工場を止めてしまったような企業もあるわけなんですけれども、事前にリスクを認知いたしまして在庫の積み増し等を行っておりますし、また他国で同様の製品の生産が可能といったこともありまして、生産活動そのものの停滞による具体的な被害の報告は今受けておりません。
 ただ、これが長期化、深刻化した場合には、生産面への影響というのは出てくると思いますし、また消費マインドの冷え込みなど需要面への影響、それから今、先生が御指摘になったような人の移動、これが停滞することで貿易ですとか投資面への影響というのは生じる懸念がございます。
 それで、既に当省が打った対応といたしまして、五月六日に対外公表を行っておりますけれども、貿易保険を掛けていた企業が投資した地域においてSARSが流行いたしまして、その影響によって投資先企業に事業の六か月以上の休止又は破産といった事態が発生した場合には、その損害について貿易保険の事故の対象として認めることにいたしました。
 また、売上げ減少などの影響を受けている中小企業の方々のための対策といたしましては、特別相談窓口の設置ですとか、それから政府系の中小企業金融機関、三機関によりますセーフティーネット貸付けの適用、それから旅行業、これ国内になりますが、旅行業ですとかツアーオペレーター業、添乗サービス業、まだこういった中小企業者を対象といたしまして、信用保証協会によるセーフティーネット保証を適用しているところでございます。
#80
○平田健二君 国内企業は分かるんですけれども、海外へ進出している中小企業の皆さんの実態がなかなか私どもにつぶさに分からないという点がございまして、先日も報道で、北京にある松下電器、こういう大企業の動向は新聞等で分かるんですが、実は中小企業の皆さん方の実態がなかなか把握できていない。そういった調査をされておるんでしょうか、その辺をちょっとお尋ねしたいんですが。
#81
○副大臣(高市早苗君) 今のところ全面的に、出ている企業全部に対して調査をしていると、うちの方から調査をしているというよりは、各団体を通じて報告が来ていると理解をいたしておりますけれども、例えば松下電器さんの例なんかも先生おっしゃいましたが、あれも工場を今止めておりますが、中国で作っている商品につきまして、例えば、これ以上工場が長く止まることになったらマレーシアで同様の商品を生産できるラインがきちっと確保されているですとか、それから事前に先ほど申し上げましたような在庫の積み増しをしているので、今のところ短期間止めていることによって仕事がこなせていないという状況にはなってないと理解をいたしております。
 ジェトロの方では、調査を今行っているということです。
#82
○平田健二君 今申し上げましたように、大きな会社は、大企業は大体よく分かるんですけれども、中小企業、なかなかその実態がつかめないということもありまして、是非ひとつ実態、そう簡単に、なかなか実態調査といっても難しいと思いますけれども、できる範囲内でひとつ調査をしていただいて、是非お聞かせをいただきたいというふうに思っております。
#83
○国務大臣(平沼赳夫君) 特に中国に対する進出企業というのは大変数が多いわけでございまして、御指摘のように、大企業だけではなくて中小企業の進出も著しいものがございます。
 今、高市副大臣からも御答弁をいたしましたけれども、今ジェトロを通じてアンケート調査等、そういうことも実施しておりまして、私どもとしては極力、そういったジェトロの窓口を持っておりますので、そういったところを通じながら状況の把握、そして適切な対応に努めていくと、こういうふうにやらせていただきたいと思っております。
#84
○平田健二君 海外はそうですけれども、不幸にといいますか、先日、SARSに感染した台湾人医師が日本を観光旅行をして、ホテルなどに風評被害といいますか、出ておるというふうに報道されておりますけれども、何らかの措置をされるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#85
○副大臣(高市早苗君) 国内の企業への影響につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、政府系中小企業金融関係の三機関によりますセーフティーネット貸付けと、それから旅行業等の中小企業者を対象といたしました信用保証協会によるセーフティーネット保証、これを適用したということです。
 今後、かなりこれがまた中長期化いたしましたり、今想定していない業種に対しても大きな影響が出てくるような事態が考えられましたら、このセーフティーネット保証の対象を拡大するようなことは可能性として考えられると思います。
#86
○平田健二君 経済産業省として調査されたんでしょうか、この台湾人医師の問題についてどういう実態だったのか。風評被害だけだったんでしょうか。
#87
○国務大臣(平沼赳夫君) 台湾人の医師が、相当広範囲にわたって日本国内を旅行しました。そういった経路の中で、私どもとしては、都道府県からそういう状況は詳細に把握をしている、こういう対応をさせていただいております。
#88
○平田健二君 それじゃ、外務省おいでになりましたね。
 今やり取りをお聞きして大体お分かりのことと思いますけれども、中国政府が先日、このSARSが発生して以降、国内の各企業について、国務院が八つの、八項目から成る対策を出しておるわけですね。その中の一つに、SARSの流行地域の企業には、一方的な都合による職員解雇を認めず就業状況を極力安定させる。SARSの流行により、一部労働者や自営業者の収入が規定の額以下に減少した場合、各級の政府は迅速に生活保護の措置を取らなければならないと、こういう発表をしておるんですけれども、これは日本企業、日本から進出した企業にも当てはまることなんでしょうか、お尋ねします。
#89
○政府参考人(薮中三十二君) 失礼いたしました。
 お答え申し上げます。
 中国政府が様々の措置を経済面で今取っております。これは内外の企業すべてに適用するという原則で対応しておるというのが私どもの理解でございまして、具体的に、今、委員御指摘のような点もございますし、あるいは様々の支援を企業に行うと。特に航空とか旅行、飲食等々、非常に直撃されている産業ございまして、そういう産業に対しては行政費用の徴税減免措置とか、あるいは財政、税制面での優遇措置を行うと。これについて確認いたしましたけれども、日本企業についても全く同様の取扱いがされているということで、全体に今、中国が取っている措置は、内外の企業に同様に適用されるというふうに我々は承知しております。
#90
○平田健二君 今、中国だけお尋ねしましたけれども、その他、台湾、シンガポール、香港、こういったところはどうなんでしょうか。
#91
○政府参考人(薮中三十二君) 香港についても同様の措置が取られてございまして、おおむね中国と同様の、いろいろと企業の運営経費を軽減するであるとか、あるいは不動産の利用税の免除、これについては基本的に外国企業と同じ扱いでございます。他方、台湾につきましては、SARSの関係で経営困難となっている企業への例えば運転資金、こういったものが一部出されているようでございますけれども、これにつきましては外国企業、日本企業を含む外国企業については適用されていないということのようでございます。ベトナムにつきましては、これは当初から非常に素早い措置が取られたということで大きな問題出ておりませんし、シンガポールについても、今のところ企業に対して特段の措置を大きな意味で取っているということはないというふうに聞いております。
#92
○平田健二君 これはどこにお聞きしたらいいかちょっとよく今分かりませんが、日本政府として、そういったSARSが発生して大変企業活動に影響の出ているような国に対して何らかの対応というか要請をしたんでしょうか、お尋ねいたします。
#93
○政府参考人(薮中三十二君) 御案内のとおり、日本企業が出ているところは非常に多うございます。基本的にアジアの地域でございます。そして、これは日本にとっても非常に大きな問題ということで、日本がいち早くこうした地域に対する、SARSに対する対策というのをまず打つということを行いまして、これでいろいろの、医療器具等々あるいは専門家の派遣等々、医師の派遣も行っておりますけれども、そういう全体的な活動を行うということで、ともにこの問題についてアジア諸国と闘っていこうということで、そういう意味で、彼らも日本の立場とかあるいは日本が非常に協力してくれているということは十分理解してくれているんだと思います。
#94
○平田健二君 どうもありがとうございました。結構でございます、お引取りいただいて。
 それじゃ、もう一点、この法案とちょっと違ったことをお尋ねいたしますが、中小企業再生支援協議会についてお伺いをしたいと思います。
 五月の十九日に第一回の全国中小企業いわゆる支援会議が開催されたと報告ございますが、問題は、銀行が保有しておる債権の買取り先、それから再生に必要な資金の調達だと思います。
 宮城県では独自の融資制度を考えておられるようですけれども、経済産業省としてはどのような認識をお持ちか、あるいは今後どのようになさるおつもりか、所見をお伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(平沼赳夫君) 平田先生にお答えさせていただきます。
 中小企業というのは、もう言うまでもなく多数ありまして、そして形態も多様でございますし、また事業内容や課題にもそれぞれ様々な地域性、こういったものが反映されているということであります。
 このため、中小企業再生支援協議会が再生支援を行うに当たってはそういった多様なケースに応じまして、様々な中小企業の施策等を有機的に結び付けて、そして最大限それを活用していくことが必要だと、まず基本的にそういう認識を持っております。
 具体的に申し上げますと、まず再生支援協議会が支援する再生計画の策定には、専門家のほかに、必要に応じまして地域の金融機関や政府系金融機関が参加することで、金融機関からも財務面での協力を得ることができる実効性のある再生計画が策定されるもの、このように考えております。
 また、政府系金融機関や全国の信用保証協会に対しましては、今般、御同意を得て新たに創設をいたしました企業再建貸付制度でございますとか資金繰り円滑化借換え保証制度、こういったものを通じまして積極的な対応を行うようにと、このように指示をしております。さらに、今般の産業活力再生法の改正によりまして、中小企業再生ファンドに出資が可能になった中小企業総合事業団に対しましても、各地域において再生ファンドが組成される際には積極的に支援を行うよう、こういう指示も行いました。
 このように、政府の施策と再生支援協議会との十分な連携を確保しまして実効性を上げていきたい、こういう基本的な考え方を持っております。
 また、例えば今、宮城県の例をお出しになりました。そういう独自のものをお作りになっていると、こういうところもあることは事実でございます。私どもとしては、例えばいろいろ相談に応じて、そしてそれが例えば再生機構にふさわしい案件である、そういう案件に関しては再生機構にも紹介をしまして、そして適切に対応することも私どもは可能だと思っておりまして、いずれにいたしましても、今おかげさまで、この五月発足のときは三十七か所でございましたけれども、それから今三十九か所開設をされたと。更に鋭意これは全国に展開をしていきたいと、このように思っております。
#96
○平田健二君 是非、特に中小企業にとっては、全国で四百八十万とか五百万とか言われておりますけれども大変多い企業数ですので、しかもその支援協議会は各都道府県一個ずつですね、原則として。一か所ですね、各都道府県に。相当件数があると思いますので、迅速にできるように是非御努力をお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、まず下請中小企業振興法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 まず、これは中小企業庁の資料でしょうか、がございますが、大臣、四十五年にこの法律が制定されたわけですけれども、時代とともにやはり下請事業者をめぐる環境というのは大きく変わってきたというふうに思います。特に、昨今大変な状況が続いておりまして、多くの企業が倒産、廃業の憂き目に遭っているということも御承知のとおりであります。
 この法律は、下請振興法としては唯一の法律であります。しかしながら、この法律の大きな目的であるあっせんによるいわゆる取引というのは年々減少しておりましてね、このデータにもございますが。やはり下請の皆さんが一番強く要望しておるのは取引のあっせんだというふうに思っております。年々年々減少しておりますけれども、この部分に手厚い対策が必要ではないかというふうに思っておりますけれども、どのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
#97
○国務大臣(平沼赳夫君) 平田先生御指摘のとおり、この下請振興法に基づきます取引あっせんについては、下請企業振興協会に親事業者が四万社、下請企業が十一万社登録をしていただいておりまして、そのデータベースを基に毎年かなりのあっせんの件数の実績を上げてきておりますが、残念ながら、これも御指摘のとおりなんですが、長期にわたる景気の低迷の下に、近年における取引あっせん成立件数、これは平成十年度は四千六百件でございましたけれども、これが平成十四年度には三千五百件、また成立受注額は、同じく平成十年度百八億円あったものが十四年度には六十六億円と、減少傾向にあるのは事実でございます。
 こうした景気の厳しい状況の中でこそ、取引あっせんの充実強化を図っていくことが下請中小企業にとって極めて重要であると私ども考えておりまして、次のような対策を講じているところでございます。
 まず、今般の下請振興法改正によりまして、サービス業等の下請中小企業を支援対象に追加することに伴いまして、下請企業振興協会にこれらサービス業等の下請中小企業が、当然でありますけれども登録できるようにいたしたいと思っております。これによりまして、あっせん事業の基礎となるデータベース、これが大幅に拡充されると。
 また、下請中小企業を対象とした見本市を通じまして、下請中小企業の優秀な技術、製品等を一堂に展示をいたしまして、下請中小企業の製品の開発力あるいは加工技術等を紹介をするとともに、この取引あっせんの商談会、これを開催をいたしまして、下請中小企業の新規取引先の開拓及び広域的な受注機会の増大を図っていく、こういった取組を強力にやらせていただきたい、こう思っております。
 確かに、御指摘のとおり減少傾向にありますけれども、繰り返しになりますが、こういったときこそそのあっせんというのが必要だと思っておりまして、そういう問題意識を持って取り組んでいきたい、このように思っております。
#98
○平田健二君 それから、最近の五年間で下請企業の主要取引先の海外移転の状況という調査がございますが、半分、約四五%ぐらいの取引先の企業が海外へ移転をしたと、こういう実態が報告されておるわけですけれども、下請事業者にとっては深刻な問題だと思いますね、取引しておる企業が海外へ行くと、行ってしまうと。非常に深刻な報告がされておるわけでございますけれども。
 今、国際下請取引情報センターというのがございますが、どの程度成果を挙げられておるのか、まずお聞きしたいということと併せて、ジェトロをもっと活用する必要があるのではないかと、活用されていると思いますけれども、更に活用する必要があるんだと思いますが、ジェトロの活用についてどのようにすべきだというふうにお考えでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#99
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘ございましたように、下請中小企業の方々が国内取引だけではなくて海外取引というものも積極的に進める、それを御支援するということの重要性というのは御指摘のとおりだと思います。
 今お触れなさいました国際下請取引情報センターでございますが、全国下請企業振興協会の中に設置をされております。海外企業との取引を希望いたします国内の中小企業に向けて海外取引に関するマニュアルを作って配布をするというようなこと、あるいは日本に関心を持っている海外企業に向けまして、日本の下請企業の実態とかあるいは下請の関係法令、こういったものについての資料を作って配布をするというようなことをやっておりまして、例えば海外企業向けのいろいろな法律とかあるいは制度についての、マニュアルでいいますと五種類を作っていろいろな大使館等に頒布をさせていただいています。また、国内企業向けのいろいろな資料といたしまして、例えば海外進出のときに気を付けなければいけない留意事項あるいは国際取引に際しましての留意事項、こういった三種類のマニュアルを作って配布をしているということをやっておるところでございます。
 ジェトロとの提携、協力という御質問ございました。そのとおり、私どももジェトロとの連携ということを図ることも大変重要なことだと考えております。
 現在でもいろいろな海外市場調査などについて、私ども情報をジェトロからいただいたりしてやっておりますけれども、さらにジェトロのいろんなやっております支援事業について下請企業振興協会等を通じまして広く周知徹底を図るとともに、ジェトロが持っておりますマッチング事業と下請企業振興協会がやっております取引マッチング事業、この相互乗り入れなどをすることによって更に両者の連携について深めていきたい、そして下請中小企業の海外販路開拓の支援などについて一層支援を深めていきたいというふうに考えているところでございます。
#100
○平田健二君 是非ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、振興事業計画についてお伺いしますが、四十五年に法律が制定以来、御承知のように報告がありますが、十二件しか計画の承認がないと。四十五年以来十二件。この原因についてはどのようにお考えでしょうか。
#101
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 確かに御指摘のとおり、実績の低さというのはお恥ずかしい限りでございます。原因として、一つは振興事業計画を作る業種が今五業種に限定をされておりまして、そういったことが一つの、使われにくい一つの要因ではなかったかと思います。また、もう一つは、下請中小企業の方々がこの計画を利用するに際しまして、事業協同組合を組織をした場合にのみ計画を作成することができるというふうになっておるわけでございますが、いろいろなグループの在り方というのもソフト化をしてまいりまして、ただ単に事業組合だけがこの計画を作ることができるというのはやはり時代の流れにそぐっていないというような問題もあるのではないかというふうに考えております。
 こういった状況を踏まえまして、今回審議をお願いしております法律改正案におきましては、事業計画主体を更に広げると、あるいは業種の限定を取り外すといったようなことにいたしまして、この計画がよりたくさんできますような工夫をいたしたいというふうに考えているところでございます。
#102
○平田健二君 増えそうですか、申請が。大変疑問だというふうに思っておりますが。
 一つは、次は、ここに今までの振興計画にかかわる承認申請書という書類があるんですが、大変難しいですね。これ、読んでみますとどうやって書いていいか分からぬ。昨日、私の事務所にお見えになった方も、私も書いたことございませんわと、平成五年以来書いたことないんですから非常に難しいといいますか、よく分かりづらい申請書類。多分、今回法律を改正されることによってこの申請書も、書き方も内容も変わってくるというふうに思いますけれども、もっとこう親切に、手取り足取りとは言いませんが、これは下請振興ですから、一番困っている人たちに対してやるわけですから、やっぱり親切に分かりやすくするというのも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#103
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたように、この振興事業計画を申請するに当たりましては、申請書それからいろいろな添付書類というものをお出しをいただくということになっているわけでございます。確かに、過去のいろんな申請あるいは添付書を見てみますと、私も物差しで測りましたけれども、大体一・五センチぐらいの厚さの資料を出すというようなことになっておりまして、これはやはり実際に御使用なさる中小企業の方々の身になってみれば問題があると思っております。
 したがいまして、例えば申請書につきましては様式を大幅に簡略化いたしたいと思っております。例えば、いろいろな生産性についての、いろんな一人頭の生産性について資料を出すということになっていますけれども、大変面倒くさい計算を一杯せにゃいかぬというようなことは避けなければいけないと思っていまして、そういう細かい点も含めましていろいろ出す申請書、添付書類、これを必要最小限の簡潔なものにいたしたいというふうに思っております。
 また、こういった計画を作るに当たりまして、ユーザーの方々の計画作成の便に資するようなマニュアルを作りまして、作成をするに当たって参考にしていただいて、より作りやすくするというようなこともいたしたいというふうに考えているところでございます。
#104
○平田健二君 今回の改正で役務の委託や修理委託を加えて関係する省庁が二省庁にまたがるというのもあると思いますので、是非簡略にやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、この下請振興法の最後で、実は売掛債権担保融資制度の問題について改正されるということなんですが、振興計画を認可を受けたものは売掛債権が一億一千百万円から二億円になると、こういう改正ですけれども、振興計画を承認、認可されたものだけじゃなくて、もうこの際売掛債権担保融資制度を一気に二億円にすべての人に上げたらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#105
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、下請振興法の、計画の承認を受けました場合におきましては、この限度額を一億円から二億円に引き上げるということを考えております。
 これは、こういった場合におきましては取引先が非常に固定をされておりまして、かつ大企業である場合が多い、そして売掛債権の額も多いだろうということで、こういった場合につきましては特に売掛債権担保融資保証制度というものが下請中小企業の方々にお役に立つであろうということから、その最大限有効活用という観点から限度額を引き上げるということを考えているものでございます。
 これを一般化できないかという御質問でございました。今、私ども、その実績を、実態を調べておりますが、その張り付き状況といいますか、上限への張り付き状況で申し上げますと、例えば、今までの利用実績で九千万円を超えて利用されている方がどのくらいおられるかというと、大体一%ぐらいの割合でございます。
 こういった限度額を引き上げるということを一般制度として考えろということにつきましては、私ども、中小企業のお役に立つということはどんどんやっていくというのが当然でございますので、今後ともいろんな売掛債権に係ります利用条件をよく、実態状況を把握をしまして、こういった限度額の必要というものについて不断の見直しをしていきたいと思っております。必要な状況になれば機動的に対応いたしたいというふうに考えております。
#106
○平田健二君 是非ひとつ検討していただきたいと思います。いずれにしても、下請中小企業の振興ですから、困っている方たちに使い勝手のいいようなものを作っていただきたいというふうに思います。
 次に、共済法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
 今回の改正は、契約時に定めた予定利率を、赤字になるから、赤字だから切り下げると、こういうことですね。幾ら法律どおりだといっても、加入者は納得しかねるというふうに私は思います。これはほかの生命保険も最近議論になっておりますけれども、いろんなところで予定利率を変更するという事態が起こっております。
 これはそもそも政府の経済政策の失敗が大きな原因というふうに思わざるを得ないと思います。しかも、今回の切下げで三回目の切下げです。どのように責任を感じておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#107
○国務大臣(平沼赳夫君) 平田先生御指摘のとおり、この小規模の企業共済制度に関しましては、これまでも二回の予定利率引下げが行われまして、今回、三回目の引下げが必要であると、このように判断したわけでございますけれども、その背景には金利低下や株価の低迷、こういった経済情勢の推移があったと考えております。
 私どもは、こうした金利低下や株価低迷が政府の経済失政によって生じたと、こういうことには必ずしも当たらないものと考えておりますけれども、結果として、加入者の方々に大変な御迷惑をお掛けすることになるこの予定利率の引下げ、これを行わざるを得ないということについては、非常に残念なことであり、でき得れば避けたかった事態だと、こういう認識でございます。
 そもそもこの制度というのは、予定利率の変動があり得ることを前提として制度設計をしたものでございまして、これは本当に加入者の皆様方には申し訳ないことでございますけれども、制度上の、ある意味では過去二回の引下げと、こういうことが示しておりましたとおり、制度に付いて回るそういう、宿命と言っては大げさですけれども、この制度に付き物のことであると。
 したがいまして、大変申し訳ないと、こういうふうに思っていると同時に、我々としては、やっぱり一日も早くこの国の実体経済を回復させて、そして国全体の景気を良くして、こういうことが起きないように、予定の利率で回せるように努力をして、そして責任を果たしていくことが必要じゃないかと、こういうふうに思っております。
#108
○平田健二君 時間も大分経過しましたので、少し飛ばします。
 この説明によりますと、といいますか、概要、小規模企業共済制度の概要によりますと、解約の問題ですね。一年目までは任意に解約するとペナルティーとして掛金が全額没収、いわゆる全額払戻しをしませんということですね。さらに、七年未満の解約には八割しか返還をしない。また、廃業や死亡の場合でも六か月未満は返還をされない。いろいろ理由があると思いますが、加入者に対する配慮が欠けているのではないかなという感じがしております。制度は違いますが、中小企業に働く人たちの退職金制度、中退金、中小企業退職金共済制度は、三年掛けたら一〇〇%返還をされる。
 二つの共済、それぞれ成り立ちも違いますし、考え方も違うと思いますけれども、この共済のペナルティーといいますか、解約条項は多少きついんではないかなという気がしますけれども、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 現行の給付水準の体系は、言うまでもなく、相互扶助の精神に基づき、経済的困窮度に応じて生活安定資金等を準備するという本制度の趣旨に基づいて設定されているものでございます。
 こうした考え方に基づきまして、本共済制度におきましては、廃業等経済的困窮度の高いケースに対して支給される共済金額を高めに設定をしておりまして、その分、契約者の方々の御都合により解約をされた場合にはお支払いする解約手当金の金額は低めに設定されると、こういう基本設計になっているわけでございます。
 したがいまして、仮に解約手当金の給付水準を高めに設定をいたしますと、その分、廃業等のケースで支給される共済金の給付水準を下げざるを得なくなりまして、本制度の基本設計、その趣旨にそぐわないことになってまいります。
 任意解約者に一定程度の御負担をお願いをするということはある意味ではやむを得ないことと、このように私どもは認識をしているところでございます。
#110
○平田健二君 それから、予定利率の二・五から一%に引き下げるという問題ですけれども、審議会では、十年後に収支が改善する水準として一%が適当だと、こういうことになっておりますけれども、なぜ十年後にということで設定されたのか、二十年にして予定利率をもう少し上げてもいいじゃないかという考え方もあるわけですね。
 この十年、一%というふうに決めた理由をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#111
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 審議会におきましても、まず収支が改善を見込む、そのために要する期間をどう設定するかということにつきましていろいろな御議論がございました。確かに、先生おっしゃいますように、その期間を十年よりも長めに設定いたしますれば、予定利率を一・〇%よりも高めの水準に設定することも可能かもしれませんが、それによりまして収支健全化のスピードというものが遅くなることも事実であります。
 私ども、審議会の議論の中におきましては、やはり現在多額の欠損金を抱えておりますその現在の状況からできるだけ早期に脱却するのが必要であろうと、そういう要請とともに、余りにも短期の改善を求めますと、利用者の方々に大変迷惑をお掛けしまして、制度の魅力というものが本当に乏しくなってしまうと。そういう全体のバランスの中で、専門家の方々の御議論の終結いたしましたところが、この期間を十年に設定をして、その中で目に見えた改善の度合いが期待できる、そういう利率は何かというようなことで検討していただいたということでございます。
#112
○平田健二君 最後に、資産運用の責任の明確化ということがうたわれております。これは資産運用の結果責任をきちっと明確化するという意味でしょうか。お尋ねをいたしたいと思います。
 もう一点、最後ですのでまとめていきますが、共済の運営事務費として約六十億円が予算化されておりますけれども、これは民営化できるんじゃないでしょうかね。独立行政法人に移管、今度いつですか、変わるということですが、あらゆる面を考えて民営化することができないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#113
○政府参考人(杉山秀二君) 結果及びその責任について事務的に御説明をさせていただきたいと存じます。
 この中小企業総合事業団、特殊法人改革の一環としまして、平成十六年の七月から中小企業基盤整備機構に改組をされます。その実績の評価、これにつきましては経済産業省に設置をされます独立行政法人評価委員会で評価が行われることに相なります。
 今、先生お触れになられましたように、その結果が非常に問題が多い結果を招いたという場合におきまして、この評価委員会におきまして、いろいろ金利とか株価の動向なども踏まえながら、資産運用の妥当性ということについても評価がなされるというふうに思っております。その評価に基づきまして、私ども、機構に対しまして適切な指導をするということになると思います。
#114
○国務大臣(平沼赳夫君) 民営化というお話がございました。中小企業総合事業団におけるこの小規模企業共済事業の運営経費につきましては、御承知のように、全額が国からの補助金で賄われているところでございます。したがいまして、本事業がどのような形態で運営されるかにかかわらず、事業運営に要するコストの節約に努めるべきであるということは申し上げるまでもない、このようなことだと思っております。
 ただし、仮に本事業を民営化した場合、本事業の運営が破綻リスクを伴う民間企業によって行われることとなるため、加入者保護が十分に図られないのではないかとの懸念が生じるおそれがあり、廃業後、老後の安心感の提供という本共済制度本来の目的の達成や加入者の幅広い獲得といった点で支障が生じるのではないかと私どもは考えております。利益優先の制度運営の結果として、割高な地域でありますとか、業種への加入促進活動が恣意的に回避されまして、小規模の企業者の加入機会の公平性、平等性を維持できなくなるおそれがあると思っております。
 こういう問題を考慮いたしますと、本共済事業を民営化することは適当ではないと、こういうふうに考えておりまして、今後の事業運営に当たりましては、民間にゆだねることができるものはできるだけ民間にゆだねることなどによりまして、当然、経営の一層の合理化、効率化を図らなければならないと、このように思っています。
#115
○平田健二君 ありがとうございました。
 終わります。
#116
○緒方靖夫君 まず、小規模企業共済法改正案について質問いたします。
 提案理由に共済金額等を政令事項化するというものがありますけれども、なぜ政令事項化するのか、お伺いいたします。
#117
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 昨今の経済・金融情勢をかんがみますと、資産運用環境の変化に対応した共済制度の運用を図るため、迅速に予定利率等の変更ができるように制度の仕組みを改める必要がある、このように思っております。こうした考え方に基づきまして、昨年、一足先に中小企業の従業員の方々のための共済制度である中小企業退職金共済制度において、退職金額規定を政令事項化するための法改正が行われたところでございます。
 私どもといたしましても、これと同様に、今回の法改正におきましても、従来、法律に置かれていた共済金額規定等を政令事項化することが必要だと、このように判断したところでございます。
#118
○緒方靖夫君 要するに、予定金利を確保できない、そしてまた、先ほどお話がありましたけれども、繰越欠損金が年々拡大する、そういうことにかんがみてのことだということだと思うんですね。とすると、やはり私は、国会の関与なしに共済金切下げを迅速にできるようにする、このことはやはり問題ではないかと感じるんですね。
 これは、昨年一月に予定運用利回りを前提とした退職金額等を政令事項に変更する中小企業退職金共済制度の改正案を提案した、それと同じ手法ではないかと思います。制度運用のしわ寄せを中小企業業種やあるいは建設労働者に押し付ける、これはやはり許されないことだと思うんですね。
 小規模企業共済制度というのは、小規模事業者の老後生活の安定とか、国民年金などの公的年金給付の補充という重要な側面を持っていると思います。未曾有の不況の中でこの共済金が果たす役割、これは非常に大きいと思うんですね。
 そこで、私、提案をしたいと思うんですね。建設的な提案をしたいと思います。
 それは、やはり大臣も御承知のとおり、政府は小規模共済の事業経費については国庫の全額負担になっていますね。私は、小規模企業の共済は、本来相互扶助の考え方に立って、共済契約者の拠出した掛金とその運用益によって共済契約者の廃業などに対しての共済金を支払う、そういう仕組みになっているわけですから、実際に日本経済を支えているという、そういう中小企業を下支えするという、そういう点から見て、共済金給付の維持のために国庫補助、これをやはり考えていく、今すぐにじゃなくても、政策的にそういうことを考えていく、そういうことが必要になっているんじゃないか、そのことを思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#119
○国務大臣(平沼赳夫君) 一つはそういう形で、政令によってやるという形で、恣意的に行われるのではないかという御懸念をお持ちのようでありますけれども、これは、本年一月に取りまとめられた中小企業政策審議会経営安定部会報告においては、共済金額規定等を政令事項化した場合には、議論の透明性を確保する観点から、必ず中小企業政策審議会等の議を経ることとする、こういうことになっておりまして、私どもとしては、こうしたことを通じて、政令事項化した後においても予定利率の恣意的な変更、こういうことは十分防止できると、まず、こういうふうに思っておることをお伝えをさせていただきます。
 それから、この繰越欠損金は国費で補てんすべきではないか、こういうお問い合わせでございますけれども、本共済制度というのは、小規模の企業者の相互扶助の考え方、まずこの上に立って、共済契約者の掛金及び運用益により共済契約者の廃業等に対して共済金を支払うという、そういう基本設計に相なっております。
 こうした性格を考えますと、運用収入等の変化に応じて国民の一般の税金の負担を求めるという、そういう性格では私どもはないと、こういうふうに思っているところでございまして、本来の趣旨にのっとって、厳しい中ですけれども、しっかりとした運営をしていかなければならない、こういうふうに思っております。
#120
○緒方靖夫君 欠損金を埋めるという、そういう趣旨じゃなくて、これからということで考えていけないかと思うんですね。
 例えば農林水産省の農業共済ですけれども、食料安定供給に国が責任を負うという観点で組合員の掛金の半分を国庫が負担する、これやっているんですよね。私は、趣旨は共通していると思うんですよ。去年はどれだけの額が投入されたかというと、七百四十一億円国庫が負担している、これ既に実績としてあるわけですよ。
 片や、我が国の経済の屋台骨を支える小企業、中小企業を国の責任で今のような状況で支えていく。ですから、私はこれをずっとやれというんじゃなくて、今こういう苦境にあるときにそういうことは考えられないかという最低限の問題提起をしているわけですね。しかも、埋めるんじゃなくて、これからそういうことはできないかと。
 そういうことを、これは今すぐ答弁できないと思いますけれども、しかし賢明な大臣にあられては、こういうことをやはり積極的に考えていく、今の苦境を、どうやって中小企業を救っていくのかという、そういう立場で物事を考えていく、そういう発想があってしかるべきだと思うんですね。ですから、ここでやるやらないとかそういうあれじゃなくて、是非研究していただきたい。要望しておきます。
#121
○国務大臣(平沼赳夫君) やはり政策というのは限定的じゃなくて、そして柔軟に考えていくというのは私は基本にあると思っておりますので、今の御提言に関しては研究をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
#122
○緒方靖夫君 是非、研究をお願いしたいと思います。
 次に、小規模企業共済がしっかりとした制度にしていくためにも加入者を増やす必要があるんですね。共済の様々な貸付制度、これは評価できるものです。約五百万人近い共済加入対象者が存在するわけですね。しかし、現在の加入者は百三十五万人、全体の三割弱というそういう状況、これを打開する必要があると思うんですね。
 中小企業家同友会の提言、私ここに持ってまいりましたけれども、これも、そのためにも中小企業の加入資格要件の緩和、すなわち従業員二十人以下などの規定を緩和して三十人、四十人としていく、こういうことがどうしても必要じゃないかと思うんですね、実態から見ても。その点についてお伺いいたします。
#123
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、先ほど御答弁をいたしましたように、そもそもが小規模企業者の相互扶助の考え方に立って、そしてその掛金、そして及び運用益によって共済金を支払う、そういう仕組みでまず来ております。ですから、中小企業というのは膨大にあるわけでございまして、そういう意味では、その加入者を増やすということも非常に大切なことだと、こういうふうに思っておりまして、そういったいわゆる設けられている一つの制限等々、そういったこともこれからの検討課題で拡大の方向ということも我々としては研究していきたいなと、こういうふうに思っております。
#124
○緒方靖夫君 私も緩和拡大、本当に大事だと思うんですね。ですから是非、実態と現場での悲鳴、これに見合った形で是非そうした検討をお願いしたいと思います。
 それから次に、不況の中で零細業者や小規模業者の要望が非常に強い休業補償制度についてお伺いしたいと思います。
 これは、企業主の疾病災害によるものではありません、経済環境の極度の悪化によって収入が途絶した場合、事業の継続を容易にするために休業を共済事由に追加する、そういう意味で提起しているわけですね。
 この制度の導入については、九七年の中小企業政策審議会で、民間保険商品の利用が既に進みつつあることから、休業に対する補償を現時点で導入することは必要ではないと見送られております。今から六年前のことですね。
 しかし、私、いろいろ聞いてみますと、この不況の中で、下位の下請企業は仕事がなくて、二、三週間の現金収入がないとか、そういう実態がもうやたらにあるわけですね。そうすると、そのためにも休業補償給付などの積極的な制度改善を図る、図ってほしい、そういう切実な声が今出されております。業者の方は、まず生命保険や小規模共済を解約して生活資金に充てる、そしてじっと耐え忍んでいる、それが現状で、さらに、それでどうしようもないときにはもう本当にどうしようと先がないわけですよね。ですから、私は、その点でも、政策的に収入が途絶した場合の休業を共済事由に追加する、このことは真剣に検討される必要があると思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
#125
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 休業の保険といいますか、補償につきまして、これを共済制度の中でどう組み入れるかということにつきましては、今御指摘ございましたように、過去いろいろ議論をいたしました。その際に、一つは、民間のいろいろな制度というものが存在をするということ、それからもう一つは、こういった保険制度を入れたときに果たして掛金をどのようにしてこの制度として成立するのかどうかというような技術的な問題、こういったことで見送られた経緯がございます。
 今現在どうかという現実的な問題もございます。私ども、そういったものを検討するのにやぶさかではございませんが、今申しましたとおり、民間での保険の制度の整い具合、あるいは共済事由として入れたときに本当に保険として回るのかどうかといったような技術的な保険の制度の問題、こういったものについてやはり相当慎重に検討しないとなかなか積極的な結論というものは出ないんではないかというふうに考えておるところでございます。
#126
○緒方靖夫君 是非その点は、慎重に検討するのは当然ですよね。しかし、是非、今の苦境をかんがみながら、どうしたら何ができるか、その知恵を出していただきたい、このことは大臣にも要望しておきたいと思います。
 次に、信用保証協会が代位弁済を行う場合の手続、この問題について、その実態と併せて質問したいんですけれども、まず最初に、手短に手続がどうかについて説明していただけますか。
#127
○副大臣(西川太一郎君) 一般的な手続でございますので、私から簡単にお答えをいたします。
 これは、借り手であります中小企業者が破産をするとか、取引先の金融機関が破綻をするとか、又は滞ってしまったとか、返済が、こういう場合、これは事故と一般的に申しますけれども、当該金融機関から事故報告書というものが信用保証協会に提出をされます。で、二、三か月間の冷却期間というのを置きまして、条件変更することによって返せるだろうかと、こういうようなことをきちっと協議をいたすわけでありますが、不幸にしてそれが実現できない場合に代位弁済という方法を取るわけでございます。
 この場合には、信用保証協会が全額金融機関に肩代わりをいたすわけでありますが、信用保証協会は中小企業事業団の保険部から大体八割ぐらいの補てんを保険で受けると、これが一般的な仕組みであります。
#128
○緒方靖夫君 そして、そのときに、私、確認しておきたいんですけれども、求償権を行使するときには債務者と相談して返済方法を定める、もうこれは基本中の基本だと思います。それは間違いありませんよね。──ええ、結構です。
 それで、私、そういう手続の決まりがある。しかし、片や大変な実態がある。その訴えを最近聞いたんですね。ですから、是非耳を傾けていただきたいと思うんですけれども、銀行と保証協会が中小企業の話を十分聞かないで金融機関が即時に保証協会に代位弁済を申し立てると、これあります。それから、保証協会が求償権の行使だとしてすぐに競売等の回収、しかも強引な競売に踏み出す事例があるんですね。
 一つ、分かりやすく申し上げますけれども、東京都の保証協会のある支店、ある支店と言っておきます。中小企業主が返済計画を誠実に作って、その話合いの最中に競売決定通知を送り付けるわけですね。そして、担当者がそのときに述べる言葉、私、本当に驚きました。幾つかのケースがあるんですが、それを紹介します。
 こう言うんですね。商売が上向き、銀行の債務を短期で返済しても保証協会の競売は撤回しない、一切の交渉の余地なし、来ても無駄だ、これ一つですね。それから、ぐずぐずしていたなら競売だ。それから月々の返済を持参しても無駄だ、任意売却で楽になれ、ゼロから出発しろ。これ、東京都の保証協会のある支店の職員がそう言うわけですね。あるいは、都の金融課に行くな、余計なことをするな、サラ金から借りてでも返してもらう。そしてさらに、なぜそんなことを言うのかというと、それは上司から言われてやっている、そういう話なんですね。これは私、東京の一例を話しましたけれども、聞いてみると、京都でもそうだ、大阪でもそうだ、全国でそういうことが蔓延しているんですね。
 大臣あるいは副大臣、こういう実態があるということは御存じですか。
#129
○副大臣(西川太一郎君) 昨日、たまたま全国の信用保証協会の連合会が都内ホテルで開かれまして、私、大臣の名代としてそちらに出席をして、国会でただいま緒方議員から御指摘のような事実、衆議院でも、また当委員会でもいろいろと御指摘をいただいておりますので、そのような党派を超えて信用保証協会の対応を借り手に対して、特に中小企業者に対しては親切に行うようにということをあいさつの中で強調した次第であります。
 ただいまのようなひどい事例というのは寡聞にして私は聞いておりませんが、良い事例はかなり聞いております。それは、キャッシュフローが生めるような指導をしたり、又は求償権があってもそれを直ちに行使せずに再建をお手伝いした、そして少し条件変更をするけれども返してもらっていると。
 実際に、着実に某運送業者、これは静岡の例でありますけれども、十数年の計画で返済するものが十年で繰上償還ができたとか、東京の事例では、中小企業者のお人柄が非常によかったのでキャッシュフローが生めるように協力してやったという、いい例は耳に届いておりますが、ただいまのような、時代劇の映画に出てくるような病人の布団をはいで持ってくるような国定忠治の映画みたいなものは初めて聞きます。
 これは私は、とんでもない、これはとんでもないことだと思いますので、ただいまの御意見は真剣に私承って、強く申し入れたいと思っています。
#130
○緒方靖夫君 副大臣から、そうした決意も含めた答弁いただきました。
 私も、良い事例はたくさん知っています。一生懸命やって、中小業者をどうやって救済するか駆け回っている、そうした本当に良心的な職員もたくさんいるということを知っています。ですから、私は、ここでそれを言わないからそういう事例がないという意味じゃありません。しかし、私がここで挙げたのは、そういう働きをして、また期待されている職員が、今申し上げたような、そして今、副大臣が布団をはぐようなと言われた、そうしたことは実際あるわけですね。
 私、大臣にお伺いしたいんですけれども、信用保証協会法などで保証協会の監督、全般的な政策責任を負っているのが大臣でございます。大臣自身、大臣は現場のところよく御存じですので、こうした事例、御存じか、あるいは御存じかなとも思いますけれども、しかし、私は、いずれにしても、こうした事例がある、しかも局地的じゃなくてかなり全国的にある、そうしたことがあるわけですので、私は、大臣におかれましては、また副大臣と一緒になって、こうした事例を調査して即刻改めていただきたい、このことを要望したいと思います。
#131
○国務大臣(平沼赳夫君) 副大臣から御答弁をさせていただきました。それからまた、緒方先生も、いい事例は御存じだと、こういうことで御意見がありました。
 そういう厳しい、そして本当に許せない事例というのも御指摘のとおりあることはあるんではないかと、こう思っています。そういう具体例については、私是非、個々にお聞かせいただければ、私は責任者としてしっかり対応させていただきたいと思いますし、今後の問題としては、そういうことに対して、そういうことが起きないように更に私どもはしっかりと指導監督していきたいと、このように思っています。
#132
○緒方靖夫君 承知しました。
 大臣がそう言っていただきましたので、よく大臣は、お忙しい中で、大臣室に本当に国民の代表を招いて直接話を聞いていただくということがよく行われておりまして、大変感謝しておりますので、私はこの件についても、その訴えのあった人と一緒に大臣のお部屋にお伺いして、短時間でも直接話を聞いていただきたい、そういうふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、昨年十一月、毎年十一月に経済産業大臣と公正取引委員長が連名で、親会社に対して、こうした「下請取引の適正化について」という、こうしたものを通知しております。私は、この内容ですね、高く評価しているところです。
 他方、私はこの質問に当たって、大田区内で歩いてみて、大臣が出したこれらの通知を大企業は果たしてどれだけ守っているのか、そうした話も聞いてまいりました。
 結局、毎年通知を出すということは、この下請法が守られていないということの反映でもあると思うんですね。大臣は、率直に言って、どこに原因があるとお考えですか。
#133
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 経済産業省といたしましては、これまで、親事業者に対する下請取引適正化に係る通達を、御指摘のとおり、毎年、発出することによりまして、下請関係法令の徹底を図っておりますが、下請取引に係る違反行為が減少していないということも事実でございます。大変残念なことです。
 改善指導件数で申し上げますと、平成十年度は千六百二十二件、十四年度は千五百十四件、高水準にあることは事実でございます。これは、デフレの進行を始めとして、親事業者も厳しい経営環境にあることから、そのしわ寄せが下請業者に行きやすいという状況が背景にあるんではないかと、こういうふうに思っています。
 経済産業省といたしましては、こうした取引上の問題に対して、下請代金法に基づき、毎年度、書面調査や立入検査を行っておりまして、これは平成十四年度におきましては約二千五百件の検査を実施をいたしました。
 また、親事業者等に対しましては、下請取引の適正化に係る講習会を実施をいたしまして、これは十四年度実績でございますけれども、一万人を上回る参加を得るなど、この法律の遵守のため、啓蒙普及に努めております。
 加えて、平成十三年度に続きまして十四年度におきましても、緊急下請取引適正化対策を実施してきました。更にその強化を図るために、今回の下請代金法改正案におきましては、勧告の内容に再発防止措置等を追加する、それから勧告を行った段階で事業者名及び違反行為の内容を公表します、それから罰金額を五十万円に引き上げるなど、違反行為に対する措置を強化してまいります。
 こういった改正も踏まえまして、例えば悪質な累犯行為など下請取引上も問題があるケースにつきましては、経済産業省としても、同法に基づく公正取引委員会への措置請求を行うなど、厳正に私どもは対処していかなきゃいかぬと、こういうふうに思っております。
#134
○緒方靖夫君 私、一つ端的な実態を出したいと思うんですけれども、この冊子ですね、この冊子は、大臣がこれまでに二度も会っていただいております大田区の不況打開実行委員会がまとめたものなんですね。蒲田の実態です。下請二法を守らせよう、その合い言葉に、この委員会が大田区内の二千四百社を訪問して実態を著したものですね。
 私も、そのときに感じるわけですけれども、そしてまた、今日の午前中の参考人質疑、これは大変すばらしいいい話がたくさんあったんですけれども、その中で、その一つに、中小企業庁などの書面調査が行われますね。そのときに、何と大企業の担当者が現場に来て、中小企業のおやじさんに対して口頭で、重立ったアンケートの書きぶりについて口頭で指導をするんですよ、そういうことが、本当に驚くべき話なんですが。つまり、口頭ならば証拠が残らない。証拠を残さないで、要するに国が行う、非常に重要な意味を持つそういう調査をねじ曲げることがやられている。どのような規模でやられているかということについては是非見ていただきたい。私の方でどうかということを、これは部分の調査ですから、でもかなり広範にやられている、それがあるんですね。
 私は、これはやはり国の方針を誤される、あるいは大臣の認識を誤される、そういうとんでもない話だと思うんですけれども、やはりこういうことが仮に一部において行われるとしても絶対に許されてはいけないことだと思いますが、その点で、やはりこれについても私は、大臣、きっちりと、これは国と役所の権威に掛けて徹底的に調べていただきたいと思っております。
#135
○国務大臣(平沼赳夫君) 今お話を聞きまして、私ちょっとびっくりいたしました。レアケースだと、こういうふうには思っておりますけれども、そういうことは絶対あってはならないわけでありまして、これは私どももよく事例を調べまして、そしてこういうことがないように努力をしなきゃいかぬと、こういうふうに思っております。
#136
○緒方靖夫君 それから、今日の午前中の参考人質疑でも出されましたけれども、やはり今の中小企業の苦境、それが単価の切下げにある、このことははっきりしているわけですね。
 それで結局、もちろん経済産業省や中小企業庁に中小企業者は訴えることがあるわけですよね。しかし、その事例というのはどういう場合かというと、私が聞いても改めて驚くわけですが、廃業を半ば覚悟して訴えるわけです。そのぐらいの決死の覚悟があるわけですよね。
 問題は、書面で契約を発注する前にも、大企業は口頭で圧力を掛けて、書面は確かにある、書面で契約が成り立っている、しかしその前に圧力を掛けて同じことが行われている。このこともやはり私は驚くべきことだと思うんですね。口頭ならば証拠が残らない、後で何か言われても言い逃れできる、そういうことから生まれていることだと思うんですね。私は、これは優越的地位の濫用に当たると思います。
 ですから、このことも、今日は大臣にお願いするばかりですけれども、是非やはりこういうことも含めてきちっと調べていただきたいと思います。
#137
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、御指摘のとおり、優越的地位の濫用に当たると思いますし、またこれ、調査の仕方によりますと、強い立場と弱い立場ですから、そういう実態もなかなか公表できないという弱い立場だと思います。そういう意味では調査の仕方もあると思いますので、そういうことを含めて、私ども厳重に対処をしていきたいと、こういうふうに思います。
#138
○緒方靖夫君 それから、銀行の融資についてです。
 借入金額の二〇%から三五%ぐらいを定期預金にしてほしいと言われて、それを断ると、次が難しいと言われた、こういうことはかなりあるわけですね。そして、次の金融機関の当てがないので従わざるを得ない。これ、弱みですよね、中小企業者は当然の対応になるわけです。あるいはまた、見合い預金になっているので解約ができない。解約するならば一部を返済に充てなさい、それができないならば借入金利の引上げを検討する、そういうことも言われる。そういうこともあるわけですね。
 私は、以前から銀行の貸し渋り、貸しはがしの問題、それから大臣にも直接お願いしたことがあります。やはり、やっとの思いで借入れを受けた、それができた企業でさえ銀行交渉でこのような圧力を受ける実態があるわけですね。これも私は、言ってしまえば銀行の優越的地位の濫用、それに当たると思うんですね。こういうことはあってはならないと思います。
 やはり、大臣におかれましては、公正取引委員会とも協力して、またその他のところとも協力して、銀行に対して厳しく指導をする、そういうイニシアチブを取っていただきたいと思います。
#139
○国務大臣(平沼赳夫君) 中小企業の方々が貸し渋り、貸しはがしで大変難渋されているということはよく承知しておりまして、私どもも事あるたびに金融庁に申し入れて、そして例えば検査のときも、メガバンクと、そして地方にあるそういう金融機関とは違う、だからそういったところも別マニュアルでやってほしい、こういうことを言っております。
 したがいまして、そういう中小企業を対象として業を行っている金融機関に対して、そういうことがあってはならないと、こういう形で公取の委員長とも相談をしながら金融庁とも連携を取って、その辺はしっかりとやらなきゃいかぬと、こういうふうに思います。
#140
○緒方靖夫君 最後に、よく大臣のところに陳情に行く大田区の不況打開実行委員会、先ほどこの調査のことを申し上げましたけれども、私、これ後で大臣にも是非見ていただきたいものでお渡しできたらと思っておりますけれども、この実態を読んでつくづく思うことがあるんですけれども、それは、やはり大変な実態が進行中だと。私も、半年ごとに必ず行って懇談するんですね。そうすると、何といいますか、日本経済がどうなるか、経企庁よりもよく分かるんですね、そこに行くと。仕事がぴたっと止まっていれば半年後には景気は悪くなる、もうそういう関係がありますよね。ですから私は、そういった点でいつもそこをバロメーターにしているんですけれども。
 そうした点でも、また今日午前中に産業空洞化、これをどう防ぐかという、そういう議論もありましたけれども、こういうことを考える上でも、やはり全国十区にある工業集積地の下請企業、特に最下位の請負企業の、零細も含めて、しかし非常に高度の技術を持っている、そういう企業の実態調査、これをやはり私は、役所として大臣の発案で行っていただくことがどうしても必要だと思います。今日は金型の工業会の会長が岐阜県からわざわざおいでいただいて、非常に貴重な話をいただきましたけれども、その際にも、金型の分野でも三分野で実態調査に入ってもらった、大変有り難いと言っておりました。
 ですから、私は、こうした日本全体を引っ張っていく十の工業集積地の実態調査、これは私、役所に聞きましたら、やられていないと言うんですね。実態をつかまないで立案もないと思います。対策も立てられないと思います。ですから、私はその点で、大臣にその点の調査を、調査のやり方はいろいろあると思います、それはこちらがとやかく言いませんが、しかし実態をつかんで、そしてその対策を打っていく、有効な対策を打っていく、その態度を取っていただく、その点をお願いして質問を終わりたいと思います。
#141
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、金型の例をお出しになられましたけれども、日本には世界に冠たるそういう中小零細企業のすばらしい技術というものが宿っているわけでありますから、そういった実態調査をするということは必要なことだと思っておりますので、我々としては検討をさせていただきたいというふうに思います。
#142
○緒方靖夫君 終わります。
    ─────────────
#143
○委員長(田浦直君) 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として岡田広君が選任されました。
    ─────────────
#144
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 下請代金支払遅延防止法の改正について伺いたいと思います。
 下請関係、特に親分子分の関係といいますか、そういうのが色濃く残っているという面では、土木建設業が非常に、下請、孫請、ひ孫請というようなことで、どこまで続くのか分かりませんが、そういうような関係がよく指摘されるわけです。これは、国土交通省が公取とまた別にちゃんとやっているんだからということでございますけれども、実態どのようになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#145
○大臣政務官(岩城光英君) お答え申し上げます。
 建設業法におきましては、建設工事にかかわる下請代金の支払について、一つに、元請が工事にかかわる代金の支払を受けた場合には、下請代金を一か月以内でできる限り短い期間内に支払わなければならないこと、二つに、元請は工事の完成を確認し下請の申出により引渡しを受けましたときには、下請代金を五十日以内でできる限り短い期間内に支払わなければならないこと、第三に、元請は割引が困難な手形をもって下請代金の支払を行ってはならないことなどを定め、下請の保護を図っております。これらの規定に違反し、かつ独占禁止法第十九条にも違反していると認められますときには公正取引委員会に対して措置要求をすることができることとされておりますし、建設工事紛争審査会による紛争解決の道も開かれているわけでございます。
 建設工事を適正に施工し、建設業の健全な発展を図るためには、対等なパートナーシップに基づく元請、下請関係の確立が必要であると、このように認識しておりますので、下請代金の支払も含めて元請と下請の関係の適正化に今後とも努めてまいりたいと、このように考えております。
#146
○広野ただし君 それでうまくいっていればいいんですけれども、実際のところはそうではありませんで、特に今は公共事業は減る、また民間土木建設業が減る、需要が減るということになっておりますから、みんな腹が減ってしようがないわけですね。ですから、何しろピンはねをされても遊ばせていくよりも下に入った方がいいというのが実態で、まず丸投げがあって、そしてその下請に入ったところがまた頭をはつられてピンはねをされて、実際、そのまた孫請、またひ孫請と、こう行きますと、実際のところは三割ぐらいの値段で、最初の発注の三割ぐらいの値段でやらなきゃいけないと。しかも、百八十日手形、二百十日手形というようなとんでもないものが実態としてあるわけで、そこはもう是非、是正措置をもっと強力にやっていただきたいと、こう思っております。
 ところが、元々この業法というのは言わば談合的な護送船団方式になっておるわけですから、そこから何か是正措置を申出をするということになりますと言わばすぐ村八分になると、こういうことで、なかなか実際は泣き寝入りをせざるを得ないという実態になっているんではないかと思うんですね。ですから、やっていますやっていますと、こう言っても、実際のところは一つも改善をされないということだと思いますが、いかがでしょうか。
#147
○大臣政務官(岩城光英君) 実態について指摘があったわけでありますけれども、国土交通省としてもいろんな対策を講じようとしておりますので、若干説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、元請、下請関係の適正化を図るため、従来から下請契約における代金支払の適正化等について通達を発出しまして、書面による契約の締結や明確な経費内訳による見積り、協議の徹底等について指導を行っております。具体的に申し上げますと、元請の行う見積りに当たっては、賃金等に加えまして必要な諸経費を適正に考慮することを指導するとともに、保証事業会社が行う前払金の使用状況についての監査の強化を徹底するなどの措置を講じております。
 また、下請代金の支払状況等についても、元請、下請双方に実態調査を行い、元請に対して改善報告の提出を求めるなどの指導を行っておりまして、平成十三年度からはその実態調査に基づく立入調査数を大幅に拡大し、年間三百件程度実施をしております。
 さらに、公共事業の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき制定いたしましたいわゆる適正化指針、これがございますが、その中でも、適正な施工体制の確保のため、各発注者において元請、下請関係を十分に把握し適切に指導するよう定め、公共工事の発注者の取組を促しております。
 これらの措置を通じまして、今後とも適正な元請、下請関係の確立に努めてまいる所存であります。
 なお、丸投げについてもお話がございましたが、この丸投げ、いわゆる丸投げでございますけれども、施工の責任関係を不明確にし、工事の質の低下を招くとともに、不当な中間搾取による工事費用の増加や労働条件の悪化等につながるものであり、したがいまして、建設業法におきましても、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合を除き禁止されております。特に公共事業につきましては、先ほど申し上げました公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律によりまして丸投げを全面禁止しております。
 発注者による施工体制台帳の活用や現場の点検、発注者から建設業法担当部局への通知により丸投げの防止を図っておりまして、これからもこうした不正行為の排除の徹底に努めてまいりたいと、このように考えております。
#148
○広野ただし君 丸投げは特に十三年の四月から公共工事に関してはできないと、こういうことで法改正もしたわけですが、依然として巧妙になされておりますから、ここは是非、更に厳正な措置をしていただきたいと思います。
 今度の支払遅延防止法の改正で、役務、運輸業の方が対象になることになりました。この道路運送法、これも非常に親分子分の強いところで、そこから下請、孫請と、こう行きます。そうしますと、本当にひどい価格で、しかもこれは、運転をするということですから、長時間運転、寝ないで運転をして事故につながると。これはテレビ等でも本当に報道されているところで、命にかかわるようなことがなされているわけです。
 それともう一つ、これまた非常に親分子分の関係が強い港湾運送事業法、ここも荷役関係で非常に、これも表になかなか出てこないんですね。こういうところの実態よく踏まえて改善措置を講じていただきたいと思いますが、簡単に実態とその改善について伺いたいと思います。
#149
○大臣政務官(岩城光英君) まず、トラック事業においてでございますけれども、トラック事業におきましては、荷主より受注した荷物を自ら輸送する形態のほかに、議員御指摘のとおり、いったん引き受けた荷物の運送を他の事業者に委託するいわゆる下請運送、これも広く行われておるのが実態でございます。
 この下請運送におきましては、元請事業者が下請事業者に対して反復、継続的に運送委託を行うことが多く、元請事業者の方が下請事業者に対して優越的な地位に立つ、そういった傾向が高くなっております。そこで、事業者間での力関係を利用しまして、これも御指摘がありましたとおり、元請事業者が下請の事業者に対して過積載等につながる不適切な運行指示等を行うケースも見受けられております。また、全日本トラック協会がアンケートを実施いたしましたが、その調査によりますと、元請事業者から下請事業者に対し一方的な運賃、料金の減額があったとしたものが、回答事業者数約一千社ですけれども、その約三割、それから協力金の要求があったとしたものは同じく約一割となるなど、契約上の優位な立場を利用した不当な契約条件の強要と見られるケースも散見されているわけであります。
 そこで、国土交通省といたしましては、トラック事業における輸送の安全を確保する観点から、本年四月より施行されました改正貨物自動車運送事業法におきまして、元請事業者が下請事業者に対して過積載、過労運転等の違法行為を強要する行為を禁止し、罰則によって担保するとともに、このような行為に対しては、下請事業者に対してのみならず、元請事業者にも車両の使用停止等の行政処分を課すこととしております。
 今後、このような貨物自動車運送事業法に基づく安全の規制と今般の改正下請法案による取引適正化措置とが相まって元請、下請関係の適正化が一層推進されるものと、このように考えております。
 それから、あわせまして、港運業界における取組でございますけれども、港湾運送事業法は、専ら元請業者と下請業者との間に介在して手数料を収受するいわゆるピンはね、このピンはねを業とするような悪質な事業者の参入を防止するために昭和四十一年に改正されました。そして、港湾運送事業者は原則として、引き受けた港湾運送を自ら行うこととされております。具体的には、引き受けた港湾運送の七〇%以上について直営しなければならず、また下請事業者が元請事業者から引き受けた港湾運送を再下請することは、これは禁止されております。
 したがいまして、港運業界におきましては基本的に元請事業者が引き受けた港湾運送について実作業を含めて責任を持って遂行する体制が確保されており、国土交通省としても、引き続き所要の監査、指導等により適正な元請と下請の関係を維持してまいりたいと考えております。
#150
○広野ただし君 そこで、公取委員長にお伺いしますが、結局業法というのがありますと、その業法のところで見るんだと、こうなるんですが、業法といえば、また一方では護送船団になっているわけですね。言わば業界全体として談合体質が色濃く残る、こういうことになって、そこでの親分子分関係、下請、孫請関係といいますか、そういうところはなかなか直らないんじゃないかと。また、なかなかそれを改善してくれというて申出をしない。言わば村八分を恐れてなかなか、泣き寝入りをしてしまうと。こういうことが非常にあると思うんですが、この点、本当に独禁法あるいはこの下請代金遅延防止法の観点からもっと厳正に、業法の枠を超えて公正にやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
#151
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 下請法は業種横断的な法律でございます。ただ唯一その建設業が別体系になっておって、ただいまお話のあったとおりなんですが、今回、役務取引にも広く下請法を適用対象にさしていただく結果、従来余り関係のなかったソフトウエアの業界でありますとか放送番組を作っている業界、これは具体的には総務省、それから今お話のありました旧運輸省の関係、こういったものは今度の下請法の対象になってくるわけでございますので、これらにつきましてはきちんと考え方を関係業界にお話をさしていただく、併せて主務官庁ともよく相談さしていただいて、先生の御心配になっておられることが起きないように我々としても精一杯中立厳正にやらしていただきたいと思っております。
#152
○広野ただし君 今朝、ソフトウエア業界の横尾社長からもお聞きしましてまたびっくりしたんですが、ソフトウエアは孫請、ひ孫請まではいいですが、そのまだ四次、五次、六次というようなこのすさまじい下請関係、それはメーカーが元々はあって、それからコンピューター、それからソフトウエア業界というようなところから数えるからそういうような話になるんだということではありますけれども、余りにもそういう段階でその都度ピンはねが行われたり、また発注書が、もう歩きながら、走りながら考えるというところですから、最後になって出てくるというような実態をお聞かせいただきましたけれども、この点も今度対象にはなりましたが、本当に実態をよく踏まえて厳正にやっていただきたいと思いますが、大臣の見解を伺います。
#153
○国務大臣(平沼赳夫君) 我が国のソフトウエア産業というのはこの十七年間で規模が十倍になると、こういう形で急激な拡大を遂げている分野であります。そういう分野でございますから、今御指摘のような様々な問題を抱えているということも私どもは事実だと、こういうふうに思っています。
 ソフトウエア開発においては、下請構造等の特有の産業構造の存在が背景となりまして代金支払遅延等の不適切な取引実態等が見られたところであります。今般の法改正によりましてソフトウエア開発の取引ルールが整備される、こういうことは、ソフトウエア産業の発展のためにも非常に意義のあることだと、このように思っております。
 経済産業省といたしましても、今般の法改正を踏まえまして、改正法の運用についてのガイドライン作成に積極的に貢献する等、関係行政機関や産業界とも協力をしながら、ソフトウエア開発の取引の適正化に向けて全力を尽くしていきたいと、このように思っております。さらに、御指摘の取引のそういったルールのみならず、業界の構造改革を積極的に支援するために、高度なIT人材育成のためのITスキルの標準化あるいはソフトウエア開発手法の高度化、効率化の支援、それから発注者たる政府自らの改革、こういったことも必要だと思っておりますので、そういう意味で御指摘の問題点がありますので、今回の法改正、それから今後の対策両々相まってしっかりとやっていきたいと思っております。
#154
○広野ただし君 ソフトウエア業界は特にIT産業の中核を成す大事な業界で、今後とも発展が見込まれるわけですから、よくハードウエアとソフトウエアと言いますけれども、ハードウエアは硬い、ソフトウエアは軟らかい。我々、硬軟会というのを作ったことがありまして、硬軟併せてのむということで、硬派、軟派ともやろうじゃないかということでやったことがありますが、いずれにしましても、ソフトウエアですね、大いに発展をする業界ですので、そこのところに三次、四次、五次の下請があるというところでは、これはなかなか近代化をするのは難しい。そこを是非よろしく御指導をいただきたいと思います。
 それともう一つ、先日も申し上げましたが、流通業界が、実態としてはそういう下請関係、特に売り子を伴っての販売というのが強制されることがよくあるわけで、この点、実態をよく踏まえてやっていただきたいと思います。
 経済産業省の見解を伺います。
#155
○副大臣(西川太一郎君) 御指摘のことでございますが、私どもといたしましては、平成十一年度と十二年度のそれぞれ三月に公表をしまして、大体二千三百から平成十三年度は二千五百社、卸売業と小売業の間を、食品、アパレル、日用品、こういうものの取引で不当な優越的な地位の濫用を受けたかどうかということを観点に調査をいたしました。
 その結果、例えば協賛金を払えと言われた、店舗開店十年、二十年のお祝いだから一円で納入しろなんという大変乱暴な要請があったり、又は先ほど広野先生御指摘のように、販売員を無償でよこせとか、それから、またこれは一番受け入れる率が低かったのは、もうぎりぎり出精値引きをして、見積りをして納入しようとしているのに更に値引きをしろと。こういうような要請を受けたことがありますかという調査に対して、八割近い方々がそういう経験があると。じゃ、それについてあなたは納得されましたかという問いに対して、大体四五%から五割近くが全く納得していないと。それを力関係で受け入れましたかということについては、やむを得ず受け入れたというのが、ケースによって六割ぐらいあったり、さっき申しました値引きについては、そんなものもうこれ以上やれないといって、二十数%の方がそれでもやむなくやったと。こういう実態があるんです。
 そこで、私どもとしては、これを公表しまして、こういう下請いじめをしている実態があるということを各業界に警鐘を乱打して反省をしてもらうと、こういう努力をいたしているところでございます。
 なお、公取さんの方もいわゆる流通業に関して幾つかのポイントでこれはやってはいけないという指導の指針を出しておられますので、そういうものにきちっと準拠しながら、先生御指摘のように私どもも努力してまいりたいと思っております。
#156
○広野ただし君 終わります。
 ありがとうございました。
#157
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#158
○委員長(田浦直君) この際、議案の撤回についてお諮りいたします。
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会参第五号)について、木俣佳丈君外三名から撤回の申出がありました。
 本案の撤回を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認めます。よって、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(第百五十四回国会参第五号)は撤回を許可することに決定いたしました。
    ─────────────
#160
○委員長(田浦直君) 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)の修正について、木俣佳丈君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木俣佳丈君。
#161
○木俣佳丈君 私は、ただいま議題となっております下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、発注書面の交付時期について、「直ちに」交付しなければならないとされている規定を「遅滞なく」交付しなければならないことに改める改正規定を削除するとともに、ただし書として、発注書面に記載すべき事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならないとする規定を追加することとしております。
 第二に、親事業者が下請事業者に対し製造委託等をした場合は、下請事業者の責めに期すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に、あるいは役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした後に給付をやり直させることによって、下請事業者の利益を不当に害してはならないとする規定を、親事業者の遵守事項に追加することとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#162
○委員長(田浦直君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#163
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、小規模企業共済法の一部を改正する法律案に反対討論を行います。
 反対討論第一。小規模企業共済制度は、長期にわたる国の超低金利政策及び株価低迷から、予定金利を確保できない状況が続き、繰越欠損金が年々拡大し、責任準備金の確保に窮しています。本法案は、この共済制度の維持運営の困難を中小零細企業主の加入者の共済金削減で切り抜けることを意図したものであり、未曾有の不況で苦しむ加入者の利益を大幅に損ね、苦難を与えるものであり、認めることはできません。
 反対理由の第二。資産運用の迅速対応を理由とした共済金額と解約手当金額の政令事項化は、共済金制度の根幹にかかわる国会審議を排して共済金額削減を迅速化するものであり、これを認めることはできません。不況にあえぐ中小零細企業を下支えする視点から、共済制度維持のためには、共済金支給に必要な財源の手当を政府出資金と国庫補助金等などの政策的な検討も含めて対応すべきことであることを強調して、反対討論といたします。
#164
○委員長(田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより三案について順次採決を行います。
 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)の採決を行います。
 まず、木俣君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#165
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#166
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 木俣佳丈君より発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
#167
○木俣佳丈君 私は、ただいま修正議決されました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(閣法第九〇号)に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 親事業者と下請事業者を画する資本金基準等の在り方については、事業者間の委託取引の実態把握を踏まえ、状況に合わせ検討すること。
 二 プログラム制御機器のプログラムの作成委託が情報成果物作成委託に含まれることを、公正取引委員会の下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準等において明確にすること。
 三 物品の製造のために使用され、製造する物品と密接不可分な関連性があり、転用可能性がない特殊工具等の製造委託については、その実態の把握に努め、金型の製造委託と同様の状況があると認められる場合には下請代金支払遅延等防止法の対象とすることについて検討すること。
 四 下請取引の公正及び下請事業者の利益の保護をより一層促進する観点から、五年以内に情報成果物作成委託及び役務提供委託に係る本法の施行状況を勘案し、検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
 五 本法の円滑かつ実効性のある運用を図るため、下請取引検査官等、執行体制の強化を図ること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#168
○委員長(田浦直君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#169
○委員長(田浦直君) 全会一致と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福田内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田内閣官房長官。
#170
○国務大臣(福田康夫君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#171
○委員長(田浦直君) 次に、下請中小企業振興法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#172
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 次に、小規模企業共済法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 木俣佳丈君より発言を求められておりますので、これを許します。木俣佳丈君。
#174
○木俣佳丈君 私は、ただいま可決されました小規模企業共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    小規模企業共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 小規模企業共済制度が小規模企業者への資金供給、公的年金制度の補完等の役割を担っていることにかんがみ、その資産運用等制度運営に係る厳格な責任を明確化するとともに、外部評価システムの導入など事業運営の一層の透明化に努めること。
 二 加入者が共済制度の運営状況を的確に把握できるよう、徹底した情報公開を進めること。また、新たな共済契約者の勧誘においては、予定利率の変遷や法改正に伴い予定利率が政令に委ねられていることなどを十分説明するとともに、予定利率変更の可能性があることを周知徹底すること。
 三 小規模企業共済制度の運営に当たっては、民間に委ねられるものは民間に委ねるなど事務・事業や組織の見直しを行い、経営の一層の合理化、効率化と経費の削減に努めること。
 四 中小企業総合事業団における小規模企業共済制度の運用に当たっては、同事業団の独立行政法人化関連法案に対する附帯決議の趣旨を踏まえ、その適正な執行に努めること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いします。
#175
○委員長(田浦直君) ただいま木俣君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、木俣君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平沼経済産業大臣。
#177
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#178
○委員長(田浦直君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト