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2003/06/05 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第21号
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2003/06/05 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 経済産業委員会 第21号

#1
第156回国会 経済産業委員会 第21号
平成十五年六月五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任   
     森本 晃司君     鶴岡  洋君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田浦  直君
    理 事
                魚住 汎英君
                加納 時男君
                松田 岩夫君
                木俣 佳丈君
                平田 健二君
    委 員
                小林  温君
                関谷 勝嗣君
                福島啓史郎君
                保坂 三蔵君
                直嶋 正行君
                中島 章夫君
                藤原 正司君
                簗瀬  進君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                西山登紀子君
                広野ただし君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   参考人
       社団法人日本経
       済団体連合会副
       会長
       新日本製鐵株式
       会社代表取締役
       会長       千速  晃君
       作家
       慶應義塾大学文
       学部教授     荻野アンナ君
       東洋大学経済学
       部教授      植草  益君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等
 の法律案(内閣提出、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、森本晃司君が委員を辞任され、その補欠として鶴岡洋君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(田浦直君) 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として社団法人日本経済団体連合会副会長・新日本製鐵株式会社代表取締役会長千速晃君、作家・慶應義塾大学文学部教授荻野アンナ君及び東洋大学経済学部教授植草益君の三人の御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様には、御多忙中のところ御出席をいただき、誠にありがとうございました。皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本案の審査の参考にいたしたいと存じます。
 次に、会議の進め方について申し上げます。
 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席したままで結構でございます。
 それでは、参考人の皆様から御意見を伺います。
 まず、千速参考人にお願いをいたします。
#4
○参考人(千速晃君) 新日本製鉄の千速でございます。
 このたびは、電気事業法及びガス事業法改正法案に関しまして意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、国内に製造基盤を置く産業界の立場から、自由化に対する期待、自由化推進に当たって留意すべきと思われる事項、そして日本のエネルギー政策全般について意見を申し述べたいと存じます。
 まず、自由化に対する期待でございますが、日本が将来にわたって国内に一定の製造業を保持し、雇用を支えつつ付加価値を生んでいくことは国家戦略として不可欠であると考えております。
 日本の産業、特に製造業におきましては、技術の優位性、製品の差別性、品質コスト優位性などを武器にグローバル化の中で熾烈な国際競争を戦っておりますが、近年の中国を始めとするアジア諸国の工業化は、人件費やエネルギーコストの面で日本の高コスト構造を浮き立たせることになりました。我が国の製造業の国際競争力の低下を招くことになりました。我が国が産業の空洞化を防ぎ、国内での新規産業、事業創出を促すために、日本の産業の大きなコスト要因となっておりますエネルギー価格について競争原理を導入し、国際的に遜色のない水準を達成することをねらって、従来規制事業でありました電力並びにガスの自由化をスタートさせたことを高く評価し、需要家として今後の展開に大きな期待を寄せております。
 電力の分野では、二〇〇〇年三月に二千キロワット以上の特別高圧分野が自由化されて以来、新規参入の進んだ業務用を中心とした自由化部門はもとより、家庭用を始めとした非自由化部門の電力料金にもはっきりと料金引下げ効果が出てまいりました。また、天然ガスに関しましても、大口供給分野の自由化拡大によって相当な供給価格の低減効果を得ることができました。これは、競争原理の導入によって、商品を提供する事業者がそれぞれに効率化努力を行い、その効果が需要家に還元された結果であると高く評価しております。今回の改正法案では、更に自由化範囲が拡大され、また様々な面で市場環境が整備されることにより、更に広範な需要家が自由化効果を享受できるものと期待しております。
 一方、事業規制の緩和は生産プロセスに付随した様々なインフラを持つ産業界にとりまして新たな事業展開のチャンスでもあります。私の会社におきましても、規制緩和の進捗に併せまして電力並びに天然ガスの卸売事業、小売事業に進出いたしました。いずれのケースも、当社が所有いたしますインフラ、これまでに蓄積したノウハウ、人材などの事業基盤を最大限に活用したビジネスモデルでございます。このような新規参入者にとりまして、市場ルールの公平性や透明性、調達市場や供給インフラというものは事業展開上の重要な環境条件でございます。今回の改正によってこれらの事業環境が一層整備され、健全で活気のある市場が形成されることを期待しております。
 また、今回、電源の多様性確保の観点から議論された自家発は、国内電力供給量の約一二%、産業部門に限っては約二五%を占める非常に重要な電源でございまして、その種類も、普通の化石燃料だけのみならず、副生ガスや残渣、黒液等、生産工程で発生する副産物、廃熱回収、水力、廃棄物など極めて多様でございます。それと同時に、大規模事業用電源とは異なり、消費地に立地していることから送電ロスがほとんどなく、生産工程と密着して熱電併給を行うなど、エネルギー効率の観点からも極めて優れた特性を有しております。
 これまで、自家発は系統負荷などの平準化の機能を果たしたり、卸供給併用型としても開発が進められるなど、事業用電源の補完的供給力としての機能を果たしてまいりましたが、今後の新たな事業環境においては更にその有効活用が期待されておりまして、自家発を有する産業の競争力向上に寄与するのみでなく、大規模集中型の事業用電源と分散型の自家発が組み合わされることによって、我が国全体として電源のより効率的な運用にも寄与するものと期待しております。
 次に、制度改正に当たっての留意点について申し上げたいと存じます。
 これからの制度改革に向けて、私どもが留意しなければならないと思われる点につきまして申し上げます。
 今回の電気事業制度改正議論では、いたずらに海外の先行事例を追うことなく、供給区域間の連系線容量が小さく、外国との連系もなされていないなどの日本の特殊性を考慮して、日本独自の自由化の形を選択することとなりました。すなわち、発電と送配電の一貫体制を維持することによって将来の効率的な供給力整備環境を保障する一方で、競争市場の公平性、透明性を確保するための中立機関設置を始めとした様々なルールを作ろうというものであります。また、一気に全面自由化するのではなく、段階的に自由化範囲を拡大することによってチェック・アンド・レビューの機会が与えられることも、カリフォルニアでの電力危機などを考えてみますと適切な判断であろうと考えております。
 我々はこれまでに経験したことのない自由化に取り組もうとしているわけでございますが、失敗は許されないわけであります。詳細の制度設計に当たり、十分な議論をし注意を払うことはもちろんですが、新しい制度が動き始めた後も自由化の効果が期待したとおり上がっているか、あるいは当初想定していなかったような副作用が発生していないかなどを自由化拡大の節目節目で検証して、状況に応じて制度に修正を加えることも必要であろうと考えております。
 第三に、エネルギー政策全般について申し上げたいと思います。
 資源小国の日本が持続的発展を遂げていくためには、エネルギー政策における供給安定性、環境適合性、経済性、いわゆる三つのEはいずれも必要不可欠な政策課題でございます。もちろん、三つのEが同時に達成されることが望ましいわけでありますが、その時々の国内外のエネルギー情勢のみならず国際政治、経済情勢等によってそれぞれの課題の取組や達成度合いに濃淡が現れてしまうことは致し方がないと存じております。
 第一次オイルショック以前に並ぶ石油の中東依存率の高まり、中国を始めとしたアジア諸国の経済発展に伴うエネルギー消費量の急速な増大、「もんじゅ」控訴審判決に見られる核燃料サイクル実現への道筋の不透明感などを考えてみますと、現時点では、何にも増してエネルギー安定供給の確保が、国のエネルギー政策中最も重要な課題であることは論をまたないところであると存じます。
 特に原子力は、エネルギーセキュリティーのみならず地球温暖化対策としても最も重要なエネルギーでございまして、国家政策として強力に推進を図るべき電源であると思います。エネルギー政策基本法に基づき、現在総合資源エネルギー調査会で、我が国で初めてとなるエネルギー基本計画策定に向けた議論が行われておりますが、これらの議論を通じて原子力の位置付けを改めて明確にするとともに、さらにウラン資源を最大限有効利用して、高レベル放射性廃棄物の発生を最低限に抑えるための高速増殖炉を含む核燃料サイクルの構築が、日本の持続的成長にとって必要条件であることを明確にすることが重要ではないかと考えます。
 もちろん、これを実現していくためには国民の理解と協力が必須でありまして、そのためにエネルギー政策をリードする政府と原子力発電所を所有し運用を行う電力会社には、それぞれの役割に沿って原子力の安全性の更なる向上と信頼性の向上に向けた最大限の努力を払っていただく必要があると考えます。
 それから、エネルギーベストミックスの観点から一言意見を申し上げたいと存じます。
 昨年決定されました地球温暖化対策推進大綱において、環境負荷の小さい天然ガスへのシフトが地球温暖化対策の一つとして掲げられました。天然ガスは、他の化石燃料に比べ発熱量当たりのCO2排出量が小さく、また石油に比べて中東依存率が低いなど、供給安定性の観点からもその導入が求められておりますが、日本の天然ガスパイプラインは、インフラは、欧米に比べて大きな後れを取っておりまして、天然ガスパイプラインの整備が望まれるところであります。
 一方、地球環境問題の高まりから、昨今肩身の狭い扱いを受けております石炭でありますが、他の化石エネルギーに比べますと、その供給安定性、価格優位性は際立っております。また埋蔵量においても、他の化石燃料に比べて圧倒的に有利でありまして、長期にわたり人類が付き合っていかなければならないエネルギーであろうと思います。したがいまして、石炭を排除すべきエネルギーとして見るのではなく、将来にわたって効率よく使っていくための取組、クリーンコールテクノロジーの開発が重要であると思います。
 このようにエネルギーはいろいろな特質を有しておりまして、個々の利用効率を高めていくとともに、総合的な見地からエネルギーベストミックスを構築すること、エネルギーの多様性を確保することがエネルギー資源の乏しい日本にとって重要なことであると考える次第であります。
 終わりに、日本にとってのエネルギー政策は、我が国の持続的発展を保障する上で極めて重要な課題であります。自由化を進めていくに当たり、原子力を始めとしたエネルギー安全保障や環境適合性などとの整合性をいかに築いていくか、また海外の先行事例から何を学び取り、制度に反映していくか、よく考えながら、最終的に日本が世界に誇れるエネルギー需要制度を築き上げ、その目的とする経済効果を摘み取っていかなければならないと思います。
 以上で、私の電気事業法及びガス事業法改正法案に関する意見陳述を終わらせていただきます。
 御清聴誠にありがとうございました。
#5
○委員長(田浦直君) どうもありがとうございました。
 それでは次に、荻野参考人にお願いをいたします。荻野参考人。
#6
○参考人(荻野アンナ君) 荻野アンナでございます。
 一消費者として、今日は至らぬながら思うところをお話しさせていただきます。
 一消費者であると同時に、私はフランス文学を研究し、また作家として文章を書いております。私の目指すところは、日本一エネルギーについて詳しい作家になることで、理系の才能が全くなく、数学どころか算数段階でつまずいておりますが、頑張って毎月取材をさせていただいております。
 十八世紀末に生まれ、十九世紀を生きたフランスの文人でまたグルメですが、ブリヤ・サバランという人が、あなたは何を食べているのか言ってごらんなさい、あなたがどんな人か言ってあげよう、そういう言葉を残しております。これは正にエネルギーにも当てはまると思います。あなたはどんなエネルギーを持っているのか、あなたがどんな国か言ってあげよう。あなたがどんなエネルギーを持っているかということを言ったら、もうそのお国柄が分かる、そう言えるのではないでしょうか。
 エネルギーほどその国の地理、風土が反映する分野はないと思います。その中でも、日本の特殊性は際立っており、先ほど資源小国というお話がありましたが、また国土の形が細長く、私も取材をして初めて学んだくし形という言葉ですか、国土の形がくしの形をして、南北に長く、そのことから美しい日本の四季を楽しむことができるわけですが、同時に夏の冷房、冬の暖房、これほど上下の激しい需要というのは他国にはないのではないでしょうか。
 その中で、今自由化に直面しているわけですが、消費者としては、とにかく自由化と聞くと、安くなる、大歓迎、既にそのプロセスは進行中であり、値下げの効果も現れている。ただ同時に、いろいろと取材を通して、ただ安ければいいのが電気ではない、非常に特殊な商品であるということも見えてまいりました。
 第一に、自由化に関して望むところは、是非安定供給を確保した上でということです。この安定供給に関して印象的な取材がございました。地元横浜で取材してまいりましたが、ちょっと具体的に写真をお見せしたいと思います。(OHP映写)
 横浜の給電技能訓練センター。これは写真ですので非常に静かな環境のように見えますが、実際の訓練は素人が見ますと怒号飛び交うという迫力でございました。その中で、この白い線で表れておりますループですね、その基幹から毛細血管のように伸びておりますこの言わば血管に相当する系統ですね、それをどう組み立てていくか。チェスの手を詰めるがごとき迫力のある訓練風景でございました。
 事故を想定し、このループが切れた場合に、その動脈が切れてしまったときにどのように切れた部分をつないで需要に必死にこたえるか。この白い部分が、先ほど申しましたように動脈ですので、五十万ボルト。そして、この青の部分が二十七万五千ボルト。どんどん下りまして、こちらが首都圏、東京ということになります。このまるで生き物のごときこの系統を操る、これは正に人体において心臓と血管がうまく連動することを保証する、そういう作業に当たると思います。
 これを見させていただいて、目からうろこで、ただ電気は作ればいいのではない、消費者の元に、この段階まで、首都圏、東京の例えば段階までこう下ろしてくる過程が極めて複雑であり大変であるということ、これが私が学習した最大の言わば成果であります。
 この横浜取材というのはもう去年になりますが、実はこの六月の一日から二日、青森の東通原子力発電所、建築中でございますが、建設中の現場に行ってまいりました。そして、原子力発電所のまだ産声を上げる前の段階の頭からつま先まで見させていただきました。
 そういたしますと、この建設現場ですね、目を引きましたのがこれでございます。すらりと伸びた美しい鉄塔、百三十三メートルございます。普通は百メートルですが、東通だけではなくほかの発電所からの電気もここを通すということで、非常に面白い左右対称ではない鉄塔なんですが、この鉄塔、既にごらんのように美しくでき上がっております。もう送電線関係はほぼ完成、ただ工事全体はまだまだ進行中でございまして、建屋の方はこのように建設中と、クレーンが林立しております。ですから、鉄塔と建屋を合わせますと、この状態です。
 で、お話を伺いますと、この東通の東北電力側の所長さんからのお話なんですが、発電所は点である。送電線は線である。点と線を結んで面にしなければいけない。面になれば地域の思いにこたえることができる。信頼を得ることができる。ばらばら、この点と線、ばらばらですと、必要なときお客様に電気という商品を送ることができない。それゆえに、点と同時進行でこの線を作った。これは、ただ市場原理だけで商品を作っている場合にはできないことだと思います。点だけではてんで駄目ということでございまして、そこのところにこの大きな自信と誇りを私は感じる、送り出す側、電気を送り出す側の自信と誇りを感じることができました。
 ですから、ただ電気作りっ放しではなく、その電気をいかに一般家庭に送るかの責任がある。それを現場の方はしっかり認識していらっしゃいますが、意外や、我々消費者の方がそういう特殊な商品だという認識がまだまだ低いようでございます。
 私の印象としては、電気というのは市場原理ではすくい切れない、今の資本主義経済における無限の可能性を秘めた、同時に大変な限界も持っているブラックホールのようなものだと思います。そして、いわゆる安売りですね、商品を安売りする可能性というのが全くない。その安売りするための可能性、要するに安い衣料のごとく海外発注、あるいはハンバーガーのごとく原料を安いときに冷凍したりあるいはフリーズドライにしたり、全部できません。もう作ったら即届けなければいけない生もの、そういう特殊な商品だということを考えた上で、安定供給を確保したその自由化であってほしいということを願ってやみません。
 そして、またこの自由化によって、もしも市場原理が余りにも支配的になった場合心配されますのは、こういう線と点を結ぼうという努力が後退してしまうのではないか。これは東電での取材で伺ったことですが、発電所と送電線とほとんど建設費用が同じになるというケースがあるそうです。そのような設備投資というのを、ただ市場原理だけでは一般企業がどこまで責任として負うことができるか、それが消費者としては大変心配でございます。
 さらに、また大変な設備投資あるいは最終的なバックエンドという面倒を見なければいけない原子力、これもそのような経済効率だけを考えた場合、どこまで伸ばしていくことができるか。原子力は当然、賛成、反対、様々な立場があり、私も自分としてはニュートラルですが、既に三割強の電力を頼っている以上、あしたすべてを止めるというわけにはいきません。また、CO2削減という環境の問題からいっても、やはり原子力はしばらくは少なくとも頑張って働いてもらわないといけない大事なエネルギーです。そういうことからも、安定供給、環境、その両面に目くばせをした自由化をと望んでおります。
 そして、新エネルギーもいろいろ私見てまいりましたが、これも夢の新エネルギーということで様々マスメディアでは喧伝されておりますが、なかなか大規模なメジャーなエネルギーには現段階ではなりにくい。そうですね、私、よく服に例えさせていただくんですが、やはり服にもオートクチュールとプレタポルテがあって、火力、原子力、水力がプレタポルテだとすると、本当に一品一品作っていく、その地域の地理に合ったそういうエネルギーが新エネだと思います。すばらしいものいろいろございます。例えば、予想外な利用法ですが、雪で、利雪ですね、克雪ではなく利雪をしてそのエネルギーを獲得することができる。これは、雪の降る地域だったらどこでも応用できる技術でございますが、雪にエアを通すと夏の間に冷房として用いることができる、冬の雪を夏の冷房に用いると。
 ちなみに、私、雪ん子になっておりますが、これは取材風景でございます。これを見た学生が私のゼミの学生に、おまえの先生、雪ん子やっているのと言ったそうでございますが、それがきっかけでそういった学生もエネルギーのことを考えてくれるようになる。
 ですから、これも最後に私事になりましたが、そういうもう細かなレベルでの情報伝達の努力というのを、私も本当につたない一作家としてやっておりますが、この自由化とともに国のレベルでやっていただけたらと切に願うものでございます。そうなると雪だけにいいでスノー。
 失礼いたしました。
#7
○委員長(田浦直君) どうもありがとうございました。
 それでは、次に植草参考人にお願いをいたします。植草参考人。
#8
○参考人(植草益君) 東洋大学の植草でございます。
 事務局から連絡がございまして、今回の電気事業法及びガス事業法の改正について、私の専門の立場から所見を述べるように、私の専門は産業組織論と公的規制論でございますが、その観点から所見を述べるようにということと同時に、電気事業につきましては、電気事業分科会の委員であり、かつ、その下にあります基本問題小委員会の委員長を務めてまいりました。それから、ガスにつきましては、都市熱エネルギー部会の部会長を務めてまいりましたので、今回の案をまとめるに当たっての経緯と今後の残された課題についてお話しするようにということでございまして、お話ししたいことはたくさんあるんですけれども、まず最初に今回の改正について、既に十分御存じのところでございますけれども、簡単にまとめてみたいと思います。
 今回の電気、ガスの事業法改正は、御承知のとおり、第三段階目に当たります。電気につきましては、平成七年にIPPという独立発電事業者を導入いたしまして、卸売市場における競争を導入することをいたしました。同時に、このときに各電力会社に対して、毎年経営効率化目標を発表していただきまして、その発表に基づいて期末にその成果を公表するということをお願いいたしました。これが大きな改革でございました。
 平成十一年に次の改革で、御承知のとおり、大口需要の自由化というのと特定規模電気事業者という、通称PPSという新しい新規参入企業、発電をし、かつ小売も実施できる企業形態の導入をいたしました。
 今回は小売の問題に取り組みましたが、御承知のとおり、発送電一貫体制の維持とネットワーク部門の公平性、透明性確保というのが一つの大きな政策でありました。そのほかに、電力取引所の創設、全国市場の形成、電力について全国的に売買ができる体制を強化するということでありまして、このための地域課金制度、いわゆるパンケーキの解消というのを打ち出しました。さらに、分散型電源の促進、自営線敷設の容認ということもいたしまして、そして最後に自由化範囲の拡大ということに踏み切ったわけでございます。
 ガスも同じように第三段階目の改革でありまして、平成六年の大口需要部門自由化から、平成十一年の大口需要部門の自由化範囲を拡大するという政策を取ってまいりましたが、今回は、まず何よりもガス導管事業というのを創設いたしました。それから、託送制度の拡充強化をいたしまして、さらに、新たな企業がガス事業に参入できる参入規制の見直しも行いまして、そして自由化範囲の拡大ということをいたしたわけでございます。
 部会長及び分科会における委員といたしまして、これまでについて私から申し上げるといたしますと、電気事業につきましては、最終的に基本問題小委員会におきまして、アンバンドル問題をどうするか、アンバンドルをしない場合の行為規制の内容をどうするか、中立機関の組織をどのような形にするか、託送料金の届出問題についてどう考えるか、そして自由化範囲をどこまでするかということが最終課題になりまして、この委員会は中立委員だけから成る専門家の委員会でございましたが、大変難しい問題をどういうふうに最終的にまとめるかということについては、二つのワーキンググループがございまして、それぞれ座長に東京大学の教授の方になっていただきまして、大変うまく、産業界のことも、官庁が施行しようとする政策も考慮いたしましてまとめていただきましたので、小委員会長としては、余り私の意見を言うことなく、うまくまとめられたというふうに思っておりまして、その案を分科会に出しまして、御承認いただく、御賛同いただけるということになりました。
 ガスにつきましては、御承知のとおり、都市ガス事業者、企業数も多く、企業規模も多様でございますし、簡易ガスも約三千という企業数がありまして、利害の調整に手間を取るのではないかというふうに私は思っておりましたけれども、審議会が開かれます前にガス市場整備基本問題研究会というのが開かれておりまして、一年強掛かった研究会でありますが、ここで大変よく議論をしておいていただきましたので、審議会ではそれほど利害の対立なく案がまとまった次第でございます。そういう意味で、今回は各々、各々といいますのは、経済産業省も、また産業界も、需要家も消費者も、全体が納得できる案としてまとまったものでございまして、これを是非法案として御通過いただくよう、私からも是非お願いしたい次第でございます。
 専門家の意見として幾つか述べるようにということでございますが、今回の一つの大きな改革のものは、いわゆる発送電一貫体制を維持するか否かということでございました。審議会の中では、一部アンバンドルを実施すべきだという声もないではなかったですが、大宗ではありませんでした。もし発送電を垂直分割するということになりますと、意思決定が分散することになりまして、そのことは同時にリスクの拡大につながると。リスク拡大は供給の安定性確保ということを困難にする可能性を増大させます。そういう意味からも、これについては慎重になるべきだという考え方がやはり重要だろうというふうに思うんですが、そういう意見がやはり多かったわけです。
 それから、我が国の発電事業者は、一般電気事業者でありますが、原子力発電というものの比率が非常に高く、この維持及び今後の発展ということのためにも、アンバンドルというのは実施すべきでないというふうに言われる意見が多かったわけであります。
 さらに、私は、海外の原料を購入するに当たっても交渉力を維持しておくということが非常に大事なことだということを申し上げておりました。
 そして、発送電一貫というものの統合の経済性と、先ほどここで出ましたけれども、発電所から送電、配電全体を同時同量で運営するということの難しさというのは、確かにあそこへ行って、見て、一つの発電所に事故が起こったということを想定しながらあれを運営しているあの姿の中にすべては現れるのでありますけれども、技術的な面でもこの統合の経済性というのは大事でありますが、経済性でも多様な利益がございます。それらを踏まえまして、今回は発送電一貫体制を維持したままでいくということを考えた次第であります。この点は、私は専門家の立場として評価しております。
 もう一つ、専門的な立場から申し上げますと、これまで幾つかの改革を行ってまいりました。第一の改革では、各電気事業者、ガス事業者もそうでありますが、経営効率化目標の設定と成果公表、これは余り評価されておりませんけれども、電力会社の経営効率化に大きな役割を果たしているということに注目する必要があると思います。
 IPPの導入も、発電分野におきまして、特に一般電気事業者が発電機器の投資コストというものについてはIPPの導入を通じて非常にコストが下がったという事実がございます。当時、有名な言葉といたしまして、電力会社に衝撃が走ったという有名な言葉がありますが、これを通じて発電コストが、特に火力発電コストが大きく下がるということになりました。
 さらに、新たにPPSというものの導入を通じて正に競争が起こったわけでございます、特に小口分野の競争と。新規参入というものの経済効果といいますのは、産業組織論の立場からいいますと、ほんの少数でも新規参入があるということは既存企業に大きな競争圧力を与えるものでございまして、今後更にPPSが増えていけば、更なる競争圧力として一般電気事業者への効率化効果は大きくなっていくというふうに考えております。
 さらに、今回、分散型電源の促進というものをうたっておりますが、その中で自営線というものの敷設を容認するということもやっておりますが、送電についても新たな企業がより効率的なものを作るということができるようになれば、これも一つの大きな刺激になるのではないかと思っております。全体といたしまして価格が下がってまいりましたし、さらに今後、こういう競争がより良い方向に進むということを期待しているものでございます。
 今後の課題はたくさんございますけれども、失礼、その前にガスの方についてももう一言申し上げておく必要があるかと思います。
 ガスにつきましては、今回は何よりもガス導管事業という新しい概念を導入いたしましてパイプライン網の拡充ということを目指したわけです。拡充ばかりでなく、導管事業者には、ガス事業者のほか、帝石とか石油資源開発等のパイプライン事業者が既に存在しておりますし、電気事業者も今や敷設しております。これらの導管を有機的に連系いたしまして全体の整合性を確保するということもパイプライン事業として大事でございますが、やはり将来に向けたサハリン天然ガスの導入と、そしてそのためのパイプラインの拡充ということを大きな政策課題として入れているわけでありまして、これも大変重要だと思います。
 今回、簡易ガスが一般ガス事業への転換ということをできるようにいたしましたが、都市ガス、簡易ガス、そして今回は十分に議論できませんでしたけれども、LPガスというものとの全体の融合を図るというものの先鞭ができたのではないかと思っております。
 今後の課題といたしまして、たくさんありますけれども、最初に何よりもやらなきゃならないのは原子力問題でございまして、これは間もなく審議が始まるというふうに聞いております。
 今後の長期的な問題としては、小口事業分野の自由化というのをどう進めるか、これはすべて検証して、これまでの自由化の成果や問題を十分検証した上で進めるか否かを検討するというふうにしておりますので、しばらく時間を掛けてからということになります。
 さらに、今後の課題といたしまして、ガス事業について、先ほど申し上げました都市ガス、それから簡易ガス、LP全体のガス体エネルギー産業の組織、産業組織を新たに作り上げていくということが今後の大きな課題になります。電気についても、まだまだ先の話でありますけれども、燃料電池というものが相当程度経済性を持つようになれば、これは確かに電気事業の産業組織を大きく変えることになるというふうに思います。これも大事であります。
 そしてさらに、電気、ガス、石油、エネルギー産業全体の産業組織をどのような方向に持っていくかということも今後の大きな課題かと思います。それとともに、エネルギー間競合というものが強まれば強まるほど、行動ルールというのを明確にしてもらわなきゃならないし、紛争処理の在り方も検討していかなきゃならない等々を含めまして、今後の課題も多くあるというふうに思います。
 以上でございます。
#9
○委員長(田浦直君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人各位の御意見の陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○加納時男君 ありがとうございます。自由民主党の加納時男でございます。
 本日は、千速会長、荻野先生、そして植草先生、すばらしいプレゼンテーションをありがとうございました。感激しつつ、時々ユーモアで笑わせていただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。
 三人の参考人の方にそれぞれ五分程度ずつ質問させていただくことをお許しいただきます。まず、千速会長にお伺いいたしたいと思います。
 先ほど三つのEが大切だということをお話の中でございました。資源の乏しい我が国にありまして、安定供給を達成しつつ地球温暖化問題等の環境問題にも対応していくためには、これも三月に千速さんの属しておられます日本経団連でまとめられました「エネルギー政策の着実な推進を求める」という大変強力なアピール、私どもも非常に感銘して読ませていただきました。この線が大事だろうと思っております。
 その中に書いてありましたことは、原子力についての推進が大事だと、サイクルも大事だと。今日、千速参考人はそれを再度強調されまして、原子力は、先ほど私書き取ったんですが、国家の戦略的な政策において国家政策として推進すべきであるとはっきりおっしゃったわけであります。また、サイクルも推進すべきと言われまして意を強くしたわけでありますが、私の質問は、じゃ、その原子力を推進していく上で国の役割は一体どんなふうに考えたらいいんだろうかというのを一つ目に伺いたいと思います。
#11
○参考人(千速晃君) ありがとうございます。
 原子力の推進につきましては、御指摘のように、日本経済団体連合会では、エネルギー関係について取りまとめて、今年の三月半ば過ぎに意見書を出しております。その中で、今後のベストミックスを考えていくべきである、その一環として原子力発電を着実に推進し、その活用を図ることは不可欠であるということで、私ども経団連の立場でメッセージを発しております。
 日本にとって、どのように考えても原子力は必要な不可欠のエネルギーであると考えておりますが、やはり国は、原子力の、日本の将来にわたる基盤、原子力を基盤エネルギーだという位置付けを明確にすることがまず第一に大切であると。それとともに、国民の理解と協力を得るために最大限の努力を行うべきだと。これまでも一部にいろいろ残念なケースがあるわけでございます。しかし、そういう中で、いたずらに不安がる、あるいは原子力は危険なんだというそういうふうな考え方を国民が持つということは、これは努力してそれを払拭していかなければならないと、このように思います。これをやはり進めるに当たってその担い手は政府であると、私はこのように考えております。
#12
○加納時男君 国の役割が非常に重要であるというお話はよく分かりました。
 もう一つだけ伺いたいと思いますけれども、先ほどいろいろお話のありましたエネルギーの担い手としての鉄鋼業の経営トップ、経営者でいらっしゃいます。事実、私も鉄鋼会社さん、何度もお邪魔しておりますが、トップタービンであるとかコークスの乾式消火装置だとか、非常に進んだ世界でも最先端のエネルギー利用技術を使われまして、大体お使いになっている電気の九〇%ぐらいは自家発電とか共同火力だとかいう自前でやっていらっしゃって、それに加えて、さっき千速会長からお話があったように、電力や天然ガスの卸事業、それから小売事業まで進出されておられまして、エネルギーの分野でも大変大きな責任あるお立場になっていらっしゃるのかと思っています。
 ところで、電気の特性から見て、責任ある供給体制としては、発電、発送一貫体制が不可欠であるということで今回の改正でも一般電気事業制度が存続される法案となっているわけでございますが、千速会長は新規の参入者というお立場から見て、これをどうお考えになるのかなと。そして、特にアクセス情報等の目的外の利用を禁止するとか、会計分離を行うなどの、これ行為規制というような表現で言っておりますが、行為規制、行為規制をしっかりやれば一般電気事業者の送配電部門の公平性とか透明性は確保されるとお考えかどうか、伺いたいと思います。
#13
○参考人(千速晃君) 自分たちの経験から申しますと、仮に私どもが自身で発電をいたしまして、それを特定な需要家に供給するといたしますと、その場合、配送電、配電するのに線をつなぎますと十五キロが限界だと。今のコスト、電力のコストとそれからそういう配線をするということ。例えば、私どもの千葉県君津製鉄所の土地の中で自家発を行うと、それをどこか特定の需要家に供給するということになりますと、せいぜい富津の、お隣の町の富津ぐらいまでが経済性として成り立つかと、そういう程度であると存じます。
 そういう観点からいきまして、やはり送配電設備というものは極めて大事でありまして、これを分離、独立してしまうということは、私は、単にそういう狭い範囲だけではなくても、山間、山村への供給とかあるいは離島への供給その他を考えたときも完全分離ということは合理性がないという判断をしておりまして、電気事業審議会等で、分科会等では完全分離ということには反対でございました。
 なお、そういったことを海外ではやっているからということでは日本は済まないわけですので、我が国としては全般的にそうした分離をせずに、ただ送配電部門の公平、透明性が必ず確保されるように努力していただくということを約束していただきたい、電気事業者には、そのように考えております。
#14
○加納時男君 ありがとうございました。とても教えの点はよく分かったところでございます。
 荻野先生にお伺いいたしたいと思います。
 先ほど横浜の給電技能訓練センター、東通の建設現場、送電線の状況をごらんになって、発電から消費まで、川上から川下まで、変動する需要に瞬時に調整しながらやっていくためには一貫した体制が大事で、点と線がなければてんで駄目だと、面がなければ、そこまでおっしゃらなかったけれどもメンツを失うとおっしゃりたかったんじゃないかと思うんですが、そういうことをおっしゃったと思うんですけれども。
 さて、そこで私の、済みません、そこで終わっちゃいけないと思いまして、質問でございますけれども、そうしますと、先生は、正におっしゃったように電気というのは普通の商品と違う、普通のハンバーガーみたいに今日は売り切れと、あした来てちょうだい、今日余ったから冷凍しておくというわけになかなかいかない。となると、系統をばらばらにしてしまって、発電とか送電とかばらばらにして発電設備はたたき売るというのをアメリカでやって大失敗したわけですが、こんなようなこともアンバンドリングとさっき植草先生おっしゃったんですが、アンバンドリングというものをどう思われるか。そして、家庭とか小口のお客様まで全面自由化にして、売っても買っても何でも自由だというのが本当に消費者の利益なのかどうか議論があるかと思うんですが、先生、コメントをいただけたら有り難いと思います。
#15
○参考人(荻野アンナ君) 私は、アンバンドリングは日本の場合はもう避けていただきたいと切に願っております。
 ただ、そのアンバンドリングという言葉自体ここで普通に我々使っておりますが、一般の消費者としては非常になじみのない言葉だと思います。先ほども申しましたように、発送電というのは本当に一貫したシステムがあってこそ電気が元気なわけですけれども、そこに対する一般の理解というのがまだなかなか得られていないのではないかと思います。
 さらに、アメリカのように、それこそハンバーガーの国アメリカのように発送電をばらばらに分割した挙げ句のあの大惨劇ですね。そういう教訓を他山の石として日本型の自由化を進めねばならないわけですけれども、そういう一般の認識がまずなかなか得られていないということ。そのためにはやはり情報公開、そしてその情報を消費者に届く言葉で届けていただきたいということ。それから、先ほど東通の例を出しましたが、東通は、何と村に原子力を誘致することを決定してから三十年以上掛かってようやく今の段階まで来た。それを、三十年ということでびっくりしますと、三十年でここまで来られたというのは実はうれしいというお言葉があって、三十年掛かって駄目になった、結局成り立たなかった芦浜の例を教えていただきました。
 そういうことからも、今現在のアンバンドリングも私は大変危ないと思いますが、さらに、ではそういうアンバンドリングのない自由化をどのように進めていくかということを考えた場合、五年先十年先の効率ではなく、百年単位でビジョンを持つということが大切だと思います。
#16
○加納時男君 ありがとうございました。
 それでは、最後に植草先生に一つだけお伺いしたいと思います。
 先ほど先生は、今、荻野先生のお話にもありましたアンバンドリングに触れられまして、アンバンドリングすると意思決定が分散してリスクが拡大するということをおっしゃったんですが、一方、私よくワシントンにも出掛けてアメリカの規制当局者と議論してまいりますが、アメリカからの要求は、規制改革と競争政策について日本政府に対して求めるという文書を毎年同じようなことを書いていますが、その中で、ISOと言っていますが、独立系統運用者やRTO、地域送電機関についてかなりお勧め品だよというようなことがあります。
 私の理解では、アメリカはこれでISOについては失敗をしたりRTOで抵抗があったりしているんですが、中には、日本の中でもこういうことがいいと言う方もいらっしゃいます。そして、垂直一貫経営を行為規制だけで維持するのは無理だからISOやRTOを考えろという意見があるんですが、先生のお考えをお伺いできれば有り難いと思います。
#17
○参考人(植草益君) 私もISO、RTOについてはこれを強く主張する人を存じておりますが、何よりもこれを実施するためには発送電一貫体制の解体ということをまずしなきゃならないというふうに思うわけですね。発電については多様な発電があるわけですが、さらに送電について、全国に縦長にある我が国のこの送電網をISOで全体管理するというのは大変困難であるというふうに私は思っておりまして、そして、その全体をRTOでまた管理していくと、特に投資についてですね、こちらをやっていくと。相当の強い権限を与えるということになるんですね。
 その制度は、本当にやってみなければ分からないところもあるんですが、我が国については実は事例があるんですね。戦前に日本発送電という会社がございまして送電網を全国一社で造ってあったわけです。発電についてはそこが最初六割ぐらい持って、配電は別会社になる、民間でやると。この体制、戦後についてこれを維持するか否かについては大変な議論があったわけですが、あそこでは必ずしもうまくいかなかったということを、一度歴史を振り返って十分見ておく必要があるというふうに思っております。
#18
○加納時男君 ありがとうございました。
 私の質問はこれで、以上でございます。ありがとうございます。
#19
○中島章夫君 民主党・新緑風会の中島章夫でございます。
 三人の参考人の方々、短い時間に大変要領よくまとめていただきまして我々を啓蒙していただきました。大変ありがとうございました。
 私は、三点に絞りまして三人の先生方に御意見をお伺いをしたいと思います。中には特定の先生に集中的にお伺いをしなけりゃならないポイントもあるかと思いますが。
 その第一点は、やはり原子力発電とその供給の問題でございます。
 これについては、今、同僚の委員からもお話がありましたように、三十数%、もう国民のエネルギー問題、特に東電の問題が起こって、この夏、首都圏では特に深刻な問題になっております今日、原子力の問題というのを政策レベルだけで考えているのではなくて、市民一般のレベルでどう考えたらいいかということを一緒になって考える絶好のチャンスだと、こういうふうに心得ているのでございます。
 そういう意味で、私どもも、原子力というのは安全性というのを最優先に、過渡的エネルギーとしてですけれども、慎重に検討しながら考えていくということを方針とはしておるんでございますが、荻野先生が別の座談会か何かで正しく怖がる必要があるということをおっしゃったのが大変印象的でございます。確かに怖いけれども、どうせなら正しい情報で正しい怖がり方をしたいという御発言には極めて重要なポイントがあると思いまして、市民一般がこのことを、上辺ではなくて、どういうふうにということを知らせていくという必要があると思っております。
 そういう意味で、原子力のエネルギー問題を市民レベルで検討するということについて御意見を賜りたいと。まず第一点でございます。
 第二点は、これは実は特に千速参考人にお伺いをすることになるかと思うんですが、ほかの先生方にも御意見があれば伺わせていただければ幸いですが。
 先生は、先生が中心になっておまとめになった経団連のエネルギーに関しますレポートの中で、地域産業経済が巨大なインキュベーターの役割を果たすような環境、つまりクラスターというものを形成する必要があるという御指摘がたしかあったと思います。内容的には、そういう経済圏内の産学官が参加するネットワークが網の目のように発達をしているものなんだと、こういうことでございまして、特に、現在行われております国立大学の独立行政法人化が好機であるという御指摘がございました。
 私は、これ、やはり先ほどの議論と同じなんですが、経済産業省あるいはそれに詳しい産業界の方々、あるいは事業者の方々を中心にということをこの際、できるだけほかのネットワークにも広げていくチャンスということが極めて大事なような気がいたします。そういう意味で、産業界からは、今の申しました独立行政法人化を進めていこうとする大学等にどういう働き掛けというのが考えられるんだろうかということをお聞かせをいただければ幸いでございます。
 それから、最後でございますが、先ほども申しました市民PRについてでございます。
 これも荻野先生が昨年欧州においでになったときの印象で、フランス原子力庁の広報のすばらしさということにお触れになっておりまして、向こうのリセ、これは十五歳から十七歳ですが、小冊子を次々と発表していると。フランス原子力庁が、対メディアあるいは一般向け、それから議員、政治家向け、町内コミュニケーションというふうに四つぐらいに分けてそういう広報活動をやっているということの御指摘がございました。
 私も、先日、質問の中で、文部科学省なんかと一緒になってその辺の広報、これはもう既に経済産業省でも進めておられるんですが、ごらんになってきた点から等、何か御指摘があればということでお尋ねをしたいと思います。
 以上、三点まとめて申し上げましたが、恐縮ですが、どなたからでも結構ですが、よろしくお願いいたします。
#20
○参考人(荻野アンナ君) その第一点目と第三点目、原子力の市民PR及び市民一般レベルへの情報公開ということだと思いますが、今日、そのパンフレット実際に持ってまいりました。こういう薄いものでございますが、第一冊目がアトム、原子、そして巻を追うに従いまして徐々に原子力の知識を深めて、七冊目になると核燃料のリサイクルまで詳しく紹介しています。これは何でしたらお回しいたします。
 原子力庁というのは一大研究機関であると同時に広報が大変に優れておりまして、さらにその広報の向きが先ほど御指摘いただいたように全方位的でございまして、ただ新聞等メディアに流すというだけではなく肝心のところを押さえている。例えば、一般の市民の方がだれの情報ならば信頼するか。そうしますと、これは万国共通だと思いますけれども、お医者様と科学者。そのお医者様と科学者に向けて専門家の立場からPRを行う、さらに本当に一般の草の根レベルの人たちを動員するために科学フェアを行ったりと、非常に視野広く広報活動を原子力庁は行っています。
 それだけ日本と比べますとエネルギー教育に関して徹底しているかに見えるんですが、それでも、例えば地方の原子力発電所を持っている町の地域連絡委員会ですとかそういうところに意見を伺いますと、まだまだというふうにおっしゃるんです。あるいは原子力推進派のエコロジストの団体という変わった団体があるんですけれども、そちらの方々もまだまだ。独自の努力で広報活動を行っていると。ですから、情報に対する要求のレベルというのが日本と比べてかなり高いという印象を持ちました。
 さらに、振り返りまして日本の教育を見ますと、まずエネルギーに関する記述自体まだまだ少ないということ、さらに、何かチェルノブイリの写真がどんと載って、原子力といいますとCO2削減には効果があるが事故が怖い。どう怖いか、それこそ先ほどの正しく怖がるというそのビジョンといいますか、その正しく怖がるためのメソッドが抜け落ちているという印象を持ちました。ちなみに、正しく怖がるというのは寺田寅彦の言葉を援用しているんですが。そういう意味で、フランスの例をうまく日本に応用するためには、政府レベルの広報、さらにそれが様々な方向を向いているということ、それから教科書、副読本の充実、それからもう一つ、長くなりまして申し訳ございませんが、専門用語ですね。
 例えば、シュラウドの東電の事故ですね。問題が起きたときに、これだけ取材をしている私がシュラウドという言葉が分からない。シンポジウムに行って東電の方に伺って、東電の方は東電御存じですよね。これは、原子力という巨大な湯沸かしの中で流れるプールのごとく対流を作るものだ、それで腑に落ちるんです。ところが、私、新聞、雑誌、さんざん読みましたが、シュラウドの事故は大変な危険なものであるという意見か、どうもでもないものだという意見か、もう極端な、それぞれ賛成派、反対派の極端な意見が載っているばかりでおろおろする。
 ですから、そういう意味で、政府広報の充実、教育の充実、そして専門用語抜きで分かるための努力、この三点を本当にお願いしたいと思います。
#21
○参考人(千速晃君) 御質問の中の第二番目の、地域経済とのクラスター、地域経済クラスターの関連につきまして申し上げたいと思います。
 政府も各地区に経済特区をそれぞれ配置して、産官学も含めた大きな地域経済の振興ということに取り組み始めておられますが、一つの例といたしまして、私どもの会社、九州に、北九州にございます八幡製鉄所での知見でございますが、北九州市と八幡製鉄所は非常に連携を保ちまして、製鉄所の既に合理化した跡地、工場の跡地、あるいは若松地区の、北九州市若松地区の再開発の中で、非常に大きな新しい事業創出あるいは文化創出をいたしております。エネルギーに関して申しますれば、そこで例えば風力、地熱を使う、あるいは廃棄物処理の工程で出てくるエネルギーを更に電力化するとか、そういうようなことも既に行われております。
 それから、広くは、同じ若松地区でございますが、大きな地域、ある特定地域開発をいたしまして、そこに日本のみならず海外の大学も分校を進出する、あるいはいろいろな研究所をそこに進出させるというようなことで、一大科学研究センターのような状況に既になっております。
 そうしたところでは、そうした独立法人格を持ったいろいろな活動が非常に活発になっているというふうに実感を持っておりまして、また市民もそれを非常に理解し、協力的であるということでございます。
 今後、やはりそうした例を更に全国的に、せっかくの経済特区が一杯指定されているわけですが、広めていくことが大切ではないかと私は考えております。
#22
○中島章夫君 ありがとうございました。
 植草先生から特に御意見があれば一言いただければと思っておったんですが、私の持ち時間が参りましたので、お二人の先生から御意見をいただきましたので、結構でございます。
 ありがとうございました。
#23
○松あきら君 今日は、お三人の参考人の先生方、お忙しい中を本当にありがとうございます。
 私も十五分という時間ですので、少し手短にまとめてお伺いいたします。もしあれでしたら、メモをしていただいたら有り難いというふうに思います。
 まず、千速会長。
 新日本製鉄は特定規模電気事業者といたしまして電気の小売事業に新規参入をしておられまして、平成十三年四月から首都圏及び九州地域で業務用ビルを対象に電気の小売を開始されていらっしゃるわけですけれども、この特定規模電気事業のビジネス環境について現状をどのように考えていらっしゃるでしょうか。また、今後、電力の自由化範囲の拡大によりまして、新規参入者の供給シェアが拡大して競争が一層促進されていくというふうに考えられるかどうか、その辺もお答えをいただきたいと思います。これが一点目でございます。
 それから、先ほど石炭について会長からお話がありました。長期にわたって付き合っていかなければならない、あるいは効率よく使っていくというようなお話もありました。クリーンエコロジーというお話も出ましたけれども、全体的といいましょうか、一般の国民にとりまして、やはり石炭火力というふうになりますと環境適合性に問題があるんじゃないか、こういう意見もあります。この点についてどういうお考えか。この二点をお伺いをしたいと思います。
 次に、荻野先生でございます。
 私も横浜が正に地元でございますけれども、先ほど見せていただきました供給技能訓練センターでは、すばらしい電力系統の運用で、事故が起きたときに素早く復旧する訓練をしていらっしゃるわけですね。日本では、水、空気、電気は当たり前だけれども、当たり前がいったん崩れるとどうなるか分からない、こういうふうに先生がおっしゃっておられます。正に私もそう思っておりますけれども、一般市民は電力会社から安定供給、これを前提として成り立っているという部分があると思うんですね。やはり安定供給をする義務が電力会社にはあると思いますけれども、今回、東電の問題が起きまして、その前提が崩れようとしている。この夏にも予想される電力不足についてどうお考えになっているか、これが一点目でございます。
 そして二点目は、先ほども出ました、正に今、副読本見せていただきました。先生は、欧州のエネルギー事情拝見座談会、これも読ませていただきまして、フランスとイギリスの原子力発電所をごらんになった感想として、原子力は未知の部分が多い素材であり、それをどう料理して、どういう入れ物に入れるのか、その入れ物づくりに関しては日本はまだまだという感じを持ったと。すなわち、原子力産業と消費者の仲介役が日本にはない。正に私は、先ほどから先生のお話聞かせていただいていて、先生が仲介役になっていただけているなと、あるいは仲介役になっていただけたらすばらしいななんて思いましたけれども、この辺のお考えを、ありましたらよろしくお願いいたします。
 最後に、植草先生でございます。
 電気事業、ガス事業の自由化に関して、我が国は諸外国と比較して改革が約十年ぐらい後れている、こう言われておりますけれども、我が国で改革が後れている理由及び改革が後れたことにつきまして、その影響についてどのようにお考えか、お聞かせをいただけたらうれしいと思います。
 また、私は、我が国の電気事業、ガス事業の制度改革につきまして、諸外国のより良いところ、あるいは教訓、成果、こういうものを取り入れて、より良い日本型の制度設計をしていくことが重要であるというふうに思っている次第でございますけれども、諸外国と比較して、我が国における電気、ガスの事業に係る制度改革の特徴についてどのように認識すればよいのでしょうか。その点についてお伺いをしたいと思います。
 ちょっと早口で申し上げましたけれども、以上、よろしくお願い申し上げます。
#24
○参考人(千速晃君) まず、私どものいろいろな電気事業に関するこれまでの経験でございますが、自家消費、これは共同火力、それから自家発電、それから共同火力の余剰電力を卸供給するとか、あるいはIPPの制度とか、そういったものを合わせて約、年間、平成十五年の三月時点で四百五十万キロワット供給しております、発電しております。
 そうした中で、ビジネス環境としては、制度の改正と伴いまして、非常に改善、事業として安定した状況になりつつあると言うことができると思います。そういう意味では、需要家それから消費者の立場からもはっきり自由化効果を感じることができていると思いますし、新規参入者としての立場から見ましても、電気、ガスの卸売、小売に参入するなど、新しいビジネスを展開することが、そういう機会が持つことができたと、このように考えております。
 それから、石炭の関係でございますが、何といっても石炭は地球に存在するエネルギー源としては非常に大きな存在、ウエートでございます。現在は、今のいろいろな科学技術の進歩によりまして、この石炭はこれまでのイメージと全く違うクリーンなエネルギー源として活用できるという技術がどんどん成長しております。現実のものになっております。したがいまして、そうした技術を使いながらクリーンな石炭利用というものを、今後とも我々は他のエネルギー源と一緒に、ともに重きを置いていくべきでないかと考えております。
#25
○参考人(荻野アンナ君) では、その二点、順にお答えしたいと思います。
 水、空気、電気当たり前、それがもう前提だったのに、崩れてまいりました。この夏の電力の需給状況、厳しいわけですが、周りの正直な反応をお伝えします。東電がよくテレビでCFを流しています。どうぞ節電をしてください。みんな言っております。問題を起こした側に言われたくない。
 ところが、実際に停電になったとき、大停電になったとき困るのは我々でございまして、大病院ならいいでしょうが、歯医者さんでウイーンとかやり始めた途端の停電、あるいは水を、蛇口をひねれば水が出る、それこそガスはすぐに点火できるというふうに思っておりますが、そういう水やガスといったほかの分野もすべて今は電気を通して使っている。何でそのようにすべて電気に頼っているかというと、我々が時間を節約して、電気を使って時間を節約しているわけで、その分生活が慌ただしい。
 ですから、今日は自由化の問題ですけれども、我々も電気という便利過ぎるものからたまには自由になる、そういう我々の自由化も必要じゃないでしょうか。
 私は、スローデーというのを個人的に提唱させていただいているんですが、スローフードは、やっています。ですから、節電、省エネ、頑張ってくださいと、欲しがりません勝つまではのように言われますと我々引いちゃうんですけれども、逆にスローデーいかがですかというふうにポジティブに広報していただくと、節電しようかという気になってくるのではないかと。ですから、我々の自由化目指して、ポジティブな節電の勧めをお願いしたいと思います。
 それから第二点、原子力ですが、仲介役にとおっしゃっていただいて、まあ何という有り難いことでしょう。私、そのためにもこうやって日々いろいろと持ち歩いて大荷物なんですが、今日もぺレットを持っております。これ、本物で、本物で被曝してもウランじゃ嫌よ、恨んじゃ嫌よなんて。失礼いたしました。
 本物のわけがございません。これは柏崎に行けば手に入るものでございますが、普通皆さん柏崎までわざわざ行く手間暇ございませんので、一生懸命私なりに努めておりますが、ただ、私のような能力のない個人には限界がございまして、そこで二点お願いがございます。
 まず、システムの整備。これはフランスの原子力庁及び環境及び持続可能な開発庁ですね、もう舌かみそうな省庁ですが、そこら辺でいろいろと勉強させていただいたことなんですが、省庁間の役割分担を、責任分担をきちんと確立する、さらにできれば原子力庁のような根幹となる省庁があるべきだと思いますが、まず一点、省庁間の役割分担、システムをきっちり。
 そして第二点として、やはり原子力発電所と地域の一般の我々の間に立つ、個人ではなく地域連絡委員会、これイギリスでもフランスでも見ましたが、そういう委員会のようなものが日本でも全国的に存在すればと願っております。
 この二点、よろしくお願いいたします。
#26
○参考人(植草益君) 日本の電力改革、十年後れているんではないかという、こういう表現は分かりやすいんですけれども、正しいかどうかは判断が非常に難しいですね。電力産業における規制や制度改革の非常に大きなポイントを言いますと、発送電の一貫体制を分離するかどうか、いわゆるアンバンドルにするかどうか。それから、卸売市場についてプールを設けるかどうか、ないしは取引所でもいいんですが、それがあるかどうか。それから、アンバンドルをしなくても、日本が今回選択したような多様な行為規制というものをやっているかどうか。それから、まだ幾つかありますけれども、時間がないですからはしょりまして、自由化の範囲がどこまで進んでいるのかというのを四つぐらいの基準にしますと、今回の改革でほぼ主要国に近いものになったんではないかと私は思いますが。
 例えば、十七年に電力五十キロワットまで自由化いたしますと、自由化の範囲が六四%になります。フランスは現在のところまだ三〇%でありまして、現在日本と同じなんです。フランスと日本は原子力比率が非常に高い、フランスはもっと高いわけですね。日本で後れた理由というのはなぜかといったら、やっぱりフランスと同様に原子力比率が高いというところが非常に大きな問題だ、問題というか理由だというふうに私は判断いたします。そう簡単に自由化ができない。
 ただ、それだけではないですね。いろんな要因がありますけれども、比較的日本では電力については安定供給がきちんとしてきたこと、それから停電に象徴されるように、サービスの質が非常に良かったこと等を含めて、改革をするときに何が一番重要なのかというと、やっぱり価格が高かったということなんですね。内外価格差に象徴されますが、この価格をいかに下げるかと。私も、物価安定政策会議特別部会の部会長として内外価格差問題にはもう十年ぐらい取り組んできた者でありますが、この自由化だけではなかなか対処できないということなんですね。自由化もやらなきゃいけないんです。やらなきゃいけないんですが、対処なかなかできない。
 最後に、もう日本型モデルというのについては、私は今回世界に誇れるものができたんじゃないかと少しは思っているんですけれども、荻野アンナさんが大変楽しくお話ししていただいているので、私は少し表現がオーバーになったかもしれませんが、原子力の比率が高い国、先ほどフランスは自由化の仕方がEUの中でもやっぱり特殊であります。日本は自由電力体制がありまして、アンバンドルはしないと。垂直一貫体制を維持して、従来はこの十社が中心となってヤードスティック・コンペティションといいまして、優秀な企業に追い付け追い越せという競争をさせてきたんです。今度は、全国市場の競争をさせます。そして、小口については大掛かりな自由化をさせる。フランスは一社独占ですね。日本は十電力体制の中に、発電についても、それから小売についてもいろんな企業が入ってきたということで、こういう体制を取っている国は世界にないと思うんです。
 最近、アジアの国のこういう専門家たちが私のところによく見えます。アジアの国も今いろいろな電力改革を進めていますが、その中で、今回日本が取った方式に非常に強い関心を持っているんです。そういう意味で、我々随分苦労してここまで持ってきたんですが、これで最後とは私は決して思っておりませんけれども、一つの答えが出たと思っております。
#27
○松あきら君 ありがとうございました。
#28
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 時を忘れ、身を乗り出して聞く、そういうお話、大変ありがとうございます。
 最初に、荻野先生にお伺いしたいんですけれども、自由化の流れというのは、これは世界での流れだと思うんです、これは電気、ガスに限らず。しかし、その中で、エネルギーでいえば安定供給、そして消費者、国民の利益、これがどう保たれるかということが大事だと思うんですけれども、私、エネルギーのことだけじゃなくて、日本で自由化というと、何というか、まだ身に付いていないというか、ヨーロッパでのその流れというのは非常に私よく分かるんですけれども、身に付いていない。アンナ先生のお話でいうならば、プレタポルテが身に合わないというか、あるいはオートクチュールも全く合わないような、そういう感じがするんですね。
 ですから、そういうところで文化論的に言って、何といいますか、日本の自由化の流れ、これは世界の流れとしてそれに乗っていく上での、何といいますか、課題、感じている課題、その点について、思いっ切りギャグを利かせてお話しいただけたらと思いますが。
#29
○参考人(荻野アンナ君) 世界の流れとして自由化があるわけですけれども、ただ、世界と言ったとき、例えばアメリカのカリフォルニアの例もございますね。そういう悲惨な例もあれば、あるいはイギリスのように八年掛けて、桃クリ八年の自由化を実現して、割とデザインのいい感じに仕立てている国もありということで、もうこれは一概にグローバリゼーションのようにとらえることはできないと思うんです。ですから、文化論的に言って、世界の流れの中に日本がうまく乗るためには、逆に日本が非常に日本的であるべきだと。
 私はよく国際人というのは良き村人であることだという言い方をさせていただくんですけれども、それは人一人の問題ではなくて国全体の問題でもあり、先ほど気候風土の特殊性ということを申しましたが、さらに東日本と西日本で五十ヘルツ、六十ヘルツと周波数も違う。それをそのまま放置というとおかしいですけれども、そのままにしている国というと日本ぐらいであり、先進国の中では珍しいケースですけれども、そういう何か非常に独自な電気文化というんでしょうか、そういうのを持っている。それはそれで、私は今更五十と六十の間を取って五十五ヘルツにするというのはもう無理というのは明白ですので、そういう独自の電気文化は大切にしつつ、ただ、その要素として、本当にいろいろと面白い日本、例えばほかの国ではなかなか難しい、四方を海で囲まれているから可能な波力などもございますよね。そういう面白い特性を生かすためにも、その様々な要素を入れる入れ物がしっかりしないといけないと思います。
 日本の問題というのは、これ各分野だと思うんです、教育もそうだと思いますが、どうも先ほど申しましたシステムとしてきっちり確立していない。その割に現場が厳しい。イギリスのセラフィールドのサイトを見ましたときに、あそこも東電と同じように問題を起こしておりますが、何で問題が起きるかということを自分なりに考えますと、イギリス人も島国で日本人と同じようなどうもきちょうめんな民族で、どうも現場で視野を狭く完璧主義できっちりきちきちと仕事をしている、労働環境が悪い、おまけに製造部門と品質部門がきっちり分かれていない、そういうシステムがあいまいもことした中で現場が妙に完璧主義というので問題が起こる。日本の東電も正にそれだと思います。
 ですから、そういう意味で教師になるのはもしかするとフランスで、システムはきっちり、しかし現場は結構緩やかで、例えば私が見ましたグラブリーヌの原子力発電所では、タービンにエリザベスと名前が付いている。なぜかと聞くと、うちの会長の歴代秘書の名前がタービンに付いていますと。何かフランソワーズとかいろいろそういうタービンがいまして、こういうのが学べるのがタービンの面白さかななんて思うわけでございますけれども。
 ですから、そういう、何のお話でしたっけ、面白い日本の電気文化を立派な入れ物に入れるというその努力が世界の自由化の中で日本の独自性を出せる道だと思っております。
#30
○緒方靖夫君 もう一つ荻野先生にお伺いしますけれども、アメリカの話が出ましたが、アメリカでは電力の自由化をやって十年ちょっともうたつと思うんですけれども、その中でアメリカの悲劇があったわけですね。それは、例えばエンロンなんかは、発電と小売、これで差益を追求するという中で破綻したと。そして、カリフォルニアの大停電ということになったわけですね。こんなこと──アンナことの方がいいかな、あんなことを絶対起こしちゃいけないという、そういうことになると思うんですね。
 それで、そうすると、エネルギーの供給を市場にゆだねるときに、安定供給という絶対的な必要なことと、そして消費者の利益というか、その辺の問題でそのリスクというのはあるわけですね。消費者の代表として荻野先生はその点で何を叫びたいか、何を訴えたいか、その点、お伺いしたいと思います。
#31
○参考人(荻野アンナ君) エンロンも日本進出ねらっていたんですよね。六ケ所にも来たかったんですが、自分の不徳の、いわゆる不徳の致すところで、エンロンはるばる日本には来れなかった。そのように日本の場合なっては大変困りますので、電気を出し惜しみをするは価格はつり上げるはというひどい状態でございましたが、その中で、そういう先例に従わないように、日本の場合、安定供給、そしてさらに消費者の利益追求。
 ここでまた、私いろいろと回って一般の方から取材しました。そうしますと、そもそも電力自由化でこれだけ価格が下がっているという認識がないですね。海外体験された方は日本の電気高いとおっしゃいます。ただ、ずっと日本在住の人に日本の電気料金についてどう思うと言うと、さあという感じですね。そして、自由化御存じと言うと、分からない。今、自由化のプロセスに既に乗っていますよと、そうだったんですか。そうだったんですかと言った相手は普通のおばちゃんではなくて、某文芸誌の編集者です。ですから、推して知るべしなんですが。
 ですから、消費者は安ければ、自由化というと安くていいだろうと思うと我々は思っていますけれども、実は消費者は電気に関してほとんど何も考えていない。ですから、その中でどうやって、何も考えないでいられるというのはすごい幸せなことだと思うんです。それは、日本がいかに安定供給ということで世界の中でもトップレベルにいるかということの例証になると思います。その中で、消費者の利益をどうやって守るか逆に消費者に考えさせる、考えてもらう。今までは当たり前を享受して考えないで済んだことが幸せでしたけれども、この幸せを持続させるためにはこの際考えていただく。そのためには、自由化そのものについて広報活動を行うということではないかと思います。
#32
○緒方靖夫君 次に、千速会長にお伺いいたします。
 大変興味深く伺ったんですけれども、新日鉄でインフラ、ノウハウを使って電力の卸売の事業を始めていると。この事業、いつから始めて、これからどういう、事業の中でどのぐらい占める割合で展望されているのか。それからまた、ほかの企業の中でこういう形で進められているものがどういう形になっているのか、それについてお伺いしたいと思います。
#33
○参考人(千速晃君) 私どもの社で始めましたのは、先ほどもちょっと触れましたが、共同火力のような、あるいは自家発の電気をどういうふうに余剰分を外部に売るかということから始めてまいりました。そうした電気について、例えば九州地区で残った余剰電力を特定の需要家、需要者にそれぞれ相対で売っていくというような形で始めました。
 それから、更にだんだん進みまして、関東の東電管内でございますが、袖ケ浦等で小型の発電、効率のいい発電機を使いまして、それを何基か、十基ぐらい、五千キロワットぐらいのものを十基集めました。そうしますと、需要に合わせて、その十基のうちの何基を時間帯に合わせて動かす、稼働させるというようなことで、電源の調整、発電量の調整もできるということで、その周囲で需要家に対して、小売を含めてでございますが、我々としては事業を展開してみたというような、そういう経験を幾つか今持っております。
 そうした経験を通じて、電気事業制度、事業そのものについても何回かの議論を経てだんだん自由化が進んできているという中で、先ほど申し上げましたような形で自家発、共火を含めますと、自家消費と卸供給を合わせますと四百五十万キロワットアワー近い電力を扱うようになっていると。その中で、特に卸供給というのは約半分弱の二百十万キロぐらい既に行っております。
 現状ではそのような規模でございます。
#34
○緒方靖夫君 次に、植草先生にお伺いいたします。
 一つは、エネルギー政策全体の中で、電気・ガス事業の位置付けというか理念の確立というか、その辺の問題に係ることなんですけれども、その辺がエネルギー政策の中でどう位置付けられているのかということが問題意識なんですがね。その辺がまだまだ日本ではちょっと追い付いていないような感じがしているんですね。つまり、電気、ガスの安定供給と自由化による市場の経済の導入という、その辺のかかわりですね。その辺での政策的な確立に向けた大事なことは何かと。それが一つ。
 それともう一つお伺いしたいのは、環境問題なんですけれども、例えば自由化で小規模な発電がどんどん進められるということになってくると、一番手っ取り早い形でということになるわけですね。そうすると、化石燃料による発電、これが設備の上でもあるいは費用の上でも簡便かなという、そんなことが思い浮かぶわけですね。そうした場合、CO2問題等々、そうした問題に対してどう対処していくのか、その辺についてどういう今後展望を持たれているのか。その二点についてお伺いいたします。
#35
○参考人(植草益君) 一番目の質問は少し答えにくいですね。もしあれでしたら、もう少し時間あったら具体的にお聞きいただきたいと。
 二番目の環境問題との関連でありますけれども、第一次改革、第二次改革終わった後にいろいろなところへ呼ばれまして話をしたときにも、なぜ、例えば電気の方の審議会で環境問題、一緒にきちんとした議論をしないのかということを言われました。環境問題は、一つは環境庁でありますね。それから、電気事業分科会とは違う、総合資源エネルギー調の中にもう一つそういう環境に関するものがあります。それから、部局もありますね。そのほか地方自治体も取り組んでいるわけですね。私たちは、電気事業及びガス事業の制度を分析、そして提言していくというところでありまして、環境問題はもちろんこの中に随分入っていますけれども、もっと、例えばイギリスのように、新エネはどういう形で、改革をするときに必ず使えるようなものとするというようなのが自由化政策の中で一体となっているんですね。環境問題も一体になっている。日本はなぜそういうことをしないのかということ。
 私は、できれば審議会というのは、一つの官庁の中の審議会じゃなくて、いろいろな官庁の関連のところが一緒になって議論する。最近そういうの増えてまいりましたですけれども、いわゆる縦割り行政から横に手を組んだ新しい時代への行政というのもお願いしたいと思っておるんですが、そういう方向に今後は行ってほしいんですけれども。
 環境問題につきましては、先ほど言いましたように、NOx、SOxについては環境庁の厳しい基準がございます。それから、現在のところ、新規参入企業が石炭等を確かに使っておりますが、その比率は非常に小さいものでありまして、地方自治体等の規制等も含めて厳しい規制の中でやっておりますから、それを安易にやったのがありましたけれども、それはもう撤退したというようなこともありまして、そう環境問題に対して、こちらの改革の中で軽視しているということはないと考えております。さらに、最近の新たに入ってきたPPSでは、うちの特に大きいものは天然ガスを使っているということでございます。
#36
○緒方靖夫君 ありがとうございました。
#37
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 今日は本当にお三人の参考人の皆さんに本当にすばらしい応答をいただきまして、ありがとうございます。私がフィナーレになりますので、締めくくりということでちょっと違った観点でやらせていただきたいと思います。
 千速会長に伺いますが、高コスト構造を是正して外国からも大いに投資を呼び込む、これは日本経済にとって今、非常に重要なことだと思いますし、今までもこの電力、ガス、段階的に自由化はされてきて、コストが、この間大臣に聞きましたら、一五%ぐらいまでは下がってきているんだと。しかし、まだ欧米と比較しますと電気でもガスでも二倍以上のコストの差があるということであります。ですから、今後更に自由化を進めて、十六年度に五百キロワット、十九年度には五十キロワットまで、ガスの方は五十万と十万ですか、まで自由化を拡大をしてくることになるわけですが。
 ところで、そういう自由化によって今後更にコストが下がる見通しというのは、これは特に千速会長のところは自分のところでもやっておられるわけでございまして、下がるという見通しはどの程度まで行くか、何かございましたらお聞かせいただきたいと思うんです。
#38
○参考人(千速晃君) ただいまの御質問、全般的なことと、それから自分の会社のことがあろうかと思います。
 全般的な問題について申しますと、外国からの投資ということは、日本にはやはり余り魅力がないんではないか、特に製造業でございます。それはやはり、単に電気、ガスが高いとかそういうことではなくて、土地代、下がったとはいえ非常に高い、あるいは労務費コストも非常に高い、それから地方税等の税も非常に重いというようなことがあって、魅力が余りないと私は思います。むしろ、外国の資本を呼び込んでいくためには、魅力的な先進先端技術を生み出して作っていって、そこで一緒に事業をする人を連れ込むということが一つ考えられるかと思われます。
 それから、全体、もう一つの問題といたしましては、やはり日本が今後、こうした高コスト構造になってしまっている状況で、東アジアの中でどのような事業活動を展開していくかということがむしろ重要な問題であろうと思います。その場合、比較的資本の移動がやりやすい産業、製造業は一斉に中国、一時東南アジア諸国に、ASEANに進出し、今、一斉に中国に移転していると。そういう中で、それでは本当に日本の産業、製造業といったものの存在、それがもたらす日本国民への付加価値というものをどういうふうに確保していくかということが今後の、また現在進行中の大きな課題であろうかと、このように思っております。
#39
○広野ただし君 二番目の方の、電力なり、それがどれくらい引下げの見通しがあるだろうかという方がより力点があったんですけれども。
#40
○参考人(千速晃君) 失礼いたしました。
 電力の引下げというのは、今までもう既に十数%引き下げられているというような実績になってきておりますが、今後も電力の効率性良い発電設備、設備といいますか、技術がどんどん開発しておりますから、これは今後更に一〇%とか一五%とか引き下げていく可能性は極めて高い、可能であると私は思います。
#41
○広野ただし君 ありがとうございます。
 それと、いろんなまだ規制があると思います。安全サイドのものですとかいろいろとあると思いますが、この間も平沼大臣に別の規制改革で、今度は電発さんも民営化されるわけですが、公営ガス事業あるいは公営電力事業というのがまだ地方にあるわけですね。公営ガス事業ですと五十八社、電力ですと三十三社ある。これの民営化を早くやるべきじゃないかと私は申し上げたんですが、まだ平沼大臣も総務省も、総務省はまだ地方に任せるべきだというようなことを言っておられましたけれども、この点について千速参考人と植草参考人に伺いたいと思います。
#42
○参考人(千速晃君) ただいまの御質問は電力・ガス事業についてより積極的にスピードを上げて民営化を図るべきではないかという御意向とうかがいましたが、電力につきましては相当参入者が増えてきている、部分自由化が進んできたと、このように考えておりますが、今後、それを全部、先ほど来議論がございましたが、配送電も含めた形で全部自由化してしまうということはまだ……
#43
○広野ただし君 ちょっと、そのことを言っているんじゃないんです。公営の、地方の公営ガス事業ですとか電力事業のことを民営化と言っているんです。
#44
○参考人(千速晃君) そういう意味でおっしゃっておられるのであれば、それぞれ地方の自治体が電力事業を行うとかガス事業を行うということについて、その経済性、経営を含めたすべてのコスト構造がどうであるかということを一つ一つやっぱり吟味しなければいけないと思います。
#45
○参考人(植草益君) 御指摘のとおり、公営ガス事業、五十八社ありまして、先ほどから電力ばっかりですから、少しガスのこともお話ししなきゃいけないと思います。
 ガスに集中しますと、公営ガス事業、都市ガス事業の中の二五%ぐらいを占めているんですね。地方における天然ガスの出ているところとか、いろいろな事情で公営で行ってきたものがあるわけですが、公営も効率のいいのと余り良くないのとあるんですね。効率のいいのはやっぱり天然ガスも採れる、効率というのはここではもう明らかにコストだけで考えているんですが。しかし、現在、どれほど進むか分かりませんけれども、都市ガス事業の再編が、徐々にではありますけれども進んでおりますですね。その中で、公営ガス事業の民営化というのもかなりの程度進んでおりますですね。十四事業者ですか、これが事業を民間に譲渡しておりますですね。これ、かなりこれから進むんじゃないかと思います。
 電気はそれぞれの地域の特別な、水力発電のようなものが多いですから、これはどうなるか分かりませんけれども、水道も今は進んでおりますし、公営事業全体が効率化の一つの手段として民営化を進めているという動向は明らかにありまして、今後これかなりの程度進むと。必要ならば、政策的支援もすべきであるというふうに私は考えております。
#46
○広野ただし君 それと、電力でもガスでも大変な設備産業で、大変な借入金等があるわけですね。しかし、ある意味では過少資本な点がありまして、先ほど荻野参考人が言われましたが、外国から見ますと、自由化が進むと非常においしい企業さんになってくる。ですから、遠路はるばるというような話もやっぱりあり得るわけで、そういうときの、例えば消費者として、それはどこに買われてもいいとお思いか、その点、荻野参考人、そしてまたエネルギー安全保障上、何か問題があるかどうか、植草参考人にお聞きしたいと思います。
#47
○参考人(荻野アンナ君) 先ほど千速さんのお言葉に、海外にとっては余り日本はおいしい市場ではないんではないかというお話がありましたが、その中でもエンロンのように手を伸ばそうという企業もある。今後だんだんその傾向は増していくと思いますが、先ほどから申しておりますように、やはりエネルギーというのはその国の特殊事情が本当に直接的に反映する分野ですので、海外の企業が参入してきたからといって安い方に流れるというふうな構図ができ上がりますと、先ほどの安定供給が根本から崩れてしまうと思います。
 で、純国産の消費文化ですね、考えてみますと、そういう電気以外ほとんどないという印象を持ちます。何かにつけ海外ブランドが優先されますけれども、この電気ばかりは国産でと消費者の立場から思います。
 そのためには、経済と環境、両方への目くばせ、エコノミーとエコロジー、このエコノミーとエコロジー、両方ともエコと付いておりますが、これは、そのエコの語源は同じなわけでして、ギリシャ語のオイコスから来ておりまして、オイコスというのは家です。ですから、日本的な家を大切にする思想で経済と環境、両方に目くばせをして、この分野ばかりはちょっと海外の企業には控えていただく、そうやってエコノミーとエコロジーに目くばせをすると、オイコスに目くばせをすると、外国を逆に追い越す。
 失礼しました。
#48
○参考人(植草益君) もう時間が来ているようですので簡単に。
 電気、ガスのような一国経済、生活のインフラになる分野に外資がどのくらい入ってきていいか、本質的には入れてよいかどうかという御質問だと思います。
 私は、良質で、かつ安い原料を持っている企業で、そして生産等の技術も優れていて、そしてサービス、価格、質を含めたサービスをより良いものを提供してくれる外国企業なら、これを拒否する必要は一切ないと考えておりますが、これは原則論であります。
 そういう企業がもっと日本に入ってくるべきだ、それでなければ日本経済の活性化は進まないとすら私は思っておりまして、そういう意味で、インフラストラクチャー産業であるから外資は何らかの手段を使って規制すべきだという議論には賛成をいたしませんが、さりとて、非常に大きい日本の基幹になっているところにそういうところが入ってきたときにはどうするかというときには、また次の政策論議が必要になると思っています。
#49
○広野ただし君 どうもありがとうございました。
#50
○委員長(田浦直君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。(拍手)
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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