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2003/03/18 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第1号
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2003/03/18 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第1号

#1
第156回国会 厚生労働委員会 第1号
平成十五年三月十八日(火曜日)
   午後零時十一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         金田 勝年君
    理 事         武見 敬三君
    理 事         中島 眞人君
    理 事         浅尾慶一郎君
    理 事         山本 孝史君
    理 事         沢 たまき君
                狩野  安君
                鴻池 祥肇君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任   
     谷  博之君     高橋 千秋君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任   
     高橋 千秋君     谷  博之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                中島 眞人君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       渡辺 具能君
       厚生労働大臣政
       務官       森田 次夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政の基本施策に関する件)
 (平成十五年度厚生労働省関係予算に関する件
 )
 (派遣委員の報告)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る平成十四年十二月十三日、西銘順志郎君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金田勝年君) 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障及び労働問題等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(金田勝年君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生労働行政の基本施策について、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働委員会の御審議に先立ち、厚生労働行政についての所信を申し述べ、委員各位を始め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 現下の雇用失業情勢は、完全失業率が過去最高水準に並ぶなど大変厳しい状況にあり、今後不良債権処理の加速による雇用への影響も懸念されるところです。昨年末、雇用問題に関する政労使合意を取りまとめましたが、雇用問題は政労使が一体となって取り組むべき緊急の課題であります。
 厚生労働省としましては、平成十四年度補正予算に盛り込まれた、不良債権処理に伴い生じる離職者の再就職支援、緊急地域雇用創出特別交付金制度の拡充、キャリアコンサルティングの充実などの施策に全力で取り組み、雇用対策に万全を期してまいります。内定率が過去最低である新規高卒者等厳しい雇用環境にある若年者につきましても、就職未内定者へのきめ細かな就職支援や学校等と連携をした職業体験機会の促進等、総合的な対策を展開してまいります。
 厳しい雇用失業情勢や働き方の多様化等に対応するため、雇用に関する制度改革も喫緊の課題です。将来にわたり雇用のセーフティーネットとしての安定的な運営を確保するため、雇用保険法等の改正法案を提出いたしました。
 また、労働力需給の迅速、円滑、的確な結合を促進すべく、職業紹介事業や労働者派遣事業の見直しを内容とする法案や、有期労働契約の見直し、解雇ルールの明記等を内容とする労働基準法の改正法案、さらに、駐留軍関係離職者や漁業離職者の再就職促進の措置を継続する等のための法案も今国会に提出したところであります。
 私は、中長期的な展望に立った雇用政策として、労働生産性を高め、労働時間を短くして国民がバランスが取れた生活のできる雇用重視型社会を目指しております。このため、労働時間については、政府目標である年間千八百時間の達成に向け、いわゆるサービス残業の是正を始め、所定外労働の削減等に重点的に取り組んでまいります。
 また、昨年末の多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意を踏まえ、現実にワークシェアリングの導入が進むよう、その普及促進策に積極的に取り組んでまいります。さらに、今後のパートタイム労働対策についても、正社員との均衡処遇の在り方等の検討を進め、早急に結論を得て実施に移してまいります。
 急速な少子高齢化が進行する中で、国民の安心と生活の安定を支える社会保障制度につきましては、将来にわたり持続可能で安定的なものとして維持していくため、国民の皆様の理解と協力を得ながら、引き続き、必要な制度改革に全力で取り組んでいく必要があります。
 とりわけ、公的年金は、高齢期の生活の基本部分を支える掛け替えのない役割を担っており、こうした役割を持続的に果たせるよう、長期的に安定した制度を確立する必要があります。昨年末に次期制度改革の骨格に関する方向性と論点を取りまとめましたが、今後は、これを基に、国民的な御議論をいただきながら、給付と負担の在り方とそれらの調整方法、保険料引上げの凍結解除や基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げなどの課題に取り組んでまいります。併せて、保険料収納対策の徹底や、年金個人情報の提供の充実などに努めてまいります。なお、年金等の額について、平成十四年の消費者物価指数の下落分のみの改定を行うための法案を提出したところであります。
 医療制度につきましては、国民皆保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療を国民が享受できるよう、昨年、健康保険法等の改正を行ったところでありますが、更なる改革のため、医療保険制度の体系の在り方、診療報酬体系の見直し等の基本方針や、医療提供体制の改革ビジョンをそれぞれ今年度中に策定いたします。また、政府管掌健康保険についても、事業運営の効率化や被保険者証のカードによる一人一枚化を進めてまいります。
 併せて、昨年成立をした健康増進法に基づく基本方針の策定等健康作りの取組や、小児を含めた救急医療体制の整備等の取組も進めてまいります。
 介護保険につきましては、三年ごとに市町村の事業計画の見直しを行うこととしており、現在、各市町村において、本年四月からの新たな事業運営に向けた準備を進めております。国としましても、市町村の介護保険の安定的な運営を確保するための措置を講ずるとともに、在宅重視、自立支援の観点を踏まえた介護報酬の見直しを行うなど、介護サービスの質の向上や基盤整備に取り組んでまいります。
 急速な少子化の進行は、今後の我が国の社会経済、特に世代間扶養を基本とする社会保障制度に重大な影響を与えるものであり、国の基本政策としてその流れを変えるためのもう一段の取組を強力に進める必要があります。
 このため、まず、昨年策定しました少子化対策プラスワンを発展させた政府としての取組方針を取りまとめるとともに、国、地方公共団体、企業が一体となった子育て支援策を推進するため、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法改正法案を今国会に提出いたしました。
 また、放課後児童クラブや子育て家庭の「つどいの広場」の整備等地域における子育て支援の充実、男性を含めた働き方の見直しなどの課題にも積極的に取り組み、待機児童ゼロ作戦などの推進とも相まって、家庭や地域における子育て機能の再生を目指してまいります。
 国民の生命と健康を守るため、最新の科学的知見に基づき、HIV感染事件等の経験も心に刻み、最大限の努力を重ねていく必要があります。
 食品の安全につきましては、BSE等を契機にした国民の不安や不信を払拭するため、現在、食品安全委員会の設置や食品安全基本法の制定等、政府全体で取組を進めております。リスク管理を担う厚生労働省においては、食品の安全性の確保を通じ国民の健康の保護を図るため、食品衛生法の抜本改正など関連法案を提出いたしました。
 医薬品、医療機器等につきましては、昨年、薬事制度、血液制度を抜本的に見直したところであり、その円滑な施行に取り組んでまいります。また、昨年策定しました医薬品産業ビジョンを着実に推進し、医療機器に関する産業ビジョンも早急に策定いたします。
 障害者施策につきましては、昨年末に策定された新しい障害者基本計画及びその重点施策実施五か年計画を着実に推進いたします。また、本年四月から始まる障害者福祉サービスに係る支援費制度が、利用者の立場に立ったものとなるよう、その円滑な施行に取り組んでまいります。
 また、精神保健・医療・福祉対策につきましては省を挙げて推進しており、前国会で継続審議とされました心神喪失者等医療観察法案につきましても、一日も早い成立をお願いいたします。
 さらに、難病対策や肝炎対策につきましても総合的な取組を進めてまいります。
 援護行政につきましては、戦没者の遺骨収集や慰霊事業、中国残留邦人等に対する支援の充実などに努めてまいります。また、戦没者の妻及び父母に対する特別給付金を来年度以降も継続して支給するための法案を提出いたしました。
 なお、国立病院・療養所を始め、前国会で成立した独立行政法人関連法律を踏まえ、諸準備を適切に進めるとともに、公益法人改革の一環として、検査機関、研修等の指定制度を登録制度に変更するための法案を今国会に提出したところであります。
 厚生労働行政には、このほかにも多くの課題が山積しております。私は、これら諸課題の解決に向けて全力を尽くしてまいりますので、委員長を始め、皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げますとともに、特に今申し上げました提出法案の一日も早い成立をお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(金田勝年君) 次に、平成十五年度厚生労働省関係予算について説明を聴取いたします。木村厚生労働副大臣。
#8
○副大臣(木村義雄君) 厚生労働副大臣の木村でございます。鴨下副大臣並びに渡辺、森田両政務官とともに大臣を支え、委員長を始め委員各位の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、お手元の資料に基づきまして、平成十五年度厚生労働省関係予算案の概要について御説明を申し上げます。
 まず、平成十五年度厚生労働省所管一般会計予算の規模は、総額十九兆三千七百八十七億円、対前年度七千百三億円、三・八%の増加となっております。
 次に、予算の主要事項について御説明申し上げます。
 第一は、一ページから六ページに掛けての、次世代の育成を支援する少子化対策の推進です。少子化の流れを変え、次世代の育成を支援するため、昨年九月に少子化対策プラスワンを策定し、子育て家庭を社会全体で支援するとともに、地域における子育て支援体制や保育サービスの充実、働き方の多様化に対応した改革など、各種施策を総合的に推進してまいります。
 さらに、児童虐待防止対策を推進するとともに、増大する母子家庭等についても、子育て支援や就労支援等を充実してまいります。
 第二は、七ページから九ページに掛けての、国民の健康を守るための食品安全対策の整備です。食品衛生法の抜本改正等により、新たな食品の安全確保の仕組みを構築するため、残留農薬基準の整備、食品添加物の安全性確認の徹底、輸入食品や健康食品などの安全確保対策を推進するとともに、食品の安全性確保に係る研究を充実し、国民の健康を守るための食品安全対策を整備してまいります。
 第三は、十ページから十三ページに掛けての、新たな挑戦や再挑戦がしやすい労働市場の実現です。現下の厳しい雇用失業情勢及び不良債権処理の加速する過程における影響に対応し、早期再就職及び雇用機会の創出を進めるとともに、新たな挑戦や再挑戦がしやすい労働市場の実現に向け、官民による労働力需給調整機能の強化などを進め、円滑な労働移動の支援を強化してまいります。また、地域の課題にこたえる地域雇用開発の促進など、良好な雇用機会の創出、確保等を図ってまいります。なお、雇用保険については、制度の安定的な運営を図るため、基本手当の見直しなど、給付と負担の両面からの見直しを行い、雇用のセーフティーネットの整備を図ってまいります。
 第四は、十四ページから十六ページに掛けての、人間力の向上を目指した人材育成の推進です。次代の日本を支える若年者の総合的な雇用・能力開発対策の推進、経済社会の変化や技術革新に機動的に対応できる能力開発システムの構築など、人間力の向上を目指した人材育成を推進してまいります。
 第五は、十七ページから十八ページに掛けての、多様な働き方を可能とする労働環境の整備です。多様で柔軟な働き方を可能とする環境を整備するとともに、労働者の安全、健康の確保などだれもが安心して働ける環境づくりを推進してまいります。
 第六は、十九ページから二十二ページに掛けての、活力があり、安心できる高齢社会の実現です。急速に高齢化が進展する中、健康作り施策を推進し、六十五歳までの雇用の確保や中高年齢者の再就職を促進するとともに、介護サービス基盤の整備、介護サービスの質の向上等への支援を行います。なお、介護報酬につきましては、賃金、物価の動向等を踏まえ、見直しを行います。また、国民年金等については、保険料を負担する現役世代との均衡にかんがみ、高齢者等の生活に配慮しつつ、特例として平成十四年の消費者物価の下落分であるマイナス〇・九%のみによる年金額の改定を行うこととしております。
 第七は、二十三ページから二十六ページに掛けての、障害者の自立、社会参加の推進と良質な福祉サービスの提供です。
 障害者基本計画重点施策実施五か計画(新障害者プラン)の実施を軸として、雇用と福祉の連携等による障害者雇用の推進や平成十五年度から実施される支援費制度の円滑な施行等を推進してまいります。また、ホームレスの自立支援等に関する施策を一層推進するとともに、良質な福祉サービスを提供するための体制整備を進めてまいります。なお、生活保護については、平成十五年度の政府経済見通しの民間最終消費支出の動向を基礎とし、国民全体の消費水準との均衡を図るための生活扶助基準等の改定を行うとともに、引き続き、その趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。
 第八は、二十七ページから三十ページに掛けての、質の高い医療の確保等のための施策の推進です。総合的な医療安全対策、医療のIT化等を着実に進めるとともに、医療従事者の確保と資質の向上を図るなど、医療提供体制の整備を図ってまいります。
 第九は、三十一ページから三十二ページに掛けての、科学技術の振興及び産業の国際競争力の強化です。先端医療を実現するとともに、医薬品、医療機器等の産業活性化を推進してまいります。
 あわせて、三十三ページから三十五ページですが、世界保健機関や国際労働機関等の国際活動の支援、戦傷病者、戦没者遺族や中国残留邦人などの援護対策、生活衛生関係営業の振興、原爆被爆者対策など、諸施策を推進してまいります。
 以上、主な内容について御説明をしましたが、お手元の資料のうち、特別会計予算案の概要につきましては、説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#9
○委員長(金田勝年君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#10
○委員長(金田勝年君) 次に、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。沢たまき君。
#11
○沢たまき君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る一月十四日及び十五日の二日間、金田委員長、武見理事、山本理事、狩野委員、堀委員、風間委員、井上委員、森委員、大脇委員及び私、沢の十名により、秋田県及び宮城県の社会保障及び労働問題等に関する実情を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 一日目は、まず、秋田県庁におきまして、秋田県の健康福祉・生活衛生の概況及び雇用失業情勢・雇用創出プログラムの概況並びに秋田市の福祉施策の概況についてそれぞれ説明を聴取し、少子化対策の在り方、介護保険の施設整備の在り方及び多様な働き方に向けた取組等について、寺田秋田県知事、佐竹秋田市長のほか、関係者の皆様方と意見交換を行いました。
 秋田県は、出生数が平成七年より一万人を割り込むとともに、平成十三年十月現在、高齢化率が全国第二位の二四・三%となるなど少子高齢化が進んでおり、平成二十二年には全国一の高齢県になるとされております。こうした状況に対応するため、秋田県では、少子・子育て対策推進本部を設置して少子化対策に取り組むとともに、「お達者あきたサポートプラン」に基づき、介護保険制度が適切に運営できるよう市町村に支援を行っているとのことでありました。
 また、高齢者、障害者等を含むすべての県民が安全な環境の下で安心して生活し活動できる社会の実現を図るため、平成十三年三月には秋田県バリアフリー社会の形成に関する条例を制定の上、「あきた二〇一〇チャレンジ・プラン」を策定し、各種施設整備のほか、グループホームや小規模作業所の充実、障害者雇用の促進など自立に向けた施策を推進しているとのことでありました。
 一方、現下の厳しい雇用失業情勢に対応するため、平成十三年九月には企業活性化・雇用緊急対策本部を設置し、二次にわたる雇用創出プログラムの策定、実施により県内企業の活性化を図るとともに、平成十六年度までに二万二千人の雇用創出を目指しているとのことでありました。
 次に、秋田県脳血管センターを訪問し、概況説明を聴取した後、血流・代謝測定装置であるポジトロンCT装置やメスを用いず脳治療を行うガンマナイフ装置を有する施設を視察し、高度先進医療の在り方、治療と予防の連携策等について意見交換を行いました。同センターは、秋田方式と称される脳卒中救急医療システムの確立に大きく貢献するとともに、秋田県の県民病とまで言われている脳卒中の治療と研究を通じて医療の進歩と県民医療の向上を図ることで、今後も特定承認保険医療機関としての役割を期待されているところであります。
 次に、福祉複合施設であります「ウェルビューいずみ」を訪問し、概況説明を聴取した後、福祉施設を複合型で運営することのメリット、地域と福祉施設との交流の在り方等について意見交換を行い、保育所、知的障害者通所授産施設及び高齢者の生活支援施設を視察いたしました。本施設では、児童施設、障害者施設、高齢者施設を複合して運営することにより、子供、障害者、高齢者とその家族が施設内で自然に触れ合い相互理解を深めるとともに、地域の方々と交流することによって、年齢や障害を超えたノーマライゼーションの実現を目指しているとのことでありました。
 次に、秋田社会保険事務所を訪問し、秋田県における社会保険事業の概況説明を聴取した後、年金相談業務体制の在り方、社会保険の適用逃れへの対応策等について意見交換を行い、事務所内を視察いたしました。
 そして最後に、ハローワーク秋田を訪問し、秋田県の労働行政の概況とハローワーク秋田の業務の概況についてそれぞれ説明を聴取した後、新規高校卒業予定者の就職内定率向上に向けた取組、中高年齢者の雇用対策等について意見交換を行い、ハローワーク内を視察いたしました。
 二日目は、宮城県庁におきまして、宮城県の厚生労働施策の概況、東北厚生局の業務の概況、宮城県の労働行政の概況についてそれぞれ説明を聴取し、障害者対策の在り方、児童虐待防止に向けた取組、効果的な子育て支援策等について、浅野宮城県知事を始めとする皆様方と意見交換を行いました。
 宮城県は日本一の福祉先進県づくりを県政の大きな柱に掲げ、「みやぎの福祉・夢プラン」を策定し、地域で自分らしい生活を安心して送ることができる社会の実現に向けて積極的に事業を展開しており、児童虐待・不登校児童への対応、精神障害者の地域生活支援、障害者の雇用・就労対策、権利擁護の推進等について施策の充実を図っているとのことでありました。
 また、現下の厳しい雇用失業情勢への対応については、平成十一年度から産業経済の力強い振興と発展に向け、農業、林業、水産業、工業、商業及び労働の各分野の連携を強化し、情報、人材、技術、経営ノウハウなどの共有化を図りながら、生産から加工、流通、販売まで一体となった支援体制を整備するため産業経済部を設置し、この産業経済部が総合的な視野に立って県民生活の安定と雇用機会を創出する総合雇用経済対策を推進しているとのことでありました。
 次に、仙台キリスト教育児院を訪問し、宮城県の児童福祉施策の概況と施設の概況について説明を聴取した後、虐待を受けた児童のケアの在り方、児童養護施設の在り方等について意見交換を行い、児童養護施設である「丘の家子どもホーム」、乳児院である「丘の家乳幼児ホーム」、そして情緒障害児短期治療施設である「小松島子どもの家」を視察いたしました。児童虐待、不登校、いじめなど子供を取り巻く問題が増加、複雑化している現状を考え、同院ではこうした現実に子供たちが正面から向かい合い、自ら認識することで一日も早く親や家族の下で生活できるよう、職員と子供の対話を大切にし、親も含めたケアに努めていきたいとのことでありました。
 最後に、今回の委員派遣に当たりまして、秋田県、宮城県及び訪問先の関係者の方々に特段の御配慮をいただきましたことを、この場をおかりして心から御礼を申し上げたいと存じます。
 なお、秋田県及び秋田市並びに宮城県の概況説明に際しまして、当委員会に対し厚生労働行政全般にわたる要望等がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願いを申し上げます。
 以上で委員派遣の報告は終わります。
#12
○委員長(金田勝年君) 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました現地の要望等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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