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2003/03/27 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第5号
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2003/03/27 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第5号

#1
第156回国会 厚生労働委員会 第5号
平成十五年三月二十七日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       外務大臣官房審
       議官       原田 親仁君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    河村 博江君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦
 没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○平成十五年度における国民年金法による年金の
 額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局長河村博江君外五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(金田勝年君) 次に、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
#5
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 戦没者の妻及び父母等に対しましては、これまで特別給付金として国債を継続して支給してきたところでありますが、これが最終償還を終えるため、今回、これらの方々に対し、改めて特別給付金を支給することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。
 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。
 これは、国債の最終償還を終えた戦没者等の妻に対し、特別給付金として二百万円、十年償還の無利子の国債を改めて支給すること等の措置を講ずるものであります。
 第二は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正であります。
 これは、国債の最終償還を終えた戦没者の父母等に対し、特別給付金として百万円、五年償還の無利子の国債を改めて支給すること等の措置を講ずるものであります。
 次に、平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について申し上げます。
 公的年金制度及び各種手当制度につきましては、国民年金法等の定めるところにより、毎年の消費者物価指数の変動に応じた物価スライドを実施することとなっており、平成十五年度においては、平成十四年の年平均の全国消費者物価指数が、平成十年に比べ二・六%の下落となったことから、国民年金法等の規定に基づくと、これに応じた減額改定を行うこととなります。
 近年の物価の下落に対しましては、平成十二年度から十四年度までの過去三か年におきましては、社会経済情勢にかんがみ、公的年金等の額を据え置く特例措置を講じてまいりましたが、他方で保険料を負担する現役世代の賃金の低下傾向が明確になってきたことなどを総合的に勘案し、平成十五年度における特例措置として、平成十三年の年平均の消費者物価指数に対する平成十四年の比率であるマイナス〇・九%を基準として公的年金等の額を改定することとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
 平成十五年度において、特例として、国民年金、厚生年金、児童扶養手当等について、平成十三年の年平均の消費者物価指数に対する平成十四年の比率を基準として額の改定を行うこととしておりますほか、次期財政再計算において、特例措置を講じたことによる財政影響を考慮して、給付額や物価スライド規定の在り方等について検討することとしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成十五年四月一日としております。ただし、児童扶養手当につきましては、平成十五年十月分から額の改定を行うこととし、それまでの間は額を据え置くこととしております。
 以上が両法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
#6
○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○山本孝史君 おはようございます。連日の審議で大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願い申し上げます。
 まずは、法案の審議に入る前に、本日は二法案が付託をされて委員会で審議することになりましたけれども、我々野党側は、今回、日切れ法案として同意をいたしましたが、同様に出しております日切れ法案でありますサラリーマンの医療保険窓口三割負担の凍結法案については、残念ながら与党の皆さん方の御賛同が得られずにこの会議に付託がされておりません。そういった、私、与党としては大変不誠実だと思いますし、まして議員が提出している法案を議会で審議をしないということは、国会の機能として自ら弱める行為であるということをまず指摘をしておきたいというふうに思います。
 まず、本日提出されております法案のうちの戦没者の妻等への特別給付金の関係の法案について質問したいと思います。ちょっと後で質問を追加した項目がありますので、はしょりながら御質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 まず大臣に、最初の二問一緒にしてお伺いをさせていただきたいと思いますが、なぜ今回の戦没者の妻あるいは父母に対する特別給付金が一時金という形で支給をされるのかということについてお伺いをしたいと思います。この給付金の性格は、政府によれば慰藉だというふうに言われております。しかしながら、毎年給付するのではなく、一時金ということで一度にまとめて給付をすることになっております。私は、そうすると受給権者が死亡しますと、その受給権は戦没者と縁もゆかりもない方に相続をされるということもあり得るわけであります。そういうことを考えますと、今回ですと、例えば二百万円の一時金を、給付金を一度に手渡すのではなくて、毎年、例えば八月十五日に仏前に国からの慰藉の念を記した手紙とともにお仏壇にお供えをしてもらうということが私は本来の姿ではないかというふうに思うわけですね。
 そういう意味で、なぜ十年間の国債、もちろん毎年償還されるわけですけれども、一時金で支給をするのか、心がこもっていないようにも思うんですが、その点と、こうしたことについてどういうふうにお考えになるか、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
#8
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生おっしゃっているように、特別給付金は国債という形で償還をされるわけでありますけれども、年金とは違って、これは特別給付金として国が慰藉をするというようなことで、御遺族に対して一層国の慰藉を実感していただくと、こういうような趣旨でございますので、恩給や援護年金に加えて加算すると、こういうような趣旨とは多少違うんではないかと、こういうようなことであります。
 今、先生おっしゃっているように、一年ごとに八月十五日と、こういうような御趣旨の話もありましたが、ある意味でまとまった金額を一時差し上げて、それに対してそれぞれ償還をしていただくと、こういうようなことが一層国の気持ちを実感していただけると、こういうようなことであります。
#9
○山本孝史君 昨日の質問通告から内容が変わっているんで、ちゃんと聞きながら答弁していただきたいんだけれども、一時に、全然日にちも関係なく二百万円ぽんともらって、そのもらった方がお亡くなりになると、本来の戦没者の遺族でない方に相続されることもあり得るわけですね。そうではなくて、本当に国が慰藉の念を表すというのであれば、毎年その方が亡くなった日あるいは八月十五日なりに、国が本当にありがとうございましたというお手紙を添えて仏壇に供えていただくように遺族に手渡しをするのが本当に心のこもった方法なんじゃないんですか。一時に二百万円ぼんと、今時二百万円ぼんともらって、ううんと、こう思うけれども、金額もそうだと思うけれども、私は財政上の問題を言っているんではなくて、本来心を表すのであれば、それが本来のやり方なんじゃなかったんですかと。昔からこうやってきたけれども、今この時点で考え直して、心を重視する小泉政権としたら、そういう方法に改めてもよかったのにねということを申し上げているわけ。
 同じように、済みません、二本やらなきゃいけないので、在外被爆者の問題について大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、大臣も真摯に受け止めをしていただいて、検討会を設けていろいろと施策を講じていただきました。関連した裁判の判決を受けて政省令をどんどん改正をしていただいておりますので、ある意味で国内におられる被爆者と在外被爆者の格差は随分となくなってきたというふうに理解をしております。残されている課題は二つだと思うんです。
 一つは、いったん認定をされて手当を受けて外国に行かれた方たちに、その後三年とか五年後に更新をするときに、もう一度日本に来てくださいと言うかどうかという問題。この問題について大臣は、それは検討してみたい課題であるということを委員会の中で御答弁をされておられます。その方向性をどう考えるかということです。まず、この点をお聞かせをください。
#10
○国務大臣(坂口力君) 一度認定をした方々に対してどうするかという問題でございますが、これは、正しくこの趣旨はいわゆる健康管理という名目で出ているものでございますので、私はその方の健康状況あるいは病名といったことによってかなり違うというふうに思っております。
 非常に生活習慣病みたいな形でもう長期に及ぶ、そう年齢を重ねていくわけでありますから良くならないというような病気につきましては、それはもう長期間、それはもう再審査をしなくてもいいのではないかというふうに思っております。中にはもう一遍でいいというものもあるいはあるかもしれないというふうに思っております。ただし、例えば貧血がありますとか、少し治療していただきましたら元に戻りますというようなものにつきましては、例えば三年とか、そうした期限を切ってもう一度これはお願いをしなければならないのではないか。
 その辺の振り分けをして、もういいものはいい、そしてうんと長くしていいものは長くするといったようなことの少し整理をさせていただきたいと思っているところでございます。
#11
○山本孝史君 是非その方向でやっていただきたいというふうに思います。
 そうしますと、残る課題はもう一つなんですね。まだ原爆症と認定されていない、被爆者と認定されていない、日本に来たことがないという外国におられる在外被爆者の方にどのような対応をするか。今の大臣の御答弁を踏まえて言えば、一遍日本に来て被爆者と認定されて健康管理手当を受ければ、それはそれで、あと症状によっては更新は外国にいてもそのままできるということになりますが、日本に来たことのない人をどうするかという問題が残ると思うんですね。
 これは、私、民主党の中でいろいろと被爆者の問題考えてきましたけれども、こうなってくると、やっぱり被爆者援護法の改正をしないことには、日本に来たことのない人まで対応するというのは無理なんじゃないかなと思うんですが、しかしながら、被爆者はどこにいても被爆者だということはやっぱりそのとおりだと思うんで、この法律改正を少し御検討いただけないものだろうかと。
 日本に来なくても、日本から外国へ医師団なりあるいは認定する人たちが調査に出掛けていって、中国残留孤児の場合は日本から中国へ出ていってどうかということを調査して、その資料を持って帰ってきて日本で認定しているわけですから、それと同じように、日本から政府が調査団を派遣して、現地の方たちにお会いになって、それで広島なり長崎なりの方たちの御協力を得ながら認定をして、そして手当の給付をするという形は法律改正でないと私は無理だと思いますけれども、なくてもできるんならその形にもう一歩踏み込んで御検討いただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(坂口力君) ここは、衆議院の予算委員会であったというふうに思いますけれども、御答弁を申し上げた中でも、一遍だけは是非日本に来ていただきたいということを申し上げたところでございます。
 日本で被爆されたわけでありますから日本におみえになったことは間違いがないわけでありまして、その皆さん方の中で、しかしこれは本当に被爆に値する人なのか、それともこれはもう全く考えにくい人なのかという多少の振り分けみたいなことはする必要も出てくる可能性はあると思うんです。せっかく来てもらって、それで日本の中で、せっかく来てもらったけれども全然違っていたというのでは話にならないわけでありますから。
 そうした振り分け等につきましては、それは現地へ行っていろいろお聞きをして、やはり振り分けする。ただし、あなたはひとつ是非日本へ行ってこの施設に申請をして、そして手帳の交付を受けてくださいと、飛行機代もちゃんと用意をしておりますということで、可能な人はそれで可能にしていただければ有り難いというふうに我々は思っている次第でございます。
#13
○山本孝史君 それが可能でない人をどうするかということをお尋ねしているわけですね。
 私は別に認定を甘くしろとか御本人の申立てだけで認定してくださいと申し上げているわけじゃないんで、同じようにやはり、当時どこに住んでいて、そしてそれを証言する人がいてという手続は踏まなければいけないと思うけれども、日本に来なければいけないということではなくて、同じことは外国におられてもできるんだと思うんですね。
 これまでずっと大臣先頭に、被爆者援護法の現行の法制度の中で政省令を改正してできることはやろうということで、どんどん広げてきてくださったと思うけれども、最後、この一点が超えられないとやっぱり日本に来てもらわないといけないという話になる。
 そういう意味で、ここは検討していただけないんだろうかと。今の御答弁だとそれから先へ進まないものですから、御検討していただく余地はあの検討会の私は報告を聞いていてもあり得る話だと思うので、もう一度検討会報告の原点に戻って政府として御検討していただくことはできないんだろうか、再度お尋ねしたいと思います。
#14
○国務大臣(坂口力君) 検討会の原点に戻ってやりたいというふうに思っておりますが、問題は御病気で動けないような人をどうするかということになるのかなというふうに思います。検討会の原点に戻りましていろいろの議論をしていただきました結果を出していただいておりますので、それらを十分に踏まえてやりたいというふうに思います。
#15
○山本孝史君 済みません、どうぞよろしくお願いします。
 それから、昨日も大脇議員が御質問されておられました中国残留邦人の支援の問題で私も質問させていただきたいというふうに思います。
 昨日の御答弁で、帰国をされた中国残留邦人の皆さんが生活保護に頼らざるを得ないことは問題であるという御認識を大臣がお示しになったと受け止めております。そうしますと、今あります中国帰国者の支援法を改正して、生活保護に代わって自立支援金あるいは中国帰国者援護金を支給してはどうかと、これは請願も出ておりまして、いろいろと御要望のあるところでございますけれども、改めて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(坂口力君) 中国からお帰りになります皆さん方、いわゆる戦争孤児というふうに言われております皆さん方の状況も最近はかなり変化をしてきているようでございます。
 先日も施設にお邪魔いたしまして、いろいろ職員の人にもお聞きをしたわけでございますが、お子さんを連れてお帰りになって、そしてこちらの方でいろいろ語学の勉強等をして、そしてお子さんはこちらで就職できるようにしたいと。それを見届けて御本人はまた中国へ帰られるという方も最近はかなり増えてきているようでございます。それも一つの方法かもしれないというふうには思うんですが、これは御本人の意思でございますから。しかし、そうではなくて、やはり最後まで日本で生活をしたいというふうに思われる皆さん方に対してどうしたらいいのかということだと思うんです。
 昨日もお話ございましたとおり、六五%の皆さん方が生活保護をお受けになっている。最近、若干生活保護をお受けになる皆さん方の割合は下がってきているようでございますが、それにいたしましても六〇%ぐらいはあるということだろうと思うんです。
 これは、中国にとどまらず、これから北朝鮮の問題がどうなるかは分かりませんけれども、もし北朝鮮との話合いが進んで、そしてその中で同様な方々がおみえになるということがもしあるとするならば、最近非常に中国からは減ってきておりますけれども、そうではなくて、また非常に一時的に増えるというようなこともあり得るわけでございます。そうした場合に、その皆さん方には生活保護を最終的にはお出しをするという行き方がいいのかどうかということなんだろうというふうに思うんです。
 これは、世代によってもこの生活保護に対する受け取り方は違うと思うんですが、我々の世代でありますと、どちらかといいますと、生活保護ということに対して何か冷たな感じを持つわけでありまして、もう少し同じ財政的な支援をするのであれば温かみのある使い方ができないのだろうかという気持ちがあるものですから、率直な私の気持ちを昨日申し上げたところでございます。
 これらの問題につきましては、今後ひとつよく検討したいというふうに思っておりますが、しかし今までのところは、いろいろ考えてはきたけれども適当な方法が見付からないということで、事務局レベルではこれはもういかんともし難い問題だというふうに思っているわけでございまして、そこを今後諸般の事情も勘案をしてどのようにするかということではないかというふうに思っております。
 ただ、引き揚げてくる皆さん方の中にもお子さんの問題もあるわけですが、それは私は別問題だと。その御本人に絞って、その人たちの問題がどうなのかということなんだろうと。中には、語学の壁も乗り越えられて立派に就職をされている、お仕事をなすっている方もあるわけでございますから、その人たちの意欲をそぐようなこともいけないというふうに思うわけでありまして、それらのことを十分に念頭に置いて今後の問題考えたいというふうに思っております。
#17
○山本孝史君 立派にやっておられる方がおられるのは私も存じ上げておりますが、生活保護の受給率、あるいはそのお年等を考えますと大変に厳しい状況だと思います。
 今おっしゃいました御家族を含めてどう考えるのか、あるいは御本人のことをどう考えるのか、それはいろいろと制度の仕組み方があろうというふうに思いますけれども、同じように国としてお金を使うのであれば、やはり私は心のこもったお金の使い方というものを考えていくべきじゃないだろうかというふうにも思います。
 ただ、御本人の選択ですから、日本で余生を送りたい、あるいはもう一度中国に戻りたい、それは様々だというふうに思いますけれども、しかし我々として認識をしておかなければいけないと思うのは、日本政府がやはりこういった皆さん方に大変に冷たい対応だったというふうに思うんです。とりわけ家族というものをどうとらえるのか。今回、北朝鮮の拉致被害者の家族の皆さん方、被害者御自身、日本に帰ってこられていますけれども、御家族はまだ北朝鮮におられるわけですね。皆さん方も、その被害者の御家族の方が一生懸命声を上げられて、言わば御自身で運動されてようやく今回、二十年を超える長い中で帰国をされてきたわけでして、そういう意味で政府はその間何もしてきていないんです。中国残留邦人も残念ながら何もしてきていないんです。
 三十四年に未帰還者の特別措置法を制定して、戦時死亡宣言制度によって残留孤児の存在を知りつつも戸籍上は全部抹消してしまったわけですね。死んでしまったことにした。昭和四十七年に日中国交が回復をしても、それを受けて北京の日本大使館に私も日本に帰りたいとお申出があっても、それに日本がちゃんと対応してきたわけではないと。ようやく訪日調査が始まったのは、日中国交が回復してから九年たった昭和五十六年ですから、この九年間の空白は非常に大きいと皆さんはおっしゃっておられるわけですね。
 そういう意味で、個人の問題ではなくてやはり政府がかかわった私は問題だというふうに思いますので、今後とも是非、今お考えをいただけるようなニュアンスに受け止めましたけれども、この中国残留孤児の皆さん、あるいは邦人の皆さんの日本での支援の在り方、今後ともに是非考えていただきたい。田中真紀子さんが提出されて支援法が議員立法された場所に私もおりましたけれども、議員立法で政府としてやれないというのであれば、是非議場におられる議員の皆さん方もお考えをいただいて、あの法律を改正して、さらに皆さん方に安心して日本で生活していただけるような法制度を準備をしたいというふうに思います。
 やっぱり、私はもう少し心を持って取り組んでいただきたいというのは、今日は急に法務省の方にお願いをしまして申し訳ありませんでしたけれども、在留特別許可の取扱いの問題でございます。
 私は今、昔の議事録を振り返っておりましたら、ちょうど三年前の二月二十二日に、衆議院の予算委員会で当時の臼井法務大臣に同じように質問をさせていただいておりますけれども、今般も私、地元の大阪市の東淀川区の住民の方々から、吉岡勇さんとおっしゃいますけれども、三重県生まれの中国残留孤児の方でいらっしゃいまして、その方の御家族の在留特別許可を求めて今署名運動をPTAですとか地域の住民の皆さん方がやっておられます。
 少し長くなりますけれども、是非この状況を認識していただいて、法務省あるいは厚生省に対応をお願いをしたいというふうに思いますが、吉岡さんは七七年に中国で御結婚をされました。奥さんが再婚でございまして、連れ子であった娘さんの尚秀娟さんが六歳、息子さんの尚立斌さんが四歳のときから一緒に暮らしてこられました。八二年になって、結婚されて五年後に吉岡さんが残留孤児と認定をされて、九五年に御夫婦で永住帰国をされました。九七年には子供さんたちも正式な手続を経て日本に来られました。来日されたときに、娘さんは御主人と長男の三人家族、息子さんは奥さんとの二人家族でした。その後、娘さんに二人の子供ができて今五人家族、息子さんにも二人の子供ができて四人家族になっています。お子さんたちが九人の家族になっておられるわけです。
 昨年の十一月二十五日に、突然、入管職員がやってきまして、子供たちと吉岡さんとは血縁関係がないから、申し上げましたように連れ子でございますので、血縁関係がないからということで入国許可を取消しをしました。いつ強制退去命令が出るか分からないということで、今、法務大臣の在留特別許可を求めておられます。
 入国時に連れ子であるということは入管もそのときに知っております。虚偽の申請はしておりません。両家族は地域に溶け込んでいて、お孫さんがおられるんですが、脳性麻痺でいらっしゃるんですけれども、頑張って地域の人気者にもなっておられます。九人の家族は中国に帰っても生活はできませんし、子供たちの教育も保障はされません。何よりも、二十五年間も一緒に生活してきた家族のきずなを引き裂くことはできないというふうに思います。この点で是非対応をしていただきたいというふうに思います。
 日本では、連れ子との養子縁組は家族として法的に認められております。国連の国際人権規約でも認められております。しかし、中国残留邦人にはこのように強制退去を求められる連れ子や養子が大変に多いと今問題になっております。なぜか。法務省が告示で成人した連れ子や六歳以上の養子には定住資格を認めていないからであります。しかしながら、同じ連れ子や養子でも、インドシナの難民には養子の年齢制限はありません。ベトナム在住の家族の呼び寄せについても、家族構成等から見て人道上特に入国を認めるべき者には定住資格を与えるという人道配慮条項があります。しかし、中国残留孤児には認めておりません。
 三年前に御質問したときも、大臣は、個々のケースです、だけれども個々のケースで子供が学校に行っている等のことは十分に配慮して、人道上の配慮はしますというふうにおっしゃいました。しかし、三年たって同じ状況が続いております。なぜなんでしょうか。
 私は、政府が家族の範囲を血縁で決めるのはやっぱりおかしいと思います。実態として、戦後五十八年の間には離婚された方もあるし再婚された方もある。しかし、家族として生活をしている実態はあるんです。この実態を是非踏まえていただいて法務省にしっかりとした対応をしていただきたい。
 法務省が人権擁護法案を出しながら、片っ方でこんなことをやっているのは私は許されないと。文部省だって、教育基本法を改正して家族の大切さを強調しようとしているのに、なぜ家族のきずなを引き裂くようなことを現場でやらせているのか。私は政府あるいは今の行政に全く心が感じられない。だから、こういう政府のちぐはぐな姿勢は改めていただきたいということで、是非法務省、御回答をいただきたいと思います。
#18
○政府参考人(増田暢也君) ただいま委員お尋ねの事案は、今朝御通告受けたためにまだ詳細な事実関係を把握しておりません。差し当たり把握している限りでこの事案について申し上げますと、日系人を装って本邦に不法に上陸したことが判明したことから上陸許可を取り消して、現在、大阪入管で審理を行っていると承知しております。
 それはそれとして、委員の御指摘でございますが、連れ子について本邦で在留資格を与えるとすると定住者という資格を与えることが考えられるのですが、定住者の在留資格というのは特別な理由を考慮して本邦での居住を認めるという趣旨ですが、基本的には日本社会とのつながりを考慮してその外国人の居住を認める、こういう政策に基づくものでございます。一方では、専ら本邦に入国、在留することを目的として養子縁組するといったような乱用を避けなければいけないという考慮もやはり一定限度必要ではないかと考えているところです。
 委員の御指摘のとおり、例えば成年に達した連れ子につきましては、原則として本邦への入国は認められないこととなっております。しかしながら、本邦への入国の目的であるとか、あるいは本邦に入る前に本国でどのような家族としてどのような生活を送っていたのか、相互に親、子としてそれぞれどのように扶助する状況であったのか、家族としてどれだけの期間生活をともにしていたのか、その他、さらには委員の御指摘の人道上特に配慮する事情があるのかどうか、こういったことを総合的に考慮して、本邦に在留を認めるのが適当である、特別な理由があると認められるケースにつきましては、その理由を考慮して法務大臣が本邦への在留を特別に許可するということはございますし、現にこれまでもそのような運用は行っております。
#19
○山本孝史君 御説明はよく分かるんです。申し上げたように、三年前も質問して同じ御答弁だったから。いわゆる三年間の間に同じ状況が繰り返されていって、私はすべて簡単に認めてしまっていいとは申し上げていないんだけれども、しかし入管の姿勢なり、あるいは今申し上げたような種々の事情を考慮していただいた、私は法務省の対応を現場にちゃんと指示をしていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 二法案で年金の方の質問もしなければいけませんので、そのことはお願いをして年金特例法の方に質問を移りたいと思います。
 スライド制が適用されるわけですけれども、大臣、まず来年のこの時期に同じ法案が出ているだろうということを想定して御質問を申し上げるわけですが、この十五年度も物価が下がって賃金も下がったとした場合には、今年と同様に更に年金受取額を減額する法案を出すということになるのか。物価も下がって、あるいは賃金が下がらなかった場合は、どういう対応を取るのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(坂口力君) 来年どうするかということにつきましては、もう少し今後の状況を見させていただいてこれは結論を出させていただくということにせざるを得ないというふうに思います。今ここで先生にこうしますということはなかなか申し上げにくいわけでございますが、今回の改正におきまして、物価の下落だけではなくて賃金の低下ということが大きな要素であったことは間違いがないわけでありますから、私は年々歳々考え方の基準を変えるということは良くないというふうに思います。
 したがいまして、今年採用しました基準を中心にしながら、来年の問題をどうするかという今後の状況を見ながら判断をするということではないかというふうに思います。
#21
○山本孝史君 だから、その答弁がそもそも駄目なんじゃないんですか。物価スライド制というものを導入してそれに従ってやりましょう、しかし来年どうなっているか分かりませんが、そのときになったらまた考えましょうと、何か小泉さんと同じような雰囲気が漂ってくるけれども。
 そうじゃなくて、きちんとした原則があるわけだから。来年は恐らく物価も下がるでしょう、この一年間。そのときに賃金が下がったから今年は下げましたという説明をされるから、じゃ賃金が下がったら来年も下げるんですね。それは同じことをやるんでしょう。じゃ、賃金が下がらなかったときは来年どうするんですかと。これは来年になってからでないと分からないじゃなくて、今だって分かる話なんですよ。
#22
○国務大臣(坂口力君) ですから、今年決めましたのにはそれなりの基準を持って決めたわけですね。賃金はもうずっと下がり続けてきたわけでありますけれども、賃金じゃありません、間違いました、物価は下がり続けてきたわけですけれども、賃金が下がるところまでは今まではいっていなかった。しかし、賃金も下がるということがここに起こってきたといったことで、この二つがそろったことが一つの基準になって今年お願いをしていると。この基準というものはそう毎年変えるべきものではないということを私は申し上げているわけでございます。
#23
○山本孝史君 したがって、物価は下がったけれども賃金は下がらなければ今年の基準ではないから来年は下げないということになるんですね。
#24
○国務大臣(坂口力君) ですから、基準はそういうことだというふうに思いますが、今後の状況を見て判断をするということだと思います。
#25
○山本孝史君 物価スライド制を政治的に判断することが実は年金の不信を招いているんじゃないだろうか、そんなふうにも思うんですね。だからどうやってその下げていない部分を取り戻すかという話もあるんだけれども、その場になって考えるという話が一番問題なんじゃないだろうかと私は思います。
 元々、物価スライド制というのは、バブル期に、どんどん上がっていくときに無秩序に上げられちゃ困るんでということで、上を抑える形で物価スライド制が導入されたというふうに私は理解しているんですが、あのときには、物価スライド制を導入したときに物価が下がるということは想定してなかったんじゃないだろうかと。
 という意味において、今回異なったこの物価が下がるという事態を踏まえて異なった取扱いをすることにしてもよかったんじゃないかなというふうにも実は思うんですが、その辺はどんなふうに御理解しておられるでしょうか。
#26
○政府参考人(吉武民樹君) 先生御案内のとおり、物価スライド制は、賃金の再評価と併せまして、四十八年、昭和四十八年の年金の制度改正で導入をされております。このときは実はオイルショック、ドルショックによりまして非常に物価上昇が激しかったんですが、むしろその事態の前に制度改正を行っております。何といいますか、それまでの年金で申し上げれば、実質的な価値でありますとか、賃金の現在水準における評価というのがなされていない年金でございましたので、いわゆる公的年金の一番本質的な特質を持たせようということで行ったわけでございます。
 そのときの規定は、余り想定はしてなかったかもしれませんが、規定上は、物価が五%以上上がり、あるいは五%以上下がったときには年金額を改定するという規定を入れてございます。これは平成元年の制度改正で今の五%条項を取り外しておりますが、このときも、物価が上がったときはそれに応じて上げますし、それから下がったときは下げるという規定で置いておりますので、そう度々起こるような事態だというふうには考えてなかったと思いますが、しかし論理的には下がるときは下げるという、そういう規定を置いてございます。
#27
○山本孝史君 今日の答弁で、物価が下がっても賃金が下がっているかどうかによって判断するという新しい基準を示されたので、それが本当にいいのかどうかというのもまた、これも議論しなきゃいけませんけれども。
 私たちも大いに議論しました。若い人たち、保険料を払っている方からすると、やはり法律に書いてあるとおりにやってほしいという声も大きいものですから、私たちもいろいろと難しい判断をしておりますけれども、しかし、みんなの中で議論が出たのは、基礎年金の部分と報酬比例の部分とで物価スライドの適用の仕方を変えたらどうだと、基礎年金の部分をやっぱり下げない形で考えるというのはあるんじゃないかと、こう申し上げて、厚生省の担当者の方にもそんな案を申し上げているんですが、大臣、この辺はどうなんでしょう、そういう考え方はできないんですかね。
#28
○政府参考人(吉武民樹君) 年金の全体の給付で、基礎年金給付と報酬比例給付をどういうふうにして考えていくかというのは非常に基本的な重要な問題だろうと思いますが、ただ、スライドの場合、物価スライドの場合には、もちろん拠出によりましてお一人お一人の受け取られる年金額は非常に幅がございます。その違いがございますので、物価スライドはその違いがあるということを前提にいたしまして年金の実質価値を維持しようという仕組みでございますので、私どもはそういう意味では物価スライドは年金額の高低にかかわらず同じ率で行うのかなというふうに思っております。
 それから、ちょっと技術的な点で申し上げますと、実は六十一年以降の新規に裁定をしていただいた方は、御自分は基礎年金は幾ら、報酬比例年金は幾らというふうにお分かりなんですが、それ以前の厚生年金で申し上げますと、いわゆる定額と報酬比例一体として例えば十七万の年金ということでございますので、もちろん費用負担では基礎年金部分ということで全体で負担をしていただいていますが、受け取っておられる方は御自分の中の基礎年金部分がどこだということは実は必ずしも認識しておられない。そうしますと、そこでスライドの比率を変えますと、非常にそういう方にとっては分かりにくいというような問題も生じるんではないかというふうに思っております。
#29
○山本孝史君 技術的にはそういういろいろな話もあるんだと思いますが、しかし、私たちが考えたのは、やっぱり年金が少額の方たちがおられる、基礎年金の低い方たちもおられるので、やっぱり実質的に手取り額が減るというのは、物価でそうおっしゃるんだけれども、額面的には減るというのはやっぱり厳しい話だなというふうに思ったわけです。
 ところで、大臣にお伺いをしておきたいんですが、いよいよ来年に向かって年金改革でこれから案を作っていくわけですけれども、何を一番年金改革の最重要課題、これをやらないと駄目なんだというもの、何だというふうに大臣はお考えになっているんでしょうか。
#30
○国務大臣(坂口力君) いろいろの観点考えなければなりませんけれども、やはり一つは、現在の年金制度をしばしば変更をするというふうなことがあって国民の皆さん方の信頼を損ねている。したがいまして、この少子高齢化がこれからずっと続いていきますときに、将来このままで更に少子化が例えば進むといったようなことがありましても、もう変更をしなくてもいいようなシステムをやはり作っておかなければならないというのが一つだと思います。
 それからもう一つは、やはり現役世代の負担が余り過大になり過ぎては、これは若い皆さん方の年金離れというのが起こる可能性がございますから、やはりそれは配慮をしていかなきゃならない。若い世代の皆さん方の個々の負担が余り過大になり過ぎるということは、やはり防いでいかなきゃならない。そこには、やはり一つの限界を設けていかざるを得ないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、全体のこの年金制度の姿形といたしましては、ただ現在のこの年金制度の延長線上でいろいろの修正を加えるということにとどまらず、この年金制度全体の根幹にかかわるところにつきましても御議論をいただいて、そしてどういう形にした方がいいのか、最も望ましいのかということをお考えをいただきたいというふうに思っております。
 いずれの案にいたしましても、それはもうプラスの面とマイナスの面が両方付きまとうことは、これはもう間違いないわけでございますが、そうした中でどれを選ぶかという、どれを合意ができるかということをやはりこの委員会等におきましても十分な御議論をいただければというふうに思っている次第でございます。
#31
○山本孝史君 現行制度だけではなくてその先にあるものもとこうおっしゃって、私たちは基礎年金を税方式にしたらどうだとこう申し上げてきたわけですが、税方式にするということは今の現行制度とは全く違う制度になりますので、これも一つの形だと思うんですね。しかし、現行制度の中で考えていく、どちらにしてもその基礎年金の財源をどうするかという問題があって、そういう意味でいきますと、十六年度までに基礎年金の国庫負担率を二分の一に引き上げると、安定した財源の確保を図りつつとはなっていますが、この二分の一への引上げについてどういうふうに対処されるのかという点と、もう一つ重ねては、これ、国庫負担率を二分の一に引き上げたら、それで年金制度は安定するというふうにお考えなのか、この二点をお聞かせをください。
#32
○国務大臣(坂口力君) この年金制度をどういう形にするかということを決めていただく問題と、それから基礎年金の問題とは非常に大きな関係のある問題でございます。
 年金のこの姿形を全く今までとは違った形にするということになれば、それはこの基礎年金の問題も別途また議論をしなければならないということになってまいりますが、現在の基礎年金というものを残していくということになるならば、それは三分の一から二分の一への引上げということは一つの約束でありますから、これは実施をしなければならない問題だというふうに思っております。そうすれば、それですべての年金が、すべてのことが解決できるかといえば、そこはなかなかもうそれで解決できるとは言い難い面も率直に言って私はあるというふうに思っております。
 そのときに、いずれにいたしましても財源を投入するということになりましたならば、それはどういう形で財源を求め投入をしていくかという実質的な議論にならざるを得ないというふうに思います。そのことを私たちも覚悟をして、これは年金だけの問題にとどまらず、税制全般の問題とも絡めて、そして結論を出していただかなければならないというふうに思っている次第でございます。
#33
○山本孝史君 時間がなくなってきますのであれですが、私はずっと年金制度を考えてきまして、年金改革は、大臣おっしゃったような点もございますけれども、やっぱり国民年金、基礎年金をどうするのか、そこをどうやって安定させるのかということがやはり一番の問題だと思うんですね。基礎年金、全額税方式と申し上げたのは、その形でひとつ安定する形が取れるよねと、もちろん財源の問題はありますけれどもという案をお示しをしたわけです。
 その先に、なかなかその財源確保が難しいので進まないでこう来ているわけですけれども、いろんな皆さん方の御意見をお伺いしていますと、やっぱり私は、基礎年金の税割合が上がっていくということであれば、高額の所得を持っておられる、資産も含めてですけれども、方たちには公的年金控除の部分を少し見直しをさせていただいて、そしてより年金の少ない方たちにその部分を回していくとか、あるいは一部の方がおっしゃっておられます年金目的消費税を導入をして、広く高齢者の方も含めてみんなで基礎年金を支え合う中でこの制度を維持していくとか、いろんな考え方がやっぱりあると思うんです。
 ここは大変にいろんなお声が受給者の皆さんからも若い方からも出るでしょうけれども、そこは避けていては、やっぱり大臣冒頭おっしゃったような安定する、今回の改正で最後にできる、毎回聞いているんですよ、これ、年金改正のたびに。これで最後ですね、これで最後ですねと言いながら、実はその次も同じ改正になりますので、そうではない改正にするためには、この辺やはり避けずに大いにいろんな案を出し合ってみることが必要なんじゃないだろうかというふうに思いまして、もう少し大臣もこの先にこういう制度があるんじゃないかとこうおっしゃっているんだけれども、基礎年金の部分の二分の一はもごもごとしておられますが、こういう制度だったらもうちょっと安定するなと、私は基礎年金の、あるいは国民年金の改革が年金改革の入口であって、ある意味では終点かもしれないと思っていますけれども、大臣のさっきのお答えだと、また負担は上がる、給付は下げる、そして自動調整をして現行制度の中で収まっていくんじゃないかという感じでおっしゃっているんだけれども、それで本当に収まっていくんでしょうか。私にはなかなかそうは思えないんですけれども、大臣、どんなふうに見通しを立てておられますか。
#34
○国務大臣(坂口力君) 基礎年金が重要だという御指摘は、私は委員と意見を同じくするというふうに思っております。やはりここが土台でありますから、ここをしっかりとしていかなければならないというふうに思います。
 そのときに、その財源を、先ほどお話が出ましたように、これは二分の一にするのか、それともこれをもう全部これは税によって賄うということにするのか、ここはいろいろの議論のあるところだというふうに思います。基礎年金といえども、やはり個々の負担というものがあって、やはりこの年金という連帯が保てるのではないかという議論もございますし、そうは言うものの、それは二階建てのところにしてそういうふうにすればいいので、基礎年金のところはもうこれは税でいいではないかというお話もあるわけで、それはそれなりにそれぞれ私は意味のあるところだというふうに思っております。
 正直申しまして、これ、もう少し御指摘のように突っ込んだ議論をする時期にぼつぼつ差し掛かっているというふうに思いますから、余り奥歯に物が挟まったようなことを言っていてはいけない時期に来ているということは私も自覚はしているつもりでございます。
#35
○山本孝史君 時間が来てしまいましたので終わりますけれども、高齢者の皆さん方が健康状態も、あるいは収入の状態も多種多様であって、必ずしも厚生年金が言う、いつもモデル年金の形でみんな受けているわけではないので、そういうこともありますし、あるいはこれから先、高齢者自身の介護ですとか医療にかかわる費用、あるいは税なり社会保険料の負担が増大する、様々なことを考え合わせますと、医療とか介護とか全体を含めてやっぱり総合的に高齢者の、特に所得の少ない、年金の少ない方の生活をどうやって支えるかという部分は議論をしなければいけないことだというふうに思っています。
 ネット、ネットという考え方もいろいろと示されてきましたし、いずれにしても議論を、奥歯に物の挟まったことじゃない議論を是非いろんな場でさせていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#36
○森ゆうこ君 どうぞよろしくお願いいたします。
 昨日は、社会保障の将来の担い手である、つまり将来の財源を担う人たち、子供たち、子育ての問題についてお聞きいたしました。
 先ほども大臣が御答弁をされていましたけれども、この制度に対する国民の信頼感というものが一番重要だとおっしゃいましたが、私も同感でございます。これが失われているから将来に対する国民の不安がぬぐい去れない、これがまた景気回復の足を引っ張っているということで、やはりきちんと議論をして、昨日も申し上げましたけれども、きちんと財政の状況、要するに情報を開示して国民に納得してもらう、説明するということが重要だと再度申し上げたいと思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 そこで、もう一つの問題としてパート労働者の年金の問題がございます。多様な働き方を保障する社会保障制度、つまり、これはある意味では支え手を拡大するという意味にもなると思いますが、そのパート労働者の年金の問題があります。
 今、非常にパートタイマーの人たちが増えているという状況は大臣も御存じだと思います。今まで正社員中心主義、正社員中心の社会保障制度では今の社会の現実に対応できないということで、今、パート労働者に対する年金の検討ということが行われていると思いますが、その方向性は私は結構なことだと思います。
 しかし、一方で雇用主の側から見ますと、パートタイマーを雇うメリットというのは社会保障関係の雇用主の負担が軽いということで、今のようなただでさえ深刻な経済状況の中では、もうこれ以上社会保障関連負担を、従業員のために負担を増すという、その負担が増すということについては勘弁してほしいと、こういう意見も多数出ているやに聞いております。
 そこで大臣に伺いますが、確かに年金制度、雇用保険制度、医療保険制度などなど、全く別個の制度として存在し、それぞれ独立した目的と役割を有することは十分承知しておりますが、その保険料を負担する事業主にとっての財布はやはり一つです。要は、一人従業員を雇うと社会保障費が幾ら掛かるのか、これが企業にとっての関心事、それを見込んだ経営コストを計算しているわけです。つまり、もはや雇用主に頼った年金の財源は限界だと言えるのではないかと思います。
 この点、正社員そしてパートという働き方の、働き方のこれ今は現在いわゆる身分格差があるんですね。身分格差があると思いますが、その身分の違いで差が付かないように、まず保険の給付水準は所得比例に一本化するお考えはないかどうか。もちろんこれにつきましては、やはり最低給付についての保障制度というものも一方で入れる必要があると思いますが、そのような形に一本化するお考えはないか、大臣に伺います。
#37
○政府参考人(吉武民樹君) 今、先生おっしゃいました年金の体系といいますか、これは多分スウェーデンの最近の改革の体系だろうというふうに思います。それまで基礎年金と報酬比例年金で実施をいたしておりまして、基礎年金は税方式でございましたけれども、むしろ報酬比例型の社会保険年金に変えまして、そうしますと非常に給与が少ない方が報酬年金が非常に小さくなりますので、そこに税による補足的な年金給付を行うという形にしております。
 これは、今回の昨年十二月に提示を申し上げましたその体系論の中の一つとしてあれをいたしておりますが、多分日本の場合には非常に難しいというふうに思いますのは、サラリーマンの方の所得とそれから自営業者の方の所得に非常に違いがございますので、そこをどう考えるかという点があるだろうと思います。
 それから、サラリーマンの方の場合にも、日本の場合には、むしろ基礎年金を通じまして給与の高い方に少し給付は我慢をしていただき、給与の低い方はむしろ給与に対しては厚めの給付を行うという形で行っております。これは例えば厚生年金の、今の例えば女性の年金水準は、給与が低いということ、それから勤続年数が短いということで、男性に比べて低いわけですが、しかし、低い場合であっても例えば所得比例で一本でやりますと更に低くなるというような問題もございまして、そういう給付の体系として国民の方々にとってどれが最も合理的かという、そういう非常に大きな問題が一番基本にあるのではないかというふうに思っております。
#38
○森ゆうこ君 大臣というふうにお願いしたときは大臣にお答えいただきたいと思いますが。今の、いろんな問題はあると思いますが、そういうことについて検討する余地はないかどうか、大臣にお聞きしたかったわけです。
 また、先ほど同僚の山本委員の方からもお話がありましたように、税財源の問題で、税方式ということで、これは私どもの自由党がかねてから主張しております、消費税は福祉目的税ということで基礎年金にという考え方なんですけれども、当然、保険料方式ということなりますとやはり不公平感がなくならないので、財源は税方式を取り入れるということを真剣に今度こそ考えなければならないと思うんですが、その点について大臣の御所見を伺います。
#39
○国務大臣(坂口力君) その点はよく今までも議論をさせていただいてきたところでございます。
 基礎年金、後期高齢者医療、そして介護保険、この三者についてはすべて税方式でという、こういう御意見でございますし、お話はよく理解を私もしているわけでございますが、しかし、その三者を、全体を税方式というのは、私は今後の税の在り方に非常に負担が掛かり過ぎるという思いがいたしておりまして、年金や介護につきましてはやはり保険方式というものをかなりこれは取り入れていかざるを得ない、そこが中心でいかざるを得ないというふうに思っております。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 問題は年金でございまして、もしどこかに集中してこの税方式をやるということでありますならば、それはやはり年金なんだろうというふうに私は、これも個人的な考え方でございますが、そう思っている次第でございます。年金につきましてはそういう意味ではある程度理解をしているつもりでございますが、しかしこれ国民的合意を得なければならない話でございますから、そこが得られるかどうかということが最大の課題になるというふうに思っている次第でございます。
#40
○森ゆうこ君 その国民的合意の形成に向けて、やはりこれを度々この国会の委員会の中で議論するだけにとどまらず、やはり政府の方針を示して、情報を開示して、早く結論を出さなければならないということをいま一度申し上げておきたいと思います。
 そこで、この今回の法案について質問させていただきますが、要するに年金の物価スライド制の凍結を解除すると、しかも一部解除するという法案でございますが、昨年のこの委員会での議論を思い出します。まず伺いたいんですが、もう時間も余りありませんが、財政再建なのか景気対策なのか、まず政府の基本方針を伺いたいと思います。小泉総理はよく両立可能のように言うんですけれども、財政再建と景気対策というのは、この年金の負担と給付の間では両立しない問題だと私は思いますが。
 そこで大臣に伺います。政府の基本方針はどちらでしょうか。それとも、要は問題の先送り、そしてその場の雰囲気で決めるというのが政府の方針でしょうか。
#41
○国務大臣(坂口力君) この物価スライド制につきましては、これは常に年金受給者がそのときの物価に対しまして中立性を保つということが中心でございまして、物価が上がりましたときには、その上がった物価に対しましてやはり年金も上がり、そしていわゆる購買力から見れば中立性を保てる、下がったときには下がるということがやっぱり中心的な課題であります。
 ですから、このことは、当初これを取り入れますときにはそんなに物価が下がるということは考えていなかったということもございますけれども、上がるにしろ下がるにしろ、この考え方というのはやはり今後取り入れていかないと、今後またインフレになることもあり得るわけでありますから、そのときにこのやはり考え方がなければこれは大変厳しいことになると、そういうふうに思っております。
#42
○森ゆうこ君 私は昨年も申し上げましたけれども、要するに、淡々とこの物価スライド制というものを普通にやっていればもう何の問題もなかったんじゃないですかと。三年も続けて特例措置をするという、問題の先送りをするという、こういういい加減な態度がこの制度に対する国民の信頼を失わせるものであると。そして、ただ一人、三年続けての特例に反対した者でございます。
 それで、私としては、去年の状況と今年の状況、全く違いがないと思うんです、経済の状況。更に、違いがあるとすれば更に悪化しているということはあるとしてもですね。なぜ今年はこうなのかという違いが私にはよく分かりません。今年と去年の違いをはっきりとさせていただきたいと思います。
#43
○副大臣(木村義雄君) この問題は、先生が御指摘の点、確かに御見識のところがあるわけでございまして、我が党内におきましてもこれはいろんな議論があったところでございます。
 なぜ三年続けたのに今回は変わったのかという最大の点は、これはやはり年金制度を支えていただいております現役世代、この方々の所得がマイナスに転じたと、これが最大点のポイントでございまして、御承知のようにこの物価スライド制というのは生命維持装置ですから、年金制度の生命維持装置。インフレのときに本当は一番困るんです。
 それがデフレになったときに、やはり経済情勢等を見て、最終的に社会経済情勢等を見て、三年間のこういう措置がやむを得なかったのかなということでございますけれども、今申しましたように、特に違いはその現役世代の所得がマイナスに転じたという点に尽きるわけでございます。
#44
○森ゆうこ君 今の説明でちょっと私としては納得できませんけれども、いずれにせよ、やはりその場の雰囲気で決めているというところが問題なのだと思います。
 来年どうするかという話もありましたが、もう時間がないので終わります。ですが、一つ問題を指摘しておきたいと思います。
 昨日、来年度の、二〇〇三年度の年金の運用計画が発表されましたけれども、これは非常に難しい問題で、株価が下落傾向にある中で更に運用の資金をこの年金から回すということで、これを今引き上げるというようなことは株式市場に対しての影響を考えると難しいわけですけれども、来年度、今年度より更に増やすということで、これは日経新聞の解説ですけれども、来年度末には五兆円を超える累積損失となるおそれが強いという警告も発せられております。
 また次回質問したいと思いますが、こういう懸念もあるということ、本当にこの年金制度についてきちんと考えていかなければならないということを再度指摘して、私の質問を終わります。
#45
○井上美代君 日本共産党の井上美代です。
 日本共産党は、戦没者等特別給付金支給法の改正案については賛成をいたします。
 戦中、戦後の問題がいまだにたくさん残っておりますが、今日は、戦後、極寒の地シベリアで強制労働に従事させられていた人たちに対する未払賃金の問題について質問をいたします。資料が今皆さんに配られていると思いますが、資料に当たりながら少し説明をさせていただきます。
 このシベリア抑留者に対する未払賃金の問題というのは、第二次世界大戦後、南方で連合軍の捕虜になりその後帰国した兵士に対しては、日本政府は労働証明書、すなわち未払賃金の証明書ですが、これと引換えに労働賃金を支払いました。ところが、日本政府は、シベリアに抑留されソ連から帰国したいわゆるシベリア抑留者には未払賃金を支払っていないという問題があります。
 この経過について、資料の一にあります。一枚目の、三つ資料が、ちょっと汚いですが、あります。そして、一のところを見ていただきたいのですが、これは東京地裁の判決です。そして、この内容は政府も認めているところです。そこで述べていることは、連合軍の捕虜になり帰国した人たちに対して、「昭和二一年度には引揚民対策諸費のなかに引揚者持帰通貨交換費として八億円、また、日本銀行政府債務返償費として一二億円の予算が計上された。」と。「以上の事実を総合すれば、日本政府は、総司令部の指示を受けて、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア地域及びアメリカから帰還した日本人捕虜に対し、抑留国が交付した現金預り証等に基づき、持帰り金の制限なしに、捕虜であつた期間中の労働賃金を交付したことが推認できる。」と、このように書いてあるんです。
 判決で「総司令部の指示を受けて、」と述べているところですけれども、この意味するところというのは、捕虜になり帰国した人については、捕虜期間中の未払労働賃金があるため、帰国した際、日本政府の支払額に上限を設けることなく支給してもよいということを指しているんです。このことは東京地裁の判決文のところにも書いてありますけれども、今日、時間がたくさんありませんので省略をさせていただきます。
 それでは、このシベリアに抑留されて帰国した人がどのように扱われたのかということなんですが、ソ連政府が強制労働をさせたにもかかわらず、帰国の際、労働証明書、すなわちこの賃金の未払証明書を発行しなかったために、日本政府は労働証明書がないことを理由に未払賃金を支払わなかったというこの事実があります。
 シベリア抑留者に対しては賃金の未払があるという認識は、今年三月十三日の衆議院の総務委員会でも片山総務大臣が答弁をしております。この片山総務大臣の資料もこの資料の二に、小さくですけれども、そこに書いてあります。未払があるのではとの質問に答えていられるんですけれども、「今委員が言われた、未払いであると。」というふうに、「未払いであると。」と。私もそう思いますと、こういうふうに答弁をされております。
 政府は、平和祈念の基金法で、慰藉の措置を取っているとの答弁を繰り返しておられます。しかし、シベリア抑留者は、零下四十度にもなる本当に極寒の地で強制労働をさせられました。そして、夏服でシベリアに強制的に連れていかれた人もあります。朝になってみたらもう凍って死んでいたなど、もう悲惨な状況だったことを聞いております。
 このような状態の中での強制労働に対して、平和祈念の基金法の慰藉で決着したとしていますが、一方で、片山総務大臣の答弁を見ても、未払賃金があった、この事実は今日まで続いているんだということなんです。
 そこで質問をしたいと思います。
 日本政府は、シベリアの抑留者が帰国した際に、労働賃金の未払を証明する労働証明書を持参しなかったため未払賃金を支払わなかった、この問題を当時日本政府の出した資料を基に質問をしていきます。
 まず、日本政府は、これも資料三にあります、資料三。日本政府は、一九四七年三月の十八日に連合軍総司令部を通じてソ連政府に対して、「ソ連領土ないしソ連管理地区における戦時日本人捕虜の所得及び個人的金銭」の文書があります。この文書について、まずは説明をしていただきたいというふうに思います。外務省からおいでいただいていると思いますので、よろしくお願いします。
#46
○政府参考人(原田親仁君) ただいま委員が御質問をされたのは、この資料三にあります一九四七年三月十八日付けの当時の東京中央連絡局発GHQあて文書のことだと思いますけれども、この文書は、当時抑留されていた日本人のためた金銭あるいは私物がソ連当局により没収された事例が多かったため、当時の日本政府が連合軍最高司令官総司令部、GHQですね、に対して以下の二つの措置を取るよう協力を要請したものでございます。
 第一に、旧日本軍人及び軍属が戦時捕虜として抑留の間にためた金銭及び私物が没収されてはならないこと。また、これら日本人の引揚げ時にこれらの金銭が取り上げられた場合には、個々に正式の受領書を発行すること。これらについてソ連当局が措置を取ること。
 第二に、引揚者がソ連当局発行の受領書を持ち帰った場合に、日本政府はソ連政府に代わって右受領書に対して支払い、右支払金額をソ連領土ないしソ連管理地区からの物品の将来の輸入及びその他の目的に引き当てる旨の日本政府の提案をソ連政府に送付して、その承認を取り付けること。
 以上が内容でございますけれども、この要請がGHQよりソ連側に伝えられたか否かを含め、GHQによりいかに取り扱われたかは明らかではございません。結果として、この要請にあるような了解が関係国間で成立したとは承知しておりませんし、また引揚者が右受領書を持ち帰った事実も確認されておりません。
#47
○井上美代君 今、御答弁いただきましたけれども、当時の政府というのは受領書と引換えにお金を払う意思があったことは事実ですよね。
#48
○政府参考人(原田親仁君) 既に申し上げました一九四七年三月十八日付けのGHQあて文書にある提案をソ連政府が承認することを条件に、日本政府は当時、ソ連政府に代わって当該受領書に対して支払う用意があったものと考えます。
#49
○井上美代君 今、私が問題にしているのは、シベリア抑留者の強制労働に対する未払賃金の問題ですけれども、資料四というのでまた別紙があります。これを見ていただきますと、ロシア政府になって、シベリア抑留者に対してこれは一九九二年に出されている労働証明書があります。それを見ると、氏名が福島俊雄さんですけれども、支払われなかった労働賃金というのは五千八十九ルーブルです。表がありますけれども、このルーブルを書いた下のところに文章が三行あります。「上述の賃銀残額は帰国の時支払うべきであったが、ソ連ルーブルの外国への輸出禁止のためにできなかったものである。」と、こういうふうに書いてあるんです。
 ここで述べていることは、ソ連はお金を持ち出すことを認めていなかったということなんです。だから、抑留者の方々も、ソ連が未払賃金を示す労働証明書、ソ連に出した、今、この四つ目の資料の四ですけれども、ソ連に出した文書でそのことが書かれているということなんです。受領書を発行していれば、それと引換えに当然もう日本政府が未払賃金を支払っていたであろうということはここからも示されているというふうに思います。だから片山総務大臣も、シベリア抑留者の強制労働の賃金は未払である、私もそう思うと、こういうふうに答弁されたものだというふうに思います。更に片山総務大臣は、最高裁が言うように、高度の立法政策の問題だと私も思いますので、国会の中で大いに議論していただくのは私は結構ではなかろうかと思っていますとも述べておられます。
 それで、厚生大臣にもお聞きしたいんですけれども、このような認識だと私、厚生労働大臣も思っておられると思いますけれども、改めてここで大臣の認識をお聞きしたいと思います。
#50
○国務大臣(坂口力君) この旧ソ連抑留者の問題につきましては、衆議院におきましても小沢議員が熱心にお取り上げになっているところでございまして、私もその中でお答えをさせていただいたわけでございますが、個人的なことを申し上げて恐縮ですけれども、私の兄も三年間抑留をされておりまして、大変、そのときの状況というのは何度か聞いた、大変な状況というのは聞いたことがございますし、また帰りましてから全抑協の役員としてこうした問題を取り上げていたことも知っております。そんなことを申し上げたわけでございます。
 片山大臣もここで述べておられるように、「未払いであると。私もそうだと思います。それから、補償する相手はソ連政府なんですね、」と、こう言っているわけで、私も実はそう思っているわけで、これは本当はソ連政府がやらなきゃならなかったことで、それをやらなくてどうこうというのは私は本当は筋違いだと、こういうふうに思っているわけであります。
 日本の中の状況につきましては、私も何度か外務省とお話をさせていただき、そして今日までの経緯をお聞きをしたわけでございますが、先ほどから御答弁のありますとおり、これはすべて決着済みの問題であると、こういう御答弁でございます。
 同じ捕虜でありながら、いわゆる南方の人と北方の人との違いがあるではないかというお話も確かにあるわけでございますが、南方諸島におみえになりました皆さん方の場合には、これは交戦、お互いに戦争をしていた国でございますけれども、ロシアの場合には正式な戦争になっていなくて、そして戦後抑留をしたといったような違いもあるわけでございまして、そうしたことを、それは議論を、国会の中での議論を十分にしていただくということは、これは私もそれは結構だというふうに思いますけれども、そうした違いもある。そして、現在までのこの問題、何度も何度も繰り返されて、そして抑留者の問題が一応の決着を見ているということも過去の事実として存在するということも申し上げなければならないというふうに思います。
#51
○井上美代君 ロシアの、このシベリアの抑留者の問題については、大臣おっしゃいましたけれども、まだ決着はしていないということを私はるる今資料で申し上げたところなんですね。
 だから、今後、南方の捕虜の賃金支払というのは旧厚生省が担当していたんですから、私はこの未払賃金の問題についても厚生労働省できちんと解決をしてもらわなければいけないというふうに思います。特に、高齢化されておりますので一日も早い解決が求められているというふうに思いますので、それを申し上げて、時間が来ましたので終わります。
#52
○小池晃君 年金の物価スライド凍結解除問題をお聞きします。
 これは年金だけじゃないわけです、高齢者の社会負担、社会保障の負担増。医療も介護もでありますから、これは全体像を見る必要があるんじゃないかと。
 そこで、まず最初に医療ですけれども、高齢者医療、昨年十月から定率負担になっています。この負担改正による患者負担増が幾らになるのか、二〇〇三年度の老人保健の加入者は何人なのか、数字だけで結構ですからお答え願いたいと思います。
#53
○政府参考人(真野章君) 高齢者の一部負担の見直しに伴います十五年度の影響でございますが、昨年の制度改正時の財政試算によりますと、患者負担の影響額は約二千億程度、これは試算をお示ししたときにも申し上げましたが、十五年から十九年度の単年度平均でございまして、十五年度の影響はこれよりも少ないと見込んでおりますが約二千億、十五年度予算案におきます老人保健加入者数は約千五百四十六万人でございます。
#54
○小池晃君 今の数字を基に計算すると、一人当たりの年間負担増はおよそ一万二千九百円であります。
 さらに、介護保険についてお聞きしたいんですが、二〇〇三年度予算で介護保険の第一号保険料の前年との差額は幾らか、また直近の加入者は何人か、これも数字だけで恐縮ですがお答え願いたいと思います。
#55
○政府参考人(中村秀一君) お尋ねの点でございますが、予算上の介護給付金の見込みのうち、今、保険料ということで、六十五歳以上の方の保険料で充当される部分につきまして、平成十四年度と十五年度で比較した場合の差額は九百六十億円、それから直近の六十五歳以上の方の人数は二千三百七十万人でございます。
#56
○小池晃君 これは一人当たり年間負担増がおよそ四千円となります。
 さらに、年金でありますが、年金給付〇・九%引き下げた場合、満年度ベースの給付費の削減額と、それから影響を受ける年金受給者の数をお示し願いたいと思います。
#57
○政府参考人(吉武民樹君) 予算上は十か月ということで計上いたしておりますが、満年度ベースで申し上げますと約三千七百億円でございます。それから、年金受給者の方々の数でございますが、これは国民年金、厚生年金、共済年金全体を含めまして、報酬比例と基礎年金、二つを持っておられる方を一人とカウントをいたしますと約二千九百五十万人の方でございます。
#58
○小池晃君 そうすると、一人当たりの年間給付減額は一万二千五百円ということになります。
 高齢者医療の負担増、介護保険料の引上げ、年金給付の減額、これ大体合計すると年間一人当たり二万九千五百円、約三万円ということになるわけです。
 大臣にお伺いしたいんですが、来年は年金物価スライド凍結解除だけではないわけですね。介護も年金も負担増になってくると。これ、三つ重なってくるという影響をどうお考えか。私は、年金生活者にとってはこれは耐え難い打撃となっていくんじゃないかと思うんですが、こうした影響をどのように、三つ重なってくることをどのように考えておられるのか、お答え願いたい。大臣に、これ三つですからやっぱり大臣じゃないと答えられませんよ。これ、三つの影響ですから、大臣、答えてください。大臣、お願いします。(「その前に介護保険料について」と呼ぶ者あり)いやいや、結構です。大臣に。
#59
○政府参考人(中村秀一君) 今、先生は介護保険料の引上げは四千円というお話でございましたけれども、介護保険料、現行の保険料は二千九百十一円となっております。
 先ほどの十五年度の第一号被保険者の保険料相当分は八千六百四十八億円、先ほど申し上げました人数二千三百七十万人で割りますと月額三千四十円になりますので、そういった意味での二千九百十一円に対する月額の増加というのは百二十九円ということでございます。
 つまり、四千円というのは、(「年間ですよ」と呼ぶ者あり)年間、つまり、現行の保険料と、十五、十六、十七年度、三年間の保険料を市町村が決めるわけでございますので、先生言った年間の保険料負担が四千円という数字はちょっと、推計上もちょっと問題があると。そこだけはちょっと御注意願いたいと思います。
#60
○小池晃君 いずれにしても、それでも二千円ぐらいですから、違いはね。トータルとしては三万円近くになるわけですよ。そのことを、大臣ね、いや、結構ですよ、それは、結構です。大臣、医療や年金や介護、三つ合わさって負担増になってくることをどう検討しているのかと聞いているんです。大臣にお答え願います。
#61
○国務大臣(坂口力君) 年金、医療、介護、それぞれ厳しい状況になってきている。それは、一つは少子高齢化が進んだということがあり、景気の動向も影響しているというふうに思っております。
 社会保障というのは、厳しいときであればあるほどお互いに助け合わなければならない、そういう筋合いのものだというふうに理解をしているわけでありまして、厳しいことは重々承知をいたしておりますが、こういう厳しいときであればこそ必要な人には必要なわけでありまして、必要だということになると、それは負担もしてもらわなければならないということでありますから、こういう厳しい状況のときであればこそお互いに支え合ってもらいたい、そう思っている次第でございます。
#62
○小池晃君 私が聞いているのはそういうことじゃないんです。
 これが三つ同時に重なってくるということについて、厚生労働省としてはどのようにこれは検討されたのかと。そのことは検討したんですか、していないんですかということを聞いているんです。これ、いかがですか。
#63
○国務大臣(坂口力君) 当然、いろいろの側面から社会保障全体としての問題として議論もしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、年金であれ医療であれ、そして介護であれ、全体としてやはりどうなっていくかということを考えながらやっているわけでございますけれども、それぞれ、年金にいたしましても医療にいたしましても介護にいたしましても、やはりそれぞれの制度を成り立たせていくためには、これはそれなりのやはり財源が必要だということになっているわけであります。
 それぞれの制度が成り立たなくてもいいというんだったら、それはどうでもなるわけでありますけれども、やはり今日だけではなく将来も併せて成り立っていくということを前提にしながら、そして、これはお互いに、みんなに支え合っていただこうと、こういうことで決めているわけであります。
#64
○小池晃君 一般論でお逃げになりましたけれども、高齢者にこの三つの負担が重なるということについてまともに検討していないということだと思うんですよ。
 これは、しかも今回の措置は年金だけじゃなくて各種手当にも連動していくということだと。本当に不況の中で一番苦しい、生活が苦しい人たちに負担が押し付けられているということで、本当にこれは許されないことだと思うんですが。
 さらに、その年金生活者の実態を見ると、二〇〇一年度、国民年金、老齢年金で、年金月額四万円未満の方が五百二十万人もいらっしゃる。最低限度の生活保障すらないのが今の年金制度なんですよ。
 先ほども議論ありました。これはやはり、低年金の現状を、こうした本当に月額四万円未満というような現状を放置したまま一律に物価下落分のカットを行うと、手取り分減らすということは許されるのか。その点について、先ほど年金局長はお答えありましたけれども、大臣としてはどうですか、こういったことは許されると思いますか。
#65
○国務大臣(坂口力君) 年金の制度、これ、経過がありますから、今、四万円程度というのは、中には三万円程度しか手取りのない方もおありになるでしょう。それはその年金制度の中で掛金をしていただいた期間が短かったということになるんだというふうに思います。皆さんが、年金だけで生活をしておみえになる方もあれば、年金以外のものも含めて生活をしておみえになる方もあるわけであります。
 そうした中で、この今回の〇・九%、この物価の低下分を、見合う分をお願いをするということになりましたのは、それはそのとおりでございますけれども、これは先ほども申しましたとおり、現在の物価に対しましては中立的なものでございます。別に、物価が上がっている、物価が全然変わりがないのにこれ、年金を下げているというわけでは決してありません。物価が下がって、それだけ物価が安くなっているわけでありますから、後追いで〇・九%下げさせていただいているということでありまして、物価の問題に対しましては中立だと思っております。
#66
○小池晃君 そうじゃないから、だって景気に深刻な打撃を与えるから三年間やってこなかったんでしょう。説明、支離滅裂ですよ。もっと下がったのに、今度は物価の下落に合わせて年金削るなんて全く支離滅裂だと思います。
 しかも、大変な無駄遣いがあるわけですよ。積立金、これは百七十兆円、六年分であります。これは、イギリスは二か月、ドイツ、フランスは一か月分の積立てだけでやっている。こういったことについて見直す必要があるんじゃないかという議論があるわけです。しかも、これは株式運用で損失出ている。十二月までで二兆千五百三十億円だそうです。
 年金局長、お伺いしたいんですが、これ、累積が三兆百億円ですね、二〇〇一年度末までで。このままでは、やはり今年度末での累積損失というのは、私は五兆円を超える可能性というのは否定できないんじゃないかと思うんですが、その辺、どう見ていらっしゃいますか。
#67
○政府参考人(吉武民樹君) 非常に、市場運用部門では非常に厳しい状況にございまして、今、先生おっしゃいましたように、年金福祉事業団からの累積が三兆円ございます。それから、十二月末の状況で申し上げますと、市場運用分で二兆一千億を超える損失になっています。
 ただ、年金財政全体で申し上げますと、資金運用部へ預託している部分が、あと平成二十年度までにすべて返還をされますが、預託金の利子収入がございまして、平成十三年度で申し上げますと、それを加えた状態で申し上げますと、いわゆる収益率は一・九%でございまして、そういう意味でトータルとしての年金財政への非常に厳しい影響というのは今のところ出ていないという状態です。
 ただ、市場運用部門が非常に厳しいということについては、私どももこれからよくその運用の体制だとかそういうものについて十分検討していく必要があるだろうというふうに考えております。
#68
○小池晃君 その市場運用部門について五兆円を超える損失になっていく可能性、否定できませんよね。それはそうだと思うんです。
 これは積立金自体が、私は本当にこんなものが必要なのか。これはやはりこれだけの経済状況の下で計画的に取り崩すということを真剣に考えるべきだと思いますが、せめて赤字を作るようなことだけはすべきでないと。
 しかし、昨日発表された運用計画では、更に一兆七千億円、国内株に振り向けると。これだけ損失拡大しているときに、何でその株式投資拡大するのかと。これ、保険料というのは企業年金じゃないんですから強制徴収であります。だとすれば、名目元本を減らさないというのはこれ原則だと。だとすれば、私は、株式運用など、これ、やめるべきだと思いますが、いかがですか。
#69
○国務大臣(坂口力君) この積立金の運用につきましては、今いろいろ議論を重ねているところでございまして、新しい受皿の問題、そしてそこでどういう運用をしていくかということをもう一度検討し直すということで今やっているところでございます。
 ただし、今までの考え方が私は間違っていたとは考えておりません。やはり、積立金の運用というのは、一つのところに集中をして、そこに運用をしていきますと、その部分が非常に悪化をいたしましたときに大きな損失を出すわけでありますから、分散をして運用をするということは大変大事なことだというふうに思っております。
 ですから、先ほども局長が申しましたとおり、総トータルでいえば決して赤字を出しているわけではなくて、いろいろの運用、それは合計をすればそれはプラスでありますから、株式会社のところだけを見ればそこはマイナスであった。しかし、これは、株式の問題というのはただ単に一時的な断面で見るということはできない。株式というのは、今後いろいろ変わっていくわけでありますから、そのいっときいっときの断面だけで判断をするというものではないというふうに思っております。
#70
○小池晃君 断面だけと、もう質問しませんが、断面だけとおっしゃるけれども、基金の前身である年福の時代から二十年近く運用しても国債金利すら稼げなかったのが実態であり、長期運用すればもうかるといった理屈は通用しないと。これ、雑誌「金融ビジネス」の五月号で財務省財務総合政策研究所の主任研究官がこう言っている。
 もう事実が証明しているじゃないですか。今までさんざん穴を開けてきたのに、これから先は大丈夫ですと、長期運用すれば大丈夫ですと。だれが国民、そんなこと納得するんですか。しかも、二十年たってそのときになって駄目でしたと、こんなことで責任取れるんですか。
 私は国民にリスクだけを押し付ける、負担増だけ押し付ける、そして長期運用の結果やっぱりうまくいきませんでした、二十年後にだれも責任取らない、こんなことはきっぱりやめるべきだということを申し上げて、私、質問を終わります。
#71
○国務大臣(坂口力君) それは財務省が担当いたしておる運用部資金に対する金利を払っていたからその部分が少なくなったということであります。その払った分は年金の今度はこれはプラス面として金利として付いてくるわけでありますから、別にその分野で減りましても、それは減っていないということであります。
 そこを十分に考えていただかないと、その運用部のところに返した分を差し引いて皆さんは計算をしておみえになりますけれども、それは実際問題はそうではないわけであります。だから、全体でそのマイナスというのは、それは計算方法に誤りがある。指摘だけしておきたいと思います。
#72
○大脇雅子君 戦没者の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 前回支給された国債が最終償還を迎える戦没者の妻及び父母に対する特別給付金について、平成十五年度以降も継続して支給するということなのですが、その目的と意義について改めてお尋ねします。
#73
○政府参考人(河村博江君) 戦没者の妻及び父母に対しますこの特別給付金は、さきの大戦で夫や子供を戦争により亡くすという、そういう特別な事情に置かれた妻あるいは父母の精神的痛苦に対して国として慰藉をするということで支給するものでございます。
 今回、戦没者の妻及び父母に対して支給していた国債が最終償還を迎えることになりまして、国として引き続きその精神的痛苦に対して慰藉することといたしまして、特別給付金を継続して支給をするということにいたしたわけでございます。
 これによりまして、戦没者の妻及び父母の方々の深い悲しみが少しでも慰藉できればというふうに思うわけでございます。
#74
○大脇雅子君 同時に審議されております平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案では、平成十四年の年平均の消費者物価指数の比率を基準として改正をするわけであります。いわゆる物価スライド〇・九%分の引下げ、この施策と比較をしたとき、特別給付金については引上げなしの据置きないしは増額措置を講ずるということは、現下の厳しい財政事情や社会状況を考えると公平ではないというふうに考えられますが、いかがですか。
#75
○国務大臣(坂口力君) 先ほども局長から答弁ありましたとおり、これは精神的苦痛に対する特別なこれは慰藉の念によって行っているものでありますから、その問題とこの現在の年金というものとを並列的に並べて論じる事は、私はなかなか難しいというふうに思っている次第でございます。先ほど述べましたようなこの経緯、それから現在の状況によりましてこの特別交付金の方は決定をいたしております。
 ただし、年金の方は、これは自立と連帯の中でこれはやっているわけでございますので、そうしたやはり現在負担をしていただいている皆さん方のことも考慮に入れながら決定をしていかなければならないということで、こういう状況になったというふうに認識をいたしております。
#76
○大脇雅子君 特別給付金の再度の支給について妥当と答申をしたのは一九七二年、昭和四十七年七月二十八日の遺族等特別給付金問題懇談会、遺族等の特別給付金の問題に関する報告というのがございますが、この古い懇談会の報告についての指摘を見ますと、改めて平和を建設すべき責務を担う二十一世紀の今日、まだかみしめる意義を持っていると考えられます。
 そこで提起している問題というのは、慰藉の措置を再度行うことはその根拠が乏しく国民の協力と理解を得ることは難しいのではないかという指摘、意見も書かれております。また、遺族等に対する援護は本来恩給法、遺族法等の援護法の充実の方向で強化を図るべきであるという指摘も書かれております。かかる措置は社会保障制度全般の在り方や国家財政の在り方を考慮しつつ検討する必要があるとも書かれております。また第四に、仮に再度行うにしても支給の方法等を検討する必要があるのではないか等の指摘があります。
 これらの各指摘についてどのように考えられるのでしょうか。
#77
○副大臣(鴨下一郎君) 先生から四点御質問がございました。
 御指摘の遺族等特別給付金問題懇談会の一部の議員からの意見表明として記述されている部分を御引用なさっているわけでありますけれども、この懇談会の中では、慎重審議の結果、これらの特別の事情にある者に対して特別の措置は今後も引き続き講ぜられる必要がある等の点で意見は一致をしているということが結論でございました。
 そういうような趣旨にのっとりまして、さきの大戦で夫や子を戦争公務により亡くすという、言わば特別な事情に置かれた戦没者の妻や父母の精神的痛苦に対しまして、引き続き国として慰藉をすると、こういうような観点から給付をするものでありまして、国民の御理解いただけるものだというふうに考えているわけであります。
 また、二点目の遺族等に対する援護は、本来恩給法や遺族等援護法の充実の方向で強化を図るべきではないか、こういうようなことでありますけれども、再三申し上げているように、これは国として慰藉の念を示すということでありまして、単純に恩給や援護年金に加算して支給すると、こういうようなことではなかなかそういう点を表せないんじゃないかと、こういうふうに考えるわけであります。
 またさらに、かかる措置は社会保障制度全般の在り方や国家財政の在り方を考慮しつつ検討しろと、こういうようなことでありますけれども、このことにつきましても、繰り返しになりますけれども、特別な事情に置かれた妻や父母の精神的痛苦に対して行うものでありまして、社会保障制度全体の中でというのはなかなか難しいんではないかと、こういうようなことであります。
 またさらに、再度行うとしても支給の方法等を検討しろと、こういうようなことでありますが、この特別給付金は国債で交付している主な理由は、ある程度まとまった金額を額面として一定期間にわたって償還を行うと、こういうようなことでありまして、私たち考えるに、遺族に一層そういう意味での国の気持ちが実感していただける、こういう最もふさわしい形態であると、こういうふうに考えている次第でございます。
#78
○大脇雅子君 昭和四十七年にいわゆる懇談会の報告が出て以来、これは確かに意見の一致を見ているわけですが、全然そうした問題が検討されなかったというのはどういう理由でしょうか。
 考えれば、戦没者の妻も受給者の平均年齢が八十五歳であり、戦没者の父母に至っては平均年齢が九十三歳ということで、それぞれ十年償還、五年償還の国債の交付ということになりますと、なかなかに、再検討の懇談会といってもかなり影響力が少なくなるのではないかとは思いますけれども、今後これらの制度について、改めてこの特別給付金、再度の支給に関する懇談会等設置されることなど、制度についてどのように対処していかれるのでしょうか。
#79
○副大臣(鴨下一郎君) 今後の特別給付金制度の在り方について様々な観点から検討しろと、こういうようなことでありますけれども、これは先ほども申し上げましたように、さきの大戦で夫や子供を戦争公務により亡くすというような、こういうような方々に対しての国としての気持ちを表し支給をしていると、こういうような趣旨と、それから、先生御指摘のように、今後受給対象者が極めて高齢になっていくというようなこういう状況を踏まえまして、今後どういうふうにあるべきかということは総合的に検討していくべきだろうというふうに思います。
 いずれにしましても、これから給付を受けられる方々にとって最もふさわしい在り方はどうかというようなことを慎重に検討してまいりたいというふうに思います。
#80
○大脇雅子君 公務の趣旨というふうに言われましたが、戦争という国家による行為は、いかなる理由であれ、その法的根拠を挙げても許されない犯罪行為であります。そして、かつては軍人の被害者と市民の被害者というものは、直接戦争に参加した軍人の被害ということが大きく比重を受けてきたかもしれませんけれども、今回のイラク及び中東地域における戦渦を見ましても、やはり市民の人命が傷付き失われている事態というものが非常に比率を多くしていると。
 私はやはり、かつてから申し上げているわけですけれども、第二次世界大戦の惨禍の犠牲者というのは、公務と市民、軍人軍属の戦死者の悲しみと戦傷者ではないいわゆる空襲等、あるいは抑留者あるいは引揚者等の悲しみや困窮とは区別したり差別したりするということは国として間違っているというふうに言い続けてまいりました。
 そういう点で、前回、何度も質問をしておりますけれども、戦争による犠牲者ということについて、その救われない戦争の被害者の人たちの困窮や苦痛については国としてどのように対応されるべきか、大臣にお尋ねしたいと思います。
#81
○国務大臣(坂口力君) 戦争による犠牲におきましては様々な問題がありますが、その中で日本としてやはり区別をしておりますのは二点でございます。
 一つは、やはり赤紙一枚でそして戦場に駆り立てることによって戦死をした皆さん方、その皆さん方に対しましては、先ほどからありますように、その亡くなった御家族に対しましては精神的苦痛に対する慰藉の念を、それを明確にするということが一つ。もう一つは、国内で様々な戦争の犠牲になられた方がおみえになりますが、原子爆弾によってお亡くなりになりました皆さんに対しましては特別な扱いとして今日に至っている、この二点が私は特別な扱いであるというふうに思っております。ある意味で日本国全体が犠牲者ではありますけれども、この二つの問題につきましては特別な思いとして、特別なやはり取扱いとして今日を迎えていることはそれなりの理由のあることだというふうに私は理解をしている次第でございます。
#82
○大脇雅子君 赤紙と原子爆弾ということによって戦争の被害の苦しみというものを私は区分けはできないということを強く申し上げておきたいと思います。戦争による被害と困窮はすべての人たちのものだというふうに重ねて主張したいと思います。
 最後に、国民年金法による年金額の改定について、今回のスライドによる減額措置というものは非常に大きな影響を及ぼすということでございます。とりわけ性別に見た六歳以上の単独世帯は女性が七七・一%となっております。この高齢社会におけるいわゆる高齢世帯の女性に対する保護、それから母子家庭等の困窮等にやはり特別な配慮をすべきではないかと思いますが、最後にこれを大臣に伺って、質問を終わります。
#83
○国務大臣(坂口力君) 年金生活者の皆さん方の中には非常に厳しい生活の方がおみえになることも十分に存じております。しかし、この年金制度の中で物価の変動というものに対して年金制度が対応をしていかなければならないことも事実でございます。その時々の物価の状況、そしていわゆるそれに対して生活が受ける影響といったものを中立的に保っていくという意味から、この物価スライド制が導入されたというふうに理解をいたしております。
 したがいまして、今回、この物価スライドを適用をすることになったことはやむを得ないことだというふうに思いますし、先ほどから議論がありますように、ましてやそれを年金を納めていただいておりますお若い皆さん方の賃金が下がってきているというこの状況がありますだけに、やむを得ないことだと理解をいたしております。
#84
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 それでは早速、私の方からも年金制度に関連をいたしまして、保険料のこの凍結問題、お伺いをしたいと思います。
 この保険料の凍結につきましては、平成十一年の改正案の審議の当時、私自身はやっぱり後の世代への負担を考えますと慎重な対応がかなり必要ではないかなというふうに考えておりまして、当然ながらこの凍結の法案は反対をさせていただきました。しかし、当時のことを思い起こしますと、厚生労働省の皆さん方の空気というのは、近いうちに国庫負担の二分の一引き上げられるのだからそのときに一緒に解除すればいいのではないかなと、現実に凍結期間の線引きもなかったわけでありますし、そういう点から見ましても、どちらかといいますと楽観的にとらえていたのではないかなというふうに思うわけですけれども、私は正直そのときそういう印象を持ったわけですけれども、しかし、このところ、年金部局のあの空気を見ておりますと、逆に凍結の解除、半ば少し焦っておられるのではないかなというふうにこの私の大きな目には映るのでありますけれども、保険料の凍結によりまして年金財政はどれくらい厳しい状況になっているのか、また平成十一年当時と比べて厚生労働省の認識はどういうふうにまた変化をされたのか、あるいはしていないのか、まず坂口厚生大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#85
○国務大臣(坂口力君) 具体的な数字が必要でございましたら、そこは局長の方でひとつお願いをしたいというふうに思いますが。
 先生がこの法律ができますときに反対をされたということをお聞きをいたしまして、私も今日まで、今朝までその話、知らなかったわけでございますけれども、それこそ先見の明があったと私も思っている次第でございまして、心からその一貫した姿勢を貫いておみえになりますことに敬意を表したいと存じます。
 現在、この保険料が凍結をされておりますことは、やはり年金制度にかなりな影響を与えてきていることは事実でございます。来年は、先ほどから議論が出ておりますように凍結、凍結じゃありません、この年金制度の改正を行わなければならないわけでございますので、どういう案になりますか今のところ定かではありませんけれども、この改正と併せてこの保険料の凍結もこれも解除をさせていただきたいと思っているところでございます。
#86
○西川きよし君 短い時間ですので、本日は次に移ります。
 やはりこの凍結による影響は大きいものがあるということですが、一方のこの国庫負担ですね、国庫負担の引上げについてなかなか難しい課題を抱える中で、平成十一年当時の政府側の国会の答弁では、凍結を解除する条件として国庫負担の二分の一引き上げることと、このようにおっしゃいました。
 この凍結解除について、あくまでも国庫負担引上げと同時に解除とお考えなのか、それとも場合によっては先行的に、先行的に解除するというお考えがあるのかどうか、その辺りのお考えを、ここはやはり与党の影響ということがやはり大であると、非常に強いというふうに私自身思いますので、副大臣と、そして坂口厚生労働大臣、お二方にそれぞれのお考えを本日はお伺いしておきたいと思います。
#87
○副大臣(木村義雄君) まず、保険料の方でございますけれども、この点やはりポイントは、これからやはりどうしても年金の持続性、それから将来の世代に対して負担のことを考えますと、保険料負担をこれから段階的に引き上げていくということは非常に重要な問題であろうと、このように思っているわけでございまして、ここは是非、平成十六年の年金改革におきまして、この今の凍結解除の点について国会の場で御議論をしていただきたいなと、このように考えているような次第でございます。
 それから、国庫負担の二分の一の引上げについては、これはもう御承知のように平成十二年の改正の附則において、財源を確保した上で二分の一の、平成十六年までに二分の一の引上げを図ると、こういうことの規定が設けられておりますので、これも今同様にこの十六年の年金改革でしっかりと対応していただく課題であろうと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、この問題は十六年改正の最大の問題点であろうということで、これから国会の皆様方、また国民の皆様方に十分御理解をいただけるような形で努力をしていかなきゃいけない点であろうと、このように思っているような次第でございます。
#88
○国務大臣(坂口力君) 同時かどうかというお話は、これは今ありましたとおり、この平成十六年には新しい年金制度をお示しをしなければならないわけでありますから、その十六年度からは新しい体制で進むわけであります。もちろん、年金の、年金じゃありません、保険料の凍結解除もそのときに併せて行いたいというふうに思っております。
#89
○西川きよし君 時間があればいろいろな角度からお伺いをしたいんですけれども、余り期待どおりのお返事はいただけなかったというふうに思うわけですけれども、それでは次にまた移らせていただきます。
 これはまた坂口厚生労働大臣を悩ますわけですけれども、毎年この法案審査の際にお伺いをいたしておりますけれども、二十歳前の障害による障害基礎年金受給者が有罪確定をする前の被疑者あるいは被告人という状況の場合であっても、監獄等に拘禁をされたということで全額支給停止となるというこの問題でございますけれども、これは丹羽厚生大臣のときから毎年お伺いしておりますが、西川さん、もう少し待ってくれということでございまして、坂口大臣になりましても今年で三年目でございまして、石の上にも三年ということでございまして、西川さん、必ず来年は、つまり今年ですけれども、必ず決着を付けるという御答弁をいただいたんですけれども、是非、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思いますし、去年もお伺いしたんですけれども、御家族、奥さんや子供さん等々のこともございますので、よろしく御答弁をいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(坂口力君) それじゃ、もう少し今日ははっきり申し上げておかなきゃいけないと思いますが、じゃ、もう今年じゅうに決着を付けますので、できるだけ御主張を尊重をして決着付けたいと思います。
#91
○西川きよし君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 去年、御質問をさせていただいたときには、まああと任期が二年しかないということで、それまでというお約束をさせていただいたんですが、一年早くなったことを厚く感謝申し上げます。
 次に、この給付金額についてお伺いをしておきたいと思います。
 是非お伺いしたいのは、妻の場合が百八十万円から二百万円に増額をしておるわけですけれども、父母については金額が据置きの百万円となっております。この父母への給付金については、五十八年については据置きとなっておりましたが、それ以外は増額となっていたと思いますし、五年前と十年前という違いはあると思いますが、今回の据置き、それから妻へは増額というこの応対についてですけれども、どういった御判断があったのか、お伺いしたいと思います。
#92
○政府参考人(河村博江君) この特別給付金の金額についてでありますが、この妻に対する特別給付金については、前回支給されましたのが平成五年、それから十年間たつわけでございます。それから、父母に対する特別給付金については、前回支給されましたのが平成十年と、五年たつわけでございます。こういった十年なり五年間の経済情勢の変化というものに対応しなきゃならないということが一つでございます。
 それから、特に妻の給付金の額については若干引き上げておるわけでございますが、これまで一年当たりの額につきまして、この妻に対する特別給付金及び父母に対する特別給付金の額を同額に設定されてきたということも考慮いたしております。つまり、父母に対する特別給付金、今回据え置きますけれども、五年償還で百万円ということは一年当たり二十万円と。妻の特別給付金につきましても十年償還で二百万円にすれば一年当たり二十万円ということで並ぶことができるということで、そのようにさせていただいたというふうに考えておるところでございます。
#93
○西川きよし君 ありがとうございました。
 受給者の方には大変申し訳がないということになるわけですけれども、障害児への福祉手当までも引き下げようとされている中ですので、この妻への給付金について、これだけの増額をされることについて少々理解できない点もあったものでお伺いをさせていただいたわけですけれども、この戦没者の受給者の年齢が妻の場合で八十五歳、父母で九十三歳ということで、お年寄りのことをいつも御質問をさせていただくわけですけれども、ひょっとしたらこれだけの高齢になりますと申告漏れ、前年度もお伺いしたわけですけれども、十分な対応をお取りをいただいているのかなということを、最後に対応についてお伺いをいたしまして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
#94
○政府参考人(河村博江君) この二つの特別給付金支給法では請求期間は三年間と、三年間権利を行使しないときは時効によって一律に受給権が消滅するということが法律上決まっておりまして、この受給権者の請求漏れによります失権を防止するということは厚生労働省として当然重要な課題であると認識をいたしておりまして、このために、この時効による失権を防止するために都道府県、市町村と連携を取りつつ、各政府広報を始めといたしまして、いろいろな媒体を通じて十分な広報を行ってまいりたいと思うわけでありますが、特に今回の特別給付金の対象者、ほとんど前回の特別給付金を受けた方でございますので、前回の特別給付金受給者の情報を活用いたしまして、該当される方に対して制度案内の通知を漏れなく通知をしたいというふうに考えておりまして、これは都道府県を通じてやることになると思いますが、そういうことをすることによってこの請求漏れ防止に万全な体制を整えたいというふうに思っております。
#95
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いします。
 終わります。
#96
○委員長(金田勝年君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の修正について井上君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。井上美代君。
#97
○井上美代君 平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対する修正案の提案理由を説明します。
 私は、ただいま議題となっております平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対し、日本共産党を代表して修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これよりその趣旨について御説明申し上げます。
 この修正案は、過去三年間実施してきた物価スライドの特例措置を二〇〇三年度についても継続して行い、物価下落の影響を年金給付額に反映させない措置を取るものです。
 元々、我が国の年金額は平均で、国民年金では五万二千円、厚生年金では十七万六千円、女性の場合は男性の半分程度という低い水準であります。超低金利の下で、掛け替えのない利子所得も減額しています。年金生活者にとって、この数年の消費税や医療費負担の増大は耐え難いものです。ここに来て、昨年十月から高齢者医療の負担増、この四月からは介護保険料の引上げなど、限界を超えております。
 一方、公的年金資金の株式などの市場運用による損失は三兆円に上っており、政府の責任は重大です。物価スライド凍結を継続するのに必要な給付額、三千七百億円をはるかに上回る損失に国民の怒りが広がっております。
 年金額の削減ではなく増額こそ実現すべきであり、年金給付の削減に連動して母子家庭や障害者、そして被爆者など社会的弱者に対する諸手当の減額などはすべきではありません。
 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
#98
○委員長(金田勝年君) ただいまの井上君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
#99
○国務大臣(坂口力君) 平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対する修正案につきましては、政府としましては反対であります。
#100
○委員長(金田勝年君) これより戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案並びに平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#101
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について反対の討論を行います。
 物価スライドの凍結解除で年金給付が〇・九%引き下げられようとしていますが、年金額の引下げは制度発足以来初めてのことです。年金の給付総額で三千七百億円の削減となり、年金に依存する多くの高齢者など二千九百五十万人の年金受給者の生活を直撃することになります。
 さらに、今回の措置は、児童扶養手当や障害者関係手当、被爆者関係手当など十種類の諸手当に連動し、三十億円の給付が削減されます。政府は高齢者の年金削減は、保険料を払っている現役世代の賃金が下がっているからと言いますが、保険料で支えられているわけではない各種手当の削減を説明することはできません。
 来年度の高齢者の負担増は年金給付額の削減にとどまりません。年金から天引きされる介護保険料が多くの市町村で引き上げられようとしているため、手取り額は更に減少します。しかも、既に昨年十月に施行された老人医療自己負担の定率化による負担増も深刻です。高齢者医療の負担増と介護保険料の引上げ及び年金給付の減額による高齢者の負担増は、一人当たり年間二万七千円に上り、年金受給者の生活にとって耐え難い打撃となることは明らかです。しかも、その影響すら検討していないのですから、余りにも無責任であります。
 一方、年金資金運用基金の積立金運用の累積赤字は二〇〇一年度決算で三兆円を超え、さらに二〇〇二年十二月までで二兆円を超えています。累積赤字は本改正案による影響額の十四倍にも及びます。積立金運用の責任はだれも取らず、一方で高齢者の年金額を引き下げるなどということも許されません。
 物価スライド制は、物価高騰による年金の実質減額を防止する仕組みとして導入されたもので、年金生活者の生活水準を維持することがその趣旨であります。四年前から物価が下がっていたのに、年金受給者の生活を考慮して政府は物価スライドを凍結してきたのです。更に物価が下がったのに今度は連結解除というのは筋が通りません。そもそも月額四万円未満の年金受給者が五百二十万人にも上る現状を放置して、更にその引下げを図ることなど断じて認められません。不況に苦しむ障害者や被爆者などの手当を削減することももってのほかであります。
 年金給付削減は、高齢者の所得を奪い、消費不況を加速します。それは失業、倒産の連鎖へとつながり、結局社会保障財政の悪化をもたらす悪循環の道にほかなりません。そうではなく、社会保障に重点的に予算を配分して給付カットを凍結することこそ日本経済再生の第一歩であるということを強く主張して、反対討論とします。
#102
○委員長(金田勝年君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(金田勝年君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の採決を行います。
 まず、井上君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(金田勝年君) 少数と認めます。よって、井上君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
#106
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員西川きよし君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    平成十五年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
  公的年金、特に基礎年金の給付水準については、高齢者の生活や収入の状況が多様であり、疾病や要介護状態等のリスクにも大きく左右されることにかんがみ、年金だけでなく、高齢者の医療保険、介護保険の給付と負担、税制の在り方や、現役世代の社会保険料、租税等の負担の在り方を総合的に勘案し、国民の給付と負担の全体像を明確にする中で、高齢者が生活上の安心を得られるよう必要な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#107
○委員長(金田勝年君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
#109
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#110
○委員長(金田勝年君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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