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2003/07/03 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第26号
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2003/07/03 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 厚生労働委員会 第26号

#1
第156回国会 厚生労働委員会 第26号
平成十五年七月三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   近藤 信司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  冨岡  悟君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       国土交通大臣官
       房審議官     中山 啓一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○次世代育成支援対策推進法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○連合審査会に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(金田勝年君) 次に、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○狩野安君 おはようございます。よろしくお願いいたします。
 私が今更申すまでもなく、少子化というものは大変深刻な状態を迎えております。二十一世紀にはもう既に総人口が半減するという予測もされているわけですから、これはもう大変な問題だというふうに感じておりますし、私自身も、少子化対策というのはもうどんなふうにしたらいいか、あれもこれもと考えてもなかなか思い付かない大変難しい問題だというふうに思います。
 少子化の原因というものはいろいろと、晩婚化だとか夫婦の出生率の低下とかいろいろ言われておりますけれども、またそれ以上の何かがあるんじゃないかと、その何かがなかなか見付けられないというふうに思っております。
 そしてまた、少子化が将来において雇用とか年金など深刻な状態を与えるとかいろいろ、子供はこれから子供少なくなると豊かな人間関係ができなくなるとかということを言われておりますが、そう言ったからといって、じゃ、私たちも子供を産もうという、そういう状況ではないような感じがいたしますし、また、この少子化が深刻な状態を迎えまして、少子化対策プラスワンということで、厚生労働省の枠を超えた幅広い分野でということでこの次世代育成支援対策推進法案ができてきたんだというふうに、提出されたんだというふうに思いますけれども、これまでの政府が大変、新エンゼルプランだと、実施など様々な対策を講じてこられましたけれども、少子化の進行がそれでもなおかつ一向に止まらない現実を踏まえて、これまでの対策をどのように評価し、そしてまた今後の次世代育成支援にどのように取り組むのか、坂口大臣の御見解と御決意をお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(坂口力君) 今、先生からお話ございましたように、一番最初は、平成元年でございましたか、いわゆる一・五七ショックと言われましたときがございまして、そのころからだんだんとこの少子化問題が大きな課題になってきたというふうに認識をいたしております。
 それで、政府の方もそれ以降、様々な形で対策を打ち出してまいりましたし、環境整備を整えてまいりました。厚生省の人口問題審議会、あるいはまた総理大臣主宰の少子化への対応を考える有識者会議、こうしたものもできたことも御承知のとおりでございますし、少子化対策推進基本方針が定められましたのは平成十一年でございました。
 また、新エンゼルプランが作られるというようなことが今まであったわけでございますが、今まではどちらかといえば仕事と子育ての両立支援というところに力点を置きまして進めてまいりました。しかし、少子化の傾向は更に進んでまいりまして、結婚した方々の間でも子供の数が減ってきているというようなことが明らかになってまいりました。そして一・三二という一番喫緊の数字になっているわけでございます。
 先生も御指摘になりますように、原因は様々だというふうに思いますし、これ一言ではなかなか言い難いものがあるというふうに思いますが、今までの仕事と子育ての両立支援だけではなくて、働き方全体をやはり見直すということをしていかないとこの問題の決着にならないのではないかというふうに今考えております。
 したがいまして、働き方の見直し、これはもう男性も含めました働き方の見直しというものを加え、そしてまた地域におきます子育て支援といったようなものも見直していくという必要がある、あるいは職域、職場においてももちろんそうした運動を展開する必要がある、そうしたことを今念頭に置きながら対策を立てているところでございます。
 ひとつ幅広い角度からこの問題に取り組んでいく以外にないだろう、一つのことだけで決着を付けるということはなかなか難しいだろうというふうに思っている次第でございます。
#7
○狩野安君 正に大臣のおっしゃられるとおり、一つだけ片付けばこれがスムーズにいくという問題ではない、大変難しい問題だと思いますけれども、少子化の流れを変えるためには更にもう一段上の少子化対策が不可欠だというふうに考えております。
 また、今年の三月には少子化対策推進関係閣僚会議で当面の取組方針が決定されたと聞いておりますけれども、さらに、今回の次世代育成支援対策推進法案により、社会全体で子育てを支援する枠組みを構築しようとしている姿勢というものは私は評価したいと思っております。
 本法案の行動計画策定が実効性のあるものとなり、家庭、地域、企業、国がそれぞれの役割を果たしながら子供を育てる社会の実現に期待をするところでございますが、そのためにも、地域並びに企業の行動計画策定を、国がより具体的な指針や手引書、マニュアルを作り、きめ細やかな支援を行うことが必要と考えますが、支援対策の具体的内容はいかがでしょうか。雇用均等・児童家庭局長にお伺いいたします。
#8
○政府参考人(岩田喜美枝君) 地方公共団体や企業が策定する行動計画が実効性のあるものになるかどうか、これが今回の次世代支援対策の成否を決めるものであるというふうに考えておりますので、国としてもできる限りの支援をしたいというふうに思っております。
 具体的には、まず行動計画策定の参考にしていただくその指針を早急に作りたいというふうに考えております。地方公共団体の行動計画あるいは企業の行動計画の策定の寄る辺、根拠になるようなものをなるべく具体的な形でお示しをしたいというふうに考えております。
 また、地方公共団体の行動計画につきましては、各市町村がその地域の実情に応じたものを作っていただく必要がございますので、例えば住民に対するニーズ調査などをしっかり行っていただくなどが必要であるわけですけれども、そのニーズ調査の調査票のモデルなどもお示ししながら、具体的な策定手順についてマニュアルをお示ししたいというふうに思っております。
 また、企業の行動計画につきましては、個々の企業が適正な行動計画を策定しそれを実施していただくということを支援するために、幅広い事業主の団体に呼び掛けまして次世代育成支援対策推進センターとして指定をさせていただき、ここが中心になって関係の企業に具体的なきめ細かな支援をしていただくと、こういう支援センターを更に国が支援するといったようなことで取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#9
○狩野安君 地域でのいろいろと支援ということでございますけれども、地域差が大変激しいんですね、地方へ行けば行くほど。その地域差をなるべくなくすようなそういう感じで、地域差があるものですから、せっかくいい村に住みながらも、いろいろケアが足りないので、ほかの町へ行って、大きな町へ行って、そこから村の方に役場や何かに働きに行くなんという、そういう若い世代が増えてきておりますので、地域差をなるべくなくすような、そういうことも考えてよく御指導のほどもよろしくお願いいたします。
 また、子育てをしながら働く人に仕事と家庭の両立を支援する施策に加えて、労働者全体の働き方を見直すことが少子化対策には不可欠であると考えます。これには企業の取組が非常に重要だと思いますが、本法案は三百一人以上の労働者を雇用する企業はすべて行動計画を策定することとされていますが、この計画にはどのような内容が盛り込まれることになるのでしょうか、またお聞きしたいと思います。
#10
○政府参考人(岩田喜美枝君) 冒頭、大臣がおっしゃいましたように、少子化の流れを変えるためには、企業の取組として最も大事なことは、働き方を変える、そして子育てと仕事が両立しやすいような雇用環境を整備するということだというふうに考えております。このため、国が企業の事業主行動計画のために策定いたします指針の中では三つのことを定める予定にしております。
 まず最初は、子育てと職業生活との両立支援のための雇用環境の整備ということですが、例えば育児休業制度をより利用しやすいような制度にしていただくとか、実際に休業を取得しやすいような職場環境作りをしていただくとか、休業と併せて短時間勤務の制度などを導入していただくとか、子供が病気になったときの看護休暇制度を導入していただくなど、そういう具体的なプログラムを盛り込みたいというふうに考えております。
 二つ目には、男性も含めた働き方の見直しの問題ですけれども、所定外の労働時間の削減ですとか、年次有給休暇の取得促進、在宅ワークやテレワークなどの働き方の導入、多様な就業型ワークシェアリング制度の導入など、多様な働き方ができるような労働条件を整備していくといったようなことがございます。
 そして三つ目は、企業も社会的な存在でございますので、企業が、あるいは企業に勤務する従業員が地域のために子育て支援という、次世代支援対策という分野でどういう形で社会貢献できるかといったようなことについてもこの計画の中に盛り込んでいただきたいというふうに考えております。
 なるべく具体的に幅広くメニューを盛り込みたいというふうに思っているわけですけれども、企業におかれてはこれを参照していただいて、すべて網羅的に盛り込むということはなかなか難しいかと思われますけれども、それぞれの企業で取り組み可能な、実現可能なものからできるだけ取り組んでいただくような、そういう行動計画にしていただきたいと考えております。
#11
○狩野安君 こういう行動計画がきちっと企業の中で執り行われる、一日も早く実行されることを心から期待をしております。
 また、三百人以下の企業につきましては、行動計画の策定は努力義務となっておりますけれども、働き方の見直しというのは企業規模を問わず進めていくことが必要だと考えられます。でも、御存じのように、もうすごい現在の厳しい経済状況の下では、大変中小企業においては負担感も強いわけですし、こういうことが出てくると大変困るんじゃないかなというふうに思いますし、そしてまた、それと同時に、どのように取組を進めたらよいかと、ノウハウがないことも多いと想定されておりますので、このような中小企業に対して国が積極的に支援を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○政府参考人(岩田喜美枝君) 企業が行動計画に基づいて働き方の見直しを進めるということについては、企業の規模を問わず、大企業も中小企業もこぞって取り組んでいただきたいというふうに考えているわけでございます。しかしながら、中小企業の事業主の負担も勘案いたしまして、今回の法案では、行動計画の策定を一律に義務付けるのではなく、従業員三百人以下の中小企業については計画の策定、届出の努力義務を課しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、事業主の団体を、なるべく多くの事業主団体に参加していただいて、次世代育成支援対策推進センターとして指定させていただき、ここが中小企業も含めて個々の企業に対して計画の策定や実施についての支援をしていただきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#13
○狩野安君 中小企業の経営者にしても、大変頭では分かっているけれども、実際に自分のところとなると、いろいろ経済的な問題や考えて難しく、ちゅうちょするようなことになるんじゃないか、実行できないんじゃないかと思いますので、これからもきめ細かい御指導のほどをよろしくお願いいたします。
 また、核家族化や地域社会の弱体化によって子育ての精神的な負担感や孤立感が高まっております。子育て家庭の孤立は育児ノイローゼや児童虐待にもつながる重大な問題であると思いますし、調査によりますと、共働きのお母さんよりもむしろ専業主婦のお母さんの方が子育ての孤立感、負担感が高いとのデータも出ております。
 でも、私はそのとおりだというふうに思うんですね。共働き家庭の方は育児の不安なんかについてもいろんなところで相談に乗っていただける。また、職場へ行けば同僚もいる、仲間もいる、先輩もいる、いろいろ教えていただく、そしてまた、仕事をしている間は育児から解放されているわけですから。それに比べると家庭の主婦というのは、二十四時間家庭の中で育児、子供と対面をしている中で、相談相手もいない、そしてまた、何かあっても一時的に預かってもらうところもない、どういうふうに預かってもらったらいいかも分からないということで、一人で育児不安を抱え込んでしまうという状況があるんじゃないかというふうに思っております。
 そういう意味でも、今までは、共働き家庭の仕事と子育ての両立支援はもちろん今まで同様に重要ですけれども、やっぱり今まで施策の光が当ててこられなかった在宅の親への支援メニューに地域で取り組むことにつきましての御所見をお伺いいたします。
#14
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員がおっしゃいましたように、核家族化、そして都市化の中で子育てが大変孤立化して、また負担感が増しておりますけれども、この問題は共働き家庭よりもむしろ専業主婦家庭の方に強いといったようなことも認識いたしております。
 市町村におきます子育て支援事業について、これまで厚生労働省としましては様々なプログラムを予算事業として実施してまいりましたけれども、これを個々の市町村ごとの実施状況で見ますと、必ずしも十分でないといいましょうか、むしろ大変不十分な状況にあるというふうに言わざるを得ないというふうに思います。
 今回の児童福祉法の改正法案では、市町村によります子育て支援事業を三つのグループに分けているわけですが、一つは地域子育て支援センター事業やつどいの広場事業などの子育て相談・交流支援、二つ目には一時保育事業や子育て短期支援事業などの子育て短期預かり支援、三つ目には出産直後の産褥期に保育士などを派遣するような事業などの居宅における子育て支援、こういうふうに三つに区分いたしまして、これらの事業を子育て支援事業として法定化し、市町村にその実施の努力義務を課すことといたしております。
 また、各市町村は、これらの事業をすべての子育て家庭がその必要に応じて十分利用していただけるように、情報提供や相談・助言、利用のあっせんなど、いわゆるコーディネート事業と言っておりますが、コーディネート事業も行っていただくということにいたしております。
 また、もう一つの次世代育成支援対策推進法案におきましては市町村が行動計画を策定することにしているわけですけれども、この行動計画の中の大変重要な柱の一つとして今申し上げましたような地域の子育て支援事業を盛り込んでいただいて、これによって市町村の取組の充実強化が図られることを期待したいと考えております。
#15
○狩野安君 これは本当によろしくお願いしたいと思いますけれども、私、先ほどお話ししましたように、いろいろと市町村においても地域差が本当にあるんですね。ですから、いろんなこういうあれができても、実際にはそれを助けてくれる人材もいなかったりとか場所がなかったりとかいろいろと、これからますますいろんな形でこういう施策がどんどん出てきても地域差というものはもっともっと広がってくるような感じがいたしますので、都市部では良くても本当に農村部、いろんな形では大変それが報われないことが多いと思いますので、地域差というものをもうちょっと頭に入れて考えていただきたいということを、いつも局長の中の頭にもう地域差、もういろんな地域の中で各農村へ行ったらいろんな形で環境が物すごい差があるんだということも頭の中へ入れてお考えをいただきたいというふうに思っております。
 また、育児ノイローゼとか児童虐待というものは、私はこれは一つの少子化にもつながってくると思うんですね。こういうのが増えてきてマスコミがいろんな形で取り上げていると、ああ、子育てというのは大変なんだな、子育てというのはもう本当につらいことなんだなと思うことによって自然とその気持ちが、子供を欲しくないというそういう気持ちに自然となっていくような感じがいたしますので、こういう育児ノイローゼとか児童虐待というものを本当に少しでもなくすということは物すごく大事なこと、これが少子化を止める歯止めの一つにもなるんじゃないかなというふうに感じております。若い人たちが子供を持つことに恐怖心を感じる、やっぱり子供を育てることによって物すごい楽しいんだという雰囲気が伝われば、ああ、楽しいんだったら私も子供を欲しいなという気持ちになるような、そういう家庭が生まれるような施策に作って、きめ細かい施策も作っていただきたいというふうに思っております。
 児童虐待法が施行されまして本年秋で三年目を迎えますけれども、厚生労働省の社会保障審議会児童部会の下で設置されました専門委員会で検討が行われ、先般、報告書がまとめられたそうですが、児童虐待防止法の見直しを含めて、今後、児童虐待防止対策の充実にどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせいただきます。
#16
○政府参考人(岩田喜美枝君) 全国の児童相談所に寄せられております虐待に関する相談件数というのは、十四年度は前年度と比べて若干落ち着きを見せているんですけれども、引き続き大変数の多い相談が寄せられております。二万四千件を上回る件数でございます。また、数の多さだけではなくて難しいケース、親がなかなか子供を分離して施設に入れることについて同意しないとか、そういった難しいケースも増えてきております。
 今、委員がおっしゃいましたように、児童虐待防止法では、法律の附則において施行後三年、これが今年の十一月になりますけれども、三年をめどとして見直しを検討するということが規定されております。厚生労働省としては、その見直しの議論に対応できるようにということで、解決すべき課題の整理を行うために社会保障審議会児童部会の下に児童虐待の防止等に関する専門委員会を昨年の十二月に設置いたしまして、先月、報告をいただきました。
 その報告の内容でございますけれども、例えば、虐待の対応というのは予防から、発生の予防から、そして早期発見、早期対応、さらには子供の保護や自立支援に至るまで一貫した切れ目のない支援が大事であるということ、あるいは相談に来るのを待っているということではなくて、本当に深刻な問題を抱えている家庭はむしろ相談に来ませんので、そういう支援を必要とする家庭には積極的にアプローチをする、出向いていくというような姿勢転換が必要ではないかといったようなこと、そして、できることであればまた家族の再統合が望ましいわけですから、家族の子供の養育機能を再生強化するような家族支援、親に対する支援、それが重要でないかといったようなこと、あるいは虐待防止ネットワークなど市町村、最も身近な市町村レベルの関係機関の連携による取組が必要ではないかといったようなことが基本的な考え方として示されたところでございます。
 また、先般、参議院の共生社会に関する調査会におかれましては、児童虐待の防止に関する決議がなされて、幅広い御提言をされておられます。
 厚生労働省といたしましては、これまでも児童相談所の体制の整備ですとか市町村レベルの虐待防止ネットワークの整備などに取り組んでまいりましたけれども、各方面のこういった提言なども踏まえながら、引き続き総合的な取組を充実できるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#17
○狩野安君 これから社会保障というものを制度についてもお聞きしたいわけですけれども、先日、衆議院の本会議におきまして自民党の山崎幹事長が、ばらばらになっている育児支援施策を財源も含めて統合し強力な次世代システムとなるよう検討すべきだと求めたに対しまして、小泉総理が、総合的、効率的に取組を進めたいと答弁されておりました。私もかねてからこの児童支援施策のばらばらのというものはどんなものかなというふうに考えておりましたし、この百八十二ページのアクションDにも、「子育て支援は妊娠・出産からはじまる」ということでいろいろ書いてあります。
 「子育て支援は妊娠・出産からはじまる」といって、いいお産ができるようなケアを是非提供できるように、必要があると書いてありましたけれども、出産時にいわゆる出産費用として三十万円いただけるわけですね。それが若い夫妻、お父さん、お母さんにとってはそれがとっても負担であると。後で返ってくるけれども退院するときには自分でそのお金を払わなくちゃいけないということで、貸付制度ができて、二十六万でしたか、何か無利子で借りられるということで手続さえすればということですけれども、私は、妊娠することに、赤ちゃん生まれることによっていろいろとお金が掛かるということにもって、何でお金借りてまでというような、いろんなそういう不安、出産に関していろんな費用が掛かるのに、三十万円というお金を戻ってくるけれども払わなくちゃいけないというのは、大変すごいそういう人たちに影響を与えているんじゃないかなというふうに考えるわけです。
 ですから、三十万円、その出産費用の三十万円というものを何かもっと簡単に、病院が請求してそれを支払ってもらえるとか、そういうとにかくお母さんが病院へ入っても手ぶらで入って手ぶらで帰ってこられるようなそういうシステムにならないのかなと。この社会保障システムというのは大変難しいわけですから、私の素人の考えではそういう簡単にできることが、手ぶらで行って立派な元気な赤ちゃんを抱えて帰ってくる、そういう、何ですか、安心感というか幸せ感というもの、そういうものを味わっていただくことがとても少子化というか、子供を産みたいという気持ちになるんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、これは私の希望でございまして、そういうことをすることによって小泉総理が言われる効率的につながるような感じがいたします。
 ですから、差額の費用は自分で払うとしても、とにかく出産費用だけは国が持ってくれるんだと、だから手ぶらで行きゃ元気な赤ちゃん帰ってこられるんだという、そういう気持ちを持っていただくことがとても大事なんじゃないかなというふうに考えておりますので、これは私、少子化対策に物すごく、結構重い一つのあれに、要素になるんじゃないかなというふうに私個人では考えておりますので、社会保障制度につきまして、それを、もしそういうことで何かございましたら聞かせていただき、私はこれからの厚生労働省としても年金制度の次世代の育成について、支援についても前向きな検討、具体化への取組をお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。何かございましたらおっしゃっていただきたい。
#18
○国務大臣(坂口力君) 確かに、少子化対策様々ございまして、これはやはり実りあるものにする一方で、そしてまた屋上屋を重ねないようにやはりしていかないといけないというふうに思います。
 例えば、税制上の優遇措置がありましたり、あるいは児童手当がありましたり、いろいろあるわけでございますが、そうしたものを必ずしもしかし本当に必要な人のところにそれが行きにくいという仕組みもあるわけでございますから、必要な人のところにその手当が行くといったような形にやはり一元化していくことは大変望ましいことだと私も思っている次第でございます。
 今お話ございました年金制度の中での支援も、これも賛否両論実はございますけれども、しかし一つの方法でございまして、これからそうした次世代の人たちが育ってくれることはその次の世代の保険料の支え手になってくれることも事実でございまして、そうしたことを総合的に考えて、やはり年金制度の中で考えていくというのも一つの方法。ただ、先ほど申しましたように、屋上屋を重ねるのではなくて、それらをうまく組み合わせて、そしてダブりのないように広く行き渡るように、そうしたことを考えていくことが大事ではないかというふうに思っておりまして、是非早期に実現したいと、そういうふうに思っております。
#19
○狩野安君 終わります。
#20
○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。
 次世代育成支援対策推進法、児童福祉法、そして議員立法として少子化対策基本法が国会終盤、この時期に集中的に審議されるわけですが、それは言うまでもなく少子化対策にどう対応するか、対処するかということだと思います。
 先ほどにもお話出ていましたけれども、平成元年には一・五七ショックということがございました。その後どんどん下がり続けて、今や一・三二ということです。もし来年一・五七となるとショックではなくびっくりということになるような、大変皮肉な一・五七ショックだなと今思えばそう考えるわけでございます。
 子供を生み育てることが楽しく積極的にということもあろうし、同時にそう楽なことでもない、これも事実だと思います。しかし、子供を生み育てるということは極めて個人の営為といいますか領域のことでありまして、以前のように男女、性、役割差別の家制度の中で強制的に産まざるを得ない、ましてや国の、国家権力の介入で強制的に産むような方向に持っていく、これはやはり考え物だなと、許されてはならない施策だと思います。
 そこで、大臣としては大変お答えにくいかもしれませんけれども、報道もされております森前首相の発言でございます。子供を一人もつくらない女性の面倒を税金で見なさいというのはおかしいと、こういう発言が、報道で私も聞きました。森前首相は御自身の意見ではなくて自民党の少子化問題調査会に出てきた意見だというようにも御説明されておりましたけれども、私は、今申し上げたように、こういった税金でそういう方を見るのはおかしいというような、ペナルティーといいますか、こういうことで子を産ませる、育てさせるというのは、私は逆効果だなと思いますし、人権の観点からもあってはならない、そんなふうに思いますけれども。
 先ほど言いましたように、大臣、お答えにくいかもしれませんけれども、厚生労働大臣として少子化対策にどのような施策を持って、またどういう方向で進めるべきか、そのお考えをまずお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(坂口力君) 森前首相のお言葉というのは、直接聞いたわけではございませんし、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、子育てをしやすいやはり環境を作らなきゃならないことだけは、これはもう紛れもない事実でございまして、どうこれを現実に進めていくかということだろうと思うんです。みんなが総論としてそれはもうよく分かっているわけでございますが、現在までの社会のしきたりといったようなものも含めて、制度、しきたりを含めてそこをどう改革をしていくか、そこが伴わなければこれは前進しないわけでございます。
 男性を含めた働き方の問題というのを、これも誠にもう大事な問題、ここなくしてやはり前進しないということも大体もうみんな分かってきているというふうに思うんですが、現実はなかなかそういきませんで、むしろ時に逆行しているということもあるわけであります。ここをどうクリアするかということが、私は、いろいろありますけれども、最大の課題だというふうに思っている次第でございまして、それに対してどういう手を打っていくかということに尽きてきているという気もするわけでございます。
 人生いろいろ生き方ございますけれども、たとえ賃金がそう多くなかったとしても、本当に自分自身が自由に使える時間をどう持つかということがやはり大事だというふうに言っている人がございますけれども、私は正しくそこはそのとおりではないかというふうに思います。賃金もたくさんあって、そして自由な時間もたくさんあってというのはそれは一番いいに決まっているわけでございますが、たとえそうはいかなかったとしても、本当に自分自身で自由に使える時間をやはりどう持てるかということは大変大事なことだというふうに言っておりますが、そういうやはり少しゆとりのある社会を作り上げていくということが私は子育てに直接結び付いてくるのではないかというふうに思っている次第でございます。
#22
○堀利和君 確かに、子供を生み育てたい、こういう環境作りをどうするかというのは、先ほど来からありますように、一つの対策で解決するものではない、大変多面的、複雑な状況にあるなと私も思うわけでございます。
 しかも、先ほどのように、専業主婦の場合に子供に対しての虐待がある。これは、やはり社会からの孤立感と、ずっと二十四時間我が子と対面している、こういった状況。片方では、共働きの場合に、子供をゆっくりゆとりを持って育てたい、しかし時間に追われてできない。正に非常に現代社会を象徴しているような状況かなと思うわけでございます。
 そこで、育児休業に関してお伺いをしたいと思いますけれども、もう当然、仕事と子育ての両立支援というのは言うまでもございません。
 こども未来財団が調査いたしましたその報告を見ますと、政府の育児支援策に対する要望としまして、企業の取組認定、看護休暇助成、相談窓口、育児休業取得者への教育訓練助成、苦情受付の専門機関、こういうことが挙げられておりました。もっともだなと私も思うわけでございます。
 この企業の取組認定につきましては推進法では非常に明確にうたわれておりますけれども、その他のニーズにつきましてはよく分からない。推進法にそこまで求めるのも法の性格上妥当ではありませんけれども、その他の制度においても、こういった看護休暇の助成なり教育訓練助成を含めた再就職の促進策、苦情受付の専門機関の設置など、こういうことがどういうような政策として進められているのか、お聞きしたいと思います。
#23
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が御指摘になりました具体的な課題でございますが、これは推進法で直接というよりは、個別法や各種の事業に基づいて施策を展開してまいっております。
 まず、子供の看護休暇制度についてですが、平成十三年に育児・介護休業法の改正をいたしまして、その中で事業主の努力義務として初めて位置付けました。現在は、この事業主の努力義務規定に基づきまして、また制度導入の奨励金を事業主にお支払いするという方法も活用いたしましてその普及を図っているところでございます。
 二番目におっしゃいました教育訓練も含めた再就職、育児のために退職された方が育児が一段落した後の再就職を支援する対策についてですけれども、これについては二十一世紀職業財団というところに委託をしてやっておりますけれども、再就職に役立つ情報提供や自己啓発のための教育訓練に対する援助などを行っております。再就職希望登録者支援事業と言っております。
 三つ目の、専門的な相談窓口、苦情処理の窓口についてですけれども、育児・介護休業法等についての相談は各都道府県労働局の中にございます雇用均等室で対応しておりますし、それ以外も、広く企業において個々の労働者と事業主との間の個別の紛争の解決を図ることを目的といたしまして、総合労働相談コーナーが各都道府県労働局に設けられております。こういったようなところ、こういう仕組みを使っていただいて紛争の解決の援助を図っているところでございます。
 今回の次世代育成支援推進法に基づきまして企業に行動計画を作っていただくわけですけれども、その行動計画の中に、できれば、今、委員が御指摘になりましたような、子供の看護休暇制度を導入することですとか、子育てなどによって退職した人をもう一度再雇用する制度などを盛り込むことは大変必要である、望ましいことであるというふうに考えますので、行動計画策定指針においてそういったことが盛り込めないか検討したいというふうに考えます。
#24
○堀利和君 是非積極的に取り組まれることを要望しておきたいと思います。
 次に、いわゆる子供を産みたくない、産めない、こういう社会であってはならないわけですけれども、その大きな原因というのは、やはり雇用との関係、生活の安定ということが強いと思うんですね。
 私のような年齢からすると、若者のフリーターというのが極めて無責任にも見えますけれども、実はそうではなくて、やむなくフリーターになっている若年層というのも多いわけであります。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 平成十三年の日本労働研究機構の調査でも、「大都市の若者の就業行動と意識」、この調査でも、実はやむを得ずフリーターになっているというのが三九%なんですね。非常にこれは高いわけです。本来ですと安定した正社員に就きたい、しかしなれない、こういう状況だろうと思います。そこで、政府の取組方針でもフリーター対策を推進するということになりましたし、二〇〇三年度版の国民生活白書でもこのフリーター問題をテーマとして取り上げております。
 そこで、フリーターの増加している実態、また増加の理由、増加の影響、こういった対策の方針について御説明をお願いしたいと思います。
#25
○政府参考人(戸苅利和君) フリーターの数につきましてはいろいろな数のとらえ方がございますが、今、委員御質問のというか、御指摘の日本労働研究機構の推計で申し上げますと、これは三十五歳未満のアルバイト、パートの雇用者、これをフリーターの指標としてとらえたものでありますけれども、平成九年が百五十一万人、平成十二年が百九十三万人ということで、年々増えておりまして、恐らく今日では二百万人を超えているものというふうに思います。
 このようにフリーターが増加している背景といたしましては、一つは、非常に厳しい経済情勢が続いているということで企業も求人を抑制する傾向にある、しかも即戦力志向が高まっているということで新規の学卒者の採用数というものが減ってきているということが一つあると思います。
 それからもう一つは、やはり産業構造の高度化ですとか情報化ですとか、あるいはサービス経済化ですとかいうふうな中で、求人の内容自体が非常に高度化している求人と、それからパートとかアルバイトとかそういった、どちらかというと専門的な知識なり技能なりを必要としないような部分と二極化しているというふうなこと。一方で、今、委員御指摘のとおり、若年者でも働きたいという方が大部分なわけですけれども、そういった若年者の方の求人の希望と、それから企業の求人のニーズと、この辺りのミスマッチというものがやはり拡大しているということが一つあると思います。
 それからもう一つは、働く側の若年者の側にも、やはり職業意識が十分形成されないままに学校を卒業してきてしまっているということ、そういったこともあって、せっかく就職しても非常に安易に早期に離職してしまう、あるいは離職を繰り返すといった中でフリーターが増えているというふうなことだろうと思います。
 ただ、フリーターの中でも、以前は、やはり目的がしっかりしていて、そこへ向かってフリーターをやっているんだという方の割合が高かったんですけれども、最近は、今、委員御指摘のとおり、正規の職業に就きたいけれどもなかなかうまく就けないということで、やむを得ずフリーターになっているという若者も増えているということだろうと思います。
 こういった状況が続くということは、若者本人の将来にとりましても、若い時期に必要な知識なり技能なり、そういったものが形成されない、そういったことで将来にわたるキャリア形成の支障になる。それから、我が国の将来ということを考えましても、産業なり社会なり、それを支える人材の育成が若いうちに図られないということになる可能性があるということでございまして、このまま放置するということは、本人にとっても日本の社会にとっても適切ではないというふうに考えております。
 このため、先般、厚生労働大臣、それから文部科学大臣を始めといたします四大臣から成ります若者自立・挑戦戦略会議におきまして若者の自立・挑戦プランが策定されたところであります。我々としては、これに基づきまして、教育段階から就職の準備段階、それから就職後の定着まで一貫した対策を文部科学省等とも協力して有機的に対策を取っていくということで、学校を卒業してフリーターになったり無業者になるということをなるべく抑制していくというふうな努力をいたしたいというふうに思いますし、もうフリーターになっている方あるいは無業者の状態の方につきましても、その意欲に応じて安定的な就業に就けるように努力をしていきたいというふうに考えております。
#26
○堀利和君 そこで、大臣に御認識をお伺いしたいと思いますが、雇用不安が直接イコール子供を産まない、育てたくないとは言いませんけれども、しかし子供を生み育てたいというそういうことに対して、将来の不安、雇用がどうなるか分からない、リストラ、あるいは働いていても家を買ったローンが返せるか分からない、様々なこういう不安の中では、やはり安心して生み育てるということができないと思うんですね。
 でも、昨今の経済社会状況を見ますと、企業側のいつでもどこでも必要なときに労働力を調達するというような傾向がどうも見られるんではないのか、こういうことでは、働く側にとっては、安定した生活、正に不安なしで将来を見るということができないと結婚して子供を生み育てるということもままならないわけですけれども、こういう一つの経済社会の状況と、厚生労働省としては一生懸命やっていらっしゃる子育て支援を含めてのことについて、大臣はどのように御認識されていますでしょうか。
#27
○国務大臣(坂口力君) 経済の状況というものが子育てに対する影響、これは多くの中の一つの原因として私は存在することは認めなければならないというふうに思っております。したがいまして、経済をどういう方向に持っていくかということは全体に影響をいたしますけれども、その中で子育てということにも大きな影響を与える。
 結婚を既にされている夫婦にとりましてもこの経済状況というのは非常に大きな問題でございますが、まだ結婚をしていない青年たちがこれから結婚ができるかどうかというのは、それは職業を持つかどうかということに懸かってくるわけでございまして、職業を持たずに結婚をする、に踏み切るということはこれはなかなかできないといったこともございます。その両方から見まして、やはり経済の安定というものは大変大事だというふうに思っております。
 そうした意味からいきまして、この雇用対策というのは避けて通れない、どうしてもやらなければならない、更に進めなければならない課題だというふうに思っている次第でございます。
 ただし、雇用だけがそれじゃ原因かといえば、そうではなくて、やはりその他にも影響するところもある。これらのことも総合的にやはり少子化対策というのは考えていかなければならないというふうに思っておりますが、雇用対策として、こういう経済の状況でございますからいろいろなことがあるというふうに思いますが、いろいろなことが起こりましてもそれに対応できる体制をどう作るかということが我々に課せられた仕事だというふうに思っている次第でございます。
#28
○堀利和君 時間の関係で児童虐待の問題に移らせていただきますが、児童虐待の全般的な状況をまず伺いたいと思います。
 死亡などの重症件数、立入調査、法九条の問題ですけれども、あるいは警察官援助、これは十条に当たりますけれども、この件数、そういった傾向と分析についてまずお伺いしたいと思います。
#29
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十四年度の児童相談所で受付処理をいたしました児童虐待の全体の件数は、先ほども申し上げましたが、二万四千を超えておりまして、二万四千百九十五件で、前年度より若干の増加となっております。増加傾向が一定の落ち着きを見せているかなという感じはありますけれども、依然として非常に高い水準であるというふうに思っております。
 その中で、今言われました非常に深刻な事案でございますが、一時保護の件数は十三年度には七千六百五十二件、また、例えば施設入所措置について親の同意が得られずに家庭裁判所の承認を申し立てた件数は平成十三年度が百三十四件、そして立入調査の件数が平成十四年度二百三十件、警察官の援助を求めた件数が平成十四年度に四百二件という具合にいずれも増加の傾向にございます。
 お子さんが亡くなったような非常に深刻、重大な事案についてですが、ちょっと手元に数値がございませんので若干不正確かもしれませんけれども、児童虐待防止法が施行されてから今日まで百数件、百十件には行っておりませんが、百数件把握をいたしております。
 以上、数の増加とともに、やはり非常に難しい案件といいましょうか、対応が難しいケースが増加しているというのが現状認識でございます。
#30
○堀利和君 児童虐待というのは本当に、ニュースで聞いて心痛める本当に深刻な問題だなと私自身思うんですね。もちろん、こういった児童虐待そのものを発生させない、そういった環境を取り除く、そういう事態がある場合には早く発見する、もちろんプライバシーというものを尊重しなければなりませんけれども、早くそうした事態を発見する、発見したらフォローし、そしてやはりしかるべき施設などで愛情豊かに子供を見守るということだろうと思いますけれども、そういう点で大変重要なのは、中核的機関としての児童相談所の役割というのは大変重要だと思います。
 最近、取扱業務が増大しまして、児童相談所が今四苦八苦しているという状況だというふうにも聞いておりますし、そういう点での児童相談所の地域的な配置なり人員についてはどうなっているんだろうかという現状と、その専門職員の、同じく専門職員の配置、研修日数なども果たして十分なのかどうか、この辺のところについてまずお伺いしたいと思います。
#31
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童相談所は、都道府県、政令指定都市の機関でございますけれども、全国で百八十二か所ございます。この児童相談所で虐待問題に専門的に対応している者が児童福祉司という専門職でございます。
 今、委員も言われましたように、児童相談所の現在の体制はもう限界に来ているというふうに私どもも認識いたしておりまして、一つには、この児童福祉司の充実強化を図るべく、児童福祉司の人件費は地方交付税に算定されておりますので、地方交付税における算定基礎人員の増員要望を平成十二年度以降毎年やってまいっております。その結果、平成十一年度までは、標準団体、これは人口百七十万人でございますが、百七十万人の団体の場合に十六名でございましたけれども、その後の増員が図られまして、十五年度には二十三名で七名増の配置となっているところでございます。
 引き続き児童相談所の体制の強化を図る必要はあるというふうに思いますけれども、それと併せて、すべて児童相談所が対応するということではなくて、例えばもっと市民にとって身近な機関であります市町村において、もう少しまず一般的な相談について対応できないかなど、児童相談所と市町村の役割の在り方などについても検討していく必要があるんではないかというふうに考えております。
 また、職員の専門性の向上も大変重要な課題であるというふうに認識いたしておりまして、平成十四年度からは、児童虐待の問題や思春期の問題を専門的に扱っております子どもの虹情報研修センターというところで児童福祉司などの専門研修を実施しておりまして、こういう形でその専門性の向上にも努めているところでございます。
#32
○堀利和君 是非その辺も積極的にお願いしたいと思います。
 虐待を受けてしまった子供が、これは本当に悲惨なことだと思いますけれども、虐待を受けてしまった以上は親と切り離すしかないわけでございまして、こういった場合の長期のケアという施設、ここもやはり重要だと思います。
 大臣にその辺の御決意をお伺いしたいわけですけれども、こうした施設、児童福祉施設の人員配置も含めて大変厳しい状況にあります。
 一月、委員派遣で仙台に行ってまいりまして、仙台キリスト教育児院、ここに訪問させていただいて、丘の家子どもホーム、丘の家乳児ホームなどを見せていただきました。虐待されて、そこに来た子供たちですけれども、大変愛情豊かにケアされていると見えまして、大変非常に落ち着いて和やかな子供たちでした。その施設も、もう歴史も長いんですが、広大な土地を持っていたけれども、運営、経営にお金が掛かるということで土地をどんどん切り売りして大分狭くなったと言っておりまして、まあ、それでも広いなと感じて帰ってきたわけですけれども、こういうことで大変苦労されているわけです。
 私は、お金がないからとか、予算が付けられないからというふうには済ませられない、大人の責任としてもこういった児童福祉施設には十分な予算措置を付けて十分なケアをするようにすべきだと思いますけれども、最後に大臣の御決意を伺って、終わりたいと思います。
#33
○国務大臣(坂口力君) 正しく児童虐待というのは心の痛む話でございますが、児童相談所にお邪魔をいたしましても、あるいはまた児童福祉施設にお邪魔をいたしましても、最近、年々歳々、倍々ゲームで入所希望者が増えてくると、こういう事態でございます。一方、局長の方から答弁しましたように、人員もある程度は増やしてはいるわけでございますが、なかなか実態に追い付かないというのが現実でございます。
 委員が御指摘のように、そういうことが起こらないようにどうしたらいいかという方策と、併せて不幸にして起こった場合の対応に資して十分にここを対応していかなければならないというふうに思います。厳しい財政状況の中ではございますけれども、こうした分野につきましては積極的に財源が確保できるように最大限努力をしたいと考えております。
#34
○堀利和君 終わります。
#35
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 今日は、今議論をされております二つの法案について質問させていただきたいと思いますが、特に民主党は、今年度の予算編成の過程でチルドレン・ファースト予算ということで、私たちの後に続く子供や孫の世代のことを第一義的に、中心に据えたそういう予算の編成をしようということで、そういうふうなことで具体的な提示もさせていただきました。
 そういう視点から質問をさせていただきたいと思いますし、なおかつまた、先日は本会議で質問の機会も与えていただきました。そのときの質問で触れられなかった具体的な問題等についても重ねてお伺いをしたいと、このように考えております。
 まず第一点は、先ほども質問出ましたが、行動計画の問題です。
 特に、まず一般事業主の行動計画の策定、実施、そして届出、これについて具体的に幾つかお聞きしたいと思っておりますが、三百名以上の企業についてこうした策定やあるいは実施や届出等が義務付けられたということであります。端的に申し上げまして、こういうふうな義務付けられたわけでありますが、もしその義務を履行しなかった場合、この場合に企業名を公表するというようなことはあるんでしょうか。
#36
○政府参考人(岩田喜美枝君) 企業名の公表は考えておりません。
 しかしながら、三百一人以上の労働者を雇用する一般事業主が計画を策定しない、届出をしないということがございますと、現在の法案では、厚生労働大臣は相当の期間を定めて届出すべきことについて勧告することができるというふうになっております。この規定は非常に強いものでございまして、単なる助言、指導ということではない、一定の期限を定めて、それまでに作成、届出をしろという勧告でございますから、この勧告をすることによって履行されるというふうに考えております。
#37
○谷博之君 実は、私の手元に障害者の法定雇用率に応じない社名を公表したという、こういう記事があるんですが、これは六月の二十七日、厚生労働省がいわゆる障害者雇用促進法で定められた法定雇用率、つまり従業員五十六人以上の民間企業で一・八%、これを達成していない企業のうちの、特に雇入れ勧告や特別指導などに従わなかったとして、成田空港で航空機の清掃などをしている日本空港サービスの社名を公表したと、こういうような記事が出ております。
 これは、もちろん法律が違うわけですから横並びということにはなりませんけれども、ちょっと質問通告には出していないんですが、こういうケースと今度の次世代育成支援対策推進法に基づくこの行動計画の義務付けの違いというのは、ここにも出ていますが、社会的制裁の意味を持つ意味合いが強かったというふうに、こういうふうに書いてありますが、そういうことでこちらは公表する、もう一つの今問題になっている法案については公表しないと、こういうふうな解釈でいいんでございましょうか。
#38
○政府参考人(岩田喜美枝君) ちょっと厳密に比較はいたしておりませんけれども、私の理解では、この次世代育成支援対策推進というのは、規制的な手法で進めていくというよりは、むしろ企業の自主性、自発性を尊重しながら、企業の実態に合った形で取り組んでいただく、そのことを促進するという性格のものであると考えております。したがいまして、制裁的な色彩のある企業名公表ということはなじまないんではないか。先ほど申し上げましたように、大臣に勧告権がございますので、それを行使することによって十分対応できるというふうに考えております。
#39
○谷博之君 この論議はちょっと後ろ向きの論議ですから、余りそれ以上のことはお聞きすることはないと思いますが、そういう点では、この義務付けということについての中身の問題として非常に、もしもというようなことをやっぱり考えたとき、想定したとき、どういうことになるのかということでお聞きをさせていただいたわけでありますが。
 引き続いて、ちょっとお伺いしますけれども、そうすると、今度は三百人以下の俗に言う中小企業の一般事業主の皆さん方に対するこの行動計画、これについては努力規定というふうなことになっておりますけれども、まあその努力規定ということになると実効性の問題はどうなのかというふうなことが一つすぐ我々浮かんでくるわけですが、その点についてはどのようにお考えになっておられましょうか。
#40
○政府参考人(岩田喜美枝君) この次世代支援推進のための取組は、企業の規模にかかわらず、すべての事業主に取り組んでいただきたいというふうに考えております。しかしながら、現実的な問題として、事業主の負担のこともございますので、その点を考慮して三百人以下の事業主については努力義務にいたしたわけでございます。
 努力義務にして何もしないということではございませんで、我々行政もその必要性について中小企業にも十分御説明してまいりたいというふうに思っておりますし、またこの法案に基づいて大臣が指定をすることになっております次世代育成支援対策推進センター、これは事業主の団体を予定しておりますけれども、ここが個々の中小企業などに対して計画の策定や実施についていろいろ助言、支援していくという仕組みにしたいというふうに考えております。
 したがいまして、大企業だけを念頭に置いた政策にならないように、中小企業にもできるだけ計画を策定していただけるように、センターの力もかりながらやってまいりたいというふうに思います。
#41
○谷博之君 そのセンターの問題はちょっと次にお伺いしたいと思いますが、その前に今の三百名以下の一般の事業主の関係ですが、これまた最近、法が施行されました健康増進法の関係ですね、まあこれ比較するのも横並びじゃないのかもしれませんけれども、この二十五条に、「多数の者が利用する施設を管理する者は、」「受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」という、これもやっぱり努力規定だと思うんですね。多数の者というのはしからばどういうことかというと、いわゆる劇場だとか、あるいは集会場とか展示場だとか百貨店とか飲食店とか、いろんなそういう人が集まるところだと思うんですけれども、こういうふうなことが、五月一日からこの法が施行されましたけれども、果たしてどのぐらい今、まだ一か月ちょっとで、二か月ですか、たったぐらいですから期間はそんなにまだたっていないわけですが、取組はされているんだろうかなというふうに考えたときに、これは単なる努力規定で終わっては、努めなければならないという言葉だけで終わってしまっては、何のための法律なんだということになりかねないわけですね。
 ですから、その健康増進法と今度の法案とはまた具体的にその性格も中身も違うわけですけれども、そういう意味で、努力規定というのはあくまで努力であって、それが具体的にどういうふうに現実に担保されてくるかというのは、これはまた次の段階の話になってくるわけですね。ですから、それを確保するために次世代育成支援対策推進センターという、ここがおっしゃるように指導するというか、あるいは助言をしていくと、こういうことになってくると思うんですが。
 このセンターのことについてお伺いしますが、先ほどの説明にもありましたけれども、事業主団体等に指定をするというかお願いをするということになっておりますが、まずそのセンターは何か所ぐらい全国で指定する予定になっておりましょうか。
#42
○政府参考人(岩田喜美枝君) これは法律が成立、施行されましたら、なるべく速やかに事業主団体、全国レベルの事業主団体、あるいは業種別団体、地域にあります地域別の事業主団体、そういうところに幅広く呼び掛けまして、御協力をいただけるところはもうどんどん入ってきていただいて、このセンターとしての指定を受けていただきたいというふうに考えております。
 したがいまして、自主的に御協力をいただける団体であって、若干の基準はございますけれども、業務を適切かつ確実に行うことができる団体であれば、数は幾つまでということではなくて指定をしていきたいというふうに思っております。イメージとしては五十とか百とか、あるいはそれを上回るようなそういう団体に御協力をいただくことになればいいなというふうに考えております。
#43
○谷博之君 そういうふうなお願いをする団体の一つに、例えば事業主団体の一つである全国中小企業団体連合会等々もあると思うんですね。こんなような団体が例えば指定を受ける、そしてそこで相談体制や指導体制を作る、さらにまた講習会等なども開くと、こういうふうになってくるわけですが、よく見ますと、今年度の予算のこれ、全くゼロなんですね。そういう状況の中で、これ果たして受けてもらえるだろうかというふうな私、逆の危惧もしているんですが、その辺はどういうふうに見通しをされておられますか。
#44
○政府参考人(岩田喜美枝君) まだ団体と具体的な御相談はいたしておりませんけれども、団体の中には、財政的な支援を別に期待しているわけではなくてむしろその民間の活力で自由にやらしてもらいたいと、こういうふうにおっしゃる団体もございますし、また若干の支援があった方がこのセンターとしての事務を、業務をやっていただきやすくなる、そういったようなところもあろうかというふうに思います。
 今年度は、法律が成立、施行になりましたら、まず広く団体に呼び掛けてその団体を指定をすると、そして指定された団体にいろいろ事業の計画をしていただくというところまでかなというふうに思いますので、本格的な活動は十六年度に入ってからではないかというふうに考えております。
 十六年度以降のセンターに対する支援の在り方については、予算の編成の過程で検討していきたいというふうに考えております。
#45
○谷博之君 ちょっとそういう答弁だと確認をしたいわけなんですが、この法律はいわゆる公布後即施行されるというふうに我々は考えているわけですが、とすれば、そのセンターの設置についても当然施行後すぐ設置されるというふうに我々は考えているんですが、その辺はどういうことなんでしょうか。
#46
○政府参考人(岩田喜美枝君) センターの大臣の指定は、施行即実施ということになります。
#47
○谷博之君 とするならば、今の答弁だと実質的には平成十六年度からというふうなことですが、現実には今年度からこの事業というのはスタートするわけですよね。とすると、やっぱりそこら辺で私は、そういうふうな受け入れてくれるだろうといわゆる想定される団体に対して、これからお話をするということのようでございますが、やはり私はこの法案の成立の過程で、あるいは議論の過程でやっぱりそれはしっかり受けてもらう、受け止めてもらうという、そういうことはしなくてはなかなか難しいんじゃないかというふうに思うんですね。
 それと同時に、来年度の必要な予算については検討するということでありますけれども、例えばそういう意味で、これは全く予算がなくて、すべて相手側の団体に必要経費を出していただくということに私いかないと思うんですよね。そういうふうなことも含めると、これは当然今年度に補正予算を組むような形も想定されるんではないかというふうに思うんですが、この辺の関係はこれから検討されるということなんでしょうか、そうすると。もう一度御答弁ください。
#48
○政府参考人(岩田喜美枝君) 法律のスケジュール、施行のスケジュールの関係でございますが、企業が行動計画を策定するのは十六年度末までに策定をしていただいて、十七年度の四月から一斉にスタートしようということになっております。
 この法律が施行になりますと、まずやるべきことは、国が行動計画策定のための指針を作るということがございまして、その指針をまず国が策定する、そして、今申し上げましたようにセンターの指定はすぐできますので、幅広く呼び掛けて事業主団体を推進センターとして指定させていただく、こういったことが十五年度の中心的な業務ではないかというふうに思います。各企業が具体的な行動計画の策定の作業に入るのは、もちろんなるべく早く入っていただきたいというふうに思いますけれども、十六年度が中心になるんではないか、したがって、センターの事業主に対する活動についても、十五年度から始まりますけれども、本格的には十六年度からかなというふうに思っております。
 なお、必要な予算の確保につきましては、これからどういうチャンスがあるのか、そして十六年度の概算要求、どういう形でできるのか、努力をして検討してみたいというふうに思っております。
#49
○谷博之君 ちょっと重ねてくどいようなんですが、そうすると、平成十五年度はセンターの指定までをやるというふうなことであって、いわゆる行動計画については、一般事業主に対する行動計画の策定については平成十六年度と、こういうふうな整理でいいんでしょうか。
#50
○政府参考人(岩田喜美枝君) おおよそのイメージはそういうことかというふうに思いますけれども、すべてなるべく早く取り組んでいただくということは大変大事かというふうに思います。
 そして、事業主団体の行う事業も、事業主団体、基本的には事業主団体自らが自分たちの問題として次世代育成支援の対策の推進に当たっていただきたいというふうに思っておりますので、国の事務をお願いするというような形の予算の付け方ということではないというふうに考えております。力があるところはどんどん、国の予算を当てにすることなく団体独自の活動としてやっていけるところも多くあるというふうに思いますが、なお中小の団体などについては支援ができないかどうか、これは繰り返しになって恐縮でございますが、十六年度の予算で検討してみたいと考えております。
#51
○谷博之君 これ以上申し上げませんが、いずれにしても全国で六百万社以上あると言われている中小企業の皆さん方が、この次世代の法案を実際にいわゆる取り組んでいくというふうな努力規定にしても、その場合にやっぱり私は企業の側から国が求めているような形で即、すぐそういう計画が立てられて、そういう体制を取り組んでいけるかという、取り組み体制ができるかということについては、やっぱり私はかなり時間も掛かるし、いろんな障害を、壁を越えなきゃいけないだろうと思うんですね。
 したがって、そういう意味で、申し上げたように法律を、今度こういうふうな法律が実際にスタートするとすれば、やっぱりそれを実効性あるものにするためには、今申し上げたように、指定を受けたところに対するしっかりとしたそういう財政的な支援も含めて対応をしていただくというふうなことにしないとなかなか僕は難しいんじゃないかというふうに思っておりまして、そういうことから、今の御答弁、いろいろあるようでありますが、是非、今年度から来年度に向けてそういう体制で、いわゆる中小企業の当事者の皆さん方の立場に立ったそういうふうな対応ということで、そこのところをしっかり念頭に入れて、この法案の実効あるものに努めていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 それから、いわゆる今は一般事業主の話でありますが、今度は地方自治体ですね、自治体の行動計画、これについてもちょっとお伺いしておきたいんですが、いろんな厚生労働省からの資料を拝見しておりますと、事柄が網羅されております。
 私たちは、子育て支援の施策として、職場と住まいが接近しているといういわゆる職住接近、あるいはまた親世代の居住地に近いところに就職の機会を与えていただくような環境を作る、こういうふうなことが必要だということで、一般の事業主計画には、行動計画にはそういうことも盛られているということでありますけれども、これは到底しかし一般事業主だけがこういう計画を立ててもなかなかこれは実行できないんだろうと思うんです。当然そこには地域がやっぱり問題になってくるわけでありまして、そういう意味で、自治体の取り組む課題も大きいんだろうと思うんです。
 ところが、自治体の行動計画には、単に良質な住宅の確保、こういうふうなことは触れられているわけですが、今申し上げたように、職住接近とかあるいは親世代の居住地に近いところに住んで近くに就職する、こういう環境作り、こういうことについてはどうも触れられていないような感じがいたします。
 そこで、自治体の行動計画について、この労働の観点から、あるいは雇用の確保という立場から、この行動計画にどのように盛り込もうとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。
#52
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が言われましたように、職住接近あるいは親世代との近居というのは、共働き世帯にとっても、あるいは専業主婦世帯にとっても、子育てをしながら仕事をするという上では大変重要なことではないかというふうに思っております。
 自治体の行動計画についての指針は今検討中でございますけれども、良好な居住環境を確保するという観点から、特に大都市地域においては、今、先生が言われましたような職住近接型の市街地住宅の供給など盛り込んでいくことができれば大変望ましいことではないかというふうに思いますので、この辺りについては、国土交通省の方ともよく御相談しながら、国が策定します指針にどういう形で位置付けることができるか検討してまいりたいというふうに考えます。
#53
○谷博之君 今まで行動計画の関係についてお伺いしてまいりましたが、次に次世代育成支援対策地域協議会の関係についてお伺いしたいと思うんですが、地域協議会は、特に自治体に設置する義務はなくて、いわゆるだれでも任意に設置できるというそういう扱いになっているようでございまして、これはある意味では、民間のいろんな動きをそこに生かすという意味では大事なことだと思いますけれども、しかし法律の趣旨からすると若干漠としているような気がいたします。
 これもまた、厚労省の説明資料を見ますと、例えばということで、どういうふうな人たちなり組織がこの協議会を作るかということで、その具体的な事例ということで、県や市町村あるいは労働組合あるいは子育て支援NGOあるいはまた教育関係者、こういうところが作ったり設置することができると、こういう例示を出しているわけですけれども、これは当然、予算措置を伴わない、そういう協議会ということになっているんだと思いますが、そこで、こういう協議会の、地域協議会のこういうことについて、今度の法律になぜこれを入れたのか、その法制化の根本的な理由というか考え方というのをお聞かせいただきたいと思うんですが。
#54
○政府参考人(岩田喜美枝君) この目的は、言わば次世代育成支援対策を国だけがやるとか地方自治体だけがやるということではなくて、社会のすべての構成員がこぞってやっていこう、言わば国民運動的に非常に大きな取組が展開できないかという思いを持ってこの条文を規定をいたしております。
 条文自体は緩やかであるわけですけれども、様々な形の地域の協議会が可能だというふうに思いますので、本当に国民的な広がりを持った取組になる一つのツールとしてこの協議会が活用できればというふうに考えております。
#55
○谷博之君 こういう地域の協議会という、こういう組織は、当然、今おっしゃるように、上から下に作られるものではなくて、やっぱり下から上に作るという、そういうふうな認識も非常に大事だと思うんですけれども、ただ、こういう協議会の、将来、活動の発展といいますか育成というか、そういうことを考えたときに、ただ法律にこういうふうな地域協議会のことを規定をし、そして作るということだけでいいのかな、それを更にどう育成支援をしていくのかという、やっぱりこういう観点からすると、当然またこれ財政的な支援ということが出てくるわけですが、こういうふうな面についても予算措置というものをやっぱり考えるべきじゃないかなというふうな気もいたしているんですが、この点、大臣、どう思われますでしょうかね。
#56
○国務大臣(坂口力君) この次世代育成支援対策地域協議会といったような問題は、これは本来、自主的にと申しますか、市町村が主体的に本当はやっていただくものだというふうに思いますけれども、意識改革をやはりやっていただかなければならないというふうに思うんです。
 先ほどの、企業におきましてもこの市町村におきましても、やはり今までの意識、今までの形だけではなくて、もう少し、より積極的に、何が問題かということをひとつよく考えてくださいよという、そうしたことを意識を持っていただくということが随分大事なことだというふうに思っておりまして、そういう意味で、義務化ではありませんけれども、ここで提案をしたということでございます。
 よくここは御理解をいただいて、そして、それぞれ都道府県なり市町村、この場合、市町村、そのお取組をいただきたいというふうに思っておりますが、そうしたことをやりますときに財政的な問題が一体どうなるのかということを、これは取組次第によって様々変わってくるんだろうというふうに思います。
 この協議会が中心になりまして、それぞれの地域で何かこういう運動を展開をしていこうとか、あるいはこういう取組をしていこうというようなことが起こってくるということになれば、それを一体、すべてを市町村にお任せをしていいのか、あるいはまた、少し交付金等でこれは支援をしなければならないものなのかといったようなことも起こってくるだろうというふうに思っております。
 今後、そういう意識改革をしていただきながら、そしてこれ、そう簡単にできる話ではないと思いますので、多少時間掛かりましても、徐々にここが発展的になっていくようにどうしていくかということを私たちもあるいはよく見守りたいというふうに思っておりますし、その過程におきまして、必要ならば必要な措置を取っていくということをしなければならないというふうに思っております。
#57
○谷博之君 是非そういう方向で御検討いただきたいと思います。
 ちょっとこの地域協議会に関連して文部科学省の方にお伺いしたいと思っておりますが、先日の本会議で遠山文部科学大臣も御答弁いただきましたが、この地域協議会にいわゆる学校の現場の先生方がどうかかわっていくのかという問題だと思うんですね。大臣の答弁で、教職員が専門性を生かして子育て支援や地域福祉計画の策定にも積極的に参加していくことは有意義であり、今後とも、教職員が主体的に子育て支援などにかかわっていくよう、教育委員会を通じて働き掛ける、こういう答弁をしていただいているわけです。
 この答弁に関連して、じゃ具体的にどのような取組をしようとしているのか。特に、重ねてお伺いしますと、昨年三月に例の学校の完全週五日制に当たっていわゆる事務次官通知が出ておりまして、これには教員は地域子育て支援にボランティア参加することが期待されていることに留意すること、こういうふうな通知の内容が出ているわけでありますが、こういう表現が非常に回りくどい面もありまして、特にこういう今回のこの法案がスタートするということに当たって、改めて文科省として、この地域協議会等への参加も含めて通知を出すお考えがあるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#58
○政府参考人(矢野重典君) 地域における子育て支援には幅広い人々の協力を得ることが不可欠でございまして、教職員もまた地域社会の一員としてスポーツ、文化活動等の様々な活動に自主的に参加することが期待されているところでございます。
 各地域における活動事例といたしましては、例えばでございますけれども、週末に学校の教室におきまして教職員等が体験型の学習講座を実施している、そういう例でございますとか、あるいは障害を持っている子供たちの学校外活動を教職員等から成るボランティアスタッフが支援している例など、様々の今日事例があるわけでございます。
 教職員のこうした活動への参加につきまして、新たに通知を出すということは考えておりませんけれども、今後ともこうした事例を紹介しながら、教職員が自主的に子育て支援や地域福祉計画の策定などにかかわっていくように教育委員会の関係者を集めた会議等の場を通じて働き掛けてまいりたいと思っております。
#59
○谷博之君 是非、そういう意味では地域における学校の存在の大きさというのは非常にあるわけでありますし、何といっても子育て支援の一つの拠点として学校というものは位置付けられているということで、そこにまた専門性を持った校長先生以下先生方がたくさんそろっておられるという、これはいろんな都会と地方とによって違い、つながり等についての現実的な違いは若干あるかもしれませんけれども、基本的にはそういうことだと思うんですね。ですから、そういう意味で、通知を出さないということでありますが、しっかりとしたやっぱり指導をしていただくようにお願いをいたしたいと思っております。
 次に、幼保一元化の問題についてちょっとお伺いしたいと思いますが、冒頭この幼保一元化について具体的な全国の事例を若干私なりに調べたことを申し上げたいと思うんですが、まず一つは、私の地元の栃木県の西方町というところがございまして、ここは町立の保育所と幼稚園の施設を合築をいたしまして、そして現在いろんな行事についても一緒にやっているということですね。当然、しかし国の補助金の制度の違い等もあってカリキュラムは別だと。縦割りでその部分はやっているということですね。したがって、いろんな問題が出てくる。具体的な例の一つとして、幼稚園児は通常、お昼を食べて、お昼の後午後も教育カリキュラムがあって、二時ごろ大体帰るかあるいは送迎されるということですが、保育所はお昼を食べたその後お昼寝するんですね。午睡になります。そうすると、いわゆるスタッフの皆さん方は、送迎をする人たちとそれからお昼寝をする方と一緒に重なっちゃって大変これは混乱をして非常に合理的じゃないという、こういう具体的な事例がございます。
 それからまた、そういうことを何とか克服しようということで、東京の千代田区にいずみこども園というのがございまして、御存じだと思いますが。この園では、保育に欠ける条項を弾力化をして、そして新たに保育が必要な度合いを基準にすることで、二歳までは保育所、三歳から五歳は幼稚園ということで切り分けることで、年齢別カリキュラムというものを作って一元化に成功しているという、こういう事例を我々は聞いている。
 それからもう一つの例としては、岩手県の一関市。ここでは保育所に入りたいという児童が多くて、待機児童がいる。一方では幼稚園は定員割れをしている。こういうことの解消のために、幼稚園で早朝保育とか六時までの延長保育とか、あるいは二歳児以下の受入れなどを行っている。こういういろんなケースがこの幼保一元化をめぐって、既に全国の自治体でいろんなそういう動きに取り組んでいるわけですね。
 今申し上げた千代田区にしても一関市にしても経営の合理化にかなりこれはつながっていくわけですが、早朝から預けられたその対象となる子供ですね、二歳や三歳の子供に対し、カリキュラム上お昼御飯の後も引き続いて幼稚園教育というものを行っているという。普通、小さい二歳、三歳の子供というと、もうお昼寝したい時間だと思うんですが、起こされてそういう幼稚園教育というのを受けているというふうな、こういう事例もございまして、いずれにしましても、こういう動きの中で、この骨太の方針で打ち出された新たな総合施設ですね、先月末に発表された骨太の方針の中に新たな総合施設、こういうふうなものが提起されておりますけれども、実際の現場で取り組むこういう様々な一元化の取組においても、保育所の保育指針と幼稚園の教育要領という縦割りのシステムを別々に現在は運用せざるを得ないために、こうした運営に当たって合理化につながらなかったり、子供たちに対してしわ寄せが来るようなことになっているのではないかというふうに我々は懸念をいたしております。
 したがって、先ほど申し上げましたように、我々民主党は、チルドレン・ファーストの視点から一元化の年齢別カリキュラムの策定など、こうしたものを早急に厚生労働省、文部科学省で、両省で検討すべきではないかというふうに考えております。例えば、朝七時半から預けられた三歳児に対して、お昼御飯の後も休息なしに二時近くまで幼稚園教育を行うのは保育の観点からは望ましくないのではないかというふうなことも考えておりまして、ここら辺の御見解について御答弁をいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(坂口力君) 幼稚園と保育所の一元化のお話はもう叫ばれて久しいわけでございますし、最近、この二、三年の間に大変一元化の方向に進んできたというふうに思っている次第でございます。
 今まで考えられなかった様々な壁が取り払われまして、そして一元化の方向に来ているわけでございますが、しかし先ほどから御指摘ありますように、一元化の方向にはだんだんと近づいてはきておりますけれども、生まれ育ちまで変えるわけにはいかなかったということでございます。これはもう、厚生労働省で生まれたものと、そして文部科学省で生まれたものと、その生まれたところまで変えるところまでは至っていないと、ただし限りなく近づくように努力をしていると、こういうことでございます。しかし、限りなく近づけていけばいくほど双方の違いというものも出てまいりまして、お昼寝をしたりしなかったりというようなこともあったりするわけでございます。
 今回、骨太の方針で打ち出されましたのは、そうした、限りなく近づけましても生まれた場所が違うといったようなこともございますので、改めて、そうした文部科学省あるいは厚生労働省のやっております、所管をしております今までのものとは違った立場で、最初からひとつもう同じものを造っていこうということでございまして、それはまた新しい立場からそうした方向に進んでいけば、先ほど御指摘になりました千代田区のこども園のようなところ、私も拝見させていただきましたが、ああいったところはそうした方向ができれば非常にスムーズにいくのではないかというふうに思っている次第でございまして、今後そうした動きがまた活発化してくるというふうに思いますので、今後更に整理をしていきたいというふうに思っているところでございます。
#61
○政府参考人(矢野重典君) 私どもの立場から先ほどの御質問について考え方を御説明させていただきたいと思っておりますが、幼稚園と保育所、これはそれぞれの特色を生かしながら、地域や保護者の多様なニーズにこたえるために私どもと厚生労働省はその連携を強化するよう努力してまいってきているところでございまして、御指摘がございましたような幼稚園と保育所の教育内容あるいは保育内容につきましても、幼稚園教育要領、保育所保育指針双方の整合性の確保にこれまでも努めてまいったところでございまして、このために、先ほど御紹介がございましたような幼稚園と保育所を一体的に運営する施設におきましては、幼稚園教育要領と保育所保育指針の双方を踏まえたカリキュラムを策定して、地域の実情や幼児一人一人の発達状況に応じた教育や保育を適切に行うことが可能となっているというふうに私どもとしては考えておるところでございます。
 なお、先ほど、これも御紹介ございました基本方針二〇〇三において検討することとされました総合施設につきましては、私どももまた、教育内容や保育の内容が地域の実情、また幼児一人一人の発達状況について十分配慮したものとなりますように、厚生労働省とも十分連携をしながら今後検討してまいりたいと思っております。
#62
○谷博之君 それぞれお答えをいただきまして、一言これについてはまた付け加えさせていただきたいんですが、こういう施設でスタッフとして働いておられる方々の話を聞いていますと、現実に預かっている子供たちというのは地域の子供であり、そして同じ乳幼児の子供たちですね。しかし、今申し上げたように、二つの施設が合築されていてもその中身が違うということになると、これ何だろうというふうな普通は思いをするわけですね。
 将来、確かに生い立ちが違うわけですから、これはどこでできるだけうまく一体化させていくかということになるわけですけれども、是非、私は、全国でこういう御苦労されているところというのはほかにもたくさんあるんだろうと思うんですね。こういうことについても一度、当然実態調査等もしておられると思うんですが、どういう方法がより具体的に、千代田区の例も申し上げましたが、可能なのかというようなことも含めて、この幼保一元化については是非前向きに踏み込んだやっぱり検討をこれからしていただきたいなというふうな感じもいたしておりまして、是非これは要望ということでお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これまた本会議の質問に関連して恐縮なんですが、いわゆる税源移譲の、地方への税源移譲の問題に関連をして、財務大臣、二割の削減の話の中で、保育所の予算の二割削減というのは一体どういうところに求めていく可能性がありますかとお聞きしましたときに、公立保育所の人件費の問題、特に人の問題について、塩川財務大臣は削減、二割削減できるんではないかというふうな趣旨の答弁をされたと思うんですが、これについて坂口大臣はどのようにお考えになっておられますか。
#63
○国務大臣(坂口力君) 財務大臣は財務大臣としての立場からお話しになっているんだというふうに思いますけれども、この保育所の問題に限らず、これから様々な問題が出てくるわけでございまして、高齢者の問題もしかりでございますけれども、現在やっておりますものを、これを八割でやれと言われましても、そう急にできるわけのものでは決してございません。ずっと先の話で、大体そのような見当でひとつ努力をしてくれという話なら、それはまあまた努力の仕方もございますけれども、今年言って来年から八割だぞと言われてもできることではない、そういうふうにはっきりと申し上げる以外にございません。
#64
○谷博之君 これまた財務省が六月二十七日に予算執行調査というのを発表しておりまして、予算執行調査で無駄や問題点を指摘された主な事業というのがここにあります。厚生労働省の中には、例えばということで、厚生保険特別会計の福祉施設百二十七億円、これは保育所とは直接関係ありませんが、百七施設のうち累積赤字を抱えるのが五十七、売上高人件費率が民間よりも高いと、こういう指摘もされているわけで、厚生労働省の所管の施設の中にはこういうふうな視点で財務省が見ておられる部分もあるのかなというふうに私は思いますが、今、大臣、御答弁ありましたように、どういう人件費なり人が要るかというふうなことだと思うんですね。やっぱり必要であり、そしてどうしてもそこで対応してもらわなきゃならないそういうふうなスタッフあるいは関係者に対して、それを人数を切ってまで、あるいは待遇を後退させてでも、これで済むのかという、単に予算なりお金の問題、その視点、切り口からだけ見られているとこれはいかがなものかなというふうに私も若干個人的には感じております。そういうことで、是非今の御答弁を尊重したいと思いますので、大臣もひとつ頑張っていただきたいと思っています。
 それから、時間が大分迫ってまいりましたので最後に一、二点お伺いしますが、一つは、今は保育所、幼稚園の話をしましたが、今度は小学校に行って、学校に入った後のいわゆる放課後児童対策と全児童対策の問題ですね。
 今回のこの児童福祉法が保育に欠ける児童対象からすべての児童の健全育成を図る法律へと脱皮したというふうに我々は見ております。ところが、この法律の六条の二の第十二項に放課後児童健全育成事業のこういう定義がありますけれども、ここには保育に欠ける旨の規定が削除されていない、従来どおりです。当然、この放課後児童健全育成事業というのは、私どももこれからも更にこの事業を拡大していただきたい、充実してほしいという考え方を持っておりまして、この点は非常に尊重したいと思いますけれども、一方では、学童保育の関係者から、例えば川崎市の全児童対策で、わくわくプラザというのがあるんですが、これが、これから行われようとしている全児童対策によって、どうも学童保育の、何ていうんですかね、学童保育つぶしと言うとちょっと言葉強いんですが、そういうふうになっていくのではないかということで、非常に危惧をしているわけですね。
 そういう意味で、この放課後児童対策と全児童対策のこれからの関係、これをまず御説明いただきたいと思うんですが。
#65
○政府参考人(岩田喜美枝君) 小学校において、校庭などを利用しまして、放課後にすべての児童を対象とする事業が幾つかの自治体で取組が始まっているというふうに伺っております。これは、遊びの場が必ずしも十分じゃない地域もありますので、遊びの場を提供して、そして何よりもいいことは、異年齢の子供たちが交ざって遊ぶという、そういう事業は大変有意義であるというふうに思っております。
 一方、厚生労働省は、児童福祉法に基づいて留守家庭対策として放課後児童健全育成事業を実施しているわけでございますが、これも、今、委員が言われましたように、この放課後の全児童対策をやれば留守家庭対策としての放課後児童健全育成事業が代替できるというふうには思っておりません。これは別のものとして、引き続き別のものとしてしっかりやっていただくか、あるいは全児童を対象とした放課後事業の中でしっかり放課後児童健全育成事業の要素を位置付けてといいましょうか、はめ込んで現在の放課後児童健全育成事業と同じサービスが受けられるといったようなことがある場合については、同時に一緒に実施するということもあり得るかなというふうに考えているところでございます。
#66
○谷博之君 私も基本的には同感でございまして、ともかく、あえてまた希望を申し上げますと、現在のいわゆる放課後児童対策については、基本的には保育に欠ける児童を対象ということで行っているわけですが、つまり両親が共働きとか、そういうふうな家庭の子供を預かって事業を行っている。しかし、保育に欠けなくても、例えばその家族の中に介護をするお年寄りがいて在宅介護をするような家庭とか、あるいは親が生涯学習で何か自分で自分の趣味を生かすそういう勉強をしてみたい、こういう親の多様なライフスタイルとか、あるいはまた近年の治安の悪化によって、やっぱり子供を独りでいてうちに、放課後、学校から帰ってきているということについてのそういう問題等もあって、いろんな事由があって、この保育に欠けるというこの条件はやっぱり見直しをすべき時期に来ているというふうに思っていまして、これは全国的にはそういうことで緩やかに取り扱っているそういうふうな事例もございますけれども、そういう中で、やっぱり結論は、この放課後児童対策というものは今後とも市町村に単に任せるのではなくて、国もしっかりそういう事業を責任を持って取り組むという、こういう姿勢をやっぱり明確に出してこれからも取り組んでいただきたいというふうに思っております。これは要望ということでお聞きいただきたいと思います。
 最後になりますけれども、ちょっと視点を変えまして、外国人登録を行っている子供の医療保険の適用についてということでございます。
 これは、法務省のちょっと調査によりますと、二〇〇一年の調査で、在留外国人統計によると五歳未満の無国籍児童数は二〇〇一年で五百五十五人いると言われています。この数の中には、不法滞在の母親から生まれたなどの理由で外国人登録を行っていないいわゆる無国籍状態の児童は含まれておりません。
 こういう支援活動をしている方々のお話を聞きますと、そういう無国籍状態の児童が全国で約一万人、私たちの地元宇都宮でも百人を超える子供たちがいるだろうと、こういうふうに言われているんですが、こういう子供たち、児童の就学に制限を課されているのかいないのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
#67
○政府参考人(矢野重典君) 日本国内に居住する外国人の児童生徒につきましては、これは国際人権規約A規約あるいは児童の権利条約におきまして、希望する者に対する無償の義務教育の機会を保障するということが求められているところでございまして、この趣旨を踏まえまして、それぞれの市町村教育委員会におきましては、公立の義務教育諸学校への入学を希望する外国人に対しましては、外国人登録の有無にかかわらず、基本的にはその入学を受け入れることといたしてきているところでございます。
#68
○谷博之君 当然そのとおりだと思うんですね。
 ただ、今お話しありましたように、希望すれば学校教育というのは受けられるわけですけれども、一方、国民健康保険にはこれは加入できないということですね。結論から先に申し上げましたらそういうことでありまして、したがって、病気になればその医療費についてはすべて自己負担ということになります。
 ところが、現実にこうした外国人の人たちが経済的に非常に厳しいということになれば、なおかつ命に非常に危険があるというふうな状態になったときに、これは医療機関に行きます。お金がないからといって、じゃその医療機関の皆さん方が帰ってくださいと言うわけにいかない。当然それは、人の命は地球より重いわけですから、そういう医療行為をするということになります。そうすると、そのお金が払えない、医療機関がそれを立て替える、こういうケースが過去に随分ありました。その結果として、各都道府県では外国人未払医療費対策事業というのを行ってきたんです。
 これは具体的な例ですが、私たちの栃木県でも、平成十四年から二千万円の予算を付けてこの事業をスタートさせています。私も昔、この問題については随分県の方で質問もさせていただいた経過があって、その前までは行路病の方の規定を運用しまして、旅の途中にけがをして病気になって倒れた人に対して地方自治体がその医療費の負担をするという、こういう苦しい扱いなどもしながらそういう適用を迫ったこともあったわけですが、現実にはそういうふうになってきている。
 そういう中で、いわゆる福祉の問題でいうと、こういう子供たちは、児童福祉法上の入院助産制度や育成医療の適用や、あるいは母子保健法上の未熟児養育医療の給付、こういったものは福祉の対象になるんですが、なぜ国民健康保険の対象にならないのか、ここのところをお伺いしたいと思うんですが。
#69
○政府参考人(真野章君) 国民健康保険制度は、市町村に住所を有します方々を被保険者として強制的に保険に入っていただく、そうしまして地域住民の相互扶助で成り立つ社会保険制度ということでございまして、被保険者はその市町村に生活の本拠を有することが前提ということになっております。
 したがいまして、今、先生御指摘のような方々の子供さんというのは、我が国に適法に在留し、生活、活動する法的地位を有していないということから、国民健康保険法の適用を認めるということは難しいというふうに考えております。
 また、今御指摘の児童福祉法なり母子保健法の御議論がございました。言わば福祉的な措置として在留資格の有無にかかわらず措置が行われているわけですが、医療の分野でまいりますと、社会福祉法人等が行っております無料低額診療というのがございまして、これは言わば在留資格の有無に関係なく医療が行われるということで、社会福祉の方でいろんな対応をしているということでございます。
#70
○谷博之君 今のそういう御見解は見解としてお聞きをいたしましたけれども、もう少し突っ込んで考えていきますと、例えば私どもの県の栃木県が二千万円の、県からそういうふうな自治体が負担をしているという、現実にその満額使っているかどうかは別ですが、毎年そういう予算を組もうとしている。そういうふうな自治体の負担、これは果たしていいのかどうかという話がありますね。
 そして一方では、希望者に、希望者の外国人登録、希望者には外国人登録の有無を問わずに加入を可能にした方がいわゆるそういう財政的にも財源的にもこの国民健康保険制度上、持ち出しという意味からすると都合がいいのではないかというふうに思うんですが、今の御答弁だと、その前のお立場の御答弁のようにお伺いしたわけでありますけれども、この点についての全国のそういう自治体のそういうふうな動きと絡めて、現実にそういう国民健康保険への希望者の加入については全く見通しがないのかどうか、検討されておられるのかどうか、その辺ちょっと重ねてお伺いしたいと思うんですが。
#71
○政府参考人(真野章君) 先生も大変お詳しいわけでありますが、平成七年に、実はこれらの問題につきまして、外国人に係る医療に関する懇談会、加藤一郎先生に座長になっていただきまして、懇談会を開きました。言わば、その当時、厚生省でございましたけれども、持っておりますいろんな手段、私ども、保険だけではなくて、今申し上げましたような福祉的な手段も含めまして御議論をいただきました。
 その議論の報告書におきましても、国民健康保険として、公的な医療保険制度として、我が国に適法に滞在されない方に法を適用するというのはいかがなものかという御意見でございました。ただ、それに対して、先生も御指摘のありました人道上の対応と応招義務ということに対する医療機関に対しての対応というのも議論になりました。
 救命救急センターにおきまして重篤な外国人救急患者の救命医療を行いまして、その費用の回収に努力したにもかかわらず回収できない未収金に対しまして、救命救急センター運営費補助金の基準額に加算をするというような制度を設けまして、言わば適法に我が国に滞在されていない方々に対する医療というものについて、今先ほど申し上げました無料低額診療に期待をするなり、また医療機関が救急対応をすることに対しての助成というような対応を取ってきているわけでございまして、国民健康保険におきましては希望者だけでも加入させたらどうかという御意見でございますが、これに対しましては、やはり強制保険という仕組み上、希望者だけを加入させるということは、かえってまた逆選択にもなるんではないかというようなことから、大変難しいんではないかというふうに思っております。
#72
○谷博之君 そういう見解があるということを承知しつつも、現場の実際の問題としてはそういうことが依然としてあるということはひとつ御理解をいただきたいと思っています。
 時間がありませんが、一点だけ、簡単に質問しますので簡単にお答えいただきたいと思います。
 児童養護施設の年齢制限についてでありますが、御案内のとおり、十八歳で児童養護施設というのは出ることになっています。ところが、出た後、就職等々で高校を出て、出た後自立できないケースが結構あるわけで、そういうふうな意味での受皿となって、この児童養護施設というのはこれからも対応していく必要があると思いますけれども。
 この十八歳という年齢制限を二十歳まで引き上げることができないかどうか、この点についてお伺いをいたしまして、私の質問をすべて終わりといたします。
#73
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童養護施設に入所させる子供の年齢ですが、原則十八歳未満の児童とされておりますけれども、特別な場合には二十歳まで引き続き施設に在所させることができる扱いとなっております。
 例えば、高校の卒業の年齢がそれより高いとか、あるいは高校を卒業してから就職するまで少し時間があるとか、そういったような特別なケースについては児童相談所が判定して、例外的に二十歳までであれば入所の期間を延長することができるということとされております。
 一方、平成九年の児童福祉法の改正で初めて児童自立生活援助事業というものが規定されました。いわゆる自立援助ホームと言っているものでございまして、これは児童養護施設などを退所した者が自分で独立してアパートに住むとか社宅に住むといったようなことの、何というんでしょうか、それとの中間的な位置付けでといいましょうか、共同生活を、そういった子供たちが共同生活を営みながら円滑な自立を目指す、そういうものでございます。
 厚生労働省におきましては、実は児童虐待の子供の受皿に児童養護施設がなっているというようなこともございまして、本年五月に社会的養護のあり方に関する専門委員会を社会保障審議会児童部会の中に設置をいたしております。この中で、例えば自立援助ホームの充実の問題ですとか、今、委員が言われましたような十八歳を過ぎた十八歳、十九歳という年齢の子供たちの自立支援の在り方について検討していくことといたしておりますので、その検討結果も踏まえて、こういった年長児の自立支援対策の充実を図りたいと考えております。
#74
○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#75
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#76
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先々週でしたでしょうか、六月二十一日、夜の九時十五分からのNHKのスペシャル番組の中で、「「マリナ」アフガニスタン・少女の悲しみを撮る」、サブタイトルが「映画を変えた少女の涙」という番組を見ました。この粗筋は、ソ連、タリバン政権の中で、二十三年もの間、戦争の中で荒廃した国土でストリートチルドレンとして物ごいをする人生を送る十三歳の少女の悲しみを描いた実話の物語でありました。この映画の監督は、当初はラストシーンはアフガンが解放されてにじの中を駆ける少女を撮影する予定だったそうでありますが、それでは現実と余りにも懸け離れたラストシーンになるとして変更するというドキュメントの番組でした。十三歳のこの少女が大人社会の中で翻弄され、その深い悲しみの表情は、戦争を続けた大人社会の愚かさを赤裸々に伝えるものでございました。改めて私たちは次世代に何を与え何を残せるか、真剣に取り組んでいかなければならないと、そう思った次第でございます。
 私は、二〇〇〇年四月の本会議において、高齢者も現役世代もともに次世代の負担を共有しなければならないと申し上げました。平成十二年度における社会保障給付費に占める児童・家族関係給付費の割合はわずかに三・五%にすぎません。きつい言い方をすれば、社会保障給付費は自己主張できる現役世代以上で独占をしてしまって、自己主張できない世代には日が当たらないのではないかと思っております。しかし、結果として次世代に対するこのような姿勢が今日少子化に歯止めを掛けることができないことの大きな理由の一つだろうと思っております。その意味で、実効性のある血の通った次世代育成支援を進めていくべきだと思っておりますが、何回も御答弁をいただいておりますが、また改めて大臣のお考えを伺わせていただければと思っております。
#77
○国務大臣(坂口力君) そのアフガンの少女の話は、私は、半分になるか三分の一になるかは知りませんけれども、最後ごろだけ見まして、何かその最後の映画の場面が、最終結論が変わったところだけ見たものですから、なぜ変わったのかということをよく分からずに済んだわけでございますけれども、解説を聞いて初めて分かったような次第でございます。
 さて、児童・家族関係給付割合というのは、確かに社会保障給付費の中の三・五%、そして高齢者の分野は六八%でございますか、七割近いといったような状況、これは計算の仕方にもよります、計算の仕方にもよりますが、そういう結果が一つ出ている。特に、医療費を入れるとか入れないとか、そうした問題もございますので、計算の仕方によってはまた変わってくるというふうに思いますけれども、高齢者の割合に比較をすれば、この児童の方の受ける割合が極端に少ないことだけは事実だというふうに思っております。
 さりとて、高齢者の分を削って若い人たちの方へとも、これまたなかなか言えない話でございますから、なかなかここは難しいところでございますけれども、しかし、今後本当にやらなければならないところ、今日は午前中にもいろいろと御議論ございましたが、そうしたところにはやはり財政的な支援をやっていかなければならない。また、幾つもの分野が、税制でありますとか、あるいはまた社会保障費でありますとか、重なって考えられておりますところは整理もしなきゃならない点もあるだろうというふうに思っております。
 全体として、財政的な問題も大事でございますが、それよりも大事なことは、いわゆる少子化対策に対する意識改革、やはり働き方を含めた意識改革というものをみんながもう少しやらないといけない、持たなければいけないというふうに思っている次第でございます。
#78
○沢たまき君 ありがとうございました。
 今は次世代に対する負担を社会全体で共有するとともに、高齢者、現役世代の施策の効率化を図って、なるべく次世代の育成支援に財源移譲を進めるべきだと強く思っております。
 以前に当委員会の派遣でも視察いたしましたけれども、六月二十三日月曜日に、我が党の厚生労働部会として、今は亡き今井澄先生が院長をされておりました長野県の茅野市にあります諏訪中央病院に伺ってまいりました。
 長野県の平成十二年の一人当たりの医療費は五十九万四千円ともう全国で一番医療費が安くなっておりますが、茅野市はその中でも更に低い数値を示しておりました。その大きな役割を果たしているのが諏訪中央病院でございました。二十九万三十円という大変低い医療費でございました。三十年前は医療費が高く、市にとりまして大変な負担となっていたそうです。特に、以前は脳卒中の患者が多くて、今井先生が地域別に脳卒中の分布図を作って徹底した室温の調整、塩分の摂取量の健康指導が行われて、その後、脳卒中が激減し、医療費の安い地域になったそうでございました。高度医療機器も備え、支える医療と銘打って、優しい医療、安心感を与える医療を目指して在宅医療も充実されていると言われておりました。効率的医療をすることで医療費を削減できたと説明をいただき、改めて効率化の推進が極めて大事だと感じたわけでございます。茅野市長は、医療費の負担が軽減したことで、子育て政策においても大変ユニークな政策を進めていらっしゃいます。
 次世代育成支援法案で地域の行動計画を作成することになっておりますが、例えば茅野市のような医療の政策、高齢者の政策の効率化を図って次世代育成支援に財政を移譲されている自治体の例、こういう例など、地域の特色ある実例を紹介するようにしていただいたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
#79
○政府参考人(岩田喜美枝君) 各自治体が実効性のある行動計画を作っていただくためには、今、委員がおっしゃいましたように、先駆的な事例を集めてそれを他の自治体に紹介するというのは大変有効な手法であるというふうに思っております。
 平成十四年度の厚生労働科学研究においても、既に次世代育成支援のための先駆的な取組を紹介するという調査研究をやったところでございます。
 また、今後国が策定いたします行動計画策定指針、これと併せまして、計画策定のためのマニュアルを自治体向けに作成、配布するということにいたしておりますけれども、このマニュアルの中でも、また改めまして、今、委員御指摘のような、本当に先駆的な他の自治体の参考になるような事例を盛り込んでいきたいというふうに考えております。
#80
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 次に、国土交通省にちょっとお伺いいたします。
 子供が大きくなれば子供の数に合わせて部屋数の多い住宅が必要となるわけでございますが、子育て中の世代は子育て自体にコストが掛かって広い住宅を手に入れることが困難となっております。私どもの世代は小さなちゃぶ台で男の兄弟も女の姉妹もそこでごちょごちょしていたわけでございますが、昨今そういうわけにまいりませず、男と女の子供が一人ずつというとその子供たちに一つずつ部屋が、与えなければならないと、こういうふうな状態がございますので、子育ての世代がゆとりのある住宅を手に入れやすい、そういう環境を整備することが少子化対策にとっても必要ではないかと感じております。
 さらに、安心して子供が外出できるように、おむつの替えやあるいは授乳の施設のある公共施設とか、あるいは公共の交通機関の整備など子育てのバリアフリーの促進を進めていく必要があるんだろうと思っておりますが、ちょっと国土交通省に伺わしていただきます。
#81
○政府参考人(中山啓一君) 国土交通省におきましては、ゆとりある住宅の確保、安心して外出できる環境の整備を通じて子育て支援に目下努めているところでございます。
 少し具体的にお答えいたしますと、ゆとりある住宅を確保するためには、いろいろな施策をやっておりますが、例えば都市基盤整備公団などによるファミリー向けの賃貸住宅の供給を促進したり、また公営住宅などにおきましては、子供さんの多い方の優先入居といいますか、優先的に入れるようにするということとか、あと公共賃貸住宅と保育所や託児所を同じところに整備するというふうなことなどに努めているところでございます。
 さらに、安心して外出できる環境整備といたしましては、公共施設や鉄道の駅など公共交通機関などにおきまして、乳幼児連れの方などが安全に御利用できるようないわゆるバリアフリー化の推進、そのほか、トイレなどにおきましてベビーベッドの設営とか、あと授乳スペースを確保するなど、子育て世帯が安心して外出できるような施設の整備の推進に取り組んでいるところでございます。
 国土交通省といたしましては、子育てを支援する生活環境の整備、これ非常に重要だと思っております。最新の国土交通白書の中にも写真入りで今申し上げましたようなことを課題として御紹介しているところでありますけれども、今後ともこれには積極的に取り組んでいく必要があるということで努力させていただきたいと考えております。
#82
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。そして、なるべく賃貸のお家賃は安めによろしくお願いいたします。
 また、若年者の雇用の悪化、終身雇用や年功序列の見直し等によりまして、若年者にとって長期的に安定した収入の見通しが立たなくなっております。そのため、経済的不安と社会的自信のなさから、結婚、子育て、これを先送りをしている若年者が多く見受けられます。若年者の雇用対策と少子化対策は表裏一体なんだろうと思っております。それについての厚生労働省の見解はいかがでございましょうか。
#83
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員がおっしゃるとおりだと思います。
 本年三月十四日に少子化対策推進関係閣僚会議で次世代育成支援に関する当面の取組方針をまとめたわけですけれども、その中で初めて明確に若年者の雇用対策を次世代育成支援対策として位置付けたところでございます。
 具体的には、若年者に対する職業体験機会の提供や職業訓練を推進するといったこと、また、いわゆるフリーター対策としての就労支援対策やトライアル雇用など、こういったようなことを先ほど申し上げました当面の取組方針に盛り込んでおりますので、それを着実に実施するということがやっぱり若者の将来の経済的な安定感につながり、それが結婚や子供を産むことに対するためらいを減らすことになるというふうに考えております。
#84
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 また、政府は次世代育成支援に関する当面の取組方針におきまして、平成十六年度に児童手当制度に関する支給対象年齢等の見直しを行って、所要の法案を提出するとしています。
 児童手当の支給対象年齢の引上げがされるということは高く評価をいたします。現行の児童手当制度は給付額の水準とかその財源構造など多くの問題を抱えておりまして、抜本的な見直しが必要であります。社会全体が次世代育成支援にふさわしい経済的支援を行えるよう、普遍的な給付理念にのっとって社会保険の制度として仕組めないか真剣に検討するべきではないかと考えております。
 子供の出生を公的年金の給付事由に加えることとか、高齢者介護に介護保険があるように、子育てにも育児年金のような社会連帯による支援の仕組みがあってもいいのではないかと思っております。さらに、そうすることによって年金のいわゆる空洞化というのも防げるんではないか、そういう可能性もあると感じております。
 検討に向けた取組の状況について、御所見を承りたいと思います。
#85
○国務大臣(坂口力君) 児童手当につきましては、一応、二千五百億円の枠内におきましてこれをどう実現をするかということを、最終的な調整をしていただいているところでございます。
 また、全体を見ましたときに、先ほどお話ありましたように、現在の児童手当、そして税額の控除の問題、あるいはまた年金財源との問題等々、様々な問題ございますが、これらのことを少し整理をしてすっきりとした形にするのにはどうしたらいいかということをよく検討をしていかないといけないというふうに思っておりまして、これらの問題のひとつ整理をしながら、そしてできる限り十分期待にこたえられる形にしていきたいというふうに思っているところでございます。
#86
○沢たまき君 育児年金のような社会連帯による支援の仕組みということに関しての御所見はいかがでございましょうか。
#87
○国務大臣(坂口力君) 年金をどういうふうな形にするか、年金財源は年金だけに使うという御主張の方もございますし、それから、やはり年金といえども将来の負担をしていただく皆さんのためにそれを使うということは年金財源として意義のあることだというふうにおっしゃる方もあって、ここは若干意見の分かれるところでございますし、そして、その年金財源を育児年金のような形でそれをするのか、それとももう少し成長された皆さん方の奨学資金のような形にするのか、あるいはまた生まれられた直後のことに使った方がいいのかといったようないろいろの御意見があることも事実でございまして、これらの問題は来年の年金改正の中で取り上げる大きな課題だというふうに思っておりまして、年末にかけましてこれらの問題も解決に向けて努力をしたいというふうに思っているところでございます。
#88
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。
 ちょっと質問の通告しておりませんが、率直な疑問があるのでちょっと伺わせていただきます。
 児童手当の給付額、第一子、第二子、第三子とその格差がありますが、その格差、第一子、第二子五千円、第三子一万円、この格差はどういう意味であるのか、あるいは、三番目、三子が一万円ということは、三子も産んでくださいよという国の御要望の表れであるんでしょうか、それちょっと伺わせていただきたいと思っております。産む側といたしましては、一人目も二人目も三人目も同じ額がいいなと思っておるんでございますが、いかがでございましょうか。
#89
○政府参考人(岩田喜美枝君) 第一子、第二子は月五千円、第三子以降一万円になるというこの制度の仕組みでございますけれども、必ずしも第三子以降の多子奨励策というふうには明確に位置付けられていないというふうに理解しております。
 現状を見ますと、お子さんを三人以上養育しておられる家庭における児童養育費の例えば家計全体に占める割合が大変高いといったような、そういう実態を踏まえて第三子以降は手当の金額を高く設定してるというふうに理解しております。
#90
○沢たまき君 それから次に、法案の中身についてお伺いいたします。
 企業行動計画研究会の報告の中で、行動計画の策定例の中で、子育てと仕事が両立できる環境の整備の中で、民間事業者においても半日単位、時間単位の有給休暇が取得できるように推奨すべきだと思っております。
 労働基準法の第三十九条の年次有給休暇の規定によって、使用者は労働者に十労働日の有給休暇を与えなければならないとされております。ところが、十労働日という文言を用いて労働日単位を表している関係から、労働者が半日単位で請求しても使用者はこれに応じる義務はないとの通達が出されておりますね。
 その後、平成七年の七月二十七日にゆとり休暇促進要綱において、労使が自主的に取り組むべき事項に関する指針として、半日単位での年次有給休暇の取得については導入について検討するとしておりますが、これとても周知徹底はなされていないわけです。
 法律の文言は確かに十労働日となっておりますが、一日単位で取得しなければならないとはどこにも書いてありません。本気で子育て支援をするというのであればもっと柔軟に年休が取得できるように政府も解釈を改めるなり、また使用者に応じる義務がないというのであれば使用者に配慮を求めたりするべきだろうと考えております。一日単位でしか年休が取得できないという誤った認識が広くはびこっているようですので、そうではなくて、使用者側の理解があれば時間休、半日休も可能だということを周知徹底していただきたいと思っております。
 特に、裁量労働、労働者派遣事業などで労働面で規制緩和がされる中で、時間単位の年休、有給休暇取得についても子育て支援の立場から規制緩和をするべきだと思っておりますが、厚生労働省の御見解を伺わせてください。
#91
○政府参考人(松崎朗君) 労働基準法第三十九条によります年次有給休暇でございますけれども、この趣旨は、やはり労働者の心と体、両方の疲労の回復といったものを目的としているということから、基本的には一労働日単位の付与というものが原則であるというふうに仕組まれているわけでございます。
 しかしながら、半日単位の付与につきましては、労使からのいろいろ要望もございましたし、また実際に年次有給休暇というものの取得が余り進んでおらないといった現状から、半日を認めることについて、これが労働者、使用者の方から値切った格好での半日じゃなくて、労働者が本当に真に半日を望み、それを使用者の側が認めるといったように、適正に運用される限りにおいては問題は少なかろうということで、現在におきましては、今申し上げましたように、適正に運用されている限り半日単位の付与というものは認めているところでございます。
 しかしながら、この時間単位につきましては、冒頭申し上げました、やはり年休の趣旨とずれてきてしまいますのでやはり好ましくないと考えておりますけれども、御指摘のような趣旨、点もございます。そういったことから、やっぱり今後慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。
#92
○沢たまき君 よろしくお願いします。
 次に、従業員が三百人を超える事業主には行動計画の策定が義務付けられて、従業員が三百人以下の事業主には努力義務、課せられております。次世代育成の支援に事業者の参加は大変大きな意義があると高く評価をしております。
 しかし、三百人以上の事業主の数と三百人以下の事業主の数、またその割合はどうなっておりますでしょうか。また、それぞれの全体の従業員の数と割合はどうなっておりますでしょうか。数字だけで結構です。
#93
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十三年度総務省事業所・企業統計調査報告によりますと、三百人以上の企業数約一万二千社、労働者数千四百五十六万人、三百人未満の企業数百六十万社、労働者数百九十三万人でございます。そして、三百人以上企業の総企業数に占める割合は〇・七四%、総労働者数に占める割合は約四三%ということでございます。
#94
○沢たまき君 三百人以下の事業主を努力義務にした理由は何でしょうか。この法律は十年の時限立法ですけれども、十年間を通して努力義務にされるお考えなんでしょうか。あるいは、五年後の見直しでこの努力義務は見直しの対象にされるんでしょうか。
#95
○政府参考人(岩田喜美枝君) 事業主に行動計画を策定をしていただき、それを実施をしていただくということについては、企業の規模を問わずすべての事業主にそういうふうに対応していただきたいというふうに考えておりますが、この次世代推進法では、事業主の現実の負担も勘案いたしまして、三百人以下の中小企業については行動計画の策定を努力義務といたしているところでございます。
 また、今、委員がおっしゃいました法律の見直しについてですが、本法の附則の第三条で、法施行から五年を経過したときに、そのときの法律の施行状況を勘案し、必要があれば法律上の規定について検討し、必要な措置を講じるということとされております。
 現時点で検討項目を念頭に置いているわけでは決してございませんけれども、逆に何もその検討の対象から排除しているわけでもございませんので、中小企業についての努力義務規定の在り方についても検討の対象になるというふうに考えております。
#96
○沢たまき君 三百人以下の企業の従業員と三百人を超える企業の従業員とで大きな格差が生じることが懸念されますけれども、そのようなことがないように国としてはどのような支援策を講じられるおつもりでしょうか。
#97
○政府参考人(岩田喜美枝君) 行動計画に盛り込んでいただく個々の施策については中小企業に着目をした対策をいろいろ盛っておりますけれども、今回の法案との関係でいいますと、次世代育成支援対策推進センター、これは事業主の団体の中から厚生労働大臣が指定をするということになっておりますので、このセンターを指定をさせていただいて、ここが中小企業等に対しまして行動計画の策定や実施についての様々な助言、指導をしていただきたい、そういう形でセンターを活用することによって中小企業を支援してまいりたいと思っております。
#98
○沢たまき君 企業行動計画研究会報告の一般事業主行動計画の策定例を見ますと、正に革命的な変化が事業主の中で起きるのではないかと思われるほどきめ細かな計画を策定することになっています。しかし、事業主の負担もかなり増えることが想定されますし、策定例で、事業主の意識変化に対しては大きな効果が生じるとは思いますが、実質的には負担が大変大きくて計画倒れになるおそれがあるのではないかと思っています。
 国や地方自治体との連携を緊密にして事業主も含めた子育て支援ネットワーク作りを推進して、効率的な事業計画を策定することが重要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#99
○政府参考人(岩田喜美枝君) 一般事業主行動計画の策定について国が定める指針の中では、仕事と子育ての両立支援のための環境、雇用環境の整備や多様な労働条件の実現のための整備などについて、なるべく広く、幅広く具体的なメニューを例示として盛り込みたいというふうに思っております。各企業はその指針を踏まえていただいて、企業として取組、実現可能性も含めて、取組可能なものから企業が自主的にといいましょうか、主体的にその計画に何を盛り込むかということを御判断いただきたいというふうに思っております。
 今、委員が引用なさいました企業行動計画研究会報告の策定例がございますけれども、確かに盛りだくさんのメニューをお示ししております。これらのメニューをすべて網羅的に盛り込んだ計画ということをすべての企業に期待するというのはなかなか難しいというふうに思っておりますので、事業主はこの中から、先ほどのことの繰り返しになりますけれども、企業の実情に沿った、実情を踏まえたメニューを取り上げていただいて計画に盛り込んでいただきたいというふうに思っております。
 また、企業がその企業の枠の中だけでいろいろ議論するのではなくて、国や地方自治体と必要であればいろいろ情報交換、意見交換をしながら、その中で自らの行動計画の在り方も検討していただきたいというふうに考えております。
#100
○沢たまき君 もうあと一分しかありません。どうぞよろしくお願いします。
 ただ、中小の企業の方々は地方自治体などと御相談しないと、これをやるためには、国あるいは地方でこういう支援の、財政的な援助もあるというのも推進センターで教えていただくことができるわけでしょうか。
#101
○政府参考人(岩田喜美枝君) 次世代育成支援対策推進センターにもそういう情報はストックをしていただきたいというふうに思っておりますし、また、企業の行動計画の策定のために国は指針を策定すると先ほど申し上げましたけれども、それだけではなくて、マニュアルとかモデル事業計画などもお示ししたいというふうに思っております。例えば、マニュアルなどの中には、こういう施策についてはどういう助成金制度があるのか、中小企業についてはどういう配慮がされているのか、そういった情報も盛り込むことを検討していきたいと考えております。
#102
○沢たまき君 よろしくお願いします。
 終わります。
#103
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 児童福祉法の改正案と、そして次世代の育成支援対策推進法案に関連して質問をいたします。
 まず最初に、現在の保育所の実態に関連して質問したいものですから、現在の公立だとか認可保育所だとか認可外保育所だとかいろんな、東京都でいきますと認証保育、そして認定保育室、ベビーホテルなどというのがあるんですけれども、一体そこに幾つ施設があり、何人ぐらいの子供たちが行っているのだろうかということを教えてほしいんですけれども。
#104
○政府参考人(岩田喜美枝君) 認可保育所につきましては、平成十五年三月の時点の数字でございますが、まず施設数では、全体で二万二千三百十三か所、うち公営が一万二千四百二十六か所、全体の五五・七%です。私営が九千八百八十七か所、全体の四四・三%です。これを入所児童数で見ますと、全体で二百三万三千九百人、うち公営が百二万八千九百三十一人で全体の五〇・六%でございます。私営は百万四千九百六十九人で全体の四九・四%となっております。
 一方、認可外保育施設についてですけれども、事業所内保育施設は除きまして、それ以外の認可外保育施設について平成十四年三月三十一日時点の数字を御紹介いたしますと、施設数が六千百十一か所、入所児童数が十六万九千百十八人でございます。なお、この認可外保育施設の中には、今、委員が言われましたような東京都の認証保育所など自治体が単独で助成をしております認可外保育施設も含まれております。
#105
○井上美代君 いろいろな保育所があるものですから、今後とも厚生労働省が子供たちの人数、そしてまた施設、これを調査を押さえていただきたい。特に、認可外はややもすると落ちてしまいがちですので、私は是非この実態の把握については、指導書も出ておりますけれども、是非よろしく把握をしていただきたいというふうに思います。
 現在の状況では認可外の保育所というのがやはり待機児童解消に果たしている役割というのも非常に大きいというふうに思っているのですけれども、無認可保育所というのは、私事になりますけれども、私も子供を育てるのには認可外保育所をずっと、産休明けがありませんでしたので、活用させていただいてやってまいりました。そういう中で触れている、そして今回また調べていろいろ触れてきたものを含めて考えますときに、認可外の、無認可の保育所というのは、やはり営利を目的にしているというのもあるかもしれませんけれども、私の触れたところでは営利が目的ではなくて、不十分な面を、足りないところを父母や保育士などがもう非常に献身的に努力をして埋めて足りない分を支えているという、そういう運営の仕方なんですね。
 この無認可保育園の果たしている役割というのは、私は一番大事なことは、難しい、なかなか受け入れてもらえないゼロ歳の子供たちを預かりながらやっているということです。私のかつての無認可の保育所と違いまして、私今度改めて感じたんですけれども、非常に、この運営は、場所的にも小さいし、そんなにたくさんはいないんですけれども、非常に融通を利かせて、例えばお母さんが介護をやらなきゃいけないときにお願いに来たり、病院へ自分が行かなければいけないときに子供をお願いしたりということで、突然の出来事があったときにも相談に応じながら非常に柔軟に預かってやっているんですね。非常に私は地域に根差しているということを強く感じて帰ってきたところです。無認可保育所の果たす役割というのは、法律上は位置付けられていませんけれども、やはり非常に重要な役割を果たしていると思っております。
 この点につきまして、大臣がこの認可外保育所の役割についてどういう認識を持っておられるのか、この機会にお聞きしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
#106
○国務大臣(坂口力君) 認可外保育所あるいは無認可保育所といったような形で呼ばれているところ、これはおっしゃるように非常に大きな役割を果たしていると私も思っております。何かマスコミ辺りで無認可というような形で出ますと、何となく悪いことをしているというような感覚に取られがちでございますけれども、決してそうではなくて、大変重要な役割を果たしておみえになるというふうに思っておりますし、今お話ございましたように、ゼロ歳児の問題でございますとか、あるいは時間外の預かりといったようなことも、あるいはまた夜間の預かりといったようなことも積極的にやっていただいているところがございまして、私は感謝を申し上げている次第でございます。
 大変、無認可あるいはまた認可外というような形になっておりますけれども、役割は非常に大きな役割を果たしていただいているというふうに思っております。
#107
○井上美代君 無認可で働いておられる方たちが今日も傍聴においでになっておりますが、今の大臣のお答えに励まされておられるのではないかと思います。
 それで、私はお聞きしたいんですけれども、個人事業者は平成十七年の売上分から消費税の免税点が三千万円から一千万円に引き下げられるということがあります。収入が一千万円を超える個人事業者の無認可の保育所も平成十八年度から消費税を納めなければならなくなります。しかし、消費税など納められないと、もう本当に悲鳴が私のところにも届いてきておりまして、私はこの問題を東京都の江戸川区の無認可保育所に出向いていろいろ聞いてまいりました。
 そこは三十年も続いている無認可の保育所なんですけれども、面積が七十五平方メートルの園で、家賃は月十九万五千円。そして、定員は二十人。園長始め八人の正規の職員と、そして三人のパート職員が働いておられました。最も手の掛かるゼロ歳児が中心なんですね、預かっておられるのは。そして、幼児が、子供たちが二十人に対して職員は十一人という手厚い良心的な保育が行われておりました。保育料としては、月に四万八千円だったのを今月から四万九千円に値上げせざるを得なかったということを言っておられました。ほかにも実費が必要なので、実質的な保育料は月五、六万円とのことで、このような実態になっている下で更に消費税を五%負担するなどということはとてもできませんと園長さんとその財政の担当の方はおっしゃいました。
 この保育園の収入は、二〇〇二年度は、保護者負担として保育料が九百万円、そして時間外の保育料が三十万円、入園料が七十六万円、合計すると一千六万円になるわけなんです。そして単純計算でこれに五%を掛けますと、約五十万円の消費税が掛かるということになります。ほかに収入は東京都と江戸川区から補助が一千二百万円あるということでした。これだけではまだ足りないので、あと四百六十万赤字だったということなんです。それで、繰越金を取り崩したり借入れをしたりバザーを開いて穴埋めをしたりということで、本当に苦労をしているという実態をお話しになりました。あと五十万円を消費税として納めることは保育園としてはできないので、やめるようにお願いしてほしいと、このように言われました。
 こういうふうになっているんですけれども、この消費税の問題で大臣がどのような見解を持っておられるか、御答弁をお願いしたいと思います。
#108
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生お話しになりましたように、認可外保育所の社会的な意味という意味では誠に重要な役割を演じていただいているわけでありまして、先ほど大臣が答弁したとおりでございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 ただ、今、社会福祉法の第二条に規定するいわゆる社会福祉事業については、これは消費税法第六条の規定によりまして既に非課税でありますが、認可外保育施設等、社会福祉事業に該当しないものにつきましては今現在も課税対象でございます。
 今回の消費税の事業者免税点制度の適用上限の引下げ措置によりまして、これは認可外保育施設の中に新たに消費税の納税義務が生じることとなるケースが出てくるんではないかという御懸念でありますけれども、それについてはそういうようなこともあり得るんだろうというふうに現在の段階では考えております。
 ただ、そのときに、今回の免税点の制度の改正そのものが、これ一連の税制改革の流れの中でこれは消費税の税制の公平性とか公正性というような観点から様々な議論があったわけでありますけれども、その中での見直しと、こういうようなことでありまして、他の中小企業の方々と同様に、これは認可外保育施設に対しても適用せざるを得ないと、こういうようなことになるんだろうというふうに認識をしているところでございます。
#109
○井上美代君 この消費税課税の問題は何も今取り上げた保育所だけではない、今御答弁がありましたけれども、ほかにもあると、類似したものがあるということだと思いますけれども、社団法人の東京保育室センターには八十一の無認可の保育園が加盟しておりますが、このうちほとんどすべてが課税の対象になりそうだというんですね。無認可保育園は、営利目的ではなく、行政の本当に足りない分を父母や保育士などの献身的な努力によって支えられているのが現状。だから、やはり自治体から補助を受けているんですけれども、それは本当にその献身性に補助が出ているんだというふうに思っております。
 無認可保育所の園長さんたちは、職員の賃金をカットしたり、そしてまた保育料を値上げしたり、経費の削減を、もう本当に大変な経費の削減をしているんですね。若い保育士は大体月給で十三万円、そして中堅の人でも二十万円足らず、そして三十年勤めたベテラン中のベテランでも二十一万円なんですね。これ以上人件費は削りようがないということなんです。保育士だけではなく、もう保護者、そして子供たちにすべてしわ寄せしていくわけですけれども、むしろやはり国庫補助金をもっと増額してほしいという声も出たわけなんです。
 だから、私は、消費税を新たに掛けるというような、消費税を新たに掛けられるところが出てくるんですけれども、これはもう本当に大変なことだというふうに思っているんですね。だから、そういう意味でも、消費税は認可には免除しているわけですから、無認可はじゃそれと比べてどうなのかといったときに、まだ不十分な厚生労働の保育施策の中では私は本当に役割を果たしていると思いますので、そういう点で、やはり消費税については検討していただかなければいけないのではないかというふうに思っているわけなんです。
 これは、そういう点で、このまま消費税が掛かれば、言ってみれば無認可の保育所は成り立っていかないわけですね。だからもう本当に無認可は要らないよというふうになるのと同じになるんですね。これでは母親たち、若い父親たち、本当に助からないと思うんです。だから、そういう意味でも、これは認可と同じようにやはり消費税については御検討を願いたいというふうに思います。大臣の御答弁をお願いしたいんですが。
#110
○副大臣(鴨下一郎君) 繰り返しになりますけれども、認可外保育所が社会において、そして地域において極めて重要な役割を果たしていただいている、こういうようなことについては誠に先生おっしゃるとおりでございます。
 その保育サービスにつきましては、安定的な供給や質の確保、こういうような観点から、これは今後とも、児童福祉施設の最低基準を満たす認可保育所が保育サービス提供の基本であるというふうには考えているわけでありますけれども、できるだけ多くの無認可の保育所につきましても、これは規制緩和をいたしまして、認可保育所に転換していただきやすいようにと、こういうようなことを考えているわけでありまして、先ほど先生がお話しになった例えば江戸川の無認可保育所等につきましては、これは詳細に検討しなければいけませんけれども、この規制緩和の措置などを勘案いたしますと、むしろ認可保育所の方に転換をしていただけるんではなかろうかと、こういうような可能性もあるわけでありまして、こういうようなことをできるだけ進めていって、一千万以上の様々な事業収益のあるところにつきましては、この規制緩和措置によって認可保育所の方に転換していただけるように厚生労働省としても移行促進に努力をしてまいりたいと、かように考えているところであります。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
#111
○井上美代君 私は、無認可の保育所の問題に消費税が掛かるというのは、もう一千万ですから大抵のところが掛かるというふうに、私は江戸川だけではなくてそうだというふうに思っているんですけれども、私は、厚生労働省というのは、今子供がなかなか生まれないで最悪の事態になっているということをどうしても乗り越えなければいけないんですよね。そのときに、これだけのきめ細かい保育をやっているところを捨ててしまうということは、私はこれはならぬというふうに思うわけなんです。
 だから、日本の将来の発展のことを思えば、私は子供についてはほかと同じように、先ほどから言われてはおりますけれども、私は子供については日本の発展にとってはその中心になるものだというふうに思うんです。だから、そこに例外があっても決してだれもそれに意見を言う人はいないと思います。
 だから、そういう点でこの消費税について、是非考えてほしいというふうに思います。
 今、無認可は認可になればいいじゃないかということも言われました。しかし、認可になるというのは、これは大変なことなんですね。特に、土地に対して補助が付かないという問題があります。それは借地でもいいということにはなりましたけれども、そういうことですので、なかなかそれは認可になれない。だから、その辺も何か検討するように言われましたけれども、消費税の問題はそれとはまた別です。だから、是非御検討願いたいと。大臣、これは新しい政治的な判断が要りますので、どうか大臣、御答弁お願いいたします。
#112
○国務大臣(坂口力君) 税の問題は、これは公平に皆さん方御負担をいただかなければならないわけでございまして、この保育所の問題だけではなくて、他の分野にもこれは当てはまるわけでございます。
 したがいまして、そこは御家庭に御負担を掛けることになるわけでございますけれども、しかし、保育所の中にも無認可あるいは認可外保育所であることに誇りを持っておやりをいただいているところもあるわけでございます。私の知っておりますところも、認可保育所にしていただいてはどうですかということを申し上げているわけでございますが、しかし、認可保育所になれば様々な規制もあってやりにくい、やはり独自の保育というものをやるためには無認可の方がいいのだとはっきりとおっしゃるところもあるわけでございまして、そうした皆さん方にはそれぞれのやはり立場で保育にお取組をいただきたいというふうに思っている次第でございます。
 税の問題は、これは厚生労働省の問題といいますよりも全体の税制改革の中の問題でございまして、どうしても税の問題は公平にお願いを申し上げる以外にないと思っております。
#113
○井上美代君 私は、厚生労働省だけでは解決できない問題だということはよく承知しております。
 それにしましても、厚生労働大臣が問題を提起してくださるというのが非常に重要だと思いますので、是非この問題については引き続きどこかで発言をしていただきながら、提起してもらいながら改善をしていかなければ、子供がたくさんになるということはないというふうに思いますので、是非御検討を願いたいということをお願いします。
 私は、無認可保育園に今以上の負担が増えると、これはもう本当に行き詰まってしまいますよということを申し上げたんですけれども、私は、これも厚生労働省の中だけでは解決しない問題として、やはり軍事費の問題というのはどうしても指摘しておかなければいけないと思っております。
 既に、国際的に世界第二位の軍事費ということが発表されておりますが、五兆五千億円というお金がそこへ投じられております。りそな銀行の支援には二兆円です。米軍への思いやり予算は二千四百六十億円もの莫大な税金を使っているではありませんか。
 私たち日本共産党は、二〇〇一年七月に保育所の待機児童問題を緊急に解決するための提案をしておりますけれども、この待機児童を直ちに解消するためには九十人規模で三百七十か所の保育園が必要です。一九七〇年代には公立だけでも毎年五百から六百か所の保育所が造られていったんですね。だから、私も六〇年代、ポストの数ほど保育所をということで運動をやってまいりましたけれども、政府がやる気があれば私はこれはできるんだというふうに思うんです。やはり、これに必要な財源というのは六百億円程度です。国庫補助金は三百億円にすぎません。無駄遣いしている金額から比べれば本当に微々たる数字であることは間違いないことですから、私は無認可保育所を非課税にすることは、お金がないのではなくて、本当にやる気で迫るという、そこが私はもう少し努力していただきたいというふうに思うわけです。
 実績のある無認可保育所に対しては認可保育所として平等に扱う立法措置を講じていただけないだろうかと、認可とは同じ内容ですから。無認可と認可をせめてもう消費税の上では差別なく取り扱う、それをやってほしいというふうに思います。
 私は、そのことをお願いして、次の質問に移ります。
 次、質問したいのは、国際医療センターの中の院内保育所を是非発展させてほしいという質問です。
 東京の新宿区に国立の国際医療センターの新築工事を計画しているということなんです。この国立の国際医療センターは、言ってみれば厚生労働省の管轄にあるわけなんです。ここに今、院内保育園としてつくし保育園という無認可の保育所があります。ゼロ歳児から一歳児を中心に定員で二十人で、九人の職員の方が働いております。そのうち、職員では五人の保育士さんは賃金職員という形で派遣をされて運営されております。
 そこで、お尋ねしますけれども、厚生労働省はこの国際医療センターの建て替えを計画しておりますが、その際、このつくし保育園も建て替え、認可保育園にしてほしいという、私自身、それからまた現地の方からの要望もありましたけれども、そういうふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。その方向はいかがでしょうか。
#114
○政府参考人(冨岡悟君) 国立国際医療センターにおきます院内保育所につきましては、国家公務員共済組合法に基づきます福祉事業として共済組合が保育所運営委員会に運営委託を行いまして実施しているところでございます。
 先生御質問にありました国立国際医療センターにつきましては、将来的に所要の建て替え整備を予定しているところでございますが、現時点でまだ具体的な内容は固まっておりません。今後、具体的な内容を検討する中で、保育所の問題につきましても検討していくことになるものと考えております。
 なお、認可保育所という点につきましては、現在、共済組合が運営するといういわゆる認可外の保育所でございますが、仮に認可保育所といたしました場合には、たとえ国立国際医療センターの中にあります保育所でありましても、職員のお子さんを優先的に受け入れるということは困難であります。そういうことから、本来の設置目的でありました国立国際医療センターの職員の保育ニーズに適切に対応していくことができなくなるわけでございまして、そういった点から問題があるものと考えております。
#115
○井上美代君 認可保育所になるにはやはり大幅な改造が必要だというふうに思うんですけれども、ちょうど今、国際医療センターが全面的に建て替え計画を持ってやるということですので、この無認可の保育所の人たちは建て替えの際、今のつくし保育園の施設も建て替えて広いものにし、そしてここを認可保育園として、国際医療センターで働く人のお子さん、そしてまた地域のお子さんが入れるような認可保育にしてほしいと、こういうふうに要求をしておられるんです。
 このようにすれば、入園児も増やせるし、病院側から今賃金職員が派遣されているんですけれども、この賃金職員の派遣もなくてもいいと。そしてまた、保育士の賃金が非常に劣悪なんですね。これも少しは上げることができると。今、やはり一番責任のある立場の保育士の賃金が四十九歳で二十万円そこそこです。二十万円弱というふうに言われました。
 私は、大臣にこれを今までの院内保育の続きで考えてほしくないわけなんです。院内保育は、私は幾つも回りましたけれども、もう本当に看護師さんやお医者さんのやむにやまれないその願いで院内にできているんですね。しかしながら、古い建物をやっとそこを探して、そこで院内保育園がやっているとか、もう建物の、そしてまた敷地の一番端っこの方でやっているとかで、非常に古いし大変なことになっていて、改善してもらったのもありますけれども、大変です。だから、国際医療センターという世界に誇る医療センターができる、やはりここに何とか保育所用の一定の施設を建設して、そして無償で提供してもらいながら、東京都に対しても社会福祉法人の認可をいただきながらやれないかというのがこの現場の方たちの声でもあるんですね。
 だから、計算もいろいろやってみましたけれども、そうした中での今までの院内保育所とは違う、やむにやまれず造った、もう仕方なく造った、もうせっぱ詰まって造ったその院内保育所は、普通の保育所とも違って、新しく改築したところは別ですけれども、それ以外は非常に大変な建物と保育内容なんですね。保育の整備が十分できていません。
 だから、そういう意味でも是非この誇るべき国際医療センターに新たな形の保育園を造ってほしいというふうに思うんですけれども、その点、大臣、これはまだ建物も白紙だということをおっしゃっておりますのでこれからの検討になりますので、そういうことを是非検討して、見学に来られても世界の人たちに誇りを持って見せられるような、そういう場所にしてほしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#116
○国務大臣(坂口力君) 国立国際医療センターの建て替えの話は私も余り詳しくは存じませんけれども、建て替えるということになったら保育所も新しくなるのは当然でございまして、それはそのとおりというふうに思っております。
 ただ、部長が先ほど御答弁申し上げましたように、認可保育所にするということになって地域の皆さん方もそこに行っていただくようにするということになれば、それはこの国際医療センターのお子さん方を優先的にということはなかなかいかなくなる、平等にその地域の皆さん方も預かっていただかなければならなくなるということだけは御理解をいただかなければいけないし、今後そうした方向で地元とお話合いが進むかどうかといったようなこともあろうかというふうに思っております。
 したがって、そうしたことも十分にこれから地域とも議論を、あるいはまた区とも、区長さんでしょうか、いろいろとまたお話をしながらこれは進めていかなければならないものというふうに理解をいたしております。
#117
○井上美代君 御参考までに私は是非聞いてほしいんですけれども、今までは労働組合と、共済組合ですか、共済組合と病院とそしてまた父母とが三者でやっていたというのが院内保育園ですけれども、この院内保育園については今まで全医労も厚労省にも要求をしてやってきているということを聞いているんですが、やはり厚生労働省の対応は国立病院部に限られて、その予算の中でやられてきたんですね。
 だから、今、私は、少子化がこういうふうに大変になっている中で、やはりこの国際医療センターの場合ですけれども、園児が十五人いて職員が九人です。収入は都と区からやはり一千二百万円の補助が出ているわけなんですけれども、五人の賃金職員が今病院側、いわゆる厚生労働省から派遣されて人件費は賄われております。
 仮に六十、私は仮に、今現状はそうですけれども、これを六十人の保育園に例えばしたと、そして、このちょうど建物の横の方に保育園はあるんですけれども、これを二億円で建物を建て替えたとします、そうしたらそれが取り戻せるかという計算をしてみたんですけれども、保育園の建物が無償で貸し出されて、そして認可保育園になると、国、都、区から合計で一億五千万円の補助金が出るわけなんです。これと保育所ですべて賄えるようになります。そうしますと、今病院が負担している五人の賃金職員なんですけれども、年間で二千万円ですから、病院はこの負担をしなくて済むようになります。二億円は言ってみれば浮いてくるということですので、二億円掛けて建物を建てて認可保育園にした方が職員の給料も上がるし、保育条件も良くなるというふうに思うんですね。
 だから、国立病院内の保育所というのは二〇〇二年の調査で全国で百五十施設あります。職員の子は二千二百八十人、地域の子供が五百七十九人ということになって、合計で二千八百五十九人が在籍をしているわけなんですけれども、やはりここは私は先例をこの国際医療センターで作ってほしいというふうに思っているわけなんですけれども、やはり国立病院部に任せずに厚生労働省として対応できれば私は解決策はあるんだというふうに思っているんです。だから、これは検討、これから検討することになるということを今、大臣おっしゃいましたけれども、そのようなちょっと試算もしてみたんですけれども、大臣、是非検討をお願いしたいと思いますが、もう一度そこのところを御答弁願いたいと思います。
#118
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所、ナショナルセンターにおきます院内保育所につきましては、そこに勤務する職員の福利厚生という観点から私ども事業を運営するという観点から実施、共済組合において実施いたしておるものでございます。
 それから、先ほどの国立国際医療センターの建て替えにつきまして、所要の建て替え整備、大変古くなっている部分ございますし、また国際感染症といった面での役割が期待されておりますということから検討をしておりますが、具体的な中身につきましてはこれから詰めていくということになっております。
#119
○井上美代君 今の御答弁は、これまでの院内保育所を想定しながら、その続きとして御答弁くださったというふうに思います。そうではなくて、やはり病院の人たちも入れるようにし、そして地域にも一定の潤しを持つと。地域の子供たちも困っている子がいて、今でさえも子供、地域の子供が入っている数を今申し上げましたけれども、そういうことですので、私は大臣の御答弁を、是非やってほしいと。私は、先ほど地元との話合いもやりながら、区長や補助をいただく、都もありますからね、そういうところともよく話し合って、病院側ともよく話し合ってやっていくということを是非お願いしたいというふうに思いますが、大臣、それでよろしいでしょうか。
#120
○国務大臣(坂口力君) 二億円掛かるのか一億五千万でいいのか、具体的なことまで私もちょっと存じ上げませんし、そこまで御答弁で申し上げることはでき得ませんけれども、現在ありますような病院の中で今後ともおやりになるというのであれば、建て替えをすればそれはその中で新しいところができるというふうに私も思っております。
 ただ、今お話にございますように、地域とタイアップをしてということでありますと、それはいわゆる医療センターの中がいいのか、あるいは近所がいいのか、そうしたこともこれは区とよく相談をさせていただき、そしてまた病院もそうしたことも相談をしながらやっていかないといけないんだろうというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、皆さんがそういう御希望があり、病院の側もそういうことになれればいいんだけれどもというようなお話があるのであれば、それは地域ともよくお話合いをさせていただくということに、これは今後の問題としてしていきたいというふうに思います。
#121
○井上美代君 私どもも努力して、また話合いにも応じながらいきたいと思いますが、やはり敷地の中でやっていく。今、院内保育園がありますので、それの続きとして考え方をちょっとやはり新しい時代に頭を変えなければいけないと思っておりますけれども、是非この国際医療センターのところに造っていただくというようにお願いをしたいというふうに思います。これからですので、検討をしっかりと地元ともやっていきながら、私も是非、この問題はまた後日、待ちながらしっかり握っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それで私は、次に待機児童の問題で質問をしたいと思います。
 待機児童のゼロ作戦というのが出たのは二〇〇二年であったというふうに思います。これは、やはり何といっても待機児童が多い中で、少子化が最悪になる中で、施策のセールスポイントとして出されたというふうに思います。
 この中身について改めて考えてみる必要があるんじゃないかなと思いますので、簡単に、簡潔にこのゼロ作戦というのを話してもらえますか。
#122
○政府参考人(岩田喜美枝君) 待機児童ゼロ作戦とは、平成十三年七月六日の閣議決定に基づきまして取り組んでいるものでございます。この閣議決定は仕事と子育ての両立支援の方針についてという閣議決定でございましたが、その内容は、保育所、保育ママ、自治体における様々な単独施策、幼稚園における預かり保育などを活用し、潜在を含めた待機児童を解消するため、待機児童の多い都市を中心に、平成十四年度中に五万人、更に平成十六年度までに十万人、計十五万人の受入れ児童数の増大を図る、これが閣議決定の内容でございまして、これに基づいて今取組を進めております。
#123
○井上美代君 今、三年間で合計十五万人の受入れ人数を増やすということなんですけれども、どうしてそれで待機児童がなくなるとお考えになったのか、その根拠について教えてほしいんですけれども。
 それと、十五万人のうち、定員の弾力化によって一定の人数が出たというふうに思います。そしてまた、施設増設によるものも何人というのがあるんじゃないかというふうに思いますので、その点をお示しいただきたいと思います。
#124
○政府参考人(岩田喜美枝君) 十四年度から三年間で十五万人の受入れ増を図るということで待機児童ゼロ作戦に取り組むことといたしたわけでございますが、この目標自体は内閣府の男女共同参画会議の審議の結果出てきたものでございまして、厚生労働省として具体的な作業にはコミットいたしておりません。ただ、お伺いするところによりますと、待機児童の現実の人数ですとか認可外保育所を利用しておられるお子さんの数等から勘案して、三年間で十五万人という数字を出したというふうに伺っております。
 さて、この十五万人をどういう形で実現するかということについてのお尋ねですけれども、一つは、やはり保育所を新設したり、あるいは増改築をするということで受入れを増やすということが考えられるわけでございます。そのために、保育所の受入れ増を、約五万人ですけれども、十四年度、十五年度、それぞれ五万人ずつ増やすということで、保育所の運営費や整備費でございますけれども、十四年度については三百十六億円、十五年度については三百三十一億円の予算の措置をいたしました。
 また、少し細かいことになりますけれども、公設民営方式で保育所を新設をする、そういったことを前提として施設整備をするときの新しい補助金制度を十三年度の第一次補正から実施をいたしましたり、また、従来から学校の余裕教室を保育所に転換する場合の施設整備の補助事業をやっておりましたけれども、十四年度の補正予算からは、余裕教室以外に、そもそも学校や幼稚園、公立の学校や幼稚園を廃止をして、それを全体を保育所に転換するといったようなケースについても補助対象とするようにいたしたところでございます。
 もう一つのやり方は、児童福祉施設最低基準、これを維持するということは当然の前提として、現状の施設の面積あるいは保育士の人数に余裕があるようなケースについては、保育所の定員の弾力化と言っておりますけれども、定員を超えて児童を受け入れることを認めてきております。こういった形で受入れ児童数が増えている側面も少なからずございます。また、この定員を超えている、定員の弾力化の問題については、定員を超えている状況が恒常的にわたるような場合については定員自体を見直しをするといったようなことも積極的に取り組むことといたしているところでございます。
 具体的に、この待機児童ゼロ作戦、初年度が平成十四年度であったわけですが、まだ年度末の状況まで出てきておりませんけれども、毎月毎月の状況を見ておりますと、ほぼ認可保育所に限ってだけでも五万人の受入れ増ができているというふうに思っております。
 このうち新設、増設によるものがどのくらいなのか、定員の弾力化によるものがどのくらいなのかというのはちょっと今手元に数字を持ち合わせておりません。
 以上でございます。
#125
○井上美代君 今御答弁いただきましたけれども、厚生労働省がもう少し私は主体的に判断しないと大変なんじゃないかなという感じを持っています。目標と現実というのが懸け離れているということですね。定員を弾力化して、そして待機児童を減らそうとするというのは、これは私は違っているんじゃないかなというのをずっと思っておりました。しかし、今日はその時間がもうゆとりありませんので、そこはおきますけれども。
 やはり、最低基準が守られればということを今言われたんですけれども、最低基準というのは、これは昭和二十二年に作られたものだということです。やはり詰め込むだけもう詰め込むという結果になっていて、子供は、現状というのは、行ってみると非常に大変なんですね。だから、それは入れられるだけ入れろというのはいいかもしれませんけれども、やっぱり子供たちが非常にかわいそうな状態なんです。詰め込みによって子供がもう落ち着かない状態になっている、夜泣きがひどい、それで保育士さんももういらいらになってくる、子供同士の接触も多い、かみ付く子供が出てきてトラブルが増えたという、こういう報告がやられているわけなんです。
 だから、定員の弾力化という方針は、やはりこれは改めていかなければいけないんじゃないか。それで子供を入れていく、そして待機児を何とか少なくしようというのでは、これはまずいんじゃないかというふうに思うんです。
 例えば、定員の弾力化ではなく、計画の中にやっぱり保育所の新設というのを重点を置いてやっていく。お金がないということを言われるんですけれども、私は子供に関連してお金がないということは言えないと思うんです。私たちはそれに責任を持ってこうして委員会でも審議を重ねているんじゃありませんか。
 私は、やはりこうした、幾らかでも弾力化というふうに言っておりますけれども、そういう作戦でやっていくというのは改めなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。困難な中で、よく分かっておりますけれども。
#126
○国務大臣(坂口力君) 待機児童ゼロ作戦につきましては、先ほど局長から答弁のあったとおりでございまして、これはこれで今一生懸命やらせていただいているところでございます。
 ただ、待機児童の問題は、例えば三万人ある、五万人あるというふうに申しましても、その分を埋めますとまた新しい人が三万人、五万人というふうに出てくるものですからなかなか終わりにならないわけでありまして、今、そうしたこともあって大体三倍の十五万人ぐらい、これで三倍か四倍になりますか、人数をやろうというので三年間掛けてやっているわけでございます。ここは三年をやって、その後どうなるかということを見ないと分からないわけでございますので、とにかくこの問題はこれでやらせていただきたいというふうに思っております。
 そして、子供のことに掛けましては財政的にいかに厳しくともというお話でございますが、気持ちとしましては私も同じような気持ちを持っているわけでございますが、しかし、そうは申しましても、ざくざくとどこかから小判が出てくるわけではございませんので、それ相応の対応をしていかなければなりません。
 今後のことにつきましては、できる限り子供のために財源を確保していくためにはどうしたらいいか、そのためにはやはり税制上の御負担もいただかなければならないといったことになってくるわけでございます。その辺のところを両にらみにしながら、しかし子供のためにより多くの財源が確保できるように私の立場で頑張りたいというふうに思っております。
#127
○井上美代君 それはもうお金については大変だと思いますけれども、私は大臣が是非この財源の問題についても提案をしながら頑張っていってほしいと思います。
 我が国は子どもの権利条約を批准しているんですね。子供に最善の利益を考慮していくというふうにそこには書いてあります。必要な保護だとかケアを確保する責務を負っているというふうに書いてありますし、保育条件の大幅な切下げはやはり子供の最善の利益を与えるというそこには反しているというふうに思うんですよね。だから、そういう国際的な立場から見ても、私はこの問題というのはよく大人の政治家としても責任を持って考えてやっていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。
 今、保育所への待機児というのは大変増えておりまして、それは六万二千百六十四人ともう過去最多になっているわけなんですね。前年と比べるとこれは二千八百五十四人も増えているということなんです。だから、先ほどやったと思ってもまた増えるということを言われたんですけれども、私は、今本当に長引く不況の中、しかもこの間は労働法制もいろいろと改悪されましたけれども、そういう中で働きに出る人たちが増えるわけですから、これから更にやはり待機児童というのは増えていくというふうに思うんですよね。だから、そういう点でも保育所というのは特別に私は考えていかなければ駄目だなというふうに思っておりますので、大臣、よろしくお願いをしたいと思います。
 三年間で十五万人の待機児童をなくすというこの待機児童ゼロ作戦なんですけれども、このままではゼロにするということは到底無理な話だというふうに思うんですね。保育所不足を解決しなければならないというふうに思いますので、一年に五万人受入れ児童を増やしたとおっしゃいましても、また増えているわけですから、だから、やはり過去最悪というような待機児童ですので、やはり責任を持って計画を立てて、そしてやっていかなければいけないというふうに思います。
 厚生労働省があいまいな目標設置をされるということは、自治体が非常に困ることになると思うんですね。自治体というのは、待機児童が次々と、母親も父親も押し掛けてきているわけですからね。だから、自治体が認可保育所を新設できるよう、やはり厚生労働省としては積極的にどう援助をしていくか、どういう体制を取っていくかということが今問われているんだというふうに思うんです。
 だから、お金がないという、そしてそういうところはほかにもあるんだということをおっしゃいますけれども、子供に関しては是非私は援助をするということで頑張ってくださるよう大臣に、その全体、厚生労働省の枠だけではなくて、もっと大きな立場に立ってどのようにお考えになるのか、お聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(坂口力君) 励ましをいただきまして、ありがとうございます。
 大変な励ましをいただいたわけでございますので、塩川財務大臣にもその旨伝えておきたいと存じます。
 十五万人一応予定をいたしておりまして、これがどういう結果になりますかは三年間ちょっとたってみないと分からないわけでございますし、今までの待機児童の数からいえば、かなり思い切った十五万人、年五万人であったというふうに思っております。
 これ、日本の全体の話でございますし、そして、三万人がいいのか四万人がいいのか五万人がいいのかということは、これはなかなか数字としてつかみにくい話でございますから、年五万人というふうに今決めてスタートしたということは私は大きな英断であったというふうに思っておりますし、これで三年間すればかなり潤うことだけは間違いがないというふうに思っております。
 今後、それぞれ都道府県あるいは市町村が責任を持っていただいて、それぞれの地域における今後の見通し等もこれは立てていただくことになるというふうに思いますから、そうした今後のスケジュールを立てていただいて、それぞれの地域も、今後自分たちの地域でどうしていくかということを御検討をいただき、そしてまた、その数字等も我々も拝見したいというふうに思っている次第でございます。
#129
○井上美代君 私は、もう一つ今度は質問をしたいんですけれども、これ、私、この間質問をしようと思いながら、たくさん持っていたんですけれども、時間が足りなくてできませんでした。
 この間のときに皆さん方に資料をお渡ししているんですけれども、その資料に基づいてやりたいと思いますが、厚生労働省は、少子化対策のプラスワンにおいて、育児休業の取得率を女性が八〇%、男性は一〇%と、せめて一〇%に引き上げたいということを目指して今やっておられます。今回の法案でも、各企業が行動計画を立てる際にこの数字が一つの目安となります。
 私が取り上げたのは、パート、派遣契約社員など有期雇用労働者の育児休業の問題でした。育児休業を有期雇用期間の人たちがなかなか取れないでいるということなんです。
 この間の労働法の改正によりまして、一年から有期労働三年に延長される、三年は五年に延長されるというふうになったわけなんですけれども、今後ますます有期労働の育児休業というのは大きな問題になってくるということで、今後、検討を審議会で、労働政策審議会で検討するということを約束していただいております。しかしながら、なかなか審議会から、それが例えば立法措置になるのか何になるのかよく分かりませんけれども、検討の結果が出てくるとは思いますが、私はこの間資料を配付しましたのは、厚生省の雇用均等・児童家庭局の職業家庭両立課長の名前で出ました通知なんです。「「期間を定めて雇用される者」に該当するか否かの取扱いについて」という、こういう通知が出ているわけなんです。
 これによりますと、都道府県の労働局がいろいろと相談に乗っていくんですけれども、最終的には都道府県の労働局の見解を添えて本省に疑義照会を行うことというふうに書いてあるんですね。だから、言ってみれば本省に相談しなければなかなか判断が難しいということでそのようなシステムになっているわけなんです。だから、私は急ぎこうした有期雇用の人が育児・介護法を適用されるようにするためにはこの通知をもう少し柔軟に、使えるものに変えていくということが大事ではないかなというふうに思っているわけなんです。
 だから、是非これを検討していただいて、審議会の検討もそれを追い付くほどに早くできればいいんですけれども、また審議会の答申が出てからというふうになるわけで、そういう点で、是非この通知を検討して、私は通知を変えてほしい、もっと取りやすいように。そしてみんな、周知方も、なかなか知らないでいる。これは統計などいろいろ……
#130
○委員長(金田勝年君) 時間が来ましたので、そろそろまとめてください。
#131
○井上美代君 はい。
 だから、そういう周知方も十分やれていない、知った人が少ないんです。一九%とかという数字が出ております。そういう意味でも、是非この通知を改めてほしいというふうに思っておりますので、それについて御答弁いただいて、私の質問を終わっていきます。
#132
○委員長(金田勝年君) 時間ですので、簡単に答えていただきます。
#133
○政府参考人(岩田喜美枝君) 有期労働者の取扱いについて指針を策定いたしておりますが、その指針について周知が足りないという御指摘については、パンフレット、リーフレット等でやっているつもりですけれども、まだ不十分であるということであれば、更にしっかり周知したいというふうに思っております。
 それから、平成十四年三月十八日付けの課長名の通知でございますけれども、これについては誤解をなさっておられるんではないかということで、ごく簡単に御説明させていただきたいと思います。
 これは、期間の定めがない労働者と実質的に異ならない状態であるかどうかということの判断というのは大変難しい、判断すべき要素を総合的に判断しないといけないということがあるわけですけれども、過去の判例などから学習いたしまして、その結果、指針で幾つかの事項に該当すれば期間の定めのない契約と実質的に変わらない状態になっている可能性が高いという、そういう判断基準を示しているわけです。ですから、その判断基準に該当する場合については、雇用均等室の方で該当するということになれば、しかしながら育児休業が適用になっていないということであれば事業主に対して助言をすると。それは助言をしてくださいというふうに言っております。
 ただ、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態になっている可能性が高いという段階ですから、本当に確定的にそういう状態であるかどうかということについての判断はしっかりしないといけない。その判断によって確定できた場合については、そして育児休業が付与されていない場合には育児休業法違反になりますから、その場合には指導をするというのは当然でございます。
 この総合的な判断というのが雇用均等室、まだ本当に慣れておりませんし、それから全国で判断が違うという、地域によって判断が違うということがあってはなりませんので、本省に協議していただいて本省が地方と一緒になって判断しようということでございますので、これは指導をやらないように慎重に扱うための通知ということではございませんで、大変難しい判断なので本省に協議してもらいたいということでございます。
#134
○井上美代君 終わります。
#135
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。
 様々な課題が出されております。狩野先生の方からは、この子育て支援については地域差があるので今後とも非常にその地域差ということについてよく念頭に置いてやってもらいたいと。それから、幼保一元化の問題、認可、無認可の保育園の問題等々、様々な課題が出されておりますけれども、私は結構非常に簡単な答えが一つあるなというふうに今日の御議論を聞いていて思いました。
 先般、六月二十七日に閣議決定されました構造改革に関する基本方針がございますけれども、構造改革の一つの柱の中に地方でできることは地方でということがあると思うんですが、正しくこの子育て支援というものは国がやることではない、地域の実情に即して地域がやることだ、主体的にできるようにする、その環境を整えることがむしろ国の役割であろうというふうに考えるわけで、言ってみれば、子育て支援に関する事業費をもうひも付きじゃなく一括して地方に交付するということをおやりになれば、今朝から様々出されてきた問題は多くが解決するのではないかと思っております。
 千代田区でいずみこども園がありますけれども、あれは幼保一元化、自治体がやっている問題でありますし、私も、この問題に関し、法案について様々調べていく中で町会議員だったときのことを思い出しました。国はもうあれこれ言っていないでお金を、子育て支援に関するお金をそっくり地方に渡してくれればもっと役に立つことができるのにといつも思っておりました。あのときたしか少子化対策緊急特例交付金というのがございまして、私の町は人口一万人ほどですので、子供の数に比例してということで千三百万ぐらいでしたかいただいたんですけれども、いただいて使ったのは幼稚園、保育園の補修、ちょっとした補修ということで、まとめてお金をくれればいいのになということを言っていたことを思い出しました。
 で、質問に移りたいと思うんですが、それで、内閣府との連合審査もございますので、そのときにこのむしろ子育て支援関係費については事業費補助金一括交付、ひも付きでなくということを御質問させていただきたいと思いますので、そのときまでに坂口大臣、御答弁の用意をお願いしたいと思います。
 それで、今回のこの次世代育成支援法案のこの基本理念について伺いたいと思うんですが、社会保障制度全体を見渡しますと、高齢者への給付は相当程度手厚い水準を達成しつつあるのに比べて、児童・家庭給付については低いということについては皆さん御存じのとおりでございます。我が国は子育て家庭に優しい社会にはまだまだほど遠いと考えます。また、全国調査の結果を見ても、理想とする子供の数が二・五六人であるのに対し、実際に夫婦が生んでいる子供の数は二・二三人となっており、子供を生み育てることを阻害する要因が存在することを示しております。
 このため、次代を担う子供たちの健全な育成を図るため、子育て環境の整備を図っていくことは正に今日取り組まなければならない喫緊の課題でありますが、今回のこの法案には、基本理念として親が子育てに第一義的な責任を有する旨を規定しております。現在必要なのはむしろ育児の社会化であると私は考えておりますが、この基本理念はこうした育児の社会化とどのような関係にあるものと考えていらっしゃるのか、御答弁をお願いいたします。
#136
○副大臣(鴨下一郎君) 本法案の基本的な理念として、親が子育てに第一義的な責任を有すると、こういうようなことを規定しているわけでございますけれども、実際に、親若しくは保護者が第一義的な責任を負う、負うといいますか前提としてこれを全うすると、こういうようなことでありますけれども、現実にはなかなか難しい点も、先生今おっしゃったように、ことがございます。
 こういうようなことを言ってみれば除去する、こういうような目的で、子供がある意味で健やかにそして健康にはぐくまれていくような、こういうような環境を、これは家庭だけではなくてむしろ社会的な様々な資源を総動員して推進していこうじゃないか、こういうような趣旨でございます。そういう意味では、社会が育てるべきことと親が一義的に責任を持って育てる、こういうようなことが相まって子供が健やかに育つと、こういうようなことなんだろうというふうに思います。
 父母等の保護者が子育てについて第一義的に責任を有すると、こういうようなことにつきましては様々な御議論があったわけですけれども、民法やそれからこれは平成六年に批准されました児童の権利に関する条約においてもそういうような理念がうたわれていると、こういうようなことから今回の基本理念を定めさせていただいた、こういうようなことでございます。
#137
○森ゆうこ君 そういう考え方について私も否定するものではありません。しかし、それだけでは現在進む少子化の問題、少子化対策基本法もありますけれども、この問題を解決できないというところ、もうぎりぎりせっぱ詰まったところに来て出される法案ですから、もちろん家庭の責任、保護者の責任、自分たちの子供を生み育てるという基本的な責任ということは私も当然親にある、保護者にあるというふうに考えておりますが、ですから肝心なところをお答えいただきたいんですが、要するに育児の社会化ということももう少しきちっと基本理念の中で同等に扱われるべきというふうにも思っておりますが、育児の社会化ということについてこの基本理念はどういう関係にあるのかということをもう少し端的にお答えいただきたいんですけれども。
#138
○副大臣(鴨下一郎君) 育児を社会化していこうというようなことは、多分先生がおっしゃっているような意味は、家庭でやるのか社会でやるのかと、こういうようなある種の二つの対立した理念をお考えになっていることではないんだろうと思います。
 ですから、先ほど申し上げましたように、一義的には親が家庭の中ではぐくんでいくんですけれども、なかなか親だけでは十分なところはいかない部分もございます。それから、働き方についても今いろいろと多様化しておりますので、そういうところを補う意味で社会的な言ってみれば様々な支援が必要だろうと、こういうようなことでありますので、一方的に育児を社会がやろうということではないんだろうというような意味でありまして、社会が環境を整えていくと、こういうようなことにおいては先生おっしゃるとおりだろうというふうに思います。
#139
○森ゆうこ君 もちろん、環境を整えていくということも十分必要ですけれども、後ほど質問いたしますけれども、次世代ですね、次の社会を支えるその人材を育てるという観点から、そういう意味で社会からの支援、例えば経済的負担ということがほかの先生方からもいろいろ提起されておりますが、それを解消するためにももう少し積極的な意味での社会全体の支援ということをここで明確に打ち出すべきではないかと考えておりますが、次に移りたいと思います。
 それで、地域における子育て支援の重視ということについて伺います。
 既にほかの先生方からも御指摘がございました。子育て家庭の状況を見ますと、多くの親が育児不安を持つ中で、特に専業主婦の方が共働き主婦よりも育児不安を持つ割合が高いと聞いております。育児に自信がなくなることがあるというふうに答えている者の割合は専業主婦が七割、共働きの主婦が五割ということで、専業主婦の場合、本当に子供、もうほとんど子供と一対一で一日を過ごすということがあるわけで、すべての子育て家庭へということで今後の施策を広げていくという御答弁もあったわけですけれども、その中で地域における子育て支援の体制作りに積極的に取り組む施策が今後非常に重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(坂口力君) 働いておみえにならないお母さん方が子育てに専念をしておみえになって、しかしお子さんと終日向かい合っているということによるストレス、そうしたこともあり、また核家族化をされてまいりまして、そして育児に対する知識も決して豊富でない、そんなことから、やはり働いてはいないけれども子供を預かってほしいという御要望が多くなってきていることもよく聞くところでありますし、またそういうお母さん方のためにやはり話し合う場、相談をする場というものを作っていかなければならないことも御指摘のとおりでありまして、必ずしも働いておみえになるお母さん方だけではなくて、御家庭におみえになるお母さん方のための育児の場、相談の場というようなこともかなり進んできていることも事実でございます。また、今後もそれは気を付けて、そして前進をさせなければならないことだというふうに思っております。
 児童福祉法におきます子育て支援事業の位置付けにおきましても、市町村に実施の努力義務を課すということになっておりますし、次世代法案に基づきます地方公共団体の行動計画におきましても、このような子育て支援の取組を適切に盛り込んでいただくことに今している、これはこうしたこともこれから市町村にもお願いをしていかないといけないというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、やはり子育てにつきましては、先ほど社会化というお話ございましたが、社会化という言葉はなかなか使うのは難しいわけでございますが、育児の連帯化と申しますか、その地域地域において、あるいはまたそれぞれの企業において連帯をしてひとつ子育てというものを取り組んでいこうといった考え方は大変大事だというふうに思っているところでございます。
#141
○森ゆうこ君 地域における子育て支援ということについては余り詳しくお答えいただかなかったんですけれども、この地域の子育て支援体制作りということに関しましては、新たな施設ということを整備することもあるかとも思われますが、財政難ということで先ほどの井上委員への御答弁にあったと思うんですね。私もそれはよく承知しております。国の財源には限りがある、市町村も財政が厳しいと。
 今、既存の施設を有効活用することが重要であると言われておりますし、私もそう思っております。地域には様々な今施設があります。それを例えば地域子育て支援センターの施設として使いたい、例えば老人福祉施設を、利用率も高いんですけれども、それでも上手にやれば地域子育て支援センターとして使うこともできるというような状況のときに、結局よく言われることが国の制度の壁があって使えないということがございます。利用者が減ってがらがらになっている施設や、地域の中で数多く整備され利用しやすい施設について、次世代育成支援施策の重要からすれば子育て家庭への支援に積極的に活用すべきであるというふうに考えますが、この件に関して局長の御答弁をお願いいたします。
#142
○政府参考人(岩田喜美枝君) 地域に既にある施設を有効活用をして、地域子育て支援事業をそこで実施するという委員のお考え方には全く同感でございます。例えば、老人福祉施設であったものとか、よく活用させていただいているのは学校の空き教室といいましょうか余裕教室、これらを転用するということでございます。そのための対策を、二つのことをやっております。
 一つは、元の施設に対して国の補助金が使われている場合に、補助金適正化法という法律がございまして、施設ごとに一定の耐久年数等に応じてある期間を経過するまでは各省庁の承認がなければ他の目的に転用できないという、こういうルールがございますけれども、それをもう少しスムーズに転用できるようにということで、福祉施設や学校の空き教室などを保育所その他の地域の子育て支援事業に転用するような場合については、例えば補助、そもそも本来の補助事業が完了して十年経過しているような場合については、承認申請ではなくて報告という簡単な手続でそれで足りるようにいたしております。また、施設を転用するときに若干の改修工事が要るというのが通常だと思いますけれども、そういった改修工事をする場合の助成金制度もございますので、そういうものも活用していただければと思っております。
 今、委員が言われました点については、国が定める行動計画策定指針において、学校の余裕教室その他、既存の施設をうまく活用した地域の子育て支援サービスの展開をしてほしいという趣旨のことを盛り込むことができるか検討してみたいと思います。
#143
○森ゆうこ君 最後のところをもうちょっと確認したいんですけれども、その検討ということですけれども、むしろこの次世代育成支援法案、それから少子化対策基本法等の成立に際して、そういうことをもっとびしっと、検討ではなくてやるというような御答弁を是非いただきたいと思います。
 もう一つ、併せて、先ほどのその施設の転用について、期限、十年以上経過したものとか、ちょっと制限があるんですが、実際、その地域の実情様々ございますので、もう少し緩和されてはいかがかと思いますが、その点も併せてもう一度御答弁いただきたいと思います。
#144
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、二点目から申し上げたいと思いますけれども、自治体がある目的のために計画的に施設整備をするということだと思いますけれども、十年もたたないうちにその施設が当初の目的を達成できないというのは、いかに何でも少し自治体の計画性自体に問題があるのではないかなというふうに思いますので、十年たっている施設については転用の手続を非常に簡便しているという今のルール、その十年というのはやむを得ないんではないかなというふうに思っております。
 最初の点については、少しもごもごと申し上げましたのは、例えば文部科学省その他の関係省庁との御相談もありましたのでそういうふうに申し上げましたけれども、厚生労働省としましては、既存の様々な社会資源を有効に転用活用などするようなことについて行動計画策定指針に盛り込みたいと考えます。
#145
○森ゆうこ君 積極的に子育て支援について既存の施設を活用するということを盛り込むということについて大臣の、坂口厚生労働大臣の御答弁もお願いしたい。
 それから、今、局長が言われた、十年もたたないうちにというふうな表現があったんですが、私はこれについてはちょっと反論したいと思います。
 今のこの時代の移り変わりというのは非常に早い。十年前に厚生労働省が、じゃ、今のこの少子化の一・三二、合計特殊出生率一・三二というふうにこんなにひどい状況になるということを果たして想像されていたのか、それに合わせてきちんと対策を取られていたのかというようなことを考えますと、実はそうではなかったという。結果一・三二になった今までの、別に厚生労働省だけのせいではないですけれども、一・三二という合計特殊出生率という現実があるわけですから、時代の移り変わり、早いですから、その十年ということが果たして適当なのかどうか。
 臨機応変に対応するというのが一番お役所仕事の中で難しいんですけれども、今の現状に合わせればもっと緩和すべきではないかと考えますので、その点についてもう一度局長の御答弁いただきたいと思います。
#146
○政府参考人(岩田喜美枝君) このテーマは、今日はたまたま地域子育て支援事業への転用の問題でございますけれども、転用問題というのはそれ以外の施設について共通の問題があろうかというふうに思いますので、御指摘いただいた点は宿題とさせていただいて勉強させていただきたいと思います。
#147
○国務大臣(坂口力君) できる限り規制緩和をしていきたいというふうに思っております。
#148
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 今日は次の質問で最後にさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、今後、地域での取組が推進されることが極めて重要で、ごめんなさい、ちょっと一つ飛ばしました、私。
 限りある資源の活用という観点からは、費用の掛かるハード面の整備というのは、まあある意味もう十分という、転用をきちんとやればですよ、有効活用をやればもう十分という部分もあるわけです。
 例の雇用・能力開発機構の保有する施設をそういうところに転用するとか、そういうことはどうやったらうまくできるのか私はちょっと分からないんですけれども、そういうことも含めて、限りある資源の有効活用という観点からは、むしろ今後、例えば育児相談窓口機能の拡充、地方自治体における育児相談窓口機能の拡充といったソフト面を重視していくべきであると考えておりますが、地域における子育て支援体制として、地方自治体の相談窓口機能の拡充といったソフト面での対応についてはいかがでしょうか。
#149
○政府参考人(岩田喜美枝君) 市町村におきます子育て支援サービスについての相談窓口の機能の拡充という点については大変重要な御指摘であるというふうに考えます。
 今回の児童福祉法改正法案の中におきましても、例えば地域子育て支援センターやつどいの広場などの子育て相談あるいは親の交流支援、そういったような事業を子育て支援事業として位置付けて市町村に実施の努力義務を課しているところでございますし、また市町村が様々な子育て支援事業を子育て家庭の必要性に結び付けるように、コーディネートと言っておりますが、子育て家庭に対して情報提供や相談・助言、利用あっせんなどを行うような事業を実施していただく、このことも今回の児童福祉法の改正法案の中で位置付けたところでございます。
 これらによって、委員が言われますように、住民に身近なところで相談窓口機能の拡充といったソフト面での対応の強化ということは大変重要な点であろうというふうに考えます。
#150
○森ゆうこ君 様々な問題については、結局、最初に私が今度質問しますと言ったところに戻るんですね。
 児童養護施設を昨年訪問したときに、その虐待、被虐待児童の増加ということについて深刻な問題を抱えていると。その施設でちょうどバリアフリーの工事が行われていたんです。その施設長さんから言われたんですけれども、うちの施設にとって今必要なのはこのバリアフリーの工事では全くない、この施設にこのバリアフリーなんて全く必要ない、むしろ人手が欲しいんだ、どうしてそういうところにお金が、現場で必要というところにお金が回ってこないんだろうというお話がございました。
 この件についてまた次回質問させていただきたいと思いますが、いずれにせよ、今後、地域での取組が推進されることが極めて重要であると考えておりますが、財源措置ということが一番重要でございますが、これについてどのようにお考えでしょうか。大臣の御答弁をお聞きして、済みません、年金局長は次回に、お楽しみということでお願いします、坂口大臣の答弁をお聞きして、私の本日の質問は終わりにしたいと思います。
#151
○国務大臣(坂口力君) 財源措置のお話でございますが、この法案を通していただいて、そして次世代育成の問題をいわゆる詳細に市町村あるいはまた大きい企業等にもお願いをして、全体で変えていくということになりますればそれにふさわしい財源が必要であることも承知をいたしております。是非、来年度の予算におきましては、それらの問題を総合的にまとめまして、そして是非提案をしたいというふうに思っている次第でございます。
#152
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
#153
○大脇雅子君 次世代育成支援対策推進法に関連しまして、今回の立法と改正の趣旨についてお尋ねをいたします。
 次世代育成支援対策の対象範囲でございますが、次世代育成支援対策の定義が第二条でなされまして、次代を担う子供たちが生まれ、健やかに育つための環境整備と明記されておりますが、この対象範囲は就学年齢前の児童を主としているのか、あるいはどの範囲を対象と考えておられるのか、確認をしたいと思います。
#154
○政府参考人(岩田喜美枝君) 乳幼児や就学前児童を対象とした子育て支援施策のみならず、広く子供一般を対象としているものでございます。
 具体的には、例えば児童館や青少年教育施設で地域の中高生の活動拠点、それらを活動拠点として積極的な中高生の活動の展開をしておりますけれども、こういう事業ですとか、あるいは思春期の子供たちの精神的な問題、思春期のやせ症の問題ですとか、性の問題ですとか、そういった思春期の子供たちの健康、保健の問題や、さらには中高生が子供を生み育てることの意義とか楽しさとかあるいは家族の大切さ、こういったようなことが理解できるように乳幼児に触れる機会を政策的に作っていくといったような事業とか、それから、文部科学省の所管でございますけれども、教育環境の問題ですとか、そういったようなものもこの次世代育成支援対策の範疇として念頭に置いているものでございます。
#155
○大脇雅子君 基本理念に関連してお尋ねをいたします。
 二十一世紀の日本の社会の在り方を展望した改革論議の中で、介護や年金等高齢化に対する喫緊の政策をめぐる議論に比べて、これまで子供に関する施策や論議というのは手薄い感を否めませんでした。そして、この基本理念でも、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識というものを強調し、家庭その他の場において子育ての意義についての理解が深められることとか、あるいは子育てに伴う喜びの実感ということを配慮するとされております。
 確かに、親としてあるいは保護者として子供たちの成長を喜びとして受け止める、そしてそれを幸せな実感とすることは何物にも替え難い、こういうことは当然でありますが、少子化の根本的なところはそうした喜びを親が本当に享受できない社会的な環境整備の不十分さにあるのではないかというふうに考えます。
 例えば、この次世代の育成支援対策推進法で、国、地方自治体だけではなくて一般事業主にも行動計画というものを策定していくというような形で、そうした一つの事例を見てみますと、例えば私どもが効率化の名の下に育児をハンディキャップとして見るという社会的な偏見が払拭されないと、それを育児休職後の原職復帰とか、あるいは子供の看護休暇とか、あるいは子供の健診、予防接種のための休暇制度だとか、子供の授業参観休暇とか、あるいはワークシェアリングだとか、休業のときの代替員の確保とか、そうしたきめの細やかな子育て支援を企業に求める行動計画指針というのが文字化されたということは、これは私は非常にうれしいことだと思います。しかし、果たしてそういった企業風土があるかということになりますと、なかなかにこれは難しい。
 これは「女性自身」という雑誌の二〇〇三年七月一日号で妊娠リストラについての記事がございます。これは派遣スタッフとして働く女性が妊娠を上司に告げた途端に解雇されたり、留守電一本でもう来なくてもいいと言われたりしているという深刻な事例の報告がございます。「会社に赤ちゃんを殺される!」という緊急リポート。
 こうした雑誌、女性雑誌にこのような取り上げ方をされるというのは私は非常に深刻な問題であろうかと思います。私が弁護士として一番最初にやりました結婚退職の事件で、私が会社に交渉に行きましたら、その会社の社長が、結婚した女性や妊娠した女性を雇うということは我が社の倒産の道であると言って、テーブルをたたいて言われたという、そういう考え方が本当に直っているのかというと、全然直っていないんではないかなというふうに思うわけであります。
 したがって、この基本理念というところで、私はやはり育児の社会化ということがもっと積極的に盛り込まれるべきではないかというふうに考えるんですが、この点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(坂口力君) 今、お話しいただきましたように、企業の中にも、そしてまた個人の中にもやはり積極的な子育ての気持ちというものが昔のように、企業は昔からそれは大変厳しかったと思いますが、個人の中にも昔ほどはぐくまれていないと申しますか、そういう面もある可能性がございます。
 昔はもっと楽だったかといえばそうでもなかった。しかし、子育ては人生の最大の事業であるという、そういう気持ちで子育てに従事をしてきたころもあったわけでございます。しかし、最近は、心理学者等の面接等の結果がいろいろのところに出ておりますけれども、やはり子育てというのは、損得でいえば得なことは何もないと、こういうふうに今お答えになっている方も、すべてがそうだとは思いませんけれども、そういうお考えの方もあるということにちょっとショックを受けるといいますか、そうした気持ちも正直なところあるわけでございます。
 しかし、今、先生が御指摘いただきましたように、それじゃ企業の中にそういうことがだんだんとなくなってきているかといえば、これもまたなくなってきていないというふうに言わざるを得ません。企業におきましても、子育てをする女性、あるいはまた妊娠をする女性に対する、またもっと思いやりというものがやはりなければならないというふうに思いますし、そうした社会をどう作り上げていくかということがこの次世代育成の最大の課題であるというふうにも思っているわけでございます。それが当たり前の社会をどのように作り上げていくかという、その意識改革をどうするかということだろうというふうに思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 先生は育児の社会化ということを言われましたし、おっしゃる意味は私も分かるわけでございますが、社会化という言葉を使いますと、何となくもう産んだら後は社会に任すんだみたいな感じがなきにしもあらずなものですから、私は先ほど育児の連帯化と、こう申し上げたわけでございますが、しかしおっしゃる意味を決して理解をしていないわけではございませんで、理解をしながらそういう言葉を使わせていただいたということでございます。
#157
○大脇雅子君 育児の問題について、少子化社会を迎えてようやくにしてこうした法案の中で議論されるということになったわけですが、根本的には男女で負う家族的責任というもので、それが固定的性別役割分担意識に基づく様々な制度や慣行あるいは実態が改革されなければならないということが言われてきまして、それが男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法であったと思います。
 しかし、こうした中でも、今こうした法律に対する、今私が申しましたような妊娠リストラに典型的に見られるように土石流のようなバックラッシュがあります。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 こうしたことを考えますと、男女共同参画推進の取組を進めるための施策というのがどういうふうに進んできて、これまでどのように進められ、将来進められていくのかということについて内閣府と文部科学省の方にお尋ねをしたいと思います。
#158
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、性別の男女の役割分担意識は、昨年の七月の世論調査等を見ましても、男性ではまだ半々というような状況でして、昔に比べれば固定的に考える方は少なくはなっておりますが、まだ根強い状況です。
 そういった中で、男女共同参画社会の形成に当たりましては、男女とも家庭生活における活動と他の活動の両立というのが大変重要だということを基本法の五つの理念の一つにも盛り込まれておりますし、また内閣府では、平成十三年に男女共同参画会議におきまして、仕事と子育ての両立支援策について審議を行いまして、仕事と子育ての両立支援策の方針について閣議決定をしていただきましたが、その際にも、第一の柱として「両立ライフへ職場改革」ということを挙げておりまして、仕事と子育ての両立に向けまして、例えば父親の産休五日間、あるいは所定外労働時間の削減、育児休業制度の活用等々の支援が盛り込まれております。今回の次世代支援法案もこの仕事と子育ての両立支援を更に強めていこうという方向にあるものというふうに考えております。
#159
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 今、内閣府の坂東局長からも御答弁がありましたように、男女共同参画社会の実現を図る上で仕事と子育ての両立支援を始めとする次世代育成に係る施策は大変重要であると考えておるところでございまして、現在、我が省におきましては、こういった観点から、幼稚園におきます預かり保育の推進でありますとか、家庭教育に関する相談体制の整備、学習機会の提供など、多様なライフスタイルに対応した子育て支援策の充実を図っているところでありますし、また、学校教育全体を通じた人権の尊重、男女の平等、相互理解、協力についての指導の充実を図りまして、特にまた家庭科などでは、男女が相互に協力して家族の一員としての役割を果たし、家庭を築くことの重要性などに関する内容を新しい学習指導要領では充実をしたわけでございますけれども、こういったいろんな施策を学校教育、社会教育を通じて推進をしているところでございます。
 今年の三月に取りまとめられました次世代育成支援に関する当面の取組方針でありますとか、現在御審議中のこの両法律案の趣旨も踏まえまして、私ども今後とも関係省庁と連携を図りながら家庭教育への支援、幼稚園における子育て支援の充実、さらには、子育ての楽しさ、男女が協力して家庭を築くこと、子供を産み育てることの意義に関する教育、そういったものの一層の充実に努めてまいりたいと、かように考えているところでございます。
#160
○大脇雅子君 岩田局長にもお尋ねしたいんですが、雇用機会均等法の厚生労働省に持ち込まれた相談内容のうち、定年、退職、解雇に関する四分の三が妊娠・出産を理由とした問題だということについてはどのようにお考えになり、その改革について、あるいは相談されたケースなどの取組はどのようにしておられるでしょうか。
#161
○政府参考人(岩田喜美枝君) 雇用均等室で取り扱っております個別の事案の処理の中で、今、委員が言われましたように、ここ数年特に妊娠・出産を理由とした解雇ですとか退職強要などの差別的な取扱いが目立っております。
 少し長い目で振り返ってみますと、かつては結婚退職制だったり若年退職制だったりいたしましたけれども、そういうことはおかげさまで是正をほぼ見ているというふうに思いますけれども、結婚しても働き続けるところまで来たけれども、じゃその次に妊娠・出産して働き続けられるような職場の環境、職場の理解、社会の価値観が育っているかというと、残念ながらまだまだというふうに考えます。雇用均等室に持ち込まれた事案については、個別に企業に指導いたしまして大半のものは改善を見ているところでございます。
 また、これからの雇用均等法制の在り方について、今学識者による研究会を設置をして検討いたしておりますけれども、その中でも妊娠・出産を理由とする差別的な取扱いをなくすための更なる法制の在り方についても今勉強しているところでございます。
#162
○大脇雅子君 地域における子育て支援については、前に森委員からいろいろなお尋ねがございましたので、それを重ねてお尋ねすることはやめさせていただきます。
 次は、保育施設の拡充についてお尋ねします。
 子育て支援の中核というのはこの保育であろうかと思いますが、なおかつ今、待機児童の現状というものは改善なかなかされていないと言われます。今までの入所が措置制度から契約制へ変更されたのに伴いまして保育を必要とする子供たちの入所について満足度が向上したのか、そして待機児童にどのような変化が起きているのか、お尋ねします。
#163
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育所の入所の仕組みにつきましては、従来は市町村の措置でございましたけれども、平成九年の児童福祉法の改正によりまして措置から保護者が保育所を選択した上で市町村と入所契約を締結する、そういう仕組みに改めたところでございます。これによりまして、一つには、保護者自らが保育所を選択できるということを通じて子供の最善の利益を促進することができるということ、そしてもう一つは、保育所から見ると選択される、選ばれるということになりますので、そういうことを通じていかに利用者のニーズに対応した質の高い保育サービスが提供されるかといったようなことで、保育所側も運営面での改善の努力を促すようになったといったような効果があるのではないかというふうに思います。
 利用者の満足度についてですけれども、統計的に過去と比較できるようなものはございませんけれども、例えば平成十二年十月一日現在ですけれども、希望する保育所に入所できたというふうに回答している者の割合が九三%に上っているということでございますので、若干まだ希望どおり入所できていないという方がおられますけれども、満足度は高いというふうに考えているところでございます。
#164
○大脇雅子君 そうしますと、待機児童への対処について、今回の立法によって解消策というのは具体的にどのように展開されると考えたらよろしいのでしょうか。
#165
○政府参考人(岩田喜美枝君) 現在は、先ほど坂東局長の方からお話がございましたように、待機児童ゼロ作戦、これは男女共同参画会議の議論を経て閣議決定をされたものでございますけれども、それに基づいて平成十四年度から十六年度まで取り組んでいるところでございます。
 今回の児童福祉法の改正案では、十六年度までしっかり取組させていただきますけれども、それでもなお地域によっては待機児童が解消されないことが十分予想されますので、一定数以上の待機児童を抱えているような市町村あるいは都道府県には、その解消計画を策定するということを義務付けることといたしております。今の待機児童ゼロ作戦が言わば全国的なといいましょうか、マクロ的に解消計画を作って取り組んでいるわけですけれども、十七年度以降、待機児童が解消しない地域については、市町村レベルから積み上げて解消計画を立てて、それに基づいて取り組むこととしたいと考えております。
#166
○大脇雅子君 先ほどから幼保の一元化について様々な質問がなされております。経済諮問会議では、将来的な在り方として総合施設という考え方を打ち出しているわけですが、むしろ既存のものをどのように利用し、幼保の壁を取っ払うことが先ではないかというふうに思いますが、厚生労働省と文部科学省はこの件に関してどのような連携した検討を行われるのでしょうか。
#167
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず厚生労働省の方からお答えさせていただきますけれども、これまでも地域の実情に応じまして保育所と幼稚園については十分相互連携が図れるように取り組んでまいっております。
 例えば、平成十四年五月一日現在ですけれども、幼稚園と保育所の施設を共用化する、例えば合築とか併設ですけれども、こういったことを進めてまいりました結果、百七十一件そういう事例が生まれております。
 また、構造改革特区で今年の十月から実施をすることといたしておりますけれども、従来の施設面の共用化に加えて、保育所において保育所児と幼稚園児を合同で保育する、その保育の中身も、カリキュラムも一緒にしてやってみるというようなことについても構造改革特区で実施をしてみたいというふうに考えております。
 それ以外に、規制改革推進三か年計画などにのっとりまして更に規制緩和を進め、保育所と幼稚園の連携施策を展開したいというふうに考えております。
 いわゆる骨太方針二〇〇三におきましては、総合施設の設置について平成十八年度までに検討するという課題になっております。これについては、どういうものが本当に子供たちのニーズ、利用者のニーズに合う施設となるのか、そういったような観点から文部科学省とよく御相談しながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#168
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 幼稚園と保育所の連携につきましては、これまでもいろんな取組を進めてきたわけでございます。
 幾つか例示を挙げますと、今、岩田局長からもお話がございましたけれども、施設の共用化指針の策定でありますとか、教育内容、保育内容の整合性の確保、幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施、資格の併有の促進とか、いろんな取組を行ってきたわけでございますし、今後は更に幼稚園教諭免許と保育士資格の相互取得等を促進することとしておりまして、保育士資格取得者が幼稚園教諭免許を取得しやすくする方策について検討しているところでございまして、平成十五年度中に結論を得たいと考えておるわけでございます。
 また、今御指摘になりました就学前の教育、保育を一体としてとらえた一貫した総合施設の設置の検討でございますが、文部科学省といたしましても、厚生労働省を始めとする関係各省と十分御相談、御協力しながら、地域や保護者のニーズにこたえつつ、幼児教育の充実を図る観点から鋭意検討してまいりたい、かように考えているところでございます。
#169
○大脇雅子君 是非、早急に連携的な検討を進めていただきたいと思います。
 さて、保育所の人材確保につきまして、保育士が果たす意義は十分に社会的に認められており、専門性を高めて資質を確保するということが求められていると思います。男女の平等を実現するために、性別役割分担の解消とともに、日本では根強いのは職域分離でありまして、女の仕事、男の仕事というものの分離がなかなか交ぜ合わないということでありますが、このところ男性保育士の採用も進んでいるように見えます。
 私がスウェーデンに調査に参りましたときに、いわゆる保母さんが多い、そういう職域に男性の保育士を例えば二〇%採用をすると地方公共団体から補助金を出すという形で職域分離を解消し、なおかつ、子供たちにも、お父さん、お母さんという一つのお母さん的なものではないものを増やして教育の効果を上げているということを見まして非常に感動したことを思い出すんですが、日本でも、男性保育士の積極的な登用とか、あるいはキャリアがある男性を採用して、おじいちゃん先生という形で保育園で教育的な効果を上げるというようなことについてどのようにお考えなのか、大臣と坂東室長にお尋ねをしてみたいと思います。
#170
○国務大臣(坂口力君) 男性の保育士さんというのがもっと私も進めばいいというふうに思っておりますが、なかなか思ったほどには進んでいないんですね。
 平成五年でございますけれども、千十一名でございまして、平成十年に千八百七十人になって、そして平成十三年に三千五十九人になったわけでありますから、平成五年のことを思えば三倍に増えたといえばかなり増えたように聞こえますけれども、元が小さかったものでございますから、三千人ということでございまして、全体が二十八万九千人ぐらいでございますので、約三十万近くおみえになるわけでありますから一%でございますか、約一%というような人数でございます。もう少し多くてもいいのではないかというふうに思いますし、もう少し多くてもと言いますとおしかり受けるかもしれませんけれども、元が少なかっただけにもう少し急ピッチで増える方が望ましいというふうに思っております。
 そのことは、ただ単に保育所内部の問題だけではなくて、やはりお父さん方に育児に対する感覚というものを与える、そういうことを自分たちもやはりやらなければいけないという思いを更に持っていただくという意味からも、男性の保育士さんというものが増えるということは望ましいことだ、全体に、私は内部だけではなくて社会全体に与える影響は大きいというふうに思っております。
 高齢者の問題でございますが、高齢者を非常勤職員として雇用しました場合には、保育所の運営資金におきまして特別加算を実施いたしますとか、そうしたこともやっているところでございます。
#171
○政府参考人(坂東眞理子君) 男性の方たちが保育の分野に進出していただく、そのことによって固定的な性別役割分担についての見直しが促進されるという一般的な意味だけではなしに、子育てというのは女性だけではなしに男性、父親がコミットすることが大変重要であるというメッセージとしても大変意義のあることではないかというふうに思っております。また、女性、男性だけではなしに、年齢的にも様々な世代の方たちが子育てにコミットされる、多様な人間の愛情を受けて多様な考え方に触れながら子供たちが育つということは、次世代を育成する上でも大変有意義ではないかと考えております。
#172
○大脇雅子君 終わります。
 ありがとうございました。
#173
○西川きよし君 どうぞ、西川でございます、よろしくお願いいたします。大切な三十分を有意義に使わせていただきたいと思います。
 昨年の三月だったと思いますが、思春期に当たる子どもの心と体の問題について御質問をさせていただきました。改めてその際の会議録も読み返させていただきまして、大臣からは、御自身の経験からの子育てのお話をなさるのが一番苦手とおっしゃっておられたんですけれども、御無理を申しましてお答えをいただいたんですけれども、それはなぜかと申しますと、ほとんど家内任せだ、奥様に任せておられるという御答弁と申しましょうか、お話をいただきました。ただ、大臣がお母さんから受け継いだお言葉として、人生にとって子育ては最大の事業であるということを、今度は、今は自分の子供さんにお話をされているというお話も御紹介いただきました。
 ただいま大脇先生の御質問中も、大臣の御答弁の中に、人生にとって子育ては最大の事業であるというお言葉、せりふが出ました。大臣のその席に座っておられて、もういつも、ああ、まあその年になってとは失礼ですけれども、いつもお母さんのことを思っていらっしゃるという、そういう優しいお心と申しましょうか、お人柄と申しましょうか、去年に続いて今年も、先ほどの人生にとって子育ては最大の事業であるというお言葉を聞いて、強く印象に残っていることを思い出しました。
 そういうことが本当に今回の法律にとっては大変大事、大切だと思います。日ごろは大変な激務でございますけれども、お母様のお話をされるとき、子供さんのお話をされるときは本当にほっとされているというのが印象に残っておりますが、本日は、大臣からではなしに、担当副大臣といたしまして鴨下大臣に、この子育て観、親子の関係といったような観点からまずお話をお伺いして、本題に入りたいと思います。
#174
○副大臣(鴨下一郎君) 大臣ほど立派なことは申し上げられませんし、個人的な私の子育て観について聞かれれば、もう反省しきりでございます。
 その中で、反省の中から申し上げたいことは、一つは、子育てというのはある意味で養育者が安定的な愛情をその子供に注ぎ続けるということが極めて重要なことだろうというふうに思っておりまして、それは親である場合もありますし他の保護者である場合もありますし、様々な場合があると思いますけれども、それが最も重要なことだろうというふうに思います。さらに、育っていくプロセスの中では重要なことというのは、これは、愛情というのは栄養と一緒で過不足なくというのが極めて重要でありまして、多ければいいというものでもないし、少なければ困るわけでありますし、そこを子供の態度だとか子供の状態を親が的確に見て、今は愛情を欲しているのか、それとも今は必要ないと言っているのかということをしっかりと見るという意味においては、子供と同時に親も育たなければいけないと、こういうようなことなんだろうと思います。
 ですから、全面的な愛情を必要とする赤ちゃんを育てる親と、それからもういいよという中学生の親の場合には、これはもうそれぞれ違う態度で子供に接しなければいけない、こういうようなことだと思いますし、もう一つ重要なことは、私は常に母性性と父性性というようなことを考えておりまして、これは女性にも父性性はありますし男性にも母性性はありますから、それをどういうふうに駆使するか。愛情が必要なときには母性性で養育的に保護をするということでありますし、逆に言うと、社会的にいろんな意味で自立を促すというときにはむしろ父性性を行使して、そして自立するために厳しいしつけもしなければいけないと、こういうようなことを常に使い分けるというような意味で、極めて、それこそ大臣のお言葉をいただければ、大事業であると、かように考えております。
#175
○西川きよし君 ありがとうございました。
 愛情は栄養のようなものだということと、父性性と母性性、大いにこの委員会の皆さん方も参考にしていただきたいというふうに思いますし、僕も参考にさせていただきます。
 それでは、内容についてお伺いいたします。
 私からは都道府県、市町村の行動計画の策定について是非お伺いしたいと思うわけですけれども、これまでの育児支援策について自治体計画としては、一九九五年、当時の厚生省から全国の自治体に対しまして、いわゆる地方版エンゼルプランの策定がされたわけですけれども、その策定状況もなかなか伸びなかったわけですけれども、最終的には千三百ですか、余りの市町村、内容的にも不十分だったところが多かったというような評価も聞きます。この点につきましては副大臣はどのようにお考えでしょうか。
#176
○副大臣(鴨下一郎君) 今御指摘の地方版エンゼルプランの策定状況につきましては、これは平成十三年の四月一日現在において、すべての都道府県では策定済みでありますけれども、市町村においては、これは策定済み若しくは策定中のところが千三百七十二市町村というようなことで、まだ総合計画等の一部として作成しているところも含めまして取組が十分に進んでいないというのが現状であります。
 こういうような中で、取組が進んでいない原因としましては、これは地方自治体に地方版エンゼルプランの策定義務がないというようなこと、それから、多くの市町村の取組が保育中心となっておりまして、総合的なものになっていないとこういうようなことから、必要性に対する認識がいま一つなのかなというようなことであります。
 こういうことでありますから、今回の次世代育成支援対策推進法案におきましては、すべての市町村及び都道府県に行動計画の策定を義務付ける、こういうようなことでもありますし、児童福祉法改正法案については、市町村が子育て支援事業の実施に努めることとしているわけでありまして、こういうようなことから、それぞれ地域の実情を踏まえて行動計画の策定が図られるものであろうと、かように考えております。
#177
○西川きよし君 不十分であったと。その背景の一つには、住民の意見なり利用者の意見が十分に反映させることができていたかという問題があるわけですけれども、この点については、当時、厚生省が示した指針の中では、児童福祉、保健、医療等々の関係者の参加を求めて、そして計画策定設置委員会の設置をするなど、専門家、関係者、利用者等の意見も広く取り入れるようにと、こういった趣旨のことも書かれていたと思うわけですけれども、しかし、そうした手続によって民主制が反映されていた計画というものが極めて少ないといった指摘もやっぱり多々ございました。
 そして、シンクタンクに丸投げ、何かのときにはこういう丸投げということが、よくいろんな法律にも出てくるわけですけれども、このシンクタンクに丸投げをしているところではよく似た文面がぞろぞろ出てくるわけですけれども、今回の行動計画の策定についても、またまたシンクタンクに丸投げということにはならないか、そうなりますと何らその意味を成さないと思うわけですけれども、この点についてはどのように対応されていかれるのか、政府参考人にお伺いしたいと思います。
#178
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が御指摘の住民の意向をどういう形で反映させるかというのは大変重要なポイントだというふうに思います。
 今回の次世代育成支援推進法では、市町村や都道府県が行動計画を策定いたしますときに、あるいは変更しようとするときには、あらかじめ住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするというふうにされております。公聴会をするとか説明会をするとかといったようなことであるというふうに思いますし、また策定された計画は遅滞なくこれを公表するとともに、毎年少なくとも一回は実施状況を住民に対して公表しなければならないということで、住民の意見をよく聴取しながら策定をする、そしてその進捗状況は住民がそれを監視できるようにといった、そういう仕組みにいたしておりますので、従来の取組と比べますとしっかりと住民の意向が反映できるような仕組みになっているというふうに考えております。
#179
○西川きよし君 ありがとうございます。
 それぞれの、たくさん先生方からも出たんですけれども、自治体によるその独自性、私は私なりにまたお答えをいただきたいと思うわけですけれども、この点についても、エンゼルプランの中ではどうしても国の事業に重点が置かれていたように思うわけです。やはりその背景には、自治体サイドからは国のメニュー事業の予算獲得のためのプラン策定という傾向がやっぱり強くあったというふうに思うわけですけれども、今回の行動計画の策定については、財政面等々、地域の独自性、ほかの先生方からもたくさん出ましたし、先ほど森先生の方からも出ました。今必要なのはバリアフリーではなく人材というようなお話も出ました。
 今回の行動計画の策定の中で、財政面等々におきまして地域の独自性を発揮しやすくすると、そういった支援体制の整備が本当に大切、必要であるというふうに思うわけですけれども、御答弁をよろしくお願いいたします。
#180
○政府参考人(岩田喜美枝君) 各自治体におきまして、それぞれの特性を踏まえて主体的に取り組んでいただくことが必要であるというふうに思います。
 そのためには、先ほど御指摘のありました住民の意見をどういう形で聴取し反映させるかということがまずは大事かというふうに思いますし、それに加えまして、計画の策定に先立って住民の意向調査、ニーズ調査をしっかりしていただきたいというふうに思っております。そのための費用について、今年度、地方交付税で措置をさせていただいておりますので、しっかり調査をしていただく、あるいは多様な形態で組織される次世代育成支援対策地域協議会、これを活用するということも地域の特色を出す上で有効かというふうに思います。今、申し上げましたようなことを自治体の行動計画策定指針において明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
 また、先駆的な取組をしております自治体があちこち出てきておりますので、これらについて十四年度の厚生労働科学研究で先駆的な取組の情報を収集し紹介をしたところでございますが、今般、行動計画策定のためのマニュアルを国が示したいというふうに思っておりますけれども、その中で改めましてこういった先駆的な取組も御紹介し、それらもまた参考にしながら、自治体で真に必要な対策、その地域らしい施策を行動計画に盛り込んでいただきたいというふうに考えております。
#181
○西川きよし君 是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この行動計画策定については、国や地方公共団体も公務員を雇用している立場から策定することになるわけですが、その中でもとりわけ厚生労働省には全国の事業主の模範となるような計画が策定されるものと私自身思うわけですけれども、皆様方は、本当に時間に来て時間にお帰りになっているように、皆様方、世の中の方は思いがちでしょうけれども、そうではないということも我々はよくお話をさせていただくんですが、本当に深夜まで残業されていることが当たり前のような状況ですし、相当に思い切った計画をお作りいただかないと民間企業にも大変大きな影響が出るというふうに思います。
 こういった点、少し私自身心配しておりますが、是非政府参考人にお答えをいただきたいと思います。
#182
○政府参考人(岩田喜美枝君) 国や地方公共団体が自ら使用者の立場で特定事業主行動計画を策定することが求められておりますけれども、現在、関係省庁や地方公共団体の方たちにお集まりいただいて、特定事業主行動計画の策定指針としてどういうものが必要か、望ましいかといったようなことについて今勉強をいたしております。
 この法律が成立いたしましたときには、確かに厚生労働省は、次世代育成支援への取組、関係省庁たくさんかかわっておりますけれども、中でも大変重要な役割を担っている役所でもございますので、そういった責任をしっかり自覚し、またこの点については坂口大臣が常々私どもにいろいろ問題意識を投げ掛けておられますので、また特定事業主行動計画を厚生労働大臣が策定することになりますので、大臣の御指示もちょうだいして、可能な限り幅広い、そして具体的な有効な対策を盛り込んだ計画にしてまいりたいと思っております。
#183
○西川きよし君 ありがとうございました。
 大臣には答弁をいただきませんが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、小児医療の分野について御質問をさせていただきたいと思います。
 小児医療に関連いたしまして、神経芽細胞腫と、このマススクリーニング、この検査についてお伺いいたしたいと思いますが、昨年の五月に岩田局長にもお伺いしたんですけれども、まず改めて本日は心新たにその神経芽細胞腫について、このマススクリーニング事業の概要をまずお願いいたします。
#184
○政府参考人(岩田喜美枝君) 神経芽細胞腫とは小児がんの一種でございまして、本来ですと神経細胞になるべき胎児期の細胞ががん化したものでございます。主な初期症状としては、腹部に腫瘍ができることなどでございます。
 この神経芽細胞腫については、できるだけ早期に発見をして早期に治療するということを目的といたしまして、生後六か月から七か月ぐらいの子供さんを対象にしまして、任意でございますけれども、尿によるマススクリーニングの検査を行っているところでございます。
 昭和五十九年度から実施をしてまいっておりますが、平成十三年度までの間に約千七百万人を超える赤ちゃんがこの検査を受けておられまして、受診率としますと最近では九割ぐらいだというふうに思います。その結果、過去二千九百十一人の赤ちゃんに腫瘍が発見されているところでございます。
#185
○西川きよし君 ありがとうございました。
 昨年もお話を申し上げましたが、私も孫がおりまして、今では二歳になります。昨年は、孫がおりまして生後六か月で健診のときに神経芽細胞腫の陽性反応が出ましたというお話をさせていただきました。そして、その後、大学病院で神経芽細胞腫であると診断を受けたわけですけれども、当時は、早期発見、早期治療、つまり手術をして取ってしまう、一歳を超えてからの発見では非常に死亡率が高くなりますよという説明を受けました。しかし、その一方で、このがんについては自然治癒する可能性もあると。あるいは、一部の医師の中には、お医者様の中には、すぐに手術をすることに疑問を投げ掛けていらっしゃる先生方もおられます。そして、生まれて間もない子供ががんと言われて大変なショックを受けるわけですけれども、私の息子夫婦は悩んだ末に手術をしないという判断をいたしました。幸いにも、間もなく三歳を迎え、元気で自然治癒いたしましたけれども、しかし一方では、発見が遅れたために亡くなってしまう子供さんもいらっしゃるわけでございます。
 このマススクリーニングの在り方については慎重な検討が必要なことは言うまでもありませんけれども、昨年、岩田局長の御答弁では、早速にその専門家の方々にお集まりいただきまして、是非検討させていただきますというお答えをちょうだいいたしました。そして、この五月に第一回目の検討会が開催されたというふうにお伺いをいたしております。
 この検討会設置までの状況について、まずお伺いをさせていただきたいと思います。
#186
○政府参考人(岩田喜美枝君) 神経芽細胞腫のマススクリーニング検査は、先ほど申し上げましたように、昭和五十九年度から実施をしておりますけれども、近年、その検査の有効性について国の内外で専門家の間でいろんな議論がなされるようになりました。特に、昨年の早い時期でございましたけれども、二〇〇二年の四月発行のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンという専門誌にカナダとドイツの研究が載りまして、これがマススクリーニングについて否定的な結論になっている論文でございました。
 そういうようなこともございましたので、まずは国内のこの問題についての様々な専門家に個別によく教えを請いまして、神経芽細胞腫の治療の現状がどうなっているのか、あるいは我が国、今実施しております検査の有効性をどういうふうに評価すべきかといったようなことについて御意見を伺ってまいりました。
 そういう作業を踏まえまして、今般、神経芽細胞腫マススクリーニング検査の今後の在り方について見直しをするということも含めて検討をしていただくということで、五月でございましたけれども、検査の在り方に関する検討会を設置をし、これまでに二回ほど会議を開催をさせていただいております。
#187
○西川きよし君 先日、二回目の検討会が開催されたということですけれども、公表された一回目の議事録、目を通させていただきました。大変専門家の方々にとっても非常に難しい検討作業であるというふうにも読み取れるわけですけれども、今後は、行政の立場から判断をされていくに当たりまして、今外国のお話も出ました、カナダやドイツのお話も出ましたけれども、どういった角度からの検討を求めていかれるのか、第二回目の、付け加えるようなことがありましたら御答弁をいただきたいと思いますが。
#188
○政府参考人(岩田喜美枝君) これまでの二回の検討で、我が国における神経芽細胞腫の治療の現状ですとか、本検査の有効性についての内外の専門的な論文がございますけれども、それの評価について検討していただいたり、日本マス・スクリーニング学会などの関係者をお呼びして、意見聴取をしたりしてきたところでございます。
 今後は、事業としての有効性をどういうふうに評価をするかということであろうかと思いますが、その評価に基づいて見直しを行う必要があるのかどうか、あるとすればどういうふうに対応すべきかといったようなことについて検討していただき、できるだけ早い時期に結論を出していただきたいと考えております。
#189
○西川きよし君 よろしくお願いをいたします。
 ただ、その結論が出るまでは当然この事業が継続をして実施されるわけですけれども、こうした議論が行われていることで、親御さんにとっては健診そのものに不安もお持ちになる方もいらっしゃることです。その結論が出るまでの説明と申しましょうか、受診をされます子供さんの親御さんに対して検討をされている問題、そしてそういった説明等々が是非、情報提供と申しましょうか、説明が大切だと思います。
 その点の対応の在り方も含めまして、今後のマススクリーニング事業の在り方について、最後の質問にさせていただきたいと思いますので、大臣の方から御答弁をちょうだいいたしまして、終わりたいと思います。
#190
○国務大臣(坂口力君) この神経芽細胞腫のマススクリーニング検査につきましては、今、局長から答弁をいたしましたとおりの現在状況にございます。これは、専門家の先生方でいろいろお話合いをしていただくわけでございますが、委員も御指摘になりましたとおり、大変難しい判断ではないかというふうに思います。
 副大臣の言葉ではございませんけれども、これ過不足あってはいけないわけで、余り早くやり過ぎてはいけないし、遅れてもいけない。しかし、治っていくケースもあり得るということでございますので、その辺のところの判断を一体どうするのか。しかし、知らずにいるということが一番具合が悪いわけでございますし、そうしたスクリーニングテストをした後、すべての例で治っていけばいいんですけれども、そうでない場合があるということになれば、がん化してそれがだんだん悪化するかどうかの判断をどう見極めるのかということが非常に大事になってくるんだろうというふうに思いますし、その辺の検査等のことも含めて、専門家の先生にひとつ御判断をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 できるだけ早く結論を出していただきまして、お子さんをお持ちのお父さんやお母さんにもそのことをお知らせができるようにしたいというふうに考えております。
#191
○西川きよし君 終わります。
#192
○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
#193
○委員長(金田勝年君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りをいたします。
 少子化社会対策基本法案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案について、内閣委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#197
○委員長(金田勝年君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 少子化社会対策基本法案、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人及び参考人の出席を求めることとし、その手続又は取扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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