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2003/03/18 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第1号
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2003/03/18 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第1号

#1
第156回国会 文教科学委員会 第1号
平成十五年三月十八日(火曜日)
   午後零時五分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         大野つや子君
    理 事         仲道 俊哉君
    理 事         橋本 聖子君
    理 事         佐藤 泰介君
    理 事         山本 香苗君
    理 事         林  紀子君
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                扇  千景君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                山根 隆治君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     輿石  東君
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     神本美恵子君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     草川 昭三君     荒木 清寛君
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     草川 昭三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                山根 隆治君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
       文部科学大臣政
       務官       大野 松茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (派遣委員の報告)
 (文教科学行政の基本施策に関する件)
 (平成十五年度文部科学省関係予算に関する件
 )

    ─────────────
#2
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(大野つや子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。佐藤泰介君。
#5
○佐藤泰介君 去る一月十四日、十五日の二日間、愛知県及び岐阜県に委員派遣が行われましたので、その調査の概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、大野委員長、仲道理事、橋本理事、山本理事、林理事、有村委員、後藤委員、岩本委員、神本委員、山本委員、そして私、佐藤でございます。
 一日目は、まず、東浦町立緒川小学校を訪問いたしました。
 同校は、昭和五十三年の校舎改築を機に、教室間の壁がないオープンスペースを導入し、大学等の有識者の協力の下、個性化教育の実践校として様々な取組を行っております。学習途中で思考を中断させないため、九十五分を一ブロックとする一日三ブロック制の授業及びノーチャイム制を導入するとともに、教科の枠にとらわれず、子供たちがそれぞれの興味・関心に基づいてテーマを設定し、自由に活動できるオープンタイムと呼ばれる時間を置くなど、子供の自主性をはぐくむ総合学習が、新学習指導要領実施前の早い時期から取り組まれております。平成九年度からは、国の研究開発学校制度の下、従来の教科、道徳、特別活動から成るカリキュラムを理論探求の学習と生き方探求の学習に再編した独自のカリキュラムが実施されております。また、学習の基礎となる読み書き計算を習熟させるため、一斉指導の後に評価を行い、理解が進んでいる子供は発展的な課題に取り組み、理解の進んでいない子供はフィードバックして繰り返し指導を受けるなど、学習進度に応じた個別指導が行われております。
 さらに、同校では、PTAやボランティアによる学校教育への参加も活発に行われ、ボランティア登録数は百名を超えております。このような地域との積極的な交流が、学校に対する理解の促進につながっているとのことでありました。
 各学年の授業の視察や子供たちと給食を一緒に食べることなどを通じて、生き生きとした子供たちと触れ合うことができました。
 次に、核融合科学研究所を訪問いたしました。
 同研究所は、核融合プラズマに関する学理及びその応用の研究を行うことを目的として、名古屋大学プラズマ研究所、京都大学ヘリオトロン核融合研究センター、広島大学核融合理論研究センターを統合し、平成元年に設置された大学共同利用機関であります。
 同研究所は、我が国が独自に開発したヘリオトロンと呼ばれる磁場配位の大型装置による核融合研究を行うとともに、総合研究大学院大学や名古屋大学を始め、広く大学院の学生を受け入れ、核融合の教育研究を行っております。この核融合が実用化されると、海水から取り出した重水素を燃料とする発電も可能となることから、将来の新しいエネルギー源として期待されております。
 同研究所においては、視察数日前に発生した火災事故の経過等の説明聴取及び核融合装置等の視察を行うとともに、核融合のメリット・核分裂との違い、ITER等の核融合研究の国際的な動向、外国人研究者の受入れ状況、法人化により予想される影響等について質疑を行いました。
 翌二日目は、まず、三菱重工業株式会社名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場を訪問いたしました。
 同製作所は、宇宙機器等の製作を行う飛島工場のほか、名古屋市内及びその近郊に二つの工場を擁し、我が国の宇宙開発の中核を担っております。昨年六月の総合科学技術会議及び宇宙開発委員会において、HUA標準型を我が国の基幹ロケットとして位置付けるとともに、コスト削減等のため、HUA標準型の製造及び打ち上げ整備作業に関する技術を民間に移管することとされたことを受け、今後、同製作所が中心となってHUA標準型の製造等を行うこととなっております。平成十七年度から民間主導による打ち上げ開始が予定されており、今後、技術者の育成等、より一層の技術力の向上に努めるとともに、情報管理の徹底を図っていくとのことでありました。
 また、航空機の部分構造の組立て等を行い米国等へ輸出するなど、幅広く航空機製造事業を展開しており、我が国は、国際的にも航空機製造の大きな役割を果たしているが、この点に関する一般の認知度は依然として低い状況であり、広報活動の充実が課題となっているとのことでありました。
 同工場においては、事業概要の説明を聴取した後、ロケットや航空機の製造現場を視察いたしました。
 最後に、名城大学を訪問いたしました。
 同大学では、平成十三年度から、理工学部の数学科及び情報科学科において、高等学校に二年以上在学した者を特例的に入学を認める、いわゆる飛び入学が実施され、千葉大学に次いで二例目ということもあり、全国の注目を集めております。この制度による入学者は、初年度四人、翌年度五人の合計九人であります。入学者に対しては、奨学金が給付されるとともに、社会人や他大学の教員・学生、小中高校生等を交えたボランティアサロンを設置するなど、学問的な知識のみではなく、社会性等、豊かな人間性をはぐくむ教育が行われております。
 また、早くから自己点検・評価を行うとともに、学生による授業評価を実施し、その結果を全学に公開するなど、教育内容・方法の改善に積極的に取り組まれております。
 同大学においては、大学施設の視察を行うとともに、次のノーベル賞候補として期待されている赤崎教授との懇談を行いました。赤崎教授は、電流をそのまま光に変換する素子である発光ダイオードのうち、開発が難航していた青色の発光ダイオードを発見したことで国際的に知られております。科学技術が生み出す知をヒューマンライフに生かす仲介役が不足していることなど、現在の科学技術振興の課題について意見を伺うとともに、子供たちの理科離れの現状認識及びその対策等について質疑を行いました。
 以上で報告を終わりますが、今回の調査に当たり、関係の皆さん方に大変お世話になりましたことに対し、この場をおかりして、厚くお礼申し上げます。
#6
○委員長(大野つや子君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。
    ─────────────
#7
○委員長(大野つや子君) 次に、文教科学行政の基本施策について遠山文部科学大臣から所信を聴取いたします。遠山文部科学大臣。
#8
○国務大臣(遠山敦子君) 第百五十六回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。
 我が国の社会経済情勢は極めて厳しい状況にあり、あらゆる分野で二十一世紀を見通した抜本的な改革が求められております。小泉内閣の経済活性化戦略においても、人間力戦略、技術力戦略が掲げられており、我が国が真に豊かで成熟した国として発展し、国際的にも貢献していくためには、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指した改革を進めていくことが不可欠です。
 昨年八月、私は人間力戦略ビジョンを提唱いたしました。資源の乏しい我が国がこれまで発展してきたのは教育を重視してきたからであり、未来に向け、自ら行動し、新しい時代を切り開く、心豊かでたくましい日本人を育てることが極めて重要であります。また、これからの知の世紀をリードするトップレベルの人材も必要となります。このような中にあっては、心豊かな文化と社会の継承、創造の担い手となり、国際社会を生きる教養を備えた日本人が求められています。そのため、人間力戦略として、教育改革や科学技術・学術の振興、スポーツ、文化芸術の振興に全力を尽くしてまいる所存です。
 昨秋、ノーベル物理学賞を東京大学名誉教授の小柴昌俊氏が、また、ノーベル化学賞を株式会社島津製作所の田中耕一氏が、それぞれ受賞されました。三年連続で、しかも同じ年に二人の日本人受賞は初めてのことであり、国民に自信と希望を与え、我が国全体にとって大きな誇りと励みになりました。さらに、昨年はHUAロケット二、三、四号機の打ち上げが連続して成功し、世界最高水準の信頼性の確立に向けたステップを着実に歩むとともに、子供たちに夢を与えることができました。
 明るい未来を創造的に力強く切り開いていく担い手である子供たちが、将来に夢と希望を持ち、それを実現するためのしっかりした実力を身に付けられるよう、私としても最善の努力をしてまいります。そのことが、子供たち一人一人の人生を豊かなものにするだけでなく、我が国社会の発展基盤を形成する上でも不可欠と考えるからであります。
 このような認識に立ち、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現に向け、以下のような事項についての施策を総合的に展開してまいります。
 国家百年の計である教育は、国政上極めて重要な課題であります。このため、教育に携わる者は、すべての学校段階を通じて、常に二十一世紀にふさわしい教育の在り方を見据え、新しい時代を切り開く、心豊かでたくましい日本人を育成するとの高い志を持ち、真摯に教育改革に取り組んでいくことが求められております。
 小泉内閣発足当初から、二十一世紀教育新生プランに基づき、学校が良くなる、教育が変わることが実感できるような教育改革を実現するため各般の施策を講じてまいりました。今後は、これをより一層推進するとともに、人間力戦略ビジョンに掲げる目標の達成に向けて、国民的課題である教育改革を更に加速してまいります。
 教育基本法の見直しについては、昨年十一月に中央教育審議会から中間報告が提出され、その後、国民各層から幅広く御意見を伺いながら議論を深めてきたところです。近く取りまとめられる答申を踏まえ、教育基本法の見直しにしっかりと取り組んでまいります。
 構造改革特区については、地域の創意と工夫を生かし、教育の活性化を図る観点から、これまでも不登校児童生徒を対象とした学校の設置に係る教育課程の弾力化などに取り組んできたところでありますが、引き続き柔軟に対応していきます。
 私は、確かな心と豊かな心の育成が初等中等教育段階における教育改革の重要な柱であり、これらは、子供たち一人一人に新世紀を生き抜く力をはぐくむ上で極めて大切であると思います。そして、国民の教育水準を高めることこそが、日本社会の国際的競争力の基盤となると考えます。
 昨年四月から実施されている新学習指導要領のねらいは、子供たちに基礎・基本をしっかりと身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの確かな学力をはぐくむことにあります。これによって画一と受け身から自立と創造へと教育の在り方を大きく展開しようとするものであります。
 子供たちの学力については、その低下を懸念する声が聞かれるところであります。OECDの実施した国際比較調査などによれば、我が国の子供たちの成績はトップクラスに属するものの、今後対応すべき課題も見られます。また、昨年末に公表した小中学校における教育課程実施状況調査の結果については、目下その詳細を分析中であり、今後その結果をしっかりと受け止めると同時に、新学習指導要領の実施状況の検証についても、常設化された中央教育審議会教育課程部会にお願いし、その検討を踏まえて指導の改善に取り組んでまいります。
 また、教職員定数改善計画を着実に実施し、少人数授業や習熟度別指導などの個に応じたきめ細かな指導を推進するとともに、学習意欲を高め学力の質を向上させること等をねらいとする学力向上アクションプランの実施など総合的な施策を進めてまいります。さらに、十年経験者研修制度の新年度からの実施を始め、教えるプロとしての教師の育成を図るとともに、学校施設の耐震補強や改築の推進、学校の安全管理の徹底等に努めます。
 豊かな心を育成することは、確かな学力の育成に劣らず重要なことであります。子供たちに基本的な規範意識と倫理観、公共心や他者を思いやる心をはぐくむためには、学校において、心に響く道徳教育の充実、奉仕・体験活動、読書活動の推進を図るとともに、家庭や地域の教育力の向上を図ることが不可欠であります。また、完全学校週五日制の下での子供たちの様々な活動機会や場の拡大などに取り組んでまいる所存です。さらに、不登校や子供たちの問題行動への適切な対応、幼児教育の振興、障害のある児童生徒に対する教育の充実にも努めてまいります。
 義務教育費国庫負担制度については、今国会に義務教育費国庫負担法等の一部改正法案を提出するなど必要な見直しを行うこととしておりますが、国の責任により義務教育水準を確保するという制度の根幹は引き続き堅持していきます。
 知の創造と継承の拠点である大学が、その期待される役割を十二分に果たしていけるよう、大学の構造改革を始めとする様々な大学改革が進行中であり、我が国の大学制度の歴史の上でも重要な時期を迎えております。
 国立大学の再編・統合を引き続き積極的に進めるとともに、民間的な経営手法を導入し、個性豊かで国際競争力ある大学作りを進めるため、平成十六年度から新しい国立大学法人とするための法律案を今国会に提出いたしました。また、国公私立大学を通じて優れた研究教育拠点を重点支援する二十一世紀COEプログラムや、教育面での改革の取組を一層促進するための特色ある大学教育支援プログラムを推進するなど、各大学の自律的な取組を支援しつつ、教育研究基盤の整備や教育機能の充実に取り組んでまいります。
 さらに、昨年の臨時国会における学校教育法の改正を受け、大学の設置認可制度の弾力化、第三者評価制度の導入など大学の質の向上と保証に係る新たなシステムや、法科大学院などの専門職大学院制度の円滑な実施に向けた取組を進めます。併せて、私立学校の一層の振興や、次代を担う意欲と能力のある人材を育てるため、奨学金の充実に努めてまいります。
 冒頭で申し上げたノーベル賞受賞は、我が国の研究水準の高さが世界的レベルにあることを示すとともに、独創的で多様な基礎研究の振興と、これを支える科学技術システムの重要性を再認識させるものでした。
 科学技術は、日本経済の成長と構造改革を支え、希望ある未来を切り開き、人類が直面する地球規模の問題を解決していくためのかぎとなるものです。知の世紀と言われる二十一世紀において、高い科学技術水準は国力の枢要な源泉であり、その成果は、国民の生活や経済活動を持続的に発展させ、人類共通の財産として蓄積されていくものであります。
 文部科学省としては、世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指し、社会経済発展の原動力となる知の創造と活用に向け、第二期科学技術基本計画に沿って科学技術及び学術の振興に力を注いでまいります。
 このため、大学共同利用機関等を中心としたニュートリノ研究、加速器科学、天文学研究等の国際水準の先端的、独創的研究の推進、新たな知を切り開く基礎研究等を推進するための競争的資金の拡充、科学技術・学術の優れた人材の育成、国立大学等施設緊急整備五か年計画の着実な実施を始め最先端の研究施設設備といった研究開発基盤の整備等に一層積極的に取り組みます。
 また、経済活性化、安心、安全な国民生活の実現など国家的、社会的課題に大きく寄与するライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料等の研究開発を戦略的かつ重点的に推進します。大学における知的財産の戦略的活用等を図るための体制整備や大学発ベンチャーの創出など産学官連携の推進、大学等を核とする知的クラスターの創成など地域における科学技術の振興、科学技術・理科大好きプランを始めとする科学技術・理科教育、科学技術理解増進活動の充実などを図ります。
 さらに、国の存立基盤となる宇宙、原子力、防災、海洋等の研究開発についても積極的に推進することが必要です。宇宙開発については、三機関を統合した新法人が宇宙航空分野の中核機関として本年十月に万全のスタートを切れるよう準備を進め、我が国のロケット技術の国際競争力を高めるとともに、幅広い宇宙開発利用を推進します。去る二月一日、米国においてスペースシャトル事故がありました。犠牲となられた搭乗員の方々の御冥福をお祈りするとともに、心より哀悼の意を表します。私たちは、この事故を厳粛に受け止めつつ、彼らの求めた宇宙開発の夢に今後とも果敢にチャレンジしていきたいと考えます。
 原子力については、国民の信頼と安全の確保を大前提として、原子力研究開発の推進に最適な体制を構築すべく、原子力二法人統合に向けた検討を精力的に進めるとともに、高速増殖炉サイクル技術や国際協力によるITER計画への取組など研究開発を進めてまいります。また、「もんじゅ」については、エネルギー資源に乏しい我が国において高速増殖炉開発を進めることが必要であることにかんがみ、地元を始め国民の理解を得るための努力を続けていきます。
 人々が生涯にわたり自己実現を図っていくためには、生涯のあらゆる時期に学習機会を選択して学ぶことができ、その学習の成果が適切に評価される生涯学習社会の構築が重要です。このため、生涯学習の環境整備や大学、専修学校における社会人のキャリアアップのための教育を推進します。また、男女共同参画社会の形成、環境教育や人権教育の充実に努めます。
 昨年のワールドカップサッカー大会の成功に象徴されるように、明るく豊かで活力に満ちた社会を形成する上で、スポーツの振興は欠かすことができません。このため、スポーツ振興基本計画に基づき、国民のだれもが身近にスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現や、世界で活躍するトップレベルの競技者の育成、学校での体育・スポーツ活動の充実を図ります。併せて、体力の低下や子供の健康に関する現代的社会に対応し、子供の体力向上や食に関する指導など健康教育に積極的に取り組み、健やかな体をはぐくんでまいります。
 文化芸術は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上での大きな力になるものであり、我が国の文化芸術の頂点の伸張やすそ野の拡大を図ることが必要不可欠です。このため、文化芸術振興基本法に基づき、先般策定した政府の基本方針を踏まえ、我が国の顔となる文化芸術を創造し、世界に発信していくため、文化芸術創造プランや「日本文化の魅力」発見・発信プランを推進します。また、国民が文化ボランティアなどにより自ら積極的に文化芸術活動に参加し、文化芸術を創造できる環境を整備します。文化財の保存、活用、地域文化の振興、国際文化交流の推進、著作権制度の改善等の施策を推進し、併せて、国語について国民一人一人が意識を高め、正しく理解するよう取り組んでまいります。
 我が国が、国際社会において積極的な役割と責任を果たし、世界から信頼される国となることは極めて重要な課題です。このため、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術など各般にわたり、日本人の心が見える協力、交流に力を入れるとともに、留学生交流については、その一層の推進を図ります。また、英語が使える日本人の育成にも努めてまいります。
 以上のほかにも、特殊法人改革、公益法人改革、規制改革等の行政改革や、地方分権、知的財産戦略の推進など様々な課題が山積しております。私としましては、国民の強い期待を真摯に受け止め、文部科学行政全般にわたり誠心誠意取り組んでまいる決意ですので、委員各位におかれましても、特段の御理解、御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
 読み間違えたところが二か所ございます。申し訳ございません。
 三ページの後段の確かな学力と申し上げるべきところを確かな心と読みました。それから、九ページの第一行目でございますが、現代的課題を現代的社会と読みました。大変申し訳ございません。訂正させていただきます。よろしくお願いします。
#9
○委員長(大野つや子君) 次に、平成十五年度文部科学省関係予算について、河村文部科学副大臣から説明を聴取いたします。河村文部科学副大臣。
#10
○副大臣(河村建夫君) 平成十五年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 平成十五年度予算の編成に当たっては、厳しい財政状況の下ではありますが、我が国が真に豊かで成熟した国として発展し、国際的にも貢献していくためには、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指した改革を進めることが極めて重要であるとの観点から、教育改革、科学技術・学術の振興、スポーツ、文化芸術の振興にわたる総合的な施策の展開を図ることのできる文部科学省予算の確保に努めたところであります。
 文部科学省所管の一般会計予算額は、六兆三千二百二十億一千二百万円、国立学校特別会計予算額は二兆八千四十五億二千九百万円、電源開発促進対策特別会計予算額は一千四百九十一億一千四百万円となっております。
 以下、平成十五年度予算における主な事項について、御説明申し上げます。
 第一は、確かな学力の向上と豊かな心の育成などを図る二十一世紀教育新生プランの着実な推進についてであります。
 子供たちに基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び考える力などの確かな学力をはぐくむため、第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を着実に実施するとともに、学力向上フロンティア事業などの学力向上を目指した施策を総合的に進めることとして、四十九億円を計上しております。
 なお、義務教育費国庫負担制度については、必要な見直しを行うこととしておりますが、国の責任により義務教育水準を確保することとして、二兆七千八百七十九億円を計上しております。
 また、英語が使える日本人の育成を図るため、英語教育の改善に十一億円を計上しているほか、不登校問題への対応を強化するためスクーリング・サポート・ネットワークの整備などの生徒指導の充実及び道徳教育の充実や、社会奉仕・自然体験活動を推進することにより、心の教育の充実を図ることとしております。
 さらに、新たに十年経験者研修を実施し、教員の資質向上を推進するほか、公立学校の施設整備については、耐震化、老朽化対策に重点的に取り組むこととして、一千四百五十二億円を計上しております。また、学校における安全管理の徹底を引き続き図ることとしております。
 次に、完全学校週五日制をより一層有意義なものとするため、地域において週末等に子供の活動支援を行うとともに、地域と学校が連携協力した社会奉仕体験活動など様々な体験活動の推進体制を整備するほか、子育て講座の全国展開など家庭教育支援の充実を図るとともに、子供の読書活動など青少年の健全育成を推進します。
 また、高等教育機関において、キャリアアップを目指す社会人の受入れ体制を引き続き整備することとしております。
 第二は、大学の構造改革の推進と二十一世紀を担う人材の育成についてであります。
 我が国の大学が国際競争力を有する大学となるためには、大学の構造改革を一層進めることが重要であり、国立大学の再編・統合を進めるほか、第三者評価による国公私を通じた世界的研究教育拠点の形成のための重点的な支援や教育面での改革の取組を一層促進することとして、三百三十五億円を計上しております。
 また、専門職大学院の充実など、大学院を中心とする教育研究基盤の強化に努めることとしております。
 さらに、育英奨学事業については、学生が経済的に自立し、安心して学べるようにするため、事業費総額で六百二十四億円の増額を行い、貸与人員で六万八千人増員するなど、一層の充実を図ることとしております。
 第三は、特色ある教育研究の推進など私学助成の充実について、教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、学術研究基盤の強化や教育改革の推進などに配慮しつつ、経常費助成を中心に総額で四千四百九十一億円を計上するなど引き続きその充実を図ることとしております。
 第四は、留学生交流など国際教育協力の推進について、留学生交流のため五百四十一億円を計上するほか、開発途上国に対し、我が国が培ってきた教育経験を生かし、日本人の心の見える協力などを推進することとしております。
 第五は、心身ともに健全な人材を育成するスポーツの振興について、世界で活躍するトップレベルの競技者の育成、子供の体力向上のための総合的な方策、学校体育の充実を図るなど、スポーツ振興基本計画を推進していくこととしております。
 第六は、文化芸術振興基本法を踏まえた心豊かな社会の実現に向けて、文化芸術立国推進プロジェクトとして、「日本文化の魅力」発見・発信プランの創設に四十九億円を計上するとともに、昨年度創設した文化芸術創造プランと併せ推進するほか、文化財の活用と次世代への継承、新たな文化拠点の整備などを図ることとしております。
 第七は、未来を切り開く基礎研究の推進についてであります。人類の知的資産の拡充に貢献するとともに、革新的技術などのブレークスルーをもたらし得る多様な基礎研究等を推進するため、科学研究費補助金を始めとした競争的資金の改革と拡充を図ることとして、二千七百十四億円を計上しております。また、ニュートリノ研究などの先端的、独創的な研究プロジェクトを推進し、大学や大学共同利用機関の共同利用体制の充実を図ることとしております。
 第八は、研究開発プロジェクトの推進についてであります。ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の重点四分野への重点化を図ることとして、二千三百三十五億円を計上するとともに、大学、公的研究機関等と産業界が一体的に協力しつつ、それぞれのポテンシャルを最大限に活用する経済活性化のための研究開発プロジェクトを推進することとしております。
 また、国家戦略プロジェクトである宇宙航空分野、原子力分野については、徹底的な見直し、合理化を図り、国の安全、地球環境、最先端の科学など国として戦略的に推進すべき領域を着実に推進することとしております。さらに、地震、防災、海洋分野など国の存立基盤となる研究開発を戦略的に推進するとともに、人文・社会科学の振興及び自然科学との融合を図ることとしております。
 第九は、新産業創出に向けた研究成果の展開については、大学に知的財産本部の整備を進めるなど、知の確保と活用を戦略的に実施するための施策を総合的に推進するとともに、大学発ベンチャーの創出を支援するなど、産学官連携の促進を図ることとして、一千九百六十億円を計上しております。また、大学、公的研究機関等を核とした知的クラスターの創成を図るなど、地域科学技術の振興を積極的に支援することとしております。
 第十は、科学技術振興基盤の強化については、創造性、独創性豊かな科学技術関係人材の養成確保に努めるとともに、国立大学等施設緊急整備五か年計画に基づき、国立大学等の施設を着実に整備していくこととして、一千四百四億円を計上しております。また、科学技術・学術活動の国際化等を推進していくこととしております。
 第十一は、科学技術・理科教育、科学技術理解増進活動の推進についてであります。科学技術創造立国を支える次代の人材を育成していくため、科学技術・理科大好きプランや科学技術理解増進施策を実施することとしております。
 第十二は、情報化への対応として、高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指し、情報化の影の部分にも配慮しつつ、学校の授業においてコンピューターやインターネットを活用できる環境の整備を進めるとともに、専門的かつ創造的な人材の育成や研究開発分野の情報化、情報科学技術などを積極的に推進してまいります。
 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきたいと存じます。
 以上であります。ありがとうございました。
#11
○委員長(大野つや子君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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