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2003/04/15 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第7号
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2003/04/15 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第7号

#1
第156回国会 文教科学委員会 第7号
平成十五年四月十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     辻  泰弘君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     辻  泰弘君     神本美恵子君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     扇  千景君     泉  信也君
     山根 隆治君     鈴木  寛君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     後藤 博子君     西銘順志郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                泉  信也君
                大仁田 厚君
                中曽根弘文君
                西銘順志郎君
                岩本  司君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                鈴木  寛君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房長       結城 章夫君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十四日、扇千景君及び山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君及び鈴木寛君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大野つや子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房長結城章夫君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君及び文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大野つや子君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案について御質問を申し上げます。
 まず、この改正案でございますけれども、この改正案の審議が今国会でなされているわけでありますが、実は併せて今国会にはいわゆる国立大学法人法案というのも提出をされているわけであります。なぜ国立大学法人法案が今国会で提出されている、今国会にこの国立学校設置法の一部改正を、今回、十大学といいますか、の再編と統合というんでしょうか、ということと、それから医療短期大学のいわゆる四年制化と、こういうことが基本的にはその改正案の中身だというふうに理解しておりますけれども、せっかく新しい国立大学法人法案というものが今回審議されて、そして新しい国立大学の在り方というものをスタートしようと言っているときに、駆け込み的に、性急にこうした統合・再編をやるというのはどういう理由なのかなと。
 新しい体制でもって、そして今回も各大学の特に統合については自主性といいますか自律性を尊重してというお話でございますので、あえて、なぜ待てないのかということについてお尋ねをしたいと思います。
#7
○国務大臣(遠山敦子君) これからの世紀、知の世紀と言われておりますが、国公私を通じた大学改革をどんどん進めなくてはいけないということで、今、各大学努力をしていただいているところでございますが、特に国立大学につきましては、社会の激しい変化にしっかりと対応して教育研究、充実をしてもらうということが大事であるわけでございます。そのようなことから、これまでも国立大学個々にそのまま存置をして護送船団的にこれからもということではなくて、統合のメリットというものがあるところについては統合・再編をしっかりやっていくということで、各大学もいろんな角度から取り組んできていただいているところでございます。
 もう既に平成十五年度から山梨大学、新山梨大学できましたし、また筑波大学も図書館情報大学と統合いたしまして新しくできたわけでございますが、そのような動きが各地で起きてまいっております。これは、個々の大学がこれから二十一世紀、生き延びるといいますか、更に活性化していくためにどうしたらいいかという角度から考えてくれておりまして、今回お願いしております二十の大学について十の大学になっていくということも、そうした検討の結果、各大学として納得のいく方向で統合・再編していくということでございます。
 国立大学法人化法の方はこれから御審議をいただくわけでございますが、これは国立大学全体としての仕組みといいますか枠組みを変えていくという話でございまして、別に駆け込みで十大学やるということではなくて、そういう新しい仕組みなりあるいは枠組みというものに変更しても、更に統合・再編ということが必要であれば個別の大学としてやってもらうという関係に立つわけでございます。
 その意味では、二つが並行的に、枠組みの法人化の話とそれから個々の大学のパワーアップの統合・再編ということが並行的に行われていくということによって当初のねらいを達成しようというものでございます。
#8
○鈴木寛君 国立大学の再編・統合というのが平成十三年の六月に方針を出されまして、それに基づいて進んでいるんだというふうに理解をしております。昨年のこの国会でも、今も大臣おっしゃられましたけれども、筑波大学と図書館情報大学の統合とか、あるいは山梨大学と山梨医科大学の統合が行われて、もう既に平成十四年の十月からそういう体制で進んでいるんだというふうに思います。
 先行するこの二つの事例に基づいて、この半年間、当初、昨年も議論いたしましたけれども、その統合の目的と、それから所期の目的どおりそうした再編・統合の効果といいますか実が上がっているのかどうか、その辺について少しお話をいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(遠藤純一郎君) 昨年の十月に御指摘のように筑波大学、山梨大学が統合したわけでございますけれども、メリットとして、一つには教養教育の充実ということが挙げられております。この点に関しましては、統合によりまして教養教育科目の開設科目数が増えまして学生の科目選択の幅が拡大するとともに、新大学としての構想の下に新たに科目を開設するといったようなことで一層の充実に努めているということがあります。
 それから、学際領域の教育研究の充実を統合を生かして図っていくと、こういうことがございますが、筑波大学におきましては、図書館情報大学と両方の大学の教官が参画をいたしまして情報系の新しい分野といたしまして知的コミュニティ基盤研究センターと、こういうものを新設しまして、そこで教育研究分野の広がりを果たしているということがございます。
 それから、山梨大学におきましては、大学院の組織を、それぞれの工学研究科あるいは医学研究科といったようなものをやめまして、医学系大学院と工学系大学院を総合した新しい大学院組織を新設をしまして学際領域における教育研究がしやすいようにと、こういったようなことをしているということがございます。
#10
○鈴木寛君 今回の統合の特徴は医科を中心とします、地方の医科大学と地方の総合大学への統合ということなのかなというふうに理解をいたします。そういうものが多いなというふうに思っております。
 それで、ただ大学はそもそも単科大学で設立をしようと、その判断をした設立当初、あえていわゆる総合大学の医学部とせずに、例えば宮崎医科大なら宮崎医科大というように医科の単科大学というふうなことで設立をしたわけですね。なぜ、そもそも設立当初、総合大学の中の医学部新設とせずに単科大学というふうにしたのかという、そもそものその理由を教えていただきたいというふうに思います。
#11
○政府参考人(遠藤純一郎君) 医科大学について言いますと、昭和四十八年に医科大学のない県を解消するということを目的、目途に医科大学の整備を進めるということで閣議決定をされたわけでございまして、それを受けまして昭和四十八年から五十四年にかけて整備を行ったわけでございます。
 なぜ単科大学としたのかということでございますが、やはりまだ当時の大学については古い、言わば古い体質がそのまま残っておったということでございまして、新しい立場でのいろんな運営をしようというときに、やはりなかなかやりにくいということもございまして、例えば運営の組織でいいますと、今であればもう一般的になっておるんですけれども、当時、学外の有識者の意見を大学運営に直接反映させると、そういう仕組みで参与という制度を導入したわけでございますし、あるいはその運営をきちんとしようということで、学長を補佐する専任の副学長制を設けようと。まだ当時の大学ではとてもそんなものを受け入れられるような状況じゃなかったということがございまして、やはりそれは新しい大学として出発した方が、例えばそういう点についてもいいということもございますし、講座ということも考えましても、当時はまだ伝統的な一つ一つの古い小講座のシステムだったんですけれども、その講座をまとめた大講座といったようなものを導入しようとしてもなかなかそこは受け入れ難いということもございまして、そんなこんながありまして、ここは新しい単科大学、既存の大学にとらわれない新しい医科大、単科の医科大学で出発しようと、こういうことであったというふうに理解しております。
#12
○鈴木寛君 今回議案となっておりますそれぞれの大学が、設立当初新しい試みをやるには単科大学の方が良かったと。しかし、今日的にはそうした設立当初もくろんだメリットというのは、別に、統合化されても別にそれが減殺されるわけではないということはそれで理解をいたしますけれども。
 これ一般論といいますか、そもそも論としまして、何でもかんでも単科大学と総合大学というのはくっ付けたらいいというものではないと思うんですね。私は、単科大学は単科大学のいい点、悪い点、あるいは総合大学にはいい点、悪い点それぞれあって、やはり統合すべきものとそうでないものというふうに、あるというふうに考えております。
 その点について、文部科学省はそういう総合大学と単科大学の役割の在り方論といいますかについて、どういうふうな基本的なお考えを持っておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#13
○副大臣(河村建夫君) 鈴木委員も御指摘のように、これからそれぞれの大学、どのような形で個性を持って発展していけばいいかということ。それから、特に統合するような場合に、競争的環境の中でそれぞれの大学はうまくその個性が発揮、相まって発揮されるかどうか。それによって、要するに発展しなきゃ意味がないわけでございますから、そういう点でこれからの統合の在り方については、学際領域への展開が可能であるかどうかという検討、それから地域の貢献、社会貢献の機能が更に強化されるであろうかどうか、あるいは教養教育が充実されるかどうか、それから教育研究基盤が更に強化されるであろうか、このような研究、教育研究上のメリットというものを考えて、各大学の実情に応じて検討していただくということが非常に大事だろうと思います。
 したがって、委員御指摘のように、ともかくもう単科大学はやめて総合大学的にやっていけばいいんだということではなくて、それぞれの大学の特徴とかそれから地域の実情等もございますので、これを十分踏まえてその多様な可能性を検討していただいてやっていくということでございますので、現に今、特色を持ってやっておられる単科大学があるわけでございまして、そういうものは単科大学としてやっていっていただくということは当然でありますので、もう単科大学はやめて全部総合大学的にやっていくということではないということでございます。
#14
○鈴木寛君 私もそうだと思います。そういう観点で少しだけ私、今回のことに疑義を呈させていただきたいと思うんですが、九州芸工大なんですね。
 医科大学と、特に地方医科大学と地方大学の統合についてはある程度今のことで、いわゆる学際領域の問題とか、あるいは教養部を一緒にするとか、それからメリット、デメリットを見比べますとそれなりに評価できないわけでもないわけでありますが、芸工大というのは正に芸術と工学の学際という意味で、ある意味では学際、学際というののフロンティアとして大変にいい試みだったと思うんです。
 それで、しかしそれが正に今回九州大学に統合されるということですから、そうすると、これは何、芸術と工があって更に何とこれ、どう学際領域をねらっておるのかということと、それから国立大学をつらつら見てみますと、いわゆる芸術大学というのは二つしかないんですよね。東京芸大とそれから九州芸工大二つなんですよね。もちろんあと公立では幾つか、もちろん私立も幾つかありますけれども。
 そうすると、日本でもって二つしかなかった芸術系大学が東京芸大だけになってしまうということは、その非常に多様で豊かな大学、高等教育行政、しかもそのことは、昨年は文化芸術基本法というのもできましたけれども、日本が芸術というものを意識して、しかもそれをちゃんと高等教育のフィールドで充実をしていくんだと。そういう流れからしますと、九州、もちろんその名称の問題かもしれませんけれども、しかしその九州芸工大という非常に極めて画期的な取組で先見的な取組だったと思いますが、そしてやっぱり芸術と工というところで非常に僕は特色のあるいい単科大学だというふうに思っていたわけでありますけれども、そうしたもろもろの観点から、再度、この九州芸工大を九大に統合することが本当に望ましいんだろうかどうなのかということを私はもう少し多角的に評価をする必要があるんではないかというふうに思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
#15
○政府参考人(遠藤純一郎君) 九州芸術工科大学でございますけれども、昭和四十三年に設置されたわけでございます。その背景といたしましては、それまで我が国では芸術と工学の融合分野、これを対象とする学部が存在していなかったと、こういうこと、あるいは高次のデザイン教育を受けた人材養成と、こういった声がございまして新しく設けられたわけでございます。
 今回、九大と統合したいと、こういうことで大学の方からそういう申出があったわけでございますけれども、これはやはりいろんな恐らく検討の過程でメリットが、こういうメリットがあるだろうということで検討がなされたんだろうと思います。
 教養教育ということについて言えば、それはもう九大のような大きな総合大学、入ることによりまして学生の選択の幅が飛躍的に増えるということも一つございますでしょうし、あるいは教育研究の融合ということでいいますと、例えば音響、映像などに関する芸術的な感性と医療といったようなものを結び付けて多様なシステムができないか、それをやってみようじゃないかといったようなこともいろいろ検討されたというふうに聞いておりますけれども、そんなようなことでいろいろ検討された結果踏み切ったというふうに私どもは理解しております。
#16
○鈴木寛君 国立学校設置法の改正案が国会で審議をされるのは今年が最後になると思いますんですね。今後は国立大学法人法、法案の下での統合と再編と、こういうことになるんだと思いますけれども、もちろんこれからはより大学の自主的判断というものが尊重されることになろうかと思いますけれども、しかし我々文教科学委員会、あるいは文部科学省という日本の大学行政を、企画は引き続きされていくわけでしょうから、単科大学にはいい大学一杯あると思います。例えば、教育に特化した単科大学とか、あるいは芸術工科ということは日本の、この法案が可決をされてしまったならば、芸術工科大学という非常にいいコンセプトは日本の大学の名前から消えてしまうという残念なことがありますが、それ以外にも例えば豊橋とか長岡とか技術科学大学、これもある意味で日本のRアンドD、特に基礎部分と応用部門を非常にうまくつないでいくという意味で非常に重要な役割を果たしてきていると思います。
 そういう意味で、何でもかんでもとにかく単科大学を統合してというようなことではなくて、やはり単科大学と総合大学、先ほど副大臣から基本的な方針は示されまして、あの方針についてきちっと具体論の中でよりそのことを意識的にやっていただいたら、いただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 特にやっぱり、九州芸工大に先ほどからこだわっておりますけれども、例えば今、九州国立博物館が作られようとしているわけですね。だから、九州という地区は、今、岩本委員もお見えでございますが、やはりそういった芸術とか歴史的に、正に日本の文化の非常にいろんな意味での重要な役割を担ってきた地域でありますし、その歴史と伝統を踏まえて更に地域の特色を出していく、そういう議論の中で九州芸工大も作られたんだと思いますし、それから国立の博物館を四つ目をあえて九州に作っていくというのはそういういろんな地域的な特徴があるんだと思います。
 そういう意味で、是非、今日の議論も踏まえながら今後の再編・統合政策というものを進めていただきたいということを強くお願いを申し上げたいと思います。
 それで次に、先ほど来副大臣あるいは局長の御答弁の中で、今回の統合のメリット、学際領域あるいは教養部の充実と、こういう御答弁は聞かれるわけでありますけれども、私は、見逃してはならないといいますか非常に重要視しなければいけないと思いますのは、やはり大学の地域への貢献だということだと思います。
 そういうことで、昨年の国会でも参議院の文教科学委員会の附帯決議で、きちっと「地域の意見が再編・統合に反映されるよう努めること。」という附帯決議を付けておると思いますが、今回地方大学に係る案件が非常に多いわけでありますけれども、関係の地方公共団体との協議というのはどの程度行われているんでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、再編・統合に当たりましては、それぞれの大学の特徴や地域の実情等に応じまして、個性と特色ある大学作りを目指すということが大事でございますし、また大学が知的文化的拠点として地域貢献の機能を一層強化するという視点も重要だというふうに考えておる次第でございます。
 これを踏まえまして、各大学では例えばその運営諮問会議の場、ここには地域の各方面のいろんな有力な方々が入っていらっしゃるわけでございますけれども、そういう地域関係者の意見を聴き、そしてまた必要に応じて地方自治体の当局あるいはその地元関係団体とも意思疎通を図って、そして統合という決断をしたというふうに理解しておるわけでございます。
#18
○鈴木寛君 地域関係者の中には今御質問を申し上げました地方公共団体も当然に含まれるわけでありますが、更に今回の事案を見ますと、医科大学の統合が非常に多いわけであります。正に医科大学がこのように設置、各県に要するに無医県をなくす、すべての都道府県に医科大学を作っていくと、そういう観点から作られた大学の統合という問題がここの今回の事案に多く含まれているわけでありますが、正にその地域で唯一の高度医療の、医療とそして教育と研究と、これを一体として担っていくという意味で、本当に地域の医療関係者にとっては極めて重要な拠点が今回統合対象となっている医科大学というふうに理解をいたしております。
 そういう意味で、今までであれば、例えば地域の医療でいろんな問題が起こったときに、地域の医療関係者が医科大の学長のところに飛んでいって、この問題をどうしましょう、ああしましょうと、こういうことを非常にスピーディーに、迅速にいろんなことを決めていったと。最近はいろいろな感染症といいますか、伝染系のいろいろな問題が地域、局地的に発生をするという事案もいろいろあるわけですね。
 そういったときに、地域の医療関係者とその医科大の学長で、じゃ、ばっとやってばっと対応するというようなことが今までできたわけでありますけれども、これがその大学が統合ということになりますと、そういう意味でのなかなか機動的な対応というものが本当に引き続きできるのかどうかというような不安などいろいろ懸念をされるわけでありますが、特に今申し上げました地域の医師会などの医療関係者あるいは医療関係機関の意見というのは、今回十分に聴取され反映をされているんでしょうか。
#19
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、医科大学は地域の医療の拠点ということで大きな役割を果たしているわけでございます。そういった意味でも、医科大学の運営諮問会議の委員にほぼ例外なく地元の県の医師会長さんが入っていらっしゃるというのが通例でございますので、そういう方の御意見を当然聴きますし、聴いておりますし、地域の病院の方々の意見も聴いていると、こういうふうに聞いております。
#20
○鈴木寛君 今の点は、統合がなされた後もやはり地域において、特に今回の対象となっている地域においての統合される医科大学の役割というのは極めて重要でありますから、その統合後も地域医療に何ら支障がないように、是非、再度指導なり確認をお願いをしたというふうに思っております。
 それから、地域と大学、大学の地域貢献という観点で申し上げますと、今、自治体そして関係機関と、こういう議論をさせていただいたわけでありますが、正に地域住民の皆様方に対する地域貢献というのは非常に重要なポイントだというふうに思います。
 政府も、平成十三年の六月の十一日に、大学を起点とする日本経済活性化の構造改革プランとか、あるいは平成十四年の一月に高等教育局、文部科学省の高等教育局が国立大学の構造改革の方針についてという方針を出されて、地域貢献、社会貢献の機能強化ということは自らうたっておられるわけであります。
 特に、その中で、社会人のキャリアアップという用語といいますか項目がその両方に出てまいりまして、特に六月、平成十三年六月十一日の政府の方針の中では社会人キャリアアップ百万人計画の推進ということがうたわれているわけでございますけれども、この社会人キャリアアップ、是非これをやっていかなきゃいけないと思いますが、その後、平成十三年以後、この計画が今現在どのように進捗をしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(遠藤純一郎君) 平成十三年六月に社会人キャリアアップ百万人計画、これを出したわけでございます。
 これは、有効な施策を講じることによりまして、学習機会の拡大、学習環境の整備を図って、大学、短大、専修学校への社会人受入れを五年間で三倍程度の百万人規模に拡充しようと、こういう計画であるわけでございます。
 具体的には、一つには、施策でございますが、一つには地上波、衛星による放送通信等多様なメディアによる遠隔授業、e―ユニバーシティーとこう言っておりますが、これの推進、それから二番目にはコミュニティーカレッジの機能強化、三番目にはサテライトキャンパスの整備、四番目には社会人向けの短期集中プログラムの整備等と、こういったような施策を講じると、こういう計画であるわけでございます。
 それで、進捗状況でございますけれども、最初のメディアによる遠隔授業の推進という点に関しましては、平成十四年度に放送大学に大学院を新しく開設をいたしまして、新たにその修士全科生、全部の課程をやるという人ですが、五百人、それから科目履修生でございますけれども、一万人、これを受け入れるということになったわけでございます。それから、平成十五年度には通信制によります大学院が二つ新しく設置をされたと、こういうことで、通信制の大学院、全部で十六大学院に拡充されたということがございます。
 それから、コミュニティーカレッジ機能の強化という点でございますけれども、これについては、例えば労働者の能力開発を支援いたします教育訓練給付制度、大学でこれをやっているわけでございますけれども、その指定講座の数が二百三十講座前年度から増えまして、言わば倍以上になったわけでございますけれども、トータルとして三百三十四講座に拡大をしたということがございます。
 それから、パートタイム学生、パートタイム学生としての通常の修業年限を超えて在籍しながら学位の取得が可能となる長期履修学生、これもおかげさまで制度化ができたということがございます。
 それから、サテライトキャンパスの整備でございますが、平成十四年度中に新たに九大学に設置されまして、合計で五十七大学に拡大されたということがございます。
 それから、社会人向けの短期集中プログラムの整備ということに関しましては、産業構造の変化に対応して社会人をバックアップする学習環境を一層充実させると、こういうことで大学の公開講座における法律や管理、財務など専門職業的講座数が大幅に拡大をしているということでございまして、数字で申し上げますと、平成十年度に二千二百講座でございましたものが十三年度では三千四百講座、約三千四百講座に拡充をしていると、こういう状況でございます。
#22
○鈴木寛君 今、全体の構造についてはお話をいただきましてありがとうございました。
 今回の統合によって、結局いろいろな意味で効率化、合理化されるということだと思います。それは単に縮小均衡ではいけないわけでありまして、そこで出てきたいろいろな資源の余力というものを、私は今お話のあった社会人向けの公開講座とかあるいは短期集中講座とかあるいはコミュニティーカレッジに対する大学教員の派遣とか、いろんな形で当該地域の社会人キャリアアップに地方大学がより積極的に貢献していく、そのための私は統合・再編であるべきだというふうに思いますが、今回具体的に統合される大学において、なるほど統合・再編をしたら地域の社会人教育にこのような具体的なプラスの面があったということが言えるのかどうか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(遠藤純一郎君) まず、今回統合対象となった大学についての現状でございますけれども、例えば法律や管理、財務など専門職業的な公開講座、これにつきましては十三大学、四十四講座で開設をしておりますし、それから教育訓練給付制度の対象となるコースを開設しているのが二大学でございます。これが現状でございます。
 これから統合ということになるわけでございますけれども、それぞれの大学におきましては、統合による人的資源を有効に活用しまして、科目選択の幅の拡大や学際的、総合的な講座の開設など社会人キャリアアップのための施策をより一層充実させる、そういう基盤ができたんじゃないかと、これからでございますので、恐らくそういうことで拡大をしていくんだろうと、こう思っております。
 一つの例でございますけれども、神戸大学と神戸商船大学におきましては、両大学の既存の組織を再編しまして新たに連携創造センターと、こういう組織を設けることにしておりますが、そこでは社会人に対する高度な技術研修あるいは高校教員に対する研修といったようなことをするということにしておるというような例もございます。
#24
○鈴木寛君 今お話がありました神戸大学の公開講座は私も講師をしていたことがありますが、是非、神戸大学に限らず、今回統合がありました大学についてはそういう基盤ができたという御答弁でしたので、これから積極的に地域の社会人キャリアアップのための取組というものを是非文部科学省からも促していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 引き続きこの社会人のキャリアアップのことについての質疑を続けさせていただきたいと思いますが、現在、そもそも社会人大学生、私はこれはどんどん増えていってもらいたいと思いますし、その学習環境の整備あるいは学習機会の拡充のために私は施策を充実させていくべきだというふうに思っておりますけれども、今どれぐらいの社会人大学生が全国で学び、そして奨学金を受けているのか、その実績と、それがこのところ拡充をされているのかどうかと、そういった推移といいますかについて教えていただければと思います。
#25
○政府参考人(遠藤純一郎君) 大学あるいは大学院にどれだけ社会人がいるかという点でございますけれども、実は社会人というカテゴリーで調査をしていないということがございまして、きちんとした数字が学部については持ってないというのが実情でございます。ただ、大学院につきましては、平成十二年度から指定統計、学校基本調査で社会人入学者数というのをカテゴリーを新しく設けまして調査をしているということがございます。それで、これでいいますと、平成十三年度でございますが、修士課程に社会人が一万八千百二十二人、それから博士課程で一万一千百十五人と、こういう数字がございます。
 それから、奨学金の件でございますけれども、実はこれも社会人学生その他ということで分けておりませんで、一般の学生と同様の採用条件、奨学金の額、返済条件と、こういうことで行って支援をしているというのが実情でございます。したがいまして、どれが社会人でどうだというのはありませんけれども、例えば、これも参考になる数字かと思いますが、三十五歳以上の方で奨学金をもらっていらっしゃるという方は恐らく何か職を持って学んでいるんじゃないかというふうに理解できるわけでございますけれども、この数が、日本育英会の奨学金を受けている三十五歳以上の人の数という、こういうことでございますが、平成十年度では三百六十一人でございましたけれども、平成十三年度では七百九十四人と倍以上の数になっていると、こういう実情がございます。
#26
○鈴木寛君 私はこの際是非お願いといいますか御提案をさせていただきますのは、確かに定義は難しいと思うんですけれども、正にこれから生涯学習社会で、特に産業構造、社会構造の変化の中で高等教育というものをずっと社会に入っても不断に受け続けていかなければいけないという時代に入ってきているんだと思います。そういう中で是非、まずきちっと実態把握といいますか、社会人がどれぐらい大学で学んでいるのか、あるいは大学院で学んでいるのか、そしてその人たちがどういうふうな、何といいますか、課題を抱えながら勉学にいそしんでおられるのかということについてのやっぱり現状と実態の把握、そしてそこにきちっとフォーカス、ターゲットを当てた施策の充実、それをやっていくためにはまずそこの現状が把握されていないと施策というのは立てられないわけでありますから、その点について、そういう切り口でやはり社会人キャリアアップ、そして大学がその中心を担っていくんだという意味での施策の再構築あるいは実態の把握ということについてはこの際きちっと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、今、社会人向けの奨学制度、これもそうした区分では対応しておられないと、こういうお話でございましたけれども、やはり社会人が勉強できるかどうかというのは、これはもう本当に奨学金というのが死生を制するといいますか、本当にこれがあるとないとではもう全然、一般の大学生に比べて社会人学生にとっての奨学金の有無あるいはその手厚さといいますか、これは本当に大事だというふうに思います。
 それで、私は、この社会人向けの奨学制度の充実を是非ともお願いをしたいし、この全委員の皆様方にもその重要性をよく理解していただきたいわけでありますが、来年度、予算が通ったばかりで来年度要求の話をするのは早いのかもしれませんけれども、しかし、もう実は七月ぐらいまでにはきちっと大きな方向を出さなきゃいけないのであえて御質問申し上げるわけでありますが、昨年の臨時国会で学校教育法を改正をして専門職大学院制度というのを法定をしたわけですね。この専門職大学院制度というものは、恐らくそこで学ばれる方々というのはある意味でかなり、社会人の定義にもよりますけれども、相当、ここで申し上げているのは、いわゆる保護者などあるいは親御さんなどのいわゆる学費を支援してくれる人がいないで、要するに自分で学費を調達をし、その間の生活費を調達をし、更には家計全体を支えると、そういう家計を自分で維持しなければいけない人が、しかも高等教育機関で学んでいく、そういう人たちを支援をすると、そういうことの文脈で社会人というようなことを言っているわけでありますけれども、この専門職大学院は恐らく今私が申し上げたようなカテゴリーの方が中心として通われる大学院だというふうに想定をしていいんではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、もちろん奨学金全般についての充実、拡充というものは当然なわけでありますけれども、とりわけ、せっかく専門職大学院という制度ができたわけでありますから、ここを突破口として、別にこれで十分だとは言いませんけれども、まず突破口として専門職大学院に通う社会人向けあるいは専門職大学院生向けの奨学金の充実ということについて、これは早急に議論を煮詰め、そして来年度の予算要求に方針を出し、そしてより多くの社会の理解というものを得ていかなきゃいけない。実は、この半年間が非常に大きな勝負の時期だ、正念場の時期だというふうに思っております。
 とりわけ、さきの臨時国会でも議論しましたけれども、ロースクール、ビジネススクールでもそうだと思いますけれども、専門職大学院は特に学費が高いということが想定をされるわけですね。それだけ充実した教育をするから当然なわけでありますが。そういう意味で、ロースクールを始めとする専門職大学院における奨学金の特枠化とか、あるいは給付額、貸与額の増額とか、あるいはその対象者の枠を拡大をする、希望者全員奨学金というものを少なくともこの専門職大学院からは実現をしていってはいいのではないかと。
 それから更に申し上げますと、教育ローンについても保証人の問題というものがいろいろ議論になっております。そういう意味での政府保証ローンなどの、いろいろな検討課題がありますが、その点についての、来年度のこれは大変に重要な政策課題でございますので、検討状況とその取組の姿勢について御答弁をいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(遠藤純一郎君) 私ども全く同じ問題意識を持っておりまして、この点についてはやはりきちんとしていかなくちゃいけないと、こう思っておる次第でございます。
 国公私立大学を通じまして専門職大学院、法科大学院といったような学生に対しましては、経済的理由によって学ぶ機会が失われることのないよう授業料負担軽減、その他いろんな支援策が必要と認識しておりまして、今後、我が省といたしましても、奨学金の充実に努めるなど、関係機関とも相談しながら各種ローンの充実など多元的な検討が必要だと、こう考えております。
 法科大学院は平成十六年四月の発足でありますから、夏の概算要求時点までそういったような支援の充実策を検討していきたいと、こう考えております。
#28
○鈴木寛君 今日は、大臣、副大臣もお見えでございますので、シーリングの議論なども恐らく来年度予算編成についてはいろんな御議論があろうと思いますけれども、その際に、やはりこの奨学金の充実問題、とりわけ社会人の学ぶ実質的な機会と環境の拡充ということについては是非降りずに頑張っていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 次に、私は、今回の対象となっておりますのもかなり地方大学が多いと思います。私は、この地方大学問題というのは早晩大変に深刻かつ重大な問題になるんだろうというふうな認識をいたしております。
 と申しますのも、少子高齢化の中で特に地域における大学の定員の確保、あるいは、そもそも地方において大学運営というのは大変に財政的な面で厳しいという、もちろん都市圏においてもそうでありますが、とりわけそのことの兆候といいますか、そのことの社会環境の変化による大学経営の厳しさというものが現れてくるのは地方からだというふうに思っております。
 そういう意味で、地方の国立大学、そして地方の公立大学のことについて御議論をさせていただきたいと思っておりますが、これいずれも、特に国立大学法人化した後の地方国立大学というものは、もちろん文部科学省からの交付金あるいは文部科学省からのいろんな支援ということは基軸としつつも、やはり地方公共団体がかなり自分の県の、我が県の大学なんだと、こういう意識でもってより支援をしていくということがとっても必要になるんではないかと思います。
 河村副大臣の御地元でもあります、私も以前勤務をいたしておりました山口大学、これは国立大学でありますけれども、正に山口県の大学と思って、山口県庁あるいは山口県の御出身の先生方は思っておられると思いますし、そして山口大学工学部が、工学部だけではありませんが、その地域の特に産業界に与える影響というのは極めて大きい、またそういうことを県庁としても模索をしてまいりました。それから、やはり山口大学医学部が山口県民の地域医療に果たす役割というのはもういろんな意味で計り知れないわけですね。
 そういう意味で、地方の国立大学をより充実をさせたものにしていく、例えばテクノポリス構想とか頭脳立地構想も大学の存在というものをその指定要件にもしているということで、いろんな意味で地域と大学というのはこれは切っても切れない仲にある。そうすると、国立だからといって、あるいは県立だからといってというもう境はないんだと思います。恐らく各県、これから地域の時代でありますけれども、地域の、知事選も終わったばっかりでありますが、当然に地方行政の根幹に、これは産業政策であれ、医療政策であれ、もちろん教育政策であれ、すべてのコアにその地域に存在する地方の国立大学と、そして山口県でも山口県立大学というのがありますから、地方の公立大学と、これをいかに有機的に連携をさせていくかということがとっても重要な課題になっていくんだというふうに思います。
 そのときに、私が思いますのは、これはある意味しようがないんでしょうが、国立大学と県立大学というその設置者が違うことによってなかなか大学間の連携というのがうまくいかないわけですね。いろいろ障害がございます。そういう意味で、まず基本論として、更なる国立大学と公立大学、特に地方における連携・統合ということが望ましいというふうに私は思いますが、その点についてのまず基本的な考え方を文部科学省からお教えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#29
○副大臣(河村建夫君) 鈴木委員も山口県にお勤めになっておりましたから地方の実情にお詳しいんで、今御指摘のとおりで、各県、国立大学とそれから県立大学を持っている県はたくさんあるわけでございますが、それぞれ個性を生かしながら頑張っておるわけでございますけれども、今後、更にそれぞれの大学がこれからの地域の発展にとって一つの大きな核になるということ、これが非常に必要なことでございます。
 そういう意味で、基本的には、これはそれぞれの国立大学、公立大学、特に公立大学については設置目的、特に地域社会の要請というのがあって県立でという形でできておりますから、それぞれの役割が期待をされておるわけでございますが、既に連携については、単位を互換をするとか、あるいは、これは私学も含んででございますが、その県全体で一つの学生の交流事業であるとか、もちろんコンソーシアムを組んで、一つの枠組みを組んでいきながら共同研究をやるとか、産学官連携ですね。特に、知的クラスター等々においては特に重要でございますが、そのような連携をいたしておりますので、これを更に進めてまいりたいと、このように考えておりますし、御案内のように今度国立大学が法人化するということによってそれが更にやりやすくなるという面もあろうと思いますね。
 そういう意味で、これは設置目的等も違いますから一足飛びになかなか、統合ということになるといろんな問題が出てくるんではないかと思いますが、思いますが、これはうまく、両方がうまく連携し合ってその地域の発展の核になるように更に文部科学省としてもその取組を進めてまいりたいと、このように思っております。
#30
○鈴木寛君 今、副大臣お話しのとおり、国立大学法人法、私は、いろんな問題点もはらんでおりますけれども、法人化をし、国立大学の自主・自律的な運営がなされるということについては私は重要なことだというふうに思っております。
 そういう観点で見ますと、実は地方の公立大学の議論というのが若干国政レベルで抜け落ちているんではないかなということが非常に懸念をされます。先ほど、今、副大臣にも御答弁いただきましたように、地方においては、本当に公立と国立がどう有機的に連携するかということ、それから公立もいろんな意味での連携を可能にする組織改革といいますか、制度改革というのは私は必要だと思います。例えば、単位の互換というのはある程度今のフレームワークでもできるんだと思いますけれども、共同研究を本格的に進めようと思った場合は、公立大学の教員の身分をどうするのかという問題、これ非常に重要になってまいります。
 私も、高知県の高知工科大学というのがあります。これは県主導で作られたにもかかわらず、あえて学校法人というフレームワークを取ったわけですね。で、橋本大二郎知事がやられたときに、私もそのことについてのいろいろな経過に少しお手伝いもさせていただいたわけでありますけれども、そのときの議論は、やっぱり公立大学というのは非常にいろんなことをやりにくい、よって知事を理事長とする私立大学を高知の場合は作ったわけであります。例えば高知なんかは、江本委員もいらっしゃいますけれども、高知は、結局今回、高知医科大と高知大学と、国立の方は統合するわけであります。しかし、もう一つ言えば、工科大もあるわけですから、じゃ高知工科大と旧高知大と高知医科大と、これは三つはうまく連携した方が絶対高知県のためにいいわけであります。しかしながら、高知の場合は学校法人ですからある程度、今、副大臣がおっしゃったメニューやりやすいんだと思いますが、これが通常の場合は公立大学ですから、そうすると人事の面あるいは会計の面あるいは財務の面、いろいろな障害があるというふうに思います。
 それから、静岡の場合も、いわゆる浜松医科大の方の医科大と静岡市にある静岡大の統合・再編の話が進んでおりますけれども、実は静岡県立大と静岡大学と、これ地域、地域的にも、あるいは人的交流の面からでも統合・再編のメリットあるものは一杯あるわけですね。しかし、こうしたところが、公立大学の組織論についての議論がまだ十分でない、あるいは問題意識がなかなかまだ社会に共有されていないということの結果、私は再編・統合それ自体はいいこともかなりあると思います、もちろん問題点もあります、今日の前半に指摘させていただいた。しかし、より望ましい再編・統合をするということは、ユーザーサイドあるいは産業サイドあるいは学ぶ者のサイドから立って見た場合には、最もうまく機能するような連携・統合が必要なんだと思います。
 そういう観点で、地方公立大学の組織の在り方、運営の在り方、この議論について今どういう議論がなされていて、どういう課題があって、どういうふうにその問題に取り組まれようとされているのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#31
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘のように、国立大学については法人化の法案を提出させていただいているという状況でございます。
 公立大学についてもどうかと、こういうことでございますけれども、今、実は総務省が中心となりまして、昨年八月に地方の独立行政法人制度の導入に関する研究会の報告書というものが出まして、そこで地方における地方独立行政法人、その中で公立大学の法人化についても触れられておりまして、そこでは、国立大学法人の法制化の検討状況を踏まえつつ、教育研究機関たる大学の性格に応じて必要な特例等を設ける必要があると、そういうことで、その中に組み込んだ議論がされておったわけでございますけれども、今、この報告書の内容を踏まえまして今通常国会にそういったような法案を提出をするという方向で制度設計が進められておりまして、その中で公立大学につきましても法人化の対象となり得る事業の一つということで想定されていると、こう承知をしております。
 そして、先ほどの研究会の報告にもございましたけれども、国立大学の法人化における具体的な制度設計を踏まえながら、大学の教育研究の特性を踏まえた特例措置といったような点も組み込んで検討が進められていると、こう承知をしております。
#32
○鈴木寛君 現実はそういうことなんだろうと思いますが、私は文教科学委員会としては余り気に入らないわけですね。それは何が気に入らないかといいますと、大学の今、法人化という議論が起こっております。これは国立大学法人法のときにきちっとやらさせていただきますが、独法の議論があって国立大学の法人化の議論を始めたのかという疑義があるわけですね。それはその法案の議論のときにさせていただきますけれども。それは恐らく私は違うんだろうと。要するに、文部科学省は日本の大学を何とかいいものにしていきたい、そういう発想の下にいろいろな法人化の議論、あるいは大学のユニバーシティーガバナンスと私たちは呼んでいますが、そこを何とかしていこう、こういう発想で進められたんだというふうに信じたいと思っているわけでありますが、そうなれば当然公立大学も入るわけであります。
 今の御答弁を聞いていますと、文部省は余り議論していないと。しかし、総務省かどこかの方で地方の独立行政法人化の議論の中で、その中で公立大学の議論もしますと、こういうふうに私には聞こえてしまうわけでありまして、やはり文部省は文部省として公立大学も含めたきちっとユニバーシティーガバナンスをどのように確立をしていくのか、あるいはそれを開かれた大学にして、特に地域社会との連携という観点からどういうふうに持っていったらいいのかということについてやはり主導的にビジョンを立て、そしてそのための政策運営を進めていっていただきたいということをやはり指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 さらに、この地方大学の問題を突き詰めていきますと、今は国立大学そして公立大学の話がありましたが、一番経営状況が厳しいのは地方の私立の大学でございまして、これも河村副大臣よく御存じだと思いますが、そういうことでいいますと、やはりこの私立と公立と国立と、この役割分担あるいはその有機的連携、さらには、そこに対して、私学とて私学助成金は税金が投入されているわけであります。公立に対しても国費もわずかでありますが投入される、もちろん地方税、地方の税金はですね。いずれにしても県民、国民の税金は私立も公立も国立も大変に投入をされている。そのことはいいことだと思いますし、そのことを更に拡充をしていかなければいけない。コンクリートから人づくりに我々の税金を使っていくというのが知の時代の私は税金の使い道の在り方だというふうに思っております。
 そういう意味で、やはりきちっとその国公私の役割分担、これは考え方は、もう全部それは一律で学校法人という形にして、その設置者による違いは付けない、しかしながらいろいろな教育研究というそれぞれの政策を充実する上で新しい再編の在り方があると。いろんな御議論があろうかと思いますが、いずれにしても、私はもっと主体的にその知の時代の主役である大学、そして日本の非常に特徴的であります私立と公立とそして国立が併存する、そしていろんな歴史的な経緯もあります、それからその分布も諸外国とはかなり違っているわけであります。その点について是非広範な、人事面あるいは運営面、財政面の、そして大学の自治ということも大変に重要であります、について、文部科学省の大学行政についての取組と今後の検討の姿勢について御答弁をいただきたいというふうに思います。
#33
○国務大臣(遠山敦子君) 日本の高等教育は、国立、公立、私立の異なった設置形態を持つ大学がそれぞれの役割、機能を果たしてこれまできたということで、諸外国とはちょっと違う、しかしなかなかユニークな大学制度だと思います。
 大学というのは、やはり知の集積体でもございますし、それなりの歴史的経緯、それからそれぞれが果たしている役割、機能というものが設置目的に照らして十分に発揮されているということが大事ではないかと思います。国立、公立、私立のそれぞれの設置の特徴といいますか、設置形態による機能の違いということをここで長々と述べるということはむしろ委員も御存じのとおりでございますので省略をいたしますが、しかしこれからを考えますときに、やはりそういったそれぞれの設置形態を更に、設置形態を前提としながら、更にそれぞれが発展していってもらうというのが大変大事だと思っております。
 その意味で、こういう国立大学の法人化あるいは再編・統合というものを踏まえた上で、全体としてどういう日本の高等教育があったらいいのかという、言わばグランドデザインと申しますか、そういったものを今、中央教育審議会にお願いをいたしまして、きちっとした形で御議論いただこうと思っております。ただそれぞれの経緯があってというだけではなくて、グランドデザインという角度からしっかりと御議論をいただいて、私どもとしてもそれに対応するいろんな支援の在り方というものを考えてまいりたいと思っているところでございます。
#34
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 初めに、今回の国立学校設置法改正案について関連して伺います。
 まず初めに、国立大学の再編・統合に当たっての文科省の基本的立場について伺います。
#35
○国務大臣(遠山敦子君) 国立大学の再編・統合は、先ほど鈴木委員の御質問にあったとおりでございますけれども、それぞれの大学の将来を考えたときに、各大学の枠にとらわれずに、限られた資源の有効活用によって教育研究基盤の強化を図る必要があるという認識に基づくものでございます。再編・統合に当たりましては、それぞれの大学の特徴あるいは地域の実情などに応じて個性と特色ある大学作りを目指すということが肝要と考えているところでございます。
 それは、再編・統合に当たる大学の組合せによって、それぞれ地域との関係なりあるいは新たな大学としての機能のどの面を強化していくかという、それぞれ様々ではございますけれども、やはり国立大学の持つ教育研究の機能を十分に発揮していく、あるいは社会貢献をやっていく、地元との関係をしっかりと構築をしていく、そういったことを十分に認識した上でそれぞれの取組が行われていくべきものと考えております。
#36
○畑野君枝君 今回挙げられている大学とは違いまして、今、各地でいろいろと運動が起きております国立大学の教員養成課程の問題について次に伺いたいんですが、まず、この教員養成課程あるいはその学部の必要性、どのようにお考えですか。
#37
○副大臣(河村建夫君) 現在、日本の教員養成の在り方でございますが、いわゆる教員養成学部といいますか、単科の教育大学もございますけれども、そうした教員養成専門の学部、それに一般の学部からも教員は生まれておるわけでございます。そこで、特に教員養成学部は教員養成ということに特化をしてやっているわけで、いわゆる目的養成といいますか、専門学部で展開をしております。それが義務教育、特に小学校段階の教員については養成の非常に中心的な役割を担っておるわけでございます。そういう意味で、現職教員の再教育の機会にも大きな影響を及ぼしているということで、教員養成学部が果たしてきた役割というのは非常に大きいものがあるというふうに思っておるところでございます。
 ただ、学校現場においては、多様な資質、能力を持つ教員の必要ということも求められておりますし、そういう意味で、いろんな人材がやっぱり教員集団に入ってくるということも必要であろうということでございますので、このような指摘もあるわけでございます。そういう意味で、様々なその学部を経てきた卒業生が教職現場にいてくれるということは望ましいというのが現時点での基本的な認識であろうと思っておりますが、ただ、特に今御指摘の教員養成学部といいますか、そういう在り方は、やっぱりこれは教員を、本当に力のある教員をつくっていく意味では、これから教員養成の専門学部的なものがもっと魅力ある教員養成カリキュラムに編成していかなきゃいかぬだろうと、こう思っておりまして、そういう意味で私は、教員養成学部の存在価値というものはこれから高まることがあっても低くなることはないというふうに思っております。
#38
○畑野君枝君 小学校を始め専門性が重要だというお話がありましたけれども、そういう点では、文科省の方から教員養成課程の大学の統廃合を要請していくということはないですか。
#39
○政府参考人(遠藤純一郎君) 教員養成学部の再編・統合についてでございますが、今、副大臣から御答弁しましたように、我が国全体の教員養成を充実強化をしてこれからの初等中等教育を担うにふさわしい人材をいかに輩出していくかという観点から検討されるべきでございまして、教員養成学部を充実強化していくというために行われると、こう理解してございます。
 現在、各大学におきまして教員養成学部の在り方について検討をしておるわけでございますけれども、我が省といたしましては、各大学が地元の方々の御意見を踏まえ、理解を深めながら、理解を得ながら進めていくことが重要だと、こう考えておりまして、今後、その検討の熟度を踏まえながら可能なものから具体化をしていきたいと、こう思っております。
#40
○畑野君枝君 これはもう是非、大学の再編・統合に当たっての話が冒頭ありましたけれども、やはり大学の自主性あるいは地元との関係を含めてきちっとやっていただかなくちゃいけないというふうに思うんですね。
 例えば群馬大学では、教育学部の存続を求める署名が約二十万人集まる、それから横浜国立大学では、横浜国大に教員養成系学部を残す会による署名が三月二十七日には約八万五千人、県の教育長さんに手渡されると、こういうふうになっております。こういう問題を含めて御承知されて、またきちっと地元の声を聞いていくべきではないかと思いますが、いかがですか。
#41
○政府参考人(遠藤純一郎君) 教員養成学部が地域の教育界に果たしている役割ということを考えますと、地元の方々の関心が高く、様々な心配があるということはよく理解できるところでございまして、署名活動につきましてはそういった強い期待の表れと、こう受け止めておる次第でございます。
 一方で、学校現場が様々な課題を抱えているわけでございまして、より専門的で優れた教員をいかに養成するかということが求められております。こういったような教員を養成するためその充実強化が期待されておりまして、その強化策の一環として再編・統合が検討されていると、こう理解しておる次第でございます。
#42
○畑野君枝君 私は、それを考える上で、この「今後の国立の教員養成系大学学部の在り方について」という中で、二十ページですけれども、「教員養成学部卒業者の地元都道府県への採用状況等」という一覧がこれ各大学あるんですね。これは非常に混乱と誤解を生むと。私は、こういうようなことで、何か、大学ごとに、おまえのところは少ないじゃないかと、特にこの一番最後の占有率ですよ、一体何のためにあるのか、これは実態を本当にねじ曲げるような問題だというふうに思うんで、こういう表の提出含めて是正すべきだと思いますが、いかがですか。
#43
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘の平成十三年十一月に国立の教員養成系大学・学部の在り方に関する懇談会、ここでその在り方についてということをまとめた中に今の数字があるわけでございますけれども、この数字につきましては、やはりこの懇談会の中で委員の方々からそういったようなちょっと数字も必要ではないかということでこういう数字を作り、それが参考資料として載ったという経緯がありますけれども、御指摘のように、この中で占有率という数字でございますが、いろいろ数字の出し方で、率ですから分母と分子がありますが、その分母の方に新規の卒業者と過年度の卒業者が入っているけれども、その新卒、当該地元の都道府県が当該の教員養成学部から採用した教員の数の中で過年度の卒業者の数が把握できないということで新卒だけを分子の方に置いたということで、言わば不完全な数字になっているということは事実でございまして、そういったような数字だということで、私どもも、やはり関係の方々に説明していく必要があるなと、こう考えている次第でございます。
#44
○畑野君枝君 是非誤解のないようにその点もお願いしたいと思うんです。
 文部科学大臣に御確認ですけれども、昨年の五月に衆議院でそういう占有率の問題にもちょっと触れていたので、今のことでよろしいかと、御説明を加えていただきましたので、そういうことでよろしゅうございますか。
#45
○国務大臣(遠山敦子君) これからの子供たちをしっかりと教育してもらうには、教員の力が本当の意味で質的な向上を図ってもらわなくてはならないという大きな要請があるわけでございます。教員養成学部をどう考えていくかということは、そういう観点に立って論じられていることでございまして、そういう大きな目的というものをしっかり見ながら、同時に、それぞれのところで発展をしてきたいろんな経緯というものを見ながら、私どもとしてはしっかりした形でこの問題に取り組んでいきたいと思いますが、局長が答弁したとおりでございます。
#46
○畑野君枝君 横浜国立大学について言えば、これは地元の神奈川新聞ですが、その署名の中で、存続を求める手紙が二百通以上寄せられて、例えば、教員養成の大切さが分かっていない、国も大学も猛省すべきだとか、教員の質の向上を求められ、採用面でも好環境が当分続く、存続は県民の願いだとか、現職教員からも、現職教員の再教育の拠点とか、算数の研修会に参加し教育現場と大学とのつながりを再認識したなど、たくさんのこういう声が寄せられているわけです。
 実際、この文部省の今言われた数字についても、実態はどうかといえば、今の本当に就職状況の厳しい中、あるいは大学院等に進む、こういう状況の中でも、正規に教員として採用された学生のうち、二〇〇〇年度でいえば県内に採用されているのは六六・六%、それから二〇〇二年度でいえば八二・三%なんですね。だから、厳しい中でも、採用された人は本当に地元で引き続き頑張っているということも加えて申し上げておきたいというふうに思います。
 そういう点では、ILO・ユネスコの教員の地位に関する勧告の中でもきちっとした教育当局の対応を求めているわけですので、申し上げておきたいと思います。
 先ほどからのお話にありますように、教員養成は求められているということだと思いますけれども、この点につきまして、今年の四月一日に初等中等局長の通知が出されておりまして、その中で、第四として「学級編制の一層の弾力化について」ということにも触れられております。
 この点で、少しちょっと具体的にどういうことを通知されたのかということを簡潔に、一つは都道府県教育委員会が定める学級編制基準という問題と、もう一つは個別の学校の実情に応じた学級編制の弾力的運用と、この二点について伺います。
#47
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の通知におきましては、これは地方の自主性を高めるという、そういう観点から、学級編制がより一層弾力的にできるようにしたということでございまして、その具体的な内容といたしましては、一つは、四十人という数は引き続き国の定める基準として維持しながら、各都道府県教育委員会の判断によって、義務標準法に定める標準の範囲内で県内一律に四十人を下回る学級編制基準を定めることを制度の運用として可能としたものでございます。このことを周知をいたしたところでございます。
 またもう一つは、個別の学校ごとの実情に応じて教育的配慮の観点からの弾力的運用が可能であるということを改めて幾つかの具体的な例を挙げて周知をいたしたところでございます。
#48
○畑野君枝君 こういう点では、県にはやりなさいと言いながら国はお金は出しませんと、こういうことになっているわけですね。
 先ほどの教員養成からいっても、局長は私の質問に委員会の御答弁で、かつて、三十人学級にするには十二万人程度の教員が必要だというふうにもお答えになったわけですけれども、この通知をする、県にお任せということだけでなく、あるいは市段階、個別の学校の対応だけでなく、きちっと国としても、こういう通知一本でなく、財政的な措置を含めて進めるようにやっぱり検討するべきだというふうに思うんですね。私はこの通知見てつくづく思いました。
 この点で、やはり、今年度から二十九県で少人数学級が進められる、二つの政令市でも取り組まれると、こういうことで進んでいくわけですから、通知も出されていて、それでそういう各県で動いていると。こういう問題についてきちっと文科省として責任持って実態調査、その効果含めて調べる必要があるんじゃないでしょうか。
#49
○政府参考人(矢野重典君) 少人数学級等についての実態調査についてのお尋ねでございますが、国立の教育政策研究所で平成十四年度からの二か年で指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研究というのを進めておりまして、平成十四年度、前年度でございますが、平成十四年度では、少人数指導教員加配校の教員等を対象といたしまして、その教育効果、また少人数指導の実態といったようなことに関する意識調査を行ったところでございますけれども、平成十五年度、今年度でございますが、今年度におきましては、引き続き、学級規模やあるいは指導方法等の違いによる教育上の効果といったような点につきまして比較調査を行う予定でございますので、その中で今、委員が御指摘になりましたような少人数の学級についても調査を行うことといたしたいと思っております。
#50
○畑野君枝君 是非、文科省独自にでもそういう二十九県の取組状況などもつかんでいただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
 それで、私、続きまして、そういう大学の地域における役割の質問をさせていただいておりましたけれども、やはり大学というのは正に社会とかかわってあるわけでございます。その社会の方がどういうふうになっているかということにつきましては、私は最後にサッカーくじのことについて質問をさせていただきます。
 突然の話で私は本当にびっくりしております。何の、私、昨年質問しましたが、それに対してこういうふうにしますよという文科省からの御説明も事前になく、新聞報道で初めて知ったわけでございます。ほかの委員の皆さんも大方そうだったのではないかというふうに思うわけでございますが、三月三十一日の中教審のスポーツ・青少年分科会でサッカーくじをコンビニエンスストアで販売することを了承したと。突然のことでございます。これは一体どういうことですか、御説明願います。
#51
○政府参考人(田中壮一郎君) スポーツ振興くじのコンビニエンスストアでの販売につきましては、くじの売上げがワールドカップ終了後減少しておりまして、助成に要する資金を確保する必要があること、あるいはその身近な購入場所として要望が強いということ等から文部科学省といたしましては大きな検討課題と受け止めておったところでございまして、先生御指摘のように、三月二十八日にまず中央教育審議会のスポーツ・青少年分科会に置かれますスポーツ振興投票特別委員会を開催し、また三月三十一日には同分科会を開催いたしまして、文部科学省からコンビニエンスストアでスポーツ振興くじの販売について御審議を求めたところでございます。
#52
○畑野君枝君 その審議状況を見せてください。
#53
○政府参考人(田中壮一郎君) 当日は審議、議事録につきましては現在精査をしておるところでございますけれども、その中で出ました委員の主な意見を申し上げますと、青少年の健全育成とスポーツ振興とのバランスを取りながらtotoを育てていくことが大切である、コンビニエンスストアでの販売に対するニーズに対応すべきである、あるいはtotoの助成で総合型地域スポーツクラブが軌道に乗り始めておりコンビニエンスストアでの販売に賛成である、あるいは買う人の希望を第一に考えるべきであり要望の強いコンビニエンスストアでの販売に賛成である、あるいはコンビニエンスストアでの販売に反対ではないが、販売場所を増やすということとともに、くじの売上げを伸ばすための方策も併せて検討すべきである、さらにはtotoにはサッカーを見る、予想する、スポーツ振興に役立てるという三つの楽しみがあるのであって、これをもっと生かしてPRすべきではないかといった意見が出されたところでございます。
#54
○畑野君枝君 そんな話も初めて聞くわけですよ。議事録公開していないわけでしょう。これからなわけですよね。委員会で初めてそういう話が出てくる。しかし、実態どうなっているかといったら、もうどんどん進んでいるわけですよ。本当に驚くべき事態ですよ。
 もう、日本体育・学校健康センターは「コンビニエンスストアでのtotoの販売について」という通達を四月十日に出して、募集を十日から四月十八日にまでやって、もうこの四月の下旬に選考結果を発表して、そして今年の八月以降にコンビニでの販売を予定していると。これは本当に国会で各文部大臣が真剣に御答弁もされ、委員が超党派でいろんな議論をしたことの全くないがしろじゃありませんか。
 こういう問題は、今言われたとおり、青少年の健全育成というのはこの文教科学委員会またあるいは文科省、一番大事にしなくちゃいけない。そういうことについて十分な検討がされたのかという話も今なかったですよね。結局、売上げが落ちたと、なぜ落ちたのかということを含めて吟味しなくちゃいけないわけじゃないですか、このサッカーくじがいいのかどうかということも含めて。
 だって、大体、コンビニ希望しているというのはサッカーくじ始める前からずっとあって、それでもなおかつ影響があるということで禁止にしたわけでしょう。今だってあるといったって前と変わっていないわけですから。それは正に売上げが落ちたから売上げを増やすためにやりましょうというのが先行しているんじゃありませんか。
 一体このコンビニ販売、だれが強く希望しているんですか。
#55
○政府参考人(田中壮一郎君) これは、あの……
#56
○畑野君枝君 一言で言ってください。資料はいいです、時間がないですから。
#57
○政府参考人(田中壮一郎君) 日本体育・学校健康センターが行っておりますtotoのアンケート調査におきまして、かなりの、平成十三年度の調査におきましては七一・六%の方が、また平成十四年度の調査におきましては七八・九%の方がコンビニエンスストアでの販売を希望しておるという調査結果が出ておるところでございます。
#58
○畑野君枝君 だから、一番最新のも、ワールドカップが終わって売上げが伸びなくて、その後の調査で、結局買いたい人はそれは便利がいいというのは昔も今も変わらないわけですよ。そんなのはもう問題じゃないということで、どうするのかということをずっと議論してきたんじゃないですか。大体そういう点では、もう客観的な根拠そのものも薄いもの。
 大体、じゃコンビニ販売の青少年への影響というのは全く排除されたんですか。
#59
○政府参考人(田中壮一郎君) 先生御指摘のように、平成十年当時はコンビニエンスストアでのスポーツ振興くじ販売に関しましてはいろんな心配な点が表明されたところでございます。
 そういうことも私どもとしては十分踏まえまして、さらに中央教育審議会におきます御審議におきましても、今後はそのコンビニエンスストアについてもスポーツ振興くじの発売場所の対象とし、その具体的な内容は文部科学省と日本体育・学校健康センターで協議しながら検討しなさいと、ただ、その際、当然のことながら青少年の健全育成に十分配慮をしなさいということが言われたわけでございまして、それを踏まえまして、私どもといたしましては、センターと十分協議をいたしまして、十九歳未満購入禁止措置の確実な実施を図るという観点から一定の会員、これはあらかじめ年齢確認が行われまして、本人口座での代金の引き落とし、あるいは当せん金の振り込みが可能な会員に限定した販売を行うことといたしまして、日本体育・学校健康センターにおきまして、そのような販売を行い得るコンビニエンスストアの募集を開始しておるところでございます。
#60
○畑野君枝君 最後に言われた、その会員による販売だけなんですか、コンビニでは。
#61
○政府参考人(田中壮一郎君) コンビニエンスストアにおきましては、会員による販売に限って販売を認めようとしておるところでございます。
#62
○畑野君枝君 最初の問題に戻りますけれども、中教審は、結局文科省とセンターに丸投げじゃないですか。青少年の健全育成についてはまあどうぞ担当省でやってくださいみたいな。
 かつて、この問題は本当に真剣に保体審でも議論されたわけでしょう。九回の中でコンビニ問題だけで五回。本当に真剣に議論して禁止しようと、正に良識が発揮されたわけじゃないですか。それが一回のおざなりで、その問題はまあ皆さんやってくださいと。私は、これは中教審にきちっと差し戻して審議すべきだということを求めておきます。
 同時に、青少年への影響をどういうふうに把握しているのか。カードで売ります、会員だけですというふうにおっしゃいますけれども、じゃコンビニが当時問題になったのは、子供たちが一杯たまっている、特に深夜の時間にたまり場になっている、こういうところでギャンブルに触れさせるようなことがあっていいのかと。センターの一番最新の調査でも、ギャンブルに対してはもう本当に国民は厳しいわけですよ。公営競技についてもやるという人は、もう八三%ですか、ほとんどはやらないと。その中に、一番子供たちの町のたまり場になっていると。もう馬券売場がどこにでもあるというのと一緒じゃないですか。そういう当時の子供たちが出入りする状況、そういうのは、その後コンビニは変わったというんですか。
#63
○政府参考人(田中壮一郎君) 委員御指摘のように、コンビニエンスストアにつきましては、大勢の青少年が出入りするという場所であるということは私どもも十分認識をしておるわけでございまして、そういう観点から今回販売対象としては会員に限っておるわけでございます。この会員と申しますのは、あらかじめ十九歳以上であることが確認されまして、かつ、本人の金融機関の口座からくじの代金が引き落とされ、払戻し時の当せん金も本人の口座に自動的に振り込まれるというシステムになっておるところでございまして、青少年がくじの購入、払戻しすることはできないという仕組みを取っておるところでございます。
#64
○畑野君枝君 そんなことではコンビニ問題解決しないでしょう。青少年は昔と今も変わらないというふうにおっしゃったわけでしょう。そういう青少年が、大人がカードを持ってきて、それで画面で、タッチパネルで予想していると、子供たち見るじゃないですか。あるいは、親子で行って、親が買物している間に子供が触るということだってあるかもしれませんよ。
 そういう実態含めてどうなっていくのかというのは、どんどんいいですじゃなくて、文科省というのは本当に青少年の健全育成で、大丈夫なのかという点では本当に慎重に、知恵も出してやるところじゃないんですか。そういうあらゆる問題点、検討しましたか。
#65
○政府参考人(田中壮一郎君) 私どもといたしましては、豊かなスポーツ環境を作り、我が国のスポーツ振興を図る上で、国民の浄財から成りますスポーツ振興くじによる助成に期待するところは大きいと考えておりまして、その本来の趣旨を生かしながら一層の充実を図っていくことが大事だと思っております。
 同時に、御指摘のように、十九歳未満の青少年が購入したりすることのないように、青少年の健全育成の観点には十分留意していかなければならないということも考えておるところでございます。
#66
○畑野君枝君 だから、具体的な話何にもないじゃないですか。最後に付け加えですよ。それで文科省でいいんですか。問われますよ。
 ですから、シャドーバイヤーの問題だって、具体的にどんな調査したのかも分かっていないと。いろいろ数字は上がっているけれども、一〇〇%じゃないわけでしょう。ましてや、今まではコンビニじゃなくて、ガソリンスタンドとかお弁当屋さんとか、子供のいないところでよかったから、じゃコンビニがいいんだなんて話にはならないわけですよ。本当にそういう点では、今、携帯電話が千店撤退する、お弁当販売店が三百余りお店が撤退していると。今、不況の中で利益にならないと。コンビニだってそれは大変ですよ、過当競争の中で。そうすると、逆に悪いイメージ付いて売れないと。かつてはそういうことでコンビニの皆さんからもいいのかと良識ある声が一杯寄せられたわけであります。
 私は、そういう点で、委員会にも今、今日初めて、もうさっさと募集をやっているわけですよ、もう委員の皆さんにも何の説明もなく。これはもう本当に国会審議、私の質問に対してもちゃんと、前局長さん今いらっしゃるけれども、反対意見含めてちゃんとしますということですよね。
 私、文部科学大臣に最後に伺いたいんですけれども、地婦連を始め十三団体が大臣あてにコンビニでサッカーくじを販売しないよう要請しますと。本当にギャンブルに子供たちを巻き込むものになるんだ、危険性があるんだと、こういう要望、PTAを含めて、文科省は慌てて後で説明に行っているみたいですけれども、本当に怒っていますよ、皆さん、何だと。こういう、遠山大臣、こういう声出ているんです、教育の現場で。もう是非こういう御意見に、よく検討してもう一回、官任せじゃ駄目ですよ。局任せじゃ駄目ですよ。本当に大臣としての責任を持ってこの青少年の健全育成、きちんと、私は、これもう拙速にやるんじゃなくて、延期含めてちゃんとやるべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#67
○国務大臣(遠山敦子君) 青少年の健全育成を図るということは第一義的に重要なことであります。
 totoの扱いにつきましては、いろんな、様々な状況を判断した上で、青少年の健全育成という角度から問題がない形で今回の販売場所を拡大するということでやりたいということであろうと思っております。
 これからも、もちろんその様々な人たちの御意見を聞いた上で現在そういう動きになっていると思いますが、そこのところはしっかりと文部科学省としても、青少年の健全育成ということにはもちろん配慮した上で対象、販売対象というのをそういう青少年にならないように等々の様々なネット、セーフティーネットといいますか、そういうものをやった上でこの問題は対処していくものと思います。
#68
○畑野君枝君 委員長、最後に。
#69
○委員長(大野つや子君) 時間も参っておりますので。
#70
○畑野君枝君 はい、最後に。
 そういう点では、コンビニ販売はいったんは禁止をされたと。だから、本当に慎重、真剣に審議されるべきことが一切ないということです。ですから、私はもう本当に議論差し戻していただきたいし、委員長にお願いですけれども、当委員会でもこの問題を集中的に議論をしていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
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#71
○委員長(大野つや子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、後藤博子君が委員を辞任され、その補欠として西銘順志郎君が選任されました。
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#72
○山本正和君 質問に入る前にちょっと文部省の方に申し上げておきたいんですが、久しぶりに実は私、学校をちょこちょこ回ってみたんですけれども、そこでこの前質問いたしました大臣と副大臣の特に小学校の先生に対する思いという話をいたしまして、そうしたら本当に皆喜んで、ところが、いろいろ若い先生たちと話をしていると、何となく自信がないというか、仕事に対して。自分たちではいろんな思いがあるんだけれども、この世の中どうしていいかといういろんな思いがあるんですね。
 私は、職業には貴賤はないし、どんな仕事でも皆立派だと思うんだけれども、子供と一緒におるという仕事ですね、これ、教員という仕事は。そのことのすばらしさを本当にみんなが思うようにもっといろいろと、そういう方面の専門家もたくさんおるわけですから、教育という仕事の営みのすばらしさ、それを感動的に訴えるたくさんいろんな人たちがおるわけですから、又はそういうことに優れた人もたくさんおるわけですから、現実にやっている人も。そういう人たちをもっと世の中に引っ張り出して、とにかくもう今のテレビやマスコミで悪いショッキングなことはどんどん出すけれども、本当に人間の心が温まるような、そういうことで一生懸命苦労している人たちの姿が余り出ないんですよね。だから、これはやっぱり文部省として何とかそういう方向について検討できないだろうかと。
 要するに、国の流れとして、子供を教えるということ、子供と一緒に学ぶというその仕事のすばらしさ、これは親も一緒なんですよね。親が子供を育てるということの喜び、教師が生徒、子供と一緒におるということの喜び、それを本当に大事にするというふうな国にしなければこの国は駄目になるんだと、そういうその根っこの気持ちを持ったことのキャンペーンを文部省として何とか取り組んでいただけないかと。特に中教審でも、どうもこういう根っこの部分の議論が、されておるのかもしれぬけれども、余り国民には伝わらないんですね。
 ですから、本当に日本の国が今何を大事にするかということについてのそういう国民全体に対する訴えというようなことが、働き掛けというようなことが文部省として今から全力を挙げて取り組むというような姿を何とかやっていただけたらなということを思ったものですから。久しぶりに若い先生たちといろんな話をしたら、もう私の孫が大学三年ですから、孫と余り変わらないような若い先生と話していろんな思いがいたしました。
 是非ひとつ、今後の省内での議論の中でお取上げいただきたいと、こう思っております。
 それから今日は、大学のこの統合の問題で二点ほど質問いたしますが、一つは、今度はいわゆる保健学科、医学部保健学科として四年制にするというのが最後の取組として、これで国立大学は全部、看護師さんの課程としては全部が四年制になると、こういうふうになるわけですね。ちょっとその辺が、なぜ四年制になっていったかという経緯を含めて、もし、たしか平成五年からぐらいだと思うんだけれども、最初にやってきたところがどこで、そして現在一番遅いのはここなんだけれどもという、その四年制になっていった経緯、ちょっと教えてほしいんですが。
#73
○政府参考人(遠藤純一郎君) 看護師その他の医療技術者の養成でございますけれども、従来三年制の医療短期大学部で養成をしておったわけでございますが、やはり高度化といったようなことに対応しまして四年制でという動きになりまして、順次計画的に医療短期大学部を保健学科に転換をしてきておるわけでございます。
 最初が平成五年でございまして、大阪大学、これにつきまして保健学科、六年に神戸大学、七年に金沢大学ということで、その後も年に二つないし三つという形でずっとやってきまして、今回、北海道大学、東北大学、京都大学、熊本大学と四大学ということでございまして、全部で二十三大学がこれで保健学科に改組転換をすると、こういう形になったわけでございます。
#74
○山本正和君 要するに、平成四年度から議論を始めて、五年度からずっと進められて今日に至ったということですね。私もちょっとそれを調べてみると、看護師等の人材確保の促進に関する法律というのが母法になってこういうことになったと。
 実は私の母親が生きておったら百六歳になるんですけれども、これが明治三十年生まれになりますかね、テレビでやるおしんさんとちょうど同じ年ごろなんですが。その当時、女性の仕事というのは大変限られておったんですけれども、母親が若いときに看護婦それから産婆の免状を持っておって大変珍しがられたんですけれども、ずっといわゆる昔の看護婦さんの歴史を眺めると、日本の場合と外国の場合と非常に違うんですね。
 それからもう一つ、私が戦後びっくりしたのは、アメリカの軍隊の中における看護婦さんというのは将校ですよね。将校の方がたくさんおるんですよね。ところが、日本の軍隊、かつての軍隊の中の看護婦さんというのは一番偉い人でも伍長さんぐらいの位しかくれない。どうしてだろうかと私は思ったんですけれども、そうしたら、戦後の要するに日本の医療というものが大きく切り替えていくときにこんなことでいいのかという議論が起こっていって、私も実はびっくりしたのが、私の出た大学が今、大阪になっていますけれども、大阪大学に、大学の中に看護婦課程が設置されたのが随分早いし、それからその後、名古屋にもできて、いろいろあちこち広がっていったんですね。そういう何とか、だから看護婦さんという仕事が本当に高度な知識とそれから大変なものが必要なんだと、いろんなものが必要だということからだんだんやってきて、そこで平成四年にこれになったと。やっとここへ来て国立だけは全部四年制になると。
 私は今大変そういう意味でうれしいんですけれども、それはそれでいいんですが、この人材確保の法律の精神からいった場合、ここまでは来たんだけれども、じゃ、この後一体どうなるんだろうかと、教育の条件としては。例えば大学院の教育はどうなるのか、あるいは将来、博士課程というような問題はどうなるのか、その辺についてはどうお考えか、ちょっとお聞きしておきたい。
#75
○政府参考人(遠藤純一郎君) やっぱり指導的な看護師の養成、あるいはいわゆる大学の教える大学教員の養成と、こういう観点もございまして、前はもう博士なんというのは全然あり得ないという議論もあったんですけれども、ちょっと今手元にはございませんけれども、博士課程も順次できてきておりますし、修士課程につきましては、国立については学部、保健学科になって四年たつと大体修士も上に乗せてという形で、これは県立大学あるいは私立大学等についても同じような状況でございまして、かなりそういう意味ではいろんな体制が充実してきていると、こういうふうに理解しております。
#76
○山本正和君 結局、アメリカでは医師と看護婦というのは、看護師というのはパートナーであると。縦の関係ではないんですよね。だから、学問的にもそういう意味で看護学というものは非常に高い位置付けをされていくし専門的な知識が要求されてくるようになってくるので、我が国も当然そこへ進むんであろうと思いますし、今の博士課程の話もそうすると展望が開けると、こういうふうなことで受け止めていいですね、それでね。
 じゃ、それでひとつ次に行きたいんですけれども、そのことに絡んでいきたいんですけれども、ところが、看護師さんの待遇をちょっと調べてみようと思ったんですが、よく分からないんですけれども、これが。大学を出て看護師さんになって、四年制出てなって、もらう俸給表というものが、他の四年制のものと、国家公務員で、そして医師と、それから薬剤師と、あるいは歯科医師と、それからまだ技術職ありますよね、そういう人等の俸給表の中で一番下に格付られているようなんだけれども、その辺、誤解ですか。
 それから、もしもそれが、私が思うのは、今度は、今までたしか三年制を基準に置いてやっておったけれども、四年制を基準にした形、四年制を基準にしたものとして国家公務員の俸給表においても考慮されるべきだと、これは平成四年の法律からいっても。そういうことで、これはやっぱり文部省から人事院等にも意見を言って議論をしていただくべき内容だと思うんですけれども、その辺の経過、ちょっとお知らせしてほしいんですけれども。
#77
○政府参考人(結城章夫君) 看護師さんの処遇の問題、給与の問題でございます。
 看護師さんに適用されております給与表でございますが、医療職俸給表の(三)というものになっております。それで、ただいまお尋ねの四年制の大学の課程を終わって国家公務員になった看護師さんでございますけれども、平成十四年度の俸給表で申し上げますと、その給与でございますけれども、十九万七千五百円ということになっております。
 御参考までにほかのものを申し上げますと、例えば行政職でございますと、これは四年制の大学を終わってT種試験を通った者でございますけれども、これは十八万九千円、九百円、十八万九百円ということになっております。ちなみに、お医者さんの方は六年の課程を経ておりますので当然高くなるわけでございますが、医師の場合は二十三万七千六百円という俸給表になっておるわけでございます。
#78
○山本正和君 そうすると、今のところはそんなに悪くないと、こういうふうな判断ですか、大体。
#79
○政府参考人(結城章夫君) はい、かなりいい、例えば行政職に比べれば高い格付になっておるというふうに思います。
#80
○山本正和君 そこのじゃなくて、今度は上の方を見てください。行政職が上まで行くと、例えば本省の課長になったら幾らで、ところが、それじゃ看護師さんの一番上の方はどこまで行きますか。
#81
○政府参考人(結城章夫君) 確かに今私申し上げましたのは初任給でございまして、その後の昇進、行政職であれば課長になり局長になりという道がありますけれども、看護師さんの場合はなかなか、行ける上限がございますので、なかなか追い付かないということだと思います。
#82
○山本正和君 それで、ひとつ是非検討していただきたいと思います。
 特に、どうも日本の国はまだ昔の男女差別がある世界で、看護師さんも大体四十ぐらいになったら辞めてほしいというようなことを言う院長さんもちょこちょこおるんですよ、私立の病院なんか。だから、やっぱり職業でこれはずっと同じように行けるんだということで、上の方までやっぱりきちっと責任持って行けるようなことをすべきだと私は思うので、そんなことを含めて一遍是非検討していただきたいと。これは要望にしておきますから。
 それから、その次に質問ですが、これはもう今まで衆議院でも、また本院の決算委員会等でもいろいろとかなり前進した形でお取り組みいただいていることを御答弁いただいておりますが、薬学教育の充実強化の必要性について前からいろいろと文部省の考え方聞いておるわけでありますが、ちょっと今のところ、六年制の問題について、特に副大臣に大変お骨折りいただいたように思いますので、その辺の経過含めて御報告いただきたいんですが。
#83
○副大臣(河村建夫君) 薬学教育の六年制の問題については、昨年の十月に薬学教育関係者等から編成をされる薬学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議というのを設けまして、そこでこれまで七回ほど会議を行われておるわけでございます。薬学教育のカリキュラムはどうあったらいいか、実務実習、教育制度、議論が行われてきたところでございます。
 この議論から踏まえますと、医療技術が非常に高度化してきた、医薬分業が進展してきた、そういう意味で、薬学教育をやっぱりトータル六年でいこう、特に薬剤師の養成については六年の一貫教育が必要であろうという方向になっております。
 ただ、創薬の部分もございまして、これは四年プラス二年、大学院へ行く、あるいは四年で創薬に入っていかれる方、こういう道もありますので、四プラス二の問題も含めて両方で今検討しようということになっておりますが、総合的に薬学教育を六年の方向でという一つの合意が今形成をされつつある、そのように思っておるところであります。
#84
○山本正和君 今のその四年というやつでというのと、それから六年というやつとの違いの議論は私も分からないではないんです。というのは、四年たって例えば薬品の製造工場なんかへ行く人だとか、それからまたそこから道が変わっていく人もおるわけですね。
 ただ、医療を背負う薬剤師ということになると、これは単なる薬学を勉強しただけでなしに、いわゆる薬剤師としての資格の上からいったら六年制が施行されるべきだという方向に行っていると。その辺で文部省としてもお取り組みいただいているように聞いているんですけれども、それはそれでよろしいか。
#85
○副大臣(河村建夫君) いわゆる医療を直接担われる薬剤師の皆さんについては、かなり高度な学問、研修、実務と申しますか、そういうものが必要であるという方向ですから、これは六年を経て薬剤師の免許を持ってもらおうという方向。
 ただ、おっしゃったように、今、創薬等々の、工場といいますか製薬工場等へ直接行かれる方の道は、やっぱり四年プラス二の道は残そうという方向に今議論が進んでおるわけでございまして、その方向でおまとめをいただくという方向が、そのうちにそういう形で出てくるんではないかというふうに私どもの方も期待をいたしておるわけであります。
#86
○山本正和君 これは決算委員会、本院の決算委員会での質問で、副大臣の方から、一年ぐらいの中で中教審等との議論も踏まえながら前向きに進めていきたいと、こういうふうな御見解を承っているんですけれども、これで、文部省の方針としては、そこでもう、そういう形でいくというふうに受け止めてよろしゅうございますね。
#87
○副大臣(河村建夫君) 協力者会議が、この夏ぐらいには報告をいただけると、こう思っておりますので、これを踏まえて中教審にも議論をいただいて、早ければといいますか、これはまあ私の希望的な面もあるんでありますが、今のペースでいければ次の国会で法案が出せるというふうに考えておるところであります。
#88
○山本正和君 ありがとうございました。
 それでひとつ是非、副大臣、頑張っていただきたいと思いますが、大臣も先頭に立ってよろしくお願いしたいと思います。
 じゃ、これで質問を終わります。
#89
○委員長(大野つや子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#90
○委員長(大野つや子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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