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2003/04/22 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第9号
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2003/04/22 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 文教科学委員会 第9号

#1
第156回国会 文教科学委員会 第9号
平成十五年四月二十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     関谷 勝嗣君
     神本美恵子君     高橋 千秋君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     関谷 勝嗣君     有村 治子君
     高橋 千秋君     神本美恵子君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     内藤 正光君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     藤原 正司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                中曽根弘文君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                内藤 正光君
                藤原 正司君
                畑野 君枝君
                西岡 武夫君
                山本 正和君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省研究
       開発局長     白川 哲久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人日本学生支援機構法案(内閣提出
 )
○独立行政法人海洋研究開発機構法案(内閣提出
 )

    ─────────────
#2
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大野つや子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人日本学生支援機構法案及び独立行政法人海洋研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に文部科学省高等教育局長遠藤純一郎君及び文部科学省研究開発局長白川哲久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大野つや子君) 独立行政法人日本学生支援機構法案及び独立行政法人海洋研究開発機構法案の両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○江本孟紀君 おはようございます。よろしくお願いします。民主党の江本でございます。
 本法律案は、特殊法人等整理合理化計画を受けて、海洋科学技術センターを解散し、東京大学海洋研究所の組織の一部とを統合し、研究船及びその運航組織を独立行政法人海洋研究開発機構が行うというものでございます。研究内容などから民営化をせずに独立行政法人に移行させるという法案ですが、まず組織、それから財源、天下り等について質問をさせていただきます。
 そこで、この無限の可能性を秘めました海洋の開発と研究に対しまして巨額の補助金が使われるということについては、人類の未来への投資として、ある程度国民の理解を得られるものと私は思っております。しかし、合併して新機構に移行するのでありますから、体質改善を図り、無駄を取り除く努力を求めるというのは、これは当然でございます。
 そこでお尋ねをいたしますが、海洋科学技術センターに天下りと言われる方は大体何人ぐらいいらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
#7
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 海洋科学技術センターは、現在、非常勤と常勤合わせまして十名の役員がいるわけでございますが、そのうち常勤の役員は五名でございまして、うち中央省庁の出身者は四名という形でございます。
#8
○江本孟紀君 今日余り、個人的なことについては余り言いたくはないんでございますけれども、一応、現理事長という方は科学技術庁の事務次官からの天下りでございます。機構誕生の前日までが任期でございまして、七年間勤めて三千七百万の退職金をもらって去っていくわけでございますけれども、補助金一〇〇%で運営をされている研究機関にこういう人事がいいのかなということで、少し疑問を持たざるを得ません。これでは研究機関に名をかりた天下りの機関だと言われても仕方のないような面もあると思いますけれども、平成四年に科学技術庁を辞めたときに約八千万の退職金を既にもらっております。こういうものを自主的に返納する方はいないと思いますけれども、これに比べたら国会議員の年金の問題なんというのはへみたいな話でございまして、それについてはどこかでまた言いたいと思いますけれども、退職金も含めまして、役員報酬の見直しというものが当然なされると思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(遠山敦子君) 独立行政法人の役員の報酬という角度から見ますと、いろんな意見があり得ると思いますが、海洋科学技術機構、新しく作っていただきますものだけについて特別にということはなかなか難しいかと思いますけれども、仕組みをまず御説明さしていただきますと、この独立行政法人の通則法上、独立行政法人の役員の報酬等の支給基準につきましては法人自身が定めることになっております。その際に、勝手に額を決めていいということではもちろんございませんで、国家公務員の給与、それから民間企業の役員報酬、それから法人の業務実績などを考慮して定めると。これを主務大臣に届け出るとともに、公表しなければならないということになっております。
 それから、役員の報酬などの支給基準につきましては、我が省の中に置かれます独立行政法人評価委員会、これはすべての独立行政法人について見る委員会でございますが、そこが社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて意見をまとめて主務大臣にその意見を申し出ることができるというふうになっております。
 それからさらに、平成十四年十月十八日の特殊法人等改革推進本部における決定におきまして、新しい独立行政法人の役員の報酬等については厳に適正な水準とすると。それから、主務大臣は、その法人の役員の報酬等について国家公務員及び他の独立行政法人と比較できる形で分かりやすく公表すべしということになってございます。
 こういうことを考えてまいりますと、独立行政法人の役員の報酬等につきましては、これまでよりは非常にこれは透明性が高くなるわけでございまして、国民も常に知り得る状況になります。それから、評価委員会による評価できちんとチェックされるということになってまいりまして、これからはその水準が適正に決定されるようになっていくと思いますし、主務大臣としても当然ながらそのことについて意を用いていかなくてはならないと存じます。
#10
○江本孟紀君 ほかにも常勤の理事に科学技術庁の審議官と旧大蔵省四国財務局長が天下っておりますけれども、運よくこの委員会審議前の先週十四日付けで退職された常勤監事も科学技術庁の資源調査所長から三度の天下りでされたという割方立派な方だったようでございます。まさか、後任の方はどうなんでしょう、どういう方が後任になったのか、また経歴を教えていただきたいと思います。
#11
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、四月の十五日付けで海洋科学技術センター常勤監事の交代がございました。四月十五日付けで常勤監事に就任いたしました者は、前職はこの海洋科学技術センターの経理部長をされておった方でございます。ちなみに、この監事の方は旧科学技術庁の御出身の方でございます。
#12
○江本孟紀君 昭和四十六年に設立をされまして、平成十四年からは資本構成が出資金から補助金に名称を変えました。出資金時代も国庫からの出資であり、民間からのわずかな出資金があったものの、運営自体は一〇〇%補助金で賄われてきたと言ってもよいかと思います。
 十五年度も約四百六億円の予算が組まれておりまして、予算に占める人件費とその割合は二十九億で全体の八・三%ということですけれども、外部からの研究者の人件は含まれておりません。正規職員とほぼ同数と思われる研究者の人件費を積算しますと、約二〇%に近い数字になります。
 行政改革推進事務局が作成いたしました「特殊法人等の事業見直しの中間とりまとめ」では、調査の研究開発の分野に対しまして、「科学技術基本計画における重点分野でないもの、また、重点分野であっても投資額に見合った成果が出ていないもの又は成果の見込みの薄いものは廃止も含め見直しを検討する。また、費用対効果分析を可能な限り実施した上で、資源の重点配分を図る。」というふうにされております。
 年間約千九百五十万程度しか自主的な財源確保の手段がない機関ですね。先日お聞きしましたら、例えば潜水技術講習料だとか研究ソフトや映像の販売等、この程度しか実質的には今までの自主財源というのを確保できないわけですけれども、運営のすべてをその補助金に依存していることを、そういうことでいいますと非常に重く受け止めていただきたいと思います。
 自主財源の確保というものに知恵を出せれば、優れた外部の人材も積極的に登用して体質改善を図られる必要があるというふうに思います。そういう意味で、遠山大臣にも、これはいいか悪いかは別として、扇大臣のように、天下りは今後一切認めないというようなことをびしっと明言されておりますけれども、そういうふうに大臣自身もこういった問題に対してはきちっと言っていただけるかどうか、人事に関しては厳しい態度で臨まれるかどうか、それを少しお聞きしたいと思っております。
 今度の機構の新理事長にはやはり海洋開発のトップとしてふさわしい人物を是非とも望みたいと思っておりますので、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
#13
○国務大臣(遠山敦子君) 江本議員の御趣旨は大変よく分かります。
 これまで国立の研究機関であったわけですね。したがいまして、他の独立行政法人のように、例えば公団とか、何とか金融公庫であるとか、そういうのと違って正に国がやるべき研究活動をやっている、研究開発をやっているところでございますので、やや外部資金を入れるべし、あるいは自主財源を一生懸命稼ぐべしといっても、ちょっと違う面はあると思いますけれども、そういう研究の機構であるにしても、そういう、何といいますか、マインドというのは大変大事だと思っております。
 それから、理事長あるいは役員につきまして、その分野の専門的な知識、技術を持っている人を充てるべしというようなことも大変理解できることでございます。他方で、独立行政法人、新たに組織改正をして、その運営管理については相当な知識、技術、知識、経験というものが要るということも確かでございます。
 私は、理事長あるいは副理事長なり理事なり、そういったことの全体の役員の、全体の何といいますか構成の中で、本当に海洋科学なら海洋科学、あるいはその他の分野ならその他の分野ですが、専門的な知識を持ち、同時に大きな機構というものを運営していくだけの事務的あるいは、何といいますか、経営的な感覚というのも大事だと思っておりまして、いずれにしましても、私はこういう人選につきましては適材適所という考え方でやっていくべきだなと思っております。
 そのようなことで、今後、この機構等のいろんな人事あると思いますが、そういう精神でしっかりと適材適所ということで対処してまいりたいと考えております。
#14
○江本孟紀君 大臣のすばらしい御見識で、いい人材を是非とも登用していただきたいと思っております。
 そこで次に、今、一応組織とか、そういったお金の話をさせていただきましたけれども、次に機構の中身について幾つか御質問をさせていただきます。
 まず最初に、海洋研究開発機構と言われても、これは一般的に何をするところだろうというふうによほど詳しくないと分からないという面もありますし、我々もこういう法案が出てきて、ちょっといろいろ、いろんなものを読んだり見たりしながら理解しようとしたんですけれども、多くの日本人は、これは本来、日本列島すべて海に囲まれて、海とのかかわりもあるし、多少の知識は皆さんもございますけれども。そういうことで、実際、そういった海洋の研究をする上において、この機関といいますか機構が、その設立の本来の目的や、それからどういうことを研究、それから開発をしてきたのか、そういったものに対してもう少し広く皆さんに分かっていただけるような広報活動、それから情報公開などについて、こういったものについてお聞かせ願いたいと思います。
#15
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、海洋科学技術センター、昭和四十六年に認可法人として設立をされたわけでございまして、目的は現行の海洋科学技術センター法に書いてあるわけでございますが、科学技術に関する総合的な試験研究を行うことにより海洋の開発に関する科学技術の向上を図ると、これが目的でございます。
 このセンターは、昭和四十六年に設立されまして以来、この目的を達成いたしますために深海調査、海洋観測等を積極的に推進をしてきておりますが、御質問ございましたので、少しお時間いただきまして具体例についても御披露したいというふうに思うわけでございますが、これまで有人の潜水調査船「しんかい六五〇〇」、それから無人の探査機「かいこう」を始めとする、これらはいずれも世界トップクラスの深海調査機能を持っておりまして、そういうものの研究開発や、これらを用いました地殻変動の研究とか深海生物研究などを進めております。
 それから、海洋深層水の研究とか、それから海洋地球研究船「みらい」という大型の研究船を持っておりますけれども、そういうものを用いて行います地球環境変動の解明の基礎となるような海洋観測研究、こういった面で実績を上げてきておるというふうに思っております。
 それからさらに、最近では、地球変動予測に不可欠な高精度のシミュレーションの実現を目的といたしました地球シミュレーターの計画であるとか、人類未踏のマントルへの到達を目指す深海地球ドリリング計画と、こういったものを推進をしております。
 それで、先生の方から、国民の税金を使わせていただいているわけでございますから広報活動等に力を入れるべきではないかという御指摘があったわけでございますが、最近の研究成果のうちで報道等で取り上げられたものをこの機会でございますので御紹介いたしますと、先ほど申し上げました無人の深海探査機「かいこう」、これは最大で一万一千メートルの潜航能力を有するわけでございますけれども、世界で一番深い場所でございますマリアナ海溝のチャレンジャー海淵におきましてこの深度まで潜航いたしました。そのほか、インド洋でも、熱水噴出孔の生物群集の調査といった深海底の未知の微生物を幾つか発見をしてございます。
 それから、地球環境に大きな影響を及ぼすおそれのございますエルニーニョ現象でございますが、これにつきましても、特殊なトライトンブイというものを用いましてその兆候段階の観測に世界で初めて成功したと。
 さらに、先ほど地球シミュレーターというのを申し上げましたが、これは現行におきまして世界で最高速のスーパーコンピューターでございまして、昨年の四月でございますが、それまでの世界記録を大幅に、約五倍という大幅に塗り替えます計算機性能を達成をしたということもございました。
 そのほか、地震等の関係でも、東南海、南海の地震の調査が重要なわけでございますけれども、熊野灘沖の南海トラフにおきましてプレートの境界から発生する分岐断層の解析に成功しておりまして、この分岐断層とそれから東南海の地震との因果関係についても新しい知見を得たというふうなこともございました。
 るる御説明いたしましたけれども、先生御指摘になりましたように、海洋科学技術センターが機構になりました後には、これまで以上にこの独立行政法人制度の趣旨を十分踏まえまして積極的に広報活動や情報公開を行いまして、広く一般の方々に研究内容をよく知っていただき、国民に対する説明責任をきちんと果たすように私どもとしても指導してまいりたいと思っております。
#16
○江本孟紀君 是非ともこういった広報活動、情報公開というのはやっていただきたいと思っております。
 統合後は七隻の、今お話にありましたが、研究用の船舶を有することになりますので、そして今六百億を掛けて建造中の地球深部探索船「ちきゅう」というのが平成十七年に加わりますと、八隻もの船舶を運用するということになります。
 当然、他省庁や民間などと連携した効果的な運用を考えているというふうに思いますけれども、それぞれどのような、もう一度、その目的で建造された船舶なのか、また日常の運航についてどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#17
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この新しい機構が発足をいたしますと、保有することになります船舶は、現在海洋科学技術センターが所有をしております五隻に加えまして、東京大学の海洋研究所の方から移管されます二隻の船、それから、先生今お触れになりました現在建造中の地球深部探査船、「ちきゅう」という愛称が付いておりますが、それを合わせまして合計八隻になる予定でございます。
 御質問でございますので、これまたちょっとお時間をいただきまして各船の目的と運航の状況につきまして簡単にこの場をかりまして御報告させていただきたいというふうに思います。
 まず、海洋科学技術センターの方からまいりますと、支援母船の「なつしま」というのがございます。これは、これまた非常に機能の高い無人探査機ハイパードルフィンというのを持っておりますが、世界でただ一つ超高感度のハイビジョンのカメラを搭載した無人探査機でございまして、これの支援をするための母船、これが「なつしま」でございます。三千メーターまでの海域における無人探査等に携わっております。
 それから、海洋観測船の「かいよう」というのがございまして、これは多目的の海洋調査船でございます。いろんな海洋観測や海底の構造調査等を実施をしております。
 三隻目が、支援母船の「よこすか」というものを持っております。これは、先ほどちょっと触れました世界で一番深いところに潜れる有人の潜水調査船「しんかい六五〇〇」というのがございますが、これの母船でございます、これの支援母船でございまして、この「しんかい」を使いまして深度六千五百メーターまでの海域における有人探査を実施をしておるわけでございます。
 四つ目が、深海調査研究船の「かいれい」というのを持っておりまして、これも先ほどちょっと触れましたが、世界で一番深い、無人でございますけれども、世界で一番深い一千百メーターの潜航能力を有します、失礼いたしました、一万一千メートルでございます。一万一千メーターの潜航能力を有します「かいこう」という無人探査機がございますが、これのやはり支援をするための母船でございまして、いろんな海域の無人探査を実施をしております。
 それから、非常に大型の海洋地球研究船「みらい」というのを持っております。これは実は、御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、昔、原子力船「むつ」というのがございましたですけれども、原子力船「むつ」が実験航海を終えました後、原子炉を外しまして、それを海洋研究船として改造したものでございます。世界最大級の研究船でございまして、海洋における熱循環とか物質循環等の解明あるいは海洋観測のブイ、先ほどトライトンブイというのを御紹介いたしましたが、そういうものを展開をするというふうな仕事をしております。
 それで、今五つ御紹介したわけですが、このうち「かいよう」という観測船は、これは専らセンター自身の観測調査業務に使用しておるわけでございますけれども、その他の四隻につきましては、センターによる使用だけではございませんで、公募によりまして、大学、気象庁、海上保安庁といった他省庁や民間等の外部の研究者からも広く研究課題を募りまして、採択された研究課題に基づいて運航しておるところでございます。
 それから、今度は東京大学海洋研究所の方を御説明いたします。
 ここは現在二隻の研究船を持っておるわけでございますが、まず小さい方は、研究船淡青丸というのがございまして、これは比較的小ぶりの研究船でございますので、内航中心と申しますか、日本近海における調査研究に当たっております。それから、もう一隻は中型の研究船でございまして、白鳳丸というのがございます。これは外航中心の研究船ということで、太平洋とかインド洋などに出掛けていきまして、長期間の航海での調査研究を実施をしております。
 この二つの船は、いずれも全国の共同利用施設といたしまして、全国の大学の研究者から研究課題を公募いたしまして、採択された研究課題に基づいて運航しておるわけでございます。
 それから最後に、先生がお触れになりました地球深部探査船「ちきゅう」でございますけれども、これは現在建造中でございますが、世界で一番深い完成いたしますと掘削能力を備えました船になる予定でございまして、最大で水深四千メーター、さらにその下に海底下深度七千メーターまで掘り進むことができる能力を備える予定でございます。
 この「ちきゅう」につきましては、日本、アメリカ、ヨーロッパ諸国等が参加して行われます多国間の国際協力プロジェクトがございまして、統合国際深海掘削計画と呼んでおりますが、これに沿って国際的な運用がなされる予定になっております。二〇〇五年度、平成十七年度ごろの完成を目指しまして、現在鋭意建造中でございます。
 今御報告いたしましたように、現在海洋科学技術センターが持っております船あるいは東京大学の海洋研究所が保有をしております船の運航につきましては、他省庁や民間の研究者による共同利用を実施しておりますし、あるいは「ちきゅう」のようなものは国際協力によって海外の研究者も使うということになるわけでございまして、共同研究等の形態を取りまして各種のプロジェクト、これを他省庁や民間と連携を取りつつ進めておるところでございます。この基本的な姿勢は、海洋研究開発機構となりました後も当然継続されるべきものでございまして、積極的に他省庁との連携や民間との協力を図ってまいりたいと思っております。
#18
○江本孟紀君 次に、それらの船舶にかかわる維持費についてお尋ねをいたしたいと思います。
 センターが保有する今お話にありましたような五隻の船舶は、運航経費が昨年度で九十億掛かっております。それに東大海洋研究所からの二隻と新造船が加わりますと、年間に約百七十億程度の運航経費が予想されると言われております。特に、今お話しになった新造船の維持費が相当掛かると聞いております。経費削減という観点からも、これらの船舶の運用を柔軟かつ効率的に行う必要があるというふうに思います。
 先ほども少しお話しになりましたけれども、一つの手段として、例えば船舶のリースであるとか様々な団体からの委託を受けて有償でこういったものを利用して研究をするというようなことを考えられると思いますけれども、この点についていかがでございましょうか。
#19
○副大臣(渡海紀三朗君) 独立行政法人化の一つの大きな目的は、効率的な運用、民間的手法の導入によって、効果、効率的に運用すると書いてあるんですね。これを読んだときに、私は今までのやり方は効率的ではなかったのかというふうにも思ったわけでありますが、今、委員御指摘のように、やはりこれからがいろんな意味で変わっていくんだというふうに思っております。そして、変わるための枠組みを今どういうふうに作ればいいか、これが大事なんだろうと。より自主的な運用の部分を増やす、また、よりある意味、人間の交流をスムーズにする、こういったことによって選択肢が広がる。その中で、委員御指摘のような自主的な財源の確保という問題も整理をされてくるというふうに思っております。
 これは将来として、そういったことを有効、効率的に活用することによってどういう選択肢があるか、これを中期目標なり中期計画の中でしっかりと見極めながら運用していきたいというふうに考えておるところでございますが、現行の状況をちょっとお話しいたしますと、科学技術センターの五隻につきましては、年間二百七十日から三百日程度にわたって運航いたしております。これでもまだ実は研究者の要求におこたえできない、待っていらっしゃる方がいる、こういう状況でございます。
 あと、東大から二隻来るわけでございますが、これは今、最大限の実は運航をやっております。最大限というのは、二百日弱、百八十日ぐらいだと思いますが、これは、むしろ人員、運航する人員とか、そういった制限の中でちょっともう少し効率的にこれは使えないかな、この課題は解決しなければいけないというふうに思っております。
 ただ、人員といいますと、先ほどの御質問で人件費のお話があったわけでありますけれども、これはなかなか簡単に、人数を増やすということになりますと、これはまた先ほどの御質問の趣旨に反するような方向になるわけでございますから、その辺のところを知恵を出して、例えば一定期間なら外部委託をやって、その中でやるのかと。ただ、これにつきましても、現行の状況については、今やっている運航でいわゆる研究者の要求が、全然不足している、もっと使わせてくれという状況でございますので、その辺を、具体的に独立行政法人化したときにどういうことになってくるのかということを見極めながら、当然、自主財源というものを求めていくような工夫は全体として、船だけの問題じゃなくて全体としてやっていきたい、その中で有効利用を図っていくということを努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#20
○江本孟紀君 今、いろいろお話伺いまして、海洋に関する基盤的な研究開発にこれらの船、船舶は必要であるということも分かりましたし、それから、今お話しになったような、あくまでも研究と開発が目的という機構でございますから、当然、採算性とか節約なんというのは余り考えないというふうに思います。しかし、そうはいっても、やはり時代が費用対効果というものを求めておりますので、本来なら、多少意見が違うかも分かりませんけれども、こういう船が本当に活用されればこれはすばらしいことだと思いますけれども、ちょっと角度を変えれば、宝の持ち腐れみたいにならないように、いい利用の仕方をしていただきたいと思います。
 自主財源確保というのはなかなかそう簡単にできるものではないと思いますけれども、実際には海洋科学技術センターがかかわって今まで商品化されたものもあると思うんですね。
 例えば、私のふるさとの高知県の室戸沖で深層水が発見されました。これは、先ほど深層水のお話も出ましたけれども、今では飲料水やそれから医薬品、化粧品と、それから、高知は酒飲みが多いですけれども、すぐ酒の方に行ってしまって、焼酎なんかにも商品化をされて、大変高知の財源にとってはすばらしいものがあるんですけれども。
 この深層水というのは、私もちょっと調べてみたら、何なのかなと思ったら、北極や南極で生まれた冷たい水が秒速数センチといった程度で、二百年も掛かって海洋循環によって流れてくるものであるというふうに言われておるんですけれども、それ、そう言われればなるほどすごいものだなと感心しましたけれども、これにはマグネシウム、カリウム、カルシウム等が豊富に含まれて、更に血圧の降下作用があるというふうにも言われております。
 それ以外にも、現在、実用化に一番近いエネルギー以外の海洋資源があれば教えていただきたいと思いますし、また、そういう場合に、商品化された場合の特許権の帰属など、これは財源につながってくるのではないかと思いますけれども、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
#21
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 海洋科学技術センター、いろんな研究開発を行って、いわゆる実績を残してきておるというふうに考えておりますけれども、その中で、今、正に先生御指摘ございました海洋深層水の研究、これは高知で、高知県の方がお作りになりました海洋深層水研究所、そちらの方と一緒になりましてお手伝いをさせていただいたところでございますし、そのほか静岡県の方でも同じような御協力をさせていただいております。
 こういうふうな成果があるわけでございますけれども、今の御質問は、これ以外に産業化に資するような成果はないのかという、そういう御趣旨だというふうに思いますが、そういう観点から、最近成果が上がっておりますのは、極限環境生物に関する研究開発、ちょっと難しゅうございますが、これは、非常に極限環境、超高圧下にある深海でありますとか非常に高温高圧の地殻の中、こういうところにも実は多様な性質を有する微生物が存在をしておりまして、その中には地上の微生物にはない特性を有しているものが発見をされておるわけでございます。深海の微生物から発見されました酵素が、これは既に商品化されておりますけれども、新しいタイプの洗剤の開発、それに応用された事例もございます。
 海洋科学技術センターでは、このような深海の微生物の持つ可能性に着目をいたしまして、極限環境生物フロンティア研究システムというのを作っておりまして研究体制を強化しております。
 そこでは、今申し上げましたような、深海や海底の、海底下から採取をいたしました試料、それから微生物を分離をいたしまして、その特性や保有する酵素等の物質を分析をいたしまして、食品とか材料とか医薬品の開発、この辺への応用が図れないかということをやっておるわけでございます。
 それから、産業界との連携という観点からは、ここまでですと海洋センターの中の研究にとどまるわけでございますが、産業界との連携を図るという観点から、企業の方の提案に基づいて共同研究を行いましたり、今のフロンティア研究システムの研究成果や生物資源や遺伝子情報、それを民間の方に提供するというリエゾンの役目を果たします深海バイオベンチャーセンターというものを設置をしておりまして、最近、国の科学技術政策の重要な柱でございます産官学の連携ということに努めておるところでございます。
 ただし、先生も冒頭で御指摘になりましたように、これまでこういうふうな知的財産権、特許等を得まして自主財源にどういうふうに結び付いておるかということにつきましては、十分ではないと言わざるを得ないところもあるわけでございます。私どもは、これまでも海洋センターは特許等を取得をしてきておりますけれども、今回この法案を認めていただきますと機構に衣替えするわけでございますが、新しい機構においては、知的財産権を重視をするという観点から積極的に特許を取得し、その活用を図って、少しでも自己収入の拡大が図られるよう私どもも指導してまいりたいと思っております。
#22
○江本孟紀君 今、海洋深層水のお話で、ちょっと余談ですけれども、私は室戸岬の近くに生後間もなく住んでおりまして、どうもあのころあの辺の水を飲んだんではないかなと、この背の高さはと思いますけれども。いや、あそこの漁港、漁協の水族館へ行きますと、水族館じゃなくて、何というか、水槽を見たら、町で買ってきたこんな小さな金魚がこんなでかくなっているんですね。あれを見たとき驚いたんですけれども、何かやっぱりそういった効果があるのではないかなと。
 今、商品化と言いましたが、それ以外にも様々な研究によっていろんなものが発見されると思いますけれども、是非ともそういった研究にも十分やっていただきたいと思います。
 次に、海洋エネルギーについてお尋ねをいたします。
 日本海周辺海域には十か所のハイドレート層、よく最近話に出てくるんですけれども、炭化水素ガスがあるというふうに報じられております。
 まず、ちょっと、時間も多少ありますので、ハイドレート層、この炭化水素ガスというのは、これはどういうふうなエネルギーに利用されるんでしょうか、ちょっとお聞かせください。
#23
○政府参考人(白川哲久君) 御説明申し上げます。
 今、先生御指摘になりましたのは、メタンハイドレートと言われている物質のことであろうというふうに思われます。このメタンハイドレートは、低温、高圧の条件下で水の結晶構造の中にメタン分子が取り込まれた格好になっておりますシャーベットのような状態の固体物質でございます。一立方メーターのメタンハイドレートを分解をいたしますと、ほとんど水なんでございますが、水が〇・八立米、しかし、それ以外に、その中に含まれておりますメタンガスが解放されまして、大気圧下ではメタンガスが百七十二立米に膨らむと申しますか、そういう非常に凝縮されたメタンガスがシャーベット状で存在をしておるということでございます。
 これは、したがって、高圧でなおかつ低温下というふうな条件が必要でございますが、例えば陸上でも永久凍土の下部なんかにはあるというふうに言われておりますし、それから、今、先生お話しになりました深海でございますけれども、深部五百メーター程度よりも深いところの深海の地層中にこのメタンハイドレートが存在をしておるというふうに言われておりまして、日本の近海にも、これはある試算でございますけれども、我が国の天然ガスの消費量、これは一九九九年度で比較をいたしますと、約百年分に当たるようなメタンハイドレートが存在する可能性があるというふうに言われておりまして、将来の新しいエネルギー資源として期待が高まっておるということは間違いないというふうに思います。
#24
○江本孟紀君 そのほかにも、コバルトリッチクラスト、これは鉄、マンガン、コバルト等を含む地殻の塊というものだそうです。それから、海底熱水鉱床ですか、深度数百から三千メートルにある貴金属を含む鉱物資源など、正に未知の資源の宝庫であるというふうに言われておりますが、これらの海底エネルギーの開発と事業化に新機構はどのように取り組むのか。
 それから、先ほどもちょっと出ておりますけれども、民間や大学、それから自治体、他省庁との連携による産学官の提携などについてお聞かせを願いたいと思います。
 ちょっと違うかも分かりませんけれども、土曜日の日経新聞のちょっと小さな記事に、例えば高知県の土佐清水市に滞在型の海洋生物研究施設というのを造って、各大学が、じっくり研究をする人たちがそこに行って、いろいろ施設を造って、そこで海洋生物研究をするとかいうような施設があったそうでありますけれども、そういったものも含めて、どのような連携を考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
#25
○副大臣(渡海紀三朗君) エネルギーの問題というのは、国民生活を持続的に安心して守っていくという意味で大変重要でございます。特に我が国はエネルギーの基盤が脆弱でございますから、そういった意味において、ある面未知で、ある面非常に魅力のあるフィールドだというふうに海洋を理解いたしております。
 先ほど来、メタンハイドレート、コバルトリッチクラストですか、私も一緒に勉強させていただきましたが、こういったものの新エネルギーのこれからの開発につきまして、今、海洋科学技術センター、「しんかい六五〇〇」、先ほど当局より御説明をさせていただきましたが、「かいこう」、優秀な探査機を持っております。これらを用いた海底調査を行い、既にこれまでに、例えば、石垣島沖におけるメタンガスの噴出を観測をしたり、伊豆・小笠原海域における多様な金属から成る、これは熱水鉱床でございますが、発見したりしております。また、詳しくは申し上げませんが、先ほど申しましたように、深海ドリリング船、これは目的はちょっと違いますけれども、こういった国際協力の中でもメタンハイドレート等を始めとする有用な資源が発見される可能性もある、こういったことでございまして、今後、様々な方面のエネルギーの研究開発を精力的に進めてまいりたいというふうに考えております。
 また、産学官連携という意味では、ちょっと高知の施設については、後で調べてお答えをさせていただきたいと、ちょっと分かっていないようでございます。
 ただ、やっぱりそれは大事でございます。そして、これは先ほども産学官連携の一例を、お話を当局からさせていただきましたが、海洋にかかわらずすべての分野において、今、日本の研究開発というのは、この産学官の連携をいかにうまくやっていくか、また、それが地域社会とどうやって絡んでいって、地域の活性化が国の活性化につながると、こういった大きな柱の下で現在政策を進めさせていただいておりますので、大いに頑張っていきたいというふうに思っています。
#26
○江本孟紀君 是非とも、この海洋エネルギーというのは我々日本にとっても非常に大事な分野だと思いますので、今お話のありましたような産学官の連携というものを非常に重要視していただいて研究をしていただきたいと、貢献していただきたいと思っております。
 先ほどの土佐清水市の滞在型の海洋生物研究施設というのは、あれ、この法案を私、担当するに当たって、やっぱり気持ちがどうしてもいろいろそっちの方に行っているものですから、たまたま偶然にも土曜日の日経新聞の夕刊にちょっと出ておりまして、ああ、なるほどということで、質問通告はしていなかったと思いますが、入れさせていただきました。
 最後に、ちょっと時間があれですけれども、我が党は本法律案に一応賛成の立場を取っておりますけれども、やはり人事面や自助努力の進展が見えないという場合には、新機構のありようについては厳しい態度で臨むということでございます。新機構は、海洋資源の研究と開発ということの崇高な理念に対しまして、実態は研究機関に名をかりた役人天国と言われないように、是非ともこれは、こういう問題は常に独立行政法人化しますとこういう問題をはらみますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 機構は、地震の予知、そのほかにも地球環境破壊の調査、特に地球温暖化の原因究明、それから海洋投棄の問題などに是非とも積極的にこれは取り組んでいただきたいと思います。実のある海洋資源の開発と研究など、機構のなすべき役割が多岐にわたっているということを自覚いたしまして、特殊船舶を駆使し、セクショナリズムを排して、産学官の連携を図り、省庁間の垣根を越えて、安全保障の分野などにも積極的にかかわっていただきたいと思います。
 先ほどお話のありましたような、日本では、かつての原子力船「むつ」が改造されて、「みらい」という海洋調査船に生まれ変わって観測活動をしているということでございます。世界各地の海には火山島が多い上に、浅い海底にも深海底にも火山が多いと思います。また、有人、無人の潜水探査機の多岐にわたる活動も期待をされております。機構が有する特殊船舶は世界の最先端の船であると言っても過言ではありません。だからこそ、世界の海洋調査とも連携をして、世界に冠たる新機構になっていただきたいというふうに思います。そのためにも官主導でない中期目標を自ら設定して、そして第三者の評価にもきちんと答えが出せるような組織になっていただきたいと思います。そして、補助金だけに依存をせずに、自主財源の確保にも英知を結集されるということを要望いたします。
 最後に、ちょっと時間早いんですけれども、大臣、まだ私の時間、十分ありますので、たっぷりと御感想を述べていただいて、それで私の質問終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#27
○国務大臣(遠山敦子君) 今の江本議員が最後の御質問でおまとめいただきました方向性というのは、もう正に私、考えているとおりでございまして、非常に論理的で、かつ明確にこの研究機構のあるべき姿を描き出していただいたと思います。その研究開発の目的というものを、本当に日本の存続にも役に立つ、そして国際的な知の拡大ということにも役に立つと。そして、日本は海洋国家であるということにおいて、その研究成果が大いに日本の将来に資するようにということでもう大賛成でございます。
 実は、昨日、日米科学技術協力協定に基づきます日米の合同高級委員会というのがございまして、これは大臣クラスとそれから各省の枢要なメンバーによって構成される会、委員会でございますが、それがたまたまございましたのです。その会議で、向こうは大統領補佐官の科学技術担当のマーバーガーさんが議長になりまして、日本側は私とそれから細田科学技術政策担当大臣と二人が共同議長になりましてその会議をやったのでございます。
 その中では、ライフサイエンスあるいはナノテクノロジー、それから環境問題等、様々な分野について議論をいたしましたわけでございますが、アメリカ側が、特に日本の最近における様々な科学技術についての優れた計画に基づく装置ができてきて、これが日本の国内の研究にとってすばらしいだけではなくて国際的に非常にその成果が期待されるものであるということで、いろんな面で感心をしてくれたわけでございますが、その中で特に、現在の科学技術海洋センターが持っております地球シミュレーターの装置、それからもう一つ、今、最終的な建造整備が進んでおりますちきゅう号、この二つについては特に話題にもなったわけでございます。
 特に地球シミュレーター、これは、先ほど政府参考人の方からも説明がございましたけれども、もう世界一の性能を誇っておりまして、地球を取り巻くいろんな、海洋から、それから雲の動きから、いろんな地球の温度の変化等について非常に高速な計算をすることによってその変化をとらえることができるという装置でございまして、あのアメリカも大変うらやましがっている装置でございます。是非、先生それからこの委員会の先生方ごらんいただきたいと思うわけでございますが、その地球シミュレーターの運用を図るこの海洋科学技術センターの役割というのは、私は国際的な環境問題に大変貢献をするというふうに思っております。
 また、ちきゅう号という大きな探索船でございますが、夢のような話ではございますけれども、これが地球のマントルにも到達できるような深い地殻の状況を測ることができまして、観測することができまして、これを活用することによって、先生が先ほどおっしゃいましたような地震予知ないし地殻変動の変化、そういったものを研究するのにも資するというわけでございます。このちきゅう号のような性能を持っている国は日本しかないわけでございまして、これについてもアメリカは大変注目をいたしておりまして、是非とも共同研究をやりたいという意思表明がなされました。
 これは、私は、是非とも諸外国の研究者によって活用されて、地球のいろんなこれまでベールに覆われていたようなことが明らかになっていくことによって、人知が深くなっていくというだけではなくて、それが地球号という大きなグローブが健全にこれからも将来に向けて存続することができるような面で貢献できればいいなというふうに思うわけでございます。
 このちきゅう号を用いた統合国際深海掘削計画といいますが、IODPといいますけれども、これにつきまして日本とアメリカの間でしっかりと共同研究をやっていこうということになりまして、今日四時から、アメリカの全米科学技術財団のコルウェル長官が我が省に来られまして私と署名をいたしまして、そのちきゅう号、「ちきゅう」という平仮名で書いた名前の船でございますけれども、その命名は日本の子供がしたわけでございますが、それがアースという名前であるということを向こう側も知っておりまして、それを用いて今後日本とアメリカと協力をしながら深海掘削を更に発展させようということで、今日、署名式がございます。
 そのようなことで、一見、何といいますか、独立行政法人、その他のいろんな各省が持っている独立行政法人と、私は、我が省の持っている独立行政法人、既存のものも、既に先行しているものも、それから今お願いしているようなものも、非常に性格が違っていると思っておりまして、正に国の知の部分を豊かにする、あるいは芸術文化の面を豊かにするというようなものが多いわけでございまして、その意味で、委員が主張いただきましたような方向性に是非とも持っていきたいと思っております。
 さはさりながら、渡海副大臣も答弁いたしましたように、独立行政法人という新たな、少し身軽になる組織でございますので、是非とも、国の組織の一部ということではなくて、独立行政法人になるわけですから、自らの自主性、自律性を発揮して、人事の面あるいは予算の面、それから外部資金の導入、それから効率的な運用、そういったことを大いにやってもらいたいと思っておりまして、これまでのように国がすべて見てくれるからというような姿勢では絶対いけないと思っております。
 そういうことで、私どもといたしましても、この機構、今回の法律でお認めいただきますれば、先生がおっしゃったようなことを正に目的にいたしまして、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
 どうもありがとうございました。
#28
○江本孟紀君 ありがとうございました。
    ─────────────
#29
○委員長(大野つや子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として藤原正司君が選任されました。
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#30
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 私も、今日は、独立行政法人海洋研究開発機構法案についてお尋ねしたいと思います。
 まず、この海洋研究開発機構という独立行政法人は、その目的に、「海洋に関する基盤的研究開発、海洋に関する学術研究に関する協力等の業務を総合的に行うことにより、海洋科学技術の水準の向上を図るとともに、学術研究の発展に資すること」、こういうふうにうたっているわけですけれども、海洋の研究を現状より更に充実させるべきである、これは研究に携わっている方たちの大きな声であり、また、これは国民の願いでもあるというふうに思うわけです。
 そこで、大臣にお聞きしたいと思いますけれども、新しい独立行政法人でこの海洋の研究を現状よりも更に充実させる、このことが本当に実行できるのかどうか、まず伺いたいと思います。
#31
○国務大臣(遠山敦子君) さきの江本議員の御質問に対してお答えいたしましたように、海洋科学技術の研究開発、今、大変進んでおりまして、大きな転機にあるのではないかと私は考えております。それがたまたま独立行政法人の新しい機構にさせていただくということで、更に充実した内容にしていかなくてはならないと思いますし、また、今回の新しい機構は、これまでの海洋科学技術センターの機能に加えまして、東京大学の海洋研究所から船の運航について新たな機能を統合して持つということでございますので、私は、林委員御指摘のように、これからの海洋科学に関する研究開発というものは大きく進展するのではないかと思います。
 具体的に申しますと、例えば地球温暖化の動き、あるいは気候変動の地球規模での動き、さらには地震についての地殻構造、地震の予測にも資するような地殻構造の解明など、そういった自然現象のメカニズムを明らかにしていきますためには、今取り組み始めております海洋研究というものをより推進していくことが必要であると思っておりまして、海洋研究開発機構は、その私どもの期待にこたえてくれる機関になるというふうに考えます。
 新しい機構を作りますねらいは、一つは学術研究とそれから科学技術の研究開発との垣根を越えた海洋研究の共同推進体制というものを構築するということにございます。これまで、やはり旧科学技術庁のセンターとそれから旧文部省の東京大学の海洋研究所ということでございまして、お互いに海洋を研究対象としながらもなかなか融合ということが難しい面もございましたけれども、新たにこれらが、同じ省になったということもあり、新しい機構の目的の中に両方の研究開発の機能が一緒になる面もあるということで、私はこういうことが大いに進むのではないかと思います。第二が、それとの関連もございますけれども、大学を含めた日本全体の海洋研究振興のための安定的な研究基盤の形成というようなことが言えるかと思っております。
 そういうことで、委員が先ほどお読みいただきました目的、条文そのものはちょっと砂をかむような条文でございますけれども、私はこの背後にある海洋開発の未来性というのは大変大きなものがあるのではないかというふうに考えます。
#32
○林紀子君 今、研究は更に充実できるんだというお話がありましたので、それでは具体的にどうかということを伺っていきたいと思います。
 日本学術会議の海洋科学研究連絡委員会というところがあるそうですけれども、そこで昨年の、二〇〇一年の、一昨年の五月に報告を発表いたしました。「海洋科学の教育と研究のための船舶不足と水産系大学練習船の活用について」と題するものなんですけれども、この中で、将来の海洋研究を担う人材の養成の在り方がバランスを欠いているのではないかというふうに指摘しているわけです。その理由といたしましては、幾つかの大学で行われた大学院重点化は、海洋科学や地球環境科学領域における大学院生数を激増させた。しかし、その一方で、海洋現場における実習教育や研究の機会を大学院学生に保証するための船舶の整備充実はなおざりのままである。そのため、教育と研究の多くが計算機を利用したバーチャルな世界での海洋学に向かいつつあり、これでは人材の養成の在り方としてバランスを欠いたものになっていると、こういうことなんですね。
 今回の新しい機構の発足で、このバーチャルな海洋学と、机上の空論ではないでしょうけれども、机上での研究だけに済ませてしまうと、そういうことは解消できるのでしょうか。
#33
○政府参考人(遠藤純一郎君) 水産系の学部には練習船がございまして、ここでは学生が水産生物の生態などを実地に学びまして様々な漁獲方法の教育を行う水産学実習を行うと同時に、専攻科での船舶職員養成のための航海実習を行っていると、こういうことでございます。
 そして、御指摘のような大学院生でございますけれども、海洋における実地の調査研究を行うということで自分の、自大学の練習船に乗船をしてそういうことを行っておるわけでございまして、またそのほかにもテーマに応じましては、ほかの大学あるいは今御審議いただいておりますような東大の海洋研、海洋科学技術センターといったような機関の練習船、研究船に相乗りをしまして、そういう乗船の機会が得られるよう努めているということでございます。
 また、水産系以外の大学の大学院生につきましても、水産系の方の練習船につきましては、毎年、こういう目的でどのぐらいの期間運航しますという運航計画を公表しておりまして、それを各大学に配って公募をして、自分のところの学生や大学院生以外にもまだ乗せる余裕がございますので、そういうことで公募をいたしまして、そしてほかの大学の院生や研究者にも乗っていただくというようなこともしておるということでございます。
 今回、海洋開発研究機構の設立によりまして、研究船の一元的、効率的な運航体制を整備するということでございますので、そこの中で大学院生を含めた研究者の海洋での研究機会の充実が図られるよう努めていきたいと、こう思っております。
#34
○林紀子君 今、東京大学海洋研究所の船のお話もありましたけれども、今、局長がお答えいただいたのは理想でありまして、現実は大分違っているんじゃないかというふうに思うんですね。
 今、海洋の研究を主たる目的として運航されているのは東京大学海洋研究所の白鳳丸と淡青丸、そして海洋科学技術センターの「みらい」、この三隻ではないかというふうに思うわけですね。
 この日本学術会議の報告では、先ほどの文章に続けまして、「研究観測の需要がきわめて多いために、一回の航海に多くの研究者が混乗」、先ほど相乗りしてとおっしゃいましたがそういうことだと思います、「それぞれ割り当てられた少ない日数内に完了しうる研究課題を選択しているのが現状である。このため、海洋科学にたずさわる研究者は、研究調査船が一隻でも多くなることを切に願っている。」というふうに指摘しているわけですね。
 先ほど、副大臣の方から、大変研究者のそういう声が大きいというお話もありましたので、文部科学省の方でもこういう状況というのは十分御存じのことではないかと思うわけですが、新しい独立行政法人になりまして、この研究者の方たちが願っている研究調査船の増船、増やすことですね、それはできるんでしょうか。
#35
○副大臣(渡海紀三朗君) 当然、お金があればできるわけでございますが、財政事情もさっきから議論が出ておりますように、それほど簡単ではございません。そういう中で、逐次、専門家の意見を聴きながら、そして各審議会等で御審議もいただき、そういったものをベースに全体の資源配分を考えていくというのが原則であろうというふうに思っております。
 将来、いろいろ工夫をした中で船がもっともっと必要になるという、そういう、今でも必要ではありますよ、ありますよ、それは意見でも出ておるわけでございますから、あればあった方がいいともちろん思っております。しかし、今すぐ、じゃ来年こういう計画に掛かりましょうという状況では財政事情はないと、これは御認識をいただきたい。
 そういう中で、さはさりながら、やっぱりやることはしっかりやっていかなきゃいけないということで、この統合を機会に総合的に組織をやっぱり見直す工夫、また業務を見直す工夫をやり、しかも中期目標、中期計画という段階で今までの中に、今までも効率化は進めてきているわけでございますが、無駄な部分がなかったか、そういったことも含めてしっかりと検証をして、新たな計画の中で研究の機会だけはしっかり確保して、しかもできればそれをちゃんと増やすという、そういう努力をしてまいりたいというのが現在の私見も含めました文部科学省の見解でございます。
#36
○林紀子君 そこで、研究者の方たちはやむにやまれずといいますか、こういうことはどうだろうという提案もなさっているわけですね。報告では、水産系大学の練習船は通常の観測設備はもちろん、多様な漁労設備や生物採集機器を備えている、だから、水産系大学の練習船の活用というのを先ほど遠藤局長からもありましたけれども、これを研究、調査のために転用したらどうかと。特に、幾つかの大学では廃止をしたり、それから廃止をしようかというような練習船もあるということですけれども、そういうものの中に練習船、この練習船を研究船に転用できるというものがありますでしょうか。
#37
○政府参考人(遠藤純一郎君) 練習船でございますけれども、今、現実にそれぞれの大学の学生、院生の教育研究でフル稼働しておりまして、例えば北大のおしょろ丸でいいますと、年間十三回航海をしておりまして、短いので四日、長いので六十日間ということで、その目的も、学部学生の教育、あるいは院生それから学外者も含めた調査研究といったようなことで、ほぼ航海している期間が百八十日、ドックに五十日入っていますから、ほとんどもうフル回転ということでございますから、その大学以外のところに転用というのはなかなか難しいだろうと、こう思っております。
 それから、廃船になったのもあるわけでございますが、そういうやつもというお話でございますが、練習船の大体耐用年数というのが二十年ということで、現実には二十七、八年使って廃船にしているというのが現実でございまして、そこで練習船も整備が大変、きちんとやらなくちゃいけないということで、毎年ドックに入渠をさせて整備を行って、それから数年間経過するとまた設備の更新を行うと。それで、建造後二十年以上たった場合にはもう、まあ二十七、八年ぐらいでございますけれども、もう大幅な補修を必要とするということで、これを廃船をして別の船舶を建造している、こういう状況でございますので、ちょっと廃船になったようなやつを転用というのはなかなかそういうことで難しいだろうと、こう思います。
#38
○林紀子君 その老朽化したものを使ってもしもというようなこともあっても大変なわけですから、老朽船を使うのがいいのかどうかというのも私も思うんですけれども、しかし、こういう提案が出たというのは、やはり研究船が本当に足らないということから出ているんだと思うわけです。ですから、そうしますと、やはりこういう研究者の声にこたえるのは専用の調査船が必要だという結論になると思うんですね。
 先ほど、予算上の問題というのがありました。それは確かにあると思いますけれども、今のこの機構は、先ほど大臣からも現状よりも更に研究ができるようになるんだという心強い、力強いお話があったわけですから、まず予算もここにきちんと配分をしていく、考えていく、そういうことが今後どうしても必要だというふうに今のお話を伺って思いました。
 それから、同時に、船があっても乗組員がいなければこれはできない、研究のサポートもできないということになると思うわけですけれども、今回、東大海洋研から白鳳丸と淡青丸という二隻の研究船がこの機構の所属になるということになったということですが、乗組員は今、東大海洋研の方は何人で、また海洋科学技術センターであった船舶の乗組員は何人なのか、教えていただきたいと思います。
#39
○政府参考人(白川哲久君) 現在、東京大学の海洋研究所、ここは運航組織がございまして、海事職の職員がいるわけでございますが、六十三名在籍をしておるというふうに伺っております。それから、海洋科学技術センターでございますが、海洋科学技術センターは基本的には船の運航につきましては外部に委託をするという、そういう方式で運航をしているわけでございます。
#40
○林紀子君 外部委託の場合の人数というのは分からないんでしょうか。
#41
○政府参考人(白川哲久君) これは船によりましていろいろでございますけれども、例えば例示的に申し上げますと、先ほどの江本先生の御質問で幾つかの船を御紹介したわけでございますが、船の名前で申し上げますと、「なつしま」、「かいよう」、「よこすか」、「かいれい」、こういうものがございますが、これは乗船数としては三十名程度でございます。それから、先生の方から海洋観測船としての「みらい」につきまして御指摘がございましたが、「みらい」はかなり大型でございますので、これにつきましては予算上の認可で五十四名の船員が、外部委託でございますが、割り当てられております。
#42
○林紀子君 先ほどたしか副大臣の方からお話があったと思いますが、白鳳丸、淡青丸は年間百八十日ぐらいの運航だと。「みらい」の方は二百七十日から三百日の運航だというふうに聞いておりますけれども、この運航日数の差は乗組員の人数の違いだということですね。
 東大海洋研の場合は今まで公務員だったわけですから、公務員の定数削減というものの対象にされて今お話のあった乗組員六十三人というふうになったんだと思います。六十三人で百八十日の運航というのは、これはなかなか大変なことなんだというふうに思うわけですけれども、今回この独立行政法人というふうになったわけですから、ここでは公務員定員削減の枠というのはもう外されるわけですね。ですから、運航日数を増やすために乗組員の増員というのはできるんじゃないかと思うんですね。ですから、先ほど来お話があります、独立行政法人というのは自主的、自律的に物事が決められるんだ、そしてそれに沿ってやっていけるんだというお話なわけですから、研究者の皆さんからもこれほど、もっともっと船が欲しいというけれども、船が増えなければじゃ運航日数を増やす、それには人数が必要だというこれも結論になると思うんですね。
 ですから、独立行政法人になったわけですから、今、東大海洋研の方からいらした方が六十三人というならば、それをもっと増やしていく、そしてこの運航日数を増やしていくと、そういう方法というのは考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 まず、一般論でございますけれども、先ほど来御議論がございますが、この独立行政法人への移行、海洋研究開発機構の発足というのは、これは、政府全体といたしましてはやはり特殊法人等の改革の一環ということでございますので、非公務員型の独立行政法人になるわけでございますが、その組織、業務が、何と申しますか、野方図に拡大するというふうなことはこれは避けなければならないというふうに思っておりますし、全体として効果的、効率的な業務運営を目指す必要があると、これがまず基本であろうというふうに思います。
 先生御指摘の、研究船の運航の日数を増やすためにはより多くの船員の確保が必要ではないかというふうな御指摘でございます。
 私どもも可能な限り、先ほど副大臣の方からもお話がございましたように、研究船を利用いたしました研究機会を増やす等によりまして、この研究船を利用した研究の充実、これは必要であろうというふうに思っております。そのためには十分な資質を有した船員を必要な人数だけ確保することが必要なわけでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、海洋科学技術センターの方では、これまでの実績から、外部委託で対応しているということもございますので、そういうことも視野に入れながら、全体として必要な海洋研究が確実に遂行できるように運航体制の整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
#44
○林紀子君 外部委託というお話が出たわけですけれども、そうしますと、東大海洋研の職員の皆さんの処遇ですね、それは今後どういうふうになるんでしょうか。例えば委託会社の方に出向をさせられてしまうとか、そういうようなことも考えていらっしゃるんですか。
#45
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 今回の統合では、東京大学の海洋研究所の保有する二隻の研究船と併せて、その運航の任に当たっております運航組織、これが新しい海洋研究開発機構に移管をされるわけでございますけれども、したがいまして、現在の東京大学海洋研究所の二隻の研究船の船員の方々も新しい海洋研究開発機構の職員として継承されるわけでございます。
 ただし、その際、今、委員の方から処遇がどういうふうになるのかという御質問でございますけれども、私ども、移籍によりまして乗組員の方が不利益を受けることなく、安心して新しい機構の職員として勤務していただくことができますように、これは現在御審議いただいております法律案の附則の中にも規定してございますが、退職期間の通算の規定であるとか共済組合員の資格の継続の規定でありますとか、そういう所要の経過措置を定めているところでございます。
 それで、こういうふうにいたしまして海洋研究所の船員の方々に移籍をしていただくわけでございますけれども、この方々は、基本的には新しい機構の職員として研究船の運航に従事をしていただくということを予定をしておりまして、本人の御希望がないのに民間会社の方に出向をさせるというふうなことを想定しているわけではございません。
#46
○林紀子君 私もそれを聞いてひとつ安心はしたわけなんですけれども、独立行政法人というのは、先ほど来お話がありますように、効率化というのが何しろキーワードなわけですよね。ですから、効率的に事業を行うために目標を大臣が立てて、それに沿った計画を法人が作って大臣の認可を受けて、それを文部科学省や総務省の評価を受けると。
 効率化ということばかりを追求していくと、本当に本来新しい機構でやらなければいけないようなことがきちんとできるのかどうかということも大変懸念を持っているわけなんですね。
 といいますのは、さっきの日本学術会議の報告でも、乗組員というのは観測機器や調査研究の機器の操作に熟練した専門家集団だというふうに指摘をしているわけです。ですから、研究船というのは研究者のサポーターとして熟練した乗組員が乗り込むということがどうしても必要ではないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。
#47
○政府参考人(白川哲久君) 今、先生御指摘のように、海洋の研究船でございますが、これは例えば海洋観測等を行います際に、海上で船を一時的に静止をさせたり、それから定められた航路に沿って正確に運航するとか、そういった海洋観測の内容に応じた特殊な操船技術が必要であるということがあるわけでございます。それから、これも先生御指摘のように、海洋研究者の方々が研究をいたしました結果のデータの整理であるとか海洋機器の操作、こういうことを支援をするような方、そういう方も当然必要でございます。
 先ほど来御説明しておりますように、海洋科学技術センターでは、保有する研究船は基本的に外部に委託をしておるわけでございますけれども、今御説明いたしましたような海洋研究船の特性にかんがみまして、海洋調査に必要な特殊な操船作業に習熟をしたところ、あるいは世界じゅうの海域を対象としておりますので、広範な海域調査に必要な国際的な運航にたけているところ、そういうところに外部委託をしておりまして、これまでのところ、問題なく運航や海洋支援業務が行われておりますので、こういうふうな実績も考え併せながら、先ほど申し上げましたように、全体といたしましては海洋船の運航の日数と申しますか、運航機会を増やす方向で考えたいと思っておるわけでございますけれども、こういったこれまでの海洋科学技術センターの経験等をよく勘案しながら対応していきたいと思っております。
#48
○林紀子君 委託の場合もそのことをきちんと考えているというお話なんですけれども、私が聞いたお話だと、研究に必要な特殊な観測機器が装備されていて、トラブルが発生した場合、同じ乗組員でも担当外の者がそれを直そうとするとかえって機器のトラブルが広がってしまってダメージになってしまうと。海の上でそんなことになったらすぐすぐは対応できないわけですから、そういう意味では、ここでも本当に熟練した乗組員が必要だというふうに思うわけです。
 それとの関係で、「海洋科学の研究者養成と同時に、海洋の調査や資源開発、海洋構造物の構築などに関わる現業機関や民間企業で働く技術者、および海洋関連の行政において活躍する専門職等の人材養成も切実な問題である。」とこの日本学術会議の報告では触れているわけですね。「しかし、これらの人材を海洋現場で実践的に育成するための教育設備や体制は、未だにきわめて不備である」というふうに言っているわけですが、この人材育成、海洋にかかわる人材育成、この機構ではどういうふうにかかわっていくのでしょうか。
#49
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 現在、御審議いただいております法律案の中にこの新しい機構の業務が位置付けられておるわけでございますが、その中には、一つの大きな項目立てといたしまして、「海洋科学技術に関する研究者及び技術者を養成し、及びその資質の向上を図ること。」ということが明確にうたわれております。それから、今回、東京大学海洋研究所の研究船を受け継ぎますので、別の項目では、「大学及び大学共同利用機関における海洋に関する学術研究に関し、船舶の運航その他の協力を行うこと。」というふうに定められております。
 したがいまして、新しい機構では、こういう業務規定を基に、今、先生御指摘のような研究者、技術者の養成、その資質の向上、そういうことも当然本来の業務として取り組んでいくべきであるというふうに思っております。
#50
○林紀子君 今まで見てきましたように、この分野というのは人も船も、ですから予算がどうしても充実させるということが求められているというふうに思うわけですね。しかし、独立行政法人というのは、先ほど来お聞きしておりますように、効率化、効率ということが非常に重点が置かれているために、その予算のところで締め付けられてしまうということになっていくのではないかと。そういうことになりますと、この機構の新しい仕組みで果たして研究者の期待にこたえるような組織になっていくのかどうかというのが非常に心配ですし、海洋科学研究は後退してしまう危険性があるのではないかと、そういう心配も持つわけですので、その予算のところというのを是非とも締め付けるのではなくということを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#51
○委員長(大野つや子君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午前十一時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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