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2003/03/27 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 財政金融委員会 第6号
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2003/03/27 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 財政金融委員会 第6号

#1
第156回国会 財政金融委員会 第6号
平成十五年三月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                円 より子君
                浜田卓二郎君
    委 員
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
   副大臣
       財務副大臣    小林 興起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       財務省関税局長  田村 義雄君
       財務省国際局長  渡辺 博史君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)

    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省関税局長田村義雄君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(柳田稔君) 関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○勝木健司君 おはようございます。
 関税定率法とIDAの法案について質問をさせていただきますが、余り私もよく分かっておりませんので、中身については簡潔に、そして具体的に回答をお願いを冒頭より申し上げたいというふうに思います。
 初めに、イラク攻撃後の税関の体制強化についてでありますが、先週から米英軍によるイラク攻撃が始まりました。国際テロ防止等の観点から、国内の警備強化の必要性が増しておるところであります。また、不透明感の増す北朝鮮の動向と我が国を取り巻く国際情勢は予断を許さない状況にあろうかと思います。危険物等の輸入阻止など、税関当局における対策も一層強化する必要が当然あると思われます。その点についての税関における対応状況について、まずお伺いをしたいというふうに思います。
#6
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、もうテロ対策でございますから、危ないものを入れない、あるいは万が一入っていたら即発見すると、見付けるということが大事だろうと思われるわけでございます。
 そこで、税関当局としては、特に銃砲とか爆発物ですね、こういう危険なものについて、通関検査、入るときに検査体制をしっかりとするということで強化をしております。あるいはぐるぐると施設を回りまして、怪しいものがないか、ふだんも回っているんですけれども、更にしっかりとして回るということで、巡回を強化しております。あるいは怪しい船で来ることもあるわけでございますから、貿易船等に対して海上から、船を税関としては持っておりますので、そういう船でもって海上もよく見るという形で、検査、巡回ということに力点を置いて頑張っているところでございます。
#7
○勝木健司君 それでは、関税法案の質問に入りたいと思いますが、まず知的財産権侵害物品に係る水際措置の強化についてお伺いしたいというふうに思います。
 知的財産権侵害物品に関しては、昨年の七月、知的財産戦略大綱が策定されまして、その中で模倣品あるいは海賊版等における税関での水際取締りも重要な対策の一つとして位置付けられたわけであります。
 今後、政府におかれましても、知的財産推進計画を七月をめどに取りまとめることとなっていると聞いておるわけでありますが、財務省としては実際どのような方針に基づいて取りまとめていかれるのか、その進捗状況についてお伺いしたいと思います。
#8
○副大臣(小林興起君) 知的財産権が非常に重要と言われる時代になってまいりました。その際に、もちろんこういうものをどんどん育成したり育てたりする、そういう政策も重要でございますが、よく言われておりますのは、海賊版、偽物というものがどんどん安く日本に入ってきたのでは日本における知的財産権が事実上守れないということの中で、水際で防止してくれということになりますと、税関等に対して期待も高まってくるところでございます。
 そういうことを受けまして、知的財産権を侵害しているものについては、水際取締りの強化を、今一層拡充強化をしているところでございます。そして、今回、育成者権侵害物品という、何か種苗法で種や何かを育てるという権利が育成者権というそうでございますが、そういうものを侵害しているものについては輸入禁制品に加える、輸入しちゃいかぬということにする、あるいは特許権等、これについて怪しい、触れるものがあれば、これは輸入差止めを申告できるというような改正を今しようとして水際作戦に取り組んでいるところでございます。
#9
○勝木健司君 育成者権の対象追加や、あるいは特許権等の輸入差止め申立て対象への拡充を図られるということで、今後、知的財産権の侵害物品への水際対応は、質、量ともに今まで以上に増大することが見込まれるわけであります。
 そこで、当然現場で対応する税関職員の負担も大きくなろうかというふうに思われるわけでありますが、来年度の税関の機構改革では、知的財産調査官のポストが一つしか増設をされないとの話を聞いておるわけであります。しかし、それでは、せっかく法整備は整ってきておるわけでありますけれども、執行体制は今までと変わらない状態ということであれば、何のための改正なのかということで、私は疑問を持たざるを得ないというふうに思います。
 そこで、模倣品の存在は我が国企業や経済に深刻な状況をもたらして、今後、我が国は知的創造立国として進んでいくためのやっぱり障害になろうかというふうに思われるわけでありますので、税関における取締り体制の、これを実効あるものとするためには、税関機構の充実あるいは十分な要員の配置、職員の専門知識の向上等が当然不可欠になってくるだろうと思うわけでありますけれども、今後、その点、どのような体制を作っていくおつもりなのか、できるだけ具体的に回答をいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 ただいま副大臣から御答弁申し上げましたように、今回の改正法案において二点、一つは育成者権侵害物品の輸入禁制品への追加、もう一点は特許権、意匠権等侵害物品に係る輸入差止め制度の導入と、この二点、知的財産権関係でお願いをいたしているわけでございます。
 そこで、これらの法改正に関しましては、やはりまず特許庁やあるいは農林水産省等関係省庁と十分緊密な連携を図っていきながら、まず機構、人員の面におきましては、税関におきましては、ただいま先生からもお話しございましたように、知的財産権侵害物品に係る業務を専門的に処理する者として知的財産調査官、これは言わば統括官クラスの人間でございますが、これを一名を加えるということでございますが、全体として今、専門、専担に処理する者として二十五名配置されておりますが、これ、全体の人数につきましてはこれまで少しずつながら増員を図ってきたところでございますけれども、今回、このような改正の重要性も踏まえまして、今後とも更にこの人員の増加に努めてまいりたいと考えております。
 また、研修の方につきましては、水際取締りの実効性を確保していくためには、やはりまず権利者からの侵害に関する的確な情報をいただくことが大前提でございますが、そうした情報を含めて、職員に対する研修セミナー等を実施しまして、職員の能力向上に努めていくことが不可欠であると考えておりますので、まず輸入差止め申立て制度の利用を促して、そしてどういうものが真正品でどういうものが偽物かというふうな見分け方等の情報も十分求めながら、これらの情報を関係職員に周知するとともに、及び税関における研修等によりまして、知的財産権侵害全体の一般的な研修等も含めまして、知識、技能等の習得を図っていきたいと、そのように考えております。
#11
○勝木健司君 税関体制の強化についてもう一点お伺いをしたいというふうに思います。
 今回の改正では、簡易申告制度の改正やVMIへの対応などが図られて、更に効率的な業務運営を図るための措置が盛り込まれておるわけであります。これまでも税関では、質、量の両面で増大する国際物流に対応すべく、NACCSですか、NACCSの導入やIT化を進めてこられまして、機械化やあるいは合理化が進んでいると承っておるわけでありますが、しかし、機械が選別した重点的な審査や貨物の検査などはどうしても職員に、人間による確認が必要な分野でありまして、質、量の増大からくる業務量が増してくるだろうということで、職員をむしろ増員する必要があるとの声が現場の方から届いておる、私どもの方に届いておるわけであります。
 さらに、通関部門では、昨年の十月から全国八官署で執務時間外の通関体制の試行が、トライアルが行われておるということで、元旦を除くすべての日を開庁とした対応がトライアル的に実施をされておるということを承っておるわけであります。
 また、本年七月に全国の港湾の二十四時間フルオープン化を本格実施する検討を今行っておるとも承っておるわけでありますが、そういう状況の中で、現場では限られた人員の中でのやりくりがなされておると聞いておるわけでありますので、これらの部門の人員の十分な手当ても必要だというふうに思います。
 先ほど関税局長も、人員の増加に努めるということでありますが、具体的にもっとどういう手当てをされていくのかということを、お考えを伺いたいというふうに思います。
#12
○副大臣(小林興起君) 基本的には、こういうコンピューターの発達してくる時代でございますので、今、先生言われましたように、事務処理体制をスピーディーにするためにそういうコンピューター化、合理化を図っていく、あるいは、何といいますか、税関で怪しいものを見るためにエックス線を通してコンテナごと見るとか、税関に私も行ってみたんですけれども、すばらしい装置が入っていて、昔よりははるかにいろんなことが分かるということにはなってきて、そういう意味では機械化、合理化が進んでいることが分かるわけでございますが、今言われましたとおり、しかし、やっぱりそれをチェックする人間、これは最後人間でございますので、今いる人たちの更に研修といいますか、レベルをアップするということについては絶えず図っているわけでございますが、それでも人が足りないということになるわけであります。
 ただ、この人間の増員につきましては、御承知のとおり、一方では行政改革という名の下にどんどん公務員削減していけということで、黙っていても定数削減が掛かってくるものですから、ほっておくと毎年減っていっちゃうんですね。したがって、それを補って更に必要だというのを認めていただくのがなかなか難しいわけでございますが、こういう検査部門、実施部門、そして今、先生言われましたフルオープン化、二十四時間に向けてやっていこうということで業務量が確実にこれは増えてくる、休日もなくなってくるというような、そういう状況の中にありまして、どうしてもこの部門は人が必要だと思っております。
 そういう中で、今年も増員は百十二名と結構多く認めていただいているんですけれども、ただ、削減が掛かっておりますので八十人実際上は減ってきますので、純増はわずかに三十二名と大変厳しい状況でございます。したがって、一般論で言いますと、こういうどんどん実際に業務が目に見えて増える部門についてどうやって公務員を実際に増やしていくかと。片っ方で削減すべき。この要望の中で必要なところとそうでないところにもう少しバランスよく柔軟にやれればいいんですけれども、なかなかそういうことは言われても実現が難しいという中に、できるだけとにかくこの増員の説明をしっかりさせていただきながら、少しでも前進していくということで人員の確保を図っているところでございます。
#13
○勝木健司君 税関に課せられたまた大きな使命の一つは、不正薬物等社会悪物品の水際阻止が挙げられておるわけでありますが、税関における不正薬物の輸入事犯については、平成十一年に二・二トン、平成十二年に一・四トン、平成十三年に一トンと、三年連続で一トンを超える押収量となっておると伺っております。また、平成十四年には九百三十八キロと、一トンを下回っておるわけでありますが、この九百十八キロの薬物を使用回数で換算してみますと、何と千八百八十四万回の使用が可能な量だということであります。本当に恐怖を覚えるとともに、依然として大量の不正薬物のマーケットとして我が国日本がねらわれているという実態があるということをこの数字は如実に示しているというふうに思います。
 そこで、現在は第三次薬物乱用期だと言われているようでありまして、その要因としては社会経済状況の不透明さが挙げられるというふうに思います。若者等への薬物汚染を食い止めるためにも、水際における取締りは重要だと言えます。
 また、報道によりますと、今月のこの三月の十三日にも中国仕出しのコンテナから二百六十キロ余りの覚せい剤の摘発がなされたということであります。これは一度に押収された覚せい剤の量としては過去四番目の量となっておると承っておりまして、背後に大掛かりな密輸組織があるとも報道をされておるわけであります。
 さらに、最近ではこの薬物以外に、盗難車両の不正輸出や偽造クレジットカードの密輸入事件なども多発しており、問題となってきております。このような密輸組織に対抗するためにも、情報収集能力面での税関体制の強化が重要だと思いますが、この不正薬物等を含みました水際摘発のための具体的な取組についても伺いたいと思います。
#14
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 社会悪物品等をめぐる状況につきましては、ただいま先生からお話があったとおりでございます。税関におきましては、特に覚せい剤あるいは麻薬等の不正薬物及び銃砲等のいわゆる社会悪物品等の密輸入阻止、これはもう最重要課題の一つとして位置付けておりまして、積極的な取締りを実施しているところでございます。
 最近の密輸事犯の特徴としては、非常に事犯が大口化しているということがまず挙げられますし、また手口が悪質、巧妙化しております。あるいは、今お話もございましたように、例えば偽造クレジットカードの密輸入あるいは盗難車両の不正輸出等密輸事犯が非常に多様化しているというようなことが挙げられるわけでございます。
 こうした状況の下で、税関におきましては、まず何よりも密輸情報の収集分析の強化を図ること、あるいは麻薬探知犬やあるいはエックス線検査装置など取締り機器の積極的活用を図ること、あるいは警察や海上保安庁など関係取締り機関との連携を強化すること等の対策を推進いたしまして積極的な水際取締りを実施しているところでございまして、また特に密輸関連情報の収集というものが極めて重要であると考えておりまして、警察と海保等関係取締り機関との連携を密にいたしまして情報交換を促進するほか、国際面におきましても、国際情報交換の窓口といたしまして東京税関に今国際情報センター室というのを設けておりますが、あるいは、世界税関機構との情報交換ネットワークでありますところの地域情報連絡事務所といったようなものもございます。こうしたところを通じまして諸外国との情報交換、密輸に関する情報交換等の促進も行ってきているところでございまして、今後とも、密輸関連情報の収集分析等の強化を中心にいたしまして厳重な取締りに努めてまいりたいと考えております。
#15
○勝木健司君 次に、牛肉の関税措置についてお伺いをいたしたいと思います。
 今回の関税改正案では、牛肉の輸入量が前年比で一七%増となった場合に自動的に関税率が上がる牛肉の関税の緊急措置制度の延長が盛り込まれておるわけでありますが、この点について質問をいたしたいと思います。
 御承知のとおり、平成十三年の九月にBSE問題が発生をいたしまして、消費が極端に減ったために結果として相当量の輸入量の減少があった時期があるわけでございます。例えば、平成十四年の一月の輸入量は、前年比で五七・九%の水準まで落ち込んだというデータがあるわけであります。仮にこの牛肉の関税緊急措置制度をそのまま延長しますと、セーフガードの発動は免れないだろうというふうに言われておるようでございます。
 そこでまず、この関税法改正案が通った場合の緊急措置発動の見通し、そして仮にセーフガードが発動された場合に価格上昇等の面で国民生活にどれだけの影響があるかについてお伺いをしたいというふうに思います。
#16
○政府参考人(須賀田菊仁君) 牛肉の緊急措置、三八・五%の関税を五〇%に上げる措置でございます。今年の四月―六月の四半期でございますけれども、発動基準数量、この量を超えれば発動するという基準数量が、チルド、生鮮冷蔵で六万四千トン、フローズン、冷凍で六万八千トンで、三か月分でございます。直近の輸入量が、チルドで二万一千トン、一月の数値でございます、フローズンで二万四千トンでございますので、現時点で発動するかどうか即断することはできないわけでございますけれども、注視していく必要があろうかというふうに考えております。
 それでは次に、その輸入量が増えた場合に生産のどこに一番影響があるかということでございますけれども、輸入牛肉と一番競合いたしますのが乳牛の雄子牛でございます。これが品質面で非常に競合するということでございますけれども、現在この部門、乳用雄のB2という規格が本来BSE発生前にキロ当たり七百十八円しておりました。現在は、回復基調にあるとはいえ、四百四十三円ということで、品質がはるかに劣ると言われている豪州産を更に下回っているということでございまして、しかもこれ生き物でございますので、市況が悪いからといって出荷を控えるということができないわけでございます。輸入量が増えますとこの部分に一番影響があるということでございます。
 それでは、緊急措置が発動された場合に消費者にどんな影響があるかということでございまして、三八・五%の関税が五〇%に引き上げられた場合、これは実際の価格は、全体の需給だとか、あるいは現地価格とか為替の変動とかいろんな要素がございますけれども、それを一定のものとして仮定いたしますと、卸売価格に約八%、そして小売価格に約二・五%の上昇と、他のものが一定とすれば、そういうふうに試算をしております。じゃ、量にどうかというと、古典的な理論ではございますけれども、価格弾性値がマイナスの〇・八強でございますので、消費量が約二%減少すると、理論的にはこういうふうになるわけでございます。
 ただ、実態的には、それぞれの経営においてある程度のリスクは織り込んで商売をなされているというふうにも聞いておりまして、経営の総合判断でこの消費者への影響というのは最小限に抑えられるのではないかと推定しておりますけれども、この点もなお注視していく必要があろうかというふうに考えております。
#17
○勝木健司君 現下のこの不況下の中で、国民の社会生活の面でも、価格も量も安定して牛肉を提供しなければならないということが非常に重要になってくると思うわけでありますが、その意味で、今回の措置の継続というものが国民の食生活にかなり影響するのではないかということで危惧を私どもはしておるわけであります。
 今、農水省からありましたように、消費者価格も小売で二・五%は上昇するだろうということでありますから、そういうことだろうというふうに思います。また、オーストラリアあるいはアメリカ等の牛肉の輸出国や外食産業などからは、セーフガードの発動を見送ってほしいという要望があるようにも聞いております。
 実際問題として、関税率が五〇%に引き上げられると消費者物価の上昇につながるということで今お聞きをしたわけでありますので、その点についても政府案で考慮ができる余地が本当はまだあるんじゃないかということで、例えば税率の軽減とか、あるいは減免措置といったもの、そういう逃げ道があるのかどうかについてお伺いをしたいというふうに思います。
 あわせて、この政府案はなぜ、BSE問題などの特殊要因があるにもかかわらず、従来と同じように前年度の実績を見ることとしたのかについてもお伺いしたいというふうに思います。BSE発生の前年の平成十二年度、前々年度や過去数か年の実績の平均値を基準とするなどの選択肢もあったんじゃないかということで、この点についても併せてお伺いをしたいというふうに思います。
#18
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 ただいまるる農林水産省からも答弁ございましたように、仮に本措置で発動された場合におきましても、消費者側に対する影響は比較的軽微なものにとどまるということでございますが、やはり便乗値上げ等によって消費者に不利益がもたらされることのないように、私どもとしても農林水産省に適切な対応策の検討を依頼しておるところでございます。
 農水省からは、適正な価格形成のために牛肉卸売価格等の情報提供の強化に努める等、適正な対応を検討する旨聞いているところでございまして、今、先生がお話ございました輸入価格自体が極めて高騰してきた場合、このような場合におきましては、これが消費者価格の騰貴をもたらす、そのおそれが高いというような場合には、幾つかの法律上の要件はございますけれども、関税定率法の第十二条におきまして、生活関連物資に係る関税の減免措置というふうな規定が置かれてございます。これは、輸入価格自体が著しく騰貴している、あるいは騰貴するおそれがありとか、あるいは国民生活の安定のため緊急に必要がある場合であるとか、あるいはその引下げによって本邦の産業に相当の損害を与えるおそれはないとか、様々な要件ございますが、そういう場合には適用を検討する余地はあろうかと、またそういう検討をする必要もあろうかと考えているところでございます。
 それからもう一点、前年度の実績になぜということでございますけれども、これもただいま農水省から御説明ございましたように、本措置の最大のポイントは、元々牛肉関税は五〇%でございます。これが今でも譲許税率でございます。今回の法案によってこれをまず三八・五に下げるというのがまず第一点。三八・五に下げるけれども、しかし一七%を超えるように増えた場合にはまた五〇に戻しますと、これが第二点。この二つがパッケージとしてこの法案にも入ってございます。
 パッケージやったものでございまして、本措置につきましては、それによりまして、言わば裁量的なことではなくて、そういうことを排することによりまして透明性を高める、あるいは一般セーフガードのような調査、判断に時間を要するということではなく、機動性を高めるというような観点から現行制度を維持しているわけでございまして、もちろん基本的には、その基準となるものをどう取るか、おっしゃられたようにいろんな議論はあろうかと思います。三年平均を取るとか平常年を取るとか、いろんな議論あるかと思いますが、正にこれを決められた国際間の交渉におきまして前年実績というルールが決められたわけでございますので、それを踏襲しているということでございます。
#19
○勝木健司君 次に、特恵適用除外措置の新たな適用基準について質問いたします。
 我が国の貿易における中国のプレゼンスが急速に高まっておるわけであります。最近の産業空洞化の懸念の背景にはこの中国からの輸入の急増があると考えられます。開発途上国からの輸入促進のための一般より低い関税率を適用するいわゆる特恵輸入実績を見ましても、中国が実績、構成比ともにずば抜けているのが実態であろうかと思います。これは、我が国が供与する特恵メリットが一部の国へと偏りが見られることを示す一方で、国内産業にも多大な影響を与える状況ということで、これは常々塩川大臣も御承知のとおりかというふうに思います。
 塩川大臣は常々中国人民元の切上げについても言及をされておられるわけでありますけれども、所管大臣として、今申し上げました状況を是正するような特恵制度の在り方についての再検討を行うといったことも考えられていいのではないかと思います。
 また、今回のこの法改正に伴って、競争力に的を絞った特恵適用除外措置について新たな適用基準を設ける方針と承っております。国内産業保護の観点から、こうした国・地域に対し、今回新たに設けられます除外措置の適用も考えられるのか、あるいは特恵制度の在り方の再検討と併せまして、塩川大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
#20
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、特恵制度、開発発展途上国に対しまして、そういう国の経済の発展を支援するということで、先進国の役割として特恵関税を付与しているところでもございます。
 そういうことでございますから、やはり相手の国がどういう状況にあるかということでございまして、確かに中国から今物すごい勢いで輸入が入ってくる、しかも何か中国に行ってみると、もうにぎわっていて、日本よりもあっちの方が経済水準が高いんじゃないかなんて言って帰ってくる方もいらっしゃるわけですけれども、やはり統計上は、国民所得なんというものを取りまして幾らになっているかということになりますと、やはり一部には中国は豊かでございますけれども、やっぱり平均を取りますと、実はまだまだ発展途上国のレベルにあると、こういう数字になっているわけでございます。
 そういう意味では、日本としては中国に対して引き続き特恵を供与していかなければならない、こういう事情にあるのはこれはやむを得ないかなと思うわけでございますが、さはさりながら、この中国からの商品のラッシュ、これで日本の国内産業が非常に痛い目に遭うということは、国内の人たち、また政府としてもこれは耐えられないというところでございまして、今先生が言われましたとおり、いざというときは止めるようなことも必要じゃないかということで、特定の国、中国なら中国ですね、特定の国が特定の品目、名前は何か言いませんけれども、あるものについてどんと持ってきたときに、これが日本の国内に非常に大きな影響を与えるものについてはこれを止めるというようなことを考える中に、今、一応基準として今回考えられておりますのは、二年連続してその国の商品が輸入量も一国で五〇%を超える、そしてしかもその金額が微々たるものではなくて、十億円を超えるという大きなものについては、こういうものについては止めることができるというようなことにしようということで、特恵関税を供与しながらも、国内産業がひどい目に遭うときは止めることができると、こういう制度を組み合わせたところでございます。
#21
○勝木健司君 塩川大臣、一言。
#22
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、小林副大臣言ったとおりでございますが、私は、日本と中国との間は、国交を回復しまして三十年たちましたが、その間、何か特異な感情問題で、一つは非常に親密性というか、一つは申し訳なかったという気持ちが残っておるのか、何かそういうことを見て、中国との関係というものを何か特異に映ってきておるということが現在ございまして、それは徐々に改めていくべきだろうと思っております。
 それにはやっぱり長い時間が掛かると思うんですが、絶えずやっぱり対話を重ねてやっていくべきであると思っておりまして、この特恵関税についてもやっぱり事あるごとに向こうとよく話し合って、他国との比較からいってこうだということを説明していかなきゃならぬだろうと、その努力こそ大事だと思っております。
#23
○勝木健司君 続いて、国際開発協会、いわゆるIDAに関してお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 まず、IDA資金のグラント化拡大の是非についてお伺いしたいというふうに思います。
 IDAの十三次増資では、この二〇〇三年度からの三年間で、主たる業務である無利子融資に加えて、グラントと呼ばれる無償資金の供与を資金総額の一八%から二一%に拡大するということが合意をされたわけでありまして、このIDA資金のグラント化を拡大させることについては、人道的支援を行っている国連とかあるいは贈与主体の二国間援助と役割が重複すること、あるいはグラント化が将来的なIDA資金の縮小を招くおそれがあるという懸念も伺っておるわけであります。
 このようなIDA資金のグラント化の拡大やあるいはグラント化の在り方について、日本の政府はどのような見解を、アメリカ主導じゃなしに日本の政府としてどのような見解をお持ちなのかお伺いしたいというふうに思います。
#24
○国務大臣(塩川正十郎君) これはしばしば国際会議で問題になりまして、各国で大分意見が違います。これを非常に強く主張しているのは米国なんでございまして、結局、ヨーロッパなり、私たちの考えもヨーロッパ的に近いと思っておりますけれども、しかし、考えてみれば米国の言うのも一理があると思っておるんです。
 要するに、融資をいたしましてもどうせ返ってこないものを、借款で返ってこないものを無理に取り上げてみてもしようがないじゃないかと。それだったら、援助する中でむしろもう無償で上げた方がかえっていいんじゃないのかと、負担、お互いの負担がですね、という考え方。
 簡単に言いましたらそういう考え方に基づいておるんでございまして、米国の主張はよく分かりますけれども、ヨーロッパ諸国の考えは、それはあながち米国のように考えておるというものじゃございません。
 私は、かつて、あれはワシントンで会合がございましたときに、やっぱり最貧国ですね、最貧国に対してはグラント化の方が必要なんじゃないかと、拡大した方がいいんじゃないかと私はそう思っておるんです。それは相手方によりますから、個々の交渉をよく見た上で進めていきゃいいと思っておりまして、ただ一律に強制的なものにするという必要はないんじゃないかと思っております。
#25
○政府参考人(渡辺博史君) 趣旨及び考え方につきましては今、大臣の方から御答弁がありましたので、私の方から、委員の御指摘の二つの問題、他の機関との重複の関係、それから今後の資金繰りについての影響の問題についてだけ補足的に御答弁申し上げます。
 まず、国連機関や二国間援助、こういうのがグラントが主体で行われているわけでございますが、それとの役割の重複の問題につきましては、今回IDAがグラントを導入いたします分野は、今までIDAが融資の形で行ってきた分野、その分野においてのみ、このグラントと合わせて、いわゆる抱き合わせの形で融資及び贈与を行うという形で考えております。
 具体的には、いわゆる紛争を経験した、俗称ポストコンフリクトという国々とか、あるいは途上国においてエイズの問題というのは非常に深刻になっております。こういうものに対する対策というのは、貸したものに対して金銭的に何かリターンが上がってくるというものではありませんので、それに対して後ほど、幾ら無利子とはいえ元本を返せという形になるわけでありますから、そういうものには無理があろうということでやるものであります。
 したがいまして、従来から行っていましたIDAとあるいは国連機関との間の役割分担を、今回の制度変更によって大きく変えるということではないというふうに考えております。
 それから、将来的にIDAの資金の縮小を招くという御指摘は正に御指摘のとおりでございまして、今までは融資であったものが返ってこなくなるということでございます。ただ、しかしながら、元々、IDAの融資自体が四十年といった極めて長い貸し方をしているわけでございますから、そういうものの現在価値というものと比べてみた場合、さほど大きなものではございません。
 あと、将来的にどのような金額がIDAにおいて必要になるかというのは、例えば、現在貸している国がうまく開発が進んで卒業をしていきますと、IDAの対象国自体も減っていくということも考えられます。例えば、九〇年代前半においては中国というのが非常に大きな借り手になっていたわけでありますけれども、中国は今、このIDAから卒業いたしまして世銀からのみの借入れということになっておりますので、そういうような国がまた出てくれば資金需要が変わってくると思いますので、そういうことを勘案しながら、次回以降の増資等で慎重に内容を見ながら検討をしていきたいというふうに思っております。
#26
○勝木健司君 次に、ODAの債務削減についてお伺いしたいと思います。
 最貧国支援の一環として、日本においても国際協力銀行が途上国に貸し付けております九千億円の債権を放棄するということが決定されたと聞いておるわけであります。しかし、この九千億円という金額は日本の財政事情をかんがみますと決して少ない金額ではなかろうと思いますし、放棄する債権の償却財源として、国際協力銀行の積立金などのほか、国際協力銀行への交付金として本年度の一般会計に三百億円を計上しておられるわけでありますが、これについて、政府と国際協力銀行の間で損失分をどのようなルールに基づいて負担を、分担をされていくのか、お伺いをしたい。
 また、今回の措置は国民の負担をやはり伴うものであるわけでありますから、国民に対してもいま一度説明責任は果たすべきじゃないかというふうに強く思うわけでありますが、これについても政府の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#27
○政府参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 我が国は、既に一九七八年に、国連貿易開発会議、英語でUNCTADと申し上げますが、そこの貿易開発理事会の決議ということで、債務救済をある国々に対して行うということを決めております。また、それに加えまして、一九九九年のケルン・サミットにおいて合意されました拡充重債務貧困国イニシアチブ、俗称HIPCイニシアチブというものがございますが、それに基づいても、これらの国々に対する債務救済というのを既にコミットをしているわけでございます。
 今回、方式の変更をいたしましたが、その方式の変更の対象国は、この一九七八年の決議、あるいは九九年のイニシアチブに基づいて対象とした国々と同じでございます。
 これまで日本が取っておりました債務の救済方式は、まず、我が国に対する債務を最長四十年間繰り延べるという措置を取った上で、お金を返さなくていいということになりますとその国にとって言わば片が付くわけでございますから、その余った金を何に使うかということは向こう側の政府の裁量にゆだねられるわけでありますけれども、日本国の政府としては、そういう形で浮いたお金が例えば軍事目的に使われるということでは、債務救済をやった趣旨に合わないということで考えておりまして、そういう意味から、我が国といたしましては、一遍返していただいて、その後で非軍事目的に使うということが明らかになったものに対して今の払っていただいた金額と同額のものを無償資金として交付すると。ですから、実際上の負担はないわけでありますけれども、そういうシステムを取るということが数々の債務救済の実効をより確かなものにするということがいいのではないかということでこの制度を取ってきたわけでございます。
 しかしながら、最近、様々な議論が行われている中で幾つかの新しい展開が見られまして、まず第一は、よその多くの国の場合には、我が国のようなやり方ではなくて、ある時点で債務を全額カットをするという形になります。それに対しまして、日本の場合は四十年間繰り延べても債務の形で残っておりますので、日本国から開発途上国に対する債権というのは形の上では残ってしまうものですから、そういう意味では非常に分かりにくいという指摘が寄せられておりました。
 また、債務国からは、後からはファイナンスが日本政府から無償資金で提供されるわけでありますけれども、やはり一遍払うためには外貨の調達をしなければいけないということで、そういう資金繰りに悩むという国もございますし、そのための事務負担というものも相当な負担になっているという国もあったようでございます。
 それから、最後に申し上げました使い道がきちんと使われているかどうかということにつきましては、既にIMFとか世銀とか国際機関を通じて、それぞれの国に対して、こういう方向で経済計画を進めろということについてはかなりのモニタリングができるようになっておりますし、その中で日本政府も理事を通じましていろいろ意見が言えるようになってきております。そういう段階におきましては、そこはIMFなり世銀なり例えばアジ銀なりの、そういうところのモニタリング機能にある程度依存してもいいのではないかということで今回方式を切り替えまして、一遍払ってもらってその後にファイナンスをするという仕組みを変えたということでございます。そういうことで、昨年から外務省、財務省、経済産業省及び国際協力銀行の間で検討を行いまして、今回からそういう形に切り替えたというわけでございます。
 したがいまして、今回の措置自体は、既に国際的に公約したものについての方式の変更だけでありますので、新たな負担を我が国政府あるいは国民が負うというものではございませんけれども、そこら辺の説明については、昨年の十二月に外務省、外務大臣の方からの御説明があったようでありますけれども、議員御指摘のようにやや国民に届いていないという御指摘であるとすれば、我々としてもまた何らかの方策を考えていきたいと思いますし、外務省あるいは財務省のホームページにおいてもこの経緯の説明あるいは考え方について掲示をしているところでございます。
 それから、費用の分担につきましては、基本的にはJBICに今までありました積立金等を使うということで考えておりますが、今年度交付金で三百億円立てておりますのは、例えば昨年までは、先ほどのような方式でいいますと、一遍先方から返したものに対して無償を払っているわけですが、この無償資金として三百四十五億円、十四年度の場合は計上しているわけでございます。今回はそれは制度は切り替わりましたけれども、その三百四十五億円今まで政府が外務省経由で先方に渡していたものを逆にJBICに渡して、JBICで債権を償却するという形にするということで、基本的には今までの負担と同じような形で考えていきたいと思っております。
 いずれにせよ、四十年にわたってこういう債務救済無償の方式を続けるよりは、なるべく短い間で全体の債務をカットをするという方が現在価値的に言えば金額としては少なくなると、そういう判断もありまして今回決めさせていただいたというところでございます。
#28
○勝木健司君 要するに、方式を今回は変更されたということですね。そういうことで承っておきたいというふうに思います。
 最後に、塩川財務大臣にお伺いをしたいというふうに思いますが、イラクの状況と今後国際情勢がますます予断を許さない環境となってくることが考えられるわけであります。こうした状況の中で、国際金融機関の途上国に対する支援という考え方も根本から見直す、あるいは問われてくるんじゃなかろうかというふうに思うわけでありまして、今後、世銀グループを始め国際金融機関の活動の中で米国主導で支援体制が作られるという懸念があるわけで、このグラント化についてもあったわけでありますので、そのとき日本は単に米国追従ではなく、やはり様々な民族あるいは政治問題の中で本当に必要な途上国支援を行うべく、日本としてのイニシアチブを取る場面が必要じゃないかというふうに思うわけでありますので、イラク戦争後のいろんな復興支援の今後の問題も含めて、国際支援の在り方について財務大臣の所見をお伺いをして、終わりたいというふうに思います。
#29
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は余り深いことを知りませんが、しばらくの間、この一年間、国際金融関係の話をしたりしておりまして、私たちとやっぱり世界銀行あるいはIMFとの考え方の中に、根本的には共通しておりますけれども、やり方について大分違うなという感じがいたします。
 例えば、IMFなんか援助しましても、おれたちの言う形で持っていけと、こういうぐあいにやりますが、ところが援助を受ける国はそれだけの行政能力がまずないんですね。それから、それだけの経済基盤ができていない。そういう援助の仕方をあるいは協力をしても、なかなか効果が上がってこない、そこにいろいろ国内の反発が、もうもめてくると。これはアジア危機のときに出てまいりましたですね。
 そこで、日本としては、やっぱりIMF、世界銀行の付き合い、これはもう当然やらにゃなりませんし、私は、アジ銀のやり方が一番いいんじゃないかと。日本が総裁、今、千野さんというのを出しておりますが、ああいうやり方が、要するに政府との間の中で本当にこういうことが手を差し伸べてほしいんだという、そこをやった方が、そういう支援体制を取った方がいいと思います。
 それと、日本とやっぱりアジアあるいは特に中東地域なんかで国民感情的に合うようなものがあるとするならば、そういうものは積極的に日本からアイデアを出してあげて、こうした方がいいんじゃないか、つまり行政能力が低いのでございますから、そういうものを手伝いながら援助をしていくということをやっぱりやっていくべきだと思っておりまして、そういう努力を今後考えていきたいと思います。
#30
○勝木健司君 ありがとうございました。
 終わります。
#31
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。
 私は、先ほど勝木議員の質問の中にありました港湾の二十四時間フルオープン化の問題について伺いたいと思います。
 税関は、セブンデーズ・オープン・トライアルと銘打って、税関の執務時間外における通関体制の試行ということを昨年の十月十五日から今年の三月三十一日までの期間でということで実施されております。もう間もなくこれが終わるということなんですけれども、既に一月の段階でその中間報告が出されて、それに対する通関体制試行の中間評価ということがなされました。そういう段階に今あるんですけれども。
 その中間評価の中で、もう既に七月以降完全実施というふうな方向で検討をやろうというふうなことも書いてあるんですが、元々三十一日までの試行期間、それをどう総括するか、その総括に基づいてどう考えるのかということが一番問題だろうと思うので、中間評価という形で既に進んでいることについて、何でこうなっているのかということと、そもそもそれじゃ、試行期間を設けてやったこのセブンデーズ・トライアル、これの目的は何だったのかということについてまず伺いたいと思います。
#32
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、今や空港にあってもあるいはこういう港、港湾にあっても、二十四時間使えるようにしていくということが、国際間の交流が増大していく中に必要性が非常に増してくると。そういう体制に後れを取った国はひょっとすると経済の中心地から脱落していくんじゃないかというようなことも言われる中に、空港の整備あるいは港湾整備ということが非常に進んできているわけでございます。
 そういう中で、我が国としても後れを取ってはならない、先進国としての地位をきちっと占めていきたいということの中に、通関業務にかかわる、携わっている方には大変なことでございますけれども、どこまでやれるかというようなことをトライアル、試行として昨年スタートをしてみて、御承知のように三か月間ちょっとやってみたところでございます。
 後は詳しく当局から話をさせますけれども、私どもが見た感じでは、非常にやっぱりずっとオープンしているわけですから良かったと、貨物がいつでも受けられるということで非常に好評で、しかも職員の間でも何とかやっていけるんじゃないかなというような総体的には結論が出たと聞いております。そういうことを踏まえて、それじゃいよいよ本格的に七月からオープンできるかどうかということの今検討に入ったということでございます。
#33
○池田幹幸君 大まかに言ってうまいこといったと、大体うまくいったのでこれから実施していく方向で検討しようかということになっているんだということなんですが。
 それで、たしか中間報告を見ますと、そういう結論を導き出すようなそういった表現が確かにありますですね。これでは、一月の中間報告で、これまでの利用実績、勤務時間外に試行を利用した輸出入申告件数は、三か月間で全国計三千九百六十件、前年同期千二百十三件だから相当なものですね。昨年を大幅に上回る実績、前年同期比約三・三倍となり、すべての実施官署において活用されていますと、こういう形になっております。
 ここまで非常に高い評価という形がなされているわけですけれども、今の小林副大臣の評価というのは、こういうことを踏まえてそういう結論を、まだ中間段階であるけれども既に結論を下したと、こういうことですか。
#34
○副大臣(小林興起君) 結論というか、そういう評価をさせていただいたと。今のところ、いいという評判が高いわけでございまして、先ほど申し上げましたとおり、全体の流れとしてはやがてやっていかなければならないという、そういうことでございますから。ただ、今も申しましたように、体制として人員は対応できるのかと。あるいは、これは政府だけじゃなくてその先に民間の方がいらっしゃるわけですから、便利は便利ですけれども、政府がいきなりぽんと門戸を開けても、じゃそこで寄ってくる方々がそれに対応できるかということもございますので、そういうことを見ながら、七月から本格的にこういうことでオープンできるかなということを、できたらうれしいわけでございますけれども、そういう方向で検討に入っているということでございます。
#35
○池田幹幸君 その評判がいいということについては、私は実際、税関の方で出しておられる文書について後で見ていきたいと思いますけれども、今日は余り時間ありませんのでこれ全部やっていくわけにはいきませんけれども、それは後で見たいと思います。
 その前に、こういう結論を下すに至ったこのデータ、これについて私はちょっと見方が甘いというか恣意的というか、そういったものを感じるんですね。
 そこで、ちょっと伺いたいんですが、この三千九百六十件あります。これは本当にトライアル、試行といいますかトライアルを利用した件数だけなんでしょうか。これは事務方に伺いたいんですが、これは税関で今までも時間外通関でやっているんですよね。その時間外通関、従来からの時間外通関とトライアルとをごちゃ混ぜにした、そういった数字なんじゃないですか。
#36
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 この三千九百六十件でございますけれども、先生おっしゃるように、確かにこれまでも、臨時開庁の申請があれば、それにこたえて臨時開庁をしていることは間々ございます。それは言わば既存のそのまま延長でございます。今回それに加えて、更にこの八官署におきましては特別の部屋も設けまして、そこで言わば特別通関班を形成いたしましてここでやるものを加えたわけでございます。この三千九百六十件、仮にその内訳を申し上げますと、これまでの延長の分が約千九百件ぐらいございますし、また、特別通関班が新たに新規にやった分が二千件を超えております。
 比べる場合に一番客観的な比べ方は、これまでの前年あるいは前々年におけるどれだけ臨時開庁があったか、今回はどれだけ臨時開庁があったか、臨時開庁同士を比べるのが最も客観的でございますので、三千九百六十件ということを出しておりますが、そのうち新規の体制部分だけというふうなとらえ方をするならば二千件、それでも二千件を超えておりまして、前年よりもかなり大きな件数になっておるということでございます。
#37
○池田幹幸君 いや、これトライアルとして比べるならば、トライアルとして特別通関班を作ってやったわけですから、特別通関班がやった件数が前年と比べてどうなんだというふうに比べないとおかしいじゃないですか、そうでしょう。今までだってちゃんと臨時でやっているわけですから。それがこういうことをやったことによってどれぐらい増えるのかということを見るのであれば、当然試行のその特別通関班がやった件数で見なければならないわけで、その辺はちょっと恣意的なとらえ方をしているなというふうに私は思いますね。
 で、ここでかなり詳しく分析もそれはしておられるんですね。それでこれは、この中では八つの港を、それも個別に出しているし、それから曜日ごとの件数も出しているんですね。この曜日ごと、夜中にやったり日曜、祭日やるということですから、それを分析するのは非常に大事なことで、それを見てみますと、平日の夜間、土曜日、日曜日、それぞれの一税関一日当たり、じゃどれぐらい増えたんだ、扱ったんだと、この特別班がですよ、やりますと、平日夜間は二・九四、三件以下です。土曜日が五・二五、休日が三件、日曜日は〇・二五ですよ。だから一つも扱っていない港が四つあったということですね。そういうことなんです。だから、日曜日なんか一か月にたった一回ということでしょう。
 このようなデータを持ってきて、さあもうともかく増えた増えた、それだけ需要があるんだという見方というのは、これはちょっとまずいんじゃないかと。本当にフルオープン化ということがどこでどういうふうに要求されているのかということを見ていったときに、ちょっとこれは意識的に最初からもうフルオープン化、そのための絶対に必要だということをもう答えが先に起きまして、それに答えを合わせるような、そういった作為が私このデータの扱い方から感じるんですね。
 それいかがですか、大臣。
#38
○副大臣(小林興起君) 取りあえず三か月間やってみた結果でございまして、やがてやらなければならないというような、そしてやることが歓迎されている、大事だということがありますけれども、これから検討していくという中には、おっしゃるとおり、もし利用されていないところとかオープンしてもお客が来ないじゃないかというようなところがあれば、私は必ずしも、一律に全部フルオープンでいくというのは、これは人も大変でございますから、そういうことをしなくても、その結果を踏まえて、ここはすごく来るなというところからオープンしていくとか、そういう現実的な対応があってもいいんじゃないかなと私としては考えております。
 そういうことを踏まえて、検討ですからこれから、検討という中には、どういうふうにオープンしていくかという検討でございますから、方向はそうであっても、一遍にどんといくのか徐々にいくのかというようなことも含めて、データを見ながら、あるいはお話を関係者から伺わせていただきながら、結論をこの夏に出していきたいということだろうと思っております。
#39
○池田幹幸君 私は、この結果を見ますと、三月三十一日までの結果ももう一回見ないといかぬと思いますが、この中間報告のそれを見ると、むしろ、二十四時間フルオープン化というのが本当に必要なのかと、それに疑問が投げ掛けられているというふうに思うんですね。
 これ要求したのは、評判がいいとおっしゃるけれども、要求している業界は、経団連が確かに要求しました。しかし、その内訳を見ますと商社と船会社、これはもうやってくれと言っている。ところが、港湾関係の事業者とか普通のメーカー、これ何も要求していないんですよ、大して。
 なぜこういうことが起こるか。これは当然だと私は思うんですけれども、土曜、日曜だってこんなに少ないの当たり前なんですよ。日本では土曜、日曜、工場が休みのところがもう圧倒的に多くなってきているんですよ。土曜日に材料を運び込まれたって工場が動かないわけですから、別に運び込む必要ないんです。そういう実態が今ある中でも、何で二十四時間やらないかぬのかということが疑問に感じている業界の方が多くなってきているという、そういう実態があることをまず押さえておかないかぬと思うんですね。ですから、この結果を見てもかなり出ておりまして、税関があるいは財務省が考えたほどの実態にはなっていないと思うんですよ。
 こういうこと書いてあります。評価報告書を見ますと、ターミナル業者の意見として、コンテナターミナル、これはもう扱いが大体八割から九割の貨物が今はもうコンテナになっているんですね、コンテナターミナルの業者。貨物量が全体に少ないので、常時貨物の受入れ体制を整えておくことはコスト増になると。それはそうでしょうね。昼間の体制を夜に持っていくと、荷物が入ればクレーンも動かさなけりゃいかぬ、トラックも動かさなけりゃいかぬ、人数は要るということになるんですよ。だから業者としても、昼間十扱う人、一人で十扱うとする、そのままその人を置いておかないかぬわけです、夜もね。これはもうコスト増になるの当たり前なんです。
 それから、コンテナターミナルゲート、これオープン時間を延長した。しかし、時間外のコンテナ貨物の搬出入の要請は少ない。要請があるかないかも分からぬという。大事なところですよ、これ。それは当たり前なんですね。夜中に必要ないんですよ、運び込まれる必要も。搬出入しない。そうすると、税関は受け付けて通関します。荷物、コンテナターミナルゲートからくぐって入ってこないと。そうすると、その荷物どこにあるんですか。ヤードが別にあればヤードに置いておくんでしょうけれども、あるいは、通関はしたけれども荷役しない、積み上げない、降ろさない、あるいは積み込まない、こういうことですよ。非常に不経済ですよね。
 結局、ということは、通関件数は確かにこうやって増えている。増えているけれども、これ費用対効果からいったらマイナスだ、過剰な行政サービスだということになっちゃうわけですね。何のための行政サービスやっているんだ、不必要な行政サービスやっているということになるだろうと。
 それから、結局は、搬出入が少ないということは、夜間の荷役は必要ないと。だから、商社とか船会社が夜間通関すると、それだけじゃ困るんですよね。船会社は、降ろしてもらわなければ、荷役を終わらして早いこと港から出ないと滞船料取られちゃうわけだから。滞船料を減らしたいというのが彼らの願いですからね。それからすると、これ何の意味もないということにもなるわけですね。
 結局、要請が少ない、搬出入の要請が少ないと。一部の船会社と商社の利益のために過剰な行政サービスやっているということになるんじゃありませんか。
#40
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 このまず中間評価でございますけれども、これも先生御承知のように、正に私どもとしては、客観的に透明性を持って、取りあえず三か月間にわたる数字について幅広く、もう大企業、中小企業、いろいろなところから、コンテナターミナル業者、港湾業者、通関業者あるいは職員、皆様から聞いたところをそのまま全部載せました。正に今、先生からおっしゃられたコンテナターミナル、そういう意見も現にあることはつまり事実でございます。
 やっぱりコストが掛かるとか、人手が自分のところはなかなか対応できないから土日は困るとかいろんな意見があったのも、それも事実でございます。そのとおり報告しておりますが、しかし全体として見れば、やはり今回、職員の常駐ということによって、やっぱりいつでも通関ができて利便性が向上したとか、あるいは長期的視点に立って是非進めてほしいとか、客観的に見てそういう意見が圧倒的に多かったこともこれまた事実でございます。
 それから、数字におきましても、確かに、日曜日とか八時過ぎとかで、深夜の八時過ぎとかで少なかった、これも事実でございます。ですから、時間をどういうふうに、二十四時間だと言いましても、全く、先ほど副大臣から御答弁したように、小さな港においてもすべて二十四時間するわけではございませんから、そこは、そういうところでは申請があれば対応する、申請があれば確実に対応するというようなことによってやりたいと思いますし、本当に必要な需要量があるだけに絞って、かつ、それも日曜日の例えば午後とかですね、余り需要がないところは外して、本当に必要なところだけを集中的に持ってやっていくと、そういう効率的な、あくまでも重点的なことを考えていきながら進めるということでございまして、また、そういうことが望まれていると、そのように考えております。
#41
○池田幹幸君 大臣の方は答弁なさらずに、不規則発言で考え方が全く違うと言っておられたんで、そのことについては後で伺いますがね。
 何のためのデータ収集ですか。出ている数字をあたかもたくさん利用者が、希望者があるかのように、あるいは利用者があるかのように分析して、それで必要なんだと出しているんですよ。こういう恣意的なやり方というのは、結論先にありきでやっているからなんですよ。本当にデータを取る、試行する、そういうことでやるんだったら、こんなやり方おかしいじゃないですか。
 実際、私も紹介しているように、船会社と商社は全面賛成ですよ、圧倒的多数ですよ。そこでまずいなと言っているところは一つもないですよ、これ見たら。しかし、中小業者はこんなことをやったら、これはコストが掛かってやっていけないと言っているんですよ。しかし、やらなければ大企業に仕事を取られちゃうからやらないかぬようになると、大変だと言っているんです。当然でしょう。どこが考え方が違うんですか、大臣。だから、大臣ですよ。先ほど考え方が違うと言ったから。
#42
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、今、田村局長も言っていますように、特定の、国際的に開かれた特定の港湾の話なんですよ。一般の港湾はそうじゃないということを言っておりますから、だから特定の港湾を、特定の港湾というのは、国際的に重要港湾として指定しておるとか、それはやっぱりシングルウインドーに持っていって体制を変えなければ、国際競争に勝っていけないんだ、勝っていけないというか活用されていかなくなってくるんです。何で日本の港湾がこんなに寂れてきたかということの、いわゆる構造改革から起こってきておる話なんです。
 ですから、データから持ってきたという話じゃないんでございまして、むしろ構造改革の、それに合わせてもらうようにしなきゃならぬと。そこが私が言っておるのと違う。だから、池田さんのおっしゃるのは、こんなデータだからこうじゃないかという話と、そうじゃなくて、私たちは、国際化に合わせたいわゆるシングルウインドー体制を取って、これで競争条件を満たしていくためにはこうしなきゃならないんだ、そのためにはこういうお互い協力してもらいたいと、こういうことを言っておることでございますから、そこが考え方が違うということを申しておる。
 ですから、特定港湾以外はそんなことを強要するものじゃございません。
#43
○池田幹幸君 これはちょっと話がまた違う問題に発展しているんですよ。恐らく大臣は、これはハブ港湾のことを言っておられるんですね、ハブ港湾のことを。
 確かに、この八つについてはハブ港湾的役割を果たしている港ですよ。しかし、もしハブ港湾としての役割ということでいうならば、通関云々は余り関係ないんです。つまり、トランシップするための港にしようというわけでしょう。要するに、大きな船で持ってきて、そこで一度降ろして小さい船に積み替えて、韓国とか中国とか、これに送りましょうというわけですよ。そういう港として利用しようというところに、何で通関の問題が出てくるんですか、何でコンテナターミナルのことが問題になるんですか。これは全部、国内への荷物の搬入、それから国内からの搬出の問題ですよ。そうでしょう。積み替える荷物、通関する必要なんかないじゃないですか。全然違う問題をあなたはおっしゃっているんですよ。
 この問題は、要するに輸出入業者の問題と国内のメーカーの問題なんですよ。そんなことを、そのために行政サービスをしようというわけでしょう。違う問題を持ってきて言われても困る。
 それからもう一つ言えば、その国際競争云々のことで言っても、じゃ、いつまでもいわゆる日本の港をハブ港湾として、中継としての港として栄えさせていこうという考え方、いつまでもそんなこと通るのかと。既に、昔と違って日本は土曜、日曜、メーカーも休んでいる、そういう時代になってきているんですよ。そういうところのもし構造を言うなら、そういうことを考えて言われるべきだろうということを申し上げて、もう時間なくなりました。終わります。
#44
○大渕絹子君 国際開発協会の質問をやらないと言ったんですけれども、一問だけ聞かせていただきたいと思います。済みません。いただいた資料をずっと眺めておりまして、ちょっと聞いてみたくなりました。
 実は、二〇〇〇年のシェアなんですけれども、出資国のシェアなんですけれども、アメリカが三六、GDPのシェアなんですけれども、アメリカが三六%、日本が一七・七%、それからEU二十四か国で三二・八%という具合だったんですけれども、今回のこの第十三回における出資シェアなんですけれども、アメリカが極端に少なくなっているんですね、二二・五%と下がっている。そして、日本は一七・七から少し一・七%少なくなって一六%。ヨーロッパ二十四か国は四七%と増えているので、これは当然かなというふうに思うんですけれども、アメリカの減り方と日本の減り方、今の日本の経済状況からすればアメリカと匹敵するような減り方であって当然だと思うんですね。
 そして、更に驚いたことに、二〇〇二年六月末の現在、累計出資額というところを見させていただきますと、アメリカが全体シェアの二三・六二%で、二百五十八億四千百万ドルですね。そして、日本が二百四十一億三千七百万ドルと。ここ本当に一%ちょっとぐらいしか違わないんですね。これ見て私は唖然としたんですよ。いやあ、これはすごいんじゃない。更に今回、二千四百七十八億円日本が負担をするということですけれども、今の状況からすれば、ここはもう少し下げてもよかったのではないかなと。
 昨日説明いただいたときにはそう不思議に思わなかったんですけれども、今ずっと数字を眺めていたら、ここはちょっと言っておかなければいけないんじゃないかなというふうに思ったんですけれども、御答弁いただければ。
#45
○政府参考人(渡辺博史君) 御答弁申し上げます。
 今の議員御指摘の二〇〇〇年のGDPにおけるシェアと、それとIDA13における出資シェアは、正に議員御指摘のとおりでございます。しかしながら、今回の増資と前回の増資の比較ということで申し上げれば、正に日本は、現在の経済状況等を考えまして、これまでのシェアを二・数%下げる形になっておりますのに対しまして、アメリカは前回のシェア二〇・八六%から今回二二・四八%に上げるという形になっております。
 したがいまして、一九九〇年代においてアメリカが相対的に経済状況がよろしくなかったときに、日本あるいはヨーロッパのシェアが相対的にアメリカに比べて高かった状態は事実でありますけれども、やはりIDAの十二次増資あるいは十三次増資におきましては、日本の経済力その他を考えまして、日本は二回にわたってシェアを下げてきております。
 それに比べまして、現在、アメリカ、あるいはヨーロッパの中で相対的に経済の状況の良いイギリスがシェアを上げてきているというのが今回の姿でございますので、GDPのシェアと直接比べた場合にはまだ日本のシェアが高いということは御指摘のとおりでございますけれども、傾向的にはこれを今下げてきているという状況でございます。それに対しまして、アメリカは前回に比べては二%強シェアを上げてきているという形になっております。
 それから、IDAの累積出資額も、そういうことで、九〇年代におきまして日本がODAのディスバース額がアメリカを超えて世界一であった状況が約十年続いておりますから、その中において国際機関を通じての援助も増やしていたと、そういうことの積み重ねが今こういう姿になっておりますけれども、今後どういう形で進めていくかということは正に委員御指摘のとおりでございますし、先ほど大臣からも御説明いたしましたように、日本の現在の経済の状況、あるいは主体的にかつどのように戦略的に進めていくかと、そういう観点からこういう開発金融機関における出資のシェアというものも見ていきたいというふうに思っております。
#46
○大渕絹子君 お金だけ出して使い方については余り文句が言えないような状況であるならば、やっぱりきちっと日本が独自に援助、どういう援助をしたいかという主体性を持って使えるところにより出していく方が私は有効だというふうに思うんですね。
 この今回の単位がSDRということになっていますけれども、これ出資するときはドル建てでするんでしょうか、円建てでするんでしょうか。
#47
○政府参考人(渡辺博史君) 増資額の議論をいたしますときにはSDR建てで議論をしておりますけれども、全体の合意ができた段階におきましてその日の円レートに換算をしておりますので、今現在、日本国政府がIDAに対して払い込む責務は円建てで確定しております。
#48
○大渕絹子君 それでは、関税定率法の方に移らせていただきますが、通告をした質問がかなり重複をしておりますので、御答弁をいただいた中でちょっと重ねてお聞きをしたいというふうに思います。
 中国に対する特恵国としての扱い方をどうするかという議論は多分ほかの同僚委員の皆さんも同じだというふうに思うんですけれども、さっき副大臣は答弁の中で、二年連続してその品物について五〇%超えとおっしゃいましたか。これ、二年連続して五〇%を超え、なおかつ十億円を超える商品については考えていくというふうに御答弁になったと思うんですが、そんな商品は一体どんなものが想定されるんでしょうか。
#49
○政府参考人(田村義雄君) 国としては特恵の対象になっても、財としては、一つはシェアが我が国に対して五〇%を超える、そして額も十億円を超えるというものについては特恵適用から外すことがあり得ると。しかしその場合には、やっぱり国内産業に重大な影響を与えるとかいろいろな要件もございますけれども、基本はその五〇%と十億円でございますから、そういう財は工業生産品あるいは農産品含めましてかなりございます。現実にはいろいろな国からございますし、今お話しになった中国からの産品におきましてもシェアが五〇%を超えて、かつ十億円以上入ってきているという財はございます。
 ただ、その財についてやはり所管省庁とよく議論をいたしまして、その財のそれだけの流入額が果たして日本の国内産業にとってどのぐらいの影響を与えているのか、やはりそれが特恵から外すべきなのかどうかということを議論した上でその適用対象にすることを考えざるを得ませんので、今具体的にどの項目、どの財かと言われても答えようがございませんが、今、客観的、形式的な基準を満たす財はかなりあるということは申しておきたいと思います。
#50
○大渕絹子君 この適用除外措置の中では二五%超えというふうにうたってありますよね、卒業するときの条件として。それを更に五〇%にして外すという、検討をするというのは少し意図的じゃないかなというふうに思ったものですから、あえて聞かせていただきました。それで、今は具体的には言えないということですけれども、どうして言えないんですか。
#51
○政府参考人(田村義雄君) まずお答えのうちの一つとして、今二五%のお話、これは確かにそうでございます。これまでは二五%というルール。これはただし、一度高所得国になった、つまり特恵対象国であるけれども、高所得国、例えば世銀の言うルールでいいますと九千億ドル一人当たりGNPを超えるような国になった、その場合には二五%のシェアでございますというのが今までルールでございましたけれども、今回は、そういう高所得国になるならないは別として、トータルとして五〇%のシェアというふうにしたわけでございまして、それが一点でございます。
 それから、その財につきましては、それぞれの財、貿易統計から拾えばこれは当然であるわけでございますけれども、ただ、それぞれについて実際にその対象にするかどうかをこれから議論しなきゃいけないところでございまして、各それぞれの所管省庁とまだ議論を進めていく必要があるからあえて申し上げていないだけで、拾えば取れるということを申し上げております。
#52
○大渕絹子君 二年連続というのは、過去において二年連続ということで考えてよろしゅうございますね。
#53
○政府参考人(田村義雄君) はい。
#54
○大渕絹子君 はいとおっしゃってくださいましたので。
 それでは、中華人民共和国の中で香港地域、マカオ地域が除かれていますけれども、これはどうしてですか。
#55
○政府参考人(田村義雄君) 香港、マカオにつきましては、その取扱い、いろいろな議論はあろうかと思いますが、少なくとも現在までのところ、どちらもそれぞれの国の基本法におきまして、もちろん中国には返還されておりますけれども、関税地域としては独立関税地域というふうにされておりますので、例えばAPECあるいはWCO、WTO、いろいろな国際機関におきましても香港、マカオは一応独立の地域として扱われておりますので、独立した関税地域である以上は別に扱うというふうに関税上は考えております。
#56
○大渕絹子君 そうか、そういう答弁だと私が後は言えなくなるのね。本当は上海とか深センとか今の、すごく地域特定ですごく経済が発展している地域もこの香港やマカオと同じように地域指定をして外していくということができるんじゃないかと私は今言おうと思ったんですけれども、関税の扱いが独立しているということなんですね。そうだとちょっと私が言っても無理ですね、これは。分かりました。済みません。分かりました。
 それでは、今回の改正によりまして特許権、それから実用新案権、意匠権及び育成者権の侵害物品についても、従来からの商標権、著作権などの侵害物品と同じように輸入差止め申立て制度の対象に加えられましたけれども、いわゆる申立て担保制度を取るようになったわけですけれども、この中で、相当と認める額の金銭を供託すべきことと、こう命ずる制度になっていますけれども、この場合の相当と認める額というのは一体どのぐらいの、どの程度の額というふうに想定をされるのかというのをちょっとお伺いをしておきたいというふうに思います。
#57
○政府参考人(田村義雄君) 技術的な御質問ですので私から答弁させていただきます。
 今回、特許権等を新たに輸入差止め申立て制度に加えましたけれども、国際的にTRIPsという協定がございまして、商標権等と違って特許権等をこの輸入差止め申立て制度に加える場合には解放金制度というのを設けなきゃならないという条約がございます。それに基づきまして私どもはこの解放金、言わばそういう担保金を設定するということを今回も設けたわけでございます。
 どのぐらいかということでございますが、これはいろいろな考え方ありますが、通常、大体輸入価格の二〇%程度を担保金として取っているという、担保を取る予定でございます。
#58
○大渕絹子君 はい、ありがとうございました。
 先ほど税関職員の増加についても質問がありまして、純増、今年度、十五年度ですね、来年度ですね、三十二名増というような話で、やっぱり定数少し足りないのではないかなと私自身も思うんですね。そして、今の状況からすると一気に増やしていくというのは無理だと思うんですけれども、例えば農水省などは、行政改革によってかなり検査体制のところが手が空くところも出てき得るように思うんですよ。そうしますと、税関の職員に再教育をして配置替えをするようなことというのは考えられないんでしょうか。特に私は農産品の、農薬の基準とかそういうものについてもう少し厳重にチェックをする体制作りというのは極めて重要になってくると思うんで、そうしたところに替えていくというようなことを流動的に考えたらいかがかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#59
○副大臣(小林興起君) 多分この問題について所管が政府としては違うんじゃないかなと思うわけでございまして、ある省庁の職員をこっちへ持ってきて使うということについて、そういうことが決められるのは我が省ではないと思うわけでございますが、一般の政治家として、そういうことは考えられている、考える我々の意見の中にもあるわけでございまして、そういうことをやっていくのが真の行政改革になじむんじゃないかなという声は政治家の間にあるわけでございまして、それを具体的な日本の官僚制度の中でどう生かしていくことができるかというのは、私はやっぱり大きな問題だと思っております。
#60
○大渕絹子君 ばしっとそれはもう有効に人材活用するというようなことが出てこなければおかしいですよね。せっかく有能な人材を抱えながら、そこが余っているというような状況があったときに、もちろんそれは相手省庁が余っているとは言わないでしょうね、実際に今の体系の中では言えない状況にあると思いますけれども、余剰人材は上手に使っていく必要があるというふうに思いますので、是非考えてください。
 そして、さらに最後に大臣にお聞きをしたいのは、私、人の健康ということで非常に心配をしていることがあります。それは──健康です、健康。それは輸入農産物、いわゆる野菜などに非常に多くの農薬が使われていて、それがもう消費者のところに今は出回っているという状況、価格が安ければ買うというような傾向がある中で、それは消費者側にも非常に責任はあるんですけれども、安ければいいということでなく、自分の健康に対していいのか悪いのかということの判断の中で買わなければいけませんけれども、しかし、店頭にそういうものがもう平然として並んでいるということをどこかで食い止められないだろうか。
 さっき水際作戦の話が出ましたけれども、農産物については、関税という観点で掛けなくても、農薬の検査体制さえきちんとやればかなり入れないで済むことができるんですね。だから、税金を課すということだけで止めるのではなくて、農薬の検査体制をだんと強力にやって入れないということもかなりできるんですね。だから、中国に対してはそういうこともこちら側では防御できる体制として取り得る体制なんです。そういうことも是非、こうした税関の会議などがありましたら大臣の方からも主張していただけますようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○副大臣(小林興起君) それは制度としては、この財務省がこういう食品は衛生上問題じゃないかというふうにはなっていないんですね。これはやっぱり農林省とか厚生省、役所がいいか悪いかということを判断して、そしてそれが悪いと言っているのにその検査を迂回して税関のところを通そうとするときに、待ってくださいと、証明書がないですよというのがこの税関の役割でございますので、いかぬものは入れないんですけれども、向こうが入れてもいいよというものについて、来たものについて、財務省がそれは食品衛生上おかしいじゃないかということは言えないわけでございますから、そこを分かっていただいて、ただ、塩川大臣の方から政府の考え方として、怪しいものは関税ではなくてそもそも検査をしっかりして入れないようにしようという、それは政治として考えていくことは十分に承知していると思います。
#62
○政府参考人(田村義雄君) 副大臣の答弁に若干補足させていただきますと、基本的には、今正に、厚生労働省や農林水産省の各所管官庁が責任を持ってそれぞれ食品衛生などの観点から検査を行う、安全確保に努めているところでございますけれども、税関におきましても、これらの措置の実効性を言わば担保するために、言わばダブルチェックといいますか、所管の手続の完了ができたかどうかを確認する義務が私どももございますので、そこはよく連携を取りながら輸入食品の安全確保に努めてまいりたいと存じますが、第一義的にはやはりそれぞれ所管省庁が責任を持ってやっているということは申し上げてさせていただきたいと思います。
#63
○委員長(柳田稔君) じゃ、大臣、答弁されますか。大臣、答弁されますか。
#64
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、それは非常に大事な問題でして、今、食の安全問題が政府として取り組んでいるところですから、それは大島大臣にこういう質問があったということは伝えておきます。
#65
○大渕絹子君 ありがとうございました。
 終わります。
#66
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#67
○大門実紀史君 両法案に反対の討論を行います。
 関税定率法案に反対する理由を特に二点申し上げます。
 第一は、加工再輸入減税制度の対象品目への革靴製品の追加が、中小零細の多い製造業者に死活にかかわる打撃を及ぼすからであります。国内の伝統技術を守る立場から反対をいたします。
 第二は、簡易申告制度の改正が検査体制を一層骨抜きにするおそれがあるからです。
 本法案は、特恵関税制度、農産物の特別緊急関税の適用期間延長など賛成できる点もありますが、法案全体としては賛成できるものではございません。
 次に、国際開発協会増資法案です。
 国際開発協会を含む世界銀行グループは、元世銀副総裁であったスティグリッツ・コロンビア大学教授が述べているように、アメリカが自国の経済的利益を世界市場で追求する、すなわちアメリカ主導のグローバリズムの先兵の役割を果たしています。特に、その具体的手法である構造調整プログラムは、融資と引きかえに途上国に画一的な緊縮財政、市場開放などを押し付け、各国から今現在も批判の的になっているところです。世界銀行グループの民主的な改革が行われていない下で、追加出資をすることには反対せざるを得ません。
 以上述べて、反対討論といたします。
#68
○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次両案の採決に入ります。
 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#69
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、峰崎君から発言を求められておりますので、これを許します。峰崎直樹君。
#70
○峰崎直樹君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)並びに各派に属しない議員大渕絹子君及び椎名素夫君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。
   なお、関税の執行に当たっては、より一層適正・公平な課税の確保に努めること。
 一 関税暫定措置法の牛肉に係る関税の緊急措置の延長に関しては、平成十三年九月のBSE発生以降牛肉消費が不安定に推移していることにかんがみ、その発動の影響に配慮すること。
 一 急速な高度情報化の進展により、経済取引の国際化及び電子商取引等の拡大が進む状況にかんがみ、税関の執行体制の整備及び事務の一層の情報化・機械化の促進に特段の努力を払うこと。
 一 最近における国際化の進展等に伴い税関業務が増大し、複雑化する中で、その適正かつ迅速な処理の重要性に加え、麻薬・覚せい剤を始め、銃砲、知的財産権侵害物品、ワシントン条約該当物品等の水際における取締りの強化に対する国際的・社会的要請が高まっていることにかんがみ、税関業務の特殊性を考慮し、税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善及び機構、職場環境の充実等に特段の努力を払うこと。
   特に、港湾の二十四時間フルオープン化及び構造改革特区の進展に対応した、通関部門等の新たな勤務体制の移行に当たっては、その趣旨を十分に考慮した体制の実現に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#71
○委員長(柳田稔君) ただいま峰崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、峰崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩川財務大臣。
#73
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
#74
○委員長(柳田稔君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#75
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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