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2003/04/24 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 財政金融委員会 第9号
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2003/04/24 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 財政金融委員会 第9号

#1
第156回国会 財政金融委員会 第9号
平成十五年四月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     舛添 要一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                円 より子君
                浜田卓二郎君
    委 員
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                西田 吉宏君
                舛添 要一君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                峰崎 直樹君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       藤原  隆君
       財務省主税局長  大武健一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 保険業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(柳田稔君) 保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○峰崎直樹君 おはようございます。
 保険業法の改正問題ということで質問したいと思いますが、まず最初に、一般的に生命保険業界といいますか、保険でいえばあと損保もあるわけですけれども、生命保険業界というのは非常に、マーケットでは非常に厳しい評価が下されているわけですけれども、金融担当大臣、今、生命保険業界の現状はどのようにとらえられているのかなと。
 先日も、後で質問されます櫻井委員が、本会議でかなり危機的な状況にあるんじゃないかというような質疑ありましたけれども、この点、改めてお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(竹中平蔵君) 今も御指摘いただきましたように、また先般も本会議で御指摘いただきましたように、大変厳しい状況に置かれているというふうに認識をしております。
 生保でありますけれども、十四年度上期に関しましては、いわゆる基礎利益、本業の利益は上半期で約一兆円を超える額を計上してはおります。しかしながら、御承知のような超低金利が続く中で、逆ざやの問題が一つある。これは大きな問題だと思います。保有契約高の減少の問題がある。さらには、今、決算期でありますけれども、株価の下落等がその経営、財務にも影響を与える。その意味で、引き続き厳しい経営環境にあると認識をしております。
 こうした中で各社も大変な努力をしております。自己資本の充実、さらには提携等を通じて多様な業務展開を進めコストの削減に努める、こうしたことでいわゆる経営基盤の強化に努めているというふうに認識をしています。
 いずれにしても、我々としましては今後とも、生保の健全性を確保するために、検査、モニタリングを適切に実施しまして経営状況を的確に把握したい、また各生保会社には健全性の確保に向けて真剣な努力を求めていきたいというふうに思っているところでございます。
#7
○峰崎直樹君 少しこの生保の現状について聞いてみたいわけでありますが、今もちょっと触れられていましたけれども、保険契約高の減少が続いているわけですね。これについては、その原因というのはどういうところにあるというふうに思われていますか。
#8
○国務大臣(竹中平蔵君) これはいろんな要因が考えられようかと思います。経済全体、所得全体がなかなか伸びないような状況がこの失われた十年という状況の中で続いてきた中で、負担者の側の事情というものがあろうかと思います。一方で、生保という仕組みそのもの、これが、生保の現実の破綻ということもあったわけでありましたから、そういう問題に対する制度そのものの言わば持続可能性といいますか、そういうものに対するいろんな見方も、国民としては、契約者としてはなかなか複雑なもの、見方があるのではないかというふうに思います。
 さらには、これは私自身も常に思いますけれども、生保というのは商品がなかなか難しいと。銀行の預金とか証券のようになかなか一律に割り切れるものではないわけで、非常に多様な保険等々があって、そうした中で、消費者自身がなかなかいろんな自分の購買行動、意思決定の中で難しい面もあるのではないのかなと。更に多くの要因があろうかと思いますけれども、今申し上げたようなところが一つの大枠として考えられるのではないかと思っております。
#9
○峰崎直樹君 今日これ事前に質問していなかったんで感想で結構なんですが、これは民間生保だけじゃなくて簡保も、今日の新聞見ると四・五%だったかな、やはり減少してきているということなんですね。そうすると、これは単に、ソルベンシーマージンのことなどもずっと分析をされて、簡保は非常にそれが高いと言われているわけです、健全性が高いと言われていると。そうすると、どうも健全性が高い低いでなく、何かこういう保険商品の契約高そのものが落ち込んできているというのは、何か構造的な問題があるのかなというふうに思うんですが、その辺り、簡保の商品までウオッチングされているかどうか私分かりませんが、竹中大臣、どんな感想、考えを持たれているか、もし分かればお聞きしたい。
#10
○国務大臣(竹中平蔵君) 恐らく、峰崎委員の御指摘、簡保に関する御指摘、大変重要な指摘だと思います。
 恐らく今国民の中で広く起こっていることは、自分の生涯の所得構造がどのようになっていくだろうかという、その生涯設計を非常に大きく見直さなければいけないような状況になっているんだと思います。これは、マクロ的には期待成長率が低下してきているということが一つございましょう。さらには、先ほど言いましたように、様々な、自分の生活を支える、年金、医療が代表でありますけれども、それを支えるシステムそのものがどのように機能していくだろうかというような複雑な思いを持っているということだと思います。その意味では、資産運用に関してはポートフォリオを組み替えるということがありますでしょうし、自分のリスクに対していろんなリスク評価を変えているということなのだと思います。
 保険一つ取っても、生命保険というのは自分が死ぬリスクでありますけれども、もっと別の、自分の財産に関するリスクとかそういうものも考慮して、保険の中身そのものも組み替わっているのではないかと思います。資産の蓄積、そのような意味では、結局、自分の人生の将来に対する期待が様々に変わっている中での一つの行動であろうかというふうに思います。
#11
○峰崎直樹君 その、今ちょっと簡保の問題、先に触れてみたいんですが、この間、本会議での質問もあったわけですけれども、生保と簡保の関係についてですよね。
 非常に、百二十八兆という、かなり民間の生保にトータルとして匹敵するぐらい大きな規模になっていますけれども、確かに、十年物、十年だとかあるいは全国あまねくとか、いろいろそれぞれのすみ分けが違っているように見えるんですが、この点、簡保の問題について、竹中大臣は生保との関係では改めてどういうふうな考え方持たれているか、ちょっとその点をお聞きしたいと思いますが。
#12
○国務大臣(竹中平蔵君) これは大変大きな御質問でございますけれども、先般の本会議でも片山大臣の方からこの点に関して少し言及があったというふうに記憶しておりますけれども、簡保というのは非常に、全国に展開された郵便局を拠点にして、しかも小口のものを販売する、すべての人々にサービスが行き渡るように、かつ、その意味では非常に基本的なファンダメンタルなところと、そういうものを供給するというのがそもそもの趣旨であろうかと思います。
 民間の市場の方はそれに対して非常に多様化しております。例えば、今の民間の市場の中で資産総額、保険料収入等々で実は、例えば一例でありますけれども、外資のウエートが一割に達している、ないしは一割を若干超えているということでありますから、そういう分野では今までになかったような新しい商品も持ち込まれて、非常に多様な価値観に対応するようなもの、その意味では本来やはり補完的なものであろうかというふうに思っております。
 郵便、まあ郵政公社になってそうした点を更に明確にしながら、委員がお尋ねになっているのは言わば市場における競争のイコールフッティングのことが大変重要であるという認識なのだと思いますが、その点は私も全く同様でございます。本来補完的な役割を果たすべきものでありますので、郵政公社においてそのような形での運用が行われていくというふうに期待をしております。
#13
○峰崎直樹君 その点に関して、今のイコールフッティングの問題は先日、片山大臣はとんとんぐらいだろうというふうにおっしゃっていましたけれども、果たしてとんとんかどうかというのは、これはこれから議論していかなきゃいかぬ点だと思うんですが、ただ、それ以上に、このいわゆる管理監督が実際上簡保の場合は総務省になるわけですね、実際上、郵政事業庁になったとしても。そうすると、何かレフェリーと実際のプレーヤーが同じところでなってしまうような、そういう意味でいうと、むしろやはり、簡保であれ生保であれ、それはやはり何か金融庁として一元的に監督していくべきじゃないかなというふうに思うんですが、今日は総務大臣がおられないから思いの存分、ちょっともしあったらお話しいただければと思うんですが。
#14
○国務大臣(竹中平蔵君) 存分を語るのが良いことかどうかという問題もあろうかと思いますが、基本的にはやはり、先ほど補完的でなければいけないというふうに思いましたが、その意味では整合的な視点というのはやはり必要なのだと思います。
 御承知のように、実は検査に関しては、これは郵政公社に対しても、その信用リスクの観点からの検査、これは金融庁が行うこととなりました。そのための人員増強等々についても先生方にいろいろ御協力をいただいたわけでございますけれども、これはやはり重要な、これはマーケット、金融市場はその意味では一つでありますから、そういう新しい仕組みが始まるということは一つの進歩であろうかと思っております。
 それを受けた監督そのものは、御承知のようにこれは総務省の方で行われているわけでございますけれども、我々としては、その検査情報に基づいて的確な監督が総務省、総務大臣の下で行われているというように期待しておりますし、その意味では、様々な場を通じて整合的な、先ほどから補完という言葉を何回も使っておりますけれども、整合的な状況が作っていけるように是非努力をしたいと思います。
 総務大臣御自身、例えばでありますけれども、経済財政諮問会議のメンバーでもいらっしゃいますし、そういう場を通じて、マクロ経済全体から見た整合性の確保というのはしっかりと図っていきたいと思います。
#15
○峰崎直樹君 先ほど外資、外国への投資のウエートだとか、それはまあポートフォリオそれぞれ組むんでしょうけれども、どうもやはり、簡保とかあるいは年金資金とか、あるいは郵貯もそうなんですが、そのウエートが非常に高いということが、非常にやはり日本のある意味では、例えば、なぜ日本が円高が非常に続くのかという、その資金の動かし方も非常にやはり保守的になっていくという意味で、そういう側面もあるんじゃないかなというふうに思っておりますので、この点、将来的にはこれは民営化問題と非常に絡んで、たしか日銀総裁も郵貯の問題とか非常に問題意識を持たれているということで、今後、相当やはりこの問題には焦点が定まってくるのかなというふうに思っております。
 それはちょっと別にして、先ほど、契約高が非常に減少していく原因というのは破綻の問題があるということで、実は我々この間ずっと、保険業法の改正というのは九八年にも行われていますが、二〇〇〇年にも行われている、あっ、九六年ですか、大きい改正がありましたけれども、その場合、よく指摘されたソルベンシーマージンのこれに対する信頼性がなくなっているんじゃないかということで、その後、随分ソルベンシーマージンというものに対する改正なども進んでいるということなんですが、改めて聞くんですけれども、現在のソルベンシーマージンの考え方といいますか、比率というものは、これはあれでしょうか、信頼性を置いて大丈夫だと、もうとにかく金融庁としては、二〇〇以下に下がらない限り破綻の危険性というのはありませんと、こういうふうにもう断言して構わないんですか。
#16
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えの前に、ちょっと誤解があるといけませんので。先ほど外資のウエートと申し上げましたが、外資系生保会社のウエートという意味でございますので、申し訳ございませんでした。
 ソルベンシーマージン比率、我々の早期是正のそのシステムの中で大変中心的な役割を占める指標でありますけれども、この基準については様々な御指摘がございました。それで、平成十三年の三月に、保険会社に対する時価会計の導入等も踏まえまして、非上場株式や外貨建ての有価証券等の評価損失を幅広くこのソルベンシーマージンに取り込む、反映させると、そういった見直しを行いました。結果的に、保険会社の財務状況の実態を適切に反映するように厳格化ができたというふうに思っております。
 我々としましては、今後とも、保険業法に基づく報告徴求等を通じた財務の状況等の的確な把握、見直しした後のソルベンシーマージン比率を活用してこの早期是正の適切な運用に努めたいというふうに考えているところでございます。
 ちなみに、ソルベンシーマージンで前の比率で、いわゆる一つの基準と言われる二〇〇%を超えていたにもかかわらず破綻したところがあるじゃないかという御指摘もあるわけですけれども、今申し上げた、新たに設定した、見直しした基準の比率で見ますと、そういう残念ながら破綻したところというのは、この現行基準で当てはめて見直してみますと、いずれも二〇〇%を下回っていたということが分かります。
 その意味では、いろんな御指摘を受けて、御心配の御指摘も受けてこの基準の見直しを行ったと。この見直しについては、それなりの信頼性の高いものになっているのではないかというふうに考えております。
#17
○峰崎直樹君 また倒産をしたら、いや、もう一遍見直してみたら、今のやり方をすればまた二〇〇%を切っていましたなんていうのが続くと、これ全然もう信頼感がなくなっちゃうと思うんですね。
 ちょっと私、実は、これ今から何年前でしょうか、平成十二年の四月に第百四十七通常国会の保険業法の改正のところで、その資料を見ていたときに、ソルベンシーマージン比率の計算例というのを、調査室で作ってくれた、これ大同生命のディスクロージャー誌から引っぱり出してきたやつの中に、中身は余り見たことなかったんですが、その中に税効果相当額というのがあるんです、税効果会計というのが。当然のことながら、それは税制絡んでまいりますから、これ、今日は私これ全然質問しないけれども、今朝ちょっと資料を見ていたら出てきたものですから、大武局長もおられるので、もし税効果会計となりますと、これ税の問題絡むので聞いてほしいんですが、当時のソルベンシーマージンの中に、ソルベンシーマージン総額が十項目あったうちの中で最大のものがこの税効果相当額なんですよ。大同生命の場合のディスクロージャーでいくと、五千七百十七億円のソルベンシーマージン総額の中で税効果相当額が千七百七十八億円あると、こういう数字なんですよ。
 そうすると、どうも銀行の税効果会計とまた頭がラップしてくるんですが、最近はいわゆる基金の取崩しまで迫られているような、そういう生保関係あるんですが、この税効果相当額というのは、やはりこれはもう五年分ぐらい先のところまでいわゆる見込んだ形になっているんでしょうか、それともあの五年というのはやっぱり銀行だけに限られているんですか。この点、分かれば、ちょっと私もそこまで詳しくやらないので、たまたま今朝見付けたんですが、その点どうなっているか、ちょっと教えていただけますか。
#18
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと突然の、やや技術問題を含む質問でありますので、必要があればまた改めて御説明をさせていただきたいと思いますが、基本的な考え方というのは、その税効果会計に対する考え方というのは、銀行だけが特別だとか、そういうことはございません。これは会計の実務指針等々において定められているものでありまして、それに基づいて公認会計士が正にその資産性を認定して、それで資産に計上をされるものであると。
 この仕組みそのものを改めて言うまでもないと思いますけれども、そのような意味では、普遍的なといいますか、特にこの業界ということではなくて、一般的な会計基準に基づいて会計士ないしは監査法人において資産性が認定されていたものがそこの中に乗っかってくるわけでありますので、その意味では、会計の実務指針そのものも非常に細かく、よく読むと、なかなかいろいろ詳細によくできた、しっかりとした実務指針だと思っておりますので、それを厳格に監査法人の方で運用をされてその資産の認定が行われていると、そういうものでなければならないわけでございます。
 その意味では、この生保、銀行、繰延税金資産のウエートが高いという意味で同じような問題を抱えているわけでございますけれども、そこは監査法人等々でしっかりと査定、認定をしていただくべきものだと思っております。
#19
○峰崎直樹君 これが現実に本当の資産性を持ったかどうかというのは、恐らく将来、利益が実現しないと、恐らくまたこれもきっと実現しないんだろうと思いますので、これからも少し注意深く見ていきたいと思いますが。
 さて、今まではかなり厳しい見方をずっとしていたんですが、この生保産業というか生保業界、将来は、これは市場の将来性ということに関しては、これは金融担当大臣、どのように見ておられますですか、将来性という。
#20
○国務大臣(竹中平蔵君) これも大変大きな観点からの御質問でございますけれども、基本的に私たちは、所得水準が高くなればなるほど、いつ死ぬかもしれないという、突然予期せぬ死に対するリスクというものをやはりきちっと考えていくんだと思います。今日、食うか食わないかというような状況では将来の死というものをそんなに厳格になかなか考える余裕がないわけでありますけれども、これはある意味でやっぱり所得水準の上昇とともに、ないしは自分が残すかもしれない家族が背負わなきゃいけないリスクに対して、そういう意味で私は、こうした死というものに対するリスクをカバーするための保険、これはやはり大変重要なものを持っているということだと思います。
 一方で、日本の場合、それが資産蓄積と相まっているわけでありますけれども、この資産蓄積の部分に関しては、これは様々な競争原理が働く中で、非常に魅力のある貯蓄性の資産を、そういう商品を用意できるかという意味で、これはやはり厳しい競争、世界的な競争にさらされるのではないかというふうに思います。
 しかし、繰り返しになりますけれども、逆に今話題になっている年金というのは予想を上回って生きるリスクをカバーするのが年金であり、予想を下回って死んでしまうかもしれないリスクをカバーするのが生命保険であるという考え方でありますから、その意味でその重要性はますます高いというふうに考えております。
#21
○峰崎直樹君 私も、実はこの長寿のリスクをカバーできるのは恐らく民間では、公的年金どうするかという問題はこれからの大問題だと思っていますが、しかし公的年金も将来的には恐らく今の年金水準を、現役の五九%はこれは保証できないだろうということで、いろんな試算なども出されているわけですけれども、そうすると、この長寿のリスクをカバーできるのは、民間でいえばこれはもう生命保険が一番やはり私は重要な役割を果たすのじゃないかなというふうに思うんですね。
 その際、実はこの保険商品というのが非常に長期のいわゆるリスクを抱えるわけですね、期間リスクでいえば。ところが現実に、大体二十年ぐらいだと平均したとした場合、それに対応する、いわゆる事業会社の貸付けだとかそれは別にしても、特に国債を保有しているとか、そういう債券の保有の平均的なデュレーションは大体五年ぐらいだと、こう言われているわけですね。そうすると、二十年の期間リスクに対応するのに四、五年のもので大体運用しているということになると、このいわゆる期間リスクというものをどうしていくのかという。
 これは従来は保険会社の中に非常に分厚い内部の含み益があったと、それが非常にそれらをある意味ではカバーし得たという側面があったと思うんですけれども、そういう期間リスクに対応する、例えばこれは、たしかさっき簡保でいえばこれは十年国債をずっと運用していたという、基本的に運用していたと言われるんですが、そうするとこれは二十年国債とか、物によっては三十年国債とか、これはしかし、発行している、市場に出回っている量は極めて少ないわけですよね。
 そうすると、これからの生保がその将来的なリスクをちゃんとカバーしていくという上に当たって、どういうふうにこのリスクを取っていったらいいのかなという、そこら辺の、何といいましょうか、改革といいますか、そういったことについては何か対応し得る方法というのは考えられているんでしょうか。
#22
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の生保というのは、先ほど全体として大変厳しい状況にあるというふうに申し上げましたけれども、運用している資産額等々を一つの固まりとして見る限り、これはやはり間違いなく世界有数の機関投資家であるわけです。資産運用のその意味では世界を代表するプロフェッショナルでなければいけない、そういうものが求められている存在であろうかと思います。
 運用をどのように行うかと、これはいわゆるALM、アセット・ライアビリティーのマネジメントの根幹のところでありますけれども、その意味では資産運用の長期化等々いろんな工夫を、各社レベルでそういった工夫が行われているというふうに聞いております。これは正に経営の中身そのもの、マネジメントを、世界有数の機関投資家としてどのように腕を磨いていくかということが問われるわけですけれども、そうしたことを引き続き行っていただくためにも、私たちは、一方で安定した収益基盤があると同時に、一方で業務そのものは非常に適正な競争条件の中にさらされていると。健全な競争の中で安定した経営をしていっていただくというのが、今申し上げたような健全なスキルを磨くやはり唯一の環境整備であろうかと思っております。
 我々としては、今回の法改正によってセーフティーネット等々ないしは組織の変更等々でしっかりとした経営基盤を築いていってもらいたいと。しかし、競争そのものはやはり、先ほど外資のウエートが高まっているという、外資系企業のウエートが高まっている話もしましたけれども、そういう競争環境はしっかりと作っていきたい。そういう中で新しいスキルを間断なく、絶え間なく開発していってほしいというふうに思っております。
#23
○峰崎直樹君 銀行と同じように、たしか生保に対しても検査をやっておられますよね。そうすると、その検査の中でこういう、先ほどおっしゃったALM管理ですね、アセット・ライアビリティー・オブ・マネジメント、こういったものが本当にきちんとやられているのかどうかという、そういうことについての検査は十分やられているんでしょうか。
#24
○国務大臣(竹中平蔵君) これは保険業の言わば基本中の基本でありますから、その検査の中でどのようなことが行われているか、それを支える体制、管理体制は十分か等々を含めて、非常にしっかりとした検査を行っているつもりであります。
#25
○峰崎直樹君 以上、かなり長々とお話、現状を聞いてきたのは、一体、生保産業というのは将来は、先ほど申し上げたように、将来性が非常にある分野だと。現在、非常に苦境に陥っていると。その苦境に陥っている原因というのは、非常に一つは私はやはり、異常な低金利がずっと長く続いているという意味で、利差の問題が非常に、逆ざやの問題が大きいわけですが、しかし実際的には基礎的な純益というのは上げてきているわけですよね。しかし、その基礎的な純益を上げてきているにもかかわらず非常に厳しくなっているという最大の要因というのは、株価がやはり下落をしているということに、私、ある意味では尽きるのではないかと思っているんです。
 そういう意味で、後で生保の保有機構の問題のセーフティーネットの話に入るんですけれども、この株価がとにかくこの間ずっと下落して、もう、何といいましょうか、かつては二万円まで行っていた時期がある、あるいは小泉さんが発足したときは一万二、三千円だったでしょうか、たしか二年前そうなんですけれども、この二年間で相当下落していると。世界的に同時に起きているとか、いろんな要因を挙げておられるんですけれども。この間、去年もたしか三月に、二月だったですか、株価対策打たれたわけですね。それから、今年になっても、これはいつでしょうか、これも同じように株価対策を六項目金融庁が発表された。表面上は株価対策とは言っておられないんですけれども。
 そういう意味で、本当にこの間、株式市場に対する対策、税制も含めていろいろ手を打っているはずなんですが、ほとんど効果がなかったということについて、これは一体どのように総括をされているのかな、あるいは考えておられるのか、まずお聞きしたいと思いますが。
#26
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員も御指摘くださいましたように、我々は株価対策をやっているわけではありません。株式市場のその取引が適正に運営されるように、市場の適正な運営が確保されるようなルール作りないしはルールの徹底を行っているというのが先般の市場安定化のための措置の趣旨でございます。株価の問題というのはいろんな要因で動きますから、これは大変複雑多岐で難しい要因、一つや二つの要因を挙げて済むものではないというふうに思っております。
 我々の基本的なスタンスというのは、これはあくまでも市場で、市場のメカニズムの中で決まってくる価格の形成であるから、それに関してはやはりその市場のメカニズムがしっかりと働くようにしようと。その意味でいうと、例えば昨年に関しては、空売り規制というふうに言われますけれども、これは空売りは当然のことながらやってもいいわけですけれども、そのためにはルールを守っていただかなきゃいけない。そのルール違反を行っている会社があったので、それについてはルールをしっかりと守ってルールどおりに行ってくださいよというようなことを申し上げたわけです。
 今回六項目を挙げておりますけれども、これもいろいろ細かいものありますけれども、六項目の中で、例えば株価が今の水準、本来の実力より下がり過ぎているというふうにその会社が判断するならば、あるルールの下で自己株、自己株式の取得という方法があるわけですけれども、その自己株式に関する取得については量的な等々の制限が今まで課せられていた、その制限を緩めて、これは一種の規制緩和であったというふうに思いますけれども、もう少し価格メカニズムが働くようにしよう、先ほどから申し上げている市場の適正な運営がなされるようにしようと、そういうことを行ってきたわけでございます。
 ただ、それがやはり政策の基本的なスタンスだというふうに思うんですが、同時に一つ、やはり我々真剣に考えなければいけないもう一つの要因があるとも思っております。それは、株式市場というのは需要と供給の中で適正な価格形成がなされているものでありますけれども、さはさりながら、やはり短期的には、非常に短期的な意味での需給に影響される性格を持っている。例えば持ち合いの解消のために云々、今でしたら年金の代行返上の云々と。そういったものに対して、本来でしたら、厚みのある市場で価格が下がった場合は、先ほど言った機関投資家等々が買いに入ってそれが適正化されていくというメカニズムが働くはずなんですが、どうもやはりこの十年間でそういったことを行うプレーヤーが非常に弱くなっていっている。
 これは一例として申し上げますけれども、大体十年ぐらい前は、すべての株式の取引の中で銀行が行っている取引のウエートというのは二五%ございました。約四分の一ございました。そのウエートが今一%にまで低下をしてきている。実は、生保についても同じようなことが言えまして、これ十年前四%とか、多いときには九%ぐらいのウエートを占めていたものがやはり一%台。そういう意味では、非常に短期の需給に、たまたまどうしても売らなきゃいけない人が出てきた場合に価格が必要以上に下がってしまう可能性がある、そういうことを指摘する専門家もかなり多くなっているというふうに認識しております。
 そうした点についても、今後更にいろんな視点、こうした視点も持って動向を注視していかなければいけないというふうに思っているところでございます。
#27
○峰崎直樹君 確かに、マーケットで需要と供給で決まってくるということはそうなんだと思うんですが、しかし今、ちょうどおっしゃられたように、持ち合い株の解消問題とか、あるいは厚生年金基金の代行部分の返上問題とか、それは事実上もう売り圧力一方になっているわけですね。そのことが結果的に、それを見てまたヘッジファンドその他は、恐らく日本は一貫してこれはもう売りでポジションを取っておけば間違いないというふうに思っているのかもしれません。
 だから、そういう意味でのそういう市場の流れの中で、ちょっと話を変えてみたいんですけれども、例えばこの間銀行が、メガバンクが自己資本を充実をするというときの資本調達のその在り方を見ると、どうもやはり、やっぱり依然として企業に買わせるとか、実際上、東京三菱以外は公募債というか、公募して実際に広く調達をするというやり方を取ってきていないわけですね。この間の株式市場に対するいろんなことを見ても、日銀が株を買いましたよ、これは二兆円から三兆円に増やしましたよと。銀行株式保有機構を作りましたよと。
 そういう意味でいうと、ある意味では、何というのかな、かつての持ち合いで安定構造を作ったと同じように、今度は要するに日銀ががっちり、もう十年以上これは保有しますよと。そういう形で株式市場全体を見たときに、確かに当面の一時的な対応にはなるのかもしらぬけれども、長期的な個人株主を非常に増やしていきながら株式市場をおっしゃるように市場メカニズムがちゃんと利くような、そういう仕組みから見たときの改革という点では、ほとんど見るべきものがないんじゃないかなというふうに思うんですが、この点、どういうふうに考えておられるのかなというのが一点です。
 もう一つは、余りこういう話ばっかりして後ろに下がったらいけないので、ETFの問題なんですが、まだETFがどのぐらいのマーケットの規模になっているか分からないんですが、これが逆に肥大化して、ETFが非常に大きくなると。例えば、日銀がもしこのETFの、連動する債券を買いますよということで、それをオペの対象に加えるとなったときに、これが何十兆円もの規模になったときに、時価総額で二百兆円、二百何十兆しかない株式総額の中で、ETFの関連した株式を組成してそれが四割も五割も占めたら、実際上これはもう株式市場の本来の個別企業の将来像を株価でもって表すという機能が著しく落ち込んでしまうんじゃないかなと。そんなことまで行きませんよというふうに思われるかもしれませんけれども、私はそんな、本来株式市場の将来像を考えたときに、理想的に言えば個人株主がどんどん広げて、それを間接金融から直接金融へと広がりを持った方がいいと個人的には思っているんですけれども、そういう観点からしたら、この間の様々な株式市場に対する対応なりあるいは政府の取ってきた対応というのは、どうもそういう個人株主を非常に広げていく、充実させていくという方向とはちょっと違うんではないかなというふうに思えてならないんですけれども、その辺りはどのように考えていますか。
#28
○国務大臣(竹中平蔵君) 二点御指摘があったかというふうに思いますが、基本的に最初の御質問は、一言で言うならば、私自身の問題意識に照らして一言で申し上げるならば、結局、リスクマネーがないと。
 私たちは、できるだけ簡素で効率的な政府を作ろうというふうに思っているんですが、マネーの流れから見ると、民間のリスクを取って更に投資に向かっていくようなリスクマネーが減っていて、結果的にはそれが大量に国債に向かっている、ないしは、郵貯の額は少し変動はしておりますけれども、公的な部門にそれが向かっていると。そういう意味では、改革が目指してきた流れと少し違っているのではないだろうか。特に、個人がリスクを取ってリスクマネーに高い貯蓄を振り向けていくというようなメカニズムがこの国では構築されていないではないかと、そのような御指摘であろうかと思います。
 実は、そのような問題意識、我々大変強く持っております。実は、今年の最初、経済財政諮問会議のテーマの設定の際に民間議員からもそのような指摘をしていただいておりまして、言わばマネーの流れ、特にこれは公的な部門が介在するマネーの流れのウエートが非常に高まっている。これは、マクロ的に数字で挙げるのもなかなか難しい作業なんでありますが、専門家である慶応大学の跡田先生にもこれはお願いをしまして、そうしたことを含めた公的な資金の流れの見直しを行おうとしております。
 結果的に今公的な部門にお金が流れ過ぎている、それがリスクを取らないお金になっているから、リスクマーケットである株式市場に十分なお金が回らない。それをどのようにするかという、先ほどからお金が、買手がいないということを申し上げていますけれども、それをどのように改善していくかという非常に大きな、しかし重要な問題であると思っております。
 その基本は、やはり家計部門の貯蓄をこのリスクマーケットに向かわせる、それがやはり基本になければいけない。であるからこそ、今般の税制改正で証券市場に関する税制というのは思い切って簡素化して、思い切って率も引き下げて、今までとは違うかなり良いものになったというふうに我々は思っております。
 さらには、今般、国会で、証券市場の活性化のために、だれもが投資しやすい市場の整備、効率的で競争力ある市場の構築に向けまして、証取法の一部を改正する法律案も御審議いただきたいというふうに思っているところであります。
 繰り返しになりますけれども、その意味では、今公的なところに偏っているお金をいかに民間のリスク市場にリスクマネーとして流すか、その中で家計の預金を引き込む、そういった方法を様々な形で模索しておりますけれども、更にそれを強化していきたいということであります。
 後半のETFは、これは仮定のお話ですので、なかなかお答え、直接はできませんですけれども、仮にETFに対する高い需要が、まとまった需要が出てくれば、それはそのETFを組成していただければいいと。これは、ETFというのは一種のバスケットですね、各株価を平均的に買っているバスケットですから、バスケットはどんどん使っていただいて、それはそれで一つの市場の買手としてなっていけるものであるというふうに思っていますので、そこは実態に合わせてそれなりに変化していくべきものではないかというふうに思っております。
#29
○峰崎直樹君 リスクマネーの話が出てきたんで、これは生保と銀行を比べて、とにかく銀行業界に関しては、例えばリスクマネーでいうんだったら、なぜペイオフを実際に実施しないのかと、この問題に帰着するわけですよ。だから、銀行へ預けておけば、特に普通預金あるいは決済性の預金のところへ預けておけばこれはもう全額保証されると、こうなっているわけです。
 だから、そういう意味でいうと、一方、生保の方は破綻すればもう九〇%で、現実にもうペイオフみたいなものをやっているわけです。
 私は、ずっと生保と銀行と、保険業と銀行とずっと比べてみると、どうも銀行中心に物事が組み立てられてきているような気がしてならないんですよね。あの予定利率の問題も、私はどうも銀行対策じゃないかというふうににらんでいるんですよ。いやいや、おっしゃっていますが、これは出される予定あるんですか。恐らく五月連休明けた後、これもちょっと後で付随しますけれども、この間、櫻井さんが聞いていますから、もうそれ以上聞きませんが。やはりそれを見ると、すべて何か日本の経済、確かに銀行は与信機能を持っているから、決済性に非常に重要な役割を果たしていることの要因は分かるんですけれども、しかし、その銀行と実は生保というのは、これ資本関係でいえばダブルギアリングをやっているわけですね。
 だから、そういう意味でいうと、片方の側が非常に守られて、これはモラルハザードが生じているんじゃないかと私は思いますけれども、銀行の方に、かなり。しかし、もう一方の生保のところは、かなりもう、破綻をすればもう更生手続ですよというような形でどんどん入ってきているということは、ちょっとやはり私が見ると、やはり公平性を欠いているんじゃないかなというふうに思えるんですけれども。
 今ちょっと申し上げたようなことに関して、リスクマネー、リスクマネーと言うけれども、一方で政府の側はペイオフを延期しておいて、さらには郵貯の問題、簡保の問題ももちろんそのリスクマネーのところに入ってくると思うんですけれども、そういうところは本当にやはりそのリスクマネーが必要なんだよというふうに国民の意識も変わらなきゃいけないということも含めてやるのであれば、そういったところのレベルを下げていくなり、私は郵貯は、公的なものが重要だというふうに、ある程度はあっていいと思っている主義なんですが、一千万円というのはちょっと大き過ぎやしないかなという思いを持っているんですけれども。
 そういうことを含めて、やはり金融システムの在り方といいますか、この点、もう少し竹中大臣に期待するところが大だったんですけれども、どうも最近はやはりそういったところの改革のテンポが落ち込んでいるんじゃないかな、こんなふうに思っているんですけれども、その辺り、どうでしょうか。
#30
○国務大臣(竹中平蔵君) 改革のテンポは決して落ち込んでおりませんので、是非引き続きいろいろと何が起こるかというのを見ていただきたいというふうに思います。
 銀行に関する、銀行の位置付け、これはもう峰崎委員の今のお話の中に出ておりましたけれども、基本はやはり決済機能を持っているということで、だからこそ公的資金の注入も正当化、多くの国でされてきたし、それにふさわしいシステム、預金保険のシステム等々が各国の知恵として私は作られてきているのだと思います。
 しかし、銀行も一種の、ローリスク・ローリターンではあるけれども、リスクを感じていただかなけりゃいけないわけで、その意味では、預金の約五割を占める定期預金についてはこれはもう既にペイオフの対象になっているわけですから、それはそれで御認識を賜りたいというふうに思うわけでございます。
 それで、生保について、同じように一種のセーフティーネットが必要でないかという問題意識を強くお持ちだと思いますが、私はそのとおりだと思います。であるからこそ今回の保険業法の改正をお願いしているわけでありまして、その中で、特にこれは保険契約者から見ると、保険契約者にも一種のリスク、自己責任を負っていただかなきゃいけないわけですが、しかし、これはやはり非常に長期のものであって、かつ証券のように自分の資産を直接売買、これはもう売りたいから売ろうというふうになかなか売買できないわけでありますから、そこはやはり一種リスクそのものを契約者にも負っていただくとともに、社会全体で負うというようないわゆるセーフティーネットを張らなければいけないというその十分な論理的基盤が、理論的基盤が私はあるのだと思います。繰り返しますが、であるからこそそうした今回の改正をお願いしているということでございます。
 銀行と生保というのは、非常に重要なそれぞれの関係を持っておりますけれども、それぞれについて競争的な条件の中でリスク管理を適正にやっていただきながら、しかし社会全体としてのセーフティーネットを張りながら、調和を持って機能を強化させていきたいというふうに考えているわけでございます。
#31
○峰崎直樹君 予定利率の引下げ法案の提案の見込みというのは、五月の連休明けぐらいに出すというような新聞報道がありますが、それは出るんですか。
#32
○国務大臣(竹中平蔵君) 今朝からずっと話題になっておりますように、この保険、生保業界を取り巻く環境は非常に厳しい。その中の一つとして逆ざやという構造問題があるということは我々も強く認識をしております。しかしながら、これももう非常に幅広くいろいろ御議論をいただいていると思いますけれども、この予定利率の問題に関しては、一体どのようにするのが保険契約者のためになるのかということについて非常に幅広い議論が必要とされているところだと思っております。何か、議論が成熟しない段階でその考えが先走って、ないしは報道が先走って不測の事態を招くということは我々としても是非避けたい、その意味で非常に注意深く今勉強を続けているところでございます。
 各政党においてもいろんな御議論を賜っているというふうに思いますので、そうした動向も参考にさせていただきながら、我々としては引き続きしっかりと勉強して、ある時点で、少し整理をされた段階で論点のようなものはやはりお示しをして、幅広くまた御議論をいただきたいというふうに思っているところでございます。
#33
○峰崎直樹君 さっきの銀行なんですけれども、銀行は決済機能を持っているから重要なんだと、確かにそうなんですけれども、最近の銀行を見ていると、もう与信しないで、与信をどんどん減らして国債ばかり買っていっているわけですから、ほとんどこれはもう、我々、本来銀行に与えられた使命というのが本当に忘れられているんじゃないかという気がしてならないんですね。
 こういった点を含めて是非改革をしてもらいたいと思いますが、そこで、この生命保険契約者保護機構の財源の問題について移りたいと思います。
 今おっしゃられたように、生保というのは、私が今申し上げたように、もう事実上のペイオフのようなものが既にやられている。しかし、これは非常に重要な金融システムの中に大きな役割を果たしている。そこで、あってはならないんでありますが、これからもし破綻をして、その破綻処理にいわゆる民間の生保の側が用意した一千億を超過してしまった、こうした場合に、もう衆議院で何度も確認、答弁ずっと求めているわけですけれども、そうすると、それはもう確かに国会の承認という手続は要るんですが、これは、今のようなお話をお聞きしている限りにおいて、ちょうど三年前に、宮澤大蔵大臣だったですけれども、もう生保にはこれ以上負担掛けられませんよと、こういう話でありますから。
 それで、今、私がるる長いお話をしてきたというのは、そういう条件というのは、ますますこれ、株価の下落問題を含めて、しかもこの株価の下落というのは、銀行の株が非常に落ち込んでいるという問題、あるいは今回の銀行増資に伴うものも非常に大きな役割持っているわけですから、いわゆる直ちに一千億というのは財政当局としても、これは超過をして負担を、もう一千億をオーバーしてしまった、当然これはセーフティーネットは直ちに発令をされるというふうに理解をしてよろしゅうございますね。
 この点、確認だけ。この点はお二人に。財務大臣はお金を預かっている立場ですから。
#34
○国務大臣(竹中平蔵君) もうよく御承知のように、これまでの時限措置としてそのセーフティーネットが整備されてまいりました。十五年度以降三年間の破綻に係る業界対応分をこれまでと同様一千億円として、資金援助が一千億円を超える場合に政府補助が可能となる仕組みを作るというのが今回の趣旨であります。
 生保業界を取り巻く厳しい環境にかんがみますと、これは委員も御指摘のように、一千億円超えた時点で我々としては業界負担能力等を改めて検討して予算措置を講じて、国会に御審議をいただく、これは当然の手続であるわけでございますが、今の状況にかんがみますと、経営環境に相当の好転がない限り、やはり基本的には予算措置を講ずることが必要になる可能性が高いというふうに考えているわけであります。
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、竹中大臣のお答えのとおりでございますが、政府としてはやはりそういうセーフティーネットを張ってあるということが、保険業界を通じまして国民に安心を与えていく一つの道だと思っております。
 そこで問題は、こういう事態になりますことは、保険会社の経営能力を超えた場合に起こってくるという、そういうことをやっぱり想定して我々も用意をしておるものでございますから、経営能力を十分に確かめた上で、直ちにその措置を発動してやるということが必要だと思っておりまして、コメントしておりますように、四千億円の範囲内の保証はその事態が発生いたしましたら実現するように努力いたしますし、またその約束は守るつもりであります。
#36
○峰崎直樹君 ずっと衆議院の議事録を見て、本当に一千億超えた場合の、当然政府が保証を付けているわけですから、しかも補助するということは法律に明記されていますから、これは事実上、今、経営能力を判定してというふうにおっしゃっていましたけれども、事実上これ以上の負担はもう掛けないということを、前の宮澤大蔵大臣、あるいは当時は小渕さんだったでしょうか、今から三年前ですけれども、そのときにもう既に確認をされているわけですね。しかも、アメリカ商工会議所なんかもこういった点についての要望は非常に出ていますよね。そんなの、もうこれ以上我々が負担されるのはかなわぬでと、こういうことなんですわ。
 だから、そういう意味で、この点は、もうそれは今経営状況を勘案しとおっしゃっていましたけれども、大体そういう破綻が生じるというときに、これは一社、二社の問題じゃなくて構造的な問題が起きてきているわけですから、それは当然、もうそういう問題が起きているということは、それは我々、国会でもちろんその金額の承認をするわけですけれども、その段階においてはもうほぼ間違いなくそれは支出をせざるを得ない状況に追い込まれている、こういう私は判断しているんですけれども、そういう理解でよろしいですか。
#37
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、経営能力を超える事態があり得るということを申しておりますように、当然そういう避けることのできないような状況がやっぱり保険業界に起こってくると思っております。やっぱり株価の変動もその一つでございましょうし、そういう場合はその実態を調べた上で保証していくということであります。
#38
○峰崎直樹君 いや、そんなもの、その実態を調べるとか、それもそうなんですが、こういう問題が起きてくるということ自体は、今のソルベンシーマージン比率見ても、それぞれ皆四〇〇%とか結構いい水準持っていますわね。それが落ちるという、これももしかしたら一社じゃないかもしれませんよ、もしそういう問題が起きるとなると。そして、そのときはやはり四千億でももしかしたら足らないかもしれないと。それぐらいの私は状況が訪れるのではないかなと。そのときは、やはり直ちにそれは支出する、場合によったら改めてそのことに対応することももっと必要な状況が出るんじゃないかなというふうに思っていますので、これは何度言ってもしようがないんですが、竹中大臣、そう思われませんか。財務当局の立場は分かりましたけれども、その点、改めて確認をしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(竹中平蔵君) 峰崎委員が今お話になったのは、確かに一つの想定なんだと思いますが、これはもう先ほど塩川大臣が我々は約束を守りますというふうにおっしゃってくださいましたし、この法律の構成というのは、繰り返しますけれども、そういう政府補助が可能となるというような仕組みを作ると。しかし、これは国会答弁で何度も申し上げているように、経営環境に相当の好転がない限り、基本的には予算措置を講ずることが必要になる可能性が高いというふうに私たちは判断をしていると、そういう認識の下で約束は守ってまいりますと、これは我々としてはかなりはっきりと申し上げているつもりでございます。
#40
○峰崎直樹君 だから、経営環境に相当の好転がないというのは、そうであれば今の状況はこんな破綻をするような状況にならないということなんですよ。だから、そういうものが起きてくるということは、相当経営環境が悪化しているから落ちてくるんだろうというふうに、だって先ほど、今の状態は大丈夫です、今のソルベンシーマージンには間違いありませんと、こうおっしゃっているんですから、私はそこのところは間違いないんじゃないかなというふうに思えてならないんで、その点を私は確認答弁として、是非そういう状況だということを求めておきたいというふうに思います。
 それで、これまた三年後になったら問題が出てくるわけでありまして、三年後に至るまで衆議院の答弁ではいろんなことをこれから検討しますということなんですが、一点、今日は主税局長に来ていただいていますが、税の問題なんですけれども、いろいろ見ていると、調査室で作ってもらった資料を見ると、アメリカの場合は連邦政府じゃなくて州でこの拠出金が税額控除になっているんですね。実質上出した拠出金が、住民の税の関係で、全部それが税額控除という形でほぼ、住民の皆さん方の負担といいますか御理解でこれが戻ってくる仕組みになっているんですね、利益から。
 こういうものについて、一体これはどうしたらいいのか、どう考えたらいいのかなということなんですが、この点について主税局長、そういう改革提案がなされれば検討される用意があるかどうか、それをお聞きしたいと思いますが。
#41
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。
 ただいま先生が言われましたように、アメリカの場合には保険行政が州政府によって行われておりますので、ただいま先生が言われました制度も州税の方で行われているもので、州によって扱いがばらばらであります。今、先生が言われたような税額控除制度がある州もあれば、ない制度もあるというのが実態かと思いますが、確かに州によっては、保険会社の支払保証基金に対する拠出金の一部について、例えば州税法で外形課税の営業税から税額控除を認めると。その一方で、実は日本の方では、後で御説明しますように、拠出金の損金算入をさせているんですけれども、こういう制度がないというふうに伺っております。
 日本では、むしろ保険契約者保護制度の公益性と、それから保険業法で保険会社は保険契約者保護機構に対する負担金の納付義務が課されていること、それから負担金の額は各保険会社の保険料収入や責任準備金などの額などに応じて負担率がきちっと算定されているというようなこともありまして、当該制度に係る負担金については、アメリカにはない拠出時一括損金算入という特例を設けるという形で対応しているところでございます。
#42
○峰崎直樹君 これ、引き続き検討していただきたいんですが、もう時間も来たので最後に一点だけ、前から地域通貨の問題をちょっとお聞きしたかったんです。
 と申しますのは、北海道の栗山というところでクリンという地域通貨がある。これは、竹中大臣がたしか去年、わざわざ栗山町に出向いていただいて評価をしていただいている。それと、今度、留辺蘂町で商品券、町内だけで発行する千円と五百円の商品券が、これは何回でも通過できると、その市内に限って、指定金融機関で換えられ、しかもこれ現金で換えられると、こういう仕組みを作って、これ規制改革特区ではないんですが、何かそれに準ずるような扱いになっているんですが、この点についての評価をちょっとお聞きして、終わりたいと思っております。
#43
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、栗山にも参りました。北海道の皆さん方、大変前向きに意欲的な取組をしておられると、いつも感心をしております。
 地域通貨がどのように発展していくか、非常にこれから世界各地である意味で競争して実験を行っているところだというふうに思いますが、基本的には通貨は物の交換をする役割、価値の尺度になる役割、ないしは貯蓄、価値を蓄える役割というのがあるわけですが、当面は、今拝見していますと、やはりその交換の手段としていろいろ活用しておられる。
 むしろ、交換そのものに価値があるというよりは、そのクリンならクリンを通じて一種のコミュニティーが一種の連帯感を持って地元で、地元のものは地元でサービスを賄おうではないかと、ないしは自分が自ら汗を流して何かに貢献しようではないか、むしろそういうところが、むしろ経済を超えたそういう社会的なつながりを強化するところに当面非常に大きな意味があるのかなと思っております。
 経済に関して言うならば、これは若干いろんな、今後、法律上のマネーとして考えるならばなかなか難しいものもございますからクリアすべき問題が出てくるかと思いますが、当面は今申し上げたような社会的な側面を大いに強調していただいて、大いにその地域の活力を発揮していただきたいと思っております。
#44
○櫻井充君 時間がほとんどないので、ちょっと数点質問させていただきたいんですが、まず一つは、名前出すとまずいのかもしれませんので、ある生命保険会社が無配になるかもしれないと、そういう報道がございます。その際に、銀行からそういう生保に出資されているわけであって、この出資されている場合に無配になるということは利息を払わないものと同じような考え方に立つのかどうか。もし、その利息を払わないものと同じように考えてくるとすると、こういう場合は不良債権扱いになるのかどうか。その点について教えていただけますでしょうか。
#45
○副大臣(伊藤達也君) 先生のお尋ねは、生命保険会社が経営不振のため基金を無配にした場合にどうなるかというお尋ねだと思うんですが、銀行による生命保険会社基金への拠出金は、基金拠出に係る契約の実態に応じて資産計上処理がされるところでございます。
 また、金融検査マニュアルにおいては、生命保険会社基金への拠出金の資産査定について特段の取扱いは定めておりませんが、仮に無配であっても、その事実のみをもって査定するのではなくて、あくまでも回収の危険性又は価値の毀損の危険性の度合いに応じて判断することになっております。
 具体的には、金融検査マニュアルにおいて自己査定における分類区分について定めておりますが、回収の危険性又は価値の毀損の危険性について問題のない資産は原則としてT分類、そして債権確保上の諸条件が満たされないため、あるいは信用上疑義が存する等の理由により、その回収について通常の度合いを超える危険を含むと認められる債権等の資産は原則としてU分類になるということでございます。
 また、当該拠出金が仮に貸出金として計上されている場合には債務者区分も行うこととなりますが、その際には、あくまでも債務者の実態的な財務内容、そして収益力、資金繰りのほか、貸出し条件や収益性の見通しなどを総合的に検討して判断することとなります。
 なお、いずれにせよ、勘定処理の取扱い、そして債権区分、そして償却・引き当ての費用等については基本的には会計基準や会計実務指針に従うことになります。
#46
○櫻井充君 その場合、例えば予定利率を引き下げる、どうなるか分かりませんが、例えばです、例えばちょっと教えていただきたいんですが、予定利率を引き下げるようになった場合には債務者区分というのは引き下げられたりとか、そういうことになるんですか。
 つまり、財務状況が悪いから、いろんな損が出ているから予定利率を引き下げざるを得ないような状況になってくるわけであって、こういう場合にはどういう扱いになるんですか。
#47
○副大臣(伊藤達也君) これは、先ほどもお話をさせていただきましたように、債務者の実態的な財務状況、収益力、資金繰り、そうしたものを総合的に検討して判断していくことになるわけでございます。実態面を見て判断をするということでございます。
#48
○櫻井充君 ある種、金利を減免するのと同じような考え方に立てるんだろうと思うんですよ。本来であれば相当な利益を出さなきゃいけないものに対して、利益を出さなくてもいいというよりも配当を減らすことによって、実を言うと企業でいうと金利の減免に当たるかもしれないから、むしろ債務者区分を引き上げなきゃいけないような状況になるのかもしれないんですが、とにかく予定利率の今話がこれだけ出てきているということになってくると、今の生保が置かれている、銀行がどの程度引当金を積んでいるのか分かりませんが、そこの債務者区分というのはきちんと判断されているのかどうか、そこは一度きちんと検討していただきたいと思っているんです。
 これはあとは、ここからはいろいろ議論しても平行線になると思うので今日はあえてそこだけにしておきますが、もう一点、なぜそういうことを言うのかと申しますと、逆ざやの計算方法がおかしいんじゃないかと思っているんです。つまり、この間も本会議で質問しましたが、基準配当利回りを用いてきています。今の逆ざやの計算方法ですと、二年前の保険基本問題ワーキングチームの中でも指摘されてきていますが、本来の総資産の運用利回りを使っていませんよね、今回のは。二つ大きな問題があって、配当すべき予定利率の中に団体保険が入ってきます。その団体保険は個人保険と違って、利回りの設定を過去にさかのぼって引き下げることができますから、ですから、実を言うと、予定利率は元々よりも低く計算される可能性が出てきます。
 それから、今の利回りの計算方法ですと、たしか減損処理とかそういうものをしなくていいので、元々の運用利回り自体が高く出てくる可能性があるから、実を言うと、現在示されている利差益と言われているものは、逆ざやの部分は実際はもっと大きくなっているんじゃないだろうかと、そういう指摘もあるんですが、この点について、ちょっとこれは通告していなかったので申し訳ないんですけれども、そのことも含めて実は本会議で質問したつもりなんですが、その点についていかがでしょうか。
#49
○国務大臣(竹中平蔵君) 申し訳ありません。ちょっと非常に専門的なところを急に御質問いただいたので今対応できる資料がないんでありますが、基本的には、今の逆ざやの計算というのは業界での専門家等々の意見を踏まえて確立されたものになっているというふうに思います。恐らく、細部に見ていきますと、これを今減損はどうなっているのか、団体の場合の利回りはどうなっているのかと、いろんな評価があるのかもしれません。多分、しかし更に細部に見ていくと、それとは逆に、これはむしろ厳し過ぎるのではないかと、そういうような評価も出てくる、そういう性格のものなのではないかなというふうに思っております。
 今御指摘いただいた点、細部でちょっと今の時点でこの場で対応できない部分はしっかりと勉強させていただきますけれども、基本的には、繰り返しの答弁になって恐縮でありますけれども、業界において専門家等々で確立された考え方であると、その意味ではかなりしっかりとしたものであるというふうに私どもは認識をしております。
#50
○櫻井充君 そうしますと、二年前の保険基本問題ワーキングチームで、あるオブザーバーの方が指摘されているということについて検討はされなかったんでしょうか。ここも併せて後で教えていただきたいんですが、その方が今の逆ざやの計算方法はおかしいんだと、そういうことをおっしゃっているわけです。ですから、本当の逆ざやをきちんと公表すべきなんだという指摘をしております。本会議でこの点について質問させていただきましたが。その方が同じような、その同じ日に、このままの金利環境で行くと五年後にはとても怖くて見せられないような状況になっているんですよとおっしゃっているわけですよ。
 今の逆ざやの在り方ですと、たしか一兆五千億円程度でして、利差益がですね。費差益と死差益で三兆五千億円もプラスになっているから、本来であるとするとそんな心配することないはずなんですよ。予定利率の引下げだ何だという話を出さなくてもいいはずなのにそういう問題が出てきているというのは、実は表に出てきている数字は全く違っているんじゃないのかということなんだと思うんです。こういうことが実は中で議論されているんですよ、本当のことを言うと。
 そしてもう一つは、そのソルベンシーマージン比率の話が何回も出てまいりますけれども、準備金を切り崩しているわけですよね、かなり大量に。そこがどのぐらい切り崩しているのか私は分かりませんが、そういうことをしてまでソルベンシーマージン比率を維持しなきゃいけないような形にして四〇〇程度のところを維持してきているから大丈夫ですよと言っているけれども、実際内情はかなり厳しいんだろうと思うんですね。ですから、その辺のところも含めて、本来はもうちょっときちんと情報公開していただきたいと思うんですよ。
 それから、そこの審議会の中で、ワーキンググループの中でもう一つ出てきたのは、じゃ、現在の四十三社に対しての費差益、利差益、死差益は要らないと。ですが、このときにある委員の方から、破綻した生保に関してぐらい出したらいいじゃないかと、そのことを参考にしてこれから考えていくべきなんだから、せめてそれは出せないのかと、そういう意見もあったわけです。
 大臣からこの間本会議場で否定的な御答弁いただきましたが、今すぐとは言いませんけれども、再度これは検討していただけないでしょうか。
#51
○国務大臣(竹中平蔵君) その二年前のワーキングチームの議論というのは、私も勉強します。勉強したいと思います。
 ただ、これ一般論でございますけれども、そういうワーキンググループ等々には非常に独立した立場の専門家が多数入っていらっしゃいますので、いろんな意見がある。もし御指摘のような御意見が非常に説得的な意見であるならば、それはワーキンググループの大勢になっていたであろうというふうに私は推察をいたします。どのような経緯であったのかというのは、私自身も大変興味、関心がありますので、勉強をそこはいたしたいと思います。
 もう一つは、三利源の公表についても、今破綻したものについてはというものがありましたけれども、破綻した後のいろんな再生の戦略等々で、やはり一種の内部経営戦略上の重要な指標であって、内部管理指標であるという位置付け、これが少なくとも現時点での専門家のやはり多くの意見なのではないかと思っております。私としては、御指摘の点は勉強いたします。
 もう一つ、実はそういうワーキンググループ等々がうまく機能するように、私が担当になってから一つ心掛けていることは、これはいろいろな利害関係者がいらっしゃいますから、特定の利害から独立した人にメンバーになっていただきたいと。それぞれの業界の利益等々を背負っておられる方は、それは正規のメンバーではない形で、オブザーバーのような形で意見は言っていただく、意見は聞くと。しかし、その中心になる議論、判断のようなものについては、特定の利害から独立した方にやっていただく。そういうような方向をやっておりますので、バイアスが掛からないように常に注意はしているつもりでございます。
#52
○櫻井充君 あのワーキンググループは、たしか予定利率を引き下げることが、予定利率の問題を検討していたワーキングチームだと思うんです。ですから、そこの中で本当に利率を引き下げなきゃいけない状況なのかということを随分皆さんが意見を出されて検討されていたかと思います。
 それから、破綻したところなんですからもう経営していないわけなので、とにかく我々に対して参考までに数字を出していただかないと、こういう場で議論できないと思うんですよ。ですからそこは、情報公開を積極的に進められている大臣ですから御検討いただきたいと思います。
 最後に一点ですが、もう一つ、今回のスキームで業界側が一千億対応する、そして税金で四千億という話になっていますが、これも後から分かってきているんですが、生保業界の会長が、ある記者クラブか何かの記者懇のときに、実は破綻した生保業界に対して資金援助したと、そこからどうも清算法人からお金が戻ってくるんだということをその場で初めておっしゃったんですよね。
 ですから、その前回のスキームで二百二十億円残っていますし、そこから幾ら戻ってくるのか分からない状況なんですよ、実際のところは。そうすると、その分からない状況の中で、今度は生保業界一千億と決めて、国がまた四千億出さなきゃいけないようなスキームを作っておくというのは、私はちょっとおかしいんじゃないのかなと、そう思うんですが、その点についていかがでしょう。
#53
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 生命保険のセーフティーネットにつきましては、平成十年に民間拠出による四千六百億円の規模で創設されたところでございます。その後、東邦生命の破綻等財源の大部分が使われる見通しになりましたことから、平成十二年に三年限りの措置としまして、業界対応分一千億円、国対応分四千億円、合計五千億円の規模のセーフティーネットが追加的に整備されたところでございます。
 今回、十四年度末で現行のその政府補助の特例措置が期限切れとなるということになっておりますが、現下の生命保険を取り巻く環境にかんがみまして、保険契約者等の保護を図り生命保険に対する信頼を確保するために、十五年度から三年間の破綻に備えるものとしまして、前回と同様の規模、内容のセーフティーネットを新たに整備することといたしたところでございます。
 具体的には、平成十五年度から十七年度までの破綻について、業界対応分一千億円、それから国対応分四千億円の合計五千億円の財源を用意いたしまして、十五年四月以降の破綻に係る資金援助が一千億を超えれば政府補助が可能となる仕組みを作ったところでございます。
 以上でございます。
#54
○櫻井充君 一千億を新たに負担するわけじゃないんですよ。追加するのはせいぜい数百億なんです、多くても。ですから、そこのところで本当に国が四千億も用意しなきゃいけないのかどうかという問題です、これは税金使うんですから。生保業界も苦しいのかもしれませんけれども国だって苦しいんですから、そういうものを準備しなきゃいけないのかどうかと、ここはきちんとした議論をしていただきたいと思います。
 終わります。
#55
○浜田卓二郎君 私は、二十五分しかありませんので、問題を余り拡散させないようにして質問させていただきたいと思います。
 まず、先ほど来の峰崎委員、櫻井委員の議論聞いておりまして感じますことは、生命保険会社が今後その経営を安定させて発展していくために今回のセーフティーネットを含めた措置が取られる、それは私も大いに結構だし必要なことだと思うんですけれども、この程度のセーフティーネットでいいのかなというのが、私はいつもそう思っているわけでありまして、といいますのは、金融機関についてはこれはもうけた違いの手厚い対応措置が取られておるわけでありまして、若干、生保と銀行を始めとする金融業との国の対応のアンバランスというのをいつも感じているわけです。
 生保、生命保険を含めた民間の保険業務の大事さというのは私はもう長年強調してきておりまして、公的な年金制度だけで老後の安定、高齢化時代の安心と安定というのが十分カバーできるというふうには思わないわけでありますし、公的制度と民間の私的保険制度の上手な組合せというのが活力ある高齢化社会の私は一つの重要なポイントだというふうに思ってきておりますので、生命保険だけでなくて個人年金保険も含めた生命保険会社の経営の安定、そして保険者、被保険者というんですか、の将来への安定的な見通しというのがこれは極めて大事だというふうに思っているわけです。
 そういう観点から、もちろんこの法案には私は賛成でありますけれども、政府としても万全な対応というのをよりお考えいただく方がいいという意見を持たせていただいております。
 そういうこれからの保険会社の経営の安定、そして今申し上げたような社会的な役割、使命を果たしていく上での条件整備という点について今回の対応は十分であるかどうか、大臣の御見解をまず承りたいと思います。
#56
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に長期的な視野に立って、正に保険は長期のものでもありますから、この業界が持続可能性を持ってしっかりとやっていけるような条件整備をしていくというのが、そういった不断の努力が我々には求められていると思います。
 今回の改正の中心になっておりますのはセーフティーネット。これは実は、そういった意味では、取りあえず三年間、これまでの措置を前と同じような形で同じような規模で継続してそれぞれのその要請にこたえたいという趣旨でございます。それよりより先の問題については、これは今回の暫定措置が切れる前に、しっかりと本来のセーフティーネットの在り方等々、これは別途しっかりと抜本的に予断を待たずに金融審で議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 もう一つ、これはあくまでセーフティーネットでありますから、より長期的な安定した経営基盤の強化という観点からは、我々としてはその早期是正の仕組み、より早期警戒の仕組みというのを持っておりますから、これはやっぱり早め早めにいろんなウオーニングを出して、警戒を出して、それでしっかりと経営基盤を作っていっていただくということが何よりも重要であるかと思いますが、その意味では、保険会社自身の社内の経営のガバナンスをしっかりとしていただくということが加えて必要になってくるかと思います。その意味では、委員会等設置会社制度を今回いろんな過程で導入しましょうというのはその重要な一環になり得るものだと思っております。
 もちろん、これで十分だということではないと思います。すべての業界、すべての会社において進化が求められているように、我々としても不断の努力を、絶え間ない見直しを是非続けていきたいと思っているところでございます。
#57
○浜田卓二郎君 実は平成十一年の三月のこの当委員会の質疑で、私は生保会社の経営の安定性の問題を質問させていただきました。その後、平成十二年ですか、十二年の十月の当委員会で予定利回りの引下げ問題について質疑をさせていただきました。当時は大蔵大臣は宮澤さんで、そして金融再生委員長といいましたか、相沢さんでいらっしゃいまして、そのときのやり取りの中で私は、予定利回りの引下げというのは生保の経営手段の多様化という意味合いにおいても思い切って導入すべきであるという論旨を展開させていただいた経過がございます。
 ですから、まだ当時はそれは非常にしんどい方法だなという感じが各方面にあったわけですが、今回、いろいろな議論の結果、この法案の提出される直前まではどうも予定利回りの引下げも入ってくるんではないかという新聞等の情報に接しておりました。私自身は公明の会派でお世話になっておりますが、党には属しておりませんので党の中で、与党の中でどういう議論が行われたのか十分承知していないで質問を申し上げているわけですが、仄聞するところによれば、これが与党三幹事長会議あるいは国対委員長会議で、今回の盛り込みは、つまり予定利回り引下げの内容は織り込まないという結論になったというふうにこれまた新聞情報で承知をいたしているわけですけれども、真相はどうだったかというよりも、金融庁としてのお考えは那辺にあったのか。
 それから、先ほど峰崎委員が、連休明けには、櫻井委員ですか、提案されるのかという質問もされておりましたけれども、今後の取扱いについてはどういうふうにお考えになっているのか、重ねた質問で恐縮ですが、お願いいたします。
#58
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のありました、今、平成十二年三月三十一日の参議院財政・金融委員会での議事録、私も読ませていただきました。改めて、この問題に対する洞察の深さと先見性、そういう問題指摘を行った委員の力量に敬意を表する次第でございます。
 それで、予定利率の問題は、先ほどの答弁と結局は重なってしまうかと思うんでありますけれども、いろんなところでいろんな議論がなされていて、こう、こういうふうに決まったというふうな新聞の報道は承知はしております。
 しかし実態は、我々としては、先ほど言いましたように、この問題に関しては慎重に検討すべき問題が非常にたくさんある。つまり、論点が非常に多岐にわたっていて、その中身は、あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たずというような難しい問題を含んでいる。そういう意味では、しっかりと論点の洗い出しをするための勉強をしていきたい。これは単純に言いますと、少しそれにやはり時間が掛かっている、時間的に間に合わない、我々としてはまだ勉強をしているというところでございます。
 今後どうなるかと。我々としては勉強しておりますけれども、そんなに遅くない時点で是非論点の整理のようなものは示していただいて、これは国民的にいろいろ御判断をいただいて、各方面にも御議論するような形でしっかりと、難しい問題ではありますけれども、一つの方向性を示していく責任があるというふうに思っております。
#59
○浜田卓二郎君 その際のやり取りの中で、平成八年の保険業法の改正で、実はそれまで予定利率の引下げというのは法制度上は可能であったことをできない形に改正しておられるわけですね。これが平成八年です。
 なぜ改正をそうされたんですかということに対しまして、既得権の、既契約者の既得権の侵害について憲法上疑義があるというのが法制局の見解でありまして、それを配慮して引下げという制度をやめたんですという御回答でありましたが、この法的な問題はクリアできるというふうに今回はお考えになっているんですか。
#60
○国務大臣(竹中平蔵君) 財産権との関係は大変難しい問題だと思います。先般の臨時国会、昨年の十二月五日でありますけれども、大塚耕平議員の質問に対しまして内閣法制局の方から次のような答弁がなされております。
 一般論として、憲法と財産権の内容を変更する法律との関係については、過去の判例において、法律でいったん定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、それが公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法ということができないとされていると。
 この場合、その財産権の変更が許容されるかどうかという点に関しては、いったん定められた法律に基づく財産権の性質、その内容を変更する程度、その変更により保護される公益の性質、こうしたことを総合的に勘案して、その変更が当該財産権に対する合理的な制約として容認されるべきものであるかどうかによって判断すべきものであるとされている、以上のような答弁がございました。
 我々としては、こうしたことも踏まえながら引き続き勉強したい、検討したいというふうに思っているところでございます。
#61
○浜田卓二郎君 現行でいきますと、生保会社が破綻をすれば、例えば会社更生法を適用して再生させる、その間の手続の中で予定利回りの引下げは可能になるわけですね。協栄生命が破綻をした際に、これは結局はプルデンシャルでしたかね、引受けをされたと思いますけれども。要するに、予定利回りが高いままで営業を継続をする、吸収して合併をして営業を継続するよりも、破綻させて利回りを下げさせて、つまりそこである種の外科手術をした上で引き受けた方が楽だと。
 ですから、例えば外資が引き受けるような場合でも、破綻するのを待っていて、あるいはまた破綻させるように運んでいって、破綻をしてから引き受けるというようなことになり得ると。それよりは、同じ継続をするんであれば、途中で継続し得るということであれば、そういう破綻まで至らないで利回りの引下げをさせた方が、今おっしゃった、公共の利益というのは幅広い概念ですけれども、それに当たるのかなという気もいたしますしね。
 それと、契約者が年取るわけですよね。そして、あるいはまた病気にもかかるわけで、その段階で破綻されちゃうと、じゃ新規に乗り換えりゃいいじゃないかといってもなかなか乗り換えられない。だから、やっぱり営業を継続してもらった方が、その既得権という観点からいっても決して侵害だと決め付けなくてもいいケースが多いんではないか。
 いろんなことを考えれば、一つの生保会社の経営の手段として予定利回りも変えられますよと。手続が大変でしょうし、具体的に当てはめるのは事実上難しいよという御議論も方々から聞かされたりはしておりますけれども、一つの経営の多様性をこういう手段として付与していくということは私は大事ではないかなというふうに今でも思っているものですから、ひとつ自信を持ってやってもらいたいと思いますけれども、いかがでございますか。
#62
○国務大臣(竹中平蔵君) 浜田委員御指摘の点は、この問題を考える場合の大変重要なポイントであろうかと思います。一方で財産権の問題は確かに重要であると。しかし一方で、中期的な観点、長期的な観点から保険契約者の利益を最大化する、利益を守るのは一体どういう方法なのか、いろんな制度を作ったとして、しかしそれが本当に使えるのかどうかというような御指摘も、これもございます。
 先ほどから何度も申し上げておりますように、大変その意味では論点が多く難しい問題であって、我々も引き続き検討しているところでございますけれども、浜田委員の御指摘は大変重要な視点として勉強したいというふうに思います。
#63
○浜田卓二郎君 たまたまなんですけれども、この予定利回りが下がるんですかという質問がある会合でございまして、そのときにそうおっしゃった方は、しかし、いったん下げられちゃうと受取保険金が減りますよね、それはそうですよね、そういう計算になりますと。でも、その後また金利が上がったときに戻してくれないんじゃないかと。いろんな理由があってその経営が安定しない、今までの長い長いツケで、今だって平均すれば一兆数千億の逆ざやを出し続けているわけですから、そういう積もり積もった被害といいますか、累損といいますか、そういうものを解消していくためには時間が掛かるとか、いろんな理由が考えられるから、結局はいったん下げて、今ゼロ金利だからしようがないじゃないかと言われて納得しても、また金利水準が回復したら一体戻してくれるの、多分戻してくれないよという、そういう言い方でありまして、いや、それは多分、手続の中で当事者が保険会社と話し合う機会があって、その要件がかなり厳しく設定されて、そういう条件を付けなければ納得しないということであれば、そこでそういう道は開けるんじゃないのという話は、私は一応の説明としてはしたんですけれども。
 制度としてどういうふうな仕組み方をするかですけれども、やっぱり感情的に、普通の感情でいえば、今はしようがない、将来回復したらちゃんと戻せよ、その保証も付けてくれよというのは、非常に素朴で、もう説得力のある議論なんですね。ですから、そういう制度は当然前提としてお考えなんでしょうねということをちょっと聞かせていただきたいと思うんですけれども。
#64
○国務大臣(竹中平蔵君) 正に勉強中でございますので、委員のように非常に詳細に論理を組み立てて制度設計の細部のところにまで思いが至っておりませんが、基本的な原則がやはりもしあるとすれば、やはりそれは競争原理が常に働くようにしていなければいけませんねと。そういうことをどのように担保していくかというのがやはり重要な視点なんだと思っております。それと、やはり契約者の意思、意向をどのように反映していけるのかと、反映するのかと、その意思決定に、それもやはり重要な視点なのかと思います。
 こうした視点を組み合わせて、一体どのようにするのが、先ほどから申し上げるように、なかなかあちらを立てればこちらが立たずの性格の問題なんではありますが、その中で契約者の最も有利な保護につながっていくのかということを是非勉強したいと思っております。
#65
○浜田卓二郎君 まあ、勉強中のことですから、これ以上いろいろ伺っても同じ御答弁になると思いますし、私は余り今日は聞く気持ちも少なかったものですからこの程度で質問を終了させていただきますが、どうかひとつ保険会社というのを、冒頭にも申し上げましたけれども、大変大きな役割、使命を担っているというふうに思いますから、金融機関と余り差別することなく、ゼロ金利でだれが得していてだれが損しているかという非常に深刻な議論もあるわけですから、そこはひとつ両方大事だということをよくお考えいただいて、経営の安定化にひとつ御努力を賜りたいということを申し上げて、質問を終わります。
#66
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 今までの議論、大臣のお話聞いていまして、保険契約者保護の必要性というのはもうそのとおりだと思いますし、全体として生命保険会社は今大変な状況だというのも分かります。私の学生時代の友人も大手の生保におりますので分かるんですけれども、ただ残念ながら、我が党はこの法案に反対をいたします。
 なぜかといいますと、業界の責任で契約者保護はやるべきだというのは、これは金融庁も基本的にそういうお考えだと思いますけれども、そうすると、その業界が本当にぎりぎりの努力をそのためにしているのかどうか。今度の税金の張り替えですけれども、このスキームをくっ付けなければいけないまでに業界自身は本当に努力しているのかどうか、もうそれしか選択肢がないというところに来ているのかどうかというのが見えないんです。分からないんですね。
 この間、いろんなものにもう公的資金、税金投入あるいは政府保証というのがちょっと麻痺したように、国会、ちょっと麻痺しているんじゃないかと思いますが、どんどんどんどんもう平気に次々出てきています、そういう仕掛けが出てきていますね。
 それぞれもっともらしい理由は付けられるんですけれども、後から考えると、まゆつばだったなというのも結構あるんですよね、効果なかったといいますか。やはり国民負担のオンパレードといいますか、この間出てくるものが、ことごとく公的資金が政府保証だ何だかんだ来ると。これはちょっと気を付けないと、やっぱり国民の税金にかかわることですから、本当に慎重に検討をして国会で審議すべきだというふうに思います。
 そういう点で、この法案については特に、どうしても業界がもう目一杯努力しているというところが私、見えないんですけれども、その上での最後の選択肢といいますか、こういうスキームしかないんだというところをもう少し説得力ある説明をお願いできないかなと思います。
#67
○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員御指摘のように、何でもかんでも安易に公的な負担を求めるということは、これは政策の在り方、むしろ、更に言えば、社会の在り方としてこれはもう控えなければいけない重要なポイントであろうかと思います。
 ただ、今回のセーフティーネットについては、これはもう何度も御説明申し上げていますけれども、平成十年にこれは民間拠出によって四千六百億円の規模で創設されたセーフティーネットがあると。それを平成十二年に、政府補助の特例措置も含めて、緊急の事態としてこれを追加的に整備したわけであります。これが本年三月末までの措置であるということ。
 大門委員の問題意識というのは、生保は本当にしっかりと経営やってくれているのか、それで本当に負担ぎりぎりなのかと。これは引き続き生保の経営に対しては我々もしっかりとやっていただきたいと、そういう期待を込めてその検査・監督を行っていくつもりでございますが、三年前にこういった措置が必要になった、その時点でやはり国会でそのような判断をいただいたと。その時点に比べて、じゃ生保がその時点に比べて良くなっているのかなということになると、やっぱりこれは、先ほどからの別の委員の御指摘でもありましたけれども、むしろ厳しくなっているというような認識も、これはかなり私はそれなりの説得力があるのかなというふうに思っております。
 我々としては、そういった意味で、十二年からの制度がある。それのときの状況に比べて、残念だけれども生保を取り巻く環境は改善していない、むしろ厳しくなっていく中で、当面のまた三年の措置として、同じ内容で同じ規模で今回の措置を講じたいというふうに判断をしまして御審議をお願いしているわけでございます。
 ここの点、繰り返しますが、引き続き生保各社にはしっかりとした経営を我々としては求めていくつもりでございますが、今、現状の認識としては今申し上げたような点であります。
#68
○大門実紀史君 我が党はその三年前もこれは反対したんですけれども、それより厳しくなっているというのは私も分かります。ただ、先ほど言いました、その中で業界がもう本当に余力がなくて、このスキームで安心できるようにしてほしいということなのかどうかというのは、ちょっと業界関係者と話聞きましたけれども、もう一つ分からないんです。
 私、この間、外資の、外資系のことをずっと調べておりまして、外資の方々とも何人か知り合いになりまして、この生保の話も聞いたんですけれども、特に外資の方は、もうこれ以上負担なんかできない、何でこんなに出さなきゃいけないんだと。要するに、もう日本の国内生保が経営戦略もちゃんとしないで、要するに能力がなくてきて、こうなってきて、何でおれたちが出さなきゃいけないんだというふうな率直な、現場ではですよ、そういう声も聞かれます。
 外資は、それが、そういう声が外資全体を代表していると言いませんけれども、ただ、この間の議論で、やっぱり外資が、最初に外資系がこの一千億の業界負担については反対という声を出したのもこれは事実ですので、私は、業界全体で先ほど言いましたぎりぎりの努力した上で何とかこのスキームというよりも、これ以上、ですから、どう言いますかね、これ以上負担できないんじゃなくて負担したくないと、本音で言えば、一言で言えば。それが業界の実際の本音、声じゃないんでしょうかね。
#69
○国務大臣(竹中平蔵君) 業界の中にも、また保険契約者の中にもいろんな声があろうかと思います。ただ、この声というのは、私は一言で言えば、今回のはやっぱり一種の、生保業界に対する一種の保険なんだと思うんですね、これ一種の保険機能だと思います。
 この保険というものに対して、例えば地震保険なんか考えると分かりやすいわけですから、地震が多発する地域はみんな保険に入りたいと言うと、でも、地震が起こったことのない地域の人たちは、もう地震保険なんかおれ入りたくない、制度に反対だと、やっぱりそういう言い分に当然のことながらこれはなるのだと思います。しかし重要なのは、その地震の多発地域だけでは保険は機能しないわけで、これやっぱり社会全体としてプールするプール機能があって初めて保険というのは成り立つんだと思います。
 結局、判断は、社会全体としてそういった保険というセーフティーネットが必要かどうかという一つの政策、大きな政策判断になるのだと思います。この点で極端な論者は、これは保険会社を選ぶのも契約者の責任であると、そういう破綻もししたならば、破綻するような契約者を選ぶその人の自己責任であると、現実にこう言う方もいらっしゃいます。しかし、これは先ほど申し上げましたけれども、保険の契約期間というのは非常に長くて、超長期で、そういった将来に対してその先を責任を持って見通せということを消費者だけに求めるのも、これまたやはり少し酷なのではないかと思うんですね。
 そのような意味では、こういう一種のプール機能、保険機能を作って、それで全体が、みんなが安心できて、生保というのはやっぱり役に立つよというような気持ちを持ってもらえることが、先ほどでいうと、地震の少ない地域の人たちにも役に立つということなのではないだろうか。地震の少ない地域に住んでいる人でも、将来ひょっとしたら転勤して地震の多い地域へ行くかもしれない、だから社会全体でプールをしよう、私はやはりそういう判断が一種この問題に関しては必要なのではないかなというふうに思います。
#70
○大門実紀史君 私もそのセーフティーネットは必要だと、全体のね、は思うんです、保険機能は。
 私が申し上げたのは税金の注入の部分のことなんですけれども、契約者保護機構総会が十二月二十日に行われて、その基本方針の中で附帯事項というのが三つ付けられました。これは業界のみんなが合意して付けたわけですけれども。
 これ、三つありますけれども、一つは、平成十五年の四月一日から平成十八年の三月末までにもし破綻した会員、そういう生命保険会社にかかわる資金援助業務に要した費用の累計のうち、要するに業界が出す分は一千億を超えないことを確認するというのが一つですね。一千億以上出さないということが一つです。
 もう一つ、年間負担金、今六百八十億ぐらいですか、出していますね、これについて、軽減について検討を行ってほしいと。
 三つ目には、いわゆる今、事前拠出制度ですけれども、破綻する前に業界団体それぞれお金出すわけですが、事後拠出制度に移行してほしいというふうな三つの附帯決議を、附帯事項を保護機構の総会で各生命保険会社が集まって決めています。
 これは、正確な、私知りませんけれども、現場の方から聞いた話でいきますと、この附帯事項を金融庁にのんでもらうというふうな話もあって今回の一千億負担、追加負担については渋々合意したんだという話もありますが、そういうことはあったんですか。
#71
○政府参考人(藤原隆君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、昨年末に保護機構の総会がありまして、いろんなことが決められておるわけでございますが、生保のセーフティーネット、この見直しに当たりましては、様々な機会を通じまして生保業界とも私ども意見交換はやってきているところでございます。その中で、例えば年間負担額の軽減でありますとか、今お話ありました事前拠出制から事後拠出制への移行等、様々な要望があったことも事実でございます。
 このうち、年間負担額の軽減要望につきましては、生命保険契約者保護機構の現行制度分、これは四百六十億円でございますが、の負担に加えまして継続事業分、これは一番最初の日産保険の分でございますが、二百二十五億円も負担している実情と、それから現下の生命保険会社を取り巻く厳しい経営環境、これにかんがみまして、合理的な軽減が可能かどうか、業界の検討を踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
 また、事後拠出制への移行の要望につきましては、今般の新たなセーフティーネットが平成十七年度までの仕組みということになっておりますので、十八年度以降の生命保険のセーフティーネットの在り方について金融審議会等において検討する中で、諸外国の例も参考にしつつ幅広く検討してまいりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、こういう意見交換はございましたが、内々約束とか密約とかいうようなことは一切ございませんので、その点は申し添えておきます。
#72
○大門実紀史君 私は、裏約束、週刊誌が言うような裏約束したかとかそういうことを聞きたいわけじゃなくて、もっとそういうことをよく相談したらどうかと思うんですね。
 つまり、先に税金注入のこのシステムを張り替えとはいえやる前に、例えば、六百八十五億が二〇一〇年までですか、年間、二〇一〇年でしたっけ、まで続くわけですね。これ、政府保証付いているわけですから、返済額を減らしてあげればいいわけですよ。二十年にしたっていいわけですよ。それで負担を軽減してあげればいいわけですね、業界の。
 あるいは、例えば今度一千億の負担ですけれども、実際には民間枠で残っているの、二百二十億残っておりますし、東邦と第百でしたか、使用した五千億ぐらいのうち、回収のめどが立っているのもあると。大体、実際の負担は六百億ぐらい軽減されるんですか、分かりませんが。四百億ぐらいではないかという話もあったりしますし、これは資料、金融庁の資料にもありますが、日産、東邦、第百、大正の破綻のときは業界負担、つまり資金援助が出ましたけれども、あとの更生特例法でやった千代田、協栄、東京は資金援助ありませんよね。
 いろいろ考えれば、業界がもうちょっと自分たちの努力で考えてくれと。そういうやり方もあると思うし、そもそも、先に税金を付けるというんじゃなくて、政府保証で貸して、あるいは日銀特融でもいいかと思いますが貸して、業界で責任持って返していってもらうと。当たり前のことだと思いますけれども、それで私いいんじゃないかと思うんですよね。
 なぜ税金を最初から付けなきゃいけないのかというふうに思いますけれども、そういう方法は考えられないものですかね。
#73
○政府参考人(藤原隆君) 最初に、現在の借入金の返済予定というのは平成二十二年度まで掛かる、現時点では。十年ではありません。二十二年度まで掛かるということになっております。
 それから、先生御指摘の、借入金によって資金援助をまず行って生保業界が長期にわたって償還するということ、既に現在そういうふうになっておるわけでございますが、これを更に長期にもっとやるということにつきましては、最終的には各生命保険会社が負担することには変わりございませんし、また長期的にそれほど多額の借財をするということになりますと、機構の財政が悪化するということによりまして、かえって各生命保険会社の財務の健全性を害するおそれがあるというようなことに留意する必要があるんだと思っております。
 いずれにいたしましても、現下の生命保険を取り巻く厳しい経営状況にかんがみまして、平成十七年度までの破綻に係る業界対応分につきましては一千億と、これをお願いしておりまして、これを超えれば政府補助が可能となるというような仕組みを今回お願いしているところでございますので、よろしくお願いしたいと思っております。
#74
○大門実紀史君 竹中大臣は、二、三年で、本当はもう既にだったんでしょうけれども、今後二、三年で金融システムを安定させるとおっしゃっているわけですから、未来永劫生保の今の状態が続くわけじゃありませんよ。良くなっていくわけですよね、政府の見通しですと。
 だから、何で、先まで悪くなるから、負担も大変だからといって今そういうスキームで、これスキーム作っちゃいますと、一千億超えたら本当に、予算で審議一遍やるそうですけれども、出すことになっちゃいますからね。どうして先まで大変だということで今そういう仕組みを作らなきゃいけないのか分かりませんし。
 そもそも、私、思うんですけれども、こういうことをやっていますと、銀行もそうですけれども、生命保険会社もそうですけれども、こういう手取り足取り国がいろんな、いざとなれば面倒見ますよ面倒見ますよとやっていると、結局マーケットの、大臣よく言われるマーケットの信認というか、そういうものがいつまでたっても得られないと私は逆に思います。
 ちょうど一年半ぐらい前ですけれども、この委員会で速水総裁に、銀行の自己資本比率、本当は米国並みに計算したら七%じゃありませんかと聞いたら、そのとおりですとおっしゃいましたけれども。公的資金と、大臣が何とかしろとおっしゃっている税効果ですね、あれで上乗せされていますから、あれ取ったら実際には七%ぐらいだという話をしたことがあるんですけれども。
 そういうものなんですよ。信認が得られなかったわけですね、銀行も。今、大臣はそれを一生懸命たたこうとされていますけれども。そういうものだと思うんです、マーケットの信認というのは。
 こんなことをいつまで続けていたら、生命保険会社いつまでたっても、また三年後も私は立ち直っていないと思いますけれども、基本的な考え方としてどうなんですかね。
#75
○国務大臣(竹中平蔵君) 大門委員から市場メカニズムについて厳しい御指摘をいただいて、重く受け止めなければいけないと思っております。
 そこは本当に自己責任の原則を確立して、健全な競争的な市場で各経営主体にしっかりとやっていただく、これがやはり私たちの社会の大原則だと思います。それに対して、例えば情報を隠匿するとか政府が過度のサポートを与えるということがあれば、これはやはり直していかないと、そこで必ずモラルハザードが起きて、その事態が好転しないと。残念ですけれども、やはりこの失われた十年の中では、そういう点に関して、すべてとは言いませんが、やはり反省する点はあったのだと思っております。
 今回の措置について、我々としては、その意味では、大門委員がおっしゃったようないろんな指摘、機構の附帯決議等々も含めて、やはり抜本的な議論はしっかりとしていかなければいけないんだと思います。
 ただ、これ難しいと思うのは、事後、事前の負担についても、先ほどから何度も申し上げていますけれども、これはあちらを立てればこちらが立たずのような議論が必ず付いていきます。事前に負担しなくてもいいじゃないか、事後でもいいじゃないかという議論は十分成り立つ。しかし、事後だとかえって後の負担感が非常に大きくなる、その間の金利負担、結局は大きくなるのではないか。システムそのものの信認を得るためには事前で出しておく方がよいのではないか。これはもう、やはり非常にしっかりとした本質的議論をしなければいけないのだと思っています。
 私たちの認識としては、今回、先ほど申し上げましたように、三年前に一種の時限措置としてこういう措置を国会でお決めをいただいた。それが、必ずしも生保業界を取り巻く事態は好転していない中で、取りあえず同じ規模、同じシステムのものを今回認めていただいて、それで、御指摘のような点ないしは機構が掲げているような一種の要望等も踏まえて、抜本的なといいますか、根本的な議論を、それ以降のセーフティーネットのやり方について是非しっかりと金融審で時間を掛けて議論をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
 その際のやはり基本精神は、大門委員御指摘のあったように、やはり過度の政府の介入はモラルハザードを招く、そこはやはり健全な自己責任と健全な競争の中でそういうシステムを作っていくと。それはもう動かせない基準であろうかというふうに思います。
#76
○大門実紀史君 まあそういうことです。
 次に、ちょっと外資のことをお聞きしたいんですけれども、外資が経営不振に陥っている生保の株を売り浴びせしたり、これは周知のことなんですけれども、その一方で、破綻したそういう生保とか、破綻した生保を支援したり買収してきたのも外資が多いわけですね、この間でいきますと。今、もちろん規模からいくとまだまだ国内大手が大きいんですけれども、会社の数でいくと三十八社のうちもう二十三社、全く外資を含むと二十七社がもう外資系あるいは外資になっていますけれども、だんだん外資の占める比率が生保では特に大きくなっています。
 これ、二段階買収というやり方でやっているんですね。つまり、経営危機にある保険会社とひとまずまず提携関係を結んで、共同で設立した子会社を通じて販売組織をまず獲得すると。その会社が破綻したときに、先ほどもございましたけれども、契約条件の変更、保護機構からの資金援助を得て、健全になったところで受皿となるという手法がこの間ずっと続いているわけですね。
 例えば東邦生命なんかも、九八年三月にGEキャピタル、アメリカのGEキャピタルが業務提携をまずすると。共同子会社のGEエジソンに営業権を譲渡、もらうと。九九年六月には東邦生命が破綻して、その受皿がGEエジソンに決まって、GEエジソンは破綻した東邦生命を保険金額の、先ほどございましたけれども、削減、逆ざやを解消した上で、機構からも資金援助を受けて、いわゆる健全な形で受け取ると、こういう手法がずっと続いてきています。このやり方、どうのこうの今日は議論するつもりはありませんが、いずれにせよ外資が相当進出してきています。
 私は別に外資が悪いとは言いません。国内生保でも、今日取り上げる時間ありませんでしたけれども、国内生保の大手でもかなりひどいやり方を今やっていまして、転換というやり方で、契約者に例えば契約を変えさせるんですね。医療保険なんかとセットして、契約者よく分からない状況で契約を変えさせて、そのときに予定利率を引き下げると。これは日本の最大手の国内生命保険がやっていますから、国内の生命保険会社がいいことをやっているとは申しません。ちなみに、私も外資の生命保険に入っていますけれども。
 ですから、商品力とかいろんな面で何も否定はしませんが、金融庁として、この間の経過でいきましても、外資がだんだん増えてくると、金融庁の監督といいますかコントロール、これがだんだん利きにくくなるような気がするんです。ですから、例えばさっき言った業界全体で何かのスキームを作ろうとか、こういうときに外資というのは、アメリカなら米国本社の指示受けますから、なかなか日本の金融庁の言うことを聞かなくなってくると。したがって、いろんな業界全体のスキームを作ろう、何かやろうというときに、金融庁として監督機能がだんだん縮小していっているんじゃないかと思いますが、その辺は今の状況でどうですか。
#77
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど実は、いろいろ業界の話、少し触れていただきましたけれども、そのとき実は申し上げようと思ったんですけれども、実は、やはりこの業界確かに、いろんな意見をまとめるそのプロセス等々を拝見していますと、大変意見が違う、多様な声が聞こえる業界であるなというふうに私自身は感じております。
 こういう問題というのは、実はしかし、一種のそれなりの所管業種を持っている役所すべてに共通している問題なんだと多分思うんですね。金融は、その意味では割と見えやすい業界かもしれませんけれども、これは小売業だって外資が進出して、そのルール作りの問題は当然出てまいるでしょうし、様々な問題、国際化が進めば必然的に出てくる問題だと思います。
 しからば、もっとそういった金融についてそういった事態が進んでいるアメリカやイギリス、正にウォールストリートやシティーという、そういうところを持っているところの行政はどのようになっているのかと。やっぱりそういうところを見ると、結果的に、これは長い時間を掛けてということでありますけれども、ルールはやはりできるだけシンプルにすると。その上で、事前のルールじゃなくて事後のチェックを厳しく行って、事後監視型の行政に行っていく。やはり、多様な立場がある場合は、そういった方向を目指していくというのは必然的に出てくる一つの姿なのではないかというふうに思っております。
 その意味では、三年後にこの期限が切れた場合にその後のセーフティーネットをどうするかと、金融審議会で議論したいというふうに申し上げておりますが、その中で、やはり非常に多様なプレーヤーたちが納得できるような、しかも預金者、失礼、保険契約者の保護が十分にできるようなシステムをどのように作っていけるかと、これは金融行政にとっても一つの試練であろうかと思います。できるだけシンプルなルールで、事後の監視、事前チェックではなくて事後監視へと、そういうような方向の中で是非問題を解決していきたいと思っております。
#78
○大門実紀史君 終わります。
#79
○平野達男君 時間がないので質問に入らせていただきます。
 生保の新セーフティーネットの考え方なんですが、これは今回、三年間延期をするということであります。契約者保護は基本的にその業界がやるんだよという原則に立ちますと、国対応で四千億の枠を用意するというのは、これは極めて異例な措置で、そういった意味では、期間を設けたというのもその意味だろうと思うんです。
 そこで、今回の現行スキーム、十二年度から十四年度まで三年間の中で、この期間の中でセーフティーネットを用意したわけですけれども、生保がどういう努力をしたのかという、その評価がどこにされているのかという問題意識がちょっとあります。これ、一生懸命になって生保業界がこのセーフティーネットを用意した三年間の中でいろいろ経営努力をしましたと、しかし一方、周りが景気も良くなっていません、だからもう一回三年延期しますよというのなら分かるんですが、今までの説明聞いてみますと、要するに、まだ景気が非常に悪い、取りあえずまた三年延ばしますよという、そういう説明の仕方しか聞こえてこないんですね。
 過去の三年間の評価というのは、今、一体、これちょっと質問通知していませんで、通告もしていませんでしたけれども、今までの議論をちょっと聞いていまして、ちょっと大きな疑問としてわいてきまして、まず、この三年間の延長する前の、今までの三年間におけるこの新セーフティーネットの役割というのがどういう役割を果たしていたのか。これはただ単に破綻した金融機関に対する資金援助ということではなくて、この期間においてやはり生命保険は相当のいろんな経営努力なり、中での改善努力をしなくちゃならなかったはずなんですね。それが結果としてどういう形で見えているのかということをちょっとお聞きしたいと思うんですが。
#80
○政府参考人(藤原隆君) 先生御指摘のように、生命保険会社を取り巻く経営環境というのは、逆ざややその保有契約高の減少等によって厳しい状況にあることは事実でございます。こうした中で、生命保険会社におきましては、財務基盤の強化でありますとか経費削減等経営合理化の推進、あるいは新商品の開発、あるいは合併、業務提携の促進と、こういうことで各般の経営努力を重ねてきているところであります。さらに当局としましても、今後とも、生命保険会社に対しまして、保険契約者からの信頼を確保すべく、健全性の確保や顧客ニーズの取組に向けた経営努力を求めてまいりたいと思っております。
 今、先生御指摘のどのような努力をしたかということの一つの例示でございますが、例えば平成七年三月末と平成十四年三月末を比べまして、例えば、役員数でございますと約一三・九%の減、それから内勤職員数でございますと約二二・七%の減、それから営業職員数におきましても二二・二%の減、それから店舗数、これは支社、支部、営業所の合計でございますが、これも一九・四%の減、さらに事業費につきましても二一・一%の減、それから事業費のうちの人件費につきましても二八・五%の減と、こういうようなかなりの営業努力をいたしているところでございます。
#81
○平野達男君 それが十分な営業努力かどうかというのは私は評価ができませんが、金融庁としてはそれで十分だというふうに判断したということですか。
#82
○政府参考人(藤原隆君) この間におきまして相当程度の営業努力をやっており、もちろんこれからも私どもとしては更なる一層の努力をお願いしたいというふうにお願いしております。
#83
○平野達男君 そこで、じゃ、今度のそれを踏まえた上で、なおかつまた生保の経営状況が非常に厳しいということで三年ということなんですが、これ、なぜ三年間必要なのかという考え方をちょっと整理する必要があるのかなと思います。
 これを例えば、この新セーフティーネットを三年間延長した期間に何をするのかということで、先ほどの竹中大臣の話は、三年間経過したことの新セーフティーネットの在り方はこれから金融審議会で検討しますよという御説明でした。だけれどもそれは、三年間ありきで話しして、取りあえず三年間これセーフティーネット設けますから三年期間でやりますよという説明なんですね。これ、この新スキームというのは、これ恒久措置じゃないはずですから、これを、代わるものをどうするかというのは、何で三年間必要なんですかという説明が何もないと思うんですよ。
 だから、これだったら、さきの金融再生プログラムじゃないですけれども、きちっとしたプログラムがあって、この期間にこういうことで検討しますよということでの三年というならまだいい。だけれども、これ単純に、これ張り替えという言葉で書いていますけれども、単純延長になっちゃっているんですね。延長しまして、延長した上でその期間でやりますよというのは、ちょっと説明の仕方としては、ちょっと本末転倒じゃないかと思うんですね。
 竹中大臣、これもう一回、どのような説明されますか、これは。
#84
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、銀行の場合は例えば二年間で不良債権比率を半減させると、一つのシナリオに基づいて行政を行っております。そうしたものに相当する厳密なシナリオが生命保険会社にあるかというふうに聞かれましたら、それはそういう段階ではないというふうに我々は考えております。
 一つには、生保の業態、事業内容が非常に多様であって、かつ商品内容が非常に多様であって、我々としてはこの三年間こういった措置を取ったということを申し上げましたけれども、今、局長から説明がありましたように、過去数年間の経営合理化の状況というのは、少なくとも現状でいいということではなくて、こうした努力はやはり継続中であるし、引き続き継続していただきたいと、そのように考えているわけでございます。そうした意味では、前回と同じような規模の、同じような内容の、同じような期間のものを我々としては提供すると。その間にさらに、今継続中の様々な合理化の、経営合理化について今まだ途上でありますから、この状況を続けていただきたいというのが今回の考え方でありますし、これはある意味で生保業界全体に対する我々の姿勢であるというふうに考えます。
 商品が多様であるということ等々で、銀行と同じように明快な、二年でどうこうするというようなシナリオを作ることは大変難しいという業界の事情にかんがみて、我々としては、これまでの行政を継続する中で、生保各社に対してもこれまでの経営努力を継続してもらいたいと、そのように考えているわけです。
#85
○平野達男君 いや、それですと、もう取りあえず三年という話がずっと続くということになってしまいますよね。だから、これはやはり、銀行みたいなものとは一緒にならないという説明は分かりますけれども、だから逆に言えば、過去三年間に何やったんだという、このまず評価があった上で、じゃ、これを踏まえた上でもう一回三年間延長しますからこうやりますというような、きちっとやっぱりスキーム全体のやっぱり説明が必要なんじゃないでしょうか。
 今の御説明聞いている限りは、今までの説明とまた同じで、要するに経営状況がこれで改善しなければまた、三年後また延期しますよというふうに、という選択の余地も残しつつの今回のスキームの選択だというふうに聞こえてしまうんですが、そういう取り方でよろしいですか。
#86
○国務大臣(竹中平蔵君) 私たちは、過去三年の措置というのは正に言わば臨時的な非常時の措置であるというふうに思っております。経営環境が更に悪化する中でこういった状況を続けなければいけないというふうに思っているわけでございますけれども、銀行の不良債権問題を今後二年ぐらいで抜本的に解消する中で、生保業界の経営環境についても二年後、三年後にはかなり改善しているであろうということを期待をしております。
 その後、また単純にそれを続けるというようなことはもちろん現時点では考えているわけではありませんで、だからこそ金融審に時期を失しないようなタイミングでしっかりと審議を、抜本的なセーフティーネットの在り方についての審議を開始してもらって、この今回の措置が切れた後には、新しい、より抜本的なスキームに乗っかった一つの業界の発展の姿、安定的なシステムの姿が見えるように是非したいと、そのように考えているわけでございます。
#87
○平野達男君 いずれこの三年間の中で一つの、三年間じゃない、これから議論するテーマの中に予定利率の引下げというのが大きなテーマになるみたいですが、これは先ほどから各委員が指摘されているように、まず、生保業界がどれだけ努力したかということがまずしっかり見えなくちゃならないし、その上での予定利率の引下げをどうするかという議論になるんだろうと思うんですが。
 ちょっと、じゃ質問をちょっと変えますけれども、この予定利率の引下げが必要かどうかという判断の基準、何を見れば予定利率の引下げというのが妥当かどうかというのは判断されるんでしょうか。これは逆ざやの幅なんでしょうか、それとも、例えばソルベンシーマージンとかいろいろ言われていますけれども、何を指標にして判断するのかというのがちょっと私にはちょっと見えないんですが、これは具体的にどのように考えていけばよろしいんでしょうか。
#88
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、その先どうなっていくか、この先どうなっていくかということに基づいてやはり判断を、最終的な総合的な判断をしていかなければいけないのだと思っております。その意味では、その先、今後どうなっていくかということを判断する材料としての幾つかの経営指標というのは、これは、ディスクロージャーの徹底というのは過去の何年間の間でも非常に進歩したというふうに思っておりますし、それを国民に分かりやすく示すような工夫についても、いろいろ工夫をしてきたというふうに思っております。
 先ほど平野委員は、その評価の問題をしなければいけないと、きっちりと努力をしているかということの評価が業界についても必要だというふうな御指摘がありましたけれども、実は、金融審で以前この予定利率の議論がなされたときには、そうしたことを行う、その条件を整えるためにも、生保会社、さらには行政、それなりにやるべきことがあるというようなことが示されていたというふうに思います。政府に求められていたものはそういった意味でのディスクロージャーの徹底ということでありますので、そういった方向でのシステムは、システム作りは進んできているというふうに私たちは思っております。
 総合的な経営の判断ですから、これはすべての業界についてと同じようにこれを見て御判断するということはなかなか申し上げにくい面がございます。我々としては今までのディスクロージャーのシステムを今後更に改善していきたいと思っておりますし、既に改善した幾つかのディスクロージャーのシステムの中で総合的な実は判断を我々もしていきますし、国民の皆さんにもしていっていただきたいというふうに思います。そうした際のやはり、より分かりやすい論点のようなものは我々としても是非整理をして示していきたいと考えております。
#89
○平野達男君 今の竹中大臣のお話の中にも総合的な判断という言葉が出てきましたけれども、ただ、その言葉を聞く限りにおいて、予定利率の引下げというのは何を基にしてやるかというのはもう、竹中大臣がそういう言葉で説明されるというのは、私らにとってみれば本当に中身が分からないということになってしまうわけですね。
 今回の新セーフティーネットについても、先ほど来言いましたように、生保がどれだけの努力しているかということが具体的な数字としてやっぱり私はまだ見えていないと思いますし、それから、その延長線上の中で予定利率の引下げがどんどんどんどん議論が先行していく。だけれども、その予定利率の引下げというのが、どういう考え方でやって、何を見て判断されているかというのが分からない。数字のもの、表に出てきているのは、逆ざやが膨らんできているという数字は出てきています。だけれども、逆ざやが膨らんできていることをもってして予定利率の議論に行くのかというのが、という説明かというとそうでもないという。
 その全体の流れが見えない中、うやむやの形の中で議論が進んでいくということだけは、これは是非避けてもらいたいと思いますし、今、竹中大臣が言われた論点整理、どういう形で出てくるか分かりませんが、是非そういった筋道が、これらの動きの筋道が見えるような論点整理をぎっちりやっていただきたいというお願いを申し上げまして、時間になりましたので私の質問を終わらせていただきます。
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#90
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として舛添要一君が選任されました。
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#91
○委員長(柳田稔君) ほかに御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#92
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、保険業法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、生命保険契約者保護機構に対して破綻した生命保険会社の処理のために四千億円の政府補助ができる仕組み、すなわち国民に不当な負担を強いる仕組みが延長されるからです。
 生命保険会社は、そもそも長期のリスクを引き受けて利益を上げることを業とするもので、その信頼性を確保するために契約者保護機構が設立されました。その意味において、生命保険会社の破綻処理と契約者保護は、そのための財源や制度設計も含めて保険業界の責任で行うことが制度本来のあるべき姿であり、国民の負担を強いる現行制度は自らの存在意義そのものの否定と言わねばなりません。
 第二の理由は、保険会社の収益優先、契約者軽視の姿勢をより一層進めることとなるからです。
 金融ビッグバンの規制緩和措置以降、保険会社は、過去に多くの被害者を出した金融商品に類似した保険商品など高利回りの保険商品を次々に開発するなど、収益優先の姿勢を強めてきました。保険業法が示す保険会社の公共性にかんがみれば、保険会社はむしろ安全性、確実性を指向すべきであり、収益を優先する現在の姿勢は改める必要があります。ところが、本法案は、業務範囲の拡大、相互会社の株式会社化の円滑化などの規制緩和によって、保険会社が保険業務以外の利益を追求し、新たなリスクを抱えることを認め、収益優先姿勢を強めることを助長するものです。
 以上の理由によって、本案に対し反対であることを表明し、討論を終わります。
#93
○委員長(柳田稔君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 保険業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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