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2003/03/14 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 外交防衛委員会 第1号
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2003/03/14 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 外交防衛委員会 第1号

#1
第156回国会 外交防衛委員会 第1号
平成十五年三月十四日(金曜日)
   午前十一時五十九分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         松村 龍二君
    理 事         山下 善彦君
    理 事         山本 一太君
    理 事         広中和歌子君
    理 事         高野 博師君
    理 事         小泉 親司君
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                桜井  新君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                海野  徹君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     海野  徹君     小宮山洋子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                山下 善彦君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                佐藤 昭郎君
                月原 茂皓君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                吉岡 吉典君
                田村 秀昭君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、海野徹君が委員を辞任され、その補欠として小宮山洋子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(松村龍二君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、外交、防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(松村龍二君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。川口外務大臣。
#6
○国務大臣(川口順子君) 外交防衛委員会の開催に当たり、外交政策についての所信を申し述べさせていただきます。
 イラクや北朝鮮情勢など、国際社会が緊急に取り組むべき課題に直面している今こそ、外交が果たすべき役割は極めて重要です。我が国は、我が国及び国民の安全と繁栄を確保するため、国際社会における秩序やルール作りに一層積極的に関与していくことを通じて、創造的な外交を力強く実践していく考えです。
 イラクの大量破壊兵器をめぐる問題は、我が国を含む国際社会全体が一致団結して取り組まなければならない最重要課題の一つです。イラクは、十年以上にもわたって大量破壊兵器の廃棄等を求める安保理決議を無視し続けてきました。イラクの協力は最近、多少の進展は見られるものの、国際社会の強い圧力を受けているにもかかわらず不十分であり、限定的なものにとどまっています。我が国を含む国際社会が望んでいる平和的解決は、ひとえにイラクが抜本的に態度を改め、与えられた最後の機会を生かすか否かに懸かっています。イラクが、即時、完全、無条件、積極的に査察に協力し、武装解除義務を果たすためには、国際社会がイラクに対し断固たる姿勢を明確に示し、なお一層の圧力を掛けるほかありません。
 先週、安保理決議案の修正案が提案されました。この修正決議案は国際協調を貫き、国際社会が一致してイラクに対し圧力を掛け、イラクが自ら武装解除するための真に最後の努力を行うものであり、我が国はこの決議案に対する支持を表明しています。我が国は、先般、総理特使をイラク及び周辺国に派遣し、また、総理及び私と国連安保理メンバー国要人との間で電話会談を行ったところですが、国際協調が達成されるよう引き続きこのような外交努力を行っていく考えです。同時に、これまでのイラクをめぐる事態の進展を踏まえ、邦人保護に全力で取り組んでいるところです。
 北朝鮮をめぐる問題も我が国が直面する最も重要な外交課題の一つです。拉致問題については、被害者及び御家族の立場を踏まえ、問題の全面解決のために引き続き全力を尽くしていきます。また、先般、北朝鮮が、五メガワットの黒鉛減速実験炉を再稼働させたことは、国際社会が核不拡散体制の堅持の観点から北朝鮮に対して働き掛けを行っている中で取られた行為であり、極めて遺憾です。我が国は、核兵器開発問題の平和的解決に向け、引き続き米韓両国と緊密に連携し、また、中国、ロシア等の関係国やIAEA、安保理とも協力しつつ、北朝鮮に対して、NPTの遵守、核関連施設の再凍結、及び、すべての核兵器開発計画の放棄を引き続き強く求めていきます。いずれにせよ、政府としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致問題及び核兵器開発問題を始めとする安全保障上の問題等の諸懸案を解決し、北東アジア、ひいては国際社会の平和と安定に資する形で国交正常化を実現するため努力していく考えです。
 我が国及び国民の安全と繁栄を確保するために不可欠な国際社会全体の平和・安定と繁栄を実現するための課題は、ほかにも山積しています。大量破壊兵器等の拡散問題については、イラク及び北朝鮮情勢との関連で指摘したとおり、国際社会が一致団結して取り組む必要があります。我が国は、引き続き軍縮・不拡散分野での取組を強化していきます。また、テロ事件は続発しており、テロの脅威は依然として深刻です。我が国は、テロとの戦いに向けた国際社会の幅広く、息の長い取組に引き続き積極的に参画していきます。
 我が国は、平和の定着に向けた取組を国際協力の柱の一つとして重視しており、アフガニスタン、インドネシアのアチェ、フィリピンのミンダナオ、スリランカ等における紛争の恒久的な解決に向け取り組んでいます。特に、スリランカについては、今月十八日から二十一日にかけて第六回和平交渉を箱根で、また、六月には復興開発会議を東京で開催する予定です。
 ODAについては、こうした平和の定着や人間の安全保障を促進する手段としても積極的に活用するなど戦略性を一層高めていきます。また、これまで進めてきたODA改革の集大成としてODA大綱の見直しを進めていきます。
 世界経済の安定的な発展を実現するためには、WTOのラウンド交渉を通じて、多角的自由貿易体制を維持し、強化していくことが不可欠です。我が国としては、今回のラウンドの成功に向け、今後とも積極的に取り組んでいきます。同時に、多角的自由貿易体制を補完し、強化するためにも、経済連携にも積極的に取り組んでいきます。
 グローバル化の利益を、途上国を含む国際社会全体が適切な形で共有することは極めて重要であり、アフリカ等における開発問題にも引き続き積極的に取り組んでいきます。我が国は、この関連で、今月十六日から二十三日にかけて関西で第三回世界水フォーラム及び閣僚級国際会議を、九月末には東京で第三回アフリカ開発会議を開催します。
 以上述べてきたような国際社会が直面する諸課題に我が国が有効に取り組んでいくためにも、米国と緊密に連携することに加え、近隣諸国やASEAN、インド、欧州等とのパートナーシップを強化し、国連やG8などの枠組みを通じた取組を強化することが不可欠です。
 本年、日米交流百五十周年を迎えますが、米国との関係は、我が国外交の基軸です。我が国は、日米安保体制の信頼性の更なる向上に努めていきます。在日米軍にかかわる諸問題については、沖縄県民の方々が我が国全体の平和と安全のために背負っておられる御負担を軽減していくため、普天間飛行場の移設・返還を始めとするSACO最終報告の着実な実施に努めるなど誠心誠意努力していきます。また、経済関係については、引き続き、成長のための日米経済パートナーシップを通じた建設的な対話を行っていきます。
 韓国、中国との間では、両国の新指導部と緊密な関係を構築するとともに、両国国民間の相互理解と相互信頼を更に深め、未来志向の友好・協力関係を一層発展させていきます。
 ロシアとの間では、一月の小泉総理訪ロの際に採択された日露行動計画の内容を着実に実施していくことが重要です。幅広い分野における協力関係を進展させ、それらが肯定的な相互作用をもたらす中で、平和条約締結交渉の更なる前進を目指します。
 以上述べてきた外交を実施していくに当たっては、国民の皆様の御理解と御支持が不可欠です。今月中に外務省の組織・機構改革に関する最終報告の成案を得る予定であり、今後、早期に外務省改革の総仕上げを行っていく考えです。
 松村委員長を始め本委員会の委員の皆様の御指導と御鞭撻を賜りながら、今後とも創造的な外交を一層力強く実践していく決意であることを申し上げまして私の所信とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(松村龍二君) 次に、防衛庁長官から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。石破防衛庁長官。
#8
○国務大臣(石破茂君) 防衛庁長官として所信を申し述べます。
 冷戦が終結して、はや十年余が経過いたしました。冷戦が終結いたしましたとき、これで世界は平和になる、平和の配当が受けられる時代が到来すると多くの人々が期待をいたしました。しかし、現実の世界は、残念ながらそのようには動きませんでした。確かに米ソ全面戦争のような大規模な武力紛争の可能性は遠のきましたが、複雑かつ多様な地域紛争が各地において生起し、九・一一米国同時多発テロに象徴される国際テロの脅威に直面することとなりました。さらに、核・生物・化学兵器などの大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散などの危険が格段に増大しつつあります。これらは、正しく我が国に対する危険でもあります。この認識を強く持ち、対応に万全を期していかねばなりません。
 イラクの大量破壊兵器や北朝鮮の核問題に対しましては、このような観点から我が国自身の問題として取り組むべきものと考えております。
 イラクの問題は、我が国を含む国際社会全体への脅威、危険であり、イラクが全面的かつ積極的に査察に応じ、関連する国連安全保障理事会決議を確実に履行することこそが重要であります。国際社会が一致して毅然たる姿勢を示すことが、イラクにその履行をなさしめることになるとの考えの下、我が国は国連などの場において積極的に活動を行っておるところであります。
 北朝鮮はNPTからの脱退を宣言し、黒鉛減速炉を再稼働させ、ミサイル発射のモラトリアムを見直す可能性を示唆する発言を行っております。また、度重なる地対艦ミサイルの発射などもあり、こうした朝鮮半島をめぐる状況について、我が国は重大な懸念を有しております。政府としては、米韓を始めとする関係諸国と連携を一層図りつつ、核関連施設の再凍結を含めた問題解決に向け、毅然たる対応をいたしてまいります。
 このような情勢にあって、各種事態に適切に対応できる自衛隊の構築に努めますとともに、日米安全保障条約の実効性を更に高めることにより、抑止力を最大限に発揮し得る体制を実現し、我が国の平和と独立を守るべく全力を尽くしてまいります。
 各種事態に適切に対応できる自衛隊の構築のためには、法制面や運用面の整備が不可欠であります。武力攻撃事態対処関連三法案は、これまでの国会における真摯な御議論を踏まえ、一層の御理解を得るように、国民保護法制など個別の課題につきその内容を更に深める作業を行っております。その成立に向け、委員各位の御理解をいただけますよう、最善を尽くしてまいります。
 テロ・不審船など、武力攻撃事態以外の緊急事態の対処態勢につきましては、一昨年の自衛隊法改正など既に国会において御審議賜り、法整備が進んでおりますが、防衛庁といたしましては、それが有効に機能し、実効性を確実なものとするために、警察庁、海上保安庁などとも密接に協議・連携を図り、万全を期してまいります。
 自衛隊の態勢につきましては、中期防衛力整備計画の第三年度目となります平成十五年度予算におきまして、防衛計画の大綱に沿って必要な機能の充実と防衛力の質的向上を図り、着実な進捗を図ります。これが、納税者に誠実なものであるべきことは、論をまたないところであります。
 防衛力の在り方は、そのときの状況にかなったものとなるよう、不断の見直しを行うべきことは当然であります。新たな脅威の顕在化、昨年十二月に統合幕僚会議で取りまとめられた統合運用に関する検討、日米安全保障体制の強化、国際協調の必要性などといった最近の安全保障環境の動向を踏まえ、今現在にふさわしい防衛力の在り方につき、積極的に検討してまいります。
 中でも、大量破壊兵器の運搬手段ともなり得る弾道ミサイルの拡散により増大しつつある危険への対処は、我が国の防衛政策上の重要な課題であります。弾道ミサイル防衛、BMDシステムは、すぐれて専守防衛的なものであり、ほかに代替するものがない、現時点で唯一の手段であります。加えて、昨年末米国においてミサイル防衛システムの初期配備が決定されるに至りました。BMDシステムの開発・取得・配備といった更なる推進につきましては、安全保障会議における御議論などを通じて判断されるものでございますが、防衛庁といたしましても、その技術的実現可能性、運用構想などを精査し、我が国の防衛の在り方全体の中における重要な課題として、本格的な検討を行ってまいりたいと考えております。
 日米安全保障体制の実効性向上のため、我が国といたしましても、日米安全保障協議委員会いわゆる2プラス2や日米防衛首脳会談などを始めとして、各レベルにおける平素からの緊密な協議を実施いたしますとともに、テロとの闘いにおける連携を継続させることなどによって、この体制がより有効に機能するよう引き続き努めることが重要と考えております。
 全国の在日米軍施設・区域の約七五%が集中しております沖縄県民の御負担を軽減するため、SACO最終報告の着実な実施に向け、引き続き真剣に取り組む所存でございます。
 国際社会の責任ある一員として、我が国は今後ともその責務を果たしていかなければなりません。このような考えからテロ対策特別措置法に基づき、米軍などに対し支援活動を継続をいたしております。また、これまでも世界各地において多様な国際平和協力業務を実施し、現在も中東ゴラン高原と東チモールにおいて部隊等が活動いたしております。今後とも国連を中心とした国際平和のための活動に、責任を積極的に果たしてまいります。
 国政における防衛の重要性にかんがみ、一昨年の通常国会に議員提出されました防衛省設置法案につきましては、これが政治の場におきまして御議論いただき、早期成立が図られますことを期待いたしております。
 私が申し上げますまでもなく、防衛とは抑止力をその本質とするものであります。組織も、法制も、戦うためにあるのではなく、戦いを起こさないためにこそあるものでありますが、そうでありますがゆえに、それを実効あらしめるために、組織は精強であり、法制は万全であらねばなりません。自由と民主主義を何よりの価値と考える我が国の平和と独立を守るため、全力で職務に邁進してまいる所存でございますので、松村委員長始め委員各位の一層の御鞭撻を賜りますよう、お願いを申し上げます。
#9
○委員長(松村龍二君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件の質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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