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2003/07/22 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 外交防衛委員会 第18号
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2003/07/22 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 外交防衛委員会 第18号

#1
第156回国会 外交防衛委員会 第18号
平成十五年七月二十二日(火曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十八日
    辞任         補欠選任
     山下 善彦君     尾辻 秀久君
     松井 孝治君     榛葉賀津也君
     吉川 春子君     吉岡 吉典君
 七月二十二日
    辞任         補欠選任
     森元 恒雄君     河本 英典君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 龍二君
    理 事
                阿部 正俊君
                山本 一太君
                広中和歌子君
                山本  保君
                小泉 親司君
    委 員
                尾辻 秀久君
                河本 英典君
                佐藤 昭郎君
                月原 茂皓君
                日出 英輔君
                舛添 要一君
                矢野 哲朗君
                佐藤 道夫君
                齋藤  勁君
                榛葉賀津也君
                若林 秀樹君
                遠山 清彦君
                吉岡 吉典君
                広野ただし君
                大田 昌秀君
   国務大臣
       外務大臣     川口 順子君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
   副大臣
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 信明君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       増田 好平君
       防衛庁防衛参事
       官        松谷有希雄君
       防衛庁防衛参事
       官        大井  篤君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       防衛庁人事教育
       局長       宇田川新一君
       外務省総合外交
       政策局長     西田 恒夫君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   天野 之弥君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省欧州局長  小松 一郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       外務省条約局長  林  景一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保
 支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、山下善彦君、松井孝治君及び吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として尾辻秀久君、榛葉賀津也君及び吉岡吉典君が選任されました。
 また、本日、森元恒雄君が委員を辞任され、その補欠として河本英典君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(松村龍二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官増田好平君、防衛庁防衛参事官松谷有希雄君、防衛庁防衛参事官大井篤君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官天野之弥君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君、外務省北米局長海老原紳君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君及び外務省条約局長林景一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(松村龍二君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○尾辻秀久君 まず、防衛庁長官にお尋ねをいたします。
 むざむざと、ここで私が言うむざむざとという意味は、しっかりした準備をしていけば決してそんなことにはならなかったのにという意味でありますが、むざむざとイラクで日本の若者を殺すことはありませんね。
#7
○国務大臣(石破茂君) 委員は万感の思いを込めてむざむざとおっしゃったのだと思います。
 これは何度か答弁申し上げておりますけれども、法律上いかにきちんとしていても、あるいは部隊行動基準をきちんと定めても、あるいは身を守るための武器というものをきちんと定めても訓練を積まなければ対応というのはできないと思っております。
 したがいまして、私は、条文上きちんとしているからいいだろうとか、そのようなことを申し上げるつもりは一切ございません。本当にこれであれば、おっしゃいますように、危険を回避し、安全に、自衛官にとって安全に、国家からあるいは国際社会から要請されたことにきちんとこたえられる、そういう場合に出すということだと私は思っております。
#8
○尾辻秀久君 防衛局長に尋ねます。
 例えばですが、CH47あるいはC130をイラクに持っていくとする、当然、特別装置が要りますね。どんな装置が要りますか。
#9
○政府参考人(守屋武昌君) C130につきましては、これは固定翼の輸送機でございますけれども、イラクでオペレーションをやっているほかの国の輸送機を見ますと、ミサイル攻撃を受けたときのチャフのディスペンサー等、これを回避する装置を施しておりますので、私どもの航空機にもそのようなものを装備した航空機を派遣することが必要ではないかと考えておるところでございます。
 それから、CH47は、これは回転翼のヘリコプターでございます。諸外国の、これもCH47を持っていくかどうかということにつきましては、防衛庁として検討している段階でございますけれども、仮にこれを持っていこうとした場合は、イラクは砂漠の運用環境でございますので、フィルターとか特殊な装置を装備しないとこれは砂漠で使い物にならないという報告を受けております。
#10
○尾辻秀久君 今お話しのとおりに、130、フレア、チャフ付けているのは三機しかないからその他を持っていくとしたらどうしても付けなきゃならない。
 今言ったような装備を準備するのにどのぐらいの時間が掛かりますか。
#11
○政府参考人(守屋武昌君) C130については、先生、今御指摘のように三機は付いておりますので、C130をこの機数にとどめる限り、特別の準備はいたしません。
 そのほかに、イラクで陸上自衛隊の部隊が行動されることになりますが、車両、トラックですね、これも特別のフィルターというのは必要になりますので、やはり私ども装備の面からしますと、二ないし三か月の期間が必要と思われます。
#12
○尾辻秀久君 二ないし三か月と言われたけれども、もしCH47を持っていくとすると一年は掛かるでしょう。私がここで言いたいのは、そんな細かな議論しようとは思っていないんです。要するに、ここで言いたいのは、慌てて行くことはないという、もうしっかりした準備をしていくべきである、もし間に合わなかったらそれにこしたことはないじゃないですか、そこまで言っておこうと思います。とにかくしっかりした準備をしていってほしいということをまず言っておきたかったわけであります。
 先日の新聞を見て腹が立ったんです。この記事なんですけれども、長官、ごらんになりましたか。産経の記事なんですよね、先週。何て書いてあるかというと、投票日前に死傷者が出れば悪影響が出るから、選挙が終わってから送ろうと。こんなばかな話はないですよ。逆に読んだら、選挙が終わったら死んでもいいということじゃないですか。
 あえて、もう本当にあえてですけれども、長官にお尋ねします。長官御自身の選挙の当落と部下の隊員の命とどっちを大事になさいますか。
#13
○国務大臣(石破茂君) それは部下の命の方が大事に決まっています。そして、それと同時に問われているのは、命も大事です、日本国政府の姿勢も大事です。いい加減なままという言葉をかぎ括弧付きで使うといたしますと、派遣をして仮に事故が起こったとします。そうしますと、私は自衛官の政治に対する信頼というのは大きく損なわれると思っています。一番恐ろしいのは、文民統制という観点において、実際に身命を賭して任務に就く自衛官が命令する政治に対して不信を抱くことが私は一番文民統制という観点から恐ろしいことだと思います。したがいまして、それは当然自分の選挙の当落よりも隊員の命、そして文民統制の方がはるかに、比較にならないほど重要だと私は思います。
#14
○尾辻秀久君 あえてとはいえ、失礼な質問をしたことはお許しいただきたいと思います。しかし、この記事読んだら、つい聞きたくなったのであります。ここで申し上げたいことは、今度のことでいろんなことを考えなきゃいけませんけれども、私に言わせていただくならば、隊員の安全確保、もうこれをすべてに優先してほしい、そのことをまた改めて申し上げておきたいと思います。
 そこで、外務大臣に、これはもう質問じゃありません、申し上げておきたいと思います。みんな命懸けで行くんです。国益のために行くんです。だから、何が国益なのか、これはしっかりと説明してください、このために行くんだということ。そして、行く人たちが胸を張って行けるように是非してやってほしい、このことだけを外務大臣に、もう質問じゃありません、お願いをしておきたいと思います。
 そこで、今度はイラクの今の状況についてお聞きしたいのでありますけれども、質問の形にするともう長くなると思いますから、私がこう思いますということを申し上げるので、イエスかノーかで答えていただきたいと思います。
 戦争が終わっているのか終わっていないのかということであります。これは国際法上の解釈とそれから実態と両方あると思うんですが、まず国際法上でいうと、講和条約が結ばれているわけでもない、平和条約が結ばれているわけでもない、もっと平たく言えば、フセインが参った、降参と言ったわけでもないわけでありますから、これはまだ終わっていないと解釈すべきだろうというふうに思います。
 じゃ、実態どうなんだということになると、先日の米中央軍のアビゼイド新司令官がこれまた間違いなく戦争だと言っておるわけでありますから、国際法上も実態も戦争中の場所と、こういうふうに私は思うのですが、長官、どういうふうに認識されますか。
#15
○国務大臣(石破茂君) 私は、基本的には委員のおっしゃるとおりだと思います。
 我々がすべての戦争について知悉しているわけではございませんが、例えば日本国が九月三日に東京湾ミズーリ号上において文書を調印した、ああいう形もあります。ナチス・ドイツのように、ヒトラーは死んじゃったと、しかしながら、その後に総統として立った人間を連合国が認めなかったというような形もあります。
 今回の場合には、委員御指摘のように、調印されたわけでもない、フセインが参ったと言っているわけではない。その二点考えますと、今までの例から申し上げて、国際法的に戦争が終結したと言える状況だとは考えておりません。
#16
○尾辻秀久君 言いたいことは、戦場に行くんだということを忘れちゃいかぬ、そういうふうに言いたいわけであります。
 そこで、非戦闘地域だとかという言葉が出てきます。揚げ足取るつもりは決してないんですけれども、先日、武器使用の例として、こんなペーパーを持ってきていただきました。それを見ていましたら、イラク人道復興支援特措法案第十七条及び自衛隊法第九条により可能な武器使用の例として、今度のことですが、武装集団が武器を持って包囲してきたらと、こういうケースが書いてあるんですね。それはいいんだけれども、ついつい、非武装地帯に行くのに武装集団に包囲されることがあるんですかと聞いてみたくなるんですが、そんな揚げ足取りみたいな質問をするつもりはありません。
 ただ、確認しておきたいんですが、非武装地帯イコール安全な場所と、こういうことではないですよねということだけを確認しておきたいんです。
#17
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりでございます。
 これは、本当に何度も分かりにくいというおしかりをちょうだいをいたしますが、戦闘が行われていない地域、言い換えれば非戦闘地域で活動するというふうに法案に書いてございますのは、日本国は海外において武力行使をしてはいけないという九条の趣旨を制度的に確保するために、担保するためにという言い方をすることもございますが、これはあえて書いておるわけでございまして、非戦闘地域イコール治安のいい地域というふうに概念的に全くぴったり重なるものだということは私は考えておりません。
 したがいまして、非戦闘地域で行動するということは憲法上、当然の要請でございます。その上で、比較的安全な場所、つまり自衛官の知見、訓練によって得た能力、装備、権限、それをもって任務が果たし得る地域ということを申し上げておるわけでございまして、委員がおっしゃるとおりのことでございます。
#18
○尾辻秀久君 そこで、改めてですが、防衛局長に、国際法上の正規軍の要件を教えてください。
#19
○政府参考人(守屋武昌君) 国際法上の正規軍といいますのは、通常言われております陸軍、海軍、空軍ということで、国家が認めた軍隊のことだと理解いたしております。
#20
○尾辻秀久君 急に言いましたので、私の方から申し上げますが、通常言われているのは、指揮官がいること、それから制服を着ていること、武器を持っていること、国際法を守ることと、こういうことになります。
 そうなると、日本の自衛隊は正規軍ですか、違いますか。
#21
○政府参考人(守屋武昌君) 国際法上、日本の自衛隊は軍隊というふうに位置付けられていると理解しております。
#22
○尾辻秀久君 ですから、さっきから私が申し上げておるのは、戦争状態というか、戦争のところに自衛隊という正規軍が行くんだと、このことをごまかしちゃいかぬと思うんですね。何か変に理屈のつじつま合わせのために、聞いていると、ごまかしているようなところがある。そのごまかすことによってどうなるかというと、行く隊員が危険になるんですよ。私、それ心配するから盛んにこんなことを言っているんです。
 要するに、さっきから言っているように、隊員の安全確保が最優先されるべきことだと思うし、彼らを危険な目に遭わせたくない、そう思っているから、やっぱり一番基本のところは、戦争のところに正規軍が出掛けていくんだという、この一番肝心なところのことをごまかしちゃいけない、こういうふうに思うわけであります。これ、ごまかさないでしっかり正面からとらえて、そしてそれなりの準備をして行ってほしいと、このことを繰り返し今日は言っておるつもりであります。
 何かお答えになりますか、どうぞ。
#23
○国務大臣(石破茂君) 委員はすべて御理解の上で御質問をいただいておりまして、大変有り難いことだと思っています。御指摘のことは私も、本当に極端な表現かもしれませんが、朝から晩まで考えておることでございます。
 ただ一点、戦場に行くんだという御指摘でございました。この戦場というのを戦闘行為が行われている地域というふうに、こう言い方を換えますと、これは法案の趣旨とは異なってまいります。戦争が全体としては終結をしていない、しかし憲法上の要請というのはどうしても我々は守らねばならないことでございます。
 したがいまして、戦闘行為が行われていない場所という地域でなければいけない、これはやはり確保しなければいけないことだと思っております。余計なことかもしれませんが、そこの点は私ども、はっきりと申し上げておかねばならない。しかし、一般人にとってはもちろん危険な地域である。そしてまた、先ほど申し上げましたように、自衛官たちにとっても、じゃ、それで完全に安全なのかといえば、それは不測の事態というものは決して排除されるものではない。しかし、それが本当に限りなくそういうことがないように努めるのが我々の責務だというふうに考えておるところでございます。
#24
○尾辻秀久君 今おっしゃった戦場ではないよというお話ですが、戦争の場所というのは戦場と言ってもいいのじゃないかなと個人的に私は思います。そんなことを今日やり取りしようとは思いません。ただ、そういう言葉のごまかしみたいなことで、行く隊員を危険な目に遭わさないでほしいと、このことだけを申し上げたいわけであります。
 そこで、そういうことでちょっと最近気になっているんですが、盛んに拉致、拉致と言いますよね。これ、正規の軍人が捕まって拉致なんですかね。何か、軍人捕まえて身の代金要求してきますか。やっぱり正規の軍人捕まれば捕虜だと私は思うんですが、大体答えは分かるんですよ、それ聞けば。なぜ捕虜じゃないんですかと言えば、こういう説明になるだろうなというのは、紛争当事者じゃありませんからとかなんとかとどうせお答えになるんだろうけれども、しかし、やっぱり私は捕虜だと思うんですが、何か、どうですか。
#25
○国務大臣(石破茂君) 委員が予想されたようなお答えをしようと思っておりました。
 それは、やはり連れ去られたということで申し上げてもよいのです、その拉致という言葉を使わなくても。それが捕虜の待遇を受ける、それはそうあるべきものでございますし、私どもからもそのように要求をしなければなりません。
 しかし、私が申し上げたいのは、そのように隊員が連れ去られた場合、身の代金を要求しようがすまいが、あるいはどのような待遇を、我々の意に反して、あるいは国際社会の要請に反してされようが、それを捜索に行くということはやはり部隊として当然のことだと思っております。連れ去られて、それを捜索にも行かない、何のアクションも起こさない、そのようなものでは組織は自己保存の機能が果たせないというふうに考えます。
#26
○尾辻秀久君 余り細かな理屈を言うつもりもありません。ただ、申し上げると、一九七七年のジュネーブ諸条約の追加議定書、あれでは、正規軍、不正規軍問わずに軍隊と言っていますよね。となると、今ゲリラ戦だと言ったとしても、ですからそれを不正規軍だと言ったとしても、やっぱり国又は国に準ずる軍隊と私は理解するべきじゃないかと思うんですよ。その議論から先に言ってくると、やっぱりという答えになりそうなんですが、今日は細かな議論をするつもりはありません。
 次に、今、イラクがどういう支配体制下にあるかなということなんですね。
 これがまた難しいんですよね。いろいろ聞くと、私のところにも今、四枚紙が来ているんですよ。それぞれちょっと違うんですね。違うんですが、それは細かな違いであって、結局、結局、私が理解しているところでは、連合暫定施政当局、CPAと、それから連合司令部の二本立てで今イラクを治めている、こういうふうに理解しているんですが、それでいいですよね。どうですか、お答えになりますか。
#27
○国務大臣(川口順子君) それに加えて、統治協議会というのが先般できまして、これはイラク人二十五名から成っているということであります。
 それぞれ、司令部はCPAとの間では支援をする関係になっています。それから評議会、これは権限的に、もし必要でしたら細かく説明しますが、幾つかの権限を与えられている。それで、CPAと密接に連携を取りながら、相談をしながら進めていくということになります。
#28
○尾辻秀久君 細かく御説明なさるとそういうことになるんでしょうが、一言で言うと、やっぱり今、占領軍の軍政下にある、こういうふうに見るのが正しいと言ったら変な言い方かもしれませんが、一番実態に近い見方なんだろうと思うわけであります。
 そうしますと、占領軍の軍政下にあるところに自衛隊が行く、いろいろ理由は付けるんでしょうが、任務をするということであれば、とどのつまりは、給水であれ何であれ、占領軍の後方支援をすることだけは間違いない、こういうふうになると思うんですが、長官、どうですか。
#29
○国務大臣(石破茂君) 委員おっしゃるとおり、そのような活動もこの法案には規定をされております。人道支援とともに、そのような活動も法案上、法文上規定をされておるところでございます。
#30
○尾辻秀久君 そうなりますと、治安維持のためにイラク国内、四地域に分けていますね。それで、二地域を米軍が押さえている。あと、イギリスとポーランドがそれぞれ治めていて、これははっきり指揮下に入れていると言っていますよね。その地域は自分たちの指揮下に入れている、こういうことになっています。
 そうしますと、先日、説明求めたときに防衛局長は、私が、行った自衛隊、コマンド、指図下にもどこの部隊からも置かれませんねと言ったら、そのとおりだと、こういうふうにおっしゃったんですが、これはそのとおりですね。
#31
○政府参考人(守屋武昌君) イラクに派遣されることになります自衛隊の部隊は、我が国の指揮権に基づいて独自に行動するものでございます。
 ただ、この活動を行います場合に、現地でいろんな活動を行っておる米軍との調整が必要でございますので、調整は行った上で自らの指揮系統に基づいて判断するということでお答えいたしたところでございます。
#32
○尾辻秀久君 ですから、細かなやり取りをすると、結局、防衛局長が言うのは、オペレーショナルコントロールなんだと、こう言いたいんだろうと思うんですよね。だけれども、実際派遣される部隊が現地で活動するときに、コマンドとオペレーショナルコントロールと実態が違いますかね。防衛局長、どう思いますか。
#33
○政府参考人(守屋武昌君) これは、我が国が国際平和協力法を作りましてカンボジアに出したときも最初にこの問題に突き当たりまして、指揮権の問題というのは大変大きかったわけでございますが、先ほど言いましたように、全体的な仕事のやり方は調整して行いますけれども、その決められた枠内だけで自衛隊が自らの指揮権に基づいて行うと。これはテロ対策において行っておるペルシャ湾での、インド洋での海上自衛隊の活動も同じ要領でやっているところでございます。
#34
○尾辻秀久君 それ言われますと、インド洋の給油のときに両方がどの方向、両方がというのは給油する側と給油される側両方並行して走るときに、どの方向に速度幾らで走れと、こういうときに、じゃこれはオペレーショナルコントロールなのというとコマンドだと私は思うんですね。
 まあ今日はもう細かなことは三十分の時間の中だからやり取りするつもりはないので、そこまででおいておいて、要するに、現場で行った人たちが困らないようなちゃんと理論の整理だけはしておいてくださいよと、その集団的自衛権の枠組みの中で無理やりやろうとして、無理やりという言葉がいいのかどうか分からぬけれども、とにかくやろうとして、変に現地でやりづらくなるようなことだけはしないでくださいということだけを言っておきたいんです。
 次に、任務について尋ねておきます。
 もう端的に聞きます。何かぶれているような気がするので聞くんです。
 人道復興支援活動と安全確保支援活動、どっちに重点を置きますか。
#35
○国務大臣(石破茂君) 現時点でまだ決定をいたしておりません。実際に現地を見て、いかなるニーズがあるか、我々にとって何が可能かということを勘案して決めることになります。
#36
○尾辻秀久君 ルワンダを思い出すんですよね、NGOの車両が襲われて、そのメンバーを自衛隊が助けに行った、その後ですったもんだの議論になりましたよね。あんなことだけはもうやめておいてください。そして、もうあえて言わせていただくと、一緒に行っている同胞の人たちを、日本人を救えない自衛隊なら、もう極端に言ったら行かぬ方がいいでしょうとでも言いたいぐらいの思いがしますということだけを言っておきます。
 それから、だんだん時間がなくなってきているので、携行する武器とその使用基準、このことを聞いておきたいと思います。質問の形にするとまた時間を食いそうですから、もう意見だけ述べておきます。
 携行する武器については、今正にルワンダの話をしましたけれども、あのときみたいに機関銃一丁にするの二丁にするのみたいなもう議論はもうやめてくださいということを言っておきます。どうぞ、各国部隊の装備ももう既にはっきりしているわけでありますし、行く人たちの意見十分にくみ上げて、そして装備をしていってくださいということだけを言っておきます。
 それから、武器使用の話になるといつも議論になるのが任務遂行のための武器使用ということですよね。これだけはちょっと質問をしておきたいんですが、先日説明を求めましたら、先日説明求めたら、この本法案においては、自衛隊は主体的に活動を行うものであり、任務遂行のための武器使用までは規定していないと、こういう説明なんですね。じゃ、何で主体的に活動を行えば任務遂行のための武器使用まで規定しないのかということになるんですが、この説明は長官も御存じないですか。ちょっとそこの説明は理解し難いので、あえて聞いているんです。
#37
○国務大臣(石破茂君) 私もこう、私の理解が十分ではないのかもしれませんが、今、委員がおっしゃったようなことの論理で私は理解をいたしておりません。それは、論理として少し飛躍、若しくは無理があるのではないかという気がいたします。恐らくその心は、主体的、つまり自分たちが判断をしてやるのだからというようなことなのかもしれませんが、それはやっぱり論理的にちょっとおかしいのだと思うのですね。
 私どもが申し上げておりますのは、任務遂行、いわゆるBタイプということまで認める、認めなければいけない。すなわち、自分の身にも急迫不正の侵害あるいは緊急避難の要件が該当しない、あるいは自衛隊法九十五条も該当しない、にもかかわらず、任務遂行という部分は一体どこなんだという議論だと思います。
#38
○尾辻秀久君 このときに併せて説明していることは、この任務遂行のための武器使用に係る論点は、自衛官の安全確保の問題ではなく、いいですか、自衛官の安全確保の問題ではなく、他国の軍隊と異なることに起因する現地での活動の支障をどう解消すべきかということであると、こういうふうに説明してくれているんですが、これもひどいと思うんですよ。まさしく、一番この問題は自衛官の安全確保の問題なんですよ。
 もう長官にこんなことを言ったら釈迦に説法になるけれども、行く指揮官はどんな覚悟をして行くかというと、検問所を突破する車がいる、すると、それに対しては、任務遂行のためには撃てないんだから、検問所を突破する車は撃てないですよ、じゃ、この車止めるのは、自分が前に立ちはだかって、自分に向かって走ってくるから我が身がもうひかれて死にそうになりました、危険です、それでやっと発砲できると。
 だから、もう車の前に立ちはだかって、死ぬ覚悟で行くよりしゃあないなと思って行く指揮官は行っているわけですよね。それなのにこの言い方ないだろうと思うので、あえて一言言っておきます。
 時間がないんで、最後に、もう最後の一問にします。
 今度の手当、いっつも言ってきたんだけれども、PKO手当は休みの日は出さないんですよね。オフの日には出さないんですよ。そんなばかな話ないだろうと言い続けてきたんだけれども、いまだにそうしている。今度もそうしますか。
#39
○国務大臣(石破茂君) どういう形が一番いいか。確かに、一般の感覚からすれば、お休みの日といったって、ふだんの国内における勤務のお休みの日とは違うだろうということであります。その辺りをどう勘案するか。いろいろな規定等々の兼ね合いもございますが、実情に即したような形で、まさしく委員が強調されますように、現場に赴く自衛官の気持ちにこたえるような形というものは十分に配慮をして決めなければいけない。決まりがこうだからというだけで事務的に決めるべき筋合いのものだとは考えておりません。
#40
○尾辻秀久君 さっきから申し上げているように、戦争状態、少なくとも戦争状態のところに行くわけですよね。極めて危険なところへ行くわけですよね。それに、今日は、はい、あんたは休みの日ですと決めておいて、その危険なことに対する手当は今日は出しませんというのはもう幾ら何でも理屈に合わないと思うんですが、今までのやり方見ていると今度もそうするんだろうなとつい思うので、もうそんなばかなことだけは今度はやめてくださいということをもう強く言っておきます。
 最後に、もういろいろ言ってきた私の今日言いたかった趣旨というのは長官本当によく御理解いただいたと思います。お答えで御理解いただいたと思います。ですから、最後に言っておきたいんですが、今後、基本計画決めますね。これ、国会承認じゃありませんよね。国会承認じゃないということは、逆に言うと政府が全責任持って出しますということなんです。だから、この責任の重さというのはもう是非いやが応にも知った上でやっていただきたいなと改めて申し上げるし、もう今から調査団出すでしょう。そして、手に負えないと思ったら、もう手に負えないと思ったら本当にやめてください。もうメンツも何にも要らないから、もう途中からでもやっぱり行くのはやめたといって言う勇気を持ってほしいということを最後に申し上げて、今日の質問を終わります。
#41
○広中和歌子君 私の質問は、是非官房長官、実を言うと総理にいていただきたいぐらいなんですけれども、官房長官を含めた閣僚の皆様にお伺いしたいと思っておりましたが、今、記者会見だということでおいでになりませんので、少し順番を変えてお伺いいたします。
 ブッシュ大統領がかねてから言っている悪の枢軸発言の中に、イラクや北朝鮮とともにイランが含まれているわけでございます。そういう中で、日本がこれまでイランと非常に友好な関係を持ち、我が国のエネルギーをイランに依存する部分が非常に多かったわけでございますが、イランとの間に結んだアザデガン油田開発の最優先権についてアメリカから待ったが掛かっていると。そのことについて日本政府としてはどのようなお考えで対応しようとなさるのか。アメリカはイラクで一緒にやろうというようなことを言っているようでございますけれども、資源の確保にさえ、国防だけじゃないですよ、資源の確保にさえアメリカの言いなりになってしまう日本なんでしょうか。お答えいただきます。
#42
○国務大臣(川口順子君) アザデガン油田についての御質問でございますけれども、今イランとの関係では二つの課題、大きな課題があります。一つはアザデガン油田ですが、もう一つはイランの持っている、国際社会全体が持っている、我が国も共有している核の疑惑でございます。それで、この二つについてそれぞれ解決が必要であると考えています。
 イランのまず核の疑惑についてですけれども、我が国は国際社会で唯一の被爆国でありまして、核の問題については非常にセンシティブであります。そして、こういった立場から、我が国としては、委員もおっしゃられたように、イランとはずっと友好的な関係を持っているわけでして、我が国としてイランに対して、追加議定書を締結をするということが重要である、そしてそれを実施をする、完全に履行するということが重要であるということを言っています。イランがそういったことを通じて国際社会が持っている懸念を払拭をするということが大事であるということをイランに言って、いろんなチャネルで言っていまして、ごく近々では天野軍科審を派遣をしてお話をしたところです。したがって、それはそれで解決をしていかなければいけない。
 それからもう一つのアザデガンの油田の話、これも御案内のように、我が国はエネルギー資源ほとんどございません。そういう意味で非常に重要な油田でして、特にこれは自主開発をする油田ですから、我が国の中東・アラブ地区への依存を下げるという意味で重要でございます。しかも自主開発であるということです。
 それで、このアザデガン油田の交渉につきましては、アメリカとの関係ではこれまでいろいろのやり取りはやってまいりましたけれども、これは相手があることでございますので、どういうやり取りを行ったかということについての、具体的に申し上げるということは控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしても、我が国としては、この二つが重要な課題でございます。したがって、それにしっかりと対応していきたい。そして、イランやアメリカや中東諸国を始めとする関係諸国ともこの二つの問題について主体的に協議を進めていきたいというふうに考えています。
#43
○広中和歌子君 我が国は独立国であるはずでございます。そして、資源に関して、特にエネルギー資源に関しては非常に重大な関心を世界各国に対して持っているわけでございます中で、私は、アメリカが日本の資源なりなんなりの輸入先についてまで、あるいは開発先についてまでいろいろ指図をするということ、それは日本としては許せないことではないかと思うわけでございますけれども、重ねてお伺いします。
#44
○国務大臣(川口順子君) イランについては、我が国は国際社会唯一の被爆国として、イランの核の開発の懸念については我が国としても大きな懸念を持っています。この意味では、これは我が国の問題として考えているということです。
 そして、そういった我が国の懸念も含めた国際社会の懸念をイランが払拭をするために、IAEAの追加議定書、これを締結をするということが重要だということをイランに伝え、そして単に締結するだけではなくてこれを完全に履行していくということが大事だということを伝えているわけです。それをやることが我が国としては非常に重要だというふうに考えているということです。
 核の疑惑の問題は、我が国としてはこれは無縁な問題ではなくて、我が国自身が懸念を持っている問題です。
#45
○広中和歌子君 核を持っている国というのは一杯あるわけでございます。イラクに関しても、核を持っているという疑念のために、そしてついに攻撃を始めてしまったわけです。そして、多くの人たち、そして多くのインフラが破壊された。そういう状況の中で、私は世界の中での秩序なり正義なりというのが本当に今問われているんではないかと思うわけでございますけれども、日本の外交というのはそのようなことでよろしいんでしょうか。
#46
○国務大臣(川口順子君) 我が国として、イランの問題、これは、イランはNPTに入っている国でありまして、そういった国が核の開発についての疑惑を持たれるということがあっては正に国際秩序に非常に大きな問題があり得るという国際社会全体が持っている懸念、これを我が国も共有をしている、我が国自身の懸念でもあります。
 したがって、イランがそういった懸念に対してきちんと対応することが重要であるわけです。この問題を、二つ課題があると申しましたけれども、この問題を抜きにしてイランと我が国の関係を議論することはできない。これに対してはイランにちゃんと対応してもらうということが重要だというのは我が国の主体的な考えであります。
#47
○広中和歌子君 イラクに対する核疑惑というのは急に持ち上がったものなんでしょうか。(発言する者あり)イランでございます、失礼しました。イランに対する核疑惑というのは急に持ち上がったものなんでしょうか。この油田開発の交渉の前から分かっていたことではございませんか。
#48
○政府参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 イランの大量破壊兵器開発については従来から疑念が呈されていたわけでございますが、今回の核疑惑の直接の引き金になったのは、昨年の夏にイランの反体制派の方々が記者会見を行いまして、イランの中で具体的に核施設が建設されているんではないか、そこで平和的利用以上のものが行われているんではないかという、そういう疑惑を提起したわけでございまして、その後、今年の二月になりまして、IAEAのエルバラダイ事務局長がイランを訪問する等してこの問題が浮上してきた、そういう経緯でございます。
#49
○広中和歌子君 この問題につきまして、是非政府としては、我が国にとっても、そして世界の国々との関係においても公正な態度を是非取っていただきたいとお願いして、次の問題に移りたいと思います。
 連合国暫定統治機構、CPAができ、そして最近、七月の十三日でございますけれども、イラク人から成るイラク統治評議会ができました。
 イラク評議会のメンバーは二十五人ということでございますけれども、それでよろしいですね。
#50
○政府参考人(安藤裕康君) イラク統治評議会の構成メンバーは二十五人でございます。
#51
○広中和歌子君 そのメンバーはどのような構成から成っているんでしょうか。
#52
○政府参考人(安藤裕康君) 宗派別の構成でございますけれども、アラブのシーア派が十三名、アラブのスンニ派が五名、クルドが五名、トルクメンが一名、アッシリアが一名、合計二十五名と、こういう構成になっております。
#53
○広中和歌子君 すなわち宗派の人口構成に比例していると、そのように考えてよろしいんですか。
#54
○政府参考人(安藤裕康君) ほぼこの人口構成比に該当して、その比例のままになっているというふうに了解しております。
#55
○広中和歌子君 その中に、いわゆるディアスポラというんですか、亡命者はどのくらい入っていますか。
#56
○政府参考人(安藤裕康君) 国外からの帰還者というのは正式にその数が発表されておりませんけれども、これまでに私どもの得た情報を総合いたしますと、二十五名全体の評議員の中から約十二名が国外からの帰還者ではないかというふうに考えております。
#57
○広中和歌子君 アフガニスタンのカルザイさんでしたっけ、あの方も、亡命者というんでしょうか、海外からいらした方ですよね。そういうふうに、海外からいらした方が統治機構の中に大勢入っているということ、それは果たしてイラクの国民から信頼を十分に得られるんでしょうか。
 例えば、アフリカ、南アの場合でしたけれども、あの場合には、マンデラ首相、その方は、現地で苦労し現地で運動をし現地で牢屋に入り、そして最終的に解放されて、そして選ばれて大統領になったと。非常に国民から信頼が厚いわけでございますけれども、この統治評議会のメンバーのうち半分がディアスポラであった場合に、果たしてイラクの国民から信頼を得られるんでしょうか、お伺いします。
#58
○政府参考人(安藤裕康君) その点についてはいろいろ御議論があることかと思いますけれども、サダム・フセインの体制が倒れて、それの後に新たなイラクの統治機構ができたわけでございますので、その前提に立ちますと、国外におりましてこれまでサダム・フセインを批判していた勢力がある程度の構成比を占めるということはやむを得ないことかと思います。
 ただ、国内にこれまでいた方々も半分以上の比率でこの新しい統治評議会を構成しているわけでございますから、そういう意味において、総合的な観点からこういう構成比になったというふうに私ども了解しております。
#59
○広中和歌子君 その構成メンバーを選んだのはCPAですか、それともだれでしょうか、お伺いします。
#60
○政府参考人(安藤裕康君) 基本的にはCPAがこの構成比を考えたというふうに了解しております。
#61
○広中和歌子君 CPAは、イギリス、アメリカから主として成り立っている連合国暫定統治機構ですよね。
#62
○政府参考人(安藤裕康君) そのとおりでございます。
#63
○広中和歌子君 私は、何かそこで大変に、何というんでしょう、私の質問でお分かりいただいたと思いますけれども、非常に心配な面があるんではないかなと思います。
 それでは、我が国の支援要請というのはどこから来ておりますか。国連ですかCPAですか、それともこの統治評議会、どちらになりますか。
#64
○政府参考人(安藤裕康君) 我々がこれから行おうとする支援は、あくまでも国連決議一四八三に基づいて行われるものでございます。
#65
○広中和歌子君 それでは、一四八三のことでございますけれども、それによりますと、要するに、大島次長ですけれども、この方は、大島賢三国連事務次長は、イランやアフガンなどの危険度の高い地域での人道支援を行う国連組織と軍との協力関係について述べている。そういう中で、軍を派遣するのは最後の手段であるということ、そして、国連調査官を通じ支援を要請する際に、原則として武器を携行せずと、そのようなことを述べているわけでございますけれども、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(川口順子君) 国連の大島次長の発言、報道で出ていたと承知をいたしております。ただ、私の理解をするところでは、大島次長は安保理決議の一四八三が非軍事的な決議であるというふうに言った記憶はないと考えていると、そういうことだと思います。
 我が国の考え方は、これは安保理決議一四八三の主文一及び二において、イラクの国民に対して医療その他の人道上の支援やイラクの復興支援を行うこと及びイラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国連加盟国に対して要請をしたということであります。
 それで、それでは、その要請に基づいて、具体的に各国がどのような支援を行っていくかということについては、これはそれぞれの国が主体的に判断をするということであります。我が国としては、これはその現地の情勢を考えたときに、自衛隊の持っているその能力、経験あるいは自己完結性、そういうことに着目をして活用をするということが必要だというふうに考えているということです。
#67
○広中和歌子君 何ですか、人道支援に関しまして幾つかのガイドラインがあるわけですけれども、人道支援というのは人道支援団体において行われなければならないということが四番目にはっきり書いてあるわけです。
 我が国がイラクに対して行うのは、明らかに人道支援でございますね。
#68
○政府参考人(西田恒夫君) 今般、御審議いただいております法案において想定しております中に、人道支援というものもございます。
#69
○広中和歌子君 我が国が行う自衛隊を含む今回の法案ですけれども、人道支援ということでございますよね。
#70
○政府参考人(西田恒夫君) 人道、それから復旧・復興、それにいわゆる安全のための、治安のための活動をする外国軍隊を支援するという行動も入っております。
#71
○広中和歌子君 これによりますと、そういう人道支援活動をする際にどうしても必要とある場合には特別な要請がなければならないということになっているんですけれども、まだ現地に行っていないのにどうしてそういう状況が分かるんでしょうか。
#72
○政府参考人(西田恒夫君) 必ずしもよく質問の御趣旨、理解しなかったかもしれませんが、御指摘の大島次長のガイドラインというものは、一般的にそれぞれの行動を行うときに個別のガイドラインを作るための言わばそのガイドラインということでございますので、あくまでも一般的でありますし、かつ、当然のことながら法律的な拘束力はないということです。
 それから、ここで想定されております事態というのは、ここにも書いてございますけれども、国連の要請の下、国連の下で要する行動をするというような言わば軍隊というものが想定をされているということでございます。
#73
○広中和歌子君 私どもの人道支援というものが国連の要請に基づいているんであれば、できるだけそれに近づいた形での支援が必要なのではないかと思いますが、官房長官もお見えになりましたし、時間的な制約がございますので、この問題は打切りにさせていただきます。
 それでは、官房長官、是非中心にお答えいただきたいと思います。
 今年の三月に原口国連大使が国連で演説をなさったときに、既に今度のアメリカの一連のイラクに対するプレッシャーに対して強い支持を表明していらっしゃいますけれども、今回のアメリカ等のイラク攻撃への支持というのはいつの時点で、いつの時点でどういうプロセスで、だれがかかわってお決めになったか、お伺いします。
#74
○国務大臣(福田康夫君) 日にちでいえば三月二十日に、米国等がイラクに対する武力行使を開始したというその日ですね、その武力行使開始を受けまして内閣総理大臣談話を発表しまして、我が国は、我が国自身の国益を踏まえ、かつ国際社会の責任ある一員として、我が国の同盟国である米国を始めとする国々によるこのたびのイラクに対する武力攻撃を支持するということをこの談話の中で明らかにいたしております。その談話は閣議決定をしておりますので、これはそういう意味では閣僚、すべての閣僚がこの支持というものをいたしておるわけでございます。
#75
○広中和歌子君 閣議がどのような形で行われたか分かりませんけれども、閣僚がすべて参加なさってこの重大な問題についてそれぞれ意見をおっしゃったんでしょうか、お伺いします。
#76
○国務大臣(福田康夫君) それ私も閣議の模様をちょっとよく覚えておりません。ですから、お答えはできないんでありますが、いずれにしても、閣僚すべてがこの談話に対して賛成をしたということは、内容的にこの武力攻撃を支持すると、こういう意味になるわけであります。
#77
○広中和歌子君 私はよその国のことは分かりませんけれども、少なくとも映画なんかで見ますと、例えばアメリカなんかでも大統領を中心としていろいろディスカッションが行われる中で意思決定、重大な意思決定がされるんじゃないかと思いますけれども、日本の場合は、総理が勝手に決められたわけじゃないですよね、どういう形で決められたんですか。
#78
○国務大臣(福田康夫君) ですから、再三申しますように閣議において決定をいたしたわけであります。
#79
○広中和歌子君 でも、閣議というのは、こんなこと言うと失礼ですけれども、だれかがペーパーを読んでそしてそれをサインすると、そういうことですよね。ディスカッションじゃないですよね。中身を聞いているんです。
#80
○国務大臣(福田康夫君) 閣議もいろいろなケースがございますから、今回このことについてどういう討議があったかということは、これは私も正直申しまして、今御質問がありましてお答えすることはできない。閣議の内容は通常公表しないことになっていたと思っております。
#81
○広中和歌子君 秘密であるなら仕方がないんですけれども、そのベースになった、決定したベース、いわゆる意思決定のベースには、支持をする以上当然実際的なお手伝いをしなければならないと、そういうことも考えなきゃいけませんよね、リーダーとして、一国のリーダーとして。そのときに、アメリカに対して今度の戦争でどのくらいのコストが掛かるのか、そしてまた復興支援というのはどのくらいの規模であるのか、そしてまた日本はどのくらいの負担をしたらいいのか、そのような、何て言うのでしょうか、問い合わせを、あるいはディスカッションというんですかね、相談をした上での意思決定であったんですか。
#82
○国務大臣(福田康夫君) この総理大臣談話には、確かに武力行使を支持するということについても記載されておりますけれども、それと同時に、戦争が一刻も早く終了するということ、そしてまた、その後国際社会がイラクの復旧・復興のための支援を行っていく、これが重要であると、そして我が国にとってもイラク及びその周辺地域の平和と安定の回復が重要であると、こういう認識に立って積極的な対応を行っていくと、こういうことは述べております。
 ただ、その時点においてじゃその武力行使がどのぐらいの期間掛かるのかとか、どの程度の損害が生ずるのか、どういう結果が生ずるのか、そういう状況を見て復興については考えていかなければいけない。復興についても、今御審議をいただいておりますこの法案が通らないと復興支援というのはできないわけでありますけれども、そういうような対応につきましては、実施の内容が具体的に固まった段階において、いろいろとその費用的なことも考えていくということが必要なんだろうと思います。
 ですから、そういうことを含めまして、早くこの法案を成立して、復興に対する具体的な対応措置の中身を決めていきたいと、このように考えているところでございます。
#83
○広中和歌子君 人間関係でもそうですけれども、支持するとかという非常に重大な発言をするときには、それなりの支援をするということですよね、後から。ましてや、一つの国が、しかも同盟国であるアメリカが戦争に突入する、攻撃をすると、そういうことに対して支持をするということは、非常に大きな、日本側にとっても重大な決意がなければならないと。それだけの予算あるいは復興の規模ですね、そういうことの覚悟があってのことじゃないんですか。
#84
○国務大臣(福田康夫君) それは、我が国としても、国際社会の中において一定の負担をするということは、これは当然、特にイラクについて非常に重要視というか、その平和と安定に対して重大に考えている我が国にとっては、それは負担をするということについての、これは当然の理解だと思いますよ。
 しかし、武力行使を開始するに当たって、じゃ幾ら掛かりますといったようなことを、そういうことを話をする段階ではないだろうというように思いますので、これはあくまでもその段階に従って対応措置、またその経費というものを見積もっていくということになろうかと思います。
#85
○広中和歌子君 それでは、現在、コストがどのくらい掛かっているかということなんですけれども、報道によりますと、一週間に十億ドル近くアメリカ軍は、アメリカが戦争が終わって駐留している駐留コストだけで十億ドル、兵士はいまだに十五万人いるそうでございます。
 じゃ、そのことについて、非常に驚いていらっしゃるわけですか。それに対して適正な支援というのはどういうものだと考えられていらっしゃいますか。
#86
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 今、広中委員がおっしゃいましたのは、報道によりまして、米国の国防総省の会計の担当官がそのような発言をしているということが報じられていたというふうに承知をいたしております。
 より権威のあるというか、そういう数字といたしましては、ラムズフェルド国防長官が、これは上院の軍事委員会におきまして、イラク関連の経費ということで一か月に約三十九億ドルという発言をしております。ただ、イラク関連の経費ということで発言をしておられまして、その細目と申しますか、詳細については発言もしておられない、我々も承知していないということだと思います。
 我々の支援ということは、これは我々が主体的に決めるということだろうと思います。
#87
○広中和歌子君 小泉・ブッシュ会談というのが戦後行われましたよね。そのときに総理は、具体的に何をしてくれと言われなかったと。つまり、日本次第だというようなことでございますけれども、何らかの了解があったのか、これは総理に聞かなければ分からないと言われちゃうかもしれませんけれども。例えば、ブーツ・オン・ザ・グラウンドのような発言がアメリカ政府の中から出ていますけれども、自衛隊の派遣など、暗黙で日本側としては受け止めていたのかと、そのことについてお伺いいたします。
#88
○政府参考人(海老原紳君) クロフォードで行われました日米首脳会談におきまして、ブッシュ大統領の方からは、日本が相応の協力をしてほしいという、言わば期待は表明されましたけれども、自衛隊の派遣というようなことについて具体的な要請は行われておりません。
#89
○広中和歌子君 そうすると、この前の湾岸戦争ではお金であった、今度はブーツ・オン・ザ・グラウンド、つまり軍服を着た人だと、そのように日本側で考えていらっしゃるんですか。
#90
○国務大臣(福田康夫君) これは、今、局長から答弁したとおりでありますけれども、要するに米国からは具体的に支援の中身を、これを聞かれているわけじゃありません。どうしても支援してくれと、そういうふうな話ではなくて、あくまでも我が国の必要性という観点からこの問題に取り組もうということであります。あくまでも自主的な、我が国としての自主的な判断であるということであります。それは、やっぱり中東地域の安定、イラクの安定、中東地域の安定、そして、例えば石油供給の安定とか、また国際社会の平和と安定という、そういうことを中心に考えた結果でございます。
#91
○広中和歌子君 ある時点でブッシュ大統領は戦争が終わったと、勝利に終わったとおっしゃいましたけれども、その後、五月一日でしたか、スティル・アット・ウオーというような形で、戦争はまだ継続中であるというような発言をなさるなど、イラクにおける情勢というのは大変厳しいものがあります。そして、アメリカ軍やイギリス軍へのゲリラ、戦争とは申しません、ゲリラ戦が続いているわけでございます。
 軍服を着てイラクで活動すれば、仮にそれが人道支援であっても、そうしたテロの攻撃にさらされる可能性はどこの国を問わず、国を問わずあるんではないでしょうか。防衛庁長官、お願いします。
#92
○国務大臣(石破茂君) それは、いずれにいたしましても、私どもが活動いたしますのは本法案に定められた非戦闘地域であり、そしてまた防衛庁長官が持っております安全配慮義務にかなう地域でなければいけないということでございます。
 どういうようないでたちといいますか、そういう形で活動をするかということは、どういう形が一番現地のニーズに合っているのか、あるいはどういう形であれば安全に行動できるのか、そういうことは子細に検討をいたします。
 しかしながら、重要なことは、本法案に書かれてございます戦闘が行われていない地域で活動するということ、そういう憲法上の要請を満たすことと、安全配慮義務というものを満たすものでなければいけない、そういうことだと考えております。
#93
○広中和歌子君 日本が派遣する自衛隊はどういう服装で行くんですか。軍服を着て行くんですか、迷彩服を着て行くんですか、それとも平服ですか。
#94
○副長官(赤城徳彦君) 自衛隊の服装でございますけれども、これまで海外派遣の際にどういう服を着用していたかということをちなみに申し上げますと、陸上自衛隊は、防暑服の迷彩、または防暑服のOD色という緑に茶が掛かった服の二種類がございます。航空自衛隊は、航空服、整備服、迷彩服、防暑服の四種類がございます。
 こういうものを今持っているわけでございますけれども、どういう服装で活動するかということについては、実際にどういう任務をするのか、また、その業務を実施する際の治安状況とか気象の状況、そういうものを総合的に勘案しましてふさわしい服装を選定するということを考えております。
#95
○広中和歌子君 いずれにしても、軍隊であるということが明らかになるような服装で出掛けるわけですね。イエスかノーで結構です。
#96
○副長官(赤城徳彦君) 復興支援が分かるような、あるいは見た目に安全なというところがどういうところかよく分かりませんけれども、どういう服装というのが、御指摘がよく分かりませんが、いずれにしても、自衛隊が着る服だということには変わりはございません。
#97
○広中和歌子君 つまり、私が申し上げるのは、NGOの人や国連の職員の人たち、あるいは国連の下に支援活動をしている人たちとは違う服装、明らかに軍と分かる服装でなさるわけですよね。
 しかしながら、防衛庁長官は度々ここの委員会でもおっしゃいますように、彼らは戦争が行われている、あるいは危険なところには行かさないというふうにおっしゃいますけれども、そして事が起こったらばそこから撤退するというような、そして指示を待つというような言い方をなさいますけれども、いやしくも軍隊の服装をしている日本の兵隊さんたちが、ほかの国の人たちが、ほかの国の軍隊が命を張ってやっているときにそのようなことでは、むしろ恥をかくのではないか、恥をかきに行くようなものじゃないですか。
#98
○副長官(赤城徳彦君) 一般のNGOの方でありましたらいろんな服装があると思います。ただ、これは自衛隊でございますし、部隊として行動します。この法律の十七条によって自己防衛のための武器も持っていくとか、一定の指揮系統の中で統制の取れた形で行動する、またその任務もございます。そういう任務を行うにふさわしい服装というのはおのずとあろうかと思います。
#99
○広中和歌子君 私は服装にこだわっているんじゃないんです。少なくとも軍隊として行く以上、まあ自衛隊でもいいです、自衛隊として行く以上、私どもは安全なところじゃなくちゃ嫌よというのは恥をかきに行くようなもんじゃないかと言っているんです。防衛庁長官、お願いします。
#100
○国務大臣(石破茂君) 私どもが申し上げておりますのは、憲法からして戦闘行為は我々はできないということでございます。恥をかくとかかかないとかいろんなお話がございますが、憲法によって決まっております、外国において武力の行使は行わない、これは憲法上の要請でございます。
 そしてまた、私どもは安全なところ安全なところというふうに申しておりますけれども、それは民間人にとって安全なところと申し上げているわけではありません。厳しい訓練を積み、そして権限を与えられ武器を持っていく、そういう自衛官にとって安全な地域というふうに申し上げておるわけでございます。
 そして、仮に攻撃を受けたような場合に、じゃ何もしないで逃げていくのかねということになれば、十七条の要件を満たします限り武器の使用というものはできます。これが他国と一緒になって武力行使をしたというような評価をされるような、そういう行為は行ってはならない、これは憲法上の要請でございまして、恥をかくかかないの問題ではございません。
#101
○広中和歌子君 それでは、参加する自衛隊ですね、その自衛隊の方たちはどういう形で選ばれるんですか。志願兵なんですか、それとも上からの命令でございますか。
#102
○副長官(赤城徳彦君) この派遣される隊員の選定でございますけれども、派遣先で能力が十分発揮されなければいけませんので、その任務遂行に必要な知識とか経験がちゃんとあるかとか、あるいは健康状態がどうかとか、そういうことを踏まえて選定することになります。さらに、事前に現地の情勢とか任務内容について説明をするということにしております。その際、その隊員の家族の事情とか個人的な状況がどうかとか、そういうことも勘案して、総合的に勘案した上で判断し選定すると、こういうふうに考えております。
#103
○広中和歌子君 最終的には自衛隊の個人個人が行くということに同意をすると、そういうことになるわけですね。
#104
○副長官(赤城徳彦君) 今申し上げましたような様々な状況、家族の状況とか個人的状況を勘案しますが、あくまでこれは命として下令されて行うということになります。
#105
○広中和歌子君 命令されて行くわけですね。
 そして、今ここで問われているのは、自衛隊の人たちが、それは一人でも、一人も死んでは困ると、それは日本国民の気持ちでございますけれども、しかしながら、こういうところに行くんですから死と隣り合わせです。ほかの国の兵隊さんがそうなんですから我が国だって例外じゃないだろうと思います。そういうときに、死と背中合わせのところに行くという、つまり、国際社会のために、人道支援のために、その理由が何であれ死ぬ覚悟があるかということが自衛隊の人に問われていると、そのように防衛庁長官は理解していらっしゃいますよね。
#106
○国務大臣(石破茂君) それは、有事法制の際にも阿部委員からの御質問がございまして、自衛官の服務の宣誓ということを申し上げました。
 それは、事に臨んでは身の危険を顧みずという宣誓、私は宣誓というのは重いものだと思っております。そしてまた、自衛官がその「心がまえ」に基づきまして、同類の文書というものを規定をしておりますけれども、そこには死生の間に身を置くものである、生きる死ぬですが、の間に身を置くものだ、我々の職場はそういうところだと、大意そのような記述がございます。
 それは私は、宣誓というのはそういう重いものでありますが、さはさりながら、じゃどこへ行ってもいいのかというようなことにはなりません。先ほど来、尾辻委員の御質問にもお答えをいたしましたように、私どもは、どこで活動するのかということ、そしてまた不測の事態が起こらないように配慮をするのは当然のことでございまして、宣誓を行っているからといってどこへ行ってもいいとかそういう問題ではございません。
#107
○広中和歌子君 時間が迫っていますのでちょっと短くお答えいただきたいんですけれども、自衛隊へのいわゆる危険特別手当というのは三万円ですよね、というふうに決まると聞いていますけれども、文民の方あるいはNGOの方が被害に遭った場合、そういう方たちに対しては同じような特別手当が支払われるのか、お伺いいたします。
#108
○国務大臣(石破茂君) 防衛庁・自衛隊に三万円ということを決めたという事実はございません。
#109
○広中和歌子君 その自衛隊に決まる額は、それが二万円であれ三万円であれ、文民にも当てはまるのか、そしてNGOの人たちが被害に遭った場合はどうなのか。
 NGOの人たちは、今ではなくて、戦争が終わったその前後からNGOの、日本を含むNGOの人たち、日本人を含むNGOの人たちあるいは国際機関の人たち、現地で一生懸命働いています。そういう人たちに対する、そして、しかも日本国籍を持っている人に対する危険手当みたいなもの、何というんでしたか、賞じゅつ金ですか、それは与えられるのか、お伺いいたします。
#110
○国務大臣(福田康夫君) この法律に基づきまして、法案に基づいて対応措置を行う、そういうものに従事する者に対して、これは今、自衛隊員のことについてお答えしましたけれども、復興支援職員、民間の方ですね、民間、それから役所の方ですけれども、これも当然支給の対象になります。
 また、これはどういうような対応をしたらいいかということがございますので、このことについては、どういう在り方がいいのかということについて検討いたしておりますけれども、できる限りの対応をしたいというように考えております。
#111
○広中和歌子君 ジャパン・プラットフォームとかJVCとか、ああいうところで働いている人たちに対しては考えていないということですか。
#112
○国務大臣(福田康夫君) この法案で用意いたしておりますのは、あくまでもイラクの復興支援職員、この法案に基づく復興支援職員について対応を考えているということでございます。
#113
○広中和歌子君 もう既に現地で非常に貢献をしているこういう人たちにむしろ支援する方が、我が国がですよ、効率的であり効果的であると、そのような思いをするわけでございますけれども、御意見ございましたらお伺いいたします。
#114
○国務大臣(川口順子君) 現地で働いている、活動しているNGOの人たちに支援をしていくことは重要なことだと思っています。草の根無償等、あるいはNGOの支援のための制度を持っておりますけれども、例えばその中で、NGOのための支援の中で、保険料等についても最大限の保険が掛けられるように支援はしております。
#115
○広中和歌子君 こうして既に実績のあるNGOや民間団体があるわけでございますので、自衛隊がむしろいわゆる出向という形で、出向という形で、こうした例えば国際救援隊みたいなものを日本が作りまして、そういうところに平服で参加すると、そういうことがむしろよろしいんじゃないか。
 昨日、おとといの災害を見ましても、日本の国内において自衛隊が実質的に、救援活動というんでしょうか、その実績というものは私ども非常に高く評価しているわけでございます。その人たちがむしろ同じような形で現地で、現地って、イラクで活動していただく場合、何も軍服を着ていく必要はないのではないか、出向という形で救援隊みたいなものに参加なさった方がよろしいんじゃないかと。そういうことをお伺いいたします。
#116
○国務大臣(石破茂君) 委員の御趣旨が必ずしも正確には理解できなくて恐縮なのですが、私どもは、その必要性があるかどうか、ちょっと今判断しかねるところで、むしろその必要性に乏しいと思っています。
 もう一つは、これは自衛隊でなければできない、それは、自己完結的ということを申し上げましたが、自衛隊でなければできないことです。同時に、武器を持っていきます。そしてまた権限も与えます。そういう場合に出向という形が正しいのか、あるいは、私たちは軍隊じゃありませんよということを殊更に強調することが果たして合理的なのかどうなのか、そういうふうな判断をしなければなりませんので、私どもは現在そのようなことを必然性があるものとして考えておるわけではございません。
#117
○広中和歌子君 終わります。
#118
○齋藤勁君 バグダッドで二十日に国連の車列に銃撃ということで二人の死傷者が出るという事件がございました。このことについて、官房長官、外務大臣、防衛庁長官、どなたでも結構なんですけれども、具体的な内容についてお伺いしたいというふうに思います。
#119
○国務大臣(川口順子君) 二十日ですけれども、イラクのムハンマディーヤで移動中のIOM、国際移住機構という組織ですが、の車両が別の車両に乗っていただれかに銃撃をされまして、そして、近くをたまたまバスが通行していて、そのときにそのバスに衝突をしたという事件がありました。そこで、イラク人の運転手一人が死亡をして、職員一名が負傷をしました。
 これは報道もされていますけれども、フセイン政権が崩壊後、国際機関の職員がそういった形で犠牲になるというのは初めてのことでした。
#120
○齋藤勁君 今答弁いただきましたように、国際機関が襲撃されたのは初めてだということで、これは現地はあれですかね、国連旗とか国連の何かそういった標記、記載をしているとか、何かそういった形状は調査されていますか。
#121
○国務大臣(川口順子君) はっきりしたことを、そのときの情報は持っておりませんけれども、国際機関でございますので、国連なりなんなりの印は付けていたという推測をする方が、してよろしいかと思います。
#122
○齋藤勁君 推測ではなくてきちんと調査していただければと思いますね。すべきだと思いますよ、時間もたっていますから。これ二十日ですよね、二十日、今日二十二日ですから。
 どなたか分かる方、大臣が分からなければ、無理なのかな。分からないの。──はい、分からない。委員長、いいです。
 大変危険な状況だということだという認識を一つにしたいということ。
 それから、通告をしていないんですけれども、このことを別に私は今回の自衛隊派遣と結び付けるつもりございませんが、大変痛ましい報道として、これは既に防衛庁がこれ発表していることですから、少し詳細についてお尋ねしたいと思うんですが、見出し的には、自衛官自殺最悪のペース、年間百人突破のおそれ、防衛庁と、こういうことで、今年四月から六月、三か月間で二十七人になった。年間の自殺者数が過去最悪だった昨年同期十四人の約二倍のペースになっている。
 もう少しこの比較、何も十年間別に列挙してということを御説明しろと言うつもりはありませんが、自殺者が増えているということについて、自衛隊内部で、で、結論的には自殺防止策を七月中にも防衛庁はスタートをしたいということで対策本部を設置をしたということまでは承知をしています。ですから、自殺者数の数、内容の点について、こういうふうに増えてきたんですということを教えていただきたいと思います。
#123
○国務大臣(石破茂君) 過去十年間、過去十年間を一応御説明させてください。
 平成八年度まではおおむね一年間に四十名から五十名前後でございました。九年度以降におきまして六十名から七十名に上がりまして、十四年度は七十八名、今年はこのままのペースでいきますと三けたに乗りかねないという不安、懸念を持っております。
 原因につきましては、病苦、借財、職務、家庭、その他不明と、こういうふうになっておりますが、過去三年で最も多いのはその他不明、二番目は借財ということでございます。
 で、その他不明で本当にいいのかということでございます。これはきちんと、その他不明なんというので片付けるんじゃなくて、あるいは、借財というふうになっていますけれども、その前に何かできなかったのか、考えられる最大のことをやったのかと。もちろん、じゃ事細かに聞くことが人権にどのように侵害に当たるのか当たらないのかという議論はありますが、死なれてしまって人権侵害も何もあったものではございません。そこのところはきちんと考えながらもう一度、今までも実はこういう対策本部を作ったことはあるのです。しかし、それが功を奏さなかった、あるいはその効き目がなくなってきているということを考えますと、これは小島政務官をヘッドといたします対策本部を立ち上げまして、もう一度なぜこれが防げないかということをきちんと考えてみたい、そのように思っております。
#124
○齋藤勁君 今回の法案とは直接私は結び付けるというつもりではありませんが、たまたま一日、二日、この間アメリカ軍のイラクに常駐されている軍人が、報道機関に対して公然と上官あるいはラムズフェルド国防長官を呼んでこいとか、映像に向かって早く帰りたいと言うのは、だれもが早く帰りたいというふうに言うと思うんですが、この指揮者に対して公然と批判をするというのは、取材も大変だと思うんです、これは。これは必ず上官が多分いると思うんですよ。そういうところで、私は、この泥沼化とかあるいはゲリラ戦という今の状況の中で、何も今の日本の自衛隊と共通するという、させるつもりも、無理なこじつけをするつもりもありませんが、極めて士気という問題をベースに考えてみた場合、大変な私は何か気になる点でございます。
 自衛隊の自殺者のことは別にいたしまして、この今の米軍人のイラクにおきます士気、これは防衛庁長官どういうふうに、映像を多分ごらんになったんじゃないかと思う、繰り返し繰り返し放映していましたので、どういうふうに思いますか。
#125
○国務大臣(石破茂君) 私もその映像は何度も見ました。大統領あるいは国防長官に対する批判というものを、このことは、これは正確な言葉かどうか知りませんが、アメリカでは軍律違反だと、絶対に許さないということになっておると承知をいたしております。
 その上で申し上げるとしますならば、アメリカのことはさておきまして、一般論として、先ほど尾辻委員にもお答えをいたしましたが、やはり赴く人たちがそれを命じた政治に対して不信を抱くということは、私は決してあっていいことだとは思っておりません。もちろん、そういうのが全くないなんという組織があるとも思いません。しかし、それが極力少なくなるようにというような政治の責任は、シビリアンコントロールの観点から最も重要なものであるというふうに考えております。
#126
○齋藤勁君 官房長官、世論調査なんですけれども、内閣支持率は、これはもう発足以来いろいろ浮き沈みというと嫌かも分かりませんが、高支持率の中でも支持率が落ちてまた高い支持率に行くということで、小泉内閣というのは大変、ある意味では歴代内閣からいって、一度沈むとすぐ沈みっ放しなのが歴代内閣だけれども、また上がっていくということで、こういうある意味では特異な評価を受けている内閣なんだなというふうに私も思いますけれども。
 ここ最近の世論調査ですね、今日の朝日新聞で、例えば六月にこの自衛隊派遣について賛成が、六月、二か月前、賛成が四六%、反対が四三%。今回の七月二十、二十一日の調査ですと、賛成が、これは反対ですね、ごめんなさい、逆の数字です、反対が五五、そして三三ということで上がってきている。これは朝刊ですから、朝刊というのは朝の新聞ですからごらんになったと思いますが、このことについての世論、動向、どういうふうに受け取られますか。
#127
○国務大臣(福田康夫君) 世論調査でありますから、国民の一般的な認識を示しているんではなかろうかと思います。
 正直申しまして、イラクの復興について、これは反対する人は私はそんなに多くはないんだろうと、根本的にはそういうことだと思います。しかし、このところ、今、委員御指摘のように、反対が増えているというのは、やはりイラクの情勢が不安だという、そういったニュースもあり、またこの委員会における議論もそういう点に集中的に質問がなされると、こういったような状況がございます。事実そういうような状況もないわけではないんでありまして、それは私も認めないということはいたしません。実際に実績を見ますと、必ずしも好転しているというわけではないということであります。
 しかし、ですから、世論との関係においては、そういうことを受けて、今の時点において自衛隊が出ていくのは危ないんじゃないかという、そういう危惧、懸念、それを国民が持っておられるのだというように考えております。
#128
○齋藤勁君 その危惧だと思うんですね。私は、前回の質問でもその点について再三指摘さしていただきまして、今日も時間をいただきまして、短時間ですけれどもやり取りさしていただいていますが、非常に危機意識を持っています、国内、国際的にも、これでいいんだろうかということについて。
 先ほどの冒頭の尾辻議員の御指摘は、私は前回の質問でもさしていただいたつもりです。私どもは野党ですから、野党として対案を衆議院で出さしていただきました。そのことで私は、国内、国際的にも十分日本の役割というのは果たせるのではないかというふうに今なお思っております。
 官房長官、この法案、今、私ども参議院で審議中ですけれども、撤回するという、そういう英断は、判断は小泉内閣はないんですか。
#129
○国務大臣(福田康夫君) これは、復興するという、復興を支援するということについての基本的な考え方というのは、これは御党においても、民主党においてもお持ちであるのは、これは、そういうことでしょう。やり方の問題はあるかもしれぬけれども、賛成はしているわけですね。ですから、やはりそういう支援ができるように体制を整えておくということは必要なのではないでしょうか。
 民主党さんの言われるように、民間の方に行っていただくとかいうようなことであれば、これはもう極めて限定的な支援にしかならないということでございます。また、自衛隊の持ちます、何と言ったっけ、自己完結性とか、そういったような機能も持っていないというようなことも考えますと、今、だからこそ逆に言えば自衛隊に出ていって活動してほしいというように考えて自然ではなかろうかと。
 ただ、再三というか、もう何十度も繰り返しておりますけれども、よしんば自衛隊が出たとしましても、これは安全な地域における活動ということでなければできないのでありますので、その点は、この法案が通りますれば、大規模な調査団を派遣して、十分精査して、そして活動の中身そして規模それから時期、そういうことを決定していかなければいけない、そういうことでございますので、是非この法案は御理解の上にお通しいただきたいというように思っておるところでございます。
#130
○齋藤勁君 法案では国会承認ではございません。国会承認、事前承認ではないですね、この法案では。これは、今撤回しろとも撤回、再度私は前回どおり指摘しましたけれども、そういう意思はないということですが、ここも積極的にシビリアンコントロールという、これ防衛庁長官のお話で、私は、後ほどまたシビリアンコントロールの点で別な角度からお話しさしていただくつもりですけれども。
 この国会の責務というのを、調査をして、そして、いつどういうふうにして派遣をするかということでお決めになるんでしょうけれども、国会とのかかわりということについて、積極的に政府の方から立法府、議会の方に求めてくるという姿勢というのがあった方がいいんじゃないか、あるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#131
○国務大臣(福田康夫君) この法案におきまして、これも再三お答えしておりますとおり、基本的な枠組みというものは明確になっております。今一番危惧されていることについて、特に安全性の問題とか武力行使との関係とかいったようなことについてはこの法律の中でしっかりと定義されておりますので、その枠組みがはっきりすれば、その中で行う行動については、これはそういう前提の中での行動だということにおいて御理解いただけるのではないかというように考えております。
#132
○齋藤勁君 いや、今回のずっとやり取りを聞いていても、先ほど冒頭、私は、国連車列についての銃撃戦があり、そういう現地の状況というのが、我が国が主体的に調査能力がないままずっと推移をしてきて、今回の法案のやり取りを聞いていても、現状と全くかみ合わないまま国会の議論というのは進んでいるんですよ、国会の議論というのは。
 これは、自衛隊員の生命ももちろん大切です。私は、第一義的に生命というのは考えなくてはいけない。政治というのは、国民の生命、財産ですから、守るということについて、これはまた私たちは政府として国内外の、私たちは国際的な役割という中で私たち自身の方向というのを決めていくわけですから、立法府としての私はむしろ責任が果たせない今の法案だと思いますよ、これは。立法府としての責任が果たせない法案だと思います。
 言葉を拝借させていただきますが、尾辻議員は、慌てて行くことがないではないかと、こういう質問の中で、このことについては、与党と政府ですからあえて政府に答弁求めておりませんでしたけれども、慌てて行くことがないではないかということで、これは答弁は、もう一度、再度、私も同じ気持ちなんですけれども、調査をしますとかいうことだからそういうことなんですよということかも分からないけれども、明確に答弁していただけますか、これ。
#133
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど私から答弁申し上げましたけれども、調査を行い、そしてその時期も含めて結論を出していくということになります。
 今、慌てて行くのではないかという御指摘ございましたけれども、決して慌てて行かなければいけないということではありません。しかし、それは思いはできるだけ早く復興支援に乗り出したいという思いはあったとしても、しかしこの法律の枠組みというものを崩すわけにいかないという大前提がございますから、ですからその大前提をこなした上で時期をどうするかと、こういう問題になるわけであります。
#134
○齋藤勁君 立法府としてのかかわり方についてはどう思いますか。立法府としての、先ほど私が言いました国会としての、これから基本計画出てくる、そして今いろいろ調査をしていくということについて、事前に国会で議論をしていくということについてこの法案ではいわゆる事前承認になっていないわけですけれども、このことについて政府としていかがですか。
#135
○国務大臣(福田康夫君) これは、この法案の第六条にございますとおり、自衛隊の部隊等が実施する対応措置については、対応措置を開始した日から二十日以内に国会に付議すると、そしてこの措置の実施について国会の承認を求めなければならないと、こういうことになっております。これは、この承認がなされないというようなときには、速やかに当該対応措置を終了させなければならないという、こういうことになっておりますので、これでもって国会の関与というのは十分にあるというように考えております。
#136
○齋藤勁君 全くそのことについては見解を異にするというふうに思います。一度法案を出したらそのまま何とか、何でもかんでも通すんだという私は姿勢にしか見えません。大変残念でございます。
 大変今日は短時間です。外務大臣、端的にお伺いしたいと思いますが、WMD、大量破壊兵器、発見される、発見されると思っていますか。
#137
○国務大臣(川口順子君) 前にも御説明をいたしましたけれども、いろいろな項目について、イラクは、前に使ったという、イラク自ら持っているということも含めて申告をしているわけですね。それが今まではっきりどうなったか分かっていない部分があるということであります。ですから、今千三百人ぐらいの人を投じて調査をしているわけでございまして、私としては、大量破壊兵器そのものか、あるいはそれが隠匿をされた証拠か、あるいはそれが査察団に対して言わないで廃棄をした証拠か、何らかのそのものがいずれ見付かることになるであろうというふうには思っております。
 いずれにしても、今の調査の状況については注視をしていきたいと考えています。
#138
○齋藤勁君 見付かるだろうと思っていると、見付かるだろうと思っているということですか。
#139
○国務大臣(川口順子君) 政府の今まで見解として申し上げてきましたことは、見付からないと、今申し上げた大量破壊兵器そのもの、あるいはそれを隠匿をした証拠、あるいは黙って査察団に言わないで廃棄をした証拠、何らかのものが見付からないということは想定し難いというふうに考えています。
#140
○齋藤勁君 見付からないというのは想定しないということですか、はっきりちょっと言ってください。
#141
○国務大臣(川口順子君) それらのものが見付からないということは想定し難いというふうに思っているということです。
#142
○齋藤勁君 ということは発見されるということでしょう、発見されるということなんでしょう。
#143
○国務大臣(川口順子君) そういったものが見付かるであろうというふうに考えているということです。
#144
○齋藤勁君 今、イギリス議会やアメリカ議会、いろいろニジェールからのウランをめぐる問題で大変な状況になっていまして、過日帰られましたブレア首相も、イギリス議会とのこれはかなり大変な対応になると思いますし、アメリカの方も、議会、大変だと思います、真相について。
 いろんな角度あり、これは私は大量破壊兵器あったことは認めます、私は、イラクに。これ実際、査察がして、つい最近まで査察をしていたわけですから。それで、おおむね九〇%、九五%の、大体、あったものというより、大体それについては解決して、あと数%があるということについて、これはいろいろやり取りがあったわけですから、これは別になかったなんということを私は申し上げるつもりはありません。
 問題は、武力行使に至る対応の問題だったのかどうかということが、今回、実はブッシュ演説等から始まっていくわけですね。ブッシュ演説等、そんな国連をめぐる舞台があった。
 外務大臣、フランスですね、フランス。フランスは、これは様々な、その後、これはずっと検証していかなきゃならないと思いますが、フランスに対する、最後、今、もう武力行使をして、武力行使以降の復興とか、そういう事態でありますが、つい先日の話ですけれども、国連を舞台にして、フランスというのは最終的に拒否権は発動しない、フランスというのは何とかいわゆるNATOの枠組みの中で大体アメリカと賛同する、あるいはうなずくとか、そういう見方を日本の外務省というのはずっと見ていたんですか。
 フランス政府の、武力行使に対する、以前、国連の、アメリカが武力行使、武力行使と言いましたよね、アメリカがずっと。それで、いわゆる武力行使というのは、まだ十分な査察を継続すべきだというのが私はおおむねの、大方の国際世論だったというふうに思いますが、新たな国連決議も必要だという、こういう様々な各国がございました。
 いわゆるアメリカ・フランス、アメリカ・イギリスとかドイツとかいろいろありますが、フランスの今度のイラクをめぐる問題について私は誤算があったんではないかということで、今の時点ではないですよ、過去にさかのぼってお話しさせていただいているんですけれども、このことについて、長くお話しされると後の時間なくなるんですけれども、フランスとのかかわり方についての見方について外務省としてどういうふうにとらえているのかということについてお尋ねしたいというふうに思います。
#145
○国務大臣(川口順子君) これは、そこに至る過程で、当然、外務省としてフランスとはコンタクトを緊密に取っていました。私自身も、ドミニク・ドビルパン外務大臣と電話でお話もしましたし、それから在京の大使ともお電話でお話をしています。
 それで、フランスとそれから英米の考え方の違いというのは、基本的に査察の有効性をめぐって意見が異なったということであるというふうに思います。フランスと英米と最終的に一致をした形にならなかったということについては残念だと思っています。
#146
○齋藤勁君 私は、きちんとした事前通告をしておりませんから唐突だったかも分かりませんが、武力行使にこれやっぱり踏み切るということについて最後まで拒み続けてきたと思います。いろんな私はそれぞれの国々は利害があると思います。いろんな様々な考え方があったと思いますが、一つ私は、フランスというのは、もう一つ確かに、我々は、アメリカ国民、国内にいる人間としてもっと、九・一一のあの惨状についてもっとある意味では脳裏にたたき込まなきゃいけないというのはアメリカに対してあるかも分かりません。
 一方、フランスにとりますと、私は、過日、私の同僚の佐藤道夫議員もお話ししておりましたけれども、このいわゆる推定無罪原則、推定無罪原則というこういう、日本でも、人権宣言にあります、すべての人は有罪と宣告されるまでは無罪と拒否をされる。この推定無罪原則ということについて、とりわけ私は、フランス人というのは二百年前に人権宣言というのは発信をしたと。言ってみればこの共和国の価値規範として、これは現在の法体系の根本を支えるということで私は原点としてずっと持ち続けているんではないかというのを、私はなぜフランスというのはずっと拒み続けてきたんだろうということについて、いろんな国益の考え方あっても、そういうところにあると。
 武力行使に踏み切る踏み切らないということについては、大量破壊兵器の問題、可能性、いろんな、グレーゾーンであったかも分からない、しかし、踏み切るか踏み切らないかについては、徹底的な私は査察というのをすべきだったということについて、このフランスの人たちというのはそういうところに何か原点があったんではないかというふうに思いまして、実は紹介をさせて、改めて実は紹介をさせていただいているところであります。
 なぜ今そういうようなことをお話をさせていただくとすれば、このフランスのシラク大統領、ドイツのシュレーダーいますが、アメリカのブッシュ大統領、今、先ほど来いろいろありますが、これは文民、シビリアンの部分だと思うんですね、シビリアンの部分。これは、大統領の命令に従いましてアメリカの軍隊が行き、そして今、様々な人道支援、復興支援でいろいろ、他国のいろいろ支援を行くと思うんですが、我が国は今この法律をこの国会で審議をしている。小泉総理大臣が支持しますというところに、私は、いろんな様々な国々の分析の中に、フランスというのは最終的には拒否権なんか発動しない、フランスというのは最終的にアメリカに支持してくれるのではないかというそういう見通しがあったというのを、その後検証が様々な聞いている中であります。
 これも一つ、たまたまそういった中で、外務省というのは、この武力行使に踏み切る踏み切らないということについて、適切に官邸や指導者に対して、小泉総理、政府にきちんと物を言ってきたんだろうかということが一つ実は気になります。
 過日、私は予算委員会で、今度イラク新法が提案されるだろうというときに、外務省がどうしても自衛隊を出せ自衛隊を出せ、防衛庁の方は嫌だ嫌だと。いや、そうじゃなかったのかどうかは別に言っていただければあれなんですけれども。これは、そういう政府内の私は正しい情報と分析というのをきちんとされてきたんでしょうかと言えば、きたんですというふうにおっしゃるかも分かりませんけれども、非常に気になる点であります、これは。
 今回のイラク特別措置法が、是非私は、シビリアンと、シビリアンとずっとおっしゃるけれども、危険極まりないという言葉になりますと、むざむざという言葉を尾辻さんは言われましたけれども、むざむざに私はなっていくふうになります。
 ここで何としても踏みとどまってほしいということと、我が国はやっぱり武力行使を紛争の解決の手段としないと。武力行使を紛争の解決の手段としない、これが国是ですよね、ずっと。政府は、ずっと憲法の枠内、憲法の枠内と、そう力説をされていますけれども、それから今回の法案の提案もずっとそうです。
 いろいろイラクの国内の状況とか、私たち野党だとか、いろいろやり取りを聞くと、最初の提案の時点からどんどんどんどん後退をしてきているような、私は、答弁をしておりますから、いや、これはどうもこの法案というのは無理があったのではないかというふうに政府は思われているのではないかというふうに実は思っておりまして、法案そのものがもう武力行使を紛争の解決の手段としないという国是から逸脱している私は法案であって、したがって、いや、これ首かしげないでください、私そういうふうにしか見えませんよ、これ。
 この前、榛葉委員が委員長にもお話ししましたが、公聴会をイラクで、バグダッドでやられたらどうですかと、そういう提案をされました。今、この法案をアラビア語とか何か、あるいは英語でも、すべてイラクの国民の方々に説明をしたら、どういうふうに日本政府は考えているんだろうかということについて、幾ら官房長官や防衛庁長官が説明したって通用しませんよ。もう今訓練をして、すぐにでも制服を着た自衛隊が日の丸を付けて、治安にあるいは復興に来るんではないかというふうに受け取られますよ、これは。そう思いませんか。
 ちょっと長々と、余り時間が今日ないもんですから、一方的に話をしておりますけれども。
#147
○国務大臣(石破茂君) そうは思いません。ただ、委員のおっしゃること、お気持ちとしては、私はそういうお気持ちを持っていらっしゃる方がたくさんおられるということを否定はいたしません。そのことについて、私どもはもっともっときちんと説明責任を果たしていかなければいけないと思っています。
 ただ、憲法に禁止されておる武力の行使ということは絶対にしないのです。それはいたしません。その点にはきちんとした歯止めを幾重にも掛けてございます。そして、自衛官の安全確保についても法文上あるいは部隊行動基準の上できちんといたしますし、そして訓練をきちんと積まなければ、それは文書の上で幾らきちんとしていたって、それはもう回避できるものではありません。そういうようなお気持ち、委員のお気持ちにきちんとこたえるのが我々政府の責任であると、私はそのように認識をしております。
#148
○齋藤勁君 先ほどのフランスの例は、引用した例がちょっと時間がないんでちゃんと、何か自分の頭の中で発言をしたなということで大変今、申し訳なく思っておりますが。
 ずっと私は、今回のイラクの武力行使を踏み切るアメリカの対応、そして国連をめぐる様々な各国とのやり取りをめぐりまして、それぞれそれぞれ国の考え方あっても、私はフランスというのは、別に特別フランス、フランスと言うつもりはありませんが、とりわけ我が国自体もこの人権宣言にベースにした私たちは法体系を持ちながらずっと来ているというふうに思いながら、大量破壊兵器の問題を含めて実は指摘をさせていただきました。そして、シビリアンコントロールの部分もそうです。
 一点だけ、あと若林さんの後もずっと時間なくなっちゃって申し訳ないんですけれども、一つだけ聞いて終わりにします、これ。
 クウェート等と地位協定という話がございます、報道出ました。これ、前回やり取りしようと思ったんです。これは、クウェートほかも予定をしているんですか。具体的にどの程度進んでいるんですか。これ、一、二聞いて終わりにします。
#149
○政府参考人(西田恒夫君) 地位協定等につきまして、法案が成立した暁には、かつ具体的な任務が決まりまして自衛隊を派遣する場合には自衛隊の法的な地位というものを確保する必要があるというふうに考えておりますが、現在の時点で具体的に国名を特定しましてその国と話し始めているということはございません。
#150
○齋藤勁君 ちょっと、具体的にどこどこの国から要請があって、もう進んでいて、いつ結ぶとかそういうこと、具体の事実を教えてください。
#151
○政府参考人(西田恒夫君) ただいまお答えいたしましたように、具体的に特定の国から地位協定を結びたいと、あるいはそのような枠組みを作りたいという話はまだ来ておりません。
#152
○齋藤勁君 そうすると、西田さん、一切、様々報道が出ているのはガセネタ、全くの、誤報。
#153
○政府参考人(西田恒夫君) 種々の報道が出ているのは御指摘のとおりよく承知をしております。
 それで、私たちが事務レベルで、一般的にあり得るものとしてどういうような国があるかということでいろいろな頭の体操をしているということは事実でございますが、ただいま御質問のように、当該の国から具体的に要請があり、それに基づいて話をしているところはございません。
#154
○齋藤勁君 委員長、時間なくなってこれで終わりますけれども、きちんとやってくださいよ、外交なんですから。これは、きちんと情報はできれば出してくださいよ。別に地位協定そのものが何か、戦争でも何でもないでしょう、別に。
 終わります。
#155
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。
 参議院で審議始まりまして大分たちますけれども、与党側からも桜井委員から様々な法案に関する指摘があり、今日また尾辻委員から例えば言葉のごまかしがあるという表現をされていましたけれども、問題点の指摘とか気持ちというのは私はほとんど変わりないんじゃないかなという感じはしています。
 ただ、私はやはり立法府として責任が持てるかどうかということにいえば、私は今回の法案はやはりいろいろ無理があるんではないかということでございます。恐らくそれは与党の方からも、皆さん方も気持ちはかなりあるんではないかと。そこの立場の違いというのはもちろんあるのは分かっておりますけれども、改めてその点を指摘し、私はやはり勇気ある撤退もいいんではないか、仕切り直しして改めてやはり自衛隊の派遣の在り方を議論することも必要ではないかなという感じはしております。
 まず、援助の理念ということについてお伺いしたいんです。
 川口大臣にお伺いしたいと思いますけれども、私もイラクへ行きまして、六月はベトナムとカンボジアの田舎に行ってきました。本当にやはり貧困です。水もない、電気もない、トイレはない。イラクはまだあるんです。もっともっと貧しい国はあるんですけれども、なぜ今イラクへ行って人道復興援助をしなきゃいけないかということについて、これは正解がある質問ではありませんので、率直に自由にお答えいただければと思います。
#156
○国務大臣(川口順子君) イラク、カンボジア、ベトナムというふうにおっしゃられました。我が国が決まった援助のための財源をもってどの国にどれぐらい援助をするかというのはいつも物すごく難しい問題です。例えばカンボジア、ベトナムということの重要性からいえば、ASEANの中のCLMVの二国ですから、格差是正という意味からはこれらの二国に支援をすることは非常に大事であるということです。
 同時に、イラクについても非常に重要でございまして、これは申すまでもなく、中東の平和と安定ということとイラクの復興というのは密接に結び付いている。イラクの復興なくしては中東の平和と安定はないわけです。中東の平和と安定の我が国に対する重要度というのは、石油の依存度ということを考えてももうこれは非常に明快だと思います。
 それからもう一つ、人道的に非常に苦しんでいる人たちに対して我が国として支援の手を差し伸べるということも、これも多くの日本人が納得をしていただいていることであると思います。我が国としては、イラクをやってほかの国にやらないということではなくて、我が国の全体の国益なり物の考え方を踏まえて必要なところに必要な支援をしていく、それが具体的に幾らかということについては常に悩みながら決定をしているということです。
#157
○若林秀樹君 本当に世界には、もう水はない、電気はないで当たり前で、もっともっとやっぱり貧しい国はあるんです、これは現実的に。しかし、なぜ今、私なりに理解すると、やはりイラクというのは、ある程度近代化が進みますとその時点でもう生活力がなくなっちゃうんですね。今、前提に、水がない、電気がない生活ができなくなっている。そうなると、やっぱり社会的な混乱を及ぼして大変な状況になるというのが私は一つの理由としてあるんではないかなというふうに思っています。それに対してやっぱり復興援助をするということは、それはそれなりに意味があるんではないかなというふうに思っているところでございます。
 本法案、繰り返しまたかと言われるかもしれませんけれども、やはり私は、今回の法案の組立て方というのはイラクの実態を、目を覆って無理やり組み立てているなという感じは私は今でもしているところです。それが先ほどいみじくも言葉のごまかしといったお話にありましたように、私は今でもそう思っているところでございます。
 例えば、戦闘地域、非戦闘地域という言葉に対しても、言い方が少しずつ微妙に変わってこられているんではないかという私は印象です。その上で改めてお伺いしますけれども、非戦闘地域、戦闘地域というのは地理的な概念ではない、色分けできるものじゃないというふうにおっしゃっていましたけれども、一応それ、そういう確認をさせていただきたいんですが。
#158
○国務大臣(石破茂君) 憲法上の要請を制度的に担保するための概念でございます。
#159
○若林秀樹君 ですから、地理的な概念ではないということでよろしいですね。それはもう先ほど来ずっと答弁されていますから、一応そういう理解で。
#160
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりです。
 ですから、これを非戦闘地域、これは違うというふうに明確に色分けをするという性質のものでは全くありません。
#161
○若林秀樹君 ただ、現実的には、非戦闘地域において要件を満たしてそこで実施区域を決めるということですから、正にこれは物理的、地理的な概念なんです、これは。ですから、そこはやっぱり矛盾しているんじゃないですか。
#162
○国務大臣(石破茂君) 矛盾してない、してない。
#163
○若林秀樹君 いや、私はしていると思いますよ。
#164
○国務大臣(石破茂君) それはおっしゃるとおりでございまして、実際に指定する、実施区域というのは明確に指定するわけです、ここからここまでという、指定するわけですよ。だから、実施する区域の範囲とは違う概念なのですね。それを指定しますから、それは地理的概念です。しかし、その地域は非戦闘地域でなければならないというのが憲法上の要請であり、それを条文上担保をしているということなのです。
 結果として地理的な概念になります。しかしながら、それはそういう地域でなければならないということを申し上げているわけであって、ここは本当に説明が難しいところなのですが、しかし、イラクをここが戦闘地域、非戦闘地域と分けるものではないという一点は御理解をいただけると思います。そして、非戦闘地域で行わなければいけないということも御理解をいただけると思います。そして、実際に実施区域を定めます行為は地理的な概念を設定するものでございますが、それは非戦闘地域という要件を満足したところでなければいけないという説明になるわけでございまして、そこのところに公的な概念と地理的な概念が一致を見るわけでございます、結果として。
#165
○若林秀樹君 私は、はっきり言ってこの議論を国民の方が聞いてもやっぱり分からない議論ではないかなというふうに思っております。やはり、非戦闘地域、いわゆる戦闘行為が行われていない地域を区画、ある程度決めてやるわけですから、これは正しく地理的な概念です。
 もうこれ以上言っても議論は深まらないと思いますけれども、本来、私ここで質問やめてもいいぐらいの私、気持ちはあるんですけれども、続けたいというふうに思いますが、いずれにせよ、やっぱり自己矛盾の法理論じゃないかなという感じはしているわけです。例えば、自転車しか走っていないところに車の法律を作って規制をする、法律上問題ないだろうという、それぐらい私はやはり違いがあるんではないかなという感じはしているわけでございますから、法の存在の根拠そのものがやっぱり問われているんではないか。
 私は、やはり今の実態を見たときに、どういうことがあるべき姿なんだということを前提で私は今回の法律は進んでいないんですよね。
 ですから、例えば今回の、官房長官にお伺いしたいんですけれども、様々な議論で恒久法の必要性とかあるいは武器の使用基準、緩和した方がいいんじゃないかという議論が出ていますよね。むしろ議員の方が先に意識は進んでいたんじゃないですか。政府は、法を軽くしようと思って通そうと思ったのかもしれませんけれども、その辺、どんなふうに御感想をお持ちでしょうか。
#166
○国務大臣(福田康夫君) 議員の方が進んでおられるというお話ございました。
 それは、私もこの議論を始めまして、そして実はびっくりしたところもあるんです。と申しますのは、国際平和協力について積極的に我が国として取り組んでいこうという、そういう考え方を多くの議員の方々がお持ちであると、これはもう衆参問わずでございます。そういうことで、私、そのことについてそういうことが遅れているとか進んでいるとかいう話ではないんだろうというように思っております。
 政府としても、恒久法の整備につきましては、例の国際平和協力懇談会報告書がございまして、これを下敷きにしていろいろと考えていこうというように思っておりますけれども、この懇談会自身が、昨年の総理が五月にシドニーでスピーチをした、その中に触れておりまして、総理が東ティモールに行きましてPKOの活動、我が国の七百人出動して今東ティモールで活躍しておりますけれども、その姿を見て、シドニーで国際平和協力の重要性というものを再認識してスピーチの中に取り込んだ。そして、その後、直ちに明石さんに懇談会をまとめていただくというような形でお願いをしたということでございまして、今年の初めの総理の施政方針にもこのことは触れております。
 ですから、進んでいるといえば小泉総理が一番進んでいたかもしれぬというぐらいな感じでございますけれども、そういうことはともかくとして、私はこのことは大変大事なことであり、そしてまた我が国の今後の対外活動というか、国際的な対外活動において一つの指針を持つべきだというように思っていますので、是非このことについて今後も引き続き有意義な御議論をお願いしたいというように思っております。
 それから、武器使用の緩和なんという話もございまして、これも割合積極的なお話ございました。
 しかし、これは、今回はこの法案で治安維持というような活動を行うというわけではございません。その活動する地域を隊員の安全を第一に考えながら適切に設定していくということなどに加えまして、携行するその武器の種類、そして部隊の運用、これにつきましても現地の情勢とか実施する業務の内容等を踏まえて対応するということでございまして、この法案の武器使用権限で十分対応できるものであるというように考えておるところでございます。
#167
○若林秀樹君 報道等によると、早速もう恒久法の話が、枠組みができ上がったような話もありますけれども、今回のいろんな議論に後押しされて慌ててまたやり出したんではないかなという感じもしないわけではありませんけれども、私はやはり、皆さんそれぞれ立場ある、責任ある議員ですから、それなりのことを考えながらやっぱり議論をしていれば当然こういう考えが出るというのは私は当然のことではないかなと。私はやっぱりむしろ進んでいたんではないかという意識を持っているところであります。
 その上で、ちょっと時間がありませんので角度を変えてお伺いしたいんですけれども、今回の自衛隊は安保理決議にのっとって派遣をされるという部分もあるかなという感じはしますけれども、安保理決議の一四八三の部分にもその治安の安定、加盟国に求めるというような話があったかというふうに思います。その上で、仮に自衛隊が派遣されるとしたら、UNのキャップをかぶって、あるいはUNのマークを付けてC130を飛ばすということは今回の安保理決議からの流れからいえば可能なのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(川口順子君) これは、お答えは可能ではないということです。国連の統括の下に行われる活動ではないわけですね、これは。ですから、その国連の、UNの入った例えばヘルメットを付けると、そういうようなことは適当ではない、不適当であるというふうに考えます。
#169
○若林秀樹君 安保理決議にのっとっても国連の管轄下において動いている活動ではないということで、それはできないという理解でありますか。はい、分かりました、そういうことで理解します。
 本法案が成立しないと、現行法による文民の復興支援で支障を来すことって何かありますでしょうか。官房長官、もしよろしければお伺いしたいと思います。
#170
○国務大臣(福田康夫君) 現行法で文民の復興支援ということで、それは可能であります。
 しかし、これは現在、この今お願いしている法律が通りませんと、例えば外務省の設置法のような現行法で対応するということでございまして、そうしますと幅広い復興支援を行うということは困難ではなかろうかと思います。
 それは、設置法では員数の問題とか、それから適切なる人材がいるかどうかということもございまして、困難ではなかろうかというように思っております。もしこの法案が通れば、内閣府本府が広く国民の中から官民問わず人材を集めて、そしてイラクに派遣すると、こういうことになるわけでございまして、この制度が必要であるということになります。
#171
○若林秀樹君 今、唯一挙げられたのは、幅広い人材を集められるという話がありましたけれども、それは現行法の支援の枠組みの中でもいろんな幅広い人材はこれは集められるわけですし、何がその集められないかというのはちょっと分からないんですが、もう一回ちょっと御答弁願えますでしょうか。
#172
○国務大臣(福田康夫君) 各省の設置法でいきますと、やはり員数の限界がありますよね、まず。その中でもって異動するわけですから、今の仕事に影響するということもありましょうし、また、専門家というのが役所にいるのかどうかということもあります。もちろん、いれば行っていただくということになりますけれども、そうでない専門家もたくさんいるんだろう、そういう場合には民間からお願いをするということもあろうかと思います。
 要するに、員数の問題と、それから人材、要するに規模、広がりが現行の法律ではなかなか難しいのではないかという判断をいたしております。
#173
○若林秀樹君 これまた員数の問題といいますけれども、今でも現実には様々なところに派遣をしているわけですし、専門家もJICAだけじゃなくていろんなところから求めてやっていますから、私はそれは説得ある話ではないというふうに思います。
 時間がありませんので、先の質問に入りたいと思いますけれども、アメリカからの支援ニーズということで、具体的な行動の要請がなかったというようなお話もありましたけれども、今回、当初は空港付近での浄水活動があったということで、これは与党の派遣団のニーズからもそういう御報告があったというふうに伺っていますけれども、今回、バラドにおける要請があったということに対しまして、具体的なその中身について差し支えなければお教えいただきたいと思います。
#174
○国務大臣(川口順子君) バラドで給水支援をという話がアメリカからあったという報道、これは私も読んでおります。自衛隊の活動地域あるいは活動内容等について米国から具体的な要請、これは受けてはおりません。
#175
○若林秀樹君 そうですか。それであったら、何で官房長官はあの時点でそういう要請はないと否定されなかったのか。そこの地域は危険だからまずいというようなお話もされたように報道では伺っているんですけれども。
#176
○国務大臣(福田康夫君) 私は、それはそういう具体的な話があるということは聞いておりませんでしたし、それは情報交換でいろいろあるでしょう、常時やっているわけですから。地名が出て、あそこはどうか、ここはどうかといった話がある、そのうちの一つだと思いますよ。ですから、私はそういうように記者会見でも言ったと思って、記憶いたしております。
 ただ同時に、別の情報で、あの地域では危険性があるというのは聞いておりましたから、それは危険が伴う地域であればなかなか難しいだろうなという話をしただけの話でございます。
#177
○若林秀樹君 じゃ、要請はなかったというところで、これから自衛隊としてはどこで活用するかということはこれからの調査の中でやっぱりやっていくということですから、お伺いしたかったのは、別に米軍のためだけじゃなくて民間人に対する水の供給というのもありますから、様々な視点での調査も必要ではないかなという感じはしたところであります。
 戦闘地域云々という話がありましたけれども、最近聞かれるのは組織的なゲリラ戦に入りつつあるというお話もありまして、ラムズフェルド長官もこれは組織的な行動であるということを認めざるを得ないということがありましたが、ゲリラ戦というのは石破長官がおっしゃる四項目の評価ですよね、組織性、継続性、計画性、国際性に当たるんではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#178
○国務大臣(石破茂君) ゲリラ戦とは何だろうかということでございますが、これは要するに勝手な定義を作って議論しても仕方がありませんので、一応ここは米国国防総省の定義で申します。つまり、アビザイドがそう言っているわけですから。どういうことになるかと言いますと、主に現地勢力によって敵支配地若しくは紛争地域において不正規に実施される軍事的、準軍事的作戦。直訳調ですけれども、そんな感じになります。
 これをどう考えるんだということですが、主に現地勢力によってということになると、これは国際性という点から見てどうなんだろうねということになるだろうと思います。不正規にというのをどう考えるか、あるいは軍事的、しかしながら軍事的、準軍事的作戦なんだからこれは組織性、計画性なんじゃないのってなことになってきます。
 そうしますと、委員が御指摘のように、国際性、計画性、組織性、継続性、この四つのうちの一つでも欠けたら駄目なのかとか、そんな議論をしても仕方がないわけでありまして、この四つのうちのたとえ二つでも満たす場合があっても、二つしか満たさない場合であっても、これは国又は国に準ずるものによる組織的、計画的なという評価ができないというものではないと私は思っています。
 これはもう言葉の遊びというふうにおしかりをいただくことを十分覚悟の上で申し上げますが、それはやはりそのときそのときにきちんと判断をすべきもの、我が国が武力紛争の、国際的な武力紛争の解決の手段として武力を行使したというような評価を受けないということが重要であるというふうに思っております。言葉の遊びをするつもりは全くございません。ただ、そういうものを考えたときに、このゲリラの定義というものは、それを満たす場合が排除されないというふうに私は思います。
#179
○若林秀樹君 いずれにせよ、ゲリラ戦であればそういうことは排除できないということですから、ゲリラというのはどこでそういう場所が、ゲリラが、活動があるかどうか分からないわけですから、ある意味じゃ、またさらに最初の議論に戻りますけれども、戦闘地域、非戦闘地域を分けるということ自体がもう難しいのかなというふうに思います。
 これはまた元の議論に入りますので、これ以上しませんけれども、時間が参りましたので、ここで終わらさせていただきたいと思います。
 以上です。
#180
○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。
 今、若林委員からもこのイラクの支援の今審議しておる法案については仕切り直しをしてはどうかというお話もございましたけれども、私は、今回の衆参両院での審議でいろいろ進展した、議論の部分で進展した部分もあると思いますし、新たな課題として浮上した論点もあると思うんですけれども、これは是非やはり恒久法の審議の中でしっかりとやっていった方がいいんではないかというふうに思っております。
 これは七月の十八日の日本の新聞でも報道されましたけれども、アメリカ政府の委託を受けたシンクタンクであります戦略国際問題研究所がイラクに最近十一日間行って調査をしてきたと。その内容が報告されていますが、簡単に言えば、イラク復興の成否というのは今後十二か月間で決まると、特にこれからの三か月間はイラクの国内の主要各都市で危機的状況にある治安の回復に死活的意味があるということで、これから三か月間が非常に死活的だと、それからまた今後一年間が大事だということで。
 私は、ここまで国会で審議を進めてきて、やはりここで、この延長国会でしっかり成立をさせていかないと、日本が非常に一番イラク復興に大事な時期に、何も、何もではないんですけれども、関与が後れてしまうという意味では、やはりしっかりと参議院の方で通して、恒久法ができるということになればそこで改めて議論をしっかりと整理をしていったらいいんではないかというふうに思っております。
 いろんな論点がもう出尽くしてきた感がありますけれども、私も今日ちょっと若干時間いただきましたので質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、防衛庁長官にお伺いいたしますが、先ほどちょっと若林委員からもあったんですが、同じような趣旨が、自衛隊が派遣された場合の隊員の服装あるいは自衛隊が使用する車両について伺いたいんですね。
 服装はいわゆる自衛隊員が通常着ている軍服というか迷彩服になっていくのか、また自衛隊の車両のデザインというものは日本で使っているものと同等なものであって、例えば先ほど同僚委員からも指摘のあった国連マークを付けることということはあり得ないのかどうか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#181
○国務大臣(石破茂君) まず、本法案に基づく自衛隊の活動につきましては、先ほど外務大臣からも答弁がございましたが、国連の統括の下に行われるわけではございません。したがいまして、国連のマークを付けて実施することは現在考えておりません。
 では、何を着ていくのかねということでございますが、これまで人道的な国際救援活動で使用された自衛隊の車両には、例えば車ですが、日の丸のシールを張り付けたということもあります。今回の派遣につきましても、人の目に付きやすいところに大きな日の丸シールを付けるということも考えております。
 これが、自衛官が活動しますときにどういうような服装であれば誤解というか誤認というか、されずに済むかという点を考えねばなりません。しかし、先ほどのUNのように詐称、僣称みたいなことをしてはいけないというのは当然のことでございます。加えて、現地で活動しやすいものということも考えねばなりません。そして、いやしくも実力組織でございますから、民間人と判断が付かないようなそういう者が武器の使用権限を持ち、武器を携行しということがあってよいとも私は思いません。
 そういうことを勘案の上で、例えばイラクというか中東にお詳しい小池百合子自民党衆議院議員からも御提案をいただいております。何が一番良いのかということをきちんと議論をしなければいけないということで現在鋭意努力をしておるところでございます。結論はきちんと出します。
#182
○遠山清彦君 今、正に小池議員のお話が出ましたけれども、私も小池議員が新聞に投稿されているのを読みました。
 それで、小池議員だけではないと思いますけれども、現地情勢に詳しい人の中には、今回、自衛隊、行くとしても、人道復興支援目的の非戦闘部隊であるわけだから迷彩服は着ない方がいいというような具体的な提言が実際出ているわけですね。私も、自衛隊員がジーパンにTシャツでやれとは、これはちょっと問題だというふうに思っておりますけれども、迷彩服を着ているだけでゲリラ攻撃の標的になるということが明らかな場合は、やはりほかに何かやり方がないかしっかり考える必要性は政府はあるんじゃないかというふうに思っております。
 それから、先ほど来、国連のUNマークを付けることは無理なんではないかというお話で、私もそれは一定の議論として分かるんですが、先日、私が直接お会いしたある国連機関である程度の立場で働いている邦人の職員の方も、実は同様なことを私におっしゃっていたんですね。つまり、自衛隊の車両にUNのマーク付けられないのかと。ただ、現在は、確かに国連決議一四八三でもCPAが基本的には占領当局というふうにレコグナイズされている状況ですので、そういう観点からいうと、やっぱり確かに政府側の答弁にあるようにおかしいのかなという思いも一方でありますが、他方、デメロ氏ですか、国連特別代表を国連が任命をして、今後CPAとどういう関係になっていくのか分かりませんけれども、やはり国連の代表者もイラクにいるという現状の中では若干話合いの余地はあるんではないかなと、この点に関しても、という点だけをちょっと私、指摘をさせていただいて、次の質問に行きたいと思います、時間も余りありませんので。
 次の私の質問、またこれ防衛庁長官になりますけれども、これはもう私が申すまでもなく、イラクの現地に調査に行った国会議員のメンバーみんな感じていることだと思いますけれども、やはりイラクでの活動環境は本当に厳しいと。気候だけでも四十五度から五十度という高温でして、私も我が党の太田幹事長代行と一緒にイラクの難民、国内避難民キャンプを三十分、日差しの中で、炎天下で回りましたけれども、三十分だけでかなりはっきり言ってくらくら来ました。これはもう恐らく自衛隊員でも同じようにつらいと思うんですね、炎天下で一時間、二時間作業した場合。
 そこで、私が聞きたいのは、やはり現地への派遣期間というのはどれぐらいになるのか、まだ未定だと思いますが、仮に一か月、二か月、三か月以上ということで長期にこれなってくると、やはり現地で任務に従事する自衛隊員の健康への配慮というのは非常に大きな課題として浮上してくるんではないかなと。宿営地がどういうところになるのかも全然決まっていないわけですけれども、やはり高い気温に対する配慮には、宿営地では限界あるんじゃないかなというふうに個人的に思っています。
 いろんなアイデアがあって、例えば他国の軍隊の中にはホテルシップというんですか、海の上にある程度設備が完備されたホテルシップみたいなのを完備して、現場で長期にわたって働いてつらくなった人はホテルシップに収容して静養させるというようなことをローテーション組んでやっているところもあるんですね。ただ、元自衛隊員の人に直接聞いたら、やっぱり自衛隊の持っている艦船というのは異常に暑いらしくて全然ホテルシップにならぬと、海上自衛隊の船は。そうしたら、民間からチャーターしなきゃいけないのかなとか、私の頭の中にもいろいろ混乱があるんですけれども、これ、防衛庁長官として、仮に派遣がある程度の期間になった場合に、隊員の健康に対してどういう配慮をされようとされているのか、お答えいただきたいと思います。
#183
○国務大臣(石破茂君) これはもう交代期間のお話ではございませんで、委員が御指摘のように、例えばカンボジアでもモザンビークでもゴランでも、PKOは六か月で交代をしていますが、そういうお話ではございませんで、委員が御指摘なのはその間にどうするんだというお話だと思います。
 一つは、医官をきちんと派遣をして実際のヘルスのケアにきちんと努める、メンタルも含めてということは当然ですが、あとはホテルシップというものができるのかどうなのかというのは、実はもちろん法案がお認めいただくことを仮定してでの話でございますが、いろんな議論はいたしております。確かに、テロ特措法に基づきまして何でイージス艦なのといったときに、そっちの方がカンフォタブルだからという議論もいたしました。逆に言えば、DDHなぞというのはエアコンがきちんと利かない、ああいうところでは。そうしますと、私どもが考えるとすれば「おおすみ」クラスということになりますが、それが一体どれぐらいのエアコンの性能があるものなのかどうなのか、そういうことも含めまして、やはりある程度の期間を置いて休養させませんともたないと思っています。それは、もたないというのは、精神的にもそうですし、士気も下がります。肉体的にもそうです。先ほど、委員がジーパンにTシャツというわけにもいかぬだろうというお話がありましたが、それはやはりきちんとした服装をするわけであります。そうでなければ防護の点からも問題がある場合もございましょうから。
 今、手元にございますのは、平均気温が非常に高いと。七月で四十三・三度、八月で四十三・三度、九月でも四十度、十月でも三十三度。最高気温になりますと、八月が四十八・九度、九月が四十六・六度、十月でも四十一・六度みたいなお話でございますから、そのことはよく考えていきませんと、士気も保持できないということになろうかと思っております。
#184
○遠山清彦君 しっかりとまた検討をしていただいて、万全を期していただきたいと思います。
 次に、去る七月十日の質問で、私、長官に、イラクに自衛隊が派遣された際に、その活動目的や内容について、イラクの国民について幅広くかつ正確に理解してもらうために、現地の新聞等のメディアを活用して広報宣伝すべきじゃないかという提案をさせていただきました。その後、新聞の報道で、七月十五日の読売であるとか昨日の朝日であるとかに、防衛庁としてイラクの新聞やラジオの広告、何か昨日の朝日には、テレビで、テレビ、ラジオによるCM放送まで検討しているというような話が出てきましたし、アラビア語のビラを防衛庁がもう配布する予定であるということもありました。
 私も提言させていただいた側ですので歓迎をしているんですが、報道は必ずしも正しいとは限りませんので、ここで改めて防衛庁長官に、どのような広報宣伝活動というのを検討されているのか、防衛庁として今言えることを御答弁いただきたいと思います。
#185
○国務大臣(石破茂君) これは当庁だけでできることではございません。もちろん、外務省、内閣官房とも御相談をすることですが。何のために来たのだということがイラクの人々に理解されなければいけないんだということの必要性は、委員の御指摘を踏まえまして、私どもとしても真剣に議論をいたしたところでございます。
 それは、実際に行ってみてからビラを作ったり、実際に行ってみてからテレビ会社に、テレビ会社があるかどうか知りませんが、お願いしたりということではなくて、基本計画というものを策定をした段階で、もちろん国会の御承認ということを踏まえた上でのお話でございますが、そういうことを準備をするということは必要なことなのだろうと思います。
 そのことが、日本は、もちろん安全確保支援活動もいたしますが、人道支援もやるんだということ、イラクにおいて日本人に対する感情がいいということも含めまして、誤解を招かず、そのことが本当にイラクの民心を安定させるような方向に行くためにこのようなことをその一環として考えております。
 今後も、こういう形がいいのではないかという御指摘があれば真剣に検討をいたしますので、是非よろしくお願いを申し上げます。
#186
○遠山清彦君 分かりました。是非しっかりとこれもやっていただきたいと思います。
 もう一点、十日の委員会で私、長官と何度かエクスチェンジさせていただいて、武器使用に関する、特に自衛隊員が第三者によって誘拐、拉致された場合の武器使用について議論させていただいたわけでありますけれども、私の問題設定は、攻撃主体というか、この誘拐、拉致をした主体が犯罪者あるいは犯罪集団と明確な場合に、この捜索を行った結果、現場性が発生をして、自己とともに所在するといういわゆる十七条の、この法案の十七条の要件に合致すれば武器使用の、武器の使用が可能ではないかというような方向性の議論をさせていただいたというふうに理解をしておりますけれども、ちょうどその後に、七月十五日ですか、閣議決定をされた、民主党の長妻衆議院議員に対する政府答弁ですね、これは新聞に大きく、自衛隊の誘拐、拉致の場合も武器使用可能というような見出しで出たわけでありますけれども、これについて一点確認をしたいんですけれども、これは防衛庁として、いわゆる自衛隊の誘拐がなされた場合に捜索をして、そして捜索の先で当該隊員を発見した場合には武器使用をすることは全く排除されないという見解を正式に示したということでよろしいでしょうか。これ、確認になりますけれども。
#187
○国務大臣(石破茂君) おおむねそういう御理解でよろしいと思います。
 ただ、奪還ということを目的として行動するということはないということでございまして、それは委員との先般のやり取りの中でも、それは結果としてそうなるじゃないかという御指摘もいただきました。それは結果としてそうなることもあり得ます。しかし、最初から武器を行使、武器の行使を前提として行くということではなくて、やはり私どもは、部隊の維持管理の観点からして、そこへ捜索に行く、説得をし、要請をし、そこで武器使用、十七条の要件を充足する場面が出れば、という構成に変わりはございません。
 これ、じゃ、何で奪還と入れられないんだという話になりますが、それは武器使用を前提としてそれをインクルードした形で、そういうような条文の構成はかなり難しいかという判断をしておるのでございます。
#188
○遠山清彦君 分かりました。
 それで、あと、私聞きたいの何点かあるんですけれども、一番聞きたいのからちょっといきますと、この今審議している法案には文民派遣の規定もあるわけでありますけれども、こういう文民で派遣をされたイラク復興支援職員が誘拐、拉致された場合には自衛隊はどういう対応を取られるのか、お聞きをしたいと思います。
#189
○国務大臣(石破茂君) 基本的に文民と自衛官が活動する地域は異なるということは委員よく御理解をいただいておるとおりでございます。
 それはお互いにとって、つまり自衛官は、安全なところではありますけれども、その安全度が、文民にとって安全なところと、再三答弁申し上げておりますように、自衛官にとって安全なところというのが同じではない場合があり得る。むしろ、同じではないことが常態と思っていただいてもよろしいかと思っております。
 同じところへ丸腰で訓練も受けていない文民が行くというのも、これはかなりおかしな話でございますので、まず、ともに行動するということが余り想定をされないということを申し上げておきます。
 例えば、正に目の前でイラクの復興職員、文民が拉致され連れ去られるという場合、そして当該職員に危険が及ぶおそれがある場合には、本法案十七条の規定に基づきまして、自己とともに現場に所在するイラク復興支援職員を防衛するために武器を使用し、拉致を阻止するということは可能になります。これは、復興支援職員がどういう立場に立つかというと、自己とともに現場に所在するイラク復興職員という立場に立つわけでございます。
 仮に、捜索ができるかということについて申し上げれば、本法案に基づきまして、自衛隊の部隊と同様の対応措置を実施する復興支援職員、例えて申しますと、自衛隊の部隊が輸送する食糧の配付に伴う業務を行っているとか、そういう場合でございます。自衛隊の対応措置と密接な関連を有する業務を行っているそのような職員であります場合には、自衛隊の部隊は当該職員の捜索や拉致した者に対する説得や交渉を行うことが考えられるということでございます。
 そして、その場合に十七条の要件を満たせば、武器の使用ということがあり得るということになります。
#190
○遠山清彦君 先ほど私が言及した答弁書では、NGO関係者の場合は誘拐された場合について明示されているわけですけれども、自衛隊の部隊等が当該NGO関係者の救出活動を行うことは予定をされていないというように書いてありますけれども、これはまあ端的に、どうしてなのか。法的にこれはできないのか、それとも、想定していないけれども、そういう事態をですね、しかし例えばそのNGOからそういう要請があった場合は、場合によっては対応することも可能なのか。
 私がこの質問をする底流にあるのは、NGO関係者であっても日本人ですから、政府の側に邦人保護の義務というか責務があると仮定した場合に、こうやってあらかじめNGO関係者の救出活動を行うことは予定されていないということを言ってしまうということは、言い切ってしまうということは政治的に正しいのかどうか。
 その辺も含めて、もし官房長官も何かあればお答えいただきたいと思いますが、取りあえず防衛庁長官にお聞きします。
#191
○国務大臣(石破茂君) 邦人保護の義務、政府が負います邦人保護の義務につきましては、外務省からお答えをいただくのが適切であろうかと思います。それを受けまして防衛庁として答弁をさせていただければと存じます。
#192
○国務大臣(川口順子君) 邦人の保護というのは外務省の非常に重要な仕事の一つでありますから、現地で大使館が、いらっしゃる邦人の方について居場所の確認をし、危険に関しては情報を流すという形で保護をしています。それから、万が一その方々に何かあった場合、これは外交的なチャンネルを通じて最大限のできることをやっていくということであります。
#193
○国務大臣(石破茂君) 基本的に、先ほどイラク復興支援職員の例を申し上げました。これは、イラク支援復興職員、そしてまた我々の業務と密接な関連を持っている人という場合の答弁を申し上げました。それとNGOというのを同列に論じるということにはならないと思っています。
 他方、今、外務大臣から答弁がありましたようなそういう邦人保護の義務というものを踏まえました上で、我々は何をすべきなのかということになろうかと思います。当然、現地の治安組織というものも動いておるわけでございますし、そしてまた英米がオーソリティーとしての立場を持っておるわけでございます。その場合に、そういうような組織と密接な連携を取りながら、自衛隊としてなすべきことを行うことになるということでございます。
 法律に基づいて何ができるのかということになりますと、それは法律に基づいてできることとできないことがございます。私どもとしてそのことが、つまりNGOの職員をきちんとした権限に基づいてこのような形でというような言い方で政府復興支援職員と全く同列でありますということを申し上げますことは、法的にはかなり困難かと存じます。
#194
○遠山清彦君 まあこれはまだ自衛隊がいつどこにどれぐらいの規模で派遣されるか分かっていない段階ですので、これ以上議論することは余り意味がないと思っていますけれども、実際にもし、邦人に限らないといえば限らないんですけれども、NGO関係者と自衛隊のこの協調関係というかそういうものの在り方、これは、私も東ティモールに行ったときに非常にいい形で日本のNGOと自衛隊の方々が協力できるところを協力していた事例をこの目で見た者としては、またそういう段階になったときにいろいろと考えていただければなと思いますが。
 防衛庁長官には、最後にお聞きしたいことが一つあります。
 それは、私たまたま沖縄の琉球新報という新聞の七月十四日の夕刊でこれ知ったわけでありますけれども、恐らく共同通信が配信した記事だと思うんですが、防衛庁が特殊部隊をイラクに派遣することを検討をしているということがかなり具体的に書かれております。今年度内に特殊作戦群を千葉の習志野駐屯地に作るという話もあるんですが、それから西部方面隊直轄の普通科連隊の中にそういうテロ、ゲリラ対策の部隊があるというような記述もあって、そこからイラクに、やはりイラクが今非常に治安が悪いということを防衛庁が意識してこの特殊部隊を派遣するんじゃないかということが大きく出ているわけでありますけれども、これは長官、事実ですか。
#195
○国務大臣(石破茂君) その前に、先ほどの答弁にちょっと追加をさせていただければ。
 さっきのように答弁をいたしましたが、NGOは自衛隊としては知らないとか、そんなことを申し上げているわけではございません。その点は委員もよく御理解のことと思いますが、現地の治安当局あるいはオーソリティー、自衛隊、それとよく緊密に連絡を取って、連携を取って行動したいということを答弁をいたしたかったのでございます。
 今の点に申し上げれば、そのような検討を始めたという事実はございません。それは、何が特殊部隊なのかということにもよりますが、ゲリラや特殊部隊による攻撃への対処のための専門部隊である特殊作戦群、これは仮称ですが、あるいは島嶼部への侵略行為への対処等を行う西部方面隊普通科連隊、相浦にございますが、これを指すということであるとするならば、その方向で検討を始めたという事実はございません。
#196
○遠山清彦君 最後、あと五分になりましたけれども、外務省にお聞きをいたします。イランの問題です。
 先ほども広中委員の方からるるありましたので、今日は天野審議官は出席されておりますか。──はい。天野審議官が実際に先日、七月十九日ですか、十二日ですね、イランのテヘランに行って、主にIAEAの追加議定書締結問題に関連をして協議を行ってきたということでありますけれども、外務省の報告書を読みますと、イラン政府側は、私も六月にイランに行ってこの話題で話をしたら、やっぱり前向きに検討するで、今回も報道によるとそんな感じで終わったようなんですけれども、実際には、これ、やはりIAEAの追加議定書を締結するだけでは駄目で、締結をして、そして批准をして、そしてさらにそれを実施する手だてをイラン政府がしっかりと組んで、そしてエルバラダイさん辺りとしっかりと合意した上で査察を行うというようなプロセス全体が実行されないと疑念が払拭されないんですが、この点も含めて、どういう感じだったのかお聞かせ願いたいと思います、協議が。
#197
○政府参考人(天野之弥君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、七月十二日、イランに参りまして、日イラン軍縮・不拡散協議を行ってまいりました。十二日の協議では、軍縮・不拡散問題の全般にわたって幅広い問題を取り上げましたが、特にイランの核問題については時間を割いて意見交換をいたしました。
 イラン側は、IAEA事務局長報告で指摘された諸問題についてはIAEAと協力する、追加議定書については前向きに検討するが、検討の結果について今の時点で見通しを述べることはできないということを付け加えておりました。
 我が方からは、IAEAと完全に協力することによってIAEA事務局長報告で指摘された問題を是正すること、また、イランが高度な原子力活動を目指していることにかんがみ、IAEAの追加議定書を即時かつ無条件に締結し、締結というのは署名、批准、履行でございますけれども、完全に履行するように強く求めました。
 イランの核問題をめぐりましては、我が国は唯一の被爆国という立場から、国際社会とともに強い懸念を共有しております。
 イランの追加議定書批准の見通しにつきましてのお尋ねでございますが、今回の協議においては、ただいま申しましたように前向きに検討するというお話はありましたが、明確な回答は得られませんでしたので、今後の推移を見守っていく必要があると思います。
 また、我が国といたしましては、この問題は我が国自身の問題として取り組み、引き続きイランがIAEAと完全に協力するとともに、IAEA追加議定書の早期かつ無条件の締結及び完全な履行を通じて懸念を払拭するように求めていきたいと考えております。
#198
○遠山清彦君 もう時間がなくなってきましたので、最後に一言、これは官房長官と外務大臣にこのイランに関して申し上げたいと思うんですが、先ほど外務大臣がおっしゃったように、今イランでは核開発の問題とそれからアザデガン油田の問題が、これは経済産業省もかかわってくる問題が二つありますが、これはもう政府に入っていると思いますが、私これイランの問題は今後非常に米国あるいは英国を含めたヨーロッパ諸国との関係で悪化する可能性が大であると思っております。
 それは、核の問題だけでもなく、油田の問題だけでもなく、テロリストをイランの国内で養成をしているんではないかという疑惑がかなり具体的な証拠も含めて今国際社会で論じられ始めております。それからもう一つは、イラクへの関与。イラク国内にイランの特に軍関係が関与しているんではないかという疑惑も、これは欧米の新聞ではもう報道されておりますが、浮上しています。
 ですから、アメリカが態度を硬化させているのは核が一番プライオリティーが高いと思いますが、その他の問題もあって、私はイランとの友好関係を重視する立場でありますけれども、非常に強い懸念を抱いておりまして、これはこのまま放置しておくと更に国際社会の深刻な問題になりかねないということで、私は、ある意味、ある面、イラク以上に日本の国益にもダイレクトにかかわってくる国際関係の問題でもありますので、政府としては、遺漏なく打てる手は万全に今から打っていただきたいということを要望申し上げて、私の質問を終わります。
#199
○委員長(松村龍二君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#200
○委員長(松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#201
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。
 まずお伺いしておきますけれども、政府の現地調査報告書は、四項目で「各国軍隊に期待される役割」という項目を設け、「自己完結的な能力を有する軍事組織の活動が果たす役割は不可欠。」と、こういうふうに述べております。
 この法案で派遣しようとしている自衛隊というのは、この政府調査報告書でも言うところの各国の軍隊ということになりますか。
 これはどなたですかね、官房長官ですか。
#202
○国務大臣(福田康夫君) 政府の調査チームによる御指摘の現地調査報告、これは先月の上旬、内閣官房、防衛庁、外務省の担当が、イラクの国内において復興支援関係者との会談などを通じまして、今後の我が国の貢献に関して参考となる事項について報告を行ったものでございます。
 その中で、「各国軍隊に期待される役割」といたしましては、イラクにおける行政の体制確立、また基本的インフラの復興のために、自己完結的な能力を有する軍事組織の活動を果たす役割は不可欠であるというように記述されております。また、そのほか、各国軍隊への期待は様々でございまして、例えば航空輸送、燃料、水などの物資の補給、交付、輸送調整、航空機による患者の空輸等のニーズがあるといったようなことが記述されております。
 このうち、特に自己完結的な能力を有する軍事組織の活動が果たす役割は不可欠であるということについて、これ、もう少し申し上げれば、医療とかエネルギーなど社会のインフラが不十分でございまして、治安も良好でない地域もあるといったイラクの現状を踏まえれば、イラクの復興を支援するためには、軍事組織のように自己完結的な能力を有する組織による活動が不可欠であるということを意味するものでございます。
#203
○吉岡吉典君 次に、既に尾辻議員からの質問ではっきりした問題ですが、再度、私、確認的に質問をしたいと思います。
 イラクの情勢というのは、法律上も実態的にも戦争は完全に終結していない状態、つまり戦争が終結していない事態だということが、先ほど防衛庁長官、お認めになったと思います。
 再確認したいと思いますが、長官、そう取ってよろしいですね。
#204
○国務大臣(石破茂君) それは、イラクは日本の一・二倍の国土を持っております。バグダッドといっても東京全体の二・四倍の広さがあります。それは、非戦闘地域でなければならないという前提を置きまして、我々が活動できる地域というものがそこにおいて存在をするということを否定をいたすものでは決してございません。現地の調査等々におきまして、我々が活動できる地域というものがあれば活動するのがこの法律の趣旨でございます。
#205
○吉岡吉典君 私、再確認を求めたかった点は、先ほど尾辻議員にお答えになりましたように、法的にも実態的にも完全に戦争が終結しているのではないという、そこの部分だけです。
#206
○国務大臣(石破茂君) イラク全域にわたって戦闘が終了したというわけではございません。
#207
○吉岡吉典君 そうすると、戦争が終結していないところに軍事組織である自衛隊を派遣しようというのがこの法案になります。そういうことが日本国憲法上できるのかどうなのか。
 また、私は、この法案も、戦争継続中のところに自衛隊を派遣する、そういうことを踏まえての法案なのかどうなのかということも含めてですけれども、まず、そういう戦争継続中のところに日本の軍隊である自衛隊を、戦闘行動には参加しないとはいえ送ることができるのかどうなのか。この点について、これは官房長官ですか、どなたでもいいんです。
#208
○国務大臣(石破茂君) 我が国の定義に申します戦闘行為が行われている場所、換言すれば非戦闘地域でない場所において行動することはできません。
 しかし、それが戦闘行為というふうに評価をされない、戦闘地域というふうに評価をされない地域におきまして活動することは、憲法の要請に反するものでは決してございません。加えまして、治安の良さ、自衛官にとって任務遂行の上で安全な地域ということを配慮して実施の区域を決めますので、御懸念は当たらないものと考えております。
#209
○吉岡吉典君 今の答弁を認めるということになれば、日本国は憲法九条を持っている国でありながら武力行使をしない、戦闘行為と一体化しないということさえ言えば、戦争中の国にだろうとどこへだろうと自衛隊を送ることができると、そういう憲法解釈になるわけですが、私はそういう憲法解釈というのは、日本国憲法制定当時からの論議を踏まえてみると非常に問題のある解釈だと思います。この点、官房長官いかがですか。長官でもいいです。
#210
○国務大臣(石破茂君) それは何度かこの委員会でも答弁を申し上げましたが、例えば近傍で戦闘が行われている場合、あるいは行われることが予測されるに至った場合は、休止し危険を回避し、前条による指示を待つという条文がございます。もし委員のお考えになるようなことを仮に政府が考えているとするならば、このような規定は置きません。それは、近くで行われている場合でも、あるいはそれが予測されるに至った場合でも、そういうことにならないように休止し危険を回避し、指示を待つということが条文上規定しているわけでございます。委員が御懸念のようなことにならないために、私どもとしては非戦闘地域という概念を設定し、そしてそのような対応というものを定めておるわけでございます。
#211
○吉岡吉典君 私は、危険か危険でないかという前に大きく懸念を持つのは、日本国憲法は、危険か危険でないかにかかわらずこういう形で外国に派遣するということをそもそも前提とした憲法でないということ、その憲法を持つ日本が、まだ法的にも実態的にも戦争が終わらない国に自衛隊を派遣すると、そのことが日本国憲法を持つ国としては許すことのできない重大なことだということを申し上げているわけです。
 私はこの委員会でも何回も言ったことがあると思いますが、日本国憲法は、条文のどこからもまた憲法制定議会における論議のどこからも、日本国憲法の下で外国に自衛隊を派遣して国際的な役割を果たすというようなことはおよそ想定されておりません。このことは法制局も認めてきたところです。そしてまた、自衛隊法三条も基本任務に、日本国憲法は、我が国の防衛と治安そして災害ということを規定して、日本の自衛隊が海外に出掛けて国際的な役割を果たす果たさないという憲法として制定されたものでも、そういうことを想定して制定された自衛隊法でもないということが、私は憲法と自衛隊法の制定、成立当時の考えられていたことだと思います。それを今のような解釈で海外に出すと。
 この委員会でも問題になったことがありますが、元防衛庁教育訓練局長の小池さん、新潟県加茂市長の文書でも、これは長官もお読みになっていることがこの間の委員会でも明らかになっておりますけれども、それによっても、これはやはり詭弁であり強弁でありますというふうにおっしゃるのが当たり前の考え方だと思いますし、この小池市長が結論として、このような地域へ自衛隊を派遣することは明確な海外派兵であり、明らかに憲法九条に違反する行為であります、イラク措置法が定めるような海外派兵さえも憲法第九条の下で許されるというならば、憲法第九条の下でできないことはほとんど何にもないということになりますという指摘が私は当たっているというように思います。
 そこで次の問題ですが、一体、アメリカが行った中東への戦争、引き続く占領支配、これを正当だとする国際的な一致はございません。とりわけ中東諸国の多くはそう認めておりません。私が外務省に問い合わせたところでは、中東諸国でアメリカの戦争を支持したのはアフガン、トルコ、クウェート、イスラエル、四か国、そして占領支配を明示的に支持を表明した国はないと、こういう答弁でした。
 外務省、こういうふうに中東諸国の態度は間違いありませんか。
#212
○政府参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 まず、アメリカ等によります対イラク武力行使に関してでございますが、これについては、中東諸国の中では、委員御指摘のとおり、アフガニスタン、クウェート、トルコ、イスラエルが支持を表明しておりますが、そのほかの大半の国は遺憾ないし反対の立場であったというふうに承知しております。
 他方、米英による占領に関してでございますが、これにつきましては安保理決議一四八三がございまして、この中で、国際的に承認された代表政府がイラク国民により樹立され、米英当局の責務を引き継ぐまでの間、当局に対し、領土の実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進することを要請するというふうに規定しておるわけでございまして、この決議そのものに反対の立場を表明している国はないというふうに承知しております。
#213
○吉岡吉典君 今の国連決議は、全然、正当性を問うか問わないかでありませんから、私、ここで時間がありませんから一々申し上げません。
 いずれにせよ、アメリカ、イギリスのイラクに対する戦争を、そして占領支配は中東諸国の多くは認めていない。そして、日本の自衛隊派遣についても、これはこれらの国はほとんどの国が認めていない。私、ちょっとここで確認しておきます。
 二十一日、昨日の朝日新聞によると、イラク統治評議会に入っているイラク・シーア派組織指導者のハキーム師は朝日新聞のインタビューに答えて、「日本の自衛隊の派遣をめぐっては「駐テヘランの日本大使と話したが、国連の平和維持活動など国連の管轄下で派遣されない限り、日本の利益にはならないと伝えた」」と、こういうことを明らかにしたと報道されております。これは外務省、御存じですか。こういうことが伝えられておりますか。
#214
○政府参考人(安藤裕康君) ただいまの御指摘の点につきましては、新聞報道は私も読んで知っております。その上で、イランの大使がどのような発言をしたかということについては現在照会中でございます。
#215
○吉岡吉典君 この報道によれば、こういうようにイラクの統治評議会に参加している人さえも、自衛隊の今の法案のような形での派遣は望んでいないということでございます。こういうところへ自衛隊を送るということについては、私はまず大問題があると、憲法上も。また、中東諸国が望んでいない派遣だということを申し上げなければなりません。
 そこで、次の問題に入りますけれども、今のイラクの情勢をどう見ているかということにかかわるものであります。
 私は新聞記者をやっていたこともあって新聞は比較的よく読む方であり、その中には目を見張らせるような記事もあるし、そうでない記事もたくさんあります。そういう中で、一つ私が非常に注目した新聞記事があります。三月十八日のブッシュ大統領、イラクへの最後の通告を行ったその翌日の東京新聞はこういう見出しで書いております。ブッシュ大統領がイラクのフセイン大統領に最後の通告を突き付けた、「一見、勇ましいそれは、ブッシュ外交の大敗北の瞬間だ。」と、こういう記事でありました。
 私はこれを読んで大変注目し、それだけになおさらその後のイラクの情勢を見てきました。その直後、アメリカの占領がいわゆる勝利ということで、このブッシュ大統領の「大敗北の瞬間だ。」という新聞記事を思い出す人は余りいなかったと思いますが、今日になってみると私は、泥沼化ということが言われる今のイラクの状況というのは、やはりこの指摘が一面当たっていたという気がいたします。
 もちろん、五月一日にはブッシュ大統領、勝利宣言を出しました。しかし、フランスのシラク大統領は、戦勝でイラクの戦争を正当化することはできないという批判をその後も続けている。そして、イラクをめぐってはもうこの委員会でさんざん論議されましたから私は繰り返しませんけれども、戦争の大義があったかなかったか、これが大問題になり、アメリカ議会、イギリス議会を始め世界じゅうで、あの大量破壊兵器をめぐる米英の発表が虚偽に満ちたものだったということが大問題になっております。そして、現地では米軍に対する抵抗、攻撃がいろいろな形で続いており、早くも泥沼化ということが大きく取り上げられております。
 そこで、私は政府の認識をお伺いするんですが、イラク調査団報告書は結論として、治安が急速に改善されていることが明らかになったと書いてあります。これはもちろん六月中旬の調査に基づくものではありますが、しかし当時とても、私はとてもこのように言える状況ではなかったと思います。私は、こういう認識でイラクへのこの法案も準備されたのであるとすれば、やはり正確に物を見ないまま作られたんじゃないかと思います。
 私どもは、あの太平洋戦争中、大勝利大勝利の大本営発表で負け戦を勝っているように思い込まされてきた、そういう苦い歴史の経験を持っております。ですから我々は、この教訓を生かそうとするなら、戦後のイラクの情勢についてももっと冷静、客観的に見る目が必要だと思い、こういう調査団報告書時点は、今より古くても、やはり何とかイラクの情勢がうまくいっているということを印象付けようとする、そういうことがあったんではないかというように思います。
 この調査団報告を含めて今の事態、どのようにお考えになっておりますか、官房長官。
#216
○国務大臣(福田康夫君) 今、委員から大変貴重なる御意見をちょうだいいたしました。そういう中で、慎重に対応すべきであるというお話もございました。ですから、我々も慎重に対応していこうというように考えております。
 しかし、一方では、イラクにおいて現状でも医療とかエネルギー、そういったような社会のインフラが非常に不足しておるということ、そしてまた、治安も良好でないという、そういう地域もあるのはこれは事実でございまして、そういう状況に対して国際社会がこぞって復興支援促進に取り組んでいる、こういうことであります。それも、これは安保理決議一四八三を踏まえて行うということでございまして、我が国も国際社会のそういう取組に対してふさわしい貢献を行うということは、これは必要なことだというように考えております。
 確かに、戦争は、戦闘は基本的に終了はしているというように考えております。また、でありますけれども、大規模な戦闘は行われていない、そして、一部地域でフセイン政権の残党による散発的、局地的な抵抗活動は見られる、こういうような情勢認識でございますので、先ほど来防衛庁長官が答弁しておりますように、そういう状況の中で、我が国の憲法に違反しないような、そういうこの法案に盛り込まれております枠組みの中で、先ほど申しましたような積極的な取組をしていくべきである、こういうように考えております。
 ただ、繰り返しますけれども、そういう中でも、委員御指摘の慎重にという、このことにつきましては極めて慎重に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
#217
○吉岡吉典君 慎重にやらなきゃならないということについては、私は、私の意見だけでなく、大体各党そろって今日の論議では強調があったと思っております。それほどイラクの事態が、やはりこの調査団報告書で言っていたような、急速に改善されているような状況でないと、全く見通しが誤った報告書だったということを示していると思います。
 そこで、今、法案にいうところの安全確保という問題ですが、要するに今、米英などが行おうとしていることはイラクの安定といいますが、それは、国民の抵抗、反米デモなど局地戦闘、そういうふうな状況がなくなって、米軍の占領統治が安定するということではないかと私は思います。そういうことを目指す様々の活動がこれまたイラクの住民の反発を買っていると。私は、一つの悪循環が続いていると思っております。
 そして、そのアメリカの活動というのは、例えばデモ隊への発砲というようなことまで行われております。デモ隊への発砲というようなのは正当な安全確保活動かどうか、これはどのようにお考えになりますか。
#218
○国務大臣(川口順子君) どういう状況で発砲がなされるのか。例えば、粛々と何もしないで行進をしているデモ隊に発砲するということなのか、あるいはそうでない状況なのか、ちょっと具体的な背景がありませんとお答えするの難しいんですけれども。
 そういうことで、一般論としてということでお話をさせていただくと、まず、米国の権限、米軍の権限ですが、まずイラクにおいて武力行使が行われて、そして、イラクにおいて、その結果、権力の空白があったわけですね。そして、そこで、したがって、米英がその支配下に置く地域の民生や秩序を回復をして維持する義務を持っていたというのが一つあります。その後、一四八三によりまして、占領国としての米英の統合された司令部の関係国際法での下での特定の権限、責任及び義務を確認した上で、当局に対して安全で安定した状態の回復を含む領土の実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限が与えられているということであります。したがいまして、そういった治安を維持する等の権限を米軍は持っていると、そういうことであります。
#219
○吉岡吉典君 政府が繰り返し述べられている意見ですが、そのような主張は必ずしも国際社会で通る意見ではないというのが国際法学者の意見です。例えば、軍事占領についていえば、他国の領土に侵入してこれを占領することはもちろん違法であると。軍事占領そのものが違法、不法とみなされ得るのですから、米英軍が治安の維持や民生安定、人道支援などいかなる活動を行っていても攻撃対象とすることが可能である、占領国としての国際人道法上の義務を遂行している最中でも攻撃することが可能になるという国際法学者の指摘もあります。
 そういう相手の、占領された側の住民の立場というものを全く考慮しないで正当性があるということでこういうことを繰り返していけば、やはり私はイラクの人民の反抗を強める、さっきも言いました悪循環になると思います。そういうところへ自衛隊を派遣しようということですから、私どもは本当にこれをうんと言うわけにはいきません。
 インドは、アメリカの要請はあったが国連の要請がないという理由で、軍隊の派遣は断ることにしました。対照的に日本は派遣しようとしております。
 イラクに派遣された自衛隊は戦闘行動は行わない、こういうことになっており、また非戦闘区域で行動すると、こういうことも強調されております。そうすると、イラクに行った自衛隊員というのは国際法上どういう身分、どういう地位になるのでしょうか。これは軍人なのか、軍隊なのか、武装した文民なのか、あるいは自衛隊員ではあるが政府職員的な地位で行動するということになるのか、これまで論議されてきたことではありますが、もう一度きちっと整理していただきたいと思います。
#220
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 従来から御答弁申し上げておりますとおり、自衛隊は憲法上の制約から通常の軍隊とは異なるものであるということは申し上げつつ、ただ、国際法上の取扱いといたしましては、一般的に申し上げれば、自衛隊は軍隊として取り扱われるというふうに申し上げております。
 このことは、この法案の下でイラクに派遣されます場合においても基本的には同じことだというふうに考えておりまして、国際法上の整理ということで申し上げれば、イラクにおいて施政を行う当局というものから同意を得た上で、イラクにおいて安保理決議に従って活動を実施する軍隊というものに該当するというふうに考えられますし、その自衛隊員はそういう軍隊の構成員として取り扱われるものだというふうに考えております。
#221
○吉岡吉典君 軍隊ということでございました。
 そこで、今のところに関連して私は一つ確認しておきたいんですが、これもまたここで論議になってきたことでございますが、不幸にして捕虜になった場合、これは国際法に言うところの捕虜に関する規定を受けることに、取扱いとしての、ジュネーブ条約、第三条約ですか、受けることになるかならないか、この点ちょっと今の答弁に関連してきちっとしておきたいと思います。
#222
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 今申し上げましたとおり、自衛隊の国際法上の取扱いといたしましては軍隊、あるいはその要員は軍隊の構成員ということでございますけれども、この、累次申し上げておりますとおり、本法案に基づきまして我が国自衛隊が行う活動と申しますのは、これは武力の行使に該当せず、またいわゆる非戦闘地域で行われるために、我が国が武力紛争の当事国となることはないということでございます。同時に、我が国は、この本法案に基づいて行う活動によりまして武力紛争の当事国としてイラクの領域を実効的に支配するということにも相なりませんので、我が国が自らイラクの占領を実施するということにはなりません。
 したがいまして、この法案に基づきます我が国の活動が武力紛争あるいは占領に当たるとして自衛隊員がジュネーブ諸条約の規定の適用を受けることはないということを一貫して申し上げておるわけでございます。
 それで、今お尋ね、より具体的な何らかの形で拉致あるいは誘拐等捕捉された場合に、では捕虜の待遇を受けるのかどうかということでございますけれども、これも累次申し上げておりますとおり、非常に特定的にジュネーブ条約の第三条約とおっしゃいましたが、これが適用がされますのは基本的には武力紛争下における活動ということでございまして、先ほども申し上げましたとおり、武力紛争の当事国でない我が国の要員に対しましてこの第三条約がそのまま適用になることはないということを申し上げております。
 ただ、それでは、したがってそういう場合、基本的には拉致あるいは捕捉という、捕獲、そういうことがなされてはならない、なされるべきではないということが我が国の立場でございますけれども、そういう場合に、それでは万一捕捉されたりあるいは捕獲されたりした場合、いかなる取扱いを受けてもいいのかというお尋ねも累次ございました。
 その場合には、そもそも捕捉されてはならないということでございまして、これは第三条約の世界でございますとこれは相手方に捕虜とする権利が生じるということでございますけれども、そういう権利があるということは私どもとしては認められないという立場でございまして、即時釈放をされるべきものであると。その間におけます取扱いにつきましては、ジュネーブ条約にもございますような人道法の原則あるいは精神等に基づきまして人道的な取扱いがなされるべきで、直ちに釈放されるべきだと、こういう主張をしてまいると、こういうことを申し上げております。
#223
○吉岡吉典君 ちょっと条約局長、そうすると、第四条約、文民条約の適用は受けるんですか。
#224
○政府参考人(林景一君) この第四条約は占領地域におけます文民の保護ということでございまして、この適用があるとすると、そうすると、そのイラク側と申しますか、が占領地域といいますか、その支配地域というものを持っておって、そこにおいて我が国の要員が活動しておって、そのときにどういう保護を受けるべきかという問題だろうと思いますので。ただ、第四条約にありますような文民の保護といった考え方、これは先ほども申しました人道主義の原則、精神といったものがございますけれども、そういったものにも表れておりますそういう人道的な保護の考え方というものは適用されるべきものだろうというふうに考えております。
#225
○吉岡吉典君 この問題は、私は大変深刻な問題だと思います。というのは、冒頭私が聞きましたように、軍隊として、軍事組織として戦場、戦場じゃない、戦争がまだ継続しているところへ送り込むわけですよ。そして、これまでの論議でも繰り返し論議になりましたように、犠牲者が出ることが非常に心配されている、そういうところへ送って、もし捕虜になっても国際条約上の捕虜としての保護の対象にならない、こんなのは、これは憲法上自衛隊をこういうところへ送ることができないのをやるところからくる矛盾だということを私はここで申し上げ、これは防衛庁長官、あなたの部下が戦死するのも大変だが、こういう捕虜になっても捕虜の扱いを受けないということもまた大変深刻な問題だということを申し上げておきたいと思います。
 それで、CPAとの関係の問題ですが、CPAと調整するということが繰り返し言われてきていました。そのCPAとの調整というのは、この冒頭で行われるか、日常不断に行われるか。それからまた、アメリカの安全確保の活動は主として連合軍司令部下で行われるというように思われます。したがって、CPAとの調整だけでなく連合軍司令部との調整というのはあるのかないのか、全くCPAとの調整だけになるのか、この点、簡単でいいですからお答え願います。
#226
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 御質問のCPAあるいは連合軍司令官との調整ということでございますが、まず、CPAと連合軍司令官との関係については、これはいわゆる上下の関係にあるのではなくて、密接にお互い調整し連携し合う立場のものというふうに理解をしておりますが、今後、イラクへの自衛隊を派遣するということになりました暁には、その活動の円滑性と安全性というものを確保することが極めて重要でございますので、そのような観点から、現在、イラクの復興あるいは安全、安定の確保に責任を有しておりますCPA及び連合軍司令官を始めとします米英軍側と必要に応じて種々の調整を行うということになろうかと思います。
 具体的な内容でございますが、当然のことながら、法案が成立した後におきまして具体的に今後どのような仕事をし、どのような地域に行くのかということを検討するわけでございますので、入念な現地調査あるいは現地情勢の進展等について調査をあるいは情報収集を行うことが極めて肝要と考えておりまして、そのような際、先ほど申し上げましたCPAあるいは連合軍司令官等との関係においては十分な調整を行いたいというふうに考えている次第でございます。
#227
○吉岡吉典君 派遣された自衛隊はCPAとあるいは連合軍司令部と常時密接な調整、連絡を取りながら活動を行うということですが、これはCPAの何らの指揮も統制も受けないと言いますが、指揮統制ではという言葉を使う使わないにかかわらず、米英占領軍と絶えず連携を取りながら行う活動だということだというふうに言わざるを得ません。ですから、米英軍に対する攻撃が頻繁になっていると同じように、自衛隊に対するイラク側からのいろいろな攻撃という危険が大きい問題になるわけです。
 そこで、時間の関係で話、進めますが、戦闘区域と非戦闘区域の繰り返し論議されてきた問題です。
 この問題については、これまでの論議、私流に整理してみると、戦闘区域と非戦闘区域というのは、防衛庁長官の表現によれば、これは日本国憲法上の要請による条文上の担保であって、危険地域か安全地域かということの区別を示すものではないと、こういうことだったと思います。
 この点、まず確認させてください。
#228
○国務大臣(石破茂君) 概念的にぴったりと重なるものではないということを申し上げました。つまり、非戦闘地域ではあるが危険な地域、治安の良くない地域という概念は存在するということでございます。
#229
○吉岡吉典君 世界で、戦闘地域あるいは非戦闘地域というような分け方、そしてまた武器使用を武力行使とそれから正当防衛というふうに分ける分け方をやっている国というのはあるんですか。これは憲法上、日本だけで行われていることなんですか。
#230
○国務大臣(福田康夫君) これは今、防衛庁長官から答弁ございましたけれども、要するに武力行使との一体化論ですね、それとの関係で問題が生じることのないようにするために非戦闘地域という、そういう概念を導入しているわけでございまして、これは我が国の憲法の九条、第九条ですね、この規定があることによってそのような必要性があるということでございまして、これはほかの国にはないですね。そういうことでございます。
#231
○吉岡吉典君 ほかの国にない日本独特の解釈を作って、日本は武力行使をやっていないんだと、あるいは戦闘区域には行かないことになっているんだということがイラクの一般の人々の間に徹底して、ああ、これは日本の自衛隊だから米英の軍隊と同じ軍隊でも区別しなくちゃならないというようなことが隅々まで通るものかどうか、私は甚だ疑問に思います。そういうことはあり得ないというように思います。ですから、日本の自衛隊が行った場合に大変危険だということが問題になるわけです。私はそういう意味で、米軍と同じ危険を日本の自衛隊が持つようになり得るというように思わざるを得ないんです。
 そこで、お伺いしますが、戦闘行動でない安全確保の活動中の米英軍などを支援することですね、これは戦闘行動でなければ、治安確保のための、つまり米軍が戦闘行為でなく、戦闘行為でない大衆的なデモの鎮圧あるいは掃討作戦、こういうものをやっているのに対する自衛隊の支援というのはあり得るんですか、あり得ないんですか、後方支援ですけれども。戦闘行為でなければやれると。
#232
○国務大臣(石破茂君) それは、米軍がイラクの治安の維持に当たっているかどうかということに懸かってくるのだろうと思うんです。
 しかし他方、先ほど外務大臣から御答弁がありましたが、本当に民衆が平和裏に、平穏裏にデモを行っている、それに対して米軍が何をするかということはまた別のお話でございます。米軍もそのようなことはなさないはずでございますけれども。いずれにいたしましても、それは米軍が何を行っているかということに懸かるものでございます。
#233
○吉岡吉典君 米軍が何を行っているかによって後方地域支援ある、ないが決まると。つまり、米軍が何を行っているかということは、戦闘行為か否かということがその基準になるわけですね。そうでない、戦闘行為でなくても後方支援を行わない活動はあるんですか。
#234
○国務大臣(石破茂君) それは先ほども答弁申し上げたとおりですが、その米軍の行動がイラクにおける安定、安全の確保行動であるかどうかという点に懸かってくるわけでございます。
#235
○吉岡吉典君 分かりました。つまり、自衛隊がイラクに行って、日本流解釈による戦闘行為、武力行使は行わないが、アメリカが行うところの戦闘行為以外の治安活動等々に対する後方支援は行うと。
 後方支援、武器弾薬の輸送を含む後方支援というものが、イラク側から見て、これは米軍と別のものとして攻撃対象にしないというようなことが出てくることは私はあり得ないと、そういうふうに思います。もちろん、必ず攻撃してくるというわけではありませんが、日本側の解釈で相手から区別して取り扱われるというふうに考えるのは余りにも甘い対応だと思います。そういうふうには思いませんか。
#236
○国務大臣(石破茂君) 先ほど来、委員の御指摘を承っておるのでございますが、それは日本流の解釈だとか、勝手に考えているとかいう御指摘でございますが、私は、これは日本国憲法に定められた趣旨というのをきちんと守るというのは大事なことだと思っております。そういうことは、私どもの主権者たる国民に対しても当然政府として行わねばならない義務だというふうに思っております。
 しかし、そうだからといって、私どもは日本国の憲法上このように解釈していますよ、武力行使をしていませんよということを仮に大々宣伝をいたしましたとしても、じゃそれがイラクの人がそれに理解されて攻撃を仕掛けてこないかといえば、それはそういうものではないかもしれません。そうである場合もありますが、そうであればするのをやめようという場合も決してないとは言いませんし、であらばこそ、私どもは人道支援であるということをきちんと周知せしめる必要があると思っているのです。
 しかし同時に、何度も官房長官が答弁されておられますように、非戦闘地域であるということに加えて、私どもは、自衛隊の活動する地域、実施区域というものが自衛官にとって、実際に派遣される自衛隊にとって安全な地域でなければいけないのだというもう一つの仕組みを持っておるわけでございます。
 したがいまして、確かに攻撃するかしないかというのを決めるのは向こう側でございます。私どもに選ぶ権利なぞがあるわけではございません。そうならないように精一杯の努力はいたしますが、あわせて、どういう地域で活動するか、それは実施区域は防衛庁長官が定めるものでございますが、その点もよく考慮に入れた上でその地域を定めるものでございます。
#237
○吉岡吉典君 長官おっしゃる、憲法を厳重にきちっと守ろうということになったら、自衛隊を送ることをやめることが憲法を守る一番確実な方向だと。とりわけ今回の問題点は、米英のイラク戦争それ自体が大義がないことが今世界の大問題になっている。そして、占領統治についても、これを積極的に正当化する中東諸国はないということも先ほど明らかになったとおりです。そういう状況で泥沼化論が起こっている。日本の自衛隊は行っても、捕虜になっても捕虜の国際的扱いさえ受けない軍隊、私はそんな軍隊というのは聞いたことがありませんけれども、そういう状況で自衛隊を送るというのは、これは私が聞いたところでは今自衛隊の中は戦々恐々だと、こういうことを聞いておりますけれども、そうなるのが当然だと私は思います。
 時間が予定より縮まりましたので、その他いろいろなことをお伺いしたい点が、聞く時間がございません。
 私は、最後になりますが申し上げておきたいことは、やはりこういう形での自衛隊のイラクへの派遣というなのを数を頼んでやっては絶対にならないということであります。国際的な状況、米英でも今、政権がピンチに立たされているような状況、中東の諸国の状況、イラク国内の状況、そして日本国内でも世論調査によれば賛否は伯仲、反対がむしろ多い調査結果も出ている。こういうときに、この法案を通して自衛隊を送るというようなことは絶対にあってはならないということを私は強調したいと思います。
 そして、こういう問題が出てきた背景には、やはりイラクについての読みに誤りがあったと私は思います。私は、アメリカの誤りは、恐らくフセインなんというのをアメリカの近代兵器ですぐにつぶしてしまえる、そうすれば反フセイン勢力が直ちにアメリカの下に結集して極めて簡単にイラクをまとめることができると、こういう読みがあったんではないかと思わざるを得ません。
 ちょうど第二次世界大戦に進む過程で、日本がヒトラーと組んだ。なぜヒトラーと組んだか。防衛庁も関与して作られたと言われる「日本の戦争」という本によると、そのときに日本は、これはヒトラーと組むことがバスに乗り遅れるなという風潮でやられた。それは、ヒトラーがフランスを屈服させ、あちこちを成功して、侵略に成功したときに、日本の国内の見通しとしては、イギリスも間もなく、近く屈服すると、そうなればヒトラーの勝利の下に戦争が終わると、こういう見通しで日独伊軍事同盟を結んであの第二次世界大戦に入ったと、こう書かれております。
 私は、それに似た誤った見通しの下でアメリカは戦争を開始して、早くも泥沼状況。そして、他国が軍隊を送ってそこに新しい自分らの思う政権を作るなんということは、歴史上も成功したことはないんですよ。これは、日本の中国でかいらい政権作ったことがしかり、アメリカがベトナムで失敗したのがその例であり、ソ連がアフガニスタンで失敗したのもその例です。
 私は、今そういう道に進みつつあるんじゃないかという不安を持っており、だから今、慎重な結論、憲法をきちっと守る道は自衛隊を送ることをやめると、こういうことだと思います。
 最後に、官房長官……
#238
○委員長(松村龍二君) 時間が来ております。
#239
○吉岡吉典君 はい、それじゃいいです。
#240
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 先週の金曜日に公聴会が開かれまして、東大名誉教授の板垣雄三先生、イスラム文化に非常に造詣の深い方の御意見に私は非常に感銘を受けました。
 板垣雄三先生は、官房長官のお父さんの福田元総理が、七八年、やはり中東が第二次エネルギー危機のちょっと前後ですが、梅棹先生あるいはその板垣雄三先生、上田篤先生と一緒に中近東に調査団を出されたという方なんですね。それで、やはり中近東のことを知らずしていろんな政策を作ってもこれはもう絵にかいたもちになってしまうということで、「日本人よ、覚悟はできているか」という本を出しておられるんですね。覚悟がないところに出ていっても十分なことはできない、こういうことだと思います。そしてまた、文化が違いますと、いろんな意味でそごが生じ、誤解が生じ、そして思わぬ被害、犠牲が出るんではないかと、こういうことであります。
 そのときも初めて教えてもらったんですが、敬礼ですね。この敬礼、これは、まあ武器は持ちませんよと、平和にという意味でみんな敬礼するようになったんだ、それがもう世界じゅうに広がったんだと、こういうことをおっしゃっておりました。
 イスラムというのは、やはり歴史もあり、文化もプライドも高い、そういう国だと思います。
 ところで、例えばテロの被害に遭う、それのために犬を連れてイスラムの庶民の家に入ると、これは大変な侮辱になるようですね。これはやはり、日本の例えば畳の上にアメリカ人が土足で上がってくる、アメリカでは当然のこととして外も内も関係ないんですから土足で上がると、これは日本人にとっても大変な侮辱になると。やはりそこが習慣ですとか文化の違いということになるわけです。ですから、こちらは何とも思っていなくても大変な侮辱をしていると、こういうことが誤解が誤解を生んで大変な反感になる、またそれが敵意を増発をして思わぬ犠牲を強いる、犠牲が出てくると、こういうことがやはりあるんではないかと、こう思うんです。
 ところで、イスラムの場合は、女性は黒いずきんをかぶっているわけですね。目だけをこう出すということでありますけれども、その女性が、テロのおそれがあるからということでボディータッチ等をすると、これはまた大変な侮辱になるんですね。ですから、そこの、例えば自衛隊に女性隊員を連れていく、そういうことがあるのかどうか、防衛庁長官に伺います。
#241
○国務大臣(石破茂君) 決して全く可能性を排除するわけではございませんが、現在のところ、検討をいたしてはおりません。
 それは、委員御指摘のように、イスラムの文化、あるいは戒律、また宗派によっても違うでありましょう。きちんと理解をすることは必要なことでございます。ただ、それと、女性隊員に参加させる、女性隊員がその行動に参加するかどうかというのはまた別の問題でございます。委員がおっしゃいますように、確かにチャドルをかぶって目しか出さないというような行動ができるかということもございますが、じゃ米英軍は女性が参加していないかといえば、必ずしもそうではございません。
 いずれにいたしましても、どのような活動をすれば現地人の人に、まさしく委員の御指摘のように、失礼にならないように現地の文化あるいは戒律、そういうものを尊重できるかということは、男女の別なく判断をしていかねばならないものと考えております。
#242
○広野ただし君 米英軍はやっていませんからやりませんということではないんですよ。米英軍はそういうことをやっていないから、場合によってはテロの対象になってくるんですよ。
 ですから、やはりそこが文明間の、言語が違う、民族が違う、宗教が違う、そういう国との付き合い、特に陸上自衛隊が行きますと、もう常にそういう庶民との接触が日常のようにあるわけですね。海上自衛隊と違うんですよね。
 ですから、そういう意味で、いろんなトラブルのもとになるということで、やはり出す場合にどんな訓練を考えておられるのか、これはもう同僚の議員からも何回もあったと思います。そう簡単にすぐ向こうのことをのみ込んで誤解のないようなことができると私は全然思えないんですね。余りにも安易にそこは考えておられるんじゃないかと思うんですね。官房長官、いかがでしょうか。
#243
○国務大臣(石破茂君) 安易に考えたことは一度もございません。これは極めて厳しいことだという認識は、これはPKOでも同じことでございます。それはもう、今回の場合にはそれよりも危険度が高いということはそうなのですが、私どもは、部隊を出しますときには、PKOの際にも地域の文化、そういうものをきちんと理解をする、そして陸上自衛隊がPKOはほとんど出ておるわけでございますけれども、全く危険がないというわけではございません。訓練もやっております。
 私どもは、海外に部隊を派遣しますときに安易に物を考えたことは一度もございません。今回もその前例に従いまして、更に危険な地域である、そういうことが排除されない場合があるということを念頭に万全を期しておるわけでございまして、安易に考えておるわけではございません。
#244
○広野ただし君 どんなによく考えても、慎重に、また訓練をしても、なおいろんな問題が起こるということなんですよ。ですから、そのことを言っているので、その言葉じりの問題ではありません。
 ですから、何か事件、犠牲が出たり、あるいは被害が出たり、また場合によってはイラク国民あるいは向こうに思わぬ被害、犠牲を起こすことだってあるわけです。ですから、そのときの責任はひとえにやっぱり小泉内閣、そして防衛庁長官にあると、こう思いますが、いかがでしょうか。
#245
○国務大臣(石破茂君) それは当然のことでございます。その言葉じりをとらえて申し上げたわけではございません。
 私どもは、海外に部隊を出しますときに常にそういうことをやってまいりました。今回はそれの例にきちんと倣いまして、さらにそういうような、ずっと御指摘がありますように、主な戦闘は終結したけれども散発的な戦闘が残っておる、いかに地域を選定するか、そしてまたその場合に前提として非戦闘地域であることを充足するかということ、そして持っていく武器あるいは与えられる権限、行う訓練、それは文化も含めまして、そういうことにつきましては、内閣、わけても私といいますか防衛庁長官が責任を負うものでございます。そのことは十分に自覚をいたしております。
#246
○広野ただし君 官房長官、いかがでしょうか、その責任問題ですね。
#247
○国務大臣(福田康夫君) 防衛庁長官の申したとおりでありますけれども、これはもし何かあればというようなことなのか、そうでなくても、すべてのことに対する責任というのは内閣にあるわけでございます。
#248
○広野ただし君 本当にこの文化の違い、習慣の違いというのは、私もいろんな意見を聞きまして、例えば会議のときに、ここいらでおしまいにしましょうということでコーヒーが出るようです。そして、このコーヒーのときも、次お代わりどうですかと言ってきて、これまたお代わり下さいと言うのも、これ誠にぶしつけなんだそうですね。ですから、もうそれは終わりという意味でコーヒーが出ているんであって、ですからそれぞれの国の習慣というのはあって、やっぱりよくよくそこをよくわきまえてやりませんととんだことになるんではないかという懸念を表明します。
 それと、この七月十四日にイラク統治評議会が発足をして、これが将来どういうふうになってくるか分かりませんが、全体的に言われているのは、ここから憲法制定準備会ですか、そういうものを作って、そして憲法制定、制憲会議というんですか、そういうものを作って、憲法草案をしていく。さらに、憲法草案がいつごろできるのか、来年の半ば、春か半ばかと。そして、その憲法草案に基づいて、いずれかの日かそれを国民投票に掛けるのかどうなのか分かりませんが、そういうことですとか、またいずれの日か総選挙が行われて新政権ができると。そういうような、日本として全体的に、イラク復興についての全体的な見通しとかそういうものがないと、ただ行って、何というんですかね、あるところだけの協力をしていると一向に評価されない、こういうことになってもどうかと思うんですね。
 全体的な見通しをどういうふうに見ておられるのか、外務大臣に伺います。
#249
○国務大臣(川口順子君) 今後のことですけれども、まず委員がおっしゃったように、イラク統治評議会ができました。七月の十三日だったかと思いますが、できまして、二十五人の評議委員会、ほぼイラク国内の人種的といいますか、宗教的な分布を反映をした形になっていると思います。それで、幾つかの権限をCPAからこの評議会はもらっているということで、例えば大臣を任命するというようなことです。
 それで、憲法との関係では、この評議会は、憲法準備委員会を設立をし、新憲法承認に向けたプロセスを勧告するということになっております。
 それで、憲法会議でございますけれども、これは今後立てられるわけですが、近い将来にということで、九月ぐらいだったと思いますが、これを目途に行うと、開くと、作られるということに今なっております。それで、それが憲法を作り、国民投票を行いという形で進んでいく。それが、全部そのプロセスが終了した折には当局は任務を終わるということになっておりまして、まだいろいろな治安その他課題がある中で、いつ今の時点では立憲作業が終了するかというところについてはまだ目途が付いていないというような状況だと思います。
#250
○広野ただし君 日本は、やはり敗戦をし、占領され、そして新憲法を制定をして日本の政府を作っていく、正にそういう敗戦の経験、その苦しみもよく知っている国なわけですね。ですから、イラクの復興にとって何が最も必要であるか。つまり、それは非常に全体像を見ながら考えていかなきゃいけない、そういうことだろうと思うんです。
 それで、このイラク統治評議会のメンバーの中にイラク・イスラム革命評議会の最高幹部と言われるハキームさんが入っておって、この人が朝日新聞の記者とインタビューをしているわけですが、やはり早く英米軍は撤退していってくれと、早期に撤退をしていってくれと、こういうことだと思うんですね。これはもうイラク国民の感情、我々も敗戦を受け、そして占領軍に占領されたそういう国の経験に照らして、早く撤退をしろというのは当たり前のことだと思うんですね。
 この点について、どういうふうに考えておられますか。
#251
○国務大臣(川口順子君) イラク人のイラク人の手によるイラク人のための政府ということを言っておりますけれども、先ほど申し上げたような憲法会議等のプロセスを経て、早くそういったイラク人のイラク人によるイラク人のための政府ができるということが重要であると、政府としては考えております。
#252
○広野ただし君 重要というふうに考えておられれば、そういうことについてきちっとした外交努力をしていくということが最も大切なことで、陸上自衛隊をまず派遣することありきと、そうすることが海外に対しても横並び論で協力していることになると、こういうような考え方と大分違うんですね。
 ですから、この間からも私は申し上げておりますが、人道支援、経済復興支援あるいは今のような、言ったような、日本の敗戦そして占領された経験に照らし、外交努力をして早くイラク人の政府を作っていくという、早く向こうにちゃんとしてやってもらうということの方に努力を傾注をしていく、このことこそ本当のやるべきことであって、何か陸上自衛隊を最初に出すことがまずありきということのようにしか見えない、この法案ですね。私はもう本当におかしいなと、こう思うんです。官房長官いかがでしょうか。
#253
○国務大臣(福田康夫君) 今の事態において何をなすべきかということでありますけれども、やはり外交努力によってその環境整備ということは必要なんだろうと思います。また、今お話ございました統治評議会につきましても、これが早く一人前、独り歩きできるような、そういう体制を作らなきゃいけない、そういうことについて我が国としても精一杯の努力をしていかなければいけないというように思っております。
 しかし、あわせて、実際のイラクの国民のニーズ、またその復興支援に当たっております各国に対する協力といったようなことについて、我が国としてできることは支援をしていきたいというのが今回の法案の趣旨でございまして、それはもう我が国ができる範囲でということであります。そのことも私は非常に大事なことであり、両方相併せてイラクの復興に努力すべきものと考えております。
#254
○広野ただし君 各国軍がイラクに派遣をされて、全体的に地域を三つに分割をして、まあアメリカ軍、そして南の方、バスラを中心にしてイギリス軍、そして中南部といいますか、そこにポーランド軍が、これたくさんの各国がそこに集結をしているわけですが、ポーランド軍の指揮の下にスペイン、ウクライナ、そのほかもうたくさんの国々が治安に協力をしていると、こういうことでありますけれども、ポーランド軍、これは米軍との協力の下にと、こうなっているんですが、結局、英米軍の指揮下にあるというふうに考えていいんじゃないかと思いますが、この点、外務大臣、何かございますか。
#255
○国務大臣(川口順子君) 私どもが承知をしておりますのは、ポーランド軍は米英軍の指揮下にあるということではなくて、米英軍と調整をしながらその仕事をしていると聞いております。最大二千五百名の兵員を派遣をするということを考えていると承知をしています。
#256
○広野ただし君 防衛庁長官、どのように見ておられますか。
#257
○国務大臣(石破茂君) 今、外務大臣から御答弁がありましたとおりでありまして、最大二千五百名、治安部隊等を出しております。米英軍の指揮下で行動しておるという認識は私は持っておりません。
#258
○広野ただし君 これは、じゃ独自にやっているんですか。
#259
○国務大臣(石破茂君) もちろん、それは調整の上で行っております。それぞれがイラクの国内において活動いたします場合において、調整なしにばらばらにやることはございません。
#260
○広野ただし君 これはやはりアメリカ軍の指揮下にあると見て全く間違いのないところだと思います。そして、更にその下にある、ポーランドの指揮下にあるまた多国籍軍といいますか、そういうところと連携をしながらイラク中南部の治安、安全を見ていると、こういうことだと思うんですね。その確認をひとつしてください。
#261
○国務大臣(石破茂君) それは、私どもの理解では、コアリッションというものはそういうものだというふうに理解をいたしておりません。アメリカがやっておりますコアリッションのやり方というのは、そういうふうに指揮下に入れる、指揮命令系統というものを確立をし、米英の指揮下の下に集まってきた各国の軍を、行動を律するというようなものがコアリッションだとは考えておりません。逆に申し上げれば、コアリッションというものの特徴は、まさしく調整において各国が活動をそれぞれが行うという点に特色があるという認識でございます。
#262
○広野ただし君 協力関係といいましても、それは格好のいい言い方で、じゃ統率が取れますか、それぞれの、各国の。やはり英米軍がしっかりとやりませんと、その下におりませんとできないんじゃないんですか。
#263
○国務大臣(石破茂君) それはどういう形が一番効果的なのかということでございます。
 それは、治安維持というものが、指揮命令系統という言葉をお使いになりますけれども、それなくして統制が取れないのかといえば、そのようなことはございません。それはお互いに調整をし、例えば日本とアメリカの間にそれでは指揮命令系統があるのかといえば、これは調整というものを使います。調整システムというものを使います。それでは全く統制が利かないのかといえば、そのようなことはございません。調整というものを行うことによって、すなわち統制が利かないという概念は私は必ずしもそのとおりだとは思っておりません。
#264
○広野ただし君 このポーランド軍、またポーランド指揮下にある多国籍軍、そしてまた協力関係にある各国軍といいますか、約二十か国に及ぶと言われておりますが、そこの各国軍における被害状況等は何か把握しておられますか、防衛庁長官。
#265
○国務大臣(石破茂君) 手元に、各国どれぐらいの被害を受けたかということでございますが、これは報道ベースにおきましては今持っております。これを各国別に、例えばどの国がどれだけ、どの国がどれだけということを今すぐここでお答えできるものは用意をしてございませんが、主に米英軍というふうに承知をいたしております。正確なものをもし必要でしたらば、早急に委員の方までお持ちをいたしたいと存じます。
#266
○広野ただし君 やはり各国、協力をしていると、私は指揮下にあると、こう言っておりますが、そこは別にしましても、各国、協力にある軍の被害状況というものをよくまた調べていただいて、そしてどういう状況の下でそういうことが起こっておるのか、これはある意味で他山の石みたいなところがあろうかと思うんですね。ですから、ただアメリカにくっ付いていくという考え方でやっておられては、これはもう大変な被害が及ぶおそれがある、こういうことだと思います。
 それと、もう一つ、私は何といってもこれは陸上自衛隊がアメリカ占領軍に対する協力をすることだというふうに思いますが、この点、官房長官はどうお考えですか。
#267
○国務大臣(石破茂君) 済みません。先ほどの、むしろ外務省からお答えするのが適切かもしれませんが、米英軍以外の各国の軍隊の死傷者というものは、七月二十一日現在では確認をされておりません。イギリス軍が六月の二十四日に死亡が六名、同じ、同日にイギリス兵が八名負傷したということ、あるいは七月の八日に英兵が一人負傷したという点でございます。
 また、それが占領ということに協力することにならないかということでございますが、これは憲法に定められております交戦権との問題で整理をいたしますと、私どもが占領行政の当事者、交戦権行使の当事者となることはあり得ません。したがいまして、憲法上の問題は生じないものと考えておりますし、日本国自体が占領行政を行うものではございません。
#268
○広野ただし君 しかし、アメリカとの協力の下にやはり派遣するんでしょう。ただ、どこへ行くかというのは自分で決めるわけじゃないんでしょう。
#269
○国務大臣(石破茂君) それは累次お答えしておりますように、調整の下に、自分たちがここでやりたいといって、周りの国がどのようなことを考え、イラクの復興あるいは人道支援にやっているかということと無関係に地域を設定できるものでも任務を設定できるものでもございません。
#270
○広野ただし君 それでは、イギリス軍に協力をして出るということもあるんですか。
#271
○国務大臣(石破茂君) それはこの協力という言葉が何を指すのか、これにもよりますけれども、この法案としては、そういうことを決して排除しておるわけではございません。
#272
○広野ただし君 ポーランド軍等、多国籍のところにも協力をして出ていくということもあるわけですか。
#273
○国務大臣(石破茂君) それもイギリスと同様でございますが、しかしながら、同時に、オーソリティーとしての地位を与えられておる国との協議というものは、当然、活動全般を行う場合において必要なことでございます。
#274
○広野ただし君 ですから、私はやっぱり最終的にアメリカに協力をするんだと思うんですよ。ポーランドだとかほかの軍隊に、そこの物資の輸送等の協力をするんじゃないんでしょう。やはりアメリカに協力をする、そのことが最もはっきりとアメリカ支持を裏打ちをする大事なことなんじゃないんですか。
#275
○国務大臣(石破茂君) この法案は、先ほど来申し上げておりますように、どの国ということを特定して作成をされたものではございません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、オーソリティーとしての地位を与えられている国、そしてまた、具体的な内容ということにつきまして、いまだアメリカとの間に確定的なことを言及をしたものでも約束をしたものでもございませんが、結果としてそのようなことはあり得るだろうと思っております。
#276
○広野ただし君 だからこそ、私は最初に板垣雄三先生の、日本人は、日本人よ、覚悟はできているのかと。じゃ、ほかの、今、石破防衛庁長官が言われたポーランドほか多国籍のところに協力をする、アメリカに協力をする、そういうことと、自衛隊の人たちはそういうふうに簡単に割り切れますか。
#277
○国務大臣(石破茂君) 自衛隊は割り切れるかという御質問ですので、私からお答えをさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。
 これは、政府としてこの場におきましても官房長官から御答弁がありますように、日本国の国益、そしてまた日本国の与えられた国際的な責務にかんがみまして我が国が主体的に行うものでございます。国益、そして我が国に与えられた国際的な責務、これを履行するために主体的に判断をし、法律がお認めをいただいたとするならば、それに基づいて自衛隊を派遣するものでございます。
 アメリカに協力するから、あるいはポーランドにどうだから、だから自衛官はそのつもりになるのかという御指摘でございますが、私は、この法律の目的、そしてこの法律が国会においてお認めをいただくことの意味、それは自衛官というものは認識をしている、そうでなければ派遣というものはそもそも成り立たないのでございます。
#278
○広野ただし君 私は、まだ本当にそういう、イラクにおいて治安維持のためにアメリカあるいはその他の国々に協力をするという本当の覚悟というのは、日本人、自衛隊にはできていないんではないかというふうに思えてなりません。
 そしてまた、このことが憲法の「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という、ここのところにもう正に違反する行為で、占領軍に協力をするということはそういうことになるんで、私は、やはり国連の旗の下に、国連にちゃんと話をして国連の旗の下に明確な使命を持って出ていくと、しかも、それはまず人道支援、経済復興支援だということを申し述べまして、時間が来ましたので、終わらせていただきます。
#279
○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。
 若干繰り返しあるいは重複するかもしれませんが、改めて確認する意味でお伺いいたします。
 まず最初に、官房長官に伺いますが、本法案の第六条では、基本計画に定めた自衛隊が実施する対応措置については、開始してから二十日以内に国会に承認を求めるとなっていますが、イラクにおける活動が極めて危険な業務となることは、これはもうどなたも想定しているところでございます。
 したがいまして、私はやはり国会の事前承認とすべきだと考えるわけですが、周辺事態安全確保法ではその第五条一項で、またPKO協力法ではその第六条の七項で、本体業務における自衛隊の海外派遣は国会の事前承認となっているのに、なぜ今回、事前承認とはしていないのか、御説明ください。
#280
○国務大臣(福田康夫君) 正に何回も御説明を申し上げてきたところでございますけれども、繰り返しになりますけれども、イラクへの自衛隊の派遣を前提として、その基本的枠組み、これはいろいろの枠組みを作っているわけでございます。
 まず第一に、その明確な目的を持っていますね。イラクの国家再建への寄与ということでございます。そういう大きな目的を持った上で、例えば基本原則、いわゆる非戦闘地域、それから受入れ同意の要件、また対応措置の内容、また基本計画の決定、変更、終了時の国会への報告、また安全確保の配慮、また自己等防衛のための必要最小限の武器使用の条項、また有効期限、四年間という有効期限も明記していると、こういうようなことでございまして、厳しい枠組みの中で活動する、それもイラクの国家再建への寄与と、こういう大目標がございますので、その範囲で行うということでございます。そういう範囲の中の活動であれば、あとは基本計画を作り対応措置を決めると、そして対応措置につきまして、対応措置を開始した日から二十日以内に国会の承認を求めると、こういう枠組みというかルールになっておるわけでございます。
 もし、事前承認をしなければいけないということになりますと、こういう問題が出てまいります。
 例えば、派遣に必要な装備の調達など、承認後にしかできないような派遣準備に準備時間が必要であると。例えば、装備、特殊な装備を必要とするようなことであれば、それを発注、契約発注して、それができるまで待たなきゃいかぬとか、そういったような問題が生ずる。また、国会における審議、これも時間が掛かりますね。そういうことを考えますと、この対応措置が迅速にできないといったようなことがあるわけでございまして、そういうことを考えまして、対応措置の実施については、先ほどのように事後承認ということにしておるわけでございます。
#281
○大田昌秀君 本法案の第二条二項で、実施に当たっては武力の威嚇又は武力の行使であってはならないとされていますが、第四条、「基本計画」、二項二号のニ、装備等、及び第十七条、「武器の使用」のところを見ますと、結局は武力を行使する事態が起きるのではないかと危惧されます。
 関連いたしまして、まず携行する武器について、防衛庁長官にお尋ねします。
 新聞報道等によりますと、防衛庁長官が記者会見で無反動砲を持っていくと述べたり、久間元防衛庁長官が、危険だから武器を持った自衛隊が行かざるを得ない、無反動砲などの小型重火器も必要だろうと、テロは戦闘行為ではないと、正当防衛で反撃しても認められた武器の使用であって武力行使に当たらないと述べておられます。
 無反動砲は、御案内のとおり、対戦車攻撃用の兵器として部隊としての反撃で使用するものと理解されていますが、自衛隊員個々の正当防衛に使用する武器として携行するおつもりなんですか。
#282
○国務大臣(石破茂君) それは、法案に定められておる自己を守るために必要なものとは何なのかということをその場に応じて判断をすることになります。
 午前中、尾辻委員からもお話がありましたが、機関銃一丁ならいいが二丁なら駄目だというような議論が昔ございました。そういうようなお話ではなくて、何が自分の身を守るために、条文に定められた趣旨を体現するために必要なものであるのかということは、実際にそれによって身を守ります自衛官が現地に行ってどういうことなのかということを判断をし、私どもはそれを尊重して基本計画に定めることに相なります。
 私が、無反動砲ならとか、あるいは無反動砲ならよいが迫撃砲ならどうとか、そういうことを具体的に申し上げたことは一度もございません。
 委員御指摘のように、例えば無反動砲というのは、原則としてといいますか、主に対戦車火器として使用される直接照準のものでございます。対しまして、迫撃砲というのは主に地域制圧に使用をいたします間接照準のものでございます。それはどのようなものが自分たちの身の安全を守る、そして法律十七、法案十七条あるいは自衛隊法九十五条、その趣旨にかない現地に合ったものなのかということによるわけでございます。
#283
○大田昌秀君 新聞報道によりますと、防衛庁は、武器使用基準を定めた部隊行動基準、つまり国際的な交戦規則と言われるものですが、これを作成して、今回のイラクに派遣する自衛隊員に適用する考えであると報じられています。せんだっての本委員会でも、石破防衛庁長官は、自衛隊のイラク派遣に当たって武器使用基準を定めた部隊行動基準を作成しなければならないという御認識を示しておられました。
 この部隊行動基準とは一体どのようなものですか。なぜ、今回それを作成する必要があるのですか。
#284
○国務大臣(石破茂君) これは委員正確におっしゃっていただきましたように、部隊行動基準というものでございます。交戦規定というふうに私ども訳することが適切だとは考えておりません。それがどういうことかと申しますと、いかなる状況下で、相手方がいかなる対応を示した場合に、どのような形態において武器使用ができるかということをあらかじめ明確にしておくことを指すものでございます。
 それは何のために行うものかといえば、適切な行動を確保する、担保するということが一つ。もう一つは、部隊等の長の判断に係る負担を軽減をするということでございます。そして、各部隊の長が武器の使用を含む対処行動を適時適切に判断をし、本法律に、本法案に定められております武器使用規定の範囲内で事態に即して十分な対応を取ることを可能にするためでございます。
 これは、そういうようなことを定めることが、例えば交戦権を規定した憲法第九条二項、これに抵触するのではないかというような御指摘をいただくこともございますが、これは武器使用について定めるものでございまして、交戦権とは全く内容を異にするものでございます。
#285
○大田昌秀君 そうしますと、武器行動基準というのは一般に交戦規則と言われているものとは違うという意味ですか。
#286
○国務大臣(石破茂君) 少なくともアメリカに言います交戦規則とは異なる概念を多分に含むものでございます。
#287
○大田昌秀君 派遣部隊の装備等に関連して、外務大臣にお伺いいたします。
 外務省や防衛庁、自衛隊の実務者約十人が六月三十日から七月二日まで渡米し、米国のローレス国防副次官補やカイザー国務次官補、米中央軍司令部の幹部と相次いで会談したと新聞報道にありますが、この一連の会談で、日本側が米軍やイラク市民への給水活動などでC130輸送機をイラク国内に投入する計画を打診したのに対して、米側はそれだけでは不十分として、一つに大型輸送機ヘリCH47の派遣、もう一つに武器弾薬の輸送を求めたと報じられていますが、これは事実ですか、事実ではございませんか。
#288
○国務大臣(石破茂君) 実際に米国に出張いたしまして、外務省の関係者あるいは当庁の関係者が六月の三十日から七月二日にかけて訪米をし、米国政府関係者と意見交換を行ったことは事実でございます。
 先方の発言の内容につきましては、先方との関係もございますので言及をすることは適切とは存じませんけれども、イラクの復興支援に関します日本側の説明に対し、アメリカが、それでは不十分である、そういう指摘があったり、あるいはCH47というお話が今ございましたが、CH47の派遣等の具体的な要請をアメリカが行ったという事実はございません。
#289
○大田昌秀君 これは通告していない質問で恐縮ですが、前回も質問いたしましたので改めて確認させてください。
 外務省にお伺いしますが、事前協議制が設けられた背景について簡潔に御説明いただけますか。どうして事前協議制というのができたのかということについてですね。
#290
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 ちょっと資料が手元にございませんので、正確にお答えできるかどうか自信がございませんけれども、第六条に基づきまして米軍は我が国の施設・区域を使用することができると。それは我が国及び極東の平和と安全の維持のために使用することができるということになっているわけでございますけれども、その際、米軍に全く自由に施設・区域を使用させるということではなくて、一定の場合には我が国に事前に協議を求めて、その了承を得た上で施設・区域を使用するという形で、言わば日本側も一定のコントロールを施すという考え方の下に、岸・ハーター交換公文で三つの場合には米軍は施設・区域の使用に当たって事前に日本側の協議を求めるという形にしたというふうに理解いたしております。
#291
○大田昌秀君 恐れ入ります。もう一度今の、北米局長、今の三つの内容について御説明ください。
#292
○政府参考人(海老原紳君) これは、三つの場合、合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、二番目が合衆国軍隊の装備における重要な変更、三番目が日本国から行われる戦闘作戦行動、ただし安保条約第五条の規定に基づいて行われるものを除く、のための基地として日本国の施設・区域を使用すると、この三つでございます。
#293
○大田昌秀君 先日私が、沖縄の嘉手納飛行基地から米軍のF15戦闘機十機がイラク戦争に参加したと報じられていることについて伺いましたら、北米局長は、これは部隊間の移動だから事前協議の対象にならないという趣旨のことを答弁なさいましたけれども、では、どういうときに事前協議の対象になるんですか。その三項めに照らして、これまで一度も事前協議をしたことがないとおっしゃるわけですが、何のためにそれじゃ事前協議を作ったんですか。
#294
○政府参考人(海老原紳君) これは、日本国から行われる戦闘作戦行動の定義ということになると思いますけれども、これにつきましては昭和四十七年に政府の統一見解が出されております。
 それによりますれば、簡単に申し上げると、事前協議の主題となる日本国から行われる戦闘作戦行動というものは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動ということになります。これがどのようなものを指すかというのは、それはそれぞれの任務、態様等を勘案して判断されるということになります。
 今まで一度も行われなかったというのは、これに該当する行為が行われなかったということで、今まで戦闘作戦行動に基づく事前協議が行われたことがないということになっているわけでございます。
#295
○大田昌秀君 それでは、アメリカのF15戦闘機のパイロットが自らイラク戦争に参加したということを沖縄の新聞記者に発表しているわけ、認めているわけですが、これはどうして事前協議の対象にならないんですか。
#296
○政府参考人(海老原紳君) 今御説明をいたしましたように、戦闘作戦行動というのは直接戦闘に従事するということを目的としているということでございまして、今、大田委員がおっしゃいました、F15が仮に現地におきましてイラクの作戦行動に参加をいたしたとしても、それは日本の、例えば今おっしゃいました、嘉手納飛行場とおっしゃいましたけれども、嘉手納飛行場を飛び立つときに既に直接そのような戦闘に従事するというような形で飛び立っているということではなく、現地に移動した上で恐らく戦闘作戦行動に参加したというものであるというふうに推察されます。
#297
○大田昌秀君 おっしゃっていることがよく分からないんですけれども、嘉手納飛行場から戦闘機が十機飛び立ってイラク戦争に参加したということが言われているわけですが、どうしてこれが、どういう具合に、どういう形でこれが戦闘に直接参加したか否かということを決められるんですか。米軍側に確かめられたわけですか。
#298
○政府参考人(海老原紳君) これは、客観的にそれが戦闘作戦行動に該当するかどうかということは、これはなかなか判断ができない面があるわけでございます。先ほど申し上げましたように、任務あるいは態様というようなものを総合的に勘案して判断されるということになるわけでございます。
 ただ、これが、もしそのような行為が行われて、それがこの事前協議の対象となる戦闘作戦行動でないということはどうしてそう言えるのかという御質問であれば、それは、岸・ハーター交換公文で、米国はそれが、その行為が戦闘作戦行動に該当するということであれば、当然、日本側に事前協議を、制度によって事前協議を求めてきたはずでございますけれども、これは求めてきていないという以上、そのようなものではないと。米軍が任務、態様等を勘案した上で戦闘作戦行動ではないというふうに判断したということでございます。
#299
○大田昌秀君 これまで米軍は、日米地位協定の約束事も怠ったり、随分してきているわけですが、今のお話ですと、米軍側が求めてこない。仮に米軍側がその責務を怠ったりした場合、外務省としては、現実に在日米軍基地からイラク戦争に飛び立っているということが分かっていても、相手側に確かめるお気持ちというのは全くないわけですか。
#300
○政府参考人(海老原紳君) これは、事前協議制度、これも岸・ハーターの交換公文という国際約束で約束されているものでございまして、米国はそれを遵守する国際法上の義務を負っているわけでございます。同盟国といたしまして、米国がそのような義務を遵守しているということを疑う理由は何もないわけでございまして、そのような義務違反というものを前提に当方から米国側に問い合わせるということは考えておりません。
#301
○大田昌秀君 先ほども申し上げましたように、米軍側は実際に約束事を守らないことがしばしばありますので、この事前協議制度についても、せっかく制度ができている以上、もう少し主体的に、そういう報道がなされたら、果たして事実かどうかということを確かめるくらいの熱意を持って取り組んでいただきたいと思います。
 それから、同じく外務省にお伺いしますが、これまでのこの法案の議論を聞いておりますと、どうも攻撃する側の立場に立った質疑が多かったように思いますが、攻撃される側の問題というのをどうお考えかということについてお伺いします。
 前回もちょっとお伺いしましたが、今回、米英軍が対イラク攻撃でどのような近代兵器を使ったか、どういうふうに把握なさっておられますか。外務省、どなたでも結構ですが。
#302
○政府参考人(海老原紳君) 今、近代兵器というふうにおっしゃいましたけれども、例えば御通告を受けている御質問としては劣化ウラン弾の問題があると思いますけれども、米国は今回の対イラク軍事行動で劣化ウラン弾を使用しているかどうかということについては明らかにしておりません。その後、外務大臣の御指示もあって米国政府に問い合わせをいたしておりますけれども、基本的には明らかにする予定はないという返事を受けております。
#303
○大田昌秀君 今、米国側の方は劣化ウラン弾を使用したことはないということを、そういう知らせを受けたという趣旨のお話でございましたけれども、新聞報道には、指揮官がちゃんと劣化ウラン弾を使ったという報道もあるわけですが、是非これは確認していただきたいと思います。
 それから、報道によりますと、政府は航空自衛隊の輸送の拠点に予定されているクウェートとの間で地位協定を結ぶ方針を固めたと、先ほども質問がありまして、これはそういうことはないという外務大臣の御答弁でしたけれども、事実、全くないわけですか。
#304
○政府参考人(西田恒夫君) これは、先ほど正に御質問ございましてお答えいたしましたけれども、現在の時点におきまして、先方政府、クウェートを含めでございますが、の方から我が国に対して地位協定等結びたいという申出がなされたことはございません。
 他方、先ほどもお話ししましたけれども、この地域、イラクの周辺の国に対して我が国の自衛隊を法案が成立した暁に派遣するということは考えておりますので、その際の事前の準備としてあくまでも我が方の部内の頭の体操を行っているという状況でございます。
#305
○大田昌秀君 そうしますと、派遣先での自衛隊員の権利義務、その問題とか、万が一自衛隊員による事件、事故がイラク国内で起こった場合、どのようにして問題を処理されますか。
#306
○政府参考人(西田恒夫君) イラクの場合には、委員御案内のとおり、現在いわゆる当局というものが実態上安保理決議で認められている範囲内の権限を行使しているわけでございますので、自衛隊をそこに派遣するという場合にはCPAとの間で、当局に相当いたしますけれども、しかるべき対応を取る必要があるというふうに考えております。
 内容は二つあろうかと思いますが、一つは、自衛隊を派遣することについての同意を得るということでございます。それからもう一つは、今、正に委員御質問のような自衛隊員の法的地位をいかにして確保するかと、で、結果として自衛隊員の安全性とそれから任務の円滑性を担保するかということが必要になろうかというふうに考えております。
#307
○大田昌秀君 どうしてこういう質問するかと申しますと、御案内のとおり、沖縄では、地位協定によって米軍にほとんど治外法権的な特権を与えているわけですね。ですから、この間ずっと五千件以上の事件、事故が起こって住民が非常に困っているわけですが、その地位協定を変えてほしいと、改定してほしいということで何度も何度も政府にお願いしているんですが、運用面だけで十分だとおっしゃって、依然として事件、事故が絶えないわけなんです。それで、今、渉外知事会を通して全国的に地位協定の改定を求めている最中でございますけれども、地位協定を結ばれる場合にはその辺の沖縄在日米軍基地の問題との関連で非常に慎重にやっていただきたいと思います。
 それから、いま一つお伺いしたいのは、米政府は、現在の安保理決議第一四八三号を見直すために去る七月十六日、パウエル国務長官がアナン国連事務総長らと協議を始めたと報じられていますが、その背景について御説明ください。
 また、同決議が見直された場合、現在審議中のイラク復興特別措置法の内容に何らかの変更が予想されますか、それとも現状のままでよいとお考えですか。
#308
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 アメリカの関係者がアナン事務総長以下国連の関係者と話合いを行っているということは御指摘のとおりだというふうに思っております。十六日の午後、パウエル国務長官自身、新たな安保理決議についての議論を開始することが適当か否かについて、各国の外務大臣あるいはアナン事務総長と議論を行ったというふうに述べておられるところでございます。
 他方、同長官は同じ会見の中で、安定と平和維持の活動への参加に当たり国連のマンデートを期待する各国にとっても現在の安保理決議一四八三は十分な権利を与えていると信じているという旨も述べておられます。
#309
○大田昌秀君 最後の質問になりますが、対イラク戦争における米英軍の現在までの人的・物的損害の累計についてどのように把握しておられるか。さらに、イラク国民の人的・物的損害について、物的な面が分かりませんと人的だけで結構ですから、把握されている正確な数字をお教えください。
#310
○国務大臣(川口順子君) これは七月二十一日までの時点ですけれども、米軍の死亡者数が二百二十九名、うち五月一日以降が九十一名、これは襲撃以外の交通事故その他を全部含みます。それから、英軍の死亡者数が四十三名、五月一日以降は十名、同じく交通事故その他、襲撃以外のものを含んでいます。それから、イラクの民間人ですけれども、少なくとも三千二百四十人という数字を持っております。
#311
○大田昌秀君 あと一分だけありますので、あともう一問、短い質問をさせてください。
 前から問題になっておりますけれども、今回のイラクの方に各国がいろんな形で支援隊を派遣しているようですが、その国の数と、米英軍を支援する国の数というのは一体どれくらい、どこどこがどれくらいの人数でやっているか教えてください。
#312
○国務大臣(川口順子君) イラク人道復興支援にかかわる各国の軍隊派遣の状況で、既に派遣を行っている国が米英に加えて十四か国、それから派遣を決定をした国が十八か国あると思います。それで、今、米英軍を支援するというふうにおっしゃられましたけれども、それぞれイラクの復興、復旧、それから人道支援を行うためにやっているということでして、具体的に何をするかというのは国によって様々ございます。
#313
○大田昌秀君 終わります。
 ありがとうございました。
#314
○委員長(松村龍二君) 暫時休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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