くにさくロゴ
2003/03/20 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第2号
姉妹サイト
 
2003/03/20 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第2号

#1
第156回国会 内閣委員会 第2号
平成十五年三月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                山口那津男君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣     鴻池 祥肇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       都市再生本部事
       務局次長     和泉 洋人君
       内閣府産業再生
       機構(仮称)設
       立準備室長    江崎 芳雄君
       内閣府政策統括
       官        山本繁太郎君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       内閣府国際平和
       協力本部事務局
       長        小町 恭士君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房及び内閣府の基本方針に関する件)
 (警察行政及び産業再生機構の基本方針に関す
 る件)
 (行政改革及び規制改革の基本方針に関する件
 )
 (構造改革特区の基本方針に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣審議官貞岡義幸君、同内閣衛星情報センター次長小林武仁君、内閣法制局第二部長山本庸幸君、都市再生本部事務局次長和泉洋人君、人事官佐藤壮郎君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、内閣府大臣官房長江利川毅君、同大臣官房審議官中城吉郎君、同遺棄化学兵器処理担当室長岩谷滋雄君、同産業再生機構(仮称)設立準備室長江崎芳雄君、同政策統括官山本繁太郎君、同山本信一郎君、同男女共同参画局長坂東眞理子君、同沖縄振興局長武田宗高君、同国際平和協力本部事務局長小町恭士君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、総務省人事・恩給局長久山慎一君、同行政管理局長松田隆利君、法務大臣官房訟務総括審議官都築弘君、外務大臣官房審議官遠藤茂君、同参事官齋木昭隆君、同谷崎泰明君、文部科学大臣官房総括審議官玉井日出夫君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、同職業安定局次長三沢孝君、同社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君及び海上保安庁次長津野田元直君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川敏夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十四日に聴取いたしました国務大臣の所信に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。
 今日は、先日お伺いしました各閣僚の所信に関しまして御方針を承りたいと思いますが、質問の順序は大臣の御都合によりまして前後いたしますので、この点ひとつ御了承をいただきたいと思います。
 まず最初に、谷垣国家公安委員長にお伺いいたしたいと思います。
 ここ数年の犯罪統計を見ますると、重要犯罪が増加する一方で、逆に検挙率の方は年々下がっているという余りうれしくない統計がございますが、このままいきますと、日本が世界一安全な国だという伝統があるわけでございますが、この看板もどうも怪しくなるわけでございまして、どうしたらいいか誠にこれ悩ましい問題でございますけれども、責任者たる公安委員長として、最近の刑法犯罪の動向、傾向とこれに対する改善策等についてお伺いをいたしたいと思います。
#6
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、野沢先生御指摘のとおり、最近の治安情勢は、刑法犯の認知件数で申しますと、平成十四年二百八十五万四千件と、昭和期の平均が百四十万件でございましたから、昭和期の約二倍となって、しかも年々増加の傾向をたどっております。内容も、今御指摘のように、重要犯罪が増えている、あるいはひったくり等の街頭犯罪や家の中に侵入してくる強盗や窃盗という非常に体感治安を悪くするものが増えている、また、来日外国人等による組織犯罪も多発しているという極めて憂慮すべき状況にあると認識しております。
 また、御指摘のように、検挙率も、過去五年で見ますと、平成十年は三八%でありましたのが昨年は二〇・八%というところに落ちてきておりまして、こういう中で、犯罪の被害に遭うことなく安全、安心して暮らせる社会の実現は警察に課せられた最も重要な任務であると、こう考えております。
 そこで、対策でございますが、まず、警察だけでというわけに、では効果も上がりません。自動車盗難等の防止に関するプロジェクトチームを始めとして、官民一体による総合的な治安対策を推進していく、これが一つでございます。それから二番目には、先ほども申し上げました、最近急増しまして国民が身近に不安を感じている街頭犯罪あるいは侵入犯、これを抑止するための総合対策を推進するということでございます。三番目としましては、これも警察だけでというわけではなくて、犯罪防止に配慮した道路、公園、住宅等の環境設計を始め、犯罪被害に遭いにくい安全で安心な町づくりをしていく。例えば交番なんかでも、夜死角のあるような公園造りというものは避ける、こういうようなことがございます。
 それから、あとは入管、税関、海上保安庁等の連携による来日外国人犯罪総合対策を推進していくといった形で、国民や地域社会あるいは内外の関係機関と連携した取組を行っていくということでございます。
 それから、三年間で地方警察官を一万人増員するという計画を立てていただきまして、これを有効に利用して優秀な警察官の育成を図って、治安基盤の整備に努めまして、世界一安全な国日本というのをもう一回立て直してまいりたいと思っております。
#7
○野沢太三君 一生懸命取り組んでいただいていることはよく分かりますが、統計は厳然たる事実を指し示しておるわけでありますので、是非ともひとつ、これは民間の力、例えば警備会社等の活用あるいは監視カメラその他の設置、あるいは町の、先ほどお話のありました死角のない照明等のやっぱり徹底、様々あろうかと思います。特に大事なことは、増員されました警察官の皆様がすぐベテランになるわけではありませんから、教育訓練、それからやっぱり犯罪等に対する、特に新しい種類の犯罪に対する取組はしっかりひとつ対応を立てていただきたい、そしてみんなで安全な国づくりをというムードをやはり作ることが大事ではないかと思います。
 ただいまのお話の中にもありましたが、外人が来て悪いことをするというのがもう非常にどうも目立つわけでございます。統計的にも、やはり外人犯罪が増えており、しかも検挙率もまた下がっておるという傾向がございますが、今、政府の方では、来日外国人の数が五百万を超したということで、これを更に倍増させようというようなビジット・ジャパンというような計画もお立てになっておるわけでございますが、悪い人も一緒に来られちゃかなわないわけでありますが、この外国人犯罪に対する対策、対応についてはいかがお取り組みでございましょうか。
#8
○国務大臣(谷垣禎一君) 来日外国人犯罪は、昨年、検挙件数もあるいは人員も過去最多を記録したということでございます。それに加えまして、凶悪化、組織化、全国への拡散、こういった傾向が見られるなど憂慮すべき状況にございまして、治安対策上最重要課題の一つであります。
 このため、警察では、日本人相手の捜査と比べますと通訳などで非常に負担が大きいところがございますので、来日外国人捜査の効率化や円滑化を図るために、捜査、通訳あるいは留置等に係る体制の強化などに取り組んでおりますほか、先ほども申しましたが、入管あるいは海上保安庁、税関、こういった国内の関係機関との連携を強化するなどして、不法入国あるいは不法滞在者の積極的な取締りを図っております。
 さらに、このような犯罪の取締りに関しましては、外国捜査機関との連携ということが非常に重要でございますから、その協力関係を一層緊密にするなどしておりまして、今後とも総力を挙げた取組を展開してまいりたいと思っております。
#9
○野沢太三君 来日するいわゆる外国人の中でも、いわゆる札付きといいますか、向こうの国でも犯罪リストに載っているような人もいるんじゃないかと思われますが、そういった意味での情報の交換なり対策の共有なり、これはひとつ対応の方も国際化していただきたいと、これお願いでございます。
 それからもう一つ、今度大事な問題でございますが、交通安全について御担当でございますのでお伺いをいたしますが、おかげさまで、交通事故死が最悪期に比して半減をするというところまでようやくこぎ着けたわけでございますが、それでもまだ八千三百人レベルの大台があるわけでございますから、これを、先般、総理は談話の中で、更にこの十年で半減させようということを決意として表明されておられます。これは、しかしなかなか容易でない目標であろうかと思いますが、これを実現するためにはいかようなる施策をもって取り組むか、ひとつお答えいただければと思いますが。
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、最悪期の半分を達成したということは喜ばしいことでございますが、今なお八千人を超える方が毎年亡くなっている。更に半減を目指していこうということでございますが、大きく申し上げて二つあると思います。
 一つは、これも警察だけということではできませんで、国民運動を展開していくということだろうと思います。関係機関や団体が一丸となっていろいろな施策を推進していくと。それから、国民の方々も一人一人、交通事故という問題を自らの問題としてとらえていただくような国民運動を展開するということが必要だろうと思います。
 それから、警察において何をやるかということですが、これは今、第七次の交通安全基本計画というものがございますが、そこに定められていることを着実に展開していくと。もう少し具体的に申しますと、交通安全施設の整備充実、あるいは交通事故に直結する違反行為に重点を志向した交通指導、取締りの強化、あるいは運転免許の行政処分や更新時講習等の運転者教育の推進、それから幼児から高齢者までを対象とする交通安全教育の推進と。
 特に、今申し上げましたところで、半減した中で、いろんな数字は減っておりますけれども、高齢者の事故というものはこれはなかなか減っておりませんので、ここいらが対策の一つのかぎとなるかなと、こういうふうに思っておりますが、そういう総合的な対策を進めてまいるということでございます。
#11
○野沢太三君 いろいろこれをやったらいいだろうということがあるわけですね。最近では、例えば大型トラックにスピードリミッターを付けようというような話がありまして、これはもう実現の方向にありますが、それだけでも大体二割前後の数が減るんじゃないかという期待があるわけでございます。そのほか、やはり例えば昼間、ランプをつけて走ったらどうかという、こういうアイデアもあって、既に各地方で試み施行をしていただいているところもありますから、そういった実績もよく考えてやっていただいたらどうかと。
 それから、過日、私、自動車会議所の会長様の御講演を聞いたときに、自動車事故による死傷者をゼロにしようという、これは非常に高い目標なんですけれども、少なくとも決意としては、私は初めてメーカーの責任者からそういうお話を聞いたものですから、じゃ具体的にどういうおつもりですかと伺いましたところ、IT技術をフルに活用しまして、衝突とかあるいは接近とか、そういったことも含めて、何としても自動車起因による事故は減らしたいんだと、こういう御決意を伺ったわけであります。そういう意味で、これも一つまた官民挙げて死亡を減らすと。
 ドイツ辺りでは、例えばドクターヘリというのを活用して、とにかくお医者さんがもう現場へ飛ぶということが一般化しておりますが、日本ではまだこれも試み施行でありますから、ひとつ大いにこれも拡大して、とにかく命を救って次なるまた対応を考える。自賠責保険が一兆円近くも要るなんというのはこれは大変おかしなわけでございますので、是非ひとつ、この施策を施したところは保険料をまけてやるんだぐらいのインセンティブも付けてもいいんじゃないかと、私自身はいろいろそんなことを思っておりますが、ひとつ長官の更なるまた御努力と御指導、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それからもう一つ、長官の受持ち、大変幅が広いわけでございますが、産業再生機構につきまして御担当でございますので、これについてひとつお伺いをいたしたいと思います。
 昨日、たしか衆議院を通過した三法がございますですが、これも早く私ども、先ほど衆議院を通過したんですが、早く参議院もこれ通しまして、何しろこれスピードが大事でありまして、本来なら、始めから銀行と併せて一般産業の再建ということもやらなきゃいけなかったんじゃないかと、こう思うんですけれども、この大体のスケジュールはどうなっているのか。それから、やはり一番課題は、抱えております不良債権を買い取る際のやはり買取り価格が一番これ決め手になってくるかと思いますが、これまでのところ、整理回収機構で受け持っておられました額が千八百億しか行っていない、けたが一つ、二つ違うんじゃないかと。今回は十兆円ほどの枠を用意しておられるということでありますから、多少その点は明るいんですが、買取り価格がやっぱりおかしいと、なかなかこれは実は動かないと思います。
 この辺について、スケジュールとそれから中身の問題、併せてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
#12
○国務大臣(谷垣禎一君) 産業再生機構法と、それから産業再生法、これは昨日衆議院の委員会で採決していただきまして、今日昼の衆議院本会議で衆議院として採決していただく予定になっておりますが、委員御指摘のとおり、スピード感が大事でございます。ほっておきますと劣化している債権がますます腐っていくということがございますので、一日も早く業務を開始できるよう、参議院でもよろしくまた御審議をお願いしたいと思っております。
 そこで、会社の業務を開始するまでには、法案を通していただきましても登記から始まりましてオフィスの設営準備とか人員の確保など、いろんな手続がございますので、法案を通していただいた後、最低一か月程度の立ち上がりまでの時間が要るかなと思っております。そこから各いろいろな企業や金融機関から御相談を具体的にいただいて対応してまいりますと、いわゆるデューデリジェンスや再生計画の調整などにまあ二、三か月は必要なのかなと、こんなふうに思っております。
 これまでも、準備室としては金融機関の機構に対する理解が浸透して、立ち上がった後、円滑に業務が進むようにQアンドAを発表させていただいたり、地銀や信金まで含めた金融機関への説明会あるいは生保、損保等へも説明会を行うなど対応してきたわけでありますが、今後も法案を早期に可決、成立していただくようお願いいたしますとともに、準備室としても事務的に可能な限り迅速に再生機構の立ち上げを行って、スピード感を持った対応に努めてまいりたいと思っております。
 それから、大事なのは買取り価格だという御指摘がございまして、これにつきましては法案で適正な時価を超えないものとすると、こういうふうにしております。この意味は、この債権が、債権の価値というのは結局その債務を負っている企業の価値ということにもなるわけですが、これを再生計画を立てて、その出口で自立していくときに大体どれぐらいの価値を持ったものになるかという出口を踏まえ、市場という出口を踏まえた上で設定するものでございます。具体的には、市場関係者の評価手法と同じように、再生計画における事業の収益見込みを前提としまして、事業価値や債権の回収可能性などを考慮して算定することになるわけでございます。それで、こういうことを前提にしていれば基本的には二次損失の生ずるリスクは最小限に抑えることが可能かなと考えております。
 また、出口を踏まえた買取り価格を設定することで、機構が高値で債権を買い取るということがなくなって、不良債権の塩漬け、企業の安易な延命といった懸念を払拭することができると、こういうことでございます。これは、同時に早期の事業再生の促進とか企業統合、分割といった経営資源の再配分の円滑化につながりまして、民間のニーズにこたえるということになるものと考えます。
 それで、委員の今の御質問を伺いますと、なかなか進まないようでも困るぞというニュアンスもあったように思います。我々は、この価額を決めますときに、もちろんストライクゾーンの中に投げなきゃいけないわけですが、やっぱり手を出したくなるようなコーナーを突くというようなことも、いろいろどうしたらいいのかなというようなことも考えているわけでございます。
#13
○野沢太三君 産業再生機構ですから、つぶすために作るというよりも、助けられる企業はやはり助けていくということがやっぱり第一の義でなければならぬと思うんですが、前に塩川大臣でしたか、閻魔大王のような社長さんをというようなお話もありましたが、既に御内定いただいているようですけれども、そういったことで、助けられる企業は助けると。随分国費を突っ込んだ会社が、二束三文で外資に買いたたかれているような実態では、お先がどうも余り明るくないわけでありますから、この再生機構の本来の趣旨を生かした活用方、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 谷垣大臣、どうぞ御用件あるようですからお引き取りください。
#14
○国務大臣(谷垣禎一君) ありがとうございます。
#15
○野沢太三君 それでは始めに戻りまして、お忙しいところを福田長官にお越しをいただきまして、ありがとうございました。
 イラクに対する最終の猶予の時間が既に過ぎておるわけでございますけれども、これからどんな事態が起こりますか、大変緊迫した世界情勢であり、また日本としてもこれに対して適切な対応を取らなければならぬわけでございます。
 既に、アメリカの軍事行動、一連の行動に対しては、小泉総理始め政府としての支持を表明されておるわけでございますけれども、日本としてそれでは何ができるのか、何はできないのか、やれることについての、現行法規の中でできることとできないこと、いろいろあろうかと思います。その意味で、現時点で、これ、お答えできる範囲で結構でございますが、やはり日本としても応分のこれは支援、協力が必要ではないかと私も思うものですから、その点につきましてよろしくお願いしたいと思います。
 今うわさされておりますところでは、やはり難民が出たらそれを何とか助けようということ、さらには多国籍軍の後方支援はできるのではないかということも言われておりますし、それから、戦いが終わった後の復興については日本のこれは出番かなということも言われておるわけでございますけれども、過去のPKOの方では、一方の当事者がいないということもあって適用が難しいという話も伺っておるわけでございますが、このイラクに対する日本の貢献といいますか、協力はどのような形を考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(福田康夫君) 四十八時間後にということで、もう過ぎてしまいました。十時が猶予期間であると。この後は、ブッシュ大統領が、若しくは米国が選択する時間に軍事活動を開始すると、こういうことでございます。その実際に軍事活動はいつになるか、これは分かりません。今の状況において私どもは情報を入手しておりませんが、そういうことになる可能性が極めて強いように思っておる、残念ながらそういうような状況にあろうかと思っております。
 今御質問のことでございますが、仮に軍事行動が開始されると、そういう場合には、国際社会の責任ある一員としてどのような役割を主体的に果たすかということではないかと思っております。
 そういうような観点から、我が国にとりまして極めて重要なこの地域の安定を確保する、平和と安定を確保すると、そういうような観点から、例えば難民支援とか周辺国支援、そういうものを含めましたあらゆる選択肢を念頭に置いて現在種々検討を行っております。
 もちろん、戦闘行為がどのように推移し、またどの程度継続するか、どのような形で終結するかとかいったような、いろんなことが考えられるわけでございますので、今具体的にこれこれというようなことを申し上げるべきかどうか、いろいろなケースを想定はいたしておりますけれども、今具体的に申し上げる段階ではないのではないかと、こんなふうに思っております。
 また、このことについて新法を作るかどうかと、こういうこともございます。このことも、ただいま申し上げましたように、軍事活動と申しますか、武力攻撃がどういうふうな形になるのか、どういうふうな状況で推移するかといったようなことも併せ考えなければいけないということでございますので、今の時点において確たることを申し上げられないと、こういう状況にございます。
 いずれにしましても、我が国が主体的に国際社会の一員としてしかるべき活動をしなければいけないだろうと、こういうようには考えております。
#17
○野沢太三君 イラク攻撃に対する米国、米軍の支持という判断をなさった一番の根拠といいますか必要性は、やっぱり日米同盟という大きなきずながあるわけでありますが、あわせて北朝鮮の存在というのも無視できない。やはり北朝鮮が何をやらかすか分からないという状態の中で、我が国は独自でこれに対応できないという中では、どうしてもやはり米国の力に依存せねばならない。
 こういう状況があるわけでございますけれども、小泉総理がせっかく昨年行かれまして、ピョンヤンでとにかく宣言を共同して作ってこられたわけでございますけれども、どうもこれまでの北朝鮮の動きを見ていますと、米朝で交わされました枠組み合意、もう、九四年以来のこの約束に反して核開発をやっておったと、これを認めているわけですね。しかも、停止していた原発を再稼働させまして、ぎりぎり瀬戸際の政策を次から次へ打ち出していると。最近ではミサイルを発射するというような話もあるわけでありまして、これをどうやって止めていくのか、日本としてこれをどう抑止することができるのか。外交交渉といっても国交がない中での話になるわけでございます。
 こういった北朝鮮に対する核抑止をどうするか、あわせて、ミサイルが飛んできたときにじゃ日本はどう対応するのかと。そしてその中で、拉致問題について、五人の皆様の家族がまだ向こうに残っておるということ、さらにはまだ何十名という方が拉致されているのではないかという疑惑もあるわけでありますが、これに対するお取組など、もろもろ北朝鮮の問題につきましてどんなお取り組みをしていらっしゃるのか、御説明いただければ有り難いと思います。
#18
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ御質問いただきましたけれども、まず北朝鮮に対して、最近いろいろな動きがありまして、我が国としても大変憂慮しておるところでございますけれども、政府としては、北朝鮮の核兵器開発は、これは絶対に阻止しなければならないと、こういうふうに考えております。
 五メガワットの黒鉛減速炉の再稼働を始めとして、この核問題をめぐる北朝鮮の一連の行動、これは本当に憂慮すべきことであり、我が国といたしましても、事態がこれ以上悪化しないように、そして北朝鮮が問題の平和的解決、これに向けて前向きな対応を取るように外交努力を行ってきておるところでございます。
 そういうような外交努力の中身を申し上げれば、米韓両国を始めとする関係国との緊密な協力、そしてまたIAEAや国連安保理等の多国間の場における取組、そして北朝鮮への独自の働き掛け、こういうことを多面的に行っていると、こういうことでございます。
 このうち、北朝鮮への働き掛けについては、現在も維持しておりますチャンネルにおいて、ミサイルの発射を含め、問題をエスカレートさせることは北朝鮮自身の利益にならないこと、また米国を始め国際社会は北朝鮮を侵略する意図を有していないこと、問題の平和的解決のためには、まずは北朝鮮が前向きな対応を取ることが必要であるということを累次にわたり伝達をしておるところでございます。
 また、ミサイルの発射の問題も御指摘になりましたけれども、弾道ミサイルの脅威は我が国の安全保障上、もう本当に重大問題であるという認識は委員もお持ちであろうと思います。当然のことでございます。しかしながら、弾道ミサイル攻撃の脅威に対しましては、これはもう簡単に申し上げれば日米安保、日米防衛協力のためのガイドラインにも示されているとおり、米軍に多くを依存せざるを得ないと、こういう状況にあります。
 では、今後どうするかということになりますけれども、今後とも日米安保体制の信頼性の向上に努めるとともに、我が国自体としても、専守防衛の範囲内で飛来する弾道ミサイルを迎撃できるような弾道ミサイル防衛システムについて日米共同技術研究を行うなど、必要な検討を行っていかなければいけない、またそういう事態に対処できるように我が国自身としても努力をしていかなければいけない、そういうことではなかろうかと思います。
 いずれにしても、北朝鮮との関係においては、これは平壌宣言もございますことでございますから、この宣言の趣旨を生かすように北朝鮮にも働き掛け、そして、この地域の平和と安定を確保するために大いに外交活動を続けていかなければいけない、そのようにも思っており、そのための努力も行っているところでございます。
#19
○野沢太三君 北朝鮮のような国、我々のちょっと常識を超える考えがよく出てくるわけでございますが、それに一々私どもが過敏に反応することはある程度控えなければいかぬだろうと思いますけれども、全くこれに無関心というのもこれまたおかしいわけでありまして、例えば、私どもの党内では、送金を停止するというような措置を取ったらどうかとか、あるいは新潟に入っております万景峰号ですか、この船を出入りを止めるのもどうかとか、様々な議論は出ておるわけでございまして、やはり適切に対応しながら、何としても常識的な国際社会の付き合いができる国に脱皮してもらいたい。
 そして、イラクのような軍事的な解決ということではなしに、何としても外交のルートを通しての結果が出てくるよう、ひとつ粘り強くやるしかないかなと、私どもそう考えておりますが、ひとつ政府側におかれましても、その辺の対応を一層のひとつ御配慮の下、進めていただくようお願いをいたしたいと思います。
 それでは、次の問題に入りたいと思いますが、先般、中央防災会議におきまして、東海地震がもし来たらどうなるかと、こういった想定のシミュレーションをやっていただいたわけでございますが、最悪の場合、冬の朝五時、死者一万人に達するのではないかと。主な内容は、津波、火災、がけ崩れ等で二千人くらい、家屋倒壊が二十三万棟、八千百人というような大変恐ろしい数字が出ているわけでございます。
 これに対してどう取り組んでいくかと。予知予測ができるとこれが激減するということですが、現在の予知技術の水準から見ますと、必ずしも予知は当たらないんじゃないか、できないんじゃないかというまた学者もおりますし、事実、それも考えておかなければならないことかと思います。
 その意味で、この対応策をどのように考えているのか、そしてまた、これからの地震に対する取組は、東海のみならず、東南海あるいは南海というところまで連動していくとも言われておるわけでございます。政府委員の方から、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
#20
○政府参考人(山本繁太郎君) 東海地震に代表されます海洋型の巨大地震の発生のメカニズムにつきまして、その知識は、観測技術とか、その基礎になります探査技術等が日進月歩で進んでおりますために、大変な勢いでいろんな知識が明らかになっております。今般、中央防災会議で専門調査会を設けて検討を進めております一番のねらいは、必ず近い将来発生する東海地震でありますので、そういう最新の知見を踏まえて、これに対する備えを万全にしていきたいという考えに基づくものでございます。
 このために、昨年の四月には新しい震源域を想定をいたしまして、地震防災対策の強化地域を見直しました。御質問の中にありましたように、一昨日、専門調査会で東海地震の被害想定の全体の姿が明らかになりましたので、中央防災会議に報告をいたしたところでございます。これによって東海地震の全体像が明らかになりましたので、これから更に専門調査会におきましては様々な必要な地震防災対策を詰めていくわけでございますが、項目としては二点でございます。
 必ず近い将来発生することが見込まれるわけでございますので、特に急いで対策を講じなきゃいかぬ事柄はどういう事柄なのかということが一点、それから、かなり広域に被害がわたるわけでございますので、広域の防災体制はどうあったらいいのかといったようなことを専門調査会で御審議をいただきまして、まとまり次第、東海地震対策に関する大綱といったような形で中央防災会議において取りまとめていただこうと考えております。
#21
○野沢太三君 もう二十年くらい前になりますけれども、国土庁で、たしか首都圏でもし直下型の地震が起こったらどうなるかと。ところが、それが大変厳しい数字が出て、死者十万人というような数字が出た中で、対応策が的確に見当たらないということでお蔵入りした経緯があるんですね、表に出ていないんです。今回はこれは発表してもらっただけまだいい方でして、ただ、この数字は容易ならざる事態でありますから、正に全知全能を尽くして取り組んでいただきたい。
 目下、非常に効果的だというのは早期検知ですね。ナウキャストとかあるいはユレダスとか、そういうシステムが既に実用化しておりますが、一秒でも二秒でも早く検知して、重要なガスなどの停止をするとか、それから家屋倒壊というようなことに対する耐震補強のやり方もノウハウ、設計がもうはっきり出てきているわけでございますから、これをどんどん事前に適用する、これが大事だと思っております。是非、その意味での事前の防災ですね、早期の検知、事前防災、これを徹底していただきたいと、これは御要望申し上げておきます。
 それから、もう一つ大事な内閣の施策として、今年度予算の重点の柱にもなっておりますけれども、都市再生緊急事業というのがございます。稚内から石垣までと、はるか沖縄の先までお話がございますけれども、なかなかこれは、なるほどいいことは分かりますが、具体的にこれを誘導しようとすると、なかなか立ち上がってこない。大変、実は私も自民党の都市政策調査会の事務局長をして、いろいろと議論をしておりますが、難しい課題でございますが、これに対する効果的な誘導策は何かないかと。
 また同時に、昨今出てまいりましたPFIの手法によって、民間の資金で、民間の力で物を造ったり公共のサービスを肩代わりして進めていただく、これも効果的ではないかと思いますので、この都市再生事業に関するお取組についてお話をいただきたいと思います。
#22
○政府参考人(和泉洋人君) お答え申し上げます。
 民間による創意工夫を生かしました都市再生事業を推進するために、昨年六月に施行しました都市再生特別措置法に基づきまして、規制緩和や金融支援措置を集中的に実施する都市再生緊急整備地域を、六月の施行以降、七月と十月の二次に分けまして全国四十四か所で指定したところでございます。さらに、平成十四年度の補正でおきまして都市再生ファンドを予算化しまして金融支援措置を充実するとともに、平成十五年度の税制改正案におきまして税制支援措置の創設等の審議をお願いしたところでございます。
 また、先生御指摘のように、大都市のみならず、地方における都市再生に着目しまして、稚内から石垣までを合い言葉に、全国都市再生のための緊急措置を実施中でございます。
 具体的には、全国の公共団体から寄せられました都市再生の提案に対しまして、例えば、安全で安心な町づくりとか、あるいは歴史、文化を生かした町づくり等の具体的なテーマを定めまして、関係省庁等から成る体制を作り、制度的な課題を検討しているところでございます。平成十六年度の予算要求等の制度要求を通じまして、これらの課題を解決してまいりたいと考えております。
 また、御指摘のPFIでございますが、これは都市再生プロジェクトとしましても、文部科学省等の官庁施設や国家公務員宿舎などの建て替えを決定しておりまして、文部科学省等の建て替えにつきましては既に事業者選定手続に入っているなど、着実にPFI事業を都市再生の観点からも推進しているところでございます。
 今後とも、関係省庁と連絡を取りつつ、都市再生のためのPFI手法の積極的活用に努めてまいりたいと考えてございます。
#23
○野沢太三君 イギリス辺りではサッチャーの政権のころから、もう十年ほど前になりますけれども、このPFIによる公共事業あるいは公共サービスを徹底しまして、現在のところ、これはブレア政権もこれを継承しておりまして、約一五%くらいがPFI手法であると、こういうこともございますので、日本もひとつそれを目指して、財政の方はどんどん切り込まれてきますが、これを民間資金で置き換えれば十分それを補って余りあるという可能性を持っているわけでございます。税制であるとかあるいは契約の仕方をもうちょっと工夫するとまだまだ伸びるというふうに考えておるわけであります。
 ちょっと質問の順序が変わってまいりますけれども、次に石原大臣に一つお伺いをいたしたいと思いますが、ただいま公務員制度改革について御議論いただいておると思います。私ども党内でもこれについては力こぶを入れまして取り組んでおりまして、新しい時代を担う公務員の在り方について抜本的な体制をしようと、こういうことでやっておるわけでございます。
 明治以来の日本のやはり建国の歴史あるいは近代化の歴史を考えますと、やはり有能な公務員の方々の存在というのがある意味で日本を作ってきたと言っても過言ではない。私自身も実はその一角にいたということもあって、多少えこひいきもあるかもしれませんが、何としても、やはり公務員になるということが有能な人材の集まる一番の登竜門だという、そういうことは今後ともひとつ是非これは大きな大道を門として残しておいていただきたいし、そういうことでないと優秀な人はもう寄り付かないというような制度にしてしまっては意味がないわけであります。
 あわせまして、もう五十そこそこでもう辞めて次のところに行かなきゃいかぬというような今のやり方では、どうも腰が落ち着かない。天下り問題もそういうことで付いて回ってくる。天下りをだれが決めるかなんということを議論しているようではむしろこれはおかしいんでございまして、有能な人が生涯、そこで勤められるようなシステムも考えなきゃいかぬじゃないか。ピラミッドというよりも台形型のもう人事構成も考える、これが必要じゃないかと思っております。
 それから、官から民へ一遍出る、また民から官へ戻ってくると、こういうこともあってもいいじゃないか。そのことによって適切な官民交流と公務員制度の健全性というものがはぐくまれるんじゃないかと思っております。
 それから、もう一つおまけでございますが、昨今の公務員倫理法ということで、先輩と一緒に飯食ったらいかぬとか、あるいは民間の人と一緒に食事もいかぬとか付き合いもいかぬとか、誠に窮屈になっておりまして、情報収集とかあるいはノウハウの会得であるとか、古きをたずねて新しきを知ると、そういったことが遮断されてしまっている。誠に萎縮していると言ってもいいようなことがあります。
 確かに、この倫理法のできた経緯から考えますと、この運用は適切にやらなきゃいかぬかと思いますが、余りにもちょっと今行き過ぎではないかとも思われる面がございますが、この辺の一連の問題についての大臣の所感をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま野沢委員の方から、公務員制度改革に当たりまして五十歳ぐらいで早期に辞めてしまうといったような問題、またピラミッド型になっているこの人事体制を台形型にすべきだというような御指摘、また官民との人材交流を促進すべきとの御意見、そして公務員倫理法についての弊害等々、公務員制度改革につきまして多岐にわたる御意見をちょうだいしたと思っております。
 委員もう既に御承知のことだと思いますが、今回の改革は半世紀ぶりに公務員制度を見直しまして、公務員の皆様方の意識やあるいは行動原理を改めることで行政の在り方自体を改革しようとするものでございまして、委員御指摘のとおり、公務員を目指す方々は当然、国であるならばこの国のマネジメント、国家国民に奉仕するという原点、あるいは地方公務員であれば自分の地元等々を良くしていこうという意欲、こういうものを引き出すような改革でなければならないと考え、政府全体で取り組んでいる最中でございます。
 まず、委員御指摘の官民の人材交流についてでございますけれども、行政の硬直性や閉鎖性を打破し、国民の皆さんの求める質の高い行政を実現するために、私も委員の御指摘のとおり積極的に推進すべきものであると考えておりますし、これまで交流の大きな阻害要因でございました民間企業を退職しないと実は公務員として採用できない、この現行の制度というものは取扱いを改めることといたしまして、今国会に所要の法律案を提出すべく今鋭意検討中でございます。
 また、委員が冒頭に御指摘されました五十歳ぐらいで辞めてしまう早期勧奨退職、これは天下りの大きな原因の一つに指摘されているところでございますけれども、昨年、総理からの指示をいただきまして、政府として是正の基本方針を取りまとめました。これは今年度から五年間掛けまして、現在五十四歳を五十七歳程度まで退職年齢を引き上げていく。もちろんそれで終わりではなくて、委員御指摘のとおり、本来の退職でございます年齢でございます六十歳を目指していくということは当然やらなければならないと考えております。これに併せまして、委員御指摘の年次主義やピラミッド型の人事構成を見直すため、今般の改革では、能力等級制の導入を図り、適材適所の人事配置を実現してまいりたいと考えております。
 また、最後でございますけれども、公務員倫理法、ただいま委員の御指摘のとおり、公務員の不祥事の続発に対する国民の皆様方からの厳しい批判にこたえて議員立法で制定されたという経緯がございますけれども、委員が御指摘のとおり、先輩と御飯が食べれない、あるいは同窓会にも出席できない、さらには民間の方々から現場で意見を聞くことができないという、公務員の皆様方の過度の萎縮を招いているという指摘もございますので、議論がこれから、議員立法でございますので、様々な場で取り上げられて、あしき部分は是正されていくことが望ましい方向であると考えております。
 いずれにいたしましても、新たな制度の構築に全力を傾けてまいりたいと考えております。
#25
○野沢太三君 もう一問、石原大臣にお願いしたいんですが、この総合規制改革会議で規制改革の推進に関する第二次答申が昨年の暮れに出ておりますが、さらに、その中からアクションプランとして十二の重点検討項目、これが提案されて、大変実は面白いんですけれども、さあなかなか大変だなという感じですが、毎年出しております規制改革推進三か年計画にこれをどの程度盛り込めるのか、そしてまた実現できそうなのか。もしできないとしたら、それこそ地域を限って、鴻池大臣の方で今進めておられます特区でまずやってみるというのも一つあるんじゃないかと思いますが、この辺のお考えいかがでしょうか。
#26
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま野沢委員から御指摘のございましたアクションプランでございますけれども、これは規制改革推進のためのアクションプランということで総合規制改革会議の中で取り上げられているわけでございますけれども、官製市場あるいは都市再生、労働市場などの分野における十二の重要事項を重点検討事項と位置付けまして、今年の三月からこのための検討に着手したところでございます。ワーキンググループを作りまして、今各省庁とヒアリングあるいは公開討論を行っているところでございます。
 検討の成果というものは、本年の六月を目途にまとめる答申に盛り込むこととしておりまして、現時点においてはこれを、今、委員御指摘のように、この年度末に改定いたします三か年計画の中に盛り込むということは想定しておりません。
 また、委員が御指摘されました鴻池大臣を中心にかなりの成果を出し、この四月には特区の第一号が出るという構造改革特区の実現という方法、これは大変委員の御指摘のとおり方法としてはすばらしい方法だと考えておりまして、構造改革特区推進本部とも一層の連帯強化を図りながら特区での実施を含めその実現に向け全力を尽くしてまいりたいと考えております。もう既に幼保の一元化の一部につきまして特区で実施するということも決まっております。
 以上でございます。
#27
○野沢太三君 そこで鴻池大臣、お待たせいたしました。
 一次、二次を含めて何百という多数の提案が既に地方、民間から出てきているわけでございますが、大臣におかれましては、就任以来大変意欲的な取組をなさって、新しいルールを切り開いていただいておりますけれども、特区の実現に当たりまして障害となった問題点、例えば株式会社が参入するという点で、教育、医療、農業等についても相当御苦労いただいたと思いますが、その辺の御感想並びに今後のまた決意を含めてお話しいただければ有り難いと思います。
#28
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま石原大臣、御答弁がございましたように、石原大臣の方は本家でありまして、私どもは分家でございますが、分家の方が切り込みをやると、こういう任に当たっていると私は承知をしながら進めてまいりましたが、いろんな規制の歴史あるいは様々な理由によって省庁にとっては非常に難しい問題であるというのがたくさんございました。
 しかし、大方の御理解をいただきながら、規制改革というか、ただいまの石原大臣のお話もございました官から民への、官製市場を民で頑張ってやってみようということ、特区に限って先行的にやってみようということの御理解が徐々にちょうだいができまして、象徴的なのは農業の分野に株式会社が参入、あるいは医療の分野に株式会社が参入、あるいは教育の分野にNPOや株式会社が参入、こういったところの問題でございましたが、最終的には総理のリーダーシップによりまして、各大臣の御理解によりましてこれが進んだということでございます。
 今後とも、いろんな分野で各民からあるいは地方からアイデアをちょうだいをして、いわゆる規制改革の一つずつの突破口にして、良きものであれば全国に飛び火していく、広がっていくということを期待しながら努力を重ねていくつもりであります。
 また、四月の中旬には特区第一号が誕生をいたします。これによって、また国民の多くの皆様方から御理解をいただきながら、閉塞感ある日本列島に一か所ずつ明るいものが生まれてくることを期待しながら、今後も頑張ってまいるところであります。
#29
○野沢太三君 あと二分だけあります。
 第二次提案を見ると、民間からの提案が相当増えております。やはりこれからの行き方としては、民間の活力、民間のアイデア、これをできるだけ育てることが特区を成功させる一つのかぎになるんじゃないかと思いますが、あわせて、それを育てていっていただく、言わば大臣始めとする国の方の意欲、リーダーシップ、これもまた大事であろうかと思っております。
 どうか、その意味で、民間をどうこれから育成するかという点での御決意を含めて、お願いしたいと思います。
#30
○国務大臣(鴻池祥肇君) 正に野沢先生御指摘の部分が大変大事なところだろうと思います。
 歴代総理が、官から民へ、中央から地方へと、こういう掛け声がございましたけれども、この小泉内閣におきまして、特区という先行的な事例を引きながら、できるだけ民の活力というものを引き出すその努力をしなければならないという決意であります。
#31
○野沢太三君 お呼びして質問できなかった方もございますけれども、また別な機会にいたしまして、これで終わります。
#32
○岡崎トミ子君 岡崎トミ子でございます。
 もう、こうしているさなかにもイラクの武力攻撃が始まるのではないか、切迫した状況になっているわけですけれども、この午前十時以降、いつでもその武力行使が始まるのではないか、大変不安な状況でこの質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今、イラクの人たちはどんな思いでいるか。私は、これまでにも、戦争や紛争やあるいは内戦、そういったところでどんな状況にあるのか、殊に女性や子供たちの状況がどんなことになっているのか、モザンビークやヨルダンあるいはカンボジア、アフガニスタン、東チモール、そういう国々を訪ねて、本当に子供たちや女性たちが大変な思いで生活をされた、その状況を過ごしてきたということを聞いてまいりました。
 今回のアメリカの武力攻撃、日本が支持ということを表明しましたけれども、これは国民の意思ではありません。七〇%以上がそのことを反対している。そして、小泉総理は日本の対応についてずっとあいまいな態度を取ってきたというふうに思っております。
 三月十三日に民主党の菅直人代表が総理にお目に掛かったときにも、やはりその時点になって考える、米英の国連決議案は支持してきたときも、支持してきたということを表明したのは、状況を見るというふうに言ってきたので、どんなふうになるのかなと思っていたらば、突然にやはりアメリカをずっと支持していたと、こういう表現になったわけなんです。
 そして、この最後通告、演説と同時に支持表明ということで私も大変に驚いたわけですけれども、多くの人たちがこの戦争にひた走る米国に対して諾々とした日本外交を大変残念に思っていると思います。
 そして、いかなる場合でも武力行使は避けるべきだったと考えておりますが、国際社会でも武力行使は最後の手段ということが共通の認識になりつつあると思います。
 このイラク攻撃が行われた場合の人的な被害でありますけれども、国連の内部文書あるいはイギリスの医療従事者団体の予測として、戦後の混乱の悪影響も含めて数十万人もの人たちが殺される、死者が出るというふうに、出るおそれがあるというふうに言われているわけです。
 ところで、これまでの国会の中でも、昨日の党首討論の中でもこの表現はありましたけれども、改めて官房長官にお答えをいただきたいというふうに思っておりますのは、どのような基準で米国支持を決めたのか、どのような目的を持っている武力行使であるとお考えなのか、この武力行使は、その目的達成のために行う武力行使というのは唯一最善の手段であるというふうに考えているのか、人的被害についてどのように認識しているのか、多くの死者が出るということを分かっていてなお支持すべき決断というふうに判断していいのか、お伺いしたいと思います。
#33
○国務大臣(福田康夫君) 昨日でしたか、党首討論で総理からも明確に御党の党首に申し上げたことですけれども、もう一回私から申し上げますけれども、今般、総理が米国の立場を支持するという、こういう表明をしたことでございますけれども、これは、ブッシュ大統領が重大な決断をしたわけですね。国際協調を目指して様々な努力を払った上での本当にやむを得ない苦渋の決断であったと、こういう認識をしておりまして、そういう認識に基づいて小泉総理がこの支持を表明したわけでございます。
 その支持を表明したのは、我が国としては、イラクをめぐる問題の根本でございます大量破壊兵器の問題、これは、この問題に対して、同盟国である米国とともに毅然たる態度を示す、姿勢を示すということが今最も重要であると、こういう判断をしたからでございます。
 すなわち、グローバルな広がりを見せます大量破壊兵器の問題が、冷戦後の世界の極めて深刻な問題になっているということ、そしてまたイラク問題への国際社会の対応を誤っては、他の懸念国やテロリストの大量破壊兵器開発の保有の意図を助長したり、ひいては我が国を取り巻く北東アジア情勢にも影響を与えかねないということ、そしてまた我が国外交の安全保障の基軸となってきた日米同盟の重要性を考慮して、そしてその上で我が国として最善の決断を行ったと、こういうふうに考えております。
 また、このような我が国の立場とその理由については、国会での議論なども通じまして国民に説明をしてまいりますが、今後とも様々な機会をとらえて理解を求めていきたいと思っております。
 たくさんの人が死ぬとか、それはどうなのかという御質問でございますけれども、これは正にイラク自身が、そしてフセイン自身が考えるべきことじゃないでしょうか。これは、じゃそういうことをしないで、こういう措置をしないで放置するということが、これが将来、それは何十万、何百万、何千万という、そういう人に対する危害ということも考えられるわけでありますから、そういうものを今除去したい、そういう脅威を除去したいということは、これが一番大事なところだろうと思います。
 その上で今回の決断をしたわけでございますけれども、正に批判は米国じゃなくてイラクに向けるべきものではないかというのが我々の考え方であります。
#34
○岡崎トミ子君 しかし、だから国連に結集して国連で知恵を出していこうというふうにしてきたわけで、査察というのは継続中だったんじゃないですか。この査察にあと数か月掛かるとブリクス委員長は言って、十七日に新しい計画、作業計画を提出をしているわけですね。この作業計画は国連決議の中での、安保理決議の中の一二八四の承認に基づくもので、それを、次に新たな決議が出されるまではこれを続けていくというのが、これがルールですよ。これが国連の中に結集した人たちのやるべきことだったと思います。安保理がこれを出したわけですから、安保理がこれを取り下げると言うまではやっぱりこれを継続するというのが当たり前のことだというふうに思うんですね。
 この日も現地では査察チームが活動を行いまして、アルサムード2ミサイル二基を廃棄した、その監視を行っておりますし、これまでに七十二基廃棄をしたということで、一方、具体的な危機が差し迫っているという状況ではなかったというふうに思います。
 国際ルールにのっとって査察活動が継続されて、少しずつ成果を上げつつあった。このときに武力行使をするということで、たくさんの人の血が流れるとそれで私は言ったわけなんですけれども、あと数か月待つことができなかったのか、なぜそこで急に決断をするのか。そんなことはアメリカの非常に傲慢な強引なやり方だというふうに思っております。
 IAEAもやはり作業計画書を提出して、ここもやる気があった、仕事中だったんですよ、それを切ったわけなんです。なぜ待てなかったんですか。
#35
○国務大臣(福田康夫君) 待てない待てないって、じゃ一体いつまで待つんですか。
 フランスが百二十日という提案をしましたけれども、じゃ、そのフランスはその間に一体何をするのか、一体どういう方法でやるか、そういうことを言っていますか、フランスは。具体的に言っていないでしょう。ただ百二十日間やればいい。そんなことでフセイン大統領が、これがイラクが大量破壊兵器を放棄するということは、過去十数年間の経験に照らしてあり得ないことです。あれだけ米軍が軍隊をあそこに集結、そして今、攻撃するぞ、もう最後だぞと、こういうふうに威圧をしながら、ようやく最近になっていろいろと大量破壊兵器の部分、部分を出してきたんですよ。今でも、いまだに分からないものはたくさんあるんです。言いましょうか。
 例えばスカッドミサイル、これはなお十四基検証できず。SA2ミサイル、これは三百キロ、五百キロのミサイルに改良する計画あり。スカッド用の弾頭、申告数が何度も変わっており、信頼性に疑問がある。R400爆弾、これは三百から三百五十個の行方が分かっていない。それから、化学兵器ですけれども、タブン、タブンというのはこれは毒ガスですけれども、三十トンを廃棄したと申告したが残っている可能性あり。サリンもあるかもしれぬ。マスタードガスも千トンが行方不明。VXガス、これは破壊量、これは破壊をしたというんですが、破壊量については検証ができていない。炭疽菌、約一万リットルの炭疽菌が廃棄されずまだ残っていると推察できる。ボツリヌス菌、これは一万九千リットルを製造したと申告したが、それ以上の量が生産された可能性がある。ボツリヌス菌というのは、これは一グラムでもって何万人殺せるというぐらいの猛毒なんですね。サリンどころじゃないんですよ。そういうものもある。これは、そういうようなことが、これはUNMOVICでもって言われているわけでございます。
 そういうものを、ただ単に延期しただけで、査察期間を延期しただけで解決できるかどうか。もう数十年間待っているわけですよ、そういうことを含めて。そしてフランスは、延期をしたというけれども、じゃ、その間にどういう査察をするのか。具体的な方法、例えば軍隊はどうするのか。米軍に二十万人いてほしいということを言っているのかどうか。そういうことは言っていないということは極めて具体性に欠ける、そういう提案だったと。本当に解決する気持ちがあったのかどうか、そういうことも疑われかねないというふうに私は思っております。
#36
○岡崎トミ子君 だから、だから国際的なルールをしっかり作ってやるのが、二十世紀のやり方ではなく、二十一世紀のやり方なんだというふうに思うんです。国際的に決めた、その努力を途中でやめさせる。教育上もよろしくないですよ。
 今回問われていたのは、今後、世界の平和、安定をどのように守っていくべきかということを決めなきゃいけない。だから、超大国の力に頼って、力でこういうふうにねじ伏せていくのか。世界じゅうが火の海になっちゃいますよ。すべて危ういというものについて、もし力で制していくということであれば、この手法がまかり通っていくのであれば、そういうふうになってしまいます。
 ですから、国際的なルールに基づいてきちんと国連中心主義でやるべきだというふうに思っているわけなんですが、今回、この国連決議なしの先制攻撃を認めるということは、日本が長いこと守ってきた国連中心主義、あるいはまた国際問題を平和的な手段で解決しようという平和主義、つまり国連主義と平和主義、これをもう捨てたんですか。
#37
○国務大臣(福田康夫君) 御質問で捨てたのかどうかと、私はちっとも捨てていないですよ。捨てていないと思いますよ。アメリカも捨てていないと思いますよ。
 それは厳然としてあり、またそれを、そういうことを国連の舞台でもってすべてを解決したいという、そういう希望はいつまでも捨ててはいけない。また、これで国連が破壊されたというふうにも思っておりません。国連の機能は、また再機能するような状況というのはまた訪れると思います。また、日本はそのために努力すべき立場だろうというふうに思っております。
#38
○岡崎トミ子君 私たち女性議員が、超党派の女性議員が小泉総理あてに、是非この武力攻撃はしてほしくないという意味を込めて、暴力からは何も生まれないということで、福田官房長官に、大変お忙しい中、時間を取っていただいて対応していただきました。そのときには、イラクに対して平和のための圧力を掛けているんですよと。つまり、日本は最後まで平和を求めるためにこれをやっているんだという表現をされていたというふうに思います。
 私は、やはり努力をしているのかなというふうに思いましたら、私たちに知らされたのは、米国務省の出しました、イラクの即時武装解除のための連合の一員になること、このことに合意したと。さっぱり私たちには知らされない間にこういうことには合意していたということが、私は今朝分かったわけなんですけれども、それだけではありませんね。まだ批准はされておりませんけれども、国際刑事裁判所の司法の下では、侵略の罪はどこにおいても国際犯罪であるということ、それから自衛以外には他国に対して武力行使を禁じているという国際憲章上の違反であるということ。
 そういう点から、さらに、日本国憲法ですね、紛争によって、武力によって国際紛争を解決しないという、そういうこともすべてこのことによって大転換がなされる、そういう大きな決定だという認識をお持ちなのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(福田康夫君) 国際法に、すなわち国連憲章に違反しているということではありません。国連憲章にのっとったこれは米国の判断というように考えており、我々もそういうふうに考えており、したがってそういう法的な考え方で問題はないというように考えております。
 ちょっと申し上げれば、イラクは諸義務の履行のための完全な協力を行っていないということから、決議一四四一における更なる重大な違反が生じていると、こういうふうに言わざるを得ない状況であることはもうよくお分かりでしょう、そのことは。そして、決議、そういう重大な違反が生じているという、言わざるを得ないということから、決議六八七に基づくいわゆる湾岸戦争の停戦の基礎が損なわれている、こういうふうに考えざるを得ないわけであります。そして、そうである以上、決議六七八に基づき武力行使が正当化される、こういうことであります。
 それは、時間がたっているとはということかもしれぬけれども、そのぐらいイラクは時間を掛けて引き延ばしをして自己の存命を図ってきたということなんですよ。
#40
○岡崎トミ子君 私は、とにかく日本の立場としては、紛争解決の手段として武力を用いないという憲法を持つ国としての原則をきちんと貫くべきだったと思いますし、問題解決のために罪のない人たちの命を奪うことはもう終わりにしたい。力で解決するというやり方とは別なやり方、つまり国際的なルールに基づいて国際問題を解決するという、このチャンスだったというふうに私はやはり思うわけであります。査察強化のための決議を出すこともできたじゃないですか。
 私は、一千万人の人たちが世界で立ち上がって、そしてやっぱり平和を求めるというそのことを大変信じておりましたので、これについては意見を求めません。本当に平和的な解決をするために、更にもう一回国連に戻って、安保理に戻っていく、そういう努力をすることを日本政府には求めていきたいというふうに思っております。
 時間もなくなってきてしまいますので、ちょっといろいろ用意されている質問を次々にいきたいと思っております。
 戦争、紛争の中では常に人権がない状況に置かれて、女性の権利というような、人権をテーマにこれまでにも男女共同参画社会構築のために私たちは議論をしてまいりましたけれども、今ここに来て、官房長官の所信の中で、国民が身近に理解できる男女共同参画社会を目指して、その将来像について検討するというふうにありますが、これはどういう意味でしょうか。聞き慣れない表現だったので、どのような思いが込められているのか、お伺いしたいと思います。
 男女共同参画審議会の、男女共同参画社会の形成は二十一世紀の最重要課題ということの答申を受けて取組を始めました九九年から後退していないということでよろしいでしょうか。
#41
○国務大臣(福田康夫君) 後退していません。一言で言えば後退していません。
 政府は、男女共同参画社会の形成を二十一世紀の最重要課題、こういうふうに位置付けておりまして、そのために総合的かつ計画的に取り組んでいるところでございます。しかし、一部に、男女共同参画社会の具体的なイメージが浮かびにくい、そしてまた身近に理解しにくいと、こういう声もあるんですね。そういうことで、また、もう一つ申し上げれば、男女共同参画と少子化の関係とか、子供の成長への影響などについても漠然とした不安もささやかれていると。ささやく以上かもしれませんけれども、言われているところでございます。
 そういうような状況にかんがみまして、本年一月の男女共同参画会議において、総理の御発言を踏まえまして、我が国における男女共同参画社会の将来図を長期的展望に立って検討をすることにいたした次第でございます。
 今後、各界各層の御意見などを踏まえまして、また必要な他国の状況などもいろいろと参考にしながら、具体的な男女共同参画社会の将来図を内閣府において来年度中に明らかにしてまいりたい、そんなふうに考えておるわけで、そういうことで先ほど御指摘の将来図について検討してまいるということを述べたわけでございます。
#42
○岡崎トミ子君 これまで語られるところでは、女性のその能力、能力のある人に関しては、あらゆる分野のところでそれが発揮されるというような形で語られることが非常に多かったように私は思っておりますけれども、私どもの男女共同参画政策では、性別にかかわらず自分のライフスタイルを選択することができる社会、これがポイントだというふうに考えておりまして、すべての人たちがどんな選択をしてライフスタイルを選ぼうとも、それをサポートすること、選択を可能とすること、それを支援していくことがこの在り方だということでよろしいでしょうか。
#43
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、男女共同参画社会におきましては、個人がどういう形のライフスタイルを選択するかによって不利益を被ることがないように制度を中立的にしていくべきだという考えから、いろいろな制度等について調査研究を行っていただいております。例えば、影響調査専門調査会で税制、社会保障制度、雇用システムについて調査をしていただいておりますのもその一環でございます。
#44
○岡崎トミ子君 女性はもう既に男性よりも多様な社会を生きているというふうに思います。結婚している人がいる。結婚していない人がいる。勤め続けて子供を産んで、そして働き続ける人がいる。そして、退職をした人の中では、地域社会の中でNPOなど社会の貢献のために働いている人がいる。生涯学習で一生懸命もう一回学び直す人がいる。事業を立ち上げる人がいる。本当に様々な、男性よりもあらゆるライフスタイルで生きているというふうに思っておりますけれども、そのことを可能にしていきませんと、生活や労働の様々な場面において大変なリスクを高めることになる。それが、仕事上ですとか雇用の不安、生活の不安、それが犯罪の増加にもつながっておりますので、私たちはやはりいろんなその社会全体の問題としてこれをとらえていく。
 例えば、やはりリスクを背負う社会になってまいりますと、それが女性ですとか子供ですとか障害者ですとか、そこで犯罪、暴力、殊に後、ドメスティック・バイオレンスのことについてもお伺いしたいと思いますけれども、家庭内の暴力にまでなっているという状況でありまして、多様なライフスタイルに対して中立的な社会システムは、性別や年齢にとらわれない個人の選択とリスクの分散をサポートしていくということで、自由で創造的な政策こそエネルギーが発揮されていく。現状では大変古いパターンの社会システム、まだまだ残っているということでありますので、やはり例えば自治体で決議を上げたとしても、議論をきっちり人々の中まで行き渡るようにしていくというのが、官房長官のおっしゃった理解ができるような、そういうような男女共同参画社会の政策だというふうに私も思っております。
 今、坂東さんがおっしゃったように、そのための社会保障制度、税制、それから職業生活と家庭生活の両立ですとか、パートで働かれている人たちの人権にまで問題にされるような、そういう働き方の問題ですとか、そういう様々な問題があります。健康と権利に関する問題もありまして、こうしたことの法整備についてもやはり検討して、成立のために政府としても努力をしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#45
○政府参考人(坂東眞理子君) あらゆる人がその人権を尊重されるというのは男女共同参画社会基本法の第一の理念として挙げられておりますし、その線に沿いましてあらゆる分野の施策に取り組んでいきたいと思っております。
#46
○岡崎トミ子君 さきの国会で福田官房長官にチャレンジ支援実行委員会についてお尋ねをいたしまして、これは男女共同参画社会基本問題専門調査会が女性のチャレンジの支援策について中間まとめの中で提言したものでありまして、間もなく最終報告が出されるというふうに聞いておりますが、現在どのような検討状況なのか。やはり私は、これは市民と当事者の声が反映されて縦割りの弊害を排除できるものでなくてはならないというふうに思っておりますが、その点はいかがでしょうか。
#47
○国務大臣(福田康夫君) 今、委員御指摘の女性のチャレンジ支援策は、これは小泉総理から指示をいただきまして、男女共同参画会議基本問題専門調査会で約一年間検討してまいりました。そして、専門調査会の議論も最終段階に入ってきておりまして、その結果を、来月ということは四月でございますが、この四月の男女共同参画会議に報告される予定になっております。
 この内容ですけれども、女性が意欲と能力に応じて起業、業を起こすことですね、それからNPO活動、町づくりなどなど、新たな分野にチャレンジして、また子育て後の再就職とか地域活動などにもチャレンジしやすい環境を創出すると、そういうことをするために女性のチャレンジのためのネットワーク環境整備、こんなことも提唱してまいりたいと思っております。
 政府は、この提言を受けて、女性のチャレンジ支援策を関係各府省の連携協力の下に各種の取組を積極的に推進をしていくと、こういう考え方でおります。
#48
○岡崎トミ子君 本気になってやるかどうかということを私はこれからも見ていかなきゃいけないと思いますけれども、積極的に取り組まれていることを実は評価はしているんですね。その上で効果的に支援策を制度設計するためには的確な状況分析が必要だと思います。そのためには統計をきちんと取っていただきたい、そのことを前回、申し上げました。
 坂東局長から男女共同参画社会の監視の専門調査会の方で女性にかかわる情報提供事業について、今年度監視をする予定であり、その中で十分検討したいという答弁をいただいておりますけれども、今年度も間もなく終わってしまいますけれども、どのような検討状況ですか。お伝えください。
#49
○政府参考人(坂東眞理子君) 委員御指摘のとおり、今男女共同参画会議の中の苦情処理・監視専門調査会でこの各省庁が実施しております統計調査等について調査をいただいております。例えば、女性の起業に関する情報等も含めまして、性別区分がきちんと調査表あるいは統計表において設けられているか、あるいは年齢、職業、所得といった重要な属性と性別がきちんとクロスされているかと、そういったようなことについて各省庁からヒアリング、書面調査、有識者からのヒアリング等を重ねておりますけれども、やはりまだ一部には十分に性別のデータ等が取られていないといったようなものも見られますので、今後ともそれを是正していただくように指摘していくことになるだろうと思います。
#50
○岡崎トミ子君 前進していないんですね。
#51
○政府参考人(坂東眞理子君) 今のところは、今までどういうふうな統計調査が行われているかということについて監視をしている状況でございますので、その結果を報告としてまとめる、それを見て各省庁の方でまた対応をしていただけるということを期待しております。
#52
○岡崎トミ子君 私がお願いをしましたのは、全国でどのぐらいの人たちが本当に起業しようとしているのか、それが分からないとサポートできない、だから統計調査をお願いしたいというふうに、これは何か数年前から言っていて、このチャレンジ支援策があったので、また更にお願いをしたということですので、是非お取組をよろしくお願いします。結構です、よろしくお願いします。
 次に、ドメスティック・バイオレンスについてお伺いしたいと思いますが、保護センター施行から間もなく一周年になりますけれども、私は前回の質問で失敗から学ぶことの制度化、殺人が行われている、大変厳しい状況になっているということで、その失敗から学ぶことの制度化の必要性について訴えております。この姿勢を政府に是非求めていきたいというふうに思います。その中からですが、行政、民間、警察の連携、これが大事だというふうに思っておりまして、内閣官房として政府内の関係部局の緊密な連携が取られるように、その先頭に立っていただきたいということを望みたいと思いますし、自治体においてもそうした連携が進む方向で支援が進められていくべきだというふうに思っております。
 関係者の皆さんの意識の向上というのも必要だと考えておりますけれども、どのような対応を進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
#53
○政府参考人(坂東眞理子君) 委員御指摘のとおり、配偶者からの暴力に対する対応は一つの機関だけで完結するものではございませんで、配偶者暴力相談支援センターあるいは福祉事務所等の福祉関係施設、それから警察、またいわゆる民間のシェルターなど、被害者の相談や保護を行うそれぞれの関係機関が連携協力し問題の解決に当たることが重要であるということで、例えば女性に対する暴力の専門調査会等の報告でも強く指摘されておりますし、また現在、各都道府県ごとに関係する機関の連携協力が様々な形で実際に行われ始めております。
 内閣府といたしましても、配偶者暴力相談支援センター担当者の全国会議ですとか、あるいは相談担当者の責任者の研修ですとか、いろいろなことを行いまして、都道府県に対し連携の重要性を含めて必要な情報の提供に努めております。
#54
○岡崎トミ子君 多くの場合、加害者の方も苦しんでいるということで、なかなかその加害者をそのままにしておいては問題の解決にならないということで、これまでもDV法は片道切符だという表現を言われておりましたので、この加害者への教育プログラム、これの開発に向けた体制、進捗状況についてお聞かせいただきたいと思います。
#55
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、加害者の更生プログラム、加害者に対する対応というのは重要だということを配偶者暴力防止法の二十五条でも指摘されておりますので、男女共同参画会議の方からもまたその重要性について十分調査研究するようにというふうな意見をいただいております。
 それを受けまして、平成十四年度から、配偶者からの暴力の加害者更生に関する調査研究というものを実施しております。有識者の方七人から構成される研究会を立ち上げまして、国内及び海外の加害者更生に関する取組についてのヒアリングを行う、それからまた、実際に加害者更生を制度として行っておりますイギリス、ドイツ、韓国、台湾の四か国に現地調査を行っております。四月中旬にはこの研究会の報告書、公表したいと思って今準備をしておりますけれども、今までの海外の調査結果を見たところでは、その基になっております制度自体が我が国とかなり違っておりますので、そのままは入れれないのではないかというふうに思いますけれども、今後とも、この配偶者からの暴力の加害者更生につきましては更に検討を進めるということにいたしております。
#56
○岡崎トミ子君 次に、公益法人改革についてお伺いします。
 三月を目途とされております公益法人改革の問題で議論が難航しているというふうに聞きました。歴史も制度も趣旨も違う三つの法人制度をごっちゃに議論しているところに無理があるというふうにNPOなどから批判が起こっているわけなんですが、このNPO法がスタートして既に一万のNPO法人が認証を受けておりまして、活発な活動を市民社会の形成に向けて行っているわけです。
 このNPO法そのものが市民社会を形成していく上で大変すばらしい制度だというふうに私は理解をしているんですけれども、このNPOを育てる制度でなければ公益法人改革というものは私たちとしては受け入れ難いというふうに思っているんですが、大臣の描かれる市民社会の将来の社会像ですか、はどういうもので、また、このNPO制度をその中にはどのように位置付けていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
#57
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま岡崎委員からお話がございましたように、この改革の目的というものは公益法人の抱える問題への対処と、今、委員が御指摘されましたような民間非営利活動、NPO活動のもう積極的な位置付けに尽きると考えております。
 公益法人問題の解消というものをこの問題はるる指摘されておりますけれども、二、三例を出させていただきますと、法人の設立というものが主務官庁の許可制になって縦割りになっていることによって自由裁量の許可制になっている。で、そういう法人を立ち上げたいという方に対して簡便でないと。また、公益性という言葉は大変聞こえはいいんですが、これの判断基準が非常に不明確である。さらに、時代の変遷とともに変化をいたします公の利益というもの、こういうものを失っても公益法人というものが存続し税の優遇等々を受ける、こういうことが指摘されておりますので、これからの民間非営利活動のあるべき姿というものは法人格の取得と公益性の判断というものを切り離した形で新たな法人制度を設立するということがいいのではないかと、こういう発想の下に現在議論を進めさせていただいているわけでございます。
 もちろん、社会ニーズがますます多様化していくこの現代社会の中にありまして、これに対応し得る民間非営利活動が健全に発展していくことは、活力ある二十一世紀の我が国の経済社会というものを構築していく上で非常に不可欠なものであると、こんなふうに基本的には考えております。
 そこで、後段の御質問でございますけれども、この現行法人制度というものは、今もお話をさせていただきましたように、法人格の取得と公益性の判断というものが一体になされているという問題がございます。そして、重ねて申し上げますと、設立が許可制であると、いったん法人格を取得した後は時代の変化というものに対応できない、公益法人として存続してしまう、こういうことをどういうふうに是正していくのかというところが一つのポイントだと思っております。
 そこで、委員が、民間非営利活動の今旗手として登場してまいりましたNPO法人、一万法人になんなんとしております。こういうものをどういうふうに扱うのかということがこの改革の中で焦点になってきているわけでございますけれども、その活動領域というものに着目すれば、今お話をしてきたように、一つのグループ、民間非営利活動としてくくることも可能であります。しかし、その一方、今、委員が御指摘されましたように、NPO法施行されまして、昨年の暮れの臨時国会で三年目の見直しが行われまして、パブリックサポートテストの緩和等々、税制の問題等々でも緩和が行われ、もう少し社会全体、行政を挙げてもこのNPO活動というものを育てていく、もう少し見守っていこう、こういう機運があるということも私は事実だと思っております。
 そういうことを考え合わせますと、これらの意見というものを多方面からお聞かせ願いまして、このNPOを含む公益法人制度のあるべき姿というものを早急に構築していく、こういう立場におきまして現在鋭意検討させていただいているところでございます。
#58
○岡崎トミ子君 せっかく一万を超える法人格を取得して活動しているNPO法人の皆さんたちが埋没をしてしまう公益法人改革であってはならないということを大変危惧を抱いているわけなんですけれども、決してNPO活動を萎縮させるような議論であってはならないというふうに思っております。
 大臣は、三月十一日の記者会見でも、NPOを除外して、非営利法人の中からこれを除外してスタートする選択肢もあるということをおっしゃったというふうに伺っておりますけれども、その大臣のおっしゃるところは、今回の公益法人改革の中では取りあえずNPOは外しておこうという、こういう検討の方向でいいと確認してよろしいでしょうか。
#59
○国務大臣(石原伸晃君) 非常にこの議論の中でNPOの皆様方も、私は記者会見で度々申しておりますが、誤解をされていることがあると思うんです。これからの二十一世紀の社会の中にあって、社会全体でこの民間の非営利活動というものの持つ重要性、またこれを推進していくということは今回の改革でも全く変わっていないんですけれども、特に税の議論の中で原則課税、原則非課税と、さもこれまで育ってきた制度を、芽を摘んでしまうように誤解をされている部分が多々私はあったと思うんです。
 これも冷静な議論を聞けば、決して一律に、これまで社会の中で一万件、特に最近は悪いNPOも若干目立ってはきておりますけれども、すばらしいNPO活動というものが起こっておりまして、十五年度の税制改正でもこの認定NPOの問題をもう少し育てていこう、そういう方向で検討し、改定案も出てくるわけでございます。こういうものは、やはり現実に動いているわけでございますから、こういうものは十分尊重して考えていくことが私は有力な選択肢ではないかとかねがね申しているところでございます。
#60
○岡崎トミ子君 昨年十一月に行政改革推進事務局に設置されました公益法人制度の抜本的改革に関する懇談会で議論されておりますけれども、法人制度の部分ですね、この懇談会は非公開で傍聴不能だというふうに聞いているんです。道路関係四公団の民営化推進委員会の議論は原則公開で、そのことによる成果は私は小さくなかったというふうに思っておりまして、公開して関心ある市民に分かりやすい形で議論すべき、公開してほしいというふうに思いますし、更に進んで、二〇〇三年三月末を目途に、政府税調、調査会ですか、非営利法人課税ワーキンググループ、この検討を踏まえまして、公益法人制度改革大綱を閣議決定されるというふうに言われております。三月末ですから今月末、間に合うのかなというふうに私は思いますが、どうするつもりか思っておりますけれども、私ども民主党の石毛えい子NPO局長が議論の全過程を公開するとともに、十分議論を尽くすことができるように改革の議論の中に市民参加のプロセスを設けてほしいということを求めております。
 この点に関しても二つお伺いしたいと思います。公開のことに関してと今回のワーキンググループのことに関して市民参加のプロセスを是非設けてほしいということです。
#61
○国務大臣(石原伸晃君) 前段の公開、非公開の問題でございますが、道路民営化委員会は法律設置の八条機関として委員の方々が総理のイニシアチブによって任命され、委員会の運営を委員の方々が公開とし、大きな成果を上げたという点では私も岡崎委員のお考えと同一でございます。
 後段の実は有識者懇談会というものは、様々な立場でNPO活動あるいは公益法人のあるべき姿に対して御見識を持っていらっしゃる方々にお集まりをいただきました、言ってみるならば私の私的な懇談会でございます。私的な懇談会としては、行政改革で行革断行評議会という、やはり行政改革に熱意のある方々五人からお集まりいただきました会議を持たせていただき、一昨年の整理合理化計画の取りまとめに大変貴重なる御意見、また地方に四か所出ていきまして、多くの方々から皆さん方の、民間の皆さん方の意見を聞くという上で大きな成果を上げましたが、この会議も実は私的な会議でございますので、非公開で行ってまいりました。
 ですから、この公開、非公開という問題は、その各懇談会、委員会の持つ性格によって私は決まってくるものだと思いますが、幅広く多くの方々の意見を聞き、どのような議論があったかというものは公にしていくという方向性は私もそのとおりであると思っております。
 後段の市民参加のプロセスというお話、前回、予算委員会でございましたか、石毛委員からお話が若干あったんですが、若干どういうものを念頭に置かれているのか、私ぴんとこなかったんですが、幅広く、やはり広くパブリック・オピニオンも求めておりますし、そういう形の中で従事されている方々の意見というものは十分聞かせていただいていると考えております。
#62
○岡崎トミ子君 やっぱり当事者の納得が得られていない場合には、その検討課題を整理しながら、決定されたものを出すのではなくて、市民と一緒に議論をしていってそして結論を出していく、この姿勢が大事だと思っておりますので、なお、その私的なものだそうですけれども、そうしたプロセスを設けてくださいますように、市民参加のプロセスを設けてくださいますようにお願いをしておきたいと思います。ありがとうございました。
 さて、このほど、第二次大戦中にフィリピンの戦線で日本軍の捕虜になり、有名なバターン死の行進を生き延びて、輸送船で日本に送られて、九州大牟田の三井三池炭鉱で三年間労働させられたレスター・テニー・アリゾナ大学名誉教授が書かれました体験記が日本語に翻訳されて出版されました。この本は、「バターン死の行進」ですか、米国では一九九五年に出版されまして、クリントン前大統領も読んで感動したとの手紙を直接レスター・テニーさんに送ったということで話題になった本でございます。
 フィリピンでは、日本の炭鉱でどのように苦しく悲惨な目に遭ったのか、私たちが知らなかった戦争の歴史が記された大変貴重な本でございまして、私は一昨日、レスター・テニーさん、来日されましたのでお目に掛かりました。その言葉の中で、本当にこの方は苦しみを知ってもらいたい、認めてもらいたい、半世紀たって過酷な労働を強いた日本企業を相手取ってカリフォルニア州で裁判を起こされたわけなんですけれども、テニー教授は日本の企業を訴えておりますので、米議会の上下両院の司法委員会で証言したりもしておられました。その点をとらえまして、日本の一部の心ないメディアが反日の旗手というレッテルを張ったりもしておりまして、大変にテニーさんは残念な、心の中では怒りを持っていらっしゃるわけなんですけれども、この方は本当に反日ではなく大変な親日家で、日本から行きました留学生をホームステイをさせましたり、京都にいらしたり、日本の温泉が大好きである、少し日本語もよくお分かりになっていらっしゃるということで、八十二歳のテニー教授という方は何て穏やかな方なんだろうと。
 しかも、この日本に対して許したというふうに言っているわけなんですね。許したけれども、決して忘れないと。本当にそのことを許すこと、自分自身を自由にする、そのためには、日本は、企業は一言謝ってほしい、そして自分が奴隷でなかったという証拠に、お金は金額は幾らでもいい、奴隷でなかった証拠にお金も補償していただきたい、そんなことをおっしゃっておりまして、日本側の知らないところで被害者の方々の訴えは続いて、こういった戦後処理の問題はアジアの被害国だけではなくて、アメリカとの間でも言わばのどに刺さったとげのように外交関係にも微妙な影響を与えていくものというふうに思っております。
 米政府でもこの問題で日本政府と協議したと、昨年の九月、アメリカの下院司法委員会補償小委員会で国務省のスタッフが確認をしておりますけれども、これは新聞にもたくさん取り上げられているということでございますから、官房長官もごらんになったことがあると思います。
 従来、ほとんど国会では取り上げられることのなかった連合側の捕虜に対する日本軍や日本企業の虐待、それから過酷な労働の問題ですけれども、こういった問題について官房長官は、一度捕虜の問題についてもこの内閣委員会で一言触れられたことがございました。現在はどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#63
○国務大臣(福田康夫君) 委員がそういう問題に大変関心を持ち、また深刻に考えているということについては、もう戦後大分時間もたっている、そういうときでありますけれども、やはりそういうことを忘れてはならないんだと、いつまでもという、そういう意味合いも含めて、このことに関心を持っていろいろと調査をし、活動されていることには敬意を表したいと思います。
 ただ、我が国の政府としての立場というようなことになりますと、これはもう政府の言うことはよく分かっていると、こういうふうに言われるかもしれませんけれども、さきの大戦にかかわります日米間及びその国民の間の財産及び請求権問題については、サンフランシスコの平和条約で完全にかつ最終的に解決済みであると、そういう立場になっておるわけであります。そういう立場についてはこの日米両国政府は完全に一致しておりまして、米国の裁判所によっても認められております。御指摘の訴訟についても、二〇〇〇年九月には連邦地方裁判所によって、本年一月には連邦控訴裁判所によって原告の訴えが却下されたというように承知しております。
 しかし、ということではありますけれども、政府としては、一九九五年の村山内閣総理大臣の談話とか、また二〇〇一年のサンフランシスコ平和条約署名五十周年記念式典における外務大臣のステートメントにございますとおり、さきの大戦で多くの国の人々に多大な損害と苦痛を与えたことについて、痛切な反省と心からのおわびの気持ち、これを繰り返し表明しておるところでございまして、そのことを我々は忘れてはいけないことだと思っております。
#64
○岡崎トミ子君 このテニー教授に限らず、日本に謝罪や補償を求めている戦争被害者の方たちは決して全員が反日ではないというふうに私は申し上げたいというふうに思います。親日の方もとても多いんですね。
 被害者としての名誉回復、人権の回復というものを求めているのでありまして、日本が好きとか嫌いとかという、そういうレベルの問題ではないわけです。ですから、国家や企業が犯した犯罪や放置してきた重大な過失に対して人権回復を求めるというものでありまして、その点では共通しているわけなんですけれども、当然いろんな思いがあります。でも、こうした方々が決して反日ではないということをはっきりとさせておきたいというふうに思っております。
 さて、私は、一月末に再提出をいたしました戦時性的強制被害者解決の促進に関する法律案、この報告のために、二月にこの提出者とともに韓国を訪問いたしました。その際、日本大使館の前で毎週水曜日に行われております水曜デモにつきまして、私がその場所に出向いて法案の説明、報告を行ったことについて批判を受けておりますので、この場で説明をしておきたいというふうに思っております。
 昨年の十二月にこの内閣委員会で参考人を招致しまして、この法案の審議を行いましたけれども、その際、お二人の参考人、一人は与党側からの中央大学法学部教授でいらっしゃる横田洋三さん、私ども野党側は神戸大学大学院の戸塚悦朗助教授、この二人から、ともに被害者との対話の重要性が強調されました。被害者との対話を重ねることが謝罪と和解につながるというふうに戸塚助教授からも御指摘がございます。私自身もそう考えまして、被害者に直接法案のことを説明して、意見を聞くために出向いたものでございました。
 ちょうど一年前にこの内閣委員会におきまして、内閣官房長官、水曜デモを知っていますかと、あのときに質問をしたというふうに思っております。五百回をちょうど超えたときでございましたので、これはギネスブックにも出ております。一つのテーマで、ずっと継続して十一年も超える年月を、毎週水曜日に自分たちの持っている要求について言い続けてきたと。そういうものであって、小学生、中学生、高校生が、学校の先生が引率されてこの場で歴史の生き証人として学ぶことがあると。そんな雰囲気のあるものでありまして、水曜デモというより、水曜集会なのかなと思うんですね。
 でも、デモというと、何かその辺を歩くように皆さん思われているようなんですけれども、八十前後のおばあさんたち、被害者ですから座って、座ってそして、謝罪せよ、補償せよというふうに、ハングル語ですけれども、おっしゃっているということなんですね。
 反日デモに参加した岡崎はけしからぬという、そういう主張になったようでございますが、このデモは日本政府に慰安婦問題についての政策変更を求めるデモでありまして、反日を目的としておりません。主催者の、韓国の挺身隊問題対策協議会の主催者も明らかにしているわけでございます。
 そこで、先ほども述べておりますけれども、日本政府の政策に異議を唱えることと反日とは全く異なると思います。水曜デモに参加している被害者の中には、日本の演歌が好きな人もいれば、梅干し、塩ザケが好き、日本人の子供を産んだり育てたりした人もございます。日本の支援者と親戚同様の交わりを結んでいる人もございます。好きとか嫌いとかという話は様々で、いろんな思いがあると思います。だから、当然のありようだと思います。
 この水曜デモは、私は、あれは反日デモで、けしからぬと言うだけで問題が解決するのか。日の丸に付けられましたバッテンを早く取るように、日本政府も、私たちも努力すべきではないか。
#65
○委員長(小川敏夫君) 岡崎さん、質問、ちょっと短めにまとめていただけますか、ちょっと事態が、緊急の事態がありましたので。
#66
○岡崎トミ子君 そうですか。
 これで結構ですから、このことについて、それではお伺いさせていただきます。
#67
○委員長(小川敏夫君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#68
○委員長(小川敏夫君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時四十五分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト