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2003/03/25 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第3号
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2003/03/25 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第3号

#1
第156回国会 内閣委員会 第3号
平成十五年三月二十五日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                筆坂 秀世君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣     鴻池 祥肇君
   副大臣
       内閣府副大臣   米田 建三君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  日出 英輔君
       厚生労働大臣政
       務官       渡辺 具能君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       貞岡 義幸君
       内閣官房内閣衛
       星情報センター
       次長       小林 武仁君
       内閣法制局第二
       部長       山本 庸幸君
       人事官      佐藤 壮郎君
       人事院事務総局
       勤務条件局長   大村 厚至君
       内閣府大臣官房
       長        江利川 毅君
       内閣府大臣官房
       審議官      中城 吉郎君
       内閣府遺棄化学
       兵器処理担当室
       長        岩谷 滋雄君
       内閣府政策統括
       官        山本信一郎君
       内閣府沖縄振興
       局長       武田 宗高君
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       警察庁警備局長  奥村萬壽雄君
       総務省人事・恩
       給局長      久山 慎一君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       法務大臣官房訟
       務総括審議官   都築  弘君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤  茂君
       外務大臣官房参
       事官       齋木 昭隆君
       外務大臣官房参
       事官       谷崎 泰明君
       外務省条約局長  林  景一君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   玉井日出夫君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省職業
       安定局次長    三沢  孝君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    上田  茂君
       海上保安庁次長  津野田元直君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房及び内閣府の基本方針に関する件)
 (行政改革及び規制改革の基本方針に関する件
 )
 (経済財政政策の基本方針に関する件)
 (構造改革特区の基本方針に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣審議官貞岡義幸君、同内閣衛星情報センター次長小林武仁君、内閣法制局第二部長山本庸幸君、人事官佐藤壮郎君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、内閣府大臣官房長江利川毅君、同官房審議官中城吉郎君、同遺棄化学兵器処理担当室長岩谷滋雄君、同政策統括官山本信一郎君、同沖縄振興局長武田宗高君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、同警備局長奥村萬壽雄君、総務省人事・恩給局長久山慎一君、同行政管理局長松田隆利君、法務大臣官房訟務総括審議官都築弘君、外務大臣官房審議官遠藤茂君、同参事官齋木昭隆君、同谷崎泰明君、外務省条約局長林景一君、文部科学大臣官房総括審議官玉井日出夫君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、同職業安定局次長三沢孝君、同社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君及び海上保安庁次長津野田元直君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川敏夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、前回に引き続き国務大臣の所信に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○岡崎トミ子君 一月末に再提出をいたしました戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案の報告のために、二月に他の提案議員とともに韓国を訪問しました。その際、日本大使館前で毎週水曜日に行われております水曜デモの場所に私が出向きまして法案の説明と報告を行ったことについて批判を受けました。このことについての質問から私の質問を再開します。
 昨年十二月の参考人質疑の際、お二人の参考人から、ともに被害者との対話の重要性が強調されました。特に、戸塚悦朗神戸大大学院助教授から、できる限り被害者の方々の気持ちを酌む、そして被害者の方々の同意が得られる解決に向かって最大の努力をする、日本側でここまでしかできないんだからそれを受け取れということを言ってはいけないんだと、そこが一番の大きな問題だと思うという指摘がありました。私自身もそう考えて、被害者に直接法案、このことを説明しまして、意見を聞くために昨年も今回も韓国に出向きました。
 ちょうど一年前にこの内閣委員会におきまして、官房長官に水曜デモを知っていますかという質問をしましたが、質問をしておいて、実は私も見ていなかったということであります。小中高大学生たちがこの現場に出向きまして、ハルモニの証言を聞く、そういう教育の現場にもなっているというふうに伺っておりましたので、一度私も現場に行く必要があると思っておりました。
 ところが、これに対して、反日デモに日本の国会議員が参加するのはけしからぬというように批判されました。水曜デモは日本政府に慰安婦問題についての政策変更を求めるデモで、反日を目的としているものではないことは、主催者の韓国挺身隊問題対策協議会もはっきりと言っております。
 先週、元日本軍捕虜のテニー教授について触れたときに述べたとおり、日本政府の政策に異議を唱えることと反日とは全く異なるということであります。当然、かつての軍国主義日本に対する反対の気持ちはあると思います。しかし私は、ある被害者が語った次の言葉が忘れられません。自分は日本が憎くてやっているのではない。自分の孫や子供には日本人と仲良くしてほしい。そのためにも、何で悪いことをしたと公式に謝ってくれないのかということです。
 この水曜デモに参加している被害者の中には、日本の演歌が好きな人もいれば、梅干しや塩ザケが好きな人もいる。日本人の子供を産んだ人もいる、育てた人もいる。日本の支援者と親戚同様の交わりを結んでいる人もいる。ですから、好きとか嫌いとかの話は様々で、いろんな思いがあると思います。それは当然のありようだというふうに思っております。少なくとも、被害者の皆さんは日本を攻撃することが目的で慰安婦問題を材料にしているのではないということでございます。
 水曜デモはあしたで五百五十一回になります。私が訪れた二月十二日の屋外の温度は氷点下五度でありました。寒空の下、八十歳前後の被害者のおばあさんたちが弱く細くなった腕を掲げて要求する。私たちは、一体いつまでこんなことをさせ続けるのかという思いがいたしました。あれは反日デモでけしからぬと言っていて、問題は解決しません。
 福田官房長官、官房長官も昨年の質疑の際に、このいわゆる慰安婦問題について、非人道的行為とそれに対する罪を認められて、言ってみれば消えない歴史である、いつまでも国民一人一人が胸に刻んでいかなきゃいかぬと発言されまして、今までのことですべていいんだというように考えるべきものではないとおっしゃっています。そういう気持ちで十一年続いたこのデモを早くやめてもらえる条件、環境を作っていくのが私たちのなすべきことではないでしょうか。いかがですか。
#6
○国務大臣(福田康夫君) 水曜デモのことも私、余りよく知らなかった。今お話聞いて、随分熱心にやっていらっしゃるその熱意、それにはもう本当に敬服する、したいと思います。
 どういう思いでそういうデモをしているか、熱心にやっているかというのは、やはり世界が平和であるということを究極的な目標として運動されていらっしゃるんだろうというように思い、今のをお聞きしてそういうふうに思ったわけでありますけれども、その気持ちというのは大変大事なことだというように思いますので、全く私もその思いについては賛成をしたいと思います。賛成でございます。そういうふうに私自身も思っております。
 歴史的な事実について、これは歴史の事実としてこれはもう重く受け止めなければいけないということでありまして、この歴史の事実を消し去ることはこれはないだろうと、消し去ることはできないだろうというふうに思います。我々はそういう歴史の事実をよく見詰めながら、今申し上げました恒久的な平和というものを目指して今後も努力をしていかなければいけない、それが我々に課せられた課題だというように思っております。
#7
○岡崎トミ子君 デモが続いておりますのはこの韓国ソウルだけではありません。フィリピン・マニラの日本大使館前でも行われております。毎月行われておりますし、オランダ・ハーグの日本大使館前でも月例デモ、行われておりまして、先週、三月十一日には百回を数えております。
 韓国の盧武鉉大統領にこの法案は直接手渡されておりまして、私たちに対して普遍的人権のために努力されていることに感謝するという言葉をいただいております。韓国の国会は、盧武鉉新政権発足と同時に、二月二十六日に本会議におきまして、戦時性的強制被害者問題解決促進法案の早期審議と制定を促す決議を全会一致で採択いたしました。日本のやることは何が何でも反対だということでは全くないわけです。この法案につきましても、本当はいろいろ御意見があります。でも、とにかくこれを歓迎して前へ進もう、これが国会の意思でございます。
 こうした決議を重く受け止めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#8
○国務大臣(福田康夫君) 決議というのを知っている。これですか、先ほどちょうだいしたこの資料ですか。
#9
○岡崎トミ子君 先週ちゃんと渡してあります。
#10
○国務大臣(福田康夫君) 私、受け取っておりません。
 これ、今ちょうだいしたんですけれども、ちょっと私、字が見えないものですから、これコピーも良くないし、また後でゆっくり拝見させていただきます。
#11
○岡崎トミ子君 ずらさないでいただきたいです。本会議で全会一致で採択されたことについて重く受け止めるべきではないかという、こういう質問でございます。私たちの法案の早期審議と制定の問題でございます。読めなくてもお分かりになるということでございます。
#12
○国務大臣(福田康夫君) 内容をよく吟味させていただきたいと思います。
#13
○岡崎トミ子君 台湾の方でもこのように、立法院ですね、ここでもやはり十月に決議を採択しまして、衆参両院議長に伝達しております。
 韓国、台湾とも、決議の重みををきちんと私たちは受け止めていかなきゃいけないというふうに思いますし、与党側の皆さんにもこの早期審議、そして制定のためにお力をいただきたいということをこの場でお願いをしておきたいと思います。
 最後に、戦後処理の窓口について質問をしたいと思います。
 報道などによりますと、窓口は外務省、内閣官房長官補室が総合的な政策調整を行うとありますけれども、これはどうなっているんでしょうか。
#14
○国務大臣(福田康夫君) 御質問の件は、これはたしか昨年もお尋ねをいただいた件でございます。
 本件につきましては、政府としては、これまでの取組を踏まえまして以下のとおり対応するということにいたしております。
 まず第一に、戦後処理問題は内容が非常に複雑多岐にわたり、種々の経緯があるということにかんがみまして、政府として統一的な対応を行う必要がある、そのため内閣官房が総合的な政策調整を行うと、こういうことにいたしております。
 また、対外関係事務の側面を有します戦後処理問題というのは多岐にわたりますので、その窓口業務については外務省が一義的に行うということにしております。
 なお、個々の戦後処理問題につきましては、これまでどおり関係府省が各々の所掌に従って処理を行っていくことといたしておりますが、所掌が明らかでない事案が出てきた場合には内閣官房がこれを明らかにするなど、内閣官房の総合調整の下に関係府省間で連携を密にして適切に対応していきたいと思っております。
 本件につきましては、これまでも政府として基本的にこのように対応はしてきたんでありますけれども、国会の場などでいただいた御指導、御指摘等も踏まえまして、今後の対応につき、より明確にした、そういうことで整理をさせていただきました。
#15
○岡崎トミ子君 それでは従来と本当に代わり映えがしない、というか、かえってややこしくなった、そういうふうに思います。外務省が他の省庁の紹介窓口という、これが良くないんですよ。意味がないんです、これでは。
 ですから、どういう手続、内容が改善されたのか、改善された面について教えてください。
#16
○国務大臣(福田康夫君) 変わっていないとおっしゃるけれども、内閣官房が特に調整を要するようなこと、そしてまたどこで対応するか分からないといったようなことについては内閣官房で対応させていただくと、こういうことにしております。
 また、政策的な問題、特に議員の先生方との対応といったようなものはこれは内閣官房でやるのが適当だと思います。それは、議員の先生方はやはり政策的な課題としてこの問題を取り扱うということですから、内閣官房の対応というのがふさわしいというように考えております。
 ただ、窓口業務といいますのは、要するに政策的に方向性が決まるとかいったようなものについては現場に下ろしてやってもいいんではないかというように思います。すべてを私どもで対応すると、これはちょっと無理でございますのでね。もしそういうことになれば、そういうセクション設けなきゃいけないということになりますので、従来どおりの対応をさせていただきたいと思います。その方が効率的であり、また臨機応変に対応できるという側面もあると思っております。
#17
○岡崎トミ子君 私は、明確な問題意識を伴うリーダーシップと縦割り解消というのが大変重要だというふうに思っております。戦後処理にきちんと取り組む被害者の方々と誠実に話し合うというのが歴史的な不良債権問題と取り組む大事業だというふうに思っておりまして、大きな政治的な意思がないとこういった問題を解決することはできないと思います。
 総理や官房長官、逃げないでいただきたいなというふうに思っております。もっと積極果敢に、それこそ誠実に、真摯にこういった問題と取り組んでいただきたいと思います。拉致被害者・家族支援室、それから中国遺棄化学兵器対策室並み、それ以上に対策室を内閣官房にしっかり設けて、きちんとプロジェクトチームを作って対応すべきだと思います。
 問題は多岐にわたっておりますので、規模もはるかに大きいわけですから、官邸主導で取り組む決意、いったんそれを白紙に戻してもう一回きちんとした内閣官房の中に新たに設けるようにしてはいかがでしょうか。
#18
○国務大臣(福田康夫君) 今申し上げましたとおり、この体制でやるのが一番いいということを考えて、この体制に改めてやろうということで確認をしたわけでございます。内閣官房には総合調整機能もございますので、そういう機能をフルに活用してやらせていただきたいと思っております。
#19
○岡崎トミ子君 私の方からは、白紙に戻して内閣官房を中心にこの窓口を一本化していただきたい、当初の私たちが申し上げたその要求のとおりにしていってほしいということの要求を再度しておきたいと思います。
 さて、元シベリア抑留者の池田幸一さん、実は先週のこの質疑の際に傍聴においでくださっておりました。今日はその姿がありません。大阪からおいでくださっておりましたので、今日はおいでになっておりませんけれども、この池田さんも、それからテニー教授も、慰安婦被害者の皆さんも、被害や訴えている相手は違いましても、共通して名誉回復を求める闘いを、死んでも死に切れない、そういう思いで続けております。
 そして、そのテニーさんは、過去を忘れない勇気を持つ者は名誉ある未来を発見するという言葉を引いて、自分がかつて自分を痛め付けた者に対して、自らの非を認め、人類に対してなした過ちを認め、名誉ある責任を取ってほしいと願うのは、過去の間違いを認めることで加害者自身もまた名誉と尊厳を回復してほしいからだと語ってくれました。これも何人もの慰安婦被害者の方たちが訴えたことと共通しております。被害を与えた者が自らの名誉のために責任と向き合って解決に向けた努力をしてほしいという思いからでございます。
 そして、その解決に向けた努力のために、昨年の参考人質疑の際においでくださった横田洋三中央大学教授もおっしゃったように、真剣な継続的な対話とお互いの理解の促進を行うことが極めて重要だと思います。
 ただ、いずれの場合も、被害者は高齢で、解決のために残された時間はありません。ILO、国連人権委員会、社会権規約委員会、こうしたところが繰り返し日本の解決の努力を促しております。日本が尊厳を取り戻して名誉ある国家となって世界の国々と真剣に真の友好を築いていく、このことが正に日本の国益にかなうという、その国益のためにも、政府にも努力を求めたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#20
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 今日は、各大臣に貴重なお時間をいただきましたので、簡潔にそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。
 最初にイラク問題でございますが、昨日も衆議院、参議院、両院の予算委員会で相当突っ込んだ質疑が行われました。私は、この際、昨日も議論になっておりましたが、やはりこの米英のイラク攻撃についての国際法上の根拠というものについて、今日は条約局長にもおいでいただいておりますので、場合によっては条約局長から補足的に答弁をしていただいて、何を国際法上の根拠としているのかもう少し具体的に、予算委員会では一四四一、一四四一という話が出ておりますけれども、まず福田官房長官、この米英のイラク攻撃の根拠、これは国連憲章でいうと、外務大臣はたしか第七章というふうにおっしゃっていましたが、具体的に第七章のどの条文でこれが正当化されるというふうに考えられますか。
 まず官房長官、お願いします。後で条約局長に細かく聞きます。
#21
○国務大臣(福田康夫君) 国連憲章、今回のものにつきましては国連憲章の下で許されたものと、こういうことになっています。
 今御指摘の一四四一という決議、これと六八七、六七八がこれの、国連憲章の中において正当化されている決議と、こういうふうになっております。
 七章の中身がどうなっているか、ちょっと私は分かりませんので、これは条約局長に答弁をさせますけれども、その決議に基づいて今回の武力行使というのは正当化されているというのは我が国の考えであり、また他国もこれは同じ考え方をしているわけでございます。
#22
○松井孝治君 国連憲章の第七章の中には個別的あるいは集団的自衛権の条項と集団的安全保障の条項があると思いますが、そのどちらでこの武力行使は正当化されるというふうに解釈しておられますか。官房長官、これは基本的なことですからお答えください。
#23
○政府参考人(林景一君) 七章の下におきますその自衛権といわゆる集団的安全保障、いずれの考え方に基づくのかというお話でございますけれども、これは自衛権ということではございませんで、七章に基づきます安保理の権限によって定められました決議によるものでございまして、そういう意味では集団安全保障に基づくものというふうに理解しております。
#24
○松井孝治君 どうも福田官房長官は、私、事前に内閣官房の方には国連憲章を基本的なところは読んでおいていただくようにお伝えしておいたんですが、どうも伝わっていなかったようでございまして、条約局長にお伺いした方が国際法上、研究しておられる方のためにもひょっとしたら効果的かもしれませんので、条約局長に場合によってはお伺いをしておきたいと思います。
 そうしますと、これは、集団的安全保障ということは、国連憲章三十九条、あるいはその後四十条、四十一条と規定がありますが、四十二条、この国連決議一四四一というのは、国連憲章四十二条の安保理は云々々々々の行動を取ることができるという、この根拠として国連決議一四四一を挙げておられるというふうに理解してよろしいですか。
#25
○政府参考人(林景一君) これは究極的には、今回の武力行使の容認する根拠といいますか、武力行使を含めたあらゆる必要な措置を取る権限を与えた決議というのは、一連の決議というふうに御説明しておりますけれども、究極的には決議六七八でございます。六七八は、ごらんいただければお分かりのとおり、憲章第七章の下に行動するということが基本的な位置付けとして書いてございます。
 今、じゃその七章の第何条に基づくものかという御質問でございますけれども、これは具体的な条文として明記されているということではございませんで、これは、その憲章七章の言わば平和と安全、国際の平和と安全を維持し回復するということの目的のために安保理に与えられた権限に基づいて制定、制定されたといいますか、策定された決議と、こういうことでございます。
#26
○松井孝治君 基本的に武力行使というのは国連憲章上原則としては禁止されているわけですよね。それを第七章で解除しているわけですね、限定的な条件の下で。それを、この四十二条以外であるとしたら、どこで解除しているというふうに読めばいいんですか。
#27
○政府参考人(林景一君) これは、国連憲章第七章の解釈に基づく、七章全体の趣旨に基づいて安保理に与えられた権限であるというのが、これは決議六七八がそもそも策定されました段階で若干議論ございましたですけれども、そのときに、具体的な第何条ということではなく、憲章第七章に基づく安保理の、安保理事会の権限の中に、その加盟国に対して武力の行使を含む必要な手段を取ることを容認する決議を行う権限が与えられておる、そういう認識が共有されている、加盟国の間で共有されていると、こういうことでございます。
#28
○松井孝治君 ちょっとあいまいな根拠なので不満が残りますが、この一四四一あるいはその一四四一がクオートしている六七八を根拠とするということについては、これはもう予算委員会でも昨日ずっと議論になったことですからこの場で貴重な時間を使って繰り返そうとは思いませんが、私はどう考えても、例えば一四四一を見ますと、決定するというパラが後ろの方にずっと十項目ぐらいある、その前に想起するということで六七八をクオートしている。その項目を根拠に私は国連憲章第七章が今回の武力行使を容認しているというふうにはおよそ思えないわけであります。
 これ以上議論していてもちょっと私の持ち時間今日少ないですから建設的ではありませんが、私自身は、これ、林条約局長のところに日本の国際法学者、全国いろんな大学の国際法学者二十人ぐらいが、今回の米英の武力行使、イラクに対する武力行使は国際法違反であるという主張を根拠を挙げてしておられますが、この国際法学者二十人余りの申入れに対して条約局長はどういうふうに受け止めておられますか。
#29
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 これ、確かに国際法の研究をなさっておられる先生方、たしか二十三、四名だったと思いますが、その代表の方が私のところにお越しになりまして、イラク問題に関する国際法研究者の声明と題する声明文をお持ちになりました。それで、川口大臣に伝達するようにという御要請がございまして、私がこれをちょうだいいたしまして川口大臣にも報告したところでございます。
 この声明自体については国際法の先生方の何人かの方が御意見を表明されたというものとして受け止めておりますけれども、ここでおっしゃっている一番のポイントというのは、恐らく安保理決議一四四一に武力行使の権限を与えた規定がないということをおっしゃっているということだろうと思います。
#30
○松井孝治君 そういうことなんですね。私も、この一四四一から見て武力行使が国連憲章第七章、さっき少なくともそれは自衛権の行使の部分ではないというふうにおっしゃったわけですが、どこでこの国連決議がこの国連憲章にのっとって武力行使を容認しているかについて、今の条約局長の御答弁では納得できません。
 しかし、この問題をずっと議論していると一時間でも二時間でも掛かりますので、むしろ今、その国際法違反の疑いが私は極めて濃いと思いますが、そういう状況の下で米英が攻撃していることは事実であります。国連の権威というのは、昨日もマレーシアのマハティール首相がアナン事務総長を批判するような声明を出されておられましたけれども、相当これによって失墜したんではないかと思います。
 福田官房長官、この国連の権威、失墜した国連の権威をどうやって復活し、我々の日本政府が取っている国連中心主義というものを、今後、この国際社会でのこの紛争を解決に向かわせるために我々はどういう立場で国連の権威を今後復活させていくシナリオがあるんでしょうか、あるいは今回の戦争の早期終結に向けて日本政府はどういうスタンスを取られるんでしょうか。
#31
○国務大臣(福田康夫君) 今回の武力行使は、一刻も早く、また人的、物的被害をできるだけ少なく、しかも国際社会に対するイラクの脅威を取り除くというような形でもって終結することを政府も望んでおるわけでございまして、今現在は事態の進展を注視しておるわけでありますけれども、そういう思いを持って注視しておるということであります。
 最終的には安保理が一致団結できなかったということは残念でありますけれども、今後とも、安保理が国際社会の平和と安定の、安全ですね、平和と安全の維持に主要な役割を果たしていくということに変わりはございません。
 我が国は、国連が今後とも期待された役割を果たしていけるように、安保理改革を始めとする国連改革に引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
#32
○松井孝治君 これはもう私からの意見表明だけにとどめておきますが、その意味では昨日の衆議院の予算委員会での川口外務大臣の発言は極めて私は問題であったと思います。すなわち、国連の事務総長についての、今回の武力行使についての国連憲章違反であるという疑いがあるということについての、国連の事務総長には国際法違反の解釈権がないと言わんばかりの答弁というのは、私ははっきり言って国連の権威を更に傷付けるものではなかったかなと、そんなふうに考えております。このことは私の意見として表明させていただきます。
 時間がありませんので、ちょっと特区の問題に話題を変えさせていただきたいと思います。
 まず、ちょっとこの特区の各論から入らせていただきます。
 外国人医師の受入れの問題、今回、鴻池大臣折衝されて、これは特区ということで限定されていませんで、全国的に外国人医師の受入れの拡大が進んだと思います。そして、私がちょっと中身を見ましたら、条件が付いているんですね。すなわち、英語の試験を受かること、これは何人であろうとですね。それから、その医師と同じ国の患者しか診てはいけない。それから、診療場所はもう決められたところでしか駄目、要するに往診とかしては駄目だと。なおかつ保険の適用はない。これは決定的ですね。これ、事実上、こんなことをしたら外国人医師の受入れといったって、現実にそんなことで、保険の適用もないと。外国人でも今一生懸命日本の企業で働いておられる方たくさんいらっしゃいます。こういう要件が課せられております。
 こういうことについて、鴻池大臣、御存じでしたか。
#33
○国務大臣(鴻池祥肇君) 外国人医師の件に関しましては、特に東京に限って言えば、外国人の東京に住まいされる方が約三十万人いらっしゃる。アメリカ人が一万八千人でフランス人が八千人、中国人二十万人とか、何かちょっと今数字はきちっと申し上げられませんが、そういう方々が大病をなさると皆自分の国に帰っていかれると。そういうことから特区で外国人医師を来ていただいて使いたいと、こういう話がありました。
 非常に大事なことだと思って、この件に関しては私自身、厚生労働大臣と、お考えを進めていただきたいというお願いもいたしてこの結果になったわけでありますが、松井委員御存じのとおり、これは大変難しい相互主義というのがありまして、しかし相互主義というのは、今更申し上げることではございませんけれども、受け入れれば日本人も行けるようにすると。これを特区で別枠で考えていただいて、来ていただいてもよいというところまで前進をいたしたということは、大変厚生労働省、厚生労働大臣の御決断に敬意を表するところであります。
 さて、今の松井委員のお話でございますが、そういう形で厚生労働省が一つの後追い壁を作っておるということは耳にいたしております。しかし、今申し上げましたように、百年進まないやつがやっと一歩進んだということは大変な結果として結構なことだと思いますので、次の段階、地方なりあるいはそういう特区で御申請をいただいたけれども、結果としてできないじゃないかというような段階に入った場合には、なお厚生労働省と十分調整をしてこの特区の構想が生きるようにしていく努力をするつもりでございます。
#34
○松井孝治君 今おっしゃったようにこれ一般的には相互主義なんですね。今回は相互主義ということだけではなくて日本国だけの措置として、自発的な措置としてやる、そういうことで受け入れられたというのは一歩前進であると思います。
 しかしながら、これ医療保険の適用もない、場所も往診も駄目だ、しかも同じ言語をしゃべる国の人しか診てはいけない。これはちょっとやっぱり人道上の問題ですよ。しかも、試験はちゃんと受けさせるんですよ、英語で画一的に。スペイン語の試験とか認めないわけですよ。
 やっぱり、こういう問題については私は、もう少し規制改革全般の流れで、これはもう特区で認められていませんから石原大臣の御担当になるわけでございますが、今後この規制をどうやって撤廃していくか。具体的に言うと医師免許の問題なんですね。外交上の問題ですと言って厚生省おっしゃるんだけれども、聞いてみると医師免許をどういう場合に与えるかというときの条件を外交文書で約束させているだけで、今日、外務省の方にもおいでいただいていますが、外務省の方は決して外交上そういう、例えば同国人しか診てはいけないと、そういう配慮があってそういう条件を付けているわけではないというふうにおっしゃっています。
 そういう意味では、今回のこの規制改革の一環の中で、これは石原大臣に是非、鴻池大臣とともにこういう問題についても、人道上の問題もありますから、規制改革を更に前に進めていただきたいと思いますが、時間がありませんので答弁は結構であります。
 もう一つ特区の問題で、今回、自由診療分野で株式会社の参入が、病院の分野で参入が認められました。この本部の会議ですか、閣僚による会議、その中で、今日お見えいただいています木村副大臣は、この自由診療分野での株式会社の医療参入について、高度先進医療に限定して認めるべきだというふうにおっしゃったというのが私も議事録で確認をいたしました。政府の決定文書を見ますと自由診療分野であって、必ずしも高度先進医療に限定するという規定はないわけでありますが、木村副大臣、せっかくおいでいただきました、これについてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#35
○副大臣(木村義雄君) お答えをいたします。
 構造改革特区における株式会社の医療参入につきましては様々な懸念があるわけでございます。厚生労働省といたしましては、今まで慎重にこのことを検討する必要があると考えてきたところでございます。
 しかしながら、今、委員が御指摘のように、二月の二十七日の構造改革特別区域推進本部におきまして、いわゆる官邸で行われた会議でございますが、このような問題があると踏まえた上で、総理の御裁断により、公的医療保険とは関係ない分野の自由診療の分野で、そしてかつ高度先端医療分野等を前提といたしまして特区における株式会社の医療参入を認めることとされたところでございます。
 いずれにいたしましても、株式会社の参入につきましては様々な意見があるわけでございます。今後、これらに十分に耳を傾けながら、六月中に成案を作成することとしておりまして、慎重に検討を進めてまいりたいと、このように思っておるような次第でございます。
#36
○松井孝治君 今高度先進医療分野を前提にと答弁されたと思います。文書には、政府の決定文書には私そのような前提条件はなかったと思いますが、鴻池大臣、私の聞き間違いでしょうか。
#37
○国務大臣(鴻池祥肇君) 聞き間違いあるいはお調べの間違いではなく、紛れもなく高度先進医療という文字、文言あるいはその決定はありません。
#38
○松井孝治君 そうすると今の副大臣の御発言はどういう意味なんでしょうか、その前提としてとおっしゃいましたけれども、鴻池大臣。
#39
○国務大臣(鴻池祥肇君) 二月二十七日は、厚生労働大臣に代わって木村副大臣がお見えでございました。そして、御自身の政治家としての御主張もなさいましたけれども、しかし、私が座長というか司会役をしておりまして、克明に覚えております、御発言についてもしっかりと覚えておりますけれども、その会議の結論といたしまして、自由診療そして株式会社参入、この二つだけであります。
#40
○松井孝治君 官房長官、今聞いていただいていたと思うんですが、この特区の内容、何を認めるかと、それについて随分、鴻池大臣と各省の大臣あるいは事務方とか、激しいやり取りをして今回も案をまとめられたと。しかも、その案をまとめたものの内容をめぐって明らかに食い違いが出てくるんですね。今のを食い違いというべきなのかどうか、私は食い違いにも至っていないと思いますが、後でこういう条件が出てくる。昨年もこの委員会で議論させていただきましたが、特別養護老人ホームで民間参入を認めると言いながら、いろんな通達で条件を課してくる、税引き前利益が一億円ないと認めないというようなことを厚生省が課長通達でそういうものを付してくる。これはもう撤廃されたんですね、撤廃されたようですが、そういうことがたくさん出てくるんですよ。
 これは私、内閣府に、今内閣官房、国務大臣として鴻池大臣、獅子奮迅の御活躍でございますが、これは私、前の委員会でも申し上げて、あるいは国会答弁の準備をされるときに若干ブリーフィングを聞いておられるかもしれませんが、内閣府設置法上、特命大臣というのがあって、勧告権を持たせて、きちんと今内閣官房を補佐するという立場で鴻池大臣は総理の指示を受けて動いておられるわけですが、なかなか、はっきり言って、鴻池大臣が決定して、本部で決定したことを後で役所が通達を出す、あるいは今のような副大臣と鴻池大臣の見解が違う。やっぱりこれもう少し鴻池大臣に権限を、内閣府設置法上あって、これは法制局にも今日おいでいただいておりますが、これは特命大臣の権限は付与できるというふうに法制局からも私、昨年答弁いただいております。
 これは官房長官、官房長官は内閣官房を支える大臣という位置付けですが、はっきり言ってお忙しいですね。やっぱり鴻池大臣に勧告権、最終的にはそれは総理の、内閣府法六条に基づく指揮命令権までつながる勧告権というものをきちんと付与されてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(福田康夫君) 鴻池大臣は構造改革特区を担当する大臣でございます。これは、法令に基づく権限はこれはございません。しかし、担当大臣というのは、内閣総理大臣の直接の命を受けて、内閣の構成員という高い立場において特定の分野における重要案件の積極的推進のため総合調整を行うと、こういうことになっておりまして、今いろいろ問題が指摘していただきましたけれども、そういうような問題が生じたときは鴻池大臣と所管省で十分な論議を尽くしていただくと、こういうことが一番大事なのでありますけれども、その後に、それでも問題が解決しないというときには総理の御判断が必要になると。鴻池大臣が、総理と御判断をする。要するに、事実上の権限を有しているというのが考え方でございます。
#42
○松井孝治君 そういうことだと調整が進まないんですよ、縦割りの壁破れないんですよ。だからこそこういう特命大臣という規定を置いて、勧告権というのを持たせたわけですよ。それを全然、今回のようなケースがあって、二回にもわたってヒアリングをして、特区の、何を特区の対象にするか議論をしておられるときに使わない。何の意味があるんですか。
 私は、いや、要するに今の御答弁だったら、特命大臣にするということは考えておられないということですね。考えておられないというふうにここでおっしゃるんですね。もう一回確認しておきたいと思います。
#43
○国務大臣(福田康夫君) 今私が申し上げましたのは、鴻池大臣は、構造改革特区というのは、これは本当に従来発想を転換して地域の特性に応じた規制の特例措置を導入するという全く新しい試みでございまして、その推進をするためには、内閣として最終的な調整権限を有する内閣官房に担当させると、そういうことが適当だと、こういう考え方をしているわけです。したがいまして、その担当大臣も内閣総理大臣の直接の命を受けてこの業務の推進に関し総合調整を行い得る担当大臣とするということは適当だと、こういう考え方をしております。
#44
○松井孝治君 それは前からあるんですよ、そういう考え方は。だけれども、それで前に進まないからこういう制度を設けたわけですよ。私は恐らく、特命大臣の権限についてもいろんな議論がありますけれども、どこまでを特命大臣として内閣府の大臣に認めさせられるのかという議論もあります、内閣官房と内閣府の関係もありますけれども、少なくとも、今、鴻池大臣を特命大臣に発令するということも検討さえしておられないか、その答えだけください。検討もしておられないんですか。検討はされるんですか。
#45
○国務大臣(福田康夫君) そのやり方はいろいろ検討をしなければいけないと思います。しかし、今現在、今私申しましたように、新しいことをやろうというときに、やっぱり内閣官房の調整機能というものはこれは大事でございまして、その機能を十分に発揮していただくということは大変な利点になっているわけであります。最後は総理と相談をしていただくということで、これは私はそういう意味においては非常に大きな権限を実際には持っているというように考えております。
#46
○松井孝治君 内閣官房としての調整権限を捨てろなんて言っていないんですよ。内閣官房としての調整権限というのはあるけれども、それは勧告権に裏打ちされていないんですよ。実際問題、この委員会で議論されて、これは与野党を通じていろんなことを目撃しておられますけれども、はっきり言って、鴻池大臣が幾らおっしゃっても、それをある意味では裏打ちしないような発言をする政府参考人の発言というのはたくさん出ているんですよ。なぜそういう事態にもかかわらずこの勧告権を持った特命大臣制度というのを活用されないのか。私はそれをきちんと官房長官に訴えたい、そんな思いで質問をさせていただいております。
 これ以上御答弁いただけないようでありましたらもう結構でございますが、私はやっぱりここはもう少し制度的に官邸主導で、せっかく今日は竹中大臣にもお見えいただいています。これは、私、小泉内閣の官邸主導の考え方自体は悪くないと思うんです。それは橋本行革のときに官邸機能強化を決定した。それをある程度使いこなされている部分がある。ところが、それをもう一歩のところで制度的に使いこなせていない部分があるんじゃないか。やっぱり閣内不一致というものを、不協和音を前に出すことを恐れて、どうしてもそれに対して制度的に使いこなせていない。それについて、もう一歩内閣官房長官に踏み込んで私は御答弁いただけるかと思っていたんですが、いただけませんので、またこの議論は今後に。──もし御答弁あれば。
#47
○国務大臣(福田康夫君) 勧告権をというお話でございますけれども、新しい、全く新しいことをするわけでございますので、これはやっぱりいろいろな政治的な判断も含めましてしていかなければいけないということがございます。勧告権だけで済む問題ではない。最後は総理のリーダーシップで事を進めていくということで、そのことについては鴻池大臣が積極的に今取り組んでくださっているわけでありまして、鴻池大臣と総理大臣とよく相談をして最終判断をしておるところでございます。
#48
○松井孝治君 その総理のリーダーシップは当然なんですよ。それに加えて、こういう制度を作ったわけですから、その制度を発動して任命したらどうか。内閣総理大臣は必要に応じて任命できると書いてあるわけです。権限的には、法的に見ても、内閣府設置法から見ても十分法的に特命大臣に値する事務であるということは法制局からも答弁をいただいているわけであります。この問題については是非よろしく御検討いただきたい、そのことを述べておきたいと思います。
 せっかく竹中大臣にお忙しい、財政金融委員会もある中でお見えいただいております。
 実は今、公益法人改革、今年度末を目途に大きな公益法人制度改革の考え方をまとめようとして石原大臣に御苦労をいただいているところであります。政府・与党内で、公益法人制度改革に当たってはNPOあるいは中間法人というものも同じ視野に入れて新しい制度を作ろうという話が元々だったと思うんですが、残念ながら今その議論がややとんざをいたしております。いろんな要因があってとんざをいたしておりますが、竹中大臣、NPOと公益法人、相当程度類似の法人もあろうかと思いますし、ただ、出自が違いますし、それぞれ自分たちは一緒にされたくないという関係者の思いもあります。
 竹中大臣は、このNPOを所管しておられるわけでありまして、この前も所信の中でその重要性について触れられておりますが、このNPO制度と新たな公益法人制度、公益法人というよりは新たな非営利法人制度の枠組みの中でNPOをどういうふうに位置付けるべきだと考えておられますでしょうか。
#49
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に大きな御質問だと思います。
 もうNPOの重要性等々についてこの場では申し上げませんですけれども、このNPOの制度が始まったのは平成十年でありますから、五年の歴史が既にございます。五年間、これはもう野党の先生方にいろいろ御努力をいただいて積み重ねてきた制度がある。これやはり今回は税制の面でもいろいろな工夫もしておりますので、更にこれを転がしていきたいという非常に強い気持ちを持っております。
 しかし、一方で、これは石原大臣に今骨折りいただいている公益法人改革全般の中でこれをどのように位置付けるかという、これは少し別の観点からのまた御議論をいただいている。まだこれは議論の最中でございますし、公益法人改革の中でどのように位置付けるかということに関しても石原大臣の下で様々な今御意見を御検討いただいているというふうに聞いております。
 我々としては、したがいまして、この公益法人の改革は改革でしっかりとやっていただくと。これはもうそれに尽きるわけでありますが、同時に、これまで五年積み重ねてきたNPOの育成、この社会に定着させるという方向と是非矛盾しないような形で、この方向を、今までの方向を評価して、それを伸ばすような形で是非総合的な御議論を石原大臣の下でいただきたい、そのように思っているところでございます。
#50
○松井孝治君 もう時間ですので最後の質問にさせていただきますが、端的に言いまして、NPOを包摂した非営利法人制度改革、そういったもの、具体的に内容はきちんとNPO関係者の理解も得ることが必要かもしれませんが、そういったものに賛成なのか、あるいは公益法人制度は公益法人制度で長い歴史があるので、それと切り離してNPO制度はNPO制度として位置付けるべきなのか、そこについて端的に、竹中大臣はNPO制度も包摂した非営利法人改革というものを追求すべきだと考えておられるのかどうかについて、御見解を承りたいと思います。
#51
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変申し訳ありませんけれども、公益法人改革の議論そのものが、今いろんな可能性を考慮に入れながら石原大臣の方で行ってくださっておりますので、包摂する方がよいか独立した方がよいかというのは、必ずしも二者択一の問題ではないというふうに思っております。その意味では、いろんな方法があり得ると思います。
 ただ、繰り返しになりますが、日本の場合はこの五年間、ようやくいいところまで来つつあるNPO法人の定着、育成を阻害するものであっては、これは担当大臣としては非常に困る。この点は石原大臣も非常によく御理解、御検討くださっているというふうに理解をしておりますので、柔軟な中にも、今申し上げたような方向がしっかり貫かれるような改革にしていきたいというふうに思っております。
#52
○松井孝治君 石原大臣、最後、せっかくおいでいただいて、議論聞いていただいたと思いますが、規制改革あるいは公益法人制度改革、今の議論も踏んまえて是非よろしく御検討いただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#53
○山口那津男君 まず初めにイラク問題について御質問させていただきたいと思います。
 ブッシュ大統領の決断を我が国政府はこれを支持するという評価をしたわけでありますけれども、これまでの累次の国会質疑の中で、国際法上の、アメリカの武力行使に対する国際法上の根拠があるかどうか、これについては国連憲章あるいは累次の国連決議に根拠がある、こういう御見解であるということが明らかになっております。
 また、一方で、ブッシュ大統領は、国家安全保障上の大統領の権限あるいは武力行使を容認する議会の決議、こういうものも引用して演説をしているわけであります。
 このようなブッシュ大統領の考え方は、言わばアメリカの自衛権、国の持つ自衛権も、国内法上の自衛権も武力行使の根拠としていると、このように政府は理解しているのでしょうか。この点について、まずお伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(福田康夫君) 今回の米英国等の決断ということは、特に米国の判断ということは、これは国連憲章第七章の下で採択されました累次の関連決議に基づくものでございまして、また武力行使の法的根拠に関する米国政府の立場も同様であると、こういう理解をいたしておるところでございます。
 査察団による安保理への累次の報告などにおいても明らかなとおり、決議一四四一に言う更なる重大な違反が生じていると言わざるを得ない。したがって、湾岸戦争の停戦条件を定めた決議六八七の重大な違反が現在も継続的に生じているということからこの決議に基づく停戦の基礎が損なわれて、決議六七八に基づき武力行使が正当化されると、こういうふうに考えて、そういう考えの下に米国の対イラク軍事行動は、先ほど申しましたような国連憲章の下で採択された決議に基づくものであると、こういう理解をし、これは累次にわたり御説明を申し上げているとおりでございます。
#55
○山口那津男君 今のお考えは既によく理解できるわけでありまして、むしろブッシュ大統領がその国連の決議等の枠外で言及している大統領権限とかあるいは議会の決議とか、こういうものを引用していることが国内法上の自衛権に基づく武力攻撃が正当化されると、こういうふうにアメリカは考えているのかどうか、その点を日本政府はどう評価しているか、これをお聞きしたいわけであります。この点について御答弁願います。
#56
○大臣政務官(日出英輔君) 法律家の山口先生でございますので法律的な御答弁をしなきゃいけないわけでありますが、このブッシュ大統領の例えばこの演説のポイントの中で、今、山口先生お触れになったような、アメリカは自国の国家安全保障を確保するために武力を行使する権限を有しているといった言葉、こういう言葉もありますが、一方で、今、官房長官お話しになりましたように、依然として有効な安保理決議六七八、六八七によって米国及び同盟国はイラクの大量破壊兵器の廃棄のために武力を行使することを容認されているという言葉、私はこの辺につきましてはもう少ししっかりとした分析をしなければいけないと思いますが、やはりアメリカは、イギリスも同じでありますし我が国も同じでありますが、国連憲章に基づく、あるいは対外的な意味でのこの武力行使の根拠はやはり後者の方の安保理決議六七八、六八七あるいは一四四一といったこのことを、複合的に折り重なったこの部分が武力行使の根拠だというふうに言っているんだろうというふうに考えております。
#57
○山口那津男君 はい、官房長官、その点について。
#58
○国務大臣(福田康夫君) それじゃ、私はちょっと補足させていただきますけれども、今のような考え方、これは我が国の考え方でございますが、これは三月十七日のブッシュ大統領の演説とか、三月二十日のネグロポンテ米国の国連大使が安保理議長あてに書簡を発しておりますけれども、その中でも明確にされているというように、私どもはそういう事実に基づいてこの米国の見解と我が国の見解も一致していると、こういうように理解しております。
#59
○山口那津男君 一方で、ブッシュ大統領の演説の中では二十一世紀においては融和策は取れないんだと、今日において攻撃を待っていることは自衛ではなく自殺行為になるんだと、こういう言及もあるわけでありまして、これはいわゆる先制自衛が認められるんだと、このような考え方であるかのようにも受け取れるわけであります。
 しかし、仮にこのような先制自衛を認め、かつ国内法上の自衛権に基づいて武力行使が容認されると、こういう考え方を米国が取っているとすれば、私はこういう考え方安易に認めるべきではないと思うわけであります。先制攻撃が許されないということは総理も国連憲章を引用してしばしばおっしゃられていることでありますが、この先制自衛ということは、いわゆる侵略との限界も必ずしも鮮明ではありませんし、従来自衛権の行使として正当化された根拠をはみ出すおそれもあると思います。
 ですから、私は、この政府がアメリカを支持するということがこの先制自衛という考え方までも支持するということになると、これはいささか問題があるだろうと思うんですが、この点についてのお考えがあれば官房長官、伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(福田康夫君) 一般的に先制攻撃というものは許されるかどうかと、こういうことになりますが、今回のことについて申し上げれば、今回の米英軍の軍事行動、これは国連安保理決議に基づいて行われているものであると、そういう観点から考えましていわゆる先制的な自衛権の発動ではないと、こういう判断をしております。これは米国、英国ともそのような見解を示しているところでございます。
 まあ、いいですね、それで。
#61
○山口那津男君 今の御答弁の中で、いわゆる先制的な自衛権を行使したものではないと、こういう御理解をしているということでありますから、それはそれで結構だと思いますが、私の問題提起、しっかり検討していただきたいと思います。
 次に、この査察を、安保理の決議が残念ながら新たなものができませんでした。アメリカやイギリスの考え方に反対する国々というのは査察を継続しろと、こういうことを言っております。しかし、この査察を継続していわゆる大量破壊兵器を廃棄すると、このような目的が達成できたのかどうか、その可能性が十分にあったのかどうか、この点については突き詰められた論議は必ずしもなされていないと私は受け止めております。この査察継続によって問題が解決される可能性があったと政府は認識されているかどうか、この点についてお考えを伺いたいと思います。
#62
○国務大臣(福田康夫君) そもそも昨年の九月から十一月に掛けまして二か月時間掛けて安保理決議一四四一が交渉された過程において、査察の方法とか効果、これを高めるための手段についていろいろな提案がなされ、また議論がされました。これに基づいて、精力的な議論、これに基づいて国際社会として考えられる最善の査察プロセスを定めるものとして決議の一四四一が、これはもう全会一致で決定された、こういう経緯がございます。
 したがって、国際社会としてこの決議一四四一の完全な履行を求めてイラクに対し一致して圧力を掛けるということが問題の平和的な解決のため最も重要かつ唯一の道であったと考えております。その後も査察の方法、継続をめぐって様々な議論がなされましたけれども、三月十七日の報告を含むこれまでの査察団による報告でも明らかになっておりますが、依然としてイラクは査察に対して完全かつ無条件の積極的協力を実施しておらず、イラクの査察への協力は不十分だったというように言わざるを得ない事態になったわけであります。
 そういうことで、イラクの態度が抜本的に改められなかったということにより、残念ながらこれ以上の査察を継続強化しても有効でないと、こういうことになったわけであります。御案内のとおりでございますが、この間においてもかなりその軍事力をあの周辺に蓄積した結果、ようやく最後になって小出しのスピードアップしてきたと、こういう事実もございます。しかしながら、なお多くの大量破壊兵器を保有しているというような報告もあったわけでございまして、二十九項目の報告もあったわけでございまして、そういう意味において、イラクは本当にそういう気持ちを持ってやっているということからほど遠いという状況の中で、今回のこういう決定がなされ武力攻撃になったと、こういう経過をたどってきたと思います。
#63
○山口那津男君 今御答弁にもありましたように、イラクの協力が十分ではないということと、あとはアメリカその他国際社会の圧力があって渋々協力の姿勢が部分的に見られたということでありました。
 私は、この査察が効果を発揮するためには、やっぱりイラク側の協力というのが第一に必要でありますし、また国際的な圧力というものも必要であると思います。更にまたあの広い国土を速やかに査察を実施するとなりますと、やっぱりスタッフの数とか、あるいは相当な高度な査察の技術とか、そういうこともそろわないと、これは十分な効果を発揮できないだろうと思うんであります。
 しかし、この査察を継続すべきという主張がありながら、国連においてそれら三つの条件を満たすような十分な突き詰めた論議というのが必ずしもなされていなかったように思います。私は、これでもう国連は駄目だというのではなくて、やっぱりこの査察の効果を今後上げて実施できるような、これはイラクの問題解決のみならず、これからの安保理の役割というものを考えた場合に、是非この点への、もっと精密な効果をいかに上げるかという論議が進められなければならないと思いますが、この点についての福田長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(福田康夫君) 今回は、非常に残念なことにイラク側の協力がなかった、要するにイラクはその気持ちがなかったと。それがゆえに十二年間も、数々の国連決議にもかかわらず、それを国際社会が更に強くその実施を求めないということをいいことに、いいことにして今まで態度を改めないできたと、こういうことがやはり最大の問題であったと思います。
 そういう人がいる限り、若しくはそういう国がある限り、やはりこの査察というものの有効性というものも疑わざるを得ないと。それも、今回のように武力を、軍事力を蓄積した上で圧力を掛けるということをしなければどうにもならないというのは本当に残念なことというか、こういう状態では果たして査察というのはできるのかどうかといったような心配も私は今持っておりまして、こういう状態を何とか解決するために、やはり国際機関、若しくは国際間の一致、一致した意見というものが求められる、そしてその国際間の一致した意見の上に有効な手段を考えていくということが必要なんだと思います。
 そういうことを今、今後のこととして真剣に考えていく必要があるんだろうし、また、そのために我が国も少しのお役にでも立てればというように思っておるわけでありますので、それは今後の外交の課題としなければいけないと思っております。
#65
○山口那津男君 今回は、安保理の決議ならず武力行使に至ったというのは誠に遺憾な事態であると思っております。しかし、この結果を、日米同盟かあるいは国連中心主義あるいは国際協調主義と、これを対比してどちらかを優先するという論議がなされているのは、私は考え方が間違っていると思います。
 日本の憲法で要請されていることは、九条の平和主義と、もう一方での国際協調主義、これ憲法上の要請であります。しかし、日米同盟というのは憲法に直接の言及はありません。国連憲章の中に地域的な安全保障機構というものを容認しておりまして、その一例として日米同盟というものがあると、こう理解すれば、日米同盟というのはやはりこの国連中心主義を補充、補完する重要な役割を持っているというのが率直なとらえ方だろうと私は思っております。その意味で、両立し得るこの二つの重要な政策でありまして、日本としては、これからもこの国連中心主義、国際協調ということは柱の一つとして維持していただきたいと思います。
 その上で、これから安保理の機能というものを再建していかなければならないと思います。このイラクの問題について言えば、武力行使を止める言わば終結の場面、それとその後の復興の場面、この二つの場面で新たな国連、安保理の合意に基づく解決ということも可能性はあると思います。その点で、我が国としても役割を発揮する発言をするということを要請されると思いますが、この点についての我が国の取組について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(福田康夫君) 今、委員が御指摘になりました国連ですね、国連の、国連中心主義と申しますか、国連の重要さ、また日米同盟関係の重要さ、そしてそれを調和させることができるというお考えを述べられましたけれども、私も全く同感であります。これはできないことはないと思います。今、一時的にこういう状態になって、その後、国際間の協調が乱れた、乱れを示したということはありますけれども、しかし、それはそれで放置していいものではないし、また国際社会もやはり前の状態に早く戻りたいという気持ちも当然持っていると思うんです。そういう諸国の気持ちを一つにまとめ上げていくというのは、これはこれからの大きな課題だろうというふうに思います。
 そういう中で、我が国も今後の復興支援とかいろいろな支援もあろうかと思いますが、今からもうその支援は始まっているわけでありますけれども、そういう支援体制の中で、これは一国だけでできるものではないいろいろな大きな問題もあると思いますので、それは国際協調の中で進めていくしかないだろうというように思います。
 ただ、我が国としては、今回は米国の立場というものを支持しておりますから、米国との協調というか、米国との相談というのは、これは非常に大事なんだろうと思います。そういう、よく相談した上で、全体の枠組みの在り方というものを模索していくと、そういうことで全力を挙げてまいりたいと考えておるところでございます。
#67
○山口那津男君 イラクの大量破壊兵器は、なかんずく化学兵器あるいは一部の生物兵器、こういうものが問題視されているわけであります。
 化学兵器禁止条約というものが一九九七年に発効いたしておりまして、我が国も加盟をいたしております。この条約に基づいて、旧日本軍が中国で遺棄をしたという化学兵器、いわゆる遺棄化学兵器の廃棄処理というものを順次進めているわけであります。この日本の取組、規模とかそれから処理の技術とか、こういうものは私は極めて内容の濃いものだと思っているわけでありますけれども、これを国際比較した場合にどのように位置付けられるか、この点について簡潔に御答弁いただきたいと思います。米田副大臣、お願いいたします。
#68
○副大臣(米田建三君) 御指摘のとおり、一九九七年に化学兵器禁止条約が発効いたしました。我が国及び中国も含めた百五十か国が批准をしておるわけでありまして、旧日本軍の遺棄化学兵器につきましては、現在、中国側の協力を得ながら着実に事業を推進をしております。
 本事業におきましては、大量かつ老朽化した遺棄化学兵器に対して最適な処理技術のまず選定を行う、それからプラントを建設した後にこれらの化学兵器の無害化処理を行うと、こういうプロセスを経なければならないわけであります。
 そこで、お尋ねのこの技術の国際比較の問題でございますが、御承知のとおり、遺棄化学兵器は、遺棄された後、半世紀を経ております。率直に申し上げまして、その処理には大変な技術的な困難が予想されておるわけであります。そのため、我が国の技術のみならずに、既に化学兵器の処理を実施している米国や英国、またドイツ等の海外の知見を集めて、現在、最適な処理技術を検討しているところでございます。
 一方で、半世紀以上の古い砲弾等で変形、腐食もございますし、一部漏えいもある。また、有毒化学剤のみならず、爆薬による爆発リスクもある。さらには、欧米でも古い化学兵器を大量に処理した経験がなく、十分な技術実績がない等々の様々な困難があるわけでありますが、廃棄期限、原則平成十九年でございます。まあ五年の延長が認められておりますが、そうであるとしても、遅くとも二〇一二年までには廃棄をせねばならないというこの条約の趣旨を体しながら、全力を挙げて対応してまいりたいと、かように考えております。
#69
○山口那津男君 今の御答弁によりますと、やはり日本の取組というのは、かつて歴史上ない新たな側面もあり、非常に困難な作業を乗り越えて今やろうとしていると、こういう内容だったと思います。是非こういう経験を、二度とあってはならないわけでありますが、ここで得られた経験を私は国際社会の中で役立つ部分があるのであれば大いに役立てるべきだろうと思うわけであります。
 例えばこれからの大量破壊兵器、化学兵器の廃棄処分にこれらの技術、経験を活用できるというのであれば、イラクに仮に残存化学兵器が残っているということが発見されれば、その廃棄に立ち会うとか、あるいは既に廃棄したと向こうが主張するのであれば、本当に廃棄されているかどうか、これはやはり困難な技術と施設設備を伴うということであれば、その廃棄に携わった人をきちんとインタビューをして、そのプロセスをたどれば、これは十分に検証できると思うんですね。
 ですから、これからの査察の在り方にも十分日本の経験というのは役立つだろうと思います。この点についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(福田康夫君) ただいま米田副大臣から遺棄化学兵器の処理の問題について説明申し上げましたけれども、説明にありましたとおり、米国とかイギリス、ドイツなどの海外の知見を、これを集めて最適な処理技術の選定をしていると、こういうことでありますので、これは一般論として申し上げれば、平時においても化学兵器を含めた大量破壊兵器の廃棄についてはこういうような処理技術の状況も踏まえて何らかの貢献できるのではないだろうかと、こういうふうには思います。
 ただ、イラクが実際にどういうような状況になるのか、これもまだ分からない段階においてはっきりしたことは申し上げられない。これからそういうことも視野に置きながら考えてまいりたいと思います。
#71
○山口那津男君 ところで、本年は日中平和友好条約締結二十五周年という節目に当たります。この遺棄化学兵器の廃棄処理については、中国側と合意をした上でこれを今進めているわけであります。
 ところで、この遺棄化学兵器によって言わば今なお中国の国民が被害を受けると。マスタードガスによってただれを生じるとか様々な被害が報告をされているわけであります。この過去の被害について国家間の責任は負わないということは条約で合意されているわけでありますが、この個人の被害については必ずしも考え方が明確にはなっていない嫌いがあります。
 私は、少なくともこの日中間で合意をして遺棄化学兵器の廃棄処理に取り組んだ以降のこの被害については、私、我が国政府としても何らかの救済措置というものを検討していく必要があると思います。それ以前の問題についてはいろんな議論があるかもしれませんが、少なくともその合意後の被害については救済の必要があると、こう考えるわけでありますが、この点についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(福田康夫君) 中国側からは、戦後の遺棄化学兵器による被害者が多数いると、こういうような説明を受けております。我が国も、今後このような被害を防止するためにも、この遺棄化学兵器の早期処理に向けて中国側と密接に協力をしながら誠実に対応していこうということで今やっているところでございます。
 このことについて、今おっしゃったように、請求権の問題、これはもうお互いに放棄しているわけでございますけれども、今後の実情が、恐らくこういうような処理をしている間にいろいろな意見も出てくるだろうと思います。そういうような意見とか実情等を踏まえた上で検討していくべき課題というふうに考えております。
#73
○山口那津男君 このたび中国には新たな執行部が誕生いたしました。先ほど言及した日中平和友好条約を締結したのは官房長官の父親であられる福田総理であります。そういうことを考えたときに、今、小泉総理がいろいろな政治的な障害でにわかに訪中できないとすれば、私は、官房長官がこの機をとらえて訪中をして、そして、懸案となっている問題、あるいはこれからの北朝鮮等をめぐるアジアの平和、あるいは拉致問題の解決等々について意見を交換し合うと、こういう機会は当然あるべきだと私は考えます。
 是非この機を生かしていただきたいと思うわけでありますが、官房長官のお考えはいかがでしょうか。
#74
○国務大臣(福田康夫君) 先般、私、駐日中国大使と話をしているときに、私ももう五年ぐらい中国に行っていないんです、そろそろ行ってはどうかと、こういう話ございました。ありましたけれども、雑談の中では時々そういうようなやり取りありますので、正式に招待されたとかそういう話じゃありません。まあ外交辞令でどなたにもそういうふうに言われるんだろうというふうに思っておりますけれども。
 私は、官房長官というのは、これ、なかなか我が国を離れることはできない立場にあります。それは一番大きな理由は、やはり危機管理担当というそういう立場でありまして、この危機管理は、いつ、何どき、どういうことが起こるか分からない。それは防災担当の鴻池大臣もおられますけれども、その防災も含めて危機管理をすると、こういうようなことで、官邸の中には危機管理対応の組織持っておりますし、そういうことで、その責任者としてはなかなかこの東京を離れることはできないと。
 私、選挙区にも年に一回ぐらいしか、これはもう一回ぐらいしようがないと思って参りますけれども、そのぐらいしか行っておりませんで、ずっと東京に張り付いているという現状で、とてもちょっと外国に行くというのは難しいんじゃないかというように思っております。
 私も、今年は例の条約二十五周年の年にも当たりますので行けたらなと思いますけれども、それは私がこの職を辞さないと行けないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
#75
○山口那津男君 是非、政治家としての希望といいますか、要請を受け止めていただきたいと、こう思います。
 次に、化学兵器禁止条約、これの加盟状況を見ますと、イラクと北朝鮮はいまだに署名すらしておりません。しかし、既に、九七年の発効後、現在百五十か国、世界の大多数の国がこれに加盟をしているわけであります。今なおこの取り上げた二つの国が署名すらしていないということは、やはりこの化学兵器禁止条約の趣旨にそぐわない、そういう考え方あるいは行動を取っているからではないかと思うわけでありますが、この点について御認識を伺いたいと思います。
#76
○委員長(小川敏夫君) 答弁者はどちらでしょうか、答弁。
#77
○山口那津男君 官房長官、お答えできますか。
#78
○大臣政務官(日出英輔君) 今お話しのように、イラクと北朝鮮がこの生物・化学兵器禁止条約に未署名であるということで、今、山口先生の御指摘のとおりでございます。ほかにも何か、何か国か未署名のところがあるということでありまして、これは確かに望ましい事態ではありませんし、こういった問題につきましては、やっぱりいろんな疑惑も出ておりますから、国際社会が一丸となって対応するために、我が国といたしましては、こういった化学兵器禁止機関締約国会議での演説といったような機会とかその他多くの機会を使いまして、この非締約国に対しましてこの条約締結促進を呼び掛けてきているという状況でございます。これからも粘り強くこういった対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#79
○山口那津男君 化学兵器禁止条約、この今挙げたイラク、北朝鮮のみならず、署名していない国がほかにもあります。それは、エジプト、シリア、リビアなど、中東あるいは北アフリカの諸国であります。ところが、中東の中でもイランは加盟をしております。イスラエルは署名をしております。まだ批准はしておりませんけれども、署名はしております。こういう中東地域の各国の実情を考えたときに、やっぱりそこには複雑な政治的な思惑というものが見て取れるわけであります。
 私は、今回、大量破壊兵器の武装解除についてイラクに焦点が当たりましたけれども、エジプトやシリア等も条約に加盟していない、そしてイスラエルは署名まではしていると、こういうことを考えたときに、この中東和平というものを広い意味で推進し、また我が国として支援をしていく必要があるだろうと思います。
 つい最近、パレスチナ自治政府に初代の首相が選任をされました。こういう機も考えて、この中東和平の支援について我が国の果たすべき役割は大きいと思います。この点についての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(福田康夫君) 中東地域にはイラクを始めとして大量破壊兵器が蓄積されている可能性があるということであります。そういう意味において、この大量破壊兵器の除去というものはあの地域の平和に向けての好ましい環境を醸成していく可能性があるということであります。
 そういうこともありますが、一方、中東和平ということについて言えば、これは何とかして解決をしなければいけない、またしたい、そういう大きな課題でございますので、このことについては我が国としても積極的な外交努力を今後引き続き続けていかなければいけないと、こう思っております。
#81
○山口那津男君 北朝鮮の工作船事件というのがこのほど処分をされることとなりました。これは、沈んだ船を引き揚げてみましたところ、その武装の内容とかあるいは携帯電話の通信記録とか、あるいは映像によって積荷を廃棄していたとか様々な状況が明らかになったわけであります。
 このことから、覚せい剤や銃器の密輸など犯罪に関与していたのではないかという疑いが濃いわけでありますが、その疑い、おそれについて海上保安庁はどう認識されておられますか。
#82
○政府参考人(津野田元直君) 御説明申し上げます。
 海上保安庁における捜査の結果、判明した事実といたしまして幾つかございますが、一つに、今般の工作船が、平成十年に東シナ海で暴力団関係者に北朝鮮仕出しの覚せい剤を受け渡した船舶であります第十二松神丸というのがございますが、これと同一であったということが判明をいたしております。それから第二に、船内で発見された携帯電話でございますが、この使用者が暴力団関係者の固定電話ですとかあるいは携帯電話に頻繁に電話をしているということが明らかになりました。それから第三に、工作船が逃走中に乗組員が重要証拠物と思われるようなそういう物件を多数海中に投げ込んでおります。こういうような事実が判明しております。
 具体の薬物など犯罪事実を裏付けるような証拠物は発見されていないんですけれども、こういったような事実関係を特定には至りませんでしたけれども、今申し上げたような事実から総合的に判断をいたしまして、今般の工作船は以前から覚せい剤の運搬とか受渡しのために使用されていた疑いが濃厚であるというふうに私ども考えております。
#83
○山口那津男君 北朝鮮の金正日氏は、軍の一部がこれに関与をしているということを認めているわけであります。そうだとすると、犯罪組織やテロ組織へ、今後大量破壊兵器が北朝鮮側によって拡散されないという保証はないだろうと私は考えるわけです。これは断定はできませんけれども、そうした犯罪やテロへの拡散ということは厳に防止していかなければならないと思います。この点についての心構えというものをきちんと政府として示すべきであると、こう思いますが、官房長官、いかがお考えですか。
#84
○国務大臣(福田康夫君) 御意見のとおり、全く賛成でございます。
#85
○山口那津男君 その上で、今後の具体的な在り方でありますが、排他的経済水域での取締りということは、海洋法条約やそれに基づく国内法上一定の限界というものがあると思います。ですから、領海における監視活動等を一層強化しなければならないと思います。
 十五年度予算の中でAISというシステム、この整備が盛り込まれているわけでありますが、これは船舶の言わば識別をできると、こういうシステムでありまして、単に航行の安全や迅速化ということだけではなくて、こういった監視活動にも応用できる部分があるだろうと思うのでありますが、そういった応用、対応について海上保安庁はどのようにお考えでありましょうか。
#86
○政府参考人(津野田元直君) 海上保安庁におきましては監視のためにいろいろなことをやっておるわけでございます。まず、巡視船、航空機の効率的な運用ですとか、あるいは十五年度予算の中でも高速高機能大型巡視船ですとか、あるいは赤外線捜索監視装置、高性能レーダーの整備などなど、監視能力の強化のための措置を講じております。
 先生今御指摘のAISでございますけれども、すべての船舶に搭載義務があるわけではありませんが、先生今御指摘がありましたように、船舶安全の確保のほかにテロ対策にも有効であるということが全世界的に理解がなされまして、昨年十二月の海上人命安全条約締約国会議におきましても搭載時期の前倒しが合意されたところでございます。このAISを有効に活用すれば領海等での効率的な監視活動も可能になるというふうに私ども考えております。
 海上保安庁といたしましても、AISの活用を含め、今後とも体制の整備等を行って領海等での監視を強化してまいりたいというふうに考えております。
#87
○山口那津男君 また一方で、AISを搭載する義務というのは三百トン以上の船に限るというか、そういう一定の限界があるわけですね。それ以下の船に義務がないとすれば、ここが漏れるということがあってはやっぱり抜ける部分が出てくるわけでありまして、是非今後、こういう点も含めて、その応用とその限界と対応策について検討をいただきたいと思います。
 次に、官房長官に伺いますが、三月二十八日に情報収集衛星の打ち上げが予定されていると言われております。北朝鮮などはこの点について非難もしているわけでありますが、この打ち上げについて、そもそも国会決議では平和利用目的でという条件というか制約を付しているわけでありますが、この衛星によりましていわゆる軍事的な情報を収集する、収集と利用とに分けて、まず情報を収集することと、収集された情報を利用すること、私は二つに分けてお聞きしたいと思うんです。
 まず、この軍事的な情報を収集することに何か制約があると政府としてお考えでしょうか。
#88
○国務大臣(福田康夫君) 国会決議で平和利用目的ということとされたわけでございます。昭和六十年に──そういう国会決議がございますが、政府見解を出しております。昭和六十年です。それによりますと、その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星については自衛隊の利用が認められるものとされ、現在に至っていると、こういうことでございまして、この解釈は、この国会決議の解釈は、これは国会で有権解釈がなされるべきものでございますが、政府としてはそういう考え方をしております。
 具体的には、外交、防衛等の安全保障及び大規模災害などへの対応という、その危機管理に必要な情報の収集を主な目的としているのが、今回、三月二十八日、今月、もうじきでございますが、この情報収集衛星でございます。
 この政府見解にのっとって今この活用を図るべく進めておるわけでございまして、宇宙の平和利用決議に反するものではもちろんございません。また、御指摘されたような制約と、こういうものは特段ないものと考えております。
#89
○山口那津男君 今お聞きしたのは、情報の収集に制約はあるかという点でお聞きしたつもりでありますけれども、それでは、その収集された情報、これを安全保障のために利用すること、これについても制約があるかないか、どのようにお考えでしょうか。
#90
○国務大臣(福田康夫君) 安全保障上、これを利用、収集したその情報を利用するというのはあくまでも自衛のためであると、こういうことであります。我が国は攻撃的な武器は持たないということでありますけれども、ですから、そういう意味においてはそういう形での攻撃的な活用というのはできないということでありますけれども、憲法の定めるところにより、あくまでも自衛的なものであると、こういうふうに考えております。
#91
○山口那津男君 その自衛といった中には、いわゆる個別的自衛権、集団的自衛権に絡む論議もありまして、集団的自衛権については政府の一応の考え方に基づく制約はあるというのは既に何度も答弁されておりますからこれ以上は伺いません。
 しかし、今の問題については、この国会の平和利用目的というのが必ずしもその範囲が明らかではない面もあるわけですね。政府側としては、情報の収集あるいは利用についても、これまでの政府の考え方、憲法解釈に従って、の範囲内では特に制約を課すものではない、それ以上の制約を課すものではないと、こういうお考えのように受け止められるわけであります。
 また一方で、防衛庁は、情報本部、これを強化いたしまして、既に商業衛星等で公開されている情報は別途収集をしてこれを利用するということはもう行われる体制ができているわけでありますから、我が国が打ち上げたこの情報収集衛星で得られた情報を利用することに別な制約を課すということは余り現実的ではないように私は思うわけであります。
 そこで、私の提案でありますけれども、この平和利用決議という国会決議を政府としてどう受け止めてこれを運用していくかという方針を明確にしていただきたいということが一点であります。それと、この情報収集衛星、一方で安全保障面以外の、つまり自衛隊が運用に参加する以外の部分でも、長い経験、歴史があるわけですね。
 私は、そういう意味で、この衛星の開発とかあるいは管理の体制というのが宇宙開発事業団に事実上預けている格好になっておりますけれども、この管理の在り方についても今後もっと詳細に詰めていく必要があると思います。特に安全保障上の情報収集と利用については今までの衛星の運用とはちょっと違う側面があると思うんですね。ですから、この点についても是非検討を進めていただきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、次にお伺いしますが、イラク情勢で原油の供給が変化をしていく、そういう見通しの下で、ゴールデンウイークや夏季の電力需要のピーク時について原子力発電の供給力を確保しなければ到底需要を賄い切れないと、こういう意見もあるわけであります。
 ところで、この原子力発電所については、裁判もあり、またかつての不始末もあってこの利用というものが今制約を受けているわけであります。原子力委員会あるいは原子力安全委員会を所管する内閣府の立場で、私は、この原子力発電所の安全確保に向けた施策というものを早急に進めてこの供給力の確保ということに歩を進めるべきであると、こう考えるわけでありますが、この点、米田副大臣、どうお考えでしょうか。
#92
○副大臣(米田建三君) 夏の電力需要に向けまして、原子力発電の供給力を確保するというこの課題は大変重要だというふうに考えております。他方、昨年来の東京電力の不祥事によりまして、原子力の安全につきましては大変な国民の不信感も高まっておりますので、このことについても万全を期さねばなりません。
 そういった認識を踏まえながら、原子力安全委員会ではプロジェクトチームを設置をいたしまして、ひび割れ等が発見された炉心シュラウド等の安全性につきまして、独自の調査やあるいは原子力安全・保安院からの聴取を行いました。その結果、既に三つの原子力発電所の炉心シュラウドのひび割れにつきましては安全性を確認いたしたところであります。さらに、原子力安全委員会といたしましては、原子力安全に包括的責任を有する観点から、最新の科学的知見に照らしまして、原子力発電所の安全性について早急かつまた厳正に確認をしてまいります。
 安全委員会はオープンでございますので、そのスタンスは直ちに御関係各位に御理解いただける、そういう流れにもなるわけでありまして、御指摘のとおりの迅速なる努力を更に一層傾けてまいりたいと、そのように考えております。
#93
○山口那津男君 官房長官の下で国際平和協力懇談会というのが設置されまして、昨年末に報告書が出されていると思います。我が国が言わば国際平和協力において中心的な政策の柱としてこれから頑張ろうという決意の表れであると、こう思っているわけであります。
 かつて私は国会質疑の中で官房長官に、地雷の除去を支援するべきであるという考え方の下で、日本の持っている様々な技術、これをもっと活用すべきであると、こういう御提案をいたしまして、官房長官からは、そういうことが可能になれば目覚ましい活躍の余地があると、こういう御答弁をいただいたことがあったわけであります。そしてその後、実際にこの地雷除去支援の政府の取組というものは多面的になってまいりまして、地雷除去機を送るとか、あるいは地雷除去に取り組むNGO等を支援するとか、あるいは新たな探知やその他の技術を開発するとか、いろいろ取り組まれてまいったわけであります。
 そして、アフガニスタンの復興の過程でこれを集中してこれから取り組む兆しも見えているわけであります。アフガニスタンがイスラム圏の国の一つであるということを考えたとき、今ここに我が国が積極的に取り組むという今日的意義もあるだろうと思うんですね。この地雷除去支援を多面化していくという、日本が積極的に取り組んでいく、とりわけアフガニスタンで積極的に取り組むべきであると、このような考え方を私も持っているわけでありますが、官房長官、この平和協力懇談会の報告書の趣旨を踏まえてどうお取り組みになるか、その基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(福田康夫君) 我が国は、アフガニスタンの復興の前提ともいうべき安全確保のために、たくさん埋設されております地雷除去を始めとする地雷対策支援に相当力を入れてまいりました。具体的に申し上げますと、二〇〇二年一月には千九百二十二万ドル、また同年十月には四百八十六万ドルを国際機関に拠出しまして、これは地雷除去事業等への支援ということで拠出したのでありますけれども、そういう金銭による支援活動を行ってきております。
 その地域の紛争の状況によりまして、我が国が直接その作業にタッチできるかどうかということは、これはいろいろ問題があるのでありますけれども、しかしこの地雷の除去ということは、これはそういうような和平に向けての基本的な課題だというように考えますので、今後ともこの支援策というものは続けてまいりたい、積極的にやってまいりたいと、こういうように思っております。
 特に我が国は、平和憲法の中において国際的な支援と申しますか、役割というものを果たすためにどういうテーマがあるのかということを、ただいま委員御指摘になりました国際平和協力懇談会においていろいろな提言をしていただきました。これは具体的に進めてまいりたいと思っておるところでございますけれども、そういう中でこの地雷の除去というものも大きなウエートを占める。特に技術が、地雷除去技術についてはこれは日本はかなり進んでいるところがございますので、そういうような面において支援をしていくということは、これはもう非常に日本的な支援の在り方だろうというように思っております。
#95
○山口那津男君 今の決意の下で是非進めていただきたい具体的な項目をちょっと挙げさせていただきます。
 まず、地雷除去機材を提供することはもちろん必要なんですが、そのメンテナンスも含めて、やっぱりそれにたけた技術者、人を派遣するという枠組みを是非作っていただきたいと思います。
 それから、カブールとカンダハール間の国道、これを整備するということを日本が受け持つわけでありますが、ああいう国でありますから、言わば舗装道路のわきも遊牧民が動物や人とともに行動するということもありますから、そこも含めての地雷除去活動というのが前提になるだろうと思いますので、これも取組をお願いしたいと思います。
 それと、地雷除去と並んで不発弾の処理ということも重要な課題であります。我が国にはこの不発弾の処理の経験を持った自衛隊のOB等がNGOを作って海外で活躍している、そういう実績もあるわけでありまして、こういう点は我が国の特徴的な部分だろうと思いますので、是非こういった広い視野での支援ということも考えていただきたいと思います。
 それから、文部科学省、経済産業省及び外務省等が探知・除去技術の研究開発プロジェクトに取り組んでいるわけですが、最終的にやっぱり実用化されなければ意味がないと思います。是非、早期実用化を目指して頑張っていただきたいと思います。
 その上で、最後の質問になりますが、スリランカの和平ということも重要な課題だろうと思います。
 明石さんを政府代表にも任命している、こういう立場から、先般行われた第六回の和平交渉の結果、これからの包括合意への見通しとか、あるいは我が国としてこれをどう取り組み支援していくかとか、この辺の基本的なお考えを官房長官にお聞かせいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(福田康夫君) スリランカは西アジアの人口千六百万というそれほど大きな国ではないんですけれども、非常に親日的な国でございます。そういう意味で、あの地域が内乱が続いてきたというのは非常に残念なことであったわけでありますけれども、幸いにして和平の機運が高まってまいりました。
 そういう中で、三月十八、今月の十八日ですね、二十一日まで箱根でもってスリランカ政府とそれからLTTE、これはタミル・イーラム解放のトラという略でございますが、その間で第六回の和平交渉が行われました。我が国は、明石政府代表が北東部の、北と東部ですね、北と東部の復興開発のセッションに初めて参加をしていただきました。今回の交渉では、直前にスリランカ海軍とLTTEとの海上衝突事件が発生しまして、交渉の開催自体がどうなるのかなというような声もありましたが、交渉が始まりますと双方が冷静な態度を示して、そして予定どおりの日程で実務的な話合いが進められました。
 今回の交渉では、停戦合意の遵守等につき一定の進展は見られましたけれども、連邦制の在り方などの困難な諸問題がございまして、いまだ解決の見通しは得られておりません。
 今後の交渉の見通しについては、今現在申し上げるような状況にはないということでございます。しかし他方、今回の和平プロセスは約二十年にわたった内戦を終結させるまたとない機会でございますので、我が国としては、小泉総理の提唱する平和の定着と、こういう方向へ向けての貢献を具現化するという観点からも積極的に対応してまいりたいと思っております。
 六月にはスリランカ復興開発のための東京会合を開催する予定でございまして、この会合が和平プロセスに対する国際社会の一致した決意を表明して、これを効果的に後押しするものとなりますように、関係諸国、国際機関と協力しつつ対処をしていきたいと思っておりまして、いずれにしても、こういう和平のプロセスについては日本が積極的な立場でもって参加してまいりたいと思っておるわけでございます。
#97
○山口那津男君 終わります。
#98
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#99
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#100
○吉川春子君 共産党の吉川春子です。
 官房長官、まずアメリカのイラク攻撃について一問お伺いします。
 バグダッドには五百万人の人々が生活しています。一般市民の犠牲の映像は余りテレビでは流されませんけれども、あれだけミサイルを撃ち込まれて、市民の恐怖はいかばかりかと思います。日本もアメリカによる空襲の中で逃げ惑った経験があります。一つの爆弾から二百個の爆弾が破裂するクラスター爆弾も使用されています。今朝の従軍記者の記事では、アメリカの従軍ルールに従って報道していますと、こういう断り書きもありました。残虐な事実の報道は余りありませんけれども、もう想像して余りあると思います。
 アメリカは大量破壊兵器を使いたい放題使って戦争しております。民間人の犠牲も広がっています。こういう残虐な戦争は一日も早く中止すべきだと思いますが、まず官房長官の御意見を伺いたいと思います。
#101
○国務大臣(福田康夫君) この武力行使、これは要するに大量破壊兵器が廃棄されないということから起こったことでありまして、もとよりその武力行使を支持するという、これはもう容易な決断をしたわけじゃないんです。ですから、この武力行使による被害も最小限にとどまってほしいということを考えるのは、これはもう当然のことでございます。
 その上で、大量破壊兵器を放棄させ、そして、かつあの地域に平和と繁栄が再び訪れるような、そういうことを目指して、今、国際社会と申しますか、米英が、を中心とする活動をしていると、武力攻撃の活動をしていると、そういう状況にあると思っております。
#102
○吉川春子君 アメリカは大量破壊兵器の廃棄ということも言いますけれども、とにかくブッシュ大統領は、サダム・フセイン大統領の亡命を勧告し、政権転覆ということを考えているわけですけれども、官房長官、国連は、武力紛争を解決する手段としては、国際紛争を解決する手段としては武力行使を禁じております。そして、二つの例外は自衛と国連決議なわけですけれども、一四四一決議が武力行使を容認するものでないことは明らかですね。
 去年の十一月十一日の衆議院の有事特で共産党の木島日出夫議員の質問に答えて、官房長官は、今回の決議は、更なる重大な違反があれば安保理に報告されて、安保理決議の完全な履行の必要性を審議するために、安保理は即時に召集されるという規定があると。したがって、これは安保理においてまた協議をするというものと考えていると。米国の代表も、この決議は武力行使に関する隠された引き金も自動的には含まれないというふうに答弁されておられますけれども、この発言について、今の時点でも、官房長官、変わりませんか。
#103
○国務大臣(福田康夫君) 決議の一四四一は、安保理はイラクが決議六八七を含む関連諸決議の義務の重大な違反を継続的に犯しているということを決定し、イラクに対して関連安保理決議を履行する最後の機会を与えたものであります。
 これまでの査察団による安保理への累次の報告等においても明らかなとおり、決議一四四一で履行を求められている武装解除等の義務がイラクによって完全に履行されていないということから、更なる重大な違反が生じていると、こういうことになっておるわけでありまして、したがっていわゆる湾岸戦争の停戦条件を定めた決議六八七の重大な違反が現在も継続的に生じているということから、同決議に基づくいわゆる湾岸戦争の停戦の基礎が損なわれ、決議六七八に基づき武力行使が正当化されると、こういうふうに考えておるわけであります。
 こういうようなイラクに対する武力行使というのは、国際の平和と安全を回復するという明確な目的のために武力行使を認める国連憲章第七章の下で採択された決議、このただいま申し上げました三本の決議を含む関連安保理決議により正当化されると、こういうふうに考えております。
 一四四一自体には武力行使を法的に容認する規定はないという、そういうことであります。しかし、その関連する決議の下にこの武力行使が正当化されると、こういう考え方でございまして、そういうような考え方については、三月十七日のブッシュ大統領の演説とか、三月二十日のネグロポンテ米国国連大使の安保理議長あての書簡の中でも明確にされております。
#104
○吉川春子君 一四四一には武力行使を容認する内容は含まれていないと、今、官房長官がおっしゃったとおりだと思います。そして、湾岸戦争のときの決議を引用いたしましてその根拠があるんだというこの答弁は、もう繰り返し衆参各委員会でもう耳にたこができるほど私も聞いております。しかし、その不当性ということはもう明らかなのであって、私は、日本は国際紛争を解決する手段としては武力行使、武力による威嚇、これを憲法九条が禁止しておりますし、この日本政府が事もあろうにアメリカの先制攻撃を支持すると、また国連に根拠のない、国連決議もない、国連憲章にも違反する、こういう武力攻撃に踏み切ったことに対して支持を与えているということは、憲法違反であり許されないと思います。
 そもそもこの憲法は、第二次世界大戦の侵略戦争に深く反省して、諸国からの厳しい批判も受けて、それで国際公約として日本は昭和二十二年、一九四七年に制定されたものではなかったでしょうか。
 引き続き、私は官房長官に伺いますけれども、この侵略戦争の戦後処理の問題についても、まだ日本は引きずっているわけなんですね。それで、私たちはこの戦後処理の一つの方法として一月三十一日に、民主、社民、共産そして無所属あるいは国連のメンバーの何人かの議員さんとともに、八十六名で戦時性的強制被害者問題解決促進法案を国会に提出をいたしました。
 私たちは、この法案がその被害者や被害者を抱える国々にとって認めることができるものなのかどうか、そのことを一年掛けて各国を回り確かめてまいりました。そして、この法案の成立に対する期待が大きく表明されたことは午前中の岡崎議員の質問でも明らかにされたところです。
 そして、国連経済・社会・文化的権利委員会は従軍慰安婦について、締約国は手後れになる前に、従軍慰安婦を代表する団体との協議の上、被害者の期待に沿う形で補償をする方法と手段につき適切な取決めをするよう強く勧告いたしました。二〇〇一年の八月三十一日です。
 私は野党法案こそ、この国連の規約委員会が日本に対して求めている被害者の期待に沿う形での解決策だと思います。
 ところで、政府はこの勧告に対して国連に意見を提出いたしました。この意見の内容は、この規約委員会の結論は受け入れられないと、こういう拒否の内容のものですか、お伺いいたします。これは官房長官に伺いたいと思います。
#105
○副大臣(矢野哲朗君) 二〇〇一年の八月の我が国の政府の報告書に対しての委員会の見解に対しての反論がいかがだったかというようなお話だと、このような質問だと思いますけれども、私どもの日本政府の報告書の審査に際して、社会権規約がカバーする広範な事項に際しての説明でありました。しかしながら、約六時間程度しか時間が与えられない、口頭で十分な説明ができ得なかったということで、その委員会の見解については事実誤認を考えられているという一つの思いの中で我が国の政府見解を改めて出させていただきました。
#106
○吉川春子君 そうしますと、これは事実誤認の点だけを指摘したにとどまって、国連の勧告について拒否したという内容とは言えないと、こういうふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
#107
○副大臣(矢野哲朗君) いや、ですから、事実誤認のために、その見解がいかがかなというふうな思いでの政府の見解というふうに御理解ください。
#108
○吉川春子君 いかがかなというのは日本語的で、非常に、英訳もできないと思いますが、これは、国連の勧告は受け入れられないと、こういう意味ですか、政府の意見書は。
#109
○副大臣(矢野哲朗君) そのとおりであります。
#110
○吉川春子君 政府によるアジア女性基金の償い事業を受け入れた元慰安婦は二百八十五人であると政府はおっしゃっています。
 昨年十二月、当委員会の参考人質問で、中央大学の横田洋三先生が、オランダ、フィリピン、韓国、台湾の被害者で、はっきり確認された御存命の方々の、半数までは行きませんけれども、半数に近い三百六十四人がアジア女性基金を受け取られた方という事実があると。これは恐らくオランダの七十六名も含めた数だと思います。この数は別に今回争いません、オランダを含めればそういう数になるわけですから。拒否している方の数字はと亀井議員が、同僚議員が質問をいたしましたら、半数までは行きませんが、四〇%近い方がこの三百六十四人という数字になるのではないかと答弁しています。
 横田先生は、言うまでもないんですが、女性基金の運営審議委員長でいらっしゃいます。その先生の、その参考人の発言で受取を拒否している人は六割もいるということなんですね。政府は、なぜ今度の意見書でアジア女性基金は受け入れられているというふうに主張できるんでしょうか。
#111
○副大臣(矢野哲朗君) そもそも、慰安婦の方々が何人いらっしゃったかということを把握することは大変困難だということであります。基金事業を受け取った元慰安婦の方々が全体の何割かといったことについて確定的なことを申し上げることは大変困難であります。
 政府としましては、本件問題への対応につき国民的な議論を尽くした結果、既に高齢となられた元慰安婦の方々に現実的な救済を図るため、戦後処理の問題は法的には解決済みであることからアジア女性基金により対応することが最も適切かつ最善の方法だというふうに判断し、これまで基金の事業に対しては最大限の協力を行ってきました。基金の事業を受け取られた方の中からは多くの感謝の意も寄せられていると承知をしておるところであります。
#112
○吉川春子君 政府は国連への意見の中で、このアジア女性基金の償い事業を受け入れた人が二百八十五人いるんだと。これで国連が、女性基金を多くの被害者が受け入れていないということは事実誤認だという意見書を出しているわけですよね。だから国連は、まだ、横田先生の言葉によっても、六割近い人が受入れを拒否しているわけですから、その人たちについて何とかせよと、こういう勧告を出しているわけですよね。
 そのことについてどうするんですかと。受け入れている人がこれだけの数いるから、だからアジア女性基金でオーケーだよというふうには言えないんじゃないですか。その数字を私は示したつもりですが、もう一度答弁をお願いします。
#113
○副大臣(矢野哲朗君) 六割の方々がまだ拒否しているということで、勧告の、対する不服というふうな考え方ではないと思うんですね。あくまでも考え方の一つとして、アジア基金が民間の募金をもって対応をしたということに対して、いや、我が政府としてもしかるべき責任は対応していますという思いの中で我が政府の見解を出させていただいたということで御理解いただきたいと思います。
#114
○吉川春子君 六割が拒否しているというのは私が言ったんじゃないんです。アジア女性基金の運営委員長が言っているわけですよね。その数字はともかくとして、まだ多くの人がこの事業を受け入れていない。その人たちに対して、高齢なので、できるだけ早く日本政府は手だてを講じなさいというのが規約委員会の勧告ですよね。それについて事実誤認だからという理由だけで拒否しているんですけれども、受け取っていない人がまだ数多くいると、そういう認識はあるんでしょう。外務省、どうですか。
#115
○政府参考人(齋木昭隆君) 先ほど副大臣からも御答弁いたしましたけれども……
#116
○吉川春子君 繰り返しはいいですよ。今の質問に答えてください。
#117
○政府参考人(齋木昭隆君) 要するに、その女性基金からの受取手を把握するというのがこれなかなか難しいんでございます。やはり御本人たちの申出というものがなかなかできにくいような状況の中で、相当私どもとしても手を尽くして人数の把握というものを努めたんでございますけれども、一体何人いるのかという、正に正確な数というのは私どもとしては今日まで把握していないというのがこれは実情でございます。
 ただ、さっき副大臣も申しましたように、受け取られた方々の中からはこの事業について感謝の気持ちを日本政府に対して伝えているという、これもまた事実ございます。
#118
○吉川春子君 だから、受け取った人がいることは分かるんですよ。でも、受け取らない人もたくさんいるということが、当の事業をやっている運営委員長がおっしゃっているじゃないですか。
 受け取っていない人はこの事業を受け入れていないわけだから、そういう人たちに対して何とかしなさいと、こういう国連の勧告もあるし、国連の勧告だけではなくて、私も繰り返しここで言っているんですけれども、それについて、二百八十五人が受け取った、感謝の手紙も何通か来ていると、そういうことだけで国連の勧告についてノーと言えるのか、受け入れないということを言えるのかと。その点はどうですか。
#119
○副大臣(矢野哲朗君) 議員御指摘の部分は、仮訳でありますけれども、委員会は、主として民間の財源から資金が調達されているアジア女性基金により従軍慰安婦へ提供された補償が、当該慰安婦によって受け入れられる措置とみなされてきていないことに懸念を表明すると、この部分だと思いますね。
#120
○吉川春子君 まだその前なんです、質問は。
#121
○副大臣(矢野哲朗君) いや、この後段の部分、当該慰安婦によって受け入れられる措置とみなされていないことに懸念を表明する、その部分が、全体の数のどのぐらいのカバーをしたかというような問題だということで質問があったと思います。
 ですから、我が方としては、正にこの償い事業、日本国民並びに日本政府の真摯な気持ちの表れ、そして、残念ながらその全体の数が把握し切れないという段階で、韓国並びに台湾、それぞれの政府、民間関係の掌握している数を推定し、約三百人ぐらいがその対象の方々になるのかなという一つの事業の出発点の考え方が骨格にあります。それからすると、二百八十余名というのは、ほぼ事業としては対応でき得たかなと、我々の考えであります。
#122
○吉川春子君 三百が出発だなんて、そんなこと今初めて聞きましたよ。生存している人だけでも千人ぐらいかなという答弁は、官房長官か外務省か知りませんが、議事録に残っているはずです。
 それで、いいですか、横田洋三さんは皆さんが頼りにしているアジア女性基金の運営審議会の委員長じゃないですか。その方が、オランダの慰安婦も含めてさえもまだ御生存されている方の四割かなと、こうおっしゃっているわけですよ。だから、あと六割の人は受取を拒否しているわけなんですね。それで、横田先生は、被害者の多くがまだ自分たちの気持ちがいやされない、そしてアジア女性基金を受け取れないことをかなり大勢の方がおっしゃっているという状況をどうやって解決すべきか、日本政府も真剣に考えなければならないとおっしゃっているではありませんか。この点について政府はどうするんですか。
#123
○副大臣(矢野哲朗君) 横田先生の昨年の十二月十二日の参考人としての御意見を開陳された段階で、正確にはどのぐらいかということは申し上げにくいという一つの言葉から始まった一つの話だと思います。そして、我が政府の見解としましても、以前国会でも加藤アジア局長から約三百名という数字は既に発言済みの数字であります。
#124
○吉川春子君 要するにその数が、数が十とか二十とか百とか、そういうことを私は聞いているんじゃなくて、まだたくさんの人が受取を拒否しているということですよ。数突き合わせてもいいですけれどもね。数へ逃げ込まないでください。
 まだ慰安婦の方が完全にこのアジア女性基金を受け取っていないということは、外務省自身御苦労されたから分かっているでしょう。そういう中で、その当の横田先生自身がこういうふうにおっしゃっていて、まだこれで、二百八十五人の人が受け取ったからこれで終わりというふうには言えないんじゃないか。これでもう二百八十人の人が受け取ったから終わりだと、外務省はそういうふうに考えているんですか。
#125
○副大臣(矢野哲朗君) 繰り返しますけれども、参議院の予算委員会でありますけれども、約三百人ということで、ちょっとさっきに戻りますけれども、アジア女性基金が韓国、フィリピン、台湾の元慰安婦の方々、これは合計約三百人ということでございますが、これらの人たちに対する医療・福祉支援事業としてというふうなことでの一応答弁は既にさせていただいている。ですから、あらかたこの事業がスタートする段階でもって三百人を推定してというふうなことで御理解をいただきたいと思います。
#126
○吉川春子君 それでは、三百人と思っていたら二百八十五人が受け取ったから、これは大成功と、これが外務省の見解ですか。端的にイエスかノーかで聞きます。
#127
○副大臣(矢野哲朗君) 当然のことながら、事業の内容、趣旨からしまして、推定される方々全員の方々にこの事業が展開されるということが本来の趣旨だと思います。
#128
○吉川春子君 全員の方が受け取っていないんですね。数字のところへ逃げ込む作戦ですね、今日は。でも、ちょっと時間がないので先へ行きますよ。これまた、あしたも質問がありますので続けてやるかもしれません。
 償い金の受け取った方にお手紙を配っていますね。これは何人の方に配って、その内容はどういうことなんですか。
#129
○副大臣(矢野哲朗君) アジア女性基金から償い金を受け取った元慰安婦の方から感謝の声についてということでいただいていますけれども、この内容からして、人数、どの国に何人の方々にお送りしたということは、残念ながら公表は避けさせていただいております。
#130
○吉川春子君 もう全然基本的なところがなっていないですよ。二百八十五人の方に総理のお手紙も届いているんですよ、アジア女性基金を受け取った人には渡すという方針ですから。そうでしょう。分かりましたか。
#131
○副大臣(矢野哲朗君) そのとおりでございます。
#132
○吉川春子君 そうですね。
 法務省、いらっしゃいますか。法務省にお伺いいたしますけれども、ちょっと待って、法務省の前に外務省にもう一つ伺いますけれども、このおわびの手紙というのは、あなたの尊厳を極限まで傷付けて申し訳ないと、こういうおわびの手紙ですね。慰安婦の方、元慰安婦であった方に対するおわびの手紙ですか、そこだけ確認してください。
#133
○副大臣(矢野哲朗君) 女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題との認識をもってして、道義的な観点から内閣総理大臣よりおわびと反省の気持ちを率直に表した文面と考えております。
#134
○吉川春子君 そのお手紙は、元慰安婦であった方でアジア女性基金を受け入れた方にはお渡ししたわけですね。確認だから。
#135
○副大臣(矢野哲朗君) そのとおりであります。
#136
○吉川春子君 法務省、お伺いします。
 法務省は今、元慰安婦の方々から裁判を提訴されて、被告の当事者として国の立場で法廷で争っているわけですけれども、慰安婦であったかどうかということを確認していませんね。アジア女性基金を受け取った元慰安婦の人も裁判を起こしているんですが、その人についてもあなたは慰安婦であったという認定をしていないのはなぜですか。
#137
○政府参考人(都築弘君) ただいま委員の方からいわゆる従軍慰安婦訴訟におきます国の訴訟対応についてのお尋ねでございますが、現に係属中でございますので個別の答弁は差し控えたいと思います。
 ただ、一般論として申し上げますと、認否と申しますのは原告の主張の根拠となっております主要事実について行うものでございまして、今回の訴訟等での認否というものの中には、不知と認めるあるいは否認するというものがございます。そして、不知というものは原告主張の具体的な事実の確認が困難な場合にする対応と承知しております。特に不法行為訴訟におきますと、具体的な個別の事実というものが主張されるわけでございますが、その個々の事実につきましては、過去の古い事実関係でございますのでその存否を確認できないことが多いわけでございます。したがいまして、訴訟実務の中では不知等と答弁することが多いと思われます。
#138
○吉川春子君 不知というのは最初、九五年ぐらいまでです。その後、一切何もコメントしないという態度を政府は取っているわけです。
 しかし、元慰安婦の方でアジア女性基金を受け取って総理のおわびの手紙もいただいている、そういう方に対して法務省は、被告の立場で法廷に立っている法務省は不知と、あなたは知らないよと、あなたは慰安婦かどうか分からないよと、こういう態度を取っているというのはどうしてですか。その人は、国あるいはNGOが慰安婦として認めて、日本の政府もその方に対して償い金の二百万円、医療・福祉支援事業の三百万円もお払いして、総理大臣からあなたの尊厳を極限まで傷付けてごめんなさいと、こういうお手紙まで渡している、その人が法廷で争っているわけです。それで、アジア女性基金を受け取ることと法廷で争うこととは全く差し障りないというのも日本政府の立場ですね。その元慰安婦の方に対して不知とは何ですか。あなたは慰安婦かどうか分からないという態度を取っている、それはおかしいじゃないですか。もう客観的にいろいろな日本政府も絡んだ証拠の中から、その方は元慰安婦の被害者であったということは明らかじゃないですか。それを一人も認定していないというのは一体どういうことですか。
#139
○政府参考人(都築弘君) 一般論で申しますと、先ほど委員の方からも御指摘ございましたが、当初の訴訟対応の中で不知というような訴訟対応、さらにはその後は認否もこの関係ではしていないわけでございますけれども、一般論で申し上げますと、認否をしなくても原告の御主張になっておられる法律関係あるいは権利関係が成立しないというような場合にはよく取られる対応でございますので、訴訟対応の一つとしてしばしば考えられる、いわゆる主張自体失当の法理というようなものもございますので、そのような対応をしておるものと承知しております。
#140
○吉川春子君 一般論でそういう法廷の作戦があるということを、それを聞いているんじゃないんですよ。要するに、従軍慰安婦であった方が自分の存在を懸けて本当に名のり出るということは大変なことなんだけれども、それでも名のり出て、例えば東京地裁に提訴して裁判を争っている。私は従軍慰安婦の被害者の何々でした、そこを認めてもらうことが、損害賠償を認めるかどうかという後の判決以前に、まずその存在を認めてもらえない、このことは大変なことなんですよ。
 一般論でなくて、なぜ慰安婦であったということを、政府も、一方の外務省なり、内閣官房がやっていた時期もありますけれども、アジア女性基金がやっていた、あなたは慰安婦で、ごめんなさいというお手紙を渡した人に対してまで不知だとか、もう不知さえも言わない、こういう態度は許されないと思うんですよ。
 どうしてそういうことを証拠で認定するという、最低限のスタートですよ、そういうことさえできないのか、一般論じゃなくてお答えいただきたいと思います。法務省、どうですか。
#141
○政府参考人(都築弘君) 不法行為訴訟の場合に、先ほど申しましたが、裁判所で審理の対象になっておりますのは、具体的にいついつこのような事実があったという御主張をされることが多いわけでございます。したがいまして、個々のいついつこのような事実があったということを私どもは確認するすべがございませんので、当初の訴訟の中でそのような対応をしたと思っております。
 ただ、そのために、証拠法則にのっとりまして証拠調べの手続というのが裁判所で予定されておるわけでございますので、そこは裁判所の御判断、訴訟という場ではいただくというのも一つの考えではないかと、かように考えております。
#142
○吉川春子君 官房長官、最初ちょっと答弁されませんでしたけれども、要するに、日本政府が総理大臣のお手紙を渡している、その人が今度裁判所の法廷に立つと、同じ政府の一部局であるところの法務省は不知と、あなたを知らないと、あなたは慰安婦じゃないと、こういう主張をするということについて、官房長官はお認めになれますか、どうですか。
#143
○国務大臣(福田康夫君) 私も明確に申し上げる知識を持ち合わせていないんでありますけれども、法務省は法的な立場でそういう立場を取らざるを得ないということであったと思います。
 総理大臣が手紙を出したということについては、これは政治的な判断ということもあったんだろうというように思っておりますので、政治的な立場、法的な立場、その違いではなかろうかと思います。
#144
○吉川春子君 それでは、慰安婦の方にお渡しになったお手紙というのが法的には通用しない、法廷では通用しない、そういうお手紙をアジア女性基金は総理大臣の名前でお渡しになっているんですか、伺います。
#145
○国務大臣(福田康夫君) それは、総理大臣が出した政治的な、政治的なというふうに申し上げましたけれども、総理大臣の手紙の内容を法的にどういうふうに判断するかという、そういう問題になるかと思います。
#146
○吉川春子君 そうすると、総理大臣の手紙を法務省は信用できないと。あなたは慰安婦だと思って渡されているその手紙を信用できないから不知なんでしょう、証拠がはっきり固まれば不知なんという立場を取る必要はないんだから。それは大変おかしいことですよ。総理大臣の手紙すら信用できない。
 となると、アジア女性基金がお渡しになっている手紙というのはそういう内容のものなんですよ。本当に日本政府が謝罪したという価値のある手紙を本当だったら出すべきじゃないですか。
 このことについて、矢野副大臣、どう思いますか。
#147
○副大臣(矢野哲朗君) 私も、内容を十分読ませていただきまして、一句一句かみしめさせていただきました。
 先ほど申し上げたように、これを受け取った方々から感謝の気持ちを持ってというふうな反応も多数いただいております。ですから、十分我が政府の気持ちは相手に、相手の方々に伝わったと、こう理解をさせていただいております。
#148
○吉川春子君 伝わっているにもかかわらず、法務省のその態度、どう思いますか、大臣。知らないよと言っているんですよ、法務省。
#149
○国務大臣(福田康夫君) それは、もう再三申し上げているように、それは立場が違いますから、ですからそれはそれで法務省の方で、法務省というか法的な立場でよく吟味していただきたいと思います。
 しかし、法的なことで申し上げれば、我が国と相手国との間で請求権は放棄すると、こういうことになっておりますので、そこで法的には解決しているというように理解しております。
#150
○吉川春子君 総理大臣のお手紙というのがそういうものだと、もう法的には通用しないものなんだと、日本の法廷でですよ、日本の政府自身によって拒否されるようなものなんだということを私は指摘しておきたいと思います。
 いずれにしても、おわびをして、そしてその慰安婦の方に心が通じるような、そういう法的な性格はこの総理大臣のお手紙は持っていないということ、これはもうとんでもないことだと思うんですけれども、この問題は引き続き追及していきたいと思いますが、矢野大臣、本当にもう年齢も高い慰安婦の方々にとってもう残された歳月というのはほとんどないに等しいわけです。だから、いろいろな政府の立場はもう伺っていますけれども、何とか早い時期にこの問題について決着を是非付けていただきたい、外務省も真剣に考えていただきたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#151
○副大臣(矢野哲朗君) この件については、毎国会、野党のこの問題に特に精通されている先生が代表になられて法案を提出されることも知っております。そして、事の痛みを私も同じ思いで感じるならば、でき得る限り、今の御指摘のとおり、時の経過がかなり長くなった、そして対象者の方々が高齢だというふうな問題も含めて、先生御指摘のとおり、何かできることはないのかなと、私個人なりにいろいろな角度で検討もさせていただきたいなと考えております。
 しかしながら、法的には既に解決済み、なおかつアジア基金という一つの対応もされ、その結果申出がなかったという一つの経緯もこれまた事実としてあるわけでありますから、その辺をどういうふうなひとつ整合性を取り、何ができるかということを、大変難しい問題だとは思いますけれども、私なりに検討もさせていただこうと考えています。
#152
○吉川春子君 是非検討していただくように要請をいたしまして、時間も押してまいりましたので次の質問に移りたいと思います。
 石原大臣、お伺いいたしますが、今年中に公務員制度改革法案が国会に提出される予定であると聞いております。昨年、全労連と連合がそれぞれILOに対して、公務員制度改革がILO条約に違反すると提訴いたしました。で、二〇〇二年の十一月二十一日にILO理事会は、結社の自由委員会による報告、勧告を採択しました。日本の公務員制度そのものがILO八十七号条約、九十八号条約に違反しているとしており、国際基準に沿った法改正を求めております。
 内閣は自ら公務員制度改革を進めているわけですけれども、それならば、まずILO勧告を受け入れて、憲法二十八条の労働三権、これを完全に公務員労働者に保障すべきだと思います。
 使用者たる政府が労働条件の……(「人事院を呼べ」と呼ぶ者あり)いや、人事院の問題はもう重要ですから、またこれ、この後すぐやるんですけれども、使用者たる政府が労働条件の変更などを人事院抜きに一方的に行うことは許されないと思いますが、どうですか。
#153
○国務大臣(石原伸晃君) 前段の御質問にまずお答えして議論を深めさせていただければと思っておりますが、ILOの勧告が昨年の十一月二十一日に寄せられたということは十分に承知をしております。六項目から成っていたんだと思います。すなわち、消防職員の団結権の問題、また地方職員団体の登録制度の問題、さらには在籍専従、また、今ただいま委員が御指摘になりました基本権の制限の範囲の問題、そしてストライキの違反に対する民事上又は刑事上の制裁等々についてと今若干そこでお話が出ていた人事院の代償措置についてだと思っております。
 ただいまこの問題に対する政府側の正式な見解というものは、総務大臣より内閣委員会あるいは予算委員会等々で御答弁させていただいておりますように、これまでのILOの主張、我が国の人事院という労働基本権の代償措置として置かれている第三者機関の下で取り込まれてきた公務員制度というもの、こういうものに対して、一つ一例を出させていただきますと、消防職員の問題につきましては、平成の七年でございますか、消防委員会等々を作りまして、団結権に代わる委員会制度をいかに円滑に機能させていくのかというような観点でILO側の御理解というものも得ていたと、そういう立場であったわけでございます。
 それが労働基本権、いわゆる三権にまで御言及をされて、日本の制度が明らかに条約違反であると、こういう中間報告を出されたと、そういうふうに認識しておりまして、これも総務大臣の方から御答弁をさせていただいておりますけれども、今月じゅうに、やはり我が国はこの六項目について、こういう立場でありますし、これまでILOはこういうふうにおっしゃっていたのではないでしょうか、どこかに誤解、そごがあるのかないのか、そういうものについての情報提供を行わせていただくと。そして、その情報提供をILOの側で御吟味いただきまして、どのように正式的にお考えになられ、この結社の自由委員会はもう委員御承知のとおり拘束力のある委員会ではございませんで、ここから理事会に上がり、あるいは調停委員会等々に上がり、ILOという組織としての正式な御提言につながるということでございますので、この問題については引き続いて十分な情報提供を行い、理解を深めてまいりたいというのが政府の公式的な見解でございます。
#154
○吉川春子君 公務員制度改革について、これまで五十数年間、人事院が内閣と国会へ勧告、意見表明という形で行ってきまして、内閣が法案にして国会に提出してきました。ところが、今進んでいる公務員制度改革というのは人事院抜きなんですね。公務員の憲法二十八条の権利制約の代償措置として人事院があるわけです。なぜその人事院を差しおいて、政府が自分が使用している労働者の労働条件を一方的に決めるのか。労働者の方は基本権制約されているから手足縛られているわけですよ。だったら、この手足の縛りをまず除いてやるというんだったらまだ百歩譲って分かりますけれども、手足が縛られているから人事院という存在があるわけで、なぜ人事院抜きに公務員制度改革が行われているのか、その点についてはいかがですか。
#155
○国務大臣(石原伸晃君) この点についても若干私、誤解があると思うんですけれども、今回の改革では、勤務条件の法定主義の下での人事院の勧告制度を始めといたします人事院の持つ様々の代償機能は原則的に維持するということを考えておりますし、労働基本権の制約の代償措置は確保いたしますので、今回の改革により、ただいま委員が御指摘されましたように、公務員の方々の労働基本権制約の代償機能が低下するとか不十分になるということはないというふうに仕組みを今仕組んで検討をさせていただいている最中でございます。私は、そこに大きな誤解があるような気がしてなりません。
#156
○吉川春子君 人事院にお伺いいたします。
 人事院は、公務員改革にどのように関与していくのか、あるいは内閣が行っている公務員制度改革にどのように関与していくべきなのか、その点について人事院のお考えはどうですか。
#157
○政府参考人(佐藤壮郎君) お答えいたします。
 従来から、先生御指摘のように、政府が職員の勤務条件を変更しようとした場合には、人事院にまず御相談をいただいて、その上で人事院が労使の意見をよく聞き、場合によってはいわゆる有識者の方々の意見も踏まえて、内閣と国会に意見の申出あるいは勧告という形でお示ししているわけでございます。
 内閣も国会も私どもの勧告なり意見というのは十分尊重していただいておりまして、必要な立法措置なり法令の改廃を今までやってきていただいたわけでございます。結果的にはそういうことが公務員労使関係の安定にもつながり、国民の皆様の納得も得られるというふうに私ども思っております。
 ただ、今回の改革に際してはそういうプロセスは踏んでいただいていないということについては私ども大変不本意であり、残念だというふうに思っております。
#158
○吉川春子君 ちょっとそこに座っていてください。まだ伺います。
 人事院にお伺いいたしますけれども、そうすると、どういう形で公務員改革、今、内閣官房が進めている公務員改革に関与していくべきなのか、その点はどうですか。
#159
○政府参考人(佐藤壮郎君) 今までも機会があるごとに国会の場あるいは勧告に伴う報告の中で私どもの意見申し上げさせていただいておりますけれども、やっぱり基本的に私どもが一番公式であり重い方法であると思うのは、やっぱり国公法二十三条あるいは二十八条に基づく意見の申出なり勧告であるというふうに思います。
 ただ、私ども、そういう意見の申出なり勧告なりをすることは念頭には置いておりますけれども、現状では必ずしも具体的な制度設計の詳細あるいは改正法案そのものの詳細は分かっておりませんので、今のところまだそこまでは正式に決定しておりませんけれども、場合によっては勧告権なり意見の申出権を使って内閣と国会に対して私どもの意見を申し上げるというふうな形もひとつ必要ではないかというふうに思っております。
#160
○吉川春子君 石原大臣にお伺いいたしますけれども、今おっしゃった二十三条ですね、意見の申出ということを人事院は行ってきたわけですね。今回の公務員制度改革について、人事院についてどういう相談をして、どういう話合いをして進めているのでしょうか、その点についてお伺いします。
#161
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま佐藤人事官からプロセスを踏んでいないとか大変な御発言があったんですが、内閣の行革事務局の中には人事院の方も四十名のうち十八名の方においでいただいて十分お話もさせていただいておりますし、ただいま委員御指摘になりました勧告権等々も、意見の具申等々も行えるように、そういう枠組みで作っておりまして、一体となってこちらは人事制度、五十数年ぶりの改革に取り組んでいると御理解をいただきたいと思います。
#162
○吉川春子君 人事院の人が十八人入っていると。それは内閣官房じゃ分からないからできないでしょう。人事院でそういうことを長年やってきた人の意見を聞かないと、その仕組み一つ、具体的なこと一つなかなか分かりにくいと思います。
 そういう知恵をかりるということと、機関としての人事院、人事院の職員のだれそれさんにちょっと応援で手伝ってもらうということじゃなくて、仕組みとして、機関としての人事院についてどういう働き掛けをし、どういう相談をし、あるいは公務員制度改革の内容を提示しているのか、その点はどうですか。
#163
○国務大臣(石原伸晃君) 細かくは、今日は事務局がおりませんので、事務局から聞いていただきたいと思いますけれども、その都度その都度様々な問題について十分な御討議というものをさせていただいております。
#164
○吉川春子君 その都度その都度ということは、人事院総裁なり三人の人事官なり、そういう機関としての人事院に対して意見を求め意見を言う、そういう機会を与えているということなのかどうか。また、二十三条に基づく人事院の意見表明ということを完全に保障するつもりがあるのかどうか、その点はどうですか。
#165
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま人事院の皆様方と十分に御相談をさせていただきながら、国公法の改正を今国会に提出すべく鋭意検討をしている最中でございますので、もうしばらくお時間をいただければ全体像をお示しし、より踏み込んだ御議論をいただくことになると考えております。
#166
○吉川春子君 ですから、大臣は人事院という組織、こういう機能を持った組織との相談はまだ一度もしていないという今の答弁だったと思います。もっと明らかになってからということですけれども、私は、そもそも私たちも労働三権規制は反対ですから、人事院については、いろいろ思いもあり今までやってきたんですけれども、しかしこの人事院すらもないがしろにして、公務員の手足を縛ったまま、使用者たる政府が労働条件の改変について抜本的な改革案を出すなどということは大変なことだと思うんです。
 もう今日は時間がないんですけれども、幸いあしたも時間がありますので、この議論は、委員長、引き続きやることにいたしまして──五十一分までですよね。私は今日は収めますけれども、人事院の機関として、個々の人じゃなくて、そういう人について相談しているのかどうか、その点だけ一点、石原大臣に今日の最後に答弁をいただきたいと思います。
#167
○国務大臣(石原伸晃君) 私がさっきから御答弁させていただいておりますように、人事院の方と鋭意様々な分野、様々な段階で御議論をし、御相談をさせていただいているのは組織としての人事院に対してでございまして、別に、職員の方をおかりしているから、その職員の方々からアイデアをおかりしているというようなことではないというふうに御理解をしていただきたいと思います。
#168
○吉川春子君 じゃ、あしたに回します。
#169
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。
 質問に先立ち、私は今回の米軍によるイラク攻撃には断固反対であり、強く抗議したいと思います。また、我が国外交の基本である平和主義や国連中心主義を放棄し、無原則に米国のブッシュ政権のやり方を裏で支持しながら国民への説明責任を果たそうとしてこなかった小泉総理に対して強く抗議し、戦争反対の圧倒的な国民の声に背いた小泉内閣のアメリカ支持の行動は、国際社会からも国民からも厳しい審判を受けるであろうということをこの際申し上げておきたいと思います。
 地元沖縄におきましては、最新の世論調査では、イラク攻撃に反対が九〇%を超え、賛成はわずか八%にすぎません。国連査察の継続、強化で平和的解決に努力すべきが九二%となっており、さきの大戦で唯一の地上戦を経験した沖縄県民の声としてはもっともなことだと思っております。
 また、三月十六日の地元紙の政党座談会で、自民党県連の翁長政俊政調会長は、国連中心主義で日本が最後の最後まで平和解決ができるよう今後ともやっていくべきだと発言をしており、また公明党沖縄県本部の糸洲朝則氏は、沖縄の歴史や置かれた立場を考えると、いかなる理由にせよ戦争を起こさせてはならない、それが県民の使命だと言い切っております。このように、沖縄では党派を超えて平和を希求する気持ちが強いわけであります。
 その沖縄には在日米軍の専用施設の七五%が集中しております。国際世論の声を無視した米国などのイラク攻撃は、日ごろ米兵の犯罪や基地公害に苦しむ沖縄県民にとって、反米、反基地感情が高まるものと思っております。
 小泉内閣のスポークスマンとしての福田内閣官房長官の御所見はいかがなものですか、お伺いいたします。
#170
○国務大臣(福田康夫君) 今回の米国を中心とする武力行使、これはブッシュ大統領も苦渋の決断であると、判断であると、こういうふうに述べていたと思います。我が国もこの米国を支持するというそのことについては、これはそんな簡単な決断ではございませんでした。
 しかし一方、大量破壊兵器という問題は、これは二十一世紀の本当に大きな問題だというように思います。冷戦が終了しましてからこの問題は急に大きさを増してきたというように思っております。これを放置しておくことは、これは将来の国際社会の不安の種を方々に拡散する可能性がある、極めて大きなそういう可能性があるという、そういう状況の中で武力行使をするということになったわけでございまして、我が国もそれを支持するということになったわけであります。
 そしてまた、この大量破壊兵器を廃棄するということについては、これはもう長年掛かっていろいろなことを国際社会が協力してやってきた、にもかかわらずそれは解決しなかったと、こういう事態において、やむを得ざる手段としてこういう事態になったんだという、こういう認識をいたしております。
 そういうことでございますから、我々としては、大量破壊兵器を除去するために、私は、本当に、フセイン大統領が一生懸命守るというのはいいですけれども、しかし、御自身を守るだけでなく、イラクの国民のことも考えてもらわなければ困る。フセイン大統領が決断すれば一挙に解決する、そして平和になる可能性が極めて高かったという、そういうことも考え併せ、やはりフセイン大統領に、この際、今からでも遅くないから何とか解決に向けての態度を示してほしいと、そんなふうに今思っておるところでございます。
#171
○島袋宗康君 ですから、フセイン大統領が大統領を辞めれば解決するというふうなことでありますけれども、やはり安保理ではちゃんと査察を継続しているわけですから、それをもう少し継続したらどうかというふうな、私は全世界的な世論だと思うんですよね。それをあえてブッシュが、やっぱりもう大量破壊兵器駄目だということで、あるいは生物兵器駄目だということで一方的に決断をしたということに対しての、私は、国民の多くの方々がそれはまずいんじゃないかというふうなことになっていると思うんですよ。ですから、その辺について、もう少しやっぱり、最初から国民に対しての説明責任というものが果たされていないというふうな感じを受けております。
 したがって、私は、まだやっぱり、せっかく安保理の決議に従っていわゆる査察を継続しているわけですから、その問題についてもう少し政府が配慮すべきじゃなかったかなというふうに思いますけれども、その辺についての御見解を承りたいと思います。
#172
○国務大臣(福田康夫君) 何度も御説明を申し上げていることでございますけれども、結局、フセイン大統領が無制限、無条件の査察に応じない。そればかりでなく、あれだけ軍隊を徐々に蓄積していって、そしてそういう軍事力を背景にして、ようやく最後のころになったら慌てていろいろ出してきたと。こういう態度ですね、この不誠実な態度、これにはやはり国際社会も限界を感じなきゃいけないと思う。
 今回、国際社会の意見が一致しませんでした。中には査察を継続したらいいんではないかというような話もございましたけれども、じゃ、査察を継続して、一体いつまで継続すればいいのかと。そして、本当にフセイン大統領が決断して、有効な査察ができるように、またそれが大量破壊兵器廃棄につながるようになるかどうか。そのことについて具体的な提案もなかったんです、実は。ただ延ばせばいいという話でありまして、じゃ、延ばした期間、あそこまで軍隊を集めた、米国の軍隊ですね、これはほかの国は代わってそういう軍事力を集結することができるのかどうか。あそこまでやって、ようやくそれに対して小出しの回答をしてきたと。それでもなおかつまだまだあるんだという話ですから。これは査察報告であるわけですから。ですから、それは一体、具体的にどういうふうにやったら実行可能なのかということについては大変疑問があるわけです。
 それにも増して、ましてや十二年間にわたって、十二年以上にわたってそういう事態を解決してこなかったという、そういうイラクの態度、この態度は、これはやはり大量破壊兵器を放棄しようという気持ちがないんだと、こういうふうに考えざるを得ないんじゃないでしょうか。それに対して武力攻撃を行ったということについては、これは私は理解ができるということであります。
#173
○島袋宗康君 この辺については意見の分かれるところでありますけれども、次に進みたいと思います。
 沖縄の構造改革特区第二次募集についてお尋ねしたいと思います。
 本年一月十五日に締め切られた構造改革特区の第二次提案募集では、昨年夏の第一次募集を百二十五件上回る六百五十一件の構想が全国から提案され、構造改革特区に対する期待の高さを示しております。
 沖縄からも県がノービザや通関、検疫の二十四時間三百六十五日化、CIQ業務の自治体移管などを盛り込んだ沖縄国際観光コンベンション特区を再提案をしたのを始め、石垣市のノービザ観光特区、名護市の金融テクノロジー開発特区、具志川など三市町の健康長寿産業振興特区、那覇港湾管理組合の那覇港フリーポート特区、平良市の緑のダム特区など、再提案を含め九特区が提案されております。
 第二次提案募集において再提案を含め全国から多数の構想が提案されておりますが、特区として実施するというのはわずかばかりであります。
 そこでお伺いいたします。
 第二次提案募集を受けて、鴻池大臣は、各省大臣、特に厚生労働大臣との間では相当激しいやり取りがあったと聞いておりますけれども、各省庁の抵抗を廃し、特区実現に向けて孤軍奮闘されている鴻池大臣の心境といいますか、総括的御所見をお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(鴻池祥肇君) お褒めにあずかりまして恐縮をいたしておりますけれども、実は私、九月三十日に総理からお電話をいただきまして、自分の構造改革について賛同いただけるならば国務大臣に就任されたし、そして、ついては官邸に来られたしと。承知いたしましたと言った以上は、総理が東を向いて走るならば私も先に回って東がこちらですという御案内を差し上げるか、一緒のスピードで進んでいかなきゃいかぬという、そういう思いでおるわけであります。中には牛に乗って西を向いて走る人もおられるわけでありますけれども。
 しかし、構造改革という、世論、マスコミを含めてやらなければならないということはほとんどの国民の皆さんが、あるいは政治家の与野党問わず思っておられることでありますので、私自身、そういうお引き受けした以上は、先ほど来の御議論ございますけれども、何か、特命であるかないか関係なく、私の持てる範囲、私の持っております小さな竹光で進んでまいったところでございますが、おかげをもちまして百四十の、これ七月の中ごろに特区室ができまして、八月三十日締切りで募集、九月三十日私は就任をいたしました。そして、一月十五日第二次提案の締切り。これをもって今のところ百四十の特区における規制改革、いわゆる規制改革、あるいは緩和あるいは規制を外すということ。それから、副産物として百八十八の全国で規制緩和をするという結果を見たことは、極めて御協力をいただきました各省庁を始め各大臣に感謝を申し上げているところでございますし、なおますます特区につきまして地方あるいは民間の情熱というものがひしひしと伝わってきておるところであります。
 なお、引き続き担当をさせていただいております限りは、御期待に沿うべく努力をする覚悟でございます。
#175
○島袋宗康君 大変御努力によって成果を上げておられるということは評価しておきたいというふうに思っております。
 そこで、沖縄県内から提案されております県民の関心の高いノービザやキャプティブ保険の導入、緑のダム特区などが特区として対応は困難とされており、不採択となっておりますけれども、各省庁に対して特区推進室から再三検討の要請がなされたと聞いております。その回答はどのようなものであったのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
#176
○政府参考人(中城吉郎君) お答えを申し上げます。
 沖縄県内からの提案につきまして、まずビザに係る規制につきましては、ビザ免除という提案は、不法就労や不法滞在等の防止の観点から提案の実現は困難であるが、短期滞在査証申請については提出書類の削減を特区で実施するという回答を外務省から得ているところでございます。
 それから、二番目のキャプティブ保険に関する規制につきましては、再保険出再元である既存保険会社は特定地域にとどまらず保険契約の引受け等を行っており、再保険を受ける者が破綻した場合の影響が特定地域にとどまるものではないということから、キャプティブ保険制度については広く国内金融制度一般の問題としてとらえる必要があり、その制度や規制監督の在り方については保険契約者保護の観点から慎重に検討する必要があるというのが金融庁からの回答でございます。
 それから、三番目の緑のダム特区でございますが、これは生活のすべてを地下水に依存しております平良市からの御提案でございますけれども、こうした豊富な水資源を保全するために宮古島全体を緑のダムと位置付けまして、水源涵養林を造成し、水源地及び水源流域の保全を図るというものでございます。
 この提案につきましては、地下水の所有権の制限という民法上の特例を求めるものや、宮古島の上水道企業団が水源涵養林造成のために行います土地取得が土地収用法上の対象となることを求めるというようなものでございましたが、前者の提案につきましては、地下水部分を所有権の範囲から除外したとしても水質保全には寄与しない、要望を実現するためには水質汚濁防止法や土壌汚染対策法等の適用により水質を保全すべきという回答が法務省から来ております。また、後者の提案につきましては、土地収用法上、現行制度で対応可能であるという回答が国土交通省から来ているところでございます。
#177
○島袋宗康君 沖縄県が提案した国際観光・保養特区のうち、今回の韓国など近隣諸国からの団体観光客については短期滞在ビザの発給手続に必要な提出書類を削減できることが認められましたけれども、観光産業を基幹産業として振興の大きな柱とする沖縄県にとって大変有意義なことであります。本年二月から上海の日本総領事館でもビザ発給が行われるようになったことと併せて、沖縄県の観光客誘致の弾みになると思います。
 そこで、この点について米田副大臣の御所見を賜りたいと思います。
#178
○副大臣(米田建三君) お答えをいたします。
 沖縄振興の一環としまして、平成十一年の六月の沖縄経済振興二十一世紀プラン中間報告におきまして査証手続等の緩和措置の方針が打ち出されました。それに基づきまして、平成十一年の九月から、韓国を含む近隣諸国・地域からの沖縄訪問客の増加を図るため、査証手続の緩和措置等が実施されているわけでございます。また、本年二月から、お話のとおり、中国からの団体観光客の査証申請発給手続が北京の日本大使館だけでなく上海の日本総領事館においても認められるようになりました。
 沖縄の美しい海と豊かな自然、そしてまた沖縄独自の歴史、文化等、これらにかんがみまして、沖縄は特にアジア諸国にとっても近隣の国際的な海洋リゾート地域である、そして相当の観光の面での潜在的な可能性を有していると、そのように判断をしております。
 特に中国につきましては、中国の今後の所得の水準の向上を考えるときに、中国からの観光客の拡大は中長期的に大変大きく期待できるのではないかというふうに考えております。これからの沖縄観光にとりまして、これらの国々からの観光客の誘致は大きな課題であり、今回の措置を契機に更に沖縄県と連携を、協力をいたしまして、海外誘客活動などを通じ、アジア諸国など海外からの観光客の増加を促進してまいりたいというふうに考えております。
#179
○島袋宗康君 次に、ビザ発給手続の関連でお伺いいたしますけれども、台湾からの団体観光客については特区との関係ではどのような扱いになるのか、外務省から御説明願いたいと思います。
#180
○政府参考人(遠藤茂君) お答えいたします。
 外務省といたしましては、構造改革特区にかかわる地方自治体からの要望にこたえるべく鋭意検討を行っております。沖縄県からは、特区との関連で、台湾、香港、韓国からの団体旅行客に対する査証免除が、また石垣市からは台湾からの入国者に対する査証免除が要望されております。
 他方、入管法上の査証免除は、特定国・地域あるいは特定個人に対して全国レベルで行うことを想定しており、このような観点から、特区に限った形での対応は難しいと思われます。また、我が国国内の特定の地域への渡航を目的とする訪日の場合であっても、いったん入国した外国人は自由に国内を移動できるため、不法滞在、不法就労、犯罪、テロ防止の観点から、査証免除は難しいと考えております。
 そもそも、外務省といたしましても、人の交流を促進していくことは私どもの仕事でございます。したがって、石垣市を含む沖縄県などの特定の地域への観光等の短期滞在を目的とする外国人について、一定の要件を満たす場合には査証申請手続の緩和を実現したいと考えております。
#181
○島袋宗康君 石垣市は台湾に近いわけですから、今、不法滞在とかあるいは不法就労とかいったようなことについては、やっぱり石垣市内に限って、あるいは八重山地域に限ってのビザ発給については、本土に移動するとかというふうなことは、それはそのビザ発給をする時点でそういうことのないようにというふうな形での整理をすれば、石垣市内から外に本土に向けて出ていくというふうなことについては、それこそ不法滞在につながるわけですから、それはあり得ない話であって、石垣市内に、あるいは八重山地域に限ってのビザの発給というものはそんなに難しいことじゃないんじゃないですか。
#182
○政府参考人(遠藤茂君) お考えは理解するところでございますけれども、いったん石垣市に入ってしまいますと、あとは自由に移動できるわけでございます。石垣市だけというわけには多分、事実上難しいんだろうと思いますんですが、したがいまして、なかなか一遍に査証免除というのは難しい点がございます。
 いずれにしましても、どのような緩和措置が、手続の緩和措置ができるかにつきましては、関係地方自治体と協議させていただきたいと思います。
#183
○島袋宗康君 是非その辺をもう一度検討されて、実現方よろしく、ノービザで来れるような観光誘致をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、内閣総理大臣の観光立国懇談会についてお伺いいたします。
 内閣総理大臣が開催する観光立国懇談会が本年一月立ち上がりました。我が国の歴史、文化、自然環境など観光資源を再発見し、整備し、それを内外に発信することは、国際交流だけでなく、我が国経済の再生のためにも重要な課題であります。また、本土とは異なる独自の文化や自然環境を持つ沖縄にとっても、総理の観光立国懇談会の議論の行方については注目しているところであります。
 そこで、今なぜ観光立国を目指すのかという点について、懇談会の設立や経緯など、その議論について、その方向について簡潔に御説明を願いたいと思います。
#184
○国務大臣(福田康夫君) 観光立国、これは我が国、もう何十年前ですかね、随分前からこのことは言っているんですけれども、しかし、今現在、何と日本に来る人は五百万人、日本から出ていく人は一千六百万と、こういうことで、例えばニューヨークだと四千万人、パリだと七千万人とか、そういうような人が訪れるというのに比べますと、いかにも寂しい数字でございます。
 そのことは、何も観光だけじゃないんですね。例えば海外の投資、日本国内に対する投資も極めて少ないということでございまして、外から日本に来ないんですね。それを抜本的に変えなきゃいけないと、こういうこともございまして、これは、投資の方についてはこれを改善しようという、そういう今委員会できております。そこで検討いたしております。
 この観光立国については、これは、もう沖縄はもう正に観光に相当力を入れていらっしゃる、また観光資源は豊富でございますから、もっともっと伸びてほしいというように思っているところでございますけれども、そういう日本にいろいろな外国から人が来てくれるということは、これは雇用の増加というような産業の発展にもつながりますけれども、それ以上に日本の、そういうことを通して日本の社会の活性化、これにつながるんではなかろうかと。先ほど申した海外投資が増えないのも活性化になっていない、そういうことでありますので、そういうことも併せて日本の社会の活性化につなげていく。
 そしてまた、もう一つ言えば、そうやって日本にいろんな海外から人がたくさん来て、そして日本のことを理解する、日本人を理解するということは、これは一つの安全保障でもあろうかと思うんですよ。そういうようなことも踏まえまして、どうやったらば日本にたくさん来ていただけるかという、そういうことを抜本的に考えてみようというのがこの懇談会の趣旨でございます。
 この懇談会では、観光に直接関係のない人に集まっていただきまして、いわゆる例えば観光地の振興とか、そういったような観点だけでなくて、もっと幅広い観点から議論をしてもらおうというようなことで、取りあえず、取りあえずの目標としては、今五百万人の人を二〇一〇年には一千万人に倍増させようと、こんなふうな一応数字目標も立てまして、これからいろんな議論をしていただき、そしてその議論がまとまりましたら、その次にはその議論を基にして具体的な、実務に詳しい方などにお集まりいただき、より具体的な議論をしていこうと、こんなふうなことを考えておりまして、二段ロケットみたいなことでございますけれども、早急にこれは結論を出して推進してまいりたいというように考えているところでございます。
#185
○島袋宗康君 時間がありませんので、次、ちょっと飛ばして進めたいと思います。
 懇談会の第二回の会合では論点整理のメモが配付され、その中で、アジアの国々の人々が日本に来やすい環境の整備が挙げられておりますが、その対策の一つとして特区でノービザを考えてよいのではないかというふうに思いますけれども、その辺について御所見を承りたいと思います。
#186
○政府参考人(中城吉郎君) その懇談会で出たということを私今聞きましたので、あれではございますけれども、そうしたものについての検討というものについて、また地方からそういう意見が出てくれば十分検討させていただきたいというふうに考えております。
#187
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま福田官房長官のお話のとおりでございますが、特区の担当といたしまして、先ほどの石垣のビザなしの件も私は検討に値すると思います。また、外務省ともいろんなところでお話をしたいと思っておりますけれども、ただ、外務省の方から説明がありましたように、いったん日本の国に入りまして、どこへ行くか分からなくなっていろんな大きな事件が起きたりいたします。そういう懸念もあるということも一つ御承知おきをいただきたいと思うわけでございます。
 特に、私は沖縄開発政務次官というのは二度やらせていただいておりますので、全部が全部分かっているわけじゃございませんが、今回の観光立国という総理の構想につきましては、沖縄が非常に大きな役割を果たすものだというふうに私なりに理解をいたしておりまして、四百七十七万人の日本へ来られる方々がそのうち一千万になりますためには、沖縄県の位置というものが大変重要になろうかと思います。そういう中で、特区についてのひとつ御提案を何度も何度もひとつお出しをいただいて、ともに検討をしていきたいということだけを申し上げておきたいと思います。
#188
○島袋宗康君 今の総理の進めていらっしゃる観光立国と沖縄の観光立県というのは非常に結び付くと思います。したがいまして、沖縄の観光立県というものを、もっともっと県民の期待にこたえられるようないわゆる国の施策を沖縄にも展開していただきたいというふうに思っています。
 ただいま御説明いただいておりますけれども、私は、そのテロ対策という点では、空港や港での入りのところできっちりと整理してやっていけば、ノービザという問題については日本を訪れやすい環境の整備と非常に矛盾しないと思いますので、是非その件については、先ほど検討するとおっしゃいましたけれども、もう一度深く検討されて、沖縄のせっかくの観光立県との位置付けをこれからどんどん増やしていくためには、外国からのノービザの問題については真剣に考えていかなくちゃならない問題だと思っていますので、再度ひとつ、鴻池大臣かあるいはどなたか。
#189
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先ほども申し上げましたように、観光立国という一つの目標を持つ以上はそれなりの対処を政府がしなければならないと思います。そのうちの一つが、やはり入ってきていただきやすい状況を作るというのが大事な部分であろうかと思いますので、外務省等とも相談を十分いたしまして、一歩でも進みますことを念頭に頑張っていきたいと、このように思っております。
#190
○島袋宗康君 終わります。
#191
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。官房長官、大変朝から大変御苦労さまでございます。
 午前中にも山口先生から情報収集衛星につきまして質問がございましたけれども、ダブるかもしれませんけれども、あえて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 平成十年の十二月二十二日の閣議決定により導入されるということになっておりました情報収集衛星、いよいよ三日後、三月の二十八日に種子島の宇宙センターから打ち上げられることになっております。関係者の皆さんには本当に万全の努力をしていただきたいというふうに思うのであります。
 私、朝八時十五分に、今日、NHKの連続テレビ小説「まんてん」というのを見たんですが、満天さんが今日宇宙へ見事に旅立っておりますので、この情報収集衛星も見事に成功していただきたいなというふうに思っております。
 全然話は変わるんですが、この衛星が打ち上げられることになったのは、やはり平成十年の北朝鮮がテポドンミサイルを発射することによって、我が国の安全という面からしてどうしてもいろんな情報収集が必要だということで打ち上げられることになったというふうに私は理解をいたしております。生物化学兵器の保有あるいは実験用原子炉あるいは地対艦ミサイルの発射等、今、北朝鮮の軍事的な状況といいますか、政治的な状況を見るときに、大変な私どもは懸念を抱かざるを得ないのであります。
 そういう意味で、この情報収集衛星というのは第一世代として四機打ち上げられることになっているようでございますが、この衛星が打ち上げられることによって我が国の安全という面でどのような貢献をするのか、官房長官にお伺いをしたいというふうに思います。
 また、これらの衛星の打ち上げ後の画像の解析と併せて、これはいろんな意味で友好国との情報の交換あるいは政府部内の情報の伝達というのも大変重要な一つの大きな要素になるというふうに思っております。と同時に、この衛星の管制といいますか、そういうようなものも、そういう管制をする人的資源の確保あるいは技術の訓練というのも大変重要なことだと思いますので、併せてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#192
○国務大臣(福田康夫君) 今、委員御指摘の情報収集衛星は、いよいよ今週金曜日に打ち上げと、こういうことになりました。特別のことがなければ順調にいくだろうという大きな期待を持っているところでございます。
 衛星は、今までこの画像衛星は、商業的なものを買うとか、それからその他の方法で入手するというようなことはございます。今現在そういうふうにやっておるわけでございますけれども、こういう情報というのは自分で持つか持たないかで情報の価値が全然違うと、こういうこともございます。ということでございますから、今回のこの情報を持つことで、私は情報収集、この衛星を持つことでね、情報収集の価値が全然違ってくるんだろうというふうに思っておりますので、そういう面からも期待をいたしております。
 これは、ただいま御指摘の安全保障の問題のみならず、例えば地震だとか、そういったような災害にも対応すると、こういうことでございます。我が国は自然災害が非常に多いということでございまして、地震とか、それから火山の噴火など、こういうような大規模災害の可能性、こういうものをこの情報衛星を通して情報を早期に入手できると、それから実際に目で見て判断できると、こういうような利点がございます。
 それから、弾道ミサイル基地とか、艦艇、航空機などの状況、これは安全保障上の問題でございます。
 それからまた、更に申し上げれば、海外における法人保護に必要な情報、例えば紛争があるとか、大規模な事件があるとか、事故があるとか、そういったようなときにはこの情報収集衛星を通して入手できるといういろんな機能があるわけでございますので、それは大変価値の大きなものだということはそれで申し上げられるし、そして日本の国民の安全、国の安全ということを考えた上でも威力を発揮できるんだろうというように思っております。そういうことで、御質問の点につきましては、格段に情報機能が大きくなるというふうに考えております。
 あと、実際の運営等々につきましては担当の方からお答えをさせていただきます。
#193
○政府参考人(貞岡義幸君) 御説明申し上げます。
 政府部内での画像情報の取扱いにつきましては、事柄の性質上、誠に申し訳ございませんが、具体的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと考えております。
 しかしながら、一般論として申し上げますと、今後、情報収集衛星の運営や画像情報の利用を通じて内閣の情報機能の強化を図るため、外交、防衛、治安等の情報を担当する諸機関の連携を一層強化してまいりたいと考えております。
 御指摘の点についても、この観点を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えておりますので、御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
#194
○政府参考人(小林武仁君) 御説明申し上げます。
 情報収集衛星の当プロジェクトの人的資源の確保、技術の訓練についての御質問でございますが、平成十三年四月に当内閣衛星情報センターが設置されまして、平成十五年度に新たに定員十三人が措置される予定でございます。これまでに整備済みの要員と合わせますと、三百二十名の体制となる見込みであります。
 職員につきましては、画像情報の利用を想定しております省庁等や情報収集衛星の開発に関係する省庁等の職員、また衛星運用等にもう既に知見のある民間人の採用により確保してまいったところであります。
 また、情報収集衛星打ち上げまでに必要な知識、技術を習得させることを目標といたしまして、平成十二年度以降、訓練を順次実施してまいったところであります。
 具体的に申し上げますと、職員の業務内容に応じまして、衛星管制の問題、それから受信及び画像処理の問題、それから画像の解析及び判読、さらに、総合的な運用管理等に関する所要の訓練を、欧米の専門的機関における教育訓練を受けまして実施してまいったところであります。
 こうしたことで、いよいよ本格的な業務開始に備えているところであります。
#195
○西銘順志郎君 大変高額な費用が掛かると思いますので、是非成功して、しっかり国の安全にも寄与していただきたいなというふうにお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 続いて、拉致問題についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 昨年の十月のクアラルンプールの交渉以後、この拉致問題に関して、日朝交渉といいますか、日朝正常化交渉といいますか、これについてはもう私どもが見ますと膠着状態に入っているというようなことでございます。拉致問題にいたしましても一向に前進が見られないというような状況でありまして、せんだってこの拉致被害者家族の連絡会が訪米をなさったようでございます。アメリカの議会の上院の方々、下院の方々、あるいはアーミテージ国務副長官等にもお会いをして、この拉致問題の解決、拉致問題はイコールテロであると、現在進行形のテロであるというようなことでアメリカにも解決の要請をしたようにテレビで報道されておるのを見たわけであります。拉致問題の当事者はもう何といっても日本であるわけでございまして、私はこの拉致問題の解決にやはり国は全力を挙げて取り組むべきだというふうに考えておるわけでございます。
 十四日のこの委員会で官房長官、所信表明されたわけでありますけれども、北朝鮮による拉致問題については、被害者の方々及び家族の御意向も踏まえながら、北朝鮮に対し、事実の解明、五人の被害者家族の帰国を強く求めるというふうにおっしゃっておられるわけでございます。
 私ももう拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないというふうに思います。そして、拉致問題の解決に向けてもう我が国が交渉のカードを切るべきときに来ているんではないかというふうに思います。食糧、エネルギーあるいは金融取引、またあの新潟に入港しております万景峰号の往来も含めて、これは日本のカードになり得ると思っていますし、なさなければならないというふうに思いますが、この件につきまして官房長官の御意見もお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 と同時に、日、米、韓、中国、ロシアというような協調体制を取るというふうにおっしゃっておられるわけでございますけれども、この国々がどのような形の中でどのようにして北朝鮮に圧力を掛けていくのかということも併せてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#196
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ御質問ございましたけれども、まとめて、ではお答えをさせていただきます。
 まず拉致問題でございますけれども、これは政府として、被害者の方々のまた御家族の方の御意向も踏まえながら、引き続き北朝鮮側に対しまして事実解明を強く求めておりますとともに、五人の被害者家族の帰国についても早期に実現するように取り組んでおるところでございます。
 しかしながら、日朝国交正常化交渉については、これは現時点で直ちにこれを行う状況にはございません。この拉致の問題については、北朝鮮側はまず五名の被害者の方々を北朝鮮に戻すことが必要である旨、引き続き主張しておりまして、双方の立場には依然として隔たりがあるというのが現状でございます。
 こういうような状況の中で重要なことは、国際社会が一致して北朝鮮に対して、北朝鮮をめぐる諸問題の解決に向けて責任ある対応を取るように強く求めていくこととともに、日朝平壌宣言に従って諸問題を解決して国交正常化を実現することが北朝鮮自身にとっても利益になるということを北朝鮮に理解させることである、こういうことであります。
 御指摘のような北朝鮮に対する経済制裁、これにつきましては、現時点では国連安保理においても経済制裁を議論すべきであるとしている国は今のところはないというふうに承知しております。いずれにしましても、北朝鮮をめぐる諸問題については外交的手段で平和的に解決するということが必要でございまして、このような観点から慎重にこの問題にも対応していきたいと考えております。
 また、北朝鮮に対する食糧支援については、一般論として言えば、人道上の考慮に加えて種々の要素を総合的に勘案しながら検討すべき問題であると認識しておりますけれども、現在、政府としては北朝鮮に対する新たな食糧支援について具体的な検討は行っておりません。
 拉致問題の解決のためには北朝鮮に対する我が国独自の働き掛けもございます。これはもう当然のことでありますけれども。これを行うと同時に、関係国との協力それから国際世論の支持、これも重要であると考えておりますので、そういう観点から、従来から他の関係国との協議とか国際会議の場で拉致問題解決の重要性をしてきておるところでございます。
 この問題については、日朝の直接の交渉もこれも大事でございますけれども、多国間の枠組みの中において交渉するということも大事であるということで、今いろいろな方法について検討していると、こういう状況にございます。
#197
○西銘順志郎君 この拉致問題、国民の多くの皆さんが大変注目をしているというふうに私は思っていますので、できるだけ早期に解決できるように政府の御努力をお願いを申し上げたいというふうに思うのであります。
 午前中からイラクの問題につきましていろいろ質問等がございました。イラクの情勢というのは大変今極めて厳しい局面を迎えているというふうに理解をいたしております。ブッシュ大統領の攻撃命令が二十日に出まして、当委員会も一時中断をしたというようなこともございまして、もう既に五日目に入ったわけでございますけれども、米英軍というのはイラクの首都バグダッドに向けて進攻中でありますし、テレビの報道でしか見ることできませんけれども、イラクが要所要所でまた大きな反撃をしているんだというような報道もなされておるわけでございます。そういう中で、我が国が米国を支持したということでございます。
 これはもういろんな議論があろうかと思いますが、我が国が米国を支持したことによって、イラクが日本はある意味では従来の日本じゃなくなったというようなことで強い非難をしておるわけでございまして、いろんな報道等から我が国も決してうかうかしてはおれぬなと、安心してできる国ではないな、テロが起きてもおかしくないなというような思いを今しておるわけでございます。
 私どもの沖縄県が一昨年の九・一一のテロのときに大変な風評被害と申しますか、そういうことで被害を受けたのも事実でございます。しかしながら、政府が一丸となって沖縄の観光のために対策をしていただいて、去年は四百八十三万人、やがて五百万人に近いという方々が沖縄県に来県をしていただいたわけであります。その政府の一つの政策として、警察官の方々、九州管区、中部管区から四百二十名余の警察官の方々を派遣をしていただいて要所要所を警戒をしていただいたというのも事実でございます。
 今回、そういう中で、イラクの事件が発生をしているわけでございますけれども、これは警察庁として沖縄県警の支援ということをお考えになっているのかどうかをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#198
○政府参考人(奥村萬壽雄君) イラク攻撃が開始されたことに伴いまして、警察としては、国内でテロが起きないように重要施設の警備を始めとする各種の警戒警備を徹底しているところでありますけれども、沖縄県内におきましては、米軍基地等の警戒対象が大変多いわけでございます。このため、今般沖縄県の公安委員会からこうしたものを受けまして、県内の治安維持に万全を期するため、警察法の六十条に基づきまして、愛知県の公安委員会と大阪府の公安委員会に対しまして、警察官の特別派遣につきまして援助の要求が出されたところであります。
 警察庁におきまして、この警察官の特別派遣につきまして必要な調整を行ったところでありますけれども、このたび、三月二十六日、明日でありますけれども、明日から沖縄県警察に対しまして、愛知、大阪の両府県警察から合計約三百名の警察官の特別派遣が実施されることが決定をされたところでございます。
#199
○西銘順志郎君 大変ありがとうございます。
 ちょっと順序が変わるかもしれませんけれども、沖縄県警のことで少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 ハイジャック防止あるいは重要施設の占拠事案等でこれに対応する特殊部隊がSATでございまして、これは全国に七都道府県あるようでございます。また、生物化学テロ対策としてNBCテロ対策専門部隊、これが全国八都道府県に設置されてあるようでございます。
 ただいまお話しいただきましたように、沖縄県にはもう在日米軍の七五%という米軍施設が集中をしておりまして、いろんな事件が起こるような状態にあるのかなというふうに思うわけでございますが、そういう意味では、警察庁、本当に万全な対応が必要だというふうに思います。三百人派遣をしていただくということも大変有り難いことでございますけれども、こういう特殊部隊、SATだとか、あるいはNBC、テロ対応専門部隊、あるいは国際テロ緊急展開チーム、TRTというようなものの創設というものを沖縄県内に創設するということのお考えはございませんか。
#200
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 特殊部隊のSATにつきましては、今御指摘のとおり全国約二百名の体制で七つの都道府県に設置をされておりまして、九州では福岡県に設置をされています。万が一沖縄におきましてハイジャックとか人質立てこもり、あるいは強力な武器を使いました事件等が発生いたしましたときSATが必要だという場合には、航空機とかヘリコプターを使いまして迅速にこれを派遣いたしまして事案の対処に当たりたいと考えております。
 そして、SATが到着するまでの間は沖縄県警の機動隊の中に銃器対策部隊というのが設置されております。この銃器対策部隊にはサブマシンガン、ライフルあるいは対弾性能を持っております装甲警備車というものを配備しておりますので、この銃器対策部隊が第一義的に対応することになるというふうに考えております。
 それから、生物化学テロでございますけれども、これにつきましても、九州におきましては福岡県警にNBCのテロ対応専門部隊が設置されておりまして、いざという場合には沖縄県警にこの福岡県警のNBC、テロ対応専門部隊が派遣されることになるわけであります。この場合も、沖縄県警におきまして、機動隊あるいは警察署の方に、生化学の防護服でありますとかあるいは生物剤、化学剤の検知器、さらには空気呼吸器、中和剤の散布器等のいろいろなNBC対策の装備資機材が配備されておりますので、相当程度の対処がこれで可能ではないかというふうに考えております。
 なお、国際テロ緊急展開チーム、TRTでございますけれども、これは先般バリに派遣をいたしましたように、海外での国際テロの事件が発生いたしましたときに、専門知識を持つ要員を現地に派遣いたしまして、現地の当局との連携あるいは情報収集に当たるということで警察庁に設置されておるものでありまして、これは国内での運用を考えたものではございませんので御理解をいただきたいと思います。
#201
○西銘順志郎君 福岡から沖縄まで飛行機で一時間半ぐらい掛かるんですよ。ヘリコプターだととてもじゃないけれどもその時間が計算できないですよ。だから、緊急のときには沖縄県のああいう離島なんですから、そういうところにひとつ設置したらどうですかという、できないんですかというお願いを今させてもらいましたけれども、是非検討をしていただきたいなというふうに今日も、これは答弁結構でございます。
 次に、テロに関して、九・一一のときに大変な被害を被ったわけでありますけれども、国土交通省、扇大臣がキャリアの、大手の社長さんを始め旅行代理店の皆さんを、沖縄に一緒に行っていただいて、大丈夫だ沖縄というようなキャンペーンをしていただいたわけでございます。米田副大臣、今日御出席でございますが、内閣府の沖縄担当として、そういう場合に政府の施策の一環として同じようなことができるのかどうかということをお伺いをしたいというふうに思います。
 なぜそう言うかといいますと、もう既にこの風評被害によって数件の修学旅行というのがキャンセルになったようでございます。またそこから波及をしていくことになると大変なことになるというふうに思いますので、先手先手でそういう対策が打てないのかどうかをお伺いしたいというふうに思っています。
#202
○副大臣(米田建三君) 先生御指摘のとおり、イラク攻撃開始を受けまして沖縄への修学旅行のキャンセルが一部に生じておるわけであります。そういう中で、内閣府といたしましては、これまで沖縄県と緊密に連絡を取りながらそれぞれの役割分担の中で的確な対応に努めてまいりました。
 沖縄県においては、最近の厳しい国際情勢が報道される中、各都道府県等の教育長あてに、二月二十五日付けでございますが、県民生活や観光の現状など沖縄県の状況について正確に理解してもらおうと、こういうことで文書を発出をしております。また、旅行会社に対しても三月十日付けで文書を発出をいたしました。さらには、イラク攻撃が開始されたのを受けまして、各都道府県知事等に対しましても、再度沖縄の現状について正確に理解してもらおうということで、三月二十四日の文書の発出ということで、三度のそういう手段を講じております。また、加えまして、観光業界等からの情報収集や修学旅行予定校への情報発信を強化するために観光リゾート局内に緊急対策班を設置をしております。
 内閣府といたしましても、既に推進中の観光協会キャンペーンの実施に加えまして、特別調整費を機動的に活用し沖縄の観光をアピールしたいと、そういう考えの下に、中学校、高等学校等約二千校になりますが、そこへ修学旅行のしおりあるいはビデオテープ等を作成いたしまして、それを発送する修学旅行生確保緊急対策事業、これを今般新たに実施するなど、県とも連携しながら対応を図ってきてまいっております。
 今後とも、沖縄県と十分連携協力しながら、情勢の変化に的確に、また機動的に対応してまいる決意であります。
 また、お尋ねの、沖縄へ責任ある立場の者が行って沖縄は安全なんだというその姿を示すべきではないかという、そういう御趣旨かと思いますが、大変結構な御趣旨だと思いますので、大臣にも御報告申し上げ、関係部署の者とも相談をしながら前向きに考えさせていただきたいというふうに思っております。
#203
○西銘順志郎君 是非、そういう風評被害を一昨年受けておるわけでございますから、政府の抜かりないひとつ対策をお願いを申し上げたいというふうに思っています。
 続きまして、大学院大学の件についてお伺いをしたいと思っています。
 これは小泉総理の施政方針演説の中でも大学院大学を沖縄に作るんだということでございました。これはやはり日本の経済の活性化を図る上で大変私は、科学技術系の大学院大学でございますから、大変重要なことだというふうに思います。
 そこで、是非政府が一丸となってこの大学院大学を立派に成功させていただきたいというふうに思うのでありますけれども、去った三月十日にこれ第八回の構想検討会が行われたようでございまして、基本計画について検討する評議会が発足することになったようでございます。議長にノーベル物理学賞ジェローム・フリードマン氏、あるいは副議長にノーベル医学・生理学賞を受賞されましたシドニー・ブレナー氏というような方々が就任されるというふうに聞いておりますが、本当に世界的に大変すばらしい皆さんが沖縄の大学院大学に関して興味を持ってしっかりと構想を練っていただくということを大変心強く感じておるわけでございます。
 そういう中で、沖縄県から三つの候補地が挙げられまして、もう間もなく候補地決定されるというようなことも聞いておりますが、これはどのような基準を持って決定をされるのか、どういう基準でどこが良くて、どこがどういうふうにまずくてというような、どういう基準で決定をされるのかお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 私は、沖縄の振興を図る上で地域バランス、中部、北部、南部というような地域のバランスも入れることも大変重要なことだと思いますので、この辺も併せてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
#204
○政府参考人(武田宗高君) まず、私の方から大学院大学の候補地選定の基準につきまして御説明をさせていただきます。
 これは、昨年の六月三日の沖縄新大学院大学の構想検討会、有馬座長の、俗に有馬委員会と申しておりますが、ここに諮られました大学院大学候補地選定の基本方針というものがございます。これは、大学院大学の候補地を考えるに当たって次のような条件を満たすものということで、まず一番基本的な考え方といたしましては、世界最高水準の大学院大学を実現するために最も適切な敷地を選定をするという考え方の下に、例えば用地面積でございますと、大学院大学及びこれを核とした知的クラスターの将来展開のために十分な面積が確保できるとか、あるいは用地の利便性、環境ということで、例えば交通アクセスが良いこととか、あるいは研究環境、静ひつ性、他の学術研究機関等の利用可能性が優れておるとか、あるいは居住性に加えて魅力ある自然環境やリゾート性に恵まれていること、こういった条件。
 それからさらに、実務的ではございますが、用地取得及び利用の容易性ということで、用地の利用、取得及び利用に関しまして、地元の協力とか、あるいは地主の同意の取付けが容易かつ迅速であることと。
 その他、整備に当たっての留意事項ということで、いろいろ法令等の制限もございますので、そういった障害となる事項が少ないことと、こういった基準が示されております。
 なお、これに基づきまして、この有馬検討会の委員の先生方も先日来現地を視察をし、議論もなされておるということでございます。
#205
○西銘順志郎君 もう時間がございませんので、副大臣、しっかりひとつ立派な大学院大学を作っていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 何点か質問通告をさせていただいたんでございますけれども、もう時間がございませんので、あと一点だけ、これは警察庁の方にお伺いをさせていただきたいと思います。
 これは治安に関連する件でございますけれども、私、せんだってテレビで、ニューヨークのジュリアーニ市長が先頭に立ってブロークンウインドーズというような理論について実践をしているというような報道を見ることができました。これはどういうことかといいますと、凶悪犯を減少させるにはもうどんな小さな犯罪もまず見逃さないということが大変大事であるというようなことを報道されていたわけであります。ニューヨークといいますと、本当に犯罪都市というようなイメージが非常に強いわけでございますけれども、このニューヨークシティーで、このジュリアーニさんの市長時代に、七か年、八か年間で殺人事件が六七%も減少したんだというような数字が報じられていたわけでございます。
 今、日本あるいは東京というのも、そういうことを含めて、もう理論から実践するような時期に来たんではないかと思いますが、この一点をお伺いさせていただいて、最後の質問とさせていただきます。
#206
○政府参考人(瀬川勝久君) ブロークンウインドーズの理論についてのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、ニューヨーク州ではこの理論を実践をして大変成果を上げております。ただ、この理論と同時に、警察官の増員でありますとか、その他犯罪抑止のためのもろもろの政策も講じられているところでありまして、私どもも是非これ大いに参考にしたいと考えております。昨年の警察白書におきましても、犯罪を抑止するための取組の一つとして、このニューヨークの事例も紹介をさせていただいております。
 なお、私どもといたしましては、最近の大変な犯罪の急増、昨年の刑法犯発生件数が二百八十五万件という、昭和期の二倍にも達しようという大変な急増ぶりでございまして、この発生を抑止することが非常に重要だと考えております。街頭犯罪等……
#207
○委員長(小川敏夫君) 瀬川局長、もう時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。
#208
○政府参考人(瀬川勝久君) 街頭における警察の執行活動の推進強化ということがその中で非常に重要だと思いますので、御指摘の破れ窓理論の考え方も大いに取り入れて、是非犯罪抑止に私どもとしても努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#209
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。
 今日は、従軍慰安婦の方たちの八百名の名簿が見付かったので、そのことについて質疑をする予定だったんですが、やはりちょっと戦争のことが気になりまして、その前に戦争のことで少し福田官房長官にお伺いしたいと思います。
 私は、今回の開戦に関しては、非常にその理由も不可解だし、不愉快な展開をしているように思います。小泉総理を始め政府関係者は米国支持をうたっていらっしゃるわけですけれども、その理由に関しては、同盟国だということ、それから北朝鮮問題があるからということを言っています。それでも日本は戦争はしないと。これはだれが聞いてもちょっと矛盾があると思います。
 北朝鮮問題があるからということは、だれでもが、北朝鮮問題が起きたら同盟国のアメリカに守ってもらうからと思っているわけで、だったら、自分の国を守ってもらうためにはアメリカを支持することによってイラクの人たちは殺されてもいいのか。そこのところ、どんなふうにお考えになられますか、官房長官。
#210
○国務大臣(福田康夫君) これも何度もお答えをしているんですけれども、米国が武力攻撃をするという根源は何かということを考えていただかなきゃいけない。それは、大量破壊兵器を持つフセイン大統領が自ら決断すれば平和的な解決はできるということ、これは我々も本当に願ってきたことなんです。しかし、それがかなわなかったという事態においてこの武力攻撃というような今の状況になっていると。このことはやっぱり一番の根源だということでございます。
#211
○田嶋陽子君 ここに三月二十四日の新聞記事があります。日経新聞の夕刊です。ここでこう言っています。「米政府がイラク国内で戦争終結後にただちに着手する道路復旧などの初期復興事業は、すべて米企業が受注する公算が大きい。」。その復興事業の主なものは、戦争で被害を受けた道路や橋、学校などの復旧事業ですよね。この受注先は、企業の身元審査などを速やかに進めるために、名目上は、当面は米企業に限定する、外国企業は参加できないと言っています。で、入札参加を複数の米企業に呼び掛けていると。しかも、その企業の一つは、これはチェイニー副大統領が最高経営責任者だった、CEO、その油田開発サービス大手ハリバートンだと言っているんですね。このことについて、官房長官、どうお思いになりますか。
#212
○国務大臣(福田康夫君) 私は、そういう復興の具体的なことについて、まだ動きがあるというふうに思っておりません。私も全く聞いておりませんし、正にこの今の事態がどういう展開をするか、そのことによってすべては決まってくるわけで、まだとてもそんな判断をできるような状況じゃないと思っております。
 また、復興支援については、それは米国ももちろんするでしょう、当然。しかし、国際社会がやはり協力してやらないとうまくいかない部分が多いんじゃないかというように考えております。
#213
○田嶋陽子君 この記事を見る限り、日本も復興支援としてお金を出すわけですよね。すると、この米の公共事業に、米のやる公共事業に日本が税金でお金を出して、そのお金でアメリカの企業がもうけると。そして、もうけて、税金を払って、その税金はアメリカの国に入るわけで、しかもチェイニー副大統領ですね、これって、このイラク戦争は大型の公共事業だと言われてもおかしくないですよね。そのことに関してどう思われますか。
#214
○国務大臣(福田康夫君) そういうのを大型公共事業というのかどうか知りませんけれども、情報そのものを私どもは承知していないということです。
#215
○田嶋陽子君 二十五日、今日ですよね、日経新聞でやはり、今度は奥田日本経団連会長さんがこういうことを言っています。
 これは個人的な見解だけれども、個々の企業もそれ相応に負担すべきだと。そして、世界第二位の経済大国が人も金も出さないというのでは責任を果たせないから、どうするかというと、法人税などの臨時増税で捻出すべきだと。
 この記事に関しては、福田官房長官、どうお考えになりますか。
#216
○国務大臣(福田康夫君) それは、個人的見解と、こういうふうに断っておられるわけですから、丁寧に断っているわけですから、ですから、それは個人的な見解だろうというように私どもは思っております。
 しかし、この復興については、いずれそういう国際的な話合いの中で協力しなければいけないということになろうかと思います。また、我が国としても、それは日本の力にふさわしい協力をするのは、これは国際社会に対する日本の義務だろうと、こういうふうに考えておりますので、その復興支援について否定するものではございません。
#217
○田嶋陽子君 私も復興支援に否定するものではありませんけれども、その出た金が同盟国であるアメリカの懐に入っていく、そして日本からアメリカへと、そして企業を通してアメリカへと。これって何かおかしいですよね。そして、お金がぐるぐる回っていく過程で人がどんどん殺されて人柱になっている。
 これは、想像するだけに、この戦争というのは何ら正義の香りもない、においもない。何か私たち国民全員がだまされているような気がするんですよね。この会長さんも、奥田会長もどうしてそういうふうに思ったかというと、湾岸戦争時にそうやったから今回も同じ方法でというんですね。だったら、湾岸戦争のときも実はそんなふうにして人柱にして、金は金で巡って、企業からアメリカに、日本からアメリカにと巡っていったんだろうかと疑ってしまうんですが、官房長官、どう思われますか。
#218
○国務大臣(福田康夫君) 今の新聞報道、それも一紙でしょう。方々へ出ているんですか。
 その報道がどういう性質のものか、本当なのかどうか、それも分かりません。私どもは確認しておりませんから、その報道を基にしていろいろ話を組み立てられても困るんですよね。もう少しきちんとした根拠のあるものを基にして議論をしていただきたい、そういうふうに思います。
 しかし、我が国としては、イラクが一日も早く再建されて、そして、人々が自由で豊かな社会の中で暮らしていけるように、今後の事態を見守りながら、復旧復興のためにできる限りの措置を検討してまいりたいと、こう考えているところです。
#219
○田嶋陽子君 おっしゃることはよく分かるんですけれども、最初におっしゃっていたような、アメリカが苦渋の決断をしたというところもよく分かりません。
 ということは、あんなにトマホークを始め兵器を使っているわけですね。そしたら、それを使った分、やっぱり支払うわけですよね、アメリカ政府は。支払ったところは大量の税金をアメリカ政府に返していくわけですよね。そのときに大統領選挙がまた来年にあるとなると、私たち庶民は、ごく普通に考えれば、やっぱりこの戦争って苦渋の決断じゃなくて意図があってやったんだろうと。別に、イラクが大量破壊兵器を持っていて国際社会が不安だというけれども、それは理由ではなくて、それは単なる口実なんじゃないか。この戦争は即刻やめるべきじゃないんだろうか。
 日本は戦争はしないと小泉首相もおっしゃっている、それなのにアメリカを支持していると、こういう矛盾をしてはいけないと思いますが、福田官房長官、どのようにお考えでしょうか。
#220
○国務大臣(福田康夫君) 決断をするまでは、苦渋の決断、これはあり得るでしょう。しかし、その後は、やっぱりいったん始めたらば成功させなきゃいけないでしょう。途中でやめちゃったら、大量破壊兵器、一体どうなっちゃうんですか。そういう大量破壊兵器を全世界に拡散させる可能性があると、そういう独裁者が相手なんですよ。そこのところはやっぱりきちんと見なきゃいけないんじゃないでしょうか。
#221
○田嶋陽子君 そんなふうにおっしゃられるとそんなふうに思うんですけれども、でも、おかしいですよ。おかしいです。今、戦争はしていないとおっしゃったけれども、間接的に支援しているんですから、しているんですよね。
 これはちょうど、家の中でお父さんが息子をぶん殴って、後でお母さんが息子をいい子いい子してやっているというあの昔のドメスティック・バイオレンスと児童虐待の構図と同じですよ。アメリカがお父さんなら日本はお母さん役をやって、後で人が死んじゃってから、そんないい子いい子したってしようがないわけですよね。これって、家庭内で起きている家父長的なとても暴力的な家庭が世界規模で行われているのと同じであって、日本はお母さん役なんか務めちゃいけないんですよね。お父さんの暴力止めないといけないんですよね。そういうふうに思います。
 しかも、この奥田会長は法人税で、臨時法人税で払えというけれども、巡り巡ってその法人税は私たちの税金なんですよ。でも、今回の戦争に反対している人は六〇%近くいるんですよね。そのことをどう思われますか。私らは反対していても税金は払わせられる、ごめんなさい、法人税を払うのは会社ですが、結局それだけの法人税を払ったら、物の物価が高くなって、私ら買うもの全部にその戦争の代金は入ってくるわけですよね。戦争反対だって払わされちゃったりしたら、これは民主的な政治じゃないですよね。どうお考えになりますか、官房長官。
#222
○国務大臣(福田康夫君) まだどういう状況になるか分からない、またどういう復興をするのか、また何年掛けてやるのか、どのぐらいの金額が要るのか、全く白紙と言っていいような、に近い状況だというふうに思います。ですから、例えば奥田会長がどういうふうに言われたかというふうに個人的な見解を述べられて、だから政府はそういうふうにするんだというように決め付けるのは、これは少しせっかち過ぎるんじゃないでしょうか。もう少し事態をよく見て、そして判断する時期はいろいろあると思います。
#223
○田嶋陽子君 決め付けてはいません。
 ただ、湾岸戦争もそうだったから今回もそうやったらという御意見だから、もしかしたらそれは参考意見として……(発言する者あり)お話を聞いた方がいいかと思っただけです。(「やじに答えなくていいよ」と呼ぶ者あり)はい。つい反応してしまいますね。
 それで、実は……(発言する者あり)
#224
○委員長(小川敏夫君) 質問を続けてください。
#225
○田嶋陽子君 この間、デモがずっとあります。よく政治家の方たちはおっしゃいます、戦争はそんな単純なものじゃないから戦争反対だけ言っていればいいものじゃないだろうと、こういうふうに言います。みんな物知り顔に言いますが、でも、デモというのは一つの国が行きたい方向を示しているものです。ある意味では哲学です。国民の意思です。ですから、そういうものをばかにすることは私はできないと思います。
 三月二十一日に東京で戦争反対の大規模なデモが行われました。それから三月二十一日には、その日には五万人の大きなデモでした。それから三月八日にも、これもデモが行われて、四万人も超える参加者がいました。そこで、若い世代の人たちがSMAPの歌を歌ってデモをしました。
 ここに、歌を全部紹介するわけにはいきませんけれども、そのうちの一つを紹介しますと、一つじゃなくて部分ですね。それは、花を買った人を見て、この人はこんなふうに言います。
 名前も知らなかったけれど
 あの日僕に笑顔をくれた
 誰も気づかないような場所で
 咲いてた花のように
これは花を買った人の喜んでいる顔を言っているんですね。その後続けます。これ歌です。
 そうさ僕らも
 世界に一つだけの花
 一人一人違う種を持つ
 その花を咲かせることだけに
 一生懸命になればいい
 小さい花や大きな花
 一つとして同じものはないから
 ナンバーワンにならなくてもいい
 もともと特別なオンリーワン
なんだから。
 これは、与謝野晶子が「君死にたまふことなかれ」と言って弟のことを歌いました。でも、これは、日本国憲法では、みんな国民は戦争で死にたもうことなかれということに、その精神は通じていると思います。やはり、このSMAPだけではなくて、若者に人気の宇多田ヒカルさんがホームページで、「正しい戦争なんて無い。」と、やはり反戦を訴えています。
 私はここに、若い世代と、それからここにいる国会議員の世代との間に、でも、これは単に若者だけじゃなくて国会の中にもこの戦争に反対な人たちはたくさんいます。ですけれども、ここに大きな意識のギャップがあるように思います。私は、このギャップを何とかして大人の側からもうずめていかなければいけないと思います。そして、もし本当に勇気があるんだったら、私は、この国は即刻戦争はやめるべきだと思います。始めたから続ける、終わるまで続けるというのは変な精神だと思いますが、そのことに関してもう一度、福田官房長官、よろしくお願いします。
#226
○国務大臣(福田康夫君) 御質問なのかどうかよく分からないんですけれども、しかし、戦争をやめるかどうかということであるならば、戦争はいいことではありませんよ。しかし、同時に、大量破壊兵器を独裁者が持っているということのこの恐ろしさも忘れてはならないと思います。
 そういうことでお答えにさせていただきたいと思います。
#227
○田嶋陽子君 独裁者が破壊兵器を持っているといったって、アメリカだって破壊兵器を持ってどんどこどんどこやっているわけですから、これは、総体的に見たらどっちもどっち、同じ穴のムジナですよ、私に言わせれば。だから私は、アメリカは正義なんかでは全然ないと思います。
 それで、何よりも今回のことで悔しいのは、私たちの、国民の意思がきちんと代弁されないということですよね。そして、三月二十二日の朝日新聞によると、米英軍のイラク攻撃を不支持とした人が五九%を占めました。これは「支持する」の三一%を大きく上回っています。しかも、その「支持しない」のうちの七〇%近くを女性が占めているという記事がありました。
 私たち、いつも被害を受けるのは女性なんですけれども、女性あるいは弱者ですね。男の子もそうです。女の子もそうです。結局、こうした若者たちや女性たちや、それから反戦を唱える男性たちの意見も否定された形で日本政府はアメリカ支持を打ち出したわけですよね。現在も、戦争が続く限り女性への人権侵害は続いているわけです。
 例えばこういう記事があります、皆さん御存じかどうか分かりませんが。昨年の二月に国連難民高等弁務官事務所、UNHCRでは、西アフリカのリベリア、ギニア、シエラレオネで、同事務所や非政府組織で働く多数の現地職員が人道支援物資と引換えに難民の少女らに性的虐待を行っていたという、こういう報告が毎日新聞、去年の二月二十八日にあります。これは国連職員が食べ物と引換えに難民の少女たちに性的虐待をやっていたというものです、これは現地に駐留する国際平和維持部隊の兵士ら約四十組織の七十人以上の男性大半が。被害者の多くは難民キャンプなどに住む十三歳から十八歳の少女で、年長の女性は今度男の子に性的虐待をしている例もあると。被害者の人数は現段階では不明なんですけれども、ただ問題は、被害者の話を総合すると、現地職員らは食糧や生活物資などを支給する見返りに、要するに支援物資ですね、それを支援する見返りに少女との性行為などを要求。断れば物資がもらえないために家族も承知で少女を提供していたという。これは戦前の日本と似ています。その結果、多くの少女が妊娠し、現地の法律で中絶が禁止されているため十代で出産した例も多い。中には精神異常に陥った少女もいるという。これが現代です。
 そしてもう一つは、戦時下でなくても、トラフィッキングといって少女たちの人身売買があります。これは政府も法律を作らないといけないと思います、これから私たちはやっていかなければいけないんですが。こうして社会的弱者とされる女性たちはひどい目に遭っています。戦争でも戦争でなくても、でも特に戦争の状況ではひどいわけですね。
 私が取り組んでいるこの従軍慰安婦問題も、被害者の心と体の傷は五十年たった今でもまだいえていないんですね。ですから、今朝ほど岡崎議員が報告なさったように、五百五十一回にわたるデモ、ギネスブックに載るぐらいの回数のデモが今もって行われているわけです。被害者は納得できないわけですね。
 そこで、今日はその名簿のお話に入る前に、前に官房長官がお約束してくださった窓口のことでお伺いいたします。
 昨年の十一月五日に内閣委員会で福田官房長官にお願いしました。そのときお約束いただきました戦後補償窓口がついに今月、三月三日のNHKニュースの速報の報道によりますと、一般化されようとしているということです。このことに関しては官房長官の御努力に感謝したいと思います。ありがとうございます。
 ただ、問題があります。官房長官にお伺いします。三月のNHKニュース速報によると、政府はこれまで外務省、厚生労働省、総務省などに分かれていた窓口を、括弧です、外務省を窓口にして政府政策、総合政策調整は内閣官房の官房副長官補室、官房副長官補室、あっ、官房長官補室が行う、変な言葉ですね、というものです。分かりました。で、具体的にこの総合政策調整というのはどのような役割を果たすのでしょうか。
#228
○国務大臣(福田康夫君) この戦後補償は各省にまたがることも多いんです。ですから、そういう意味でそういうものをまとめようという、そういう意味合いです。
 そういうこともございますけれども、同時に、いろいろな新しい問題も出てくるかもしれぬという、そういうときには、まずは内閣官房が受けようと、こういうことであります。特に政策的な判断を伴うようなことについては、これは特に、例えば委員のような方が来られればこれは内閣官房で対応しようと。委員のような政策的な判断を必要とされるような立場の方については内閣官房で対応しようと、こういうことなんです。
#229
○田嶋陽子君 でも、機能していないんじゃないですか。
#230
○国務大臣(福田康夫君) 来てくださいよ。
#231
○田嶋陽子君 来てください、あっ、そうですか。でも、余りうまくいっていないと思うんですけれども、余りにもいろんなことが遅過ぎるような気がするんですけれども。
#232
○国務大臣(福田康夫君) それは、今までとどれだけ違うのかといえば、それほど違わないんです。だけれども、はっきりと内閣官房で総合的な政策調整を行うと、こういうことを明言したということはこれは大きなことで、これだけ進むのに大変な時間が掛かるんですよ。そんなものですよ、役所というのは。
#233
○田嶋陽子君 ですから、ありがとうございます、もう本当に早いですよね、これに関しては。でも、でも私はその総合調整という名前がいい加減だと思うんですよね。総合というのは、ナッシングですよね、ないに等しいんじゃないですか。
 ということは、例えば慰安婦問題を取り組むセクションということでいうと、果たしてここに女性の人権を考えられる人、理解できる人、どのぐらいいるんでしょうか。
#234
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと数えたことがないので分かりません。
#235
○田嶋陽子君 前は外務省がたしか担当でもいらしたと思うんですけれども、外務省の方は結構女性差別的な発言をなさる方が多かったりして、失礼しました、齋木さん。ですけれども、そうですよね、笑っていらっしゃいますけれども。何か頼りないといいますか心もとないといいますか、総合といいますと、本当にそこに専門家がいないような気がして心配なんですね。それが一つです。
 それから、戦後補償窓口って私が提案したのは、いわゆる先ほど大臣もおっしゃったように縦割りでしたわけですよね。その縦割り行政を横つながりに統括していただきたいという考えからお願いしたものでした。
 私が取り組んでいるその慰安婦問題というのは、女性の人権に深くかかわっているわけですね。慰安婦問題は戦後補償問題であるには違いないんですけれども、女性の人間としての尊厳を守ること、それから被害者の人権や気持ちを考えること、そういうことができる人たちが取り組まないと問題解決にならないんですよね。現在の外務省は、先ほど申し上げちゃったんですけれども、外から見る限り余り、女性の人権なんてふんという感じのところが、そういう人たちが多いような気がして、私たちはとても心もとない思いをしているんですね。
 ですから、ここからは官房長官に対するお願いなんですけれども、総合イコールナッシングではなくて、総合イコール豊かな、相乗効果のある、そういう政策機能が果たせるようなそういうところであることを、人材をそろえて、お約束していただきたいんですけれども。
#236
○国務大臣(福田康夫君) 総合という意味は、内閣には調整機能というのがあるんですよ。要するに、各省でもっていろいろ少しずつ分担している、それをまとめ上げるということですね。それを内閣機能をもってまとめるということなんですよ。ですから、ナッシングじゃないんです。これはもう全く逆なんですね。そこのところはよく理解をしていただきたい。
 それで、これはどういう問題が今後起こるか分かりませんけれども、それはそれでできるだけ的確な対応ができるように努力はしてまいるつもりでございます。
#237
○田嶋陽子君 よろしくお願いします。
 それでは、いよいよ、このいわゆる従軍慰安婦が存在していたという事実を証明する「上海韓国婦女共済会名簿」というものをお見せします。(資料を示す)これは、ちょっと個人のプライバシーがありますからわざと薄くコピーを取ってあります。ですけれども、これは私が、今年の何月でしたか忘れちゃった、二月だと思いますけれども、韓国に行ってこの名簿を独立記念館でいただいてきました。これは半世紀ぶりに発見されたものです。
 この名簿に関しては、去年、岡崎議員が言及されたもので、そのときに福田官房長官は、この件については承知しているけれども、まだ見ていないので詳細は差し控えさせていただきたいと思っていると答弁なさいました。また、岡崎議員が更にこういうことをおっしゃいました。日本においては九三年云々ということで、これはちょっと時間がないので省略しますけれども、そのとき福田官房長官は、「しかし、事柄の性質上、今後も新しい資料が発見されるという可能性がないわけじゃないということでございますので、民間の研究も含めて引き続き十分な関心を払ってまいりたいと思っております。」と答弁されました。
 そこで、福田官房長官にお伺いします。岡崎議員の質問から一年たちましたが、その後、政府はどのような調査をなさいましたでしょうか。福田官房長官、答弁をなさった責任と、官房長官の総合調整役としての答弁をお願いいたします。
#238
○政府参考人(齋木昭隆君) お答えいたします。
 ただいまの御指摘のお話ですけれども、早速、去年の委員会での御指摘を踏まえて外交ルートで韓国の方に照会いたしました。それで、韓国政府のいろんな関係機関がこれかかわっているわけですけれども、名簿を手に入れたいということで向こうに話をいたしましたけれども、残念ながら、この名簿の写しも含めてそれを外に出すということは、さっき先生も正におっしゃいましたようにプライバシー、それぞれの方々のプライバシーの問題等もいろいろあるんでそれは駄目であるということを私ども外交ルートで回答をもらった次第でございます。
 そういう状況でございます。
#239
○田嶋陽子君 それでは、私がここに持っているこれはもらえなかったわけですか。それでは、これは後で許可を得てそちらに見ていただきたいと思います。
 この名簿はどういう名簿かといいますと、これは先ほども申し上げたように、上海韓国婦女共済会という団体が作った名簿ですが、この婦女共済会という団体は、日本軍が中国各地に連行して放置したその元慰安婦の女性たちを救った団体なんですね。
 一九四五年の八月、日本が敗戦が決まると現地に慰安婦たちを残して敗走しました。中国各地に連行されて放置された女性たちは故国にも帰れず路頭に迷っていたわけです。戦後、見るに見かねた韓国人の有志四人がこうした女性たちを朝鮮への帰国を援助するために保護施設を造って収容しました。そのとき作った名簿がこの名簿なんですね。この名簿には八百三十人分の名前が記されています。
 この名簿から本籍地を起こして分布図を作ってみました。皆さんのお手元に分布図が行っていると思います。韓国から北朝鮮全部にわたっています。この地図をごらんになられて官房長官はどのように思われますでしょうか。
 地図行っていませんか、そこの。
#240
○国務大臣(福田康夫君) これ。
#241
○田嶋陽子君 はい、そうです。
#242
○国務大臣(福田康夫君) そうですね。これ、ちょっと今見て感想を述べろと、こういうことですか。感想は、これだけだったのかどうだったのか、いずれにしても私も具体的によく調べたわけでありませんので、これだけ言えば結構たくさんありますなということですね。
#243
○田嶋陽子君 官房長官は何も聞いていらっしゃいませんね。その図はこの名簿の名前に載っている人たちの出身地の印を付けたものですから、八百人ちょっとですね。それが放浪していたわけですね、路頭に。故国に帰れないで、日本軍が敗走した後置いていかれたわけですね。その人たちを収容して、故国に帰すために収容した、できた名簿です。ですから、従軍慰安婦全部の数ではありません。
 しかも、こちらで調べたところによりますと、今、韓国でです、これ北朝鮮も入っていますが、韓国で名のりを上げた二百数名の方たちはこの名簿と重なっていません。ですから、まだ亡くなられた方とか、もう戦中に亡くなられた方、帰ってから亡くなられた方、皆さん御高齢ですから、その数は何万とも何十万とも言われるわけですけれども。
 この婦女共済会の名簿の中には既に慰安婦という言葉がありまして、もう一枚の紙をお配りしたのを見てください。これは四六年、一九四六年の新聞記事ですが、この上海韓国婦女共済会の関係者のインタビュー記事もこの韓国の新聞に掲載されています。そこに日本語の訳が付いています。そこで慰安婦という文字がはっきりと確認されます。
 齋木参事官にお伺いいたします。日本の公式文書で初めて慰安婦という言葉が使われているのは、どの文書にどのような形で使われているのか、お願いします。
#244
○政府参考人(齋木昭隆君) 済みません。手元にちょっと今資料がございませんから、調べる時間をいただければこの御質問時間中にお答えできるようにいたします。
#245
○田嶋陽子君 質問通告をしてあったと思うんですけれども。
#246
○政府参考人(齋木昭隆君) そうですか。
#247
○田嶋陽子君 はい。どこかにメモありませんか。
 それでは、調べていらっしゃる間にもう一つお伺いします。
 先ほども申し上げましたけれども、この名簿には八百三十名の名前が連なっていますけれども、名簿を見ますと幼い子供ですね、それから乳幼児、十歳未満の子供など三十人ほど含まれています。つまり、日本軍兵士の子供である可能性が高いわけですね。つまり、この子供たちは日本人ということになります。そのことに関して齋木参事官はどのようにお考えになりますか。
#248
○政府参考人(齋木昭隆君) 今、先生がおっしゃっているその名簿というのは、さっき申し上げましたように、私ども入手しておらないんでございます。
 ですから、それをまずちょっと拝見した上じゃないと何とも申し上げかねるんですけれども、いずれにしましても、先ほどの別の委員の先生からの御質問がございましたとおり、そもそも慰安婦の方々の人数というのを把握する努力は、日本政府としてもたしか九三年だったと思いますけれども調査結果出しましたけれども、その過程で全力を挙げて調べたんでございますけれども、プライバシーの問題とか、あるいは御本人の方からお申出がないとかいろんなことがあったものでございますから、正確な数を把握するということが非常に難しいという状況だったわけでございます。にもかかわらず、調査結果は私どもとしては公表して、そしてそれを全体としてまとめて発表したという、そういう状況でございます。
#249
○委員長(小川敏夫君) 田嶋さん、時間過ぎました。(発言する者あり)
#250
○田嶋陽子君 すごいですね。委員長が四人もいらして。
 それでは、今日はこれで終わります。次、委嘱審査で続きをやりますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#251
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 本日は、官房長官に内閣府の障害者対策についてお聞きしようと思っております。
 二十日の日に、イラクへの米国の攻撃始まりまして、大変今戦火で緊張しておりますけれども、戦争というのは最大の障害者を生み出す行為であるとよく言われております。アメリカの障害者施策も、実は二次大戦の傷痍軍人対策から始まったということで、今回の戦争で、いずれにせよ復興に当たっては障害者対策というものが盛り込まれることを私は大変悲しく思っております。
 それでは、我が国の障害者対策、すなわち、昨年十二月に出されました今後十年間の日本の障害者、皆さんの暮らし、生活を支える障害者基本計画、この内容についてお聞きしていきたいと思っております。
 私、この計画、隅々まで読ませていただきました。大変すばらしい文脈であると思っております。ただ、いかんせんこの抽象的な内容、これが一応計画と言われる限りは、当然実行されなければいけません。この障害者基本計画の実効性の担保というものはいかがなものか、長官、お答えください。
#252
○国務大臣(福田康夫君) 昨年十二月に閣議決定されました新しい障害者基本計画におきましては、その着実な推進を図るために、総理を本部長とします障害者施策推進本部、これを設置いたしました。その本部において計画の継続的な点検を行うこと、また、社会経済状況等の変化を踏まえて必要に応じて計画の見直しを実施すると、こういうようなことを決めております。
 また、この計画の着実な推進を図るために、前期五年間に重点的に行う施策と多くの数値目標でその達成目標を定めた重点施策実施五か年計画を障害者実施推進本部において併せて決定をいたしております。数値目標でもって達成度合いを見ていこうと、こういう発想でございます。
 今後、障害者基本計画等に基づいて、障害者の自立と社会のあらゆる分野への参加に向けた諸施策を政府一体となって総合的、計画的に推進していくこととしておりまして、計画のフォローアップを適切に行うということによりまして着実な推進を図ってまいりたいと、こういうふうに思っておるところです。
#253
○黒岩宇洋君 そうしますと、その十年間の計画というものを、要は最初の五年間の障害者プランとこの数値目標で担保していくという、そういう表現でしたけれども、では、じゃ、この五年間の数値を示した障害者プラン、これの数値が出ているわけです。これについての実効性というのはどうやって担保されるんですか。
#254
○国務大臣(福田康夫君) この重点施策実施五か年計画は、総理を本部長といたしまして全閣僚を本部員とする障害者施策推進本部で決定をいたしました。今後、この計画に掲げた目標の達成に向けて政府一体となって全力を挙げてまいる、こういうことになっております。
 また、障害者実施、障害者施策推進本部においてこの五か年計画の進捗状況を毎年度調査すると、こういうことにしておりまして、これらのフォローアップを適切に行うということが大事でございます。
 そのことにより、着実なかつ効果的な推進を図ってまいりたいと、そういうふうに考えております。
#255
○黒岩宇洋君 ちょっと、じゃ、前後しますけれども、この障害者基本計画、これは閣議決定でございますね。障害者プラン、これは推進本部決定となっています。明らかに閣議決定の方が私は実効性の担保が大きいものと考えていますけれども、なぜ閣議決定には数値目標がないのか。私は単に十年だから数値目標がないという、私はそういった答弁をお聞きしたくありません。五年でも示すことができるのにもかかわらず、閣議決定である計画にはなぜ数値目標が設定されていないのか、お答えください。
#256
○政府参考人(山本信一郎君) 障害者基本法におきまして、いわゆる障害者基本計画、これらにつきましては閣議決定で定めるということに、今、委員御指摘のとおりなっているわけでございます。これにつきましては、十か年の計画ということでございますので、基本的な施策の中身あるいは内容等につきまして計画を定めるということにいたしております。
 したがいまして、数値目標につきましては、重点実施項目ということで、五か年の計画で目標数値を定めるということで、両方相まって実効性を図っていきたい、障害者施策を進めていくということになっているわけでございます。
#257
○黒岩宇洋君 全然分かりません、今の説明では。
 じゃ、またちょっと角度を変えます。
 じゃ、五か年計画に、要するに、障害者プランに執着しますけれども、これ、数値が設定されますよね、されていますよね。例えば、これは平成十三年度までの、末の進捗状況、先ほど長官もおっしゃいましたが、一々こういったものを出していますけれども、見ますと、明らかに未達というものがあるわけですね。例えば、目標値の八割であるとか、ともすれば五割切っているような数字も出ています。これ、十四年度までの計画ですが、多分、大分達成されないものがあろうかと思います。
 私は、あくまでも数値目標というものをうたった限り、これはタイムテーブルにも載っているわけです。数値も出ています。具体的です。これは、民間であれば当然それが達成できなければ何らかの責任を問われる。だれがこの場合責任を問われ、どういう責任を負われるのか、それをちょっと説明してください。
#258
○政府参考人(山本信一郎君) 今回の重点実施計画に先立ちます、今、先生御指摘の、いわゆる先立ちます障害者プランにつきまして、その進捗状況をいろいろ取りまとめております。
 委員御指摘のように、おおむね進捗状況、目標値を達成しておりますが、御指摘のように、一部、例えば重症心身障害児者の通園施設等につきましては達成率が低いというものもございます。これはいろいろ努力をし、自治体も努力をしてまいったわけでございますけれども、地域の諸事情、いろんな事情があると思いますが、一部未達成になっているということでございます。
 これは、全省庁あるいは自治体も含めて取り組んでいくという努力の下でやってまいっておるところでございますので、新しい計画におきましては、こういったものも踏まえて、更にまた努力をしていきたいという具合に考えております。
#259
○黒岩宇洋君 お役所のやっている仕事にお役所仕事みたいだと文句を言ってもしようがないんですけれども、今のお話聞いていても、抽象的な十年計画があって、その次に数値だと。
 で、しかるべき対応というのは逐次発表すると言っていますけれども、じゃ、一般企業が毎年赤字赤字と発表したと。数値は出しているよと。でも、じゃ、黒字になるにはどうするか。じゃ、黒字にならない責任を取らないか。そんなことあり得ないわけですよね。山本さん、分かりますよね、私の言っている意味。
 本当に障害者の皆さん、今のような御答弁聞いていて、これから十年間ですよ。短くないんです。その十年間の自分たちの暮らしが直結したこの計画、大変私は、不安を持って、今多分このことを聞いていればそういう気持ちで聞かれていると思います。
 どう答えますか、障害者の皆さん六百万人に。胸を張ってちょっとお答えください。
#260
○政府参考人(山本信一郎君) 官房長官からも先ほど答弁がありましたように、基本計画は閣議決定ということで非常に重い決定をいたしております。
 それから、前期の五か年の数値目標を入れました重点実施計画、これにつきましては全閣僚がそろいます総理を本部長とする推進本部で決定をしておる。そうしまして、この五か年計画は、その効果的な推進を図りますために、毎年計画の進捗状況を調査をして公表していくと。これを基に効果的な政策を図っていくということをこの計画の中でも明記しておるわけでございます。
 そういう意味で、閣議決定で定められた障害基本計画、それから五か年の実施計画、こういったものを内閣挙げて実施をしていくということで、全力で取り組んでいきたいと、こういうことで御理解いただきたいと思います。
#261
○黒岩宇洋君 御理解できません。
 その公表が明記されているとか閣議決定だとか、もう堂々巡りでやめますけれども、結局、じゃ、事務方の責任者である山本統括官の首が飛ぶわけでもなさそうですし、閣僚が辞めるわけでもなさそうです。そういう意味では、やっぱり私は責任というものがあいまいだと思います。で、この数値を出した、毎回毎回報告だと。私は、このやり方、今回を契機に次の五年計画、そして、当然十年後にも来るべき基本計画のときにはしっかりと考え直してください。そのことをお願いして、先に進みます。
 今回の障害者基本計画、大変、脱施設を図ると。今まで施設に障害者を閉じ込めてきた我が国の障害者施策をある意味では転換するという意味で非常に評価されていると、これは報道ではそういうふうになされていますけれども。
 しかし、私、この今後の五年間のプラン、そして今までの実施の、おっしゃられる公表されている報告書、それを見ても、どうも本当に脱施設を図っているかということに疑問を感ぜずにはいられません。
 というのは、この十三年度の時点で、いわゆる施設サービスと言われる身体障害者療護施設、これは目標値のもう九五%ぐらい達成しています。そのほか、知的障害者の更生施設、この施設に関しては、もう一〇〇%以上達成しているわけですね。それに比べて、いわゆる自立支援型とか社会適応型、非常にソフトな部分、障害者が社会に出ていくための必要な生活訓練施設に至っては七十何%ですし、社会適応訓練事業というものに至っても、わずか五年間で三千七百七十あった施設が百個しか増えていないんですね。目標の五千には全くもって到達していないと。
 こういう状況がこの五年間で行われていたにもかかわらず、このたびのいわゆる障害者プラン、五年間の中で見ると、じゃ、在宅に関して言えば、この文章で言うと、「市町村における社会参加促進事業を着実に推進する。」と。これ数値も入っていないんですね。
 先ほど統括官がおっしゃられた一番達成率の低い数値というのは、これは重症の心身障害者の通園事業というやつですね。こういった方々は、この通園事業がなければ社会で生活できないわけですよ、こういう子供たちは。この人間の目標というのが前回の障害者プラン、目標数値が千三百でした。しかし、十三年度が終わった時点で六百四十。すなわち、五〇%未満なんですね。驚いたことに、今回の、今後の五年間で二百八十か所整備とあるんですよ。六百六十を少なくとも十三年度までに未達であるにもかかわらず、次の五年間の目標が二百八十だという。これを見る限り、私は、今回本当に脱施設が図られているのかということに疑念を生じてしまいます。
 それについてどうお考えか、お答えください。
#262
○政府参考人(上田茂君) 厚生労働省におきましては、現行の障害者プランに基づき、ノーマライゼーションの理念の実現を目指しまして、ホームヘルプ、デイサービス等のサービス提供基盤の整備ですとか自立と社会参加の促進に向けた取組を進めたところでございます。
 これらの施策につきましては、ただいま委員の御指摘がございましたが、確かに入所施設等々におきましてはおおむね順調に進捗しているところはございますが、しかし、ただいま御指摘の重症心身障害児ですとか幾つかの事業においてはまだ十分に実施が進んでいない状況も見られるところでございます。
 私ども、こういったことを踏まえまして、新しい障害者基本計画及び障害者プランにおきましては、地域での自立した生活を支援すると、こういうことが基本的にとらえながら、具体的に、ただいま御指摘もありましたが、ホームヘルプやデイサービスなど、地域生活を支援する基幹的なサービスについては具体的な数値目標を定めて整備を進めると。
 それから、もう一方、ただいま御指摘のありました入所施設については、真に必要なものに限定するということでプランが立てられたところでございます。このプランを我々としましても着実に実施するために、例えば十五年度の予算におきましては、例えばホームヘルプにつきましては平年度ベースで一五・七%の予算増など、大幅な予算増を確保したところでございます。
 それと、先ほど議員からの重症心身障害児の御指摘でございますが、この事業につきましては、重症心身障害児通園施設、十四年度は二百三十、これ通園のデイサービスと一緒になっておりまして、これを今回のプランでは二百三十六か所を二百八十か所、そしてデイサービス事業については、ちょっと単位が異なっておりますけれども、一万一千分というようなそういう形で、いずれにしましても、この通園事業、重症心身障害児の事業につきましては具体的な目標値を掲げ、確かにこれまでの課題についてございますけれども、先ほど申し上げました地域移行、あるいは地域での自立した生活を支援するためのこういった目標に向けて、これから私ども施策の着実な推進に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#263
○黒岩宇洋君 簡潔にお願いします。
 今、いみじくもノーマライゼーションという言葉を使いましたけれども、これは要するに健常者と障害者が同じ空間で生活していくんだと、これは当たり前のことですね。そのために、今、高齢者施策も障害者施策も在宅だといっているわけですよ。これ、私、質問しませんから。
 とにかく、かつて厚労省を取り巻く中で福祉を食い物にする公共事業なんてこともありましたね。今回も、施設はこれだけ造る、その数値だけは着実にこなしていく、こういう姿勢がやはり多くの障害者の皆さんや高齢者の方々、そういう方々から不安や不信を抱くんですよ。だから、そういったことの、自ら晴れるような、そういったような私は障害者プラン、本当に自分たちの暮らしがきっちり良くなるんだという、そういう実感を持てるようなものを作ってください。お願いいたします。
 それで、今、未達というところで、ちょっと非常に驚くべき数値を私は発見しました。これは、いわゆる地域間格差と言われるものです。この障害者基本計画というのは、これは法律上作ることが義務付けられていますけれども、その下に各自治体が障害者計画というものを作る、これは確かに努力規定と言われればそれまでですけれども、例えば北海道ですと、これを策定済みの市町村というのは全市町村のうちわずか三九・八%。神奈川県でも四八・六%。そのほか、逆に宮城県とか埼玉県というのは一〇〇%なんですね。これだけ多くの差が開いている。
 私、何でこれにこだわるかというと、このたび、いわゆる措置制度から支援費制度という、非常に障害者施策の大きな転換期なんですね。この魅力は契約だ、選択だというんですけれども、各地域地域に選択できる事業者がなければ駄目なわけです。その事業者の推進をすることが、これ障害者計画の一つの目的であります。
 この障害者計画というものが何でこんなに地域によって策定についてばらつきがあるのか、そのことについて、統括官、お答えください。
#264
○政府参考人(山本信一郎君) 今、委員御指摘のように、都道府県単位で見ますと、いわゆる市町村の策定率というものが低い県がございます。全体でいきますと全市町村のうち八三・七%の市区町村がこの障害者基本計画を策定済みなんですけれども、ばらつきがございます。
 いろいろ事情があるのかなと思いますけれども、統計的に見ますと、やはり規模の小さい市町村、特に人口が五千人未満あるいは特に一千人未満等の人口の規模の小さい町村で策定率が非常に低いといったような状況もうかがわれまして、規模が小さいことからそういったような障害者のいろんな施策の構築というものに苦労をしているのかなといったようなことがうかがえます。また、計画策定に関するノウハウが不足している面もあるのかなといったようなことを考えておりますが、私どもといたしましては、全市区町村でこの計画を作っていただくように、努力規定でございますけれども、障害者施策を進めていくために全市区町村で計画を策定していただくという方向で、いろんな機会をつかまえまして御説明をしたり要請をしておるところでございます。おっしゃるとおり、地域によってちょっと格差がいろいろあるところでございます。(発言する者あり)
#265
○黒岩宇洋君 今、阿部理事からもね、私、そのとおりだと思うんですよ。今、統括官のおっしゃったの、それ違います。それは違います。というのは、表層的に人口幾らとか見ればそういった部分が出るでしょうけれども、そんなことを聞くために私はここで質問しているんじゃないんです。きちんと地域間格差を解消してほしいから私は聞いているんです。だから表面的な何か分析なんというものはどうでもいいんです。
 例えば、我が新潟県も二町村以外は全部策定しています。その二つの町村というのは、人口九千人台の町と六千人台の村です。そのほか、二千人台、三千人台、みんな作っていますよ。小さな島で粟島というところがあるんですけれども、ここ四百三十七人の村ですけれども、ここもきっちりとしたものを作っています。
 これだけ各都道府県によって差があるというのは、確かに首長さんのやる気もあるでしょうけれども、これはやはり統括している内閣府でしょう。これ障害者基本法にのっとって、そして国は障害者基本計画作って、そしてその中に努力義務をうたっているわけですよね、障害者基本法に。それ統括しているのは内閣府じゃありませんか。何のためにわざわざ内閣府主導でこの障害者対策をやっているかということに対して、統括官は、答えないばかりか、逃げているとしか思えないんですよ。
 長官、ちょっとお願いします。もう長官の、最後、立つ前に。一言ですね、とにかく事務方に、この障害者少なくとも計画というものをきっちりと各都道府県を通して自治体に作ってもらうんだと、こんなことを私は主導できるのはやっぱり長官しかいないと思うんで、一言、力強くおっしゃってください。お願いします。
#266
○国務大臣(福田康夫君) 確かに市区町村のこの表を見てみますと、相当なばらつきがあるということは事実でございます。しかし、平成十四年三月末で八割以上の市区町村でこの計画は策定されております。ですから、全体としては進んでいるんだろうというふうに思います。しかし、遅れている部分については、これは政府としても引き続きこういう市区町村に対する協力を積極的に督促してまいりたいと思っております。
#267
○黒岩宇洋君 督促という言葉を私聞いたんで、督促していくんですよ、長官が自ら言っているんですから。是非、あれですね、お願いしますよ、統括官。来年、再来年、こんなに恥ずかしい数値を見せないでくださいね。お願いします。
 そうしましたら、長官が去ってしまったんで、ちょっと残りの質問はまた明日に引き延ばすとして、それでは、鴻池大臣、おいでいただきましたので、特区についての質問をしていきたいと思います。
 昨年末から本当に年明け、鴻池大臣、もう獅子奮迅の、けんかに次ぐけんか、大騒ぎしているので、私も大変頼もしく思っていますけれども。
 それで、やはり今回改正案の方も出ましたけれども、各省庁の抵抗、そして骨抜きへと、こんなことも、私、残念なんです、残念ながらも耳に入ってきます。私はあえて、やはり各行政庁、省庁の姿勢というものをこのたび改めて問うてみたいと、そう思って、もう時間ないんで簡単に質問の方させてもらいます。
 文科省は、おいでいただいていますね。文科省は、一次提案のときに株式会社とかNPOの学校参入に対してはかたくなに反対していましたね。今回、二次提案では受け入れました。もちろん私は、受け入れたことを非難する気はないんです。ただ、余りにも、まあ若干変わり身が早かったんですが、これはなぜなのか、それをちょっと簡潔にお答えください。
#268
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。
 構造改革特区のいわゆる第一次提案の段階でございますけれども、私どもは、株式会社等は、学校法人に比べまして、公共性、継続性、安定性などについて幾つかのまだ懸念があるのではないかということで、むしろ、株式会社による学校設置についてはなかなか難しいけれども、学校法人の設立要件を緩和することによって株式会社やNPOの方々が学校法人になることを容易にすると。そのことによって提案の趣旨が、実質的にこたえることができるのではないか、こういうように御説明をし、お話を申し上げた、お答えを申し上げたわけでございます。
 その間、この臨時国会での御議論や、更には総合規制改革会議においても様々な議論が続いてきたわけでございまして、その中で株式会社等による学校設置について、情報公開やあるいは第三者評価、セーフティーネットの構築などの条件を整えることによって検討し得るのではないかと、こういうような考え方や指摘もあったわけでございます。
 したがって、今回、このような議論だとか指摘、あるいは構造改革特区の第二次提案におきます株式会社等による学校の設置についての具体の提案がございましたので、この具体の提案を私どもとして十分検討させていただきまして、その結果、特区制度の趣旨にかんがみまして、特別なニーズがある場合において、特区申請自治体により公共性、継続性、安定性が確保される場合には、学校教育の活性化を図るために、株式会社による学校の設置や、あるいは不登校の児童生徒を特別な配慮を要する、そういう教育を行うもので一定の実績を有するNPO法人による学校の設置というものを私どもとしては可能にしていこうと、こういうように判断をしたわけでございます。
 これによりまして、例えば、株式会社による学校において地域産業を担う人材の育成、あるいはNPO法人の設置する学校が不登校児童生徒等に対し多様な教育を行う、そういうことによって、なかなか既存の学校による教育が必ずしも十分には対応することが難しい面についてその役割が果たされるのではないかと、かように考えたわけであります。
#269
○黒岩宇洋君 今、私、お聞きしていて、失礼ながら、今日、鴻池大臣がおっしゃった西に向かって歩く牛って審議官のことかなと私は思って聞いていたんですね。もう、ちょっと長めにしゃべっても何言っているかさっぱり分からないですよ。
 ただ、私、よく分かったことは、具体的な提案があったかないかなんということで出ていましたけれども、こんなものがメルクマールになるんですかね。十分に秋の臨時国会でも審議されましたよね。いみじくも第三者評価やセーフティーネットの構築などの条件がと言っていましたけれども、これだって議論の俎上にのっていたはずですよ。のっていました。
 臨時国会の時点でも、例えば河村副大臣の答弁でも、教育の公益性が高いから株式会社は駄目だよ、利潤の追求している株式会社は駄目だよとはっきりと言っていたわけですよ。おっしゃられた公共性、継続性、安定性の確保、あれだけ主張していましたよね。もう理念でしたよね、文科省の。そうですよ。そのぐらいきっちりとおっしゃっていたわけですよ。それがなぜ変わったのかというときに、じゃ、具体がどうとかと言いましたが、そうなると、どうしても我々は、じゃ、鴻池大臣と遠山大臣の折衝で勝ち負けが決したとか、そんなこととしか考えられないんですよね。じゃ、文科省の教育に対する理念て何なのかということを私はお聞きしたいところなんですけれども、やめます。
 それで、大臣、大臣に聞かなきゃならないですよ、大臣に。大臣、今のやり取りなんかで、確かに私は、大臣ね、(発言する者あり)そっちの大臣か、文科省は、ある意味、この時点では白旗を上げているとは思います。だから、上げていないというのなら、今までのやり取り、どんな状況なのか、鴻池大臣にとって今の戦況はどんな状況か、ちょっと御説明いただけますか。
#270
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今、文部省の方からお答えがあったとおりであろうかと思いますが、最終的に、やはり総理と文部科学大臣、また河村副大臣等のいろいろなお話の中で決定をされたものと思っております。
 いろいろ委員おっしゃっておりますけれども、結果が良ければまあいいんではなかろうかと。ショートホールでも白ぐいに当たってオンするときがありますから。あとは公設民営とか、パターの部分が相当ロングパターですから、これについては文部科学省に十分より深い御理解をいただかなきゃいかぬと、このように思っております。
#271
○委員長(小川敏夫君) 玉井さん、答弁長いようなので、非常に簡略にお願いします。
#272
○政府参考人(玉井日出夫君) 今回の特区法の一部改正法を既に国会に御提出申し上げていますので、どうぞごらんいただければと思うんでございますけれども、情報公開あるいは評価、セーフティーネットについて法律上きちんと規定をさせていただいている、それによって特区における株式会社あるいはNPOによる学校設置を可能にしているわけでございますから、どうぞその中身もまた御理解いただければと思うわけであります。
#273
○黒岩宇洋君 僕、教育に対する理念というものが聞けるのかと思ったら、そんなことだったのかと、ちょっと肩透かしに遭ってしまいました。
 今、私、本当に、大臣がおっしゃった、確かにグリーンまで乗ったかもしれないけれども、この後ですよね、本当に。きっちりと、僕、ゴルフしないのでよく分からないんですけれども、ロングパターですか、入れるために前向きに。ですから、不承不承じゃ駄目なんですよ、本当に。
 最後に、じゃ、審議官にお聞きしますね、もう最後に。済みません、お聞きします、いいですか、済みません、文科省。文科省ないしは審議官は西に向かって歩く牛なのか、東に自ら走っていって門を開ける人間なのか、二つのうちのどっちか、今お答えください。
#274
○政府参考人(玉井日出夫君) 西とか東かとか、なかなか難しい御質問でございまして、私どもとしては、正に、先ほど申したとおり学校教育の基本理念があります。その基本理念がきちんとできるかどうかを十分検討し、この法案の中にその理念はきちんと入っている、そういうつもりでございます。
 もちろん、構造改革特区におけるその趣旨というのは十分理解し、そして、できるだけ地域の発意を生かすということは第一次提案のときから努力をしてきたつもりであります。
#275
○黒岩宇洋君 ちょっと説明が悪くて、西とか東のときに審議官いらっしゃらなかったので。
 とにかく、東に向こうとしているんですよ、今、規制改革も、小泉さんも。官から民へ。その中で、鴻池大臣が、どうも西に向かって踏ん張っているのがいると、そういう表現だったんですね。だけれども、省庁によっては、ともすれば東に駆けていって門を開けるような、そういった行政機関が出てくるのではないかと。
 ですから、私は文科省にお願いして質問を終えます。とにかく東に早く飛んでいって、この規制改革の門をこじ開けてください。よろしくお願いいたします。
#276
○委員長(小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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