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2003/05/06 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第6号
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2003/05/06 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 内閣委員会 第6号

#1
第156回国会 内閣委員会 第6号
平成十五年五月六日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     西銘順志郎君     片山虎之助君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     片山虎之助君     西銘順志郎君
     白浜 一良君     山下 栄一君
 五月二日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     岩佐 恵美君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     山下 栄一君     白浜 一良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                山口那津男君
                山下 栄一君
                岩佐 恵美君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
   国務大臣
       国務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       内閣府副大臣   根本  匠君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村 隆秀君
       厚生労働大臣政
       務官       渡辺 具能君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       小川  洋君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       外務省経済局長 佐々江賢一郎君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       厚生労働省医薬
       局食品保健部長  遠藤  明君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農林
       水産政策研究所
       長        篠原  孝君
       水産庁次長    川口 恭一君
       経済産業省製造
       産業局次長    仁坂 吉伸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○食品安全基本法案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、白浜一良君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君及び岩佐恵美さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 食品安全基本法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官小川洋君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川敏夫君) 食品安全基本法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○阿部正俊君 自民党の阿部正俊でございます。
 実は、今日まで私どもの党の、与党の質問の予定は亀井郁夫先生予定しておったんでございますが、先生もちょっと事故がありまして腰を打たれたというようなことで、ちょっと今日は出席できないということでございますので、我が党の質疑ということで亀井先生に代わりまして私がやらさせていただきます。
 なお、政府側の方々に申し上げますが、できるだけ亀井先生の御通告いただいている範囲内でやらさせていただきたいというふうに思いますので、全く亀井先生のような人格者の代役は務まりませんけれども、ピンチヒッターということで、多少空振りしたりあるいはとんでもない方向にファウル打ったりするかもしれませんけれども、そこはひとつ御勘弁いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 今回の食品安全基本法案、食品につきまして安全基本法案ということでの一つの憲法といいましょうか、食品についての憲法ができるということかなというふうに思いますし、そういう意味で新しい時代の変化、新しい時代の幕開け、これからの食品行政の大きな流れが、今までの路線の延長線上ではなくて一回ここで腰を据えて次の方向を見定めようじゃないか、こんなふうな時期なのではないかと、こんなふうな気がします。
 そうしたふうな状況になったきっかけは、何といいましてもやっぱり一昨年のBSEの発生であろうかなというふうに思います。今、急性肺炎の問題がなっていますが、何よりもやはりああいったふうな伝染性なり、庶民の生活に、直接健康にかかわってくる問題といいますのは、とかく初動の、初動捜査という言葉がありますけれども、初期対応策の是非、良否というものがその後の結果の良否を大きく分けるんだなとまた改めて思うわけでございますけれども、BSEの問題もそうしたふうなものがかぎ取られる、言えるんではないかと、こんなふうな気がいたします。
 さらには、昨年は言うまでもなく、いわゆる外国野菜の農薬、残留農薬の問題だとかホウレンソウの残留農薬とか議論をなされましたし、国内におきましてもいわゆる無登録農薬が使用されたというふうなことが出たりいたしました。私の育ちであります山形でもサクランボとかラ・フランスとか大変な打撃を受けることにもなりましたし、生産、販売に当たっての倫理というものも改めて問われるということになりましたし、法制上の不備も指摘をされたわけでございますが、そうしたふうなこともございました。
 そんなことで、日々、正に命の綱でございます食の問題につきまして国民の不安なり関心が様々な分野で高まり、さらに倫理という面におきましても、BSEの問題では様々な政策を打たれましたけれども、逆に今度、虚偽表示というようなことで、言わば、いわゆる善政と思われる施策に悪乗りした企業の行為というものが表に出てきたというふうな話だとか、あるいは産地の表示を、必ずしも原産地、いわゆる常識的な原産地ではなくて、生産地の表示と原産地の表示が何か一緒になっていたようなことがあったし、あるいは印刷物を張り替えたとかいうふうな、企業倫理としても改めて不信を買うようなことが続発をいたしました。
 そういう中で、BSEの政府の検討委員会の報告書が出され、自民党の安全確保に関する特別委員会、特命委員会も提言をしたり、あるいは与党三党の食の安全に関する提言など、政府、与党一体となって食品安全に対する検討結果といたしまして今回の食品安全基本法の制定に結び付いたのかなと、こんなふうに思っております。
 そういう意味で評価されるものだと思いますが、ただ、やはり食品行政につきましても、ただ直せばいいというものではなくて、むしろ、言葉はきついかもしれませんけれども、過ちというものを、何が過ちだったのかということをきちっと押さえておくということが大事なんじゃないか。
 私も役人出身といえばそうなんでございますが、役所というのはえてして、こうやりますよということはよく説明するんですけれども、かつてこういうことがまずかったねと、AとBとCとDがこういう面でおかしかったね、あるいは時代に合わなくなったね、あるいは間違ったなというようなことを余り言わないんですね。それを言わないから、逆に言うと、これから先何をするかというときの迫力がないんだと思うんです。やはり、今までの仕方がどこがおかしかったのか、あるいは時代にどこが合わなかったのか。何も個人の責任じゃないと思うんです、行政としてもう少しかつての、今までのやったことの評価というのをきちっとした上で、そうすれば将来の課題もおのずと見えてくるんじゃないかと。意外と、そうしないで、こうやりますよだけ一生懸命説明する方がおられるんですけれども、これは役所の私は余りいい性癖じゃないんじゃないかと思いますけれども。
 そういう傾向からしましても、かつての過ちは何だったのか、それを確認した上でそれをどういうふうに変えていこうとされるのか。これもまた、別に百点満点の、神ならざる身ですから、こうあれかしと思って変えることがすべて正しいかどうか分かりません。だけれども、チャレンジしてみるということがどうしても必要なんじゃないかなと思うんですが、どういうふうに変えていこうとされるのか。これもやはり国民にきちっと、分かりやすくと言っても何も易しい言葉というだけじゃなくて、視覚に訴えるくらいの明確さといいましょうか、というものがやはりどうしても必要なんじゃないかなという気がしますけれども、そうしたふうなことで食品行政についての過去の過ちといいましょうか、あるいは時代に合わなくなった点とか、どこかがまずかったのかという点を幾つか抜き出してもらい、それに対応するこれからの改革の柱というのは何なのかということについて大臣から御説明をいただきたいなと、こんなふうに思います。
 組織の問題もありましょう、それも含めてひとつ大臣に御説明いただき、将来の言わば、最近説明責任とよく言われますけれども、とにかく延々なんなんと言葉を続けることが説明責任ではないだろうと思います。むしろ、小枝を切っても大枝をきちっと示すということが説明責任じゃないのかなと。その大枝は何なのかということを、今回の、私は食品行政全体の大きな転換なんだと思いますけれども、是非お示しいただき、これからの考え方をお述べいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#7
○国務大臣(谷垣禎一君) 今日は、阿部委員、亀井先生の事故で緊急のピンチヒッターで大変御苦労さまでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
 そこで、過去の食品安全行政、どこをやはり反省してどう改めようとしていこうかと考えているのかという点でありますが、私どもが過去を振り返ってみますとこれはいろんなことがあるわけですが、直接の契機となっておりますのは御承知のような一昨年のBSE問題でございます。
 そこで、BSE問題に関する調査検討委員会というものが設置されまして報告書が出ました。これは御承知のとおりでございます。私どもがまず依拠すべきものはこの報告書であるということになるわけですが、これを読み返して、何度も読み返してみますといろいろ貴重な指摘がございます。
 今日は三点申し上げたいと思うんですが、一つは、農林水産物の生産から食品の販売までの各段階で安全確保のために措置を講じていくといういわゆるフードチェーンの考え方が希薄であったということが指摘をされております。この背景には、過去の食糧難時代からの生産優位といいますか、消費者の方を余り向いていないといいますか、そういうような思想があって、各段階できちっとチェックをしていくというような思想が確立されていなかった、これがまず第一点であろうかと思います。
 それから二番目に、じゃその食品の安全性評価をしていかなければならない、いわゆるリスク評価を行っていかなければならないわけですが、その評価を行っているところがリスク管理を行うところと混然一体となっている。更に申し上げるならば、リスク管理、リスク評価というだけじゃなく、その産業振興の役割も担っているリスク管理機関、こういうものがリスク評価も行っていたということがもう一つあると思います。これには、先ほど申し上げたような生産優位という発想もこの背景にやはりあったんだろうと思います。
 それから三番目に、これは必ずしもこの食品安全行政だけではありませんけれども、縦割りの弊と申しますかリスク管理機関、主として厚生労働省と農林水産省が当たってこられたわけでありますが、その間での連携不足というようなものがあったということだろうと思います。
 したがいまして、今申し上げたように、消費者を重視して生産から供給されるまで一貫してその間の安全性に際する措置をきちっとしていくこと、それから二番目に、リスク評価とリスク管理というものをきちっと分けて科学的にリスク評価というものを行っていくべきこと、それから三点目に、そうはいいながらそういう行政機関を分離することによって縦割りの弊が起きてはいけないので、それの何というんでしょうか、総合調整といいますか連携といいますか、そういうものを強化していくこと、この三点になるのではないかと思います。
 そこで、今度お出ししている法案では、第一に、食品の各段階において、食品生産の各段階において安全性の確保のために必要な措置を適切に講ずる、その際に国民の健康を最優先にするということを基本理念とすると、これがまず第一点。それから二番目に、リスク評価機関とリスク管理機関を分離して、リスク管理機関から独立した食品安全委員会を内閣府に設置して、そこで科学的にリスク評価を行っていくということ。それから、関係者相互間での意見の交換、情報、意見の交換、いわゆるリスクコミュニケーションや関係行政機関の密接な連携を定めていくと、こういう体制を取ったわけであります。
 以上をもってそれぞれの担当する、食品安全を担当する機関の適切な緊張関係というものを、緊張、それと協力というものがもちろん必要でありますが、適切な緊張関係を保ちながら食品安全行政を刷新していこう、こんなふうに考えております。
#8
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 大臣からピンチヒッターに対する御同情をいただきまして、大変恐縮でございます。ただ、大臣も、今日は食品、昨日は産業再生、おとといは交通安全というようなことで、様々な分野でこれまた大変だなということで御同情申し上げたいと思いますが、どうぞ谷垣大臣、将来の総理候補の一人だと思っていますので、総理は特別な分野ありません、すべての分野についての御見識というのを涵養されるいいチャンスじゃないかな、こんなふうに思いますので、どうかひとつ御奮闘をお願いしたいと思っております。
 さて、今、大臣から今回の食品安全基本法案の理念といいましょうか、基本的なスタンスというものを御説明いただいたのでございますが、いろいろ問題が多過ぎて、むしろ少し端的にこれだという感じはもう一つ明確に聞こえないなと正直思います。いろいろ大事な点はありますけれども、国民向けにもう少しいろんな、正に一般の大衆が、今政府が何をしようとしているのか、あるいは国会で、法案で何をしているのかということにつきまして間断なく、もっと図表でも使って表示できて、新しい時代の食の時代が始まるよというような感覚が国民の間にもやはり持ってもらうことがこの行政の変化と、仕組みを変えるというだけじゃなくて、大きな流れを変えていくということにつながるんじゃないかなという気がいたしますので、毎日の、例えばスーパーで買い物する人たちの消費行動だとか、あるいは食品についてのいろんな、例えばテレビ番組なんかで最近よくやっていますね、何かこういう食品は何とかに効くとか効かないとか、そうすると何かえらくわあっとその食品が売れたりなんかするというのも恐ろしいことではあるわけですよね。
 というようなことで、もう少し冷静により高度、高度といいましょうか、成熟した消費者なりあるいは食文化というものを作っていくための一つのきっかけにしてもらいたいものだなという気がいたしますので、国民に対するいろんな意味での、国民といいましょうか、事業者も含めた国民ですけれども、呼び掛けということを相当集中的にといいましょうか、やっていってもらいたいなという、余り受け身にならずに、新しい食文化をみんなで共同してやっていってもらいたいよというような気持ちを表に出していってもらいたいなというふうに感想として申し上げたいと思います。
 それからすると、正に今回の改正の一つのポイントが総則にも書いてございますけれども、基本理念を定め、並びにそれぞれの責務のほかに「消費者の役割を明らかにする」と、こう書いてありますね、新しいポイントではないかというふうに思います。
 いいものを、安全なものを提供するから、あとは我々が一生懸命これを、何というかな、行政なり事業者なりが努力するから、安全だから買ってくださいと、こういう感じだったんですけれども、そうじゃなくて、消費者の役割ということも、ちゃんと一つの双方向性といったらいいんでしょうか、というふうなものとして位置付けられたのも一つの今回の基本法案の特色なのではないかと思いますが、そうなると、そういう点で新しさがあるんではないかというような点についての御意見があったら聞かせていただきたいことと。
 あと、BSEの報告書の中でも触れられておりますけれども、言わば、政治家がよく好んで使う言葉でございますけれども、庶民の目線でとか、あるいは意見を傾けてとかよく言うんですけれども、具体的に何をするのかねというのがよく分からないというのが正直言ってないではないんですけれども、そういう意味で、今回の法案の提出には相当やはり国民の広い意見を基に作られたというふうに思うのでございますけれども、国民の、まあ国民と言ったって一億二千数百万おるわけですから全部というわけにいきませんので、どういう形でそれを吸い上げていこうとして今回の法案に至ったのか、その経過について、国民の意見をどういうふうに取り入れてきたのかということについて、説明できる、そう長々というのも困るんですけれども、基本的な考え方をお示しいただきたいことと。
 あと、これから先、やはり消費者の役割ということが書いてあるわけでございますので、むしろ一方的に官が管理をする、それからリスク評価をする、だから後は消費者それぞれ安全だからやってくださいという、こういう発想じゃなくて、これから時々刻々と状況が変化するのに対応しながら、新しいむしろ食品行政を進歩させていくということの一つの原点が消費者の役割とも関係するんじゃないかと、こんなふうに思いますので、これからの食品行政の在り方の一つとして消費者の役割ということについて言及していただけるならば、二つ目として言及していただけるならば大変有り難いと思いますが、これは大臣なり審議官なりからお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
#9
○政府参考人(小川洋君) これまで国民の方々の御意見をどれだけ拝聴してきてこういう成案を得たかということで、まず私の方からお答えさしていただきたいと思います。
 今回の法案の検討に当たりましては、広く国民各界各層の方々から御意見を伺おうということで、その結果をまたこの法案の立案あるいは今後の運用に生かしていきたいと、そういう思いからやってきたわけでございます。
 具体的には、私ども、準備室が立ち上がりまして以降、昨年の十一月には、全国五か所でございますけれども、生協あるいは消費者団体等の方々との意見交換会、あるいは今年の二月から三月にかけましては、これは私どもだけではございませんで、農水省、厚生労働省も一緒になりまして、全国八か所、ブロックごとに消費者、事業者、地方自治体担当の方々集まっていただきまして意見交換をやってまいりました。昨年の十二月でございますけれども、今回お出ししております法案の骨子、基本的な考え方を公表いたしまして、意見募集を行いまして、国民の皆様からいろんな意見が寄せられて、その結果をこれに生かしてきたわけでございます。
 このほか、いろんな団体の方々あるいはいろんな関係の方々といろんな機会を活用いたしまして、いろんなレベルでございますけれども、様々なレベルで意見交換会あるいは説明会というのをやってまいりまして、これを通じまして国民の皆様方の意見を伺ってまいったと、そういうことでございます。
#10
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、政府参考人の方から答弁をさせていただきましたけれども、今のような答弁のような背景にある考え方ということをちょっと申し上げたいと思うんですが、それは、食品というものが全然リスクのないものはあり得ないんだという考え方が背後にあるんだろうと思います。それで、それはいろんな要因があると思うんですが、これは私のどちらかというと私見ですが、食品を取り巻く環境というのは三つの問題点があるように思うんですね。
 一つは、何というんでしょうか、食糧の生産が大量供給大量消費のような形になって、言わば大量生産というような、隣のおじさんが作ったトマトというような話と大分違ってきているというのが一つあろうかと思います。
 それから二番目として、それに関連いたしますが、日本人の食生活も豊かになって、言わばボーダーレスになって、世界のどこから来るか分からないということが背景にあるように思います。
 それから三番目に、遺伝子組換えとか、あるいは農薬にしてもいろんな科学技術の変化あるいは進歩というものがあって、今までの知見では対応できないようなものがいろいろできているという、こういう三つの要素が、かつての牧歌的な食を取り巻く環境から大きく変化しているのではないかというふうに思います。
 そのときに、じゃ、食品の安全性を科学的に確かめるといいましても、リスクのゼロであるものはあり得ないと。例えば、私はそばが好きでございますけれども、健康にいいと思って食べておりますが、アレルギーでそばでも危険な目に遭われる方があるわけですね。そうすると、ゼロリスクというのはあり得ない。そうすると、リスクがなしということはあり得ないという上で、どうそのリスクをきちっと管理していくかということが大事になってくると。それは、同時に、消費者がそういう状況をよく理解して、また積極的に意見も言っていかないとなかなかうまくいかないという状況があるように思うんですね。
 そこで、この法案でも、教育とかあるいはリスクコミュニケーションということを非常に強調しておりますが、消費者にいろいろなところに参加していただいて共通の知見を持っていただく、そしてともにその意識を高め合っていくと、こういうようなことが必要になっているのではないかというふうに考えております。
#11
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 大臣おっしゃるとおり、正にリスクというのを最近いろいろなところで、流行語のような感じも正直するんですが、ただ、やっぱり振り返ってみますと、私どもの行政なり、特に食品行政なんかもその例かもしれませんけれども、何か、言わばリスクというふうな考え方よりも、ある一つのことでシャットアウトしちゃって、それで城を築いて塀を築いてその中は安全だよみたいなことで、リスクというものは常に存在するというような意識が正直言って希薄だったのかなという感じが今はします。
 ただ、やはり、常に存在するから、むしろ触れたくないんだけれども、存在するんだからそのリスクを最小限にしていくと、ゼロにはできないんだというふうな、可能性としては物すごい小さいかもしれませんけれども、できるだけ最小限のものにしていく、で、起こったときにどうするかというふうなことで、さらに次への波及を防いでいくというようなものが本当のリスクというものの見方なのかなというような気がしますけれども。
 そういう意味では、我が日本人は大変器用でございますので、余りそういったふうなマニュアル的なリスクの対応する策を考えるのではなくて、一義的に、例えばある物質はこの中には含まれてはならないとかというふうなことで一回決めるとそれで終わりというふうな、例えばこの間、食品行政の中で露呈いたしました例のHACCPの問題なんかにいたしましても、最初のときだけはえらく厳重にいたしますけれども、更新だとか、あるいはリスク、もし何か間違ったことが起きたときにどうするのかみたいなところはほとんど法律上は未整備の状態に近かったのかなというふうに反省いたしますが、後でもし機会があったらお聞きしますけれども。
 そうしたふうな新しいリスク分析ということを、リスクというものを前提にして、過程過程でそれを最小限にするための手法を考えていこうと、そのための、リスクを最小限にするための、例えば管理と評価を分けていこうとかというふうなことが言われているわけでございます。BSEの検討委員会におきましても、いわゆるリスク分析手法の導入の必要性ということが述べられているわけでございますし、これを受けた形で今回食品安全委員会の設置が定められるというふうなことなのかなというふうな気がいたしますが、こうしたふうなリスク分析手法というのは新しい考え方であり、何とか分かるように付いていけるのかなと私は気がするんですけれども、まだまだ一般の消費の現場の方々がそうしたふうな考え方をきちっと踏まえておるかどうかというふうなことは少し十分ではないような気がいたしますが。
 したがって、できますれば、こうしたふうなリスク分析手法につきまして、この法案の中にどのように反映されておるのか、あるいは、それが考え方を徹底していく上においてどんなふうな施策を打たれていこうとしているのか、具体的にこの辺につきまして分かりやすく大臣から御説明を願えれば有り難いな、こんなふうに思っております。よろしくお願いします。
#12
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員が指摘されましたように、リスク分析という考え方が国際的な潮流となっていると思います。これは何も食品の安全性だけではなしに、いろんな分野でこういう科学技術の進歩ということが背景にあるんだろうと思いますが、こういう手法が取り入れられていると。
 それで、このいわゆるリスク分析というのは三つの側面に分けることができるわけでございまして、まず、その一体リスク、危険性といいますか、そういうものがどれだけあるのかという評価、これは科学的な認識ということだろうと思いますが、その評価。それから、そのリスクをどのように管理をしていくのかという二番目の問題。それから、そういったリスク、持っているリスクというものについての言わばコミュニケーションといいますか、関係者間でのいろいろな認識の共有、対話といったようなもの。三つのものから成り立つというふうに言われているわけであります。
 そこで、この基本法案では、まず第一に国民の健康の保護が最も重要であるという根本的な理念の下で、食品の安全性の確保のために必要な措置が、国民の意見の反映に配慮しながら食品健康影響評価、つまりリスク評価を始めとする科学的知見に基づいて講じられなければならないということをまず規定しております。
 それから二番目に、具体的に食品健康影響評価を行うこと、それから健康への悪影響を防止、抑制するための行政的対応、つまりリスク管理でございますが、それと関係者相互間における情報及び意見交換、つまりリスクコミュニケーションを促進すると、これを基本的な方針としてこの法案の中に規定をしていると。
 それから三番目に、科学的な食品健康影響評価を中立公正に行う独立した組織として食品安全委員会を新たに内閣府に設置するということにしているわけでございまして、要するに健康への悪影響についての科学的評価を行って、それでその結果に、科学的な評価に基づいて基準の設定や規制の実施等の行政的対応を行い、それを更に具体的な行政的対応に関して影響評価や具体的な行政的対応に関して食品関係者相互間における情報及び意見の交換を行う、こういう仕組みになっているわけでございます。
#13
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 リスク分析手法の導入ということを三つの分野で大臣は整理されておっしゃられました。
 リスクというのは常に、危険というか、常にあると。それで、それもどれだけあるのかというのが評価であり、どのようにそれをコントロールするかというのが管理であり、あるいはリスクがあるよということも含めた共通の認識を持つ、共有するというふうなコミュニケーションというのが大事なんだ、こんなふうな三つの視点で言われたこと、大変分かりやすいと思うし、そうしたふうな考え方を更に徹底していく努力をお願いしたいなということを改めて申し上げておきたいと思います。
 ただ、次に触れますけれども、最近、言葉遊びじゃございませんけれども、横文字、片仮名文字がえらく多くて大変分かりにくいし、日本語の造語能力がなくなったのかなということである意味じゃ残念にも思うのでございますけれども、できるだけ日本、かつ今まで持っている我々昔からの言葉を使った表現を何とかするように努力したいなというような気がいたします。例えばリスクコミュニケーションと。まあリスクということぐらいはしようがないのかなと、こう思いますけれども、リスクコミュニケーションなんというのはもうちょっと何か別の言葉がないのかなというような正直気がいたしますけれども。
 そういう意味で、実はもう一つ横文字のことに関する話にもなるんですが、表現ですが、要するに事業者責任というのを最近よく言われます。最近といいましょうか、これ法律案でも第八条に食品関連事業者の責務ということで、いろんな国、地方公共団体の責務と同列、あるいは具体的にはもっと厳しい中身なのかもしれませんけれども、いわゆる事業者の、事業体の責務ということが書いてあるわけでございますが、これを、具体的にどのようなことを事業者には求めて、しかもこれは罰則もあるのかなという部分も含むんだろうと思うのでございますけれども、どのような責任の実施を、責任を取ってもらうといいましょうか、責務を担保するための手だてをどういうふうに行政的にこの法律の中に仕組まれておるのか、ひとつ明らかにしてもらいたいなと、こんなふうに思います。
 この数年、二年余りの間に様々なやっぱり食品関連事業者の問題が、言わば倫理あるいは法律違反、あるいは社会的な責任から見て大変指弾されるべき行為なども表に出てまいりました。表示の問題、あるいは虚偽の表示をした上で国に言わば牛肉を買い取らせて一定のある種の詐欺に近い行為をしたとかというふうな事業者もございましたし、事に乗じて、どさくさに紛れてと言った方がいいのかもしれません、非常に俗っぽい言い方をしますと。どさくさに紛れて利得を得るというようなことも中にはあったような気がするんですけれども、そうしたふうな経営体は決して長もちしないといいましょうか、将来的にはいずれ大きな、より大きなダメージを受けることも覚悟しなければいけませんよということも言われるわけでございますし、最近、経営の状況を見るときにも、そうした意味での社会的責任なり法令の遵守というようなことをどの程度重きを置いた体制を作っておるのか、あるいは消費者行政との連携なりをどういうふうに積極的に位置付けておるのかというふうなことも企業体を評価する際の一つの指標になっているように思うんですけれども。
 これはよく、これも私よく横文字は分からないんですが、コンプライアンス経営とかいう、よく言われますけれども、元々コンプライアンスというのは何のことなのかということもよく分からないんでございますが、私はどうも社会的な道徳なり規範なり法令というものをきちっと遵守するというのが経営の基本にしている経営体のことをいうのかなと、こんなふうな気もするんですけれども、その辺の御説明なり大臣のそうしたふうな企業経営体の在り方についての御見識なりもお聞きさせていただければ有り難いなと思いますし、あとは局長さんも、国民生活局という局があるわけでございますので、そういう意味でこれから先の行政ともかかわりが出てくると思いますんですが、正に経営体に対する国民生活ということから見た意味での日本の企業の、日本といいましょうか我が国における企業体に対する行政的あるいはこれからの経営体の在り方ということについての御見識などもお伺いできればと思いますが、よろしくお願いいたします。
#14
○国務大臣(谷垣禎一君) 事業者の責務ということでありますけれども、先ほど消費者も積極的に参加しなければ、していただかなければなかなか食品の安全性が確保できないと、国あるいは行政機関が努力するだけでは足らないということを申し上げましたけれども、事業者といいますのは消費者に食品を提供するその当事者でございますから、ここが責任感がないというようなことになりますと食品安全という、食品の安全という目的は達成できない。それぞれの立場の者がそれぞれの分野で責務を果たすということが大事ではないかと、そういう考えに立ちまして、この法案では事業者は消費者に安全な食品を提供する上で第一義的責任を負うというふうに、有するというふうに規定をしているわけであります。
 その上で、当然その事業活動に係る食品等に関する情報をその企業者は保有しているわけであります。そういったことを踏まえまして、まず第一に、食品供給行程の各段階で必要な措置を適切に講じること、それから、事業活動に係る食品等に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない、それから三番目に、行政が実施する施策に協力をすることというようなことを基本的な責務として書いているわけであります。
 そこで、この責務規定が、反した場合にどのような言わば罰則といいますか、そういうものがあるのかというお問い掛けでありますが、この法案はいわゆる基本法でありまして、この法案で直接、罰則とか権利義務関係というのを盛り込むということにはなっておりません。具体的に罰則が必要であれば、それぞれのリスクを管理する個別法の中で書いていただくということになるわけであります。
 それから、企業体の経営の在り方ということで、最近、これは食品に限りませんけれども、企業の不祥事が多発しているということを背景に、法令とか社内規範といったものの遵守、あるいはそのための組織体制の整備を遵守していかなければいけない、こういう議論が非常に盛んになってまいりました。実は、私がもう一つ担当しております産業再生などをやりますについても、先ほど委員がおっしゃったコンプライアンスであるとかガバナンスと、こちらも横文字で、もう少しいい言葉ないかなと思いますが、そういうことが今まで欠けていたという認識は非常に広まっているのではないかと思います。
 それで、先ほど申し上げたような、事業者が食品の安全性の確保について第一義的責任を負うということを認識して必要な措置を講ずることという中には、当然、法令とかそれぞれの企業の倫理というか規範というものがあるでありましょうから、それらをきちっと守ってもらう体制をそれぞれのまず企業でやっていただく。いわゆる委員のおっしゃるコンプライアンス経営というようなものを養成していくというのもこの法案の背景にある考え方ではないかと思っております。
#15
○政府参考人(永谷安賢君) 近年起こっております企業の不祥事でありますが、正にこれによって消費者と事業者の間の信頼関係というのが大きく損なわれているということだろうと思います。その事業者と消費者の間の信頼関係がなければ市場経済そのものがうまく回っていかないということでありますので、この両者間の信頼関係をどうやって再構築していくかというのが非常に大きな課題だろうというふうに私ども認識をしております。
 そういう認識の下で、その信頼関係の再構築のための具体的な取組の一つとして、私どもで持っております国民生活審議会の消費者政策部会の場で消費者と事業者の間の信頼の再構築というテーマで御審議をいただいてきました。一昨年の秋から昨年一杯まで審議をしていただきまして、その結果を昨年の十二月に、事業者によるコンプライアンス経営のための自主行動基準の策定、運用のための指針という形で公表をさせていただいております。おかげさまで、この自主行動基準の策定公表以降、それと相前後して、日本の各企業でありますとかあるいは団体でありますとか、そういうところで正に自主行動基準作成作りが非常に大きく進捗しているという状況になりつつあるというふうに認識しております。
 したがいまして、私どもで作りました自主行動基準の指針の公表なり定着に努めていくということに加えまして、これからそういう企業とか団体で作る自主行動基準自体を評価するような組織、機関というのをどういうふうに作っていくかとか、そういうことも併せてやっていく、そういう中で正に企業によるコンプライアンス経営の促進を図っていきたい、そういうふうに考えているところであります。
#16
○阿部正俊君 ちょっと順序が違うかもしれませんけれども、今の局長さんの話の延長線上の中で、BSEの問題のときとかあるいは虚偽表示の例なども、いわゆる内部告発といいましょうか、一言で言いますと、何か最近は公益通報とかという表現もあるようでございますけれども、そうしたふうなことも議論の対象に最近なりつつございます。
 いろんな、慎重に付しなきゃならぬ点もあろうかなというふうに思いますし、ある意味じゃ、変な話ですけれども、密告文化みたいなものが横溢するようなことでも私はいい社会ではないんじゃないかなという気もしないでもありません。日本の文化とも関係もあるのではないかと思いますけれども。そうしたふうな意味での言わば内部告発あるいは公益通報に関する取扱いというのを、これからこうしたふうな食品行政の大きな転換点を経た上で、御検討といいましょうか、どんなふうなこれからの考え方で対応されているのか、一言ちょっと、局長さんなり大臣なり、ちょっとお触れいただければ有り難いと思います。
#17
○副大臣(根本匠君) 今の阿部委員の質問にお答えさせていただきたいと思います。
 今、委員もるる企業の不祥事の問題、いろいろな問題点を指摘いただきました。最近の自動車のリコールに係る事件あるいは食品の偽装表示事件、実はこういうものがどういう経緯から明らかになったかという意味では、企業内部の従業者などからの通報を契機として明らかになる事例、こういうものが相次いでおります。
 それで、こういう状況を踏まえまして、今、国民生活審議会消費者政策部会、審議を行っておりまして、これは消費者利益の擁護の観点からの審議を行っておりまして、昨年十二月に中間報告を公表いたしました。
 この中間報告の要点は二点ありますが、一つは、事業者による法令遵守を確保し消費者利益の擁護を図るため公益通報者保護制度を整備することが必要であるという点、さらに、制度の具体的内容について早急に検討を進め必要な法制化を図るべきという点、この二点の内容であります。
 これを受けまして、現在、国民生活審議会消費者政策部会の下に、幅広い関係者によって構成される公益通報者保護制度検討委員会、これ、消費者政策部会の下に発足させておりまして、制度の具体的検討を行っているところであります。
 これは私の個人的な意見もありますが、これは決して密告奨励のような法体系であるべきではないと。あくまでも、公益通報者という言葉に込められておりますように、公益のために通報する方をどう保護するか、こういう視点でとらえるべきだと思っておりまして、内閣府としては、現在、同委員会の報告、この委員会の報告をまだ最終的に出されておりませんが、この委員会の報告を踏まえまして必要な措置を講じていきたいと、こう思っております。
#18
○阿部正俊君 さて、今度の基本法案の要点の柱の一つが食品安全委員会であることなわけですけれども、ただ、私、何度読んでもよく分からないといいましょうか、というのは、ちょっと抽象的になり過ぎているのでしようがないのかもしれませんけれども、例えば十一条でございますが、食品健康影響評価ということを実施するということですが、この十一条をさっと読んで、この食品健康影響評価というのはどういう範囲でどういうものについて何をするのかというのがイメージがわく人というのは多分いないんじゃないかなというふうに私思います。
 文章としても何かこう余り、分かりにくい文章だな、よく三百代言的なことを言うと内閣法制局的だとかよく言われますけれども、これもその一つの例なのかなという感じが正直するんですけれども。意味分かりますか、これ。「策定に当たっては、人の健康に悪影響を及ぼすおそれがある生物学的、化学的若しくは物理的な要因又は状態であって、」、「状態であって、」、これはどこに続くのか私分からないんですけれども、「食品に含まれ、」と次に来るわけですね、「状態であって、食品に含まれ、」、どういうことなのかなという、状態で、「食品に含まれ、又は食品が置かれるおそれがあるものが当該食品が摂取されることにより人の健康に及ぼす影響についての評価が施策ごとに行われなければならない。」と、こう来るんですが。
 したがって、まず最初にこの十一条の読み方と、読み方というようなことよりも、何をここで言おうとしているのか。具体的に、食品環境影響評価というあるテストがあるわけですね、評価が。テストを受けるものは何なのか、対象物は何であり、あるいは状態なのか、というものもあるんでしょう、状態もあるのかもしれません、あるいは物質もあるんでしょう、というふうなことを幾つかの分野ごとにむしろ分けた方が、私、非常に分かりやすいんじゃないかなという気がするんですよ。何か一言で言おうとすると、あとは、ただし書は抜いているだけですからね、何をしているのか、何をしようとしているのかというのが大変分かりにくい表現だなという気がしますけれども、この影響評価を受ける対象物あるいは対象、何というのかな、分野といいましょうか、というものを幾つか最初にちょっと明示をしていただければ有り難いなというふうに思いますけれども、これは大臣でなくても結構でございますが、よろしくお願いします。
#19
○政府参考人(小川洋君) 法案の十一条についての分かりにくいという御指摘でございます。いろいろ工夫はしたつもりでございますけれども、なかなか難しい表現になったということが、むしろ分かりやすくこれから説明をしていきたいというふうに考えてございますが。
 骨格でございますけれども、十一条で言います食品健康影響評価を実施をしていくという大原則でございますけれども、いわゆる安全性の確保に関連いたします施策をいろいろ個別具体的にやっていくわけですが、立案していくわけですが、その際、人の健康に及ぼす影響を客観的、科学的に評価をして、それを基にして施策を企画立案、展開していこうじゃないかというのが根っこでございます。そのときに食品健康影響評価というものの対象になりますのは、この条文にございますように、人の健康に悪影響を及ぼすおそれのあります、一つは生物学的、二番目は化学的、三番目は物理的な一つは要素、要因でございます。要因でございます、後から申し上げます物質とかそういう菌とかそういうやつでございますが。もう一つは、人の健康に悪影響を及ぼすおそれがある生物学的、化学的若しくは物理学的な状態、つまり食品がどういう状態に置かれているかという状態。こういった食品に含まれております要因、要素、それと食品が置かれておりますないしは置かれる可能性のある状態が人の健康に対して当該食品を摂取することによってどんな悪影響を及ぼすかと、これを分析しようじゃないかということでございます。
 具体的に言いますと、生物学的な要因といたしましては、O157あるいはサルモネラ菌といった病原微生物といった問題が考えられます。それから、化学的な要因といたしましては、農薬や動物の医薬品に使われます化学物質がございます。それから、物理的な要因といたしましては、放射線といった影響、そういったものが考えられるわけでございますが、あと、後段の状態というところでありますと、生物的な状態というのは、例えば腐敗が進行しているとか、あるいは化学は、化学的なところで言いますと、酸性、アルカリ性のpHがどういう状態でなっているかと、あるいは物理的な要因という意味では、温度がどんな状態で管理されているかとか、そういった食品を取り巻く、それに含まれております要因、あるいは置かれる状況、状態、それらが対象になるわけでございます。
 具体的な手続といたしましては、この影響評価は委員会が行うわけでございますが、法案の二十四条に、関係各大臣から意見を必要的に求められるということが一つございますし、また、二十三条でございます、前の条でございますけれども、委員会が自らの判断で集めた情報に基づきまして自ら必要だという判断をした場合にこの評価を行う、そういう手続、手順が踏まれることになります。
#20
○阿部正俊君 小川さん、ちょっとよく分からないんだ、やっぱりな。お分かりになりましたでしょうか。
 要因というのもまた分からないんだよ。これはまあ僕は端的に物質と言うのとどこが違うのかなという気もしないでもないんですけれどもね。要因というのは、何というかな、物じゃないでしょう。評価の対象にならないんじゃないですか。要因というのは、何かこう私は、何かその、ある、何というのかな、関係のことを言うんであって、それ自体を評価するということがあり得るのかどうなのかちょっとよく分からないんですけれどもね。
 それから状態ということもあるし、これに余りこだわりませんけれども、何かもうちょっと私は、一覧表にして、もっと具体的にこういうものだよと、例えば今で言う添加物だとかあるいは化学物質だとかいうのも入るだろうし、というようなことを少し分かりやすく、分かりやすくと、要するに明示してもらいたいものだなという気がしますね。
 特に、あと、今ちょっと気が付いたんですけれども、ただし書で抜いていますね。次のものは対象でないということで、十一条のただし書で抜いていますね。ただし、一、二、三号についてはこの限りでないと、こういうのがありますけれども、二号はどうなんですか。「人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるとき。」は除くんですか。ということは評価しないということで、評価するまでもないということかもしれませんけれども、でも、重大な影響があるということをきちっと評価することも大事なんじゃないかなという気もしますけれども、この辺の関係はどうなっているんでございましょうか。
 ある物質が人の健康に悪影響を及ぼすことが明らかであるということは、明らかであるということ自体を評価するということも私は除いちゃうと、何かトートロジーみたいになっちゃうんじゃないかなという気がするんですけれども、どうなんでしょうか。
#21
○政府参考人(小川洋君) 十一条の第一項第二号のお尋ねでございますけれども、具体的に、例えば腐敗が進行している場合、それは食品には不適であるとか、今までの知見から見て明らかにそれは評価の対象としなくてもいいような場合というのがあり得るということで、この二号を置かせていただいております。
#22
○阿部正俊君 この辺は実施のときにもう少し明示していただくように御努力をお願いしたいなというふうにお願いしておきます。
 さて、こうしたふうな影響評価を実際にやる仕事が食品安全委員会の仕事になるわけでございますよね。というようなことで、この安全委員会というのは、大変、今回新たに設けられることであるし、この法律案の骨格でもあるわけでございますが、新しい食品行政の仕掛けの一番大本になっていく委員会だというふうに、行政組織だと、こんなふうに思いますけれども、あくまでもこれは独立性というものを十分確保できて初めてできるんだろうというふうに思います。
 各省庁からも、農水省なり厚労省からも当然でございますが、ある意味では、これは私ども恥ずかしいことかもしれませんけれども、いわゆるそのときそのときの思惑で発言しがちなと言っちゃなんですけれども、政治的な意味での影響ということについても安易に従ってもらっては困るわけでございますので、そうした意味での独立性もあるいは必要なのかもしれませんが、そうした意味で、独立性を確保できるのかどうなのか、あるいはそのために用意してあるとするならば、法律上のどういうふうな点でそうしたような独立性の担保が図られようとされているのか、できたら、ちょっと御説明いただければ有り難いと思います。
#23
○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆるリスク管理をしている機関と分離してリスク評価を行う、科学的、中立的に行う食品安全委員会を作るというのがこの法案の中の大きな眼目でございます。
 そこで、これは二つと申し上げていいのか、一つと言うべきかもしれない。一つは、やはり今までの行政機関と分離して、内閣府の下に置くと。こういう組織として独立をした委員会を作るということが一番大きな独立性の担保であろうというふうに思います。
 それからもう一つは、これはむしろ独立性というよりも中立性とか公正性とかいう言葉で表現する方がよろしいのかもしれませんが、結局、委員の構成に懸かってくると。その分野においてきちっとした判断を科学的に公正に行ってくださる方を選ぶと。それは中身の面で独立性を担保するにはそれが必要だと思います。組織の面では独立した組織を作っていると。この二点だろうと思います。
#24
○阿部正俊君 はい、分かりました。
 じゃ、次に、この安全委員会の構成も大事だと思うんでございますね。そういう意味での構成をどんなふうに考えておられるのかという点と、あと、よく言われるだろうと思いますけれども、法律案の冒頭にもございましたように、消費者サイドの意見も反映されるというふうなことも必要なのかなというふうな気がします。余り何とかのサイドとか何とかの立場というのは私好きじゃないんですけれども、そういう意味で、でもそうは言いながらもやはり実際上使うのは消費者ということ、使う人という意味でございますけれども、そうした意味での構成にそうしたふうな意見が反映されるような仕組みを考えておられるのかどうなのか、その二点についてちょっと大臣にお尋ねしたいと思います。
#25
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申しましたように、食品安全委員会の所掌事務、主たる所掌事務は、食品の健康に及ぼす評価、悪影響、これを科学的、客観的に評価していくということにあるわけでありますから、委員会の委員については、この法案では、食品の安全性の確保に関して優れた識見を有する者のうちから七人と、うち三人は非常勤ですが、これを任命すると、二十八条でありますが、そのように規定しております。
 そこで、人選は中立公正に、先ほど申しましたように、行われなければ、評価が中立公正に行われませんので、そういう観点から人選を行うべきものと思っておりまして、委員としては、具体的には、毒性学等の専門家、あるいは微生物学等の専門家、それから有機化学等の専門家、それから公衆衛生学等の専門家、それから食品の生産・流通システム等の専門家、あるいは消費者意識、消費者行動等の専門家、情報交流の専門家と、大体こういった方を現在入っていただこうと今人選を進めているところでございます。
 そこで、もう一つ、消費者サイドの意見なり立場というものはどう反映されるのかという質問をいただいたわけですが、先ほど申しましたように、これはいわゆるリスク評価の実施は科学的、専門的な知見に基づいて客観的、中立公正に行われる必要があると、いわゆる利害調整を行う場ではないということで、消費者代表とか、あるいは生産者代表、あるいは流通代表というような形で委員となる、委員を選任するということは慎重に考えるべきではないかなと思っております。
 なお、先ほどちょっと申し上げましたけれども、消費者意識とか消費行動等に関する専門的な知見も必要ではないかと思っておりまして、こういう分野を専門的に研究しておられる方についても委員として加わっていただく方向で検討をしているところでございます。
 それから、先ほど何をいわゆるリスク評価の対象としていくのか分かりにくいということが御意見の中にあったわけですね。それで、実はいろいろ聞いてみますと、食品の健康に与える評価、リスクを評価してくれという御要請というのは消費者団体を含めるともう山のごとくあるわけでございまして、それをどういうふうに、何というんでしょうか、整理をして実施していくかということが実はこの食品安全委員会の仕事として大変大事になるんだろうと思います。
 そこで、委員会の下に専門調査会を作りまして、今申し上げたその評価をどういうふうに実施していくかというような年間計画の検討であるとか、それから消費者の方々との、消費者の方々だけとは限りませんが、いわゆるリスクコミュニケーションをどう行っていくかというようなことも専門委員会の中できちっと考えていただかなきゃならないと。ここには消費者の意見をやはり代表する方に入っていただいて、どういうものからやっていくべきかというような御議論をしていただく必要があるんだろうと考えております。
#26
○阿部正俊君 よろしくお願いします。
 あと、食品安全委員会の件でいろいろお聞きしたかったんですが、一つだけ確認しておきますけれども、それは、非常に大きな仕事をされるには何か自前の研究分析機関というのは持つわけではないんだというような説明もお聞きしているんですが、自分でも確認できる機関なり組織というものがなくて大丈夫なのかなという気が、ちょっと心配な点が一つございます。その辺がどうなっているのかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
 あともう一つは、お金がすべてだとは申しませんが、食品安全委員会の予算額は二十億円前後だというふうに聞いてございますが、特に委員会の関係は十二、三億というふうなことのようにお聞きしておりますが、これで大丈夫なのかなという気も正直いたします。
 あわせまして、実際にリスク管理ということに携わります厚生労働省なり農林水産省における食品安全というふうな分野における予算というのは余り多くはないんじゃないかなという気もするんですけれども、この三点についてお答えいただければ有り難いなと思います。
#27
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、委員御指摘のように、この食品安全委員会が自分のところで自前の研究分析機関を持つという仕組みにはなっていないわけでありますけれども、先ほど申しましたように、食品安全委員会七名の委員は、食品の安全性の確保に関して専門的な優れた知見を、識見を持っておられる方から構成されるわけでありまして、いろいろいただいたデータ等の評価については十分その信頼性、妥当性を判断できる、そういう専門家を結集した委員会になると思いますし、またそうしなきゃいけないと思っております。
 それから、ただいろんなところからいただいたデータによるだけではなく、独自に評価をしていく場合に必要な調査研究も実施できるということになっておりまして、このため毒性試験等の試験研究を、調査研究を外部に発注するための予算措置も講じているところであります。
 それから、関係行政機関に資料の提出等必要な協力を求めることができるというだけではなく、緊急時には、普通は役所のシステムの場合はその研究機関を持っている大臣に通じて頼むということになるのが普通の行政のルールですが、この法律の場合では緊急時に関係機関等に対して直接調査等を要請できるという権限も持っておりまして、そういう担うべき役割を十分果たすことができるというふうに考えております。
 それから、予算が十分かという御質問がございまして、これも来年、これ以後の予算獲得もございますから多々ますます弁ずというようなことを簡単に言ってはいけませんが、そういう面がもちろんあることはもちろんでございますけれども、現状といたしますと、委員会の業務の中心であるリスク評価に必要なデータにつきましては、先ほど申しましたように、基本的にはリスク管理機関等で作成していただく、あるいは内外の既存の研究成果等を活用するということを想定しているわけですが、自前で調査委託等を行う、自分が自発的に調査委託等を行う必要な経費も計上しておりますし、それから情報の一元的収集整理、あるいはリスクコミュニケーションの実施、それからモニタリングと、こういう必要な経費も計上しておりまして、食品安全委員会が必要な活動は十分行い得るものというふうに考えております。
#28
○大臣政務官(渡辺具能君) 厚生労働省におきます食品安全のための予算の関係でございますが、厚生労働省におきましては国民の食の安全確保のための予算といたしまして平成十五年度では全体で百六十四億六千四百万計上しておりますが、これは今年度の大変厳しい、十五年度の大変厳しい予算の中では、額でいいますと二十二億円の増額でございますし、率でいうと一五・四%という大きな伸び率になっておりますので、厚生労働省としては大変頑張った予算であるというふうに考えております。
 そして、その重点項目といたしましては、農薬の残留基準の策定、あるいは添加物の安全性の確認の徹底、それから輸入食品の安全対策の強化、それから健康食品等に関する安全性確保の体制の充実、あるいは先ほど来議論になっておりますリスクコミュニケーションの推進のための予算等が含まれているところでございます。
#29
○副大臣(太田豊秋君) 我が省といたしましては、今回のリスク管理業務を行う部門といたしまして、農林省内の組織の変更をいたしまして、そこの中で消費・安全局という仮称の局を設けました。そこの中に、今、阿部委員からいろいろ御質問がございました予算関係につきましてこちらの方に移管をいたしたわけでございますが、消費・安全局に関する施策等にかかわる平成十五年度の予算額につきましては、詳細につきましてはただいま精査中でございますが、農薬などの生産資材の適正使用などの推進、これに三十五億円、トレーサビリティーの推進に約十四億円、それから食育を推進する国民的な活動の展開ということで約七億円、トレーサビリティーは四十一億円、それから国民的な活動の展開ということで約七億円、おおむね三百六十億円程度を見込んでおるものでございます。
#30
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 今のに関連いたしまして、最近、食品の輸入というのが急激に増えているんだろうと思います。自給率の向上ということの目標のある反面、現実問題として輸入食品が様々な分野に及び、かつ量的にも大きくなっているという感じがするんですが、ちょっと心配なのは、輸入のときの検疫、輸入食品の検疫体制について果たして、万全とまでは言わなくても本当に大丈夫なのかなという、これから先も大変だろうと思うし、日本は非常に島の国でございますので、比較的非常に安全な、安全性を確保できる体制にしやすいということである反面、いわゆる水際作戦というのが大変重要になってくるんだろうと思うんですが、そういう意味での輸入食品の検疫体制について、今の検査しなきゃならぬ量なり、あるいはその実施状況なり、それと対応して必要な人員とかというような点は大丈夫なのかちょっと心配ですけれども、お答え願えれば有り難いと思います。
#31
○政府参考人(遠藤明君) まず、私の方から検疫をいたしております実績等について御説明をさせていただきます。
 平成十四年の輸入食品の届出件数は約百六十二万件、輸入重量は約三千三百万トンでございまして、そのうち、輸入食品の違反状況を把握するためのモニタリング検査や違反の蓋然性の高い食品に対する命令検査を含め約十三万五千件、八・四%でございますが、検査を実施し、約九百件、届出件数に対しましては〇・一%の食品衛生法違反を発見をしたところでございます。
 今年度におきましては、輸入食品の安全確保の強化を図るために対前年度比二万件増の約七万三千件のモニタリング検査を実施することとし、そのための実施体制の強化も図っているところでございます。
#32
○大臣政務官(渡辺具能君) ただいまのような量的なものに対します検疫所の食品衛生監視員でございますけれども、過去十年間で百三名の増員が認められておりまして、増員をしてきておりまして、今年度におきましても更に十五名の増員を図ったところでございます。また、増員に加えまして、業務の方を電算化するとか業務の効率化にも努めているところでございます。
 さらに、今回の食品衛生法改正を考えておりますが、これまでは検疫所のみで実施しておりましたモニタリング検査につきまして、一部を登録検査機関へ委託できるアウトソーシング等も考えて業務の効率化を図っているところでございます。
#33
○阿部正俊君 ピンチヒッターの持ち時間も大分過ぎてまいっておりますので、あとわずかな時間で一つ二つの質問にさせていただきたいと思います。
 一つは、問題になってマスコミなんかを沸かせました問題の一つとして表示制度について、やはり今までの日本の表示制度というのは非常に、慎重さといいましょうか、あるいは定着性というのを余り考えずにその時々でやってきたような傾向が正直言ってあったような気がします。食品衛生法であり、あるいはJAS法であり、あるいは健康増進法なんかでの表示なんかもあったりして様々なところで誤解を生んできたし、どうも消費者を迷わせてきたような点があるのかなというようなことが言われておりますし、今回の全体の食品行政の制度改正の一環としての表示制度の在り方ということも一つのテーマではないかと、こんなふうに思いますし、かつそれに、そうしたふうなことに輪を掛けてきたのが、いわゆる厚生労働省と農水省とのどっちかというと縦割り行政的な弊害というのが現れてきた一つの大きなあるいは典型的な例ではないかなと思いますけれども、この辺について整理をして、もう少しやはり消費者の目線から見てどうなのかということにこたえていけるある意味での簡潔な表示制度、あるいは本質的な意味でのぶれのない表示制度というのを作っていくというのが大事なんではないのかなという気がしますけれども、これについての取組の状況と御決意をお聞かせ願いたいと存じます。
#34
○大臣政務官(渡辺具能君) 委員御指摘のとおりの反省を役所といたしましてもいたしまして、厚生労働省は農林水産省と共同で昨年の十二月に食品の表示に関する共同会議というのを設置いたしました。その中で、食品衛生法とJAS法の統一的な運用を目指して検討を今行っているところでございます。
 特に、今回、そういう中で上げられた成果として、去る三月の共同会議におきまして、厚生労働省は品質保持期限というような表示をいたしておりましたが、農林水産省の方は賞味期限というふうな表示をいたしておったわけでございますけれども、この二つの用語を整理いたしまして賞味期限に統一したというような成果も生んでいるところでございます。
 また、制度の運用面につきましても、例えば、表示制度について一覧できるパンフレットを作るとか、あるいは両省の関係団体における、いろいろ分かれているわけでございますが、それを一緒にした一元的な相談窓口を作るとか、あるいは国と県でも分かれているわけでございますが、そういうところを通じた関係部局の連携とか、そういうものを推進しているわけでございます。
 こういった取組を引き続き努力をいたしまして、委員御指摘のように消費者にとって分かりやすい食品表示制度となるよう、特にこれらの問題につきまして縦割り行政の弊害を取り除いて適正な表示制度となるように鋭意努めているところでございます。
#35
○副大臣(太田豊秋君) ただいま厚生労働省の方から、渡辺政務官から御答弁ございましたように、正にこの食品表示の問題というのはおっしゃるとおりのようなことでいろいろと混乱あるいは誤解を招いた点もあったかと思いますが、そういった意味で、JAS法に関する調査会の表示小委員会と、それから食品衛生法に関する審議機関の食品表示調査会の共同で開催されておりまして、今ほど御答弁、厚生労働省の方からありましたように、賞味期限にこれらの分かりにくいものを一致、統一していくというふうなことで、これから後も、国民の皆様方あるいは消費者の方々から分かりやすい食品に対する表示の方法をよく相談をしながら作ってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#36
○阿部正俊君 そろそろ時間でございますので最後の質問になろうかと思いますんですが、谷垣大臣に少し骨太のといいましょうか、大臣の思いもちょっと込めてお話ししていただければと思います。
 実は食育のことでございますが、法案としては十九条になるんでしょうか。ただ、これは食品の安全基本法案ですからやむを得ないかと思いますが、あくまでも安全性の確保に関する施策と安全に関する教育と、こういうことになるんだろうと思うんでございますが、食育という言葉、最近あちこちで使われ出しておりますけれども、私は少し考え方が広めなのではないかなという気もするんですよね。
 安全安全ということになるとどうしても、食というのは、やっぱりおいしいから食べるんでございまして、あるいは、何というのかな、本能的にそれを求めるという面もあるんですけれども、無菌状態のものを何か胃の中に入れればいいというものではないだろうという気がするわけです。食というのはあくまでも営みとして、人間の営みとして、生活の一部として、やはり生存するためのということがあると同時に、生活をよりエンジョイするといいましょうか、あるいは豊かさを満喫するといいましょうか、自然との共生を実感するといいましょうか、農業なんてそうですよね、というふうな一つの営みなのかなという気がするわけです。
 そういう意味では国によって違うやつ、地方に、地域によっても違うし、文化でもあろうかというふうな気もするんですが、そういう意味からすると、やはり最近、安全性を、安全というのは、別に安全でなくていいという意味ではないんですけれども、安全性だけがすべてじゃないということ。いい味、あるいは正に私も農家の生まれ育ちでございますけれども、店で、スーパーなんかで売っている野菜なんかよりも自分ですぐ取ってきたものの方がより土のにおいがするといいましょうか、というのも食育なのかなという、小さいころにそういう環境で育てられたのが今もって出てきている面があるのかなという気がするんですけれども。
 食育ということのときに、私はそういう面も含めて、少し安全性だけじゃなくて具体的な施策として子供の、子供なり人間の成長なり過程に沿って、いろんな食事ということの重要性とそのありようというものを工夫していくということが食育なのかなという気もするんですけれども、例えば家庭なら家庭、あるいは小さい子供なら幼児期の、例えば保育所だとかどうするんだとか、幼稚園でどうするんだとか、学校給食はどうなんだとか。あるいは、私なんかも特に関係の深いお年寄りなんかについても、とにかく何か栄養物を胃の中に注入するということが食事じゃないわけでございまして、これは言わば栄養物を注入するという行為でございまして、食事というのはやはり何かの形で自分の意思と判断と目で見、かつできれば味わって、かんでやっていくというのが食事なんだろうと思うんでございますね。
 食というのは私は必ずしも物を体内に注入するということとはちょっと違うものではないかなという気がしますけれども、この辺についてより広い意味での食育ということについて、最近、よりもっと広い運動としてスローフードなんてよく言われていますけれども、それはそれとして、そんなふうなことの普及といいましょうか、考え方をより定着させていくということも大事な食品行政の大きな外縁部分の一つの仕事なんではないかなという気がしますけれども、大臣の御見解を最後に聞いて終わりたいと思います。
#37
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の食育に対する問題にお答えする前に、先ほどちょっと私舌足らずなことを申し上げまして、食品安全委員会は緊急時には必要な調査等を国の機関に直接依頼することができる、要請することができると申しました。確かにそうなんですが、独立行政法人に関しては、独立性が高いということで、やはり関係大臣を通じてお願いをするという仕組みに、ちょっとそれを言い忘れてしまいましたので、ちょっと補足させていただきます。
 それから、食育に関しましては、確かにこの法案の条文そのものは、委員がおっしゃった、より広義の食育から見ますと、食品の安全性という観点から書いてございますので、やや狭い面があるのは事実だろうと思います。ただ、食事に関する一番大事なものの一つにやはり安全性がありますので、食育の中でもこの安全に関する分野は非常に私は重要なものであると、こう思います。
 しかし、それを超えて、食事というものはおっしゃるように文化であったり、あるいは、何というんでしょうか、場合によれば元気のもとであったり愛情であったり、いろんなことがあると思います。私が最近読みました本に、シャクルトン隊という、南極、一九一四年に南極へ行きまして、そこで一年何か月の間氷に閉じ込められるわけですが、その乗組員の雰囲気が悪くなるとシャクルトン隊長は食べ物を一生懸命、一年何か月船の中に閉じ込められているわけですから、貴重な食糧を出して、温かいものを食べるとみんな機嫌が良くなるというようなことがあったようでございまして、こういう、人間がやはり、何というんでしょうか、文化的に生きていく基本的な営みだろうと思います。
 より広い観点から食に対する教育、愛情、そういったものを考えて、歴史、そういうものも含めて考えていく必要があるのではないかなと私は思っております。
#38
○阿部正俊君 終わります。
#39
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。
 国民の多くが食品の安全に関して不安を感じております。昨年の九月に全国的に主婦の皆さんを対象に調査を行いましたところ、八一%が食の安全に不安を感じるなどというふうに回答をしております。私も長年、食べているものの正体が分からないというふうにずっと感じてまいりました。今回の法案の中にあります食品の安全性を確保する施策を総合的に推進するということは、正に求められていると思います。
 縦割り行政を排して、食品が口に入るまでのすべての過程において安全が確保されるための施策の展開が必要だというふうに思っております。また、単に危害の防止のみならず、積極的に国民の健康の保護増進が図られるべきであるということは、一九七二年に食品衛生法が改正されました際、衆参の附帯決議において指摘をされたとおりでもございます。
 食品のリスク管理、リスク評価ということも声高に叫ばれておりまして、新しいこうした法規制が今実施されようとしております背景には、リスクの高いやり方で食べ物を生産、供給しているという現実がございます。最近の事例を見ましても、自然では絶対に起こらない共食いがBSEを拡大させたわけですし、つい先日問題になりましたトラフグのホルマリンの使用に見られますように、薬に頼らざるを得ない水産養殖や家畜の飼育方法、また海外からの食品が輸入増大しているというのもリスクの増大している点ではないかというふうに思います。
 国民は、リスク評価の厳密さよりも、そもそもリスク評価などがない、そういう安全な食べ物を望んでいるというふうに思っております。危険な環境、危険な生産方法、危険な流通、危険な加工をそのままにしておいて安全な食品を手に入れることはできないだろうというふうに思います。
 私は、安全な食品は安全な環境から生まれるということが基本原則ではないかと思っております。化学合成物質であります農薬、動物用医薬品、水産用養殖薬剤、それから飼料添加物、食品添加物の使用、それから種の異なる遺伝子を操作した新たな食品開発を前提としておりましては、それらの毒性評価や、あるいは残留検査の義務付けなど、人と金というものを必要とする監視あるいは検査体制というものが必要だということは、これ当たり前のことだというふうに思います。
 そこで、まず大臣にお伺いいたしますが、第一条に「食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進する」とありますが、これは環境への配慮、より安全、安心な農業の推進といった観点が当然なくてはならないと思いますけれども、この法案の問題意識にこれは入っておりますでしょうか。
#40
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案の第一条、委員御指摘のように、総合的に、「食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進する」と、こういうふうに書いているわけでありますが、総合的に推進とは何かということになりますと、まず、この法案の三条であったと思いますが、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の上に立って、これが基本理念ですね、その下に十一条から二十一条にいろいろな基本的な方針が書いてあるわけですが、要するに、国民の健康が最優先という基本理念の下で、食品の安全性を確保するために必要な幅広い施策を政府を挙げて推進していくということではないかと思います。
 環境、今、委員のおっしゃった環境が良くなければ安全な食品は得られないという御指摘がございまして、先ほども阿部委員の御質問に、私、これは役所の考えというよりも私の考え方なんですが、何というんでしょうか、大量生産、大量消費という現実がある、そしてもう食生活がある意味で豊かになった反面として、世界じゅうからボーダレスに食品が入ってくる、しかもその背景に科学技術の進展と、従来の知見だけでは必ずしも判断できない状況があると。
 これは私の個人的な問題の整理なんですが、食を取り囲む環境というものはそういう、何というか、かつての牧歌的な状況と変わっているという認識がありまして、そういう状況に今全部委員の発想を押し詰めてまいりますと、あるいは大量生産、大量消費は良くないというようなことも、そうおっしゃったかどうか分かりませんが、あるいはそういうことが含まれるかもしれませんし、あるいは海外からたくさん入ってきているよりも地産地消というようなものを重視すべきではないかというお考えもあるいはあるのかもしれません。
 私は、今直ちに今行われて、今の日本人の食生活を取り囲む環境を全部百八十度変えてしまうというようなことは言うべくしてなかなか難しいんで、やはりここでやるべきことは科学的な評価に基づいて行うということではないかと思います。しかし、その背景に、先ほど申しましたように、国民の健康というものを最優先にしていくという理念の下で科学的評価に基づいてきちっと管理をやっていこうということではないかなというふうに思います。
#41
○岡崎トミ子君 私には大変矛盾した答えであるというふうに聞こえましたけれども、先ほど全国の主婦の皆さんを対象にしたその調査結果によりまして、上の方から三つなんですが、そのうちの下の方から申し上げますと、BSEの問題ですね、不安に感じるといえば、これが七五%で、その上が保存料や着色料などの食品添加物が八三%で、そして最もこれは不安だというふうに思っておりますのが残留農薬のことについてで、八八%と最も多いわけなんですね。
 私たちは、今回のこの食品安全基本法というのを審議するに当たって、その前の無登録農薬の問題や特定農薬の問題からしてずっと有機農業にかかわってきた方々や、安全、安心なものを食べたいと言っている人たちや、健康がもう既に害されてしまったと、化学物質によってなったのかその原因の究明というのが絶対的にしておりませんので、そこまでの追及はなされておりませんけれども、そういうような様々な問題の提起がされてまいりました。
 そこで、有機農業の振興でありますとか、多くの皆さんたちからこの要望もございました、それから農薬の使用の抑制ですね、これについても是非期限付の行動目標を持って取り組むべきと私は考えておりますけれども、たくさんの要望があった、このことに関して、農薬の削減、これについての行動目標でもって、一遍には今、大臣ができないというふうにおっしゃっておりましたので、それをだんだんにしていくということに関してはいかがでしょうか。
#42
○副大臣(太田豊秋君) 先生御承知のように、日本はアジア・モンスーン地帯の大変に高湿度な自然条件下である中での農作業、農作物を生産しておる圏でございますから、そういった地域にあっては、やはり雑草だとかあるいはまた病害虫の発生、こういったものを防ぐためにはどうしても農薬というものがこれは使用せざるを得ないというふうな状況であります。もし農薬を使用しないで日本の国内で農産物を生産しようといたしますと、これはFAOの、FAOの統計ですか、から出ておることでございますが、大体四〇%くらい農産物の損失が発生するだろうというふうな推計がなされておるんでございます。
 そういった中で、農薬は、原則として人畜あるいは水産動植物などへの影響を審査いたしまして安全なものだけを登録をいたしまして、その上で販売とかあるいは使用の規制を行っておるものでございます。
 しかしながら、化学農薬が環境に負荷を掛け、消費者の安全・安心志向にマッチしないという側面もあることから、化学農薬などの使用を低減した有機農薬などの環境保全型農業を推進するということは重要な課題の一つだというふうに認識をいたしておるものでございます。
 農林水産省といたしましても、平成六年に全国段階から地域段階まで計画的に推進に当たることを基本とした環境保全型農業推進の基本的考え方を取りまとめをいたしまして、自治体など関係者への周知を図ってきたところでございます。現在では、これに沿って都道府県と千四百を超える市町村が地域環境保全型農業推進方針というものを策定をいたしまして、その推進に当たっていただいておるものであります。
 こうしたそれぞれの推進方針の具体化を支援するために、土作りとそれから化学農薬などの低減に一体的に取り組む農業者、いわゆるエコファーマーへの金融だとかあるいは税制上の特例などの措置を、今各般の施策を講じているところでございまして、こういった農業者も全国では約二万五千人を超えることになってきたところでありまして、今後とも地域の主体的な取組を引き出しながら化学農薬などの使用を低減した有機農業などの環境保全型農業を拡大していこうという考え方でございます。
#43
○岡崎トミ子君 行動目標ということに限って知りたいと思いますけれども、各国の状況はいかがでしょうか。
#44
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農薬の使用の抑制でございますとか有機農法でございますとか、EUの方で盛んでございまして、元々一九八〇年代にEUは高水準の農業保護を行っておりまして、輸出補助金でございますとか可変課徴金でございますとか、このために集約型の農業が非常に盛んになりました。生産が過剰になる一方で、やはり地下水汚染といったような環境に負を与えるような問題が提起をされてきた、こういうことで、生産の抑制に結び付くような農法、粗放型でございますとか景観維持型でございますとか生物多様性でございますとか、そういう農法を奨励する中に有機農法があったわけでございます。
 現在、有機農業に関しましては、ドイツにおきまして有機農業による農産物の作付面積を二〇一〇年までに二〇%に高めるという目標を掲げております。また、フランスでは二〇〇五年までに有機農業生産者を二万五千確保する、作付面積を百万ヘクタール、これは総農地面積の約三・五%に当たりますけれども、百万ヘクタールに拡大する。オランダでは二〇一〇年までに生産と消費の両面で有機農産物の割合が総量の一〇%、こういう目標を掲げておる。一方、農薬の使用の抑制では、デンマークで有機農業への転換等によりまして二〇一〇年までに農薬の使用を三〇%削減する。韓国におきましても同様の目標を二〇〇五年までに掲げておるという例があると私どもは承知しております。
 私どもも多大な関心をこの問題有しておりまして、先ほど太田副大臣の御答弁にございました自然的、社会的、経済的に克服すべき課題は多いわけでございますけれども、このような国のこのような農法の推進の背景でございますとか支援の仕組みでございますとか、更なる情報収集に努めまして研究を加えていきたいというふうに考えているところでございます。
#45
○岡崎トミ子君 韓国、一番近いところでは農薬の削減というのを目標は三〇%削減、すごいですよね、もう国が決定してそういうふうに進んでいるという例が一番近くにあるということを力強く私は思ったわけなんですけれども。
 こういうふうに期限を区切って目標を定めて進めていくということが大変重要なことだというふうに私は思いますが、有機農業の振興と農薬の削減というのは、本当に口で言っているだけでは絶対駄目なんだというふうに思っていて、国の方でも少しずつそういう計画をし始めているということなんですけれども、土が本来持っている生産力、そういうことについて研究を、今、更にされていくというお話でございましたし、研究をやることは私は大事だというふうに思っているんですが、今すぐやっぱりできること、この食品安全基本法という重要な法案が成立するこのときにこそやるべきだというふうに思います。
 もう一回副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今後とも、更に進めて明確な目標を決めて、そしてきちんと体制を組んでやっていくというその御決意はいかがでしょうか。
#46
○副大臣(太田豊秋君) 先生が今おっしゃっておられますこと、正に重要な問題だと私どもも認識をいたしておるわけでありますが、今後、省内におきましてよく検討をしてまいりたいと、このように考えております。
#47
○岡崎トミ子君 検討から更に進めてやっていただきたいと思いますが。
 食品添加物についてお伺いしますが、一九七二年の食品衛生法改正の際に、衆参国会で附帯決議で付けられておりまして、これは極力使用を制限すべきというふうにされました。これも行動計画を定めるなどして具体的な取組を進めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#48
○大臣政務官(渡辺具能君) 先生のお言葉によりますと、八三%の人が心配をしているという食品添加物でございますが、「食品添加物の使用は極力制限する方向で措置する」という、昭和四十七年の国会附帯決議もあるわけでございます。したがいまして、厚生労働省といたしましては、平成八年のガイドラインに基づきまして、安全であり、かつ例えば食品の栄養価や品質を保持するなど、消費者に何らかの利点を与えるものに限って指定をすることにいたしております。それから、既に指定した添加物につきましても、新しい科学的知見があった場合には、その安全性について検討しておるところでございます。また、国民の添加物の摂取の状況についても摂取調査をしているところでございます。
 この国会附帯決議の趣旨を踏まえまして種々の取組をやっているところでございまして、アクションプログラムとして何年までというようなことまでには至っておりませんが、今後とも、添加物の使用が国民の健康確保の支障となることがないように適切に取り組んでいるところでございます。
#49
○岡崎トミ子君 行動計画、目標を持って進めるかどうかということだけについて明快に答えていただければよかったと思うんですけれども。
#50
○大臣政務官(渡辺具能君) そういうことも踏まえまして、厚生労働省といたしまして積極的にこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
#51
○岡崎トミ子君 谷垣大臣、一番最初のところで国民の健康の保護を最優先して調整するというような意味合いでおっしゃったというふうに思いますけれども、再度確認なんですが、国民の健康の保護を最優先に進む、そういう法案だというふうに考えてよろしいでしょうか。
#52
○国務大臣(谷垣禎一君) それを基本理念として食品安全行政の中に確立していくというのがこの法律の最大の眼目だと思います。
#53
○岡崎トミ子君 BSEの報告書が農林水産省に予防原則の意識がほとんどなかったことを指摘をしているんですね。「予防原則を徹底すると巨額のロスを伴う恐れがあることから、行政担当者が萎縮する傾向は避けられない。」。それから、「食の安全は国民の生命健康に関わる問題だけに、国民の理解を求めながら果断に対策を講じなければ行政の不作為を問われかねない。」というふうにしております。
 これロスがあっても国民の健康の保護を優先すべしという明確な答えが表れていると思いますが、大臣、これは、国民の健康の保護、最も重要であるということであれば、予防原則ということを明確に言葉を明記すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案では十二条で、人の健康への悪影響の防止それから抑制という観点から、国民の食生活の状況そのほかの事情を考慮して施策を決定するというふうにしておりまして、食品健康影響評価の結果、仮に明確な結論が得られなかった場合でも、リスク管理機関が必要な施策を講じ得るというふうに十二条にしてあるわけですね。
 それから十一条では、人の健康に悪影響が及ぶことを防止し、又は抑制するために緊急を要する場合で、あらかじめ食品健康影響評価を行ういとまがない場合には、評価を行うことなく食品の安全性の確保に関する施策を策定することができる。緊急の場合、これはもう悪影響あるかどうかまだ結論は分からないけれども、とにかく手を打てというのが十一条ではできることになっております。
 したがって、今、予防原則という言葉をお使いになりましたけれども、そういう用語は用いておりませんけれども、悪影響を未然に防止、抑制するという観点から必要な施策を講じ得ることについては、この法案の中できちっと位置付けられているというふうに私は考えております。
#55
○岡崎トミ子君 それでは確認しておきたいんですが、これまで、科学的知見が十分でないという理由で必要な対策がおろそかになってきたこれまでの健康とか環境にかかわるそういう様々な政策の誤りを、これからは科学的知見が十分じゃないということを理由でおろそかにされることは改められるというふうに言ってよろしいでしょうか。
#56
○国務大臣(谷垣禎一君) そういう手法がきちっと位置付けられております。仮にまだ科学的な結論が出ていなくても、緊急を要する場合には必要な施策を取り得ると、今十一条、十二条の規定を申し上げたとおりでございます。
#57
○岡崎トミ子君 予防原則というのは、科学的に完全に因果関係が証明されていなくても、重大な被害が予想されるという場合には、予防的に対応を取るということでございますが、例えば、農薬です。発がん性のある農薬でダミノジットというのがありますけれども、このダミノジットは発がん性があるからADIが設定できないとされておりながら、正に食用に使われないからといって販売禁止になっていないんですね。これはだれが見ても不合理だというふうに思います。
 農薬の登録と基準値の決め方、それから食品添加物についても、予防原則ということで対応していけばこういうことがなくなるというふうに思うんですけれども、どうなんでしょうか。この食べないからいいといったらば、じゃ、それをまく人はどうなのか、環境についてはどうなのかという、そういう疑問もわいてまいります。いかがですか。
#58
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農薬の問題でございます。農薬の登録の際には、薬効とか薬害とか残留性とか毒性でございますとか、そういう試験成績をちゃんとチェックをして登録するということになっております。
 今言われました農薬、食用以外に登録がございます。食用以外でございますので、花卉でございますとか樹木でございますとかということでございまして、その使用方法に従って使用をしていただく段には、食用に供せられて残留をいたしまして人の健康に支障を生ずるということはないわけでございますので、ちゃんとした使用方法とともに用いられるのであれば、健康への影響がないということで、使用を認めているという実態にあるわけでございます。
#59
○岡崎トミ子君 実際にはこうした科学的なものに関しましてはデータが不足しているんですね。ですから、これまでには資料が非常に不確実であるとか、あるいは学説が不確定であるとか、委員の見解が対立しているであるとか、あるいは健康影響調査に関しても、確実に実施することが不可能であるとか、いろんな場合があるわけなんですね。こういうふうなデータが不足して、化学物質に関しては分からないことが非常に多いわけですよ。
 科学的調査研究というのは私は重要だというふうに思いますけれども、その不完全さを理由に実は対策が後れてきているという現実があるわけです。日本は、どんなふうに国はやってきたかと言えば、被害が出てから、原因が分かってから後追いの対策で、何か出てきたらモグラをたたくという、このモグラたたき方式でしか日本はやってきていなかったんですね。
 そこで、やっぱり大臣にお聞きしなければいけないのを確認したいんですけれども、大臣はずっと科学的な知見とかそういうことが証明されればというふうにおっしゃっていましたけれども、農薬の登録基準値の決め方、食品添加物について、科学的に完全に因果関係が証明されていなくても、重大な被害が予想されるときには予防的に対応を取るという考え方で対応していくということでよろしいでしょうか。
#60
○国務大臣(谷垣禎一君) それはもう先ほど、予防原則の確認のような御質問だと思うんですけれども、予防原則は、EUの中で予防原則というのは規定されておりますけれども、必ずしもまだ国際的に概念が確立したものではないというふうに私は考えておりまして、しかし、国民の健康を保護するために、必要がある場合にはリスク評価を先立てないでも処分を、措置を取り得るというのが先ほど申し上げた十一条の思想でございます。
 もちろん、それはどんな場合でも食品健康影響評価を経ずにできるという規定ではありませんで、それは一定の緊急性というような要件が必要でございますけれども、そのときに必要であればそういう措置は取り得る、そういう仕組みがこの法律の中できちっと確立されているということだと思います。
#61
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 それでは、次の質問に行きたいと思いますが、この基本法ではリスク評価とリスク管理という考え方が基本の一つになっておりますが、このリスクという考え方は絶対的な安全を前提としない考え方なわけなんですが、どの程度のリスクならば受け入れられるのかというのは、これは厚生労働省とか農林水産省だけではなくて社会全体で決めなくてはならないというふうに思います。
 どの程度のリスクレベルを受入れ可能であるかというのは最終的には国民が決めるという、こういう考え方でよろしいかどうか、お伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品中のいろいろな危害要因のリスク、いわゆるリスクですね、これについてはまず科学的、中立的あるいは客観的な食品健康影響評価がなされるべきであるというのがこの法案の基本的な考え方であります。
 それで、リスク管理機関はこの評価結果に基づいて、国民の食生活の状況であるとか、あるいは関係者の意見など、いろんな事情を考慮した上で具体的な規格基準などを決めていくと、こういう仕組みになっているわけで、こういう過程で関係者相互間において情報や意見の交換を十分に、いわゆるリスクコミュニケーションと言っているものですけれども、十分にそういうコミュニケーションをしながら、関係者の間で知識と見解をできる限り共通にしてやっていこうという考え方でございます。
 それは、我が国は民主主義を一つの国の国是としておりますから、そういう意味では、最終的に国政の在り方を決める権限は委員のおっしゃるように国民にあるということはこれは間違いないわけでございますけれども、より具体的に見ると今のような、私が申し上げたような仕組みになっていると、こういうことであります。
#63
○岡崎トミ子君 これまで、環境汚染で結果が出て取り返しが付かない問題もありました。そして、やっとその健康が回復されたという健康被害者であっても、その間苦しんできたこの期間を取り戻すということは全くできませんし、乳幼児が最もいろんな影響を受けているということでいえば、その乳幼児から生涯実はそういうような被害のまま生きていかなければならないという、そういう問題なども出ておりますので、やはり一生引きずる可能性がないようにするためには、最終的には関係者の、国民の意見というのが大事になっていくのではないかと思います。
 そのリスクコミュニケーションの前提は、私は情報の共有だというふうに思うんですけれども、この委員会の持っている透明性でありますとか情報公開は大変重要です。今回のこの会議というのは原則公開、議事録も公開する予定ということで私は評価をしたいと思いますが、これだけではやはり不十分だというふうに思うんですね。
 第九条に「消費者の役割」ということがありまして、「意見を表明するように努めること」となっておりますけれども、消費者が有効な意見を表明するためには、やはり国の施策が適切な材料をきちんと提供しているということがなければいけないというふうに思っております。
 農薬の場合なんですけれども、情報公開法によって農薬の毒性に関する資料の開示を求めますと、毒性試験成績概要書の一部が公開されますが、企業が登録のために提出した毒性試験成績報告書そのものは不開示となっております。
 こうした報告書とか概要書というのは、中に記載されております毒性データというのは農薬の食品基準、残留基準を決める前提となる一日許容摂取量、ADIですね、これを決める基本材料というふうになっているデータであります。非開示とされております毒性試験成績報告書には、概要にはない原データというのがここにはあるわけなんです。これはだれでも必要な人が見ることができなければ、意図的にねじ曲げようとすることがあった場合、それをチェックすることができない。意図的にねじ曲げようとするのでなくても、チェックできないということが不信につながってくる。また、意図的でなくても専門家が間違う場合もある、解釈に異論があるというような場合もあり得る。だから、一部の専門家に判断をゆだね切ってしまうというのではなくて、データは社会で共有して多くの目でチェックできるという体制が非常に重要なことだというふうに思います。
 食品残留基準が適切なものかどうかを判断しようとするときのこの毒性データ、毒性試験成績報告書の内容を国民は知りたいと思うのは当然だというふうに思うんですけれども、国民が影響を受ける、こういうものに関して、情報公開というのは、太田副大臣、していただけるんでしょうか。
#64
○副大臣(太田豊秋君) 確かに、食品の安全行政を的確に進めていき、また食の安全に対する国民の信頼とかあるいは安心を回復するために、行政が消費者など関係者に正確で分かりやすい情報提供を、積極的に情報を提供していく、あるいは意見交換に努めて関係者の懸念や意見が施策に反映されるようなことが重要であるというふうには考えられるわけでございますが、しかしながら、例えば今委員が御指摘のような登録農薬の審査に当たって企業から提出された科学データを審査事前に、審査終了前に国が公表することは、企業の権利利益を保護し、あるいは審査の中立性を確保するなどの観点から、これは適当でないと考えられるものでございます。なお、審査終了後は、当該企業に対しましては、企業自ら可能なものについて極力公開していただくように協力を求めてまいりたいと、このように考えております。
#65
○岡崎トミ子君 それでは、その確認をしたいと思いますけれども、毒性試験においてはもうブラックボックスのところに置いておいてはもう駄目なんだと、それはあり得ないんだということで、衆議院の方でも附帯決議にきちんと付けられておりますし、審議された内容もできる限り公開、公表しようというふうになっているわけなんですけれども、今回のこの毒性試験成績報告書を情報公開に基づいて市民団体が請求したところ、これ、不開示というふうにされているわけなんですね。この異議申立てに対する情報公開審査会の答申では、まず開示請求者の意見としては、人の生命、健康、生活又は財産を保護するためには公とすることが必要な情報と認められるとなっており、農水省の意見としては、企業の権利、競争上の地位、そしてそのほかの正当な利益を害するおそれがあるということで、この両方を比較検討した結果、不開示というふうになってしまっているんですね。
 これはこれから改められるのかどうかということも含めて、谷垣大臣、人の生命、健康より企業の利益が優先されるという、これは大臣の考え方からしたらこれではいいというふうに思えないというふうにおっしゃっていただけると思うんですけれども、先ほど三条のときにも、国民の健康が最優先というふうに大臣はおっしゃっておりましたので、そこは最優先して調整をされるという大臣のお考え、私は是非ここでいただきたいというふうに思います。
#66
○国務大臣(谷垣禎一君) 情報の開示というのは、この食品安全、国民の信頼感を作っていく上に極めて大事だと私は思うんですね。それで、この法案も、二十三条の第三項で食品健康影響評価の結果や勧告の内容を公表するというふうにしているほか、審議会等の運営に関する指針というものがありまして、それにのっとって議事内容の公開を進めることとしておりまして、随時、食品健康影響評価など、その活動状況について情報公開を実施することにしております。
 それで、具体的には、いわゆるリスク評価などについて委員会がその意思を決定するために開く会議については、この指針に基づいて、個人に関する情報や当事者又は第三者の権利、利益、あるいは公共の利益を害するおそれがある事項が審議される場合は非公開といたしますが、原則として会議の傍聴や議事録の公開を行う方向で今検討しております。
 それで、さらにデータはと、こういうことになるわけですね。これについては、リスク評価の結果は公表されるわけですが、情報公開の考え方からも企業の知的財産やプライバシーに関する事項については非公表にされるべきものというふうに思います。ただ、非公表にされるべき企業の知的財産などについても個別に判断する必要があると思うんですね。それで、少なくとも安全性に関するデータの主要部分については企業秘密に該当する場合はそう多くはないんではないかと、したがってリスク評価結果に含まれて公表される場合が大部分ではないかというふうに考えております。
#67
○岡崎トミ子君 そこで、太田副大臣とまた谷垣大臣にもそれぞれ伺いたいと思いますけれども、まず太田副大臣ですね、アメリカの農薬取締り関連の法律のFIFRAでは情報公開に関する条文もありまして、情報公開を進める方向でそれが適切に行われるようにルールの整備をしているようなんですけれども、この毒性試験成績の公開は非常に重要なことですので、公開をまず前提として、なおかつ企業活動に対して不利益を及ぼさないような制度を是非とも作るべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#68
○副大臣(太田豊秋君) ただいまアメリカの関係のことございましたが、いわゆる農薬に関するデータ保護につきましては、連邦殺虫剤あるいは殺菌剤あるいは殺鼠剤法において決められておることでございまして、情報に関しては原則公表不可というふうなことになっておるようであります。
 それから、製造過程及び品質管理に関する情報あるいは試験方法、あるいは検出方法及び有効成分、意図的に添加されたその他の成分の詳細、意図的に添加されたその他成分の名称とその含有量等々については、これが行政担当官が必要と判断した場合には公開に、対象とするというふうなことになっておるようでございます。
#69
○岡崎トミ子君 いや、だから、日本でも企業活動ということに関してきちんと守られるような、公正な競争ができるような、そういう法律を作る方向で検討できないかというふうに私は申し上げたんですが。
#70
○副大臣(太田豊秋君) 法律を制定する等々の問題まで行きますと、ちょっとここで私が明確にお答えするということはできませんが、先ほど来申し上げましたように、いわゆる審査終了前にこれらのデータ、そういったものを公表するということになりますと、大臣からも御答弁がありましたが、その企業の権利あるいは利益を保護していく、あるいは審査の中立性を確保するというふうな観点から私どもはこれは適当ではないというふうな考え方を持っておりまして、なおまた審査終了後には、先ほどもお答え申し上げましたように、それぞれの企業に極力公表していただくようにこちらからも公開に対する協力を求めてまいりたいと、このように考えております。
#71
○岡崎トミ子君 大変重要な食品安全基本法というこの法律が生み出されるのにこれまでとここは明快に違っているというところで、この問題は大変重要なんだと思います。
 それで、大臣、国民の生命、そして健康を重視して毒性試験成績というのはすべて公開すると、これを前提にして専門家だけでなくて国民が同じ資料を基に議論できるというためには、その体制作りが何としても大切だというふうに思うんですね。農薬を開発した企業の権利又は正当性、それが利益を守るためには情報公開が困難だというのであれば、むしろ情報公開されてもそういう権利や正当な利益が守られるような仕組みを作るべきだというふうに思うんです。企業秘密に当たるとされてきたような情報については、他の企業がそういう情報をもしかして使うというようなことがあれば、そういうことを制限して公正な競争を守るということ、そのできるような仕組みを作ることが私は大事だというふうに思いますから、更に一歩進めて、谷垣大臣は、この点に関しては、その方向性でも結構ですけれども、おっしゃっていただきたいというふうに思います。お考え、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、この法案を御審議いただいている最中ですから、今私が申し上げられることは、できる限り情報を公開して、そして共有をしながら共通の理解を持って当たっていこうということであります。
 ただ、その場合にやはり、今までの情報公開に関する議論もかつてに比べますと随分蓄積をされてまいりまして、そこの情報公開に関する議論でやはり共通の理解に立ったものは私は入れていかなければいけないと思います。その点、やはり企業のやはり保護されるべき情報は何なんであるかという辺りの議論も更にいろいろ議論を詰めていく必要があるのかなと、こう思っております。
#73
○岡崎トミ子君 食の安全は一義的には事業者が責任を負うべきものという考え方が示されておりますが、食の安全を確保するための施策を民間と地方公共団体に行わせようという動きがありますよね。私は、食の安全確保というのは最終的には国が責任を負うというこの意識が大切だというふうに思っております。
 今回の法案は不十分だとは思いますけれども、その一歩前進で評価されておりますけれども、いずれにしましても、法律だけ整えましても実施体制が不十分であれば絵にかいたもちになってしまいます。つまり、人員とか設備とか財政措置といったことを含めた食品衛生監視、それから輸入食品の検疫体制の強化、事件事故的なものに遭ったときにはこれを相当限削減させるためにはこの体制というものは一番大事だというふうに思いますが、関連の法案として食品衛生法の改正の中でも、都道府県による監視指導の重点を示した指針、それから輸入食品監視検査実施計画を策定して公表すること、それから民間法人等の登録検査機関として輸入食品等の検査の委託ができるような、こういうことが規定されて想起されているようなんですけれども、今後はこの民間の活用とか自治体独自の指導ですとか監視機能とかが先になって、国の方が後方支援に回ろうとするのではないかというちょっと心配が私の中にはあるんですけれども、これは是非御決意をいただきたいということと、予算も含めた充実が大事だというふうに思っております。
 国がきちんとした監視体制というのを作るのが大変重要だというふうに思います。それをしなければ国民の食に関する信頼というか安全というのを取り戻すことができないというふうに思うんです。地方とか民間とかを問わず、食の安全にかかわる機関が、あるいは企業がその仕事ぶりについて万人が監視できる体制というのは、一番近いところで保健所のところに食品衛生監視員がいるわけなんで、こういう人たちの体制が後退しないようにしていただきたい。ここが、実は地方というふうに言ったときにここが一番民間の人たち、一般の人たちもここを頼りにするということがありますので、どうもその統合の問題があったり削減の問題が聞こえてきたりしておりますので、その辺はないと、この辺は充実していくんだという、国もきちんとした責任も負うということも含めて、地方にやるならばその保健所の体制をしっかりやっていくという、そのことに関しての御答弁をお願いしたいと思います。まずは、大臣に。
#74
○国務大臣(谷垣禎一君) 保健所の機能につきましては渡辺政務官の方から御答弁をいただくことにしまして、私は、今、岡崎委員が食品の安全に関して国が一歩退くんじゃないか、あくまで第一の責任は国にあるべきではないかというお立場からの御意見を述べられたと思うんですが、私は、同時に、この間のいろんなことを見ますと、食品を供給する事業者にその責務をやはり明確に意識していただくということがなければ、なかなかうまくいかないというふうに私は率直に思います。ですから、この法案にもそういうことが書き込んでおりますし、私も度々そういうことを申し上げているわけであります。
 だから、その第一義的な責任は事業者であると、こういうふうに言っているわけですが、だからといって国や地方公共団体の役割をおろそかにしていいわけではもちろんありません。私は、この法案の基本的な考え方は、事業者それから消費者、それから国、地方公共団体それぞれがやはり自分の責務というものを的確に果たしていくということがなければ、これだけ複雑化した食の現状に対応できないんじゃないかという思いがございます。
 そこで、この法案では、国の責務、総合的に施策を策定、実施する、その総合的は、先ほど御質疑にありましたように、国民の健康を最優先ということを基本に置くということであります。それから、地方公共団体の責務というものも規定しております。その上で、国が、そういうことをきちっとやった上で国が行うべき大事なことは、私はやっぱりリスクコミュニケーションだと思います。先ほどからもデータの公開等の御議論がありましたけれども、これはできるものはきちっとやって、それぞれ関係者が認識を共通、共通、これはなかなか認識が一緒にならないこともあると思いますが、できる限り認識を共有していく、そしてそういうことを含めて透明性や何かも高めていく、こういうことがやはり国がこれから努力すべき大きなテーマなのではないかというふうに思います。
#75
○岡崎トミ子君 それでは、最終責任は自分だと、大臣がそういう覚悟で臨まれるというこの一言が私は今お聞きしたいと思っているんですけれども、お願いします。
#76
○国務大臣(谷垣禎一君) まあこれ、最終責任は私だとここで大見えを切ることは、ある意味では簡単なんですけれども……
#77
○岡崎トミ子君 あれ、簡単ですか。
#78
○国務大臣(谷垣禎一君) 私はそういうことよりも、そういうことよりも、大見えを切って済むという話ではないと思います。もちろん担当閣僚として、あるいは行政機関の役割というものが重要であることは私は逃げるつもりはありませんし、それは大事である、一生懸命やると申し上げさせていただきますが、それぞれやはり関係者が食の安全をどう確立していくかという意識を持ってくださらなかったら、ほうっておいてくれと、国が勝手にやれというようなことじゃうまくいきっこないんで、私は岡崎さんも民主主義者だと思いますから、みんなでやろうよという気持ちがなきゃ、そんなうまくいくはずがないと私は思いますね。
#79
○岡崎トミ子君 いや、みんなでやろうというふうに思っているんですけれども、最終的には自分が国としての最高責任者であるという、そういう覚悟があるかという、そういうことをお聞きしたかったわけでございます。
 最後に、渡辺厚生労働政務官、このためにおいでいただきましたのでお聞きしたいと思いますけれども、実はその監視率、食品衛生監視員の監視率が大変低下していて、現状では一〇%台まで落ち込んでいるということなものですから、やはり食品衛生監視員が働く保健所は現場により近いところで消費者との直接のコミュニケーションを果たしているという役割もございます。で、今まで保健所の機能が重視されてきてはいるんですけれども、今度はそれ以上に重視されて強化されるべきではないかという立場からお聞きしたいと思います。
 それでもう一つ、厚生労働省ばかりが保健所から上げられた情報を収集するのではなくて、そこで収集したものはすべて関係機関で利用できるというふうな、活用できるんだということが必要だと思いますので、その点も含めて御答弁をお願いします。
#80
○大臣政務官(渡辺具能君) 保健所の問題でございますが、食品安全行政の推進につきましては、消費者が日常の食生活の中で抱いたいろんな疑問や意見を保健所等の行政組織がくみ上げることが非常に重要だというふうに認識いたしております。
 今回の食品衛生法改正につきましても、保健所を設置する都道府県が、国の指針に基づきまして、地域の事情を踏まえて監視指導計画を策定することとしております。この策定につきましても住民からいろんな意見をお伺いするということにしておりますし、またこうした以外でも、定期的に施策の実施状況につきまして住民から意見をお伺いするということにして、リスクコミュニケーションの充実を図ることといたしております。
 各都道府県の保健所におきましては、従来からも大変多くの苦情を処理しております。例えば十三年度でいきますと、東京都だけでも四千件近く、大阪府でも二千件以上の苦情や相談を受け付けております。こういう中で、委員御指摘のとおり、今度改正法も、衛生法も改正されるわけでございますから、こういったものの施行を通じまして、先ほど申し上げましたようなリスクコミュニケーションを行いましていきたいというふうに思っておりまして、そういう中にあって、保健所はそういうものの最先端といいますか、そういう役割を果たしていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、何といいますか、保健所の職員の基本的な仕事に対する取組とかあるいは住民に対する気持ちの問題とか、私は、むしろハードとかシステムなんかよりもそういうソフトといいますか、人間の気持ち、そういうものも大切だろうと思っておりまして、そういう取組を強化をしていきたいというふうに思っております。
#81
○岡崎トミ子君 終わります。
#82
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 本日は、大臣、そして今御答弁もいただきました渡辺政務官もおいででございますので、まず最初に、この法案に直接は関連はいたしませんが、政務官、今おいででございますので、最初にSARSについて御質問をさせていただきたいと思います。
 このSARSでございますが、今日時点での我が国の状況、我が国国内における感染者あるいは感染の疑いを持たれる人間、患者さんがいらっしゃるかどうか、あるいは在外の邦人でどの程度感染の疑いのある方がいらっしゃるのか、そのまず現状を政務官の方から教えていただけますでしょうか。
#83
○大臣政務官(渡辺具能君) SARSの国内症例等につきましては、現在までの報告を申し上げますと、疑い例が四十三件、それから可能性例が十六件となっております。これらにつきまして、これまでのところでは、専門委員会の症例検討の結果ではすべての報告例が否定されております。
 また、海外についてもお尋ねでございましたが、海外の在留邦人におきましても、SARSと確定した患者がいるという情報は承知いたしておりません。
#84
○松井孝治君 それは今日時点での数字だと理解をさせていただきます。
 それに関連して、随分連休中もいろんな報道がなされていて、政府としてもいろんな取組をされているというふうに思いますけれども、一部には、仮に国内でSARS発病者が発生した場合に、その感染ルートの解明というのは非常に重要な問題となってくるわけでありますが、その感染ルートの解明に必要な専門家の数が足りないんではないかというような話、あるいは都道府県ごとに発病者が出た場合のどういう病院に搬送するのかということについていろいろ情報が出ていますが、それを見ても、まだ都道府県によっては収容する病院がないというような事例、私の地元の京都府なんかもそういう報道がなされていたと思いますが、そこら辺の、感染ルートの解明やあるいはその治療に当たる病院、施設、専門家の数、この辺りについて、十分な専門家あるいは病院、施設、あるいは医師等が確保されているのかどうかについて政務官の御答弁をいただきたいと思います。
#85
○大臣政務官(渡辺具能君) SARSの感染ルートの解明についてお尋ねでございますが、SARSが国内で発生した場合は、感染症法に基づきまして都道府県が積極的疫学調査を実施することになっておりまして、患者やその接触者からの聞き取り調査等を通じまして、感染経路の解明に取り組んでいるところでございます。
 それから、海外でも発生しておるわけでございますが、海外で発生しているわけでございますが、厚生労働省としても、発生地域に専門家を派遣しまして、都道府県が行う疫学調査を技術的に支援する予定であります。また、疫学及び臨床医学の専門家で構成される派遣チームをもう既に組織しておりまして、要請があればいつでもこれに向かえるという状況でございます。
 それから、国内で患者が発生した場合の医療提供体制の整備でございますけれども、患者の搬送方法や有症状者への医療提供体制等につきまして具体的な行動計画を作成、公表するように都道府県知事に要請をしてきたところでございまして、既に全都道府県におきまして行動計画が策定されて、ちょっと今、京都の例は私も聞き及んでおりませんが、体制の整備が図られたというふうに承知いたしております。
#86
○松井孝治君 私がお伺いしたのは、都道府県における疫学調査の専門家、この数が不十分じゃないかという指摘が行われているわけです。今の時点では、疑い例や可能性例も精査された結果、その疑いは晴れているということですから大事には至っていないんですが、これは非常に公衆衛生上大切な問題だと思うんですね。
 それから、医療提供体制も、体制が整備されたというのは、他府県への移送というか搬送というか、そういう形も含めて恐らく取りあえずの体制が整備がされたということであって、必ずしも各都道府県内で完結した体制が整備されたということではないと思うんです。
 ですから、ここは法案の審議の場ですから、是非お願いをしておきたいのは、正にこれ食品の安全の問題とも軌を一にする問題でありまして、そういう公衆衛生上の問題が生じたときに、新しい問題が生じたときにきちんと専門家を集められるような体制、これもなかなか、新種のウイルスが発見されてその感染症ということになるとなかなか大変であることは分かりますけれども、是非日常から専門家の確保ということについて意を払っていただきたい、このことを御要望申し上げておきます。
 本日は、外務副大臣もお見えでございます。今、国際的な協力体制をどう組んでいくかということが非常に重要な問題になっています。
 二つの点についてお伺いしたいわけでありますが、一つは、在外邦人、これだけ経済が国際化しておりますと、例えば中国なんかでも非常に多くの日本の企業が進出しておって、たくさんの在外邦人の方が中国に、あるいは海外に駐在をしておられます。そうした現状を踏まえて、今の外務省さんとしての、日本政府としての在外邦人の保護という意味で、今回のSARSに関連してどのような措置が取られて、今の状況では中国どういう状況になっているのか、あるいはそれ以外の東南アジア地域にも感染が広がっているわけでありますが、どのような措置をこれまで取られ、また今後どのような措置を取られるのかという点が一つ。
 もう一点は、予防、治療のための国際的な協力体制を作っていくということについても、外務省として、あるいは日本政府として取り組んでおられると思います。この点はひょっとしたら厚生労働省とまたがる点があるかもしれませんが、どのような取組を今行われていて、今後、我が国の方の体制も必ずしも十分にできていないという状況ですから難しい部分もあるのかもしれませんが、日本政府としては、国際協力、医療あるいは予防に対する国際協力にどう取り組んでいくのか、副大臣から御答弁いただきたいと思います。
#87
○副大臣(矢野哲朗君) 御答弁申し上げます。
 SARSに関する危険情報等については、WHOの情報を踏まえた上で、現地の大使館、総領事館、そして厚生省と十分緊密な連携を取らさせていただいておりまして、各地の情勢に応じつつ、適時適切に外務省としての情報提供をさせていただいているところであります。
 一例でありますけれども、北京市であります。我が国としましては、四月二十二日に不要不急の渡航の延期をお勧めする危険情報を新たに発出をさせていただきました。
 我が国に地理的に大変近くて、大変多くの交流があるということがまず一つの理由であります。それから、北京市での累積死亡者が香港における死亡者を超えるに至ったわけでありまして、四月三日には香港に対して危険情報を発出した経緯があります。それを上回ったという現状があります。そして、第三点としまして、カナダ等の域内感染地域と異なりまして、伝播形態が明確になっていない。これらの理由からして、不要不急の渡航の延期をお勧めするというふうな危険度に改定をさせていただきました。
 ちなみに、WHOが渡航延期勧告を出されたのがその後でありますから、我が国としては独自にそういうふうな状況下でもって判断をさせていただきました。
 また、邦人のための一つの対応でありますけれども、二十九日に、北京市における感染の拡大、長期化、中国当局によってあり得べき隔離処置などを踏まえまして、一時的に北京を離れることが可能な在留邦人は、帰国の可能性を含め検討することをお勧めしております。
 その他、在留邦人に対しての我が省としての対応でありますけれども、今申し上げたような渡航情報の発出、そしてそれぞれ広くその他の地域においても情報を発出をさせていただいて、ホームページ等々も活用させていただいております。また、マスクの提供でありますけれども、香港、広州、北京、それぞれに相当な邦人に対するマスクの提供をさせていただきました。そして、現地においても、そして東京においても企業における説明会も開催をさせていただいたと。
 いずれにせよ、最大限この防止に対しての、感染防止に対しての努力を厚生労働省と共々協力し合ってやっていきたいと考えております。
 加えまして、今後の国際間での一つの協力体制いかがというような御質問だったと思いますけれども、一つは二国間という一つの取組でありまして、ベトナムから要請がございまして、二班に分けて我が国として派遣をさせて、医療団の派遣をさせていただきました、三月十六日から四月一日。ついては、ベトナムにおいて四月二十八日、SARSの制圧宣言が発出されたということに対して、我が国としても相当貢献ができ得たんではないかなというふうに考えておりますし、加えまして、先般四月二十九日でありますか、バンコクで開催されましたASEAN首脳国会議、首脳会議ですか、において、保健緊急基金の創設を提案をされたというふうにも聞いております。
 この基金でありますけれども、既に一九九九年、我が方としては基金の大本の基金に二千万ドル既に出捐をさせていただいておりまして、その枠内で改めてSARSに関連する基金も作っていこうというような動きがあるようでありますけれども、それらの動きも注目して見詰めたいと思っております。
 以上であります。
#88
○松井孝治君 是非、これは国際的な協力がそのまま、こういう感染症の場合は、国内の安全の確保にもつながりますので、是非今後とも政府において十分な取組をお願いしたいと思います。
 それに関連して、これは渡辺政務官の方にお尋ねすべきかもしれませんが、連休中の報道で、中国からの帰国者を一定期間、隔離ということとは違うんでしょうけれども、外出を自粛をしていただくという方針を政府が出されたというお話を伺いましたが、これについてはどういう事実関係なんでしょうか。
#89
○大臣政務官(渡辺具能君) 任意でお願いをするということでございます。
#90
○松井孝治君 任意でお願いといいますと、具体的にどういう形で政府として、これは非常に幅広い国民に関連するわけですね、どういう形でそれは国民に対して徹底をしておられるんでしょうか。再入国のときに要請を出されているんでしょうか。
#91
○大臣政務官(渡辺具能君) 細かな点については、質問の通告いただいてなかったもので、細かなことを確認しておりませんが、先ほど申し上げましたように、それは個人の任意に従って行動していただくということになっております。
#92
○松井孝治君 質問通告をいたしておりませんので、必ずしも十分な御答弁をいただかないということで責めるわけではありませんが、今事務方の方も後ろにいらっしゃるはずでございますので、これは国民にとって非常に関心事項であろうと思います。たくさんの方が、今回はゴールデンウイーク中の海外渡航者は減ったとはいっても、多くの方々が中国にも旅行をされているわけでありまして、それはビジネスであったり観光であったりするわけでありますが、その方々の外出自粛というのはどういう形で政府として自粛をされているのか、どういう形で渡航者に対してそれを周知徹底されたり要請されているのか、この点、後ろからメモを出していただいても耳打ちしていただいても結構ですので、もし可能でしたら今御答弁をいただきたいと思います。
#93
○大臣政務官(渡辺具能君) 確かな事実を確認いたしまして、後日報告をさせていただきたいと思います。
#94
○松井孝治君 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。
 それで、本題に入らせていただきたいと思います。
 四月の二十三日の本会議で谷垣大臣ほか関係大臣に御質問をさせていただきましたが、それに引き続きまして、この食品安全基本法案の基本的な内容について幾つか御質問をさせていただきたいと思いますが、本日は政府参考人として篠原所長に御出席をいただいております。
 結構でございます、矢野副大臣。それから、渡辺政務官ももしよろしければ御退席いただいて結構です。
 篠原所長には政策研究機関としての所長のお立場から今の農林水産行政、篠原所長には政策研究機関の長として今の農林水産行政そのものに直接的に責任を負っておられないとは思うんですが、非常に食品の安全の問題について識見をお持ちでございますので、そういう観点から、現在の農政ということに必ずしも縛られない立場で政策研究機関の長として御自由な御自身の見解を是非お述べをいただきたい。それを是非内閣府といいましょうか内閣官房といいましょうか、谷垣大臣以下皆さん方も耳を傾けていただいて、その上で御答弁をいただきたいと思います。
 篠原所長にお伺いいたします。
 まず、食品安全というものについての考え方、これアメリカ、ヨーロッパそして日本と先進地域の中で比較をいたしまして、日本の食品安全というのはアメリカ、ヨーロッパに比べてどういうところは非常にセンシティブといいましょうか、国民の間での関心が高く、また行政としての対応が進んでいるのか、アメリカ、ヨーロッパはむしろ日本に比べてこういう部分は政府もあるいは国民も関心が非常に高い、そこら辺の比較について、これは篠原所長も研究所の中で研究を進められておると思いますが、個人的な御見解も交えてで結構ですので、所見をお聞かせいただけますでしょうか。
#95
○政府参考人(篠原孝君) 最近の情勢でございますけれども、先ほどいろいろな方々が述べておられますように、食品の安全性については農政の一番の柱に各国ともなりつつあります。ただ、日本とアメリカとヨーロッパを比べた場合、それなりの違いがあると、重要性という点では同じなわけですけれども、違いがあるんじゃないかと思います。
 アメリカの場合で見ますと、安全性全般、食品の安全性全般については関心があるわけですけれども、それよりも、どちらかというと、食品の安全性も含めてですけれども、環境全般についての関心が一番高いような気がいたします。
 例えて申し上げますと、遺伝子組換え食品については日本では非常に懸念があります。アメリカの消費者にもあってもいいはずなんですが、FDAを相当信頼しているようでございまして、FDAがいいと言えばそれで安心して食べていると。しかし、それが、例えばBtコーンというのに表れているわけですけれども、Btコーン、ガを殺すわけですけれども、トウモロコシに害になるガを殺すわけですけれども、そのガを、アメリカ人が非常に愛しておりますオオカバマダラ、モナークバタフライ、三千キロ何か飛ぶんだそうです、一番だれもが知っているチョウチョウですが、このチョウチョウの幼虫の四四%が死んでしまうという調査結果が出ると突然反対し出すと。
 ですから、自分の体というよりも地球環境全体のことを考えていろいろなことが行われているような状況ではないかと思います。
 それに対して、ヨーロッパの場合は、広く環境問題があります。京都議定書や何かに対する対応等にも表れていると思いますけれども、もう相当かじを環境の方に向けて取っていると。国民もそうだと。順序、逆じゃないかと思います。国民がそういう方向に向いておるんで、何かにつけて厳しいと。
 例えば、成長ホルモン、WTOでアメリカとパネルで何回もやり取りをしております。大体負けておりますけれども、頑として成長ホルモン入りの牛肉は輸入しないと。それから、抗生物質に対しても厳しいと。それから、我々日本人にとっては何のことかよく分からない点もあるわけですけれども、動物の権利というものを盛んに心配しておりまして、非動物道的な飼い方をしてはいけないということで、例えば鶏のゲージ飼いなども一羽当たり何平方メートルなければいけないという基準を作って、自由に広げていって、二〇一〇年には全部放し飼いにするんだというようなことも堂々と議論されております。
 これは非常に特徴的なことじゃないかと思います。食品の安全性もそうなんですが、やはり環境にも非常にかかわっているんじゃないかと思います。
 日本の場合ですけれども、非常に関心が高いと。ただ、ピンポイントというか、一つ二つの問題について異様に関心が高いと。今で言いますと、典型的なのはBSE、GMOじゃないかと思います。しかし、同じように害があるのかもしれない、ヨーロッパでは心配されている成長ホルモンとか抗生物質とかいったものについては余り騒がれないというような状況じゃないかと。
 ちょっと、三つの先進国ですけれども、それぞれ対応が違うような気がいたします。
#96
○松井孝治君 ありがとうございます。
 今の篠原所長のお話を伺っていて、やはり食品安全ということがいわゆる衛生上の安全あるいは狭い意味での疫学上の安全ということを超えて、国際社会においてはやはり今おっしゃったような環境の問題やあるいは農業の生産・流通行程全体をどうとらえて安全を確保するかということが国際的な潮流にはなっているんではないかというふうに私も思いました。
 そこで、篠原所長に更に御質問をさせていただきたいんですが、私の理解では、地産地消という考え方を最初に、日本でというよりは、日本語ですから当然日本でなんですが、地産地消という考え方を日本で最初におっしゃったのは篠原さんがもう十五年ぐらい前におっしゃったというふうに理解をしているわけでありますが、今の諸外国の農政の潮流といいましょうか、農政、食品の安全も含めた農政の潮流というものを踏まえまして、今後の我が国の農林水産政策というのはどうあるべきなのか。地産地消ということを唱えておられて、また旬産旬消というようなことも篠原さんはずっとおっしゃっていますが、率直に、今の法律的な側面というよりは、今後の農政あるいは今の日本の農業の現状というのをどうとらえておられて、今後我が国の農政が進むべき方向性、これは先ほども申し上げましたように、今、篠原さんは政策研究機関の長ですから、農政に、直接的に短期的な農政の在り方についてコメントをされるお立場ではないと思いますが、研究所の長として諸外国の潮流、それから、先ほどの同僚議員の質疑の中でも韓国の農政が非常に大きく最近変わっているというような話も、農水省の政府参考人の方からもそういう御答弁がありましたが、そういうことも踏まえまして、今後の我が国の農政というのはどうあるべきか、研究所の長としての御見解を賜れば有り難いと思います。
#97
○政府参考人(篠原孝君) 日本の農政、いろいろ考えていかなきゃならないんですが、まず最初に世界の農政がどうかというのを参考にしなければいけないんじゃないかと思います。
 メガトレンドというか大潮流としては、WTOが進行中ということもありまして、一つの方向としては、自由貿易を徹底的に追求するべきだという、これはケアンズ・グループと称されているオーストラリアとかニュージーランドの輸出国が言っております。もう一つは、それに対して、いや、そんなことを言ったって国内の農業あるいは域内の農業ががたがたになったらどうなるんだということで、なるべく国内を優先していこうという流れがまずあります。これはずっと続いている流れでございます。
 最近の流れとしてはどういうことがあるかといいますと、一つは、先ほど松井議員が御指摘になりましたとおり、食品の安全性とか環境への配慮とか、非常に国民なり消費者の関心に、領域について気を遣った農政を推進していくというのがあると思います。
 それからもう一つは、WTOの農業協定ができたわけですけれども、その中で農業補助金というのが非常に問題にされまして、やっぱり貿易歪曲的とかあるいは生産刺激的とか言われていますけれども、そういう補助金、赤の補助金と称されていますけれども、そういったものはやめるんだと。それから、黄色の補助金はだんだん下げていくんだと。緑の補助金というのは、研究開発等は推進していいというようなふうに分けられました。ですから、そういったことを反映いたしまして、農業の経営政策については価格支持から徐々に直接支払、そういったことによって生産を維持したり環境を守ったりしていこうという流れがございます。農林水産省としても、やはり新しい基本法にのっとって、こういったことを踏まえた行政をしていかなければならないんじゃないかと思います。
 一つは、やっぱり安全で質の高い食料の安定的供給、これが一番じゃないかと思います。二つ目は、WTOの場でも主張しておりますけれども、農業の多面的機能を十分発揮させるというようなこと、こういった行政は今まで余りしてこなかったわけです。これが二番目でございます。三番目は、先ほどからいろいろ先生方からも御指摘いただいておりますけれども、環境に配慮した環境保全型農業を推進して農業の持続的発展を図ると。こういったことによって、四番目ですけれども、農村全体を振興していくというのがあるのではないかと思います。
 具体的には、じゃ、どういうことが眼目になっていくかということでございます。
 まず一番目は、これは別格だと思いますけれども、農業の構造改革。意欲と能力のある農業経営体に農地を集めたりして、そして創意工夫を十分に発揮してもらって日本農業の体質を強くしていくという、これは構造改革というのは小泉内閣のもう標語になっておりますけれども、農業界でこそ一番最初に使われてなかなか実現できない難問じゃないかと思います。これが一つあるかと思います。
 これのほかに、私が考えますに、二つあるのではないかと思います。
 松井議員御指摘のとおりだと思います。地産地消、旬産旬消というのを、先ほどSARSの話もありました。より遠く、より速く、より効率的にということでずっとやってきまして、日本はどちらかというと世界で一番になるんじゃないかと思います、風土と隔絶した食生活、あるいは季節感も失った食生活というふうになってしまったんじゃないかと思います。そういったものをやっぱり見直していくと、食と農の距離を縮めていこうというのは、いくというのは大事なことではないかと思います。農林水産省も、ですから、これは本来地方レベルで一番取り組みやすいわけですけれども、地産地消というのを大々的に進めていくということで、いろいろな政策を推進していくことにしております。
 二つ目でございますけれども、循環型社会と盛んに言われています。そういった方向に変えていかなけりゃいけないと。なぜかというと、環境が汚れていると。農業も本来は自然の中での一部だと。農業というものの本来の姿というのは、自然に働き掛けてそこから恵みをいただくという産業なわけですけれども、どちらかというと、工業をまねして、そうじゃない面もあるということで、そういった農業形態を直していくと。それから、地域資源を有効活用していくと。例えば、バイオマスエネルギーというようなことを盛んに言われておりますけれども、農村にある地域資源を活用してエネルギーにも利用していくというようなこと、こういったことによりまして、日本の農業を本来の環境保全型というか、な姿に戻していくというふうなことが二番目に大事なことじゃないかと思っております。
#98
○松井孝治君 今おっしゃった地産地消、旬産旬消あるいは産消交流というんでしょうか、それを進めていく。あるいは、篠原所長の言葉で言うと、フードマイレージというものをできるだけ本来は小さくしていく方が人間の健康にもいいという考え方が最近主張されています。連休中にもいろんなテレビ番組や新聞報道でスローフードということが取り上げられていたのは大臣もお聞き及びだと思います。
 こういうことを、篠原所長、端的にお答えいただきたいんですが、篠原さん、海外勤務の御経験もある。なかなかその地産地消というのは、我々も進めたいけれども、最初におっしゃったケアンズ・グループというお話もありましたか、自由貿易体制の中で地産地消とかあるいは旬産旬消ということを言ってもなかなか難しいんじゃないかなという気もいたしますが、そこは、地産地消あるいはフードマイレージを小さくしていくということと自由貿易体制というのをどうやって両立する方法があるんでしょうか、あるいはそれは非常に困難なんでしょうか、所長の御見解を、これは端的で結構ですので、承りたいと思います。
#99
○政府参考人(篠原孝君) 国のレベルで、国境措置でというのは、私ははっきり言って難しいかと思います。しかし、地元でできたものを地元で食べるという、それは何も新しいことじゃなくて、五十年前、百年前まではだれしもがやっていたことじゃないかと思います。それから、旬産旬消の方ですけれども、そのときできたものをそのとき食べるということも、何のことはない、昔やっていたことで、ちょっとした意識改革だけで私はできるんじゃないかという気がいたします。
 ですから、これは国としての取組よりも、県レベルあるいは地方自治体レベル、もっと端的に言いますと、例えば学校給食などを直していくことによってだんだんと地域の自給率を高め、そうすることによって国全体の自給率を高めることができるんじゃないかという気がいたしております。
#100
○松井孝治君 学校給食というお話が出ました。関連しますので、引き続き篠原所長に伺いたいと思うんですが、食育ですね。
 私、この前、本会議で質問した中で食育だけはあえて触れなかったんですが、ほかの議員が触れておられたと思いますし、本日の委員会でも同僚議員から食育の話、質問があったところでありますが、この食育というものについての取組についての御見解を所長に伺いたいと思います。
#101
○政府参考人(篠原孝君) 私も農林水産省の一員でありますので、まず農林水産省の取組、それなりにしておりますので、御紹介したいと思います。
 まず、食生活が非常に多様化して外部化しております。例えば、外食が増えているというのが典型的な例でございます。先ほど松井議員から御指摘のありましたように、食と農の距離が大分拡大していると、これが一つ問題としてあると思います。
 それから、家庭の食の教育能力というのが低下しているんじゃないかと思います。統計によりますと、子供たち、小学生は五%ぐらいは朝食を取ってきていないと。中学生になると一四%。それから、家庭から独立し掛かった二十歳代の人たちになりますと四五、六%、半分近くが朝食を食べてきていないと、女性も二五%ぐらいは朝食を食べてきていないと、こういったようなめちゃくちゃな状態になっていると。ですから、これが結果として風土と隔絶した食生活、季節感を全く失った食生活になっている原因じゃないかと思います。
 ですから、子供のころから、先ほど阿部委員が御指摘になりましたけれども、ただ栄養を与えるというんじゃなくて、地域に誇りを持ったりする、地域の食生活を楽しむというようなことをきちんと身に付けさせるということが大事なんじゃないかと思います。そういった意味では、食育が大変大事になってきているんじゃないかと思います。
 こうした流れを受けまして、農林水産省とそれから文部科学省、それに厚生労働省、三つの省庁が一緒になりまして、ほかの関係者、栄養士の皆さんとか食品産業のOBとかそういった方々に集まっていただきまして、いろいろな会議を開いていくというようなことをやっております。その一つとして、木村尚三郎先生を座長にいたしました食を考える国民会議というのがございます。こういったのを充実強化していくというのが一つあるんじゃないかと思います。
 二番目でございますけれども、一月、皆さん余り御存じないかと思いますけれども、食を考える月間ということにしております。一月に集中的に食を考える国民のフォーラムを開いていくというふうなこと、これをやっております。
 これは国レベルですが、地域段階の援助としましては、三番目ですけれども、食育推進ボランティア、先ほど申し上げました栄養士さん、それから農家の人たち、それからJAの営農指導員なんかもこれになっていただけるんじゃないかと思いますけれども、地域の実態に即して食育活動を展開するというのですね。
 四番目ですけれども、地域食材を活用して地産地消を推進すると。そういった中では、一番私は重要な役割を持ってくるのは地方自治体の動きじゃないかと思っております。
 食育というものの重要性、松井議員が御指摘になりましたけれども、スズメ百まで踊り忘れずじゃないですけれども、小さいころの食生活というのは非常に大事でして、それに戻っていくと。どこかの変な外食産業の社長さんが、十二歳まで五十九円にして徹底的に味を覚えさせて一生食わせてやるとか、私はこういうのをほっておいては良くないんじゃないかと思います。それに対して地元の味、例えば松井議員も京都ですし谷垣議員も京都ですが、京都の味を小さいころからとっぷり教え込んで、一生京都の味を楽しませるようにしていくというのが我が国の農政あるいは農業をきちんとし、健全な体を作る基じゃないかと思っております。
#102
○松井孝治君 今、給食の話が最後に出ましたが、やはり食育を進める上で給食というのは大きな役割を果たすと思うんですね。特に、これだけ核家族化が進んで、また共働きの家庭が増えている中で、昔だったらお弁当を持って、お母さんがお弁当を作ってということだったんでしょうが、今は男女共同参画ですから、そういうことをなかなか家庭に求めるというのも限界があります。
 そういう意味で、給食の重要性というのは非常に大きくなっていると思うんですが、今、篠原所長、食育の中での学校給食の現状、あるいは今後食育に学校給食をどう役立てていくか、これ、なかなか他省庁にも関連する政策ですからおっしゃりにくいかもしれませんが、何度も申し上げているように、あえてそれは、研究所の所長として今の学校給食の現状をどうとらえ、それをどう今後改善させていくべきか、個人的な御意見でも結構ですので、いただけますでしょうか。
#103
○政府参考人(篠原孝君) 学校給食は、そもそもは栄養状態が悪いので学校でちゃんと栄養を付けてやろうというので始まったわけです。それから栄養改善というふうになってきましたけれども、途中からは粗食の代表になってしまったような感があるわけです。ですけれども、今見直されておりますのは、食を通じた人格形成とかそういったもの、これが食育ということになっているんじゃないかと思います。
 現状を見ますと、やっぱり日本の農政なり、でたらめな食生活を最も反映しているのが私は学校給食の実態じゃないかと思います。例えば、栄養士さんがおられて、栄養士さんが勝手に、阿部委員の言葉をかりれば、栄養価がこれだけだからといって勝手に献立を作って、その近くでどんな農産物を作っているかなんてのは全く考慮しないで献立表を作る、それに盲目的に従って給食の献立を作るというふうなことが行われているわけですね。
 米が余ったと。遅いんですけれども、米飯給食にし出して、なぜかしら大体が週三回というワンパターンです。北海道の悪い例で申し上げますと、米を週三回やっているのは日高とか、日高山脈の右側、道東と称されるところでは米ができないわけですけれども、同じように北海道の、余り言っては悪いんですが、それほどうまくもないんじゃないかと思いますが、ちゃんと義理で学校給食をやっていると。これだったら、十勝ですね、十勝や北見で作った小麦でパン給食二回をやっていいはずなんですが、そこをすっかり忘れて、平気で外国産の小麦でパン給食をしているというような実態、これはやっぱり良くないんじゃないかと思います。こういったのは直せるわけです。
 例えば、佐賀県の佐賀市長、農林水産省のOBになるわけですけれども、彼はこういったことの問題意識を持っておりまして、あの辺りビール用の大麦を作っているわけですけれども、その一部をニシノカオリという新しい品種のパン用の小麦を作ってくれと言いまして、それでもってパン給食も地元でやるんだというようなことをしているということですね。こういったことができると思うんです。
 例えば、栄養士さんがちょっと意識を変えてもすぐできるんじゃないかと思います。例えば、学校給食に地元の野菜を使おうと栄養士さんが考えればそれで済むわけなんです。私の聞いた美しい話では、栄養士さんは、せっかくそれやったんで、それじゃもったいないというんで、学校で給食をやるときには放送すると。今日のトマトは三年二組の岡崎トミ子さんのお父さんが学校の信号前の畑で作っているあのトマトですよといって放送すると。こういうことによって、娘さんは喜ぶ、お父さんは変な作り方はできないと再認識する、先ほどから言っていますフードマイレージは小さくなると。
 それから、これまた地域経済にとってもばかにならないんじゃないかと思います。本当はそれほど大きくないんですけれども、やっぱりそれなりの大きさがあると。それがその購買力ですね。購買力を地元に返すと。最近、地域通貨、エコマネーというふうに言われていますけれども、その典型的なものになる、地域の雇用も拡大することになるということになって、何かにつけてうまくいくんじゃないかと思います。
 こういった働きを農林水産省、文部科学省、手を携えて推進していったら、明るい農業とかいうふうになっていくんじゃないかと私は思っているわけでございます。
#104
○松井孝治君 ありがとうございました。
 今日は別に参考人質疑というつもりはないんですけれども、篠原所長の御見解は前から承知はある程度しておったんですが、今改めて食品安全という切り口で篠原所長のお話を伺っておりますと大変示唆に富むものがあったと思います。
 この食品安全基本法というのは、いろんな、法律の条文は、私の理解では、これは中央政府だけに係るものではなくて、この精神というのは地方政府にも及ぶものだと理解をいたしております。食品健康影響評価という概念が法律上導入されたというのも非常に結構なことだと私は思っております。
 問題は、その食品の安全性の確保に関する施策の策定に当たって食品の健康影響評価を受けなければいけない、幾つかの適用除外もありますけれども、それが基本的な枠組みになっていると思うんですが、この食品の安全性の確保という議論、これ、わざわざずっと先ほどから篠原所長の答弁を大臣に聞いていただいたというのは、この食品の安全性の確保というのは、いわゆる疫学上の安全性の確保とか、あるいはもう少し踏み込んだとしても栄養のバランスとか、そういったことだけではなくて、もう少し私は幅広い概念にとらえなければ、本当の意味での食品の安全性の確保ということに対応できないんではないかということを大臣にも、そして副大臣、政府の関係の方々にも是非御理解をいただきたくて、ずっと先ほど来所長に御質問をさせていただいておったわけであります。
 そういう意味で、食品健康影響評価、この対象ですけれども、今、食品の安全性の確保に関する施策の策定に対しては健康影響評価を受けなければいけないという枠組みになっているんですが、大臣、これは法律上、食品の安全性の確保に関する施策というのは当然定義はされていないわけですね。
 先ほどのお話を伺うと、例えば農法に対してどういう化学肥料を使うべきか使わざるべきか、あるいは農薬に対してどういう使用を認めるべきか認めないべきか、あるいは、岡崎議員の質問にもありましたけれども、例えば農薬使用の十年後に何割削減なんということは、食品の安全性の確保に非常に密接に関連した施策であると思います。それから、先ほど来アメリカ、ヨーロッパの政策の現状あるいは潮流についても篠原所長からお話をいただきましたけれども、いかにして環境と調和した農業を推進するかということも、これは食品の安全に極めて密接にかかわる政策だと思うんですね。
 そう考えてまいりますと、私は、この食品健康影響評価の対象というのは、いわゆる食品安全に、狭い意味での食品安全に限定されることなく、いわゆる農林水産行政、農政全般というのは、食品健康影響評価、食品環境影響評価の対象に加えなければ本当の意味での日本人の食の安全というのを確保できないんではないかと思いますが、大臣はこの食品の安全性の確保に関する施策というものの対象領域についてどうお考えでしょうか。
#105
○国務大臣(谷垣禎一君) 松井委員から大変難しい問題を提起していただいたなと思っております。
 そこで、この食品安全基本法は、これは私の理解なんですが、度々御答弁も申し上げておりますけれども、今、篠原所長がおっしゃった観点からすると、やや批判的におっしゃったんだと思うんですが、現状、大量生産大量消費みたいな、言わば工場生産というと言葉が悪いですが、そういうような農業の現実があると。それから、地産地消という、相反して、もう世界じゅうどこから持ってきたものを食べているか分からないという現状があると。そこでまた、もう一つ科学技術の発達というものがあって、遺伝子の組み換えがあったり、新しい農薬の使用があったりする。そういうものが日本人の食生活の現状にあるというのは、私はこれはもう否定できない事実だろうと思います。
 そういう中で、安全性を、毎日の現実の安全性を確保していくときに何を考えたらいいのかと。BSEみたいなことが起こらないようにするには何をしたらいいのかという観点からこの法律ができてきたというふうに私は考えておりまして、基本的には、やはりそういうところに対応するのがこの法律であろうというふうに思います。それを超えて、私は大きな意味では、松井委員がおっしゃいましたように、環境とこの食の安全というのはあるいは車の両輪のごときところがあると思います。また、地産地消というものも我々の健康なり健全な食生活に大きな影響があると思います。
 しかし、今、じゃ現実のその食品を安全性を確保する行政として直ちにそこに切り込んでいっても、なかなか現実の食生活を前提として実効性があるというふうにも私には思えないと。まず実効性のあるものを解決していくにはどうしたらいいかという観点からでき上がっているというふうに思いまして、今おっしゃったような視点は、更に大きな視野から我々も念頭に入れて取り組んでいかなきゃいけないんじゃないかなと、こんな気がいたしております。
 篠原委員には、松井委員も谷垣も京都の出身だろうと、私も丹波の黒豆を食い、日本海のカレイ、ブリを食べて育った人間でございますから、大変共感するところが多うございました。
#106
○松井孝治君 今の大臣の答弁は安全サイドの御答弁だったと思うんですね。ただ、やはりこれ、食品安全基本法というのができ上がって、これからの運用のときに正に恐らく、恐らくは、これは人事の問題ですから大臣の御答弁は不要ですが、谷垣大臣が担当大臣にもしなられるとすれば、そこの運用というのは非常に大きいと思います。
 何が食品の安全性の確保に関する施策であるかという定義は、これは運用上はっきりしていない。だけれども、今のいろんなやり取りを、今日の委員会の質疑も参考にされて、是非余り狭く狭く運用されないでいただきたい。
 正に篠原所長もおっしゃったように、地産地消だからといって、あるいはフードマイレージを小さくしなければいけないからといって、直ちに日本政府が海外からの輸入を止めるなんということはだれもおっしゃっていないわけで、政府ができること、地方政府ができること、あるいは国民の意識に働き掛けてできること、それぞれ違いがある。しかしながら、それを従来生産者中心で回っていた農政というものにくさびを打ち込むような形で食品安全委員会が問題提起をされたらいいんじゃないか。その問題提起は必ずしも海外のものを抑制的にやるということではなくて、人間の意識の中であるいは地域の意識の中で変えていけるんじゃないかという問題提起は是非とも私はしていただきたいし、そのためにこの食品健康影響評価という制度は積極的に活用していただきたい。
 そのことを谷垣大臣に最後決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#107
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品安全委員会ができまして、私の職責は今、括弧仮称というふうになっておりますので、そこまでが私の職責でございます。それで、次に担当の閣僚が恐らく任命されるんだろうと思いますが、是非この食品安全委員会を今、松井委員の問題提起を受け止めるチャレンジングな組織として運用していってもらいたいと、こう思っております。
#108
○松井孝治君 終わります。ありがとうございました。
#109
○委員長(小川敏夫君) 午後二時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ─────・─────
   午後二時十分開会
#110
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、食品安全基本法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○山下栄一君 大きく二つ質問したいんですけれども、最初は食品安全委員会のリスク評価の問題でございます。
 特にダイオキシンに絞って五、六分お聞きしたいと思うんですけれども、まず確認させていただきますけれども、これちょっと質問通告していなかったんですけれども、去年の四月二日ですか、BSE問題に関する調査検討委員会報告、この中に、「リスク評価体制の確立」ということで、関係省庁から独立した行政機関で行うべきだと。これは食品安全委員会なわけですけれども、「リスク評価の対象には、消費者の健康や安全性の視点から、家畜飼料や動物用医薬品も含められなければならない。加えて、水、土壌、ダイオキシン、内分泌かく乱物質、家畜伝染病、などもその対象とするべきである。」と、こう書いてあります。
 この検討委員会の報告を受けて、この食品安全基本法では、これそのとおりの扱いになるんでしょうか。リスク評価の対象に、例えばダイオキシン、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモン、対象とするということでよろしいんでしょうか。
#112
○国務大臣(谷垣禎一君) この法案の二十四条第一項十一号、二十四条というのは一定の場合に食品安全委員会のリスク評価を受けなきゃいかぬという規定でございますが、その第一項十一号に、「ダイオキシン類対策特別措置法第六条第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。」と書いてありまして、要するにダイオキシンの一日摂取量の制定をしたり改廃しようとするときには必ずこの委員会の、食品安全委員会の評価を受けなければいけない、こういう規定のしぶりになっております。
#113
○山下栄一君 厚生労働省にお聞きしますけれども、現行ではダイオキシン類の健康影響評価、これは多分余り整っていないと思う。今の、現行でどういう体制でやっておられて、具体的な人への健康影響について、データというのはあるんでしょうか。
#114
○政府参考人(遠藤明君) ダイオキシン類を含めまして、いわゆるカネミ油症の問題として私どもでは研究を進めているところでございまして、最近特にダイオキシンの検出技術が進歩したというふうなことを踏まえまして、患者さんの方々の協力を得まして、血液中のPCDF等のデータ等を採取し、症状との関係について診断基準の再評価の資料として収集をしているというふうな状況にございます。
#115
○山下栄一君 よく人間、人に対して大変な影響があるということを言われておりますし、そういう観点からTDI、今大臣おっしゃったようなこと、四ピコグラム以下と、こう書いてあるわけですけれども、ところが日本では具体的にダイオキシンの健康への影響どの程度あるのか。例えば発がん性とか免疫性とか催奇形性とか、いろいろ言われますけれども、そういうものは日本にデータとしては、今データというか、そういう例はないと思うんですよね。
 厚生労働省として、現在、リスク評価はやるとしたらどこがやることになっているんですかね。
#116
○政府参考人(遠藤明君) 私どもで行っておりますリスク評価は食品衛生法の体系の中でやっておりまして、薬事・食品衛生審議会にお諮りをして決めているというふうな状況でございます。
#117
○山下栄一君 決めているとおっしゃるけれども、実際はそういう例はないと私は思うんですけれども。ちょっと時間の関係で急ぎますけれども、また別の機会にゆっくりさせていただきますが。
 カネミ油症の話、ちょっと先ほど部長の方から触れられましたけれども、四十三年、前の事件だけれども、これは福岡、長崎中心に今も全国に患者さん散らばっているわけですけれども、カネミ油症というのはダイオキシン類の健康被害という観点からも取り組まなきゃいかぬということをはっきりと国が表明しています。ごく最近の話だと思うんです。
 PCBの被害であったとしても、ダイオキシン類の被害という観点からは全く対象に上っていなかったけれども、現在はそういう形で今データを集めつつあるということを先ほどおっしゃったと思うんですけれども、まずダイオキシン類対策特別措置法の第六条に、その一日耐容摂取量の評価、一日耐容摂取量についての値については書いてあるわけですけれども、これはまた科学的な知見に基づいて改正することはあり得るというふうなことが書いてあります。
 と同時に、附則の第二条第三項、ダイオキシン類対策特別措置法です。これは是非内閣府におかれましても、もう御存じだと思いますけれども再確認させていただきたいと思って申し上げますけれども、第三項に、「ダイオキシン類に係る健康被害の状況及び食品への蓄積の状況を勘案して、その対策については、科学的知見に基づき検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとする。」というふうに書いてあります。
 そのためには、例えばPCDF、コプラナPCB等のダイオキシン類が人にどんな影響があるのかということ、そういう観点では、カネミ油症の患者というのは正にその対象として、人体実験でも何でもなくて、具体的に健康影響が出ているという観点から調査する必要がありますし、データも集める必要がある。ただ、この方々は年々年を取っておられて、非常に差し迫った状況の中で、今ささやかにこのカネミ油症の研究班の中で研究され始めたという段階だと思うんですね。
 こんな中で、私は、先ほどの調査検討委員会の報告書の中に、ダイオキシン類のリスク評価、人の健康への評価についても対象とするということは、動物実験ではなくて、人間の影響として具体的な形で日本にいらっしゃる。PCBの被害であると同時にダイオキシンの被害でもあるという観点から見直しをし始めたばかりなわけですから、私は厚生労働省の取組をもっと強化してもらいたいと思うけれども、この研究班のデータ、それから評価能力についても研究班の方々ぐらいしか今いらっしゃらないんではないかなというふうに思いますし、そういう意味では、食品安全委員会でリスク評価の対象とすると、ダイオキシン類の健康影響評価についてもということになった以上、ちょっともう一度、今までの厚生労働省だけの取組の段階から一歩強化されたというふうに理解しているんですけれども。
 新しい法の食品安全基本法の枠組みの中で、このカネミ油症が実例ですけれども、ダイオキシン類の健康被害、これのデータ並びにリスク評価について内閣府と厚生労働省はどういう連携でやられるのかということを、これはきちっとやってもらいたいと思いますので、明確な答弁をお願いしたいと思います。
#118
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、二十四条第一項十一号に、ダイオキシンの一日耐容量を変える場合、委員会の意見を聞かなきゃならぬというふうに規定になっていると申し上げましたが、食品安全委員会も自らの発意で食品健康影響評価を実施することができるわけでありまして、今厚生労働省、つまりリスク管理機関がやっておられるいろんな情報も含めて、国内外の危害情報を集めて分析整理して、必要性があるかないかを検討するということになると思います。
 今、厚生労働省でカネミ油症との関連性も視野に置きながら検討されているというふうに承知しておりますので、食品安全委員会、成立しましたら、委員会としても鋭意情報に努めて、得られた科学的知見に基づいて必要に応じて適切な行動を取らなければならないだろうと思います。
#119
○山下栄一君 検討委員会の報告書の中に、リスク評価を行う専門家の絶対数が不足していると、こう書いてあります。人材を早急に育成確保せないかぬと、また国際機関との連携も強化すべきだと、こう、私もこのとおりだと思いますけれども、ダイオキシン類またいわゆる環境ホルモンの観点からの人への健康影響というのは、極めてあいまいというかはっきりしていない段階だと思うんです、まだまだ。
 そういう意味じゃ、イタリア、アメリカその他のダイオキシン類の実際被害のあった国々との連携、国際機関またそういう研究者の国際的な会合も毎年のように行われていると聞いておりますけれども、その連携もしっかりやっていただく必要があるというふうに思いますけれども、食品安全委員会のメンバーはたしか七名ですよね。その中に、そういう今申し上げたダイオキシン類とか環境ホルモン等の専門家、私は非常に少ないと思うんですけれども、健康影響という観点から評価をできる人というのは。そういう意味で、その七人のメンバーに入るか、またその下における小委員会ですか専門委員会、そういうところに必ずこういう観点の方々も入れてもらいたいと。
 非常に大きな関心のある問題であるけれども、健康への影響、どれぐらいあるのかということについては極めて貧弱な能力しかないと私は、国際的にもそうだというふうに思いますので、こういう観点の御配慮を是非お願いしたいと思いますけれども、大臣、ちょっとどうでしょうか。
#120
○国務大臣(谷垣禎一君) 七人の委員の人選はまだ決定しておりませんので、具体的にどうということは今御答弁いたしかねるわけでありますが、いずれにせよ、今我々が得られる可能な資料、材料、これは全力を挙げて収集しなければいけないと思っております。
#121
○山下栄一君 次の質問に移らさせていただきます。
 午前中からもいろいろ議論あったと思うんですけれども、食の安全という観点と若干それるかも分かりませんけれども、食生活の重要性ということを国民の皆さんが非常に認識し始めましたし、認識はし始めたけれども食生活は崩れる方向で進んでいると、だからしっかり認識して、食の安全も含めて食と健康との関係、食べ物と病気との関係、もっと関心持って知識も広げていかないかぬということになっていると思うんですね。
 私、これは具体的な話なんですけれども、摂食障害の人が多分増えつつあると思うんですけれども、そういう、特に青少年、具体に悩んでいる方が多いと。非常に繊細な方で能力も非常にあるけれども、例えば食べ過ぎ、またその反対の、もう命にも及びかねなくても食べないということになってしまうというふうな、精神的な障害にも関連あるのかも分かりませんけれども、そういう時代だと思うんですね。
 食べ物と命というのは物に関係あることですし、命の手ごたえ、生きる手ごたえというふうなものを非常に感じられにくいという人も増えつつあるように感じるんですね。特に青少年問題としてこれは大きく注目して、サポートすべきはサポートしていかないかぬという、様々な相談も含めてやっていかないかぬと思っているんですけれども。
 そんな中にあって、食の専門家というのがどういう専門家があるのかなと思いまして、もちろんお医者さん、看護師、保健師さんはそうだと思うんですけれども、食の専門家というのはこれからますますニーズが高まっていくというふうに思っております。家の中もそうでしょうし、地域においても、もちろん企業、学校、国会の中もそうかも分かりませんけれども、食べる、食べてどうなるんだと。それが病気を促進するのか守るのかということも含めて、そういう専門家を育成する体制を強化していかないかぬと思っております。
 そんな中で、管理栄養士なんですけれども、栄養士問題です。
 昨年法改正されて、非常に専門性を高めるという方向で改正されたはずなんですけれども、弊害が明確になってきております。それは養成施設なんですけれども、もちろん食の専門家は別に栄養士だけじゃないでしょうけれども、一つの専門家として私はこの管理栄養士また栄養士の役割はますますこれから高まっていくというふうに思っておりますけれども、現時点ではこの管理栄養士、特に管理栄養士の養成施設は大学八十四施設、最近急速に増えております。それと、大学八十四施設と専修学校の専門課程、いわゆる専門学校が四つですから全部で八十八施設あるんですけれども、これが大学の、他大学からの、また学部からの編入学ができない仕組みになっていると。これはちょっと私は深刻な問題であるというふうに思いました。具体的に相談も受けました。
 例えば、理学部の生物学科で勉強していると、だけど、物すごい勉強したけれども、自分は研究者の道よりももっと具体的にアドバイスできるような貢献をしたいと、管理栄養士になりたい。管理栄養士になろうとすると、今の理学部生物科で勉強して、三年生なり四年生なり、場合によったらマスターに行って勉強している人が管理栄養士の資格を取る大学に行くとすると、もう一回入試を受けて、入学試験を受けて、それを突破してその大学に、管理栄養士課程のあるところに行かないともう全然その道が閉ざされているという状況になっていると、現在は。これはもう早急に改善する必要があるというふうに思います。
 文部科学省に確認しますけれども、大学又は専門学校から大学への編入学について、制度上これできないというふうなことはあり得るのかと、一般論としてどうなんでしょう。
#122
○政府参考人(遠藤純一郎君) 一般的な制度について御説明申し上げますと、大学間あるいは短期大学間という同じ学校間の異動につきましては、これはもう各大学の判断で可能であると、こうなっております。
 それから、短期大学や専門学校などから大学への編入学についてでございますが、これは学校種が異なるということで学校教育法に規定が設けられておりまして、短期大学につきましては、短期大学を卒業した者は大学に編入学をすることができると。それから、専修学校の専門課程につきましては、これは一定の要件があります。二年以上とか千何百時間の授業をやっているといったような、そういう一定の基準を満たす専修学校の専門課程を修了した者は大学に編入学することができると、こういう規定が設けられておりまして、各大学の判断でできると、こうなっておるわけでございます。
#123
○山下栄一君 厚生労働省にお伺いいたしますけれども、管理栄養士の養成施設の指定を受けた大学は他の学部、大学からの編入学を認めないということになってしまっている経緯、それからその根拠、根拠規定というか、これ確認させてください。
#124
○政府参考人(高原亮治君) 委員御指摘のとおり、現行の指導要領におきましては、これは昭和三十六年、非常に古い時代からのものでございますが、編入及び転入については管理栄養士養成施設相互間にのみ認めることとしていると。これ以外の大学からの編入及び転入については認められないというふうな運用をしております。しかしながら、その後、昭和三十六年からいろいろ時代も変わっておりますし、ただいまのような文科省の方からのお答えのあるような状況ともなっております。したがいまして、今後、管理栄養士養成施設における編入学及び転入学についてはこれを認めるという方向で検討してまいりたいと考えております。
 また、委員御指摘のように、例えば看護学科であるとか生物学科であるとか、非常に関連した学科で履修した単位の代替については、その認定を各大学にゆだねる方向で検討してまいりたいと考えております。
#125
○山下栄一君 次の質問まで答えていただいたんですけれども、現在は、もちろん昭和三十六年以降そうしたままになっているわけですよ、今も編入学できないと。その編入学できないことになってしまった根拠は法律じゃないと思うんですよね。それを明確にしていただきたいことと、答えにくいかも分からぬけれども、何でこんなことになってしまったのかということ、ちょっと答えていただきたい。
#126
○政府参考人(高原亮治君) 局長通知でカリキュラムを定めております。
 それから、そういうふうなカリキュラムになった原因でございますが、これは古い、いわゆる職業的な資格を付与するような大学若しくは学校のカリキュラムについては、どういう科目を何時間、どういう科目を何時間というふうに事細かく決めておる、そういうことが問題である。そして、現在のようないわゆる大綱化というふうな状況に出遅れてしまったのであろうと、そういうふうに考えておりまして、先ほどお答え申し上げたように、早急に検討させていただきたいと思っております。
#127
○山下栄一君 だから、局長通知で具体的に制限してしまったということなんですね。これは法律が養成しているから何でもないと、編入学駄目だというふうに書いてあるわけですよ、通知に。だからできなくなってしまっているわけです。
 それは早急に改めていただきたいというふうに思いますし、先ほどお答えになったことですけれども、確認しますけれども、科目の単位互換、全く同じそれは科目名で講座を設けるということは、そういうことはないと思うんですけれども。例えば、先ほど申し上げましたように、理学部の生物学科で生化学その他の、私も詳しいこと分かりませんけれども、管理栄養士が取るべき専門課程と類似したそういう科目を勉強して、そして養成施設に移るというときには、その単位認定を代替科目としてしてあげるという仕組みも今はできないことになっているわけですけれども、これもそれはおかしいというふうに思うわけです。
 大体その養成施設で、管理栄養士の養成施設が八十四大学、最近急速に設置大学が増えている。これはもうそういうニーズだからだと思う、時代の要請だからそういう管理栄養士の養成施設を作る、養成コースを置いていると思うんですけれども。この教える先生は、教える先生は別に今までの養成施設の卒業生と限らないわけで、そういう栄養学その他の専門家がその大学へ行って教えている。養成施設の大学で教えている場合もあれば別の養成施設でないところでも教えておられる。同じ先生が教えていることが考えられるのに代替科目を許さないという、これも通知だと思いますけれども、これも、こういうことも先ほど改善したとおっしゃいましたけれども、現在そうなっているということは、それでよろしいですか。
#128
○政府参考人(高原亮治君) どちらも養成施設でありますとこれは互換性を認めておりますが、養成施設以外のものの同一の科目については認めていないということが現状だろうと思います。これは、もちろん内容やカリキュラムにもよりますが、おっしゃるとおりおかしなことでありまして、これ認めるような方向で検討させていただきたいと思っております。
#129
○山下栄一君 国公立は非常に少ないけれども、これも若干増えつつあるし、私学においても特に四年制大学で管理栄養士養成コースというのを設置、それを売りにして大学を設置するところも増えるほどこの食の専門家の存在という、養成というのが世の中高まっていると、冒頭申し上げたとおりだというふうに思うわけです。
 そういう観点から、これ来年、来年、例えば今大学三年生、他大学でいらっしゃる、養成施設じゃない、来年から移りたいというふうに思っている方々は早急にしてあげたらそういうことできるわけですから、今、局長がおっしゃったように、これはちょっと時代遅れになっているということであるならば来年からすぐできるように早急に着手していただいて、途中の編入学、それから代替科目の単位互換も含めて、来年度から実施できるように、是非、早急に着手し、できるような状態を作っていただきたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#130
○政府参考人(高原亮治君) 他大学の三年生の方が管理栄養士の養成施設に転部、転学部、転学科する、これは来年度からできるように努力いたしますが、さればとて、一年で、残りの一年だけで受験資格ができるようなカリキュラムができるかどうか、これは若干疑問があると思いますが、転学部ができるように、無駄にならないようにするためには最大の努力を払いたいと思っております。
#131
○山下栄一君 私、申し上げているのは、例えば四年間履修しなさいと書いてあるわけですよね。もちろん、単位互換のできる科目数にもよりますけれども、例えば大学四年生まで行っているからもう編入するときには三年生からにしなくちゃ駄目だと、そんなことを申し上げているんではなくて、できるだけ配慮して、受入れ、今までの既存の履修科目も勘案しながら、何年生から受け入れるかということは各大学に任せりゃいい話ですから、一年で全部、一年間でそういう養成課程修了というふうにしなさいと言うているのでは何でもなくて、早急に来年度から実施できる体制を、代替科目とそれから編入学の体制をやっていただきたいということを申し上げておりますので、再度確認させてください。
#132
○政府参考人(高原亮治君) できるだけ学生の不利にならないように、また委員の御趣旨に合うような形で検討を進めさせていただきたいと思います。
#133
○山下栄一君 これで終わります。
#134
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。山下委員に引き続いて御質問させていただきます。
 本法の問題につきましては、BSEの問題を契機にいたしまして、公明党内でもいろんな論議が重ねられました。与党においても政策提言をいたしたところであります。これらの議論が本法のような結果として形を見たことは一応の前進であると受け止めております。
 そこで、本法では、食品の供給行程全般にわたって食品の安全性を確保しようと、こういう趣旨、目的が盛られているわけであります。
 初めに経済産業省にお聞きしたいと思います。この食品供給行程の食品のところを言わば工業品に置き換えてみますと、この工業品の供給行程におきましても、生産あるいは流通、消費の段階に化学物質が使われる場合にこれを管理するという組織も置いてこれについてのいろいろな施策を展開していると思います。こういった経験、この経済産業省における経験やあるいは情報の蓄積というものは、これから行われる食品の供給行程における安全性確保についても、試験研究機関の活用でありますとか、あるいは情報の公表、提供でありますとか、あるいは関係省庁との連携でありますとか、そういう各手段を通じて私は大きく寄与する可能性があると、こう期待をしているわけであります。この点についての御認識をまずお伺いしたいと思います。
#135
○政府参考人(仁坂吉伸君) 先生御指摘のように、私ども経済産業省におきましては、化学物質の審査及び規制法という法律を所管しております。厚生労働省と環境省と三省共管でこの法律を運用しておりまして、一言で申し上げますと、化学物質の属性を調べまして、それが環境中に出たときに人及び、これ実は現在、提案、改正を国会に御提案申し上げているところなんですが、動植物の生息、生育に対しても影響が出ないかどうか、悪影響が出ないように審査をし、規制をするという法律を所管しております。
 この法律の定めによりますと、食品添加物として使われるもの及び農薬として使われるようなもの、こういうものは実はこの法律の対象外でございます。ただ、私ども、こういう一般法を所管しておりますので、この運用のプロセスで、一般的な化学物質についての調査研究、あるいは化学物質の性状や人の健康への影響に関する科学的知見、そういうものを蓄積しているつもりでございます。
 こうした化学物質に関する知見につきましては、広く世の中のために役立たせていただきたいと、こういうふうに思っておりまして、そのために現在、独立行政法人でございます製品評価技術基盤機構、NITEと私どもは言っておりますが、ここにおきまして総合的な化学物質のデータベースを構築して、幅広い皆様方に化学物質のそういう属性を勉強していただこうと、こんなふうに思っております。そういう意味では、食品の安全を御議論されるときにも、きっとこういうデータベースは役に立っていくのではないかというふうに自負している次第でございます。
 また、当省は、先ほども申しましたように法律で化学物質の審査をいたします。そのときに、実は厚生労働省、食品安全法を所管しておられる当局でございます厚生労働省と実は共管でやっておりますので、化学物質の属性に関しましては厚生労働省の方にいち早く同じような情報が入るというふうになろうかと思います。
 また、今後もっと強化していきたいと思いますが、従来から我々の化学物質の既存点検あるいは新規の審査、こういうときに私ども、例えば化学物質の属性である濃縮性とかそういうものについて調べまして、この情報でちょっとこの化学物質は少し問題があるなというようなときには、実は、例えば農薬当局、農薬の登録の当局でございます農林水産省にこういう情報を事前提供しておりました。また今後ともやっていきたいと思っております。
 それからまた、今回の法改正によりまして食品安全委員会ができますので、ここの事務当局にも同じような情報を提供いたしまして、それで省庁一丸となって、私どもは私どもの目的のためにやっておりますけれども、その結果を食品安全の世界でも役立たせていただけるように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
#136
○山口那津男君 狭い所管を超えて各般の役目を総合していただきたいと思います。
 次に、外務省に伺いたいと思います。
 本年の先進国サミットはフランスのエビアンで開催される、いわゆる水がテーマになると、こういうふうに聞き及んでおります。この水、我が国はこの資源には大変恵まれた国と言われているわけであります。また一方で食品の輸入大国でもあります。このあらゆる食品の生産の言わば基礎的な資材とも言いますか、水は必須のものでありまして、この言わば輸入食品に使われてくる水、これを日本人が利用するという観点からすると、言わば日本人が利用する水の量というのは莫大なものになると、こうも言われているわけであります。
 そういう視点から、せっかくのこの国際舞台でありますから、食の安全という見地からも、この水、単に飲用に使うというだけではなくて、農畜産、水産等も含めて食品の安全性確保の見地から水について我が国から何らかの発信をしていくべきであると、こう思うわけでありますが、外務省としての姿勢を伺いたいと思います。
#137
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答え申し上げます。
 今、先生がおっしゃられましたように、水は人間の生存、それから生活に非常に不可欠な要素であるということで、経済活動の基礎的なものとして生態系保全に密接にかかわる重要な資源であるというふうに認識をしているわけでございます。
 同時に、水をめぐる問題というのは極めて多面的でありまして、先生のおっしゃられましたような安全な飲料水と衛生、あるいは農業といったような問題に加えまして、水質の汚濁防止、防災、エネルギー等々、極めて包括的な取組を要する問題であるというふうに認識をしているわけでございます。こういうような水の問題の包括的な取組を行うに際しましては、途上国に対する支援、これは世界的なものでございますので、も含めまして国際的な協力が極めて重要であるというふうに考えているわけでございます。
 政府としましては、これまでも水分野に関しまして政府開発援助を積極的に行ってきておりますけれども、このほかにも、御承知のように三月に我が国にて世界水フォーラム、それから閣僚級の国際会議を開催する等、水問題の解決に向けて積極的な国際協力を進めているということでございます。
 御指摘の六月のエビアン・サミットでございますが、これは議長国でおりますフランスが極めて強い関心を有しているということでございまして、また我が方も、水問題に対するこれまでの取組を踏まえまして、この問題について積極的に取り上げていくべきであるということで、この水問題も主要議題の一つになるという見通しを持っております。
 我が国としましては、これまでの積極的な取組を踏まえまして、これまでサミット議長国であるフランスと緊密に協力しながら準備の議論を行ってきております。今般の日仏首脳会談、総理の訪欧におきましても、サミットにおいては水問題について協力していこうということが合意をしたということでございまして、来るエビアンにおきましても、この問題の取組の重要性について発信をしてまいりたいというふうに考えております。
#138
○山口那津男君 次に、農林水産省にお伺いいたします。
 この食品の供給行程、特に生産の過程から安全に配慮していこうと、こういう本から考えようという趣旨が盛り込まれているわけであります。本法の二十四条一項九号には、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律が引用されておりまして、それの政令の一つとして、「(農用地の土壌に含まれることに起因して人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産されるおそれがある物質を定めるものに限る。)」、こういう政令が引用され、その制定、改廃に委員会が発言できると、こういう趣旨の規定があるわけですね。
 ところで、この農用地ばかりでなく、水産品については海洋が言わば生産の場になるわけであります。しかし、この海洋について、言わばこの二十四条一項九号と同趣旨のような法律は何ら引用されておりません。恐らくこういう法律は存在しないんだろうと思います。
 考えてみれば、海洋でありますから我が国の主権が及ばないところもあるわけであります。公海はもちろんそうであります。しかし、水産資源というものは公海、沿岸、領海を問わず回遊その他移動するわけでありまして、この農用地に関する法律の趣旨から考えれば、海洋についてもやはり同様の考え方は及ぼしていく必要があるだろうと思います。
 ところで、海洋の規制については主に国土交通省が所管として様々な制度を運用してまいりました。しかし、このたび本法ができ上がるに当たりましては、やっぱり食品の安全、そして水産物の生産の場である海洋というものに注目をして、その点からやっぱり農水省の側から、この海洋の言わば水質といいますか安全な食品の生産、これについての発言、これをしていくべきだろうと思うんですね。また、必要であれば外務省あるいは国際機関等に働き掛ける。これを農水省の側から発信をしていかなければどこも、この水産資源の大量消費国であります我が国以外にどこも発言していく国はないと思います。
 そういう意味での国際的なイニシアチブを是非取るべきだと、こう考えるわけでありますが、農水省、お答えいただきたいと思います。
#139
○政府参考人(川口恭一君) ただいま委員御指摘のとおり、食品としての水産物の安全性の確保となりますと、水産物の生産の場でございます海洋の汚染を防止するということが極めて重要であるというふうに認識をしております。
 このために、農林水産省としましても、海洋における油ですとかあるいはその廃棄物、あるいは化学物質等の実態ですとか、これが生物資源に与える影響を調査するということとともに、良好な漁場を保全し創造するための対策というものを講じておりますほか、海洋環境保全を目的として漁業者等が行います漁民の森づくりといったような活動や海浜清掃の活動を支援しているというところでございます。
 また、海洋は国を超えてつながるものでありますし、どの国の管理にも属さない言わば公海もあるばかりか、海洋の生物資源は広範囲に回遊する資源もございまして、海洋環境の保全には国際的な取組が重要でございます。
 そういう中で、農林水産省としましても、関係省庁と協力連携をしながら、例えばMARPOL条約、船舶による汚染の防止のための条約でございますが、そういうもの、あるいは廃棄物等の投棄による海洋汚染防止に関する条約、ロンドン条約といいますが、こういうものですとか、あるいは油汚染の準備、対応に関する国際条約、OPRC条約といいますが、こういった関連の国際条約、あるいは関連の国内法の適切な実施、運用に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも安全な水産物を生産できる海洋を確保するという観点で、申し上げましたような取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#140
○山口那津男君 厚生労働省に伺います。
 SARSについて、この言わば有効な治療法とかあるいは感染経路とかというものは必ずしも正確にはまだ解明されていない部分があると承知しております。一方、BSE問題の教訓に照らしますと、正確な知識がむしろない人、私のような一般の国民が風評その他、不正確な憶測で物事を混乱させる、こういう場合もあるわけであります。
 このSARSについて飛沫感染するなんという報道もあったくらいでありまして、言わば感染国あるいは死者の出ている感染国、こういう国々、地域から輸入される食品も多いわけでありまして、このSARSがそういう輸入、輸入食品を通じて感染するということはないのかどうか。これについて、ないというんであればその根拠を正確にお示しいただきたい。また、全く排除されないというんであればどのような対策を講じているのか、これを念のためお伺いしたいと思います。
#141
○政府参考人(遠藤明君) 重症急性呼吸器症候群、SARSにつきまして、WHOが本年三月二十四日に発表いたしましたQアンドAでは、現在判明している範囲では、感染した人との濃厚な接触で人から人へ病原体が伝播すると考えられており、感染した人の飛沫、体液に接触することが感染の重要な原因と見られている。今のところ患者の大部分は、SARS患者に医療行為を行った病院スタッフ、患者と接触のあった家族の人たちであると説明をしているところでございます。
 また、WHOが本年四月十一日に発表いたしましたWHO加盟国へのSARS伝播確認地域から到着する物品及び動物に関する情報によりますと、WHO、FAO、それからOIE、国際獣疫事務局は、SARSの伝播に関して受け取った報告を詳しく検討をした。本日までのところ、SARSの伝播確認地域から積み出された物品、製品、動物との接触が人のSARSの感染につながったという疫学的情報はない。このような理由から、WHOはSARS伝播確認地域からのどのような物品、製品、また動物との接触も、今のところ公衆衛生上の危害はないと考えていると発表をしているところでございます。
 このように、現在のところ、輸入食品を通じてSARSが感染する危険はないとされておりますので、SARS伝播確認地域からの輸入食品の検疫を強化する必要はないものと考えているところでございますけれども、今後ともSARSに関する情報収集を図り、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
#142
○山口那津男君 この委員会で保証してくださったんで一応は安心しますけれども、しかし、あらぬ不安が起きないように今後もよく注意していただきたいと思います。
 次に、農水政務官、いらっしゃっておりますので伺います。
 今回の法律を作るに当たって、産業振興の面とリスク管理、リスク評価、これが混然と一体となったところに問題を生じた一因がある、これはそれぞれ分離して考えるべきであると、こういう基本的な考え方で本法が作られていると思います。これはこれで適切な、妥当な方向性だとは思います。
 しかし、政策を有効に生かすためには、立法例としては、このリスク評価とリスク管理、これを合わせて強力な機関を作る、で、産業振興と分けると、こういう作り方をしている立法例も外国にはあるわけですね。我が国においては、このリスク評価の部分だけを独立、分離させたと。そして、リスク管理と産業振興というのは、従来の一つの役所の中で言わば組織内分離というような組立て方を今回お取りになられたと、こう思います。さあ、いずれの立法例がより効果があるか。これはやってみなきゃ分からないところもあるかもしれません。
 そこで、このリスク管理と産業振興を一つの役所、従来の役所の中にとどめたということに対する不徹底さ、批判をする人たちもいるわけですね。分離は確かにしたものの一つの役所内にとどめるということは、有効な面とまた不安な面と両方私はあるんじゃないかと思うんですね。ですから、そのいずれも、その長短いずれも、どの程度認識されているか、まず確認として伺っておきたいと思います。
#143
○大臣政務官(渡辺孝男君) 山口委員の御指摘のとおり、これまで農林水産省としましては産業振興とリスク管理を明確に分離せず実施してきた、そういうところで、御指摘のように、両者のチェック・アンド・バランスが十分に機能しなかった、そのような批判を受けたわけでございます。
 この批判を踏まえまして、消費者保護や食品の安全性の確保の観点から、産業振興部門から独立して消費者行政とリスク管理業務を一体的に行う消費安全局、仮称でございますが、これを創設し、リスク管理部門と産業振興部門の業務を明確に分担したというところであります。
 今後、この消費安全局と産業振興部との一定の緊張感を持ちまして、その下に消費者の、消費者や生活者の視点を忘れては生産、流通はあり得ない、そのような共通認識に立って、職員の意識改革を徹底しながら各般の施策を推進していくことができるようになるのではないかと、そのように考えております。これらの取組を通じて、安全な食品の安定的な供給の確保が確実になるものと考えております。
 もう一つ御指摘いただいた点でございますけれども、例えば生産過程におけるリスク管理部門が引き続き農林水産省内に残ることの意義といいますか、そういうものに関しましては、私どもの考えを申し上げますと、食品の安全性の確保は、農林水産省の生産から食品の販売に至るまで各段階で適切な対策が執り行われなければ確保できないと、そのように考えておりまして、そういう意味で食糧の安定供給の確保の観点からは、例えば生産資材の安全性の確保など農林水産物の生産過程における安全性を確保する役割、こういうものを今まで担ってまいりました。
 そのほかにも、例えばトレーサビリティー等による生産から販売に至る農林水産物や食品、飲食料品の消費者への情報の伝達、そういうものも重要な役割だというふうに考えておりまして、こういうものを担うためには例えば生産過程における安全性の確保のための規制等がありますけれども、こういうものに関しましては、やはり農学あるいは獣医学等の農林水産物の生産にかかわるそういう現場の知見というものをどうしても必要とすると。
 もう一つの点では、トレーサビリティー等の生産から販売に至る情報の伝達は、農林水産物や飲食料品の生産、流通、消費までの一貫した対策を行う必要があると。
 そういう意味で、知見が必要だということと一貫した対策が必要だということの理由で、引き続き農林水産施策の一部としてこれを行うことが合理的であると、そのように考えたわけでございます。
 ただし、省内において、もちろん消費者保護を第一に行うリスク管理業務と産業振興の部門は明確に分離していくことが必要だと、そういう認識でこのような改革を行う予定でございます。
#144
○山口那津男君 例えば工業品の中でメッキ産業という分野がありますけれども、このメッキというのは、日本においては高い技術を持ちまして、都区市部で伝統的に立地してきた産業であります。経済産業省はこの産業振興という面を担っているわけでありますが、同時にこの水質の、排水に関係して水質の基準を設けるとか、あるいは排水の規制をするとか、こういう一種のリスク管理的な行政も必要なわけですね。これは、環境省と経済産業省が分担しながらやっておるだろうと思います。
 いずれにしても大事なことは、この産業振興とリスク管理というのは密接な関係があるということでありまして、それを分離するということも大事でありますし、また相互の関係を考慮しながら緊張感を持って行っていくという総合性も大事だろうと思います。是非ともこの緊張感を忘れないで今後運用していただきたいというふうに思います。
 続きまして、文部科学省に伺います。
 この食の安全に対する、食品の安全性に対する消費者の参加というものが強く意識されるわけであります。しかし、その意識の高い消費者を育てるためにはやっぱり教育が重要だろうと思います。再三いろんな御質問なされているわけでありますが、この本年の予算、十五年度予算の中でこの食品の安全性に対する教育というものはどのような手だてが講じられているでしょうか。今度のこの予算に盛られているということはこの今審議している法律を前提にしない予算措置だろうと思います。この法律が成立をいたしまして、さあこの法律に基づいてこれから何をやろうかということは次に重要なことだろうと思います。この二点を分けて御答弁いただきたいと思います。
#145
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校教育におきます食に関する教育についてのお尋ねでございますけれども、子供たちの食生活を見ますと、朝御飯を食べてこない、あるいは好きなものだけを食べることによって偏った栄養摂取等の問題が出ておるわけでございまして、これまでも文部科学省といたしましてはいろんな取組を進めてきたわけでございますけれども、特に、昨年度から小学校の高学年用及び中学生用の食生活に関する学習のための教材並びに指導者用の参考資料を作成させていただいたところでございまして、今年度はこれに加えまして小学校低学年用の食生活学習教材を作成、配付することといたしまして、平成十五年度予算には約二億七千万円の予算を計上しておるところでございます。
 これに併せまして、学校給食の一層の安全性の確保を図るという観点から、本年度から食中毒の発生状況あるいは有害な食品添加物や食品破損による事故等に関します迅速かつ適切な情報の収集、提供体制を構築する、あるいは学校の給食用食品の購入時の選定、検収等の在り方など、安全安心な学校給食の実施に関する調査研究を行うこととしておるところでございます。
 後段にお尋ねのございました食品の安全性に関する教育でございますけれども、食品の安全性につきましては、これまた正に学校できちんと教えるということは子供たちが生涯にわたって健康で安全な食生活を送る上で非常に重要だと考えておるところでございまして、現在の学習指導要領におきましても、例えば中学校の技術・家庭科の家庭科の分野で、品質の、食品の品質を見分け、用途に応じて適切に選択できる、選択することができるように指導すること、あるいは高等学校の家庭科では、食生活の安全と衛生について理解させ、健康や安全に配慮した食生活の管理ができるように指導することとしておるところでございまして、今後、このただいま御審議を賜っております食品安全基本法の趣旨を踏まえまして、食品の安全性の確保に関する教育を充実する観点から、学校における食品の安全性に関する教育への取組が一層進むように各種施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
#146
○山口那津男君 最後に、大臣にお伺いいたします。
 衆議院の参考人質疑では、複数の参考人から、消費者からリスク評価を要請できる、そういう仕組みを作るべきであると、こういう御意見が出されました。しかし、この法律には消費者が直接このリスク評価を求める請求権なり要請権なりというものは規定されておりません。リスクコミュニケーションの重要性というものは一方でうたわれているわけであります。こういう消費者の声を言わばリスク評価の実務に生かすためにどのような本法の工夫がなされているか、またどのように運用していかれるおつもりか、この辺の大臣のお考えと御決意をお述べいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(谷垣禎一君) リスク評価に消費者からの、何ていうんですか、請求権といいますか、そういうものを認めるべきだという御意見は衆議院でもございました。この法案上は、食品安全委員会が自らリスク評価を行う場合は、関係大臣の諮問による場合か、あるいは委員会独自の判断によって行う場合もあると、こう決めているわけですが、その際、委員会独自の判断という場合に、その際消費者や関係事業者といった方からの意見が契機となるということも、これは十分にあり得ることだというふうに思っております。
 それで、そのためと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、そのために、委員会においてはリスク評価の事務に係る関係者相互間の情報及び意見の交換、つまりリスクコミュニケーションですが、これを企画し実施することによって消費者や生産者等の幅広い国民の間の意見を吸い上げようと、こういうことになっているわけでありまして、具体的には、ホームページ等を活用して広く意見を言っていただくとか、あるいは総合的なリスク管理機関と共同したリスクコミュニケーションをやって、意見交換会などで幅広く意見を吸い上げるというようなことが想定されるわけでありますが、そのほかに消費者相談等の既存のネットワークも活用して消費者から提供された情報を集める。それから、委員会で独自に設置する食品安全モニターを通じて情報を収集するといったことも考えているわけであります。
 こういうことを通じて得られた消費者からの情報も踏まえて、一体どういうスケジュールといいますか計画でリスク評価を行っていくか、これは午前中の御答弁でも申し上げましたが、実際聞きますと、大変な量の数のリスク評価をせよという御要請が現在でもあるようでありまして、どういう順序でそれをやっていくかというのは、極めてこの食品安全委員会が適切に行動し得るかどうか重要だと思うんですね。
 それで、この企画専門調査会でそのスケジュールを立てるわけでありますが、消費者の意見を十分に勘案してやっていくというのみならず、ここの専門、企画専門調査会には消費者の声を代表する方も入っていただいて、こういう計画を立てていただこうというふうに考えております。
#148
○山口那津男君 終わります。
#149
○岩佐恵美君 日本共産党の岩佐恵美です。
 本会議質問に続きまして本委員会で質問させていただきたいと思います。
 まず、本会議では、予防原則について大臣は、予防原則の言葉は用いていないが悪影響の未然防止という考え方は適切に位置付けている、そう答えられました。
 実際には、ところが、アメリカなど食糧輸出国や、あるいは食品業界などは、危険性が科学的に証明されていないものは規制すべきではないとして予防原則の考え方に抵抗する、あるいは反対をするという状況にあります。悪影響を未然に防止をするために、私は、外国の、例えば外国のデータをうのみにするのではなくて安全性が未確認のものは認めない、そういう立場でリスク評価を行うべきだと思いますが、その点、大臣、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員がおっしゃった安全性が未確認のものの取扱いですが、この法案では、リスク評価を行うことができないときや、あるいは評価結果では健康への影響が不明な場合であっても、健康への悪影響を防ぐために国民の食生活の状況その他の事情を考慮して施策が策定されるという旨規定しているわけですね。もちろん、いわゆるリスク評価を経ずにやるためには、緊急性なりその他の要件が必要でございますけれども、今おっしゃった問題はこの規定に基づいて判断されるべきことではないかというふうに考えております。
 予防原則という言葉は、これは非常に流布した言葉に今なっておりますが、必ずしも国際的に定まった概念があるわけではなく、法案にもそういうことは使ってないわけでありますが、例えばEUの食品規則に定められました予防原則では、健康へ有害である可能性が特定されているが科学的に確証が得られないような状況において健康保護を保障するための暫定的なリスク管理対策を取ることができると、こういう規定のしぶりになっておりまして、使用禁止措置等を必ずしも直ちに義務付けるものではないという形にEUでもなっているというふうに理解しております。
#151
○岩佐恵美君 次に、子供への配慮なんですけれども、一日摂取許容量について、大臣は十分な安全率を見込んで設定されているというお答えをされたわけですけれども、現実にはそうなっていないことがありました。
 例えば、カステラ、うどん、アイスクリーム、ギョーザの皮などに使用されている食品添加物、保存料のプロピレングリコールというものですけれども、使用基準が二万ppm、つまり二%という大変食品添加物としては異常な数値の高いものだったわけですけれども、このADIを決めるときに、子供の場合、食べ合わせによって一日摂取許容量を超えるということが分かりまして、それで大問題となったわけです。
 私は、子供の場合、量だけではないと思います。例えば、環境ホルモン等で指摘をされていますが、化学物質等の質の問題もあります。それから、幼児期の、大変年齢が低い時期に影響を受ける、暴露されるとそれだけの深刻な影響を及ぼすというような、そういう特殊性があるというふうに思っています。
 アメリカでは、農薬の子供への影響に関する報告があって、子供に配慮する条項が法律に盛り込まれたというふうに聞いています。日本のリスク評価でも子供に配慮をするということが取られるべきだと思いますけれども、その点、伺いたいと思います。
#152
○国務大臣(谷垣禎一君) 一日摂取許容量、いわゆるADIでございますけれども、これは十分な安全率を見込んで設定されているというふうに考えておりまして、そういう意味で、食品健康影響評価でも、今おっしゃった子供たちに関する安全性も含めてこれは評価が行われるものというふうに考えております。
 こんなこと申し上げるまでもありませんけれども、ADIは、認められるような健康上のリスクを伴わずに人が生涯にわたって毎日摂取することができる、体重一キログラム当たりどれぐらい取ればよいかと、こういう量として示されるわけですが、仮に摂取量が一時期でもそれを超えたとしても直ちに悪影響が発生するという値ではない、その意味で極めて厳格に設定されているというふうに考えております。
 それで、万が一、日本人の食生活が大きく変化して、食べ合わせなどによってADIを超えるといった事例が多く発生するというようなことが、仮にそういう事態があったとしますと、まずリスク管理機関が対応することになるわけですが、食品安全委員会としては、そういうリスク管理の実施状況を監視しておりまして、必要と認めるときは勧告等、認められた手段を行って状況を是正されるよう行動していくということになると思います。
#153
○岩佐恵美君 私は、一般論としてのADIを言っているのではなくて、子供に対して、より慎重に対応すべきであるということを申し上げているんですね。
 それで、子供についてちゃんと配慮してADIを決めている、ADIは安全の範囲内で決められているんだからという本会議での答弁があったものですから、今、具体的に私はプロピレングリコールという、これは食品添加物の中では大変特異なものなんですね。二%という、二万ppmというのはもうないんですよね、普通は。一ppmとか一〇〇ppmとか、一〇〇でも多いぐらいですけれども、それが二万ですから、多過ぎるわけですね。
 これが設定されるときに、実は東京都が、カステラとかうどんとか子供たちが好むような食料品、食品について見てみると、ADIを大人を基準にして決めていますから簡単に超えてしまうというような指摘があって、それで社会的にも非常に大きな問題になり、これが食品添加物の全面表示のきっかけになった事件でもあったわけですけれども、いずれにしろ、そういうことがありましたということを今、大臣に申し上げているわけです。
 それで、最近ではそういう二万ppmといういわゆる多量の食品添加物、量ということだけではなくて、例えば環境ホルモン物質だとか化学物質について、子供については一九九七年のマイアミ会議、いわゆる環境大臣G8、環境八大臣の会議がありまして、マイアミで、そこでは、子供たちには特別な配慮をして、それで安全対策を取らなければいけないということが決められているんですよね。だから、そういう点で、しつこいようですけれども、子供にきちっと配慮をしたそういうリスク評価を行うべきではありませんかということで申し上げているのです。
 大臣、再度、子供の問題に限って、やっぱりリスク評価をする際に、非常にセンシティブなわけですから、子供の場合には、感受性高いわけですから、そういう子供に配慮をしたリスク評価をする、あるいはリスク管理をしていくということで考えていただきたいというふうに思うんですが、その点、いかがですか。
#154
○国務大臣(谷垣禎一君) プロピレングリコールに触れて問いがありまして、私、委員がこの問題に非常に関心を持っておられると事前に聞いたものですから若干その間の事情も聞いてみたわけですが、私の認識は、体重一キログラム当たりADI、二十五ミリグラムだと、こういうことで、平成十一年度の食品添加物の一日摂取量の総点検調査では、一歳から六歳のプロピレングリコールの摂取量はADIの一・八%であったというふうに聞いております。
 もちろん私も、これから更にいろいろまたこういう知見も進んでいくでしょうから、何というんでしょうか、アンテナは張っておりたいと、こういうふうに思っております。
#155
○岩佐恵美君 ちょっとそのプロピレングリコールだけで終わりたくないのですけれども、これは東京都が、例えばカステラを何グラム、うどんを何グラム、極端な例ですけれども、そういうものを食べ合わせることはあり得るわけですよね、家庭の状況によっては。それで計算をするとADIを超えるということがあるということで、国会の論議でもそのことが問題になって、その後の対応というのがされてきているというふうに私は理解をしているわけですけれども、いずれにしても、そういう警告がないと、東京都の警告がなければ私たちは知らないでそのまま過ごしてしまうということがあったわけですから、子供についてはきちっと、そういうものを決める際により慎重であってほしいということを言っているわけです。
 役所とすれば、食べ合わせというのは一日三十食食べるということになればそのものは非常に少なくなりますよね。カステラだとかうどんだとかというのはうんと割合が少なくなる。そうすると、二万ppm入っていたって、それは全体の一日の摂取量からいえば非常に少なくなるということがあるわけですね。
 ところが、子供によっては一日にたくさんカステラ食べたり、たくさんうどん食べたりという場合だってあり得るわけですね。だから、そういう極端なケースじゃなくて、東京都はこういうケースでは超えますよという警鐘乱打をされてこの問題が非常に大きな社会的な問題になったということですから、それ以上ちょっとこの問題で議論していくと先に進みませんので行きますけれども、是非子供に対する対応はしていただきたいと思います。
 厚生労働省に伺いたいんですが、天然添加物について安全審査をしないで四百八十九品目の使用を認めて、問題のあるおそれがある百三十九品目については五年間で後追い的に毒性評価をすると約束をしましたけれども、七年たっても十四品目しか評価をしていなかった。これはもう本会議でも言ったわけですが、残り百二十五品目の天然添加物の見直し作業を加速する、そういう大臣答弁がありました。いつまでに、どのレベルの安全の点検を完了するのか、教えていただきたいと思います。
#156
○大臣政務官(渡辺具能君) 食品添加物につきましては、平成七年の食品衛生法改正によりまして、指定制度の対象を従来の化学的合成品からいわゆる天然添加物まで拡大しました。
 当時使用されていたのは、委員御指摘のとおり、四百八十九品目の天然添加物につきましては、長い使用経験があるということ、かつ健康被害の報告がない、これまでないということから、経過措置として引き続き流通を認めておったところでございます。そして、これらの添加物につきましては、改正の平成八年以降、逐次安全性の見直しを実施してきております。
 今後、更に情報の収集が必要と考えられるものは、委員御指摘のとおり、百二十五品目ですね、残っているわけでございます。天然添加物の安全性の見直しにつきましては、変異原性試験、それから九十日の反復投与試験等の毒性試験の実施や専門家による解析が必要でございます。具体的には、平成十四年度は、残っております百二十五品目のうち、五十品目については変異原性試験、それから十七品目については九十日反復投与試験等を実施、既にしたところでございます。さらに、十五年度は、対前年比四・六倍増の予算、七億円になるんですが、こういった予算の拡大を図りまして、これを用いて更に毒性試験を実施し、安全評価の作業を加速してまいりたいというふうに思っております。
 何年までということは、これからの予算のこともありますのでなかなかはっきり申し上げられませんが、安全評価の作業はとにかく特段のスピードアップをしていきたいというふうに考えております。
#157
○岩佐恵美君 何年までかというのをはっきりちょっと示していただきたいと思うんですね。
 最近、こうじ酸という天然添加物、これについて有害であるということが明らかになって、天然添加物リストから除外するという方針を決めたと聞いています。安全性が未確認のものというのは有害、だから有害の可能性があるんですよね。だから、百三十九決めて今百二十五残っているわけですよね。それをいつまで終わるか分からないというんじゃ、これはもう国民の方は不安で仕方がないわけですから、やはり私は、そうであるならばなおさらのこと、いつまでに安全性のテストが終わるか分かりませんけれども、その間は、百二十五についてはとにかく、スクリーニングテストが終わったものぐらいは、どうなのか知りませんけれども、そこら辺、どこで線を引くのか分かりませんけれども、とにかく安全性が確認されたものから使用する、それが筋なんじゃないですか。
#158
○大臣政務官(渡辺具能君) 今現在のところ、四百八十九あったもののうち百二十五までは、一生懸命やりまして百二十五までに来たと。委員から見ればまだ百二十五残っておるということでありますけれども、評価をやってきたわけでございます。
 今のところ、これまでやってきた安全性の実施の中で、特に安全につき問題が見いだされたものは今のところないわけでございます。ただ、今後も見直し作業は先ほど申し上げましたように続けるわけでございます。したがって、万一そういう中で人の健康を損なうというふうなことが認められることが判明しました場合には、審議会の意見を聞きまして、それを即刻禁止できるように、今後も、今度の食品衛生法の改正でも規定を設けておりますので、とにかく早く見直しの作業をいたしますけれども、どうか御理解をいただきたいというふうに思います。
#159
○岩佐恵美君 大臣、ちょっと聞いていただきたいと思うんですけれども、とにかく安全を確認しますということで、百三十九品目ですね、九五年のその法改正のときに、食品衛生法の改正のときに危ないと思われるもの百三十九をリストアップして、それは五年以内ぐらいにやりましょうということだったんですねと聞いてみたら、まだ遅々として進んでいない。質問すると、加速します。加速するといったってどう加速するんですかと言うと、期限もはっきりしないということで、その中で、検査が終わったものの中でやっぱり危なかったよと。こうじ酸なんというのは、ちょっと危ないと思えないような名前ですよね。そういうものが危なかったということですから、やはりこういう厚生労働、旧厚生省の行政、現在で言えば厚生労働行政の下に私たち置かれているものですから、国民の食の安全への不安というのは非常に高いんだと。
 プロピレングリコールのときもそうなんですよね。厚生労働省はこれでいいんだと言ったって、東京都が、そうではないでしょう、子供にはこういうふうに影響出るでしょうというふうな調査をして、そういうことが問題になっていくわけですね。
 ですから、リスク、これから評価をするという仕事になるわけですから、そこのところは十分、原局がこう言うからそれでいいんだということでうのみにしないで、ちゃんと対応していただきたいというふうに思うんです。
 後でまとめて御感想なりでお答えいただきたいと思います。
 次に、厚生労働大臣が、残留農薬のポジティブリスト制の実施について、暫定的に国際基準等を参考にして基準を決めて、安全性のデータを収集して必要に応じて見直していく、そういう答弁をされました。
 残留農薬の暫定基準というのは何品目ぐらいを考えておられるんでしょうか。それから、見直しはいつまでにどのように行うのでしょうか。
 その際、基準値の決め方、これは輸出側ではなくて、輸出者側ではなくて私は食べる側に立って厳しく決めるべきだということを申し上げておりましたけれども、その点について併せてお答えをいただきたいと思います。いいですか。
#160
○大臣政務官(渡辺具能君) 残留農薬の暫定基準の問題であります。
 食品衛生法に基づく農薬の残留基準につきましては、農薬の摂取量が一生にわたって安全な範囲に収まるように、国民の食生活の実態を踏まえまして科学的見地から基準を設定することを原則としております。
 現在、国内外で使用されているものの約七百農薬のうち、残留基準が定められているものは二百二十九、二百三十、約二百三十でございます。これから残りの、さっきの質問、幾ら残っているかというお話がありましたが、四百何十ということに、四百七十ですが、すべてこれ全部決めるかどうか分かりませんので、四百七十を目標としてやるわけでございます。
 国民の健康の保護を第一に考えて、早期の基準設定と、基準が未設定のものを原則禁止するといういわゆるポジティブリスト制を今回導入することとしております。
 その際の残留基準の設定につきましては、これは早くやるんですが、その設定につきましては、現在の状況は迅速かつ円滑な施行に対して強い要望があるということ、それから残留農薬のリスク分析には、資料の収集、分析、評価等に多大な労力が要るわけでございます。
 こういうことを背景にいたしまして、農薬の国内での使用状況や国際的な基準を参考にいたしまして、基準が決まるまでの間は暫定的な基準を設定することが不可欠であるというふうに考えております。
#161
○岩佐恵美君 だから国際的な基準に沿って決めていく、それで本当にいいんでしょうかというのが一つ問題があるわけですよね。
 それから、ポジティブリスト制にするというのは、これは私どももそうした方がいいという主張でしたからそれは良かったというふうに思っているんですけれども、じゃポジティブリストにするから基準はざっととにかく外国、国際基準があるんだからそれに合わせて緩いのをばっと一杯決めちゃうよと、一挙に決めちゃうよというやり方で本当にいいのかどうかというのがありますよね。本当にいいのかどうかというよりも、そういうこと、やり方は、ラフなやり方はしていただきたくないというのがあります。
 それからもう一つ、基準が未設定のものについて、ポジティブリスト制というのは今言われたように当然禁止となるわけですよね。
 その際に、ただ、そうは言っても、政府は残留農薬基準が定められていないものについて一定の限度を設けて、その限度内だったらいいですよという考え方を取るということですよね。そうすると、一定の限度というのはどこに決めるかというのはまた問題になってくるわけです。一定の限度を高いところへ持っていけば、これはもうどんどんと農薬汚染のものが入ってきかねない状況が生まれるわけですね。その点についてはどうなんですか。
#162
○大臣政務官(渡辺具能君) 少し話が混雑するところがあるんですが、暫定的な基準については、基準が設定される前に暫定的な基準を設定することにいたしておりまして、これは、先ほど申し上げましたように、国際基準だとかあるいはほかの法律の基準なんかを参考にいたしまして決めまして、そしてこの暫定基準を決めた後はちゃんとした基準を決めていくということになるわけであります。
 この基準を決めるについての考え方でありますが、環境経由等による意図的でない残留が想定されていることも踏まえまして、人の健康を損なうおそれのない量として一定の値を定めた上で、この値を超えるものを禁止すると、こういうことになるわけでございます。
 この具体的な数値につきましては、これまで評価した農薬の許容一日摂取量、いわゆるADI等を踏まえ、我が国の食品摂取の実態を勘案して、ポジティブリスト制を採用している欧米諸国における取扱い等も参考にしながら、審議会の意見もまたここで聞いて検討することといたしております。
 厚生労働省としては、そういう視点で国民の健康の保護に支障がないように適切な値を設定していきたいというふうに考えております。
#163
○岩佐恵美君 大臣、今答弁がありましたけれども、私は、そのポジティブリスト制にして、そして、じゃ基準をどこに持っていくのかということについて、日本の食生活を基準にすべきだと思うんですね。外国の基準に合わせて緩いものを決めていってほしくない。それはもう国民のみんなの願いなわけですよね。
 それから、今聞いていても、答弁を伺っていてもよく分からないのは、一定の基準以下のものについては、これはそのまま、基準値が決まっていないものについてそのまま見逃すことになるわけですから、その基準をどこに決めるかというのも、これも非常に重要な課題になってくるわけですね。
 ですから、ADI、ADIと言いますけれども、ADIで、今までもADI論争というのがありまして、とにかくどこに基準を置くのか、何十種類一日食べるのか、どういう食生活をするのか、どこのものを食べるのかということによって全然違ってくるんですね。だから、リスクというのはやっぱり最小限に抑えていくという対応が求められてくるというふうに思います。
 その点、ちょっと併せて大臣にお答えをいただきたいというふうに思うんですが。
 もう一問、今日ちょっと一杯伺おうと思っていたんですけれども、ちょっとプロピレングリコールで引っ掛かっちゃって先に行かなくなっちゃったんですけれども、先ほどから伺っていて、一つだけどうしても伺っておきたいことがあります。
 それは、リスクのない食品はない。おそばのことを例に挙げられて言われました、アレルギーということです。だからこそリスク管理が重要だし、リスクコミュニケーションが強調されると。
 私は、リスクコミュニケーションというのは、一つの形態として表示があるというふうに思っているんですね。先ほど大臣、従来の知見で分からないものということで遺伝子組換え食品を挙げられました。遺伝子組換え食品についてかなり表示が進んではきているんですけれども、日本では、例えば油だとかそういうものは表示はされていないわけですね。非常にまだ限られて、表示が限られているわけですね。
 先日の本会議では坂口大臣は、食品にどのような原材料が使用されているかなど必要な情報を消費者に伝えることは大変大事なことだということで答弁されているわけですけれども、実際はそうはなっていない、遺伝子組換え食品については。
 私は、表示というのは、安全論争は別にして、遺伝子組換え食品について危ないと考えている人もいる、危なくないというふうに考えている人もいる。その安全のところが、例えばスターリンクみたいにはっきりしているものは別ですけれども、はっきりしていないものでも虫が食べたらころっと死ぬような害虫抵抗性のものなんか私は食べたくないという人はいるわけですよね。そういう、危なくないからいいんだ、表示しなくてもいいんだ、残らないんだからいいんだということで済まされる問題ではないだろうというふうに思うんですね。
 ですから、表示については消費者の知る権利としての表示、これをきちんと位置付けていくべきだ。やはりリスクコミュニケーションということで言われるならば、その表示のことはきちっと対応していただきたいというふうに思います。
 もう時間がありませんので、大臣、まとめて、先ほどの厚労省とのやりとりを聞いていただいての御感想と、そして表示の問題についてお答えいただきたいと思います。
#164
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、なかなかリスク評価も進まないじゃないかというおしかりもあったように思うんですが、今の食を取り巻く状況が非常に変わってきておりますので、今までのようにだれが作ってどういうものだというのはすぐ分からないような状況になっているというのは根本にありますから、これも危ないと思うと、それは人によって数限りなくこれも調べろ、あれも調べろというのがあると思います。
 したがって、どういう順序でどういうスケジュールを立ててやっていくかというのは食品安全委員会で基本的に私は大事なことだと思います。これで先ほどからも何度も御答弁をしておりますが、消費者の声も聞きながら、それで、それを作る専門調査委員会では消費者の代表にも入っていただいて、きちっとこういう形でスケジュールを立ててやっていきますよというのを明らかにするということが大事なことだと思っております。
 それから、国民の食生活の現状をよく見て判断せよという御意見もございました。
 これも、法案の何条だったか今忘れましたけれども、国民の食生活の状況ということを見ていろいろ判断しろということも入れてございます。
 それから、遺伝子の組換え食品について、食品の表示の重要性というのがあるではないかということでありますが、この法案でも、表示制度の適切な運用と、その他情報を正確に伝達するために必要な措置を講じなければならないとしておりまして、それでまたもう一つ、遺伝子組換え食品については平成十三年の四月から食品衛生法に基づきまして安全性審査が義務化されて、そしてこれを用いた食品については表示が義務化されたということがございますので、こういった制度のやはり適切な運用というものが必要ではないかというふうに思っております。
#165
○岩佐恵美君 終わりますけれども、済みません、終わりますけれども、遺伝子組換え食品だけではなくて、要するに消費者の知る権利としての表示制度の在り方、そのこともしっかりと見ていってほしいということを要望しておきたいと思います。
#166
○吉川春子君 共産党の吉川春子です。
 まず最初に、飼料製造管理技術緊急調査報告書について、農水省にお伺いいたします。
 BSE問題の対応の反省から食品安全委員会が設置されようとしているときに、農水省の対応によってまたまた国民の食の不信が高まるような事実が明らかになりました。昨日付けの信濃毎日新聞によりますと、一九九一年当時、ブロイラーについて抗生物質は成長促進に効果ないとの試験機関の実験結果報告が未公開のままで死蔵されていました。食肉を通して抗生物質が人体に蓄積する可能性も指摘されているときに、無用な抗生物質を十年以上も摂取させられていたということにもなりかねず、農水省は製薬会社の金もうけに加担していた共犯者だという厳しい指摘も新聞に載っていました。
 なぜこの報告書は公表されずに抗生物質の投与が放置されていたのでしょうか。伺います。
#167
○政府参考人(須賀田菊仁君) 昨日の報道でございます。内容が二つ報道されておりまして、先生今言われましたように、一つは、効果がないのに放置していたんではないかということ、二つ目が、公表していなかったんではないかということでございます。
 飼料添加物の試験でございます。これは二つの試験がございまして、一つが残留性等の安全性に係る試験、もう一つが効果性に係る試験でございまして、その試験のデータをもちまして、当時、農業資材審議会、ここへかけまして、飼料添加物の指定をするなり取消しをするなりという一連の行動を取っていたわけでございます。
 この報道されました試験は、この二つの試験のうちの安全性、食肉の安全性でございますけれども、この残留等の安全性に係る試験を社団法人に委託調査をしておりまして、その残留性の試験を添加物を与えた豚とそうでない豚とを比較対照するわけでございます。飼料効率が一方が悪いと試験になりませんので、同じように、与えた豚と与えていない豚と同じような体重であったと、試験は有効に成立したと、それで残留性等のデータを得たということでございまして、その前提になる体重に差がなかったという部分をとらえられまして効果がなかったんじゃないかというふうに報道されましたけれども、この試験は残留性の試験でございまして、効果の試験はまた別途行いまして、それはちゃんと後に確認をしているということでございます。
 そして、公表したかしなかったかの問題でございまして、当時、農業資材審議会、このデータをおかけいたします農業資材審議会が非公開ということでございましたので、そのデータは公開扱いをしていなかったわけでございますけれども、別に秘匿をするという意図ではなくて、問い合わせがあれば提供していたという扱いになっていたものでございます。
#168
○吉川春子君 ここには、無添加区と被験物質添加区との間に差異は認められなかったと、この報告書にはなっております。そして、公開はしていなかったわけですね。こういう重要な報告書について、聞かれれば答えるよという姿勢では、国民はどういう実験がされてどういうデータが出ているかということは分からないわけですから、これは秘匿を故意にしていたんじゃないよと言っても、国民からすれば秘匿していたということと同じではないでしょうか。
 それで、まず谷垣大臣、最初の質問ですが、こういう今度は、抗生物質のリスク効果、リスク評価について食品安全委員会の任務になると思いますけれども、この法律が施行されればこうした問題は発生しなくなって、調査結果はことごとく公表されるんでしょうか。その点についてまず伺います。
#169
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品安全委員会は原則として公開するということにいたしておりまして、傍聴その他も認める。ただ、もちろん、個人の要するに事業上の秘密に関すること等、これは情報公開法でいろいろ今まで議論もあったところでございますが、そういうものにのっとってオープンにしない方がよいとされているものはこれはいたしませんけれども、原則として公開をしていくということでやっておりますし、またそのためのいろいろな規定も作りまして、委員会だけではなくて、その委員会の下にある専門調査会等の議論も原則公表していくという予定にしております。
#170
○吉川春子君 農水省、聞かれれば答えたということではなくて、どういう未公開のデータ、保有のファイルがあるのか、そういうことも全面的に公開していきませんと国民はアクセスできないんじゃないでしょうか。そういうものについて是非全面的にファイルを明らかにしてもらいたいと思いますが、どうですか。
#171
○政府参考人(須賀田菊仁君) 実は、一九九一年当時は今のようなホームページだとかそういうのもございませんでしたし、それから先ほど申し上げましたように審議会自体が非公開という扱いでございましたので、問い合わせに応じて見せるという扱いを取らざるを得なかったわけでございます。
 この種の安全性あるいは効果の試験は、年々社団法人等に委託して報告書をいただいておりますので、今後はきっちり公表をしていきたいというふうに考えております。
#172
○吉川春子君 今後はでなくて、今持っているファイルを公表してほしいということです。どうですか。
#173
○政府参考人(須賀田菊仁君) そのように扱わさせていただきたいと思います。
#174
○吉川春子君 食品安全委員会について谷垣大臣は、参議院の本会議で、食品安全委員会は食の安全を確立するという所期の目標を達成するために設立されている、設立されたと、このように答弁されていますし、衆議院の内閣委員会の参考人質問で日和佐参考人は、単なるリスク評価を行うだけの委員会ではないんだと、総合的な食品安全行政をどのように行っていくかという、総合的なことについても検討する委員会であると、このように述べておりまして、大変食の安全ということについては重要な役割を担っているわけです。
 食品安全委員会は、各省が行ってきたリスク評価を今後は一手に引き受けて、内閣総理大臣に意見を述べたり、各大臣への勧告、関係者相互の情報及び意見交換、そういうことを行っていくわけですけれども、二十四条では、関係各大臣は委員会の意見を聴かなければならないとして、食品衛生法、農薬取締法、肥料取締法、家畜伝染予防法、あとは省略しますけれども、そういう法令で定める場合を挙げているわけですね。
 これまでここで扱ってきた許可件数といいますか、リスク評価件数といいますか、それを数字として報告してください。
#175
○政府参考人(遠藤明君) 食品衛生法に基づき厚生労働大臣がこれまでに定めました基準又は規格は、食品添加物の指定三百四十物質、残留農薬基準の設定二百二十九物質、残留動物用医薬品基準の設定二十六物質、食品等の成分規格等の設定二十三食品群、その他病畜等疾病の指定、器具、容器包装の規格基準の設定などを行ってきたところでございます。
 このような基準、規格につきましては、必要に応じ新たな設定あるいは見直しを行ってきており、過去五年間に限りますと、食品添加物十物質、残留農薬基準百十七物質、残留動物用医薬品基準十五物質、食品等の成分規格等五食品群、器具、容器包装の規格基準一種類などの基準、規格等の設定見直しを行ってきたところでございます。
#176
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林水産省関係、過去五年間申し上げますと、まず農薬取締法の特定農薬の指定、これは昨年の法律改正でございますので三件でございます。肥料取締法の公定規格の改廃、これが六件でございます。家畜伝染病予防法の届出伝染病の指定が一件でございます。飼料安全法が、飼料添加物の指定が十二件、規格基準の改廃が十三件、動物用医薬品関係では、動物用医薬品の承認が五百十八件、再評価が七件、再審査が百八十四件、使用基準の改廃が十件、合わせまして七百五十四件でございます。
#177
○吉川春子君 審議会の数とか個々の名前はちょっと省略しますけれども、膨大な事務処理を行ってきたことは事実ですよね、今報告された数字だけ見て。
 それで、安全委員会は七人体制で、常勤は四名で行います。そして、必要的に意見を求めてこられる場合のほかにも、各大臣は食の安全確保のために必要に応じて委員会の意見を求めることになっています。こうした各省から求められるリスク評価を行うことだけを考えても、書類審査だけ行うのでも精一杯ではないか、独自の判断を行うための調査研究などということは到底できないのではないか、この体制では。だから、任務の重大性に比べてこの体制の非常に脆弱性というものをこの数は印象付けているんですけれども、大臣、この点についてはどのように乗り切っていかれるんですか。
#178
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品安全行政に関する組織の立て方というのは、国によっていろんな立て方がございますので、よその国と比較しながら議論をするというのはなかなか難しい面もあるわけですが、我が国の場合には、この法案に規定しておりますように、リスク評価とリスク管理を分ける。食品安全委員会はその中で主として、もちろん先ほどおっしゃったようにリスク評価だけをやるわけじゃありませんけれども、主たる任務はリスク評価ということになるわけでございます。
 それで、我が国の食品安全委員会、今、委員七人とおっしゃいました。それは事実そのとおりでございますが、そのほかに延べ二百名程度の専門委員に参加していただくと。それから、委員会事務局は、事務局長、次長、四課一官体制ということで五十四名を予定しておりますが、そのほかに技術参与二十五名という予定でございまして、この人数で、これはもちろん研究機関等外部の者を使ったりするわけでありますけれども、十分な活動を行えるのではないかと考えております。
#179
○吉川春子君 それでは、専門委員会の体制についてお伺いいたします。
 要するに、延べ二百人程度というふうにおっしゃいました。延べというのはどういうことでしょう。一人が二つ三つ兼ねるということになりますと、実数では百五十とか、それ以下か以上か分かりませんけれども、そういう可能性もあると思います。その実数と、それとその専門委員会のメンバーの勤務体系ですね。この人たちは正規の定数内の国家公務員ではないはずです。それから、臨時職員でもないはずですね。簡単な分かりやすい言い方を言えば、パート職員でもない、でもない。要するに、会議のときだけ出てきて二時間なりの会議に参加するだけというふうに私はそちら側からの説明で受け取ったんですけれども、この延べ二百人でやるから十分なんだという、おっしゃるその裏付けですね。どういう勤務体系でどういう給与で、給与じゃなくて謝金というふうにも聞いたんですけれども、その辺の具体的なイメージを示していただきたいと思います。
#180
○政府参考人(小川洋君) 専門調査委員、お尋ねでございます。技術的な話なものですからお答えさせていただきたいと思います。
 今、委員会が発足して以降、具体的な評価分野ごとにどういう専門家グループを立ち上げていくのか、あるいは実際に評価をするごとに、するたびに立ち上げていくわけでございますが、今あらあら考えておりますのは、化学物質系あるいは生物系あるいは新食品、そういった大きな分野、今現在のところニーズがありそうなところは十三分野ぐらい今考えてございますけれども、その分野につきまして実際の評価をすることになりました場合に、その評価に必要な学識経験、専門家の方々を日ごろから登録ないしはリストアップさせていただきまして、その評価をするたびに参加いただく、参集いただくと。それぞれ会議だけ、今、先生は会議の出席二、三時間とおっしゃいましたけれども、その会議御出席いただくと同時に、いろんなデータとかそれぞれ持ち帰って頭の体操をいろいろされてこられるわけでございますが、そういった形で、例えば農薬とかそういった分野で、専門調査会の場合は、化学とかあるいは催奇形性、あるいは生殖毒性とか神経毒、一般毒、発がん性、いろんな評価をするに必要な分野、専門分野がございますが、いろんな学識経験の方々、その英知を結集いたしまして、必要な分野の必要な人材というものをお願いをしてやりたいというふうに考えてございます。
 この場合は、非常勤の国家公務員の扱いになります。そういう意味では、参画していただいた時間について謝金をお払いすると、そういった形になりまして、分野ごとに専門の知識を有しておられる方を集めて集中的に御議論いただいて評価をしていただく、そういうことを考えております。
#181
○吉川春子君 要するに、私は二百人の人が常時いるのかと思ったら、そうじゃなくて、作っては消え作っては消えと、そういう形で必要な委員会だけ作ってやるということでいくわけですね。
 そうしますと、そのメンバーとなる人たちはほかに本職を持っている人たちですね、大学の先生とか。その点はどうですか。
#182
○政府参考人(小川洋君) 委員御指摘のとおりでございます。ほかに職がなくて非常勤で来られる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、本業をお持ちの方、大学、研究機関、そういったことで活躍をしていただいている方々でございます。
#183
○吉川春子君 そうしますと、常時その仕事に就いているということではなくて、何々大学で研究していたりする人がちょっとそのメンバーに加わって、十人か二十人か分からないけれどもそういう委員会を立ち上げてやると、やってはまた消えると、また立ち上げると、そういう形だと思うんですけれども。
 そうなると、今度は事務局が中心に動かしていくと思いますが、事務局員は五十四名、これは各省からの出向ということになるんでしょうか。そして、それから技術参与というのがありますね。これこそ正にパート職員ということになるんですか。
#184
○政府参考人(小川洋君) 専門調査委員の場合はほかに職を持っておられるから、専門調査会に参加、出席するときだけそのことを考えるわけではなくて、日ごろからその分野での知識、経験、学識がおありだということで専門調査委員をお願いをするわけでございます。
 それから、事務局のお尋ねでございますが、五十四名考えております。委員会の活動を支えるという意味で、総務総括関係、あるいは具体的な今議論になっておりますリスクの評価をする分野、あるいはリスク管理機関、関係省庁に対して勧告をしたり、その施策の実施状況をモニタリングするような分野、それから緊急時対応、それから情報収集、それからリスクコミュニケーションの企画立案、そういった分野をこの委員会の事務局は担うわけでございますけれども、局長のほかに次長、それから四課一官体制、リスクコミュニケーションの担当をします専門官、担当官を置きまして四課一官体制をしきたいというふうに考えてございますが、具体的に、いわゆるリスク管理にその評価は生かされるものでございますので、管理業務、行政、言わば行政にも精通しておる、それから評価といった科学的なプロセスにも精通している、いろんな人材がこの事務局には求められるんだろうと思います。その辺の人材の、適正な人材の確保と配置というものを考えていきたいと思ってございます。
 それから、この事務局を支えるという意味で御指摘がございました技術参与という仕組みを設けております。これは非常勤の方々でございまして、大学や研究機関のOBとかを中心といたしまして、いわゆる技術的なところをアドバイスしていただく、あるいは海外の文献とか専門的な領域、そういった分野での今までの経験、知識、そういったものを生かしていただいて事務局を助けていただくと、いわゆる職員と一体となって委員会の活動を支える、そういう技術参与というものを今回新しい制度として考えたいというふうに考えております。
#185
○吉川春子君 大臣、例えばEU諸国は、そちらからいただいた資料を私の方で読んじゃいますけれども、欧州食料安全庁では職員が二百五十人、英国食料品基準庁では六百二十八人、本部と地方と両方合わせてです。それから、フランスの食品衛生安全庁では六百四十五人で、事務局八十七、研究所四百四十九、衛生アセスメント局六十二、動物医薬品局四十七、六十六億七千七百万円の予算が付いている。ドイツの連邦リスク評価研究所も五百人ということで、ちょっとパートを雇ったり、それからほかに大学の先生とかなんとかという人を謝金という形で審議会のメンバーみたいな形で使うというような、そういう形を取っているところは、そちらから資料をいただいた中でもないんですよね。
 非常に、リスク管理を一手に引き受けてその他の重要な仕事もやる体制としては、スクラップ・アンド・ビルドの中で考えられたのかどうか分かりませんけれども、非常に脆弱であると。本当にこんな重要な仕事、BSEを繰り返すまいということでリスク管理とリスク評価を分けたというふうに繰り返しおっしゃるんですけれども、そういう仕事の重要性に照らして非常にその体制が貧弱ではないか、これで本当にできるのか。専属の研究機関もないとか。
 次回また引き続きやりたいと思いますけれども、大臣、こういう体制で本当にBSEの反省から日本の食品安全行政の中のリスク管理その他をできるとお考えなんでしょうか。ちょっと、余りにもお粗末過ぎやしないかと思うんですけれども、大臣の御見解はいかがですか。
#186
○国務大臣(谷垣禎一君) この各国の体制は、先ほどもちょっと申しましたけれども、今お挙げになりました各国の体制も、リスク評価、リスク管理一緒にやっているところありますし、それから研究機関をリスク評価機関に置いているところもあって、一概には言えないわけですね。
 我が国の場合は、リスク管理機関というのは主として、試験研究機関は主としてリスク管理機関にある。この問題は次回じゃ御議論させていただくことになりますが、そういう体制を前提としますと、先ほどから申し上げております陣容で私はきちっとした仕事ができるものと、またしなければならないと、こう思っております。
#187
○吉川春子君 終わります。
 できませんとはとても大臣の口からこの場でおっしゃれないと思いますので、最初数字を挙げさせてもらいましたが、こういう体制でいかがなものかという問題点を指摘して、次回に譲りたいと思います。
#188
○島袋宗康君 御苦労さんです。国会改革連絡会の島袋宗康でございます。
 食品の安全の問題は国民生活の基礎的部分であり、衣食住の一環として極めて身近な、しかも重要な問題であります。有事法制論議のような、どこかの外部勢力が万が一攻撃してきたときにはどうするかというような仮定の話ではなく、正しく我々の毎日の生活にかかわる日常茶飯事の問題であります。したがって、極めて大事な問題であることは間違いありません。そのような認識に立つならば、今ごろやっとこのような重要法案が出てきたということは余りにも遅きに失すると言わなければならないと思います。
 谷垣大臣はこのような点についてどのような御認識を持っていらっしゃるのか、お伺いいたします。
#189
○国務大臣(谷垣禎一君) 遅きに失したというおしかりかも、おしかりと思います。確かに、BSE問題等を発生させたということからしますと、その前にもう少し手が打てなかったのかということは当然我々胸に手を当てて考えなければならない点もあるわけでございますが。
 残念ながらこのBSE問題が発生したのを言わば一つの契機としてこの問題が表面に出てきたということでございまして、それを受けて、昨年四月にBSE問題に関する調査検討委員会の報告をいただいて、これを一つの基礎といいますか前提として、食品安全行政に関する関係閣僚会議がありましたが、これが昨年の六月に今後の食品安全行政のあり方についてというのを出しました。それに沿ってこの法案をまとめたわけでございますので、遅きに失したと、こういうおしかりを受けますが、一日も早く法案を成立をお願いして新たな食品安全行政をスタートさせなければいけないと思っております。
#190
○島袋宗康君 去る五月三日は日本国憲法が施行されて五十六年という記念日でありました。五十六年前に日本国民は初めて国民主権による民主主義を手に入れたわけでありますが、当時は日本国民の民主主義は十二歳程度であるとやゆされたわけであります。
 ところで、今回の食品安全基本法においては、ようやく食品行政における国民、いわゆる消費者保護優先が叫ばれているのは、どうして今ごろなのかという思いを抱いております。そして、我々日本国民の民主主義は現在何歳ぐらいになったんだろうかというような自問もしているわけでございます。
 このように、今ごろになってようやく国民保護優先というような、食品安全基本法案の中に書き込まれることになった点について大臣の御所見を承りたいと思います。
#191
○国務大臣(谷垣禎一君) これまた食品安全行政における、何というんでしょうか、思想の転換が遅きに失したのではないかというおしかりであると思います。
 消費者のあるいは国民の健康保護を最優先にして考えるというのは、そう問題を立ててみれば言わば当たり前のことであるわけですが、従来やはり、BSE等に結果した従来の問題の反省点は、これは幾つもあるんだろうと思います。一つは、委員はこの憲法が施行されてから五十六年であるとおっしゃいましたけれども、戦後の食糧難の時期にやはり生産というものを重視しなければならないということでやってきたその姿勢が、かつては当然だったんだろうと思うんですが、転換が遅かったということがあろうかと思いますし、そういう生産重視というだけじゃなく、従来とかく、このBSE問題に限らず、風評被害等を恐れて内々に何とか抑えようというような、誘惑と言うと言葉は悪うございますけれども、いろんなやはり重大事が起きるときにそういう思考に陥っていくという面も私はあったんだろうと思いますね。やはりそこは、今度はリスクコミュニケーションというようなことも言っておりますけれども、消費者や国民を信頼して、そこと積極的に対話をしていくというような思想転換も必要じゃないかというようなことが、BSEのあの反省点、幾つもございますが、そういうようなところが反省点だろうと思います。
 それを踏まえて今度のような立法、基本法を作ろうということになったわけでございますので、一日も早くこの精神を生かしてやっていかなきゃいかないと、いけないと、こんなふうに考えております。
#192
○島袋宗康君 行政の側として今までは、BSE問題についても何かしら国民に明らかにされていないというふうな点があって、ようやく追及に追及を重ねた結果がやっぱりBSEの問題が国民の大きな関心事になってきたということは事実でありますから、やはりそういった、いわゆる生活の視点に立ってやはりこの法案についてもしっかりした、国民を保護、いかに保護していくかというふうな観点に立って行政を進めていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 そういうことに関して、本法案は、食品衛生法の上位の法として位置付けて、位置付けになるのか、あるいはその相関関係はどのようなことになるのか、その辺についてお伺いいたします。
#193
○政府参考人(小川洋君) 今度の食品安全基本法案は言わば国の全体の方針を決めます基本法的な性格を有しておりまして、その示された基本的な方向に即して具体的な、個別具体的な法律でその方向に即した見直し、整備が行われると、そういう性格のものでございます。
#194
○島袋宗康君 食品安全行政における国と地方公共団体との役割分担の在り方についてはどのようにお考えになっているのか、お尋ねいたします。
#195
○政府参考人(小川洋君) 国と地方公共団体との役割分担のお尋ねでございますが、地方自治法の一条の二におきましては、国におきましては、全国的な統一性や全国的な規模、視点が必要な施策、こういった国が本来果たすべき役割を重点的に国は果たしていくと、その一方で、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねていくということを基本とされているところでございます。今回御提案申し上げております食品安全基本法案、これ六条と七条に規定してございますけれども、国と地方公共団体の役割につきましてはこの考え方を大前提に取らしていただいております。
 具体的に申し上げますと、個別具体的な法律や制度で国と地方公共団体の役割分担が規定されることになりますが、国につきましては全国統一の規格や基準の設定、地方公共団体につきましては飲食店営業等の許可や業者への報告徴収等区域の実情に応じた行政の実施展開ということが考えられております。
#196
○島袋宗康君 食品関連事業者は実に多種多様でありますが、食品安全委員会はこれらの業者とどのように一元的なかかわりを持っていくのか、その辺についてお伺いいたします。
#197
○政府参考人(小川洋君) 食品の安全性の確保につきましては、大臣からもるる御答弁がありましたが、食品の供給行程の各段階におきまして必要な措置が適切に講じられることが必要でございます。
 その観点から、この法案では八条に食品関連事業者という形で定義をさせていただいておりますが、非常にその範囲は幅広くなってございます。一方で、この食品安全委員会というのは、言わばリスク管理は行わない、評価を中心とする、を任務といたします委員会でございますので、直接、食品関連事業者の方々に対して管理監督を行う委員会、そういう組織ではございません。
 しかしながら、食品安全委員会は、一方で食品健康影響評価等につきまして関係者相互間によります情報や意見交換を、双方向でございますいわゆるリスクコミュニケーションをやっていこうということになってございますので、そのリスクコミュニケーションの相手方としまして生産者や流通加工業者の方々が、関連事業者の方々がそれに加わっていただく、参加していただくことになろうかと思います。
 こういったリスクコミュニケーションの中で食品関連事業者の方々とも十分な情報あるいは意見の交換ができるよう、いろんな機会、いろんなやり方、工夫をしていきたいと思っております。
#198
○島袋宗康君 やっぱり食品の関連業者と委員会との接触というものは、非常にこれは大事なことであると思うんですよ。それを、今さっきの、当初の答弁によりますと、余り関係ないというふうな、何か余り業者との関係を委員会は持たないんだというふうな印象のような答弁をされましたけれども、ちょっと理解し難いところがありますので、もう一遍、再度、どういう認識に立っておるのかお伺いいたします。
#199
○政府参考人(小川洋君) 私の言葉が少し足りなかったと思いますが、評価と管理を分けて、今まで管理をやっておりました関係行政機関から離れた形、独立して内閣府に委員会を置かれるというところから、直接、関連事業者の方々の日々の事業活動に対しましてこの委員会が管理監督を行うものではないということでございますが、一方で、評価をやって、それが管理機関の行政を通じて関連事業者の方々にいろんな形で影響していくわけでございます。
 その意味で、委員会は食品安全確保のためにいろんなリスクコミュニケーションをやっていこうということですが、そのリスクコミュニケーションの片一方のパートナーといいますか、その関係で関連事業者の方々にも参加いただいて委員会と直接いろんな意見交換、情報交流はしていただくということでございます。
#200
○島袋宗康君 消費者保護基本法第五条の「消費者の役割」と本法案第九条の「消費者の役割」との間には違いがあるのかどうか、あるとすればどのような点で違いがあるのか、御説明願いたいと思います。
#201
○政府参考人(小川洋君) 私ども提案させていただいております基本法案の九条で、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進するという法目的を達成するためには、これもいろいろ議論が出ておりますが、国、事業者等、それぞれの責務を果たすということと併せまして、消費者につきましても、食品を最終的に消費をするという立場でございますので、その食品の安全性を確保していく上で知識や理解を深めていただく、あるいは施策に対して意見をいろいろ表明していただくということが非常に重要になってまいります。これらを「消費者の役割」として規定をさせていただいて、期待をしているわけでございます。
 一方で、御指摘のありました消費者保護基本法第五条でございますけれども、「消費者の役割」というのが規定されておりますが、そこでは、消費者の利益の擁護及び増進に関する対策の総合的推進を図るという、その基本法の目的を達成するためには、国、事業者等がその責務を果たすと同時に、消費者自身も自ら高めることが必要であるという観点から「消費者の役割」というものが規定されているわけでございます。
 それぞれ同じ「消費者の役割」という言葉を使ってございますが、この両方の基本法は、それぞれの法目的が食品の安全の確保あるいは消費者の利益の擁護、増進と、それぞれの法目的に照らしてみて消費者に期待される役割というものをそれぞれ書き分けて定義をしているわけでございます。
#202
○島袋宗康君 先ほど来、いろいろ食品安全委員会の問題の指摘がありましたけれども、所管事務が極めて広範多岐にわたるようでありますが、法案で予定されている委員会の体制で十分なのかどうか、その辺についてお尋ねいたします。
#203
○国務大臣(谷垣禎一君) これも、今、島袋委員おっしゃいましたように、今日の御審議の中でも度々、大事な任務をやっているのでこのような体制で大丈夫ですかという御心配をいただいております。
 食品安全委員会そのものは専門家による委員会の組織で、これは七名、できるだけいい方に来ていただくということにこれは尽きると思いますが、その下に専門の事項を調査審議するための専門委員を置くことにしている、これも先ほどから申し上げているとおりです。
 やや具体的に申し上げますと、これは実際に安全委員会が設立された後に委員会の決定で専門調査会を設けるということになりますが、農薬とか添加物といった案件ごとに食品健康影響評価を担当する専門調査会を十三程度設ける。それから、これもるる申し上げておりますが、評価の年間計画等の検討がこれは非常に大事だということで、その専門調査会も設ける。それから、リスクコミュニケーションですね、関係者との意見、情報の相互交換の全体計画や重要な個別案件についてリスクコミュニケーションの検討等を行う専門調査会、それから食品事故等の緊急時対応を検討する専門調査会、こういうのを設けることを予定しておりまして、そこに入っていただく専門委員につきましては、リスク評価を行う場合、その時点で到達されている水準の科学的知見をお持ちの方、に基づいて評価を実施し得るような必要な分野の学識経験者を網羅することにしたいと思っておりまして、機動的に人材を集めなければなりませんので非常勤とすることとしておりますが、先ほどから御答弁申し上げているように、延べ二百名程度を任命するということで、専門調査会の活動としてはこのぐらいあれば私はきちっとできるのではないかと思っております。
 それから、事務局も大事でございまして、これも先ほどから何度も御答弁申し上げておりますが、事務局長、次長、四課一官体制、五十四名ということ、それに加えて非常勤の技術参与二十五名だということであります。
 それから、予算については約二十一億円を計上しておりますが、これらによってリスク評価とかリスクコミュニケーションの展開等、十分な活動を行い得るものというふうに考えております。
#204
○島袋宗康君 重複するかもしれませんが、食品安全委員会が行う食品健康影響評価は独自の試験研究を持たない委員会にとっては極めて大きな負担になるのではないかと考えられます。本法案で予定されている食品健康影響評価の方法はどのようなものなのか、そしてそれは委員会として十分に責任の持てるものになると考えておられるのか、お尋ねいたします。
#205
○政府参考人(小川洋君) 食品安全委員会が行います食品健康影響評価の具体的なやり方でございますが、二十四条に基づきまして、リスク管理機関、いわゆる厚生労働省あるいは農林水産省が具体的な基準、規格を改廃をされる、ないしは修正される、あるいは新しい制度を導入されるといった場合に必ず委員会に評価を受けに来るということが一つございますが、今御指摘のとおり、委員会独自の試験研究機関を附置されておりません。
 したがいまして、まずは、そういったリスク管理機関から申し越しがあった場合には、それぞれの管理機関からデータを提出していただくと。その委員会では、先ほど来申し上げておりますが、優れた識見を有する方々で構成、七人で構成しておりますが、その提出されましたデータの信頼性、妥当性というものを、それぞれの分野えりすぐりの方々が参加していただくわけでございますので、それらの方々の英知を結集して判断をしていただくということになります。
 それからもう一つ、併せまして委員会独自の調査研究もできる体制をしいております。そのため、毒性試験等の調査研究を外部に委託するための予算措置も、先ほど大臣から答弁いたしました予算の中に含めて計上しているわけでございます。
 こういった自らやるものに加えまして、更に関係行政機関に対しまして資料の提出と必要な協力を求めることができるようになってございますし、特に緊急時におきましては、今日の午前中にも議論がありましたが、関係機関に対して調査等を要請したり、そういう形でいろんなルートを使ってデータを集める、自ら集める、それからそれを評価をする専門家の英知を結集すると、そういう形でやりたいと考えております。
#206
○島袋宗康君 平成十四年六月十一日の食品安全行政に関する関係閣僚会議において、緊急時に内閣全体として対応する危機管理の仕組みを「食品安全基本法(仮称)に基づいて整備する。」とされていますが、本法案における危機管理の仕組みはどのようになっているのか、お尋ねいたします。
#207
○国務大臣(谷垣禎一君) 大規模な食中毒などが起きた緊急時に、それに対して迅速かつ適切に対応するということは、もうこれは言うまでもなく極めて大事なことでありまして、今、委員御指摘のように、昨年六月の関係閣僚会議の取りまとめでも委員がお引きになった指摘があったわけでございます。それを受けて、この法案では十四条に一条、緊急事態への対処等に関する体制の整備等という条文を置きまして、緊急事態への対処及び当該事態の発生の防止に関する体制の整備その他の必要な措置が講じられなければならないと、こういうふうに規定をしております。
 この具体的な対応の在り方につきましては、この基本法に基づいて政策、政府が策定する基本的事項の中でもう少し具体的に定めることになるわけでありますけれども、それに加えまして、先ほども申し上げましたが、委員会の下の専門調査会にこの危機管理等に対応する専門調査会を設け、また事務局の中にも、この危機管理に、四課体制ということを申しましたが、この危機管理に対応する課を一つ設ける予定にいたしております。
#208
○島袋宗康君 さきの関係閣僚会議において、委員会はリスク管理を行わないものとされ、リスク管理を担当する行政機関、地方公共団体を含む、の連携を強化するための具体的仕組みを設けることとされているが、それは本法案においてはどのように具現化していくのかお伺いいたします。
#209
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品安全委員会の行うリスク評価と、それからリスク管理機関との関係ということでありますけれども、これはもうBSEに対する反省を踏まえまして、今までリスク評価とリスク管理両方の機能が言わば混然一体として行われていたと。ここがやはりいろんな問題を生んでいるということで、リスク評価については客観的かつ中立公正に科学的評価が行われるように専門家の意見が反映される行政にしていこうということで、それを基に具体的な規制をやっていただく厚生労働省や農林水産省からは独立した行政機関にすると。それで、そこには専門家、科学者により行われるシステムというものを整備していこうということになったわけであります。
 しかし、こういうふうに分離しますと、じゃ分離したままでそれぞれがあさっての方向を向いて、また縦割りの弊害を生むようであってはいかぬというのは、これは当然のことでございまして、リスク評価機関とリスク管理機関の関係としては、まず第一に、農林水産大臣や労働厚生大臣といった関係大臣が諮問をされた場合、あるいはまた自らリスク評価が必要であると考えた場合にはそういう科学的な評価を実施していくと。ですから、その諮問、あるいはそういう関係がございます。
 それから、食品健康評価の、影響評価の結果に基づいて、委員会が農水大臣や厚労大臣に適切な措置を取るように勧告をしていくということがございます。それから、そのリスク評価の結果に基づいて、施策の実施状況を、この委員会が具体的な管理機関の行う実施状況を委員会として監視して、それで必要に応じて更に問題があると考えれば関係大臣に勧告をしていく。それから、食品安全行政に関し関係行政機関の長に意見を述べると。それから、関係者相互間の情報及び意見の交換に関して関係行政機関の事務を調整するといったようなことを行うこととしておりまして、こういう機能をうまく使って、要は、幾ら法案の上にこういうことを書いてあってもうまく使えないようじゃ仕方がありませんので、要はリスク管理機関とリスク評価機関が分離して適切な緊張関係を持たなきゃいかぬと。その上で、同じ大きな国民の健康が最重点であるという共通の理念の下で連携を取っていこうと、こういうことであろうと思います。
#210
○島袋宗康君 平成十四年四月二日のBSE問題に関する調査検討委員会報告は、「第V部 今後の食品安全行政のあり方」の中で、「食品の安全に係わる危害情報や新しい科学的知見や技術などの迅速な情報入手をはかるため、国際機関・主要国などからの情報収集体制の特段の強化が必要である。」との観点から、「海外情報収集と国内への情報提供を一元的に担う機能を、リスク評価を実施する機関に配置することが必要である。」としているが、本法案においてはその要請に十分にこたえていると言えるのかどうか、お尋ねいたします。
#211
○国務大臣(谷垣禎一君) 食品安全委員会は、やはりアンテナを張ってといいますか、耳を長くして食品の健康に対する危害の情報というものをこれは鋭敏にキャッチしなきゃならぬと、もうおっしゃるとおりだと思います。これは日本の中だけではなくて、もちろん日本の中での関係機関から情報を集めることも必要でございますけれども、国の外の情報も鋭敏にキャッチしなきゃいけない。
 これは、そこで食品安全委員会の事務局に情報の収集、分析を担当する課を置くこととしておりまして、国の内外の学術雑誌とか学会誌からの最新の科学的知見に基づいた危害情報、それからリスク管理機関、マスコミ、インターネットなどの国内の危害発生状況からそういう情報を取る。それから、国際機関とか諸外国の関係行政機関等から海外における危害発生情報や食品リスクに関するいろんな科学的見解というものを入手して、分析、整理をするということに、この課でやってもらうということにしておりまして、御指摘の機能を果たす体制を確保しているというふうに考えておりますし、十分ここは頑張ってもらわなけりゃならぬところだと思います。
#212
○島袋宗康君 我が国で発生した牛海綿状脳症の今日までの経過と現状の概要及び食肉としての牛肉の安全性に関する信頼度はどの程度回復したと考えられるのか、また本問題に関する今後の課題について、農林水産省はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
#213
○政府参考人(須賀田菊仁君) 一昨年の九月に我が国初のBSE感染牛が確認されまして、今年の一月まで七例のBSEの発生牛が確認をされております。
 私ども、厚生労働省と連携をいたしまして、一つは安全性の確保、二つ目に国民の不安の払拭と、この二つを念頭に置いて対策に取り組んできたわけでございます。
 その対策の一番は、屠畜場におきましてBSEの全頭検査を行う、そして危ない部位、特定部位を除去するということで、安心で安全な牛肉しか食卓に出回らないという体制を整えたわけでございます。それから二つ目に、感染経路というものを断つということで、肉骨粉等につきましては、すべての国からの輸入を禁止し、国内における製造、出荷も全面停止するという措置を講じまして、そして、消費者の不安の払拭と、生産農家、関係事業者への影響の緩和ということで、生産、流通、消費、各段階における対策を講じまして、実績の、私の方だけの予算で申しましても十三年度が千四百七十八億円、十四年度が千七百四十億円というような予算を投入をしたわけでございます。
 それじゃ、信頼回復したのかという問題でございまして、牛肉の値段で言いますと、これB2、B3という中位の省令規格と言われる牛肉でございますけれども、昨年の二月、一キロ三百九十三円だったわけでございます。それが今年の四月には千七十八円ということでございまして、また消費量を見ましても、大体、発生前の九割方の水準に家計消費も回復をしてきておりまして、これらを見ましても、牛肉に対する信頼はある程度回復してきたのではないかなというふうに認識をしております。
 じゃ、今後の課題はということでございまして、何よりもまず感染源、感染経路というものの究明ができておりません。この感染源、感染経路の究明に全力を挙げたいということ、そのためにも死亡牛の検査体制というのを整えたいということ、それから、今国会にお出しをしておりますけれども、牛肉のトレーサビリティー、生産、流通の履歴を追及できるような、消費者の皆様方に安心を与えることができるようなシステムといったものを確立したい、これらの課題にしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
#214
○島袋宗康君 通告はしておりませんけれども、我が沖縄県は米軍駐留が、相当しておりますけれども、その辺の、米軍に対する、あるいは全国の米軍の駐留している地域においてその食品の安全行政というのはどのような適用をされるか。それは通告してありませんので、私もこれ、この法案を審議する中で、一体このようなことはどうなるのかなと今思い付きで発言をさしていただいておるんですけれども、その辺について何か政府としてお考えになったことはありますか。
#215
○国務大臣(谷垣禎一君) 難しいボールを島袋委員からいただきましたけれども、日本の中で要するに食卓に供される食品に関しては、これはアメリカ軍の兵士たちが食べるものであろうと、日本人が口にするものであろうと、るる申し上げておりますような、やはり生産から消費に供されるまでの各段階において安全性が確保されなければならないというのは、私は共通のことだろうと思います。
 もちろん、その中で、アメリカ軍がアメリカ軍の関係者に供する食事についてどこまで我が国のこの行政が及ぶのかという問題は別個にあろうかと思いますが、大きな意味で言えば、日本国内において口にする食品についてはこの法律の精神が適用されるということではなかろうかと思います。
#216
○島袋宗康君 ありがとうございます。終わります。
#217
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 私は、臨時国会の際にもこれ、食品安全基本法について概要もお聞きいたしましたし、衆院の内閣委員会においてもかなりやり取りがされておるようですので、十五条から二十条辺りの、若干今までの質疑で薄かったところを中心に質問させていただきたいと思います。
 まず、この十五条なんですけれども、「関係行政機関の相互の密接な連携」と、これが行われなければいけないと、これ、あっさりと書いてあるんですけれども、今回、繰り返しになりますけれども、食品安全を確保しようというこの発端はBSE問題ですね。すべてが、私は、このヒントはBSE問題に詰まっていると、そう考えております。
 私、BSEのこの検討委員会の報告書、隅から隅まで読まさしていただきました。私は、BSEの原因というのは様々論証されていますが、簡単に言ってしまえば、農水省、厚労省の行政側の怠慢、それを引き起こした行政の縦割りという、私は、集約してしまえばもうこの一言に尽きるとこの報告書から感じておりました。
 これも繰り返しで恐縮なんですが、端的なところだけ私なぞりますけれども、まず、問題はやはり九六年、WHOの専門家会議からの最終報告、すなわち肉骨粉の使用禁止の勧告が出されたわけです。これが、五月七日にこの報告書、厚労省から農水省にファクスが送られました。ですが、その後、農水省は事前に課長通達で出した行政指導以上の対応を一切しませんでした。九七年には、世界では、アメリカや豪州では法的措置がなされましたが、それでも日本の農水省、全く動かなかったという、こういう経緯がございます。
 じゃ、厚労省は何をしていたのかといいますと、やはりこの時点で、実際にはBSEの問題が人の健康問題として出てきた以上、私はもっと積極的に農水省に意見を述べていかなければいけなかったと、これは私は厚労省の義務だったと思っております。
 例えば、世界的に言えば、今の申し上げたWHO、この専門会議にはFAO、これは農水関連ですね、国連食糧農業機関ですか、これと併せて、日本で言えば厚労関係ですが、厚生省関係のOIE、これは国際獣疫事務局ですか、こういったものも参加していると。すなわち、国際的にはやはりもう縦割りなどなく、非常に自由濶達にBSEに対して取り組んでいた。にもかかわらず、我が国はあくまでも縦割り行政を続けてきたわけです。
 この報告書で非常に面白い、示唆に富んだ報告がなされています。というのは、確かにこれ、感染ルート、肉骨粉、これは生産段階ですから責任は農林水産省にあると。それは確かにそうなんですけれども、飼料安全法の中にこうあります。厚生労働大臣も、公衆衛生の観点から意見を述べ、又は要請することができるんだと。すなわち、本来、今までどおりの制度でチェックできるんだと。にもかかわらず、やらなかったと。これ、非常に重要なことなんですよ。新たに何か委員会を作る云々ということで今やっていますけれども、元々の制度でも本来はこのBSE問題というものは防げたのではないかと。これは非常に重要な、私は示唆に富んだ報告だと思っております。
 私、今回のこの食品安全基本法の議論の中でどうしても釈然といかないのは、結局はBSE問題という症状が現れ、そしてこの検討委員会がきっちりとしたカルテ、そして診断書を作っているにもかかわらず、言わばこの法案という術式ですね、今回のこの問題をどうにかしてなくしていこうという。結局、私は、先ほど申し上げた縦割り行政というこの病巣を取り除くという術式が組み込まれていないんですよ。強いて言えば、十五条にさらっと書いてある。確かに、基本法だからという、こういう表現もあるかもしれませんが、私は、やはりこの病巣をふたをして、確かにリスクコミュニケーションとかリスク評価、リスク管理を分ける、いいことでしょう。でも、それは病巣に手を付けない限り、私はうっすらと塗った薄化粧のようにしか思えない。私はそういう感想を持っております。
 そこで、大臣にお聞きしたいというよりは、むしろお願いしたいんですけれども、大臣経験も豊富でいらっしゃいます。私なぞは官僚経験もございませんので、行政について浅はかな認識しかありませんけれども、やはり今までの大臣のこの実績、豊富な経験から、今言った縦割り行政という、私はむしろこの行政カルチャー、余り横文字使うと怒られるので行政文化、これを覆すぐらいのことがない限り、私は今回の問題というのは根本的に解決しないと思っております。ですから、私は、一政治家、一大臣として、谷垣大臣、この私が今申し上げた病巣というものを取り除くには果たして具体的にはどういうことがなされ得るのか、大臣として、そして政治家としての御所見をお聞かせください。
#218
○国務大臣(谷垣禎一君) 関係行政機関が連携を欠いているというのは、BSE報告書のいろんな指摘がありますけれども、非常に大きな指摘だったと私も思います。
 それで、これはBSE問題だけではなく、日本の行政、行政とだけ言っていいのかどうか分かりません。私どもの自民党を見ましても、やはりそれぞれの専門領域で縦割りみたいなことがないとは私は思いませんし、ほかの党のことは申し上げませんけれども、やはりそれぞれそういうのを乗り越えて、幅広い視野から問題を提起したり解決したりしていく仕組みを日本の政治が作れるか作れないかという問題なんじゃないかと思います。単に役所が怠慢であるというようなことを言っていれば、それで解決する問題では私はないように思うんですね。
 それで、ただ今回、やはり、新たにリスク管理を行う機関とリスク評価を行う機関を分けたというので、また縦割りを増やすだけではないかという指摘もあります。ただ、私はこの縦割りというのは実は必ずしも否定するべき、否定すべき面だけではなくて、実際に分離されますと、お互いの競争心が働いて、今まで一緒にやっていたから外には出てこなかったような情報も分かれることによって出てくる面があると。問題は、もう一回元に戻って、そうやって縦に割ったものをどうやって統合してくるかということにあると思います。
 これは、この法案の中にもいろんな工夫があるわけですし、それからこの法案だけではなく、農薬取締法やと畜場法など関係の法令も改正していただいて、その中でそれぞれの大臣の連携といったことも組み込みましたので、今後、こういう法案の中に組み込まれたいろんな仕組みをいかにうまく使いこなしていくかということが一番大事なんじゃないかなと思います。
#219
○黒岩宇洋君 確かに、役所の怠慢だけを言っていては何も変わらない、もうそれは同感なんです。ただ、政治家として大臣がどこまで切り込んで御発言なされるか、ちょっと期待しておったんですが、いま一つだったような気がして、大変恐縮な言い方ですけれども。
 私はやはり、この報告書の中にも、要は例えば関係省庁で覚書を交わしましょうだとか、そのほか、意見を述べることができるなどというようなあいまいな規定ではなくて、協議する、協議を受けた場合には意見を述べると明確に位置付けるなどと、きっちりと具体的なことが盛り込まれていますから、先ほどおっしゃられた個別法の改正にしても、私は、この点を踏まえてきっちりと導入できるような、そういったことを私は大臣に期待して、この十五条に関しては質問を終わります。
 次、十六条以下、ちょっと細かなところをお聞きしますんで、通告以外のこともお聞きすると思いますんで、その際は小川審議官、お願いいたします。
 これ十六条に、要はこの研究開発の推進及びその成果の普及や研究者の養成等について書いてあります。これは、これもこの検討委員会の報告書を受けたものだと私は認識しております。この検討委員会の報告書でこういう表現がございます。やはり、リスク評価を行う専門家・科学者の絶対数が不足していると、これ非常に大きく問題点として取り上げています。ですから、やはり専門家を養成しなければいけないと、これ十六条に書かれているんですけれども、では、研究者の養成に対して平成十五年度というのはどういう予算措置をしているか、お答えください。
#220
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、黒岩委員がおっしゃったように、五条で科学的知見に基づいて必要な措置を講ずべきことを定めて、それを受け、受けたというかどうかちょっと正確でないかもしれませんが、十六条で、科学的知見を充実していくことが大事だから、その研究開発の推進とか試験研究の体制の整備とか研究者の養成等の措置を講じなきゃならないと、こう書いてあるわけですね。
 研究者の養成につきましては、一つは大学とか大学院で人材の養成をしていただくということがまず一番基本的に大事なことであろうと思います。ですから、こういうところに対して支援をするというようなことが大事だろうと思います。
 それから、食品の安全性に関しては、例えば厚生労働省では、外国人研究者の招聘とか外国への日本人研究者の派遣を実施しておりますし、農林水産省では、国際研究に携わる人材の育成確保などを行う国際交流研究とか内外の研究者の研究交流の拠点であるつくばの農林研究交流センターの運営などに必要な経費をそれぞれ計上しているところでございますし、それから、確かに数は少ないんですが、この私どもの食品安全委員会で具体的にいろいろなテーマをこれから取り上げてまいりますので、そういうところを通じて、もちろんまず専門家、きちっとした専門家に集まっていただかなきゃならないわけですが、こういう仕事を通じて研究者に、何というんでしょうか、刺激を与え、また研究者に参加してもらっていくことによって育てていくということも必要なことではないかと思っております。
#221
○黒岩宇洋君 端的に、内閣府としては一円でもこれ予算措置しているんですか。
#222
○政府参考人(小川洋君) 委員会が自ら調査研究をやる場合に委託費を用意しております。その委託先に研究者の方々というのが対象になり得ることがありますが、食品安全委員会の予算として、この研究者の育成それ自身を目的とする予算は要求しておりません。
#223
○黒岩宇洋君 そうですよね。ないんですよね。そのような予算措置といった対応で、この専門家が不足している、そして独自の調査専門委員を育てるという、こういったことの取組がほとんどなされていないということが、私、このことで如実に出ていると思うんですね。
 私の同僚議員からの質疑なんかにもあったんですけれども、例えばこの専門調査会の専門委員への手当の予算はお幾らですか。
#224
○委員長(小川敏夫君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#225
○委員長(小川敏夫君) 速記を起こして。
#226
○黒岩宇洋君 結構です。済みません。私、事務局の人に聞いて知っていました。三千七百三十九万ですね。私、聞いたとき、けたが違うのかと思ったんですけれども、これ二百人ですよね。延べ二百人で三千七百万ということは、本当に一人当たり二十万弱ですから、今日の最初の審議の中でありましたけれども、これ決して給料だとかパートの労働賃ではありませんですね。本当にお手当です、これ。
 このような状況で私こだわるのは、ここで一つまた聞きたいんですけれども、この二百人、延べ、この非常勤と言われる方々の人材、先ほど大学とかおっしゃっていましたけれども、私ちょっと懸念しているのは、いわゆるリスク管理機関、要するに農水省や厚労省の下部組織である独立行政法人とか、いわゆる研究所ですね、ここの方々が兼務として専門調査会に入ることはあるんですか、お聞かせください。
#227
○政府参考人(小川洋君) 専門調査委員、結局、人数を確保する、要するに限られた人材の中でいかにその資源をうまく有効活用するかという観点もございますので、まずは人材を確保するということが大事だろうと思いますので、場合によっては、限られた分野につきましては限られた人材しか、層が薄い場合がありますので、場合によっては重なる部分があろうかと思いますが、そういうのがない限り、できる限り重ならないようにしたいというふうに考えております。
#228
○黒岩宇洋君 いや、私、相当重なると思いますよ。だって、専門家がいないというもう的確な指摘があって、なおかつ自分で育てないということは、確実に兼務ですよ。
 となると、大臣、本当お聞きいただきたいんです。今回、この法案ではリスク管理とリスク評価を分けるというのは、これ非常に大きな目玉ですよね。むしろ柱と言ってもいい。これが僕は、私はもう揺らいでいると思います、だって同じ人間が管理も評価もするわけですから。私、それだったら、先ほど大臣がおっしゃったように、きっちりと分けて、先ほどおっしゃられた、分かれることもいいことだとおっしゃいました。私もそう思います。今のままならあくまでもやっぱり農水、厚労のこの行政としての縦割り、ここを崩すことができないと思います。私は、評価と管理は分かれるべきだと思っています。
 この点について、どうですかね、私、この十六条を見る限り、イメージしてみたんです、養成って。簡単な言葉です。だれもが、研究者の養成、私だってこんな言葉を思い付きます。でも、具体的にどうなのかなと思ったら、養成はしていないし、専門家育てないんですよ。これ連綿と続くんですよね。いっときの過渡的なものじゃありませんよね、食品安全委員会というのは。食品安全行政も。そう考えたときに、今のこのスタートで本当にリスク評価とリスク管理を分けるというようなこの柱が完遂できるのかどうか、させるには一体どうすればいいか、大臣お答えください。
#229
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに専門家の数が少ないわけで、その養成をするといっても、じゃ、平成十五年度に予算を付けたから来年から専門家として通用するというわけのものでもなかなかないと思います。現実には、小川政府参考人が答弁を申し上げたように、ある分野に関しては日本の中ではこれ、この方しか専門的知見のある方がいないという場合も相当多いのが今現実だろうと思います。
 ですから、私はその食品安全委員会なりそういうところが全部人材を養成するといっても、これはなかなか一朝一夕でいくわけではありませんで、大きな教育体制の中でまず考えていただく、そのために我々も、我々がそこに予算を付けるわけじゃありませんけれども、そういう体制を作っていただくように我々も働き掛けていかなければならないんじゃないかと思います。
 それから、それならそういう人材を全部リスク評価機関に持ってくればいいじゃないかというたしか御趣旨だったと思いますけれども、しかしここはなかなかその両方、その同じ人材が両方、複数、多数おられるのならば今おっしゃったようなことは比較的簡単にいきますけれども、現実にはそのリスク評価を行える方というのは、同時にリスク管理を行っていく場合にも必要な科学的知見を持っている方だという場合が多いと思うんですね。そこら辺りのことを一朝一夕にはなかなか解決するわけにはいかないのが現実だろうと思います。ただ、我々はそういう中で、こういう我々のような、我々の安全委員会という中でできるだけその場を提供して力を付けていただくということを考えていかなきゃならない、こう思っております。
#230
○黒岩宇洋君 もちろん大臣のおっしゃるとおり、一朝一夕にじゃすぐに専門家を育ててというわけではないと。でも裏を返せば、だからこそ私は初年度の予算に人材養成という部分を、例えば二十億の中の相当割くとか、そういうことがあれば、ああやはりきっちりとした調査専門員を育てるんだ、それによって評価と管理が分かれるんだと、こう納得すると思うんですが、これができないという私は矛盾を指摘したわけです。この点のことは指摘にとどめておきますけれども、いずれにせよ、本当にお題目に終わらないように、大臣よろしくお願いいたします。
 では次に、これもちょっと私のもう純粋な疑問程度でお聞きしますけれども、第二十条の方に移ります。
 第二十条、ここに、これ短いので読みますけれども、これは「環境に及ぼす影響の配慮」ということで、食品の安全性の確保に関する施策の策定に当たっては、当該施策が環境に及ぼす影響について配慮して、これが行われなければいけないと。これ、何度読んでも私は全く意味が分からないんです。
 これは大臣の午前中の答弁にもこういう表現がございました。環境と食の安全は車の両輪であると。私、これは分かるんです、全くそのとおりだと思うんです。しかし、これ二十条を読む限りは、まるで食の安全と環境が相対立すると。食品リスクと環境リスクが相対立する、そういった例というのが果たして一体何を想定しているのか、お聞かせください。
#231
○国務大臣(谷垣禎一君) これは申し上げるまでもないことですけれども、食品は一般に農場とか漁場とか、そういう環境の恵みがあって生産されるものですね。だから、環境が保存されるということは食品の安全性の確保の観点から当然大事である。法案二十条の趣旨は、そういうことを念頭に置いて、食品の安全性の確保に関する施策の策定でも施策が環境に及ぼす影響について配慮せよと、こういうふうに書いているんじゃないかと思います。
 そこで、もう少し具体的に申し上げると、農薬の使用規制というようなものをしていく場合、食品中に残留する農薬の摂取に関して、いわゆるリスク評価をするわけですが、それに基づくとともに、農薬の使用に伴う周りの水域の例えば水生生物の影響等についても配慮することというようなことは考えなきゃいけないんだろうと思います。それから、食品の安全性の確保のために食品や飼料や農薬といったものの回収とか廃棄を行う場合に、その廃棄物による環境影響の発生防止についても配慮するというようなことを考えるのは当然のことじゃないかと思います。
 そういうようなことを意味しているのではないかと考えております。
#232
○黒岩宇洋君 分かりました。
 説明聞けば、確かに相対立というわけではないんでしょうけれども、ちょっとこれも表現として非常に分かりづらいんで、私なんかでも簡単に分かるような形で、今度まあ考えてください。
 それじゃ、ちょっとさかのぼって、二十条を聞いたので、十九条。
 十九条なんですが、これは今日、割と議論された食育とか、食に対する教育というところなんですけれども、これで、実はこれまたBSEの検討委員会の中でこういう提言があります。それは、食品にゼロリスクはあり得ないこと、情報を基に一人一人が選択していくことの大切さとこの認識の普及が必要という、こういう方針が出されていますけれども、簡単に、この方針について、大臣として是非お聞かせください。
#233
○国務大臣(谷垣禎一君) 是非というのは、いいと思っているか悪いと思っているかということですか。──私は、これは妥当な方針だろうというふうに考えております。
 その理由につきましては、これも度々御答弁申し上げておりますけれども、我々の食を取り巻く環境というのは、グローバル化ということもあるし、あるいは今までなかった科学技術の発展、いろんなもの、新しいものができているということもあるし、それから大量生産、大量消費というようなものになっていて、食の安全性というものは、直ちに具体的に認識できるような姿と少し違うものになっているということがあると思いますし、それから、分析技術が向上しまして、今までは全く問題のない食べ物であると思われたものも、微量であっても健康に影響の、悪影響と言っていいかもしれませんが、そういうものが含まれているというようなものが、そういう有害因子が微量であっても検出することが可能になったということで、ゼロリスクというのはないんだと。こういうことが食品の安全を、これは食品の安全だけではないんですけれども、科学技術が発展するに従っていろんな分野でこういう認識が進んできたと。そうすると、これをどううまくマネージして、そしてその恩恵を、恩恵を受ける、享受するためにはその危険を乗り越えていく知識なり識見というものを共有していかなきゃいかぬということがあるんじゃないかと思っております。
 ちょっと長く答弁になりまして、申し訳ありません。
#234
○黒岩宇洋君 何で私こんなことをちょっと分かりづらい表現で聞いたかというと、食品にゼロリスクはあり得ないと、このことを聞けば私もそのとおりだと思います。これはまあ紛れもない事実だと思うんですね。私は何を聞きたいかと、繰り返しますが、要するにどこに軸足を置いて食に対して教育をしていくんだろうと。
 というのは、今回消費者の役割とかいろんなところで議論されたんですけれども、教育しただろうと、安全なものはないんだよと、それは自己選択で選択しなさいと教えてあげたじゃないか、結果、自己責任だよと。私ね、何かこういうアリバイ作りというか、そういうようなことというのを一番恐れているんですよね。
 だから、何度も言いますが、ゼロリスクはあり得ない、事実です。例えば衆院の委員会なんかでも、消費者の権利と位置付けるかについて、大臣はそれはなじまないという表現を言いましたね。安全自体が権利なんだとなれば、これを軸足に教える教育というのは相当変わってきますよね。まずは、あなたたちは権利を求めていいんだよと、そこからスタートするわけですよ。ですが、このゼロリスクはあり得ないところからスタートすると、本当に自己責任というところにもう余りにも陥り過ぎると。これはあくまでも私は、グレーなところですね、どっちが正しいとは言っていません、どっちも正しいんだと思うんですけれども。
 そこで私は、やはり教育という言葉を使う限りは、哲学として果たして何を教育していくんだと。単に本当に自己選択と、要するに何を食べるかという選択する権利があるんだよというだけでは、私はちょっと、国民の食の安全がそれで守れるかというとやっぱり不安なんですね。
 そういった意味で、何を軸足として、これはお子さんもそうだろうし、多くのあまねく国民ですけれども、教育をしていくということをこの第十九条は言っているのか、大臣お聞かせください。
#235
○国務大臣(谷垣禎一君) なかなか委員のお問い掛けは難しい、哲学は何かという難しいお問い掛けですが、私はそんな難しいことを言っているわけではないんだと思うんですね。
 それで、委員は、もう自己責任なんだから、十分教育したんだから行政や何かの責任はないよというふうになると困るとおっしゃるけれども、そういうつもりもないと。やっぱり私は、この法案の言わば哲学としては、それぞれのもちろん国や地方自治体の役割というのもこれは基本的に重要であります。そのためにやるべきことはたくさんあります。例えば、これが危険かどうかという情報だって、個人に全部集めろなんといったって、それは消費者に全部集めろといったって無理なんですから、やっぱりそれは国ができることはそれはしなきゃいかぬ、それを適切に管理するということもこれはしなきゃならぬと思います。
 それから、第一義的にやはり生産してそれを食卓に供給している事業者というものは、当然自分たちが供給している第一線にいるんだという、そういう責任感を持ってやっていただかなきゃできないことは当たり前ですけれども、それと同時に、そういうものを十分、何というんでしょうか、消費者が知識と理解を持って適切に行動していくということがなければ全体としての私は食の安全は保たれないというんで、そんなに難しいことを言っているつもりはないんです。
 ただ、ちょっと答弁が長くなって恐縮ですが、役所の作った例を挙げますと、教育や学習の内容としては、消費者が行う食品の購入、保存、調理といった自らの消費段階に必要な知識であるとか、例えばアレルギー表示など直接健康にかかわる食品表示についての知識であるとか、さらには食品にはゼロリスクは存在しないといったリスクコミュニケーションの前提となるリスクという考え方などに関して知識や理解を深めることというようなことではないかなと思います。
 ちょっと黒岩委員の御質問とうまくかみ合った御答弁になったかどうかは分からないんですが。
#236
○黒岩宇洋君 分かりづらい質問で申し訳ございませんでした。よく分かりました。
 実はそれで、教育という言葉が使われているんで、学校教育の現場で具体的にということで私、質問しようと思ったんですが、今日、山口委員の方からも聞かれていたので、ちょっと視点を変えて、私、内閣府の事務局にどうやって、どういったことが教育の現場で具体的にされるんですかと。やっぱり給食が中心だという表現だったんですね。特に、栄養士さんなんかが食の安全について何か説明するという話を聞いていたら、今日、農水省の農林水産研究所の篠原所長、すごいことを言っていたんですね。ちょっとお聞きいただきたかったんですけれども、食育に対して、食育について学校給食は最もでたらめだと、こうおっしゃいました、農水省の所長がですね。これは、要はカロリーを計算したり栄養のバランスといったことだけやっていると。そこには地産地消とか様々な広い意味での食育というものは全く入っていないという、もう相当きつい表現で私もびっくりしたんですけれども、朝御飯を食べないとか、こういったことも含めて非常に今子供たちの食に対して様々な教育というものも乱れているという表現もこれ農水省の所長から指摘がありました。
 そういうところで、じゃ具体的に本当にどういう形で学校教育の中で食育という、非常に大きなテーマですよね、これを具体的にどんな時間を使って成し遂げていくのか、それをお聞かせください。
#237
○政府参考人(田中壮一郎君) 食育につきましては、各学校におきまして関連教科や特別活動を通じて行っておるわけでございますけれども、特に学校給食を生きた教材として活用して食に関する指導を推進しておるところでございまして、そういう学校給食における食の指導に当たりましても、児童生徒一人一人が正しい食事の取り方やあるいは望ましい食習慣を身に付ける、あるいはバランスの取れた栄養を、何というか、取得するように、摂取するように指導するということも大切でございますし、それと同時に、やはり楽しい食事や給食活動を通じて豊かな心を育成する、あるいは社会性を涵養するといったことも我々は大切だというふうに考えておるわけでございまして、各学校給食におきましては各地域でそれぞれ工夫していただきまして、地域の産物を一生懸命取り入れる、あるいは伝統的な献立を作ってみる、いろいろ学校給食において今工夫をしながら食育の充実に努めておるところでございます。
#238
○黒岩宇洋君 大分抽象的なんで、本当にそれでどのくらい教育されるか。でも、少なくとも私の小学校時代も全くこの食の安全とかいうものというのは給食でも家庭科でも習ったことないんで、そういった意味では広い意味での食育というものが私は教育の現場においてもされていくことを望んで、十九条についての質問は終わらせていただきます。
 そうしましたら、この今、谷垣大臣は食品安全委員会(仮称)担当大臣だと。今日の答弁の中でも、今後仮称が取れればまた別の大臣、方が置かれてなんという表現があったんですが、ちょっと確認のためにお聞きしたいんですけれども、いわゆるこの食品安全委員会の担当大臣というのは法案成立後も継続的に置かれるのか、その場合に勧告権を有する特命大臣になるのかどうか。先の話ですけれども、どういった御見解なのかお聞かせください。
#239
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、私に与えられているのは、委員がおっしゃいましたように、食品安全委員会(仮称)等担当ということでございまして、この仕事は食品安全基本法それから食品安全委員会を作るためのいろいろな総合調整をやり、国会でこうして議論をさせていただいて、これで法案が通って食品安全委員会が具体的に成立しますと、このもう(仮称)は要らなくなるわけですが、私の役割はそのできたところで、現在請け負っている役割は、受け持っている役割は一応終了はするわけです。その後どうなるかということでありますが、ここから先は、先ほどおっしゃいました特命担当大臣というのが置かれるか置かれないかということになると思います。
 これは、内閣府の担当している職務の中でも、例えば金融担当大臣などはもう特命大臣で必置の機関、必ず大臣を置かなきゃならぬという法律上規定されておりますが、食品安全委員会担当の場合には必ず置かなければならないという規定ぶりにはなっておりません。置くことができるという形になっておりまして、しかし、これを置いた場合には、置いた場合には、委員がおっしゃった勧告権などを持ついわゆる特命担当大臣というものになる法的な仕組みになっております。
 それで、そこから先、これ置かれるかどうかというのは、私が申すのはやや越権であるわけなんですが、しかし食品の安全の確保というのが国民の健康保護を図る上で基礎となる重要な政策課題でもありますし、先ほどから縦割りの行政の弊を乗り越えろというお話もあって、関係省庁も多岐にわたることから、総合調整というのはこれは避けて通れないことだろうと思います。このため、基本法が施行された後に担当大臣がやはり置かれて、食品安全委員会の所掌事務に関しては内閣の一員として国会に責任を負うと。それと同時に、緊急時の対応等については関係省庁との間で総合調整を行うという役割を担っていくことになるんだろうと。だろうと、今のところは予想でございますが、そういうふうに考えております。
#240
○黒岩宇洋君 ちょっとあいまいな表現だったんですけれども、私、大臣は、越権ではなく、やっぱり特命大臣、勧告権を与えるべきだと、私は、今おっしゃったと、そう受け取りました。
#241
○国務大臣(谷垣禎一君) 置かれれば、置かれれば、内閣法の規定上、この大臣は、ちょっと今内閣法等の関係条文がちょっと手元にありませんが、置かれれば勧告権を持つ特命担当大臣になるわけです、この委員会ができた後ですね。だけれども、置くか置かないかは、必置機関というふうに、必ず大臣を置く機関というふうに書かれておりませんので、それは総理大臣の御判断になるということであります。
#242
○黒岩宇洋君 これは、関係閣僚会議では委員会担当大臣を置くと、これは明言しているわけですよね、まず。まず明言していますよね。加えて、これは附則七条で、先ほど大臣がおっしゃっている内閣府設置法第四条に第十六号を加える云々で、要は特命大臣として置くことができると。私、これを併せて読めば、明らかに大臣を置いて、そして特命大臣であると、私はそう認識するのがごく自然だと思っているので、別に越権でも何でもありませんよ、仮称大臣としてそうすべきだと。私は、谷垣大臣が強い姿勢を持って挑んでくださることをお願い申し上げて、時間ですので、今日の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#243
○委員長(小川敏夫君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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