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2003/07/17 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第4号
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2003/07/17 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第4号

#1
第156回国会 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第4号
平成十五年七月十七日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     谷  博之君     柳田  稔君
     平野 貞夫君     広野ただし君
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     信田 邦雄君
     柳田  稔君     谷  博之君
     井上 哲士君     小林美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         沓掛 哲男君
    理 事
                狩野  安君
                木村  仁君
                田村 公平君
                広中和歌子君
                福山 哲郎君
                森本 晃司君
                池田 幹幸君
    委 員
                愛知 治郎君
                有村 治子君
                泉  信也君
                岩井 國臣君
                尾辻 秀久君
                亀井 郁夫君
                段本 幸男君
                中島 眞人君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                吉田 博美君
                小川 勝也君
                谷  博之君
                信田 邦雄君
                藤井 俊男君
                堀  利和君
                簗瀬  進君
                山下八洲夫君
                木庭健太郎君
                山本  保君
                小林美恵子君
                八田ひろ子君
                大江 康弘君
                広野ただし君
                又市 征治君
   衆議院議員
       政治倫理の確立
       及び公職選挙法
       改正に関する特
       別委員長     高橋 一郎君
       政治倫理の確立
       及び公職選挙法
       改正に関する特
       別委員長代理   竹本 直一君
   副大臣
       総務副大臣    若松 謙維君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤澤  進君
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)(衆第四〇号)

    ─────────────
#2
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月三十日、平野貞夫君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君が選任されました。
 また、昨日、千葉景子君及び井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として信田邦雄君及び小林美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(沓掛哲男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#5
○委員長(沓掛哲男君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長高橋一郎君から趣旨説明を聴取いたします。高橋一郎君。
#6
○衆議院議員(高橋一郎君) おはようございます。
 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の機会を拡充するため、郵便等による不在者投票の対象者を拡大するとともに、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人のうち自ら投票の記載をすることができないものとして制令で定めているものについて、代理記載の制度を設けるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 その主な内容は、第一は、郵便等投票の対象者の拡大についてであります。
 現行法においては、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人は、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者又は戦傷病者特別援護法第二条第一項に規定する戦傷病者であるもので政令で定めるものとされております。
 本案は、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人として、介護保険法第七条第三項に規定する要介護者であるもので政令で定めるものを加えることといたしております。
 第二は、郵便等投票における代理記載制度の導入についてであります。
 現行法においては、郵便等による不在者投票は選挙人が自ら投票の記載をすることとされており、上肢障害、視覚障害等により自ら投票の記載をすることができない者は事実上投票できない状態となっております。
 本案は、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人で郵便等の方法により投票をしようとするもののうち自ら投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものは、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た選挙権を有する者をして投票に関する記載をさせることができることといたしております。
 また、不正投票等を防止するため、郵便等投票における代理記載において選挙人の指示する候補者の氏名等の記載をしなかった等の場合には二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処することといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(沓掛哲男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○谷博之君 おはようございます。
 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 限られた時間でございますから、早速御質問をさせていただきますが、私は、民主党の中でいわゆる選挙制度の改正の動きにつきましてプロジェクトチームを作りまして、その責任者という立場にございましたので、そういう立場から、確認をする意味も含めて幾つか質問を申し上げたいというふうに思っております。
 そのまず一つは施行期日の問題でございますけれども、今もお話ありましたように、我々が党内で議論をしてまいりましたときに、この施行期日については、できるだけ法の改正によって直近の国政選挙からこの制度が適用になるということが一番ベターなことであるというふうに考えておりまして、そういう意味から、我々の四月三日に出した議員立法案としては六か月というふうに一応この施行期日を決めたわけでありますが、この法案では一年を超えない、こういうふうな規定でございます。したがって、衆議院の解散・総選挙はいつになるか分かりませんが、そういうことも含めるならば、一年というふうに単純に考えると来年の参議院選挙からと、こういうことになるわけでありますが、具体的にこの施行期日についてはいつを目指すことになるのか、改めて参考人にお伺いいたしたいと思います。
#9
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
 施行の時期についてでございますが、この改正案が通りますと、私ども、政省令の作業がございます。また、円滑な施行のために必要かつ十分な周知期間も必要だろうと思っておりますが、委員御指摘ございましたとおり、早期の施行を求められておるところでございます。
 類似の事例で現行の郵便投票の制度を創設した際に、一年以内で政令で定める日というような規定をされておりましたが、実際には施行を急いで七か月程度で施行された例がございます。こういうことも参考にいたしまして、また来年には参議院通常選挙が予定されているところでございますので、法律が通りましたならば、来年の選挙には新たな制度が適用できますようにできる限り速やかに施行するよう努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#10
○谷博之君 今申し上げましたように、衆議院の選挙がいつになるか分かりませんが、できるならばその作業を早めていただいて、その時期に合うようであればその時点から適用するというふうな形を是非考えていただきたいというふうに考えております。
 それから、二つ目の質問でありますが、代筆での郵便投票における不正の防止の問題であります。これについては、法律に基づいて政省令を具体的に検討することになるんでしょうか。
#11
○政府参考人(高部正男君) これも御指摘ございましたように、今回の法案におきましては、政令で定めるところにより、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者に投票に関する記載をさせることができると規定されているところでございます。
 現行の制度でございますけれども、現行の郵便等の不在者投票におきましては、郵便等投票証明書というものの交付を身体障害者手帳等を添付して申請いたしまして、その証明書を提示して投票用紙等の交付を請求する、投票用紙を封筒に入れて選管に郵送するという仕組みになっているところでございます。
 今回の改正が成立した場合に、具体的な手続をどういうふうにするかということにつきましては、国会における御論議でございますとか、これまでの立案過程における御論議を踏まえまして私ども検討させていただくことになろうかと考えておりますが、これまでの各党間の協議におきましては、郵便等投票証明書の交付の申請が本人からの申請であることは本人の身体障害者手帳等を添付することにより確認するものとするということとされておりますので、政令におきましては、現行の政令に準じまして、各種手続におきまして、身体障害者手帳や郵便等投票証明書を添付することによりまして本人の意思であることを確認する仕組みを考えているところでございます。
 また、あらかじめ届け出た代理記載人と、実際に投票の記載を行った代理記載人が同一人であることを担保する方法といたしまして、代理記載人に登録時それから投票用紙の請求時あるいは投票時に署名を提出させることが有効であると考えているところでございます。現行の郵便投票そのものも今申し上げました三段階に御本人の署名をいただくことになっておるところでございます。
 こういうことで、一つの方法といたしまして、登録時に代理記載人が署名をいたしました代理記載人となる旨の同意書を提出いただきまして、投票用紙の請求時にはその請求書に代理記載人の署名をしていただくと。また、投票時には、委員御案内のように、二重封筒でやりますので、その外封筒に、投票用紙を入れました外封筒に代理記載人の署名を求めることが一つ考えられるのではないかというふうに思っているところでございます。
 いずれにいたしましても、この法案が成立、公布されましたならば、その規定に従いまして、これまでの御論議を踏まえまして、不正防止の観点も考慮いたしまして適切な対応をいたしたいと考えているところでございます。
#12
○谷博之君 今の説明で、ともかく実施するということになると思いますが、最終的には罰則による担保ということにならざるを得ないんだろうと思いますが、そういう点では是非これからも慎重な対応、検討をしていただきますように要望しておきたいと思います。
 それから、三番目の問題でありますが、いわゆる今回要介護度五の問題が出てまいりました。要介護認定に基づく郵便投票証明書ですね。この有効期間については具体的にどのような制限を加えることになるんでしょうか。
#13
○政府参考人(高部正男君) 委員御案内のように、現行の証明書の有効期限は、対象が症状が固定された身体障害者の方々だということを前提にいたしました七年ということで行っているところでございます。
 今回、新たに対象となることが予定されます要介護五の方につきましては、これも立案過程でいろんな御議論をいただいたところでございますけれども、要介護認定に有効期間があるわけでございまして、それが一つと。それから、要介護の状態、五なら五でずっと固定していれば身体障害者の方々と同じような考え方もできるんですが、ある程度介護認定が移動すると。十数%が、要介護の方が、これまでの例でいいますと、十数%、要介護四なり三に移動するというようなこともあるようでございますので、あくまでも要介護五を対象とするという政令で定めますと、やっぱりその要介護の認定期間とリンクさせる必要があるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
#14
○谷博之君 いろいろ聞いてまいりましたが、今回のこの公職選挙法の改正によって、代筆による郵便投票制度ということで新たな制度がスタートすると、こういうことになるわけです。我々は、この動きを尊重しながら、じゃ次にどうするかということでありますが、少なくとも郵便投票制度の対象者の拡大、これを更に検討していかなければいけないというふうに思っています。
 ここで具体的に私、ちょっと三つほど具体例を申し上げたいと思うのでありますけれども、一つは、前回の五月三十日に私が本委員会で質問させていただいたときに、今の質問に関連するんですが、要介護認定を郵便投票の対象として活用することについて、選挙部長が、介護に要する時間という視点で等級が定められていることから、今の時点で私どもとしてこれを直ちにそのまま使えるかというと、いろんな課題がある、このように答弁をしております。これはこのとおりだと思うんですね。民主党も、そういう意味では一月から七回にわたってこの対象者の拡大の問題について議論をしてまいりました。例えば、日弁連が提言しているいわゆる医師の診断書による対象者の拡大の方法、こういうものも今後検討されなければいけないんじゃないかということがまず一つであります。
 そして二つ目には、大阪で二〇〇〇年の五月にベーチェット病とかパーキンソン病とか肝臓病のいわゆる難病患者の皆さん方が郵便投票制度を利用できるように改善を求める要望書を提出しております。こういう難病患者の皆さん方、いわゆる介護保険制度でいうならば四十歳から六十四歳までの人たちに対して、パーキンソン病の患者だけは特定疾病として介護保険の対象にされているけれども、ベーチェット病や肝臓病の患者の皆さん方は対象から外されているということがあって、つまり六十五歳未満のこういうベーチェット病、肝臓病の患者の皆さん方の、この要介護度認定を受けることができないためにこの制度の対象の外になってしまいます。また、症状が固定していないために障害者手帳も受けられないと、こういうことで、その結果、今回の改正によってもこれらの方々は該当しないと、こういうケースになってまいります。さらにまた、四十歳以下の人たちのパーキンソン病の患者の皆さん方も当然介護保険制度からは外れているわけでありますから、したがってそういう意味では、今度の法改正による対象の拡大といっても、それは全体の中でいうと、いろんな同じ難病患者の中でも矛盾が出てきているというふうに言わざるを得ないと思うんです。これが二つ目です。
 それから、三つ目の課題でありますけれども、今年一月から二月にかけて大阪の知的障害者の男性が大変投票に意欲を持っているということで、その父親が地裁に提訴をいたしまして、その判決が出されました。その判決の内容は憲法の趣旨に照らして改善が必要だと、こういうふうな判決であったわけでありますが、これを不服としてその父親は更に高裁に控訴をいたしておりまして、その判決もそのうち出るんではないかというふうに思っています。
 こういういろんなケースを三つほど挙げましたけれども、今度の法改正によって郵便投票制度の対象者の拡大という意味では、まず第一歩に就いたところではないかというふうに我々は考えております。
 そこで、本当に必要な人が対象となるようなそういう改正をこれからも続けていくべきだというふうに思いますし、衆議院の決議でもそのような内容が盛り込まれているということでありまして、今後この大阪高裁の判決やあるいは実務を担当する地方自治体の関係者の方々の意見などを聞きながら、この郵便投票の対象拡大について総務省は今後どのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#15
○政府参考人(高部正男君) 現行の制度で投票することが困難な方々の投票機会の確保をどのようにして図っていくのかというのは非常に重要な課題だというふうに私どもも認識しているところでございます。
 この場合、郵便投票といいました場合に、医師の診断というような御指摘もございましたけれども、委員よく御案内の、かつて制度があって、いろんな不正があったというような経緯もございまして、結局のところ、この郵便投票の対象をどう考えていくのかということについていいますと、選挙の公正あるいは投票の公正の確保という観点との調和をどのように図っていくのかということになるんだろうと思うんですが、範囲をどうするのか、認定方法をどうするのか、全国的に平等な取扱いが可能なのかといったような課題の解決が必要だと思っております。今回の法案におきましては、介護保険の要介護度認定の基準を活用するというふうにされたものだというふうに承知しているところでございます。
 いずれにいたしましても、どういう形で投票、現行制度では難しい方々の投票機会を確保していくのかというのは非常に大きな課題だというふうに考えておりまして、選挙の公正を図りながらどういうことが考えられるのか、私どもも引き続き検討をしていきたいと考えておりますし、またこの重要性にもかんがみまして、各党各会派におかれましても引き続き御検討をいただけたらと、かように思っているところでございます。
#16
○谷博之君 最後に、一点要望させていただきますが、今はいろんな対象者の拡大の話をしてまいりましたけれども、今後引き続いてこの本委員会でもこうした課題に是非議論を進めていただきますようにお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#17
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。
 今度の法改正は非常に重要な前進を含んでおりまして、私ども日本共産党、賛成でございますが、幾つかの点を確認だけしておきたいと思います。
 既に、谷委員の質問で明らかな点もありますので、一点か二点だけに絞りたいと思います。
 この郵便投票というのは一九五〇年代に一度廃止されました。それが、その原因が、要するに不正が横行したということなんですけれども、そういったことを考えますと、やっぱりこの不正防止の手段というのはきちんとしないといけない。罰則で担保されているということなわけですけれども、要するに不正が起こり、起こし得ないような何らかの手段というのもやっぱり考えていかなければいけないんだろうと思うんですね。
 そこで、要するに、代理人の申請なんですけれども、これについては、選挙人本人がこの代理人を選択して申請するということになっています。そこで、郵便投票を行うということの申請とか投票用紙の請求、これは代理人を通じて行われるわけなんですが、まず、この代理人が選挙人本人が選定しました、選びましたということとか、それから申請書ですね、それ自身が選挙人がきちんと確認をしたものであるということとか、その確認が非常に難しいと思うんです。手が不自由だということで書けないというならいいんですけれども、視覚障害者の場合、代理人が代筆するわけですね。どういうふうに代筆したのか分からない、その確認を一体どういうふうにしたらいいのかという問題があるわけですね。この辺のところは政令で一体どういう形でクリアしようとしているのか、ひとつ簡単に説明願います。
#18
○衆議院議員(竹本直一君) 御心配のようなことが当然考えられるわけでございますが、本法案におきましては、郵便等投票における代理記載制度を利用できる者は、郵便等による不在者投票できる選挙人で、自ら投票の記載をすることができないものとして、まず政令で定めるものとされているところでございます。したがいまして、上肢障害一級、視覚障害一級の身体障害者手帳の保持者等、等と申しますのは戦傷病者手帳等を申し上げますが、そういったものに限定して代理記載制度が利用できることを予定いたしております。
 お尋ねの、代理記載人の選定を行う者につきましては、代理記載制度を利用できる選挙人であり、当該選挙人が代理記載人をあらかじめ市町村の選管の委員長に届け出ることとされております。
 それで、申請された代理記載人が選挙人本人の選択であることの確認の方法でございますけれども、政令に委任するわけでございますが、これまで各党間の協議におきましては、郵便等投票証明書の交付を受けていない選挙人については、申請をするに当たって身体障害者手帳等を添えることによって選挙人本人からの申請であることを確認いたします。それから、既に郵便等投票証明書の交付を受けている選挙人につきましては、申請するに当たりまして郵便等投票証明書、それから身体障害者手帳等を添えることによって選挙人本人からの申請であることを確認することを考えております。
 いずれにいたしましても、御心配のとおり技術的な問題はいろいろあると思いますが、できるだけ不正のないようにあらゆる努力をされたいと思っております。
#19
○池田幹幸君 五〇年代の場合には、だれかが勝手に投票用紙を申請して大量に投票したという不正事件があったわけですね。
 そうしますと、私、こういうことも考えられないのかと思うんですが、投票所での場合は代理人が二人付きますね、投票所では。現行そうなっています。そうしますと、この郵便の場合も、代理人が本人の代筆するわけですけれども、その代筆したということをきちんと証明できるもう一人の立会人といったような、投票所におけるようなやり方、これが考えられないのかと、こういったこともひとつ政令の段階で検討できるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがですかね。
#20
○衆議院議員(竹本直一君) 確かに、たしか二十六年でしたか、そういういろいろな事件がありまして、いろいろな制度の改善がもたらされたわけでございますけれども、お尋ねの代理記載人の公正性を確保するというのは非常に重要なことであると我々は考えております。
 そこで、本改正案では、代理記載人の公正性を確保する観点から、代理記載人が選挙人の支持する候補者の氏名等を記載しなかったとき、又は投票を無効とする目的を持って虚偽の記載等をしたときには記載義務違反の罪を新たに設けることにいたしております。また、代理人が正当な理由がなく選挙人の投票に干渉したときは投票干渉罪の適用を考えております。
 委員御指摘のとおり、代理記載人のほかに代理人を付すことも考えられるわけですけれども、代理記載人のほかに立会人を要求することにより選挙人の投票機会を狭めないか等、慎重に検討を要する問題があると考えております。
 要は、いろいろ条件を付けますと、そもそも投票することについて意思を発言し、あるいはその他もろもろのことをすることに不自由な方でございますので、余り、あれもしなきゃいけない、これもしなきゃいけないということは、かえって、そんな面倒ならやめてしまおうと、こういう人も出てくるんではないかと、そんなことを考えまして、今申し上げたような制度にしようかと考えておるわけでございます。
 それから、この改正案におきましては、選挙の公正の確保と選挙権行使の機会を拡充する必要性との調和を図るという観点から、代理記載人をあらかじめ選挙管理委員会の委員長に届け出ることとし、代理記載人の公正性の確保については罰則をもって担保することといたしております。
 以上であります。
#21
○池田幹幸君 罰則で担保しているという点については重々承知しているんですけれども、やはりもう少し、投票機会を拡大しようということですから、御心配のような点も確かにあると思うんですけれども、さらに巡回投票制度といったようなことについても検討してきて、今回はそれ取らなかったわけですけれども、そういったことも引き続きお互い検討していきたいというふうに思います。
 終わります。
#22
○大江康弘君 おはようございます。
 今日は、こういう国会日程の中で、大変、委員長が御尽力をされまして、それぞれの会派の御協力もあってこういう時間帯に開かれて、こういう時間をいただいてということで、もう簡潔にしたいと思うんですけれども、実は副大臣がちょっとこちらに来るのが遅れておって、採決するときにこれ間に合わないから、ちょっと質問延ばせというようなことでありまして、これは不可抗力であろうかと思いますけれども、これは仕方のないことで。この法案は全会派一致でありますし、特に衆議院の方で、高橋委員長また竹本委員長代理始め、この法案のお取りまとめをいただきました皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 やはり、この投票率の低下というものが叫ばれて大変久しい。我々投票される者にとって、立候補する者にとっては、やはりこの投票率が一喜一憂をするわけであります。なぜもっと行ってくれぬのかな、なぜもっと投票してくれないのかなと、実はこんなことを思いながら絶えず選挙を重ねてきたわけでありますけれども、そういう意味におきましては、やはり当たり前の権利の行使というものが今までできなかった中で、それがやはり今回門戸が開かれたということは、大変私はよかったというふうに賛意を表したいと思いますし、関係の皆さんにも御礼を申したいと思います。
 そこで、ちょっと選挙部長、一点。今回、要介護五という方が新たに加わったやに聞きます。仄聞するに、こういう方が四十万人おられるというようなことも聞くんですけれども、今回のこの法案によってどのぐらいの方が対象となって増えていくというか、権利を有することができるのか、ちょっと選挙部長、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(高部正男君) 新たに対象になる方々がどのぐらいおられるかということでございます。これにつきましては、私どもも厚生労働省の方といろいろ協議をいたしまして、どういう状況になっているのかというようなことをお尋ねしたところでございます。
 そういう中で、私どもいただいている数字でございますが、委員御指摘いただきましたように、現在、要介護五ということで指定されている方が約四十万人おられるようでございます。この四十万人のうちの約二十六万人が施設に入所しておられる。御案内のように、施設へ入所されておりますと、すべてではありませんが、施設の長が不在者投票管理者になりまして、そこで不在者投票できるというような仕組みでそれが利用できますので、こういう方々を除きますと、在宅の要介護五の方々が約十四万人おられるということでございます。この在宅の約十四万人の方々のうちに、介護保険の対象になる方も既存の身体障害者手帳をお持ちの方もおられるということでありまして、こういうことで、既に対象となっていると見られる方々が二万人程度おられるのではないかということがございまして、今回新たに郵便投票の対象に要介護五を加えることによって純粋に対象となると見込まれます数でございますが、推定の部分も入っておりますが、約十二万人になるのではないかというふうに考えております。
 あわせて、今回、お尋ねございませんでしたけれども、あわせて、今回、代理記載の制度を入れるということで、この関係で新たに対象になる方もおられるわけでございます。これまで郵便投票などの対象になっておりましたのは、例えば両下肢一、二級といったような障害をお持ちの方々がおられたわけでございますが、こういう方々のうちでも、証明をしなければいけないということでこれまで対象になっておられなかった方、今回、各党間の議論の中で、上肢障害一級の方、それから視覚障害一級の方が新たに対象になりますので、これらの方が約十三万人おられるようでございます。
 先ほどの十二万人と十三万人合わせまして、今回の制度で新たに対象となってきます方々が約二十五万人になるのかなというふうに推定しているところでございます。
#24
○大江康弘君 済みません、もう時間なんですけれども、本来聞きたかったことが聞けなかったものですから。延ばさないかぬと思ってちょっと余計なことを聞きまして、余計なことじゃないですが、ちょっと。
 最後に一点だけ、部長。
 やはり、その公正さということのこの担保というものは罰則ということで今回言われておるんですけれども、果たして、選挙人の方が代理記載人を指名するということは、当然、日ごろのお互いの人間関係、信頼関係もあるとは思うんです。しかし、そういう中で、本当に自分の意思がどういうふうに正確に書いていただけるかということの中で、これやっぱりいろんな問題が起こってくるという、罰則だけで担保できるのかという、こういう一つの不安があるんですけれども、最後に、この公正さの確保ということについて、ちょっと部長、簡単に答弁いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(高部正男君) 先ほど来の御議論で若干触れましたけれども、今回、代理記載人については、あらかじめ届けていただく、それから署名をいただくということになっておりますので、そういう仕組みを取ること自身が、罰則の制度と併せまして選挙の公正に資するのではないかというふうな御議論をいただいているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、選挙人の便宜と選挙の公正というのを、どこの調和、どこで調和を取るのかという観点の中で、今回の改正について御議論を、いろいろ御議論をいただいたものだというふうに私どもは認識しているところでございます。
#26
○大江康弘君 終わります。
#27
○委員長(沓掛哲男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#28
○委員長(沓掛哲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、福山君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
#29
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、選挙権が議会制民主主義の根幹をなすことにかんがみ、国民に投票の機会の保障が確保されるよう、次の諸点につき特段の配慮を行うべきである。
 一、自宅から外出できない障害者、高齢者等の選挙権行使の機会確保に十全を期すため、郵便等による不在者投票の拡充と併せ、選挙管理委員会の職員等が自宅を訪問して投票を受け付ける巡回投票等についても、その導入を検討すること。
 二、情報化社会の進展に伴い、障害者、高齢者等、誰もが公平かつ容易に使用できるユニバーサルデザインに基づいた電子投票システムを早急に確立すること。
 三、すべての国民について選挙権行使の機会が確保されるよう、本法の施行状況等を勘案しつつ検討を行い、必要な措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#30
○委員長(沓掛哲男君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#31
○委員長(沓掛哲男君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、若松総務副大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。若松総務副大臣。
#32
○副大臣(若松謙維君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 大変ありがとうございました。
#33
○委員長(沓掛哲男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前九時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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