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2003/07/23 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第5号
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2003/07/23 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第5号

#1
第156回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第5号
平成十五年七月二十三日(水曜日)
   午前十時二十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十五日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     池田 幹幸君
 七月二十二日
    辞任         補欠選任
     浜田卓二郎君     遠山 清彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 道夫君
    理 事
                佐々木知子君
                山下 英利君
                若林 正俊君
                櫻井  充君
                荒木 清寛君
    委 員
                荒井 正吾君
                小斉平敏文君
                小林  温君
                近藤  剛君
                清水 達雄君
                田中 直紀君
                野上浩太郎君
                林  芳正君
                福島啓史郎君
                浅尾慶一郎君
                小川 敏夫君
                辻  泰弘君
                山根 隆治君
                魚住裕一郎君
                遠山 清彦君
                池田 幹幸君
                小池  晃君
                平野 達男君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       金融庁監督局長  五味 廣文君
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       財務大臣官房審
       議官       加藤 治彦君
       財務省主計局次
       長        佐々木豊成君
       財務省理財局長  牧野 治郎君
       財務省国際局長  渡辺 博史君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        太田 俊明君
       中小企業庁事業
       環境部長     大道 正夫君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○金融問題及び経済活性化に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
○継続調査要求に関する件



    ─────────────
#2
○委員長(佐藤道夫君) それでは、金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたしたいと思います。
 最初に、委員の異動について御報告いたします。
 六月二十五日に、大門実紀史君、委員を辞任され、その補欠として池田幹幸君が選任されています。
 それから、二十二日、浜田卓二郎君が委員を辞任され、その補欠として遠山清彦君が選任されています。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤道夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長五味廣文君、法務省入国管理局長増田暢也君、財務大臣官房審議官加藤治彦君、財務省主計局次長佐々木豊成君、財務省理財局長牧野治郎君、財務省国際局長渡辺博史君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長太田俊明君、中小企業庁事業環境部長大道正夫君及び国土交通省住宅局長松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤道夫君) 異議なしと認めます。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤道夫君) 次に、金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。竹中金融担当大臣。
#6
○国務大臣(竹中平蔵君) 本年六月六日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、昨年十月一日以降本年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが本報告の概要について御説明申し上げます。
 まず初めに、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について御説明申し上げます。
 一昨年十二月二十八日に金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分がなされた石川銀行については、本年三月二十四日、日本承継銀行を経て、北陸銀行、北國銀行、富山第一銀行、金沢信用金庫及び能登信用金庫への営業譲渡が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。
 また、昨年三月八日に管理を命ずる処分がなされた中部銀行については、本年三月三日、日本承継銀行を経て、清水銀行、静岡中央銀行及び東京スター銀行への営業譲渡が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。
 次に、被管理協同組織金融機関について申し上げますと、今回の報告対象期間中に、五信用組合について事業譲渡が行われ、管理を命ずる処分が取り消されております。
 次に、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。
 今回の報告対象期間中に、預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行については五十四件で、債権額千四百三十二億円、支払額千二百四十三億円であり、あおぞら銀行については三十一件で、債権額千三百五十六億円、支払額八百六億円となっております。
 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について御説明申し上げます。
 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、破綻金融機関の債務超過の補てん等のために預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助の額は、今回の報告対象期間中において四千八百九十二億円であり、これまでの累計で十八兆六千八百四十一億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取り額は、報告対象期間中で千九百八十一億円、これまでの累計で六兆三千六百六十三億円となっております。
 これらの預金保険機構による資金援助について、本年三月三十一日現在における公的資金の使用状況について申し述べます。
 一般勘定、特例業務勘定、金融再生勘定及び金融機能早期健全化勘定における政府保証付借入等の残高は、各勘定合計で二十兆八千七百三十六億円となっております。また、特例業務勘定の特例業務基金に交付された十三兆円の交付国債の償還額の累計は、十兆四千三百二十六億円となっております。なお、平成十四年度末において特例業務勘定は廃止され、償還されていない二兆五千六百七十四億円の国債は政府に返還されております。
 ただいま概要を申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐藤道夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○山根隆治君 おはようございます。
 質問通告に沿いまして順次お尋ねいたしておきたいと思います。
 今の竹中大臣の御報告を聞かせていただいて、本当に日本の金融システムがついにもうここまで来ているんだという思いが禁じ得ません。今日まで本委員会で様々な角度から専門的な経験等を生かしていろいろな方が御質疑されてまいりましたけれども、一体いつになったら金融システムが安定していくのかという漠たるそうした思いが次々と浮かぶわけでございます。
 実は私は、二十二年間、地方議員をやってきました。市会議員を十六年やって、県会議員を六年やってきて、非常に地方議員としての活動が長かったわけでございますけれども。市会議員のときには道路環境とか生活に非常に密着した御相談事が非常に多かった、選挙区内を東奔西走したという思いがあるんですけれども、県会議員になってくるともう激減して、余り陳情がないんで、県政とは何なのかという思いもちょっと持ったことはあるんですけれども。
 一昨年の参議院選挙を当選してから、陳情のほとんどはやっぱり金融問題なんですね。それはどういうことかというと、以前ですと、例えば市中にある市中銀行の支店長等にお話しすると、零細中小企業から融資の申込みをしているけれども、今ちょっとうまくいかないんで何とか話してくれないかということでお話が、御相談があると、うまくいっていたのに、何で山根さんに話するとうまくいかないのかと、こういうことでよく言われたりいたしました。私自身も随分、それなりに自分の許せる範囲で、私の立場もありますから、いろいろな中小零細企業の皆さんの融資の問題については東奔西走してきましたけれども、なかなかうまくいかずに、ノー、ノーという、そんな返事ばかりなんですね。
 いろいろなことをあえて承知の上でお尋ねをこの際しておきたいと思いますけれども、このような金融機関の状況に至った最大の原因、そう端的に言えないし、改めてどんなふうな思いを持っておられるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#9
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、日本の金融システム全体、非常に大きな問題を抱えたままもう十数年走ってきたのだというふうに思います。
 要因を挙げるのはなかなか容易ではないんでありますが、非常に、ちょっと視線を遠目に置いて見てみますと、日本の銀行融資の残高、銀行融資残高というのが、八〇年代の前半ぐらいまではGDPに対して大体七〇%ぐらいであったと。それがバブルに向かう過程でどんどん膨らんでいって、最高一一〇%弱ぐらいまで行った。極端に言えば、十年間で総体規模が一・五倍になったと。この間、やはり銀行は非常に安易に貸したということになったし、逆に企業も、これ全部の企業ではありませんけれども、やはり安易に借りたと。その修正をもうせざるを得ない状況にこの十年間置かれてきたということだと思います。
 その過程で、今はマクロ的なお話を申し上げておりますが、ミクロ的にはいわゆる貸し渋り、貸しはがし的な状況が起こってくる。銀行は銀行でその自己資本を維持されなきゃいけないということで必死になる、企業は企業で当然のことながら必死になる、そういう言わばバランスシートの調整を両方ともしなければいけなくなった状況であろうかというふうに思っております。
 これはしかし大変苦しい道でありますが、打ち出の小づちのような方法は実はやはりどこの国の経験を見てもないわけで、銀行としてはしっかりと資産を洗い出して、それをルールを決めて着実に減らしていく。その間の、同じように企業についてもバランスシートの調整が求められて、必要なリストラもしなければいけないでしょう。しかし同時に、そこに信用保証のような形で、セーフティーネット保証、セーフティーネット融資のような形で激変を緩和するセーフティーネットを用意して、できるだけその準備をしていこうと。大変地道な努力を重ねていかなければいけないという状況に追い込まれているんだと思っております。
 この点について我々更に努力しなければいけないことはたくさんあると思っておりますし、細心の注意を払いながら政府と、行政府と、それと民間企業、それで従業員の方、それぞれ一丸となって難局を乗り切らなければいけない状況であると思っております。
#10
○山根隆治君 民主党も行った調査がございます。それから、政府自身も行った調査がある。それどういうことかというと、末端の中小零細企業の事業主の方々が政府の改革路線、現場ではどのように受け止められているのか、あるいはさらに具体的にどのような問題があるのかというアンケート調査をいろいろな機関、政府も含めてしております。
 私自身も地域において、例えば川口のある零細企業の方から言われました。非常に、日本の経済システムというのは二重構造に今なっておりますけれども、いろいろな製品の開発については零細企業から生まれてくることが非常に多い。例えば、汚物処理システムをある川口の方が開発をされました。それには二億円だったか三億円だったかの設備投資してわざわざ開発したと。しかし、それをいざ、今度はそれを販売に乗り出そうといったときに、全部資金がもう枯渇していて、そこで金融機関に駆け込んだけれども、もうその担保も底をついているということで、なくなっていますよというふうなことが言われたと。あるいは、建設業者の方でも、マンションの非常に床張りの中にある工夫をして、そしてきしむ音を和らげる、そうした製品開発をしたけれども、それをやはり販売していく営業力というか、というところで非常に資金が枯渇してしまったというふうな話も実は御相談を受けたことがあります。そうした話を持っていきましても、やはり担保担保というふうなことで、軌道に乗れないで、こうした製品開発の意欲というものがなえてきている、そういう環境が非常に私あるなというふうに感じているわけです。
 大臣自身がいろいろなイメージを持って金融システムというものの改革に今取り組んでおられるという御努力に対しては評価するにやぶさかではない面もございますけれども、こうした政府が考えている、あるいは大臣がお考えになっていることと現場とのやっぱりギャップというものについては非常に私、大きいものがあるように思うんです。
 こういう点について、もういろいろなアンケート調査等の結果ももうごらんになっていらっしゃるかと思うんですけれども、これらの何か埋める知恵というか、そういう思いというのはございませんか。
#11
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の山根委員の御指摘、一つの例として御紹介してくださいましたが、そういった正にミクロの現場を踏まえるということは、これは大変重要なことであると私自身常に考えております。
 よく、構造改革の結果、銀行が融資態度を厳しくしている、貸し渋りが起こるというような言い方をされるんですが、これは実は現実はそうではないわけですね。このような、先ほど銀行が融資を、どんどんどんどん残高を減らしているというふうに申し上げましたが、これは小泉内閣ができるもう何年か前から始まった現象です。銀行はそうせざるを得ないような市場からの厳しい圧迫、評価を受けたと。むしろ構造改革というのは、そういうふうに調整をしなければいけないのであるならばきちっと調整しようではないかと。ルールを決めて調整しよう、そのために必要な制度整備をしっかりやっていこうではないかと。私はこれが構造改革の本質であるというふうに思っております。
 今の委員の例示で言うならば、銀行は川口のその企業に、本当にきちっとした目利きの能力があれば、単純に担保に頼るということではなくて、目利きを持ったそういうしっかりとしたリスクを取れる金融機関であるならば御指摘のような問題は本来生じないはずであると。それはしかし、どうしてそのようになっていないのかと。これは、やはりこれまで言わば右肩上がりの中で安易に融資をするという姿勢で、なかなか融資のノウハウが蓄積されていない、担保にだけ頼る、そういった金融システムそのものを変えると。担保に頼らない融資というのを増やせというのがこれは実は金融再生プログラムの中にもうたっていて、実際、我々、そういう働き掛けを随分しているわけであります。
 その意味では、私自身は、できるだけ今御指摘のようなミクロの情報を踏まえながら、きめ細かさを伴った、しかしやらなければいけない調整はしっかりやっていこうと。そのような政策を取っていくことがどうしても必要であろうと思っております。
 もう一つは、先ほども申し上げましたが、やはり変化をしなければいけないときにはそれを救うセーフティーネットというのはどうしても必要になってくる。これに関しては経済産業省でも大変御努力くださって、例のセーフティーネット保証というのができてから実は統計を見ると非常にその辺は正直に現れているわけで、セーフティーネット保証が充実してきた時期から実は日本の企業倒産数は減っております。企業倒産は実は今十か月連続で前年を下回って減少していると。小さなサインではありますが、やはり重要なサインであると思っている。その背後にはそうした経産省も努力してくださったセーフティーネット保証、セーフティーネット融資の存在があるというふうに思っております。そのためには、過渡的には政府系金融機関の活用というのも大変重要になってくる。
 そういう総合的な対応が、中長期的な方向を明確にしながらきめ細かい対応をしていくということが政策には求められているのだと思います。
#12
○山根隆治君 かなりの長期間にわたって企業の倒産が減っていると、減少してきているということ、それはお心の中ではしてやったりと、効果が出てきたなというふうに思っているかも分かりませんが。
 実は株価の問題でもそうですけれども、ここへ来て経済の復調といういろんな指標、経済指標等が出ているというのは、私はやはり企業努力に負うところがすごく大きいと。つまり、もうリストラをし切って、体を絞り切って、企業が体質強化をしてきた、それがそろそろ出てきたということであって、私は必ずしも政府のいろいろな施策のおかげだというふうには非常に思いにくいという点をまず御指摘は、それはしておかざるを得ないと思います。
 先ほど申し上げましたように、川口の事例、零細中小企業の方々のいろんな知恵というもの、それが日本の経済というものを支えてきた。知的なやっぱり蓄積というものをもって今日のやはり日本の経済を築いたわけでございますから、私はこうした知恵というか、零細企業の方々の汗、そういうものをやはりどうしてもやっぱり生かしていかないと後々取り返しの付かないことになるんじゃないかと、そういう思いが非常にするわけで、あえてこんな事例を挙げてお尋ねをしたわけなんですけれども。
 民間の金融機関と、それから政府系の金融機関があるわけで、私は、民間についてはある一定のやっぱり限度が政府の介入について当然あるわけでございますけれども、政府系金融機関というのがもう担保担保ということではなくて、やはり今大臣お話のあったような目利きですか、そこにやはりシフトこれからしていって、私は、体質をやっぱり変えていく必要がもうすぐそこまで来ている、迫られているものだろうというふうに思っているわけです。
 ですから、政府系金融機関でそうしたハンドルを大きく切ることによって、当然民間の金融機関もそれに倣うような形に結果としてなるわけですね。それは上からの上意下達ということではなくて、政府の姿勢、後ろ姿を見せることで私はそういうふうになっていくんだろうと思うんです。
 例えば、少し話が広がりますけれども、担保担保というふうな話でいえば、社長さんの個人の資産、家屋敷を担保に入れなくては駄目ですよということで自殺者を生む、三万五千人だとかというふうに、それは全部が経済的な事由ではないにしろ、かなりその比率が上がっていることは確かですけれども、こうしたことを防ぐのにも、私は政府系金融機関がそうしたことを全部排除していくということを示すだけで民間への影響というのはかなり出てくると思うんですけれども、こうした点についての決意、政府系金融機関に対するお考え、聞かせてください。
#13
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年の経済財政諮問会議でこの政府系金融機関の在り方についてのかなり包括的な議論を行い、取りまとめも行いました。基本論は、これは、民間でできることは民間で、政府が仕事を取り込むのではなくて民間でやっていただくというのがこれはあくまでも大原則であろうかと思います。しかしながら、今委員も御指摘されましたように、実は目利きの力とか金融機関としての専門家としての力というのは、本来でしたらお役所仕事的なところよりも民間の厳しい競争にさらされているところの方が進んでくるはずなのに、残念だけれども結果はそうはなっていない。
 例えば一例として申し上げるならば、DIPファイナンスと言われるような、今企業の再生に向けてのファイナンスの仕組みとかというのは、これは非常に重要な大きな金融機関にとってのマーケットであるにもかかわらず、民間ではできなくて、結局のところ政府系の金融機関である政策投資銀行がそれに先鞭を着けて一生懸命やっているという現実があります。恐らく、その分、日本の民間の金融機関が八〇年代ぐらいまでのいわゆる護送船団という空気の中でノウハウの蓄積が進まなかったということと、もう一つは、その後は一気に不良債権でバランスシートが痛め付けられて、それまでの余裕がなかったということに帰するんだと思います。
 その意味では、実は、中長期的には民間でできることは民間でという議論を大切にしながらも、当面の間、この政府系金融機関をもう存分に活用するということが現実の日本経済の運営では非常に大切になっているというふうに理解をしております。昨年取りまとめました諮問会議の報告でもこの点を前面に出しまして、当面はこの政府系金融機関を活用して、特に中小企業のセーフティーネット等々の部分でこれを積極的に活用するということを前面に打ち出しております。
 我々としては、この今の正に過渡期、集中調整期間といいますか、この不良債権処理を進めなければいけないあと二年ぐらいの間には、特にこの政府系金融機関の活用というのが大変重要な意味を持っているというふうに考えております。
#14
○山根隆治君 少し時間がたってまいりましたので、次に移らせていただきたいと思います。
 この国、我が国の景気回復を早急に果たさなくてはいけない、どのように果たすか。いろいろな手だて、それこそ魔法のつえはないということは確かでございます。しかし、いろいろな改革を積み重ねた後で日本の国はどのような姿になるのかということについてまだまだ国民のイメージが定着していない。この国は、我が国はどこへ行こうとしているのか、どのような社会を目指そうとしているのかというのは、私はまだ見えてきていない、経済の面についても、というふうに思っています。
 やはりいろいろな、この国の経済を改革していくのに、今、パイを大きくするというよりも、例えば税制をいじくってみたり、あるいはまた四月から健康保険を引き上げてみたり、国民の、言わば国民への負担を強いることによって乗り切ろう、そちらの方にどうも目が行っているように私自身は思えてならないんです。やはり根本的には、我が国の直面している問題というのは少子化ということがあるし、それから海外に資産が流出している、産業の空洞化といったふうな問題があるわけですけれども、これを真正面からとらえて、我が国のあるべきイメージというか、それがどうも見えてこないような気がしています。
 例えば、イギリスの経済のありようというのは、昨年もちょうど私、イギリスへ行ってきましたけれども、非常に活気あふれているという感じではないけれども、非常に静かな、何か大人の国というふうなイメージというのがイギリス、まだ二度しか行っていませんけれども、そういうものを感じるわけですね。それは長年のいろんなストックというものがあって、すごい産業があるわけではないけれども、様々な形で国家としての国益というものを作っているという一つのイギリスとしてのイメージがある。
 日本のこれからのありようというもののイメージがいま一歩見えてこないんですけれども、この辺をもうちょっと立体的に御説明いただけますか。
#15
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済を良くすることが重要である、しかしその先にどういう日本を見るか、これは当然のことながら大変重要であり、それを示していくのがまた政治の大きな役割であろうかと思います。
 基本的に、経済に関しましては、例えば「改革と展望」等々で中期的なマクロ経済の姿を示すという努力は我々なりにしております。これも実は今までにはなかった試みでありますので、一つの進歩であるかなとは思いますが、マクロ経済の数字だけ見せられても国民はそんなに明確なイメージを持つことができないという御指摘もそのとおりだと思います。
 一方で、国民生活局では、そうしたことも踏まえて、いわゆる社会生活に関して未来生活懇談会というのを、これは官房長官と私が主宰する形で作りまして、一つのイメージを持っていただくために有識者を集めていろんな議論を重ねたという事実もございます。これはこれで御評価をいただいた面もありますが、しかしまだ、これまた委員の御指摘のとおり、そんなにはっきりとした姿が見えていないのではないかという御指摘は私はあろうかと思います。
 これは同時に、じゃどのようにしたらよいのかなというふうに考える場合に、例えばアメリカが、イギリスが、ヨーロッパの国々が行政府としてそういう国家ビジョン、国家イメージのようなものをどこかで出したかなというふうにいうと、これもそうすると必ずしも思い当たるものがない。ホワイトハウスが二十年後の生活についてレポートを出したわけでも考えてみたらないなと。結局のところ、こういう問題というのは、政治的ないろんな議論の中で何がよいだろうか、何を目指すべきだろうかという国民経済的な議論の中である意味では自然に培われていくという性格も持っているんだと思います。
 しかし、我々としてはまず経済に関してどのようなイメージができるか、少なくとも国民の皆さんに議論をいただく素材をより多く出していかなけりゃいけないということは事実であろうかと思っておりますので、これは「改革と展望」、骨太の方針等々を、より国民の皆さんから見て魅力的なものにするような、そういう努力は担当大臣としては是非しっかりとやらなければいけないと思っております。
#16
○山根隆治君 そこで、私は、短期、中期、長期で国のなすべき景気回復策ということで幾つかちょっと提案させていただきたいというふうに思うんですけれども、一つは、住宅ローン減税が今年十二月一杯で期限が切れるということでございますけれども、私は、非常に住宅建設というのは景気の回復にすそ野が広いので即効性が非常にあるということの状況というのは今でも変わっていないんだろうというふうに思います。
 そこで、具体的には住宅建設に伴う耐久消費財等の購入額が住宅投資の八%に相当するということが数字として挙がっているわけでございまして、例えば平成八年度の名目値で住宅投資額が二十九・五兆円でございますけれども、この住宅建設に伴う耐久消費財の購入額というのは二・三兆円になっていて、最終的に最終需要に対する生産誘発額というのは実に六十二・五兆円になる、こういう非常に大きな数字があるわけでございまして、今年度この住宅ローン減税というものを打ち切るということになると、非常に日本経済の足を引っ張ることになりはしないかというふうに思うわけでございますけれども、この点について、住宅ローン減税、更に引き続き行うのかどうか。国土交通省と財務省との綱引きということ、今あるように聞いていますけれども、どのようなことになるのか、政府としての御答弁願います。
#17
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、住宅建設というのは大変景気対策上大きな効果がございます。例えば、住宅建設十万戸当たり約二十六万人の雇用誘発効果がございます。それから、住宅投資額の約一・九倍に及びます木材、ガラスなど関連資材を含めました生産誘発効果がございます。また、委員もおっしゃいましたが、住宅取得に際しまして約二百万円、一世帯当たり約二百万円の家具あるいは家電製品、こういったもの、耐久消費財の購入というものがございまして、十万世帯では約二千億円の消費の拡大というような大変すそ野の広い大きな経済効果を有しております。現在の厳しい経済情勢にあって、住宅投資を促進するということは大変重要な課題であると考えております。
 最近の住宅建設の状況を見ますと、雇用あるいは所得環境が大変厳しいということを背景といたしまして、新設住宅着工戸数は平成十四年度は百十四万六千戸ということで百十五万戸を下回る水準となっておりまして、その後、最近では更に前年をやや下回る水準で推移しているという状況でございます。
 このため、国土交通省といたしましても、国民の住生活の向上ということを図ることは当然でございますが、経済活性化に資する住宅建設、住宅投資を促進するためにも、住宅ローン減税におきましてこれらにマイナスの影響を与えるような制度の変更は問題であると考えておりまして、経済情勢等を適切に見極めながら、税制改正における最重要課題の一つとして対処してまいりたいと考えているところでございます。
#18
○山根隆治君 平成十年十月十四日に経済戦略会議が短期経済政策への緊急提言というものを行いました。今行われている住宅ローン減税については、いろいろな制限という、条件というものがございまして、今の時代に必ずしもマッチしていない、もう少し緩和措置をいろんな面で取るべきだろうというふうに思いますし、そういう情報等もたくさん国土交通省もお持ちだと思いますけれども、今言いました経済戦略会議の中でも指摘されているように、床面積や上限所得に関する制限を設けないで、設けず、土地取得やセカンドハウスについても認めるべしといった指摘等が経済戦略会議で出されております。
 この経済戦略会議の委員のメンバー見ますと、当時慶応大学の教授であった竹中大臣もこのメンバーのお一人でございますので、ある意味では、この住宅ローン減税についての推進について、それを積極的に支援する義務があると私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#19
○国務大臣(竹中平蔵君) 住宅需要面の掘り起こしという観点からも、また国民生活の直接的な向上という点からも住宅の質的拡充というのは大変重要な課題であるというふうに思っております。同様の議論は、引き続きまして、したがって経済財政諮問会議でも民間議員を中心に非常に活発に、時に活発にしていただいております。私自身も、そうした意味では、住宅ローン、住宅減税についてはいろんな観点からの政策的な工夫が必要であるというふうに引き続き思っております。
 同時に、その制度そのものを実態に合わせていくためにはどのようにしたらよいか。当時の経済状況と今とは少し違うということも踏まえて、今の時代にふさわしい制度作り、工夫は是非我々も引き続き諮問会議を中心に議論して努力をしていきたいと思っております。
#20
○山根隆治君 実は民主党でも、住宅だけではないんですけれども、民主党の場合には、住宅、自動車、教育費等を中心にして、キャッシュローン以外のすべてのローンに掛かる利子を所得控除するローン利子控除制度というものを創設して、資産デフレを軽減して、将来的にも、金利が上昇した場合でも消費の下支えがされるようにということで提言を実はさせていただいております。
 今、様々な角度から見直しの必要があるというふうなお話ございましたけれども、こうした私どもの提案に対してはどのようにお考えになられますか。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 提案の細部までは今ちょっと存じ上げているわけではございませんが、基本的にはやはり住宅投資というものを社会的に重視しようということ、それに関しては、利子控除とか経済的なインセンティブに、直接インセンティブにかかわる部分、これは特にアメリカの制度なんかを参考にしながら重視しようということに関しては、私は政策の方向としては十分にあり得る方向であるというふうに思っております。
#22
○山根隆治君 ありがとうございました。
 もう一度、改めて国土交通省に伺います。
 住宅政策全体についての考え方をお伺いしたい、あるいは私の提案に対しての御見解をいただきたいと思いますけれども、これからの住宅建設は、もう少しスケール、質ともにやはり発想を変えていかなくてはいけない、そういう時代に来ていると私は思います。様々な、前提が五十平米ということで、土地の面積は五十坪という想定の中でいろいろな住宅建設の促進ということを図ってこられましたけれども、これからは、私は、敷地面積ということでいえば百坪程度のものに変えて、良質な住宅を建設ということを考えていくべきではないかというふうに思っております。
 私、埼玉県の過疎地というか農村地帯に住んでいるところでございますけれども、近隣の住宅を見てみますと非常に三十年ほど、ほとんど建て替えたり、あるいは非常に傷みが、老朽化が激しいというふうな実態を目の当たりにしているわけですけれども、私はこれからはやはり百年単位で住宅というのをキープしていく、そういうことで私は良質な住宅を最初からもう造っていく必要があるだろうと。
 アメリカなどでは、そうした良質な住宅というものを何度も何度もメンテナンスしながら、最終的にはその家を資産処分して、そして老後を別のところで、気候が温暖なところ等で過ごすと、そういうふうなパターンがあるわけですけれども、すべてアメリカのまねする必要ないですけれども、そこに私はこれからの住宅政策の知恵があるんじゃないかというふうな気がしてなりません。
 特に、私、埼玉県に住んでいて、飯能とか秩父の山が非常に荒れております。住宅建設、どういうところの住居に住むかということについては、今ほとんど外材ですけれども、私はやはり日本の気候風土に合った材料というものを使う中で本当に住んでいても非常に気持ちの安らぐような住宅というものに私はなっていくんだろうというふうに思うわけです。
 ですから、そこのところも、今までの前提というのを大きく、ただ住めばいいということではなくて、メンタルな部分でも、住んだ方が落ち着けるような、非常に良質な住宅というものを建てていく必要があるだろうと、システムも全部それに合わせていく必要があるだろうと思うんですが、この点についての考え方をちょっと聞かせてください。
#23
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおり、我が国の住宅のストックの水準を少しでも上げていく必要があるだろうと思います。国民一人一人が、大都市あるいは地方都市、その住む場所に応じて、またその年齢あるいは世帯構成等のライフステージに応じて、その時点でそれぞれゆとりある豊かな住生活を送れるようにしていくべきだと思います。
 そのために、今御指摘になりましたような税制による支援、それから融資、これは住宅金融公庫による融資、そういったことで持家の取得支援ということもしております。賃貸住宅につきましても様々な支援制度がございます。また、できる限りグレードの高いものを適切な値段で手に入れられると。必ずしも最高級という意味ではなくて、それぞれのグレードの表示を見てそれを判断して適切なものを手に入れられるような住宅の性能表示制度というものも整備してございます。こういったものによりまして少しでも住宅の取得支援等を進めていくと。
 ただし、税制によるその基準も、余り庶民の手の届かないような基準にしてしまってはやはり問題がございます。税制による取得支援で少しでもそれぞれの方がゆとりある住まいを取得できるように進めていくべきだというふうに考えております。また、木造住宅のお話もございましたが、木造住宅もできる限り、例えば公営住宅でも戸建て住宅についてはほとんど木造で実施してもらうというようなことも含めて、そういった支援策も実施しているところでございます。
 いずれにしましても、全体としてゆとりある豊かな住生活が送れるような様々な政策支援をしてまいりたいと考えております。
#24
○山根隆治君 次に、高市副大臣にお尋ねをいたしておきたいと思いますけれども、時間の関係もありまして少し大ざっぱなお尋ねにならざるを得ませんけれども、いわゆる産業の空洞化の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども。
 やはりここの空洞化というものが一体何なのかと。いろんな定義もありますし、それの対応策というのも様々あるわけでございますけれども、この問題というものを正面から私は取り組んでいかないと日本の経済のやっぱり再生というものは長期的におぼつかないというふうにも思っております。産業の空洞化についての基本的なお考え、対策、何かあれば聞かせてください。
#25
○副大臣(高市早苗君) 山根先生おっしゃいますとおり、今、海外への生産拠点の移転というのはもう顕著な傾向となってきております。二〇〇一年度、製造業の海外生産比率ですが、一六・七%ということになっております。これは、やはり賃金やコストの内外価格差が最も大きな理由であると思います。もう経済産業省といたしましては、この生産拠点の海外への移転をもう補完し得るだけの高付加価値産業の国内での生産、これを維持拡大すること、もうこれが何よりも大切だと考えております。
 もしもこの高付加価値分野の拡大が進まない場合には、生産拠点の海外移転が結局は国内の雇用に悪影響を与えるというデメリットの部分だけが出てきてしまうということで、この高付加価値化によってよその国との差別化を図っていく、そしてまた、我が国初のイノベーションを創出することがとても大切だと思っております。
 そこで、平成十五年度の予算におきまして、市場の拡大が見込まれる四分野につきましては、これはコア技術から実用化、市場化まで一貫した技術戦略を持った研究開発に政策資源の思い切った集中等を図りましたし、また研究開発投資税制の拡充、これも行いました。また、今回改正されました産業再生法、これで有用な技術や人材を企業の強みのある分野に集中させていくということを促していく、そしてまた、設備投資減税、こういったものも用意いたしました。
 そして、今、日本から出ていくだけじゃ困っちゃうというので、むしろ海外からいい企業に日本に来てもらって、税金も払ってもらい、また雇用も確保させていただきたいということで、「INVEST JAPAN!」というキャンペーンを繰り広げておりまして、地方自治体で海外からの投資を呼び込もうということに積極的な自治体を支援したり、また私どもも海外に国際会議へ出るときにはインベスト・ジャパンという名刺を持って個別に各閣僚に働き掛けるということもいたしております。
 大変な時期ですけれども、とにかく付加価値を高めて、高くても世界の人たちが買ってくれる高付加価値型の商品、この開発も支援を行っていきたいと思っております。
#26
○山根隆治君 それは当然なことなんですけれども、ある意味では、過渡的な措置というか、その間のそうした高付加価値の商品開発ということについて力を入れるというのは当然のことですし、それが非常にスケールが大きなものになっていかないと、産業化する、産業という言葉になるまでには非常に年月が要するわけで、ある意味ではそれはびほう策に聞こえる部分もあるわけですね。ですから、そこの時間的なギャップというのをどう埋めていくかというのは、私はもう知恵だろうというふうに思っているんです。
 海外に、中国が非常に四割から五割ぐらい生産というものを海外では上げてきています。そのほかの国々も進出をしてきていますけれども、今度逆にUターン現象というのが少し起きてきている。つまり、それはデフレということになってきたり、それぞれの効率性で、ある産業にとっては日本でやった方がまだ効率がいいというふうな企業もあってUターンしてきているということがあります。
 それから、進出するよりも倒産してきて整理されていることの方がこの数年増えてきているというふうな、非常に今現象があるわけですね。これはどういうような兆候としてとらえるかということも私は非常に大事だろうというふうに思います。そこでやはり、今言われたような施策というのは当然なことですけれども、もう少しそこの穴を、時間的なものを埋める私は施策というものを打ち出していく必要があるんだろうと思うんです。
 それともう一つ、マクロでいえば、外国人労働者の問題というものも実は相変わらずあるわけですね。政府は、ホワイトカラー、専門職、技術職の方は受け入れる、しかしブルーカラーの方々は受け入れられないというふうなずっと見解でずっと来ています。
 そのことは決して間違っていることではありません。国内の労働者へのいろいろな悪影響等々もあるわけでございますけれども、しかし、いろんなシミュレーションというものを私は研究していく必要がある、研究というか、検討する必要というものも部分的にはいろいろなものあるだろうと。それは、台湾もいろいろな外国人労働者を受け入れる問題についての研究というか実験も行っておりますし、アメリカ、ヨーロッパのいろんな事例もある。その中で、本当に日本の製造業というものがどのような、先ほど日本のこれからのイメージが少しないんじゃないかというお話ししましたけれども、どのような形で日本というものを持っていくのかということによってこの外国人労働者の問題というのもまた違った光をやっぱり私は当てることができるんだろうというふうに思っております。
 外国人労働者の受入れの問題というのはそう単純なものではなくて、目先の生産する労働力としての力を求めるというそういう単純なものであってはいけません。社会的な問題とかいろいろなものが絡まってくるわけで、そう単純なものではないけれども、もう少しその穴を埋める施策、そしてさらには長期的にどのように日本の経済というものを持っていくのかというふうなもう少し突っ込んで私は検討する必要があると思うんですけれども、ちょっと時間がなくなっちゃいました。お考え聞かせてください。
#27
○副大臣(高市早苗君) 日本の場合は、特許の登録数、これも世界トップレベル、それからまた、研究開発投資に使っているお金も世界トップレベル。でもそれを、その技術を利用して実際に商品化につなげているかとか、起業しているか、会社を起こしているかというと、これは非常に低い順位となっております。
 今この谷、今先生から御指摘のあった谷を埋めるためのもう細やかな支援をしているところです。先ほどお話のあった中小企業金融もそうですし、あと販路の開拓、商談会、それから、もうちょっとで実用化できる商品、こういったものに特化して金融的な支援も行っております。ですから、少しでもこの時間的なギャップを埋めようと思っておりますし、実際には割と短期間で効果が出ているものもあります。
 中国で割と繊維産業、移転しておりますよね。ニット業界なんかも、安さで中国と勝負してももうどうしようもないと。それだったら、高くても世界じゅうの女性が飛び付くような高付加価値型のものを作ろうというので、デザイン力もアップいたしまして、先般ニューヨークで商談会もし、引き合いも出てきておりますので、この辺のギャップが非常に早く埋まってきている産業もございます。
 外国人労働者の問題、非常に先生がおっしゃったとおり難しい問題で、日本の周りには巨大な人口もありますし、それから発展途上国も多いですから、潜在的には巨大な流入圧力があると思います。高付加価値型ということにいたしますと、政府の基本方針どおり、まずは専門的な方を受け入れると。単純労働者に関しては、先ほど申し上げた巨大な流入圧力というのがあります。これを受け入れていくということになりますと、やはり社会福祉、そして教育環境、いろんな環境整備も必要ですし、社会的な混乱も当然ありますから、ここは国民的なコンセンサスが必要なところだと考えております。
#28
○山根隆治君 あと一分なんであれですけれども。
 担当は違っても、最後に捨てぜりふじゃないんですけれども、やっぱり教育の問題、日本はやっぱり人材が非常に大事なわけですから、担当の省庁とはちょっと違いますけれども、この間の国立大学法人法案のようなばかな法案が、私から言わせるとですよ、出てきて、個性というもの、個人の能力というものを縛るような、そういうような一部動きもありますので、そういう教育についても是非御関心いただきながら、お立場の中で精一杯頑張ってください。
 終わります。
#29
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 金融、経済にかかわる諸課題につきまして塩川大臣、また竹中大臣に御所見をお伺いしたいと存じます。
 まず、先ほど竹中大臣より御報告がございましたことに関してでございますけれども、六月の破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告というのがございますが、これの後ろの方にございます参考Vというところに、預金保険機構の各勘定の政府保証及び借入金等の状況という表がございます。その注の3のところに竹中大臣も最後におっしゃった部分がございまして、「預金保険機構に交付された国債十三兆円については、平成十四年度末までに十兆四千三百二十六億円を償還(使用)し、残額二兆五千六百七十四億円は、同年度末に政府に返還。」と、このように記されているわけでございますし、そのように措置されたと理解しておりますけれども。
 そもそもこの交付国債、発行は十年、平成十年二月が七兆円、十二年七月が六兆円と聞いておりますけれども、この発行の時点で予算措置はどうされたかということについてお伺いしたいと思います。
#30
○政府参考人(佐々木豊成君) 預金保険機構に対する交付国債の扱いについての御質問でございますが、交付国債、御存じのとおり、交付国債等、国が債務を負担するためには憲法八十五条におきまして国会の議決に基づくことが必要であるとされておりまして、その形式には予算と法律と二つございます。
 預金保険機構に対する交付国債の発行につきましては、法律に、その重要性にかんがみまして法律に基づいて措置をしております。したがいまして、現実にそれを交付いたしますとき、あるいはそれを償還が求められますときの、現実に交付しますときに予算上の措置はしておりません。
#31
○辻泰弘君 私は、今回これを調べさせていただいて意外に思ったんですけれども、公的資金の枠といいますか、預金保険機構の政府保証枠という表をいつもいただくわけですけれども、この上段の方には政府保証枠がある、下の方に交付国債があって、トータルとして公的資金枠がある、こういうことで七十兆用意されてきたと、こういうことになっているわけでございます。
 それはそれで理解するんですけれども、政府保証枠は毎年度の予算の総則の中で保証枠は明定されているわけですけれども、交付国債は、政府保証枠は預金保険機構が借入れするときの保証をするということで、なかなか恐らく一般会計というか、国の方の財政に及ぶことはなかなかないと思うんですけれども、交付国債は使えばすぐに、国債整理基金特別会計からになると思いますけれども、支出されるわけで、それは九兆円ほどは一般会計から国債整理基金特別会計に何年度かに分けて入れているわけでございますし、その他NTTの売却益なんかも充てられているようですけれども。
 そういたしますと、すなわち国民の税金が使われるというふうに理解すべきものだろうと思うわけでございます。おっしゃったように、預金保険機構、附則のことであろうかと思いますが、七兆、六兆のことが書いてございますけれども、しかし、予算において、やはり政府保証枠すら総則に出ているにもかかわらず、交付国債という、より税金に近いものが予算に明示されてきていなかったということ自体大変問題だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
#32
○国務大臣(塩川正十郎君) これは先ほど佐々木次長が言っておりましたように、予算で措置するのと法律でやるのと両方あるということでございますが、今回、私の方では法律で措置しておるということで、そうでございますので予算総則の中にはそういうことを明記しないでやっておると、こういうことです。
#33
○辻泰弘君 法律でやっていて、かつ予算になるというのは当然あるわけですね。特例国債の発行もそういうことになっておるわけでございます、税法もそうですけれども。
 しかし、その六兆とか七兆という大きなけたの数字の国債の発行、実際これ、事後的には国債統計年報にやっと出てくるわけなんです。そのときには、先ほど言いました十年二月のやつは九年度の発行額ということでちゃんと出ているわけなんですね。その十二年度のやつは六兆円という発行額が発行額として出ているわけなんです。
 ですから、それはやっぱりあくまでも国債の発行というふうに考えるべきものであって、六兆、七兆という大変、十三兆に及ぶものである、そして現実に十兆五千億ほどの国費が直接投入されているということがあるわけですから、これはまあ済んでしまっていることではありますけれども、本来、予算の総則なり、少なくとも説明に、予算の説明というのがありますけれども、例えばそういうところには入っているべきだったと思うわけです。
 その点について、今後こういうことが、またそういう枠を用意しなきゃいけないというふうなことは余り想定したくはございませんけれども、また同様の趣旨のようなことがあったときには、必ずやっぱり予算にしっかりと盛り込むということを心掛けていただきたいと思いますけれども、そのことについて大臣、お伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(塩川正十郎君) 委員おっしゃるのは、交付公債、処理状況を分かるようにしろということですね。そういうことですね。
#35
○辻泰弘君 発行額が出ていない。
#36
○国務大臣(塩川正十郎君) ですから、要するに、あれでしょう、一般会計上でどの程度毎年、どの程度交付国債が支払されておるかという明細を……
#37
○辻泰弘君 それは別です。発行です。(「枠を作るときに」と呼ぶ者あり)そう、枠を作るときに……
#38
○国務大臣(塩川正十郎君) 枠はもう法律で決めておりますわね。
#39
○辻泰弘君 じゃ、それは予算上、明示すべきじゃなかったかと。
#40
○国務大臣(塩川正十郎君) 予算上、だから毎年、出ている状況をですね……
#41
○辻泰弘君 それは償還額です。──それは償還額です。
#42
○国務大臣(塩川正十郎君) 償還と、発行と償還でしょう。要するに状況を──どういうことなんですかね、もう一度。
#43
○委員長(佐藤道夫君) 改めて詳細に聞きますか。
#44
○国務大臣(塩川正十郎君) 処理状況ははっきりと何か明示せいということじゃないですか。
#45
○委員長(佐藤道夫君) ちょっと待ってください、何か。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#46
○委員長(佐藤道夫君) 速記を起こして。
#47
○辻泰弘君 大臣おっしゃっているのは国債、交付国債、償還状況のことをおっしゃっている。それは私、昨日入手しておりますし、理解しておるんです。
 要は発行のことでございまして、枠を取るときの問題なんですね。ですから、──参考人の方から、それじゃお願いします。
#48
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほどお答え申し上げましたように、枠を取るという段階には、憲法上も、法律又は予算、いずれかの形式で国会の議決を経るということでございまして、これまでのいろんなケースを見ますと、重要なものほど法律で議決をしております。例えば、国際機関への出資とか拠出も、かなり大きな国際機関への出資、拠出は法律で限度を決めております。そういう意味で、預金保険機構への交付国債というのは、重要性にかんがみて法律で限度を決めたということでございます。
 財政法にも十五条に、法律で限度、国が債務を負担する場合には法律による以外に予算で国庫債務負担行為を計上しなさいというふうに書いてありまして、その意味におきましても、今回、預金保険機構への交付国債、法律で上限を画しているというのはそういう趣旨であろうと思います。
#49
○辻泰弘君 法律でやるのと予算でやるのがあるんだということで、その選択だということで、そういうことでお進めになったというふうには、私は納得しませんけれども理解はするわけですが。
 しかし、やはりその御説明の、さっき冒頭申し上げましたように、公的資金枠という中には政府保証枠と交付国債があるわけで、政府保証の枠は総則でしっかりと明示されているということの並びから見ても、性質がより税金投入に近いという性格から考えて、当然に予算に盛り込まれるべきものであるというふうに私は強く主張しておきたいと思います。
 以後、こういうたぐいのときには必ず予算上に何らかの形で出てくる、少なくとも、予算の説明というのはいつも出されますけれども、そういうものに必ず載せるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 時間もありますので、次の問題に移らせていただきます。
 りそなの問題に関連してお伺いしたいと思います。りそなの件は、預金保険法百二条の金融危機対応会議で資本増強ということでやられたわけですが、これは危機対応勘定でこなされるということで、十五兆の枠、初めて手を付けられるということになろうかと思うんです。これは、まず十五兆に初めて手を付けるんだなということと、今度のこの報告に、次回の報告には載る対象なのかどうか。その点、簡単にお願いします。
#50
○国務大臣(竹中平蔵君) 初めてかということに関しては初めてでございます。
 報告の件でありますが、先ほど私いわゆるFRC報告というのをさせていただきました。これ、金融再生法第五条に基づく報告ですが、この第五条には何と書かれているかと申しますと、「破綻した金融機関の処理のために講じた措置の内容その他金融機関の破綻の処理の状況」、これを報告せよというふうに書いている。これ、りそなの場合は、これ資本増強でありますので破綻処理ではございません。そういう点からいうと、形式的にはこの報告の対象外ということになります。
 しかしながら、これまでも同様のケースで実は早期健全化法に基づく資本増強というのがございました。これ破綻処理ではありませんが、同様にこうした場では報告をさせていただいております。そうした点も含めまして、これまでのFRC報告における早期健全化法に基づく資本増強の取扱いと同じにいたしまして、次回の報告に盛り込まれることになるというふうに考えております。
#51
○辻泰弘君 危機対応勘定で対応したけれども破綻ではない、しかし破綻金融機関の処理のための報告には載ってくるんだと、こういうことになるわけでございますね。少し苦しいような感じもいたしますけれども。ある程度新規立法で対応するということが元々の本意だったのかもしれませんけれども。
 そこで、今度のりそなの経緯を見ますと、私などは金融の素人ですけれども、はっきり言ってやっぱり意外に思うことは、二月の二十五日に大和、あさひの合併、分割の認可があった。そして、三月一日にりそな銀行、埼玉りそな銀行が設立されたと。そして、五月の十七日でしたか、それにぼんと二兆、一兆九千六百億入れなきゃいかぬと。この経緯は、やはりどう見ても不思議といいますか異常といいますか、どうなっていたんだろうとつくづくと思うわけでございます。
 銀行法を見ますと、合併の条項で合併に当たっての要件が明定されておりまして、合併の後、「合併等の後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。」というふうに書いてあるわけでございます。そういう意味では当然そういうことの中で判断された、その二か月後に二兆円要るようになったと、こういうことは、非常にはっきり言って理解し難いし、何をやっていたんだと言わざるを得ないわけでございます。見込みが確実であるということは、判断が誤っていたということになるんでしょうか。
#52
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、委員御指摘くださいましたように、合併に係る審査基準というのは銀行法三十一条に書かれておりまして、三つ書かれています。一つは、資金の円滑な需給及び預金者の、利用者、いわゆる利用者の利便の問題、これが第一の点。第二の点は、適正な競争関係を阻害しないという競争的な条件の問題。第三番目に、業務を的確、効率的に遂行していく見込みがあるということ。
 現実問題として、我々は、これは何度か国会の答弁でも申し上げさせていただきましたが、合併の審査の時点におきましては、十四年、昨年九月期の決算のデータに基づいて、こうしたことが条件を満たしているというふうに考えたわけでございます。しかし、その後何が起こったかといいますと、三月の時点で十分な自己資本比率があるというふうに見込まれていたりそなの自己資本比率が、主として今回の場合は繰延税金資産の認定の問題で一気に自己資本比率が下がるということになったということでございます。こうした点については、我々としては合併に関しては厳正な審査を行った、そのときに利用可能な財務諸表に基づいて厳正な審査を行ったつもりでございます。
 いずれにしましても、このりそなの問題につきましては、きちっきちっとその都度その都度対応してきたつもりでありますが、今回の公的資金の趣旨を踏まえて、より一層きっちりとした、厳正に我々としては検査・監督をしていくつもりであります。
#53
○辻泰弘君 合併の規定はそうですけれども、免許の規定はもう少し厳しいような規定になっていると思うんです。それを免許のとおりやれというのもちょっと話は違うかもしれませんが、やはり免許を付与すると同程度に、やはり今日的状況の下で、合併に当たってもその辺しっかりと厳しく審査の上に対応していただきたいと、このことは申し上げておいて、次のことに移りたいと思います。
 同じりそなのことですけれども、いわゆる一兆九千六百億公的資金の投入ということになるわけですけれども、ただ、私は少し、私どもの立場からいえば税金投入でけしからぬというふうに選挙のときなどは言うことになるんでしょうけれども、ただ、政府としてはやはりその辺は丁寧に説明をしておくべきじゃないかと率直に言って思っているわけでございます。
 すなわち、まずはりそなの改善計画ですか、それにも出ていますように、株式売却で公的資金の回収が容易になるように内部留保の蓄積に努めるということがまずあると。そして、そういう見通しを一応お出しになっていると。その上に立って、これは預金保険法の、施行規則の、百二十二条に基づく金融機関による負担金の納付というのがあると。それでもなおかつ足らざるときに政府の補助が百二十五条によって規定されていると。こういう段階を踏んでいるわけでございます。
 先般の予算委員会等でも、税金投入というふうな言葉がストレートに出ていたんですが、やはりこの部分は整理して、ストレートにそういうものでないということを、私が言うのも変ですけれども、政府の立場ではその点はやはり国民にしっかりと説明をすることをもっとされるべきではないかと思うんですけれども、どうでしょう。
#54
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員から御指摘いただいたこと、大変有り難いと思います。
 もう今委員の御説明の中にありましたけれども、これ税金の投入というふうに一般には言うんですが、実は二段階で考えなければいけないわけであります。
 まず、これは政府保証をして預保が借入れを行うと。第一の段階は政府保証であるということです。
 次に、この金融危機対応勘定に損失等の費用が発生した場合も、即必ずしもストレートに政府の負担になるわけではなくて、金融機関による負担金で賄う。これがどうしてもできない場合、そんなことをしたらかえって信用秩序に重大な支障がある場合には、これは政府がその費用の一部を補助するという形になるわけであります。
 御指摘のとおり、我々としてもこういう仕組みであるんだということは折に触れて主張しているつもりでありますが、ジャーナリズムではなかなか、こういう複雑なといいますか、制度の話というのは取り上げてくれない面もございます。引き続き、この仕組みについては我々としてはきっちりと説明をして、国民の理解を得なければいけないというふうに思っております。
#55
○辻泰弘君 繰延税金資産のことでちょっとお聞きしたいと思います。
 さきの六月二十七日閣議決定のいわゆる骨太の方針第三弾にも「金融機関の自己資本強化のための繰延税金資産の扱い方や関連する税制について引き続き検討を行う。」と、こういうふうな条文がございます。
 そして、最近の状況、報告は、中間報告は出ていないというふうに聞いておりますけれども、金融審議会での審議状況を見ますと、繰延税金資産に対しての算入規制の見送りというふうな報道が伝えられているわけでございます。
 大臣としては、やはり算入規制といいますか制限を当然持たなければならないと、そもそも税制改正で要望されていたことだろうと思いますけれども、そういうお考えだと思うんですが、今のままだと見送りになるんじゃないか、こういうふうな見通しもあるんですけれども、そもそもその算入制限の必要性ということと今の状況についてちょっと御所見をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(竹中平蔵君) 算入制限の問題というのは、要するに金融監督の基準において自己資本の中に入れるかどうか、その算入制限のことだと存じます。
 これにつきましては、金融審議会の中のワーキンググループを本年二月以降立ち上げておりまして、精力的に検討をお願いしているところでございます。二月から始まって半年ぐらい経過した段階で経過報告を取りまとめてもらいたい。経過報告というのは、それまで意見が一致したことあるいは一致しなかったこと、どういう議論の状況であったかということの経過の報告を取りまとめてほしいというふうに思っております。今、経過、取りまとめの段階でありますので、中身について私の方からコメントは差し控えたいと思いますが、これは専門家に集まっておいでいただいておりますので、しっかりと議論していただきたいと思っております。
 税制の問題に関しては、これは私たちとしては、繰戻し還付、それと繰延べ控除、それと例の無税償却と、これは三点セットで是非お願いしたいということで以前から税務当局にはお願いを申し上げているところでございます。
#57
○辻泰弘君 そうしますと、昨年、十五年度税制改正、新規の、新設の要望というのを出されておりまして、今おっしゃった三点、計九兆五千億になっておりますが、これが来年度の税制改正要望にも要求されるということだと理解していいでしょうか。
#58
○国務大臣(竹中平蔵君) 具体的に、来年度に関して具体的にどのような要望を出すかというのは、もちろん検討中でありますけれども、基本的な考え方としましては、この繰延税金資産という厄介な問題、税務会計と財務会計のすき間の問題に関しては、やはり以前からお願いしている三点のセットというのは大変重要であるというふうに考えておりまして、我々としてはその実現に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。
#59
○辻泰弘君 大臣は、今回は危機対応勘定で対応されたわけですけれども、健全な金融機関に公的資金を予防注入する制度を作ろうと、こういうお考えがあったと思います、お持ちだったと思うんです。現にこの間の骨太の方針でも、「公的資金を迅速に投入することを可能にする新たな制度の創設の必要性などについて検討し、必要な場合には法的措置を講ずる。」と、こういうのが骨太の方針に出ておるわけでございます。
 それで、これもまた伝えられるところによりますと、そのことについても両論併記だということで見送られるやの報道もあるわけですけれども、そもそもその新法の必要性というものには必ずしも合点がいかない。すなわち、実際りそなは現行の法体系で対応したわけですが、その辺、何が必要であったとか、現実にりそなは対応したわけですから、その辺、そうするとりそなのことがどうなっちゃうのというふうに思ったりするんですけれども、その辺はどうですか。
#60
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員、今、健全な金融機関にも資本注入をとおっしゃいましたけれども、これはちょっと正確に私たちの考え方を申し上げますと、これは昨年の金融再生プログラムのときに、日本経済、日本の金融機関は危機ではない、危機ではないけれども健康体では決してないと思う、その中間にあるんだろうということ。これに対してどのような資本の注入の枠組みが必要かどうかも含めて金融審のワーキンググループで検討をしていただきたいということで、これについても今ずっと検討をしていただいております。
 りそなのケースというのは正に、危機というとこれは危篤、身体でいえば危篤状況、健康ではないけれども危篤では決してない、しかしこのままいくと危篤になるかも、なるかもしれないという、そういう状況下で預金保険法百二条の第一項第一号が発動されたというふうに思っております。それ以外のしかし部門についてどのような対応策が必要なのかどうか、これも含めて正にワーキンググループで今精力的に検討をしていただいているところであります。半年程度で結論を出していただくということになっておりますので、これもそう時間を置かずに何とか結論を出していただきたいと思っております。
#61
○辻泰弘君 以下、時間の関係がございまして、金融、証券、経済に係る項目についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 まず、最近よく政府紙幣の発行ということが言われます。大蔵省OBの榊原慶応大学教授もおっしゃっておりますし、元はスティグリッツ・コロンビア大学教授から出発しているのかもしれませんけれども。これを考えますと、結局無利子の永久国債の日銀引受けということと経済的には一緒だというふうにも思うわけですが、発行主体が違うということに意味があるのかもしれませんけれども、いずれにしましても、この政府紙幣の発行について政府として基本的にどういうふうにお考えなのか、この件について御所見をお伺いしたいと思います。
#62
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、我が国におきましては明治十五年に諸外国の例に倣って中央銀行すなわち日銀を設立したわけでございまして、紙幣の発行権限は日銀に与えるということになっているわけでございます。紙幣も、通貨安定、通貨価値の安定という観点からやはり中央銀行で行っていくことが大事だというふうに考えておりまして、現状では政府として紙幣を発行することは考えておりません。
#63
○辻泰弘君 それでは、念のために聞いておきますけれども、選択する場合には法律改正、新法が必要かどうか、その点だけお伺いしたいと思います。
#64
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。
 政府紙幣を発行する場合に新法の制定が必要かという御質問でございますが、我が国では通貨の単位及び貨幣の発行に関する法律というのがございまして、その中で通貨の種類が定義されております。具体的には、現在は貨幣及び日本銀行が発行する銀行券のみが通貨ということにされております。ここで言います貨幣といいますのは鋳造貨幣、コインのことでございまして、この規定は政府紙幣の発行のための根拠規定にはなり得ないというように考えておりまして、政府紙幣の発行のためには法的な措置が必要だと、かように考えております。
#65
○辻泰弘君 次のテーマに移らせてもらいますけれども、これもまた言われていることで、金融にかかわる一つの大きな問題だと思いますが、郵便局における投資信託の窓口販売の問題でございます。今日の日本経済も一面で取り上げていたようですけれども、秋にそのような時間が、改正の法案を、改正するような時間的余裕があるかどうかということも現実にはございましょうけれども、しかし、かねてより四月ごろから総務大臣、また公社総裁も積極的に発言をされて、株価対策という一連の流れの中で出てきたことでございます。先般の政府の会議の決定にも出ているわけでございます。
 それで、まず竹中大臣に、この郵便局での投資信託の窓口販売についての基本的な考え方を簡単におっしゃっていただけますか。
#66
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な考え方ということでありますので、先般の関係閣僚等の会合で、これは証券市場活性化に関連するものでありますけれども、我々としては、この郵便局ネットワークを活用した民間投資信託の窓口販売については、民間との役割分担を含めて総合的に検討すると、民間との役割分担を含めて総合的にというふうに決めております。
 そうした観点からいいますと、やはり民間との役割分担、そもそも郵政公社、今後どのようになっていくのかと、そういう観点からの正に総合的な検討が必要であるというふうに思います。
#67
○辻泰弘君 その会議の後、竹中大臣と総務大臣とがそのことについてかなり議論をされたというふうに聞いているんですけれども、竹中大臣のスタンスはどういうお立場からの議論だったんでしょうか。
#68
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、その後ではございませんで、その閣僚会議の最終的な取りまとめの段階でいろいろ当然のことながら担当大臣として議論をさせていただいております。そのときの合意が民間との役割分担を含めて総合的にと、そういうふうになったわけです。
#69
○辻泰弘君 金融大臣のお立場上なかなか言えないということが本にも出ておりましたけれども、そういうことかもしれません。
 私、総務委員会でも発言をしたんですが、私は公社という形は一つの形だと思っている立場ではあるんですけれども、しかし、四月に公社が発足をして、その四月に公社法の改正をまずやって、それはコール市場への参入のことだったんですけれども、そのしりから、また秋には公社法を改正して投資信託の販売をやるんだということで、どんどんどんどん出発当初から業務、業容を拡大していくというのが、少し私にはちょっとやり過ぎじゃないかといいますか、そのように思うわけです。
 これを私はチェックするという場合、やはりそれはいろいろ議論の中で進めていけばいいと思うんですが、それに対して議論をしていただけるのは多分金融庁長官、金融担当大臣ではないかというふうに思うわけでございます。そういう意味で、この点についてはいろいろ民間でも議論がありますけれども、やはりあるべき金融の姿というものを展望されて積極的に発言をしていただきたいというふうに思います。
 ここに、今おっしゃっていただいた五月十四日の証券市場活性化関係閣僚等による会合、そのときの文書は、総合的に検討するというふうにおっしゃったとおり出ているんですけれども、どこで検討していって、金融庁はかかわるのかノータッチなのか、そこの部分、どういうことになるのか教えてください。
#70
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的な方針を決定いたしました。後は各担当の部局でそれを一生懸命推進していこうというのが先般の関係閣僚会議の決定であります。
 当然のことながら、民間との役割分担を含めて総合的にということになりますと、総務大臣と私と、これはいろんなことをお話ししていかなければいけないというふうに思っております。さらには、これは経済財政諮問会議でも、公的な資金の流れをどうするかということで、より包括的な議論の場が設けられておりますので、そうした場においても当然のことながら議論をするということになると思います。
#71
○辻泰弘君 大臣の御著書の中で、郵貯について市場メカニズムの攪乱要因になりかねないというふうな御指摘もあります。郵貯という存在があるのは問題だというふうな御指摘もあります。その点について、基本的に郵貯の評価、一言、一言というか簡単にお願いします。
#72
○国務大臣(竹中平蔵君) 健全な金融市場というのはリスクとリターンの関係が非常に健全に評価されるようなシステムになっていなければいけないということだと思います。
 巨大な公的な貯蓄金融機関がそこにあるということは、公的であるということで、これに関してはそのリスク評価がこれはマーケットから見ると違ってくる。仮に、仮にですけれども、そこが同じようなリターンのものを、その専用商品を提供するということになると、これはリスクとリターンの関係を乱すことになり得るわけで、この点についてはやはりリスクとリターン、健全な金融市場の育成という観点からしっかりと民間市場の育成をしていかなければいけないというふうに思います。
#73
○辻泰弘君 次に、政策金融のことについてお伺いしておきたいと思います。
 政策金融に関しては、経済財政諮問会議でも検討されて、一つの中間的な結論が昨年十二月十三日の「政策金融改革について」という文書に込められているんじゃないかと思います。それは、抜本的改革は必要だけれども、金融円滑化のために当面政策金融を活用するということでございます。また、中期的には、あるべき姿としては、国として政策金融の手法を用いて真に行うべきものを厳選するというふうなこと、また、貸出し残高について将来的にGDP比率半減を目指すとか、こういうふうに書いてあるわけです。
 そこで、塩川大臣に私お伺いしたいんですけれども、昨年、私、決算委員会で塩川大臣に政策金融のことをお伺いいたしました。その節の御答弁は、いろいろ状況あるけれども、原則論としては政策金融はもう廃止する方向に行ったらいいというのが大臣の御答弁でございました。これとの、何といいますか、整合性といいますか、大臣として、これはこれで閣議で決まっている、諮問会議で決まっていることですからそれはそれで大臣のお考えと違ってもいいんですが、大臣としては原則として政策金融はもう廃止する方向に行ったらいいと、このことはお考えとしては変わっていませんでしょうか。
#74
○国務大臣(塩川正十郎君) これは行政改革の一環として取り上げられた問題でございますので、私としては、現在のような政策金融の在り方、全面的にこれからずっと未来永劫やっていくということにつきましては反省すべきであると思っておりまして、その意味において、原則としては一応廃止して、新しくまた政策金融が必要なものはそれなりの体制を取ってシステムを作っていくということが必要であろうけれども、現在の政策金融については原則廃止でいいと。
 ただし、それまでには段階を踏んでいかなきゃいかぬということでございまして、これは経済諮問会議でも議論になったところでございまして、一つは、現在の不良債権の集中処理期間、これは平成十六年までの間でございますが、このためには金融の円滑化のために政策金融を活用するということでございます。そして、十七年度から十九年度までの間ですね、この間におきましては、あるべき姿に移行のため、あるべき姿を描いて、それに移行するための準備期間として政策金融の改善を図っていくと。平成二十年度以降、速やかに新体制に移っていくということで、新体制というのは原則廃止でございまして、なおかつ国として行わなきゃならぬ政策金融については新しい体制を取っていく、こういう意味であろうと思っておりまして、そういう方向で考えていきたいと思っております。
#75
○辻泰弘君 もう一つ、政策金融に関連してお伺いします。
 金融庁が政策投資銀行などの政策融資機関、政策金融機関、こちら、並びに日本郵政公社、こういう政府系の金融機関に検査を行う方針だというふうにお伺いしているんですけれども、そのことについての方針、時期、お示しいただきたいと思います。
#76
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 金融庁では、これまで培ってきた民間金融機関に対する検査のノウハウ、これを政策金融機関及び郵政公社に対する検査に活用するという観点から、昨年の通常国会において関係の法令の整備が図られ、本年の四月一日以降、金融庁はこれらの機関に対するリスク管理分野の検査権限について主務大臣から委任されることとなったわけであります。
 私どもといたしましては、検査権限の委任を受けまして、四月一日に検査局に公的金融室を設置するとともに、七月一日にこれらの機関に対する立入検査を実施する検査部門を二部門設置をいたしまして、現在、検査実施の準備を進めているところでございます。
 また、検査の方法につきましては、基本的に民間金融機関に対する検査と同様の方法で実施することといたしておりまして、具体的には民間金融機関に適用している金融検査マニュアル、保険検査マニュアルを用いてリスク管理体制の適切性について評価を行うことといたしております。
 金融庁といたしましては、検査権限の委任の趣旨を踏まえて、委任を受けたリスク管理分野の検査を着実に遂行してまいりたいと考えているところでございます。
#77
○辻泰弘君 次に、国債発行に関連してお伺いしておきたいと思います。
 さきの骨太の方針でも、個人による長期的保有の増加など保有者層の多様化を図るということが出ております。かねてよりそういう見地から取り組んでこられているわけでございます。最近はなかなか消化が進まない、売れ残りが出ているという状況もあるようですが、そこで、実はこれも昨年、塩川大臣にお伺いしたわけなんですが、いわゆる個人向け国債の利子に係る所得課税の非課税措置ということでございます。
 このとき、昨年八月でしたけれども、塩川大臣は、私は非常に前向きなんだということをおっしゃっておられました。ただ、その後の税制改正ではそれは入らなかったということでございます。
 この点について、塩川大臣、どうお考えか、今後どう取り組まれるか、簡単にお願いします。
#78
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は個人向け国債についてやっぱり今でも前向きなんです。少なくとも、できれば国債の利子に対しまして配当、いやいや、税が配当並みにしてもらいたいなという感じは持っておるんですけれども、現在二〇%を適用されておりますね。あれを少なくとも一〇%ぐらいに引き下げてもいいんじゃないかなという感じを持っておるんですけれども、しかし、これは政策上の問題であって、配当は五年間の特別措置でやっておるということでございますので、その点、なかなかうまいこといかぬのですけれども、私は、国債だけ優遇するということはけしからぬと、こういう議論もございますので、そうかなと思ったりするんですけれども、できれば、国債に対しては、国債の利子に対してはやっぱり特別の優遇措置を考えていきたいなと思っていろいろ模索しておりますけれども、私の意見はなかなか税制調査会では通りませんので、残念でございます。
#79
○辻泰弘君 もう一点、国債の入札についてお聞きしたいと思います。
 長らくシンジケート団引受け、シ団引受けが続いてきて、現行もあるわけですけれども、これを少し新しい制度に変えようということで、プライマリーディーラー制度というのをやっていくというふうなことをかねがねおっしゃっているんですけれども、それについての取組の方針、いつからやられることになるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#80
○副大臣(小林興起君) 今お話に出ましたプライマリーディーラー制度、外国等で国債の安定消化のために取り入れられているということで、日本もいよいよ個人に国債を買ってもらってというような時代になってまいりまして、更に一層国債の安定的な消化を考えるということになってまいりまして、こういう制度を我が国でもどうかということを本格的に検討し出しました。
 取りあえず、国債等の入札で落札実績の多い金融機関をメンバーといたしました国債市場懇談会を既に設立をいたしまして、どういうメリットを与えていくか等々、模擬的にやっているようなところでございますが、いずれにいたしましても、こういう経験を通じながら、日本版のプライマリーディーラー制度を本格的に導入すべく、時期はいつと申し上げられませんけれども、検討に入ったところでございます。
#81
○辻泰弘君 為替のことでちょっとお伺いしておきたいと思います。
 塩川大臣、かねがね購買力平価でいえば百四十円、百五十円ぐらいじゃないかという御所見をお示しになったことありましたけれども、今日的に考えられて、適正な為替水準、どうお考えか、一言、簡単にお願いしたいと思います。
#82
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、今の為替相場でございますけれども、やはり日本の、何といいますか、ファンダメンタルズからいって市場を判断するならばあるいは妥当なのかも分かりませんけれども、私自身として考える場合は、やっぱり購買力平価を基準として考えるならば、円高であると思っております。
#83
○辻泰弘君 それで、先般、渡辺国際局長が、八月にフィリピンで開かれるASEANプラス3ですか、その財務大臣会合では人民元の切上げ議論もテーマになるんじゃないかと、こういうふうな記者コメントをされているようですけれども、その見通しについてお伺いしたいと思います。
#84
○政府参考人(渡辺博史君) 今の御質問の件でございますけれども、先週、大臣の方で衆議院でもお答えを申し上げましたけれども、既に相当の規模となりました中国経済の在り方というのは、我が国や近隣のアジア諸国のみならず、欧米諸国の経済にも大きな影響を及ぼし得る事項であります。そういう意味で重要な問題であるという認識を持っているところであります。そういう意味で、人民元の問題を含む中国経済をめぐる諸問題につきましては、二国間の場、あるいは今御指摘のようなものも含めまして多国間の場でいろいろと議論していくことは重要であるというふうに考えているところであります。
 この点に関連いたしまして、七月の五日、六日に開催されましたASEM、これはアジアとヨーロッパの財務大臣の会合でございますが、その場におきましても間接的ではございますが議論がありまして、同会議の共同声明では、秩序があり、かつ公平に分担された国際不均衡の調整及び国際金融市場の秩序ある成長を促すためのアジア、ヨーロッパ参加国間の協力強化が重要であるという文言が盛り込まれたところでありますし、また大臣の方からは、本年二月のG7の場などにおきまして、貿易の自由化を進めている国においては同時に金融、為替の自由化を進めていくべきであるという指摘をしたところでございます。
 いずれにせよ、様々なところでの議論を踏まえまして、中国が自らの利益となるような方向で、自身として積極的に自由化を進めるということを期待しているというところでございます。
#85
○辻泰弘君 時間もございますので、最後のテーマに移らせていただきます。
 年金のことですけれども、年金は積立金の運用という意味で金融にも大きくかかわってまいりますし、負担と給付の在り方ということでやはり経済全体にも大きくかかわってくると思うんですが、これに関連して塩川大臣は、さきに、年金給付の辞退者に、辞退する人に対して相続税の優遇措置をと、こういうお考えをこの間愛知でおっしゃっています。一年前もおっしゃって私は質問したことがございますが、この点についてお考えをお示しください。
#86
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、年金は現在のところ保険の契約で行っておりますから、ですからやっぱり契約に従って処置をしなきゃならぬと思うんですけれども、しかし現実を見ました場合、年金の高額所得者、受給者ですね、年金の高額受給者でそのほかの所得が十分に高額な所得を持っている人はたくさんあります。そういう人たちは、できれば年金の方の支給額を遠慮してもらってもいいんじゃないかと、十分それで生活やっていけるんじゃないかということを思っております。
 したがって、年金以外の高額所得者は年金の給付を遠慮してもらう。ただし、これは保険契約であるからして、当然給付を受ける権利を持っておりますから、その権利を法律等によって抑制するということになってくると思うんでございますけれども、そうならばその権利を削減した分だけ何らかのことでインセンティブを与えなきゃいかぬと。
 それはどういうところで与えたらいいかということは、その方が亡くなった場合に、遺産相続の場合、遺産相当額のところで年金の削減された分を補償してやれば、補償という、つまり償いしてあげりゃいいんじゃないかと。ということは、何といいましょうか、遺産、財産、相続財産から削減された年金相当額の分を、これを控除してあげるというようなことをやってはどうだろうということを私は一つの意見として持っておりまして、これについては税制調査会等でも言うても、非常に問題はあります、年金と税制をひっ付けるということはけしからぬという意見もございますし、いろいろございますけれども、私はそういうことをして高額所得者の年金の給付はできれば遠慮してもらう方法を考えたらいいと思っております。
#87
○辻泰弘君 そうすると、税制改正のテーマに上げるということになるんでしょうか。一言で。
#88
○国務大臣(塩川正十郎君) 諮問とかそういう形じゃございません。意見としては私は申し上げております。
#89
○辻泰弘君 竹中大臣にお伺いしておきたいと思うんです。年金の基本的なことについてです。
 この間の骨太の方針第三弾の中には、「積立金については、その水準は将来に向けて、年金の支払に支障のない程度まで抑制する。」と、こういうふうなことになっております。また、経済財政諮問会議での民間の方々の意見、その中の試算は政府もかかわられたと聞いておりますけれども、このときも「積立金水準が一を下回らない」ということを言っている。すなわち、積立方式ではなくて賦課方式でいくというふうなトーンだと思うわけです。
 大臣の書かれている本の中では、年金制度がつぶれないようにしたいならば問題を解決する方法は一つしかありません、それは次第に積立方式的な形に変えていくことですと、このように書いているわけなんです。ここは根本的な考え方の違いではないかと思うんですけれども、その点についてどうでしょうか。
#90
○国務大臣(竹中平蔵君) 積立てという言葉がダブっておりますが、考え方の違いではないという点、御認識いただきたいと思います。
 私が申し上げているのは、今、実質、賦課方式になっているわけですが、これには二つのリスクがある。一つは金利が変動するリスク、もう一つは人口構成が変わる人口変動のリスク。これは、人口変動のリスクは避けられないわけ、少子化の中では避けられません。しかし、それをクリアしていこうと思ったら、理論的な解決方法というのはこれは一つ、これは積立型にすることである。つまり、自分の年金は自分で払うと、若いときに払っておけと。若い人がお年寄りを支える、これは賦課でありますけれども、こうすると人口のバランスが変わってきたらこれは大変なことになるわけであります。
 しかし、現実に、今、人口変動のリスクを回避するためには積立型が必要なんですが、現実にじゃこれできるかというと、これはもう現実にはできません。これは言うまでもありませんけれども、今まで賦課でやってきて急に積立型にしたら、例えば私は今までお年寄りの分、年金払ってきて、今度は自分の分を積み立てろと、二重払いをしなければいけないということになりますから、これは現実にはできない。したがって、積立型の理念を生かしながら折衷的なやはり解決策を見付けていかなければいけないということに尽きるんだと思います。
 骨太の方針に書いています積立て云々については、これは基金としてどのぐらいのお金をいつも持っていくかということに関して、これを過大に持っていなければいけないとか、不安であると、そういうようなことは別に考える必要がないのではないだろうかということでありますので、これは必ずしも賦課方式、積立方式、それの理念に結び付く話ではないというふうに認識をしております。
#91
○辻泰弘君 ちょっと今の最後の大臣の御答弁、必ずしも理解し切れておりませんけれども、時間が参りましたので、これで終わります。
#92
○委員長(佐藤道夫君) 以上をもちまして午前中の質疑は終わります。
 午後一時まで休憩と、こういうことだそうです。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#93
○委員長(佐藤道夫君) 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#94
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。
 りそな問題について質問したいと思います。
 りそな銀行の経営健全化計画では、収益構造・業務運営の健全化の項の最初のところに人件費の削減というのが挙げられております。その内容は、全従業員に対して賃金を引き下げると。給与ベースダウンで七%、賞与は全額カット、これでもって年収水準を三割引き下げるというものです。
 金融庁に伺いますけれども、これまでの主な公的資金注入行でもいわゆる人件費削減計画というのが出されて実施されてきたわけですけれども、その計画と実施、実績について、年収ベースでどうなっているか、ちょっと御説明ください。
#95
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。
 ただいま年収ベースでというお話でございましたが、経営健全化計画では平均年間給与、年収ベースでの記載を求めておりませんので、ちょっとこのベースでの計画あるいは実績というのが数字がないのでございますが、平均年間給与の実績は有価証券報告書の記載事項とされておりますので、そちらの実績で御説明することをお許しいただきたいと存じます。
 有価証券報告書の記載事項として平均年間給与が定められましたのは平成十二年三月期以降でありますので、平成十二年三月期以降ということで御紹介を申し上げたいと存じます。
 平成十二年三月期、りそな関係でございますが、平成十二年三月期の旧あさひ銀行と旧大和銀行の平均年間給与、これをちょっと申し上げてみます。
 旧あさひ銀行の平均年間給与が平成十二年三月期で七百十五万円、旧大和銀行、同じく七百五十三万円というふうになっておりまして、これが直近の十五年三月期のりそな銀行では六百九十七万円、約五%の減という形になっております。
 他方、りそな銀行を除きます公的資金注入の主要行、すなわち、みずほ、UFJ、三井住友、これら合わせました平均を便宜申し上げますと、十二年三月期、単純平均で七百六十九万円、直近の十五年三月期ではこれが八百八万円ということでありまして、五%ほどこれは増えているという、こういう実績になっております。
#96
○池田幹幸君 公的資金注入行、一時期ちょっとそれぞれ〇・五%とか一%下がるんですけれども、また回復しまして、今言われたように逆に上がっております。
 このりそなの場合には、五年後には約二分の一になるような、大体契約ですね、四年後ですね、四年後には二分の一になるような計画になっております。それは賃金ベースでということじゃなしにトータルの額ですから、それは。賃金ベースでどうなるかは、今のところ、当面三割カットと、当面ですよ、何年間かじゃなしに、ということで表れております。これは今までの公的資金注入行の例から見てもひどいですよね。非常に過酷です。
 実質国有化された銀行で一方的な労働条件の引下げがやられておるということについて、これは地域の大阪労働組合連合会、大阪労連とか銀行産業労働組合から、これは一銀行の問題にとどまらないと。金融庁に対して必要な行政指導を要請していることは竹中大臣も御承知のとおりだと思うんですけれども、りそなでは、公的資金注入決定前に従業員組合との間でいわゆる賃金交渉をやって、夏のボーナスについてはもう決定していたんですね、支給を。ところが、それがもうストップになって一銭も支払われませんでした。
 一気に生活水準を三割も引き下げるということは、これは大変なことなんですね。この措置、竹中大臣、当然の措置だというふうにお考えでしょうか。
#97
○国務大臣(竹中平蔵君) 資本増強、御承知のように、預金保険法の百二条に基づいて行うわけですけれども、同法の百五条の第三項において、資本増強を行うときの満たさなければいけない要件というのが決められている。幾つかありますが、経営責任、株主責任等々ありますが、経営の合理化のための方策が確実に履行されることが重要であるというのが書かれている。
 こうした点を踏まえて、りそなに関しては経営健全化計画を出して、我々としては、それらの審査の要件に該当すると認められたということで資本増強の決定に至ったわけであります。
 御指摘のリストラ策でありますけれども、これはりそなが預金保険法百二条の趣旨を踏まえて策定した経営健全化計画に盛り込まれたものでございます。その中でいろんな問題、これは経営を行うに当たってはいろんな問題があるのだと思います。特に労使の関係等について、これは企業内部の問題でありますから当局としてのコメントは差し控えたいと思いますが、我々としては、りそなが自らの経営健全化計画の中に織り込んでその再生に向けての非常に強い決意を示したものというふうに思っております。
#98
○池田幹幸君 企業内部の問題で、労使に任すとおっしゃるけれども、これは特別支援銀行第一号ですよ、竹中プログラムの、実質国有化した。今おっしゃったように、健全化計画については金融庁が承認したんですよね。
 こういう賃金一律三割カットというふうなことになると、一体従業員の生活、どうなるんだと。これからあなた方がおっしゃるように、竹中さんがおっしゃるスーパーリージョナルバンクかそれともリレーションシップバンクか知りませんが、地域の銀行としてやっていく上で、こんな従業員を徹底的に痛め付けて、一体どうやってそれがなされていくのか。後で私は中小企業金融の問題、中小企業貸付けの問題、これはここで伺うわけですけれども、それを実際行っていくのはりそなの従業員なんですよ。
 そういったところをどのように考えるかということを私は伺いたかったんだけれども、何のことはない、百二条でやったんだから当然だと。そんな血の通わない答弁じゃ駄目ですよ。一体あなた、このことを、こんなひどい形の賃金引下げ、どう考えるのかということについて、労使の関係、労使の間の問題だったらそれなりに金融庁は関係しているんだから、きちんとした形でやっていただけるように何らかの措置というものを我々も考える、その上で労使できちんとやってもらいたいというぐらいの答えをするのが当たり前でしょう。まずそういった、もう少し心のこもった形で答弁をしていただきたいですね。そのことは強く申し上げておきたいと思うんです。
 実際、これの引下げというのは、三割というのがどんなものかということです。あり余るお金を持っている人が三割引き下げたんじゃ、それは生活に響かないですよ。そうじゃないんです、これ。
 これ五十一歳の、これはグループの、りそなグループの近畿大阪銀行というのがあります、そこの課長さん、五十一歳の課長さんです。この方は、今、年収六百四十四万円、これが四百五十五万円になるんです。約二百万円減るんですよね、年収で。この方は、大学四年生筆頭に四人の子供さん持っている。これがどれだけ生活に響くかということはもう想像に余りあるでしょう。
 この就業規則で不利益変更をやるわけです。このことについては、既にみちのく銀行、これの、このみちのく銀行事件で最高裁判例がありますね。そこでは、非常に極端な賃金や賞与の削減、大幅削減、これについては、そういった制度変更は、たとえ多数派の労働組合が合意していても、ここでは労働組合、合意しちゃったんですけれどもね、それは合意していてもこれは不当だと、認められないという最高裁判決が下っています。これは調べておいてくださいということで連絡しておきましたから、調べておいていただいたと思いますけれども、こういうものなんですね。
 そこで、そのりそなの、みちのくのことについて説明してくれと私は言いません、そのことを理解していただきたいんですが、その理解の上に立って、この竹中プログラムに沿ってやった特別支援金融機関第一号、そこでこんな無法なやり方がまかり通るということ、これでいいのかということなんです。いかがですか。
#99
○国務大臣(竹中平蔵君) いかなる場合も自分の給与水準が引き下がる、特に三割ですから、これはかなり大きな引下げであり、これは大変当事者にとってもつらいことであるというふうに思います。その意味では、給料というのは、これは大原則としては、やはりいい仕事をして利益を上げて高い給料をもらう、これはもう是非そのようにしていただきたいというふうに思います。
 これは、りそな自身が先方の計画の中で、新たな経営体制の下で従来以上に成果主義的な考え方を導入した給与体系や黒字化等、収益改善の状況に応じた賞与水準を検討していくというふうに述べているわけです。つまり、とにかく今はつらいけれども頑張ってもらって、それでその収益改善に応じてみんな頑張ってそれなりにいい給料をもらえるように頑張ろうではないかと、私はやはりそういう位置付けは必要なのではないかと思います。
 委員言われたように、血の通った経営は必要であるというふうに思いますし、つらいということは事実であろうと思います。しかし、国民の間からは、例えば、これだけの公的な資金を準備する中で、本当にしっかりと経営してもらわなければ困るぞと、切り詰めるものは切り詰めてもらわなきゃ困るぞという厳しい声があるということも、これまた事実であろうかと思います。繰り返しになりますけれども、その意味では、これはもうしっかりと頑張っていただいて高い給料が更にもらえるようにしていただくと、そのための財務基盤を厚くするための手助けは、これは政府がやっているわけであります。
 ちなみに、みちのく銀行の事件についても少し勉強させていただきましたが、この判決というのは、基本的にはどうも一部の高齢者に賃金引下げのしわ寄せがいっていると、ほかのところの賃金は上げていて全体としての人件費はむしろ逆に上昇していると、そのことに関しての判決であるというふうに認識をしております。
 いずれにしましても、これは、りそなの皆さんには是非とも頑張っていただいて良い結果を出していただきたいと思っております。
#100
○池田幹幸君 みちのく銀行のことについてはその部分もあるけれども、判決の部分はそうじゃないんです。判決は、要するにその不利益の大きさ、変更の相当性が認められないというところにあるんですよ。要するに、極端に引き下げたということについては合理性がないという形で判決が下っているんです。
 この場合も、一気に三割を引き下げるというやり方をやる。普通の銀行ですらそんなことやっていないですよ。それを国有化した銀行がこれ先導してやると。正に日本国じゅうの無法なリストラを見本を示すようなものですよ。こういったことを絶対やっちゃならないと私は思うんですね。
 あなた、しっかりとした仕事をしてもらう、経営を立て直してもらうと言うけれども、やるのは人でしょう。これ、やるのはりそなの従業員の方々でしょう。徹底的に痛め付けて、これから何年か掛けてやっていくというなら話は分かりますよ。従業員にとってはいきなり起こったことですよ。突然降ってわいたことです。それがこんな形で責任を負わされるということについて、これは労働者は怒っているんですよ。当たり前でしょう。
 それについて、どんな形でこれは対抗していくかと、対応していくかということは、これは金融庁として考えるべきことです。というのは、これは、こういうやり方は、次のいわゆるりそなの融資の姿勢にも当然表れてくるだろうと思うんですね。
 そこで、ちょっと、もう時間が大変たってしまったんですが、融資の問題について伺っていきたいと思うんですが、これ中小企業庁、ちょっと伺いますが、りそなに対応するセーフネット保証制度なんですけれども、これは一号から八号までという形でいろいろ種類を分けてやっておられるんですが、六号では破綻金融機関、七号ではというふうな形で書かれております。七号は、たしか貸し渋り、貸しはがしに遭ったところについての融資というふうに伺っているんですが、今度のりそなはどこに該当するんでしょう。何号ですか。
#101
○政府参考人(大道正夫君) お答え申し上げます。
 りそな銀行には必ずしも限りませんけれども、りそなのケースでも金融調整が行われるという場合におきましてはいわゆる七号の要件に該当するケースがあるというふうに考えております。
#102
○池田幹幸君 六号と七号で、その融資条件といいますか、その違いはどんなものでありますか。
#103
○政府参考人(大道正夫君) 七号につきましては、これは都道府県によって若干運用が違うところがあるかと思いますけれども、基本的に、経営合理化に伴って貸出しを減少させているというふうに指定された金融機関からの中小企業の借入れが全借入額の一〇%以上ということが一つ。それから二つ目に、その借入額が前年同期比で一〇%以上減少しているというのが二つ目でございます。それから三つ目に。中小企業者の全借入額が少しでも減少していると。この三点が基本的な要件ということで考えております。
 ちなみに、六号につきましては、いわゆる破綻をした場合、銀行が破綻をした場合でございますので、こういった要件は、詳細な要件が入っていないということでございます。
#104
○池田幹幸君 竹中大臣、お聞きのとおり、破綻銀行の場合には、そこで取引していた中小企業は無条件に有利な別枠の融資が受けられると。七号の場合は、今度のりそなの場合は破綻じゃないんだとおっしゃっている、盛んにおっしゃっているから破綻じゃないということで七号適用になる。こうなりますと、少し条件が厳しくなってくるんですよ。取引していたというだけではなかなか有利な融資は受けられない。
 これ、今、先ほどの労働者に対して、従業員に対してはもう破綻銀行並みの物すごい扱いですね、三割カットという形でくる。ところが、中小企業に対しては、これは七号指定という形で元気にやっている銀行となっちゃうわけですね。
 そういう形になっているわけですけれども、これはむしろ六号指定に該当するものとして、りそな銀行と取引している中小企業についてはそういう扱いにして別枠の融資が受けれるようにするということを今すべきじゃないかと思うんですが、これは中小企業庁と金融庁と両方に伺いたいと思うんです。
#105
○政府参考人(大道正夫君) まず、中小企業庁からお答え申し上げます。
 六号につきましては、先ほど申し上げましたとおり破綻ということでございますので、かなり破綻金融機関から借入れをするというのは、なかなか続けるのは難しいということもあって細かい要件はないということでございますが、元々セーフティーネット保証制度につきましては、そういった取引金融機関に問題があるとか、あるいは取引先の企業が倒産をしたというような場合でございまして、要するに、そういう特殊な事情があったときに経営の安定に支障が生じるということを防ごうということで作りました特殊な、特別な制度でございますので、対象になる場合については一定の要件を設けているということでございます。
 そういうことで、七号につきましては、破綻した場合と比べますと、金融機関そのものは残っておりますので、そういった要件を、一定の要件を付けた上で制度を作ろうということにしているわけでございますが、実際問題といたしましては、セーフティーネット保証七号のカバーしている範囲というのは金融機関の大多数になっておりまして、結果として融資を、中小企業向けの融資残高の九割はカバーをしているというような状態でございますので、相当程度の場合まず対応ができると思っておりますが、仮にこれが難しい場合でも別途セーフティーネット貸付制度というのがございますので、これはかなり広範に使える制度でございますので、いろんな形でセーフティーネットを張っているということで御理解をいただければと思っております。
#106
○国務大臣(竹中平蔵君) 六号、七号、直接の問題はちょっと所管ではございませんので申し上げる立場にはありませんが、いずれにしても、取引先である企業、特に中小企業に対して円滑な資金供給が行われるということは、これはもちろん重要なことであるというふうに思っております。であるからこそ厚めの自己資本を確保してもらいたい、そのために二兆円近くの公的資金注入に我々も踏み切ったわけであります。この良い財務基盤、自己資本の厚みを活用して中小企業への融資はしっかりと行っていただきたい。
 先ほどから賃金の話が出ておりますが、賃金を含む経費そのものをしっかりと銀行がカットしていくということは、結果的に収益性を高めて自己資本を更に厚くして、中小企業等々に対する貸出し余地を高めることにもなるわけでありますから、これは我々としても正にそういう思いで、今は苦しいこともあるかもしれないけれども、しっかりとした営業基盤を作ってもらいたいという思いでやっているわけであります。
#107
○池田幹幸君 しっかりとしたもうけを上げてもらうと、銀行に。だからといって、貸し渋り、貸しはがし、これをやらせちゃいけないということは、これは当然だと思うんですよね。
 そのことでこの間の予算委員会でも私このことを取り上げたんですよ。いわゆる再査定というものが行われる。新勘定、再生勘定というふうに分けるわけですよね、今度初めて。そういう形で再生勘定に組み入れられたところについては、これは悲劇が待っているよということを話しました。ある銀行、四大銀行の一つ、ある銀行ではもう既に、再生勘定に入れられるという情報が入ったらすぐに貸しはがしに入れと、そういう言葉は使っていませんよ、そういう言葉は使っていませんが、貸しはがしに入れといったような指示がもうなされているんですね。
 そのことについて私お示ししましたけれども、竹中大臣はあのとき首を振っておられたけれども、これが事実だということはもうお調べになって分かったと思うんですが、調査されましたか。
#108
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のは社内の内部の資料等々かと思われますので、ちょっとこれに関しては我々としても調査のしようがございません。
 ただ、前回も答弁させていただきましたけれども、再生勘定、新勘定に分けるというのは、これは管理会計上の話であって、かつ新しい経営者が自らの責任範囲を明確にするためのものであると。これによって今御指摘のようなことが起こらないようにするというのは、これは我々の趣旨からいっても大変重要なことであります。再生勘定というのは再生させる責任を負うわけです。新勘定というのはそこから収益を上げる責任を負うということでありますので。この点、実は数週間前にも大阪に行きまして、大阪の経済人の方、皆様方とも、その趣旨はこういう趣旨なんだということを丁寧にお話をして御理解を得たつもりであります。
 引き続き、委員御指摘のような問題が起こらないように我々としてはしっかりと見ていくつもりでおります。
#109
○池田幹幸君 新経営者がこれからやっていく上での、どうなっているか実態をつかむためにやるんだと、ありていに言えばそういうことでしょう。そのために日産のゴーン社長の例まで出して予算委員会ではお答えになったわけですよ。
 しかし、一つ一つ申し上げますけれども、再生勘定に入れるということは、要するにその実態を正確につかむだけのものだとおっしゃるが、ほかの銀行はそうは見ていないんですよ。そこが問題なんです。
 りそなが再生勘定に繰り入れたということをキャッチしたらどうせいというのか。再生勘定へ移行する可能性が高い債務者については、資金繰り等に対する影響も勘案し、必要に応じて債務者区分、取引方針等を見直すと書いてあるんですよ。これは、要するにりそな銀行と取引のある銀行を全部調べてこういう対応をしなさいという指示なんですよ。ほかの銀行はそうは見ていないということ、あなたが幾らきれい事を言ったってそうなっているんです、現実は。
 そこをしっかり見てもらわなければいかぬということと、それから日産の例を引かれました。コストを削減していかなければいかぬ、経営を改善しなければいけないと。利益を上げなければいけないということなんですが、日産は、やったことについてはもう御存じと思いますけれども、大変なリストラをやりました。また、今また日産は、何だ、リバイバル、ワンエイティーか、何かそんな名前の引き続きリストラもやっていますよね。ゴーン社長はその実態をつかむためだけにやったなんてあなたおっしゃったけれども、そうじゃない。実態をつかんだ上で大変なリストラをやったんですよ。
 今、りそなでそれだけの経営健全化をやりなさい、経営を良くしなさい、もうけを上げなさいということになると、日産のようにやりなさいということなりますと、りそなで何をやるのかと。中小企業向けの金利引上げということも出てくるでしょう。貸しはがしということが起こりかねない。もうそんなことまでこのりそなに対してはやれと、あなたがそういうことを言えば、具体的にはそういうことをやりなさいというのに等しいこと、受け止める側ではそう受け止めざるを得ないでしょう。そういうことになっていきませんか。
#110
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、勘定の分離の話と資産の再査定の話というのは、これは分けて考えていただかなければいけないと思います。
 勘定の分離というのは、これは今までも資産区分を持っているわけですね。それで、要管理先以下のところでありますから、そのことは、要管理先、あなたのところは要管理先か、そんなことは外に出ません。それと同じで、その新勘定、再生勘定というのもこれは外に出さないというふうにこれはりそなも言っているわけですから、これは今まで、これは今までもこの資産区分やっているわけですから、それと基本的には、外的には変化はないということを御理解いただきたいと思います。
 で、資産の再査定、それは日産の例についていろいろお話をくださいましたですけれども、これはやはりその資産の再評価を行って、その上で経営をしっかりとしていただかないと、これは、公的資金を入れるだけではこれはりそなは良くなりません。その分、当然のことながら、リストラを含めてしっかりと経営を立て直していただかないと、この国民の公的な資金は有効に使われないということになります。
 しかしその中で、それがもとで中小企業に対する貸し渋りが加速するとか、そんなことがあってはならないということ、これは大変重要な問題であって、これについてはりそな自身が、りそなはそもそも中小企業に向けて今七六%のシェアを持っておりますが、それを八〇%に高めるということも含めてこれは経営健全化計画の中に明示しているわけでありますので、我々としても、中小企業、地元との一体化、この点には是非配意をしていただいて、かつ財務基盤を強くしていただいて健全な銀行として再生をしていっていただきたいというふうに思っております。
#111
○池田幹幸君 随分いろいろ言われたので、全部一つ一つ本当は反論したいんだけれども、なかなかできない。
 だけれども、一つだけ言っておきます。あなたは、こういう形でりそなは外には出しませんと言っているから出ませんと言っている。しかし、そうじゃないんですよ。銀行がこうやって、ほかの、りそな銀行がどういうふうな仕分をするか、新勘定、再生勘定を分けるかということをアンテナを張って調べて、それが分かったらすぐ対応しろという形で指示出しているんです。実際にこういう業界なんですよ。分からないと思っていても分かるんです。そういう実態だということをまず知っていただきたい。そうすると、現れてくるのはまた悲劇なんですね。それが一つ。
 それから、りそなについては予算委員会の中でもあなたおっしゃって、私言っておいたんだけれども、全然分かっておられないようだからもう一回言いますけれどもね。七六%、中小企業向け貸付け、それを八〇%、八割にすると言っていると。確かに健全化計画ではそう言っています。だけれども、よくごらんになっていただきたいんです。ほかの今までの公的資金注入銀行については、中小企業向け貸付けは絶対額でこれだけ増やしますと約束したんですよ。りそなは絶対額を書いていないんです。率だけなんです。そうすると、新生銀行のようなことをやったらどうなります。新生銀行は正常貸付けまでどんどんどんどん減らしたでしょう。分母をどおんと小さくしたんですよ。これをどんどん貸しはがしやれば、たとえ分子の中小企業向け貸付けを減らしても率で上がるんです。八割になる可能性十分あるじゃありませんか。何でその絶対額が健全化計画に書かれなかったのか、それに対して何も言わなかったのか、それは私は非常に不思議に思いますよ。それが一つ。
 それから、もう時間がないのでそのことについての論争はしません。私は、そういう状況にあって、これから再査定をやられるわけですよ、再査定が。その再査定をやるのがあの船橋信金で有名になったトーマツです。物すごい査定をやって、正常化貸付けを三分の一、正常貸付けを三分の一減らしちゃったんです。残りは全部不良債権に仕分けちゃったということをやったトーマツがこれは再査定するわけです。そういう状況にあるから、これ今の時点できちんとした手を打って、先ほどのセーフティーネットについても手を打ちながら対応しなければどうしようもない。
 私は竹中大臣に訴えたいんだけれども、これは、ここまで来たら、もう中小企業向けの再査定、このりそなの場合、それについてはもうやめたらどうですか。この間まで大企業については特別検査をやってきた、ということをやりましたね。それでオーケー出してきたんだから、これについてはもうその再査定やめて、いわゆる先ほど言いましたように六号貸付け、それができるような状況を考えていかなければ、今の関西経済はこれはもっていかないですよ。大阪経済、大変な状況になるんです。特にこれは大阪、埼玉地域は大変な打撃を受けるわけですから、その辺のところを考えて、一地域の問題じゃなしに大変な問題だと。
 それからもう一つは、労働者の問題については一銀行の問題と考えてはいけない。特に国家がこれだけ実質国有化しながらこのような指導をすれば大変な禍根を残すことになる。
 いろんな問題においてこの問題に対処していかなければ大変だということを申し上げて、感想だけ、もう時間なくなっちゃいましたので。もう少しありますか。
#112
○委員長(佐藤道夫君) いや、もうほとんど。
#113
○池田幹幸君 お願いします。
#114
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御懸念、特に従業員の方々、中小企業の方々、委員の御懸念は大変重要なポイントをついておられるというふうに思います。そうした懸念を我々も共有しているつもりであります。手法等々について更に今後また御議論させていただく、伺わなけりゃいけない問題あると思いますが、御指摘の点を踏まえて我々なりにしっかりと金融の行政をやっていきたいと思っております。
#115
○池田幹幸君 これ、りそなはスーパーリージョナルバンクとしてやっていくと言っているんです。これはそれでいいことだと思うんです。竹中大臣のおっしゃるリレーションシップバンキングだと思うんです。それはいいことだと思うんですが、それならそれで人を大事にせないかぬということが一つですね。それからもう一つは、その地域の中小企業を大事にしなければいけない。ということは、もう従業員が安心して仕事に打ち込める状態ということと中小企業が安心して仕事ができる状態、それに貢献できるようにしなけりゃいけないということなんですよね。私の言いたいのはそこにあるんですよ。だから、それを金融庁としてやっぱりきちんとした形で指導していただきたい。
 これはもう、とっぱなのあなたの答弁は血が通っていないから、あれじゃいけない、私、強く申し上げておきたいと思う。
 終わります。
#116
○大脇雅子君 このところ、りそな銀行への問題が様々質疑が行われておりますが、私も、一兆九千六百億円を投入したりそな銀行に対して金融庁が監視縮小体制というものを打ち出していると、とりわけ検査官の取締役会出席を重大な経営方針を決定する場合に限るとか。そういう意味で、なぜ金融庁としては監視体制を縮小されたのか。果たして、この監視体制を縮小する理由、あるいはそれまでの効果というのをどのように考えておられるのか、御質問します。
#117
○国務大臣(竹中平蔵君) りそなに対する公的資金注入の必要性の認定を行った時点から我々としては、経営監視チームを中心に、経営監視チームだけではありませんけれども、その間の言わば企業経営のガバナンスの空白ができるということに対しては大変神経を使ってまいりました。
 これは、新しい経営陣が来るまでの間、これは旧経営陣でつながなければいけない、しかも、公的資金注入の必要性は認定されたけれども、経営健全化計画をどのように作るか、非常に見方によっては不安定な状況になる。そこで、経営監視チームを派遣して常時ヒアリングを行う、報告徴求を行う、ガバナンスの検証に重点を置いた立入検査を実施する。で、委員も御指摘になりましたように、取締役会等への、相手の同意を得ての上でありますけれども、当局の関係者を陪席させる。そのような観点からしますと、このガバナンスの空白を生じさせることなく新たな、細谷さんを中心とする経営陣の体制に持っていけたという点は、経営監視チーム、それなりの貢献をしたものだというふうに思っております。
 我々の役割は、二兆円の公的資金を入れるわけでありますから、しっかりとしたガバナンスの体制を作らなければいけない。しかし、これはあくまで企業経営でありますから、はしの上げ下ろしにまで国が関与するようなことがあってはいけない。ガバナンスをしっかりしながら、企業経営の自治、オートノミーを確保しなければいけない。そこら辺のさじ加減は一方で大変重要であると思っております。
 新経営体制ができたのを機に、その意味では、取締役会への同席を控えて思う存分経営者に手腕を発揮していただく。重要なものに関しては、しかし引き続き我々としてもしっかりと見ていきたい。そのような形で、今、新経営陣への移行が進んでいる体制を見守っているところでございます。
#118
○大脇雅子君 その新経営陣の細谷会長の以下、再生チームが形成されておりますけれども、先ほども池田委員がお尋ねになったように、関西経済界等、こうした資産査定等の方向性も含めて様々な危惧が表明されているということについてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
#119
○国務大臣(竹中平蔵君) りそな銀行というのは地域に深く根差したネットワークを持っている、特に大阪の地域と埼玉の地域等々にですね。その意味では地元の方々が、今後この銀行はどのようになっていくんだろう、自分との関係はどうなっていくんだろうか、これはもう当然のことながら大変大きな関心事でありますし、また場合によっては御懸念もしておられると思っております。
 申し上げましたように、先般、私自身も大阪に行きまして、細谷会長と御一緒に経済人の方とお話しする機会を持たせていただきました。これはまあ、これは池田委員もおっしゃいましたけれども、やっぱり初めてのケースでありますので、我々としては、やはり念には念を入れて本当に慎重に、注意深く地元の声を聞きながら対応をしていかなければいけない問題であるというふうに思っております。いろいろお話ししてみると、先ほどの新勘定の話にしても、話をしてみると、なかなか、納得をいただけるんですが、やはり一方で大変な御不安を持っておられるということは、これは事実であろうかと思います。
 そうした事実を踏まえて、細谷さんを中心にりそなの皆さんにもしっかりと対応していただきたいし、我々としても、これは財務局等々でもしっかりと見ておりますので、注意深く対応をしていく必要があると思っております。
#120
○大脇雅子君 りそな銀行への公的資金投入後、大きな金融政策として、本年三月期の決算状況を前提として、公的資金をこれまで投入された大手銀行五グループを始め、地銀、第二地銀十行などに対して、収益力の増強を柱とする改善命令というものを検討していられるという記事がございます。
 こうした改善命令を検討するに至る理由、そしてこの改善命令はどのような内容を考えておられるのか、そしてその効果というものをどのように見込んでおられるのでしょうか。
#121
○国務大臣(竹中平蔵君) 新聞記事は承知をしております。ただ、我々としては、今、十五年三月期決算の、この決算、御承知のように当期利益が赤字となって、その計画に比べると大幅な未達になっているわけであります。これに対してどのような監督上の措置を取るかということを今我々としてはまだ検討しているところでありまして、報道にありますように、何々を決定したと、こういう命令を出すことを決定したという段階ではございません。
 これはしかし、金融再生プログラムができてから実は初めての決算でございますので、これは金融再生プログラムにのっとってしっかりと収益力を高めていただかなければいけないし、そのような我々としては対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
 その効果はいかんということでありますが、これはまだ我々としては態度を決めておりませんので、仮定の質問に対してちょっとお答えするのは難しいんでありますが、いずれにしても、金融再生プログラムにのっとって、再生プログラムの下での最初の決算でありますので、我々としてはしっかりと当局としての役割は果たしていかなければいけないと思っております。
#122
○大脇雅子君 検討中だということですけれども、収益力の増強等を勘案した場合に、再生プログラムに照らしてその三月期決算の結果がどんな問題点を持っているというふうに大臣はお考えでしょうか。
#123
○国務大臣(竹中平蔵君) 決算の問題点、正にそこを今検討しているところなわけでありますが、金融機関というのは資産をお預かりして資産を運用するという責任を負っている。その中で、不良な資産についてはこれを当然のことながらオフバランス化して、しっかりとした財務基盤を作っていただかなければいけない。そのためのルール、基本的なルールを決めたのが金融再生プログラムになるわけでございます。
 我々としては、その金融再生プログラムという包括的なルールにのっとって検査・監督をしていくつもりでありますし、銀行におかれても、これは当然のことながら、経営者を筆頭に大変各行頑張ってはいるわけでありますが、この厳しい状況を乗り切るためにやはり引き続き努力をしていただきたいと思います。
#124
○大脇雅子君 その今回の改善命令を検討されるに当たって、各銀行の対応というものは、これまで以上に中小企業への厳しい貸し渋りとか貸しはがしということが生ずる可能性があるのではないかと危惧いたしますが、そうしたことに対する手当てというものについてはどうお考えでしょうか。
#125
○副大臣(伊藤達也君) 今、大臣がお答えをさせていただきましたように、現時点で特定の銀行に対して業務改善命令を発出をすると、そのことを決定した事実はございませんので、したがって、この業務改善命令の発出を前提とした仮定の御質問について、先生のお尋ねでございますけれども、お答えができないことについて御理解をいただきたいというふうに思います。
 先生から貸し渋り、貸しはがしのお話がございましたが、これにつきましては、今までも私どもとして、そうしたことがないようにということを繰り返し金融機関に求めてきておりますし、また、資本増強行に対しましては中小企業向けの貸出しの残高増加を求めてきたところでございまして、今後とも適切にその履行状況をフォローアップしていきたいというふうに考えております。
#126
○大脇雅子君 破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告、今回の対象となっておりますこの報告についてお尋ねします。
 石川銀行と中部銀行の破綻処理についてでありますが、通常取られる対応としての店舗の譲渡とか従業員のリストラ、受入れ等、どちらも地域の密着型の金融機関でありますから、その店舗の譲渡によって支所や支店がなくなった地域も当然出てくる。そうした影響を最小限にするために取られた金融庁の指導等はどのようなものでしょうか。受皿銀行に再雇用される従業員の人数は一割を切っているように思われますが、他の従業員の再雇用状況についてはどのように把握しておられるのでしょうか。
#127
○政府参考人(五味廣文君) 石川銀行と中部銀行のまず店舗の譲渡の関係でございます。
 この両行の営業譲渡に関しましては、預金保険機構を含みますそれぞれの金融整理管財人が関係当局と密接に連携を取りまして、受皿金融機関の選定、そしてその交渉ということを行ってまいりました。その過程においては、利用者の利便性あるいは地域経済に与える影響というのを考慮いたしまして、地元の金融機関を中心として受皿を選定をする、そして交渉をするということが進められまして、それぞれの受皿が確保されております。
 また、お話のありました支店の関係でございますが、受皿への営業譲渡に際しましては、既存の店舗が受皿に承継されないケース、これはございます。つまり物理的に支店が承継されない場合でございますが、こうした場合でありましても、その店舗の営業を受皿金融機関の最寄りの店舗に承継するなどしまして、利用者の利便性の確保に最大限の配慮を払うというようなことを配慮をしてまいっているところでございます。
 例えば、一例を申し上げますと、中部銀行は伊豆大島に支店がございましたけれども、この大島支店につきましては、地元の大島住民の利便性を考慮して、この支店の受皿となりました東京スター銀行に対しましては、この支店の営業を受け継ぐだけでなくて、店舗そのものも承継するようにということで金融整理管財人から要請をいたしまして、その結果、店舗も承継されるというようなこともございました。
 いずれにいたしましても、こうした営業譲渡に係る交渉は金融整理管財人が行ったものではございますけれども、金融庁といたしましても、この両行の金融整理管財人であります預金保険機構、これを始めとしました関係機関と連携を密にして、利用者の利便性の確保ということに努めてまいりました。
 また、第二点でございますが、再雇用の関係でございます。
 この再雇用問題につきましては、破綻金融機関、すなわち金融整理管財人と救済金融機関の間で協議が行われる中で決定されるという性格のものでございまして、金融庁が関与する立場にはないわけでございますけれども、この両行につきましては、金融整理管財人にお願いをいたしまして再雇用の実態を調査をしていただきました。その結果を御報告を申し上げます。
 まず、石川銀行でございますが、営業譲渡が行われました平成十五年三月二十四日の時点で従業員六百三十三名、このうち再就職が決定いたしましたのが二百七十四名でございます。約四三%ということになります。この内訳は、受皿となる金融機関へ再就職が決定した方が百一名、それから受皿金融機関以外のところへの再就職が決まった方が百七十三名、こうした内訳でございます。
 それから、中部銀行でございますが、こちらは、営業譲渡が行われました十五年三月三日の時点で従業員が七百五名、このうち再就職が決定しておりましたのが五百十八名でございます。約七三%。これも同様に内訳を申し上げますと、受皿金融機関へ再就職をすることが決まっておられた方百十九名、受皿金融機関以外への再就職が決定しておられた方三百九十九名と、実態を調査いたしますとこういうことになっております。
 営業譲渡契約の概要の中に再雇用の目標のようなことが書いてあり、それがFRC報告に載っておりますけれども、実態を調査いたしましたらこんなことになっております。
#128
○大脇雅子君 どうもありがとうございました。
 両行に対しては、元の経営者に対する刑事責任とか民事責任が厳しく問われております。当然に不良債権処理に関する金融庁による指導の中では不正な融資行為というものの指導もあったであろうと思われます。
 この不正融資に対する指導、そして元経営責任者に対する刑事責任、民事責任はどのようになっているでしょうか。
#129
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融整理管財人によりまして旧経営陣の責任追及作業をしておりますけれども、その結果としまして、旧石川銀行については、不正融資案件として、これは刑事告訴が一件、損害賠償請求訴訟が一件、これが提訴されました。また、旧中部銀行においては、損害賠償請求の訴訟が二件、これが提起されておりますけれども、これは、ただ、いずれも現在係争中の案件でありまして、したがいましてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、一般論として申し上げますと、金融庁としては、銀行の業務の健全でかつ適切な運営を確保するという観点から、検査・監督を通じて、問題のある金融機関に対しては厳正に対処してきているところでございます。こういう姿勢を貫きたいと思っております。
#130
○大脇雅子君 総資産の査定結果において、とりわけ石川銀行については不良債権の評価が当局の評価と非常に差異が大きいと。これまでの指導においてどのような問題を問題とし指導をされてきたのでしょうか。これを一つの教訓として、今後、他の金融機関に対しては日常的にどのような指導をなさるのか、お尋ねをいたします。
#131
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のとおり、銀行の自己査定と、それと金融庁の査定の間には大きな差異があったということであると認識をしております。
 それで、どんな指導をしてきたのかというお尋ねでありますけれども、まず、同行については、十二年の三月に業務改善命令を出しております。これは、この十二年三月の業務改善命令は、バブル崩壊とともに不良債権化した資産が多いということを踏まえたわけですけれども、三点、信用リスク管理の抜本的な見直し、第二点は不良債権の的確な処理、それで三点は業務運営体制の見直し、こうした三点に関して業務改善命令を出しております。
 その後、検査を行いました。この検査結果は十三年の五月に出ておりますけれども、それによりますと、十二年三月に発動した業務改善命令に係る改善方策がいまだ不十分であるというふうに認められましたので、さらに、法令遵守体制全般に問題があるということも明らかになりましたので、これは、十三年の六月に次なる業務改善命令を発出をしております。
 この内容は、十二年三月の業務改善命令に基づく改善方策を計画どおりに実行してくださいと、これが第一点。第二点は、その実効性確保に係る責任の所在を明確化しなさい。第三点は、法令遵守体制、コンプライアンス体制の確立強化ということでございます。
 しかしながら、それにもかかわらず不良債権処理が思うように進まないと。景気全般も低迷する中で資産が劣化していって、結果として十三年九月期に債務超過となって、これ破綻に至ったという、これが経緯でございます。
 ここからの教訓として申し上げられることは、やはり日常的にモニタリングしていって、早め早めの警告、ウオーニング、それと必要に応じた命令、そういう早め早めの措置がやはり重要であると、日常的な体制整備も含めてやはり重要な教訓であるというふうに思っております。
#132
○大脇雅子君 終わります。
#133
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 竹中大臣を始め、皆様御苦労さまでございます。
 私もりそなの関係から質問をさしていただきたいと思いますが、一応、一兆九千六百億円余りという大変な公的資金が投入されることになったわけでございますが、比較的預金者もマーケットも冷静だなというふうに感ずるわけでありますが、竹中大臣は金融担当大臣に就任されてから金融再生プログラムということを打ち出されたわけでありますが、その段階で、このプログラムをずっと進めていけばやはり今回のような、りそなへの公的資金注入というような事態は当然起きるというふうに想定されていたんでしょうか。その辺の所感を伺いたいと思います。
 新聞記事では、二年前の二〇〇一年の九月の中間決算ではもう旧大和銀行が自己資本不足になっていたと、それは金融庁はもう把握していたと、だけれども、あさひとの統合がちょうど発表されて早期是正措置も見送りされたみたいな、そういう新聞記事読んだわけでありますけれども、そんなことを前提にすると、当然そういうような、行き着く先は今回のことがあったのかなというふうに思うわけでありますが、この辺、いかがでございましょうか。
#134
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年の九月に金融担当の兼務を命ぜられたときに申し上げたことでありますが、日本の金融システム、金融機関は決して危機的な状況だとは思わない、しかし決して健康体だとも思わない、やはりそこに治すべき問題、治療を要する問題があるというふうに申し上げました。
 その中身として三つのことが重要であろうと。一つは、資産査定が本当に十分か、更に厳格化する必要があるのではないか。この資産査定を厳格化して、ある不良債権をあぶり出すということ、これが第一のポイント。第二のポイントは、必要な自己資本を充実していくということ、これが必要であろう。第三番目としては、いわゆる企業経営における、銀行経営におけるコーポレートガバナンスを強化する、結果的に収益力が上がるようにする。この三つを、どれを欠けてもいけないわけで、この三つを充実させていくことによって本当の意味での健康体に戻していかなければいけないということを申し上げました。
 お尋ねの、その時点で、例えばりそながこのような状況になるということを予想していたかということであれば、これは、そういう具体的なことはもちろん予測できたわけではございません。
 しかしながら、今回の場合は、資産査定、自己資本の充実、ガバナンスの強化、それぞれがやはり必要なケースとして、それぞれ強化し得るケースとしてそのりそなの問題が出てきているわけでございますので、個別のことを想定したわけではありませんけれども、当時の一般的な診断という意味では、そういう問題点がりそなを通して少し出てきているというふうな認識は持っております。
 いずれにしても、この再生プログラムに沿ってやはりしっかりとやっていくことが重要であると改めて認識をしております。
#135
○魚住裕一郎君 今の健康体の話でございますけれども、過去、九八年の金融安定化法、さらには九九年の早期健全化法に基づいて十兆円の公的資金が注入されたわけでありますが、健全な銀行をより健全にするという、そういうようなことを当時言われていたなと。更にもう健康優良児みたいになってしまうわけでございますが。
 ただ、結果的として今回りそなの公的資金注入という形になるわけでありますが、この間の金融庁の監督・検査機能、本当に働いていたのかというように感ずるわけでありますが、公的資金注入の、過去の資金注入の政策的意義そして効果について大臣はどのようにお考えでございましょうか。
#136
○国務大臣(竹中平蔵君) 九八年、九九年、正に日本の金融システム全体がシステミックリスクの入口に立たされたような段階で思い切って資本注入を行った。それによって、その直後、いわゆるそれまで非常に大きかったジャパンプレミアムが消えて金融システムが安定化していくという兆候が見られた。その意味では、やはり当時の政策はそれなりに大きな効果があったというふうな評価をまずすべきなのだと思います。
 しかしながら、一方で、当時も含めて過去に公的資金注入を行ったりそなにおいて、今回、更に公的資金が必要な状況が生じたということは、これはやはり極めて遺憾なことであるというふうに思います。その意味では、効果はあったものの、反省すべき点はあるということは素直に認めなければいけないのだと思います。
 その点が、先ほど言いましたような資産査定、資産査定についてもこの間いろんな努力を金融庁はしてまいりました。これは、私の前任の柳澤大臣の時代に、特別検査を行って資産査定を厳格化していく。私になりましてから、自己査定とその金融庁の査定の結果の格差を公表して、更に健全化を図っていただく、ディスカウント・キャッシュ・フローというような新たな手法も取り入れる、そういうようなことを積み重ねる中で、その資産の査定については大分厳格化してきた。
 しかし、まだ、例えばコーポレートガバナンスが今のままで本当に十分なんだろうかというような疑問の声も専門家からは上がっている。資産査定、自己資本の充実、コーポレートガバナンス、とりわけやはり全体から見るとコーポレートガバナンス、経営改革、一言で言えば経営改革ということになりますが、この点についてはやはり引き続き銀行にも努力をしていただきたいし、我々もそれをしっかりと監督する責務があると思っております。
#137
○魚住裕一郎君 今度、二兆円ということになりますと、りそなの自己資本比率一二・二%以上になるという話でございますが、何で四%でも八%でもなく、結果としてということなんでしょうかね、一二・二%という。国のお金、国民の負担する資金ということになるわけでございますが、これはどういう合理的な理由があってのものなのか。また、将来、こういうような形で注入せざるを得ない事態も可能性としてあるわけでございまして、その辺の基準というかメルクマールといいますか、その辺について御答弁をいただきたいと思います。
#138
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさしていただきたいと思います。
 りそな銀行は、金融危機対応会議の答申におきまして、「預金者、取引先、市場の不安を払拭する観点から、一〇%を十分上回る自己資本比率の確保が必要との意見を申し添える。」とされていることを受けまして、今後、中小企業向け貸出し比率を高めるなど、地域に根差した銀行を目指していくことを総合的に勘案した結果、資本増強後の自己資本比率が、地銀、第二地銀の自己資本比率の高い銀行並みの水準、これは自己資本比率の上位五行の平均の一二・二%となるように所要の金額を申請したものと承知をいたしております。
 審査の結果、このような考えの下に算定された申請額は、りそな銀行の自己資本比率が四%を下回って二%程度に低下をした、このことによって、りそなグループ全体からしますと、四十兆円を超える総資産の銀行でございますので、相当にやはり信頼が傷付き、マーケットの信用というもの、低下をしている、こうした中で、預金者、取引先、市場に不安を与えず、今後の市場や経済の動向、また新たな経営展開にも対応できるよう余裕を持って健全性の基準をクリアする必要があるとの金融危機対応会議の答申の趣旨を適切に踏まえたものであると認め、今回の申請どおり一兆九千六百億円の資本増強額として決定したものでございます。
 そして、今後のことについてでございますが、これは仮定のことでございますのでお答えをしかねる点がございますが、私どもとしましては、万一、金融危機のおそれがあると判断された場合には、預金保険法に基づく資本増強等の処置を講じて金融システムの安定化の確保に向けて万全を期してまいりたいというふうに考えております。
#139
○魚住裕一郎君 是非、不安が起きないようによろしくお願いしたいと思いますが。
 今のお話でも、このりそなの四%割れということでございますが、その引き金は繰延税金資産の計上年限を五年から三年だというようなことが監査法人から求められたということでございますが、これはしっかりした収益の計画があれば別に五年以上でもいいんじゃないのかというふうに私など思ってしまうわけでありますが。ただ、これ、あやふやなままでやれば、またそれは三年だろうと二年だろうとそれは厳しいなと。要は、この自己資本の比率ももちろん大事でございますが、その質を高めていくべきではないかと、中核的な自己資本といいますか、そういうふうに思うわけでございますが、大臣はこういう点はどのようにお考えでございましょうか。
#140
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰延税金資産という言葉は去年の秋ぐらいまでは少なくとも一般紙に大きな見出しとして出ることはなかったのだと思います。我々として、去年の秋に金融再生プログラムで提起していろいろ御議論を幅広くいただくようになりました。これはもう委員よく御存じのことで言うまでもないと思いますが、これは言わば有税償却をやった、言わば税金の前払に当たりますので、これは財務会計上は言うまでもなく資産項目であります。しかし、この財務会計と税務会計の調整勘定として本来作られたこの繰延税金資産が結果的に見ると非常に大きくなってしまって、これが自己資本計算上、非常にクルーシャルな役割を演じるようになっている。しかし、これは資産項目ではあるものの、将来の回収可能性というのは将来の利益に依存するということで、マーケットから見ると非常に脆弱であるというふうな見方がマーケットからはやはり声として聞こえてくる。計上の基準に関しては、公認会計士協会の実務指針があるわけでありますが、これも解釈が幅広いものであると。
 そういう点から、我々としてもこれは、自己資本の質的な充実というふうに言われましたが、正にそうした観点からもしっかりとこの問題を取り上げなければいけないということで、金融審にワーキンググループを作ってずっと議論を重ねていただいているところでございます。金融審では、これ二月から始めておりますので、半年ぐらいで経過報告をしていただけるように今金融審の方にお願いをしております。正にこれは税務、法律、経済、会計の専門家に集まっていただいておりますので、そこでしっかりと是非議論をしていただきたいと。
 この報告の前でありますので、私から予断を与えるようなことは申し上げるのは控えさせていただきますが、やはりこの存在をしっかりと認識して、正面から見据えて、是非必要な政策論議を展開していっていただきたいというふうに思っております。
#141
○魚住裕一郎君 今回、りそなの件は、形としてはりそなからの申請という形になっているわけであります。金融危機対応会議でこの公的資金の必要性、そういうことが認識された後で、そこから出発をするわけでございますけれども。ただ、これは、銀行の申請ということになりますと、銀行がその気になって手を挙げてもらわない限り、何といいますか、先が進まないということになるわけでございますが、これでは金融危機という概念が非常にあいまいになっていくんではないだろうかなというふうに思います。
 金融の再生を図るという、そういう観点からすれば、予防的な強制注入といいますか、そういうツールも考えることが必要ではないか。そしてまた、その場合における原則であるとかルールであるとか、この公的資金はもう添え木に使うとか、いろいろありますね、考えられること。そういうことをしっかり打ち出していくことが必要ではないかと思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
#142
○国務大臣(竹中平蔵君) 現状認識として、先ほど申し上げましたように、決して危機ではないと思う、しかし健康体ではない、そのようなグレーゾーンといいますか中間領域にある状況でどのような新たな公的資金の枠組みが必要かどうかと、この必要性も含めて、これまた金融審で今議論をいただいているところでございます。
 委員、予防という言葉、強制という言葉御指摘になられました。恐らく予防に関しては、その事後、危機が起きてからやるのか、危機が起きない、起きる前にやるのかという問題と、もう一つは、強制なのか申請なのかという、そういう基準、当然のことながら議論の観点としてはあろうかと思います。
 しかしながら、強制ということになりますと、これは憲法の財産権の問題とか、これは複雑な問題が一方で出てまいります。したがって、強制というのはなかなか難しいのではないのかなというふうには思います。
 ただ、いずれにしても、危機が起こっているわけではないけれども健康体ではない状況、まあ先生はそれを予防というふうにおっしゃったんだと思いますが、それに関しては、その必要性も含めて今金融審で最終的に取りまとめの段階でございますので、委員から御指摘のような問題意識も反映させて、是非、しっかりとした答申が出てくるものというふうに思っております。
#143
○魚住裕一郎君 それで、今回の件でマスコミ等ではりそなが国有化されたという表現が結構見られたわけでございますが、預金者あるいは市場も冷静だとは言いながらも、やはり不安はあるんだろうと。また、例えば長銀とか日債銀のように破綻するんではないかとか、あるいは株式が紙切れ同然になるんではないかとか、あるいは外資に売られてしまうんじゃないかとか、そんなようなことが町で言われるわけでございますけれども、国有化というような言葉が独り歩きして混乱が出るとまずいと思いますが、その辺につきまして大臣にきちっと説明をしていただければと思いますが。
#144
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただければと思います。
 国有化につきましては、先生御指摘のように、様々な意味合いで使われているところがございまして、長銀や日債銀の処理を国有化と呼ぶならば、国有化とは、やはり破綻処理として、金融機関が発行している株式を国が強制的に取得する処置と考えられ、現行制度では特別危機管理がこれに当たることになるわけでございます。
 他方、今般りそな銀行に対して行われた資本増強、これは特別危機管理のように債務超過の破綻金融機関に対する処置とは異なりまして、破綻状態にない金融機関が新たに発行する株式等の引受け等を行っている健全性の回復を図るものであります。いわゆる国有化である特別危機管理とは全く異なるものでございます。
#145
○魚住裕一郎君 それで、今回りそなが公的資金注入されたわけでありますが、りそな以外の大手行はどうなんだろうかと。繰延税金資産にしても、りそなの場合一〇〇%ぐらいの比率だと思いますけれども、じゃ半分のところだってあるわけでございまして、その辺の不確実性といいますか、そういうことも指摘されるところでございます。
 要は、不良債権処理という問題がまだまだ大きく課題としてあるわけでございますし、また金融庁の五割・八割ルールというようなこともあるわけでありますが、この見通し、不良債権処理の見通しについて、その状況というものをお教えいただきたいと思います。
#146
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融再生プログラムで、その前に総理から指示を受けましたのは、その当時、去年の秋の時点でありますが、二年半ぐらいでこの不良債権問題を終結させろということでありました。その終結というのはどういう意味なのかと。これはなかなか判断は主観的なものにならざるを得ませんが、我々としては、中間の政策目標としては、今から二年後ぐらいには不良債権比率を半分にしていたいと、当時八・数%でありましたから四%台にするという、それを中間の政策目標に掲げてやっております。
 そのためには何が必要かと。これは当然のことながらオフバランス化していくと。オフバランス化に関してはルールを作っております。破綻懸念先以下の不良債権に関しましては、これはいわゆる二年・三年ルール、既にあるものは二年で、新たに発生したものは三年で、かつ五割・八割ルール、一年で五割、二年で八割と、そういうルールを決めてやっていっていただいている。
 問題は、そのとおりやったとして本当に四%台に不良債権がなるのか、デフレが続く中で新たに不良債権も発生しているではないか、それを考えて一体どうなるのかと、そこがもうひとえに重要なポイントであるというふうに思っております。
 しかしながら、この半年間の、再生プログラムを作ってから半年間の動きによって、それを実現する方向性が私は明確に見えてきたというふうに思っております。昨年秋の不良債権比率は、これ八・一%でございました。リスク資産に対して八・一%の不良債権がある。それがこの半年間で七・二%に低下をいたしました。更に増えた不良債権は確かにあります。しかし、それをオフバランス化したものが上回っていて、それによって不良債権比率は半年間で〇・九%ポイント低下しました。このペースを続けていくと二年後には四%台になる、そのような一つのめどが立ったというふうに私は思っております。かつ、今回の決算で大変重要な点は、業務純益、そこそこ銀行は稼いでいるわけですが、不良債権の処理損を見ますと、一部の銀行を除いて、これは一部の銀行は不良債権の処理を前倒ししたところがございますので、そういうところを除いて見ますと、不良債権の処理損が業務純益の範囲で収まるような、収まるようになってきた。これはやはり、いずれにしても大変良いサインであるというふうに思っております。
 その意味でいきますと、二年後に四%台に不良債権比率がなるのを目指して動き始めておりますので、この動きを何とか実現に向けていきたいというふうに思っているところでございます。
#147
○魚住裕一郎君 そこで、不良債権処理に関してやはり税制というものが大きなポイントになるんではなかろうかなと思います。今、竹中大臣からもお話ございましたけれども、二年間という話もございましたけれども、不良債権処理を最優先というふうに考えている以上、やはり金融機関に不良債権処理を促そうという、そういう税制上の取組があってしかるべきではないだろうかなと。
 午前中の質疑のときにも、竹中大臣から三点セットという言われ方をしておりましたけれども、ただ、新聞記事等によれば、例えば欠損金の繰越控除期間、五年だ、十年だと、七年ぐらいが落としどころではないかみたいな、そんなことまで新聞記事に載っていたわけでございますが、財務当局としてはこの辺はどのような見解をお持ちなのか、また議論はしておられるのか、お示しをいただきたいと思います。
#148
○副大臣(小林興起君) お答え申し上げます。
 もう御承知のとおり、税制の方からも不良債権処理にかかわっていかなければいけないと、こういう流れの中にありまして、政府税調において先般、六月十七日に中期答申が出されたところであります。ここで、不良債権処理に係る税制面での対応について一つの基本的な考え方が示されたところであります。
 前から言われております、いわゆる無税償却基準につきましては、これは税務会計とそして企業会計との取扱いが違っている、このすき間を少しでも縮めていこうというような考え方に立って見直しを今後とも続けていくということにこれはさせていただいております。
 しかし、見直すときに、やはり金融機関に与える何といいますか影響、今ずっと銀行赤字でございまして、したがってこの無税償却のたとえ範囲を今すぐ広げたとしても、これがすぐに使えるというわけではありませんので、そういう面で、そういうことも考えながら、金融庁とこれは相談して、今年度中に具体的なものを詰めて、来年の税制改正時には、来年度の税制改正には間に合わせていきたいというふうに今思っているところであります。
 それから、お話ありました繰越期間の、欠損の繰越期間の延長ということにつきましては、これも五年から十年という要望も前から出されておりますけれども、これ延ばしますと、いわゆる帳簿期間、帳簿の保存期間との整合性も考えなければならないというようなところを考えていく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
 それから、もう一点の欠損金の繰戻し期間と。これは、ほかの業界との関係もありますし、それから、特にこの金融界、特に銀行について計算いたしますと、大変な何兆という金額になりまして、非常に、実際払えないというような、そういう問題もありますので、この二点につきましては実際問題としては難しいことがあるということになっているわけでございます。
#149
○魚住裕一郎君 日本の経済が再生していくことが大事なんであって、是非、角を矯めて牛を殺さないようにしていただきたいなと思います。
 デフレも随分長くなってまいりましたし、また不良債権もしっかり処理していこうと、こう期間を決めてずっとやってきたわけでありますが、十年超えてきたなと思うわけでございますが、大臣からもお話ございました、二年間でしっかり処理をするというお話ございました。その後の、この金融再生プログラム後の日本の金融、銀行の在り方といいますか、そういうものは竹中大臣としてどういうような姿を想定しておられるのか、その辺を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#150
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な御質問でありますが、なかなかお答えは難しい問題かと思います。
 基本的には、集中調整期間でありますから、そこはしっかりとやっていただきたい。その先に向けても、しかしメガバンクに関しては、世界のマーケットを競争相手としながら、やはりその収益力を高めてどんどん攻めに転じられるような存在になってほしいというふうに、これは一つのイメージ、希望でありますが、思っております。
 日本はそもそも貯蓄率が依然として高い。つまり、金融業というその観点から見ますと、原材料をたくさん持っている産業だというふうに見てよいわけであります。それを活用して金融のノウハウを生かすことによって、蓄積することによって国際的にやはり強い競争力を私は持てるのだと思います。主要行に関しては、そうしたフィールドでのやはり更に大きな発展を私としては期待したいと思います。
 一方で、地域により深く根差したリレーションシップバンキングの分野については、これはまた違う在り方が求められているんだと思います。地域のアンカーとして、その信頼性を得て、信頼を得てより大きな役割を果たしていく、地域の安心の拠点であり、かつ地域の発展の戦略拠点になるような、そのような存在に銀行自身がなっていってほしいというふうに思っております。
#151
○魚住裕一郎君 終わります。
#152
○委員長(佐藤道夫君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#153
○委員長(佐藤道夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融問題及び経済活性化に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(佐藤道夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(佐藤道夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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