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2003/04/16 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第5号
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2003/04/16 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第5号

#1
第156回国会 共生社会に関する調査会 第5号
平成十五年四月十六日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                橋本 聖子君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                段本 幸男君
                南野知惠子君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                風間  昶君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        阿南 一成君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長   園尾 隆司君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       法務大臣官房長  大林  宏君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
   参考人
       お茶の水女子大
       学生活科学部人
       間生活学科教授  戒能 民江君
       全国婦人相談員
       連絡協議会会長  原田恵理子君
       女性の家HEL
       Pディレクター  大津 恵子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会に関する調査
 (「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護
 に関する法律」の見直しに関するプロジェクト
 チームに関する件)
 (「共生社会の構築に向けて」のうち配偶者か
 らの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
 施行後の状況に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 共生社会に関する調査を議題といたします。
 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直しに関するプロジェクトチーム座長南野知惠子君から、協議の経過等について報告の申出がありましたので、これを許します。南野知惠子君。
#3
○南野知惠子君 それでは、これまでの配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直しに関するプロジェクトチームの経過について御報告させていただきます。
 二月十二日の理事会におきまして本プロジェクトチーム設置の決定をいただきました後、運営に関しまして三回の会合を、また関係者からのヒアリングを一回開催させていただいております。
 プロジェクトチームの構成につきましては、委員の異動に伴いまして欠員となっておりました副座長に、民主党・新緑風会の神本委員及び公明党の風間委員を互選いたしました。
 また、今後の日程といたしましては、関係者からのヒアリングをまず行い、これらのヒアリングを踏まえましてメンバーの方々とも御相談申し上げながら、できれば六、七月ぐらいから具体的な改正に向けての論点整理の協議を行っていけたらと考えております。
 関係者の方々からのヒアリングにつきましては、三月十一日に弁護士の長谷川京子さんと可児康則さんをお招きし、第一回目を行いました。また、本日、地方公共団体からの意見聴取としまして三名の方の御出席をいただき、第二回目のヒアリングを行う予定にいたしております。
 長谷川、可児両弁護士の方からは、法律の対象に元配偶者や交際相手などを加えること、また被害者の範囲に子どもを含めること、DV犯罪へ警察が積極的に関与すること、緊急保護命令の創設や保護命令期間の延長など保護命令制度を拡充すること、さらには、離婚裁判における調停前置主義を見直すことなど、DV法改正のみならず、被害者保護のための関係法律の見直しについての御指摘もございました。
 今後、適宜プロジェクトチームの経過を調査会に御報告させていただく予定としておりますので、今後とも委員各位の御協力をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
#4
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
    ─────────────
#5
○会長(小野清子君) 「共生社会の構築に向けて」のうち、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況に関する件について、内閣府及び厚生労働省からの説明聴取並びに参考人からの意見聴取をそれぞれ行いました後、参考人、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省及び最高裁判所当局に対し質疑を行うことといたします。
 本日は、お茶の水女子大学生活科学部人間生活学科教授戒能民江君、全国婦人相談員連絡協議会会長原田恵理子君及び女性の家HELPディレクター大津恵子君に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、大変御多忙の中を本調査会に御出席をいただきまして誠にありがとうございました。
 参考人の方々から、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況に関する件について忌憚のない御意見をお述べをいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 議事の進め方でございますが、まず、内閣府及び厚生労働省の取組についてそれぞれ十分程度説明を聴取いたします。次いで、参考人からそれぞれ十五分程度御意見をお述べをいただきまして、その後、各委員からの質疑にお答えいただく方法で進めたいと存じます。
 なお、質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行っていただきたいと存じます。
 また、説明、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございます。
 まず、内閣府及び厚生労働省より説明を聴取いたします。阿南内閣府大臣政務官。
#6
○大臣政務官(阿南一成君) それでは、配偶者からの暴力に関しますこれまでの内閣府の取組について御説明を申し上げます。
 配偶者からの暴力に関する取組につきましては、複数の府省庁に関係する事項も多いところでありまして、関係府省庁が連携協力をいたしまして各種施策を推進することが重要であると認識をいたしております。こうした認識の下に、内閣府におきましては、国や地方の各段階における連携協力が円滑に行われますよう必要な調整等を行わさせていただいております。以下、具体的に御説明を申し上げます。
 まず、男女共同参画会議における取組でございます。参画会議におきましては、配偶者暴力防止法が成立をいたしました平成十三年の四月に、女性に対する暴力に関する専門調査会を設置をいたしまして、法律の円滑な施行に向けた検討を実施をいたしてまいりました。調査会での検討結果を基に、参画会議におきましては、平成十三年の十月及び平成十四年の四月の二回にわたりまして配偶者暴力防止法の円滑な施行に向けた意見を決定し、関係各大臣にその意見を述べております。
 関係府省庁におきましては、この意見を踏まえ、配偶者からの暴力に関する各種取組が進められているところであります。また、配偶者暴力防止法が完全施行をされましてから一年が経過をいたしましたので、参画会議におきましては、現在、法律の施行状況等について調査検討を行わせていただいておるところであります。しかるべき時期に結果を取りまとめたいと考えております。
 次に、配偶者暴力相談支援センターに関する取組について申し上げます。
 配偶者暴力防止法により、都道府県の婦人相談所その他の適切な施設において支援センターの機能を果たすことが規定をされております。現在、全国で百二の施設がこの機能を果たしております。婦人相談所以外では、いわゆる女性センター、福祉事務所、児童相談所などにおいても支援センター機能を果たしているところもございます。この支援センターにつきましては、法律制定時から、都道府県内における責任の所在が不明確になるのではないかとの御指摘がございましたことから、内閣府といたしましては、平成十三年十月、参画会議の意見なども踏まえ、各都道府県に対し、支援センター担当部局を決定すること、複数の施設において支援センター機能を果たす場合に中心となる施設を決定することについて要請をいたしました。現在、各都道府県におきまして、それぞれの実情に応じてきちんとした責任体制が構築されているものと考えております。
 また、内閣府では、全国の支援センターに寄せられます相談件数の集計を行っております。この結果を見ますと、支援センターにかかわる規定が施行された平成十四年の四月から本年二月までの十一か月間に、計三万二千九百七十三件の相談が全国の支援センターに寄せられております。そのほとんどが、九九・六%が女性からの相談であります。年齢別に見ますと、三十歳代の方が最も多く、次いで四十歳代、二十歳代となっております。さらに、都道府県の支援センターの業務内容に関し一定の水準が確保されますよう、年二回、支援センター担当者の全国会議を開催し、必要な情報提供や各県の取組の紹介などを行っております。
 次に、職務関係者に対する研修について申し上げます。
 被害者に二次的被害を与えないためにも、職務関係者に対する研修は大変重要であると認識をいたしております。内閣府では、平成十四年の二月に全国の婦人相談所や女性センターの相談員など約百七十名を集めまして、相談にかかわる基礎的事項について三日間の研修を実施いたしました。また、本年の二月には、全国の女性センター等において相談員を管理する立場にある職員約七十名を集めまして、相談員を支える仕組み等について二日間の研修を実施いたしております。さらに、地方公共団体等において研修を実施する場合に利用できるよう研修用教材「配偶者からの暴力 相談の手引」を作成し、幅広く必要とする人に行き渡るよう廉価にて販売をいたしております。
 次に、広報啓発について申し上げます。
 配偶者からの暴力につきましては、社会の中に配偶者間の暴力は犯罪とはならない、夫婦げんかだから他人がかかわるべきではないといった誤った認識を有している人がまだまだ多いのが現状であります。内閣府におきましては、配偶者暴力防止法の内容等を分かりやすく説明したパンフレットを七万部、ドラマ形式で法律内容等を解説した広報ビデオを一万二千本、それぞれ作成をいたしまして、都道府県等関係機関・団体に配付をいたしております。また、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、有線放送、電光ニュース、モバイル携帯端末広告、政府広報誌、内閣府ホームページなど、様々な媒体を有効に活用し配偶者からの暴力に関する情報が広く国民に行き渡るように努めております。
 さらに、男女共同参画推進本部が毎年十一月十二日から二十五日に実施をしております女性に対する暴力をなくす運動におきましても、夫、パートナーからの暴力を重要なテーマとして位置付けております。また、この運動の一環として内閣府が毎年十一月二十五日に実施しております女性に対する暴力に関するシンポジウムにおきましても配偶者からの暴力をテーマとして取り上げております。加えまして、昨年六月には女性に対する暴力根絶のためのシンボルマークを作成をいたしております。ピンバッジを作成し関係機関に配付をするなど、広報啓発に役立たせております。私も今、胸に付けさせていただいております。
 次に、調査研究についてであります。
 内閣府では、これまで平成十一年度には男女間における暴力に関する調査、平成十二年度には配偶者からの暴力に関する事例調査をそれぞれ実施しております。平成十四年度は配偶者からの暴力に関する調査及び配偶者からの暴力の加害者更生に関する調査研究を実施し、先日、結果を公表したところであります。本年度は相談員等の支援者に関する調査研究及び加害者更生に関する調査研究を実施することといたしております。
 次に、民間団体に対する援助について申し上げます。
 内閣府では、被害者を支援する相談員等を対象に、配偶者からの暴力の特性、業務に役立つ法律及び制度、相談機関に関する情報等をインターネットのホームページにおいて提供する情報提供事業を平成十四年四月から実施をしております。必要な情報が必ずしも十分に行き渡らない民間団体の活動にも役立つものと考えており、提供する情報の内容は適宜、拡充に努めているところであります。
 なお、地方公共団体の中には民間団体に対し財政的援助を実施しているところもございます。平成十四年度におきましては、六都道府県十七の市から延べ三十三団体に対し合計約五千二百万円の援助が行われております。こうした地方公共団体の特別の支出につきましては、平成十三年度から特別交付税の算定基準に盛り込まれたものと承知をいたしております。内閣府の主な取組は以上のとおりであります。
 内閣府といたしましては、引き続き関係府省庁の中心となり、配偶者暴力防止法が円滑に施行されるよう各種施策を進めるとともに、本調査会におきまして法律の見直しの動きがあることなども踏まえ、法律施行上生じている問題点等についてもしっかり把握してまいりたいと考えております。
 今後とも、お力添えを賜りますようよろしくお願いをいたします。
#7
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、鴨下厚生労働副大臣。
#8
○副大臣(鴨下一郎君) 厚生労働副大臣の鴨下でございます。
 配偶者からの暴力被害者の保護・支援につきましては、厚生労働省といたしましても、従来より婦人相談所等において対応してきたところでございますけれども、DV法の施行に伴い、配偶者暴力相談支援センターの中心的な担い手となる婦人相談所の機能を強化するなど、DV被害者に対する保護・支援を一層充実させ、同法の円滑な実施に努力をしてまいりました。
 本日は、お手元に横長の資料がございますが、この資料にのっとりまして説明をさせていただきます。
 説明資料の構成は、最初の一ページが被害者からの相談の受付件数、それから二ページが婦人相談所における被害者の一時保護の状況、三ページが一時保護委託制度の実施状況、最後の四ページは被害者の保護及び自立支援を円滑に行うための諸施策についての資料となっておりますが、御参照の上、お聞きをいただきたいと思います。
 まず、一ページ目でございますが、個々のDV被害者に対する保護・支援につきましては、被害者の方が婦人相談所、福祉事務所等にいる婦人相談員に相談することから始まるわけでございますが、その相談受付件数は年々増加をしております。
 平成十四年度上半期につきましては、来所相談に加え電話相談も含まれておりますが、婦人相談所や婦人相談員に寄せられたDV被害の相談件数は二万四千七百七十八件となっております。括弧内のパーセントで示されておりますのは、婦人相談所等に寄せられた相談のうちDV被害の相談が占める割合でありますけれども、平成十四年度上半期は二三・六%となっております。相談件数、割合のいずれについても年々増加しているというようなことが御理解いただけるというふうに思います。
 このように、被害者対策の入口という意味を持ちます、また需要も高い相談事務につきましては、厚生労働省といたしましても極めて重要であると認識しております。このため、平成十四年度から、婦人相談所による電話相談員を配置し、休日、夜間でも相談に応じることができるようにするなど、相談体制を強化したところでございます。
 次に、資料の二ページ目でございますが、DV被害者が生命又は身体に被害を、危害を受けるおそれがある場合には、婦人相談所又は婦人相談所から委託を受けた施設において、十四日間を目安として緊急一時的に被害者及びその同伴する家族を保護すると、こういうことになっておりますが、二ページのグラフは、婦人相談所において一時保護した被害女性等の数字を示しております。
 平成十四年度上半期においては、DV被害により一時保護された女性及び同伴の家族の方々は、それぞれ千八百二十七名及び千五百五十六名となっております。婦人相談所において一時保護したDV被害女性等の人数、さらに、婦人相談所において一時保護した全女性等のうちDV被害女性等が占める割合のいずれについても増加の傾向でございます。
 三ページ目をごらんください。
 平成十四年度からは、被害者保護の充実を図るため、DV被害者等の一時保護を一定の基準を満たす施設に委託して行うことができるという一時保護委託制度を創設いたしました。この一時保護委託制度の実施状況を示しているのが資料の三ページ目でございます。
 委託先施設については、適切な施設を幅広く委託先の候補とできるように基準を設定したところでありますけれども、現在では、婦人保護施設、母子生活支援施設、児童養護施設、民間シェルターなど、幅広い種別の施設を一時保護の委託先として確保しております。
 三ページ目の表では、委託契約により国がその費用を負担している施設に関するものでありますけれども、委託契約を締結した施設の数も、平成十四年九月二日の時点では全国で九十六施設でありましたけれども、半年後の平成十五年三月一日現在では百二十施設まで増えておりまして、平成十四年の上半期だけでも合計八百五十五名のDV被害者及びその同伴家族が委託先の施設において一時保護をされております。
 委託先の中でも特に民間シェルターへの委託が大きく増加しておりまして、平成十五年三月一日現在では十四道府県で三十三の民間シェルターと委託契約を締結しております。さらに、民間シェルターについては地方公共団体が独自に補助をしている場合もございます。
 このように、委託施設の種類、委託施設数等を拡充することによりまして、被害者の実情に応じた適切な一時保護が実現できるものと考えております。
 次に、四ページをごらんください。
 これは、DV被害者の保護・支援を充実したものとするために行われている施策を取りまとめたものでございます。大きく分けて、婦人相談所を中心とした相談や一時保護等に関するものと、母子生活支援施設を中心としたDV被害者の自立支援に関するものとなっております。
 休日及び夜間相談体制の強化や一時保護委託制度の実施については御説明したところであります。
 また、その他の施策について簡単に御説明申し上げますと、婦人相談所の設備については、一時保護されたDV被害者が同伴する乳幼児のために婦人相談所に保育備品を整備すると、こういうようなことをしております。
 また、心理療法担当職員の配置とありますのは、DV被害者は特に、自尊心の低下それから無力感、PTSDなど、心の問題を抱えることも多いわけでありまして、その回復を支援するために、婦人相談所、婦人保護施設、母子生活支援施設に心理療法担当職員を配置しまして、被害者の心のケアを充実させようというものであります。
 また、これまでも、婦人相談所、婦人保護施設、福祉事務所等において被害者の相談等に従事する職員に対し、DVの特性の理解及び法律等に関する研修を実施しておりますが、さらに、十五年度においては専門的な研修を行い、職員の資質、能力の向上を図ってまいります。
 さらに、被害者の保護・支援については、相談の受付、保護、自立支援に向けて、福祉、医療、警察、司法等の関係機関の連携が極めて重要でございます。そこで、平成十四年度から、婦人相談所が、福祉事務所を始めとする関係機関と連絡会議やケース検討会議を開催しまして、関係機関とのネットワークを構築し、連携の強化に努めております。
 一方、DV被害者は一時保護の後、生活の自立を目指すこととなりますが、その際には、DV被害の特性に沿ったきめ細かな配慮も行っております。
 例えば、他の都道府県等にある母子生活支援施設への広域入所が必要となる場合には、受入れに必要な経費を支弁し、広域緊急入所が円滑に実施されるよう配慮をしております。また、配偶者の暴力から逃れて入所している母子等の安全を確保するために、母子生活支援施設における夜間の警備体制を拡充することとしております。さらに、早期の自立が見込まれる母子について、地域社会の中の小規模なサテライト型母子生活支援施設で生活することによって自立を促進すると、こういうような事業を創設いたします。
 また、母子家庭等就業・自立支援センター事業を実施しまして、母子家庭の母等に対して就業相談、就業支援講習会などの一貫した就業サービスを実施するとともに、母子生活支援施設を拠点として母子生活支援施設退所後の地域生活を支援することとしております。
 以上が説明資料についての話でありますが、資料に記載させていただいた施策のほかにも、例えばDV法で指摘されている被害者保護に関する研究につきまして、厚生科学研究費補助金により三か年計画で被害者の精神的ケアがどうあるべきかと、こういうようなことを中心に研究を進めております。
 簡単でございますが、以上で厚生労働省の取組について御説明を終わらせていただきますが、我が国における個人の尊厳と男女の平等が実現されるためにはDV被害者への適切な保護・支援が不可欠でありまして、本省といたしましても、今後とも関係機関との連携を強化しつつ、DV被害者に対する施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#9
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、各参考人に御意見をお述べいただきたいと存じます。
 それでは、戒能参考人からお願いいたします。戒能参考人。
#10
○参考人(戒能民江君) 戒能でございます。
 今日は意見陳述の機会をいただきまして、本当にありがとうございました。
 本日、私のほかにお二人の方がお話しになりますが、援助の現場の方々ですので、そのお話はお二人にお任せしたいというふうに思いまして、私はどちらかというと総論的にお話をさせていただきます。
 それで、レジュメを用意しました。それから、お手元に新聞記事がとじたものと、それからWHOの調査結果の概要ですね。それから、参考資料ABCと三種類ございますが、これはDV法連絡会というNGOがございますが、そこで三月末から四月の中旬ぐらいにかけて全国的な調査をしました。まだ完全にまとまっておりませんので、その中間報告ということで後でごらんいただければというふうに思います。
 では、レジュメに沿って概略、お話しさせていただきますが、まず配偶者暴力防止法、DV法ができたことの意義はやはり大変大きいというふうに思っております。数年前までは困難だろうというふうに言われていたDV防止法をこの共生調査会で実現されたことに対して大変感謝をするとともに、意義の大きさというのを、これは強調しても強調し足りないというふうに感じております。
 意義はそこに書きましたが、二点だけ申し上げますと、やはりDVを許容する社会を変えていく第一歩だというふうに法律の制定を受け止めたいというふうに思います。したがって、法律の制定だけでは、これは事は終わらないわけでありまして、同時にどういうことをしていくかということが大事だということをまず申し上げたい。
 二番目は、この問題は民間の女性の需要、それから婦人相談員、婦人相談所などが本当にやむにやまれぬ思いから取り組み始めたということであります。しかし、この法律で行政の責任が、第二条になりますが、「国及び地方公共団体」というふうに明記されたことの意義は、これまた計り知れないというふうに思っております。この結果として、警察の姿勢が変わってきたとか、それから被害者にとってとても大きな勇気付けであるというふうな、そういう意見も聞いております。
 しかしながら、同時に問題点もあるということで、その問題点について概略お話をさせていただきます。
 なぜ問題点が出てくるかというと、これはやはり三点あるというふうに思うんですが、一点目は立法をかなりお急ぎになったという経緯があって、立法者御自身も積み残しの課題があるというふうに御認識ではないかというふうに思います。それが一点目です。
 それから、それと関係してきますが、制定過程において、これはユーザーというふうに表現したいというふうに思いますが、この法律を実際に使う方々、被害当事者であったり、あるいは援助現場の方々、行政の方々含めて、必ずしもユーザーの声が反映される立法の経緯ではなかったのではないかということが二点目です。
 それから三点目は、DV防止法だけに限りません、どの法律もそうなんですが、法律は両面ありまして、功と罪というのがあると。もちろん積極面は先ほど申し上げましたように大変評価するわけですが、そのマイナスの面として、法律が規定されたことで、法律に規定しないことはしないとか、あるいは法律の規定をできるだけ狭く解釈をするというような、そういう対応が現われているのではないかと。
 例えば、DVというのがこの法律の規定どおりのDVでないと、保護命令ではないのにもかかわらず一時保護や相談の対象にしないというような、そういうことも聞いております。法の趣旨、特にこの法律の中の前文をこの共生調査会はお書きになったわけですが、前文の趣旨にそういう対応というのは反しているのではないかというふうに考えております。
 それで、私のレジュメは後で見ていただき、今でもいいんですが、見ていただきたいんですが、一番言いたいことはゴシックで強調しておりますので、その辺は後でまた見ていただきたいんですが、やはりDVというのは何か、あるいはDVの特質はどういうものなのか、DVはどうして生まれるのか、それから先ほど申しました当事者の声とか、そういうものが反映されていないということが非常にやはり大きいかなというふうに思います。
 問題点として、一点目は、非常にこの法律は射程が狭いのではないかということです。現実のDV問題の解決、DVの防止ということをこの法律は掲げておりますが、そのためには射程が狭過ぎるのではないかというふうに思っております。一点目は、緊急の一時保護までが主なる射程であるということです。しかも、被害者が逃げること、一定のアクションをすることを前提にして作られているということですね。
 それから二番目が、レジュメの二枚目にもう移りますけれども、暴力の定義が極めて限定的であると。これはもう身体的暴力だけではなくて暴力の複合性ということですね。この辺りを是非御検討いただきたい点です。
 DVの本質は暴力によるコントロールだと、精神状況とか生活とか、行動のコントロールなんだと。だから、個々の殴ったりけったりという行為も重要なのでありますが、これはもう少し違った視点から見ていただく必要があるということです。
 それから、精神的な暴力、これも非常に、含まれないということで入れてほしいという声が多く上がっておりますが、この影響、精神的暴力の影響を重視すべきだというふうに考えております。
 そこの二ページのAの真ん中よりちょっと下、abcと三つのケースを書きましたけれども、この中でもcの、実は身体的暴力は少ないけれども精神的暴力はもう何度もあるというような方がむしろ影響が深刻であるというような、そういうような調査データも出ております。
 それから三番目に、これは夫と妻という、現配偶者ですね、事実婚、内縁は含みますが、人的対象範囲が狭いということで、特に離婚後の問題、それから子どもの問題をこれはお考えいただきたいということですね。
 三ページ目に参りますが、子どももDVの被害者であるという認識を私たち持つ必要があるというふうに考えております。是非、国の調査研究で子どもへの影響を取り上げていただきたいというふうに考えております。
 それから、問題点の大きい2ですけれども、これは被害者の保護というふうに書いてあるんですが、実は安全の確保体制が不十分ではないかということです。安全確保が最優先であるにもかかわらず、これは安全が実は守られていないケースが法制定後も出てきたことは、今日配付いたしました新聞記事の資料をお読みいただければというふうに思います。このような事件はあってはならないことだというふうに考えます。
 それで、結局は、当事者だけではなく、実は子どもや家族や、それから援助者、それからレジュメには弁護士事務所の襲撃事件というのを書いておきましたが、そのようなケースも現に生まれているということなんですね。その辺のところまでカバーして安全を守らないと、実は安心して被害当事者も逃げることができないということです。
 それからもう一つは、多様な被害者がいるということもお考えいただきたいということです。これは、外国籍の女性の問題、それから障害を持った方、それから未成年、高齢者の問題。これは、どの年代でも、それからどういう生活をしていようともDVの被害を受けている、そういう方たちにどう対応をしていくかという課題を私たち持っているということです。
 三番なんですが、これが一番大きな問題として挙げたいんですが、これは逃げるだけでは、逃げるところまで規定したんでは逃げることもできないと。問題は、逃げたその一時保護の先だということですね。これ、先ほど申し上げました参考資料のA、B、Cを是非後から見ていただきたいというふうに思います。現場での声というのを読んでいただきたいというふうに思います。
 それで、自立支援体制、これは必ずしも就労の問題だけではありません、すべての問題がかかわってまいります。精神的なケアも含めて、住宅の問題、子どもさんの問題等々すべてかかわってまいります。この自立支援の視点がDV法の、現行法にはこれが弱いのではないかということです。
 それで、その次のページの4に移りますけれども、DVの特質を考慮しますと、これ、国及び地方公共団体の責任というのが明記されたんですが、DVの特質を考慮した広域対応の問題とか、それから自立支援が実は一番大事なんだというところ、そのための体制が実は整備されていないのだと。多分御努力なさっているとは思いますが、そういう問題があるということです。
 そして、DVセンターなんですが、次の、レジュメの5のところに行きますが、文字どおりのDVセンターにしなければいけないんではないかと。それが難しければDVセンターの機能を明確にしていく必要があるということです。このうち一つでもやればいいということでは、これはDVセンターとはならないんではないかということです。
 保護命令なんですけれども、保護命令についてはレジュメに書きました。やはり安全を守るということからいえば、暴力の範囲、それから対象の範囲、それから申立て要件が厳し過ぎるということはレジュメに書きまして、これは判例時報に出ておりますが、東京高裁の判決などをこれは是非御参照いただければというふうに思います。
 そして、保護命令違反ですね、ここが、今日も法務省がいらしているので申し上げたいんですが、これは、量刑の問題、起訴不起訴の問題。まず、検挙、逮捕の問題、それから起訴不起訴の問題、それから量刑の問題。これ全部、DVというのはどういうものかということを考えて、被害者の安全を考えて進めていかなければならないのではないかと。乗り込んで、実際の暴行傷害を与えて初めてDV法違反、保護命令違反として逮捕されるという状況では、これはDV防止につながらないんではないかというふうに考えております。
 最後に研修なのですが、依然として二次被害が多いということを伺います。研修も、これは形式的に年一回とかそういう研修では研修にならない。継続的に、系統的にきちんと研修を行っていただきたいし、相談窓口だけを対象にするのでは不足であるということです。どこにDV被害者がいつ現れるか分からないということです。ですから、全職員ですね、少なくとも行政についてはすべての職員、特に管理職の方々に対して研修を強めていただきたいということです。
 最後、まとめに入りますけれども、四点、五点ですか、書きました。
 一つは、このように早急に改正すべき課題が実はたくさんあるということです。ですから、今、改正作業に着手されたわけなんですが、是非これはもう少し世論も盛り上げていただいて、改正の機運をこれは盛り上げていく必要があるんじゃないかということが一点目。
 それから二点目は、やはりDVの構造とか特質、それから、何で訴えられないのか、逃げられないのかというところを含めて、そのDVの問題をきちんと考慮した上での法改正が必要であるということが二点目。
 三点目は、これはもし法改正をなさるとするとそのタイトルにもかかわってきますが、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律という名称になりますけれども、保護というよりもむしろ総合的な支援が必要なんではないかと。保護するためにも、その自立の視点というのは必要なんじゃないかということですね。
 それから四番目、これは繰り返しになりますけれども、当事者や、被害を受けた当事者の方ですね、何といったって一番の専門家はその被害を受けた当事者の方です。それで、そういう当事者の声や援助現場の方々の声をこれはお聞きいただきたい、そしてその上で、その法改正に是非反映させていただきたいというのが四番目です。
 それから五番目なんですが、どうしても東京や大阪など大都市に偏りがちなんですね。しかし、全国これ調査などしてみますと本当に違う。違うことは当然ですし、条件も悪条件がいろいろ重なっているようです。ですから、大都市だけ見るのではなくて全国各地を視野に入れながら、これはどこでも同じ質のサービスが受けられるような、そのような体制作りをしていただく、そのための法改正をしていただきたいというふうに思っております。
 私も研究者の一人として研究を続けてきたわけですけれども、なかなか研究者の層も広がっていかないという現実があります。是非、今回の法改正を、ひとつ女性の人権あるいは子どもの人権の重要な課題としてとらえていただいて、実効性のある、本当に被害者が使える法律、それからDV防止に結び付く法改正を実現していただきたいというふうに願っております。
 以上で私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#11
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、原田参考人にお願いいたします。原田参考人。
#12
○参考人(原田恵理子君) 全国婦人相談員連絡協議会の原田と申します。今日はこういう機会を作っていただきまして、ありがとうございます。
 早速ですが、お手元にありますDV防止法の見直しに向けてというレジュメに沿ってお話をさせていただきたいというふうに思います。
 全国婦人相談員連絡協議会というのは大変古い団体でして、一九六〇年に発足をしました。全国の婦人相談員のネットワーク組織です。各都道府県に婦人相談員の会があります。
 今日はお手元にないようですが、一月十日付けで、DV法の見直しに向けての提案、中間報告というものを配らせていただきました。これは各県からの相談員から出ました要望をまとめたものです。
 それで、婦人相談員がどういう相談を受けているのかということなんですけれども、今日お手元に配らせていただきました婦人相談員の専門性に関する調査報告書、この黄色い冊子を是非ごらんください。この報告書の十一ページから十六ページ、図の5から図の10というのが相談員がどのような相談を受けているのかというものです。特に図7ですね、十三ページです。図7をごらんください。これ、見ていただきますと分かりますように、婦人相談員が大変多様な相談を受けております。ドメスティック・バイオレンスだけではなく、夫以外の家族からの暴力、それから子ども時代に様々な虐待を受けて大人になって相談に見える方とか、それから望まない妊娠で居どころがない、あるいは出産費用がないというような相談というようなことも受けております。
 この調査はDV法ができる前に行いましたけれども、婦人保護事業で受けている相談というのは、こういうふうに直接的にあるいは間接的に女性に対する暴力という問題に関係している相談が大変多くなっております。こういう傾向というのはDV法ができた後も変わっておりません。
 今日のレジュメに三つほど出させていただきました例がありますが、これは、昨年の十月に群馬で厚生労働省主催の研修が行われました。これは毎年開催されているものですが、全国婦人相談員・心理判定員研究協議会という研修で、婦人相談員からの報告として上がったものです。たくさんありますので、取りあえず三つ出しました。
 一つは、売春、覚せい剤の経験があって、両親がDVであって、それの影響を受けている女性、それからもう一つは、目の前で母親がレイプをされた、そういう経験を持つ子どもをどのように援助していったらいいのかということですね。それから三つ目が、売春を強要され傷害事件の被害者になった女性が大変重いPTSDを抱えているというような、こういう例が出ました。
 この研修会で、助言者の方が来ていただいていたんですけれども、このような相談員の報告を聞いて余りにも知らな過ぎた領域であるというふうに感想を漏らしておられたんですけれども、こういう婦人保護事業が、女性に対する様々な暴力の相談を長い間受けてきたということがほとんど知られてきませんでしたので、DV防止法によって社会の関心が集まるようになったのは良かったというふうに思っております。ただ、DVにだけ焦点が当たり過ぎて、相談の受入れが狭くなったという問題があるというふうに感じております。
 それはどういうことかといいますと、DVのケースとそれ以外のケースを選別するというところが出てきたということです。DV法の前は、売春防止法を根拠としているという理由で、いろんな相談を受けてはきたけれども積極的ではなかった、だから窓口で断るということもあったわけです。ですから、暴力の被害を受けた女性が困らないようにDV法ができたというふうに理解をしておりますが、現実には相談内容を選別をするという傾向が出てきているというふうに感じております。
 ですから、今回見直しに際しましては、DVだけではなくて女性に対する様々な暴力、図にあったようなそういう暴力の被害をやはり援助の対象として盛り込んでいただきたい。で、どういう問題であっても相談というのは広く受け入れて、その中からDVを発見し援助をしていくというようなことが求められているのではないかというふうに思います。
 それでは、なぜこういう選別という問題が生じるのかということなんですけれども、その一つに、配偶者暴力相談支援センターの機能が不明確であるということがあるのではないかと私は感じております。
 婦人相談所に配偶者暴力相談支援センターの機能を持たせるというふうに決まったわけですけれども、このことが相談を二つのカテゴリー、DVとDV以外というふうに分けるということにつながっているのではないかというふうに感じます。ですから、売春防止法に基づいた仕事をしてきたわけですけれども、DV法ができる前から現場は既に売防法では対応できない状態になっておりましたので、現場からの要望に基づいて厚生労働省から何回も通知が出ておりまして、援助対象は拡大をされてきたという経過があります。ですから、DV防止法に合わせて、むしろ売春防止法をすべての女性を対象とするというふうに変えていただきたいというふうに思います。
 それから、DV法の第七条で、配偶者暴力相談支援センターは「必要な保護を受けることを勧奨するものとする。」というふうにあります。これが、DVの被害者については保護を断れないというふうに理解をされて、DVの被害者を優先をするという傾向につながっているのではないかというふうにも感じております。
 それからもう一つは、配偶者暴力相談支援センターの役割の混乱があるのではないかということです。
 配偶者暴力相談支援センターが全国各地にできましたけれども、それは保護命令の申立てのためだというふうに思うんですね。ですから、DV相談すなわち保護命令というふうになっている傾向があるのではないかということです。大体、配偶者暴力相談支援センターだけがDV相談を受けるというのは元々おかしいというふうに私は思います。配偶者暴力相談支援センター以外の相談機関、例えば福祉事務所などでは、自分のところはDVの専門の相談機関ではないというふうに受け止めているところが大変多い。DV相談というのは、配偶者暴力相談支援センターの仕事なんだというふうに思われている傾向がある。だから、うちは関係ないと言ってくる、そういう態度を取るところもあるのではないかというふうに感じます。私はDVですと言って相談に来る人というのはむしろ少ないわけです。
 ですから、相談というのは、先ほども言いましたが、まずすべて受け入れて、その中から問題を発見をして適切な援助をしていく、それが相談機関の役割であるということが忘れられている。DVにばかり焦点化されているというのは大変問題であるというふうに思っております。
 こういう現状がありますので、配偶者暴力相談支援センターというのはただの相談窓口ではなくて、文字どおりのセンターとしてやっぱりきちんとした機能を法律に明記をしていただきたい。その一つは、関係機関との連絡調整ということです。それからもう一つは、広域利用の促進ということです。この二つは是非法に書いていただきたいと思います。
 関係機関との連絡調整ということなんですが、現実に様々な障壁があります。レジュメに生活保護と母子生活支援施設、それから児童相談所、家庭裁判所の例を出しましたが、これは昨年の群馬の研究協議会で報告をされたものです。
 生活保護については、地域格差、これはいつも言われていることですが、東京でできることが地方ではできないということがあります。それから母子生活支援施設については、DVであるということが分かると入所を断られる、これはもう相談員から繰り返し出ております。それから児童相談所については、児童相談所の側にDVの認識が足りない、夫の言い分を聞いて女性を責めるというようなことが大変多いということが言われております。それから、家庭裁判所については調停委員、特に男性の調停委員の方の無理解、女性べっ視の発言が目立つというようなことが群馬では出ておりました。
 それから、次の広域利用ということなんですけれども、これは母子生活支援施設の広域利用なんですが、受入れの施設が大変少ない。受け入れるという協力体制が欲しい。先ほど戒能さんもお話がありましたが、全国どこに住もうと同じような援助を受けることができるように基準を決めていただきたい。
 それから、広域利用というのは都道府県同士の広域利用だけではなくて、都道府県内の広域利用というのも進めていただきたいです。やはり追及があると地元では相談できないという方が大変多いですので、どこの地域で相談をしても受け入れてもらえるような、市区町村の枠を越えたシステム作りということをお願いをしたいというふうに思います。
 次に、民間団体との対等な関係ということを是非考えていただきたい。
 保護委託という現在の制度は、民間の財政基盤の確立につながっていないというふうに思います。委託をするということになっておりますので、公的な機関が主導です。ですから、対等とはやっぱり言い難い状態です。私は行政でなくてはできないことというのがやっぱりあるというふうに思っておりますが、それ以外のこと、特に具体的で直接的な援助については民間団体に積極的に任せていくというような姿勢が必要ではないかというふうに思います。公的な機関はむしろ、複合的な問題を抱えて専門的な援助が必要な人、あるいは追及があって危険な人を積極的に受け入れていくべきだというふうに思います。
 それから、暴力の被害を受けた女性が主体的に援助を求めることができるようなシステムが今ないですね。民間シェルターも含めて、どこも福祉事務所からの経由で保護を受けるというふうになっている。それは生活保護との調整がうまくいっていないからなんですね。受けた後で生活保護を申請するのが大変難しくなるので、福祉事務所からの依頼で受けるという傾向が断然強くなってきている。これはやっぱり問題だと思います。ですから、女性が主体的に直接利用できるようなシステムを作っていただきたいというふうに思います。
 次に、DVの防止委員会、仮称なんですけれども、それと第三者機関というものを作っていただきたい。
 DVの防止委員会というのは、簡単に言いますと、DVの対応の施策とか被害者支援策を、国、内閣府レベルですね、それから都道府県、そして政令指定都市レベルで設置をして、そこで全国共通の被害者支援策というものを話し合って決めていただきたい。その構成メンバーというのは、研究者だけではなくて、NGOの代表とかDVの被害を受けた人とか、あるいは実務をしている専門家とかが一定の割合で参加できるようにしていただきたい。
 それから、第三者機関というのは二次被害の防止のための機関ということですので、被害者や関係者からの苦情を受けてDVの防止委員会に提言をしたり、改善命令を出すというようなことをやっていただけると大変現場は変わるのではないかというふうに思います。ですから、二次被害の実態を明らかにして、それを基に研修をやっていただきたい。漠然とした研修よりはずっと効果的な研修になるというふうに思います。この第三者機関というのは、行政の内部機関としてではなくて、やはり行政から距離を持ったものとして設置をしていただきたいというふうに思います。
 次に、保護命令の改善なんですが、もう戒能さんのところでお話が出ましたので、私は一言、援助者にも保護命令が使えるようにしていただきたいと思います。この専門性の調査報告書の二十一ページの図14というのを見ていただきたいんですが、実際に援助にかかわる相談員も大変危険にさらされておりますので、そのことを御配慮いただきまして、先ほど弁護士の例も出ましたが、援助者にも保護命令が使えるように考えていただきたいというふうに思います。
 それから、関連法というところで精神障害者の施策と連携をしていただきたいというふうに思います。
 群馬の研究協議会での意見として、先ほどPTSDが重くなって精神病院に緊急入院をした方の例というのを挙げましたが、男女の混合の閉鎖病棟なので、入院はしたんだけれども違う問題が生じたというような話がありました。このとき助言者の方から、精神病院というのは男女混合病棟というのが時代の流れなんだけれども、現実には、PTSDの女性が入院患者さんの男性を見て大変不安定になるというようなことがあるというようなお話もありまして、病院を作るときにはそういうPTSDの人たちが入院をしてくるというような事態は想定をしていなかったというようなことも言っていらっしゃいました。
 それから、先ほども言いました母親がレイプされた経験を持つ子どもがPTSDを抱えているんだけれども、そのケアをやってくれる精神科医が見付からないということがあります。現場ではこういう状態というのは大変大きな問題ですので、精神障害者施策との連携というのを是非お願いをしたい。
 被害者の自立支援ということも必要なんですけれども、現実には暴力の被害のために働けない方が大変多いです。ですから、仕事ができなくても安心して長期に暮らせる場所、名前はステップハウスでも何でもいいんですけれども、やっぱり安心して暮らせる場所を是非作っていただきたいというふうに思います。
 精神障害者の施策の中にグループホームというのがあるんですね。これをDVの被害を受けた女性が利用できるようにしていただけないでしょうか。現在は男女混合ですので、DVの被害を受けた人は利用できない。DVの支援策としてまた別にグループホームを作ると、今度はまた、この人はDVかDVじゃないかという選別が始まるおそれがありますので、私は現在ある施策をDV被害者も使えるように、使って有効にしていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんので、最後、ちょっと飛ばさせていただきまして、最後の「よりよい援助のために」というところです。
 今度の法律に、是非被害者の権利というのを書いていただきたい。
 現在は、DVの被害を受けるということは、心の傷、PTSDになる、だから治療が必要なんだというとらえ方が大変強いというふうに感じております。暴力の影響というのは確かに深刻なんですけれども、そういう中でも暮らして、子どもを育てて、そういうたくましく生きている人というのがやっぱりいらっしゃるわけなので、そういう被害者のたくましさにやっぱりもっと焦点を当てていただきたいというふうに思います。被害者はいつも援助を受ける側ではなくて、様々な権利があって、それを守るのが援助だということを法の中に明記をしていただきたい。
 それから、現在の法律というのは、具体的な支援策としては保護命令と被害者の保護だけなんですね。だから、シェルターの前とシェルターの後の施策がない。シェルターを出た後は突然自立支援というふうになってしまっているんですね。
 この自立支援ということは、先ほども言いましたが、暴力の影響を受けた被害者にとっては大変重たい言葉でもあります。ですから、被害者の実情に合わせた多面的な援助というものを地域に密着した形で作っていただきたい。今のように、都道府県に一つ配偶者暴力相談支援センターがあっても地域ではなかなか援助が難しい。ですから、市区町村で具体的な援助ができるような仕組みを、そしてそれを民間団体が担っていくような財政基盤の確立ということも是非お願いをしたいというふうに思います。
 それから最後に、婦人相談員の活用をお願いしたい。
 レジュメに書きましたが、群馬の研究協議会でも、DV法ができて、仕事が電話相談だけになってしまったというのが大変多く出ました。私たちの会には、相談員が、非常勤がいるところなどは非常勤の相談員に任せておくわけにはいかないというふうに言われて、ひどいところでは首だと言われたというような声も聞いております。私個人は、非常勤である方が多様な人材を確保できる、それから経験を積めるというふうに考えておりますので、婦人相談員の有効な活用ということで考えていただきたいというふうに思います。
 被害者には長期にわたるサポートが必要です。そのためには、単に保護だけではなくて、いろいろな社会資源をコーディネートしていく、そういう役割を果たす人が絶対に必要なんですね。そういう人がいなければ、いろんな制度を作っても生かされないわけです。やっぱりそういう役割を果たすものとして婦人相談員を是非活用していただきたい。そして、できれば、今婦人相談員は都道府県にだけ義務設置なんですけれども、市区町村にも義務設置をしていただきたい。そして、生活保護の部署に配置をしていただきたい。そうすれば生活保護との連携ということはもっとうまくいくというふうに感じております。
 以上です。
#13
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、大津参考人にお願いいたします。大津参考人。
#14
○参考人(大津恵子君) ありがとうございます。最後ですけれども、戒能委員、それから女性相談員の方たちの意見も含めまして私の方からお話をさせていただきたいと思います。
 女性の家HELPは、日本キリスト教婦人矯風会、女性の活動団体ですが、そこが百周年の記念で作った施設でございます、今年でちょうど十七年目を迎えますが。
 今、表を、皆様のところに行っておると思いますが、一九八六年から現在までの表があります。その中で、一九八六年から一九九八年までどういう人たちが利用していたかといいますと、タイ、フィリピンの方たちが多く利用しておりました。それは、設立したときがちょうど外国から日本に出稼ぎのために来た女性たち。特にフィリピンは、エンターティナービザを取って日本に来られ、そして日本人男性と知り合い、結婚されたという女性たち。それから、タイの女性たちは、いわゆる人身売買、本当にだまされて日本に来た人たちがいまして、その中で、命の危険もあるというところで逃げてきた人たちです。
 その十年間の間に、タイの女性たちが余りにも多いものですから、緊急避難所はちょうど十部屋ありますが、ほとんど一部屋に十人も十五人も入ったような状況が続いたところです。ところが、九九年ぐらいになりますと、日本人と外国籍の女性たちの入所者が逆転いたしました。それはどういうことかといいますと、日本人の方々が、夫からの暴力によって逃げてこられているということがこの表で示されていると思います。
 私は、今日ここで、特に法律のはざまに落ちた人たちの問題を是非皆様に聞いていただきたいと思って用意してまいりました。特にマイノリティー、外国籍の人たち、それから高齢者、そして障害者の人たちがHELPを利用しているということです。民間シェルターを利用しております外国籍の女性たちは、日本人と結婚したにもかかわらず、自分も在留資格がない、子どもは日本国籍もなければ母親の国籍しかない。これはとても複雑な問題でして、私自身もこの女性の家HELPや外国人の電話相談を通して初めてこの日本国籍の複雑な問題、在留資格の複雑な問題を知るようになりました。
 この表の中で、在留資格と、「子どもの国籍について」というのがございます。日本は外国籍女性が日本人の男性と結婚しても、結婚したら在留資格が得ることはできますけれども、その中で、日本人男性が在留資格の延長をしなければ、その女性はオーバーステイ状態になってしまうということなんです。そうしますと、オーバーステイになってしまいますと、いわゆる福祉資源が使うことができない。今度はその中で子どもができてしまいます。そうしますと、オーバーステイの中で子どもができていまして、結婚はしているけれども、子どもがいわゆる胎児認知をしなければ日本国籍が取れない。結婚という中で子どもさんができますと日本国籍をもらうことができるんですが、そうじゃない場合には胎児認知しか日本国籍が取れない。そのほかは、出生後認知でありますときには日本人の実子という形で書かれております。その辺りがどうも、私どももそうですが、なかなか理解できない問題なんです。
 そういう女性たちと子どもたちがHELPに参ります。HELPは国籍を問わず、在留資格を問わず入ることができるということで、いろんな支援団体を通してHELPに参ります。その中で、七人の子どもさんを連れたフィリピン女性が来られまして、日本人の子どもでありながら日本国籍もなければ、それこそ認知もされていない、そういう方たちはもう帰国しかないので、帰国費用をHELPが払い、そして帰国されているという現状なんです。
 私は、今日の中で、是非法律の中で、国籍を問わず、在留資格を問わずこの法律が適用されるようにしてほしいということを明記いたしました。
 先ほど申しましたように、HELPには外国籍の方だけではなく、日本人の方たちもたくさん参ります。その中で、DVの被害者の方たちが一番多いんですけれども、離婚後の方たちがたくさん入っていらっしゃいます。離婚後の方たちは、もうDV防止法の中では適用されないということで民間シェルターを利用されるということになるわけです。
 しかし、離婚後も夫からの暴力が続いておる場合もありますけれども、いったん夫が離れていて、それが、子どもの追跡で母子の居場所を見付けまして、この数日にもそうですけれども、母子支援施設に入っている親御さんを見付けまして、そして父親が子どもさんを連れて、誘拐して逃げ出しました。子どもさんは見付かったときには、警察が入りまして見付かったときには、お子さんはあばら骨の骨折をしているという状況の中で見付かったわけです。しかし、警察に捕まった夫は不起訴でまた出てまいりました。そういう中で、親御さんは今までのところにはいられず、緊急で民間シェルターに入ってまいります。
 そういう離婚後の母子、いわゆる単身女性の場合も離婚後がとても危険である、もしかしたらかえって殺される危険性もあるということを分かっていただきたいと思います。
 それからもう一つに、私どもは緊急避難所ですから住所地を教えておりません。先ほど何人の方かにはHELPの名刺を渡しましたが、そのときに住所地が書かれておりません。電話番号とそれからファクス番号を私は書いておりますが、一般的には電話番号しか書いておりません。
 しかし、その電話番号ですら夫は見付け出し、緊急避難所に来ております。緊急避難所というのは、住所地も知らさない、どこにあるか知らせない。その役割を民間シェルターが担っている。全国に五十八か所以上になっていますけれども、そういうところでの民間シェルターがそれを担っているわけです。その民間シェルターはお金もなければ人件費もない。そういう中で、一番危険な女性たち、それから母子を避難させております。
 その中には、FTCといいまして、フェミニストカウンセリングからスタートしました民間シェルター、それからAKK、アディクション、アルコールなんかの依存からの、で出発しましたシェルター、それからホームレスの状態の方たちを主に受け入れるような民間シェルターのところ、それからHELPのような外国籍を問わず様々な女性たちが入ることができるそういう民間シェルター、様々な特性を持って民間シェルターは活動しております。
 その中で、HELPのような外国籍を優先して入るところは全国に幾つあると思われますでしょうか。本当に数少ないです。大きなところでは三か所、HELP、サーラー、「みずら」というような三か所が、外国籍の女性たちを在留資格もなくても入れているところがたった三か所です。そういう女性たちをHELP、それぞれ民間シェルターが支援しております。
 その中で、外国籍の女性たちは肉体、身体的な暴力、それはよく分かりますが、性的暴力、これは女性たちが、夫たちが子どもの前で性的な行為を要求するということを口々に申しておりますので、性的暴力がその中に入っております。ただ、このDV防止法の中で、身体的なところというものがクローズアップされますので、外国籍の方々が訴える精神的な問題や文化的な暴力、ことには、生活保護を受けたいと思っても生活保護も得られず、やむにやまれぬ形でHELPを利用しております。
 そういう意味で、最近では遠隔地から、例えば東京都内からではなく、遠くのそれこそ長野、茨城、埼玉などからもHELPに来ております。埼玉とは委託契約をしておりますが、東京都は民間シェルターに対しては委託費を、DV防止法による委託費を払っておりません。それは、女性の家HELPが東京都から七百二十万円の補助金をいただいております。ほかの民間シェルター、東京都にありますほかの三つの民間シェルターでは補助金ではなく助成金をいただいておりますので、委託費とそれから補助金を受けるのでは、二つを一緒にするということはできないと。どちらかを取るならばそれはできるということで、例えば委託費だけでは到底HELPは運営していけませんし、それが、北海道の「おん」の会計の収支報告がありますけれども、助成金や寄附金を、それから委託費を、一時委託費を得たために一人のいわゆる人件費が出なくなったという報告が出ております。
 このDV防止法は、民間団体への助成というものが、文言が入っております。そのために私たち民間シェルターや民間団体は喜んだんですけれども、ただ、委託費を得るのには大きな壁があり、垣根が高いということがこの中でも分かっていただけるかと思います。
 DV防止法によって、もし委託費が出ない、そして助成が出ないということになるならば、多くの民間団体は、民間シェルターは閉鎖せざるを得ないという状況に落ち込んでいると。それは本当に早くから女性たち、暴力に遭った女性たち、それから様々な被害に遭った女性たちを率先して受け入れた団体が閉鎖せざるを得ないような状況に落ち込むことだけは是非食い止めていただきたいようにお願いしたいと思います。
 私は幾つかのことを申しまして、たくさんの事例も含めましてここに用意してございます。是非、外国籍の問題それから地域差のある高齢者、障害者の問題を事例の中で読み取っていただけたらいいと思います。それから、外国籍女性に対する暴力の防止等保護に関する要望書というものが移住労働者と連帯する全国ネットワークから出ておりますので、長い資料ですので、是非ごらんになっていただけたらうれしいと思います。
 民間団体は小さな予算でも、本当にボランティアでも一生懸命やっておりますけれども、このDVに関しましてはボランティアではやっていけない様々な問題がございます。そういう意味では、是非、国の予算を付けてくださいまして、民間団体への助成をよろしくお願いいたします。
 簡単ではございますが、私の報告にいたします。
#15
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 以上で内閣府及び厚生労働省からの説明聴取及び参考人からの意見聴取を終わります。
 これより参考人及び政府等に対する質疑を行います。質疑はおおむね午後三時三十分をめどとさせていただきます。
 なお、質疑者及び答弁者にお願い申し上げます。質疑及び御答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただきますようにお願いいたします。
 また、多くの方が御発言できますように、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきます。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
#16
○福島瑞穂君 今日はどうも本当にありがとうございます。
 改正を考えるのであれば、一つは例えば保護命令の拡充、今日も出ておりますが、あるのかと思っているんですが、その保護命令について、例えば、まず一つは、子どもの学校に行ったり子どもに付きまとうということが、参考人の方たちの経験であるのかどうかということ。
 それから、保護命令の中身は接近するなと、退去せよなんですが、例えば電話を掛けてくるとか、接近するなと言うだけでいいのかどうか、電話等は御存じ入っていないわけですから、その中身についてはどうかということなどについてちょっと教えてください。
#17
○会長(小野清子君) お三人からでしょうか。
#18
○福島瑞穂君 いや、そうしたらどなたでも結構です。済みません。
#19
○会長(小野清子君) どなたでも……
#20
○福島瑞穂君 ごめんなさい。じゃ、原田参考人お願いします。
#21
○参考人(原田恵理子君) 学校に付きまとうというのは大変多いです。具体的に今どれをと言われるのはちょっと難しいんですけれども、一番やっぱり心配なのは、女性には保護命令を今使えますけれども、子どもには使えませんので、小さな子どもでいつも抱いていることができるとかいう状態ではなくて、子どもが学校に行くというような場合は大変怖いという訴えをなさる方というのは多いですね。それは、だから子どもに保護命令が使えないというために女性たちの不安感とかそういうものが大きくなっているというのは、もうどこにもある問題ではないかというふうに思います。
 それから、接近禁止の内容なんですけれども、電話での嫌がらせというのはもちろんありますし、嫌がらせをしてくる相手は夫だけではなくて、夫の家族、例えば夫の親が夫に暴力を振るっていたような場合は、親も一緒になって嫌がらせをしてくるというようなこともありますので、内容ももちろんそうなんですけれども、だれが嫌がらせをしてくるのかという、その人間といいますか、そこも考えていただきたいと思います。
#22
○参考人(大津恵子君) HELPにいる就学児の子どもさんは第二の誕生会というのをいたします。それは名前を変えるということです。それだけ夫の追跡が学校それから様々なところに行きますので、子どもは名前を変える。子どもが名前を変えるということを想像できますか。今まで慣れ親しんだ名前を変えなければならない、そういう現状があるということです。
 それで、余りにも子どもたちがショックなために、私たちは工夫をいたしまして小さなワッペンを作りまして、大きなメダルみたいなもの、大きなメダルなんですけれども、そこに新しい名前を付けて、そして誕生日会をいたします。そういう中で子どもたちは出ていっておりますから、しかし、出ていってからも決して安全ではない。本当に女性たちは、私たちがいつまでこの状況を続けなければならないのですかというふうに言います。夫が亡くなるまでですかと。私たちもその質問には本当に答えづらくて。しかし、地域で様々な方々が支援してくれますので、どうぞ心配しないでHELPを出ていってくださいというふうに申しております。
 それから、電話はもう毎日のように。メールが入ってまいります。夫はもう何百回とごめんなさいという、メールで、二度と振るわない。それから、HELPにはもう何枚ともなく二度と暴力を振るいませんという宣誓書を書いた人たちが、夫がいます。しかし、それでも夫は暴力を振るう。それで、緊急シェルターに入ってくるという中で、もう様々な手だてを使って夫は追跡をし、それから接触しようとしております。
 HELPに来ておりました中で、離婚裁判で最高裁まで行った方があります。それは、夫の追跡がそれまであるということを示しているかと思います。
#23
○参考人(戒能民江君) 私は現場ではないんですが、保護命令自体は、保護命令が出たから安心ではないという認識が必要だというふうに思うんですね。
 これは保護命令、日本で第一号、どれが第一号か正確じゃないかもしれませんが、大阪で出たケースが正にそうでして、六か月の接近禁止が出たんですが、かえって非常に危険を感じられ、恐怖を感じられていたと、これは電話もメールもすべて。ですから、暴力というのは、身体的暴力の問題もそうなんですが、ありとあらゆる手段を使うという認識がどうも必要だというふうに、そういう事例なんかを見て感じております。ですから、大阪の事例は再度申立てをなさったというふうに記憶しております。
 以上です。
#24
○林紀子君 今のお話に関連しまして、ですから警察の役割というんですかね、保護命令が出た後の。それは、実態がどんなふうになっていて、どういうふうにしていったらきちん、きちんとというか、守られるのかというのはどういうふうにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。それぞれ、もし関係……
#25
○参考人(原田恵理子君) 保護命令を取りたいけれども、取った後どうなるのかというのがやっぱり大変不安で、保護命令の申立てをちゅうちょするということが大変多いというふうに思います。それは、今御質問にありましたように、やっぱり警察の役割ということが、どこまで守ってもらえるのかというようなことがなかなか当事者に分かりにくい状態になっているということがあるんじゃないかと思うんですね。
 今、保護命令が出ますと警察の方にすぐ連絡が行きますので、先日保護命令を取られた、出た方のお話によりますと、それまでは警察に相談に行ってもなかなか余り話を聞いてもらえなかったんだけれども、保護命令を取ったらすぐに警視庁と所轄の警察から連絡があって、話を聞きに来てくれたということで、すぐに動いてくれるというところは増えてきているんじゃないかというふうに思うんですけれども、ただ、警察官がいつも始終その人の、何というんですか、周りに立っているというわけではありませんので、なかなか、今は特に子どもには使えませんので、そういう意味で大変不安感は大きいというふうに思います。
#26
○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。
 保護命令が発せられた事案についての警察の対応でございますが、警察に、平成十四年中でありますが、裁判所から保護命令につきまして通知をいただきましたのが一千百七十六件ございまして、そのうち、主に接近禁止命令違反でございますが、保護命令違反として四十件を検挙、いずれもこれ強制で逮捕してございます。接近禁止命令違反ということで逮捕してございます。
 警察といたしましては、保護命令が発せられるということは、更に配偶者からの暴力でその生命、身体に重大な危害を受けるおそれがある状態である、大きい状態であるということに十分留意をして対応しております。
 まず、通知を裁判所から受けましたら速やかに申立人と連絡を取りまして、申立人の住居、勤務先あるいは所在する場所をしっかり確認をすると。緊急時にすぐ対応できるように連絡体制を取り、十分な状況を掌握をしておくということでございます。
 それから、警察部内としましても、いつ何どきその被保護者から連絡があるか分かりませんので、迅速に対応できる体制を取るということであります。それから、関係の警察職員にやはりこの保護命令が出ているということを十分周知徹底をして、必要な措置を講ぜられるように準備をいたします。
 また、申立人に対しましては、配偶者暴力相談支援センターの利用、その他防犯上の留意事項、警察の連絡方法等々をできるだけ懇切に教示をするというふうに努めておりまして、保護命令が発せられた場合の対応の万全を期しているところでございます。
#27
○参考人(戒能民江君) じゃ、簡単に。
 DV防止法上の問題としては、やはり八条に警察の、警察官の被害の防止規定がございます。しかしながら、これは努力義務規定でございますよね。それで、やっぱり警察は努力はされていらっしゃるんでしょうが、基本的に何か起こって、しかもひどい状況が起こらないと動かないということが一つ問題。
 それから、ケース・バイ・ケースということをよくおっしゃるんですが、それもよく分かるんですが、やはりこの八条の最後に、必要な措置を発生防止のために講ずるよう努力するというふうに書いてありますが、必要な措置の最低ラインは、具体的にこれは必要だということは法律に明記するか、あるいはきちんとガイドラインのようなものを作るべきではないかというふうに思います。
 それからもう一つは、保護命令の執行力のところですね。これ、「執行力を有しない。」ということになっておりますが、例えば今年の一月の九日、それから一月の十八日に逮捕、保護命令違反で逮捕されている事例がありますが、いずれもこれは退去命令で退去をしてないで居座っているんですね。そして、ただそれが居座っているだけだったのか、あるいはそこで暴力が振るわれたかというのは新聞記事からはよく分かりませんが、そこをきちんと見てみないと、これは何のための保護命令かということになりかねないということですね。
 ですから、きちんとやはり警察官が関与をするということをしないと、防止にきちんと具体的に関与するということをこれは法律に明記していただきたいし、それから運用上もそういうガイドラインなどをきちんと作っていかないといけないんじゃないかなというふうに思っております。
 以上です。
#28
○岡崎トミ子君 今日は参考人の皆さん、ありがとうございました。
 これまでにも警察、行政に相談をしたのに殺人につながってしまったケースが絶えておりません。資料の中で戒能先生も、失敗例を精査して問題点を明らかにして法制度の改善につなげるための第三者機関の設置について意見を紹介されて、賛成だと述べていらっしゃいますし、それから原田参考人も第三者機関のことについておっしゃっていらっしゃいます。
 私は、昨年、戒能先生からも御意見をちょうだいしまして、内閣委員会で質問をしております。客観的な立場から総合的な調査を行って法制度を改善する、つまり、失敗から学ぶことの必要性について尋ねたんですけれども、政府の方からは調査は必要だと、具体的に対応した部署が調査すべきだという答弁がありました。
 今日は、政府、内閣府の方からは連携ということについて度々おっしゃってくださっておりますけれども、まだまだその点については具体的に現場の方では十分ではないということではないかというふうに思っております。
 私は、そのポイントは、個別の行政機関がばらばらに対応することを検討するのではなくて、関係機関の連携の問題を含めてDVへの対応というものを総合的に調査して、そういう中で、DVにかかわる殺人事件ですか、その全体的な統計、ある程度まとまった件数のものについては、警察の調書あるいは裁判の記録などについては、専門家、現場を知る人たちにきちんと権限を与えて、それが、きちんとその内容が行くということがすごく重要だというふうに思っているんです。
 かつて、このDV法が一年目を迎えたときにも、新聞の中での指摘もやはり、NPOの人ですとか行政機関、それから警察ですとか民間でシェルターとかなさっていらっしゃる、そういう人たちが一くくりになったそういうところにはきちんと情報が集まってくる、その権限があるところで相談できることが重要ではないかという、そういう指摘などもございました。
 どんな、第三者機関というのは、改めてどんな機関が必要か、どんな調査が必要か、共生社会調査会としてはどういう情報収集をして、分析が今後の議論のために有効であるかということについて、戒能先生、それから原田参考人、第三者機関設置とおっしゃっていますので、そのことについて触れていただきたいと思っております。
#29
○参考人(戒能民江君) 今日お渡しした新聞記事がございます。これは以前にもお目通しいただいた方もおありかというふうに思いますが、いずれも、いきなり事件が起きているわけではないのです。家裁の離婚調停は三ケースともかかっておりますし、それから警察にも援助を求めていると。それから、必ずしも新聞記事には載っておりませんが、例えば福岡県の二丈町の事件などは、前年に一度暴行傷害で逮捕されているけれども、非常に軽い刑ですぐ自由になってしまったというようなこととか、これは詳しく聞きますと様々な機関が関与をしているということが分かるわけですね。それなのに、なおこのような、一番防がなければならないような事件が起きてしまったと。
 これはやはり、こういうことが、先ほども申し上げましたように、去年、DV法以後、実は川崎でも一件同様な事件が起きているというふうに聞いておりますが、四件も起きているというのはかなり異常な事態ではないかというふうに認識しておりますので、今御提案のように裁判の記録など、それから、権限がないとこれはできません、権限がないとできませんので、権限を一定の人たち、専門家あるいは現場の援助者などを集めて検討をして、そしてこれは、今後こういうことを起こさないように、あるいは、前向きに検討することですから、何もその責任を問うということではないわけですね。それはまだ法が施行されて間もないですから、そういう問題が出てくるのはあるかもしれない。でも、前向きに、今後起こさないように何が必要なのかというのをやっぱりデータから、事実から私たちは学ぶしかないのではないかというふうに思います。是非これは御検討をいただきたい点です。
 それからもう一点、第三者機関なんですが、これは先ほどの原田さんからも出ていましたが、やはり一時保護施設を利用した方、相談機関を利用した方などなど、非常に二次被害もありますし、それから適切な対応が行われなかったというケースが、これは法施行後も後を絶たないということを聞いております。
 これで、やはり国、都道府県それぞれのレベルで、苦情処理の委員会ですね、これは男女共同参画のラインで作っているところもありますけれども、これは行政の方ではなくて第三者性を持った苦情処理委員会が作られないと、これは被害者、ユーザーとして使った方は、その使った機関についての苦情をダイレクトには言えません。いつまたお世話になるか分からないということがあります。ですから、第三者機関がちゃんとありまして、そこに出せるようにしていくという、そういう仕組みを是非DV法の改正の中で御検討いただければというふうに考えております。
 以上です。
#30
○参考人(原田恵理子君) 被害者の声をやっぱり施策に反映をしていく必要があるというのは、もう皆さんいろんなところでおっしゃっていると思います。私もそのように思うんですけれども、被害者の声を施策に反映していくためには、やはり利用した人が、公的機関だけではなくて民間も含めてだと私は思うんですけれども、そのサービスを利用した人がどのように感じたのかということを受け止めていく窓口というのが必要だと思うんですね。そういうものがあって健全な援助システムができるというふうに思います。
 ですから、もちろん公的な機関のいろいろな問題というのはあるなと私も感じているところはありますし、ただ、民間団体の中にもやっぱりあると思います、そういう声は聞いておりますので。だから、幅広く被害者が声を出せるような場所を作っていただいて、そういう被害者の声を基に施策を考えていったり、あるいは研修にやっぱり反映させていただきたい、研修に是非反映させていただきたいと思います。そうしないとどうしても、勉強会ですね、被害者不在のまま、抽象的なと言ったら大変申し訳ないんですが、抽象的な勉強をするということにやっぱりなりがちなので、研修のためにも必要だというふうに思っております。
#31
○郡司彰君 どうも御苦労さまでございます。
 戒能参考人にちょっとお尋ねをしたいと思いますけれども、読ませていただいた資料の最後のページですけれども、半括弧の九番のところで、「被害者の権利、苦情処理制度、」、その後に「男性の脱暴力学習、教育による被害再発、拡大防止と未然防止」と、この辺の関係なんですけれども、今までの議論のことも非常によく分かりますし、起こってからの対処の問題、不十分な点がある。その前段の未然の防止ということが、この法律の中でいうと例えばどういうような形のものが加えていったらいいのか、それは多分に一つの省庁だけでは済まないことも多くあるだろうと思いますけれども、その辺のところについてちょっとお聞かせをいただければと思います。
#32
○参考人(戒能民江君) 基本的にはこれは、暴力を振るう側の問題をこれは考えなければいけないということは正におっしゃるとおりだというふうに思っております。ただ、非常にやはり難しいということは諸外国の経験が示していることだというふうに思いますね。ですから、加害者だけにとどめるだけではなくて、やはり男性全般、あるいはもう少し小さいときから、若いときから、やはり人権を尊重し、暴力を使わないという、そういう教育を学校教育も含めてやっていかなければいけないということだというふうに思います。
 ですから、そういう意味では、DV防止法の中に、これは台湾の防止法などは規定上はそういうふうになっておりますが、実際にどのような内容を展開しているかというのは今ちょっと私、手元に資料がなくて分かりませんが、教育はやはり重視していると。台湾だけではなくて、重視していて、法規定の中にも学校教育の中にそういうプログラムを入れるというような規定を入れる、入っていることもあります。
 それから先ほどの、保護命令違反のことを申し上げたんですが、例えば略式で罰金三十万円だったと、そのままですね。それから起訴猶予でもそのままですね。それから執行猶予が付いてもそのままですよね。かえって危ないし、被害者意識の塊になってしまうという危険もあると。ですから、そこで一つは、保護観察などでプログラムを作っていくということは一つできるだろうし、それから刑務所の中でこれはそういうプログラムを、ちょっと、プログラムを作るというところから始めなきゃいけないので、アメリカから持ってきてすぐというわけにはいかないというふうに思いますが、そういう現実的に少し考えていくことはできるのかなというふうに思います。
 もちろん、脱暴力学習プログラム、民間で少し今出てはきていますけれども、それから調査報告書も内閣府から今度出ますけれども、その辺は、なぜ男性の脱暴力学習プログラムが必要なのか、何のためにやるのかということをそれぞれ、アメリカやカナダなど、ヨーロッパはどういうふうに位置付けているのかという基本的なところを押さえた上で検討をしていただきたい。これは一言で言うと、やはり被害者の安全を守るためなんだと、被害者を援助していく一環としてやるのだという、そういう基本的な姿勢を押さえた上で展開されているんだということも私たち見ていく必要があるというふうに思っております。
 以上です。
#33
○段本幸男君 原田参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど、岡崎委員の意見と同じところなんですけれども、原田参考人は、NGOなど民間団体の役割が非常に大事で、特に公的機関がむしろ公的主導にならぬような格好がいいんじゃないかというふうにおっしゃって、私も、恐らく日本の社会そのもの、今回これだけDVが問題になってくるのは、かつては日本社会そのものが共同体的な性格を帯びて相互で監視するような、そういうようなものが多かったのが、非常に核家族化し、個が強くなってきた。そういう中でこういう問題が非常に大きくなってきたのではないかと思うんですが、そのために、それをカバーするためにNGOなどが役割を、そういう共同体的な補完的な役割を果たしていく、非常に重要だと思うんですが。
 ただ、私が今までNGOなどお付き合いしてくると、NGOは、それぞれはそれぞれの理念で基づいて動かしておられるものだから、なかなか連携というのが難しいような経験が非常に多いんですけれども、こういうものの連携の下にNGOが一番うまく動くために、原田参考人の経験から見てどういうことがいいのかを教えていただきたいのが一点です。
 それからもう一点、今、戒能委員が教育の話をちょっとされていたので、やはり根本的にはこういうことを起こさぬようにするような基本のところ、少々長く掛かっても必要だと思うんですね。ただ、子どもだけやっているのでは非常に長く掛かって、三十年も五十年も掛かった、それも間尺に合わない。むしろ子どもを経由して親をうまく、そういう社会的な、子どもがいると結構家庭の中でも親なんかも聞きますから、そういうアイデアというのはあるのかないのか、戒能委員の意見を聞かせていただければ。
 以上二点、お教え願いたいと思います。
#34
○参考人(原田恵理子君) NGOがどのように連携していくのかというのは、どちらかというと私ではなく大津さんの方かなと思うんですが、でも私は、先ほども言いましたけれども、公的機関の役割というのはやっぱり絶対にあります、あると思います。それから、行政でなくてはできない仕事というのもやっぱりあるというふうに思うんですね。
 ただ、現在のDV法といいますのは、都道府県に配偶者暴力相談支援センターが一つしかないわけなので、東京などは交通機関が大変発達をしておりますので端から端まで移動するのもそんなに大変ではないです。だけれども、婦人相談員の中では、やっぱり地方によりますと、自動車が運転できないと相談窓口まで行けないというような地方もあるわけですね。だから、そういう意味ではもう少し市区町村に援助ができるようにしていただきたい。
 そして、民間団体との連携というのは、地方はなかなか民間団体がないというような声も聞いているんですけれども、今は公的な機関が中心なので、お金が民間団体の方に行かないようになっておりますのでできないんだと思うんですね。だから、そういう財政的な援助の仕組みができれば、関心を持っている人はたくさんおりますし、DVの被害を受けた当事者の方で、自分も何か被害者支援をしたいという希望を持っていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるんですね。
 私、個人的にNPOをちょっとやっておりまして、そこでDVの被害を受けた方自身が裁判所などに付き添うサービスというのをやっているんですが、それの窓口に掛かってくる電話が、地方からは、自分もやりたい、そういうサービスを私もやってみたいのでどうしたらいいか教えてもらいたいというのが大変多いです。ですから、仕組みができればやりたい人は出てくるというふうに思います。
#35
○参考人(大津恵子君) 先ほど、NGOの方で民間シェルターネットというのがあります。緩やかなネットワーキングをしているんですけれども、一年に一回シンポジウムを開いておりまして、このDVの問題をそれぞれに会議を開いて検討しております。そのほかに、調査をしたり、それぞれの人たちが、ばらばらに地方にいる人、なかなか集まれないんですけれども、そういうことをやっております。
 それから、子どもの教育に関してですけれども、やはり小さいときから夫婦がどうあるべきかというものを子どもに見せていくということが大切だと思います。
 HELPに来ております女性たちにアンケートを取りますと、再婚している方々が多いんです。特に外国籍の方ですが、最初の方も暴力で別れ、そして二度目も暴力という形で逃げ込んでおります。それから、いつから暴力が始まりましたかと聞いたときに、それは妊娠中から始まりましたと。これは日本人の方も外国籍の方も同じです。妊娠中に始まったということは、母親が、母親になる方がやはり自分の体をいたわって、夫の世話を十分できなくなった。それから、母親は妊娠したときに母親になりますが、男性はやっぱり子どもを見て父親になると思います。
 そういう中で、男性が母親像をその女性に描いていたために、それがなかなか十分にいかない中で暴力が振るわれるということを女性たちが言っております。そういう意味では、三度目の、まあ二度目の被害者を出さないように、やはり男性たちへの教育というものは大切かと思われます。
#36
○参考人(戒能民江君) 子どもから始めたらこれはいつのことになるのかという御心配は本当によく分かるんですが、そういうやはり時間が掛かる問題だという認識も必要かなと。
 実は、日本はつい最近ですよね、DVのことを問題にし始めた。ところが、これはヨーロッパ、アメリカ等は、北欧も含めて、一九七〇年代の始めから取り組んでおります。なおまだ取り組んで、続けています。ですから、そういう教育とか、意識を変えていくということを大変これは国も力を入れて取り組んでいる、それでもまだなくならないという。やっぱり腰を据えて取り組む必要があることだというふうに思うんですね。
 それからもう一点では、ここが共生社会調査会だということもあるんですが、例えば男女共同参画とかそういうことに関心がなさそうな人たちへどう届けていくか、どう伝えていくかということですね。
 というのは、DV夫、DV男というふうに言いますけれども、何も特別な人たちだけではどうもないようだということなんですね。ですから、一見普通のお父さんであって、普通の人であると。そうしますと、そういう人たちに効果的に、だれでも見れるような例えば広報なんかでももう少しこれは工夫をしていく、テレビのスポットコマーシャルとか、前から言っているんですけれども、こういうことも考えていかないと、ごく特殊な人たちの問題にこれは収れんされてしまう危険があるんじゃないかなというふうに思っております。
 以上です。
#37
○大仁田厚君 どうも今日は御苦労さまです。
 これは家庭内暴力でもちょっと困ったような例なんですけれども、四十代の、男の子一人、女性、女の子一人、それ、普通の家庭といえば普通の家庭なんですが、職業が教師なんですよ。教師で剣道をやっていまして、子どもたちに剣道を教えていたんですね。自分ながらの、昔ながらの教え方で、厳しい教え方で、良かったんですけれども、やっぱりこう社会、今の社会から見ると、現代的社会から見ると、それが厳し過ぎるということで学校側から指摘をされたわけですね。それによって、やっぱりある種の人間、人格的な破壊というか、物すごく自分の生き方を貫いていた、それが社会的なものから抑圧を受けたことによって、やっぱりある種の人格的破壊が生じたと思うんですけれども、その人が相談に来られたわけです。
 それで、こういろいろ聞くわけです。物すごく子どもたちが萎縮していて、もう礼儀正しいというか、もう小さくなって、うちの家庭でこう小さくなっているわけです。それで、最終的には話を聞くわけです、暴力を受けたとかいろんなことを。
 それで最終的に、じゃ相談するべきだということをこちらが投げ掛けるんですけれども、そこまで行くと引っ込むわけです。じゃ、君は、あなたは何をしたいんだと言うと、やっぱり最終的に、こうずっと何時間も話していると、最終的にやっぱり愛情が残っているわけです、そのだんなさんに対して。どんなことをされてもやっぱり、どんなに子どもたちが萎縮していてもやっぱり、そこまで、相談員の人とかそういった、警察やそういうところに持ち込むのは私はできないと言って、いっとき距離を置いたんですね。
 そうすると、またほかの家庭に行ってまたそういった相談をしながら、またそのほかの家庭に行ってその相談をしながらとか、家庭って、友達の家庭家庭に行きながら、避難しながら、そうやって自分の、聞いてくれる人たちのところをうろうろうろうろするわけです。そうすると、その相談を受けた僕らでも、じゃ逆に、その相談員の人たち、警察なんかに僕ら第三者の人間が相談した場合に、逆に僕らが感じたのは、逆に逆恨みされるんじゃないだろうかと。これがもし、僕が第三者として、こういう家庭があります、こういう家庭を調査してくださいと言う場合、多分これは逆恨みされるんじゃないかと。
 そういった場合に、ほかの家庭、僕なんかの場合にはまだ強く言いましたから、だんなにそれほど愛情があるなら、ある種決定的まで付いていきなさいよと僕は言いました。それが正しいか正しくないかはその判断ですから、僕はそう言いました。
 だけれども、ほかの家庭のときに僕は逆に相談されまして、こういった場合、私たちはどうしたらいいのか。相談員に相談するわけにもいかない、警察にも行くわけにいかない。だけれども、しょっちゅう電話が掛かってきて、その奥さんから電話が掛かってきて、逆に私たちの家庭自体がこれは破壊しかねないという状況に置かれたと言うんですけれども。
 三人の参考人の方々にお聞きしたいんですが、手短に結構ですから、そういった場合にどういう対処の仕方があるでしょうか。それを御質問したいんですが。手短によろしくお願いします。どうも済みません。
#38
○参考人(原田恵理子君) 済みません、ちょっとお話がよく分からなかったんですが、その方は暴力の被害を受けていらっしゃるという女性の方だということなんですか。
#39
○大仁田厚君 僕はそう言ったつもりなんですが、失礼しました。そうです。それをほかの家庭に……
#40
○会長(小野清子君) お待ちください。速記が入っておりますから、会長が指名してからおっしゃってください。
#41
○参考人(原田恵理子君) 私の理解は、四十代の女性の方で、職業は教師なんだけれども、夫から暴力の被害を受けていて、いろんなところに相談をしているんだけれども、どうも夫にまだ気持ちが残っているのではないかというふうに感じると。そういう人から相談を持ち掛けられたときに、どう対処したらいいのかというようなことでよろしいんでしょうか。
#42
○大仁田厚君 済みません。いや、そのとおりなんですけれども。
 だから、結局愛情がまだ残っているのにいろんな家庭をぽんぽんと、友達の家庭をぽんぽんとして相談を受けるけれども、逆にその相談が、家庭が重くて、逆に逆恨みされそうな状況にあるわけですよ。それを分かるんです、感じるんです、僕は。それに、逆に何本と電話を四六時中ほかの家庭にするものですから、ほかの家庭自体がもうパニックに陥っている状況。そういった場合に、どういった対処の仕方があるかというのを参考人に簡単に御説明願いたいというふうに僕は思ったんです。それで結構です。済みません。
#43
○参考人(原田恵理子君) 今のような例というのは、暴力の被害を受けた方にそんなに珍しくない状態だというふうに思います。なかなか暴力、腕が折れたりとかすごいけがをしていても、やっぱり自分が暴力の被害を受けているということを自分で認めていくというのは大変つらいことなわけですね。なぜかといったら、結婚した相手で、嫌々一緒になったわけではありませんから、それを認めていくというのが大変つらいというのがまずあると思います。
 それで、周囲の人にいろいろ相談をしてもなかなか自分の心にぴったりと来るような、そういうお話が得られないというようなこともあるかと思いますし、先のことがいろいろ心配でいろんな人に相談をしてしまうというふうなこともやっぱりあるんじゃないかなというふうに思います。
 だから、どうしたらいいのかと言われますと、結論からいいますと、是非、配偶者暴力相談支援センターのような専門の相談機関を御紹介いただきたいなというふうに思います。その方がすぐに直接相談できなくても、そういう相談できるところがあるという情報をやっぱり知るというのは大変大きな力になるんですね。電話でも相談できますので、教師だということであれば、名前を知られたくないとかいろんなことがあるんだと思うんですね。だから、匿名で相談をできるというような相談機関を少し情報提供をしていただけるといいかなというふうに思います。
#44
○参考人(大津恵子君) 私も原田さんと同じです。専門的な相談員がいるところにその方が相談されますと、きっと迷っていたこと、考えてきたことがある程度はっきりしていくかと思います。
 HELPでも、実際に夫からの暴力を負い、そしてけがをされているのに決断のできない方はやはり夫の元に戻ってしまいます。ですから、その女性が決断できるまで、少し時間が掛かりますが、いろんな人たちが介入していって、そして決断に導くようになるまで待つしかないんです。たとえその方がどこかに逃げられたとしても、決断のいかない限りはその夫のところに戻ってしまわれます。それが女性たちの現状です。
#45
○参考人(原田恵理子君) その方の状態がよく分かりませんが、やっぱりいろいろな選択肢があると思いますので、家を出るということだけが必ずしもその人が求めているものではないかもしれないわけですね。
 だから、やはりもうちょっとその方のお気持ちとかお話を聞かないと何とも言えませんが、周りが余り出なさい出なさいという雰囲気になるとなかなか逆につらいということもありますので、私は、やっぱり暴力の被害の中で、長くその中で暮らしてきて、外から見たら逃げられない、何か勇気がないというように受け止められがちだと思うんですけれども、むしろ、そういう人たちが暴力の中で生き延びている力というものを社会がもっと認めていくようになっていく必要があるというふうに思っております。
 そういう意味で、先ほどちょっと時間が足りなかったんですが、被害者の権利というところを書いていただきたいというふうに言いましたのは、単に逃げなきゃいけないというメッセージだけではなくて、いろんなやり方があるんだということを法律の中で被害者に伝えていくためにも、権利ということを明記していただきたいということを言いたかったわけです。
 逃げることだけが問題ではないんじゃないかなというふうに思います。
#46
○有村治子君 今日はありがとうございます。
 私もこの調査会で以前質問をさせていただいたんですが、やはりDVに関しては、一時保護的、緊急にどう保護するかということも、対応策、ばんそうこう的な対応策としては必要ですけれども、じゃ、パートナーとの関係性、その関係のパターンをどうやって変えていくかということまでしっかりとフォローしていかなければいけないな、そうでなければ、先ほどおっしゃったように、奥様がそのだんな様の、パートナーの死ぬまでこういう恐怖を覚えなきゃいけないんですかという訴えも切実なものとして出てくるなということを感じております。
 そんな中で、今日配付していただいた資料の、西日本新聞の「「救出」一転、最悪の結末」という、四ページ目ですか、四ページ目の一番下、「DVの果て暴走」、それの左下に書かれていたことでちょっと問題提起をいただいたような気がしているんですが、DV加害者を精神的にケアすることでDV根絶を目指す「メンズサポートふくおか」の代表は、「「加害男性は不安が強く、孤独感に弱い。妻に逃げられると被害者意識の固まりになってしまう。DV発覚時、警察とは別に加害者の心を鎮め、次の事件を防止するシステムが必要だ」と訴えている。」。この問題提起は本当に大事な御指摘だなというふうに私自身も思います。
 とすると、この福岡で起こった立てこもり、被害者、いかに九歳の女の子を助けるかということはすごくすごく大事で、まずそれが必要ですが、実はその中で、加害者になった男性というのは、もし、普通の状態よりも孤独感が強くて、そして被害者意識が強くて、例えば自己顕示欲が強いなんということがあったら、ますます状況をあおってしまった環境を作ってしまったのかもしれないなというような思いに至りました。
 そこで、三参考人の中で御意見がおありになる方に是非教えていただきたいことと、それから警察の御担当の方にも御意見を教えていただきたいんですけれども、DVの加害者になった方、多くは男性ですが、その方々の典型的な行動パターンとか、こういう、性格と言うといけないんでしょうけれども、行動パターンでこういうことをするとか、あるいは不安感が強いとか孤独感が強いとか、そういう象徴的な行動パターンを把握すると、皆様どういうふうに認識されていらっしゃるでしょうか。その方々に対してこういうアプローチは全然利かなかったというノウハウがおありになったり、こういうアプローチをしたときに思った以上にうまく進展したというようなノウハウもあれば、両面を教えていただきたいと思います。
#47
○参考人(原田恵理子君) 加害者の典型的な行動パターンということなんですが、私は加害者の相談を受けたことはないんですけれども、被害者の相談を受けていて感じますのは、まず一つは、暴力を認めないということです。自分は暴力を振るっていないというふうに言います、ほとんどの加害者は。これが共通しております。
 それからもう一つは、被害者のせいにするということです。自分は悪くないと言います。日常的に、おまえが悪いというふうに被害者は言われ続けておりますので、自分が悪いというふうに大変思っていて、先ほどのお話ではありませんが、自分が悪いというふうに思っているから、もう少し努力しようというふうになる。だから家を出にくくなるというようなことはあるかと思います。
 それと──よろしいですか、続けて。
 先ほどのパートナーとの関係性ということなんですけれども、お話を聞いていて、夫はどんな人なのというふうに聞きますですね。そうしましたら、実は夫も小さいころから親から暴力を振るわれていたというようなお話というのは、結構たくさん私は聞いております。
 だから、アメリカなどでは加害者というのは、かつて被害者であったということが言われているようなんですけれども、だから加害者との関係性を変えるというよりも、やはりもっと早い時期に、そういう虐待を受けた男の子の被害者ですね、そういう人に対するサポートが必要だというふうに思います。それは加害者の再教育ということではないんですけれども、暴力をなくしていくためにそのことは大変重要だと思います。
 ですから、先ほど戒能さんから刑務所という話がありましたが、例えば少年院とかいろいろありますですよね、男の子ですね、そういうところで彼らが受けてきた暴力の被害というものの実態の調査をやっぱりしていただいて、彼らを支えていくような、そういう支援策というのは社会的に求められているのではないかなというふうに思います。
#48
○参考人(戒能民江君) 私は援助の現場にいるわけではないので、御相談なども余りそんなに数多く受けているわけではありません。ですから、そういう数少ない中、あるいは諸外国で言われているようなこと、抽象的なこと、あるいは最近地方自治体で調査を随分、加害者、男性も含めて調査をするようになりました。その中から感じていることだけをお話ししたいというふうに思います。
 それで、今、原田さんが御指摘になった暴力を認めないというのは、これは実態調査に本当によく表れます。その裏返しで、女性が、これは自分に責任があるのではないかという、そういう回答も非常に多いということなんですね。
 それから二番目に、暴力を認めないというのは一番大きいことだというふうに思うんですが、責任転嫁というのがあるからやはり女性がそういう答えをするんだということが二番目ですね。
 それから三番目は、やはり支配欲が大変強いのではないかということがあります。独占欲というんでしょうか、支配欲。
 それから四番目が自己変革、自分が変わるということが必要になるわけですよね、暴力を振るわない人間になるというのは。そこがやはり一番難しいところではないか。自己変革の必要性を感じていないわけですね。ですから、アメリカなどでもそこをどう切り崩していくかということで、大変これは時間が掛かるし苦労もするということを伺っております。
 それから、もっと平たく言えば、内づらと外づらが本当に違う、だからだまされてしまうというようなことがありますね。それで期待感を抱くというようなこともあるということです。
 それで、DV被害を防止していくというのは、次世代、今の子どもへの影響、先ほども申し上げましたけれども、親からの暴力の問題とDVを目撃していることが、やはりそういう環境の中で暴力が日常生活になっていく、彼の価値観あるいは彼女の価値観になっていくという問題ですね。ですから、やはりそのDV防止を子どもの立場からも、それから次世代の暴力をなくしていく立場からも、これは今防止をきちんとしていかなければいけないということは強く感じております。
 以上です。
#49
○参考人(大津恵子君) シェルターの中から見えるまず一つは子どもの問題です。多くは、子どもたちが母親と父親の暴力の間に入ってきておりますので、学齢期の子どもたちは本当に不安な精神状態の中で参ります。それから、小さい子どもさんたちは笑いません。本当に言葉も発しません。
 無表情な子どもたちが多いんですが、それが一週間ぐらいになりますと、HELPでは三人の保育士とカウンセラーがおりまして、子どもたちに対するケアをしております。そういう中で、子どもたちがどんどんと変わってまいります。笑うし言葉も出るしという形で、就学時の子どもたちは本当に積極的にいろんな人とかかわりを持つようになります。
 それは、やはりそういう訓練を受けたいわゆる保育士の人たちが遊びの中から、遊びを通して子どもたちの問題を引き出しているわけですね。そういう中で、やはり子どもたちが小さいとき、早ければ早いだけ子どもたちの心はいやされていきますので、まずシェルターの中で本当に子どものケアをするということをしております。
 ただ、出てから、シェルターを出てから子どもたちがまた再びそういう子どものケアを受けられるような状況を作らないと、また不安な状況が出てくると思います。それが子どもの問題です。
 それから、夫は本当に難しいです。HELPでも、夫からの電話があるときには男性の相談のところにつなげます。HELPは二足のわらじを含むことができないというふうに私は思っているんです。それは、女性に対しての、より女性の側に立った回答をというのか、相談を受けますので、もう男性の側に立つことはできないので、男性からの相談に関しては男性のところにつなげるということをしています。
 それから、HELPにかかわる、先ほど原田さんもおっしゃいましたけれども、私たちは加害者男性には接触いたしません。それは、接触すればするほど、私たちがどこにいるかということが分かってくるからです。それは、私たちの居場所が分かることは、ひいては女性たちの居場所が分かって、より危険な状況に陥りますので、それはできません。
 ただ、民間団体の中では夫も含めて相談を乗っているところがありますが、私もかつてはその相談員の一人だったんですが、やはり夫を知るということは、夫が私の住所地も知るということです。ですから、妻が逃げた後、深夜にもかかわらず、朝でも、朝の早くから電話が掛かってきて、どこにやったのかということが起こり得ますので、ある意味では、できるだけ加害者の男性とは私たちはかかわらないようにというふうに思っております。
#50
○政府参考人(瀬川勝久君) 警察として、加害者の状況について特にまとめた分析は現在まで行っておりませんし、加害者の心理についての専門的な知見というのは警察にございませんが、実務通じて見ている範囲では、ただいま参考人の先生方からいろいろ御指摘があったとおりではないかと、こういうふうに思います。
 個人的な印象になりますけれども、やはり非常に加害者の側が執拗な行動を取るという面はあるだろうと思います。それから、突発的な行動に移ることがあるという、突然、想像もできないようなといいますか、見境のない行動に出るということが言えるのではないかというふうに思います。
 これに対しましては、警察としては、相談を受けたとき、保護命令の通知を受けたとき、やはりあらゆる可能性を想定をして、今すぐにでも、例えばその対象者なりその子どもさんなりに危害が及ぶおそれがあるのではないかということで、すぐその子どもさんのいるところへ駆け付けて無事保護したと、間一髪、無事保護することができたというような事例も報告を受けております。
 それからもう一つ、これは加害者の心理の問題、直接ではありませんが、先ほど来、昨年発生しました福岡でありますとか横浜でありますとか、大変残念な結果に至った事例について御指摘がございました。私どもも大変残念に思っております。
 ただ、いずれもこれは非常に難しい、対応の難しかったケースだなと思いますのは、いずれも警察には相談に来られているんですけれども、そのとき相談を受けた警察官が、被害届を出しなさいということで相当説得をしている経緯があります。特に横浜のケースなんかは、担当の警察官が、これは私が今まで相談を受けた中で一番ひどい事例ですと。ですから、是非被害届を出しなさいと、後は大丈夫ですからということで相当説得をしたんですけれども、やはりその相談に来られた被害者の方は、まあまあ離婚調停が、今していると。そうすると、将来の例えば養育費の問題ですとか、それから子どもさん自身の将来の問題ですとかいろいろなことをやはり考えられて、なかなか被害届に踏み切れないというのがあるというのが実態でございます。
 被害者の方はそういう心理にあるということを私どもとしては十分現場の担当者によく周知徹底をして、そういう、ですから通常の事件の取扱いと違って、被害者が積極的に届出がないからと、それで事件にならないということで済ますのではなくて、更に踏み込んだ説得が重要であるということと、それから被害届をよしんば出さないとしても、いろいろな形でアドバイスなりいろんな保護のための仕組み、保護命令の制度、あるいはセンター等について教示をするといった、事件にならないからといっても、そういう警察としてできる限りの、最悪の結果を防止するための対応に努めていく必要があると思います。
 こういった被害者の方の心理というのが、また今御質問にありました加害者の方の心理の、何といいますか、反面といいますか、それを象徴しているようなものかと思いましてちょっと御紹介を申し上げました。
#51
○有馬朗人君 今日は大変参考になる御意見を賜りまして、ありがとうございました。
 少し違った観点から御質問申し上げたいと思うんです。なぜかというと、今警察の方から、ちゃんと被害者が出たときにその調査をするというふうなことをおっしゃっておられたんだけれども、そこで、私の長い間の経験で見ていますと、こういうトラブルの裏側に必ず精神病理的な問題があると思うんです。今日のお話を伺っていても、まだ精神病理学的な面からのこの問題についての追及がないような気がして、そこにちょっとお伺いしたいことがあるんですが。
 非常に激しい加害者、場合によって被害者すらあるかもしれない加害者の中にどのくらい精神的に異常な人がいるのか、そういうことはちゃんと調査をしているのであろうか。アメリカですと、こういう問題がありますと必ずサイカイアトリストのところに行くんですね。サイコロジストじゃなくてサイカイアトリストのところに行くんです。そういうことが日本はやや後れているのではないかということが私はかねがね気になっているわけです。
 そこで、警察の場合で、例えば異常な、被害者が訴えたときに、その加害者が一体精神的におかしいのかおかしくないのかというようなことに関しての調査はするものでしょうか。これは具体的な質問です。
 しかし、それは後回しにして、まず一般論として、このDV問題の中で精神病学的な分析というのはどの程度進んでいるのか、この点について参考人の方々に御意見を賜り、最後に、警察関係の方からそれに対する対処の仕方について教えていただきたいと思います。
 そしてまた、様々なところに今シェルターがあるわけですが、そのシェルターにおいてそういう問題についてどう対処しておられるか、この辺について御意見賜れれば幸いです。
#52
○参考人(大津恵子君) 先ほど申しましたように、加害者男性とシェルターとは接触いたしませんので、その男性が病的、精神的な問題を持っていらっしゃるのかということは私どもとしてははっきり分かりません。
 ただ、福祉事務所を通して女性たち、子どもたちが入っておりますので、男性の、どういう職業を持っていらっしゃいまして、どういう働きをなさっていて、周りにどういう、地域の中ではどういう仕事をなさっているのかということを聞きますと、本当にもう世間一般の方々です。何の病的なものも持っていらっしゃいません。会社ではきちっとした仕事をなさっておりますし、地域でも、ある人は地域の役員をなさっている。そういう方々もいらっしゃるということを、その中にはやはり福祉事務所関係の方もいらっしゃる。
 ですから、HELPに来る夫像を見てみますと、職種それから国籍、年齢、もう関係なく、若い方からお年寄りまでそういう暴力を振るっていらっしゃいますので、その辺りは、ある意味では本当に暴力を振るっているということを自分ではっきりと認識して暴力を振るっているのではないかと。暴力を振るえば妻は自分の言うとおりにコントロールできるということをはっきり分かってやっていらっしゃるというふうに、これは私が言っているのではなくて、暴力を振るっている男性のことを研究している人が言っておりますが、決して男性は分からないでやっているわけではないと。アルコール依存症の方も、アルコール依存症だからといって暴力を振るっているわけではない。それは、アルコール依存症と暴力とは別物であるというふうに言っていらっしゃいます。
 一件だけHELPにまでたどり着いた男性がおります。その男性は、まず妻と子どもがいなくなったので探して、警察にも行方不明で捜査願を出しまして、それで、私どもの民間シェルターには電話番号だけ先ほどあると言いました。それで、分かったらしくて、民間シェルターまでたどり着きました。
 それは、一つには、地域の人たちが、矯風会というところは昔からいわゆる子ども、赤ちゃんから、それからお年寄りまでケアできる施設を持っておりますので、そこに行けばきっと分かるのではないかという情報を与えたものですから、その父親はシェルターの近くにまでやってまいりました。
 そして、ちょうど昼間でしたので、ある程度のいろんな施設があるんですが、うまくくぐり抜けてシェルターのところまでやってきまして、今シェルターはさくがあって、かぎを一人一人が掛けていかないと行けない。それからモニターが付いております。それから音が出ます。入っていくときにはキンコンという音が出ます。その中で子どもが、ちょうど声が聞こえたので、その父親は何々ちゃんと叫びました。ちょうど運が悪く、お母さんと子どもが、その方の子どもとお母さんが入所していたわけですけれども、夫の声を聞くなりお母さんは、フラッシュバックって御存じでしょうか、そのときの、暴力を振るわれていたときの状況にお母さんが戻ってしまわれました。子どもさんは子ども部屋で私たちのボランティアと一緒に震えておりました。それがこの暴力を振るわれた母親と子どもさんの状況です。
 でも、父親は、警察を私たちが呼びまして警察が来ましたけれども、もう堂々と、自分の子どもが心配で仕方がない、妻は本当に自分と別れていいと言っているのかどうかとか言って、もう本当に自分が振るった暴力をやっぱり認めない。これがその男性たちの現実的な問題ですので、病気とは、私はちょっとその辺りの関係は、私どもの民間シェルターからは見えてまいりません。
#53
○参考人(戒能民江君) 加害者自体にアプローチすることが大体難しいわけですね。それから、加害者といいましても、やはり今話がありましたように、精神的な病気がある人なのか、あるいはアル中なのか、薬物の問題なども多分意識していらっしゃるというふうに思うんですが、必ずしもそういう人たちがすべてではないと、むしろ少ないんだということが世界的にも言われております。
 ただ、これはむしろ法務省にお聞きになった方がよろしいかというふうに思いますけれども、そのDV犯、暴行、傷害などの犯罪で、受刑者ですね、その人たちに、どういう病気というよりも、むしろ生育歴の問題とか、どうして暴力を振るったのかとか、そういうことを聞くということは多分できるんではないかというふうには思います。
 しかし、精神障害があったからそこが分かって、じゃこのDVの問題が解決するかというと、そうではないところがこのDV問題のDV問題であるゆえんといいましょうか難しさ、ごく普通の人だというふうに先ほど申し上げましたけれども、そういうことを考える必要があるというふうに思います。
 それから女性の場合は、やはり逆にどうしても考えがちなんですが、これはもう現場の方々のお話の方がいいというふうに思いますが、暴力を長く受け続けてきた結果、あるいは閉鎖的な空間の中で、閉鎖的な関係の中で継続的に暴力を受け続けた結果として心の病を受けるというような、そういう結果と原因が逆になってはいけないというふうには感じております。
#54
○参考人(原田恵理子君) 私もほかの二人と同じ意見でして、特別な人が暴力を振るっているわけではないというのは日常の相談の中で感じております。
 具体的に、公務員、夫の職業が公務員というのもありますし、それから普通の会社員というのもあります。それから、相談ではないんですけれども、昨年、DVの被害を受けられた方の原稿を募集して百五十人の証言という本をまとめたんですけれども、その中に、投稿なさった方の中には議員をしていたというような投稿もありましたので、本当に多様な男性が暴力の加害者になる可能性を持っているというふうに考えていただいた方がいいのではないかなというふうに思っております。
#55
○政府参考人(瀬川勝久君) 先ほども御答弁申し上げましたように、このDVの加害者の分析等、私ども十分しているわけではございませんので、精神病との関係について何ら申し上げる材料を持ち合わせておりません。
 警察といたしましては、一般的に申し上げまして、取り扱いました事件等につきましての被疑者のそういった問題につきましては、刑事手続の中で刑事責任能力の問題として議論、議論といいますか、判断されていくことになるんだろうというふうに思っております。
 あと、具体的な職務執行、現場といたしましては、精神保健及び精神障害者福祉法の二十四条という規定がございまして、異常な挙動その他周囲の事情から判断して、精神障害のために自傷、他害のおそれがあると認められる者については警察官は都道府県知事に通報するという規定がございますので、そういう状況に当てはまれば都道府県知事に通報するという実務上の取扱いが行われているものと承知をしております。
#56
○風間昶君 それぞれの参考人の方にいろんな切り口でお話しいただきましたが、法律改正を、二年後に見直しをすることを前提にしていろんな多岐の問題が横たわっています。周辺法律、現行法の入管法だとか生活保護法だとか、そういうことも含めてリンクしてくる話なんですが、おいでになった参考人の方々、全部、今お話しいただいたことを、改正、見直ししていくことは極めて困難な状況だと思います。
 だから、どれか一つでも見直しに向けていくことが大事だと思うんですが、優先順位を挙げるとするならば、それぞれの切り口でいろいろあると思います。調整機能がなってないとかという意見もありますし、いろいろありましたけれども、優先順位を付けるとするならば何から手を付けた方がより有効的なDV法にしていけるのかということを、お考え教えていただきたいと思いますけれども。
#57
○参考人(戒能民江君) 見直しの優先順位ということなんですけれども、やはり一つは最初の方から言って対象ですね、対象範囲の問題。それから、暴力の定義ですね。身体的暴力だけに限定していると。
 これはちょっとレジュメに書きましたが、少し整理が必要だというふうに言われておりますね。援助をするのに身体的暴力だけということはないだろうと、保護命令のところで少し枠を付ける必要があったとしても、これもやはり身体的暴力に限定する必要はないだろうと。これは犯罪になる可能性のあるものというのは一杯あるわけですから、そういう暴力の定義、それから対象範囲、そこで意識しているのはやはり子どもとか離婚後とかですね。それから、そういうことも考えて、まず最初の部分というのはきちんともう一度考え直して、検討し直していただきたいというのが一点です。
 それからもう一つは、やはり大きな問題としては、ここ、すぐにできないというふうにおっしゃられるかもしれませんが、自立支援のところですね、それが現場では本当にネックになっております。九条で関係機関の連携という条文があるんですが、保護のところまでですので、それも含めてDVセンターの機能を明確にすると、原田さんからもありましたけれども、そういうことを含めて自立支援のところをきちんとしないとこれは動かないんだという認識しておりますので、その点ですね、その辺りをまずやっていただきたい。
 それで、保護命令の改正を、当然その関係ですね、保護命令の改正が必要であるというふうに考えております。これはレジュメに書いたところからいきますと、その対象、それから暴力、余りにも厳格過ぎます。保護命令というのは安全に逃げるための一つの手段にしかすぎないわけですよね、違反して初めて刑事罰が付くということで、なぜこんなに狭いのかと。それから、保護命令でも緊急、私も、緊急保護命令、それから通常保護命令という二本立てが一般的であります、世界的に申しまして、そういうことが必要であろうというふうに思っております。
 それから、保護命令のもちろん内容ですね。禁止条項……
#58
○風間昶君 いや、先生、一言。挙げれば切りないんです。
#59
○参考人(戒能民江君) だから、その三点です。三点です。
#60
○参考人(原田恵理子君) 私は、早めに相談ができるようにするということが必要だと思います。ですから、保護をするというのは、もうせっぱ詰まって逃げてこざるを得なくなっているという、もちろん逃げていくことができる場所とか援助が必要なんですけれども、やはり早めに相談ができるようにするということがまず重要だと思います。
 それから、先ほども言いましたが、保護だけではありませんので、逃げてきた人だけを対象にするのではなくて、家に、早めの相談と同じなんですが、シェルター以降の援助ですね、戒能さんが自立支援というふうにおっしゃいましたが、どうも自立支援という言葉は被害者に重いなというのが私の率直な印象です。
 暴力の影響で働けない方が大変多いということと、やはり要は、出れないのはおまえが自立していないからだというふうにやっぱり言われてしまっている現状がある。だから、できれば生活再建というような形で、将来の見通しを、いろんな援助を、今ある施策を使いながらでもいいので、そういうものを作っていただけないかなというふうに思います。
#61
○参考人(大津恵子君) やはり「配偶者からの暴力」を、配偶者等と幅を広げていただきたいということと、それから「身体に対する不法な攻撃」を、心身、心も一緒に入れていただきたい。これはあとの二人の方と一緒です。
 それと、私は、国籍及び在留資格を問わずという文言を是非この法律の中に入れていただきたいというふうに思います。
#62
○神本美恵子君 今日はありがとうございました。
 もう時間が四分ほどしかないようですので、一つだけ。
 このDVの背景といいますか、戒能参考人からはDVの本質、特質というようなお言葉もあったと思うんですけれども、私は本当に、DVを許容しない社会をつくっていくための第一歩だというふうに冒頭おっしゃいまして、その背景にあるのはやっぱりジェンダーの問題だと思います。
 このことの認識が日本の社会の中全体に本当に認識されないと、それぞれの窓口で二次被害の話もずっと出てきましたけれども、それについて、このDVの問題とジェンダーの関係を、短い時間で申し訳ないんですが、参考人の方それぞれ一言ずつと、それから、内閣府と厚生労働省には特に研修、直接窓口とか担当されている方々、警察も本当はお聞きしたいんですが、このジェンダーに関する認識をどういうふうに研修やマニュアルの中で検討され、実施されているのかということをお聞きしたいと思います。
#63
○参考人(戒能民江君) 一分ぐらいで話さなければいけないんでしょうか。
 本当にそうだというふうに思います。ジェンダーの問題だというふうに思っております。
 これは、やっぱり暴力をコントロール、相手へのコントロールの手段として選んでいいんだ、そして相手を暴力でコントロールしていいんだ、しかもそれが男性が女性をそのようにしていいんだと、そういう社会だというふうに思うんですね。逃げるということも、これもいろんな要素があるかもしれませんけれども、やはり経済的な自立の、経済力の問題とか、今の日本の社会で本当に対等な女性と男性の関係なのかと、そういうことを考えていかなければいけない。
 それから、もちろん、男だったらそのくらい暴力を振るって当たり前だというような男らしさの覊絆に縛られているという問題とか、これは正しく、別に難しいことを言わないでも、対応している現場の方、例えば行政の方でもそういう意識が、御自分が職場でどうなのか、御自分自身がふだんの生活の中でどうなのかということを実は問われるわけですね。
 そういう問題としてとらえていかないと、やっぱり特殊な例外の問題になってしまうというふうに強く感じておりますので、やっぱり基本、根本的にはそこの社会の在り方の問題をこのDVの問題は問い掛けているんだというふうに私は考えております。
#64
○参考人(原田恵理子君) 私は、やはり早めの対応だと思います。
 DV等がジェンダー問題であるというのはよく言われていて、その内容を説明するのはちょっと今はできませんが、子どもの教育の問題とか、それから先ほども言いましたが、加害者が児童虐待の被害を受けているということも大変ありますので、そういうつながりも含めて対応、早めの対応ということがやっぱり必要だというふうに思います。
 それから、私自身も含めてですが、やはり援助に携わる側、そこがジェンダーバイアスといいますか、この社会にある様々な思い込み、社会通念、それを内面化してみんな暮らしているわけですね。だから、そういう自分たちの在り方がやっぱり問われないことにはなかなか援助は難しいというふうに感じております。
 ですから、研修についても、先ほど時間がありませんで言いませんでしたが、相談員だけではなくて、役所は特にピラミッドですので、管理職の方の研修を是非お願いをしたいというふうに思います。
 そういうことで、よろしくお願いします。
#65
○参考人(大津恵子君) やはり時間の掛かる問題だと思います。長く私たちは男性社会の中で生きてまいりまして、今、それぞれのジェンダーということで言われてきていますけれども、そうなってきた長い年月を、今度は長い年月を掛けて、やはりお互いにどうやって共生していくかということを考えていく必要があると思います。
#66
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者からの暴力は、女性の人権を著しく侵害する社会的な問題であると同時に、男女の固定的な役割分担ですとか、特に経済力の格差、それから男尊女卑意識がまだ残っているとか、我が国の男女が置かれている状況が皆反映していると思います。
 ですから、男女共同参画社会を形成していく上で、この暴力の問題というのは克服すべき大変重要な課題であるというふうに認識しておりまして、内閣府の方では、平成十四年の二月、平成十五年の二月、それぞれ研修を実施しておりますが、そういった際にも是非そういう認識を持っていただくように努力しております。
 そしてまた、平成十四年の場合は婦人相談員の方を対象の研修でしたが、平成十五年はそういった相談に対する責任を持つ立場にある方たちの研修を行う、そしてまた、その際に民間の団体の方たちの知見もいろいろ御披露していただくというふうに、今までいろいろ問題提起いただいたことをこれからも十分踏まえて対応していきたいと思っております。
#67
○政府参考人(岩田喜美枝君) DV法にはっきり明記されておりますように、被害者に対して適切な保護と支援を行うためには、職務の関係者に研修を行うということが大変重要であるというふうに考えております。
 従来からそういった研修は行ってまいりましたけれども、あのDV法の施行を契機に、十四年度から更に本格的に取り組んでおります。厚生労働省自身が主催をしたり、後援したりした全国的な研修が十四年度には九回ございました。また、是非都道府県に主体的に関係者の研修を実施していただきたいということで、十四年度から研修のための補助金制度も設けているわけですが、婦人相談所、婦人保護施設、母子生活支援施設、福祉事務所、そして民間のシェルターなどの団体、これらの方を対象に合同の研修を実施していただくように助成制度を始めております。
 十四年度の実績を見ますと、四十七都道府県のうち三十九の自治体で実施をしていただいておりますので、これを更に推進をしたいというふうに思っております。そのときに、職務の関係者として、DVの被害者に対して保護や支援をするためにどういうプログラムがあるか、どういう手法があるかということについて研さんを積んでいただくのはもちろんですけれども、DVの特性についての理解とか、今、正に話題になっておりますような、その背景にあります日本の社会における女性の現状といいましょうか地位、そしてこの問題が女性の人権に対する大変深刻な侵害であるということも、そういうこともしっかり研修をしていただいております。そのために、学者の方をお招きするということもございますけれども、現に現場でそういった被害の支援をなさっておられるような民間の、現場での経験者なども講師にお招きして研修を進めさせていただいております。
#68
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 質疑も尽きないようでございますけれども、予定の時間も参りましたので、以上で参考人及び政府等に対する質疑は終了いたします。
 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重で有意義な御意見をお述べをいただきまして、誠にありがとうございました。ただいまお述べをいただきました御発言につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じます。本調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
 次回は来る五月七日午後一時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後三時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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