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2003/05/07 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第6号
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2003/05/07 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第6号

#1
第156回国会 共生社会に関する調査会 第6号
平成十五年五月七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                橋本 聖子君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                南野知惠子君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                風間  昶君
                弘友 和夫君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会に関する調査
 (「共生社会の構築に向けて」のうち障害者の
 自立と社会参加に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 共生社会に関する調査を議題といたします。
 「共生社会の構築に向けて」のうち、障害者の自立と社会参加に関する件について、本日は二時間程度、おおむね午後三時をめどに委員各位の御議論を伺いたいと存じます。
 この件につきましては、これまで政府からの説明聴取並びに質疑を、また、参考人からの意見聴取及び質疑をそれぞれ行ってまいりましたが、本日は、お手元に配付したテーマに沿って委員間で御議論をいただきたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず、各会派からそれぞれ五分程度で御意見をお述べをいただきまして、その後、委員相互間で自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言願います。
#3
○清水嘉与子君 ありがとうございます。
 昨年の通常国会におきまして、小野会長の下に新たなメンバーによります共生社会調査会がスタートを切ったわけでございまして、スタートのときには、理事会におきまして検討すべきテーマとして選ばれたのが、障害者を中心に、必ずしも障害者だけでなくて、高齢者でありますとか子どもなども含めた、いわゆる社会的な弱者と言われる人たちが生活しやすいバリアフリー社会を実現しようということを目指してスタートしたというふうに思います。
 しかし、緊急な課題であります児童虐待の問題をまず最初に取り上げてということでございます。それもいたしましたし、また、配偶者に対する暴力防止法についてのフォローということがこの調査会のテーマでもございましたので、つまり三つの課題が同時並行して続いてきたというふうに思います。
 その児童虐待につきましては、法律ができまして以降かなりの多くの事件が顕在化いたしまして、政府におきましても検討が始まり、児童福祉法の改正作業が進められているということでございますし、また児童虐待防止法につきましても必要な法改正が行われる機運が高まってきているわけでございます。
 また、DV法につきましては、当調査会におきまして見直しのプロジェクトチームも立ち上がり、積極的な作業が進められているというところでございます。
 残りますのがこの障害者の問題でございます。この障害者の問題につきましては、日本の現状を見ますと、身体障害者、知的障害者、精神障害者のうち、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者、こういう方々に対して、まず包括的に基本理念等をうたいました障害者基本法、そしてまた、それぞれの障害ごとに福祉施策を充実するためのそれぞれの法律が制定されているということでございまして、これまでも政府の側からいろいろ御説明も伺いましたけれども、近年かなりこの福祉施策が充実してきているということは認められるところでございます。
 しかし、今申し上げましたように、いずれにいたしましても、一定の範囲に規定された障害者の方々、その方々の福祉施策を進めるために制定されたそれぞれの法律があるということでございまして、もちろん、そのそれぞれの法律の中には障害者の社会参加と自立を推進するんだということはうたわれてはおりますけれども、障害の不自由度の重い方々をより厚く保護するというようなことに力が注がれておりまして、また各障害ごとの福祉施策の中にも格差があるというのが実態でございます。
 調査会におきまして、これまで国内での視察、あるいは参考人からのヒアリング、あるいはアメリカ、カナダでの視察等も含めて検討してきたわけでございますけれども、実感として、私も、日本のいわゆる保護政策と言って、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、この保護政策をこのまま充実していってもやはりなかなか本当に障害者の自立とか社会参加の問題が解決しないのではないか、障害者が満足できないということを実感としているわけでございます。
 障害があるというだけで、学校で学ぶこと、あるいは仕事をすること、あるいは社会で暮らすこと、こういうふうに一般の人が普通にできる機会を奪っている。これは障害のない者が勝手に決めたルールに従っているわけでございまして、私たち、視察の中でも、重い障害を持ちながらも自分の能力を開発しチャレンジしている方々の姿に何度も接することができまして、大変な刺激を受けてまいったわけでございます。福祉施策の充実はもちろんでございますけれども、やっぱりチャレンジをしたいという方にチャンスを平等に与えることが必要であるというふうに思います。
 そういう意味では、多くの参考人の方々から指摘されました障害者差別禁止法のようなものがやはり必要なんじゃないかという感じもいたしますけれども、日本においては既に障害者基本法という包括的な法律もございまして、この障害者基本法には、ちょっとやはり規定の仕方が甘いと思いますけれども、すべて、いろんな努力規定が規定されているところを義務規定に変えなきゃいけないところもたくさんあると思いますが、この障害者基本法の改正ということも視野に入れながら検討を進めていってもいいのではないかというふうに思うわけでございます。既にこの辺を視野に入れながら検討を進めているところもあるというふうに伺っておりますので、これも十分検討していきたいというふうに思っております。
 ただ、法律の整備で実態が変わるというわけじゃございません。そういうことはもう幾つかの実態から分かっているわけでございまして、調査会といたしましては、障害者にとっての差別、バリアの現状をやっぱり直視しながら、具体的にそのバリアを低く、なくす作業をしなきゃならないんじゃないかというふうに思います。
 例えば、障害者が施設から在宅へ進めようということはいつも言われているわけでございますけれども、実際には住宅の問題、グループホームの整備でありますとか、単独入居可能な住宅も余りできておりませんし、また、学校での障害者理解のための教育でありますとか、あるいは障害児の医療的ケアの実施体制の整備あるいは雇用対策の問題、あるいはここでも参考人からも言われましたけれども、選挙権の行使の問題、あるいはもう議会の、私たちが取り上げている議会の中でつえの問題をどうしようか、これももう解決しないようなことでございまして、実際には解決していかなきゃならない問題が目の前にたくさんあるんじゃないかというふうに思っております。もとより、必要があればそれぞれの必要な法整備も検討すべきではないかというふうに思っております。
 最後に、今後、超高齢化が進むわけでございまして、障害者がもっと多くなる、あるいは高齢者がもっと増えてくる、そういう社会を考えますと、社会全体を、もう物理的にはバリアフリー、ユニバーサルデザインを基調とする町づくりに変えていく必要があるというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#4
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。
 障害者の自立と社会参加に関する件につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 この調査会におきましても、障害者の自立と社会参加に関する件で様々な参考人あるいは関係当局からのいろいろな御意見を承ってきたわけでありますが、この際、この調査会の一員として是非申し上げたいことは、やはり戦後続いてまいりました障害者法制、あるいは更に申し上げますと障害者に対する施策の抜本的な枠組みというもの自体を見直すということ、あるいは少なくともそのことについての検討をするという視点がやはりこの調査会としては必要ではないかというふうに思います。
 恐らく、個別の関係法あるいは個別の関連施策についての様々な問題点あるいはその改善についての提案というのは、ここにお呼びをいたしました参考人の方々からもいろいろな研究あるいはいろいろな実態調査あるいはいろいろな提案が行われているということは我々も十分勉強になったわけでありますけれども、しかし、やはりいろいろな参考人あるいはいろんな実態あるいは現地調査を見てみますと、どうしても現在の法律の枠組みに限界があるということを感じざるを得ない。そういう意味で、法律の枠組みあるいはその前提というものを見直すことができますのは関係省庁ではなくて正に国権の最高機関であります国会でありますので、国会がその点についてはやはり率先してそうした議論あるいはその機運というものを盛り上げていく必要があるというふうに考えております。
 この際、私はやはりもう一度この障害者という言葉、用語というものを本当にこのまま使い続けることが適当であるのかどうかといったことについてもここできちっと議論をしておく必要があるんではないかというふうに思います。
 この調査会でも現地視察をいたしました神戸市の社会福祉法人でありますプロップ・ステーションではこの障害者という用語は使わずに、先ほど清水議員からもお話がございましたけれども、正に挑戦をする、挑戦をする使命を与えられた人という意味でチャレンジドという言葉をあえて使っております。ハンディキャッパーではなくてチャレンジドなんだと。
 別にこの用語をいわゆる国のレベルで直ちに採用しろとは申しませんけれども、やはり用語の使い方というものはある意味で思想をかなり反映した、あるいは障害者という問題、あるいはこの問題に対する問題認識を非常に的確に反映をしているということもございますので、まずこの点について問題提起をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、今日、私が主として申し上げたいのは、正に我が国における障害者の法的定義の問題でありまして、この点も清水議員がお触れになりましたけれども、清水議員から御紹介がありましたように、我が国においては障害者については、身体障害、知的障害、精神障害と分類をいたしまして、「長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」ということで定義があるわけであります。更に申し上げますと、国際連合でも障害者を、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために通常の個人又は社会生活に必要なことを確保することが自分自身では完全に又は部分的にできない人と定義をしています。
 近代法のフレームワークからすると、ある人を、まず障害者という概念を定義をし、そしてだれが障害者に当たるのかということを認定をし、そして、特にこういった障害者法制あるいは障害者施策については更に等級を決めると、こういうフレームワークを採用せざるを得なかったと。もう少し言いますと、リーガルエンジニアリングという言葉がありますけれども、人類の英知が二十世紀において積み上げてきた、何といいますか、知恵からすれば、定義をし、そして認定をし、そして等級を決め、そしてそれに対して経済的な支援策を中心とした施策を講じていくと。
 こういうことが二十世紀では、何といいますか、努力の限界であったわけでありますけれども、しかしやはりこの二十一世紀という時代を踏まえて、もちろん法律でできること、法律だけではできないこと様々ありますけれども、やはり原点に立ち返ってそうしたことについての検討をしていくべきだというふうに思います。
 特に、やはりこの定義論、更に申し上げますと、その認定論というのは個別にはいろいろな問題が提起されております。例えば、てんかんとか自閉症とか難病とかという問題がどうしても現在のいわゆる身体障害あるいは知的障害、精神障害の枠組みから漏れてしまって、明らかに社会的な、社会通念上の感覚からすると、常識からすると明らかにおかしな、不釣合いな認定と、そして等級の等級付けと、そしてそれに対する整合というものが常に、常に指摘をされ続けていくという構造が続いております。
 もちろん、そのことを指摘をし、そして少しでもその、何といいますか、不整合を修正をしていくという努力は大変に重要でありますし、そうしたことに日々当たっておられる関係者あるいは行政の機関には私たちは大変に敬意を払いますけれども、しかし、そういうフレームワークを見直す必要がやっぱりあるんだろう、そのことを提起するのは私は国会なんだろうというふうに思っております。
 それから、そういう意味で定義論、それから等級、そして認定ということのフレームワーク自体、これに代わる知恵を私は直ちに持ち合わせているわけではございませんけれども、そうした方向で議論を進めるんだ、あるいはそういう知恵を世の中全体から集めるんだというメッセージを国会が発することによって、そうした方面で、学識経験の方あるいは現場の方々がそういった方向に知恵を活用するという機運を盛り上げていくというイニシアチブを取ることが必要だということを申し上げているわけであります。ということと、それからあとは、やはり二十世紀から二十一世紀にかけて生じておりますいろいろな社会的な変化というものを十分に踏まえるべきだと思います。
 私は情報社会論の少し専門の勉強をいたしておりまして、特に障害者に対するITテクノロジー、情報技術を使った支援について少し勉強なり研究なりをしてき、そしてそれをボランティア活動でも少しお手伝いをさせていただいた者でございますが、そうしたやっぱり人間の情報処理あるいは情報編集活動を補完する技術、あるいはそのツールとしてITというものが出現をしてきたということは極めて大きな要素だと思います。今までは、主としていわゆる移動の障害に対して一定程度の道具といいますか、機器による補完というのがございましたが、それ以外の人間の知的生産活動、知的活動についての補助をするシステムないしツールが出てきたということについて、まだそれを正面から法律あるいは施策を構築する上でとらえていないというふうに思いますので、その点について一つは指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それから二つ目は、明らかにこの医療の革新という要素をどのようにこれから考えていくかということでございます。特に、再生医療技術というものが今までは研究段階にありましたものが、いわゆる臨床の現場において再生医療技術というものが普及をしてきております。
 今まで障害というのは、正に長期にわたって相当な制限を受ける者ということで、不可逆なものについて障害者と認定をし、そしてその生活を支援するという枠組みでできてきたわけでありますが、再生医療がこれから十年、二十年の間で急速に普及をしていきまして、今まで不可逆だと思われていたものが治癒はするという可能性が増えてくるということになります。
 そのことはもちろん人類あるいは社会にとって望ましいことなんでありますが、しかし、そこに非常に皮肉なことが起こりまして、要するに治癒が可能であるから、これは難病においてそういう現象が起こっているわけでありますが、治癒するかしないか分からないと、その治癒しないということが確定をされないと障害者として認定をされない。治癒するかもしれないというこの要素を、その施策と定義と認定の問題の中にどういうふうに考えていくのかという問題についても、再生医療技術が普及した時代における障害者施策というものをどういうふうに考えていくかということでございます。
 それから三つ目は、もちろん私は自立をし社会参加をすることというのは大変望ましいことだと思いますが、ここで我々が陥ってはならないのは、ライフスタイルあるいはいわゆる多様な価値観というものを非常に重要視すべきだということであります。自立をしたいと望む方には自立を勧めるべきであると思いますし、社会参加をしたいと思っておられる方は社会参加を支援すべきだと思いますが、ある一様なライフスタイルをまた押し付けることになってしまってはいけないということで、それぞれの方々の望む多様なライフスタイル、それから同じ方々でも人生のステージにおいてその望むライフスタイルというのは違うわけでありますから、そういった価値観あるいは生活観の多様化という問題についての問題を時代認識として認識をしていくべきだということであります。
 それから最後に、現在の障害者施策というのは、結局のところは経済的な支援というものを中心としてまいりました。しかしながら、清水議員もおっしゃっておられましたけれども、これからはやっぱり人間の尊厳、あるいはその機会をどれだけ付与していくか、学習機会とか就業機会とかですね、そうした様々な非経済的な支援策というものについてどこまで法律というものが、あるいは国家というものが立ち入れるのかどうかということについて、これも非常に大きな挑戦だというふうに思います。
 それから、これと絡みますけれども、最近はPPP、プライベート・パブリック・パートナーシップという言葉がございます。正に、今までは憲法二十五条で国家の必要最小限の責務としてもちろん障害福祉政策というものを行ってきた。これは当然でありますけれども、しかし、非常に重要なプレーヤーとしていわゆる民間の支援機関、その中にもちろん営利と非営利と、こういうふうにあると思いますが、それからガバメントではないパブリックなるもの、そうした経済主体と、それからNPOのような公共的な主体、そして政府のような主体と、この三者がいかに役割分担をし、そしてうまく連携をするかといった総合的な施策論についても検討をしていくべきだというふうに思っております。
 以上のような大きな社会の変化、それから価値観の変化がある中で、是非これを機会に障害者施策あるいは障害者法制の根本からの議論を強く望みまして、私の発表とさせていただきたいと思います。
#5
○山本香苗君 障害者の自立と社会参加についての意見を述べさせていただきます。
 これからの日本社会の目指すべき姿というのは、当調査会の名称でもございます共生社会だと思っております。障害を持つ人々もそうでない人も同じように教育を受け、仕事を持ち、収入を得、家庭生活を営み、自由に移動し、文化、芸術、スポーツなどに参加するなど、すべての社会生活及び社会活動に参加する機会を平等に得られるような社会、すなわち、すべての人が人間として大事にされ、人権が花開く人道の社会、こうした共生社会の実現というものを私たち公明党は目指しております。
 そこで、まず最初に申し上げたいと思いますのは、我が党は、交通や移動、雇用、教育等あらゆる分野で障害を理由にした差別をなくす法律の制定が不可欠であると強く認識しておりまして、今までもこの実現を一貫して訴えてまいりました。今後もこの実現に向けて積極的かつ具体的に取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、本件に関します参考人の先生方からも御指摘がございましたとおり、法律だけを作っても不十分、法律だけでは差別をなくすには不十分でございまして、これを下支えするような手厚い仕組みの構築が必要であるということを申し上げたいと思います。すなわち、障害者を従来の措置の対象から権利の主体へ、そして一方的、画一的な保護から自由な意思に基づく自立支援へと大転換を図ることが必要だと思います。
 この点につきまして、我が党は、障害の程度及び態様に対応しましたきめ細やかな柔軟な自立支援の実現の具体策といたしまして、雇用対策の強化、所得保障の確立、精神障害者に対します福祉サービスの向上、情報バリアフリーの環境整備などが必要であると、一昨年六月の「「共生社会」の実現をめざして」と題します提言の中で提案しておりまして、その理念や具体策をより一層施策に反映していきたいと考えております。
 しかし、実際いろんなところを視察させていただいたりする中でも感じましたが、障害者をめぐる環境、特に雇用におきまして、障害者の方々が働きたいと思っても、その雇用の機会が確保されない、またこの厳しい雇用の情勢の下、ますます確保されにくくなっているという現実がございます。就労可能なレベルまでの教育や職業訓練の機会が十分に確保されていないこと、必要な法的、制度的支援システムが不十分であること、建物の構造や交通、情報などに障害者がアクセスしにくいことなど、障害者の前に立ちはだかるこれらの障害一つ一つを取り除きながら、積極的に障害者の自立と社会参加の支援を図ってまいりたいと思います。
 さて、ちょっと話は変わりますが、この二月に、先ほどもちょっと関連した研究がございましたが、我が党におきましては、障害者等の投票機会の拡大についても提言を発表させていただいております。この中におきまして、障害者や難病者のための郵便投票制度の簡素化と対象者の拡大、代理投票制度の導入など、投票環境のバリアフリー化を進めることによりまして、政治参加の機会拡大を図ることとしております。
 具体的に、選挙管理委員会と障害者の障害の程度を認定します自治体当局が連携することによりまして、郵便投票証明書とか交付申請手続を省略して、郵便投票の対象者に対して郵便投票が可能な投票用紙を交付することを検討するとしております。さらに、重度のALS患者など自書ができない方のために、公平公正な認定基準と厳格なルールの下で、代筆によります代理人投票を認める制度の導入を目指していきたいと思っております。このほか、視覚障害者のための点字による郵便投票、在宅投票におけます投票補助者制度や巡回投票制度などの導入も視野に入れて検討していきたいなと思っております。
 ともあれ、いろいろ申し上げましたが、我が国におきましては、これまでは障害者は特別といった意識があったんではないかと思います。他方、幾ら健常者であっても、いつ何どき心身が不自由な状況になるか分からないことでございますし、また年を取れば、軽い障害があるような状況になるということも視察で学ばせていただきました。だれしも全く他人事とはとらえられないことなんだという認識も以前よりかなり広く認識されてきているのではないかと思っております。
 障害者、障害を持つ方が社会に合わせようとするのではなくて、社会の側が障害を持つ人に合わせる、それによって障害者に対してだけではなく、すべての人に優しい社会になるんだというユニバーサルな発想に立って、今後も必要な法律や制度の整備に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
#6
○林紀子君 日本共産党の林紀子です。
 私は、今日示されております項目に従って、障害者の自立と社会参加についての意見を申し上げたいと思います。
 まず、バリアフリー社会についてですが、関根千佳参考人の発言した、バリアフリーとは、健康な成人男子向けの町や物から障害者などが使いにくい部分をなくしていく、一方ユニバーサルデザインとは、障害者などが初めから使えるようにと考えること、この説明は大変分かりやすいものでした。ここに共生社会の考え方の基本があると思います。
 そこで、公共的な既存の建物については、目標を持って改善計画を作らせ、財政的な補助を国が行い、また新たに公共的なものを造る場合は、規模による除外規定なども外して、ユニバーサルデザインとすることが大切だと思います。また、公営住宅法での障害を理由とする入居制限をなくして、障害者向けの公営・公団住宅の建設促進、ケア付き公共住宅をもっと建設していくべきではないでしょうか。
 交通バリアフリーについては、更にJRや大手私鉄などへの指導を強化すること。また、秋山哲男参考人の発言、都市部だけに限らず、全地域で障害者などの便利で安全な移動手段確保は重要な課題だと考えます。
 先ほど来お話がありましたが、ITが障害者にとってどんなに大きな味方であるかは今回の調査でよく理解することができました。しかし、現在の障害者情報バリアフリー化支援事業では、パソコン本体は事業の対象になっていない、またソフトも使えないものがある。是非、助成限度額も引き上げて、急いで対象とすべきです。また、障害者が使いこなすための講習も是非やってほしいところです。
 次に、教育、就労環境についてですが、障害児の発達と教育の保障のためには、地域に身近に通える小中学校の障害児学級や養護学校、養護学校高等部を計画的に増設するとともに、すべての子どもに教育を保障するため、訪問教育や院内教育の充実が必要です。障害児一人一人に合った就学ができるように、専門家集団による就学相談を充実させ、学校のバリアフリー化や教職員の体制について、この専門家集団が行政に勧告できるような権限を持たせることも必要です。
 深刻な不況の下で、障害者がリストラの矢面に立たされています。働く場の確保のため、一・八%という法定雇用率も、また納付金も引き上げ、対象となっていない精神障害者の雇用義務化を図る必要があります。未達成企業の社名公開につきましては、国の情報公開審査会が答申を行いましたけれども、これも含め、政府は雇用促進の指導を徹底すべきです。
 また、石渡和実参考人や兒玉明参考人などから強調されましたように、無認可小規模作業所は、長年、地域社会の中で障害者の自立支援と社会参加を支えるという大きな役割を果たしてきました。社会福祉法人化を進めるだけでなく、法人取得困難な小規模作業所に国庫補助を行うことはどうしても必要なことです。小規模通所授産施設についても補助金を増額し、支援費の対象とすべきです。
 障害者の権利・法制という件につきましては、関係者の大変な努力で、障害者の施策は、一定の前進はあるものの、現実は依然として厳しいというのが今回の本調査会での論議を通しての感想です。
 現状の、障害ごとに法律、施設体系、福祉施設などが設定されているのを改めて、ICFにより障害者の範囲を拡大し、総合的な障害者福祉法を制定することが求められるのではないでしょうか。
 また、おいでいただいた多くの参考人が述べられたところですが、アメリカのADA法は世界に大きな影響を与え、既に世界四十か国以上で差別禁止法が制定されているのに、我が国にはいまだにそうした法律はなく、この面での立ち後れは明らかです。障害者に対する人権侵害や差別のない社会を目指す障害者差別禁止法の制定は急がれます。
 その際、瀧澤仁唱参考人の、障害者間の能力に差があることを直視して、社会保障制度を充実させた上で差別禁止法を重畳的に適用させるべきだという指摘は大変重要なことだと思いました。
 最後に、この四月から支援費制度が始まりました。制度の充実に向け、障害者が選べるような基盤整備を進めること、国が公平で合理的なサービスの基準を示すこと、同時に、介護保険のようにケアマネジャーも必要ではないでしょうか。障害者が本当に自立して生活できるような支援費制度にしていく必要があると考えます。
 今回行った調査を実りあるものにしていきたいという感想を申し上げまして、意見表明といたします。
#7
○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。
 私は、共生社会の構築というのは、やはり人々が前向きに、そして充実感のある生活を送れる社会を作ることだと思います。私は、前にもこのことを質問した、お話ししたんですけれども、男女の平等というか、男女が共々力を合わせて生きて、構築していくということがとても幸せ感を呼ぶと思うんですが、象徴天皇の天皇制についてちょっとお話ししたいと思います。
 私は、これやはりどう考えても、男女ともに天皇になることが可能なようにすべきだと思うんです。それがやはり私たちに明るさをもたらすと思っています。そして、天皇はその地位を引くことができないようになっております。これはやはり大変暗いあれが残ると思うんです。天皇でも男女ともに天皇の地位を退くことが可能のようにするべきだと思います。それは本当に一人一人の人権で守られていることだと思います。
 そして、憲法一条から八条を、天皇のことが一番最初に憲法に出てくるんですけれども、やはり憲法一条から八条、国民の権利及び義務の規定後に書いていただきたいと思うんです。
 それから、選択的夫婦別姓についてなんですけれども、婚姻後、夫婦が別の姓を持つことができるようにとなるのは、これはやはり当然のことだと思います。決して男性の名前を継がなければいけないというそういう法律はないんですけれども、今は習慣的にそうなっておりますが、やはり婚姻後は夫婦の別の姓を持てるということにした方が、やはり私はそれは男の人と女の人が平等に社会を構築していくのに大変必要だと思います。
 今日は、私は、そのことで終わります。
#8
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 私は、今日、三点申し上げたいと思います。
 この共生社会に関する調査会で障害者の問題を取り組むことで、私自身も非常にたくさんの視点を獲得することができて非常に感謝をしています。
 私は、障害者の人は例えば十普通やれるところを五しかできないので、その五の部分をどうやって補助していくかというふうに実は思っていたのですが、参考人の方たちやいろんな意見を聞く中で、いや、そうではないのだと。先ほどユニバーサルデザインの話が出ましたけれども、すべての人が生きられる社会ということを目指すことにあるのだということをこの調査会の中で獲得することができて非常に有益であったというふうに思っています。
 健常者という人はいないかもしれない。私たちも病気になったり、妊娠をしたり、子どもを抱えたり、高齢者になったり、様々なハンディを持つわけで、実は私もコンタクトレンズをはめるある種のハンディを持っておりまして、そういう意味ではすべての人が何らかの何かをやはり持っていることも事実であり、状況によっては非常にバリアフリーを心から望むような事態もたくさんあるわけですから、その意味で、すべての人が生きられるという意味で、障害者の問題にこの共生社会で皆さんとともにもっともっと取り組んでいきたいと考えています。
 障害者差別禁止法、それから障害者基本法のことについてお話をしたいと思います。
 今年は障害者施策の転換期で、措置から契約へ、障害を持つ人自らが必要な福祉サービスを選び提供者と契約する支援費制度が導入をされます。障害を持つ人を福祉では保護から権利の主体としてとらえるにもかかわらず、法律は残念ながらそうなっておりません。障害を持つ人を権利の主体としてとらえる、包括する人権法を策定しなければならないというふうに思います。
 例えば、ガイドヘルプ制度もこの調査会の中で職場に行くときも使えるようにしてほしいと質問しましたが、駄目であると。そうであると、結局、雇用、障害を持つ人の労働の権利がなかなか保障されないということも大変あります。
 国連社会規約委員会の勧告は、委員会は、締約国が障害のある人々に対する差別的な法規制を廃止し、かつ障害のある人々に対するあらゆる種類の差別を禁止する法律を採択するよう勧告すると、二〇〇一年八月に言っております。勧告は極めて重要な中身です。
 また、障害者インターナショナル世界会議札幌宣言でも、「我々はすべての国が差別禁止法を採択し実施すること、及び障害者への機会均等を保証する政策を実施することを要求する。」というふうに言っております。
 国連でも、障害者権利条約採択のための検討委員会が活動を始めております。その意味では、立法機関が障害者のための包括的人権法を作るということに大きく踏み出すべきではないでしょうか。
 障害者差別禁止法への立法アプローチとしては四類型あると言われています。刑法的アプローチ、障害のある人に対する差別や権利侵害に刑罰などの罰則を定める。二番目、憲法的アプローチ、憲法で差別を禁じているものを列挙したものの中に障害を入れる。三番目、民法的アプローチ、公民権モデルに従い、社会の構成員全員に同等の権利を保障しようとするもの。法律の中に第三者機関やオンブズパーソンなどを定める。アメリカADA法やイギリス、フィリピン、スウエーデンなどに例があります。四番目が、社会福祉法的アプローチです。その中で、是非民法的アプローチを強調した差別禁止法が必要ではないでしょうか。
 なぜ現行の障害者基本法ではいけないかといいますと、三点申し上げたいと思います。
 基本法の一条では、自立と社会、経済、文化その他あらゆる活動への参加の促進が明記をされています。しかし、その一方で、基本的理念、三条二項では、すべての障害者はあらゆる分野の活動に参加する機会が与えられるとなっており、機会は恩恵的に与えられる対象とみなされ、障害者の社会参加を権利として保障することにはなっておりません。
 また、基本法は、旧法、心身障害者対策基本法の優生思想と深く結び付いた心身の障害の発生予防又は更生と保護に基づく古くからの障害者施策の要素を根強く残しております。
 また三番目に、自治体の障害者計画の策定を始め、介護や雇用等の各基本的施策に関する規定が努力規定の枠内にとどまって、国及び地方公共団体が行う施策の推進法の域を出ていないために裁判規範とはなり得ていません。障害当事者が具体的人権侵犯事案を裁判所に訴えた場合に、努力を払っているということさえ言われれば敗訴をしてしまう、裁判規範として具体的に役立たないということは弁護士などからも強く言われているところです。
 人権擁護法案が国会に提出をされておりますが、人権侵害救済の実効性がない、障害の定義が狭い、雇用による差別、虐待が入っていない、パリ原則を遵守していないなどの問題点があります。その意味で、一つは基本法の改正あるいは現行における運用の見直しも必要ですが、是非、障害者差別禁止法を作るべく、政党としても個人としても国会としても努力をしていきたいというふうに考えています。
 二つ目は、立法機関から変わろうということで、ちょっと宣伝になりますが、例えば熊本、宮崎、鹿児島で、具体的に車いすの人たちあるいは松葉づえをついた人たちが県会議員になりました。車いすの方が県議会に立候補したときに、バリアフリーに県議会をするとお金が掛かるというキャンペーンも張られたんですが、当選をしました。立法機関におけるバリアフリーということをもっともっとやはりやっていく必要があるのではないでしょうか。
 国会ではつえをつくのに許可が必要です。でも、私たちが町を歩けば松葉づえの人もベビーカーを押す人も車いすの人もたくさんの人がいらっしゃるわけで、是非立法機関の運用を変えるべく共生社会の中でも努力をしたいし、地方議会の実態も調査をしたいと考えています。
 三番目は、選挙のことについて先ほど発言がありましたが、是非、選挙におけるバリアフリー、車いすの問題、あるいはいわゆる寝たきりで外出できない人のための立法、あるいは運用面についても、国会の中で提案をしていきたいと考えています。
 ありがとうございます。
#9
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 次に、お手元のテーマに沿って委員相互間の意見交換を行います。お手元にあろうかと思います。
 御意見のある方は挙手をしていただきまして、会長の指名を待って発言されるようお願いいたします。
 なお、多くの方が御発言できますよう、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきます。
 まず最初に、バリアフリー社会について御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 それでは次に、教育・就労環境について御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 後ほど、そのバリアフリー社会についてのもし御質疑があるようでしたら、その際それをお述べになってからおっしゃってください。
 教育・就労環境について、御意見のある方は挙手をお願いいたします。
#10
○羽田雄一郎君 今、ずっとお話を聞かせていただいて、やはり障害者ということだけではなくてすべての人が障害を持つ可能性もあるし、すべての人が完璧でないという中で、教育現場は今、少子化によって空き教室があったりするわけですから、今まではどちらかというと、隔離政策といいますか、特別な人というような感覚があったのを変えていく必要があるんじゃないかと。それに一番必要なのは、小学校とか幼稚園、保育園等々で、やはり一緒に生きているという感覚ですね。そういう差別のない中で助け合いながら生きているんだという感覚を持つことが大切であって、我々は大人になってから共生社会、共生社会と言ってもなかなか難しい問題と。
 また、特別という感覚を持ってきていますから、私なんかも高校入るまではもう全然知る世界ではなかったですが、キリスト教の学校に行って障害を持っている人たちの施設なんかに訪問をさせていただいたり、また保育園なんかでも障害を持っている子どもと持っていない子どもが一緒に過ごしているのを見て初めて、ああ、こういう姿が本当なんだなということを知ったわけですから、やはりそういう意味では、そういう空き教室なんかが養護学校の教室になったり、共にできることはすると。まあ、ハンディがあってできない部分は別にするにしても、そうやって共に生きているんだ、助け合って生きているんだという感覚を持たせることが必要なんじゃないかなというふうに思いました。是非そのことも御検討いただきたいなと思います。
#11
○福島瑞穂君 私も同じ見解です。後発的にと言うと変な言い方ですが、ハンディキャップを持つというよりか、交通事故で例えばハンディキャップを持つようになった人とまた違って、やはり教育の中における障害者差別、つまり、男女平等はかなりかなり改善をしてきたという面があると思うのですが、障害者の人たちの教育における平等保障はやはり大変遅れているんではないかと思っています。それがあるために、その就労環境とまたそれがダイレクトに結び付いて、教育を、なかなか学校に行きにくかったりあきらめたり、大学に行きにくいという状況から就労がやはりなかなか結び付かないという問題もあります。ですから、就労環境の改善もさることながら、教育における障害者差別の撤廃、例えば学校教育法の見直しも含めて是非やっていきたいと思います。
 私が障害者差別禁止法を作りたいと思う理由は、例えば、教育の中の男女平等ではありませんが、教育の中の障害者差別の撤廃などを入れることで随分変わることがあるのではないかと思っているからです。
#12
○段本幸男君 各会派からいろんな意見を聞かせていただいて、基本的な基本法の改正であったりあるいは差別禁止法であったり、そういう検討と同時に、差し当たり、福島委員からおっしゃったと思うんですが、できるところからやっていこうと。例えば国会の中でつえを禁止しないようなことをおっしゃっていましたが、私も、是非できるところからこの委員会でもチェックをやってほしい、そういうふうなことを要望したいと思います。
 例えば、一度ここで参考人から意見聞いたときに、パソコンを利用して、障害者ゆえにその感性が生きて非常に能力を発揮するというふうなことが障害者にはあるんだというふうなことをおっしゃった参考人がおられたと思うんですが、今政府がやっている各種の施策でも、ただ障害者のためにとにかくやっていればいいんだというふうな感じになっていないのかどうか、むしろ、障害者の本当に生きるような施策としてやられているのかどうか、こういうチェック。
 あるいは、私は一度小泉議員と一緒に東京の授産施設見に行きましたけれども、授産施設なんかを見たときに、労賃の安い中国との競合問題が起こっていて、授産施設で作った単純なものというのは非常に単価が安くなってもうほとんど買ってもらえないんだと言っていました。そのときに授産施設の人が言っていたのが、せめて行政が優先的に私たちの作ったものをちょっと使っていただければ非常に有り難いんですが、こんなことを言っていました。恐らく、行政に対してこの委員会が少しチェックすればできるようなことではないかと思うんですね。是非、できることをこの委員会としてチェックするような、そういうことも併せ御検討いただければ有り難いと思います。
 以上です。
#13
○鈴木寛君 私も、今お話のありました議員の皆様方に賛成であります。
 特に厚生労働省関係の施設においていわゆる障害者の方々の権利といいますか、そうしたものが十二分に確保されるようにという努力のこの意識というのはかなり徹底をされていると思うんですけれども。例えば、学校教育法に障害者の教育機会の均等を盛り込むという福島議員の提案に私も大変に賛同をしておりますといいますか、私もかなりいろんな教育現場におりましてそのことを痛感をしてきております。とりわけ私立の教育機関においては、対応が極めてこれは二分化されているという現実があります。
 先ほど羽田議員から、羽田議員は私立の高校に行かれましたけれども、そこではむしろそのことを大変に重点的に取り入れられて、いい教育を受けられたという御紹介がございましたが、そうでない私立の学校も極めて多いということも我々認識をしなければいけないと思います。
 今も、ですから、行政機関が、正にこうした障害者にとって非常に自立と社会参加が保障された社会を作ることにイニシアチブを取っていくということは当然でありますけれども、学校機関のように、準という、準が付かないと思います、公共的性格を持つ、これは私立といえども相当な私学助成金なども入っているわけでありますし、学校教育法で公教育というカテゴリーを担っているのが学校法人でありますから、そういった分野について、やはりいま一歩踏み込んだ改革というものがかなり残されているのではないかなということを私も強調させていただきたいと思います。
 それから、バリアフリーではなくてやっぱりユニバーサルデザインなんだということは、これは何度繰り返してもし尽くせないほどこの調査会で確認をしていただきたいコンセプトだということを併せ申し上げたいと思います。
 以上です。
#14
○林紀子君 今、教育の問題についていろいろお話が出ていますが、私は今、常任委員会の方は文教科学委員会に所属をしているので、そこで取り上げたことだったんですけれども、大学生で、ノートテーカー、耳の聞こえない方が、先生がしゃべっていることというのを隣にいて筆記をすると。ただ、何というんですか、先生がしゃべっていることそのものじゃなくて、冗談なんか言ってもそれも含めて書いて、耳の聞こえない方がそれによってどんな授業が進められているか分かるようにするという。そういうことが、かなり専門的な技術も要るわけなのでノートテーカーという人がなかなか見付からないというお話があったものですから、それを取り上げて質問をしたんですけれども。
 そのときの話は、学校側がそういう人をきちんと見付けるような施策をしてもらえれば助かるんだけれども、せっかく大学に行っていても、自分の一週間の時間のうちに半分ぐらいはそういう人を探すために費やされてしまうと、そういう話だったんですね。その人が書いた手記を読んで私が一番びっくりしたのは、ノートテーカーに先生の授業の様子を取ってもらって、ああ、私は今までこういう世界というのは全然知らなかった、こういうことが話をされていたのかというのを聞いて本当に新鮮な驚きを持ったというんですね。
 だから、そういうことでは、その人は高校までずっと自分で、ほとんど独学で、高校には行ったけれども、図書館に通ってほとんど自分で書物を読んで勉強していたというんですね。だから、そういう努力によってそういうふうになったんだけれども、今、小中学校の教育の重要さは出ましたけれども、高等教育というのはなかなかそういう方たちが入っていけるような状況じゃなかったけれども、そういう状況に今なったからこそそういう問題も浮かび上がってきたんだなというのがよく分かったんですね。
 そこで、ようやく私学のところも、そういう求めている人がいますという掲示板ぐらいは出してくれるようになったという話なんですが、それではなかなか追い付かないということで、そういう意味では、障害を持った人たち、それは参考人のお話にもありましたけれども、いろいろな施策をする際に、どれだけ障害を持った人たちの意見を聞いてくれているのか、本当にそれが反映できるような状況になっているのかと、そういうお話もありましたけれども、それは本当に納得できる話だったわけですね。
 ですから、審議会、女性なんかの場合は、審議会は三〇%以上は女性をとかという目標がありますけれども、特に障害にかかわる方たちの施策を進めていく上には、あらゆる部分でまず障害を持っている人たちの、当事者たちの声をきちんと聞いていくと、そういうこともこれから、制度的にしていったらいいのかどうかというのがよく分かりませんが、是非必要なことだなということを感じました。
#15
○神本美恵子君 教育について、先ほどから出ています御意見と一緒なんですけれども、特に基本的に日本の障害児教育については、最初から分けることが基本になっているんですね。
 入学するときに就学指定を、ほかの普通の子どもたちも自分の地域に教育委員会から就学指定があるわけですけれども、障害児だけは就学の前に就学指導委員会というところがあって、そこでこの程度の障害であれば地域の学校に行ってもいい、そこを指定する。こういう障害、この程度の障害であれば養護学校へというふうに教育委員会が最初から分けるということをするわけですけれども、昨年か一昨年の学校教育法の施行規則改正で、本人、保護者の意向を尊重するというふうに就学基準の見直しが一部なされましたけれども、基本的に分けるということが基になっていますので、本人が希望して普通の地域の学校に行ったにしても、そこで十分な教育指導なりケアなりが受けられる体制がないんで、学校現場で、障害者が来てはいるけれどもお荷物的な扱いにどうしてもされてしまったりという現実がありますので、基本的に健常者も障害者も一緒に地域の学校で学ぶというふうな基本スタンスに変えれば、そこから必要な施策はいろいろ出てくると思うんですね。
 ですから、是非とも障害者差別基本法なるものを作っていくとすれば、その中に基本的理念のところをこの、これまで、今日いただいた資料の中にも統合教育という言葉がありましたけれども、ともに学ぶ、基本的な理念をそこに置くということを何らかの形で明文化していただきたいなというふうに思います。
 就労にかかわっても、いったん企業が障害者を採用しても、そこでの人間関係が障害者自身が結べないというだけではなくて、ほかの健常者の方がどういうふうに関係を作っていいかが分からなくて、適応できずに辞めていかざるを得ないというふうな現状も、養護学校の先生からそういうお話を聞いたこともありますので、やっぱり基本のところで共生するということを小さいときから学ぶということを是非とも明記する必要があるんではないかというふうに思います。
#16
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 それでは次に、障害のある人の権利・法制について御意見のある方は挙手をお願いいたします。
#17
○岡崎トミ子君 四月二日の参考人の意見聴取の際、桃山学院大学の瀧澤教授から、差別とはあらゆる機会への参加が規制されることである、制限されることであるということをおっしゃっていらっしゃいました。こうした考え方を基本にして法律を作るということが、当事者が権利を主張する根拠になっていくだろうということも話をされておりましたが、そういう視点に立って記事をちょっと読みますけれども、大変心痛むもので、これからもこれは真剣に取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
 警察庁が、聴覚障害者の運転免許試験の適性検査基準について、これまで委託していた先とは異なる企業、システムソフトに委託しました。その調査研究報告書が昨年の十二月に出ていたことが分かりました。これ、多くの障害を持つ人たちは、実はこのことは知らなかったんですね。四月一日付けの日本聴力障害新聞で報道されて初めて多くの障害を持つ人たちが分かるんですけれども、これは、二年間の調査研究で予算を取っておりましたから今年度も続行されている研究でありまして、その一年目の調査報告書が出されました。
 聴覚障害者の運転は危険という結論ありきの感じで、その結論に沿った意見を主に取り上げるという、非常に問題があるという視点で新聞に書かれてあったわけなんですけれども、実はその聴覚障害者の自動車運転免許取得に関しましては、二〇〇一年の道路交通法八十八条改正によって、耳が聞こえない者には免許を与えないとする欠格条項は廃止されておりますが、そのときに適性試験の聴力検査が残されたままで、事実上改善されていないという状況でございます。その際、こうした適性試験が障害者にとって欠格条項に代わる障壁とならないように配慮していくべきだという附帯決議がなされております。
 実質的な改正に向けた調査研究が注目されていたわけなんですけれども、この委員会の設置で審議ではなくて、民間の調査会社に委託されていたということでございます。
 そして、結果として、警察庁委託・安全運転と聴覚との関係に関する調査研究成績報告書という形でこれは発表されているわけなんですが、私は、内閣委員会の欠格条項の問題での質疑の際にも、こうした当事者が、あるいは当事者団体が推薦した参考となる人たち、そういう方々を是非こうした検討する場に出してほしいというような提案をさせていただいております。
 つまり、研修ですとかマニュアル作りですとか、必要と考えられるものに関しましては当事者団体ときっちり協議をするということ、そして、うまくいった事例、そのうまくいった例を共有してそれを全体に広げていくという意識が必要、どうしたらできるかの発想というのがこのときには大変大事になってくるわけなんですけれども、何としても、基準を策定していくことですとか、こういう具体的なものを作る検討委員会などについては必ず障害者団体と障害者団体が推薦する専門家の参加を可能にしていくというのが大変大事だと思います。
 私は、この共生社会調査会の中でも、やはり障害者が、持っている人たちのニーズ、権利というものが理解できないために、一方的な押し付けによって、結果として本人の気持ちが傷付けられたり、思いが無視されてしまうという権利侵害のケースが非常に相談事の中で多いということでございましたので、これからも、こうした一つ一つの事例について可能となるにはどうするか、どうしたらうまくいくか、こういう発想で考えていかなければいけないというふうに思っております。
#18
○鈴木寛君 先ほども意見で申し上げましたんですけれども、今日のレジュメは、あえて「障害のある人の」というふうに表現をしていただいていることに大変高く私は敬意を表する次第であります。
 なぜならば、障害者とは、これは法律の定義によると、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」、こういうことになっているわけですね。
 しかし、もう多くの議員から議論が出ていますように、長期ではなくて短期であれば、あるいは相当な制限ではなくて軽度な制限であれば、これは、すべての人は身体障害、知的障害、精神障害は短期的に、一時的であれ、あるいは軽度ということも含めば、制限を受ける可能性といいますか、すべての人はこれは、こういう経験は少なくともあるし、そういう可能性はすべてにあるんだということであります。我々はすぐ障害者という言葉を使いますけれども、その障害者という言葉を使った瞬間に、長期にわたり相当なということが掛かってきてしまうんだと。
 私は、やっぱりこの際、是非、障害者基本法というものを見直す中で、この障害者定義、障害者という方を長期と相当というカテゴリーの中に押し込んで、そしてその方々の権利法制を考える、これは当然のことなんですけれども、それに加えて、やはりユニバーサルデザインとかあるいはそういうユニバーサルなコンセプトということは、そして、障害者は他人の話であると、こういう風潮、あるいはそこから差別というものが発生をしてきます。
 という意味で、是非この「障害のある人の」というふうに非常に言葉を選ばれた会長及び事務局の精神といいますか、基本的なこの問題に対する姿勢というものを今後のこの会での議論あるいは障害者基本法の在り方を見直す上でやはり根本に、基本に据えて私はその議論を進めていくべきだということを再度強調させていただきたいというふうに思います。
#19
○会長(小野清子君) ありがとうございます。
 それでは、御発言が途切れましたので、「障害者の」と、こうなっておりますけれども、障害者の自立と社会参加に関して何か御意見ございましたらお願いしたいと思います。障害者というより障害を持った方のという言葉に換えても結構でございますけれども、けがをすればいっときの障害ということにもなるわけですが、自立と社会参加ということに関してはやはり長期にわたる方を対象にしているので、この際は「障害者の」という言葉で一応くくらせていただきました。
 御意見のおありの方は挙手をいただければと思います。──御意見もないようでございますので、それでは、委員各位には、御意見の交換はこの程度で終わらせていただきます。
 大変貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理をいたしまして、各理事とも御相談の上、中間報告書の取りまとめに向けて対応してまいりたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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