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2003/06/16 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第7号
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2003/06/16 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 共生社会に関する調査会 第7号

#1
第156回国会 共生社会に関する調査会 第7号
平成十五年六月十六日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     八田ひろ子君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     八田ひろ子君     吉川 春子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                橋本 聖子君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                林  紀子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                南野知惠子君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                郡司  彰君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                弘友 和夫君
                吉川 春子君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○共生社会に関する調査
 (児童虐待の防止に関する決議の件)
○調査報告書に関する件
○中間報告に関する件

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○会長(小野清子君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に林紀子君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○会長(小野清子君) 共生社会に関する調査を議題といたします。
 この際、便宜私から、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による児童虐待の防止に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    児童虐待の防止に関する決議(案)
  親等の保護者からの虐待により、心身の健全な育成が阻害されることはもとより子どもの生命までが危険にさらされる児童虐待については、平成十二年十一月の「児童虐待の防止等に関する法律」施行によって、その防止に向けた対応に一定の前進が見られるものの、悲惨な事件は後を絶たない。
  児童虐待が発生する背景としては、家族の抱える経済的要因のみならず、近年の都市化に伴う核家族化、家庭の内外における人間関係の希薄化等の社会的要因も指摘されるところである。これらは現代の家族の在り方や地域社会の在り方とも密接に関係する問題であり、児童虐待の根本的解決のため、世代間の暴力の連鎖を断ち切るとともに、次世代を担う子どもを、社会全体としてどのように育成していくかという観点に立った幅広い検討が求められるところである。
  同時に、児童への虐待が子どもの人権を侵害する行為であることに留意するとともに、児童の権利に関する条約の趣旨を踏まえ、児童が人権の享有主体として尊重され、その心身の健全な成長が図られるような社会環境の実現をも視野に入れつつ、虐待防止に向けた取組を進めていくことは、我々立法府並びに政府の責務でもある。
  このような観点に立ち、本調査会は昨年一年間児童虐待の防止に関する調査を行い、その結果を中間報告として取りまとめ、虐待の発生原因・予防、虐待の早期発見・早期対応、被虐待児への支援体制の確立等について提言を行ったところであり、本年においても引き続き、児童虐待の防止に向けた更なる調査を行った。
  立法府は、本問題の早期解決に向け、懲戒権を含む親権の在り方や児童の人権尊重の理念の明文化を始めとして、児童虐待の防止等に関する法律の見直しとともに、性的虐待に対する刑事法的介入の在り方を含め、関係法律の検討を早急に行うこととする。
  また、政府においては、本調査会の提言の諸施策を含め、次に掲げる事項について予算上の措置を含め、万全の措置を講ずるべきである。
 一 虐待の原因の一つとなる育児における親の孤立化を防ぐため、地域子育て支援センター・子育て支援ネットワークの周知及び拡充に努めるとともに、父親も子育てに対する参加と責任が果たせるよう労働時間の短縮を始め、父親の育児教室の推進等子育て支援策の充実に努めること。
 二 虐待の予防には早期の把握や対応が重要なことから、妊産婦健診、周産期診療、乳幼児健診等の充実・強化に努めるとともに、これらの時期に母親等と接触する機会の多い保健師、助産師等の役割の重要性を踏まえ、教育・研修等の実施により保健師、助産師等の資質の向上を図ること。
   また、虐待を防止する予防的な教育の一環として、学校教育において児童自らが自分自身の身を守るような教育の推進に努めるとともに、関係教職員の研修等を通じた資質向上により、学校における児童への適切な支援が行われるようにすること。
 三 児童相談所に求められる役割の変化を踏まえ、その機能強化を図るとともに、児童虐待相談件数の急増に適切に対処するため、児童相談所職員の増員、児童福祉司の専門性の向上、児童養護に豊富な経験を持つ人材の児童相談所での活用等について検討を行うこと。また、一時保護所や児童養護施設等における居住性の向上、被虐待児への個別対応を図るため、これらの施設の充実、関係職員の資質の向上及び増員に努めること。
 四 被虐待児の適切な保護等のため、裁判所の積極的関与が図られるよう、司法手続上の整備を含めて引き続き検討を行うこと。
 五 国及び地方における虐待防止ネットワークの構築をより一層推進するとともに、住民に最も身近な市町村レベルのネットワークが地域の関係機関や住民との間で協力体制を取り、児童相談所と協同して虐待の予防、早期発見、さらには事後の虐待事例へのフォローにも対応できるようにすること。
 六 児童福祉施設等における児童への虐待や二次的被害の防止のため、関係機関の職員の研修等を通じ、資質の向上を図るとともに、虐待を受けている児童が相談しやすい環境をつくるための体制の整備を図ること。
 七 期間に弾力性を持たせた里親や専門的な心理ケアを行う里親制度の拡充・多様化を更に進めるとともに、里親の認定から委託後のフォローまでの各段階を通じて、里親への支援の充実に努めること。
 八 虐待する親に対しては、治療的なアプローチが不可欠であり、親の養育能力を回復させるための治療・指導プログラムの開発・研究を進めるとともに、援助を受ける意欲のない親への動機付けの方途について、司法的関与の在り方を含め検討すること。また、分離された親子の再統合に向けてのプログラムの研究・開発についても検討を進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 本決議案を本調査会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○会長(小野清子君) 異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(坂口力君) 児童虐待は子どもの心身の発達を阻害し、様々な情緒面の影響を及ぼすとともに、さらには世代間連鎖などを引き起こすとも言われるなど、子どもの一生涯、さらには世代を超えて大きな影を落とす深刻な社会問題であり、児童虐待への対応は社会全体で早急に取り組むべき課題であると認識しております。
 厚生労働省といたしましては、発生予防から早期発見、早期対応、保護、支援、アフターケアに至るまでの切れ目のないきめ細かな支援の充実に取り組んでいるところでありますが、ただいまの御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、関係省庁や地方公共団体とも連携を図りながら、引き続き児童虐待防止に向けた総合的な支援対策の一層の推進に努力してまいる所存でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
#7
○会長(小野清子君) 本会議散会後に再開することとし、休憩をいたします。
   午後一時九分休憩
     ─────・─────
   午後六時二十分開会
#8
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を再開いたします。
 この際、御報告いたします。
 本調査会は、毎年、調査に関する中間報告書を議長に提出することになっております。
 理事会において協議の結果、お手元に配付の共生社会に関する調査報告書(中間報告)案がまとまりました。
 以下、その概要について御説明いたします。
 本調査会は、平成十三年、第百五十二回国会において設置されて以来、「共生社会の構築に向けて」を調査テーマと定め、一年目は、児童虐待防止に関する件について調査を行いました。二年目は、障害者の自立と社会参加に関する件を取り上げて調査を行うとともに、児童虐待防止及び配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況に関する調査も行ってまいりました。
 まず、障害者の自立と社会参加に関しては、政府から二回にわたり説明を聴取し、質疑を行うとともに、参考人から四回にわたって意見を聴取し、質疑を行いました。
 参考人からは、ノーマライゼーションの実現への努力、障害のある人が地域で生活するための支援の確保、高齢者・障害者にとって利便性・安全性の高い移動手段の確保、現行の障害者基本法の問題点と障害者差別禁止法等の早期制定の必要性、障害のある人の選挙権行使を保障する方策等について意見が述べられました。
 これらの調査を踏まえ、障害者の自立と社会参加に関する調査会委員の認識の共有化を図り、今後の取組の方向性を見いだすため、調査会委員間の自由討議を行いました。
 調査会委員からは、社会全体をバリアフリー化・ユニバーサルデザイン化する必要性、教育・就労環境の整備、障害者法制の整備、福祉機器等の流通のための調達制度等の見直し、障害者の政策決定過程への参画の必要性等が指摘されました。
 このほか、児童虐待防止に関する件について、政府及び参考人から説明及び意見を聴取し、質疑を行いました。参考人からは、市町村の役割分担の強化、里親制度の充実、児童虐待防止法等の改正の必要性等が指摘されました。
 また、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律施行後の状況に関する調査のため、政府及び参考人から説明及び意見を聴取し、質疑を行いました。参考人からは、配偶者暴力防止法改正の必要性、国及び地方公共団体による民間団体への財政支援の必要性等が指摘されました。
 我が国においては、現在、障害のある人がない人と同じように生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下、物理的、制度的、文化・情報面及び意識上の四つの障壁の除去に向け、各種施策が展開されております。しかしながら、社会においてはいまだ障害のある人を保護の対象として考え、障害のある人が権利の主体として活動できる状況には至っておりません。さらに、今後の高齢社会の進展を踏まえるならば、これら障壁の除去にとどまらず、社会全体をユニバーサルデザイン化していくことが緊急の課題であるとの認識の下、本調査会として意見を集約し、提言として取りまとめることといたしました。
 提言の主な内容は、第一に、バリアフリー社会の一層の推進として、バリアフリー、ユニバーサルデザインを基調とするまちづくりの推進、公共的建築物のバリアフリー対応の一層の強化、高齢者・障害者にとって利便性・安全性の高い移動手段を確保するため、STS等による外出支援サービスの充実、障害のある人にとって利用しやすい機器やソフトウエア等の開発や普及等の推進、障害のある人等の選挙権の保障などであります。
 第二は、教育・就労環境の整備として、障害のある子どもとない子どもが交流・理解し合うための環境整備、長期療養のため通学が困難な児童生徒に対する病院等の施設における学習機会の確保、深刻な不況により就労の場を狭められている障害者の法定雇用率遵守の徹底化及び精神障害者に対する障害者雇用率制度の適用の検討、障害のある人の地域生活を支える上で重要な役割を果たしている小規模作業所への補助と障害者授産施設等の製品の販路拡大などであります。
 第三に、障害のある人の権利については、障害のある人が、生涯を通じてあらゆる分野で機会の平等が確保され、障害のない人と同等の権利が保障されるよう、障害を理由とする不当な差別を禁止するための法制の整備、障害のある人を権利の主体と位置付けた、総合的な障害者施策の推進などであります。
 第四に、福祉機器等の流通の促進として、新たな福祉機器等の製品の普及、流通を一層促進するための政府調達の見直しなどであります。
 第五は、障害のある人等の政策決定過程への参画として、障害のある人のニーズや要望を的確に把握し、それらを踏まえた障害者施策の推進のための、障害のある人及び障害者施設・団体の関係者等の政策決定過程への参画の一層の推進であります。
 なお、児童虐待防止に関し、立法府は本問題の早期解決のため、児童虐待の防止等に関する法律の見直し等を、また政府においては、更なる児童虐待の防止に向け、八項目にわたる施策について万全の措置を講ずるべきであるとする「児童虐待の防止に関する決議」を、本日全会一致で行ったところでありますが、この決議につきましても、本報告書案に盛り込んでおります。
 また、本調査会各会派から申入れを行っておりました携杖許可制度について、その見直しが行われましたことについても記載させていただいております。
 以上が調査報告書(中間報告)案の概要でございます。
 調査報告書の提出についてお諮りいたします。
 お手元の配付の共生社会に関する調査報告書(中間報告)案を本調査会の中間報告書として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○会長(小野清子君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
#10
○会長(小野清子君) この際、お諮りいたします。
 ただいま提出を決定いたしました調査報告書につきまして、議院の会議におきましても中間報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○会長(小野清子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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