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2003/05/14 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号
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2003/05/14 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号

#1
第156回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号
平成十五年五月十四日(水曜日)
   午後一時七分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     円 より子君
     辻  泰弘君     神本美恵子君
     山根 隆治君     池口 修次君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     神本美恵子君     中島 章夫君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     和田ひろ子君     小林  元君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         勝木 健司君
    理 事
                魚住 汎英君
                中島 啓雄君
                内藤 正光君
                松 あきら君
                西山登紀子君
                森 ゆうこ君
    委 員
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                田村耕太郎君
                伊達 忠一君
                月原 茂皓君
                藤井 基之君
                松山 政司君
                山内 俊夫君
                池口 修次君
                小林  元君
                中島 章夫君
                円 より子君
                加藤 修一君
                渡辺 孝男君
                畑野 君枝君
                山本 正和君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村松  帝君
   参考人
       日本国際ボラン
       ティアセンター
       (JVC)理事
       ・特別顧問    星野 昌子君
       市民バンク代表
       島根大学地域共
       同センター客員
       教授       片岡  勝君
       株式会社千房代
       表取締役社長   中井 政嗣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「真に豊かな社会の構築」のうち、ボランテ
 ィア、NPO・NGO活動等社会参加システム
 の在り方について)

    ─────────────
#2
○会長(勝木健司君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月三日、辻泰弘君、山根隆治君及び岩本司君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君、池口修次君及び円より子君が選任されました。
 また、去る四月二十五日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として中島章夫君が選任されました。
 また、昨日、和田ひろ子君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(勝木健司君) 国民生活・経済に関する調査を議題とし、「真に豊かな社会の構築」のうち、ボランティア、NPO・NGO活動等社会参加システムの在り方について参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、お手元に配付の参考人名簿のとおり、日本国際ボランティアセンター(JVC)理事・特別顧問星野昌子君、市民バンク代表・島根大学地域共同センター客員教授片岡勝君及び株式会社千房代表取締役社長中井政嗣君に御出席をいただき、御意見を承ることといたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の皆様におかれましては、御多用のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、本調査会が現在調査を進めております「真に豊かな社会の構築」のうち、ボランティア、NPO・NGO活動等社会参加システムの在り方について忌憚のない御意見をお聞かせいただき、調査の参考にさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 議事の進め方でございますが、まず星野参考人、片岡参考人、中井参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただきました後、二時間半程度、午後四時三十分までの間、各委員からの質疑にお答えいただく方法で議事を進めてまいりたいと存じます。
 この質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行いたいと存じます。
 また、時間が限られておりますので、質疑、答弁とも簡潔に行っていただくようお願いをいたします。
 なお、参考人からの意見陳述、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、星野参考人からお願いをいたします。
#4
○参考人(星野昌子君) 日本国際ボランティアセンターの現在理事、特別顧問を務めております星野昌子と申します。
 昭和四十年、一九六五年に日本青年海外協力隊の一番初めの隊員としてラオスに参りましてから、ラオスに六年、タイに十一年、二十年近い年月を途上国で過ごしまして、その間、一九八〇年にこの日本国際ボランティアセンターをタイで立ち上げ、当時はまだ私ども自身もこれがNGOと呼ばれるものとは理解していなかったような状況でございますが、その後、十年ほどの事務局長を務めた後、現在は国際協力も含めました日本NPOセンターの代表理事を務めております。
 早速でございますが、今日のテーマでお話をするときに、私のレジュメの一番最初に書きましたこのNPO、NGOということが正確に日本では理解されずに、NGOは国際協力をする非営利の市民組織、そしてNPOは足下の福祉、文化、芸術、教育その他の問題というふうに一般には理解されているように思います。
 しかし、NGO、日本に入ってきましたのはNGOの方が早かったというふうに思います。一九八〇年代、インドシナ難民に対応する動きなどとともに日本にNGOという言葉が入ってまいりましたけれども、これは御承知のように国連が作った名称でありまして、仮に足下の、例えば安全な食の問題で活動していらっしゃる方でも、国連の会議に出ますと、これは政府関係のGOとNGO、自分は国際協力をしているのではないとおっしゃってもNGOという区分けの中に入ります。
 そして、実はNPOという言葉の方が世界的には、特にアメリカで戦後使われ始めまして、営利を目的とする企業その他に対して、営利を目標としないけれども社会を非常に活性化するような動き、それをNPOと呼んできました。
 しかし、日本に入ってまいりましたのは、阪神・淡路の大地震の後、あそこに全国からのボランティアが駆け付けまして、そのころから日本の中ではNPOという認識が高まり、法人に関する法案でありますとか、長い間の議員の方々とNPOの人たちとの討議の末にNPO法人も誕生し、現在では一万を超えるNPOが日本には誕生しているわけでございます。そして、国際協力で活動するいわゆるNGOと呼ばれていたところも、日本の社会における法律的な立場はNPO法人であります。
 したがいまして、イコールというふうに理解してもよろしいし、NPOの方が大きな範疇でこうした活動をとらえ、その中に国際協力もあるという辺りがきちっと理解されませんと、どうも日本の中では誤解が生じているのではないかと思います。
 そして、皆様方のお手元にありますレジュメに、NGOの横にクワンゴという、QUANGOと書いてあるんですが、これは英語のクエイサイという発音もありますし、クワジーというふうに読ませる場合もありますが、疑似的な、そう見えるけれども本当はそうではないと、形容詞になったり副詞になったりいたしますが、それにNGOを付けてクワンゴというふうに国際社会では呼ばれております。
 これは設立の初めに、官からの、政府からの人、中央政府にしろ地方政府にしろ、その人間が組織の采配を振るう立場に入ってくる。と同時に、資金がやはり国あるいは地方自治体から入ってくる。一見、市民の財団法人であったり社団法人であったりしても、実は政府の意向によって動くものをクワンゴというふうに称しております。
 現在、公益法人などのいろいろな論議が行われておりますけれども、正にこのクワンゴに当たるというふうに私は了解しておりますが、これは一九八二年にジュネーブで国連難民高等弁務官の世界大会がありまして、そこで、私の隣に座っていたオーストラリアのNGOの人が、日本とドイツには何でこうクワンゴが多いのだと。NGOという言葉もやっと覚えた後に、クワンゴと言われてびっくりしたという経験がございます。
 私は、そこに参考資料をいろいろとページなどを挙げておりますのは、ここでお話しできる時間が非常に限られておりますので、先生方非常に御多忙でいらっしゃいますし、お読みになる時間はないと思いますけれども、何か今後思い当たられたときに御参考にしていただければと思って参考資料、そしてそのページ数などを記載してございます。
 こういう国際的な見地からいうと、日本の中ではボランティアというようなものが非常に誤った解釈を、他人を救うことであるとか、奉仕すること、自己犠牲をすること、安い労働力であることをボランティアと呼んだり、暇がある人、奇特な人とか、専門性はないんだけれどもとても善意の人とかというふうにボランティアということを意味付けているように思いますけれども。
 私自身も、一九八〇年に日本国際ボランティアセンターに全国からその年だけで千人というボランティアがバンコクに駆け付けてくれまして、当時事務局長をしている私自身が、これは日本人としてインドシナ難民のためにどんな犠牲を払ってもこの人たちを助けなければならないという、最初はそういう思いでございました。
 ところが、その年の秋に、イギリスのブライトンで国際社会福祉協議会の全世界の大会がございまして、分科会で難民問題が取り上げられたために、私もそこに出席いたしました。そのときに、イギリスのボランティアの父と呼ばれていたアレック・ディクソンさんとおっしゃる方が私に是非会いたいとおっしゃいまして、週末、ロンドンにお訪ねしたところ、非常に貴重な時間を過ごさせていただいたんですが、あなた方は、JVCは、日本の若者たち、主として若者たちがインドシナ難民のために働いている。この活動によって救われるのはだれだと思いますかという質問をなさいました。
 何か不思議なことをお聞きになるなと思いながらも、私たちはインドシナの難民の方たちを救っているつもりでございますと申し上げたところ、そこが間違っている、救われているのはあなた方自身なんですよと。
 本当にショックだったんですけれども、よく考えることによって、自分が生き生きと、今日はこれで良かったんだというふうな思いで生きていける、そうした日々を与えてもらっているのはボランティア活動をしているからなんだということをここでアレック・ディクソンさんに教えていただいたということがございます。
 次に、それではそういう意味の日本の伝統的ボランティア活動というのはなかったのかと申しますと、これは江戸時代にも、いわゆる「結い」あるいは「講」と呼ばれるような、不特定多数の地域社会の人々のためにいろいろ活動する動きがあったようなんですが、これは参考資料の二をお読みいただくと細かく記載してございますけれども、私はちょっと違うように思いますのは、この歴史的なものだけでなくても、現在でも、福島県のある地域では二十一歳になった男性たちは、その一年、社会奉仕活動をすると。日本にも立派にこういうものがあるのではないかということをおっしゃる方がかなりいらっしゃいます。
 しかし、私は違うと思いますのは、ボランティアというのは義務があってはいけないんですね。自分の心の中で、これをこうしたい、自分はこういうふうにできたらいいなという、ラテン語でボルンタスと申すそうですけれども、そういうものに基づいて活動する人がボランティアですから、二十一歳になっても、やりたくない人もやらなければいけないというようなこととはちょっと私は違うように感じております。
 そうした、その自発性に基づいた行動というのが、イギリス、今アレック・ディクソンさんのことを申し上げましたけれども、イギリスの社会辺りでかなり古くから根付いているということで、この一月でございますが、在日英国大使館のスチュアート・ジャックさんとおっしゃる公使の方にNPOセンターの代表理事としてインタビューする機会を与えられまして、いろいろとお話ししておりましたら、私が青年海外協力隊でラオスにおりました少し後に、このスチュアート・ジャックさんは、ラオスのルアンプラバンという、日本で申しますと京都のような古い都で英語のボランティア活動をしておられたということが分かりました。偶然だったので、いや、同じころにラオスにいたんですねというお話になったんですが。
 伺いましたら、スチュアートさんは外務省の試験に受かって、そして二年ぐらいして、自分はやっぱり若いうちに途上国でボランティア活動をしたいと思うというふうにおっしゃったら、外務省は、ああ、そうですか、どうぞどうぞとおっしゃったと。この話を、私は昨年一杯、外務省を変える会の委員の一人として川口大臣にもお話し申し上げるような時間がございまして、スチュアート・ジャックさんはボランティアをしたいとおっしゃったら、外務省はどうぞどうぞとおっしゃいましたというふうにお伝えいたしましたら、川口大臣も、ああ、それはとてもいいことですねとおっしゃったんです。
 深くお話しする時間はなかったんですけれども、日本でもしそういうものが取り上げられると、一つの制度として若い省員はみんなした方がいいとか、そういうものとなかなか、やりたいんですか、ああ、だったらどうぞということには結び付かないのではないかというふうに思いまして、私はレジュメの五番のところに、機会は豊富に与える、しかし義務付けない、したい人はどうぞ。もう一つ付け加えますと、ボランティアしていて、今度何かの事情で辞めたいというと、非常に白い目で見られたりとか、そういうものであっても実はいけない。しばらくお休みしますということも自由にできるような、そういうものが本物に近いのではないかというふうに考えておる次第です。
 それで、スチュアート・ジャックさんのお話の続きなんですけれども、イギリスではかなり前から、高校を卒業した学生たちが大学へ行くまでの間の一年間、これはもちろん義務ではない、けれども希望する人はボランティア活動をすることが、機会が与えられているそうです。スチュアートさんのお嬢さんはそのシステムを利用して南米でボランティア活動をして、そのことによって非常に人間的に成長したと思いますというふうにお父さんはおっしゃっていらっしゃいましたけれども、こういうふうなことが今後日本で導入することができるのかどうかというふうに考えております。
 次に、NPOとNGO、今申し上げましたように、もうこれからはNPOというふうな言葉を国際協力団体も含めて使わせていただきますが、そことボランティアの関係なんですけれども、こうしたものはボランティアの存在は非常に貴重でございます。
 しかし、ノンプロフィットなんだからすべてボランティアで動かすことが理想的だと、いわゆるNPOはボランティア団体という考え方は大変間違っていると思います。それも、最初に申し上げましたNPO、ノンプロフィット・オーガナイゼーションですから、何かプロフィットを上げたらいけないようなイメージをお持ちになる日本の方も多いんですけれども、これはノット・フォー・プロフィット・オーガナイゼーション、プロフィットを上げて構わない、しかし、それを追求し、あるいは関係している人に配分するという組織ではない。ノット・フォー・プロフィット・オーガナイゼーションと言った方が性格的にそのまま伝わるのかなと思いますが、リンゴを輪切りにしたときに、おいしい私たちが食べる部分、これは中の堅い黒いしんのところがしっかりしていなければいいリンゴが育たないわけなんですけれども、その関係で、やはりいいNPO組織にしていくためには、このおいしいところはボランティアたちであります。たくさんのボランティアを引き付けることができるような運動。しかし、そのことで、しんのところにいる有給である人がなければいいものに育っていかないというようなことを私は経験の中から感じております。リンゴのしんと果肉の部分というふうにとらえていただければよろしいと思いますし、NPOイコールすべてボランティア、そういう組織があってももちろん構いません、活発であれば構わないんですが、必ずしもそうである必要はないということです。
 それから、そんなふうに考えてまいりますと、日本の社会の中で本当の意味のボランティア活動を妨げているというのは、先回のこちらの調査研究会の記録などを拝見しまして、教育の部分で深い議論をされておりますのでここでは繰り返しませんけれども、やはり幼児のころからの対応の仕方が非常に重要なかぎを握っていると思います。この辺りで、大変にボランティア活動をすることはいいことなんだからと言って、一時、中教審などで奉仕の義務化ということが議論されておりましたけれども、私は義務化をすることによって本物の、今やっと日本の中で生まれ育ち始めたボランティアの精神というものは駄目になってしまうのではないか。
 もう一つ邪魔になっておりますのが、有償と無償の関係であります。
 私は、神奈川県の住民でございますけれども、神奈川県が国体の主催県でありましたときに、秋に国際シンポジウムを行いまして、スポーツとボランティアというふうなテーマで世界八か国からスポーツ社会学の学者さんたちをお招きしてシンポジウムを行いまして、私はコーディネーターを務めさせていただきました。
 そのときに、海外から来られた方がびっくりしたのは、日本には有償ボランティアと無償のボランティアがあると。そして、有償ボランティアを同時通訳の方はモービライズドボランティアというふうに翻訳なさったんですが、日本以外の、西欧とは限りません、ブラジルの方もおられたわけなんですけれども、モービライゼーションというのは軍隊というイメージ、それ以外の何物でもない。ボランティアというのはそのモービライゼーションの正反対のところにある。だれかに命令されて動くわけでもない、決して代償を求めるものでもない、従順に命令に従うというようなものとは全然違うのに、日本には有償ボランティア、モービライズドボランティアがあり、もっと不思議に思うのは、そのことが当たり前のこととして日本人の頭の中に定着していると。やはり日本という国がまだ軍国主義の時代から何か全体的なものを引きずっているのではないかというような御指摘がありました。
 有償、無償については、本当に貧しくても、その人が持っているいいものを引き出して、他者のために活動することによって得る喜び、その権利はだれにでもあるという意味で、イギリスでは、例えばパキスタン系の方でも御老人の世話なんかしたらば本当に白人の方よりも大家族の中で本当にいい仕事ができる。その人たちが、自分たちが交通費がないためにボランティア活動に参加できない。いつも白人のボランティア活動の受け身であるという立場はおかしいのではないかということで、交通費や食費を支給しても貧しい人たちに今ボランティア活動を促進させているというお話がありまして、余り有償、無償にこだわりますと、本物がますます遠のくというふうに思います。
 今、メモをいただきまして、一時半ということで、あと二分ですので、一つだけ。
 JVC、日本国際ボランティアセンターが今イラクの国内で医療活動などにかかわっております。そんなところで、やはり政府が主導で行っている活動以外の本当に国境を越えた活動ができるNGOから見て、今後、こうした国際平和協力などを活発にしていくために邪魔になっていると思うのが、障害になっていると思うのが、安全保障とか保険の制度。これは二十年前にも、フランス辺りでもこうした活動をする人のための非常に特別な安い掛金で、そして戦時中のことも保障するような保険の制度があると盛んに私は保険会社を歩き回りましたけれども、いまだにそういうものはございません。あるいは物資を輸送するときの護衛などの問題もありまして、せっかく芽が出ておりますので、こうしたものに対する支援策も進んでほしいというふうに考えております。
 ありがとうございました。
#5
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
 次に、片岡参考人にお願いいたします。
#6
○参考人(片岡勝君) 私は、今何かが変わっている、それを現場で感じたことを今日ここでお話しさせていただいて、その変わっている方向、英語で言えばパラダイムシフトとは那辺にあるのかということについてお話しさせていただこうと思って来させていただきました。
 レジュメにございますように、私は市民バンクというのを十年前に始めまして、夢を担保に融資して、百九件、五億六千数百万円、貸倒れなしという実績を上げることができました。既存の金融機関から見れば大変小さな数字でしかございません。しかし、この中にかなり様々な金融機関再生、あるいは新しい時代の価値という点からの可能性を感じるわけです。
 じゃ、どうしてそういうふうに一度も貸倒れがなかったんだと申しますと、実を言いますと、これは正にNPOでございまして、金利では稼いでおりません。長期プライムで引いて長期プライムで出すと。
 じゃ、どうやって食っているんだということになるんですが、実は周辺のサービス業務からお金をもらっております。例えば、女性のためのビジネススクール、これはもう既に五千数百人が全国で卒業しまして、千人が起業しております。あるいは、起業した後希望する人には記帳サービスを行う、こういうことを通じて一貫したサービスを提供し続ける。
 例えば、パン屋さんが雨の日になりますとなかなか売れません。天然酵母のパン屋さんが困っているだろう。そういうときは、私のスタッフもそうですが、ほかの人にも実はなるべく連絡して、今日雨が降っているから御飯炊くなよと、こうやって近くの人で支え合う。こんなような社会を作ってきていることが、単に貸倒れがないということ以上にきちっと事業としても成り立つということを担保してきたんじゃないかなというふうに思います。
 その中で、どういうことに貸してきたかということにつきましては資料をごらんいただきたいんですが、星野さんからもございましたように、いいことということからそろそろNPOというのが脱して、新しい社会サービスの担い手になる、そういう時期に来ているのではないか。今、正にここで議論されております社会参加システムの在り方ということでいいますと、参加というよりか、むしろ担い手そのものになっていく。財源が逼迫する中で行政によるサービスの提供ということは先細りしていかざるを得ない。
 そういう中で、格差を広げないためには何をしたらいいかといえば、小さな単位で社会サービスを提供する自立した事業というものがたくさん生まれるしかない。このように思う中で、これからはそういう形でやっていくために経営能力が求められる。この経営能力をどうやって磨くかというのが私にとっての課題でした。
 アメリカの経営学者ドラッガーが言っているように、NPOがこれから新しい経営ノウハウを教えるんだ、作るんだ、こういうことを言っております。行政に対してはコストパフォーマンスを、企業経営に対しては自発性、やりがい、そんなようなものを教えていく。
 私の資料の中で、週刊誌が、五ページですか、「週刊現代」が金融、証券、保険の中で「わが子に薦める「いい会社」ベスト50」というのに、ちょっと自慢話になりますが、私のところが三菱東京と並びましてダブルAになっております。三井住友よりもみずほよりもいい。ちょっと面映ゆいんですけれども、こういうふうに経済規模で物を見るのではなくして、働く人たちにとってのやりがい、そんなようなものを育てていく経営ノウハウは今の逼塞した日本経済の経営者たちにNPOが教えなきゃいけないんだ。
 最近は随分変わってまいりまして、金融庁の再生アクションプランというのを各地銀などが作らなきゃいかぬということになったことから、地方銀行から呼ばれるようになりました。正にNPOである市民バンクがこれから既存の大きな金融機関を変えていく、そんな時代が来たんだなと。
 しかも、随分変わってきましたのは、昔は担当者から講演しろ、教えてくれというふうに来たのが、最近は常務が直接、自分はこういうふうに感動した、是非教えてほしいんだと。そんなふうに規模ではなくてノウハウの差から教えを請う、そんなようなことが行われるようになってきております。あとは、どれだけのスピードで既存の経済なりシステムが変わっていけるかということが問われております。
 まず一つ目の、NPO市民バンクは夢を担保に融資して貸倒れなしということから、私がやってきたことから学ぶこととしてこんなことがあるのかなということをお話しさせていただきました。
 二つ目が、大きな変化が今起きているんじゃないかということなんですね。
 山口県の単独予算でコミュニティービジネスカレッジというのが始まりました。私が実行委員長で、その中の実行委員には山口大学の先生もいらっしゃいますが、日銀の支店長の武藤さんですとかあるいは西京銀行の頭取の大橋さんなども入っていらっしゃいます。コミュニティービジネスに経済は大事なことだということを教えておりまして、これを運営しておりますのが、私が大学で教えておりまして育ってきた十七人の学生起業家です。二十ぐらいの学生がこれに参加しております。平均年齢で五十を越すでしょうか、最高齢の人は八十近い、こういう人たちがここで学んでおりまして、そして最初に教えることは何かといいますと、ミッションを教えます。使命感を教えます。
 最初の申込みが五十三名いらっしゃったんですが、ミッションばかり言っておりますと、大体二十人ぐらいの方が怒り出し始めました。ここはビジネスを教えるんだろう、ビジネスを教えるのに何でミッションばかりやっているんだと。いや、違うんです、これからの経営にとって最も大事なことはミッションなんです、経営ノウハウなんて大したもんじゃないんですと。その次に教えるのが、みんなで地域のために何を持ち寄れるか、こういう考え方を教えます。その次に教えますのが、あなたは地域のために何をやれるかという覚悟を教えます。
 ここまでで二十人の方はドロップいたしまして、三十三人の方が残られました。これですっきりいたしましたので、ここから経営ノウハウを教えます。経営ノウハウにつきましても、いわゆるバランスがどうなるとか、私も銀行員十五年やっておりましたので、そういうことで小さいことを言っていたんじゃだめなんですね。もっと大きな夢から語っていく、これが共感者を得ていくんだと。
 そういうノウハウというのはどこにあるかというと、発信能力なんですよ。あるいは自分のことだけじゃなくて、後進を育てる育成能力なんですよ。そういう新しい経営者に求められる資質、これを一年間掛けてやってきた結果、十三人の方が自分で、中小企業の社長とか、あるいはリタイアした大企業の役員だった方ですとか、リストラの方ですとか、こういう方が地域でいろんな形で活動を始めました。
 どういう活動か。地域で問題を解決する人たちが集まるんです。地域で問題がある人たちが集まる場は既存の行政に行ってください。私がこれから皆さんに作ってほしいのは、問題を解決しようとする人たちのステーションなんです。そうしますと、例えば山口県の光市というところでは、じゃ、酒蔵を使ってくれというように持ち寄る。ブレア首相が言う言い方で言えばステークホールドですね、ステークホールドしていく。みんなが持ち寄って様々な地域の問題に地域の財を集めていく。
 もう行政だけが何かを解決することは難しい分野、これがたくさん出てきております。特に福祉、教育、環境、この分野で市民の協力なくしては何もできない。そういう持ち寄っていくというステーションが十三か所動き出して、それぞれ元気に、一番高齢の方は七十幾つで起業されて、NPOを起業されて動き出しました。
 そんな実績を持って、今私が大事だなと思っているのは、実は若者が中高年の男性に志を教えることが重要だというふうに思っています。今までのように年齢が、経験を積んだ人のみが若者を教えるということではなくして、若者たちがむしろ、志がない、お金もうけしかない、組織の命令しか聞けない、そういう人たちに対して自発的に動きなさいというのを今呼び掛けているんです。
 資料にございます、三ページですね、コミュニティービジネス育成基金、四百十万円、学生がファンドを開設。二十歳の女子学生、起業した連中ばっかりですが、これが、おじさん、中高年の男性たちを応援しようじゃないかと。まあわずかではあります。しかし、そういうふうにみんなが持ち寄って解決するんだ、こんなようなことを学生が呼び掛けるようになったんですね。あるいは、六ページにありますこの学生耕作隊。これも私の山口大学での教え子なんですが、彼女は、畑で作業する人がいない、高齢化している、そういうところに一年間で実に千人の人を動員いたしました。金だけじゃないんです、人の動員も。こういうふうにして、若い連中がみんなで持ち寄っていく、地域を活性化していくという事例がここにあると思うんです。
 そして、これが単に一人で終わったら駄目だと思うんです。私が教えたそういう若者たち、あるいは十三人の中小企業の経営者たち、この人たちの今年の課題は何かといいますと、是非皆さんはインターンを受け入れてください、できればその人たちに雇用を作ってくださいという再生産の仕組みを作りつつあります。
 ページ七にございますように、公開オークションと申しまして、これも地域財オークション会議というNPOにしたんですけれども、みんながここにございますように二百人ぐらい集まりまして、私はこういうことをしたい、例えば近藤紀子さんが学生耕作隊をしたいとか言いますと、みんなが札上げるんです。お金だけじゃないんです。例えば、農業のノウハウを教えよう、あるいは今余っている肥料を上げよう、軽トラックを上げよう、トラクターももうぼろいけれども使ってくれ、こういうように地域の財が集まる、そんなようなことが今、少しずつですが、地域の中で実践されつつあります。
 私、小泉内閣のタウンミーティングというので、一回目と二回目、両方第一発言者をさせていただきました。
 一回目は千葉県で、木更津で活動していたからだと思いますが、木更津在住ということで。このときに私は市民バンクの事例を話しました。市民がこれから大事なのは自分でリスクを取ることなんだ、人にリスクを頼っていちゃいけない、だれかがやってくれると思っていちゃいけないんだ。小泉さんが最後の、タウンミーティングで、こういう民間からの新しい動き、これこそがこれからの日本を変えるんだというふうに長いこと引用されていたのが印象的でした。
 第二回目のときは山口在住で話させていただきました。そのときは、通産大臣、経産大臣が来られておりまして、そのときに産官学ということを大変強調をされました。私はちょっと違うんじゃないかと。一以上であれば掛けるとだんだん増えていくけれども、コンマ以下であると、一以下で〇・五ぐらいの自立性と、しかないと掛ければ掛けるほどニアイコールゼロになるというようなことを考える自治体がない、これは大変危険なことではないか。実際に産官学ということに今大きな期待を懸けてたくさんの予算を使っておりますが、果たしてそこに期待していいものでしょうかという人がやっぱりたくさん出てこないとおかしいと思うんですね、実態を知れば知るほどそう思うと思うんです。そういうようなことを申し上げました。
 私が三番目に申し上げたいのはどういうことかといいますと、これから先、新しい自治の精神といいますか、一人一人の人たちがもう、ここの課題でありますところの「真に豊かな社会の構築」というのは、実はだれがやってくれるのでもない、自分たちがやるしかないんだということを明確に言うことではないかというふうに思っております。私は、行政に期待しないで私自身も活動してまいりました。運動、星野さんと同じように世界八十か国を回って、PKOが行ったところはほとんど行ってまいりました。そういう中で、これで日本はいいんだろうかという大変強い危機感を持ちました。
 次に、影響力を持つためには事業をしなきゃいけないということで、事業をやりました。今、全国で十二か所の事務所を持って百五十人が働いております。そして、今もっと大事なことは何かというと教育ではないかということで、今四つの大学で教えております。だんだん軸足をそちらに動かしつつある。
 そんな中で何を教えたいかというと、知恵と勇気なんです。知恵というのは何かというと、問題解決は必ずできると思うそういう若者、これを教えること。勇気というのは何かというと、世界に出て危ないところで活躍する、これも必要ですが、それと同時に、リスクを持って事業に投資したりあるいは経営していく。経営者というのがどうも何か困ってくるとすぐに財政投融資を頼む、これは自立していない、堕落していると思うんです。そうではなくして、依存しない、自分たちのお金。
 それはそうですよ、今お金を持っているのは政府ではなくて市民だと思うんです、千何百兆とか言われている市民。これをどういうふうに循環させるか、この仕組みというのを次の課題にしたいと思うんですね。それは何かといいますと、豊かな社会は自分で実現するんだ、そうしたらば、そのために自分たちでお金を出し合うんだ、そして新しい社会サービスを事業としてやっていくんだ。私のところでファンドも、市民バンクだけではなく、チャレンジ若者ファンド、山口県に二億円で作ったんですが、幾つかほかにも助成のファンドですとか作っております。こういうのを使って投資していく。
 これからの投資のイメージというのは、株式に投資することではないんです。そうではなくして、近くにある、自分がこれから生活していこうとするときに必要なもの、例えば老人介護のグループに投資する、近くの有機のレストランに、オルガニックのレストランに投資する、米がいいものが欲しいなと思ったら農家に投資する。そして、それが十年後、二十年後継続していることが新しい豊かな社会なんだ、こういうふうにすることがこれからの内需拡大のイメージではないでしょうか。
 そして、今、生産側にインセンティブを与えているという政策は私は間違っていると思っております。そうではなく、一番大きな消費サイドのインセンティブをどういうふうに与えるか。それには、作ってももう豊かで物が余っている時代にはなかなかもう買いません。だけれども、地域で豊かに生活したいという願望は大変強いわけですから、そこにインセンティブを与える。生産側、企業側に、あるいはアントレプレナーに対してインセンティブを与えるんではなくして、消費にインセンティブを与えていくこと、これがこれからの新しい豊かな社会を作っていく、これをやはりきちっと確信されることだと思います。小泉首相を始めとしてこれを確信して、このことを語り続ける。
 今、やはり生産サイドに置いた過去の政策インセンティブになっていると思います。それをこれからは、ここに書いてございますように、こんなことが可能か、僕は法制局に言ったらこんなのは無理だよと言うかもしれませんが、真に豊かな社会を構築する基本法というのを作られたらいかがと。それ以外のことは一切決めない。そんなことが行われて、後は地域が決める。地域の中で決めてこないところはしようがないんです。地域の中で自治体がリーダーシップ、イニシアチブを取るところはそれが取る、取らないところはNPOが取る。新しい地域の経営者たちがこれから生まれていって、その人たちが自分たちでしかこれからの次の社会を作れないんだ。そういう意味でいいますと、行政がやれることというのをだんだん小さくしていく、小さな政府を作って、そして行政が言うことは方向だけを示すんだ、そんなようなことがこれから必要だと思うんです。
 ここにございますタイトルの社会参加のシステムの在り方というのは、ちょっと古いパラダイムでの言い方だと思います。そうではなくして、一人一人の人全員がNPO、全員が自分たちの問題は自分たちで解決していく一億総NPOの時代に、それの総和が国家というものになっていく。社会システムというものが何かあって、それにみんなで参加するんだよという言い方自体がパラダイムシフトから後れているのかな、そんなふうに思いました。
 そういう点で、これからの変化という今回の大きな、デフレということでいえば産業革命以来かもしれません、数百年に一回の変化というものは、今回は上からじゃ駄目なんだ、下からやらない限り価値がないし生命力がないんだ、そんなようなことを今回ここで言わしていただければなというふうに思います。
 終わります。
#7
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
 次に、中井参考人にお願いいたします。
#8
○参考人(中井政嗣君) 株式会社千房の中井政嗣と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 千房というお好み焼き専門店なんですが、実は昭和四十八年に大阪ミナミに進出してまいりましたが、全国に今、五十か店、東京にもお世話になっておりますけれども、その昭和四十八年、第二次オイルショックの真っただ中でした。でも、私は世間のことは、全くその情報は知りませんでした。何で暇なんやろ、何でお客さん来てくれはらへんのやろ、どないしたら来てくれはんの、そんなことばっかりをやり続けながら、つまり世間の情報を知らなかったものですから、すべてが内部要因としか考えられませんでした。
 そして、努力しながら現在に至っているんですが、今、社会の状況、景気動向というのはよく分かっています。我々の仲間もそうなんですが、すべてが外部要因、不況が身に付いてしまい、外部要因のように感じてしまいます。でも、今、新たにもう一度、すべては内部要因であるということを自覚してやっていきましょうというんですが、その昭和四十八年、出店したときには、強引客引き、ぼったくり、ひったくり、あるいは道頓堀川は汚く、臭いどぶ川のようでした。でも、私は、飲食店を営む者にとっては、大阪ミナミ、道頓堀、千日前はあこがれであって、夢であって、そしてまた大きな大きな目標でした。
 そして、今日お話しさしていただくのは、私、二年前の平成十三年に道頓堀商店会、有名なお店がたくさん連なっております、そこの商店会会長に就任しました。そこで、この商店街、道頓堀商店街というのは、平日では十五万人から二十万人のお客様が訪れられます。土日、祝日には四十万人から五十万人という大繁華街なんですが、三百八十年の歴史を持っている商店街にもかかわらず、祝日に一回も国旗掲揚されておりませんでした。
 私は、まず、役員会で祝日に国旗を掲揚をしたいということをお話し申し上げました。そうしたら、当然賛否両論がありました。何でですかと。いえ、ここは日本です。私は政治には興味ありますが、右や左、私は全く興味ありません、関心がありません。昔から祝日には国旗が掲揚されておりましたということを申し上げました。それは習わしであって日本の文化ですということも申し上げました。我々の商店街というのは道頓堀商店街だけの商店街ではありません。大阪の顔です。
 要するに、そういうことで、私は、この議論を進めていくに当たって満場一致を図っていきたい、小さな意見も尊重していきたい。そのためにはルールが一つあります。それは、極端な自己主張を避けてくださいということでした。
 これは継続審議にしましょうということで、さあ、そこから始めていくのは、いろんな企画、イベントがあります。行政に対して陳情とかあるいは補助金、助成金などをまず当てにしないというところから始まっていきました。行政の皆さんと相談しながら、自らの手で努力してこそ活性化につながる。また、イベントに関しても高いお金払ってイベント会社に丸投げ、これはしない。我々の商店街は我々の手で、汗をかき、知恵を出して、いろんな力をかりてやっていきましょうということを申し上げました。つまり、自主的に、かつ自立するという、汗をかく、つまり我々の心構えが大事なんだということを申し上げながら、食い倒れの町道頓堀、食都大阪、食べたら出されるわけです。
 そうです。つまり、道頓堀には大きな橋が三つあるんですが、戎橋、それから太左衛門橋、相合橋、そのたもとに公衆便所があります。便所掃除しましょうということを申し上げました。大阪市が毎朝清掃活動をやっていただいています。でも、義務的、作業的ではない、徹底的に掃除しましょう。役員総動員して掃除をさしていただきました。それから、日本を美しくする会、掃除に学ぶ会の御協力をいただきながら、これは継続的に続けておりますが。また、月に二回、大阪南料飲観光協会というのがありますが、その協会と一緒になってクリーンネスのキャンペーンをやっております。
 梅雨になってきたら思い出すのがてるてる坊主。このてるてる坊主作りましょう、そしてお客さんに配りましょう、かわいいですよと。キャッチコピーを出しました。明日天気になあれということで、梅雨の期間中実施しました。
 七月に入り、七夕祭り。これも企画会社に丸投げではなくて、自分たちで竹を買ってきて、そして地域の神社で短冊おはらいしていただきながら、道頓堀から星に願いをというタイトルを付けながらお客様に配り、そして七夕の期間中飾らせてもらいました。
 また、全国から修学旅行生がたくさん私たちミナミに訪れられます。その子供たちに体験学習をやりましょうという提案をさせていただきました。つまり、あきんど体験です。普通では絶対そんなことはできないんですが、もう既に二百名以上迎えておりますが、全国から修学旅行で私たちの町に訪れられます。
 まず、一時間のあきんどに関してのセミナーを行いまして、それから皆さんに体験していただきます。体験には勇気が要ります。勇気の要らない体験は体験とは言いません、ただやっているだけ。大きな要る勇気には、実は感動的な体験になります。今日は皆さん方に感動的な体験をしていただきますと言いながら、先ほど言いましたトイレに連れていきました。子供たちがびっくりしました。でも、我々役員が必死になって便器に素手で、手を突っ込んでやっている姿を見ながら、彼らはともにやり始めてくれました。先生が見に来られました。感動されました。校長先生が来られました。校長先生が、要するに腕をまくって、ワイシャツをまくって、そして子供たちと一緒に便器に顔を突っ込まれました。その姿を見ながら、まだまだ日本の将来は間違いないでということを我々は感じ入りました。
 昨年、一番ミナミに人が集まったのはあのワールドサッカー。大阪府警が、フーリガン対策についての指導が徹底されました。もちろん危機管理ということは大事なんですが、私は、道頓堀、これはお客様に夢とロマンを与えるところだという部分の中で、やっぱり危機管理も大事なんですけれども、私は思ったのが、フーリガンもいらっしゃい。フーリガンがフーリガンではない、過去にフーリガンであっても、道頓堀に行ったら安全で安心して楽しめられたと喜んでもらえることが我々の務めだということで、残念ながら昨年燃えてしまいましたが、中座がありました。閉館されていましたので、あの前にテント三張りを立てて、そして観光総合案内所を作りました。ウエルカム・ツー・ミナミということで、我々、道頓堀だけではありません、近くの千日前、戎橋、宗右衛門町、心斎橋、黒門市場、道具屋筋、アメリカ村、でんでんタウンの商店街にも声を掛けながら、一緒にやりましょうと、皆さんのパンフレット持ってきてください、地図持ってきてください。さあ、地域の人たちのコミュニケーションが始まっていきました。丸二週間、それを続けていくんですが、ボランティアで通訳の人たち四十名も御参加いただきました。
 それからまた、秋にはよさこいソーラン。これが、全国から若者が集まる青少年健全育成の一環として道路で踊るという部分だったんですが、私たちの商店街、道路幅が十メートルから十四メートル、広いところでは十四メートルあるんですが、警察がまず駄目でした。結論的には、廃校になった小学校を利用してそこで踊ってもらったんですが、全国から来た若者ががっかりしました。
 あるいは、今まだくわえたばこというのは盛んに吸っておられますが、道路は吸い殻だらけです。灰皿設置したいということで建設局にお願いしたら、これは駄目。まあ何とかこぎ着けるんですが、スポンサーが入っては駄目。でも、スポンサー入れなかったら、我々の商店街だけではできないじゃないですかということを言うんですが、スポンサー入ったら絶対駄目ということで、強引だったんですが、アメリカではパトカーにスポンサーが付いているらしいです。強引に、今でもスポンサーを入れたまま強引に継続しているんですが、私たちは私利私欲でやっておるわけでも何でもなくて、地域の活性化に向かって、自分たちでできなかったら当然スポンサーも付けなければなりません。でも、美観を損なうようなそんなスポンサーの付け方は決していたしません。
 道頓堀というところは御堂筋から東西、堺筋まで五百メートルあるんですが、これも二つの商店街が実はあります。二つの商店街、お客様から見れば一つなんだ、一緒になりましょうということで今合併を進めております、来年の春には統一できると思うんですが。その道路の中央に街路灯が二十メートルに一本立っておるんですが、その街路灯に鉢植えの花飾りをしたい、当然スポンサーが付きます。これも駄目です。今、道路の中央は駐輪場になっております。駐輪場になっておるのを何とかしてくれませんか。これが撤去できないんですね、要望するが撤去されない。夜市をやりたい、夜市だったら勝手に自転車を置けないから、やりたい。販売は駄目。そうしたら、ベンチ、道頓堀にふさわしいものをやりたい。これもスポンサーが入ったら駄目。建設局の担当者に相談しました。許可を求めたら全部駄目でした。その担当者が別のところに異動されました。そしたら、許可を取らなければ、要するに勝手にやったらいかがですか。そんな言い方ないでしょうと思うんですが、事実はそうです。
 道頓堀はちんどん屋がよく似合う場所です。ところが、ちんどん屋カーニバルをやりたいと言ったら、警察、交通課が駄目。店の前でやることはオーケーですが、そんなパレードは駄目。いや、じゃ一軒一軒どうですかと。いや、それは駄目。よう分からぬのですが。本音を言うと何もしない方がいいんです。私、その言葉を聞いてがっかりしました。
 今、大阪市が道頓堀の河川敷を遊歩道にする工事、来春完成する予定です。水都大阪。水辺を楽しむ、親しむ。思いっ切り今やっているのは水辺と切り離すようなさくができています。そんな予定です。それが水辺と楽しみ親しむんですか。アメリカ・テキサス・サンアントニアという水辺のビデオを見せていただきました。水辺を楽しむために川には囲いがありません。これは安全面ということなんでしょうけれども。
 福岡、九州福岡の柳川では毎年十一月三日、北原白秋の白秋祭というのをやっておられます。大変好評なんだそうです。大阪道頓堀は、ただ食い倒れの町だけではありません。私たちには、服部良一先生の発祥の地でもあります。これを服部良一先生の要するに何か祭りをやっていきたいなと思うんですが、川を使用すると言ったら、ことごとく駄目なんですね。何で駄目なんですか。道路はだれのものですか。川はだれのものですか。管理していただいていることはよく分かります。でも、その辺、もっともっと何か地域とともにやっていくことが大事ではないかなって疑問に思うんですが。
 特区という、道頓堀、ほかの商店街では結構いけてることが道頓堀では駄目なんです。それは、最初に申し上げました、一日少なくとも二十万人、三十万人訪れる。人の集まることをやっては駄目って言われるんですが、道頓堀を中心としたミナミというのは、つまりこれは劇場です。何を求めてお客様が来ておられるのか。今年もたくさんの、USJの関係でたくさんの道頓堀にお越しいただきました。
 さっきも言いました。ぼったくり、ひったくり、強引客引き、カラス族とかいうのが心斎橋にもたくさん出ております。でも、少なくとも、何で出るんかって思ったら、つまり八時、九時にはもう店が閉まるんです。そこからカラス族が出てくるんですが、もう少し営業されたどうですかって商店街の皆さんにも言うんですが、採算が取れない。であったら、しまいではもう朝から晩までずっとシャッター閉まりまっせということを言っているんですが、もう少し遅くまで開けましょうよ、我々の道頓堀、有名なところが二十四時間さあ開けて開放していきましょうという動きも出ております。
 飲食店が大変今困っている問題で、一つの交通規制が厳しくのし掛かっております。これも飲酒は、もちろん飲酒運転は駄目です。駄目ですけれども、それにちなむ、そういう規制が強化されるようであればあるほど交通アクセスの確保というのは一方では大事なんでしょう、大事なんだと思います。地下鉄をもう少し遅くまでしてください、大阪市交通局の方に盛んに言いますが、これもなかなか実現できません。
 そんなこと何やかんややっているうちに、十二月に入ってきて、夜回りも始まりました。私たちは、火の用心マッチ一本火事のもと、マッチ一本火事の、マッチ一本、もうこのごろ使わぬのですから、もっとギャグを考えながらやりましょうということで、火の用心お好み焼いても店焼くな、タコ焼き焼いても店焼くな、そんな話から、人用心もやりましょう。人用心、強引客引き甘いわな、そんな話しながら、火事を消すのは命懸け、火種消すのは心掛け、そんなことやりながら、続けていきながら、十二月に入って、二十三日、祝日、国旗揚げませんかと言ったときに、ただの一人も反対がありませんでした。そして、無事揚がりました。私、涙出ました。あ、これで一番、何というんか心が一つになれてんな。反対された方が、正月に揚がっている、掲揚されている御堂筋から堺筋まで五百メートルのところに四十本が街路灯のバーに飾られました。そのときに、中井さん、寅さんの映画見ているようですねって、ほほ笑ましくお話をしてくださいました。それからです、その後もずっと掲揚されているんですけれども、この間の高円宮殿下のときには自粛さしていただきましたですが。
 私は、何遍も言いますけれども、右も左も全く興味もありませんし、一人の純粋な日本人として、国民の一人として誇り持ってやっていきたい。今お話ししている話、あほみたいな話ばっかりです。私は専門家ではありません。でも、一人の、国民の一人として、日本国民の一人として誇り持って要するに地域とともに一緒になってやっていきたい。
 正論で相手をやっつけることはたやすいです、正論だからです。でも、相手には感情が残ります。私は、その感情の管理を一緒になって、感情のコントロール、いわゆるコミュニケーションを大事にしていったらどんなことでも解決するというふうに思っています。
 行政は取り締まるところではありません。一緒に力を合わせながらやっていくところだと今でも信じております。どうぞ、御協力よろしくお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。(拍手)
#9
○会長(勝木健司君) ありがとうございました。
 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑はおおむね午後四時三十分までをめどとさせていただきます。
 なお、時間が限られておりますので、発言は質疑者、答弁者ともそれぞれ一回当たり三分程度でおまとめいただくようお願いをいたします。また、各委員におかれましては、質疑時間が質疑及び答弁を含め全体で十五分以内となるよう、質疑は簡潔にお願いをいたします。追加質問がある場合には、この十五分の範囲内で行っていただくようお願いをいたします。質疑の御希望は挙手をもってお知らせいただくこととし、質疑は会長の指名を待って行われますようお願いいたします。
 それでは、質疑を希望される方は挙手をお願いいたします。
#10
○伊達忠一君 済みません、お先に。申し訳ございません。
 何回かこういう参考人においでいただいてあれしたんですが、今日は特に、いつも参考になるんですが、今日は特に本当に参考になりました。お忙しいところ、お越しをいただきまして、本当に心からお礼申し上げたいと存じます。
 自由民主党の伊達忠一でございます。
 それでは、二、三点、先生方に質問をさしていただきたいと、こう思っております。順次、星野先生からずっと片岡先生それから中井先生というふうに質問さしていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど、星野先生からいろいろと、ボランティア活動についていろいろとお話ございました。まだまだ私は、意見を言いたいことがたくさんあるんだなということを実は感じました。しかし、日本のボランティアというものが海外で認められて、そしてまた今私は、星野先生がやはり国際的な日本のボランティアの草分け的な存在であったろうと、こう思っておりまして、ボランティアが今日あるんだなということを実はつくづく感じたわけでございますが、特に阪神・淡路大震災のときのNPOの活動というのが特に私はクローズアップされたろうと、こう思っております。
 そんなことから、いろんな意見は、批判もするNPO、NGOもあるんですが、いわゆる今は一万件近いというふうに聞いているわけでございますが、そんな中でいわゆるNPO、日本でNPO、NGOが誕生して根付いてきた条件というのはどんなことがあったのかということをまず、根付いてきたのにはどういうようなことがあったんだろうかということをまずお聞きをしたいと、こう思っておりますし、最近、ボランティア活動も大変いろいろと皆さん方が興味を持って、若い人だけではなくて一般の人も参加をしたい、こういう人も結構実はおられます。そういう人たちが始めるそのきっかけというのはどのような支援をしたらいいのか、その辺も実はお伺いをしたいと、こう思っております。
 それから、片岡参考人にお伺いをしたいんですが、正しく大変ユニークな、珍しい、そして私は大事なことだと、こう思っております。すばらしいことをやっておられるなということを実は感じるわけでございますが、正しく今こんな不況の中で貸し渋り、貸しはがしというようなことが大変騒がれておりますし、そんな中で、どちらかというと日本というのは今まではいわゆる夢だとかアイデアにお金を貸すというか、出資をするということはまずございませんでした。それで、最近は経済産業省なんかでも平沼大臣が積極的にそういうものに取り組んで随分やってきております。私はそれは非常にいいことだと、こう思っているんですが、しかし、まだまだ大きな事業をやっていくというのについては担保であるとか保証人であるとかというのは欠かせないわけでございますが、やはり、こういういわゆる地域に貢献をしていく経営者というものを私は育てていかなきゃならないと、こう思っております。
 それについてはやっぱり大変大事なことだと、こう思っているわけでございますが、実はこの地域貢献の経営者を育てるために活動を先生はしてまいりましたが、これまでどのような御苦労があったのか、その一端を実はお聞かせをいただきたいと、こう思っておりますし、地域経営者が育つ環境としてこれから何が一番重要なのか、必要なのかということ、先生にこの二点お聞きをしたいと、こう思っております。
 それから、中井参考人、本当にもう私どもが今やっていかなければならない、そしてまた大変悩んでいる問題を自ら率先して、正しくこれは一つ指導力という問題も私はあるんだろうと、こう思っておりまして、尊敬をいたしました。
 実は北海道は特に広くて、私、北海道出身なんですが、地域が広くて、過疎過密というものが大変ないろんな問題になっておりまして、おいでいただいたかどうか分かりませんけれども、かつてのあの、狸小路という商店街があるんですが、大変寂れてしまって、シャッターも閉まって。札幌のど真ん中なんです。駅前通りで、しかも、そういうところがそんなような状況になっていいんだろうかということで、これはもう札幌市も道の北海道行政も一緒になって随分参画してやったんですが、なかなかこれうまい方法がございませんでした。しかし、いつも市議会やそういう道議会やなんかで議論になるのは地域おこしということなんですが、それに正しく、自らその地域をまとめて、商店街をまとめて、そして立派に立ち上げてこられたということで、私は全国のモデルだろうと思っております。
 そんなことから、国旗の問題もございましたが、やはり皆さんが合意をされてそういうものにきちっとやっていく。そして、どちらかというと売上主義的な方に走りがちなんですが、正しくトイレからやられてこられたなんということは、よくほかの、かつてはそれこそ相当利益を上げたしにせの店もおありだろうと思うんですが、そういう人たちが何言っているんだと、そんなのは外注して清掃会社に頼めばいいんだというような、簡単に片付けられる時代によく参画をされたなということを実は思っているんですが、そういうことから見れば、実は各地でいろいろと地域おこしをやっていますけれども、目に見える成果が上がっているというのは正直言って少ないのが今現状だと、こう思っております。
 そんなことから、道頓堀商店街の会長として中井参考人がその活性化にかかわるようになった。今までもお話聞きましたが、それ以外にまたどのような変化があったのか、実感していることがあったらひとつお聞かせをいただきたいと、こう思っておりますし、地域おこしでは地元、地域の行政や住民など取り組んで一体となっていく、これは正しくまとめられてきたんですが、いわゆるボランティア、要するにNPOとの連携なんかの協力体制というのはどういうことでやられてきたのか、この辺もひとつお聞かせをいただきたいと、こう思っておりますし、それから、町おこしには、地域活性化の課題についても今お話しいただいた以外に御意見があれば是非お聞かせをいただきたいと、こう思っております。
 よろしく三人の方、お願いしたいと思います。
#11
○参考人(星野昌子君) 伊達委員の御質問に二つあったと思います。
 どういうふうな流れの中で日本にこうした動きが出てきたのか。これは日本だけの問題でなくて、世界的な調査の中でも、もちろん非常に貧しいがゆえに自分たちの生活を守るために市民が立ち上がると。インド、スリランカなどにも立派なNPOが存在しております、むしろ日本などよりも前の段階から。しかし、大体、経済的にテークオフしたような国におきましては、経済がある程度のレベルに達して余り物質的な困難を感じなくなる、豊かになると同時に、そのことによってマイナスの面、例えば環境汚染でありますとか、家族の関係がばらばらになるとか、そういうマイナス要因が目立つような時期にこの市民の運動が起きてくるというのが全体的な流れで、日本もその例外ではないというふうに思います。と同時に、阪神・淡路で明らかになったことは、こうした大事件において政府に頼っていても解決できないんだということを実感したと。その二つが合流したというふうに私は思いますが。
 もう一つの、どういう支援をしたらいいかということについては、逆に、例えば国際協力では今、ジャパン・プラットフォームなんというのを政府の方でお考えで、財界とお作りになった支援施策がありますけれども、そういう枠を先にはめてしまうのではなくて、むしろそれぞれ個々に、例えばイラクだったらば、政府の動きには賛成できないんだというようなNGOが起きて、考え付くようないろいろなイラクの人たちのストレスだとかトラウマに対して対応するとか、もうありとあらゆる多様なアイデアを、むしろ市民側のアイデアを後からこれならば支援していいだろうと付いていく。先にこの枠をお決めになると、逆にそこに頼ってしまう市民活動が多くなると思います。
 以上でございます。
#12
○参考人(片岡勝君) 苦労はあるかといいますと、面白くてしようがない、苦労なんて全くないです。で、そういう人がたくさん出てくるというか、実はいらっしゃる。
 今度、福岡の天神でそうめん、創作そうめんレストラン「島原の乱」というのを、百席ぐらいのを始めます。これは実は島原のそうめんが原産地証明で違うところの名前で売っていたということで崩壊いたしまして、自分たちでやらなきゃいけないというSOSが来ましたもので、行っていろいろ御相談したら、そこの地域に松尾運輸の社長さんというすばらしい人がいるんです。ちょっと現地、現地というか地方の言葉なんで聞き取れるの半分ぐらいなんですけれども、大変すばらしい。例えば高菜漬けで高齢者の仕事付け、それも百トンです。それから、島原そうめんで一番今ブランドは何かというと、障害者の人が作っている、コロニーが作っているそうめんなんです。要するに、一番丁寧にやっているから一番いいというので注文がある。こういうことをやられている方なんですね。こういう方たちが実はいらっしゃるんです。
 私は、ですから全然悲観しておりませんし、人が変わっていくという面白さですね。私は大学で千数百人教えました。百数十人が私の全国の十二か所の事務所にインターンで来ます。そして、起業するのは結局一%です。いいんです。今までのように全員何かしようというもう時代は終わりで、先頭を走ってモデルを作る、そういう若者が変わっていく姿が楽しくてしようがない。
 次に、何が重要かということですが、刺激を与え続けることだと思います。特に、中高年の男性について言いますと、周りがみんな同じ価値観、それをどういうふうにして、それはもうちゃうでということを、特に若い人が志を教えるということではっと気が付く人と、頑固であることを自慢にしている人、この人はずっとそれでいいと思うんです。全員をどうこうするんじゃなくて、もう変わらない人は置いていくということで、何が重要かといえば、人、そしてその成功モデルを作ることかと思います。
 それからあと一つ。通産省に夢を言っていらっしゃると、夢を、で融資する、これはやめた方がいい。リスクを取らない人にそういう融資をさせれば、必ず国民の税金として返ってくる、それは是非、伊達さんの方で余り言われないようにお願いしたいと思います。
#13
○参考人(中井政嗣君) 私は、できることからやりましょう、ですから、ある中でそれを、知恵を出し合って取りあえずやっていくということが大前提です。
 と同時に、商店街にかかわって一番思ったことは、大阪道頓堀にお客さん来てもらおう思ったらミナミにお客さん来てもらわなあかん、ミナミにお客さん来てもらおう思ったら大阪にお客さん来てもらわなあかん、大阪にお客さん来てもらおう思ったら日本にお客さん来てもらわなあかんということから、これは地域と絶対手組まなあかんで。
 先日、岐阜県の梶原知事とお会いさせていただきました。初めて会いました。こんな話をしておったんですが、そうしたら、知事がわざわざ名刺出して、うち、柳ケ瀬商店街具合悪いねん、何とか姉妹提携してくれへんかという話になって、即その柳ケ瀬商店街から振興組合の理事長さんが道頓堀に来られました。一緒に話しながら、じゃ何か交流をやりましょうと。長良川のあのウ飼いを道頓堀川に持ってきてくださいとか、あるいは食い倒れの人形を柳ケ瀬に持っていきましょうとか、ぼちぼち進め掛けているんですけれども。
 大阪ミナミだけでもいろんな団体がたくさんあります。この団体を要するに一つにまとめてやっていきましょうよ、ばらばらでするのではなくて、一括でやっていったら、同じ金使ったかて、もっともっとインパクトは強いですよということを申し上げています。そのためには、やっぱり仲良くやっていかなあかんのですけれども、それよりも何よりも、やっぱり周りに活気あるそういうリーダーがたくさんいらっしゃいます。大阪二十一世紀協会あるいは天神橋商店街あるいは千日前道具屋筋、大阪ミナミ活性化委員会とか観光コンベンションとか、そういったやっぱり元気な人がいやはるんです。だから私も元気になれるんです。特に今回は、今年は阪神タイガース、この話は後ほどしたいと思いますが。
 ありがとうございました。
#14
○伊達忠一君 終わります。
#15
○松あきら君 松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、お三人の先生方、本当にありがとうございます。お三人の先生方に共通していらっしゃる、本当にそれぞれが夢を持って、もちろん自立をして、自分自身で何事も決定して進んでいらっしゃる。ですから、今までももちろんすばらしい先生方いろいろ、あるいは大学の先生等々にも来ていただいていろいろお話を伺いましたけれども、今日は実質的に自分が元気になれる、私自身が勇気を持てた、希望が持てたという本当にその思いを強くいたしまして、とてもうれしいお話を伺ったという思いでございます。
 もうお伺いしたいことは一杯あるんですけれども、時間が限られております。中井参考人、先生は私もいろいろ読ませていただいたんですけれども、四十歳で高校を卒業されたということなんですね。私も実は高校一年修了した時点で宝塚歌劇団に入りまして高校を出ていないんですけれども、そうした、どういう必要性があってその年代でまず高校を卒業、頑張れたのかということが一つと、私は実は、大検があるからそんなものは要らないと言われているんですけれども、今、実は高校中退の人が十万人以上いるんですね。そして、専門学校へ行こうとしても、高校の卒業の資格が要ると。そうすると、大検を受けて専門学校へ行かなきゃいけないのかと非常に矛盾をしていると。ですから、例えばそうした社会の経験を加味した高等学校卒業認定試験の制度、こういうものも実は要るんじゃないか、大検ほど難しくない、もっともっと、もう少し実際に即したようなそうしたものも提唱しているんですけれども、それについてちょっとアイデアをいただけないかなという点。
 それから、これはあとお二方の先生方にもお聞きしたいと思っているのは、やはりボランティア活動にしてもNPO活動にしても、人の育成あるいは教育が大切とそれぞれ先生方おっしゃっておられます。この点について、体験を通して、教育という問題あるいは学校教育でも結構でございますけれども、お感じになっている点がありましたら、お教えいただきたいと思います。
 それから、片岡参考人、先生には、私も経済産業委員会にも入っておりまして、正に耳が痛い話ばかりでございまして、不動産、いわゆる土地や建物ではない夢を担保に市民バンクという、実はこれ活用をそういう意味ではなさったのが中井参考人かなと実際問題私は思っておりますけれども、非常に大事だと。そしてまた、だれかを頼るんじゃない、要するに自立が大事なんだと。これからは自分が地域に何を貢献できるかという時代という、非常にこれはすばらしいなというふうに私も思っておりますけれども、著書に「資金ゼロでも独立・開業できる本」、お出しになっていらっしゃいますけれども、今まだ貸し渋り等々が依然として厳しいんですけれども、例えば資金ゼロでもやっていけるコツなどありましたら、お聞かせいただきたいと思います。それから、先ほどの教育の問題と二点。
 それから、星野先生ありがとうございます。本当に、女性でやはりあの時代に二十年近くもラオス、タイに行っていらっしゃって、実体験で現地のことをいろいろ経験なさって、そしてそれを基に、日本に帰っていらして、多くのNPO、NGOを育てられた方であるというふうに思っております。
 今、日本はなかなか就労問題もきついんですけれども、反対に三K、厳しい、きつい、この仕事にはなかなか日本の若者も今度は就きたくないなんというところがある。そうすると、今度は外国人を、そうした日本の人たちが働きたがらないところで外国人の労働者を使う、しかも安い賃金でなんという、一つこれも問題があるかなというふうに思いますけれども、また、そこの中で、移民というとちょっと大きいんですけれども、話が大きくなるんですけれども、このちょっと問題も出てきているんじゃないかな。これちょっと大きな問題ですけれども、それについてももし何かお考えありましたら、それと教育問題と併せてお答えいただけたら、うれしいと思います。
 以上でございます。
#16
○参考人(中井政嗣君) 私は、全国展開真っただ中のとき三十七歳だったんですが、大阪府立桃谷高等学校に進学いたしました。そのときに、通信制なんですが、四年間、レポート出して、月、水、金、日、週四回、スクーリングに通い続けるんですが、なぜ行ったのかという。
 今日は地域活性ということだったんで話しなかったんですが、私にも子供がおりまして、この子供が、おやじが中卒でもああして元気に活躍している、学問なんてくそ食らえ。私は学歴はどっちでもいいですけれども、学問は大事だということを常々思っておりました。これは中卒でなければ分からない劣等感、コンプレックスがあります。私はそれを一つのばねとして、エネルギーとして努力してきたわけですが、今の子供たちにそんなこと何ぼ言っても分からないということで、じゃ行こうと思って行き始めました。最終的には四年で無事卒業するんですが。
 このことというのは余り大きな声で言えないんですけれども、不登校の子供たちが私の出版した本をごらんになって、中退とか中卒とか、そういうものであれば千房さんだったら採用してくれそうだということで、まるで更生施設のように思われて、でも私、採用してきました。また、中退、中退というよりも不登校、この子供たちが私どもに訪ねてきます。これは私、自慢じゃないですが、一〇〇%学校に行きます。先生がびっくりされます。親がびっくりされます。どんな話されたんですかと。いや、私は三十七歳、全国展開真っただ中、社長しながら僕は学校へ行った。何でだと。あなたも結婚して子供できたら、子供同じことするよ、今やっていることでそれでいいのか、順番やでという話しながら、高校ぐらいの学問はやっぱり今身に付けなければだれも相手にしないよ、昔と今は違うということを話していくんですが。
 皆さんに、今日は別な話ですけれども、高校ぐらいは本当に義務教育にしてもらいたいな。それによって今の中学校の進学の勉強が要らないんです。中卒で義務教育、それでいいんですけれども、それでどこか企業採用してくれるんでしょうか、あるいは資格取れるんでしょうか。であれば、高校ぐらいまではというふうに思いますが、自分の高校に行ったという、週に四回、スクーリングに四年間。これはやっぱり体験でしか学べないものがありますね。知識や理論ではありません。
 ですから、よく言うんですが、人の教育は徹底的にやっています、でも人を育てることができない。学歴は立派やけど学問がない、あるいは学力がない。あるいは知識は豊富やけど知恵、工夫が足らない。体格は立派やけど体力がない。これは皆、体験、経験不足です。余りにもバーチャルリアリティー、つまり仮想現実でできるって勘違いしているんだと思うんですが。ですから、一つ一つ体験を積み重ねていくことが何よりも大事だと思っています。
 以上です。
#17
○参考人(片岡勝君) 中井さんと物すごい似ちゃうんですけれども、私のベンチャー論に来る学生に義務付けることの一つが掃除のアルバイトなんですね。そうしますと、家に行って掃除して、曇り一つ作らない、曇りがあるとクレームをする、プロとは何か体験させる、そして責任を持たす。
 今、日本の社会が遅くなってしまったのは、企業、大きな組織が、三十年掛けて社長になる。組織の中にいるとどうしても、私も銀行でしたから、稟議稟議で何分の一かの責任しかない、というか責任がない。役所もそうだと思います。そうした結果、遅くなっているんだと思います。私は、実は、教育はもうすべからく責任を持たす、この場をどれだけ作れるかと。
 実は、先月の七日に、上海交通大学という江沢民さんが出られたところに記念講演をしてくれと言われたので行ってまいりました。サムソンの社長とか何かと一緒なので、何で私がそんなので呼ばれたんだろうというふうに思いました。
 そこで言われたことが二つありました。一つは、中国でも在学中まだ学業が本分なので起業するというのはなかった、しかしこれではアメリカにスピードが遅れる、あなたは学生時代から起業をさせている、それを学びたい。二つ目、あなたはいろんなところからお金をみんなに出してもらう、だけれども、中国ではまだもうかることにしか出さない、これでは多様性で勝負するこれからの社会、特にアメリカのような多様性を大切にする社会と中国がやっていく上で、金という価値だけでお金を集めていたのでは駄目だ、志を中心にお金を集めるあなたから学びたいと。常にアメリカということしか意識していない中国のそういうお話に残念な気持ちもした次第です。
 二つ目、資金ゼロでもやる方法。拾う、もらう、作るです。
 拾うというのは、価値観が転換しないと恥ずかしくて拾えない。だけれども、拾ってくればリサイクルにもなる。もらうというのは、人脈がないともらえない。作るというのは、体を動かして、創造的じゃなければ駄目だと。事業は金だと言っている人は大体金で失敗しています。拾う、もらう、作るがこれからのデフレ時代の起業であると。
 以上です。
#18
○参考人(星野昌子君) 私、昨年の三月まで敬愛大学の国際学部というところで教鞭を執っておりましたが、学生のボランティア活動で入ってくる人たちに、自分、何を、あなたはどんなことができるのか、何をしたいのかと聞くと、全然返事がなかったんです。それで、いや、先生が千葉県のこういうところに行ってこうやれと言えば何でもやるんですという、もう入れ物が見えないと自分が何をやっていいか分からない。あなたの得意なことは何なのか、今どんな感じか、どういうことをやったときにハッピーかというようなことを聞かれたことがないと言われて、私もびっくりしました。
 それで、思い出すのは、三十七歳のころに、ラオスに住んでおりましたけれども、フランスに十か月ほど語学の研修に行っておりました。そこでホームステイしていたところの、それは弁護士さんで六十代のお宅だったんですけれども、息子さんが川向こうに、ロアール川のほとりのいいところなんですが、息子さんのお嫁さんが五歳の女の子を連れて私のところに遊びに来て、おばあちゃんのお手伝いをしたりした後、その子供が私のところへ泊まっていきたいと言い出したんですね。気に入っちゃったんです。
 そうすると、お母さんは決してそんなことはいけませんと言わないんですね。ああ、それだったら、あなたは今晩おしっこに起きたときにだれに面倒を見てもらうのと言う。自分の何か願望を実行しようとすると何が起きてくるかということを母親は言うだけで、しちゃいけないとか、こうしなさいということは言わないわけです。そうすると、その女の子は、じゃ、おばちゃん、お世話してくださるとかというふうに、私も行き先が面白いからやりましょうと。お医者さんであるお父さんが病院から夕方から帰ってきたら、毎晩夕方お散歩するけれども、あなたは今夜は一緒にできないけれどもいいの、いいのというふうにきつくは言わないんですね。
 ところが、だんだん子供は寂しくなってくる。だったら、この犬を置いていってと、犬と一緒にお手伝いに来るので。犬のお散歩はと言う。また、私の顔を見上げて、犬のお散歩をしてくださると言う。私、犬、大好きなんですけれども、こんな大きな犬を自転車につないで飛ばすという、ちょっと無理だと思う。その間、一時間半やそこら掛かっているんです、ぽつぽつ話して。だんだん子供は帰りたくなっちゃったんです。泊まりたくなくなっちゃった。そういうこと、そんな育てられ方。
 それで、私はラオス人の養女もおるんですが、その子供たちが幼稚園のころ、パリでやっぱりそういう教育を保育園、幼稚園そして学校で、あなたは今のあなたの学業だと将来こういう職業に向きますねということを中学からやっているんです。それをだんだんだんだん狭めてきて、そしてもう高校三年、これから大学というときには自分の大体フォーカスが決まっているという、それですべてあなたはこういうところがすばらしいからというふうにして育てていく育て方と、こうしてはいけません、こうしなさいというその歴史的な差というのはそんなに縮められないと思うんですけれども。
 でも、敬愛大学の学生でもやっているうちに、自分は中学時代に不登校だった、だからこの夏休みは、そういう今の中学生の子供たちを少し遠いところに一週間ぐらい自分たちで自炊しながら、そういうことをするお世話が、教育委員会と組んでいるんですけれども、僕はそれをしたい、そういうことで本当に喜々としてそういう活動へ入っていくので、ああ、それをやっても先生、ボランティア活動として認めてくれるんですねとか、一度も自分は何なのかと聞かれなければ分からないわけですね。そんなことを教育では感じています。
 そして、三Kの仕事などに外国人が来る、私も青年海外協力隊で一万三千円の月給できついといえばきつい生活をいたしましたけれども、日本の人たちも、今JVCなどに集まってくる人たち、有給職員も、やっぱり企業などで働く、六割ぐらいです、せいぜい七割。それでも非常にもう熱中して自発的にどんどん仕事ができるのは、やっぱりそのことに自分が生かされているというこの満足感なんですね。ですから、トイレのお掃除から始まっていろんなお話がありますけれども、そういう汚い仕事でも自分がやりたい仕事とどう関連していてこの単純作業をやっているのかというつながりが見えれば、人はかなりきついことでもできる。
 そこに今途上国などの安い労働力を使っていることは、日本ではそういう職場に人が必要、どんどんこれから子供が少なくなる中で、もちろん日本人が汚いこともどんどんやるのが一番いいわけですけれども、絶対的に足りない労働力については、今は労働力を必要としているにもかかわらず法律的には不法滞在者と、見付かったら送還されるというようなその食い違いですね。単純な労働でもきちっと入れるような体制を作るとか、そんなところが必要かなというふうに思います。
#19
○松あきら君 ありがとうございました。
#20
○西山登紀子君 どうも今日はとても有意義なといいますか興味のあるお話をたくさん伺いまして、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。ちょっと幾つかばらばらするかなとも思いながら、ちょっと気付いたところをお話をさせていただきたいと思います。
 日本共産党の西山登紀子と申します。この調査会というのは大変三年間のスパンを持った調査会でございまして、そのテーマは「真に豊かな社会の構築」ということがテーマになっております。その問題意識といいますのは、これはここの調査会で一致した問題意識なんですけれども、日本は世界でも大変経済的に豊かな国だというふうに一応しているわけなんですけれども、どうも国民の皆さんお一人お一人は本当に豊かであるという実感を持てていない、なぜだろう、これからの日本の社会を作っていくには何が必要なんだろうというこれは共通した問題意識でございます。
 そこで、お三人の参考人の皆さんお一人お一人にお答えいただきたいと思いますのは、これから新しい二十一世紀の日本の社会にとって本当の豊かさとは何なのか。それぞれの参考人の皆さん、お一人お一人のお考えで結構です。皆さんは何が本当に、真の豊かさとは何というふうにお考えでしょうか、あるいはお感じでしょうか。御意見をお伺いしたいなというのが一つ。共通のテーマとしてお聞きしたいと思います。
 それからもう一つは、片岡参考人にお伺いしたいと思う。
 とてもユニークな市民バンクを立ち上げていらっしゃるということなんですが、NPOというのは非営利法人ということです。先ほどは、利益は生むけれども分配はされないというような御説明もありました。そこで、この市民バンクとそれから非営利法人というもののこの兼ね合いを一体どのように考えたらいいのかということが一つ。
 これは教えていただきたいということと、それから、私も、今、松さんと同じ経済産業委員をしているんですけれども、片岡先生のところで女性のための起業スクールあるいは女性のためのファンドを立ち上げていらっしゃるということで大変興味があります。これはなぜ女性に着目をされたのかということ、そして、着目して、既にスタートして動いているわけですが、そこで何が新しく生まれているのか。私は、将来の日本のやっぱり豊かな社会というのは、女性が非常にもっと社会的にも自発的に前に出て、そして男性もともにもっともっといい環境を作っていくという、そういうのが一つの私の将来像といいますか、描いている方向でございますが、そういう点で、先生が既にスタートさせて生み出していっていらっしゃるそこら辺をもう少しお聞きしたいなという気持ちがございますので、教えていただきたい。
 それから、星野参考人にちょっとお伺いいたしますが、ちょっとこの資料を見せていただきました。特別非営利活動法人というこのタイトルが入っているのを私ふっと今見て、なぜ特別なんだろうと。
 そこを一つは教えていただきたいのと、この長い間の先生の御活動、とても私は敬意を表したいというふうにも思うわけですけれども、先ほど、ドイツの方が、クワンゴという、日本はクワンゴが非常に多いというのに驚かれたという、そこら辺が、日本のNPOの活動というのには、それぞれの国はそれぞれの歴史があり模範があるんだろうなということが今、先生の御説明で分かりましたが、なぜ日本はクワンゴが多いのか。そして、政府や行政とのいいパートナーシップというのは、日本ではどういうふうにあるべきなのか。
 今、いろんな形で、例えばアダプトプログラムというようなことが、私は地元は京都なんですけれども、一般紙にも、そういう大きな活動の、新しい活動が始まっているよという形で紹介されたりしているんですけれども、政府とNPOあるいは地方の自治体とNPOの関係ですね、これは補助金だとかあるいはいろんな仕組みで引っ張っていくとか、いろんな関係があると思うんですが、最も望ましい方向というのはどうあるべきなのだろうかと、この辺も是非教えていただきたいなと思っておりますが、最初に、真に豊かさとは何かということからお話ししていただければと思います。
#21
○会長(勝木健司君) 中井参考人からお願いします。
#22
○参考人(中井政嗣君) 豊かさというのは決して身に付けるものではあるとは思いません。にじみ出るものという。やっぱり心の豊かさなんでしょうけれども。
 我々、幸いにも、外食産業というところは、お客様に明日への活力への再生産の場、これが外食産業の使命だと思っています。その中で、特に夢がある、あるいはそれに向かって挑戦する、厳しかったり苦しかったりつらかったりすればするほど、それを克服したときには大きな心の豊かさが得られます。特に、私は人に喜んでもらえることが何よりの心のいやしだと思っています。
 お金、高い金払ってきれいな音楽聞きに行ったり、すばらしい絵を見に行ったり、自然と触れたり、これも心のいやしにつながっていくと思うんでしょうけれども、でももっともっと身近に心いやせられることはあります。それは、人に親切にしてもらったら心いやせられます。また、親切にした人も心いやせられます。つまり、親切というのは、あれは親を切ると書いていますが、そうではありません。親しく切るではなくて、あれは切に、つまり切に親しく、親しく接することが要するに自分の心のいやしになるんですよ。余りにも隣と隣が疎遠になっている、これがもっともっとコミュニケーションが取られる、意思の疎通が図れるようになったら自然と心は豊かになるのになというふうに思っております。
 また、従業員に関しては、我々外食産業、学歴は問われません。学業成績も問われません。でも、徹底的に人間性、人柄が問われます。外食産業こそ教育産業ではないかなというふうに私は考えております。
 以上です。
#23
○西山登紀子君 どうもありがとうございます。
#24
○参考人(片岡勝君) 全部一緒に答えた方がよろしいですか。──私は東京生まれ、東京育ちで、東京以外では生活できないんじゃないかと思っておったんですが、今はもうなるべく東京からは早く離れるという生活しておりまして、山の上で、イノシシやそういうのが時々山に上がっていくと出るようなところになるべく早く帰るということが今は大変豊かさを感じております。
 政治との兼ね合いで言いますと、私は、最大多数の最大幸福ということを政治は考えない、むしろ最小不幸社会を作るということが大事で、豊かさということが最大多数の最大幸福になっていったとき、個人の価値観にまで政治が踏み込むというのはいかがなものかというふうに思っております。
 それから、利益との、NPOとの関係ですが、正に星野さんが言われていましたように、ノット・フォー・プロフィットというふうなつもりでやっておりまして、結果として利益が出るかどうかということよりも、正に一番大事なミッションとしての目的を達成して、結果としてお金が付いてくるというのについては、これは余り問題にならない。ここを問題にするからNPOというのはもうけちゃいかぬのかという話になるわけでして、ちょっと私事ですが、本をちょっと出しておりまして、日本経済新聞から「儲けはあとからついてくる」という本を出しておりまして、もうけは社会に必要なことをやっていれば正に付いてくるんだということで、社会のニーズという三つ目の質問ですが、社会のニーズというのがこれからの新しい内需の需要を生むという意味で言うと、女性の感性というのが最も必要なわけであります。
 私は、女性に、最初に女性にと言い始めた理由は、実を言いますと変わりやすい順番にやってきました。で、女性、そして若者、そしてもうこれについては駄目かなと思っていたんですが、去年、先ほど言いましたように、中高年の男性ということでやってみたんです。で、これは本当は駄目かなと思っていたんですね。そうしたら変わったというのは感動でした。本当に変わったんです。ですから、僕は変わらないと言っているのは、もううそだと思うんです。変わると思うんです。
 そういう意味では、使われていない財、アメリカが日本がジャパン・アズ・ナンバーワンのころ研究された中に、日本人で、日本の経済で使われていないものを洗い出した、その中で女性の活力というのがあったというのを聞きました。私は正にそこを活用する、そういうことが、これからの日本経済で財がますます、従来型財は不足していきます。しかし、今まで眠っていた財は幾らでもあるんじゃないか、そんなふうに思います。
 以上です。
#25
○参考人(星野昌子君) 最初の御質問、豊かさ、つまり豊かだと感じる、安心、このまま行っても安心できるというようなことは、先ほどお話しした私の大学の学生も留学生がたくさんおりまして、日本より経済的には明らかに貧しいスリランカ、バングラデシュ、中国、まあ韓国も含めまして、みんなこの留学生、若者たちは将来を非常に不安だとは思っていません。一番、まあ経済的には不況とはいえ、豊かであるはずの日本人、まあ七割ぐらい日本人なんですが、これが将来、非常に不安であり、自分は豊かだと思っていない。
 私は、時間がございませんから結論を申し上げますと、今まで豊かであるとか安心できるとかということは、いろんな形で保護されてきた、日本の中で。親が子供を保護するとか、女の人が結婚すれば夫が妻を保護するとか、企業なども、一生懸命勉強していい企業に入れば、定年まで大して仕事しなくてもと言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、まあ勤まると、そして年金もという。
 今、保護がなくなってくることに対する不安を抱えている人たちは豊かだとは感じられない。保護があるところには必ず管理がある。保護されつつ豊かだと感じた人たちは、管理されることは別に嫌じゃなかった、嫌だったかもしれないけれども、それは我慢できると思っていた。その逆にならないと。管理はされない、自分はほかの人と同じであってたまるかと、みんなが同じでありたいというのではなくて。そして保護がない社会、向かい風に向かって独りで歩いていくんですから、いろんな意味で危険もあるけれども、それを自分の持っている力で解決していこうというふうに精神状態がひっくり返らないと。今の現状は私は十分豊かだと思います、日本は。セキュリティーもあると思います。清潔でもあると思います。そういうものを、自分の住んでいる、要するにこの現状を豊かだと感じられないのは、精神的な、もう保護なんか要らないよ、だから管理はされたくないというふうにならないと豊かさは十分感じられないというふうに思うんです。ですから、学校なんかで、あそこの学校は面倒見がいいからとかというのもちょっと違うのかなというふうに思ってはおります。
 それで、なぜ特別非営利活動法人かというのは、これも私ども自体、市民として非営利の活動をしてきた者全部が不満に思っている名称でございます。にもかかわらず、もう議員立法で法案を検討する間、各政党のこのNPO法、略称NPO法の担当の議員の方々はかなり市民という名前にアレルギーがある方が多くて、市民というものは政府を覆すというような何かイメージがあると。私どもは大いに市民活動法人になりたいと思っています。今後、検討を重ねる中で、是非名称も変えていただきたいというふうに思っています。
 そして、その特定というのは、今のところ、これは、ですから政府の方の御意向で現行では十二の分野、保健・医療・福祉、社会教育、町づくり、文化・芸術・スポーツ、環境保全、災害救援、地域安全、人権・平和、国際協力、男女共同参画、子供の健全育成、NPOの連絡と助言というのが十二、現行でございますけれども、これにこの五月から情報化、科学技術、経済活性化、職業能力の開発・雇用機会の拡充、消費者保護などの項目が五分野加わりますけれども、私どもから考えますと、この特定に分野を限定する必要が実は全くないわけです。もっともっと普通の市民がこれではほっておけないと思うもの、これから一杯出てくるはずで、それをやはり規制しようと、管理しようというところがまだまだだと思うんですが、でも、もう発足しましたし、これからの話合いでいい方向に持っていけるというふうに思います。
 そして、政府の方もNPOの活動をサポートしたいというふうに思っていらっしゃるのはよく分かります。その関係はどうあるべきかというのは、正に片岡さんがおっしゃったような、まず政府の方が動くのではなくて、結果としていい仕事をするのであれば財政的な支援もあるし、そのほか様々な支援もしましょう。まず、市民自体が手をつないで、志を同じゅうする人たちが手をつないで頑張って成果を示す。
 初めに申し上げましたジュネーブでのNPO、本当の市民活動は何かというと、最初の段階で役所からの人が下りていないこと、そして最初からお金が入っていないことと申し上げましたけれども、発足が市民の力で人も金もやるのであれば、三年ぐらい経過した後、たくさん政府からの委託のお金が入ってきても全く構わないわけです。それは市民性は損なわれません。正に片岡さんがおっしゃったことと同感でございます。
 以上です。
#26
○西山登紀子君 どうもありがとうございました。
#27
○中島章夫君 三人の参考人の皆さん、大変ありがとうございました。
 私は二つほど質問を申し上げたいんですが、その前にこんな場をかりて恐縮なんですが、私、最近繰上げ当選を果たしまして、今日、この調査会、初めてでございます。民主党の中島章夫でございます。どうかよろしくお願いをいたします。
 実は、ごく最近まで比較的時間を自由に使える立場にあったものでありますから、私が住んでおります鎌倉周辺で大分ボランティア活動に参加をいたしておりました。そういう場面で星野参考人にはいろんなところでお話を伺ったりという機会がございまして、大変尊敬を申し上げておるんですが、まず最初の質問は星野参考人にお願いをしたいんですが、おっしゃるとおり、良いNPOにはしんのところにしっかりした人々が必要だと、こうおっしゃいました。私もこれは本当にそうだと思うんです。
 ただ、理想的にはNPOというのはできるだけそのドアを、戸を立てないで、いろんな人がいろんな機会に自由に入ってこれるというようなことが望ましいのでありますが、ある目的を持って活動をしようとすると、やはりその活動を継続的に続けていく際に、中心になるところにやはりしっかりした、しんにしっかりした人が必要になってくる。これがともすると、代々変わらないでその人たちに依存をしてしまうという形で、組織の活性化が行われないという、そういう矛盾を感じることが非常に多うございました。
 この点について、どういうお知恵があるか、お考えをお聞かせいただければ有り難いと、これが第一点でございます。
 第二点は、これは教育の問題についてなんですが、実は私、文部省におりましたときにアメリカの大使館に勤務をした経験を持っております。アメリカのコミュニティーに生活をいたしまして、日本の青年と大きな違いは、コミュニティーで活動している青年の姿がアメリカでは見えるということであります。この国ではその姿がほとんど見えないのであります。
 これとはちょっとまた別なんですが、インターナショナルバカロレアというのがあるのは御承知かと思います。国際的な場で活躍する国際人を養成するためのカリキュラムでありますが、日本でいえば高校の二年、三年といった部分にキャスという、CASというプログラムがございます。これはその二年間、一週間に半日間は自由にクリエーティビティー、CASは、Cがクリエーティビティーだったと思います、Aはアートだったと思います、Sはサービスだったと思いますが。こういう社会活動というものを奨励をしているんですね、自由に。
 日本の青年とそれからアメリカの青年、あるいはその他の青年との大きな違いは、こういう社会へ参加をするという、学校あるいは家庭が戸を立てて、青年たちがおのずからなる地域社会への興味を閉ざしているような気がするのであります。
 国際理解ということのカリキュラム開発を私は別途あるところで、ある学会でやっているんですが、国際理解などということを言う前に地方自治とか自分たちの周りに参画をする、そして体験してみるというようなカリキュラム、あるいは体験が日本にはほとんどない。
 先ほど星野参考人がおっしゃいましたように、奉仕というものを義務化するのは、私も賛成ではありません、大体論理矛盾があると思っているんです。しかし、その体験をすると、社会的な体験をして、この次その社会を担っていくように育てていくというその目的が、どうもこの国には全ソサエティーから消えておるような気がしまして、この点に関しまして、それぞれの参考人の皆さんがどんなお考えをお持ちなのかをお聞かせいただければと、こう思います。
#28
○参考人(星野昌子君) しんにしっかりした人が必要だということはもう御理解いただいているということで、日本でこうした非営利の市民団体がどうしてもピラミッド型になると、あるいはクリスマスツリーというような言い方を欧米の人たちはしますけれども、そのクリスマスツリーのてっぺんにはきらきら輝くお星様がいて、そういう魅力的な能力のある人の下に従っているという。でも、今、世界的にノンプロフィットのオーガナイゼーションというのは、偉い人を作らないで、もしイメージとするならジャガイモといいましょうか、畑で土の上に出ている葉っぱや茎は非常にみすぼらしいんですけれども、地面の中を探っていくといろいろ芋ができていて、その芋をまた切ってほかへ植えればそこからまた芽が出るというか。どうしても日本では、私は決してクリスマスツリーを全面否定いたしませんけれども、比較的そういう形が多い。これでは自己増殖的に広がらない。ジャガイモ、根菜類スタイルでないと本物でないというふうに私自身は信じています。
 その組織をジャガイモ的にするために必要なことが二つございまして、それは、かかわっている人たちに、偉い人だけが知っている情報というんじゃなくて、情報が共有されているということ。どんな末端な単純作業をやっている人でも、自分は今何のためにこれをやっているのかということが分かっている、あるいはその組織が目指すものが何であるかということはみんな平等に知識を共有している、そして決定に対しては参加できる。それがなくて、上の方だけでいろいろなことを決めていて、立派に動いているんだけれども、そこの中心になる人への依存が高まってくれば、これはしばらく、大体十年から十五年たちますと、困ったね、これは、若い人が全然入ってこない。実は古い方がお辞めになるとどんどん出てくるんですけれども、私が辞めたらどうなるんだろうという、本当に非営利でやっていらっしゃるからがゆえに、あなたが降りればということはなかなか言いにくいとか、そういうふうな形になるわけでして、有給のポストを常にオープンにして、そこにはどういうリクワイアメントがあるか、どういうことを満たす人がここに必要か、公募をする、みんなで選ぶという形を取っていけばそういう問題が起きないというふうに思います。
 体験は、確かに体験は義務付けないとしないとかというのがあるんですね。ですから、私が申し上げている奉仕活動を義務化するなと言うのと相反するではないか。体験も、でも一斉にさせるというのではなくて、今余りにも日本の中学、高校でもそういうゆとりがなさ過ぎるんですけれども、そういうときに、さっき申し上げたような、したい人はどうぞ、無理強いはしませんよというような時間的なところを設けていくことによって、初めは全然嫌だなと思ってやる人が多いです。しかし、やってから、ああそうなんだって、やっぱり体験あってのことですので、それは必要だというふうに私は考えています。
 以上でございます。
#29
○参考人(片岡勝君) 今、中島さんが言われた件というのが正にソニーなんかが言っていますところの複雑系経営ですとか、あるいは三菱総研の牧野さんなんかが言うオープンリソース経営と言われるものだと思います。これを一番やれるのがNPOということで、私自身は全国を飛び回りながら、百五十人が動くのを、ほとんどメールでの情報共有、アジアにもよく出掛けますので、かなりの活力を生んでいます。その方法というのは、正にヒエラルヒー型にしない。ですから、ミッションを求心力に、自由と自発をエネルギーに、この演出と経営ができたNPOが生き残っていくということだと思います。
 そしてそれは、実を言うと、ノット・オンリーNPOでありまして、バット・オルソー企業も行政もそうでありまして、実は学ぶべきは、NPOに対して御質問される前に、行政組織及び企業が同じような複雑系経営あるいはオープンリソース経営ができるかということが日本社会に問われていることではないか。そういう点では、NPOがその中では最も先進的な経営にチャレンジしていると。
 それからあと、学校教育につきましては、口を開くとどうも批判をしてしまうんで、手短に言えば、もう余り全体を論じない、語らない、そして正に自発性を育てる、私のような事例を現場で作る、それしかないというふうに思っておりまして、文部省も余り全体を語らないということが大事ではないかというふうに思っております。
 終わります。
#30
○参考人(中井政嗣君) 先日、体験学習ということで地方から中学三年生の子供たちが来ました。便所掃除さしたんですが、先生から大変なクレームがつきました。ボランティアをさせに連れてきたのではない、あきんど体験を体験さしてほしいということでした。便所掃除している真っただ中でして、旅行業者も通じてクレームがどっと来ました。それ終わってから表彰式、表彰式と言うんか、最後で認定、修了証書の式典をやるんですが、その式典のところで子供たちに、今日皆さん方は学校で、随分あきんど体験ということで学習を受けてこられました。ところが、トイレ掃除ということも加わってきましたが、決してこれは無駄ではありません。これは、むしろ我々あきんどというのは掃除から、整理整とん、お掃除から始まるんですよという話をするんですが、子供たちは真剣にその体験をやってくれましたんですが、先生からボランティアと。決してボランティアさせているつもりはありません。橋のところで落書きもたくさんあって、これも消していただきましたが、これもボランティアでさしているつもりは更々ありません。でも、先生はそういうふうなとらえ方しはるのやなというふうに思いました。
 それから、私、保護者とかPTAなんかで、たまにこんな教科書を参考にすることがあります。
 これ「尋常小學修身書」、文部省から出されている今から八十数年前のものです。復刻版なんですが。ここで「モクロク」だけ読み上げるんですが、コウコウ、シンルイキヤウダイナカヨクセヨ、ジブンノコトハジブンデセヨ、ベンキヤウセヨ、キマリヨクセヨ、ジマンスルナ、オクビヨウデアルナ、カラダヲジヨウブニセヨ、トモダチニシンセツデアレ、ブサホウナコトヲスルナ、ヒトノアヤマチヲユルセ、ワルイススメニシタガフナ、シヤウジキ、チュウギ、ヤクソクヲマモレ、オンヲワスレルナ、ソセンヲタフトベ、トシヨリニシンセツデアレ、メシツカイヲイタハレ、シンボウヅヨクアレ、クフウセヨ、キソクニシタガヘ、ヒトノナンギヲスクヘ、ヨイコドモ。
 残念ながら二つだけ飛ばしました。一つは天皇陛下、二つは皇后陛下。さあ、あと何が問題あるんですかというお話するんですが、子供はもちろんのこと、もう一回大人も原点に返れよということを今痛切に思います。そんな話しながら、何のために働くんですか、金もうけですか、あるいは何のために生きているんですか。
 相田みつをさんの詩にこんなのがあります。「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」。今の若い人たちに、花は何のために咲いていますかと聞いたら、十人のうち二人が勝手に咲いていると言うそうです。でも、結論からいえば、花はただ咲いているだけなんですが、花を介していわゆる自分の感性を述べたんですね。心の時代だと言いながら、感性どこへ行ったんですかと思います。でも、結論からいって、花はただ咲いているだけなんですけれども、その花を見て人間は感動、感激します。なぜですか。つまり、命、一生懸命生きておるからです。人間もそうだ。そんなだらだらだらだら生きている人間に何が感動、感激しますか、だれが手を差し伸べますか。能力あるなしにかかわらず、一生懸命やっている、誠実に一生懸命にやっている人に人は応援すると思います。私はこれは信じています。
 あるいは、デジタル化、デジタル化、盛んに言われています。私、残念ながらそれには付いていけられなくて、自分のホームページも、会社はあるんですが、私のホームページ、メールとかそんなことしません。もう完全にアナログです。人の心を動かすのはアナログだと私は思っています。
 全従業員、今七百八十六名おるんですが、そこに私、毎月、給料袋、アルバイトに至るまで、全従業員の給料袋に私のメッセージが入っています。これ、入れ続けてもう十五年と三か月です。千房を創業して三十年になりますが、それまでは全部、十五年前までは全従業員に給料を現金で手渡しでした。ですけれども、銀行振り込みになったんですが、それに代わるものとして、これは自筆で書いています。原寸です。習字習ったことはありません。でも、毎月毎月大変ですね。いや、幼稚園のとき、顔洗って歯を磨くの大変でしたでしょう。継続は力なりということです。
 以上です。
#31
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 今日は、三人の参考人の方々、非常に有益な話をしていただきまして本当にありがとうございます。
 今回のテーマは、ボランティア、NPO・NGO活動等社会参加システムの在り方についてということなんですけれども、いわゆるシステム、参加のシステム及びその面について重点的にやってきたように思いますけれども、いろいろと最初考えていた質問とちょっと変わってきておりまして、私自身の中で、それでちょっと角度を変えて質問したいと思っております。
 それは、一つは改革の問題でございます。
 いわゆる非営利活動法人の改革について、公益法人等の制度の改革の一環で、これはNPOも関係してきている話であります。特に税制面においてなされてきているわけでありますけれども、これは昨年の八月に公益法人制度にかかわる抜本改革に向けていわゆる論点整理がされておりまして、いわゆる政府は、明治二十九年以来の百余年にわたるそんな中で改革がなされてこなかったと、様々な点で時代に合わなくなってきていて、いわゆる公益法人、社団とか財団法人、こういったものを改革しなければいけないと。さらに、特定非営利活動法人やいわゆる中間法人と一括統合して原則課税と、そういった話も出ていたり様々な議論があることは確かなんですけれども、そこで政府が求めている非営利法人制度のあるべき姿として、非常に抽象的な言い方なんですけれども、大きく言えば五点ほどに集約されると私は思います。
 一つは、簡便な方法で法人が設立できるということで簡便性ということについて言っている。二番目は、客観的かつ明確な基準の下で公益性の判断がなされること、いわゆる客観性というふうに言っているわけでございますけれども。三点目が、民間の自主性を尊重するため、法人の設立、活動への行政の関与を最小化すると。いわゆるこれ先ほどから議論の中にありますように自律性の問題にかかわってくる話で。それから四点目は、法人運営やその活動の姿が広く国民に分かりやすいものとなると。そういった意味では透明性ということにつながってくる話なんですけれども。最後の五点目としては、時代変遷や活動内容の変化に応じて法人の位置付けが柔軟に見直しできるようなそういう仕組みになっていることが望ましいという。簡単に要約してしまいますと五点ぐらいになっているわけなんですけれども。
 これは、先ほど片岡参考人の方から、パラダイムシフトがあって、上から変化を強いるのではなくて下から変わっていくことが非常に望ましいという、そういった趣旨の発言がありまして、このこととどういうふうにかかわってくるのかなということで、非常に私はこの辺についてはもっと皆さんの御意見を聞いておかなければいけないなと、そんな思いになりました。
 こういう政府が考えていることについて各政党が地ならしをしなければいけないということで様々な議論が行われていることは確かなんですけれども、例えば公益法人の改革を行い、その次に非営利、非公益の中間法人と統合していこうという、そういった考え方もある。あるいは、さらに公益法人と中間法人の統合を行って将来的にNPOの法人の統合へという、そういった考え方も示されている。
 三人の参考人の方々にお聞きしたいことは、いわゆるNPOの関係というのはやはり社会参加の一つの大きな核であるということで私も非常に期待しておりますし、大きな評価をさせていただいているわけなんですけれども、この改革がこういった形でなされようとしているときにあって、いわゆる改革の在り方によってはNPOの存在意義に極めてかかわってくる話だと思うんですね。
 そういった意味ではこの改革の、今若干の説明で申し訳なかったんですけれども、こういう政府のお考えに対して皆さん方はどのようにとらえていらっしゃるか、非常に私聞きたいところなものですから、是非三人の方々にこの辺についての御意見をお示しをいただきたいなと、そのように思っていますので、よろしくお願いいたします。
#32
○参考人(星野昌子君) この問題に関しましては、私個人と申すよりも、非常に重要なことでございまして、私が現在代表理事を務めております特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人、日本NPOセンターの三月末の理事会でNPOとしてはこういうふうに考えていこうということをまとめたものがありますので、それを読みながら申し上げたいと思うんですけれども。
 一番初めに、百年以上にわたって根付いてきた民法三十四条による公益法人制度の改革、これは行政改革の視点だけでなくて、自由で活発な民間非営利活動をどのように育てていくかという長期的な観点から十分な国民的議論を踏まえて実施されるべきだというふうに考えております。余りに拙速な閣議決定によって硬直的な枠組みを決めると、せっかく今伸びてきているものも消えていくという危惧を抱いております。
 二番目には、行革推進事務局においては、公益法人と特定非営利活動法人に中間法人も加えて一つの法人類型として準則主義によって設立が可能なものとするように検討してきましたが、中間法人は本来的に前二つとは性格を異にするものでございまして、別の法人類型として切り離して考えるべきではないかと。
 三番目に、特定非営利活動法人については、ようやく定着し始めたこの法人の独自の発展を尊重する観点から、今回は政府による公益法人制度改革においては当面分離するという扱いの方向になってきておりますが、NPOとしてはそこから外れたから良かったというような考え方ではなくて、これは現状では妥当な措置というふうに思いますが、実は民法三十四条に基づく特別法という制約の中でこのNPO法が成立したこともあって、多くの課題がまだ包含されているというふうに考えておりまして、民法改正とともに、より自由度の高い活動が保障されるようその本格的な改革が求められる。今回の公益法人改革の方向を見定め、それが特定非営利活動法人の改革の方向と一致することが確認されるのであれば、二つの法人制度は統合されるのがふさわしい、少し長いスパンの後で、そのように考えております。むしろ、そのようなものとして今回の公益法人制度の改革はなされるべきであると。
 以上から、当面の公益法人改革は、これまでの主務官庁の許可主義を旨とする公益法人制度を準則主義に切り替えることにし、まず最初の段階としては絞って、その場合、新たな法人制度においても、非分配である以上、非課税の原則を貫くべきではないかということでございます。
 必要であればこれを、コピーを残してまいりますので。これは理事会で決定した見解でございます。
#33
○参考人(片岡勝君) 今の御質問についてはちょっと自分の意見を持ち合わせておりません。新聞等も含めウオッチしておりませんのでよく分からないんですが、ただ、将来像として見たときには、政府が資金の分配権限と能力を持つとは次の時代においては思われない。そうしたらどのようにするかというと、例えば私が百万円の税金を数字として払うようにというふうに来たらば、私は身近にある見えるところのNPO、介護のNPOにじゃ十万円使いましょう、国際ボランティアに二十万円使いましょう、より身近な市町村に四十万円上げましょう、余ったら政府にも少し回しましょう、こんなような姿が私の中にはイメージとしてある。
 多分、それを早く取り上げてそのぐらいの大改革をしないと、加藤さんが言われたのを小手先と言っては大変恐縮ですが、小手先のことでもう日本社会というのは世界の水準に追い付かないんではないんでしょうか。
 今のに直接お答えできておりませんが。
#34
○参考人(中井政嗣君) 私も、実は正直言いまして、NPOについて今一生懸命勉強している真っただ中でして、つまり道頓堀川の今河川工事が進んでおりますが、来年の春以降に完成するんですが、大阪市河川課の方でいろいろ運営管理をというふうなことなんですが、是非我々に任せてもらいたいということを申し上げましたら、民間では駄目だ、NPOでなければということでして、NPO法人を設立していくために今一生懸命準備をしているんですけれども。
 先ほども言いましたように、NPOというところは、お隣の方言っていただきましたが、自分たちで金を集めてくるんやというふうに私も認識していまして、ですからこれはやりやすいなというふうに思っております。道頓堀商店街まだ法人化されておりません。これも隣の商店街と合併して、そして法人化していきたい、これも近いうちにやっていきたいというふうに思っておりますが。
 何で法人化やということに関して、やっぱり社会が認めてもらえる団体でなかったらいろいろと相手にされないというそんな単純な認識しか持っておりません。ですから、今言いました、本当に必要なのかどうかをちょっと今勉強している真っただ中で、こんな回答で申し訳ありません。
#35
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党)の森ゆうこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 三人の先生方には大変貴重なお話をいただきながら、私今検討しております個人情報保護法案の特別委員会も兼ねておりまして、出入りがあって大変失礼をいたしております。
 それに関連して少し質問させていただきたいんですけれども、先生のそれぞれの御主張の中で共通項といいますか、キーワードはやっぱり自立した市民、自立した国民、個人ということではないかと思います。私もそのような先生方のお考えに基本的に賛成でございまして、ただ一方、この国会という場はある意味法律を作る、規制を作る場所でもありまして、今審議しております個人情報保護法案も正に個人情報の保護のためということで新たな規制を作ろうとするものですが、基本的に今審議しております法案について、やはり自立した個人を前提としてではなくて、相変わらず官尊民卑、いろいろ市民が間違いを犯すといけないから事前にあれこれチェックして、こういうときはいいですよ、こういうときは駄目ですよということをいろいろ指導して、それについては主務大臣が付いて、というふうな法律の構成になっておりまして、このことが逆に言いますと、この法律の議論を難しくしている。この場合はどうなんだ、あの場合はどうなんだという話になっていまして、基本的に準則といいますか基本の原則をきちっと定めて、あとはそれぞれ自己責任という部分がもっと大切にされていいんじゃないかなと思っているんですけれども、自立した個人、市民、国民ということに、キーワードに、それぞれの先生方のできれば個人情報に関するもし御見解があれば伺いたいと思います。
#36
○参考人(星野昌子君) 適切なお返事ができるかどうか分からないんですが、確かにおっしゃるように、私どもの理念は自立した個人というものなしには出発できないというところで、そこが一番のかぎになっていると思います。
 しかし、一般の日本の社会を見渡しますと、まだまだそうした自立した個人、確かにそういう自立した個人に対する認知でありますとか尊敬でありますとかというのはじわじわと増加してはいますけれども、大半はそうでない方向で、政府が指導してくださる方向に従順に従っていくと。これ国全体を動かしていくというのにはもう本当に時間が掛かって、一つ一つの法律、例えばもう十年も前になりましょうか、PL法なんというのも言い出されてからは二十年とかって、もっと長いかもしれません、そういうスパンを経て、そして国民の大半がそうなんだというふうになっていく。やっぱり今、この自立した個人のアイデアというものはもう十年も前から、それ以上前から言い出されておりますが、まだまだ途上にある。そこがやはり議員の先生方の御苦労でもあると思います。
 そして、大きな動きを否定したのではむしろ国民が付いてこない、しかし非常に先見性だけを掲げていっても付いてこないというか、その辺を私としては感じて、でもできるだけ、まだまだ反発も強いと思いますけれども、自立した個人というものを中心に論議を進めていただければというふうに私としては考えます。
#37
○参考人(片岡勝君) こういうことについてまで意見を求められるとは思って実はいなかったんですけれども、だんだん日本に来る時間が少なくなっていくかなと、こういう法律ができたり、管理型になっていくと、というふうに思っておりまして、今片方では真に豊かなという社会を作ろうとか、管理じゃなく自発性を生かそうという方向で正に基本法を作っていただけたら面白いですねなんと言っている立場からいたしますと、どうも、私の友人でもたくさん実は日本を捨てております。ですから、角を矯めて牛を殺すことになる、そんな印象を持っております。
 それ以上、各論については実は私ウオッチしておりません。
#38
○参考人(中井政嗣君) 今大阪でスルッとKANSAIというのがありまして、これが今度国土交通省とともに、東京でSuicaというような改札の交通のことをやっておられますが、大阪では、それはあらゆる施設とか、それから飲食店にもこれは、ぱっと置いてパテッピーか何か、何かちょっとあるんです。そういう名前で来年実行されるような、乗り物だけではなくて、飲食店も劇場もそういった施設も全部行けるような、そういうカードをスタートされるんですが。
 これは、正に個人情報がびっしりと埋まっているものだそうです。実際に、カードなんですけれども、これは後払いで財布代わりにそれが支払に回っていくんですけれども、実際に活用されてどういうふうになるのか、これはまだ私分かりません。でも、実際はどんどんこれは進んでいることでして、来年実施されるんですが、これも私今勉強真っただ中でして詳しいことはよく分かりません。でも便利やなということだけは分かるんですが、その代わり、そのカードを落としたら大変なことになります。ですから、自分の管理、自己管理というのは一層重要になってくるのかなというふうに思うだけです。
 以上です。
#39
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 「真に豊かな社会の構築」ということで、基本的に個人、自立した個人ということにつきましては、先ほど星野先生からも保護の裏には管理があると、自立ということについてはそれぞれの自己責任ということでまだ途上にあるということでしたけれども、できればそういう管理じゃなくて、それぞれが自立したという、その中で幸福というものを感じられる社会にしていきたいという立場でこれからも頑張っていきたいと思いますので、また御指導よろしくお願いします。
 今日はありがとうございました。
#40
○畑野君枝君 本日はありがとうございます。
 日本共産党の畑野君枝でございます。
 二点伺わせていただきたいと思うんですが、一つは税制の問題でございます。先ほど公益法人問題とNPOのお話ありまして私も伺おうと思っておりましたが、加えてこの税制の問題で今後の皆さんの活動を進める上での御要望、御意見などあれば伺いたいのが一点でございます。
 それから二点目に、雇用の問題なんですが、経済産業研究所の調査などもございますけれども、事務局スタッフの給与や保険加入を含めまして御苦労されているというふうにも伺っております。そういう点で、必要な対策含めて御意見があれば伺いたいと思います。
 以上でございます。
#41
○参考人(星野昌子君) 私が日本国際ボランティアセンターの事務局長を務めておりました八〇年代、九〇年の初めぐらいの間に、熱心な会員であられた方が亡くなられたときに、正式な法律的な意味を持つ遺言状で御自分の住まいを、子供たちは教育をする間にお金を掛け、それぞれ自立をして、自分が、奥様がもう先にお亡くなりになって、これを日本国際ボランティアセンターに寄附をしたいと。息子さんがそのお話をお持ちになったときに、当時は任意団体でございましたから、銀行預金にしても、事務所を借りるにしても、コピー機借りるにしても、私の事務局長の個人名でするほかはなかったわけで、NPO法人になって、それが法人の名前でできるようになっているわけですが、その時点では、今、当然免税になって、相続される方は、そして父親の志どおりにいい仕事のために使っていただきたい、こういったお話が三件ございました。でも、ここは任意団体でございますから、そうしたようなものは免税、寄附してくださっても免税にはならないんですと言うと、それはとてもできないということで流れてしまいましたが、現在、アメリカの活発なNPOのかなり大きな財源がこの不動産の寄附でございます。
 不動産のことは今問題になっておりますいろいろな公益法人制度の抜本改革の中でも、まず不動産の寄附ということはまだ枠内に入ってないというふうに伺っていて、私は具体的な政府の方々との交渉には入っておりませんので、どの程度話が進んでいるか分かりませんけれども、希望といたしまして、そういうことができるようになるならば、これは本当に支援策として生きるのではないかと。
 その辺りのことも含めて、かといって、今まである公益法人の中にはもちろん問題があるところもございましょう、たくさんの天下りとかいろいろなことが。そこにはもうきちっとメスを入れて整理することが大切ですけれども、現在の公益法人の中にも非常にいい仕事をしておられるところもあるわけで、そこも生きるように、そういうものがすべておしなべて検討された段階においてはむしろもう共通に。これから多いと思うんですね、住んでいらした土地とか家をいい仕事をしているところに寄附しようというようなことも生きるような将来が描ければ有り難いなというふうに考えております。
#42
○参考人(片岡勝君) 私がアメリカでNPOの事務局の連中と話していましたら、NPOの話になりますと、メモしていた鉛筆をこう握り直すんですね。実は、ここから先は非課税でやるのでこっちの鉛筆でしゃべらなきゃいけないんだという冗談を言うぐらいに、彼らの中にNPOとNPOじゃないということに対しての大変強い自己規制を感じました。
 そういう意味でいいますと、これから、NPOの仲間の一人としては、どうやってNPOが成熟化して、いろんな人が入ってくると思います、実際にもう様々な人が様々な問題を起こしているかに聞いています。しかし、それに対して、やっぱり社会がNPOというのだからいいことをやっているんだというようなことではなくして、どこにも悪い人はいると。どれでも悪いものは悪いということでやっぱり淘汰していく。
 そういう意味でいうと、先ほど加藤委員が言われた透明性というのがともかく一番大事で、透明性を通じてトレーニングしていくということがまずは前提で、そういうことでいうと、公益法人も含め、政府も含め、分かりやすい意味での透明性というのは、企業も含めすべてに求められているということで言えば、NPOに対してなるべく厳しい透明性での指導というのは是非やっていただくと。そして同時に、政府にも同じスタンスでやるということが全体として日本を良くすることになるなというふうに思います。
 それから、雇用につきましては、保険とかなんかそういう外的要件もありますけれども、むしろ雇用のイメージをもう変えないと日本社会は重過ぎる、高コスト社会から脱せないというふうに思います。
 というのは、例えばベスト電器なんかもう契約社員、全部契約社員です、三年間。要するに、長期雇用、そして安心して働けるということが結果として、もちろんこちらにお集まりの方の中には御疑義がある、御意見、違う御意見の方があるかと思いますけれども、しかしそれで日本社会がもてばいいと思います。しかし、こんな高コスト社会でこのままあれもこれもと残念ながら言っていたのでは、全体が競争力を失うと。私、年じゅう世界へ出ているものですから、これは無理だということを方々で感じます。
 そういう意味でいうと、最終的には競争力をどこで維持するのか。創造性を高める、起業率を高めるという問題も片方でもちろん追求しなきゃいけないんですが、同時に、今、私がコミュニティービジネスという分野でやっていますと、二つの批判が必ずあります。
 一つは、現業部門、地域で既にやっている部門の人から、なぜコミュニティービジネスだけ政府は支援するんだという必ず意見が出る。そして、これで大体自治体は、選挙もありますから、うろたえます。
 その次に、コミュニティービジネスはこれっぽっちしか給料をもらっていない、こんなんでビジネスと言えるのかというふうに言われます。実を言うと、この中間、安くても生きがいがあって新しいミッションのものでやっている、この分野が今これからたくさんの雇用の可能性を持っているわけですね。例えば、女性の起業でいえば、アメリカでは一千万社、三千万人の雇用です。かなりNPO的なものが多いと思います。法人がどうかという議論ではなくして、NPO的生活に役立つビジネス、これに日本も相当のポテンシャルがある。ここについて本気であると思うかどうか、これがとっても大事で、そのときのイメージというのは既存の雇用ではないということ。そして、既存の雇用と同じ厚い年金や何かということまでやったら、それはNPOでそんなことできるところはないと思いますね。
 そこは世界のスタンダードの中で、一方では国際化する中での競争にさらされているわけですから、そこはそこでちゃんともう一回、新しい社会における新しい自己責任と保障制度ということで、従来の延長じゃない考え方が必要ではないかなというふうに思っております。
 以上です。
#43
○参考人(中井政嗣君) 私が道頓堀商店会を受けたときには、本当に予算がゼロに近いような状況でした。だけれども、あの道頓堀ってさすがやな、すごいなと思ったのが、いろんなイベント、先ほども御紹介させていただきましたが、予算が皆目なくてもできたんです。その大きな要因は、広告が取れるというメリットが大きな大きなメリットがありました。
 ですから、いろんな行事をする場合に、そこに先ほども言っていましたベンチをやりたい、そこに広告を小さくさりげなく入れることによってこの費用は全部ペイできるんですね。あるいは灰皿一つにしても、ある企業と提携することによって管理までそちらでやっていただけるというふうなことにもつながってきました。ですから、そのことが、私たち道頓堀だけじゃなくて地域にも還元できるような、そういうことを協力していきたいなというふうに思っているんですが、ミナミ全域、あるいは大阪の梅田辺りでも何か商店街が何かやるという場合においては、力を一緒に出し合いながらということも考えなければならないというふうに思っています。
 先日、皆さん方にも大変お世話になりましたが、法善寺火災のときには御支援、御協力をいただきましてありがとうございました。おかげさんで一回目の火事の件に関しては七月ごろには完成するかと思うんですが、二回目の火事、これはどうしようもなかったんですが、秋には、多分年内にはオープンできるんではないかなと思うんですが、そういう部分で、我々で得た収入をそちらの方に回してもいきたいというふうに考えております。
 それから、雇用ということに関して、商店街というよりもこれは私個人の会社のことなんですが、私はお好み焼き食べるのは好きだったんですけれども、あれにかかわること、携わることがやっぱり恥ずかしい、格好悪いと正直思いました。ですから、幾ら従業員募集しても従業員は来てくれへんねんな、お好み焼きは企業にならないのは当たり前だというふうに考えました。でも、そんなことは言っていられない。であれば、従業員のニーズにこたえていくことがまず第一だという思いで、どないしたら喜んでくれる、従業員がです、どうしたら喜んでくれるの、どうしたら誇り持って働いてくれるの、つまり従業員のニーズにこたえていったことがつまりお客様のニーズにこたえていくことにつながっていきました。
 彼ら、頑張ってくれました。今、そこそこの大学卒の新卒の学生も入ってくれるような会社になりました。給料良くなりました、待遇良くなりました、それから福利厚生も充実されました。で、人が育たなくなりました。つまり、人間て、金や物を与えたら、与えた分だけ教育が要るのやなということが分かったんです。
 今、国の方が、労働省ですか、週休二日制、週休二日ですか、それから労働時間四十時間とかいろいろ言っていただいておりますが、人間をむちゃくちゃ駄目にしているような制度やというふうに個人的には思います。何も無理やり働かそうとかそんなのはさらさら思いません。本当にやる気のある人間までもが何か損なわれているなというふうに思いますし、今度、年金のことに関して、社会保険ですか、これも今いろいろ問題になっていますが、これ実施されたら、外食産業、もうチェーン店やっているところは全部ことごとくつぶれてしまいます。それぐらい大変なこと。本当に中身、実態分かっていただいているのかなという怖い部分があります。
 以上です。
#44
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。本日は大変ありがとうございます。
 片岡先生と星野先生に一つずつ質問させていただきたいと思いますが、まず片岡先生に、夢を担保に融資して貸倒れなしと、こういうことでございますが、今、特に中小企業向けの貸し渋りというのが盛んに言われている中で、これからの我が国の活性化ということを考える場合に、中小企業なりベンチャーをどう育てるかという課題と、もう一つは、金融機関側がなかなかリスクを取れないというか取らないというか、そういう問題があるんだろうと思いますが、この市民バンクでおやりになっている件に関しては正に貸倒れなしというふうに作ってこられたというのは、希望者がたくさんあるけれどもそれを厳選しているという、こういう感じなのか、あるいはもう片岡参考人の主義主張に同感をして、もうそういう貸倒れなんぞしない人しか来ないのか、その辺のニュアンスと、もう一つは、先ほども申し上げました、今後、中小企業、ベンチャーを活性化するなり、金融機関側のリスクテークということを考えていった場合に、今後の言わば地方金融機関等の融資についてどういうふうな方向にしていったらいいか、御意見があればお聞かせいただければと思います。
 それからもう一つ、星野参考人にお尋ねしたいのは、税制の問題でいろいろ意見が出て、政府税調辺りでも初めは公益法人とNPOを一緒にしていろいろ考えるかというようなのが、どうもちょっとぐあいが悪いというんですか、ちょっと素人的に考えると、公益法人とNPOというのはどこに本質的な差があるのかなというのがちょっとよく分かりにくいので、その辺について星野参考人の御意見を聞かせていただければ。公益法人とNPOというのは一体どこが違うのかと、こういうことをお尋ねしたいと思います。
 以上です。
#45
○参考人(片岡勝君) 厳選しているという意味でいえば厳選しています。ただ、厳選しているから貸倒れがなかったかというと、それが最後のキーファクターではなくて、ロスチャイルドが言いましたようにバンクはバンドだと。要するに結び付けるですね。結び付けることがバンクなんだと。金を貸すだけじゃなくて、様々な形でその後も含めてつながっていく。私も十五年間金融機関におりましたので、転勤ばかり、それから縦割り、稟議、本当に一番つながらない仕組みを作ってきたのが今の金融機関。行政もそうだと思います。そういう意味でいうと、バンド、結び付いていくというところにもう一回戻っていくこと、そこをやったことが一つは私の貸倒れがない理由だと思います。
 あと一つ、金融機関の問題につきましては、やはり金融庁の自己資本比率という一本での指導、これが日本の金融機関の貸し渋りを作っているとすら言えるんじゃないかなというふうに思います。ちょうどこれもタウンミーティングで、柳澤金融庁長官、当時の金融大臣がいらっしゃいましたので申し上げたことですけれども、地域にある金融機関というのは自己資本比率なんて気にしなくていいじゃないですか、安全じゃなくてもこの金融機関は必要だという金融機関を自己責任で選べばいいじゃないですか、なぜ自己資本比率というのだけで一律でやるんですかと。これについては残念ながらお答えはございませんでしたけれども、今も強くそう思います。
 地域の金融機関は、地域の人に支持される限りにおいて、自己資本比率も何ももうなくていい、その代わり先ほど言った透明性はきちんとやると。ここに大きくかじを取らなければ、私はもう本当にみんなで、自分たちで自分たちの首を絞め合って日本を沈めさせているとしかもう思えない。そこのところに大きくかじ取りをしない限り日本の、何であんなことをやるのか、もう本当に腹が立ちます。
 私が一等最初に市民バンクを始めたとき、永代信用組合の山屋さんという組合長がすぐに共感し、例えば、今までの金融機関というのはバツ一、バツ二には絶対貸さなかったんです。それが彼は貸しました。それから、海外にも投融資したんです。カナダで新しい冒険塾をやりたいという女性に、シアトルにいる人に貸しました。それから、外国籍の人には日本の金融機関は貸さなかったです。それが私が金融機関に勤めているときの常識でした。だけれども、彼は大胆に、全部やろうよと言ったのは私じゃないんです、彼の方がやったんですね。今ちょっと取調べを受けているわけですけれども。
 私は、そういうのも含めて、何か勇気がある人とか、犯罪なら犯罪でもちろんしようがなんですが、そういう実績というのをもう本当に認めた上で評価してあげないといけないなと。そういう縮こまって無難な人ばっかりが何か世の中で生き残る、そんな社会は腐りますよ、それは。ちょっと最後は感情が入りました。
 終わります。
#46
○参考人(星野昌子君) 公益法人とNPOとどの辺りが、私の、公益法人の歴史的な問題については余り専門家ではございませんけれども、端的に申しますと、寄附をした人あるいは企業にしても、そこが経費として落とされるという税制上の免税、優遇措置と申しますか、公益法人が受けているのに対して、NPO法人は、発足して、先ほど、五年にもなり、一万を超える数が全国では誕生しているわけですけれども、そのNPO法人の中から認定NPOとして今まであった公益法人と同じような扱い、寄附を受ければ寄付者の方が免税になるという、その資格があるかどうかということが始まりまして、これはアメリカにおけるパブリックサポート、市民活動がどのくらい一般の人々、パブリックによってサポートされているかということを会計の支出、収入の面からテストするというその下書きを持ってきて、それを日本風に書き直したもので、施行されてはいるんですが、使いものにならなかったと言っては失礼かもしれないんですが、たしか九団体ぐらい、一万以上に対して九団体ぐらいしかその資格をクリアすることができないという状況で、その辺りが大変公益法人とNPO法人、現状においては違っているというふうに感じております。
 ですから、新しく生まれたNPO法人であるから、この中にももう既に何か悪いことをしたというのが明るみに出ているところも幾つかちらほらしているようですし、先ほどどなたかのお話にありましたようにどこにも悪い人はいる。そういうものを今まではお役所が発見して、そして資格を奪うなりなんなりするというのが今度はNPO法の方ではないわけでございまして、情報公開においてむしろそれを監視するのは市民自体であるという辺りに、非常にこれは論理的ではあるんですけれども、そのように市民自体がまだ育っていない。自分の身辺で、あるいは自分が会員としてお金を年一万円払っている団体のやっていることを自分の責任で監視していくというようなことができる市民がまだ熟していないという辺りにある危なさも感じます。
 したがいまして、NPOだから支援をすればいいんだというふうな考えは私自身も全然持っておりませんけれども、そうした歴史的な大きな流れの中で、先ほど申し上げましたように将来的には一つの法律で、その中で働くような形が望ましいとは思いますが、余り急ぎますとその辺が、せっかく生まれたものもつぶれてしまうのではないかという辺りを心配しております。
 返事になりましたかどうか。もし、まだ御不満なところがありましたらおっしゃっていただきたいと思います。
#47
○会長(勝木健司君) 他に御発言はございませんか。
 それでは、以上をもちまして参考人に対する質疑を終了いたします。
 星野参考人、片岡参考人、中井参考人には、御多用の中、本調査会に御出席をいただき、誠にありがとうございました。
 別会場にて個人情報特別委員会とか食品関係の連合審査会、憲法調査会ということで、委員が、メンバーが重なっておりましたので、途中退席等出入りがありましたことを会を代表してお許しをいただきたいというふうに思います。
 さて、本日お述べいただきました貴重な御意見は今後の私どもの調査の参考にさせていただきたいと思います。本調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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