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2003/05/23 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 決算委員会 第8号
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2003/05/23 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 決算委員会 第8号

#1
第156回国会 決算委員会 第8号
平成十五年五月二十三日(金曜日)
   午後一時十五分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中原  爽君
    理 事
                岩井 國臣君
                佐々木知子君
                中島 啓雄君
                川橋 幸子君
                佐藤 雄平君
                八田ひろ子君
    委 員
                荒井 正吾君
                柏村 武昭君
                後藤 博子君
                田村耕太郎君
                月原 茂皓君
                常田 享詳君
                藤井 基之君
                山内 俊夫君
                神本美恵子君
                榛葉賀津也君
                谷  博之君
                松井 孝治君
                山根 隆治君
                山本 孝史君
                荒木 清寛君
                遠山 清彦君
                山下 栄一君
                大沢 辰美君
                岩本 荘太君
                広野ただし君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       農林水産大臣   亀井 善之君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
   副大臣
       財務副大臣    小林 興起君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        和田  征君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梅津 準士君
       内閣官房内閣参
       事官       羽深 成樹君
       内閣府政策統括
       官        坂  篤郎君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        大森 昭彦君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       農林水産技術会
       議事務局長    石原 一郎君
       林野庁長官    加藤 鐵夫君
       経済産業大臣官
       房長       北畑 隆生君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        望月 晴文君
       経済産業省産業
       技術環境局長   中村  薫君
       経済産業省産業
       技術環境局リサ
       イクル推進課長  貞森 恵祐君
       経済産業省商務
       情報政策局長   林  洋和君
       中小企業庁長官  杉山 秀二君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   石野 秀世君
       会計検査院事務
       総局第四局長   重松 博之君
       会計検査院事務
       総局第五局長   円谷 智彦君
   参考人
       独立行政法人経
       済産業研究所理
       事長       岡松壯三郎君
       国民生活金融公
       庫総裁      薄井 信明君
       農林漁業金融公
       庫総裁      鶴岡 俊彦君
       中小企業金融公
       庫総裁      水口 弘一君
       中小企業総合事
       業団理事長    見学 信敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十三年度一般会計歳入歳出決算、平成十三
 年度特別会計歳入歳出決算、平成十三年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成十三年度政府
 関係機関決算書(内閣提出)
○平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (内閣提出)
○平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 平成十三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門の決算について審査を行います。
    ─────────────
#3
○委員長(中原爽君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(中原爽君) それでは、速記を起こしてください。
    ─────────────
#6
○委員長(中原爽君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○柏村武昭君 どうも皆さん、こんにちは。自由民主党の柏村武昭でございます。
 本日は、平成十三年度の農林水産省と経済産業省の所管事項に関連する決算について、御担当の亀井、平沼両大臣を中心に質問をさせていただきたいと存じます。両大臣には、なるべく分かりやすく、しかも短めにお答えをちょうだいいたしますようよろしくお願いいたします。
 質問に先立ちまして、この決算審査の性格というものについて私なりの考え方を若干申し上げたいと思いますが、現在、参議院では、決算重視ということで与野党ともに一致協力してこの決算委員会での審議の活性化に努めているわけですが、その目指すところは、決算委員会での審議の結果を踏まえ、それを次の予算編成に積極的に反映させていこうと、そういうことにあると思います。
 そういう観点に立ちますと、会計検査院の検査報告に沿って税金の無駄遣いをしっかりチェックすることももちろん大事でありますが、あわせまして、将来の国民生活や社会経済の充実と発展のために、これまでの予算の配分といいますか、お金の使い方を大胆に変えて、もっと特定の分野に重点的な投資や税制上の支援をした方がよいのではないかと提言することも大変重要なことではないかと思います。そこで、今回の質問では、来年度予算編成のことを強く意識しながら質問を行っていきたいと思います。
 それでは、まず、今日は農水大臣もお見えでございますんで、大変大事なすべての原点でございます水、水の安全保障という現代的な問題から始めたいと思います。
 六月にフランスで開催されますエビアン・サミットでは、シラク大統領が水の問題について積極的に議論する意気込みのようですが、三月の中旬に京都で開催された第三回世界水フォーラムには、世界各地から百二十八の国々、二万四千人が参加しまして、水の危機克服のための様々なアイデアが提案されました。その結果は水行動集というペーパーにまとめられまして、世界各国が今後これをいかに実行していくかということが大変重要になってまいります。
 ここで、おさらいをしておきます。
 地球上に存在している水のうち、その大体九七・五%が海、海水であり、残る二・五%のうちの約七割が南極や氷河であります。結局のところ、実際に人間が使うことができる水は、地球全体の水のわずか一%にも満たないということなんですね。一方、地球上には、皆さんよく御承知のように現在六十億人の人々が暮らしております。今後、二〇二五年には七十八億人、二〇五〇年になると大体九十億人にまで増えると予想されておりますが、水は食糧と同じように一足飛びに増やすわけにはいかないんです。人口と水の需要の増加に水の供給が追い付かない。しかも、生活水準がどんどんと向上していく。ますます一人当たりの水需要が増加していく状況にあるんですね。
 ちなみに、人間が生きていくために最低限必要とされる生活用水の量は一日一人、一人当たりですよ、五十リットルだそうですが、日本人はこれを二〇〇〇年現在で一日一人当たり三百二十二リットルも消費しております。日本はおしりまで水で洗う、そういう国でございますので、随分水を使っているわけでございます。
 これからは水が国際的な希少財として石油に取って代わるのは確実と思われます。水の奪い合いのために戦争が起こる、言わば水戦争の時代に入るわけでございます。現に、一九六七年の第三次中東戦争も水をめぐる争いでありました。今、世界は深刻な水危機という事態に直面しております。また、水問題には水不足のほかに水汚染という難題がありまして、汚染が原因で年間四百万人もの人々が死亡しているんです。これは大体八秒に一人死亡しているという計算になります。過剰なくみ上げによる地下水の枯渇、洪水災害の増加も大変気になります。こうした水危機という困難を克服していくために世界各国が協力していかなければならない時代に突入しました。
 そこで、農林水産大臣にお伺いします。地球環境における水危機という難題を前にして、農林水産省は第三回世界水フォーラムにどのような形で臨んだのでしょうか、また、その成果を受けて今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お聞かせをお願いします。
#8
○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。
 農業用水、今御指摘の世界の水利用の七割をこの農業用水が使っておるわけでありまして、また、そのかんがい農地で世界の耕地面積の二割程度であります。そして、世界の穀物生産の四割を、約四割をここで生産をしているわけでありまして、水資源は限られた中で効率的な水利用を進めていく必要があるわけであります。地域の気候や地形に応じた農業やかんがいの多様性と、多面的な役割を勘案した水利用が重要なことであるわけであります。
 そこで、第三回世界水フォーラム、これにおきましては、農水省はFAOと共催に、五十に上ります国の閣僚、国際機関からの参加を得て水と食と農、この大臣会議を開催したわけであります。この大臣会議では、効率的な水利用、農業用水の多面的機能の重要性や、水利用者の参加による農業用水の管理手法の促進などについて議論が重ねられまして、食料安全保障と貧困撲滅、持続的な水利用、パートナーシップの強化を三つの挑戦として位置付けた大臣勧告文が満場一致で採決がなされたところであります。
 また、森林関係の各国閣僚や関係NGO等の代表の参加を得まして水と森林円卓会議を開催いたしまして、水問題の関係者と共通の認識を醸成を図ったところでもございます。調査研究の推進や情報を交換するためのネットワークを開発するとともに、水と森林に関する行動のための宣言文も採択をしたわけであります。
 今後、我が国といたしましては、今回採択された勧告文に従いまして、地域住民に支えられた参加型の水管理への移行による農業用水管理の強化、水利施設の長寿命化と効率的な更新設備による水循環型社会の保全、農業水利システムによる多面的機能の発揮、持続可能な森林経営の促進等に努めてまいる考えであります。
#9
○柏村武昭君 ありがとうございました。
 今いろいろと農水大臣のお答えを聞いておりますが、我々国民は余りせっぱ詰まって水の危機を感じていないところが非常に危ないところじゃないかと僕は思うわけでありますが、今度はちょっとバーチャルウオーターの問題について取り上げます。
 そのバーチャルウオーターというのは聞き慣れない言葉でありますが、日本語に言うと仮想輸入水とか間接水と訳されておりますが、簡単に言うと、ある農産物を輸入する際に、その生産に要した水も間接的に農産物に形を変えて輸入されると仮に考えまして、実際には水としては輸入していないけれども、あたかもこれを輸入したと考えて計算した水ということなんですね。肉や穀物、それに木材などを輸入する場合に、その生育に要した水も輸入されたと考えてみるわけであります。
 そこで、一九九九年のデータで、日本が輸入したと考えられますバーチャルウオーターを計算してみますと、年間七百四十四億トンになるそうです。これは、同じ年の農業用水、工業用水、そして生活用水を合わせました数字、八百七十八億トンの何とおよそ八五%にも上るんですね。私たちの食生活を賄うためにそれほど大量な水が隠れた形で消費されているということなんですね。
 この際、御参考までに、水そのもの、リアルウオーターの話もしますと、例えばフランスからはエビアンやボルヴィック、おなじみの水、おいしい水を輸入しておりますが、二〇〇二年のデータですと、ワインの輸入量がおよそ六千九百万リットル、それに引き換え水の輸入量は、六千九百万リットルに物すごくプラスいたしまして一億九千七百万リットルだそうです。ワインの約三倍近くを輸入しているんで、その量の多さが分かるというものですね。
 日本は二十年ぐらい前に、たしか僕もそうなんですが、フランスの方は水を金で買っているんだってなと笑っていました。今、こういう状況ですよ。いつの間にかこうなっちゃったんですね。
 そういうことからも、リアルもバーチャルも含めて、日本は世界有数の水の輸入消費大国であるということが言えますが、それだけに、今後、日本は水問題で世界の国々に対するそれ相応の責任なり負担というものを負っていくことが必要になってくるんではないかと思います。
 そこで、農水大臣にお伺いしたいんですが、水危機が現実化している今、日本人は水の大切さを大いに自覚して食生活なども見直さなきゃいけないと考えるんですが、これはいかがでしょうか。
#10
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員御指摘のとおり、本当に驚くような水の量、また農業用水を考え、そして輸入を考えますときに、本当に驚くような数字に遭遇するわけであります。
 我が国は、食糧の多くを輸入に依存しておるわけでありまして、世界的に見れば人口が増加する一方、耕地面積はそれに反して減少している。さらには、水資源の枯渇、不安定な環境問題が顕在化しておるわけでありまして、御指摘のように海外で生産される食糧にも多くの水を必要とすることを踏まえれば、我が国の食糧自給率の向上に向け、生産面での取り組みと併せて国民生活の食生活を見直していくことが重要な課題と、このように考えます。
 そこで、一つは、今、食の安全、安心、あるいはまた、いろいろ農政の転換、このことも進めておるわけでありまして、一つは、やはり食育、子供のころから自らの食べ物、食につきましては考える習慣を身に付けることが必要じゃなかろうか、食や農に対する関心や理解を深めていくと。そういうことで、食の教育と、こういうことで食育を推進しておるわけでありまして、食生活の改善等に対する啓発活動を中心に、あるいは栄養バランスの適正化や食べ残し、廃棄の減少、さらには身近で取れる食べ物を大切にするというような意識を高揚する、こういうことを通じて国民の食生活の見直しというものを是非進めていかなければならないんではなかろうかと、このようなことを、食育の問題等につきましては文部科学省とも連携をいたしましていろいろ施策を進めてまいりたいと、こう考えております。
#11
○柏村武昭君 どうもありがとうございました。
 大量のバーチャルウオーターをもたらす牛肉輸入は日本の食糧自給率の低さの裏返しですし、また、日本人がエビを大量に輸入、消費することで、熱帯雨林のマングローブが激減していることも深刻な現実であります。世界の人々から生態系の破壊者としての烙印を押されぬよう、私たちも食生活について少しずつ変えていかなくてはいけない、工夫を重ねていかなくてはいけないと、こういうふうに真剣に思います。
 次は、これからの地球規模の水危機を克服するために、アジア・モンスーン地域での経験やノウハウが大いに役立つ可能性があるということに触れてみたいと思うんですが、まず、このアジア・モンスーン地域とは何かといいますと、これは、ユーラシア大陸のほぼ東から南にかけての沿海部に位置いたしまして、夏と冬の季節風、これがモンスーンなんですが、このおかげではっきりとした四季と豊富な水に恵まれまして、多様な生物をはぐくんでいる地域のことなんですが、このモンスーン地域では稲作農業が中心になって、私たちにもなじみの深いのどかな水田風景が延々と広がっております。棚田など、象徴的に表われているように、こうした地域では豊富な農業用水が、実は農業だけではなくて生態系の維持とか環境の保全など、人々の暮らしや文化全体をはぐくんできたわけです。
 水危機の問題に造詣の深い東京大学の高橋裕博士は、こうした水の農業には循環の思想があるとおっしゃるんですね。この循環の思想の伝統、そして水の循環というものが季節の循環につながりまして、最終的には仏教の輪廻思想につながるんではないかと、そういう壮大な分析をされております。
 こうした循環の思想までつながっている、こういうものがこれからの地球環境問題の解決の試金石になるんじゃないかなと私は個人的に考えております。戦争から共生、競争から共生の時代へと移り変わっていく今、水との共生ということが人類全体の大きな課題となってくるんではないかと思います。
 したがいまして、この地域の水の使い方なり水の接し方というものが世界のモデルになる、水と人間の考え方、水と人間の関係を考えていく上で、そのアジア・モンスーン地域の生活スタイルが世界のお手本になるんではないかと私は考えます。
 そこで、農水大臣にお伺いしますが、水危機克服のために、アジア・モンスーン地域での経験や知恵を広く世界に普及させるための取組についてお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(亀井善之君) 御指摘のとおり、我が国を始めとするアジア・モンスーン地域、上流から下流へ循環し、水利用を行うシステムを基本としながら、もう本当に数千年にわたりまして持続的な水田かんがい農業を営んでおるわけであります。
 モンスーン地域での水田農業における水利用、これは効率性に優れているばかりでなく、自然生態系を保全するなど、御指摘の多面的機能を発揮する役割を担っておるわけでありまして、また、これらの国々では、農業における水の循環的利用を通じて水と共生する特色のある地域社会、また地域文化が形成されておるわけでもございます。
 先ほど申し上げましたとおり、世界水フォーラムにおきまして、FAOとともに農水省は、水と食と農の大臣会議を開催いたしまして、我が国やアジアの水循環型の水利用や農業用水の多面的機能、農家参加型水管理の重要性について主張するとともに、今後、一層水利用の効率化と多面的機能についてアジアの国々や国際機関とともに研究を促進するため、国際共同作業ネットワークの創設を提案したところでございます。
 今後は、このネットワークを通じましてアジアの水田農業を中心とした水管理の経験や知恵を普及し、そして従来から推進しております国際協力等を通じましていろいろの面で貢献してまいりたいと、このように考えております。
#13
○柏村武昭君 水に関して言いますと、私は、二月上旬ですか、タイ王国における国際会議がありまして、国際人口・開発会議行動計画実施のためのアジア国会議員会議、AFPPD食料安全保障委員会という長い会に出席いたしましたが、このときにやっぱり私は、アジア十三か国が皆さん参加されていたんですが、そのときに、やっぱり将来の水の戦争などを起こさないために、やっぱり国連を上回るような強力な、水に関する同じ目線で作った水の憲法みたいなものが要るんではないか、このアジア十三か国からでもイニシアチブを取ってやりましょうよと言ったら大変な拍手をちょうだいいたしました。そういう意味でも、日本がそういうことを提案するような国になってもらいたいなと私は切望する次第でございます。
 今度は国内の動きに目を向けてみますと、全国各地できれいな水を取り戻すための地道な取組が着実に行われておりまして、その一つ、漁業関係者による水源涵養のための植林活動なんですが、私の地元の広島県でも数例ありまして、なかなかうまくいっているようであります。
 これは、漁業の関係者とか造林ボランティアの人たちの自主的な取組から始まったものですが、その後、水産庁と林野庁の支援も受けましてますます充実してきていると聞いておりますが、水産庁の漁民の森づくり活動推進事業の予算では平成十三年度分でおよそ一億二千万円が計上されていますが、これは水産庁のソフト事業の中でもかなり大きいものだと思います。
 そもそも、日本は国土面積の七割を森林が占めております森林国で、森林は豊かな水をはぐくむだけではなくて、台風や豪雨による山崩れや洪水を防ぎます。しかも、CO2をも吸収して私たちに大切な酸素を供給してくれます。あるいは、森林の存在そのものが私たちに潤いをもたらしてくれます。
 ここで大臣にお伺いしますが、こうした水源涵養のために山をしっかり守っていくことを今後も積極的に支援し推進していくことが将来の世代のためにとても大事なことであると考えますが、今後の農水省全体としての方針について所見をお願いいたします。
#14
○国務大臣(亀井善之君) 水源涵養、その面での森林整備と、もう大変重要なことであるわけでありまして、先般千葉で行われました全国植樹祭にも先ほど御指摘の漁民の森づくりの活動推進と、こういう面で全国の漁連の代表者の皆さん方も御参加をいただくなど、幅広くいろいろ御協力もちょうだいしておるわけでもございます。
 森林は、国土の保全と水源の涵養、また地球温暖化の防止、自然環境の保全等の多面的機能を有しておるわけであります。特に、水源涵養機能については、洪水や渇水の緩和等を通じまして、下流地域における住民生活に密接な関係をしておるわけでありまして、これは古来からその重要性が認識されておるところでもございます。
 私ども農林水産省といたしましては、これら森林の有する水源涵養機能の維持増進を図るために、荒廃山地の復旧等を行う治山事業、また森林所有者等による森林整備を促進する森林整備事業等によりまして森林の整備保全を推進してきているところでもございます。
 また、近年、水源地域においては、先ほど申し上げました漁業者や下流の住民による植林活動の森林整備に対する取組が見られておるところでもございまして、農林水産省といたしましては、国民参加の緑づくり活動推進事業や漁民の森づくり活動推進事業等を進め、これら活動を支援しているところでもあります。
 今後とも、水源涵養機能を始めとする森林の多面的機能の発揮に向けて、治山事業等の実施を通じ森林の整備保全を進めるとともに、国民参加型の森林整備保全活動を促進するなど関係施策の推進に全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
#15
○柏村武昭君 とにかく、この間の国際会議でも出たんですが、今やはり水というのは地球全体の共通財産でありますから、これをどのように管理していくかという、これが一つのテーマになっております。そういう意味でも、農水省全体、日本全体がグローバルな目でやってもらいたいとつくづくお願いする次第でございます。
 農林水産大臣に対する質問は以上でございます。ありがとうございました。
 続きまして、有限の水を無限の水にする、つまり、だれもが考えるのが、じゃ海水を飲み水にすりゃいいじゃないか。僕もそう思います。なかなか難しいらしいですね、これが。
 夢のようなその技術について質問を行いたいと思いますが、これは海水の淡水化技術と言いますが、この分野の日本の技術は世界のトップクラスにあるんだそうで、関係企業も国際的に頑張っていると承知いたしております。こうした得意分野を積極的に海外貢献につなげていくことこそ、日本の国際的地位の向上にも役立ちますし、外交政策の重要なカードの一つとしても大いに生きてくるんではないかと考えます。
 そこで、日本の海水淡水化技術を活用した国際的貢献の現状とその評価につきまして、今度は高市経済産業副大臣にお伺いします。お願いします。
#16
○副大臣(高市早苗君) 柏村先生に御指摘いただきましたとおり、我が国の海水淡水化技術は国際的にも大変高いレベルにございます。世界の海水淡水化プラントの造水能力のうちで、我が国のプラントメーカーが納入しましたものの割合は約二一%、中東地域ではこれが約二八%を占めております。特に、我が国の繊維化学メーカーが海水淡水化に必要な膜製造分野において非常に優れた技術力を持っておられまして、近年設置された大規模プラントへの膜供給の約半分を占めております。
 政府といたしましては、こうした日本の技術レベルを生かしまして、従来から我が国の石油供給の大宗を依存しております中東諸国との間で、海水淡水化分野に係る国際協力を実施いたしております。
 経済産業省の関連では、平成十三年度から、オマーンとの間でプラントシステムの安定性を確保する研究協力事業、実施しておりまして、また、今年度からは、中東の産油国を対象にエネルギーコストの低減を図る研究協力事業を新たに開始することといたしております。
 こうした取組は外交政策上重要なんじゃないかと言っていただきましたけれども、我が国のエネルギー政策、それから通商政策上も極めて重要であると評価をいたしておりますので、今後ともこの分野での中東地域との研究協力事業を積極的に推進していく所存でございます。
#17
○柏村武昭君 ありがとうございました。
 これがもし実現するようであれば、夢が実現するということで、水の心配もなくなりますし、あるいは水戦争の危機も回避されるわけですから、一生懸命頑張ってもらいたいなと思います。
 水に関する質問はここまでといたしますが、ここ、今後水をめぐっては、水道事業の民営化や国内外での海水や湖水の淡水化事業など、いろんな問題が出てくると思います。私のふるさと、ホームタウンでございます広島県の三次というところなんですが、そこでも浄水場の維持管理業務の民間委託が始まりましたし、水道事業を営む企業、例えば百五十年もの伝統を持つフランスのビベンディ社のような本格的な専門企業も我が国にあるいは誕生するかもしれません。
 こうした二十一世紀的な変化に対し、今までのように水資源を所管する官庁が国土交通あるいは農林水産、厚生労働などの六つにまた裂きになっているようではうまく対応することは難しいんじゃないかと思います。中国を始め海外では水資源省というものを設けまして、水問題に真っ正面から専門的に取り組んでいるようです。日本でも、例えば水資源庁のような組織を設けてみることも必要なんじゃないかと思いますが、この辺はどうでしょうか。
 次は、今度はエネルギーでございます。エネルギーの安全保障の問題について質問をいたします。
 一時は長期戦もささやかれておりましたイラク戦争ですが、結局、全土掌握までに二十六日間という正に短期間で決着が付きまして、今後は復興の成否が課題となっております。
 私は、去年秋の決算委員会で、イラク戦争が発生した場合の原油の需給見通しについて平沼大臣にお伺いいたしました。ようやく中東の不安定要因の一つがなくなった今、改めてこの点について伺いたいと存じます。イラク戦争終結後の国際的な原油の需給状況と今後の需給動向の見込み、またイラクの石油生産能力復興の見通しについて、まず経済産業大臣にお伺いいたします。
#18
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 柏村先生からは昨年の十月の決算委員会で、特に石油のイラク戦争が始まった場合の需給関係についての御質問がありました。そのとき、先生も御指摘になられ、私も答弁させていただきましたけれども、短期で終わればそれほど大きな影響はない、こういうふうに言わせていただきましたけれども、今御指摘のように二十六日間で終わったということで、結果的にはそう大きな影響がなかったわけであります。現在、非常に石油の消費としては不需要期に入っておりまして、そして今は非常に安定をしているところでございます。
 三月二十日にイラク戦争が始まりまして、そして私はやっぱり大変原油の調達について懸念をしておりましたので、その三月二十日の前の二日前に、いよいよ始まるかなというそういう段階でございましたから、いわゆるOPECの議長をしておりますカタールのアッティーヤ石油大臣に電話をいたしました。同時に、世界最大の産油国のサウジアラビアのナイミ石油大臣にも電話をしましたら、絶対に供給は途絶させないから安心してほしいと、こういうことで現にそこは満たしていただいて、そして値段も、開戦前は一時三十八ドルにもなりましたけれども、現時点では、今申し上げたような背景の中で二十五ドルから三十ドルの間で安定をしていると、こういうことであります。
 今、世界の石油の状況ですけれども、一時非常にゼネストが起こりまして大変な状況でありましたいわゆるベネズエラ、これの生産が回復をしてきたと、これも安定要因でございます。
 そして、イラクは、これは大変ある意味では、壊滅的なダメージじゃなかったんですけれどもダメージを受けまして、現在その復旧に努めておりまして、日量二十三万バレル程度であります。これは今までの最大では二百五十万バレル、これだけの能力があるわけでございますけれども、アメリカ軍の分析によりますと、六月には今の二十万バレル台のものが百十三万バレルに回復するであろうと、こういうことであります。
 しかし、これから夏の需要期と、こういうことも始まってまいりますので、そしてさらにこの戦争が終わったということで、石油の消費というものが不需要期に入るという形でOPEC諸国が減産を決定しておりますので、いずれにしても注意深く見守っていかなければなりませんけれども、しかし今の段階では、今申したような背景で、私どもは、当面安定的に推移をすると、そういうことでお答えをさしていただきます。
#19
○柏村武昭君 ありがとうございました。
 続いて今度は、今首都圏にお住まいの皆さんがとても不安に思っていらっしゃる夏場の電力不足問題ですが、現在、東電の原子力発電所は十七基中の十六基が停止しておりまして、そのため東京電力の持つ全発電所の出力容量のおよそ四分の一、約千六百万キロワット分の電力が発電できない状況になっています。このままの状態が続きますと、夏の電力需要最盛期、恐らく甲子園での高校野球、一番盛り上がっているときだと思われますが、そのときに必要とされる六千四百五十万キロワットを他の火力発電所などの能力だけでは賄い切れず、首都圏の電気が一斉に消えてしまうのではないかと皆さんが大変心配されているわけですね。
 緊急的な危機打開策の一つとして、電力各社からの応援で約九十万キロワットを融通してもらうことになりました。ただ、富士川以西からの送電には周波数の変換が必要ですが、この変換能力が絶対的に小さいため、仮に中部以西から電力をもっと融通しようとしても、その電力を東京にそのまま送ることはできないんだそうです。
 元々、各地域ごとに電力需要を賄う前提なので、電力各社間で多量の電力融通を行うことは本来想定していなかったためだそうですが、今回の事例を一つの警鐘として、変換能力の一層の向上を期待したいと思います。
 また、他社からの融通分に加えて、試運転中の火力発電の四基を活用して約二百万キロワットを確保するとのことなんですが、それらを全部合計しても三百万キロワット弱にすぎず、したがって供給可能電力はおよそ六千万キロワットにとどまります。そのため、ピーク時には少なくとも四百万キロワット程度の電力が不足する見込みで、何としても停電を避けるためには、夏までに計十基程度の原発の運転再開が必要ではないかということになります。
 幸い、今月の七日に柏崎刈羽原発六号機が操業を再開しまして、そのほかについても再開に向けて地元の自治体等との間で折衝が続けられているようですが。
 ここで大臣にお伺いします。真夏時に予想される首都圏の電力供給危機を防ぐために、経済産業省としては現在どのような対策を講じていらっしゃるんでしょうか、お願いします。
#20
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、柏村先生が細かい数字を挙げていただいて御説明していただいたとおりの状況になっています。
 原子力発電というのは、これは安全性を担保するということが最大の前提でございまして、御指摘のように柏崎刈羽の六号機、これは運転を再開をいたしました。
 しかし、今、休止中の原子力発電所に関しましては、やっぱり一つ一つその安全を確認をして、立地地域の皆様方、そして国民の皆様方のやはり安心の確認をいただかなければ私はならない、そう思っておりまして、一つ一つその安全点検を行っているところであります。今、あらゆることを総動員をいたしまして、そして絶対に夏場のピーク時に電力の断絶は起こさせない、こういう意気込みで私ども今最大限努力をさせていただいています。したがいまして、これから点検が進んで、そして地域の皆様方の御理解を得るためには、私も必ず現地に赴いて、そしてエネルギーの責任者として説明をさせていただき、お願いをさせていただこう、こういうふうに思っております。
 さはさりながら、今御指摘のようなそういう最大の場合にはギャップが生じます。そこで、努力は続けてまいりますけれども、五月八日に経済産業省の中に関東圏電力需給本部というのを立ち上げまして、私が本部長になりまして、そして、あらゆる可能性を網羅して絶対に電力の断絶は起こさせない、こういうことで頑張らせていただいています。
 そういう中で、一つはやはり節電の対策でございまして、例えば夏場の冷房を一度設定を上げることによって大変な電力が節約できる、こういうデータもございます。そういう意味では、私どもは広報を通じ、また節電隊というのを作りまして、今、一生懸命に企業の皆様方、国民の皆様方にそのことをお願いをさせていただいているところでございまして、そういった節電キャンペーンも含めて最大限の努力をして、そして、夏場の最需要期の電力断絶が起きないように私どもは一生懸命頑張っていかなきゃいかぬと、このように思っております。
#21
○柏村武昭君 ありがとうございました。
 今、いろいろとエネルギーに対して皆さんも考えをお持ちだと思うんですが、例えば原発ということに関していえば、私は原発のエネルギーはベストではない、ベターであると思っています。ほかのエネルギーがあればいいなと思っているんですけれども。
 この間、私、冬にスキーに行くために、広島県の、島根県の境の方の山間部を車で走っておりましたら、いつもはカーブのところで凍結のためにお湯が出ているんですね、ちょろちょろちょろちょろ。それが全くなくなっちゃって、なくなったところが全部解けているわけですね。あら、これはどういうことになっているのかなと思って、興味を持ってちょっと調べてみたんですね。これは驚きました。地中熱を利用したヒートポンプシステムというもので、私のこれまたふるさと、三次市のミサワ環境技術という会社が開発したと聞いて、早速こちらの社長さんから話を聞いたんです。
 これはちょっと大臣も、面白いからちょっと頭の中に入れてもらいたいんですが、このシステムは、地表と地中の温度差をエネルギーに変換させまして、熱交換用樹脂パイプを地下百メートル程度まで垂直に埋め込んで、中に入れた不凍液をポンプで循環させてエネルギーを起こすという、まあ私も分からなかったんですが。
 この仕組みの特徴は、電力を作るときのように石油や原子力を使わない。また、太陽電池や燃料電池のようにごみも出ない。地球環境を全く傷めないということ。一度稼働したらそのランニングコストはポンプを動かすための電力ぐらいだそうでして、メンテナンスも簡単ですし、季節や天候にも左右されず安定的にエネルギーを得ることができます。町中の自動販売機や新宿の超高層ビルのように冷房の代わりに莫大な熱量を外に出すこともないんですね。地中に全部入れるんです。そして、冷房、暖房ができちゃうんです。
 さらに、ひそかに入手した情報によると、アメリカのブッシュ大統領、クリントンさんも御自宅の方ではこの地中熱ヒートポンプシステムを利用しているそうなんです。この信頼性がよく分かると思うんですね。
 こうした新しいエネルギーを一般家庭にも積極的に普及させていったらいいんじゃないかなと。そうすると、各家庭が全部このヒートポンプを使って、もう実に安いわけですから、公害も出さない。そうすると、あとの補助電力というのはもう二割か三割しか要らないというふうになるんですが、これはすごいなと思って、実際に太陽光発電の普及には政府の助成は大きく寄与したんですから、こういう新エネルギーも助成金を出してやればいいんじゃないかなと僕は思ったんですが。
 大臣にお伺いします。こうした新エネルギーの開発、導入やその普及を進めるために現在どのような取組をされているか、短めにできればお願いしたいと思います。
#22
○国務大臣(平沼赳夫君) 新エネルギーの重要性というのは私どもも大変強く認識しておりまして、手短に申し上げますと、新エネルギーの関連予算というのは平成十五年度の予算においても前年に比べて百十九億円増やしまして、千五百六十八億計上しています。
 今、一次エネルギーに占める新エネルギーの比率というのは現時点ではまだ全体の一%でございます。しかし、そういった今御指摘のいわゆるこの温度差を利用して、そういう公害の出ない環境に優しいエネルギー、そういったものがやっぱり普及していくことは非常に大切ですから、私どもも今御指摘をいただいたことをよく研究させていただいて、そしてそれにインセンティブを与える必要があればそれは積極的にやらせていただきたいと、このように思っております。
#23
○柏村武昭君 ただ、設備を作るときにちょっと倍ぐらいお金が要る、その後はもう本当に安いということなので、これは一つのヒントではないかと思います。
 変わって、日本経済再生に向けた私なりの提案をさせていただきたいと思います。
 それは、航空機産業の振興でありますが、このテーマについては昨年秋の決算委員会での質問を終えて、そのときからしっかりと私準備しておりましたが、今月十二日の日経新聞の社説でそのものずばり同じような提言されまして、先を越されてしまって少々残念なんですが、ここで日本の飛行機づくりの歴史を振り返ります。
 戦前の昭和十六年に零戦が登場するや否や、日本の航空機製造技術は一気に国際レベルにまで到達しました。終戦直後に連合国軍によって航空機開発は全面的に禁止されたんですね。それが解除されたのが昭和二十七年、航空関係者の間では空白の七年と言われる冬の時代が続きます。そして、いざ研究開発が解禁されますと、日本の復興に燃えるエンジニアたちの涙ぐましい努力の結晶として、皆さん御承知の国産初の旅客機YS11が昭和三十七年に誕生しました。このYSは、皆さんもお乗りになったことがあると思いますが、四十四年までに合計百八十二機が製造されまして、国内だけでなく世界の空を長い間にわたり飛び続けまして、技術的には大きな成功を収めたんですが、その反面、当時の金額でおよそ三百六十億円もの赤字を出してしまい、経営的には大失敗したと言われております。
 その反省もあって、以後は国産単独開発路線から国際共同開発路線に転換しまして、ボーイング767、777の共同開発に取り組みまして、その技術的貢献に対しては世界から高い評価を日本は得ています。ただ、現状はアメリカの単なる下請にしかすぎないという批判もありまして、その点、ヨーロッパではエアバス・インダストリー社がフランス、イギリスなどの国家的支援を受けながら独自性を発揮していることに比べると、少々物足りなく感じられます。
 総額一兆円規模の航空機産業の特徴としては、高度な先進技術の蓄積による他産業への波及効果の大きさ、あるいは関連産業のすそ野の広さを挙げることができまして、その発展が国民経済全体へ良い影響を与える一方、研究開発には膨大な金と時間が掛かる、つまりリスクの非常に高い分野でもあり、また国家の安全保障とも密接に関連するために、国家的な支援が大きなかぎとなるわけであります。したがって、国際的な産業競争力を底上げするためにも、やはり航空機産業の発展が望ましいと私は考えます。中国や韓国、台湾などが最近この分野に力を入れまして、世界で積極的な動きを見せていることも気になります。
 そこで、大臣にお伺いします。国家戦略として航空機産業を重点的に振興することの意義、その具体的支援の可能性についてお伺いします。
#24
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、柏村先生御指摘のとおり、航空機産業というのは大変すそ野が広くて、そしてこれが活性化しますと日本の経済の活性化につながることは言うまでもありません。日本も努力をしてきまして、YS11を基礎として、御指摘のとおり共同開発という中で、今一兆円の規模の産業に育ってきているわけです。アメリカの航空機産業の規模というのは約十倍と、こういうふうに言われておりますので、私どもとしても問題意識を持ちまして、やはりこれから大型というよりもむしろYSクラスの、こういう、将来、東南アジアやアフリカやあるいは南アメリカ大陸、それから日本その他で需要が多い中・小型のそういう旅客機、これを開発する余力というのは技術的にも十分持っているわけでございます。エンジン部門も日本は非常に今発達しているわけです。
 そこで、そういう問題意識で、経済産業省といたしましても平成十五年度の予算で十億円のいわゆる調査研究費を計上いたしました。そして、これは五年ぐらいで一つの方向を見いだそうと、こういう形で動き出しまして、我々としては、御指摘のとおりこの分野は非常に大切な分野だと思っておりますので、こういった形で日本の総合力を発揮して、すそ野の広い、そういう航空機産業を育成する、このことは必要なことで、努力をしていきたいと思っております。
#25
○柏村武昭君 さらに、航空機産業の分野で我が国が持つ技術力について細かく見てみますと、エンジンや胴体、翼などの個々のパーツ生産技術で高い評価を得ております。やはり全機製作をしていないためなのか、そうしたパーツをうまく構成していくこと、つまり総合力の面で弱い。納入先の航空各社を意識したマーケティングとか納入後のアフターサービス、これはユーザーのエアラインに対する技術支援、部品供給とか訓練支援といったプロダクトサポートのことなんですが、これらにおいても見劣りすると言われています。その原因はやっぱりこれまでの仕事が下請的な位置にあったためで、構造的な問題ではないかと思っております。
 ただし、アメリカですらも冷戦終了後の軍需大幅削減のあおりを受けて、莫大な開発リスクに対応するための航空機メーカーの経営統合が進んでおりまして、そういう状況の中で日本だけが無理をして正面から国際の旅客機の戦争に挑戦することも非現実的であります。
 そこで、今、大臣がおっしゃったように、日本の得意分野を生かして、競合する国やメーカーのない分野で地道に仕事をしていく、それが一つの現実的な道ではないかと思います。そうした観点から、世界最先端を行く複合材料の研究開発、あるいは三十席から五十席規模の小型ジェット機の開発、実用化を進める経済産業省の姿勢は正に的確ではないかと思います。
 YS11以来の純国産航空機、日の丸ミニジェットの誕生を大いに期待したいところですが、ここで高市経済産業副大臣に最後にお伺いします。欧米の航空機メーカーに伍していくためには、日本の得意分野と個性を積極的に生かしていくことが何より欠かせませんが、そうした研究開発と技術開発の現状と今後の展望について御説明をお願いします。
#26
○副大臣(高市早苗君) 航空機産業におきまして日本の得意分野と言えるものでございますけれども、まず第一に、複合材料など先端材料の成形加工技術でございます。プラスチックに炭素繊維を織り込んだりして、非常に軽くて強い素材が開発されておりまして、国際共同開発の有力なパートナーとしての地位を既にこの分野では確立いたしております。それから、最近ではIT技術を活用して、操縦システムの簡素化ですとか、それから飛行制御システムの効率化、それから設計や製造工程自体の合理化に各社が積極的に取り組んでいるところでございます。
 経済産業省におきましても、我が国の航空機産業の強い分野、優位性を更に強化しようということで、本年度より新たに、ちょっと長いんですが、次世代航空機用構造部材創製・加工技術開発といたしまして、複合材料の製造技術の革新ですとか、それから新しい素材としてマグネシウム合金の活用技術の開発プロジェクトを開始いたしました。
 それから、先生に高く評価をしていただいて大変うれしゅうございますが、環境適応型高性能小型航空機研究開発ということで、今後五年程度を目途にいたしまして、経済性の向上ですとか環境負荷の低減などに資する技術の開発を目的にするんですが、三十席から五十席クラスの旅客機を開発して、関連技術を実証するプロジェクト、これを開始することにいたしております。
#27
○柏村武昭君 とにかく我々の夢でございます海水淡水化技術、あるいは純国産のミニジェット旅客機、誕生を心から願っております。頑張ります。私も応援させてもらいます。今日は本当にありがとうございました。どうも。
 質問を終わります。
#28
○後藤博子君 柏村先生に続きまして、自民党の後藤博子でございます。本日はこの機会をいただきましてありがとうございました。
 今日は、二十一世紀を担う子供たちにいかにいい環境、そして安全で安心できる食を提供するにはどうすればいいかを念頭に、また地元大分県を回っていろいろとお聞きしたこともありますので、それを挟みながら質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 少し余談になりますけれども、先ほどの柏村先生の水の件なんですが、体の七〇%以上を作る水ということで、私も毎朝六百tぐらい飲んでいるんですが、非常にいいので是非皆さんにお勧めいたします。余談になって済みません。
 まず、私は、ちょっと間伐材に少し目を向けてみました。地球温暖化の問題は人類にとって重要な課題ですので、地球温暖化の対策についてお伺いしたいと思います。
 地球温暖化はオゾン層を破壊する温室効果ガス、二酸化炭素、メタンなどになるんですけれども、に原因があることはよく知られております。中でもCO2の削減は早急に対策を取らないと、本当に子供たちにこのすばらしい地球を残すことはできないのではないかと思っております。
 我が国も、京都議定書の締結によりまして、一九九〇年の温室ガスの排出量に比べ六%の温室効果ガスの削減を二〇〇八年から二〇一二年の間に達成することを約束しております。この中で、新しく作られた森林や人為的な管理を行っている森林が吸収するCO2、二酸化炭素も削減量にカウントできることになっていて、我が国は削減目安の六%のうち三・九%に相当する量が認められているとお聞きしています。
 こうしたことから、農林水産省では、CO2の吸収量を高めていくことを実現するため、地球温暖化防止森林吸収源十か年対策に取り組んでおられると聞いております。
 この対策は、森林を守り育てていくことが大切で、そのためには間伐は欠かせないのではないかと思います。林野庁も、平成十二年度から緊急間伐総合対策に取り組んでおられますし、計画的な間伐を推進したり、間伐材の利用拡大に取り組んでいらっしゃるようでございます。特に、平成十三年一月に施行されましたグリーン購入法により、公共工事の資材として間伐材を積極的に使用していく方針が示されたのを受けまして、国土交通省では河川工事の木製ダムなどに利用されていると聞いております。
 また、私の地元大分でも、県庁内に副知事を会長としました大分県公共施設における県産材利用拡大会議を設置しておりまして、公園の遊具や支柱に利用したり、また校舎や机、いすなどを作って利用したりしています。新聞にも、何か子供たちの笑顔が載った、優しい木のぬくもりに包まれてというような新聞記事を見たことがあります。
 このように、森林を守り育て、そのときできる間伐材の有効利用を進めている中、会計検査院からいただいた平成十三年度の決算報告書に、農村公園の安全さくに間伐材を利用しないでコンクリート製のさくを使っていたので環境及び経済性に配慮するよう改善させたと報告されております。
 本日は会計検査院の方にもお越しいただいておりますので、この報告の概要と指摘金額六千五百四十万円の根拠をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#29
○説明員(重松博之君) 御説明いたします。
 農林水産省では、農業農村整備事業等ということで、農村公園等の整備を行います都道府県、市町村等の事業主体に対しまして補助金を交付しております。それで、事業主体におきましては、農村公園等を訪れた人の安全を図るということのために、安全さくとしてプラスチックやあるいはコンクリート製の擬木さくあるいは木さくを設置しているわけでございます。
 そこで、この安全さくの資材の供給体制、耐久性、経済性について検査いたしましたところ、農林水産省において、関係機関との連絡調整が必ずしも十分でなく、環境や景観等にも配慮することとなる間伐材を用いた施工等の検討、都道府県等の事業主体へのこれらの情報の提供が十分に行われていなかったことなどのために間伐材の利用促進が十分図られておりませんで、補助事業が経済的に実施されていない事態が見受けられたわけでございます。
 このため、当局の見解をただしましたところ、農林水産省では、十四年十月に通知を発しまして、関係機関における連携の強化、あるいは事業主体に対する間伐材を用いた施工等に関する具体的な情報の提供など、事業主体における間伐材の利用促進についての意識が喚起されるよう周知を図る処置を講じていただいたところでございます。
 以上が概要でございますが、お尋ねの指摘金額六千五百四十万円につきましては、青森県ほか十五府県の四十七事業主体が十二、十三両年度に百三十二件の工事で設置いたしました安全さくのうち、支柱の一部が水中にあるなどの通常より腐朽が進行しやすい場所のさくを除外いたしまして、擬木さくの資材費に係る直接工事費二億四千二百三十四万円、これが国庫補助金相当額で一億二千二百六十一万円でございますが、これについて間伐材を採用したとすれば、その資材費に係る直接工事費は計一億一千二百六十八万余円となりまして、直接工事費で約一億二千九百六十万円、国庫補助金相当額で約六千五百四十万円低減できたというふうに算定したものでございます。
#30
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当にこういう、何といいましょう、もうさくを作る前に本当に周知徹底していればこれだけの費用も掛からずに済みましたし、また六千五百四十万円という以前にたくさんのお金を掛けているわけですから、こういう、何といいますか、節約ができたということになると思いますので、今後とも、そういう意味では会計検査院の方々にもっともっといろんなところを、本当はたくさん指摘があっちゃ困るんですけれども、そういう意味ではしっかり取り組んでいただきたいと思いました。
 ありがとうございました。
 ですから、今、会計検査院の方にそういう内容についてお聞きしたんですけれども、このようなさくを作るときに間伐材を利用するというようなアイデアが浮かばなかったのかなと。女性がというのはおかしいんですけれども、例えば私ども、今日、高市先生もいらっしゃいますが、やっぱり公園を作るとか緑の中に何かいすを置くとか、そういうときにぴっとくるのは木で作りたいなというのが普通なんですね。だから、コンクリートを使って、擬木を使ったということよりも、その作るときに、作る方々が、もしもっともっと周知徹底してあれば、ああ、そうだ、間伐材を使ったものを使ってみようとか、木を使ってみようとか、そういうようにふっとひらめくことができるんじゃないかと思いますので、周知徹底の方もよろしくお願いをしたいと思っています。
 また、そういう意味も含めて、また今は、すごく大分県でもそうなんですけれども、林業を営む方は木材価格が安くて採算が取れないという理由で今言った間伐すらできないところもたくさんあります。林業の人たちは、そういう意味では後継者もありませんね、本当に非常に苦しい、苦しんでいらっしゃいます。そこで、更なる今後の利用拡大や間伐の推進を含めて、林業に対するお考えをお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#31
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、先生のお話にもございましたとおり、林野庁といたしましては、間伐を推進していくということにつきまして、平成十二年度から五か年間で緊急間伐五か年対策という形で、百五十万ヘクタールの緊急に間伐をしなきゃいけないところを間伐を適切にやっていきたいということで計画をしているところでございまして、それに対しまして、例えば市町村との協定に基づいて間伐をしていただく場合は、最長四十五年まで補助対象にするという特定間伐というような制度も取り入れたところでございますし、また、必要な路網の整備あるいは林業機械の導入ということをある程度まとめてやっていくというようなことも取り組んでいるところでございまして、そういう中で、この三年間につきましては毎年三十万ヘクタールという目標が一応達成されてきているというところでございますけれども、今回、総務省の方からも間伐の実施ということにつきまして改めて勧告を受けたところでございまして、そういう点ではまだまだきちっと取り組んでいかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 また、今お話ございましたように、間伐を実行して間伐材が出てくるわけでございまして、その材を適切に利用していくということが必要でございまして、間伐材の加工流通施設の整備、あるいは公共事業での間伐材の利用の促進、あるいはいろんなほかのもの、机だとかいすだとか、間伐材を使えるところに間伐材を適切に使っていただくというような、技術開発といいますか商品開発といいますか、そういうようなことも進めていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
 公共事業の関係につきましては、我々、関係省庁とも連携を図ってきたところでございますが、まだまだ徹底できていないというところがあったのかなという反省をいたしておりまして、現在、農林水産省の中で、本当に木材をどういうふうに使っているのかということを分析をしながら、更に木材が使えるところはないのかということを見極めていくというようなことで、農林水産省木材利用拡大アクションプログラムというものの作成に取り組んでおるところでございまして、そういった動きを農林水産省でまず行いまして、それをさらに、実行結果が上がるとすれば関係省庁にもお願いをしていくということでやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにしましても、間伐を適切にやっていかなければいけない、さらに、それのためには間伐材の利用の促進を図っていかなければいけないというふうに思って、努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#32
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に横も縦も連携を取りながら、元気な森林を子供たちに渡したい、そのためには元気な森をやっぱり作っていかなければならないと思っていますので、更なる取組をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 次に、今、間伐材のお話をしまして、間伐材にも、間伐材も関係があるかと思いますバイオマスについてちょっとお伺いをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 バイオマスということも、私も耳慣れませんで、なかなかよく理解できなかったんですが、どうしても横文字、片仮名文字が出てくると、ついつい何だろうと思ってしまいますが、バイオマスとは生物資源の量を表す概念で、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものであるということが分かりました。具体的には、農林水産物、麦わら、もみ殻、食品廃棄物、家畜の排せつ、今言った間伐材を含むまた木くずなどということでございまして、エネルギーや新素材として利用できるもののことをいうと。バイオマスを化石資源に替えてエネルギーとして利用すれば地球温暖化防止に役立ちまして、農林業の活性化にもつながると言われております。
 私が以前住んでおりましたブラジルなんですけれども、そこは世界一の砂糖の輸出国でございまして、サトウキビから作られる燃料用アルコール、エタノールというんですかね、燃料用アルコールの輸出国を目指していると聞いておりますので、第二のふるさとであるブラジルも一生懸命こういうことを取り組んでいるんだなと今考えておるところでございます。
 そこで、こういうブラジルの取組はちょっと分かったんですが、ほかに諸外国のバイオマスに対する取組状況がありましたら、分かる範囲で結構ですので、少し教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#33
○政府参考人(大森昭彦君) お尋ねの諸外国におけるバイオマスの利活用の状況でございますが、まず米国ですとかEUにおきましては、このバイオマスの利用を向こう十年間で三倍に増やそうというふうな意欲的な目標を持って進められておりますし、そのように先進諸国においては非常に熱心に取組が進んでいるというふうに承知をしております。
 そこで、具体例を若干申し上げてみますと、先ほど御指摘のブラジルのエタノールの例もございましたけれども、まず燃料関係では、エタノールの関係については、ブラジル以外にも米国あるいはカナダ等におきまして、このエタノール、バイオマス由来のエタノールをガソリンに混ぜて使うと、こういうふうな取組が進んでおりますし、またバイオディーゼルの燃料、これはEU諸国でかなり取組が進んでおります。そして、これらの利用を促進するために、国によりましてはバイオマス由来の燃料に税制上の優遇措置を設けるというふうな、そういうことも行われているというふうに聞いております。
 また、ドイツにおきましては、廃棄物から出てまいりますメタンガスを利用した発電施設が千三百か所ほど国内にございまして、これらの電力につきましては電力会社において買い取るような義務の制度も設けられておるというふうに承知をしておるところでございます。
 一方、バイオマスの製品としての利用の面からは、これは米国やドイツにおきまして、トウモロコシのでん粉から作った生分解性の素材、これをプラスチックの素材に変えて使おうというふうな動きがございまして、具体的には食器ですとかあるいはトレーのようなもの、あるいは苗木のポットのようなものですとか、さらには買物袋といったようなところへの利用が進むと、あるいはその普及が図られているというふうに承知をしておるところでございます。
#34
○後藤博子君 ありがとうございました。
 現在、今、諸外国のこともお聞きしたんですけれども、日本におけるバイオマスの利用状況と、将来はどんな利用が考えられるのかというようなこと。それから、バイオマス・ニッポンの実現によって日本がどのようになることを考えていらっしゃるのか。また、今の日本のバイオマスの技術、研究は世界の技術、研究に比べてどの程度のものなのか。技術や研究を互いの国々が共有することはあるのでしょうか。
 地球は一つということの考え方から、地球人としての考え方の中では、国々のそういう技術の交流があり、また互いの国々が共有することによって地球環境が保たれればいいなと思ったものですから、ちょっと質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
#35
○政府参考人(大森昭彦君) まず最初に、バイオマスの利用の状況と将来像についてお答えを申し上げたいと思います。
 バイオマスの利用は、先ほど御指摘もございましたが、地球温暖化の防止あるいは循環型社会の形成、さらには戦略産業の育成、農山漁村、農林水産業の活性化という言わば大変期待が大きいわけでございまして、私どもも、昨年暮れに閣議決定をいただきましたバイオマス・ニッポン総合戦略に基づきまして、バイオマスの利活用に積極的に取り組んでまいりたいというように考えております。
 そういう中で、まずバイオマス総合戦略におきましては、二〇一〇年を目途に目標を据えております。その目標は、具体的には廃棄物系のバイオマスは八〇%以上使っていこうと、あるいは間伐材等の未利用の資源でございますが、こういうものについて二五%程度は使っていこうと、こういう目標を掲げております。また、このように積極的にバイオマスを利用する市町村の数でございますが、五百市町村ぐらいはそういう取組をサポートしていきたいというふうな目標を掲げておるところでございます。
 この目標の達成に向けまして、革新的な技術開発ですとか、あるいは新たな自動車燃料、食器容器等への新たな用途の開発でございますとか、あるいはその地域の状況に応じてこれらのバイオマスの利活用施設を整備するソフト、ハードの支援措置でございますとか、こういうことに力を入れまして、関係府省と連携しながら積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#36
○政府参考人(石原一郎君) バイオマス利活用技術の世界の中におきますどの程度のものかというお話と、世界各国との連携というお話がございました点につきましてお答えを申し上げます。
 バイオマスの利活用の技術につきましては、技術の中身が大変多くのものから成っております。木質材料から家畜ふん、排せつ物までを変換する、あるいはメタン、メタノールを電力、エネルギーへの変換、あるいは生分解性プラスチックへの変換といったいろんな技術から構成されております。
 したがいまして、一口でどのレベルにあるかと言うのはなかなか難しい面があるわけですが、こういうものにつきまして、技術予測調査ということで専門家の方々に、我が国の技術の各分野がどの程度のレベルにあるかというアンケート調査がございます。
 そういう中で申しますと、例えば都市ごみからの回収、あるいはメタン、メタノール等への燃料の製造技術、それから地域コージェネレーションといった技術については我が国が最も進んでいるのではないか、あるいはそれ以外のバイオマスの課題につきましても我が国が第一線にあるといった評価をされたものが六割近くございます。そういう意味では、我が国のバイオマスの利活用技術は世界の中でも進んだうちにあるんだろうと思っております。
 また、我が国のこの技術の中におきまして、伝統的な発酵技術ですね、これは我が国かなり優位に立っておりますし、また熱変換によるガス化技術も優位を保っているというふうに考えております。今後ともこれらの技術を活用しまして、バイオマスの利活用を図っていきたいと思っております。
 また、各国との連携の点についてでございますが、例えば先日、日米科学技術高級合同委員会というのがあったわけですが、その中におきましても、バイオマスあるいはエネルギーということでアメリカとの間で情報交換させていただきましたし、それからこの秋に、バイオマス関係のシンポジウムをオランダのワーゲニンゲン大学、これはオランダにおきます科学技術の関係でかなり進んだ大学でございます、と一緒にシンポジウムを実施するという予定でおります。
 いずれにしましても、バイオマスの研究につきましては、各国と連携を取りながら研究の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#37
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に世界に誇れる、何かバイオマス・ニッポンということで研究を更に進めていただきまして、地球環境に本当によろしくお願いしたいと思います。
 今まではそういう点では利便性とか経済性を優先してきまして、どうしても化石資源に頼ってまいりました。今いろいろとおっしゃっていただきましたけれども、それに代わるものとしてバイオマスを研究していただきたいと思っております。
 ちょっと何かの資料で読んだんですけれども、太陽と水があればかれることなく資源となるバイオマスを大切にというふうなことをちょっと読んだことがあるんですけれども、太陽と水があれば、それに土がないといけないんじゃないかなとちょっと感じたんですね。だから、太陽と水とそして大地ということで、やはり植物で作るバイオマスが多いわけですので、どうしても土ということをどこかにまた入れていただいて、生物、植物の命は土から生まれることがありますので、是非土も、大地も大事にそれに加えていただいて、太陽と水と大地というようなことを言っていただくともっと国民は分かりやすいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 では、今、農林水産省を始めいろんな方々にバイオマスについてお尋ねいたしましたが、経済産業省の方にも、今日は高市先生もお見えになっていらっしゃいますし、ありがとうございます、お聞きしてみたいと思います。
 昨年の六月に議員立法で成立いたしました、亀井先生いらしておりますが、亀井先生も議員立法の提案者のお一人だったと思うんですけれども、エネルギー政策基本法というので、我が国のエネルギー政策の大きな方向性を示すことを目的として作っていただきました。そして、三つの基本方針といたしまして、安定供給の確保、環境への適合、市場原理への活用を挙げていらっしゃいます。その中に、安定供給の確保では、供給源の多様化、自給率の向上を、環境への適合では、地球温暖化の防止、循環型社会の形成を目指していらっしゃいます。
 また、エネルギー政策基本法には、国や地方公共団体、事業者の責務と国民の努力といった役割分担があります。その内容は、国は、地方公共団体、事業者に対してはエネルギーの使用による環境への負担を減らすこと、また減るような物品を使用することを求めておりまして、国民にはエネルギー使用の合理化と新エネルギーの活用に努めるように求めていらっしゃいます。要は、環境に優しく、CO2の削減につながり、地球温暖化防止にも役立つエネルギーを使いなさいと言っておられると理解しております。
 だとしますと、先ほど質問したバイオマスは、農林水産省の答弁でも分かるように、とても良い資源になるのではないかと思っております。化石資源に乏しい我が国にとって、バイオマスは日本のエネルギーの将来にどうかかかわってくるとお考えなのでしょうか。本日は高市副大臣がお見えですので、よろしくお願いいたします。
#38
○副大臣(高市早苗君) バイオマスエネルギーの利用促進のメリットは、もう今、後藤先生が御指摘になったとおりだと思いますし、それから先ほど平沼大臣が、現在、まだ新エネルギーというのは一次供給エネルギーの一%しかないと、これを二〇一〇年には一次エネルギーの供給の三%の目標にするんだということを申し上げましたけれども、バイオマスの発電や熱利用もこの目標の三%に該当するところに含まれております。
 経済産業省は、去年から、バイオマスを新エネルギー利用などの促進に関する特別措置法の新エネルギーとして位置付けました。予算面でも随分応援をいたしておりまして、例えば、地域ごとに新エネルギービジョンを策定するような地方公共団体に対して事業費を補助したり、それからバイオマスの技術開発をする民間事業者に対して事業費を補助したり、それからバイオマスの実証実験に関しては、これは地方公共団体、民間事業者両方に補助をいたしておりますし、実際に、じゃ、その研究等が順調にいって新エネルギーを導入しようという段階にあった地方公共団体それから民間の事業者ですね、これ両方に補助をいたしておりまして、いずれの補助事業も前年度より予算は増えております。
 それから、今年の四月に施行されましたいわゆるRPS法でもバイオマスをその対象といたしておりますので、各電力会社はこれを使わなきゃいけないと。そのエネルギー、どのエネルギーを使うかというのは選択の自由がございますけれども、選択肢の一つとなったというようなことでございます。
 それから、昨年の十二月、バイオマス・ニッポンの総合戦略が閣議決定されておりますので、これは農水省や環境省などと連携を取りながら、今後も導入促進に頑張ってまいりたいと思います。
#39
○後藤博子君 ありがとうございます。
 もう後で後悔してもいろいろと仕方ありませんので、やっぱり私たちは今できることや、そして今のうちに将来を考えておくことというのはとても大切なことだと思っております。いろいろと今日は御答弁いただきましたので、これからも環境に優しく、また地球に優しく、また人に優しいエネルギー対策、政策を是非、聡明な高市副大臣、またよろしくお願いしたいと思います。今日は、平沼大臣はお帰りになりましたので、どうぞよろしくお伝えくださいませ。ありがとうございます。
 続きまして、食品の安全のことにまたちょっと移っていきたいと思います。
 今、エネルギーについていろいろとお伺いいたしましたが、もう私たちの体を動かすエネルギーはやはり食べ物だと思っております。今日もお昼をばたばた食べたものですから少しふらふらしておりますが、やはり自分の体を維持するためにしっかりと食を取らなければいけない、また子供たちにも安心で安全な食をしっかりと食べてもらわなければいけないというふうに思っております。そういう観点から質問させていただきます。
 今、エネルギーの元は、体を動かすエネルギーの元は食物ですと言ったんですけれども、にもかかわりませず、昨今、BSEの問題とか、外国からの残留農薬の問題とか、食品表示の偽装問題などで消費者の食に対する安全、安心が非常に揺らいでおります。
 食品に対する信用を取り戻すために、政府は今国会に食の安全に関する法律を八本出していらっしゃいます。中でも食品安全基本法、これは五月十六日に参議院の本会議におきまして成立をしておりますが、内閣府に七月ごろをめどにまた食品安全委員会を設置をするということも聞いております。その委員会でリスク評価を行い、その結果に基づいて関係省庁に勧告したり、勧告の実施状況をチェックしたりするということで食品安全委員会が作られました。また、食品安全委員会の委員は七人の専門家でまた構成されていると聞きます。
 この後、食品安全に関する質問なので、もしそれに関係ない省庁ございましたら、どうぞ御退席していただいても構いませんので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
 お尋ねしたいのは、食品安全委員会の委員には消費者の代表も入るのかなと。委員の基準、委員選任の基準は何なのでしょうか。新聞等々によりますと、専門家の方々で構成する、もうそれは七人の専門家の方々で構成するというふうに伺ってはいるんですけれども、消費者の方々がこれに入らないということについてちょっと教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#40
○政府参考人(梅津準士君) 安全委員会の委員の選任の件でございますけれども、委員会の所掌事務、主として食品の人の健康に及ぼす悪影響を科学的、客観的に評価することでありますので、委員会は、法律上も、食品の安全性の確保に関して優れた識見を有する者によって構成されるという規定になっております。つまり、リスク評価の実施は、科学的、専門的な知見に基づいて客観的かつ中立、公正になされる必要がございまして、いわゆる利害の調整を行う場ではございませんので、消費者の代表、あるいは生産、流通関係者の代表といった方々が委員となることについては慎重に検討する必要があると思っております。
 ただし、この場合、消費者の安全の確保に関する識見としては、消費者の意識とか行動とか、そういった要素も大事でございまして、そういった分野の専門家についても委員として加わっていただく方向で検討しております。あわせて、委員会の下に置かれる専門調査会につきましては、これは消費者の意見を代表する方々にも加わっていただく方向で検討しております。
#41
○後藤博子君 ありがとうございます。
 委員会のメンバーには、じゃ消費者の代表は入らないということなんですね、今のところ。そうですね。
 私たち一般の生活者、私もつい最近までは本当に主婦でございましたし、普通に生活しておった者から考えたときに、例えば食品安全基本法ができましたということで新聞等々で私たちは読むわけですが、ああ食品の安全が守られるんだとか、ああ安心して食べられるんだとか、そしてまた安心して購入できるためにこの食品安全基本法ができたんだなと。そしてまた、その中には専門家の方々に入っていただいて、いろんな観点から調べて研究してくださるから、すごい食品安全のこういうあれができたんだなというふうに思うんですが、じゃ、なぜ普通の自分たちに近い消費者が入らないんだろうか、消費者の代表が入らないんだろうかと、つい思っちゃうんですね。
 ですから、いろんな、そこの下にそういう吸い上げることもあるでしょうし、また専門家の方が、消費者行動専門家ですか、というふうに何か入ってくるんでしょうけれども、普通の人が見たときに、そこにああ私たちの消費者の代表が入っているなと思っただけですごく安心する場合があります。そういう点では少し、余り決まりに専門家専門家というんじゃなくて、専門家の方々もいるし一般の方々もいて、消費者から見る食の安全の視点というのもあるわけでございますので、そういう点をもっともっと取り組んでいただけると有り難いと思います。
 そういうことになるから、新聞でも何か、食の安全確保市民の手でとか、自分たちの声が入らないので独自に作ったとか、だからついつい対立をしてしまうんですよね。対立する必要はもう全くなくて、目的は食の安全なわけですから、専門家の方々も消費者の方々も安心して食べられるものが欲しいということの視点で考えますので、余り消費者の方々と対立するようなことはしてほしくないなというのが私の希望でございます。消費者の方々の中にも一生懸命やっぱり研究されたり勉強されたりする人がいるわけですので、いろいろと御事情あるかと思いますが、今後ともよろしくお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、トレーサビリティーということについてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 私も、またこれも片仮名文字でトレーサビリティーと出てくるんですが、なかなか一口でよく分かりませんでしたけれども、トレーサビリティーシステムというのは非常にすばらしいシステムだなということはこのチャンスをいただいて勉強させていただきまして、またいろいろ部会等々に出ていきまして分かってまいりました。牛の、簡単に言えば牛一頭一頭に番号付けて、生産、流通、消費の各段階で正確に伝わる制度を作る法律だと。消費者がインターネットで調べれば、牛肉がいつどこでどのようにして生産され、流通されるのかをまた知ることができる、それがトレーサビリティーと言うんだと。消費者と生産者の顔が見える関係になりまして、消費者も安心して牛肉を買えると思っております。
 ちょっとまた地元の話で恐縮なんですけれども、私の地元大分でも豊後牛というのがありまして非常においしいんですね。豊後牛の牛肉通行手形というのを発行して、牛の生年月日や生産者名や牛に与えた飼料、BSEの検査場所などの生産履歴が分かるように、平成十四年四月から消費者に伝えています。このような、消費者が知りたい情報がいつでも手に入るのは食品に対する安心感が生まれます。
 今回このような法律を作ろうとされたのは、牛のBSE問題がありまして、BSEを防止し、牛肉の安全性や信頼性を取り戻すためだと思います。こういうようないいシステムは、牛肉だけに限らず、お米や青果物や豚肉、鶏肉、水産物にも取り入れたらいいのではないかと思っております。農林水産省のそれに対するお考えをお聞きしたいんですけれども、既に何か取り組んでおられる状況もあるようでございますので、併せましてお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#42
○国務大臣(亀井善之君) このトレーサビリティーシステムのことにつきましては、BSEの発生、そしてこの蔓延防止、また消費者の不安の払拭と、こういう点からお願いをしておるわけでもございます。消費者が自ら食品の生産方法等に関する情報を引き出すことにより安心して食品を購入していただく、また、万一食品の事故が発生した場合にはその原因の究明と、こういうことが可能になるわけでありまして、食品の安全、安心を確保すると、こういう点で極めて有効的なものであるわけであります。
 今御指摘の野菜やお米などの牛肉以外のトレーサビリティーシステムの導入につきましては、食品の種類ごとにその食品の特性や流通の実態が異なるわけであります。そういう面でなかなか難しい面がございます。しかし、それに合ったシステムの開発を進める、ITを活用して情報関連機器の整備等に対する助成を行うなど、あるいはまた、生産者や食品事業者の自主的な取組を推進すると、こういう考えでおるわけであります。今、いろいろのところで積極的に生産者がそのような履歴情報を提供しようと、こういう考え方は大変強くなってきております。そういう面で今申し上げましたようなことを進めてまいりたいと。
 また、任意の制度として、食品の生産履歴情報の伝達システムを第三者に認証してもらうというJAS規格制度の導入と、このことも検討しているところでもございます。
 いずれにいたしましても、トレーサビリティーシステムは、食卓と農場を結び、委員御指摘の正に顔の見える関係の構築と、このことにつながるわけでありまして、生産者と消費者の信頼関係を醸成するのに重要な役割を果たすわけでありますので、生産者、流通業者の自主的な取組が行われることを基本に私ども必要な支援を行ってまいりたいと、このように考えております。
#43
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に分かりやすいこのトレーサビリティーシステムが周知できれば、本当にすばらしいものができると思っております。
 この中で、消費者や主婦がインターネットということで、インターネットにアクセスすればいろんなことが分かるんですけれども、なかなかインターネットを使うというとまだまだ使いこなされていない方々もたくさんいらっしゃいますが、インターネット以外でこのトレーサビリティーシステムの情報を知る何か方法がございますでしょうか。ありましたら教えてください。
#44
○政府参考人(西藤久三君) 食品のそういう生産あるいは履歴の情報ということで、先生御指摘のインターネットでの情報収集、そのほかに現在いろんな形で試行錯誤で実施されている状況にございますけれども、売場に、非常に伝統的な形といえば伝統的な形でございますけれども、売場に掲示された、そこで看板で掲示をしていくというような方法。さらに、商品に表示されている問い合わせ先にファクス等で問い合わせる、電話ではもちろん可能でございますが。あるいは、これも一部既に試験的に実施されていると思いますが、売場に設置された情報出力機器といいますか、タッチパネルで情報を取る方法等が現実に施行されているというふうに思っております。
 私ども、トレーサビリティーシステム、食卓と農場を結び、顔の見える関係の構築につながると。それと、大臣からのお話もありましたように、生産者と消費者の信頼関係の醸成に極めて重要な役割を果たすというふうに考えておりまして、商品により、農作物の状況によりいろいろ状況違いございますけれども、消費者が情報を入手しやすい環境を作っていくということが重要でございまして、その導入を支援するためのいろんな方法が選択できるような形で取り進めていきたいというふうに考えております。
#45
○後藤博子君 ありがとうございます。
 本当に消費者が分かりやすいシステムということで取り組んでいただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 ちょっと余分になるかと思ったんですけれども、五月十五日に、たまたま私、宿舎に帰りましてテレビをつけたら、クローン牛を食品化するというニュースが流れていたんですね。いやもうここまで来たのかというふうにちょっと驚いたんですけれども、クローン牛を食品化するというのは、厚生労働省の管轄になるかとは思うんですけれども、もう食品、クローン牛を食品化になる可能性というか、なりそうだ、あるいはこれからまた将来なるのかもしれませんけれども、そういうクローン牛を食品化することについてどう思われますでしょうか。ちょっとよろしくお願いします。
#46
○国務大臣(亀井善之君) 体細胞クローン牛から作られる食品の安全性につきましては、実は平成十二年六月に出された厚生省の中間報告書において、食品としての安全性を懸念する科学的根拠はないとされるとともに、より多数のクローン牛についてのデータを取ることによって安全性の裏付けを得ることが望まれるとされ、厚生労働省によってデータの収集、安全性の調査が行われたわけでもございます。
 私ども農林水産省といたしましては、このような状況を踏まえて、体細胞クローン牛については出荷の自粛を要請してきているところであり、今市場には出回っていないわけであります。
 このような中で厚生労働省は、本年五月十二日に最終報告書を公表し、この中で、クローン技術を利用した動物肉等の安全性について、従来技術によって産生された牛にはないクローン牛特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考え難いが、新しい技術であることを踏まえ、慎重な配慮が必要とされたわけでありまして、今後の対応といたしましては、厚生労働省の最終報告書を踏まえて、本年七月に設置される予定の食品安全委員会に諮問をし、まず科学的に評価をしていただきたいと、このことが適当ではなかろうかと。さらに、国民とのリスクコミュニケーションを図り、その取扱いについては、今後、関係業界、消費者等の意見を踏まえる必要があると私は考えております。
 農林水産省といたしましては、食の安全性のほか、消費者の安心という問題もあるわけでありまして、慎重な対応をしてまいりたいと、このように考えております。
#47
○後藤博子君 ありがとうございます。
 これからそういう点でもっともっと議論になるかとは思いますけれども、クローン牛が食品になったら我が大分県の豊後牛も要らなくなるのかなとか、松阪牛ももう何か要らなくなるのかなとか、豊後牛を食べに来ていただきたいと。一万円札の中に福沢諭吉が載っておりますけれども、あれは大分県出身でございまして、あの方はすばらしい方で、時々皆さんのお札が大分県に里帰りするとまた大分県の経済にも役立つのかなとか、いろんなことを思っていて、いろんなことを考えてしまいました。済みません、余分なことをお聞きしました。ありがとうございます。
 済みません、今日はちょっと時間がないので早口になっているかと思うんですけれども、よろしくお願いいたします。
 次に、グリーンツーリズムについてなんですけれども、今いろいろお話ししましたように、消費者とお互いの顔が見えれば安心して食べると。もう一つ進めまして、お互い、今度、顔が見えるだけじゃなくて、お互いに理解できる関係になればもっといいのではないかと。ましてや、今の子供たちは、野菜や果物やお米もそうなんですけれども、どのように生産されているのか、また農家の方々がどういう苦労をされているのかというのも知らない子供さんたちも多いということで、そのグリーンツーリズムを進めようということだと思います。
 我が町、また大分県で申し訳ありません、我が町、安心院という町があるんですね。安心院ワインとかブドウで知られておりまして、安心院と書いて、院の院はこの、あれなんですね、参議院という院なんですけれども、病院の院なんですが、それを書きましてアジムと読むんですね。安心院という町ではグリーンツーリズム研究会を作りまして、本当に先進的に取り組んでいます。昨年四月二十七日には、大分県グリーンツーリズム研究会も発足しまして、ネットワークづくりも進んでおります。ですから、安心院に限らず、緒方町、野津町、いろんなところで今グリーンツーリズムが大分県でも進もうとしております。
 県も、こうした民間の取組が広がっていくのを受けまして、昨年四月、農家が民宿施設の営業許可を受けるときの条件を緩和をいたしました。農家が民泊を始めるには食品衛生法や旅館業法に基づいて知事の許可が必要らしいんです。特に、食品衛生法の規定で客専用の調理場が必要で、農家が民泊を始めるときには新たな投資が必要でした。これを大分県では、体験宿泊客が農家と一緒に調理する場合は調理場は必ずしも要らないとしたんですね。この緩和によって住居の改築などの費用が要らなくなりまして、農家の負担は少なくなりまして、グリーンツーリズムに弾みが付くと地元では期待をしております。
 また、大分県では県独自の支援策といたしまして農村漁村若者活動支援資金を設けまして、宿泊客が利用する客室、ふろ、トイレなどの施設整備に貸付限度額が五百万円で無利子の融資の制度を作っております。
 国には、こういうグリーンツーリズムに対してどのような支援制度があるのかお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
#48
○政府参考人(太田信介君) 農山漁村に滞在いたして余暇活動を楽しむグリーンツーリズム、これの推進は都市と農山漁村の共生・対流を進める上で重要な施策であるというふうに考えております。
 先生お尋ねの農林水産省としての施策でございますが、農林漁業体験民宿の登録、あるいは農林漁業金融公庫資金によります民宿開業資金の低利融資等をこれまで行ってきておりますが、さらに十五年度からは都市住民のニーズを踏まえた新たなグリーンツーリズムの提案とその普及、それから都市と農山漁村の交流を円滑に進めるための情報受発信の強化、農家民宿の経営者などグリーンツーリズムにかかわる人材の育成、さらには地域ぐるみの受入れ体制の整備などを総合的に進めていくことといたしておりますが、また、その中で規制緩和ということにも取り組んでおりまして、構造改革特区における市民農園の開設地帯の拡大などを措置したところでございます。
 これと関連しまして、他の府省におかれましても農家民宿に係る様々な規制がございますけれども、昨年からの特区の関連で、旅館業法の規制緩和あるいは消防法などの運用改善が図られたほか、農家民宿などにおきますどぶろくの製造について酒税法の規制緩和が措置されることとなっております。
 今後とも、こうした諸規制を所管する府省とも十分相談しながら、農家民宿の開設の促進など、都市住民の求めに応じたグリーンツーリズムの実現に向けて積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
#49
○後藤博子君 ありがとうございます。本当にグリーンツーリズムが活性すれば、農家の方々あるいは子供たちあるいはそこに来る方々が本当にいい交流ができると思います。
 いい交流ということで、時間がないんですが、ちょっとだけお知らせしたいんですね。
 これは、このグリーンツーリズムのことを調べ始めまして分かったことなんですけれども、このグリーンツーリズムが御縁で、現在ここに、厚生労働省にお勤めの国家公務員の方が大分の女性と結婚したんですよ。それで、グリーンツーリズムがもたらす食べ物とか交流だけじゃなくて、お嫁さんまで、先生、見付けたのかというそういういいちょっとニュースがあったものですから、是非、そういうことを含めまして、これからもグリーンツーリズムに対する支援をよろしくお願いしたいと思います。
 時間がなくなりました。あと一分だけなんで、いわゆる給食に地産地消ということをお聞きしたかったんです。子供たち、今、給食食べていらっしゃいますし、また給食に限らず、私たちもそうなんですけれども、今、農林水産省が地産地消ということを進めておられます。この地産地消を是非給食に取り入れたいという思いがあるものですから、その地産地消を給食に取り上げるということについて、ちょっとコメントをいただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。ありますか、済みません。
#50
○委員長(中原爽君) 後藤先生、時間になりましたが。
#51
○後藤博子君 分かりました。では、またの機会をおかりしまして質問をさせていただきます。
 今日はいろいろありがとうございました。済みません、ありがとうございました。
#52
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 今、お手元に資料を配付させていただいておりますが、エコタウン補助事業に関する事後評価書という資料を今お手元に配付をさせていただいております。
 これは、大臣、まず伺いたいんですが、資料はもう既に目を通しておられると思いますので、平成十四年度事後評価書というのを経済産業省が作成をしておりまして、大臣、こっち見てもらえます、これ、大臣、目を通されました。御答弁を求めています。
#53
○国務大臣(平沼赳夫君) 報告は受けましたけれども、それを詳細には点検をしておりません。
#54
○松井孝治君 これは平成十四年度の事後評価書ですので、十三年度の今回の決算の対象となる領域についての評価をされているんだと思います。
 私も、事後評価書を見せてくださいと言ったら、経済産業省の方がこのファイル一冊持ってこられまして、ちょっとびっくりしまして、いじめかなと思ったんですけれども、中身拝見をいたしまして、非常にいろんな、私も全部目を通したわけではありませんが、ざっといろんなものを目を通させていただきまして、非常にいろんなものがありますけれども、概してまじめに事後評価をしておられるんじゃないかと思いました。
 その中で、今日お配りをさせていただきましたのはエコタウン補助事業というものについての事後評価書でありまして、今日は、政府参考人としてここの表紙に書いてある作成者、リサイクル推進課長の貞森恵祐さんにもお見えいただいたわけでありますが、ちょっと政府参考人にお伺いをいたしますが、この事後評価書を作られるに当たって、これ、エコタウンというのをすべて対象にしておられるわけではないですね。その中の一部を対象にしておられると思いますが、具体的に、エコタウンのうちどういうものを選定したのか、その基準、それからこの評価書を作成した作成者の方、貞森さんが現地を訪問した事実及び回数、それから、この評価書を実際作成して、この政策についての個人的な見解も含めて感想を持たれたと思うんですが、それらについて端的に御答弁いただけますでしょうか。
#55
○政府参考人(貞森恵祐君) 御答弁申し上げます。
 まず初めに、エコタウン事業の中で、本事後評価書の中に記載されております三つのプロジェクトが選定された経緯でございますけれども、本件につきましては、当省としての政策評価全体を行う中で、エコタウン事業の中で、今回の政策評価につきましては十二年度の第二次補正によって行った三つの事業に焦点を当てるということで選定されたものと承知をしております。
 それで、具体的にどのようにして評価を行ったかということでございますけれども、今回の事後評価の実施に当たりましては、リサイクル政策に関して専門的な知見を有していらっしゃいます有識者である慶応義塾大学経済学部の細田教授、富士常葉大学松田助教授を委員とするエコタウン補助事業に係る事後評価有識者委員会におきまして、補助事業の公共性などの行政関与の必要性の観点、廃棄物の最終処分量の削減効果や経済活性化効果などの効率性の観点、さらに民間ビジネスとしての採算性確保といった効果が得られたかどうかにつきましての有効性の観点の三つの観点からの評価を平成十年三月から十五年三月に掛けて実施したものでございます。
 具体的につきましては、対象となりましたリサイクル事業の関係者に対するアンケート調査を実施しますとともに、先ほど申し上げました委員の先生方とともに経済産業省の事務方も含めて現地での調査、これを実施するなど、実際のリサイクル現場での状況を把握した上で、費用と便益に関する分析を行いまして事後評価を行ったものでございます。
 私自身も八月に行われました秋田及び川崎の現地での調査及び現地での関係者を一堂に会しての評価委員会に出席いたしまして、本事業を実施しております。
#56
○松井孝治君 この内容についていろいろ議論しようかとも思ったんですが、余り細かい点に入っても、委員各位の今後のいろんな政策的な意味合いというのは余り薄いと思いますので。
 ただ、私、こういう形で定量的に政策の効果を評価する試みというのは大変結構じゃないか。個々具体的に、例えば便益の計算について、いろんな議論はあるかもしれないけれども、こういう形で根拠をすべて示して、そしてコストと便益を比較するというのは非常に結構なことじゃないか。この便益の在り方がおかしいというんなら、それは根拠を示しているわけですから、この材料に沿っていろんな方々が議論をされればいい。そういう意味では非常に先駆的試みではないかと思うんです。
 ただ、大臣、私、これちょっと考えていただきたいのは、エコ事業でもエコタウンでも、これ全部やられているわけじゃないんですね。これ、国が、このエコタウン事業にしても、いろんな補助事業あるいは公共事業について、基本的には予算の評価あるいは財政の評価というのはこういう形でやっていかなけりゃいけない。だけれども、これを全部の予算制度についてやるということになったら本当に莫大な手間が掛かることは、この一つ見ていただいても分かると思うんです。それはどういう意味かというと、やっぱり国が補助事業でいろんなものを抱え過ぎているんじゃないか、あるいはその評価というものを本当に従来国がやってきたのかと。
 従来、例えば経済産業省、あるいは古くは通産省の予算の査定あるいは要求するプロセスで、どういう形で要求されてきたかといったら、こんなもの作られたことないわけですね。言ってみれば、昔であれば通産省と大蔵省の主計官、今日も会計課長もお見えでございますが、そういった方々が交渉して、その交渉の中でいろんな駆け引きをして、それはいろんな政策の趣旨の説明もされる、それでやはり説明のうまい人、下手な人がいて、そんな中で予算が査定される。はっきり言って役所のゲームだったわけですね。うまい方もいらっしゃいます。今日お見えの方々は大体うまい方々ばっかりですけれども。
 こういうことじゃなくて、やっぱりそういうゲームも当然政治や行政の現場で必要な部分は否定しませんけれども、しかし、やっぱりこの予算がどんな有効性を持っているのか、どれぐらいの便益を国民経済的に与えるものなのかというのはきちんと分析をして、それを次の年度の予算要求に、あるいは査定に反映させるということが必要だと思うんです。
 この後、私、大臣にお伺いしたいのは、国全体の予算の編成システムあるいは財政のシステムをどう変えていくかということが本来大臣にお伺いしたい点であります。
 経済財政諮問会議でいろいろ議論が行われています。大臣も議員として御発言をされています。その際には、できるだけ各省に弾力的な裁量の幅を与えるべきではないか、その前段階として政府として大きな政策目標を掲げていって、その政策目標の中で各省に裁量を与えて、しかしその予算の評価についてはきっちり厳格に定量的な評価が行われると。プラン・ドゥー・シーと竹中大臣おっしゃっていますけれども、そういう予算制度が求められているわけですね。
 そういう中で、大臣、二つお伺いしたいんですが、一つは、こういう事後評価の在り方についてどう今後進めていくべきか、あるいは予算編成、経済産業省の予算編成の在り方をどう変えていくべきか。そしてもう一つは、経済産業省も補助事業をたくさん持っていますが、分権、今後の国と地方の役割についてどうあるべきか。これは、政府参考人お見えでございますが、政府参考人の答弁は要りません。大臣の御見解を伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(平沼赳夫君) この事後評価に関しましては松井先生も大変御尽瘁をいただいて、そして、そこに膨大な資料が出ておりますけれども、そういうものが出てくる大変大きな力になっていただいたと、こういうことを私はよく承知しております。
 当省は、事後評価を、各施策、事業が何を目指して実施され、そして現時点でその目標がどこまで達成されたのかを把握して、改善する絶好の機会ととらえまして、これはお力をいただいたわけですけれども、十四年度から積極的に評価作業を行ってきました。事後評価によりまして明らかになってきた改善点につきましては、次年度の予算、それから税制などの要求プロセスに確実に反映すること、これが非常に大切な視点だと、こういうふうに思っています。
 例えば、平成十四年度に事後評価を行った総合保養地域の整備の施策に関しましては、これまでリゾート地域の整備等によりまして国民の余暇活動の充実や地域の社会経済の活性化に一定の効果を上げてきた一方で、近年の政策金融及び税制の利用実績が大きく減少している状況等も踏まえまして、例えば平成十五年度要求においては私どもとしてはこの延長要求は行わなかったと、こういう成果が出てきています。また、十五年度の一般会計概算要求におきましては、政策評価の結果等を踏まえまして既存の研究開発プロジェクトの七割について見直しを行いました。そして、金額にして四割縮減を行った、これも一つ大きな効果だったと思っています。また、地方公共団体向け既存補助金についても、その七割を見直しまして、金額にして二割の縮減を行ったと。
 こういう基本的な姿勢がやっぱり非常に大切でございまして、これはひとつ、経済産業省のみならず、やっぱり幅広く各省庁で行われるということが非常に私は望ましい方向だと思っています。そういう意味で、私も、政府全体に拡大すべく、例えば今御指摘ありました経済財政諮問会議の場におきましても累次私は主張をしてきたわけでございまして、見直しによる思い切った削減、それと同時に重点分野に対する資源の集中投入、こういったことが、現在財政状況厳しいわけですから、こういったことをしっかりやって、そしてやっぱり国民の皆様方の御理解をいただかなければならないと、こう思っております。
 当省は、この事後評価に加えまして、予算要求等に当たっても、網羅的に実施する事前評価においては、毎年度、全施策の実績や成果等を把握して、その結果を、当然のことですけれども、予算要求に反映していく、こういったことで、私どもは非常に大切なことだと、こういう意識の下で展開をさせていただいていると、こういうことでございます。
#58
○松井孝治君 分権の方を答弁いただいていませんが、時間の問題もありますので結構です。
 それで、具体的に、例えば行政評価書がありますが、正直言って、これだけ分厚いと予算要求のプロセスにおいて本当にこれが反映するのかどうかと、私ちょっと、若干不安というか疑問を持っております。ですから、行政評価とか政策評価を議論したときに非常に大事なのは、その政策評価が言いっ放しになる、従来の、今日は総務省の方もお見えでございますが、はっきり言って、会計検査もそうですし行政監察もそうでしたが、今の、私正直言って行政評価もそうなっていると思いますが、言いっ放しになっていて、それが次の要求とか査定につながらないというのが最大の問題だと思っています。
 ですから、この行政評価というものは、言わば政策の悪い部分を見直すときの、その見直すことに対して何らかの武器を与える、その武器であったと思いますので、これは本当は大臣というよりは官房長以下の実務を担われる方々がこれを使っていただいて、そして切り込んでいただくということ、それを是非努めていただきたい。これは御要望申し上げておきます。
 それで、むしろ今日の本題は、三月十日に経済財政諮問会議で、民間議員といいますか、これは本間先生だったと思いますが、国の予算制度の在り方について提案をなされています。これ、大臣もその議論に参加をされています。
 今、経済産業省でもある程度やられようとしていることを、国全体で予算編成プロセスを改革していこうと、そういう動きがございます。これについては実は既にこの決算委員会の内閣の担当の部分で私が質問させていただきまして、竹中大臣から御答弁もいただいているところであります。さらに、それに先立って、本院の内閣委員会で、竹中大臣はこの予算編成改革についてこういうふうにおっしゃっているんです。「御承知のように、例えば三重県等々は大幅に変わっておりますし、割と近いところでは、実は足立区が財政課を廃止したそうでございます。つまり、主計局を廃止したということに等しくて、むしろ事前に予算を割り当てるための評価よりは事後の評価をきっちりとして予算の枠に結び付けていく。そのような形で申し上げますと、やはり日本も非常に変わりつつあると思いますので、そういうような例も参考にしながら、これは予断を持たずに忌憚なく大胆な議論をしていきたいというふうに思っております。」と、こういうふうにおっしゃっております。
 決算委員会におきましても同様の趣旨の議論をしておられまして、プラン・ドゥー・シーというような話もしておられます。
 そこで、大臣のこの経済財政諮問会議のメンバーとしての御見解も伺いたいわけでありますが、大臣は、こういう予算編成の仕組みを変えていこう、財政の仕組みを変えていこう、ニューパブリックマネジメントの思想に立った考え方、こういう考え方をどう考えておられるのか。
 御承知のように、日本の予算制度、財政制度というのは、戦後直後にイギリスの制度を参考にして導入したものであります。そして、イギリスはその制度でいろいろ行き詰まりにぶち当たりまして、それを変えてニューパブリックマネジメントを導入したわけであります。
 その中で、複数年度予算の制度を採用したり、これは主要国で今どんどん採用されていますが、政策目標を大きく立てて、大きく立てるということは毎年毎年ということではない。今のような毎年毎年の単年度予算で、しかもそれを各省ごとに細切れの目標を、小さな目標を立てるのではなくて、大きな目標、各省にまたがるような大きな目標を複数年度で立てて、そして、ひょっとしたら憲法上の制約もありますから予算は毎年度これは国会で議論しなければいけないのかもしれないけれども、その事後評価をきっちりして予算制度を回していく、こういう考え方ですね。
 その中で、各省にはできるだけ執行の弾力性を与えていく、こういうプラン・ドゥー・シーの考え方、特に、恐らく各省にもっと裁量の度合いを与えていくということはもう大臣もいろんな場でおっしゃっていますから御異論がないと思いますが、大きな政策目標を内閣全体として示していくべきではないか、その際に複数年度予算ということも含めて考えていくべきではないか。そのときに、例えば憲法の制約、これをどう読むか、ここら辺について大臣の御見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(平沼赳夫君) 経済財政諮問会議でもこういう予算の在り方については御承知のように議論になっているわけでありまして、複数年度にまたがるということに関しても随分議論が出ています。そういう中では、できるところからやっていこうという形で、例えば研究部門なんかはそういう手法を取り入れてやっていこうと、こういうことで大体意見が一致を見ています。
 それから、今触れられましたように、私が主張しておりますのは、それぞれ大きな目標を設定して、それに向かって各省が努力をして、そしてその成果が上がってちゃんと目的は達して、さらにそこで余裕ができたようなときはその省庁がさらに集中的にそういう予算を使えるようなそういう弾力性、こういった手法も必要じゃないかということを私は主張さしていただきました。
 いずれにいたしましても、私は、今、松井先生が言われたような、そういう予算のやっぱり弾力を持った在り方、そういう多年度にまたがるということは御指摘のように憲法上のいろいろな問題はありますけれども、そういったことを工夫しながら、やっぱり国民の予算でありますから、効率的に効果が上がる、そういう予算というものを私は目指していくべきだと。そういう基本に立って、私どもとしては、やっぱりこの成果が上がった分はそれがまた予算に反映できる、そういうシステムを取るべきだ、こういうことは主張さしていただいておりますので、基本的に賛成でございます。
#60
○松井孝治君 ありがとうございます。是非その意気込みで取り組んでいただきたいと思います。
 憲法八十六条に、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」。これ単年度予算の原則を言うときに、大体根源は、ここを根拠にして、特に財務省の方は複数年度予算はできませんと言われるんです。でも、これ、何度読んでみても、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」というのは、複数年度の政府としてのビジョンを示すことは何の妨げにもならないはずなんです。その上で、その年の予算を議決を経ればいいわけでありまして、ここを非常に狭く狭く解釈するような傾向があると思いますが。
 今、大臣、弾力的にとおっしゃった。複数年度予算ということも念頭に置いておっしゃって、憲法上の制約はあるけれどもとおっしゃいましたけれども、この憲法の「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」というのは、いわゆる複数年度予算として経済財政諮問会議で議員の方が提案されているものは私はこれに抵触しないんじゃないかと思いますけれども、大臣の御見解、いかがですか。
#61
○国務大臣(平沼赳夫君) それは、今八十六条のことをおっしゃいましたけれども、それを根拠にして今までやってきました。それは、それなりの法解釈という形で存在をしていると思います。
 そういう意味では、私どもは、更にそこは議論を深めて、そして法制局等の見解もあると思いますし、そういった形でやはりこれからの予算というものは弾力的に考えていくという基本姿勢で大いに私は経済財政諮問会議の場でも議論をしていかなきゃいけない、こう思っています。
#62
○松井孝治君 是非、今の憲法の八十六条の従来の解釈も含めて議論をしていただくという御答弁で、今うなずいていただいておりますので、それも含めて経済財政諮問会議で議論をいただきたいと思います。
 その関係で、経済財政諮問会議で、従来、塩川大臣が、経済財政諮問会議というのは百貨店型だったら駄目なんだと、三つの重要項目があるから、その重要項目に絞り込んだ議論を行えというような議論をよくされますね。で、大臣は必ずしもそれに対して賛成をしておられないような御意見であろうと議事録を見る限り私は思っています。
 私、その三つの議論の中で非常に欠け落ちているのは、経済財政諮問会議はやっぱり財政の基本的なシステムというものを議論すべきだと。それが、どうも塩川大臣のおっしゃっているのは、財政の基本的な仕組みの議論がその三つに入っていないんですね。いや、入っているという解釈かもしれないですけれども、入っているように私は見受けられません。公共事業の在り方、社会資本整備の在り方と、それから社会保障制度の在り方と国と地方の関係、これを三つというふうにおっしゃっていると思います。ひょっとしたら、国と地方の関係には当然国の財政の在り方も入っているから入っているんだというふうにおっしゃるのかもしれませんが、是非この経済財政諮問会議で予算編成の在り方そのものを議論をしていただきたいと思いますが、議員として大臣の御見解を伺いたいと思います。
#63
○国務大臣(平沼赳夫君) 塩川大臣はそういう財政の問題は当然のこととして発言をされているんだと私は思っています。
 私ども、経済財政諮問会議でいろいろ議論をしているわけでございますけれども、やはり塩川大臣がそういうふうに言われたのは、今非常に大きな一つの問題と、こういうことで、そこを集中してやるべきだと。塩川大臣はよく、総花的に何でもかんでもここでやるというものじゃなくて、やっぱり集中してやるべきだと、そういう趣旨で私は言われていると思っています。
 ですから、当然、そういう意味では、経済財政諮問会議の中でも私は予算に関してもやっぱり議論することは当然必要なことだと。そして、やっぱり幅広くやっても、私は、経済財政諮問会議というのは、そういう中で、本当の諮問会議ですから、幅広いそのときのいろいろな重要事項についても当然経済財政に関することはやるべきだと、こういうふうに思っております。
#64
○松井孝治君 是非そういうスタンスで議論をしていただきたいと思います。
 話題を変えまして、基盤技術研究促進センターの解散について伺いたいと思いますが、この基盤センター、過去にこの決算委員会でも会計検査報告の中でも取り上げられていて、平成十三年度にこれは解散されたんだと思いますが、これについて、どういう評価で解散をされたのか、それから、この基盤センターを作り、解散、清算をされるに至るまでのプロセスで得た経済産業省としての教訓というのはどういうものなのか、大臣、簡単にお答えいただけますでしょうか。
#65
○国務大臣(平沼赳夫君) 基盤技術研究促進センターは、従来、我が国が基礎産業はただ乗りだと、こういう国際的な批判がありまして、それを背景として、やっぱり民間による基盤的研究を促進するために、相当昔になりますけれども、昭和六十年の十月に創設をされました。そして、多数のプロジェクトが実施されてきたことは事実です。その結果、研究成果としては基盤技術研究の強化という当初の政策目的は私は果たしたと、こういうふうに思っております。研究の主体であった出資会社におきましては、その欠損金の解消が困難であることが時を経るに従って非常に顕在化をしてきた、こういう背景があります。
 このような中で、平成十二年には、産業技術審議会と電気通信技術審議会の合同専門委員会から、研究開発によって得られる特許等の収入で資金回収を期待することにはおのずから限界があると、事業を抜本的に見直すべき旨の報告がなされたのを受けまして、平成十三年に基盤技術研究円滑化法を改正をいたしまして、そして十五年四月一日に同センターを解散をいたしたところでございます。
 教訓はと、こういうことでございますけれども、基盤的な研究開発の促進においては、民間会社に出資を行いまして、得られた特許等の収入によって配当をして、それによって資金を回収するという仕組みでは限界があると、こういうことが自明の理としてよく分かりました。むしろ、民間企業の研究活動を直接支援をして、バイ・ドール条項による特許の移転を通じまして研究成果の実用化を図る仕組みの方が効率的であるという認識に至ったところでございまして、私どもとしては、この教訓に基づきまして、前述いたしました法改正によりまして、民間における基盤技術研究を促進するに当たっては出資ではなくて民間企業等への委託研究により行う制度、この方が望ましいと、こういうことで変更をしたところでございます。
#66
○松井孝治君 農水大臣にお伺いしたいと思うんですが、この生研機構、長い名前ですが、生物系特定産業技術研究推進機構、これは農林水産省版基盤センターというふうに言われているわけです。業務はもちろん一部違うところがあります。しかしながら、この生研機構の中のメーンの民間企業部門というんでしょうか、民間研究促進業務部門というんでしょうか、そこの部分は全く基盤センターと同じような仕組みででき上がっていると思います。
 この中身、行政コスト計算書というのを出されていて、それを見ましても、その部門の現在の状況を見ますと、二百三十九億円の欠損、資本は三百六十二億円ですから、今ならまだ間に合う。基盤センターも、出資総額が二千八百億円で欠損処理が二千七百七十億円ですから、ぎりぎり何とか間に合ったと。それでも大きな損失を出していますよ。要するに、その分、結局産投会計かもしれませんが、回り回って税金ですから、大きな損失だと思いますが、ただ何とかその出資金の範囲で間に合った。
 これ、もう生研機構も、今、平沼大臣が正に教訓としておっしゃったことというのは、生研機構のこの部分については同じだと思うんです、民間研究促進部門については。少なくともこの部門は清算されるという御判断をされるべきじゃないですか、あるいはされるべきでないという理由があったら具体的に教えていただけませんか。
#67
○国務大臣(亀井善之君) 生物系特定産業技術研究推進機構、生研機構は、民間における農林水産、食品産業の分野に係るバイオテクノロジーを始めとする先端技術の研究開発を促進するため、研究開発を行う企業に出資また融資の事業を行っておるわけでありまして、この先端的な技術開発への出融資という事業の性格上、欠損金がこうして出ておるわけでありますが、この出融資事業については、特許件数もこれまで約七百五十件に上ってもおるわけでありますし、実用的な成果、これも出しておりまして、果実の比較自動選別システムの開発等の成果が上がったところでもございます。
 これら農林水産関係の試験研究は生物を対象としております。その成果を得るまでには長期を要するなどリスクが高いものでもあります。農林水産、食品産業の発展を図っていく上では技術開発に対する生研機構からの支援は今後とも重要なことと、このように認識をいたします。
 先般、私もつくばに参りまして、技術関係のいろいろな話を伺う中でも、やはりこれからの日本の農業、そういう面でいろいろその面の努力は必要なことではなかろうかと、こう思っておるわけでありまして、研究開発の課題の採択に際しましても、収益性についてより一層厳格な審査を行うとともに、研究開発の進行状況を適切にチェックするなど、状況によっては中止又は見直しを行うということによりまして収益性の確保に努めていくことが必要ではなかろうかと、こう思います。
#68
○松井孝治君 研究開発の重要性は平沼大臣も全然否定しておられない、むしろそれはより重要になってきているとおっしゃっているんです。その助成ツールとして、こういう出融資とかその成果物の収入で賄うというやり方がはっきり言って破綻した。そういうやり方よりは、もっと直接的に委託費で研究助成をするとか、そういう形にしていきたいというふうにおっしゃっている。私はこれは同じだと思うんですよ。
 ですから、今なかなか、大臣、この場ですぐ、分かりました、清算しようということにならないかもしれませんけれども、やはり大臣の御答弁、この場において、もし清算しておけば後々欠損額は膨らまなかったということにならないように、この場の議論というのは記録されていますから、是非見直しの御努力をしていただきたいと思います。
 それで、ちょっとこれ、その生研機構を調べておりまして気になったことがあるんですが、これは十月から独立法人になるんですね、農林水産省の別の試験研究法人と一緒になって。ところが、生研機構というのは認可法人、簡単に言うと特殊法人のような存在ですね。したがって、職員は公務員じゃないんですね。民間の方なんです。ところが、今度独立行政法人になると、十月になると、ここにいらっしゃる約百名の方々の職員は、従来民間の方だったのが公務員になるんですね。これは変ですね。
 そもそも私は、この生研機構はある程度事業を見直して清算をしなきゃいかぬと思っているんですが、私の意見はそうなんですが、それ、清算されないどころか、いや、何と公務員になりましたという話なんですよ。
 これ、農林水産省に聞いてもしようがないんです。今日は羽深参事官に来ていただいています、羽深さんは特殊法人改革担当でいらっしゃいますから。これ、どうして公務員身分でない人が、行革の結果、公務員になるんですか。いや、大きいところと一緒になったらその百名の方は公務員になるんですか。どういう理屈ですか。理屈がないんなら、済みませんと言って謝っていただければそれ以上は議論は続けませんけれども、いかがでしょうか、羽深参事官。
#69
○政府参考人(羽深成樹君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、生研機構、約百名の法人ですが、これが公務員型の独立行政法人であります農業技術研究機構と今回十月に統合されまして新しい独立行政法人となります。この新しい独立行政法人は、今、委員御指摘のとおり、全体として公務員型になるということでございます。これは、業務の内容、それから職員数で見ても既存の農業技術研究機構の方が圧倒的に大きいというような事情もございまして、発足時はこういうことでスタートをいたします。
 ただ、我々も、特殊法人改革、今、委員から御指摘ございましたように、公務員が非公務員になるのはおかしいではないかということで、我々も整理合理化計画を作りましたときに、特殊法人等を独立行政法人化する場合には原則として非公務員型とするということを決めておりますので、これとの関係もありますので、昨年十月、この法案を出す直前でございますけれども、政府として、特殊法人等の廃止・民営化等及び独立行政法人の設立等に当たっての基本方針というものを政府として決めまして、このような場合につきまして、非国家公務員型とした場合に発生すると予想される支障の回避方策の検討等を踏まえつつ、統合する独立行政法人の中期目標の期間の終了時、つまり今度の法人は十八年三月に今の中期目標期間が終わるわけですけれども、その時点で非公務員型に移行することを基本とし、必要な措置を講ずるということを決めておりまして、今後これに沿って対応していくということにさせていただきたいと思います。
#70
○松井孝治君 これはチョンボだったとしか聞こえないですよね。後で、こういうケースもあって、これは慌てて次のタイミングにそうしますと。あるいは分かっておられたんでしょうけれども。これはちょっと、えらいゆったりとした議論ですね。ちょっと国民には通用しない議論としか言いようがないです。
 ところが、この国民に通用しない議論というのはほかにもたくさんありまして、今日は独立行政法人の経済産業研究所の理事長も参考人としてお見えいただいていますが、これは独立行政法人経済産業研究所、これは従来、通産省の中に通産研究所ということで役所の附属機関として、公務員組織として、当然、役所の組織としてあったわけですね。
 大臣、これは独立行政法人できて二年たったわけでありますが、これを独立行政法人にして、非公務員型にしてこの研究活動はおろそかになりましたでしょうか。この二年間、大臣、この研究所をどういうふうに評価しておられますか。
#71
○国務大臣(平沼赳夫君) 独立行政法人の経済産業研究所についてのお尋ねですね。
 設立後、短い期間であるために試行錯誤を重ねている部分もありますけれども、業務の効率化を図りながら多様な人材を柔軟に活用し、様々な分野において調査研究及び政策提言を活発に行っているところでございまして、総じて非公務員型独立行政法人制度の趣旨に沿った活動が行われているものと認識しております。
 今後は、中期目標の期間中の目標達成に向けまして、更に効率的な運営と質の向上を目指すことを私どもとしては期待をしている、こういうことでございます。
#72
○松井孝治君 なかなか微妙な表現がありましたね。面白いですね。試行錯誤を重ねている、ちょっと本当はここへ入っていって、どういう部分が試行錯誤なのかなというふうに具体的に聞きたいような気がいたしますけれども、それは本論ではありませんので。ただ、充実した活動を続けておられるという評価だったと思うんですね。
 ところが、これ、松田行管局長でしょうか、羽深参事官でしょうか、聞いておいてくださいね、これ、経済産業研究所と同じような組織が役所の中にはあるんですよね。これは「選択」という雑誌に書いてありますが、内閣府と財務省の経済研究所は無用の長物と書いてあります。激しい記事ですが、私はそんなふうには思いませんけれども。
 ただ、財務省に財務総合政策研究所というのがあり、内閣府には経済社会総合研究所がある。これは世間の人から見たら経済研究所が役所関係で三つある、同じようなことをやっているというふうに見られています。細かい制度を言えば、それは趣旨が違うと思います。片方はもう二年前に非公務員型の独立行政法人になっています。その残り二つはいまだに役所の中の組織であります。これ、どうしてこういう状態でほっておくんですかね。むしろ一つにして、全部もうどこかの所管で一個独立行政法人にして、政府全体として経済政策を議論する独立行政法人にした方がよっぽどいいんじゃないかと思いますが、それは本論ではありません。
 本論は、どうしてこの政策研究機関で経済についての研究をする組織が三つあって、しかも一つは独立行政法人になって、非公務員組織になって、しかも大臣は試行錯誤はあるけれどもという留保条件付だったけれども、しかし活発な活動をしておられることは大臣も認めておられますし、この「選択」という雑誌も経済産業研究所は非常に活性化していると書いてある。残り二つが存在感が乏しいというふうに言われている。そういう状況の中で、何で三つ要るのか、あるいはその残り二つをどうして役所の組織に置いておく必要があるのかというのは私は疑問でありますが、時間の関係がありますのでまとめて聞きます。
 農林水産大臣もお見えでございます。農林水産省にもあるんですね。農林水産政策研究所というのは、これも国の組織であります。これ、どうしてこういう国の組織を、経済産業省がやって、もう二年間実績も見られているはずです。独立行政法人、非公務員型の独立行政法人にしないかというのが一つの大きな論点。
 もう一つ別の論点があります。
 今日、国立大学の法案が参議院でも本会議に付託されました。国立大学は、これは皆さん御承知のように、非公務員型の独立行政法人になるわけです。それで、その国立大学と一生懸命産学連携ということで一緒に研究開発なんかを進めておられる国の試験研究法人、さきの生研機構が一緒になるのもそれでしたけれども、あるいは経済産業省所管、農林水産省所管の試験研究法人がたくさんあります。つくばなんかにたくさんあるやつですね。これは公務員型の独立行政法人なんですよ。一緒に産学連携でやっている、片方は大学、国立大学の方は非公務員型で、片方は公務員型なんですね。一緒の研究やっているんですよ。一杯事例ありますよ、時間がないから言いませんけれども。
 これは、政策研究機関も一つは非公務員型で一つは役所の組織、それから試験研究の機関も公務員型のものがあって、しかしやっぱり国立大学なんかのいろんな研究一緒にやっている人たちは非公務員型ですよ。ばらばらじゃないですか。これ、政府として行政改革推進本部というのがあるらしいんですが、どこに目を付けて仕事をしているのか、これ全く理解できないですよ。
 これは、あえて今日この場で言っているのは、それぞれ経済産業省、農林水産省に試験研究法人があって、それは公務員型の独立行政法人なんですよ。それを、両大臣に伺いますから、その前座の質問なわけですが、これはどちらでしょうか。どちらでも結構ですから、政府参考人の方から合理的な理屈のある答弁をしてください。もし理屈がないんなら、いや、そこは是正するとおっしゃってください。
#73
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 まず一つは、同じような政策研究所でも国の機関であったり独立行政法人であったりしている、おかしいじゃないかと、こういうお話でございます。
 独立行政法人化をこの間省庁改革の一環として進めてまいりまして、国の試験研究機関等について独立行政法人化を進めてきているわけでございますが、政策研究など、国の政策との関連性が極めて高く、政策形成が一体不可分であるため国が直接に実施する必要があるようなそういう研究、ほかには例えば感染研のような、ああいう危機管理を行うようなそういう研究所もそういうものと考えておりますが、独立行政法人にして分離するということはかえって非効率となるということで、独立行政法人化はなじまないんではないかということで、実は中央省庁等改革基本法におきましても、第四十三条の四項三号で「政策研究等の国が直接に実施する必要のある業務を行う機関以外の機関は、原則として独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行う」ということで、言わば例外的な取扱いを決めていただいているところでございます。
 中でも、先ほどの経済産業研究所につきましては、特に独立行政法人化し、あるいはさらに非公務員型にしているわけでありますが、これは経済産業政策の研究の特殊性ということで特にそういう選択をなされたものと承知いたしております。
 それから、公務員型と非公務員型でございますが、これも中央省庁等改革基本法におきまして、独立行政法人化する場合には、特にその業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるもの、その他当該独立行政法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して、公務員を利用する場合には公務員にするということになっておるわけでございまして……
#74
○委員長(中原爽君) 答弁は簡略にしてください。
#75
○政府参考人(松田隆利君) 個々にそのような判断をしているわけでございます。
#76
○松井孝治君 もうやっぱり端的に答弁していただきたいと思うんですよね。やっぱりおかしいと思うんですよ。これ、いろんな経緯があって引きずっているものがあるのは事実ですけれども、どう考えても経済産業研究所がやっていることと財務総合政策研究所がやっていることとそんなに違いませんよ。別に国の危機管理やっているわけじゃないんですよ、両方とも。片方は非公務員型の独立行政法人になって、ひょっとしたら研究員が外部の人が来たから大臣に気に食わないことをおっしゃるとか、これは大臣だけじゃなくて、いろんな人に気に食わないことをおっしゃることもあるでしょう、政治家に対して。
 そういうこともあるかもしれないけれども、だけれども、それはそれで、やっぱり経済産業省の中でそういう組織を使っていろいろ政策論争をしておられる。その中で、何で財務省ではそれができないのか、あるいは内閣府の研究所はそれができないのか。全く合理的な説明できていないと思いますよ。
 それは、じゃ役所が、ある役所が自分は積極的にやってみましょうと言えばそういうことになって、非公務員型になって、ある役所は保守的でじっとしていればそれはならない。これはやっぱり役所として、少なくとも行政組織を担当している部署としてはやっぱり正していかなければいけない。いろんな経緯もありましたし、私も松田政府参考人と一緒に仕事をさせていただいたこともありますけれども、そんな中で、どこから手を付けていくかというときに、ややばらつきが出てくることはあるでしょう。だけれども、それをずっと放置しておくというのはやっぱり私は無責任じゃないか。
 同様に、それはひょっとしたら国立大学の方が後から走った部分だけ逆に先に行くということはあったかもしれない。だから、それは認めますよ、私は。だけれども、今国立大学は非公務員型の組織になったんですから、少なくとも経済産業省、農林水産省の試験研究組織、一緒に国立大学と研究しているんですよ。しかも、これ数字がありますけれども、国立大学と国が一緒になって共同研究をやっている数は、産総研、昔の工業技術院ですね、平成十三年度は百九十二件、平成十四年度は三百十二件、どんどん増えているんですよ。やっぱり制度の互換性を持たせるためにも、別にこれ、国が危機管理上絶対やらなきゃいけないような研究やっていませんよ、ほとんど。ひょっとしたらそういう部分もあるかもしれませんよ。だけれども、そのために公務員身分を持たせるなんということは常識で考えられない。
 だから、経緯論として、国立大学が後から進んで、その後から進んだところがよりそういう先例を見ながら、じゃ、自分たちはもう非公務員型で行こう、これは大いに結構だと思います。だけれども、それを踏まえて、私はこの国立の従来の試験研究機関というものの非公務員化というのを進めていただきたい。そのことについて、そうですね、これは経済産業大臣、もう思い切って非公務員化の方向性を持って検討されませんか、どうですか。
#77
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、国立大学の独立行政法人化に際しまして非国家公務員型が採用されることになっております。大学と我が方の産総研の人材の流動性の確保を図る観点からも、産総研の非公務員化の検討の必要性が実は独立行政法人評価委員会などにおいても指摘をされているところでございまして、経済産業省といたしましても、こうした指摘を踏まえまして、この産総研の職員の身分の在り方については早急に検討をしていきたいと、こういうふうに思っています。
#78
○松井孝治君 是非御検討をいただきたいと思います。
 こういう問題は割と地味な問題で、皆さん気付かれない問題なんですけれども、しばしばこういう不整合が起こります。是非、どんどん新しい事例が取り入れられていますし、これは松田局長にもお願いをしたいわけですが、確かにそれは部分的に改革を前に進めていく、それで改革の突破口にしていくという部分があります。ですけれども、それはやはり、そこである程度うまくいった、そういう先例があるときに、ほかのものにも是非適用をしていただきたいと思うわけであります。
 何か、私が出身が経済産業省なものですから、経済産業省に甘くなってはいけないと思いまして、ちょっと苦言を呈しておきたいと思います。
 岡松政府参考人おいででございます。経済産業研究所について活性化しているという評価を世間一般はしていると思いますし、評価委員会の評価も非常にいいというのは、Aランクだというのは私も中身も含めて拝見をいたしました。
 それはいいんですけれども、この中期計画というものを、経済産業研究所が作られた中期計画を拝見して、私、ちょっとあれっと思ったことがあったんですが、その中に「人員に係る指標」というものがあって、そこの参考に期初の常勤職員数五十一人、期末の常勤職員数の見込み五十一人。何で非公務員型の組織がこんな定員みたいなことを書いてあるんですか。その下に言い訳がましく定員ではないみたいなことが書いてありますが。これ、独立行政法人、非公務員型にしたというのは、こういう定員の縛りというのはやめましょう、その代わり成果を、客員でも何でもいいから、あるいは外国人でも採用します、その代わり成果をきっちり出していきましょう、評価しましょう、そういう発想だったはずが、何でこんな五十一人なんていう数字がここに入っているんでしょうか。これだったら非公務員型の独立行政法人にした意味がないと思います。
 非公務員型の独立行政法人の言わばパイオニアである経済産業研究所がこんな数字を入れているというのは私はちょっと恥ずかしいと思いますが、その中期計画を作られた責任者でもあろうと思います理事長、御見解をお伺いしたいと思います。
#79
○参考人(岡松壯三郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、中期計画の中にそういう数字が入っております。これにつきまして経緯をたどりますと、具体的には、公務員型でありますと政府に対する報告、国会に対する報告というのが規定されているわけでございますが、非公務員型にはそれがないということでございますけれども、一応参考値として書き込もうということで、目安として入れてある。
 ただ、目安であるというところから、具体的には、私どもの場合、五十一人の常勤ということが書いてございますが、これはあくまでも参考値だということでございまして、研究活動全般の状況に応じて、任期付きの職員に限って最小限の追加があり得るという弾力規定が置かれているということをもって、この参考値を参考にしながら私どもとしては行動をしているということでございます。
#80
○松井孝治君 私の持ち時間がもう終わりましたので終わりますけれども、是非、非公務員型の独立行政法人というのは、そういう定員制度の縛りをなくしていこう、その代わり結果をきっちり評価していこうというものだったというふうに理解しておりますし、その中でも政策研究機関というのはそういう定員管理に最もなじまない部分だと思います。財政上の規律が必要であれば、それは別途の観点でやればいいわけで、何人が定員であるかとかだれが常勤職員であるかなんということは、政策研究の世界でいうと、本当にそういうことを書くこと自体が多少なりともこの設立にかかわった人間からいうと本当に不本意であることは申し上げておきます。
 最後に、大臣、両大臣おられますけれども、是非、行政改革というのはやっぱり不断の見直しが必要だと思います。今は経緯があっていろんな制度上のそごがあるかもしれませんが、それはいいものはどんどん取り入れて、行政はすべて中央官庁自体が担っていかなければいけないという発想を捨てていただいて、せっかくこういう独立行政法人制度がある、これを活用していただきたい。
 そのことは、国の予算でも何でもかんでも財務省あるいは各省の官房が全部ぎちぎちに管理をして、そして縛っていくという発想ではなくて、大きな枠を示して、そしてその大きな枠の中で現場の裁量性、弾力性というものをきちっと確保して自由に使わせて、しかしその成果はきっちり見ていく、厳しく見ていく。この発想というのは、私は独立行政法人の運用あるいは政府の行財政の仕組みそのもの全部に適用可能なものではないかと思います。そのことを両大臣にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#81
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。
 平沼大臣始め経産省の方、結構ですので御退席ください。お疲れさまでした。
 私、さきの外務省絡みの決算におきまして、実はODAについて若干指摘をさせていただきました。こちらの質疑通告表の方には書いてございませんが、昨晩、通告させていただきましたので、若干このODA案件についての農水省絡みの問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 さきの外務省での決算で私が聞いた問題は、トンガの農産物加工案件、これ、かんぴょうなんですけれども、かんぴょうをトンガで作る。これが二〇〇一年四月から、アジア大洋州局の指示で、翌年の二〇〇二年にトンガにかんぴょう工場を建設すると。草の根無償資金で二百二十六万円。そして、かんぴょうスライス加工機を五台ということで、またかんぴょうの乾燥機を一棟建設協力するという案件でございました。
 ところが、その後間もなくこのプロジェクトがとんざをするんですね。予算が付いていたにもかかわらず、とんざをいたしました。その理由が、いわゆるブーメラン効果で日本のかんぴょう農家に多大な影響を与えるからこのODAはまかりならぬという覚書が実は外務省と農水省の課長クラスであったという事実でございますけれども、まず、大臣、こういった覚書の存在について大臣はどのようにお考えでしょうか。
#82
○国務大臣(亀井善之君) いろいろ国内の関係者のことにつきましては十分考慮しなければならないわけでありまして、その細かい覚書のことにつきましては承知を、私も今この御質問をちょうだいした中で、概略、ODAの問題として承知をしたわけであります。国内の関係、このことを十分踏まえて、国内の農林水産業への影響を考慮しながら、開発途上国の飢餓、貧困の解消等に向けた支援を中心にして対応するということであるわけでありまして、国内の関係というものを十分考えなければならないわけでありますので、その辺につきまして、覚書については慎重に対応しなければならないと、こう思っております。
#83
○榛葉賀津也君 大臣、国内の影響云々ではなくて、私はこれ政策立案の透明性だと思うんです。実際、外務省でトンガのかんぴょうのODAが必要だといって予算も付いている、それが国民の公開もなく、課長クラスの覚書によってこれがとんざをしてしまう。政策の透明性もなければ、一貫性もない。このようなことでいいですかということを言っているんです。
 今、国内に対する影響とおっしゃいましたけれども、具体的に、では、このトンガのかんぴょうがどれだけ日本のかんぴょう農家に影響を与えるんですか。
#84
○政府参考人(須賀田菊仁君) かんぴょうは我が国の地域特産品でございますけれども、その原料の九割、栃木県でございます。収穫量が、消費が現在……
#85
○榛葉賀津也君 端的にお願いします。
#86
○政府参考人(須賀田菊仁君) 落ちているという中で、中国からの輸入が増えているということで、国産の収穫量がぐっと落ちているということでございました。
 外務省から意見照会ございまして、これまでかんぴょうの需要というものが世界の中でも大宗は日本ということでございますし、トンガからカボチャの我が国への輸入ルートがあるということで、かんぴょうのそういうことを考えた場合に地域農業の影響が考えられるということで栃木県に照会をしたわけでございます。その結果、栃木県から、かんぴょうが地域の重要な品目である、輸入増加に結び付く案件は好ましくないという回答を得ましたので、その旨回答をしたところでございます。
#87
○榛葉賀津也君 私、栃木県にも問い合わせているんですけれども、実は日本のかんぴょうの一番の脅威は今正におっしゃった中国なんですよね。輸入総量が二千九百四十三トン、そのうち中国から来ているのが二千九百二十二トン。九九%以上が中国で、たったの二十一トンがインドネシア。
 しかも、このトンガのかんぴょう、今、カンボジア経由で輸入されるとおっしゃいましたが、おそれがあると……
#88
○政府参考人(須賀田菊仁君) カボチャの輸入があると申し上げたんです。
#89
○榛葉賀津也君 おっしゃいましたが、これは、トンガのかんぴょうというのは、オーストラリアとかニュージーランドとかヨーロッパの日本料理店に向けてトンガがやろうという約束をODAでやっているんですよ。
 こういった、私は、日本のODA外交、正に予防外交の柱である外交に覚書という形でこういうふうに農水省がかかわってくると。それは、日本の農業を守るために情報公開をし、公開をするのは大事だと思います。しかし、それは透明性があり、やはり継続性がなければいけない。その点を冒頭指摘をしておきたいというふうに思います。
 そして、では本題に入りたいと思いますけれども、まず最初にBSE対策費についてお伺いいたします。
 御承知のとおり、平成十三年九月、アジアで初めての牛海綿状脳症、いわゆるBSE感染牛がこの日本で確認をされました。さきの本会議場で同僚の郡司委員が指摘をされたとおりでございますけれども、この点については若干、数点触れておきたいというふうに思います。
 まず、会計検査院から指摘をされていますように、農畜産業振興事業団による助成事業における不当事項というものが約三件ございました。
 一点目が、BSEスクリーニング検査円滑化対策事業というやつで、これは出荷予定日が、事業の対象外の牛が約二百六十四頭混ざっていた、その分の五百二十六万円が不当、つまり払い過ぎたというわけでございます。
 二点目が、BSE対応肉用の牛肥育経営特別対策事業というやつで、これは食用として販売されていなかった三十八頭分の四百七十九万円分が不当だったというやつでございます。
 そして三つ目が、家畜個体識別システム緊急整備事業というやつで、いわゆる耳に、牛の耳に装着するシステム、この助成金において飼養農家と肥育農家でダブルカウントしたというやつなんですね。この九千三百二十九万円が不当だと。
 合計で約一億三百万円が不当だったということなんですけれども、このときに農水省は、BSEというのは緊急だった、そして即効性が大事だった、迅速性が大事だった、だからやむを得なかったんだという見解をなさっていますけれども、今でもその御認識は変わりませんか。
#90
○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいま先生から三件の御指摘がございまして、不当事項として三件指摘をされております。
 一番最初のスクリーニング検査円滑化対策事業、これはおととしの十月十八日から全頭検査が始まりました。検査前に出荷しようとしていた方に対して、ちょっと全頭検査が始まるまで待ってくれという出荷抑制、それから出荷が始まったときに一度にわっと来られると困りますので、計画的に出荷してほしいという、そういう意味の計画出荷、この両方の事業があったわけでございますけれども、これを重複していただいていた方がおったということでございまして、これにつきましては返還をさせたところでございます。
 次の、いわゆるマル緊事業、これは屠畜場へ行く前に牛が死んでしまったのを農協が確認ミスをいたしまして補てん金を交付してしまったという案件でございまして、四百七十九万四千円でございまして、これも自主的に返還をさせたところでございます。
 最後の個体識別の話でございます。これは、消費者の皆様方に安心を与えるということで、現在日本に飼育しております四百五十万頭の牛の耳に耳標を付ける。それで、耳標の装着器というものを急いで付けるために農家にばっと配ったわけでございます。ただ、小さな、小規模の飼養農家だとか、あるいは肥育農家は子牛で耳標が付いてくるんだからということで、そこまで配らずに農協の共同利用なんかしたらいいじゃないかという指摘を受けました。もっと効率的にやれという指摘を受けまして、この事業に関しましてはもっと効率的にやるようにという指導を事業主体にしたところでございます。
 先生おっしゃいましたように、短期間にやらなければならなかったという事情はあったわけでございますけれども、事業の内容をもっときちんとやるべきであったというふうに現在思っておりまして、大変申し訳なく思っているところでございます。
#91
○榛葉賀津也君 今、正におっしゃったように、三つ目なんというのは、飼養と肥育の二種類があるなんというのは、これは畜産事業団からすれば当たり前のことですね。こんな問題でダブルカウントしていたなんというのは非常に違和感を覚えるんですよね。こんなミスが普通なら考えられないわけでございます。
 BSEというのは、先日もカナダで新しく牛が見付かりました。そして、日本においても、まだ感染の原因であるとかそのルートがしっかりと特定していない、まだ終わっていない問題なわけでございます。現場では大変まだ苦労をしている。そういった点で、是非今後とも、引き続き御苦労が多いかと思いますけれども、畜産農家のために努力をしていただきたい。
 それにつきまして約二点ほど要望をしておきたいというふうに思います。
 まず、牛肉在庫緊急保管対策事業における冷凍格差の助成とその助成の支払についてでございますけれども、特に畜産振興事業団というのは、これはもう専門家でございますし、農家にとりましても実質非常に影響力を持っている団体でございます。是非きっちりと責任を果たすように指導をしていただきたいというふうに思います。
 そして、もう一点が融資制度についてでございますけれども、BSE関連の融資制度については、現場の畜産農家はまだこの融資制度が継続されるんではないかと思っている融資制度が実はたくさんありまして、ところが平成十五年度になったらその融資が止まってしまうであるとかスパンが変わるであるとかといった問題がたくさんありまして、現場では大変混乱しているということもお伺いしております。
 例えば、BSEのマル緊であるとか、BSEの対策畜産経営安定資金であるとか、BSE関連のつなぎ資金、こういったものは平成十五年で切れております。ところが、畜産農家は、これも十五年ももらえるんではないかというふうに理解をされている農家もたくさんいらっしゃるということで、是非こういった点につきましても御配慮、そして告知をしっかりしていただくということを要望をしておきたいというふうに思います。
 とりわけ、このBSEの問題につきましては、我が国日本の政府、そして農水省に大きな原因と責任があったと、その一端があったということを私は決して忘れることなく、今後も御尽力賜るように要望とお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に、ウルグアイ・ラウンド対策費の効果についてお伺いしたいというふうに思います。
 御承知のとおり、六兆百億円の例のUR合意を受けてのUR関連対策費ですけれども、これは九三年のUR農業合意によって、外国産米の一定輸入を受け入れるために、六年間にわたりまして何らかの国内農業の対策事業をやっていこうというやつでございます。
 この問題につきましては農林水産委員会や決算委員会の場でもう数多く議論をされていますから、なぜ温泉を作ったであるとか金額の是非であるとか費用対効果と事業にまつわる不正疑惑、様々な問題があるんですけれども、この問題についてはこの決算委員会の場では議論をいたしません。
 ただ、大臣にまず冒頭お伺いしたいんですけれども、このウルグアイ・ラウンドのUR関連対策費、この全体の評価を大臣はどのようになさっていますでしょうか。
#92
○国務大臣(亀井善之君) いろいろの施策をしております。本対策の効果発現、長時間を要するものでありまして、平成十二年七月には中間評価と、こういうものも実施をいたしまして、事業の執行水準が低いもの、諸情勢の変化に対しまして、目標が、達成が必ずしも十分でない事業も見られるわけでありまして、全体として見るとそれなりの効果を上げていると、このように思っております。
 担い手育成の圃場整備事業につきましても、経営規模が約二・五倍になり、あるいはまた担い手の稲作労働時間が約六割短縮したことであるとか、あるいは担い手の農地を集積するという目標、七十六万ヘクタールの増加に対して担い手への集積が五十四万、四%の増加にとどまると。こういう低水準の目標達成度合い、こういうものもあるわけでありますが、あるいは肉用牛農家の一戸当たりの平均規模が一・五倍の増加になり、あるいは大豆の単位面積当たりの労働時間の四割減少と約一割の生産性の向上、こういうことでありまして、これ、私ども農林水産省といたしましても平成十二年度から政策評価に取り組んでおるわけでありまして、今後ともこれらの政策の評価を更に実施をすることによってその成果を上げるように努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#93
○榛葉賀津也君 大臣、大臣の口から具体的な個別の評価というよりも、大変御苦労が多いと思います。私、昨年一年間、農林水産委員会に所属をしておりました。そのときは武部農水大臣がBSEで正に御苦労されました。この二年間で大臣が三人替わられました。さきの本会議場でもあえて大臣が自らの口で決意の表明をされました。
 私は、国政の場で、大先輩として、このUR関連対策、この費用六兆百億円というこの事業全体を大臣が政治家としてどのように感じておられるか。農水省の役人が書かれた答弁ではなくて、政治家としてこの日本の農業を考えた場合、この六兆百億という農業対策費用が一体何だったんだということを是非御指導いただきたいと思います。
#94
○国務大臣(亀井善之君) 先ほども答弁申し上げましたが、特に政策評価、このことにつきましては積極的に対応するように指示もし、またこれだけの多額なウルグアイ・ラウンド関連予算を措置をしたわけであります。
 今厳しい農業の環境と、こういう中で、今、米政策のことにつきましても国会にお願いをしておるわけでありまして、これらの問題がやはり完全に実施されるような努力をしなければならないわけでありますので、是非、そういう面で、今後とも、いろいろWTOの問題等々、次から次にいろいろの課題に直面をしておるわけでありますが、この予算措置をした趣旨というものを生かすために全省挙げて努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#95
○榛葉賀津也君 ありがとうございました。
 この六兆百億の予算のうち、国費は二兆六千億円ということなんですね。当初予算では実は九千億円だけなんですね。これはあとは補正、補正で積み上げてこの金額になったんです。しかも、手続的に二日で積んで補正されている。これは、私、シーリング逃れというか、非常にこの手法についても問題があると思うんですけれども、担当の方で結構ですから、どうでしょうか。
#96
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 平成七年度から始まりましたいわゆるUR関連対策でございますが、この対策発足のときの当時の村山総理の委員会におきます御発言でございますけれども、従来の農林水産予算につきましては、これに支障を来さないよう配慮する、従来の農林水産予算をただいま申し上げたとおり新しい事業の財源を捻出するために削減、抑制することは考えないというふうなことで御答弁をされまして、したがいまして、その後の実際の事業費等の手当て、こういったことにつきましては政府全体で責任を持って対応するというふうなことで、このUR関連対策の趣旨でございますとか、あるいは緊急性、こういったもの等を考慮いたしまして、事業の進捗状況等も踏まえながら各年度の予算に補正を含みまして所要の額を計上し、先生の御指摘のように、結果として見ますと、当初予算は大体三五%ぐらい、補正予算で対応したものは六五%ぐらいと、こういう結果になっていると、かような次第でございます。
#97
○榛葉賀津也君 ほかの省庁じゃ、これ考えられない現象だと思うんですね。
 次に、二〇〇〇年に中間評価を出されていますね、中間評価。このときの予算達成率が九八%ですから、そろそろ最終評価という形でできていてしかるべきだというふうに思うんですけれども、最終報告というのはどのようになっているんでしょうか。
#98
○政府参考人(田原文夫君) まず、平成十二年の夏に出しました中間評価、これ実はUR対策は平成七年度から六年間にわたる対策というもので、途中構造改革法によりまして公共事業関係は二年延ばすということで十四年度まで延びていたという経緯がございます。
 私ども、一方、政策評価につきましては、他省庁に先駆けて政策評価に取り組みたいということで、平成十二年の夏でございますが、ちょうどこのUR対策のまだ実施中であるということで、政策評価のケーススタディー的に中間評価を行ったというものでございます。
 現実的に行っておりますウルグアイ・ラウンド対策は、公共事業等かなり効果の発現には時間が掛かるもの等々がございます。私ども、平成十二年度以降、毎年そうしたものにつきましては政策評価ということで、事業別の評価でございますとか施策の評価でございますとか、いろんなものを毎年やっていくという中におきまして、こうした現在の各年の政策評価の中におきましてこうしたUR対策というものもどういうふうになっているかということを検証してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#99
○榛葉賀津也君 UR対策は御承知のとおり公共と非公共があるんですよね。公共部門は十四年で完了しているんです。そうですね。これは六兆も使っているんですから、それで中間報告やっている。最終報告を出すんですか、出さないんですか、端的に答えてください。
#100
○政府参考人(田原文夫君) 最終報告という形が、言わばその効果発現がどこの段階が最終目標かということは設定されておりませんので、これは各年各年の各事業ごとの全体的な評価、この中でUR分も含めて検証していく、こういうことで対応してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#101
○榛葉賀津也君 出すのか出さないのかということを聞いているんです。そして、しかもこれ中間報告のときも大分指摘があるんですけれども、第三者を入れた検証システムを作っていくということも言っているんですね。これ明確に答えてください。
#102
○政府参考人(田原文夫君) 繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、毎年、私どもといたしましては各事業ごと等の評価ということで出していくわけでございまして、こうした中で触れさせていただきたいと、かように考えている次第でございます。
#103
○榛葉賀津也君 それがあなた、六兆ものお金を使って、中間報告を出して、そして正にこれがどういうふうに日本の農業強化になったのか、農家育成になったのか、担い手育成になったのか、世界に対応できる農業が構築できたのか、WTOでさんざん今やっているわけですね。これ、最終報告を出さなきゃいけないに決まっているじゃないですか。どうですか。
#104
○政府参考人(田原文夫君) 冒頭、大臣からもお答えさせてもらいましたけれども、例えば担い手の圃場整備事業では、経営規模が二・五倍に拡大するというような話でございますとか、労働時間が約六割短縮するというふうなことは出ているわけでございます。
 問題は、このUR対策だけでこれが実現しているかどうかという、言わば寄与度と申しますか、そういったものを分離するのはなかなか実際の手法ということでは難しいのではないかということで、私、再々にわたって申し上げさせてもらっておりますが、我が省の政策評価全体の中におきまして毎年こういった評価をさせていただきたいと、検証させていただきたいと、かように考えている次第でございます。
#105
○榛葉賀津也君 大臣、これは六兆ものお金を使って、これから日本の農業をどうしようかと言っている。これは是非大臣の御指示によって何らかの形で最終報告を出すべきだと思うんですけれども、どうですか。
#106
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど来官房長からも答弁をしておりますし、私も、我が省の政策評価、これが大変意欲的にいろいろなことを進めておりますことを承知をいたしております。是非、そういう中で、それで区分をして、また新しいいろいろの制度も作るわけであります。したがって、それを区分して、それだけでの評価と、これはなかなか、時代の要請にこたえた新しい政策も進めなければならないわけであります。そういう中でミックスしたものにもなってくるわけでありますので、年度年度の予算措置、そういう中での政策の評価をし、その実効をあらしめることにいたしたいと、こう思っております。
#107
○榛葉賀津也君 そんなものなんですか。これ、そもそもきっちりと進捗状況がどうだという報告を出して、そして事業が平成十四年に終わっているんですから、その段階できっちりと全体の状況を、影響というのはどんどんどんどん行くんですから終わりないですよ。これは、事業が終わった段階で、この時点でどうだったという最終報告を出すのは、これは当たり前じゃないですか。
 例えば厚生労働省はゴールドプラン21というのを作っているんですけれども、十五年間で何人が何時間のサービスを受けられるのかということをきっちり出して予算要求していく。国交省の公共事業長期計画、これはすべてそうなんですよね。すべてやっている。これ、農水省だけがこのようなやり方では私いけないと思うんですよ。
 これは、昨年九月二十五日の、もう帰られましたけれども、自民党の後藤委員が参議院の決算委員会で、これ中間報告が、今、席を外しておられますけれども、何回もこれを聞いているんですよね。それに対して田原官房長はおっしゃっているじゃないですか。UR全体の事業効果につきましては今後とも定期的に検証してまいりたいと、またこれを公表してまいりたいと思いますと言っているんですね。これは我が党の櫻井委員に対してもそういうことを言っている。これをもう出すと言っているんですから、きっちり出していただきたいと思います。
 そして、この中間報告につきましても、こう言っているんですね。事業の目標に対する達成度合いにより事後的に評価を行うこととされていなかったため、事前に評価の基準となる定量的な目標がほとんど定められていなかったと認めているんです。事後的に目標を定めるという制約があって大変困難を伴ったと、これは農水省自身が認めているんですね。これはそもそも本末転倒でございまして、まず目標を後から決めるというんですから、こんな話は私は決して許されない。
 是非、農林水産大臣、本会議場で新たな決意を述べられたその一端として、これは最低六兆百億円も使ったUR関連事業の最終報告というのは出すことは、これは農家にとってだけではなくて、国民全体にとって、そしてWTOを今真剣に闘おうとしている各省庁の方々にとっても必要最小限の義務だということを強く要求しておきたいと思います。
 次に、緑のオーナー制度についてお伺いしたいと思います。
 一九八四年から九九年までのこれはキャンペーンやっているんですけれども、緑のオーナー制度というのがあるんですね。この趣旨というのは、国民参加の森林づくりというものを促進いたしまして、森林への触れ合いを高めていくということなんですね。そういうふうにして、一口五十万円で国民から融資を募りました。八万六千人が参加をして、二万五千ヘクタールの森林に五百十億円を掛けて、それを十年、二十年してから、木が大きくなってそれを分収していく、配当を分けていくというやつなんですけれども、この緑に親しもうとか、環境を大事にしよう、山を大事にしようと思ったのが理由かもしれませんが、その志を共有していて、これ、返ってきた仕打ちが、十一年から十四年にかけて分収が始まっているんですけれども、何と二十万円しか戻ってこなかったという方々がいらっしゃるんですね。ほとんどが元本を割っている。
 バブルの全盛期に始まった、林野庁による融資制度とも言っていいような、金融商品と言ってもいいようなこの事業に対しまして、大分利用者から御不満と不信感が生まれているということなんですけれども、まず、時間もないですから、具体的にお伺いをしたいと思います。
 一九八四年の制度設立時で、林野庁としてどのくらいオーナーに還元するつもりでこの緑のオーナー制度というのを始めたんですか。
#108
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緑のオーナー制度、分収育林事業につきましては、今お話ございましたように、育成途上にある森林に対しまして整備に掛かる費用等々を負担をしていただいて、持分を共有して、伐採時に分収するという制度でございます。
 この制度を始めましたのは、国民参加の森づくりを促進するとともに、森林との触れ合いの機会を提供したいというようなこと等を目的として始めたところでございまして、ただ、分収育林は、今申し上げましたように、途中から伐期までということでございまして、十五年、二十年というような年月が掛かるわけでございます。その間における労働賃金でありますとか物価でありますとか木材価格というようなものは変動するわけでございまして、将来の分収額を予測するということにつきましては非常に困難であるということでございます。
 そういう点で、制度創設時から将来の経済性を見通すことは困難であるというふうに考えてきたところでございまして、今申し上げましたようなことで、林野庁といたしましては、森づくりへの国民の参加ということを進めていきたいというようなことから、契約に当たりましても、そういった制度の趣旨あるいは仕組みというようなことについて説明をしながら費用負担者の理解を得てきたというふうに思っております。
#109
○榛葉賀津也君 これ、約五百億以上皆さんからちょうだいして、予測が全く立てていなかったというのは、私、疑わしいと思いますよ、それは。もし本当だったら、それは極めて無責任だと思いますよ。
 この制度は、当時、別名、緑の財形貯蓄と言われていたんですね。これ、バブルの前の、非常に私、日本じゅうが浮かれていた状態で多分この融資もあったんだろうと思います。この問題に、この緑のオーナー制度に投機的側面はあったんですか。
#110
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緑のオーナー制度を始めるときに、アンケートといいますか、調査をしているわけでございますけれども、そこの中でも、緑づくりに参加ができるとかいうようなことが非常に大きな回答の割合を占めておりまして、これが投資になるという方々の割合、投資としてここへ参加をしたいんだというような割合というのはそれほど高くないというのが実態でございました。
 そういうことでいけば、こういうオーナー制度、分収育林制度について、国民の方々が緑づくりに参加をしたいということの思いというのはかなりあったんではないかというふうに思っております。
#111
○榛葉賀津也君 農水省側として、林野庁側としては、これ、投資の側面を持っていたんですね。イエスかノーで。
#112
○政府参考人(加藤鐵夫君) 当然、今申し上げましたように、途中で費用負担をしていただいて伐期で分収をするということでございますから、緑づくりに参加していただいて、結果として収益が生ずるということでございますので、その一定の収益というものは考えられながら参加をされたということはあり得ると思っております。
#113
○榛葉賀津也君 そうですよね。
 これ、政府の広報室も森林と生活に関する世論調査というのをやっているんですよ。そこに、正にこの緑のオーナー制度に対して、資金の投資対象としてというようなアンケートもきっちりとやっていらっしゃる。それだけじゃなくて、当時の新聞やパンフレットを読むと、これは極めて私は投資的側面が大きかったと言わざるを得ない事実がたくさん出てくるんですね。
 当時の新聞ですけれども、農林水産省、林野庁の業務第二課によりますと、二十年、三十年後の木材の価格は予想もできないと。が、環境問題がクローズアップをされ、外材が輸入しにくくなれば国産材の値が上がるとも考えられる、しかし緑のオーナーは夢やロマンを買うことが中心だと。利回りは普通預金程度と思ってくれれば無難だろうとコメントしているんですけれども、これ五十万が二十万になっちゃうんですから。また、八四年の日経新聞でも、長野林野局がこういうことを言っているんですね。販売した後の収益は木材市場がこのままでも四倍ぐらいにはなると予測していると。
 加えて、一九八四年の十月に発行された「あなたも緑のオーナー。」というパンフレットがあるんですけれども、この「あなたも緑のオーナー。」というパンフレットには、「契約いただく時には若い森林ですが、二十年〜三十年後には立派に成長して、例えばスギでは、一口で、おおむね百uの木造二階建ての住宅に」「相当する収益を受け取っていただけるものと思います。」と言っている。そして、そのキャッチフレーズが「ひと足先の大きな資産に」と書いてあるんですね。これ、ここまでやれば、私は、明らかに投機的側面を持って国民がこの商品を見ても私はやむを得ないというふうに思うんですよね。
 大臣、こういった緑のオーナー制度というもので、国民が真剣に森を親しもうと思った方々もいらっしゃると思います。しかし、現実がこういう状況にあると。当然、だれしも当時、日本経済がこんなになって、りそな銀行という銀行があって、それがこういう状況になるなんてだれも想像できませんよ。できませんけれども、私は、この問題、しっかり農林水産省としても、林野庁としても認識していく必要があると思います。
 時間がないので次に移りますけれども、緑のオーナーローンというのがあるんですけれども、この一九八六年に始めた緑のオーナーローンについて説明してください。
#114
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緑のオーナーローンということでございますが、これは昭和六十年の当時に発足をした制度でございますけれども、分収育林につきまして、林野庁と提携した民間の金融機関が分収育林に係る経費につきまして金銭消費貸借契約を結ぶということでございまして、緑のオーナーになられる方でその借受けをされるというようなことを前提としましてそういったローンが組まれたということでございます。
#115
○榛葉賀津也君 当時の融資利率はどうなっていますか。
#116
○政府参考人(加藤鐵夫君) このローンにつきましては、一般的には当時の個人ローンよりは低めで設定をしようということでございます。もう少し御説明いたしますと、貸付期間が六か月から五年間ぐらいが想定されておりまして、利率としては八・六から一〇・七というような設定がされているわけでございます。
 ただ、金融機関がパンフレットを作成する際には分収育林の利回りとはこの利回りは連動しませんというようなことを明記させるというようなことを条件としていたところでございます。
 この当時というのは実は長期プライムレートを見ましても七%とか七・七とか大変高い時代だったということは御理解をいただきたいと思います。
#117
○榛葉賀津也君 ということは、当然、利率を上回る利益を上げるつもりだったというふうに思うんですね。
 私は、この緑のオーナーローンの存在を考えましても、非常にやはり投機的、金融商品的側面がこの緑のオーナーローンにあったということは否定できないと思うんです。
 これ、緑のオーナーローンに戻りますけれども、これ五十万が二十万ですから、最低。これ、元本割れの周知義務というのは果たされていたんでしょうか、当時。
#118
○政府参考人(加藤鐵夫君) 緑のオーナーローンそのものを利用される方に、元本割れが生じるのかどうかというようなことではなくて、全般として、今申し上げましたように、木材価格がこれからどうなるか分からない、予測が付かないということでございますから、上になったり下になったり、五十万を超えたり五十万を割るということが想定されるわけでございまして、そういったことを我々としては説明をしてきたということでございます。
#119
○榛葉賀津也君 そのパンフレット等に元本割れ、若しくは契約書に元本割れがきちっと明記されていましたか。
#120
○政府参考人(加藤鐵夫君) 実は、今のパンフレットの問題でございますが、そのことにつきましては、そういったことが平成五年ぐらいだったと思いますが、四、五年ごろに問い合わせがかなり出てまいりまして、それ以降、パンフレットに明記をいたしております。
#121
○榛葉賀津也君 そのパンフレット、また後で私の方にコピーで結構ですからちょうだいできますでしょうか。
#122
○政府参考人(加藤鐵夫君) 届けさせていただきたいと思います。
#123
○榛葉賀津也君 私がこの質問を作っているとき、何回もパンフレットありますか、契約書ありますかと言ったら、いや、もうありませんと言われて出てこないんですよ。秘書が何回言っても出てこない。私が言ったらやっと契約書のコピーは出てきた。そして、私、あちこち調べたんですよ。過去の委員であるとかいろんな先生に聞いて、この資料ありませんか、インターネットでもやったり、そしてもう時間掛けていろんな資料集めたんです。
 是非、私は、決してこの森林行政が、本当に御苦労されていると思うんです。西南戦争以来ずっとこの問題、(発言する者あり)いや、本当ですよ、国有林の問題というのは大変な問題なんですから。日本の山を守るというのは大変なんですよ。それが今林野庁になって、本当に林野庁の職員の皆様、山の現場で御苦労されて日本の山を守ってくれている。それは敬意を表しているんです。だからこそこういった、プロでもなくてこういった商品に手を出してよからぬ誤解を受けたり、そういうところがあってはいけないと思うんです。これはプロに任せるべきだと思うんです。
 ですから、私は、この問題はきっちりとこの点でしっかりして、新たな森林行政、国有林行政というものはどうあるべきかと。今回も、今日の決算で森林行政に関する問題がたくさん出てきている。大変有り難いと思います。この日本の山を守っている、守ること、将来の子供たちに日本の緑を、森林を守るためにもきっちりと、こういったあいまいな問題をなくしていくということを私は考えなければならないと思うんです。
 そして、この緑のオーナー制度に入っていらっしゃる方というのは二種類あるんですよね。実際に中間山地に住んでいらっしゃる方が、自分たちで山を作っているけれども、林野庁のこの制度に協力をして五十万を払って、自分たちも政府と一緒に山を守っていこうという方々が一つ。そして、都市部に住む方々が、正に自分たちの地域には森林もないけれども、日本の山の恩恵を被って我々は生活をしている、だから中間山間地に住んでいる方々や森林のために五十万円で投資をしよう、緑を守っていこうという観点から入られる。
 そして、できれば、皆さん言っているのは、これでもうかろうとは思っていないが、まさか二十万にまで下がるとは思っていなかったと、みんな言っているんです。しかも、ここまで下がるんだったら、なぜもっと早い段階にこの事業を撤収してくれなかったのかとも言っているんです。
 平成十一年に突然にこの募集をやめているんですけれども、なぜ平成十一年に突然この事業をやめたんですか。
#124
○政府参考人(加藤鐵夫君) 分収育林につきまして五十九年からやってきたわけでございますけれども、平成八年、九年というような状況の中で、実は分収育林に応募していただける方々の人数も減ってきておりますし、それからもう一つは、何といいましても国有林の抜本改革を平成十年に行うということにいたしたところでございますが、その中では、木材生産から公益的機能重視に変わるという中で、木材生産林というものを少なくしたわけでございます。そういう点でいきますと、今後、分収育林の対象地ということが想定されていけないということが出てくるわけでございまして、そういう点を併せながら、平成十年までで取りやめたと、十一年からは新規募集を中止したということでございます。
#125
○榛葉賀津也君 これ、更に見ますと、バブルが崩壊した後の平成三年度以降も、九年度まで、七年間にわたって毎年七十億円分のオーナーを募集しているんですよ。これ、私は、当時の状況と、林野庁はプロですから、これからの木材価格というものを考えた場合、この事業撤退が明らかに遅過ぎると思うんですけれども、長官、どうですか。
#126
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今申し上げたような状況の中で、五年、六年というような状況で考えますと、まだ参加していただけるというような状況もあって、また木材価格というものについて、今、更に落ち込んできておりますけれども、今の状況とはかなり違っている様相でございますし、そういう点でいえば、十一年にそういう判断をしたということだというふうに思っております。
 先ほどから、実は二十万円と、確かにそういう事例もございますけれども、平均的に言いますと四十万円ということで、これ、威張って言うわけではございません、五十万円を切っているわけでございますので、威張って言うつもりはございませんが、四十万円ということで、我々としてはできるだけの販売努力をしていくということで、一生懸命取り組んでいるところでございます。
#127
○榛葉賀津也君 林野庁が本当に御努力されていることは、私、現場の、現場のですよ、現場の職員を見て、静岡にも山がたくさんありますからよく分かっています。五十万円以上のいわゆるもうかったという方々もいらっしゃいます。しかし、二十万の方もいらっしゃるのは事実なんですね。
 私、これは大きな一つ夢とロマンを与えるこの事業。この事業に、この制度に応募した中に多くの子供たちがいるんです。小学校に入学するときに、中学校に入学するときに、自分たちの木を育てていこうと、そういう思いでおじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんが子供や孫のためにこの制度を活用した例がたくさんあるんです。実際に林野庁も入学する方々をターゲットにしてダイレクトメールだって送っていますよね。そうですよね。この子供たちのやはり日本の山を守っていくという夢のためにも、私は余りずさんなことはやってはいけないというふうに思うんです。
 私の祖父も、生まれは静岡ですけれども、戦前の林野局で富良野に赴任をして、そこで私の父を授かりました。三十歳で戦地へ行って、北海道から出兵してそのまま戦死をいたしましたけれども、本当に明治維新以降ですよ、日本の国有林を守ってくださっている方々の御苦労というのは私は胸にしみてよく分かっているつもりでございます。
 是非、大変厳しい現場かとは思いますけれども、日本の山のために、木材事業のために、今後更なる努力をしていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#128
○荒木清寛君 まず、亀井農水大臣にお尋ねをいたします。
 私は、去る三月十日、十三年度決算に対する全般質疑におきまして、森林の多面的機能を強調した上で、大島前農水大臣に対しまして、農水省において間伐材の利用拡大のリーダーシップを取ってもらいたいと、このように訴えまして、前向きの答弁を得たところでございます。
 もう先ほど具体的に様々な議論がありましたので、大臣の決意のみをお尋ねをいたしますが、農水省は政府全体の推進役といたしまして、特に来年度概算要求に対する重点的な取組を始め、積極的な対応をしていただきたいと思います。大臣の決意をお尋ねします。
#129
○国務大臣(亀井善之君) 間伐材の利用、このことにつきましては、先ほど来いろいろ答弁もしております。間伐材の加工流通施設の整備など、あるいは間伐材の省庁等との連携した、公共事業等への間伐材の利用の推進、間伐材等木材の需給事情の交換や、間伐材利用の普及活動の促進、これに努めておるわけでありまして、農水省としては、公共事業へのより一層の間伐材等木材利用の拡大に取り組むための農林水産省木材利用拡大アクションプログラムの策定に取り組んでいるところであり、本年三月、その基本方針を示した骨子を決定したわけであります。
 これらいろいろ重点的に公共事業のコスト削減、これに取り組むにつきましても、必要性に十分留意をしまして、重点的に利用を拡大する施設の種類等を特定し、特定施設については原則木造と、この考え方の下に、数値目標等の木材利用拡大に係る目標の設定、あるいはまた、これまで木材が使用されていなかった施設等の木造化、木材利用に対するモデル的な取組、このようなことを実施することによりまして、特に本年夏ごろを目途にアクションプログラムを策定すると。そして、各関係府省とも十分連携を取りながら地域の事情、積極的に間伐材の利用促進を図ってまいりたいと、このように考えております。
#130
○荒木清寛君 また引き続き質疑をしてまいりたいと思いますので、亀井大臣、渡辺副大臣、どうぞよろしくお願いします。
 じゃ、農水省は結構でございます。
 そこで、平沼経済産業大臣にお尋ねをいたします。
 まず、中小企業事業団の信用保険事業の件でございます。
 十四年度に全国の信用保証協会が借入金の代位弁済をした額は一兆二千六百三億円で、過去最高でございます。そして、保証協会の代位弁済のうちの七割ないし八割が中小企業事業団の信用保険からの保険金でてん補されるということになっておりまして、事業団の信用保険事業の財政も悪化をしております。ちなみに、十三年度決算ではこの事業については五千九百六十一億円の赤字、十四年度はこれを上回る見込みでございます。
 そうしますと、信用保険準備基金というのが十三年度の初めの時点では一兆一千七百億円あったんですが、十五年度の初めの時点では三千八百億円まで減少する見込みでありまして、このままいきますとこの基金が足らなくなってしまうということでございます。
 こうしたことで、中小企業事業団の信用保険事業の財政の悪化によって保証渋り、貸し渋りにならないか、大変危惧するわけでございますが、この点につきまして大臣の適切な対応を求めたいと思います。
#131
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 中小企業をめぐります金融情勢が非常に厳しい中で、政府といたしましては、セーフティーネット保証の拡充など信用保証制度の充実に取り組んできているところでございます。
 委員御指摘のとおり、こうした中、長引く景気低迷等を背景として、代位弁済の急増を受けまして信用保険収支は大幅な赤字を計上しまして、今後三年間、これは十五年度から十七年度に九千億程度の大幅な資金不足が見込まれております。
 今後とも信用補完制度を持続的に運営していくためには、信用保険財政の基盤強化を図る、このことが不可欠でございます。このため、平成十四年度の補正予算におきまして約二千億円の財政措置を行ったところでございまして、これを始めとして、資金不足見込額の大宗を国が負担する一方、利用者たる中小企業の方にも、本当に申し訳ないことでございますが、最低限の負担をお願いすることが必要である、このような認識の下に、本年四月一日から保証料率を、従来一%でございますが、おおむね〇・三%程度引き上げさせていただきました。また、信用保証協会の財政基盤強化につきましても、平成十五年度の当初予算におきまして四十二億円の予算を確保しております。
 経済産業省といたしましても、今後とも金融経済情勢の動向に十分注視をしながら、この信用補完制度の財政基盤の確保に万全を期すべく、そして中小企業者、中小企業の皆様方に本当にお役に立っていくように私どもとしては適切に対応していかなければいけないと、このように思っているところでございます。
#132
○荒木清寛君 これは、現実問題としては補正予算等も含めて適切な対応をしてもらいたいと思います。
 次に、売掛金担保融資制度の利用拡大についてでございます。
 この制度につきましては、制度開始当初はなかなか利用が、活用が進みませんでしたが、三度にわたり経済産業省も制度の改善をしましたし、さらに二月十日からは保証料率も引き下げられまして、最近ではかなり利用が拡大していると承知をしております。ちなみに、本年四月四日時点での保証実績は六千四百六十一件、二千七百四十五億円と承知をしております。ただし、当初は二兆円規模というところが目標であったわけでありますから、まだまだこれは改善をする余地があるのではないかと思います。
 そこで、特にこれは前から言われておりますけれども、そんな売掛金まで担保にしなければならないような会社なのかということで、そういう評判が広がることを恐れてなかなか申し込めないのではないかということがかねてから言われておりますし、これは一種の風評被害だと言う方もいるわけです。
 したがいまして、私は、更に二兆円というレベルまで上げていくにはそういう風評被害の除去も含めた経済産業省の更に工夫をした取組が必要であるかと思いますが、大臣、いかがですか。
#133
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 もう荒木先生御指摘のとおり、この売掛債権担保融資保証制度というのは、我が国の中小企業が有する約八十五兆円の売掛債権を資金調達手段として活用すると、こういうことでスタートいたしました。スタートしたわけですけれども、今、風評とおっしゃいましたけれども、確かに、あの企業は売掛債権まで手を付けたか、そういうようなことがございましてなかなか皆さん方がなじまなかったと。
 こういうことで、我が方といたしましても、二百万部のパンフレットを作成をいたしましたり、あるいはテレビ、新聞、そういった媒体を使いまして広報を行い、さらに全国で説明会を行わさせていただいて、中小企業やさらには金融機関の普及啓発に努めてまいりまして、その結果、いろんなことをやらせていただきましたけれども、御指摘のように、六千四百件とおっしゃいましたけれども、現時点ではこれが六千八百件でございまして、そして約二千九百億円と、こういうことになっております。これを更に私どもは徹底をして、そして努力をして、中小企業の皆様方の資金繰りの円滑化に役立てていきたいと、こういうふうに思っています。
 これはもう御承知だと思いますけれども、この制度というのは新たな金融フロンティアの開拓の呼び水となりまして、本年二月には、経済産業省と日銀の連携の下に商工中金が民間金融機関による売掛債権の証券化を支援する、こういう取組も開始をすることができました。
 さらに、日本銀行におきましては、この四月から、中小企業の有する八十五兆円という売掛債権を裏付けとした証券を自ら買い取る、こういうことを検討していると、こういうことに相なってまいりまして、私も日銀の総裁に、日銀がそういうことをしていただければますますそういう意味では、非常に信用性といいますかそういうものが高まって、そこが非常に加速化されると、こういうことで私は大いに歓迎すると、こういうことを申したところでございますけれども、当省といたしましては、今後とも、御指摘の本制度の使い勝手の改善について、更にいろいろ、どういう御要望があるかということも聞いて、そして更に改善を積み重ねて、そして中小企業者のために更に役立つ制度にしていきたいと、このように思っておるところでございます。
#134
○荒木清寛君 次に、二月十日から始まりました資金繰り円滑化借換え保証制度についての改善方について要請をいたします。
 これは大変好評でございまして、五月十六日現在で十一万一千百件の保証許諾件数、保証承諾額が一兆七千三百九十八億ということで非常に好評でございます。
 全国的に見ましても、愛知県の利用というのは実は群を抜いているといいますか、これは何も愛知県の企業が特に苦しいということでなくて、非常にやはりこの県内の経営者は利にさといといいますか、すぐ、お得なものにはすぐに利用するという、そういう一つの県民性ではないかと私は思っております。
 ところで、そういう中で、私もいろいろ話を聞く中で、一つ改善してもらいたいと思いますことは、典型的な例を言えば、三本の公的融資を一本にまとめ、いったんそこで全額返済をして、その上で新たな借入れにして返済期間を延ばすということになります。したがいまして、その時点で前に納めた保証料は一部戻ってくるわけですけれども、また新規融資ということになりますので八十万とか九十万という保証料を納めなければいけないわけですね。それがなかなかきついという話を聞くんです。
 それも、これは保証料というのは信用保証協会の重要な収入源でありますから、これはきちんと確保しなければいけないにせよ、これも分割にしてもらえないかという話なんですね。
 聞いてみると、それはできますよという話でもあるようなんですけれども、しかしなかなか、実際、窓口での扱いがどうなっているのかという不安もあるわけでございまして、この点につきまして、経済産業省として、この改善をしていただけませんか。
#135
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘ございましたように、この保証制度を活用するに当たりまして利用者の方から保証料をいただいておるわけでございますが、元々、この保証料をいただく場合に当たりましては、その保証料が大きいという場合につきましては、やはり中小企業者の利便を考えまして分割支払という制度を選択することができるというのは元々ございました。
 ただ、今回、この借換え保証制度を始めますと借換え期間が長くなりますので、トータルの保証額が大きくなるという面がございます。したがいまして、更にそういった中小企業者の方々が分割でお払いをしたいというニーズが高まるということが想定されます。
 私ども、大臣から、そういった意味でその分割徴収についてもう一遍きちっと保証協会の方が利用者の方に説明をして、選択がきちっとできるように、そういう指示をしなさいという指示がございました。
 私ども、三月二十七日に文書を出しまして、保証協会が中小企業者に対して分割徴収というやり方があるんだということをよく説明をして、中小企業者の方々の実情に応じてきめ細かく対応してくれという要請をいたしました。引き続きまして、そういった要請の徹底を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#136
○荒木清寛君 保証協会としては、頼みの綱の保証料まで分割にされたんではという、だから、まあ聞かれればできるよとは言うけれどもというところもあるようでございまして、一層そうした大臣の通達の趣旨を徹底していただきたいと思います。
 次に、これは、私、前から申し上げておりますが、金融機関が連帯保証人を取る、この制度についての改善が必要かと思います。
 民法では、普通の保証と連帯保証というのがありますけれども、世の中で行われているのはもう一〇〇%連帯保証人でございまして、これは、自分はお金は借りていないけれども、責任においては借りた人と全く一〇〇%同じ責任ということでございまして、私はこのことにまつわる、判こを押してしまったがための悲劇というのを本当にもう嫌というほど見てきました。世間の人は、連帯保証人が四人おれば四分の一返せばいいんでしょうというふうに思っている人もいますけれども、これはもう債権者との関係では一〇〇%返さなきゃいけないわけでありまして、そんなことになっているんですかということなんですね。
 大臣も、保証制度の見直しについては各種委員会で言及されているわけでありますが、私はどこにも率先して政府系金融機関がお金を貸す場合にはもう連帯保証は原則として取らないというところから始めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#137
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 現在、政府系金融機関の一つでございます国民生活金融公庫において、小規模事業者に対して無担保、無保証、本人保証なし、これで融資を行う経営改善貸付制度、これはマル経と言っておりますけれども、こういったことや、担保や保証人を準備しにくい創業者に対しまして、ビジネスプラン、いわゆる事業計画に着目をしまして、そして個人保証を徴求することなく融資を行う新創業融資制度、これを実施しております。これは非常に好評でございまして、従来の十倍ぐらいのスピードでそういう実績が出ているわけでございますけれども、これは昨年の一月の制度創設以来、既に四千二百件を超える融資を実行したと、こういうこともございます。
 ただし、中小企業は、企業資産と経営者の個人財産が一体化をしていることが多いため、中小企業向け融資では一般的に経営者の個人保証を徴求しているのは事実でございます。したがって、個人保証を一切取ることなしに実施できるのは、先ほど申し上げた制度のように少額の制度に限られている、こういうことでございます。
 このような認識に立って、政府系金融機関において保証人を求めない融資制度を拡充していく場合には、融資先企業のリスクに見合った保全措置をどのように確保するかということを念頭に置いた上で検討を進めていくことが必要だと思っております。
 こうした観点から、第三者保証人を現在ほとんど徴求していない中小公庫や商工中金については、第三者保証人徴求の廃止の可否を含めて私どもは検討していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。また、国民金融公庫におきましても、本年の一月末より第三者保証を求めずに、そのリスクを、金利でございますけれども、〇・七%でカバーする融資制度の取扱いを開始したところでございます。
 今後とも、本制度の浸透状況でございますとか、先ほど申し上げました新創業融資制度等の既存の制度や、あるいは中小企業金融の実態を踏まえながら、保証人の問題につきどういった拡充策が可能か前向きに検討をしていきたいと、こういうふうに考えておりまして、先生御指摘の点もございますので、私どもとしては、いわゆる保証人というものに関しては前向きに、中小企業の皆様方が使い勝手がいいと、こういう形で検討を進めていきたいと、こういうふうに思っております。
#138
○荒木清寛君 私も、連帯保証人そのものを禁止をしてしまうということはやはり、契約自由ということもありますから、やや乱暴かなというふうには思うんですね。ただし、アメリカで倒産をした人が再起をするのが半分、日本の場合には一三%ぐらいでしたですか。その背景として、もう一族郎党みんな保証しなければいけないというような日本の実態があるという分析が経済産業省からもなされていたかと思います。
 そこで確認しておきたいんですが、私は、それにしましても、アメリカにおける保証人の取り方と我が国における金融機関の保証人の取り方というのは著しくやはり実態が違うんではないかと思いますが、その辺、簡単に説明していただけますか。
#139
○政府参考人(杉山秀二君) アメリカにおきます保証人の徴求の現状でございます。私ども、昨年からいろいろ海外の事務所などを使いながら調べております。
 まず、民間の金融機関でございますが、経営者本人のいわゆる本人個人保証でございますが、これは中小企業向け融資に際しましては取られているというのが一般的であるというふうに承知をいたしております。
 ちなみに、アメリカで、米国の中小企業庁が信用保証制度というものもやっておりますが、これも、企業の所有権の二割以上を保有する代表者につきましては全員の本人保証を取っているというふうに聞いております。ただ、第三者保証につきましては、私どもの知る限りでは、米国ではこれを徴求する慣行にはないというふうに承知をいたしております。
#140
○荒木清寛君 私も、経営者とその奥さんが保証人になるぐらいはそういうものだろうと思いますけれども、その奥さんの親族でありますとかあるいは平の取締役でありますとか、そういう人まで保証しなければいけないという慣行はおかしいと思いますから、是非改善をしてもらいたいと思いますが。
 したがいまして、最後に、金融機関がいわゆる担保至上主義に走るということは、要するに中小企業の技術力を評価する手法が確立をしていないというところがあると思います。銀行にそういうノウハウがない、人材がいない。また、大学においてもそういういわゆる投資工学というような講座が東京大学で始まっているという話は聞きましたけれども、そういう分野での研究がまだまだ進んでいないということがあります。
 したがいまして、これは民間でもしっかり研究してもらいたいんですが、政府としてもこういう中小企業の技術力を評価する手法の確立のために密接に関与し、これを慫慂していくべきかと思いますが、大臣、いかがですか。
#141
○国務大臣(平沼赳夫君) 企業価値を評価する方法としまして、従来のように株主資本利益率などの財務指標を用いた評価ばかりではなくて、これを補完するものとして、御指摘の企業の有する技術でございますとか設備でございますとか、それから研究開発資源、こういったものに着目した技術力の評価を行うことが重要である、このことは私も同感でございます。しかしながら、こうした技術評価が実際の企業価値の評価に当たって今の日本では実用的なものとなるためには、まだまだ克服していくべき課題が多いと、このような認識であります。
 いずれにいたしましても、技術評価といった新たな企業価値の評価手法を実効性のあるものにするためには、やっぱり各界各層の御意見をしっかりと踏まえて様々な角度から検討していくことが今重要だと思っております。
 経済産業省におきましては、財務の面だけではなくて、例えば潜在的な成長性等を判断して融資する、先ほどちょっと御答弁で申し上げましたけれども、新創業融資制度を推進をしております。今後とも、政府系金融機関においては、やっぱり可能な限り技術力、こういうものに着目をして審査の中で判断の参考になる、こういうことを検討を進めていきたいと、このように思っております。
#142
○荒木清寛君 終わります。
#143
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 私、まず中小企業の金融対策について一つ伺いたいと思います。
 経済活性化と雇用拡大のためには、その原動力であります中小企業を強力に支援をすることが極めて重要です。こうした角度から各種の金融対策が行われていると思いますけれども、今もお話がありました資金繰り円滑化借換え制度、いわゆる借換え保証にかかわっていろいろな意見を届けてもらいました。それによりますと、名古屋市保証協会では、担当者から、条件変更中は原則として増額しないことを貫いている、こういうふうに言って、条件変更中を理由として門前払いの扱いがあったというものです。このお申出のあった区だけかと思いますと、そういうわけではないようなんですね。
 資金繰り円滑化借換え制度に関するQアンドAを出しておいでになるんですけれども、それ見ますと、経企庁の方ですね、借換えに当たって新規の融資を含めることはできるのでしょうかという問いに、本制度上、新規の融資を含めることは可能です、こういうふうに書いてあるんです。
 ですから、私は、名古屋の信用保証協会が条件変更中は原則として増額しないことを貫いている、確かに貫いているんですよ、いろんな区で、ですからこれは制度の趣旨からちょっと外れているんじゃないか、何か誤解があるんじゃないのかなというふうに私は思いますけれども、中小企業庁、どうでしょう。
#144
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。
 ただいま御質問ございました借換え保証制度におきます条件変更中の中小企業者の方の取扱いでございますが、今、先生御質問にございましたように、条件変更のみを理由として借換え保証の対象から外すということはしない、除外しないという運用を行っておりまして、御指摘ございましたように、三月十四日に私どもが公表いたしましたいわゆるQアンドAでもその旨を明記をいたしまして、中小企業の方々あるいは関係の機関へ周知をいたしております。
 今、委員御指摘の具体的な事例についてちょっと詳しく調べないと分からない点もあるのかもしれませんが、仮に借換え保証のときに新規の融資分も含めた増額を申し込んだ際に、条件変更をしているということのみを理由にして今保証を断ったということであれば、これは趣旨が徹底をしていないということだと思います。
 ただ、増額などにつきましては、実態的に返済が将来可能なのかどうかということは、これはまた別の一般の金融審査の一環として行うということは当然あるわけでございまして、ただ外的な基準としての条件変更を受けているという理由だけで、理由のみをもって保証を断ったり、あるいは増額を認めないというのは趣旨の不徹底ということだと思っております。
 機会をつかまえながら、今申し上げました趣旨はきちっと引き続き関係のところに徹底をさせたいと思っております。
#145
○八田ひろ子君 良くなる中小企業へ必要な資金が融資されていくことが非常に重要だと思うんですね。御紹介したように、条件変更中は原則として増額しないことを貫いているということですので、是非きちんとしていただきたいですし、これ名古屋市内の銀行でもありますし豊橋の銀行でもそうですが、銀行も借換え制度の中身よく知らなくて保証協会の指導だけうのみにしているという、こういう例も二つぐらいあるんですよね。ですから、銀行はもとより関係各機関に、制度が十分活用されるように必要な指導を更に強めていただきたい。大臣にも是非お願いをして、今日はちょっと時間がないので、次の質問に移りたいと思います。
 次、二〇〇五年日本国際博覧会に関してであります。
 二〇〇〇年に開かれましたヨルダン・アンマン第二回世界自然保護会議の決議が、九七年のBIE総会において日本政府が自然の英知をテーマとする環境万博とすることを表明して二〇〇五年国際博覧会の開催国と認められたと指摘をしたように、二十一世紀にふさわしい内容、手法が開催の前提条件になっています。自然環境への配慮、市民参加と人権への配慮、安全への配慮など、二十一世紀の全体に通用する基本的なキーワードをクリアする時代を見通した博覧会であることを前提に議論することが大事だと、私はこの委員会でも予算委員会でも取り上げてきました。
 今日は時間の関係もあって、このBIEへの登録時には影も形もなかったゴンドラ計画ですね、これも問題で、大臣、観客輸送に必要な施設だというふうにお答えをいただいたんですけれども、それではゴンドラ計画がない段階での観客輸送計画というのは一体何だったのか、でたらめだったのか、一体どういうことかをまずお示しください。
#146
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 当初の計画におきましては、両会場間の観客の移動というのはシャトルバスによる輸送を考えていたところでございます。その後、平成十三年の十二月に基本計画を策定する際に、シャトルバスは一般道を走行することを考慮して、大気、騒音や交通渋滞に対する影響をより一層軽減するとともに、両会場間の円滑かつ快適な動線確保の観点なども総合的に勘案をいたしまして、高速かつ大量に快適な観客輸送ができるゴンドラを導入したと、こういう経緯でございます。
#147
○八田ひろ子君 経緯というのか、私が聞いたのは、なぜゴンドラが必要なのかと。後から付けた理由、観客動員がなかなか難しいので。環境負荷とかいろいろなことを考えれば、電気自動車とかいろいろなことが考えられるわけなんですよね。
 八月八日にこのゴンドラの問題、去年の八月八日、この委員会で、住民の納得を得るべく指導をしていくんだ、御理解をいただくんだと、こういうふうに大臣言われました。しかし、実際にはこの間そういうふうにはならずに、御承知かと思いますが、今月十四日に測量が開始をされましたが、この上之山町内会挙げて住民が抗議の座込みまでされるということですね。町内総意でゴンドラ白紙撤回を求めておられるわけです。
 毎日毎日六秒に一回、目の前をゴンドラが一日中通り過ぎる、これは居住権の侵害であるとこの住民の皆さんがおっしゃるんですけれども、私はこの意見、道理があると思うんですね。目的は、半年間だけのイベント、ゴンドラ以外に移動手段がないわけでもない。
 私、あえてここでいろいろ、場所が変わったとか計画が変わったとか、二転三転してという、そういう話は繰り返しませんけれども、ここの町内の皆さんからしますと、住民の平穏に暮らす居住権が侵害されるんだと、これを解決してほしいという声があるわけなんですね。
 大臣はもうずっとこの担当大臣で、博覧会の意義も、それから住民の権利保障にも明るい。この博覧会、二転三転してきたのは、一つには、環境万博って掲げ、しかも市民参加というのが抜けていたわけですよね。住民のこと、人間のことを考えておらんかったというのがすごく大きな変更の原因にもなってきたんですけれども、そういう問題で、大臣、このゴンドラはやめるべきだと思うんですけれども、どうでしょう。
#148
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの答弁にちょっと付言させていただきますけれども、シャトルバスによる輸送というのは当初の計画に比べて五分の一程度になります。そうしますと、大気、騒音あるいは交通渋滞に対する影響はより一層改善される、こういう配慮もあったということを御理解いただきたいと思います。
 そこで、お答えをさせていただきますけれども、海上地区と青少年公園地区を結ぶゴンドラについては、本博覧会の原点でございます海上地区と青少年公園地区との一体性を高めまして、両地区間の円滑な、そしてかつ快適な観客輸送を実現する上で、私どもは必要な施設だと考えております。
 ゴンドラ計画に関しましては、これまで博覧会協会において地元説明会を三回開催させていただきました。そして、その中でゴンドラの必要性やルート、あるいは支柱の位置等について説明を行わせていただくとともに、その過程で住民の皆様方から出された疑問や意見については説明をしてきたわけであります。
 例えば、例を申し上げますと、プライバシー対策につきましては、ゴンドラがその団地付近に差し掛かったときには団地方向の視界を遮るように電気的に曇りガラスにする瞬間調光曇りガラスを採用する。自然環境の保全対策につきましては、博覧会協会が自然環境の専門家や経済産業省の環境影響博覧会の意見を聴きながら、希少植物種の生息位置を避けるべく支柱の位置を検討する、そういった追跡調査を行って環境影響を最小限にしていく方針であることなどを住民の皆様方に説明をさせていただき、ゴンドラ計画に対する理解を求めてまいってきたところでございます。
 そういう意味で、私どもといたしましては一生懸命努力をしておりまして、改めて測量調査が終了した段階では説明会を開催させていただく予定でございまして、当省としては、引き続き博覧会協会に対して、地元の住民の皆様方に十分説明を行い、その理解を得るように指導をしていかなければいけないと思っております。
 そういうことでございまして、当省としては、住民の皆様方の御理解を得るように努力をしながら、そして御指摘のこの博覧会のいわゆる基本理念に沿った、そういう大会を目指して頑張っていきたいと、このように思っているところでございます。
#149
○八田ひろ子君 今日は時間がないので議論できないんですけれども、ある住民は、この町内の上を通過するときだけ窓を曇らせるなんて、かえって観客を不思議がらせ、のぞきたくなるんじゃないかと、そんなことまでしてやるんだろうかという不信感が高まるばかりなんですよね。住民の合意を得るとか納得をしてもらうように努力すると言っても、その三回の説明会でも、この町内会の方が、もう何とか説明してくれ説明してくれというふうに要求して要求してやっと開いてもらった中身なんですよね。
 だから、私は、六か月のイベントでも、国家事業なら、この納得を得るようにしていますと言いながらずるずるずるずるとやってきて、住民合意もないまま推し進めて、個人のプライバシーの侵害も、自分たちの基準でこれでいいんですといって平気で侵害する、そういう人権感覚を世界じゅうに発信をすることになるので、私はもってのほかだと思うんですね。
 「自然の叡智」をテーマとして環境万博を目指すと言いながら、今までもアセスの問題で自然環境も、それから今回のゴンドラでは人間の暮らしも環境も破壊する、こういう計画のごり押しというのは、今、理念に照らしてと言うけれども、理念に反すると私は思うんですよ。ですから、こういう計画は、私は、英断を持って中止されるべきです。開催を返上する、これを強く申し上げて、今日の質問を終わります。
#150
○大沢辰美君 引き続いて、日本共産党の大沢辰美より質問させていただきます。
 川辺川の水利事業の問題についてお伺いいたします。
 先日、川辺川ダムの利水訴訟で、農水省が上告せずという大変画期的な歴史的英断を下しました。この裁判は、御存じのように、農水省が利水事業計画の一部を変更した手続について地元農家が異議を申し立てたのに対して、農水大臣がそれを棄却したため、棄却決定を取り消すよう一九九六年に求めた裁判です。土地改良法で必要とされる事業対象農家約四千人の三分の二以上の同意があったかどうかが最大の争点で争われた、その裁判ですね。
 先週十六日に福岡高裁で原告の勝訴の判決が出ました。そして、三日後の十九日、農水大臣が上告せずという判断を記者会見で発表されましたね。私は、直ちにこの決断をされたことに非常に評価をしたいと思います。福岡高裁は、農業用用水事業、用排水事業ですね、そして区画整理事業について、法律で必要な三分の二の同意を得ておらず、やはりこれは違法であるという判断を下しました。被告の国が上告しないことで判決が確定したことになります。
 大臣にお聞きしますが、上告を断念した理由、経過、そして今現在進行している農業用用排水の事業と区画整理事業が、十九日の判決以後、この一週間になりますけれども、どういう措置を取っておられるのか、その実態を説明していただきたいと思います。
#151
○国務大臣(亀井善之君) 本件につきましては、去る十六日に福岡高裁で言い渡されたわけであります。ほかに違法性は見受けられないが、農業用用排水事業及び区画整理事業に係る計画変更については、受益農家の三分の二以上の同意という計画変更の要件を満たさない旨の事実認定がなされたところであります。
 私は、十九日の日に、賛成をされる、本当に農業を継続するために水が必要だと、こういう若い人たちや、また地域の市町村長の皆さん方にもお目に掛かりました。あるいはまた、午後、原告団の皆さん方にお目に掛かり、いろいろお話も承り、農業をするにつきましての水の必要性、このことのお話も、両者からもお話を承ったわけであります。いろいろお話を伺った中で、その夕刻会見をいたしまして、上告をしないと、この旨の判断を発表したわけでもあります。
 私ども農水省といたしましては、受益農家の申請と同意により実施するという土地改良事業の趣旨を踏まえ、また国側の主張が認められなかった理由が事実認定に係るものであることにかんがみまして上告を行わないことにしたわけでありまして、地域の農業用水の確保につきましては、昨日も地元の若い農家の後継者、また農業をおやりになっている、ナシの栽培ですとか、悲痛な、水がない、せっかく植えたナシの木が枯れてしまって、このナシの木をどうしてくれるかと、こういういろいろなお話を承るなど、農家の皆さん方の水の必要性、このことを承ったわけでありまして、これから農家の皆さんの意向を確認し、これに基づきます必要な整備を進めていくことが適切であると、こう判断をしておるわけでありまして、今後とも、関係者、熊本県あるいはまた関係者の皆さん方といろいろ連絡を取って今後のことの対応をしてまいりたいと、こう思っております。
#152
○大沢辰美君 水が必要であるということは私も認めます。今、私、大臣にお聞きしたのは、今の経過と、そして今現在進んでいるこの事業ですね、その事業の措置ですか、今どういう措置を取っていますかということをお聞きしているんですが。いったん中止をされているのか、そしてこの事業の進行状況ですね。
#153
○国務大臣(亀井善之君) 川辺川農業水利事業の工事現場におきましては、十六日の判決を受けまして、まず工事を止めていたところでありまして、十九日に上告をせずと、このようなことを発表いたしまして、そして必要な整備のための検討を行うこととしたために、工事請負契約書に基づく契約解除の手続を開始をしているところであります。
#154
○大沢辰美君 そこで、私は、上告せずの決定を受けまして、熊本県の潮谷知事ですね、記者会見をしています。本当に知事は農水省が上告を断念したことを県としても評価したいと。そして、上告したら、やはり水が必要なことは分かるけれども、地元農民に大きな不安を与えるということを言われていますし、五月八日にも定例の記者会見をされているときに、水を引く際にはいろいろな形があると、そういう表現も、発言もされています。
 私は、この知事の考え方、そして地元の農家の皆さんの考え方、それを本当に総合的にしっかりと受け止めて、農水大臣は間違った方針を出さないように、そして、私は、ダムを含めて検討されているようですが、本当にこのダムを私は中止をしていただいて、総合的な利水対策をすることを求めて、要請だけをしておきまして、この質問については終わらせていただきたいと思います。
 次に、経済産業省の方にお聞きしたいんですけれども、今までも何回も要請をさせていただいた内容の一つなんですが、大手スーパーのマイカルの破綻によるテナント保証金の問題についてです。
 マイカルも含めて、大手流通店舗の破綻に伴って、そこに入っている中小テナントの皆さんが本当に入居時に預けた敷金、保証金を返してもらえない、この問題が大きな社会問題に今なっているわけですが、この間、経済産業省は、このテナント保証金問題研究会も作られ、今後の具体的な方策も示されて、この一月に中間報告書を発表されました。私は、その報告書を見まして、非常によく問題点を指摘されて、解決の方向付けがされているということをしっかりと感じ取ることができました。
 現在、破綻しているものについても、この報告書は、経済産業省は問題意識を持って、裁判所とか管財人等に伝えて、破綻処理におけるテナント保証金の扱いに関して考慮を要請すべきであると述べています。また、業界がテナント保証金契約のガイドラインを早急に策定すべきと位置付けられて、そのガイドラインも先月に発表されていますが、この二点について、経過とその取組について説明いただけますか。
#155
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。
 当省といたしましては、テナントの保証金の在り方について検討するため、先生今御指摘のように、昨年七月よりテナント保証金問題研究会を設置して議論を重ね、本年一月に中間報告書を公表いたしまして、現状の保証金には敷金的な性格と金銭消費貸借、テナントから家主への貸付金の性格が混在しておりますけれども、今後は基本的に敷金的性格のものに一本化することが望ましいというような方向を打ち出すなど、様々な改善策を提言したところでございます。
 また、先般、報告書の内容に沿った形で、日本ショッピングセンター協会が日本専門店協会の協力を得て、業界自主ガイドラインを取りまとめたところであります。当省としても、その実施状況について一年後を目途にフォローアップをしたいと考えているところでございます。
 さらに、当省といたしましては、本年三月に、現在更生手続中のマイカルの管財人代理に対しまして、本報告書の問題意識を伝え、管財人代理からも再建の進捗状況やテナントとの交渉状況などについて聴取をいたしたところでございます。
 簡単でございますが。
#156
○大沢辰美君 非常に良い方向を出して行動もしてくださったわけですが、問題は、マイカルの場合、今更生手続中ですね。経済産業省がこの間、努力を重ねて破綻処理におけるテナントの保証金の扱いに関して、今言われたようにいろいろと要請をしてくださった。
 ところが、この週の十九日なんですけれども、大阪の管財人のところにマイカルのテナントの全国連絡会の代表の方十名が法律管財人また事業管財人に要望を伝えに行ったんですよね。そして、一定のやり取りをしまして、このことを踏まえて皆の意見をまとめてもう一度お会いしたいと申しましたら、管財人は、もう会う必要はないと、会えませんと、こういうふうに、意見を聞かないでやっている状況が発生しているんですね。
 私は、経済産業省は今まで本当に努力をしていただいているのに、こういう状態が現在あるということをとても、テナントの人たちも大変だということを訴えられたんですが、一方、テナントの中にはナショナルチェーン店がありますけれども、このナショナルチェーン店の人たちは弁護士を通じて行ってやり取りを交渉されているということを聞いています。だから、ナショナルチェーン店とは会って、一方の中小テナントとはもう会わないというのは、私は余りにも不公平だと思うんですよね。
 ですから、私は、この問題を取り組んでくださった経済産業省は中小企業のテナントの方のために頑張ってくださったと思うんです。大臣、このことについてどう思われますか。また、事情を聞いてみるなりして何らかの対応を関係部署で検討してもらえないでしょうかということをお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
#157
○委員長(中原爽君) 大沢先生、お時間が過ぎておりますが。
#158
○大沢辰美君 ごめんなさい。答弁だけ、よろしくお願いします。
#159
○国務大臣(平沼赳夫君) それでは、大沢先生に。
 私どもとしては、やっぱり会社更生手続中のマイカルにつきましては、管財人というのは基本的に裁判所の指導の下で債権者との交渉を進めているものと理解しておりますけれども、今御指摘の点につきましては、私どもは管財人からしっかりと事情を聴取してまいり、やはりそういうナショナルチェーンだけというようなことじゃなくて、そういう中小の方々に対しても、しっかりと意見を聞いて、そして対応していただく、このことが必要だと思っておりますので、私どもはそういう方向で管財人の方にもしっかりと働き掛けていきたいと、こういうふうに思います。
#160
○大沢辰美君 終わります。
#161
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。
 午後からずっと、もう四時間半ぐらいたちますから大変お疲れだろうと思いますが、決算委員会、やはり国民の税金を預かる大事な委員会でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、中山間地問題であります。
 やはり水田というのは、私の友人が書いた本で「水田ハ地球ヲ救ウ」という本を書いたんですが、やはり東洋民族が発明した大変な知恵だと、こういうふうに思っております。そういう中で、中山間地、また緑の保全でありますとか災害の防止、非常に多面的な機能があると、こういうことで、これは先ほども御指摘のあったところであります。
 日本はこれだけの山国でもありますし、中山間地をしっかりと守っていくと、こういうことは非常に重要な面があると、こう考えておるわけですが、会計検査院がこの点、特別検査を平成十三年度やって、その中でいろいろと指摘をされているんですが、食料・農業・農村基本法といいますか、それが大きなバックになったと思いますが、十二年度から、中山間地に対する直接支払制度、これが実施されております。
 その効果といいますか、これが一番大事なところで、その結果、中山間地において、休耕地といいますか、耕作廃棄地といいますか、そういうものが本当に減っているのかどうかと、こういう点が資金の効果の面からいって大事な点だと思いますが、農水大臣、いかがでございましょうか。
#162
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員御指摘のとおり、中山間地域の持つ意味、またその重要性、全くそのとおりでございます。
 今お話しのとおり、この中山間地域等に対する直接支払制度につきましては、平成十四年までの見込みによれば全国で三万三千の集落協定が締結をされております。各地域においては、交付金を活用いたしまして、耕作放棄地を集落の共同活動によって積極的に復旧し、これを新規就農者等に集約する動きや、オペレーターの育成、確保を通じた高齢者農業者の所有する農地についての農作業請負の推進など、耕作放棄の発生防止の解消に向けて地域の実態に即した取組が今積極的に進められているところであります。
 この結果、六十五万五千ヘクタールの農用地において適正な農業生産活動等が継続的に行われ、耕作放棄の発生が防止されていると、こういう状況であります。
#163
○広野ただし君 六十五万ヘクタールなされているということでありますが、ただ、対象面積からいうとまだ八〇%ちょっとというところなんですね。まだ十数%がどうしてもなされない。ですから、集落協定、あるいは個別協定ですね、大いにやってもらって、是非この中山間地の水田を守り、それが緑あるいは自然体系、あるいは災害防止に非常に役立つわけでありますから。
 元々、そのほかに、中山間地ではありませんけれども、百万ヘクタールもの休耕田があるわけですね。こういうことをやってまいりますと、本当に水田の言わば保水力といいますか、そういうものですとか、自然体系に対する影響ですとか、もう本当に日本の国土、瑞穂成す国土と言われ、あるいは緑となすこの国土が本当にもうめちゃめちゃなことになっていくということだと思うんです。
 その中山間地におけるまだ十数%、一七%ぐらいですか、まだほったらかされている。この点はどうでしょうか。
#164
○国務大臣(亀井善之君) 正にこの直接支払制度、我が国の農政史上も本当に初めてのことであるわけでありまして、十二年度からスタートいたしまして、委員御指摘のとおり、現状の十四年度の見込みで協定の締結率というのは八三%であります。これを何とか目的を達成しなければならないわけでありまして、そういう面で、ただ高齢化が著しく、リーダーが存在しない等の集落においては、農業生産活動の意欲が減退し、協定の締結が難しくなっているところもあります。また、水田のように水の管理等の共同取組活動の実績に乏しい畑作の地帯においては、農業者間の話合いが進まないと、こういうこともございます。
 これらの理由で締結に至っていない例があるわけでありまして、今後このような地域の実態を踏まえまして、地域外からのオペレーターの参入であるとか、あるいは他の集落との提携であるとか、あるいは集落内での話合いの促進を図ると、こういうことによりまして協定の締結がなされるよう、一層の普及定着に努めてまいりたいと、こう思っております。
#165
○広野ただし君 なお、会計検査院も指摘をしているんですが、過疎化を防止する、あるいは中山間地を守るということでは、この直接支払制度もさることながら、総合的な政策を展開をしなきゃいけない。
 私、今おっしゃいました高齢化の問題ですね、これはもう本当に大事なことで、それをどう乗り越えていくかということだと思いますが、今、大臣もおっしゃいました地域外からも大いに入ってもらうということをやっていかなきゃいけないと思いますし、学校、どうしても中山間地から学校が減っていくと、こうなるともう住んでおれる環境じゃなくなっちゃうんですね。ということですから、より総合的な施策を展開をしていただきたいと思います。これは要望ということでお願いをしたいと思います。
 続きまして、中小企業問題に移らせていただきたいと思います。
 現下非常に厳しい状況にあって、私は、小泉政策の失敗も正に重なって、中小企業はもう非常に苦難にあえいでいる、こういうことだと思っております。大企業では債権放棄がなされ、何千億という債権放棄がなされて、そしてそれを生じた経営者がぬくぬくと退職金をもらっていくと、こういうことになっているんですね。ところが、中小企業はだれも助けてくれない。正に体を張って、自分の体を担保にしてやっていかなきゃいけない、そういっても、自分の価値さえ認めてもらえない、正に物的担保しか認めてもらえない、こういうような状況であります。
 ところで、本当に今日はお忙しいところを中小公庫また国民公庫総裁にも来ていただいておりますが、今、中小企業金融、非常に厳しい状況で、全体的には五十兆円も収縮しちゃっているわけですね。そういうときに、政府系金融機関、これがある意味で代替的な機能を果たさなきゃいけないのに、ほとんど貸付残を見ますと横ばい、ちょっとだけ増えているぐらいなんですね。中小公庫さんは七兆五千億、そして国民公庫さんは十兆七千億ですか、ということでありますけれども、本当に中小企業の味方としてこの金融措置をなしておられるのかどうか。その点、まず中小公庫総裁、そして国民公庫総裁にお伺いをしたいと思います。
#166
○参考人(水口弘一君) 水口でございます。
 私も就任以来四か月ちょっとでございますが、全国各地を回って中小企業の経営者の方々といろいろ面談をしておりますが、先生おっしゃるとおり、景気低迷の長期化ということで業績不振の状況にあるということはそのとおりでございまして、また特に民間金融機関の貸出し姿勢の変化ということがございまして、私も各営業店へ参りますと、三十幾つの相談窓口がございます。その中で真ん中にありますのが貸し渋り・貸しはがし対策相談窓口でございまして、この辺が重要な問題だろうと思っております。
 主務官庁からの弾力的に対応するようにという強い御指導もございますし、また我々といたしましても、借入金の返済猶予というような条件変更につきましては、期限の延長であるとかあるいは減額をするというような具体的な問題を当該企業の実情に応じまして今やっているところでございます。
 それだけに、最近は非常に増加が、大幅に増加しておりまして、実績として件数も、十四年度は直接貸付けのうち二万四千件強となっておりまして、ちなみに、平成八年度は一万六千件強でございましたから非常に大きな増加となっております。それだけに、これからも対応を弾力的にやっていきたいと考えておりますし、また今後も中小企業を支援するために弾力的に取り組んでいきたい。これが今、恐らく貸付け件数が十六万六千件ぐらいございますが、現在一四・五%が弾力的な条件変更という状況になっておりますので、これからも続けて弾力的に是非やっていきたい、こう考えております。
#167
○参考人(薄井信明君) お答えいたします。
 私どもの国民生活金融公庫、お客様は小規模の方が多くて、従業者数九人以下が大体お客様の九割を占める、また融資の規模も小口融資が多くて、平均六百三十万円という小さな方々です。そういう方々、非常に今難しい状況にあって売上げが伸びないといったようなときに、私ども、できる限り条件変更などにも応ずることによってこの時期を乗り切っていただきたいと思って努力しております。
 なお、御指摘ありましたように、融資残高は確かに十四年度落ちております。ただ、その中で、今申し上げましたような、そういうなかなか民間からはお金を借りられないというようなケースに対する資金需要というのは増えておりまして、これには対応させていただいていると思っております。
#168
○広野ただし君 今やはり、特に地方は非常に厳しい状況にあって、呉服屋さんですとか伝統的な菓子屋さんですとか旅館ですとか、言わばそういうところがつぶれてまいりますと、地方の言わば文化が廃れてしまう、こういうことになるんですね。ですから、皆さん歯を食いしばって頑張っていますが、いかんせん、なかなか大変だと、こういう状況であります。
 中小企業あるいは零細企業は、私は、その経営者というのはもう大変責任感があると思います。大企業であれば平気の平左で借金棒引きにというような要望を出していますが、中小企業はまじめに返すんですね。そして、返せなくなると、正に命を償って、それで保険金でと、こういうことをやっているわけです。正に私は、中小企業のおやじさんに侍精神がまだ残っていると、ある意味ではですね。平気の平左で何の責任も感じない、そういう人よりもよっぽど責任感のある、そういうことだと思うんです。
 そういう中で、それをまた盾に取ってというのもおかしいんですけれども、先ほどもありました保証、そして連帯保証という形で、中小企業は担保がありませんから、どうしても人間に、こうなるということで、これはやはり何か考えてあげないと、みんな命を絶たなきゃいけないことになる。実際に三万人の人が毎年自殺をしておられる。そのうち七千人以上が経営難をもって亡くなるということなんですね。イラク戦争で亡くなった人、これ数千人でしょう。そういう面では、国内で正にイラク戦争のようなことが毎年起こっているということなんですね。
 ですから、私は、これはゆるがせにできない大変なことなんで、大いに金融問題やっていただきたいなと、こう思っておるんですが、幾つもの、私ども地方に帰りますと、資金繰りの相談ばかりです。そういうときに、特に若い人が、二代目、三代目ですね、この人たちが三十代あるいは四十そこそこ、その人たちがおやじのあれを継ごうということで頑張るんですね。そういう人にまで貸さないと。これは私は誠におかしいんじゃないかと思うんです。
 要するに、それは六十幾つの人だと、頑張っても、例えば、大体返済計画十数年、もっと短くなっているのもありますけれども、もう七十幾つになるとこれはなかなか大変だということになります。四十代で頑張れば、それは償還が十五年以上になってもちゃんと返せるわけですね。しかも、経営状況等もよく見極めて二代目、三代目がやろうと、こう言っているわけですから、私はやっぱり人を見て貸していただかないと、担保価値だ、これはもう担保価値がどんどん下がっているわけですから、新たな担保と言われても、これはどうにもならない、ぎりぎりのところですね。
 ですから、これは何とか人を見て、若い人を見て育ててあげませんと中小企業はやっていけないんじゃないかと、こう思うわけです。ですから、大企業に対する融資基準と中小零細企業に対する融資基準はおのずと違ってくる、人物を見て貸していただかなきゃいけない、こう思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 広野先生から日本の中小企業者は侍だと、こういう御指摘がありました。三十兆の枠で三年間特別保証をさせていただきました。本当にこの厳しい中で、中小企業の経営者の皆様方はやっぱり歯を食いしばって返済をしてくださっているのは事実でございまして、現時点では、その返済というのは十七兆に上っております。我々は一〇%の代位弁済率というのを設定しておりましたけれども、この厳しい中でもまだ五%台と、こういうことでございますから、本当にそういう責任感を感じて頑張ってくださっていることは事実だと思っています。
 そういう中で、やはりおのずから中小企業者に対する貸出し基準というものは、やっぱりその地域において、大銀行がやるようにしゃくし定規で一定の基準でやるということじゃなくて、やっぱりきめ細かく、そういう将来性でございますとか意欲ですとか、そういうことを評価しながら貸していくということは非常に私は必要なことだと思っておりまして、金融庁にもお願いをしまして、そういった形でリレーションバンキングシステムと、こういうことも考えていただいて、中央と地方とは違うと、そういうお互いに密接な関係を持ったバンキングシステム、こういうことも構築をしていただいているところであります。
 そして、私どもとしては、こういう厳しい中で特に地方が大変でいらっしゃるので、御承知のように、中小企業の再生支援協議会というのを立ち上げさせていただきまして、直近では全国三十七か所で展開するようになりました。そして、直近では御相談の件数も九百六十一件と、こういう形になって、きめ細かく地域や地域に根差したそういう対応をするように私どもも、今日、両総裁来られていますけれども、よく連携を密にして、頑張らせていただきたいと、このように思っております。
#170
○広野ただし君 そういうことで、私は、中小企業の場合は特に人を見て貸していくということが非常に大切だと思っております。
 中小公庫総裁、水口総裁は民間企業からの御経験もおありで、やはり血の通った融資をやっていただく、そういうことを是非期待をしたいと思いますが、水口総裁、そしてまた薄井総裁の御見解を伺いたいと思います。
#171
○参考人(水口弘一君) どうもありがとうございます。奮闘していきます。
 今、大臣も言われましたけれども、私も中小企業経営者の方々と会っていて、本当に侍の精神というのは痛感をしております。形の上では株式会社組織になっておりますけれども、実際は有限会社と同じぐらいの責任感を持ってやっているというのには非常に心を打たれるものがございます。
 それから、再生あるいは事業承継につきましても、具体的に経営課題の把握というようなことで、これは我々の方としましたら、公庫としましたら、やっぱり大きなアドバイス機能を持っておりますので、アドバイザー及びコンサルタントとして、いわゆる数字による言わば定量的な審査だけではなくて、やっぱり経営者とのフェース・ツー・フェースの言わば定性的な関係を、非常に対話を重視してこれからもやっていきたいと考えております。
 それでまた、再生支援というようなことにつきましても、中小企業再生支援本部を副総裁の下に作りまして、専従のスタッフ十三名、それから六十一の営業店にそれぞれ責任者を置きまして、総勢七十名以上でこれに一体としてやっていきたいと、こう考えておりますし、今、大臣からもお話がございました、各地域の中小企業再生支援協議会でもやはり中心的に積極的にこれを参画して中小企業のお役に立ち、これがまた日本経済の活性化に是非貢献していきたいと、このように考えております。
#172
○参考人(薄井信明君) 先ほど申し上げましたように、私どもの国民生活金融公庫、お客様が非常に小規模な方々でいらっしゃる。したがいまして、融資の件数の九割が無担保の融資となっております。
 その反面、個人保証にお願いしなければならない、個人保証者を連れてくるので貸してほしいという方々に対応せざるを得ないという面はあるんですが、そういう意味では、私どもお客様を見てお話合いの上で貸し出していくということをこの五十年間やってきたつもりでございます。
 そういう意味でのノウハウを持っておりますので、こういう時期、このノウハウを有効に活用してお役に立てていきたいと思っております。
#173
○広野ただし君 本当にやはり人を見て貸していただきたいなと思います。
 保険でもって代位弁済というのも、そこに資金を入れるのも確かに大事なことではありますが、どうしてもそれは後ろ向きの後始末の話になっちゃうんですね。しかし、やはりソニー、ホンダ、みんな中小企業で、それが今や世界に羽ばたくすばらしい超一流企業になったわけです。やはりその中小企業が育って立派に雇用を拡大し、税金もちゃんと納めてくれると、こういうことなんでありますから、私はそれがジャパンドリームということで、アメリカンドリームというのもありますが、やはりジャパニーズドリームというものを作っていくということが前向きの大事なことだと思うんです。
 ですから、経営改善計画でも是非、親身な血の通った融資を大企業と全く違ってやっていただくように最後に大臣にお伺いしまして、終わりたいと思います。
#174
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、日本には企業の数が五百万を超える、こういうふうに言われておりまして、そのうちの九九・七%は中小零細企業であります。言ってみれば、この経済大国の屋台骨を背負っていただいているのが中小企業でございますから、この国の経済を活性化させていくためには中小企業に活力を出していただかなければなりません。そういう意味で、御指摘の点も踏まえて我々努力をしていきたいと、このように思っております。
#175
○広野ただし君 終わります。
#176
○又市征治君 社民党の又市でございます。
 前回に続きまして、産業投資特別会計について質問をいたしたいと思います。
 二〇〇一年度決算において、出資先の二十七機関全体で六千百九十五億円の欠損が出ていた。その中でも代表的な不良債権先であった基盤技術研究促進センターは、今年四月一日付けで括弧付きの倒産、つまり解散をし、つぎ込まれた財政のうち二千七百七十億円の出資はなかったものだと、こういうふうに処理をされたということですね。
 というよりも、一九八五年にNTT株の政府保有義務が決まったときに、以後、その配当、毎年約二百六十億円ですけれども、これを経済産業省と総務省の関係で使おうと計画をしたのが、この基盤センターの設立と毎年の出資という名の補助金だったんだろうと思うんです。これは当時の報道でもそんなふうに言われていました。
 そこで、財務省に先にお伺いをしてまいりますが、国有財産法第二条一項第六号に定める出資は補助金とどう違うのか、特に同法の十条、十一条の管理、処分の扱いについて説明をいただきたいと思います。
#177
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 国有財産法第二条第一項第六号に言います出資による権利というのは、国が一定の政策目的を達成するために、特別の法人等に対しまして、その財産的基礎を付与すべく法律に基づいて出資をして得た権利でございまして、これは残余財産分配請求権とか利益配当請求権といった財産的権利を有しておりますので、国有財産として国有財産台帳に記載をいたします。主務大臣が原則的にこれを管理し、財務大臣が総括をするということになっているわけでございます。
 一方、補助金につきましては、一般に国が一定の政策目的を達成するため、反対給付を求めることなく交付される金銭的給付でございますので、ただいま申し上げましたような国有財産としての位置付けはないということで、各省大臣が、補助金を交付いたします各省大臣が補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づいて管理をするということになっているものでございます。
#178
○又市征治君 今御説明あったように、出資金は、そういう権利を伴う、したがって補助金とは会計上全く性質が異なるということですね。
 国の出資金が毀損することはあってはならない。だから、会計検査院も、十二年度は基盤センターについて、また十三年度は更に広げて産投特会全体について毀損の警告をしたわけですね。
 前回、塩川大臣は答弁で、出資金あるいは基金の在り方を検討する時期には来ていると、こんなことを言いながら、この種の出資金は初めから元本すらも当てにしなかったような口ぶりだったんですが、これは大変、今おっしゃったことからいっても大変問題がある。返ってこないことが分かっているなら、百歩譲って、今おっしゃったように初めから補助金として計上すべきだったんではないかと、こう思うんですが、財務省の考え方をお聞きしたいと思うんです。
#179
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 先日の財務大臣の答弁の趣旨でございますが、国が産業振興のために行います基盤センター等に対します出資、これは御指摘のように、出資金の回収期待という問題のほかに、成果技術が民間企業へ波及いたしまして国際競争力が高まることを想定しながら政策目的の実現を目指したものであると、そういう意味で、通常、民間で行われております配当を期待した出資とは必ずしも同一の性格の出資ではないと考えているということを答弁されたというふうに認識しております。
 産投から基盤センターへの出資がなぜ行われるかということでございますが、これは基盤技術に関する試験研究というリターンが期待できるという一方で、民間では十分にリスクを取れない政策分野、これに対しまして、得られた技術の活用により国民経済の発展の基盤を形成するという政策目的に従って実施されているというふうに考えております。
#180
○又市征治君 国有財産法の、先ほども話がありましたが、第十一条には、「常時その状況を明らかにして置かなければならない。」と、こういうふうになっているわけですね。
 ところが、少なくとも三年前にはほぼこの欠損額が知られておりましたけれども、産投特会の帳簿上は欠損はどこにも示されてこなかった。で、十一条の公表の義務に関する財務省は、そういう意味じゃ怠慢だと言われてもこれはしようがなくなるんじゃないのかと、こういうことがあるんだろうと思うんですね。いや、だから、出資という扱いを続けてきたためにこんな大きな欠損が倒産直前まで覆い隠されてきた。この点からも出資という扱いはやっぱり見通し違い、この当初の扱いですよ。この出資という扱いは当初の見込み違いであったりやっぱり誤りがあったんではないかと、こう私は言わざるを得ぬので、この点は改善される意思があるのかどうか、この点をお聞きします。
#181
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 御指摘のように、国有財産法第十一条には、財務大臣は、「国有財産につき、その現況に関する記録を備え、常時その状況を明らかにして置かなければならない。」と定めております。この趣旨は、財務大臣が国有財産につきまして総括事務を遂行するということから、各省各庁のいわゆる所管大臣が管理いたします国有財産台帳とは別に国有財産の現況に関する記録を基礎的資料として整備すべきことを規定したものでございます。現在、政府出資法人について財務大臣が持っております記録といたしましては、各政府出資法人の出資者、出資額、沿革、役員、機構等を記載いたしました政府出資法人要覧を整備しているわけでございます。これはそういう意味で、非常に簡易な記録ということでございます。
 なお、先生御指摘の出資財産の現況に関する中身はちゃんと見ておらないのではないかということにつきましては、財務省といたしましては、各政府出資法人が行政コスト計算書として作成しております民間企業仮定貸借対照表、この計数を集計いたしまして、この民間企業仮定貸借対照表におきましては、企業会計原則にのっとって、出資金につきまして減損処理がなされております。この範囲で出資した会社の財務状況を把握し、これを公表しているところでございます。
#182
○又市征治君 説明だけあるけれども、私はどう改めるというんですかと、こう聞いているんです。そこのところが全然。
#183
○政府参考人(寺澤辰麿君) 一般論として申し上げますと、出資をしたその法人の財務状況は適宜把握しておりますけれども、それではその時々の状況で減資をするかという御趣旨だと思いますけれども、それぞれの根拠法におきまして減資規定があるものとないものがございます。ほとんどないと思いますが、これはその研究等が継続されております限りにおいて、あるいは画期的な成果が出てくるかもしれないというようなこともあって、最終的にはその時々の状況は把握しておりますけれども、法律に基づいて減資をしているということでございまして、今回も法律の規定によって減資をしているということでございます。
#184
○又市征治君 どうもこの間から聞いておって、特別会計を見直さにゃいかぬとか、こういう出資金や基金の問題は見直さにゃいかぬと、こう言っていながら、どうもここになると財務当局はえらい保守的ですね。検査院からも行革事務局からも出資は駄目だと、こうさんざん言われているわけですよ。ここのところをどう改めるのかと、こう私はお聞きしているんで、これはしっかりと後ほどまたお答えいただきたいと思いますが。
 そこで、先ほど平沼大臣にこの産投、今の基盤センターの問題、出資をして配当も考えてきたけれども、そういうのはもう限界に来ておった、したがってそういう意味で解散処理をしていくということのような趣旨をお答えになったわけですね。したがって、先ほども申し上げましたが、これを解散をして出資はなかったものという基盤技術円滑化法の改正を行って、そういう処理を行ったわけですね。で、今後は出資をやめて委託にすると、こういう格好になっていますね。しかし、いわゆるバイ・ドール方式だから、出た成果、知的財産権はすべて企業に渡すと、こういうことですね。
 つまり、これは事実上の補助金という扱いになっていくんだろうと思う。本当の委託ならばまた逆に成果は国に帰属してこなきゃならぬ、こういう理屈になるんじゃないでしょうか。行革本部もNEDO等からの孫出資について、出資は全部廃止をし、補助金に改めよと、こう言っているわけですよね。
 私は、この出すお金の内容には賛成じゃありませんけれども、財政ルールとしては補助金の方が明瞭になるのではないのか。それを補助金と呼ばずに委託と呼ぶのは、いかにも政府にまだ権利があるかのような、こういう装いを持ち、本当の意味で国民に対して丁寧な説明をするという、こんなことになっていないんではないのかと。この点、どうお考えになるのか、少し御見解をお伺いしたいと思います。
#185
○政府参考人(中村薫君) お答えいたします。
 まず、この基盤技術センターの出資制度については、委員御指摘のとおり、特許料収入から配当によって資金を回収するという手法には限界があるということで、十三年度からNEDOに、その制度を廃止して、今、委託契約制度に移行したわけでございます。
 考え方として、私どもは技術について大体どういう考え方でやっているかということでございますが、一番企業に近いところといいますか、それについては補助金でやっております。これは本来企業がやる、やってもうけるところを国がプッシュするという意味で、実用化研究のところなどはやっております。例えば福祉機器であるとか、ああいうものについては補助金でプッシュしております。それから、他方で、基礎的な研究といいますと、これはNEDOの制度にもありますが、やはり学者、余りはっきり言って基盤、非常に基礎的なところでございますから、これは委託契約でやっております。
 今般、ただ、この基礎から応用に移る部分、そういう部分については、今までやっていたのは、経産省は基盤センターで出資という形でやっていたわけですが、これは要するに余り実効が上がらないと。今般やろうとしているのは、委託でやると。ただ、この委託というのは、委託と補助金でどうして差を付けたかということでございますが、非常に、何というか……
#186
○又市征治君 簡潔にしてください。
#187
○政府参考人(中村薫君) 要するにあれでございまして、まず補助金はもう向こうに行きっ放しだと。委託の場合は、これはあくまで権利は国が持っていると。ただし、バイ・ドールによって相手方に特許権は渡すことができる。ただし、こいつが使わなければ、また戻してほかのやつにも渡すことができるということで、あくまでこの制度においては基本的な権利は国が持っていると、国がといいますかNEDOが持っているという考え方でやっております。
#188
○又市征治君 ちょっと意見がございますけれども、時間の関係で次に移ります。
 ところで、この基盤センターは、先ほど申し上げたように、倒産というか解散したんですが、同じく産投特会から出資を受け、これに次いで多額の欠損を出しているのが経済産業省所管の情報処理振興事業協会、略称IPAですね。
 今日、私の方から資料をお配りさせていただきましたが、ちょっと一番上の数字が間違っていまして、これは六百八十一億、六百四十一億となっていますが、六百八十一億の誤りですけれども。
 資料をごらんのとおり、検査報告によれば、産投特会から六百八十一億円の出資残高があり、それに相当する欠損額は五百八十一億円。このほか一般会計からの出資がもっとあって、両会計合計では三千二百二十五億円ですけれども、これも欠損になるんではないか。会計検査院が、機関の解散などによって国の出資が毀損するおそれがある、こう警告している中の恐らくこれが二番手になってくるんだろうと私は思います。
 調べてみますと、役員六名おられますけれども、役員六名調べてみたら何と、通産省の元審議官、特許庁長官、工業技術院研究所長、大蔵大臣官房審議官、会計検査院、工業技術院総務部何とか審議官、役員全部天下りばかりじゃないですか。
 そして、産投からこのIPAへの出資金六百八十一、こうなっているわけですね。これ、回収見通し、どうですか。これも出すことに意義あるということで、回収、全くないというんじゃないでしょうね。ちょっとお聞きをいたします。
#189
○政府参考人(林洋和君) お答え申し上げます。
 産投会計からの出資金六百八十一億円の回収見込みでございますが、これにつきましては、独立行政法人になることを踏まえまして、継続することが困難と思われる事業については終了して残余を国庫に納付することとしております。
 独法後も継続する事業については、事業スキームの見直しを図り、収益の改善に努力してまいる所存でございまして、外部の専門家の意見や評価を入れてやっていきたいと思っておりますが、ちなみに、具体的に終了する事業、高度プログラム安定供給事業、効率化プログラム事業、地域教材開発事業、この三つでございます。
#190
○又市征治君 このIPAに対して行革本部は二〇〇一年八月の見直しで何と要求しているか、ちょっと二、三紹介をします。
 プログラム開発事業はもはや幼稚産業ではないから、新規の研究は凍結をする、出資金は廃止し、重点配分の上、補助金に置き換える、費消された国からの出資金について実態を公開をする、出資等収益の還元が予定されているものについては収支の公表と改善策を取れと、その他合計十四項目が指摘されているわけです。何のことはない、ほとんど破産宣告ですよ。これに対する経済産業省側の回答の方も、IPAに限れば、十四項目のうち、御指摘を踏まえ検討しますというのが六項目もある。その他の項目もほとんど反論なさらず、ほとんど白旗を揚げたような回答ぶりに思います。
 だから、これももう、先ほどの松井委員の話じゃありませんけれども、解散という措置を取った方がいいんじゃないですか、これは、六人の天下りポストは減りますけれども。ここら辺、大臣、やっぱり僕はここはもう決断をする時期だと思うんですが、この点について、またずらずらと引っ張っていくおつもりなのかどうか、この点をお聞きをいたします。
#191
○国務大臣(平沼赳夫君) 又市先生御指摘のとおり、このIPAについては、平成十三年八月の段階では、行革事務局より御指摘のような考え方が示されているということは事実でございます。
 当省といたしましては、このような指摘も踏まえまして、我が国ソフトウエア産業の競争力強化のためには何が必要かという観点からIPAの在り方について検討を進めてきたところであります。
 御指摘のプログラム開発事業は、もはや幼稚産業ではないか、こういう点でございますけれども、確かに広く一般に使われる商用のソフトウエアについては民間企業による提供が十分行われるようになってきており、商用プログラムの量的な支援という面での国の役割は終了したと、このように思っております。しかしながら、我が国は年間約九千二百億円のソフトウエアを輸入している国でございます。残念ながら輸出は九十億円にとどまっておりまして、我が国のソフトウエア産業の競争力を強化するための問題は正に山積をしていると、こう言っても過言でないと思っております。したがいまして、IPAとしても引き続き積極的な役割を果たす、このことは必要だと私ども思っております。
 いろいろな検討を踏まえまして、IPAについては、先ほど答弁をさせていただきましたけれども、独立行政法人化することとし、平成十四年の十二月に関係の法律が成立をいたしまして、十六年の一月に独立行政法人となることになっております。
 この組織体制の変更に当たっては、行革の事務局の指摘も十分勘案をいたしまして、先ほど局長から御答弁をいたしました三つに絞って事業の見直し、そして活用を行っていくと、こういうことでございまして、解散すればいいではないかと、こういう御指摘でございますけれども、まだ、このソフトウエアということを考えてみますと、まだまだ果たすべき役割があり、御指摘を踏まえながら、国民の皆様方に本当に疑念を抱かれないようなそういう体制で私どもはしっかりとやっていかなければいけない、このように思っております。
#192
○又市征治君 時間がなくなりましたので、意見だけ申し上げて終わりたいと思います。
 確かに、この後、二〇〇二年、二〇〇三年度の予算を見ますと、反省をされて大幅に予算が縮小していますね。しかし、私が指摘した問題の本質は次の三つの点でどうも変わっていないように思うんです。
 一つは、政府つまり国民の出資、三千二百二十五億円が何ら形ある資産としては残っていない。当事者は初めから、実際は補助金なんだ、ノーリターンでいいんだと、こう開き直っておる、こういう状況がある。このまま解散すれば、前回の基盤センターと同様、国民の資産が毀損される、こういうことになるわけ。出資を続けてきた担当大臣のやっぱり責任というのは重大だと、こう言われざるを得ないと思うんです。
 二つ目に、行革事務局が一番問題にして、もう幼稚産業ではないから廃止しろと、こう言った特定プログラム開発事業を見ますと、ここだけはほとんど減っていない。国家情報戦略を担う中核機関どころか、しっぽにくっ付いて無駄な利権をむさぼっていると言わざるを得ない。もっと徹底したやっぱり監査が必要だろうと、こう思います。
 そして、最後になりますが、天下り官僚による国民の資産の食い散らかし、こういうメカニズムの一つに使われている。今、国家公務員法の改正問題出ていますけれども、特権官僚制度は温存し、それどころか天下りの規制緩和をしよう、こうなっているわけですが、今ほど申し上げてきたように、二千億、三千億という国家資産があちこちで毀損をする、こんなことを企画をしているこういう天下り官僚を許していくというわけにはいかない。
 今後とも、当委員会としても、こうした特別会計をしっかりやっぱり監査をし、そして参議院の使命というものを果たしていかなきゃいけないんではないか、そんな決意も申し添えて終わりたいと思います。ありがとうございました。
#193
○委員長(中原爽君) それでは、他に御発言もないようですから、農林水産省、経済産業省、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門の決算についての審査はこの程度といたします。
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#194
○委員長(中原爽君) 次に、平成十一年度決算及び平成十二年度決算における警告決議に対し、その後内閣の取った措置につきまして、財務大臣から説明を聴取いたします。塩川財務大臣。
#195
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十一年度及び平成十二年度決算に関する参議院の議決について講じました措置について御説明申し上げます。
 その一は、防衛庁における総合評価落札方式につきましては、会計検査院の検査結果を踏まえ、入札参加企業から提出された提案書のうち一部を原本として封印し、また、提案された購入経費、維持経費等について落札者がどのように拘束されるかに関して、入札希望会社の共通認識を高めるための質問会等を入札説明会に加えて設定するとともに、提案内容を確実に履行する旨及び履行されない場合の損害賠償の責を負う旨の確認書等を求めるなどの改善を行うこととしたところであります。
 今後とも、事務手続の適正化につきまして一層努力するとともに、総合評価落札方式を採用する場合には、これらの改善方策も含め、入札及び契約事務の透明性、公正性をより一層高めるよう対処してまいる所存であります。
 郵政官署に支給される渡切費につきましては、平成十三年度をもって廃止し、平成十四年度に厳正かつ透明性の高い会計手続を新たに導入し、この会計手続を適正に行い、不適正経理の再発防止に努めてきたところであります。
 また、平成十五年四月に発足した日本郵政公社におきましても、この会計手続が踏襲されており、今後とも適正な経理を行うよう指導・監督に努めてまいる所存であります。
 外務省におけるいわゆるプール金問題の再発防止につきましては、職員に対する会計研修の徹底、物品・役務の調達契約事務の会計課への一元化など契約事務実施体制の改善、監察査察官に現職検事を任用した上での本省各部局及び在外公館に対する集中的かつ広範囲にわたる監察及び査察の実施、職員の声を直接受け付ける監察査察意見提案窓口の設置といった所要の措置を講じたところであります。
 今後とも、綱紀粛正に努めるとともに、これらの措置の着実な実施により公金の適正かつ厳正な執行の徹底を図り、不適正な行為の再発防止及び国民の信頼回復に努めてまいる所存であります。
 核燃料サイクル開発機構における不適正経理につきましては、その再発を防止し、経理の適正化を図るため、予算執行について、一般会計と特別会計間、出資金部門と補助金部門間の経理区分を明確化するとともに、外部監査制度の導入等、予算執行のチェック機能強化のための体制整備等を図ったところであります。
 また、定員管理、人員管理につきまして、認可給与単価と実態給与単価の差及び認可人員と実員の差を解消するなどとともに、固定資産税等の過大納付につきましても改善を図ったところであります。
 今後とも、同機構の経理の適正化を図るよう指導を徹底し、再発防止に万全を期する所存であります。
 健康保険及び厚生年金保険の適用につきましては、毎年度の社会保険事業計画において重点事項として積極的に推進を図ることとしております。具体的には、適用事業所に対する実地調査等を通じて被保険者資格の適正な把握に努めているところであります。
 また、短時間就労者の適用漏れが多いと御指摘があったことから、地方社会保険事務局等に対し、短時間就労者が多いと見込まれる業種に係る適用事業所につきましては、平成十五年度から重点的な調査に取り組むよう会議等を通じて指導したところであります。
 今後とも、事業主説明会等を通じ、被保険者資格取得届等の適正な届出に関する指導、啓発や制度の周知徹底を図るとともに、社会保険事務所が実施する適用事業所に対する重点的な調査により、適用の適正化に努めてまいる所存であります。
 雇用保険三事業につきましては、対象労働者に対する聞き取り調査の強化による審査の厳格化、一定額以上の支給申請事業所及び支給済み事業所に対する実地調査の充実、厚生労働省及び助成金支給機関において十分な検討を行った上での支給要領の作成及び適切な制度設計、不正受給を行った事業所に対する罰則の強化等を行うことにより、その適正な実施を図っているところであります。
 また、都道府県及び雇用・能力開発機構に対しては、支給審査の厳格化の徹底、不正受給等の防止策の強化を図るよう指導したところであります。
 今後とも、雇用保険三事業の適正な実施に万全を期してまいる所存であります。
 BSEの感染源の究明につきましては、専門家の協力を得ながら取り組んでいるところであり、BSEの検査体制等につきましては、牛海綿状脳症対策特別措置法に基づく死亡牛検査体制の整備等、その充実を図ってきたところであります。また、適切な行政対応と予算の執行を行うことにより、畜産農家の経営の安定に努めてまいる所存であります。
 さらに、食料、食品の安全確保に万全を図るため、リスク管理部門を産業振興部門から分離して、食品分野における消費者行政とリスク管理を一体的に担う消費・安全局を設ける等、行政の体制整備や食品安全基本法を踏まえた関係法令の整備等の施策を推進し、国民の食の安全、安心の確保に全力で取り組んでまいる所存であります。
 電気事業者の原子力発電所問題の再発防止につきましては、電気事業者への立入検査や報告徴収等により事実関係を徹底的に調査した上で、自主点検記録の不正につき、原子力事業者十六社に対し自主点検記録の総点検を指示するとともに、東京電力に対し厳重注意を行い、再発防止対策の実施を指示したところであります。
 一方、原子炉格納容器の漏えい率検査に係る不正につきましては、不正があった発電所号機に一年間の運転停止処分を行い、漏えい率検査の再実施を指示したところであります。
 また、設備の健全性評価の導入などを内容とした、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び電気事業法の一部改正が行われたところであります。
 さらに、独立行政法人原子力安全基盤機構法が制定され、原子力施設及び原子炉施設に関する検査等を行う独立行政法人原子力安全基盤機構が平成十五年十月に設立されることとなり、また、国による検査につきまして実効性向上策の実施等を進めるとともに、検査官を増員するなど検査体制の強化を図ったところであります。
 今後とも、原子力安全行政に対する国民の信頼回復を目指し、不正問題の再発防止に努めてまいる所存であります。
 以上が、平成十一年度及び平成十二年度決算に関する参議院の議決について講じました措置であります。
 政府は、従来から、決算に関する国会の審議、議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#196
○委員長(中原爽君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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