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2003/03/07 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第8号
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2003/03/07 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第8号

#1
第156回国会 予算委員会 第8号
平成十五年三月七日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     山下 善彦君
     福山 哲郎君     辻  泰弘君
     峰崎 直樹君     千葉 景子君
     木庭健太郎君     福本 潤一君
     林  紀子君     小池  晃君
     筆坂 秀世君     井上 哲士君
     松岡滿壽男君     高橋紀世子君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     円 より子君     大塚 耕平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                大島 慶久君
                国井 正幸君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                大塚 耕平君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                高橋 千秋君
                千葉 景子君
                辻  泰弘君
                藤原 正司君
                円 より子君
                若林 秀樹君
                福本 潤一君
                松 あきら君
                森本 晃司君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                小池  晃君
                高橋紀世子君
                平野 達男君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (産業再生機構
       (仮称)担当大
       臣)       谷垣 禎一君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣
       (防災担当大臣) 鴻池 祥肇君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       法務副大臣    増田 敏男君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村 隆秀君
       法務大臣政務官  中野  清君
       外務大臣政務官  日出 英輔君
       厚生労働大臣政
       務官       渡辺 具能君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
       経済産業大臣政
       務官       西川 公也君
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       長        江利川 毅君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁長官官房
       長        吉村 博人君
       警察庁交通局長  属  憲夫君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       防衛庁人事教育
       局長       宇田川新一君
       総務大臣官房長  瀧野 欣彌君
       法務大臣官房長  大林  宏君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       財務大臣官房長  藤井 秀人君
       文部科学大臣官
       房長       結城 章夫君
       文部科学省高等
       教育局長     遠藤純一郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   鈴木 直和君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       厚生労働省医薬
       局長       小島比登志君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       社会保険庁次長  伍藤 忠春君
       社会保険庁運営
       部長       磯部 文雄君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省生産
       局畜産部長    松原 謙一君
       経済産業大臣官
       房長       北畑 隆生君
       経済産業省産業
       技術環境局長   中村  薫君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      迎  陽一君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     佐々木宜彦君
       特許庁長官    太田信一郎君
       国土交通大臣官
       房長       安富 正文君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省鉄道
       局長       石川 裕己君
       環境大臣官房審
       議官       小野寺 浩君
   参考人
       日本銀行副総裁  藤原 作彌君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁藤原作彌君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、質疑を百三十八分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・保守新党四十一分、民主党・新緑風会四十一分、公明党十八分、日本共産党十八分、国会改革連絡会十四分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。阿部正俊君。
#6
○阿部正俊君 昨日まで二日間、総括質疑ということで十五年度予算案につきましてかなり幅広い論議が行われてございますが、論議されましたように、正にイラク情勢がどうなるのか、あるいは北朝鮮の問題がどうなるのかといったふうな外政上、外交上の様々な非常に際どい難しい問題、あるいは内政におきましても、残念なことですが、いわゆる政治とお金の問題とかいうことで、内外とも課題山積だということでございますけれども、今日は、昨日まで行われましたので、今日は少し、何というか、淡々とといいましょうか、内政の幾つかの問題について触れてみたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に、財政問題というふうに一言で言っていいのかもしれませんけれども、日本の置かれている国の役割とも通ずるんではないかと思うんですが、その前提になる国の財政構造というものにつきましてお話をお伺いしたいというふうに思っています。
 七百兆円前後の、あるいはそれを超えようと思われる累積債務の問題、重いおもしだと思います。それから、毎年の、十五年度予算もそうですが、相当大幅な割合で国債依存になっている財政構造というふうなこと、あるいは、後でもう少し触れますが、歳入規模そのものが、例えば先進国のヨーロッパ諸国なりアメリカなんかと比べましても、歳入の規模そのものが正直言ってこれが世界に冠たる日本の財政規模なのかなと思わざるを得ないような感じも正直するわけです。
 これから先の日本の果たすべき国際的な役目、あるいは力強く前進する日本ということを考えたときに、今の財政状況で果たして先々見通しできるのかなというふうな感じも持つわけでございますが、かつていろんな財政構造の危機的な状況を表現するときに平成維新という言葉が使われました。久しいことだと思います。明治維新、それから昭和二十年から始まりました戦後の回復のときの大きな変革、それに匹敵する改革であるというふうなことを言われましたけれども、どうも正直申しまして、昨今の状況といいますのは、そうしたふうなある種の危機意識といいましょうか、大きな変革に対する覚悟といいましょうか、というものが私どもの政治家もあるいは国民の皆様方も少し薄くなっているんじゃないかなという気がいたしますけれども。
 最初に、そうしたふうな現在の置かれている広い意味での財政構造といいましょうか、ことについての御認識ということについて、そうですね、経済財政担当竹中大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、日本の財政構造というのは本当にぎりぎりのところに来ているというふうに認識をしております。御審議をお願いしております平成十五年度の予算におきましても、歳出を削減して無駄を省こう省こうと努力しているわけですけれども、それにもかかわらず国債依存度は四四・六%という高さになっていると。政府債務のGDP比も、これもその一四〇%とかに近く、七百兆ですからそうですね、一四〇%に近い数字にもうなってきている。
 我々としてやはり一番懸念しなければいけないのは、これは借金でありますから金利を支払わなければいけない。借金の金利を支払うために更に借金をしなければいけないというような状況になりますと、これはもう正に破滅的な状況になっていくわけで、それをやはり食い止めなければいけないという今ぎりぎりのところに来ているというふうに認識をしております。
 そのような観点から、今後、そのプライマリーバランスを十年程度で回復させるような、そういう改革の展望を持って厳しい認識の下に運営をしているところでございます。
#8
○阿部正俊君 表現すればそういうことなのかもしれませんけれども、だが、もう一つ、国民に訴えるというような言い方はちょっと不遜かもしれませんけれども、その瀬戸際的な状況にあるということについての認識の共有というのが必ずしも国民と行われていないのではないかなという気がするわけでございますが、それは理屈というよりも心構えみたいなものが、私、これからのこの難局を乗り切っていくために是非共有することが必要なのではないかなという気がしますので、紙で将来の展望とかというと何となくうまくいくようにすぐ見えちゃうんですけれども、そういうことよりも、何というんでしょうか、覚悟というと非常に、塩川大臣のあれにしても、我々の、少し年代が古いのかもしれませんけれども、そういう心掛けみたいなのがもう一つ欲しいなという感じがするし、ある意味は、昔、「男子の本懐」という本に出ていました何人かの我々の政治家の先輩の方々の軌跡その他を見ますと、今の状況はそれに類する状況なのかなという気もしないでもありません。
 それだと、正にあのときにそれを担当された政治家である方々、あるいは井上準之助さんなんかも含めて、正に命を懸けた、結果的に、残念なことですけれども、なったわけですけれども、それはいいとは言いません。だけれども、そうしたふうなことにつながるようなくらいの心掛けで今取り組む必要があるんじゃないかなという気がいたします。
 よく、痛みを伴うというふうな表現がございますけれども、私は痛みというのはちょっと違うんじゃないのかな。僕は、むしろ痛みではなくて、いろんな構造が脱皮しなきゃいかぬと、変えることによって脱皮していくんだということ。脱皮というのは、痛いかどうかではなくて、その作業を止めればそこで終わりということだということではないかなと、そんな気がするわけです。
 お産もそうです。出産のときに陣痛があります。大変な作業です。途中でやめたら母子ともに死にます。日本の置かれているような状況というのは、そうした表現にむしろふさわしいのではないのかなと。脱皮というのは、さなぎがチョウになるとき、あるいはセミが抜け殻を抜いて飛び立つとき、必ず行わなければいけません。大変な作業です。これを私どもはもっと責任を持って、次の世代に対する責任を持ってやっていかなきゃいかぬのじゃないか。それは、私どもも含めた大人の世代の責任ではないのか、そんなふうに私は思います。
 それが、何か将来の展望がないとかいろんなことはありますけれども、バラ色のものを示すことではなくて、そうした覚悟と道筋を、しっかり見通しの立つものを国民に示すことによってこの難局をともに乗り切っていこうではないかという呼び掛けこそが今私ども、特に責任政党である私どもに課せられた責務ではないのか、そんなふうに思っております。
 そういう精神論だけで終わるつもりはありませんけれども、どうか、そういったふうな認識について常日ごろから国民と共有できるようにしていってもらいたいな、改めてお願い申し上げたいと思います。
 そういう意味で、時間もありませんのではしょりますけれども、どうかひとつ、ほっておいて何かインフレターゲットだとか、あるいは一%、二%の成長だとか、何とか手練手管でうまいことやればうまいこといくんじゃないかというふうな感覚が最近少し出てきているような気がしてなりませんけれども、それじゃないだろうという気がするわけです。というふうなことで、どうか、うっかりするとそういうふうに流れがちでございますので、そこは、塩川先生、昔の金解禁のときの財政当局の緊縮財政のことを言うわけじゃありませんけれども、そのときの覚悟のようなものを是非共有していってもらいたいなというふうにお願い申し上げておきます。
 先、進みますが、今、竹中大臣から全体の状況についての御説明がありましたけれども、国民から見れば、端的に言えば、私はいわゆるサラ金地獄というのとどこが違うんだろうかと。たとえプライマリーバランスと言われたとしても、回復したと、それもしかも二〇一〇年、後でちょっと触れますけれども、二〇一〇年という話だし、それでもせめて、やるのは、利子はそのままにしていて増えていくわけですよね。それもサラ金地獄とどこが違うのかなと。
 プライマリーバランスを回復したとしても、その辺、何かもう少し国民と、感覚で、家計とは違うんだと思いますけれども、何かサラ金地獄とどこが違うのかなというようなことをちょっと御教示いただきたいと思います。
#9
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、今求められているのは、技術的なものではなくて、私たちの社会を子供たちのためにしっかりしていこうよという本当に志の部分なのだと思います。そのことを私たちも強くやはり感じておりますし、訴えたいと思うんでありますが、今正に起こっていることはサラ金地獄とどこが違うのかと。
 ある意味で、先ほど申し上げましたように、我々が抱えている本当の問題は、これ、借金をすると必ず利子を支払わなけりゃいけない。その利子を支払うために更に借金をしなきゃいけないと、その借金の残高というのは無限大まで拡大していくと、もう収拾が付かなくなると。その意味では、日本の経済は正にそうなりかねない、やはりサラ金地獄になりかねない危機に瀕していると。ここは、もう私はやはりそのように申し上げてよいのだと思っております。だから、そこをせめて、せめて借金が無限大まで拡大しないようにしようではないかと。借金は高止まりまだするんだけれども、その意味では、非常に控え目な目標を掲げたのが実はプライマリーバランスを回復させるということになります。
 その意味合いは、昨日、一昨日等々で少し議論させていただきましたけれども、金利を支払う前の収支はせめてとんとんにしていこうよ。これは借金がそれによって即減るわけではありませんから、即減るわけではありませんから、非常に控え目なといいますか、その意味では、見方によっては、厳しい見方をする方からするとまだまだ不十分だということになるかもしれない。しかし、経済の地合いが非常に弱いということも踏まえて、当面、二〇一〇年代初頭に回復するというその目標に向かって、当面、経済をやはりきちっと立て直していこうではないのかというのが今の立場でございます。
 その意味では、危機感も持っておりますし、本当にここはしっかりとやらなければいけない、私たちの社会の在り方が根本的に問われているところだというふうに思っております。
#10
○阿部正俊君 プライマリーバランスと、大変テクニカルな私は説明だし、なかなか国民も理解していないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。
 それで、塩川大臣、ちょっと非常に常識論でお尋ねしたいんですけれども、プライマリーバランスというのは、借金はまだ残っている状態をいうわけですね。利子も増えていくという状態をいうわけですね。ただ、ほかの経済が、もし仮定として経済が成長があればまあ何とか維持できる社会がそこで止まる、何というかな、そこからスタートと、その状態を取り戻せるんではないかというだけの話でございますので、借金は返さないという、とは言いませんけれども、そういうことをいうんだろうと思うんですね、増やさないということですから。
 で、大臣、大臣の年齢、年代といいましょうか、からすると、借りた金は返すというのは当たり前の論理じゃないのかな、こう思うんですけれども、大臣、どう思われますか。
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん阿部先生おっしゃるように、返した金は返さない、当然でございます。けれども、考え方でございまして、一つは、先ほど竹中大臣の話のように、取りあえず国債の発行を停止させて、より以上の国債の負担を起こらないようにしようというプライマリーバランスを取ると、これを目標にしていると。それじゃどの程度にするのかと、国としてもやっぱり資産は持っておるんです。確かに国として負債は今四百五十兆円ぐらいあって、公的負債全部で七百兆近くになっておりますけれども、しかし資産はやっぱり持っていますから、この資産をうまく活用して借金を減らしていくということをやっていくということを一つと、それからもう一つは、やっぱり経済の活性化ですね。私たちの一つの目標として、経済成長二%やってくれれば、それを持続的に続けてくれたら相当財政は改善してくると思っております。
 ここで難しいのは、財政の堅持をするために、無理やりに借金を縮めるために無理をした財政をするのか、あるいはまたそれと並行しながら、それはそれとして解決するとして、景気の刺激策を絶えず取りながら経済活力によって国の財政を良くしていくのかという、どちらの方向に重点を置くかということが大事だと思っておりまして、私たちはまずこの小泉内閣としてはどうしても構造改革をして、そこから生み出してくる利益によって財政の構造を変えようと、こういう考え方に立っておるということでございまして、これはやっぱりその内閣が持っておる当然の哲学といいましょうか思想といいましょうか、それによって政策も変わってくると思っておりますが、小泉内閣としてはそういう思想を持っておるということでございます。
#12
○阿部正俊君 もっと端的にお答えいただいた方が良かったなと思うんですけれども、やっぱり借金はいずれ返すということが倫理なんじゃないのかなというふうに思うんです。それは、来年から十兆円返せとかいうことは、それはあり得ない話でございますし、事情は分かります。だけれども、やはり私どもの、国、たとえ国であれ、そういう素人で個人個人に要求される倫理というものは国であればもっと強い倫理が要求されてしかるべきなんじゃないのかなと思うんですけれども。例えば、五十年掛けても六十年掛けてもこんなふうな段取りで返していきましょうぐらいのことは私は提案されてしかるべきなんじゃないのかなと、当面プライマリーバランスだというところでとどまるというのはいかがなものだろうかなという気がするわけですけれども。
 改めてお伺いしますが、プライマリーバランスの回復、二〇一〇年、しかも相当先ですよね、ということになると、何というか、そのプライマリーバランスの回復、二〇一〇年の初頭と言っていますから、何か二〇一三年か一五年とかという話もありますけれども、何年かともかくとして、相当先であります、それすらも。その先はどうなるのかということを考えると、私が言ったようなことの判断を迫られるわけですけれども、改めてお伺いします。プライマリーバランスの回復という一つの当面、当面というか目標というのは通過点なのか、それともそれがゴールなのかということについてお尋ねしたいと思います。
#13
○国務大臣(竹中平蔵君) 阿部委員の御質問は大変深い御質問だというふうに思います。
 もちろん、借りたものはやはり返すということでありますから、プライマリーバランス、借金を増やさないというだけで十分だというふうには私も個人的には思っておりません。ただ、当面見通せる、責任を持って見通せる期間というのは五年か十年だというふうに私は思いますけれども、その期間に関しては経済の、先ほど言いましたように弱い地合いということもあって、これはやはり今申し上げたようにプライマリーバランスを回復させる、つまり借金を増やさないということに当面やはり全力を挙げざるを得ないのではないかと思っております。その先については、これはもちろんそのときの財政が好転すればこれはやっぱり返していくといいますか、そういうプランはプランとしてやはりしっかりと持たねばいけないと思います。
 これ実は、財政赤字にかつて悩んだ国として知られるのは、ナポレオン戦争の後のフランスと第二次世界大戦の後のイギリスというのが大変巨額の財政赤字を抱えた、借金を抱えたということで有名なところでございますけれども、そういう国も、やはり当面は借金を増やさない、その間にある程度経済が成長してくるので、相対的な、経済力に対する相対的な借金の負担を減らしていったというような経験があったというふうに聞いております。
 その意味では、国債に関する政策、国債管理の政策ですね、借換えとか返すものは返していくとか、その政策は政策としてしっかり一方でやっておいて、マクロ的には当面十年間のプライマリーバランスの回復を目指す、その上で、しかし、これやはりその意味では通過点でありますから、更に健全を目指して努力をしていくということではないかと思っております。
#14
○阿部正俊君 いろいろな御説明ありましたけれども、言葉としては通過点であるということだと思いますし、大臣もそういう表現を使われたと思います。多分、二〇一〇年初頭まで竹中大臣が大臣のままでいるということはないんだろうと思うんでございますけれども、そのころの経済、財政について、当たる方の心構えというか、責任といいましょうか、というものはあくまでも通過点だということは共有してもらいたいもんだなというふうに思います。
 そうでなければ、国の将来への統治といいましょうか、ということ自体が少し揺らぎかねない面にもつながっていくのではないかと。当面良ければいいやということであって日本の未来はないというふうに私は思います。つらくてもやはり次へのステップを踏んでいく、次の世代のことも考えていくというのが日本の未来を考えることではないのかなというふうに率直に思いますので、どうか今のお言葉は、そのころの二〇一〇年初頭の大臣にもその覚悟で臨んでいただきますようにやっていってもらいたいなというふうに思います。
 さて、そういうことからしますと、ここで、ちょっと観点が違うんですが、あわせて、次の世代とのことが大変私、気になるものですから、厚生労働大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、今言ったように、少なくとも二〇一〇年、あるいはその先まで、どうも二〇一〇年代初頭でもプライマリーバランスというのは、借金はまだまだ増える世界ですよね。となると、年金というのは言わばもう既に世代間扶養になっております。そうすると、借金は残されるわ、老後の年金をそれに頼むわというのはちょっと虫がよ過ぎるのかな、常識論で言えばですね。というようなこともありますけれども、そういうことを考えると、やはりどうも私どももう少し覚悟を持って臨まないといかぬのではないかなという気がしておりますけれども。あるいは、これから生まれてくる子供もその辺のことも予測して、いわゆる少子化ということが起きているのではないかと。何か生まれてもこない子供たちの声が聞こえてきそうな感じがしますけれども。
 この辺のことについて、誕生のときから借金を背負わされ、あるいは次の世代の年金を、賦課方式ですから、支えていかなきゃいかぬという子供たちのことも考えて、言わば年金担当大臣である坂口厚生大臣の何か御認識といいましょうか、感覚をちょっとお尋ねしてみたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#15
○国務大臣(坂口力君) 阿部先生の非常に大きな立場からの財政に対するお考え、大変傾聴に値するお話だと思って聞かせていただいていたわけでございます。
 私の方が担当させていただいております社会保障といえども、やはり後世に負担を残すことがあってはならない、その時代その時代にやはりお互いに負担をし合っていかなければならない問題だと思っております。
 戦後、社会保障というのは国家保障的な考え方に立った時代がございましたけれども、最近は自立と連帯ということが社会保障の根幹であるということになってきておりますし、当然私もそうでなければならないというふうに思っております。
 したがいまして、現在のこの財政的な厳しさというものが少子化に結び付いているかどうかということの分析はなかなか難しいんだろうというふうに思いますけれども、しかし関係していないともこれは言い切れない話でございます。
 いずれにいたしましても、私たちが現在生きている同世代の中での自立と連帯だけではなくて、そして将来の私たちの子供や孫たちの世代との間のやはり連帯というものも考えに入れて、そして私たちだけがプラスに、得をして将来にマイナスを残すというようなことがあってはならない。そこは一番注意をしていかなければならないと思っております。
 そうでなくても、現在、少子化が非常に進んでおりますし、このままでいきますと、特に二〇三〇年から五〇年という、したがいまして今年生まれたぐらいの赤ちゃんがいわゆる日本をしょって立つ時代、その時代に年齢構成からいきますと最も厳しくなるわけでございますし、その時代に生きる皆さん方のことを考えますと、やはり私は現在考えていくべきことはしっかり考えて対応しなければならない、とりわけ後世に関係いたします年金につきましては、そのことを十分に考えてやはり新しい年金制度というものを立案しなければならないというふうに思っております。
 今年いただきました年賀状の一つに、一人に、昨年から年金をいただくようになりました、大変有り難い制度だというふうに思っておりますが、どうぞひとつ多少私たちの年金が減りましても子供や孫たちにこの制度が残るようにしてもらいたいという、そう書かれた賀状がございまして、大変感銘を受けた次第でございます。
#16
○阿部正俊君 ありがとうございました。
 最後に御紹介されましたそういう年金受給者の御発言というのに、まだ国民の中にそうした健全性というのが残っている証拠ではないかなというふうに思いますので、どうかひとつ財政再建といいましょうか、財政というものはそういう世代との連帯の中で初めて、何も年金だけじゃなくて、財政全体がそうなんだということを是非考えていただきたいし、財政構造改革のあれも、景気回復がどうとかいうことももちろんありますが、もっと長い目で見ると、そうしたふうな国民の世代間の連帯ということを、つまり日本の国というものの存続ということにかかわる問題であり、そうしたふうな国民の今、大臣が紹介されたような感覚にむしろ訴えていくといいましょうか、というふうな発想も是非必要なんではないかなということを申し添えておきたいと思います。
 それで、財務大臣にちょっとお尋ねしますが、ある種の、財政規律とよく言われますけれども、どうも言葉だけ財政規律財政規律と言われるような気もします。金庫番としての収支を合わせるというだけじゃなくて、もっと政治も、あるいは国民の御認識も、やはり収支そろって初めてまともな政策よというふうな物の考え方といいましょうか、言うことだけ言ってそれで終わりということじゃやっぱり、それは何のいいことを言っても駄目だよというふうなことが、もう少しやはり我々政治家も、特に政治家はそうですが、考えておかなきゃいかぬのじゃないかなという気がするわけです。
 そういう意味での、金庫番的な意味での財政規律じゃなくて、なくてと言ってはなんですけれども、それも含めての考え方ですけれども、我々の論議自体が、あるいは政治の中で展開されるいろんな政策論も、どちらか一つの収支バランスといいましょうか、当然のことですが、取らなきゃいかぬのだと思います。
 アメリカの言葉かもしれませんけれども、ペイ・アズ・ユー・ゴーという言葉がございますね。何かいかにも金次第で非常に冷たいとかと言われますけれども、逆に言うと、そこのところをしっかりすることによって初めて本当の言わば豊かなというか優しいというか心のこもった政策ができるんだということは間違いないことでございますので、そこは無視するようなことは許されないということをむしろ考えるべきじゃないかと思います。
 私の知っている限りでは、ある国では政党が政策論争をやります、選挙のときに。そうすると、政策、その政党の政策論を、マニフェストというんでしょうか、というものが、収支バランスがどうなるんだということをある第三者の公的機関に評価をしてもらって国民に出さなきゃいかぬというふうな仕掛けもある国があるそうでございますけれども、どうも、そういう意味でこれからの財政構造を考えるときにも、それが金が足りなくなったからじゃなくて、本当の財政民主主義といいましょうか、というものを考えるときにそうしたふうな考え方というのを強調してもらいたいものだなというふうに思いますけれども、財務大臣、いかがでございましょうか。
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) 今おっしゃる問題点が、やっぱり一番重要な、財政を担当する者の心得だと思っております。
 私は、財務大臣になりましてから、財務省の中にプラン・ドゥー・シーという考え方を植え付けようと一生懸命やっておりまして、現在、その方向にだんだんと向いてきておることと思っておりますが、おっしゃるように、政策効果というものを全然考えないで次から次へと予算を組んでいる。これは金が、税金がどんどんどんどん勝手に入ってくるから、それを使うことのみ考えておると。そういうことでは駄目なんで、政策の効果がどうだったかということをこれは真剣に考えると。
 したがいまして、十四年度予算のときから、この政策評価を予算に反映させるということをいたしました。その一つの方向として、その制度が本当に社会的ニーズに合うておるかということを考えてみろということが一つ。それから、いろんな仕様書、やり方、こういうものが適正なのかどうか。例えば、道路の構築一つ見ましても、こんなに一キロ七十億、八十億掛けなきゃならぬのだろうか、もっと簡単な道路でいいんじゃないのかという、そういう評価もしてみたらどうだろうと。それから、制度につきましても、いろんな補助金制度ございますが、そういうようなものは本当に喜ばれておる制度なのか、それがあるためにかえって社会的に不公平が起こっておるのか、そういうようなものも考えてみろということになりました。
 これは今後、私は、経済財政諮問会議、総理が議長をやっております、これにかけて協議していただいて、その成果を確実なものにしたいと、制度的にどうしてやるかということをしたいと思っておりまして、阿部先生の要求も、私はそうおっしゃる気持ち、全く同様でございますので、それは実際やっていきたいと思っております。
#18
○阿部正俊君 財政問題の最後にしたいと思うんでございますが、よく消費税というのが議論されます。私も、例えば、既に法律上も想定されております、基礎年金に対する、まあ消費税とは書いていませんけれども、財政の国庫負担を増やすというふうなことが書いてございます。
 そうなると、やはり税というのはどうなのかということを考えますと、確かに今、大臣もおっしゃられましたように、削減をするだとか効果の測定をちゃんとしてもっと歳出を減らすとか、当然のことだと思いますけれども、どうも今の財政規模からしますと、例えば、たとえ名経済学者と言われる竹中大臣にいたしましても、今の財政規模で将来のプライマリーバランスの回復及びその先を見通すことは果たしてできるのかなと。それをどう、不安の解消というより、何もしない、良くしてくれと言うほどの、日本の国民というのは私はそんな欲張りじゃないと思うんです。将来の見通しをどう付けるんですかねというところが言ってみれば不安だということなんでございまして、できるだけ安く済むようなことをしたいという、そういうけちな人ばかりではないと思いますよね。
 将来の見通しを国としてどう付けるんだということを今問われているんじゃないかと思いますと、財政規模というのは、どうも私の見たところ、特に消費税と、あとは個人所得税といいましょうか、この辺は外国に比べましても何か随分貧弱ではないかという感じがするわけです。専門的な議論よしますけれども。そう考えると、五百兆円を超える国民総生産を持つ我が国、世界的にも、どっちかといいますと昔に比べたら大きな国になっているはずでございます。その役目を果たし、世界の中で生きていくために、国が果たさなきゃならない役目のためにいただくのが税金でございますので、これをできるだけ少なくするのがいい政治だということじゃ私はないと思うんです。しかるべき役目を果たし、力強くこの日本を構築していくためには、それなりの規模の財政収入というのは当然に国民に理解してもらわにゃいかぬし、確保できるようなことをしなきゃいかぬと。逆に言うと、それが政治の信頼度なのかなという気もしないでもありません。
 ということは、ともかくそうしていかなきゃいかぬ。そのときに、どうしても着目されるのが私は個人所得税であり消費税なのかなというような気がしますけれども。どうもそういう意味で、今の財政規模、あるいは歳出削減はともかくといたしましても、どうしてもやはり本来の国の役目というのを果たしていくためには今のことでいいのかなということを考えると、どうも私は貧弱過ぎるんではないかというのは率直に思いますけれども、これは現職閣僚として財務大臣なり竹中大臣なりがなかなか言いにくいことかもしれませんけれども、やはり将来への見通しをきちっと付けていくということからすると、今すぐはともかくとして、将来への課題の一つだということについての真剣な論議と、私は見通しと見解というものは持っていただいてしかるべきなんじゃないのかな、こんなふうな気がしますけれども、これは塩川大臣、ちょっとお答えいただければ有り難いと思いますけれども、どうでしょうか。
#19
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちも実は大胆な改革案も提案してみたいと思っておりますが、しかし改革の過渡期というものはやっぱり調整ということで、ある程度、何といいましょうか、すっきりした姿が出てこないんです。
 例えば、今度の義務教育負担行為でございますね、これの芽出しをいたしました。この改革につきましても一歩前進いたしましたけれども、中身を見るとやっぱりその中には調整が含まれておりますので、すきっとした財源移譲の格好にはなっていないという格好になっております。
 私は、今回の問題として、国と地方との在り方というところに、今ちょうど阿部先生がおっしゃるような、一回すきっとした改革の実を出してもらいたいと。そうすることによって、これが一つのベースになって、国の全体的な行政の大改革が行われていくんではないかと思って期待しておるところです。
#20
○阿部正俊君 今の点につきまして、消費税について経団連の奥田会長以下がまとめられたプロジェクトでは、毎年一%ずつ上げていって、一六%程度ですかということでという話がございましたが、ある意味じゃ、法人税を据え置いて個人にというふうな感じがある意味じゃないというふうに言えなくはないんでしょうけれども、一つの見識なんじゃないかなという気がしますけれども、それも含めまして、同じようなテーマについて、竹中大臣、一言でどうでしょうか。
#21
○国務大臣(竹中平蔵君) 阿部委員の指摘しておられる点は大変よく理解できる、またしっかりと我々が勉強しなきゃいけない重要な点であるというふうに思っております。一般論として、今後高齢化社会が進む中で消費税が果たすべき役割というのは私は当然大きいというふうに思いますし、そういうことはしっかりと念頭に置いていかなければいけないと思います。
 財務大臣の御答弁にもありましたけれども、基本的な小泉内閣の立場というのは、プライマリーバランスを回復させるために、まず歳出の規模を抑制していこう、大きくしないようにしていこう、そういう努力をまずしようと。しかし、これは「改革と展望」の中に明記しておりますけれども、二〇〇六年ぐらいまでについてはそういう方向で行って、しかしそれ以降についてどのような形で収支の改善をしていくかについては国民負担の在り方も含めて二〇〇六年度までに結論を得るようにしよう、そういう形になっております。
 総理は、そういう意味も含めて、議論はこの問題はしっかりとしろというふうに言っておられるというふうに理解をしておりますので、その議論の中で委員御指摘のような点を我々も深めていきますし、是非国民に広く議論をしていっていただきたい点であるというふうに思っております。
#22
○阿部正俊君 それじゃ、いったん財政問題について終えまして、その具体的な関連する問題の一番大きなものとして社会保障の問題について、年金と介護の話をちょっと申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最初に、年金の話でございますが、今、年金制度についてかなり大胆な提案を厚生労働省も試案という形で出されておられます。新しい時代の年金改革、今までの発想ではなくて、正に世代間でどう支え合っていけるのか、長続きできる年金というのは何なのかというふうな視点からの提案だと思いますし、特に世代間のバランスということを一つの力点といいましょうか、ポイントに、柱にしたということは、私は評価といいましょうか、正当なことではないかなという気がするんですけれども、次期年金改革についての幾つかのこれから質問していきますが、まず大臣の基本的な考え方といいましょうか、ことについて確かめさせていただきたいと思います。どうでしょうか。
#23
○副大臣(木村義雄君) 先生の御質問でございますけれども、御承知のように、来年度、平成十六年度に年金の財政再計算ということで法案が提出されるわけでございます。
 その中で、今回改正のポイントは、実は今まで五年ごとにこの再計算を行ってまいりました。そして、五年ごとに、簡単に言いますと、推計とどうも乖離が生じまして、そのたびにこんなに違うんじゃないかというような問題点がありました。それがやはり年金の信頼性というようなところにもつながりかねないわけでございます。そこで、今度の改正は、もうその五年ごとの再計算をしなくて済むような方法はないだろうかと、こういうところが一つの大きなポイントでございます。
 そして、そのためには、一番問題なのは、先生がおっしゃられたこの後の時代の方々の負担、これをどうするかと。これはやはり上限は決めようと。もうこれ以上はなかなか難しいんじゃないかという、その負担の上限ということを設定する必要があるだろうと。その上限といいますのは、大体欧米を見ていますと、大体一つの大きなポイントはやっぱり二〇%、この二〇%の上下においてどういう上限を設定するかと。その上限を設定いたしまして、そこであとは、その調整は給付のバランスを、給付と負担のバランスを図ると。と申しますのは、やはり少子化の進行状態とか経済の変動によってどうしても違ってまいります。その変動するところは、その給付と負担のバランスをその上限の範囲内で、組合せによってこの支給の点も決めていこうと、こういうような中身でもって今度の年金改正の中身を出していきたいと。
 そういう中で、一体幾らもらえるんだろうというようなことも、これも非常に国民の皆さんの関心事でございますので、その中で、いつでもこの受給者の方々、また今、保険料を納めている方々も、このまま納めていけばどのぐらいもらえるんだろうかというようなことが分かるようなポイント制も導入させていただきまして、今のこのままでいけば幾らもらえるというようなことも中身の中に入れてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
#24
○阿部正俊君 時間がなかなかないんで、ひとつ年金についてはあれですけれども、一つだけお聞きしておきます。
 世代間連帯ということで前提にしていきませんと、年金制度というのは大改革でございますのでうまくいかないと思うんですが、そういうときに、私は、被用者年金についての少なくとも共済組合の存在というのは、やはり連帯ということからするとどうも問題なんじゃないのかなという気がいたします。
 国家公務員共済、それから地方公務員共済、あるいは、非常に少ないんですが、私学共済というのがあります。この辺もやはり、国民連帯という、世代間連帯ということからしますと、公務員についてプラスアルファ、まあ何というかな、労使関係どうするかと、それは別の問題はあっているんですけれども、公的年金ということを考えますと、一元化というのは当然のことじゃないのかなと。それをしないと、何か自らしなければ人に言える話ではないんで、どうしてもそこのところをはっきりさせていただき、一元化の方法というのをはっきりさせて、いつからどうやるんだということ、前提なんじゃないかなという気がしますけれども、これについて一言、厚生労働大臣と財務大臣から一言ずつお伺いをしたいと思います。
#25
○副大臣(木村義雄君) 共済年金との一元化のことでございますけれども、実は先般も農林年金との一元化を、厚生年金との一元化を実現したところでございます。
 それから、これからでございますけれども、まず国家公務員共済と地方公務員共済、これは平成十六年度の改正におきましてこの両年金間の財政の一元化等を行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
 それから、私学につきましては、まだまだこれ、私学は年齢構成が若いんでございまして、まだ危機感が多少ほかの年金との違いもありますものですから、これは検討の対象になるだろう、これから検討してまいりたいと、こういうふうに思っていますし、いずれにいたしましても、二十一世紀の初頭において、先生が御指摘になったこの年金の一元化、これが実現できるようにこれから取り組んでまいりたいなと、このように思っているような次第でございます。
#26
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、平成十三年三月の閣議決定におきまして、まず国と地方の共済制度について一体化が考えられないかと、こういうところからスタートをいたしまして、これは両方ともいわゆる公務員でございますので、まず国と地方の公務員というところの制度を一体化していこうというところからスタートをさせていただいたわけでございます。
 民間との、国との、公務員との問題につきましては、こういう問題が一段落しまして、それからいろいろと問題もございますのでその後に、先ほど厚労省の方から話ありましたとおり、それ以降、この民間と国の問題については議論をしていくということになっているところでございます。
#27
○阿部正俊君 時間が制限されていますので、年金についてはそのくらいにいたしまして、最後に一、二問、介護問題について触れてみたいと思います。
 介護保険成立、スタートして三年程度だと思いますが、一つの問題点としては、在宅と施設入所とのバランスがそこに欠けているんではないかなという認識がいたします。したがって、せっかく要介護度の認定というのをやったわけですから、私は、施設入所を選ばれるのか在宅での生活というのを選ばれるのか、これはむしろ制度的にはどちらかのインセンティブを掛けるんじゃなくて中立的にやってもらいたいなと、こんなふうに思います。
 そういう意味で、この辺についてのこれからの改革の御認識をどうするのかということと、その際に、一つの案、考え方として、衣食住の負担、支払はむしろ個人が出しますよというようなことにして、介護保険はむしろ対象から外してみてみるということを考えて、これについては資料等ちょっとお配りをさせていただいておりますけれども、私の提案としては、むしろ払えない人については別途、個別的に代替支払基金制度というようなものをもって対応していくと。
 一律に、何か施設入所の場合には衣食住の給付はして、在宅の場合には一銭も見ていないとか、その逆な意味で、施設入所については、介護については評価するけれども、家族介護については、派遣された方については介護は見るけれども、家族がやったことについては一銭も評価しないというと、これまたバランスを欠くものじゃないかなということにつきまして、最後に厚生労働大臣の御見解をお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#28
○国務大臣(坂口力君) 介護保険制度につきまして、三年が経過したところでございまして、ぼつぼつ見直しをやらなければならないということで、今、様々な角度から検討に入っているところでございますが、おかげさまでと申し上げるのがいいのかどうか分かりませんけれども、在宅介護というものを重視をしていかなければならないということで、制度開始当初九十七万人でありました在宅サービスの利用者が、平成十四年の十月には百九十一万人とほぼ倍増をいたしてまいりまして、かなり在宅介護の人も増えてまいりました。
 しかし、一方において、施設を利用したいという御家族の御希望が非常に多いことも事実でございます。その御希望がございます皆さん方のところにお邪魔をして詳しくいろいろとお聞きをしてみますと、本当に入らなければ、施設に入らなければならない人は比較的少ない。在宅で在宅介護をお受けいただくことで十分にやっていけるという人も多いわけでございます。
 本当に必要な人にお入りをいただく、そして在宅介護が必要な人は在宅介護でひとつやっていただくということにしていきたいというふうに思っているところでございますが、委員からも中立というお話が出ましたけれども、どちらかに余り偏り過ぎるというのではなくて、やはりそうした観点、バランスの取れた観点が必要ではないかというふうに私たちも思っております。
 中身の、衣食住につきましてのお話もございましたけれども、これから、在宅よりも施設に入っている方がうんと財政的にも楽だということになりますと、ほとんどの皆さんがやはり施設にということになってまいりますし、その辺のバランスも十分に考えてこれからやっていかなければならないと思っている次第でございます。
#29
○阿部正俊君 じゃ、時間参りましたので私の……
#30
○委員長(陣内孝雄君) 木村厚生労働副大臣。
#31
○副大臣(木村義雄君) 家族に対する現金給付の話が出ておりましたので若干補足をさせていただきますと、これは、御承知のように、発足当時から、この制度発足当時からいろんな議論のあったところでございまして、様々なメリット、デメリットございます。
 そういう中で、今日は、先生の御指摘でもございますので、この次期見直しのときにしっかりと議論ができるように、先生のお言葉を重く受け止めてまいりたいと、このように思っております。
#32
○阿部正俊君 じゃ、関連質問です。
#33
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。愛知治郎君。
#34
○愛知治郎君 自由民主党の愛知治郎でございます。
 まずもって、この機会をいただいたことに先輩各議員に感謝を申し上げます。我ながらちょっと緊張しておりまして、今日、うまくできるかというふうにどきどきしておるんですが、精一杯頑張って質問させていただきたいと思いますので、どうか御協力をよろしくお願いします。
 まずもって、基本的な認識をお伺いしたいと考えております。といいますのも、経済問題、いろいろ複雑な問題、またいろんな方々がいろんな意見をお持ち、十人いれば十人十色の意見をお持ちでございますので、自分自身それを分かりやすくというか簡単に、素人の考え方でございますけれども整理をしてみたいと思います。
 それから、小泉総理の構造改革、これは総理が昨日もおっしゃっていましたけれども、全く揺るぎはない、この方針に変化はないということでおっしゃっておりました。私自身も安心をしておるんですが、その構造改革の基本的認識について改めて確認をさせていただきたいと思います。
 ちょっと資料を配っていただけますか。もう配っておられるんですか。
 資料を見ていただきたいんですが、ちょっとこれパネル見にくいんですけれども、(図表掲示)これ日経平均、長期的な日経平均の推移のグラフでございます。構造改革どのような形になっているか自分自身もそれをひもといていくという過程で、このグラフをちょっとこの場で使わせていただきます。
 ずっと右肩上がりで来て、バブルがはじけて、これからもう下がっていると。右肩下がりの状態であるというグラフと見て取れるんですが、もうちょっと分かりやすく、これ二枚目を見ていただきたいんですが、こんな単純では経済はないと思うんですが、一応、左側ですね、この頂点の左側とまず対称的に点線を引いてみました。もし、何も手を打たなければ、このような状態になっているんじゃないかと。いや、これは単純に考えたんで、モデルとして考えてとらえていただきたい、事象をとらえていただきたい。
 いろいろな政府が政策を取りまして、この点線のとおりにはならなかった。というのは、基本的には財政出動だと思うんですけれども、それで景気刺激をするということで下支えをしてもってきたんだろうというふうに考えております、私自身の考え方ですけれども。
 ただ、この財政・景気刺激策のみでは右肩上がりに再び上がらない、それが結果として出たんじゃないか。その結果としてなんですが、最終的に、これも単純なモデルとして三枚目の斜線を引いてみたんですけれども、これが借金なんじゃないか、基本的にはですね。一生懸命刺激をしたんだけれども、構造が上向きにならないような構造になっているんで、結局、借金だけたまって上向きにはならなかったんじゃないか。これが、だからこそ構造改革が必要なんであろうと、私は基本的に認識をしております。
 景気の状態がどんどん悪くなってきて、だんだんいろんな意見が出てきておるんですが、やはり最初の方針はしっかりと貫いて、やるべきことをやらないと、過去の経験に学んでやるべきことをやらないと景気は本当に回復しないんじゃないかという認識であります。モデル化して単純に考えたんですけれども、この点の認識ですね、私自身の考え方に関して御意見を、基本的な認識についてお伺いをしたいと思います。
#35
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、愛知委員の御指摘のとおり、やはり経済の地力といいますか、地力が正に構造だと私は思いますが、そこが弱くなってきている中で、しかしその九〇年代を通して経済を支えようとして財政を拡大させてきた。その結果として、地力そのものは必ずしも十分に回復しなくて、その時々の経済を支えるということには成功したんだけれども、結果として財政赤字が残ってしまった、そういう愛知委員の御認識は、私も実はそのとおりだというふうに思っております。
 繰り返しますが、この九〇年代の財政の拡大というのは、特に九八年の暮れから九九年にかけてとか、やっぱりそうせざるを得ないという非常に追い詰められた状況もあったのだと思います。
 しかし同時に、財政はいつまでも拡大できませんから、元に戻って、財政が元に引いてしまうと、また経済の地力の、実力の低いところに行ってしまって十年間やはり長期的な停滞感が抜けなかった。だからこそ、実力、地力を付けるための、回復させるための構造改革が必要なのだと、私も正にそのように認識をしております。
#36
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 構造改革、やっぱり必要だなと思うんですが、どうもぴんとこないというか、何をしているのかよく分からない部分がありまして、総論は賛成なんですが、各論の部分、どういうふうにひもといていったらいいんだろうというふうに思っていたんですが、この図を見て、基本的には右肩下がりになっちゃっている、この点線なんですが。この傾向、どういうことかなと思ったんですけれども、今、デフレということが盛んに言われております。そして、これを解決しなくちゃいけないということが声高に叫ばれておりますが、何のことはない、この右肩下がりの基調、デフレというのはこの右肩下がりの基調の単なる表れであると。それが明確に具体的に出てきた、その現象、事象が出てきたものだと私自身は認識をしております。
 だからこそ、そのデフレを解決することがこの構造改革に直結をするんではないか、そういう考え方を持っておるんですが、竹中大臣の御意見をお聞かせください。
#37
○国務大臣(竹中平蔵君) 右肩上がり、右肩下がりの議論というのはいろいろなされているんだと思います。
 現実問題として、特に資産の価格に関していいますと、本当に委員の図の示すように極端に低下をしてきていると。しかし一方で、例えば我々の所得の合計であるところのGDPについては、実は右肩、極端な右肩上がりではなかったけれども、九〇年代を通して決して右肩下がりにはなっていないわけです。その上がり方が、かつての四・五%ぐらいから一%ぐらいになってしまったということになる。ですから、やはり所得を上げていくということはやっぱり国民の生活を豊かにする意味で重要でありますから、そこはしっかりと私たちの言わば稼ぐ力、地力を高めて構造改革を進めていくということだと思っております。
 一方で、デフレというのは価格の動きでありますから、その価格をどのようにうまく運べるようにしていったらよいのかと。これはまた、やっぱりここは、どうしても価格は少しGDPとは違う別の動きもありますので、複雑になってくるんですが、それでもやはり所得がどんどんどんどん上がっていけば物価もある程度上がってくる環境になる。したがって、経済活性化が重要である、そのためのやはり構造改革が重要であると。
 一方で、これは貨幣的な側面もありますので、マネーが、世の中に流通するお金の量がもっと増えるような、そういう金融面からの工夫も必要なのではないか、そういう形で私自身は問題を整理しております。
#38
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 ちょっと自分自身も素人なので、細かい話というか専門的なしっかりとした分析、なかなかできないんですが、まず単純に、ますます単純に考えたいと思うんですけれども、その物価の問題、まあ単純過ぎても困るんですが、物価の問題も、これは逆に、単純なもので価格一つだけではなくて、高いものもあれば低いものもある。一律に価格が上がればいいというものでは私自身はないとは考えておりますが、まあそれはおいておきまして。
 このデフレ、いずれにせよデフレは解決しなくちゃいけない。そのときに、分析をしたいんですが、デフレの要因ですね、基本的に言われていることはどういうことでしょうか、聞かせてください。
#39
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレの場合に、土地や株といういわゆる資産のデフレと、一般的な、我々が物を食べたり着たりする一般的な物価のデフレの問題がありますが、一般的なものに関して申し上げるならば、やはり三つあるということだと思います。
 一つは、景気が悪いという言葉に集約されるんですが、需要が弱くて、需要が弱い、消費が弱い、そういう中で供給力に対して需要が弱いんで物価が下がるというような一つの要因。二つ目は、これは物を作る側の要因。中国で良い安いものが作られて日本に入ってくる、パソコンの値段が技術進歩でどんどん安くなってくる、そういう供給側の要因、これが二つ目だと思います。三つ目が、先ほど申し上げましたお金の要因、マネーの要因。お金が出回る量がいろんな要因から少ないので物価が弱くなっていく、弱含みと言ったらちょっと怒られるのかもしれませんのですけれども、そういう要因が重なり合っているというふうに思っております。
#40
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 三つあると、一般的な、私自身もそういうふうに認識をしております。需要が変化してきておるということと、内外価格差の問題ですよね、外的要因、それから金融、これはシステムの問題も含めて金融全般の問題であると。これを一つ一つクリアをしていかなくちゃいけないというふうに考えまして、小泉内閣の方針どおりに、自分自身として検証してみましたが、確かに頑張られておられるんだな、そのとおりの方向性であるのだなというふうに基本的には考えております。
 まず、需要の変化なんですが、これはやはり変化に対応するためにはいろいろな施策を講じなくちゃいけない。その一環として、一番のメーンなんですが、民間でできることは民間で、地方でできることは地方で、民間活力とか地方の活力を活用することでこの需要の変化、社会の変化に対応していこう、この路線は間違いないんだろう、確かにそのとおりだろうと思います。
 この中身についてちょっとお伺いをしたいんですが、基本的に、民間、官から民へ、中央から地方へという流れ、いわゆる規制改革であるとか地方分権の流れだと思うんですが、その施策の、大きな一つの施策として構造改革特区というのがありますが、この点について、進捗状況というか進行状況を大臣にお伺いしたいんですが。
#41
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまの委員の御質問の中で、構造改革いかなるものか、こういうことであります。構造改革の中の非常に大事な部分、ただいまの御発言のとおり、官から民へ、あるいは中央から地方へと、こういうことであります。これはなかなか進まない、だから特区という構想をもって進めようというのが小泉内閣の一つの方針でありました。私も、担当をさせていただきましてつくづく感じましたのは、官から民へ行かない努力をいろんな方がされる、中央から地方へ行かない規制が随分あるということをつくづく感じました。
 その中で、八月三十日の御提案、これはもう既に御存じのとおり、我々がこうしてほしい、ああしてほしい、あるいは財政措置をする、あるいは税制についてこうするといったことは全くなくて、民間から、地方からのアイデアをちょうだいして、そして規制を緩和していただいたら、規制を撤廃していただいたらこのように元気になるといったような御提案をいただきました。これが第一次、八月三十日に四百二十六の提案をいただきました。一月十五日、第二次で六百五十一。これはやはり構造特区というものについての御関心が随分高まった結果だと、このように思っております。
 その中におきまして、第一次では、特区で実施をいたしました規制緩和九十三、また、第二次で、特区で実施をいたします規制が四十七、これは推進本部、政府で決定をいたしました。ここに思わぬ副産物が出てまいりました、いい意味で。これは全国で実施しますというものが、特区ではなく全国でやりますよというものが、前回は百十一、今回は七十七出てまいりましたので、合計で三百二十八の規制改革というものが進んだということであります。半年の間にこれだけ進んだということは決して暗い話ではないと、このように思っておりますので、今後も引き続き頑張ってまいりたいと思っております。
 以上です。
#42
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 もう積極的にどんどんやっていただきたいと考えております。是非頑張ってください。
 ただ、一点だけちょっと不安な部分もあるんですが、特区というのは、全国でいきなりやるにはちょっとリスクが大き過ぎるだろうとか、試しにやろうというところもあるので、特区の話をしたときに危惧する声が聞かれて、私自身聞いておるんですが、もし実験的にやって、いきなり、先ほどおっしゃいましたけれども、すぐ全国に広がって、それが当たり前のようになるのが怖いと。それは実験なので、いい悪いはそこで、特区の中でまずやってみて、それで成功するというか、すごくいい結果が得られたら全国でやろうというのが筋だと思うんですが、不安の声を聞いたときに、いきなりもう全面的にそれを、規制を取り払ってしまうのが怖いと、だから一歩目が踏み出せないということも聞かれました。
 その点で、今後のことなんですが、一つ一つ特区やられて、全国的なのは別ですけれども、特区の中でやられたことに関してはしっかりと検証をして、その後に全国でやるか、どういうふうにするかやっていかなくちゃいけないんですが、その点についての説明というか、少ししていただけますか。
#43
○国務大臣(鴻池祥肇君) 全国にどう広がっていくのか心配の向きもあるという、これはこの特区の話が進んでおりますとき、ほとんどそういうことでありました。
 今、委員が御指摘ございましたように、これをどう評価していくか、それをどうするかということにつきましては、夏ぐらいをめどに評価委員会というのを立ち上げたいと思っております。これも、役所ではなく民間の有識者という形で人選をさせていただいて、そして特区がどのように進んでおるかということの評価をお願いをするつもりでおります。
 そして、これがいいものであれば、この評価を経なくても恐らくいい意味で飛び火をしていくものだと思いますし、評価委員会がこれを極めてまずいものであると、実験的にやってみたけれども、やめる方がいいというような評価が出れば、これについてはすぐさまそのような措置を取らなければならないと思っております。あくまでも特区というのは一つの出島の試み、あるいは楽市楽座の試みでございますので、そのように全国的に御理解をいただきたいと。どうしても役所の方は、これ全国で行ってもらったら困る、いいものだけれども全国で行ってもらったら困るという省庁があります。だけれども、いいものであれば全国でやればいいんであって、悪いものであればそこでとどめればいいと、こういう極めて単純な感覚でやっておるところであります。
#44
○愛知治郎君 ありがとうございます。大変心強いお話でしたし、分かりやすかったので、これからもどんどん積極的に発信して進めていっていただきたいと考えております。
 もう一つ、この需要の変化に対応して、官から民への、それから中央から地方への流れについての一例として、農業の問題についてお伺いをいたします。
 大臣、いろいろ大変な時期だとは思いますけれども、今、私自身、農業をちょっと勉強しておるんですが、本当に本当に大事な過渡期であるということが実感であります。そして、少なくとも農業を見たときに、後継者、担い手はどんどんいなくなってきているし、農地もどんどん放棄されている、このままではもう破壊してしまうんじゃないか、それだけの危機的な状況にあるという意識を持っております。
 その中で、大臣が今回大きな大きな改革の方向性を示していただきました。これは、本当に重要な時期でありますし、重大な責任のある仕事でありますので、是非頑張って、責任を持って頑張っていただきたいんですが、この点について、米改革大綱というのが出されました。この詳細についてちょっとお伺いをしたいのですが。
#45
○国務大臣(大島理森君) 日本の農業は内外に大きな状況の変化がございます。特に、外においてはWTO国際ルールの問題とFTAの問題がございます。そして、国内においては、環境という面もございますし、また、今、愛知委員がお話しされたように担い手、あるいはまた放棄地、そういうものが増えております。そういう状況の中で、日本の農業の大宗でございます米、これをどうするかという問題は、もう愛知委員も大変党内で御議論に参加していただきました。
 で、結論から言いますと、おかげさまで、今日、閣議を終えまして、法案を提出させていただきました。その概要について明確にお答えをしてまいりたいと思っております。
 米は、ずばり言えば、消費者、生産者ともに閉塞感があったと。これを打破するに一体どうしたらいいだろうかということが最大のポイントであったろうと思います。
 そこで、まず第一は、需給調整はどうあるべきかということが一点、それから流通がどうあるべきかということが一点、そして、それに伴う関連施策の整合性をどうするかということでございます。先ほども特区の議論がございましたように、官がどこまでこの問題にコミットすることがいいのかということが基本論としてあったと思います。
 戦後、食管制度、そして食管制度を廃止しながらも、米の調整に関しては国、地方団体が直接関与してまいりました。そこには、一般的な米生産者は、お上に頼るという気持ちが私はあったと思うんでございます。
 そういう中で、まず第一点は、遅くとも平成二十年度に農業者及び農業者団体による自主的、主体的需給調整体制に転換する。これは、まず根本的に大変な私は改革ではないかと、このように思います。それと、今までは米を作らない調整をした。そうではなくて、今度は米を作る調整をすると言っていいんでございましょうか。そういうふうな意味で、需要に即応した生産を推進していくということが一つ目の大きなポイントだと思います。
 二つ目でございますが、助成体系でございます。今までは、米を作らないことによってすべての人に言わば平等として助成金、補助金あるいはまた減反奨励金とかそういうふうな形でやってきたんですが、今度は、全国一律の方式ではなくて、地域自らの発想で構造改革に取り組む、そのための助成方式に変えるということでございます。したがって、地域間の競争、あるいは地域間の競争も生まれますし、構想、アイデア、創造性が問われていく。そういう、地域でこういうふうな集落営農を作っていきたい、地域農業を作っていきたいというプランニングをしていただいた上で、それに一括して助成を行う。細かい具体的な補助金ではなくて、そういう一括的な助成方式に変えるということでございます。
 そして、その三点目として、結果としてやはり流通規制を大幅に緩和してまいりたい、こう思っております。そうすることによって、作る側も言わば意欲的でなければいけませんし、あるいは売る努力もいたさなければなりません。そのことによって、自分の米がだれに食べてもらっているんだろうか、どういう米の質で勝負したらいいんだろうか、考える米生産体系にもなっていくんだろうと思います。
 また一方、実需者の方からすると、多様な米がそこに、市場に出回ってくるという意味で、そういうことを基本にして昨年来、もうすさまじい御議論をいただいて、そして与党とも調整をさしていただいて、今日、閣議決定をさしていただいたということは、ある意味ではこれから国会で大いに御議論をいただきたい。そして、成立を期して新しい米生産体制、流通体制、こういうものを作ってまいりたいと、こう思っております。
#46
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 いろいろ細かく詳しく説明をしていただいたんですが、基本的な方向性としては、農業においても一律の、官が中央集権的にですね、一律に農業政策決めるんではなくて、官から民へ、それから中央から地方へという流れの改革でよろしいんでしょうか。
#47
○国務大臣(大島理森君) 国が押さえなければならないところはきちっと押さえていくということが、特に食糧の安全、安心の供給という大きな宿題を担っている我々としては必要だと思います。
 しかし、基本的には、やはり中央から地方へ、地方が考えて、そして戦略性を持って地域農業を作る時代になったし、もうそうしないと、国際化でも、あるいは消費者のこういう多様な選択が行われる時代においてやっていけない農業。そういう意味で、国から地方というのは私は正しい認識だと思っております。
 官から民へというのは、正にこれも、そういうふうな意味で、言わば作らない作る、その細かいところまで国が差配をしていくという時代ではないと、自主的に物を考えるという意味で民の時代に私はなっていくと、このように思っております。
 しかし、基本的な食糧の自給、自給率も含めて、自給体制も含めて一億二千万の国民の皆さんに安全と安心の食糧を供給するというベーシックなこの責務は国にあると。ここを押さえながらそういう方向性を持ってまいることが今度の農政改革の基本だと、こうお考えいただければと思います。
#48
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 本当にその方向で農業の明るい未来が開けることを心から切望しておるとともに、また、農水大臣の責任も物すごく大きく、役割も重大でございますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 また、もう一点だけ、とても不安に思っていることがあります。
 民間に任せるとか地方に任せるという部分はとてもいいんですが、ただ、日本農業全体から見ると、やはりすごく脆弱というか、過渡期でもありますし、しっかりとした保護政策を取っていかなくちゃいけないだろうと。いきなり手を離されて勝手にしろと言われてしまえば、これはもう崩壊してしまうので、その点、不安に思っておられる方がとても大勢いますし、私自身もそう考えておりますので、その点、予算の裏付けというかを基にしっかりとした保護政策を取っていかれるのかどうか、御所見をお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(大島理森君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、助成体系一つ取りましても、地域自らの発想で構造改革に取り組む仕組みは作ります。しかし、そういうふうなことをしっかりとやれるためにも、今国会出さしていただくこの法案を成立した暁には、平成十六年度の概算要求から、皆様方と議論しながらそういう予算を塩川大臣に御理解をいただいて、しっかりと私どもは努力していかなきゃならぬと思います。
 さらに、もう一つ申し上げさせていただきますことは、今度の米改革におきましても、かなりマーケットに任せた形になりますけれども、いわゆる価格低落が起こり得る可能性がある。そこに対するアメリカで言うローンレート的な発想でございますが、ぎりぎりの価格の最低限のところは押さえるというシステムを作っております。
 いずれにしても、主業農家あるいは中核農家が頑張って、あるいは地域農業を確立して頑張るというその姿を応援していくために、農業者の皆さん、あるいは生産者の皆さん、あるいは消費者の皆さんにも、安心できるようにこの仕組みの説明をし、理解を求めると同時に、それなりのしっかりとした財政措置を図りながら、そして、なるほどこういうふうな姿になっていくんだと、意識改革も必要でございますから、まず平成二十年度を目指して私どもはソフトランディングの姿でやっていくわけでございますけれども、そういうふうなことをしっかりと、失礼しました、平成二十年ではなくて──平成二十年ですね、平成二十年をまず第一段階としてそこを目指してやるわけでございますが、急激に、農業政策というのは柔軟性があるものではありません、産業そのものが。硬直性のある産業なわけです、一年一遍ですから。そういう意味で、農業者の皆さんにも安心というか理解をしっかりしていただきながら、予算措置もしながら努力してまいりたいと、こう思っております。
#50
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 もう一点だけ、この農業の問題なんですが、水田の多面的機能という話がございます。この点私自身は、農業問題、農業政策だけでカバーできる範囲のものではないと。例えば、多面的機能ですから、国土計画の中でしっかりと議論すべきだと思うし、また環境問題ということもございます。その点の考え方、連携してやっていくべきじゃないかと私自身は思うんですが、大臣の所見をお聞かせください。
#51
○国務大臣(大島理森君) 多面的機能という言葉は、正にWTOの世界においてもこの点をお互いに評価して、非貿易的関心事項の中の大きな一項目としてあるわけでございます。
 この概念、この考え方は、ある意味ではWTOのルールの中にその思いの差はこんなにありとしても、農業にはそういう機能があるということは共通した認識になっているということが言えると思います。
 加えて、水田の持つ多面的機能という問題については、私は、例えば水源の涵養、それから国土の保全、自然環境の保全、良好な景観の形成という意味で、日本の水田の国民あるいは国に果たしている役割というものは大変大きなものがあると、このように認識しております。
 したがって、この水田問題、お米の問題を議論していくときに、そういう面においても私どもはきちっと評価をしながら、国民の皆さんに理解をいただきながら、守るべきものは守っていかなきゃいかぬ。
 特に中山間の水田というものの在り方については、そういう側面における応援の仕方あるいは守り方というものを考えていかなきゃならぬと思いますけれども、例えば、先般、一体日本の水田機能というのは多面的機能でお金に換算するとどのぐらいの機能があるんだと、平成十二年に学術会議にお願いをして調べていただきましたが、それからのいただいたお答えは、洪水防止機能が三兆五千億、水源涵養機能が一兆五千億、そういう定量的な評価の試算がございます。
 したがって、そういう多面的機能を農業者だけでなくて都会に住む人々、あるいは町に住む人々にも理解してもらうという、そういう中で国民全体として多面的機能を理解していただいて、そしてその上に立って様々な施策、又は触れ合う場も作ったりして、私どもはその評価を国民の一致した評価としていただくことから努力していかなきゃなるまい。そういうことに立って、多面的機能を踏まえた水田の言わば守り方あるいは位置付けというものを更にしっかりとしていかなきゃならぬ、このように思っております。
#52
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 この問題、本当に重要な問題です。できればというか、是非専念をしていただいて、ほかのいろんな問題に惑わされることなくしっかりと農業政策に当たっていただきたいと。激励でございます。頑張ってください。
 デフレの問題三つ、ちょっと遠回りをしましたが、需要の変化の部分、もう一つ内外価格差、外的要因の部分についての政策についてお伺いしたいんですが、これちょっと事前通告をしなかったのでお答えいただけなくても結構なんですが。
 内外価格差、いわゆる物価なんですけれども、基本的に中国、安い人件費によって物すごい中国から安い製品が入ってきて、それが物価を下げる要因とはなっております。それがデフレの要因とも言われているわけですが、一方で、これは産業政策なんですけれども、平沼大臣、日本がこれからじゃ生き残っていくのには、その外国、中国に企業が進出していくのを止めるわけにはなかなかいかないと思うんですが、この国が生き残って産業をしっかり育成していくためにはやはり高付加価値を付けなければいけない。安い、これは物価の問題でまた微妙な問題なんですが、一概に物価を、物価というのはすべて一くくりに考えることができないので、下がるものがあれば上がるものもある。いろんな多様性が出てくると思うので、日本の国内ではやはり高付加価値を求めていくべきじゃないかと思うんですが、その点についてどのような政策を取られているか、お聞かせください。
#53
○国務大臣(平沼赳夫君) おっしゃるとおりだと思っておりまして、私どもは、例えば生産拠点の移転率というのが、一九九〇年にはわずか六%台だったわけですけれども、最近はそれが一六%を超えるというようなことになってきています。そういう意味では、人件費が二十分の一とか三十分の一、そういう形で空洞化が起こり、安い製品が入ってきて、それがデフレの一つの要因になっているということは私は事実だと思います。
 そういう観点から、経済産業省といたしましても、やはり一歩二歩先を行くそういうイノベーションを起こして、そして付加価値を付けて、一歩二歩先を行くそういう政策を取らなきゃいかぬ、こういうことで政策的には四つの重点分野というものに絞らさせていただきました。
 一つは、これから非常に大きく伸びが予想され、日本が得意な分野でございますバイオテクノロジーの分野です。ここにやはり税制の面ですとか、あるいは補助金の問題あるいは支援体制、こういうことも特化させていただいて、ここを高付加価値化して競争力を付けていく。
 それからもう一つは、やはり今、一とんざしておりますけれども、第二ステージというものが見込まれるIT、情報通信の分野、ここも私どもは重要な分野として、ここにやはり競争力を付けて高付加価値を生み出して、そして日本の優位性を保っていこう。
 それから三つ目は、これはもう日本は非常に優位性を持っておりますけれども、いわゆる環境の制約に関して、環境というのはどっちかというと今までは制約の要因だと言われていましたけれども、これをむしろ成長の要因としてとらえて、一九七三年のオイルショック以降、日本は努力をして大変技術的にも潜在的なものを持っておりますから、このエネルギー、環境の分野でやはり高付加価値化を進めて競争力を付けて、ここをしっかりしてやっていきたい。
 それから四つ目は、これは日本の得意中の得意の分野ですけれども、ナノテクノロジー、材料。
 こういう四つの分野を重点の柱として、そして日本の競争力を付けていくと。こういうことで、私どもは日本の経済の活性化を図っていこうと。
 それから、もう一つの発想としては、中国というものと、御指摘のようにもう補完関係にありまして、ここをもうストップするということはできません。ですから、いかに中国との補完関係をこれから構築をしていくか。それからもう一つの発想としては、経済成長率が高くて、人口十三億の国ですから十三億の大きな市場があると、こういう発想も私は必要だと思います。
 ですから、そういう中で日本の高付加価値化といわゆる共存共栄と、こういう形で私どもはやっぱり今政策を展開をしていると、こういうことでございます。
#54
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 もう一つ、その端的な例として、今回、総理も言っていましたけれども、余り評価されていない、みんな見てくれていないと思うんですが、税制について研究開発税制と、あとはITのお話ありましたけれども、IT投資促進税制、これは大幅な減税をしておられる。今おっしゃられた高付加価値化のための政策の一つとして考えてよろしいんでしょうか。
#55
○国務大臣(平沼赳夫君) それはおっしゃるとおりでございまして、今回の政策減税の中でも今御指摘のITそれから研究開発、それから投資、こういった形で政策減税をやらせていただきました。これは非常に減税としては大きなものでございまして、例えば研究開発と投資を合わせますと一兆二千億と、こういうものでございます。ですから、一環として、やっぱり競争力を高めて、そして潜在力を高めていくという、そういう意味での一つのパッケージのそういう政策、こういうふうに御理解をいただければと、こういうふうに思っています。
#56
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 デフレの問題、三、四野あったのを二つしっかりと取り組まれているということでございますが。
 最後の一点、金融問題。やはりデフレの一番の要因はお金の巡りが悪い、このことについてしっかりと取り組まなくちゃいけない。それは、私自身はやはり金融のシステムそのもの、構造そのものに問題があるんじゃないかと思うんですが、竹中大臣、金融構造改革、この点について御所見をお伺いしたいのですが。
#57
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の金融システムの責任は大きいと思います。非常にたくさんのことをやはりやって改革をしていかなければいけないと思っています。中心になるのは銀行部門なわけでありますけれども、銀行に関しましては不良債権処理というものを当面急ぐ、その中でしかし決して不良債権をあぶり出してオフバランスすればいいというだけではなくて、資産査定をきちんとした上で自己資本を充実させる、何よりも銀行の経営をしっかりとやって収益力を上げていただくという意味での銀行経営のガバナンスをしっかりとしたものにしていく、そういう三つの視点からあの金融の再生プログラムをかなり丹念に作ったつもりでおります。
 しかし、加えてより広い立場から言いますと、これは間接金融から直接金融への流れを作るためのやはり制度も必要でございましょう。今回、検討しております税制、改革を検討しております税制というのは、個人の投資家を市場に呼び込むための様々な施策というものも盛り込んでいる。
 その意味では、やはり正に、血液に例えられますけれども、その部分の循環をきちっとしていけるように、これはかなり総合的な対応策がもちろん必要でありまして、そのための対応策を骨太の方針以来、これは金融再生プログラムという形できっちりとまとめて、今その実行に全力を尽くしているところでございます。
#58
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 ちょっと詳しい、細部というか専門的な話は分からないんですが、一点だけ腑に落ちないというか、今までのこの流れ全部、構造改革なくして成長なしのその筋が合っているというか、その方向性で来ているんですが、ここだけはちょっと分からない。
 というのは、金融システムはやはり改革しなくちゃいけないんですが、不良債権も処理しなくちゃいけない、それは結果が求められている。構造改革なくして成長なし、この路線からいうと金融に関しても同じことが言えると思うんです。これは私自身の個人的な考え方なんですが、これこそ正に金融構造改革なくして不良債権処理なしではないんだろうかと。
 というのは、不良債権、今あるのが、調べて聞いた話ですが、バブルのときの処理はもう終わっている、今あるのは新たに発生した不良債権だということを聞いております。それから、それは処理しなくちゃいけないんですけれども、処理をしたところで本当にお金が市場に押し出されるようになるのかどうか、それがなくなったからといって。やはり金融の構造自体をしっかりと直してからでないと本当の抜本的な不良債権の処理にはならないし、経済に対する問題解決にはならないんじゃないかと私自身考えているんですが、どうですか。
#59
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御指摘ないしは念頭にありますのは、民間でできることは民間にと、そういう流れの中で、不良債権処理に関しては、むしろ従来より厳しいルールできちっとやっていきましょうと。そういうところとの整合性を取りながら、いかにして本当に金融システムを健全化していけるんだろうか、そういう点であろうかというふうに思います。
 これに関しては、私もやはり、これは先ほど申し上げました銀行経営のガバナンスの問題に尽きると思います。ルールをきっちりとやはり作る。特に、不良債権という言わば負の遺産を背負って走っているわけでありますので、それに関しては、それが先延ばしにならないようにしっかりとしたルールを作る。しかし、それ以降の問題に関しては、これはもう本当に銀行に思う存分力を発揮してもらって、ただし、その成果についてはこれはしっかりと監督をしていきますよと。その意味では、やはり民間に正にここで民間の活力を発揮してもらって、それをしっかりと監督していくということにこれはもう尽きるのではないかと思っています。
 一つ金融について特に申し上げれば、金融再生プログラムの中に、これはやはり銀行に対して新規参入をしっかりと我々としては促したいと。実は、不良債権を持っていない不良債権ゼロの銀行が出てきたとすれば、それはかなり魅力的な私は銀行であろうかと思います。そういうことも実は再生プログラムの中の重要な部分を占めておりまして、これは正にその意味では構造改革の中核としての金融再生であるというふうに位置付けております。
#60
○愛知治郎君 今、新規参入というお話がありまして、私自身もその点については大賛成でございます。というのは、安定化を図るというのは確かに大事なんですが、やはり競争原理をどんどん導入していかなくちゃいけないんじゃないかと。その点については全くそのとおりだと考えておりますが。
 もう一点、これは手法の問題なんですが、査定を厳しくして、自己資本比率を上げろという方向性だと思うんですが、結果として、銀行は自己資本比率を上げるために一生懸命資金回収をしてしまった、その方向に動いてしまった。このことについてはどのようにお考えになりますか。
#61
○国務大臣(竹中平蔵君) いわゆる貸し渋り、貸しはがし的な問題というのは、これは大変大きな深刻な問題だというふうに思っております。しかし、中期的に不良債権の処理をしていかなければこれは経済の再生はない。むしろ、不良債権の処理をきっちりすることによって、本当に新たな、本当に資金を必要としている貸付先にお金が回せるような状況に銀行自体がなっていくということだと思います。
 先ほど申し上げたのは、だから、自己資本の充実ということを申し上げましたけれども、自己資本を充実することによって貸出しの余力を付けてもらうと、これはもう一つの大きな項目でございます。御承知のように、ここ数か月の間に、銀行、従来予想もできなかったような形で自己資本の増強を行っておりますので、それはそれで非常に新しい動きであるというふうに思っております。
 しかし、やはりもうあの手この手、考えられるいろんなことを組み合わせて今の状況を乗り越えていかなければいけないと思っています。その意味ではやはりセーフティーネット、これは平沼大臣のところでいろいろ御努力をいただいておりますけれども、そのセーフティーネットの保証、貸付け、政府系機関の活用、そういうものも必要であります。我々としては、経営健全化計画を出している、それで中小企業に対する貸付け目標を立てているその銀行に対しては、それをきちっと履行しろと、そうじゃない場合は従来よりも厳しい立場で業務改善命令を出していくという立場を取っています。
 そういった正に考え得るいろんな手段を使って不良債権の早期の処理と、一方で金融の円滑化を確保していくということに引き続き努力をしなければいけないと思っております。
#62
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 現実的な問題起こっておるんで、それにはやはり、小泉総理も言っておりますが、柔軟かつ大胆に対応していただいて、様子を見ながら政策的にも修正をしながらやっていっていただきたいというふうに考えております。
 構造改革の問題、デフレの問題、今直結してお話ししましたけれども、やはりこの三点、重要な変化に対応することと、それから外的要因、国内の経済をしっかり育成していくということと、やはり今の金融問題、この三点をしっかり解決すれば構造改革の目的は達成されるんじゃないか、基本的な目的ですね、経済に対する。されるんじゃないかと思いますので、是非この点をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 また、これは財政の構造改革、財政改革についてなんですが、ちょっとこのデフレの問題とは、まあリンクはしていますけれども、一線を引いて論じるべきだと私は考えております。
 その方向性については大変有り難かったんですが、まあ将来にツケを回しちゃいけないということをおっしゃっていただきました。私、三十三歳なんですけれども、これから、仲間同士でも話しているんですが、もう負担ばっかり押し付けられるんじゃないかという思いが本当に強くあります。というのは、働いても働いても借金ばかり借金ばかりと、正に夢も希望もなくなっちゃうんじゃないか。その点で、総理また財務大臣のお考え、本当に有り難いんで、その方向性でしっかりと財政も考えていただきたいというふうに考えております。
 ちょっと時間の関係上、経済問題、この点で終わらせていただきます。
 一点だけ、イラク問題。
 私は、その政府の対応、やはり国際協調主義で国際社会が一致団結して当たるべきだろうと、この方向については正にそのとおりだと思います。ただ、なかなかそれが伝わってこなくて、どのような取組をなされているのかどうも分からない。
 ちょっと川口大臣、国際社会が一致団結して事に当たるためにどのような取組をしてきたのか、今までの経緯を簡単にというか、分かりやすく説明していただけますか。
#63
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃるとおりで、今、国際社会が一致団結してイラクに求めていく、大量破壊兵器の廃棄を求めていく、そういう時期だと思います。我が国としてはいろいろなことをやっておりまして、幾つか例を挙げさせていただきたいと思います。
 昨日、総理がシラク大統領とお話をして、国際協調が重要だということを言いました。
 それから、その前ですけれども、ついまた最近ですが、外務省の両副大臣、茂木副大臣がイラクに、そしてヨルダンに、矢野副大臣がアンゴラに行っていただきました。それぞれ、イラクに対しては、大量破壊兵器を廃棄すべし、最後のときであると言って迫っていただいたんですが、残念ながらイラクの対応というのは、最後の翻意という確証は得られなかったと、これは大変に残念なことでございます。イラクが時間が迫っているという意識について緊急性に欠けるところがある、そして最後に、武装廃棄を、武装解除をするということについても、必ずしも今までやっている小出しのやり方を変える感じがなかったということは残念です。矢野副大臣、そして中山、高村両元外務大臣については、近隣の諸国、そしてアンゴラに行っていただきましたけれども、イラクに対して武装解除を迫ることが大事だという点で意見を一致いたしました。
 そういった努力、そして、その前にもずっと、実は昨年から、アメリカに対しては、大量破壊兵器を廃棄することは非常に大事なんだけれども国際協調が大事だということを言い、そしてイラクあるいはその他の国に対しては、イラクがやるように、あるいはイラクが直接自分でやるように周りの国はイラクに働き掛けるように、そういう働き掛けをいたしております。
 私自身も、この問題については、例えば中国の唐家セン外務大臣とも話をしましたし、パウエル国務長官ともお話をいたしましたし、いろいろな取組を今やっているわけでございます。
#64
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 もう本当に、最後の最後まで国際協調でやるべきだとぎりぎりまで粘っていただいて、その努力をしていただくことを心より要望する次第でございます。
 時間が来てしまったので、もうここで終わりにさせていただきますが、特別な事情というか、この国がやはり問題であろうと、国際社会に対しても自分自身の意見も言えないとか、物すごく複雑な問題があるんだなということを改めて認識をさせられました。だからこそ、今、この国が本当に自分の足で立って、そして意見を言えるような体制を作らなくちゃいけないんだろうと私自身ひしひしと感じております。
 頑張っていきますので、今の問題に関しては是非政府が一丸となって取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#65
○委員長(陣内孝雄君) 以上で阿部正俊君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#66
○委員長(陣内孝雄君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
#67
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。
 まず最初に、JR西日本の居眠り運転と、国土交通省の今後の対応についてお伺いさせていただきたいと思います。
#68
○副大臣(吉村剛太郎君) 先般、運転手が居眠りをするというような大変な不祥事故が起きました。幸い、人身その他の事故につながらなかったのは不幸中の幸いではございますが、その後の調査によりますと、本人が睡眠時無呼吸症候群という症状を持っておったということでございます。
 実は、私的なことになって申し訳ないんですが、私も若干その傾向がございまして、家族の者から、寝ている間に息をしていないぞと、こういう注意を受けることがございます。国会議員の中にも何人かおられるんじゃないか、特に本会議等ではそういう傾向があるんではないかと、このように思っておりますが、いずれにしましても、余り今まで聞いたことない症状だろうと、このように思っておりまして、しかし結果として、検査の結果としてそのような症状であるということにつきまして必要な検査をしなければならないと、このように思っております。
 JR西日本としては、大阪鉄道病院に睡眠障害に関する専門の医師や精密検査を行う設備があります。また、広島鉄道病院にもその設備の導入をただいま検討中でございますが、これらの病院で検査を実施していきたいと、このように思っているところでございます。
#69
○櫻井充君 早期に対応していただいた、まずこの点については評価したいと思っています。
 もう一点、私は実は診断と治療をやっておりまして、治療の現場からいいますと、実は運転に携わっている方々で睡眠障害を考えなきゃいけない人がどのぐらいいるのか、まずここから入らなきゃいけない。そうすると、その人たちを今検査できる体制にあるかというと、私はそういう状況にないんだろうと思っております。
 この点について、坂口労働大臣、どのようにお考えでしょうか。
#70
○国務大臣(坂口力君) 睡眠時無呼吸症候群につきまして、厚生労働省といたしましても、昨年の秋からでございますけれども、研究会を立ち上げさせていただきました。
 これは、かなり広範囲にこの人が存在すること、そしてまたそのことがあらゆる職業につきまして大きな影響を与えること、そうしたことを考えますと、対策を何とか考えていかなければいけないというので、研究会を立ち上げて今議論をかなり進めていただいているところでございますが、お話しいただきましたように、それに対する対策、それに対する、専門的にそれをどうするかということの対策は、必ずしもこれはでき上がっておりません。また、専門的な病院もまだ少ないというふうに思っておりますし、また治療方法も完全に確立されているのかどうかも分かり難いといったようなこともございまして、これからそうしたことも含めて、昨年からそういうふうに作っておりますので、もう少しこの検討会急ぎまして、結論を出していきたいというふうに思っている次第でございます。
#71
○櫻井充君 ですから、対策を取りますといっても、実際、現場で診療、治療ができないということになると、全く対策が取られていないと同じことなんだろうと思うんです。
 もう一点、アメリカは、実は一九八九年、船舶事故がございまして、この船舶事故の原因が居眠り運転であったと、睡眠障害が原因であったということが判明して、わずか四か月後に国家として取組をやらなきゃいけないということで、睡眠障害研究国家委員会というものが設立されております。
 我が国も、こういうことを踏まえて、これはアメリカはウエークアップ・アメリカという取組なんですが、ウエークアップ・ジャパンという取組をされたらいいかと思いますが、内閣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
#72
○国務大臣(福田康夫君) 米国でそのような動きはあるということはお聞きしておりますけれども、ただいま厚生労働大臣からもお話ししましたように、昨年から厚生労働省の方でいろいろ研究始めていると、こういうことでございますので、その研究の様子を見ながら、またどういうふうにすべきかということは考えさせていただきたいと思います。
#73
○櫻井充君 ちょっと誤解されているところがあると思っていて、睡眠時無呼吸症候群というのは睡眠障害のただ一つでしかありません。今、日本で、この間、睡眠学会から発表された数字は、五人に一人が睡眠障害だと言われています。その中で治療可能なものが睡眠時無呼吸症候群でして百万人から二百万人ぐらいおると言われていて、アメリカはウエークアップ・アメリカで調査した結果、経済的損失は数千億ドルです。医療費が数百億ドル。交通事故による被害が数十億ドルと言われています。このことを回避するということは日本の経済にとっても極めて有用なことだと思うんです。
 ですから、もう少し積極的にやるということを御答弁いただけないでしょうか。
#74
○国務大臣(福田康夫君) 専門家の先生とお話をするのは、これはもう大変議論にならないかもしれませんけれども、ただいま、先ほど申しましたように、厚生労働省の方で専門的な見地からいろいろ検討しているということでございますので、その検討を見て対応を考えてもいいでしょう。そのぐらいの余裕はください。
#75
○櫻井充君 もうアメリカは二〇〇〇年に、睡眠時無呼吸症候群を有する患者さんがきちんと治療されれば交通事故が削減できるという、もうこういうペーパーが出てきています。ですから、もうアメリカでこういうことが分かっているわけですから、日本できちんとした形で私はやるべきだと思うんです。
 なぜなら、私の娘も実は交通事故に遭いまして、睡眠障害が原因でした。ランドセルを背負っていたので直接頭を打たないで済んだので、何とか悲惨なことにはならなかったんですけれども、そういうことを経験されている方は随分いらっしゃいます。
 そこで、改めて警察の方にお伺いしたいんですが、日本で居眠り運転による交通事故というのはどのぐらいの割合であるんでしょうか。
#76
○政府参考人(属憲夫君) 平成十四年中の居眠り運転による交通事故件数は四千六百七十二件で、交通事故全体の〇・五%となっております。そのうち死亡事故件数は二百七十八件で、死亡事故全体の三・五%となっております。
#77
○櫻井充君 アメリカでは睡眠障害による方の交通事故を起こす確率が二・五倍高いという、こういう報告もございますが、日本ではそのような調査はなされているんでしょうか。
#78
○政府参考人(属憲夫君) 先ほど申し上げましたけれども、居眠り運転による交通事故の統計は取っておりますけれども、その原因を更に睡眠時無呼吸症候群などに細分化した統計は取っておりません。
#79
○櫻井充君 アメリカでは、睡眠時無呼吸症候群という診断を受けて治療をしていない方から免許を剥奪すると、そういう動きもあるかと思うんですけれども、この実態について御説明いただけますか。
#80
○政府参考人(属憲夫君) 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害につきましては、先般の道路交通法令の改正によりまして、運転免許の拒否、取消し等の対象となる病気として明記されたところでございます。したがいまして、免許の申請、更新申請時における申請者からの申告のほか、交通違反、交通事故その他の取扱い等により、警察において睡眠時無呼吸症候群にかかっている疑いがあると認めたときには、申請者等の個別聴取を行いまして、主治医の診断書の提出を求め、あるいは臨時適性検査を行うと、そういった仕組みができております。
 しかし、昨年の六月に改正道交法が施行されて以降、現時点までそういった睡眠時無呼吸症候群による行政処分等は行われておりません。
#81
○櫻井充君 これ、自己申告ですから、元々免許取れませんという理由で自分が取れないことが分かっていたら、そういうことを申告されないんじゃないでしょうか。
#82
○政府参考人(属憲夫君) それにつきましては、免許試験時あるいは更新申請時等におきまして、そういった症状があるかないか、そういったものを自己申告していただくような様式を定めまして、そういった把握に努めているところであります。
 また、そういう場合にうそをついて仮に免許を交付を受けたということになりましたら、場合によっては免許の不正取得といったことにもなるケースがございます。
#83
○櫻井充君 多分、体制としては不十分なんだろうと思うので、改めて検討していただきたいと思います。
 私、実は宮城県でウエークアップ宮城という取組をしようと思って、昨年なんですが、まず宮城県警、それから交通安全協会、トラック協会、バス協会、タクシー協会を訪れまして、治療できれば交通事故が減らせるんだからということを各協会を回って歩きました。残念ながら理解していただけなかったんですよ。ですから、各省庁でこのようなことをきちんと実施していただけるように、きちんとした形で指導していただきたいと思いますが、所管官庁の方々、よろしくお願いいたしたいと思います。
#84
○国務大臣(谷垣禎一君) 交通事故死というものを減らすことは小泉内閣においても大きな課題でございます。それで、今私どももやや認識が浅かった、今の委員の御議論も伺いまして、認識の浅かったところがございますが、そういう取組を通じて更に交通事故者を減らすことができるならば、それは大変重要なことだろうと思いますので、先ほど御答弁がありましたように、今、厚生省でいろいろ、厚生労働省で御研究いただいているようですが、私たちも関係機関と連携を取りまして、いろいろ工夫をしてまいりたいと思っております。
#85
○櫻井充君 是非、ウエークアップ・アメリカ、わずか数ページの資料です。それから、ペーパーも簡単に読めるものですから、関係の方々、是非読んでいただいて、早期に取り組んでいただきたいと思います。
 もう一点。そうすると、診断、治療という点でいってくると、今の治療でいうと、内科的な治療、耳鼻科的な治療、それからスリープスプリントといってマウスピースでも治療することができます。ところが、内科的なもの、耳鼻科的なものに関しては保険点数が付いていますけれども、歯科的な治療の場合には保険点数が付いておりません。この点について、厚生労働省としてはいかがお考えでしょうか。
#86
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘のとおり、検査並びに治療につきましては、検査については平成二年から、それから治療につきましては平成十年から診療報酬上の評価を行っているところでございます。
 御指摘の治療法の一つとして睡眠中に歯科装具を用いる場合でございますが、現在、これについては御指摘のとおり保険適用となっておりません。診断・治療ガイドラインを昨年研究会の報告から出されたところでございますので、この診断・治療ガイドラインの普及によります治療実態等を踏まえまして、学会等の御意見もお聞きしながら、診療報酬上の評価について検討してまいりたいというふうに考えております。
#87
○櫻井充君 是非お願いしたいんですが、それは内科的な治療ですと、もう大分軽くなったんですが、三キロぐらいの物を持って歩いていただかないと、マスクをして、そして掃除機の反対側から出てくる風をこうマスクの中に送り込んでくっ付いている部分を引っぱがすという、そういう形で治療します。ですが、持ち運ぶときに、ちょっと三キロぐらいですから不便ですが、そのスリープスプリントですと、マウスピースですから、ポケットに入っても便利に持ち運べる。特に運転されている方なんかだとすると、移動されるわけですから。そういう点でいうと、歯科の治療というのは極めて重要なんだと思う。
 もう一点、私、ここがよく分からないのは、この診断というのは内科、医科の領域でしかできません。その医科でしかできないものに対して、保険点数がなかなか歯科の部分で付けられないというお話があるんですが、それは実際本当なんでしょうか。
#88
○政府参考人(真野章君) 今申し上げました歯科装具の部分の診療報酬につきましては、先ほど申し上げましたように、診断・治療ガイドラインが昨年度の研究ということでこれから普及を図るというような状況であったということから、保険の適用といいますか、保険診療報酬上の評価が行われなかったということでございますので、先ほど申し上げましたように、学会等の御意見も聞きながら評価という方向で検討したいというふうに考えております。
#89
○櫻井充君 改めて確認させていただきますが、医科でしか診断できないから、歯科、それ、ないんですよ、ほかには。全部歯科で治療できるものは歯科で診断できるんです。この病気だけは医科でしか診断できないことになっています。医科でしか診断できないものを医科の方から歯科、仙台、宮城ではもうウエークアップ宮城の一つの取組として病診連携を図っています。ですから、そのことが可能になってくれないとなかなか広がっていかないんです。
 改めてお伺いしますが、医科で診断したもので歯科で治療する場合にも保険点数を定める、算定する際の障害にはならないんですね。
#90
○政府参考人(真野章君) 今申し上げましたような状況でございますので、学会等の御意見もお聞きをしながら、診療報酬上の評価ということに努めてまいりたいと思っております。
#91
○櫻井充君 障害にならないのか。
#92
○政府参考人(真野章君) 今の御指摘でございますが、医科での診断、それから医科と歯科と、そういうふうに診療行為別に非常に厳しく分かれているわけではございませんので、医科の先生方の治療ということによってマウスピースのオーダーが出るというようなことにつきまして検討をしたいといいますか、評価について検討してまいりたいというふうに思っております。
#93
○櫻井充君 医科がオーダーしなきゃ駄目なんですか。
#94
○政府参考人(真野章君) 今申し上げておりますように、これの治療の方法につきまして今ガイドラインが普及をされるということでございます。そういう治療の状況を踏まえて私ども検討したいと申し上げておりまして、医科と歯科のそういうふうな明確な障害というのは私どもないというふうに考えております。
#95
○櫻井充君 ありがとうございます。是非御検討いただきたいと思います。
 それからもう一つは、私も診断、治療をやっていて思っているのは、診断料が極めて安い。世界の国々ですと大体十万円ぐらいするところもあるんですが、日本ですと二万、今だと二千円ぐらいでしょうか、そのぐらいの保険点数でしかないと。このために診断できる施設というのがなかなか広がらないんじゃないかと思うんですが、この点についていかがでしょうか。
#96
○政府参考人(真野章君) 今御指摘のございましたように、重篤な患者に対しまして複雑な検査を実施した場合、二千二百点、二万二千円の評価ということでございます。この評価につきましては、他の診療行為とのバランス、そういうものを勘案しながら中医協においてお決めをいただいております。
 御指摘の点も踏まえまして、いろんな診療の状況を把握をして評価について努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#97
○櫻井充君 是非、経済的な損失、それから交通事故を削減できるという点で大きなメリットがあると思いますので、きちんと御検討いただきたいと思います。
 それでは、次に雇用、新生のことについて経済産業大臣にお伺いしたいんですが、産業クラスター計画について御説明いただけますでしょうか。
#98
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、日本の経済というものが非常に厳しい状況にあります。特に地域の経済が非常に停滞をしている。しかし、日本というのは総体的に言って潜在力がある国である。その地域の中にも、例えば大学なんかには大変技術的ないい種が存在している。それが有効に活用できていないし、また地域には優秀な中小企業を始めとしていろいろな企業も存在しておりますし、また、更にはベンチャー企業を起こそうという意欲を持っているような方もたくさんいらっしゃる。そういう形で、やはり総合的に潜在力を生かして地域の経済の活性化をしていかなきゃいけないという前提の中で、いわゆる地域産業クラスター計画というのを打ち立てました。
 そして、現在これは進行中でございまして、今の段階では全国で十九の拠点でこれを展開させていただいています。そして、そこの拠点になっていただく大学というのも既に、これは非常に私どもも有り難いことだと思っておりますけれども、大学も二百を数える大学がこの十九拠点の中で活動をしていただいて、企業も私どもの当初の予想を上回って現在五千社に近い企業が参画をする。その中から新しいベンチャーも生まれてきておりますし、新しい技術の移転も行われてきています。
 そういう中で、更にこれをしっかりと進めて、そして地域の経済の活性化につなげていきたい。そして、地域がそれぞれ特徴を持って、いろいろな、例えば北海道でありますと北海道大学を中心にバイオなんというものが非常に長い歴史を持っています。ですから、そういう特色を生かしながら地域がそれぞれに発展をしていく、そのことを強力にやっていかなきゃいけない。こういう基本的な概念でやっております。
#99
○櫻井充君 その中で、地域新生コンソーシアムという制度がございます。そこの中の管理法人の役割について教えていただけますか。
#100
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、地域の新生の研究開発のコンソーシアムという形で事業をやっております。その管理法人というのは、それが円滑にそして機能する、そういう役割を担って、そのコンソーシアム自体が、所期の目的を達成させるために非常に、そこをうまく運営をするためのかなめになる、そういうものでございます。
#101
○櫻井充君 取組自体はいいと思っているのでお伺いしているんですが、大臣、ここの管理法人というのは、財源というか、それの措置もするところですよね。つまり、立て替えておかなければいけない今のシステムなんだそうですが、その事業を行う上に立て替えるだけの財源を持っていないので、結局は、希望者がいたとしてもなかなか回っていかないという実態があると言われているんですが、御存じでしょうか。
#102
○国務大臣(平沼赳夫君) それは、少し歴史的に申し上げますと、平成十三年度まではNEDOというものの事業でやらせていただいておりました。その中に、やはりそういうコンソーシアムの立ち上げに関して、初期の段階で例えば事業者が資金がない、それから事務所を回すにも資金がない、こういう事態がございました。そういう中で財務省と協議をして、そしてこれは事前に一部資金を出すという形で進んできておりまして、そういう形で対応をさせてきた、対応をしてきたところでございます。
 しかし、十四年度から、これは重要な事業だから国の直轄事業にしようと、こういう形で始めました。その中で、今財務省と、財務省が協議を要求しておりますので協議をしているわけですけれども、これは本当に一生懸命やってくださる方々には申し訳ないことだったと思いますけれども、そこの、今までNEDOでやっていて、最初に資金をお渡しするということが、今、大変申し訳ないんですけれども、停滞をしているという事実があります。
 そういう中で、今、財務省と私、協議をさせていただいて、そして財務大臣にもお願いをして、これは早急にやっぱり、財務省も早急に検討を進めてしっかりとやってくださると、こういうことを財務大臣からもいただいておりますので、私もそういう形でしっかりとここのところは、仏作って魂入れずになったらいけませんので、やらせていただかなきゃいかぬと、こう思っております。
#103
○櫻井充君 実は、宮城県にこの間お伺いした際に、NEDOのときは良かった、国の直轄になってお金を前払していただけないので、せいぜいやれて一件か二件でしかないと。つまり、絵をかいて、こういう絵で、産官学で協力体制を作っていっても、財源措置がされないから実現できないというお話をいただきました。
 今の話を聞いて分かったんですが、財務大臣、財務大臣、財政措置をしていただけるんでしょうか。
#104
○国務大臣(塩川正十郎君) この件については経産大臣と今相談をしてやっておりますから、とにかく、申請してきた中身を一々検討するというよりも、経産省の判断で実行させていくと。そして、その結果を厳しく経産省の方で評価をしてもらうと。そして、それをまた今度の予算に反映すると。そういう循環を取ったらいいじゃないかと、こう思っております。
#105
○櫻井充君 要するに、一時的に前払していただけるんですか。終わってから、年度が終わってからだと財政的に厳しいから、予算が決まった時点である程度、一時金として支給してくれないかというのが地元の要望なんですよ。
#106
○国務大臣(塩川正十郎君) その件について相談しておるんですから、それはできるようにしなきゃ、制度、せっかく制度を作っても意味がありませんから、できるように対応していくということで、もう早急に両省相談して決めていきたいと思います。
#107
○櫻井充君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 もう一つ、中小企業支援センターについての予算のことについてお伺いしたいんですが、宮城県では実践経営塾というものを立ち上げておりまして、テレビ番組の「マネーの虎」というんでしょうか、何人かの方々が来て自分のプロジェクトを話をしたときに、このプロジェクトがいいとか悪いとか随分評価していただいて、その知恵をいただいた上で新規開業に至る。このことをやって、かなりうまくいっているという御評価をいただいているんだそうです。
 実は、宮城と福岡がこの取組の中でうまくいっていると。ところが、これだけうまくいっていても中小企業支援センターの予算が削減されちゃうんだそうなんですよ。この点についてどう思われますか。
#108
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに予算は、今年度の十五年度予算では総額で五十億でございます。前年が七十億でございましたから、削減したことは事実なんです。それは一つの実態でございまして、例えば今こういう厳しい中ですから精査しなきゃいけないわけでございますけれども、例えばこれは地方も一部負担をするという制度になっておりまして、今地方財政が厳しいという中で、地方自治体の中ではその予算を付けないというようなことがありました。ですから、そういうことを精査をしまして、私どもは、その七十億を五十億にいたしました。
 しかし、これはいいことはどんどんやらなきゃいけませんから、そういう実績の上がっているところも減らすというようなことは私はあってはならない、そういう基本的には考え方を持っております。
#109
○櫻井充君 改めてお伺いさせていただきたいんですが、全国一律で同じような割合で減らされるんだそうなんですよ。ですから、実績が上がっているところに対しては手厚く予算措置をしていただくとか、そういうことでまたインセンティブが掛かっていくと思うんです。そのように実行していただけるんですね。
#110
○国務大臣(平沼赳夫君) それは、私どもは、やっぱりおっしゃるように、実績が上がり、しっかりと取り組んでいただく、そして継続性のあるところは、私どもはしっかりフォローしなきゃいかぬと、こう思っています。
#111
○櫻井充君 それでは、次に経済の問題についてお伺いしたいんですけれども、日銀の藤原副総裁に来ていただいています。高校の大先輩で、これまで随分御苦労されたことを本当に感謝申し上げます。
 藤原副総裁にお伺いしたいんですが、これ以上の、日銀の今の金融緩和政策の在り方と、この先その金融緩和政策をやることによって日本の経済が立ち直っていくのかどうか、その点についてお話しいただけますでしょうか。
#112
○委員長(陣内孝雄君) こちらでどうぞ。
#113
○参考人(藤原作彌君) 難しい御質問をちょうだいしましたけれども、振り返ってみますと、日本経済の長期にわたる低迷には様々な要因が複雑に絡み合っているんだと思います。すなわち、日本経済が成長経済から成熟経済へと大きな転換を果たさなければならない時期、一九八〇年代の後半なんですが、その時期にバブルの生成と崩壊が起きまして、更にはそこに世界経済の構造変化といった大きな環境変化が加わったわけです。このことが我が国経済の抱える問題を複雑にして、かつ根の深いものにしているんだと思います。
 こうした中にありまして、日本銀行としましては、経済の再生のために中央銀行の立場からできる限りの貢献を行おうと全力を尽くしてきたつもりであります。すなわち、短期金利をゼロまで低下させますとともに、短期金利以外の金融緩和の波及ルートについても積極的に模索しまして、潤沢な資金供給に努めるといった、言わば未知の領域に踏み込んだ金融緩和を進めてきたつもりでございます。
 こうした前例のない金融緩和によりまして、金融システムが脆弱性を抱えるその間でも金融機関の流動性不安というものは払拭されまして、金利も低位安定を続けてきたわけであります。これらが企業金融や景気の下支えという面で大きな意味があったと私は考えます。
 ただ、金融緩和が一段と強力な効果を発揮するためには、規制緩和とか税制改革などを通じまして、民間需要を活性化させていくということが必要でありますし、一方で不良債権問題を早期に解決して、信用仲介機能の回復と機能強化を図るということが、これは是非とも必要なことだと思います。
 日本経済はこれまでも様々な困難を乗り越えて現在の繁栄を築き上げてきたわけであります。私は、日本経済が現在の様々な課題をいずれ克服して、持続的成長を実現していくだけの潜在力は十分に備えていると信じております。日本銀行の金融政策は、これまでもそうした日本経済の再生にとって重要な基盤を提供してきたと自負しておりますが、今後ともそうであり続けることを私は確信しております。
#114
○櫻井充君 大事な点は、今でもゼロ金利で、当座預金も積み増しして、なおかつ一兆二千億の国債を買いオペを行っていると。そういうことをやって果たしてどのぐらい効果があったのか。
 そしてもう一点、これ以上国債の買いオペを増やしていくことにどれだけの意味があるとお考えなのか。改めて、端的にお答えいただけますでしょうか。
#115
○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。
 何回かの金融緩和措置によりまして、金利の面ではゼロ金利にまで到達するほどの緩和をし、量的緩和に移りましてからも様々な知恵を絞って流動性の供給をしてまいりました。
 それによりまして、繰り返しになりますけれども、企業金融の円滑化と景気の下支え効果は、その役割は果たしてきたと思います。ただ、それが、先ほど言いましたような構造的要因等によりまして、十全な景気回復の効果を発揮していないことは事実でありますので、今の金融緩和策を更に進めていくという方法は今後とも取っていくものだと思います。
 国債のこの買入れの問題についてですけれども、日本銀行は、先ほども言いましたように、金融市場に対して極めて潤沢な資金供給を行っているわけですが、そうした資金供給を行っていく上でオペレーション、金融調節上必要な場合には国債買入れの一層の増額や、これまでもやってきたんですけれども、しかし現時点においては、更にそれにプラスの国債買入れの増額とか、いわゆる非伝統的資産の買入れが必要な状況ではないと私は考えます。
#116
○櫻井充君 竹中大臣、今の藤原副総裁の御答弁を聞いて、いかがお考えでしょうか。
#117
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本銀行が九〇年代を通して非常に積極的に金融政策を展開してきたというのは、私もそのとおりであろうというふうに思います。
 現状を今、副総裁もおっしゃいましたけれども、更に金融緩和の努力をしていかれると、そういうお話があったわけでありますけれども、我々としては、これはもう繰り返し申し上げていることでありますが、やはりマネーサプライが結果として増えるような状況にならないとデフレは克服できない。もちろん、それは日銀だけができることではなくて、我々として、政府としては、構造改革特区、産業再生機構、先行減税、いろんな形で経済を活性化していく。それに呼応する形で日本銀行においてもやはりマネーサプライが増えるような努力をしていただきたい、そのように私は思っておりますし、今の副総裁のお話もそういうことであろうかというふうに思っております。
#118
○櫻井充君 日銀と一体となってというお話でしたけれども、財政の部分は国債発行三十兆円とかいう形で、ある一方では、財政出動ではブレーキを踏んで、金融緩和の方ではアクセルを踏み続けているという、何か政府と日銀と一体となってやっていないような感じがしますけれども、いかがですか、塩川大臣。
#119
○国務大臣(塩川正十郎君) そう取られますと一概に説明のしにくい状態ですけれども、しかしやっぱり理論的に右だ左だと割り切るんじゃなくて、現実的な処理というものをしなきゃならぬ。政府としても、やっぱり経済政策、経済の繁栄化という、活性化という点から見ると、もっともっと国債を発行してでもやるべきだと、資金供給すべきだという考えはありますけれども、しかし一方で、やっぱり財政の秩序ということを守っていかなきゃならぬ。そうすると、やはりどうしても金融の方に資金の供給の期待を掛けるということも、これもまあうなずけるところであろうと思っておりますが。
 でも、それだけで景気の回生、デフレの解消ということは、それは考えてはいかぬと、それはやっぱり総合的にやるべきだということでございまして、先ほど副総裁の話、竹中大臣、聞いておりまして、どっちもきちっとしたこと、話だなと思って聞いておりました。
#120
○櫻井充君 この委員会でいつも申し上げているんですが、要するに平成九年が一つのポイントになると思っていまして、平成九年で財政再建を行おうとした。確かに、国の借金だけを見ればそうやりたくなりますけれども、あの時期を間違ったからこそ日本経済の低迷は続いているんではないんですか。違いますか、塩川大臣。
#121
○国務大臣(塩川正十郎君) あのときは、やはり国際情勢も大分動いておりましたから、一概に日本の政策、独自の政策で判断すべきじゃないと思っておりまして、通貨危機とかいろんなことございました。
 その中に、やっぱり日本経済も何とか底割れしないようにということで懸命に活性化対策、また減税をやり国債発行をしてきたと。その結果を今論ずるということは、私はこれは適当ではないと思っております。
#122
○櫻井充君 そうでしょうか。こういう経済というのは社会実験ができるわけではありませんから、過去のことをきちんと評価して、それで対策を立てていくべきだと思います。
 我々だと、動物愛護団体の方に怒られるかもしれませんが、動物実験をやれて、そして人に適用できるかどうかということを考えるわけであって、社会実験することは許されることではないわけですから、そこの総括が私は極めて重要なんではないかなと思っております。
 竹中大臣、改めてその総括をお願いしたいと思います。
#123
○国務大臣(竹中平蔵君) 九七年の経済判断については、これは専門家の間でもいろんな検証が今、正に行われているところだと思います。
 私自身の認識は、やはり日本の経済がそれ以降悪化した最大の要因は、不良債権問題について十分な情報量を私たちの社会全体が残念ながら持っていなかったと、そこがやはり最大の要因であろうかと思います。これは、不良債権の開示が法律で義務付けられたのは実はその後であります。その不良債権問題の本質というものが十分に理解されない。
 財政がその当時、緊縮に向かったというのは経済を変化させる一つのきっかけであったわけでありますけれども、例えばこれは実験はできませんけれども、一種のシミュレーションで、じゃあの九七年の財政改革なかりせばすべてうまくいっていたのかと、これはやはり違うのだと思います。先ほど申し上げたように、不良債権の問題というのがやはり隠されていた、九七年に、その後、御承知のようにアジア経済危機のような問題も出てきた、そういうような中でやはり総合的に評価しなければいけない問題であろうかと思います。
#124
○櫻井充君 平成十三年の税収の当初見積りが五十兆七千億、今年が四十一兆円ぐらいでしょうか。つまり、この二年間で九兆円近い税収の落ち込みがあります。今回の国債の発行額が三十六・四兆円で当初としては最高だということを考えてくると、昨年、果たして、財政を絞った、収縮させたことが果たして良かったのかどうかという判断が必要なんだと思うんですよ。その点についていかがですか。
#125
○国務大臣(竹中平蔵君) 昨年というのは十四年度ということですか。税収の狂いについては、これ以前も御答弁させていただきましたが、十三年度の税収見積りが違っていたと。私はそこのむしろ技術的な問題であろうかというふうに思っております。
 十四年度に関しては、国債三十兆円発行を目指して財政を健全化させていくための第一歩というふうに位置付けた、そういうその経済であったということは事実でございますが、それによってしからば十四年度経済が著しく収縮して悪くなっているかというと、実は事実はそれとは若干違うわけでございます。これはもう数字ですから申し上げますけれども、十四年度の一番最初、四―六月期の成長率は年率換算で五%を超えたんですね。第三・四半期は三%、第四・四半期は二%成長でありますので、十四年度の経済というのはむしろ、これはデフレの問題はある、物価の問題はあるんですが、実質成長で見ると予想を上回って日本の経済は健闘いたしました、ヨーロッパの経済等々が悪化する中で。その意味では、十四年度の財政の運営が日本の経済を悪くしたというような事実は、私はこれはむしろ数字を見る限り、そういうことは言えないのではないかと思います。
 重要な点は、これは財政絞らなきゃいけないのは苦しいですけれども、やはり中長期的に財政を健全化させていかなければ、午前中の答弁にもありましたけれども、子供たちの時代に対してやはりきちっとした責任を果たせない。そのような中で、正にぎりぎりの狭い道の選択を今しているということだと思います。
#126
○櫻井充君 経済は成長を遂げている、国民の皆さんは皆苦しいと感じている、税収は落ち込んでいる、特に法人税と所得税です。どうしてそういうギャップが出てくるんですか。
#127
○国務大臣(竹中平蔵君) 私も、経済が水準として厳しい状況にあって国民生活が厳しいということは全くそのとおりであろうかと思います。引き続き厳しい状況が続いているという認識に立っております。ただ、事実としては、実質的な所得というのはこの十四年度に関しては予想よりは増大していたというのは、これは事実でございます。
 その実感とのギャップは何かと。これは、実感とのギャップというのはこれは私は常にあるものだとは思いますが、幾つか考えられる要因は、今まで労働分配率がずっと高まってきた、そのことの修正が行われている。これはリストラ等々で賃金が下がるという状況がこの十四年度に出現しているというのが一つだと思いますし、経済主体においてやはり、正に構造変化の中で非常にその格差が拡大しているという問題もこの実感には反映していようかと思います。地域の中小企業、大変厳しいというのも事実でございますが、一方で自動車メーカーでは史上最高の利益を上げているというのも一つの事実。ここはやはり、しかし格差を余りに拡大させるということはこれは好ましくないことでありますから、そういう点にも配慮をしてやはり政策を遂行していかなければいけないというふうに思っております。
#128
○櫻井充君 時間があったら後でまた質問させていただきます。
 次に、文部省の天下りの問題について質問させていただきますが、このたび日本学術振興会の理事長に就任された小野元之氏というのは、いつまで文部科学省のどういう役職に就かれていた方でしょうか。
#129
○国務大臣(遠山敦子君) 小野前事務次官、これは去る一月の初めまで文部科学事務次官として務めましたが、それ以前、様々な役職に就いてくれておりまして、文部行政に通暁している、そういう人物でございます。
#130
○櫻井充君 事務次官が一月十日に退官されて、二月の一日に日本学術振興会の理事長に就任されています。この日本学術振興会というのはどういう団体でしょうか。
#131
○国務大臣(遠山敦子君) 日本学術振興会は、元々は天皇陛下からの御下賜金によって日本の学術を振興するというためにできた、そういう会でございます。
 学術振興会というのは、今は、大きく申しますと、科学研究費補助金、これは日本の研究者、特に基礎研究者にとりまして非常に大事な研究費でございますけれども、そういう研究費について、これはあらゆる分野にわたる研究について、どういう申請があってどういう援助をしていくかということについていろんな方々の知恵をかりながら決めていく、そういう任務を持った、日本の将来にとって、また日本の研究、基礎研究の振興にとって大変重要な仕事をしている振興会でございます。
#132
○櫻井充君 確認ですが、この財団は民間の財団ですよね、位置付けは。
#133
○政府参考人(結城章夫君) 日本学術振興会は特殊法人でございまして、今度の十月には独立行政法人に切り替わることになっております。
#134
○櫻井充君 現行は、これ、財団法人ではないんですか。特殊法人ですか。もう一度、新たに変わるのは分かっているんですが、民間の財団ではないんですね。
#135
○政府参考人(結城章夫君) 特別の設置法に基づいて作られております特殊法人でございます。
#136
○櫻井充君 そして、これの任命権者が文部科学大臣ということになっております。この理事長のポストというのは、代々事務次官が理事長になられているわけではないんですか。
#137
○国務大臣(遠山敦子君) 事務次官と申しますか、その人の持っている見識そして経験ということに基づいて任命をいたしております。必ずしも事務次官の経験者ばかりではございません。
#138
○櫻井充君 それで、この方が中央教育審議会の委員になられているんですね。今まで諮問している側だった、その諮問している方が、お辞めになった途端に中央教育審議会の臨時委員になられています。諮問していた人が今度は審議する方に入るというのは極めておかしなことじゃないですか。
#139
○国務大臣(遠山敦子君) これは中央教育審議会の委員では、正委員ではございませんで、臨時委員でございまして、臨時委員は特別の事項に関しまして学識経験者なる者のうちから選ぶということでございます。
 先ほど申しましたように、小野氏のこれまでの深い経験、それから様々な教育行政についての精通した見識というようなことから、学識経験者としての立場から参画していただくということを決めたところでございます。
#140
○櫻井充君 しかし、この行政改革議会の最終報告、このことによると、行政経験者の任命については特にその必要のあるものに限るなどして厳に抑制すると書かれております。
 石原大臣、この点についてどうお考えですか。
#141
○国務大臣(石原伸晃君) 委員の多分御質問の趣旨は、特殊法人、これは十月には独立行政法人に変わりますけれども、役所の方々のOBになった方々が、すなわちそのOB人事の一環としてやっているんじゃないか……
#142
○櫻井充君 審議会の方です。
#143
○国務大臣(石原伸晃君) 審議会の方ですか。
#144
○櫻井充君 審議会の委員にこういう制約が付いている。
#145
○国務大臣(石原伸晃君) 審議会の方の委員は文科大臣が任命するということですけれども、それも、その委員の御指摘は多分、OBがそういうところの常任委員ではないけれどもそういうものになるのはどうかという御質問ですけれども、それは一義的には文科大臣が識見とかその人のこれまでの能力とか、そういうことによって御指名されると思うんですけれども、国民の目から見ると、さっき言いましたように、すべて何か一環として動いているのじゃないかというような疑義が見られることのないようにするということで、そういうふうに規定されているものと承知をしております。
#146
○櫻井充君 済みません。
 だって大臣、行革のその最終答申に、委員の任命に当たっては、行政経験者を任命する際には特に必要のあるものに限るって、こう言っているわけですよ。
 じゃ、なぜこんな文言付けているんですか。
#147
○国務大臣(石原伸晃君) 委員は、ですから、役所に勤めていて、そういう方々が辞めて、特別な場合はというふうに、そういうふうに書いてあるのに、なるということはおかしいんじゃないかという質問の御趣旨だと思うんで……
#148
○櫻井充君 いや、原則なぜそう書いているか。原則論ですよ。──じゃ、午後でもいいです、ここ。原則論です、原則論。原則論ちゃんと答えてくださいよ。
#149
○委員長(陣内孝雄君) 残余の質疑は再開後に譲ることといたします。
 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時五十六分開会
#150
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十五年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。櫻井充君。
#151
○櫻井充君 石原大臣に改めてお伺いいたします。
 まずその前に、そうすると行政にとって審議会の位置付けとは一体どういうものなんでしょうか。
 つまり、もう一度、もう少し。つまり行革法に、ここのところに、審議会の中に、元々のその委員の選任に当たって行政の人間をなるだけ入れないようにと決められているわけです。ですから、基本に立ち返ってみたときに、審議会の位置付けというのは一体どういうものなんですか。
#152
○国務大臣(石原伸晃君) 広く有識者から行政に役立つ情報を、あるいは意見というものを拝聴して、国の施策に生かしていく、これが審議会の意味であると考えております。
#153
○櫻井充君 そうしますと、審議会と行政の立場、これはどうなるんでしょうか。
#154
○国務大臣(石原伸晃君) これは、審議会によりまして多少違いはあると思いますけれども、諮問する側が行政であって、お答えをいただくのが、答申を出していただくのが審議会であると一般的に解釈をするものだと承知しております。
#155
○櫻井充君 そうしますと、ある意味、行政に意見を言うことが、その役割が審議会ということですよね。
#156
○国務大臣(石原伸晃君) 冒頭、前段にお答えした答えのとおりでございますし、広い意味ではただいま委員の御指摘のとおりであると認識しております。
#157
○櫻井充君 そうしますと、行政側にいた方が事務次官をお辞めになってこの審議会の委員として入られるのは不適当ではないんでしょうか。
#158
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども若干私なりの解釈をちょっと言わせていただいたと思うんですけれども、委員は二点で問題があると私は言っているような気がするんです。
 というのは、一つは、役所を退官して天下りOB人事の一環として審議会の委員になるのは問題であるということと、特殊法人に天下るということの問題点を言われているんだと思います。
 そして、今の御質問は、多分、審議会等の整理合理化に関する基本計画、これは平成十一年の四月の二十七日に閣議決定したものでございますが、この中で、「委員等については、行政への民意の反映等の観点から、原則として民間有識者から選ぶものとする。」と示しているので、民間人でなければならないのではないかという御質問ではないかと私は解釈をしているんでございますが、原則として民間有識者から選ぶものとするというその理由は、審議会がどうあるべきであるかという今までのお答えの中に入っておりますので重複は避けますが、そのように御理解をいただいて結構だと思っております。
#159
○櫻井充君 そうしますと、民間の人とおっしゃっているわけであって、この小野事務次官は、何回も言いますが、一月の十日付けでしょうか、そこまでは行政の中におられた方でして、この方が、現時点では民間の中かも、人かもしれませんが、民間人と呼ぶにふさわしいんでしょうか。
#160
○国務大臣(遠山敦子君) 委員会運営のために、ちょっと遅刻をいたしまして、申し訳ございませんでした。
 今のお尋ねの件でございますけれども、平成十一年に政府の取決めがありまして、府省出身者の審議会の通常の委員への任命については厳に抑制すべきということでございますが、御指摘の小野委員につきましては臨時委員でございますので、この規則が直接及ぶものではないと考えます。しかしながら、臨時委員等につきましてもできる限りその趣旨を尊重すべきものということは当然のことと考えております。
 小野氏につきましては、その中にも書かれておりますけれども、専門的な知識、経験から十分にその資格を有するという場合には臨時委員として任命することができるというふうに考えまして、私といたしましては、その学識経験者としての立場から審議に参加してもらっているところでございます。その意味では、審議会が行政の在り方についていろいろアドバイスをいただくという、そういう中におきまして、その専門的知識を活用しながら、そのことについて、臨時委員でございますから、正委員ではございませんのであれでございますが、そういうことについて意見を述べるということを前提とする任命ということは私は可能であるというふうに考えて判断したわけでございます。
#161
○櫻井充君 行政にアドバイスされるとおっしゃっていました。ついこの間まで行政にいた人が、たった何日間かたって二月一日にはもう臨時委員になられているんです。この方が行政に適切にアドバイスできるとお思いですか。
#162
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほども申しましたように、その学識経験といいますか、これまでの蓄積というのをベースにしながらということでございますが、行政へのアドバイスといいますか、そういう場合に、行政における様々な経験なりあるいは蓄積なりというようなことも一つのベースとしながら、しかしその上に考えられる創造的な意見についても自らの考えを述べるということを考えますと、私といたしましては、学識経験に期待をしてということで今回判断したというふうに考えているところでございます。
#163
○櫻井充君 日本、これだけ広い国家の中で学識経験者というのはいらっしゃらないんですか、じゃ、この人のほかには。違いますか。
 もう一点言います。副部会長の中の國分さんとお読みしていいんでしょうか、正明さん。この方も文部科学省の出身者じゃないですか。
#164
○国務大臣(遠山敦子君) 正委員としてお願いしております國分氏は、かつて文部省に在職された方でございます。
#165
○櫻井充君 ですから、行政の立場をここにももう理解している方がいらっしゃるわけでして、しかも、この方は一期からずっと継続されているようです、國分さんは。なおかつ、それでなぜ行政からの人間を入れなきゃいけないんですか。有識者という方々はもっと一杯いらっしゃるじゃないですか、民間に広く。その方々を入れなかったら審議会自体が形骸化しませんか。
#166
○国務大臣(遠山敦子君) 中央教育審議会、つい先般、任期が終了いたしまして、その継続性、また、今大変大事な問題を審議していただいておりますので、継続性を考えましてほとんどの方が留任をしていただいたわけでございます。そのメンバーの中には、いろんな立場からいろんな角度から御議論いただきます専門家たちを御依頼をいたしましてメンバーとさしていただいているところでございます。
 その意味で、十分に、その民間の、あるいは様々な分野の専門的知識、技術を集約するという意味におきまして、私は、メンバー構成として十分にそういうあるべき方向にのっとって任命をしているものというふうに認識しているところでございます。
#167
○櫻井充君 大臣ね、大臣、私は、臨時委員だと今おっしゃいました。臨時委員であったらば今お辞めにならせてもいいんじゃないですか。これだけ問題点がありながら、しかも行革の流れから反するような形になっているわけですから、まずはこの方に私はお辞めいただくというのが筋ではないのかな。大臣は任命権者ですから、その権限がございます。お辞めにならせる意思はおありですか。
#168
○国務大臣(遠山敦子君) この臨時委員につきましては、任命権者は大臣でございますし、またどこに所属をしてもらうかにつきましては審議会の会長が決定されるという仕組みになってございます。
 今お話しいたしましたように、中央教育審議会におきましては大変重要な課題を幾つも抱えていただいておりまして、それの継続的な、あるいは過去のいろんなその経緯というものを前提にした御議論が続いているところでございます。そういう意味におきまして、私は先般任命いたしました臨時委員につきまして、これについて今の時点でお辞めいただくということは考えていないところでございます。
#169
○櫻井充君 継続的にとおっしゃいますが、この方は一月十日にお辞めになってすぐに入っているんですよ。元々いらっしゃった國分さんとは違うんですよ。継続なんかしていないじゃないですか、この人は。
#170
○国務大臣(遠山敦子君) 臨時委員につきましては特別の事項についての専門的知識ということでございまして、今御議論いただいております事項についての特別の知識、技術、知識と経験ということに基づきましてお願いをしたところでございます。
#171
○櫻井充君 教育をやられている方々数多くいらっしゃいます。この方々よりも小野さんの方が優れていて、ほかに人材がいなかったということですね。
#172
○国務大臣(遠山敦子君) 教育に関しましてはいろんな角度からの御議論が大事だと考えておりますし、またそういった問題につきましても、既に現委員の中でそれぞれの立場を代表されます、あるいはそれぞれの御見識をお持ちの方々がメンバーになっていただいております。
 小野氏につきましては、臨時委員が特定の事項についての知識、経験ということでお願いしたわけでございまして、現在、中央教育審議会において御審議をいただいております重要な事項に関する知識、経験ということでお願いしたところでございます。
#173
○櫻井充君 要するに、行政改革なんかこれじゃできないじゃないですか。国の在り方信用されませんよ。本当は小泉さんがいらっしゃったら総理にお伺いしたいところですけれども、官房長官、いかがですか。こういうのでいいんですか、こんな文部大臣で。
#174
○国務大臣(福田康夫君) これはですね、文部科学省における人事のことでございます。文部科学大臣がしっかりと対応されるべきことだと思っております。
#175
○櫻井充君 それでは、文部科学大臣が適切な判断をされているとお思いですか。
#176
○国務大臣(福田康夫君) 今、私初めて聞いたことで、事実関係よく分かりません。ですから、回答は差し控えさせていただきます。
#177
○櫻井充君 事実を御説明いたします。
 二月の、じゃ、この方が、事実はじゃ文部科学省の方から説明していただきましょう。どういう経緯で、いつお辞めになって、いつここの委員会に入られたのか。私は一月十日付けで辞められたことは分かっておりますが、中央審議会にいつこの方が登録されたのか分かりません。いつでしょうか。
#178
○政府参考人(結城章夫君) 小野前事務次官でございますけれども、二月一日付けで中央教育審議会の臨時委員に就任されております。
#179
○櫻井充君 一月十日に行政辞められて、二月の一日には審議会に入られているんです。
 官房長官、いかがですか。
#180
○国務大臣(福田康夫君) まあ、すべてそういうことがあって悪いのかということでもないと思います。それは、その状況、ケース・バイ・ケースと申しましょうか、そういうことで判断すべきことだと思います。
#181
○櫻井充君 審議会の、国家行政組織法の中の八条に審議会が定められていて、何回も言いますが、これじゃ行政なんかチェックされませんよ。そして、もう一つは、行政のやっていることなんかだれも信用しないんじゃないですか。これじゃ駄目ですよ、大臣、文部大臣。
#182
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど申しましたように、任命権者は大臣でございますけれども、審議会の中のどういう分野について所属するかということについては審議会の会長がお決めになるところでございますが、今所属しております基本問題部会におきましては、これは多数の方の御参加をいただいておりまして、正委員、それから臨時委員、これらはそれぞれの見識において選ばれている方々でございまして、小野氏が一人加わったということで、それは、その審議の内容について、いろいろな経験に伴う知識なり意見を付加することはできましても、大きく、何かそれだけで事柄が変わるような、あるいは行政自体の在り方について左右するようなものではないと思っております。私は、より議論が深まり、また専門、臨時委員としての見識というものがその審議会の審議に役立つというふうに考えたわけでございます。
#183
○櫻井充君 じゃ、このときに、ほかにどなたが臨時委員としてふさわしいか、候補者挙がったんですか。──事務方で結構ですよ。
#184
○政府参考人(結城章夫君) 具体的な名前は今手元にございませんけれども、全体、総合的に勘案して、この小野日本学術振興会理事長を臨時委員に選任したものでございます。(発言する者あり)
 もう一回申し上げます。
 中央教育審議会の基本問題部会でございますけれども、合計十七名の委員で構成されております。そのうち本委員、いわゆる中央教育審議会の本委員に当たります方が十名、それから臨時委員に当たります方が七名でございます。(「決める前の話だよ、なってないよ」と呼ぶ者あり)
#185
○委員長(陣内孝雄君) 結城官房長。
#186
○政府参考人(結城章夫君) 補足させていただきます。
 先ほどの臨時委員七名でございますけれども、そのうちの三名が新任の臨時委員でございまして、小野理事長ほか、あと二人の方が今回、新委員に選ばれております。
#187
○櫻井充君 そうすると、ここに名前が挙げられている永井さん、それから森さんという方と三人、二月一日付けで臨時委員になられているわけですね。
#188
○政府参考人(結城章夫君) そのとおりでございます。
#189
○櫻井充君 ほかには候補者はいなかったんでしょうか。どういう方からこの方々、三名ということで人選されているんですか。
#190
○政府参考人(結城章夫君) 具体的にこの人からということはございませんけれども、全体考えましてこの三名の方を新たに臨時委員に就任いただくのがよいという判断をしたものでございます。
#191
○櫻井充君 その経過を教えていただけますか。どういう角度なんですか、何が有識者なんですか、じゃ。全部含めてもう一度お答えいただけませんか。これは大事なことなんですよ。行政というものの在り方が問われていますからね、文部科学省。
#192
○国務大臣(遠山敦子君) 臨時委員といいますものは、特別の事項に関して学識経験のある者のうちから大臣によって任命されて、その特別の事項について調査審議していただくということでございまして、今、中央教育審議会において御議論されております問題の重要性にかんがみて、私としては任命いたしたところでございます。
 ちょうど一月末ですべての委員の任期が切れたわけでございますが、ほとんどの方は今の重要な事項の審議中ということで継続して就任をお願いいたしておりまして、その際に、更に臨時委員についても追加した方がいいというふうに考えたからでございます。これは、欠員があって、で、付け加えたということでございませんで、臨時委員は事柄の進捗状況あるいは必要性に応じまして付け加えられるものでございます。
 もとより、私といたしましては、委員の御指摘のような内閣としての方針でございますね、これについては十分考える立場にあるわけでございまして、しかし、小野氏につきましては学識経験ということで特にお願いをしているところでございますので、御了解をいただきたいと存じます。
#193
○櫻井充君 それじゃ、こういう審議会の構成で国民の皆さんから信頼されると思いますか。
#194
○国務大臣(遠山敦子君) 私といたしましては、中央教育審議会におきます今日大変集中的な審議が行われておりますけれども、その経緯をフォローいたしましても、しっかりと国民に対して責任を持って御議論をいただいているというふうに考えております。
#195
○櫻井充君 信頼されていますか。信頼されますかと聞いているんです。御議論するとかしないじゃない。信頼じゃ答えになっていません。そこだけですから。
#196
○国務大臣(遠山敦子君) 信頼されていると思います。
#197
○櫻井充君 そうでしょうか。こんなことやっているからだれも信用しないんじゃないんですか。このことを信頼される、信頼されているなんていう感覚が私はおかしいと思いますよ。
 こういう方が大臣でいいんですか、本当に。官房長官。(発言する者あり)いないんだもの、だって。いないんだから。いないんだもの、しようがないじゃない。
 じゃ、済みませんが、それでは、ほかの省庁でこういうことをやっているんですか。ほかの省庁でも辞められて、辞められて審議会のメンバーになられているんでしょうか。どなたにお伺いしたらいいんでしょうか。森山法務大臣、いかがですか。
#198
○国務大臣(森山眞弓君) すべてを私知っているわけではございませんが、法務省に関する限りはそういう例はないかと思います。
#199
○櫻井充君 坂口大臣、いかがでございましょう。
#200
○国務大臣(坂口力君) 一遍、調べて御報告いたします。
#201
○櫻井充君 片山大臣、いかがですか。
#202
○国務大臣(片山虎之助君) 調べてみます。
 まあ、いろいろあると思いますよ、それは。調べてみましょう。
#203
○櫻井充君 委員長、これはお願いです。
 各省庁で、このように文部科学省の事務次官と同じように、辞められてすぐに審議会のメンバーに、ほかの省庁でもいらっしゃるのかどうか、それについて検討していただいて、その資料を提出していただきたいと思います。
#204
○委員長(陣内孝雄君) 後ほど理事会で協議いたします。
#205
○櫻井充君 改めて石原大臣にお伺いしますけれども、この文部科学省の姿勢というのは行政改革担当大臣からごらんになってどうですか。
#206
○国務大臣(石原伸晃君) 運用の指針ももう既に委員はお読みになられていて御質問されていると思うんですけれども、出身省庁の任命を厳に抑制するとしっかりと書かせていただいています。
 その意味は、もう委員がこれまでこの御議論の中で御指摘されておりますように、言葉は悪いんですけれども、御用審議会は国民が信用しないよと、そういうものじゃいけないということを櫻井委員は御指摘されているんだと思いますが、この運用の指針の中で、任命を厳に抑制するというその趣旨も、これをまとめられたときの趣旨を私も見てみましたけれども、民意を反映し、先ほども話しましたけれども、大所高所から専門知識を持った人の導入をして、審議会が真に国民の皆さん方の生活を向上するものに資するようにという趣旨でありますので、そういう、委員が御指摘のとおり、極力、民間人を中心とすることが私は望ましいと考えております。
#207
○櫻井充君 ですから、文部科学省の対応はどうなんですかと大臣にお伺いしているんです。行革担当大臣からごらんになって逆行しているんじゃないんでしょうか。
#208
○国務大臣(石原伸晃君) この中教審の臨時委員に任命された前次官の小野さんですか、この方は、個人的には私は、かなりらつ腕で、こんなことを言ったら恐縮なんですが、文部省の中にあっては傑出した人物であると個人的には考えております。なぜそんなことを言うかというと、宗教法人法の改正を、たしか文化庁の次長として振るわれたと。
 そういうことから、個人的にはそう思っておりますが、文科大臣のお話を聞いておりますと、文科大臣のお話の趣旨は、この運用の部分になお属人的な専門知識及び経験に着目して委員等とすることは排除しないと、限られているんですけれども、出身省庁の方を全く排除するわけではないというナローパスを通って、このらつ腕の方を採用したというような説明に私は聞こえたんでありますが、さっき申しましたように、審議会の趣旨というものを考えたときには極力、民間有識者を中心とすることが望ましいというのが行革を進める者の立場でありますし、こっち側がオーディナルピープルじゃないかと思っております。
#209
○櫻井充君 ふさわしいかふさわしくないか聞いているんです。答弁になっていませんよ、答弁になっていません。ふさわしいかふさわしくないか、その判断がふさわしかったか、ふさわしくなかったかを聞いているんです。
#210
○国務大臣(石原伸晃君) それは、櫻井委員、私が遠山大臣が適任か適任じゃないかと、総理が決められたことを私の口から申すことは差し控えさせていただきます。
#211
○櫻井充君 そうじゃありません。私は、判断の問題を申し上げている。
 じゃ、お伺いしますが、内閣を構成されていると、ある省庁の方がお決めになったことに関しては、ほかの大臣の方というのは意見を言えないものなんですか。
#212
○国務大臣(福田康夫君) 言えないことないんですよ。ただ、この問題、この人事について、例えば閣議とか閣僚懇談会だとか、そういうような場面で出てこない人事でございますので、ですからそういう議論をする機会はなかったということは言えます。
 ただ、私、お聞きいたしておりまして、やっぱりこういう委員を選ぶときにはこれは慎重でなきゃいけない、特に国民から疑念を持たれるとか、そういうふうなことはあってはいけないということは、これはもう大前提としてありますけれども、同時に、やはりその分野において知識、見識の高い方、また教育の分野であれば人格のこともあるかもしれません、そういうものを総合的に判断して決めると。こういうことで、その点については、文部科学大臣はふさわしい方だということで決められたのではないかというように私は思っております。
#213
○櫻井充君 では最後に、この方の人事を見直していただく意思はおありでしょうか。それだけ最後にお伺いしておきます。
#214
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、内閣の方針というものはしっかりと理解をした上で、今回の件につきましてはその専門的な学識経験に基づくという任命でございますので、今件につきましては私は辞めていただくつもりはございません。
#215
○櫻井充君 マスコミの方がどれだけ取り上げてくださるか分かりませんが、このことを、このことが国民の皆さんから見たときに、見たときに……(発言する者あり)いや、そういうことじゃないですよ。ここの中で決着が付かないからです。つまり、文部科学省としてはこの人選でいいということですから、果たして多くの国民の皆さんがこれを信任されるかどうかということは極めて重いことだと思いますよ。
 それでは次に、話題を変えまして、東京女子医科大学の問題について質問させていただきます。
 その東京女子医科大学の問題で、このときに手術で亡くなられた平柳さん、本当に心から御冥福をお祈りしたいんですが、この方の人工心肺が実は改造されていたんではないかと、そういう指摘がございます。このことについて厚生労働省はきちんと調査されたでしょうか。
#216
○政府参考人(小島比登志君) 御指摘の東京女子医大大学病院の事件におきます人工心肺装置でございますが、当時、事故で使用されておりましたこの装置につきまして同病院の院長から事情を聴いたわけでございますが、落差脱血方式として使用されたものにつきまして、平成二年九月から回路を変更し、陰圧吸引補助脱血方式として使用し始めたことというふうな報告がございましたが、それ以上の詳細につきましては、本件の刑事裁判が進行中であることから、回答は差し控えたいというふうな説明を受けているところでございます。
#217
○櫻井充君 このように、元々、薬事法でしょうか、認可されて、改造して機械が使われている、これは大問題じゃないんですか。
#218
○政府参考人(小島比登志君) 薬事法の関係のお尋ねでございますが、この人工心肺装置は、薬事法の観点からいいますと、約十五のパーツについて薬事法の承認が受けられております。
 私ども、昨年の十二月に東京都が立入調査した際に、このパーツが薬事法の承認にちゃんと合致しているかどうかということについては確認をいたしまして、いずれも薬事法上の承認は適法に取得したものだというふうに考えております。
 しかしながら、この薬事法に承認を受けましたパーツをどのように組み合わせて人工心肺装置を作るか、あるいはその他の部品を組み合わせて装置を作るかということは、病院の医療の観点からの自由裁量に任されておりまして、薬事法ないしは医療法からのチェックというのは及ばないというふうに考えておるところでございます。
#219
○櫻井充君 そうすると、今、大事なことなんですが、パーツは認可を受けている、それを組み合わせたものに関しては認可を受けていない、それのために医療事故が起こった可能性が高いわけですよ。これをそのまま放置できるんでしょうか。法律上調べることができないからといって、それが許されることでしょうか。坂口大臣。
#220
○国務大臣(坂口力君) 医療器具というのは、やはりそれを一体として見てどうかということなんだろうと思います。部品部品に分けて、そして一つ一つが合格しているからそれで合格というのも少し私は納得しかねるところがございますから、もし今、局長が答弁いたしましたようなことで、個々にそれは承認を得て、そしてそれらを組み合わせたものについては承認を要らないということであれば、そこは見直すべきだと私は思っております。
#221
○櫻井充君 ありがとうございます。是非見直していただきたいと思います。
 実は、この件で御家族の方が厚生労働省に随分訴えられておりました。しかし、たらい回しにされて、厚生労働省から明快な回答がいただけなかった。そこの中で、パーツは薬事法を通っている、そして後は組み合わせるのは自由なんだと、そういう御回答なんですよ。となると、遺族の方は納得できないと思うんです。我が子の体をここの病院に預ければ安心だと思ってそこで治療を受けていた、しかしながら、そこで使われていた器具が全く承認を得ていないものであったとすれば、これはやっぱりやりきれない思いというのは強いと思うんですよ。是非、こうやって御家族の方が幾つか厚生労働省に尋ねてもなかなか回答していただけないという現実もあるんですよ。その辺のことについても、これからきちんと御回答いただけるようにお願いできますか。
#222
○国務大臣(坂口力君) 省内でよく話をしたいというふうに思っておりますが、遺族の皆さん方のお気持ちというのも十分分かりますし、これは遺族の問題と関係なしに考えましても、医療器具として考えましたときに果たしてそれでいいかどうかという問題もありますので、総論的にひとつよく検討したいと思います。
#223
○櫻井充君 ありがとうございます。
 それからもう一つ、このときに、手術がされたわけですが、そのときにレセプト上は、レセプト上は医療ミスがあろうがなかろうがそのままレセプトで点数が請求されているんですよ。これについて、保険から支払がなされているようなんですが、こういう医療事故が起こったような場合には、果たしてその保険点数として提供、保険料から提供されるということがふさわしいことなんでしょうか。
#224
○政府参考人(真野章君) 保険診療の場合には、カルテに基づきましてレセプトを作っていただきまして診療費を請求していただくということでございまして、私どもといたしましては、その事実関係が診療行為が当然正当に行われたものを前提としてお支払をいたすわけでございますので、その事実関係が違うという場合には当然そこは調査をさせていただくということになろうかと思います。
 本件につきましても、東京社会保険事務局におきましてその事実関係を現在調査中でございます。
#225
○櫻井充君 ありがとうございます。
 もう一つ、女子医科大学で外部の調査委員会が入ったわけなんですが、その中間報告が出された後、最終報告が全く出されておりません。このことについて、厚生労働省あるいは文部科学省、どのようにお考えでしょうか。
#226
○政府参考人(小島比登志君) 東京女子医科大学におきましては、この事件に関しまして、内部の死亡原因調査委員会による調査、及び同病院が実施した再発防止対策を検証するため第三者で構成されます医療安全管理外部評価委員会を設置し、昨年八月に中間報告を取りまとめたところでございます。
 現在、同病院は、中間報告の提言を踏まえ、病院の新生を考える審議会と称する組織を設けまして、病院の管理の在り方について検討を行っており、その途中経過については随時、外部評価委員会に報告しているとのことでございます。
 同病院からは、病院の検討結果を踏まえ、今後、外部評価委員会による更なる報告書が作成される旨、聞いておるところでございます。
#227
○櫻井充君 いつまでこういう議論を続けているんでしょうか。昨年、もう随分前からこういうことが議論されているはずであって、きちんとした対策をもう出されるのが私は筋ではないのかなと思います。
 もう一点ですが、この病院は特定機能病院の指定を取り消されました。しかし、まだ実際、今度研修制度が始まりますが、この病院で研修を行うことは可能です。なぜならば、医師法の十六条に、国立病院、ごめんなさい、大学病院というのはそのまま指定されていて、取消し案件がないからです。私はこれは法律上不備ではないのかなと思いますが、医師法の十六条に関して、坂口大臣、どうお考えでしょうか。
#228
○政府参考人(篠崎英夫君) お答えいたします。
 医師法十六条には、先生御指摘のように、臨床研修を行うのは大学病院そして厚生大臣の定める臨床研修病院というふうになっておるわけでございます。
#229
○櫻井充君 だから、取消し規定がないのはおかしいでしょうと言っているのに。何も質問を聞いていない。
 だから、取り消せないじゃないですか。取消しができないのはおかしくないですかと聞いているんです。
#230
○政府参考人(篠崎英夫君) 分かりました。失礼しました。
 趣旨では、大学附属病院というのは、その設置の趣旨、目的から見て、本来的にそういう教育機能を有するとか、あるいは現況を見てもおおむね厚生大臣の定める臨床研修病院同等以上の機能を有しているというものから、取り消すというようなことを前提にしておりません。
 しかしながら、全国に今百三十五ほど大学の附属病院がございますけれども、仮にそういう適切でない研修が行われているというようなことが認められる場合には、私どもとしては関係省庁と連携して、また労働担当部局とも連携して必要な改善などの指導を行ってまいりたいというふうに思っております。
#231
○櫻井充君 不公平だと思うんですよ。厚生労働相が指定した病院は、十六条のところのこれは厚生省令ですけれども、そこの第六条に指定の基準として十五項目も挙げられているんですよ。こうやってきちんとした形で認められるところもあれば、全く無条件パスで受けられるというのはおかしくないですか。
#232
○国務大臣(坂口力君) これは本来は文部科学大臣が御答弁をされるべき問題だと思いますけれども、医療にかかわるものでございますから、私の方から答弁をさせていただきたいというふうに思いますが。
 大学病院、いわゆる大学というところ、すなわちいわゆる医学部を持つところというのは、やはり学生を育成するところでありますから、学生を育成するところの大学病院がこれ駄目だということになれば、その大学そのものがもう学生をやはり研修すると申しますか教育をすることが問われるということになるわけではないかという気がいたします。そこのところはよく整理をして考えないといけないのではないかというふうに思っております。
#233
○櫻井充君 整備されているされていないという問題ではなくて、大臣、要するに何かあったときに取消し規定というものがないのはおかしくないですかということなんです。
#234
○国務大臣(坂口力君) それは確かに、厚生省の管轄のところにつきましては、そういう幾つかの条件がありまして、それに当てはまらなければ取り消すということになっているわけであります。
 大学病院の附属病院のときにそうしたことを当てはめることができるかどうかということでございます。それは当てはまらないということになりますと、その大学そのものを否定されるということになるのではないかと、その辺も含めて私は考えなければならないのではないかという気が私はいたします。しかし、大学の教育は行う、六年なら六年間の教育は行う、しかしいわゆるそれ以後の実際の医師としての研修は別のところで行うということは、それは可能でございますから、それはそういうふうに一つ決めればそれは実行されるのではないかというふうに思います。
#235
○櫻井充君 大臣、だって治療しているところでふさわしくないから特定機能病院を外されているんですよ。そういう治療がふさわしくないから外されている病院で研修することになる。そのときに、不適切だったときに取消し規定がないのはおかしくないですか。
#236
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほど申し上げましたように、厚生大臣の定める臨床研修病院につきましては認定をしておりますので、その反対に取消しという行為があるわけでございますが、大学附属病院につきましてはそういうそもそも認定という行為がございませんので、取消しというものはできないのでございますけれども、ただ、不適切なことがあった場合には、関係省庁と連携を取って適切な指導はできるのではないかというふうに考えております。
#237
○櫻井充君 これも縦割り行政の不備なんじゃないでしょうか。
 要するに、大学病院というのは文部科学省の管轄の病院ですから、そこのところに対して、医師法の十六条というのは、これは厚生労働省の権限になりますよね、その医師法の十六条を持っている厚生労働省が指定するという形になると文部科学省といろんな問題が起こるからここのところの改正ができないんじゃないですか。違いますか。
#238
○国務大臣(坂口力君) 確かに、厚生労働省のかかわる分野と、それから文部科学省がやっております分野との区切りというものは確かにあることは事実でございます。そこはしかし、区切りがあるから別々のことをしていてもいいというわけではございませんから、協調してどのようにやっていくか、同じことが起こればそれに対する対応もやはり同様にこれからしていくということがやはり望ましいというふうに思います。
#239
○櫻井充君 私は、あいまいにせずにきちんと明文化するべきだと、そう思っています。
 もう一つ、臨床研修のことについてお伺いしたいんですが、九月の四日に新臨床研修制度の基本設計というのができ上がりました。これは委員のメンバーの全員の合意を得たものです。この中に原則アルバイト禁止とするとあるんですが、最近これを見直さなきゃいけないんじゃないかというお話が出ているようですが、いかがでしょうか。
#240
○副大臣(木村義雄君) 臨床研修の話でございますが、先生御承知のように、平成十六年の四月から必修化される医師の臨床研修制度につきましては、昨年十二月に臨床研修に関する省令を定めました。関係審議会や関係団体等の御意見を伺いながら、基準の見直し等の必要な準備を今進めているところでございます。
 しかしながら、研修医が地域の病院での当直など地域医療に一定の役割を果たしている現状に照らしまして、新たな臨床研修制度を不安視する声もあるわけでございまして、現在、地域医療への影響の実態調査を進めているところでございます。具体的な準備に当たりましては、その結果も踏まえて対応する必要があることから、慎重に進めているものでございます。
 今後、今月中には関係審議会等を開催いたしまして検討を進めますとともに、新たな臨床研修の具体的な実施体制をお示しするなど、必要な手続を進めてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
#241
○櫻井充君 研修医のように未熟な医者が当直することが問題だからこの研修制度になって、バイト禁止ということが決まったんじゃないですか。
#242
○副大臣(木村義雄君) 現在、この臨床研修制度がスタートするということから、研修生だけの問題ではございません。例えば、臨床研修生の指導に当たる医師の確保等もございます。
 結果として、それぞれの地域の病院から、研修生だけではなくて、研修生以上の経験を持つ先生方も引き抜かれているというような話もございまして、その辺の今、先ほど申しましたように、実態調査を進めているところでありまして、まずどうなっているかをこれは調べるのが大変大切なことだろうと、このように思っているような次第でございます。
#243
○櫻井充君 実は、昨年中ぐらいのときにはアルバイト原則禁止ということが決まっていたらしいんですけれども、木村副大臣がそこに横やりを入れているというお話なんですね、今みたいな。
 その大原則が決まっていて、私も自分で経験があるから申し上げておきますけれども、これは笑い事ではありませんで、未熟な医者が一人で当直しているときどうしているかというと、本を見ながら当直しております。分からないからです。ですから、何かが起こったときに、その処置が正しかったかどうか改めて検討したりとかしながら当直しております。医療事故は極めて高い確率で起こります。
 ですから、そういうことをそれは絶対的に防がなきゃいけないというのは、これは大原則なんですよ。それを今あなたは壊そうとしている、そういう認識はおありですか。
#244
○副大臣(木村義雄君) 現実的にはいろんな問題点がやっぱり想定されるだろうと思うんです。だから、それがどういうようなことになりそうか又はならないか、やはりまず調査が重要だ、こう申し上げておりまして、例えばこういう御意見もあるんです。
 今言ったように、具体的に、研修生は先生がおっしゃるようにアルバイトを禁止するといたします。それから、それよりも上の方々の先生方、いわゆる経験のある先生方も指導医として確保するには、やはり現場にいる、地域で医療を担っている中小病院から引き揚げるということも十分に考えられるわけであります。一説によりますと、これによって影響を受けるのは三千病院だろう、こういうことになります。そうすると、そういう地域の医療病院の休日、夜間の体制というものも、これもやはり検討していかないと、単なる理想を求めて先生が進めるのはそれはもう非常に重要なことであるかもしれませんけれども、現実の問題もこれはやっぱり十分対処して、そしてこの臨床研修制度をどのようにしていくか、これは検討するのは当然のことじゃないか、私はそのように思っているような次第でございます。
#245
○櫻井充君 研修医が当直していたことが問題なんですよ。研修医が当直していて、医者がいると思っていてそこに救急車が行きます。そこで亡くなることもあるんですよ、十分な知識も技術もないから。つまり、形は整えたって中身が整っていなかったらかえって大変なことになるんですよ。違いますか。
#246
○副大臣(木村義雄君) 先ほどから申し上げておりますように、研修医だけ引き揚げているんではないんです。恐らく、実際に経験のある先生方も引き揚げざるを得ないという場面があるのはそれは先生も御承知だと思います。
 それで、そういう先生方がもしいない場合に、ちゃんとした手当てをすることなしに土曜、休日、そういうときに先生がいなかった場合、病院に駆け付けても医師がいないということであって、それで地域の医療を担っていけるとお考えなんでございましょうか。
#247
○櫻井充君 そこのところで、地域から確かに医者が少なくなっていく実態がないわけではございません。ただし、だからといって、その夜間の当直とか日直とか、それを研修医一人でやらせるというのは間違っているんじゃないですか。
#248
○副大臣(木村義雄君) ですから、先生の言っているのは、正にそういうことがないようにといってこの研修制度をスタートした、それは当然皆さんがお考えになっているところでございます。しかし、理想に近づけるには現実の問題を解決していかなければいけないということを申し上げさせていただいているところでございます。
#249
○櫻井充君 じゃ、木村副大臣、アルバイト原則禁止は、それはそれで守られるんですね。
#250
○副大臣(木村義雄君) 理想としてはアルバイトを禁止して、その分、アルバイトしなくて臨床の研修に専念をしていただくということは、これは正しく今回の制度の理想であろう、このように思っております。
#251
○櫻井充君 もう一度お伺いしますが、アルバイトは原則禁止なんですか。
 もう一つ言っておきますと、地域から引き揚げてきている大学病院の在り方をまずきちんと考え直さなきゃいけないんです。大学病院にいる医者はある種、実験の手伝いみたいなことをやっていますから、そういうところは外国はきちんとした形で職種があるんですよ、ラボさんがいて。そういう職種を増やすことによって、本来は医者を地方の病院にだって派遣することが可能なわけです。そういう改革をすれば、私は可能だと思うんですよ。
#252
○副大臣(木村義雄君) 法的にまずアルバイト禁止が有効かどうかというと、これは憲法との、抵触の可能性もあるということでございまして、もしアルバイトを禁止するということであれば、これは研修生と病院との間の契約によっていただくような形にならないと、禁止というようなことの措置は難しいというふうに私は承っているところでございます。
 それから、これからの地域医療を、そういう中で、医師が減っていく中でどういうふうになろうかと。それは、今申しましたように、まず実態を調査しましょうと。それで、その実態を踏まえてどうやってこれを、まずこういう問題点に対処していくか、当然これは考えていかなきゃいけないわけでございまして、その中で先生のような案も選択肢の一つとしてこれは取り入れることもあるかもしれません。
#253
○櫻井充君 今、憲法違反というお話出ましたけれども、私、厚生労働委員会でたしか坂口大臣と、この問題について質問させていただいたときに、アルバイトは原則禁止すると、しかも月額三十万円ぐらいはきちんと保障するんだと、あのとき大臣、そうおっしゃっていましたよね。
#254
○国務大臣(坂口力君) 原則としてはそういうふうにしたいというふうに思っておりますが、先ほどから副大臣との間の話は、これは地方の、今までは大学病院等が中心に研修をやっていたわけでありますが、今回のこの研修は、地方の病院におきましても、小さい病院においても研修をできるようにしようと、こういうことでございます。
 地方の病院で研修をするということになりますと、それは大学のようにたくさんの人がいるわけじゃありませんから、少人数のところでやらなければならない。そうしたことが、そうした中で行うということになってまいりますと、それはやはり当直をやらなきゃならないということも起こるんだろうというふうに思います。当直を行うということも研修の中の一つではないかというふうに私は思います。
 ただ、そのときに、だれも相談することのないような状況の中で夜、夜勤をやるか、それとも相談をする人をちゃんと整えておいてやるかといったようなことが大事になってくるのではないかというふうに思います。
#255
○櫻井充君 日本の医療の中で、医療の質を一番問われています。その根幹を成すのはやはり何といっても研修のときだろうと思っていますので、原則をきちんと、きちんとというか、本当に理想を追求していただきたいと私は思っています。
 それから、国家公務員法の、共済組合、健康保険に合わせて、医療保険の中の国家公務員共済組合について質問させていただきますが、この中に付加給付制度というのがございます。これについて御説明いただけますでしょうか。
#256
○副大臣(小林興起君) 国家公務員の共済組合の付加給付制度でよろしゅうございますか。これは、御承知のとおり、民間の方でも健康保険の中に、医療保険の中に付加給付制度があると同じように、それぞれの保険の主体の中に余力があれば付加給付制度というものは設けられているわけでございまして、それと同じ関係で公務員の共済組合についても付加給付制度があるという認識でございます。
#257
○櫻井充君 これは、診療費の中で個人の負担が個人の医療費の一定額以上を超えると一時的にお金が、最終的にはお金が払戻しされる、こういう制度ですよね。これは各省庁によって違うんですが、大島大臣、農水省では、たしか林野庁はこういう制度がなくて、ほかのところはあったように思うんですが、その点について御説明いただけますか。
#258
○政府参考人(田原文夫君) 事務的な点でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 林野庁は、国有林野共済組合発足のときは、いわゆる五現業のうちの一つということでございまして、一般職の通常の農林省職員とは別の共済組合、農林水産省の共済組合とは別の林野庁の共済組合ということになっております。
 ただ、建前といたしましてはあくまでも国家公務員共済組合連合会の中の一つということでございまして、実際の中身等々につきましては他の省庁の共済組合と同じような給付、中身。ただし、林野庁の組合は財政状況が極めて悪うございますので、付加給付事業等についてはほとんど行っていないような現状にあると、こういうことでございます。
#259
○櫻井充君 なぜ、同じ農水省の職員でもそのように違ってくるんですか。
#260
○政府参考人(田原文夫君) 先ほどもお答え申し上げましたが、いわゆる五現業ということで、国有林野ということは、共済組合が発足のときから別建てという格好でやることが実態に合っているということで、通常の一般職の組合とは別にということで林野庁の方は特別に別組合を作っていると、こういう経緯でございます。
#261
○櫻井充君 歴史的な経緯があるにしても、現時点で同じ省庁の中にいて、入っている共済組合によって違っているというのは不公平ではないんですか。
#262
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 国有林野は、旧営林署が全国各地に多いときでございますと三百、四百と、こういうふうに分かれておりまして、高齢化の度合い、こういったこと等も農林水産省の共済組合とは、若干進んでいるという面等々もございます。言わばこういった、何といいますか、実態的な給付の中身の水準、これに合わせまして負担金、共済費の掛金というのが設定されているわけでございまして、そういった違いでございます。
#263
○櫻井充君 単純に公平不公平でいうと、不公平でないということですか。
#264
○政府参考人(田原文夫君) そういう人員構成等々が違っているということを反映しているということでございまして、制度の基本は元々同じものからしておりますので、そういう実態を反映しているということではないかというふうに思っております。
#265
○櫻井充君 国家公務員の方々は、ある一定以上の医療費が掛かると払戻しされるシステムがあるんです。じゃ、中小企業の方々が入っている政管健保にはこのような仕組み、制度がございますか。
#266
○国務大臣(坂口力君) いわゆる厚生労働省としての共済組合におきましては……
#267
○櫻井充君 政管健保の話。
#268
○国務大臣(坂口力君) 政管健保の話。
 政管健保におきましては、これは中小企業の被用者を対象としておりますから、政管健保の中にはそうした仕組みはございません。
#269
○櫻井充君 どうして中小企業の方々が入っているところには付加給付制度がなくて、国家公務員の方々が入っているところには付加給付制度があるんですか。
#270
○副大臣(小林興起君) これは、政管健保と今、公務員を比べられましたけれども、公務員も普通の、使用者がたまたま国というだけでございまして、雇われている、そして雇っている者との関係、これは普通の民間の雇っている者、雇われている者との関係、普通の組合との関係で政府はここは大体一体になっているわけでございます。政管健保は今のような財政状況でございまして、できないと。
 したがって、こことここでは、ここと政府はやっぱり、雇用者は国なんですけれども、ここと、何といいますかね、普通の、普通と言うとまた言い方があれですけれども、民間の方と比べていただいて、ここは平等になっているということを御理解いただきたいと思います。
#271
○櫻井充君 今、財政上できないとおっしゃったんですよ。だったとすると、今、政管健保には税金は一三%しか入っていません、特例措置で。本来であれば一六・四から二〇%入れなきゃいけなかった。これをずっと一三%にしているから赤字になってきているんじゃないですか。違いますか。
#272
○国務大臣(坂口力君) 確かに一三%になっておりますが、多額の高齢者に対する拠出金を出していただいていることも事実でございます。そうしたことで、高齢者に対する拠出金を増やしていくといったような処置を取ったと。その分はこの政管健保も、これはお金が要らなくなるわけでございますから、回り回っておりますけれども、かなり国費を投入をしているということでございまして、そこはひとつ御理解をいただきたい。ただ、老人拠出金につきましては、この一六・四%を適用をしていると、こういうことでございます。
#273
○櫻井充君 この一時払戻金というのは、月の医療費の二万円を超えた額に対して行われるという理解でよろしいんですか。
#274
○政府参考人(藤井秀人君) 財務省の例で御説明をさせていただきます。
 医療費に係ります付加給付、これは共済法の第五十二条、これに基づきまして財務省の場合は共済組合定款において定めることとされております。今、先生おっしゃいましたその定款に基づきまして医療費に係る付加給付、これは基本的には組合員あるいはその被扶養者が支払った医療費の自己負担額、これが二万円を超える場合にはその超える額、これを一部負担金払戻金あるいは家族療養費補助金というような、家族療養費付加金というような形で支給をしているということでございます。
#275
○櫻井充君 今度、三割負担になりますね、サラリーマンの方々が。例えば、五万円医療費が掛かったとすると、一万五千円払わなきゃいけない。でも、国家公務員の方々は二万円以上は全部払戻しされるから、結局実質六千円で済んじゃうんですよ。ですから、三割負担を国がお願いしたいと言ったって、国家公務員の方々と民間の方々とこれだけ差があったら、納得されないんじゃないでしょうか。
#276
○政府参考人(藤井秀人君) 代表して私からお答えさせていただきます。
 共済組合の短期給付、これにつきましては先ほど私どもの副大臣から答弁ございましたように、健康保険におきます付加給付の状況、あるいは保険料水準、さらには共済組合の財政事情というようなもろもろの状況を勘案して決まっているわけでございます。
 したがいまして、この健康保険の付加給付の在り方、これが今後どのように推移していくのかというようなこともあるいはこれから勘案していく、そして、場合によっては検討をしていくというようなこともあろうと思います。
 なお、一点申し上げさせていただきますと、確かに自己負担額が二万円ということはそのとおりでございますが、逆に言いますと、自己負担が二万円に満たない場合、これの場合には当然のことながら、自己負担割合が今度、二割から三割ということでございますので、その限りにおいては自己負担が増えていくということを併せて申し上げたいと思います。
#277
○国務大臣(坂口力君) 先ほどの答弁のとおりでございますが、先ほど私、政管健保の一部負担還元金はないというふうに申し上げましたが、法律には書かれていることはいるんですね。健康保険法附則の第九条でございますが、政管健保の事業主は社会保険庁長官の承認を得て被保険者の一部負担の還元を行うことができる。ただし、これは、給付事業に用いるための費用は事業主と被保険者が折半しと、こう書いてあるわけで、それは出していただかないといけないということになっているわけであります。
 御指摘のように、各保険の間で今御指摘をいただいたような大きな差があることは事実でございます。それがゆえにこの保険の統合一元化を今進めようといたしているわけでありまして、被用者保険は被用者の保険で一元化をこれから進めていきたいというふうに思っている次第でございます。
#278
○櫻井充君 財政状況によって違うということは分かりました。
 だとすると、特例措置で、先ほども言いました政管健保は国税の投入額を一三%にしています。これを仮に、極端な話をすると、三〇%や四〇%にすれば財政的には決して赤字にはなっていなかった。そうすると、事業主とそれから保険者とできちんとした形で付加給付ができるような、そういう財政状況になっていたんじゃないですか、大臣。
#279
○国務大臣(坂口力君) それぞれの保険は、そこに加入する人とその事業主との間の保険料を中心にして賄っているわけでございます。しかし、それが余りにも格差が大きい、余りにもそれがやっていけないということになりました場合に、国から国庫負担として出しているのが原則でございます。国保におきましては五〇%、そして政管健保におきましては一三%、現在出しているわけでございます。
 こういう状況になっているわけでございますから、それを、その一三%をもっと増やせばそれでいいではないかというのは、それはそのとおりでございますけれども、やはりこの医療保険というのは、そうした個人と、そして事業主の負担というものを中心にしてやっていくという、それがやはり私は原則だというふうに思っております。
#280
○櫻井充君 財政的に豊かだから、国家公務員の方々は、ある一定額を超えると付加給付を受けられる。一方、国民の皆さんは、その保険制度の中で財政状況が悪い、税金の投入額は特例措置で減らされて、しかもそこから拠出金も出さされて、ですから極めて悪くなっていった。そこのために保険料は引き上げられる、窓口では三割負担する。しかし、一定額以上支払ったとしても、それに関しての払戻金はないと。不公平じゃないでしょうか。大臣、違いますか。
#281
○国務大臣(坂口力君) そこは、共済組合だけではなくて、いわゆる組合健保の方にもこの付加給付というのはあるわけでございます。これは、それぞれの健保組合によりましてその額も違っているというふうにお聞きをいたしております。これらのことは、その健保の経営状況によって異なってくるわけでございますから、一概にこれを規制するとかそういうことはでき得ないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、それらのこともございますので、今後やはりこの統合化を進めていく、いわゆる地域保険は地域保険としての統合化、あるいは被用者保険は被用者保険としての統合化を進めていく。その中にこの共済等のことも併せて考えていくということが大事ではないかと。そして、できる限りその条件を一本化をしていくという方向に持っていくのがこれからの仕事だというふうに思っている次第でございます。
#282
○櫻井充君 大臣、改めてお伺いしたいのは、要するに、やはり今のままでは不公平だというふうに認識されているからそう変えていかなきゃいけないということなんですね。
#283
○国務大臣(坂口力君) 現在の保険は、そこに加入しておみえになります方のいわゆる年齢構成というものが一つ大きく違う。もう一つは、そこに加入しておみえになります方の財政力と申しますか所得に大きな差がございます。年齢と所得に大きな差がある。これをそのままにしておいてはいかがなものかというのがいわゆる統合化の基本的な考え方でございます。
#284
○櫻井充君 しかし、国税、まあ事業主負担だからといって税金を五〇%入れる。国家公務員の方々の平均給与は七百万円ぐらいでしょうか。そして、政管健保の方々の収入は決してそれほど高くない。そこで、払戻金が、豊かな人はある、そうでない人たちはないという、この現状はおかしくないですか。
#285
○国務大臣(坂口力君) まあ、国民健康保険におきましても二割給付をおやりになっているところはございます。よく御存じのとおりだと思います。その代わりに、二割給付にします代わりに保険料を、応分の保険料を負担をしていただいていると、こういうことで今成り立っているわけでございます。
 ですから、差があるというふうにいえば、国民健康保険と政管健保、そして組合健保、共済というふうに、まあそういう順番になるのではないかというふうに思いますが、確かに差がございます。これをどのようにして差をなくした状況に持っていくかということがやはり基本的な考え方でございます。
#286
○櫻井充君 差があるということを認めていただいたんだと思いますが、その上で、やはり今回の三割負担のことで、低額所得者の方々とか特に本当に政管健保の方々が、保険料も引き上げられるということでかなり苦しい状況にあるわけでして、やはりそういうところに本来はもっと税金を投入して付加給付制度などを、付加給付制度ができるような形にしてあげるということが極めて大事なことではないのかと思います。いかがでしょうか、最後に、大臣。
#287
○国務大臣(坂口力君) いわゆる所得の差で申しますと、国民健康保険の皆さん方の所得が一番少ない。平均いたしますと百六十五万円ぐらい、年間所得でございます。そのぐらいでございます。かなり格差があることも事実でございます。政管健保も決してそんなに高くはございません。二百数十万円であったというふうに記憶をいたしております。組合健保が三百数十万円。かなり差があることは事実でございます。しかし、応分の御負担をいただき、そして入院をしていただくようなときには上限が設けてありまして、そしてそれ以上に負担が余り増えないように今させていただいてございます。
 ですから、そこのところは御理解をいただきたいというふうに思っている次第でございます。
#288
○櫻井充君 終わります。
#289
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。辻泰弘君。
#290
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 まず冒頭、坂井隆憲さんの逮捕許諾の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど開かれた衆議院本会議におきまして、坂井隆憲さんの逮捕について許諾を求める件、満場一致で認められたようでございますが、現時点において、本日恐らく逮捕されるだろうというふうに言われているわけでございますが、現時点において逮捕されているという情報に接しておられるかどうか、官房長官、お願いします。
#291
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと前に逮捕されたという情報がございました。
#292
○辻泰弘君 坂井さんは福田長官とも同期議員で通られたというふうなことも言われておるわけでございますが、この件どのように受け止めておられるか、感想をお聞きしたいと思います。
#293
○国務大臣(福田康夫君) 同期であるということで、そういう国会議員同士の付き合いというものはしてまいりました。そういうよく知っている国会議員が逮捕されるというような事態になったということについて極めて残念に思っております。
 政治と金をめぐる様々な問題が生じていると、こういう中でもってこういう事態になったということでございます。こういうことが起こらないように、政治家として十分気を引き締めていかなければならないと考えておるところでございます。
#294
○辻泰弘君 この間、坂井さんの秘書さんが逮捕されたときに、福田長官はこのようにおっしゃっているようなんですね。極めて遺憾に思っている、まあそこはいいわけですが、政治家自身は非常に注意しているが秘書にも厳しさを求めなくてはいけないと思うと、このようにおっしゃっているようですけれども、事実ですか。
#295
○国務大臣(福田康夫君) この事件の全体が、今でも私よく承知しているわけじゃありませんけれども、全体が分からない。要するに、秘書が逮捕されたということの段階において聞かれたことに対して、そのように答えております。
#296
○辻泰弘君 一般論として、官房長官は、そうすると政治家自身は非常に注意していると、こういう認識をお持ちなんでしょうか。
#297
○国務大臣(福田康夫君) 私は、ほかの方のことを申し上げるつもりはございません。私自身としては十分注意しております。
#298
○辻泰弘君 ただ、これは報道が多分事実だと思いますけれども、政治家自身は非常に注意しているが、秘書にも厳しさを求めなくてはいけないと思うということは、政治家よりも秘書の方がいい加減だというふうにおっしゃっているというふうに思うんですけれども、そうじゃないんですか。
#299
○国務大臣(福田康夫君) 短いやり取りの中で言っていることで、そのように厳密に、厳密にその解釈、意見、解釈せいとか言ったようなことについて、それはちょっと質問が細か過ぎるんじゃないかと私は思います。
#300
○辻泰弘君 この問題も、また農水大臣の問題も含めてでしょうけれども、総理大臣は、三月六日の委員会におきまして政治資金に関して、今国会で改善措置を講じていかなければならないと、こういうふうにおっしゃっている。また、もっと分かりやすく政治資金について国民から協力を得られるような形にしていきたいと、このようにおっしゃっているわけですけれども、どういうふうに取り組んでいかれるのか、官房長官、御方針をお願いします。
#301
○国務大臣(福田康夫君) 先般、総理が申し上げていると思います。これは、政治資金、政治献金の在り方などについては、現在、自民党や与党内において議論、検討が進められているところであると、今国会において一歩でも前進するような措置を講じ、国民の政治に対する信頼の回復に努めてまいりたい、このように答弁されていると思います。
#302
○辻泰弘君 まずは政党の議論ありきということになりましょうか。
#303
○国務大臣(福田康夫君) これは政治家のことですからね、政治家として政党で議論されるのは当然だと思います。
#304
○辻泰弘君 政治資金規正法を所管されるという意味合いで総務大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、こういうコメントがよくあるわけです。政治資金規正法違反は汚職事件の最後に付けるものだと、このような検察の幹部も言っているというふうなことが伝わったりするわけですが、それだけ政治資金規正法というものが、何といいますか、形式的なものになっているということだと思うんですけれども、そういうものはやっぱりしっかりとしていかなければならぬと思うんですが、片山大臣としてのそのことについての御見解をお聞きしたいと思います。
#305
○国務大臣(片山虎之助君) 今のお話がどういうお話かよく分かりませんが、政治資金規正法はしっかりしておるんですよ。ただ、私どもの方の、例えば総務大臣や都道府県の選挙管理委員会がね、中身もチェックして、きっちりそれを、そのいい悪いを判断してというようなことにはなっていないんですね。報告を受け取って、その代わり、全部書いてもらって、報告を受け取って公表して、国民の皆さんにその公表した結果を見てもらって判断してもらうと、こういう法律なんですね。そこのところがいろんな御議論あるのかもしれませんが、そういう仕組みで各党合意して作られておりますからね、政治資金規正法が悪いわけじゃないんですよ。是非そこは御理解賜りたいと。
#306
○辻泰弘君 坂井さんの件ですけれども、労働政務次官をされていたということのようでございますが、厚生労働大臣、坂井さんが労働政務次官であられた期間はいつからいつまでかということを教えていただけますか。
#307
○国務大臣(坂口力君) まあ、聞かれることもあるんではないかと思って用意をしてきたわけでございますが、就任は平成八年の一月十二日から、退任は八年の十一月の七日でございます。
#308
○辻泰弘君 今のは伝えておりましたので、まあそれは当然だと思いますけれども。
 それで、その時期は派遣労働に関する規制緩和が議論になった時期に符合するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#309
○国務大臣(坂口力君) これも調べてまいりました。
 この派遣の拡大が十六業種から二十六業種へ拡大されたわけでございますが、これは平成六年の十月の二十四日に中央職業安定審議会におきまして労働者派遣事業制度の見直しということで検討を開始をいたしております。そして、平成七年の十二月の十八日、中央職業安定審議会建議といたしまして、適用対象事業の拡大を十六業種から二十六業種へということにいたしております。このときに、育児とか介護休業代替要員にかかわる労働者派遣事業を実施を可能とすることということが書かれてありますために、この介護のところを加えましたために法律改正が必要であったということで、この法律改正は、平成八年の三月一日に法案を国会提出をいたしまして、そして六月の十一日に法案可決、成立をいたしているところでございます。
#310
○辻泰弘君 この坂井さんが労働政務次官に在任されていた期間と労働者派遣法との関係が注目されているようでございますが、この点について、厚生労働大臣、どう受け止めておられるでしょうか。
#311
○国務大臣(坂口力君) 今も申し上げましたとおり、この適用対象範囲の拡大は、坂井さんが就任されます前年の十二月の十八日にこれは決定をいたしております。これは、労使の皆さん方もお入りをいただきまして一年間真剣な御議論をいただきまして、そして決定されたものというふうに聞いている次第でございます。
 したがいまして、この派遣範囲の拡大につきましてはそうした経緯があるわけでございまして、坂井議員が政務次官に就任されましたのはその翌年の八年一月十二日からでございまして、この派遣の拡大につきましては、これは一年間の御議論を経て、そして決定されたものでございますから、何らこれは関係がないと思っております。
#312
○辻泰弘君 政治と金の問題についてはまた、後でまた来週も質問することになると思いますが。次のテーマに移らせていただきます。
 金融政策、経済政策についてお伺いしたいと思います。
 竹中大臣は、例のETFは絶対もうかりますと発言されて物議を醸したわけですけれども、結局、大臣御自身は今日までETFを買わなかったということなんでしょうか。
#313
○国務大臣(竹中平蔵君) あれ以来、大変ばたばたしておりまして、まだ証券会社に行く時間がございません。
#314
○辻泰弘君 では、時間があれば買いたいということでございますね。
#315
○国務大臣(竹中平蔵君) これは閣僚懇で、御承知のように、貯蓄から投資への流れを作りましょうと。その意味で、日経二二五やTOPIXに連動をしているETFというのは、日本の未来に投資するという意味があるということで、先頭に立ちましょうと私自身が呼び掛けたものでございますので、私が呼び掛けた以上、私もやはりそのような行動を取りたいというふうに思っております。
#316
○辻泰弘君 大臣は、竹中大臣ですけれども、一月のスイスのダボス会議で、いつもおっしゃっていることでありますけれども、マネーサプライの増加は不可欠と、こういうことをおっしゃった上で、それを全体として統御するのは日銀の仕事で、日銀は様々な資産を購入できると、こういうことをおっしゃっている。また、テレビ番組等でも、日銀の買う資産にはいろいろ工夫する余地があると、こういうふうにおっしゃっているわけですが、大臣としては、どういう資産が日銀の購入対象となると考えておられるでしょうか。
#317
○国務大臣(竹中平蔵君) 私が申し上げている点は常に二点でございます。
 やはり、マネーサプライを増やしていただきたいということ。マネーサプライを増やすには幾つかの方法がありますが、基本的にはマネーが世間に出回るためには、マネーではない貨幣とは代替的な資産を何か買ってマネーを出すというのが一つ考えられる方法であります。
 第二の点は、しかし、具体的にこれは金融政策の手段でありますので、買える資産というのは、これはいろいろあるというふうに思います。専門家の間でも、どこまで買うべきだと。狭く買うべきだ、広く買うべきだと、意見はいろいろございますが、その政策手段の選択に関しては、金融専門家たる独立した日本銀行が正に独立して決定すべきであるというふうに思っております。
#318
○辻泰弘君 もとより日銀が独自に決定されることは当然だと思うんですが、ただ、日銀法の十九条には財務大臣又は経済財政担当大臣、金融政策決定会合に出て意見を述べられる、述べることができると、現に出ておられるわけですけれども。やはり、そのマネーサプライを増やしていきたいということをおっしゃるんならば、その政策手段についても、やはり経済財政・金融担当大臣としてやはり意見をおっしゃるべきじゃないかと私は思うんです。だから、こっちだけ、目標だけおっしゃって、途中を何か回避されているような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
#319
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には日本銀行の独立性をどのように担保できるかと、これはやはり先進国の共通した、先進工業国のやはり共通した課題であろうかと思います。
 これは先進工業国だけでなくて発展途上国ももちろんそうだと思いますけれども、その際に、独立性には二つの考え方がある。一つは、政策目標を決めるという独立性なのか、政策手段を選ぶ独立性なのか。私の立場は常に、政策目標はやはり政府、日銀一体となってこれは考える必要があるのではないでしょうか。
 その意味で、政策目標の議論に関して日本銀行の独立性というようなことは、これはそれだけを取り出して強調すべきではないのではないかと思っております。しかし、政策手段の選択に関しては、これは極めて日本銀行の独立性を尊ぶべきであるというふうに思っておりますので、中抜けという、中が抜けているのではないかということではございますが、私自身はそこはやはり日本銀行の独立性を重視して独立して決めていただくべき問題だと思っております。
#320
○辻泰弘君 現在で新たな副総裁と目されている武藤さんは財務次官の当時に財政法が禁じる新発国債の直接引受けのための法改正を検討したというふうなことが言われているわけですが、経済政策として新発国債の日銀の直接引受けについては、大臣としてはどうお考えになっていますか。
#321
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、先ほど言いましたように、貨幣ではない、貨幣とは代替的な資産を日本銀行が買って、マネー、お金を市中に出回るようにする。
 そのときに、しかしやはり幾つかの留意点があるんだと思います。できるだけ日本銀行が資産変動のリスクを負わないようにする。だから、資産変動の物すごく大きいものは余り買わない方がいいですね、確実なものがあればそっちの方がいいですねということになる。もう一つやはり考えなければいけないのは、一方でやはり財政規律というものは、これはこれで重要な問題でありますから、財政規律を余り損ねるようなやり方でない方がいいですね。
 その意味では、直接的に日本銀行が国債を引き受けるということに関しては、これはやはり多くの国で、これはやはり少なくとも余りやらない方がいいんじゃないかと、劣後の政策であるというふうに私は考えているんだと思います。
#322
○辻泰弘君 財務大臣、塩川大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、よろしゅうございますか。
 いわゆるインフレ目標について、塩川大臣が物価水準を上げたいと、九七年度の物価上昇率二・一%ぐらいが一番いいというふうにおっしゃっているわけですが、二%ぐらいがいいとおっしゃる根拠は何でしょうか。
#323
○国務大臣(塩川正十郎君) 物価は経済成長の結果として出てくるものでございますから、そこへ至るまでの間、経済成長率が相当言わば成長するであろうと。そうすると、今すぐに何%期待と言うことはできないけれども、中期的な目標を定めるとするならば、二%ぐらいの物価の上昇ということをねらうということは、経済成長で見ると三%近くの経済成長は可能であるんではないかと。そういうことが現実の問題としては難しいですけれども、そこをやっぱりにらんであらゆる政策を集中、整備していくべきであろうと、そういう私は考えでございまして、これは役所が考えているんじゃございません。私自身がそのぐらいのことがいいと。
 したがって、そうすると二%ぐらいというのはどのときだったかと調べましたら、平成九年がそうだったんですね。その翌年からどんと日本の経済は悪うなってしもうたんです。ですから、やっぱり二%ぐらいの経済成長だったら日本の経済も締まってきているんだなという、安定した状態になるんだなと、私はそう思いまして二%ということを言っておるわけです。
#324
○辻泰弘君 日銀は今ゼロ%以上ということを言っているわけですが、そうすると、その日銀の目標自体やはり二%とかにすべきだということになるんでしょうか、大臣のお考えとしては。
#325
○国務大臣(塩川正十郎君) 日銀とは話はしていますけれども、日銀に何%成長をやってくれとかいう、そういう要請はしたことは、話したことはありません。個人の意見として、いろいろ役員でございますからそういうことも会話もいたしますから、私の考えとしてはこうだと。日銀はそれは十分承知してくれています。
 とにかく日銀は、それよりもまず、まずゼロ%以上にすることが先決ですと、こう言っているので、だから、どうぞそれを急いでできるような政策を日銀の中で手段としていろいろ取って考えてくださいということを言っておるわけです。
#326
○辻泰弘君 竹中大臣にもお伺いしますけれども、インフレ目標の設定についてですけれども、目標の設定自体は余り意味がないんだというふうな言い方をされていると思うんですけれども、そのことの意味を教えていただけますか。
#327
○国務大臣(竹中平蔵君) 私が申し上げているのは、インフレ目標を一つの金科玉条のごとく魔法のつえのように議論するのは、これは少し違うのではないかと、こういうふうに申し上げているわけです。
 重要なのはマネーサプライを増やすということであって、じゃマネーサプライをどのような形で増やしていくかというに当たっては、これは物価目標を設定した方がよいと言う専門家もいるし、様々な考え方がいる。そういうその中で議論すべきものであって、マネーサプライが増えることが重要で、重要なのであって、あくまでもですね。そのインフレ目標だけを何か独立して魔法のつえのように議論をしているとすれば、それは違うのではないだろうか、そういう趣旨のことを申し上げているわけです。
#328
○辻泰弘君 竹中大臣のいろんな政策問題等々につきまして、また経済問題については、来週以降また質問させていただきたいと思いまして、次のテーマに移らせていただきます。
 教育基本法の見直しについてでございます。
 小泉総理は、二月五日に本会議におきまして、参議院ですけれども、教育基本法は教育の根本を定める憲法とかかわりの深い法律であると認識していると、こうおっしゃっているわけでございます。
 総理は、このように教育の根本を定める憲法とかかわりの深い法律だと教育基本法を位置付けておられる。これはどういう経緯、どういう性格によるものなのか、文部科学大臣にお伺いしたいと思います。
#329
○国務大臣(遠山敦子君) 教育基本法は、日本国憲法と関連して教育上の基本原則を明示して、憲法の精神を徹底しますとともに教育本来の目的の達成を期して、昭和二十二年に制定されたものでございまして、憲法とかかわりの深いものと考えております。例えば、教育基本法の前文におきまして、この法律が憲法の精神にのっとったものであるということを明記いたしております。
 また、例えばそのかかわりについてでございますが、教育基本法三条の教育の機会均等に関する規定がございますが、これは憲法二十六条一項の教育を受ける権利、それから憲法十四条一項の法の下の平等という規定を教育の分野において具現化するものでございまして、教育基本法四条の義務教育に関する規定は憲法二十六条二項の規定の趣旨を具現化したということで、かかわりのあるものでございます。
#330
○辻泰弘君 総理は、二月五日本会議におきまして、教育基本法の見直しについては、与党と十分相談するとともに、幅広く国民的な議論を深めながら取り組んでいきたいと述べておられるわけですが、与党内でも見直し自体に多くの議論があるようでございます。
 自民党の中でも、野中広務さん、前幹事長は、愛国心なんて育った環境で自然に生まれるもので法律に書けばいいものじゃないと語っておられるようでございます。
 また、与党の中でも公明党の浜四津議員、二月五日の代表質問において、教育基本法は準憲法的性格を持つ法律だから、その改正は憲法と同じく時間を掛け、十分な国民的議論を経て慎重に結論を出すべきものだと、現在の教育にかかわる深刻な問題が教育基本法の改正で解決できるとは到底思われないと、このようにおっしゃっているわけです。
 我が党の、我が会派の角田会長も質問されておりますが、同趣旨であるわけでございますし、また私自身、この見解、非常に同感するわけでございます。
 そこで、公明党を代表して入閣されているという意味で、坂口大臣、直接の御所管じゃないわけですけれども、公明党としての基本、教育基本法についての見解を教えていただけますか。あるいは、個人的な思いも含めてでお願いします。
#331
○国務大臣(坂口力君) 先ほど、文部科学大臣から御答弁がございましたとおり、現在、文部科学省の中央教育審議会におきまして、時代や社会の変化に合わせて教育の根本にさかのぼって見直しの議論が行われているというふうにお伺いをいたしております。そして、三月末にはその答申が出るということもお聞きしているわけでございます。これを受けて、与党内におきましてはハイレベルな協議の場を設けて十分な議論を展開するというふうに伺っているところでございまして、私といたしましてはその行方を注目したいと思っております。
#332
○辻泰弘君 文部科学大臣にお伺いしたいと思うんですが、昨年の十月、日本PTA全国協議会が小中学生の親に対するアンケート調査を行っていらっしゃる、その調査結果とそれについての評価をお聞かせください。
#333
○国務大臣(遠山敦子君) 社団法人日本PTA全国協議会が昨年五月から七月にかけて、教育、学校教育改革についての保護者の意識調査の報告書が出たわけでございますが、その期間に行った調査についての報告書によりますと、教育基本法に関しましては、回答者の約八割が内容をよく知らないと答えたことは事実でございます。本文を見たことがなく、内容もよく知らないというのが四三%、見たり聞いたりしたことはあるが内容はよく知らないという人が四一%でございますが、なかなか普通の日本人にとりまして、ある法律、しっかりと全部読んだかと言われれば、なかなかそうも答えないのかなとも思うわけでございます。
 ただ、私どもといたしましては、できるだけ、教育基本法というのは教育の根本の法律でございますので、広く国民の皆様に理解をしていただき、将来の在り方についてもお考えいただくことが大事だと考えておりまして、昨年十一月、中央教育審議会での中間報告が出ましたが、その後に、一日中央教育審議会公聴会などを開いたりいたしまして、今後ともその内容の普及については力を尽くしていきたいと思っております。
#334
○辻泰弘君 今のに付け加えまして、見直す必要があるかどうかよく議論すべきであるが四五%、分からないが三四%という数字もございまして、また、本文を熟読しており、よく理解をしている層ほど、基本法をより詳しく知っている人ほど、見直しは不要だという人が多いと、こういうような結果にもなっているわけでございます。
 また、三月四日、日本教育学会など教育関係の二十五学会が文部科学大臣並びに中教審に対して慎重審議を求める要望書を出されたというふうに伺っているわけでございます。
 このような調査結果等々を拝見しますときに、総理がおっしゃっているように、幅広く国民的な議論を深めるべき段階ではないかと私は思うわけですけれども、そのような方向で国民的議論を深めていくと、その精神でやっていただきたいと思うんですが、文部科学大臣、いかがですか。
#335
○国務大臣(遠山敦子君) おっしゃるとおりだと思います。三月末に答申が出ましたら、またその内容について普及を図りたいと考えております。
#336
○辻泰弘君 そこに尽きるといえばそうなんですけれども、やはりこれは正に準憲法的なものでございますから、やはり国民的な議論をしっかりと深めて国民の意思の所在を求めていくこと、そこにまず第一段階があると思うわけでございます。
 そういう意味で、政府としても、内閣としても、しっかりと国民的議論を大切にするということで取り組んでいただきたいと思うんですけれども、広報的な意味も含めて、官房長官、一言お願いします。
#337
○国務大臣(福田康夫君) この問題の重要性については先ほど文部科学大臣も述べられておりますので、今回、昭和二十二年制定を、これを作り直すわけですから、これはもう慎重に今、中央教育審議会で審議をしておりまして、その結論を待って、これは当然のことながら広く広く国民各位に御理解を賜るような政府としての努力も必要だと思っております。
#338
○辻泰弘君 是非、そういう精神で取り組んでいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 時間が限られてまいりましたけれども、最後のテーマとしまして、大島大臣の問題についてお伺いしたいと思います。
 大臣は、衆議院法制局のお問い合わせについて、大臣の立場と議員個人の立場というものをしっかりと峻別するということで、その重要性を我々に教えていただいたと思うわけでございますけれども、さて私、昨日、この大臣に対する質問を通告するに当たり、農水省の方にするということになったわけでございます。やはり、農水省の方は国民の税金で仕事をされている方でございますが、その方に対して大臣の個人の、まあ疑惑と言ったら失礼かもしれませんが、そういう問題について仕事をさせることが私はよかったのかなといささか反省するようにも思うんですが、大臣、大臣に直接私、農水省に渡してよかったんでしょうか。
#339
○国務大臣(大島理森君) あの、委員、今の御質問はあれでございましょうか、あの、資料を取りに行かしたのは──じゃなくて。
#340
○辻泰弘君 いやいや、私が通告するのが相手が事務局、農水省の事務局の方で。
#341
○国務大臣(大島理森君) 官房の仕事の規約あるいはそれ見て、先生も御存じだと思いますが、国会との連絡というのがあるんです。したがって、私はそれは、私に対するまあ質問等々についての先生からの御意見を伺うというのは、農水省の連絡室あるいはそういうところで間違いがないのではないかと、このように思いますが。
#342
○辻泰弘君 大島大臣のそういう個人にかかわる質問について、そうすると事務方の方がそういう質問通告を持ってこられた。その後はどういう対応になるんでしょうか。大臣の手元に直接来ることになるんでしょうか。
#343
○国務大臣(大島理森君) 委員が今、個人個人とこうお話をされます。我々は、先生は参議院議員であり、私は衆議院議員だと思います。議員というその立場を個人というならそうであるかもしれません、つまり議員であるという意味で。
 そこで、そういう質問がございますと当然に、週刊文春によく書かれることが、それをベースにして御質問されることが非常に多うございますので、私どもは既にそういうものの分析をしながら、その部分あるいは私にかかわる秘書、秘書にかかわることについては、私は、弁護士や私のスタッフ、これで最終的な答弁書を作ります。
#344
○辻泰弘君 谷垣国家公安委員長にお伺いしたいと思うんですが、公安委員長はこの大島農水大臣の元秘書の現金受領問題について発言をされているようですけれども、お考えをお示しいただけますか。
#345
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員お尋ねの件は、閣議後の記者会見において質問がありまして、それに答えたこととの関連でお尋ねがあったというふうに思います。
 そこで、私がそこで申し上げましたのは、事実関係を十分把握しているわけでもないので立ち入ったコメントをすることは、その立場でもないし差し控えたいということを申し上げ、ただ、一般論として、政治と金の問題は何かと、こういうような御趣旨でありましたので、一般論として二つあるということをそのとき申し上げたと思います。
 一つは、政治の信頼という上から、やっぱり外から見たときどう見えるかということは我々大事にしなきゃならないということを一つ申し上げました。それからもう一つ、さはさりながら、我々の政治活動というのは全く金なしでやるわけにもいかない、一種の民主主義のコストというものが要るわけで、それをどういう仕組みでやったらいいかということは我々も絶えざる議論が必要であると。多分、これが完璧という制度はないんだろうと、どういう制度を作ってもまたその、何というんでしょうか、副作用というか、そういうものがあるだろうし、常にその工夫を重ねる議論をしなきゃいかぬと、こんなことを申し上げたと思いまして、それは現在でもそういう気持ちでおります。
#346
○辻泰弘君 この大島大臣の元秘書の現金受領問題について、国家公安委員長、外から見たときにはどういうふうに見えているというふうに思われているでしょうか。
#347
○国務大臣(谷垣禎一君) それは、今もちょっと申し上げましたが、具体的な事実関係を十分把握しているわけでもありませんし、こういう場で具体的なコメントを申し上げる立場でもないと思いますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#348
○辻泰弘君 総務大臣、ちょっと選挙、政治資金に絡むことなので教えていただきたいと思うんですが、大島大臣の元秘書さんが一年半六百万円を預かっていたということを大島大臣がおっしゃっているわけですけれども、選挙に用立ててくださいと、こういうことで六百万円を渡されたということのようです。選挙に用立ててくださいと言われて現金を国会議員の公設秘書が受け取った場合に、政治資金収支報告書か選挙運動費用収支報告書かのいずれかに記載されてこないような選挙に用立てる金の使い方というのはあるんでしょうか。
#349
○国務大臣(片山虎之助君) 法律上はこうなんですね。公選法では、選挙の出納責任者になりますと、すべての収入支出を収支報告書へ記載して出してもらう、それが一件一万円以上なら住所、氏名を書くと、こういうことですね。
 それから、政治資金規正法の方は、これは会計責任者なんでしょうか、この人がすべての収入支出を記載して、収支報告書に記載して、それで出してもらう。こっちの方は五万円ですね、五万円の寄附をした場合、五万円以上の寄附をする場合には、五万円を超える寄附をする場合には住所、氏名を書くと、こういうことなんですね。
 それで、大島大臣の場合には事実関係なんですよ。この事実関係については、私どもは全く承知できる立場にないものですから、どういったこういったということはありますけれども、事実関係に、いかんによると、こう思いますので、これが選挙のためのあれなのか、単に、単なる個人的な預かりなのか、その辺については私よく承知しておりませんので、どうこうと言うことは差し控えさせていただきます。
#350
○辻泰弘君 この大島大臣の元秘書さんが受け取られた六百万円ですけれども、その法的な位置付けが政治資金規正法に違反しないんだというお考えだと思うんですけれども、その場合には、その六百万円はやはり業務上横領されたものと考えざるを得ないと思うんですけれども、大臣はなぜ告訴されないんでしょうか。
#351
○国務大臣(大島理森君) 平成十二年の選挙のときだったそうでございますが、そのオーナーの志を持ってこられたと。私、そのときにどういう会話をされたかも何にも分かりません。ただ、後の報道、また彼からのあれによれば、どうやら選挙に役立ててほしい、あるいは選挙活動に役立ててほしいということを言われたと。そしてその後、平成十三年の暮れに、そのビル会社、オーナーの周辺でございましょうか、そういううわさがあるということを私どもの東京のスタッフが聞き及んで、それを彼に確かめて、それが事実であって、その後私に報告があって、彼に問いただした。そうしたら、済みません、預かっていましたと。おまえはこれを自分の私的流用にも使ったのではないかと言ったら、イエスもノーも答えませんが、一年半も自分のところに預かってということは、常識的にそのままで預かっておるということはちょっと考えられないな、二十年間も青森から連れてきて本当に信用して秘書としてやってまいりまして、私は、まずそのときに、直ちにお返しするのがこれはおまえの責務だ、したがってお返しするようにしなさいと言ったわけです。
 横領であるかどうかというのは、私は、法的にこれは判断できませんが、いずれにしても、資金管理団体、政党支部、選挙母体、こういうものに入ったという実態に全くない、だれも知らなかったということでございますから、私は、まずお返しをさせることが、まずこの問題の一番大事なことだと言って、そのようにさせました。
#352
○辻泰弘君 大島大臣は、二月二十一日の記者会見で、元秘書について、受け取ったお金は返しているし、二十年間支えてくれた一面もあると、こういうことをおっしゃっているわけです。刑事告訴しないことを示唆したというふうに伝えられたわけですが、要は告訴しないというのはそういうことだということでしょうか。
#353
○国務大臣(大島理森君) 横領という実態になるのか、まあ弁護士さんとも一回議論したことはあるんです。先ほど申し上げましたように、資金管理団体あるいは政党支部あるいはまたその選挙母体、こういうものに、実態として、それがもう来た後に、そういうふうなものが、本人がそれを使った、あるいはとどめ置いたということであればという議論もございます。
 いずれにしろ、私の、そういう法律的な側面と同時に、今、委員がお話しされましたように、私は甘過ぎると、こう言われますが、起こした行為、これに対してはすぐ返しなさいと叱責もいたしました、辞めさせもいたしましたが、二十年間私に尽くしてくれたという側面もなくはございません。したがって、まず自分の責任で返しなさいと、そのことが一番大事だと判断をいたしました。
#354
○辻泰弘君 今のは、弁護士さんとも相談されて、業務上横領と疑わしきことであるという認定の上に、しかし情もあるからということなんですか。
#355
○国務大臣(大島理森君) 明確にそういうふうなことであるという思いは、私にはまだ判断しかねます。
#356
○辻泰弘君 塩川大臣、ちょっと税務的に聞きたいんですけれども、今の場合は政治資金、政治資金じゃないと、政治資金収支報告に入れていないと。そうすると横領である可能性があるということになりますね。そして、この秘書さんは一年半預かっていたといいますから、それを流用していたということになるわけですね。そうすると、たまたま一年半たって分かったから返しているわけですけれども、それが分からなかったらずっと持っていたかもしれないということになるわけです。
 そうすると、それは所得か贈与か何らかの形での課税関係が発生することになるんじゃないでしょうか。
#357
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、もう個々で違いますから、私からコメントはできません。
#358
○辻泰弘君 大島大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、これは文春の記事でございますけれども、二月二十七日付け文春の記事では、元秘書は、週刊文春ですね、六百万円について、自分の懐に入れたことはありません、私はきちっと渡しています、お金は宮内さんに渡しましたと、こういうふうに答えておられるわけですね。これは、真偽は私は分からないですよ。ただ、それは、その部分について大臣は、元秘書が一年半預かり、その一部を流用したと明言されているわけです。いずれが真実なんでしょうか。
#359
○国務大臣(大島理森君) 私が申し上げているのが事実であると、このように思っております。
 これは、先生もそうだと思いますが、二十年間、約、青森のときから運転手やったりして連れて、私の親戚にも当たります。そういう意味で、私がきっちり彼に聞いて、そして、そういうふうなことから私自身申し上げていることが正しいと、このように確信しております。
#360
○辻泰弘君 そうすると、虚偽の報道ということになるんでしょうか。
#361
○国務大臣(大島理森君) 虚偽であるかどうか、また、その秘書がどのようにお答えしたのかは分かりませんが、時として私はもう文春、週刊文春の記事について提訴を二回いたしております。ですから、虚偽かどうかということについては、ある全体の言っている一部分を取り上げて記事にしている部分もございますし、これは私は定かに論評するわけにはまいりませんが、私が申し上げておることは確信を持って申し上げている次第でございます。
#362
○辻泰弘君 大臣は記者会見において、政治家として、秘書の監督責任については代議士には大きく責任があると、こうおっしゃっているわけですね。そのことは今もお気持ち変わらないですね。
#363
○国務大臣(大島理森君) いずれにしても、こういう委員会等で様々の御議論をいただくということについては私は深く反省をいたさなければならないところもございますし、私自身、率直に言って、おまえは甘いと、こう言われました。そういう意味で、自らの足下をしっかり作り直して、そしてやっていかなければならないという反省と同時に不徳を感じているのは今の私の心境でございます。なるがゆえに、身を律してWTOあるいは農政改革、そういうものに全力を尽くして御批判を仰ぎたいと、こう思っております。
#364
○辻泰弘君 大島大臣は、秘書官がお辞めになったその段階のコメントで、解任した理由を、政治家は信頼の欠如に敏感でなければならないと、このように説明されていると思うんです。その後、今回の六百万円のことがあったわけですが、このこともやはり信頼の欠如ということにつながっていると思うんです、国民から見たときに。そのことについては非常に敏感じゃなくて鈍感だと思うんですけれども、いかがですか。
#365
○国務大臣(大島理森君) 政治家の責任という問題については、正に様々な責任が問われると思いますが、もちろん、そういう批判あるいはまた御指摘、こういうものを全身に受けながらも、今、国家、国益、国民のためになさなければならない農林水産大臣としての職責に全力を尽くすこともまたその責任であろうと、このように思っております。
#366
○辻泰弘君 昨年の十月ですね、大臣の進退を問う記者の質問に対して大臣は、人間として、政治家としての生きざまというのがあると、このようにおっしゃっております。大臣の生きざまとは何なんでしょうか。しかるべきときに潔く責任を取るというのが大臣の生きざまなのか、あるいは国会、マスコミ、国民全体からの批判のあらしにも耐えて過ぎ去るのを待つと、そういうのが生きざまなのか。いかがですか。
#367
○国務大臣(大島理森君) 私は、十九年目になりましょうか、その間、多くの諸先輩からの御指導をいただきながら、官房副長官、あるいはまた三回の、今この内閣やらしていただいて、国会のこともやらしていただいております。そういう中で、与野党の先生方とも様々な形で御議論をいただいたり、あるいはまた信頼をいただいたりしてまいりました。己をやはり殺して、そして公のために全力を尽くすという思いで私自身はやってまいりました。その間、先ほども申し上げましたように、足下においていささか自分の、しっかり見ながら公のために尽くす、そうしなければいけないことも改めて今回は反省しておりますが、政治家が問われるのは、様々問われますけれども、今の職責をしっかり全力を尽くしてやって評価をいただくことが今私の生きざまではないかと、このように思っております。
#368
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
#369
○辻泰弘君 以上で終わらせていただきます。
#370
○委員長(陣内孝雄君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#371
○委員長(陣内孝雄君) 次に、松あきら君の質疑を行います。松あきら君。
#372
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、まず生命保険の予定利率の引下げについて御質問をさせていただきます。
 生命保険の資産運用利回りは契約者に約束をした予定利率を大きく下回る状態が続きまして、逆ざやは巨額になっている状況でございます。特例法による今までの破綻処理はうまくいっており、それでできるならば望ましいわけでございますけれども、ただ限界もあるようでございます。経営不安の連鎖のおそれもあり、保護機構の資金を使い切れば、最後の手段として税金投入となり、国民全体の負担になるとも言われているわけでございます。
 しかし、従来より、国民年金やあるいは企業年金に関して受取額が減額されるのではないかという議論がされております。国民は将来、特に老後の生活設計に不安を感じているところでございます。
 法案内容につきましてはまだ発表、公表されておりませんので、あくまでも新聞報道等に基づきますけれども、現行法上、保険会社が保険契約の予定利率を引き下げることが可能であるのは経営破綻処理に伴う場合に限られますけれども、本法案により、保険会社は存続をしながら予定利率を引き下げられることが可能になるわけでございます。
 そこで、契約者、国民の立場から心配されるのは、保険会社によって安易にその予定利率が引き下げられるのではないかということでございます。この点、本法案は予定利率の引下げ幅に下限を設けて三%程度とするとされております。
 ちょっと例を言いますと、例えば三十歳の人、バブル崩壊後の一九九二年に死亡保険金一千万の終身保険、六十歳で払込完了、これで契約した場合に、当時の予定利率が年五・五%とすると、これを保険会社が年三%に引き下げたとすると、保険金額は約六百万円切るんですね。四割カットに下がってしまうようです。
 これに対して解約する方法もあるわけですけれども、今からほかの生命保険会社の保険に入っても、予定利率も低いし、また年齢の関係で保険料も高くなっちゃう、また入れない場合もあるので、解約は事実上困難であるというふうに思います。
 生命保険は複雑な数式によって財務内容が計算されておりますので、一般国民がこれを判断するのは困難であります。また、契約時には健全な保険会社のように見えたけれども、契約後十数年たって経営状態が悪かったことが判明することもあります。単純に契約者の自己責任の問題であるとは言い切れないということも是非御留意をいただきたいというふうに思います。
 冒頭で申し上げましたように、年金の減額の問題もありまして、法案は国民にとりまして、将来、特に老後の生活に不安をもたらすのではないかというふうに考えられますけれども、いかがでございましょうか。
#373
○国務大臣(竹中平蔵君) 生保の予定利率の問題は、数ある金融問題の中でも私自身、実はこれ最も難しい問題だなというふうに思っております。そういった観点から今一生懸命勉強しているまだ段階なのでございますけれども、松委員の方は非常に先に先にいろいろ詳細に御検討くださって、いろんな考え方、問題点を今御披露くださったというふうに思っております。
 基本的には、銀行の問題というのは諸外国にも解決の例等あるわけですが、この生保のような問題というのは諸外国では参考になるものもないと。基本的に、御承知のように、逆ざや問題というのが非常に厳しい問題として存在をしている。このままいくと保険会社の経営全体がどうなるだろうかという声もある。しかし、さりとて、その利率をじゃ下げたら、これはやっぱり約束したことと違うのではないのか、その前にもっとやることがたくさんあるだろうという議論もあるし、何もやらない方がよいのか、何かやる方がよいのか。何かやる場合も、それがかえっていろんな問題を呼び起こさないか。そういうことを今、正直言いまして非常に幅広くまだ勉強しているところでございます。
 金融庁としては今の段階で、したがってまだ方針を決めておりませんのですが、御指摘のような問題点をやはり踏まえて、これは慎重に検討して、一部だけが先に出ますとかえってまた不安を呼び起こすということもございますので、ここは今本当に重要な点を御指摘してくださったと思いますが、しっかりと我々も踏まえて勉強していきたいというふうに思っているところです。
#374
○松あきら君 まだ議論の最中ということで大変お答えにくいとは思いますけれども、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 そこで、少し中身について申し上げたいと思います。
 報道による限り、本法案において銀行は、生命保険会社が破綻しないことによってその貸付債権、約一兆八千三百九十億円あると言われますけれども、その貸倒れを回避し得ると指摘されているわけでございます。その一方で、この法案におきましては、銀行に債権放棄を求める条項は今のところ見当たらないんですね、その報道によりますと。結局、本法案は銀行救済法案である、そんな指摘もされているところでございます。
 そうした点から、生命保険会社の経営破綻を事前に防ぐことによる社会的損失の回避を契約者のみに負わせることは、やはり問題なのではないかというふうに思うところでございます。まず、当該生命保険会社の役員、取締役あるいは執行役、監査役、すべてこの人たちの減給及び退職金のカットを求め、次に銀行に債権放棄を求め、しかる後なお財務内容が改善されない場合に限り、すべてしっかり情報開示をしていただいて、それから契約者に対して必要最小限度の予定利率引下げを求めるべきではないでしょうか。いかがでございましょうか。
#375
○副大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今、松先生からの御指摘はかなり先に先にいろんな仮定が出ておりまして、大臣からもお答えをさせていただいたように、私どもとしましては今幅広く勉強させていただいているところでございまして、現時点で私どもとしての案を持っている状況ではございません。また、現時点において破綻のおそれのある生命保険会社があるとは考えておりません。
 生命保険会社各社においてリストラを断行し、経営の効率を向上し、また商品の設計の在り方あるいは販売の在り方、それぞれにいろいろな努力をしながら、生命保険会社の健全性の確保のために精一杯努力をされておりますし、私どもとしてもそうした努力を更に強く求めていきたいというふうに考えております。
#376
○松あきら君 しっかりと努力を求めるということは、私も正にそのとおりであるというふうに思います。
 先に先に申し上げて大変申し訳ないですけれども、一応転ばぬ先の何とかでございまして、例えば本法案により五%から例えば三%に下がったとします。そうすると、その引き下げた生命保険会社に対して、例えば引き下げない、四%でもいいですね、そうした予定利率の会社、これが競争しなければならないのでは公正な競争条件とは言えないんじゃないかというふうに思うんですね。例えば、このような案では例えば従前より経営改善に取り組んできた保険会社ほど不利益を被ることになってしまって、保険会社の自主的な経営改善への動機付けを制度として抑制してしまうんではないか。つまり、モラルハザードの問題を招かないか心配をするわけでございます。
 とにかく、本法案の適用を受けて、予定利率を引き下げた会社を対象とした例えば吸収合併などがなされること、これも予想されるということで、競争条件を有利に展開するために悪用されるおそれもあるということを是非検討の中身に入れていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#377
○副大臣(伊藤達也君) 重ねてになりますが、私どもまだ法案というものを用意をさせていただいている状況ではございませんので、また先生からいろいろ御指摘がございましたけれども、現在そうしたものを想定をされる状況ではないというふうに思っております。
 ただ、先生御指摘のとおり、先ほどの御質問のように責任の問題でありますとかあるいはモラルハザードの問題、こうしたものは大変重要な問題でございますので、そうした問題も含めて私どもとして勉強を深めていきたいというふうに考えております。
#378
○松あきら君 本日は大変に基本的な論議をさせていただいたというふうに思います。
 最近、新聞各紙を読みましても、その社説の中身、この法案を用いなければ多大な国民全体の負担となり経済の悪化につながる、こういう記事が多々多く見られるのも事実でございます。私どもも与党の一員といたしまして、しっかりとこれからも議論をしてまいる決意でございます。
 ともかく、どうか国民が主役という視点を忘れないでいただきたい。是非それを、しっかりその視点を取り入れていただいて、忘れずに取り組んでいただきたいということをお願い申し上げて、この質問を終わらせていただきます。
 それでは次に、男女共同参画の社会、男女共同参画社会の実現に関する政府の取組について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 今さら私から申し上げるまでもなく、男女共同参画社会の実現は極めて重要な政策課題でございます。なぜ男女共同参画が必要か。男女の人権の尊重という視点のみならず、日本経済復活のためにも、私は、女性の能力を活用することが早急に実現されなければならないと思うからでございます。
 私は、経済産業省の、昨年、大臣政務官させていただいておりまして、男女共同参画に関する研究会にも参加をさせていただいておりました。その御縁で、多くの民間企業の方々にもお話を伺いました。勉強させていただきました。
 厳しい競争環境にある先進的な企業では、男女を問わず能力に応じて活用する機会均等型の人事制度なくしては生き残れないとの認識に立って、女性の能力の活用を相当のスピード感を持って進めているわけでございます。当然ながら、政府はこのような民間での取組をしっかりと支援していくべきだと私は思っております。しかしながら、実際には、どうも政府が一体となって強力かつスピーディーに男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでいるとは言い難い、そういうふうに私は思うんですね。もっともっと改善の余地があるんじゃないか。
 例えば、小泉総理を本部長とする男女共同参画推進本部と、その本部の下に置かれております担当局長等を構成員とします男女共同参画担当官会議、この二つあるんですけれども、そもそも平成十四年度には一度も開かれた実績がないんですね。
 施策の実行を政府一体として行うために機動的に開催する、この男女共同参画基本計画で定めたはずの男女共同参画推進本部と男女共同参画担当官会議が一年間に一回も開催されていないというのでは、やはりこれは本気で、政府が一丸となって男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでいると言いましても、正に生きるか死ぬかという真剣さでこの問題に取り組んでいる一般企業などからは到底信じてもらえないというふうに私は思います。やはり、関係省庁が十分に連携をして、情報を共有して、スピード感を持って男女共同参画社会の実現という課題に取り組むようにリーダーシップを発揮していただきたい。
 担当大臣の官房長官はいらっしゃいませんので、局長、坂東局長、よろしく御答弁お願いいたします。
#379
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘いただきましたとおり、男女共同参画は二十一世紀の日本の最重要課題、暮らしの構造改革、経済の構造改革も男女共同参画が大前提になるということで、我々政府も、関係省庁と一体になりまして施策を総合的かつ効率的に進めていくよう努力をしております。
 このため、平成十三年一月の中央省庁改革におきまして、まず内閣レベルの総合調整を一層強力に行うため、従前、全大臣で構成する男女共同参画推進本部に加えまして、官房長官を議長として、各省大臣だけではなしに、それに加えて民間の有識者を議員とする男女共同参画会議を設置し、重要事項の調査審議を行うほか、各省施策の実施状況の監視等を行っております。その男女共同参画会議はほぼ三か月に一回程度開催しておりまして、既に九回開催されております。
 参画会議の意見に基づきまして、仕事と子育ての両立支援につきまして、待機児童ゼロ作戦等の具体的な期限と目標を盛り込んだ閣議決定を行っていただきましたほか、配偶者暴力防止法の円滑な施行のため必要な各省庁の取組をまとめるなど、関係省庁の連携を図ってきております。
 また、会議の下に専門調査会を設置いたしまして、個人のライフスタイルの選択に中立的な税制、社会保障制度、雇用システムや女性のチャレンジ支援策についての検討を進めております。
 このほか、有識者及び各種団体の代表者をメンバーとする男女共同参画推進連携会議でも関係団体や経済団体、メディアとの意見交換を官房長官を中心に行っております。
 今後とも、男女共同参画等会議等を活用いたしまして、関係省庁の連携を一層強化させ、男女共同参画社会の形成を積極的に進めてまいるため、政府一体となって各種の施策を推進してまいりたいと思っております。
#380
○松あきら君 坂東局長、一生懸命頑張っていただいておりますので、官房長官、後でいらっしゃるかどうか分かりませんけれども、いらっしゃったら、私しっかりこれ意識を持ってやってくださいとお願いしますけれども、いらっしゃらなければ是非、局長の方からお伝えをいただきたいと思います。(「来たら言いなさいよ」と呼ぶ者あり)来たら言います。
 地方公共団体が策定をします男女共同参画計画についてお伺いをいたします。
 男女共同参画基本法第十四条では、都道府県や市町村が、それぞれの区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策について基本的な計画を定めることとなっております。しかし、各地で実はバックラッシュが起きております。揺り戻しが起きているんですね。反対、反対で、基本計画はもとより条例なんか全然できないといったことが多々起こっております。
 これは、局長ですから御存じであるとは思います。どのような問題があると認識をされているのでしょうか。また、どのようにこういった問題に対応されていかれるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#381
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。
 地方公共団体におきましては、男女共同参画に関する条例や計画の作成は着々と進んでいるというふうに思っております。条例は、今、四十七都道府県のうち四十の都道府県で策定されております。また、市町村レベルはまだ百でございますが、これも近年、急速に制定されております。
 計画は、都道府県につきましては義務付けられておりますのですべて作成されておりますが、市町村レベルでは七百五十九、まだ二三・四%という状況で、御指摘のとおり市町村におきましては、これは努力義務といいますか、義務付けてはおりませんけれども、是非制定してほしいということで、いろいろな情報提供、マニュアル等も提供しておりますが、条例制定等におきましてのバックラッシュの問題ですけれども、条例はあくまで男女共同参画社会基本法の趣旨を踏まえて、それぞれの地域で、特性に応じまして、またいろいろな考え方をなさる住民の方たちの意向を踏まえて、地方議会で、住民から選ばれた地方議会で審議を経て策定されるということですので、全国同じようにというよりも、それぞれ個性がある程度出てくるのは当然かなというふうに思っておりますが、内閣府ではこの基本法の趣旨をまず十分に理解していただかなければならないのではないかということで、都道府県・政令指定都市男女共同参画主管課長等会議等を毎年行うほか、基礎研修あるいは政策研修と申しまして、会議の方のみならず、課長レベルの方たちにも十分な情報提供を行う機会を新たに本年度から設けております。
 また、男女共同参画社会の目的や理念について誤解なく国民に理解していただくために、毎年六月に男女共同参画週間の実施ですとか、あるいは、今日持ってまいりませんでしたけれども、広報誌、「共同参画21」という広報誌を新たに創刊いたしましたり、あるいはまたホームページによる情報提供など、いろいろな機会をつかまえて、広報啓発に努めております。
 また、国会における関連質疑等を取りまとめた資料も都道府県に昨年十二月に送付しております。(「要領よく」と呼ぶ者あり)はい。
 いやしくも、この男女共同参画社会の形成が誤解されることがないように、十分な情報提供に努めていきたいと思っております。
#382
○松あきら君 誤解というよりも、男女共同参画の中身が分かっていないと私は思います。何で男女平等なんだ、ばっかり言うんだと、あるいは女性の権利ばっかり言うんだと、そういうふうに思っていらっしゃるんじゃないかなというふうに思いますが、やはり女性の能力の活用によってこの経済社会システムが変わるということを、やっぱりきちんと中身を分からせていくことが大事であるというふうに私は思っております。
 次に、財務大臣、配偶者特別控除の縮小に関してお伺いをいたします。
 平成十六年一月から配偶者特別控除の縮小が実施をされる方針が示されております。これに関連して、財務大臣は、男女共同参画という視点からも配偶者特別控除の縮小は望ましいとの認識を示されたと承知しております。私も確かに、男女共同参画社会の実現に向けて男女の就業に対して税制が中立であることは望ましいというふうに思っております。しかし他方で、女性がその能力を十分に発揮できる環境が整ってまだいないんじゃないかという現実もあります。このような現実を顧みないで、例えば税制だけを中立化しても男女共同参画社会が実現するわけではないというふうに思います。
 つまり、簡単に言いますと、国民負担が増える見返りに政府は何を提供しようとされているのかなと、何を提供しようとしてくださっているのかと私は思うんですね。具体的には、我が国が直面する少子高齢化という現実を前にして、女性が子供を産み育てつつ社会で十分に力を発揮していく環境を整えるためにこの財源を充てるべきではないかと思いますけれども、大臣、お考えはいかがでございましょうか。
#383
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、これも先に言われてしまって恐縮ですけれども、この今回の税制改正をいたしますときに、これが一つの大きい争点になった問題でございます。
 ところで、ちょっとこれ現状認識を是非していただきますと、この配偶者特別控除を設定いたしました当時、言わば主婦の方が、在宅主婦の方が非常に、共働きしておられる家庭が少なくて主婦の方が非常に多かったんですが、最近は逆転してまいりましたので、それで男女共同社会でこの問題になったということでございます。
 その結果、いろいろとございましたけれども、取りあえず税の公平化を図るということと空洞を埋めるということと二つの観点からこの特別措置を廃止さしてもらうと。
 そのときに公明党さんの方から非常に強い要望がございまして、これは将来において、そういうやっぱりこの法の精神に基づいて、幼児、特に幼児の対策にこれを活用する方法はないだろうかということがございました。つまり、税制でカットするけれども、それを行政の面でプラスする方法を考えてくれということで、三党協議いたしまして、その結果、今後において、財源の限定額は二千五百億円ということで出ておりますけれども、そのまたありよう、使い方と、それからどういう方法でするかということについて具体的に今後決めようということでございまして、大枠の話は決まったということでございます。
#384
○松あきら君 とてもうれしいお返事、ありがとうございます。是非、こういうことを皆が待っていたというふうに思います。ありがとうございます。
 それでは次に、厚生労働大臣に、ポジティブアクションについてお伺いをしたいというふうに思います。
 男女共同参画会議が昨年十月に公表しました女性のチャレンジ支援策についての中間まとめにおきまして、「厚生労働省において、ポジティブ・アクションを積極的かつ効果的なものとするための立法措置を視野に入れた検討を行う。」というふうにされているんですね。
 ポジティブアクションの立法措置につきましては、それが全体としてプラスの効果を女性にもたらすのかどうか。アメリカではアファーマティブアクションが女性の社会進出を後押ししたことは間違いないと、こう言われています。私もそういうふうに思うわけでございます。
 アメリカでは女性が底辺に沈まないように、例えば非正規の人にも雇用保障をしているんですよね。非常にこの辺は進んでおります。しかし、日本の労働市場や雇用の在り方がアメリカとは違いますので、他国の成功例が必ずしも日本に当てはまらないのではないかというふうにも思います。その前に、働き方をもう少し柔軟にして、子育てと仕事が両立しやすい働き方を生み出しておく必要があるというふうに思います。
 今起きていることは、正社員を非正社員で代替する動き、これが非常に多いんですね。それに対しまして早く対策を打たないと、若年者も失業率が高まったり、非正規のままでキャリアを形成することができない女性あるいは若者が増えるような気がするわけでございます。このようなときに、検討されております立法措置の内容いかんによっては、かえって逆効果となるのではないかという声も民間からは聞こえてくるわけでございます。
 具体的にはどのような法案を検討されているのでしょうか。関係省庁との情報の共有やあるいは連携というのは十分に行われているんでしょうか。お伺いをしたいと存じます。
#385
○国務大臣(坂口力君) ポジティブアクションにつきまして立法措置がどうかというお話でございますが、このポジティブアクションの推進が不可欠であることはこれはもう間違いがないというふうに思っております。男女雇用機会均等法の規定にもございます。そして、経営者団体と連携をいたしまして女性の活動推進協議会というのを作っております。そして、平成十四年の四月に「ポジティブ・アクションのための提言」を取りまとめたところでございます。また、優良企業の表彰というようなことも実はやっております。
 今お話ございましたように、女性の皆さんがやはり働いていただきやすい環境をどう整えていくかということが私も先決問題だというふうに考えております。法律で縛ることだけが決してプラスではない、法律でするよりも、まずそういう環境整備がやはり整わなければできないことだというふうに思っております。
 ただしかし、そうはいいますものの、環境整備、環境整備というふうに言っておりましても、じゃ、いつまでたったらできるのという話にもなるわけでございますから、そこはひとつ、何年までにどこまでという一つ区切りを付けながらやはり環境整備を進めていくということが今重要ではないかというふうに私は思っておる次第でございます。
 そうした中で、今女性の働き方の問題もございましたけれども、いわゆるパートの皆さん方につきましても、短時間正規労働者という言葉がございますけれども、そういう立場でとらえて、そして、社会保障にいたしましても多くのことがそこで正規に行えるような体制というのが大事ではないか、そんなふうに思っております。
#386
○松あきら君 ありがとうございます。何年までに区切りを付けて女性の環境整備、女性が働く環境整備をしてくださるという力強いお言葉、ありがとうございました。
 それでは、引き続いて厚生労働大臣に、これはちょっとまだ進行中ですということ、なかなかお答えがどこまでいただけるか分からないんですけれども、昨日も出ました第三号被保険者の問題について伺いたいと思います。
 少子高齢化が進行する中で、年金制度の見直しが重要な課題となっているわけでございます。これは、もう昨今、皆が年金制度の姿、検討しなければいけない、もちろん厚生労働省でも今現在検討を進められているところだというふうに思います。やはり、税制や社会保障制度が男女の就業等について中立的であるべきだと私も考えております。具体的にはサラリーマン家庭の専業主婦のいわゆる第三号被保険者の問題が指摘をされていることは、これは皆様よく御存じのとおりです。男女共同参画の視点からは制度の中立性が求められているわけですけれども、他方で、必要な社会保障は当然ながら国民に広く提供すべきだというふうに思います。
 この問題について、諸外国では一体どういうふうになっているんでしょうか。また、我が国におきましてはどのような検討が進めていられるのか、お答えになれる範囲で結構ですので、御答弁をいただきたいというふうに思います。
#387
○政府参考人(吉武民樹君) 私の方から諸外国の扱いについて御説明申し上げます。
 これは国によって相当違いがございまして、例えばアメリカで申し上げますと、所得のない配偶者の方は被保険者となりませんし、保険料負担もいたしません。この方の被保険者となっておられる配偶者が例えば老齢年金を受給をされまして、御本人が受給年齢に達しますと、言わば、例えばその方が女性の場合で申し上げますと、夫の老齢年金の五〇%が御自分の年金として支給されるという形になっております。
 イギリスもほぼ同様でございまして、イギリスの場合には六〇%という形でございまして、この二つの国の場合には、夫が亡くなられますと夫の一〇〇%分が今度は配偶者の年金となるという形になっております。
 それから、フランスにつきましては、ごく低額でございますが、六千円程度の月額の加給が行われるという形でございます。
 それから、スウェーデン、ドイツは、これは所得比例年金でございますけれども、非常に割り切っておりまして、所得のない方については保険には加入をしない。加入される場合は任意に加入をされるという形でございまして、配偶者の特別な扱いはございません。
 今申しましたように、国によって相当違いがございます。
#388
○松あきら君 ありがとうございます。
 日本はかなり、伺いますと、やっぱり世界の中では手厚いのかなというふうに今感じたところでございますけれども。
 新しい社会がもう来ていると私は思っております。アメリカでは九〇年代に片働きという前提からもう共働きに転換したわけですね。日本は十年後れているというふうに思います。そうすると、当然、少子化対策も後れ、景気の足も引っ張っていると私は言えるんじゃないかと思います。新しいモデルに向けて労使関係も変えて、男女ともに若い良い人を育てていく、そういう発想をしっかりと持って、政治的リーダーシップの下、広い意味での男女共同参画にしっかり取り組んでいただきたい。
 一言、官房長官いらっしゃいましたので、その御決意を伺って、この質問を終わりたいと思います。
#389
○国務大臣(福田康夫君) 記者会見で失礼をいたしておりまして、申し訳ありません。
 男女共同参画は、これは制度の問題もありますし、各地方においても自治体が条例等を決めて一生懸命取り組んでくれているというふうに思っております。
 しかし、これは、制度とかそういうことも極めて大事なんですけれども、と同時に、やはり国民の意識を変えていかなければいけない、こういう問題がありますので、このことについては、これを、そのことについての方策というものがどういうものがいいのか。国民運動と言ってはちょっと大げさかもしれませんけれども、しかし、そのぐらいの感じでもって取り組むべき問題。そして、国民、もうこれは家庭の問題であり、そして職場の問題であり、もうこの社会のすべての場面においてこの問題発生するわけでございますので、そういうもう徹底した意識改革をするためにどのようにしたらいいのか、こういうことであります。
 ただ、今現在、旧来の考え方とかいうものもございますし、それを一挙に変えろと言っても変えられない部分もあるのではなかろうかと思います。ですから、そういうことも勘案しながら浸透していく、この考え方が浸透していくということが大事だと思いますので、そういうことも併せ考えながら、これから十分な施策をしてまいりたいと思っております。
#390
○松あきら君 官房長官、ありがとうございました。強力なリーダーシップで是非よろしくお願いを申し上げます。
 それでは最後に、最近とみに問題となっております地下室型マンションについて質問したいというふうに思います。
 私の地元の神奈川県では、川崎や横浜といった都市部に傾斜地が非常に多いんですね。最近こうした傾斜地に大型マンションの建設が目立つようになりました。これは平成六年の建築基準法の改正により、延べ床面積の三分の一まで地下室の建築が認められるようになったことがきっかけでございます。
 例えば、横浜市戸塚区で平成十一年に建設が許可されたマンションは、地上三階建て、地下四階建て、これは許可を受けたものなんですけれども、広告には七階建てマンション。このマンションにつきましては、実は横浜市を相手取って地元の住民が建築認可の取消しを求めて提訴しておりまして、来週十二日にも横浜地裁の判決が出るというところでございます。
 最近の事例を紹介いたしますと、横浜市中区本牧満坂というところで地元に建設計画が説明をされた事案では、地上三階建て、何と地下六階建てで合計九階建て、高さ二十六メートルにもなるマンションが建設されようとしております。
 両者はいずれも第一種低層住宅専用地域にあり、通常であれば容積率一〇〇%、建物の高さも大体十メートルから十二メートルに制限されている地域です。地下室である階には当然窓も入口もあって、とても地下室と呼べるようなものではありません。こうしたマンションの建築は周辺住民の日照権あるいは町並みを著しく乱すものであると考えます。
 そこで、地下室マンションについての現状、どのような認識をお持ちでしょうか。そして、こうした地下室マンションの中には建築基準法に違反するような建物は存在するのか。もし調べていなければ是非調査をお願いいたします。
#391
○大臣政務官(鶴保庸介君) 委員御指摘のとおり、地下室マンションは最近とみに現状としては増えております。ただ、結論から申し上げますと、正確な統計は、地下室マンション建設のための特別な手続が必要でないために、統計上そういう取り方をしておりません。
 全国で約年間七十六万棟の建築物が建築されておりますが、そのうち住宅が約六十三万棟あるという現状で、先ほどお話がございましたとおり、住宅メーカーから地下室付住宅が売り出されたりしておる現状は把握をしておるところでございます。
 ただ、一部、御指摘の、従来緑地であった斜面地等々でこの制度を採用したマンションが建築され、住環境の悪化をもたらしているなどというようなことも、事例も承知をしておるところ、このような紛争が生じる背景といたしましては、緑地の喪失あるいは景観の悪化といった問題があると考えておりまして、こういった問題の解決は何よりも地方公共団体の町づくりの視点が必要であると、そういった観点から、あらかじめ地域の特性を踏まえた地方公共団体の地区計画が第一義的には必要であろうと考えておるところでございます。
 したがいまして、こうした地方公共団体の努力を踏まえながら、一般的には建築基準法をきちっと守って活用されておると理解をしておりますが、委員御指摘のような問題事例につきましては、違反の状況がどうあっているかというようなことについて各地方公共団体等から実態をよく調査し、また指導をさせていただきたいと思います。
#392
○松あきら君 ありがとうございました。
 終わります。
#393
○委員長(陣内孝雄君) 以上で松あきら君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#394
○委員長(陣内孝雄君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
#395
○小池晃君 先ほど坂井隆憲衆議院議員が逮捕をされました。被疑事実と併せて御報告をお願いしたいと。法務省にお願いします。
#396
○政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。
 坂井議員に対しましては、本日、衆議院におきまして逮捕が許諾されましたことから、東京地方検察庁が同議員を逮捕したものでございます。
 その逮捕事実の要旨は、坂井議員が秘書らと共謀の上、その資金管理団体隆盛会の平成九年分から同十三年分の収支報告書につき、それぞれの収入総額欄に五期合計で約一億二千万円に及ぶ虚偽記入をし、それらを自治大臣又は総務大臣に提出したというものであると承知しております。
#397
○小池晃君 官房長官にお聞きします。
 与党議員の政治と金をめぐる事件、これは後を絶たないわけであります。政治家本人の逮捕というこの事実を官房長官としてどのように受け止めておられるのか、お願いします。
#398
○国務大臣(福田康夫君) 大変遺憾なことだと思っております。
#399
○小池晃君 厚労省にお聞きしますが、九六年、これは派遣業をめぐってはどのような規制緩和が行われたのか、御説明願いたいと思います。
#400
○政府参考人(戸苅利和君) 九六年の派遣法の、派遣制度の改正でありますが、これは一年余の検討を経まして、九五年の十二月に審議会からの答申を受けて、建議を受けまして、次の通常国会に法案を提出したものでございます。
 中身について申し上げますと、法律につきましては、労働者派遣契約の解除、それから適切な苦情処理に係ります措置の充実を図ろうということであります。それからもう一点は、派遣先が適用対象業務以外の業務に派遣就業させてはならないことを明確化する、それから不適正な派遣就業の是正勧告、公表の新設、そういったことであります。
 それから派遣期間の、派遣の許可の更新の有効期限を三年から五年に延長すると、こういった内容になっています。それから、政令につきましては、労働者派遣事業の対象業務に研究開発等の十業務を追加したと。省令におきまして様式の改正等を行ったと、こういった内容になっています。
#401
○小池晃君 本日の産経新聞では、日本マンパワーなどが献金を始めたのは、坂井議員が労働政務次官になった平成八年ごろ。この年は人材派遣できる業種が十六から二十六と大幅に増え、業界に有利な労働者派遣法の改正が施行され、正に坂井議員が旧労働省の政務次官として在任した期間と一致するというふうに報じています。
 法務省にお聞きしたいんですが、こうした事実、これもその捜査に当たっては当然検討の対象の一つになっていくんじゃないかと思うんですが、これいかがでしょうか。
#402
○政府参考人(樋渡利秋君) 犯罪の成否は、捜査機関によって収集されました証拠により認定された事実関係に基づき判断されるべき事柄でございますが、あくまでも一般論として申し上げますれば、検察当局におきましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適宜適切に対処するものと承知しております。
#403
○小池晃君 官房長官にお伺いしたいんですが、これ先ほど紹介したように、この時期といい、派遣業が大幅に緩和した時期といい一致をすると。この労働行政が金の力でゆがめられていたんじゃないかと、こういう疑念がわくのは私は不思議はないと思うんです。
 この点について、政府として私はこたえて、これはやはりきちっと徹底解明する、これ求められているんじゃないかと思うんですが、官房長官いかがでしょうか。
#404
○国務大臣(福田康夫君) これは捜査当局において厳正なる立場で捜査をするわけでございますから、その結果を待ちたいと思います。
#405
○小池晃君 こういうときは司直が司直がというふうにおっしゃるわけです。しかし、司直は司直として、行政は行政としてのこれ責任あると思う。
 一億二千万円もの裏金をなぜ一人の議員に提供したのか。労働政務次官として派遣業の規制緩和を推進できる立場にあったからにほかならないじゃないですか。これは坂井議員に資金提供した派遣会社、アデコキャリアスタッフの売上げ、これ九七年から十倍の急成長をしている。これ、正に規制緩和を進めた行政のおかげでこういう業種は伸びているわけです。金で労働行政がゆがめられていたとしたら大問題だと。
 もしそんなことがないと言うのであれば、これ司直とは別に、行政の立場で、政府は政府としてきちっとこの国民の疑念にこたえるべきだと思いますが、いかがですか。
 官房長官に聞いているんです、官房長官です。
#406
○国務大臣(福田康夫君) それは今、司法の手にかかっているわけですから、そこで厳正に調査されるわけでございます。労働行政の立場で何か分かることがあるのかどうかということは、これは厚生労働省にお尋ねをいただきたいと思います。
#407
○小池晃君 労働行政ということでは、本日、こういう中で労働基準法と職安法、派遣法などの労働法制の大改悪案が閣議決定されているんですよ。私、派遣会社からのやみ献金をめぐる疑惑が出てきている、そして議員が逮捕された、その日に、派遣労働を更に歯止めなく拡大する法案を閣議決定する。本当に反省がない、許されないと思うんです。
 厚生労働大臣にお聞きをしますが、これ直ちに法案を撤回して、労働行政が派遣会社からの金でゆがめられてこなかったのかどうか、私はこれ、労働省、厚生労働省として徹底的に解明する責任あると考えますが、いかがですか。
#408
○国務大臣(坂口力君) 先ほども御答弁を申し上げたとおりでございますが、この中央職業安定審議会におきまして、平成六年の十月からこの派遣につきましては議論をし、一年間議論をいたしまして、平成七年の十二月の十八日に十六業種から二十六業種へ拡大することを決定をしているわけでございます。したがいまして、坂井議員が就任なりましたのは平成八年の一月の十二日からでございまして、この二十六業種への拡大はその前の年に決定をしているということを先ほども申し上げたとおりでございます。
 私たち、何ら隠すところはございませんで、お調べをいただくというのであるならば、すべてのこのものを提供をして、そしてお調べをいただきたいと思っているところでございます。
#409
○小池晃君 審議会で議論をしたと言いますけれども、実際にその法律案、政令案を決定したのは九六年で、その当時の大臣や政務次官には全くこの問題は、施行したときの担当の大臣や政務次官には全く責任ないと言うんですか。審議会で決めたら全部丸投げで、行政は判こを押すだけなんですか。そんなことないでしょう。しかも、全く権限もない、全く関与してないような人に何で一億二千万円も裏金出すんですか。全く説明付きませんよ。
 私は、この問題、この予算委員会でも徹底的に解明すべきだというふうに思いますが、この問題は引き続きこの委員会でも取り上げていきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。
#410
○国務大臣(坂口力君) 審議会で議論をしていただきましたことを中心にして常に厚生労働省は決定をしているわけであります。その中には労使の皆さん方もお入りをいただきまして、そして御議論をいただきまして結論を出したことでございます。そうしたことに従って法案を作るというのが習慣になっているところでございます。
#411
○小池晃君 だから、今のじゃ全く説明になっていないです。何で、じゃ一億二千万円もの裏金を出すのかということは全く説明になっていないです。
 引き続き、三割負担の凍結の問題についてお聞きをしたいと思いますけれども、三割負担中止・凍結を求める地方議会の意見書、これ広がっていると思うんですが、一体どれだけの意見書が厚労省には届いているでしょうか。
#412
○政府参考人(真野章君) 平成十四年七月二十六日法案の成立から今年の三月四日現在までで、県議会で六件、市町村議会で百三十二件、合計百三十八件でございます。
#413
○小池晃君 百三十八。道府県議会では既に十一です。何でこれほどの反対の声が広がっているのか。厚生労働大臣としては、こうした動き、どう受け止めていらっしゃいますか。
#414
○国務大臣(坂口力君) 三割負担につきましていろいろの御意見があることはよく承知をいたしております。皆さん方は皆さん方のお考えとして決定をしておみえになるんだろうというふうに私は思っております。しかし、将来のことを預かっております厚生労働省としましては、行うべきことは毅然として行う以外にないと思っております。
#415
○小池晃君 これ、そもそもこれだけの反対の声広がっているということに全く耳かさない態度というのは私は信じられない。
 しかも、この負担、今、資料をお配りしていますけれども、実際二割を三割ですから、これは引上げ率五〇%ということになるわけで、このデフレ時代にこんな大幅な値上げ、公共料金でも例がないと思います。
 実例紹介しますと、資料の1、見ていただきたいんですが、三十歳の男性でインフルエンザ、二日間の治療で二千四百四十円の負担が三千六百七十円。三十七歳の男性、胃潰瘍、二日間の治療で七千百五十円が九千四百六十円。それから、五十五歳の女性、糖尿病で、これが八千七百七十円が一万一千八百十円。三十六歳の男性で、五千八百十円の負担が八千七百二十円。入院をするとどうかというと、六十一歳の大腸ポリープで二日間入院という例は一万四百十円負担増えます。直腸腫瘍の六十歳の女性、八日間入院で二万三千七百十円の負担増です。
 大体このくらいの負担増になっていくということは、これはおおむね間違いないですね、厚労大臣。
#416
○国務大臣(坂口力君) この表の作り方は増えるように作られていますね、これは。例えば上のインフルエンザのところで見ますと、自己負担は確かに二割から三割に増えますけれども、薬剤負担は今度は安くなるわけですから、一日二錠以上の薬剤を出しておみえになるところは、そこは薬剤費は要らなくなるんですから、そこはマイナスになるわけです。これは皆増えるようになっている。
#417
○小池晃君 院外処方です。
#418
○国務大臣(坂口力君) 院内処方。
#419
○小池晃君 院外処方。
#420
○国務大臣(坂口力君) 院外処方。これは、いや、病院であろうと、それは普通の診療所であろうと同じであります。
 また、胃潰瘍ですか、糖尿病の皆さんというのは、もう毎日お薬飲んでおみえになるんですよ、一日か二日で終わるということないんですよ。だから、ずっと一か月間お飲みになっている皆さん方は、かえって薬代がなくなりますから安くなるんです。
 そうしたことを全然抜きにして、皆、胃潰瘍であろうと糖尿病であろうと二日とか一日で書かれていると。だから、だから私は、これはおかしいということを申し上げておるんです。
#421
○小池晃君 おかしくないです。これは、薬剤の負担分は、二割負担分と一部負担金も加えた数字なんです。今の数字も入れた数字なんです、これは。それは間違ってないです。
 で、患者負担引き上げれば必ず受診抑制起こる。二割を三割に引き上げるんですから、上がることは間違いないんです。三割負担によって一体どれだけの受診抑制が起こるというふうに厚生労働省としては計算しているのか、お示し願いたいと思います。
#422
○政府参考人(真野章君) 十五年度におきましては、窓口負担の変更によります医療費への影響を約三千八百億円と見込んでおります。
#423
○小池晃君 それではなくて、その数字に至った計数、長瀬指数があると思うんですが、そこを説明していただきたいんです。
#424
○政府参考人(真野章君) 長瀬計数といいますものは、制度改正によります給付率の変化に伴いまして医療費の水準に一定の変化が生じるということに着目しました厚生省の数理の技官が算定した方式でございます。
 それによりまして、今回の計算につきましては、平成九年におきまして窓口負担を一割から二割に見直した際の実績を基礎として今回計算をしたものでございます。
#425
○小池晃君 長瀬計数で言えば、医療費無料のときを一〇〇〇とすると七割給付で五九二というのが計数だと思いますが、それは間違いないですね。
#426
○政府参考人(真野章君) 医療費への影響率、三角三・四というふうに計算をいたしております。
#427
○小池晃君 説明、ちょっと今のじゃ分からない。
#428
○政府参考人(真野章君) 二割負担のときの給付率と三割負担のときの給付率を計算をいたしまして、医療費への影響は三・四%程度減少するというふうに見込んでおります。
#429
○小池晃君 いずれにしても、三千八百億ですか、先ほど言った数字は、受診抑制額はそれだけ起こると。これ、三千八百億も受診が抑制されれば、もう政府は盛んに三割負担になっても必要な受診は抑制されないと言いますが、私は、本来必要な受診も抑制されるということはこれ間違いないんじゃないかというふうに思うんですが、坂口大臣、いかがですか。三割負担になれば抑制されることは明らかだと、その中には必要な受診だってあるだろうと。当たり前のことだと思うんですが、いかがですか。
#430
○国務大臣(坂口力君) 現在まで、もう国民健康保険の皆さん方は三割でございますし、そしてまた、健保の皆さん方も御家族の皆さん方は三割もう負担をしていただいてきたわけでございますから、その皆さん方が果たしてそれじゃ受診抑制になっているかというと、私はそうではないと思っています。
 皆さん方が思われるのは、一日か二日風邪を引いたときに困ると心配をしておみえになるわけではなくて、大きい病気をしたときにやはり大丈夫だろうかという御心配をしておみえになるんだろうと思うんです。大きい病気で入院なさるときのようなときには、それは上限が作ってありまして、現在と変わらないように、低所得の人たちには現在と変わらないように設定してあるということでございます。
#431
○小池晃君 三割でも国保では必要な受診抑制されていないなんというのは、現場の実態を全く見ていないと私思いますよ。
 必要な受診抑制されないなどと言いますけれども、実際、私のところにこんなメール来ています。これは救急隊員の方からです。
 現役の救急隊員です。最近思うことがあります。傷病者宅より救急要請があり現場に着くと、お金がないから病院には行かないと言われたことが何度かあります。ごく普通の家庭です。救急要請してみたものの、いざ病院へ行くとなるとちゅうちょしているようです。説得しますが、行かない、様子を見ると言われて引き揚げてきたこともあります。救急車を要請するということはよほどのことと思われます。これで三割負担になるとどういうことになるんでしょうかというメール来たんです。私は、景気の悪化もあると思います。医療費の負担増も加わっています。こういう実態を今引き起こしているんだと思うんです。
 しかも、患者負担を増やすと何が起こるか。これ、受診抑制すれば病気というのは重くなるわけです。治っちゃうこともありますけれども、大体重くなるわけです。そうすると何が起こるか。これ、国立京都病院の糖尿病センターの調査では、糖尿病の治療の場合に、食事療法だけだったら年間医療費は十九万三千円、内服薬の治療になると二十八万一千円、インシュリンの治療になると四十六万円と、病気が悪化すると治療費はどんどんどんどん膨らんでいくと。
 私は、窓口での負担、軽い病気だからというふうに大臣は言うけれども、軽いうちが肝心なんです。軽いうちに気軽に掛かれるようにして、早いうちに、病気を軽いうちに治しておく、これこそが医療費を節約する道であって、私は、窓口引き上げて受診を抑えるということは、結局病気を重くして医療費を膨らませることになるんじゃないかというふうに言っているんですが、大臣、いかがですか。
#432
○国務大臣(坂口力君) 先ほど糖尿病の方の例を挙げられましたが、糖尿病でも胃潰瘍でもいいんですけれども、ずっとお薬をお飲みになっている、四錠も五錠もお飲みになっている人が多いですけれども、二錠としましょう。二錠として計算をいたしましても、現行の負担額は三千百七十円でございます。しかし、改正後はお薬の方が要らなくなるものですから二千二百七十円になる、こういう方も中にはあるわけでございます。
 ですから、こういうずっと掛かっておみえになる皆さん方は、私はそう負担増にはならない。そして、一日か二日掛かられる皆さんは、なるほど千円が千三百円になるとか千四百円になるということはそれあり得るだろうというふうに思いますが、一日か二日のことはどうぞひとつ皆さん方も御辛抱いただきたい。それはなぜかといえば、もっと重い病気になった皆さん方のためにひとつ御努力をいただきたいということでございます。
 軽い病気の皆さんが重い病気の皆さん方に対して支援をする、そして所得の少ない人が、所得の多い人が所得の少ない人を支援する、その二つのやはり基本方針になってこの制度は作り上げてあるわけでございます。
#433
○小池晃君 負担が減る珍しいケースを挙げてこういうこともあるんだとおっしゃいますけれども、大半は二割から三割になるんですから、負担が増えるからみんな怒っているんですから、だから凍結しろと言っているんですから、そういう極端な例を持ち出すのはやめていただきたい。基本的には増えるんですよ。
 その中で、軽い病気の人こそ気軽に行けるように仕組みを作っていく、これが日本の医療の良さだったと。それを破壊しようとしているんじゃないですか。しかも、負担増が財政に与える影響、私、将来のこと将来のこととおっしゃいますけれども、この最近の収支、お聞きしたい。
 政管健保の昨年度の決算と、今年度の見込みにおける支出と保険料収入、これを示していただきたいと思います。
#434
○政府参考人(磯部文雄君) 介護関連部分を除きます政府管掌健康保険の十三年度決算では、保険料収入五兆八千二百十四億円など収入が六兆七千四百四十四億円、保険給付費四兆二千五百二十四億円など支出が七兆一千六百七十五億円で、四千二百三十一億円の赤字でございました。
 また、十四年度の見込みでは、保険料収入五兆七千百億円など収入が六兆六千三百億円、保険給付費四兆八百億円など支出が七兆一千九百億円、収支差五千六百億円の赤字と見込んでおります。
#435
○小池晃君 支出は二年間でほとんど変わらないんですよ、二百億円しか増えていない。一方で保険料収入が一千億円も減っているんですよ。なぜかといえば、被保険者が三十五万人も減ったと。これはもちろん不況とリストラの影響ですよね。これ、昨年と今年比較して、私、保険財政の悪化、昨年と今年比較すれば、悪化の最大の要因は、いろいろありますけれども、一番大きな要因は保険料収入の減少だと。これは間違いないですね。
#436
○政府参考人(磯部文雄君) そのように考えております。
#437
○小池晃君 組合健保も同様なんです。健保連の調査では、これは全国の健保組合の二〇〇二年度予算、現役世代の保険給付費は前年に比べて四百六十七億円減少しているんです。受診抑制です。高齢者とか退職者への拠出金は増えています。しかし、支出全体では去年より減っているんです。支出の減少にもかかわらず保険収支が悪化しているのはなぜかといえば、これは被保険者の数が二十六万七千人減って、保険料収入が八百五十億円減っているんです。すなわち、今の健保財政の悪化の最大の要因は日本経済の落ち込みなんです。保険料が減っているんですよ。それが一番大きいんですよ。
 そういうときに三割負担だ、保険料増やすというふうにやれば、ますます景気を悪化させて、保険財政悪化させるじゃないかと私は思うんです。
 私、二重の問題があると。病気が重症化することによって医療費が増える。同時に、家計を圧迫することで景気を冷え込ませる。保険料が減って、二重の悪循環で健保財政が悪化するじゃないかと。私は、これこそ健保財政破綻の道だと。
 大臣、三割負担凍結すべきだと思いますが、いかがですか。
#438
○国務大臣(坂口力君) やはり社会保障に対する基本的な考え方が小池議員と私とは大分違いますね。
 これは、今お話を聞いておりますと、これは国家補償的な考え方に立っておみえになります。それは共産党さんですから、それはそういうことだと思いますけれども、私たちは自立と連帯ということを中心にして社会保障を考えているわけです。だから、その中でどういうふうにやっていくか、こういう厳しいときであればこそ、お互いに助け合わなければならないではないかということを私たちは言っているわけでございます。
 いいときにはそれはいいかもしれない。しかし、こういう厳しいときを迎えたんだから、この厳しいときにお互いに、厳しいからといって社会保障は要らないことないんです。余計に要るわけです。だから、そうしますと、お互いにその分は助け合いをし、支援を、支え合いをし、そして出していかなければならない、それが現実ではないでしょうか。そのことを私は申し上げているわけであります。
#439
○小池晃君 私の言ったことに全然答えていないですよ。
 みんな助け合いやっているんですよ。庶民はみんな助け合ってやっているんですよ。その中で景気が悪化してきて、だからそこで国が支えようじゃないかというふうに私は言っているだけじゃないですか。こういうことがどうして分からないのかなと思います。
 昨日の質疑でも、公明党の木庭委員も三割負担凍結すると制度が壊れるというふうに盛んに言うわけですよ。
 そもそも、健康保険法で政管健保の国庫負担というのはどのように法定されているんでしょうか。
#440
○政府参考人(真野章君) 政管健保の保険給付費に対します国庫補助の割合は、健康保険法第百三十五条第一項におきまして、千分の百六十四から千分の二百までの範囲内において政令で定める割合とされておりますが、同法附則第十条におきまして、その割合を千分の百三十と法定をいたしております。
#441
○小池晃君 先ほど考え方が違うと言いましたけれども、共産党って、私が言っていることは正に法律の考え方なんですよ。これは、法律上は国庫負担は一六・四%から二〇%の範囲なんです。政府こそが法律の考え方をゆがめているんです。国家補償の考え方云々の問題じゃないんです。法律どおりにやんなさいという話なんです。
 九二年から当分の間ということで一三%に下げた。私は、大変だというのであれば、正に法律の精神に立ち返って、一六・四%から二〇%が法の本則なんですから、法定上限の二〇%にすれば直ちに赤字解消するんですよ。これ、保険料のしわ寄せ必要ないんですよ。これこそやるべきじゃないですか。これ、考え方の違いじゃないです。法律どおりにやりなさいということなんです。
#442
○国務大臣(坂口力君) それは、国から出す金を増やせば楽になる、それはそのとおりだと私も思います。
 現在、現在と申しますか、この平成十五年度、国が集めることのできる税収は四十二兆円でございます。その中で、医療に出しております金は七兆五千億でございます。ちょうど六分の一でございます。だから、国が集めることのできる税収のその六分の一を医療に出しておる。このことを多いと見るか少ないと見るかは、その人によって私は違うと思います。しかし、六分の一を医療費に使っているということは、一つの私はこれは大きな限界に近づいてきているのではないかというふうに思います。
 この六分の一は、今後、高齢者が進んでいって、更にこれは進んでいくんです、増えていくんです。これは昨年の委員会でも申しましたけれども、自己負担というのは現在一七%台でございますが、総医療費に占める自己負担は一七%台でございますが、これは一五%にこの四、五年の間にしていくわけであります。全体の中でそうした御負担もいただきながら、この今の制度を守っていくというのが私たちの姿勢でございます。
#443
○小池晃君 全くお答えになっていないですよ。私は法律どおりやりなさいというふうに言っているだけなんですよ。そのことに関しては全く答えていない。
 これ一三%に下げたときには、財政が悪化したら国庫負担復元するというふうに答弁しているんですよ。それをせずに、国民に窓口負担と保険料の引上げの二重の負担を押し付けると。私はこれ完全な約束違反だと思います。しかも、お金がないお金がないというふうにおっしゃる。国民には大変な負担増を押し付けている一方で、来年は減税の計画がありますね。
 財務大臣にお聞きしたいんですが、法人税減税の中でも大企業向けの研究開発減税というのがありますが、この仕組みと規模について御説明をお願いしたいと。簡単で結構です。
#444
○副大臣(小林興起君) それでは、簡単に御説明をさせていただきます。
 今までも試験研究費に対しましてはいわゆる増額、増分についての控除があったわけでございます。どんどん試験研究を伸ばせばそれに見合って控除があると。しかしそれでは、それは右肩上がりのときは良かったんですけれども、今は御承知のとおりそういう企業も減ってまいりまして、しかしこの技術開発というのは非常に重要だということで根っこから、総額について控除をしようという制度に、これは選択制ですけれども、それを取れるように今考えているところでございます。
 そして、その減税規模は、初年度で五千四百五十億円、平年度に直しますと五千八百五十億円という試算となっております。
#445
○小池晃君 企業の中でも研究開発費の比率が高いのは製薬企業。これは、製薬企業はこの研究開発減税でどれだけ減税になるんでしょうか。
#446
○副大臣(小林興起君) 先生のお手元にはひょっといたしますといろんなところからの試算が上がっているかもしれませんが、財務省としての正式な試算といたしまして、これはこの業界ではなくて利益の上がっている企業あるいはこういう制度を使うと思われる企業、こういうものをここへ積み上げて計算をしておりますので、したがいまして、業界ごとというものを、そういう資料はないわけでございます。
#447
○小池晃君 資料の2を見ていただきたいんですが、厚労省が業界向けに説明している資料では一千億円の減税というふうになっています。大変な大盤振る舞いじゃないですか。
 坂口厚生労働大臣、こんな大減税をやるわけですか。
#448
○国務大臣(坂口力君) どのぐらいになるかはしかと分かりませんけれども、しかし、現在のこの医薬品業界を見てみますと、日本の医薬品業界が諸外国に比べて非常に後れていることだけは間違いがありません。この数年間の間に、世界的に通用する薬剤はもう一種類かせいぜい二種類でございます。そして、どの医薬品を見ましても諸外国に後れを取っております。ここを回復をして、そして日本の産業を支えるようにしていかなければならないというのが私たちの考え方でございます。
#449
○小池晃君 国民に負担増を説明するときの説明と全く違うじゃないですか。国民には重い負担、製薬企業には思いやりですよ。こんなの、国民、納得すると思いますか。
 私たち計算してみました。資料3を見ていただきたい。これ製薬企業ごとに調べても、例えば武田薬品は百二十億円、三共は六十億円。驚くべき減税額ですよ、これ。
 私、先ほどから三割凍結したら財政破綻するというふうに大臣盛んに言っておるが、一方でこれ製薬企業にはこれだけ大減税して四月から三割負担などということを、厚労大臣、これ国民が納得すると思いますか、どうですか。
#450
○国務大臣(坂口力君) やはり日本が世界に誇る優秀な薬を生み出し、そして国民の皆さん方にそれを与えることができるようにすることは国民にとりまして最もこれは大事なことでありまして、現在後れている状況を取り戻さなければならないと思っております。
#451
○小池晃君 まあ、あきれた話ですよ。これだけの負担増を押し付けながら、製薬企業にはこれだけの大減税。
 財務大臣にお聞きしたいんですが、財務大臣はこういう規模の製薬企業に対する大減税をやるということを御存じだったんですか。これ、どういうふうに考えられますか、財務大臣。
#452
○国務大臣(塩川正十郎君) あらかじめ予想して減税を組んだということであります。
#453
○小池晃君 ですから、四月から三割負担だということで今もう地方議会なんか大騒ぎになっているわけですよ。そういう中で、国民は負担増でこれ大変だという声が上がっている中で片や製薬企業には一千億円も減税があると。これは初めて今日、数字出ましたけれども。
 こういうことが、国民は納得すると思いますか。もう大臣の率直な、私、お考えをお聞きしたい。
#454
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在まで度重なる医療費の節減の中で薬価の節減をずっとやってまいりました。そして、それに対しまして、製薬会社の方も新しい効率的な薬を開発しようと思って必死になって努力しております。これはやっぱり医療全体の問題として必要な研究はささにゃいかぬし、それをやっぱり優先して誘導していかにゃいけませんし、医療体制全体を良くするという観点からとってみましても、製薬会社に対する減税措置というものは、それだけの優良にしてかつ安価な薬を提供するための一つの投資であると私は思っております。
#455
○小池晃君 私は、そういう投資は国民の生活にこそすべきだと。これだけ国民の暮らしが落ち込んでいる中で、景気も冷え込んでいる中で、私は社会保障を支えることにこそこの原資使うべきだと。これ、撤回すべきだと思います。
 ほかにもいろんな無駄遣いがあるんですよ。例えば年金は保険料、これ有効に使われているんだろうか。
 年金積立金の株式運用のこの間の損失は幾らになっているでしょうか。
#456
○政府参考人(吉武民樹君) 平成十四年度の九月までで申し上げますと、御案内のとおり、この春以来、日米を初めとするグローバルの経済の回復シナリオに非常に不透明感が広がる中で、特にアメリカで企業の粉飾決算の問題なども加わりまして、内外株式市場、株式市場は大幅に下落をいたしまして、このことの影響によりまして年金資金運用基金の市場運用分におきます総合収益額はマイナス二兆百十二億円となっております。
#457
○小池晃君 来年度は、医療、介護、年金、雇用保険で三兆円近い負担が国民にはかぶさるわけです。そういう中で、年金の保険料が株式運用で二兆円も損失起こっている。しかも、大臣は二月二十日の経済財政諮問会議で、今年度も上半期で二兆円のマイナスを出したがこれは仕方ない面もあるというふうにお話しされている、発言しています。二兆円もマイナス作っておいて仕方ないで済ませるんですか。余りにも無責任じゃないですか。
#458
○国務大臣(坂口力君) 年金資金の運用につきましては、これは株式を適用するかどうかということに一に掛かっているわけでございます。株を買います以上、それはそのときによりまして上がったり下がったりすることがある。どの断面で見るかということでございます。下がった断面で見れば下がっている、上がった断面で見れば上がっている、そこを今後どうしていくかということにつきまして今議論をしているところでございます。
 それは、今後やはり国民の皆さん方に御負担を掛けないようにどうしたら一番やっていけるか。これは国債を買ったらそれじゃ安全かといえば、そうじゃありません。金利が上がりましたら一度にそれは下がるわけでありますから、最も安定なやり方はどうかということを考えて運用をしていかなければならないと思っている次第でございます。
#459
○小池晃君 大臣は二兆円マイナス作ったことは仕方ないと、これで済ませていいんですかと聞いているんです。そのことについてお聞きしているんです。仕方ないというのはどういう意味ですか。
#460
○国務大臣(坂口力君) 私は仕方ないというふうに言っているわけではありませんで、それは、二兆円ならば二兆円のマイナスになるということは、それは現在のように株式に投入するということを決めております以上やむを得ないということを言っているわけでありまして、それは、今後どうしていくかということにだから掛かってくるということを私は話をしたわけであります。二兆円あるいは一兆円という上下をする、それは株であります以上そういうことは起こるんだろうというふうに思います。
 今後問題なのは、株式にもそれを、今後もそれは当てはめていくかどうか、今後も株式に投入するかどうかという選択の問題だと。選択を決めれば一時的に下がることはやむを得ないということになるということを私は申し上げたわけでありまして、全体を見てもらわないと困るわけです。
#461
○小池晃君 今、二十九兆円の運用で二兆円マイナス作っている。これ五年後には百五十兆円の全額運用になるわけですね。年金、株式運用することはアメリカでも禁止しているんです。私はこれを直ちに中止すべきだというふうに申し上げます。
 それから、医療、年金、雇用保険の会計から出資している施設についてもお聞きしますが、全国で宿泊施設機能が付いている施設は幾つあるんでしょうか。
#462
○政府参考人(鈴木直和君) お尋ねの宿泊施設の数についてでございますが、現在運営停止中も含めまして平成十五年一月一日現在で、社会保険庁の関係が二百十五施設、それから雇用・能力開発機構関係が六十四施設、年金資金運用基金関係が十三施設となっております。
#463
○小池晃君 合計で幾つですか。
#464
○政府参考人(鈴木直和君) 二百九十二施設でございます。
#465
○小池晃君 もう全国最大のホテルチェーンですよ、これは、正に厚生労働省は。
 宿泊施設以外を含めても千八百を超える。この施設の建設費、維持管理、修繕に掛かる費用もこれ保険料の財源から出ていると思うんですが、これは総額も含めて幾らでしょうか。
#466
○政府参考人(鈴木直和君) これらの宿泊施設の建設費、維持管理費等、これなかなか今すぐに確認することが困難でございますが、一応試算ということで考えますと、例えば社会保険庁が設置した宿泊施設につきましては、比較的最近に設置した施設を基に建設に掛かる、単純計算で極めて粗い試算を行ってみますと、六千六百億円程度ではないかと考えております。
 それから、社会保険施設のうち宿泊施設とは異なる社会保険病院とか厚生年金病院、それを除いた施設につきまして、先ほどの六千六百億と若干重複いたしますが、新設や建て替えを含む過去十年間の建設費、それから修繕費等を合計すれば、約五千六百億円でございます。
 それから、雇用・能力開発機構の設置した宿泊施設につきましては、建設費は約一千億円、過去十年間の修繕費の合計は約一千四百億円でございます。
 それから、年金資金運用基金の設置したグリーンピアにつきましては、建設費は約千九百十四億円、それからこれまでの固定資産税等の維持管理費、修繕費等の累計は約二百三十億円でございます。
#467
○小池晃君 大変な保険料をつぎ込んでこういう施設を造り、維持管理している、そして一部を売却している。
 勤労者福祉施設についてですが、これまで売却した施設の総数と売却金額は幾らでしょうか。
#468
○政府参考人(戸苅利和君) この一月末までに譲渡を完了いたしました施設は八百七十五施設でございます。鑑定価格の低い施設が多く、解体修理費を下回る施設が多かったということで、譲渡収入の総額は約四億五千万円であります。
#469
○小池晃君 その八百七十五施設の建設費総額は幾らですか。
#470
○政府参考人(戸苅利和君) 建設費の総額は八百五十七億円でございます。
#471
○小池晃君 要するに、八百五十七億円つぎ込んで造ったものが四億五千万円で売却されているんです。スパウザ小田原というのは大問題になっていますけれども、それだけじゃないということなんです。
 それから、グリーンピア、廃止決まりましたが、売却予定は、これ立っているんですか。
#472
○政府参考人(吉武民樹君) グリーンピアにつきましては、平成十二年八月に高知の横浪基地の一部を学校法人に譲渡をいたしております。それから、現在のところ、宮城県の岩沼基地、それから福島県の二本松基地については、地元自治体が取得の意向を示しておられまして、今後、更に検討を進めている状態でございます。
 その他の基地につきましても、基地によりますけれども、地元自治体を含めまして利用の協議会を作ったようなところもございますが、今申し上げましたような実際の取得のところまで来ておりますのは今の基地、三つの基地でございます。
#473
○小池晃君 その一か所だけ売れた高知の横浪基地ですけれども、元々二十七億円の施設が幾らで売れたんでしょうか。
#474
○政府参考人(吉武民樹君) 二十七億は建設当初の建設費総額でございます。その後の状態でございますが、減価償却をいたしますので、帳簿価格では十九億三千六百万円でございました。譲渡をいたしましたのは平成十二年の八月でございますが、現在、譲渡をいたします際には、いわゆる時価評価で将来の収益を現在に還元する、そういう方法を取っておりまして、その際の鑑定価格は九億六千三百万円でございます。これに対しまして、学校法人でございますので、譲渡価格は五割引きという形で四億八千二百万円で譲渡をいたしております。
#475
○小池晃君 二十七億で造って、時価評価で十九億で、結局売れたのは四億八千二百万円。
 岐阜県の中央高原基地は今どうなっているんですか。
#476
○政府参考人(吉武民樹君) 中央高原基地につきましては、平成九年六月にグリーンピア事業からの撤退を閣議決定をされましたので、これを受けまして、まず地元の自治体に譲渡の意向について協議をいたしております。その後、運営を委託しておりました岐阜県から運営受託を辞退する旨がございまして、平成十二年四月に運営停止をいたしております。さらに、自治体が推薦していただくような、先ほど申しました例えば学校法人でありますとか医療法人、社会福祉法人につきまして取得を希望されるところはあるか意向を調査いたしまして、そういう公的団体も取得の意向がないということを確認をいたしまして、平成十三年の十一月に民間公募を実施をいたしました。この際、二社から応募がございましたけれども、具体的な利用提案書が提出されるに至りませんでしたので、不調に終わっております。その後、固定資産税、維持管理費等の費用が相当掛かりますので、平成十四年二月に建物につきまして解体をいたしております。
#477
○小池晃君 建物を壊しちゃったと。これ、取壊し費用は幾ら掛かったんでしょうか。
#478
○政府参考人(吉武民樹君) 一億八千三百七十五万円でございます。
#479
○小池晃君 もう全体、でたらめな話なんですよ。
 資料の4というのを見ていただくと、全体のその施設数、建設費、維持管理費出ています。しかも、この売却を始めている中で、どんどんどんどん元の価格よりも数分の一という価格で売却をしているし、取壊しに一億円というような話も出てきているわけです。これから本当にどれだけ費用がかさむか分からないわけですよ。
 一方で国民にはあれだけ厳しい負担を押し付けておきながら、保険料を使った施設がこれだけの野方図なことをやっているということが私は本当に信じられないし、許せないと。しかも、しかもこうした施設を一体だれが造ってきたのか。今挙げた施設は、大体運営しているのは三団体なわけです。
 次の資料の5を見ていただきたい。これは、三団体の理事長の経歴を一応全部載せております。これ、資料の5を見ていただきたいんです。厚生年金事業振興団、年金資金運用基金、雇用・能力開発機構です。厚生年金事業振興団は、歴代理事長は始めから現在まで全員厚生事務次官であります。それから、年金資金運用基金も、かつての年金福祉事業団の時代から全員事務次官。お一人だけ環境事務次官の方いますが、この方も厚生官僚出身です。そして、ついこの間まで厚生労働事務次官をやられていた方がここの理事長に現在収まっているというわけであります。そして、雇用・能力開発機構は、初代の理事長だけは民間の方ですが、それ以外は全員労働事務次官だと。これは事実に間違いございませんね。確認をしたいんですが、いかがですか。
#480
○政府参考人(鈴木直和君) 御指摘ありました雇用・能力開発機構の初代理事長以外は厚生省及び労働省で働いたことのある人でございます。
#481
○委員長(陣内孝雄君) 以上で時間が参りました。
#482
○小池晃君 委員長、もう質問しません。
 正に、これは厚生労働省の次官の天下りの指定席になっているわけですよ。保険料をこれだけつぎ込んで、これだけ乱脈をやり、そしてそれをやっているのは天下りの役人だと。私は、医療、介護、年金、雇用保険三兆円の負担増は、これは断じて撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#483
○委員長(陣内孝雄君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#484
○委員長(陣内孝雄君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
#485
○平野達男君 私は、北朝鮮の核開発についてちょっとお伺いしたいと思います。
 核開発は、御承知のように、ウラン235を高濃縮するもの、あるいはウラン238に中性子をぶつけてプルトニウムを作る場合、この二つが材料になるようであります。
 特に、このプルトニウムですけれども、原子力発電をする結果によって出てきます。これは、軽水炉と黒鉛減速炉という二つのルートがあるようですが、ちょっと一番最初に頭の整理ということで、非常にテクニカルな問題で恐縮でございますが、このウランを燃焼させたときに出てくるプルトニウムのその経過、これ物理的な経過をちょっとお話ししていただけるでしょうか。
#486
○政府参考人(迎陽一君) 商用原子力発電所に関しましては、御指摘のとおり、軽水炉、黒鉛減速炉などが用いられておるわけでございます。
 これにつきまして、核分裂性のウラン235とウラン238があるわけですけれども、ウラン235が燃焼した結果出てくる中性子をそのウラン238が吸収をして核分裂性のプルトニウム239が生成するということでございます。
#487
○平野達男君 今のとおりだと思いますけれども、ちょっと、私が勝手に一枚紙でちょっと作りました、だれも作ってくれないものですから。
 左に、これ天然ウランを挙げています。今申しましたように、天然ウラン235とウラン238、構成比がこうなっていますが、これを高濃縮する場合と低濃縮する場合がありまして、高濃縮、これは後で話しますが、これはちょっとおきます。
 低濃縮ウランにして、ウラン235を三%にして使うものがこれは軽水炉、これはKEDOで今作っていますし、日本はたしかこの減水炉は、原子力発電はこれが主じゃないかと思います。
 で、今、北朝鮮が稼働しつつあるもの、あるいはかつて使っていたものが黒鉛減速炉であります。で、この結果出てきて、出てくるのが劣化ウランとかウラン235とか、それに混じってプルトニウムが出てくると。これを再生処理してプルトニウムが出てきて、これがもう一回発電に使う場合もありますし、これをコンパクトにまとめてこれを更に加工すると原子爆弾にもなるよと、こういうことです。
 そこで、このルートの中の高濃縮ウランなんですが、これは昨年のケリー次官補が北朝鮮で濃縮計画をやっているということを言っております。これは多分、この高濃縮ウランの作業のことだと思いますが、これ政府、今どのように把握されているでしょうか。防衛庁長官。
#488
○国務大臣(石破茂君) 先生御指摘のように、ケリー国務次官補が下院の外交委員会におきまして、二月十三日でございますが、そのような証言を行っております。その内容は、兵器ウランを製造できる工場の建設段階に達したというような証言を行っておるところでございます。
 これは、私どもといたしまして、北朝鮮は極めて閉鎖的な体制であるということで、確たることは正直言って申し上げられる段階にはございません。しかし、核開発を行っておると、それが進捗をしておるということは、私どもとしては可能性として見ておるところでございます。
#489
○平野達男君 これは遠心分離機をパキスタンから輸入したというような報道がなされていますね。今の北朝鮮の技術水準からいって、高濃縮ウランをきちっと作るのにどれだけの技術水準があるというふうに防衛庁としてはつかんでおると、推測しておられますか。
#490
○国務大臣(石破茂君) パキスタンからそのような技術を導入したということも承知、報道におきまして承知をいたしておるところでございます。
 正直申し上げまして、そういうものを使った場合に、今、先生が御指摘のような、いわゆる核兵器を作るに足るぐらいのものを開発するのにどれぐらい掛かるかということについても、確たることは申し上げられません。しかし、それが気が遠くなるような長い時間であって、いつまで掛かるか分からないよというような形で非常に軽視をすることは危険であろうというふうに思っておるところでございます。
#491
○平野達男君 少なくとも半年とか一年以内というような、そんな話にはならないというふうに受け取ってよろしいでしょうか。
#492
○国務大臣(石破茂君) これが半年とか一年とかいう御指摘を受けますと、そこ以内にどうなんだということをおっしゃられますと、そうですともそうでもありませんともこれは申し上げることができません。だれにもできないだろうと思っております。しかし、それが何年も何年も先であって、とてもじゃないが予見し得る将来にはそういうことがないというようなつもりではおりません。
#493
○平野達男君 いろんな見方によりますと、そんなに簡単にはできないだろうというような説が有力のようですね。
 高濃縮ウランにつきましてはその程度にしておきますけれども、次にプルトニウムの方向の話に向かっていきますが、今、寧辺に黒鉛減速炉の試験炉があって、それが先般の報道の中では準備を始めたというふうな報道がなされていますが、今、現状をどのようにつかんでおられますでしょうか。外務大臣、お願いします。
#494
○国務大臣(川口順子君) この寧辺におきます黒鉛減速炉、あるいは報道されていますようなその次のステップといったようなことについては、我が国としては懸念を持っていますけれども、具体的にそういうことが実際に行われていると、いろいろな情報はありますけれども、そういう点について確認をしているということではございません。
 今後、引き続き、この問題については注視をして、情報を集めていくということも大事ですし、それから、我が国としては北朝鮮に対して、我が国は北朝鮮が核を持つということはこれは全く許容できないということを伝えておりますし、そういう方向に北朝鮮が行かないように、平和的に解決をするように働き掛けをやるということが今の時点で一番重要だと考えております。
#495
○平野達男君 後半の部分はそのとおりだろうと思いますが、ただ、現実問題としては、いわゆる瀬戸際外交というのを北朝鮮は進めていると。その中で次から次へといろんなカードが出てきて、そのうちノドンが飛んでくるんじゃないかとか、いろんなこと言われているわけですね。
 現に、つかんでおらないという話ですが、これはアメリカはどのように、アメリカの情報筋ではどうなっているんでしょうか。これは、国会の場で言えるものと、そうでないものがあるかとは思いますが、外務大臣、どうでしょうか。
#496
○国務大臣(川口順子君) 黒鉛減速炉、これについてはそういうことであるというような感じだと思います。
 ほかのことについては、これは全くアメリカとしてもそういうことが行われたということについての確実な情報というのは持っていない。今いろんな予測がありますけれども、情報にしかすぎないということです。
#497
○平野達男君 じゃ、そういうことだということですね。
 じゃ、気になるのは、実は一九九四年に、一九九四年、米朝枠組み合意ができて、この減速炉が凍結されますね。その実は凍結された段階で、いろんな報道によりますと、実はプルトニウムがもう既に北朝鮮にあったんではないかというようなことも言われております。これについては、これは防衛庁長官がいいのか外務大臣がいいのか、防衛庁長官、ちょっとどのようにつかんでおるか。どうですか。
#498
○国務大臣(石破茂君) そのような報道があることは承知をいたしております。これが確認をできておるわけではありません。つまり、一九九四年、米朝枠組み合意の際に既にプルトニウムを保有しておったというような報道があること自体は承知をいたしております。
#499
○平野達男君 さらに、これはラムズフェルド次官が、国防長官ですね、が米国の議会で、北朝鮮は既に原爆、原爆一個か二個持っているんだということを証言として言っております。これに対して日本政府は正式にはどのように思っておるんでしょうか。正式にというのはちょっと質問の仕方としておかしいかと思いますが、日本政府はそのコメントに対してどのような立場に立っておられるんでしょうか。
#500
○国務大臣(石破茂君) 二月五日にラムズフェルド国防長官が下院の軍事委員会におきましてこのような指摘をいたしております。それは、一つ、場合によっては二つの核兵器を製造していると、こういうような証言をいたしておるところでございます。その事実、つまり証言をラムズフェルド長官がなさったという事実は承知をいたしておるところでございます。
#501
○平野達男君 今、そういう事実がありましたから今私も質問したんで、そういう発言に対してどのように立場に立っておられるかということをお聞きしたんです。
#502
○国務大臣(石破茂君) これは、そのことが、ラムズフェルド長官がそういうふうにおっしゃったことが事実であるかどうかということにつきましては、これは私どもの方から申し上げるべきではないと思っています。
 ただ、核兵器の開発が進んでいる、実際にそれが現実に進んでおるということにつきましては認識をいたしておりまして、強い懸念を持っている、その可能性は決して排除はできないというふうなのが今の政府の立場でございます。
#503
○平野達男君 ラムズフェルド長官が議会で一個か二個の原爆を持っていると証言しているわけです。アメリカが、そうすると、原爆を持っているということで外交政策を組み立てると思います、あるいは防衛政策を組み立てると思います。それに対して日本はどういうふうに考えるかということです。──じゃ、外交政策はどのように組み立てられますか、防衛政策はどのように組み立てられますか。まず、外務大臣からお聞きします。
#504
○国務大臣(川口順子君) 先ほど防衛庁長官おっしゃいましたように、原爆が一つ、二つあるかもしれないという情報はございますけれども、それについて確認ができているわけではないという状況の下で、我が国としては外交面で今やっておりますことは、北朝鮮に対しては朝鮮半島に核があるということは許容できないということを伝え、またこの問題については、日本だけではなくて、米国や韓国、それから中国、ロシア、そういったところも核があってはならないということについては一致をしているわけでございまして、国際的に話合いをしながら対応をしていくということです。
 何よりも、今、北朝鮮がそのどこの段階にあるかということについてははっきり分からないわけですけれども、そういうことをやらないように国際的に働き掛けるということが大事であると考えています。そのための国際的に何ができるかということについてはいろいろ各国が考えていると、そういう段階です。
#505
○国務大臣(石破茂君) 私は、合衆国が、北朝鮮が既に核兵器を保有しているという前提に立って政策を組み立てているというふうには認識はいたしておりません。それは、ラムズフェルド長官の下院における発言は、これは訳し方にもよりますが、評価をしているということであります。北朝鮮の側にしても、核兵器保有宣言というものをしたわけではございません。その辺りはいろいろな国のいろいろな考え方があるであろうと思っております。
 私は、合衆国が核兵器を持っているという前提で外交・防衛政策を組み立てておるというような委員の御指摘には、全面的には首肯し得ないところでございます。
#506
○平野達男君 そうすると、ラムズフェルド長官の話は、これはあくまでも推測の言葉だというふうに、推測というか、不確かな話だというふうに理解しておると、こういう理解でよろしいですか。
#507
○国務大臣(石破茂君) 不確かだとか当てにならないとか、そういうことを私は申し上げているわけではございません。そうであればこそ、冒頭申し上げましたように、長官がそのような発言を下院の軍事委員会においてなさったということを事実として承知しておるというふうに申し上げたのでございます。
#508
○平野達男君 議論がなかなかすれ違っていますけれども、その事実関係を踏まえてどのような立場に立つかということをお聞きしているんですが、なかなかお答えが出てきません。国会だから出てこないのか、本当に何も考えていないのか、それはよく分かりませんが。
 ちょっと次の質問に移りますけれども、これは可能性の問題として、北朝鮮はノドンのミサイルと、たしか射程三百五十キロのスカッドC、これも多分一部分、日本が射程距離に入ると思いますけれども、二つの今配備されている中で日本にミサイルが打ち込める可能性もあるミサイルがあります。これに、想定の問題ですけれども、これに核兵器を積むためには、積む技術というのが北朝鮮にどれだけあるというふうに考えておられますか。
#509
○国務大臣(石破茂君) これは、先日、尾辻委員の御質問にもお答えしたことでございますが、いわゆるどれぐらいのものが積めるか。ペイロードでいけば八百から千二百、千三百キログラムというふうに考えておるところでございます。そうしますと、そこまでの小型化ができたかどうか。
 小型化というのは、委員御案内のとおり、そんなに簡単なお話ではないわけであります。これが、ウラン型の広島に落ちた形、あるいはプルトニウム型の長崎に落ちた形、そういうことであれば話はまた別なのかもしれません。御案内のとおり、広島型は実験をしないでいきなりやっておるわけですね。しかし、それがミサイルに積めるぐらいの小型化ができるだけの技術、そこまでどれぐらい掛かるかということは、正直申し上げて分かりません。
#510
○平野達男君 分かりました。
 それじゃ、差し迫った問題として、いわゆる放射化学研究所で使ったと思われるところの八千本の燃料棒の問題があります。これを再生処理しますと当然プルトニウムができると。
 これもまた先ほどのように報道によりますと、北朝鮮がその燃料棒の何本かを再生処理の過程に、準備をするために移動させたとか、いろんな報道がなされておりますけれども、これについては外務大臣どのような、今外務省はどのような状況だというふうにつかんでおられますか。
#511
○国務大臣(川口順子君) これについても、そういうことを北朝鮮が実際にやったかどうかということについての確認は全くされていない、恐らくそこまで行っていないであろうということではないかと思います。
 いずれにしても、この問題は我が国としては非常に懸念を持っていますので、引き続き関係国と相談をしながら注視をしていく必要があると思っています。
#512
○平野達男君 ある新聞によると、日本は北朝鮮については目隠しされてアメリカに手を連れられて歩いているものだということで、本当に情報がないというのはよく分かります。しかし、今のお話を聞いていますと、分からない分からない分からないばっかりですよね。非常にこれで大丈夫かなという感じが強くします。
 ちなみに、先ほどのこの八千個の使用済燃料棒、これをもしプルトニウム全部で加工すればどれぐらいの爆弾が造られるというふうな報道がなされているか、分かったらちょっと教えていただけますか。
#513
○政府参考人(薮中三十二君) ただいまの御質問の八千本の燃料棒でございますけれども、これは例えば二月四日のアーミテージ国務副長官の上院外交委員会における発言でも、二十五ないし三十キロのプルトニウムを製造することができ、それは四ないし六個の核爆弾製造に十分であるという発言がございます。こうした事実関係については、我々もアメリカ政府との話合いの中で承知しております。
#514
○平野達男君 どれだけの期間で製造が可能になるというふうに言っていましたか。
#515
○政府参考人(薮中三十二君) これにつきましても、そのところどころの状況、つまり再処理棒、これはもう十何年再処理棒として、使用済燃料の状況が非常に不安定な状況の中で置かれているだろうと。したがって、それが果たしてうまく再処理できるのかどうかというようなことについてのいろんな疑問があるようでございますけれども、数か月でできるんではないかというような話も伝わってきていると報道されているところでございます。
#516
○平野達男君 私は、こういったケースについては最短のことをやっぱり想定しなくちゃならないと思います。私も最短でどれだけだというのは分かるわけじゃありませんが、いろいろ読むと、六か月、半年で全部処理できると。ただし、半年で全部ですから、その過程の中で一個分のやつがどんどん出てくるということですね。だから、一か月か二か月ぐらいの中で一個出てくると、こういうことです。
 ちなみに、核爆弾一個を造るのに五キロだと言われています。これは正しいかどうか分かりません。プルトニウムは質量20ですから、五キログラムといっても多分体積にすればグレープフルーツか何かぐらいのそんな小さなものです。これを要するにコンパクトなものに詰めてどこかに持ち運びをすればどうにでもなる。それから、北朝鮮は御承知のようにミサイルをどんどんどんどん輸出してきました。
 このプルトニウムを持ったときの恐ろしさというのは、多分石破長官は一番分かっておられると思いますからこれ以上は申し上げませんけれども、このプルトニウムができるということの恐ろしさということについては、ちょっともう一回、もう一回というか、外務大臣に、じゃない、失礼しました、防衛庁長官にちょっと一言だけ、コメントをちょっとお伺いしたいと思います。
#517
○国務大臣(石破茂君) それが実際に使われた場合の被害の恐ろしさというのは、実際に広島、長崎を経験した我々が一番よく知っておることでございます。
 ただ、恐らく委員この後の御質問であるのかもしれませんが、核兵器というのは広島、長崎以外で使ったことがない。それは使わないことに意味がある兵器だというふうに言われてきた。それを今開発をしておるということの意図というものを、私どもはその脅威というものをよく念頭に置きながら考える必要があるというふうに考えておるところでございます。
#518
○平野達男君 私は事をあえて怖く怖くというか、扇動するようなつもりで言っているわけではありません。ただ、事実関係を言っているということで御理解いただきたいと思います。
 そこで、北朝鮮の意図なんですが、これはいろいろ言われていまして、本気で核を持とうとしているのか、あるいは政権維持をやるためのいわゆるブリンクマンシップというのですか、瀬戸際外交をやろうとしているのか、外務大臣、ここについてはどのようにお考えですか。
#519
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮がどういう意図を持って今やっていることをやっているのか、これはどの国も真剣に考えているわけですけれども、こういうことであるということがはっきり分かっているわけではない、我々としては今その種々の分析をやっているという、これはどの国もそうですけれども。ということでして、NPTから脱退を宣言をしたとか、黒鉛減速炉を動かすとか、そういったような一連のどっちかといえば挑発的な行動、これは瀬戸際政策の一環であるというふうには思います。
 じゃ、何でそういう瀬戸際政策なのかということは正に分析をしないと分からないわけですけれども、いずれにしても、北朝鮮の考え方についても、これもその時々の状況で違い得るということでもあると思いますので、一つの考え方でこれだというふうに考えるということではない方がいいんだろうというふうに思っています。
 いずれにしても、そういった北朝鮮の考え方あるいはその時々の状況については、先ほど申し上げたような関係の国が非常に多いものですから、そういった国と情報を提供しながら、大事なことはこの問題を平和的に解決するということでございまして、北朝鮮がこれ以上先に進まないということが大事であるわけで、それを考えて、パウエル長官が静かな外交というふうに言われたようですけれども、そういうことに、先に進まないように、そのために関係国で相談をしながら、連携をしながら働き掛けるということが大事だと考えています。
#520
○平野達男君 外務大臣は北朝鮮を刺激しないようにということでそういう発言されているかもしれませんが、私は今の答弁ではちょっといかがかと思います。当然のことながら両方想定して取り組まなくちゃならないというのが、これ、外務大臣の多分答弁でないとおかしいと思います。どっちも想定し得ると、その段階で日本外交をどうするかということを組み立てないと、北朝鮮はどう動くか分からないわけですから。
 繰り返しになりますけれども、最悪のシナリオを考えてやるというのが日本外交のあれでして、その戦略がなかったら、アメリカが北朝鮮の言いなりになりますよ。あした北朝鮮が二個の核爆弾を私ら持っていると言うかもしれませんよ。あるいは、あした、今から要するに八千本の燃料棒をプルトニウムの再生処理するというふうに言うかもしれません。そういうことを想定して、アラートというか、用心して用心して外交の方針を組み立てなかったらどうするんですか、それ。
 今の状況が分からないというのはもちろんそうですけれども、ただ、冒頭で言ったように、北朝鮮に余り過激なことを言うと北朝鮮を刺激してもまずいですから、そういったこともあると思います。これは今、私のちょっと意見だということで、特にコメントは求めません。
 それから、ちょっと話が変わりますけれども、かつて核施設に武力行使をした例がございますか。
#521
○国務大臣(石破茂君) 私の知ります限りは、一九八一年、イラクが建設中の原子力発電所、まだ原子炉が完成していなかったと承知しておりますが、オシラクというところがあったと思います。そこに対してイスラエルが攻撃を仕掛けたということが唯一の例であるというふうに考えております。
#522
○平野達男君 当時、それが成ったときに、ニュースとして流れたときに世界じゅうが一応非難をしました。ただ、一部には、あそこで核施設を攻撃して壊していたから今イラクは核兵器を持っていないんだというような見方もあるようです。これはどっちがいいかは私は分かりません。ただ、ここで言いたいのは、そういった例が一つあるということです。
 それで、盧武鉉大統領は、これは雑誌のインタビューで、この今の状況というのは一九九四年、これは北朝鮮の状況なんですが、状況に似ているというふうに言っています。一九九四年にどういうことがあったかというと、これは盧武鉉さんの言葉によると、いわゆる核開発が進んでいて、それを阻止するためにクリントン政権は一時は空爆を考えたと、それをやれば核戦争になるだろうと、そういったことだったというふうに言っています。
 で、こういう状況になるということが一つありまして、話がちょっと前後しますけれども、仮に北朝鮮がプルトニウムの精製に入ったということが流れた場合に、外務省はどのような対応を取りますか。
#523
○国務大臣(川口順子君) これは先ほど委員がおっしゃられたこととも関係しますけれども、政府としては、様々な起こり得る可能性、これは当然考えて、頭の体操という意味ではいろいろ考えております。ただ、大事なことは、これが平和的に解決をするということですから、正に委員がおっしゃられたように、結果が出るということが大事であって、見えるか見えないかということよりも、これは結果を出すということが大事であるというふうに思っております。
 それで、先ほどの、今の御質問について言えば、そういうことを今やりそうだという情報は、私たちは、これは日本だけではなくて、何らそれは把握をしていないという状況です。それで、いろいろな可能性を考えたとしても、今やるべきこと、国際社会がやるべきこと、これは平和的に解決をするために、北朝鮮がそれ以上前に進まないように働き掛けるということに尽きるというふうに思っています。
#524
○平野達男君 それでは、今、外務省は具体的にどういう行動を取っておられますか。
#525
○国務大臣(川口順子君) 北朝鮮に対してどういうふうなことをやったらば、先ほど来申し上げているような平和的な解決が可能かということについては、今いろいろな、国際的にもいろいろな国が知恵を絞っているわけです。
 それで、二つ考えるべきことがありまして、一つは、これは北朝鮮の安全保障と引換えに核の開発をどうやったらやめさせられるかという、そういう軸が一つあります。
 それからもう一つは、これはマルチがいいと言っている米国、そしてバイの話合いが必要だと言っている北朝鮮、この二つの対立というか、異なることをどうやって解決をするか。要するに、今申し上げたその二つの次元でそれを総合的に考えていく、そういうことを各国とも今知恵を絞っている。当然、日本もいろいろ知恵を絞っておりますけれども、具体的にそれを申し上げるということについては、いろいろなことを今動かしている、各国が、という状況でございますので、差し控えさせていただきたいと思っています。
 いずれにしても、平和的に解決をするためにみんなが全力を尽くしている状況であると思います。
#526
○平野達男君 私が言いたいことは、いずれにせよ、例えばプルトニウム生産に踏み切ったら経済制裁をするとかというようなことも案があるようですけれども、その一方で、経済制裁は北朝鮮に通じないんじゃないかというようなことを言う人もいるみたいです。
 要は、何を言いたいかといいますと、いったんプルトニウム生産に入っていきますと、もし経済制裁やったとしても北朝鮮は聞かない。では、その次にどうなっていくかというと、先ほどのイスラエルのイラクに対する核施設の攻撃じゃないですけれども、今度はそちらのオプションに入っていく可能性もあるんです。それから、大臣が当初からずっと言われていますけれども、だから絶対プルトニウム生産に移行させちゃいけないんです。これが核なんです。ただ、大臣の言われているその言葉の中には、総論として伝わってきますけれども、これがピンポイントだよという熱意が全然伝わってこないんですよね。
 繰り返しますけれども、あした北朝鮮が八千本動かすかもしれないんですよ。そうしたらどうするかという、そこまで全部考えておかなかったら日本の外交成り立たないじゃないですか。だから、その中で今、各国と連絡取りますとかそんな段階じゃないですよ、今、私に言わせれば。何としてもこれを阻止しなくちゃならない。
 これ、フォーリン・アフェアーズという雑誌がありまして、この中に、例えば前韓国大使だった、ちょっと名前忘れました、だった人。あるいはKEDOのアドバイザーだった人が、やっぱりこれは北朝鮮、安全保障求めているのであれば、アメリカのメンツもあるから、例えばロシア、中国、日本、アメリカ、これら四か国で話をして、まず安全保障を保障しましょうと宣言したらどうかと。そこで、そこから北朝鮮の査察の受入れ、それから非武装化、じゃない、失礼しました、核の解除、また失礼しました、核開発の中止、こういったことをやったらどうかと、こんなプロポーズもなされているわけです。これがいいかどうかは分かりません。だけれども、外務省として、日本の外務省としてこういう方向でいくというのを持たなくてどうするんですか。
#527
○国務大臣(川口順子君) 今、委員がおっしゃったそういった考え方というのも国際社会でいろいろ考えられていることの一つに近いと思います。
 どういうふうに、先ほど申し上げた、私が申し上げた二つの軸、要するにマルチ対バイ、それから安全保障対核の開発をやめるということをどういうふうに包括的に解決をしていくかということについては、国際的にはもう昨年の段階からいろいろな議論がなされている。これは決して表に出してやる議論ではございませんで、いろいろ各国、知恵を絞って問題を平和的に解決をしようとしているわけです。当然日本も、この問題については非常に重要な関心を持つ国ですから、いろいろな知恵は出していると申し上げてもいいと思います。ただ、具体的に何をということについては、申し訳ございませんけれども、申し上げるべきではないと思っております。
 いずれにしても、この問題は平和的に解決をするということが大事、そして、先ほど来申し上げていますように、日本は朝鮮半島に核が、核兵器が存在をするということは許容できない。これを、この二つがそのスターティングポイントといいますか、その基軸の、考え方の起点にあるわけでして、そういった意味でいろいろなことを考えている、あるいはそういった動きをしているというふうに御理解いただければと思います。
#528
○平野達男君 いずれ、ブッシュ大統領のアクシス・オブ・イーブルですとか、いわゆる悪の枢軸国発言で北朝鮮も入ってしまいました。イラクの後はうちじゃないかと、まあ向こうの肩を持つわけじゃないですけれども、きっとこういうふうに考えていると思います。間もなく攻撃も始まるかもしれません。そうなったときにどうなるか。だから時間が物すごい迫っているし、アラートな状態にしてなかったら駄目だということを申し上げておきます。
 時間がなくなって大変申し訳ないんですけれども、今度は原子力発電が日本の話になります。
 今、東電の原発が今中止に、発電中止、稼働しておりません。夏の需要期に大丈夫かという話がございますけれども、まず、今稼働していない原因と今後の見通しにつきましてちょっと御説明いただけますか。ちょっと時間がないんで、簡単で結構でございます。
#529
○政府参考人(迎陽一君) 東京電力の原子力発電所につきましては、自主点検作業の不正問題等を受けまして、シュラウドですとか再循環系配管等の点検を行っております。また、格納容器の漏えい率検査に関する不正が判明したことから、同社のすべての原子炉についても、順次停止し、漏えい率検査を実施するように求めているところでございます。
 こうした点検のため、現在、東京電力の原子炉は十七基中十四基が運転を停止しておりまして、残りの三基につきましても四月中旬までに検査のために順次運転を停止する予定でございます。
 このため、火力発電所施設の運転の再開等、可能な限りの措置を講ずることによりまして電力の供給に努めているところでございますけれども、原子炉がこのまま一基も運転を再開せず、すべての原子力発電所が停止し続けた場合には、夏に向けて増加していく電力の需要に対して供給力の不足は避けられないということでございます。
 したがいまして、停止している原子炉の運転を円滑に再開していくことが必要な、不可欠であるというふうに考えております。
#530
○平野達男君 ちょっと時間が迫ってまいりましたけれども、シュラウドのひびとか再循環系配管のひびとか、いろんな物理的な問題があるもの、それからあと、定期点検でやめている、中止しているもの、それからあと、計画外停止ということで一応これは取りあえずやめているもの、いろいろの発電所の、発電の中にもいろいろな種類があるみたいですね。場合によったら、これ問題がない原子炉もあるみたいですから、そういったスケジュール立てながら、きちっと住民の了解を取っていくことも必要じゃないかと思います。
 これ、いずれにせよ、需要期に発電間に合わなくて容量が不足するようなことになりますと、ただでさえ景気が悪いときですから大打撃も予想されますので、是非、大臣、電力の確保に向けた覚悟のほどを最後にお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#531
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変厳しい状況になっていることは事実でございまして、過去の例でいいますと、七月、八月の最需要期に六千四百三十万キロワットと、こういうことでございます。このまま停止し続けますと、大体五千百万キロワットしか確保できないわけでございまして、おっしゃるように、今、一生懸命点検をしておりますし、それから健全性評価等をやっております。
 ですから、地域の、立地の皆様方の御理解を得ることが非常に大切なことですけれども、私どもはそういった形で、この夏の需要期に電力不足が起きないように、最善の、最大限の努力をしていきたいと、このように思っております。
#532
○平野達男君 終わります。
#533
○委員長(陣内孝雄君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#534
○委員長(陣内孝雄君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
#535
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 まず、大島大臣、あなたの秘書が金銭を受領した問題について法制局に対して聞いたということでよろしいでしょうか。
#536
○国務大臣(大島理森君) 衆議院議員として、既に十五日から、私ども、弁護士も含めて論点、事実関係を明確にしつつその論点整理をし、その論点整理した、そしてそのものについて法的解釈を改めて確かめるために伺ったと、こういうことでございます。
#537
○福島瑞穂君 いや、問いは、あなたの秘書が金銭を受領した問題について聞いたということでよろしいですかということです。
#538
○国務大臣(大島理森君) そういう報道取材というものがありましたので、十五日から、私どもはその事実関係をまず確かめ、その上に立って、弁護士さんも含めてその論点整理をずっとしてまいりました。そして、そのことについて、こういうことだなと。さらに、私自身は、法的解釈、政治資金規正法とかそういう問題についてしっかりと確認をしたいと思って尋ねたところでございます。
#539
○福島瑞穂君 あなたが聞かれたのは法律の一般論、立法の問題ではありません。あなたの秘書が金銭を受領した問題について聞いているわけです。自分の離婚裁判での想定問答集を法制局に頼んだということと同じではないですか。
#540
○国務大臣(大島理森君) 私は、離婚訴訟とかそういうのは分かりませんけれども、政治資金規正法とかそういう法解釈について確かめたところでございます。
#541
○福島瑞穂君 法制局から書類をもらいましたか。
#542
○国務大臣(大島理森君) 先ほど申し上げたような経過を踏まえまして、論点整理をしたことをお話しし、そしてその点について、議員として、自分としてはこう思うが、政治資金規正法上とかそういうものについてはどうであろうかということを整理していただいたものが私のところでいただいたと、こういうことでございます。
#543
○福島瑞穂君 法制局からもらった書類は、問い、答えという形式になっていましたか。(「何だそれ、答える必要ないよ、そんなの」と呼ぶ者あり)いや、答えてください。
#544
○国務大臣(大島理森君) その整理は、私がその報道されるであろうという事実のことを申し上げ、そして返ってきた。衆議院でも既にどういうわけかそれが表に出て、QとAという形にはなっておりました。
#545
○福島瑞穂君 確かに、問い、答えという形になっているわけです。これは法律問題ではなく、国会の答弁などでどう答弁するかという中身になっています。
 衆議院のホームページ、「衆議院法制局は、議員の立法活動を補佐するために設置されています。」。「職務内容」としても、法律案の起草や法律問題ということに限られています。ですから、今までの例えば立法の経過や実際の例や、そういう一般論聞くのであれば衆議院法制局はいいでしょう。しかし、個人の問題に関して、間違いなくこれは個人の問題、個人の事件についての問いと答えを作成したということは、法制局が個人の問題についての想定問答集を作ったということではないですか。問い、答えになっているわけです。
#546
○国務大臣(大島理森君) ちょっと時系列を申し上げますと、私が問い合わせをしたのは四時ごろでございます。そして、衆議院の民主党の議員さんからの通告が私のところに、手元に来たのはもう七時近くなんです。
 多分、議員それぞれのその問い合わせの仕方があろうかと思いますが、今、先生は個人と、こういうふうにお話しされますが、私は国務大臣であると同時に衆議院議員でございます。したがって、議員として政治資金規正法のこの点はどうであろうかとか、そういうことを聞くことは私はあり得ることだと思います。
 十五日から既に論点整理をして、そしてそれに対する自分の考え方も大体まとめておきました。そしてなお、しかし、様々にいつもこういう委員会で、しっかり調査して答えなさい、あるいは先生のように法律の本当に専門家という立場から法律のこともよく聞かれました。ですから、法律のことを更に様々な人に確認する、そういうふうな一環として法制局に議員としてお尋ねをし、そのお答えをちょうだいしたと、こういうことでございまして、質問及び答えをお願いしたり強要したりということはございません。
#547
○福島瑞穂君 先ほど答えられたように、これは問い、答えという、正に国会の答弁を念頭に置いた形になっています。
 衆議院議員としてだろうが国務大臣としてだろうが、個人のケースの疑惑が問題になっているケースについて、中立的である法制局に頼んだという点がこの問題の問題点です。公私混同ではないですか。あるいは、それについては、なぜ個人の問題について答えることができるのか。
 私は、衆議院議員だから問題、国務大臣だから問題と言っているのではありません。大臣であり衆議院議員が個人の疑惑隠しのために法制局を使った、想定問答集を作ってもらったという点が問題であると考えます。
 では次に、雇用の問題に移ります。
 緊急地域雇用特別交付金事業について、今まで幾ら税金を使い、今後どのように使う予定であるか、それによっての雇用創出について教えてください。
#548
○政府参考人(戸苅利和君) まず、平成十一年の第一次補正予算で創設しました緊急地域雇用特別交付金でありますが、二千億円の規模でございます。平成十三年度末までに三十一万人の新規雇用が創出されております。それから、平成十三年度の第一次補正予算で雇用創出特別交付金事業というのを始めました。これにつきましては、平成十三年度末までに八十九億円の事業費で約二万三千人の新規雇用が創出されております。それから、平成十四年度につきましては、約千四百億円の事業で約十四万人の新規雇用の創出が見込まれるというふうになっております。
#549
○福島瑞穂君 そうしますと、平成十三年から十七年までで三千五百億円が使われる予定で、全部の合計、済みません、もう一度お願いします。
#550
○政府参考人(戸苅利和君) 本年度の見込みを含めまして、全部で四十七万三千人というふうに思っています。
#551
○福島瑞穂君 今まで、平成十一、十二、十三で二千億円使って、今後も三千五百億円使われる予定で、上乗せ、デフレ政策の千六百億円を加えると七千百億円になります。
 申し上げたいことは、これは六か月、基本的に六か月、場合によっては三か月なので、現在この制度によって正規雇用という形で何人いらっしゃるでしょうか。
#552
○政府参考人(戸苅利和君) この事業、元々景気が回復するまでの間のつなぎの雇用機会を作ろうということだったものですから、最初に平成十一年に作ったときは、その集計をしておりません。
 それで、申し上げますと、二回目にやりました三千五百億円につきましては、二〇〇二年の一月から三月までの三か月間につきまして、三百六十二人が事業が終わった後に引き続き正式に雇用されていると、こういうことになっています。
#553
○福島瑞穂君 使ったお金に比べて正規雇用として今残っている人たちが非常に少ないと。先ほどつなぎ雇用とおっしゃいましたが、確かに制度設計はそうだったのかもしれないんですが、実際、例えば千葉、埼玉、茨城、秋田、滋賀では、現在、正規雇用、二〇〇二年の段階でゼロなんですね。つまり、六か月、場合によっては三か月しか働けませんから、お金は大量に使ったけれども、正規雇用、今働いているということには結び付いていないと。そのことをどう考えられますでしょうか。
#554
○政府参考人(戸苅利和君) この交付金、元々、景気が回復するまでの間あるいは構造調整期間におけるつなぎの雇用をなるべく多くの方に、多くの失業者の方に利用してもらおうという制度でございます。
 ただ、交付金の事業で培いましたいろんな経験なりあるいは身に付けた能力なりが、その後、常用雇用に結び付くということは非常に重要だろうと思っていまして、そういった観点から、事業を行っていただいております自治体に対しまして、そういう観点からの事業の立案、企画をするようにということもお願いしているところでございます。
#555
○福島瑞穂君 例えば千葉の例では、シルバー雇用、放置自転車の整理を六か月だけ頼むと。もちろん貴重な仕事ですが、その後、雇用になっていない。つまり、七千百億円使う、使う予定で、正規雇用としてほとんど残っていないと。私は、今、雇用は国民の最大の関心事ですから、本当に雇用を創出していく、若い人やいろんな人が働き続けられるようにこのお金を使うべきだと考えています。それについてはいかがでしょうか。
 また、不正流用があるという記事が出ているのですが、その実態把握はどうされていらっしゃるでしょうか。
#556
○政府参考人(戸苅利和君) この交付金事業につきましては先ほど申し上げたような趣旨で、ただ、なるべくその交付金の事業で働いていた経験が次の常用雇用に生きるようにということは重要なことで、先ほど申し上げたとおり、自治体にもお願いしているところでございます。
 それから、これの不正の問題でございますが、これにつきましては現在、捜査中ということでございます。これが事実であるとすれば、我々、その不適正なものに対して返還を求めていくということにしたいと思っていますし、こういったことが二度と起きないように問題点を洗い出して対応していきたいというふうに考えています。
#557
○福島瑞穂君 国民は、緊急地域雇用特別交付金で七千百億円使ったとなれば、随分雇用ができて、今、正規雇用ができているかなと思うと思うんですね。ですから、是非、将来生かす雇用につながるようにお願いします。
 ところで、新しい産業の育成、雇用の拡大ということで、農水省、厚生労働省、経産省で現在どのような取組をされているか、もし分かればどれぐらいの雇用創出を見込まれていらっしゃるのか教えてください。特に、農水省は緑の雇用創出あるいはバイオマスなどの取組について頑張っていらっしゃいますが、そこを教えてください。
#558
○国務大臣(大島理森君) 緑の雇用対策でございますが、今、先生もお話しされましたように、厚労省がやった事業を先鞭としてどうやって定着を促進するか、こういうことのために、新たに森林作業に従事した約二千四百人を対象といたしまして、担い手として、森林整備の担い手として必要な専門的技能、技術の習得を図る緑の雇用担い手育成対策に取り組んでおります。厚労省の緊急雇用対策と連携しながら定着に向けて努力してまいりたいと思っておりますが、補正予算で処置していただきましたので、今大変な申込みがあるということでございます。我々はそういうことをしっかり精査しながら定着に向けて努力してまいりたいと思っております。
 バイオマスは、言わば閣議決定をしてそういうバイオマス国家戦略は作りました。これをどのようにそこに活用して、中山間あるいは農村地帯、そういう場で雇用の場として作れるか、これはむしろこれからの大きな課題だと、こう思って全力を尽くしてまいりたいと、こう思っております。
#559
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。
 我が省といたしましては、産学官連携というものをしっかりしまして、そして、特に今おっしゃった環境の分野、ここで、やっぱり潜在力がございますから、ここで活力を出さなきゃいかぬと。こういうことで、環境の分野に関しましては、例えば、グリーン調達の推進でございますとか、積極的な標準化等に取り組んでおりまして、そして、現時点で数字も言えということでございますので、現時点の環境分野の産業というのは、一九九八年時点の市場規模は四十八兆円でございまして、雇用規模百三十六万人でございました。これが二〇一〇年時には六十七兆と百七十万人に成長する、こういうふうに予測されておりまして、三十四万程度の雇用増が期待できる、こういう一つのデータがあります。
 それから、福祉に関しましては、我が省といたしましては、既に健康サービス産業創造研究会というのを立ち上げておりまして、そして当該産業の在り方を検討するとともに、より低廉で質の高い福祉サービスの提供を図るためのことを関係省庁として連携して、今一生懸命取り組んでいます。
 この分野で具体的な数字と申しますと、これは経済財政諮問会議の雇用拡大専門調査会が取りまとめました緊急報告によりますと、こういった福祉分野における雇用というのは、二〇〇一年の時点の百五万人から二〇〇六年時点では百九十万人となると。ですから、ここでは八十五万程度の雇用創出が期待できる、こういうような試算が出ておりますので、こういったところに向かって全力を上げていかなければならないと、このように思っています。
#560
○政府参考人(戸苅利和君) 雇用対策につきましては、昨年末、それから今回、一月の補正予算で雇用維持、雇用創出対策、雇用再生集中支援事業ということで、不良債権処理に伴います離職者の方の早期再就職、あるいは地域での雇用の受皿事業の創出等々、いろんな事業を行っております。これにつきまして、雇用創出、雇用維持効果といたしまして、予算積算上約百万人ということで、雇用の創出、雇用維持を計上しているということでございます。
#561
○福島瑞穂君 冒頭、交付金の問題で、正規雇用が実はほとんど作られていないということを御質問しました。今、三つの省の大臣、三つの省の方たちから、それぞれ雇用創出と努力について聞くことができました。是非、教育、環境、福祉で雇用創出をしてくださるようにお願いします。
 ところで、介護報酬、教育、福祉、環境で雇用創出といったときに、例えばヘルパーさんの賃金が八万から十万で非常に低く、ヘルパー賃金よりもむしろ管理費、利益、いわゆる差し引かれる率の方が非常に高くて、ケアマネジャーの月例賃金は二十一万六千円だというふうにも聞いているんですが、もう少しこの辺で、余りに低賃金なので、余りにというか、労働条件が悪いとなかなか人が行かないという問題もあり、この介護報酬の工夫とか、もう少し税金のケアとか雇用創出についてはどうでしょうか。ヘルパーさんたちは大変不足していると思いますが、いかがでしょうか。
#562
○国務大臣(坂口力君) 介護の面におきましては、これは今後非常に拡大の可能な部分でございますので、私たちも力を入れていきたいというふうに思っているわけでございます。
 今、お挙げになりましたように、ヘルパーさんのこれは雇い方が様々でございまして、いわゆる施設のようなところで雇われている皆さん方はそんなに低くはない、もっと高い賃金になるわけでございますが、いわゆる在宅介護等に主としていただきます場合に正規に雇わないというようなことがかなり横行しているようでございまして、そうした点にも私たち着目をして、今回、在宅介護につきましては若干引上げをさせていただいたりしているところでございます。
 できる限り、そういう事業を行われる皆さん方に対しましても、パートというようなことではなくて、やはりここは正規にお雇いをいただいて、そして積極的に対応していただくように指導していかなければならないというふうに思っている次第でございます。
#563
○福島瑞穂君 ちょっと駄目押しになって済みませんが、介護報酬の平均単価が二千八百六十七円、介護報酬全体の中でヘルパーの賃金の占める比率が五割以下だという報告が、ある事業収入の統計からあるんですが、事業収入、ヘルパーさんの賃金の占める比率が五割以下だということは、ピンはねと言うと言葉が悪いですが、低いわけですよね。
 この辺の改善等は、厚生労働省はどう考えていらっしゃるでしょうか。
#564
○国務大臣(坂口力君) 具体的な数字、ちょっと持ち合わせておりませんが、確かにそうしたこともこれはうわさとして聞こえてくるわけでございます。
 我々がいろいろと調査もいたしておりますので、そうしたことを基にして、途中でそういう、搾取と言うと大変失礼でございますけれども、中間で消えてなくなるようなことがないように我々も見ていかなけりゃならないというふうに思っている次第でございます。
#565
○福島瑞穂君 教育、環境、福祉の部門で恒常的な、できれば正規、あるいは働き続けることができる、きちっとした雇用創出ができるように、厚生労働省の事業、この交付金もやはり工夫してほしいと。大量のお金を使って雇用が生まれていないという問題については、是非改善をお願いしたいと思います。
 終わります。
#566
○委員長(陣内孝雄君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る十一日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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