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2003/03/17 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第12号
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2003/03/17 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第12号

#1
第156回国会 予算委員会 第12号
平成十五年三月十七日(月曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     峰崎 直樹君
     松 あきら君     沢 たまき君
     西山登紀子君     林  紀子君
     高橋紀世子君     森 ゆうこ君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     榛葉賀津也君     辻  泰弘君
     円 より子君 ツルネン マルテイ君
     大田 昌秀君     又市 征治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                大島 慶久君
                国井 正幸君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                高橋 千秋君
            ツルネン マルテイ君
                辻  泰弘君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                沢 たまき君
                福本 潤一君
                森本 晃司君
                井上 哲士君
                八田ひろ子君
                林  紀子君
                平野 達男君
                森 ゆうこ君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国土交通大臣   扇  千景君
       環境大臣     鈴木 俊一君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣
       (防災担当大臣) 鴻池 祥肇君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  安倍 晋三君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       法務副大臣    増田 敏男君
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       財務副大臣    小林 興起君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  高市 早苗君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  岸  宏一君
       法務大臣政務官  中野  清君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
        ─────
       会計検査院長   杉浦  力君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官
       兼行政改革推進
       事務局公務員制
       度等改革推進室
       長        春田  謙君
       内閣法制局第一
       部長       宮崎 礼壹君
       内閣府政策統括
       官        山本信一郎君
       総務大臣官房総
       括審議官     伊藤祐一郎君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       法務省矯正局長  中井 憲治君
       外務大臣官房長  北島 信一君
       外務省アジア大
       洋州局長     薮中三十二君
       外務省北米局長  海老原 紳君
       外務省中東アフ
       リカ局長     安藤 裕康君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       外務省条約局長  林  景一君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省政策
       統括官      青木  功君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       食糧庁長官    石原  葵君
       資源エネルギー
       庁長官      岡本  巖君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      迎  陽一君
       環境大臣官房審
       議官       山田 範保君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
       環境省環境管理
       局水環境部長   吉田 徳久君
   参考人
       日本銀行副総裁  藤原 作彌君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十五年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁藤原作彌君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、質疑を百三十八分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・保守新党四十一分、民主党・新緑風会四十一分、公明党十八分、日本共産党十八分、国会改革連絡会十四分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。市川一朗君。
#6
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。
 私は、WTO交渉について御質問したいと思いますが、まず、外務大臣にお尋ねしたいと思います。
 今行われておりますWTO交渉につきましては、二月に東京で開催されました非公式のミニ閣僚会議の様子がマスコミでも比較的大きく報道されたこともございまして、関係者間の関心は非常に高いと思っております。川口外務大臣が使ったと言われます「触媒」というのはどういう意味かというような質問を私自身、選挙区で受けているほどでございます。
 ただ、主として農業関係者の方なんですが、今なぜWTO交渉が行われているんだろうかと。あのウルグアイ・ラウンドのときに、日本農業にとりましては正に屈辱的なミニマムアクセス米の輸入というものを受け入れざるを得なかったと。そういったような経験があるにもかかわらず、ウルグアイ・ラウンドよりも更に厳しい条件を突き付けられているような交渉が行われているのは一体なぜなのかといったような、よく分からないなと思っている国民も非常に多いわけでございます。その辺につきまして、外務大臣から、分かりやすく的確な、説得力のある御説明をお願いしたいと思います。
#7
○国務大臣(川口順子君) 農業の交渉について今回も非常に大きな焦点になっていることでございますけれども、ウルグアイ・ラウンドのときからずっと引き続き、農業の交渉がウルグアイ・ラウンドの後からも引き続き行われているから今行われているんだということが御説明になるかと思いますけれども、農業協定の第二十条において書かれていますことが、これ、ちょっと法律、条約の文章で分かりにくいんですが、根本的改革をもたらすように助成及び保護を実質的かつ漸進的に削減するという長期目標が進行中の過程であることを認識し、二〇〇〇年から改革過程の継続のための交渉を開始することが合意されているということでして、その後、これに従って農業交渉が二〇〇〇年から既に開始をされているということです。
 そして、ドーハの閣僚宣言でも同じような記述がございまして、農業交渉が引き続き行われているということでございます。
#8
○市川一朗君 分かったような分からないような感じでいるわけでございますが、おっしゃっている意味は、私自身は残念ながらよく分かるわけでございます。ただ、何か国民レベルでいうとなかなか分かりにくいということですが、私はこんな説明をしているんですけれどもね。
 第二次世界大戦がなぜ起こったか。いろんな理由があるわけですが、その一つに、当時、世界各国が自国の産業を守るために関税を引き上げていわゆる経済のブロック化が図られたと。それが一つの大きな引き金になったということで、国際連合体制それ自体がすべて第二次世界大戦のようなことが二度と起きないようにということでやった、その一連の中ではあるわけでございますけれども、そういうことで、いわゆる貿易紛争を武力によってではなくて交渉によって解決しようということでできたのがガットの体制であり、それが今のWTOに引き継がれているんだと。
 したがって、新しい時代に従っていろいろ新しいニーズが出てくる。例えば、開発途上国が、非常に生産が活発になってくればそれを輸出したいという気持ちになる、それを先進国が輸入していくという、こういったようなことも含めて、絶えざる新しい時代に対応した新しい貿易ルールを作っていかなきゃいけないんだと、したがって、そういうのを交渉すること自体が第二次世界大戦後の一つのルールなんだ、これをやらないと戦争になっちゃうんだというようなことを言っているんですけれども。それにしても、農業だけどうもちょっと被害が大き過ぎるんじゃないかというような声が強いわけです。
 それで、この間、東京で行われましたミニ閣僚会議で、もう既に終わってしまった話でございますけれども、幾つかこういう指摘があるんですね。
 あのとき、非公式ですけれども、農業大臣、各国の農業大臣をお招きしましたですね。それは川口外務大臣も新機軸だということで位置付けられたと聞いておりますが、その政府主催のディナーにその農業大臣等を招かなかったというのはどうしてなんだろうという声があるんですが、当時、報道もされていまして、いかがでございますか。
#9
○国務大臣(川口順子君) その晩に農業の担当の大臣の方、これは全部の国からお呼びをしたわけではなくて、農業の大臣が出席をすることがいいと思われる国をお連れくださいということを言ったわけですけれども、何人かの方がいらしていて、大島大臣がその方々と農業の問題についてお話をなさりながら非公式にお食事をなさった。こちらは貿易担当大臣、私はたまたま外務大臣でありますけれども、ほとんど貿易担当の大臣ということで出席をしていただいたと。
 この前夜の食事というのは、これはずうっと毎回行われているということだそうでございまして、今回、農業大臣をお呼びするという、その非常に珍しいことをやった中で、農業、これは三百六十度いろんなことが関係しているわけですので、農業大臣だけではなくて、例えば、それならば医薬品も大きな問題なので薬担当の大臣をお呼びしたらいいじゃないかとか、いろんな意見がありました。そういった中で、夜のその食事は従来どおり、従来のメンバーで食事をしましょうと、そういうことになったわけです。
#10
○市川一朗君 おいでになった農林、各国の農業大臣から特別その点についての御不満を私、聞いているわけではありませんので、農業大臣たちは余り心配してない、不満はなかったのかもしれませんが、それだけ日本国内、デリケートな気持ちでおるときにそういったような状況が起きるということに対する不安感というんでしょうかね、あえて不信感という言葉を使いたくないんですが、日本政府は一枚岩でないんじゃないかというようなところまで行っちゃうんですね、話が。
 それで、経済産業大臣、のっけから恐縮でございますが、その際、市場アクセスの議論がされたとき、日本代表席が一つ空いておったんだそうでございます。私は未確認でございますが、それが経済産業大臣の席だったと。テーマが農業関係中心だったので関係ないということで欠席されたんじゃないかというようなことで、そういったようなことでは日本政府一丸となって取り組んでいるということにならないんじゃないかという指摘もあるのでございますが、この際、きちっと釈明していただいた方がいいという意味も含めましてお聞きしたいと思います。
#11
○国務大臣(平沼赳夫君) そのときは大島農林水産大臣が御出席でございました。ですから、私は別にたまたま所用がございましたので、そういう意味で私は出席をしなかったことは事実でございます。
 しかし、常に大島農林水産大臣と川口外務大臣とは連携を密にしておりまして、私は、農業を代表する農林水産大臣がお出になると、そのことの方がある意味では農業問題の一種ですからいいと、こういう判断で私はちょうど午前中の質疑には欠席をいたしたところでございます。
#12
○市川一朗君 なかなか厳しい農業交渉を続けておるものでございますから、いろんな一つ一つの挙措動作まで関係者がいろいろ神経を使ってウオッチングしているという状況の一つではないかと思うんですが、農林水産大臣にお尋ねしますが、いわゆる農業交渉ですね、今どのような状況になっているのか。
 二月十二日にハービンソン農業委員会議長から一次案が提示されまして、現在ではその一次案をめぐって交渉が行われているという、承知しておりまして、間もなく二次案が出てくるんじゃないかなと思いますので、非常に微妙な時期でございますからお答えにくいかと思いますが、国民の皆さんに分かってもらえるような意味も含めまして、現在の状況を御説明いただきたいと思います。
#13
○国務大臣(大島理森君) まず、農業交渉におきましてこれからの推移あるいは考え方をしっかり議論するために、三月末に農業分野におけるモダリティー、つまり概要を決めようではないかと。このことは、先ほど川口大臣もお話しされましたように、非常に大事なポイントなわけであるわけです。そこには、ドーハで各国がコミットしている、そういう中から、ミニ閣僚会議においてもあるいはまた農相に集まっていただいて議論を交換するという意味で意義があったと思いますが、今週の早いうちに多分二次提案が出てくるであろうと、こう思います。今日ではないと思いますが、近いうちに出てくるであろうと思います。
 したがって、そのハービンソン議長の二次提案がどういうものであるかということについては、まだ概要を私どもはキャッチはいたしておりません。しかし、大きなポイントのその二次提案が出てくるということを踏まえながら、今日まで私どもは、正にミニ閣僚会議の直前に出された一次案、これにつきましては、とても私どもが、日本の農業のみならず世界じゅうの多様な農業が存立する、こういうことを大前提、基本として考える上においてはバランスに欠けていると、そういう意味で受け入れ難いと。この思いを持つ国々は私どもだけではなくて、EU、韓国、あるいはWTOの世界においては台湾という地域が、台湾も参画しておりますから台湾、のみならず多くの国々が私どもと同じような考え方を持っておる。
 そういうことから、ミニ閣僚会議を終えた後にジュネーブで農業の特別会合がございました。そのときにはっきり言わばその考え方の違いが一層明確になってきたと。
 それは、先ほど申し上げましたように、私ども、EUとともに、多様な農業の存立した上で、先ほど市川議員がお話しされた農業であってもやはり交易ルールを新しく作るという、そういうことをいたさなければならないわけですから、その基本には、各国の多様な農業が存立する。そして、多様な農業が存立する。もっとぎりぎりのことを言いますと、非貿易的関心事項というものは、もうこれは、アメリカであろうがオーストラリアであろうが共通の認識として農業の機能としてあるではないか。その面、その点での重要性を踏まえた上でのルールを作るべきだという考え方と、米国、そしてケアンズの皆様方のように、輸出国が考えている、言わば一律削減をして、私から言わせると経済学で言う比較優位論、そういうふうなものに立ったルール作り、そういうものをすべきだと。その考え方が特別会合でより一層明確な議論として出てまいったと思っております。開発途上国は一方において、先進国に対しては、市場開放をもっとしてくれ、しかしながら私たちの農業も守ってくれという主張でございます。
 いわゆる、そういう農業委員会の特別会合において最終的にどういう結果になったかといいますと、アクセスの世界においてウルグアイ・ラウンド方式でこのルールを考えるべきだという非貿易的関心事項グループというのでございましょうか、これは六十か国がそれぞれの国々として参与いたしました。仲間として集まっていただきました。その一つはEUであるわけでございますが、EUの国々をそれぞれカウントいたしますと、七十五か国という国々が我々と同じ考え方を持つという意思表示をしていただきました。
 したがって、このたび出るであろう、あるいはもうひょっとしたらあしたじゅうかもしれませんが、そういう二次提案というものは、そういう主張する国々がそれぐらいあるということを無視した考え方は出てこないであろうと私は期待をいたしております。
 私は、三月末のモダリティーを確立するというコミットした世界じゅうの国々がそのことを成就させるためには、少なくとも私どもの考え方を基本にしたものでないとまとまるという、そういうふうな世界になかなか行かないのではないか。むしろ、私どもの考え方に乗ってそういうものを作るべきだという主張を一層していかなきゃならぬし、それが世界の農業の基本を私は踏まえたルール作りの一歩であると。現時点において、いわゆる数字をどうするとかあるいは何をどうするとかというネゴシエーションの世界にはまだ私は入っていないと思っておるんです。
 イラク問題も大変緊迫した今状況でございますが、WTOの農業分野におきましても、いよいよ今週の前半に出てくるであろうそういうものを見て、いよいよ三月末に向けてどう対応していくか。EUの国々と一層連携を密にし、深め、そしてフレンズ国と連携を広め、そういう中でこれから交渉の基本施策として、基本戦略としてやってまいりたいと、このように思っております。
#14
○市川一朗君 大体よく分かったような気もしますが、なかなか難しいなということもまた改めて感じているわけでございます。
 二月二十五日から行われました農業委員会特別会合での各国の主張をお聞きしていますと、アメリカ、ケアンズ諸国は、とにかくあの一次案でも野心の水準が低過ぎる、つまり自由化の水準が低いと。それで、農業の自由化は遅れているじゃないか、もっとスピードを上げる必要があるという主張でございますね。
 それで、今御説明がありましたように、日本やEU等フレンズ国は、これでも我々から見ると野心の程度が高過ぎるということであって、それで、各国、国内で農業改革は進めているけれども、日本もそうでございますが、そんなに早急にできるものじゃない、時間が必要だと、こういったような主張で、やっぱり真っ向から対立しているように思うんですが、先ほどの答弁で一応、一応尽きているとは思いますけれども、改めて、バランスが欠けているという日本の主張を、ポイントを絞って言いますとどういうことになっているのかをお尋ねしたいと思います。
#15
○国務大臣(大島理森君) よく私どもはバランスを欠いているというふうな批判をモダリティー案、一次案に対して言っておりますが、まず第一点は関税の削減でございます。
 アメリカ、ケアンズが言っている、よくハーモナイゼーションという言葉を使うんでございますが、高い関税を思い切って下げていく、そうすることによって全体一律として下げる、一律として下げていくと。これをハーモナイゼーションというふうに彼らは言うわけです。言わば平準化。米であろうが麦であろうがもうどんと下げてしまえ、そして全体を平準化してしまえ、こういうふうなことでございますから、私どもは、それぞれの国々によってセンシティブな作目があります、多面的機能をきっちり押さえていかなきゃならぬ農業がございますと。それは、ある一定の国家として、主権国家としての権利として守るという施策を取っていくために関税があることもまた事実なわけであります。それは私、否定するものではないと思うんです。そこはやっぱり柔軟に対応できる仕組みにしていくべきではないか。一律にどんと下げるんではなくて、その柔軟性を確保する。そういう意味で、ハーモナイゼーションという考え方は輸出国側に立った考え方であるという意味で、輸出国と輸入だけを受けている我々とのバランスが欠けているということが一つありますねと。
 それから、農業の施策は、ヨーロッパであろうがアメリカであろうがどこの国であろうが、言わば三つぐらいの分野の問題がありながら自国の農業を育て、あるいはまた輸出したり、輸入という問題もあるわけでございますけれども、市場アクセスというのは、関税も含めてそういう問題がありますと。それから、国内支持というのは保護政策ですと。それからもう一つは、輸出信用という問題がございます。これは輸出競争、つまりEUのように輸出補助金を出している国々。この輸出競争の三つのルール、この分野についてバランスよくルールの改革をしなきゃならぬのに、市場アクセスと国内支持だけは非常に厳しいルールを一次案が作りながら、輸出補助金の世界、つまり輸出規律の世界においてアメリカ等が持っている輸出信用という仕組みがあるわけです。この問題についてはある意味じゃ言及、非常に厳しくないという意味で、そういう三分野間、つまり市場アクセスの問題、国内支持の問題、輸出規制の問題のルールのバランスが欠けているということを私どもは申し上げているわけでございます。
 それらを考えますと、繰り返しになりますが、一次案は輸出する側、先ほど私は比較優位論ということを言いましたが、輸出側に立ったルールに一次案がなり過ぎているという意味でのバランスが欠けていると、一言で言えばそういうことではないかというふうに私どもは申し上げているところでございます。
#16
○市川一朗君 最後の部分、私、全く同感ですね。一次案はそういう問題があると思うんです。
 ですから、一次案ではとてももたないと思うんですが、まあしかし、一次案をちょっともう少し掘り下げて、ちょっと米について当てはめて整理してみたいと思うんですが、一次案の中に、九〇%より高い関税は最低でも四五%削減することと、こうなっておりますね。そうすると、日本の米の場合は最高税率四九〇%ですから九〇%より高いので、この条項が適用されると。そうしますと、現行関税がほぼ半減するわけですね。そうすると、輸入米の価格がもうすたんと落ちますから、国産米との関係で大変なことになってしまうんじゃないかという、そういう案だと思うんですね。
 それから、ミニマムアクセス米についても、今七十六・七万トンを輸入しているはずなんですが、ウルグアイ・ラウンド以来引きずった我々の折衝としては、あれはもう屈辱的だったと、あんなものはゼロにすべきだという主張から、少なくとも、あれはいろんな経過があってちょっと量的にも少し上乗せがされているので、本来の基準に戻すべきであると。そうすると、もっと量は減るべきだと、減るはずだと、こういう主張をしているわけでございますが、今回の案ですと原則一〇%ですよね。そうすると、九十八万トンぐらいになるとか、あるいは一番低くても八%で、それでも七六・七%よりは多いというような計算になるんですけれども、その辺、農林水産大臣として、非常に具体的な数字なんですが、やっぱり中国米とかタイ米の例も含めて、ちょっと大変申し訳ないですが、大臣の認識もしっかり確かめておきたいという意味もありますので、数字についての御説明をお願いしたいと思います。
#17
○国務大臣(大島理森君) 一次案のままにもし私どもが受け入れた場合にどうなるかといいますと、率直に言って、その一次案の今、委員がお話しされたとおりやるとするならば、その中国米を中心とした価格より低く売られる米というのはもう北海道のきららぐらいしかないんじゃないかと思うんです。これはもう大変なことでございまして、だから私は、もしそのとおりになった場合は日本の水田は壊滅状態になっていくだろうと、とても受けられないと、こう申し上げましたが、少し、せっかくの御質問でございますから、数字等を申し上げてみたいと思います。
 我が国の米についてモダリティーの一次案をそのまま適用して試算をいたしますと、現行の関税が九〇%を超えているのは事実でありますから、最低の削減率四五%が適用された場合に、米の関税は現行のキロ当たり三百四十一円から百八十八円になります。そういたしますと、六十キロ当たり二万四百六十円から一万一千二百八十円になります。
 そういたしますと、国産の自主流通米価格の平均キロ当たりが二百七十一円で、六十キロ当たりで約一万六千円でございますので、これに対して輸入米価格は、例えば中国産短粒種でキロ当たり約七十円、六十キロ当たり四千二百円です。タイ産長粒種でキロ当たり約二十五円、六十キロ当たり約千五百円でありまして、枠外税率の四五%の削減の下では中国産米がキロ当たり約二百五十八、六十キロ当たりで一万五千四百八十円になっていくと。だから、自流米より下がる可能性がありますと。また、タイ産米にいたしますと、約二百十三円でございますから、六十キロ当たりにいたしますと一万二千七百八十円になります。特に、中国産米で今私どもは心配というか、非常に注目し分析しなきゃならぬのは、短粒種でなおかつ非常にいい品質のものが出ているということなんです。
 で、そういうことを考えますと、非常にこの一次案の提案というのは、そういうことで国内の米生産者、むしろ水田地帯がどのように変化していくかと、もう目に見えるように私は予想できるわけでございます。
 で、アクセス数量でございますが、モダリティー一次案を当てはめると、最近、直近の三年間の国内消費量、九九年―二〇〇一年までを一〇%適用すれば九十八万トン、八%の場合は七十八万トンとなります。
 しかし、ここで改めて、市川委員もう全部御承知でございますけれども、もしそのとおりになった場合に、もうミニマムアクセスがどうだこうだという世界ではなくなっていくわけですね。関税がどんどん下がっていきますから、そのミニマムアクセスの世界でどうだこうだというんじゃなくて、違う世界でどんどん入ってくるという事態になってくるわけです。そのように、非常に深刻なこれは闘いなんだということを国民の皆さんに是非御理解をいただきたいと思うんです。
 そういうふうなことですから、私どもは、先ほどいわゆるハーモナイゼーションという思想には組み入れられませんと。正に水田の持つ多面的機能というもの、食糧の安全保障という問題、そういうことを考えましたとき、非貿易的側面を反映した柔軟性が考慮されるルールを作りませんと、多分、このWTOの世界は今の闘いだけではなくて、また六年後も闘わなきゃならぬ世界なんでしょう。
 だとすれば、その先も考えて、やっぱり相当厳しい闘いをしませんと後世に禍根を残すなという思いを持ちながら、一次案は受け入れ難いと明確に申し上げ、そして、先ほど来申し上げましたように、EUあるいはまた六十か国の皆様方とそのルールの基本的な考え方をまず闘わなきゃいかぬということで今やっておるというところでございます。
#18
○市川一朗君 認識を共有できたという実感を持ってお伺いいたしました。
 外務大臣にお尋ねしたいと思いますが、十年前になりますか、ウルグアイ・ラウンド農業交渉の際、実は輸出補助金問題をめぐりましてアメリカとEUが対立しておりました。
 当時、ガットの事務局長だったダンケルさんが農業交渉グループ議長も兼ねておりましたので、いわゆるダンケル合意案というのを提示されたんです、ちょうど何か今のハービンソンさんと似たような感じなんですが。そのタイミングでは日本とEUは反対する理由はそれぞれ異なっておったと私は思っておりますが、合意案には賛成できないという点では共闘関係にあったんですね。
 ただ、それから数か月間交渉が進む中で、アメリカとEUは、私ども日本の、外務省ではありませんから、関係者から見ますと、突然、修正合意に達したという記憶があるんですよ。それで、一気に日本が最終段階で孤立化してしまいまして、いろいろありましたが、ミニマムアクセス米の輸入を受け入れなければならない、そんな状況になったという、これは私の歴史認識かもしれませんが、そういう実態があったと思うんです。
 今回のWTOの農業交渉につきましても、今、日本とEUは共闘関係にありまして、今、農林水産大臣が言われたような米の問題は日本だけの問題で、米は正にセンシティブな日本の問題なんですが、でも一般論として関税の率とかそういった問題についてEUと日本は同じ理由で反対しておるわけでございまして、このEUとの共闘関係がキーポイントになると我々は見ているわけでございますが、先ほどちょっと話にも出ましたけれども、イラク情勢、非常に複雑に絡んでおりますし、一体これから、国際情勢の変化によってこのWTO農業交渉にもいろいろ大きな影響が出てくるんじゃないかという懸念もあるわけでございますが、外務大臣として、その辺につきましての御存念をお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(川口順子君) 農業交渉について、EUとその共闘を組んでいくということは大事だと思っております。現にそういうことで今動いておりまして、私も二月のこの間の会議の前にはEUとその会合の進め方についても随分打合せをいたしました。
 それで、交渉がこれからいろいろ動いていくわけですけれども、交渉はいろいろなプレーヤーが大勢いますので、たくさんの国が絡んでいますので、すべてこちらの書いたシナリオどおりになるわけではないということも先ほど委員がおっしゃったウルグアイ・ラウンドの例を見ても、私もその話は聞いたことがございますけれども、よく分かることでございまして、ですから、これは最終的には一つのパッケージとして、日本としてあるいはEUとして、アメリカとしていいものも悪いものも一緒にまとめた形でイエスと言うかノーと言うかという世界になるわけでございますから、EUと組みながら、さはさりながら八方に目配りをしながら交渉をしていくべきではないかと思っています。
#20
○市川一朗君 これから大変難しい状況が想定されますので、どうぞひとつ外務大臣だけじゃなくて閣僚全員、日本政府挙げて取り組んでいただきたいと思いますし、我々も党側として積極的にバックアップしてまいりたいと思う次第でございます。
 今日は、経済産業大臣はグアテマラの大臣とお会いになる約束のところ、この参議院の予算委員会に時間をお繰り合わせいただいて御出席いただいたとお伺いしておりまして、誠にありがとうございます。
 それで、ちょっと逆にお尋ねしたいんでございますが、実はこのグアテマラはケアンズ諸国の一員なんでございます。
 まあ、ケアンズ諸国というと何か豪州、ニュージーランドと、あっちのイメージですが、ケアンズという地方がそういうあれですから、ケアンズというところで会議をやった、そのとき出席した輸出国のグループなんですね。中南米の主な国もそれからアジアのタイも、カナダまで入っているわけですが、やっぱりアメリカそしてケアンズ諸国、その方々の御理解といいますか、日本の主張に対する理解、よし分かった、そのとおりやるとはならないにしても、日本はそうか、そういうことを言っているのかというようなことの理解を得ておくということは非常に私、重要だと思うんですが、今日は多分、経済産業大臣お会いするわけですから通商大臣クラスとお会いになるんじゃないかなと思います。しかし、やはり絶好の機会だと私思いますので、こういう農業問題についてもお触れいただきまして、きちっとした対応の一環にしていただければなという願いを込めて御質問したいと思う次第でございます。
#21
○国務大臣(平沼赳夫君) 今日これからグアテマラの副大統領が私の部屋に来られます。ちょうどグアテマラはマヤ文化の中心という形で、マヤの秘宝展というのを東京で開催をするというその一連で副大統領が来られておりまして、私どもと通商関係があるという形でこれから会談をいたします。その中で、今、市川先生御指摘のこういうWTOに関しても私から日本の立場を伝えさせていただきたいと、このように思っております。
#22
○市川一朗君 どうもありがとうございます。
 実は、農業交渉の話ばっかりしておりましたけれども、いわゆる非農産品市場アクセスの世界で鉱工業品やあるいは林産物、水産物を対象とする議論もなされているわけでございまして、私どもから見て日本の森林とか水産資源を守るためには今のような議論をしていったんでは大変なことになるんじゃないかということで、少なくとも品目ごとの柔軟性の必要性をしっかりと交渉の中で位置付けていかなければいけないんじゃないかと思っておる一人でございますが、その辺の問題につきまして、私、経済産業大臣にお聞きしようかなと思ったんですが、全体ですと何か外務大臣だということではございますが、日ごろ尊敬しております国務大臣としての経済産業大臣、平沼大臣にそういう非農産品市場アクセス問題についての御認識等をお伺いできればと思います。
#23
○国務大臣(平沼赳夫君) 私、通産大臣のときから就任いたしまして、二年半以上、このWTOにずっとかかわってまいりました。その中におきましては、当然、私が一人で出席をして、そして農産物の問題も日本を代表して、今、大島農林水産大臣からお話しになられました農業の多面的機能の問題でありますとか、あるいは食糧安全保障の見地から日本の立場を主張さしていただいたところでございます。
 非農産品の問題でございますけれども、これはもう先生御承知のように、今回のラウンドでは七つの交渉分野において交渉グループ、こういうものが設けられております。投資・貿易あるいは貿易と競争、こういった新しい分野について検討するワーキンググループも設けられておりまして、今それぞれ議論が進行中でございます。
 農業以外の主要な交渉分野の状況について申し上げさせていただきますと、工業品等の非農産物、農産品市場アクセス交渉について、本年五月末を期限として、関税の引下げ方式であるモダリティーに対する議論というのが、各国が提示した案に基づいて行われているところでございます。
 また、重要なサービス交渉につきましては、今月の末が各国からそれぞれの自由化のオファーを行う期限となっておりまして、全般的なルール及び各国の自由化要求に対する議論が行われている、こういうところでございます。
 さらに、もう少し言わせていただきますと、貿易ルールの交渉につきましては、我が国が特に重視しておりますアンチダンピング、ここに係る規律強化について関心を共有する国を集めて積極的に提案を行うなど、我が国が議論の牽引役として頑張っているところでございます。これに対しては、この前の二月十四日―十六日の東京会合におきましても、EUが全面的に我が国の立場を支援すると、こういうことになっております。
 また、同じく我が国が、特に経済界が強く要望しております投資ルールの新たな策定につきましては、本年九月にカンクーンにおいて開催される第五回の閣僚会議後の交渉開始のための検討が今精力的に進められているところでございます。このような中で、我が国といたしましては、やっぱり目標値を定めて、そしてしっかりしてやっていかなければいかぬと思っておりまして、我が国産業界の、例えば輸出関心分野における関税の相互撤廃等の提案も行っております。
 また、ちょっとお話がございました林・水産物については環境保護でございますとか、あるいは有限である天然資源の持続的利用を踏まえた提案も行っていると、こういうことでございまして、引き続きモダリティーに関する共通認識の形成に向けて我々はそれぞれの、外務大臣を中心として、そして大島農林水産大臣とも連携をしてしっかりとやっていかなきゃいけないと、このように思っております。
#24
○市川一朗君 どうもありがとうございました。
 やっぱり、結局、いろいろ話を詰めていきますと、いずれにしても農業交渉の厳しさというものを痛感するわけでございます。
 私は、二十一世紀の世界を考えましたときには、人口の増加という、そして食糧不足という時代も来るんじゃないかという、そういう懸念もあるわけでございますし、大体そうなるんじゃないかなと思います。それから、世界情勢は非常に不安な状況が続いております。そして、気候もどうもよく分かりませんね、気候不順です。
 さらには、地球レベルでの地球環境の悪化といったようなことを考えますと、これから先、人類はどうやって生きていけるのかといったことを考えますと、やっぱり世界のそれぞれの国に食糧、農産物を生産する農業がしっかり存在して、日本の水田のような、あるいは森林も含めました多面的機能というものをきちっと発揮させるような形に地球規模で取り組んでいく必要があるというふうに思っておりますので、いろんな議論がされておりますが、やはり最終的には世界人類生存のために必ずバランスの取れた結論が導かれると、そのためには日本の担当大臣として粘り強い交渉をしっかりやっていただきたいということに尽きるわけでございまして、この点につきましては大臣もそういう点でお取り組みになっていることはよく分かっておるわけでございますが、この参議院の予算委員会の場でだけ見ますと、農政以外のことでいろいろと御質問も多く受けたりして御心労だと思いますけれども、しかしやはりそれはそれとして、やっぱり担当の問題についてはこれは国益が懸かっておりますのでしっかり取り組んでいただきたいというふうに思う次第でございますので、改めて気分を高揚する意味も含めまして御決意をお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(大島理森君) 昨年の十月にこの職に就きまして以来、私はまずラオスに参りましてASEANの農相と話し合いました。その後、ジュネーブを中心にヨーロッパに参りましてEUの皆様方と意見交換をいたしました。この年明けて、先ほど川口外務大臣がお話しされましたように、EUとの連携、話合いは密にし深くしていかなければなりませんが、アメリカ、カナダとも話をしなきゃならぬと思いました。したがって、年初めにアメリカ、カナダ、特にゼーリック通商代表と話し合いまして、そして非公式会合と、こう参りました。
 そういう中にありまして、先ほど市川委員がお話しされましたように、世界の趨勢というものを我々は考えて、日本の国益ということを考えたときに、日本だけの利益を考えるのではなくて、世界の食糧という問題をしっかり踏まえながら主張していかなきゃならぬと思っております。
 それは、毎年のように日本の耕地面積と同じ面積が砂漠化していく、毎年のように八億の世界の人たちが食糧の飢餓に泣いている、そして温暖化という問題もあるでしょう、人口の急増という問題もあるでしょうといったときに、委員もお話しされましたように、それぞれの国の農業が多様に存在するということを国民の言わばコンセンサスとして我々は主張していかなければならない問題だと、このように思って粘り強く努力してまいりたいと、こう思っております。
#26
○市川一朗君 どうぞしっかりよろしくお願いしたいと思います。
 今日は外務大臣、経済産業大臣もお呼びいたしまして、ちょっと短な質問で失礼いたしましたけれども、実は私が拝見しておりまして、今回のWTO交渉、特に農業交渉厳しいわけでございますが、それに取り組みます各省の体制、農林水産省中心でございますが、外務省、そして経済産業省、非常に三省一体になって取り組んでいる姿をいろんな形で拝見しております。また、対応も非常にしっかりして対応していただいていると思っておりますので、閣僚レベルはもちろん言う必要はないと思いますが、どうぞ外務大臣、経済産業大臣、そして農林水産大臣、また今日は財務大臣もおられますが、内閣挙げてこの問題をしっかり取り組んでいただきませんと、これ日本の農業が壊滅的な状況になったら一体どうなるんだという危機感を国民はみんな持っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思う次第でございます。
 この辺、改めて御要望申し上げておきまして、関連質問、委員長のお許しをいただければ段本さんに譲りたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#27
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。段本幸男君。
#28
○段本幸男君 自由民主党の段本幸男です。市川議員の関連して、残余の時間を質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、アフガン問題について少しお伺いしたいと思います。
 アフガンの戦後復興支援については、東京会議をし、日本が核になって役割を果たしていく、こういうふうな状況で進んでおりますけれども、イラク問題等いろいろ発生する世界問題で、もうややかすんだような感じになっている、そういう状況にあるんではないかと思いますが、非常に重要な問題ではないかというふうに考えております。
 当時、私は、アフガン復興すぐのころに、アフガンでは、いや飲み水が欲しいんだ、農業用水が欲しいんだ、こんな問題を聞きました。しかし、技術者が実際にあの難しい世情の中では入っていけなくて支援がなかなか進まない、そんなふうな課題もあったというふうに伺っております。
 いろいろ御苦労なされながら現在もやっておられるんじゃないかと思いますけれども、しかし、実際に行われていることが状況によればNPOにどうも任せっきりになっていたり、いろいろ外務省として主体的役割が本当に果たせているのかどうかいろいろ危惧する部分もないわけじゃないんじゃないかな、そんなことも感じております。
 アフガンの戦後復興について、非常に重要な課題だと思うんですが、外務省としてどのように取り組んでおられるか、外務大臣にお伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(川口順子君) アフガン問題、アフガニスタンの復興問題がかすむようなことになってはいけないというのは国際社会全体の思いでございます。
 昨年の九月に国連で、やはりアフガニスタンに援助を、支援をしている国の集まりが、カルザイ大統領も来て行いましたし、それから、今年の二月に東京で、またカルザイ大統領に来ていただいて会議をし、関係国からも本国から来ていただきました。そういう形でアフガニスタンの問題に国際社会がずっと参加をし続けているということの重要性は私も機会あるごとに言っていますし、各国のリーダーの人たちはみんなそう思っていると思います。
 それで、我が国としては、更に平和の定着ということを一つの柱にしておりますので、そういう意味でもアフガニスタンがうまくいくかどうかということは大きな試金石であると思っております。
 我が国の支援は、今までに、昨年の一月のアフガニスタン復興会合で二年半で五億ドルということを発表いたしました。そして、そのうち一年間で、最初の一年間で二億五千万ドルまで支援しますと言いましたけれども、実際は最初の一年間で我が国は既に三億五千八百万ドルをコミット済みでございまして、引き続き非常に熱心にやっております。いろいろな分野がありますが、教育ですとか水ですとか女性問題、医療。それから、大きなプロジェクトとしては、サウジ、アメリカ、日本と、三か国が一緒になっている道路。これは、アフリカ、アフガニスタンは道路しかないものですから、そういうことにも取り組んでおります。
#30
○段本幸男君 どうしてアフガン問題を今あえて聞くか。これは、このアフガンの状況がこれからもしかしたら起こり得る、私自身も、平和的解決で、絶対あっちゃならぬと思っておりますが、不幸にして起こり得るイラクの戦後復興みたいなものに非常に関連してくるんではないか。日本が、日本は、今まで総理の答弁でも、戦後復興には一定の役割を果たせると思うとおっしゃっております。そのイラクの戦後復興なんかに日本が本当に主体的役割を果たせるのかどうかというのは、アフガンでどういうふうな汗をかいてそれをどう評価しているか、自らがやっぱり総合評価していく必要があるんではないか、こんなふうなことを強く感じるんですね。
 そのアフガンの状況、今、外務大臣の方から、道路を含め、また三億五千万ドルの支援もしているというふうなお話もお伺いしましたが、総合的な評価について、今時点でどうされているのか、あるいはこれからどういうふうに進めようとされているのか、お伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(川口順子君) アフガニスタンの復興支援については、先ほどもちらりと申し上げましたけれども、平和の定着外交のまず第一弾ということでございます。委員のおっしゃったイラクというのも、もし万が一そういう事態になりましたら視野に入ってくるであろうと思いますし、その前にも、例えばスリランカですとかそれからパレスチナですとか、平和の定着外交を日本としてやっていくべきところというのは多くあると思います。
 そういったところで復興の支援をやっていくに当たって、アフガニスタンで何がうまくいき何がうまくいかなかったかということはきちんと見極めなければいけないと思いますが、うまくいった点というのは、日本がイニシアチブを取って会議をやってという、日本がずっとリーダーシップを取ってきたということであると思います。
 それで、うまくいかなかったという反省といいますか、今後のことを考えたときにやっておかなければいけない、考えておかなければいけない点という意味では、一つは、平和になって平和の果実をその国の国民が享受をするということが大事なわけですけれども、それが早く目に見える形で国民に行かないとそういう実感を持ってもらえない、そこをどうやるかというのが一つの課題だと思います。
 それからもう一つは、アフガニスタンの場合などはそういう例が、そういうことが多いんですが、中央政府と地方政府というのがありまして、中央政府の支配が地方にまだ行っていないというような状況があるわけです。そういう中で、地方でも支援活動をやるということが大事ですので、その行って、やる方々の安全、これをどう確保するか、これが問題であると思います。
 それから三番目に、これは委員が最初に御質問なさったことと関係しますけれども、日本一国だけではなくて国際社会の支援の努力、これをいかに結集をするか、そしてその国際社会の努力を減殺、減少させないで維持をしていくということが非常に大事である。
 そういったことがアフガニスタンをやっていて思うことであり、今後の平和定着の努力との関連では考えていかなければいけないことだと思っています。
#32
○段本幸男君 このアフガンの総合的な評価というのは、川口大臣の下にお進めになってきた外務省の改革、それがどういうふうに進んでいて、いかに復興支援みたいなものにうまく機能しているか、そのこととも正に絡んでくるんではないかというふうに思います。是非頑張って、そこのところきちんと結果を出していただきたい、このことをお願い申し上げたいと思います。
 外務省にはこの質問だけですので、外務大臣はお引き取りいただいて結構でございます。
 次に、最近の農政課題について少しお伺いしたいと思います。
 先ほど、市川議員の方からWTOについてつぶさにいろいろと質問がありました。内容についてはそれで相当部分理解できたんですけれども、ただ一つ、私の方からは、特に市川議員もおっしゃっていましたけれども、世論喚起、この部分についてもう少し突っ込んで質問させていただきたいというふうに思います。
 先ほど、市川議員の質問に大島大臣から、ハービンソン議長の一次案では、場合によっては中国米は六十キロで一万五千四百八十円、これで入ってくるかもしれない、こういう大変な状況なんだというふうな御答弁がありました。しかし、どうも国内の地方を回っていると、必ずしも農家の方が、表向き上、JAに言われてか何に言われてか、WTO反対だとおっしゃっているけれども、中身について十分認識されていない、あるいはそれについて自分たちがどう意思表示していくかとか、そういう問題ができていないような感じがするんですね。
 結局、URのときも、最後に結局、そういう農家自身がなかなか勉強できていないために、ミニマムアクセス米入れたときに非常に混乱して、結果的に行政が指摘を受けた、こんなふうなことがあったと思うんですが、この辺について、大臣、どのようにお考えになっているのか、ちょっと質問通告していないんで大変申し訳ないんですが、御感想をお聞かせ願いたいと思います。
#33
○国務大臣(大島理森君) WTOの議論をいたしますときに、先生方はかなりもう御理解いただいていると思いますが、国民の皆様方に御理解、なかなか浸透していないという意味においての欠点は言葉であろうかと思うんです。フォーミュラとかハーモナイゼーションとかモダリティーとか、独特のあの世界での、交渉、ネゴシエーションの世界での言葉がございます。
 したがって、私ども議論していく中でも、私自身もまだ全部一〇〇%理解できているかという、そういう意味では理解できないところもまだあるんですが、極力私どもはそういう言葉を分かりやすく説明していくということが必要であろうと思います。
 もう一つは、外交交渉が自分たちの生活にどのように影響するだろうか、そういうふうな国際社会のルールと自分たちの生活という同時性、同一性というものに、こう言うとおしかりをいただくかもしれませんが、我々日本人の、まあ強いて言えば弱いところの世界の部分もあるのかなと、こう思うんです。ですから、ウルグアイ・ラウンドのときは、言わば農業者、この方々は大変関心を持ったかもしれませんが、消費者、国民全体としてどういうふうにそのときに国民の意識合成、形成ができたかという点においては反省する必要があるのではないかと。
 したがって、農政全般でございますが、国民の皆様方にどのようにこの案件を利用、御説明いただくかということに本当に意を用いてやっていかなきゃならぬだろうと、こう思っております。
 今日までも、消費者団体の皆さん、経済団体の皆さん、農業団体はもちろんですが、マスコミの皆さんその他、できるだけ御説明をしながら、あるいはインターネットも通じて逐一我々が御説明を申し上げる、そういうことをいたしながら、この国際交渉の持つ、同時に持つ意味がそれぞれの生活にどのようにこれが影響していくか、こういう同時性が分かるように説明していくことに心から、心掛けてまいりたいと思いますし、もう一つは、言葉そのものがなかなか、モダリティーといっても何のこっちゃいと、これは。概要とかというふうに言うわけですが。
 川口大臣、平沼大臣にも御指導いただきながら、言葉をできるだけ分かりやすく説明していくということに心掛けなきゃいかぬなと。そういうことによって国民の多くの皆様方に御理解を、私どもの分野だけではありません、今、平沼大臣の所管の範囲なんというのは、もし、このルールの変化というのはもうすべての企業活動に影響するわけでございますし、後でしまった、そんなことおれは知らなかったとは言えないわけでございますので、私のかかわる農業分野においても、できるだけその二点に注意をしてこれから国民にお伝えをし、説明していく努力をしてまいりたいと、こう思っております。
 そういう意味で、ミニ閣僚会議を川口大臣のイニシアでやっていただいたということは非常に私はよかったと、このように思っております。
#34
○段本幸男君 大臣おっしゃるように、例えば、一昨年のBSE発生以降、国民の間に食の安全問題、非常に意識高まりました。しかし、例えばこのWTO問題なんかも、実際には自分たちの健康とか命と密接にかかわっているんだという意識はまだまだやはり認識されていない面なんかもあるんじゃないかと思います。是非、今、大臣、いろいろとおっしゃった方、いろんな対策を取っていただいて、世論調査もいいでしょうし、いろんな形で、やっぱり自分のこととして、それは単に、国民側も意識してもらわないかぬし、行政側も上手な浸透をせないかぬし、是非そういうことをやって、このWTOの問題がいかに重要かを国民の間に浸透させていただきたいと思います。
 そのときに、私自身は、是非WTOの問題において今課題になっているのは私ども仲間内とよく話すときに議論に出ることなんですけれども、WTOのルールというのが、ややもすると、欧米中心のグローバルスタンダードというものに押され過ぎていないかということをすごく感じているんです。
 すなわち、ヨーロッパとかアメリカとは元々、乾燥地帯の農業とか、あるいは生活リズム、あるいはもっともっと古くいえば狩猟民族であって、そこではいかにできたものを公平に、もう何でも公平が一番だという考えに基づいてずっと長い間生活をしてきた、そういうルール、意識を持った人と、東アジア、この東アジアではアジア・モンスーン地帯で雨も大変たくさん降る、そして水田農業という三千年の歴史を持つ、そういうものを培ってきて、その世界では、やはり農耕民族、共生社会というんですかね、助け合いながらいかにたくさんの人を食べさせていくか、こういうことをやってきたところと、おのずとやはり持っている文化というのが非常に違うんじゃないかと思うんですね。その辺を抜きにして表でルールだけをやっていると間違う。
 この際、やっぱりそろそろ、世界というのは、WTOの農業交渉だけではなくて、あらゆるものにおいて、アジア、特に十三億抱える中国もこの際WTOには入ったわけですから、そういうものも巻き込んで、やはりアジアの持っている文化から見て世界が一緒に暮らしていくためのルールはこうあるべきではないかというのを日本がリーダーシップを持ってそういうことに臨むそろそろ時期に来ているんではないかと思いますが、これは、一農林大臣だけに聞くよりは、本当は総理辺りがお答えになるべきなのかもしれませんが、今日は農林大臣しか出席していただいておりませんので、農林大臣にその辺のお考えを、一端でもお聞かせ願えればと思います。
#35
○国務大臣(大島理森君) 今、委員がお話しされましたように、正に東アジアの国々というのは、アジア・モンスーン地帯に属して稲作を中心に長い歴史と伝統を持つ農業形態、そのことがその国柄を形成してきた。それはもう紛れもない私は事実であろうと思うのであります。
 したがって、先ほど来申し上げましたように、それじゃ、まあちょっとあれですが、我々のそのアジア・モンスーン地帯がアメリカやヨーロッパ大陸の中におけるそういうまた違った形であるように、彼らもまた違っている。そういう意味で、国のそれぞれの多様な農業が存在していくということでルールを作らなければならない。
 そういう中にあって、今、先生がお話しされたように、アジアのそのモンスーン地帯における多面的機能、貿易的・非貿易的関心事項というものを尊重していくと。その多様性を尊重した上で、その貿易ルールを作るという考え方を取るか、ハーモナイゼーション、いわゆる鉱工産業と同じような思想にある意味では乗った形で世界の交易ルールを作るかと。この今、まあ闘いがと言うとちょっときついかもしれませんが、今のWTOの私は根底にある考え方だと思います。
 考え方としてそういう状況の中で、さはさりながら、日本がイニシアチブをもう少し持って、アジアのその農業の在り方をもっと努力せよという意味では、例えば備蓄の問題、あるいはまたODA等を通じて我々がなし得る努力はしていかなければなりませんが、先ほどもちょっともう触れましたが、昨年の十月十一日、ASEANプラス3の農水大臣で、お互いにそういうふうな認識に立って、農業というものをしっかり守り、しかし改革をしながら育てていこうという認識は私どもは持って努力してまいりたいと、こう思っております。
#36
○段本幸男君 ありがとうございます。
 残された時間は大変少ないと思いますが、もう最大の努力をお願いしたいというふうに思っています。
 次に、都市と農村の共生・対流の件について少しお伺いしたいと思います。
 経産省の方では、先ごろ、二十一世紀の経済を持っていくのに、大きい経済ばかりではなくてもっと小さな経済、コミュニティービジネスみたいなものを大事にしていかない日本の経済はうまく成り立っていかない、こんなふうなレポートをたしかお出しになっておられて、私も読ませていただきました。そのコミュニティービジネスみたいな視点で見ると、都市と農村をつないで幾つかいろんなつなぎのビジネスがそこに生まれてくる。そのときのたしか経産省のビジネスでは、ビジネスというのはもう、ただ単に二十一世紀は金もうけではなくて、やはりそこに経済の流れを起こすことだと、こういうふうにおっしゃった。そういう意味で、都市と農村をつなぐ、そこにいろんなものを作っていくというのは非常に重要ではないかと思っているんですが、経済産業省ではこの都市と農村の共生・対流をどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。
#37
○副大臣(高市早苗君) 都市と農村の交流事業なんでございますけれども、例えば村おこしですとか、それから経済産業省でいいますと、生徒児童への伝統、伝統的工芸品教育ですとか、いろんな分野で期待いたしておりますけれども、段本先生おっしゃいますとおり、コミュニティービジネスでも非常に有望な分野だと思っております。
 コミュニティービジネスは、NPOですとか、市民団体ですか、企業団体ですとか、そういった主体が、地域におきましては、例えば農村の伝統ですとか文化ですとか自然ですとか、その地域の資源を活用してビジネスにつなげていく、すばらしい分野だと思います。
 具体的には、このコミュニティービジネスを支援するために、平成十四年度から始めたんですが、市民活動活性化モデル事業というのをスタートいたしました。これは、女性やシニアが中心となって行う市民活動の中で、ITを活用して地域の雇用創出などに寄与するモデルケース、これを選定いたしまして、企業化、実際にビジネスにしていただくことを支援するものでございます。平成十四年度は一億五千万円、平成十五年度の予算案では一億六千万円を計上しているんですが、十四年度、なかなか面白いプランも出てまいりまして、福島県、熊本県、三重県におきましてビジネスにつながるいいプランを採択したところでございます。
 これからもうんと期待しながら支援をしてまいりたいと思っております。
#38
○段本幸男君 ありがとうございます。
 是非、小さなそういったものも、経済産業省、大切にしていっていただきたいというふうに思っています。
 また、都市と農村の共生、対流はいろんな形態が想定されるんですけれども、特に最近増えているのは、例えばもう、定年帰農、五十五歳でリストラ遭った、これからもう一回ワークショップに、ハローワークに行くのは嫌だ、むしろ農村に行って、ちょっと多いめにもらった退職金をできるだけ取り崩さないようにやっていきたい、こんなふうに思う人が大変に増えていると聞いております。いろんなところでそういう人たちに私も出会いました。これは、ある考えでは立派な、今、厚労省が進めておられるワークシェアリングではないか。
 例えばあの大トヨタも、もうやはりいつまでもずっと雇用しておくよりも、ある段階で時々人を切って、そういう人を農村の、農村、実際に人が少なくなっているという事情もありますから、そういうものとのいい形での交流できないか、こんなふうなことを検討されている話も聞きました。そういう価値。
 あるいは市民農園なんかで実際にお年寄りの方が農業あるいはいろんな農にかかわるものに携わっていくと、お年寄りがやはり生きがいをすごく感じられるんでしょうかね。なかなか今までだともうすぐ医者に行っていたのが、いやいや、あれあるからということで、医者に行く回数が非常に減る、医療費が格段に落ちるというふうな話も伺いました。
 私の知っているところでは、徳島県の上勝町というところで六十五歳以上の人が「彩」という事業、山から木の葉っぱ取ってきて、それを東京の大森市場へ出している。何か焼き魚の、そういうものの葉っぱなんかになるらしいですけれども。そこの町では、みんなお年寄りがそういうことをやっているものだから、医療費が隣町の半分と言っていました。医療費の削減というのはもう非常に重要な課題。そういう意味合いでも、都市と農村が共生しながら農村の良さを発揮する、非常に重要なこと、厚生労働省所管の施策から見ても非常に重要なことではないかというふうに思うんですけれども、坂口大臣のもうこれは個人的な見解で結構でございますので、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#39
○国務大臣(坂口力君) 今、先生御指摘の定年帰農、いわゆる農に帰るという、それは非常にいい考え方でございまして、厚生労働省のこの施策の中にもそうしたものも既に組み込んでいるところでございます。
 これは働き方を多様化するということもございますし、その皆さん方の中には若いときに農業をなすった皆さんもかなりあるわけでございます。また、今御指摘いただきましたとおり、健康にも非常にこれはいいということもあって、定年になってお帰りになる方もございますし、それから、定年にまだなっていないけれども、長期休暇等を利用して、できるだけ農業と親しもうというので田畑を借りてそこで作り物をするというような方もだんだんと増えてきていることも事実でございまして、そうした意味で、相互に、都市部から農村へ、農村から都市部へという、この還流といいますか、いわゆるそういう流れが幾つもでき始めておりますことを大変私たちも注目をいたしております。
 第一次産業、第二次産業だけという時代から元の第一次産業にも再び目が向き始めたということを非常にいいことだというふうに思っておりますし、そうしたことも念頭に入れながら雇用対策を作り上げていきたいと思っております。
#40
○段本幸男君 是非、坂口大臣の視点で厚生労働省もお取り組みいただければ有り難いと思っております。
 厚生労働省にはこれだけでございますので、坂口大臣、結構でございますので。
 次に、このように大変大きな役割を期待されている、経済産業省でも厚生労働省でも、そういうふうな都市と農村の共生・対流なんですが、私自身田舎を回っていると、必ずしも農家がそういう意識を十分に理解しているとは思えない。もちろん点の形であちこちに出てきてはおりますが、まだ十分ではない。こんなふうな感じを持つのですが、農水省としてこれについて一体どういうふうな対策を取っておられるのか、その対策についてお聞かせ願いたいと思います。
#41
○副大臣(太田豊秋君) ただいま御質問ございましたように、正に、正しく農林漁業家の意識というものはそういった意味ではまだまだかと思われております。それは、平成十三年に我が省で、農林水産省で、都市住民とのいわゆる交流を希望するかどうかというふうなことについてアンケート調査をいたしましたところ、農村住民の全体の八割が是非交流をしていきたいというふうなことを示しております、答えておりますが、しかし、実際に都市から来訪者の、来訪者だとかあるいは滞住者との交流を経験した人はどれぐらいおるのかということになってまいりますと、農村住民の中では約四割というふうな回答であったわけでございます。
 そういった中で、都市と農山漁村の共生・対流を通じまして、都市住民の農林漁業への理解がやっぱり深まるとともに、農山漁村の魅力の向上とか、あるいは地域の活性化などの効果が期待できるものと認識をいたしておりまして、そういった中では、副大臣会議の中に関係副大臣から成る都市と農村の共生・対流に関するプロジェクトチームが設置されてございまして、私も安倍官房副長官共々に主査などにさせていただいておりますので、これからもこういった中で十二分に検討してまいりたい、このように考えております。
 そして、このことにつきまして、今後ともあらゆる機会を通じまして、農林漁業家に対する一層の意識啓発を図りますとともに、都市と農山漁村の橋渡し役となる人材、要するに、今なかなか、都市部に対してどういうふうなメッセージをしたらいいのか、どういうところにどういうふうにお願いしていったらいいのかとか、そういった橋渡し役をしていただけるような、こういった方が育ってきておりませんので、こういう方々のやっぱり育成をして、そしてなお一層都市と農山漁村の共生・対流の促進に努めてまいりたいと、このように考えております。
#42
○段本幸男君 今、副大臣の方からお答えいただいたように、今までの施策というのは、都市は都市、農村は農村、それぞれ別個に行ってきた結果、ややもすると、やはりそれを今つないでいって、もう坂口大臣おっしゃっていたように、共生していかないとできないんだという社会にうまく機能していない、こういうことがあるんではないかと思うんですね。確かに、組織的には農林省に町村活性機構があったり総務省に地域交流センターがあったりしておりますが、ややもするとやっぱり役人的で、実際的にNPOが入っていって泥臭い中で実効性を高めようとすると、まだ不十分な面がある。是非、人の面についても、今、副大臣がおっしゃったように、そういうコーディネートする人が欲しいんだという要望に十分こたえられるようにやっていっていただきたいというふうに思います。
 しかし、その農村、そういうふうに大きく期待されている農村なんですけれども、しかし、一方で見ると、今、農産物価格は非常に低迷してきている、そして、結果的には耕作放棄地なんかがあちこちで見られるような状況になってきております。それが、都市から今度人が行ったときに、やはり環境が荒れているということで、なかなか新しい、いい交流に結び付かない。そういうジレンマを抱えながら、現在農村がどういう道を取っていくのかということを模索されているんだと思いますが、農家に行って、一番、聞いてみると、農村環境を整備したい、しかし自分らに負担掛かってまでもやるなかなか馬力がないんだ、しばらくの間でも、むしろ農家に負担掛からぬような格好でこの農村整備できないものかな、こんな要望が非常に強いのをあちこちで聞かせていただいておりますけれども、この辺について、何か新しい制度でも作ってやろうか、こんなお考えがないものか、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#43
○国務大臣(大島理森君) 地域は、国と同じように効率と重点化という行政が求められていくんだろうと思います。その結果として、今、片山大臣の大変なリーダーシップの下で合併問題というものがダイナミックに進んでいるんだろうと思います。そういう流れを見ましたときに、冷厳な現実として農村、集落をどう位置付けていくかということを国の政治の段階で決して忘れてはならないことだと思っております。
 先ほど来、WTOの議論でもお話、お答えをさせていただきましたように、農業の非貿易的関心事項というものを担うという意味でのその場は、やはり農村に住む人々であり、中山間に住む人々であり、そういう人たちがその非貿易的関心事項、環境あるいはまた食糧の安全保障、そして水、そういうものを担う人々が住んでいるところが農村であろうと思います。
 一方、今、先生が御指摘いただいたように、日本の国柄、バランスということを考えましたとき、都市と農村の対流あるいはまた共生というものが二十一世紀の日本の新しい価値として必要であるという流れは、私は非常に多く、大きく今流れ始めていると思います。
 そういうふうな総合的な観点を考えますと、私どもは、農業、林業、水産業というものを担う、私はこれを命、循環、共生という三つのキーワードにしておりますが、特にその農業、林業、水産業を担う集落を美しい集落にきちっと政策体系を作って、国民の価値として政策を遂行していくというその姿が今必要ではないか。こういう観点から、今、概算要求までに国交省の皆さん、総務省の皆さんとももう一度あらゆる土地関連法も整理、勉強をいたしながら、美しい集落を作る、こういうことに政策体系を勉強しようではないかといって、第三者の学者の皆さんや様々な方々を入れて大変積極的に今勉強をさせていただいているところでございます。
 そういう美しいという概念をどう持つかから始めて今議論しておりますが、そういうことによって都市と農村、漁村、中山間の対流あるいは共生が一層進む。そのときに大事なことは、農村、中山間、漁村だから決してクローズしちゃいかぬということだと思うんです。オープンなマインドも必要でございますし、また土地利用の面においてもそういうものを考えていかなきゃならぬ。
 そういうことで、そういう政策体系に向けて今全力を尽くしておりますので、また与党の皆様方とも議論をさせていただく機会があろうと思いますが、先生の長い間の御経験等々も踏まえながら、是非また御助言をいただければと思います。
#44
○段本幸男君 今、大臣おっしゃった、農村がオープンな、クローズをしちゃいかぬ、是非オープンにしながら新しい役割を果たしていこう。もう大賛成で、我々与党ももう全員、恐らく野党も一緒だと思うんです。国会挙げて応援していきたいというふうに思っております。
 その中で、その延長線上に考えるならば、私はこの都市と農村の共生・対流というのは、ただ一農村の問題として取り上げるよりは、先ほど言いましたように、医療とかいろんな問題を考えると、むしろ国民全体の大きな流れ、国民運動としてそういうものを持っていくべきではないか、こんなことを感じるんです。
 かつて国鉄時代に、ディスカバージャパンみたいなものをやって、国民が流れ、いろんなことを知る、こういうキャンペーンをやられて大きな流れになったことがありました。同じように、やはり内閣として、今日は総理大臣おられませんけれども、是非内閣として国民運動の格好で、そしてこれは日本経団連の方も、あるいは連合の方も、連合も既にそういうこと、動き始まっていると聞いておりますので、国民運動の形でそれぞれがいやしとか健康とか幸せとか意識しながら、農村の人たちもそれに受け答えるような新しい流れを作る必要があると思うんですが、この点についての大臣のお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。
#45
○国務大臣(大島理森君) いささか私の経験からいたしましても、農村整備という視点は農業者のための農村整備という視点と考え方が多かったと思います。しかし、二十一世紀は、今、先生がお話しされましたように、また私が先ほどお答えを、そして考え方の一端を申し上げさせていただきましたように、美しい農村、漁村あるいは中山間村、これをしっかりと残しておくことが国民の財産であると。だとすれば、今、先生が様々具体的な諸団体名をお話をいただきましたが、正に国民の合意、国民の理解、そして国民が求めているものは何かという視点をしっかり踏まえてそういう事業に取り組んでいかなければなりませんし、先生からの御指摘でもございますので、もちろん、私は先ほど与党ということを言いましたが、それは議院内閣制という意味でそう申し上げたのでありますが、正に国会のすべての政党の皆様方とも御指導、御鞭撻をいただきながら、そういう美しい集落政策というものの体系を作り、そしてまた御議論いただき積極的に進めてまいりたい。そして、国民の価値として、国の価値として二十一世紀、そこをしっかり作っておくことが我々の責務であると、このようにも思っております。
#46
○段本幸男君 次に、農政課題の中、最後なんですけれども、トレーサビリティーについて少しお伺いしたいと思います。
 農畜産物についてまず始めて、そしてすべての農産物についておやりになるというふうなことを伺っております、始まろうとしておりますけれども、その実施に当たって、かつて有機認証をやったときはヨーロッパの制度をどちらかいうとそのまま持ってきてやられた。その結果が必ずしも余りうまく日本では機能していない。それは先ほど言いましたように、ヨーロッパは乾燥農業に対して、日本は湿潤農業ですからうまく合わなかったという部分があったんではないかと思うんですね。やはりその国の流通制度も恐らく違うんだろうと思うんですけれども、そういうものを見てくると、必ずしもヨーロッパの制度をそのまま入れるだけではうまくいかない部分、大いにあるんではないか。その有機認証の反省なんかを踏まえつつ、日本型というものをこの際検討いただければというふうなことを考えているんですけれども、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#47
○国務大臣(大島理森君) 段本議員お話しされますように、ヨーロッパ型の流通システムと日本の流通システムは、IT化、Eコマースの世界がどんどん入ってくることによってかなり似通ってきている部分もありますが、かなり違うところもまだ現存としてあるわけでございます。
 しかし、食の安全と安心という、そして信頼というこの視点は我々に課せられた大きな政策課題だとするならば、これも先ほど横文字がどうだこうだと申し上げましたが、トレーサビリティー、一体トレーサビリティーというのは何と訳せばいいんだと。履歴、披露、何とかかんとかとこう言いますが、要は流れを国民の前に知ってもらう、こういうことだと思いますけれども、このトレーサビリティーという思想、考え方はやはり必要である。したがって、私ども、日本の流通形態、生産形態に合ったシステムにしていくということで、そういうことを踏まえたシステム導入というものを考えていかなければならないと思います。
 したがって、スーパーだけでなく、農協、漁協、生協、卸売業協の多様な事業者の参加を得て、モデル的なシステム開発や実証試験に今、取り組んでおりまして、そういう実証試験を重ねながら、先生のおっしゃる日本の姿に合ったトレーサビリティーの在り方を考えていくということをしてまいりたいと思っておりますが、まず今度の国会では牛肉、これについては、もう御承知のように、個体情報が正確に伝わるようにしていくという、法律でまず牛肉だけはやらさせていただきますけれども、そういうことを考えながら日本の状況に合ったトレーサビリティーのシステムを作っていく責務があると思います。
 今年度の予算において、青果物や米につきましては生産から販売に至るまでの情報関連機器の導入支援等を措置いたしておりますので、急がなければならないことは承知でありますが、急ぎ過ぎて日本的ものに合わない仕組みを作ってはいかぬ、御指摘のとおり注意して進めてまいりたいと、こう思っております。
#48
○段本幸男君 是非、しっかりお願いしたいと思います。
 次に、環境問題に移らせていただきたいと思います。
 まず最初に、廃棄物処理とリサイクルの関係について少しお尋ねさせていただきたいと思います。
 環境省のいろんな努力で法整備がされてかなり整ってきたというふうに思っていますけれども、しかしそういう法整備がされると、今度は不法投棄者は非常に小口化したり悪質化したり、いろいろまた違った問題が出てきているんではないかというふうに思っております。
 今回の法整備で特に少し漏れているようなんですけれども、自社処分地というのがどうも抜け穴になって、私も先ごろ、千葉の四街道というところに住んでおるものですから現地見に行かせていただきましたが、自社処分地というのが大変なんだ、都市近郊のそういうところにもうどんどん出てきているようになった、こういうふうな話を伺いましたが、これについての対策について、環境省の方からお聞かせ願いたいと思います。
#49
○国務大臣(鈴木俊一君) 産業廃棄物の不法投棄について、それが小口化、悪質化しているのではないか、また自社処分と称するところに問題がある、その取組はどうかということだったと思いますが、産業廃棄物の不法投棄を見てみますと、ここしばらくの間は毎年大体一千件、量にいたしますと四十万トンということでずっと推移をしてまいりましたけれども、平成十三年度におきましては、量は二十四万トンに減りましたけれども件数が増えているということで、先生の御指摘のように小口化をしているという傾向がございます。そして、実際に不法投棄を監視をいたします都道府県の担当部局の方のお話を聞きましても、やはり小口化、悪質化しているということも言われております。
 そこで、先生が特に自社処分場の対策が不十分ではないか、今後どうするかということでございますけれども、この自社処分場で自らの廃棄物を処分する場合でありましても法に基づきます産業廃棄物処理基準あるいは保管基準は適用をされます。そして、この基準に違反したときには都道府県知事は事業者に改善命令を掛けられることになっております。さらに、無許可で他人の廃棄物を受け入れ、処分した場合には不法投棄と同様の罰則が適用されるということになっておりまして、まずはこの廃棄物処理法上の厳格な運用というものが求められるのではないかと思います。
 さらに、今後の問題でございますけれども、自社処分と称する不適正処理への対策を徹底するために、今度、産業廃棄物の運搬車両であることを示すステッカー表示、あるいは自社処分等を明らかにするための書面の備付けなどの義務化、こういうことにつきましても政省令の改正によって検討をしてまいりたいと考えております。
#50
○段本幸男君 イタチごっこみたいなもので大変だと思いますが、是非頑張ってやっていただきたいと思います。
 その不法投棄防止に関しては、やはりなかなか悪質なものですから、各界各層の人がいろいろ力を結集しなきゃいけない。特に、監視みたいになると、NPOでやはり頑張っている人たちがいろいろいる。そういう人たちの力をどううまく入れて、そういう人たちが動きやすいような場を作ってやるか。あるいは、私が聞いたときは、千葉県なんかに聞くと、もうこれだけ不法投棄が多いと県の職員も大変でとても人が足りないんですよと泣いていました。
 やっぱりそういう部分にうまくどういう形でやっていけるか、こういうことが大変重要なんではないかと思いますが、この辺についての対策を環境省の方からお聞かせ願いたいと思います。
#51
○政府参考人(飯島孝君) 先生御指摘になりましたように、不法投棄対策、まず大事なことは、未然防止、拡大防止の徹底でございます。そのための監視体制の充実を図るということが一番大きな課題であろうと思っています。
 現在、各都道府県における体制は年々強化されてきておりまして、担当の職員数が平成八年と十三年を比べますと一・五倍に増加しております。また、その中身でございますが、全都道府県、ほとんどの都道府県保健所設置して、産業廃棄物部局に警察関係職員が配置されるようになっております。
 また、職員以外のお話でございますが、いわゆるNPO等を含めまして嘱託の監視員やボランティアの監視員が三千六百人おりますし、民間の委託監視員、これ一年間の延べ人数でございますが、十三年度末には一万九千二百人になっております。こうした方々の働きが不法投棄の未然防止に大きな力となっていると認識しております。
 環境省といたしましては、こうした民間を活用した監視体制を一層強化するために引き続き国庫補助の支援を行っていくこととしておりますし、また、来年度、十五年度予算に計上しております不法投棄事案対応支援事業、これは専門家、法律あるいは企業会計、あるいは警察関係、こういった専門家を環境省が派遣いたしまして地方公共団体の職員の調査の業務を支援しよう、こういう試みでございます。
 また、今国会に提出しております廃棄物処理法改正法案に盛り込んでいるところでございますが、国の調査権限、これを新たに創設いたしまして、不法投棄未然防止のための体制の整備を進めていきたいと思っております。
#52
○段本幸男君 もう一つ、リサイクルについてお伺いしたいんですが、二十一世紀はリサイクル社会だというふうに言われております。ここでは拡大生産者責任、こういったものが非常に重要なテーマになるんじゃないかと思いますが、今回の法改正では、業界の反発が大きいというふうなことでどうも見送りになったようでございます。
 しかし、私が思うには、こういう拡大生産者責任みたいに当座非常に苦い、こういうことでも日本産業の長い目で見たときには大変役に立つんではないか。例えば、日本の車、排ガス規制をいち早く取り込んで、その非常につらいことをやっていった結果、今、アメリカにおいて日本自動車が非常に力を持っている、こういう状況を作り出していく。拡大生産者責任についても、当座苦しくともそういうものをきちっと誘導していく、行政誘導というんですかね、そういうものが必要になるんではないかと思うんですが、経済産業省はどういうふうにこれに取り組んでおられるか、お聞かせ願いたいと思います。
#53
○副大臣(高市早苗君) 確かに、これまでは環境への配慮というと、どうしてもコストが掛かるということで負のイメージでございましたけれども、最近、日本国内においてはこの国民の環境に対する意識の高まりがございますので、品質ですとか価格ですとか、こういったものに加えて環境に対する配慮というのが一つの商品の価値になっております。競争力に結び付いてきていると言えますし、そしてまた民間企業の方もこの辺に着目をいたしまして、環境に対応した商品作りということでかなり投資もしていただいているようでございます。
 今後、国際市場の中での競争力ということを考えますと、私は、最初に苦労をしてでも、高い基準を設定して、環境に対する配慮というものをきちっと商品の中に盛り込んでいくと、それがグローバルスタンダードになったときに非常に強い競争力を持つ、先駆者としての競争力を持つ、こういう見方ができると思います。
 そのためには、できるだけ日本以外の、日本からの輸出相手に対しても同じような価値観を持っていただくための努力というのも必要なんでございます。グリーンエードプランなどで、御存じのとおり、例えば今でしたらタイですとかマレーシアでこのリサイクルの方法、こういったことについて専門家を日本から派遣いたしましたり向こうから勉強に来ていただいたりして、とにかく日本の取引先にそういう意識を高めていただくことで、確実に日本企業の競争力というものを増やしていく応援を政府もできると思っております。
#54
○段本幸男君 大変重要なことで、我々もしっかり応援していきたいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 次に、環境教育について少しお伺い、お聞かせ願いたいと思います。
 二十一世紀、環境の時代と言われておりますけれども、その日本の社会を作っていくには、今現在見ていると、世の中を見ていると、車から缶はぽい捨てだ、たばこの灰皿その辺の道路に出していくわ、もう目に余るような状況になっている。このためにはやっぱり教育というところでしっかり環境というものを位置付けてやっていく必要があるんではないかと思うんですが、この辺の取組について文部科学大臣からお伺いしたいと思います。
#55
○国務大臣(遠山敦子君) 未来を担う子供たちが環境問題についてしっかり理解いたしますとともに、自らも行動できるようになるということが大変大事だと思っておりまして、学校教育の充実を図っていかなくてはならないと思います。
 その角度から制度面で、今年度は大変意味があるわけでございますが、一つは、平成十四年度から新しい学習指導要領が実施されることになりましたけれども、その中におきましてこれまで以上に理科、社会科などの教科で環境問題を扱うようにいたしておりますし、それから総合的な学習の時間というのを導入いたしましたが、そこにおきましてもかなり実施されております。小学校の六割、それから中学校の四割の学校におきまして、環境問題を総合的な学習の時間に取り組んでおります。
 そこでの教育の特色といたしましては、これまでなかったような、実際に子供たちがごみにかかわるような、例えばごみにかかわるような施設に行く、焼却場はもとより再処理工場に行ったり市役所に行ったり、自分たちが行くことによってしっかりしたその体験的な理解をし、そして行動すべきことを身に付けていくということで、かなり教育の仕方も変わってまいっております。
 加えて、私どもといたしましては、心のノートというのを各すべての子供たちに持たせております。その中にも、ぽい捨てなぞをやめましょうから始まって、環境問題に自ら協力するようにということでやっております。
 また、環境省とも連携いたしまして、平成十五年度予算案におきましては環境教育推進グリーンプランを実施することにいたしております。
 このような形で学校教育における環境教育の充実に更に努めてまいりたいと思います。
#56
○段本幸男君 その場合に、実際には、教師の方が大量生産大量消費時代に出てきた教師ですから、環境そのものを余りよく分かっていないんではないか、むしろそこのところをきちっとやらないかぬではないかと思うんですが、その辺の取組についてお聞かせ願いたいと思います。
#57
○政府参考人(矢野重典君) 学校における環境教育を一層推進するためには、正に御指摘のとおり、その直接の担い手でございます教員の指導力の向上というのが大変大事であるわけでございます。
 このため、文部科学省におきましては、従来から、教員の指導力向上を図りますために、教師用指導資料の作成、配付を行いますとか、あるいは環境教育の指導的立場にある教員等を対象に講習会を開催いたしまして、学校における環境教育に関する指導内容等についての研修を行っているところでございます。
 さらに、平成十五年度予算案におきましては、これまでの研修会に加えまして、環境省との連携協力によりまして、教員等を始めとする環境教育、あるいは環境学習の指導者に対します指導者養成基礎講座というのを新たに開催することといたしているところでございまして、今後ともこのような取組を積極的に推進いたしまして、教員の資質向上を図り、環境教育の一層の充実に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#58
○段本幸男君 そこで、北欧辺りではこの環境教育のためにNGOなんかをうまく取り入れながらやっておられる、それが非常にうまくいっているという話を伺っております。私も、先ごろ、岐阜県の白鳥町というところに行きましたら、蛍博士というその辺のおじさんがいて、それが学校と生徒を入れて、先生なんかと一緒に蛍の再生に取り組んでいました。これが非常にいい子供たちに影響を与えているんだと先生はおっしゃっていました。
 こういう事例を文部科学省はきちっととらえておられるんでしょうか。また、そういう事例をどう生かそうとされているのか、今後の取組をお聞かせ願いたいと思います。
#59
○政府参考人(矢野重典君) 学校における環境教育を充実するために、個々具体の指導の場面におきまして、環境問題の専門的な知識あるいはノウハウ等を持つ環境分野の、先ほど御指摘がございましたが、NGOあるいはNPO等の外部の人材、学校以外の外部の人材を積極的に活用することは大変有意義であると私どもも考えているところでございます。
 例えばでございますが、総合的な学習の時間におきまして環境保全活動を行っている地域のNPOと連携をして使用済みの食用油の回収、菜の花の種まき、菜種の収穫等の活動を行っている事例でございますとか、あるいは池や森などの学校ビオトープ作りで地域のNPOの協力を得ている事例等々多くの事例があるわけでございまして、文部科学省といたしましては、このような優れた実践が全国の学校で積極的に展開されますように、こうした実践の成果の普及に努めてまいりたいと思っておるところでございますし、こうしたことを通じて各学校の取組を私どもとしても支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
#60
○段本幸男君 是非、強力指導をお願いしたいと思います。
 次に、クリーンエネルギーについてお尋ねしたいと思うんですが、原子力発電が今こんな状況になっている折に、クリーンエネルギーの取組というのが非常に重要になってきていると思うんですが、この取組をどういうふうにしておられるのか、経済産業省にお伺いしたいと思います。
#61
○副大臣(高市早苗君) 風力発電ですとか太陽光発電、バイオマス、こういった新エネルギーにつきましては、地球温暖化への対応、それからエネルギーの供給源の多様化といった面では非常に重要なことと認識いたしております。
 新エネルギーの関連予算でございますが、平成十五年度の予算案では前年度に比べて何と百十九億円増の千五百六十八億円を計上いたしておりまして、これは地方自治体ですとか事業者に対する導入補助、施策の強化拡充というのを図るものでございます。
 それから、昨年の通常国会で御審議をいただき制定されましたRPS法でございますけれども、これに基づきまして電力分野における新エネルギーの更なる導入拡大に努めてまいるつもりでございます。
 今後とも、新エネルギー源ごとの特性ですとか課題に応じまして施策を打っていきたいと思っております。
#62
○段本幸男君 今、副大臣のお答えになったRPS法なんですけれども、これは電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法というんですか、これで新たに数値目標を出されたというふうに伺っておりますけれども、一・三五%だったですかね、出されたと伺っておりますが、これだけでは私は不十分だと思うんですね。やはり、幾らその電力の買わないかぬ量を決めたって、そのコストが採算に合わないようなコストでは、風力やろうかというような雰囲気にならない、バイオマスエネルギーをやってみようという雰囲気にならない。
 やはりコストについて、西ドイツ、ドイツが買取り価格を、例えば、今、石炭でやれば五円かもしれませんが、あえて十三円ぐらいで買うような、そういうコストをうまく設定することによって促進されると思うんですが、こういう行政指導を経済産業省はしっかりやるべきだと思うんですが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
#63
○政府参考人(岡本巖君) 新エネで発電されました電気の購入につきまして、私ども、その購入条件というのは各電気事業者が自ら自主的に設定をして公表するというのが適当ではないかということで、国がこれに関与するということは直接的にはやっていないところでございます。
 このコストを下げるという点について、私ども、技術開発の面でまずいろんな予算を使いまして応援いたしますと同時に、導入の初期段階ということでもございますので、民間あるいは地方公共団体による風力でありますとか太陽光でありますとか新エネルギーの設置に要する費用の一部について補助をするということで支援を申し上げているところでございます。
 固定費制度ということ、固定価格を設定するということについてもRPS法の御議論の中でも検討の対象になったんですけれども、やっぱりコストを下げるということに向けての事業者の動機付けが強く働かなくなるんではないかということで、利用目標という大枠をRPS法に基づいて設定をして、その下でどういうエネルギーを選択するかというのは、コストもにらみながら事業者の自主的な取組を促していくということが今の法律の趣旨かと思いますので、その方向に向けて事業者を引き続き私どもも指導してまいりたいと考えております。
#64
○段本幸男君 必ずしも得心しませんが、この件についてはまたゆっくり議論させていただきたいと思います。
 次に移らせていただきます。
 障害者対策についてお聞かせ願いたいと思うんですが、二十一世紀、あらゆる者が一人では生きていけない、いわゆる共生社会に入っているんじゃないかというふうに思います。しかし、障害者問題は、今まではどちらかいうと障害者を隔離する方向で持ってきておりましたが、これからは、二十一世紀は、むしろ障害者が社会に出て、それを受け入れる、それも障害者が社会に慣れるんではなくて健常者がむしろそういう障害者が入ってくることに慣れる、そういう社会を作っていくことが求められている。世界もそういう方向に動いているんじゃないかと思うんですが、先ごろも共生社会の現地調査で現地見せていただきましたが、必ずしもそういう頑張っている人が報われるような状況にはなっていない、いろいろ御苦労も多かったようなものを見せていただきました。
 今、障害者対策についてどのようなことを取り組んでおられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#65
○政府参考人(山本信一郎君) お答えいたします。
 これからの社会におきましては、今、委員お話しのとおり、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う、いわゆる共生社会を形成していくことが必要であると考えております。
 政府といたしましては、このような基本的な考え方に立ちまして、昨年の十二月に、一つは、新たに平成十五年度から十年間の施策の基本的方向を定めます障害者基本計画、それからこの計画の前期五か年間に重点的に行う施策とその達成目標を定めました重点施策実施五か年計画を策定したところでございます。
 今後、これら計画に基づきまして障害者施策の着実な実施が図られるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
#66
○段本幸男君 必ずしも不足で、むしろ障害者差別禁止法みたいなものを作るべきだと思うんですが、これはまたゆっくり議論させていただきたいと思います。
 最後に、構造改革特区についてお伺いしたいと思います。
 構造改革特区につきましては、地域の活性化の特効薬ではなくて、むしろこれを通して地域の人がどうやって生きていくかというアイデアをどう出していくか、このことが非常に重要だと思うんですね。大臣もかねがねそういうふうなことをおっしゃっていると思うんです。
 しかし、一次、二次案出てきたところを見せてもらいますと、必ずしも出るところは一杯出ているし、出ないところは全く出ていない、こういう状況の中では、やはり地域活性化についていろいろと課題も多いんではないか。この辺をどういうふうな格好で新たな地域活性化へ結び付けようとしていかれるのか。
 特にこの問題は、市町村の広域合併が行われているように、非常に新しいできた町が活力を持つかどうかという意味でも非常に重要なテーマだと思うんで、この辺についてのお考えを最後にお聞きして質問を終わらせていただきたいと思います。
#67
○国務大臣(鴻池祥肇君) 地域市町村合併につきましての連動というものは、この特区の構想とは別物でございます。
 特区の構想というのは、もう何度も申し上げる必要はございませんが、官から民へ、中央から地方へと、こういう流れを作るために大変大きな問題であります規制改革をやる、しかし、これがなかなか進まないので地域に限って、特別区域に限ってやってみたらどうかというのがこの構想であることは委員御承知のとおりであります。
 あめやむち、あるいはささやきで、出しませんかということは一切こちらの方から申し上げておりません。地域の熱意あるいは民の熱意が、結晶として規制緩和、あるいは特例を設けてほしいというのが我々に参ってきたものを中央省庁と調整役をしているところでございますが、第一次募集は四百二十六、第二次募集が六百五十一ということで、徐々に大きくなってまいりましたことは大変結構なことだと思います。しかし、全く出てこない地域もございます。あるいは大変熱心なところもございます。
 これは、どうしてかということはよく分かりませんが、やはり地域によりましては、中央の官庁の方がなかなか難しいことを言うんではないかというあきらめのムード、あるいは、一部ではございますけれども、中央省庁の方が、おれたちが官を引っ張っていっているんだ、あるいは規制をすることによって業界がうまくいっておるじゃないかという、間違ったというか思い上がったというか、こういう考えの一部ところもございます。それに対して特区構想でお願いしたいというのは、いわゆるそれに対する弓を引くということでありますから、極めてそういったところでびびっておるところがあるのではないかと思います。
 ただ、今回、第一次提案が、四月中ごろにいわゆる第一号の特区として世間に現れますから、これを見ておった地方の方々、地域の方々あるいは民の方々が、よし、それならばこっちも出してみようというようなことで地域の活性化につながっていくと、これを信じているところでございますので、是非とも、委員始め皆さん方の御支援を引き続きお願いを申し上げたいと思います。
 以上です。
#68
○段本幸男君 ありがとうございました。質問を終わります。
#69
○委員長(陣内孝雄君) 以上で市川一朗君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#70
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十五年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。若林秀樹君。
#71
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林秀樹でございます。
 まず、大島大臣に伺います。毎回の御登場、御苦労さまでございます。改めて、政治不信を招いた責任についてお伺いしたいと思います。
 私、最近見たアンケート結果でショックだったのは、これ読売新聞の青少年を対象にしたものなんですが、七五%の方が将来が暗いと見ていると、日本の将来は。七五%の方が頑張っても報われないという話がありました。正に私はこれを見て愕然とした気持ちになりまして、私はやっぱり政治の責任であり、政治の出番ではないかというふうに思うんですけれども、逆にその若い人たちが、九〇%が正にその政治をリードしなきゃいけない政治家を信用していないというアンケート結果が出ております。
 この数字を聞かれまして、疑惑を招いていらっしゃる御自身の責任と今後の出処進退も含めてお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(大島理森君) 今日まで国会等で様々な御質問等をいただきました。そしてまた一方、週刊文春、この週刊誌がずっと書き付けて今日まで来ております。
 私自身、問われてお答えをしなければならないことは、秘書、元秘書の問題等を含めて資料も出させ、そして、もちろんのことでございますが、プライバシーにわたることも出させ、できるだけの資料を出させ、報告を受け、そしてお答えをしてまいりました。一方、報道された部分について、事実、それと違い、裁判の上で提訴いたしたものもございます。
 そういう状況の中で、いずれにしても今日までのこの国会で、そういう私の元秘書等にかかわる、ほとんどその二つからの問題、二人の問題でございますが、議論されて、私自身が質問を受け、お答え、答えさせていただくという、そういうこと自体において、私自身も先生方から御指摘をいただいて反省をしなきゃならぬ点もあるな、また正していかなきゃならぬ点もあるなと、こういう思いの中で自省すべきもとは深く自省し、不徳の致すところでそういうことになった部分は、これは大変皆様方に国会運営等でも様々な御心配掛けておることに本当に心痛み、ある意味では申し訳ないという思いもございます。
 特に、私は、様々な御議論、御指摘をいただいた上で、去年のこの予算委員会でございましたでしょうか、先生方それぞれ大変有り難い御指摘と御注意いただいたんですが、佐藤道夫先生が、おまえは人を見る目がないんだというふうな御忠告というか御意見をいただきました。その言葉が特に私の耳に今残っております。
 いずれにしても、身を律して、先ほど来申し上げた日本の農政課題にしかと立ち向かっていくことが、先ほど先生がお話しされた、政治というのはある意味ではその結果に対して国民に説いていかなきゃなりません。そういう意味で、そのことに全身全霊を傾けて努力する、そのことが一つ今、先生から言われたことに対する答えであり、また質問があればできるだけ誠実にお答えをして調査すべきものはしていくという、そういう姿でいくことが私の責務であり、なお一層身を律してそういうことに努めることが私の責務であろうと、このように思っております。
#73
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 是非とも、御自身の疑惑を解明するということに対して併せて全身全霊で努力するということで、これからの集中審議等ありますので、誠実に対応していただきたいというふうに思います。
 次の質問に移らさせていただきますので、もし大島大臣よろしければ。
 イラク問題でございますが、私はこの一か月半ほど、小泉総理、川口大臣等の我が国の対応に対する態度ということで、やっぱり明確にしていなかったんではないかということで、その討論のやり取りを聞いていてもう本当に情けないというか失望し、また最近では憤りさえ感じているところでございます。世論は間違えることがあるというのは否定できない面も、そういうこともありますけれども、やっぱり国民に対して日本の政府の考え方を説明していないことが私は最大の問題ではないか。そんなことも言う前に、我が国はどうなんだということをきちっとやっぱり説明する私は責任があるんではないかなというふうに思いますので、どうか今日は逃げないで答えていただきたいなというふうに思っています。
 イラク問題も、ある場面では本当最終局面に来ています。ここが私は、川口さんの、大臣の答弁を聞きながら、やっぱり国民にきちっと説明してもらうということが必要じゃないかなというふうに思いますので、どうか建前の議論ではなく、国会答弁のための答弁ではなく、しっかりと真正面から受け止めて、そこは答えていただきたいなというふうに思っているところでございます。
 まず、最初にお伺いしたいのは、十七日が外交努力最後の日というふうに言われて、ブッシュ大統領が言われているわけでございますが、場合によっては十数時間後に、国連の決議を採択するのかどうか分かりませんけれども、ブッシュ大統領が最後の通告を行う可能性があると。そこまで事態は切迫しているわけでございます。そういう状況において、国連決議なくして、あるいは国際社会の合意をなくして武力攻撃に出るアメリカを支持するのかどうか、お答えいただきたいなと思っています。
 もうこの場に及んで、最後まで平和的解決を望むとかプレッシャーを掛けることは大事だということを言っているもう場合ではないです。もうこの場で、三月十七日のこの一時にふさわしい外務大臣としての言葉をお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(川口順子君) 最後までプレッシャーを掛けるとか、ということを言っている時期ではないというふうに委員おっしゃられましたけれども、私は正に今これが最後の、何時間かあるいは何日かという雰囲気が伝わってくる中で、今やこれを最大限の圧力としてイラクに働き掛ける、これがまず日本がやるべきことであるというふうに思っています。そういう意味で、イラクに対して強く働き掛ける、イラクにこたえることを強く求める、これが我が国がまずやらなければいけないことだと思います。
 私は、今晩フランスのドビルパン外務大臣と電話をしたい、しようということに今なっていまして、先日もいたしましたけれども、引き続きそれをやろうと思っています。それから、何といってもこれはイラクに掛かっていることでございますので、イラクにどうやってそのメッセージを再度伝えることができるか、これは今調整中といいますか、検討中でございます。
 そういった最後の圧力を掛ける外交努力をするということで国際社会、国際社会といいますか、その三か国が、四か国ですね、一致をしたということについて、我が国としてはこれを高く評価をしています。できることをすべてやらなければいけないと思っています。
#75
○若林秀樹君 私も最後のプレッシャーを掛けるということを否定しているわけじゃないんです。しかし、掛けるけれども、もう十数時間後にはその判断をしなきゃいけない。そのときにアメリカが、国連決議なくしてあるいは国際合意なくして武力攻撃に出るということを、出たら、日本ではそれでも支持をするのかということをお聞きしているんで、アメリカは一四四一とかといろいろ言ってきますけれども、国際合意としてこの新しい決議を否定しているわけですから、それに対して、アメリカは更に攻撃をするということに対して支持をするのかということに対して、もうこの際、明確に言っていただきたいんですよ。
 もう週末からいろんな自民党の幹部の方がやっぱり日米同盟重視せざるを得ないということを言っているわけですから、ここで言わないと分からないんですよ、私は。世界各国のいろんなリーダーをテレビで見ればみんな分かるわけですよ。こんなに近い距離にいる私自身が分からないんですから、国民が分かるわけがないと思います。もう一度お願いします。
#76
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃられる、そういうふうに思われる気持ちというのはよく分かりますけれども、これは、というか、そういうふうに思いを持たれる方がいらっしゃるであろうというふうには思いますけれども、我が国として、今までも申し上げてきましたけれども、この最後の段階にある努力をするということが重要であると思います。
 一四四一の後、新しい決議を今議論をしているわけですけれども、この意味、これが仮に採択をされない、賛成にならなくて採択をされない、あるいは拒否権を発動されたらどうかという議論については、その新しい決議というのは、イラクが今まで数々悪いことをやってきた、やってきましたねということを再度確認をするという意味があるわけですけれども、武力の行使云々ということから言えば、これがなければ武力の行使を容認できないかと、これが必要かということについては、これはそういう性格のものではない、そういう決議であるわけですね。今までやってきた六八七違反であるとか、あるいは一四四一に書かれたように十分にイラクが報告をしなかったということについて、これは更なる重大な違反であるということになるわけですから、一四四一によって。したがって、仮にこれが採択をされないということがあったとして、その場合、アメリカが武力行使をしたらどうかという、それが国連の決議に違反しているかというと、それはそういう性格のものではないだろうというふうに考えております。
 それで、一般的に、それならば何で武力の行使が容認できるのかということについて言うと、これは今までも申し上げていましたように、六八七の基礎を揺るがすということであれば六七八があるということが一般的には言える話であるということでございます。
 したがいまして、我が国が、武力行使をアメリカがするとして、それを容認するかどうか。これは今後の安保理での議論、あるいはイラクが今後の短い間にどれぐらいのことをやるか、前向きにやるかといったようなこと、これを見る、なお見極める必要があるというふうに思っております。
#77
○若林秀樹君 いや、もう十数時間後に最後通告をしようという時期ですし、確かに、それからイラクが大量破壊兵器破棄に応じるかもしれませんけれども、そうでない場合にはもう武力攻撃に出るということを言っているわけですから、それに対して我が国はどうなのかということを何で明確にしないんですか。
 民主党の考えは、これは新たな国連決議なくして武力攻撃反対で査察継続というのは明確なんですけれども、それに対してどうなんだということをきちっと言わなきゃいけないと思います。
 次の質問なんですが、国連中心主義といいながら安全保障においては日米同盟を優先せざるを得ない理由は何かという、これは通告したので一応簡単に答えていただきたいと思います。
#78
○国務大臣(川口順子君) 我が国の安全保障問題、これに関して日米同盟といいますか日米安保条約、これが根幹の問題であるということは言うまでもない。したがって、安全保障問題を考えるときに日米同盟というのは非常に重要な関係であるというふうに考えます。
 それから、国際協調の点ですけれども、イラクの問題については国際社会が協調して一四四一を全会一致で通し、イラクに問題があるということを言ったわけです。国際協調はきちんと守られている。今、意見の相違があるのは、それに対してどういうふうに対応するかということで意見の相違は現在の時点であるわけですけれども、日米同盟と国際協調というのは、基本的にこれは、国際協調の中で日米同盟というのは同じ考え方をする二つの国ですから、それがイラクが悪いという、イラクが対応すべきであるという国際協調の形が表れている一四四一、そして日米同盟、この二つを両立させる、そういう努力を日本としてしているということです。
#79
○若林秀樹君 そういう答えも返ってくるんではないかと思いまして、私は川口さんのために答弁書を作ってきたんです。大臣だったら今この時期にこう言ってもいいのかなと、これはこれまでの政府の流れから言うとそうなのかなというふうに思いますので、具体的に言いますからどこが違うか言ってください。
 これまで国際協調と日米同盟の両立を目指し努力してきたが、それも限界に来たと。国連中心主義は今後とも我が国外交の基本であることには変わりはないが、国連はすべての事態に対して必ずしも万能ではなく、北朝鮮等の脅威を抱えた我が国の安全保障のよりどころとして今回のような状況で日米同盟を重視することは、国民の生命と財産を守ることを課せられた主権国家日本として当然の判断である、これについてはどうですか。
#80
○国務大臣(川口順子君) 今、ぱあっと読まれたので全部を直ちに理解したかどうかよく分かりませんけれども、私の考えは、日本の安全保障を考えるときに日米安保条約というのは日本にとって重要な基軸ですから、日米同盟は非常に重要であるということと、それから国際協調、これは、日本は世界の多くの国が平和で安定をしているということによって生存が可能になっている国なので、国際協調も同様に重要であると、そういうふうに考えるということです。
#81
○若林秀樹君 いや、それは、両立を目指すのはそれはもう当然なんです。これは理想なんです。ここまで努力してきたけれども、最後のチョイスとして日本の安全保障を考えたときに、外務大臣としてこの三月十七日に発する言葉として私はこれを用意して、これについてどうなのかという、優先、どっちかを重視せざるを得ない状況まで来ているわけですよ。それに対してはっきり答えないと駄目じゃないんですか。
#82
○国務大臣(川口順子君) そのお答えは先ほどしたわけでございまして、イラクの問題が国際社会にとって重要な危機であるということについて、一四四一において、国際協調によってこれは全部の国が賛成をしているわけです。したがって、イラクの問題に対応するときに国際協調は存在するんです。日米同盟も大事ですし、国際協調も存在をするわけです。
 今、違うのは、この問題にどう対応するか、要するに、例えばどれぐらいの時間を掛けるかとか、その時間を短くていいとか、あるいは現状認識ですね、この問題が査察を強化することによって解決できるのかあるいはできないのか、そういった手段について、あるいは現状認識、手段の前提になる現状認識について違っているということを先ほど申し上げたわけです。
#83
○若林秀樹君 大臣の答弁は、ますます分かりにくく感じたところでございます。
 一つ聞きますが、新聞の記事で、外務省は十六日、竹内次官、西田総合外政局長らが出席して幹部会を開き、決議なし攻撃でも米国支持を確認したという新聞報道が出ておりましたが、これは事実でしょうか。
#84
○国務大臣(川口順子君) こういう時期ですから、当然様々なことについてどう対応すべきかという頭の体操はしているわけでございます。昨日もかなり多くの幹部が出勤をしておりますし、私も役所には出ませんでしたけれども、一緒に議論をいたしております。
#85
○若林秀樹君 ちょっと、事実かどうか。
#86
○委員長(陣内孝雄君) 川口外務大臣、続けてください。
#87
○国務大臣(川口順子君) ですから、先ほど申し上げましたように、昨日十六日は、こういう時期ですから、様々な問題を議論するために幹部が集まって議論をしていましたということは先ほど申し上げたとおりで、私も役所には出ませんでしたけれども、自宅にみんなに来てもらって議論はいたしております。
#88
○若林秀樹君 決議なしで攻撃した場合に米国支持を確認をしたというので、確認をしたかどうか。それはいろんな想定をしているけれども、そういうことも想定の一つに入れてこういう対応をしようということも含めて確認したのかどうか。
#89
○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
 昨日、竹内次官のところで事務方の会議をしたのは事実でございます。私も出席しておりましたので御答弁を申し上げますけれども、ただそこで、今、若林委員がおっしゃったようなことを確認したという事実はございません。詳細については、これはもちろん事務方のいろいろな打合せでございますから、詳細については差し控えさしていただきます。
#90
○若林秀樹君 だから、大臣も最初からそういうふうに答えてくれれば別に事務方に聞く必要はないのであって、いや、そういう、ちゃんと私の質問に対してきちっとやっぱり誠実を持って真正面から答えていないんですもの。それは分からないですよ、それは。だから、なけりゃないで否定すりゃいいわけですから、その事実関係を確認しているだけなので、今後、これからの質問もそういう観点で聞いていただきたいと思います。
 次の質問なんですけれども、私は、ブッシュ政権になってからブッシュ単独行動主義というんでしょうか、そういう目に余る行動に対して私もややうんざりをしているところでございますが、川口大臣が苦労された京都議定書からの離脱、CTBTの批准放棄、国際刑事裁判所設立条約の調印撤回、もう様々、もう枚挙にいとまがないんですよね。私は、今のブッシュの動きはちょっと、ちょっと言葉は悪いですけれども、やや行き過ぎではないかというふうに思います。
 国と国の関係は半永久的な、国が半永久的な存在としてそれを認めながら慎重に対応しなきゃいけないんですけれども、一方、政権というのは有限なんですよ。ブッシュは早ければ一年と十か月で交代するかもしれない。長ければ五年と十か月になるかもしれませんけれども、やっぱり歴史で後を振り返ったときに、やっぱり日本として正しい判断をしたということをやっぱり判断されるわけですから、そのときにやっぱり評価される判断を、二国関係の長い目を見た上で、私は、今回の件についてもきちっとこの国際法を遵守した中で判断すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(川口順子君) 国際関係についての判断は、それぞれの、その時々の細かい動きについての判断、そして中長期的な大局観、この二つを組み合わせて考えていくということであろうと思います。
 中長期だけのことを考えて短期のことはどうでもいいということには当然ならない、毎日毎日あるいは毎月毎月の積み重ねが中長期を形作っている基礎となるものであるというふうに思います。逆に、短期のことだけで中長期のことを考えていないということではうまくいかない、この両方をきちんとやっていくということでございまして、日本は今、外交問題をやるに当たって、あるいは日米間の関係においてもそういうふうに考えてやっているつもりでございます。
#92
○若林秀樹君 相変わらずの答弁で納得できないですけれども。
 十七日は外交努力最後の日だという意味ですけれども、川口大臣は何ゆえにここにいらっしゃるんでしょうか。その答えは簡単です。私がこの予算委員会で呼んでいるからなんですよ。しかし、本当にこれでいいんでしょうか。本来であれば、世界を駆けめぐって、やっぱり説得のためにやることがあるんですよ、これは。しかし、一方、国会という制約もある。これはここで議論するつもりはありません。ただ、問題提起でありますけれども。
 私はやっぱり、G7、G8の大臣があんだけやっているときに、私は逆に川口大臣から、是非ここへ行かしてくださいという声がなぜないのか。これだけ外交努力努力と言っているのであれば、そういう申立てもあってもいいんじゃないかというふうに思います。
 電話一本だけで外交を動かせるなんて思ったら、もちろん大間違いだと思っていらっしゃるけれども、できる限りやっているというのは分かりますけれども、そんな提案もあってもいいんじゃないか。問題提起だけですから、もし発言があれば言ってください。
#93
○国務大臣(川口順子君) 電話だけではなかなか解決がしにくい、実際に面と面と向かい合って話をしたときの方が話が通ずる面があるというのは、委員がおっしゃるとおりでございまして、大いに今の言葉に激励をしていただいたと思っております。
 今後、そういうようなことに国会から委員のおっしゃるような御配慮をいただけるということであれば、私としても大変にうれしいと思っております。
#94
○若林秀樹君 もう、それについては問題提起だけにしておきたいというふうに思います。
 現在、次の質問でございますが、人間の盾と言われる人、外国人は何人、そのうち日本人は何人ぐらいいるか教えていただきたいと思います。
#95
○政府参考人(安藤裕康君) いわゆる人間の盾でございますけれども、私ども報道で承知している情報等をまとめまして把握しているところでは、外国人につきましては約二百名の方がイラクの中にいるというふうに承知しております。
 それから、そのうち日本人が何名いるかという点でございますが、三月十六日現在、私どもが把握しております限りにおきましては、六名の方が人間の盾に登録されていると、そのうち二名が実際に発電所あるいは浄水場等の拠点に配置されているというふうに承知しております。
#96
○若林秀樹君 その人間の盾という人々は国際法上どういう扱いとなるのか、万一攻撃があったときにどういう扱いになるのか、過去の事例も含めて、今どういうようになっているか教えていただきたいと思います。
#97
○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
 この人間の盾でございますけれども、今、武力の行使の実際の発生というものを前提にして申し上げるわけにはまいりませんので、ちょっと一般的な、一般論として申し上げますけれども、今問題になっておりますような方々、これは基本的には戦闘員ということではございません。こういう方につきましては、基本的には、現代の国際法におきましては、武力紛争下におけます文民の保護の問題としてとらえられるというのが先生の問題意識にお答えする話かなというふうに思います。
 その場合には、いわゆる人道法の考え方というものにのっとりまして、その戦闘におけます文民の被害というものを最小限にとどめるということ、そのために攻撃側はいわゆる軍事目標主義、要するに軍事的な目標だけに絞った攻撃を行うということで、軍事目標主義に基づいてできる限り文民を攻撃対象としないように努めるということでございますし、必要な予防措置を講じるべきことということがございます。また、守備側は、戦闘員と非戦闘員であります文民の区別あるいはその隔離ということをきちっとやるということで、やはり文民が攻撃対象とされないように予防措置を講じるべきであると、こういった考え方というものが中核になっております。
 そういうことを前提といたしまして、湾岸戦争の際、正にその人間の盾ということが問題になりましたけれども、このときにはたしか国連の決議等でもございました。守備側が、意図的に自国民ないし外国人を、本人の意図にかかわらず、本来の、本来であれば軍事目標と考えられる施設等に配置いたしましてその攻撃を止めようとする、あるいは逡巡させようとするということをもくろむといった措置を取るということは、これは国際人道法上あってはならない違反として非難されるべきことだと、こういうふうに整理される話だろうと思っております。
#98
○若林秀樹君 文民の保護という観点から扱いがあるということでございますが、現実的にはそういう攻撃目標にいて普通の、文民の格好をしているわけですから区別がしようがないということで、私が読んだたまたま新聞記事では、交戦国でない第三国人が交戦者の一方の利益に加担すれば、戦闘地域の中立の資格を失い敵兵並みの扱いになるというふうになっているんですが、そうじゃないですね、一応確認だけ。
#99
○政府参考人(林景一君) 御指摘はいわゆる中立法の問題でございまして、確かにハーグ条約の中の一連の中には陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約等ございまして、戦争にあずからざる国の国民は中立人とすると、あるいは、十六条、それから十七条、ただし、交戦者に対して敵対行為をするとかあるいは利敵行為を行う場合にはその中立の主張をすることを得ずといった規定があるということは御指摘のとおりでございまして、恐らくそのことに基づいた記事かと思います。
 他方、御案内のとおり、現代の国際法におきましては、伝統的な意味におけます中立という概念というものは必ずしも妥当しない。今日の世界においては戦争というのは一般的に違法と考えられておりまして、もちろん自衛権行使の場合であるとかあるいは安保理の決議等に基づく場合というのは別でございますけれども、そういう中におきまして、伝統的な意味の中立法というものがそのまま妥当するという関係にはなっておりません。
 また、今のお話で申しますと、恐らく捕虜とか、そういった関係において中立として主張し得るかといった議論が出てくるかと思うんですけれども、これは基本的には戦闘員の資格を持っている人間との関係において論じられる話でございます。
#100
○若林秀樹君 解釈の問題、いろいろあろうかと思いますが、いずれにせよ、場合によっては今週云々ということもありますので、その盾の人々への説得ということも最後までよろしくお願い申し上げたいと思います。
 新聞報道によりますと、既に、イラク攻撃開始後の日本として、イラク周辺国への緊急ODAなんという話が出ているんですが、この辺の事実関係、どういうふうに検討されているか教えていただきたいと思います。
#101
○政府参考人(安藤裕康君) もちろん、武力行使が決定されたわけではございませんので、それを前提にしたような議論というのは行うべきではないと思いますけれども、万一、関係国による軍事行動が不可避となりました場合には、国際社会の責任ある一員としてどのような役割を日本として主体的に果たすべきか。この地域は元々非常に日本にとっても重要な地域でございますから、そういう観点もよく加味した上で、あらゆる選択肢を念頭に置いて現在、種々検討を行っておりますけれども、例えば国際機関やNGOを通じた難民支援、周辺国支援、そういったようなものについては当然日本としても期待されているところであろうというふうに考えます。
#102
○若林秀樹君 平和的解決に努力すると言いながら、結構、援助の準備を用意周到に検討されているのかなという感じもしないわけではありませんけれども、当然それは、アメリカ支持の場合と支持じゃない場合の援助のやり方というのは違うと思いますので、その辺も恐らくアメリカを支持した場合にはこうなんだということも検討されているんではないかなというふうに思いますが、その辺はいかがですか。
#103
○政府参考人(安藤裕康君) 繰り返しになりますけれども、現在まだ武力行使が決定されているわけではございません。しかし、仮に軍事行動が行われた場合には、その軍事行動の長さであるとか態様であるとか、それが周辺地域にどういうような影響をもたらすのか、あるいは難民がどのくらい発生するのか、この辺は極めて今後の展開、軍事行動のいかんにかかわることでございますので、これは一概には言えないと思いますけれども、いろいろなケースを想定しつつ頭の体操は行っているところでございます。
#104
○若林秀樹君 北朝鮮の問題にちょっと、伺いたいと思います。
 今、平壌宣言はかなり、その実現の見通しというんでしょうか、ほごにされたに等しいんではないかなというふうに思いますが、今後の北朝鮮問題、あるいは拉致問題解決への対応策、具体的な青写真をお聞かせいただきたいと思います。
#105
○政府参考人(薮中三十二君) 委員御質問のとおり、非常に今、北朝鮮問題については厳しい状況にあることはそのとおりでございます。日本につきましては拉致問題がございますし、そしてまた、国際社会全体として直面している問題として北朝鮮の核開発の問題がございます。
 まず、日本としては、これまで日朝正常化交渉においてもこの二つの問題、拉致問題そして核開発の問題、これを最優先課題として交渉に当たると、これが解決しない限りはこういう正常化もなかなかできないということで厳しく臨んできておりますし、また核開発の問題につきましては、関係国、特にアメリカ、韓国でございますけれども、更には中国等々、ロシア等々と連携を密にしながら、この問題、結局は粘り強く北朝鮮に働き掛ける、そして関係諸国が一体となって北朝鮮に臨んでいくということで、それしか、その正道しかなかなかないのかなということで、引き続き粘り強く努力していく覚悟でございます。
#106
○若林秀樹君 なかなか具体的な青写真が描けないというのが本当の部分ではないかなというふうに思いますが、一方、平壌宣言にもあります、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動は取らないということに書かれているわけですから、次の質問になりますけれども、北朝鮮がテポドン、ノドンなどの発射実験を行うなど、我が国への脅威が明確になったときに政府はどのような対応を取るのか、お伺いしたいと思います。
#107
○政府参考人(薮中三十二君) ミサイルの問題、弾道ミサイルの発射の問題、あるいはその他核開発等の大変に重大な懸念を持つ問題がございます。これらに対して、極めて厳しく北朝鮮側に対してはそうした事態のエスカレーションは絶対に許されないということで働き掛けておりますし、今お話しのとおり、これは大変この地域、日本を含むこの北東アジア地域にとっても大変な安全保障上の重大な懸念でございます。したがって、仮にそうした弾道ミサイルの発射実験ということについては断じて行われてはならないということ、このことをはっきりと北朝鮮側に伝えると。そして、そのことは繰り返しやってきておりますけれども、その努力を更に続けていくということが大事だと思っておりますし、仮に行われた場合には、仮に行われた場合には関係国とも連携しつつ、厳しく対処するということが当然必要になってくると思います。
 ただ、今この時点で大事なことは、そうしたことが起きないように、平和的な解決のために関係諸国が一致して、そして北朝鮮に働き掛けていくことと、そういうふうに思っております。
#108
○若林秀樹君 その中で、仮にあってはならないと思いますけれども、経済制裁のようなものは考えていないのか、もう少し中身についてお伺いしたいと思います。
#109
○政府参考人(薮中三十二君) 正に、仮にあった場合ということで、今申し上げましたとおり、そうしたことは絶対にあってはならないと。もし仮にあった場合には、関係国とも連携しつつ、厳しく対応する必要があるというふうに申し上げましたけれども、その中身というのは、その際の具体的な状況を踏まえつつ、当然考えるべきであろうと考えております。
#110
○若林秀樹君 厳しい対応の中身を一応聞いているんで、検討しているものがあればちょっと教えてください。だから、やるかどうかは別にして、検討しているものがある中身、この厳しい中身をちょっとお伺いしたいんですよ。
#111
○政府参考人(薮中三十二君) 当然のことながら、様々の検討の中ではいろんな措置というのは当然検討の対象になるわけでございますけれども、この時点におきましては、その経済制裁であるとかということについてはどの国もまだその状況ではないという判断でございますし、今大事なことは平和的な解決、平和的な解決のためには事態をエスカレートさせないということで、具体的な経済制裁等々の中身についてここで議論、検討しているという状況ではございません。
#112
○若林秀樹君 いつもそうなんですけれども、言って後でそれを揚げ足取ることは私としてはしたくないんですけれども、やっぱり検討しているものをこれ率直に出さないとやっぱり議論にならないですよね。終わってからぱっといきなり出されて、それで議論しろというのもあれなんで、もう少しやっぱり、先ほどのイラク問題もそうですけれども、やっぱりここを、やっぱり言論の府というんでしょうか、議論の場として誠実にきちっとやっぱり対応していただきたいなと。そうじゃないとこちらも聞けないですし、聞けば聞くほどやっぱりがっかりするだけですし、それがやっぱり国民が見ているわけですから、そういう意味での議論をこれからもよろしくお願いしたいなと思います。
 その意味で、ちょっと次の質問に入りたいと思います。川口大臣はまたちょっと後でお伺いしたいこともありますので、ちょっとお休みいただいて結構でございます。
 研修医問題についてお伺いしたいと思います。
 この前の櫻井委員の質問を受け継いで、幾つか確認させていただきたいことがあります。
 そもそも、厚生労働省はどのような方法で実質的にアルバイトを禁止させようとしていたのか、そのお考えについてお伺いしたいと思います。今回の臨床研修制度の見直しのやっぱり柱の一つにやはりアルバイトの禁止、アルバイトをせずして研修に専念をするというのがありましたので、その考え方についてお伺いしたいと思います。
#113
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生御指摘の新たなこの臨床研修制度におきましては、これは法律上、臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るよう努めなければならないと、これ医師法の十六条でございますが、こういうようにされております。
 それで、研修医がアルバイトをせずに研修に専念できるような、そういう環境の整備を図ることを私どもは基本的な考え方といたしておるわけでございます。
 それから、ちょっとお話がありましたけれども、研修医のアルバイトを禁止するという言葉の意味でございますが、これについては、法的にもし専念に違反したらば罰則と、そういうようなものではございませんで、研修医と研修病院との間の契約、そういうものの観点からの話でございますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。
#114
○若林秀樹君 いずれにせよ、おっしゃっていることは、個別の契約に対して行政指導をしていくということで実質的にアルバイトを禁止にしようということを多分おっしゃっているんだと思いますけれども、アルバイトを法律で禁止ということは実質書くのはやっぱり無理があるなというふうに思いますけれども、木村副大臣は憲法違反になるとの指摘がありましたけれども、元々これはもう法改正でアルバイトを禁止するような話じゃないわけですよね。個別の契約に対して行政指導をしていくということが前提でスタートをしていましたから、何で今ごろこんなときに憲法違反になってそれは問題だと言い出すのか私には分からないです。
 法制局にちょっとお伺いしたいと思いますけれども、そういう個別の契約の中で、対して行政指導をしていくということが憲法違反になるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#115
○政府参考人(宮崎礼壹君) お尋ねの行政指導という点につきましては、行政手続法に規定がございまして、その第二条六号を見ますと、行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分というには当たらないものをいうというふうにされております。
 そしてまた、同じ法律の三十二条を見ますと、行政指導に携わる者は、行政指導の内容があくまで相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならないということが書いてございますし、また、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取扱いをしてはならないというふうにされておりまして、現在の法体系の中での行政指導というのはこのようなものだというふうに解されております。
 これらの前提といたしまして、行政指導の目的、内容がその所掌事務との関係で合理的に説明できる範囲内のものであることは当然でございますけれども、そのような行政指導であります限りは、今、先ほど申し上げた法的効果などを踏まえますと、憲法二十二条との関係で問題が生ずるということはないと考えます。
#116
○若林秀樹君 行政指導は問題ないという法制局の答弁だったと思います。元々それで進んできたわけですよね。何で年末になって突然この審議会でずっと積み重ねてきた議論を横やり入れるようなことをやるんでしょうか。審議会の役割をどう考えているんですか、木村副大臣。
#117
○副大臣(木村義雄君) 審議会の件についての御質問でございますけれども、新医師臨床研修制度の検討ワーキンググループですか、これは法的に位置された審議会ではございません。ただ、やっぱり様々な関係者から意見を聞くということは非常に重要なことだとこれは思っているわけでございます。
 その中で、ワーキンググループのメンバーの方々だけではないですね。例えば、中小病院の代表の方々とか地域の方々と、地域の医療を担っている方々の意見を聞くことも大事ですし、それぞれ関係者の方々の意見を聞くための今、調査等も行っておりまして、そういうのも非常に重要なものであると、このように思っておるような次第でございます。
#118
○若林秀樹君 厳密に言うと法的に位置付けられた審議会ではないんですけれども、元々のスタートが医道審議会、その中の小委員会のワーキンググループとしてつながっているんですよ、これ一応。それでメンバーが選ばれて議論しているわけですから、法的にこれは位置付けられていないからそれを無視するというのは、ちょっと乱暴な議論じゃないですか。
#119
○副大臣(木村義雄君) そもそも、医道審議会の任務も、多少はこの新医師臨床研修制度と医道審議会、医道審議会というのはどちらかというと、もう先生も御存じのように、問題になった方々の処分とか、そういうのが主な審議会でございまして、むしろ先生の方が御理解をされているんじゃないかなと、こう思っております。
#120
○若林秀樹君 ちょっと、もう一回ちょっと答弁いただきたいんですけれども、医道審議会の下で今回の一連のそのワーキンググループというものができているという理解で、私も役所に確認をして、そうだということで言っているわけですから、一番上の医道審議会は審議会であって、こっちはそういう精神じゃないからどうでもいいということには私はならないと思いますので、なぜ厚生労働省がこのメンバーを選んで真摯にここまでずっと積み上げてきたという事実をちょっと踏まえた上で御答弁をいただけますか。
#121
○副大臣(木村義雄君) 様々な方から意見を聞くというのは重要なんです。それは十分踏まえにゃいけない。それで、先生とかほかの先生方のお話のように、ワーキンググループの先生方がすべてを代表されるというふうには私は考えておりません。ですから、それ以外の方々、メンバーの方々の意見も聞くということは大変重要なことであろうと思っています。
 それで、事実、現実今どういう問題が起こっているかというのは、ようやくマスコミでも懸念の声も上げられ、事実、医療の現場では様々な動きが起こっているわけでございまして、そういう問題を真剣に取り上げていって、理想とされる医師の臨床研修の制度が円滑にスタートするようにしていくのは当然のことじゃありませんか。
 それを、ここで決めたからといってそのまま押し通していいものかどうかというのは、私は、むしろ先生方の方が、いつも審議会の意見ばっかり聞いていて自分たちの意見は聞かないのかとか、そういう審議会に対するむしろいろんな問題点の方を逆に指摘されるわけでありまして、今度はこの審議会が絶対だからこの言うことを聞けとまさかおっしゃっているのではないとは思いますけれども。
 そういうことで、やっぱり様々な方々の意見を聞いてまいりたいと、このように思っているような次第でございます。
#122
○若林秀樹君 ワーキンググループのまとめられたものに対しては一〇〇%聞く法的な根拠はないわけ、そんなことは分かっているわけで、ただ真摯にやっぱり議論をしてきた、最終まとめればいいものを、途中からそういう横やりを入れるということ自体が私は中でやっている審議会、委員に対してやっぱり失礼ではないかなというふうに思います。
 今回、やはり臨床研修制度の見直し、坂口大臣にお伺いしたいんですけれども、やはりアルバイトせずして研修に専念をし、一人前の医師としてプライマリーケアができるような臨床医を育てるのが私は今回の一番の改正のポイントではないかなという、それを前提でやってきたわけですよ。これでアルバイトを許したら、また元のもくあみじゃないでしょうか。お伺いします。
#123
○国務大臣(坂口力君) 研修医制度というのがしばらく中断をいたしておりまして、中断をしていたといいますか、しばらくなくなっていたわけでありまして、様々な問題が出てきているというので研修医というものを改めてスタートさせるということになったわけであります。
 今もお話がございますように、一つは医師としての人格の涵養、これはやっぱり一番大事なことだと思いますので、技術は身に付けていましても、その一番根本のところの人格の涵養ということが第一、そして今お話のございましたプライマリーケアという初期段階におきますやはり診察技術というものを十分に身に付けなければならない。そうした意味で、今まで大学病院が中心、あるいはまた大きい病院が中心でございましたけれども、中小の病院でもそれはやっていただいて結構でございますということにさせていただいたわけでございます。
 今までの場合に、過去の研修医制度のときには、私のときなんかは全く給与がなかったわけでありまして、給与と申しますか所得がなかったわけでありますから、食べていこうと思いますと何らかのこれはもうアルバイトをしなければやっていけなかったわけでございます。しかし、そういうことであってはいけない、落ち着いてやはり研修をしていただくということにしなければならないので、十分とは言えませんけれども応分の処遇というものはしなきゃならないというので、一般の病院でございますと大体今まで三十万ぐらいを出していたという経緯もありますので、そのぐらいのところを一つの見当、目標にして、アルバイトに専念をするというようなことがなくてもいいようにしたいというふうに思っているわけでございます。
 ただ、今、問題になってきておりますのは、地方の病院におきますそうした受入れ体制を作っていこうというふうにしておりますと、中央の大学病院でありますとか大きい病院の方が、今まで自分たちの方にたくさん来ていた人が来なくなってしまうというようなことがありますので、それでは大変だというので、地域から人を引き揚げるというようなことが起こってきているというようなことでございます。
 そういたしますと、地方の病院としては人手が不足ということが起こってくるものですから、それをどうするかというようなことが起こってきている。また、やはり研修医の皆さん方にアルバイトをしてもらわなきゃ地方の医院が、医院といいますか医療機関がやっていけないのではないかというような危惧が出てきているということもこれは事実だというふうに思っておりますが、しかし基本は、何と申しましてもアルバイトをしなくてもやっていける体制を作るということが基本であって、しかしそれはいわゆる毎日毎日の雇いで、処遇でございますから、公務員と違いますので、完全にそれを否定している、絶対駄目だと、アルバイトは絶対駄目だということを言っているわけではありませんが、原則としましては、アルバイトをせずにやっていけるという原則を作り上げていくというのがスタートであったというふうに認識をいたしております。
#124
○若林秀樹君 そのアルバイトをせずして研修に専念できる体制をどう整えるかということが問題ですが、それはちょっと後でまたお伺いしたいと思いますけれども。
 日経新聞のアンケートによれば、研修医が一人で当直することのある病院が一九・三%あるということでございます。医療ミスを犯しかねない研修医が一人で当直するということが本当に研修医の時代にいいことなのかどうか。確かに、一人でやれば本を読みながらでもそれはいろんな訓練になるかとは思いますけれども、必ずしも研修医時代に私はやる必要がないので、その辺はどうお考えですか。
#125
○国務大臣(坂口力君) これから研修医が地方の病院等に行きました場合に、それじゃ当直をしなくてもいいかといえば、私はそれは当直をするということもあり得ると思います。それは、当直をするということは、それも一つのプライマリーケアの中の一部でございますから、そうしたときにどういうふうに対応するかということもやはり考えていかなければなりませんし、そういう技術も身に付けていかなければならないというふうに思っております。
 ただ、そこで問題なのは、当直をしておりまして、そして、しかし難しいケースにこれは突き当たることもあるわけでありますから、そのときに十分相談し得る体制と申しますか、それがやはり大事でありまして、そういう相談する人もないのにやっていくということになりますと、これなかなか今までと同じような難しいことになるわけでございますから、やはりそこはそういうふうにしておいた方がいいというふうに思っております。
 私も経験ございますけれども、本当に一人当直をして、本当にサイレンが鳴ってきますと祈るような気持ちで遠ざかってくれないかなと思ったこともあるぐらいでございますから、やはりそこはちゃんと相談のできる、いざというときにはそうした体制ができているということがやはり大事だというふうに思っております。
#126
○若林秀樹君 結局のところ、これまでどおりミスがあっても研修医にアルバイトをさせるのか、やはり多少、地域医療に影響があっても、原則アルバイトを禁止にしていい研修医を育てる、そのことが最終的には医療の質を高め医療費を削減するという、私は後者の方で進んでいたというふうに思いますので、結局そこをいじると医療の提供体制全体の問題にやっぱりかかわってくる私は問題だと思いますので。答えられますか。済みません、じゃ。
#127
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりでありまして、現在、いわゆる救急医療体制というのが完備されていないということがあって、そしてそれぞれの地域で大変な思いをしてもらわなければならないわけでありますから、現在、二次医療圏の中に一つぐらいは是非、救急医療のしっかりしたところを作っていただくという方針で今進めているわけでございますし、そうした救急医療体制を確立をすれば今いろいろと御指摘をいただいておりますような難しいことは起こらなくて済む可能性もあるわけでございます。
#128
○若林秀樹君 その上で、この問題まだ聞きたいところもあるんですけれども、最後に坂口さんの御決意をお伺いしたいなというふうに思っております。
 今、るるおっしゃられましたように、アルバイトをせずして研修に専念できる体制をどう整えるかというのが一番の重要なポイントだというふうに思いますが、その一つはやはり労働条件ではないかなというふうに思っております。いまだに私立大学病院では二万五千円とか、月給ですよ、そういうところもあるぐらいですから、やっぱりどうしてもそれは食べていけないからそういうところにアルバイトに走らざるを得ないという事情も出ているわけですよね。
 一方、その指導医に対しては研修医一人当たり百万から百二十万とか払われているわけですが、結局そういうところに行っていないわけですから、やっぱり最終的にそういうところのその補てんと水準をどう規定するかというところに懸かってくると思いますが、昨年の厚生労働委員会で三十万円程度の賃金を保障するということを責任持って処理をするというふうにおっしゃられましたので、是非とも改めて大臣の御決意、八月の概算要求にそれを責任持って反映させるんだということをここでおっしゃっていただければ有り難いと思います。
#129
○国務大臣(坂口力君) 財務大臣をお隣にして私が言うのはいささか言いにくいわけでございますし、これから御相談をして決めていかなければならないことでございますが、先ほど申しましたように、できる限りその皆さん方が安心をして研修に努めていただける体制を作らなければならないというふうに思っております。
 したがいまして、そういう意味で、先ほどおっしゃいましたぐらいの額は何とか確保をするということで私たちも全力を挙げたいというふうに思っている次第でございます。
 それだけではなくて、ほかのこの整備というものもあるというふうに思いますから、ただ単にこの処遇だけの話ではないというふうに思いますけれども、それらも含めて、やはり研修医の皆さん方が安心してその研修に没頭できる体制を作り上げていく。そのためには、十分とは言えませんけれども、三十万ぐらいのやはり額が必要ではないかというふうに思っている次第でございます。
#130
○若林秀樹君 力強い御答弁ありがとうございました。
 先ほどのアルバイトの禁止の問題もありまして、ワーキンググループの会合が予定されていた一月、二月が全部キャンセルになっています。三月が来週、今週ですか、あるようですけれども、もう五月から、来年ぐらいから、来年度の募集が始まりますので、私はかなり作業が遅れているんじゃないかなというふうに思いますけれども、是非とも急ピッチでスピードを上げてしっかりした臨床研修医制度に仕立てていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、遠山文科大臣にお伺いしたいと思います。
 中教審で、外国人の卒業生の大学入学資格として、欧米系のインターナショナルスクールのみを認めるという結論に至ったと聞いておりますけれども、その概要について伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(遠山敦子君) 経緯からお話しさせていただきますと、総合科学技術、いいえ失礼しました、総合規制改革会議の規制改革の推進に関する第一次答申、平成十三年十二月に出されたものでございますが、これを受けまして、昨年三月の閣議決定で規制改革推進三か年計画が定められたわけでございますが、その中で、「インターナショナルスクールにおいて一定水準の教育を受けて卒業した生徒が希望する場合には、我が国の大学や高等学校に入学する機会を拡大する。」とされておりまして、これに沿って、先日、中央教育審議会大学分科会の場に、対応について、対応案をお示しして議論をいただいたところでございます。
 委員ももちろん御存じだと思いますが、我が省では順次こういう資格についてオープンにしてまいっておりまして、平成十一年には大学入学試験の資格につきまして、すべての外国人学校、いわゆる外国人学校に学ぶ人に開いております。ですから、どの外国人学校の卒業生も、あるいはあれですね、在学生も、この試験を受ければ大学に入学できるわけでございます。このたびの規制緩和は、それをベースにした上で、更にある学校で一定水準の中身の教育を受けた者については認めろということでございます。じゃ、一定水準の教育ということに対応いたしますために、私どもとしましては、国際的な評価機関で評価された学校というのが一つの行き方ではないかということで対応案をまとめたところでございます。その対応案の検討に際しまして、当初から特定の外国人学校を除いて検討したものではございませんで、結果的にアジア系の外国人学校が含まれないこととなるものでございます。
 ただ、これはまだ決定をいたしておりませんで、今パブリックコメントにも掛けております。それから、この問題については様々な御意見があるということも十分承知いたしております。そういうようなことから、これからまだ十分に考えて対応してまいりたいというふうに考えております。
#132
○若林秀樹君 私も初めて新聞記事にしたときには本当に目を疑ったというか、どう見ても常識で考えてもおかしいんじゃないかなというふうに思いますが、そう思われませんでしょうか。
 今回のあれは英語で教育をしている学校のみが対象であって、英語以外は全部対象じゃないんですよね。これまでもいわゆる朝鮮学校と韓国学校とか、中華学校、フランス語、いろいろ問題あってきたにもかかわらず、なぜこの時点でインターナショナルスクールだけを認めることを中教審で了承したというのは、私はやっぱり両方並行してやるべきだというふうに思いますが、常識としてちょっとおかしいと思いません、これ、ここで出すのにインターナショナルスクールだけやること。
#133
○国務大臣(遠山敦子君) いろんな考え方があるということはもちろん承知いたしておりますし、ただ、閣議決定でインターナショナルスクールにおいて一定水準の教育ということで、私どもの第一段目のといいますか、対応案として出しましたものがそういうものでございます。
 でも、国際的にも、国際バカロレアを通っているかどうか、あるいはフランスのバカロレアを通っているかどうか、ドイツにおいてアビトゥアを通っているか、それぞれの国においてやはりそれぞれの試験の制度をきちっと通っているかどうかというのを入学資格にしているわけでございます。
 いずれにしましても、この問題につきましては、そういう合理的な中身の区別であれば、これは私はそれぞれの国の考え方においてやることのできるものだと思っておりますが、いずれにいたしましても、十分に、この問題には広くいろんな知見も集めながら十分に対応していきたいというふうに考えております。
#134
○若林秀樹君 ちょっと改めてお伺いしますけれども、今回は最終決定じゃなくて、パブリックコメントを求めていると。考え方は、これから順次拡大していくんだということでよろしいでしょうか。
#135
○国務大臣(遠山敦子君) まだ決定をいたしておりませんで、いろいろな角度から十分に検討した上で対応したいと思っております。
#136
○若林秀樹君 いずれにしましても、この問題は非常にデリケートな問題でありますけれども、基本的人権、教育の権利義務、ひいては日本が批准しました子どもの権利条約ですか、それにも引っ掛かる可能性がありますので、是非パブリックコメントをもらいながら、幅広く、公明正大な制度に仕立て上げていただきたいなというふうに思っております。
 それから、法務大臣にお伺いしたいと思います。
 これも衆議院の法務委員会の理事懇ですか、そこで依頼された調査によりまして、名古屋、府中、大阪、横須賀の四刑務所で十年間に百人前後の変死者がいることが明らかになったそうでございますが、事実関係についてまずお伺いしたいなと思います。
#137
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋刑務所の事件につきまして、矯正行政の信頼を早期に回復しなければならないということを強く感じておりますが、そのためには、国会などから提供するようにお指図のあったものについてはできる限りお出しするようにということを指示しております。
 先般、衆議院法務委員会の理事の方々の御要望に応じまして、名古屋、府中、横須賀の各刑務所の死亡帳について過去十年間分、大阪刑務所については過去八年間分の写しを提出いたしたところでございます。
 変死が百人に上っていたという、これに関する報道がなされたことは承知しておりますが、これは司法検視をした上でもなお犯罪の疑いがあるものが百件あったという誤解を招きかねないと思いますので、あえて申し上げますと、法務省でも取り急ぎ集計いたしましたところ、死亡帳の記載によれば、変死者又は変死の疑いがある死体があるとして司法検視を行ったものが七十八件でございました。
 しかし、司法検視というのは、実際には病死あるいは自殺などであっても検視前にはそれがはっきりしなくて、犯罪によるかもしれない可能性があるという場合には行わなければならないと法律上されているものでございます。したがいまして、司法検視が行われたものすべてが犯罪の疑いがあるという結果になるわけではございません。実際、今回の死亡帳によりますと、司法検視の結果、七十八件のうち七十件は病死や自殺等犯罪によるものではないとされたことが、なったことが分かりました。
 いずれにいたしましても、この死亡帳につきましては、記載上、病死とされているものであってもよく精査いたしまして、調査すべきものがあれば調査するように行刑運営に関する調査検討委員会に指示しているところでございます。
#138
○若林秀樹君 おっしゃっているところは、司法検視に掛けられたのが七十八件あると。それ自体が変死ではないという御答弁ですよね。
 要は、じゃ残りは、八件はじゃ変死だったということになるわけですね、いわゆる変死。
#139
○国務大臣(森山眞弓君) はい。司法解剖に付されたものが七件ございまして、あと一件が事故死、死因の記載がないというものが一つございます。
 いずれにしましても、八件は司法解剖に付されたというわけでございます。
#140
○若林秀樹君 死因がなしというのはまたちょっとおかしいんじゃないですか、それは。それはちょっと、はっきりもう一回答弁してください。
#141
○国務大臣(森山眞弓君) 死亡帳に死亡の記載、死亡、死因の記載がないということでございまして、それは今調査をやっております。
#142
○若林秀樹君 まあ、いずれにせよ、それは早急に調べていただきたいと思いますが、変死として処理されたもの以外も含めて御遺族と紛争が起こったような事例はどのくらい把握されているか、教えてください。
#143
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋、府中、大阪及び横須賀の各刑務所における過去十年間の死亡事案について取り急ぎ調査いたしましたところ、受刑者が自殺したことについて遺族が納得できないなどとお述べになった事例が一件ありましたんですが、そのほかについては、死亡した際にその遺族との間でトラブルがあったという事例は聞いておりません。
#144
○若林秀樹君 一件あったということでございますけれども、報道の内容が必ずしも正確に伝わっていないんではないかという一面も今ちょっと感じましたけれども、いずれにせよ、こういう疑念というんでしょうか、があってはいけないんで、私はやっぱりすべての刑務所についてきちっとやっぱり調査実施も含めてしていかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、今後の対応策について最後お伺いしたいと思います。
#145
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございまして、このたびの問題によりまして特に信用を失墜いたしました矯正行政の信用を回復するためにあらゆることをしなければいけないというふうに考えておりまして、御存じのように、行刑運営に関する調査検討委員会を設置いたしておりますが、今回の死亡帳につきましても、私といたしましては十分な調査を行う必要があるというふうに考えておりまして、よく精査して、調査すべきものがあれば調査するように厳重に指示をしているところでございます。
 なお、先日、四刑務所分に引き続きまして、東京、大阪管内を除く施設につきまして過去十年分の死亡帳の写しを衆議院の法務委員会の理事会の方々に提出しておりまして、今後残りの施設につきましても同様に提出したいと考えておりまして、この際徹底的に調査したいというふうに考えております。
#146
○若林秀樹君 名古屋刑務所でのいろんな事件が続いていますので、是非とも徹底した調査をよろしくお願い申し上げたいなというふうに思っているところでございます。
 時間がありませんが、川口大臣にちょっとお伺いしたいなというふうに思います。
 外務大臣になられて一年たったわけですが、この間、外務大臣としてやられて、環境大臣のころと比べてどんな感想を持っていらっしゃるか。一年たった感想をお聞かせいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(川口順子君) 環境大臣のときと比べて何が変わったかというのはなかなか難しい質問でございまして、環境大臣のときも京都議定書なりそれぞれ大変に、廃棄物処理の問題なり大きな問題がありましたし、外務大臣になってからも今起こっているイラクあるいは北朝鮮、その前にたくさんの事件がありました。
 そういう意味で、常に私が仕事をするところでは事件がありまして、私は事件女かなというふうに思ったりもしておりますけれども、特にそんなに大きく変わったということはないんじゃないかと思います。
#148
○若林秀樹君 大変な一年間であったのではないかなというふうに思いますけれども。
 前外務大臣は何かをしようと思うとスカートを踏まれたことがあるというふうにおっしゃいましたけれども、一年間たってそういうことは、それに似たような感じというのはありましたでしょうか。
#149
○国務大臣(川口順子君) 余り長いスカートをはかないようにいたしまして、足軽く動き回ろうと、そういうふうに思っております。
#150
○若林秀樹君 どういう答えが返ってくるか楽しみにしていたんですけれども、そういうことでございますか。
 私は、やはり、スカートを踏まれるどころか鎖につながれているんじゃないかと、それぐらいの、飼い犬じゃないかと思われるぐらいのところは、私は幾つか散見するような場面はあったんじゃないかと。
 一つは、例えば日朝首脳会談については、一局長と官邸との間で進められていて外務大臣には一切報告がなかったということに対して、大臣は、さすがだなと思ったのは、それぞれ役割分担がある、これからは外務大臣としての役割を果たすというふうにおっしゃって、さすがだなというふうに私は思いました。
 もう一個の件は、一月の小泉総理の靖国神社参拝。たしか韓国へ訪問する前日か当日か分かりませんけれども、全然知らされずに靖国神社を訪問されたということで金大中大統領との会談がキャンセルになったと。これ、どう思われます。せっかくこれから韓国との連携が必要な時期に、さあ行こうといってアポを取って行ったら、後ろからつつかれるように、つまりそういうことをするということについては、私はほとんど外務大臣をばかにしているんじゃないかなというふうに思うんですが、そういう気分になりませんでした。
#151
○国務大臣(川口順子君) これは、何回実は御説明をしてもなかなかお分かりいただけないんですが、北朝鮮との間の話については私が全然知らされていなかったということは全くございませんで、私は外務大臣に昨年の二月になりましてからずうっとこの話については聞いておりまして、承知をしてきて、指示をし、あるいはあることについては反対をし、進めてきたことでございます。したがって、全然、蚊帳の外とか、そういうことは全くないわけです。
 それから、韓国訪問の前日に総理が行かれたということでございまして、これは私も行かれるということはそのいらっしゃるときまで知りませんでしたし、だれもそれは知らなかったという世界でございますけれども、私は結果的に非常にいいときに韓国に行くことになったと思っております。
 その余波がいろいろ韓国の中でありましたときに、私が行って直接に説明をして、それをいい雰囲気に変えることができたという意味で、私は正に絶好のタイミングで韓国に行ったのではないかと思っております。この問題が、北朝鮮なんかとの関係で韓国と日本と非常に連携を取っていかなければいけないというときに何かの問題を与えたかというと、私はそうではございませんで、ずっと今まで培ってきた日韓の強い関係がここで強いということを証明され、更に深まったのではないかと、そのように思っております。
#152
○若林秀樹君 そういう非常に優等生的な発言をされると私も答弁に、答えに困っちゃうわけですけれども、私は、やはりかつての河野大臣あるいは小渕大臣のときに、仮に、総理がそんなことは私はやっぱりされないと思う、それをさせないのもやっぱり外務大臣の私は重みではないかなというふうに思っています。
 そういう意味では、やっぱり外交政策の実質的責任者としてきちっと総理に対しても外交について進言する、注意をする、そういうことも私は外務大臣の責任じゃないかなというふうに思いますので、そういう重みを持って頑張っていただきたいなというふうに思っています。
 一年間たちまして、外務省改革の成果は何点ぐらいだと思いますか。点数で答えてください。
#153
○国務大臣(川口順子君) 小泉総理が二年前に総理になられてずっと改革を進められてきているわけでして、今の時点で総理から自分の改革は何点であるということはまだおっしゃっていないと思います。
 改革の成果がどれぐらいあるかということは、やはり歴史の目で見て成果が出てくるということであって、私は、そうですね、数年ぐらい先、三年でも四年でもいいんですけれども、ぐらい先に九十五点ぐらいを取れるということになると思っております。
#154
○若林秀樹君 あと三、四年、外務大臣をこれからやられたい、やりたいという御決意かもしれませんけれども、九十五点ということで一生懸命頑張られているんだと思いますけれども、信用の失墜というのはやっぱりいとに、もう非常に簡単ですが、やっぱり回復というのは非常に時間とエネルギーが掛かるんじゃないか、そういう意味じゃまだまだ外務省の評価というのは低いんではないかなというふうに思います。
 その意味では、先年同じ質問をしたんですけれども、民間人の登用を積極的に行ったということで、私は冗談混じりにまさか落選議員なんか登用しないでしょうねというふうに言ったのを覚えていますかね。こちらの自民党の委員からそんなことあるわけじゃないだろうとおっしゃって、その後あったかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#155
○国務大臣(川口順子君) 御卒業なさった議員の方であれ、あるいは卒業した役人であれ、卒業した民間人であれ、あるいは現役のばりばりの学者であれ、どのような人であったとしても適材適所でそこに、ポストに就けるという方針に変わりありません。
 あったかどうかということについては、お一人、チリ大使になっていただいた元議員の方がいらっしゃいますけれども、この方は先般チリの大統領が来ましたときに、非常に、一緒にいらっしゃいまして、チリの政府の人たちと大変にいい関係になっているということを目の当たりに私はいたしました。
#156
○若林秀樹君 結果的には一人いたということです。私も考え方は大臣の考えと一緒でございまして、やっぱりなるべき人がなればそれはいいんですけれども、そうはいっても、落選した後にすぐそういう人を採用するというのは、いろいろな意味でやっぱり疑義が生じ、国民から見た目も含めまして、私は次の選挙が終わるまで避けるとかという、そういう基準も私は必要だと思いますので、そういういろんな人を登用するのはいいんですが、そういう客観的な基準をきちっと設けて、内部でその検討委員会みたいなのを設けてやる必要があるんじゃないかなというふうに思いますので、これからもそういう意味での改革を続けていただきたいというふうに思っているところでございます。
 続いて、ODAのことをお伺いしたかったんですが、ちょっと時間がありませんので、改めて近日中にあるかと思いますので、質問させていただきたい。それだけ重要な問題で、少し時間を掛けたいというのもありますので、また機会が来るのではないかなというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 NPO、公益法人改革で、まず竹中大臣にお伺いしたいんですけれども、済みません、お待たせしまして。
 最近、NPOなりいろんな非営利法人の活躍ということで、NPO法人も一万社を超えたということでございます。
 私お伺いしたいのは、経済における非営利団体の役割というんでしょうか、必ずしも経済合理性で動かないけれども経済活動をしているという、そういう様々な活動の分野が広がり、一方は社会的なコストを削減するといういろんな役割がどんどん出てきている。それをどういうふうに日本の中でこれから評価して、それに対して支援していくかということについて、全般ちょっとお伺いしたいと思います。
#157
○国務大臣(竹中平蔵君) 小泉内閣が発足しまして、その二か月後にいわゆる骨太の方針を出しておりますが、その骨太の方針の中でも明示しましたように、それ以降、一貫してNPOというのはこの社会の中で大変重要な位置付けを私たちとしても与えているつもりでございます。
 二つやはり意味があろうかと思いますが、価値観が多様する中で、いわゆる公的な財なりサービスというのがあります。公的なものは全部政府がやるかというと、これは決してそうではないと。環境についても外交についてもそうですが、これは公的なものではあるけれども、やはり民間の多様な価値観に基づいて行っていただくのが、結局、成熟した市民社会のあるべき姿であるというのが一つの役割だと思います。
 もう一つは、これは個人の、正に人間として生きる立場からいいましても、自分としてはもちろん経済活動、お金をもうけることも重要だけれども、自分の多様な価値観を反映して社会の中でやはり自分の位置付けを見いだしていきたい、そういう観点からもやはりこれは成熟した市民社会の重要な要因であると。
 そのためにもいろんな機能を重視しまして、法律改正において活動の領域も広げる、今回は税法においても、税制の扱いも、認定NPO法人のその扱いについてもいろいろ御審議をお願いしているところでありまして、こうしたことを通じてこの社会に是非ともこのNPOを定着させていく必要があるというふうに思っております。
#158
○若林秀樹君 何か財務大臣、ずっとお座りいただいて、質問項目がなかったんですが、本当に申し訳ございませんが、今の観点で何かあればお伺いしたいと思いますが、もしなければいいですけれども。
#159
○副大臣(小林興起君) 大臣の方から税制面等について質問があれば答えるようにというふうに言われておりますけれども、そういう税制面からの支援措置とかいうことでよろしゅうございますか。
 今お話ありましたように、先進国、豊かな社会におきましては非常に公益活動に熱心な方々というのが増えてまいりまして、やはりNPO法人、こういうものを積極的にむしろバックアップしていくことが、人の生きがいあるいは民間経済の活力増進等々に、それからまた公益分野を担う人を増やすというようなことに非常に必要だということになっているのは御承知のとおりであります。
 しかし、やはり税制上のサポートがなければなかなかこういうものは進まないじゃないかという御発言がずっと委員会等でもございまして、今回の税制改革におきましては、かなり思い切った税制上の恩恵措置を、優遇措置を取らせていただきまして、そして認定NPO法人を増やそうということを考えているわけでございます。
 具体的には、パブリックサポートシステムなんというのが今もあるわけでございますけれども、これはある程度寄附金が多くの方から集まらなきゃいかぬという考え方でございますが、それを今のような現行の三分の一ではなかなかそんなに集まらない、五分の一にこれを下げるというようなことを考えておりますし、また広域的ということで、地域の方も広域性、市町村、少し複数にまたがるということを今やっているわけですけれども、しかし一つの町や村だからといって、福祉関係の場合には非常に公益性の高いNPOができておりますので、そういう地域を考えますと、幾つかの市町村、複数にまたがるなんということはやめて、そういうことは条件にしないとか、そういう改革をしておりますし、またNPO法人の場合は、収益部門、公益性のところと非公益的なところもあるわけですね。
 したがって、そこから出てくる収益の問題について、課税、非課税をどうするかということですけれども、収益部門的なところで、営利的なところについてもうかったものについて、しかしそれを非営利、そういうところに同じ法人の中で寄附をした場合、みなし寄附という形でこれは寄附にしようというような、そういうみなし寄附金制度の導入等々、今回はかなり抜本的な税制優遇措置を導入しようとしているところでございます。
#160
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 それで、先ほど一万のNPO法人があるということで、現在私が知っているところによりますと、NPO認定法人というのがありまして、一万のうちどれぐらい認定されたのかなというふうに思いましたら、わずか十二、〇・一%ですか、非常に低いんですね。今回、大胆に今見直しをされたというふうにおっしゃいましたけれども、これがどのくらい広がるのか、当然、財務省としてはそういう設計をしてこういうのは改定しているというふうに思いますので、どれくらいこれが、十二が広がるのかということについてお伺いしたいと思います。
#161
○副大臣(小林興起君) これは、ある、このくらいの数にしようじゃないかと、そういう考え方に基づいて基準を作ったわけでございませんで、こういう基準を超えればどんどん幾つでも認定NPO法人にさせていただきまして頑張っていただこうと、こういう趣旨でございますので、その数があらかじめ幾つということについては、実は想定をしておりません。
#162
○若林秀樹君 税制の中立ということをよく財務大臣がおっしゃっていて、今回、これはある意味じゃ減税につながる話ですから、当然そういうのは設計されてやっているんじゃないでしょうか。そうじゃないとつじつま合わないですよね。減税やったら、当然ある部分で中立にしなきゃいけない。当然これを、制度改革によってどのくらい広がるというのは、財務省だったら絶対やっているはずなんですけれども、じゃ、ちょっともう一回御答弁願えますか。
#163
○副大臣(小林興起君) これは、数もありますけれども、その規模とかそういうこともあるわけでございますから、そういうことを考えまして、数が幾つということについては役所として想定していないということでございます。
#164
○国務大臣(塩川正十郎君) これはまず、NGOにいたしましてもNPOにしましても、やっぱりこういうのは新しい時代の要請に基づいてできたものだと思っております。しかし、これに参加される方の思惑というものが様々でございまして、もう少し私は歴史的にこういうものであるということが実証されてくることが必要だと。したがいまして、私は、ここで実際に適用されている、今現在では十法人ぐらいですけれども、その方々の活動の実態を一回公に知ってもらって、こういうふうな実績に基づいてNPOは認定しておりますということ等をもっと政府全体で力入れてPRしてもらいたいと思っております。
 それともう一つは、私は、NPOにもう少し自治体が積極的に参加してくれたらいいんじゃないかと思うんですが、自治体の方は、もう何か余り、積極的なところと、ないところとございますけれども、ちょっと何か一枚置いているような感じがしますので。というのは、自分の仕事を取られてしまうという感じを持っているんですね。そういうことは私はいけないんじゃないかと思っておりまして、そういうことについてのこれからの配慮も必要だと思っております。
#165
○若林秀樹君 是非とも今後の成り行きの状況を見て、是非積極的な支援税制を拡大していただきたいと思います。これは、ある意味では社会コストを削減する要素がありますから、減税とどういうふうになるかというのはなかなか見極めにくいところもありますけれども、やっぱり今後、NPOの発展の土台を作っていくことも必要ではないかなと思います。
 最後に、石原行革大臣にお伺いしたいと思います。
 様々の公益法人改革の中で、NPOあるいは財団法人あるいは中間法人等をまとめて非営利組織として原則課税にして公益性があったら云々ということで議論され、今月に大綱が出るというお話がありましたけれども、私はやはり、性格とか生い立ちが違うNPOを中間法人とかそういうところで一緒くたにして議論するというのは、ちょっと現時点では少なくとも無理があるんじゃないかなというふうに思いますが、いろいろ新聞報道記事には出ているんですけれども、その辺の扱いについてどうなったか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(石原伸晃君) もう委員も御承知のことだと思いますけれども、公益法人制度改革は百年来の抜本改革であります。この三月の末を目途に今鋭意検討しております大綱の中では、仮称ですけれども、この公益法人の基本的な枠組みやこれから集中改革期間の中でどういうスケジュールでどの段階でどういうことをやっていこうかといったようなことを今立案すべく、鋭意検討を続けている最中でございます。
 そして、今回の改革、今、委員の御質問のところに関係あるところでは、公益法人制度改革というのは、これはもう委員御承知のことだと思いますけれども、法人格の取得とその公益性、すなわち税の優遇が一体となっているために、公益法人の中では、公益性が失われ、かつ民間会社が同じような仕事をしている中でも、その法人格が生きて、その法人格を喪失させることができないことによって競争条件の不一致や、あるいはもう公益とは呼べないような名の公益法人も数々のスキャンダルに代表されるように出てきたと。
 こういうものを除去していくには、やはり主管省庁の課ごとに公益法人の認可するのではなくて、幅広く、準則で届け出れば認められる。法人格は簡単に取得されるけれども、公益性の判断というものは、分けたんじゃ、分けた方がいいのではないかというような法人制度の設計を目指しているところでございます。
 そんな中で、今御指摘のこのNPO、昨年の臨時国会でも施行後三年ということでNPO法の改正が行われました。一つは、小林副大臣から御議論されたように、このNPO活動をもっと社会的に位置付けて広めていくためにはどうしたらいいのか。それと、やはりもう一つ忘れてならないことは、暴力団の排除というようなことに代表されますように、時間がたちましていろんなNPOも、正直言って私、出てきたと思います。
 そういう模様はまあ各々いろんなところで報道されておりますので、こういう言葉が適切かどうかは別にして、いいNPO、悪いNPO、こういうもののデマケもこれからはしていかなければならないし、NPOという組織が、幅広く活動領域の広がり方に着目すれば、非営利活動としてこの公益法人改革の中で議論することができないこともありませんけれども、やはり昨年の秋に臨時国会でNPO法の改正をし、さらに副大臣が御答弁されたような形で、この税制も、この認定、認証NPOでございますか、ここの部分を広げると。すなわちNPOの二階建て部分の、いいNPOの活動は国を挙げて、社会挙げてサポートしていこうというものを作る。
 こういう個々の事情を判断しますと、ただいま委員が御指摘されましたように、改革へのスケジュールの中で別途議論していくという考えも私はあるんだと思っております。引き続いて関係各方面から意見を聞かせていただきまして早急に検討して、正論を得るべく努力をさせていただきたいと考えております。
#167
○若林秀樹君 大臣のおっしゃるところは、今回の公益法人改革の中には取りあえずNPOは外していこうということで検討しているという理解でよろしいですね。
 ということで理解しましたので、私の質問を終わって、関連質問は藤原委員にお譲りしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#168
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。藤原正司君。
#169
○藤原正司君 民主・新緑風会の藤原でございます。
 私の方からは、少し色合いを変えまして、命のプレゼントについていろいろ質問をさせていただきたい。
 で、塩川大臣、全く通告していないんですけれども、塩川大臣、骨髄移植という、骨髄移植、御存じでしょうか。どの程度の御存じか、ちょっとお話しいただけませんか。
#170
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、話は聞いておりまして、体験したことございませんので分かりませんけれども、話はよく聞いております。
#171
○藤原正司君 このぐらい御存じない方も少ないんですけれども。
 それでは、大変御造詣が深い坂口大臣、簡単に説明していただけませんか。
#172
○国務大臣(坂口力君) 骨髄移植をお受けになる皆さん方もいろいろでございますが、例えば白血病でございますとか、そうした皆さん方のときに骨髄移植というのが本当に命綱になることがございます。その他の病気もございますけれども、そうした人に対します、ほかになかなか治療方法がないという現状の中におきましては、骨髄移植というのが大変重要になってきている。また、白血病等になられる方々の数も昔に比較をいたしまして随分増えてきておりますので、それに対して対応していかなければならないと思っている次第でございます。
#173
○藤原正司君 いや、実は、塩川大臣がある程度御存じだったら、実は、その骨髄というのはどこから採取されるか御存じですかということも続けてお聞きしたかったんです。
 というのは、ほとんどの方は、御存じない方は、骨髄を採取するというと脊髄から採るような感覚をといいますか、そういう思い込みの方が大変たくさんおられまして、そのことによって、ひょっとしたら脊髄損傷によって麻痺が起きるんではないかとか、骨髄移植そのものに対する、何といいますか、忌避感を招いているという一面もございます。ところが、実際は腰骨の腸骨というところから採るわけでして、別に脊髄損傷するわけでも全くない。
 先ほど大臣が言われましたように、白血病を始めとして、血液の病気でどうしてもこの移植でなければ治らない方が毎年二千人発生してこられる。その人たちのために実は骨髄移植というのがあるわけですけれども、なかなか理解されづらいというところが、この活動のある意味では停滞している一つの側面ではないかというふうに思うわけでございますが。
 そこで、今、骨髄を移植する場合にどのような条件でこの辺は合致するのか。例えば、輸血する場合にも輸血をするときの条件というのがありますね。骨髄移植の場合はどういうことが条件になるんでしょうか。
#174
○政府参考人(高原亮治君) 骨髄移植、これを提供していただく方はドナーというふうに言っておりますが、受ける患者さんとの間で白血球の型、HLAの中の六つがすべて一致していることが原則でございまして、特に非血縁者間の移植に関しましては、更に骨髄移植の内容を十分御理解いただいて、家族の同意をいただいていること、二十歳から五十歳までの骨髄移植に耐え得る身体的に健康な方であるということが骨髄移植推進財団によりドナーの条件として定められております。
 なお、骨髄移植ドナーの登録者数は、二〇〇三年一月末現在で約十六万六千人、非血縁者間の骨髄移植は昨年一年間で七百五十八例実施されております。
#175
○藤原正司君 そこまでまだ聞いていなかったんですけれども。
 いや、実は、白血病等血液の病気の方にとりまして、毎年二千人ぐらいはこれしか治らないという方法なんですね。そういうことに対して、国民の皆さんの理解、とりわけこの委員の、国会議員、国会始め委員の皆さんの御理解を是非賜りながら、運動を是非進めていきたい、こういう思いがあるから、ちょっとくどいようですが、話を順番に進めていきたいというふうに思っているわけです。
 そこで、先ほども話がありましたように、輸血の場合は、Rhプラスの場合ですと十人おれば、少なくとも二十人おればだれか必ず血液型が合う、輸血ができるというのが、血液、献血といいますか、輸血ですね。それに対して、大体このHLAと言われる白血球の型というのは一体どのぐらいの確率で合うんでしょうか、確率なんでしょうか、その点まず。
#176
○政府参考人(高原亮治君) タイプにもよりますが、数百人に一人、若しくは非常に珍しい場合ですと数万人に一名しか合わないこともございます。
#177
○藤原正司君 今お聞きになったように、数百分の一ないし数万分の一の適合確率であるというのがこの骨髄移植の一番大きなポイントになってくる。このHLAと言われる白血球の型が適合しなければ大変大きな拒絶反応が起きる。例えば、心臓移植の場合ですと移植した心臓だけが異物、敵として攻撃を受けますけれども、骨髄移植の場合、型が違いますと、入った骨髄が親分で体全部が敵になってしまう、こういうことなんですよね。その意味で、この白血球の型を合わすというのは大変重要で、しかも数百分の一から数万分の一の確率になっている。
 そこで、ドナーの登録、いわゆるバンクというのが必要なわけですね。それで、今このドナーの現在の数の状況、そして今どの程度のドナー登録を目標にしているのか、その点についてお答えを願います。
#178
○政府参考人(高原亮治君) 失礼いたしました。
 先ほどお答えいたしましたとおり、登録者数は十六万六千人でございます。また、私どもといたしましては、三十万人ぐらい登録していただければ何とか適合性は良くなるのかなというふうに考えております。
#179
○藤原正司君 今、毎年どの程度の方が実際に非血縁者間の移植を受けておられますか。
#180
○政府参考人(高原亮治君) 昨年は七百五十八名、例が非血縁者で移植を受けられております。
#181
○藤原正司君 毎年六千名ぐらいの血液の病気の方がおられて、そして二千数百名ぐらいの方は骨髄移植でないと治らないと。その中で、最後に非血縁者、いわゆる他人同士の間の骨髄の移植を求められる方は千五百人おられると。そのうち七百五十人が幸いにして白血球の型が合致して移植をすることができたと。しかし片側で、その移植を受けることなく二百五十名の方が座して死を待つ以外にないということで亡くなっておられることもこれまた事実でございます。
 私、これは、私自身、国会に送っていただきます前に労働組合におりまして役員やっておりまして、十年間ほどこの骨髄のバンクの運動をやってまいりました。これ、私は決してだれから言われたという問題ではなくて、これから我が国の医療を考えていくときに今のような体制のままで本当にいいのかどうかという観点で質問をさせていただきたいということでございます。
 そこで今、このドナーを拡大をしていく、この運動の中で国あるいは地方、いわゆる行政、そして日赤、そして財団法人である骨髄移植推進財団、あるいは大変熱心にやっておられるボランティアの方、それぞれどういう役割をしながらこのドナーの拡大あるいはこの骨髄移植の推進に取り組んでおられるのか、この点についてお答えをいただきたい。
#182
○政府参考人(高原亮治君) 骨髄移植推進財団でございますが、ここが中心となりまして、地方公共団体の協力を得まして普及啓発及びドナー募集を実施しております。また、日本赤十字社の献血ルーム、それから地方公共団体の保健所、それから集団登録会場というふうなことも実施しておりまして、ドナーの登録受付を行っております。
 国といたしましては、これらの事業にかかわる経費の一部について補助を行うという形でドナー登録の推進を行ってきておるわけでございまして、なお一層の普及啓発やドナー登録の機会を増やすことが重要であるというふうに考えておるわけでございます。
#183
○藤原正司君 一九九八年にドナー三十万人の目標設定をされたわけでございます。ドナー登録三十万といいますと、この白血球の型が大体適合する確率が約九〇%、現在の十六万数千人では八二、三%の適合率と。これをせめて九〇%に拡大、上げていきたいという背景が三十万だと思います。しかも、ただ、この三十万にやったとしても、一人だけ適合してもその人の都合でお断りになられればこれは駄目なわけで、少なくともこの三十万というのはほんの序の口の目標ではないかというふうに思っているわけですけれども、この目標設定して五年目になって、なお十六万数千人に停滞をしているといいますか、むしろドナーの拡大に足踏み状態が出てきているということに対して、どのようにお考え、どこに問題があるのか。
#184
○国務大臣(坂口力君) 都道府県でありますとか市町村、あるいはまた各種団体にもお願いをいたしておりますし、委員のように非常に御熱心にお取り組みをいただいているそういう労働組合始め団体もあるわけでございますが、トータルで見ますと、先ほどお話をいただきましたような十数万人というところにとどまっているわけでございます。私もいろいろ相談を受けておりまして、これは都道府県とか市町村にどれだけ言いましてもなかなか私はうまくいかないんではないかと、正直なところそう思っております。
 したがいまして、これを拡大をしていきますためには、かなり熱心に取り組む一つの団体があって、そしてボランティアの皆さん方にもお手伝いをいただいてやっていく、そういう熱心にやるところを決めないといけないというふうに思っております。やはりそれをどこがやるかということになれば、私はやはり赤十字が一番好ましいのではないかというふうに思っています。なぜなら、赤十字は献血事業もやっておりますし、いたしますから、そういう現場で多くの皆さん方に接して、そしてその血液を提供していただくような奇特な皆さんに対してこのドナー登録もしていただくというようなことを積極的にやれば、これはかなり拡大していくのではないかというふうに実は思っているわけでございます。
 赤十字に対しましても、かなり私ももう少し積極的にやってくれないかということを言っているわけでございますが、正直なところはいま一つはっきりしないところもあるわけであります。といいますのは、献血現場でこれを余分にやろうと思いますと、人が余分にその分一人ぐらい、あるいは二人というふうにして、一人は要るわけで、御説明も申し上げなければならない、納得をしていただきましたらそこで献血も、血液の、検査用の血液もちょうだいをしなきゃならないということで、仕事量が増える、そして一番中心にやっている献血のことに妨げになるという思いがあることも事実でございます。しかし、それらのことを乗り越えて、やはりこれはそこにお願いをしていく以外ないのではないかというふうに私は今のところ考えております。
 ただ、財団の皆さんでございますとか、ボランティアといたしまして今までこの問題に熱心にお取り組みをしてきていただいた皆さん方のお仕事を取り上げるようなことがあってもいけない。そこのところの整合性をどう取るかということが大事だというふうに今のところ私は考えている次第でございます。
 御賛同を得れば、私はそうしたことを更に積極的に進めたいという気持ちも持ち合わせておりますこともここで申し上げておきたいと思います。
#185
○藤原正司君 行政と、そして日赤と、そして財団と、これらが三位一体となって、要は全体としてどう移植の活動を推進していくかということが大事だと思います。
 先ほど言われましたように、日赤なんですが、率直に言いまして日赤の場合は、この財団が発足したときに、組織内文書を流して、極めて限定的な協力をしてそれ以上のことはするなというふうな文書を流した経過もあり、その後この文書は撤回をされてはいますけれども、かなり現場においては、この骨髄の移植に関する活動といいますか、ドナーの登録拡大に対する活動に対してかなり腰が引けているといいますか、あるいは地域によっては若干一生懸命にやってられるところもありますけれども、全体として腰が引けていると。
 確かに、厚生労働省の方から出された文書の中には、受付から下流域を日赤に頼まれておるということなんですけれども、しかし実際、受付と募集というのは一体問題で、私は、受付はしますけれども募集はしませんよと、いや、そんな線引きのできる問題ではないというふうに思うわけですね。
 例えば、献血のときに問診票というのを書きます。その欄外にでも、今、骨髄の登録もやっていますよと一言書けば、わずか同じ注射針一回刺しただけで、十tたくさん採るだけで、しかも、輸血に、献血に来られる方というのは非常に意識の高い方です。わざわざ屋外に止まっている献血車のところへ行って私も献血しますよと言われる方は普通の方より極めて意識の高い方で、その人たちが身近にドナー登録できるのならば物すごくこの問題進んでいくというふうに思うわけですけれども、そういう登録会に関してもあるいは並行登録会に関しても、極めて消極的であるというのが私どもの感想なんですね。その点を含めまして、もう一度お考えをお聞きしたいと思います。
#186
○国務大臣(坂口力君) 私も、今、委員がお話しをいただきましたお話に近い気持ちを持っております。
 余り私が赤十字の悪いことを言うのは差し控えなければならないというふうに思いますけれども、しかし積極的でないことだけは事実だと思っております。一番やっていただきやすいポジションとして赤十字があることも事実だというふうに思いますし、工夫の仕方によりましては今お話のありましたようにでき得るわけでございますから、もう少し積極的に取り組んでもらうようにやっぱり私、努力しなきゃいけない立場なんだろうというふうに思っております。
 再三、私、実は話をしているわけでございますが、もうちょっと積極的でないんですね。腰が引けているというお話をしていただきましたが、私もそんな思いというのは正直なところあるわけでございまして、皆さん方におこたえをいたしますためにはもう少し積極的に取り組んでいただく以外にないと思いますし、決してそれは財政上の問題だけではないと思っております。やはり赤十字精神の下にそれはおやりをいただかなければならないというふうに思っておりまして、赤十字の職員の人は必ずしも赤十字精神になっているかというと、そうでもないんですね。それを大変私は残念に思っているわけでありまして、御指摘いただきましたことも十分踏まえてもう少し熱心に私もやりたいと思っています。
#187
○藤原正司君 この活動を日赤に移す移さない、もう一つ前段の問題として、先ほど言いました三者がどれだけ一体となって進められるかということが極めて大事なことであります。
 その意味で行政の責任も多いわけでして、このバンクが発足、財団が発足した当時に、省の方から普及啓発の協力とか連絡協議会の設置などの指示が下りているわけですけれども、これは指示じゃない、通知が下りているわけですけれども、必ずしも府県によってこの体制ができていない。そのことが、例えば東京では年間九十五回、沖縄では百十回の登録会が行われているにもかかわらず、一回しかない県が五つある。青森、滋賀、山梨、高知、奈良、ここなんかまるっきりやる気がないわけです。
 これは日赤の問題ということと同時に、行政側が音頭を取って、この協議会の下に音頭を取って一緒に進めていくという、これがなければ進まないんじゃないですか。
#188
○国務大臣(坂口力君) そこも御指摘のとおりというふうに思います。ですから、毎日毎日の献血の場所でドナーの受付をするというのが不可能であるならば、月に三回なら三回、どういう場所で行いますというふうなことで行っても私はいいのではないかというふうに思っております。やはり献血が始まったときにも、赤十字の方は全部国から丸投げをされてそしてやらざるを得なかったという、そういう過去の経験もあるものですから少し腰が引けているのではないかという気もいたします。
 ですから、国や県、市町村も積極的に対応をしていただかなければならないというふうに思いますし、県にやはり対応していただきますためには、国の方もやはりしっかりとそのことを支えていかなければならないというふうに思いますから、かなり昨年辺りからこのことに対しまして都道府県にもお願いをしているところでございますので、私たちも、そういう差が大きくなってきていることも事実でございますので、その点を踏まえてやっていきたいというふうに思います。
#189
○藤原正司君 その縦割りの壁を越えて、是非一体的に取り組んでいただけるような御努力をお願いしたいと思います。
 人手の問題も、例えば緊急地域雇用創出特別交付金事業、この中の一つの参考例としても出されているわけですし、現に富山県などは活用されてうまくいっているわけですから、そういう様々な施策が講じられると。その意味で、これまでの、おまえのところはこれだけだ、おまえのところはこれだけだ、おれのところはこれだけだみたいな話ではなくて、本当に少なくとも最低三十万人のドナー登録が早期に達成されるように、行政として責任を持って推進するということでよろしいですね。
 それでは次に、公費負担の問題で、実は患者さんが献血を、骨髄移植を受けた場合の個人負担というのが大変大きいわけでして、これはどういうふうなものがどの程度の金額が掛かっているか。
#190
○政府参考人(高原亮治君) ただいま御負担いただいております内容と金額でございますが、コーディネートの開始料といたしまして七万円、ドナー確認検査手数料、これはドナー一人当たり二万円、ドナー確認検査料、これも一人当たり五万円、最終同意調整料八万円、骨髄提供調整料三十万円、ドナー団体傷害保険料二万五千円となっております。
 ただし、移植と結び付いた場合には診療報酬より給付される部分があることから、移植医療機関よりドナー等の検査費用が財団に払い戻されるため、その分患者負担金は減額されることとなっております。
 実際に負担していただいております額は、確認検査を行うドナーの数によって異なっておりますが、例えば四人というふうなのを仮定いたしますと、移植を行った場合には五十六万三千円ぐらいの御負担を願っております。
#191
○藤原正司君 これは輸血と違いまして、あらかじめ採血されたものをそのままやるということではなくて、ドナーに対して、仮に適合したとしても、一から順番に相談をしていって、本当にその方が移植をすることに協力してもらえますかという、この確認が大変なわけであります。
 といいますのは、途中で気が変わった場合に、例えば患者の場合は抗がん剤などによって免疫力をゼロの状態で待っているわけでして、その段階で私が気が変わったと言えば極めて高い確率で死ぬ以外にないわけです。それだけに、先ほどの確認作業というのは慎重でなければなりませんし、そして途中でできなくなるケースもある。そういう費用も含めて見なければならない。あなた、移植受けられなかったけれども見てください、不幸にして亡くなったけれども見てくださいと、こういう話が、こういうことが、四十万ないし六十万円の金が掛かる。健保が適用されないんです。
 そこで、なぜ健保は適用されないんですか。
#192
○政府参考人(真野章君) 医療保険の場合には診察、治療等の行為に対して適用するということでございまして、骨髄移植推進財団が行いますあっせん業務はこれらの診察や治療に直接当たらないということから適用は困難であると考えております。
 ただ、骨髄の移植術そのものにつきましては医療保険の適用を行っておりまして、昨年の診療報酬改定は全体マイナスという改定でございましたけれども、二万二千六百点から三万七千六百点、一万五千点、十五万円のアップという点数の大幅な引上げを行ったところでございます。
#193
○藤原正司君 私はその前後の話をしているんではなくて、今、こういう部分について、患者が負担されていますよという部分について、なぜ健保が適用されないのか。
 例えば、輸血の場合は、直接的経費だけがその保険の点数の対象になっていますか。
#194
○政府参考人(真野章君) 技術料と血液代は保険の対象になっております。
#195
○藤原正司君 ですから、今言われたことは健保の対象にできないという理由ではないんです。その前後のカウンセリングとか、そういうものが入っているから健保の適用にならないというのは、適用しようと思えばどんな手だてでも講じられるんじゃないですか。
#196
○政府参考人(真野章君) 先ほど、例示といたしまして診察や治療ということを申し上げましたが、薬剤の提供というのも療養の給付の対象でございますので、そういう意味で輸血の場合には対象になっているということでございます。
#197
○藤原正司君 聞こえない。
#198
○政府参考人(真野章君) 薬剤の提供というのも療養の給付の対象でございますので、血液は薬剤ということで対象にしているということでございます。
#199
○藤原正司君 骨髄液はなぜなんですか。
#200
○政府参考人(真野章君) 骨髄液は薬剤というふうに考えられていないというふうに承知をいたしております。
#201
○藤原正司君 それは、たまたまあなたたちが決めただけのことでしょう。
#202
○政府参考人(真野章君) そういう取扱いをいたしているということでございます。
#203
○藤原正司君 問題は、だれも好き好んでこんな難しい病気になろうとしているわけじゃない。しかも、この手段しか治らない人が千数百人、毎年出てきている。その人たちはうまく移植がいってもいかなくても、それだけの金を負担しなければならない。そこから保険の制度とかいうものは考えられるべきではないんですか。
#204
○国務大臣(坂口力君) 確かに、先生おっしゃるその論理というのは、それは患者さん中心に考えればそういうことなんだろうというふうに私も思うわけでございます。
 省内でもいろいろ話をするわけでございますが、保険には保険の論理というのがございまして、なかなか、今までの保険の論理でいきますと、そこがなかなか認めにくいということでございまして、この問題だけではなくて、ほかの先進医療の問題につきましても様々な関係をしてくることだものでございますから、そこをどう整理をしていくかということになってくるんだろうというふうに思います。
 しかし、患者さんに四十万も五十万もこれ負担をしていただかなきゃならないということは、そしてまた、先ほどおっしゃいましたように、負担をして、なおかつ命を懸けなければならないというようなことは大変なことでございますし、皆さん方にできるだけ御負担の掛からないような体制をどう作り上げていくか。それから、もう少し所得の低い人にはどうするかというようなことも今考えているわけでございますが、今御指摘をいただいたこともございまして、もろもろの問題、少し今整理をいたしておりますので、もう少し整理をさせていただきたいというふうに思いますので、いま少しのお時間をちょうだいしたいというふうに思います。
#205
○藤原正司君 今、大臣の大変前向きなお話を聞きまして、うれしく思います。
 ここの財団の財政は、昨年の実績ですと二億五千万円が国の補助、二億円がカンパですね。そして、残り六億円は実は患者の負担によって成立をしております。そのために、要は移植というものが進めば進むほどこの財団は赤字が出てくる、こういう状況になっているわけです。
 ですから、百歩譲って、骨髄液に関する、あるいはその周辺業務に対する健保適用ができないとしても、公費によって、例えば財団に対する補助金の増額というような形によってでも、せめて患者さんの負担が健保並みぐらいになるような、そういう努力をしてもらえないでしょうか。その点についてもう一度、お答え願いたいと思います。
#206
○国務大臣(坂口力君) いろいろ難しい課題でありますことは十分承知の上で、努力をしたいと思っております。
#207
○藤原正司君 今、これまで申し上げてまいりましたように、年間六千人の方が血液の、白血病でありますとか再生不良性貧血とか、様々な病気、血液の病気にかかっておられまして、そして最終的に二千数百人の方が骨髄移植という形でしか助けようがない。その中には、血縁者間の移植もありますし、自らの骨髄をあらかじめ採取しておくやり方もありますけれども、実際千五百人という方が、最後にはこの骨髄バンクを通して骨髄の提供を受ける、この方法しか助かる道がないわけでございます。
 これは、既に日本においても一九七〇年の後半から始まった療法でありまして、しかも先ほど言いましたように、かなり、去年だけでも七百五十名の方が移植を受けておられるというふうに、特殊な治療でも何でもない。しかも命を救う上で極めて重要な方式なんだということを踏まえまして、どうぞ国におかれましても、健保適用にするのか、国が補助をするのか、是非前向きな検討をお願い申し上げます。
#208
○委員長(陣内孝雄君) 以上で若林秀樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#209
○委員長(陣内孝雄君) 次に、福本潤一君の質疑を行います。福本潤一君。
#210
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 まず、イラク問題について質問したいと思います。
 今日の朝刊、またテレビでの報道はイラク問題がトップという状況でございますが、その中、三か国の首脳会談の後、米ブッシュ大統領は、十七日が外交決断の最後の日であるというふうに言っております。
 公明党神崎代表自ら、先ごろニューヨークに飛びまして、国連のアナン事務総長に対し、イラク問題の国連の枠内での解決ということを強く要請いたしました。さらに、アーミテージ米国務副長官に対しまして、国際協調路線を最後まで貫くようにということを訴えさせていただきました。また、現在、この瞬間も、イラク説得に浜四津代行をジュネーブ、イランに派遣しておりまして、平和的解決に向けて公明党として努力をして全力で取り組んでおるところでございます。
 そこで、外務大臣にお伺いしますが、米国、英国、スペインの三か国首脳会談の状況、さらにこの首脳会談を踏まえた米国の今後の動き、さらに国連安保理の対応、政府はどのように対応、把握されているか、これをお示しいただきたいと思います。
#211
○国務大臣(川口順子君) アメリカとイギリスとスペインの首脳がアゾレス諸島でお話をなさって、そして国際社会が一致してイラクに対して圧力を掛けて、イラクが自ら武装解除をすること、そのために最後の外交努力をするということで一致をしたということでございますが、それについて日本政府としては評価をいたしております。イラクに対しまして自らの武装解除を行うように強く求めたいと考えています。
 今後についてでございますけれども、安保理、これは十七日の午後から会合をするということでございましたけれども、午前中から会合をするという話もございまして、今、最後の外交的な努力をどのようにしていくかということでいろいろお互いに交渉がある状況であると思います。
 我が国としては、先ほども申しましたように、最後の外交努力を引き続きする、最後の最後までするということが重要であると考えておりますので、神崎代表にも先般していただきましたけれども、私も先週の金曜日にパウエル国務長官に電話をいたしまして、国際協調重要だというお話をさせていただきましたし、今般、ドビルパン外務大臣とも、フランスの外務大臣ともお話をさせていただいて、そのために我が国として今の時点で何ができるか、これを最大限模索をしたいと考えております。
#212
○福本潤一君 こういう中でございます。私も広島の生まれで育ちでございまして、広島の友人からも、今、正にこのまま行くと第三次世界大戦の前夜の様相を感じるという人まで現実にございます。ですので、外務省に、イラクへ決議なき、国連の決議なき攻撃があった場合、先日、小泉総理、その場の雰囲気で決めるということで、本当に大丈夫なのかという不安感に襲われておる人もおります。
 総理を補佐する立場で、外務大臣、その場合、米国の態度表明に対する日本の立場について、明確にお話しいただきたいと思います。
#213
○国務大臣(川口順子君) 国連の決議が、今出ている三か国の決議案が採決されなかった、あるいは通らなかったということでございますけれども、私どもとしては、これは、今までイラクが様々な点について六八七を守ってこないということが言われていた、これは一四四一に書いてございますけれども。それから、報告書を出す時点で様々なオミッションがあった、省略があった。このこと自体は、これも一四四一に書いてありますけれども、更なる重大なる違反であるというふうに書かれているわけでございます。
 したがいまして、三か国の決議案の性格というのは、これは、そういったイラクが今まで守るべきことを守ってこなかったということについて、それを確認をするという性格のものであって、これが、これ自体が武力の行使について何か言っているかということでいいますと、一般的にこれは要するに確認をするためのものであると、そういうことであろうかというふうに思います。
 いろいろ前にも申しましたけれども、一般的には、六八七を守ってこなかったということがあれば、その基礎が崩れたということで六七八に戻っていくということになると思いますけれども、いずれにいたしましても、我が国としては、今、残された最後の時間でイラクに対して武装解除をするように強く働き掛けると同時に、国際社会がこの問題を、一致してイラクに対応することができるようにということで我が国も努力をしたいと思います。
 それで、最後、そういうことが駄目だったときにどうするかということですけれども、これについては、やはり大量破壊兵器の問題が我が国にとって非常に大きな問題であるということを認識をする、そしてまた、イラクの対応や安保理での議論の状況、これを見、そして我が国が国際社会の重要な一員であるという立場に立ってそれらの点を総合的に考えて判断をしていくことになると思います。
#214
○福本潤一君 安保理決議がまとまらなくても米国が武力行使に及んだ場合、国連三決議、一つの根拠に考えられるようでございますが、クラウゼヴィッツは、戦争は外交の最終的結果であるというふうに言っておりますけれども、戦争というのはやはり絶対悪ではなかろうかというふうに思いますので、外交努力の結果やむなしということがないように、全力で行動していただければと思います。
 さらに、具体的に、イラクに現在おられる方々、こういう周辺の国には五千名近くが、邦人が在留しておられるというふうに伝えておられます。そこで、こういう五千名の邦人に関しまして、今後、退去、救援、例えば緊急の課題あった場合、どういうふうに考えておられるのか、この点もお伺いしておきたいと思います。
#215
○国務大臣(川口順子君) 万が一、武力行使になったときに、邦人の方々に無事に危険な地域を出ていただくということが大変に重要なことでございます。
 それで、湾岸地域、ひところ委員がおっしゃられましたように五千人ぐらいいたわけでございますけれども、それ以降、徐々に地域をお出になられていらっしゃいまして、現在は五千人を下回っている数でございますけれども、イラクには今のところ、これは十七日、今日のお昼現在の数字でございますけれども、三十八名で、うち短期の滞在者が三十名いらっしゃいます。そのうちに人間の盾ということで志願をしていらっしゃる方、この方が六名いらっしゃるということでございます。
 こういった方につきましても引き続き働き掛けは行っておりますけれども、なかなか意思が強くていらっしゃるということのようでもございます。最終的に本人の強い意思でイラクに残られる邦人の方に対しては日本政府として退避しなさいということを強制はできないわけでございますけれども、いずれにしましても、ほかの地域も含め、できるだけ邦人の保護ができますように近隣の我が国の大使館の全員が一致して当たっているわけでございます。
#216
○福本潤一君 さらに、人間の盾という言葉で邦人、説得にもかかわらずとどまろうとしているという方がおられると。こういう、本人の自己責任とも言えますけれども、これらの人に対して今後どういうふうに対応していかれるのか、これをお伺いしたいと思います。
#217
○国務大臣(川口順子君) 非常に難しいところがございまして、連絡先はきちんと教えてある、それから、こちらからも御本人の携帯等に連絡をできるだけしているという状況でございますけれども、今なお説得ができていないということでございます。
 そして、この六名の方ですけれども、うち、個人の方もいらっしゃいますし、それからフリーのジャーナリストの方もこの人間の盾に入っているということでございます。報道関係者三名、それから市民団体あるいは個人三名、合計六人が人間の盾でございます。
#218
○福本潤一君 様々な今後の対応含めて検討されておるんだと思いますけれども、この米国によるイラク、行使が現実に起こった場合、今後、いろいろな形での国民への適切な情報提供、必要だと思います。政府の方針について説明責任ありますので、この心積もり、対応、外相にお伺いしたいと思います。
#219
○国務大臣(川口順子君) 私どもとして、先ほど言いましたように、まだイラクが自主的に武装解除をすることの時間はあると思っておりますけれども、万が一そういうふうにならなかった場合に武力行使がアメリカによって行われたときに我が国としてそれについてどういう対応をするかということについては、きちんと国民の皆様に御説明をする義務があると思っております、義務及び責任があると思っています。
 これについては、総理御自らそういうことについてはやっていただけるのではないかと私は思っています。
#220
○福本潤一君 正に十七日、本日の時間帯に行われる決議に対して万全の対応もしていただければと思います。
 と同時に、周辺事態法のときも私、日朝問題、お話、質問させていただきましたけれども、現実に日朝平壌宣言が出た後もう六か月経過しているという状況でございます。この日朝関係、今後どのように北朝鮮外交、対応していただけるのか、また、していこうとされているのか、その点の確認をしたいと思います。
#221
○国務大臣(川口順子君) 昨年の九月に総理が訪朝して、一回、日朝平壌、日朝の会談が行われましたけれども、それ以降話が進んでいないということについては非常に残念でございます。この状況を何としてでも早く打開をしなければいけないと考えております。
 拉致の方々、生存が確認された拉致の方々の帰国が十月にございまして、そして現在は北朝鮮に対して、その家族の方、北朝鮮に残っている家族の方が一日も早く日本に帰ってきて、自由な雰囲気の中で意思決定をしていただけるようにということと、それから事実関係、拉致の、ほかにもいらっしゃいますので、について、関係についての事実解明をきちんと説明をするようにという要求をずっといたしております。
 それから、安全保障の問題については、我が国としては、核の処理、核の再処理施設ですね、それを動かすこと、あるいは弾道ミサイルの実験をすることということについては非常な重大な懸念を持っておりまして、そういうことはすべきではないというメッセージも伝えてございます。
 いずれにいたしましても、その北朝鮮の問題は、我が国が二国間で働き掛ける話、それから日本、韓国、アメリカあるいは中国、ロシアといった関係国とともに進める話、また、IAEAや国際連合、国連の場で話をしていく話、いろいろな場で働き掛けたい、働き掛けをしていく考えでおりますし、現にそういったことをしているわけでございます。
#222
○福本潤一君 拉致問題にも言及いただきましたけれども、昨年の十月末にクアラルンプールで交渉して以来、進展見ていないと。私も、今年の一月、クアラルンプールで二十八か国が集まって、APPF会議、参加して、拉致問題のことを共同宣言の中に入れるように頑張りましたけれども、中国が反対してこれできなかったということで、二か国のみならず、中国、ロシアも入れて五か国でこれ対応する必要が出てくることもあろうと思いますが、現在、北朝鮮、第二次訪朝団とか、何らかの具体的な努力をできないものなのかということも私感じておりますので、そういう今後の状況打開の努力についてお伺いしたいと思います。
#223
○国務大臣(川口順子君) いろいろな機会について、拉致の方々の北朝鮮に残っている家族を日本に戻すべきであるということと、事実の解明、これをやりたいということを、やってくださいということを北側、北朝鮮側には伝えているところでございますけれども、様々な問題が北朝鮮と他国の間にあるという今の状態においてなかなか前進を見ないということでございますけれども、委員のおっしゃられた御示唆も含めて、ありとあらゆる機会をつかまえて働き掛けを続けたいと、それは何よりも大事なことであると思っています。
#224
○福本潤一君 拉致の問題以外にもまた核の問題も現実に起こっているという状況でございますし、イラク問題の協議、緊急でございますので、国連安保理では、こういう北朝鮮の核開発問題、棚上げ状態にあるんではないかと思いますが、この国連安保理の中での北朝鮮の核問題、審査の状況はどういう状態なのか、また今後、瀬戸際外交をしている北朝鮮に対しまして、今後、北朝鮮を非難する決議案、採択しようという動きもあるように伝えられておりますけれども、政府は今後どのように対応していかれるか、これをお伺いします。
#225
○国務大臣(川口順子君) 国連の安保理に対しましては、先般、IAEAから付託がなされました。それを受けて、国連の安保理では専門家の会合でこの問題を議論するということになりました。そして、今その専門家の会合について話合いがなされていると、そういう段階にございます。
 それで、一連の北朝鮮の様々な行動との関係で制裁という御質問ございましたけれども、今、国連の場ではそういったことについて議論はまだされていない状況にございます。どの国も今の段階で経済制裁ということは考えていないということでございますが、今後引き続き、北朝鮮の問題については我々としても大きな懸念を持っていますので、事態についてはきちっと見守り、状況に応じて、先ほど申し上げた関係国とも相談をし、国際機関の場においても我が国としてもできることをやっていきたいというふうに考えています。
#226
○福本潤一君 戦争になりますと、勝者も敗者もなく両方とも敗者であるというような状況が現実に生まれます。最大限の努力をとことんまで突き詰めてやっていただければと思います。
 このイラク問題、現在、日本で行われている、関西で水フォーラムが行われておりますけれども、様々な形で影を落としているようでございます。ここに、イラク情勢緊迫化ということで、フランスのシラク大統領も参加して、百八十か国参加されて水の問題で討議進んでおると。二十一世紀の中ごろには石油の問題での紛争よりも水による紛争が起こるのではないかということで討議進めておる中で、急遽、シラク大統領欠席されてビデオレターであいさつされたという現状でございます。
 水問題の緊急性を訴えるビデオレターでございましたけれども、この水フォーラムで具体的に今後、紛争の問題含めて取り扱われると思います。ですので、先ごろ、物質の循環ということで循環型社会形成推進基本法を議員立法スタートで通させていただきましたけれども、元々の根っこには物質の循環の以前に水の循環というものが、全人類に、地球に存在する水が、下水道を含めて大きく循環のスピードをアップする必要があるほど人口が増えているという状況が生まれております。
 そこで、水フォーラムが行われている中でございますし、水政策ということで河川や下水道、これは国土交通省、さらには具体的に水道は厚生労働省また地方自治体、さらには水源となる森林の管理というようなものは、農村集落排水は農水省、さらに水質保全、浄化槽は環境省、また工業用水、民間企業は、民間企業の水力発電等々は経済、経産省、関係省庁が多岐にわたっております。ここでは、全省庁にお伺いするわけにいきませんので、国交省、厚生労働省、農水省、環境省、四省に、今後健全な水循環を得るために具体的にどういうことをするべきか、というふうに考えているか、これを、各省庁の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#227
○国務大臣(扇千景君) 今、福本議員からお尋ねがございましたけれども、水に関しては日本工業総合研究所、少なくとも水の水利調整機構の委員でいらっしゃいまして、水の博士と言われた福本先生ですから、大変関心を持っていただき、また、今言われましたように、この大変国際的に難しいときに世界じゅうから集まっていただきまして、昨日からこの水フォーラムが滋賀、京都、大阪、三都市を中心にして、少なくとも世界の水フォーラムで海外から今お話しのように約二百国、そしてシラク大統領も、それからアナン事務総長もおいでになるという最初お話でございましたけれども、残念ながらそういう意味で、私ども閣僚級会議も、二十一、二十二、二十三ですけれども、外務大臣も今、出席不可能になるのではないかというような、大変国内的、私自身もまだクエスチョンマークというような中でも、世界じゅうから来ていただいた皆さん方に、この水の問題に関して、今、議員がお話しのように、少なくとも私は、今後は世界じゅうの皆さん方が水不足あるいは水質汚染、また御存じのとおり洪水等々、もう水に関することが二十一世紀の最大の山になると言われるくらいな状況の中で、第三回目の世界の水フォーラムを日本で開いているというこの重要性。
 そして、今、御存じのとおり、おっしゃいましたけれども、これは国土交通省はもちろんでございますけれども、厚生労働省、そして経産省、農林水産省、そして環境省と五省から成るこの関連を含めて連絡会議を設置し、なおかつ健全な水循環を確保する。そして、それが世界に貢献していくということで、私は、今までの水に関する我々の努力、そして日本の国のこの貢献度、それは約、水分野に関しましても過去三年間で六千五百億円の資金協力をしてきたと。そして、とりわけ飲料水と衛生分野への援助というのは世界のこの分野のODAの総額の約三分の一のシェアを日本が占めてきたということを含めましても、この水フォーラムをこの時期に開催し、なおかつ二十一世紀に世界で協力していくということは、極めて重要な時期にこの会議を持たせていただいたと思っておりますので、福本議員の専門的な今までの御高見も聞かせていただいて、努力し、なおかつ貢献していきたいと思っています。
#228
○国務大臣(大島理森君) 農林水産省としては、健全な水循環を図るということを大きな目標といたしまして、まず第一には農業集落排水事業の推進、そして、それも農業集落排水を循環的に農業用水用にも使えるというシステム、第二点はやはり森林の保全環境であろう、このように思います。
 そして、集落排水でございますが、先生御存じのように、非常に今施行率がまだまだ都市と比べて低うございますけれども、国交省の皆さんとも、あるいはまた様々な、環境省とも連絡会議の設置をしながら都道府県構想を作らせたい、そういう中で効率のよい姿を計画的にやりたいと。それから下水道、この下水道との接続による処理場の共同利用や合併処理浄化槽等の連携により効果的に実施する。
 二つ目の大きな問題、我々の対応であります森林については、もうこれは度々御議論をいただいておりますが、適切な間伐実施や複層林化、森林の保全に必要な施設の設置等を積極的に推進していく、そういう意味で我々の責務というものがあると思って努力してまいりたいと、こう思っております。
#229
○副大臣(木村義雄君) 先生御指摘の水の問題でございますけれども、厚生労働省と水というのはこれはもう切っても切れないものでございまして、水というものは健康の原点なんですね。公衆衛生の原点なんですね。それで、厚生労働省におきましてはそういう観点から水道行政を所管させていただいておりまして、省庁の再編のときもこの部門をどうするかという問題点はあったんですけれども、やはり先ほど申しましたように、正に衛生の原点ということから水道行政を所管しているわけであります。
 それで、安全で良質な水道水を供給するためには、水源となる領域におきまして、水質を始め、水環境が適切に保全され健全な水循環系が構築されることが大変重要だということは十分に認識をしておるわけでございまして、また先生の日ごろの御尽力にも敬意と感謝を申し上げる次第でございますけれども、このため、政府全体といたしましても連携の取れた取組を進めていかなければいけないという観点から、関係する五省庁九部局から成る関係省庁連絡会議を設置しておるところでございまして、総合的な検討も現在行っているところでございます。
 我が省といたしましては、先生御指摘の健全な水環境、水循環の構築に向けまして、積極的に検討し参加をし取り組んでまいりたいと、このように思っている次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#230
○国務大臣(鈴木俊一君) 健全な水循環に関する環境省の考えでございますが、自然の水循環というのは様々な機能を持っていると思います。人の生活や、それから自然の営みに必要な水を確保すること、それから水循環がきちっとされることによって水質の浄化も行われますし、また生物の多様性というものもそれは確保されるものであると、そういうふうに思っております。
 しかし、近年、都市部に人が集中し、また産業も集中するというようなことがございまして、こうした水循環が非常に急激に変化をしている。それによって水質の汚濁も進んだり、又は水をくみ過ぎて地盤沈下が起こったり、生物の多様性にも悪い影響を与えておりますし、それから水の浸透性というものにも大変大きな問題を出していると、そういうふうに考えておりまして、きっちりした対応が必要であると、そういうふうに思っております。
 そもそも、健全な水循環といいますのは、雨が降ってきて、それが土の中に浸透して河川や湖沼や海に流れて、それがまた蒸発して再度雨になるという、こういう循環の中で人間の営みに必要な水の一つのシステム、それと人間の外にあって環境保全に必要な水のシステム、そういうものがバランスよく調和している状態が健全な水循環であると、そういうふうに思っております。
 こういうような状況を確保するためには、流域を単位とした計画の策定をして、それから御指摘のように関係省庁、多岐にわたっておりますので、関係省庁との連携も深めて、そして関係行政や住民が一体となった取組を実施する。さらには、水循環の診断・評価手法の確立などを行うことが必要であると思っておりまして、これからも関係いたします各省庁と連携しながら、環境省としてもこの問題、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#231
○福本潤一君 地球上の水のうちの〇・〇一%しか淡水として人間が利用することができない状況ございますし、洪水の方の問題も国際河川では問われております。私も、この水フォーラムを主催されている、日本に誘致された高橋裕先生、私のドクター論文の審査員でございましたし、是非ともこの水フォーラムに向けての取組、各省庁、全力でしていただければと思います。
 具体的に、循環型社会形成推進基本法のときにかかわる方、予算、三兆円あるといった中身を具体的に私ども精査しますと、一・七兆円は下水道、中水道関係、再生利用水でございますが、その方の関係についても大きな予算を国が投入していると。六一%、下水、日本では充足させておりますけれども、今後、その中の中身を若干精査さしていただければと思います。
 人口密集地というところでは公共下水道、国土交通省中心にしておられますけれども、人口が少ないところ、こういうところでは合併浄化槽の方が短期間で設置できるということがございますので、それぞれの特徴を配慮して、この下水道処理、水の循環の中で対応していただければと思いますので、国土交通省、環境省、この点についてもお伺いしたいと思います。
#232
○国務大臣(扇千景君) 今、福本議員が御指摘のとおりでございまして、汚水処理の施設の整備、この手法には、下水道などの集合処理と、あるいは合併処理浄化槽のような個別処理と両方あるのは法案のときにも随分御指摘をいただきましたし、またそのとおりに実行しておりますけれども、この場合、一般的に、今、福本議員がおっしゃいましたように、都市など人口が密集しておりますところでは少なくとも下水道などによる総合処理、そしてまた民家がまばらなところには少なくとも合併処理浄化槽による個別処理ということで、私たちは平成七年から、これ建設省と、維持管理費の総費用が最も安くなるような整備手法を組み合わせて、そして地方と、それぞれの地方の意思によって自由にこれが選択できるように政策転換をしてきたところでございますし、各都道府県、また都道府県の構想、そういうものを策定しまして、国の関係三省、いわゆる農水省とそれから環境省と国交省と、この三省によってこれを支えていく仕組みを作ったところでございますので、都道府県構想というものは平成十年六月までに都道府県で策定済みとなっております。
 そういう意味では、今おっしゃいましたように、ただ、これから、いったん策定された構想についても、技術開発によるコストの低減である、人口密度の変化等々によりましてこの随時見直しをするというようなことをお願いしておりますので、平成十三年には、特に費用の比較のための統一的な考え方や基礎数値というものを、三省共同で今入念な見直しをお願いしているところでございますので、時代の要請に応じたより効率的なものを実行していきたいと思っております。
#233
○副大臣(弘友和夫君) 先ほどお話のありました第三回世界水フォーラム、私も昨日行かしていただきましたけれども、その中で、二十四億人の方々が基本的な衛生施設のアクセスがないと、これを二〇一五年までに半減しようという目標がございました。
 午後から開かれました浄化槽セッションの中でも、これに対して非常に浄化槽が有効であるというお話がございました。これは福本議員よく御承知のように、浄化槽は御承知のように管渠が必要でない、人口密度の小さい地域におきましては経済的な整備が可能であるということが一つと、それから設置工事期間が非常に短い、一週間から十日ぐらいで整備できる、その整備効果の発現が早いということと、それから排出源で処理をする、オンサイト処理ができるということで身近な川の水量維持が図られるというようなことから、今、扇大臣からお話がございました、家屋がまばらな地域では浄化槽による汚水処理施設の整備が非常に効果的であるというふうに考えておりまして、平成十四年の十二月にこの三省によりまして、この十年には都道府県構想ができましたけれども、十四年に、いろいろ経済、その後の状況の変化というのを見直しまして、各都道府県に対してこの構想の見直しというのを三省の共同通知を発出したところでございまして、また十五年度予算におきまして、浄化槽、大幅な増額を図っているところでございます。
 以上でございます。
#234
○福本潤一君 これは、ある意味では地方自治体と大変大きな関係がございまして、市町村による整備ということを進めていく必要があると思います。
 もう浄化槽に造詣が深いと、総務大臣、お伺いしておりますけれども、是非とも地方自治体、総務省としてのお考えもお伺いしたいと思います。
#235
○国務大臣(片山虎之助君) 汚水処理の重要性は言うまでもありません。今までは公共下水道、公共下水道って言い過ぎたんですね。で、身丈に合わない公共下水道を整備して、ランニングコストで往生している市町村もたくさんあるんですよ。
 そこで、今度は本当に公共下水道が必要なところはやる、集落排水の農水省でやれるところはやる、それから合併浄化槽が相当良くなってきていますから、合併浄化槽を家屋が密集していないところはやる、これは正しいと思いまして、それぞれ交付税と地方債を入れておりまして、合併浄化槽補助といっても三分の一ですから、三分の二については自己負担分を除いて交付税と起債を充てておりますし、単独事業はもとよりそうしておりますし、個人分についても、地方団体が負担するものは、個人分、六割が本人ですから、四割が国と市町村、二対一ですよね。その市町村が持つものの八割は特別交付税措置しておりまして、今後とも実態に合った、身の丈に合った汚水処理をやってもらうように我々は応援してまいりたいと思っております。
#236
○福本潤一君 総務大臣からも、アンバランスさ、また今後の方向性、お伺いしましたけれども、財務省、予算の中で具体的に九千二百五十億円の下水道、農村集落排水七百九十三億円、浄化槽二百十九億円ということでございます。今後、財務省の方から見た予算の補助、こういう観点から今後どういうふうに考えていかれるか、紹介していただけますか。
#237
○副大臣(小林興起君) 考え方の基本的方向につきましては、先ほど片山総務大臣がお答えしたとおりだと私ども思っております。
 そういう中で、補助金の額といたしまして、まだ不十分かどうか分かりませんけれども、浄化槽については二百億円でございますけれども、前年度比三〇%を超えるという形でこちらは伸びてきております。逆に農業集落排水等は金額は八百億、大きい金額ございますけれども、しかし伸び率という意味では前年度比逆にマイナス三〇%と。あるいは、この下水道事業につきましては前年度比マイナス五%というような形で徐々に中身が移っているということでございます。
#238
○福本潤一君 今後、前向きに取り組まれていかれると思いますが、この水質保全という観点だけを取り上げても、かなりの省庁が縦割りの中で進めておられる。ほかにも水の場合、利水、治水、様々ありますけれども、そういう意味では、各大臣意見を述べていただいた中で、今後、統一的な水に関する法律というのも考えていく必要があるだろうなと思います。
 そういう意味で、今後、水基本法というような法律も私どもの党内でも検討しておりますし、さらに縦割り行政の中で統一した法律、これなかなか難しい面もありますけれども、環境という面で焦点を当てると一つの基本法ができ上がるだろうなと。今までも各省庁いろいろな法律、水質汚濁防止法から始まっていろいろな法律ございますけれども、環境省、いよいよ二十一世紀、環境省になられて、水の環境という側面からそういう法律に対する考え方、どういうふうに思っておられるか、お伺いしたいと思います。
#239
○国務大臣(鈴木俊一君) 我が国の水環境行政でございますが、これは、過去の水質汚濁、それのもう大変苦い経験もあるわけでございまして、水環境への汚濁負荷を低減して水質汚濁を未然に防止するということを主眼に置いて構築をされているわけであります。そして、現在の制度でも環境汚染対策としては一定の成果を上げていると、そういうふうに思っております。
 しかし、先生御指摘のとおり、大変水の問題、多岐にわたっておりまして、水質保全ということについても更にこれを積極的に進めるためには、水質汚濁の防止という観点だけではなくて、水環境や地盤環境を水循環との関連においてとらえて取り組むことが必要であると思いまして、このことは、環境基本法においても重要施策の一つと位置付けられていると思っております。
 この重要施策と位置付けられております水循環を確保するために必要な施策でありますが、今、先生から水基本法というお話がございましたが、現在の制度体系で十分なのかどうかという点も含めまして、関係各省とも連携を取りながらこれは真剣に検討を進めてまいりたいと考えております。
#240
○福本潤一君 上水道、中水道、下水道という中で、もう既に日本人は、水でも石油、ガソリンより高い水を飲んでおります。一リットル百円以下のガソリン、百円以上の水を飲んでおる状況でございます。二十一世紀、大きな形でこういう基本法を推進していきたいと思っておりますので、また環境省もその点、考えていただければと思います。
 続きまして、市町村の合併の問題、総務大臣、来ていただいておりますので、お伺いさせていただきますけれども、各地方へ行きますと、いろいろ合併問題で町長が急にリコールされたりということまで起こっております。ですので、現在、市町村合併特例法の期限が切れる十七年三月までに千という目標、今後一層の努力が必要と思いますが、現在の状況、さらには今後の方針、これについてお伺いします。
#241
○国務大臣(片山虎之助君) 合併特例法の期限まで約二年ですね。現在、全国の八割の市町村が合併を検討していますと。そこで、合併する前提に法定協議会というのを作ってもらうんです。それからもう一つは、任意協議会で法定協議会に準ずるもの、これに参加している市町村が千六百十八なんです、過半数を超えている。特に、法定協議会はこれはもうスタンバイですから、マージャンでいうとリーチの状況でございまして、これが約九百を超えているんですよ。だから、私、相当進むと思いますが、与党三党の言われる二年後に千に、これはなかなか難しい。だけれども、できるだけ合併の成果を上げるように各都道府県にも協力をお願いして進めてまいりたいと思っております。
#242
○福本潤一君 二年後にこの期限を迎えるということでございますが、この延長問題というのが今各地で議論になっております。ですので、今後延長に関する議論はどういうふうになっておるのか、その方針、お伺いします。
#243
○国務大臣(片山虎之助君) これは大分中に手を加えて優遇措置を増やしていったんですが、十年の時限法なんですよ。大変な優遇措置ですから、これを十七年三月以降も延長するつもりはありません。延長はしない、法律は。
 ただ、合併の意思決定をして、手続だけ遅れて優遇措置が受けれないというのは言わば不公平ですから、だから合併の意思決定を正式にしたら、法的にもですよ、そのものについては合併が完了しなくても、手続が、法律の十七年三月以降も優遇措置の適用あるような経過措置を入れるべきではないかと、こう考えております。効果としては延長みたいな効果ですよね。一年ぐらいそういうことになるのかもしれませんが、是非そういう、経過措置としては考えるけれども、本体の延長は考えておりません。
#244
○福本潤一君 この合併問題、県域を越えての合併をしたいとか、いろいろなことが我々の声にも入っていますので、今後、時間もいろいろ必要な市町村に配慮もお願いできればと思います。
 そこの中で、今、西尾私案という案が出ていまして、全国町村会がこの案で市町村連合を創設提言しているようでございます。分権の受皿という意味で、この市町村連合の考え方、どういうふうに考えておられるか。
#245
○国務大臣(片山虎之助君) あれは、西尾先生の案はちょっと誤解もあるんですけれども、地方制度調査会で、西尾先生が副会長なものですから、たたき台を出してくれと言って去年の十一月に発表したんですよ。
 西尾先生の考え方は、十七年三月までは大いに合併やると、しかしそれで、しかし全部がそこで終わらないだろうと、だから終わった段階で一くくりにして更に何年間か掛けて合併を推進しなさいと。その段階で大きな市町村と小さな市町村、行政能力、財政力あるところとないところができるので、小さいところにいろんなことをやれと言っても無理だから、小さいところにですよ。その小さいところがやるべきことがやれない場合には、県が補完をしたらどうかと、あるいはその小さな市町村は大きなどこかに入れて内部組織として残したらどうかと、こういう提案をされたんですね。
 それが強制的な切捨てではないかというようなことで町村会や町村議長会から反発が出ておりますが、これはたたき台ですから、もういろいろ議論してもらえばいいんですよ。そこの中で、地方制度調査会を始め、広く意見を集約して私はまとめればいいと思いますね。
 そういうことで、今、地方制度調査会で合併後の基礎的自治体、市町村の在り方については御検討いただいて方針を出していただこうと、我々は我々で検討していこうと、こういうふうに思っておりますが、市町村中心主義ですよ、これからは。一番国民に身近な市町村でやれること全部やってもらうと。やれないことを都道府県がやる。市町村も都道府県もやれないことだけ、外交や防衛やそういうことを国がやると。こういうのが私は将来の国と都道府県と市町村の在り方だと、こう思っております。
#246
○福本潤一君 合併後の中に、市町村の下に旧来の市町村で新自治組織設けるということも検討されておるようですが、この点についての方向性もお伺いしたいと思います。
#247
○国務大臣(片山虎之助君) 今の西尾先生の案の一つがそれなんですよ。それほど大きくならない、やっぱり限界がある、行政能力や財政力に、そういうものは大きな市町村の内部組織にしたらどうかと。
 そこで、合併して大きな市町村になった場合に、なるほどそれじゃ末端まで行き届くかという議論がありますよ。特に、面積が広いところや、北海道や東北はそういうところ多いですからね。そういう場合に、中で限定的な自治権を与えてほしいという、こういう議論が確かにあるんですね。そこで、我々もその検討したらいいと思うんです。ただ、その場合に、その場合に、余りそこを主権を持つようなことにしたら、今の三重構造が四重構造になりますからね。市町村、末端の自治組織、市町村、都道府県、国で、四層になっちゃうので、そこはある程度考えなければいけません。
 それから、どういう執行機関にするのか。公選にするのか任命制にするのか。議員さんをどのくらい置くのか、議決機関として。その場合に、名誉職にするのか、ちゃんと報酬を出すあれにするのか。職員はどうするのか。課税権を持たせるのか。起債の発行権を認めるのか。そういうことを含めまして、職員をどうするのか、そういうことを含めて大いに議論して、全体としては、大きくなって力が強くなっていろんなことをやるけれども、きめの細かいこともそういう自治組織で十分対応できると。そこの接点が非常に難しいと思いますけれども、そういうことの研究をいたしたいと思っております。
#248
○福本潤一君 引き続き、経済の問題、質問させていただこうと思います。
 片山総務大臣、結構でございます。
 現在、イラク情勢のお話させていただきましたけれども、政府の景気対策に手詰まり感があるのではないかという声も出ております。専門家で学者でございました竹中大臣、いろいろな経済学者、自信持って言われるんですけれども、案外なかなかうまくいかないものだなと。経済の分野ははるかに理科系の分野より学者は自信持っているけれども、なかなか効果が出ない世界なんだなというふうに思わせていただいておりますけれども、今現在の情勢の中で、イラク情勢が日本経済に与える影響をどういうふうに考えておられるか、教えていただければ。
#249
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、イラクをめぐる情勢等々を反映して、まず株式市場が非常に不安定な動きをここのところしております。これは、平和的解決もちろん我々は望むわけですが、万が一にも戦火が開かれた場合に日本にどのような影響があるのか。一九九〇年の湾岸危機の教訓等々も踏まえて、やはりこの株価の動向と、あとは原油価格の動向、それと消費者心理の動向、この三つはとりわけ重要であろうかというふうに思っております。その影響について、これは具体的には何が起こるか見通せませんのでなかなか不確実性が高いんですが、アメリカの専門家の間では一部に具体的にどのようなインパクトがあるかということの計測例もございます。
 そういうようなものを見る限り、戦争がもしも始まったとして、短期で終わる場合は、やはり今申し上げた三点については重要なんですが、それほどマクロの成長率に大きな影響を与えないのではないだろうかという見方が主流であろうというふうに思っております。しかし、これが長期化した場合、実はその影響は大きいという意見もございまして、非常に注意深く見ていかなければいけないポイントであると思っております。
#250
○福本潤一君 こういう大きな影響を与える可能性もある情勢、怠りなく分析していただければと思いますが。
 今、私どもも経済、素人でございますが、個人消費という側面、非常に六割ですから大きな世界だということでございます。この六割が個人消費としてどういうふうに今後展開して現下の情勢の中でいくか、この分析についてお伺いしたいと思います。
#251
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済が厳しい状況で推移する中で、過去一年、二年を見ますと、むしろ消費が経済全体をむしろ引っ張ってきたという傾向がございます。それに対して、企業部門の回復が遅れていた。しかし、直近になるとこれがむしろ逆の動きが見られておりまして、消費は横ばいの中で弱い動きが見られている。それに対して、企業の方は設備投資がプラスに転じるなど、少し消費から企業部門に動きが移っている。
 そうした中で、消費の動向、六割を占める非常に重要な動向でありますが、これについては、政府経済見通しの中でもマクロ全体は〇・六%の成長、その中で消費は〇・四%、それよりやや低い成長になるということを見通しております。そうした点も含めて、賃金の動向等々、注意深く見ていっているところでございます。
#252
○福本潤一君 西日本は特に経済不況の波を受けて厳しい状況だと私も多くの人から訴えられておりますけれども、ただ、日本人の貯蓄は一人当たり一千二百万あるといって、大変大きな貯蓄があるんだということも分析では出ております。
 若者も今、十二年続いた経済不況の中で、我々が高度経済成長のときにプラス思考だったのが、今、不安心理でマイナス、夢、希望がない世代というふうな世代も生まれておりますので、この貯蓄率の変化ですね、各国の話もお伺いさせていただければと思いますので、その具体的な数値、どういうふうになっているか。
#253
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本はかつてから貯蓄率が高い国で、具体的には家計の貯蓄率がかつては二〇%を超えていた時期もございました。それが高齢化とともにだんだん下がってくるということは多くの人が見越していたんですが、それにつけてもこの十年ぐらい、実は貯蓄率、家計の貯蓄率はかなり大幅に下がっております。一九九〇年の家計の貯蓄率、一四%程度であったものが、すなわち近年の状況で見ますと七%を少し切るぐらい。つまり、約十年間で半分になったという状況になっております。
 先ほど言いましたように、高齢化が進むと、高齢者というのは収入が少なくて、しかしある程度消費が、をしますので、高齢者のウエートが高くなると貯蓄率が下がるというのは、これはもう世界的な傾向であるんですが、日本の場合、その高齢化が進んでいるということに加えて、やはり所得がこの間余り伸びなかったと、しかし消費はそんなに削ることができない、その中で貯蓄率が今申し上げたような形で下がってきているというふうに認識をしています。
#254
○福本潤一君 実質もう十年前の半分以下の貯蓄率になっておるというデータ出ております。こういう家計貯蓄率低下というのは景気が良くならないとこのまま、もっと深刻になるんじゃないかと思いますが、今後の推移はどういうふうに考えておられるでしょうか。
#255
○国務大臣(竹中平蔵君) 貯蓄率が今後どうなるかということについては、専門家の間にもいろんな見方がございます。日本は世界に類を見ない高齢化が進むということは事実でありますから、そうしますと、先ほどの例でいいますと、高齢者の数が増えれば増えるほどやっぱり貯蓄率は中長期的に下がっていくということはある程度見越していかなければいけないと思います。短期的にはいろんな変動がありますが、であるからこそ、実は、今のところこの貯蓄で政府の財政赤字を賄っているというのが日本の構造になっておりますから、将来、高齢化とともに貯蓄が減ってくるということを見越して、やはりこの財政の立て直しをしっかりやらなければいけないという我々の強い認識になっております。
 具体的にどのぐらい下がるかということを見越すのは大変難しいんでありますが、高齢化とともにこれはやはり低下していくという認識は必要だと思います。
#256
○福本潤一君 貯蓄率の低下に基づいて、結果的に金融機関を通じた国債の安定的な消化が円滑に行われるかどうか心配でございますが、塩川財務大臣の御所見、お伺いします。
#257
○国務大臣(塩川正十郎君) 最近の傾向としましては貯蓄からやはり国債へと一応は回ってきておりますけれども、私は、この国際経済、あるいはもう一つは、また証券の業界の活況化に伴いまして国債の動向というのは非常に微妙に動いてくるであろうと思っておりますが、いずれにしても、今、国債が機関投資家に引き受けてもらっておるということを、これをできるだけ個人に引き受けてもらうことにより、いたしたいと思っております。そのためには個人が引き受けられる、やすい、引き受けやすいように発行の形態を非常に多様化するということが一つ非常に大事であると思っております。
 先般も個人向け国債の発行をいたしましたが、これは郵便貯金等で非常に好評でしたけれども、銀行は手数料取るとかあんなことをやりましたものですから、銀行は拒否されておりますけれども、次、七月またやりますけれども、そのときにはそういう、郵便局を中心に置いて個人消化を図っていきたいと思っております。
#258
○福本潤一君 今、日銀の方が来ておられますが、銀行の保有株の買取り、急ピッチで進んでいるということですが、この上限枠、二兆円を更に引き上げるべきだという指摘がございますが、日銀総裁の御所見、お伺いしたいと思います。
#259
○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。
 総裁に代わってお答えいたしますが、今、御質問の措置は、申すまでもないことですけれども、株価対策ではございません。あくまで、金融機関の保有株式削減努力、価格変動リスクを軽減するということを目的にしたものでございます。
 それで、なぜ二兆円という上限を設定したかといいますと、御承知のとおり、金融機関がたくさん株を保有しておりまして、それが自己資本比率の問題を惹起しておりますので、大手行の保有株式の中核的な自己資本と申しますが、ティア1と言いますが、それを超過する額、それを解消すべしというふうに義務付けられているわけですけれども、その額は昨年九月末で約六兆円ございました。一方で、御承知のとおり、買取機構の買上げ上限額というのがありますが、それは二兆円です。
 そうしますと、六兆円から二兆円引きますと、残り四兆円を何とかしようということになっております。そのうち二兆円を日本銀行が今回の仕組みを作りまして買い上げようというわけでございまして、それじゃ残り二兆円はどうするのかといいますと、これは、当然のこと、金融機関が市場売却する額もありますので、大体金融機関の市場売却額と日本銀行が買う額をそれぞれ二兆円と、そういうめどを設定しました。その上、御承知のとおり、日本銀行自身が財務の健全性を確保しなければなりませんので、そういうことをも勘案して決めたものでございます。
 その考え方に基づいて今やっておりますので、現時点ではそれを変えるということは考えておりません。
#260
○福本潤一君 やはり、日銀にお伺いしたいですけれども、この株価の問題で、今、日銀株が下落しているということがございます。今後、株式買取りという問題と日銀株の現実に下落しているという実態を日銀総裁はどういうふうに考えておられるか、この点をお伺いします。
#261
○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。
 その日銀の株価というのは、日銀出資証券といいますが、それが下落しているということは事実でございます。本年二月に五万円という価格でありましたのが、足下四万五千円ぐらいまで下がってきております。
 しかし、日銀のこの出資証券というのは、いわゆる株式会社の発行する株式とは異なっておりまして、まず第一に、出資者は経営参加権が認められていないということ、次に、残った財産の分配請求権もそれから払込資本金などの範囲内に限定されているということ、それから配当も、これは財務大臣の認可マターですが、五%以内に制限されている等々の点で一般の株式会社の株式とは性格を異にしております。
 したがいまして、その値動きの背景につきましては、先ほど御指摘の保有株買取りとの相関関係も含めまして、一概に分析、その因果関係を究めることがちょっと難しいということで御承知おきいただきたいと思います。
#262
○福本潤一君 株価と同時に、自己資本比率が今七・六二%ということで、民間銀行には八%を求めているのに日銀は七・六二%ということになりますと、財務の健全性について日銀自身はどう考えられておるか。
#263
○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。
 日本銀行の自己資本比率といいますのは、銀行券の平均発行残高を分母として自己資本比率を算定しております。御指摘のように、今の自己資本比率は、十四年上半期末ですけれども、七・六二%でございます。これは、十三年度末八・三八%に比べまして〇・七六%低下しております。
 ただ、今回は、引当金の取崩しを行わないということによりまして自己資本比率の低下を最小限にとどめまして、財務の健全性の維持を図りました。
 今後とも、資産の保有に伴う様々なリスクを適切に把握しながら、財務の健全性確保に努めていく所存でございます。
#264
○福本潤一君 今後の政策運営につきまして、今後、国民一致団結して難局を乗り切る必要があるということで、今の金融状況を見まして、財務大臣及び竹中大臣に今後の決意を聞かしていただいて、質問を終わりたいと思います。
#265
○委員長(陣内孝雄君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#266
○国務大臣(竹中平蔵君) 本当に世界全体が不安定な状況になってくる中で、万が一にも戦争が起こるかもしれない。それまでにできること、万が一にもそうなった場合に起こること、戦略的に見通して、しっかりと対応していきたいと思っております。
#267
○国務大臣(塩川正十郎君) あくまでも国益を中心にして頑張っていきたいと思っております。
#268
○委員長(陣内孝雄君) 以上で福本潤一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#269
○委員長(陣内孝雄君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
#270
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず最初に、名古屋刑務所問題についてお聞きします。
 衆議院の法務委員会理事会の求めで、法務省から、刑務所内の一連の事件についての報告書、そして過去十年間の刑務所内での死亡帳が提出をされました。私もこの資料と死亡帳を読んでみましたけれども、正に人権侵害と組織的な隠ぺいの姿が浮かび上がってまいります。
 まず、死亡帳について聞きます。
 昨年、参議院の法務委員会で、名古屋刑務所での保護房での死亡事件を過去十年分、資料を求めました。そうしますと、死亡者の資料は三年間しか保存していない、身分帳をすべて調べる必要があるので無理だと、こういう回答だったわけであります。
 ところが、今回、資料が出てまいりました。三年しかないものがなぜ十年分出てきたのか。どうでしょうか。
#271
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。
 これまで死亡帳の件を報告することなく、過去十年にさかのぼって保護房内での死亡案件を御報告しなかったのは事実でございまして、ここに深く陳謝申し上げます。
 矯正行政の根幹が揺らぎました今、矯正局はもとより、現場施設におきましても可能な限りの資料をきちんと出すことで失われた信頼を回復していくほかないと考えております。
#272
○井上哲士君 なぜ隠したんですか。十二月四日に野党で名古屋刑務所の現地調査に行きました。その場でも私たちはこの資料を出すように言ったんです。本省の課長がその場に来ていまして、そもそもそういう資料はないと刑務所の職員の前で言ったわけですよ。ですから、本省が資料、そういう資料の隠ぺいをしているということが現場の刑務官の方に移ったわけですよ。そういう組織的な隠ぺいの態度で、大臣、こうした事件が今後また起こるんじゃないか。どうでしょうか。
#273
○国務大臣(森山眞弓君) いや、誠に、そのようなことになったことは誠に申し訳なく、私としても非常に困ったことだと思っておりますし、本当に遺憾だと思います。
 わざと隠すという気持ちがあったかどうかは分かりませんが、そんなことはないと信じたいわけでありますが、今後は御指摘に応じましてどんなことでもできるだけ明らかにいたしまして、実態を透明化して、世間の批判にこたえ得るような矯正行政にしなければいけないと考えております。
#274
○井上哲士君 これ、わざと隠したとしか考えられないわけですよ。
 それで、この隠ぺい体質というのはこれだけじゃありません。私、五月事案についてお聞きをいたしますが、この事件の検察の、公判がありまして、検察の冒頭陳述が十一日にありました。事件の二日後の二十九日に刑務所内で開かれた検討会について、この陳述はどういうふうに述べているでしょうか。
#275
○政府参考人(樋渡利秋君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきましては、検察官は冒頭陳述におきまして、名古屋刑務所長らは被害者死亡後に、その死亡原因について、革手錠を施用したことが関係しているのではないかと疑い、平成十四年五月二十九日ころ刑務所の医師による被害者の死因と革手錠施用との因果関係についての検討会を行い、刑務所の医師から、死因の詳細は判明しないが、被害者の死亡は革手錠施用が原因である可能性が高い旨を指摘され、同所長を始め幹部職員は、被害者の死亡は革手錠の施用によりもたらされたのではないかとの認識を持つに至ったなどと述べたものと承知しております。
#276
○井上哲士君 重大ですよ。もう事件の二日後から革手錠による死亡だということを刑務所長は認識をしていたと、こういう陳述なんです。そういう、それほどこの司法解剖の中身というのは重大な中身です。死亡の翌日の五月二十八日の四時二十分から七時半までの約三時間、司法解剖が行われています。この間に三回の中間報告と追報告が刑務所長から矯正局長、矯正管区長あてに出されております。五時五十分の中間報告の執刀医と検察官の感想というのはどういうふうに書かれていますか。
#277
○政府参考人(中井憲治君) 恐れ入りますが、ちょっと時間に関するメモを今把握できませんので、内容だけを報告さしていただきます。
 追報告は合計四件ございますけれども、その報告内容は、司法解剖が実施され、その所見として、肝臓の右葉の前後面境界線上に挫裂創が認められる。挫裂創は急激な圧迫によって生じるものである。腹腔内、腹でございますけれども、そこに約四百ミリリットルの出血及び血腫が認められる。肝挫裂による腹腔内出血、血腫が死因に何らかの形で関与したことは否定できないといったような一連の記載がございまして、そのほかにも肝臓の挫裂創は心肺蘇生術によって生じた可能性も否定できない。死因は現在のところ不詳である。直接の死因については各臓器の病理学的解剖を実施しなければならない旨のいずれの記載が順次四件の追報告に記載されているところであります。
#278
○井上哲士君 それは最後のまとめた報告だと思うんですが、追報告の一号に執刀医と検察官の感想が出ておると思うんです。それ、もう一回読んでください。
#279
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。
 五時五十分、執刀医から、腹腔内にかなり大きな血腫がある、原因は現在のところ不明との所見があった。執刀医からけんかでもしたのかと質問があり、立会い検察官から複雑な事案になるかなとの感想があったという具合に報告書に記載されてあります。
#280
○井上哲士君 執刀医がけんかでもしたのかと問うような事態であり、しかも肝臓の挫裂創があったと、こういう重大な報告を受けたら、異常な事態が起きていると認識するのが当たり前だと思うんです。ところが、本省は、この事件が起きた直後に現地調査さえ行っていないということを昨年の私の質問に答えられました。しかし、この時点で名古屋の保護房、革手錠の使用頻度というのは全国でも突出していたんです。この時点で事態をつかんでいれば、九月事案、そして新たに告訴された七月事案も防げたと思うんですが、その点、局長、いかがですか。
#281
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘の点も誠にそのとおりであろうかと思うわけでございますけれども、名古屋刑務所の当時の報告によりますと死因は不詳であるということでございましたので、当時の報告内容それ自体からは革手錠の使用が直接死因に関係しているとはうかがえなかったと、うかがわれるものではなかったという具合に聞いております。
#282
○井上哲士君 けんかでもしたのかと、こういう報告はあなたのところに、局長のところに来ているんですよ。それでおかしいと思って現地に行って調査をすれば、その革手錠のことも発見できたんじゃないんですか。どうですか。
#283
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘のとおり、そのような報告が矯正局に参っておったことは事実でございます。しかし、まだ、当時の報告内容は先ほど答弁いたしましたとおりでございまして、そのような認識に立って当時の矯正局としては現地への調査等は行っておらず、検察に通報いたしまして、その捜査結果の推移を見守っていたという状況にあるものと聞いております。
#284
○井上哲士君 そういう人権感覚が今問われているんですよ。
 大臣は数日後に、事件数日後にこの報告を受けていたということを認められておりますが、なぜ更に詳細な報告を求めてなかったのか。矯正行政が適切さを欠いているという認識を当時持たなかったんですか。その点、どうですか。
#285
○国務大臣(森山眞弓君) 今、局長からお話し申し上げましたように、検察の方にお願いして捜査をしていただくということでございましたので、私の感じといたしましては、検察で調べてもらうということが何よりも真相を把握するのに一番早道であるというふうに考えまして、その結論を待とうと。それを邪魔するようなことをほかがしないようにした方がいいというような考え方で協力し、妨害をしないようにということを指示したわけでございます。
#286
○井上哲士君 行政の責任が問われているんですね。たとえ過失の事故であっても死者が出ましたら、安全管理どうなっているのかということを行政として当然そこに行って調べるというのが当たり前じゃないですか。検察に、捜査の邪魔にならないからといって行政の責任を放棄したというのが今回の私は事態だと思うんです。余りにも人権感覚に欠ける答弁だと言わざるを得ません。
 五月に勤務をしていた関係者への処分がされていますけれども、その内容と理由はどういうふうになっていますか。
#287
○政府参考人(中井憲治君) 五月事案の関係者の処分内容等についてでございますけれども、この事案で処分を受けましたほとんどの者が実は九月の致傷事件についても併せて処分対象となっておることを最初にお断りしたいと思います。
 五月事案のみが処分の対象となりましたのは私の前任の矯正局長のみでございます。
 まず最初に事件が発生いたしました名古屋刑務所の関係者について申し上げますと、五月事案の実行行為者三名に対しましては起訴休職としております。今後の公判の内容等を確認しつつ、かねての調査結果をも踏まえまして、事実関係を確認できた時点で処分を行うこととなります。
 当該事件のその余の関与者についてでありますが、その個別の特定を含めまして現在調査中でございます。
 五月事案の監督者につきましてですが、事件発生当時の所長、それから処遇部長及び処遇担当の首席矯正処遇官の三名に対しては、いずれも停職三月の処分がなされました。処遇部次席矯正処遇官に対しては減給二月、百分の二十の処分がなされたところであります。
 続きまして、上級庁であります名古屋矯正管区及び法務省の関係者についてでございますが、名古屋矯正管区長は戒告、同管区第二部長及び第二部保安課長が減給一月、百分の五、それから法務省の法務事務次官が厳重注意処分、前矯正局長及び矯正局保安課長がそれぞれ訓告処分とされております。
#288
○井上哲士君 事務次官の処分の理由はどうなっていますか。
#289
○政府参考人(中井憲治君) 五月事案及び九月事案に関しまして、部下職員等の指導監督に十全を欠いたということだと聞いております。
#290
○井上哲士君 矯正管区長、管区第二部長の処分理由はどうなっていますか。
#291
○政府参考人(中井憲治君) 矯正管区長の処分事由でございますけれども、第一点が、名古屋矯正管区職員及び名古屋刑務所長の指導に十全を欠いたことから、同刑務所職員による五月事案を未然に防止できなかった。それから第二点が、五月事案について、名古屋刑務所から事案発生の十日後に懲役受刑者の肝挫裂が革手錠使用に起因する旨の医師の所見を含む資料の送付を受け、その内容を承知したのにもかかわらず、同受刑者死亡の原因について真相究明を怠った。第三点が、部下職員の指導に十全を欠いたため、次の事案を未然に防止できなかったということでございます。五月事案についても同様に職務を行った結果、名古屋刑務所職員による九月事案を発生させたと、こういったこと等々が処分の事由となっております。
 それから、矯正管区の第二部長についてでありますが、第一点が、名古屋刑務所の手錠の使用状況を把握できる立場にありながら、手錠の使用件数が異常に多いことを見過ごして、同刑務所への指導を怠り、五月事案を発生させたというのが第一点。第二点が、五月事案につきまして、名古屋刑務所から事案発生の十日後に懲役受刑者の肝挫裂が革手錠の使用に起因する旨の医師の所見を含む資料の送付を受け、その内容を承知したのにもかかわらず、受刑者死亡の原因について真相を怠ったという点。第三点が、五月事案発生後も名古屋刑務所の革手錠使用件数が異常に多い状態が続いていた状況を漫然と放置したと。第四点が、同五月事案につきまして、今申し上げたように職務を怠った結果、名古屋刑務所職員による九月事案を発生させたというものであると聞いております。
#292
○井上哲士君 ですから、五月、九月のときに任務のあった現場の人は、全部九月事案を未然に防げなかったということが処分理由になっているんです。十二月、五月、九月のすべての事案の間大臣であって、しかも幾つもの事件を耳にしながら正に漫然と放置をしていたというのは、大臣、あなた自身だと思うんです。昨年の十一月に、韓国では、検察官の暴行で被疑者が死亡した事案で法務大臣と事務総長が辞任をいたしました。法務省の最高責任者として新たな矯正行政を私はあなたの人権感覚の下ではなし得ないと思います。直ちに辞任すべきだと思いますが、いかがですか。
#293
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋刑務所で起きました刑務官による一連の事件につきまして、誠に申し訳なく、矯正行政に対する国民の信頼が大きく損なわれたことに対しましては責任を強く痛感しております。矯正行政の最高責任者といたしまして、同刑務所の一連の疑惑について、もっと早くこのような情報が得られて積極的な指示や指導ができなかったかと極めて残念でなりません。今は、おわびの言葉を重ねるだけではなくて、刑務官の抜本的な意識改革を迫るようなシステムを一日も早く作り上げなければならないというふうに思いますし、真剣に矯正行政の立て直しを図ることによって国民の信頼を回復しなければならないというふうに思っております。そのためには、従来の常識や発想にとらわれない大胆な方策を打ち出していかなければいけないというふうに考えているわけでございます。
 これまで、私の指示で私自身がすべて情願書を読むようにしたほか、行刑運営に関する調査検討委員会におきまして、六か月以内の革手錠の廃止とか矯正から独立した体制での情願の調査など様々な方策を検討し決定してまいりましたが、今後とも行刑の改革に向けて議論を尽くすとともに、外部の有識者から成る行刑改革会議を立ち上げまして、調査検討委員会の調査結果等を提供いたしまして、調査結果の検証や国民の視点に立った再発防止策を提言していただきたいと、お願いしたいと考えております。
 矯正行政というのは一種の閉ざされた社会として今日までやってまいりましたようでございますが、その透明性を高めまして、外部からの御批判や検証のできるものに変えていかなければならないというふうに強く考えております。決して容易なことではございませんけれども、今後も矯正行政の最高責任者といたしまして、改革の先頭に立って国民の信頼回復に向けて全力を尽くすことが私の責任だと考えております。
#294
○井上哲士君 あなた自身の人権感覚が問われているわけですから、本当に信頼を取り戻そうと思ったら、まず辞任をしていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、労働法制の改悪の問題についてお聞きをいたします。
 雇用保険法に続いて労働基準法、労働者派遣法、職安法の改悪案が閣議決定をされております。五千五百万人の労働者の健康と暮らし、家族にも大変大きな問題をもたらす中身であります。今日は、労働基準法の改正案に盛り込まれた裁量労働制の拡大についてお聞きをいたします。
 まず、裁量労働制とは一体何なのか、かみ砕いて御説明お願いします。
#295
○政府参考人(松崎朗君) 裁量労働制でございますけれども、これは労働者自らがその知識また能力等を生かして主体性を持って働くことを可能とすることを目的といたしまして、具体的には、この業務の性質上、その遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるために、当該業務の遂行の手段でありますとか労働時間の配分の決定、こういったものにつきまして、使用者が具体的な指示をすることが困難な業務につきまして、労使協定とか、また労使委員会での決定等一定の要件を定めまして、これに基づきまして、実際に働いている時間ではなくて、あらかじめ定めました一定の労働時間働いたものとみなすという制度でございます。
#296
○井上哲士君 一日に何時間働いたかどうだかにかかわらず労使で決めた時間だけ働いたとみなすものだと、今ありました。
 このみなし労働時間を超えて働いた場合は、残業代出ますか。
#297
○政府参考人(松崎朗君) お答えいたします。
 このみなし労働時間といいますのは、その実態に応じて、その実態を一番よく知っております労使委員会等で決めるものでございまして、具体的に統一する、一日において八時間を超えたりとかそういった計算ではございませんので、原則として残業代は出ません。
#298
○井上哲士君 これ、当初から長時間労働につながる制度だという批判がありましたし、今もありましたように、残業代を払う必要ないわけですから、サービス残業が合法化されるということにもなります。
 実際、この裁量労働制の下での過労死事案というのは後を絶ちませんで、先日、光文社で裁量労働制で働いて過労死した二十四歳の青年の遺族と会社側が七千五百万円の支払で和解をいたしました。裁量労働制の職場で初めて過労死認定をしたケースですが、この青年の場合は、女性雑誌のグラビアページの担当編集者で、死亡前一年間の労働時間は出退勤簿に書かれただけで年間三千百二十二時間十二分、一か月二十日勤務として一日平均十三時間ということであります。自宅で朝七時に急性心不全で若い命を失ったわけですが、大臣、こういう過労死が後を絶たないという実態、どういうふうに認識をされているでしょうか。
#299
○国務大臣(坂口力君) 具体的な事案につきましては今初めてお聞きするわけで、私もよく存じませんけれども、過労死の人たちが、過労死に対する様々な申出が増えてきていることは事実でございまして、私もその点では憂慮をしているところでございます。
 やはり、労働には一定の、やはり労働時間というものは法律的に定められたものもございますし、そしてやはりそれぞれの健康を維持していくということもあるわけでございますから、そうしたことを各企業の中で十分これは配慮をしていただいて、決定をしていただかなければならないものというふうに思っております。
#300
○井上哲士君 配慮がないからこういう事件が起きているんです。実際、裁量制がないような人に適用されて、成果に追い込まれて、みなし労働を大きく超えて働かざるを得ないというのが、実態があるんです。ですから、それまで専門的業種だけだったのが九八年に事務系ホワイトカラーにまで対象を広げる、いわゆる企画業務型の裁量労働が導入されましたけれども、ホワイトカラー全体に広がるじゃないかという批判に対して、厚生、当時労働省はいろんな規制をしたはずですが、どういう規制がされたでしょうか。
#301
○政府参考人(松崎朗君) 企画裁量、企画業務型の裁量労働制でございますけれども、この導入に当たりましては、その要件といたしまして、事業運営上の重要な決定が行われる事業場においてという要件、また労使の代表から成ります労使委員会を設置し、その労使委員会におきまして対象となります業務であるとか対象の労働者、また先ほど申し上げました一定のみなし労働時間でありますとか、更に健康及び福祉を確保するための措置、また苦情処理のために実施する措置、そういったものをこの労使委員会できちんと決めるという点、更には対象となります本人、個々人の労働者の同意を得るということが必要とされております。
#302
○井上哲士君 労使委員会で決議すべきのは七項目ありまして、この決議を行う労使委員会の要件が六項目ありましたから、この十三項目の一つでも欠ければ導入できないというのがこの制度でした。しかし、実際には歯止めがどんどん崩されております。
 具体的にまず対象の範囲について聞きますが、今、企画業務型裁量労働で働いている人数の一事業者当たりの平均というのはどのぐらいになりますか。
#303
○政府参考人(松崎朗君) 十四年十二月末現在でございますけれども、この企画型裁量労働制の導入事業場の数は百八十二ございます。また、適用の労働者数は約六千八百、七百人ぐらいでございますので、単純に割り算いたしますと、一事業場当たり三十七人という状況でございます。
#304
○井上哲士君 NECが昨年の十月から新Vワークという裁量労働制度を社内に作りました。これ、約七千人が適用で、そのうち一千人が事務系ホワイトカラーによる企画業務型裁量労働なんです。ですから、今の平均三十七と比べますと、もうけたが二つも違う大規模なものが導入をされました。
 新聞報道によりますと、NECの側が粘り強く厚生労働省と交渉をして、事務系ホワイトカラーの仕事は皆、企画や調査を含むと説いて了解を得たと、こうされていますけれども、これは事実ですか。
#305
○政府参考人(松崎朗君) 個別企業のお尋ねでございますので、詳細については差し控えさせていただきたいと思いますけれども、このNECの事案につきましては、この裁量労働制の導入に当たりまして所轄の労働基準監督署に必要な届出がなされ、その届出がなされた場合には、きちんと要件に合うかどうかをチェックしているということで受理したというふうに承知しております。
#306
○井上哲士君 要するに、現場の監督署が了解をしたということになるわけですね。
 しかし、この制度導入をされるときの審議では、この制度は、企業の本社等の中枢部分で働くホワイトカラーで、経営戦略、経営計画を一体的に担当しているような人、ことに限るんだという答弁を繰り返しされているんです。その中枢で経営戦略、経営計画を一体的に担当するという人が千人もいるというのは、およそ審議のときには想定をしていなかった規模ですね。
 しかも、このNECの社内のタイムマネジメント推進委員会というのの議事録を見ますと、会社はこう言っているんです。新裁量労働制においても、従来同様、標準始業時刻である八時半以降出社する場合は前日までに行き先表示板等に出社予定時刻を明記することが基本である。何の連絡もなく出社予定時刻に出社しない場合は、遅刻と同様、上司から厳しく指導する。こう言っているんですね。
 これでも時間配分を自らに任された業務だと、こういうふうに厚生労働省は認めたということですね。
#307
○政府参考人(松崎朗君) お答え申し上げます。
 制度論としましては、先ほど要件等を御説明させていただきましたけれども、さらにその労働時間の具体的な配分とかいった点、そういった点につきまして本人に任されるわけでございますけれども、一定の例外といいますか、例えば労働者の安全衛生でありますとか施設の管理、そういったことに必要な事項について一定の制限を行うとか、それからまた業務の遂行につきましても、ただ抽象的、一般的な指示を行うといったような、一定合理的な範囲内であれば労働者の裁量性を制限したものとは言えないということでございます。
 しかしながら、今、委員がおっしゃいましたような具体的な事例につきましては、私どもまだ把握しておりませんけれども、一般論といたしましては、従来のフレックスタイム制におきますようなコアタイムをきちんと決めて、その時間帯に必ず出社していなければならないといったようなことはこの裁量労働制から逸脱するのではないかと、一般論として申し上げます。
#308
○井上哲士君 しかし、現に厚労省が現場で認めたこの職場で、事実上出勤時間すら自由にならないというようなやり方がされているわけです。
 フレックスタイム制だって出勤時間は自由なわけですから、それさえの自由度もないようなところでこれが行われるということを認めることになりますと、正にこれ歯止めなく無限定にホワイトカラー全体に広がっていくんじゃないですか、どうですか。
#309
○政府参考人(松崎朗君) 個別具体的な事案につきましては、それぞれ現場の監督署においてきちんと監督指導等を行うこととされておりますので、きちんとした、そういった実態があるのであれば、きちんとした監督指導を行います。
#310
○井上哲士君 じゃ、もう一点聞きますけれども、この企画業務型の裁量労働の職場でも使用者は労働者の労働状況の把握をしなくちゃならないと思いますが、これは指針では具体的にどういうふうに定めているでしょう。
#311
○政府参考人(松崎朗君) これ一昨年、平成十三年の十二月に、例の過労死の労災認定基準を改正いたしました。こういったことに伴いまして、いわゆる過重労働に関する総合対策というものを平成十四年二月に策定をしております。
 その中で過重労働を防止するということをしておるわけでございますけれども、その中におきましても、事業主は裁量労働制対象労働者及び管理監督者についても健康確保のための責務があることなどにも十分留意して過重労働とならないよう努めるものとするというふうにその中で決めており、この裁量労働制も対象としてといいますか、考慮して策定したというものでございます。
#312
○井上哲士君 いや、この指針の中で具体的に使用者が何をしなくちゃいけないかと決めているでしょう。それをお聞きしているんです。
#313
○政府参考人(松崎朗君) この今申し上げました健康福祉措置でございますけれども、こういったものにつきましては、まずは管理として、どういった時間帯にどの程度の時間在社し、また労務を提供し得る状態にあったか、そういったものがはっきりとなりますように、出退勤時刻とかその部屋に入ったり出たりした時刻の記録、そういったものをきちんと取り、それからさらには健康確保のために、長い場合には産業医、お医者さんの診断を受けさせるとか、また代休を与えるとか、そういった措置を決めております。
#314
○井上哲士君 出退勤時刻をちゃんと記録しなくちゃいけないと。
 私、このNECで使われているVシートというのを持っておりますけれども、この田町地区ではタイムカードもなければ出勤簿、毎日の出勤退勤時間を記録する出勤簿もないんです。一か月に一遍、このVシートというもので自己申告をしますけれども、ここには休暇とか休日が書いてあるだけでありまして、毎日の出退勤時間など、およそ報告項目にはないんです。こういうのは指針違反ということでいいですね。
#315
○政府参考人(松崎朗君) 裁量労働制につきましては、基本的には本人に任せるというような趣旨でございまして、事業主についてもそういうふうに、きちんと健康管理のためにそういうふうに努めてほしいということでございますので、ストレートに違反というわけではございません。
#316
○井上哲士君 しかし、さっきの指針では、労働者の出退勤時刻はしっかり把握しなくちゃいけないと、こうなっているんじゃないんですか。違うんですか。
#317
○政府参考人(松崎朗君) これは指針に基づきます努力義務ということでございまして、健康管理とか長時間労働にわたるような実態がある場合にはこれに基づき指導をさせていただくということでございます。
#318
○井上哲士君 そういういい加減なことじゃ駄目ですよ。いいですか、九八年五月十五日の労働委員会での局長の答弁では、タイムカードその他でチェックする体制が整っていない限り、私どもは不正確な届けとして改善をさせていくと述べているんです。なぜ改善させていないんですか。
#319
○政府参考人(松崎朗君) 冒頭申し上げました裁量労働制がこの要件に合致しないような裁量労働制を取っている場合には、個別の、具体的に所轄の監督署におきまして具体的な監督指導を行っているということでございます。
#320
○井上哲士君 現に、ですから、この勤務時間の掌握ということの、言わば要件として決められたことをやっていないわけですから。こんなことを放置しているんでは駄目ですよ。
 NECの労働者からは、昨年の十二月にこうした問題について監督署に申立てが出ています。三か月間放置されているわけですが、直ちに、これだけのことがあるわけですから、臨検監督すべきじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#321
○政府参考人(松崎朗君) 具体的な個別事案につきましては、現場の監督署におきまして的確に対処しているというふうに考えております。
#322
○井上哲士君 対処されていないんですよ。
 これは一企業だけの問題じゃありません。企画業務型の裁量労働が導入されている事業所での勤務状況の把握というのは、厚生省の調査では、厚生労働省の調査ではどうなっていますか。
#323
○政府参考人(松崎朗君) ちょっと済みません、今申し上げた質問がちょっと分かりにくかったもので、もう一回お願いいたします。
#324
○井上哲士君 企画業務型の裁量労働が導入されている事業所での勤務状況の把握というのはどうなっているか、そちらのアンケートで、聞き取りで。
#325
○政府参考人(松崎朗君) アンケート、今手元にございませんけれども、従来の、導入の前に比べて時間が長くなったというのは非常に少なくて、時間はほとんど変わっておらないというのが実態だとたしか記憶しております。
#326
○井上哲士君 時間のことじゃないんですね。勤務状況の把握実態、自己申告が七割になっています。そして、私、この社会経済生産性本部の調査では、把握していないというのが実に三割あるんですね。全然指針と違うようなことが行われているんです。これ導入のときに、勤務状況の把握というのは抜かりない万全の監督指導、チェック体制を作り上げる、こういう答弁をしているんです。やっていないんです、全然。
 ですから、範囲はどんどん広げられる、届出時点でのチェックもされていない、集中的な監督もされていない。私は、全然導入時の国会答弁と違うことが行われている、国会審議を冒涜するような中身だと思うんですよ。こんなことで、大臣、労働者の権利、健康を守れるんでしょうか、どうでしょうか。
#327
○国務大臣(坂口力君) 裁量労働制につきましても、一定のやはり時間の制約というのはあるわけでございますし、これは労使がそれで合意をして決めるわけでございますから、その中でやはりそれを守ってやっていかなければなりません。守られていないということになれば、それは是正をしなければいけないというふうに思っております。
#328
○井上哲士君 守られていないのに、実際にはまともな臨検監督もされていないからこういうことが、事態が起きているわけです。
 現状でもこれだけの問題があるにもかかわらず、今回の労基法の改正案でこの企画業務型の裁量労働制の対象の限定を外す、労使委員会の決議要件も緩和をする、こういうことになりますと、本当に懸念をされたとおり、ホワイトカラー全体に長時間労働やサービス残業を自己裁量の名の下に押し付ける、こういうことになります。そういう点で、こうした正に労働者の権利破壊の法案については撤回をすべきだ、このことを申し上げまして、関連の質問に譲ります。
#329
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。林紀子君。
#330
○林紀子君 私は、今日は被爆者問題についてお聞きしたいと思いますが、その前に、先ほど公明党の委員からイラク問題について平和的努力をすべきであるという質問がございましたので、私も坂口厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。
 今、広島、長崎への原爆投下で多くの罪なき市民が地獄の惨状に直面し、その後も苦しんでいるわけですね。イラク問題をめぐっては、大変緊迫した状況です。唯一の被爆国の政府として、イラク問題は平和的手段で解決せよ、罪なき市民を犠牲にしてはならない、こう主張すべきときではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
#331
○国務大臣(坂口力君) 戦争か平和かといえば、それは平和を守るということをやっていかなきゃならないということは当然でありますけれども、現在、イラクの問題は、イラクがボールを握っている、そのボールを、どういうボールを返すかということによって、平和か、それとも戦争かということが決定されると私は思っております。したがいまして、イラクがしっかりとしたいいボールを投げ返すということが今は大事だというふうに思っている次第でございます。
#332
○林紀子君 被爆者の願いも核兵器をなくすことです。イラクの大量破壊兵器をなくすということはもちろんなんですけれども、それをやらせる手段というのは平和的な手段でということなのです。国連の調査でも、武力行使が行われましたら罪なき人々五十万人も被害に遭うと言われているではありませんか。アメリカは武力攻撃はしてはならない、罪なき市民を犠牲にしてはならない、そのことを言うことが、今、唯一の被爆国の日本の責任だというふうに思うわけです。
 同時に、被爆国の政府として、原爆の被害者にどのような手を差し伸べるのかということもまた政府の責任として問われるところです。
 そこで、まず在外被爆者の問題ですが、主に韓国からですが、被爆手帳の申請が広島に寄せられ、それに広島市は応じ切れずに、現在、四百件余りが滞っているということです。国として、急いで人員増の手を打っていただきたいと思います。また、渡日支援事業で大阪や福岡などでも申請が受け付けられるように検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。渡日支援事業の拡充というのを是非行っていただきたいと思います。
#333
○政府参考人(高原亮治君) そういった在外被爆者の被爆者健康手帳の交付を希望する方が増えておるという点につきましては、委員の御指摘のとおりでございまして、このため、現在御審議願っております平成十五年度予算案では、被爆者健康手帳取得のための支援を含めた在外被爆者渡日支援等事業におきまして、事務職員及び相談員の雇い上げ人数を各県市、これは四県市でございますが、前年の三倍増にしたところでございます。これにより、手帳審査のための人員の確保は図ることとしております。
 また、その四県市以外でも申請を認めるべきではなかろうかということでございますが、今年度から開始いたしました渡日支援事業につきましては、これまでも独自に現地健診等の在外被爆者に対する援護施策を実施してこられました実績を踏まえまして、広島県、長崎県、広島市及び長崎市の四県市に対する補助事業として実施しているところであります。
 本年三月より、日本において手当の支給認定を受けた後に出国した方に対して手当を支給することといたしました。このことのため、新たに手帳の申請を希望される方が増加しているということは認識をしておりまして、人的な手当てにつきましては先ほど申し上げたとおりでございます。他の都道府県においてこの事業を実施することが可能かどうかということにつきましては、各都道府県の御意見を聞いて十分考えてまいりたいということでございます。
#334
○林紀子君 是非、早急に検討していただきたいと思います。
 今の御答弁のように、被爆者問題、在外被爆者の問題といいますのは、本人たちの大変な努力がありましてようやく一歩が踏み出しました。しかし、原爆投下後に降った黒い雨に関しては、まだ何の手も差し伸べられない人たちがこの日本の国内にいるわけです。
 そこで、広島で健康診断特例区域に指定されているというのはどういうところでしょうか。この特例区域になりましたらどんな施策が行われているのでしょうか。
#335
○政府参考人(高原亮治君) 広島の健康診断特例区域につきましては、昭和五十一年に広島の北西部、長径約十九キロメーター、短径で十キロメーターの楕円形の地域をいわゆる黒い雨、大雨地域として指定しております。当時は、原爆放射線の広がり及び原爆放射線の人体影響に関する科学的知見も必ずしも十分蓄積されていなかったものでございますが、指定の理由といたしましては、黒い雨地域内の一部で高濃度の放射能が検出された例の報告があったこと、広島市及び周辺町村が昭和四十八年に行った住民に対するアンケート調査で有病者数等が四割であったことから、当該地域を健康診断特別区域に指定したものでございます。
 また、この地域におきましては、一定の傷病に罹患している場合、医療費等の、健診を行いまして、その健診の結果によって処置をするということでございます。
#336
○林紀子君 今、一定の傷病があった場合というお話がありましたが、それはどういう病気なのか、どういう障害なのか、もう少し具体的にお示しください。
#337
○政府参考人(高原亮治君) 造血器障害、肝機能障害、細胞増殖機能障害、内分泌腺機能障害、脳血管障害、循環機能障害、腎臓機能障害、水晶体混濁による視機能障害、呼吸機能障害、運動機能障害、消化器機能障害等でございます。
#338
○林紀子君 そうしますと、大雨地域というのはほぼ被爆者と同じような扱いをしているということだと思いますが、それでは、黒い雨が降っても健康診断特例区域になっていない地域というのがあると思います。どういうところでしょうか。
#339
○政府参考人(高原亮治君) 黒い雨の降雨地域で、大雨が降ったところと小雨のところと、これは聞き取り調査によるものでございますが、そのうちで、その小雨のと言われている領域については適用しておりません。
#340
○林紀子君 お手元に配りました資料、一枚目を見ていただきたいと思いますが、斜線の部分が大雨、その外側が小雨地域とされているわけですけれども、実はこの小雨地域でも大雨が実際は降ったんだ、被爆者と同じような病気が多発している、こういう証言がたくさんあるわけです。
 この図は地元の中国新聞で報じられたものですが、図の左の方にあります佐伯区黒い雨の会、私もここに行ってお話を聞いてきました。住民の方々が自らの手で、ずっと住んでいる方たち百二十二人に聞き取りをしたわけですが、その結果はお手元の三枚目の表に書いてあります。
 十一種類の疾病を持っている人が五十一人、四一%。また、図の右の方、上安・相田地区の黒い雨の会、ここでも住民の皆さんが百四十六人を調査しました。十一種類の障害に当てはまる方、八十一人、五五・四%です。これはかなり厳密に選別をしてリストアップをしたものですが、つまり、これを見ていただきましたら、放射能の影響だと認められた疾病が小雨地域でもこんなに多いわけです。
 小雨地域は放射能の影響はないと、そういう考え方そのものが間違っているのではないでしょうか。
#341
○政府参考人(高原亮治君) この広島の黒い雨の小雨地域の放射線の影響につきましては、これまで様々な調査研究が行われてきたところでございます。昭和五十一年及び五十三年の厚生省調査研究委託により日本公衆衛生協会が実施いたしました調査におきましては、小雨地域においては原爆からの核生成物が残留しているとは言えないという結果が出ております。これは、爆心地から放射状にずっとサンプルを取りまして残留放射性物質を分析したものでございます。
 また、現在の時点におきまして、一般国民におきましても、例えば、ただいま申し上げましたような例えば呼吸機能障害とか、それから白内障であるとか、加齢現象とともに増加しておりまして、例えばそういうふうなものを足し合わせれば、国民生活基礎調査等で見ましても、おおよそ、これ重複はあるわけですが、七五%の一般の日本人の方は大なり小なりそういう病気にかかっていらっしゃいます。
 そういうふうなこともございまして、小雨地域において原爆放射線による健康影響があるというふうな科学的、合理的根拠は今のところ認められていないものと承知しております。
#342
○林紀子君 それでは、坂口大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、佐伯区の小雨地域で聞いてきたところですが、四歳のとき黒い雨を浴びた六十三歳の人の話です。
 当時の小学校の同級生二十五人ほどいましたけれども、家族も含めて聞き取りができたのは十四人だった。ところが、そのうち既に五人が死亡しているんです。一人は原因不明で十代に急死をした。そして、あとの四人というのは全部がんで、しかも二十代、三十代、四十代で死んでいるわけですね。死亡率は二八・五%ということになるわけです。そのほか四人が現在がんや肝臓病で重症だ、もう余命幾ばくもないということがお医者さんに宣告をされているということなんですね。平均余命、平均余命というのは、六十三歳の人でありましたら男性で十九年、女性で二十四・一年というのが出ておりますけれども、まだこれから、六十三歳ですから、これだけ生きても普通なわけですけれども、それがこんな若さで亡くなってしまったわけですね。
 また、六十五歳のお兄さんの同級生二十七人いましたけれども、六歳、七歳で黒い雨を浴びました。そのうち三人ががん、三人が心臓病、一人が肝臓病で、計七人も死んでいます。五年前に一人が亡くなっただけで、あとの六人はみんな早死になんですね。
 このことについて、もう小雨地域と言われる地域でも大雨地域と同じように健康診断特例地域に指定して当然ではないでしょうか。
#343
○国務大臣(坂口力君) 先ほど局長から答弁しましたように、科学的、合理的な根拠がなければいけないわけですね。今、いろいろ例を挙げていただきましたが、もう少し多くの人の中で、ケースを増やして、統計的な処理ができる数の中で一体どういう違いがあるのか、違いがないのかということを見なければ、二十人、三十人の中で決定をすることはなかなか難しいと私は思います。
 したがいまして、そうしたことを統計的にもちゃんと処理をして、そしてやはりここは違いがあるということになれば、それはまたそのときに考えなければならないことだというふうに思っております。
#344
○委員長(陣内孝雄君) 林紀子君、時間が来ております。
#345
○林紀子君 広島市、県も、放射能障害特有の症状が見られるので黒い雨地域全域を被爆地域にしてほしい、これはもう何年も国に対して要求をしているんですね。厚生労働省はここで一度も聞き取りの調査というのはしてないじゃないですか。是非これをきちんと聞き取りの調査もする、広島市が今進めているアンケートもきちんと活用をする、そのことを含めて、本当に高齢化しているんです。被爆者が亡くならないうちにこれを是非するべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#346
○委員長(陣内孝雄君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#347
○委員長(陣内孝雄君) 次に、森ゆうこ君の質疑を行います。森ゆうこ君。
#348
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。
 今日は、山積する危機、現在の危機、そして将来の危機に対して我が国の、日本の姿勢を伺いたいと思います。長ったらしいお答えは無用です。最近批判もありますけれども、ワンフレーズポリティックスで、すぱっとお答えください。
 経済の問題についての要因はいろいろあると思いますけれども、最も大きな要因は国民の将来不安が払拭されないということだと思います。将来不安が払拭されないのは、我が国がどういう方針で危機に対処し、だれが責任を持って決断し実行してくれるのか、これが国民にとってよく分からない、これが大きな原因だと思います。政権与党は、内閣は、政府は、その国民の不安、疑問に答えることのできる権力を持っているわけですから、あいまいな物言いはするべきではないと思います。
 そこで、まず北朝鮮問題について、外務大臣、官房副長官にお尋ねいたします。
 日朝平壌宣言から半年たちました。ほとんど宣言は守られていません。北朝鮮側が一方的に約束をほごにしております。これはもう敵国と考えるべきとの意見もありますが、大臣と官房副長官に伺いたいんですけれども、我が国は拉致問題を北朝鮮政府ぐるみの国家テロととらえているかどうか、お答えいただきたいと思います。
#349
○国務大臣(川口順子君) 金正日国防委員長が、総理が平壌に行って話をしましたときに、拉致問題については、これは北朝鮮当局の一部の人間がやったことだということを言い、処分をした、そして二度と起こさない、おわびをするということを言われたわけです。
 本当にこれがそういうことなのか、そうでないのかということは、なかなかここは分からないことですけれども、我々としては、今後引き続き、事実についてきちんと教えてほしい、教えるべきだということを北朝鮮に対しては強く言っていますので、その過程で、真の事実、それが何であったかということは分かるだろうというふうに思います。この事実解明はやっていかなければいけないと思っています。
 それで、したがって、国家ぐるみのテロかどうかということについては、そういった事実解明を待たないといけないわけですけれども、いずれにしてもこの問題は、平壌宣言にも書いているように、国民の生命と安全にかかわる重大な、しかも非人道的なことであるということであるわけでして、こういうことというのは普通はテロであるというふうに考えるのだろうと思います。
#350
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま官房長官がお答えになったとおりでございまして、国の関与につきましては、既に拉致被害者を支援するための立法が議員立法で成立をしたわけでございますが、この法案、法律の中におきましても、未曾有の北朝鮮による国家的な犯罪ということが明記されていて、それを基に私どもはその法律を公布をしているわけでございます。金正日委員長自身もおわびをするということで、最高責任者として国家の関与を認めたというふうに考えております。
 また、テロについては、先ほど大臣がお述べになったように、普通に考えればそのとおりであろうということであります。
#351
○森ゆうこ君 今の御答弁、大変残念です。
 日朝平壌宣言の枠組みにこだわって粘り強く半年間友好関係を築こうとして、問題は何か解決されたでしょうか。朝銀問題は解決しましたか。ミサイルの照準を北朝鮮が外してくれたでしょうか。核査察に協力してくれましたか。そして、今なお北朝鮮に残されている拉致被害者の子供たちを返してくれたでしょうか。昨年九月十七日に小泉総理が訪朝し、だまされて帰国してからこの半年間を振り返り、一体どうだったんでしょうか。
 国の役割の最も大切なものは、自国民が被害に遭ったら救助する、保護するという自国民の安全を確保することで、交渉相手と時にはけんかする覚悟が必要だと思いますが、今使えるカードはすべて使って交渉相手にプレッシャーを与え続けていく。このプレッシャーを与え続けていく、川口外務大臣がよくお使いになる言葉です。これが単に相手の顔色をうかがうだけの交渉ではなく、日本国が主体的に取り組んでいることのあかしになるのではないでしょうか。
 この点、今すぐにでも使える対北朝鮮カードの一つが、私の地元新潟港に寄港しています万景峰号の問題です。寄港制限については新たな立法によらなくとも、現行関税法で所管大臣、知事の権限で可能だと思いますが、そのためには、拉致問題を国家的テロとして認識し、こちらも制裁として寄港制限をするべきと考えますけれども、政府のお考えを官房副長官にお尋ねいたします。
#352
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 関税法に基づきまして規定された開港については、国際通商に開放された港とされておりまして、外国籍の船舶の入港を禁止することができることを定めた法制度は現在のところ我が国にはなく、御指摘のような特定の国籍を旗国とする船舶の入港を禁止することは現行法上できないというふうに考えております。
 しかし、いずれにいたしましても、万景峰号については重大な関心を持って情報収集を行っております。違法行為が確認されれば厳正に対処するほか、状況に応じて、違法行為が起きないよう法律の範囲内で可能な限りの措置を講じてまいります。
 また、寄港制限など、安全、保安などの面で問題のある船舶に対してどのような対応が可能か、立法措置を含め、国土交通省において検討を進めてまいります。
#353
○森ゆうこ君 いずれにいたしましても、重ねて伺いますが、少なくとも拉致問題は国家的テロであると言明して、我が国は北朝鮮に対して、この国家テロに対して決然と対処するとまず言うことが大きな相手に対するプレッシャーで、プレッシャーを与えることになるのではないかと思いますが、いま一度、安倍官房副長官に御答弁をお願いいたします。
#354
○内閣官房副長官(安倍晋三君) テロということにつきましては、先ほど外務大臣がお答えになったとおりでございまして、私どもといたしましては、それぞれの被害者の方々の人生を奪ったわけでございますから、これは援護法に書いてあるように未曾有の国家的な犯罪であると、そういうふうに考えておりますし、また、私どもは、北朝鮮に対してあの平壌宣言の精神をしっかりと履行していくようにずっとプレッシャーを掛け続けている。また、この核の問題、拉致の問題についてお互いの疑問をまた懸念を払拭すべく、北朝鮮側に努力を求め続けているということでございます。
#355
○森ゆうこ君 何度お尋ねしてもきちんとしたお答えは返ってこないようですが、アメリカのアーミテージ国務長官が、きちんと現在進行形のテロということで言われているにもかかわらず、当事者である日本の長官がそのようなお答えでは非常に残念ですけれども、今後とも具体的なプレッシャーを掛けてこの問題の解決に進んでいただきたいと思います。
 それでは、この問題につきましては以上ですので、官房副長官、外務大臣、御退席いただいて結構です。
 次の問題に移らせていただきます。
 電力危機について伺います。
 まず、電力危機の現状はどの程度深刻だと御認識していらっしゃるでしょうか。
#356
○政府参考人(迎陽一君) 東京電力は福島県、新潟県の原子力発電所から電力の四割以上を供給しており、これらの発電所は大変大きな役割を担っておるところでございます。しかしながら、現在、東京電力の原子力発電所全十七基のうち、安全確認等のために十四基が運転を停止しております。残りの三基につきましても、七月中旬までに格納容器の気密性、漏えい率検査のため、順次運転を停止する予定となっておるところでございます。
 このため、現在停止している火力発電所の運転の再開等、可能な限りの措置によって電力の安定供給の確保に電力は努めておるところでございますけれども、このまま一基も運転を再開せず停止をし続けた場合、夏場に向けて増加する電力需要に対して供給不足が避けられないというふうな状況であるというふうに認識しております。
#357
○森ゆうこ君 原発の運転再開につきまして、現在障害となっているものは何でしょうか、お答えいただきたいと思います。
#358
○政府参考人(迎陽一君) 原子力発電所の運転のためには、まずはその安全性を確認をするということが第一でございます。その上で、またその御地元の信頼を裏切ったというふうなこともございましたんですが、その安全性の確認についての考え方等を十分御説明の上、その御地元の御理解の上、運転を再開していくということが重要であるというふうに考えております。
#359
○森ゆうこ君 原子力発電は国の国策でしょうか。それとも、単に民間企業の設備の問題でしょうか。大臣、お願いいたします。
#360
○国務大臣(平沼赳夫君) 簡潔に答弁をさせていただきますが、これは国のエネルギーの基本的な政策でございます。
#361
○森ゆうこ君 先週十四日に、私の地元の新潟では原発の安全問題の説明会が開かれましたが、その中で地元住民から、最高責任者の声が聞けなかった、国の責任ある言葉が欲しかったのに何も語らない、何のために説明に来たのか分からないと、国への不信の言葉が噴出しました。
 ただいま経済産業大臣は明快にお答えいただいたわけですから、であるならば、きちんと危険施設を受け入れている福島県や我が県新潟県に、総理大臣がきちんと出向いてごあいさつされるべきではないかと思いますが、この点、大臣からも総理大臣に電源立地県に出向かれるよう、の進言をしてはいかがでしょうか。
#362
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の平成十三年度の実績で、日本の電力の三五%がエネルギーによっています。したがいまして、立地の皆様方の御協力なしにはこの国のエネルギーというものが回らないわけでありまして、私も就任以来、森先生の地元の刈羽そして柏崎、あるいは福島県、青森県、福井県、ずっと回らせていただいて、いろいろ話合いもさせていただいたところであります。
 国としては、基幹的なエネルギー政策でございますから、きちんと説明責任を果たさなければならないと思っています。今、安全性の問題について御指摘のように、今、体制のことについては国から御報告をし出したところでございまして、私もそういう必要があれば現地に行かせていただいて、そしてエネルギーの行政の責任者として対応をさせていただきたいと思っておりますし、また、総理大臣というお話でございますので、そういう必要が出てくれば私から総理大臣に御相談をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
#363
○森ゆうこ君 とにかくきちんと国が自分の責任を明確にするという、そしてきちんと説明する、このことが求められていますので、今後ともその点について御努力を願いたいと思います。
 次の問題に移らせていただきます。
 特殊法人改革について、担当大臣そして会計検査院にお尋ねいたします。
 特殊法人全体の不良債権額、別な言葉で言いますと、独立行政法人化に当たり清算する際の国の損は幾らでしょうか。まず、問題を解決するには問題そのものを把握する必要があるとの観点から伺います。
#364
○会計検査院長(杉浦力君) お答え申し上げます。
 現在のところ、特殊法人から行政法人に変わる団体、たくさんございますが、それぞれのところの現有財産とそして損失額、こういったものをトータルしたものはございませんし、私どもも持っておりません。
#365
○森ゆうこ君 今の会計検査院の御答弁ですけれども、この特殊法人改革についての担当大臣はどなたですか。大臣の御所見をお願いいたします。
#366
○国務大臣(石原伸晃君) 各法人の所管大臣は省庁ごとに分かれております。私は今回の特殊法人改革全般について調べさせていただいておりますが、多分、委員の御指摘は欠損金がいかほどあるのかということをお指しになって御質問をされていると思うのでございますが、ただいま会計検査院の方から御答弁させていただきましたとおり、今、公会計から企業会計原則にのっとった会計に取り替えていただいて、委員御指摘の不良債権的なるものの実態をあぶり出すべく鋭意作業させていただいているところでございます。
#367
○森ゆうこ君 じゃ、もう一度会計検査院に伺いますが、今までの特殊法人の不良債権をどのようにチェックしてきたのでしょうか。例えば、グリーンピア、雇用促進事業団等について伺います。
#368
○会計検査院長(杉浦力君) お答え申し上げます。
 私ども、今まで特殊法人あるいは特別会計を含めまして、内容の使い道、こういったものにつきましてはきちんと調べてきたつもりでおりますが、何分企業会計そのものの検査をすべてしておりませんものですから、現状としてどういう施設があり、どういう運営をし、そしてどういう管理費が出ているかということは分かりますが、損失額は幾らとか、あるいは累積損が幾らというようなところは取っておりません。
 ただ、私どもの検査をちょっと御説明申し上げますと、こういった、今お話のありました雇用促進事業団とかあるいは年金福祉事業団、こういったところは大変大切な対象でございまして、特に施設利用関連につきましては、本当に当初の目的が果たされるような使われ方をされておるか、そして管理が経済的にやっておるかという点のチェックをいたしております。現に平成九年度の検査報告には、国会からの要請もございまして、公的宿泊施設につきまして調べまして御報告したことがございます。
 この中身につきましては、ちょっと時間取って大変恐縮でありますが、閣議で今まで、新しいものは作らないとか、あるいは民間の施設あるいはその民間の利用者のニーズ、こういったものを十分検討した上で、特別会計の今後の見通しも含めて運営をしていただきたいということを申し上げた経緯がございます。
#369
○森ゆうこ君 前国会で、私の入っております厚生労働委員会でも幾つかの特殊法人が独立行政法人になりました。この委員会の質疑の中で、準備の中でいろいろ調べたんですけれども、全容が分からないんですね。それぞれが違う会計方式もということもありますし、その特殊法人の運営費とは別に、またそれぞれがやっている事業について相当なお金が使われている。一体特殊法人がどれだけお金を使ってきたのか、どれだけ不良債権を作ってきたのかという全容が明らかにならない。
 しかも、だれも責任を取っていないと思うんですけれども、この国、この不良債権、不良資産を作った責任者というのは処分されているんでしょうか。
#370
○国務大臣(石原伸晃君) 私の方で各法人でどのようなのが行われたとかいう個別のことはお答えできませんが、今、委員が御指摘されております特殊法人の問題点というものは、広く国民の皆様方の認識するところにあるということでは非常に重要な点であると思っております。
 委員御指摘のとおり、業績目標、これだけの仕事をしたけれども、これだけの結果になった、こういうものが特殊法人にはございません。あるいは業績評価、この経営者によってこれだけの仕事をしたが、それは国民にとってどれだけの評価を得ているか、こういうものもありません。そして、組織あるいは業務、こういう仕事、あるいはこういう組織でこういう仕事に当たっている、こういう見直し制度もない。これを今般改めようということで委員が御指摘されておりますような問題にこたえていこうとしているわけでございます。
 その中で、先ほども御答弁をさせていただきましたが、非常に重要になってくるのは、委員も既に御指摘されておりますように会計が様々であります。特に、公会計で行われております。これでは一体、資産に対してどれだけの欠損金があるのか、いわゆる不良債権的なるものの実体額というものが非常に不明朗でございますので、先ほども御答弁をさせていただきましたように、企業会計原則でこれをすべてあぶり出す、今、鋭意作業をしている最中でございます。
#371
○森ゆうこ君 あぶり出した後には責任を取らせるわけですね。
#372
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども御答弁をさせていただきましたように、各特殊法人は所管大臣が所管をしております。
 一般論として申し述べさせていただきますと、今回、特殊法人から独立行政法人に組織替えをいたしました組織は、業績により解任ということもあると御理解をいただきたいと思います。
#373
○森ゆうこ君 今回、独立行政法人化するに当たり、この不良資産、不良債権の問題が本当にはっきりすればいいですが、うやむやにするのはいわゆる飛ばしと私は同じだと思います。このような飛ばしによるごまかしをなくすためにも、今後の独立行政法人の理事の責任の在り方は注視すべきだと思います。
 今後の独立行政法人の理事の責任の在り方がどう追及されるべきか、いま一度担当大臣にお答えをお願いしたいと思います。
#374
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほども御答弁をさせていただきましたように、今回は事業の見直しも定期的に行っております。さらに、組織の在り方自体も三年から五年で見直します。
 そんな中で、責任、委員が御指摘の責任については、先ほども御答弁をいたしましたけれども、業績によって経営者が解任されることもございますし、これまでは業績に関係なく一定であった賞与、役員報酬というものも見直していく、業績を反映したものにしていくと。厳しい態度で臨ませていただきたいと考えております。
#375
○森ゆうこ君 少なくとも、理事の任期と中期計画の策定期間をリンクさせ、責任の所在をはっきりさせるべきではないかと思います。 この点について言えば、独立行政法人の理事と株式会社の取締役は類似の地位にあると思います。株式会社は投資家がリスク判断して株主になるわけですけれども、税金が原資である特殊法人についてはもっと厳しい責任追及の手段が必要と思います。
 この点、納税者訴訟や機関訴訟を株主代表訴訟と同じように活用すべきと考えますが、行革担当大臣の御所見を伺いたいと思います。
#376
○国務大臣(石原伸晃君) これまでの委員の御質問を聞いて、聞かせていただいておりまして、ただいまの御指摘というものも一つの見識であると考えております。
#377
○森ゆうこ君 この問題につきましては、国民から見れば、使いたい放題特殊法人がお金を使っていろんな不良債権を作った、その責任が、だれが取ったかさっぱり分からない、こういうところに国民が怒りを感じているんです。この点についてはっきりしたときにはしかるべき責任を取らせるというふうに先ほど御答弁いただいたわけですが、そのようにお願いしたいと思います。
 次の問題に移らせていただきます。
 公的年金制度について厚生労働大臣と財務大臣に伺います。
 まず、公的年金制度に対する国民の不信というものについて伺いますが、国民年金の未納者が三割、もはや制度として成り立っていないのではないかという指摘もあります。これは年金の保険料が高いので払っていないのではないんです。高い保険料負担をしても、将来、自分たちは年金がもらえないのではないかと思っているから払わないのではないでしょうか。つまり、年金制度の不信が国民の間に蔓延しているのではないかと思いますが、まず伺います。
 今回、提示されております年金の物価スライド制を厳格に適用しないのはなぜでしょうか。
 年金制度の不信は、政府がその場の雰囲気でころころ方針を変えるからではないのでしょうか。その象徴的なものに年金の物価スライド制がありますが、平成十二年から特例として物価スライド制の凍結を行い、本年は一年分だけ引き下げようとしております。このような、その場の雰囲気で中途半端、問題の先送りのいい加減なことを政府が行ってきたということが国民の年金制度の信頼を損なった一つの大きな原因ではないかと思いますが、この点について大臣の御所見を伺います。
#378
○国務大臣(坂口力君) 物価スライド制でございますけれども、たしか過去三年の間の物価スライド制を凍結いたしましたことにつきましては、委員がただお一人反対をされたことを記憶をいたしております。そうしたこともあるわけでございまして、我々は、この三年間の問題と、今回の凍結解除と申しますか、今までどおりの法律にのっとったマイナス改定を行うに当たりまして、そこを明確にしなければならないというふうに思ってきたところでございます。
 過去三年間におきましては、確かに物価の問題ございましたけれども、今、納税をしていただいております、納税じゃありません、保険料を支払をしていただいております皆さんの賃金まで低下をしてこなかった。ところが、十三年後半ぐらいからでございますけれども、賃金の低下が見られるようになった。物価の下落よりも賃金の低下の方が大きくなってきた。
 そういう状況の中で、保険料を支払をしていただいている皆さん方にも御迷惑を掛けているわけでありますから、年金をもらっていただいております皆さん方にも応分の御辛抱をいただきたい、こういうことで今までと違う判断をしたところでございます。
#379
○森ゆうこ君 淡々と物価スライド制を実行していたら、十二年のときには一体下げ幅は、減額は幾らだったでしょうか。これは政府参考人で結構です。
#380
○委員長(陣内孝雄君) 今日は参考人を呼んでいないんです。
#381
○森ゆうこ君 じゃ、大臣、お願いします。
#382
○国務大臣(坂口力君) 十二年度とおっしゃいましたね。十二年度はマイナスの〇・三でございます。
#383
○森ゆうこ君 額をお願いします、額。
#384
○国務大臣(坂口力君) 額……。
#385
○森ゆうこ君 淡々と物価スライド制を実行していれば、当初の下げ幅はそんなに大きなものではなかったはずです。千円未満ぐらいだと思いますが、その場の雰囲気でいろいろと変えずに、きちんとやってくればよかったのではないかという私は指摘をしたいわけです。
 時間がないので、次の問題に移りたいと思いますが、消費税について伺います。
 年金制度の財源のみならず、今後、人口減少社会に対応した社会保障制度を整える、支える財源としてやはり税、とりわけ消費税が重要な財源と考えるが、消費税の大幅引上げが必要と考えているのかどうか、財務大臣、お願いいたします。
#386
○国務大臣(塩川正十郎君) 消費税に関心を持っていただきまして、本当にありがとうございます。
 今、そういうことを考えておりません。
#387
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 しかし、今回、消費税に関して総額表示制度が導入される予定になっているそうですけれども、この点について、消費税に関しての引上げはしないというお答えでしたけれども、消費税が一番国民に分かりやすい形で痛税感、税が痛いという感じがするものだと思います。
 この点、総額表示制度は、将来的には内税、内税表示方式が主流となるでしょうから、痛税感を国民からなくし、消費税を引き上げるための布石ではありませんか、大臣。
#388
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、痛税感を痛がるとか、そういうことでやったんじゃございません。これは、買う人、消費者に対するサービスでやっておるんです。消費者が幾らだということで一遍に分かるように、それで本体プラス消費税、計算して、レジ行って急に取られたら心配ですから、幾らですときちっと書いてあるということ、消費者のサービスですから、これは。
#389
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
#390
○森ゆうこ君 時間ですので終わりますが、ごまかさないできちんと国民に対して説明して、政府が判断して実行すべきだということを再度申し上げて、私の質問を終わります。
#391
○委員長(陣内孝雄君) 以上で森ゆうこ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#392
○委員長(陣内孝雄君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
#393
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は、公務員制度問題について御質問したいと思います。
 まず、官房長官、ILOの八十七号及び九十八号条約は憲法に規定された条約であり、当然遵守しなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
#394
○国務大臣(福田康夫君) これは、この両条約については批准した条約につき、批准しておるわけでございます。憲法の規定にのっとり、すべてこれを誠実に遵守してまいったところでございます。
#395
○又市征治君 どうもお忙しいようですから、もう御退席いただいて結構です。
 そこで、坂口大臣、遵守すると、こう官房長官おっしゃったわけですが、どうもこれをILOの側が勧告で誤解をしているんじゃないかと、こういう格好でですね、政府の見解全体が固まったようではないですけれども、総務省が発表した見解はそんなことになっています。
 そこで、二月にもこのILOに調査官を派遣をして、今開かれておるILOの理事会にももう出席をしているんだろうと思いますが、ここで政府見解をILO側にどういうふうにお伝えになったのか、ILOの側は日本の政府が言っていることを理解したのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#396
○国務大臣(坂口力君) まだこれからでございますけれども、我々と考え方の違うところがある、そこの考え方の違うところについて理解を得るようにこちらからも説明をしたい、そういうふうに思っているところでございます。
#397
○又市征治君 どうも政府が、このILOの側が誤解をしているんだという、こういう話なんですが、十二月に野党三党の調査団がILOへ行きました。私もその一員で行ってまいりましたが、日本政府は八十七号、九十八号条約を批准をしており、この結社の自由原則を遵守することはもう当然の義務だ、たとえ閣議決定といえども批准した条約に適合しているかどうかを法的に検証し勧告することは結社の自由委員会の任務だ、こういうふうに言っていますね。
 それから、十一月の審査時点で、労働側と政府側から提出された論点に基づいて、結社の自由委員会の原則に基づく十分な分析を行った上で下した最終的な判断であり、この勧告は決して中間的、暫定的なものでない、法案作成途中だから中間報告としているにすぎないんだと、こういうことなどを明言しているわけです。
 どうも国内ではILOは誤解していると、こう言われながら、実はILOは今やられているのに、出されてから随分たっているのに、どうもまともに何もない、言っていない、これからでございますという答弁、どうも納得できない。
 したがって、これだけ私どもが聞いてきたことと政府側がおっしゃっていることが違うんですから、ILOのやっぱりミッションを招いて真意を確かめるべきだろうと思うんです、国会も。
 したがって、委員長、是非、委員会として、その措置を取られるように要請をしたいと思います。
#398
○委員長(陣内孝雄君) ただいまの又市征治君の発言につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#399
○又市征治君 そこで、大臣、このOECD、私どもILOへ行きましたときに、OECD三十か国のうち消防職員に組合の結成を認めていないのは日本だけだと、こういうふうに言われておるわけですね。つまり、いかに日本がそういう意味では権利後進国であるかということが国際的には通説になっている、こういうことなわけで、そういう意味では、やはりこの点しっかりと今見直すような努力をしてほしいと、こんなことをまず今日のところは申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、石原大臣にお伺いをいたしますが、大臣は先ごろ、これは衆議院だったと思いますが、東京都の、参議院か、東京都の職員労働組合がストをした、そのとき、国民が支持していないからスト権を与えるのはどうかと思うというように発言をされました。御記憶だと思います。
 で、このストは人勧のマイナス勧告を受けて云々というように言っておられるので昨年の秋のことだろうと思うんですが、これはいつのことですか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#400
○国務大臣(石原伸晃君) 平成十一年のストのことを念頭に置いて発言をさせていただきました。
#401
○又市征治君 そうすると、人勧のマイナス勧告を受けてというのはちょっと違うわけですね。
 そこで、今おっしゃったように、昨年は全くそんなことはないわけでありまして、一九九九年、あなたのお父さんが知事になられた年かな、これ、ということなんですが、そういう意味では、このストを国民は支持していないというように結論付けられたその根拠というのは一体何なのか。あなたの感覚なのか、それとも世論調査などの数字があるからそうおっしゃったのか、ちょっとお聞きしたいんです。
#402
○国務大臣(石原伸晃君) 私は東京都選出の国会議員でございますので、私の周りにいる方々の御意見やマスコミ等々の意見を勘案して、都民の皆様方がこのストを支持しなかったと発言をさせていただいたところでございます。
#403
○又市征治君 だとすると、私鉄の、私鉄のストライキなんて余りもろ手を挙げて賛成する国民なんていないんですよね。あなたの感覚からいいますと、それは私鉄のストライキも禁止すべきだという話になっていくんですか。そうじゃないでしょう。そこら辺のところを混同しちゃいかぬと思うんです。
 問題は、少なくともILO勧告は尊重せにゃいかぬ、この条約は守らにゃいかぬ、こう言いながら、一方で、この間からの御発言を聞いていますと、労働基本権は中長期の課題じゃないか、事実上、棚上げに何か言及されているように思うんですが、そういう意味では、やはりそうしたあなたの感覚みたいな格好で、世論調査の数字出ているわけでもないのに、そういう意味で、おっしゃるのはどうも不適切だと、こういうふうに言わざるを得ないわけで、そういう意味では、やはりこういう条約しっかり、あるいは本来ならば、この間も出ましたけれども、憲法二十八条、このことを書いているわけで、これを解除すべきだと。憲法二十八条に保障されていることを、途中でこれを国公法や地公法でこういうふうに書いて、禁止をしているから、制限をしているから、これを解除しなさいと。簡単じゃない、今のILO勧告とはそういうことなんですよね。
 ですから、そういうものをしっかりと、担当者であるあなたが自覚を持ってこれに当たっていただかないといかぬと思うんです。
 そこで次に、勧告は、法制度を改革して結社の自由原則にのっとったものにするという目的で、全面的で率直かつ有意義な協議が直ちに実施されるよう強く勧告する、随分とごつい勧告、中身なんですが、こういうふうに言っているわけですね。
 そこで、関係者との協議は一体どうなっているのか。あなたは、勧告で労働三権問題が出てきたのでこちらも協議をやらなきゃならぬと、こう述べられているわけですが、公務員法改正の諸課題の一つとして労働三権に関する労使協議のテーブルを新たに設けるという、こういう意味であなたはおっしゃったのか、ここのところを、真意を聞かせていただきたいと思います。
#404
○国務大臣(石原伸晃君) 職域団体の皆様とは、私自身が二月二十五日にお会いした際、先方より労使協議の設置を求める要請がなされ、それに対しまして、今後の交渉、協議については誠実に対応させていただきたいとお答えさせていただいたわけでございます。これは何度もお話をさせていただいておりますけれども、私といたしましては、要請があれば、可能な限り対応したいと考えております。
 また、公務員の労働基本権の問題については、官房長官や私自身も職員団体の皆様と直接会って申入れを受けており、その趣旨につきまして十分承知していると御理解をいただきたいと思います。
 私といたしましては、公務員の労働基本権の問題を議論することの重要性、これは十分に認識しておりますので、御党の日森委員であったと思いますけれども、そのときかなり踏み込んで発言をさせていただいたつもりでございますし、この問題につきまして議論することを否定するというようなことは全くございませんし、今後とも、職員団体との間でどのように交渉、協議を進めていくかを相談していく中で適切に対応していきたいと考えているところでございます。
#405
○又市征治君 時間が参りましたので、次回に引き続きこのことをやりたいと思いますが、要請があればではなくて、勧告に基づいてやはりしっかりと率直かつ大胆な協議をしろと、こう言っているわけですから、それに基づいてやっていただくことを要望して、今日は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#406
○委員長(陣内孝雄君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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