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2003/03/19 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第14号
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2003/03/19 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 予算委員会 第14号

#1
第156回国会 予算委員会 第14号
平成十五年三月十九日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     池口 修次君
     内藤 正光君     櫻井  充君
     沢 たまき君     松 あきら君
     岩佐 恵美君     吉川 春子君
     広野ただし君     平野 達男君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     岩本  司君     藤原 正司君
     円 より子君     小川 敏夫君
     福島 瑞穂君     大脇 雅子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                大島 慶久君
                国井 正幸君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                仲道 俊哉君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                池口 修次君
                小川 敏夫君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                辻  泰弘君
                藤原 正司君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                福本 潤一君
                松 あきら君
                森本 晃司君
                紙  智子君
                林  紀子君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
                平野 達男君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       農林水産大臣   大島 理森君
       環境大臣     鈴木 俊一君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  石破  茂君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣
       (防災担当大臣) 鴻池 祥肇君
   副大臣
       内閣府副大臣   根本  匠君
       防衛庁副長官   赤城 徳彦君
       総務副大臣    若松 謙維君
       法務副大臣    増田 敏男君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       池坊 保子君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       梅津 準士君
       内閣府政策統括
       官        山本繁太郎君
       外務省経済協力
       局長       古田  肇君
       文部科学省初等
       中等教育局長   矢野 重典君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   坂本由紀子君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    飯島  孝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、質疑を八十分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会四十七分、日本共産党十七分、国会改革連絡会十二分、社会民主党・護憲連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(陣内孝雄君) 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。辻泰弘君。
#4
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
 冒頭、イラクの問題、大変緊迫した局面を迎えているわけでございますけれども、官房長官にお伺いさせていただきたいと思います。
 官房長官は先日、記者会見でございますか、このようにおっしゃっている。当初の予定どおりいかなかった、今の段階でそうだということは率直に認めざるを得ないと、このようにおっしゃっているようですけれども、この辺りについて御見解をお示しいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(福田康夫君) 我が国の立場というのは一貫して平和解決を望むと、こういうことでありまして、そういうことで、米国に対してもそうですし、また国際社会に対してもそういうメッセージを発し続けてきたわけでございます。残念ながら、そういう方向に行っていないという現状があるわけでございまして、その現状というものを、これは直視しなければいけない。
 問題は、根源は、イラクの大量破壊兵器を放棄させるということが一番大事なことである。冷戦後、この大量破壊兵器の存在というものが、これが国際社会に与える影響は極めて大きい、もう一番大きな問題であると。こういう現状にかんがみ、この廃棄をさせようという、そういう強い意志を国際社会が持って事に当たらなければいけない。しかしながら、国際社会が不幸にしてこの最後の段階で意見が分かれてしまったと。
 こういうことがあったわけで、そういう状況について私は率直に私の見解を述べたわけでございます。
#6
○辻泰弘君 やはり誤算があった、シナリオに狂いがあったというふうな指摘があるわけですけれども、ほぼそういうことだというふうに理解していいですか、今のことだと。
#7
○国務大臣(福田康夫君) 世の中すべて思ったとおりにいけばいいんですけれども、しかし、我々はあくまでもそういう平和的な解決ということは望んでいるわけであります。不幸にしてそういうことになっておりますけれども、まだ武力攻撃が行われていないけれども、そういう方向に一刻一刻進んでいるということであるならそれは直視しなければいけない、その現実を。
 そして、その上で日本は、究極の、より先にあります平和の追求というものをどういう形で実現していくかということに全力を傾けるべきであると思います。
#8
○辻泰弘君 総理は、昨日も記者会見でおっしゃっていたり、今日も本会議等でおっしゃっていると思いますが、ある意味では当然のことですけれども、国民に理解と協力を求めていきたいとおっしゃっているわけですが、これまでの政府の、あるいは小泉総理の御説明等々、国民の理解、納得を得られるものだったと判断しておられますか。
#9
○国務大臣(福田康夫君) 総理の考えは、正に私が先ほど述べたようなことでございます。そういうことはもう再三申し上げているんですね。それが最初から武力攻撃ありきという、そういう議論をされるものですから議論が混乱したように見えます。それはしかし、その基本的なことはずうっと説明してきた、それはもう全然考え方は変わっていない、最後の段階まで変わっていないと、そういうことでございます。
 あと残されたことがわずかにフセイン大統領の国外退去だということならば、それが、そういう可能性があるんならそういうことが実現してほしいと、こういうふうに考えております。
#10
○辻泰弘君 私は、基本的な政府の方針というものが国民には十分語られないまま来たというふうに思っていますが、この問題につきましては、関連で若林議員から後ほど御質問させていただきます。
 次のテーマに移らせていただきます。
 大島農水大臣にお伺いするわけでございます。
 当初の予定でございますと、本日の午前中に衆議院の方で参考人招致というふうな予定だったわけでございますけれども、結果としてしばらく延期ということになったようでございますけれども、いずれにいたしましても、農水大臣が御縁のある方、恐らくは御縁のある、深い支援の方かと思いますが、その方が国会における参考人の招致の対象となられたということについて、そのことについてどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
#11
○国務大臣(大島理森君) 参考人というのは国会でお決めになることですから、そのことについてあれこれ申し上げる立場ではございませんけれども、今、委員がお話をされましたように、言わば平成十二年の選挙の前のときに志として御好意を持ってこられて、しかしそれが全くそれと違った形で存在してしまった、生かされなかったということにおいては、これはもう私自身の元秘書の不祥事であろうと思います。
 そういうことに至ってしまったことは、御本人にも私自身おわび申し上げましたように、大変申し訳ない思いでございます。
#12
○辻泰弘君 大臣、御承知のように、参議院の方では予算成立直後に参考人招致を行うということで与野党で合意をさせていただいているわけでございますけれども、大臣の御主張でいきますと、一点のやましさもないと、そういう御主張だと思うわけですけれども、しからば、やはりお二人の秘書の方々にも是非出ていただくように、積極的にそういうことで説明をしていただくように大臣からもお勧めをいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(大島理森君) それぞれの委員会でお決めになることだと思います。そのことを見守らせていただきたいと、こう思っております。
#14
○辻泰弘君 委員会で決めることと言えばそれまでなんですけれども、私は、しからば、委員会の参考人招致でなくても、共同で記者会見をされてもいいと思うんですね。大臣と秘書官の方々と一緒になって、実はこうだったんだということを御説明あってもいいと思うんですけれども、いかがですか。
#15
○国務大臣(大島理森君) 私自身は、御質問があれば今日までも資料を出させたり、あるいはまた報告を受けて調査をして誠実に答えて今日までまいったつもりでございますし、これからもそうしてまいりたいと、このように思っております。
#16
○辻泰弘君 この問題につきましても、後ほど関連で若林委員から質問させていただきますので、次のテーマに移らせていただきますが、次は法務大臣にちょっとお伺いさせていただきたいと思います。
 例の名古屋の刑務所での暴行事件等々、一連の事件といいますか、はっきり言いまして、ある意味で隠ぺい体質等々も含めてですけれども、いろいろ法務省にまつわる不祥事といいますか、そういうことがあったわけですけれども、率直に、法務大臣からごらんになって法務省という役所をどう見ておられるか、教えていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、一連の名古屋刑務所事件によりまして矯正行政に対する信頼が大きく損なわれまして、矯正局による国会に対する説明に不正確、不適切な点がございました。法務省は隠ぺい体質であるというような厳しい御批判をいただいております。そればかりでなく、人権擁護関係職員等が一生懸命人権擁護の職務のため努力しているにもかかわりませず、法務省全体が人権意識が疑われるというような御不信までいただいているということは、大変残念なことでございます。法務大臣といたしましては、非常に大きな責任を痛感しております。
 私自身が、まさか法務省の職員が革手錠を凶器のようにして使うとか、消火栓のホースでその放水を人に向けるというようなことがあるとは、よもやと想像もいたしておりませんでした。担当部局からより多くの情報を得ておりますれば、もっと早い時期にもっと積極的に指揮監督できたのではなかろうかと非常に残念に思っておりまして、自らの不明を恥じているところでございます。
 これまでの指導が十分であったとは決して思いませんけれども、矯正行政の責任者としてその立て直しに私なりに努力しておりますし、法務省の関係者、事務次官以下関係の局長、課長その他かかわる職員の皆さんが非常に強く反省しておりまして、徹底調査するようにという私の指示にこたえて幾つかの緊急措置を講じてもらいました。
 それだけではなくて、行刑運営の在り方全体を徹底して見直さなければならないということで、省内に行刑運営に関する調査検討委員会を設置いたしまして、私も折々そこに参加いたしまして、国民の不信を払拭するために最大の努力をしようということで取り組んでおります。
 例えば、革手錠の廃止も早速決めさせていただきましたし、情願は全部私が読むということにいたしまして現にやっておりますし、今までの、従来の発想や常識にとらわれない大胆な方策で新しく生まれ変わらなければいけないというふうに思っております。近く、第三者の御意見もいただくべく、行刑改革会議を発足させたいと思っておりますし、そのような御意見をよく承って、幅広く国民の御信頼を再びいただけますような法務省に生まれ変わってほしいというふうに思っております。
 国民の不信を招いたことへの反省の下で、各方面からの御批判、御意見を真摯に受け止めるというまじめな態度で一生懸命やっているというふうに私は感じております。
#18
○辻泰弘君 法務省自体についての評価はストレートにはお聞きできなかったのは残念でございますけれども、ひとつお聞きしておきたいんですが、二月の二十八日ですか、処分をされておりますですね。大臣御自身も三か月の給与返納でございましたか、そういうようなことも含めての処分がございました。
 この中にくだんの中井局長も入っておられたわけですけれども、今回、国会にその資料提出について虚偽を言っていたということで謝罪をされているようですが、このことについてはもうこれで不問に付されるということでしょうか。
#19
○国務大臣(森山眞弓君) 先般の処分は、取りあえず五月の事案と九月の事案の監督者ということの処分でございましたので、さらにまた別の件が近く明らかになりますので、それを受けまして、また改めて処分を加えなければならないと考えております。
#20
○辻泰弘君 大分もう、大臣もいろいろな懸案を抱えられて大変だと思いますけれども。
 それで、大臣が最近おっしゃっていることで、今の死亡帳のことについてもですけれども、つい最近までそんなものがあること自体知らせてもらえず困ったことだと、こんなふうにおっしゃっている。また、昨日の我が会派の朝日議員に対してだったと思いますが、法務大臣、監獄法の見直しについてですけれども、一九〇八年施行の現行法について、人権感覚が入っていないと、こういうふうにおっしゃっていると。
 すなわち、人権感覚が入っていない法律が今日まで存在しているということ、それを行政のサイドで放置していたということにもつながるわけだと思うんですけれども、そういう意味での法務省の体質といいますか、そのこと自体、大臣、どう率直に思っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#21
○国務大臣(森山眞弓君) 明治の終わりのころにできた監獄法に基づいて運用されている面がまだかなり残っておりますし、行政がそれを放置したとおっしゃいましたけれども、実は、これは困るということで何度か改正の動きをいたしまして、しかし、それが国会方面の御理解を得ることができなくて、結局そのままとんざしてしまったということであったと聞いておりますが、いずれにいたしましても、その古い百年近く前の法律が基になっているということが非常に大きな問題ではないかというふうに思っておりますので、いろいろな困難はあるでしょうけれども、それを乗り越えて、何とか新しい時代の、もう二十一世紀なんですから、新しい時代の行刑あるいは矯正行政というものを作ってほしいというふうに思いますし、私も、お役に立てば、いささかの協力をし、前進していきたいというふうに思っております。
#22
○辻泰弘君 大臣、一言で言って、法務省という役所は人権感覚に満ちた役所だと思っていらっしゃいますか。
#23
○国務大臣(森山眞弓君) 人権の尊重というのは法務省の仕事でもございますし、それを担当しております人権擁護局というのは大変に一生懸命頑張っておりますので、それを所管し、かつ努力をしている役所だというふうに思っています。
#24
○辻泰弘君 ちょっと別の角度から大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、大島農水大臣の元秘書の問題で、衆議院法制局に答弁書作りを依頼されたというそのときに、大臣は記者会見で、もし報じられたとおりだとすると、どうしてそういうことが表に出たのか非常に疑問に思うと、このようにおっしゃっておるようでございます。
 私は、ここは非常に印象に残りまして、と申しますのは、倉田参議院議長は、やってはいけない禁断の実に手を付けた、三権分立の基本に触れるのではないかと、このようにおっしゃった。また、自民党の堀内総務会長は、普通は顧問弁護士に相談するでしょうねと、このようにおっしゃった。また、衆議院の綿貫さんも、結果責任を問うことも考えないといけないと、衆議院法制局のことですけれども。
 こういうふうに、そういうふうに出たこと、そしてそのこと自体の問題点ということでおっしゃるわけですが、大臣は出たこと自体を取り上げて指摘されているという、その部分がちょっと私はとらえ方としてほかの方と違ったと思うんですね。はっきり言いまして、隠ぺい的体質にと言われてもやむを得ないような、そんなふうにも受け取られるところがあるわけでございます。その点についてちょっと御説明いただきたいと思います。
#25
○国務大臣(森山眞弓君) これは、たしか二月二十八日の記者会見だったと思いますが、突然そのような質問がございまして、私もおっしゃったようなことを発言したかと思いますけれども、その際に、本人にお聞きしたわけではありませんので実際のところ事実はどうであったかよく分かりませんとまず申しまして、私が議員としてこれまでの経験から申し上げますと、衆議院法制局といいますのは、議員立法を行うときだけではなくて、議員が政治活動を行う上でぶつかる様々な法律的な問題の相談に乗っていただくというところであるのかなというふうに私の個人的な感じがございまして、その中にはいろいろと未成熟なものもたくさんあるわけでございまして、そのようなことが一つ一つ報道されてしまうのはやはり困るんじゃないかなということを一国会議員の立場といたしまして感想を申し上げたようなわけでございます。
 その後、新聞で私のこの発言を取り上げて報ぜられたのはその日の夕刊でしたか、見せてもらいましたが、どうしてそういうことが表に出たのか非常に疑問に思うと不快感を示したと書いてありましたが、不快感というのは非常に私は不思議に思ったわけで、不快感だったんではなくて、なぜそうなったのかなということを私の言葉で不思議だなということを言ったつもりで、別に不快というふうに思ったわけではないのでございますが、新聞記者の筆でそのようになったなということをそのとき感じたわけでございます。
#26
○辻泰弘君 不快感を示したという記事に不快感を示されたということだと思いますけれども。
 この点、最後で、官房長官にちょっとお聞きしたいんですけれども、やはりこの一連の経緯を見ますとき、法務省が、率直に言いまして、人権感覚に満ちた役所というふうには正直言って思えないわけでございます。
 それで、霞が関では人権所掌が法務省と、こういうような論理があるようでございますけれども、折しも人権擁護法案が審議になっているわけでございますけれども、これは人権委員会が法務省の外局ということになっているわけですけれども、やはりこれはそういうことの反省の上に立って、やっぱり法務省から切り離して、内閣府の外局に位置付けるということで、根本的に考えるべきだと思うんですけれども、官房長官、いかがでしょうか。
#27
○国務大臣(福田康夫君) 今回の名古屋刑務所で起こった事件は、これは法務大臣もいろいろと答弁されておりますけれども、本当に想像も付かないような異常な事件だと思います。率直に言って、法務省、大いに反省すべき、大いに反省しなきゃいけない、そういう問題だと思います。法務大臣もこの調査と原因究明、そしてこの改善、法務省の、そういうことが起こらないようにするための改善、そういうことを約束をしておるわけでございますから、これはこれで一生懸命やっていただかなきゃいけないと、こう思っております。
 今御質問の点につきましては、これは、この法務省の中で人権問題というとなかなか専門的な知識を必要とするという、そういう部門でございまして、そういうことで、そういう専門知識を持っている方が豊富にいる、そういう法務省の方がより的確に仕事ができるのではないかということ。
 それから、この職権行使、職権行使は所轄の法務大臣からの影響も受けることがないようにということで、法務、あれは何でしたかね、高度の独立性を確保するということになっております。そういう意味で、法務省の外局として設置しても独立性の観点から問題はないのではないかと、こういうふうに考えておる。
 また、こういうような組織体制にすることについては、平成十三年の中央省庁の再編に当たって、やはり人権擁護というものは国民の権利擁護をその基本的任務とする法務省において引き続き所掌すべきことであると、さらにこの部分は充実強化すべきものとして整理をされておると。
 こういうようなことがございますので、御質問にありますように、内閣府に設置するということにはなっていないんであります。ただいま申しましたように、独立性も完全に担保されているということもありますので、このままでお願いをしたいと思っているところでございます。
#28
○辻泰弘君 今おっしゃった、専門家が、だからとおっしゃったんですけれども、専門家でありながら実際、人権というものが守られていないということをやはりしっかりと見詰めるべきだということと、今考えておられる地方人権委員会は地方法務局に位置付けられるようですけれども、地方法務局はそれ以外の法務大臣の指揮監督を受けることもやるわけですから、同じフロアといいますか同じところで、ある部分は独立性はあるんだと言っても同僚がやるようなことですから、ある意味では完全に独立しているとは言えないんじゃないかと私は思っております。
 そういう意味で、やはりこういうものは組織としての区分けが明示されていて初めて本当に独立性というものが保たれると思いますので、そういう意味ではやはり法務省から完全に組織的にも切り離して、内閣府の外局と位置付けるようなことで是非御検討いただきたいと、この点、申し上げておきたいと思います。
 次に、テーマを変えさせていただきますけれども、これも官房長官にお伺いしたいと思います。金融、日銀の問題になりますけれども。
 先般、日銀副総裁、ああ、総裁になられる福井さん始めとする方々と総理がお会いになったようでございますけれども、その節に、日銀との定期会合を正式に新設、いわゆる定期会合を新設するというふうな報道がなされたり、実はそうでないような、その辺が必ずしもよく分からないところがあるんですけれども、正式に合意されたんでしょうか、いかがでしょうか、あるいは提起されたんでしょうか。
#29
○国務大臣(福田康夫君) そもそも、金融政策というものは経済政策の一環でございます。ですから、そういうことで日銀、日銀が、金融をつかさどっている日銀の政策について、政府とこれはやはり一体的に考えていくべきものは多いと思います。
 もちろん、日銀の独立性とかそういったようなものは守っていかなければいけませんけれども、しかし、経済政策という立場で政府と日銀の考え方が食い違っているとかいうようなことがあってはならない。そういうことで、不断に両者の意思疎通というものは十分に図られていなければいけない、そのように考えております。
 御質問の、定期的な会合を開くかどうかと、こういうことでございますけれども、そういう趣旨でそういう意思疎通の場を設けるということは、これは私は必要なのではなかろうかと思います。そして、そういうことを総理から日銀の総裁にも、新総裁にも申し上げたことがございます。
 ただ、定期的という言葉は若干ニュアンスが違いまして、意思疎通が図れる程度の回数というようなことで、別に毎、例えば四半期ごとの第一、最初の月の第一月曜日に会うとかそういったような定期的なものではなくて、経済、金融の動きも非常に速いときもありますから、そういうときは回数が多くなるかもしれぬ。しかし、何もないような状態のときにしょっちゅう開く必要もないではないかというのであれば、それは若干間が延びるかもしれぬけれども、私は年五回ぐらいかなと、こんなふうに申したんですけれども、財務大臣はその後四回か五回かなと、こんなふうに言われております。
 大体そんなふうな感じでもって意思疎通を図っていくのがいいのではないかということを申し上げたわけでございます。
#30
○辻泰弘君 会合を持たれて意思疎通を図られること自体は極めて結構なことだと思うんですけれども、新たな場が必要というところが少し釈然としないと思うんです。たしか塩川財務大臣、経済財政諮問会議もあるし、いろんな局面で、会議で意思疎通を図っているというふうな御答弁がこの間あったと思うんですけれども、そうだったですね、ちょっと。
#31
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん、経済財政会議では意思疎通を図っておりますが、先ほど官房長官のお話にございましたように、お互いがやっぱり自由に意見を述べ合って意思疎通を図るということが主体でございますので、そちらに重点を置いておると。政策の協議をする場というものじゃなくて、意思疎通を図るということが重大だと思っております。
#32
○辻泰弘君 そうすると、経済財政諮問会議もこれあり、あるいは日銀法に基づく金融政策決定会合に財務大臣も経済担当大臣も行ける、場合によっては内閣総理大臣も行けるというふうな規定があるわけですが、そういうことの場よりももっと、ある意味ではもう少しフランクな場が必要だと、そういうふうな感じでございますか、塩川さん、どうですか。
#33
○国務大臣(塩川正十郎君) ほぼそういう意味合いでございます。
#34
○辻泰弘君 そこで、先般、福井総裁と会合のときに小泉総理から要請文を渡されたと、文章で九項目にあるやつを渡されたというふうに聞いているんですが、それは事実でしょうか。
#35
○国務大臣(福田康夫君) 総理から、その会合のときに総理の発言メモというものを作りまして、それに基づいて総理が何項目かにわたって申し上げました。それは本来、総理用のメモでございまして、新しく総裁になられる方にお渡しする性質のものではなかったんです。それを、私の言ったのは大体こういうふうなことだからというので、総理が最後に別れ際にお渡ししたということで、内容は総理が言われたことと全く同じことでございます。
#36
○辻泰弘君 竹中大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、大臣もやはりこの新たな、今おっしゃった、年五回とおっしゃいましたけれども、そういう日銀との意思疎通の場というものが、必要性をやはり認識されておりますか。
#37
○国務大臣(竹中平蔵君) 複雑な経済問題をお互い考える上で、意思疎通の場は非常に多様であるということはやはり好ましいことだと思います。諮問会議、政策決定会合に加えて今議論になっているような意思疎通の場を持つというのは、これは大変意味のあることであると思います。
#38
○辻泰弘君 竹中大臣、もう一つ聞きますけれども、昨日、衆議院の方で福井次期総裁が発言されて、いわゆるETFなどに限定せずに幅広く買入れ対象を検討していきたいと、こういう発言をされているんですけれども、このことについてどのように評価されておるんでしょうか。
#39
○国務大臣(竹中平蔵君) 予算委員会でも何度か御答弁させていただいていますように、やはり政府、日銀一体となってデフレを克服するためにはマネーサプライを増やしていかなければいけないでしょう。その方策として、日本銀行が資産を、何らかの資産で購入するということも、当然やはり我々としての期待はございます。その方策について、しかし政策手段について、具体的にこれは日本銀行が独立してお決めになることでございますから、様々な可能性を御検討くださるということに関しましては、これは大変我々も重要なことであると思っております。
#40
○辻泰弘君 私、この部分、先般もお伺いして、やはりもう少しこうするということを出してはどうか。中抜きという御指摘があったわけですけれども、政策目標、政策手段という中で、政策手段は日銀の独立性をと、こういうふうにおっしゃっていたわけですね。
 ただ、このETFについても、突き詰めていくと、日銀は今の法律では、日銀がオペにより買い入れることができる資産は手形あるいは債券に限定されており、ETFの購入は想定されていないと、こういうのが見解になっているわけでございますね。これは答弁、私いただいているわけです、国会で質問して答弁いただいているわけですけれども。
 そうしますと、例えばそれを買うときには、法改正が伴うのか、あるいは四十三条の、日銀は、この法律の規定により日銀の業務とされた業務以外の業務は行ってはならないと。ただし、この法律に規定する日銀の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときはこの限りでないと。ここで読むかどうかということで、例えば、そういうことは政府としては準備しますからそのことについて検討してくださいと、こういうようなことはやはりおっしゃってもいいんじゃないかと思うんですけれども、それは私は独立性を尊重する、阻害することにはならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(竹中平蔵君) そこは正に、政策手段としてどのようなことをやるべきかということは、これはやはり日本銀行にお決めいただくことだと思います。
 その上で、もちろん政府の、総理大臣、財務大臣の認可が必要な場合については、それはその場合に応じてこれは適宜適切に判断していくということになるわけでありますけれども、こういうふうにしますからこういうふうにしてくださいというのは、これはやはり政策手段の問題にかなり立ち入ったことになるのではないかなと。今、お話を伺う限りではそのように考えております。
#42
○辻泰弘君 次は、竹中大臣、税制についてお伺いしたいと思うんですけれども、そもそも昨年の八月に、総理は、「シャウプ以来の税制改革により、」と、こういうことをおっしゃっていたと。それと同じことでございますけれども、竹中大臣は五十年ぶりの抜本的な税制改革をやると、こういうふうにおっしゃっていたわけですね。
 今回の税制改革があったわけですけれども、これは正にシャウプ以来の五十年ぶりの抜本的な税制改革という名に値すると考えていらっしゃるかどうか、お聞きしたいと思います。
#43
○国務大臣(竹中平蔵君) 税制改革に関しましては、昨年の夏に総理からの直接の御指示もありまして、また閣議決定しました骨太第二弾の中にもその趣旨を、今、正に委員御指摘のように抜本的にやるということを明記しております。重要な点は、この抜本的な改革は複数年度にわたってやはり行わなければいけないものであって、平成十五年度の税制改革というのはその初年度として位置付けられるべきものであるというふうに思っております。
 当面、経済がこのような状況下にある中で、経済活性化、経済の活性化に重点を置いた施策、この十五年度の税制改革の案として用意したわけでございますけれども、これは極めて抜本的なものとして、複数年度にわたって、引き続きそれを実現するために努力していくつもりでございます。
#44
○辻泰弘君 大臣は、経済演説の中で、「引き続き包括的かつ抜本的な税制改革に取り組みます。」と、このようにおっしゃっているわけですが、それを貫く理念は活力ということになるわけでしょうか。
#45
○国務大臣(竹中平蔵君) これは骨太の中に明記してございますけれども、税制を支える理念としては、簡素であり、中立的なものであり、それは資源配分をゆがめないという意味で中立的なものであり、それと公平なものであるということになると思います。それを実現するに当たって、しかし中立というのは経済の活性化のために中立性が必要だということであるから、これは我々としては、これを活力というふうに理解したいと。
 その意味で、今回の税制改革等々に取り組んでいるわけでございますけれども、税制の理念としては今申し上げた三つのポイント、これは以前から主張されていることであると思いますけれども、それをやはり、新しいライフスタイル、我々が、税制が人々のライフスタイルをゆがめないように、そうした点も踏まえて新しい時代にふさわしい形にしていくということが税制改革の目指すべき方向だと思っております。
#46
○辻泰弘君 竹中大臣は、昨年、私質問しました際に、今の税制というのはその時々に必要な政策減税といいますか、一時的な租税特別措置的なものが積み重なって継ぎはぎの税制になってしまっていると、こういうふうにおっしゃっていたわけです。それはもう一貫した御主張だと思うんです。
 今度の十五年度の税制改正による減税、一兆七千百三十億ですか、これは国税の方だと思いますけれども、これのうちの租特法の改正によってのものが一兆六千百億円あるようでございまして、ほとんどが租特によっているわけなんですが、そういう意味では、大臣がおっしゃっていた継ぎはぎの税制がまた積み重なったようにも思うんですけれども、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘の点をめぐりましては、経済財政諮問会議の中でも様々な意見がございました。むしろ、活性化に向けてはいわゆる法人税率、本税率そのものを下げる方が必要でないのかというような意見もございました。これは多年度を通じてそういった方向を実現していきたいというふうに考えておりますが、当面は限られた財源で経済活性化に特に資するものということで今回の案になっているわけでございます。
 繰り返し申し上げますけれども、これはやはり多年度を通して先ほどから申し上げているような方向を実現していくべきものでありますので、それの初年度としての十五年度税制改革というふうに御理解をいただきたいと思います。
#48
○辻泰弘君 ということは、来年度も当然新たな税制改革を続けていかれるということになると思うんですけれども、その場合に、先般、「あしたの経済学」というのを大臣名で本を出されておりますけれども、その中に、明確に、「中期的には法人税率そのものも引き下げるべき」と、このようにおっしゃっているわけです。
 そのことについては、まずその方向での抜本改革が一つあるということですね。
#49
○国務大臣(竹中平蔵君) 内閣府等々の試算でも、法人の税負担が諸外国に比べてやはり相対的に重くなりつつあるというような結果が示されているというふうに理解をしております。中期的に諸外国の動向等々をにらみながら法人税の税率そのものを考えていかなければいけないというのは、これは政府税調でも議論をなされているというふうに聞いておりますし、中期的な課題としてはやはり私も重要であると思っております。
#50
○辻泰弘君 また同じ「あしたの経済学」という、「あした」というのはちょっと間延びしたような気がするんですけれども、その中で、「税負担を「広く、薄く」して、みんなが納得できる税制にすべきだ」、こうおっしゃっているわけですね。このことは、いわゆる諸控除の縮減、廃止による課税最低限の引下げということも一つ考え方としてはあるんでしょう、論理的帰結として。あるいは消費税の引上げということもあるのかもしれません。その辺はどう考えていらっしゃるんでしょうか。
#51
○国務大臣(竹中平蔵君) 方向としては、たくさんの、できるだけ多くの人が税を分かち合って負担する、そうすることによって税率そのものが低くなる、その考え方は私は大変重要だと思います。その広く、薄くを実現するためにどのような税の設計があるかということに関しては、この税の設計そのものは経済財政諮問会議では特に議論をしておりませんですけれども、方向としてはやはり様々な手段、施策を考えていかなければいけないというふうに思います。
#52
○辻泰弘君 そうすると、トータルで見まして、法人税の方は税率そのものを下げていく方向、所得税の方も課税最低限を引き下げる方向、それから消費税の方は上げるという方向と。要は、そういう意味でのシャウプ税制の直接税中心主義的なものを、そのことを変えていくことが改革である、そういうことになるんでしょうか。
#53
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、簡素、公平、中立、活力という三点、四点を重視しながら、広く、薄く、公平感のある税制を目指すことが、やはりこれは中期的な方向としては必要であるというふうに思います。
#54
○辻泰弘君 もう一つ、所得税のことでよく竹中大臣は、レーガン税制よりも、日本は所得税制がアメリカよりもまだ累進性が高いというふうな御議論もされていたりして、所得税の税率自体はどうお考えですか。
#55
○国務大臣(竹中平蔵君) 日本の所得税の累進構造というのはかつて非常に強いものであった。それが何度かの税制改正によって、アメリカと比べて日本の限界税率が極端に高いという状況ではなくなっているというふうに理解をしております。その点は九〇年代後半の税制改革というのは非常に大きかったのだと思います。
 ただ、これは例えばですけれども、相続税等々入れてライフサイクル全体で見た限界税率がどうかということに関しては、これは専門家の間でもいろんなまだ意見があるというふうに認識をしております。そうした幅広い点からの議論も今後必要になってくるというふうに思いますが、当面のいわゆる累進構造に関しましては、九〇年代後半の改革を通してこれは以前の姿とはかなり違ったものになっているというふうに思っております。
#56
○辻泰弘君 相続税、贈与税のことで実はこの本の中に、ちょっと見失いましたけれども、書いていらして、その部分をもっと下げるべきだと出ているんですけれども。この本が出たのは一月なんですけれども、今度の税制改正で七〇から五〇に下げられましたですね。それは加味してですか。要は、五〇よりもっと下げろということをおっしゃっているんでしょうか。もう五〇で一応いいよということなんでしょうか。
#57
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、私個人としてどのような税率が最も望ましいかという考え方、ないわけではございませんですけれども、今回の御審議いただいている税制案というのは、現時点で財源の問題も考えて可能な範囲でしっかりとした改革になっているというふうに思っております。
#58
○辻泰弘君 大臣、この本は、私、率直に言いまして、「経済財政政策・金融担当大臣 竹中平蔵」というふうに出ている本でございまして、私は率直に言いますと、肩書が大臣であるという本を出されるのは、在任中に出されるのは、私は率直に言っていかがかなと個人的には思っているんです。
 その終わりに、「大臣の発言は相手に聞かれたことに答える、ということの連続」だと。「どうしても必要最低限のことを慎重に発言する、」、「気がついてみると経済に対する見方を正確に伝えることがとてつもなく難しくなっていた」と、このように書いておられて、「難しい時代だからこそ、本当に「日本経済のあした」はどうなのか、わかりやすく論じたいと考えた」と、このようにおっしゃっているわけですね。
 お気持ちは分かるようにも思うんですけれども、しからば、こういう答弁のときに御自分のお考えをはっきりおっしゃったらいいと思うんですけれども、そのときは逃げておいて、そういうときに言えないからこの本出すよと、こういうのはちょっとどうかと思うんですけれども、いかがですか。
#59
○国務大臣(竹中平蔵君) 私は、その本に書いてあることと答弁していることというのは全く同じことであるというふうに思っております。
 ただ、そこに書いてあることを全部、なぜ構造改革が必要なのかということを朗々とやらせていただきますと物すごい時間がたってしまって、特に参議院の場合は片道の時間でございますので、とてもそんな答弁はできない。そういう趣旨でございますので、その点、是非御理解いただきたいと思います。
#60
○辻泰弘君 重ねて竹中大臣にお伺いしたいんですけれども、ちょっと前になりますけれども、大臣は、デノミについて検討する価値がある、経済的には景気の刺激効果があり、社会的にも心機一転スタートするというインパクトを与えるということで、これはタウンミーティングの後の会見でおっしゃっているようなんですね。このことについて大臣はどのように、そういうふうに価値があると思われたならば、どのように実現に向けて努力されたのか、教えていただけますか。
#61
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、随分以前のタウンミーティングであったというふうに思いますけれども、アメリカのドル、ユーロ、円を考えて、これやはりどこかの時点である意味でけたをそろえるというようなことはやっぱり私は議論になってくるのだというふうに思っております。さらには、デフレ状況、人心一新ということも考えても、私はやはり議論はなされるべき問題だと思っております。
 ただ一点、これは経済刺激効果があるかどうかということに関しては、これはある状況下では、例えばある状況下では経済刺激効果になりますが、これは同時にコスト負担でもありますから、経済が疲弊している状況ではこれは必ずしもそうではないと、そういう趣旨のことも申し上げているつもりでございます。
 この問題に関しては、私は一般論としてこういうことを考えようよということは、これはいろんな方々に幅広く申し上げておりますけれども、現時点で直ちにこれは行動を起こせるかと、このコスト負担等々も考えますと。そういう視点を持っておりますので、少しじっくりといろんな方々と議論をしているところでございます。
#62
○辻泰弘君 これもちょっと古いことになりますけれども、竹中大臣は新型の転換国債というものを提案をされたということがございました。これについてはどういうふうに努力されたでしょうか。
#63
○国務大臣(竹中平蔵君) 転換国債だけではなくて、私は、例えばインデックス債とか、特にデフレとの関係でインデックス債、そういったことも含めて国債の形態を多様化していく必要があるということをかねてから申し上げているつもりでございます。転換国債だけが大きく新聞に出たことはございますが。
 これについて、実は正にいろんな方々と幅広い議論をしてきた中で、経済財政諮問会議におきまして、今年の一つの大きなテーマとして公的な資金の流れの問題を議論しようと。この中で、公的な資金、最終的な受け手としての国、国債、その国債の発行残高がここまでなっている中で、やはり国債管理政策というものも、これは財務省が従来から一生懸命やってはいるわけですが、従来以上に戦略的にやらなければいけないであろうと。そういう形で今年、諮問会議の中でも議論されるようになってきたというふうに認識をしておりますので、その様々な多様な国債の発行、その国債の価格的な管理に向けての準備が進んでいるというふうに思っております。
#64
○辻泰弘君 公的資金の流れ、国債管理政策ということで受け流されたようなところありますけれども、直接的にこの新型転換国債ということを明示的におっしゃった、そのことがフォローは多分なかったんだろうと思うんです。
 もう一つ、これもちょっと前ですけれども、平成の検地という言い方でおっしゃったことがあると思うんですけれども、その点についてどういう構想でどういうふうに努力されたか、教えていただけますか。
#65
○国務大臣(竹中平蔵君) 平成の検地ということを申し上げましたときには、基本的には幾つかちょっと複数の意味で申し上げました。
 地籍の調査のようなものも一つございますし、もう一つは、公害との関係で、これはいわゆるかつてNPO、NGOが中心になってごみマップを作ろうではないか、環境マップを作ろうではないかと。そういうところに対して、実は例の地域の特定雇用のための基金が一昨年の第一次補正で、昨年の第一次補正でございましたけれども、そのような中で、こういうようなNPO等々がごみマップを作りますと、そういうところに対しては基金からお金が出ますと。そういうような形で政策としては一歩進んできたというふうに私は認識をしております。
 地籍の問題に関しては、これは扇大臣がいろいろと御苦労をしてくださっておりますし、その意味では非常にいろんな形でそれが政策としては実現する方向に向かっているというふうに思っております。
#66
○辻泰弘君 済みません、ちょっと今の、詳細を知らなくて悪いんですけれども、NPOの関係の雇用のやつは進んだということなんですよね。おっしゃっていた日本の地質を徹底的に調べ国土資源の活用を考える平成の検地というような意味での雇用につながったんでしょうか。
#67
○国務大臣(竹中平蔵君) 既に一年以上前に実現したものとして、今申し上げたような基金のものが一つございますということであります。
 それと、もっと抜本的な地籍の問題については、これは扇大臣の持論でもございまして、扇大臣の方でいろいろ御苦労いただいているというふうに認識をしております。
#68
○辻泰弘君 五百三十万の雇用創出計画、雇用を創出するということがございまして、竹中大臣もおっしゃっていましたし、内閣府としての資料にも出ているわけでございます。総理もおっしゃっておられたわけでございます。それでまたこの本にも、「あしたの経済学」にも、「五百三十万人という可能性に向けて、努力していくことが重要です。」と、このようにおっしゃっているわけでございます。このことについてはどのように努力をされたでしょうか。
#69
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、島田晴雄先生が座長になっている諮問会議の専門調査会での報告で、諸外国等々に比べてサービス業で五百三十万人程度まだ雇用を増やせる可能性があるという指摘があります。それの実現に向けてどのようにしているか。
 実は、島田先生御自身が特命顧問になっていただきまして、例えばケアハウスについては、例えばプロジェクトそのものをいろいろ育成するような努力、これは内閣府の特命顧問として行っていただいております。さらには、我々としましても、どの部門でのサービスの需要が伸びているか伸びていないか、これをフォローする形で、実は統計そのものはなかなか取りにくいんでありますが、フォローをしております。
 結果から言いますと、ほぼ予想通り伸びているものとしては、社会保険、社会福祉、情報サービス、人材派遣等々がございますが、伸びていないものとしては、旅行サービス、弁護士等々がございます。
 このうち、したがって我々の政策努力としては、旅行サービスについては、正に観光立国を目指した懇談会を官邸、内閣官房に立ち上げて、後れている部分については更にそれを補強しようと。総理はこれを、日本を訪れる観光客を今の倍にしようという目標を掲げて先頭に立ってくださっております。そのような形で実現をしていこうというふうに考えているわけでございます。
#70
○辻泰弘君 雇用は当然、厚生労働省もかかわっているわけですけれども、このことについて、どうも五百三十万というやつと厚生労働省の、雇用に一番責任を持たれるところとの、役所との連携というものが私はどうも見えないんでございます。
 厚生労働大臣、この五百三十万のプランというものについて、厚生労働省に、そういうことについて具体的にどうやっていこうということでの連携というのはあったんでしょうか。連携というか働き掛けといいますか、要請はあったんでしょうか。
#71
○国務大臣(坂口力君) 五百三十万の雇用につきましては、これは第三次産業を中心にしてみれば、それだけの雇用を発生することができ得るということでありまして、具体的な発生させるためのプランではないというふうに認識をいたしております。
 したがいまして、そうした考え方を受けて、我々の方で第二次産業から第三次産業へというふうに移行させるためにどういう手だてをしていったらいいかというようなことで我々も懸命にやっているところでございます。この二年くらいな間は大体年間五十万ぐらい新しい第三次産業が発生をいたしておりますので、その緒に就くことができ得たというふうに思っている次第でございます。
#72
○辻泰弘君 竹中さんの方から厚生労働省に、こういうことあるのでこういうことを一緒に考えていこうということが私はあってしかるべきだったと思っているんですけれども、この間それが見えなかったというのは私は残念に思っているんですけれども、竹中さん、そういうことは考えておられなかったんですか。
#73
○国務大臣(坂口力君) もちろん、経済財政諮問会議等でもその問題が取り上げられまして、大臣の方から、是非そうしたことで検討してほしいというお話があったことは間違いございません。
#74
○辻泰弘君 大臣、遅れてこられるということだったんですけれども、せっかくですから、今の五百三十万に関連してちょっとお伺いしたいと思いますけれども。
 かねてより、私、雇用対策基本計画の改定をということを申しておりました。もう二年半前になってしまっておりまして、大変古い計画、今や古い計画になっていると。この雇用対策基本計画は経済計画とリンクするということが雇用対策法に決めておられて、昭和三十年、四十年代からずっと、昭和四十年代ですね、ずっと経済計画が変わるたびに雇用対策基本計画が作られてきたと、こういう歴史を持っているわけです。
 昨年、経済計画は「改革と展望」ということで新たなものになった。にもかかわらず、雇用対策基本計画の方は従前のままということになっているわけでございまして、そして非常に指摘も、今や六十歳以上を示すであろう高年齢層が五十五歳というふうにされているとか、それから、もう既に失効した法律がその中に書いてあるとか、それから、今、二〇〇三年であるにもかかわらず、二〇〇一年度末までの臨時応急の措置の活用とかいう、もう既に、もう何年も前の話のことが出ているような雇用対策基本計画が現行の政府の雇用対策基本計画になっているわけなんですね。
 この改革、改定を私は是非取り組んで、雇用対策、雇用の厳しい折柄ですから、計画作ったからすぐ雇用が生まれるわけじゃありませんけれども、やはり基本的な姿勢としてそこから出発すべきだと思うんです。その中で五百三十万とかも位置付けて、そういう中で本当に実効ある雇用対策計画を作っていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお触れになりました昨年一月の「改革と展望」の中にかなり新しい雇用対策につきましての書きぶりがございまして、特にその中で、ミスマッチを解消していくためにどういうことが必要かといったようなことが書かれているわけでございます。私たちも、この「改革と展望」を中心にしまして今、様々な問題を展開をしているわけでございます。
 先ほど御指摘になりました第九次というのは平成十一年であったというふうに記憶いたしておりますが、急ピッチで雇用対策も進んでいるものでございますから、平成十一年と比較をいたしますと、かなりそのころよりも進んだことも事実でございます。
 御指摘のように、そうした見直しというものも私たち念頭に置きながらこれからやっていかなければならないというふうに思います。
#76
○辻泰弘君 この雇用対策基本計画の改定は是非取り組んでいただいて、その中で、その雇用の今の状況を踏まえて今後の展望を開いていただきたいと思うわけです。
 それで、もう一つ竹中大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、最近、率直なところ、与党内から、竹中大臣に任せられないといいますか、そういうような発言が続いておるわけでございます。先日も、デフレ不況は全くの人災だ、今は学者に任せてはいけない時期だと、そのような発言が出ているわけでございます。
 かつて、竹中大臣がインタビューで答えられて、こういう発言がございました。学者ごときに何が分かるかと平気で言う人がいるのは事実です、これはすごい差別発言です、日本のジャーナリズムの中にも政治の中にも門前払い的な議論をする傾向が根強くある、そういう差別的な社会であるということを発見したのはこの立場になって得た一つの収穫でしょうねと、このようにおっしゃっているんですけれども、その見地から見ますと、最近の与党内を中心とする竹中大臣に対しての物言いはやはり差別的にとらえていらっしゃるでしょうか。
#77
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな御批判があるということは承知をしております。必ず批判は違う二つの方向からやってまいります。改革をするから経済が悪くなるんだ、改革やめろという御批判、いや、改革をもっとやらなきゃ駄目だ、改革が遅いからこういうふうになるんだ、もっと激しく改革をやれという御批判、常にその二つの御批判があると思います。
 しかし、私は、改革はやはりやらねばならない、改革こそが日本経済を活性化する唯一の方法だと思っておりますし、改革が、その成果がフルに出るまでは時間を要しますが、しかし、その芽は着実に出ている、改革は着実に進んでいるというふうに思っております。
 御批判は御批判として謙虚に受け止めながら、しっかりと総理を支えて改革をしていくことが私の役割だと思っております。
#78
○辻泰弘君 ストレートなお答えがいただけなかったですけれども、まあこのところを追及はしませんけれども。
 もう一つ、竹中大臣の名文句といいますか、感動すべき御発言がございます。ちょっと読ませていただきますと、学者が政府内に入ることの明らかなメリットの一つは、こんなことをしたら政治生命が終わりだという発想がないことです、実際、私には政治生命は関係ない、私は小泉さんに頼まれたからやっているだけであって、やるべき仕事を終えれば一刻も早く大学に帰りたいと思っていますよと、こういう御発言がございます。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、こんなことをしたら政治生命が終わりだという発想がないことのメリットは何でしょうか。
#79
○国務大臣(竹中平蔵君) いろんな難しい立場で政策の決定をしていかなければいけないことがあるかと思います。その場合に、やはり非常に長い目で見た国民の利益、広い意味での国益というものを素直に感じることができるのかなと。もちろん、先生方皆さん、そういう立場でやっていられるわけでございますけれども、私はその学者の立場からそういうことができるのであるというふうに思っておりますので、しっかりとやらせていただきたいと思います。
#80
○辻泰弘君 学者が政府内に入ることの明らかなメリットはこんなことをしたら政治生命が終わりだという発想がないことだと、このようにおっしゃったんですけれども、ちょっとちなみにお聞きしたいんですけれども、学者が政府内に入ると学者生命にはどのような影響があるんでしょうか。
#81
○国務大臣(竹中平蔵君) 非常に大きなリスクがあるというふうに思っております。
 これは、基本的には一つの政策を実行していかなければいけません。現実には、いろんな教科書で書かれているような一〇〇%の政策はあり得ませんですから、そういう意味ではしっかりと現実を見ながら、妥協すべき点は妥協しなければいけないかもしれませんですけれども、その意味では、究極的な姿を常に議論する理の世界、学者の世界とはやはり違うところに政治、現実の政策はあるのだと思います。
 ただし、私はその理論をやっていたわけではございません、政策の分析をやっていた人間でございますので、その意味では比較的違和感なく一生懸命やらせていただいているつもりでございます。
#82
○辻泰弘君 恐縮ですけれども、あと二点聞きます。
 この中で、私は小泉さんに頼まれたからやっているだけと、こういう表現ですけれども、頼まれたからやっているだけなんですか。(発言する者あり)
#83
○国務大臣(竹中平蔵君) 今お答えくださっていますけれども、これは小泉総理から依頼がなければやれないわけでありますので、そういう御依頼を受けまして私なりに真摯に考えさせていただいて、本当に日本のためにお役に立てるんだったら是非お役に立ちたいと、そのようなつもりでやっているわけでございます。
#84
○辻泰弘君 もう一点だけ。一刻も早く大学に帰りたいとおっしゃっていますけれども、そのように今も思っていらっしゃいますか。
#85
○国務大臣(竹中平蔵君) 一刻も早くというのは、私は、これは、あなたも政治家になってはどうかというようなお声も掛けていただいたことございますけれども、私の本分といいますか、仕事はそういった研究者であろうというふうに思っておりますので、そういうことが可能な状況になれば、日本経済が活性化して、自分の仕事に納得のいく答えが出せて、小泉総理から、ありがとう、もういいよと言っていただければそのようにしたいと思っております。
#86
○辻泰弘君 幾つかちょっと根掘り葉掘り聞き返して恐縮でございましたけれども、率直に言いまして、竹中大臣、恐縮なんですけれども、やはり言葉は躍れど実がないというような、そんな印象がございまして、そういう意味で、私は、呼応するわけじゃないですけれども、若干、その任にふさわしい方かどうかというのは率直に言って疑問に思っているところでございます。
 それはそれといたしまして、次のテーマに移らせていただきます。
 扇大臣が来られないので、ちょっと、事務、副大臣にお願いすることになりますけれども、扇大臣が先般、決算委員会等で関西の空港のことについて、関西空港を造るときに伊丹を廃止すると一札入れていたと、このような発言をされているところがあるんですね。
 そこで、一つ聞いておきたいんですけれども、この大阪国際空港の歴史と経緯について、まずちょっと示していただきたいと思います。
#87
○副大臣(吉村剛太郎君) 伊丹空港の存廃についての経緯でございますが、御案内のように、昭和三十九年、ジェット機が就航になって、騒音問題が大変深刻になってまいりました。その辺りからスタートしたわけでございます。
 本来なら、今、委員おっしゃいましたように、長い経緯がございまして、それに携わった事務方が御報告するの方がベターかと思っておりますが、御指名でございますので。
 経緯を御説明しますと大変長い時間が掛かります。したがいまして、随分と短縮しまして御報告をさせていただきたいと、このように思います。
 今申しましたように、三十九年にジェット機が就航して以降、騒音が深刻化したのに伴って、国も、発着時間の段階的制限、航空機騒音防止法の制定、これは昭和四十二年でございますが、による周辺環境対策の実施等により対応しましたが、抜本的改革に至らず、またその一方で、昭和四十四年以降、空港周辺住民から夜間飛行差止めを中心とした訴訟や、伊丹空港の廃止を含む公害等調整委員会への調停申請が相次いで、相次いだ次第でございます。
 そうした状況の中で、昭和四十八年七月、航空局長より、地元自治体で構成する騒音対策協議会会長に対し、伊丹空港の将来の在り方については、関西国際空港の開港時点にこれを撤去することも含めて可及的速やかに検討するものとし、その検討に際しては地元公共団体の意思を十分尊重するものとする旨の文書を提出いたしました。
 また、昭和四十九年八月の航空審議会答申では、関西空港、関西国際空港は、伊丹空港の廃止を前提としてその位置及び規模を定める旨が明記されたところでございます。
 その後、昭和五十五年六月に至り、公害等調整委員会から、伊丹空港の存廃については、運輸省が必要な調査を行い、その結果を調停団や関係地方公共団体に開示し、それらの者の意見を聴取の上、運輸省の責任において決定するという手続で処理すべき旨の調停がなされ、運輸省ではこの調停に基づいて昭和五十八年から伊丹空港の在り方に関し広範多岐にわたる調査を開示したところでございます。
 さらに、平成二年四月、運輸省は、伊丹空港の需要見通しや地域経済に与えている影響など、その存廃を決定するための判断材料を客観的に整理した調査報告書の地元開示を行い、関係地方公共団体の意見を求めました。これに対し、同年六月に調停団から存続を容認する旨、また七月に騒音対策協議会及び大阪府、兵庫県からは存続を希望する旨の意見が提示されたのを受け、存続後の同空港の運用形態等について地元調査を行った上で、それらを取りまとめた協定書、いわゆる存続協定について、平成二年十一月には調停団との間において、同年十二月には騒音対策協議会との間において調印が行われたところでございます。これらの調印を踏まえ、平成二年十二月、伊丹空港については関西国際空港開港後も存続することを運輸大臣として決定したというのが概略の経緯でございます。
 以上でございます。
#88
○辻泰弘君 一つ確認ですけれども、その昭和四十九年の航空審議会の答申、大阪国際空港の廃止を前提としてと、この後しばらくして、当時の徳永国務大臣が、新しい空港ができた場合には現空港の廃止ということもあり得るんだ、そういうもの、そういうようなものを受けて一つの答申をまとめたということで、必ずしも廃止ではないというふうなことをおっしゃったというのが事務当局の説明ですけれども、そう理解していいんですか。
#89
○副大臣(吉村剛太郎君) 今申しましたように、いろいろと経緯がございます。その中で確かに廃止も視野に入れたということも言っておりますし、また審議会、これは審議会の方ですが、廃止が前提というふうなこともございますが、最終的には、もちろん廃止も視野には入っておるとは思いますが、必ずしもそれにとらわれることはないと。これから神戸空港もできるわけでございまして、その三つをどううまく活用していくかということ、そういう面にも力点を置いておるというのが現状でございます。
#90
○辻泰弘君 率直に言いまして、扇大臣はこの点について非常に、何といいますか、激しい表現が、すぐ伊丹はつぶしてと、こういうことをおっしゃるわけなんですけれども、経緯から見てそれは一方的なことじゃないかというふうに思うわけです。それはグランドデザインとしては分からなくはないんですけれども。
 それで、私がお聞きしたいのはある意味で一点に尽きるわけですけれども、十二月のその審議会の答申の中にある、関西国際空港は国際拠点空港、それから伊丹空港は関西圏における国内線の基幹空港、神戸空港は地方空港と、こういうふうなすみ分けといいますか位置付けがあるわけですけれども、その点を、そういうことで当面いくんだということを確認したいだけのことなんですけれども、その点どうですか。
#91
○副大臣(吉村剛太郎君) 大臣も何度もお答えをしておると思いますが、百年の大計の下ではまたそれなりのグランドデザインもあろうかと思いますが、現実には三つの空港、間もなく三つの空港ということになりまして、今おっしゃいました、それぞれの機能をそれぞれ有効に活用していくというのが非常に今日の現実的なところではないかなと、このように思っております。
#92
○辻泰弘君 大臣の発言がいろいろ混乱を生んでおりますので、その点についてはちょっと注意を喚起しておきたいと思うんですけれども、次のテーマに移らせていただきます。
 鴻池大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 防災大臣、また特区担当大臣になられて、従事されて全力で取り組んでおられるわけですけれども、この間の取り組まれた感想をお聞かせいただけますか。
#93
○国務大臣(鴻池祥肇君) 辻委員とは同じ日に兵庫県で当選を果たさせていただいた仲間でございまして、友情質問と受け止めさせていただきたいと思うわけでございますけれども。
 まず、防災担当でありますが、お互いに苦労を重ねてまいりました八年前の大震災、この八年目の祈念の日に、追悼式典に政府代表として参加をさせていただきましたことは、大変、思いを新たに防災に取り組まなければならない、そのような思いに至ったことでございます。まして、東京直下型あるいは東南海、東海等、いつ起きてもおかしくないという震災、地震を、目前という言葉が適当ではございませんけれども、しかし、いつ起きてもおかしくない状況下にあって、その担当として身の引き締まる思いの毎日でございます。
 また、構造改革特区を拝命をいたしまして、地域の知恵あるいは民の知恵、小泉内閣の大変大きな基本方針であります中央から地方へ、官から民へ、できるものはできるだけそのようにしたいという方針に従いまして、特区の構想を全国に広め、そして、ただいま申し上げました知恵と工夫の結晶を特区として各省庁にお願いをして、規制緩和をあるいは規制改革をお願いをしてただいままで参っておるところでございまして、幸い、四月の中旬辺りに特区第一号が誕生する運びと相なっておりますので、竹中大臣同様、喜んで仕事をさせていただいているところであります。
#94
○辻泰弘君 鴻池大臣とは何度か選挙を御一緒させていただいて、私が負けてばっかりでございましたけれども、こういう形で質問させていただいて私は感慨深いものがございますし、立場等いろいろ意見も違うところがございますけれども、同郷の先輩ということで御活躍に敬意を表しているところでございます。
 それで、この間の朝日新聞の社説などに、鴻池担当大臣に勧告権をというような見出しがぱっと出たりしていまして、御活躍というふうに思ったわけですが、調べてみますと、構造改革特区担当大臣は内閣府設置上の特命担当大臣じゃないということで、法令に基づく権限はないと、このように冷たく書いてあるわけでございます。
 その意味での限界といいますか、失礼ですけれども、やはり勧告権を持たないことになるわけですけれども、その点についてどう、やはりそれがあればもっとできるというふうにお考えでしょうか。
#95
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまのままで大変幸せでございます。
#96
○辻泰弘君 鴻池大臣は別のところで、役職によって仕事ができるタイプと役職がなくても頑張れるタイプと二つある、私はどちらかというと役職がなくても頑張れるタイプだと、こういうふうにおっしゃっていますが、そういう意味合いのことかと思うわけでございますけれども、そこで、石原大臣にお伺いしたいと思います。
 鴻池大臣の勧告権をというのを、社説に出たのを受けてということになるんでしょうか、石原大臣が勧告権を、石原大臣には勧告権があるわけですね、規制改革の方について。そのことを使って、勧告権を使うというふうなことへの決意を表されたというふうに聞くんですけれども、そのことについて御所見をお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(石原伸晃君) 私は、内閣府の担当相として規制改革を持っております。そして、内閣官房の仕事として行政改革全般を仕事として持っております。
 そんな中で、委員御指摘のとおり、内閣府の規制改革を担当する部局の長として勧告権を持っているわけでございます。この勧告権というものは内閣の重要施策を実施する上で必要な権能として担当相に与えられたものでございますので、必要とあらばちゅうちょすることなくこの勧告権を行使するということは職責上あるということを申しただけでございます。
#98
○辻泰弘君 石原大臣にお伺いしますけれども、今、ILO勧告で労働基本権のことで受けている。人から勧告されたのは余り十分聞かないで、その立場の人が人に勧告して聞いてもらえると思いますか。
#99
○国務大臣(石原伸晃君) ILOの昨年十一月に発せられました勧告につきましては、政府として重要に受け止めておりますが、これまでの我が国政府としての主張、またこれまでのILOの我が国の公務員制度改革に対する対応等々で理解にできない部分、またILOの側に言わせますと、情報が不十分な部分があるということで、この間、片山大臣も御答弁をさせていただきましたように、我が国としての今回の勧告に対する考え方を今月中に取りまとめ、ILOの方に情報提供をさせていただくべく鋭意努力をさせていただいているところでございます。
#100
○辻泰弘君 時間が押しておりますので、簡単にお聞きしたいと思います。
 鴻池大臣、防災大臣ということでお聞きしたいと思うんですけれども、東南海・南海地震というものが想定されているわけでございます。発生するとかなりの被害が出るということで御検討されているようですけれども、検討状況と今後の対応についてお願いします。
#101
○国務大臣(鴻池祥肇君) 東南海・南海地震は、歴史的に百年から百五十年の間隔で繰り返し発生をしているマグニチュード八クラスの大規模な海溝型地震と聞いております。今世紀前半にも発生のおそれがあり、東海から九州にかけての我が国の広い範囲に地震や津波による甚大な被害をもたらすおそれがあります。政府といたしましても、今のうちから対策を講ずる必要があると認識をしているところでございます。
 このため、平成十三年十月に発足をいたしました中央防災会議東南海・南海地震等に関する専門調査会におきまして、被害想定やそれを踏まえた地震防災対策について検討をいたしているところであり、昨年七月に成立いたしました東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法が施行される本年の七月ごろをめどに中央防災会議に報告する予定でございます。
 この結果を踏まえて、法律の施行後、速やかに東南海・南海地震防災対策推進地域の指定や、東南海・南海地震防災対策推進基本計画を始めとする各種防災計画の策定、地震防災対策施設等の整備を進める予定であります。
 今後とも、関係機関や地方公共団体、民間事業者と一体となって東南海・南海地震対策を推進してまいる所存でございます。
#102
○辻泰弘君 もう一点、被災者生活再建支援法が通りましたときの附帯決議で、五年後の見直し規定というものがあったわけでございますけれども、それがちょうど十五年十一月になるわけでございますが、この辺、これについてどういうふうに方針で臨まれるのか、お伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(鴻池祥肇君) かの附帯決議の期日が本年十一月をめどということは委員御承知のとおりでございます。
 ただ、財源の問題これありということで、現在、全国の知事会、全国の都道府県から財源の半分をちょうだいしておるわけでございますので、その全国知事会の結論を得て、それから態度を作っていきたいと、このように考えております。そのめどがどうも六月か七月ぐらいではなかろうかと思っておるところであります。
#104
○辻泰弘君 これはやっぱり、せっかくできた制度ですから、充実発展の方向で取り組んでいただきたい。どうしても地方の場合は財源がないことになりますから、どうしても大きくするということにはなかなかつながらないと思うんですが、やっぱりリーダーシップを発揮してやっていただきたいと思います。
 次のテーマに移らせていただきます。
 幼保の一元化、これは特区でも取り上げている問題でございますけれども、このことについてお伺いしたいと思います。
 幼保の一元化について、坂口大臣、前に、私も外におりますときは、要は野党におりますときは主張していたけれども、中に入っていろいろなことを検討しますと、そう簡単で、単純でないということが分かってきたと、このような御発言があったわけですけれども、その幼保一元化と言われることについてのハードルは何だとお考えでしょうか。
#105
○副大臣(鴨下一郎君) 幼保一元化についてのハードルは何かと、こういうようなお話でありますけれども、厚生労働省からの考え方といたしましては、保育所は保育に欠ける児童のための福祉施設でありまして、ある意味で児童が生活をする場でもあるわけでありまして、幼稚園は学校教育法による教育を行う場でありまして、これは学校であると、こういうようなことで、目的や機能がそれぞれ異なるというようなことで一元化ということはなかなか難しいと、こういう考えであります。
 また、このことにつきまして、両施設の一元化をすることについて、一つは保育に欠けない児童に対していかなる理由で公費負担を行うべきなのか、それからもう一つは、保育サービスの現行の公費負担水準を維持することがなかなか難しいということ、さらに、待機児童ゼロ作戦の推進の中で待機児童に対する対策をより優先すべきと、こういうような事情からいろいろと問題があると、こういうようなことでございます。
#106
○辻泰弘君 文科省の方は池坊政務官、来ていただいておりますけれども、池坊さんも前に、私も言っていたけれども、中に入るとなかなか様々な問題があるということに直面しているとおっしゃっているんですけれども、どういうハードルがあるんでしょうか。
#107
○大臣政務官(池坊保子君) 私も今、政府の一員でございますけれども、その前、委員でございましたときに幼保一元化についての質問を幾たびもいたしておりますので、これは私にとりましても懸案事項というふうに思っております。
 ただ、どういう障害があるかということでございますが、今、副大臣がおっしゃいましたように、まず目的が違うということでございます。でも、それも時代の流れの中で、時代の流れの中で目的も大体重ね合っている部分が多くなってきたことは事実でございます。
 でも、従来から目的が違うために、やはり就学前の幼児に対する教育、保育の在り方が違います。また、国、地方を通じた行政体制も違います。公費負担や利用者負担などの費用負担の在り方などが違いますので、これらのことをクリアしなければ制度として一つのものにすることは難しいとは思いますが、それぞれ地域によっては、もう子供課というのを設けまして、両方の機能を果たしているところはございます。そしてまた、保護者とかの地域のニーズは、同じ年代の子供でございますから、充実した教育を受けさせたいとか、長時間子供を預かってほしいというような声がございますので、それに細やかにこたえたいというふうには思っております。
 文部科学省は厚生労働省と連携を取りまして、様々なところで、一緒に研修をしたり、一緒の場所を使ったりとか、そのようなことを今いたしているところでございます。障害は障害としてございますけれども、だんだんそれは低くなっていくと思っております。
#108
○辻泰弘君 厚生労働省にお伺いしたいんですけれども、保育所の目的規定であるところのいわゆる保育に欠けるということですけれども、保育に欠けるということの今日的意義をどのように考えていらっしゃるでしょうか。
#109
○国務大臣(坂口力君) 保育に欠けるということでかなりかたくなに言っているように聞こえますけれども、最近、保育に欠ける子というのにつきましても、かなり柔軟に考えております。
 例えば、居宅内労働というんでしょうか、家庭の中におきまして労働をされるような場合にも、それは結構でございますと、こういうふうに言っておりますし、また職業を何か探しておみえになる、お母さんが次の就職にいろいろと探しておみえになるというようなときにも、どうぞお預けをいただいて結構でございますというふうにいたしまして、かなりこの保育に欠けるという言葉を柔軟に解釈をしておる次第でございます。
#110
○辻泰弘君 保育に欠けるという理念の下に進められてきた保育所が、本当に全部カバーしていればそれも立派なことなんですけれども、二万五千の待機児童がいると。片や幼稚園の方は、少子化でまだキャパシティーがあると、こういうような状況の中で、また預かり保育をして実質的に朝からつなげると保育の役回りを幼稚園が果たしているということが現実にあるわけでございまして、かなり垣根が低くなっているということで、それなりにまだ、ハードルをむしろ自分らの役所で作ったものをそのまま保とうとしているというところが率直に言ってあるように思うんです。
 このそれぞれの目的規定を見ますと、「幼児を保育し、」と、幼児を保育ということについて共通しているわけでございます。そのことに向けて、やっぱり一元化ということをもっともっと進めていくべきだと。特区にとどまらず、この点については全国に広げていくべきだと思うんですけれども、坂口大臣、池坊さん、お願いします。
#111
○国務大臣(坂口力君) 保育所とそれから幼稚園ともう建物は共有して一緒にやっても結構でございますと、ここまで参りました。だから、部屋は今まで別々にと言っていたんですけれども、同じ部屋で結構でございますと。もう、だから……
#112
○辻泰弘君 特区について。
#113
○国務大臣(坂口力君) 特区について。──いえいえ、そうじゃなくて、もう一般的に同じ部屋で結構でございますと。ここで同じにやっても結構でございますというところまで参りました。
 それから、幼稚園の教育要領というものとの整合性を確保するというふうな意味で、保育所保育指針を改訂をして幼稚園の教育要綱と格差のないようにしていこう、格差がないという言葉は悪いですけれども、整合性のあるものにしていこうということをやっておりまして、ハード面だけではなくて、ソフト面におきましても整合性のあるものにしていく。
 また、保育所の資格のある人が幼稚園の資格が取りやすいように、また幼稚園の資格を持っている皆さんが保育士の資格を取りやすいようにと、これもやっていくということで、かなり進んできたというふうに思っております。
#114
○大臣政務官(池坊保子君) 今、大臣がおっしゃいましたように、そして先ほど私は御質問にお答えをちょっといたしましたときに触れましたように、本当に文部科学省と今、厚生労働省は弾力的な設置運営が可能になるようにいたしております。同一の設置主体、施設、職員による幼稚園と保育所の両施設の設置運営が可能でございます。
 具体的にはどういうことかと申し上げますと、施設の共用化指針の策定もいたしております。それから教育内容、保育内容の整合性の確保、それから幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施、資格の併有の促進、幼稚園と保育所の連携事例集の作成なども行っておりまして、同じテキストを使っているところもございますし、今、八割の方が保育士と幼稚園教諭の両方の免許を持っているということが実情でございます。
#115
○副大臣(鴨下一郎君) 先ほど大臣がお話ししましたところに補足いたしまして、特区におきます実施できる特例措置について少し御説明を申し上げますが、一つは、保育所における保育所児とそれから幼稚園児の合同保育の容認、これをするということと、それから保育の実施に係る事務を教育委員会へ委託することの容認、この二点が主なものでございまして、これについては今回の構造改革特区の第二次提案において実施できる特例措置というようなことで認めていることでございます。
#116
○辻泰弘君 財務大臣塩川さんにお伺いしたいんですけれども、先般の経済財政諮問会議のときの発言の中で、幼保一元化について、幼稚園と保育園で補助金が違うから保育園の方は必死になって反対する、そういう意味で保育園の補助金を下げてやると一緒でもいいということになるんじゃないかと、こういうふうにおっしゃっているんですけれども、私は、やっぱり財政的には一応今現状をカバーして、その中で一体的な連携というもので財政を配分していくべきだと思うんですけれども、大臣は、これだと、縮小して下げたら保育所の方がいいだろうというふうになるだろうというふうなんですが、そこはちょっと違うんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#117
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、下げろと言っているんじゃなしに、統一したらどうだと思っておるんです。だけれども、今、小さい子供を、こっちは保育が必要、こっちは教育必要と、そんな区別は実際は付けるべきじゃないんじゃないかと思いますね。それよりも、例えば零歳児から三歳児までは保育園に限るとか、四歳児、五歳児は幼稚園とかいう区別した方が分かりやすいんじゃないでしょうかね。それをごっちゃごちゃにしてしまうから、安いところへ行こうかということになっちゃうんですね。そういうことの選択は私は良くないと思います。ですから、そこらは一回、政府としてもきちんと整理すべきだと。
 幼稚園というのは、まだこの教育体系の中でどういうものかということをきちっと位置付けされていないように思うんですね。学校令、幼稚園令というのは別にあるわけじゃないと思います。ですから、幼稚園というものは一体どういう教育をするんだということを、まず位置付けをきちっとする必要があるし、保育園はもうその位置付けはきちっとしておりますしね。そういうようなこともやっぱり改めて検討する時期じゃないでしょうか。
#118
○辻泰弘君 別のテーマへ移らせていただきますけれども、厚生労働大臣、先般、年金資金の運用について、国全体が責任を持って管理するのが望ましいと、国が責任を持つようにしなけりゃいけないという御発言がございますけれども、この辺についてのお考え、御方針をお願いします。
#119
○国務大臣(坂口力君) 年金につきましては、百四十数兆円に上りますところの積立金を今お預かりをしておるわけでありまして、この運用等につきましては、厚生労働省がやっているというのではなくて、国全体で責任を持つか、あるいはまた厚生労働省から一定の距離を置いた、例えば日銀のようなそういう距離を置いたところに何かを作ってそこが運用をするか、どちらかの方が私は好ましいのではないかというふうに思っている次第でございます。そして、そうした中でより安全に運用ができるという体制が必要であるというふうに思っておりますので、そういう発言をしたところでございます。
#120
○辻泰弘君 医療制度についてお伺いしたいと思うんですけれども、昨年通りました健康保険法の中で、老人医療費の伸びを適正化するための事項を内容とする指針を定めと、こういうことになっていたわけですけれども、このことについての取組はどうなっていますでしょうか。
#121
○国務大臣(坂口力君) 鋭意検討もいたしているところでございますが、やはりこの高齢者の医療を抑制するというのは、それはただ単にその医療費を削減する、すなわちこの保険点数で調整をするということではなくて、やはり元気なお年寄りをどうつくり上げていくかということに、やはり私は尽きてくるというふうに思っております。その辺のところの対策と併せてやらなければこれはならない問題だというふうに思っている次第でございます。
#122
○辻泰弘君 現在、あの医療保険制度、近々発表されるようですけれども、その附則の部分の制度改革の方はやっていらっしゃるようですけれども、本則の、本体にもう既に入ったやつがどうも十分しっかり取り組まれているのか疑問に思うんですけれども、この点もしっかりと取り組んでいただきたいと、これはまた別物としてしっかり取り組んでいただきたいと思うんですけれども、その点、もう一遍決意をお願いします。
#123
○国務大臣(坂口力君) その辺につきましても、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
#124
○辻泰弘君 同時に、小児救急医療ですけれども、これもいろいろやっていただきながらも、なかなか抜本的な解決につながっていないということでございます。昨年、今年度も拠点病院を造るとか、診療報酬でいろいろ手当てされたこともあったわけですけれども、この点についても医療制度改革の中でしっかりと位置付けて抜本的な取組をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#125
○副大臣(木村義雄君) 少子高齢化社会の中で大変重要な問題だと思っておりますので、今度の医療提供体制のビジョンの中でしっかりと踏まえてまいりたいと、このように思っております。
#126
○辻泰弘君 難病対策についてお伺いしたいと思います。時間がないので、一点に絞り切りますけれども、今まで特定疾患、小児慢性特定疾患ということでやってきたわけですけれども、それを法的に制度化するということで取り組んでこられたわけですけれども、その状況を教えていただけますか。
#127
○副大臣(小林興起君) 予算上は、御承知のとおり、十四年度まで地方公共団体向けの補助金について、制度的補助金とその他補助金というふうに分けて、その他補助金の方については一割カットするという形でやってきたわけでございます。しかし、十五年度からその制度的補助金というのはなくなりまして、地方公共団体向けにつきましては公共投資関係等について五%カットするというような形で、少しその制度的補助金というのは今はもうなくなりましたので、御承知おきいただきたいと思います。
#128
○辻泰弘君 この難病についてはやはり法的基盤が必要だと思うんですけれども、厚生大臣、そのようなお取組でお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#129
○国務大臣(坂口力君) 難病問題の法制化につきましては、非常に難しい面も率直に言ってあるわけでございます。我々も法制化できればというふうに思っておりますが、しかし法制化をするということになりますと、難病なるものの定義を明確にしなければなりません。そういたしますと、現在この難病指定を受けているような疾病の中にもそこから外れてくる可能性もございますし、どういうふうな幅でそれを取るかというようなことも大きな問題になってくるわけでございます。
 したがいまして、これを明確に法律でくくるということがいいかどうかという問題もございまして、これは両方の意見があるわけでございまして、そうしたところを今最終検討に入っているところでございます。
#130
○辻泰弘君 この難病対策には国と都道府県が半分ずつ負担するということで来たわけですけれども、予算補助なるがゆえに都道府県の超過負担が発生しているわけです。このことについて、厚生労働省、総務省、財務省、御見解をお願いします。
#131
○副大臣(木村義雄君) 先ほど財務副大臣からの御答弁にありましたように、その他補助から制度的補助化に切り替えさせていただいたところでございまして、厚生労働省として平成十五年度に三十億円の予算の増額をいたしたところでございます。
#132
○副大臣(若松謙維君) この点につきましては、都道府県からいわゆる都道府県負担の超過負担解消に向けての要望がございまして、厚生労働省にもその申入れをしてきたところです。その結果、平成十五年度予算案におきましては、この特定疾患治療研究費二百十三億円となりまして、前年対比三十億円、一六%増額となされたところです。
 引き続き今後とも、尊敬する坂口大臣、厚生労働省にしっかりと予算の確保のために要望してまいる所存でございます。
#133
○副大臣(小林興起君) 御承知のとおり、義務的経費ではございませんので、その掛かった費用、それについて全部国が半分持つという形にはなっておりませんけれども、お話がありましたとおり、前年に比べて抜本的に数字を増やしましたので、いわゆる交付税率、交付の差につきましては随分解消していくというふうに考えているところでございます。
#134
○辻泰弘君 今おっしゃったように、十五年度は手当てしたということなんですけれども、十二、十三、十四年度は結局地方が泣き寝入りになると、こういうことなんですね。
 財務省、この点については、やっぱり私は補正なり、あるいは予備費を取り崩してでも、やはりその部分は国がしっかり支えるということが大事だと思うんですけれども、いかがですか。
#135
○副大臣(小林興起君) 今申し上げましたように、これは国が必ず補助しなきゃいかぬという形ではないようになっておりますので、要求官庁から要求がしっかりあり次第、それにこたえて交付してまいりたいと思っております。
#136
○辻泰弘君 時間が限られてまいりましたので恐縮なんですけれども、厚生労働大臣、ちょっと三つ、四つポイントをお聞きします。
 一つは臓器移植法の見直しに向けてのことなんですけれども、三年後の見直しと言ったのが五年たちました。このことについてやっぱり国民的議論が必要じゃないかと思うんですけれども、厚生労働省としてやはりリーダーシップを発揮していただきたいということが一つです。
 あと、無年金障害で大臣は私案を出されました。そのことの検討状況はどうなっているか。医療事故の報告義務化、あと、医療廃棄物対策、これ通告しておりますけれども、この四点について御方針をお示しいただきたいと思います。
#137
○国務大臣(坂口力君) 無年金化につきましては今検討をいたしているところでございますから、それは今後ひとつ継続してやっていきたいというふうに思っております。
 それから何でしたかね、一番先が……
#138
○辻泰弘君 臓器移植。
#139
○国務大臣(坂口力君) 臓器移植につきましては、議員立法でこれ前もお願いをしたわけでございますし、全体としての御議論が今進んできておりますので、我々も鋭意それに合わせて努力をしていきたいと思っております。
 それぐらいですかね。まあ、ようけありましたけれども、このぐらいでひとつ。
#140
○副大臣(木村義雄君) 院内感染におきましては、新たなエビデンスに基づく総合的なガイドラインを今策定中でございまして、しっかりと取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#141
○辻泰弘君 時間が迫っておりますので、最後に一問質問させてください。
 食品安全委員会のことですけれども、これまで生産者優先、消費者軽視の行政だったと、このようにBSEの報告にも出ているわけですけれども、そのことを今後対応していくため、改善していくために食品安全委員会に消費者の代表の参画ということがやはり必要だと思うんですけれども、このことについて、食品安全委員会の方から来ていただいていると思いますので、御答弁お願いします。
#142
○副大臣(根本匠君) 食品安全基本法案、これから、今、出しておりますが、この中で、食品安全委員会の所掌事務、これは主として、食品の人の健康へ及ぼす悪影響、要はリスク、リスクでありますが、これを科学的、客観的に評価すること、食品健康影響評価といっておりますが、こういうことから、食品の安全性の確保に関して優れた識見を有する者によって構成される必要があると、こう考えております。したがって、食品健康影響評価の実施などは、純粋に科学的、専門的な知見に基づいて、しかも客観的かつ中立公正になされる必要がありますので、これは利害調整を行う場ではありませんし、消費者代表あるいは生産・流通関係者の代表等が委員になることは慎重に検討する必要があると考えております。
 ただ、なお、食品の安全性の確保に関する専門的知見としては、消費者意識やあるいは消費者行動などに関するものも必要ではないかと考えておりますので、こうした分野を研究対象としている学者等の専門家についても委員として加わっていただく方向で検討しているところであります。
 また、委員会の下に設けられる専門調査会、この専門調査会におきましては、年次計画の検討やあるいはコミュニケーションの在り方など消費者の意見も踏まえながら議論していただくべき事項もありますので、このような専門調査会には消費者の意見を代表する方にも加わっていく方向で検討しているところであります。
#143
○辻泰弘君 以上で私の質問を終わらせていただきまして、再開後に関連質疑をさせていただきたいと思います。
#144
○委員長(陣内孝雄君) 残余の質疑は再開後に譲ることといたします。
 午後四時に再開することとし、休憩いたします。
   午後二時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後四時一分開会
#145
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十五年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。若林秀樹君。
#146
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。
 一昨日質問をさせていただきましたが、イラク問題等をまず初めにお伺いしたいと思います。
 情勢は急変しました。イラク攻撃へのカウントダウンが始まり、その時計を止める余地がだんだん少なくなりつつあるということだというふうに思います。今我々ができるのは、国会審議を通じて我々が果たすべき役割を明確にすること、そして政府は説明責任を果たすことだというふうに思っていますので、しっかり分かりやすく答弁をよろしくお願いします。
 最初にイラク攻撃の法的根拠をお伺いしようと思ったんですが、これはどこまで行っても水掛け論になりますので、やめておきます。その代わり、ちょっとこれを確認させていただきたいんですが、今回、非はもちろんイラクにあったわけでございます。しかし、現時点でのイラクへの攻撃を容認しているということでは全くないんです、これは国際社会。そのことをまず確認さしていただきたいと思います。
 確かに、それぞれ過去の決議に基づいてというのはありますけれども、アメリカ、英米は少なくとも新しい決議案を提出しているわけですよね、これは武力容認につながる。それを取り下げているということは、もう明らかにそれは通らないということを前提でやったわけです。フランスを非難していますけれども、仮にやれば、ひょっとしたら三対十二だと、それではとてもじゃないがイメージが悪いということで取り下げたわけですから。国際社会というのは、私の意味は、過半数を超える、例えば安保理メンバーなり国連メンバーだと、そこの意思は現時点での攻撃は否定したんです、明確に。その点だけまず確認したいと思います。
#147
○国務大臣(川口順子君) まず、先ほど委員が英米は決議案を取り下げたとおっしゃいましたけれども、これは取り下げたわけではないのです。採択に付さなかったということでございます。
 それから、その法的な問題について聞かないとおっしゃったので説明をさせていただく機会を逸して非常に残念でございますけれども、これは水掛け論ではなくて、こちらの言っていることが法律的に正当であるということは、これは幾らでも御説明をする用意がございます。
 それから、国際社会は攻撃をすることを容認していないではないか、そのときの国際社会が何かということであるわけですけれども、国際社会が取り組んでいる問題は大量破壊兵器の廃棄であります。それをどうやって廃棄をすることができるかということですね。これについて国際協調の下で平和的に解決をしようとして、我が国はもちろんですけれども、ほかの国もずっと議論をしてきたわけです。そして、ブリクス、ハンス・ブリクスも、これについてはイラクは協力を十分にしていないということを言い、これについては一四四一できちんと書いてあるわけですから、先ほど総理が言われたように一致をしているわけですね。
 それで、今後、じゃ続けたら、破壊、その大量破壊兵器が廃棄されるかどうかということですけれども、この認識について国際社会が意見を異にしていると、そういうことであります。それで、それは、その見方は何かといいますと、イラクがきちんと廃棄をしようという姿勢を持っていない以上、そしてブリクスは、これをやろうとしても、イラクが前向きの姿勢を持ち、ということは積極的にいろんなことを開示していくということを持ち、さらに、最大限の圧力が掛かったとしても数か月は掛かってしまう、二つの前提に基づいて言っているわけですね。で、じゃ、この二つの前提が満たされているかどうかということになりますと、圧力を現に掛けているのは米国の軍隊であります。それでもなお小刻みにしか協力をしないということであります。
 それから、イラクの態度が、積極的に開示をしているかどうかということについては、これは一四四一でも言われておりますし、ブリクスもしていますし、我々も何度も何度もイラクとコンタクトをして思っていることですけれども、これはイラクはそのように全く思っていない。私は昨日、イラクの臨時代理大使と話をしましたけれども、彼がこの時点で、イラクは安全保障理事会の、安保理の決議に従ってやっているんだということを彼が言っているんですね。
 そういう状況ではとてもイラクが安保理の要求するような態度でやると思えないという認識に立つ国と、その国は有効的に、有効裏、有効というのはエフェクティブに、どのように解決をしていったらいいかというふうに考えますと、国際社会、安保理で一致して決議をするということについて拒否権を使うと国が言っている以上、これは成立しないわけですから、ですからそこはあきらめざるを得なかった。そして、大量破壊兵器の脅威から人類を守るためには、やはり大量破壊兵器を破壊するのに、廃棄するのに最も有効な方法を取るしかないということが苦渋に満ちた米国の判断であり、我々も全く同じ認識に立っている、そういうことです。
#148
○若林秀樹君 また真っ正面から答えていただいていないというふうに思いますけれども、要は、取り下げたとか採決にしたじゃなくて、やっぱりカウントして、安保理のそれぞれのメンバーの意向を聞いたら、とてもじゃないけれどもやっぱり通らないということを判断をしたわけですよね。そういう意味じゃ、その安保理の意思としては今現時点でのイラク攻撃は容認しないという、これがある意味での我々のとらえ方なんです。それはやっぱり自然だろうというふうに思います。
 その上で、英、米、スペイン、ポルトガル、日本以外でイラク攻撃を、このアメリカの行動を賛成している国を挙げてください。できれば名前も。
#149
○国務大臣(川口順子君) ちょっと書類探せばありますけれども、バウチャーが三十か国の国名を挙げて──失礼しました、挙げております。それによりますと、もちろん、イギリスそしてイタリア、豪州、韓国、日本ですね。そして……
#150
○若林秀樹君 欧州と言いましたね。
#151
○国務大臣(川口順子君) 豪州、豪州、オーストラリアです。それから、オランダ、ちょっとあとは記憶なんですけれども、スロバキア。ちょっと今、書類をきちんと取ってから全部挙げますけれども、三十の国がそれに賛成をしているということをバウチャーは言っている。これはイラクの武装解除をするということに賛成の国と、そういうことでございます。
 挙げさせていただきます。アフガニスタン、アゼルバイジャン、オーストラリア、コロンビア、チェコ、デンマーク、エルサルバドル、エリトリア、エストニア、エチオピア、グルジア、ハンガリー、アイスランド、イタリア、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、マケドニア、オランダ、ニカラグア、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン、トルコ、英国、ウズベキスタン、そういう国が挙がっております。
#152
○若林秀樹君 明示的に言ったかどうかというのは、私もちょっとそれは確認できませんけれども、まあ三十ぐらいという国ですね。そういう意味では世界各国百九十幾つある中では本当に少ない数でありますので、国際社会が分裂したというよりは、私はやはりイギリス、アメリカが孤立しているんではないかという感じもないわけではないです。
 その上でちょっとまたお伺いしたいと思うんですけれども、今回の一連の国連の動きはやはり武装解除にあったというふうに思うんですね。その武装解除の在り方めぐっていろいろ意見が分かれたということで、アメリカは武装解除するためにもう攻撃するしかないんだということで行動されたと思うんですね。結局、でも、よくよく見ると、アメリカは、フセイン政権の政権転覆というんでしょうか、それゆえに、亡命したから、するんであれば攻撃しないということを言っているわけですから、私は、ここで問題のすり替えが起こっているわけで、フセイン政権亡命のためにこういう武力攻撃で圧力を掛けるということに、日本がそれを支持するとしたら、根本的な根拠をまた私は失うんじゃないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#153
○国務大臣(川口順子君) 国連の一連の決議は大量破壊兵器の廃棄であるということです。我が国もそれを目的としています。そして同時に、できることならばこれを平和的に解決をしたいということを考えているわけです。
 それで、イラクの対応が今まで見えているような、要するに前向きに全然対応しないということが現実の我々の認識になり、そして最後の圧力を掛けている段階で、現実的には平和的に解決をする唯一の方法というのはそういうことである、現実的な手段としてそれは位置付けられる。それよりも戦った方がいいという御意見ももちろんあるかもしれません。だけれども、大量破壊兵器の廃棄のために、そしてできるだけ平和的に解決をしたいとしたら、それも一つの現実的な手段であるという考え方は成立をするというふうに私は考えます。
#154
○若林秀樹君 それでも分からないのは、フセインが亡命したら攻撃をしないということですから、それイコール大量破壊兵器の廃棄ではないわけですね。フセインが出たからといって政権の母体は残るわけですから、じゃ新たな進展がその時点にあるかどうかというのはまた別問題ですから、やっぱりその観点でちょっとおかしいんじゃないでしょうか。
#155
○国務大臣(川口順子君) イラクという国の在り方を考えたときに、フセイン政権が独裁的な政権であるということは近隣のアラブの諸国も含めて全部考えている。そして、近隣のアラブの諸国もそういう意味ではフセインに亡命をしてほしいという働き掛けもやっているわけですけれども、ブッシュ大統領が言っている演説は、フセイン大統領が国を去って、そして連合の、要するに武力で廃棄をすることが必要だと考えている国々の軍隊が無血で入国をできるということを考えているわけで、おっしゃっているその廃棄というのは、大統領の厳しい独裁制の下にあるところの独裁者が去った後、それはイラクの国民の協力を得て大量破壊の兵器ができるというふうに考えていると、そういうことです。ですから、目的はあくまで大量破壊兵器の廃棄ということです。
#156
○若林秀樹君 無血で流入できるなんという保証は基本的にないと思いますよ。取りあえずフセインが出て、その上で、さらに大量破壊兵器が進まなかったら、また攻撃に移るかもしれないですよ。ただ、第一の目的がフセイン転覆であるということを前提に、それにやっぱり支持するというのは、私はちょっとおかしいんじゃないかなという感じはしていますので、それを言って、次の質問に入りたいと思います。
 もう一つ、今回本質的な問題を考えますと、私は何ゆえにイラクへの攻撃が必要だということを国際社会に説得できなかったと、そのことに私は本質的な問題がまたあると思います。何ゆえに説得できなかったか、お答えいただきたいと思います。
#157
○国務大臣(川口順子君) 説得できるかできないか、できているかできていないか、私は説得できていると考えております。
 ですから、そこは見方が違うわけでございますけれども、改めて御説明をすれば、やはりこの問題の本質というのは、大量破壊兵器を廃棄するということが重要である。この結果として、ほかの国の手に渡ったりテロリストの手に渡って、それが無辜の民百万あるいは何十万に使われないということが大事であるということであると思います。そのためにやっている、そういうことです。
#158
○若林秀樹君 まあ、ああ言えばこう言うなんでしょうけれども。
 説得できていないんですよ。私が言っているのは、現時点でのイラク攻撃に対し説得できなかったということは事実だということです。ですから、だれもが皆イラクの大量破壊兵器保持はけしからぬと言っているんですよ。そこのことを言っているわけじゃなくて、現時点で、だから安保理に採決に行けなかったということはあるんですよ。ここに私はブッシュの問題の本質的な問題があるんで、やっぱりそこが一番問題ではないかということを言っているわけです。
 それはやはり、何だかんだ言ってアメリカは最後は法と正義を守る国だから、これまではみんなそれに対してはやっぱり信頼していたんです。しかし、ブッシュになってからは本当にその単独行動主義がもう目に余るようなことになっているわけです。だからみんな反対していることも事実なんです。そこを説得できなかったという本質に対してどう思っているかということなんです。
#159
○国務大臣(川口順子君) もし逆にお伺いすることができるのでしたらば、それでは、いかにフランスやドイツが査察を百二十日間延ばして、その結果として大量破壊兵器を廃棄するということを説得しているでしょうか。圧力が掛かっている、これは全部米軍です。そして、イラクがそういう気を持っていない、これについては一四四一でみんなが認めている。そういう状況でどうして、このまま何日も査察を続けていって、そして大量破壊兵器が廃棄されるということを確認あるいは確信できるでしょうか。私はできないと思います。
 同じような意味で言うと、大量破壊兵器を廃棄をするということの重要性から言うと、これについては毅然とした態度で最後の圧力を掛け、そしてそれに対してイラクがこたえなければ、やりたくない選択ではあるけれども、苦渋の選択ではあるけれども、それをやるしかなかった、そういう残念な事態であると思います。
#160
○若林秀樹君 もうそれ以上議論する気力もなくなります、そういう答弁をされますと。私は、やはりその問題に対して正面から答えていないというふうに思います。ブリクス委員長も、やむを得ないけれどもやっぱり数か月必要だということを言っているわけですから、それに対して、今すぐここで打ち切って武力攻撃だということに対して、国際社会はノーだということを間違いなく言ったんです。
 私の言いたいのは、それでも日本が支持をするんだったら、それなりの明確な説明責任を果たしてくださいということも併せてお願いしているんです。それができていないことが問題なんですよ。
#161
○国務大臣(川口順子君) 非常に単純にお答えをさせていただきますと、一番重要な問題は、先ほどもちょっと言いましたが、大量破壊兵器、これがテロリストの手に渡ったり無法国家の手に渡ったりということがあって、無辜の民百万、あるいは日本の国民がそれによって死傷するということを日本国の政府としては取らない、日本国の政府としては、日本国の国民の命と安全が重要である、そういう判断をしていると、そういうことです。
 それから二番目に、平和的に解決をするための努力、これを日本としても自ら非常に努力をしたわけですけれども、イラクの態度を見ても、それから何が何でも拒否権を使うという国もいたりということで、このままでうまく解決ができるということにつながらなかった、これは残念ですけれども事実であります。
 それから三番目に、細かい説明は省きますけれども、米国の取ろうとしている武力行動、これが国連の安保理の決議によって正当化される、されていると、そういうことです。
#162
○若林秀樹君 私の主張するポイントは分かっていただけたようなんで、次の質問に入りたいと思います。
 残された時間、明日の十時ということで十数時間しかありません。それまで日本政府は何をやろうとしているのか、お答えいただきたいと思います。
#163
○国務大臣(川口順子君) 残された時間で日本国政府ができることということは、戦争を止めるという意味ではもうほとんどないと思います。ほとんどというか、ないと思います。イラク大使に昨日私は話をしましたけれども、いまだに態度を変えようということは全くありません。それで、万が一戦争になってしまったら、日本としては、そこでどういうことを日本としてやったらいいだろうかということについては、頭の体操はいたしております。
 まず一番大事なのは邦人の救出、これについては今もう既にやっておりますし、まだかなりの数が地域にいらっしゃいますから、それを引き続きやる。
 それから、難民の支援とか周辺国への支援、これについての日本国に対する要望といいますか期待、国際社会の期待ですね、それは非常に大きいものがあると思います。それにどうやってこたえられるだろうかということです。
 それから、万が一そういうことになって、その後の復興支援ということについては、これはいろいろ考えなければいけないと思っていますけれども、いずれにしても今まだ戦争が始まっているということではありませんので、邦人をできるだけ安全に退避をさせるということ以外には何も決まっておりません。
#164
○若林秀樹君 私はちょっと言い方としておかしいんじゃないかと思う、頭の体操という言い方はないでしょう。正にこれから戦争に入ろうとしているときに、そのときに選択肢としてどういうことが、日本政府がやろうとしているのに、頭の体操なんてとんでもないですよ、それ。
#165
○国務大臣(川口順子君) 頭の体操というのは論理の世界で考えるという意味で申し上げたわけでして、それだけのことですけれども、言葉が適切でなければ取り消させていただきますけれども、要するに何ができるかということをいろいろ検討をしていると、そういうことです。
#166
○若林秀樹君 分かりました。撤回したということで私も理解したいと思います。
 防衛庁長官に一問だけお伺いしたいと思います。
 アメリカがイラク攻撃をしたときに防衛庁として現行法でできる活動の範囲、これも頭の体操じゃなくて一応想定されていると思いますけれども、お教えいただきたいと思います。
#167
○国務大臣(石破茂君) 基本的には今、外務大臣からお答えがあったとおりだと思います。先生御案内のとおり、当然のことながら私どもは武力の行使ということはできないわけであります。
 そうしますと、まず日本人の安全を確保するために何ができるか、これは邦人輸送ということがございましょう。それははっきりしておることでありまして、そういうような状況になったとしたならばということでございます。まだ定期便も飛んでおる、チャーター便も飛んでおる、あるいは陸路も開いておるという状況であれば、そういう状況には立ち入らないというふうに、立ち至らないというふうに考えております。
 そのほかの場合に何ができるかということにつきまして、これは委員のお尋ねは、あるいは後方支援のようなことをお考えなのかもしれませんが、私どもは当然のことながら法律の根拠がないことはできません。テロ特別措置法の目的に反するようなことは、これはやらないということに相なっておる次第でございます。
 戦争が終わりましたと、仮に不幸にして戦争になった場合に、終わった後どうなるのかということは、終わり方にもよります。その後の復興がどういう形で行われるかということにもよります。これはいろんなケースに分けて考えなければいけないと思っておりますが、それでいろんな可能性につきまして検討はいたしておるところでございます。
 いずれにいたしましても、憲法並びに法、そして私どもの能力、知見というものが本当にどこまで使えるかということを総合的に判断して、国際的な責任を果たしてまいりたい、かように思っておるところでございます。
#168
○若林秀樹君 ありがとうございます。
 イラク問題はその辺で終わりにさせていただいて、大島農水大臣にお伺いしたいと思います。資料を配っていただきたいと思います。
   〔資料配付〕
#169
○若林秀樹君 まず、前回、福山委員の方から、大島農水大臣の政治資金パーティーの講演会、二〇〇〇年の問題について質問をさせていただきましたが、そのフォローということで、議事録をちょっと読まさせていただいて何点かちょっと確認したいところがありますので、お伺いしたいと思います。
 まず、この二〇〇〇年の五月十日、十五、二十三、十、十五、五回のそれぞれの掛かった経費、これは全体でしか出ていないんですけれども、それぞれの経費と全額が本当にこれでいいのか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(大島理森君) 先般、御質問がありまして、率直に申し上げまして、私、詳細に調査その他をいたしておらない状況の中で失礼したことをおわび申し上げます。
 そこで、経費でございますが、恥ずかしながらと申しましょうか、当時の会計責任者は御存じのとおり辞めております。また、他の委員からもこの点について指摘がありましたので、スタッフに調べさせました。
 委員御指摘のとおり、五月、二〇〇〇年の五月十日、十五日、二十三日には大島理森後援会主催の研修会、二十三日は懇親パーティーでございますが、また経済社会開発研究会主催の研修会は五月十日で、十日と十五日に行われております。で、自民党本部で行っているので、党本部に入っているレストランに支払った経費はあるそうでございますが、懇親パーティーは全日空ホテルで行って、そこに支払ったということでございます。
 そのほかに、資料や案内状を作成するのに事務用費、事務費用が掛かったということでして、委員お尋ねの支払金額は、五月二十三日の全日空ホテルの支払は二十二万六千二十六円支払われているということでございます。
 また、自民党本部内のレストランへの支払を行ったわけでございますが、それはどうなんだと、こういうふうに聞きました。また、その他の資料、案内状の作成の費用、印刷業者に頼んでいないので正確にはじき出せないとのことでございましたが、それ以外に十万を超えない状況ではなかったかと、こういうことでございます。
#171
○若林秀樹君 収入が二百万もあるような経費を個別に管理していないんですか、一回ごとに。
#172
○国務大臣(大島理森君) 御承知かと思いますが、事業収入、特定パーティーの報告の在り方に私も大変不勉強で、後でスタッフに聞いてちょっと怒られたところがあるんですが、機関誌の発行その他の事業収入というのは、こういうふうな形で届出でいいんだそうでございます。(資料を示す)
 そこで、実際にその支出のところでございますけれども、全体として不自然だと、支払った形跡がないので不自然だということで調べたそうでございますが、政治資金収支報告書の記載科目というと、その他の事業費の支出に記載すべきところなのでありますが、当時の会計責任者は組織活動費、調査研究費で計上しておったことをスタッフが確認いたしましたので、そのことは直ちに記載間違いでありますので訂正するよう命じました。
 つまり、全体としてそういうふうな形で記載されて、それを、ちょっとそれは本来、事業費の支出に記載すべきだったんですが、全体の組織活動費や調査研究費で計上しておったということですから、そういうことで訂正をさせるようにいたしております。
#173
○若林秀樹君 少なくとも、今記載する箇所を全然間違えているんですよね。なおかつ、個別で全然、管理していないという意味では全然答弁になっていないんで、ますます不透明感が強まっているんじゃないかなというふうに思います。
 その上でお伺いしたいと思うんですけれども、二十三日は全日空ホテルで懇親パーティー、午前中の何かあれで一時間ぐらい講演してということで、六十名ぐらいじゃないかと、覚えていないけれどもということでございますが、さっき二十二万六千円掛かったと言いますけれども、全日空ホテルで部屋を借りて講演をして懇親パーティーを六十名やったら、お幾らぐらい掛かると思いますか。
#174
○国務大臣(大島理森君) 私、どのぐらい掛かりますかと言われても、本当にこれはもうそのとき掛かった経費をそのように報告しているわけで、具体的に幾ら掛かりますかと、こう言われても、ちょっと申し訳ありませんが、お答えのしようがございません。変にまた間違ってもいけませんので、予測と勘で言ってはいけないことだと思いますので、お許しいただきたいと思います。
#175
○若林秀樹君 昨日、全日空ホテルに電話したら、五、六十名でパーティーやれば最低で八千円からですと。なおかつ部屋を別に借りれば、それだけで、借りただけで二十万ということで考えれば、どう見たって二十二万でできるわけがないんです、数十名のパーティーが、講演会が。矛盾していますよ、これはもう完全に。
#176
○国務大臣(大島理森君) 矛盾していると言われましても、これ支払った領収書もあるわけだと思うんです。ですから、そこは委員が矛盾しているよと言われましても、私はもうしょっちゅう全日空ホテルでパーティーをやらさせていただいて、これ収支報告に出ていますから。そこは、余り食い物も出さずに、何かうちのスタッフが苦労してやってこの辺に収めた結果なんではないかなと勝手に予測させていただきます。
#177
○若林秀樹君 懇親パーティーで水だけでパーティーなんかできないわけで、部屋借りたって二十万だって言われたんですよ。コーヒー一杯五百円ですよ。ちょっと軽食出して八千円からですから、やっただけでもう五十万、五十万ぐらいのお金は掛かるんで、これ全然説明になっていないですよ、これは。
 もう一つ言っておきます。
 五月二十三日にパーティーやりました。支払は、これ見ますと十月十九日です。五か月も後に五月のパーティーを払うわけないじゃないですか。
#178
○国務大臣(大島理森君) そう言われても、そのとおり出しておりますから、そうだと思います。だから、そういうはずないじゃないかと、こう怒られても、確かに私、全日空行って、そんなに人数は多くなかったと思うんですが、講演して、ちょっと薄い水割りかビールか飲んだ記憶がありますけれども、収支報告に出していることをそんなはずがないと言われましても、もう一度確認はしてみますが、そこに書いてあるとおりだからそのように報告したものと、このように思います。
#179
○若林秀樹君 説明になっていないですけれどもね。もう一回質問します。
 今どき、ホテルがやった経費を五か月後に請求するなんてことはあり得ないんですよ。大体遅くて二、三週間ですよ。それを五か月後に払っていて、なおかつパーティーを二十万で支払っているということ自体がもう駄目なんですよ、これは。もう全然説明になっていませんから。もうちゃんと認めてください、このパーティーはなかったんだということで。
#180
○国務大臣(大島理森君) いや、やっていないことを認めてくださいと言っても、やったと報告しておるものですし、私自身もうちの日程の中にはちゃんとそれは入っておりましたし、五か月後に云々というのは、ちょっと私もなぜそこが延びたのか後で調べてみますが、実際にやりました。
#181
○若林秀樹君 じゃ、十月十九日は何かほかのパーティーを私はやったんじゃないかなと。確かに、払っていることは事実だと思いますけれども、五月二十三日のこの研修会で講演をし、一部屋借りて、もう一人、懇親パーティーをやって、六十名ぐらいだと言っていることが二十二万で済まないんですよ、これ。なおかつ、払った日が十二月なんというのは、とてもじゃない、これは不自然で理解はできませんので、私はもうこれ以上続けられないですよ、そういう答弁をするんだったら。
#182
○国務大臣(大島理森君) それ以上私自身も答えられないので、やったのは事実でございますし、支払った期日は、そこに、余り資金繰りがいいうちの事務所でもないので、お願いしてそうなったのではないかと思いますが、いずれにしても、やったことも事実ですからそのとおり報告をさせていただいた、こういうことでございます。
#183
○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#184
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
#185
○国務大臣(大島理森君) よく調べてみて、また御報告させていただきます。
#186
○若林秀樹君 納得いく説明と資料を分かるように提出していただきたいと思います。
 最後にもう一点確認したいんですけれども、先日の、公共事業談合したとされる建設業者から献金を受け取った問題で、返すかどうかは検討したいと。どうですか、その後検討されて、どういう決定されたか、教えてください。
#187
○国務大臣(大島理森君) 先方の御意思等もありましょうし、今どこからどこまで政治的、道義的観点から返却すべきか、まあ率直に申し上げて、自分自身の現在の、自分自身というのは後援会あるいは政党支部の財政事情、そういうものも考えながら、どのようにしたらいいか、私、国会でずっといておりますし、そういうふうな分割の方法もあるじゃないか、こんなことも考えながら検討いたしております。
#188
○若林秀樹君 この辺の問題はここにしておきたいというふうに思いますので、次の質問に移りたいと思います。
 ようやくODA関連の質問ができるんですけれども、川口大臣にお伺いしたいと思います。
 ODA予算、非常に莫大な金額を使っているわけですから、その使い方をめぐってはやっぱりシビアにならざるを得ないというふうに思います。一連の御質問、通告させていただきましたけれども、まず、世界がこれだけの援助を行いながら、何ゆえにこの貧富の格差が縮まらないのか。ODAが悪いのか、グローバライゼーションの問題なのか。その辺どういうふうに分析しているか、お答えいただきたいと思います。
#189
○国務大臣(川口順子君) 貧富の格差が広がっているという問題はあると思います。
 これは一つは、委員おっしゃるようにグローバリゼーションの影の部分、競争力を持つところとそうでないところとの差が出てくるということだと思います。それからもう一つは、それぞれの国の中での分配政策、これがきちんとしていないということが国内の中での格差を生んでいる。ODAは、これに対して、それを是正する方向で今動いていると思います。例えばASEANは、最初の六か国と後で入った四か国の間の格差が開いているということが問題になっていますけれども、これを是正するということが非常に大事なことであって、我が国としては、そのためのプロジェクトにお金を積極的に出しているというようなこともやっております。
#190
○若林秀樹君 もうちょっと具体的に聞きたいんですけれども、最終的にはODAは効果的なのかどうかということをはっきり明言していただきたいということです。
#191
○国務大臣(川口順子君) 言葉が足りなくて失礼しました。
 ODAは大変に効果的である、ODAがこれを救う唯一の手段と言っていいと思います。
#192
○若林秀樹君 私は、やはり外交というのは国民の支持がなければ私は進まないというふうに思います。世論が違うといっても、やはり国民の支持があって初めてやっぱり外交というものは進むんじゃないかなと思いますが、ODAに対する支持率がこれだけ下がってきているのは何ゆえか、お答えいただきたいと思います。
 十四年度の外交に関する世論調査は、積極的に進めるべきが一九%、なるべく少なくすべきが二四・三%で、初めて逆転して、進めるべきじゃないという声が多くなったんです。この原因は何か、お答えいただきたいと思います。
#193
○国務大臣(川口順子君) これはなかなか難しいですけれども、委員がおっしゃるように、ODAの中がよく見えていないということは一つ理由としてあると思います。
 それで、私どもとしては、国民参加型のODAということで、これをホームページその他いろんなことをやっていますけれども、タウンミーティングも、説明をする努力をしております。
 それから、ODAに対するお金が、税金が効率的に使われてないんではないだろうかといったような不信感、これについては、ODAの改革が非常に大事ですので、それを透明性そして効率性を上げるようなことをやっております。
 それからさらに、やはり国内の経済が余りいい状態ではない、どうして自分、国内でお金を使わないで外国で使うのかという、そういう声もあるかと思います。
#194
○若林秀樹君 多分そういうことだろうというふうに思いますが、九〇年代の初めぐらいまで、ODAに対するサポートする声というのは日本は高かったんです。世界各国で何ゆえに日本は高いのかと逆に不思議がられたんですが、一挙にこの数年間でやっぱり下がっていったと。その理由はいろいろあると思いますけれども、やはりまだまだ事例等が効果的じゃない、見えない等々もありますし、外務省の不祥事も重なったことも多少あるのかもしれません。しかし、やっぱりこの支持を高める努力がやっぱり必要ではないかなというふうに思っているところでございます。
 まだまだちょっとお伺いしたいんですが、タイド援助における日本プロダクトの購入義務付けというのをどういうふうに考えるかと。これ説明するとまた長くなっちゃうんですけれども、答えていただき、中で説明していただいてください。
#195
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 円借款、それから無償資金協力と分けて御説明したいと思いますが、円借款につきましては、タイド援助の貿易歪曲効果というものを懸念する議論がございまして、これを最小限にすべきだということで、OECDで輸出信用アレンジメントができておりまして、その下で一定の場合に限ってタイドエードが可能になっているということでございまして、例えば、借款の譲許性が一定以上のものでありますとか、また、商業的に実行可能でないものでありますとか、あるいは対象国として、発展途上国の中でも中進国なり後発発展途上国は除くとか、そういったルールの下でタイドエードが行われているということでございます。
 一方、無償資金協力につきましては、国際的には調達のアンタイド化を進める動きもございますが、例えば、我が国の代表であります一般プロジェクト資金協力を見ますと、原則として契約業者を日本法人に限定しておると。これも国際ルールにかなった対応をしているわけでございます。
#196
○若林秀樹君 円借款というのは、結局、割高で契約しますと、返済が、やっぱり負担が途上国に掛かるので、私はやっぱりアンタイドに原則すべきじゃないかと思いますが、やっぱり無償資金協力の方なんですけれども、今の法律ですと、契約先は日本法人というか日本国籍を持っていればいいんですけれども、どこから調達するかが全然決まってないんです。
 これは、アメリカは最後のものまでアメリカのプロダクツを買わなきゃいけないんです。これはやっぱり税金を使っている以上当然だという判断なんですね。日本はそうなっていないんで、私はこういう状況であれば、せっかくの税金を使うのであれば、最後のプロダクツまでやっぱり日本製品を買うべきなのか。それが結果的に高くなっても、私はやっぱり日本の税金を使っている以上、どうなのかということについてお伺いしたい。
#197
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 無償資金協力のタイドの問題について、大変貴重な御指摘をいただいていると思うのでございますが、私どもの方では、先ほど申し上げましたように、契約業者を日本法人に限定いたしまして、その日本法人がどこから調達するかということは、その日本法人の選択にゆだねておるわけでございます。
 日本企業自身も既に相当グローバル化しておりますし、コストの削減でありますとかあるいは資機材の調達の効率化でありますとか、いろんなケースに即してその契約業者たる日本企業が調達しておるわけでございまして、最近の数字で見ますと、おおむね六割が日本から、メード・イン・ジャパンといいますか、日本から調達されているという実情でございます。
 それから、米国のお話がございましたが、御指摘のように、例えば農産品、自動車、医薬品等につきましては、原則として米国製品の調達を義務付けておりますが、あらゆる場合に調達を義務付けているというわけではございませんで、最近のDACの統計によりますと、アメリカの場合、約七割強がメード・イン・USAであるという実績が報告されております。
#198
○若林秀樹君 そういうことも今後の中で御検討いただければと思います。
 ODAの予算なんですけれども、民主党は今年、民主党予算の中では四千億に削減すべきという案を出させていただきました。これは今の非効率なODAではやはり、あるいは支持のないODAというのはやっぱり四千億ぐらいではないかと。しかし、だからといってこれを四千億、将来にわたっていいということは必ずしも言っているわけではないんですが、そういう提案をさせていただきました。
 川口大臣、もしよければ塩川大臣も来ていらっしゃるので、ODA、我が国にとってのODAというのはどのくらいが適正な規模かということを、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(川口順子君) 私は、その委員のおっしゃった民主党の予算を見て、経済協力が半分になっているのを見まして、実は愕然といたしたわけでございますけれども、そういうことでは我が国としてはやはり、我が国に期待されている、それから我が国の生存にとって必要な国際社会の平和と安定は達せられないのではないかというふうに思っております。
 どれぐらいの予算があったらいいかということでございますけれども、今先進国は、もうテロその他の事件があった後、もう伸ばしているわけです。米国はすごい勢いで伸ばしている、フランスも伸ばしている、そういうことであるわけですけれども、その中で我が国は五年間で約二割減った。塩川大臣がここにいらっしゃるので非常に言いにくいんですけれども、それでも今年は多少御理解をいただいて減り幅が五%台になりましたけれども、それでも減っているということには変わりない。是非これを止めて、上向きに上げなきゃいけないと思っています。
 適正な規模がどれぐらいか。例えば、主要なDACの国を見たときに、GNP比で〇・二二%とか二三%というのは平均であります。我が国はほぼ平均の数字であるということは、我が国の国際的な責任を考えたときに、それでいいのだろうかという疑問を私としては持っております。
#200
○国務大臣(塩川正十郎君) 川口大臣のお話のとおりでございまして、半分にするというのはちょっと荒っぽいなと思いまして、これはもう行き過ぎだと思いますけれども、しかし検討しなきゃならぬことは事実でございまして、つい最近でございますが、ODAの大綱を見直すということをいたしました。
 それには、今までの要請主義から、戦略的に、もっと日本の戦略的な立場に立って考えるということと、それから効率性を重視するということでございまして、そういう点にわきまえまして我々もODAを推進してきて、やっぱり日本が、非常に大事な外交手段でございますから、それはもう余り無制限に、いや無原則に切っていくというわけにはいかないと思います。けれども、そこに行われておる無駄は排し、見直していくべきだと、その点に立って努力してまいります。
#201
○若林秀樹君 それで、お渡しした資料のこの二枚目を見ていただきたいんですけれども、たしか日本はODA第一位という座を十三年間でしたっけ、ぐらい何か記憶によると守ってきたんですが、二〇〇一年についに逆転しまして、二位に下がりました。
 今、大臣からもお話ありましたように、昨年の国連の会議におきましても、九月十一日以降の話で、アメリカは五〇%出す。EUも出す。それぞれやって、投影して見ますと、それを前提でやって、日本は取りあえず削減幅をやりますと、もう二〇〇六年へ行きますとこんなアメリカと差が開きますし、場合によっては、もうドイツ、英国、フランスより下がる可能性が、これからの削減率、あるんですね。
 私は、九〇年代、八〇年代を見ますと、やっぱり我が国の発言力の原点は我が国の経済力だし、一方では私はODAというものも現実にあったんではないかと。本当にこんなに下がって、発言力キープできるんでしょうか。その辺、ちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
#202
○国務大臣(川口順子君) 塩川大臣に是非お願いをして、もっともっと国際の平和の維持のために経済協力をすることができるということが世界の平和に資すると思っております。
 効率的に使う、透明性を持たせる、国民参加型にするということはもう前提で申し上げているわけです。
#203
○若林秀樹君 いやいや、いいです。何か発言されたい。発言されたいのなら是非お願いしたいと思いますけれども。
 いずれにせよ、こういう状況になる可能性があるということですから、やっぱり無駄のない効率的なODA、そして国民から支持されるODAに向けて外務省としても一丸となってほしいなという感じもします。
 十三番目に、外務省改革の変える会の中間報告で援助庁構想が出ていたんですが、外務省としてはこれを反対したわけですが、その理由をお知らせいただきたいと思います。
#204
○政府参考人(古田肇君) 変える会におかれましては、昨年の五月に中間報告、それから七月に最終報告を出されておりまして、その中で、中間報告では、「援助庁の設立を考慮することを含め、効率的運用を図る仕組みを構築する。」という報告をいただいております。さらに、最終報告では、ODAの効率的、一元的実施を図るという観点から、ここでは援助庁という言葉は使っておられませんが、「一元的組織形成を念頭に、より望ましい組織形態の検討を開始すべき」と、こういう御指摘でございます。
 私どもといたしましては、これらの御指摘を踏まえて、政府全体としてODAの効率的実施をどう図っていくかという観点から、関係府庁間の、府省間の連携を抜本的に強化するという観点から、目下、様々な取組を行っているところでございます。
 先ほどお話の出ました対外経済協力関係閣僚会議、その下の局長レベルの各省連絡協議会、また資金協力、技術協力、ODA評価の各府省庁連絡会議といったものを積極的に活用し、かつその状況について先般の変える会にも御報告をしたところでございます。
 援助庁という組織形態そのものについての御質問ございましたが、私どもとしては、例えば、どこかに援助庁を設置して、そこに一元化してはという御議論も変える会の中ではございましたが、これはある意味では行政組織の肥大化につながりかねないんではないか、むしろ各省の連携を強化する、その中で外務省が調整の中核になっていくというやり方が現実的なのではないかという考えであるわけでございます。
 また、先般の関係閣僚会議で決定されましたODA大綱の見直しの基本方針におきましても、外務省が調整の中核となり、関係府省間の連携を強化し、かつその知見を活用しつつ政府全体としてのODA戦略・政策を立案する方策やプロセスを考えていくと、こういう方向でODA大綱の見直し作業を行っていくということにされておりまして、私どもとしてはこの方向に沿って検討してまいりたいというふうに考えております。
#205
○若林秀樹君 本当、時間がないので、もっともっと議論したいんですけれども、少し質問を移らさせていただきたいと思いますが、外務省はどちらかというとこの援助庁の構想に対しては、ちょっと自分の手から離れるということに対してやや抵抗があると思うんですよね。
 私は、やっぱりODAというのは外交のツールですから、やっぱりある意味では外務省と援助庁が一体となってやるということは必ずしも肥大化にはならないし、そういう意味では前向きに考えるということもやっぱり私は必要なことではないかなというふうに思います。
 ODA大綱なんですが、何ゆえに今回見直そうとして、どういう方向に行こうとしているのか、お答えいただきたいと思います。
#206
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 ODA大綱でございますが、閣議決定されまして十年強たっておるわけでございます。その間に国際社会では、本日御議論のありましたグローバル化の進展の問題でありますとか、人間の安全保障、平和構築への対応といった開発課題の変化でありますとか、国連におけるミレニアム開発目標の採択などの動きもございました。また、国内におきましては、厳しい経済・財政事情の下でODA予算が大幅に削減される一方で、ODA参加の主体が多様化しておるわけでございます。
 こうした状況の大きな変化を踏まえて、今般、ODA対策を、ODA大綱を見直すこととしたわけでございます。
#207
○若林秀樹君 現行ODAをちょっとこの際に見直した、読み返したんですけれども、非常に私はよくできていると思うんですよね。様々なこの間の問題をODA大綱が悪いからということで、それにやっぱりすり替えている部分が私は非常にあるなというふうに思っていますし、どんなに中身、外見を変えたって、それはそのとおり私はならないと。
 ODA大綱というのはやっぱり憲法みたいなものですから、なぜ憲法が機能するかというと、それを裁いて、法の番人がいるから機能するのであって、そういう意味において、ODA大綱を見直すのは私はいいですけれども、やっぱりきちっとしたある意味でのチェック・アンド・バランスというんでしょうか、ここでやっぱり裁くという意味では、私は国会にそういう機能があってもいいと思いますが、現時点での国会はそういう専門家もいませんし、そういう機能がありませんけれども、そういう形でやっぱり変えていくことが私は本質ではないかなというふうに思いますので、これで何かすぐ解決するなんということは私は全然ないというふうに思っているところでございます。
 次に、質問なんですけれども、NGO無償支援において最近何か連帯保証人を付け始めたんですけれども、これもちょっといかがなものかなというふうに思うんですよね。もちろん、法人として認めて実績があるから契約して、その法人が責任を取るというのは当たり前の話で、その中で債務を果たすというのはあるんですけれども、更に別にNPO法人の判こを押して保証人になれというのはどう見てもちょっと恥ずかしいですよ、これ。どう思います。
#208
○政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 私どもといたしましては、国際協力活動におけるNGOの役割を大変高く評価しておるわけでございまして、この支援を強化するというのが基本的立場でございます。
 そういう中で、本年度、日本NGO支援無償資金協力というものを導入させていただいたわけでございますが、この日本NGO支援無償資金協力は、従来の草の根無償資金協力の中の我が国のNGOに対する支援の部分と、それから、それとは別途平成十二年度から導入しましたNGO緊急活動支援無償というものを合体いたしまして、そして予算的にも大幅に拡充をするということで導入させていただいたわけでございます。そういう意味で、一方でNGOに対する支援の強化拡充を図ると同時に、他方で対象も広がってまいりますし、予算も大きくなってまいりますので、予算、資金の適正使用をどう確保していくかという問題もきちっとしておかなきゃいけないということであるわけでございます。
 その際、もちろん事前事後の審査の強化ということもあるわけでございますが、既にNGO緊急活動支援無償でありますとか、あるいはJICAがNGOに対して行っております技術協力の際に連帯保証人制度をやっておりますものですから、それを今回統合した中でそのまま適用させていただいたということであるわけでございます。
 ただ、御指摘のように、一部のNGOからいろいろと見直しの要望が出ていることも事実でございますし、私どもとしては、当面の実施状況をよく見極めるということと、それから、これらのNGO側の意見にもよく耳を傾けて、団体の審査の在り方とか、それから資金の適正使用の審査の在り方でありますとか、そういったことをよく見極めて、本件の取扱いについてよく考えてまいりたいというふうに思っております。
#209
○若林秀樹君 是非、御検討いただきたいと思います。
 これは決して融資しているわけじゃないんで、NGOを通じて資金協力をお願いしているわけですから、そこを信用してやっているのに一方で判こを押せというのはちょっとやっぱりおかしいですし、海外の草の根無償のNGOにやってないでしょう、こんな連帯保証人。日本だけの特有のやつをここに持ち込むなんというのはちょっとおかしいと思いますので。
 最後に、日本の援助の特徴を何に求め、今後どうしていくかなということで、最後、御決意を含めてお話しをいただきたいと思います。──済みません、早口で申し訳ありません。これからの日本の援助の特徴をどういうふうに生かして今後援助をやろうとしているかという、決意も含めてお答えいただきたいと思います。
#210
○国務大臣(川口順子君) やはり、めり張りを付けていく必要があると思っています。それで、新しい外交課題としまして、例えば平和の定着とか、それから人間の安全保障の構築とか、そういった課題があるわけでして、そういったことも含め、それから日本はアジアにあるわけですから、アジアの発展ということも含めて、めり張りを付けて援助をしていきたいと思います。
 そしてそのときに、透明性、効率性を確保するということは非常に重要でございます。そういったことを確保しながら、そして国民参加型といいますが、今、委員からお聞きしたようなことも含め、いろいろな方の御意見を伺いながら、日本の重要な存在感を示すものとしてこれを立派に育てていきたいと考えております。
#211
○若林秀樹君 時間が少なくなりましたのでODAはこの辺にさせていただきまして、改めてまたさせていただきたいと思います。
 次に、副大臣に、平沼産業大臣がいらっしゃらないということで副大臣にお伺いしたいと思います。
 やはり九〇年代見ますと、産業の競争力がやっぱり相対的には下がりつつあったんではないかなというふうに思います。その典型、一つの例として、例えば電機・電子産業を取りますと、お手元の資料の三枚目、最後を見ていただきたいんですけれども、これは韓国のサムスン電子と、日本の大手七社との計を足しますと一社にもかなわないと、七社が足して。昨年はもっとひどかったんですね。これは、回復してこの程度なんです。
 私は、やはりこの九〇年代見ますと、何が問題だったのかということをやっぱりきちっと検証する必要があると思いますので、この辺に、国としての産業政策、支援策に違いがあったのか、あるいは日本企業にどこに違いがあったのか、その辺含めてお答えいただきたいと思います。
 これで、これは一問、これだけです。
#212
○副大臣(西川太一郎君) 御答弁申し上げます。
 まず、大変恐縮でございますが、先生からちょうだいした資料を私ども精査をさせていただきますと、実は残念なことにもっと差が出てまいりまして、実はこれで計算をいたしますと千七、八百億の差でありますが、実態はもっと四千億以上の、先生の、この左側の日本の大手七社が税引き前と税引き後の純益がちょっと混じっているのでございまして、大変失礼でございますが……
#213
○若林秀樹君 イメージでございます。
#214
○副大臣(西川太一郎君) はい。そこで、おっしゃるとおりでございます。
 まず、どこに問題があったかというと、一つはいわゆる通貨危機の後、真剣に反省をしました、韓国は。それで、集中と選択をやって、例えばこの先生御提示をいただきましたサムスン電子は、携帯電話では今や世界第三位、それからDRAMでは世界第一位、そういうもうかるところにどんどん集中していって、それからリストラもこれはなかなか厳しい徹底したものをやりまして、三年間で三万人、三人に一人の首切りをやったと。
 それからまた、人的な資源それから技術投資、これを徹底して行いまして、例えば四万八千人の職員がいるわけでありますが、そのうちに博士号、修士号を持っておられる方が五万、失礼、五千五百人もおいでになると、こういうようなことがありました。などなど、それから、当時の金泳三政権のバックアップもあったり、その後の金大中政権のバックアップもあったり、徹底した競争態勢に入ったと。
 それから、特に特筆すべきは、やはり研究開発費に対する税を大きく減免したと。法人税はわずか一%でございますが、二八を二七に下げたとか、そういう努力をしました。
 翻って、我が国はやはり四分野、IT、環境、ナノテク、バイオ、エネルギー、こういう分野をやはり特化して集中をしていかなければいけないと。そういう中で、本日、衆議院で、民主党の皆様にも御賛同いただけるやに伺っておりますが、産業再生機構、改正産業再生法、これがちょうど今採決の時間ではないかと、こう思うのでありますが、これらを通じて徹底した強い産業体質を作っていきたいと。
 不十分な答弁でありますが、細かいことを申し上げると時間が長くなりますので、お許しをいただきたいと思います。
#215
○若林秀樹君 ありがとうございました。
 サムスン電子、恐らく一九六〇年代に設立された企業だと思いますが、日本の、技術指導をしながらあっという間に気付いたら抜かれていたということでございますので、我が国の産業構造を考えると、やはり産業の競争力をどうやって官民挙げて付けていくかというのは重要な一つの事例として私は研究すべき問題もあるのではないかなというふうに思っております。
 最後に、坂口大臣せっかく来ていただきましたので、一言、雇用対策に対する決意というんでしょうか、お話をいただきたいと思います。
 雇用政策の最大の対策はやはり経済の活性化だというふうに思いますが、そうはいっても、雇用対策としては様々な能力開発の問題とかいろんな問題があると思うんですよね。現状、三事業、雇用保険三事業だけでも六千億支給、様々な、相当なお金を使っているんですが、坂口大臣から見て、これまでどのような雇用対策が効果があって、あるいは失敗したものも含めてお話をいただきたいと思います。緊急地域雇用創出特別交付金だけでも六千三百億使っていますので、その辺も含めてお伺いしたいと思います。
 もう一点、その中で、最近あるヒアリングに行きましたら……(「時間ですよ」と呼ぶ者あり)はい、分かりました。じゃ、この辺でやめさせていただきたいので、一言、御決意も含めて。
#216
○国務大臣(坂口力君) 雇用全体につきまして厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございます。今までいろいろのことをやってまいりましたし、これからもやっていかなければならないというふうに思っておりますが、その中で、最近特に気付いてこれからもっと力を入れてやっていかなければならないというふうに思っておりますのは、国が、あるいは厚生労働省がやっております雇用対策、それを一本やりで各地域に押し付けるという形ではなくて、それぞれの地域のやはり雇用政策というものがあって、その皆さん方の地域による対策というものを作っていかなきゃならない。
 お金をつぎ込むということも大事かもしれませんけれども、それよりも、我々にとりましてはマネジメントが要求されている、地域のそれぞれの考え方をまとめていく能力が厚生労働省に問われていると考えている次第でございます。
#217
○若林秀樹君 質問を終わります。
#218
○委員長(陣内孝雄君) 以上で辻泰弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#219
○委員長(陣内孝雄君) 次に、吉川春子君の質疑を行います。吉川春子君。
#220
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 小泉総理は、今日の午前中の本会議質問で、我が党の大沢議員に対して、アメリカのイラク攻撃は国連憲章に合致していると答えています。
 どこが合致しているんでしょうか。自衛のためではもちろんないし、武力行使を容認する国連決議もないではありませんか。
#221
○国務大臣(川口順子君) 答えは総理が言われたとおりなんですけれども、六七八という決議がありまして、これは、クウェートに対してイラクが侵入をしたことに対して国際社会がイラクに対して必要な手段を講ずることができると、そういった決議です。
 それが、停戦決議六八七というのがありますけれども、それでイラクが幾つかの条件を受け入れたことによって停戦が成立した。その条件は、例えば大量破壊兵器を廃棄する、それで査察を受ける等々でございます。
 それで、それをイラクはずっと違反をしてきた。違反をしてきたという事実が昨年の十一月の一四四一という決議で全会一致で認められたということです。そして、その一四四一は、イラクが六八七に違反をしてきて、そして今後、もし報告について虚偽の記述をしたり、あるいは査察に完全に協力をしなかったということがあった場合はイラクに対して、これはイラクに対して深刻な結果があるということを言っているわけでして、イラクに最後の機会を与えたと、そういうことであります。
 今、国際社会でこれは言われている、ブリクスも言っているのは、それがイラクは引き続きそれを違反をしているということでございまして、したがって全部六七八に戻って必要な手段を講ずることができるということになっているということです。
 六七八、六八七はまだ有効で、今、古いからといって、引き続き有効であるということです。
#222
○吉川春子君 アメリカも一四四一では足りないということで、いろいろその六か国、非常任理事国の六か国に働き掛けたりしてきたのではないですか。国連のアナン事務総長も、アメリカ等のイラク攻撃は国連決議、国連憲章の違反の疑いがあると言っているわけです。
 今の川口外務大臣がおっしゃったのは、大方はアメリカの立場であって、多くの世界の世論、国々は認めていないわけです。日本はなぜすぐアメリカのその判断に従うのか。国連のその権威ある事務総長の判断よりもアメリカの方に従うんですか。
#223
○国務大臣(川口順子君) アメリカの判断に従っているのではなくて、日本として主体的に判断をした結果、そういうことだと考えているわけです。
#224
○吉川春子君 もしイラク攻撃が行われれば、そしてバグダッドの攻撃が行われれば、その下には多くの子供たちがいる、お年寄りや女性や無辜の市民がいるわけです。こういう人たちを犠牲にするような今度のイラク攻撃について、私は絶対に容認できませんし、アメリカに追随して日本がこれを支持するような立場は撤回してほしいと、そのことを強く求めまして、次の質問に入りたいと思います。
 続けますが、厚生労働、文部科学両大臣にお伺いいたします。
 日本を担う若者がどういう状況に置かれているのか、質問をいたします。
 八〇年代には独身貴族と言われ、九〇年代にはパラサイトシングルと、こういう言葉も生まれました。二十一世紀に入った今、何が起きているんでしょうか。
 平成十四年の三月に、文部科学、厚生労働、両省が共同して高卒者の職業生活の移行に関する研究最終報告が発表されました。この研究はどういう問題意識や目的で行われたものでしょうか。──いや、ちょっと大臣にお願いします、これは。
#225
○政府参考人(戸苅利和君) 事務的な話だけ、じゃ御説明します。
 これは、平成十二年の十月に、当時の労働省と文部省の事務次官、関係局長の会合がありまして、その際、当時、高校の卒業者の就職決定率が九割を割り込むということで、企業からの求人が大幅に減少する、それから早期離職者も増えている、それから卒業後、無業者になったりフリーターになったりという方が増えているということを何とかしようということで、高卒者が円滑に職業生活に移行するために必要な研究、検討を行おうということで設けたわけでございます。
#226
○吉川春子君 文部大臣、どういう問題意識でこの最終報告は出されたんでしょうか。
#227
○国務大臣(遠山敦子君) 高卒者の職業生活の移行に関する研究、これはそのタイトルにも明らかだと思いますけれども、近年の社会経済環境の変化に伴いまして、高卒者に対する求人が大幅に減少したこと、それから生徒と仕事のミスマッチが発生していること、更には高校卒業後に無業者あるいはフリーターとなる者が増加いたしますなど、高卒の労働市場の激変、それから高校生活から職業生活への移行の在り方に変化が生じているということに着目して研究を行ったと承知いたしております。
 特に若年層の無業者、フリーターの増加が大きな問題でございまして、行政としましては、そうした問題も含めて、若年期に適切なキャリア形成ができるような環境整備が課題であると認識いたしております。
 そこで、高校生活から職業生活へ移行するについて、実態をまず把握して調査を行い、その現状分析を踏まえてこれからどうするかということで、新規高卒者の就職支援策等について検討することを目的といたしまして、我が省と厚生労働省と共同で研究を行ったものでございます。
#228
○吉川春子君 二〇〇三年三月高校予定者の就職内定率はどうなっていますか。
#229
○政府参考人(戸苅利和君) 一月末の調査でございますが、就職内定率は七四・七%になっています。前年に比べまして、前年同期に比べまして一・三%の減少と、こういうことでございます。
#230
○吉川春子君 いまだ五万人の人が仕事を探している、新規高卒者が。そういう深刻な数字です。
 青年の失業率、十五歳から二十四歳の若者の失業率は何%ですか。
#231
○政府参考人(戸苅利和君) 今年の一月の完全失業率でございますが、九・六%でございます。
#232
○吉川春子君 文部科学省にお伺いいたしますけれども、二〇〇三年三月の高校卒業者の大学等進学者、専修学校進学者、就職者、就職未内定者、そして就職も進学も希望しなかった人、それぞれ数字をお示しいただきたいと思います。
#233
○政府参考人(矢野重典君) 平成十四年三月の高等学校卒業者は、学校基本調査によりますとおよそ百三十一万人でございまして、この数字は実際に卒業した者の数でございますが、その場合の進路状況でございますが、大学、短大等に進学した者約六十万人、比率といたしましては四四・八%、専門学校へ進学した者約二十四万人、一八・〇%、就職した者約二十二万人、一七・一%、専修学校や公共職業能力開発施設へ入学した者約十三万人、九・八%、その他約十四万人、一〇・五%となっておりまして、その他の中には、家事手伝いをしている者とか、先ほどお話がございましたように、就職も進学もしていない者等を含めての数でございます。
#234
○吉川春子君 この数字のほかに、中学を卒業して高校には入ったけれども、卒業しなかった数字があると思うんですけれども、その数字を確認したいと思います。
#235
○政府参考人(矢野重典君) 平成十一年四月に公私立高等学校に入学した者は約百四十三万三千人でございまして、このうち卒業しなかった者、いわゆる中退者でございますが、中退者の数は平成十三年までの時点で約十万四千人と相なっております。
#236
○吉川春子君 皆様にも資料を配らせていただきました。今おっしゃられた数字を私グラフにしてみたんですけれども、ちょっとごらんいただきたいと思います。(図表掲示)
 大学進学者は四一%、それから専修学校の進学者は、このオレンジですね、二六%、そして就職した人が一五%、この寒色、青い方は就職も進路決まっていない人、それから中途退学、その他と、こういうふうになっているわけですね。
 私は、この数字を改めて表にしてみまして大変ショックを受けたんですけれども、中途退学者も含めて約二十四万人もの若者が進学、就職というルートからこの十八歳の時点ではじかれてしまっていると、こういうことを示したのがこの円グラフなんです。
 この問題について、文部大臣と厚生大臣、厚生労働大臣にそれぞれ御認識を伺いたいと思います。
#237
○国務大臣(坂口力君) 途中で高等学校をやめた皆さん方、それから中途退学、それから就職をしておみえにならない方、今こう拝見しますと、それで一七%ぐらいでございますね。
 我々の方で問題意識として見ておりますのは、その皆さん方がその後どういう形で職業にかかわっておみえになるかということでございまして、中学卒、そして高校中退、そうした皆さん方が再就職、再就職と申しますか、一度就職をなすって辞められる方が最も多い、我々の統計からいきますと。一遍就職されても途中で辞められる方が多いという傾向がございますし、それからいわゆるフリーターと言われている皆さんの中にかなり多くおみえになることも事実であると。
 そういうことで、非常に問題意識を持っております。
#238
○国務大臣(遠山敦子君) 今のこのグラフを見ておりますと、未就職進路未定一〇%、中途退学七%でございますが、それぞれ個人によりまして理由は違うと思いますけれども、社会的な角度から見れば就職なり進学なりしてほしいと思うのは当然でございますけれども、私は、それぞれが家事手伝いとかいろんな事情もあってこういう状況になっているのかと思いますが、仮に、やはり就職したいのに就職できないというようなことがありますと、これは大変な、個人にとっては大きな行く手に差し障りがあるわけでございまして、そういったことについて私どもは、やはり高校の段階で進路をしっかり自分で考える力が、持つようにということで、最近、この面の様々な支援策を考えているところでございます。
#239
○吉川春子君 高卒者の就職未決定者の問題も非常に深刻ですが、数字はそれにとどまらない多くの若者がどちらにも進めないでいると、十八歳時点で立ち尽くしているというふうに私は母親でもありますので思うのですが。
 十八歳というと、人生にとって非常にいいときだし、希望の持てるときですよね。そして、これからやっぱり社会的にも貢献してこの二十一世紀の日本を背負っていってもらう、そういう人たちが、一七・何%か、今、大臣も、厚生労働大臣もおっしゃったように、そういう状態に置かれているということは大変な問題だと思うんです。さらに、これも厚生労働大臣がおっしゃいましたように、就職した人もまたすぐに職を離れてしまう、こういう数字も明らかになっているわけです。
 高卒者の就職定着率はどのようになっていますか、文部省に伺います。
#240
○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険の被保険者のデータを基に集計したものでございますが、高卒者につきましては就職してから三年以内におおむね五割が離職していると、こういう状況でございます。
#241
○吉川春子君 若者たちにとって、もちろんちゃんとした仕事を保障する、あるいは進学のルートに乗ればそれはそれでいいんですけれども、そういうことが断たれてしまうとしたら非常に問題なんですね。
 それで、ここに赤いところに、専修学校等進学者、二六%あるんですが、この就職状況はどうでしょうか。
#242
○政府参考人(戸苅利和君) 専修学校の専門課程の今年三月の卒業予定者のこの一月現在の就職内定状況でありますけれども、今、六五・六%ということになってございまして、前年の同じ時期に比べると、わずかですけれども、一・五ポイントは改善されておると、こういう状況でございます。
#243
○吉川春子君 とにかく、一つ一つの心配な数字が出てくるわけなんですけれども。
 やっぱりこういう若者たち、フリーターとかアルバイトとかあるいは派遣とか、そういうところで不安定雇用がどんどん増えていっていると。これは若者に限らず全体なんですが、特に若者にそういう傾向があるということは本当に日本の将来にとって大変心配です。
 不安定雇用労働者が増えていくということは、健康保険とか雇用保険とか年金なども、こういう制度にも揺らぎを生じさせてくるということで、日本の将来にも大きな影響及ぶんですけれども、こういう青年問題に対してどういう対策を取られているのか、文部省と厚生労働省に、文部科学省と厚生労働省にお伺いします。
#244
○政府参考人(戸苅利和君) 高卒者がなかなか就職が困難な状況になってしまったというのは、一番大きい理由は、景気の低迷が長引き求人が減っているということでございますが、あわせて、求人側からのニーズが、即戦力を求める、それから大卒求人に転換していると、そういった面がございます。
 それからもう一つは、やっぱり高卒者本人の問題といたしまして、職業意識が十分形成されていない、あるいは労働市場なり雇用の状況等も十分理解しないままに卒業してしまっていると、こういうことがあるというふうに考えていまして、そういうことで、文部科学省と協力いたしまして、在学中の総合学習の時間等を活用しまして民間の方あるいはハローワークの職員が職業講話を行ったり、あるいは夏休みを利用してインターンシップをやっていただいたりというふうなこと、それから、職業に就くために必要な基礎的な知識、技能についての教育訓練をやると、こういったようなことをやってございます。
#245
○政府参考人(矢野重典君) 高卒者の就職が厳しくなっているその要因等につきましては、先ほど厚労省からの御説明のとおりというふうに私ども認識いたしておりますけれども、私どもの立場として一つ考えなきゃならないのは、若者の意識として、若年層の早期離職者の増加あるいはフリーター志向の高まりといったように見られますように、若者にしっかりとした職業観あるいは勤労観というものが身に付いていないというところに一つの大きな背景として、理由としてあるのではないかというふうに認識をいたしておるところでございまして、そういう意味で、我が省といたしましては、迂遠なようではございますけれども、例えばインターンシップの推進といったような施策を通じまして、生徒が就業体験によって実際的な知識や技量の習得、そして望ましい職業観、勤労観が醸成されるといったような効果を期待してこうした施策の充実に努めているところでございますし、また、先ほど私が申し上げたような強い問題意識を持っておりまして、そういう意味で、現在、児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育の在り方、本来どうあるべきかといったキャリア教育の抜本的な在り方について、現在、総合的な検討を進めているところでございますので、そういうことを踏まえながら、私どもとして、また関係省庁とも連携を取りながら高校生の就職支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#246
○吉川春子君 文部省の今の発言は、意識、フリーター意識、青年の方の意識に問題があるという答弁でしたけれども、これは非常に問題があると思います。
 それで、伺いますが、九二年から二〇〇二年まで求人数はどう推移していますか。
#247
○政府参考人(戸苅利和君) 一九九二年三月卒業者の高卒求人は約百六十八万人でございました。二〇〇二年三月卒業者では、これが約二十四万人ということでございまして、この十年間で約百四十四万人減少していると、こういう状況でございます。
#248
○吉川春子君 意識の問題じゃないんですよ。求人が七分の一に減っちゃっているんですよ、この十年で。その対策をしないといけないわけです。
 それで、先ほど厚生労働省の所管局長が言われましたけれども、即戦力を企業が求める、大卒者の方に求人が行くということもあり、もちろん不景気とか中小企業の倒産、海外移転という重要な要素もありますけれども、大企業が新規採用を抑制するようになったわけですね。
 それで、そういう点から、私は今日は時間の関係で絞って、即戦力といいますか、職業訓練の重要性の問題について伺いたいと思いますが、来年度新規学卒者の新規卒業訓練枠はどうなっていますか。
#249
○政府参考人(坂本由紀子君) 中学、高校等の学卒者を対象といたしまして雇用・能力開発機構の職業能力開発大学校や都道府県立の職業能力開発校等において技能者養成を目的とした訓練を実施しておりますが、来年度の訓練の対象人員は二万六千人を予定しているところでございます。
#250
○吉川春子君 新規学卒者の枠を教えてください。
#251
○政府参考人(坂本由紀子君) 養成訓練は主として新規学卒の方が主にお受けになるということで、この二万六千人を定員とした中で受講していただくということになっております。
#252
○吉川春子君 五千人という数字を事前に出されましたが、それ、違うんですか。
#253
○政府参考人(坂本由紀子君) 五千人ということで事前に先生の方にお渡しをしておりますのは、学卒の未就職の方を対象に民間に委託をいたしまして実施をしている職業訓練でございます。
 先ほど二万六千人として申し上げましたのは、中学、高校等を卒業して、あらかじめ訓練を受けたいということで応募をしていただいた方に対して実施をする訓練の数でございます。
#254
○吉川春子君 ちょっと時間が限られていますので、質問に対して端的に答えていただきたいと思います。
 とにかく、未就職者に対しての訓練の枠は五千と。しかし、まだ職を探している人は五万人いるんですよ。この枠は非常に少ないと思うんです。
 それと、職業訓練を、の受けた人の就職率はどうですか。
#255
○政府参考人(坂本由紀子君) 学卒未就職の方に対しての委託訓練の就職率で、サンプル調査でございますが、平成十三年度におきましては六四・四%という状況になっております。
#256
○吉川春子君 職業訓練を受けた後の就職率はいいんですよね、今の数字もありましたように。
 それで、私は文部大臣に要求いたしますけれども、やはり五万人新規学卒の未就職者がいるのに五千人の枠しかないって、これは余りにも低いじゃないか。もっと枠を拡大して就職の訓練が、職業訓練ができるように、そのように文部省はすべきじゃないですか。
#257
○国務大臣(遠山敦子君) 職業訓練の場の設定につきましては、厚生労働省の方にお願いをするべきことだと考えますけれども、私どもといたしましては、それぞれの学校の、高等学校の先生方の中で本当に求職のためにいろいろ活躍していらっしゃる方がいらっしゃいまして、その勢力を更に増強するというようなことからアドバイザーを置いたりいろいろなことをやっておりますし、それから、これからは進路の相談に乗ってくれる社会人も活用したりいたしまして、高校生活と職業生活とを結び付ける、それは個別にいろいろと走り回っていただくような方のためのいろんな措置ということも考えているところでございます。
 そして、職業訓練ということも大事でございますし、専修学校ですね、そういうふうなところで技を磨くというふうなことも大変大事だというふうに考えております。
#258
○吉川春子君 文部省、今、文部科学大臣がおっしゃられたようなことはやって、そして去年の三万五千から五万人に増えたじゃないですか。やっぱりこれは深刻な問題として受け止めて、その一つの、もう本当わずかな施策なんですけれども、厚生労働大臣、就職未決定者に対する職業訓練の枠をもっと増やすべきじゃないかと思いますが、どうですか。
#259
○国務大臣(坂口力君) そこも確かに熱心にやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますが、二十四万人に減るのは減ったんですけれども、高校卒の就職を求める人の方は十九万人、しかし求人の方は二十四万あるわけですから、有効求人倍率でいきますとここは全年齢の中で一番高いわけですね。ですから、ここにはミスマッチがあるわけですね。だから、求人の方が多いんですよ、ここは。ですから、そこはミスマッチをなくすることをやればこの皆さん方をより多く就職をしていただけると、こういうふうに思っておりますので、そこに力を入れたいというふうに思っている次第です。
#260
○吉川春子君 厚生労働大臣、一度、高校の先生とか就職担当の先生とか、いろんな現場をもう是非、今までごらんになっていると思いますけれども、ごらんになっていただきたいと思います。今もう本当に四苦八苦して、地域的な偏りとかいろいろありまして就職が本当に困難なところなんです。
 職業訓練の枠を増やすということは前向きに検討してもらえますか。
#261
○国務大臣(坂口力君) できる限り若い人を職業訓練に携わっていただくようにしたいというふうに思っています。
 問題は地域差が非常に大きいということでございますので、今日、参議院の本会議でも御答弁申し上げましたけれども、いわゆる面接会ですね、就職面接会、これを頻繁に行っておるわけです。昨年の十月からこちらへ二百三十七回か何かやっております。一月からこっちはもう九十二回やっておる。ここで物すごくたくさんの掘り起こしをやったわけです。で、これはまだ掘り起こせると思っておりまして、今後もこれ継続をしたいと思っています。
 それで、そのときに、地域格差がありますので、そのいわゆる地域を超えて多くの、東京なら東京で就職してもいいという方は御参加をいただけるように、そういうことを今考えているところでございます。
#262
○吉川春子君 いろいろ努力された結果が去年よりは一万五千人も未決定者が増えているというその現実を踏まえて対応してほしいと思うんですけれども、職業訓練中に、訓練はただなんですが、雇用保険に加入している人と違って手当が出ないんですね。それで、職業訓練が長く続かないということが新規高卒者の場合にあるんですけれども、この方々に対して何か手当を支給するという方法を取っていただければ、もっと職業訓練を継続して受ける人も増えてくると思うんですが、その点は厚生労働省、いかがですか。
#263
○副大臣(鴨下一郎君) 学卒未就職者に対する職業訓練につきましては、特にハローワーク等においてキャリアコンサルティングを実施した上で、民間の教育機関や事業所へ委託することによって実施しているところでありますけれども、また、平成十五年度にはフリーター等に対しても、グループカウンセリングなどを通じまして、言ってみればきめ細かな職業訓練の受講の動機付けをしていると、こういうようなところでございまして、安定雇用への意欲喚起等を行った上で、座学と、そして企業実習による職業訓練の実施をするとともに、学卒未就職者等の若年失業者に対しましては、若年者トライアル雇用の推進やヤングワークプラザにおける個別的な就職支援など、若年者の就職支援を強化することとしているわけでありまして、厚生労働省としましては、学卒未就職者等につきましては国が行うべき支援策はこうした取組によって就職支援を効果的かつ積極的に実施していこうと、こういうようなことでありまして、先ほど大臣がお話しになりましたように、ある意味でミスマッチをいかに解消していくか、こういうようなことを重点的にしてまいりたいと、このように考えております。
#264
○吉川春子君 余りやる意欲が感じられませんでした。ミスマッチとか、それから意識の問題とかそういうことに、解消できないほど深刻なんだということを私は数字で示したわけです。
 それで、諸外国は非常に国や自治体が直接間接に訓練あるいは訓練期間中の生活保障をして雇用創出に努めておりますけれども、イギリス、フランス、ドイツではこの若者対策をどのように行っているでしょうか、お示しください。
#265
○政府参考人(戸苅利和君) まずイギリスでございますが、イギリスは一九九八年から若年者向けのニューディールというのを行っています。これは六か月以上失業している十八歳から二十四歳の青年を対象にいたしまして、まず最長四か月のアドバイザーによるカウンセリング、それから就業のための基礎的な訓練、これを行っているということであります。これでなお就職できない場合には、企業に賃金助成を行いまして、そこで就職する、あるいは開業するなり、開業の支援を行う、あるいはボランティア活動での就労を行う、それから公的な環境保護事業での就労、それからそれでも、もう一つの選択肢として、教育訓練、教育とか訓練を行うといったコースが用意されて、これらの中から十八歳から二十四歳の青年が選択して就職の支援を受けていると、こういうことであります。
 それから、フランスにつきましては、一九九七年からニューサービス雇用青年プログラムというのをやっています。これは、例えば教育の補助員ですとかあるいは司法の補助員ですとか、そういった公共的あるいは非営利的な部門の仕事を十八歳から二十五歳の失業者に提供すると、そこで雇用するといった場合に、最低賃金の八割とそれから若年者のための社会保障負担分、これを五年間助成すると、こういったことで直接雇用を増加させようということをやっております。
 それから、ドイツにつきましては、一九九九年から雇用それから訓練機会を確保するということを目的といたしまして、二十五歳以下の通常の方法では就職が困難な若年失業者を対象にいたしまして若年失業者低減緊急プログラムというのをやっています。これは企業による資格の付与につながるような訓練の促進のための訓練費用の助成、あるいは若年者を雇用する企業等への賃金助成、それから、失礼しました、資格の付与につながるような公共部門でございますが、これから申し上げます、公共部門、資格の付与につながるような公共部門での雇用機会の提供、こういったようなことをやっております。
#266
○吉川春子君 今、三か国だけお示しいただいたわけですけれども、同じ資本主義国でありましても、かなり若者の就職対策、特に公的雇用とか資格付与とか直接雇用とかそういう部門に力を入れて対策を講じているわけです。
 そこで、坂口大臣、遠山大臣にお伺いしますが、日本でももっと予算を使って本格的に若者の雇用対策、これに乗り出していただきたいと思いますが、それぞれ御見解を伺います。
#267
○国務大臣(坂口力君) 一番大事なことは、若い人たちにやっぱり働くという気持ちを持ってもらうことが私は一番大事だと思うんですね。どれほどいろいろなものを並べましても、働くという気持ちにならなければ、これはなかなか就職しないわけでありますから、まずやる気をどうしたら持たせるかということが先決問題と思っております。その後は、諸外国の例にもいろいろございますけれども、日本に最も見合った対策を立てていきたいと思っております。
#268
○国務大臣(遠山敦子君) 働く気持ちの問題につきましては、我が方としてもキャリア教育の充実というようなことで真剣に取り組んでいるところでございます。ただ、やはり就職口の確保、それから職業訓練の在り方については、厚労省とも相談をしながら少しずつこれは前向きに取り組んでいかなきゃいけないというふうに考えます。
#269
○吉川春子君 働く気持ちとかそういう問題で解決できない深刻な事態が進んでいて、こういう状況が数年続いたらもう本当にどうなるかと、こういう危機的なところにあるということを私は指摘しておきたいと思います。
 それで、政府は新しい方法、方向として新規高卒者を不安定雇用に投入しようとしています。政府は、これまで新規高卒者については常用雇用の求人を開拓し、新規高卒者の就職支援をしてきたのではないですか。文部科学省、どうですか。
#270
○国務大臣(遠山敦子君) もちろん、高校卒業生の就職に関しましては、常用雇用ということを念頭に置いてこれまで職業紹介などに当たってまいりました。
#271
○吉川春子君 最初に引用いたしました高卒者の職業移行に関する研究最終報告では、紹介予定派遣も検討に値するとしています。これまでずっと長い間違法とされてきた「紹介予定派遣も就職経路として検討に値する」などと言って、高校新規卒業予定者にこれをあっせんするつもりですか。文部省に聞きます。
#272
○政府参考人(戸苅利和君) 紹介予定派遣はアメリカで広く行われているものであります。
#273
○吉川春子君 文部省です。労働省ではなくて文部省です。
#274
○委員長(陣内孝雄君) どうぞお続けください。簡潔に。
#275
○政府参考人(戸苅利和君) はい、分かりました。
 これは、派遣される求職者にとっては、派遣先でのその派遣期間中に、企業の様子ですとか、自分に適しているかどうかというのが非常に分かりやすくなると。それから、企業に、派遣を受け入れる企業にとっても本人の適性を見抜けるということで、先ほど大臣が申し上げたようなミスマッチ解消の手段として有効ではないかということで、派遣法も成立以来十年以上経過しまして社会的に定着してきたということから、紹介予定派遣をきちんと位置付けて行えるようにしようと、こう考えておるところでございます。
#276
○吉川春子君 文部科学省、答えてください。この紹介派遣を新規高卒者、予定者に紹介するなどということは好ましいことなんですか。
#277
○政府参考人(矢野重典君) 今、具体的には厚労省からのお話がございましたけれども、今、学校現場において、具体的なその対応として、状況がございませんので、その辺のところはまた厚労省とも十分相談をしながら具体的に検討していくことになろうかと思います。
#278
○吉川春子君 文部省、腰が引けていますよ。
 こんな紹介予定派遣などに新しい十八歳の高卒者をどんどん紹介していくなんということは、好ましい結果になると思いますか。大臣、どうですか。
#279
○国務大臣(遠山敦子君) 当然、その常用雇用というのを私どもは是非とも実現したいと思っておりますけれども、現在、高卒者の、高卒の卒業生を取り巻く状況は大変厳しいわけでございまして、職業の機会が少ない、あるいはその職業の種類が限られている、そのようなときにどういうふうに対応していくかということで、先ほど厚労省からもお話がございました一定の目的がかなうものであれば、そういう趣旨というものを十分理解した上で、これは私は、それぞれの地域において違うとは思いますけれども、そういったことも考えながら、ともあれ職業のチャンスを与えていくということも非常に大事ではないかなと思います。
#280
○吉川春子君 派遣事業そのものが一九八五年まで禁止されてきた違法な事業だったんですが、それを規制緩和で拡大しました。しかし、そのときでも紹介予定派遣は違法じゃなかったんですか。いつから合法になったんですか。違法だということは、労働者の権利にとって良くないから違法になってきたんでしょう。
#281
○副大臣(鴨下一郎君) 労働者の派遣法制定当時は、労働者の派遣事業が社会的に定着していないということから、特に職業紹介と労働者派遣とが混在して行われていると、こういうようなことで雇用主として責任を十分に果たせないような事態が生ずると、こういうようなことをある意味で懸念していた時期でもありました。
 ただ、しかしながら、その後、労働者の派遣事業が社会的に定着してきた状況の下では、紹介予定派遣は言ってみれば迅速に円滑に、かつ的確な労働力の需給の結合に有効だと、こういうようなことで派遣労働者の希望を踏まえた派遣先への直接雇用を推進するものであると、こういうようなことで平成十二年度の十二月以降に認められる、こういうようなことになったわけでございます。
#282
○吉川春子君 平成十二年の十二月まで、これは違法派遣だったんですよ。国会でも大分このことを議論したじゃないですか。派遣事業が定着してきたという意味は、派遣労働者がどんどん増えてきたということとイコールにおっしゃっているんでしょうか。
 紹介予定派遣を導入することで事前面接が可能になり、派遣労働者を派遣先企業は自由に選別できるようになるんですね。派遣されても、企業が気に入らなければ派遣受入れを拒否できます。これによって、労働者派遣が大企業など使用者にとって大変使い勝手の良いものになる、これは自由法曹団の指摘ですけれども、こういう問題について、新規の高卒者を、幾ら就職先がないからといって本人の意識の問題にしておいて、今度は紹介派遣ですか。こんなもの認められないです。
 続けて聞きますけれども、もう一つ問題点があります。この平成十四年九月の職安局長の通達は、平成十五年三月、つまり今年の高卒新卒求人の確保について、常用雇用求人のみではなく有期雇用求人の奨励を行うとしています。就職率を上げるために有期雇用に新卒者を充てるというのは本末転倒です。私はやめてほしいと思う。
 最終報告も指摘していますように、高校卒業生を処遇の格差が大きい有期雇用へ導くのではなく、格差是正をするべきだ、正規雇用の拡大を保証せよと。仮に有期雇用の求人が浸透してしまうと常用雇用中心から有期雇用の方に大きく移行してしまう可能性がある、こういうことを政府自身の報告が懸念しているじゃないですか。このことについて文部大臣、どう思うんですか。文部大臣。
#283
○国務大臣(遠山敦子君) 高校生の職業選択を、質、量ともに制約される今の結果になっている状況の中で、その職業選択機会を少しでも広げていくという観点から、特に雇用環境が厳しい地域につきまして、有期雇用についても高校生に紹介していく、その代わり将来のキャリア形成につながるということが考えられる場合がふさわしいと思っております。
#284
○吉川春子君 将来のキャリア形成につながるってどういうことですか。具体的に言ってください。
#285
○国務大臣(遠山敦子君) 一つは、一定期間勤務後、正社員への登用制度があるか、あるいは一年契約のフルタイム勤務の求人などのような場合を指しております。
#286
○吉川春子君 そういうことが確認されなければ、そういう有期雇用のところに紹介はしないと、文部科学省、そういうことですか。
#287
○国務大臣(遠山敦子君) そういうふうな条件をしっかり見た上で紹介をいたします。
#288
○吉川春子君 今、非常に有期雇用、そして派遣が増えているわけですよね。有期雇用というのは農業の有機と違うんですよね、大臣。そうじゃなくて、一年という期間で、言葉でだけ言うとちょっと一緒になるんですけれども、一年間というあれを区切って、そこでもう雇用契約は終わっちゃうんですよ。だから、それでまた二年目はどうするか。繰り返し雇用されれば幸いですけれども、そうじゃなくて、ぽつぽつと切れちゃう。今度の国会に有期雇用の法、大改悪が出てきますけれども、そういうところに、十八歳の新規高卒者をそういうところに投げ入れるというのは、私はどう考えても適切ではないと思います。
 厚生労働大臣、その点について私は慎重に対応してほしい、できればやめてほしいと思います。どうですか。
#289
○国務大臣(坂口力君) 就職のある方はそれは先に就職されるわけで、ない人に対してどうするか。そのときに、有期で一年なら一年働いていただく、そこで経営者の皆さんは、この子ならば欲しいという人もあるし、お子さんの方も、いやここなら一生働いてもいいというふうに思う人もあるし、そのときにはそれが常用雇用に変わっていくということであって、すべて有期雇用が悪いとは私は思っておりません。
#290
○吉川春子君 じゃ、大臣伺いますが、仮に有期雇用の求人が浸透してしまうと常用雇用中心から有期雇用の方に大きく移行してしまう可能性がある。これは私が言っているんじゃないですよ、政府の文書です。これについてはどう思うんですか。
#291
○国務大臣(坂口力君) それはそんなことないと思いますね。企業の方だってずっと同じ人が同じように働いてくれることが一番望ましいわけでありますから、そこは大きい企業も小さい企業もやはりそれを一番に望むだろうというふうに思っております。
#292
○吉川春子君 時間が来ましたのでやめますが、財界がやっぱり安い労働力を、すぐ即戦力を使おうということでずっとやってきて、いろいろ労働法制の規制緩和もやってきた。そのツケがこういう形で私は現れて、若者に非常に深刻な影響を与えていると思います。若者への深刻な影響は、若者にとどまらず日本社会への深刻な影響になるということを強く主張いたしまして、質問を終わります。
#293
○委員長(陣内孝雄君) 以上で吉川春子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#294
○委員長(陣内孝雄君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
#295
○平野達男君 国会改革連絡会の平野達男です。
 外務大臣に質問いたします。
 イラクの侵攻はあるかないかではないと、問題は時期だということをブッシュ大統領は早くから言っていました。で、もう事実上、国連の武力決議がないまま、早ければあした攻撃が始まるかもしれない。事実上の一国主義の幕開け、あるいは国連を中心とした集団安全保障体制の崩壊につながるかもしれない、こういう状況です。
 他方、小泉総理は、ぎりぎりまで外交努力を続けるんだと、状況を判断して、最後までそれを見て日本の態度を決めるんだというふうに言いましたけれども、結局、まだ武力行使が始まらない前に、昨日、記者団の前で支持を表明したと。その場の雰囲気で決めるということを言ったとか言わないとか、先ほどの党首討論でありましたけれども、その場の雰囲気で決めるということだけは小泉総理、実行したみたいですね。
 アメリカ大統領の演説の中に武装解除プラスいわゆる体制転覆、要するに解放という言葉も入っていたと思うんですが、和訳の言葉の中に。この二つ、この言葉が入っていたと思うんですが、武装解除以外にこれは体制転覆、体制を変えるということまで含めて小泉総理は支持を出したんでしょうか。
#296
○国務大臣(川口順子君) 武装解除、これが目的であるということでございます。
 それで、ただ、今まで努力に努力を重ねてきて、日本もそうですが、国際社会も重ねてきて、それで武装解除をイラクがする状況にはないという今の時点で、平和的に解決をしたいということが世界のもう一つの、我が国も含めてもう一つの願いでずっとあるわけですけれども、現実的な手法といいますか手段として、フセイン大統領が国外に退去をするということは問題解決の、平和的に解決をする一つの現実的な手段であると、そういうふうに位置付けている。その二つは非常に関連があるということを国際社会として考えているということだと思います。
 もちろん、それぞれの政府はそれぞれの国の国民が選ぶということは、我が国として非常に大事にしていることであります。ただ、これだけの数の決議を十二年間にわたってイラクが守ってこなかったという現状が、現実がある今、平和的に解決をするための一つの現実的な手段として残念ながら位置付けざるを得ないということだと思います。
#297
○平野達男君 状況説明はよく分かりましたけれども、私の質問に答えておりません。日本の支持というのは、アメリカの大統領はたくさんのことを言いました、あの全文を受けて、それを全面的に支持したということかどうかという質問です。
#298
○国務大臣(川口順子君) 武装解除を日本は支持をしているわけですが、それを平和的に行う方法として、現実的な手段としてそれも視野に入れているということでございます。それもそういう意味では、そういうことで平和的に解決ができればいいというふうに思っています。
#299
○平野達男君 もう一度だけしつこく確認しますけれども、体制転覆、フセインの、フセイン政権の崩壊、あるいは、場合によったらフセインのあの宮殿にミサイルを撃ち込んでフセインそのものの体制を壊すということまで支持をした、ということを含めての支持だということですか。
#300
○国務大臣(川口順子君) 体制転覆というのが本来の目的ではありません。本来の目的は武装解除、これであるわけです。
 それで、いろいろな手段を尽くしてそれがかなわなかった今、平和的に解決をするための一つの現実的なやり方であると考えているということです。
#301
○平野達男君 議論がちょっとかみ合わないんですが。
 ちょっと質問を変えますけれども、明治維新のときの江戸の無血開城、これ、どのように思いますか。
#302
○国務大臣(川口順子君) 徳川慶喜十五代当主は、大変に時代を見る目があって、そして個人の趣味も豊かに持っていた人間だと思います。勝海舟のような名臣もいた。そういう状況を可能にすることをやっていた、それまでのその政治でやっていたと私は考えます。
 もう一言申し上げるならば、フセイン大統領が、勝海舟のような時代を見る目を持ち、そして豊かな趣味も持ち、名臣を持っているということであるということでないのが、そういう意味では残念でございます。
#303
○平野達男君 そこで、亡命ということが恐らくこういう事態になると最後の手段になって、これができるかどうかになる、できるかどうかということが焦点になってくるだろうということは、これは当初から分かっていたと思います。
 そこで、例えば日本がフセインを受け入れると、場合によったら。亡命先として受け入れるということを選択肢の一つとして外交を組み立てるということは、これは荒唐無稽な話だったでしょうか。
#304
○国務大臣(川口順子君) そういう、フセイン大統領にイラクを離れていただいて平和的に解決ができるものならと思っているアラブの国というのは非常に多いと思います。現にそういう動きがあるということも、情報としては聞いたことがあります。
 ただ、現実問題として、イラク、フセイン大統領はそういうことをする可能性というのはほとんどないと思います。アラブの国がそういう動きをして、そういうことが起こらないということであれば、残念ながら、我が日本国がそれを言って可能かどうか、これは大いに難しいかなというふうに思っています。
#305
○平野達男君 まあ、難しいことはもうそのとおりだろうと思います、亡命したとしても国際法廷にかけるなどとアメリカは言っていますから。
 ただ、先ほどの質問の中に、残された時間、外務省、外務大臣、何かできることありますかと言ったときに、ほとんどないとおっしゃいましたね。日本の最大のあれは支持じゃないんです。開戦回避なんです。開戦回避を最後の最後までやるというのが外務大臣の仕事ですよ。
 それで、亡命ということが最後の手段であるとすれば、どういった形でそれが亡命という形でやれるかというのを、これをきっちりやっぱり、先ほどの頭の体操と言われたこと、頭の体操という言葉は取り消しましたけれども、論理的な詰めとしてずっとやっておく必要があった。そしてかつ、中東がそれ、受け入れることが駄目だと。それ、確かにそうかもしれません。だけれども、日本はその仲介役、山岡鉄舟じゃないですけれども、その役割だって果たすことできたんですよ。
 そして、もっとあえて言えば、私は、予算委員会にずっと外務大臣来ていますけれども、一回ぐらい、外交交渉で忙しいから今日は失礼いたしますと言ってほしかった。そういう外務大臣を見てみたかった。そういう意味で、それをやれば国会の方は、それはオーケーしましたよ。そういう意味で、ただし、それで実際に動くということですよ。(発言する者あり)それからもう一つは、ということです。
 それから、まあ、そういうことで、今後の体制についてぎりぎりまでの外交努力を続けてもらいたいと思いますし、少なくとも北朝鮮に対しては、何をやったかやらないか分からないような形じゃなくて、これは北朝鮮の話に行きますけれども、しっかりとした外交をお願いします。これは強く要望しておきます。外務大臣、もう結構です。
 それで、竹中大臣、いろいろ御質問したかったんですが、時間がないんで一問一答方式で二問だけ、済みません、やります。一問一答方式でやりますので。
 イラク戦争が始まった場合の経済対策で、小泉総理は、奇策は取らない、王道は取るというふうに言いました。奇策と王道の違いというのは、これはどんなことだというふうに理解すればよろしいんでしょうか。
#306
○国務大臣(竹中平蔵君) 我々は、日本経済の再生のために構造改革という非常に大きな道を歩んでいるつもりでございます。戦争がもし始まった場合には、柔軟かつ大胆にいろんなことをやらなけりゃいけない場合もあるだろう、しかしそれは構造改革を目指す方向と矛盾してはならない、それがやはり一つの基本線であろうかと思います。
 もう一つは、やはり政策にはいろんな効果がございます。その効果の評価に当たっては、正に国民経済的にどのような影響が中長期的にあるかというその評価の基準を最も大切にしてやっていくと、それが総理がおっしゃっている王道、そうではないのが奇策ということだと思います。
#307
○平野達男君 一問一答と言いましたから、次の、追加で質問しません。
 それから、株価を中心とした市場対策で、「株式市場の適正な運営の確保について」と、これを出しました。これは規制の、じゃない、ルールの厳格化あるいは買いをしやすくするような規制の緩和、そういった形の、どちらかというと間接的にというか市場をきちっと、おかしな投機が起きないような、するような方向に向けるための案だったと思いますが、これは、株が本当に落ちた場合に、株価を下支えするようないわゆるPK対策、これは取ることはないというふうに、今後ともないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#308
○国務大臣(竹中平蔵君) 先般、発表しました市場の監視策というのは、これは株価対策ではもちろんなくて、御指摘のように、乱高下を防がなければいけない、そのためにきちっとした取引をしていただきたいということでございます。
 株については、これは正に市場の需給で決まると。それに対して、現実問題として、政府がその市場の需給に直接介入して何らかプライスをキープするというようなことは、現実的には私は手段としてもあり得ないことであろうかというふうに思っております。
 もちろん、これは短期の需給に、銀行が持ち株を売ると、そのようなものに対して、それを緩和するための例えば日銀の政策、買取り機構、これは制度としては持っているわけでございますけれども、これは決してプライスキーピングということではなくて、一種の長期的な目的を達成するためのセーフティーネット、信用の維持、そういった目的を行っているわけでございますので、その意味では、いわゆる直接に需給に影響を与えてプライスをキープするというようなことは、これは現実問題としてはあり得ないというふうに思っております。
#309
○平野達男君 一問一答方式と言いますので、これで終わります。
 残った時間を、この間の──竹中大臣、結構です。この間の予算委員会の産業廃棄物関係の質問が途中で終わりましたので、その続きをやらせていただきたいと思います。資料をお配りください。
   〔資料配付〕
#310
○平野達男君 産業廃棄物は年間に四億トンと言われていますが、今これがマクロ的にどのような形で処理されているか、簡単でいいですから、概略御説明いただけますか。
#311
○政府参考人(飯島孝君) 平成十二年度におきます全国の産業廃棄物の総排出量は約四億六百万トンでございます。主なものとして、汚泥、家畜のふん尿、瓦れき類がございます。また、処理の状況でございますが、この四億六百万トンが排出されたうち、約八千万トン、二〇%に当たる八千万トンが再生利用に回ります。それから、七五%に相当する三億三百万トンが中間処理、これは脱水とか焼却等の中間処理でございます。残りの五%、約二千三百万トンが直接最終処分に回っております。
 先ほど申し上げました中間処理に回る約三億三百万トンでございますが、脱水や焼却によりまして一億二千六百万トン、全体の四四%に相当しますが、一億二千六百万トンに減量化されまして、そのうち一億四百万トンが再生利用に回りまして、先ほどの直接再生利用量と合わせまして一億八千四百万トン、最終的には四六%が再生利用に回ります。また、二千二百万トン、これが残渣という形で最終処分になりますので、先ほどの直接最終処分量と合わせました四千五百万トン、全体の一〇%が最終処分になります。
 このフローをマクロ的に見れば、中間処理施設の処理能力が四億トンございます。先ほど言いました中間処理量が年間三億トンですから、その範囲内。それから、最終処分場の容量につきましては、残余の容量が一億七千六百万トンございますので、この四年弱分ということで、オーバーフローする状況にはなっておりませんが、三年ちょっとということで、最終処分場については大変逼迫している状況でございます。
#312
○平野達男君 今、御説明のとおり、資料の中に書いてあるとおりなんですが、産業廃棄物は、基本的には、一番多く使われるルートとすれば、中間処理をやって、リサイクル若しくは最終処分場に回ると、こういう話ですね。
 それで、最終処分場についてちょっと注目したいと思いますけれども、これは先ほど残年数の御説明がございました。これ、最近の傾向とすれば、この残年数がどうなっているかということが一つと、それから、最終処分場の受入れコストについてどのようになっているか。これ簡単でいいですから、説明は簡単でいいです、御説明ください。
#313
○政府参考人(飯島孝君) 最終処分場の残余容量でございますけれども、毎年調査をしておりまして、残余量は全体的に減少しておりますけれども、先ほど申し上げました最終処分量がそれを上回って減っておりますので、平成十年度が三・三年、十一年度が三・七年、十二年度は三・九年と若干ずつ上昇しているところでございます。これは、産業廃棄物の再生利用の増加が大きく寄与しているというふうに考えております。
 また、最終処分場の処分料金でございますけれども、近年上昇しております。これは、これまでの処分料金が排出事業者にとって安い費用で処理を済ませようと、こういう動機付けが働いていたために全体として低水準にあったわけでございますが、平成十二年の廃棄物処理法の改正におきまして、排出事業者責任の強化を図りました。これによりまして、必要な費用を負担するという動機付けが排出事業者に働くようになりまして、適正原価が反映されるようになった、そのために処理料金が上昇しているというふうに考えております。
#314
○平野達男君 残年数が増えているというのは、容量が相対的に増しているということです。増している中で処分場の料金が上がるというのは、これは経済原則からいったら考えられないんですね、ここはですね。
 ここの説明がちょっとこれは非常に、どのように説明されますか。答弁、簡単でいいですから。
#315
○政府参考人(飯島孝君) はい。
 今申し上げたんですが、競争の要因というのは当然働くんですけれども、従来、排出事業者が処理コストを払うときに、できるだけ安くしようという、こういう動機が一番強かったために、従来は非常に安かったということが言えると思いますし、それから、十二年法改正で排出事業者責任の追及ということになりましたので、排出事業者がきちんと対価を払わないとその責任を問われるという、こういう制度改正をしましたので、それが影響しているというふうに思います。
#316
○平野達男君 私は、この廃棄物の中の一番の問題は、排出量というのはコンスタントに出てくるんです。それが最終的に最終処分場に向かいますが、最終処分場は、そのコンスタントに出てくるものに対して、環境問題だとか住民反対とかいろいろありますから、それに沿った形で最終処分場というのは供給できないんです。それがあるためにコストがどんどんどんどん上がっているはずなんです。
 そのコストが上がったことを処分業者の最終処分業者がだれに転嫁するかといえば、これは中間処分業者へ転嫁するんです。中間処分業者は今度は、最終的にはそれ排出者に転嫁していきます。だけれども、それができるかという問題があるんです、このデフレ下の中に。
 そうしますと、この中に出てくるのは、コストがどんどんどんどん上がりますと、きちっと処理をする形じゃなくてオーバーフローをされる、不法投棄の方向に向かうという動機が物すごく働いてくるはずなんです。このコストの上昇というのはそういった警告と見るべきじゃないかということなんです。
 それから、もっともっと言えば、この間の予算委員会の中で、この四億トンが、頭なんですが、不法投棄がたしか四百万トンでしたか、四十万トンですね、〇・〇一%です。これが本当の数字だとしますと、今のシステムはほとんどパーフェクトに働いている数字だと思うんです。
 しかも、いろんな規制のルールとかなんとか、いろいろ作ってきましたね、法律を。リサイクル法とかなんとか。あるいはマニフェストとか、いろんなルール作ってきました。それは四十万トンを残すための法律になっちゃうんです。
 だけれども、実際そんなものじゃないでしょう。四億トンという今の現状は、環境省は、四十万トンとか何かの問題だとは思っていないから、あれだけのたくさんのいろんな法律を作って一生懸命になって汗かいているんでしょう。
 今のこの問題の中で、ちょっと先ほどマニフェストと言いますけれども、この中で、こういう状況の中で何が起こってくるかといいますと、実際に物は動かない、マニフェストだけが売り買いされるという状況、動機が働くんですよ。これは実態としてつかんでいますかという質問は、したとしても、つかんでいますという答えは出てこないかもしれませんが、動機とすれば、物は動かさないけれども、マニフェストというのは、これはきちっと処理しないと産廃処理業者は生きていけませんから、これ監視の目が光っていますのでね。このマニフェストだけが動くという状況というのは、これはあるというふうに想定していませんか、どうですか。
#317
○政府参考人(飯島孝君) 先生が御指摘になったような事態というのは、確かに十年ほど前、マニフェストの違法な扱い方というのがございました。おっしゃるとおりだと思います。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、平成十二年の法改正で、排出事業者が適正な対価を支払っていなくて、それが不法投棄された場合には、排出事業者に責任が追及できる仕組みに変わったわけでございまして、これが排出事業者に対してきちんとマニフェストを発行するという動機付けに変わっているわけでございます。
 ですから、もちろん、今、途中段階ではございますけれども、確実に産業廃棄物の処理の世界では構造改革、いわゆる安く済まそうということではなくて、きちんとお金を払おうという、そういった動きになっているというふうに私どもは考えております。
#318
○平野達男君 当然そういうふうな動きになっていないとおかしいと思います。
 ただ、私が言ったのは、現状がどうかという、その状況です。四十万トンという数字とか、その数字だけ見ると、このシステムは本当に機能しているというふうに取ってしまいますし。先ほど言ったとおりです。いろんな法則、ルールを決めたのは、やっぱり不法投棄がかなり、言われている数字よりは多い形で蔓延しているんじゃないかという危機感があるからでしょう。そういったことをきちっとやっぱり説明してもらいたいんですよ。
 それで、この問題につきましては、環境大臣、これは本当に難しい問題だと思います。最終処分場の処理費のコストがどんどん上がっていく。中間処理業者がそれ負担する、できるかどうか。そしてさらに、排出責任者がそれできるか。この問題をどうやって解決するかというのは、本当に大変な問題だと思います。
 これは、どこの国でもこの産業廃棄物の中で頭痛めていると思いますが、このグランドスキームをどのように考えたらいいか。これ、環境大臣、ひとつ見解をお伺いします。
#319
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、先生から御指摘をいただきました視点というのは大変重要な視点だと思います。廃棄物が増えている、そしてそれの最終処分場はいろいろな条件の中でそう増やせないという状況。一生懸命この間にリサイクル率でありますとかリユース率が上がっておりますので、かねてよりの残存年数がある程度持ちこたえている部分ございますけれども、しかし、それによって最終処理処分の料金が上がって、それが中間処理業者に転嫁をされて、それがさらに排出者に転嫁をされないために、その辺から不法投棄に走るのではないかというお話の指摘は重要な視点だと思います。
 今まで、九年、十二年に産業廃棄物の処理法の改正をしまして、個々の規制、何といいますか、罰則強化とかやっておりますが、先生の御指摘のそうしたグランドデザイン、こういうものをやはり頭に置きながら、その中で法律改正も考えていくというような対応が必要であるということを強く感じました。
 環境省も、一応そういうような大きな考えはあるわけでありまして、先週の金曜日、十四日の日でありますけれども、閣議で循環型社会形成推進基本計画というのを策定をいたしまして、その中では、数値目標を挙げまして、様々な、例えば今の排出量につきましては、二〇〇〇年に比べまして二〇一〇年におきましては排出量を半減するとか、また資源の循環率を四〇%引き上げるとか、そういうような基本計画も立てておりますので、そういうことをしっかりと踏まえながら、また必要な法改正については常に不断の見直しをしていく必要があると思っています。
#320
○平野達男君 これは本当に難しい問題だと思います。
 ただ、いずれ、そういった全体の入口とアウトプットのグランドスキームを用意しておかないで規制だけを強化していきますと、これはもうコストの上昇だけが起こってきますので、是非そういった形で、難しい問題だと思いますけれども、対応していただきたいと思います。
 最後に、体制、今のこの廃棄物の問題なんですが、私は実はおととしの四月まで、おととしかな、農林省にいたんですが、廃棄物を扱っている技術屋さんとはいろいろな形で付き合いがありました。おべっか使うわけじゃないんですけれども、官僚批判いろいろありますけれども、彼らは本当によく仕事をやっているというか、仕事の虫というか、大変仕事をやっています。今も、七十一人ですか、職員が。私が在職中はもっと少なかったんですが、七十一人で法律十三本持って四億トンの廃棄物を扱う。地方農政局とか建設局などないんですね、これ。日本の廃棄物を七十一人だけで扱わせているというのはこれは本当に寂しい限りなんですよ。是非ここは、私は役人出身だから言うわけじゃないんですが、この現実、財務大臣もよく見ていただいて、恐らく環境大臣は一生懸命努力されていると思いますが、ここもしっかり措置しないと、いろんな要求だけ出てきたとしても、恐らく七十人なんかではパンクしていると思います。
 だけれども、やっぱりこの廃棄物の問題はそれだけ重要な問題ですので、是非、財務大臣にもそのことを御理解いただきまして、若干時間が残っておりますが、もう時間も遅くなりましたので、私の質問を終わらせていただきます。──財務大臣、もうちょっと時間がありますから、じゃ、一つだけ、ありますか。
#321
○国務大臣(塩川正十郎君) よく相談してやります。
#322
○平野達男君 どうもありがとうございました。
#323
○委員長(陣内孝雄君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#324
○委員長(陣内孝雄君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。
#325
○大脇雅子君 新しい国連決議を採択することなく、フセイン大統領が亡命をしない限りに四十八時間以内に武力行使をするというブッシュ大統領の演説を受けて、小泉総理は武力行使にアメリカが踏み切った場合も支持すると言われました。こうしたブッシュ大統領の行為に対して、例えば採択せずに武力行使に踏み切るという事前通告がアメリカから事前にあったのでしょうか。あるいはまた、その説明はどのようにされたのでしょうか。
#326
○国務大臣(川口順子君) 済みません、御質問の趣旨は、説明をどのようにしたかということ……
#327
○大脇雅子君 受けたか。
#328
○国務大臣(川口順子君) 受けたかですね。
 連絡、そのような採択に付さないという連絡についてはいただきました。パウエル国務長官からいただきました。
 それで、そのときの説明は、決議について拒否権を行使をすると言っている国がある以上は、採択に付してもこれは実らないことになるので、採択には付さないということでございました。
#329
○大脇雅子君 それはいつごろあったのでしょうか。
#330
○国務大臣(川口順子君) 昨、昨日じゃない、十七日ですね、一昨日になりますけれども、十七日の夜ありました。
 それで、そのときに併せて、それからの手順についても説明がありました。
#331
○大脇雅子君 私は、三百十万人、第二次世界大戦の日本人同胞の死というものであがなわれた憲法九条というものとその歴史の教訓、広島、長崎への原爆投下ということで、我が国が平和的解決のために努力をするということを最後の最後まで行うべきであったと思うのですが、早々としてこの武力行使に支持を表明されたことに対して、非常に遺憾に思い、怒りと悲しみで一杯であります。
 外務大臣は、武力行使に踏み切った場合の支持ということは言われておりません。圧力を掛けるために武力を用いているということですが、外務大臣としては、いつその武力行使に踏み切った場合の支持をお決めになったのでしょうか。
#332
○国務大臣(川口順子君) 武力行使を支持する、支持しないということをずっと言わないと、ちっともはっきりしていない、毅然としていないといって御批判をいただき、言えば言ったで言うべきではないというお話があるわけで、非常にこれは難しいことであると思いますけれども、これは我々として最後の最後まで平和的に解決をする努力をすべき話であるというふうに思っております。いまだにそれはやっているといいますか、昨日の段階でもそれは私いたしました。支持を表明した後いたしました。
 これは、万が一そういうことになればそれを支持するという苦渋の決断を日本としてしたわけでして、その理由は、平和的に解決をするということの重大な前提であるイラクの態度に積極的に協力をするということが見られなかったということであるからです。
#333
○大脇雅子君 ブッシュ大統領は、自国の安全のために武力行使をすると言われておりますが、これは先制的な、自衛権以上に予防的な自衛権として余りにも緊迫不正、急迫な攻撃がないのにかかわらず武力行使を行うということについて、いわゆるアメリカの外交の大転換だと言われております。
 日本もまたそれを支持するということにおいては戦後外交の大転換だと思いますが、こうした予防的な攻撃についていかが外務大臣はお考えでしょうか。そして、国際協調という点について、これは矛盾しているのではありませんか。我が国の国際協調外交というものは、どのように今後あると考えていらっしゃいますか。
#334
○国務大臣(川口順子君) ブッシュ大統領はスピーチの中で、大量破壊、米国及び同盟国はイラクの大量破壊兵器の廃棄のために武力を行使することを容認されている、これは六七八、六八七によってということを言っているわけでございます。
 ですから、自衛ということではなくて、国連の安保理の決議によって米国と同盟国は大量破壊兵器を廃棄するためにやるんだということを言っているわけです。
#335
○大脇雅子君 それは大方の理解とは違うのではありませんか。自国の安全のために武力を行使するというのがブッシュ大統領の演説であり、そしてそれは予防的な武力攻撃であるということは国際法学者も言っているわけですから、その点についてどうお考えですか。
#336
○国務大臣(川口順子君) 先ほど私が読み上げたことは、ブッシュ大統領の演説の中にあることを引用させていただいたわけです。
#337
○大脇雅子君 私は、予防的な武力行使についてどのようにお考えかという外務大臣のお考えを聞いているのです。
#338
○国務大臣(川口順子君) 委員の御質問がアメリカの、安保理の、安全保障政策についての御質問であるということであれば、アメリカは先制的な、自衛のために先制的な行動を取るということはあるけれども、それは必ずしも武力行使をするということを意味しているわけではないし、また攻撃を口実にするということも、それを口実にして攻撃をするということも言っていないというふうに理解をしています。
#339
○大脇雅子君 アメリカがどう言っているかではなくて、予防的な武力行使が行われた場合に外務大臣はどう考えるのかということをお聞きしているんです。
#340
○国務大臣(川口順子君) そういうことを行うということは、今どこかの国が考えていることを私は承知をしておりませんので、それについては直接にはお答えをしかねるということでございます。
#341
○大脇雅子君 それは逃げの答弁ではありませんか。もうほとんどやることはない、四十八時間以内に武力行使が行われると思っておられるのでしょうか。それに対してアメリカにどのような働き掛けをなさったのでしょうか。
 私は、日米安保条約の第一条にどのように書いてあるかを申し上げたいと思います。「締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。」と、これが安保条約の第一条であります。この点においてどういう努力をされるのか、されるべきか、お答えいただきたいと思います。
#342
○国務大臣(川口順子君) アメリカは先制的、自衛のための先制的攻撃をするということをイラクに関しては一言も言っておりません。安保理の決議に従って、国連の枠内で行動をすると承知をいたしております。
#343
○委員長(陣内孝雄君) 時間が参りました。
#344
○大脇雅子君 答弁に物すごい今不満だということを申し上げて、質問を終わります。
#345
○委員長(陣内孝雄君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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