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2003/04/24 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 農林水産委員会 第9号
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2003/04/24 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第156回国会 農林水産委員会 第9号
平成十五年四月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     山東 昭子君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     松山 政司君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     本田 良一君     藤原 正司君
     市田 忠義君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                服部三男雄君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                藤原 正司君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                大門実紀史君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        田中壮一郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省経営
       局長       川村秀三郎君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       食糧庁長官    石原  葵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
    ─────────────
#2
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案及び農業災害補償法の一部を改正する法律案、両案の審査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官金森越哉君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、農林水産省農村振興局長太田信介君及び食糧庁長官石原葵君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(三浦一水君) 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案及び農業災害補償法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美でございます。
 ただいま委員長の方から御説明いただきました農業経営基盤強化促進法並びに農業災害補償法改正案の二法について御質問させていただきますが、まず、その前に農林水産大臣に。
 過日の一般調査の中で農林大臣が、農村集落における一つの在り方、それと昔と今と農村の集落が変貌していることについての思い入れを語っておられました。
 今回、この基盤強化法改正案並びに災害法を審議するに当たって、農村集落の在り方が、今までの農村集落の在り方から認定農業者を中心とした大規模農家へシフトを置いた農業経営に移行しつつあります。そういう中にあって、農村の集落体制を、今までの集落体制から、今後の農村の集落体制がどうあるべきか、どういうふうにお考えをお持ちなのか、それをまずお聞きをしてから二法案の質疑に入らせていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(亀井善之君) 我が国の農業、特に水田農業、日本の国土が北から南に広いわけでありますが、私は神奈川県、関東地方を考えますと、もうあと一か月しない間に、五月連休明けには田植えのシーズンに入るわけであります。そういう中でいろいろ目に浮かぶことは、この田植えの時期に子供もあるいは働き手もあるいはお年寄りも一斉に水田に出て、そして田植えをすると。そういう中に集落の、地域の人たちがいろいろコミュニケーションを図り、いろいろの文化が形成される、こういうわけでもあります。正に、歴史的に農地利用あるいは水利の調整と協調的に相互扶助的にいろいろのことを進めていくということでもありますし、正に共同体としての集落ぐるみの取組が大きな役割を果たしている、このように認識をいたしております。
 今後、我が国農業の活性化に当たっては、このような水田農業の特質というものを十分踏まえた中で重要なことと、このように考え、この基盤強化法の改正、これには一定の集落営農組織を農用地利用過程に担い手としての位置付けを得るようにし、そしてこの組織が、効率的かつ安定的な農業経営体として発展をさせていくということが必要なことではなかろうかと。今後、従来からの担い手育成施策にこうした新たな取組を加え、望ましい農業構造の実践に一層の努力をしてまいりたい、このように考えております。
#7
○岩永浩美君 そこで、この法案は、提案理由でも説明をしていただいております、農業をめぐる情勢が大きく変化する中で、担い手が創意工夫を生かした農業経営を展開するための条件を整備すること、そのことが提案理由の一つ。と同時に、担い手の存在を前提として、多様化した共済ニーズに対し少しでも制度が近づこうとするものであるだけに、その件については私は一定の評価をいたします。他方、食料・農業・農村基本法が目指す効率的かつ安定的な農業経営を育成するために、もう一つの担い手法案である基盤強化促進法の改正も農林省を中心として各事業を行われている。そのことも、私自身はそのことを了として理解をしています。
 そこで、この農災法の改正に当たって、多様な担い手をどのように今後位置付けをしていくのか、それが一点。
 それから、地域の助け合いを基本としてきた集落営農、その集落営農を基本とする共済制度、共済制ですね、それを、効率性を目指す農業構造、一方において担い手を中心とした集約化した農業をしようとするときに、共済制度と農業構造とどういう整合性を持って今後の農業を展開しようとするのか、それをお伺いをしたいと思います。
#8
○政府参考人(川村秀三郎君) お尋ねの農災法におきます多様な担い手の位置付けでございます。
 正に農災法は、自然災害という農業とは切り離せない状況がございます。そういうものとして考えますと、これは正に農業経営の基盤を成す対策法であると思っておりますので、これは単にその中核を成す担い手のみならず広く農業をやられる方についての対策という側面がまず大きくあると思います。
 ただ、その中でも、今後やはり新しい基本法の下で考えていきます場合に、その中核となる担い手につきましてはやはり力強い経営体ということが必要なわけでございまして、そのためにはやはり、そういった担い手が創意工夫が生かせるようにできるだけ選択の幅を広げていくということが不可欠ではないかということで今回の提案をさせていただいているところでございます。
 それからまた、集落的な営農の扱いにつきましても、この農災法の世界でも生産組織としての加入ということも認めておりますので、今般の基盤法で特定農業団体等新しい位置付けをいたしまして、集落を基盤とした営農形態というものを育てていきたいと思っておりますが、そういう中でも、この集団的な取組を単位として農災制度を活用していただくということも今後十分対応をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#9
○岩永浩美君 じゃ、そこで、今回少し細かいことについて触れさせてもらう。農作物と畑作と畜産ですね、家畜共済。
 まず、農作物共済についてお伺いをします。
 まず初めに、加入に当たっての面積要件ですね。加入に当たっての面積要件について伺いたい。
 今の農業共済は面積共済が一定規模以上の農業者には当然に加入できることになっていますね。また、当然加入の水準に満たないものの水稲とか陸稲とか麦の耕作面積の合計が組合の定める基準以上であれば申し込みによる共済が加入できるようになっている。しかし、中山間地域、非常に狭隘な耕作地帯でこの申し込みによる加入すらできないところがあります。その一定の規模に満たないからですね。そういうところがあるので、今後、我が国の担い手を育成をするという一つの過程の中で、その担い手を育成し、そういう中山間地域の農家の皆さん方をはぐくんでいくという状況の中においては少し問題があるのではないかという点が一点。
 それで、中山間地域並びに狭隘な耕作地帯における共済制度に関して、現在、そういう小さな中山間地域の中における共済加入状況というのはどういうふうになっているのか、これが一つ。
 今回、そして、この法案で共済メニューの多様化ということを入れ込んであります。それは、農業者に与えるメリットはどういうことをあなた方は想定して共済の多様化をメニュー化したのか、それを、まず二点、お聞きします。
#10
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、農作物共済でございます。
 これは、委員が御指摘のとおり、当然加入制ということになっておりまして、一定の面積、幅がございますが、都府県では二十アールから四十アールの範囲で都道府県が定める基準以上の農家の方については当然に加入をするということでございます。
 そして、委員がまた御指摘のございました、それは当然加入ということで言わば義務的に入られる方でございますが、それ以外でも任意加入ということも可能でございまして、十アールの資格要件を超えますと、その当然加入の基準に満たなくても入ることが可能でございます。そういう制度の中で、現在、任意加入の面積も十万四千ヘクタールほどございますし、当然加入の方も合わせますと約九割のカバーということになっております。
 今、先生、二点目で、中山間のデータということで御指摘があったわけでございますが、ちょっと申し訳ございませんが、中山間を特筆したデータがございませんので、ちょっとそこのところは御容赦いただきたいと思います。
#11
○岩永浩美君 二点目の、共済メニューの多様化が農業者に与えるメリットというふうに今度しているけれども、そのメリットとはどういうことをメリットに考えているんですか。
#12
○政府参考人(川村秀三郎君) 現在の加入方式というのは、単位であります共済組合、そこで取ります方式、引受方式が一つに固定をされております。
 ただ、最近は非常に広域合併が進みまして、その地域も拡大をしておりますので、その中にいらっしゃる農家の自然状況、社会状況等もかなり違います。そういう中で、組合一本ということでやりますと非常に弾力性に欠けるといいますか、固定的ということで、農家によっては、自分は掛金は、補償割合は低くても掛金が低い方が経営上いいというような判断、そういう経営判断が可能になるという意味で、幅広い選択の中で経営のいろんな状況を踏まえながら選択ができるということがメリットだと思っております。
#13
○岩永浩美君 先ほど局長は、十アール以下だったら任意加入ができるんだから、当然加入じゃなくてもそういう任意の過程の中でそのことは加入、だから、支障はないと、こういうふうにおっしゃるけれども、現実的にこういう地域では、自然破壊等があったり、あるいはこういう中山間の中においては高齢化が大変やっぱり進んでいるわけですよ。一般の平場の農家の人たちと同じ共済制度と同じ運営の在り方では不公平が出てくるんです。だから、そういう共済の不公平をどういうふうな形で是正をするのかということをお尋ねをしたい。
#14
○政府参考人(川村秀三郎君) これが、農家の経営の安定という、先ほど申し上げましたような趣旨がございます。そういう点から考えますと、やはりある一定規模以上の方を対象にするということが、全体の事務的な合理性、また制度の趣旨からいった範囲ということがございます。
 十アールという、一反でございますが、この面積のほかに、例えば畜産をやっておられるとか、そういう組合員資格があればその耕作面積が小さくても入れるという現在の仕組みはございます。そういうことも活用していただいて、幅広く現在の制度の中で対応していただければと思っているところでございます。
#15
○岩永浩美君 私が今申し上げているのは畜産とかそういうことじゃなくて、水稲とか陸稲に当たっての農業災害について申し上げているわけです。農業災害について、そのときの共済制度がどうあるべきかということをお尋ねしている。畜産とかそういうのを含めた複合経営の中における共済制度を私は申し上げているんじゃなくて、水稲や陸稲の中における、十アール以内のそういう一つのところについては任意加入によってカバーをするというけれども、現実的に中山間地域の中における圃場というのは大変小さいんですよ。
 そういう問題もクリアしておかないと、平場の中における圃場と、中山間、条件不利地域の圃場とでは、共済に掛ける掛金の率は一緒であって補償率が少なかったりすると、ますます農家というのは苦しくなってしまう。それについて配慮が全然なされなくていいのかということをお尋ねしている。
#16
○政府参考人(川村秀三郎君) ちょっと繰り返しになって恐縮でございますが、やはりこの農業災害補償制度も、農家の経営安定というものがやはり主眼でございます。
 十アール未満の方となりますと、一反歩でございますので、そこにおきます収入が、農業経営体としての影響度というものを考えますと、やはりウエートは相当小さいのではないかと思っておりますし、確かにいろんな方が農村地域を支えていらっしゃるという実態はございます。そういうことで、例えば中山間地の直接支払でありますとか、そういう集落的な取組をなされる中での対応という別途の施策はあると思いますが、今申し上げました農業共済制度の災害補償制度の中での対応ということを考えますと、やはり一定規模のところでラインを引くということが、制度の効率的な運営、合理的な運営という意味からは必要ではないかというふうに考えております。
#17
○岩永浩美君 それでは、じゃ、それなら、今回の共済制度の中で、選択権がなかったやつを選択権を今度は認めました。このことについては一定の私は評価をします。
 ただ、個々の農家が自分の経営状態に応じてその一つの共済のメニューを選択することに評価はできるけれども、今まで、それぞれの地域の中における農村の集落の中で選択メニューを一律にしておかなくて、個々に、十軒の農家があって三軒、二軒、五軒というふうな形で、その共済のメニューがそれぞれ違った形でもし加入をしていたと。被害に遭ったときに、それは掛金をやっていなかったからその補償率は少ないんだよということだけでは済まされない。地域全体として、結果的にその補償率が少なかったりしたときに、共同防除とかそういうふうなものが将来にわたってできなくなることになりはしないのか。地域の集落営農というのが壊れてしまうことにならないのか。そういうことについてはどういうお考えを、じゃ、お持ちになりますか。
#18
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、今回の制度の趣旨というものをよく、現場の生産者の方によく理解してもらうということが必要だと思います。
 制度の仕組みとして、今申し上げましたように、選択のメニューが広がるということでございますが、現場にはこの共済の連絡員、その地域の取りまとめ的な立場の方もいらっしゃいまして、こういう方を通じまして、今回の法改正が成立いたしましたならばよく浸透を図るということで、その特質、今申されたような、確かに、それぞれの方が選択をされればそれぞれの補償において差異が出てくるということは当然あるわけでございますので、その辺りを理解した上で、その地域として、また個人として、どういう選択をされるかということは十分理解をした上で対応していただきたいと思います。
 ただ、選択のメニューがばらばらという、それぞれ選択し得るということでございますが、共済としての母集団というものは、その共済に入っておられる組合を全体を対象として、いろんな被害率もそれをベースとして計算をいたしますので、その少ない加入者の方だけを対象にした、選択のメニューの対象にした被害率とかそういうことではございませんので、そういう共同扶助といいますか、そういう精神、それから実際の仕組みも温存した形で、ただ農家と共済組合の個々の選択は幅が広がると、そういうふうに御理解いただければと思います。
#19
○岩永浩美君 それでは、もちろん地域の御理解をいただくことは当然のことだし、それを浸透させるのは具体的には農業共済、農協団体、そこでやっていくことと思いますが、それなら、メニューの多様化が制度として今度実現する。実現すると、どの程度の組合がメニューを取り入れると、じゃお考えになってこの制度を選択制にしましたか。
#20
○政府参考人(川村秀三郎君) 正直申し上げまして、今回のこのメニュー制を取ることによって、具体的にどういう組合がどれを取られるかというような具体的な調査はしておりませんので、ちょっと今、現時点で見込みということでは申し上げられないわけでございますけれども、今回の改正は、正に委員も御案内のとおり、一昨年に研究会を立ち上げまして、関係の方々、関係の団体から御要望も聴きました。また、現地でのヒアリング等もやったということで、そこでの強い要望を踏まえてやっておりますので、今回の改正の内容は非常に現場からも歓迎をされ、かつ多様化し、ニーズに応じることによって加入の促進拡大等が図られるんでないかということを強く期待しているところでございます。
#21
○岩永浩美君 メニューの多様化が制度として実現して、加入率については分からない。その前に、共済本来の相互扶助的な考え方ということがなくなってしまうことの方が大きくないですか。
#22
○政府参考人(川村秀三郎君) 先ほどもちょっと触れたわけでございますが、今回、農業者の段階で引受方式の選択がなされますことが制度的には可能になるわけでございますが、その場合、例えば一筆方式で足切り幾らといったようなことで選択がなされるわけでございますが、その場合の被害率なり全体の保険設計というものは、それぞれのメニューを総体として想定をいたしまして、それをある意味では平均化したベースを作り、そこからまた保険原理に基づいて危険率なり被害率なりを算定をしていくということで、全体としての保険の母集団というものはちゃんとしっかり維持した上での設計ということでございますし、また先ほど言いましたように、いろいろ普及の面でもそういうことの御理解、それから選択の意味ということも十分御理解いただいた上で運用していきたいと思っております。
#23
○岩永浩美君 局長、そういうふうにお考えを申されるけれども、少なくとも農業共済は一番最初に出てこなければいけないのは相互扶助の精神が先に来なければ、どんなに共済のメニュー化を図ったとしても実効を上げないと思うんですよ。
 私は、共済の一つの本来の姿が根底にあって、その中からそれぞれの地域全体が一律でやっていったことによるメリットも一面にあっただろうし、一律でやったデメリットもあっただろう。そのことによって、共済のメニュー化を図ったという、それを私は、一番当初申し上げたように一歩前進と評価をするけれども、基本になる部分についてその一つの精神が失われてしまって、ただ単なるメニュー化を図ることによるメリットのみを強調する役所の在り方は必ずしも好ましいことではないなという一つの思いから私は指摘しています。そういう意味で、十分にその基本精神だけは守っていただきたい。それについてはどうですか。
#24
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、岩永委員から御指摘がございましたとおり、正に農業共済制度、この農災保険制度の根幹は正に組合員相互の共同扶助と、これが基本的な精神だと思っておりますし、これがあるからこそ成り立つ、又は農村社会でも受け入れられるというふうに思っておりますので、そこの部分はしっかりと守ると、その精神はまたあるんだということを十分に御理解いただきたいというふうに思っておりますので、その心構えで制度の運営に当たっていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
#25
○岩永浩美君 それでは次に、麦の赤カビ病の検査費用のことでお伺いをします。
 麦の赤カビ病は人体や家畜に有害なカビ毒、検見や食糧事務所の検査でも発見できない非常に厄介な病気です。農水省の十四年度、病害虫発生予報でも、去年は東海以西の地域でやや多く発生をしておる。現在の共済の補てんは収穫前の圃場における災害に限られているために、麦の生産現場で赤カビが出荷前に発見するため、一回について二万円の費用を費やして自前で検査を行っているのが現状です。
 しかし、それをしないで、例えばカントリーへ持っていってから後、赤カビとして発生をしたその麦は製品になりません。そのときは共済の対象になりません。各地のこの赤カビ病、麦における赤カビ病の現状を、どのように現状を把握しておられるのか。また、赤カビ病が発生をする検査をするために大変な労力と費用が掛かりますが、これらのその費用が掛かっている現状に対して共済制度上工夫を行えないのかどうか、それを伺いたい。
#26
○政府参考人(川村秀三郎君) 赤カビ病の発生でございます。この赤カビの問題につきましては、今申されたように、いろんな問題点といいますか、がございまして、なかなか難しい問題ではあるわけでございます。
 まず、制度的な面から申し上げますと、これは委員よく御案内かと思いますが、麦の農業共済の加入方式は大きく分けますと、災害収入共済方式と収量補償方式の二つの方式がございます。
 このうちの災害収入共済方式につきましては、災害により収穫量の減少があった場合に、品質低下による収入の減少分も含めて、収入の減少を補償するという方式でございますので、赤カビ病の発生によります品質低下に伴う収入の減少ということについては本方式により補償ができるということになっております。
 ただ、他方、もう一つの方式であります収量補償方式は、これは単なる収穫量の減少を補償するというものでございますので、その赤カビ病等による品質の低下というものは補償の対象になっておりません。このため、第一に申し上げました災害収入共済方式の加入促進ということが非常に重要になるわけでございまして、今回の制度改正におきましても、できるだけこの災害収入共済方式に加入が容易となるように制度改善をしようということでございまして、例えば農林水産大臣が地域指定をするということを要件にしておりますが、そういうものを廃止する、また今は麦の類区分一本でやっているわけでございますが、この類区分をきめ細かくやることによりまして、農家が入りやすいという形にして、この災害収入共済方式への加入促進ということで努力をしていきたいというふうに思っております。
 それから、検査の関係で委員が御指摘がございまして、この赤カビ病によります毒素の一種でデオキシニバレノールというのがございます。この対応といたしましては、DONとこう言っておりますけれども、これにつきまして、委員が御指摘にございましたように、検見等によって圃場では発見ができないということで、やはり分析機器による検査が必要なわけでございます。そして、この分析を行いました結果、その基準値を超えるということの小麦が発生されましたら、確認されましたら、市場流通はもう認められないということでございますので、その場合は、収穫皆無としてこの共済の対象にするということで対応を既に通知をしてございます。
 それから、これまで委員の御指摘の中にもございました検査費用、これは膨大で、例えば一検体当たり数万円、二、三万円、また検査時間も一週間程度掛かるんではないかということでの問題点が指摘されておりましたが、今般、つい最近、先週でございますが、正式に食糧庁の方からも通達をされておりますけれども、簡便な分析方法、エライザ法を使ったものが確立されまして、生産現場におきます迅速な簡易分析方法としてこれが適用できるということでございます。
 この場合、その費用も、先ほど言いました従来の方式に比べますと十分の一程度に軽減をされますし、また検査期間も一時間程度というふうに、非常に現場に適用ができるような方式ということで確立されましたので、今後対応が非常に迅速にかつ的確にできるようになるのではないかということを思っておるところでございます。
#27
○岩永浩美君 今年の五月の麦取り期からそれは可能ですか。
#28
○政府参考人(川村秀三郎君) 可能でございます。
#29
○岩永浩美君 今まで赤カビ病の発生については、大変やっぱり西南暖地、特に東海以西においては、雨季に麦の収穫時期が重なってくるために非常に赤カビ病の発生が多くて、麦農家の、麦作農家の皆さん方には大変このことは心配の種であっただけに、是非そういう一つの共済の制度上の中でも十分な配慮をしておいていただきたい。と同時に、今検査料は二万ないし三万掛かっているやつが二千円か三千円ということになれば随分農家負担も軽くなっていくんだろうし、そのことは速やかに周知徹底をして、今年の取り期から、収穫時期からそのことが可能なように指導を徹底してお願いをしておきたいと思います。
 次に、畑作物共済についての補償割合について質問をします。
 畑作共済のうちの大豆の補償割合、現在、半相殺方式であっても全相殺方式であっても同じ八割ですね。畑作の現場では、大豆の全相殺方式の補償割合を農作物共済と同じように九割の補償に引き上げられないかという要望があります。
 また、大豆の畑作物共済は、現在、加入率が四五%前後で低迷をしていますけれども、このニーズを制度的に的確に反映させることで加入率への貢献も期待できるのではないかと私は思いますが、そこで、大豆の全相殺方式の補償割合はなぜ半相殺と同様の八割にとどまっているのかということが一点。今回の法改正に当たってこの部分の検討をどのように行われたのか、それをまずお聞きしたい。
#30
○政府参考人(川村秀三郎君) この足切り割合の関係でございます。
 今、先生おっしゃったとおりでございますが、それはどういう観点からということでございますが、作物別にその共済金の支払機会、言わば被害がどの程度あって、どの程度支払を行わなくちゃいけないかというその作物ごとの特徴がございます。それと、結局、その支払機会が増えれば農家の掛金の負担がこれは増えるということでございます。
 そういうことを考えますと、大豆を具体的に今例示として申されましたが、大豆につきましては、非常に毎年の収穫量の変動が大きいということで、この足切りを下げますと、下げるといいますか、例えば御指摘のように九割補償というふうにしますと、非常に農家の負担が上がってしまうということでございます。被害の分布が正規分布ではなくてその低い方に集中しておりますので、例えば掛金が一割下げることによって二倍、三倍になるというようなことでございます。
 そういうことを考えますと、やはり制度として掛金と支払とのメリット等を考えますとそういう今の現状が妥当であるということでございますし、また検討会におきましても、その点は十分御議論いただいたのでございますが、この八割補償ということで妥当であるといったようなことでございました。
#31
○岩永浩美君 大豆の単収は大体どれぐらいに見てこのことの八割ということで決めたんですか。今、局長は、大豆の単収が年によって非常にやっぱり乱高下するからそのことについては八割補償の方が妥当だという言い方ですけれども、単収はどれぐらいに見ているんですか。
#32
○政府参考人(川村秀三郎君) 単収はちょっと後であれ申し上げますが、被害率ということで申し上げますと、例えばてん菜等につきましては全相殺方式をやっておりますが、〇・三%程度の被害率でございます。一方、大豆といたしますと、全相殺方式を同じく取っておりますが、金額で見ました被害率が一五・一%というようなことで、極めて高いという実態がございます。
 そういう実態を反映いたしまして、ただいま申し上げたような結論になっているところでございます。
#33
○岩永浩美君 大豆も主要作物の一つにだんだんなってきているんですよ。米政策の転換に伴って麦、大豆が非常に主要作物に位置付けられてきている。
 それは、地域的に非常にやっぱり単収が、東北・北海道と九州・四国・中国、その地域とは随分また違ってきているんではないかと思う。これは、全国一律でそういう一つの形を取りますか、ブロックごとに少しはやっぱり違いを持たせることが可能なんですか。
#34
○政府参考人(川村秀三郎君) 大豆の基準収穫量をどういうふうにして設定するかということでございますが、基本的には、その地域の最近五か年の出荷データのうち、上下を切りまして三か年の、中庸の三か年の平均ということで算定をしてございます。そういう意味で、そういう基準収穫量につきましては、その地域の実態を反映してということにしておりますし、できるだけ長い年限を取ってその適正化を図るということでございます。
 三か年以上のデータが取れればそういうことでございますが、取れない場合にも、できるだけほかの統計データでありますとか近接地域のデータを用いまして、より適正なものへの把握ということを努めているところでございます。
#35
○岩永浩美君 今、その一つの資料の統計の取り方、五か年のうちの中庸三か年を基準にしてと、こういうふうにおっしゃった。
 しかし、大豆はその一つの三か年のデータというのは取れないんですよ。減反をしブロックローテーションでやっていくと、やっぱり三年に一遍ずつその資料が、単収の中に上がってくる資料というのは現実的にできないんです。同じところに連作していないんですよ、大豆は。
 それに、それがないと全相殺方式の共済に入れないということに今までしているわけでしょう。だから、そういう場合には統計資料に基づいてやるということにやってもらわなければ困るんですよ。今までそうなっていないじゃないですか。現実的にそのことが無理だということを今までしてきているんですよ。
 あなた方の、農林省の一つの施策の中で、大豆を、やっぱり減反政策の一環として大豆を主要作物に位置付けてやっている。それも、ブロックでずっとやっぱり三年に一遍、四年に一遍というような形でやっているんですよ、その地域全体が。同じところに三年も四年も続けていなければ資料は取れないんですよ。
#36
○政府参考人(川村秀三郎君) 先ほど私が申し上げましたのは、原則は、そういうことで、最近五か年中の中庸三か年ということを平均するということが原則であるということでございます。
 そして、特に大豆の場合は、今、岩永委員から御指摘がございましたとおり、ブロックローテーション等を実施しておりまして、なかなかその同じ田んぼでの五か年のデータが取り難いということがございます。これはもう実態として我々も十分承知をしてございます。
 それで、そういうブロックローテーション、連続したデータというのが取れない場合でもできるだけ三年以上のデータを取る努力をしているということで、三年以上のデータが取れればそのデータに基づいての基準単収ということを設定いたしますし、三か年以上のデータが取れない場合は、できるだけ近傍類似のデータ等も把握をいたしまして、それによって補正をして、できるだけその地域の実態に合った基準収量というものを把握するように努力をしているところでございます。
#37
○岩永浩美君 それなら、今おっしゃる御答弁、そういう御答弁をなさるなら、そういうデータが得られない場合は統計単収による算定を可能にするように改めるべきではないんですか。その統計単収でできるようにすべきじゃないですか。
#38
○政府参考人(川村秀三郎君) そういう統計上のデータも使用をするようにという指導はしてございます。
#39
○岩永浩美君 しかし、現場ではそのことは可能だと認識していないんですよ。あなた方の一つの指導は、五年のうちの中庸三年の中でその地域のデータを基にして算出をしろということをしてあるわけです。指導していると言うけれども、現場の中で周知徹底されていなければ、それ全相殺方式に加入できないということを言われているんですよ。その指導を周知徹底しなかったら、また同じようなことになるじゃないですか。
#40
○政府参考人(川村秀三郎君) 我々の考え方は先ほど御説明したとおりでございますが、委員が御指摘のように、現場においてなかなか周知徹底が図られていないという御指摘でございますので、至急、現場での対応がどうなっているかは、調査をいたしまして、しかるべく改善を措置したいというふうに思っております。
#41
○岩永浩美君 それは強く要請をいたしておきます。
 次に、家畜共済について伺っておきたい。
 一昨年九月にBSEが発生をしました。畜産農家は、牛の出荷制限を行ったり、高齢牛については死廃事故として処理をしたり、共済金を手にする農家が多かったために、今、保険料率の改定で改定掛金率の上昇が大変懸念されています。BSEはまだ感染原因の解明ができていません。この四月から死亡牛の全頭検査が一部の道県を除いて全国で始まりますが、畜産農家にとっては、またいつBSEが発生するか分からない不安な気持ちを抱いています。さらに、牛の価格や乳価は、BSEから二年たった今も、回復しつつはありますが、まだ十分に回復したとは思えません。
 そこで、BSEによる畜産農家の影響が現在までまだ及んでいます。畜産農家が今置かれている状況を経営局の中ではどういうふうに分析をしておられるのか、そして今後どういうふうな対策を講じることによって畜産農家の経営に寄与しようとなさっているのか、それがまず一点。
 それから、今次の保険料の改定に当たって、BSEにかかわる要素を除外すべきではないかと思いますが、そのことによって掛金、共済で共済金を手にした人たちは、共済の掛金率は今度高くなる。それは何らかの措置を講じてあげる必要はないのか、それについてはどうお考えになっているのか、お聞きをしておきたい。
#42
○政府参考人(川村秀三郎君) BSEの問題でございます。この発生につきましては、大変な畜産への影響も与えましたし、また農政全般へも大きな意味合いを持った出来事であったわけでございます。
 共済制度につきましても、これは非常にかかわる話でございまして、この現場の対応として共済組合で家畜診療所等も有しているところもございますので、そういう方々が正に率先して現場での対応に当たられたということもございます。また、従来、共済金の支払につきまして、出荷後に判明したようなものについては共済の仕組みとして対象にしておらなかったわけでございますが、BSEの特殊性にかんがみまして、その屠殺した段階で分かってもお支払ができるような対応をしたという措置もしてございます。そういうことで、これは共済にもかかわる問題として我々として真剣にかつ迅速に取り組んできたところでございます。
 それから、二点目の問題でございます。委員も御案内と思いますが、共済の掛金率につきましては三年ごとに見直しをするということになってございます。現在は、平成十年度から十二年度の基礎被害率を用いて十四年から十六年度の間に適用されるということでございまして、したがいまして、十六年度までの掛金にはBSEの影響は含まれないわけでございます。
 そして、今後の見通しとしましては、非常に発生が全国的に数がある意味では限られておりますので、全国ベースでの大きな上昇はないと思っております。ただ、BSEの影響等が今後どういう形で現れるかというのは十分注意をしてまいりたいと思っておりますし、それが突発的な被害数の増大というようになったような場合には、やはりそれは調整が要るというふうに考えております。
#43
○岩永浩美君 実際問題に、BSEが発生した当時に共済金によってその農家経営を支えてきた。その人たちの今次の掛金率の改定で上がった分については具体的には何らかの形で措置をするということですか。
#44
○政府参考人(川村秀三郎君) いえ、直ちにそういうことを考えているというわけではなくて、今後、改定の見直しがございますので、その際に特段の配慮を必要とするかどうかは十分検討し、必要であれば必要な措置をするということで、現時点で何か措置をするということを決めているわけではございません。
#45
○岩永浩美君 今措置は決めていなくても、そういう一つの要件が出てきた場合には考慮していくということで理解するんでしょうか。
#46
○政府参考人(川村秀三郎君) そういう可能性の問題としてあり得るということでございます。
#47
○岩永浩美君 それなら、風評被害による収入の減少の場合はどうなりますか。
#48
○政府参考人(川村秀三郎君) これは委員もよく御案内かと思いますが、家畜共済とかそういうのは、正に農業の自然的なあるいは病害による損害ということでございますので、風評の被害まで共済で担保するということはちょっと制度的には無理かと思っております。
#49
○岩永浩美君 例えば、北海道とかそういうところにはワンブロックに一戸の畜産農家という形があり得ると思いますが、私どもが住まいする佐賀あるいは九州の場合には、一戸の農家が百頭、二百頭飼っているところもあれば、一戸の農家が百、二百の飼養頭数で五軒ないし十軒が一緒になって畜産団地を経営、形取っている畜産団地があります。その地域のある農家に発生をした場合には、その周りの畜産団地そのものが被害を受けることになりますが、そのことは風評被害と私どもは思うんだけれども。そこに感染牛があるとかそういうことではなくて、全体としてその地域全体が被害を受けた場合にはその対象としては今後は考えられないのか。ほかの措置で講じていくのか。それはどうでしょう。
#50
○政府参考人(川村秀三郎君) 共済制度というのも保険制度の一環として考えますと、なかなかそこの被害の程度と設計といったようなことから考えますと、なかなか今おっしゃったようなケース、確かに実態としてはあろうかと思いますが、共済の中で取り組むのは、今の私の印象といたしましてはなかなか難しいんではないかというふうに思っております。
#51
○岩永浩美君 そういう畜産団地の実態としてあり得ることだけれども、発生した農家だけには共済が成り立って、同じ地域の中の同じ形で飼育をしている農家には対象とならないとすれば非常に問題がそこに生じないかと思うけれども。実態としてあり得ることなんですけれども、それはもう共済の制度になじまないから共済ではそのことは対処できないということで打ち切ってしまいますか。
#52
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、率直に申し上げまして、今申し上げられることはそういうことで、もし今後何らかの措置が必要であるということであれば、また別途の考えということで対応せざるを得ないのではないかというのが現在の私の印象でございます。
#53
○岩永浩美君 現実の問題としてあり得ることについて、共済制度の中でも十分に私は検討に値することではないのかなと。ただ、団地そのものが一つのやっぱり一戸の農家と同じような形に形取っている場合にはそういう形というのはあり得ることではないのかなと私は思いますから、是非そのことについては検討をお願いをしておきたいと思います。
 また、保険価格のことで一つお聞きをいたしておきます。
 共済金の算定に当たっての評価額、牛ですね、例えば一年ごとの見直しで期首と期末では大きく成長していくから異なりますね。同じ掛金を支払っても、評価額が変動するために実際に受け取る共済金が減少するなどして加入者間の間で不公平感や不満が高いという問題があります。
 そこで、この見直しの時期を半年ごとにするとか、農家の不公平感を解消するための工夫が必要ではないかと私は思いますが、何か手だてを講じていく考えはありませんか。
#54
○政府参考人(川村秀三郎君) 今の御指摘でございますが、現行制度の下におきまして、家畜共済に付されました家畜の評価額、これは共済掛金期間の途中においては変更しておりません。これは、確かに、今、委員が御指摘のように、肉用牛、肥育の場合は期間が経過するごとに肉用牛が育ちますので評価が増大するわけでございます。
 ただ、今申されたように、半年ごとに評価額を見直すということであれば、確かにその評価に見合った補償ということのメリットがございますが、一方、そのためには、今、家畜共済については、この肉用牛につきましては一頭ごとの価額を評価した上でやっております。そういうことからしますと、それに伴う引受事務、また評価が上がりますと、それに伴って今度は同じ補償を受けようとすれば掛金が上がるということで農家自体の負担にもなりますし、また共済組合にとりましても事務が増加をするということがございます。
 そういう意味で、補償額が上がるというメリットと今申し上げましたが、デメリットということもございますので、これはやはりよくその地域、確かに一部そういう御要望はあるかと思いますが、全体的な御要望なりを今聞いておる段階では、まだそこまでやるべきという全体的な声にはなっていないのではないかと思っております。
#55
○岩永浩美君 全体的な声にはなっていないというのは、どういうところでそういう意見が出ますか。これは現場からの意見ですか。
#56
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の農災法の改正法案を提出するに当たりましては、一年ぐらいの期間を掛けて検討会を開催し、それから、何といいますか、現場からの意見のくみ上げ、それからメールボックスによります意見、それから現場での、現地検討会ということで各ブロックでもやりまして、そういう中でニーズのくみ上げをやったところでございますが、その中で、今御指摘のお話は正式な話としては上がってこなかったということでございます、現実的な状況を申し上げますと。
#57
○岩永浩美君 牛の場合には、期首と期末では随分、やっぱり成長の過程によって随分違ってくるので、それを一年でやっていくと、どうしてもやっぱり掛金率の問題、不公平感が出てくる。そういう点で、半年に一遍ぐらい見直してもらえれば有り難いなという御意見があること、そのことも十分に耳を傾けておいていただきたいことをお願いをしておきます。
 次に、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案について、与えられた時間にちょっと余裕がないので、はしょってひとつ御質問をさせていただきたいと思う。
 一つ、農業生産法人の多様な経営展開について伺っておきます。
 改正案で、今度の農業生産法人の多様な経営展開を容易にするために認定計画の期間中は構成員要件を緩和することとして、農内出資者は原則無制限、農外出資者については五〇%以内であれば出資できることになりました。しかし、議決権が五〇%以内であっても経営支配は可能です。例えば、財務諸表規則では、支配基準、影響力基準などで実質的な議決権が五〇%以上なくても、二〇%以上あれば影響力ある会社とみなされることはできます。この点から、農外資本による農業への進出が地域の農業や管理に悪影響を及ぼさないかという懸念が生じ、そのためのチェックを適切に行うことが求められています。
 そこで私はお伺いをしたいんですが、土地利用計画ですね、土地利用計画で遊休農地対策における役割を地方自治体が持つことに今度なりましたね。それで、遊休農地がなぜ生じるかについて、いろいろ原因が考えられます。一つは、やっぱり貸し手と借り手との間にミスマッチがあるということ。それから、農振区域における農用地区域と農振白地、その区分が非常に明確になっていない部分がありますね。
 だから私は、そういうことを踏まえてやっていくと、今いう生産法人の経営の展開の在り方の中で、私は、加工業者、恐らく消費地における企業の皆さん方、農外資本として参入してこられて、直接生産から直接加工に至り直接消費者に渡っていく過程の中で、実質的には農外資本の人たちが実質的な支配権を持ってしまうということがあるのではないかという心配をするんですが、その件についてはどうですか。
#58
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の法制度の改正を考えるに当たりまして、ただいま御指摘のあった点は我々としても十分配慮をしなければならないと思ったところでございます。
 そして、今回の特例を講じるに当たりまして、まず一つは、認定農業者の経営改善を目的とした出資に限定をするということでございます。この場合、計画認定ということが当然そのプロセスに入っておりますが、その計画認定の際に、出資の具体的な内容でありますとか、その認定農業者の経営基盤に寄与する内容、そういったものを十分にチェックします。
 それからまた、今、遊休農地との関係で申されました農地の効率的かつ総合的な利用ということ、これも法律にちゃんと明文を置きまして、そういう観点からもチェックをするという形で、まず第一点、チェックを厳しくするということがございます。
 それからまた、計画の有効期間、五年間ということになっておりますが、それに限定をしておりまして、仮に万が一耕作放棄など不適切な状況、あるいはそういう不適切な支配等が行われた場合、その計画に照らして不適切ということであれば、有効期間内であっても市町村が認定を取り消すということもできます。そういう場合は、もう議決権の割合についての制限が復活をいたしまして是正をさせるということになりますし、また役員の要件につきましては、これは一切変更しておりませんで、やはり業務執行の過半は農業に常時従事するということで、意思決定の役員は現場での農業に従事している者ということを確保してございます。
 こういった何点かのチェックによりまして、農外資本の都合によりましていろんな悪影響が出るようなことがないようにということで担保していきたいと思っておるところでございます。
#59
○岩永浩美君 具体的にそういうのを担保していただくことは結構だけれども、一々チェックというのは、株式法人、生産法人に自治体の人が直接その都度やっぱり介入していくということは非常に問題があると私は思いますよ。だから、そこについてはどういう形でチェックを強化していきますか。
#60
○政府参考人(川村秀三郎君) 特に株式会社のような、そういう形態におきましては、定期的な報告義務というものを課しておりますので、まずそういう報告をベースに実態の把握というものは可能かと思います。それを契機にチェックをしていきたいということが一つございます。
#61
○岩永浩美君 それは当該する企業の立地市町村ということですか、それとも農協ですか、農業委員会ですか。
#62
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業委員会でございます。
#63
○岩永浩美君 それなら、今までの農業委員会の、今ある農業委員会の機能では十分にそのチェック体制が、できる体制には私はなっていないと思う。
 現実的に、それまでのチェックをする体制を強化していくなら、農業委員会の体制そのものも強化しなければいけないし、その企業会計等々が十分に理解できる人たちをその中に配置することも必要だろうし、今、農業委員会の中に制度上そういうものを置かなければいけないことにはなっていない。そういうことについてはどういう強化策を取りますか、具体的に。
#64
○政府参考人(川村秀三郎君) 正に今、委員が御指摘がございましたとおり、農地をめぐる状況というのは非常に昨今大きく変わっております。株式会社形態のものも入りましたし、また昨今では特区問題というのもございます。その中で、農業委員の果たす役割というのは非常に今後大きなものがあるわけでございます。
 で、現状、今御指摘がございましたとおり、十分対応できているかというと、なかなかすべてがそういうわけではないという問題もあるということでございますので、今般、農業委員会に関する懇談会を昨年来開いておりまして、その中で、やはりこの昨今の状況に合った活動の重点化なり組織の対応というものを考えるべきだという報告をいただいておりますので、それを踏まえて具体的にどうするか、早急に検討していきたいと思っておるところでございます。
#65
○岩永浩美君 少なくとも、農村社会における荒廃地を作らないこと、優良農地を残していくこと、自然環境を保護していくこと、そのことはWTOに示している多面的利用を十分にやっぱり機能させていくための農村社会の本来のあるべき姿だと思う。そのために農業委員会の役割は大変大きくなっていくので、今、局長から御答弁いただいた、十八日の農業委員会に関する答申を受けた、その一つの趣旨に沿って十分な体制が取られていくことを心から期待を申し上げて、私の質問を終わります。
#66
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。亀井大臣が就任されて初めての質問ですので、日ごろ私が農林水産に関して思っていることも申し上げながら進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 大臣におかれましても、二十一世紀の日本の農林水産業、そして農林省を引っ張っていく、そして方向性を定めていくという気概のある御答弁を是非お願いをしたいと思います。そのために、私は、細かいこと、数値などはもう政府参考人の方にお聞きをし、大きな決意の部分、またやり取りを聞いていただいての感想、大臣の思ったことを聞かせていただければ有り難いと思っております。
 まず、今回審議される法案は担い手二法と言われるものであり、我が国の農業の高齢化、また担い手の慢性的な不足、重労働、輸入農作物の増大等、従来に増し農業の取り巻く環境というものが厳しくなる中で、将来にわたり食料の安定した供給、そしてまた農業の持続的な発展、効率的で安定した農業経営を育成していくものにならなければならないと考えております。
 一昨年、BSE、狂牛病の発生ですね、また偽装表示、残留農薬等、食の安全、安心までが信頼を失ってしまいました。この法律も食料・農業・農村基本法が目指す望ましい農業構造の実現ということをうたっておりますし、法改正をされるというところで、まず亀井大臣の考える、大きく、二十一世紀の日本農業とはどういうものなのか、思いを是非お聞かせいただければと思います。
#67
○国務大臣(亀井善之君) 農業、またこれを支える農村、これは、かねがね申し上げておりますとおり、生命をはぐくみ、そして自然環境を保全をし、さらには文化を形作ると、こういう極めて重要な役割を持っておるわけでありまして、またこれが日本の私は土台と、礎であると、このように認識をいたしております。この農業と農村を健全な姿で維持そして発展をさせることが、真に豊かな安定した国民生活を保障すると、こう申し上げてよろしいかと思います。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 委員先ほど御指摘の、一昨年のBSEの問題あるいは食品の表示の偽装の問題等々、食と農に関する様々な問題が顕在化をしておるわけであります。そういう中で、消費者の視点に立った食料・農業・農村政策の再構築が急務となっておるわけであります。このため、二十一世紀の農政の基本方針、こういう中で、食料・農業・農村基本法、こういうものを基本理念と、これに基づきましていろいろ進めておるわけでありまして、川上から川下まで、やはり消費者並びに生産者の共存共栄が図られるような社会の形成と、そして農林水産分野におきます更なる改革、こういうことが必要なことではなかろうと、こう思います。
 特に、その中で、農業の構造改革に関しましては、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を占める望ましい農業構造の実現に向けての改革を加速化する、また意欲ある経営体が活躍する環境条件を整備をすると、これは緊急の課題で、また問題でもあると思います。具体的には、米政策の改革を着実に実行すること、あるいはまた新規就農者の確保や法人化等の担い手の育成と農地の確保等を推進し、さらに消費者のニーズに対応する農協改革の問題等々、いろいろ課題が山積をいたしております。
 そういう中で是非、元気のある農政を進めていくと、こういう中で先ほど来、今回法律もお願いをいたしております。こういう、あるいはまたそのほかの法案を今国会にも提出をお願いしているわけでありまして、これらの成立を見て対応を発揮してまいりたいと、こう思っております。
#68
○羽田雄一郎君 今、大臣も最後の方で言われたように、元気のある農政というか、そういうものを目指すということであれば、大臣自らやはりもっともっと元気よくしていただくのが一番いいのかなと。リーダーとして元気よく活発に活動していただくことを心から祈念を申し上げさせていただきたいと思います。
 私は保育士の資格を持った唯一の国会議員として国政で働かせていただいて、まだ三年目でございます。農林水産業については素人でありまして、ここにいる先輩委員の皆様の質問を聞いたり、また党の勉強会等で勉強をしながら臨ませていただいております。しかし、いつも心に置いているのは、二十一世紀を担っていく子供たちが何を望むのであろうか、子育てをしている親がどんな不安を持っているのかと、これを少しでも解消してより良いものを見いだしていこうと、いつも考えております。
 今、農業、農林省、それを取り巻く環境に対して多くの不信というものを国民は持っております。これを解消して、国民が理解と納得できる農業、生産者が誇りを持てる農業にしていかなければならないと考えております。そのためにも、しっかり日本の農業の理解者になり、将来の担い手にもなり得る子供というものに目を向ける必要があるんだと、私は今、だからこそ考えております。
 この飽食、偏食の時代に育つ子供たちに本物を見極める目、選べる力を付けていく必要が私はあると考えております。これだけ経済が悪ければ、安いからいいと、安ければいいんだ、また安ければ輸入食品でも何でもいいじゃないかというような大人になっては困るわけですね。そういう意味も含めて、きっちりとした形、そういう時代が来ないようにしていかなければならない。そういう時代が来てしまうことを危惧しております。
 高校進学、社会に出る前に、農業体験を通して、どれだけの時間を掛け、食物に愛情を掛けて育てているのか、また食卓に上がるまでにどれだけの苦労があるのかをしっかり理解してもらうとともに、命の大切さや物の大切さ。また、なぜ中学校までにそういうことをしていかなくちゃいけないのかといえば、高校に入るとコンビニエンスストアとか、またファストフード店でアルバイトをし始めるわけですね。このときには時間で、ルールによって時間で物を捨てなくちゃいけない。食品であっても捨てなくちゃいけない。これはもうルールですからしようがないわけですけれども、そのときに、もったいないなと農家の人たちの顔が浮かぶか、何も考えずにぽいと捨てるかではまるっきり意味が違うと思うんですね。そのためにもやはり中学までにそういう教育が本当に必要なんだと。また、ちょうど学校五日制になって土曜、日曜が休みになっているという状況もあります。そういう中で、泊まり込みでそういうことが地域でできる、そういう環境を農林水産省が中心になって働き掛けをしていく必要があるんじゃないかなと私は思っております。
 そういう中でお尋ねをさせていただきたいと思いますが、この事業は農林水産省だけで進めることができないものであります。省をまたがった形で、きちんと機能を果たしているのか、毎回、大臣が替わるごとに各省庁の皆さんにお聞きしているわけですけれども、もう一度お聞かせいただければと思います。
#69
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業体験学習についてのお尋ねでございまして、正にこの重要性は、委員が今、ただいま御指摘があったとおりだと思っております。また、農林水産行政のみならず、教育行政と緊密に連携が必要だということで考えておりまして、これまで文部科学省とは累次にわたりまして、副大臣なりあるいは政務官にも御出席を賜りまして協議会等、開催をしてございます。その中で、文部科学省と連携をいたしました農業体験学習の中央の推進体制を整備いたしましたり、また農業体験学習に関する情報の提供といったようなことも行っております。
 また、先般御指摘ございました厚生労働省との連携につきましても、連携をいたしまして、児童館活動の連絡調整推進機関でございます財団法人の児童健全育成推進財団に対しましても、この子供たちの農業・農村体験学習推進事業を紹介をいたしまして、活用していただくようお願いをしているところでございます。
 また、都道府県段階におきましても、同様に教育部局と農林水産部局との連携、それからまた、教育委員会が行います教職員の研修等におきましても、農林水産省の部局が、農林水産関係の部局が協力をし、研修モデルを策定するといったようなこともしております。
 また、平成十五年度におきましても、農業団体と教育委員会の連携をいたしまして、学校教育活動として農業体験学習を推進するモデル地区を各都道府県に二か所ずつ設定をして推進をするということで、児童館、公民館も含めた地域におきます農業農村の体験活動の支援を新たに行いたいということで取り組んでおります。
 今後とも、正にこういう取組で、小中学校での取組が着実に増加しておりますが、文部科学省、厚生労働省とも十分連携をいたしまして、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
#70
○羽田雄一郎君 今お答えいただきましたように、三省がやはりしっかりと連携を取っていただくことが私は大切だと思っています。
 保育士というのは厚生省の管轄になっておりまして、私は厚生省の方から免状をいただいております。やはり保育所、又は児童館ですね、これは子供たちの生活という部分を担うところでございますので、やはり厚生省が今まで入ってなかったわけですね、私が指摘するまでは。何年、一年半ぐらい前に指摘をさせていただいて、早速お取り組みをいただいているようでありますので本当に有り難いなと思っておりますし、ますます、先ほど言いましたように、今のこの日本の状況を考えると、このことが必ず日本の農業を助けると私は信じておりますので、大臣にもしっかりと御認識をいただいて、御推進していただけるようにお願いしたいと思います。
 また、全国に周知されるためにどのような努力をされているかということをもう一点お聞きしたいなと。パンフレットとかがあるとか、どういうところに、というのをもう少し詳しく教えていただければと思います。
#71
○政府参考人(川村秀三郎君) 正にこの体験学習の取組のためには、全国の教育の関係者、また農業関係者にも周知をする努力というものが必要だというふうに思っております。
 このため、先ほどもちょっと触れましたが、まず中央段階、それから都道府県、地域の各段階におきまして、啓発普及の取組をしております。
 まず中央段階でございますが、全国農業協同組合中央会をまず事務局といたしまして、教育関係者、農業関係者で構成をいたします子ども農業体験学習中央推進協議会というものを設置をいたしまして、この場におきまして、農林水産業体験にかかわりますフォーラムでありますとか、あるいはコンクールを開催しております。また、全国の農協なりあるいは小中学校へのパンフレットを配付をする、それから、やはり指導の方にも十分そういう円滑な指導が必要ということで指導マニュアルというものも作成をしていまして、これを全国的に普及啓発をしているということでございます。
 それから、都道府県段階でございますが、関係部局によります連絡協議会、先ほど申し上げましたが、ここで副読本の作成でありますとか、教職員に対します研修、それから、やはり地域地域での指導者も必要でございますので、そういう指導者の、リーダーの養成ということへの支援も行っております。
 また、末端の地域段階でも、市町村、農協におきまして、農業体験学習の受入れに必要のあります体験学習指導者の設置、それから事前事後にわたります学習の実施の支援ということ、それから教育関係者の交流会といったものも開いております。
 それからまた、今回新たな取組ということで、この四月からは、小中学校において農業体験を計画をされる場合にいろんなやっぱり情報が必要でございますが、それを得やすくするために、この中央段階に社団法人全国農村青少年教育振興会というのがございますが、そこで、体験学習の受入れの可能な方、それから学習可能な内容、それから現地指導者に対する情報等のデータベースを作りまして、このホームページ等での提供を開始をいたしております。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 こういった施策を通じまして、普及なり情報の提供ということで強く働き掛けております、たいと思っています。
#72
○羽田雄一郎君 それでは、今日、文科省と厚労省からも来ていただいておりますので、是非、補足があればお聞きしたいことと、あと、文部省所管の幼稚園、小学校、中学校でどれくらいの普及をしてきているのか、また、厚労省所管の保育園、児童館等でどのような取組がされているのか、お答えいただければと思います。
 また、それに付随して、今こういう形で進んでいるということがあれば、補足もいただければ有り難いと思います。
#73
○政府参考人(田中壮一郎君) 農業体験の学習につきましては、文部科学省といたしましても、子供たちが農業体験を行ったり、自然や社会環境などが異なる農村に出掛けまして自然や地域の人々と触れ合ったりすることは、自然と人間のかかわりについて学ぶ、あるいは豊かな人間性をはぐくむといった点で極めて意義の深いことだと考えておるところでございまして、その実施状況でございますけれども、平成十四年に実施されました抽出調査によりますと、小学校で七一%、それから中学校の三〇%で農業体験が実施されているところでございます。
 具体的なやり方といたしましては、各学校において学校農園や、あるいはその近隣の畑等におきましてお米や野菜の栽培をすると。あるいは都市の小中学生が自然に恵まれました場所に長期間滞在いたしまして、農業体験などふだん学校では体験しにくい活動を行うといったような取組を行っておるところでございます。
 農業あるいは農村体験の充実につきましては、先ほどお話のございました農林水産省との連携した取組のほかにも、文部省といたしましては、平成十四年度より、ほかの学校のモデルとなりますような七日間以上の体験活動を行います豊かな体験活動推進事業というものを実施しておるところでございまして、その推進校においても学校近隣での農業体験が行われておるところでございます。
 さらに、平成十五年度からはこの事業を拡充いたしまして、都市部から農山漁村に出掛けて農林漁業体験を行うなど、新たな地域間交流推進校も設けることといたしておるところでございまして、今後とも、農林水産省とも連携を図りながら農業体験等の活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
#74
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子供の食生活につきましては、委員御指摘のとおり、欠食ですとか偏食、また肥満の子供が増えているなど危機的な状況にあるというふうに考えております。健全な食習慣を定着させるという目的で、また食を通じて豊かな人間性をはぐくむ、こういったことが重要かと思っておりますが、これを食育というふうに言っております。子供が自ら食材を育てて、自ら食材を育てるという経験をするということは食育の観点からも大変意義が深いというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、保育所については、委員もう御承知のとおりだと思いますが、保育所の在り方について保育指針というものを定めております。また、保育サービスを第三者が評価するための第三者評価制度も昨年度から始まっておりますが、こういった保育所保育指針や第三者評価基準におきましても、野菜などの栽培についての項目を盛り込んでいるところでございます。また、児童館におきましても、地域の実情に即して、屋外・自然体験活動の一環として農業体験の取組を行っているところでございます。
 保育所や児童館において、どの程度農業体験に関する取組が普及しているかということについての数値的な把握ができておりません。申し訳ないことでございますが、それぞれの地域や施設の実情に応じて様々な取組が行われているという事例的な把握はいたしております。
 先ほどの文部科学省の御説明とも非常に近い、似ているなというふうに思ったわけですが、例えば施設の敷地の中で野菜を育てる、あるいは近隣の農地を借り上げてそこで農園を造る。またさらには、本格的に農家の御協力をいただいて、稲作その他の農作業の体験をさせていただく、こういったような取組をいたしております。また、子供たちが栽培した季節の野菜や果物を自らが料理をして食べるといったようなことも保育所や児童館の活動の中で行っているところでございます。
 今後とも、農林水産省、文部科学省とよく連携をいたしまして、食育という観点からも、保育所や児童館の中での農業体験に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#75
○羽田雄一郎君 私も実は児童館に五年間勤めておりまして、私の児童館、庭でカレーライスを作る材料を作りまして、秋には収穫をしてカレーライスをみんなで作って食べるというような体験をずっと私が入ってから五年間はさせていただいて、それから国会の方に入ってきたものですから、是非そのことをなるべく進めていただいて、子供たちの、本当に、偏食とかというのが本当に進んでいるなということをつくづく感じるものですから、そのことを進めていただければ有り難いなと思っております。
 私の住んでおります長野県、周りは八県に囲まれております。都心からも来やすい、また都心の保養所なども大変多くあるところであります。遊休農地、また条件不利であったり、中山間地域でもあります。また地域に管理ができる農家もありますし、JAの指導員もたくさんいるはずなんですね。そういう中で、子供たちが食物を植えに来る。また、休みになれば自分たちが植えたものの成長が気になって親御さんと一緒に長期に滞在してもらう。そして、収穫をして地域の人たちと一緒に収穫祭を楽しむというようなことが将来どんどんと当たり前のように見られるといいなということを感じておりますし、そういうことを通じて新しい担い手が生まれてくる可能性というのが出てくると。
 担い手の育成ということで、今行われている方たちへの補助というのは大変多くいろいろ考えられているわけですけれども、将来担ってくれる子供たちに対してもしっかり目を向けていただければ有り難いなということを感じている次第であります。そういう中で、大きな夢を持ってこの事業を強力に推し進めていっていただきたいと考えております。
 二十一世紀中には必ず食料不足になると言われております。そうなったら、海外からの輸入なんてことは考えられないわけであります。また、自給率をまず四五%、いや五〇%台にと言っているときではないと私は考えております。
 農業体験学習の取組についていろいろと話してきましたが、亀井大臣の是非御感想と、毎回大臣が替わるごとに決意を私はお伺いしているものですから、是非お伺いできればと思っております。
#76
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど来お話しの農業体験学習の重要性、正に委員御指摘のとおりでございます。
 特に、子供のころから、その食べ物がどうしてできるかということを知ることは、私、大変重要なことだと思いますし、さらには子供のころ、自分自身の体験やあるいはまた私の子供や孫たちのことを見ておりましても、幼稚園や学校で今日はお芋掘りに行くんだとかと、こういうことで大変元気良くその日の来るのを待っておったりして、そして帰ってまいりまして、本当にそれを母親に芋をふかしてもらって食べる。そして、家庭の食卓でみんなが、家庭の人たちがみんな一緒にそのものを食べるということは、大変すばらしい私は教育につながることであるんではなかろうかと。
 そういう面で、是非、それぞれの関係省庁がいろいろ今努力をしておりますが、私ども農林水産省といたしましても更に努力をして、そして食と農と、これをやはりいろいろ理解を深めていく、信頼関係を、そして消費地と生産地がいろいろ緊密な連携、相互理解を深めていくことが大切なことでありますし、さらには担い手の問題等々も、やはりそういうすそ野の広い中から出てくる担い手というものが本当の真の私は担い手であるんではなかろうかと。
 そういう面でのいろいろの施策を進め、あるいは先ほども先生御指摘の保養所の問題等々、やはり行政あるいは市町村の保養所等々におきましても、その周辺の市民農園というような農地を借りていただきまして、そういうところでいろいろの生産ができると。そして、行っていただく人たちも一度限りでなしに、リピーターと、そういうものがあれば二度三度足を運ぶというようなことにもつながるんではなかろうかと。農村、都市と農山漁村とのいろいろの共生・対流と、この普及にも私はなるんではなかろうかと。
 今後とも、関係省庁とも十分連携を取り、特に学校教育、社会教育あるいはまた児童福祉の問題等々、これはそれぞれの行政が連携を取らなければならないところもありますが、一層の推進のために努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#77
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 本当に子供の中には海に行ったことなくて、魚が開きで泳いでいると思っている子供が本当にいるんです。そのことを是非覚えておいていただいて、本当にどうやってなっているのか、どうやって生きているのかということを知ってもらうことが大切なんじゃないかなということを感じておりますので、よろしくお願いします。
 自給率のことも前段で少し触れましたので、せっかく文科省の方にも来ていただきましたし、学校給食のことにも触れておきたいと思います。
 私が小学校のとき、給食をいただいておりました。ほとんどがパン食でありました。月に一回か二回、混ぜ御飯かカレーライス、またソフトめんという状況というのが私の子供のころの状況でありまして、これではパン好きの子供をつくっているようなものでございまして、学校でパン好きの子供を育てていって将来、お米を食べる需要がどんどん減っているというのを憂いていても、もう子供のうちからそういう教育を受けていたら、もう当たり前のようにパン食になっていくという気がしてならないんですね。
 私は父親が農水族と言われて、二回も農林水産大臣をさせていただいた関係もありまして、その息子として生まれて育ちました。家ではパンは禁止です。一粒でもお米が残っていれば、この米一粒作るのにどれだけの苦労が掛かっているかという話から始まって、七人の神様がこの一粒の米にはいるんだという話まで始まりまして、母親はどちらかというと今で言うとハイカラな方だったものですから、パンが食べたかったようで、戸棚にひそかにパンを隠して、母親だけは食べていたというのを子供心に覚えております。
 また、父は大臣を務めていたときにもそうでしたけれども、うどんに米の粉は使えないのかとか、最近パンにお米の粉を使うというのがはやっておりますが、その最先端で、一生懸命テレビなんかに出てもそのことを訴えて、米の粉を使え米の粉を使えと一生懸命、テレビをつければ、父親が出ているテレビを見ればそのことを言っていたなという記憶が子供心に残っております。やはり自らが宣伝マンとして活躍をしてきたと、私の子供心にそうまだ覚えておりますので、そういうことだったと思うんですね。やはり自給率、また需要を上げていくためには日本人の主食であるはずのお米、この需要というのを増やしていく、自給率を増やすためにも増やしていくという必要があると考えますし、米好き日本人をしっかり育てていかなければならないと私は考えております。
 そこで、今給食でお米を食べられる回数か割合についてちょっとお伺いしておきたいなと思います。
 このことについては文部科学省の方で数値は分かると思いますし、またこのことについて食糧庁長官も、何か御意見がございましたら答えていただけると昨日の段階では言っておりましたので、答えていただければと思います。
#78
○政府参考人(田中壮一郎君) 米飯給食につきましては、我が国の伝統的食生活の根幹でございます米飯の正しい食生活、食習慣を身に付けさせるということ、あるいは日本文化としての稲作について理解させるといった観点から、教育的意義を大いに持つものだと考えておりまして、文部科学省におきましては、昭和五十一年から米飯給食を導入し、その推進に努めてきたところでございます。教育委員会や学校始め関係者の皆様方の努力によりまして徐々に普及が図られまして、平成十三年五月現在で週当たりの平均実施回数が二・八回となっておるところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも関係省庁等と連絡をいたしまして、米飯学校給食推進フォーラムといったようなものも実施しておるわけでございますけれども、各学校におきまして米飯給食の普及が一層進みますよう、都道府県教育委員会等を通じて指導してまいりたいと考えております。
#79
○政府参考人(石原葵君) 実施回数につきましては、ただいま文部科学省の方から答弁のあったとおりでございます。
 ちなみに議員が、多分、学校給食を受けられたときはどうかなと思って見ましたら、多分五十六年から五十八年、九年ごろではないかと思います。そのときは大体一・六回から一・八回ということでございました。それが、文部科学省さんのいろんな御協力もいただきまして、やっと二・八回になったということでございます。目標が文部科学省におきまして当面週三回にするということで、我々、何としましてもこの三回を一日も早く達成したいと努力しているところでございます。
 農林水産省・食糧庁といたしましては、いろんな助成措置も講じております。炊飯設備、これをする、設置する場合にそれについて助成したり、あるいは米飯学校給食用の食器を購入を支援する、あるいは備蓄米を使っていただくという場合には無償交付というようなこともしております。
 それから、先ほどお話ございました米の粉、これをパンにするということ、こういう手もあるぞということを言っておりまして、実はこの学校給食の回数の少ないのは大都市なんですね。特に、これ大臣の地元なんですけれども、神奈川も低いですし、それから私の出身の京阪神も非常に低いということで、こういうところで特に米飯給食進めていただきたいと思っておりますけれども、既存のパン屋さんもいらっしゃいましてなかなかうまくいかないという問題もございます。そういうときにはやっぱりパンで、米粉のパンでやっていただくというのが非常に簡便なあれだと思っております。
 それから、その米粉のパンもあくまでもとは米でございますので、味はやっぱり米の味でございますので、米粉のパンに慣れますと、決してパンを好くということじゃありません。あくまで米粉で作ったものでございます。それから、何といいましても自給率の向上ということには何ら支障もございません。そういうこともございますので、我々はこういう方向を積極的に推進していきたいと考えておるところでございます。
#80
○羽田雄一郎君 私のときは一・八ですか、子供のころですね。多分、私は東京に住んでおりましたのでもっと少なかったんだろうなというふうに思います。議員宿舎育ちでございますので。東京の学校に通っておりました。
 そういう意味では、こうやって努力をしていただいていること本当に敬意を申し上げさせていただきたいと思いますし、この目標に向けてしっかりと努力をしていただきたいと思っております。是非、大臣の御感想等お聞かせいただければと思いますが。
#81
○国務大臣(亀井善之君) 学校給食の問題、今、委員御指摘の、そして長官からもお話し申し上げました、その当時、昭和五十六年、昭和五十八年当時、お父上の羽田孜先生が農林水産委員長で、私、農水の理事をしておりまして、先ほどお話しの、委員長の下でいろいろな食品、大変グルメであると同時に非常にそういう面に幅広く、また先進的なお考えを、お知恵をお持ちでございまして、いろいろのことをしたことを記憶にございます。
 そういう中で、学校給食の問題と、農業振興のためにいろいろ一緒に汗を流したことでありますし、委員の先ほどの食卓での、またお宅でのいろいろのことが目に浮かぶわけでもございます。是非、食料の自給率という面では穀物自給率四〇%と、もう本当に世界先進国最低の水準にあるわけでありまして、また神奈川県が一番成績が悪いというようなことでございます。八百六十万、私は若干言い訳を申し上げるわけではありませんけれども、私の方は郡部の地域ですから、それなりに努力をしてくれと、平均で一番悪いんじゃなかろうかなと。これはまた学校給食、米飯給食の推進のために努力をしなければならないと、こう思っております。
 是非、先ほど申し上げましたとおり、米に対する国民の理解、あるいはまた子供心に白い、真っ白のお米、御飯、本当にほかの副食物なしでも御飯が、おいしい御飯があれば食欲が進むという子供心の経験を持っておりますし、今もそのような気持ちを持っておりますので、米飯給食、学校給食の問題につきましても更に努力をしてまいりたいと、こう思います。
#82
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 文科省と厚労省の方、ありがとうございました。
 今まで、二十一世紀を担っていく子供の視点から、しっかりと努力をしていくことからしか日本の農業に対する理解と、そしてそれを守るということが考えられないということでお話を進めさせていただきました。その上で、農業経営がしっかり根付くために必要な法律の一つとしてこの農業経営基盤強化法、これが出てきたんだと思っております。
 農災法については午後お聞きすることにしておりますので、この法律について、農業経営基盤強化促進法について若干、時間がなくなってまいりましたが、聞かせていただきたいと思います。
 この法案には、大きく分けて三つの要素が含まれていると言われております。集落営農組織の担い手としての育成、遊休農地の解消と利用集積を促進するための措置、そして農業生産法人による多様な経営展開と、この三つであります。
 集落営農組織と米政策改革大綱で言う集落型経営体との関係説明が十分にされていないのではないか、このままでは現場が混乱してしまうんじゃないかなということを懸念しておりますが、いかがでしょうか。
#83
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の基盤強化法で位置付けをいたします特定農業団体と、それから米政策改革大綱で言っております集落型経営体、この関係いかんということでございます。
 まず、今回の基盤強化法に位置付けをしようとしております特定農業団体でございますけれども、基盤強化法というのは、認定農業者などの担い手に農地の利用を集積いたしまして、できるだけ規模拡大を図り、その経営改善を進めようということでございます。そういう中での位置付けでございますので、この対象の農地が水田だけでなく畑地も入ります。広く農地一般の農地の利用集積を進めていく主体として一定の集落営農組織を位置付けようというものでございます。
 これに対しまして、米政策の中でもうたっております集落型経営体でございますが、これは米価下落によります稲作収入の減少の影響を緩和するという趣旨で担い手経営安定対策の対象にしておりまして、水田経営を行っている者が対象ということで、まずその農地が異なります。また、産地づくり推進交付金の米価下落影響緩和対策の上乗せ対策としてこの経営安定対策が取られるということで、やはり米価下落の影響を受ける、それがかなり大きいということでないといけませんので、その意味では一定規模ということでの面積要件を決めてございます。
 ただ、今申し上げましたように、特定農業団体と集落型経営体というのはその趣旨が違うわけでございますが、ただ、将来において、安定的経営、安定的効率的な経営体ということでは一緒でございますので、共通部分も確かにあるわけでございまして、法人格を有しないという点、それから一定の農地をまとまって面的に利用する、それから経営主体としての実体を有する、将来的には効率的安定的な経営体へ発展するということでございますので、共通部分もございます。
 そういう点があるわけでございますので、今、委員御指摘のとおり、農村現場で混乱が生ずるんではないかという御指摘がございましたので、私ども、御指摘をしっかり受け止めまして、制度の趣旨、仕組みを正しく普及をいたしまして理解を得ることが必要だと思っております。今申し上げましたような共通する点と異なる点、その趣旨、これをよく説明をしまして現場で混乱が生じないように配慮していきたいと、こういうふうに思っているところでございます。
#84
○羽田雄一郎君 説明を聞いてまた混乱してしまっているんですが、集落型経営体では一定の規模以上の要件が規定されているということで、今回の法律ではそのような要件の規定がないということで関係がはっきりしているということでよろしいんですよね。
#85
○政府参考人(川村秀三郎君) 今申し上げたとおりでございますが、この特定農業団体につきましては、正に農地の権利移動の主体として今後育てるべきということでございますので、規模要件を加えるつもりはございません。
 ただ、経営安定対策の方は、正に経営主体として米価下落で稲作収入が減るということの影響が大きい組織ということでございますので、それにはやはり一定規模というものが一つの要件になるというふうに考えております。
#86
○羽田雄一郎君 次に、遊休農地の解消についてお聞きします。
 農水省は、私どもへの説明で必ず、遊休農地は二十一万ヘクタールだと言っております。これは耕作放棄地のことであって、不作付け地ですかが入っていないのではないかと。本来、不作付け地も入れた五十万ヘクタールについてきちんとした対応を取るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#87
○政府参考人(川村秀三郎君) 耕作放棄地と不作付け地の関係でございますけれども、見た目には不作付け地も作付けがしていないということでございますけれども、定義といたしまして、農林水産センサスでございますけれども、災害や労力不足、転作などの理由で過去一年間全く作付けしなかったが、ここ数年の間に再び耕作の意思のある農地を不作付け地と定義をいたしておりまして、一方、耕作放棄地の方は、過去一年以上作付けをせず、この数年の間に再び耕作する意思のない農地ということで、ここの将来において、ここ数年の間に耕作される意思があるかないかということが大きな分かれ目になっております。
 不作付け地が耕作放棄地になる可能性もあるわけでございますが、我々としましては、まずここ数年の間にもう作付けがなされる見込みがないということである耕作放棄地をまず中心に考えていきたいということでございます。
#88
○羽田雄一郎君 その数年というのがよく分からないのと、税金のためだとかという話もあったり、それをちゃんと聞き取りをしたりとか、ちゃんとそういうのはしているんでしょうか。
#89
○政府参考人(川村秀三郎君) 耕作放棄地がありました場合に非常に困りますのは、やっぱり周囲の土地利用なりあるいは栽培活動に支障が生ずるということがあるわけでございます。
 具体的に言いますと、やっぱり、水利用でありますとか、あるいは雑草等が繁茂することによって例えばカメムシの温床になるということで非常に病害虫の問題が生じるとか、非常にそういう周りの農地から見ても著しく不適切な耕作放棄地というのがあるわけでございますので、まずこういう問題のあるところを解消していくということに力点を置くべきではないかというふうに考えております。
#90
○羽田雄一郎君 こういうふうに遊休農地がどんどん増える中で、農地利用計画の届出義務を課して、義務違反には十万円の過料を科すという内容で、作る作ると言って十万円逃れようとする人もいるだろうし、こういうことで遊休農地解消が本当に果たせるんでしょうかね、と思うんですが、いかがですか。
#91
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回、今、委員が申されたような仕組みを導入するわけでございますが、そもそも遊休農地の問題に関しましては、そのやっぱり抑制、その発生を抑制することが非常に重要だと思っております。
 そのためには、やはり担い手、それを、農地を引き受ける担い手の育成、それからまた担い手への農地の利用集積、また遊休農地の発生原因を考え、アンケート等で探りますと、非常に条件が悪いといったようなところが遊休地になっている傾向にございますので、そういった基盤整備事業を実施して利用しやすくするといったようなことも必要でございます。それから、いろんなその地域の話合い活動によりまして遊休農地を解消する努力、こういうことも必要でございます。正に日ごろの粘り強い農業委員会等を始めとする活動も必要でございます。
 その中の一環としまして今回入れましたものは、従来は農業委員会が指導して、言うことを聞かないともうすぐ勧告ということで、なかなか短絡的で、遊休地の所有者等に考える余裕も自主性も認めなかったというところがあったものですから、そういうところをより弾力的といいますか、ワンクッション置くことによりまして、まずは所有者の方にいろいろ利用計画等を自発的に考えていただくというプロセスを経ることによって一歩進められないかということで、改正をお願いしているところでございます。
#92
○羽田雄一郎君 先輩議員の方からも、そんなものはできないよという声も飛んでおります。私も、根本的にきちんと見直していかないと、これ余り進まないんじゃないかなというようなことを考えます。
 三つ目の、農業生産法人による多様な経営展開に関しては、毎年三百戸ぐらい増えておるという説明を受けておりますし、現在六千五百戸と、御要望も高いところではないかと考えられますし、岩永委員からも質問がございましたので、特に質問はしません。もうそろそろ時間でございます。
 農業経営基盤強化促進法は、効率的かつ安定的な農業経営を育成するということですが、昨日、ちょうどこれを作りながら夕刊を見ていましたら、農作物デフレ進行とありました。農家からの出荷価格は一九九一年に比べ二割も下がったそうです。しかし、一方で食品の小売価格はほぼ横ばいであると、流通や食品加工過程でコストが掛かり過ぎていると見られているとのことであります。消費者は農産物の価格下落による恩恵を十分受けていないとも書かれてありました。
 生産者と消費者の溝をなくす努力、そして消費者がしっかり理解を深めた上で、安心、安全な日本の農業、これを育て守っていくことをここにいる皆さんと共有して、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#93
○委員長(三浦一水君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#94
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案、農業災害補償法の一部を改正する法律案、以上二案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○信田邦雄君 バッターが交代いたしまして、私、民主党の信田でございます。羽田先生に代わりまして、私は農災法の方を中心に質問をさせていただきたいと思いますが。
 何といいましても、突然大臣が代わられまして、大変私は、見るからにまじめそうで信頼できる大臣だと。こういう大臣とこの内外厳しい状況の中での農業問題を取り組んでいくことに意欲を持っているわけでありますが、まじめであればいいというものでもなくて、国際情勢は非常に厳しい交渉を強いられているところでありますから、是非ひとつ、そのまじめさを世界でも認めていただくような情勢で、恐らく連休明けは海外へ行ってWTOなどの勉強をされると思いますが、私もガットの時代からずっとこの運動を続けてまいりましたので、是非期待を申し上げているところであります。
 さて、私はまだ大臣に名刺をやっておりませんので、この席をかりて名刺代わりに若干の自己紹介をさせていただきますけれども、私は、北海道で北見というところで、水稲十ヘクタール、畑三十ヘクタールの、四十町を作る正に百姓国会議員でございますので、農業一筋に、今後も国民のため、農民のため、地方のため、ひいては世界人類のために努力をしてまいりたいと、こんなふうに思うところであります。
 そうはいいましても、農業は大変厳しいわけでございまして、これまでの委員の皆さん、とりわけすべての方と言っていいほど、WTO問題について新しい大臣に所信代わりに御質問されているわけですが、私はそういう意味ではなしに、日本農業の基幹として、今後大変危機的な状況を迎えるんではないかという意味合いで、WTOの問題について大臣の所信といいますか、農水省の考え方なども含めて御質問いたしたいと思いますが。
 これまでの質問もありましたように、WTOの交渉は私は極めて厳しい、単なる言葉ではなく現実問題として厳しい情勢にあるんではないかと。これはいわゆる我々のグループとアメリカ、ケアンズ・グループなどが余りにも考え方が、この距離が離れている、乖離し過ぎているというところに問題があるんではないかと。そういう意味では、交渉が厳しくなるために、どうやらモダリティーができないというよりも、を作れないというよりも、カンクンの閣僚会議までにも歩み寄りができないのではないかと。そういう状況の中で、世界はどうやらそれぞれ自由貿易協定の方に走ってみたり、あるいは二国間協定などに向けての動きが出たりすれば、我が農水省といいますか、日本の農業、食料の問題については私は極めて不利な状況に置かれるんではないかと、こういうふうに心配しております。
 もちろん大臣も農業団体との関係で、FTAの関係につきましては、これは非常に慎重に取り運ばなければならないということを言っているようですが、私は、慎重ではなしに、WTO以外についての交渉はもはやしない、終了するまではしないんだというぐらいの決意でいないと非常に厳しい状況に置かれる。なぜかというと、WTO交渉は世界全体でやりますけれども、FTAやあるいは二国間で取引している現在の貿易体制の中での交渉をするとするならば、むしろこの二国間とかFTAでなくて国内の産業との闘いになる可能性があって、私は非常に心配しているわけで、国内を悪いという意味じゃありませんが、日本の国内の情勢がそういうときだからこそ私は心配をする一人でございます。
 そんなことで、この状況が、情勢が厳しい中で、EUや、EUは既にCAP政策を大幅に見直して、各加入国、各国、あるいは国の州とか市町村まで様々な問題をもう取り組んでいるようです。アメリカは一方、この新農業法で膨大な予算も組んでいるようでありますから、そういう中で、フレンズ国といってどんどん増やしてはきたものの、ある日突然、EUなどは国内対策ができているからといって譲歩したりするならば、私は危機的状況になって、日本農業は歴史にない重大問題を抱えはしないかと、こんなふうに若干オーバーに申し上げますと心配をしている一人であります。
 したがって、私は、何を言わんかといいますと、日本の農業、林業、漁業、いわゆる一次産業をやはり抜本的な政策改革をしない限り、交渉がどういう結果になろうと、自由貿易を目指しているこのWTOの、関税ゼロを目指しているこのWTOの中では早晩迎える結果でありますから、是非抜本的な政策の改革を求めたいと思っているわけであります。
 そこで、現在、日本は価格政策で私も含めて農業はそこそこの経営が成り立っています。これについては、日本的な中で今のところはそれでいいわけでありますが、国際的にはもはや今の一次案含めて到底競争できない。しかも、WTOで合意になれば、国民も、そういった状況では消費者も認めないんではないか、支持を得られないんではないかと思います。
 ですから、私は、速やかに所得政策への転換をすべきだと。本日提案されておりますところの農災法においては、そういう意味では収入保険制度の早期導入をするとか、多面的機能をWTOに我々訴えているわけですから、そういう意味では環境支払、あるいは条件不利に対する支払、中間地等の支払も始まっているわけでありますが、いわゆるハンディキャップ政策として入れるとか、食料安保も我々は要求しているわけですから、そういう意味では、食料安全保障のために、国民のために、農家に直接支払と。どうも勘違いして、農家に金をやるようなマスコミなども言い方しているのは極めてこれは間違っている話で、これは国民のために支払うんだということをよく考え、これが正に食料安全保障だ、何も農民に食料安全保障なんか要らないわけですから、いつでも食えるわけですから、そういう意味できちっとすべきだと。
 さらに、自給率向上は食料の安全保障で最大の問題です。特に今消費者は食の安全を求めているわけですから、これは食料安保と言ってもいいわけですから、この経営所得安定対策を今検討されているんですが、これは早期に、検討でなしに早期に実現していくと、こういうことが極めて重要だと。
 そういう意味で、この所得政策を今すぐ導入しなければ、EUにもアメリカにも取り残されて、またぞろ孤立してしまった結果になるんではないか。すなわち日本が敗北をする。敗北という言葉で済まされるならいいけれども、地方も農業も崩壊してしまって取り返しの付かない、将来に膨大な投資を国民がしなければならないことにならないようにしていただきたい、そういう意味での新大臣の高いレベルでの所見をお聞かせをいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(亀井善之君) 委員のお話の、まずWTOの問題につきましては、引き続き、基本的にEU、フレンズ諸国と共同歩調を取ってしっかり頑張ってまいらなければならないと。お話の、でき得れば、国会の御了承を得ることができれば、この連休にヨーロッパに参りまして引き続き関係者といろいろお話をいたしまして、日本の立場、そしてまたEUのフレンズ国との緊密な連携と、こういうものを取ることによって各国との対応と、特に途上国等と粘り強い交渉をいたさなければならないわけでありますので、その面での努力をしてまいりたい。そして、多様な農業の共存と、これを基本理念とする日本の提案の主張が反映できるように、そして現実的、更にはバランスの取れた貿易ルールの確立、このために努力をしてまいりたいと、こう思っております。
 それから、いろいろWTOの問題が一杯あるわけでありますが、今回の二法の法案、あるいは米政策の問題等々、農業、食料・農業・農村基本法、いわゆる、あるいは水産、あるいは森林・林業基本法と、こういう法を制定しておるわけでありますので、これらを着実に実行すると。
 そして今、いろいろ米政策の問題であるとか農協改革であるとか、いわゆる農業の構造改革を加速化するために懸命の努力をいたさなければならないわけでありますし、また多面的機能の発揮に向けて、平成十二年度に中山間地域の直接支払制度と、あるいはまた平成十四年に森林整備活動支援交付金制度、それぞれ導入をしたわけでありまして、この改革を着実に実行し、WTOの問題と同時に、日本の農業改革、日本のいろいろの施策を着実に進めることによって、足腰の強い農業、農林業、農林水産業を確立するための努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#97
○信田邦雄君 交渉中ですから、大きく踏み込んだ答弁は私求めていないけれども、大臣、足腰が強いなんという百回も二百回も言っているような答弁でなしに、やはり国民に合意をされた、日本がきちっと自立していくための、食料政策をやるための政策を是非打っていただきたいと思います。
 それでは次に、川村経営局長に伺いたいんですけれども、これは実はこの農災法の、担い手二法と言われている担い手も若干かかわるわけでありますが、生産現場で大変担い手が今厳しい努力をしておる中で、ちょっと農業団体の関係に触れておきたいと思いますけれども、平成十四年の四月十二日付けで、農水省は全農に対して業務改善命令、その後起きた問題に対しましては業務停止命令なる膨大な行政命令を発出しましたよね。
 これを私は見まして、一農民として、その内容が極めて、農民組織といいますか、農業組織といいますか、株式会社ではないというか、そういう企業としてどうも納得いかない。社会的にも許し難いような経営をされていたんではないか。農民として、私は、私たちの団体ですから、恥ずかしいような運営をしているような、改善命令の内容を読ませていただくと、膨大なものですからね、こんなことが本当に許されていいのかと、こんなふうに私は見ていましたけれども。
 前にも若干その経過を御質問しておいたわけでありますが、我々農民というか、組合員にしてみたら、こんな経営を全農がやっているといったら農民をばかにしているんじゃないかと、私は特にそういうときになったらかっか来る方ですからね、そんなふうに見ていたわけですが。これは組織運営している者は怠慢であり、利用者がもっと気付かんかったのかというふうに若干思っていますが、この現場の農民の怒りというのは非常に強いですよ、非常に強いですよ。ここはよく受け止めておいていただきたいと思うんですけれどもね。
 そういったことで、全農が扱っている様々な問題は、我々の販売コストそれから生産コストに両方つながっているんですね。販売も購買も全部コストに、利益、販売、高く売るというコストもそうなんですが。そういう意味で、担い手は非常にこれに影響を受けます。
 例えば、私は息子と農業経営やっているわけですが、四十ヘクタールで例えば売ったり買ったりの、生産したりして販売するという両方で、例えば反一万円としますと四十ヘクタールで四百万になるんですよね。四百万多く所得となってくるんですね、私の場合ですよ。仮にその半分の方でも膨大なものだ。これだけのものを価格政策やなんかで補償するといったら、農林省、とんでもないですよ。それをしなくても改善すべきことがあるのではないかと私どもは見ているわけですよね。全農の皆さんもお気付きだとは思いますけれども。
 そういう中で、局長にお伺いしますけれども、これはちょうど一年たったと思うんですよね、四月からですから。四半期ごとの報告を受けながら改善命令に対して見守ってきたと思うんですが、これまでの状況で全農はどういうふうな改善の実現を図っているのか、あるいはまたこれから図ろうとするようなことについて、御報告をいただきたいと思います。
#98
○政府参考人(川村秀三郎君) 全農についてのお尋ねでございます。
 今、委員がお尋ねになりましたとおり、昨年の四月十二日付けで、全農に対しまして業務改善命令を発出しております。これは、全農チキンフーズによる虚偽表示事件に関連をいたしまして、農協法に基づいて発出したものでございまして、その再発防止に向けた内容になっているわけでございますが、その業務改善命令の具体的な内容といたしましては、一つは責任の所在の明確化と体制の一新。それから二点目といたしまして、再発防止のため、総点検の実施、法令遵守体制の強化、厳格な子会社管理の実現。三点目といたしまして、消費者、生産者等の信頼を回復するため、消費者、生産者の経営の参画や情報のディスクロージャーの徹底などの柱で出しております。
 これに対しまして、全農からは、昨年の六月以降、四半期ごとに報告を求めることになっておりますので、それを聴取しておるところでございますが、これまでに四回ほど報告が出ておりますけれども、まず一つは経営管理委員会を昨年の七月に発足をさせまして、役員体制を一新しております。それから、事業総点検の実施、法務コンプライアンス室への不祥事等の報告の義務付けなど、法令遵守体制の強化。それから、子会社が現在二百五十社ほどございますが、これを半数程度に削減を向けて取り組むと、着手すると。それから、消費者と生産者の交流の場の設定、ホームページによるディスクロージャーの強化などの措置を取ったという報告を受けております。
 ただ、こういうさなかでございますが、誠にまた遺憾であったわけでございますけれども、福岡県本部におきまして八女茶の表示違反があったわけでございます。これにつきまして、再三のことでございますので、本年一月十六日付けで、農協法に基づきまして、全農福岡県本部に対しまして、お茶の業務の五日間の業務停止ということを命ずるとともに、再度徹底した業務の総点検を実施すること、それから全国本部による県本部の監督体制の見直し、コンプライアンスや消費者対応に関する役職員の意識改革の徹底を命じております。
 そして、この総点検の結果でございまして、十九万点ほどの総点検の総数の中で二千百六十三件の要改善事項があったということでございます。そして、組織見直しによる内部監査体制の強化、それからコンプライアンスについての意識改革の徹底に向けて全職員を対象にした役員による研修会を実施するといったような報告が出されております。
 こういう一連の流れを見ますと、なかなかこの状況厳しいと思っておりまして、農林水産省としても、引き続き、この四半期ごとの報告をベースに、この改善命令の趣旨が着実に実行されるように引き続き厳正に対処をしていきたいと思っております。
 また、先般出ました農協改革の報告書の中でも、この全農の問題が大きな焦点になっておりまして、やはり全農改革をすることが農協改革の成否を決定するということで、この全農改革に全力をもって取り組むべきであるということでの趣旨の報告もなされておりますので、それも踏まえまして、今申し上げましたように、引き続き厳正に対処していきたいと思っておるところでございます。
#99
○信田邦雄君 是非、勧告、命令だけでなしに、項目ごとの実施をきちっと見守っていただきたい。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
これは取りも直さず農家のため、全農のため、そして利用されている消費者や我々のすべてのためになるということを是非農水省もきちっと位置付けて、お願いをしたいと思います。
 次に、大臣にもう一つお伺いをいたしたいと思いますが、今回のこの担い手二法として基盤強化法と農災法が出たわけでありますが、この農災法につきましては、どうも農林省は担い手の法律としての提案の仕方というには若干無理があるんでないかなと私は思っているんですね。この農業災害法というのは、元々担い手とかそんなんでなくて目的が違うわけでありますから、ちょっと、担い手法とやるんでしたら、私は違う意味合いで、幾らでも、予算も十五年度にたくさん施策でやっていますから、担い手なんて言わないで、農災法はきちっとやっぱりこの目的を達するために、きちっとまだまだ充実することはあるわけですから、そうではなしに、担い手ばかりでない、すべての人が、前にも前者も言っていましたけれども、やれるというふうにやるべきであって、実現すべきだと思います。
 それで、担い手法と言ったぐらいですから、大臣も相当の決意があると思いますが、なぜ担い手に対していろんな施策を打とうとしなければならないか。いわゆる担い手が何で育たないのか、なぜ担い手が減少していくか、問題はそこにメスを入れなければやはり駄目なんでありまして、ちまちまと十五年度予算でもメニューは出していますけれども、私は全部読ませてもらったし、いろんなことにかかわってきましたから見ていますけれども、担い手が定着するとかあるいは増大していくというにはなかなか効果が上がっていないんでないかと、こんなふうにも私は思っているわけですけれども、そのためにどんな方法を大臣は、農水省は考えているのか。
 特に、なぜ担い手が定着しないか、あるいは減少していくかというのは簡単だと思うんですね。担い手の所得が他産業並みの所得になっていない、それだけのことなんですよね。そこのところに、きちっとやっぱり長期的な視点でどうやるかということにもう限られているんでないかと思うんですね。
 例えば、北海道の主業農家を私ども三年にわたって調査しているわけですけれども、大規模耕作農家の畑作で経営実態を見ますと、平均二十七町歩ぐらいのものを作っているんですよ。大規模です、本当に。立派に農水省の目的どおりやっているんですけれども、実は二人以上で働いて三百十九万しか残らぬですよ、一年働いて、たった。これじゃ担い手になんか残そうともしませんし、やめていきたいに決まっています、全部借金を払っての話ですけれども。若干は減価償却は残りますけれども、その減価償却しなければ、今の農業は企業ですから、駄目ですから。
 そんなような意味で、農業災害法の一部改正で担い手の育成になったらなんというのはどうかなと思いますが、今質問したことに対して、大臣、どのようにお考えですか。
#100
○国務大臣(亀井善之君) 農業の担い手の確保と、こういう面では、農業という職業から、いわゆる所得の確保の面、あるいはまた魅力とやりがいのある面で他産業に遜色ない条件が整う必要がある。
 こういう面では、現在のこの担い手確保の状況を見れば、基本的には条件がまだ不十分である。先般も、堀、もう前知事になりますか、お目に掛かったときに大変、私もショックであったわけですが、今、委員御指摘の北海道の農業、大規模でありながら後継者の問題、所得がという御指摘がありまして、なかなか後継者がいないんだと、こういうお話も承ったわけでありまして、是非この法律、いわゆる農業災害補償法の改正と、こういう面では委員御指摘の面もありますけれども、是非、事業内容が画一的であるとか、農業者の多様なニーズにこたえるような、そういう共済ニーズにこたえるようなものにしていかなければならないわけでありまして、農業者の経営判断による補償の選択の幅を拡大する措置、あるいはまた農業者の経営判断に基づき自ら経営に最適な方式を選択することが可能となり、意欲と能力のある農業の担い手の育成と、そういう面では貢献できるんではなかろうかと、こう思います。
 全般的には、こうした条件を整備いたしまして、農地の利用の集積の促進により経営規模の拡大、あるいは生産方式の改善によるコストの低減や品質の向上、法人化の推進、あるいは対外信用や経営管理の強化、農業者の技術力の創意工夫を生かした経営の多角化の推進、こういう面で将来とも夢を持てる農業が実現できるような努力をしてまいりたいと、こう思っております。
#101
○信田邦雄君 大臣も大変お行儀の良い御答弁をいただきまして、分からぬわけではありませんけれども、是非ひとつ、担い手は非常に日本の食料政策の大事な財産でありますから、ひとつよろしくお願いします。
 さて、あとは、農業災害法に詳しい、しかも組合のことで最も詳しい太田副大臣に御質問をいたしたいというように、何といったって福島県のこの問題のエースと言ってもいいぐらいなわけでありますから。
 それで、今回のこの農災法で経営実態に応じた補償を選択して、加入者のニーズにこたえたんだと。正に私どももこれ運動してきましたから、それにこたえたものであるということで高く評価はしているわけですけれども、実は現場の農家のニーズというものが必ずしも農災法のこの目的に沿っているかというと、私は必ずしもそうはならないと思いますんで、結局安い掛金の選択が、安い掛金の方に該当する様々な選択をする、そういうものが増大していくことが私は必至だと思うんですね。そうする場合に、災害が発生しますと、当然掛金安いところを選ぶわけですから、様々違いますけれども、補償はこれ大きく減少するわけですよね。
 実は私は、水田十町歩作って、そのほか畑三十町歩の大型畑作農災も含めて全部加入しているんですね。膨大な掛金も掛けるわけですが、この五十年間農業をやってくる間に私は数度のというか、何回かの皆無状態の私は災害を受けているんですね。そのときに補償されたために私の農業は今続いているんですよ。そのために私は国会議員になれたんですよ。それは冗談としましても、それぐらいこの災害補償法というものの目的というのは、非常に農家個々にとっても、経営をやっていることによって、そこから生産されるものが国民にとってどれだけ貴重なことにつながっているかということを忘れて、選択、ニーズだけで本当にこの日本国としてその目的を達せるかということに私は非常に心配しているわけですね。
 選択を選ぶことの自由は非常にいいかと思いますが、そういう意味で結論的に申し上げますと、いわゆる大規模広域災害あるいは異常気象、それから大きな地域での病害虫の大発生ですね、こういう場合に、今の選択の自由ということによって対応し切れないんでないか。もし大幅に減収し、しかも、減収はこれはやむを得ぬとしましても、災害ですから、その次の持続、今度は基本法や何かにも、基本計画にも書いていますけれども、これを持続させて安定経営を目指すためにこれは、共済制度があるというふうに明記しているわけですからね。そうしますと、国に対する損失と、次に向けての補償に、再生産に向けていく支障が起きた場合、僕はこの食料の安全保障や国内自給にまで影響しかねないんでないかというふうに思うんですが、その点、よく御案内の副大臣、どのようにお考えですか。
#102
○副大臣(太田豊秋君) 信田先生には、私がお答えするまでもなく、もう本当に詳しく今までもいろいろとお話をさせていただきました中でも、もう大変に教えていただくところが多いわけでありますし、また、今回の農災法の改正につきましては、先生からも随分、北海道農政の問題を含めて、こういうふうに改正しろというふうな、こうやったらどうだというふうな御要望もかなり数多くあったわけでありまして、そういったものも随分幅広く取り入れて今回の改正は行ったのかなと、こんなふうに私は思っておりますので。
 そういった中で、もう農災法そのものにつきましては先生既に御承知ですから、当然加入だとかあるいはまた任意加入、こういったことで再生産というふうなものをしっかりと農業の経営、再生産に向けて我が国の農業経営の安定がなされてきたことは当然でございまして、今回の改正はこういった農業共済制度の基本的な枠組みに何らの変更を加えるものではないわけでございまして、ただ、地域全体でそれぞれどういう被害があるか、どの程度、どういう形になっていくのかというふうなことを保険設計の下で引受方式の選択の幅の拡大をさせていただいたわけでありまして、共済金の支払開始、損害割合を弾力化いたしたわけでありますから、これ、いわゆる足切りの問題、これも生産者によってそれぞれ自分の地域の損害の、常襲地帯だとかいろいろ、それによってまた設計が違ってくるのかなと、こういうふうにも考えられるわけでありまして、こういったことを考えてみますと、これまで以上に共済事業の円滑な実態を図ろうとするものでございまして、今後とも安定した農業生産を支える、私どもは柱になると考えておるところでございます。
 具体的には、個々の農業者が経営実態に応じて、そして災害リスクへの対応、掛金負担のコスト計算などについて、的確な経営判断の下で共済制度を活用することによりまして、農業経営が継続的に維持されまして、適切な農業生産が確保されるものと考えておりまして、先生の今までの御主張に私は合致しているものと、このように思っております。
#103
○信田邦雄君 私は、合致しているのはほとんど今のところ合致しているわけですけれども、実は、長期展望とか本来の共済制度はこれから国際化の中で大事で、大切だということを暗に副大臣に申し上げたところであります。
 それで、若干内容に入りますけれども、事業内容、改正案で事業内容が今までの画一的なものからいわゆる多様化が図られる。これは、多様な農業が今求められて、現場でそういうふうになっていますから、それにこたえたということですけれども、これ、加入者が余りにも分散し過ぎて、品目によってはその制度を私は維持できるのかなと、こういうことをむしろ将来に心配しているのが一つと。
 もう一つ続けて、さらに、多様化は、加入者のニーズにこたえてそれに多様化した制度にしているわけですけれども、本来、共済制度は、この農業の災害補償制度で経営安定を、先ほども言いましたが経営安定を図って、補償によって再生産というか再生能力を持たせていくことに資しているわけですから、国民の食料の安定供給の役割を担っているわけですね。
 いわゆる国民、農業が、農業者が加入するだけではなしに、ニーズによって加入するだけでなくて、全体が加入することの相互扶助制度というものをやっぱりきちっと踏まえて、今その決意は述べられましたけれども、踏まえておかないで、その都度ニーズにこたえていくことによって私はやがて制度が形骸化されてしまうと。あるいはまた、現在、今のやつが何年か行くと、私は、連合会の補償、いわゆる再保険だとか再々保険などの該当はなくなってくる心配も若干しているわけですね。
 そういった意味のことについての議論や何かを踏まえての提案になっているんですか。太田さん、どうぞ。
#104
○副大臣(太田豊秋君) 今回の改正につきましては、農業共済組合などの合併によりまして、それぞれ大変広い、今度は広域化がなされてきておりますから、そういった中で、同一組合の地域内でも非常に今までの単一、小さな組合同士であったときよりは多様な共済ニーズが出てくるというふうなことで農業者の混在ということになりますので、こういったことで、個々の農業者の経営判断によりまして、そして適切な引受方式を選択できるように引受方式の農家選択制度を導入することにいたしたわけでございまして、このために、農業者ごとに引受方式が異なることもありますが、今回の改正というものは、地域全体の被害実態に応じました共通の保険設計の下で引受方式を弾力化いたしまして、そして共済事業の円滑な実施を図ろうとするものでございます。
 かねてからまた要望のございました果樹共済につきましては、これは樹園地単位加入方式とか、あるいはまた大豆にかかわる問題としては作物共済の一筆単位加入方式等々もここに加えたというふうなことでございまして、非常に魅力のあるものになったんではなかろうかと、こんなふうに思っておりますが、なお、これからも共済制度のなお一層の充実にも努めてまいりたいと、このように考えております。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 続きまして、いわゆる国とか連合会が責任を逃れるというおそれはないかというふうなことでございますが、これは農業共済制度というのは、農家が共済掛金を出し合って、いわゆる共済準備財産、手持ち掛金あるいは再保険、そして再々保険というふうな形で、それぞれそういった資産形成をしているわけでありますから、そういった中では被災した農家に共済金を支払うという農家の互助、扶助を基本といたしまして、この保険システムによりまして全国の危険分散をするというふうな仕組みでございます。
 今回の改正は、加入者のニーズの多様化に対応した引受方式の弾力化を行うものでありまして、あくまでも地域の被害実態に応じた共通の保険設計の下での共済事業の円滑な実施を図ろうとするものでございまして、共済、それから保険、再保険という責任分担に変更を加えるものではございませんので、国も連合会も今までと同じように責任を分担し合っていくということでございますので、そういった心配はないものと思っております。
#105
○信田邦雄君 私どもも要求してきたこともありまして、副大臣も自画自賛しているところもあるようでございますけれども、是非、今後心配されることのないように、その都度対応していただきたいと思います。
 次に、経営局長にお伺いをいたしたいと思います。
 麦の災害収入共済への類区分導入は、私どもが求めてきたもので高く評価をしているわけでございますけれども、これによって掛金がどれほど、例えば春小の方は高くなると思うんですよね、二条麦とかそういうの。そういう、どのぐらい高くなるか、あるいは基準単収はどの程度、どのようにして春小などは決めていくのか、歴史的なものが余りありませんから、そういうものではどうなのか。この辺、どうですか。
#106
○政府参考人(川村秀三郎君) 今の、委員が御指摘ございましたとおり、麦の災害収入共済方式につきましては、今までは麦一本で行われてきておりまして、これをやはり実態に合わせてよりきめ細かに対応するということで類区分を導入するということにしておりまして、品種、栽培方法によりまして区分をするということでございます。
 そして、今例示として指摘をされました春小麦でございますが、他の種類の麦に比べますと被害がやはり比較的多く発生している類区分でございますので、麦一本のこれまでの方式に比べますと高くなるのではないかという見通しを持っております。ただ一方、被害が少ない類区分は逆に掛金は低くなるということではございます。
 ただ、具体的に、じゃどの程度ということでございますが、これは農業共済組合ごとに算定をいたしますので、実際どういう組合がこれを採用されるかということも確定をいたしておりません。そういう意味で、ちょっと今、現時点で申し上げることはちょっと不可能でございますけれども、いずれにしても、採用する組合ごとにその類区分を設けた場合の影響をよく調査して、適正に設定をしてまいりたいと思っております。
 また、基準数量につきましても、過去の一定期間、原則は直近の五か年の出荷実績でやっておりますが、今後は農家ごとの類区分に応じて設定をするという方式に変わりまして、今申し上げました基本的なデータの採用は同様でございます。
#107
○信田邦雄君 はい、分かりました。
 時間がなくなりましたので、あと急いで申し上げますけれども、家畜の死廃事故に関して、これも現場で強い要請でなったわけでありまして、私は、これ、限度額の設定については理解します。
 ただ、酪農というのは相当技術や環境などを求められるものでありまして、新規参入者はやはりどうしても技術が低い、あるいはまた飼育する環境とか様々な条件によって事故率が高まるのは当然なわけでございまして、これをただ単に、一生懸命やって、きちっとやっている人たちのために、限度で切ってしまって、あとは知らないよということでは、これから酪農地帯としてはどうかと、親切でないと私は思っています。
 したがいまして、一定この被害率以上の分を、例えば農作共済のように再保険とか再々保険みたいな制度を作って、そして作っておいて、そして離農しないようにやっぱり保障されて、再度経営をやっていけるようなことを今後考えていただきたいというふうに、これは私の提案にさせていただきたいと思います。
 それから最後に、当然加入の議論がなされておりましたよね。これは様々というか、真っ二つに分かれるぐらいの議論ですからそう簡単に結論は出ないと思いますけれども、米などを中心とした国際化の中での自主流通米などの中で、自由に選択、いろんなことをやっている農家としては、この共済制度に対して必ずしも理解しないで、当然加入でなくて任意でいいんじゃないかという話は昔からあったわけでありますけれども、それは、私はそれはそれで正しい議論だと思います。問題は、きちっと、共済制度を抜本的にきちっと国際的にも通用するように、あらゆるものにきちんと対応できるような抜本的な制度に拡充しないからそういう問題が起きてくるんですよね。
 特に、二十何年に作られて以来二十回も、今回で二十二回も一部改正をするということは、それだけ抜本的なものになっていないからそういう改正をしなきゃならない、そういう不満が出る、ニーズが高まる。もちろん、いいニーズはたくさんあるわけですからいいんですけれども、要するにきちっとした方向を付けることに、抜本的な施策にしてこそ本当の意味が起きるんではないかと、こう思います。
 時間がなくなりましたので質問は終わりますけれども、どういうふうにお考えですか。
#108
○政府参考人(川村秀三郎君) この農災制度の抜本的な見直しということでの御指摘でございました。その中で強制加入の問題が御指摘ございましたが、この強制加入の是非につきましては検討会の中でも大変な激論がございまして、賛否両論あったわけでございます。
 確かに、その背景には、よく分析をしてみますと、やはり今の制度がなかなかニーズにこたえていないんではないかということがやはり一つの背景にあるのではないかと思っておりまして、今回のこの改正によりましてかなり生産者の共済ニーズにこたえる部分がございますので、これを踏まえましてよく普及定着を図った上で、また再度全般的な議論ということは検討してまいりたいなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#109
○信田邦雄君 終わります。
    ─────────────
#110
○委員長(三浦一水君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#111
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。
 法案審議の前に、去る三月二十六日、当委員会で大島前大臣に質疑をいたしました。それは、行政コスト削減ということの何点か例示を挙げまして、格段のお取組をということを申し上げました。亀井今度新大臣でございますから、若干そのときの経過を申し上げながら、更に補充の質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、入札の件でございますが、農林水産省の公共事業費は一兆四千三百七十八億円という巨額でございます。でありながら、世間の一般の方々の関心、今の公共事業コストは高いんではないかとか、談合は本当にないのかとか、いろんな疑念を持っておられる方が大変多うございます。
 そういうことで、私は農林水産省の直轄事業の一般指名競争入札の平均落札率はということを前回申し上げましたところ、前回お聞きしたところ、九七・二%だと、一般競争入札ですと九五%だということで、どちらも非常に高止まりをしていると、こういうふうに思うのであります。ですから、電子入札などを大いに活用したらどうかと、こういうようなことを提案をいたしました。太田、当時、局長は、今日来られているかな、太田局長はそのときに、電子入札制度を導入していく方向での御答弁をいただきました。
 ところが、これが三月二十六日ですが、五日後の四月一日には、農林水産公共事業コスト構造改革ということでコスト構造改革プログラムの策定を発表されました。その中を見ますと、電子入札の導入というふうなこともおっしゃっております。ここでちょっと愚痴を言いますけれども、五日前に私が言ったら、五日後にはこういうのを出しますよと、ちゃんと入れますよというぐらい、一言ぐらいエクスキューズミーがあってもいいんじゃないかなと、与党としてつれないなと、こう思うんですが、局長どうですか。
#112
○政府参考人(太田信介君) 正に内容を詰めておる段階でございましたので、我々としても、こういうことについてはいずれにしても積極的に取り組んでまいる姿勢で臨みたいというふうに思っております。
#113
○日笠勝之君 そこで、電子入札システム導入ということでどれぐらいのコストが削減できるのかなと。皆様方の今回のプログラムによりますと、五年間で一五%ぐらい減額したいと、こういうことで、これは労を多とするところでございます。
 しかし、もうほかの、ほかというんでしょうか、地方自治体はもうそんな電子入札云々じゃなくて、もう既に走っておるわけですね。どうやってコストを削減し、予算、その予算の中でどれだけ事業量を増やすかということで早く目標達成率を成し遂げていこうと。
 そういう意味では、例えば横須賀市だとか松阪市であるとか、高松市、江戸川区、つくば市、私の住んでおる岡山市、それから県でいえば宮城県、長野県、それぞれが、制限付一般競争入札であれ、公募型指名競争入札であれ、工事希望型指名競争入札であれ、問題は、その後、郵便入札なんですね、郵便入札、これによってもう実績済みでございますから、実績済みでございますが、一〇%から一六、七%の落札率が下がったと、こういうことでございますから、電子入札だけじゃいかぬわけでございまして、その後こういうふうな郵便入札だとかいろんなことも考えなきゃいけないんだろうと、こう思っております。是非ひとつ、電子入札システムを導入しただけじゃなくて、いろんなまだほかにも入札の方法はあるんだよということで御検討をいただきたい。
 それからもう一つは、国土交通省が、これは入札のときに工事費内訳書の提出義務も強化するんだそうでございます。こういうことをすることによって、丸投げとかダンピング受注防止とか、こういうことも確保できると、こういうことでございます。
 国土交通省は、二億円以上の予定工事については入札参加業者から工事費内訳書の提出を求めると、こういうふうなことも言っていますが、農林水産省はこういうふうなお考えはありますか。
#114
○政府参考人(太田信介君) その観点につきましては、我が方としても同じ趣旨のことを実施している部分もございますし、更なる改善が必要な部分もございますので、そういったことを含めて、我が方としても積極的に取り組んでまいる姿勢でおります。
#115
○日笠勝之君 それから、同じく、国土交通省は入札改革の一環として、工事の契約書に、もし談合によって工事落札した場合は、工事契約額の一〇%を違約金として支払うということを明記させる特約条項を付けた契約書を作って、これを導入するそうでございます。直轄工事から始めるそうですが、このような違約金特約制度、こういうふうなことも導入されますか。
#116
○政府参考人(太田信介君) 大々的にこのことをアナウンスしておるわけではございませんけれども、私どもも、軌を一にして、この四月から先生御指摘のものを導入して積極的にダンピング防止等にも対応していきたいというふうに考えております。
#117
○日笠勝之君 透明性、公開性というのが入札には非常に重要でございますから、しっかりとした対応をお願い申し上げたいと思います。
 それから、大臣に、同じくコスト削減で通勤手当のことを実は申し上げたんです。これは、もう閣議でもいいし閣議後の懇談会でもいいから、是非ひとつ農水大臣から声上げてもらいたいと、こういうふうに申し上げたところ、大島大臣は分かりましたというような旨のことをおっしゃったけれども辞められましたので、今度は亀井大臣にお願いしなきゃいかぬわけでございますが。
 御存じのように、人事院規則があるんですけれども、公務員の方々の通勤手当は一か月ごとに支給するようになっているんですね。これを大阪府とか千葉県、また既に八王子市とか調布市とか船橋市とか市川市とか柏市は六か月定期分を支給すると。こういうふうにいたしますと、当然六か月定期は割引がございます。一〇%から二〇%ぐらい、私鉄がありJRがあるからそれぞれ違いますけれども、バス会社もございます。相当の金額がこれ節約できるということで、これ田原官房長も答弁でおっしゃいました、農水省の一般会計、特別会計分で年間通勤手当が四十五億七千万円ぐらいあると。これは二割減額だから九億ですね。ということで、このことを閣議なり閣議後の懇談会で是非声を上げていただいて、全省庁でこれ取り組もうではないかと。ただ、人事院規則があるよと。人事院総裁にきちっとこのことも、よその県は既にやっておるわけですよ。国というのは、何かしら、よその地方自治体やったらよっこらしょと後追いでやるんですね。児童手当制度がそうじゃありませんか。児童手当制度が大体三分の一ぐらい全国の県で実施されてから、ほんならしようがない、やりましょうと、こういうことじゃなくて、こういういいことはもう国が率先してやるべき、農林水産省が率先してやればいいわけですから、全然、この規則を変えるだけで、まあ労使交渉があるでしょうけれども、これだけの金額が農水省だけで浮くわけでございます。
 このことについて、あら太田副大臣どこへ行ったのかな。太田副大臣も副大臣会議で言ってくれといって申し上げておって、それを言ったかどうか聞こうと思ったんですけれども。じゃ、政務官は政務官会議で、私、是非このことを発言してくれと申し上げましたけれども、言っていただけましたか。
#118
○大臣政務官(渡辺孝男君) さきの委員会のときに日笠委員の方から御質問がございまして、大島大臣の方から、この問題については閣議や閣議懇談、あるいは副大臣会議、政務官会議などで発言することを含めまして検討してみたいと、そのようなお答えをさせていただいたわけでありますけれども。私に、政務官会議に関して言えば、私ちょっとその後出席する機会がなくて、残念ながらその件を発言する機会はなかったわけですけれども、先ほど日笠委員の方からお話あったとおり、通勤手当を含む国家公務員の給与につきましては、国家公務員の労働基本権が制約されていることの代償措置である人事院勧告に基づきまして、一般職の職員の給与に関する法律及び人事院規則において定められているところであります。
 通勤手当につきましては、具体的にはやはり定期券を使用する場合は通用期間一か月の定期券の価格で算定すると定められているところであります。委員よく御存じのところであります。したがって、これについて、農林水産省が独自に変更することが困難であるということは前回御回答したところであります。
 日笠委員のいろいろな御指摘でございますので、人事院勧告につきましては、毎年、民間の給与の実態に基づいて行われているということでありますけれども、本委員会の議論について、人事院に何らかの形で伝えまして、今後検討してまいりたいと、そのように考えております。
#119
○日笠勝之君 我が党内のことですから、これ以上言いません。
 大臣はどうですか。是非、経費削減の折から、人事院規則あることは知っていますよ。だけれども、東京都も検討すると言っているわけですよ。それから、もう既に大阪府や千葉県はやっておるんです。国だけがなぜできないのか。人事院規則を変えりゃいいんですよ。別にその一か月を六か月に変えるだけで、あとは精算払いとかいろいろあると思いますよ。それはそれで、また、東京、失礼しました、大阪とか千葉から聞けばいい、どういうふうにやっていますかと。
 ということで、まず一つ、通勤手当を一か月支給を六か月にして大いに経費削減しましょうというぐらいのことは閣議懇談会では言えるんじゃないですか。私も大臣やりましたけれども、懇談会は結構自由なこと言えますよ。言うということでひとつ御返事を。
#120
○国務大臣(亀井善之君) 私ども農林水産省からこの問題につきまして問題の提起をいたして、これ人事院、今、委員御指摘のとおり、いろいろな規則もございます。それらの問題を踏まえて問題提起をいたしたいと、こう思います。
#121
○日笠勝之君 それから、IP電話の切替えについて申し上げました。田原官房長もいろいろ勉強されてあのときにおっしゃいましたけれども、じゃ、少し反論しておこうということで、今日は、お手元、資料一ということで、「通信料金削減効果(年額)」ということで、農林水産本省の現行料金、御存じのようにそちらから資料をいただいた分ですが、電話の基本料金が四百四十一万六千で、通話料が七千五百四十八万、合わせて約八千万円ですね。農水本省の電話料金と称するものは約八千万円。
 これをIP電話化した場合はじゃどうなるのかと。見積りですから試算でございます。実は、これは東京ガスさんが二〇〇三年はIP電話元年ということで先駆を切って導入をするということでございましたので、実はそのときその資料をいただきまして、それを農水本省に踏まえて実は焼き直して試算した結果でございます。
 時間がありません。前提条件はこの六項目ございますが、これ全部読んでいただければ、全く合理的な内容となっていると私は思っておりますが、IP電話に導入した場合に、導入時には少し、いわゆるPBボックスですね、電話、失礼しました。ゲートウエー装置とかルーターを追加購入を、追加機材を購入したりしなければいけませんので若干初期の導入時に費用が掛かります。七百六十五万ぐらい掛かりますが、あとはこのように大体四千八百万円ぐらいで年間できるということでございます。ですから、この初期、いわゆる初年度は、これらを差し引きますと、二千四百五十万ぐらいの削減、それから二年目からは三千二百万ぐらいの削減と、こういうことになるわけでございます。この内容が適正かどうかということは皆さんの方に一遍見積りを取っていただければいいかと思いますが。
 何が言いたいかというと、何事も一遍に私やれと言っておりません。例えば、農林水産省の出先機関はたくさんあるわけでございます。また、研究所もたくさんあるわけでございます。そういうところから始めても結構です。そういうことで、このように通話料金、通信料金の削減ということも是非ひとつ、農林水産省が所管でありましょう、経済産業省とか総務省より先に導入をすると、また導入の実験をしてみると、こういうことも大切かと思いますが、いかがでしょうか。
#122
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。
 先月の二十六日でございましたですか、日笠委員から御指摘がございまして、私どもも事務的にいろいろと検討をさせてもらいました。
 大体お配りの数字、こういった前提でのシミュレーションということであれば、確かにこういうふうに費用が安くなるということではないかということで、非常にメリットがあるということは御指摘のとおりではないかと。
 ただ、他方、前回もこの場で申し上げさせていただきましたけれども、IP電話ということでインターネットを使いますと、そもそも我が方のシステムダウンみたいなことで、容量的に大丈夫であるかという問題でございますとか、あるいは保秘と申しますか、通話につきまして秘密がどの程度保たれるかというような問題等々ございまして、先生のせっかくの御指摘でございますので、どういう問題点があるかよく検討させていただけたらと、かように考えている次第でございます。
#123
○日笠勝之君 天下の東京ガスがそんなことがクリアせずになぜ導入するんですか。民間に学ぶときは学べばいいんですよ。それ、聞いたらどうですか、東京ガスさん。行ってもいいですよ。
 そういうことで、とにかく積極果敢にやっていただきたい。せっかく作った試算表でございますから無駄にしないでいただきたい。
 それから二つ目は、パソコンの価格がどうも高いんじゃないかということで、これも資料を付けております。これは入札資料でございますが、農水本省はこういうふうな仕様のパソコンで値段が十二万三千九百円。食糧庁はほぼ、ほぼですよ、同じ機能で、いわゆる希望価格というんでしょうか、二十九万八千三百五円に、五年リースでございますからこれに五年分掛けて、トータルで五年間で大体一・三六倍ですね。二十九万八千三百五円のリースとなりますと、今、五年で一・六倍ぐらいだったのが、一・四倍、五倍ぐらいに下がっております、四十万四千四百六円、一台当たり五年リースで総額払っておるわけでございます。ほぼ同じような機能で、一括購入、買取りでいけば十二万三千九百円。五年リースでいきますから、同じようなほぼ機能のパソコンでも結局は四十万に付いてしまうと。費用対効果ということは非常に大切じゃないんでしょうか。だから、思い切ってこれは買取りの方が非常に安く上がったんではないかな、結果的にですよ、というふうに思います。
 なぜこれは買取りにしなかったんでしょうかね。農水本省の方は買取りなのに、食糧庁の方は五年リースということでちびちびちびちび高く払ってしまうと、こういうことではいかぬと思うんですが、食糧庁長官、もう何か七月には食糧庁もなくなるようでございますので、今日は食糧庁だけやっておきます。
 あと、随時、オープンソースの件だとか、またパッケージソフトの件だとか逐次やりますけれども、食糧庁、今日は申し訳ありませんが、なぜこんな高い、費用対効果から見ても高いパソコンを導入されたんですか。
#124
○政府参考人(石原葵君) なぜこういう高いリースを払っているかということ、これは後でお答えしたいと思いますけれども、その前に、委員が提出されました資料ですね、若干、先生方の誤解を招くんじゃないかと我々心配しますので、ちょっとそれだけ申し上げさせていただきたいと思いますけれども。
 この農水省本省、確かに値段十二万三千九百円となっています。これは落札価格でございます。実際の本体の価格は大体二十五万円ぐらいでございます。それで、我が方の食糧庁のパソコンは、あくまでこれ我が方が入札、結果的には実際はリースでやったわけですけれども、最低この水準は維持してくださいという仕様書の数字でございます。
 ですから、先生、大体同じぐらいの機能と言われましたけれども、実際見ますと、いかにも食糧庁が機能的に劣っているんじゃないかと、むしろですね、そういう誤解を抱かれるかも分かりませんが、あくまで、これを最低にして入札に応じてください、応札してくださいというものでございます。それで、あくまでこれは仕様書でございまして、この二十九万八千三百五円というのはメーカーの希望小売価格、あくまで標準小売価格と言われるものでございます。ですから、実際物を買うと、ここから安くなる性格のものだというように思っております。
 それで、いずれにしましても、しかし、先生が今、御指摘がありましたように、五年で四十万円程度のリース料を掛けていることは間違いありません。これは決して食糧庁がやっておるだけ、食糧庁のみがそういうことをしているわけじゃありませんで、ほかの省庁も我々調べてみましたけれども大体それぐらい、一年当たりのどれぐらいのリース料といいますか、それを払っているかというのを調べますと、これは借料とそれから保守料が掛かります。保守料が大体二割から三割ぐらい掛かっていると思いますけれども、それを込みで農林水産省は大体八千円という数字でございます。ほかの省庁、いろいろございます。八千円台のところもありますし、高いところでありますと一万円程度のものもあります。いろいろあるということであろうかと思っています。
 それで、我々──あ、ごめんなさい、八千円じゃなくて八万円ですね。農林水産省八万円ということで、それで五年間で四十万円ということです。
 それでなぜ、それにしても高い、五年間で四十万円も掛けているかということになりますと、要するに、一時的に買取りとなりますと金がたくさん掛かります。それをなかなか我々克服できない。どうしても予算の平準化といいますか、そういうことを考えて、こういうリースに応じていると。これはほかの省庁も大体そういう考えだろうと思っています。その辺でございますので、御理解いただければと思っています。
 我々、しかし、委員がおっしゃっているように、経費節減というのは非常に大事なことだと思っていますので、我々積極的に、いろいろ今回も御指導いただきましたので、こういうのを使って、経費節減には引き続き努力していきたいと思っております。
#125
○日笠勝之君 これが趣旨で今日質問するわけじゃないんですが、やるのは幾らでもやるんですけれども、保守料の件も言われましたけれども、農水本省の、先ほど申し上げました十二万三千九百円の中には保守料が入っていないんですよ。皆さんのリースの方は一台当たり一万七千円年間払っておるわけでしょう。だから、買取りにすれば保守料も要らぬのでしょう、これ。
 そういうようなこともありますので、何が言いたいかというと、一体全体、これはだれが、この入札は、この機種で適正なのかどうか、だれがどこでそういうところをきちっとウオッチングして、これは適正な入札だと、農水省の中にそういうITコンサルみたいな方がいらっしゃるんですか。どなたがやっているんですか、この入札。
#126
○政府参考人(石原葵君) 食糧庁には今IT関連の資格を持つ職員は、食糧庁本庁の中に情報管理室というのがございまして、そこに三名おります。情報処理技術者ということでございますけれども、そのうち二名は第一種の情報処理技術を持っております。それから第二種と、両方持っております。それから一名が第二種のみということでございます。こういう者が基本的にはこういうシステム開発にあれしております。
 それから、我々、私、二年前に今のポストに就いておりますけれども、正直言いまして、経費節減といいましてもなかなかこういうのの知恵はありません。そういうこともあり、それで外部の方にワンポイントレッスンといいますか、そういうことで御指導いただいたこともあります。そこでいろんな節減の方法、例えば今まで我が方はノートブックをやっていたんですけれども、それよりむしろデスクトップの方がいいじゃないかということを指導していただいたり、あるいは入札するとき、一括して入札となりますと応札がなかなかしづらいということで、できるだけ小分けにして入りやすくすると、そういう努力もしました。
 しかし、これは結果的には、もう委員御承知のとおり応札が必ずしも芳しくなかったという結果になっておりますけれども、我々、そういう努力はしてきているつもりでございます。
#127
○日笠勝之君 今年退官されました東京大学の情報通信の教授であった月尾総務審議官とお話ししたときに、私がもう一年早く政府に来ておれば、このIT関係の機器の、またソフトの経費は相当安くできたと。もうはっきり申し上げれば、政府内にそういうことの分からない人ばっかしで、もう言われっ放しのそういうパソコンでありオフコンであり汎用機であり、またシステムじゃなかったのかと。だけれども、電子政府だとかe―Japan重点戦略などもう走っちゃっておるから、今更途中でこれを変えることできないんで非常に残念だということを、私、直接聞きましたよ。
 そういう意味では、変えれるところから、入札なんか変えれるんですから、今、インターフェースでどうでもなるんですから、大いにこれは、本当に価格がどうなのかというのは、これは価格ドットコムなんてちょっと見ればすぐ、今のこういうパソコンは幾らで世間で売っているかと分かるわけで、大量に買えばその七掛け、八掛け、保守料も込みでとか、幾らでもできるはずですよ。
 それから、もう食糧庁なくなってしまうんだから、これは本省の方、以下、あと林野庁も水産庁もありますから、大臣、しっかりと。特にITはブラックボックスなんですよ。知っているようでだれも知らないから、こういう私が申し上げるようなちょっと高いようなものをどうしても買わざるを得ない、買わされていると言った方がいいかもしれませんね。この辺のところはしっかりと今後対応していただきたいということで、次はオープンソースとパッケージフトのことをやりますけれども、今日はこのことで終わっておきます。
 それから、同じく経費節減ではやっぱしISO、いわゆる農林水産省もこのISO14001、すなわち環境省も取りましたし、ほかの国家公務機関も七件ほど取っております。地方自治体も四百二十四件取っておりますね。そういう意味では農林水産省はもう環境とは切っても切れない省庁でありますので、是非どこかの、本省とは言いません、どこかの出先でも結構ですから、ISO14001の認証を取得するということを宣言をしていただいて今後取り組んでいただければなと思いますが、簡単で結構でございます、御答弁いただきたいと思います。
#128
○大臣政務官(渡辺孝男君) 農林水産省としましても、行政活動に伴って生じる環境負荷の軽減は大変重要な問題と認識しておりまして、これまでもグリーン購入等に基づいていろいろ、例えば再生紙の使用、公用車の低公害車への転換、間伐材を利用した事務用品の購入等に努めてきたところであります。また、そのほかにも、本省食堂からの生ごみを堆肥化する、そのような環境活動にも既に着手しているところであります。
 今後ともこうしたグリーン購入や食堂の生ごみ再利用等、行政活動から生じる環境負荷の軽減に努めてまいりたいと、そのように考えております。
 なお、御指摘のISO14001取得につきましては、中央省庁の中で環境省が昨年七月に取得しているということも承知しておりまして、現在、国土交通省の官庁営繕部の方が、霞が関の中央合同庁舎等の十三庁舎を対象に、省庁の庁舎のエネルギー使用状況等を踏まえ、エネルギー使用状況等を診断するグリーン診断を行っておりまして、これにつきましてもよく検討して積極的に対応してまいりたいと、そのように考えております。
#129
○日笠勝之君 遅くなりました。では、法案審議をさせていただきたいと思います。
 農業経営基盤法でございますが、担い手向けの各種融資枠とその実績でございますが、いただいた資料によりますと、例えば農業近代化資金はこの平成十年から十四年、五年間は四千億円で一緒でございますね。ところが、融資の実績は、平成十年度が千五百五十八億、平成十一年度が一千百九十九億、平成十二年度が九百六十二億、平成十三年度は八百十一億、平成十四年度は今調査中ということでございます。そのほか、農業改良資金も六百数十億単位でこの五年間枠がございますが、実際のこの実績は百六十億とか七十五億とか、非常に低位に推移をしておるわけですね。
 この枠と実績はこんなに乖離があっていいものなのか、何かまた原因があるのか、お答え願いたいと思います。
#130
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、日笠委員の方から御指摘がございましたとおり、今挙げられました資金の融資実績が減少傾向にあるのは事実でございます。
 この要因として考えられますのは、まず最近の農業情勢ということで、需要の落ち込みあるいは輸入品との競合等によりまして農産物の価格が低迷をしているということなどを反映いたしまして、投資意欲が非常に低下をしておるということ、それから、非常に今、一般的な金利が下がっておりまして、他の制度資金と他の民間資金との差が非常にちっちゃくなっておりますし、その手続面まで含めますと制度資金の魅力が乏しくなっているといったようなことが背景にあろうかと思います。
 いずれにしましても、この資金の活用ということを考えます場合に、今申し上げましたようなその投資意欲のわく環境を作り上げるということが最も重要だと思っております。
 ただ、そのほかにも、昨年、この関係での法改正の際も御議論いただきましたけれども、御指摘もまたいただきましたけれども、やはり制度資金を農業者にとって使いやすく魅力のあるものにするということも非常に重要であろうということで、各資金の見直しもやりましたし、また使う側の立場に立ちまして窓口の一元化ということもしておりますし、また融資の場合は保証の問題、これが非常に重要なポイントになりますので、機関保証も得られるようにといったような形での改善を図っております。
 特に、農業改良資金につきましては、従来非常に資金の種類を細かく決めておりまして、非常に使いづらいということもございました。そういうこともあって、今回は非常に新しいことにチャレンジするということであれば比較的その資金使途を制限しないということにしまして、これは無利子の資金でもございますので、ただ年度途中での改正でございますので、まだまだ実績は上がっておりませんけれども、これは有効活用していきたいと思っておるところでございます。
#131
○日笠勝之君 せっかくの融資でございますので、使い勝手のいい、しっかりPR、普及もお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、このたび、この法案改正では遊休農地の措置の改善ということがうたわれておるわけでございます。
 これは所有者、遊休農地の所有者が市町村長からの通知ですか、改善の計画のですか、利用計画の通知が来れば、これを届出をしなきゃなりませんですね。しない場合は過料十万円以下と、こういうことでございますが、市町村長はこの遊休農地がだれが一体今現在持っておるかということはなかなか分かりにくい場合もあるんではないかなと。
 元々、遊休農地の改善をこういうふうに改正をするということは、中山間地なのか、都市近郊周辺なのか、平地なのか、そういうのよく分かりませんが、いずれにしても市町村長がこの遊休農地の所有者に通知をして、利用計画を出してくださいと、出さなかったら、あんた、十万円、過料ですよと、こういうふうに通知するわけですね。二十七条でしたか。
 ところが、先ほど申し上げましたけれども、田舎に行けば行くほど、私も経験があるんですけれども、おじいさんが持っていて、子供が三人いたけれども、みんなもう都会に行っちゃって、その方々ももう亡くなっちゃって、もう孫やひ孫が恐らく相続しているんだろうと、これは代襲相続ですよ。もう海外にも行っておる人もいらっしゃると、だからいわゆるほうっておきっ放しだというようなところもあるんだと思うんですよ。そういう場合、市町村長が一体どうやってこの所有者を見付けるのか、非常に困難な場合もあるんじゃないかなと、そういう相続等の問題でとか、こうあるんですけれども、この辺のところは大丈夫なんでしょうかね。
#132
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回のその届出を、利用計画の届出をする対象の遊休農地でございますが、これは遊休農地一般を対象にこれを発動しようということは考えておりませんで、特に周辺の農地の利用状況等から見まして、当該遊休農地があることが非常に、周辺にとっても非常に著しい支障になっている場合、いわゆる特定遊休農地という場合に発動しようということで運用は考えておるところでございます。
 その場合、今先生が御指摘のとおり、確かに土地の所有関係というのは、現実問題として非常に難しいケースがございます。代襲相続が起こったり、あるいはもう海外の方に行かれておりましてなかなか長いこと音信が取れないというところもあるわけでございます。確かに、海外の場合はなかなか現実問題として難しいわけでございますし、その代襲相続等の場合も非常に困難を伴うと思いますが、基本はやはり現在の所有者を突き詰める、さかのぼって突き詰めるということが基本で、できるだけそういう努力をさせたいというふうに思っておるところでございます。
#133
○日笠勝之君 それで、市町村長が所有者を見付けて通知をしますね、利用計画を出してくださいと。これは、通知を出してから届出をしていただくまでの時間的余裕というのは、期限というのは決まっているんですか。
#134
○政府参考人(川村秀三郎君) 六週間以内ということにしております。
#135
○日笠勝之君 だから六週間以内ですよね。それで来なければ催促なく直ちにもう過料と、こうなるんでしょうか。
 その過料も十万円以下ですから、十万円でも一万円でもいいわけですよね。これは、もし過料を、例えば過料をする場合は何か基準を作るんでしょうか。例えば、何平米以上の遊休農地だから八万円だとか、何平米だから五万円だとか、これの基準がないと、市町村長ばらばらで極端に、北海道の人は十万円だったと、九州の方は一万円だったと、同じような地域の同じような面積でと、こういうことがあるんですが、この過料の基準というのもあるんでしょうか。
#136
○政府参考人(川村秀三郎君) 本報告を命ずる場合でございますが、そういった今申し上げましたような期限もございますので、基本は、まずその所有者を確定をいたしまして、その所有者に対しまして農業委員会の方からまず事前の措置としていろいろ相談なり指導をしていただくと。なかなからちが明かない場合に、言わば次の手段として市町村長の方から勧告を出していただくということに、通知を出していただくということを考えております。そういう意味で、再三の指導をやってもなかなか従わない、かつその遊休地があることが非常な著しい支障になっているという二重の要件が一般的にはあると思っております。
#137
○日笠勝之君 この点はしっかりとよく連携を取りながらやらないと、過料となりますと、これは刑事罰じゃありませんけれども、もし万が一過料を下された人はいい感じじゃありませんよね。そういう意味では、しっかりといい意味での対応をお願いを申し上げておきたいと思います。
 じゃ、農災の件を一問か二問お願いをしたいと思います、質問したいと思います。
 今回、改正をされて、いわゆる生産者のニーズに合わせた改革という、改正ということで、それはそれなりに私も評価をするわけでございます。ただ、私も、大臣、共済と保険とは一体どう違うのかという、共済と保険。そこから私勉強いたしまして、質問しないから大丈夫ですよ。そこから勉強いたしまして、しかし、非常に、実際農業をやっていない者からすれば難しいですね、これ、難しい。おまけに今度は、先ほど申し上げましたように生産者のニーズに合わせて対応していくということですから、恐らく新規就農者が年間、大体今ごろ七万、八万人ぐらいいらっしゃいますわね。そういう方々から見ても、また農業生産法人のように他業種から入ってくる方もいらっしゃいますわね。そうなってくると、一体全体この農業共済はどういうシステムになっているんだろうかと、分かりません。
 ですから、普通、例えば生保会社とか損保会社ですと保険コンサルタントという方がいらっしゃって、その人のニーズに合わせて、あなたの場合だったらこういうものにこれだけの掛金でこれだけの保険金出ます、これとこれとこれをミックスしたらどうですか。また今は、生保会社なんかは総合保険ということで、もう丸めていきましょうとか、いろんな新たなニーズの保険も出ておるわけです。
 そこで、これだけいろんな引受方式も選択できるとか、例えば果樹共済も樹園地単位方式を導入するとか、いろんな早く言えばコースがあるわけですね。そういうことで、一体全体どういうふうにして、まず相談窓口を設けるのか、またそういうコンサルのような方はどう育成していくのか。当然、広報、普及ですね、これをどうしていくのか。以上三点、簡単にお答えいただければと思います。
#138
○政府参考人(川村秀三郎君) 確かに今回、いろいろメニューも増えますし、制度全体が見えにくくなるということは十分予想されますので、我々も心してこの普及を円滑に図っていかなくちゃいけないと思っております。
 幸い、この共済制度は、正に先ほど来議論がございますが、農家が相互に扶助するといいますか、共同で支えていく制度でございまして、組合員の参加意識というものが他の保険制度に比べれば強いわけでございます。そして、地域地域での取りまとめ役という、言わば世話役が各集落におられまして、これは共済連絡員と言っておりますが、言わば農家の代表となっておられます。こういう方々を現場での情報拠点ということに位置付けをいたしまして、まず、集中的にはこの共済連絡員の方にいろんな制度の理解をしていただいて、そこを通じて末端の組合員の農家の方に周知徹底をしていくということが一番効率的にいくと思っております。
 その前提といたしまして、やはり広報体制というものが御指摘のとおり非常に重要でございますので、各その県の共済団体あるいはその単位の共済団体でも広報紙というものも定期的に発行されておりますし、今申し上げました共済連絡員を中心として、農家への説明会の開催、またいろんな会議もございます。それからまた、最近は、先ほど来議論になっておりますインターネットもございますので、各単位の共済もホームページを作ったりして制度改善であるとか新たな情報を適時適切に流すような状況になりつつありますので、こういうところも活用していきたいと思っております。
#139
○日笠勝之君 是非ひとつ、新規就農者も増えますし、またそういう方々の期待にもこたえるためにも、分かりやすい普及、広報、宣伝活動ということから対応していただきたいと思います。
 それから、果樹共済なんですけれども、これ三百九十億円ぐらいの現在赤字があるわけですね。このたび果樹共済も、先ほど申し上げましたように新たに樹園地単位方式を導入するということでございますと、これは引受けごとの勘定というのがあるんでしょう。もう一括全部じゃなくて、半相殺だとか全相殺とか分かりませんが、いろんな果樹共済が全部で合わせて三百九十億円の赤字があるというんじゃなくて、こういう引受コースの分はこれだけだと、こういうふうになっているんでしょうか、どうなんでしょうか。
#140
○政府参考人(川村秀三郎君) それぞれの共済種類ごとに全体の資金なり運営はプールということでやっております。
#141
○日笠勝之君 プール。
#142
○政府参考人(川村秀三郎君) はい。
#143
○日笠勝之君 そして、この三百九十億は今回の改正で漸減、どんどんどんどん減っていくと、こういうふうなことにならなきゃいかぬわけでございますが、どういうんでしょうか、本当にそうなるのかなと。
 というのは、入りやすい共済ですと、これは、入りやすいということはそれだけ給付金の方の、支給金の方も期待できるから入りやすいわけですよ。ところが、果樹共済は二十何%の引受率しかないですね。今回、こういうことによって引受率、加入率というんでしょうか、上がるかもしれません。しかしそれは、上がるということはその見返りの方も期待するから上がるんじゃないでしょうかね。だから、これ改善するんじゃなくて、果たして、改善しない方向に行く可能性もあるんじゃないかなと、二律背反的なことがあるかもしれませんね。
 局長とすれば、こういう改正をすれば果樹共済の三百九十億円近い赤字はどんどんどんどん解消していくんだと、こういうことなんでしょうか。
#144
○政府参考人(川村秀三郎君) 今申されました累積した果樹勘定の収支の問題でございますが、確かに今、十二年度では三百九十億、現在では三百七十億程度になってございますけれども、ここ十年間程度を見ますと、単年度では黒字になることもあっておりまして、現在のこの赤字は、むしろかなり前の累積がまだ尾を引いておるということでございます。
 そして、今回の果樹共済の改善によりますと、これは特に非常にニーズが高くて、今、委員が御指摘のような二律背反的なところはあるかもしれませんけれども、ただ我々は、むしろやっぱり選択の幅が広がり、魅力が増すということによって母集団が広がるだろうと、そのことによってやはり全般的な収支改善は寄与すると。元々、被害率と掛金の関係は収支が均衡するようにするのが原則でございますので、やはり母集団が広がることの方が私どもとしてはメリットがあるというふうに思っております。
#145
○日笠勝之君 じゃ、最後に、家畜共済の件で、乳牛の胎児、今回これを対象にしていこうと、こういうことですよね。この胎児というのは、定義は一体どういうものがあるのか。それから、胎児の評価価額、肉牛との関係もございますが、一体これはどういうふうになりますか。これをお聞きして、終わりたいと思います。
#146
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回、子牛、乳牛につきましての子牛・胎児を共済の対象に加えるということにしてございます。
 子牛の定義は、出生後……
#147
○日笠勝之君 胎児だけでいい、胎児だけで。
#148
○政府参考人(川村秀三郎君) 胎児はですね、それ、受精後等の、後二百四十日を経過したものというものが対象になっております。
 この考え方は、子牛・胎児としておりますけれども、基本は子牛の補償ということでございまして、子牛と同等とみなされるような胎児ということで二百四十日以上ということにしてございます。
 そして、この、じゃ評価をどうするかということでございますが、従来は母牛の、母牛の価額からやっておりましたけれども、今、今度対象にしますようなF1とかETの子牛につきましては、次第に、市場価格の取引が、実績がございますので、それをベースに決めていくということになろうかと思います。
#149
○日笠勝之君 終わります。
#150
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、農業災害補償法の一部改正案について質問いたします。
 今度の改正案では、共済のメニューを増やして加入者が農業経営の実態に合わせて個別に選択できるようにすると。現場なんかからも選べるようにしてほしいという要望なんかも出されていまして、全体としては賛成します。
 しかし、懸念する点もあります。家畜共済の支払限度額上限設定の問題ですね。家畜共済について、事故多発加入者を対象に死亡廃用に係る共済金に支払上限を設けるというふうにしています。生産者にとっては非常にこれは重大な問題だというふうに思うんです。
 過去の被害率が一定水準を超える事故多発加入者というのは、具体的にはどういう基準を設けるのか。そして、支払限度上限設定ですね、どの程度に考えているのか。まず、この点明らかにしていただきたいと思います。
#151
○政府参考人(川村秀三郎君) 家畜共済の関係でございまして、今御指摘のとおり、死廃事故に共済金の支払限度を設定するという方向で改正を考えております。
 この背景となりますのは、近年の家畜共済事業の実態から見ますと高被害農家が固定化する傾向にあるということで、農家の中にはこれに安住するということで事故防止の努力を怠っているのではないかと見られる方もあるわけでございますし、また、地域におきましては農家間で共済事故の発生率に格差が生じまして、共済金支払の不公平感が高まっているということ、それから飼養規模の拡大に伴いまして、特にこの大規模経営農家の共済掛金の負担が増大しているという問題がございます。
 こういう状況を踏まえまして、今、先生御指摘のありましたような形で、つまり恒常的に死亡なり又は廃用事故を起こしている高被害農家に対しましては、共済金の支払限度を設ける新たな補償方式ということにしてございます。その場合の設定でございますけれども、畜種や地域によって被害率が異なっておりますので、この実態を前提にいたしまして、料率を設定する地域ごとにその地域の平均的な被害よりもかなり高い水準を設定をいたしまして、その水準を超える者につきましては支払限度を適用すると、こういう基本的な考え方で臨んでおります。
#152
○紙智子君 じゃ、具体的には、今、まだその実態に合わせてということで、どういう設定の基準というか、上限ということでは、上限ということではどうでしょうか。
#153
○政府参考人(川村秀三郎君) まだ具体的には、今申し上げましたとおり、それぞれの地域によってかなりの実態に差異がございますので、具体的にはまだお示しはできないわけでございますが、基本的な考え方としては、先ほど言いましたように、平均的なものと比べますとかなり高い水準ということで設定をして、普通の方がこれに引っ掛かってしまうということはないようにしたいと思っております。
#154
○紙智子君 BSEとか口蹄疫などの伝染病は、これは農家の努力だけで回避できるものではないと思うんですね。しかし、一回発生しますと、本当に大きな影響が出て、ほとんどの家畜を処分しなければならないと。BSEについて言えば、肉骨粉の使用禁止の措置を取らなかった政府の責任があったわけですし、口蹄疫も中国産の稲わらですね、ここに原因があったんじゃないかということで、水際での検疫措置で防ぎ切れなかったということがあったわけです。
 輸入飼料に圧倒的に依存する日本の今日の酪農や畜産では、飼料に起因する疾病というのは農家の努力だけではこれはもう防ぐことができない面があると思うんですね。伝染病や飼料が汚染されているために起こった疾病について生産者に責任を負わすということになると、これはちょっとひどいと、よろしくないというふうに思うんです。これらに支払の上限を設けるということになれば、それこそ立ち直れなくなるというふうに思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
#155
○政府参考人(川村秀三郎君) 今、委員から御指摘がありましたとおり、事故にはいろんな原因がございます。今回の死廃事故につきまして共済金の支払限度を設けるとしたその趣旨でございますけれども、先ほども申し上げましたように、農家の中には通常行うべき事故防止の努力を行って、その結果として事故が多発していると、農家の飼養管理努力によって防止が可能なのにかかわらず、やはり事故がかなり多発してしまうということを防止したいということで、そういう被害、高被害農家に対する事故防止へのインセンティブを付与するというのが正に趣旨でございます。
 したがいまして、通常の飼養管理努力では予防が困難と、またかつ、発生した場合に農家の経営に与える影響が大きいものにつきましては特定事故ということで除外をしたいというふうに考えておりまして、具体的には、今御指摘のございましたような伝染病でありますとか自然災害、火災といったようなものについてはこの支払限度は適用しないという方向で制度を仕組もうと思っています。
#156
○紙智子君 分かりました。
 今度の法の改正に当たって、農業災害補償制度検討会というのが全国六か所で開かれていますね。
 これは北海道の会議の中身の概要なんですけれども、これを見ますと、その中でもやっぱりこの問題について多くの意見が出されています。北海道の会場では、百二十頭から百三十頭を飼っている、牛を飼っている酪農家がフリーストールというやり方を導入してから七、八年たつんだと。それで、牛の寿命が非常に短くなってきているという話をされています。その中で予想しなかった突発的な病気や事故が起こるように、出るようになってきたと。
 獣医さんから話を聞いたんですけれども、獣医さんの話でも、最近ここ十年ぐらいというふうにも考えられるんだけれども、今まではなかなか多くなかった病気が頻発するということを指摘されていまして、例えば第四胃変位、四つの胃袋があるわけだけれども、その四番目の胃袋が本来の機能を果たさなくなってきているということで、そういう病気が増えているとか、それからお産した後の病気で周産期疾病というのがあると。それから乳房炎、それから蹄底腐乱と言って足の病気なんです、足にくる病気なんですけれども、こういう病気がこの間増えているということなんですね。
 そういう中で、確かに事故多発農家が固定という話されましたけれども、それは確かにそういう傾向というのは、実態はあるんだと。しかし、やっぱりその背景には、牛肉の輸入自由化や乳製品の税金の、関税の引下げですね、それから乳価の下落の中で生産者自身が多頭飼育しなきゃいけない、もうたくさんの頭数を飼ってやらなきゃならない。効率化ということで、この間、ずっとやっぱり追われてきているわけです。生産量をとにかく上げなきゃならない、たくさん搾らなきゃならないということで、一日二回搾乳だったのを三回にするとか、そういう形で相当牛に無理をさせてきたという中で出てきている問題というのがあって、その意味では構造的な問題もあるというふうに思うんですね。
 それで、やっぱり大臣にもそこのところの認識もお聞きしたいんですけれども、大規模化というのは言わばこれまでの政府の政策でもあったわけで、その政策の結果として生み出された実態でもあるというように思うんです。
 多くの農家がやっぱり事故は起きないようにしようと思っていると思うんです。それを減らすために努力をしているということの中で、そういう農家を含めてまじめに取り組んでいる農家も、この支払の問題で上限設けるというような形で枠を掛けられた場合、経営にとって大きな不安、負担というのが掛かるんじゃないかということについて、いかがでしょうか。
#157
○政府参考人(川村秀三郎君) 事故の発生の状況を見ますと、かなりその分布にばらつきがございます。いわゆる正規分布ではなくて、やっぱり事故の多発されている方はかなり特異な分布になっているということがございます。
 それは、一般的にやはり個人の努力に負う部分が、今確かに先生が、今、委員がおっしゃったようないろんな状況の中で各農家が努力をされておるわけでございますが、やはり努力でもちろんカバーできる部分があるわけでございまして、そういう方との不公平というものを是正する一つの方法ではないかということでございまして、全般的な話はまた共済とは別の世界の対策等ももちろんあり得るのかとは思いますが、共済の世界では、そういう共済の適正な運用と、運営という意味からはこういう改善が必要かと思っております。
#158
○国務大臣(亀井善之君) いろいろ個別の問題、今、委員からも御指摘の、大変着実な地道な努力をされていると、そういう中でそのような事故等々の問題というのはこれ生ずることでもございます。
 今回、このような農業共済補償法の改正と、こういう中でいろいろ改正をするわけでありまして、今、局長からもお話し申し上げましたとおり、若干違った形での要因もある面につきましては十分検討していかなければならないんではなかろうかと、こう思います。
#159
○紙智子君 全体がそういう物すごく偏ってきているということで、全体に掛けるというその形というのはあるかと思うんですけれども、特異な状況ということであれば、そのことを理由にして、ほかの努力しているところにも言ってみれば迷惑が及ぶというようなことがあってはならないと思うんですね。
 それで、マイペース酪農ということを御存じかと思うんですけれども、特にBSE発生後なんかは、本当に今までの牛の飼い方がどうだったのかということで見直しを掛けなきゃならないんじゃないかと。やっぱり牛の健康状態を保ちながら、大事に育てながら、そして人間ももちろん、それこそ人間もたくさんの牛を飼ってやるとなったら寝る時間を惜しんでやるわけですから、人間も健康だし牛も健康だと。そういう状態の中で、いい草を作って、栄養価の高い草を作って、それを食べさして乳を出させていくというような飼い方にやっぱり飼い方自身も見直していく必要があるんじゃないかということなんかもずっと議論されてきているわけですね。
 やっぱり今そういう時期に来ているということでもあると思うんです。安定した経営ができるようなやっぱり乳価の保証という問題が当然そこにはあると思いますし、そういう対策にもっとやっぱり目を向けてやっていただきたいというふうに思うんですね。
 それからもう一つ、北海道で問題になっている問題なんですけれども、サルモネラ感染症の問題なんです。これについてはやっぱりこの討論会の中で出されているんですけれども、非常に重要だというふうに思っている問題があります。
 家畜共済では臨床症状が出ていないものについては保険給付の対象外になっていますね。だから、最近、北海道でこのサルモネラの感染症が乳牛の間にも増えてきていると。北海道一万戸の酪農家の中で毎年三十から三十五戸ぐらいで発生しているということなんですね。牛の場合、症状として外に現れていなくても、保菌というか菌があれば、持っていると、これは感染源になるので、検査とか予防といいますか治療をしなくちゃいけないわけです。それで、北海道の農業共済連合会によりますと、治療費だけでも一件当たり約二百十万円掛かると。最大で一千百万超えるというふうなことで、乳牛の場合だと牛乳を全部これ廃棄しなきゃいけないとか、こういうことで相当大きな被害になっていくわけなんですね。
 それで、北海道の幾つかの自治体では独自に互助制度を作ってやっているというところもあるんですけれども、国として何とかの、何らかのこの支援策というのはできないものだろうかと、そういう声も出されているんですけれども、この点についていかがでしょうか。
#160
○政府参考人(川村秀三郎君) サルモネラ症の問題でございますけれども、正に北海道等このサルモネラ症が問題になっているということは承知をしてございます。
 ただ、共済との関係で申し上げますと、今御質問の中でもあったとおり、家畜共済では、家畜の死亡・廃用、それから疾病・傷害を対象にしていますので、これが発症すれば、その治療に要する費用に関しては傷病事故として扱われます。
 ただ、疾病の検査あるいは消毒等の予防措置につきましては、損害防止として重要な役割を果たしておりますけれども、一義的には飼養者自らが通常行うべきという考え方に立ちまして、共済制度の中では予防的経費を給付対象にはしておりません。
 ただ、国におきましては、この家畜共済とは別途の措置でございますが、事故発生を未然に防止するという観点で、農業共済団体等通じまして損害防止事業に対する助成も行っております。サルモネラ菌の菌検査や、その後の飼養管理指導等に対しまして補助金を交付している事業もございますので、こういうこと、こういう事業も活用していただきたいというふうに思っております。
#161
○紙智子君 清浄化するのにやっぱり一年近く掛かるということで、その間、相当やっぱり大きな経営にとっては痛手になって、持ちこたえられなくなるということも出てくるんですね。
 それで、この会議のときに、検討会議のときに現場に行っておられた委員の方も、一つの課題として受け止めさしていただくというように答弁もされていまして、是非、農水省として積極的な対応をお願いしたいというふうに思います。
 それから次に、農業経営の基盤強化促進法についてですけれども、農業生産法人の要件緩和についてです。
 農業経営の基盤強化促進法のこの法案ですけれども、今回またしても農業生産法人の要件について適用除外を設けるものになっています。農業生産法人の要件というのは、二〇〇〇年のときの農地法の改正でも大幅に緩和されましたね。これ以上の要件緩和ということでいえば相当批判も強いと、そのために、農水省として農地法について検討するために昨年設置しましたけれども、経営の法人で拓く構造改革に係る有識者懇談会と、こういうのを立ち上げて議論をしてきているわけですけれども、ここでも議論が分かれて、論点整理でも農業生産法人の要件緩和に関しては両論併記だったと思うんです。
 そういうことでいうと、実際、今度の改正というのはどうなのかということなんですけれども、いかがでしょうか。
#162
○政府参考人(川村秀三郎君) 昨年十一月に取りまとめられました経営の法人化で拓く構造改革に係る有識者懇談会、この論点整理の中で、農業の現場から、分社化に当たっての出資要件の緩和を始めといたしまして、農業生産法人制度の要件緩和要望がその討論の議題になったわけでございます。
 そして、これにつきましては、今委員が御指摘のとおり、一定の前提条件の下で、適当であると、あるいは許容されるという賛成の御意見と、これ以上の要件緩和は問題ではないかという両論は確かにございました。ただ、今後の取扱いとして、農村現場からの懸念の声、要件緩和の要望の実情等十分念頭に置いて検討していくことということにされております。
 私どもとしましては、そういう両論はございましたが、今後の方向として、十分そういう配慮をしながらということで検討を進めてまいりまして、今回は要件緩和を行いますが、認定農業者の経営改善を目的とした出資に限定をするし、計画の認定の際には、出資の具体的内容でありますとか、それから認定農業者たる農業生産法人の経営基盤に寄与するかどうかといった内容を審査をする。また、新たに農地の効率的かつ総合的な利用という観点も法律上明記をいたしまして、これが適切かどうかをチェックをする。それから、計画の有効期間、五年間に限定した特例という形にしておりまして、万が一不適切な事態が生じた場合は、有効期間中であっても市町村が認定を取り消すことができて、議決権の割合についての制限が復活すると。また、役員要件につきましては、農業に従事する構成員が業務執行役員の過半を占めるというこの役員要件自体は変更をしておりません。
 こういった幾つかのチェックポイントなり担保措置ということを組み込んだ上で改正をお願いしているところでございまして、懇談会の議論を踏まえて措置をしたということでございます。
#163
○紙智子君 この有識者懇談会の論点整理の話も今されたんですけれども、その中身自身は、結論としてだからやっぱり進めていいという話にはなっていなかったんだと思うんですよね。前回の農地法改正から、あ、そうですね、前回の農地法改正からは日が浅いと、農村現場からは懸念の声が聞かれていること、要件緩和の検討が容認されているという考え方においても様々な前提条件や留意事項が提起されていると、要件緩和についても耕作者主義の基本的な考え方に影響を及ぼし得る事柄を内在していると、そして現行の土地利用規制措置についても課題を抱えている、こういう点を十分に念頭に置くことが大事だと言って、そして、のれん分けや分社化の問題についても、要件緩和の要望についても、複数の委員からは反対論とか慎重論が出されていたわけです。だから、その論点整理のところでも、制度の問題であるのか、それから運用解釈の問題、制度の理解に関する問題であるのかについて、十分に実情を掌握、確認していくことが重要だと言うにとどめているわけですよね。
 だから、そういうところから見ると、今度の改正というのは、この論点整理で結論について言えば、これを、言ってみれば反しているんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#164
○政府参考人(川村秀三郎君) 今もお答え申し上げましたとおり、農業生産法人の要件緩和の問題につきましては、確かに両論がございました。ただ、我々としましては、その両論を十分踏まえた上で、その今後の取扱いというところにも書いてあることを十分念頭に置いた上で措置をしているということでございます。
#165
○紙智子君 農業生産法人の要件が、農地法の耕作者主義の原点とも深くかかわっている問題だと思うんですね。やっぱりずっと今までの議論の積み重ねがあったというふうに思うんです。だからこそ、やっぱり懇談会の中でも慎重に審議するべきなんだということが言われていたわけで、そういうことがありつつも、部分部分でもって骨抜きにしていくというようなやり方というのは私は良くないというふうに思うんですね。
 それで、今回の法改正で、認定農業者である農業生産法人については、認定計画に定めるという条件付きながらも、農外企業などは議決権の四分の一、一構成員当たり十分の一に制限されている。この構成員の要件を農地法の特例として緩和するということで、そうなると、農業生産法人が農業生産法人に出資する場合だけではなくて、農業企業も含めて関連業者すべてが制限されないことになると思うんです。のれん分けや分社化の場合は上限がないと。それから、関連業者の場合は二分の一未満まで出資可能だと。
 この二分の一というのは、午前中の議論でも出ていましたけれども、農業生産法人の経営をコントロールすることが十分可能じゃないかというふうに思うんですけれども、歯止めを取るという話もありましたけれども、本当に大丈夫なのかというところでどうでしょうか。
#166
○国務大臣(亀井善之君) 今回の特例、農業生産法人の議決権の制限について、多様な経営展開の実現等を求める農業内部からの緩和の要望が上がっており、また担い手の育成の面でも支障を生じていることから、認定農業者に限っての措置を講ずることとしたものであり、農業経営改善計画の認定に当たっては、認定農業者の経営改善を目的とした出資に限定すること、農地の効率的かつ総合的な利用の観点からもチェックすることと、事後的に市町村による認定の取消しが可能であることなどにより、真に農業生産法人の経営基盤の強化に資するものであるかどうか、農外資本による経営支配のおそれがないかどうかを十分チェックすることとしていることから、御指摘のような懸念はないものと、このように考えております。
#167
○紙智子君 二〇〇〇年の農地法の改正のときに政令が改正されて、構成員の要件が大幅に緩和されると。それで、継続して法人に投資、役務を提供している者、法人から物資や役務の提供を受けている者、それから新商品、新技術の開発、提供に係る契約を締結している者などに拡大をされるというふうになりました。事実上、業種に関係なく関連業者になることができるというふうになったわけですね、前回の改正で。
 それで、午前中、加工会社なんかがそういう意味では影響を持つようになるんじゃないかというのを出されていました。今回の法案で、例えば法人に種苗の提供をしている企業だとか、あるいは委託栽培などで生産者の販売を行っている企業だとか、輸送を行っている輸送業者だとか、業種に関係なく二分の一まで、未満まで出資可能だということになると思うんですね。
 それで、農地法は、耕作者主義などの農地法の趣旨を逸脱しないように、農業生産法人に対する出資に量的な制限を設けてきたと思うんです。農水省自身もこれまで、四分の一、十分の一の量的な制限が農外企業支配の歯止め措置であるということを繰り返しおっしゃってこられたと思うんですね。
 認定農業者の農業生産法人ならば、結局、農地法の趣旨を逸脱してもいいということに今度のこれでいうとなるんですけれども、そういうことなんでしょうか。
#168
○政府参考人(川村秀三郎君) 農地法の一般的な規定上は、確かに今、紙委員から御指摘があったとおり、総議決権の四分の一以下、一構成員は十分の一以下という規定があるわけでございます。ただ、今回は、これを緩める代わりといいますか、その条件として、先ほど大臣もお答えをしましたとおり、認定農業者に限るとか、その認定を受けている機関に限定をするとか、一定の制限を加えて、その支配等から生ずる懸念を払拭した上で措置をするということで御理解いただきたいと思います。
#169
○紙智子君 私にはどうしても、やっぱりチェックするということなんですけれども、いったんこれを緩めていくことで、元に、じゃチェックして元に戻すことできるのかといったら、なかなかそれは大変なことだと思うんですよ。農業委員会としてもっと役割を果たすという話がありましたけれども、もちろんそのことは大事なんですけれども、実際上、じゃそういうことで本当に大きな責任というのを果たすことできるのかということにもなっていくわけで、だからやっぱり慎重にということが今までも言われてきたというふうに思うんです。本来、農業生産法人は地域に根差した耕作者が中心になるべきものだというふうに言われてきたと思うんですね。出資制限を外せば農外企業による支配権を認めることになると。そうすると、この原則が貫かれなくなって、農地法の見直しについてはやっぱりなかなか貫かれないという状況が出てきてしまうわけで、今回のように次々とやっぱり適用除外を設けていくということは、実質上、骨抜きにしていくというものとして、私はやっぱりやるべきでないということを再度申し上げておきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕
 それから、次に、特定農業団体についてなんですけれども、集落営農組織の中で政令で定める要件を満たすものを特定農業団体とするというふうになっていますね。それで、昨年十一月に、米政策改革大綱が決定されましたけれども、その際に、農水省が集落型経営体というのを要件を示しました。それで、規模要件以外に三つ示していますね。一つは、生産から販売、収益配分まで組織として一元的に経理を行う、それから二つは、主たる従事者が他産業並みの所得水準を目指し得るとともに、三つ目は、一定期間内、五年ということですけれども、めどに法人化する計画を有する等、経営体としての実体を持つものというふうに、三つ示されているんですけれども、この要件と同じというふうに考えてよろしいんでしょうか。
#170
○政府参考人(川村秀三郎君) 特定農業団体と、今回の法改正で盛り込みます特定農業団体と集落型経営体の関係でございます。
 まず、集落型経営体につきましては、昨年決定を見ました米政策改革大綱の中で取り上げておりますが、これはあくまで担い手経営安定対策におきます対象者という位置付けでございます。そういうことからいたしますと一定の規模要件等を必要とするわけでございますが、これに対しまして、基盤強化法の特定農業団体は、基盤強化法の趣旨が認定農業者などの担い手に農地の利用を集積し規模拡大を図るということでございますので、そういう農地全般の引受け手といいますか、そういう形での組織になるわけでございます。
 ただ、その特定農業団体も集落型経営体も、今後、法人として安定的な、効率的、安定的な経営体へ発展していただくという意味では共通の基盤があろうかと思いますが、集合的な関係でいいますと、特定農業団体の方が広くて、そしてその中で更に一定の要件を加えたものが集落型経営体というふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
#171
○紙智子君 要件と同一ではないわけですか、そうすると。さきに言った集落型経営体として示したものとこの特定農業団体というものとは同じではないということですか。
 違いというか、よく分かるように、分かりやすく言っていただきたいんですが。
#172
○政府参考人(川村秀三郎君) 共通する部分とそうでない部分があるということでございまして、共通する部分としては、将来とも効率的、安定的な経営体として発展をしていただくということが前提になりますので、具体的に二つございます。
 それは、組織としての実体を有するための確認ということで、例えば当該組織が目的、構成員の資格、代表に関する事項とか、総会の議決事項等を定めた定款等を有するとか、そういう組織としての実体の要件。それからもう一つは、将来法人化した上で効率化、安定的な経営体として発展することを目指すということで法人化計画を有するという、この大きくは二点においては共通しているということでございますが、対象となる農地が経営安定対策の場合は水田でございます。特定農業団体の場合は、特に水田に限らず、畑地も含めた農地全般になりますし、面積要件について、特定農業団体はございませんが、経営安定対策の方は、既にお示ししている提案は二十ヘクタール以上という面積要件を付けているということでございます。
#173
○紙智子君 米政策大綱で二〇〇四年度の概算要求までに求めるとしている担い手経営安定対策の対象、これは特定農業団体の中から、言わばこれ全体じゃなくて、経営規模によって更に選んでいくということになるんですか。
#174
○政府参考人(川村秀三郎君) 経営規模もございますし、それから農地の種類もあるわけでございますが、基本的には、こういう特定農業団体になり得るものの中から集落型経営体が出てくるというふうに御理解いただきたいと思います。
#175
○紙智子君 もう一つお聞きしたいんですけれども、二〇〇一年の八月三十日に出されている農業経営政策に関する研究会報告、ここで「農業構造改革推進のための経営政策」というのがありますが、ここでの経営所得安定対策について、育成すべき農業経営が構造転換に取り組む場合に、価格変動によるリスクを緩和するためのものであることから、対象となる経営は、意欲を持って経営改善に取り組む認定農業者を基本に検討することが適当だというふうにしていますね。それで、集落的営農については、その取扱いを検討する必要があるということで結論を保留しました。つまり、集落的営農についても、経営所得安定対策、これはみんな対象にするわけではないということですよね。どうですか。
   〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕
 それともう一つ、今回、集落営農について新たにこの特定農業団体という規定を設けるわけですけれども、これが今後、認定農業者と併せて育成すべき農業経営と位置付けられるということなのか、それが一つですね。それからさらに、経営所得安定対策の対象も特定農業団体が基本になるというふうに考えられるのかどうか、この点について。
#176
○政府参考人(川村秀三郎君) 御指摘の平成十三年八月の経営政策大綱の中では、集落営農の取扱いは今後検討すべきということでなっておるわけでございます。
 この大綱も踏まえまして、その後、米政策の全般的な見直しの中で検討をいたしまして、少なくとも水田農業につきましては、先般、米政策改革大綱の中に盛り込んだように、集落型経営体を、集落営農のうち集落型経営体を対象にするという方向を出したということでこの点は御理解をいただきたいと思います。
 それから、特定農業団体につきましては、これが直ちに認定農業者となるわけではございませんが、将来、特定農業法人等、法人化しまして特定農業法人等になっていただくという意味で、ちょっと言葉が的確かどうかはあれですが、予備軍的な存在になると思っております。
#177
○紙智子君 経営安定対策の対象も、特定農業団体、これが基本になるということでよろしいんですか。
#178
○政府参考人(川村秀三郎君) 特定農業団体が直ちになるわけではございませんが、そういう過程を経て集落型経営体になり得るということでございます。
#179
○紙智子君 農業経営政策に関する研究会の報告で、農業関連施策ですね、これ、育成すべき農業経営に対して集中的、重点的に講じることにより云々というふうになっています。
 そういうふうになりますと、政策対象の絞り込みについて、結局、明確に打ち出しているということになると思うんです。その際、今回の法案で定められているこの特定農業団体の要件が集落営農の選別の基準になるということは間違いないんじゃないかと。どの程度の集落営農が対象になるのかが問題になっていくわけです。
 これはもう本当に農協とかへ行くと、今まででいうとはっきりしていないものですから、どこまでどうなるのかということをみんなおっしゃっていたわけですけれども、どこまでが対象になるかというのが問題になっていくと。
 農水省が示した生産から販売、収益配分まで組織として一元的に経理を行うという条件の一つを取っても、全国の集落営農数は二〇〇〇年十一月一日の現在で九千九百六十一あるというふうに思うんです。そのうち集落内の営農を一括管理運営している集落営農というのは一二・一%で、約千二百組織にすぎないわけですね。
 だから、農水省が挙げる要件を満たしてこの特定農業団体になる集落営農というのは極めて限定されていくことになるんじゃないでしょうか。
#180
○国務大臣(亀井善之君) 担い手の減少、あるいは高齢化の進展、農作物価格の低迷等の農業事情の下で、各地域では地域農業を継続していくために、工夫として集落営農の形を取りながら、転作田の団地化等、地域内の土地利用の調整を行う、あるいは機械を共同購入し、それを共同利用して農業生産を行う、中心的な担い手に主な作業を委託すること等により生産から販売まで共同で行うといった多様な取組が行われております。
 今回の基盤強化法の改正においては、これらの多様な集落営農の取組のうち、農業の構造改革を促進し、望ましい農業構造の実現に資する観点から、現時点では法人格を有していないものの、将来的には法人化した上で、効率的かつ安定的な農業経営へと発展することが期待される集落営農組織に法律上の位置付けを与えて、その育成を促進しようとするものであります。
 今回、法改正等をきっかけとして、この特定農業団体の組織化に向けた取組がなされていることを期待しているが、特定農業団体以外の取組に対しても、機械の共同利用による生産の効率化やコストの低減を図る取組に対しては、生産対策の面から、中山間地域等で農地の保全・管理を行うものに対しては中山間地域等直接支払制度の中で、それぞれの機能、役割に応じた支援策を講じていく考えでおります。
#181
○紙智子君 その特定農業団体となる集落営農はどの程度に想定しているんでしょうか。ちょっと確認したいと思います。
#182
○政府参考人(川村秀三郎君) 現在、どの程度のものが特定農業団体となり得るのかというのは、見通すのは非常に困難でございます。農地的な利用活動を行います農用地利用改善団体、これは全国に一万二千ございます。現在でも一万二千ございます。先ほど紙委員から言われたように、集落営農の取組は約一万あって、そのうち水田が七千といったような、こういったものが母体になるとは考えております。現状で母体になると考えております。
 ただ、委員も御案内のとおり、今回の米政策大綱の部分を含めまして、基本要綱を作りまして、その中で各地で地域水田農業ビジョンというものを作ることになっておりまして、地域での精力的な話合いで、だれがその地域の水田農業を担うのかということで精力的な話合いを行うということになっておりますので、今後、またこういう動きが活発化すれば、そういう母体は更に広がっていくものというふうに考えているところでございます。
#183
○紙智子君 ちょっとなかなか、よく聞いても具体的によく分からないんですけれども、農水省が示した要件ということでは、実際の集落営農の状況から見ても大きく乖離していると言わざるを得ないんですね。
 一定期間内に法人化することを要件にしているわけですけれども、法人化するには、代表役員を決めなきゃならないとか常勤者を確保するとか、それから人件費を賄えるような資金の裏付けが要るとか、通年雇用を確保しなきゃいけない。法人として永続するための収益性と経済、経営の基盤の確保などが必要になるわけです。
 農水省が一農場型営農組織ということについて行った調査でも、法人化を希望しているのは二三%ですね。そして法人化しないというふうに言っている理由は、経理や労務管理が負担になると、これ四五%の人がそう答えていますね。リーダー確保が困難だと、これ四三%。兼業農家がほとんどを占めるような集落営農組織の実態からして、多くのところで法人化というのはなかなか困難なんだというふうに言われているわけです。集落営農の意思とも反しているというふうに思うんです。
 それから、中核を担う生産者が他産業並みの所得を目指すという要件についても、認定農業者のいる集落営農というのは、全国で平均すると四一%ですけれども、これは平均であって、実際に近畿で言うとどれぐらいかというと、一八・六%。それから北陸では二六・九%、中国・四国で三一・五%ということで低いわけですね。こういう条件で絞り込んでいくということになりますと、これまで地域農業を担ってきた集落営農の圧倒的な部分が対象から外れるということにならざるを得ないというふうに思うんですよ。
 やっぱり特定農業団体の要件から外れる多数の集落営農が、育成すべき農業経営ということから、そこにはみなされないで切り離されていく対象になって、これから後の稲作の担い手経営安定対策からも経営所得の安定対策からも除外されていくんじゃないかと。そして、政策対象の絞り込みが打ち出されている中で、その他の施策の対象からも除外されることになってますます大変なんじゃないかということを、私は非常にこれ問題だというように思っております。
 これについて、一言、ちょっと時間がなくなってきたのでお願いします。
#184
○政府参考人(川村秀三郎君) 確かに御指摘ございますとおり、この集落営農の形態は地域によってもかなり差がございます。よく地域の実態等は踏まえまして、夏の概算要求に向けまして、要件を最終的に決定するということになっておりますので、引き続き検討させていただきたいと思います。
#185
○紙智子君 もう一つ、特定遊休農地の届出の問題についてお聞きします。
 この特定遊休農地の届出を義務付ける問題で、耕作放棄が増大して深刻な事態になっていると、これは事実だし、対策が必要だというのは、これはだれも否定しない、必要なことだというふうに思っていますね。
 しかし、今回の措置については、計画提出を義務付けて、言ってみれば行政罰まで設けるということになると思うんです。そもそも、だんだん年を取ってきて、高齢で後継者がいない、そういう中でやむなく耕作放棄になっている状態があるわけで、そういう人が自ら耕作する計画を出せることもできないと思うんですね。これは農地所有者が過料を背景に、事実上売渡しか貸付けの選択を強制されることになるんじゃないかというふうに危惧するわけですけれども、いかがでしょうか。
#186
○政府参考人(川村秀三郎君) この遊休農地の利用計画の届出の問題でございますが、これはすべての遊休地についてこういうことをするということではなくて、正に特定遊休農地として非常に支障があるというようなもの、それから正当な事由があるものについてこういうものを発動するということではございませんので、そこの部分の御懸念はないというふうに考えております。
#187
○紙智子君 先祖から受け継いで、あるいは祖父母や、本当に、親の代で苦労を重ねて本当に開墾して切り開いた農地を好きで荒らしている人はいないと思うんですね。やっぱりできれば、例えば子供に後を継がせてやっていきたいというのがあるわけですけれども、今の農産物価格では家族の生活そのものが成り立たないと。だから、せっかく戻ってきたのに継がせないで就職させるという話もありましたし、あちこち農業調査で歩いたときに聞いた生の声でも、教育費が出せないんだと。そういう状態の中で、後を継いで農地やってほしいという話ができないという実態があるわけですね。
 だから、もちろんこういう解決のための努力というのは必要なんですけれども、私は、ちょっと時間がなくなってきたんではしょりますけれども、やっぱりこれは私はやり過ぎじゃないかというふうに思うんですね。追い込んでいってしまうんじゃないかというふうに非常に懸念します。
#188
○委員長(三浦一水君) 質疑者に申し上げます。時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#189
○紙智子君 はい。
 やっぱり根本的な一番大本になる問題点、一番の土台のところといいますか、やっぱり経営がちゃんとできるようなための対策を本来打つというところに全力を挙げるということが先だというふうに思います。
 そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
#190
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。
 今日の議論、いろいろお伺いいたしましても、自給率向上、国内自給率の問題も盛んに出てきておりまして、私は、前にも申し上げましたとおり、国内自給率の問題を今国会の主要なテーマにしようと思って毎度毎度質問させていただいておるわけですが、皆さんの関心高まってまいりまして、いろいろと実質的な御議論されている、単にお経でなくて実質的な御議論をされていると。これは大変私は皆さんに感謝する次第で、要するに農業関係者ばかりでなくて、むしろそれ以外の人が、なぜ国内自給を高めなきゃいけないかという認識、それがないと、例えばWTOの問題にしても、国民的なコンセンサスが得られないという大きな問題になると思うんです。
 その辺のイニシアチブといいますか、指導力といいますか、その辺は是非農林省に取っていただきたいと。我々も当然それに協力させてもらいたいと、こういう姿勢でおるわけですが、今日は、農業経営基盤強化促進法並びに災害の、農業災害補償法の審議ですので、その向上率、自給率の向上につきましては、時間がありましたら後に回させていただきまして、別の観点の質問を取りあえずさせていただきますが。
 まず、前回、私、質問の最後に一つ、大臣にもう少しはっきり言ってもらいたいなといいますか、お願いしたといいますか、議論をお約束したのがやっぱり中山間地の問題ですね。
 私は、そのときも申し上げたんですけれども、中山間地の問題というのは、これはそこに住んでいる人の問題でなくて、いわゆる国土という観点から国民全体の問題で、むしろ中山間地が疲弊したら、それは、そこに住んでいる人よりも、むしろ川下の都会の人が困る問題であるんで、日本全体の問題として取り上げていただきたいと、そういうことと、それから、やっぱり今の経済効率主義で算定するとどうしても取り上げづらい問題が、何も農業に限ったことでないですけれども、そういう問題がいろいろあるから、あると思いますんです。そういう経済効率性だけで解決しようと思えばどんどん疲弊していくと。
 したがって、そういう、今の社会は資本主義社会で経済効率性を第一にするかもしれませんけれども、事中山間地に限ってはそういうことでない視点で見ていただきたいと、こういうことをお願いしたんですが、前段のことについては大臣御賛同いただきましたが、経済効率主義でないそういう面で見ていただけるかなというところについて、もうひとつはっきりした御答弁いただけなかったものですから、再度大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#191
○国務大臣(亀井善之君) 中山間地域、これもう御承知のとおり国土面積の七割、あるいは耕地面積やあるいは総農家数の四割、こういう地域でありますし、さらに過疎地域自立促進特別法により指定された市町村が約六割と、こういうようなことは御案内のとおりでありますし、高齢者の率が高く、全国平均の一・五倍、約二五%、こういうような地域であります。
 この間、私、つくばに参りまして、中山間地域のいわゆる棚田の問題等々、防災の面でもしこの中山間地域のそのような整備が行われなかったときにどう災害が生ずるかと、こういう模型を見てまいりまして、本当にこの地域の重要性というものをつくづく感じてきたわけでもございます。是非そういう面で、国土の保全、水源の涵養と、さらには伝統文化と、このことも申し上げたわけでありまして、大変重要な役割を果たすわけでありますし、これらの維持発展と、このことが各般の施策を私ども講じていかなければならないんではなかろうかと、こう思っております。
#192
○岩本荘太君 今の大臣のお答えが、経済効率主義でということでない別の面からも眺めたいというふうにお答えいただいたんだと思って納得はさせていただきますが、前の大臣もその前の大臣もはっきりこう言っているんですよね、経済効率主義でない面も考えなきゃいかぬというようなことは。だから、決してそれが今の社会の物の考え方に反抗していくということでなくて、やはりそういう、今の判断といいますか、判断基準というものでない考え方も導入していかないと、今までのままで行っちゃうと日本の国がおかしくなると、こういう認識で考えていただきたいなと思うんですが。
 今、中山間地域の大切さを大臣言われましたけれども、いわゆる農林省、多面的機能、農地の多面的機能、中山間地は農地ばかりじゃないですけれども、そういう多面的機能を言われましたけれども、正に多面的機能というのは今の経済的な物の考え方じゃ計量化できない面がたくさんあるわけですよね。それでいて大事なわけですから、そこがまた新しい、今考えている経済効率主義でない別の尺度のもので見ていただかなければいけないというふうに思っております。
 それと、これは質問じゃないですけれども、私の中山間地域に対する思いといいますか、申し上げたいと思うんですけれども、僕は、私は農林省の枠を超えた対策が必要だと思うんです。農林省の農林水産業だけではどうにもならない。住んでいる人のなりわいが農林水産業ということが主ですから、そうならざるを得ないんでしょうけれども、先ほどから言っていますように、そういう人たちの問題だけじゃない、むしろもっと大きな日本国土としての問題である。
 したがって、私は、例えば一つは教育関係の問題もあると思うんですね。過疎化するということはやはり教育環境が悪化するということが一つある。ということは、これは余り言っちゃいけないんでしょうけれども、例えば中山間地に先生を赴任させる場合、やっぱりああいうところは一、二年行って我慢してこいというような、もしこういうことがあったら、そこは教育的にいい環境じゃなくなる。だけれども、本当は中山間地というのは、逆に言えば、今、日教組とかいろいろ二十人学級、三十人学級と言っていますけれども、具体的にもうそれが実現しているようなところですし、交通の、いわゆる都会としてのいろんなあれですね、騒音とか公害からも逃れていると。したがって、これは教育問題だということで、これは文部大臣にも私は指摘させていただいて同意を得ておる問題ですし、例えば先ほど来出ていますシルバー農業なんかも、中山間地というのは割とシルバー農業を導入されているところが多いわけですけれども、もしそれでシルバーの人が生き生きと生活できれば、これはある意味の福祉政策じゃないか。
 したがって、当時厚生省、厚生大臣という名前でしたけれども、厚生大臣にもそれは代表質問でやったことがある。そうしたら、必ずしも否定的でない言葉が出てきたわけですので、そういう物の見方もありますし、さらには医療の問題、これは言わずもがなでしょうけれども、こっちの面も解決しないとなかなか中山間地が存続できない。
 そういういろんな多面的な問題がありますので、その辺ひとつ意見として申し述べさせていただきますけれども、よろしくお願いいたします。今後、いろんな施策で私も地元に行っていろいろ聴取してきた結果等でまた御提案申し上げたいと思っております。
 そこで、農業経営基盤強化促進法に入りますが、大体、問題意識、皆さん同じようなものなので、重複する、したくないものですから簡単に、簡単にといいますか、ちょっと質問通告したのとは、ちょっとカーブが掛かるかもしれませんけれども、ひとつその辺はよろしくお願いしたいと思うんですが、まずこの中山間地域と関連して、今回の担い手農業、担い手農業を促進するわけですよね。それで、集落型の経営体を援助していくということと中山間地域の農業との関連といいますか、これはどんなふうなところでどういう接点があるかをまず教えていただきたいと思います。
#193
○政府参考人(川村秀三郎君) 中山間の問題でございますけれども、正に中山間につきまして考えた場合に、なかなか平地と比べましていろんな条件がございます。どっちかというと不利な条件があるわけでございまして、そういう場合に、やはり中山間の場合は担い手の確保というものを非常に難しくしているんではないかというのがまず現状認識としてございます。
 今回のその集落営農をやっぱり位置付けるということは、中山間地域につきましてもかなり大きな意味を持つのではないかというふうに考えております。やはりなかなか、特定の担い手に集中するというのは中山間地域はなかなか難しい面がございますので、むしろ中山間地域等においては地域ぐるみの取組というものが重要性をより平場に比べても出てくるのではないかなというふうに思っております。
 そういう意味で、今回こういう法的な位置付けをすることを通じまして、またこれまでも中山間については、中山間の直接支払を始めとして中山間特有の対策も講じてきておりますので、それと相まって中山間の振興につながらないかと考えておるところでございます。
#194
○岩本荘太君 中山間地域の営農集団といいますか、それは一般的な平地のまだ担い手が残っているところと随分違うと思うんですよね。だから、それは一概に、一つ一つ挙げて議論するわけにいかないんですが、端的に言って、要するに新しいこの改正というのはやっぱり中山間地農業には資するというふうに、資したいと、そういうふうに考えていると考えていいわけですね。
#195
○政府参考人(川村秀三郎君) 御指摘のとおり、中山間の振興に資したいということで、それも併せて考えております。
#196
○岩本荘太君 そういう方向であれば、その方向性を受けて、じゃ、本当に資するものかどうかは現地で私は実際に勉強したいと思っております。
 それから遊休農地の問題ですが、これも盛んに出て、私は現状がどうかとかお聞きしたかったんですが、しようと思ったんですが、もうこれは既に耕作放棄地が二十一万ヘクタールですか、それから不作付け地を入れると五十万ヘクタールとか、こういうお話であったんですが、こういう御議論の中で一つだけちょっと気になりましたのは、要するに今回の対応は、いわゆる周囲に、遊休しているがために周囲の遊休していないところに対して影響があるというところを取り上げるというふうに私は聞いたんですが、例えば雑草や病害虫や水利上の問題ですね、そういうふうに、そこを対象にしているんだというふうにお聞きしたんですが、そういうような理解をしたんですが、いわゆる農地の認識は、いわゆる農地というのはいわゆる農林省も多面的利用ということを盛んに言っているわけですよね。
 だから、私は、農地が遊ぶということはその多面的機能が失われるということを一番恐れての対策じゃないかなという思いをしたんですが、先ほどの御説明でその営農しているのに支障があるからそこだけを取り上げるというのが、何か農林省の多面的機能を方針として出しているところと、出しているお気持ちとそぐわないような感じがするんですけれども、要するにそういうほかに営農に影響がある、そういう農地というのは、大体この耕作放棄している、あるいは不作付け地なんかのうちのどのぐらいの割合を今想定されているんですか。言うなればこの法律でカバーする農地面積ですね。
#197
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回、改正法案を出しております基盤強化法でございますけれども、この基盤強化法の目的というのが、農地の利用集積を促進し、その担い手に集積を促進していくという、そういう法律でございますので、その中で遊休農地をどう扱うかという観点で、遊休農地全般をこの基盤法で扱うわけではないので、その点をまず位置付けを御理解いただきたいと思います。
 そういう意味で、今回の基盤法の二十七条の遊休農地対策というのは、やはり周辺の農地利用との関係において著しい支障等があるものを対象にして勧告とかを申し上げると。確かに、農地全般を考えますと、委員が御指摘ございましたとおり、中山間の農地というのは特に公益性も高いわけでございます。そういうものは、先ほど言いましたような中山間地域の対策としての中間、直接支払とか、そういう施策の中で重点的に取り組んでいくべきものということで、そこはちょっと仕分をして施策の対象を考えているところでございます。
 それで、数値的な目標は、ちょっとなかなかそのデータとしては申し上げることはできません。
#198
○岩本荘太君 そういう御説明は分かります。分かりますけれども、私が不勉強かどうか分かりませんが、いわゆるこういう遊休農地に対する対応というのはこれが初めてじゃないかなと、大々的に遊休農地として扱ってきたのは。
 そうした場合に、片や遊休農地の問題というのは、これは農地というのは多面的機能があるからということでとらえられているのに、こういうものが先行をしますと、じゃ、ほかの農地、遊休農地はどうなんだと、農林省というのは営農だけの農地をまず対象とするのかと。そういう極端な議論になると、ほかのところは転用してもいいのかということに、農業として余り役立たないのであればというような議論まで発展しちゃう気がして、心配があるんですよ。
 その辺が、だから、全体としての遊休農地というものがどうなのかという御方針と併せてこういうものが出てこないとなかなか、なかなかといいますか、私は非常に心配を感じるんですが、局長、どうですか。
#199
○政府参考人(太田信介君) 先生御指摘の点につきましては、ある意味で、例えば食料のトータルの供給力のための農地総量の議論等々と含めて、多面的機能の議論もそうでございますけれども、むしろその部分は先行している観点じゃないかというように考えています。
 今回の法律は、そういう意味で、それを逆に営農の観点からすることがまた農地が有効に活用されるということでございますので、そういった観点から申し上げますと、先ほど大臣の方からも答弁申し上げましたとおり、洪水防止、水源涵養、土砂の流出防止等の多面的機能があることはもう皆さんに知られておるところでございまして、この遊休化というのはその低下を招くということになります。
 農水省といたしましては、まずは簡易な農地整備や営農機械を通すための耕作道の整備、そういう中山間地域に合ったような整備によって、まずは営農が継続できる条件を整備することと相まって、中山間地域等直接支払制度の実施を通じて営農が継続され、その発生が防止されるということでございますし、また発生した遊休農地についても土地の条件整備をして営農の取組を復活するというか、そういったことも併せて国土保全上の機能が発揮されるような取組を進めておりますし、今後とも進めていきたいという考えでございます。
#200
○岩本荘太君 農村振興局長がそう言われるんですから、私は信用してお任せしたいと思いますけれども、それともう一つは、この届出制という、これも出た、いろいろ議論出たんですけれども、本当にこれ実効性があるかどうかというのが本当に心配なんです。こういうことで本当に遊休農地が防げるものかどうか。
 要するに、遊休農地あるいは不作付け地というのは、これ根っこはやっぱり自給率の問題とかかわってくると思うんですよ。要するに、作ったって商売にならないときは物は作らないですよね。それは今みたいに自給率が低下していけば、作ったって売れないわけですから。
 だから、そこに根っこがあるわけで、そういうことを御認識いただいた上でこういうものを、僕は遊休農地というのは減らしてもらいたいですよ。減らす方法として、営農ばかりでない、ほかの、ほかの面の考え方も入れて、その農地としての機能を保つということを考えていただかなきゃいけないと思うんですけれども、その辺、この実効性について、局長で結構ですけれども。
#201
○政府参考人(川村秀三郎君) つい先ほど太田局長がお答えしたとおり、遊休農地全般の取扱いの所掌は、農林省の場合、太田局長のところで担当をなさっておりまして、私のところは正に担い手を育てるという観点で遊休農地をどう扱うかということで今回の法案の提案もさせていただいているわけでございます。
 そして、従来のこの経営の担い手の観点からの仕組みとしましては、農業委員会が遊休農地等の指導はこれまでもしておったわけでございますし、いろいろ活動はしておりましたが、やはりその仕組みとして、単に指導をし、あと問題があればもう市町村が即勧告をするという非常に短絡的な単線のルートでありまして、やはり遊休農地を効率的に利用していただくといいますか、自発的にやっていただくような道筋を付けた方がうまくいくんだという御意見が現場の農業委員会等からも出てきておりまして、そういう要望も踏まえて今回この改正に踏み切ったところでございます。
 そういう意味で、これまでの制度よりも、より遊休農地の所有者の方にまずいろいろ対応を考えるあれを、プロセスをその中に仕組みまして、その勧告を掛ける側も、まず土地の所有者の意向を十分把握した上で指導していくとか、そういう手続が取りやすくなるということでございます。
 全般的な遊休農地対策は、太田局長もお答えしたように、いろんな対策があろうと思いますし、まず遊休農地が発生しないような未然の抑止というものも非常に大きなウエートがあろうかと思いますが、そういったもろもろの中の一つのパーツとして今回提案させていただいているという形で御理解いただければと思います。
#202
○岩本荘太君 私、御質問している、ちょっとそれとあれが違うんですけれども。
 要するに、太田局長が言われた全体としての話もいいですよ、その中の一部だという今の御答弁でも結構なんですが、要は遊休農地というのは作るものがないから作らないんじゃないかと。幾ら整備したってこれ、じゃ農林省は指導してこれに何か作らせろということなんですよね。それはもうこれ以上聞きませんけれども、そういう問題があると私は思っておりますので、単純にはこれいかないんじゃないかなというような感じでございます。したがって、私は、さっき言いましたように、遊休農地そのものが非常に心配ですので、それに対する対応というのは是非、農林省としても全体の問題として是非考えていただきたいなと、こう思っております。
 それからもう一つ、次に農業災害補償なんですが、これはやっぱりさっき日笠委員の方からも御心配いろいろ出たのと私も同じ心配を持つんですが、いわゆる複数肥育経営とか、あれですよね、品種や栽培方法等による類区分の導入とか、非常に幅が広がる。これが本当に共済制度としてうまく機能するか。要するに、共済制度というのは、掛ける人間がおって、それでお互いの互助からやるわけですよね。したがって、掛ける母体がしっかりしていて、それでそれに見合う補償が適当に算定されると。
 先ほど、あれですね、母集団が広がるから、あれですよね、いいんじゃないかというようなお話でしたけれども、逆に言うと、こういう災害に加入するというのは、加入する人は危険があるから、危険が多いから参加するんだと思うんですよね、入らなくてもいい人は入らない。とすると、間口を広げると、これから間口を広げると危険、危ないと思う人がどんどん入ってくるんじゃないかなという心配があるのが一つ。そういう中で、こういうこの共済といいますか、共済制度がうまく機能をするのかですね。
 それともう一つは、これはちょっと角度が違うんですが、農作物、特にこれ畑作なんかはよく言われますけれども、何年かに一回豊作になって、それで初めてこの収支が合うと。そうした場合に、これ例えば掛金なんかあれですね、年均一ですね。年均一だとすると、農家の方から見ると、本当は豊作になったときに払って、払った方が払いやすいと。豊作になったとき均一だと、その余計な分は税金で取られちゃう、だから金があるときに払った方がいいなと、いいというような声も聞かないでもないんですよ。
 その辺、この二つは全然関係ない問題かもしれませんけれども、農林省の方はどうお考えになっているか、ちょっと御答弁をお願いします。
#203
○政府参考人(川村秀三郎君) まず、こういうメニュー方式でかなりの引受けにバリエーションが出てくるというお話でございますが、これにつきましては、確かに引受方式としてはそういう選択の幅が広がるわけでございますけれども、その地域の全体の災害の発生率とかそういうものは共通のベースを作りまして、言わばそういうところはそういう共通のベースの上に枝葉としてこの選択がなるということで、全体として共済としての根幹が変わるわけではないし、その部品部品で保険設計をするということではないので、そこは全体として共済制度の根幹を守りつつやるということで御理解をいただきたいと思っております。
 それから、確かに逆選択といったような問題は常に保険とかあれに起こり得るわけでございますので、そういうことが起こらないような制度の仕組みなり運営というものが必要でございます。
 それで、特にデータの関係につきましては、掛金が一定と今おっしゃったのは、先ほどもちょっと御議論ありましたけれども、三年に一遍見直しをするということになっておりまして、それまでのデータで、をベースに、被害と支払等の状況を見まして掛金の、被害率なり掛金に、それが掛金に反映するわけでございますから、そういう定期的な見直しをしていくと、そういう仕組みになってございますので、そういう逆選択とかそれが起こらないような運営ということでございます。
#204
○岩本荘太君 ちょっと私の言っているニュアンスと違うんですけれどもね。
 今、例えば、共済制度がこれ安定しているとすれば、これを間口広げたときに危ないというか、間口広げて、やっぱり自分は共済に入った方がいいなと思う人ばっかりが入ってくるんじゃないかと。そうすると、今までよりも危険が増えるんじゃないかなというようなね。だから、単に母体が大きくなったからいいんじゃないということが考えられないかということを申し上げたんです。
 それから、それと、掛金の方も、年々一緒だと。申告は年々でしょう、農家の申告は、確定申告は。大きいときは年々一定の額を払っちゃうと残ったときに税金掛かってくるわけでしょう。それだったらそのときに一緒に払っちゃった方がいいと、そういうような考え方がありますよと、こう申し上げたんで、これは川村局長、問題意識として認識していただければ十分お考えいただけると思いますんで、これ以上は御質問いたしません。
 時間を二分残しましたけれども、西藤局長、いつもいつも途中で終わりになっちゃって申し訳ございませんが、本委員会の課題でこれからも質問させていただきますが、質問しますと長引いちゃうものですから、今日はこれで終わりにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#205
○中村敦夫君 今回の改正、担い手二法という触れ込みで大変期待したんですが、中身はテクニカルで部分的な改正ということで、やらないよりやった方がましかなと。飲まないより飲んだ方がいいというキャベジンの広告を思い出すような感じなんですけれどもね。
 担い手育成というのは、もっと大きな私は話だと思うんですね。法律をちょっと加工してばっと担い手ができるというような、そんな簡単な話ではありません。
 例えば、サッカーの強い国、名選手の多い国、これはサッカーをやる人的資源、そのすそ野が非常に広いわけですよね。もう幼児のころから国じゅうで広場でそうした球けりをやっているというようなところが土壌になって頂点の質の高い選手たちが生まれるということで、これはどんな世界でも同じではないかなと私は思うんですね。そういう意味では、私は、日本の本当に質の高い担い手を継続的に生み出していくというような、そうした土壌がないということが一番の問題だと考えています。
 第一、やっぱり特に都市住民、大都市住民と農業と、関係というものをかなり分断されてしまっていると。もっと人々が農業と接する、農業に親しみを感じるというような、そうしたライフスタイルとか制度的な基盤というものがないと、ただ、食える専門の農業者を一部的に作るということは、これ不可能だと思うんですね。ここで給料が高くなるからやれというようなえさだけでは、そんなに簡単に担い手というのは育たないと思います。そういう意味で質問したいんですね。
 農林水産省は、農業の理想的な担い手として農業所得が農外所得よりも多い主業農家というものを中心に考えていますね。特に、効率的かつ安定的な農業経営という視点からは、ほかの産業で働く人たちと同じ程度の労働時間で同じ程度の所得を得られる農家の育成に経営政策の重点を置いているわけです。確かに、農業中心で食べていける農家の育成を政策的に支援していくことは非常に重要であると私は考えています。
 しかし、一方では、日本の多くの農家が、自家消費を中心とする自給的農家や、余剰分を販売している副業的農家であるというのも事実ですね。実はこっちの方が多いわけですよね。農水省の経営政策を見ておると、これら副業的農家や自給的農家の存在意義の重要性というのをちょっと軽視しているんじゃないか、見誤っているんじゃないかなと私は思います。
 なぜかといいますと、副業的農家あるいは自給的農家には支出に占める食費の割合、すなわちエンゲル係数が非常に低いという特徴があります。これは、一般の給与所得者よりも相対的に生活コストが低いために、可処分所得が実質的に多くなることを意味しています。また、残業代に頼らなくても生活できるということがありますから、余暇としての農業が定着しているという部分があって、一般の給与所得者よりも可処分時間も実質的に多いということになっておるんですね。これは日本のこれからの経済の問題を考えると、非常に重要な意味を持ってくるのではないかと思います。
 日本の経済なんですけれども、これはグローバル化の進展による産業の空洞化ということがありますね。もう、戦後、世界の工場として独り勝ちしてきた日本の重化学工業というのが発展途上国に追い付かれ、価格競争に負けていく、また将来的には石油資源が枯渇していくということの中で、大変難しい状況にあるわけですね。もう一つは、成熟社会というのが到来して需要が頭打ちになっているということですから、今後もこれまでのように日本という国が国内工業だけによって高度成長を遂げていくということは、どう考えてみても私は不可能じゃないかなというふうに考えています。
 そうなりますと、当然、工業やそれに関連した産業に従事していたそうした人々が働き口を失うという現象が出てきます。これは、まあ先進国にはすべて共通の問題点ですね。ヨーロッパでは、こうした事態に対して労働時間と給与所得を分け合うワークシェアリング、こうした政策を採用して、持続的な社会を作ろうと努力しているわけですけれども、日本で必ずしもこれができるような状況ではないと。
 日本では、住宅ローンや高い教育費のために、実質的に見ると生活水準ぎりぎりの給与所得者が多いということになっていますね。ですから、安易にワークシェアリングというのを導入した場合には、生活が破綻する人々が大勢出てきてしまうような、そうした状況が想定されるんですね。
 実際、今、ワークシェアリングどころか、首切りかパート労働への転換というものの方がどんどん進んでいる。そして、失業者が増えているわけですね。経済的理由による自殺者も増加する一方なんです。しかし、ある程度の食べ物が自給できているという条件があれば、給与カットや失業に遭っても、取りあえず家族が食べていけるんだということは事実としてあります。日本経済のこうした現状を見ていると、純然たる給与所得者を自給的農家や副業的農家に転換していくという政策は、一つの選択肢としてかなり重要な、そして魅力的なものになるんではないかというふうに思います。
 それに、給与所得を減らさないようにと残業や休日出勤を余儀なくされている給与所得者はたくさん今います。もう全く時間がない悲惨な状況で働いている。しかし、自給的農家や副業的農家となれば、家族の共有する時間というのを増やすことができる、むしろ今よりゆったりとした幸せな生活が送れるということも考えられるわけですね。
 経営局長に質問しますけれども、この副業的農家や自給的農家、こうした農業を主たる収入としない農家を増やしていって、育成するための施策というものを何らか実施しているのか、計画があるのかということについて伺いたいんです。
#206
○政府参考人(川村秀三郎君) 経営局の担当といたしましては、正に担い手を育成するということで、それは産業としての農業をいかに効率的にやっていくかという面が中心になるわけでございます。
 ただ、今、委員が御指摘ございましたとおり、農村というところは単にそういう担い手だけで成り立っているわけではございませんし、それから、今御指摘がございましたような、今の世の中の状況、職業観、ライフスタイルも非常に変わってきておりますので、やはりそういうものも担い手の周りであることが、総体としての農業農村の力を強めるということは正に事実だろうと思っております。そういう意味で、単に担い手を育成するということだけに絞って人を集めましても、なかなか本当の人材が集まるかどうかということは保証の限りではないわけですので、やはり幅広くまたその母集団を大きくするということもあろうかと思います。
 そういう意味で、まず最近は、いきなり自分で自営で就農するという方だけではなくて、いったん農業法人等あるいは大きな農家に就職をして、雇用という形態で入られていろいろ技術を覚えたりされるという方もいます。また、御指摘のように、定年になって帰農される、あるいは途中で退職をされて、また農村に入られるという方もいらっしゃいますので、そういう複合的な増というものがやはり必要であろうと思っております。
 今般、特に「農林業をやってみよう」プログラムということを厚生労働省と提携をしまして、今実施に移そうとしております。これは、ハローワークと私ども持っております職業の案内をしております新規就農センター等と連携をする、あるいは私どもが農業で人材を育てるために農業大学校、あるいは土、日のコースとしての就農準備校なんというのも各地、大都市に用意をしてございます。そういうところを活用して、就農をするための準備をしていただくコース、そういうものをいわゆる厚生労働省の手当の対象に組み込んでいくとか、そういう両省が密接に連携をしてやっていくプログラムを今般スタートさせようということで、また協議会の開催とか具体的な中身の詰めをしているところでございます。
 そういうことで、やはり就農の形態も多様化しておりますし多ルート化しておりますので、そういうことを十分踏まえた上で対策を講じていきたいというふうに考えております。
#207
○中村敦夫君 大きな意味での工業社会がうまくいかなくなって失業者が出ている、その吸収先として農業に新天地を求めるという部分と、また実際にこれからの企業経営の在り方が、東京に全員集めて箱の中へ鳥小屋のように詰めて、みんなで集まってやらなきゃいけないという時代ではありません。インターネットやコンピューターによって会社にいつもいなくてもできる、あるいは遠く離れたところからできる仕事というのもどんどんこれから増えていくと思うんですね。そうした人々が近くにある田園地帯で自給的農業をやるとか、そういうことによっても、今までの、ただ全く農村と都会は違うんだというような社会ではなくなるという意味で、かなりこれは重要なテーマになると思います。
 そこで、しかしながら、農地を貸したい農家はたくさんあります。農地を借りたい農家あるいは農業をやりたい人たちもおりますけれども、なかなか賃貸関係というのが交渉がうまくいかないんですね。その理由は、貸手は質の低い農地を貸そうとする、借り手は高い農地を借りようとするので、ここにミスマッチが起こっているという現実がありますね。しかし、自家消費を中心とする副業的農家あるいは自給的農家だったらば、主業農家ほどに農地の質にこだわる必要はないんじゃないかな、それはいい方がいいに決まっていますけれども、それがメーンではないと思います。
 したがって、新規参入の副業的農家や自給的農家を育成することにより、この法案でも問題になっている遊休農地の解消というものにつながっていくんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょう。
#208
○政府参考人(川村秀三郎君) 確かに、委員が御指摘ございましたとおり、いろんな考えの方が農村に行って、またいろんなタイプの農業をやりたい、その正に農業だけで食べるというのではなくて、いろんなライフスタイルの一環として農業をやりたいという方もいらっしゃいます。そういう場合に、なかなかやはり土地の利用というのが一つのネックになっておることは事実だと思っております。
 現行の農地法では、やはり農地の細分化を防止する観点から、農地の権利取得に際しましては、やっぱり取得後の最低経営規模という要件等も設けておりまして、そういう現実的な面で障害になっているという、そういったニーズに対しては障害になっているというところもあります。
 今般、特区の一環といたしまして、正に耕作放棄地等の農地が相当程度あるようなところでは、そういう特区を作りますと、そういった今申し上げましたように下限面積を規制しておりますが、そういうものを撤廃するような措置も講じるような特区もこの十月の施行に向けて検討しております。そういうことを活用していただくことによって農地の利用関係が円滑にいくのではないかということを期待しております。
#209
○中村敦夫君 大臣にもちょっと今の関係の感想を伺いたいんですけれども、主業農家ばっかり重視するというんじゃなくて、副業的農家や自給的農家ということも積極的に育成していくという政策を作った方がいいと思うんですが、いかがでしょう。
#210
○国務大臣(亀井善之君) 両面相まって、必要なことだと思います。
 大変、都市近郊の農業地域等々を見ますときに、正に就農をしている。しかし、土曜、日曜、それぞれ地域の生鮮野菜等々を生産され、あるいはまた朝市等にそれをお持ちになっておやりになっている。そういう面で、雇用の問題とそういう就農とそういう形、ひいては、将来的にあるいはまた新しい就農者というような形で農業が一歩前進するようなことがかなえられればと、こう思います。
#211
○中村敦夫君 ただ、給与所得を中心とする副業的農家あるいは自給的農家を育成するとしても、これまで全く農業にかかわったことのない都市のサラリーマンが突如農業を始めるということは不可能なんですよね。むしろ、農業というのは未知の世界でおそれを感じる、壁を感じるということが多いと思います。
 一方では、農業に関する知識と経験を持つ給与所得者であれば、ちょっとした農地と資材さえあれば自家消費分ぐらいなら無理なく作れるということがあります。
 そう考えますと、多くの人に農業の知識と経験を持ってもらう政策が重要になるわけですね。義務教育や高校教育の授業に農業を導入していけば、多くの人がいざというときに自分の食べ物ぐらい作れると。もちろん、農業に限らず、林業が盛んな地域では林業、漁業が盛んな地域では漁業を教えることになってもいいと思いますが、大切なことは、農林漁業という第一次産業の育成を教育政策の視点からも重視していくこと、これが不可欠だと思います。
 文部科学省にお伺いしますけれども、文部科学省として義務教育や高校教育の授業に農業を導入するということについて、どう考えていますか。
#212
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 小中学校におきましては、農業が我が国の重要な産業であるとの認識の下に、社会科において農業に関する関心と理解を得させるよう指導いたしますとともに、特別活動や総合的な学習の時間において、農業にかかわる体験活動が行われているところでございます。
 例えば、社会科では、小学校の第五学年で、我が国の農業の様子や、農業が国民の食料を確保する上で重要な役割を果たしていること、中学校の地理的分野で、地域の地理的諸条件と関連付けて農業等産業の様子などについて理解させることといたしております。また、特別活動や総合的な学習の時間などでは、地域や学校の実態に応じて、例えば近隣の田畑や学校菜園などを使って米作りや野菜、草花の栽培などが行われているところでございます。
 さらに、高等学校におきましては、農業高校を中心に、将来のスペシャリストを育成するという観点から、食料供給や素材生産などの農業の各分野に関する基礎的、基本的な知識と技術を習得させるための学習が行われているところでございます。
 文部科学省といたしましては、児童生徒が我が国の重要な産業である農業に関心を持ち、理解を深めるとともに、農業体験等、様々な体験活動が充実されるよう努めてまいりたいと存じます。
#213
○中村敦夫君 そういう形でやられているわけですけれども、私は、もっと一歩踏み込んで、実は農業というのはただ産業の一つという意味だけじゃないと思うんですね。今後、ここで理由を説明すると長くなりますけれども、将来的に非常に食料問題というのが今世紀の最大の課題になってくると思うんですね。これは、地球温暖化による砂漠化から、あるいは石油がなくなっていくと、大型工業ができなくなってくる、大型農業ができなくなってくると、いろんな意味、人口爆発というのもありますしね。
 そういう意味で、例えば携帯電話なくても生きていけますけれども、食料なしには生きていけないと。人間が生きていくノウハウの中で最も、食料を自分で作る、あるいは工夫して確保するという能力が一番重要だと思うんですね。それと、自然との格闘をするという子供時代からの体験ということが実を言えば多くのことを教えてくれると思うんですね。これは環境の大事さばかりでなくて、自然のおきてというのは非常に厳しいですから、だれよりも、何というんですか、おきてというものに直面して倫理を学んでいくという非常にいい教育の分野だと思うんですね。
 大臣、どうでしょうか、文部科学省に対して、農林漁業を義務教育と高校教育の授業の中でかなり強いカリキュラムとして導入するように要請していくというようなお考えありませんか。
#214
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員御指摘のとおり、子供のころからいわゆる農業を知る、物を作る、作物を作ると、これ正に生きる力を醸成することではなかろうかと、このようにも思いますし、また、先ほど来お話の担い手をつくっていくそのまた基にもなるわけであります。
 是非、文部省と今、私ども連携協議会を設置をいたしまして基本的な方針と、こういうようなことで、総合的な時間等に農業体験機会の充実、あるいは中学校における進路に関する啓発的な経験等の充実、補助教材等における農林水産業、農山漁村に関する取扱いの充実等について取り組んでおるわけでもございます。
 更に、この文部科学省との連携協議会、これを充実させて、農業の、子供のころから、あるいは小学校、中学の生徒さんたちにやはり作物がどうしてできるかと、こういうこともしっかり体験をしていただくと。
 元々、大半の日本の人たちは、そのルーツは農家であるんじゃなかろうかと。あの旧盆のころ、皆さん田舎に、ふるさとにお帰りになると。それはみんな農家の、その御地元にお帰りになるわけでありまして、そういうものをみんな体験をしておるわけでありますから、そういうものをしっかり国民全体が持って、そして進むことが私は必要なことではなかろうかと、こう思います。
#215
○中村敦夫君 再び文部科学省にお伺いします。
 農水省の進める主業農家育成も非常に重要な政策なんですね。今回の法改正は、意欲のある農家や農業法人による攻めの経営というものをもっと強くしていくという意味で一つの力になるだろうというふうに思っています。
 一方、こうした政策は、主業農家に対し、これまで以上の専門的かつ幅広い知識、経営者としての能力なども求めていくことになります。すると当然、主業農家の後継者養成を担う農業高校、そして農業大学の在り方も、これに合わせて充実していかなきゃいけないと思うんですね。
 農業高校は専業農家としてのプロを作るのに、その目的としてありますし、農業大学の場合はより広い農業の分野を、また経営というような面でまで勉強するような、そういう役割を担っているわけですけれども、今後の農業高校と農業大学、現状と今後の方向性について説明していただきたいんです。
#216
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
 農業高校における農業教育は、有為な農業従事者及び農業関連産業従事者の育成において重要な役割を果たしてきたところでございまして、文部科学省におきましては、魅力ある農業高校作りや幅広い専門的知識、技能により地域に貢献する農業高校作りを進めるため、これまでも、農業技術の革新など農業を取り巻く状況の変化に適切に対応すべく教育内容の改善などに努めてきたところでございます。
 最近の主な施策といたしましては、平成十五年度から高等学校で新しい学習指導要領が実施されたことに伴いまして、バイオテクノロジーの急速な発展や地球環境問題、農業農村に期待される機能の多様化などに対応した教育内容を改善いたしましたほか、農林水産省と連携いたしまして、農業高校と農業大学校との継続的なカリキュラムの在り方等について検討を行いますとともに、就業意欲を高めることを目的として、先進農家等でのインターンシップを推進しているところでございます。
 さらに、平成十五年度からは新たに、農業高校などの専門高校の活性化を図ることなどを目的といたしまして、地域の小中学校や地場産業との連携による農業教育の推進などについて実践的な調査研究を行うプロジェクトを実施しているところでございます。
 また、大学の農学部につきましては、生物資源の生産や利用を目的とする学術研究を推進いたしますとともに、農業従事者のみならず、食品加工などの農業関連企業、各種試験研究機関等における技術者や研究者等の農業に関する幅広い人材養成を行う学部として重要な役割を担っているところでございます。
 特に、近年では、バイオテクノロジーによる品種改良や地球環境保全など、新しい分野における役割の重要性も増してきているところでございます。
 それぞれの農学部では、地域の実情に応じて、学術研究の進展や農学に関する人材ニーズの多様化、高度化を踏まえまして、生物生産の効率化、バイオテクノロジー等の先端技術の開発利用、環境保全等の要請に対応した学科の改組を行うなど、魅力ある農学教育の展開に努めているところでございます。
 今後とも、農業の担い手となる人材の育成や魅力ある農業教育の推進に努めてまいりたいと存じます。
#217
○中村敦夫君 農業の近代化によって、農薬あるいは化学肥料の多用によってかなり食の安全が脅かされていて、そうした従来の近代化路線の農業ではいいのかという見直しが世界的な今潮流にあります。そして、そのキーワードとなるのは、従来からの自然に調和してやっていくという有機農業、有機農業の場合はそれを何倍も何年分も早めるという、そういうことですけれども、そうした研究というのはこれからの農業のキーワードになっていくと思いますので、この部分というのを教育の中にかなり大きく取り上げて、そうした教育政策の目玉にするような動きを促進させていただきたいという希望を申し上げて、質問を終わります。
#218
○委員長(三浦一水君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#219
○委員長(三浦一水君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、本田良一君が委員を辞任され、その補欠として藤原正司君が選任されました。
    ─────────────
#220
○委員長(三浦一水君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#221
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、本法案が農業経営改善計画に従って農業生産法人に出資する関連事業者等について農地法の適用除外とし、出資制限を緩和することです。
 農地法は、農業生産法人の構成員要件を設け、農業関係者以外の出資に量的制限を掛けています。それは、農業生産法人があくまで耕作者主義に立ち、農作業を行う自然人の協同組織の発展したものであり、農外企業等に経営の支配権を握られることを防止するためにほかなりません。本法は、その歯止め措置である出資制限を骨抜きにし、農外企業による法人経営のコントロールを可能にするものです。
 この間、様々な企業が農業に参入していますが、不採算等を理由に短期間に撤退する事態も生じています。利益追求第一の農外企業が経営支配を握れば、安定的、継続的な農業経営が脅かされる可能性があり、耕作する者のいない広大な農地が残される可能性が否定できません。
 反対理由の第二は、集落営農のうち、農水省が定めた要件を満たす者のみを特定農業団体として位置付ける問題です。
 特定農業団体の要件から外れる圧倒的多数の集落営農は、今後、育成すべき農業経営とはみなされず、切捨て対象となりかねません。稲作の担い手経営安定対策や経営所得安定対策の対象とならないばかりか、政策対象の絞り込みが打ち出されている中で、その他の施策の対象からも除外されることになれば、多くの集落営農の維持が困難に陥ることになります。
 集落営農は地域の条件により多様で、その構成員は兼業農家がほとんどですが、集落全体として地域農業を担い、地域社会の維持に寄与しています。本法案は、このような多様な集落営農組織の役割を否定するものと言わざるを得ません。
 以上、本法案の反対理由を述べ、討論といたします。
#222
○委員長(三浦一水君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決に入ります。
 まず、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#223
○委員長(三浦一水君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田ひろ子君。
#224
○和田ひろ子君 私は、ただいま可決されました農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  我が国農業、農村は、輸入農産物の増大、担い手の不足等、従来にも増して厳しい事態に直面している。こうした状況の中で、将来にわたり食料の安定供給と農業の持続的な発展を図っていくためには、担い手の育成、遊休農地・耕作放棄地の解消と農地利用の増進等が喫緊の課題となっている。
  よって、政府は本法施行に当たっては、農業経営の安定化に必要な諸施策を充実していくことと併せて、地域の関係者が十分な話合いと合意形成の下に、一体となってこれらの課題に取り組める環境の整備に努め、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 認定農業者たる農業生産法人の構成員要件の特例措置については、分社化、のれん分け、共同法人の設立、加工・販売分野への進出等、制度改正の趣旨に沿った多様な経営展開が一層容易となるよう、農業経営改善計画の認定を行う市町村に対し適切な助言、指導を行うほか、経営相談事業の充実等ソフト面での支援に努めること。
   また、農外資本による不適切な経営支配や農地取得等が招来されないよう、農業委員会によるチェック体制の整備等に努めること。
 二 特定農業団体については、これを農業の制度上の担い手に位置付けることから、集落機能の活性化や農地の流動化、生産の合理化など、地域の実情に応じた担い手として育成されるよう、その条件整備に努めること。
   なお、特定農業団体と米政策改革大綱における「担い手経営安定対策」の対象となる集落型経営体については、両者の整合性に留意し、現場段階で混乱を招かないよう十分配慮すること。
 三 特定遊休農地に対する利用計画の届出制度の運用に当たっては、改正後のシステムが有効に機能し、遊休農地の解消と認定農業者への集積等が効果的に行われるよう、市町村、農業委員会への周知徹底に努めること。
 四 本法の運用に当たって、農業委員会の果たす役割が重要であることにかんがみ、農業委員会制度の見直しについては、農地をめぐる担い手の育成など地域の課題に的確に対応する機能が十分発揮されるよう、関係者の意見を踏まえつつ、広範かつ具体的な検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#225
○委員長(三浦一水君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#226
○委員長(三浦一水君) 多数と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀井農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀井農林水産大臣。
#227
○国務大臣(亀井善之君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
#228
○委員長(三浦一水君) 次に、農業災害補償法の一部を改正する法律案について賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#229
○委員長(三浦一水君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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