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2003/03/19 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第10号
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2003/03/19 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第10号

#1
第156回国会 本会議 第10号
平成十五年三月十九日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
    ─────────────
  平成十五年三月十九日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 社会資本整備重点計画法案及び社会資本
  整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備
  等に関する法律案(趣旨説明)
 第二 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校
  整備特別措置法の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元議員藤田進君逝去につき哀悼の件
 一、皇室会議予備議員の選挙
 以下 議事日程のとおり


    ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員藤田進君は、去る一日逝去されました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに内閣委員長 建設委員長等の重任にあたられました 元議員正三位勲一等藤田進君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────
#5
○議長(倉田寛之君) この際、欠員中の皇室会議予備議員一名の選挙を行います。
 つきましては、皇室会議予備議員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することとし、また、同予備議員の職務を行う順序は、これを議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、皇室会議予備議員に平田健二君を指名いたします。
 なお、同君の職務を行う順序は、第二順位といたします。
     ─────・─────
#7
○議長(倉田寛之君) 日程第一 社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 両案について提出者の趣旨説明を求めます。扇国土交通大臣。
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(扇千景君) 社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、社会資本整備重点計画法案について申し上げます。
 社会資本整備に関するこれまでの事業分野別の長期計画は、事業の計画的な推進等を図る上で一定の役割を果たしてまいりました。しかしながら、今日、社会資本整備については、地域住民等の理解と協力を確保しつつ、より低コストで質の高い事業を実現するといった時代の要請にこたえて、事業を一層重点的、効果的かつ効率的に推進するため、横断的な取組や事業間連携の更なる強化が求められております。
 この法律案は、このような趣旨を踏まえ、新たに従来の事業分野別の計画を一本化した社会資本整備重点計画の策定等の措置を講じようとするものでございます。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国家公安委員会、農林水産大臣、国土交通大臣の主務大臣等は社会資本整備重点計画の案を作成し、重点計画は閣議の決定を要することとしております。
 第二に、重点計画には、社会資本整備事業の実施に関する重点目標、事業の概要、事業を効率的かつ効果的に実施するための措置等を定めるとしたものでございます。
 第三に、重点計画、地方公共団体の自主性及び自立性の尊重、民間事業者の能力の活用等が図られるよう定めることとしております。
 第四に、主務大臣等は、重点計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、都道府県の意見を聴くこととしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、社会資本整備重点計画法の施行に伴い、従来の事業分野別計画の根拠である緊急措置法の廃止等関係法律について所要の規定の整備等を行うものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。
 第一に、港湾整備緊急措置法、下水道整備緊急措置法及び都市公園等整備緊急措置法を廃止し、治山治水緊急措置法について、治水事業に係る規定を削除する等の改正を行うこととしております。
 第二に、道路整備緊急措置法の改正により、この法律の題名を「道路整備費の財源等の特例に関する法律」に改め、道路整備五か年計画に関する規定を削除するとともに、平成十五年度以降五か年間は、揮発油税等を道路整備費の財源に充てることなどの措置を講ずることとし、当該の措置を講じて当該期間に行うべき道路の整備に関する事業の量を閣議で決定することとしております。
 第三に、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の改正により、この法律の題名を「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」に改め、特定交通安全施設等整備事業七か年計画等に係る規定を削除するとともに、社会資本整備重点計画に即して、特定交通安全施設等整備事業の実施計画を作成することとしております。
 その他、関係法律につきまして所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の趣旨でございます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。谷林正昭君。
   〔谷林正昭君登壇、拍手〕
#10
○谷林正昭君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました二法案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 質問に先立ちまして、緊迫しているイラク情勢について総理にお尋ねをいたします。
 日本時間の二十日午前十時をタイムリミットとして、新たな国連決議も国際世論の支持もないままにアメリカはイラクへの武力行使を決定いたしました。その情報はリアルタイムで世界を駆け巡りました。各国は様々な反応を示すとともに、その国のリーダーは、取るべき道を明確に打ち出し、改めて国民に説明を行い、理解を求める努力を最大限行っております。
 総理も、昨日の記者会見において、アメリカが武力行使に踏み切った場合、日本政府としてこの決断を支持すると明言し、その理由として、大量破壊兵器が独裁者やテロリストの手に渡れば何十万人もの生命が脅かされることを考えると、これは他人事ではないと述べられております。また、日米同盟を重視したこともあります。
 総理、国民世論は、戦争反対であり、平和的解決へ役割をもっと果たすべきであり、努力すべきだというものであります。また、民主党も、一貫して査察の強化、継続による平和的解決を主張してきました。
 総理は、国会審議中の中で新たな国連安保理決議が望ましいとしながら、昨日は新たな国連決議がなくても武力行使は可能との考えを示されました。方針が一貫していないではないですか。
 元々、総理の考えは、どういう状況になろうと、ただただアメリカにくっ付いていくという考えしかなかったのではないですか。私はそうとしか思えません。
 私は、新たな決議なき武力行使は国連中心主義を重んじる日本として大きな間違いを犯していると指摘をせざるを得ません。明快な御答弁を求めます。
 また、国民世論は戦争反対です。国民への説明も全くなされていません。イラク問題に対する国民世論を総理はどう受け止めておいでになるのか、武力行使支持の理由を今後どういう形で国民に説明し、理解を求めようとしているのか。説明責任を果たしていただきたい。
 民主党は、新たな国連決議がなき武力攻撃には反対の声を大きく上げて、国民とともに平和的解決に向けた努力を更に続けていくことを改めて表明をさせていただきます。
 さて、二十世紀の我が国は、欧米に比べ社会資本の整備水準が著しく立ち後れる中で、国民の期待を背景に、その整備が急速に図られてきました。東名・名神高速道路や東海道新幹線など、優良な社会資本ストックが蓄積されています。また、社会資本の整備を図る上で、事業分野別の長期計画が大きな役割を果たしてきた時代があったことを否定するものではありません。
 しかし、一定の整備水準が既に確保されつつある一方で、社会経済情勢が激変し、それに伴う経済成長率の必然的低下、税収減による国家、地方の更なる財政悪化等が指摘されております。
 それにもかかわらず、川辺川ダムなどに見られるように、地域住民の意に反し、官僚主導で、必要性や経済性を度外視した公共事業が景気対策に名をかりて実施されることが少なくない状況となっております。
 このことを看過すれば、国家・地方財政の破綻を招き、後の世代を含む国民に過重な負担を強いること必至であり、長期計画制度を含めて公共事業の抜本的な改革を図ることが喫緊の課題と言えます。
 民主党は、公共事業の改革を図るべしとして、今回の政府案に先駆けて各種議員立法の取組を進めてまいりました。平成十三年度には公共事業基本法案、公共事業総量削減法案、公共事業一括交付金法案及び緑のダム法案を衆議院に提出をしております。今回の政府案は、我が党のこれらの取組を一つの契機としたもので、その方向性の一部を共有しており、一歩前進であると評価を行うことはやぶさかではありません。しかしながら、この政府案では不十分、不透明な部分も多く、これで国民の期待に十分こたえられるのか、疑問の点が多くあります。
 以下、公共事業基本法案など民主党案を踏まえつつ、政府案の問題点についてお伺いをいたします。
 第一に、今後整備すべき社会資本についてであります。
 総理は、この法案に関する衆議院本会議質疑で、二十一世紀の国民生活と経済生活の基盤を形成するため、真に必要な事業に重点化をすると答弁をされております。二十世紀に必要とされた事業、また二十一世紀において真に必要な事業とは具体的にどのようなものと認識しておられるのでしょうか。その認識と併せて、今後整備すべき社会資本について、より具体的に総理に御所見をお伺いします。
 第二に、政府案と地方分権との関係についてであります。
 政府案は、地方分権に配慮して、地方公共団体の自主性、自立性を尊重しつつ、適切な役割分担の下に事業を実施する旨を計画の基本理念としております。あわせて、計画策定に当たっては地方公共団体の意見を聴くとしています。
 しかし、これらの規定だけで国と地方の役割分担は有効に機能するとは思えません。地方が地域の実情に応じて各種事業の優先順位を自ら的確に判断し事業を選択して実施するためには、必要な権限、財源を地方に移譲するなど、条件整備が大前提となります。しかし、現状は全く不十分であり、政府案でも極めて不明確であります。
 さらに、政府案では、重点計画の対象事業の羅列はあるものの、国と地方の役割分担の基本となる国と地方がそれぞれ行うべき事業についての整理、明確化が図られておりません。これでは、個性ある地域の発展、地域による選択の美名の下に、結果として地方にすべての問題のしわ寄せがなされる懸念も否定できないのであります。政府案により地方分権が徹底され、個性ある地域の発展が担保されると断言できるのか、総理の答弁を求めます。
 また、真の個性ある地域の発展を促進しようとするのであれば、まず、国ではなく地域の実情に熟知した地方公共団体がすべての事業を行うことを基本とすること、次に、特例的に国が行うべき事業を整理して国民に分かりやすく明示すること、そして、地方が事業間の優先順位付けや事業選択を的確に行うことができるように補助金制度を廃止し、地方の裁量で自由に使える一括交付金制度を創設することなどが当面必要であると考えております。
 以上述べた観点について、総理の明快な御所見を求めます。
 第三に、重点計画と環境保全についてであります。
 二十一世紀の社会資本整備に当たっては、地方分権とともに環境保全の視点が極めて重要となります。この案では、重点計画は環境基本計画との調和を図ること、計画の案を作成しようとするときはあらかじめ環境大臣に協議しなければならないこととされております。
 そこで、まず、国土交通大臣に環境保全に対する基本的な考え方をお尋ねをいたします。
 私は、重点計画と環境基本計画との調和が単なる形式だけではなく実効的かつ有機的になされるためには、環境省として積極的な対応を図るべきと考えております。特に、欧米では既に取り入れられつつある戦略的環境アセスメントの視点、すなわち個別事業の上位計画の段階から環境アセスメント的な観点を採用することが不可欠であります。環境省として、この戦略的環境アセスメント手法の研究開発を促進し、重点計画に反映できる体制を早急に構築するべきではないでしょうか。重点計画に対する環境省の積極的関与及び戦略的環境アセスメント手法の今後の導入見通しについて環境大臣にお尋ねをいたします。
 第四に、重点計画に対する国会の関与の在り方であります。
 民主党案では、計画策定手続で国会承認を要件として位置付けているのに対し、政府案では閣議決定のみで計画を策定することとされております。
 総理は、毎年度の予算の国会承認において計画への国会の関与は十分であると衆議院本会議で答弁をされております。しかし、地方公共団体や一般国民の意見を聴取することにしているにもかかわらず、国権の最高機関である、国民の代表である国会については直接意見を言う機会も関与する機会も明確に与えられていないというのは国会軽視であり、大きな問題であります。国会承認の必要について総理の御見解を求めます。
 第五に、重点計画に関する行政評価についてであります。
 法案では、行政評価法に基づき計画の事後評価を行い、政府は評価の実施状況を国会に報告するとしています。重点計画及び個別事業に関する評価、そして評価結果の国会報告等について、具体的な内容がどのようなものとなるのか、国土交通大臣に明快な説明を求めます。
 第六に、特定道路財源の一般財源化の問題についてであります。
 一般財源化をめぐる様々な論議があったにもかかわらず、法案では、道路特定財源は暫定税率も含め引き続き五年間延長することとされています。平成十五年度予算で道路特定財源の使途拡大が提起をされています。しかも、その使途拡大は国土交通省関係に限定をされ、使途拡大の根拠、基準についても、納税者にしてみれば極めて不明確であります。今後五年間はこの特定財源制度は暫定税率分も含めて堅持をされ、抜本的な一般財源化はなされない、すなわち改革という視点から見れば、大山鳴動してネズミ一匹の結果となったと言えます。
 政府は、道路特定財源の今後の活用について引き続き幅広く検討を進めるとしております。
 そこで伺います。
 道路特定財源の抜本的な一般財源化を図ることについて、次年度以降、法改正により見直すことを含めて引き続き幅広く検討するのか、それとも、受益と負担の観点を踏まえつつ使途の多様化を図る程度で一般財源化の旗を既に引き下ろしたということなのか、総理大臣の明快な御答弁を求めます。また、国土交通大臣には道路特定財源に対する基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 今、国民は、各種の公共事業が本当に必要かということに納税者の立場で注目し始めています。そして、公共事業の受注者から多額の資金が政治家に還流するなど様々な不祥事の温床になっている公共事業の現状に対し、大きな不信感を抱いております。天下り、口利き、談合、裏金、やみ献金、丸投げ、さらには政官業癒着体質をつくり出し、政治と金の問題が後を絶たないその舞台はいつも公共事業に絡んでおります。
 総理は二年前に、こういう問題をぶっつぶすと叫ばれたと私は思っております。ところが、つぶれるどころか、ますます悪質化し、手口が巧妙になり、その体質は肥大化し温存されていると言っても過言ではありません。そういう意味では、この法案は公共事業に対する国民の信頼の回復を可能とするものにしなくてはなりません。
 そこでお尋ねいたします。
 納税者である国民の厳しい視線にこの法案は耐えられるのか、総理の認識、どう認識しておられるのかお聞かせいただきたいと思いますし、公共事業が不正の温床にしないという総理の決意をお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#11
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 谷林議員にお答えいたします。
 イラク問題について、新たな決議に関するお尋ねでございますが、新たな安保理決議は国際社会の一致結束を図る上で望ましいと考え、私はその採択を求めてきましたが、法的には過去の累次決議に基づき武力行使は可能と考えており、イラク問題への方針は一貫しております。
 また、イラクが大量破壊兵器を廃棄すべきことについて国際社会は一致しており、我が国は今後とも全会一致で採択された安保理決議一四四一を含む関連安保理決議を踏まえて対応してまいります。
 イラク問題に関し国民への説明についてでございますが、国内外に様々な意見があることは承知しております。我が国はこの問題の平和的解決が最も望ましいと考え、これまでその努力を続けてまいりました。他方、イラクが大量破壊兵器問題に関する国連決議に完全に従う姿勢を見せない中、米国が行ったやむを得ない決断を支持しております。
 今後、いろいろな機会を通じまして国民の理解と協力を求めていきたいと考えます。
 今後整備すべき社会資本等についてのお尋ねでございますが、これまで我が国の社会資本整備は、戦後の復興、荒廃した国土を襲った自然災害への対応、経済成長を支えるための産業基盤の整備、国民が豊かさを実感するための生活環境の整備など、その時々の政策課題に対応し経済の発展と生活の質の向上を支えてきたところであり、この間の取組により社会資本の全般的な整備水準は一定の改善が図られてきたところであります。
 今後の社会資本整備につきましては、厳しい財政事情も踏まえ、国際競争力の確保、都市再生、環境、少子高齢化、個性ある地域の発展などの真に必要な分野に重点化し、例えば我が国の人や物の玄関口である国際空港、港湾とこれに連携する高速道路ネットワークの整備、都市緑化、渋滞対策など地球環境問題への対応、施設のバリアフリー化の推進等の課題に取り組んでまいります。
 本法案と地方分権との関係についてでございますが、国と地方の関係については、地方にできることは地方にゆだねるとの考えの下、地方が主体的かつ効率的に施策を選択し推進することが重要であります。
 このため、本法案において、重点計画の基本理念として、自立的で個性豊かな地域社会の形成並びに地方公共団体の自主性及び自立性の尊重を掲げるとともに、計画案の作成に当たり都道府県の意見を聴取することとしております。
 この重点計画に沿って、重点化、効率化等の公共事業の改革を進め、国と地方公共団体の適切な役割分担の下、地域の特性に応じ真に必要な事業を重点的、効率的に実施することにより個性ある地域の発展につながるものと考えております。
 また、平成十五年度予算においては、補助金の廃止、縮減、統合補助金の拡充など、国庫補助負担事業の見直しを進めるとともに、三位一体の改革の芽出しとして自動車重量譲与税に係る譲与割合を引き上げるなど、地方分権の観点も踏まえ必要な改革を進めているところであります。
 なお、民主党が提唱されている一括交付金制度については、一つの考え方だと思っております。
 いずれにせよ、政府としては、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方について、これらを三位一体で検討し、本年六月を目途に改革案を取りまとめることとしております。
 社会資本整備重点計画の作成に際しての国会の関与についてでございますが、社会資本整備重点計画は、社会資本整備の重点化、効率化を図る観点から、行政として取り組むべき今後五年間の重点目標と事業の概要を定めるものでありますが、計画の前提となる基本理念は今般まさしく法案として国会の承認を受けることとなるものであります。
 一方、重点計画は、他の同様の行政計画も参考として閣議で決定することとしておりますが、その事業の実施については毎年度の予算に関する審議により国会による承認を経た上で可能となることから、必要な国会の関与は担保されているものと考えております。
 道路特定財源の見直しについてでございますが、道路特定財源については、厳しい財政事情の下、引き続き受益と負担の観点から、納税者の理解を求めつつ、暫定税率の延長と使途の多様化を図ることとしたところであります。また、特定財源の使途に関する法律の規定を五十年ぶりに改正することといたしました。
 今後の道路特定財源の在り方については、様々な意見を伺いながら、引き続き幅広く検討を進めていきたいと考えます。
 公共事業に関する国民の信頼の回復についてでございますが、公共事業をめぐって、真に必要な事業を公正、透明な手続により実施していく必要があると考えております。不正な口利き等の防止について、今後とも厳しい監視が必要だと思います。
 このため、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の徹底や、いわゆる官製談合防止法の制定などに取り組んできたところであります。本法案においても、入札及び契約の改善等を推進するための規定が盛り込まれているところであり、公共事業の改革を効果的に進めるものであると考えます。
 また、公共事業受注企業からの献金については、現在、各党で検討を行われておりますが、今国会中に改善できるような措置を進めていきたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(扇千景君) 谷林議員から三点について御質問がございました。総理の御答弁がございましたので、重ならないようにお答えしたいと思います。
 重点計画におきます環境保全についての御質問がございました。
 国土交通省におきましては、従来から、御存じのとおり、環境問題への対応を最重要課題として位置付けて頑張っております。また、事業の実施に関しましても、環境影響評価法に基づいて事業に係る環境保全について適正な配慮を今までも行ってきたところでございます。自然再生事業の推進、循環型社会の構築に向けた建築廃棄物のリサイクル、また公共工事のゼロエミッション等の推進、環境負荷低減に資する資材の調達、いわゆるグリーン調達の推進などに取り組んでおります。
 重点計画法では、第三条第一項において、重点計画は環境の保全を図ることを基本理念としていること、また、第六条におきましても、環境基本計画との調和が保たれるものでなければならないこと、これが規定されております。
 重点計画の策定におきましては、地球環境の保全あるいは循環型社会の形成、水環境の改善、それなど、環境保全にかかわる重点項目を定めまして事業の横断的な取組を展開してまいりたいと考えております。
 また、事後評価の具体的な内容についての御質問がございました。
 重点計画法に係る事後評価につきましては、行政評価法のスキームに従いまして、重点計画、それに従って達成度をアウトカム指標によりまして定量的にこれを把握し、なおかつ評価することによって実施することとしております。
 また、個別の公共事業の事後評価については、既に行政評価法に基づいて、事業採択後五年間経過しても未着工の事業、あるいは十年間経過した時点で継続中の事業などを対象に再評価を実施しておりますし、平成十五年度からは、これまで試行してまいりました事業の完了後の評価につきましても、行政評価法に基づきまして本格的に実施することとしております。
 なお、これらの評価の結果及びその政策への反映状況につきましては、行政評価法により総務大臣に通知することとしており、政府としては、政策評価等の実施状況及びその結果の政策への反映状況について今後とも取りまとめて、これを国会に提出させることとなっております。
 最後に、道路特定財源についての御質問がございました。
 これは、受益者負担の原則に基づくというのはもう谷林議員の御説のとおりでございます。自動車を利用者に、本則の税率の二倍以上の暫定税率、なおかつ重油等の石油製品と比較して約、御存じのとおり、二十五倍の税負担をお願いしております。このような財源を一般財源化することにつきましては、納税者である自動車の利用者の理解を得ることは現段階では難しいと考えております。
 道路整備を計画的かつ着実に進めていくためには、引き続いて道路特定財源を活用していくことが必要でございます。
 また、道路特定財源の活用につきましては、新たな政策課題に的確に対応していくことが重要でございますけれども、その際、自動車利用者の理解を得られるものとすることが不可欠であると考えております。
 道路特定財源の今後の活用につきましては、様々な御意見を伺いながら、受益者負担という原則を踏まえつつ、納税者の理解を得られる範囲で引き続き幅広く検討してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(鈴木俊一君) 谷林議員にお答えを申し上げます。
 重点計画に対する環境省の関与と戦略的環境アセスメント手法の導入についてのお尋ねがございました。
 重点計画については、環境省として、例えば重点計画上の目標と環境行政上の目標との整合を図るなど、社会資本の整備を通じて環境の保全が適切に図られるよう、法に基づき責任を持って対応をしてまいります。
 戦略的環境アセスメントについては、政府として重要な課題と認識しており、平成十二年に閣議決定した環境基本計画においてその具体化に向けた取組が盛り込まれ、各種調査を進めているところであります。
 環境省においても、今後、基本的考えや留意点などのこれまでの検討実績を踏まえ、戦略的環境アセスメントの導入のためのガイドラインの作成や、必要に応じ制度化について検討を行ってまいりたいと思っております。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(倉田寛之君) 大沢辰美君。
   〔大沢辰美君登壇、拍手〕
#15
○大沢辰美君 日本共産党を代表して、社会資本整備重点計画法案及び社会資本整備重点計画法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について質問をいたします。
 法案の質問に先立ち、緊迫度を増すイラク情勢について総理の見解を伺います。
 ブッシュ大統領は、フセイン大統領に四十八時間以内に亡命することを求め、これに従わない限り軍事攻撃を開始するという演説を行いました。続いて、小泉総理はいち早くアメリカの態度を支持することを明らかにしました。
 これは、無理やり査察を打ち切って戦争に切り替えようというものであり、全く道理のない一方的な戦争計画だと言わなければなりません。ところが、国際秩序を無視するアメリカへの支持を直ちに表明した小泉総理のこの追随姿勢は世界でも異常なものです。
 総理、今回のアメリカの決定が多くの安保理事国の承認を得ていないことは明白です。このことを認めますか。それであるなら、国連憲章が禁じた無法な先制攻撃そのものではありませんか。総理の見解を求めます。
 憲法九条を持つ国の総理が、このような無法な戦争、罪なき人々を多数犠牲にする戦争を支持することなど絶対にあってはなりません。総理、アメリカ追随の戦争支持の恥ずべき姿勢を直ちに撤回すべきではありませんか。答弁を求めます。
 さて、本法案についての質問をいたします。
 まず第一に、小泉内閣の公共事業改革の基本方向についてです。
 今、国民が求めている公共事業改革とは何か。政府の財政制度審議会が二〇〇一年に実施した世論調査によれば、国の予算のうち生活に余り役立っていないものの第一に挙げられているのは公共事業費です。一方、なくてはならない予算として第一に挙げているのは社会保障費です。巨額の無駄遣いと環境破壊を進める公共事業が国民の激しい批判の的となっているのではないでしょうか。改革というならば、この問題を正面から正すことこそ必要です。公共事業の在り方に対する国民のこの激しい批判を総理はどう認識しておられるのでしょうか。答弁を求めます。
 第二に、公共事業改革の内容についてです。
 社会資本整備を従来型の大規模開発中心から住民生活密着型へ切り替える必要があることは、政府自らが実施した幾つもの世論調査でもはっきりしています。住宅や学校、特別養護老人ホームや保育所、歩道や身の回りの生活道路の整備、バリアフリー対策や地震災害に備えた耐震工事など、住民に身近な生活環境施設の整備に切り替えることこそ、公共事業費の大幅削減を進めながらも地域の景気回復、雇用を増やすことに直接役立てることが可能なのです。
 小渕内閣や森内閣のときには、IT革命、また日本新生というスローガンを掲げて空前の公共事業予算をばらまきましたが、景気も雇用も一向に良くなりませんでした。小泉内閣では都市再生とか地方の活性化という看板を盛んに強調していますが、その中身と言えば、やはり関西国際空港の二期工事やまた中部国際空港であり、高速の幹線道路やスーパー港湾の整備など、従来型の公共事業そのものです。
 また、東京湾や大阪湾臨海部で進められている都市再生事業の実態は、これまで採算性や環境への影響を懸念する住民の反対などで事業が止まっていたものであり、また、進んでいなかった大規模な投資事業であります。いずれもこれまでに計画され進めてきたものばかりではありませんか。
 これでは景気対策にも雇用対策にもならず、またまた膨大な浪費を生み出すだけです。そのことはもう小渕・森内閣のときの公共事業の進め方で証明済みではありませんか。答弁を求めます。
 第三に、社会資本整備の基本方向についてです。
 東京湾や伊勢湾など日本列島に新たに六つの巨大な橋を建設する道路事業とか、膨大な公共事業予算を食いつぶす首都機能の移転など、壮大な無駄と浪費の温床になっている国土総合開発計画、いわゆる五全総をきっぱりと廃止し、公共事業の在り方を根本的に見直すことです。
 政府は、大交流時代を支える国際港湾の全国展開などといって、毎年何千億円もの港湾建設予算を組んで、大型の本格的なコンテナバースをつくるために国費を湯水のごとく注ぎ込みました。この結果、コンテナ貨物の貿易船の就航を目的にした大型港湾を全国各地に五十以上も建設してしまいました。過大投資の結果、船の入らない巨大な釣堀が全国に出現したのです。
 港神戸と呼ばれる日本最大のコンテナ貨物取扱港であった神戸港も、その扱い貨物が大きく減少しています。阪神・淡路大震災の影響で急激に落ち込んだ貨物は、港湾施設が完全に復興したにもかかわらずいまだに戻っていません。全国的なこの展開をした結果、この壮大な無駄遣いを政府は一体どう反省をしているのですか。答弁を求めます。
 また、国内の工場から韓国釜山港へ貨物を直接輸送することで最大の利益を受けている一握りの大企業荷主に奉仕することが本法案に書かれている国際競争力の強化だというのでしょうか。答弁を求めます。
 第四は、総理が繰り返し一般財源化すると言ってきた道路特定財源についてです。
 今国会の答弁では、暫定税率の延長と使途の多様化を図ることとしたものですと、だれの質問に対しても同じ答弁を繰り返しています。しかし、本法案の条文では、少なくとも今後五年間は道路特定財源が維持され、一般財源化しないということは明白です、明確になっています。これでは一般財源化という総理の公約はほごになるのではありませんか。答弁を求めます。
 第五に、社会資本整備重点計画の決定と国会の関与についてです。
 総理は、本法案には、重点計画を国会で審議し、その賛否を承認するなどのチェックの仕組みがないという指摘に対して、事業の実施については、毎年度の予算に関する審議により国会による承認を経た上で可能となることから、必要な国会の関与は担保されていると衆議院でも答弁をしています。しかし、閣議で最終決定される重点計画の内容について、国会でその賛否を決したり、また、事前に国会で審議する法的保障はどこにもないではありませんか。
 予算審議の対象になるなどと言いますけれども、予算案となって出てきたときは閣議決定された重点計画の実施プランにしかすぎません。重点計画の内容を国会が事前にチェックする仕組みが一体どこにあるのですか。答弁を求めます。
 企業・団体献金の禁止やゼネコンへの問題です。最後に伺います。
 今、無駄な公共事業の大本にあるのは、政官業の癒着構造をいかに断ち切るかという問題です。私たちは、企業・団体献金の禁止、ゼネコンへの天下りの規制こそそのかなめであると主張し続けてまいりました。このかなめの問題に直接かかわる公共事業をめぐる政治と金の問題について質問します。
 総理は、この間の予算審議の中で、公共事業受注企業からは明らかに選挙に関する寄附としか考えられない政治献金が総理を含めた国会議員に行われているとの指摘に対して、通常の政治献金だ、選挙の寄附と政治資金は区別が難しいと言い逃れています。
 しかし、公職選挙法第百九十九条で「当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」と規定しているのは、選挙及びその後における政治の上に好ましからざる影響の及ぶのを防止しようという趣旨であるとその立法趣旨を政府は繰り返し説明しています。選挙の寄附であれ政治資金であれ、政治の上に好ましからざる影響を及ぼすことに変わりはないはずです。このことをお認めになりますか。
 政治とお金の問題が国民のこれほどの批判にさらされているのに、野党四党が共同提案している公共事業受注企業からの政治献金の禁止をなぜ明言できないのですか。総理の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#16
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大沢議員にお答えいたします。
 米国の武力行使が国連憲章違反ではないかとのお尋ねでございますが、ブッシュ大統領は、十七日に行った演説で、決議一四四一に言及した上で、現在でも有効である決議六七八及び六八七の下で、米国とその同盟国が武力を行使してイラクの大量破壊兵器を廃棄する権限を与えられている旨、述べております。我が国も同様の解釈をしており、イラクに対する武力行使は国連憲章に合致するものと考えます。
 米国への支持を撤回すべきではないかとお尋ねでございますが、ブッシュ大統領の決断は平和的解決に向けた様々な努力を行った上でのやむを得ない決断であり、我が国としてこれを支持します。問題の根本は、イラクが安保理決議が求める大量破壊兵器を廃棄するための即時、積極的かつ無条件の協力を示さなかったことなんです。わずかに残された時間の中でフセイン大統領が必要な決断をすれば平和的解決が実現し得るということをまず指摘したいと思います。
 公共事業の在り方に対する国民の批判についてでございますが、公共事業については、真に必要な事業を公正、透明な手続により効率的に実施していくことが必要であります。このため、事業評価の厳格な実施やコスト縮減、入札、契約の適正化などに取り組むほか、社会資本整備重点計画法案において、従来の事業分野別の長期計画を見直し、横断的な重点目標の設定による事業間の連携強化と計画内容の事業費から達成される成果への転換を図るなど、公共事業の改革の取組を積極的に進めているところです。
 また、本法案では、環境の保全を計画の基本理念として規定するとともに、地域住民等の理解と協力の確保、入札、契約の改善など、公共事業改革の取組を重点計画に盛り込むこととしており、これにより国民の理解が得られるよう、公共事業の改革を効果的に進めてまいりたいと考えます。
 公共事業改革の内容についてでございますが、社会資本整備については、歳出改革を加速する観点から、魅力ある都市、個性と工夫に満ちた地域社会や公平で安心な高齢化社会・少子化対策など、活力ある社会、経済の実現に向けた重点分野において、稚内から石垣までをモットーとする町づくり、優良な民間都市再生事業に対する支援やバリアフリー対策などの事業を、コスト縮減を図りつつ、雇用、民間需要の拡大にも配慮して重点的に取り組んでいるところであります。また、道路公団等の行う事業について道路関係四公団民営化推進委員会の意見を踏まえて見直すこととしているなど、従来の公共事業と変わらないとの御指摘は当たらないものと考えます。
 コンテナバースの整備についてでございますが、我が国港湾の国際競争力の強化は、消費物資の安価で安定的な輸入と我が国製造業の競争力の確保を通じ、国民全体の利益を確保するものであると考えております。我が国の国際海上コンテナの貨物量はここ十年で一・七倍に増加するとともに、コンテナ船の大型化が急激に進んでおり、これらに対応したコンテナターミナルは着実に利用されているところですが、我が国主要港の地位がアジア諸港に比べ相対的に低下していることについては今後の課題であると認識しております。
 政府としては、港湾におけるサービスコスト水準の一層の向上に向けて、諸手続のワンストップサービス化などソフト施策と連携しつつ、国際コンテナ貨物の流通の状況に的確に対応したコンテナターミナルの整備を引き続き重点的、効率的に進めてまいりたいと考えます。
 道路特定財源についてでございますが、道路特定財源については、厳しい財政事情の下、引き続き受益と負担の観点から、納税者の理解を求めつつ、暫定税率の延長と使途の多様化を図ることとしたところであります。また、特定財源の使途に関する法律の規定を五十年ぶりに改正することとしたところであり、本法案が今後の使途拡大の妨げになるとは考えておりません。
 いずれにせよ、道路特定財源の今後の活用については、様々な意見を伺いながら、引き続き幅広く検討を進めていきたいと考えます。
 社会資本整備重点計画の作成に際して、国会の関与についてのお尋ねでございますが、社会資本整備重点計画は、社会資本整備の重点化、効率化を図る観点から、行政として取り組むべき今後五年間の重点目標と事業の概要を定めるものでありますが、計画の前提となる基本理念は今般まさしく法案として国会の承認を受けることとなるものであります。
 一方、重点計画は、他の同様の行政計画も参考として、閣議で決定することとしておりますが、その事業の実施については毎年度の予算に関する審議により国会による承認を経た上で可能となることから、必要な国会の関与は担保されているものと考えます。
 政治と金の問題についてでございますが、企業・団体献金は民主主義のコストとして政治資金の調達方法の一つであり、政党が一定の規制の下で、かつ透明性が担保された形で受け取ることは必ずしも私は悪であるとは考えません。
 政治献金の在り方については、昨年、野党四党により公共事業受注企業からの献金規制に関して改正法案が国会に提出されています。また、今般、公明党からは政党支部に対する寄附の制限に関して提言をいただいており、与党として検討していかなければならない課題であると考えます。
 いずれにせよ、政治献金の在り方については、現在、各党で検討が行われておりまして、今国会中に改善できるよう必要な措置を進めていきたいと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(扇千景君) 大沢議員の御質問に、総理からお答えになりましたけれども、スーパーコンテナの話がございましたので、その件に関しまして、総理がお答えになったとおり、我が国の港湾で取り扱う国際海上コンテナの貨物量はここ十年で一・七倍に増加するなど着実に伸びておりますけれども、躍進しております近隣のアジア諸国に比べまして、我が国の港湾の相対的な地位は低下している現状にあります。これは、船舶の大型化に対応した施設設備の後れあるいは輸出入手続の電子化の後れなど、サービスの相対的な低下が原因であったものと認識をしております。
 また、このために、国際コンテナの貨物の流通の実情に的確に対応したコンテナターミナルの重点的かつ効率的な整備、サービスコストの水準の一層の向上に向けた、例えば空港と高速鉄道等、総合的な陸上輸送との円滑な接続や諸手続のワンストップサービス化などソフトの施策、そしてまたコストやリードタイムを大幅に削減しますスーパー中枢港湾の育成などの施設を展開することでなければ、我が国の国際コンテナ港湾の機能強化を図っていくことができないというのが今の現実でございます。
 このような取組を通じて我が国の港湾の国際競争力を確保、強化していくことは、国民が必要としております消費物資を安価で安定的に輸入するとともに、我が国の製造業のコスト競争力を確保することにつながるものと考えており、また、これが国民全体の利益を確保するものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(倉田寛之君) 大江康弘君。
   〔大江康弘君登壇、拍手〕
#19
○大江康弘君 私は、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表しまして、ただいま議題となりました社会資本整備重点計画法案及び同施行法案につきまして質問させていただきたいと思います。
 まず、総理、本来ならば、この国難のときに与野党挙げてあなたに頑張れよ、こういう言葉を申し上げたいわけでありますけれども、あなたを見ていると、どうしてもこの言葉が出てこないのであります。大変悲しい限りであります。ちまたでは、これは私が言っているんじゃありません、ちまたでは、小泉内閣も今年の夏は初盆を迎えられるんじゃないかというようなことを言われておりますけれども、しかし、今その責にある限りにおいては、しっかりと初心に返って頑張っていただきたいということを申し上げたいと思います。
 そこで、どうしても総理に申し上げておかなければならないことがもう一点あります。
 国連を中心に世界の各国が国際世論を受けて何とか戦争回避にと努力してきたにもかかわらず、昨日、アメリカは単独主義を貫き、イラク攻撃を決断したことは誠に残念であります。それを待っていたかのように、あなたはいち早く支持を表明されたことは驚くべきことであります。しかも、これだけの重い決断、覚悟をされたにもかかわらず、あなたはいまだに国民にも、また私ども国会にも、しっかり理解し納得できる説明をされておられないからであります。
 また、過日の個別党首会談におきましても、私ども自由党の小沢党首が何とか実のある会談にとの思いで事前に質問内容を伝えたにもかかわらず、あなたは何も答えられず、挙げ句は、大切な決断はその場の雰囲気でとの驚くべき返事、事の重大性を全く認識されないこの軽い言葉は、総理としての適格性を今更ながら疑うものであります。
 今日まで十分時間があるにもかかわらず、説明責任を逃れ、あいまいな態度に終始、このような決断に至ったことは正に万死に値する行為であり、ここに政治責任を問うものであります。
 続きまして、総理が今そこに座っておられること自体の論理的矛盾に対してただしておきたいと思います。
 総理は、過日、予算委員会での答弁の中で、国民の世論に従うと間違うこともあるとおっしゃられました。あなたの政治感性を疑うものであります。
 さきの大戦の大きな犠牲の下、戦後、我が国は、国民一人一人の努力と英知を積み重ねながら民主主義を立派に育て、ここまで成熟した社会、国家を築き上げてきたのではないでしょうか。あなたの言動は国民に対して誠に失礼な言葉であります。那辺にそのような言葉を発せられたのかは理解できませんが、まず国民に対し、総理、謝っていただきたいと思います。
 同時に、二年前、世論の熱中の中で誕生したあなたの政権というものは、正に国民の世論が生みの親ではなかったのではないでしょうか。その自らの政権をつくり出す原動力になってくれた一人一人の国民の世論が間違いであると言われるならば、あなたの論理に従いますと、小泉政権を誕生させた世論自体も間違っていたということであり、あなた自身が自らの政権に自らが幕を閉じられたという発言でありますから、今すぐにお辞めになるのが論理として成り立つわけで、なぜいまだにその席に座っておられるのか、総理にお尋ね申し上げる次第であります。
 さて、この法案についてでありますが、今日まで数多くの五か年計画が省庁別、また省内の局別につくられ、計画の執行に当たっての裏付けとされてきました。
 今回、九本の事業分野別計画が一本に集約されたことは大いに評価ができると思います。とりわけ、地方自治体は、今までそれぞれの五か年計画が最終年度になると、全国からその計画延長のために国が自治体に働き掛け、大会や陳情のために上京させることが多かったわけで、今後この新しい五か年計画が何回続いていくか分かりませんが、陳情が一回で済むということは地方にとっては大変陳情予算の縮減になり、全国の地方自治体を代表して御礼を申し上げたいと思います。
 この法案で今までの省庁内の壁、いわゆる縦割り行政の弊害がどれほど取れるのか、また、省庁内のセクショナリズムによって弊害とされてきた予算の付け方に当たっての無駄な支出や、また事業執行に際してのスピード化がどのくらい図っていけるのか、国土交通大臣にお伺いしたいと思います。
 ただ、残念なのは、時あたかも我が国で第三回世界水フォーラムが開催され、今後起こり得る水不足も含めて、森林の持つ水源涵養を高めながら河川災害を未然に防止するという、早急に省庁間の壁を取り除き、総合的かつ一体感を持った行政施策が求められているにもかかわらず、治山治水対策が今までどおり切り離されていることは今後に多くの課題や問題を残すものであり、なぜできなかったのか誠に残念であり、今後どう対策を図っていくのかも含めてお答えをいただきたいと思います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、先ほども指摘しましたが、縦割り行政の弊害を取り除きながら、今、市町村合併が求められ、地方分権が進んでいく中で、国と地方の役割分担、国と地方のすみ分けをもっとはっきりと法案の中に明示し、それぞれの責任の所在を示すべきであったと思われますが、国土交通大臣、この点はいかがでしょうか。
 国交省は、他の省庁でも例がなかった出先機関の統合を果たし、全国に八か所地方整備局を設置されました。これは、自治体側に予算面や時間的メリットを与える大変良いことであると思います。
 しかし、公共事業の予算一括計上権や執行権を持ち、今後、本省の権限移譲が実質的にどの程度進んでいくかは分かりませんが、余りここが強くなり過ぎる余り、都道府県、市町村の主体性がそがれ、かえって国主導が強まり、地方分権に逆行していくのではないか。そして、地方整備局で認められたものが本省で覆されたり、難しい問題になるとそれは本省でとたらい回しにされるという二重行政の心配も付きまとうわけですが、地方整備局の今後の位置付けをどうされていかれるのかもお尋ねいたします。
 私は、このような法案が必要とされる背景の一つは、計画を実行していくための予算をどう確保していくかという財源の裏付けであろうと思います。これは大変大事なことであります。
 我々は、今日まで、均衡ある国土の発展をスローガンとし、一定レベルのインフラ整備を進めてまいりました。正に、この均衡という二文字に巨額な公共事業の正当性を求めてきたのであります。しかし、昨今の長引く不況での財政悪化や地球規模での環境問題に対する国民の関心の高まり、そして何よりも、毎年出てくる政治家とお金の問題に関する数々の政治家の不祥事のほとんどが公共事業を請け負うゼネコン等の業者からの不正な献金であり、これらのことが公共事業の在り方や公共事業のスリム化を求める国民の何よりも大きな理由であります。
 そのためにも、建設業の体質改善を図り、建設市場を刷新すること、あわせて、建設コスト、便益分析の徹底、事業評価システムの整備、入札制度の透明性の向上、またPFIの活用等が急務であり、今後の政府の考え方をお尋ねするとともに、これらの国民の批判や要請と、この法案が求める大きな目標、計画の実現との整合性をどう取っていかれるのかを国土交通大臣にお尋ね申し上げます。
 また、そのことの財源として国交省は一部道路特定財源の流用を考えておられるようですが、私も、成熟した民主主義社会においてはコスト負担として受益者負担が求められることは是とする一人であります。ただ、限られた人から限られた金額を国は受け取るわけでありますから、当然、国民の理解と支持を得ることの努力は必要と思われます。
 今後、この道路特定財源の更なる理解をどう国民に求めていくか、そして、全体としてこの五か年計画に必要な予算が明示されていないことは不安であります。一体どのような全体予算の目安なのか、その総額予算の財源をどうされるのか、国土交通大臣にお聞きし、また、総理はかねがね特定財源を廃止し一般財源化をする方向を示されておられますが、そのようなことが進んでいくならば、今後、財源の手当て、措置をどうされるのか、改めて総理と扇大臣にお聞きしたいと思います。
 最後に、災害対策に関連してお尋ね申し上げます。
 今後、三十年以内には四〇%、五十年以内には八〇%と、東海・南海大震災が発生する可能性が言われております。今から八年前、予想だにしなかったあの忌まわしい阪神・淡路大震災は六千人を超える方々が犠牲になり、我が国の災害史上に大きな暗い影を残しました。
 しかし、その後、地元の神戸市、兵庫県を始め、何よりも被災住民の皆さん方の努力で着実に復興を進めてこられましたが、国の施策も含めてまだ完全ではありません。この尊い犠牲によって得られた教訓を時の経過とともに風化させることなく生かしていかねばなりません。
 今年一月に内閣府がまとめた調査では、学校、幼稚園の約五四%、病院など医療機関の約四四%が耐震性に疑問とされており、人口集中地区のうち、近くに公園など広い避難場所がない区域は六一%に上っているという状況が報告されております。また、報道によれば、防災設備が備えるべき設備や、防災施設が備えるべき設備や水準を国が示していないこともあり、都道府県に大きな差が出て、地域住民に不安を与えております。
 大規模自然災害対策のようなプロジェクトこそ国がしっかりと指導力を発揮すべきであります。今後、早急にあるべき基準も必要に応じて見直しを行うべきであり、特に高速道路や鉄道等の公共交通機関の耐震対策をどう進めていかれるのか……
#20
○副議長(本岡昭次君) 大江君、時間が来ております。簡単に願います。
#21
○大江康弘君(続) また、文部科学省が進めている公立学校の耐震対策に対して国交省はどうかかわっていくのか。そして、整備の権限や責任は地方にゆだねつつも、それぞれの自治体の公共施設等の対策も急がれますが、これらの対応につきましても、国土交通大臣、防災担当大臣にお聞きをいたしまして、私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
#22
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大江議員にお答えいたします。
 世論についてでございますが、世論を踏まえつつ政治を進めていく、これが重要であることは言うまでもありません。しかし、大多数の理解が得にくい問題であっても、政治家として進めなければならない政策は決然として進めなきゃならないときもあると思います。
 戦後の例を取ってみても、日米安保条約改定時は、連日、反対の大デモが国会周辺を取り巻きました。消費税導入のときも、国民多数から理解を得るのはなかなか難しかったんです。しかし、時の政府は、やはり所得税等の減税の財源として消費税導入は必要だといって断行いたしました。現在、どうでしょうか。日米安保条約にしても消費税についても、私は、大多数の国民から理解を得られているんじゃないでしょうか。
 こういう点を、私は、時には大多数の国民の理解を得にくい問題であってもやらなきゃならない場合もあるということは歴史の事実が証明していると言っているんであります。当然、政治家として世論を踏まえることは重要であることは、繰り返しますが、申すまでもないと思います。
 今後も、私は、国民の意見を十分踏まえつつ、総理大臣の職責を果たすべく全力で国政に取り組んでまいります。
 道路特定財源の見直しについてでございますが、今後の公共投資についてはその水準を抑制していくこととしており、その中で道路整備についても重点化、効率化を図っていくことが重要と考えます。道路特定財源については、このような考え方の下、受益と負担の観点から、納税者の理解を得られる範囲で道路整備以外に使途を多様化することとしたところであります。道路特定財源の今後の活用については、様々な意見を伺いながら、引き続き幅広く検討を進めていきたいと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(扇千景君) まず、冒頭、大江議員に、九本の法律を一本化したことは大いに評価できると言っていただきまして、心から御礼申し上げ、御理解いただきたいと思います。
 ただ、今回の社会資本整備重点計画というのは、国土交通省への統合のメリットを生かして、従来の事業分野別の長期計画を一本化することによって事業間の連携強化を図ることといたしております。計画が一本化されることによって、例えば主要な鉄道駅やその周辺のバリアフリー化を一体的かつ重点的に整備することにより、事業間の連携が一層強化すると考えております。
 また、予算につきましても、長期計画の一本化によって弾力的な重点配分が一層推進されるという体制が確立されますし、また、これまで以上にめり張りのある予算編成が進められるものと認識をいたしております。
 また、さらに、事業の構成段階から住民参加の促進を進めるということを重点計画に盛り込みまして、また、事業のスピードアップを図ってまいりたいと考えております。
 また、治山治水、この対策についてのお尋ねがございました。
 今回の長期計画の在り方を検討するに当たりまして、国土交通省と農林水産省とで綿密な体制を調整してまいりました。そして、その結果、治山事業につきましては、森林の適正な管理を図るために、森林の整備あるいは保全と一体的に実施することがより効果的であることから、森林法の計画として位置付けることとしたところでございます。
 一方、治水事業につきましては、都市域においては、水害対策あるいは良好な水辺の空間整備など、広く国民生活、産業活動の基盤を形成する国土交通省関係の社会資本整備として連携強化することが重要であることから、今回の法律により一本化することにしたものでございます。
 また、これによりまして、治山事業、治水事業等々が別々の計画に位置付けられることになりましたけれども、その連携の重要性から、今回の法案には、治山事業と治水事業との総合性を確保するための調整規定を設けることにより、より一層の連携強化を図っていきたいと存じております。
 国と地方の役割分担についてのお尋ねがございました。
 今後の国土交通行政は、政策の基本を均衡ある国土の発展から個性ある地域の発展へ転換することが必要であり、地方分権はその実現を図る上で最も重要な課題であると考えております。このために、今回の法案におきましても、重点計画の基本理念として、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重しつつ、適切な役割分担の下に国の責務が十分に果たされることと規定いたしました。計画の策定によりましては都道府県の意見を聴くものとしており、地方分権の考え方を大きく取り入れたものとなっております。
 また、地方分権における役割あるいは二重行政に対しての御懸念など、地方整備局の今後の位置付けについてのお尋ねがございました。
 地方整備局は、今後の国土交通行政を個性ある地域の発展へ転換して、地方分権の観点に立ってその表現を図る上で積極的な役割を果たしていかなければならないと考えております。このために、地方整備局は、地域の個性ある発展を促進するために、地方の自主性、自立性を最大限に尊重し、それをサポートしていくことが重要であると考えております。既に全国十ブロックにおいて国土交通地方懇談会を開催したところでございますし、また、今後とも地方整備局と地域の自治体、経済界など綿密な連携を図ることによって、地域の立場に立って総合的かつ効果的な広域行政を進めてまいりたいと思っております。
 また、それを実現いたします手段として、地方の整備局に対しましては、いわゆる箇所付け等の権限をできるだけ地方整備局へ委任する公共事業予算の一括配分制度、これを導入するとともに、本省で配分を行う補助金等につきましても、二重行政を避けるために、申請の手続等の窓口につきましては原則として地方整備局に一元化いたしております。
 公共事業の在り方に関する政府の考え方について、また、及び法案と計画の整合性についての大江議員からのお尋ねがございました。
 公共事業につきましては、厳しい財政事情の下で、よりスピーディーに、より低コストで、より質の高い事業を進めるために、重点化を図りつつ、効率性、透明性の向上等の改革を進めることが必要でございます。このために、平成十二年、公共工事の入札及び契約の適正に関する法律を策定し、また、この徹底を図るとともに、平成十四年から施行されております行政評価法に基づいて、費用対効果分析を含む事業評価の厳正な実施に努めております。
 また、重点計画法では、民間事業者の能力の活用あるいは財政資金の効率的な使用に配慮して計画を定めること等を計画の基本理念とするとともに、入札、契約の改善、費用の縮減など、社会資本整備を効果的かつ効率的に実施するための措置を重点計画に定める旨を規定しております。重点計画にこれらの取組を明記することで、公共事業の重点化、効率化、透明化の改革をより一層強力に進めてまいりたいと考えております。
 また、重点計画では、総事業費を記載せず、計画策定の重点を事業費から成果へ転換することといたしております。これは、この計画、あらかじめどれだけの量の事業を行うかの目的を置くものではなくて、いかに事業を重点化、効率化し、コストの縮減を図るかということに目的を置くものであることから、重点計画では、必要な予算額は一義的に明らかにならないものと考えております。
 なお、その財源につきましては、国民の理解を得られる範囲で特定財源の使途の多様化を図るとともに、一般財源と特定財源を適切に組み合わせることで必要な社会資本整備の推進をしてまいりたいと考えております。
 道路特定財源は、受益者負担の原則に基づきまして、自動車の利用者に本則税率の二倍以上の暫定税率、また重油等石油の製品と比較して二十五倍の税負担をお願いしておりますし、このような財源を一般財源化することは、納税者である自動車の利用者の理解を得ることは大変難しいと先ほども申し上げました。
 この道路特定財源の、計画的かつ着実に進めていくためには、引き続いて道路特定財源を活用しながら、また、道路特定財源の活用については、新たな政策課題に的確に対応していくことが重要ですけれども、その際には自動車の利用者の理解を得られるものとすることが不可欠であると認識いたしております。
 最後に、道路、鉄道等の耐震基準についての、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて大規模な内陸直下型地震にも対応したいものと、そしてそれを強化することにしております。
 新設されました施設はこの基準で整備するほか、既存の施設についても平成七年度より耐震補強を努めてまいりました。鉄道については、緊急耐震補強は平成十三年度で新幹線についてすべて完了いたしております。在来線も、施工可能な箇所はすべて完了いたしております。高速道路も、平成十四年度末で早急に耐震補強が必要な橋梁のうち、約八割については完了する見込みとなっております。
 また、建築物については、文部科学省が進めております公立学校の耐震対策等について技術的な支援を行うほか、耐震の診断あるいは改修費を助成する制度を通して地方公共団体への支援に努めて、建築物の耐震性の向上に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣鴻池祥肇君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(鴻池祥肇君) 震災対策を始めとする地震防災施設の基準の見直し、国と地方の役割を踏まえた今後の取組についてのお尋ねがございました。
 施設の耐震基準については、それぞれ必要な耐震性能を確保するための基準が設けられており、阪神・淡路大震災の教訓なども踏まえ、これまでも随時、適切な見直しを行ってきているところであり、今後も必要に応じて見直し、耐震性能の向上に努めてまいる所存であります。
 御指摘の調査は、地震防災施設が耐震性能だけではなく、防災対策としての総合的な機能を果たすため必要があることから、各施設にそれぞれ防災面の指標を設け、整備等の状況を初めて一斉調査し、本年一月に公表したものであります。
 これらの地震防災施設については、現在、都道府県が地震防災対策特別措置法に基づく五か年計画を策定して計画的に整備しており、国としても国庫補助等による支援を行っているところであります。
 今後とも、防災大臣として、関係省庁と連携をし、必要に応じてあるべき基準について検討するとともに、施設整備を推進してまいる所存であります。(拍手)
#25
○副議長(本岡昭次君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#26
○副議長(本岡昭次君) 日程第二 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。遠山文部科学大臣。
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(遠山敦子君) 義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 義務教育は、憲法の要請により、すべての国民に対し必要な基礎的資質を培うものであり、国と地方が適切に役割分担しつつ、円滑に実施することが重要であります。
 一方、現在、政府においては、地方行財政改革を推進するため、地方分権改革推進会議の意見や経済財政諮問会議における議論などを踏まえ、国と地方の役割分担に応じた事務事業の在り方の見直し、国庫補助負担金の縮減に向けた検討を進めているところであります。
 この法律案は、かかる政府の方針を受け、義務教育費国庫負担金について、義務教育に関する国の責任を適切に果たしつつ、義務教育に関する国と地方の役割分担及び費用負担の在り方の見直しを図る観点から、その負担対象経費を限定することとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明いたします。
 この法律案は、共済費長期給付及び公務災害補償に要する経費の性質にかんがみ、平成十五年度から、公立の義務教育諸学校の教職員等に係る共済費長期給付及び公務災害補償に要する経費を国庫負担の対象外とするものであります。
 なお、このことに伴う地方財源の手当てについては、所要の財源措置が講じられることとされております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#28
○副議長(本岡昭次君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。神本美恵子君。
   〔神本美恵子君登壇、拍手〕
#29
○神本美恵子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
 その前に、昨十八日、米国がイラクに対して武力行使の最後通告を行ったことに対する政府の対応について一言申し上げます。
 これまで、政府のイラク問題への対応や昨日の小泉総理の報道インタビューを見る限り、政府は元々米国への支持ありきと決め込んでいたとしか思えません。そして、なぜ米国への支持以外の選択肢がないのか、いまだに国民に明確な説明がされておりません。我が国がなすべきは、説明が付かないアメリカ支持ではないはずです。
 私は、女性国会議員有志の皆さんと、先日、暴力からは何も生まれない、武力攻撃を食い止めるよう小泉総理に強く申し入れてまいりました。
 日本の市民の八割を超す人が戦争に反対しています。私たちは、唯一の被爆国として、また沖縄の地上戦、空襲被害の経験から、戦争が戦闘員のみならず多くの人々に計り知れない命を奪うこと、とりわけ女性と子供たちを深く傷付けることを身をもって知っています。イラクの子供たちはどうなるのか、罪もない市民はどうなるのか、今、空爆の下に思いを致すべきです。
 私は、改めてここで、政府にアメリカの暴走をやめさせるよう、何としても戦争をやめさせることを強く求めます。
 さて、本題の法律案に入る前に、教育の基本的な事項について何点かお伺いいたします。
 まず最初にお伺いしたいのは、今日、教育における最大の問題は何かということです。私は、高校卒業、大学卒業の若者たちに仕事がないということだと考えます。
 今年度の高校卒業予定者の就職内定率は、直近の厚生労働省の調査によれば七四・四%、過去最低を記録した昨年度を更に下回り、また、大学卒業予定者の内定率は幾分改善したとはいえ、依然八三・五%と大変厳しい状況となっています。
 将来に夢を抱き、苦労して学校を卒業したのに、高卒予定者では約四万九千人、大卒予定者では推計で約六万二千人もの若者が自分を受け入れてくれるところがない。親にしてみれば、高い教育費を掛けてやっと卒業させたというのに我が子の働き場がない。これが日本社会の実態なのであります。
 完全失業率五・五%、完全失業者数三百五十七万人と言われますが、この約十一万人の若者たちはその失業統計にさえ入れられていないのです。高卒、大卒の若者を迎え入れることのできない社会を持続可能な社会と言えるのでしょうか。なぜこのようなことになっているのか。
 小泉内閣の二年間で株価は暴落を続け、ついに八千円を割り込みました。経済状況は極端に悪くなっています。デフレ経済不況によって企業倒産が増加し、民間企業も公務部門も生き残るためにリストラ、人減らしを進め、新卒者を受け入れないからであります。つまり、小泉内閣の経済失政によって、今日、高校、大学の新卒の若者たちがこんなつらい目に遭っているのです。
 この現状についての認識と対策を、遠山文部科学大臣、坂口厚生労働大臣にお伺いします。
 次に、小泉内閣が進めてきた教育改革についてお尋ねします。
 ここ数年来の教育改革の方向は、一つは教育改革国民会議が提案した精神主義、道徳主義の強調と排除の論理であり、いま一つは公教育における様々な自由化、市場主義的競争の導入であります。私は、こうした優勝劣敗、淘汰の市場原理や競争原理、自己責任の主張は、子供の学習する権利の保障、教育の機会均等原則を損ない、大きく後退させるものであると危惧します。
 そこで、文部科学大臣に、今進められている教育改革はどのような理念に基づくものなのか、あわせて、公教育の様々な自由化、市場主義的競争の導入について御所見を伺います。
 また、政府が現在進めている学力向上策は、条件整備を伴わないスローガンと掛け声だけの施策です。昨年一月に出された遠山大臣の「学びのすすめ」アピールは、完全学校五日制実施を前に、移行措置など様々な準備を進めてきた学校現場に大きな混乱をもたらしました。昨年発表された国立教育政策研究所の調査によれば、対象となった中学校の校長、教員の約九割が、もっと学校現場の現実を踏まえた教育改革にしてほしい、学級の生徒数が三十人を超えないようにしてほしいと答えています。
 これを見ても明らかなように、政府が取ってきた施策は、学校現場の切実な声を無視し、一部の学力低下論に押された国の責任の回避策であり、学校、教員、子供たちへの責任転嫁、押し付けにほかなりません。文部科学大臣の御所見を伺います。
 民主党は、現在の学校教育における条件整備の最低保障、ナショナルミニマムとして、学校施設の耐震化、教職員定数の充実と三十人以下学級の実施を提言し、法案も提出しております。国民が求めているのは正にこのような条件整備であり、真っ先に取り組むべき喫緊の課題であると思います。
 昨年十月に公表された地方分権改革推進会議の「事務・事業の在り方に関する意見」では、我が国は既に多くの分野でいわゆるナショナルミニマムが達成されたとの前提で、これからは地域ごとの最適状態、ローカルオプティマムの実現を目指すとしています。果たして教育分野においてナショナルミニマムは達成されたのか、教育のナショナルミニマムの達成とは具体的にどのような状況を言うのか、また、何万人もの行き場のない新卒者の状況はナショナルミニマムが達成されていると言えるのか。今のような不十分な教育予算と条件整備の状況の中では格差が拡大するだけで、地域ごとの最適な状態をつくり出すとは考えられません。文部科学大臣の御所見を伺います。
 次に、教育基本法についてお尋ねします。
 教育基本法の見直しについて、現在、中央教育審議会において議論されていますが、この最終答申がここ数日中にも出されようとしています。そして、答申が出れば、それを受けて文部科学省は法案化作業に入り、今国会中にも提出する構えを見せています。
 教育基本法は、世界の平和と人類の福祉に貢献するという憲法の理念の実現を、根本において教育の力にまつべきものであるとしてつくられた法律です。この準憲法的な性格を持つ教育基本法の改正を文部科学省という一省の審議会の答申によって発議すること自体が問題だと考えます。
 御承知のように、憲法については、現在、国会に調査会をつくって議論されています。せめて国会に教育基本法調査会のようなものをつくり、十分な国民的議論をすべき重大な問題であると考えますが、いかがですか。文部科学大臣の御見解を伺います。
 さらに、文部科学省は、今回の構造改革特区において株式会社とNPOによる学校設置を認めましたが、これは教育基本法第六条に違反するとの指摘があります。つまり、第六条では、法律に定める学校は公の性質を持つものであって、国又は地方公共団体のほか法律の定める法人のみがこれを設置することができるとなっており、少なくとも明文上、矛盾があると考えますが、いかがですか。また、今回の設置主体の緩和で公の性質が担保されるのか疑問です。併せて文部科学大臣にお伺いします。
 次に、本法律案についてお伺いします。
 本案は、そもそも昨年五月の経済財政諮問会議で片山総務大臣が示した地方財政の構造改革と税源移譲についての試案から論議が始まり、八月の経済財政諮問会議で遠山文部科学大臣が約五千億円の削減案を提示、結局、総額二千二百億円を一般財源化することとなりました。この経緯からは、経済、財政面からのみ議論が進められてきたと思わざるを得ません。
 今回の一般財源化には教育の観点がどのように反映されているのか、片山総務大臣は義務教育費国庫負担制度の性格と意義についてどのように御認識されているのか、お伺いします。また、文部科学大臣は、経済財政諮問会議や地方分権改革推進会議の主導でこのような改革が行われることをどのように感じておられるのか、お伺いします。
 さて、今回の一般財源化は、国庫補助負担金、交付税、税源移譲の三位一体の改革の芽出しであるとされています。しかし、対象となった共済費長期給付と公務災害補償基金負担金は裁量の余地のない義務的経費です。これでは単なる帳簿替え以外の何物でもなく、地方分権にもなっておりません。どこが芽出しなのでしょうか。私には、教育的な判断を棚上げして、額が大きい義務教育費国庫負担金がねらわれたとの印象がぬぐえません。
 交付税を今後どのようにしようとお考えなのか、税源移譲を本当に行うお気持ちがあるのか、また、どのような税源移譲を行うおつもりなのか、総務大臣、財務大臣にそれぞれ具体的にお示しいただきたいと思います。
 昨年十二月十八日の総務、財務、文部科学の三大臣合意では、二〇〇四年度予算編成までに退職手当、児童手当等の扱いについて結論を出し、二〇〇六年度末までに一般財源化について検討を行うとしております。
 実は、この制度は過去にも同じような扱いがなされた経緯があります。一九五〇年、地方財政平衡交付金制度が創設されたとき、その中に義務教育費国庫負担金が吸収されました。しかし、わずか三年で義務教育費国庫負担制度に戻っております。これは、当時の議事録によれば、交付金の額の決定は常に政治問題化し、義務教育費のような額の大きい、しかも重要な経費が圧迫されるという結果を招来しているためだとされております。一般財源化にはこのような危うさがあるのではないですか。文部科学大臣、総務大臣の御所見を伺います。
 教育予算を見ても、義務教育費国庫負担制度に対する一般財源化の検討状況を見ても、財政論ばかりが先行し、教育論が見られません。世界各国では、今、教育を国政の最優先課題として、知識の世紀と呼ばれる二十一世紀に対応しようとしています。GDPに対する公財政支出学校教育費の国際比較を見ても、OECD諸国の平均は四・九%であるのに対し、我が国はそれを大きく下回る三・五%しかありません。
 小泉内閣は四つの重点分野の一つに教育を入れ、小泉総理も、教育は未来への先行投資と認識を一応示されていますが、この二年間の小泉内閣の教育政策を見る限り、本気で教育への投資を考えていらっしゃるとは思えません。猛省を促したいと思います。
 その上、三位一体改革の展望が全く見えない中で教育の基本である義務教育を弱めるような改正を行うことは、将来に大きな禍根を残すことになります。また、この法案の提出に至る経緯で分かるように、たった七か月程度の論議で妥協的に合意されたものであり、十分な議論が行われているとは思えません。文部科学大臣も、今回の決着には本当のところは納得されていないのではないですか。いかがですか。
 義務教育費国庫負担制度は、繰り返しますが、義務教育制度の根幹を成すものであります。本法律案が三位一体改革の一環を成すものならば、その三位一体改革の全体像を示すべきであります。全体像が分からない中で十分な審議を行うことは不可能です。本法律案は潔く撤回すべきと考えます。
 最後に、この点について文部科学大臣の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(遠山敦子君) 神本議員の御質問に順次お答えいたします。
 まず、新規学卒者の就職状況をめぐる問題についてでございますが、今年度の高校卒業予定者や大学卒業予定者の就職内定状況は極めて厳しい状況でございまして、我が省といたしましても大変憂慮いたしております。
 その原因としては、まず企業の求人数の減少が挙げられるわけでございますが、背景には、企業の即戦力志向や人材派遣、臨時雇用を多用する就業構造の変化等があると考えられます。
 このような状況を踏まえ、我が省といたしましては、経済団体への働き掛けはもとより、学生や生徒の適切な職業選択に資するようインターンシップの推進に努めますとともに、高等学校就職支援教員や外部人材を活用したキャリアアドバイザーの配置など、各高校における就職支援体制の充実に努めております。また、厚生労働省と協力して、未内定者に対する職業相談、それから職業準備講習の充実に努めているところであります。
 今後とも、このような対策に取り組みますとともに、学校において学生や生徒に望ましい職業観、勤労観を身に付けさせるため、キャリア教育を推進してまいります。
 次に、教育改革の理念及び公教育の自由化、競争の導入についてのお尋ねでありますが、我が省におきましては、昨年の八月に人間力戦略ビジョンを提唱し、初等中等教育から高等教育までの各学校段階を通じ、加えて、家庭や地域社会の教育力の向上や生涯学習を含めた我が国の将来を担う人材を育成するための目標と、これを実現するための具体的施策を明確にしたところであります。
 その中でも義務教育の果たす役割は極めて重要であり、確かな学力、豊かな心の育成に力を入れております。また、知の世紀をリードする大学改革などの施策を推進しており、これらを通じて、画一と受け身から自立と創造へという教育改革の理念を一層推進してまいります。
 また、教育の機会均等や教育水準を確保するとともに、一人一人の能力を最大限に伸ばし、創造性に富む人間を育成するため特色ある学校づくりを進めるなど、より良い教育を目指して互いに切磋琢磨する環境をつくることも重要であると考えております。
 また、学力向上策に係る条件整備についてのお尋ねでありますが、子供たちに基礎、基本をしっかりと身に付けさせ、自ら学び自ら考える確かな学力をはぐくむことは教育改革の重要な柱であります。
 このため、我が省といたしましては、教科等の特性に応じた少人数授業、習熟度別指導など、個に応じたきめ細かな指導を実施するための第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を推進しているところであります。また、これに加え、学習意欲を高め、学力を向上させることをねらいとした学力向上アクションプランを実施するなど、総合的な施策を進めることといたしております。
 次に、教育条件の整備とナショナルミニマムについての御指摘でありますが、初等中等教育については、各地方ごとに多様で特色ある教育を実施、実現することが大切でありまして、そのために国と地方がそれぞれ適切に役割分担しつつ、教育条件の整備を図っていくことが重要であります。国は、諸制度の整備等を通じ教育条件についての最低保障を行っておりまして、その上で地方が教育条件の整備等について独自に努力や取組を進めていくことが肝要であると考えます。
 我が省としては、今後とも、地方のより自主的な取組を生かすよう必要な見直しを行いながらも、全国的に一定水準の教育を確保するため、国としての責任を十分果たしてまいりたいと考えております。
 さらに、教育基本法の見直しについては、憲法のように国会において教育基本法調査会のようなものをつくり、十分な国民的議論をすべき重大な問題であるとの御指摘でございますが、教育基本法は教育の基本を定める法律として昭和二十二年に制定されたものでありますが、制定以来半世紀を経た今、時代や社会の変化に合わせて、教育の根本にさかのぼって見直しを行うことが我が国の将来にとって大変重要なことであると考えております。このため、教育基本法の見直しについて、現在、教育の振興に関する重要事項などを審議する中央教育審議会において精力的に御審議をいただいているところでございます。
 この見直しについては、教育改革国民会議の設置以来、これまで約三年間にわたり慎重な議論を行ってきたところであります。また、昨年十一月の中央教育審議会中間報告を受けて、公聴会の開催や有識者からのヒアリングを始め、国民からの意見募集、各種研修会における説明を行いますなど、国民的な議論を深めてきたところでもございます。
 お尋ねの調査会の設置につきましては、国会法の規定に基づき、参議院の御判断によりお決めになるものと承知しておりますが、我が省としては、今後、中央教育審議会の答申を踏まえて、教育基本法の見直しにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 また、構造改革特区における株式会社とNPOによる学校設置は、教育基本法と矛盾するものであり、公の性質が担保されるのか疑問との御指摘ですが、今回、構造改革特区において、地方公共団体等の創意工夫を生かし、教育の活性化を図るために、地方公共団体が特別のニーズがあると認める場合には、株式会社や、不登校児童生徒等を対象とした活動に実績のあるNPO法人に学校の設置を認めることとしたところであります。これらの学校についても、学校教育法等が適用されることに加え、設置主体に一定の要件を課しているほか、情報公開、評価の実施や学生等の修学機会の確保のためのセーフティーネットを構築することにより学校の公の性質を担保できると考えておりまして、教育基本法第六条との関係において矛盾はないと考えます。
 教育の観点ではなく経済財政諮問会議が主導しているとのお尋ねでありますが、国民の基礎的資質を培う義務教育の重要性にかんがみまして、財政論のみで論ずべきではないということは御指摘のとおりであります。私も、そのような観点から、今回の見直しの検討に当たりましては、義務教育費国庫負担金の問題を集中審議した昨年八月の経済財政諮問会議におきまして、私から人間力戦略ビジョンを提唱したところでございます。
 このビジョンにおきましては、初等中等教育から高等教育までの各学校段階と生涯学習を通じまして、日本の将来を担う人材の育成についての考え方を明確にしたところでございますが、その一番大事な基礎が義務教育でありまして、これについては、教育改革を進める中で、地方のより自主的な取組を生かすような必要な見直しを不断に行いながらも、義務教育の水準を確保するため、国として必要な責任は今後ともしっかり果たすという観点から取り組んでいきたいと考えております。
 また、義務教育費国庫負担金の全額一般財源化の問題点についてのお尋ねでございますが、昨年十二月の三大臣合意におきまして、義務教育に係る経費負担の在り方について、まず教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行うことといたしております。
 御指摘のように、この問題を全額一般財源化する場合には、義務教育の水準確保についての制度的な保障が損なわれるという問題が生ずるおそれがあると考えております。したがいまして、このような問題点も十分に念頭に置きますとともに、義務教育についての国の責任を踏まえながら十分に対応していきたいと思っております。
 最後に、三位一体改革の展望が全く見えてこない状況であり、本法律案を撤回すべきとの御指摘でございますが、現在、政府におきましては、国庫補助負担金の整理合理化について検討を進めております。今回の法改正は、こうした考え方に立って、義務教育費国庫負担金について、義務教育に関する国の責任を適切に果たしつつ、国と地方の費用負担の在り方を見直す中でその負担対象経費を限定するものでございます。
 我が省といたしましては、義務教育の水準を確保いたしますために、国としての必要な責任は今後ともしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(坂口力君) 神本議員から新規学卒者の就職についてのお尋ねがございました。
 大学卒につきましては前年に比べましてやや改善をいたしておりますものの、高校卒につきましては一月末の現在の就職内定率が七四・四%と、昨年に比べまして一・三%下がっております。こういう厳しい状況であることはよく承知をいたしております。
 そして、昨年の十月から各県におきます就職面接会を二百三十七回実はやってまいりました。これによりまして、非常に今まで大きな落ち込みでございましたが、それがかなり回復させることができたというふうに思っております。今年の一月からも九十二回実は行っております。もう一歩のところまで来ておりますので、この就職面接会、更に継続をしたいというふうに考えているところでございます。
 また、本年の補正予算におきまして若年者ジョブサポーターを配置をいたしました。これによりまして、各県、各学校と連携を密にいたしまして、そして、マンツーマンの指導、あるいはまた企業訪問等を実施をしたいというふうに思っているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(片山虎之助君) 神本議員から四点の御質問ございました。順次お答えを申し上げます。
 まず、義務教育費国庫負担制度の性格と意義についてどう考えるか。私は、やっぱり教育の中で義務教育が一番重要だと、こう思っております。人格形成や学力の基礎、基本にかかわる教育でございまして、これについてはやっぱり国がお金を出す、あるいは国が責任を持つと、こういうことが必要だと思っておりますが、この制度もできてから五十年たつわけです。国がお金を出すことが全部国庫負担金や補助金でなければならないかどうか、あるいは地方交付税では駄目なのか。あるいは、制度そのものは、今、標準法というのができまして、学級編制や教職員配置の基本が決まっているわけです。制度的に担保がある。
 そこで、我々は、そこのところをもう一遍考え直すべきではないかと思いますし、教育における地方の自主性をどう考えるかと、こういうことでございまして、そこの接点を求めてまいりたいと、こう思っておりまして、今回は地方の自主性、自由度を拡大しながら、国庫負担金の中で二千二百億円を削減して一般財源化すると。それは地方交付税なり地方特例交付金で完全に補てんすると、こういうことの仕組みをいたしたわけでありまして、全体についてどうするかは、文部科学大臣からお話ありましたように、平成十八年度末までに義務教育の在り方を十分考えながら検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
 それから、三位一体の改革で交付税をどうするんだと、こういうことでございますけれども、三位一体というのは、地方のお金の中で一番大きいのは地方税、それから地方交付税、国庫負担金、補助金なんですよ。
 我々は、地方税のウエートを大きくしたい、地方の自主性、自立性を強化したいと、こう考えておりますから、地方税を増やすためには、国がひもを付けてくる国庫負担金、補助金は必要なものは残しながらできるだけ縮減したい、交付税もできれば地方税の方がいいんではないかと、こう考えておるわけでありまして、交付税の見直しでは総量をどうするかということが一つある。その中でどれだけ国庫補助負担金を減らすか、地方税をどれだけ増やすか。その足りないものは地方交付税で財源手当てをせざるを得ないわけでありますから、そういうふうに考えたいと思っております、総量は。
 そして、地方交付税の算定方法そのものは、できるだけ地方の自立性増強、自主性強化に役立つようなことを考えたいと。例えば、今、税が減ると交付税が増える。税が減ると交付税が増えて、税が多くなると交付税が今度は減るんですね。これはトータルでそういうことになっているんです。地方税が増えると交付税が減る、そういうことでございますので、そこのところのインセンティブを強化してまいりたい、こういうことで三位一体の改革をやりたいと、こう思っております。
 それから、税源移譲につきましては、これは、三位一体改革のメーンは国から地方への税源移譲でございますが、今、国と地方の税の配分は、何度も申し上げますけれども六対四ですから、せめて私はそれを五対五にしたいと。使っているのは、地方が六割以上使っておりますから、五対五にしたいと、こう思っておりまして、具体的には所得税から個人住民税へ、消費税から地方消費税へのプラスをいたしたいと、こういうふうに考えておるわけでありまして、三位一体については既に閣議決定をいたしておりますので、今年の夏ぐらいまでに全体プランあるいはスケジュール等を決めてまいりたいと、現在、鋭意作業中でございます。
 それから、昔、昭和二十五年に、今で言う地方交付税に義務教育の関係も全部したわけですね。二十八年にまた今の義務教育費国庫負担制度に変えたと。それは何でか、同じではないかと、こういうことでございますが、あの当時は、総量の確保がなかなかできなかった、それから標準法もなかったわけでありますから、私はあの当時とは相当状況が違うと、こう思っておりまして、教育論もしっかりと見据えながら、しかし、教育の中における地方の自主性あるいは国と地方の税財源の配分、そういうことを総合的にとらえて今後とも議論してまいりたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣塩川正十郎君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対する質問は、地方交付税とか税源移譲とか、要するに地方財政の強化について本当にやるのか、本気でやるのか、どうしてやるんだという御質問でございまして、本気でやります。必ずやらなきゃなりません、それは。これは大変な重要な問題でございますから。
 それについては、地方財政全体を見ました場合には、地方の分権の問題とそれから自治体の能力、そして財源の移譲と、こういうものが総合的に関係していかなきゃなりません。
 そこで、まず、財政問題についての在り方について、先ほど片山総務大臣のお話もございましたように、今年の六月ごろをめどにその基本的な考え方、これをきちっといたしたいと。その中に、要するに地方も、いわゆる三位一体論の問題、考え方、こういうのを、基本をきちっと決めまして、それに伴って、漸次補助金とそれから税源移譲とそれから交付税と、これを整理していくということでございます。
 必ずやりますから、期待して御協力のほどお願いいたします。(拍手)
#34
○副議長(本岡昭次君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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