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2003/04/16 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第17号
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2003/04/16 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第17号

#1
第156回国会 本会議 第17号
平成十五年四月十六日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成十五年四月十六日
   午前十時開議
 第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を
  図るために平成十五年度において緊急に講ず
  べき特別措置に関する法律案及び高速自動車
  国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正
  する法律案(趣旨説明)
 一、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源
  の利用に関する事業活動の促進に関する臨時
  措置法及び石油及びエネルギー需給構造高度
  化対策特別会計法の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第二百十三番、比例代表選出議員、田英夫君。
   〔田英夫君起立、拍手〕
#4
○議長(倉田寛之君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、田英夫君を環境委員に指名いたします。
     ─────・─────
#5
○議長(倉田寛之君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、
 原子力安全委員会委員に松浦祥次郎君、東邦夫君及び松原純子君を、
 また、国地方係争処理委員会委員に青山正明君、磯部力君、小田原満知子君、角紀代恵君及び草刈隆郎君を
任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、原子力安全委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百九十四  
  反対             二十七  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#8
○議長(倉田寛之君) 次に、国地方係争処理委員会委員のうち青山正明君、磯部力君、小田原満知子君及び角紀代恵君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#9
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#10
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#11
○議長(倉田寛之君) 次に、国地方係争処理委員会委員のうち草刈隆郎君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#12
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#13
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成             二百三  
  反対              十九  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#14
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。扇国土交通大臣。
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(扇千景君) 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案につきまして申し上げます。
 本州四国連絡橋公団の平成十四年度末における有利子債務は約三兆五千億円となる見込みであり、管理費を上回る料金収入があるものの、利払いが大きいため、支出が収入を大きく上回っており、その財務状況は極めて厳しいものとなっております。
 このため、道路関係四公団の民営化に関する当面の措置として、本州四国連絡橋公団の有利子債務の一部である約一兆三千億円を切り離し、国の道路特定財源により早期に処理すること等により、将来における国民負担の膨張を避けるとともに、本四架橋としての自立的経営を可能なものとするところであります。
 この法律案は、これを受け、本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき措置として、政府による公団の債務の承継に関する特別措置について定めるものです。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために、政府は、本州四国連絡橋公団の長期借入金及び本州四国連絡橋債券に係る債務の一部を一般会計において承継するものとしております。
 次に、高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 高速自動車国道については、これまで日本道路公団が有料道路制度を活用することによりその整備を進めてきたところですが、我が国の社会経済情勢の変化等に対応して、必要な高速自動車国道を整備するためには新たな整備手法を導入する必要があります。
 このため、道路関係四公団の民営化に関する当面の措置として、平成十五年度より、新会社による整備の補完措置として、必要な高速自動車国道を建設するため、国と地方の負担による新たな直轄事業を導入するところであります。
 この法律案は、これを受け、適切な地方負担の下に国が高速自動車国道の整備を行うことができることとするための改正を行うものです。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 高速自動車国道の管理に要する費用について、国がその四分の三以上で政令で定める割合を負担し、都道府県がその余の割合を負担するものとしております。
 以上が本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成十五年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案及び高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。池口修次君。
   〔池口修次君登壇、拍手〕
#18
○池口修次君 民主党の池口修次でございます。
 ただいま議題となりました二法案につきまして、民主党・新緑風会を代表して質問いたします。
 まず、法案の中身に触れるのに先立ちまして、政治課題に対する政府の説明責任について質問いたします。
 小泉総理は、このたびの米英を中心とした連合軍のイラク攻撃に対する政府の立場が不明確であり説明責任を果たしていないとの批判に対し、世論に従って政治を行うと間違える、ちゃんと説明しているのにマスコミがごく一部ワンフレーズしか取り上げないと発言し、真意が伝わらないのはマスコミのせいであり、自分の責任ではない趣旨の発言を繰り返しました。一国の責任者としては甚だ無責任であり、もはや我が国の行く末のかじ取りを任せるのに値しないと断言せざるを得ません。そもそも、マスコミがワンフレーズしか取り上げないのを一番よく知っていて、それを政治手法に取り入れ自らの支持率アップを図ったのは、小泉総理御自身であります。
 イギリスのブレア首相を始め欧米のリーダーは、重要な政治課題に対する考え方や重要な政治決定をした場合には、必ず国民に直接語り掛け、政治の説明責任を果たしています。また、かつて佐藤栄作総理は、小泉総理と同じ理由で記者会見場から新聞記者を退席させ、テレビのみで直接国民に語り掛けたと聞いております。元総理の動機とやり方は手法として正しいかどうかは別にしても、総理の真意を国民に正しく伝えたいと思うのならば、正式な会見を適宜開会し、直接国民に語り掛けることで政治の説明責任を果たすべきではないでしょうか。
 そこで、福田官房長官にお尋ねいたします。
 ワンフレーズポリティクスという汚名を晴らすためにも、現在、総理官邸の廊下の一角で行われている簡易インタビューと併せて、官房長官が定期的に行っている記者会見をできるだけ小泉総理自身が行い政治の説明責任を積極的に果たすというやり方について、官房長官の御所見をお伺いいたします。
 それでは、法案の中身について具体的に質問いたします。
 まず、この二法案と道路関係四公団民営化との関係であります。
 道路関係四公団民営化は、小泉内閣の掲げる改革の金看板の一つであったはずです。総理はかつて、道路関係四公団民営化に当たって、四公団は統合して廃止し民営化する、九千三百四十二キロメートルの高速道路整備計画は見直す、三千億円程度投入されていた国費は投入しない、五十年以内に償還する、改革意欲あふれる七名で第三者機関を設置すると大見えを切っておられました。
 しかし、総理があれだけ声を大にして小泉改革の成果としてアピールしてきた道路関係四公団民営化推進委員会が昨年十二月に出した最終意見に対し、今後この意見を基本的に尊重するという言葉だけで、政府の対処方針の具体的な検討は扇国土交通大臣に丸投げ、法案提出は来年の通常国会にと、政府方針は今のところ示されていない状況であります。
 そのような状況の中、昨年十二月十二日に政府と与党の間で交わされた道路関係四公団の民営化についてという申合せに沿ったこの二法案が提出されました。
 道路関係四公団の全体像が具体化される前にこの法案が提出された合理的な理由について、扇国土交通大臣にお尋ねいたします。
 また、小泉総理の意を受け、かつて、今後必要のない高速道路は造らないという趣旨の発言を力強くされていた石原大臣の現在の素直な気持ちをお聞かせください。
 次に、本州四国連絡橋公団の債務の軽減を図るための緊急特別措置法案についてであります。
 本四公団への一兆三千四百億円の投入はどのような理由からなのでしょうか。小泉内閣の方針は、国費は投入しないということだったのではないでしょうか。なぜこれほど簡単に信念を曲げてしまうのでしょうか。疑問はたくさんあります。
 政府のこれまでの説明ではこれほどの巨額な債務が生まれるはずもなく、今回、貴重な税金を投入し、小泉内閣として国民にツケを回すことを決定したのであれば、巨額債務発生の原因をきちんと究明した上、責任の所在も明らかにすることが政治の責任であると考えます。国民の期待を裏切った上に負担だけをツケ回すことでは、到底国民からの理解を得ることはできません。扇国土交通大臣の明確な説明を求めます。
 さらに、今回、一兆三千四百億円の債務を切り離すことにより、通行料金を一、二割下げても五十年で有利子負債を解消できるとしておりますが、その後の国からの無利子融資や国や県からの出資金の償還を考え合わせると、結局、償還し終えるのがいつになるのか見当も付かないというのが本当のところではないでしょうか。果たして投入された税金は本当に国民の元へ戻ってくるのでしょうか。扇国土交通大臣の納得のいく御説明をお願いいたします。
 次に、高速自動車国道法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 この法案の中身を素直に読めば、民営化会社が採算性の問題で造らないと判断した高速道路でも、その地方にとって本当に必要な道路であれば国と地方の負担で造ることができるということであり、私も一定の理解はできるものであります。
 しかし、現在決定済みの九千三百四十二キロの高速道路整備計画を精査せず、根本的な必要性をもあいまいにしたまま、一体どのようにして建設路線を選定するのでしょうか。
 さらには、この法案では、建設費の地方負担に見合う形で自動車重量譲与税の交付割合を四分の一から三分の一へ変更する措置が取られておりますが、この財源を地方自治体の自主的判断により高速道路ではなく地域高規格道路建設の財源として使用する選択肢はあるのでしょうか。
 また、これまでの高速道路行政からは、国が地方の必要性をしんしゃく、判断した上で建設路線を決定するなどということは到底信用できません。結局、今までと同じように、補助金などを巧みに使いながら国の思惑を押し付けることになるのではないでしょうか。扇国土交通大臣の明確な御説明を求めます。
 これまで、この二法案提出の不透明な経緯について質問してまいりましたが、改めて小泉内閣の改革方針に変更があったのかなかったのかということについてお尋ねいたします。
 一つは、国費、すなわち税金を投入しないという公約についてであります。
 この二法案で、本四公団へ一兆三千四百億円、高速道路建設へ十五年間でおおむね三兆円、合わせて五兆円弱もの税金が投入されることになるわけですが、このことは小泉内閣の方針が変わったことになるのではないでしょうか。
 さきにも述べたように、総理は、道路関係四公団民営化推進委員会の最終意見を受け、これからは政治の責任だと力強く表明されておりますが、九千三百四十二キロの高速道路整備計画を見直すを始めとした課題のすべてを先送りした上に、国費は投入しないという公約をほごにするような法案を提出するに当たって、小泉内閣の方針が変わったのか否か、扇国土交通大臣の明確な御答弁を求めます。
 もう一つは、道路特定財源の抜本的見直しについてであります。
 小泉総理は、就任直後に、道路特定財源は聖域なく見直しの方向で検討する、予断は挟まず、どの方向で使うかを聖域なき構造改革の一部として検討したいと明確に断言されていました。しかし、その後、与党の道路族議員に抵抗されると、一部を他の予算に使っていいようにしたい、他の公共事業に使いたいといきなりトーンダウンし、最近の発言では、暫定税率の問題があるので現時点では一般財源化できないが、使い道を国民からの理解を得やすいような形で五十年ぶりに見直すことにした、立派な改革だと開き直っております。抜本的な見直しはこれで終わりなのでしょうか。
 私たち民主党は、国が責任を果たすべき国土の骨幹となる道路については整備が概成していることを踏まえ、道路整備に特定された巨額な財源である揮発油税、石油ガス税などの道路特定財源制度を廃止し、一般財源化して、その上で、地方の自主性を尊重する観点から一般交付金財源とし、道路などの社会資本整備に充てるべきと考えています。
 同時に、複雑かつ過重な自動車関係諸税の簡素化、適正化の観点に立ち、自動車重量税は本則税率に戻して自動車税と統合し、消費税との二重課税になっている自動車取得税は廃止すべきです。一方、環境対策として、税収の使途のグリーン化、国民の環境意識の向上など、複合効果を目的に一兆円規模の環境税を導入します。そして、これらの改革を同時に実施することによって、現在九兆円もの大きな負担をしている自動車ユーザーの負担を増やすことなく地方の社会資本整備と環境対策が実現できると考えています。
 道路特定財源の抜本見直しについての民主党のこの考え方に対して、扇国土交通大臣の所見をお尋ねいたします。
 あわせて、環境省は、現時点では環境税の研究はしているが導入は検討していないと説明されていますが、自動車関係諸税を議論している今検討しなければ時期を失すると思いますが、環境税についての考えを鈴木環境大臣にお聞きします。
 最後に、これまで小泉総理はワンフレーズポリティクスを巧みに操って、国民に改革が確実に実行されているとの幻想を抱かせてきました。小泉内閣の目玉の一つとされた高速道路への税金投入見直しも、いったんは道路公団への三千億円の投入を廃止してみせ、国民の支持を得ましたが、今法案で三千億円の税金投入が見事に復活し、いわゆる自民党道路族の思惑どおりに進んでいます。
 私は、総理がどのように抗弁しようとも、もはや小泉内閣の公約はごまかしであったことが明確になったことを指摘して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣扇千景君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(扇千景君) 池口委員から九項目にわたっての御質問がございました。
 昨年末に提出されました民営化推進委員会の意見については、政府としてはこれを基本的に尊重するとの方針の下に、可能なものからできるだけ早期に具体化を図っていく。例えば四兆円を超える建設コストの削減、あるいは関連法人の見直し、民間企業経験者の登用、財務諸表の作成前倒し等に既に取り組んでおります。
 民営化推進委員会の意見につきましては、本四公団に係る債務の国による処理、そういう高速道路の国、地方の負担による整備について提言されているところでございます。特に、これら早急に対応すべきものであることを踏まえて、今回、平成十五年度予算において措置することとし、その前提となる関連二法案を今国会に提出した次第でございます。
 次に、本四道路につきましては、平成十三年度の収支状況、御存じのとおり、管理費が二百四十九億円、これを上回る収入が八百四十三億円あるものの、利払いが千二百五十億円と収入を超えているために、当期の損失金が六百五十五億円に発生しております。損失金の累計である欠損金は一兆一千億円に達しています。このため、一刻も早く財務状況の改善を図って将来の国民負担の膨脹を食い止める必要があり、このような観点から、民営化推進委員会の意見においても、本四公団の債務については、所要の債務を切り離した上で国等が継承し、その適切な処理を進めるべきであること等の趣旨が提言されております。
 政府としましても、民営化推進委員会の意見を基本的に尊重する方針の下、将来、交通量の伸びを平成十五年度以降見込まない場合でも確実な償還が可能となるよう、一兆三千四百億円の有利子債務を切り離して、国の道路特定財源による早期処理を行うこととしたわけでございます。
 三つ目には、昭和四十四年に策定されました新全国総合開発計画において本四の三ルートの整備が位置付けられまして、それを前提にして、昭和四十五年には本四公団法が衆参両院ともに全会一致で可決されております。
 昭和五十年代の初期の経済状況は、昭和四十八年にオイルショックがあり、物価の安定と総需要抑制を図るために一時着工が凍結されましたものの、引き続き右肩上がりの状況にあり、自動車の保有台数も年間四から七%の割合で伸び続けました。本四の交通量についても十分な伸びが見込まれるという考え方が一般的でございました。しかし、その後、経済状況が変化し、交通量が予想より低くなったことから、本四道路事業については欠損金が一兆一千億円にも生じております。
 したがって、本四公団として可能な限り合理化を図り、国民の理解を得るとともに、一刻も早く本四公団の財務状況の改善を図って将来の国民の負担の膨脹を食い止めることが今日の政治、行政に課せられた重い責任であると感じております。
 四つ目には、本四公団に対する国からの無利子貸付金について、平成三十四年度までに返済することとしております。一方、国、地方からの出資金については平成三十四年度までに国と地方の出資を延長することとしておりますけれども、これについては、現行制度の下では、有利子債務が償還された後に料金収入により返済することとされております。しかしながら、この具体的方針については、今後の本州四国連絡橋公団の民営化の制度設計の中でこれを検討してまいりたいと考えております。
 五つ目には、現行の整備計画九千三百四十二キロメートルは、国民経済的に見て整備の必要があるとして法律の手続を踏んで決定され、地元にも具体的な計画として提示された区間であり、国土交通省としては、その早期整備に責任を負っているものと現在は考えております。
 今後の高速道路の整備は、費用対効果など整備効果を十分に検討し、厳格な事業評価を行い、国民に対する説明責任を十分に果たしながら、真に必要な道路の整備を進める所存でございます。
 なお、新たな直轄方式で整備する個別の路線、区間については、現行整備計画九千三百四十二キロメートルの中から、今後、整備効果、交通量の見通し、あるいは収支見通し等を精査して、関係地方公共団体の意見を聴取し、国土開発幹線自動車道建設会議の議を経て決定することといたしております。
 六つ目の御質問でございましたけれども、平成十五年度予算においては、高速自動車道、高速道路整備の直轄方式の導入について対応した新たな負担を地方に求めること等となるために、約九百三十億円の税源を地方に移譲することといたしております。しかしながら、移譲された財源は、高速道路整備に使い道を限定したいわゆるひも付きの財源ではなく、広く道路整備を、全般に充てられるものでございます。したがって、地方公共団体自主財源と同様に、あくまでも地方の判断により、高速道路整備の負担に充てるか、あるいは地域高規格道路建設に充てるかを決めることになると考えておりますので、これは地方の裁量でございます。
 七つ目の御質問でございます。
 高速道路の整備に当たりましては、地域の理解と協力が不可欠であることは言うまでもありませんけれども、特に新直轄方式においては地方の負担をお願いいたしますので、このことから、整備計画の策定に当たりましては、国土交通大臣は関係都道府県の意見を聴くことを法律の手続に定めたところでございます。国土交通省としては、これらの都道府県の意見を十分に配慮し、地方の意思を尊重した高速自動車国道の整備を推進することにいたしておりますので、国の思惑を押し付けることにはならないと、これも考えております。
 八つ目の質問には、道路関係四公団の民営化に関しまして、一昨年十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化の計画におきましては、日本道路公団においては、平成十四年度以降、国費を投入しないとの方針が打ち出されているのは池口議員がおっしゃったとおりでございます。これについては何ら変更しておりません。
 同時に、この整理合理化計画においては、新たな組織により建設する路線以外については直轄方式による建設を検討すること、本四公団の債務については確実な償還を行うために国の道路予算等において処理することが、当初よりこれは決定されております。これを踏まえて今回この二法案を提出しているものであり、小泉内閣の方針は何ら変更されておらず、これは一貫しておりますことを改めて申し上げます。
 最後の御質問でございましたけれども、道路特定財源につきましては、これまでも自動車利用者の理解の得られる範囲で道路整備に関する都市開発事業やあるいは立体の交差等々の事業の町づくりに資する事業も推進してきたところでございます。
 平成十五年度予算におきましても、新たな政策課題に的確に対応するために、DPFの導入支援等、少なくとも、環境分野でありますとか、あるいは都市交通分野への使途の拡大を図ることといたしております。道路特定財源の今後の活用につきましては、様々な御意見を聞きながら、また伺いながら、受益者負担という原則を踏まえて、納税者の理解を得られるような範囲で引き続き検討を進めていきたいと考えております。
 なお、道路特定財源は、受益者負担の原則に基づきまして、自動車利用者に本則税率の二倍以上の暫定税率、重油等の石油製品と比較して約二十五倍の税負担をお願いしており、このような財源を一般財源化することについては納税者である自動車利用者の理解を得ることは難しいと考えております。道路整備を計画的かつ着実に進めていくためには、引き続き道路特定財源を活用していく必要があると考えております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(福田康夫君) 池口議員にお答えいたします。
 これ、法案とは関係ございませんが、総理の記者会見の在り方についてのお尋ねでございました。
 総理の記者会見は、これは先般の米軍によるイラク攻撃時等の大事な節目節目において適時適切に行われております。よく説明をいたしておると思います。
 一日二回行われております記者会見、これは私がいたしておりますけれども、これは政府のスポークスマンである私が行うことが適当であると、このように考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(石原伸晃君) 道路関係四公団民営化推進委員会の意見書におきましては、今後の高速道路整備については、新会社の自主的な判断に基づき採算性の範囲の中で行うこととし、新会社の採算を超える部分については、国及び地方公共団体が財源を負担する新たな制度を政府において早急に検討するとの提言が行われております。今般の法案によりまして直轄方式による新たな高速道路整備手法の導入を図ることは、こうした意見書の趣旨を踏まえたものであると私は認識しております。
 今後の高速道路は、民営化することによってコスト意識の徹底や採算性を重視した効率的な事業運営の下に進められるべきものであると考えております。その一方で、採算性は乏しいものの公益性の視点から整備の必要性がある路線もあり、そうした路線については、今般提示されました新直轄方式により整備していくべきだと考えております。今後とも必要のない高速道路は造らないとの考えは変わるものではございません。
 これからは、高速自動車国道を整備する場合において、費用対便益などの整備効果、BバイCを十分に活用し、更に厳格な事業評価を行い、国民の皆さんに対する説明責任を十分に果たすことが重要であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(鈴木俊一君) 池口議員から環境税についてお尋ねがございました。
 環境省といたしましては、温暖化対策のステップ・バイ・ステップのアプローチに沿って、第一ステップの最終年である二〇〇四年に実施されるこれまでの対策の進捗状況の評価、見直しにおいて必要とされた場合には、第二ステップが始まる二〇〇五年以降早期に環境税を導入するとの方針であります。
 現在、この方針に沿って、中央環境審議会の地球温暖化対策税制専門委員会において、温暖化対策上の効果が得られるとともに、我が国の経済活性化や雇用創出にもつながるような方向で具体的な案の検討を進めていただいております。
 本年夏ごろまでを目途に取りまとめて世の中にお示しをして、国民の皆様や関係方面の理解が得られるよう最大限の努力を傾けたいと考えているところであります。(拍手)
#23
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。平沼経済産業大臣。
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(平沼赳夫君) エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昨今のエネルギーをめぐる経済的、社会的環境の変化を踏まえて、歳出歳入構造の見直しを含めたエネルギー政策の抜本的な見直しを進める中、特に地球温暖化対策につきましては、エネルギー消費大国の責務としての取組が強く求められている状況にあります。
 加えて、国内では、廃棄物・リサイクル問題が喫緊に対応すべき政策課題として顕在化しており、我が国としては、環境と経済の両立に資するような循環型経済社会を構築することが急務となっております。
 このような状況を踏まえ、温室効果ガスの大宗を占めるエネルギー起源二酸化炭素の排出を抑制するとともに、再生資源の利用の促進に加え使用済物品等の発生の抑制及び再生部品の利用の促進のための支援策を講ずる必要があるため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法の一部改正であります。
 同法に基づく事業者への支援の対象に、海外においてエネルギー起源二酸化炭素の排出を抑制する事業と、使用済物品等の発生の抑制及び再生部品の利用の促進に関する事業を追加し、あわせて、同法の題名をエネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法に変更するとともに、その廃止期限を平成二十五年三月三十一日まで延長するものでございます。
 第二に、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部改正であります。
 従来の石油及びエネルギー需給構造高度化対策に、国内外で省エネルギー等によるエネルギー起源二酸化炭素の排出抑制のため取られる施策であって経済産業大臣又は環境大臣が行うものに関する財政上の措置の追加等を行うこととするものでございます。
 以上が本法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。藤原正司君。
   〔藤原正司君登壇、拍手〕
#28
○藤原正司君 民主党・新緑風会の藤原でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました法案につきまして、関係大臣に質問いたします。
 まず初めに、エネルギー政策の見直しについて伺います。
 アラブ産油国による石油減産措置の発動、すなわち石油ショックによって我が国のエネルギー供給構造の脆弱性を思い知らされてから三十年、依然イラク情勢の動向には不透明感があるものの、少なくともこれまでの間、かつてのトイレットペーパーを買い求める長蛇の列のごとき動揺を見掛けたことはありません。仮に石油ショック当時のエネルギー供給構造の下で今回のイラク戦争が起こっていたとすれば、その社会的混乱はいかほどであったでしょうか。
 このことは、正に、この三十年間、一貫してエネルギー需要が増加基調であった中、過去の石油ショックを教訓に、エネルギー源の多様化を図り、石油代替エネルギーへの転換を進めてきたこれまでのベストミックス政策の成果であり、その中核的役割を担ってきたのが原子力発電であることは紛れもない事実であります。
 石油ショック当時は八割近くにも達していた一次エネルギー供給に占める石油の割合は昨年度ついに五割を切り、一方、原子力の比率は一%から一三%に大きく伸長いたしました。発電電力量におきましては、当時、七割以上を占めていた石油のシェアは一割に低減し、わずか三%であった原子力は基幹電源として三五%を占めるに至っています。
 しかし、今、この原子力政策の足下が大きく揺らぎ、ベストミックス政策が危機を迎えつつあるにもかかわらず、政府の対応は余りにも緩慢であると言わざるを得ません。三十年間の時を経て、過去の教訓が風化しつつあるように思えてならないのであります。
 折しも、今、中東情勢の不透明感に加え、昨年の原子力をめぐる諸問題に端を発する需給の逼迫化などにより、エネルギーに対する社会的関心は高まっており、エネルギー安全保障とは何か、その答えが求められています。
 人間は有事にこそ物事に優先順位を付けることができ、本当に大切なものが見えてきます。
 言うまでもなく、我が国のエネルギー政策の基本は、昨年の通常国会で成立したエネルギー政策基本法にうたわれているとおり、安定供給の確保、環境への適合と、これらを十分に考慮した市場原理の活用を図っていくことであります。
 しかし、現下の情勢を踏まえたとき、国益にかなった中長期的なエネルギー資源の安定供給の確保こそが最重要課題であるという紛れもない真実を再度思い知らされているのではないでしょうか。三十年間のベストミックス政策の成果はあったとしても、我が国のエネルギー供給構造の脆弱性という本質は何も変わっていないのです。
 ここで、今回のエネルギー特別会計の見直しは昨年の経済財政諮問会議で示されたエネルギー政策の見直しに基づくものと理解しますが、この中で、エネルギーを取り巻く情勢の変化として、温暖化防止のための取組強化の必要性、セキュリティー戦略再構築の必要性、電力分野における自由化の推進と原子力発電の推進との両立の必要性と、それぞれ大変立派なお題目が掲げられています。
 しかし、エネルギー政策の見直しとぶち上げた結果がエネルギー特別会計の歳入歳出構造の見直しだけでは、正直申し上げて拍子抜けであり、これら山積する課題に対してエネルギー税制の見直しだけで対応できるとは到底思えません。特に、安定供給の確保、環境の保全、市場原理の活用、これら政策目標はすべて原子力の問題に突き当たるのであり、この本質論議を避け続け枝葉末節の施策に終始することは、我が国のエネルギー政策の根幹であるエネルギー安全保障、ひいてはこの国の行く末を危うくするものと懸念します。
 一方、地球環境問題への対応は新世紀を迎えた人類すべての責務であり、エネルギー政策の見直しにおいても、当面、地球環境対策に集中的に取り組むこととされています。しかし、現在、我が国の温暖化対策が直面する課題は、国民の意識やライフスタイルとも大きくかかわる民生、運輸部門におけるエネルギー消費の増大、そして何よりも原子力の新増設の停滞です。今回のエネルギー特別会計の見直しは、こうした肝心かなめとも言える課題に対応できるものなのでしょうか。それとも、政府は、原子力を基軸としたベストミックス政策を見直そうとするのでしょうか。
 エネルギー安全保障は、一つの国家が存在するための時代を超えた普遍的価値であり、正に国家の基本政策であります。エネルギー安全保障など我が国のエネルギー政策を取り巻く現状認識や今後の中長期的な国家戦略、その中での今回のエネルギー政策の見直しの政策効果について、経済産業大臣の御所見をお伺いします。
 次に、今後の地球温暖化対策について何点かお尋ねします。
 京都議定書における国際公約履行のための具体的対策を取りまとめた地球温暖化対策推進大綱は、二〇〇五年度からの第二ステップを控え、各対策の進捗状況について評価、見直しがなされることとなっております。一方、現行の地球温暖化対策推進大綱は、経済産業省の審議会で取りまとめられた長期エネルギー需給見通しに基づき策定されているものと理解しています。
 そこで、地球温暖化対策推進本部の副本部長である経済産業大臣、環境大臣にお尋ねします。
 エネルギー特別会計における歳入歳出構造を見直そうとする今回のエネルギー政策の見直しの位置付けについて、現行の長期エネルギー需給見通しあるいは地球温暖化対策推進大綱の見直しにつながるものなのでしょうか。両大臣の見解を求めます。
 また、今回の石炭課税など石油税の見直しの一方で、現在、環境省の審議会の下では、二〇〇五年度からの第二ステップに向け温暖化対策税、いわゆる環境税について具体的な検討が進められていますが、その審議会の中では大綱における原子力の位置付けは崩れたとの論議もあったやに聞いております。今後の大綱改定に向けて、我が国の温暖化対策における原子力の位置付けを変えるおつもりなのでしょうか。環境大臣の答弁を求めます。
 次に、今回のエネルギー特別会計の見直しについてお尋ねします。
 政府は、今回の石油石炭税について、受益者負担を原則とする特会制度の歳出構造を見直すことに伴う必然的なものとし、二酸化炭素排出抑制を主たる目的とした温暖化対策税とは全く性格や内容が異なるとしています。しかし、歳入、歳出両面においてグリーン化を図ろうとする今回の石油石炭税と現在の環境省の審議会で検討中の温暖化対策税と一体どこが違うのか、釈然としません。仮に、第二ステップ以降直ちに温暖化対策税が導入される場合、石油石炭税と二重課税になるのではないでしょうか。それとも、温暖化対策税が導入される場合、石油石炭税は廃止されると考えてよいのでしょうか。
 さらに、四月一日からスタートしたRPS制度について、政府審議会の報告書に、新たに包括的な環境・エネルギー政策が導入される場合には制度との整合につき必要な検討を行うことが求められると明記されていますが、ここで言う包括的な環境・エネルギー政策とは何を意味するのでしょうか。
 そもそも、税の特性が違えば二重課税にならないというのは、正に課税側、行政側の論理であります。負担する側にとっては、デフレ経済下で新たな負担の製品価格への転嫁もままならず、単なるコストアップ以外の何物でもなく、過酷な経済情勢の中で懸命に努力する民間事業者をむち打つようなことは到底容認できるものではありません。現在、環境省において進められている温暖化対策税導入論議の見解も含め、経済産業大臣、環境大臣の見解を求めます。
 また、ガスシフトの加速化を掲げておきながら、なぜ天然ガスの増税を行うのでしょうか。さらに、現行大綱におけるエネルギー起源の二酸化炭素排出削減のための追加的措置として鳴り物入りで昨年より導入された燃料転換に対する支援措置についてその実績が全く上がっていないことに対し、政府はどのように言い訳をするのでしょうか。経済産業大臣の見解を伺います。
 次に、エネルギー政策の推進に当たっての政府の責任についてお尋ねします。
 そもそも、我が国のエネルギー政策の推進主体はどこであり、責任を有するのはだれでしょうか。例えば、先般の「もんじゅ」行政訴訟控訴審判決においては、我が党としても今後のエネルギー政策の在り方に一石を投ずるものと重く受け止め、精力的に協議を重ねてきましたが、その過程で痛感させられたのは、行政側の対応のお粗末さとその無責任体質であります。
 原子力の安全規制について、政府は、経済産業省と原子力安全委員会によるダブルチェック体制が有効と常々主張してきましたが、今般の判決を通じ、残念ながら原子力安全委員会のメッセージは国民の耳には全く届いておりません。訴訟当事者は経済産業省と、他人事を決め込んでいた節はなかったのでしょうか。
 一方、文部科学省に高速増殖炉サイクル技術の確立に向けた気概は感じられません。原子力長計に描かれた方針は絵にかいたもちでしかないのでしょうか。スペースシャトル・コロンビア事故のその直後の国家の最高責任者自らの肉声で、それでも宇宙開発計画の推進は必要と国民にメッセージを送った気迫を我が国のエネルギー政策の推進を担う方々は果たしてお持ちでしょうか。
 過日、今般の判決に関し、私が所属する経済産業委員会において質問通告を行おうとした際も、一体どの省庁に質問通告すればよいのか分かりませんでした。我が国のエネルギー政策の実情をかいま見た瞬間であります。
 担当省庁が違う、答弁できる立場にない、そのような理屈が通るのは永田町、霞が関の世界だけであり、民間企業ではそのような理屈を押し通せば、そんな企業は時待たずして市場から排除されます。
 局益あって省益なし、省益あって国益なし、責任の所在が不明確、このようなことはすなわち政府全体が無責任ということであり、正に縦割り省庁の悪弊の極みであります。そして、そのしわ寄せを被るのは国民であります。とりわけ、エネルギー政策は国家国民の将来の行方を左右するものであり、責任の所在が不明確な政策に果たして実現性があるのでしょうか。
 我が党は、これまでから、原子力の安全規制をつかさどる機関の設置とともに、各省庁に分断された現行のエネルギー行政体制を一元化する機関の設置を提唱してまいりました。その視点は、総合的かつ戦略的なエネルギー政策を立案、推進し、国民の将来の安心を担保すること、そのことに対する政府の責任の明確化であります。
 政策は机上の空論で終わってはなりません。その実現に向けた責任ある行動が伴わなければならず、それこそが行政の真髄ではないでしょうか。
 今後のエネルギー政策の推進に係る政府としての責任及びそれに向けた決意につきまして、科学技術担当大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、それぞれの御所見をお伺いします。
 最後に、我が国のエネルギー政策は今まさに正念場を迎えていると言えます。繰り返しになりますが、エネルギー政策は国家の基本政策であります。国家国民の将来に向けた責任ある答弁を関係大臣にお願いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(平沼赳夫君) 藤原議員にお答えをさせていただきます。
 まず、今後のエネルギー戦略、エネルギー政策見直しの意義、効果等についてのお尋ねがございました。
 エネルギー安定供給の確保や地球温暖化問題への対応は、エネルギー政策において今後ますます重要な課題であります。こうした認識の下、今後のエネルギー政策として、御指摘のように、安定供給の確保、環境への適合、そしてこれらを十分考慮した上での市場原理の活用を基本方針として、バランスの取れたエネルギー需給構造の構築を目指してまいるつもりでございます。
 今回のエネルギー政策の見直しは、御指摘の原子力について、長期固定電源として支援の重点化を図るほか、地球温暖化対策の強化など重要かつ早急な課題に取り組むものでございまして、これらにより長期エネルギー需給見通しなどの実現に資するものであると、このように私どもは思っております。
 次に、エネルギー政策の見直しと長期エネルギー需給見通し及び地球温暖化対策推進大綱との関係についてのお尋ねがございました。
 今般のエネルギー政策の見直しは、環境省との連携によるエネルギー起源CO2排出抑制対策の実施、省エネルギー・新エネルギー対策の拡充、天然ガスシフトの加速化、長期固定電源への支援の重点化など、長期エネルギー需給見通しや地球温暖化対策推進大綱に示された目標を達成する上で重要な対策を強化するものでございます。
 このように、今般のエネルギー政策の見直しは、長期エネルギー需給見通しや地球温暖化対策推進大綱を見直すものではなく、むしろその実現を一層確実にするために行うものでございます。
 次に、RPS制度との整合性を検討しなければならないような包括的な環境・エネルギー政策とは何か、このお尋ねでございました。
 RPS法に基づく電気事業者の義務負担に大きな影響を与えるような環境・エネルギー政策の方針の変更がある場合を私どもは念頭に置いております。今後、仮にこのような政策が導入される場合には、RPS制度との整合につき必要な検討を行うことが求められると、このように私どもは考えているところでございます。
 次に、今回の石油石炭税と温暖化対策税との関係等についてのお尋ねがございました。
 今回の税制見直しは、エネルギー政策の見直しに伴い、歳入についても負担の公平の観点から見直しを行ったものでございまして、二酸化炭素排出抑制を主たる目的としたいわゆる環境税を創設するものではございません。
 環境税につきましては、当省といたしまして、例えば、地球温暖化対策推進大綱にあるとおり、マクロ経済、産業競争力等の国民経済に大きな影響を与えることにならないかなど、更なる課税が事業者に与える影響なども含めた広範な論点について慎重に検討を行い、適切に対応することが必要と考えているところであります。
 なお、今回の税制の見直しに当たりましては、電源開発促進税の所要の減税を行います。そしてまた、原料用石炭の免税、さらには税率変更の段階的な実施などによりまして、新たに負担を求める石炭多消費産業の負担に極力配慮をする、こういうことにいたしているところでございます。
 次に、天然ガスシフトの加速化と天然ガスの増税との関係についてのお尋ねでございました。
 京都議定書の批准などを踏まえまして、今後、天然ガスへの燃料転換の促進、GTL、DMEの開発、利用の促進など、天然ガスシフトの加速化を着実に進めまして、エネルギー分野における地球温暖化対策を一層充実強化することが不可欠だと思っております。こうした施策の充実に伴いまして、エネルギー間の負担の公平を図る観点から、従来、税率の低かった天然ガスについてもその消費者に応分の負担を求める、このような考え方で行わせていただくものでございます。
 さらに、燃料転換についてのお尋ねでありました。
 天然ガスは、他の化石燃料に比べましてCO2の排出割合が低く、地球環境問題への対応の面で優位性を有しているとともに、資源の賦存状況も広範であるために、当省といたしましても、その利用促進をエネルギー政策上の重要な課題として位置付けております。その上で様々な取組を行っているところでございます。
 こうした取組の一環として、平成十四年度には産業用のボイラーや老朽火力発電所等の燃料を石炭等から天然ガスに転換するための支援措置を創設しまして、燃料転換の推進を努めているところでございます。
 老朽火力発電所の燃料転換補助金については、現在までのところ、プロジェクトの立ち上がりが遅れておりまして、御指摘のような点があることは事実でございます。しかし、これも今、一生懸命、事業者等で検討しておりまして、支援措置のいわゆる実績も上がってくる、こういうことに私どもは相なると思っておりまして、今後はプロジェクトの実施が十分見込まれると思っております。こうした支援措置を今後も強力に推進することによりまして、燃料転換を進めていかなければならないと思っております。
 最後に、我が国のエネルギー政策の推進主体と、そして責任の所在についてのお尋ねがございました。
 経済産業省は、鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給を図ること、これを任務といたしておりまして、経済産業大臣がエネルギー政策を総合的に推進し、エネルギーの安定的、効率的な供給の確保を図る責任を有しているものでございます。
 もちろん、これまでも関係各大臣と密接に連携協力しつつエネルギー政策を推進してきたところでありますけれども、今後、エネルギー政策基本法に定められたエネルギー基本計画の策定に際しての閣議決定などを通じまして、エネルギー政策の推進に際して政府として一体的に対応をしていきたいと思っております。
 また、今後のエネルギー政策の推進に係る政府としての責任及び決意についてのお尋ねでございました。
 資源の大宗を輸入に依存し、またエネルギー消費大国でもある我が国にとりまして、エネルギー政策は国民生活の安定や経済の発展に直結するものでございまして、国家の重要政策の一つであります。特に、原子力発電についての国民の皆様方の信頼、これをいかに得ることや、あるいは石油等の資源の安定供給についての重要性が一層増している昨今、その責任はますます重くなっていると思っております。
 経済産業大臣として、今後ともこのような重要政策としての認識と責任を持ってエネルギー政策の推進に責任を持って当たらせていただきたいと、このように思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(鈴木俊一君) 藤原議員から三点について御質問がございました。
 まず、エネルギー政策の見直しと地球温暖化対策推進大綱の見直しの関係についてでございます。
 今回のエネルギー政策の見直しは、かねてより環境省が提唱してまいりました二〇〇二年から二〇〇四年の第一ステップにおける既存の税制や特別会計のグリーン化として評価できるものであり、二〇〇五年以降の第二ステップに向けた地球温暖化対策推進大綱の見直しを現時点で行うことにはつながらないものと認識をいたしております。
 今回のエネルギー政策の見直しにより、現行の地球温暖化対策推進大綱に基づく第一ステップの対策が更に進展するよう全力を尽くしてまいります。
 次に、温暖化対策における原子力の位置付けについてのお尋ねでございますが、地球温暖化対策推進大綱においては、エネルギー供給面における二酸化炭素排出量の削減対策の重要な柱の一つとして、安全性の確保を大前提として原子力発電の推進を掲げており、現時点では直ちにこれを見直す考えはありません。
 今般、原子力への国民の不安が高まっている点については、原子力政策への信頼回復に向けて原子力安全・保安院等において最善の努力がなされているものと考えております。第二ステップに向けた大綱の見直しに際しても、安全性の確保を大前提とした原子力の推進が国の地球温暖化対策の中で重要な位置付けを占めるという点については大きな変更があるものとは考えておりません。
 最後に、温暖化対策税、いわゆる環境税との関係についてのお尋ねがございました。
 今回の石油税の見直しは、エネルギー政策や歳出構造の見直しに伴い、歳入についても負担の公平の観点から見直しを行うものであり、CO2排出抑制を主たる目的とした温暖化対策税とはその性格や内容を異にするものであります。
 他方、温暖化対策税については、環境省としては、二〇〇四年に実施される温暖化対策の進捗状況の評価、見直しにおいて、今回のエネルギー政策の見直しも含めた関連するあらゆる対策、施策を評価し、必要とされた場合には、対策の第二ステップが始まる二〇〇五年以降、早期にこれを導入するとの方針であります。
 温暖化対策税の具体的な案については、現在、中央環境審議会において検討を進めていただいており、石油石炭税を始めとする既存のエネルギー税制との関係も重要な論点となっております。本年夏ごろまでを目途に取りまとめて世の中にお示しをして、国民の皆様や関係方面の理解が得られますよう最大限の努力を傾けてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(細田博之君) 藤原議員にお答え申し上げます。
 藤原議員が最初におっしゃいました、オイルショック後三十年たった。三十年で日本はどういうエネルギー政策を取ってきたか。この三十年間で、原油輸入量は実に一三%減少しているわけであります。その間、エネルギー源の多角化、そして原子力発電の推進、LNG発電あるいは石炭火力発電というふうにエネルギー源の安定化を行うことによりまして、我が国のエネルギー安全保障を推進してきたわけでございます。
 翻って考えてみますと、その間、日本国のGDPは二・三倍に増加し、乗用車保有台数は六倍に増えた中でこのような数字を達成しているということは、我が日本国民のエネルギー政策の妥当性というものを検証するものだと思っておりますが、残念ながら、一部に、この原子力発電問題につきまして様々な、言わば汚らわしいというような感覚で議論をされる方もたくさんおられますけれども、これは私ども政府の責任としても、藤原議員おっしゃいましたように、今後とも大いに国民の御理解をいただかなきゃならない。(発言する者あり)いや、汚らわしいということは世論の問題として申し上げているわけでございますよ。
 しかしながら、私どもは、藤原議員のおっしゃったとおり、エネルギー政策が非常に大事な今後の政策として考えておりまして、原子力政策につきましては、原子力委員会が、原子力基本法に基づき、平和の目的に限り、原子力の研究開発及び利用に関する事項について企画し、審議し及び決定する責任を有しており、原子力に関する長期計画の策定などにより、基本方針及び推進方策を示しております。また、文部科学省、経済産業省等の関係省庁は、この原子力委員会の基本方針に基づき、その担当する政策を国全体として効率的、整合的に推進するという体制となっております。
 私としては、資源に乏しい我が国において、供給安定性に優れ環境負荷の少ない原子力発電を基幹電源と位置付け、使用済燃料を再処理して回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの確立を原子力政策の基本として、その実現に向けて最大限努力してまいります。
 なお、国民に対する原子力安全委員会のメッセージに関する御指摘ですが、委員会としては、かねてより全国各地でシンポジウムを開催するなど、原子力安全に関する国民との対話を促進しております。
 また、「もんじゅ」設置許可無効判決については、国及び原子力安全委員会の考え方が認められず遺憾でありますが、原子力安全委員会は科学技術的観点から幅広く見解を取りまとめ、公表したところでございます。
 さらに、原子力の安全規制体制に関しましては、経済産業省などの行政庁が実施する規制活動を原子力安全委員会が客観的、中立的立場から監視、監査する現体制の一層の充実が有効と考えておりまして、昨年十月、委員会は、内閣総理大臣経由で経済産業大臣あて、原子力安全の信頼回復に関する勧告を行ったところであります。今後とも、このような努力を継続することが必要であると考えております。
 以上の認識の下に、関係省庁と連携しつつ、政府一体として、安全確保を大前提とした原子力政策を始めとするエネルギー政策の推進に向けて努力してまいります。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(遠山敦子君) 藤原議員から、今後のエネルギー政策の推進に係る政府としての責任及びそれに向けた決意に関するお尋ねがございました。
 原子力につきましては、原子力委員会の策定する基本的な政策を踏まえて、政府一体となってその研究開発を推進しているところであります。
 我が省におきましては、高速増殖炉サイクル技術の確立のための技術開発など、原子力の研究開発などに積極的に取り組んでまいっておりますが、今後とも、先駆的、基盤的な研究開発にしっかりと推進していく決意でございます。
 とりわけ、高速増殖原型炉「もんじゅ」は核燃料サイクルの確立に向けた研究開発の中核でございまして、その計画を着実に進めていくことが必要でございます。このため、もんじゅプロジェクトチームを省内に設けて説明責任を果たすための具体的な取組を進めるなど、安全確保を大前提とし、地元を始めとする国民の理解を得る努力を続けながら「もんじゅ」の計画を進めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
#33
○議長(倉田寛之君) 答弁の補足があります。細田科学技術政策担当大臣。
   〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(細田博之君) 私が、表現上、汚らわしいという表現を使ったことについて御指摘がありました。
 私の意を尽くさなかったところがございますので申し上げますが、原子力発電については、その有効性、先ほど申しましたような、エネルギー上の重要性を全く否定する、しかも環境汚染だけをもたらす極めてマイナスばかりあるような発電であるというような指摘で、一切の原子力発電を廃止しろというような議論があるという意味で申し上げましたので、その発言を訂正させていただきます。(拍手)
#35
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#36
○議長(倉田寛之君) 日程第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長大野つや子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大野つや子君登壇、拍手〕
#37
○大野つや子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国立の大学における教育研究体制の整備及び充実を図るため、東京商船大学と東京水産大学とを統合して東京海洋大学を新設し、神戸商船大学を神戸大学に統合する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国立大学の再編・統合のもたらす効果、単科大学の再編・統合の方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成           二百二十一  
  反対               五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#41
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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