くにさくロゴ
2003/04/23 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第19号
姉妹サイト
 
2003/04/23 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第19号

#1
第156回国会 本会議 第19号
平成十五年四月二十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
  平成十五年四月二十三日
   午前十時開議
 第一 酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等
  に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第二 酒類小売業者の経営の改善等に関する緊
  急措置法案(衆議院提出)
 第三 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第四 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 第五 遺伝子組換え生物等の使用等の規制によ
  る生物の多様性の確保に関する法律案(内閣
  提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、食品安全基本法案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 食品安全基本法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。谷垣国務大臣。
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました食品安全基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国においては、経済社会の発展に伴い国民の食生活が豊かになる一方、食品に関する科学技術の発展、食品流通の広域化、国際化が進展するなど、我が国の食生活を取り巻く環境は近年大きく変化しております。このような変化を背景として、一昨年の牛海綿状脳症の発生を始めとして、昨年の外国産野菜における農薬の残留や国内における無登録農薬の使用など、食品の安全にかかわる問題が相次いで発生し、食品の安全性の確保に対する国民の関心は従来にも増して高まっております。
 このような情勢の変化に適確に対応するためには、最終的に消費される食品の安全性を確保するだけでなく、第一次生産にさかのぼって必要な措置が講じられるようにするとともに、食品を通じた健康への影響の科学的評価を中心とする科学的手法により、国民の健康への悪影響を防止し又は抑制することを食品の安全性の確保に関する基本原則として打ち立て、国民の健康保護を最優先にする新たな食品安全行政の体制を確立することが喫緊の課題となっております。
 本法案は、このような認識に立って、基本理念とこれに基づく基本的な施策の枠組みを新たに構築することにより、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進することを目的とするものであります。
 次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、食品の安全性の確保についての基本理念として、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識、食品の生産から販売に至る供給行程の各段階における適切な措置、国際的動向及び国民の意見に十分配慮しつつ、科学的知見に基づいて措置を講じることによる国民の健康への悪影響の未然防止の三つを定めるとともに、国、地方公共団体及び食品関連事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにしております。
 第二に、食品の安全性の確保に関する施策の策定に係る基本的な方針として、食品健康影響評価の実施、その結果に基づいた施策の策定、関係者相互間の情報及び意見の交換の促進、重大な食品事故等緊急の事態への対処に関する体制の整備、関係行政機関の相互の密接な連携等について規定するとともに、これらにより講じられる措置について、その具体的な実施に関する基本的事項を定めて公表することとしております。
 第三に、内閣府に学識経験者による合議制の機関として食品安全委員会を設置し、食品健康影響評価及びこれに基づく勧告を行うこと、委員は両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することなどについて規定しております。
 以上がこの法律案の趣旨でございますが、衆議院におきましては、「食品供給の行程」を「国の内外における食品供給の行程」に改めるとともに、政府は、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることを内容とする修正が行われております。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松井孝治君。
   〔松井孝治君登壇、拍手〕
#7
○松井孝治君 私は、民主党・新緑風会を代表して、食品安全基本法案につきまして、関係大臣に御質問申し上げます。
 本題に入ります前に、新型肺炎の感染拡大について伺います。
 いわゆるSARSの国際的な感染の広がりは、大型連休を控えて我が国国民にも著しい不安を与えているほか、相次ぐパック旅行の中止を含めた旅行客の減少や、日系企業など外資系企業の駐在家族の引揚げ、商談の中止、延期などを通じてアジア地域全域にわたって深刻な経済的打撃を与えております。
 坂口厚生大臣、本日現在での国内及び海外在留邦人における感染の疑いのある症例の有無、件数をお示しください。
 さらに、現時点で講じておられる防疫・感染予防対策、国内で感染者が発生した場合の治療体制と感染ルートの解明対策、並びにそれらに必要な専門家の確保の状況について具体的な御答弁を求めます。
 また、中国では、昨年の秋に感染症例を確認しながら、数か月の間、極めて不十分な情報開示しか行わず、そのことが事態の深刻化の一因となったと言われておりますが、今後の我が国における情報開示、情報提供体制の在り方についても御答弁を願います。
 次に、過去に科学技術庁長官を務められ、現在、治安の維持や交通安全の問題など、国民の生命、安全に直接最も大きな責任を担われている谷垣大臣にお伺いいたします。
 二十世紀において物理学を中心とする科学の進歩を基軸として、近代社会が進歩と開発という価値を追求し、人類はすばらしい生活水準の向上と効率的な社会システムを手にし、その安全を脅かす自然の脅威の克服には大きな成果を上げてまいりましたが、同時に、我々は、我が内なる危険、すなわち人類がつくり出した人為による生命への危険という大きな試練に直面いたしております。もろ刃のやいばである原子力の発明、開発、膨大な化学物質の開発と利用、医療技術の進歩による長寿化の達成と多発する薬害や医療ミス。国家的な課題である先進技術の開発と利用に当たっては、開発と同等あるいはそれ以上のエネルギーが安全性の確保に充てられてしかるべきであります。
 現代文明の利便性を極力維持発展させながらも、特に我々の食生活、住環境、社会システムやライフスタイルを考え直さなければ、地球環境の保全も持続的成長もあり得ないのではないでしょうか。国民の中における環境志向、スローフード・スローライフ、地産地消、そうした概念への共感の広がりをどう受け止め、自由貿易体制や市場経済の下での経済活力の維持強化との折り合いをどのように付けていくのかは、二十一世紀の政治家だれもが悩まなければならない課題であります。
 今後の経済社会において、安全という価値を政治や行政システムにどのように位置付けるべきか、谷垣大臣、新たな時代のリーダーにふさわしい識見を官僚答弁ではなく自らのお言葉で示していただきたいと存じます。
 法案の具体的論点に入ります。
 今回の法案は、食品の安全性の確保という政治的課題を基本法という形で政治的に確認した意味において、そして食品のリスク評価、管理、コミュニケーションを三位一体とするリスク分析という概念が後ればせながらも日本の行政に導入された点において評価に値するものではあります。しかしながら、具体的にリスク分析が成果を上げ食品安全が確保されるためには、依然として不十分な点が少なからず存在し、以下、各点にわたって関係大臣に御質問申し上げます。
 第一点は、食品安全委員会の独立性とその権限の脆弱性であります。
 政府案では、食品安全委員会は、国家行政組織法上、与党の皆さんがお嫌いな審議会扱いの八条委員会であり、かつ、リスク管理機関である農林水産省、厚生労働省に対し勧告権はあるものの、勧告内容の実施に何らの強制権も持たない機関であります。道路公団民営化推進委員会や原子力安全委員会の例を挙げるまでもなく、このような機関が果たして実効性ある提言を行い得るでありましょうか。あるいは、霞が関は本委員会が機能することを本当に願っておられるとお思いでしょうか。
 米国においてFDAという組織が決定的に国民の信頼を得たのは、サリドマイドを使用した薬品の販売権を得たメレル社の激しい運動にもかかわらず、安全性に疑義を抱いた担当審査官ケルシー女史が頑としてサリドマイドの承認を与えず、ほとんどサリドマイド薬害が生じなかったという事実が契機であったと言われています。
 谷垣大臣、何ゆえに食品安全委員会を独立性の確保された三条委員会としなかったのか、そして、八条委員会であるにせよ、勧告権にはせめて内閣府設置法上特命大臣に与えられているのと同様の、最終的には内閣総理大臣が内閣法六条に基づいて指揮命令権の発動まで行える、そのような強力な担保手段を付与しなかったのか、理由を明確に御教示いただきたいと存じます。
 世間では、結局は農林水産、厚生労働両省の権限を維持し、形の上での独立性を装う組織編成であるとの批判が行われています。大臣はこの批判に説得力を持って答えられるのでしょうか。御見解を伺います。
 第二点は、BSE問題でも各方面から指摘された農林水産省と厚生労働省の二元行政、重複行政の弊害を是正する措置が法律上具体化されていない点にあります。
 九六年にWHOが牛への肉骨粉の供与を禁止すべきだと各国へ勧告した直後に、当時の厚生省の局長が農林水産省の局長に文書で要請したにもかかわらず、農林水産省は法規制ではなくあくまでも行政指導による肉骨粉禁止という方針を変えませんでした。
 農薬の製造、流通は農水省の規制、農薬の残留基準は厚生労働省の規制であるため、農薬登録されても残留基準がない農薬が多いという実態や、食品の品質表示についての食品衛生法とJAS法での二重基準をどう見直すのでしょうか。別の省の仕事には陰口はたたいても表立っては口は出さない、しかし他省が類似の予算や法規制を持っていても平気で類似施策を導入するという縦割り行政の弊害は極めて深刻であります。
 結果として責任不在の行政の犠牲となり、また二重行政のコストを負担する国民に対して、リスク管理行政組織の一元化をなぜ見送ったのか、谷垣大臣から具体的な理由をお聞かせください。
 第三の問題は、食品安全委員会の専門性の問題であります。
 BSEやHIVの問題、最近の金融行政、原子力安全から知的財産権、研究開発に至るまで、我が国の行政組織の決定的な問題は、意外なことに専門性の欠如にあります。
 米国のFDAは食品に関して人員二千八百余名、英国の食品基準庁は六百余名、フランスの食品衛生安全庁は五百五十名と、いずれも多くの専門家をその組織の中に抱えております。我が国の場合、四名の委員と職員五十四名以外は非常勤、しかも職員の多くは各省からの出向が予想されるという有様であります。
 リスク評価機関を標榜しながら自前の研究組織も持たず、必要な研究や分析は大学や利益相反関係にあるリスク管理機関の研究所の知恵を拝借するといったていたらくで国民の食品安全に対する信頼を得られると思われますか。二言目には行政の肥大化防止と役所の方はおっしゃいますが、では農林水産省の抱える約六千人の統計担当職員の定員を活用することをどうして検討されないのか、あるいは検疫所や国立医薬品食品衛生研究所、国立公衆衛生院といった研究機関の専門家の一部又は全部を食品安全委員会のスタッフとして採用すればいいではないですか。谷垣大臣に説得力のある御答弁をいただきたいと思います。
 第四の問題は、生活者、消費者の視点の希薄さであります。
 科学的根拠に立った分析評価の重要性は言うまでもありませんが、いかなる食品について委員会がリスク評価を行うのか、その選定に当たっては日々スーパーや商店街に出掛けて自ら買物をされている消費者の方々の感性や嗅覚、そして意見を積極的に活用することが極めて有意義ではないでしょうか。
 食品安全委員会も消費者モニター制度を導入すると聞きますが、予算規模にしてわずか二千三百万円、せいぜい各都道府県に十人程度の非常勤のモニターを置くことしか予定していないと聞きます。BSE調査検討委員会の報告にも、「消費者が意思決定に参加し、意見を表明し、情報を提供されなければならない。食品の安全性の確保に関する基本原則として、消費者の健康保護が最優先に掲げられ、このような消費者の安全な食品へのアクセスの権利が位置づけられなければならない。」と記述されています。
 私たちは、草の根的な食品安全の確保のため、全国に最低数万人程度の消費者食品モニターを置くほか、モニターに対する研修制度の充実、モニターと専門調査員の食品安全に関する意見交換会の積極的開催などを提案したいと考えますが、谷垣大臣はこうした提案に耳を傾けるおつもりはおありでしょうか。
 第五は、今回の基本法案の施行のみで関係する行政全般の視点の転換が十分に行われるかどうかについての疑問であります。
 農林水産、厚生労働両省のリスク管理チームは真に産業振興や供給側の論理や利益と遮断された体制で業務を行えるのでしょうか。農水、厚生両大臣の見解を伺います。
 同時に、どんなに立派な食品安全委員会やリスク評価チームを省内に設置し、リスク管理チームを設置しても、それらが二十四時間、三百六十五日、常時食品の製造や流通を監視するわけにはまいりません。特に、農林水産省内部の生産・流通担当部局の意識改革が重要であることは論をまちません。生産者や業者の育成振興策のみの視点ではなくて、消費者の利益の増大や安全の確保を生産・流通担当部局に徹底するために農林水産大臣はどのような努力を払われるのでしょうか。
 また、この際、平成十一年に制定された食料・農業・農村基本法について、食品安全の視点の充実と環境調和型農業政策への転換の姿勢を一層強固に位置付ける改正を行うおつもりがあるのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
 第六の問題は、輸入食品の安全性の確保であります。
 本法案は、食品供給行程の各段階で食品安全確保のための措置を講ずる、すなわちトレーサビリティーを確保するとうたっています。BSE問題に端を発して、牛肉については関連法案が用意されているところですが、今後、その他の食品についてどのような具体策を講じられるおつもりか。特に我々が口にする食品の六割を占める輸入食品の安全性確保について、水際措置に加えて、国際機関や外国政府との連携の下、いかなる安全措置を講じられようとされているのか、谷垣大臣の答弁を求めます。
 結びに、谷垣大臣の政治姿勢についてお尋ねをいたします。
 大臣は、二年前のお正月に読売新聞に掲載された中堅キャリア官僚アンケートを覚えておいででしょうか。二〇一〇年に活躍が予想される政治家、そして二十一世紀に首相になってほしい政治家、その両部門で谷垣大臣御自身が一位を獲得しておられます。石原東京都知事や小泉純一郎現総理を抑えて、官僚からの信頼度は当代随一の政治家と言っても差し支えないと思います。
 そのアンケートに際して、記者の、官僚からコントロールしやすいと見られているという指摘もあるがとの問いに対して、大臣は、そういうところもあるかもしれない、良く言えば安心感、悪く言えばむちゃしないからと答えておられます。これは大臣一流の御謙遜かもしれません。しかし、現在国民から求められている政治家像は、官僚のレクチャーののみ込みが早く、物分かりの良い政治家ではありません。与野党を問わず、従来の因習や既得権益を打破し、真の国益を追求する強い指導者こそが国民に求められているのではないでしょうか。
 今回の食品安全基本法案は、まだまだ十分なものではありませんが、貴重な一歩であることは間違いありません。この法案に魂を入れるも入れないも大臣次第、既存の農林水産、厚生労働両省、いや霞が関全体の生産者、供給者中心の価値観にくさびを打ち込むのも、あるいは官僚、霞が関の官僚の担ぐおみこしに乗るのも、すべて大臣の意気込み次第であります。霞が関の役人の高い評価、これを受け止めながら、霞が関の役人の大半をむしろ今は敵に回してでも行政の価値観の大変更を、その突破口を谷垣大臣が開かれるおつもりがあるのかどうか。一人の政治家として、大臣の意欲、そして官僚組織に対するリーダーシップを要望、期待し、最後に大臣の御決意を伺って、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(谷垣禎一君) 松井議員の御質問にお答えいたします。
 最初に、技術の進歩に対応した安全の確保という、食の安全を超える大きな問題を提起されたわけでございます。議員が御指摘のように、科学技術の進歩というのは私たちにすばらしい便益も供給するものでありますけれども、他方、時に安全を脅かす危険性をはらんでいるということ、御指摘のとおりであります。
 このため、新たなこういう技術の導入に当たりましては、科学的知見に基づいてそのリスクを評価していくということと同時に、広く国民の中で対話あるいは情報、意見の交換、こういうものを行いながら、安全の管理、確保に努めていくということが重要になってきているのではないかと思います。食品安全基本法は、食品安全の分野においてこういう手法を取り入れ確立しようと、こういうねらいでつくられているというふうに私は考えております。
 次に、食品安全委員会を三条機関としなかった理由、それと勧告権の担保手段に関するお尋ねがございましたが、食品安全委員会が行いますのは客観的、科学的な食品健康影響評価であって、行政処分といった国家的意思を決定し執行することではありませんので、いわゆる三条機関とはしなかったものであります。
 食品安全委員会の勧告はすべて内閣総理大臣を通じて行われ、その内容が公表されるとともに、勧告に基づく措置が委員会に報告されることになっておりまして、その実効性は十分担保されているというふうに考えております。
 さらに、農水、厚生労働両省の権限を維持して独立性を装ったにすぎないんじゃないかという御懸念を申されました。
 この法案によりまして、これまで厚生労働省や農林水産省で混然一体として行われてきたリスク評価とリスク管理を分離して、食品安全委員会が関係各省の食品の安全性確保に関する施策の策定に当たりまして、一元的にリスク評価を行って、必要に応じて関係各省に勧告するほか、施策のモニタリングを行うこととなります。こういうふうに、この法案によりまして国民の健康の保護を最優先とする新たな食品安全行政体制を確立するものと考えております。
 続いて、リスク管理行政の一元化に関する御議論がございました。
 食品安全行政については、食中毒への対策は医療行政とも関係し、農薬に対する規制は農林水産行政や環境行政にかかわるといった幅広い様々な分野に関連するために、これをリスク管理というだけで一元化することは必ずしも適切ではないのではないかと考えております。この点はBSE問題に関する調査検討委員会の報告も同様の考え方に立つものだと理解しております。
 今般の法案では、リスク分析手法の原則に返って、リスク評価の機能を一元的に行うこととしたものであります。
 それから、食品安全委員会の専門性あるいは常勤スタッフに関するお尋ねですが、諸外国の政府機関とは組織やその役割が相違すること等から一律に比較はできないと思いますが、食品安全委員会は、食品の安全性に関する識見の高い七名の委員のほか、専門委員延べ二百名程度、事務局職員五十四名、非常勤の技術参与二十五名から成る体制でありまして、これにより必要な専門性は十分確保できるというふうに考えております。
 また、委員会の事務局については、科学と行政の双方に通じていることが求められますから、専門性のある人材の確保に努めていきたいと考えております。
 それから、食品安全委員会の専門性の確保に関するお尋ねですが、食品のリスク評価等については幅広くかつ深い専門的素養が求められますので、単なる定員増よりも、必要な人材の育成確保を図ることが今後の課題であると考えております。
 また、食品安全委員会が担当する分野は極めて幅広く、他方、既存の研究機関はリスク管理においても必要なものでありますので、行政の肥大化防止の観点からも、緊急時には国立研究機関に対し必要な調査を要請することができるように規定するなど、その機能を活用する仕組みとしたものであります。
 次に、リスク評価の対象の選定に当たって消費者の意見等が反映される仕組みを導入すべきとの御議論がございましたが、食品安全委員会が実施するリスク評価の優先順位など、リスク評価に係る年間計画の検討に当たりましては、消費者、食品関連事業者等の意見に十分配慮することとしております。
 次に、食品安全に関するモニターについてのお尋ねですが、食品安全委員会では、その行うリスク評価やリスク管理機関による施策の監視に当たって消費者などからの意見や情報の収集を行うため、関係行政機関の既存のネットワークを活用するほか、独自のモニターを設置することとしております。また、このモニターについては、委員との意思疎通やそれぞれの知識の向上を図るための機会を設けることを検討しております。
 それから、牛肉以外の食品についてのトレーサビリティー確保のための具体策をお尋ねになりました。
 いわゆるトレーサビリティーシステムは食品の安全性の確保の観点からも有効な手法と考えておりますが、牛肉以外の食品にこれを導入することにつきましては、技術的課題のほか、費用負担の増加とか規制の強化の是非といった観点もありますので、各食品の生産、流通の実態を踏まえて総合的に検討されることが必要であるというふうに考えます。
 次に、輸入食品の安全措置についてのお尋ねですが、輸入食品の安全性確保のための措置は、事業者による自主検査や水際での検査、検疫といった輸入時ないしそれ以降の措置が中心となると考えますが、これらだけでは十分な安全性の確保ができない場合には、外国政府等と協議を行って、その合意を得て、現地調査など、生産・製造段階を含めて必要な措置を取ることはあり得るというふうに考えております。
 最後に、私の政治姿勢について、私、決意があるかどうか、お尋ねがございました。
 食品の安全性を確保して安心して毎日食事ができるようにするというのは政治の大きな責務であるというふうに私は考えております。そして、この法案では、国民の健康が最優先である、こういう理念を確立して、その理念の下でいわゆるリスク評価、リスク管理が行われていく、このまず手法を確立すると、これがこの法案のねらいでございますが、その前提としてリスク評価を一元的に行う機関をつくっていく、私がその担当の閣僚を命ぜられているわけでございます。
 私も決意を持って国民の食の安全のために全力を尽くすことをこの場でお約束をいたしたいと、こう思っております。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(坂口力君) 松井議員にお答えを申し上げたいと存じます。
 まず最初に、新型肺炎SARSについてのお尋ねがございました。
 国内症例についてでございますが、四月の二十二日現在までの報告の累計を見ますと、WHOの基準によります疑い例が四十例、可能性例が十六例というふうになっておりましたが、二例を残しましてほかの方はすべてシロというふうに判定をされたところでございます。二名の方も現在もう既に熱等も下がりまして回復に向かっておみえになりますので、多分シロではないかというふうに思っておりますが、経過観察をしているところでございます。海外の在留邦人につきましても、幸いにいたしまして現在のところそういう状況は報告をされておりません。
 それから、一番大事なことは水際での予防でございまして、そういう意味で、航空機内における問診票の配付でございますとか、空港内におきますところの検疫体制を強化をしているところでございます。
 万が一発生をいたしましたときの体制でございますが、全国で百の病院、五百十七ベッドの陰圧病室を整備したところでございまして、全国的に行き渡ってまいったというふうに思っております。
 SARS患者が発生しました場合には、具体的に、その搬送、患者さんを運ぶのをどうするか、あるいはまた病院内におきましてどういう措置を取るかといったようなことにつきましても具体的なことを都道府県に指示をしているところでございますし、また、都道府県においていろいろと検討をしていただいたのを我々の方に報告をしていただいているところでございます。
 感染しました場合には、二つの大事なことがございまして、一つは、病院内において感染をさせないこと。外国におきましては医師、看護師等に大きく広がりを見せておりますので、そうしたことを防ぐということが一つ。それから、その発症されました方の周辺、足取りの中で接触をされた皆さん方にその感染をしないようにするという両面からの体制を今整えているところでございます。
 外国におきましても、ハノイの病院等は日本が非常に今までから、二〇〇〇年から提携をしてまいりまして、感染についてのことを指導してまいった病院におきましては一人の医師、看護婦もこの感染を起こしておりません。他の病院と際立って良好な結果を得ておりますので、国内におきましてもそうしたことを広めていきたいというふうに思っている次第でございます。
 今後の状況でございますが、時々刻々これ変化いたしますので、その情報につきましては速やかに発表をさせていただきたいというふうに思いますし、医療機関等に対する情報提供も滞りなく行いたいと体制を整えているところでございます。
 以上、SARSについてでございました。
 もう一つは、リスク管理チームの体制についてのお尋ねがございました。
 規格基準の設定など厚生労働省が行いますリスク管理につきましては、産業振興を所管しない食品保健部で行っております。今般の食品衛生法の抜本改革以降におきましても、引き続きまして、産業振興とは切り離した組織において、国民の健康の保護を図ることを最優先として適切なリスク管理を行ってまいりたいと考えているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(亀井善之君) 松井議員の御質問にお答えをいたします。
 私には三問いただいていると思います。
 まず、農林水産省におけるリスク管理チームの独立性の確保のお尋ねでありますが、農林水産省ではこれまで産業振興とリスク管理とを明確に分離せず実施してきましたが、両者のチェック・アンド・バランスが十分に機能しなかったとの批判を踏まえ、産業振興部門から分離、独立して、消費者行政やリスク管理業務を一体的に担う消費・安全局を設けることとしております。このような体制を整備することにより、消費者の健康保護等を重視するリスク管理部門と産業振興部門との相互の牽制や緊張関係を持たせるとともに、食品安全委員会等と連携してリスクコミュニケーションに積極的に取り組むことにより、農林水産省における食品安全施策の透明性を確保し、御懸念のようなことがないよう、国民の健康保護を第一に考えた行政運営を進めてまいります。
 次に、生産・流通担当部門に対する消費者の利益の増大や安全性の確保の徹底についてのお尋ねであります。
 政府全体の新たな食品安全行政の体制下においては、農林水産省に新たに設けられる消費・安全局が厚生労働省と連携してリスク管理に必要な施策等を講ずることとしておりますが、省内の生産・流通担当部門においても、消費者、生産者という視点を忘れては生産、流通はあり得ないという共通の認識に立って行政に当たることが重要であります。
 このため、私は、政府全体の新たな食品安全行政に的確に対応し、職員の意識改革を徹底する観点から、食の安全・安心のための政策大綱をこれら新体制を発足させるまでに取りまとめるとともに、消費者の視点に立った食料・農業・農村政策を再構築することにより、農林水産分野の更なる改革に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 最後に、食品安全と環境調和型農業についてのお尋ねでありますが、食品安全及び環境と調和した農業の推進は既に食料・農業・農村基本法において極めて重要な施策の展開方向として位置付けられております。すなわち、基本法において、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の四つをその基本理念として位置付けております。
 その具体的な規定として、第十六条において食料の安全性の確保が掲げられ、食品の衛生管理及び品質管理の高度化、食品の表示の適正化その他必要な施策を講ずることが明記されており、また、第三十二条において、農業の持続的発展に係る基本的な施策として、農業の自然環境機能の維持増進を図ること、そのため、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進その他必要な施策を講ずることが明記されているところであります。
 今後、基本法の理念の実現に向けて、食料の安全性の確保と、環境と調和した農業の推進に係る具体的な施策の一層の推進を図ってまいる所存であります。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(倉田寛之君) 岩佐恵美君。
   〔岩佐恵美君登壇、拍手〕
#12
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、食品安全基本法案について質問いたします。
 まず、食の安全に関する政府の基本姿勢について伺います。
 近年、食品の安全を脅かす事件が相次いで起こっています。一万四千人の集団食中毒事件を引き起こした雪印乳業事件、アメリカの未承認遺伝子組換えトウモロコシ・スターリンクの食品への混入、ダイオキシン汚染豚肉や鶏肉、赤痢菌が付いた生ガキの輸入、中国産の農薬汚染野菜など、枚挙にいとまがありません。白豚を黒豚と言いくるめる、あるいは産地を偽るなど、消費者を欺く偽表示も後を絶ちません。加えて、日本じゅうがパニック状態になったBSE問題では、EUの警告を無視した農水省の姿勢に消費者の怒りが頂点に達しました。
 このような深刻な食品事件の根底には、日本の食品・流通業界のモラルハザードがあります。そして、企業やアメリカの利益を優先する行政の姿勢こそが大問題です。この大本を改めない限り、どんな制度をつくっても消費者の不安をなくすことはできません。行政と企業との癒着の構造、アメリカ追随の姿勢を改め、国民の命と健康最優先に転換すべきです。食品安全委員会担当大臣の明確な答弁を求めます。
 日本は食べ物の六割を外国からの輸入に頼っています。このような特殊な状況の下で、日本の食の安全の確保は二つの大きな問題を抱えています。
 一つは、アメリカなど輸出国からの規制緩和の圧力と、外圧に弱い日本政府の対応です。
 例えば、アレルギーのおそれがあるスターリンクが市民団体の検査で家畜飼料から検出された際、農水省は、アメリカが日本に輸出しないと言っているのだから日本に入っているはずがないと言って取り合わず、検査もしませんでした。その後、食用からもスターリンクが検出されて大問題となり、結局、農水省や厚生省が最終的にスターリンクの輸入トウモロコシへの混入を認めたのは、アメリカ政府の回収発令より一か月以上もたった後のことでした。行政が市民団体の指摘よりアメリカの意向を優先させた結果、安全への対応が後れた典型例です。
 また、収穫後農薬の残留基準設定の際にも、消費者の大反対を押し切ってジャガイモの発芽抑止剤の基準を従来の国内基準の一千倍に緩めたことに象徴されるように、輸出国に合わせて大幅に規制を緩和しました。
 今回、政府は、残留農薬、動物用医薬品、食品添加物等の基準値を急ピッチでつくることとしています。本法律案では国際的動向への配慮をうたっていますが、今までのように輸出国の都合に合わせた規制緩和は絶対に許されません。日本人の食生活の実態を踏まえた、国民の安全最優先とすべきです。食品安全担当大臣、厚生労働大臣の明確な答弁を求めます。
 もう一つは、大量な食品の輸入に検査体制が対応できていない問題です。
 政府は、九五年に、水際検査からモニタリング検査に切り替えてしまいました。その結果、汚染が分かったときにはすべて胃袋を通過しているという恐るべき事態になっています。
 しかも、国の検査官はわずか二百八十三人で、行政検査率はたったの二・八%にしかすぎません。国内で食品を監視する地方自治体の食品衛生監視員も、専任の職員は千六百二十五人しかいません。新たに食品安全委員会を設置しても、肝心な現場の安全チェックの体制がこのような状態では、食の安全の確保は困難です。食品安全検査の体制を国、地方ともに抜本的に強化することが急務ではありませんか。厚生労働大臣の答弁を求めます。
 次に、本法案に基づく具体的な措置について質問いたします。
 本法案は、食品安全委員会を設置し、食品安全基準や農薬の使用基準などの食品健康影響評価を行うこととしています。法案では、その時点の科学的知見に基づいてリスク評価を行うとしていますが、国民の健康にかかわる問題は、疑わしきは規制するという予防原則に沿った対応をすべきです。ところが、政府はこれまで予防原則の考え方を取ってきませんでした。
 例えば、九五年の食品衛生法改正で、天然添加物四百八十九品目を安全検査もせずに一挙に認可してしまいました。そして、そのうち問題がありそうな百三十九品目の毒性評価を後追い的に五年間で実施するとしました。ところが、その後七年間でたったの十四品目しか評価していません。恐るべき怠慢です。
 しかも、最近、コウジ菌がつくるコウジ酸の有害性が明らかになり、添加物リストから外すとのことです。天然だから安全とは限らないのです。問題がありそうな添加物は、予防原則に沿って安全性が確認されるまで使用を中止し、安全性が確かめられたものから認可すべきではありませんか。今後の対応を厚生労働大臣に伺います。
 食品の安全性に関するリスク評価に予防原則の立場を取ることを求めます。また、子供に配慮したリスク評価が必要と考えますが、食品安全担当大臣の答弁を求めます。
 食品の安全を確保するためには監視や規制を行うリスク管理が肝心です。ところが、本法案では、これまでどおり産業の育成を図る各省がそれぞれリスク管理を行うことになります。しかも、食品安全委員会は、関係行政機関に資料の提供を求めたり調査を委託できるだけで、食品関連企業に対する調査権もありません。
 スターリンクの混入や野菜の残留農薬汚染を摘発し、行政に是正措置を取らせたのは、消費者、市民団体でした。その経験からも、食品安全委員会任せではなく、消費者が直接参加して、食品安全行政を国民の立場から監視できるようにすべきです。そのために国民の提言が尊重される仕組みをつくる必要があります。食品安全担当大臣の答弁を求めます。
 食品の安全の確保のためには情報の公開が不可欠です。スターリンク事件では、遺伝子組換え作物に関する知的所有権が検査の大きな障害となりました。また、リスク評価を密室で行い、その結果を公表するだけでは、消費者が意見を表明しようがありません。食品安全委員会のリスク評価にかかわる情報はすべて公開し、消費者の意見を反映できる仕組みにすべきです。食品安全担当大臣の答弁を求めます。
 今、消費者の安全な食品の選択を保障する表示制度の確立が強く求められています。国民生活センターの消費者アンケートでは、賞味期限などの日付表示、原産国・原産地表示、農薬や抗生物質、添加物表示が分かりにくい等、九割の人が現在の表示制度に不満を表明しています。食品表示の統一が必要と国会で答弁しながら、いまだに農水省、厚労省のばらばらな表示が統一されていません。この問題も含めて、消費者の権利としての表示制度の確立を求めます。厚生労働大臣の答弁を求めます。
 また、BSE問題では、汚染原因を特定するためのトレーサビリティーの確保が大きな課題となりました。消費者の権利としての表示、トレーサビリティーの確保についてどう具体化していくのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
 安全な食べ物は日本の大地からです。食物自給率がわずか四割というのは先進国の中で日本だけ、正に異常事態です。イギリスは四二%にまで下がった自給率を現在の七四%にまで引き上げました。日本は同じ時期に七八%だった自給率が四〇%にまで下がっています。国は自給率向上のために全力を挙げるべきです。農林水産大臣の責任ある答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(谷垣禎一君) 岩佐議員にお答えいたします。
 まず、国民の命と健康を最優先に転換すべきだとのお尋ねですが、この法案では、昨今の食品安全にかかわる問題への反省も踏まえまして、基本理念として国民の健康保護が最も重要という基本的認識を打ち出しますとともに、この基本理念にのっとって施策を策定、実施すべきことを国と地方公共団体の責務として定めておりまして、これらによって国民の健康保護を最優先とする新たな食品安全行政を進めてまいりたいと考えております。
 次に、その各種の基準について、食生活の実態を踏まえて国民の安全を最優先とすべきとの御議論ですが、この法案では、基準の設定等に当たって国民の食生活その他の事情を考慮すべき旨を定めておりまして、その際、国民の健康保護が最も重要であるという基本的認識に立つとともに、科学的知見に基づいてこれが行われることとなるわけであります。
 さらに、リスク評価における予防原則と子供への配慮という御議論をなさいました。
 この法案では、健康への悪影響の防止、抑制という観点から、国民の食生活の状況その他の事情を考慮して施策を策定すべきことと、それから緊急の場合は食品健康影響評価を行うことなく必要な施策を策定できると、これを決めておりまして、予防原則という言葉は用いておりませんけれども、悪影響の未然防止という考え方はこの法案の中に適切に位置付けられていると考えております。
 それから、現在でも、例えば一日摂取許容量は十分な安全率を見込んで設定されておりますので、食品健康影響評価におきましても、子供等に関する安全性も含めて評価が行われると考えております。
 それから、食品安全行政への消費者の参加についてのお尋ねですが、この委員会には、リスク評価の結果に基づいて講じられる施策の実施状況を監視する機能も有しているわけであります。それに加えて、この法案では、消費者の役割や関係者相互間の情報及び意見の交換の促進について規定しております。
 今後、委員会独自のモニター制度等、種々の方法を工夫するとともに、消費者からの意見等を食品安全行政に適切に反映させていきたいと考えております。
 最後に、リスク評価に関する情報の公開と消費者の意見の反映ということでお尋ねがありました。
 食品安全委員会では、リスクコミュニケーションを重視し、審議会等の運営に関する指針に基づいて、原則として議事内容を公開するほか、個別のリスク評価の内容を分かりやすく説明するなど、食品安全に関する情報提供に努めてまいります。また、委員会では、消費者、食品関連事業者等からの意見に十分留意してリスク評価の年間計画等を検討することとしております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(坂口力君) 岩佐議員にお答えを申し上げたいと存じます。
 四問ちょうだいをいたしました。
 食品安全に関する各種基準についてのまずお尋ねがございました。
 食品衛生法に基づきます各種基準につきましては、農薬等の摂取量が生涯にわたって安全な範囲に収まりますよう、科学的見地から、国民の食生活の実態を踏まえまして基準を設定することを原則といたしております。
 今回の食品衛生法の改正に盛り込まれましたいわゆるポジティブリスト制の実施に当たりましては、これを迅速かつ円滑に実施をいたしますため、国際基準等を参考にして暫定的な一度基準を決めさせていただいて、そして安全性データを収集をして、国民の食生活の実態を踏まえて必要に応じて見直していく、そういう手順を踏みたいというふうに思っております。
 食品安全検査の体制強化についてのお尋ねがございました。
 国の検査体制につきましては、検疫所の食品衛生監視員を本年度十五名増員いたしますとともに、各都道府県におきましてもその実態を踏まえて検査・監視体制の整備を進めているところでございます。決してこれで十分と思っているわけではございませんで、民間の協力も得まして積極的に進めていきたいと考えているところでございます。
 国及び都道府県におきましては、地域の実情や住民の意見等を踏まえた監視指導計画を策定をしまして、重点的かつ効率的な監視体制を実施する仕組みをつくっていきたいと思っております。
 それから、天然添加物につきましてのお尋ねがございました。
 平成七年の食品衛生法の改正によりまして、指定制度の対象を天然添加物に拡大をいたしましたが、当時使用されておりましたものにつきましては引き続き流通を認めたところでございます。今回の食品衛生法の改正におきましては、人の健康を損なうおそれのあることが判明したものにつきましては使用を禁止する規定を設けたところでございます。
 天然添加物につきましては、平成八年以降、毒性試験を行います等、逐次この安全性の見直しを実施しておりますが、今回の改正と併せまして、今年度予算において天然添加物の安全性の見直し作業を加速することといたしております。四百八十九品目ございましたが、残り百二十五品目でございますので、この残り百二十五、積極的に努力をしたいと思っております。
 それから、消費者の知る権利についてのお尋ねがございました。
 食品にどのような原材料が使用されているのかなど、必要な情報を消費者にお伝えすることは大変大事なことだというふうに認識をいたしております。
 現在、農林水産省との共同の会議におきまして適切な表示の在り方について検討を進めているところでございます。あわせて、アレルギーの任意表示のように、事業者の協力も得ながら、適切な食品表示を推進してまいりたいと考えているところでございます。(拍手)
   〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(亀井善之君) 岩佐議員にお答えをいたします。
 二問いただいております。
 まず、表示制度の確立とトレーサビリティーの確保についてのお尋ねであります。
 食品に関する情報を正確に伝達するため、農林水産省としても消費者にとって分かりやすい表示制度を適切に運用する等の役割を担っております。このため、厚生労働省と連携して、食品の表示に関する共同会議を設置し、食品の表示基準全般についての調査審議をお願いするなどの取組を進めており、今後とも消費者にとって一層分かりやすい表示となるよう努力してまいります。
 また、トレーサビリティーシステムについては、食品がいつ、どこで、どのように生産、流通されたかについて、消費者がいつでも把握できる仕組みであり、生産者と消費者の信頼関係の醸成に重要な役割を果たすものであります。
 このため、牛肉については、今国会に法案を提出し、生産から流通、消費の各段階で個体識別番号等により個体情報が正確に伝達されるための制度を構築したいと考えております。また、牛肉以外の食品については、各食品の特性を踏まえたシステムの開発と導入を支援してまいります。
 次に、食料自給率についてのお尋ねでありますが、我が国は、多くの人口を抱える一方で農地が狭く平たんでないという不利な国土条件にあるため、英国などの国々とは単純に比較できませんが、現在の食料自給率は供給熱量ベースで四〇%と、主要先進国中最低の水準にあります。
 こうした状況に対し国民の多くが不安を抱いていることを踏まえ、政府は、平成十二年三月に食料・農業・農村基本計画を閣議決定し、基本的には食料として国民に供給される熱量の五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当であるが、平成二十二年度までの計画期間内に消費及び生産における課題が解決された場合に実現可能な水準として食料自給率目標四五%を設定したところであります。
 この目標の達成に向け、消費者、生産者、食品産業の事業者等の関係者と一体になって、消費、生産両面からの取組を推進して全力を尽くしたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(倉田寛之君) 島袋宗康君。
   〔島袋宗康君登壇、拍手〕
#17
○島袋宗康君 ただいま議題になりました食品安全基本法案につきまして、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表して、関係大臣に質問をいたします。
 今回、政府から提案されました基本法案は、一昨年のBSE問題や食品の偽装表示問題等に由来する食の安全に対する国民の不信感を払拭し、国民の健康の保護を確保しようとするもので、その方向性については一定の評価をするものであります。
 しかし、この法案によって本当に食の安全は確保されるのか、設置される食品安全委員会は国民の健康を守るのにふさわしいものなのか、疑問な点も少なからずあるということを冒頭申し上げて質問に移ります。
 まず、本法案は、基本原則として、第五条で国民の健康への悪影響の未然防止を掲げております。ただ、食品の安全性の確保は国際的動向に十分配慮しつつ講じられることとなっており、見方によっては、外圧で国民がリスクのある食品を摂取させられかねないとも受け取れます。
 第五条で言うところの国際的動向とは一体何でしょうか。日本における食品安全についての一連の基準を非関税障壁ととらえ、それを撤廃させようとする農産物輸出国の意向が国際的動向であるのであれば、国民の健康への悪影響の未然防止など不可能であります。第五条に書かれている国際的動向の意味内容を明確にするとともに、食品輸入においてはいかなる外圧にも毅然と対応をし、食品の安全を確保するとの強い決意を谷垣国務大臣が表明されることを求めます。
 次に、消費者の役割についてお伺いいたします。
 第九条では、消費者は食品の安全性の確保に関する施策について意見を表明するよう努めると規定しております。これは、従来の消費者保護法制から一歩踏み出し、食の安全について消費者に能動的な参加を求めるものと理解されます。
 このような消費者の参加を広く求めた法律はこれまでは余り例がなかったものと思われ、ある意味では二十一世紀型の、国民参加型の消費者保護法制の先行例となり得るものではないかと考えました。
 消費者、国民が意見表明という形で能動的に行政に参加していくことは食品安全以外の分野での消費者保護法制においても必要ではないかと考えますが、消費者保護基本法を始めとする消費者保護法制において、消費者に意見表明を広く求めるような法改正をしていく考えはないのか、竹中経済財政担当大臣にお伺いいたします。
 消費者に食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすことを求めていくためには、消費者が食品安全について十分な知識を持っていることが前提となります。そのためには、国民に対して食の安全についての情報が広く提供されなければなりませんし、BSE騒動のときのような行政側の情報隠しは言語道断ということになります。食の安全一般についての情報提供の在り方をどうするのか、谷垣国務大臣の見解をお伺いいたします。
 また、消費者の健全な育成という点では、学校教育における食品安全についての体系的な教育が極めて重要になるものと考えます。
 食品の安全性の確保に関する教育、学習等については第十九条で規定していますが、現在、小中学校では、食については栄養や衛生面での教育くらいしかなされていないようであります。この法律の成立後、第十九条を受けて、教科書や学習指導要領における食の安全についての記載や位置付けをどのように改革して、どのように食の安全教育を行う予定でありますか、遠山文部科学大臣にお伺いいたします。
 次に、リスクコミュニケーションについてお伺いいたします。
 本法案では、食品安全分野へのリスク分析手法を導入するため、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの三つの要素を規定しております。リスクコミュニケーションに関しては、食品安全委員会についてはこの法律で規定があり、厚生労働省関係については食品衛生法の一部改正により新たに規定が新設されますが、農林水産省関係の法令においてはリスクコミュニケーション実施に関する規定の整備は見当たりません。
 農林水産省は、今後、どのようにリスクコミュニケーションを行っていくのでしょうか。また、リスクコミュニケーションの実施を農林水産省設置法等できちんと規定する必要性はないのかどうか、亀井農林水産大臣にお伺いいたします。
 食品安全委員会の設置についてお伺いいたします。
 食の安全の確保のために行政機構を改編した例はBSE問題発生後のヨーロッパで広く見られますが、その方式として食品安全を専門とする庁を創設した事例が多く見られます。
 日本ではなぜ庁を設置せず、いわゆる八条委員会の設置にとどめるという形式にしたのでしょうか。この点について、政府側答弁はBSE問題に関する調査検討委員会報告の提言を理由としていますが、検討委員会は農林水産大臣と厚生労働大臣の私的諮問機関にすぎず、その報告だけを理由とする答弁には納得し難いものがあります。
 政府としてどのように検討して、庁ではなく委員会設置の形式を採用したのか、谷垣国務大臣に明確な御答弁を求めます。
 食品安全委員会の委員の人選についてお伺いいたします。
 委員会は七人の委員で構成され、委員については両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する重い手続となっており、この点については評価いたします。
 しかし、手続以上に重要なのは、どのような人物を委員に任命するかであります。伝えられているように、委員に消費者代表的な人物は任命されないとすれば、食品の安全の確保のために必要な措置が国民の意見の反映に十分配慮して講じられるべきだとする法案第五条の基本理念からも乖離すると言わざるを得ません。
 消費者代表からも委員を任命すべきと考えますが、委員の任命権者たる小泉総理に代えて、谷垣国務大臣の見解を求めます。
 次に、食品安全委員会と国民とのリスクコミュニケーションについてお伺いいたします。
 委員会は、リスク評価のために情報を収集するとともに、適切に情報を発信して国民の食品に対する不安を除去し、安心感を高めていく役割が常に求められております。
 委員会は、リスクコミュニケーションの当事者として、どのように国民一般からの疑問や要望を受け止めていき、国民に対してどのような形で食の安全についての情報を発信していくのでしょうか。委員会と国民とのリスクコミュニケーションの具体的な在り方について谷垣国務大臣に御答弁を求めます。
 最後に、委員会を支える体制についてお伺いいたします。
 委員会の下に置かれる専門調査会の専門委員は延べ二百人程度と想定されておりますが、いずれも非常勤とされています。また、設置される事務局も局長以下わずかに五十四人で、巨大官庁である農水省や厚労省に比べて極めて貧弱です。しかも、リスク管理機関たる両省は、健康・栄養研究所、農林水産消費技術センターといった傘下の独立行政法人を持っているのに対し、食品安全委員会にはこうした自前の研究機関がありません。
 このように補佐・支援体制が不均衡であるのに、本当にリスク評価とリスク管理の分離が貫徹できるのでしょうか、甚だ疑問です。
 行政改革が叫ばれる中、新しく大きな組織をつくることには抵抗があることは承知しております。国民の健康という掛け替えのないものを守るための組織はそれなりの規模が必要ではないでしょうか。
 食品安全委員会については、小さく産んで大きく育てていくという考えかとも想像いたしますが、今後、どのように食品安全委員会の補佐体制を拡充強化し、リスク評価機関としてリスク管理機関に伍していくだけの存在にしていくつもりなのか、谷垣国務大臣に見通しと御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣谷垣禎一君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(谷垣禎一君) 島袋議員の御質問にお答えいたします。
 まず、法案の第五条の国際的動向及び食品輸入における安全性の確保についてのお尋ねですが、食品の安全性の確保に関する国際的動向とは、SPS協定とかの国際ルールや国際機関における議論の動向などを想定しております。輸入食品の安全性の確保が外圧によってゆがめられるんじゃないかという御心配を漏らされましたけれども、その食品が輸入か国産かということにかかわらず、国民の健康の保護が最も重要だという観点から、科学的知見に基づいて適切な施策が講じられなければならないと、このように考えております。
 次に、食の安全についての情報提供の在り方ですが、本法案では、関係者相互間の情報及び意見の交換、いわゆるリスクコミュニケーションの促進に積極的に取り組む旨、規定しておりますが、食の安全についての情報は情報公開のルールにのっとりまして消費者に対し適切に提供していくこととしておりまして、具体的には意見交換会などいろんな手段や機会を活用したいと考えております。
 さらに、食品安全委員会の設置を採用した経緯についてお尋ねがありました。
 BSE問題に関する調査検討委員会報告は国際的な食品安全行政の潮流も踏まえたものでございまして、政府としてもリスク評価とリスク管理が混然一体となっていることは問題であると判断をいたしまして、科学的なリスク評価がリスク管理から分離されて客観的かつ中立公正に行われるように、食品安全委員会を内閣府に置くこととしたものであります。
 続いて、消費者代表からも食品安全委員会の委員に任命すべきであるとのお尋ねでありました。
 消費者の意見の反映については十分配慮すべきことは当然でありますけれども、食品安全委員会が行う食品健康影響評価は科学的、専門的な知見に基づいて客観的かつ中立公正になされるべきものでございますので、いわゆる利害調整ではありません。消費者代表や関連事業者の代表等が委員となることは慎重に検討する必要があると考えております。
 それから、リスクコミュニケーションの具体的な在り方に関するお尋ねですが、リスク評価の優先順位や個別のリスク評価の内容などにつきまして、ホームページの活用等により分かりやすく説明し、国民からの意見を聴取するほか、リスク管理機関も含め、幅広い関係者が参加した意見交換会を開催することなどを考えておりますが、外国の事例や有識者の意見も踏まえまして、その効果的な在り方については検討を深めてまいりたいと思っております。
 最後に、食品安全委員会の支援体制についてのお尋ねですが、委員会では必要なデータは関係行政機関から入手するとともに、自ら必要な委託調査研究も行い、また案件に応じ学識ある専門委員を動員することにしております。これらと、職員五十四名、技術参与二十五名で構成する予定の事務局によって、リスク評価やリスクコミュニケーションの展開など十分な活動を行い得るものと考えております。
 なお、今後の体制につきましては、委員会が活動実績を重ねる中で検討されるべきものと考えておりますが、いずれにせよ、この食品安全委員会が食の安全を確立するという所期の目的を達成できるよう、私も全力を尽くしたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(竹中平蔵君) 島袋議員から一問、御質問いただきました。消費者保護法制において消費者に意見表明を広く求めるような法改正を考えていないのかというお尋ねでございます。
 消費者が積極的に意見表明を行って、その意見が反映された消費者政策を推進する、これはもう当然必要なことであります。このため、現に消費者保護基本法におきまして消費者の意見を施策に反映させていくべき旨を規定をしております。
 また、今、国民生活審議会におきまして、二十一世紀にふさわしい消費者政策の在り方、これを御審議をいただいておりますが、その中間的な報告の中でも、消費者は積極的に行政へ働き掛けることにより消費者利益を確保していくことが重要であるというような基本的な考え方が示されているところでございます。
 私の認識としては、政策の方向としては、既に、消費者の意見を取り入れよう、消費者にそうした積極的な役割を果たしていただこうという方向に向かっているというふうに認識をしておりますので、いずれにしましても、引き続き消費者の意見を十分反映した施策が講じられますように、同審議会の審議を踏まえまして消費者政策を推進してまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(遠山敦子君) 島袋議員の御質問にお答えいたします。
 学校教育における食の安全教育についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、食の安全性につきまして学校教育で正確に理解させ必要な知識を与えることは、子供たちの現在と未来の健康のために大切な課題だと考えております。
 このために、学習指導要領におきまして、例えば中学校技術・家庭科の家庭分野では、食品の品質を見分け、用途に応じて適切に選択することができるよう指導することとしております。また、高等学校家庭科では、食生活の安全と衛生について理解をさせ、健康や安全に配慮した食生活の管理ができるよう指導することといたしております。
 今後、食品安全基本法の趣旨を踏まえまして、食品の安全性の確保に関する教育を更に充実するとの観点から、学校における食品の安全性に関する教育への取組が一層進みますように努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣亀井善之君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(亀井善之君) 島袋議員の御質問にお答えをいたします。
 リスクコミュニケーションの実施を農林水産省設置法等に位置付ける必要があるのではないかとのお尋ねであります。
 農林水産省設置法においては、既に農林水産省の所掌事務として一般消費者の利益の保護に関することなどが規定されておりますが、さらに、今国会に提出しております農林水産省設置法の一部を改正する法律案において、農林水産物の食品としての安全性の確保に関する事務のうち生産過程に係るものに関することを新たに盛り込んでいるところであり、これらの規定に基づきリスクコミュニケーションを実施することとしております。
 また、その実施については、消費者行政とリスク管理業務とを一体的に担う消費・安全局の創設や消費者情報官の設置など、本省及び地方におけるリスクコミュニケーションの実施体制を整備することとしているところであります。
 以上であります。(拍手)
#22
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#23
○議長(倉田寛之君) 日程第一 酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第二 酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#24
○柳田稔君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案は、酒類小売業に係る免許に関する規制緩和の進展等に伴う酒類業をめぐる環境の変化を踏まえて、酒類販売業等の免許の要件を追加するとともに、酒類小売業者は酒類販売管理者を選任しなければならないこととする等、所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、酒類小売業者の経営の改善等に関する緊急措置法案は、多くの酒類小売業者の経営に急激な変化が生じている現状にかんがみ、緊急の措置として、緊急調整地域における酒類小売業免許の付与を制限するとともに、酒類小売業者の経営の改善及び転廃業の円滑化のための措置等を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、国税局長等による公正取引委員会への措置請求の規定を設ける等の修正が行われています。
 委員会におきましては、両法案を一括して議題とし、酒類小売業における規制緩和の是非、未成年者飲酒防止のための酒類販売管理の必要性、緊急調整地域を指定するに当たっての運用の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、酒類小売業者経営改善緊急措置法案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(倉田寛之君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#26
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#27
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成           二百二十三  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#28
○議長(倉田寛之君) 日程第三 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長松村龍二君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松村龍二君登壇、拍手〕
#29
○松村龍二君 ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画において定められた防衛力の合理化、効率化、コンパクト化のための体制移行の一環として、第五師団を第五旅団に改めるとともに、特殊作戦隊員手当を新設し、あわせて、自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数を変更するものであります。
 委員会におきましては、第五師団の旅団化と防衛能力の維持、情報本部の増員と情報収集分析体制の強化、特殊作戦群の新編の理由とその任務等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の小泉理事から反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#31
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#32
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成            百九十七  
  反対             二十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#33
○議長(倉田寛之君) 日程第四 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長三浦一水君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔三浦一水君登壇、拍手〕
#34
○三浦一水君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、最近における植物新品種の育成者権の侵害状況及び我が国の知的財産立国の方向性にかんがみ、育成者権の保護の強化を図るため、種苗のほか、収穫物によって権利を侵害した者も罰則の対象に追加するとともに、法人による権利の侵害に対する罰金額を引き上げる等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、個人育種家の権利行使に対する支援、DNA等品種識別技術の開発状況、加工品を対象とするための対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成           二百二十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#38
○議長(倉田寛之君) 日程第五 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長海野徹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔海野徹君登壇、拍手〕
#39
○海野徹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、環境中への拡散を防止しないで行う遺伝子組換え生物等の使用等に係る承認制度を創設するとともに、遺伝子組換え生物等を施設内等で使用する者に対し、適切な拡散防止措置を取ることを義務付ける等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、生物多様性影響評価の方法、遺伝子組換え生物等に係る情報公開の在り方、予防的な取組方法の位置付け等について質疑が行われたほか、参考人から意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、本法律案に対し、日本共産党の岩佐委員より、遺伝子組換え生物等の使用等に関する情報公開等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#41
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#42
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十四  
  賛成           二百二十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#43
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト