くにさくロゴ
2003/06/13 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第33号
姉妹サイト
 
2003/06/13 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第33号

#1
第156回国会 本会議 第33号
平成十五年六月十三日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十三号
  平成十五年六月十三日
   午前十時開議
 第一 独立行政法人都市再生機構法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保
  存に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、保険業法の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、日程第一及び第二
 一、国会等の移転に関する調査の中間報告
 一、国際問題に関する調査の中間報告
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、食品安全委員会委員に小泉直子君、寺尾允男君、寺田雅昭君、見上彪君、坂本元子君、中村靖彦君及び本間清一君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、小泉直子君及び本間清一君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#4
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#5
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成           二百二十一  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) 次に、寺尾允男君及び寺田雅昭君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百四十二  
  反対             七十九  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(倉田寛之君) 次に、見上彪君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#10
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#11
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十一  
  賛成            百五十八  
  反対             六十三  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#12
○議長(倉田寛之君) 次に、坂本元子君及び中村靖彦君の任命について採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#13
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#14
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成            百四十九  
  反対             七十三  
 よって、同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#15
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 保険業法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。竹中金融担当大臣。
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(竹中平蔵君) ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の生命保険を取り巻く環境は、保有契約高の減少や株価の低迷等に加え、超低金利の継続によるいわゆる逆ざや問題により、一層厳しいものとなっております。
 こうした中で、これまでも生命保険契約者保護のための資金援助制度の整備や保険会社の経営手段の多様化等を図るための措置を講じてきたところですが、今般、保険業の継続が困難となる蓋然性のある保険会社について、保険契約者等の保護の観点から、契約条件の変更を可能とする手続等の整備を行うため、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、保険業の継続が困難となる蓋然性のある保険会社については契約条件の変更の申出を行うことができることとするとともに、契約条件の変更を行うための手続として、株主総会等の特別決議のほか、異議申立て手続等を行うこととしております。
 第二に、契約条件の変更に当たっては、保険契約者等に対し、契約条件の変更がやむを得ない理由、契約条件の変更の内容、契約条件の変更後の業務及び財産の状況の予測に加え、基金及び保険契約者等以外の債権者に対する債務の取扱いに関する事項、経営責任に関する事項等を示さなければならないこととしております。
 第三に、契約条件の変更は、それまで積み立ててきた責任準備金に対応する権利に影響を及ぼしてはならないこととするとともに、変更後の予定利率は、保険会社の資産の運用の状況その他の事情を勘案して政令で定める水準を下回ってはならないこととしております。
 第四に、内閣総理大臣は、契約条件の変更の申出の承認を行うとともに、必要に応じ保険調査人に契約条件の変更の内容等について調査させた上で、当該保険会社において保険業の継続のために必要な措置が講じられた場合であって、かつ、契約条件の変更が保険契約者等の保護の見地から適当であると認められる場合でなければ、契約条件の変更案の承認をしてはならないこととしております。
 第五に、基金に係る債務の免除を受けたとき等の基金及び基金償却積立金の取扱いについて規定の整備を行うなど、所要の措置を講ずることとしております。
 以上、保険業法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し上げた次第であります。
 何とぞ、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。山下英利君。
   〔山下英利君登壇、拍手〕
#19
○山下英利君 私は、自由民主党・保守新党、公明党を代表して、ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案につきまして、竹中金融担当大臣に質問をいたします。
 生命保険は、改めて言うまでもなく、人の生死や疾病などの様々な危険に備え、国民が自助努力によってその生活基盤を守るための重要な仕組みとしての役割を担っております。今後の高齢化社会においては、年金とともにますます重要な機能を果たすものと考えます。
 そうした中で、バブル崩壊以降、我が国経済は低迷状態から脱せず、世界でも例を見ない超低金利状態が続いております。こうした超低金利の影響を受けているものの一つに生命保険会社があります。
 生命保険会社は極めて長期の保険契約を多く抱えており、その多くを国債や株式など有価証券で運用をしております。超低金利の長期化に加え、株価や地価の下落という資産デフレにより、保険会社が保険契約者に約束した予定利率と実際の運用利回りとの間に乖離が生じ、いわゆる逆ざやが構造的な問題となってきております。さらに、保有契約高は減少傾向にあり、生命保険会社の経営環境は極めて厳しいものになっていると考えております。
 そこで、まず、生命保険会社をめぐる経済金融環境をどのように認識されているのか、そうした環境の中で生命保険会社の経営状況をどのように認識されているのか、見解を伺います。
 さて、具体的に生命保険会社の予定利率引下げのスキームに関してお伺いいたします。
 生命保険会社は、経営の健全性の確保、経営の再建に向けて、自らの努力でそのために取り組むことは当然のことであります。しかし、その努力によっても保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合、保険会社から契約条件変更の申出があり、行政当局は適当であると認めれば承認する仕組みとなっております。
 問題は、当局の承認の際に、経営努力の限界をどのように判断し、また経営者責任を明確にしつつ保険契約者の理解を得ていくかであります。申出を受けての承認に当たり、どのような基本姿勢で臨まれるのかをお伺いいたします。
 ぎりぎりまでの経営努力を怠っている保険会社を承認するようなことが決してないよう、お願いもいたしておきます。
 また、今回のスキームの中で、予定利率の引下げといった契約の変更に関して、保険契約者に異議申立ての機会が与えられています。これは、契約者の十分な理解と納得を前提とした手続の円滑化を目指したものと考えます。
 しかしながら、仮に十分の一以上の契約者から異議が申し出された場合、引下げは否認されることになりますが、そうなると、保険会社は契約の解約が相次ぎ、経営破綻に追い込まれる事態も想定されます。そうした事態を招くことがないよう、保険会社も行政当局も最善の努力をしておかなければなりません。具体的にどのような行政努力をなされるお考えなのか、お伺いいたします。
 少し先の将来を考えますと、景気が好転し金利が上昇する、また株価もしっかりとした回復過程に入ってくる、こういったことが十分に予想されるわけであります。こうした場合には、予定利率を引き下げた保険契約者に対して、優先的に配当を行ったり予定利率を再び引き上げるといった対応も行うべきであると考えております。
 今回の法案において、こうした観点から配慮がなされているとのことですが、法案での表現が分かりにくいものとなっているという指摘がございます。将来、情勢が好転した場合、契約者に利益を還元するに当たっての考え方、またそのことが法案の文面の中でどのように担保されているのか、分かりやすい説明を求めます。
 今回のスキームに限らず、保険会社は本来あるべき経営姿勢として、保険契約者に対して保険会社の経営内容や収支見通しについて十分な情報開示、ディスクロージャーを行うことが必要であると考えます。また、政府においても、総理以下関係者が国民にこのスキームの真の意義と内容をしっかり説明することが最も重要であり、これらが確保されて初めて今回のスキームが有効に機能し、また国民の生命保険に対する安心、信頼、これも回復するのではないかと思います。保険会社のディスクロージャーと政府の国民に対する説明責任の重要性について見解を伺います。
 最後に、今回のスキームは個別の保険会社の申請により行うものであるため、各社は解約の増加や新規契約の減少を恐れて実際には使われないとの指摘もあります。保険会社の利用が進むよう、制度運用をしっかり行っていかなければなりません。
 我が国では約九割の世帯が生命保険会社に加入しております。その多くが生命保険が経営難の状態にあることを不安に思っており、今回の措置により生命保険がうまく機能し老後の不安が緩和するよう願ってもおります。今後、生命保険に対する国民の信頼が更に向上するよう、その根本原因である景気を一刻も早く立ち直らせる経済政策を進めるとともに、この制度を的確に運用されることを政府に要望し、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(竹中平蔵君) 山下議員から五問の質問をいただきました。
 まず、生命保険会社の経営状況等についてどのように認識するかというお尋ねでございます。
 生命保険会社を取り巻く経営環境は、議員も御指摘になりましたように、超低金利の継続による逆ざやのほか、保有契約高の減少、株価の下落等によりまして、引き続き厳しい状況にあると考えております。こうした中で、生命保険会社は、経費削減でありますとか合併、再編等の経営努力を積み重ねており、金融庁としても、今後とも各生命保険会社に対して健全性の確保に向けて懸命の経営努力を促してまいりたいというふうに考えております。
 契約条件変更の申出の承認についてお尋ねがございました。
 この契約条件変更の申出に当たりまして、保険会社は、まず第一に、契約条件の変更を行わなければ他の経営努力を行っても保険業の継続が困難となる蓋然性があること、第二に、保険契約者等の保護のため契約条件の変更がやむを得ない理由を示すこととなっております。行政当局は、この承認に当たりまして、保険契約者等の保護の観点から、他の経営改善努力の内容も含めてしっかりと審査をするということにしております。
 また、経営責任につきましては、自治的な手続の中で適切に対応が図られるよう、法案におきましては保険会社が保険契約者に対してその考え方を明示しなければならないこととしております。行政当局としても、契約条件の変更案の承認に際して、この点を含めしっかりと審査するつもりでございます。
 保険契約者の理解を得るための行政当局等の努力についてお尋ねがありました。
 予定利率の引下げに当たりましては、まずは、保険会社において保険契約者の理解が十分得られますように努めることが重要でありますけれども、当局としても、保険契約者等の保護の観点から、契約条件の変更の内容等を十分審査する必要がございます。さらに、当局としては、この制度の意義、内容等について保険契約者等の十分な理解が得られるように努めますとともに、保険会社の監督に当たっても風評リスクが生じないよう万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 将来、仮に情勢が好転した場合に、保険契約者への利益の還元をどうするのかというお尋ねがございました。
 この予定利率引下げの対象となった保険契約者に対して利益を還元しますことについては、自治手続の中で適切に対応がなされるべきものと考えております。
 この法案においては、例えば優先配当等を行う場合には、保険契約者等に対しその方針を明示するとともに、その方針を定款に記載することを義務付けることとしておりまして、その方針の明確化を図るというふうに仕組んでおります。
 第五に、保険会社のディスクロージャー及び政府の説明責任の重要性についてお尋ねがございました。
 大変重要な点だと我々も考えております。生命保険会社の財務状況に関するディスクロージャーの充実は、これは重要であるという観点からその強化を図っているところでございます。金融庁としては、今後とも、幅広く分かりやすいディスクロージャーが行われますように、引き続き保険会社に対して主体的、積極的な取組を求めてまいりたいと考えております。
 なお、契約条件変更の制度は、これは保険会社・保険契約者間の自治的な手続であるということを踏まえれば、保険会社は自ら保険契約者に対して幅広いこれはディスクロージャーを行うこととなると考えております。また、政府としても、制度の意義、内容等について十分な理解が得られるよう努めてまいります。
 最後に、山下議員御指摘の経済全体の運営についても努力をしたいと思っております。
 ありがとうございます。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(倉田寛之君) 円より子君。
   〔円より子君登壇、拍手〕
#22
○円より子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案につきまして、竹中金融担当大臣に質問いたします。
 昨日、憲法が保障する財産権の侵害にもつながりかねないこの重要法案が残念ながら衆議院で与党の賛成多数で可決され、参議院に送られてまいりました。この法案が成立すれば、一般契約者が将来受け取る保険金が終身保険では最大四〇%もカットされるという試算もあり、国民の不安を高める制度がすぐにもスタートしてしまいます。それなのに、予定利率の引下げ対象となる生保の定義もあいまい、引下げ生保の利益の源泉に対する情報公開も経営責任も明文化されないなど、衆議院での審議は全く不十分なものでした。
 国民に更なる痛みを与えるこの法案に反対する立場から、参議院では慎重な審議を尽くすべく代表質問をいたします。
 保険業法改正案の趣旨説明が本会議の議題となるのは去る四月十八日に引き続いてこの通常国会においては実に二度目であり、これは極めて異例な事態だということをまず指摘したいと思います。
 前回の法案提出前、金融庁は予定利率の引下げまで盛り込んだ案を既に作成していた。しかし、統一地方選を控え、国民の反発を恐れた与党が予定利率の部分だけを先送りさせたのだと巷間伝えられています。そして、統一地方選が終わるや否や、予定どおり法制化に向けた動きを始め、かなり拙速な手続で改正案の提出を強行いたしました。これは国民の安全と安心に対する重大な背信行為ではないでしょうか。いったん見送った改正案の再提出を決断した竹中大臣の責任は重大です。
 まずは、四月十八日の本会議において、予定利率の引下げについては慎重に考えこの勉強をしたいとの答弁と、再度の改正案提出の整合性について、国民が納得できる答弁を求めます。
 次に、りそな銀行への公的資金投入と、銀行・生保間の資本持ち合いの問題について伺います。
 五月十七日、小泉総理は、金融危機対応会議を招集し、りそな銀行に対し、預金保険法第百二条に基づく資本注入を決定しました。その資本注入額は一兆九千六百億円で、政府は、国民の税金を用いて巨額の資金を投入するにもかかわらず、銀行の決算を精査せず、株主の責任も厳格に問うてはおりません。これは大きな問題ではないでしょうか。
 りそな銀行については、会計監査法人の一社が、繰延税金資産の計上による自己資本の水増しを認めなかったため、銀行や他の監査法人と激しく対立し、監査の辞退に追い込まれたと言われています。現に、今年三月末の決算では、繰延税金資産を差し引いた自己資本はマイナスになっており、仮に監査がより厳格に行われた場合には、りそな銀行は債務超過に陥っていた疑いが強いと指摘されています。
 このような実質債務超過の銀行に公的資金を投入するのは、税金の無駄遣いであり、国民に対する背信行為です。なぜ政府は決算の正確性や株主責任を明確にしないまま資本注入を急いだのでしょうか。りそなの決算や株主責任を明らかにしないまま資本注入を強行する背景には、りそなグループの大株主である生命保険会社を守る意図があるからでしょうか。
 生保各社は、りそな銀行に限らず、銀行部門と資本の持ち合いを行っており、格付の低い生保会社ほど持ち合いの度合いが高くなっています。仮に、銀行が破綻し、生保が保有する銀行株や劣後債が紙くずになれば、逆ざやと株安で体力が消耗している生保各社にとっては致命傷となり、破綻するおそれが一気に高まります。一方、生保の経営が傾けば、生保に基金や劣後ローンを拠出する銀行の財務状況が悪化し、経営不安が生じます。
 このように、生保と銀行は一蓮託生の関係にあるからなのか、大臣、まず理由をお聞かせください。
 今回のりそな問題では、かねてから指摘されてきた銀行・生保間の資本持ち合いの問題が表面化したのです。生保と銀行の資本持ち合いが今後も続けば、金融システムはますます脆弱化し、今後も三月危機や九月危機が毎年繰り返されるのは想像に難くありません。
 システミックリスクの発生を抑止するため、即刻、銀行・生保間の資本持ち合いを制限する必要があると考えますが、この点について竹中大臣の考えをお聞かせください。
 今回、政府がりそなに対して取った措置は、りそな再生という美名の下、どさくさに紛れて生保救済を図ったものであり、今回の法律案も、契約者の保護よりは、生保に出資している銀行を救済することが主眼ではないでしょうか。
 言うまでもなく、保険会社は契約者の相互扶助を図るための組織です。その保険会社が、プロの投資家である銀行の失敗を埋め合わせするために、予定利率の引下げという形で契約者の権利をないがしろにする、これは保険会社の存在意義を自己否定する行為であり、決して許されるべきではありません。
 加えて、さきの保険業法の改正で、生命保険契約者保護機構による資金援助の制度を整備しておきながら、更に保険契約者自身の負担で保険会社を救済するスキームを整備するのは、屋上屋を重ねるものでしかありません。
 生保各社は今年三月期決算前に各メガバンクが経営再建のために行った巨額増資の大口引受先として名を連ねております。銀行危機の収束に一役買ってくれた生保に御褒美としての延命措置を与え、銀行の救済も図るという一石二鳥をねらって、政府・与党は法案提出を強行したとしか思えません。これは明らかに護送船団行政の復活ではありませんか。竹中大臣、本法案提出の真の目的をお聞かせ願います。
 以下、本法律案の具体的問題について伺います。
 破綻するより予定利率引下げの方が契約者保護になると言われますが、予定利率の引下げを申請した生保の解約が殺到すれば、結局、破綻をしてしまう可能性があります。
 今回のスキームは、責任準備金を減らさずに予定利率を引き下げるというものですが、更生手続でも責任準備金が削減されないケースがあり、一概に予定利率引下げの方が契約者に有利とは言えません。むしろ、更生特例法を早期に適用した方が契約者の利益にかなうのではないでしょうか。契約社会の大原則をねじ曲げてまで制度の導入を図ろうとする意図についての竹中大臣の見解を伺います。
 保険契約の条件変更については、平成七年の改正で、旧保険業法にあった行政命令による契約条件変更や相互会社における自主的な保険金削減の規定が削除されたことは御承知のとおりです。
 削除の際の主な理由として、予定利率の引下げ等の既存契約の条件変更は、不利益変更を既存の契約者に及ぼすことになり、契約の安定性や財産権との関係で問題があること、また保険契約者との契約を守れない保険会社は解約の増加等により契約者を維持できないことが挙げられていました。
 当然の理由で削除されたこの規定が今回の改正案で復活するという過去との整合性を無視したやり方について明確な説明を求めます。
 欧米諸国においては、破綻時以外に契約条件の変更を可能とする制度は設けられておりません。更生手続等の破綻処理以外に保険契約の条件変更を可能とするならば、契約者の保険業に対する信頼を失わせるだけでなく、ザ・セイホとまで言われた我が国の生保業界に対する国際的信用をもおとしめるものと言わざるを得ません。そのリスクを冒してまで制度を導入しなければならないのは、生保業界が破綻寸前の危機的状況にあると認めていらっしゃるからなのか、大臣の見解を求めます。
 国民の目線で見ると、保険会社の財務は非常に分かりにくいというのが実感です。インターネットやディスクロージャー誌で大量の情報が開示されているように見えますが、実はそうではない。肝心な部分は隠されたままなのです。
 例えば、予定利率算出の根拠となっている費差益、利差益、死差益のいわゆる三利源が公表されていません。また、公表逆ざや額が示されていますが、これは、三利源を単純に差し引いたものとは異なるもので、私たちが知りたい真の逆ざや額とは似て非なるものだと指摘もあります。
 経営状態を客観的に判断できる資料を開示しないままで契約者に痛みを負えという議論は、アンフェアでひきょうではありませんか。国民の知りたい情報開示についての見解を伺います。
 常々、竹中大臣は、国会審議の中でガバナンスの強化の必要性を繰り返しています。その主張に一貫性を持たせるのであれば、相互会社での意思決定機関である総代会制度の改革に手を付けるべきではありませんか。
 最大手の会社を例に取ると、千二百四十五万名の社員に対し、総代はたったの百三十名しかいません。しかも、総代には銀行や有名会社の経営者、学者などが名前を連ねています。総代の約半数が会社役員という状態です。総代の職業、年齢、地域の属性が実際の契約者全体の構成から乖離していることは明らかで、民主的な制度かどうかという疑問があります。
 そもそも、総代を推薦する総代候補者選考委員会の委員自体を生保が選んでいます。言い方を変えれば、総代は実質的には会社側の人選で、会社側に都合のよい結論しか出さないという疑念を持たざるを得ません。これでは、契約者の大多数を占める一般消費者の意思が反映できるとはとても思えません。
 保険業法には少数社員権に関する規定が置かれておりますが、千名以上の要件が必要とされるなど、実効性が乏しいものです。少数社員権行使の要件を緩和するなどの措置が必要だと思います。
 契約者に痛みを求めるならば、必要な情報の開示と事前の十分な説明、契約者集会の仕組みの導入など意思決定への参画の担保が必要です。これらディスクロージャー、ガバナンスの強化についても具体的な答弁を求めます。
 最後に、私は、契約条件の変更を多数決原理で決することはなじまないと考えていますが、大臣のお考えはどうでしょうか。私権の調整を行うのであれば、裁判所が関与し、手続の公平性、透明性等が十分に確保されている更生手続によるべきだとは思いませんか。
 また、保険契約者との契約を守れない生保は、解約の増加等によって契約者を維持できない可能性が高く、それを危惧してか各生保会社は予定利率変更の申請はしないと言っており、今回の改正は全く意味をなさず、不要ではないですか。もし意味があるとすれば、国民の知らない週末に申請する生保があって、土日で総理が解約できないように手続を踏むといった戒厳令のようなことをして生保を救うということなのでしょうか。
 しかし、それは、約束は守るという社会生活の基本すらけ飛ばすことに国がお墨付きを与えようとすることであり、国民の将来の約束を守るという理念からはほど遠く、政治への不信は深まるばかりであり、ひいては人心を荒廃させ、景気をますます悪化させる懸念があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(竹中平蔵君) 円議員から十問、質問をいただきました。
 先般の参議院での私の答弁と、今回の改正案提出との整合性についてでございます。
 予定利率の問題につきましては、多くの論点が存在するということから、関係方面と議論を深めながら慎重に検討してきたつもりでございます。その結果として本法が取りまとめられ、この国会で御審議をお願いしているところでございます。過去の答弁とは整合的であるというふうに考えております。
 りそな銀行に対する資本増強の理由、生保と銀行との関係等についてお尋ねがございました。
 五月十七日の金融危機対応会議を踏まえた資本増強の必要性の認定は、我が国の経済及びりそな銀行が業務を行っている地域の信用秩序の維持のために極めて重要な支障が生ずることを未然に防ぐために行われたものであります。こうした枠組みの下で、六月十日の資本増強の決定も金融危機を回避するために緊急に行ったものでございます。
 この資本増強の必要性の認定の前提となった同行の平成十五年三月期決算につきましては、これは既に通年専担検査の枠組みの下でしっかりと検査をしているということ、さらに厳格な外部監査による精査を経て作成されたものであるということを踏まえなければいけないと思います。
 これを更に罰則で担保された銀行法第二十四条によって直ちに報告徴求を行った上で、その内容を確認したところでありまして、その時点で得られる最も確実性の高い情報であるというふうに認識をしております。また、株主責任の明確化につきましては、同行の経営健全化計画におきまして、配当を抑制すること、特に平成十六年三月期においては普通株を無配とすることが示されているところでございます。
 なお、銀行と生保会社では基本的な業務内容に差異がございます。リスク特性もおのずと異なってまいります。したがって、必ずしも一方の破綻が他方の業界に直ちに伝播するという関係にあるとは言えないというふうに考えております。
 銀行・生保間のいわゆる資本の持ち合いについてお尋ねがございました。
 銀行と生命保険会社では基本的な業務内容に差異がある、リスクが違ってくるということは今申し上げたとおりでございますが、ただし、銀行、生命保険会社がその与信や運用について的確にリスク管理をしていく必要があること、これは当然のことであるというふうに思っております。当局としては、今後ともこうした観点から適切な監督に努めてまいりたいというふうに思っております。
 法案提出の目的、真の目的は何かというお尋ねがございました。
 先ほど申し上げましたように、今回の法案は逆ざやの存在等により厳しい経営環境にある保険会社に対しまして、保険会社と保険契約者間の自治的な手続によって予定利率の引下げを可能とする、言わば新たな選択肢を追加するものであります。銀行や保険会社の救済が目的ではなく、あくまで保険業の継続を通じた保険契約者の保護を目的としたものでございます。この点、是非とも御理解をいただきたいと思います。
 保険契約者の利益と制度導入の意図についてお尋ねがございました。
 今回の法案は、今申し上げましたように、正に自治的な手続により契約条件を変更するという新たな選択肢を追加するものでありまして、引下げの対象となる保険契約者の十分な理解を前提とする仕組みになっております。
 また、予定利率の引下げは、保険契約者等の保護の観点から、やむを得ない場合に限り行われるものでありまして、基本的に保険契約者の利益に資するものというふうに考えております。
 いずれにしても、金融庁としても、この制度の意義、内容等について、国民と保険契約者の理解が十分得られるようにしっかりと努力をしていきたいと考えております。
 旧保険業法における契約条件変更の規定に関してお尋ねがございました。
 旧保険業法では、大蔵大臣による行政命令や相互会社の定款の定めに基づく契約条件の変更を可能とする規定が設けられておりました。それは御指摘のとおりでございます。
 しかし、第一に、行政命令による変更の規定については、効力を直接既存の契約者に及ぼすこととなり、これは不適当ではないか、第二に、相互会社の定款の定めに基づく変更の規定については、相互会社が株式会社と同質化している実態と懸け離れているのではないかと、そういった議論もありまして削除されたものと承知をしております。
 それに対して、今回の法案は、保険契約者の保護の観点から、相互会社、株式会社の区別なく、保険会社や保険契約者の主体的な判断、自治的な手続によって契約条件の変更を行うものであります。したがって、旧保険業法の規定とは異なるものであるというふうに考えております。
 生命保険業の現状認識と契約条件変更制度の導入についてのお尋ねがございました。
 生命保険会社は、契約高の減少、逆ざや、株価の低下によって引き続き厳しい環境にあるということは事実でございます。そうした中で、保険会社において健全性の確保に向けて各般の経営努力を積み重ねており、危機的状況にあるというふうには考えておりません。
 ただし、この逆ざやの存在は経営を圧迫する非常に大きな構造的な問題であることから、保険契約者の保護を図るために、保険会社と保険契約者間の自治的な手続によって契約条件を変更する仕組みを整備して、そうすることによって経営の選択肢の多様化を図るということとしたわけでございます。
 ディスクロージャーの強化についてのお尋ねがございました。
 生命保険会社の財務の状況に関するディスクロージャーの充実は、これは極めて重要であります。その強化を図ってきたつもりでございます。最近では、平成十四年三月に府令の改正を行いまして、ソルベンシーマージン比率の内訳でありますとか責任準備金の内訳についても開示を行うなどの強化を図ったところでございます。
 金融庁としては、幅広く分かりやすいディスクロージャーが行われますよう、引き続き保険会社に対して主体的かつ積極的な取組を求めてまいりたいと考えております。
 なお、いわゆる三利源の問題でありますけれども、これについては各社の競争戦略にもかかわる内部管理指標でございまして、公表を義務付けるということに対しては慎重な対応が必要であるというふうに考えております。
 相互会社のガバナンスの強化についてお尋ねがございました。
 総代会制度については、各保険相互会社において、総代候補者の選考委員会の設置によって総代選考方法の改善を行うとともに、総代の構成、議事内容等、総代会に係るディスクロージャーの充実等に努めているというふうに承知をしております。
 当局としては、このような取組を通じて、保険契約者の意思が十分反映されるとともに、ガバナンスの強化が正に図られているということを期待しているわけでございます。
 なお、契約条件変更の際の保険契約者の意思決定手続につきましては、これは極めて多数に上る保険契約者集団において実際問題として契約者集会が有効に機能しないおそれがありますことから、保険会社の機関意思決定は総代会又は株主総会の特別決議による、一方で、保険契約者の権利の保護手段としては異議申立て手続を活用するというふうにしているわけでございます。
 最後に、保険条件変更の手続や法改正の必要性、多数決の意義といったようなことについてお尋ねがございました。
 今回の法案は、保険契約者等の保護を図る観点から、破綻に至る前段階で、前の段階で、保険会社・保険契約者間の自治的な手続によってこの条件を変更する仕組みを整備するものであって、経営の選択肢の多様化を図ること、これは重要であるというふうに思っております。
 また、契約条件の変更に当たりましては、保険会社は保険契約者に対して、この条件の変更が必要な理由等を明示する、対象者等の十分の一を超える反対があった場合には契約条件の変更は取りやめるなど、保険契約者の十分な理解を前提とした仕組みにしているつもりでございます。
 なお、保険会社も、制度の整備自体、これは必要であるというふうに言っておりまして、制度の整備自体は否定していないというふうに認識をしております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(倉田寛之君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
#25
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、保険業法の一部改正案について、竹中大臣に質問します。
 第一の問題は、本法案が、保険契約者の保護という看板とは裏腹に、大幅な保険金カットにより保険契約者である国民の生活設計に大打撃を与えるものだということです。
 生命保険会社の経営悪化を招いた主な原因の一つは、竹中大臣自身が認めておられるように、この二年間の株価の大幅下落を始めとする経済環境の悪化であります。この二年間は正に小泉内閣の発足から今日までの期間とぴったりと重なっています。小泉内閣が発足した二〇〇一年四月二十六日の日経平均株価は一万三千九百七十三円、それが今年三月三十一日には七千九百七十二円と約半分に下落しています。小泉内閣の経済政策の過ちこそが今日の生命保険業の危機を招いた最大の原因であることは明らかです。
 竹中大臣、生命保険業の立て直しを云々するのであれば、まず小泉内閣の経済政策を担当してきた自らの責任を明らかにし、経済政策の転換を図るべきではありませんか。
 しかも、あなたは金融担当大臣でもあります。生命保険事業は金融庁による免許制であり、金融庁は生保商品の認可や財務状況の検査・監督など経営全般に極めて大きな責任を負っています。生保会社の経営悪化を知り尽くしていながら、適切な対応を取らず、生保の経営をここまで悪化させた金融庁の責任を一体どう認識しているのですか。明確な答弁を求めます。
 保険会社の経営悪化は、国民や保険契約者には何の責任もありません。ところが、本法案では、金融庁の試算でも四〇%を超えるような保険金の削減という耐え難い負担を保険契約者に求めることを規定しています。その一方、保険会社の経営者や銀行などの株主、出資者の責任の取り方については、法案による規定はなく、保険会社任せとなっています。
 保険契約者の保護の名の下に、保険契約者のみに負担を求め、一義的に責任がある株主や出資者、経営者に責任を取らせない仕組みは、基金などをすべて契約者保護に使うことができる更生特例法と比べても、モラルハザードの極みではありませんか。とりわけ、今回の法案は巨額の基金の取り崩しを免除して銀行を救済するところにこそ本当のねらいがあるという指摘を竹中大臣は否定できますか。
 本法案の第二の問題は、契約違反を公然と認め、社会の基本的なルールを破壊しようとしていることであります。
 生命保険は、保険会社と国民が保険契約を結ぶことによって成立するものです。個人契約者の側が保険料の滞納をすれば、会社は一方的に契約を破棄した上で違約金を取るようなことさえしています。ところが、本法案は、保険会社に対しては約束した保険金を払いませんという明らかな契約違反を許し、その負担を弱い立場に置かれている保険契約者に押し付けるというものです。約束を破った保険会社の側は不問に付し、個人契約者の側だけが保険金カットという重い負担を強いられる、正に正直者がばかを見るというようなことを許していいのですか。竹中大臣は、保険会社と契約者の自治だとして、異議申立てなどしっかりした制度を設けていると述べています。しかし、予定利率の引下げなしでは破綻の蓋然性が高い、仮に異議申立てが通れば破綻することになると言われれば、保険契約者は泣く泣く予定利率の引下げに応じざるを得ない。事実上、異議申立てできないではありませんか。これで自主的だとか、自治だとか、どうして言えるのですか。脅しではありませんか。
 さらに、本法案によって、予定利率の引下げを申し出た保険会社のすべての保険契約者が数か月にわたって事実上解約できなくなります。厳しい経済環境の中、突然資金が必要になる場合も十分考えられます。解約返戻金の支払が停止するようなことが何ですべての保険契約者に強いられなくてはならないのですか。どうして個々の契約者は自らの意思に反して契約変更を押し付けられなければならないのか。いつでも解約でき、直ちに解約返戻金が払われるべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
 契約という基本的なルールさえ破る、これが保険業界や金融行政に対する不信を更に深めることは疑う余地がありません。実際、この不透明な予定利率引下げの問題が突然出された二月以来、解約の増加傾向が顕著になり、多くの生保会社が苦悩しています。
 国民からは、法案が可決されれば予定利率の保証がなくなるわけで、そんな役立たずの生命保険にはだれも加入しなくなるのではないか、利率を引き下げるメリットより信用を失うデメリットの方が大きいという声が上がっています。正に、本法案が成立するようなことになれば、解約に更に拍車が掛かり、新規契約の伸び悩みとの相乗効果によって、保険会社の経営は立ち直るどころか逆に悪化することになるのではありませんか。
 第三の問題は、長期にわたってこの問題を論議してきた金融審議会の確認にすら背いて法案が提出されたことであります。
 一昨年六月に出された金融審議会の生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告は、予定利率引下げのような条件変更について、国民、保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそその導入が可能になるとしていました。その後、金融審議会が求めているような社会的認知は得られたのですか。
 世論調査でも、予定利率引下げに賛成はわずか五・八%にとどまっています。自民党の中にも、反対を唱えている議員もいます。さらに、金融審議会の部会長自身、六月四日、衆議院での質問に対し、社会的認知が得られていませんと明確に答えています。竹中大臣、これでもなお社会的認知が得られたと強弁するのであれば、この場にその証拠を示していただきたい。
 金融審議会では財産権の保護のためには契約者集会の開催が不可欠とされていましたが、本法案はその努力をワーカブルではないの一言で片付けて放棄しています。その一方で、本法案は異議申立ての期間を最低わずか一か月としております。異議申立ての成立には、変更対象契約者数と金額の両方で十分の一を超える異議の申立てを集めなくてはなりません。これがわずか一か月でできるというのですか。それこそ実現不可能ではないですか。明確な答弁を求めます。
 また、十日の衆院における参考人質疑の中で、金融審議会の委員を務めている参考人は、予定利率引下げは重大な問題なので金融審議会で議論してほしいと求めたのに対し、金融庁は金融審にかけないで法案ができたら報告すると答えていたことを明らかにしております。これまで金融審議会は、国民にパブリックコメントを求め、予定利率引下げに九割が反対していることなどを明らかにしています。この金融審議会を無視することは国民の意見を無視するに等しいことではありませんか。
 最後に、審議の前提となる基本的な資料やデータの提供についてです。
 衆議院の議論の中で度々資料提出の要求が行われました。しかし、責任ある審議を行う上で欠くことのできない資料の多くが提出されておりません。竹中大臣自身、どのような資料を各党が求めているか十分御承知のはずです。解約の増加など、契約者の変動を織り込んだシミュレーションを含め、各党が要求している資料やデータを至急提出すべきではありませんか。また、この問題を審議してきた金融審議会の議事録ですら、その重要な部分が提出されておりません。この金融審議会の会議録も速やかに提出すべきではありませんか。
 本法案は、小泉内閣の失政や保険会社経営の失敗のツケを何ら責任のない保険契約者である多くの国民に一方的に押し付け、国民の将来設計を破綻させるとともに、生命保険業界への不信の拡大などをもたらす極めて問題の多い法案であります。徹底した審議を進め、必ず廃案に追い込む決意を表明し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(竹中平蔵君) 池田議員から十四問、質問をいただきました。
 まず、経済政策全体の責任を明らかにし、政策転換を図るべきではないかという御指摘でございます。
 日本経済の低迷は複合的な構造要因によるものであり、不良債権、財政赤字など負の遺産を抱え、それがデフレの深刻化と株価の低迷に反映されてきました。そこで、小泉内閣は、日本経済の再生のためにはデフレ克服を目指しながら改革を進める以外に道はないとの認識の下で構造改革を推進し、経済情勢に応じては大胆かつ柔軟に対応するとした一貫した方針で経済運営に当たってまいりました。いまだ、まだ道半ばではありますが、構造改革は着実に進展しており、経済失政といった御批判は当たらないと考えております。改革を通して日本経済の再生に努力したいと思っております。
 保険会社の検査・監督に関する行政責任についてのお尋ねでございます。
 まず、保険商品については、保険数理に基づく合理性や妥当性等の基準により認可しております。その時々の運用利回りの状況等に照らして考えれば、適切な判断が行われてきたものと考えております。
 また、保険会社の財務状況については、厳正な検査やモニタリングの実施によりまして的確な把握に努めるとともに、厳格化したソルベンシーマージン基準を用いた早期是正措置も活用して、各保険会社に対して健全性の確保に向けた真剣な経営努力を求めているところでありまして、今後もこの観点からは全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。
 基金等の取扱いについて、更生特例法と比べモラルハザードに陥らないか、銀行救済ではないか、契約者への負担の押し付けではないかといった三点のお尋ねがありました。
 今回の法案は、破綻に至る前段階で保険会社・保険契約者間の自治的な手続によって契約条件の変更を可能とする仕組みを整備するものであります。銀行の救済が目的であるということではなく、あくまで保険業の継続を通じた保険契約者等の保護を目的としたものでございます。
 また、経営責任や銀行等が拠出した基金等の取扱いについては、これは、保険会社は保険契約者に対してこれらについての考え方を示さなければならないこととしておりまして、保険契約者が納得するかどうかという自治的な手続の中で適切に対応が図られるべき問題であるというふうに思っております。
 現実問題として、異議申立て手続が機能するのかというお尋ねがありました。
 契約条件の変更に当たっては、契約者の十分な理解を得ることが求められているということは言うまでもありませんが、その際、契約者数が膨大であることや保険の団体性にかんがみて、契約者の権利の保護の手続としては異議申立て手続を活用することとしております。
 ただし、この異議申立てに対しましては、保険会社は、保険契約者が適切に判断できるように、この契約条件の変更が必要な理由等を示さなければならないこととしており、行政当局においても、この契約条件の変更案の承認の際に、保険契約者への送付書類において十分な説明が行われるか等についても審査をすることにしています。
 解約に係る業務の停止についてお尋ねがありました。
 契約条件の変更に当たりましては、契約者の保護のために、手続を混乱なく粛々と進めて保険集団の維持を図る必要があります。保険会社に対して、一定の期間、解約に係る業務の停止を命ずることができることとしたわけであります。したがって、解約業務の停止の対象は予定利率の引下げ対象契約に限るものではありませんが、保険契約者の保護の観点から、これは適切に判断することになるというふうに思います。
 保険契約者の意思に反して契約条件が変更されることがあるのではないかというお尋ねがございました。
 契約条件の変更に当たっては、保険契約者の権利の保護手続としまして、異議申立て手続を行い、異議が十分の一以内の場合に限り条件の変更を行うことができることにしております。これは、保険契約者が膨大であることや保険の団体性を踏まえた措置でありまして、一定の合理性があるというふうに考えております。
 本法案の成立が保険会社に与える影響はどうなのかというお尋ねがございました。
 今回の法案は、逆ざやの存在等により厳しい経営環境にある保険会社に対して、保険会社・保険契約者間の自治的な手続によって予定利率の引下げを可能とする新たな選択肢を追加するものであり、あくまで保険契約者の保護を目的としたものでございます。政府としては、こうした制度の意義、内容等について保険契約者等の十分な理解が得られるよう努めていきたいと思います。また、保険会社の監督に当たっても、風評リスクが生じないように万全を期して運用するつもりでございます。
 本法案について社会的認知は一体得られたのかというお尋ねがございました。
 この予定利率の問題については、多くの論点が存在しますことから、幅広く検討してきたところでございますが、金融審議会を始め各関係方面と議論を深めた結果、今般、本法案を取りまとめることができましたために、国会で御審議いただく運びとなったところであります。今後、国会における御審議等も通じて、更に国民及び保険契約者等の御理解を得るべく努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 契約者集会の開催と異議申立ての期間についてお尋ねがありました。
 保険契約者の自治的な意思決定手続としましては、契約者集会の開催が理念的には望ましいところであると思います。しかし、極めて多数に上る保険契約者集団における意思決定手続としては、実際問題として有効に機能しないおそれがあります。このため、保険会社の機関意思決定として、総代会又は株主総会の特別決議により契約条件の変更案を決定することとしまして、保険契約者の権利の保護手続としては異議申立て手続を活用するというふうにしているわけであります。
 また、異議申立て期間については、現行法における異議申立て手続と同様、最低一か月間確保することとしており、具体的な期間は、これは保険会社において適切に決定されていくことになると考えております。
 金融審議会の開催についてのお尋ねがございました。
 予定利率の問題については、法案提出前の五月十二日に金融審議会を開催いたしまして御議論をいただきました。その際、委員からは非常に幅広い観点から様々な御意見をいただいたところでありますけれども、行政として作業を進めることについては了とされたものと承知をしております。
 いずれにしましても、今回の制度の意義、内容等について、国民や保険契約者等の理解が得られますように努めてまいりたいと思っております。
 最後に、契約者数の変動を織り込んだシミュレーションでありますとか金融審議会の議事録等についてお尋ねがありました。資料についてでございます。
 御指摘のシミュレーションについてですけれども、これは前提となる保険会社の経営モデルを構築する必要がありまして、変動要因も複雑多岐にわたりますことから、これを行うことは技術的に困難であります。
 また、金融審議会の議事録については、議事内容の透明性確保の観点から原則として公表しているところでありますが、御指摘の議事録については、会議を非公開で行っておりまして、各委員も非公開を前提に議論されていること等によりまして、議事録については公表せず、会議終了後の部会長による記者会見を行ったところでございます。
 いずれにしましても、この資料につきましては、可能な範囲で極力対応させていただくつもりでありますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(倉田寛之君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#28
○平野達男君 私は、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表しまして、ただいま議題となりました本法案について質問をいたします。
 まず、冒頭、現下の国債金利に関係した金融情勢に関し、竹中大臣にお伺いします。
 国債の長期金利がこれまでの最低金利を更新し続け、国債価格が高騰を続けています。余剰資金がまだまだ安全債権たる国債に流れていることが原因ですが、このことと日銀の量的金融緩和との関係をどのようにとらえているのか。さらに、いわゆるポートフォリオ・リバランシング効果は有効に機能しているかどうか、併せてお聞きします。
 また、将来、景気が良くなり、金利上昇の局面を迎えた場合の対策について、そろそろしっかりとした頭の体操をしておく必要があります。竹中大臣はどのように考えておられるのか、お聞かせ願います。
 今年三月、預金保険機構から、平成八年十月から実施されてきた預金等全額保護制度下における金融機関の破綻処理が終了した旨の発表がありました。資金援助案件百六十九件、破綻金融機関は百六十八件でした。資金援助額約十八兆円、うち交付国債、すなわち国民負担でありますが十兆円、保険料負担金約八兆円、保険料負担もすなわちこれは預金者負担というふうに見なければなりません。こういった概要となっております。
 本来であれば、この処理が終了すれば市場には健全金融機関だけが残っているはずでありました。しかしながら、時を置かず、りそな銀行への公的資本注入の決定であります。これまでの累次にわたる公的資本注入、そして破綻金融機関への十八兆の資金投入にもかかわらず、なお約二兆円の公的資本を注入しなければならない金融機関があることは一体どういうことなのでありましょうか。
 さらに、本法案は、保険会社と銀行とが巨額の資本持ち合い関係にあり、保険会社の破綻による銀行を始めとした金融機関全体に与える影響を回避するため、保険契約者に負担を強いるという性格を有した問題法案であります。
 その保険会社であります。保険会社については、平成十二年度以降三年間、破綻に備え約四千億円の政府補助金の充当を認めたセーフティーネットを設定しました。そして、今国会では、この措置を平成十五年度以降更に三年間延長することが決定されたところであります。この間、保険業界は、財務の健全化に向け経営の抜本的な見直しなどに努力してきたはずであり、また今後も努力することになっているはずであります。にもかかわらず、今後経営困難に陥ると見込まれる保険会社が予定利率の引下げをしなければ保険会社が破綻をし、契約者がより損をするという暗黙の脅迫の下、事実上の契約不履行を契約者に認めさせる法案を提案する政府の姿勢を一体どう理解すればよろしいのでしょうか。
 まして、本法案は、これから保険会社の経営状況が悪化することを前提とした法律であります。保険会社の経営改善に向けた自助努力など当てにならないと公言しているか、これまでの景気・デフレ対策は不十分なものであり、かつ今後の対策に自信を持てないと政府自らが認めているようなものであります。
 いずれの措置も、破綻を未然に防ぎ、破綻によって生じる預金者、契約者を含めた社会的な混乱を回避するというもっともらしい名目が立てられています。同時に、いずれも国民負担や契約者にその負担が転嫁されるということ、また、なぜこうした措置を講じなければならないのか、その責任はどこにあるのかという点について十分説明されないまま議論だけが先行している点でも共通しております。
 いずれ、こうした措置を講じなければならないということは、政府の景気判断に関する強弁とは裏腹に、我が国経済が破綻寸前にあることを明確に示すものであります。また、これまでの政府の経済金融政策に大きな間違いがあったという証左でもあると考えます。まず、竹中大臣の所見を伺うものであります。
 次に、法案の中身に関し、大きく三点お聞きします。
 予定利率の引下げは、「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」と規定されています。その具体的考え方について政府は基本概念は示しましたが、事務ガイドラインは法律の施行までに検討するとなっています。当然のことながら、この判断はかなり専門性を有し、金融や保険理論、会社経営に関する高度な知識が必要なはずであります。一方、保険契約者は、私を含め、こうした専門知識を持たない普通の国民が大半です。法案では、予定利率の引下げを実施しようとすれば、変更対象契約者に必要な資料を送付して、意思決定を求めることになっています。しかし、そもそもが分かりにくい財務内容となっている生保について、個々に独立した契約者が送付された資料だけで蓋然性を判断できるとする根拠はどこにあるのでしょうか。
 結局は、事情が分からないまま、予定利率の引下げをしなければ当該契約者の保険金額は一層大きく削減されるという保険会社の一方的な予告だけで判断を迫られることになると思われますが、このことに関してどのように思われているか、見解を伺います。
 仮に契約者が判断できるとして、次の問題点があります。
 変更対象契約者の意思決定を確認する方法として異議申立てという手段を取っていることであります。確かに、現行の保険業法では、資本の減少、株式会社から相互会社への組織変更などに際し、異議申立てによって契約者の判断を仰ぐことにしています。しかし、これらは個々人の契約の内容に変化がない場合であります。個々の契約の内容に変化がある場合として、保険会社が破綻した際、保険契約の包括移転についての契約者の意思確認があります。ここでも異議申立てという手段が取られています。
 しかし、この場合は保険会社が債務超過などに陥り存続ができなくなった状態であり、契約者の選択の余地は極めて限られていると考えられます。また、破綻後の契約者の保険金は一定のルールに乗って算定されるという前提に立っていると思料されます。本法案の措置では、保険会社はまだ存続しており、かつ、予定利率の引下げの是非、さらに引下げ幅の妥当性など、必ずしも客観的な指標に基づいて決められるわけではありません。
 予定利率の引下げは保険会社と契約者との重大な契約変更であり、保険業法の現行の規定をそのまま準用するには慎重な配慮が必要なはずであります。特に、異議申立てがないことをもって本人の同意とみなすことは、会社の都合だけを優先させた考え方であり、問題があります。
 法案のスキームに乗るとすれば、予定利率変更に対する契約者の判断は、本来一定割合以上の同意を条件とすべきであると思われますが、なぜ異議申立て手続によることとしたのか、その法的考え方を説明願うものであります。
 さらに、この法律が制定されたからといって、果たしてそれが機能するかという根本的な問題も懸念されます。
 確かに、契約者にとって、二者択一の場合には、破綻して保険金が大きく減少するよりは予定利率の引下げによって保険金の減り幅を少なくするという選択がより有利となります。しかし、同時に考えなければならない問題は、予定利率を引き下げた場合、当該保険会社の市場の評価がどうなるかという問題であります。
 一つの考え方は、破綻の危険性もなくなり、会社の経営のバランスシートが良くなって将来的には配当の増加も期待される、そういう前提で解約も少なく新規契約も増えるという見通しです。しかし、予定利率の引下げによって一時的に破綻の危機はなくなるとは言えますが、経営の改善は会社の努力であり、予定利率の引下げとは直接的な関係はありません。
 むしろ、予定利率の引下げは、会社の経営体質そのものに問題があると市場から判断され、経営改善計画を出しても信任されず、新規契約の減少、解約の増加によっていずれ破綻の危機を迎えると考えるのが普通ではないでしょうか。とすれば、本法律案そのものが意味を持たなくなる可能性が高いということであります。
 竹中大臣は、予定利率を引き下げた保険会社についてどういう見通しを持っておられるのでしょうか。
 本法案は、基本的な考え方、法の組立て、その実効性、三つの観点いずれにも問題が多いという三位全悪法案であります。また、本法案を出さざるを得ない状況をつくった原因はほかならぬ政府自身の経済運営の失敗にあり、そもそも現内閣には本法案を提出する資格すら持っていないと申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(竹中平蔵君) 平野議員にお答え申し上げます。
 まず、国債金利に関係した金利情勢についてのお尋ねでございます。
 国債市場の動向に関しましては、景気、物価、為替の動向、それとマクロの政策、国債需給などにより、これは様々な要因が働いてまいります。
 御承知のように、日本銀行は平成十三年三月から量的緩和政策の枠組みを採用しています。この措置によって、金利の抑制、デフレ期待を低下させる効果に加えて、いわゆるポートフォリオ・リバランシングによる効果が期待される。この措置は、これまで企業や家計の借入負担の抑制を通じた設備投資、住宅投資へのインパクト、金融機関の余裕資金の増加を通じた資産運用の促進、ひいては景気の下支えに一定の貢献をしてきたものというふうに考えております。
 一方で、国債発行残高、これは五百二十兆円ということで、金利上昇によるリスクが潜在的に高まっているという指摘があります。現在、経済財政諮問会議においては、こうした視点も踏まえて、資金の面でも、官から民へ流れが戻って家計の豊富な金融資産が民間の成長分野に円滑に投資されるような改革をする資金の流れと金融・産業再生について審議を行っているところでありまして、これは近く取りまとめられる予定の基本方針二〇〇三、骨太第三弾にも反映させたいというふうに思っております。
 政府の経済金融政策、その政策判断に対する御指摘がございました。
 小泉内閣は、やるべき構造改革を行わなければ日本経済の再生はないとの認識の下、デフレ克服を目指しながら各般の改革を推進して、経済情勢に応じては大胆かつ柔軟に対応するという一貫した方針で運営に当たってきたと認識をしております。
 りそな銀行への公的資本注入にしましても保険業法の改正にしましても、金融システム改革を進める中で金融システムの安定を確保して、預金者、保険契約者の保護を図るためにこれは行うものでございます。日本経済は厳しい状況が続いているものと認識をしていますけれども、引き続き金融危機は起こさせないという方針の下で構造改革の強化を図るとともに、日本銀行と一体となってデフレ克服に取り組み、日本経済を一刻も早く再生させるよう努力をしてまいる所存でございます。
 保険契約者の判断の問題及び保険契約者への説明についてのお尋ねがございました。
 契約条件の変更に当たりましては、保険会社は保険契約者に対して契約条件の変更がやむを得ない理由等を示さなければならないというふうにしておりますが、保険契約者の十分な理解が得られるよう説明することが、これが強く求められているというふうに思っております。
 行政当局としましても、契約条件の変更案の承認に際して、保険契約者に送付する書類において十分な説明が行われているかといった点についても審査をすることとしております。
 異議申立ての手続、これに対する基本的な考え方はどういうことなのかというお尋ねがありました。
 契約条件の変更に当たりましては、保険契約者の十分な理解を得ることが求められると考えておりますけれども、現実問題として、この契約者数が膨大であることや保険の団体性にかんがみて、総代会又は株主総会における特別決議により変更案が決定されることとするとともに、保険契約者の権利の保護手段としてこの異議申立て手続を活用することとしているわけでございます。
 予定利率を引き下げた保険会社の見通しはどうなるのかということでありますが、保険会社は、契約条件の変更に当たっては、保険契約者の保護を図るために、合併でありますとか再編等を行うことを含めて、変更後の安定的な経営を確保できるよう十分な努力を行うことが重要であるというふうに思っております。
 当局としても、契約条件の変更に当たっては、保険業の継続を図るという観点からその内容等を審査するとともに、変更後におきましては、検査等を適切に実施し、経営状況を的確に把握するほか、健全性の確保に向けて真剣な経営努力を求めていく考えでございます。
 利率を下げるということだけじゃなくて、その後の経営改革と一緒になってこの保険会社の業績の向上を実現してまいりたいというふうに思っております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
#30
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#31
○議長(倉田寛之君) 日程第一 独立行政法人都市再生機構法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長藤井俊男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤井俊男君登壇、拍手〕
#32
○藤井俊男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画を実施するため、特殊法人である都市基盤整備公団を解散し、地域振興整備公団の地方都市開発整備業務部門と統合して、独立行政法人都市再生機構を設立することとし、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、都市基盤整備公団及び地域振興整備公団が果たしてきた役割、密集市街地整備等の都市再生に対する機構の取り組み方、新規賃貸住宅建設からの撤退及びこれに代わる民間賃貸住宅建設の見通し、賃貸住宅家賃の設定及び改定の在り方並びに低所得の高齢者等の居住安定方策、若年入居者の拡充、子会社、関連会社の業務の内容とその見直しその他について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大沢委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百二十  
  賛成            百八十三  
  反対             三十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#36
○議長(倉田寛之君) 日程第二 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長海野徹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔海野徹君登壇、拍手〕
#37
○海野徹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画を実施するため、国際希少野生動植物種の個体等の登録等又は適正に入手された原材料に係る製品である旨の認定の事務を国に代わって実施する者に関して、指定法人制度を見直し、登録制度を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、登録制度への移行に伴う公正中立性の担保策、現行法の抜本的改正の必要性、国内希少野生動植物種の指定の拡大と地域個体群への適用等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の岩佐委員から本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成             二百一  
  反対             二十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#41
○議長(倉田寛之君) お諮りいたします。
 この際、国会等の移転に関する特別委員長から、国会等の移転に関する調査の中間報告を聴取することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。国会等の移転に関する特別委員長松谷蒼一郎君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔松谷蒼一郎君登壇、拍手〕
#43
○松谷蒼一郎君 国会等の移転に関する特別委員会におきまして、去る十一日、議決し、同日、議長に提出をいたしました「国会等の移転に関する調査報告(中間報告)」について御報告を申し上げます。
 我が国は、第二次世界大戦後、瓦れきの山を前にして深刻な挫折感に打ちのめされながらも、復興と国際社会に復帰への道を歩み、世界にもまれな高度経済成長により今日の繁栄を築き上げてまいりました。しかし、政治、経済、文化等の中枢機能が東京に集中する一方、地域経済の停滞や過疎地域を拡大させるなど、多種多様な問題が発生してまいりました。
 こうした国土全般にわたって生じたゆがみを是正するためには、東京一極集中を排除し、二十一世紀にふさわしい政治・行政機能を確立する必要があるとの認識から、平成二年十一月、本会議におきまして国会等の移転に関する決議が行われました。
 本委員会は、この決議の趣旨を踏まえ、平成三年八月に設置されて以来、十二年間に八十三回開会し、招致した学識経験者等の参考人は延べ三十人、委員派遣、視察を十回行うなど、国会等の移転に関する調査を鋭意進めてきたところであります。
 特に、平成十一年十二月、政府の国会等移転審議会の答申が内閣総理大臣より国会に報告された後は、国民の合意形成の状況、社会経済情勢の諸事情、東京都との比較考量を行ったほか、委員間の意見交換を行うなど、精力的に調査を行いました。また、阪神・淡路大震災、米国における同時多発テロの教訓から、災害対応力の構築と首都機能移転問題についても調査を行いました。
 この際、十二年間における調査の結果を報告書に取りまとめ、一昨日、議長に提出した次第であります。
 本調査報告書は「特別委員会の経過」、「特別委員会の調査の概要」及び「まとめ」から構成されており、「まとめ」の主な内容は次のとおりであります。
 本委員会においては、直ちに国会等の移転先を決し、移転を実施すべきであるとの多くの意見もあったが、一方で、現在の状況を勘案すると慎重に行うべきとの意見もあり、直ちに移転すべきかどうかについては議論が収れんするには至らなかった。また、一部の会派からは、移転すべきではないとの意見もあった。
 しかし、現在のようにすべての機能が東京に集中している状態において、東京が大地震あるいは大規模な危機にさらされた場合、我が国の中枢機能は停止し、その結果、我が国のみならず、国際的規模で深刻な危機を招来することになりかねない。そのため、国政の中枢機能をすべて東京に一極集中させておくことは適当ではなく、特に災害及び危機管理に係る中枢機能は速やかに移転すべきとの意見が多くを占めた。
 よって、本委員会としては、今日の経済財政情勢、国民の合意形成の状況等を勘案し、防災対応機能、危機管理機能の中枢を優先して移転させるとともに、その他の機能についても、移転先を決定し、移転を実施すべきと考える。
 なお、国会等の移転は、国民全体の将来にかかわる最重要の課題であり、本委員会の中間報告を踏まえつつ、引き続き、両院の密接な連携の下に議論を進めることが必要と考える。
 以上が調査報告の概要であります。詳細につきましては、調査報告書及び会議録で御承知を願います。
 最後に、委員各位の真摯かつ精力的な議論の積み重ねにより、本中間報告を取りまとめ、報告することができましたことに心から感謝を申し上げます。
 また、貴重な提言や御意見をいただきました参考人の方々並びに御協力をいただきました政府及び関係地方公共団体の皆様に対し、委員会を代表して厚く御礼を申し上げ、御報告といたします。(拍手)
     ─────・─────
#44
○議長(倉田寛之君) この際、国際問題に関する調査会長から、国際問題に関する調査の中間報告を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。国際問題に関する調査会長関谷勝嗣君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔関谷勝嗣君登壇、拍手〕
#46
○関谷勝嗣君 国際問題に関する調査会における中間報告につきまして御報告を申し上げます。
 参議院に調査会制度が創設されて第六期目となる本調査会は、国際問題に関し長期的かつ総合的な調査を行うため、一昨年八月七日に設置され、三年間のテーマを「新しい共存の時代における日本の役割」と決定をいたしました。
 第二年目は、第一年目に引き続き、「東アジア経済の現状と展望」及び「イスラム世界と日本の対応」について鋭意調査を進めてまいりました。
 なお、昨年八月から九月にかけて、中東諸国等におけるイスラムの政治、経済、社会及び文化に関する実情調査のため、本院から、調査会長である私、理事及び委員の六名から成る議員団が中東諸国等に派遣されましたので、十一月に派遣議員からその報告を聴取し、委員間の意見交換を行いました。
 このたび、第二年目の調査を中間報告として取りまとめ、六月十一日、これを議長に提出をいたしました。
 以下、調査の概要を御報告いたします。
 まず、「東アジア経済の現状と展望」につきましては、東アジアの経済統合、中国のWTO加盟等市場経済化と国内外への影響、東アジアにおける通貨・金融危機の教訓と再発の防止、情報化の進展と東アジアのITについて、八名の有識者から意見を聴取し、質疑を行ったほか、政府からの報告と質疑、また、委員間の意見交換を行うなど、多角的観点から重点的かつ精力的な調査を行ってまいりました。
 以下、その主な論議について申し上げます。
 第一は、東アジアの経済統合についてであります。
 統合には、FTA、関税同盟、共同市場、経済同盟、完全な経済統合の五類型があり、東アジア地域の統合にはまずFTAを目標とすべきであるとの意見、日本はFTAで後れを取ったが、国民のコンセンサスを得るためには政府の努力が必要であるとの意見、FTA交渉では関係省間で方針に乖離があり、FTA戦略の司令塔がないとの意見、交渉の責任を外務省が担い関係省間を調整する必要があるが、FTA締結には農産物問題等があり、政治的リーダーシップが不可欠であるとの意見などが述べられました。
 第二は、中国のWTO加盟等市場経済化と国内外への影響についてであります。
 かつて日本の急激な経済成長が欧米諸国等に日本経済脅威論を起こしたように、中国が急激な高度成長を実現した場合には同様に脅威となるのではないかとの意見、日中間には経済発展レベルで四十年ほどの格差があり、日中関係を競合関係としてではなく補完関係と見るべきであるとの意見、中国を脅威ととらえるのではなく、日本としては特定の分野に安住せず常に新たな分野を求めて努力することが必要であるとの意見などが述べられました。
 第三は、東アジアにおける通貨・金融危機の教訓と再発防止についてであります。
 アジア通貨危機の経験から、実体経済に基づく資本取引と投機資金の移動とを判別することが重要であるとの意見、中央銀行スワップ網の構築においては、巨額の外貨準備を持つ日本のイニシアチブが問われるとの意見、欧州経済圏、北米経済圏と並ぶアジア経済圏を構想する場合、共通通貨の問題が重要であるとの意見、軍事、外交、情報などの対外政策の裏付けがあって初めて円の基軸通貨化は現実的な政策となるとの意見、貿易決済の円建て化やODAによる円資金の供与が円の国際化に役立つとの意見などが述べられました。
 第四は、情報化の進展と東アジアのITについてであります。
 日本の情報戦略には強烈なインセンティブがなく、現在の世界潮流から取り残される危険性があるとの意見、IT関連産業が日本の産業の旗振り役となることを期待するとの意見、インターネットは、水、食料、医療と同様に途上国における基本的なニーズであるとの意見、日本のODAは基本的に要請主義に基づいており、ITの優先順位が低い中で、要請主義を抜本的に見直すべきであるとの意見、アジアにおけるITインフラ整備促進が予防外交の面でも経済戦略の面でも重要であるとの意見、アジアにおけるIT面での貢献は日本の重要な役割であり、大きな国益につながるとの意見などが述べられました。
 次に、イスラム世界と日本の対応につきましては、派遣議員からの報告及び委員間の意見交換を行いました。
 以下、その主な論議について申し上げます。
 イスラム世界に対する認識につきましては、イスラム世界では政教分離を目指していても、国民の大多数は宗政一致の感覚が強く、このバランスをいかに保つかというところにイスラム国家の指導者の苦悩があるのではないかとの意見などが述べられました。
 テロとジハードにつきましては、イスラムとテロと結び付けて考えることがどれほど危険であり、それが誤解であるかということが十分理解できたとの意見などが述べられました。
 中東支援につきましては、人道的支援、特に女性、子供に対する支援こそが文化の違いを乗り越え、融和の道を開くことができるとの意見などが述べられました。
 第二年目におきましては、多様な東アジア経済の中にあって、日本はどのような役割を果たすべきか、そして、今後、避けて通れないイスラム世界との対話と交流をいかに実現するかについて、多角的観点から充実した議論が展開されました。
 今、我々のなすべきことは、猛烈な勢いで進んでおりますグローバリゼーションの中で起こる様々な摩擦をいかに有益なものに変えていくかであります。これが人類の英知であり、そのかぎを握るのは日本であると言えます。
 本調査会の三年間のテーマである「新しい共存の時代における日本の役割」とは正にこれを指すのではないでしょうか。最終年に向けてこの点を一層掘り下げ、調査を進めていく所存であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
#47
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト