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2003/07/18 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第41号
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2003/07/18 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第41号

#1
第156回国会 本会議 第41号
平成十五年七月十八日(金曜日)
   午後零時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四十一号
  平成十五年七月十八日
   正午開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆
  議院提出)
 第二 保険業法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第三 司法制度改革のための裁判所法等の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 環境の保全のための意欲の増進及び環境
  教育の推進に関する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、政策評価に関する決議案(白浜一良君外九
  名発議)(委員会審査省略要求事件)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 白浜一良君外九名発議に係る政策評価に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。白浜一良君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔白浜一良君登壇、拍手〕
#5
○白浜一良君 ただいま議題となりました自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案に係る政策評価に関する決議案につきまして、発議者を代表いたしまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    政策評価に関する決議案
  我が国は厳しい財政事情の下で、無駄を排した効果的かつ効率的な行政の推進が求められている。しかし、これまでの行政においては、法律の制定や予算の獲得等が重要視され、一度政策が決定されると、その効果や内外の社会経済情勢の変化をあまり考慮せずに政策を継続することが多かった。
  平成十三年一月から全政府的に導入され、十四年四月からは法律に基づいて実施されている政策評価制度は、このような行政を改め、国民本位の効率的で質の高い行政を実現し、国民的視点に立った成果重視の行政へ転換するとともに、国民に対する行政の説明責任の徹底を図ることを目的としている。
  政策評価制度は、導入されてからまだ日が浅く、評価手法の開発、評価結果の政策への適切な反映など改善すべき課題が多い。今後、政策評価の重要性は一層増大することから、政策評価の質的向上を図り、政策評価情報の国民への積極的な提供と内容の充実に努めることにより、政策評価の信頼性・実効性を高め、同制度を定着させることが必要である。
  よって政府は、政策評価制度の充実・発展を図るため、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、政策評価の実施に当たっては、政策評価の精度及び客観性を高めるため、可能な限り定量的な評価手法を採用するとともに、政策評価の結果を次年度の政策に適切に反映させるため、政策評価書の早期作成・公表及び評価の拡充に努めること。
 二、総務省による評価専担組織としての政策評価の結果を踏まえ、各行政機関は、政策の見直し・改善に向けた措置を講ずること。また、総務省は、各行政機関が講じた政策の見直し・改善の状況について的確なフォローアップを行うこと。
 三、容器包装のリサイクルの促進に関する政策については、容器包装廃棄物の減量化と資源としての利用を更に推進する必要があることから、リターナブル容器の使用を一層増大させる方策を講ずるとともに、分別収集等に係る費用負担の在り方について拡大生産者責任の徹底を図ることを含め、同政策の検証作業を進めること。
 四、地域輸入促進に関する政策については、国際環境、経済情勢等の変化により、同政策の意義・役割が薄れてきていることにかんがみ、新たな輸入促進地域の設定に係る主務大臣の同意及び既存地域に係る新たな施設整備への支援について、原則として行わないこと。
 五、リゾート地域の開発・整備に関する政策については、社会経済情勢や国民の余暇活動に対するニーズ等の変化により、総合保養地域における特定施設の整備状況や利用実績が当初見込みと比べ大幅に下回っていることから、道府県の同意基本構想の廃止等も含めた抜本的な見直しを促進させるよう、国の基本方針を早急に改めること。
 六、障害者の就業等に関する政策については、障害者の社会的・職業的自立の促進に資するため、養護学校等生徒の就労支援や就職した卒業者の職場適応・定着支援の実施に際し、関係機関は一層の連携協力を図りつつ、きめ細かな施策の充実に努めること。また、障害者の法定雇用率達成に向けて、事業主に対する指導等の徹底を図ること。
 七、政府金融機関等による公的資金の供給に関する政策については、民業補完に徹し、民間金融機関の機能回復・強化の状況を踏まえつつ、政府金融機関等の改革を着実に進めることとするが、当面は、中小企業等の経営環境に最大限配慮し、政府金融機関等の積極的な活用を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 政策評価は、政策の効果を測定、分析し、客観的な判断を行うことにより、政策の企画立案や実施を的確に行うための重要な情報を提供するものであります。平成十四年度は、各行政機関により約一万一千件の政策評価が実施され、そのうち約五百件の政策について、廃止等を含む改善、見直しが行われました。さらに、総務省においては、評価専担組織として、各府省の政策の統一性又は総合性を確保するための政策評価が、また各行政機関が行った政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための審査が、それぞれ行われております。これらの政策評価等については、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づき、平成十四年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告として取りまとめられ、今国会に初めて提出されております。
 政策評価については、評価結果を当該政策に適切に反映することが求められておりますが、各行政機関の行う政策評価は甘くなりがちであること、政策評価書の作成、公表が遅れがちであることなどの問題が指摘されております。したがって、政策評価の実効性、信頼性を高めるには、総務省から公表された政策評価書等を含め、政策評価の実施状況及び政策の改善状況を国会として監視していく必要があります。
 このため、行政監視委員会では、各行政機関と総務省が行う政策評価を立法府の立場から検証することにより、当該政策の改善、見直しへ的確に結び付けることが必要であると考え、今国会において、総務省から公表された政策評価書を中心に、各府省の所管する当該政策等に関し集中的に調査を行ってきました。その結果、委員会で集約された意見について本院の意思として明らかにすることがこれからの行政に求められる国民本位の無駄を排した効果的、効率的な行政を推進させることになるという結論に達し、各派合意の下に本決議案を提案した次第であります。
 何とぞ皆様の御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十七  
  賛成           二百二十七  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(倉田寛之君) ただいまの決議に対し、総務大臣及び福田国務大臣から発言を求められました。順次発言を許します。片山総務大臣。
   〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(片山虎之助君) 政策評価制度は、効率的で質の高い行政及び成果重視の行政を推進し、国民に対する行政の説明責任を徹底するものであり、政府を挙げて取り組んできております。
 ただいま御決議のありました政策評価の精度及び客観性の向上並びに評価結果の政策への適切な反映につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、今後とも各府省と連携しつつ一層努力してまいります。
 また、総務省の評価結果を踏まえた政策の見直し状況のフォローアップにつきましては、御決議の趣旨を踏まえ、その的確な実施に努力してまいります。(拍手)
#11
○議長(倉田寛之君) 国務大臣福田内閣官房長官。
   〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(福田康夫君) 政策評価に関する御決議に対しまして所信を申し述べます。
 ただいま御決議のありました総務省の評価結果を踏まえた政策の見直しにつきましては、御決議の趣旨を踏まえ、各府省において見直しに向けた措置を適切に講じてまいります。
 また、容器包装のリサイクルの促進に関する政策等五つの政策につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、各所管府省において当該政策の見直しに一層努めてまいります。
 政府としては、御決議の趣旨を十分尊重し、引き続き政策評価制度の充実発展に努めてまいります。(拍手)
     ─────・─────
#13
○議長(倉田寛之君) 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長沓掛哲男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔沓掛哲男君登壇、拍手〕
#14
○沓掛哲男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の機会を拡充するため、郵便等による不在者投票の対象者を拡大するとともに、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人のうち自ら投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものについて、代理記載の制度を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長高橋一郎君から趣旨説明を聴取した後、選挙権行使の機会の確保策、郵便等投票における代理記載制度の公正性担保等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し三項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成           二百二十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#18
○議長(倉田寛之君) 日程第二 保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#19
○柳田稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における保険業を取り巻く厳しい経済社会情勢の変化に対応し、保険業の継続が困難となる蓋然性のある保険会社について、保険契約者等の保護の観点から、契約条件の変更を可能とする手続等の整備を行うものであります。
 委員会におきましては、内閣総理大臣及び関係大臣に対する質疑を行うとともに、公聴会を開催したほか、参考人から意見を聴取する等、慎重に審査を進めてまいりました。
 委員会における質疑の主な内容は、予定利率引下げという破綻予防措置が必要な理由、保険業の継続が困難となる蓋然性の判断基準、予定利率引下げに対する国民的認知や情報開示の必要性、保険会社の経営統合に係る行政の関与の在り方等でありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、本法律案に対し、民主党・新緑風会を代表して大塚耕平委員、日本共産党を代表して池田幹幸委員及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野達男委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(倉田寛之君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。大塚耕平君。
   〔大塚耕平君登壇、拍手〕
#21
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。
 本法案の問題点、論理矛盾点を挙げれば枚挙にいとまがなく、これほどずさんな法案をよく提出したものだと、ただただ感心するばかりであります。
 以下、主な反対理由のみ申し述べます。
 まず第一にお伝えしたい点は、仮に本法案が成立した場合、どのような生命保険会社について予定利率引下げを認めるのかという基準であります。
 金融庁は向こう十年間は経営の心配はないものの破綻の蓋然性がある先を想定していることが審議の中で明らかになりました。これを他の民間企業に例えて言えば、ある企業が、今は経営は安泰だが十年後にはつぶれるかもしれないので、既に顧客や取引先と約束している契約書の内容や取引条件を自社に有利なように一方的に変更させてほしいと申し出ることと同じであります。全く理解不能の物言いであります。十年後の経営不安を称して破綻の蓋然性があるというのならば、日本じゅうすべての企業が破綻の蓋然性があるものと言えます。蓋然性は今次法案のキーワードであります。
 第二に、現時点ではすべての生命保険会社が予定利率引下げを申請する意思がないことを表明しているのですから、そもそも必要性のない法案と言えます。不必要な法案に膨大なマンパワーを費やす金融庁は、人手が余っている蓋然性があります。
 第三に、保険契約者の債権は、通常の破綻処理であれば一般債権に優先して弁済されるのに対し、法案の内容では一般債権に劣後することとなります。保険契約者にとって有利との金融庁の説明は、基本的な優劣関係において事実に反している蓋然性があります。金融庁は保険契約者の利益を保護するのが目的と言っていますが、守るという意味の保護ではなく、約束を一方的に破るという意味での反故の間違いではないでしょうか。
 このほか、保険契約者の財産権を侵害するものである点、生命保険会社の経営実態に関する情報公開が不十分な点など、細かい問題を挙げれば切りがありません。
 百歩譲って金融システムの安定化のために予定利率引下げの必要性を認めたとしても、将来、収益が改善した場合には予定利率を引き下げた契約については可能な範囲で予定利率を引き上げるなど、契約者の逸失利益を留保する義務的な仕組みを設けることが必要です。そうした対応がなければ、予定利率引下げという行為の片務性は極めて著しく、民商法の原理原則に反する蓋然性が高いものと考えます。
 いずれにしても、取りあえず以上の理由だけでも十二分に今次法案に反対する蓋然性が認められるものと思います。
 加えて、審議の過程で明らかになった東京海上に対する金融庁高木長官の恫喝、強要、圧力問題について一言申し述べます。
 高木長官の言動は、行政手続法や国家公務員法等に著しく抵触している蓋然性が高く、厳しく断罪すべきものと考えます。驚くべき所業と言わざるを得ません。
 高木長官は、東京海上副社長との会談の中で、生命保険会社の多くの実名を挙げ、経営不安があることを示唆しています。そして、今次法案の内容、すなわち生保の予定利率引下げのことにも言及しています。つまり、今次法案の審議過程における金融庁の答弁と全く異なることや、国会の場で正直に答弁しないような内容まで、実に朗々と述べているのです。詳しい内容を御存じない議員の皆様もいらっしゃると思いますが、詳細は議事録に記録されておりますので、是非御一読いただき、事の重大性と今次法案との関連性を御認識いただければ幸いであります。
 審議の中で、官僚組織の裁量行政に関する考え方も様々明らかになりました。この問題をめぐる過日の竹中大臣の答弁は裁量行政の在り方を考える上で歴史的資料になるものと思います。いずれにしても、次期国会以降も総務委員会や行政監視委員会等の場でこの問題を継続的に審議していく必要があります。
 以上のように、今次法案と極めて関連性の高い内容が含まれており、かつ生命保険会社等に対する裁量行政の実態が如実に記載されている資料だからこそ、審議の中で取り扱ったものであります。にもかかわらず、過日の本席における竹中大臣問責決議に関する討議の中で、私の敬愛する林芳正議員から、本件を議事妨害と表現されたことは誠に残念なことであります。あの御発言が議員の御本意ではなく、事の重大性に対する認識を共有していただけることを切に願うものであります。
 いずれにしても、高木長官の、業法の目的以上の裁量権があるとか、行政に期待を抱かせたこと自体が罪だという趣旨の物言いは法匪にあるまじき発言であります。果ては今次法案に関連した議員立法の方針にまで言及し、与党議員の皆さんをまるで自分の道具のごとく差配する趣旨の発言を行っている高木長官の姿は、不遜、傲慢のそしりを免れません。このような長官の下で提出された法案は、そもそも選良たる私ども国会議員が神聖な議会の場で審議すること自体がはばかられます。
 高木長官には、深く反省を求めるとともに、監督下の企業を恫喝し、議会を混乱させ、まじめに職責を果たしている金融庁の多くの職員の皆さんに重い課題を背負わせた自らの所業に思いをはせ、この際、潔く身を引くことを求めます。
 最後に、恫喝、強要、蓋然性は今年の流行語大賞になる蓋然性があると思います。審査委員会を恫喝、強要することなく、高木長官がフェアに大賞を受賞されることを切に祈念いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#22
○議長(倉田寛之君) 池田幹幸君。
   〔池田幹幸君登壇、拍手〕
#23
○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、保険業法一部改正案に反対する討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、契約者が受け取る保険金を最大四〇%も削減し、国民の将来に重大な打撃を与えるものだからであります。
 公聴会の中では、公述人の方から、深刻な被害を引き起こすことになり、高齢者にとって耐えられない仕打ちとの指摘がありました。さらに、賛成の立場から参加された公述人からでさえ、老後の資産形成や万が一の不幸への備えを行ってきた保険契約者の生活設計を大きく損なうもので、社会的混乱は計り知れませんと、厳しい指摘がありました。
 多くの国民が社会保障の改悪や庶民増税による負担増、リストラや賃金の削減による収入の減少に苦しんでいます。その上、骨身を削って保険料支払いを続けている生命保険まで予定利率が引き下げられて保険金が大幅に減額される、こんなことは断じて許せません。
 反対する第二の理由は、契約違反を公然と認め、社会の基本的なルールを破壊することであります。
 本法案は、保険会社に対しては、約束した保険金を払わないという明らかな契約違反を許し、その負担を弱い立場に置かれている保険契約者に押し付けるものであります。契約違反を犯す側、約束を破った保険会社の側は不問に付し、何の責任もない個人契約者の側が保険金カットという重い負担を強いられる、正に正直者がばかを見るようなことは許されません。
 金融庁は、自治的手続によることでその契約違反を正当化しようとしています。しかし、その自治的手続なるものは、形骸化した総代会を意思決定機関と位置付けた上、契約者にとって唯一の手段である異議申立ての要件を厳格に定めており、契約者の意思は事実上反映できないものとなっています。しかも、保険会社自らが予定利率の引下げなしでは破綻の蓋然性が高いと認めている下では、対象契約者にとっては異議申立てをして破綻してもいいのかと脅迫されているに等しく、事実上異議申立てなどできません。
 また、委員会質疑の中で明らかになったように、予定利率引下げ対象外の契約者についても解約ができなくなるなどの重大な影響を受けるにもかかわらず、これらの契約者については、十分な説明がされないばかりか、異議申立ての機会もありません。これでは、自治どころか差別的な扱いだと言わざるを得ません。
 更に重大なことは、法案が契約者集会を盛り込まなかったことです。契約者集会は総代会が決めた契約変更案を契約者が直接議決するために開催されるもので、金融審議会が、契約者の納得を得るため不可欠であり、予定利率引下げ制度導入の前提条件としていたものです。政府は、この契約者集会の開催を切り捨てた理由について、契約者数が何百万人と膨大であり現実的でないからだと言い訳しています。しかし、契約者が膨大であることは先刻承知であり、金融審議会も具体的な方策を提示しています。こんな言い訳が通らないことは明らかです。現実的でないと言うならば、予定利率の引下げこそ現実的でないと言わざるを得ません。事実、すべての相互会社が、最近の総代会で、仮に本法案が通っても予定利率の引下げは行わないことを表明しているではありませんか。
 反対する第三の理由は、本法案が契約者の負担で生命保険会社と株式持ち合い関係にある銀行を救うためのものとなっており、保険契約者保護という口実が全くの偽りだからです。
 政府は、この時期に本法案を提出した理由として、最近の二年間で生保の経営環境が更に悪化したことを挙げています。その最大の原因は、竹中大臣自身が認めているように、株価の大幅下落であります。本当に生保の危機を乗り切ろうというのなら、この株下落リスクをなくすことこそ必要です。特に、この二年間で六〇%も下落している銀行株は生命保険会社にとって大きな爆弾となっています。本法案の本当のねらいは、生保大手十社だけで六兆三千億円を超える生命保険会社から銀行への拠出を何とか維持させるため予定利率の引下げを行おうとするもので、銀行救済のために、保険契約者、何千万人という国民にツケを回すものと断ぜざるを得ません。
 第四の理由は、本法案が国民の理解を全く得ていないことです。
 本法案の原案を検討した二年前の金融審議会は、国民、契約者の理解、すなわち社会的認知が制度導入の前提だと強調し、環境が整っていないと結論付け、予定利率引下げの制度をお蔵入りさせました。今日の環境は二年前と変わったのか。全く変わっていません。最近の世論調査では、予定利率引下げに賛成はわずか五・八%にとどまり、社会的認知など全く得られていないことを示しています。
 圧倒的多数の国民が反対している中でこのような法律をつくったらどうなるか。それは現実の動きを見れば明らかであります。本法案が浮上して以降、契約解除がけた違いに増加しております。今年三月から直近の解約数は、転換による減少を含めて二千四百八十五万件に上り、昨年同時期の二百八十九万件に比べ八倍以上に上っています。
 本気で生命保険の契約者を守ろうというのならば、今一番求められているのは生命保険への信頼性を高めることであります。にもかかわらず、これに全く逆行する法案を数を頼みに力ずくで押し通そうという政府・与党の態度は言語道断であります。厳しく批判し、反対討論といたします。(拍手)
#24
○議長(倉田寛之君) 島袋宗康君。
   〔島袋宗康君登壇、拍手〕
#25
○島袋宗康君 私は、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表いたしまして、ただいま議題となりました本法案について反対の討論を行うものであります。
 以下、反対理由を大きく四つの観点から述べたいと思います。
 第一に、本法案の必要性が判断できる状況になっていないということであります。
 予定利率の引下げは、仮に実施するとしても、最後の最後の手段となるべきであります。資産の運用環境が現段階で良くないことは事実であります。また、政権交代でも起きない限り、今後もこうした状況が続く蓋然性は極めて高いと思われます。
 しかしながら、予定利率の引下げという非常手段に打って出る前に、保険会社がやるべきことはたくさんあるはずです。そうした会社の経営努力が現在どこまで進んでいるのか、また、今後どのような努力をしていくのかについての考え方や道筋が全く示されていません。さらに、現段階では、利差、費差、死差といった保険会社の経営状況を判断する上で必要な情報公開は十分進んでおらず、また、将来において進むという見通しも立っておりません。
 こうした状況下で本法案の必要性を理解することは無理であり、少なくとも現段階において必要な法律でないことは明らかであります。
 第二に、本法案の基本的枠組みに大きな問題があることです。
 本法案では、保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合に予定利率の引下げができるとしています。この蓋然性は、保険会社が本来予測が困難な将来の株価や金利状況をあえて予測し会社の経営状況を判断するもので、金融庁がその妥当性を検証することになっております。しかし、この蓋然性なるものは、その判断のプロセスから考えてもかなり不確実なものと考えなければなりません。
 一方、予定利率の引下げは、その前提条件が蓋然性という言わば仮置きのものであるにもかかわらず、契約者の負担だけは固定してしまうということを意味します。しかし、当初の予想に反し、予定利率引下げ後に景気が良くなり、結果的に予定利率の引下げは必要なかった、あるいは引下げ幅はもっと小さくて済んだという場合が出てくることは十分想定されることであります。景気が良くなる状況ですから、政府の経済政策が目指す方向でもあります。
 問題は、この場合、本法案には予定利率の引下げによって発生した契約者の負担金がどうなるのかということについて明確な法的規定がないことであります。蓋然性という不確かなものを前提とし、予定利率の引下げによって契約者に負担を求めることを認めた本法案である以上、法律で、求めた負担の規模が妥当であったかどうかの事後チェックを会社に義務付ける必要があります。そして、必要以上の負担を求めたことが判明した場合には、それを契約者に還付する旨の規定を設けるべきであります。こうした規定を設けないことは、予定利率の引下げによって生み出された財源は会社がどのような使途に振り向けても構わないことを認めるのと同じことです。蓋然性をうまく使うことで、事実上保険会社は実に便利な資金調達手段を得ることになります。
 こうしたことに何ら触れずに引下げ規定だけを用意するのは、法律の不備としか言いようがありません。この点の法案修正は必須であります。
 第三に、法律の実効性であります。
 そもそも、本音かどうか分かりませんが、保険会社の大半が事実上本法案は必要がないと公言している以上、それを素直に尊重すべきであると思います。また、保険会社は、予定利率の引下げを行うことを決めた場合の契約解除の増加、新規契約者の減少のリスクを恐れ、結局は予定利率の引下げには踏み切れないという指摘はかなり現実性があります。政府からどういう場合に法案のスキームが有効なのかについての明確な説明もなく、ただ選択肢を用意したでは説得力は持ちません。逆に、法律の制定によって、国民に各種保険に対する疑心暗鬼と不信感だけを残してしまいます。
 第四に、言葉による虚飾が目立つ法案だという点であります。
 本法案は、保険会社が契約者への契約不履行、すなわち契約反故を政府公認で認めるものであります。かつまた、実態上は契約者が負担をして会社を破綻から防ぐという、一義的には会社保護の法律であります。
 確かに、予定利率の引下げによって、破綻時に比較し契約者が将来受け取るべき保険金の減額幅を小さくすることが可能かもしれません。しかし、そのための負担をしている以上、保護ではなく自助と言うべきものです。にもかかわらず、予定利率の引下げが契約者保護というのは実態を覆い隠す巧妙な言い換えで、実に問題であります。
 また、予定利率引下げの手続は保険会社と契約者との自治的な手続によって行うと金融庁は説明しております。しかし、契約者が会社へ意見を言う、あるいは質問する機会を全く与えず、理解が困難な資料を送付するだけで同意を求めるなど、おおよそ自治の名に値しない会社優先の手続となっております。
 政府が本来やるべきことは、破綻する保険会社が出ないような経済環境をつくることです。また、国民の安心、安全確保のよりどころでもある保険制度の維持は、あくまで保険会社自身による経営改善に向けた徹底した自助努力と、金融庁による厳格な検査と必要に応じた適切な早期是正措置の発動などによる経営の健全性の確保が基本であります。
 本法案は、こうした原則を大きくねじ曲げるとともに、保険業だけではなく金融システム全体の信用を損なうものであり、白紙撤回を強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
#26
○議長(倉田寛之君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#27
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            百三十二  
  反対             九十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(倉田寛之君) 日程第三 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長魚住裕一郎君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
#31
○魚住裕一郎君 ただいま議題となりました司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、司法制度改革の一環として、民事訴訟事件についての簡易裁判所の管轄の拡大及び民事訴訟等の費用に関する制度の整備、弁護士から任命される民事調停官及び家事調停官制度の創設並びに司法試験合格後に所定の法律関係事務に従事し所定の研修を修了した者等に対する弁護士資格の付与、弁護士の綱紀・懲戒制度の整備並びに外国法事務弁護士についての制度の整備を行おうとするものであります。
 なお、衆議院において、弁護士資格の特例について所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、簡易裁判所の人的、物的体制の整備の必要性、弁護士任官制度の一層の促進、弁護士資格の特例付与の妥当性と研修の具体的内容等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、民主党・新緑風会の千葉理事より国会議員及び特任検事に対する弁護士資格の特例に関する規定を削除する旨の修正案が提出されました。
 次いで、討論に入り、日本共産党の井上理事より原案に反対の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#32
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成            百三十三  
  反対             九十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#35
○議長(倉田寛之君) 日程第四 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長海野徹君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔海野徹君登壇、拍手〕
#36
○海野徹君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院環境委員長の提出に係るものでありまして、その内容は、持続可能な社会を構築する上で国民、民間団体等が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、これらについて基本理念を定め、国民、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、環境教育の重要性と本案の果たすべき役割等について質疑が行われました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#37
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十五  
  反対               四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#40
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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