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2003/07/25 第156回国会 参議院 参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第44号
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2003/07/25 第156回国会 参議院

参議院会議録情報 第156回国会 本会議 第44号

#1
第156回国会 本会議 第44号
平成十五年七月二十五日(金曜日)
   午前零時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四十四号
  平成十五年七月二十五日
   午前零時十分開議
 第一 国務大臣福田康夫君問責決議案(角田義
  一君外九名発議)(前会の続)
 第二 担保物権及び民事執行制度の改善のため
  の民法等の一部を改正する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
 第三 仲裁法案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 銀行等の株式等の保有の制限等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 第五 貸金業の規制等に関する法律及び出資の
  受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第五まで
 一、イラクにおける人道復興支援活動及び安全
  確保支援活動の実施に関する特別措置法案(
  内閣提出、衆議院送付)
 一、外交防衛委員長松村龍二君解任決議案(輿
  石東君外九名発議)(委員会審査省略要求事
  件)

     ─────・─────
#3
○議長(倉田寛之君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣福田康夫君問責決議案(角田義一君外九名発議)を前会に引き続き議題といたします。
 討論を続けます。吉川春子君。
   〔吉川春子君登壇、拍手〕
#4
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました福田康夫内閣官房長官問責決議案に対する賛成討論を行います。
 新聞の全国世論調査では、イラクへの自衛隊派遣に反対が五五%に上り、賛成の三三%を大きく上回っています。私の下へも、自衛隊イラク派遣に反対する、あるいは懸念する声のメール、ファクスが続々と寄せられています。国民の大多数が反対し、野党が強く反対しているのにもかかわらず、イラク特別措置法案を強引に成立させようとしている法案担当大臣福田内閣官房長官は断じて許すことができません。
 元防衛庁教育訓練局長の小池清彦新潟県加茂市長は、イラク特別措置法案を廃案とすることを求める要望書で、次のように厳しく批判しています。イラクは全土において前線も後方もありません。全土がいまだ戦場なのです。このような地域へ自衛隊を派遣することは明確な海外派兵であり、明らかに憲法九条に違反する行為であります。イラク特別措置法が定める海外派兵さえも憲法九条の下で許されるとするならば、憲法九条の下でできないことはほとんど何もないということになります。このような元防衛庁幹部の言葉を官房長官は何と聞くのですか。
 国際法、憲法、中東研究者六十三名による緊急アピールもまた、そもそも自衛隊は政府の見解によれば自衛のための最小限度の実力であるから違憲ではないとされてきたものである。その自衛隊が日本の自衛と関係のない占領下のイラクに派遣されることは、これまで政府が取ってきた政策が根本から転換され、自衛隊が外征軍となることを意味する。また小泉政権は、この法案を足掛かりに、自衛隊の海外派兵の恒久立法制定を公言している。これは二度と戦争をしないと憲法に掲げて世界に誓った恒久平和の立場を投げ捨てることにつながり、断じて許すことができないと訴えています。
 しかも、国連もイラクも、日本に対して自衛隊の派遣を求めておりません。自衛隊派兵はアメリカの要求によるものであることは明らかです。フランス、ロシア、中国の安保理常任理事国を始め、圧倒的多数の国連加盟国が派兵を拒否しています。安保理決定も米英の軍事占領は正当化しておらず、加盟国にイラク派兵など求めてはいないではありませんか。
 以下、具体的に理由を述べます。
 問責決議案に賛成する第一の理由は、イラクでは、国民の軍事占領への抵抗が強まるとともに、米兵への襲撃が激化し、死者は既に湾岸戦争時を突破し、事態は泥沼化しつつあることです。
 我が党の吉岡議員が、世界で、戦闘地域あるいは非戦闘地域というような分け方、そしてまた武器使用を武力行使と正当防衛に分けるやり方を行っている国があるかと質問したのに対して、官房長官は、これはほかの国にはないと答弁しました。小泉総理に至っては、安全な地域がどこなのか、自分に聞いても分かるはずがないと、無責任極まりない答弁を行っております。
 米英中央司令官がイラク全域でゲリラ戦と言明している状況にあるイラクへの自衛隊派兵は、憲法違反の武力行使となることは余りにも明瞭ではありませんか。イラクでは、米軍だけでなく、米軍を支援する者も攻撃されており、政府も、自衛隊員が殺される可能性があるかもしれないとして、応戦する可能性を認めているではありませんか。
 安全な地域など存在し得ないイラクに自衛隊員、すなわち日本の若者を送ることは、支持政党を超えて国民は絶対に許すはずがありません。官房長官の責任は重大です。
 第二は、小泉総理がイラク戦争支持の理由とした大量破壊兵器はいまだに発見されず、大量破壊兵器保有と断定した根拠を何一つ示すことができないではありませんか。小泉総理は、フセイン大統領が見付からないからといって大統領がいなかったことにはならないなどと、驚くべき詭弁を繰り返しています。福田官房長官は、もうイラク戦争を支持しちゃった、取り消すことはできないと、無責任な答弁に終始しています。総理が総理なら、官房長官も官房長官です。
 米英では、政府による情報操作疑惑が持ち上がり、政権が議会から追及を受ける事態に陥っています。米英による軍事占領への支援が不法かつ不当なものであることは明らかです。不法、不当な憲法違反、軍事占領支援法です。それを強引に成立させようとする福田官房長官の姿勢は断じて容認することはできません。
 第三は、政府は、イラク国民からの攻撃であろうとバース党残党からの攻撃であろうと、自衛隊は正当防衛、緊急避難を口実にすれば武器を使用して反撃し、相手を殺傷することもできるとしています。持参する武器にも制限規定はありません。しかも、法案は、武器の使用について、上官の命令に従って組織的に行うことを認めています。そうなれば、正に応戦であり、憲法違反の武力行使そのものではありませんか。
 憲法で戦争放棄、交戦権の否認を定めている日本こそ、泥沼の戦争に加担するのではなく、米英軍を速やかに撤退させ、国連中心の復興人道支援のために努力しなければならないのではないでしょうか。
 第四に、さらに、福田官房長官は、自衛隊の自由な海外派兵を可能とする恒久法の法制化について、作業は急いでやりたいと答弁し、そのために大綱を作成する考えを明らかにしています。これは小泉首相も将来の検討課題としてきたものです。政府として初めて法制化に向けた作業を急ぐとともに、具体的な手順にまで踏み込もうとしています。恒久法に地方自治体の職員や民間人の動員を盛り込むことまで明らかにし、日本がこれから国際社会で生きていくための筋道だと危険な答弁を繰り返すなど、その責任は極めて重大です。
 政府・与党は、日本が戦後初めて他国民を殺傷し、自衛隊員を犠牲にする危険をはらんだイラク派兵法をなぜ強行するのですか。米英がイラク攻撃の根拠にした情報が虚偽であることが明らかになり、戦争の大義のなさが一層明白になっているのに、なぜ日本が派兵して米軍の戦争に参加するのか、この国民の批判に対し、まともに答えようとしない福田官房長官の責任は極めて重大です。
 加えて、いわゆるレイプ擁護発言も官房長官の資質を疑わせるものです。
 六月二十六日、鹿児島市内の公開討論で、自民党の太田誠一議員が、強姦事件が話題になった際に、集団レイプする人はまだ元気があるから正常に近いんじゃないかと発言して問題になりました。この発言の翌日に、官房長官は、太田発言について問われて、先ほども引用されましたけれども、女性にも、いかにもしてくれっていうの、いるじゃない、挑発的な格好しているのが一杯いるでしょ、そういう格好をしている女性の方が悪いんだなどと発言したと報道されました。
 官房長官、あなたは男女共同参画担当大臣です。政府の男女共同参画基本計画には、女性に対する暴力の根絶について、女性に対する暴力は、女性に恐怖と不安を与え、女性の活動を束縛し、自信を失わせ、女性を従属的な状況に追い込むものである、女性に対する暴力は克服すべき重要課題であり、その根絶に向けて努力を続けなければならないと記されています。官房長官は、本来なら太田発言を厳しくたしなめなくてはならないのではありませんか。それを、レイプされる女性の方が悪いなどとは何事でしょうか。野党女性議員が十六名で官邸にこのことの真偽を確かめに行きましたが、会おうともされませんでした。
 官房長官、あなたは慰安婦担当大臣ですけれども、侵略戦争の反省に基づく謝罪と補償を行うように国連や被害者、その母国から繰り返し要求されてきましたが、耳をかそうとしません。侵略戦争に対しきちんと反省しない日本が今度は武器を持って戦争を終了しないイラクに自衛隊を派兵することは、憲法九条を踏みにじり、アジア諸国に限りない不安を与え、親日的であったイラク、中東と日本の関係を決定的に悪化させ、国益を損なうものでありませんか。
 防衛研究所所蔵の資料によれば、かつて十五年戦争の始まりとなった関東軍の謀略による満州事変、中国東北への侵略の開始の決定となった一九三一年九月二十二日の閣議決定は、全員、賛成も反対も表明せず、反対なしということを決定しました。この過ちを繰り返し、沈黙の協力を繰り返してはなりません。痛苦の体験をした歴史の教訓になぜ学ばないのですか。
 それでもなお数を頼んで……
#5
○議長(倉田寛之君) 吉川君、簡単に願います。
#6
○吉川春子君(続) イラク派遣特別措置法を強行しようとする福田官房長官を到底信任できません。
 以上、申し述べて、問責決議の賛成討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(倉田寛之君) 平野達男君。
   〔平野達男君登壇、拍手〕
#8
○平野達男君 私は、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)を代表しまして、ただいま議題となりました福田内閣官房長官の問責決議案に賛成の立場から討論いたします。
 その前に、官房長官、聞くところによりますと、官房長官としての連続在任期間の歴代記録を更新中とのことです。千日を超えたようですが、大変お疲れさまであります。まずは敬意を表するものであります。ただし、ただ長ければ良いというものではないことだけは申し上げておきます。
 官房長官職は激務とのことですが、特に小泉総理といういろんな意味で大変な総理を補佐する役割を担い、二重、三重に大変ではないかと推察いたします。そろそろお疲れと思いますし、御自身もだれかに職を譲りたいとの気持ちをお持ちかもしれません。ひょっとして、今国会でイラク特措法を成立させ、さらに次の臨時国会でテロ特措法の延長案を成立させ、それを花道に職を退き、本丸をねらう準備をするといったことを考えておられたかもしれません。
 本来であれば、これまでの御苦労を慰労申し上げ、内閣改造による交代までの奮起をお願いしたい気持ちもないわけではありません。しかしながら、今回のイラク特措法の審議などを通じて、官房長官にはこの際きっぱりと職を辞す時期に来たことが明らかになったことをはっきりと申し上げるものであります。
 官房長官の答弁などを聞いておりますと、今回のイラク特措法の主管大臣として、法案の持つ重要性や歴史的な事実を含むイラク情勢など、法案に関連して主管大臣として十分承知しておかなければならない事項についてどこまで理解されているのか、聞く側の不安をあおるような答弁が目立っております。
 そもそも、何度も私どもが申し上げたように、自衛隊という、有事においては武力の行使という最も重大な任務を与えられる国の組織を動かすに当たっては、明確な基本理念と行動原則の下、慎重の上にも慎重な判断が必要であります。
 もちろん、自衛隊の派遣については、国連の平和維持活動としての国連の決議と要請があれば、我が国は全面的に協力すべきであると考えます。このことは、当然、我が国憲法が定めている方向に沿うものであります。
 しかしながら、政府が本法案の根拠としている国連安保理決議一四八三号は、人道支援については国連及びその他国際機関の任務、治安維持活動は占領国の役割と明記しており、この枠組みの下で自衛隊を派遣することは占領という軍政への協力をすることになり、これこそ憲法違反になるおそれがあります。
 しかるに、他の閣僚も同様でありますが、この問題については、自衛隊は占領軍の指揮下に入らないから問題ないとの極めて簡単な答弁に終始しております。事が憲法違反になりかねない事項であるにもかかわらず、問題の重要性を理解しているとはとても思えないのであります。主管大臣としては、指揮下に入らないということが実際にどういうことなのか、それで十分な活動ができるのかなど、もっと説明責任を果たすべきであります。
 戦闘地域と非戦闘地域との区分に関する議論についても同様であります。
 この議論は、机の上の議論をする前に、先ほど述べたように、イラクがどういう状況にあるのか、歴史的な経緯を含めての理解が必要なはずです。しかしながら、官房長官はこうしたことについてどこまで承知されていたのでありましょうか。
 前の本会議の質問時にも申し上げたとおり、イラクは民族間や宗派間の根強い対立という、平和に慣れた日本人の理解を大きく超えるかもしれない複雑な問題を抱えている国ととらえる必要があります。特にも、イスラム教内における国民の六〇%を占めるシーア派と、一七%と少数派ながら、かつて英国によってイラク統治の権限と特権が与えられ、その体制を維持してきたスンニー派との宗教的かつ国の覇権をめぐる政治的な対立はどこまで真剣に考えられてきたのか。
 その一方で、国内では対立していても、かつてはシーア派が多数を占めるイランとの戦争においては、イラクは宗派を超えて一致して戦ったという経過があり、外からの脅威、干渉に対してはアラブ民族の団結の強さを指摘する向きもあります。
 さらには、湾岸戦争後、バスラを中心としたイラク南部において、米軍がシーア派を扇動し、フセイン打倒に向け武装蜂起させたものの、失敗。米国はこれを見捨てて、フセインがシーア派を徹底的に弾圧しました。こうした経過をシーア派の宗教的な性格を形づくったとされるあのカルバラの悲劇になぞらえ、安全とされるイラク南部地域のシーア派には米国に対する抜き難い不信感があると指摘する向きもあります。
 これらは、いずれも、占領軍が行う統治や駐留を困難なものになることを予想されるに十分な要素の一部であります。こうしたことに対し、主管大臣である官房長官がどれだけ理解され、配慮されたのか。議事録のどこにもそれをうかがい知る材料は見当たりません。
 イラクにおいては、一つの地域の偶発的な事件が広い範囲や国全体の騒乱へと発展するおそれを常に内在しているとともに、イラク国民の反感が高まり、占領軍はもとより、外国の軍隊は占領軍と同一とみなされ、自衛隊もどこで活動しようが標的にされる可能性を常にはらんでいると考えなければなりません。ゲリラ戦が始まっている現在のイラクの状況は正にそのことを証明しており、このことに知らんぷりは許されないのであります。これまで野党議員が何度も指摘してきたように、イラクにおいて非戦闘地域はない、虚構であると考えるのが当然なのであります。
 現実に即して非戦闘地域はないと答えれば、今の憲法解釈の積み重ねの上に乗る限り、自衛隊は派遣できません。自衛隊派遣ありきという前提に立っている以上、現状を無視し、非戦闘地域はあると強弁しなければならない心情をちょっとは理解できないわけではありません。しかし、自衛隊といっても、生身の同胞を派遣する以上、現実、現状を十分踏まえた現状ありきが前提になることは当然であります。
 自衛隊は結局、危険地域に行くことになるのではという問い掛けに、そういうところに行かないことになっている、法律でそうなっていると答弁を繰り返す官房長官には、ただ機械的な答弁を繰り返し、ひたすら時間の経過を待って与党多数を頼んだ採決による法案の成立を待っているとしか思えません。官房長官として誠に不適切と言うほかありません。
 また、官房長官は金属疲労を起こしているのではないでしょうか。
 先日、事態特の私の質問に対し、しばらく何も答えず、答弁に立った答えが、実は今別なことを考えておりましたという答えでありました。本当にお疲れのようです。最近の答弁においては、核心を突いた質問をされると、説明を放棄し、質問者の言葉がきついと文句を言っておられました。これも疲れでありましょう。過日のレイプ発言なるものも、きっとお疲れではなく、これは多分本質だったと思います。
 官房長官、この問責決議を奇貨として、御自身の決断でやはりお辞めになってはいかがでしょうか。
 官房長官は総理の女房役とも言われます。私のように、常に女房に頭が上がらないというような余り強い女房でも困りますが、しかし、言うべきときは総理に対しはっきりと言うべきです。
 最近の小泉総理の答弁のめちゃくちゃぶりは、度を過ぎているという程度を過ぎて、異常であります。特に、イラクにおいて大量破壊兵器がいまだ発見されていないことに関連し、フセインが見付からないといってフセインがイラクにいなかったとは言えないという発言は、これほど物事の本質を踏み外した発言はないという意味で歴史に残る発言であります。
 しかも、あろうことか、御本人はこの答弁に御満悦。国会で何度も繰り返しております。さらには、外国の要人に話したら褒められたといって喜んでいる様子には、ただただ言葉を失います。総理は外交辞令という言葉さえ分からないようですが、事はそれにとどまりません。日本の総理のレベルの低さをはっきり印象付けたという点で国辱ものですらあります。
 問題は、官房長官がそばにいて、注意をするとか忠告をした形跡がないことであります。
 まさか、官房長官まであの発言をいい発言とは思っていないでしょう。そうであれば、きちんと総理の軌道修正をすべきであります。それをしない官房長官は、やはり長期在任のお疲れか、仕事放棄であります。これ以上、官房長官の重責を担うに堪えないということであります。
 ちなみに、間違っても、総理が、フセインに飽き足らず、ビン・ラディンが見付かっていないからビン・ラディンが存在しなかったとは言えないなどとは言わせないでいただきたい。これを強くお願い申し上げておきます。
 以上、議員各位に対し、イラク特措法案の廃案と併せ、福田官房長官がこれ以上、官房長官を担うにふさわしくないということに賛同していただくようお願いするとともに、そうすることがこの国にとっても、さらにお疲れの福田官房長官のためにも良いのだと申し上げ、私の問責決議案に対する賛成討論といたします。(拍手)
#9
○議長(倉田寛之君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#10
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 浅尾慶一郎君外八十五名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#11
○議長(倉田寛之君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#12
○議長(倉田寛之君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#13
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百四十一票  
  白色票            百三票  
  青色票          百三十八票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#14
○議長(倉田寛之君) これにて休憩いたします。
   午前零時四十八分休憩
     ─────・─────
   午後十一時一分開議
#15
○議長(倉田寛之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案
 日程第三 仲裁法案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長魚住裕一郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
#16
○魚住裕一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案は、抵当権等の担保物権の規定を整備し、かつ、担保権の実行手続その他の執行手続の実効性を向上させるため、短期賃貸借制度の廃止、民事執行法上の保全処分等の要件の緩和、扶養等の義務に係る債権に基づく強制執行における特例の創設等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、建物賃借人に対する建物明渡し猶予期間について所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、短期賃貸借制度の廃止と善良な借り手の保護対策の必要性、労働債権の一層の保護の要否、養育費等の履行確保の方策等について質疑が行われ、また、参考人から意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の井上理事より本法律案に反対の意見が述べられました。
 続いて、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、附帯決議を行いました。
 次に、仲裁法案は、仲裁をより利用しやすく実効的な制度とする見地から、仲裁地が日本国内にある仲裁手続及び仲裁手続に関して裁判所が行う手続について、国際的な標準にのっとって定めようとするものであります。
 委員会におきましては、私的紛争処理における仲裁制度の位置付け、消費者仲裁及び労働仲裁の特例措置と今後の取扱い、仲裁制度活性化のための取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の井上理事より本法律案に反対の意見が述べられました。
 続いて、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#18
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#19
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十九  
  賛成             二百七  
  反対             三十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#20
○議長(倉田寛之君) 次に、仲裁法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#21
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#22
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            二百十八  
  反対              二十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#23
○議長(倉田寛之君) 日程第四 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#24
○柳田稔君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案は、銀行等をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、銀行等の株式保有制限の実施の延期、売却時拠出金制度の廃止、事業会社からの株式の買取り価額制限の緩和及び銀行等保有株式取得機構の存続期限の延期等の措置を講じようとするものであります。
 次に、貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案は、貸金業において無登録営業、異常な高金利による貸付け、悪質な取立て等の違法行為が多発し、その被害が深刻化している現状にかんがみ、貸金業の登録要件の強化、取立て、広告等に関する規制の強化、貸金業務取扱主任者の制度の創設、違法な高金利契約の無効化、罰則の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、銀行等株式保有制限法改正案について発議者を代表して衆議院議員熊代昭彦君より、貸金業規制法等改正案について提出者衆議院財務金融委員長小坂憲次君より、それぞれ趣旨説明を聴取いたしました。
 両法案を一括して議題とし、売却時拠出金の廃止により国民負担が拡大するおそれ、機構の株式取得と日銀の株式買入れの関係、やみ金融根絶に向けた関係当局の連携強化の必要性、金融機関から暴力団等への資金供給を絶つための具体的方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、まず、銀行等株式保有制限法改正案について討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して峰崎直樹委員、日本共産党を代表して大門実紀史委員、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野達男委員より、それぞれ本法案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、貸金業規制法等改正案について採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。
 まず、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#26
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#27
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百三十七  
  反対              百一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#28
○議長(倉田寛之君) 次に、貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#31
○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることについてお諮りいたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(倉田寛之君) 過半数と認めます。
 よって、本案を議題といたします。
     ─────・─────
#33
○議長(倉田寛之君) これより外交防衛委員長の報告を求めるのでありますが、輿石東君外九名から、委員会審査省略要求書を付して、外交防衛委員長松村龍二君解任決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。
 外交防衛委員長松村龍二君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。齋藤勁君。
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   〔議案は本号末尾に掲載〕
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   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#35
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁です。
 私は、民主党・新緑風会、日本共産党、国会改革連絡会及び社会民主党・護憲連合を代表し、ただいま議題となりました外交防衛委員長松村龍二君解任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、決議案を朗読いたします。
  本院は、外交防衛委員長松村龍二君を委員長の職より解任する。
   右決議する。
 以上であります。
 提案理由の説明をいたします。
 松村外交防衛委員長は、委員長就任に当たり、本委員会の公正かつ円満な運営に努める旨を宣誓されました。また、その前提として、委員の協力も期待し、要請されておられます。これは単なる儀礼的なあいさつだったのでしょうか。
 松村委員長の就任あいさつにかかわらず、そもそも委員会の長たる者は中立公正な委員会運営を職責として要求されるのであります。国民の代表たる国会議員による審議がなされる委員会の議事運営には、少数たる野党の審議に対し、できるだけの発言の機会を与えるなどの配慮が求められているはずであります。野党の説明要求に対して、政府は説明責任を有し、委員長はそれが公正に行われているか自ら担保しなければならない重責を担っていることの自覚なくして務まるものではありません。
 しかるに、つい先ほど、理不尽にも、松村委員長は、委員会審議を突然に打ち切り、野党各党が強く抗議をする中、イラク特別措置法案の採決を強行しました。憲政史上まれに見る暴挙と言わざるを得ません。
 また、松村委員長は、二十二日の理事懇談会で、イラク特別措置法案の締めくくり総括質疑と採決を、野党の反対にもかかわらず、委員長職権でもって二十四日に行うことを強行をされました。一体、就任に当たっての御決意を述べられた委員会の公正かつ円満な運営に努めるとの決意はどこに行ったんでございましょうか。
 私もかつて委員会の委員長をさせていただきました。もちろん野党のときです。野党の質問の方、あるいは与党の質問の方、いろんな事例を私も経験させていただきましたけれども、度々ある委員の、先輩の方ですけれども、理事会で決められた委員会の質疑時間をどうもオーバーしがちだということで、委員長として私は委員会で指摘をさせていただきました。その後、おれは初めて、委員会で委員長から質問の時間について注意をされたのは初めてだということを言われました。なかなか難しいものだなという思いやら、率直に、この質問の時間の確保を含めまして、委員長というのは、いかに野党であれ与党であれ公正に行っていくというのは、ごくごく自然であり、当たり前のことであります。
 そもそも、イラク特別措置法案は、以下に述べるように重大な欠陥を有することが、小泉総理、福田官房長官、川口外務大臣、石破防衛庁長官といった閣僚は言うに及ばず、それぞれの省庁のお役人も含めた答弁で明らかになっております。このだれの目から見ても明らかな欠陥法案、憲法違反の悪法を、単に与党から選出されている委員長ということで、いい加減な中身に目をつぶって成立に手をかすのは、良識の府の参議院にある委員会委員長にあるまじき暴挙であり、本院の権威を失墜させるものであります。
 松村委員長のホームページを拝見させていただきました。御自身のホームページ、松村委員長の御自分のホームページでは、瀋陽総領事館への北朝鮮人五人の駆け込み事件とその処理の不手際、スキャンダルにまみれた鈴木宗男衆議院議員が議員を辞職するのかどうかなどと、重大事件に対して不手際だとかスキャンダルにまみれたと形容し、国会議員不祥事や国政上の不手際に国民はあきれていると、見事に事の善悪をわきまえたコメントを掲載しておられます。ここまではいいんですよ。この部分はいいんですよ。
 翻って、今回の委員長としての職権行使のありようはどう表現されるんですか。まさか、この混乱の中の採決強行を公正かつ円満な運営と形容するわけではないんでしょうね。
 ホームページでは、日本の政治も論理性が必要であると記述されている部分もありますが、この法案では、もはや戦場となったイラクで、戦闘地域と非戦闘地域の線引きが論理的に破綻していることが明らかじゃないですか。論理的な欠陥が明白な法案ならば、与党選出といえども、委員長としては、政府に修正を求めたり、あいまいな答弁があればその問題点を明らかにするような議会運営や議事整理が職責として求められていたんじゃないですか。
 松村委員長、何でおれのホームページに、何だかんだ引用するんだと、こういうお気持ちかも分かりません。しかし、一たびホームページに表示をされるということは、これは公のことであります。とりわけ、政治家、国会議員としては厳格にこのことをやはり忠実に実行していかなければならないことじゃないでしょうか。
 日本人の倫理性に関しても、小学校の子供にも笑われることについては恥ずかしいという気持ちを持つようにしなければならないということである、日本では建前では形を整えるという世界が最近まであった、本音と建前の乖離に対しての批判もあるが、恥の心をなくして建前すら取り繕わないという世相は具合が悪いと言わざるを得ませんとホームページで述べておられます。
 何とコメントをしたらいいんですか。建前すら取り繕えない欠陥法案の採決を強行することは小学校の子供に笑われないですか。自民党の総裁選をめぐっての政局的な思惑やアメリカの顔色をうかがう本音と、イラクの復興人道支援という建前がこれほど乖離しているにもかかわらず、恬として恥じないというのは私は驚くばかりです。実行が伴わない建前の言葉は、本音がないだけに空虚に響きます。恥を知らない世相を自らつくり出していくことに気が付くべきではないでしょうか。
 イラク特別措置法案に関する政府答弁は実に最悪です。現地の治安情勢は日々日々悪化するどころか、戦場と言ってもこれは全く過言ではない。アメリカ軍の司令官が戦場と言っているんだ。昨日のクエスチョンタイム、私も、先ほど総理の総括質疑、非戦闘地域どこにあるんだと聞かれて、知りません、あるのなら教えてくださいと。こんな無責任な一国のリーダーがありますか。
 松村委員長はこの現実に目を背けていると言わざるを得ないんじゃないですか。これまで自らが運営した外交防衛委員会において、憲法上の疑義がある上に、現地ニーズにも乏しく、自衛隊の派遣は認められるものではないことが明らかになりましたが、松村委員長は、結果として、見ざる、言わざる、聞かざるを見事に実践され、現実から目を背けました。
 松村委員長は警察官僚の御経験がございます。御自分のこのキャリアの中では法律の解釈や運用に携わった経験があるはずですが、その経験を顧みて現状を見るとき、恥の心が芽生えないんでしょうか。
 政府が、現地の復興ニーズに基づく政策的な判断や派遣される自衛官の生命、身体の安全よりも、アメリカの顔色をうかがうことを優先させたものであることが明らかであるのに、問題点を放置をされました。
 松村委員長は、一国会議員として、国民世論の多くが自衛隊派遣に反対している事実を重く受け止めるべきであります。イラク攻撃の正当性、大量破壊兵器に係る米英の情報操作の可能性、戦闘地域と非戦闘地域の峻別、適切な武器使用基準、占領行政との関係、自衛隊の海外派遣の在り方、対中東政策上の視点など、重要な問題の検討を放置したまま採決を許した愚挙は、御自分のキャリアを汚すだけでなく、日本の国益を損なうものであります。
 松村委員長は、政府が攻撃支持のよりどころにした大量破壊兵器が発見されないばかりか、米英両国で情報操作の疑惑が浮上し、自殺者まで出ている事実をどうとらえておられるのか、全く理解に苦しみます。自らが成立に手をかした法律案の前提となっている開戦支持の論拠が根底から覆る可能性があるのです。このような深刻な問題があるのに、欠陥法案の成立に手をかす愚行は、外交防衛委員長としての職務放棄と言わざるを得ません。
 これから国政上の重要課題として北朝鮮情勢がございます。法案の行方にかかわらず、イラク問題へのかかわりには日本として難しいかじ取りが必至です。このような事態を乗り切るために、時に新たな法律の制定や国会としての重大な意思決定が求められることが想定をされます。そのとき、松村外交防衛委員長が委員長席におられたのでは、良識の府としての参議院の慎重かつ徹底的な審議、議会運営が期待できないのであります。外交防衛委員長という重責を、これ以上、松村龍二君に任せるわけにはまいりません。
 以上申し上げたことが本院が外交防衛委員長松村龍二君を解任するとの理由であり、松村龍二君解任決議案を提出するものであります。
 議員諸氏がそれぞれの立場を乗り越え本解任決議案に御賛同賜らんことを最後に再度訴えさしていただきまして、私からの趣旨説明を終わりたいと思います。(拍手)
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#36
○議長(倉田寛之君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。阿部正俊君。
   〔阿部正俊君登壇、拍手〕
#37
○阿部正俊君 私は、自由民主党・保守新党、公明党を代表いたしまして、松村龍二外交防衛委員長に対する解任決議案に対し、簡潔に、しかし決然として反対の討論を行うものであります。
 松村外交防衛委員長は、昨年七月、委員長就任以来、強い責任感を持って臨まれ、一党一派に偏することなく、公正中立の立場から円満に委員会を運営されてこられました。日朝国交正常化と拉致問題、また各種条約の審査などにおいて円滑かつ正常な委員会運営に徹し、その職責を果たされたことはだれもが認めるところであります。
 さらに、今国会、会期が延長された後、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案の審査に当たっては、限られた会期の中、質疑時間は野党や小会派に重点的に配分するという心配りまでしながら、定例日には一日も休むことなく法案審査を行い、加えて、幅広く国民の意見を聴くために公聴会を開催するなど、与野党の意向を十分に聞きながら粛々と審議を重ねてきたことは松村委員長の手腕によるものであり、高く評価されます。
 いたずらに審議を長引かせるとか問題を先送りしたりせずに、精一杯審議を尽くし委員会としての結論を出すことは、正に立法府の委員長に課せられた民主主義の原則に沿った職責そのものであります。
 しかるに、今回の解任決議案は、その解任の理由として様々なものを挙げていますが、いずれも一方的であり、要は採決を先送りし廃案に追い込もうという、民主主義の原則から大きく逸脱した理不尽極まりないものと言わざるを得ません。
 もとより、国連の要請にこたえる形でのイラクの復興支援は、我が国が国際社会の中で名誉ある地位を占めるためには何としても決断をしなきゃならない案件であります。ならば、本法案については、会期末の今、最大限の審議の後に採決を行うのは当然のことであり、今回の委員会における委員長の対応は全く非のない正しいものであります。
 あえて申し上げます。
 本案の審議を妨げたものが仮にあったとするならば、それは閣僚等の問責決議案を乱発した野党諸君にあるのではないでしょうか。よって、極めて民主的に委員会運営を行ってきた松村委員長に対し解任決議案を突き付けるなどということは、正当な手続に名をかりた暴挙であり、審議を遅らせ立法府の決断を先送りしようとするものにほかならず、また、我が国が国際社会の中で果たすべき責任を放棄することにつながることと断ぜざるを得ません。
 ここに、正義と良心をもって国民の負託にこたえんとする議員各位とともに、野党諸君に猛省を促し、本決議案に断固反対することの意思を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)
#38
○議長(倉田寛之君) 若林秀樹君。
   〔若林秀樹君登壇、拍手〕
#39
○若林秀樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました松村龍二参議院外交防衛委員長に対する解任決議案に賛成の討論を行います。
 松村委員長、あなたは公正中立であるべき委員長という自らの職責を忘れ、参議院史上例を見ない不公正で横暴勝手、民主主義を踏みにじる、とんでもない委員会運営を行いました。あなたは即刻解任です。
 かつて、あなたは就任に際して何と言いましたでしょうか。委員の皆さん方の御指導、御協力を賜りまして、本委員会の公正かつ円満な運営に努めてまいる所存でありますと。あれはうそだったのでしょうか。
 少なくとも、このイラク支援法案に関しては、国民の声を全く顧みることなく、十分な審議を行わないばかりか、暴挙ともいうべき強行採決にまで踏み切ったのであります。これは外交防衛委員会の問題ではありません。もはや、良識の府と言われる参議院の権威を愚弄するものであります。
 あなたは、強行する数分前に、良識の府参議院の、御静粛にと言ったんです、あなたは。覚えていますか。しかし、その数分後、自ら良識の府を踏みにじる暴挙に出たことは断じて許し難いことであります。これ以上、松村龍二外交防衛委員長に日本外交が議論される委員会のかじ取りを任せるべきではないと考えます。
 これだけでも十分過ぎる解任理由ですが、更に主な賛成理由を述べます。
 第一の理由は、イラク特別措置法案に対する審議に際して、小泉総理を始めとする関係閣僚は極めて空疎な答弁を繰り返しました。かつて、これほど委員会審議が不十分なまま採決がなされたことはありません。この小泉総理、政府閣僚の不誠実かつ空虚な答弁を何らただすことなく、ましてや与党に加担して自ら強行採決を行った松村委員長の責任は極めて重大であります。
 今、イラク情勢は日々悪化しています。フセイン政権が崩壊したとはいえ、現地はいまだ戦場であると言えます。憲法上の疑義があることや現地ニーズが見られないことからも、自衛隊のイラクへの派遣を断じて認めるわけにはいきません。
 そもそも、どう復興に関与していくのかの判断や派遣される自衛官の生命、身体の安全をまず第一に議論すべきであります。しかし、そのような本質的な議論を避け、はぐらかす答弁に終始する政府の姿勢は、日本国民ではなくブッシュ大統領の顔色をうかがう道を選んだものと言わざるを得ません。
 本来、外交防衛委員会は、日本国の根幹である外交及び防衛に関して政府の姿勢をただすという役割があるにもかかわらず、小泉総理の非論理的で荒唐無稽な放言を正当化する機関に成り下がっていると言えます。
 松村委員長は、国民の世論の多くが政府答弁に疑問を抱き、自衛隊派遣に対して反対している事実を重く受け取るべきであります。
 イラク攻撃の正当性、大量破壊兵器に係る米英の情報操作の疑い、戦闘地域、非戦闘地域の峻別、適切な武器の使用基準の在り方、占領行政との関係など、いずれも衆議院において問題視されたことが、外交防衛委員会の審議において様々な問題が何一つ解明されなかったばかりでなく、外務大臣の答弁を始め政府の答弁はますます混迷を深めてしまったのであります。このような中、強行採決をするような醜態は正に日本の国益を損なうものであると言えます。
 第二の理由は、イラク開戦支持に向けた恣意的な国際法の解釈と情報把握に対する川口外務大臣の無責任な対応を放置した松村委員長の委員会運営の在り方に重大な過失があったと思っております。
 アメリカのイラク攻撃を支持した国際法上の根拠についても、外務大臣は、湾岸戦争時の国連安保理決議、そして武力行使を容認していない一四四一の決議など、古証文を延々と引き合いに出して私たちの審議を、貴重な審議時間を浪費しました。
 政府の開戦支持に関する国際法上の根拠も明らかにしないばかりか、国民を説得できる正当性も得られていません。大臣が新たな国連決議が望ましいと予防線を張っていたのは、それまでの国連決議では攻撃を支持する根拠としては乏しいことを認めていた証左そのものであります。
 また、政府が攻撃支持のよりどころにした大量破壊兵器は発見されないばかりか、米英両国の情報操作の疑惑が晴れず、自殺者まで出ているのが現状であります。そして、今、開戦支持の論拠が根底から覆る可能性が出てきました。
 もちろん、民主党はフセインを支持しているわけではありません。しかし、論拠なく、国際的に認められない中、単独主義に走り、イラク攻撃を支持する姿勢は無責任極まりない対応であり、到底容認できません。
 こうした委員会審議における川口外務大臣の無責任な答弁を、松村委員長は注意することなく、何のためらいもなく認めてきたのであります。正にこれは、参議院のみならず、我が国の政治にとって悲劇と言わざるを得ません。
 これだけ理由取っても、松村外交防衛委員長は即刻解任されるべきであります。
 もうこれ以上、松村委員長に日本外交の一端を担う外交防衛委員長という重責を任せるわけにはいきません。
 外交防衛委員会の運営の根本的な転換を図るためには松村龍二外交防衛委員長の解任が先決であることを強調し、委員長解任決議案に対する私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#40
○議長(倉田寛之君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明二十六日午前零時十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十一時四十三分延会
ソース: 国立国会図書館
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