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2003/04/25 第156回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第11号
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2003/04/25 第156回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第11号

#1
第156回国会 個人情報の保護に関する特別委員会 第11号
平成十五年四月二十五日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 村井  仁君
   理事 逢沢 一郎君 理事 砂田 圭佑君
   理事 蓮実  進君 理事 松下 忠洋君
   理事 伊藤 忠治君 理事 細野 豪志君
   理事 漆原 良夫君 理事 東  祥三君
      石田 真敏君    岩永 峯一君
      大村 秀章君    金子 恭之君
      亀井 久興君    北村 誠吾君
      滝   実君    竹下  亘君
      橘 康太郎君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    福井  照君
      星野 行男君    松浪 健太君
      松野 博一君    宮澤 洋一君
      吉田 幸弘君   吉田六左エ門君
      石毛えい子君    大畠 章宏君
      後藤  斎君    今野  東君
      島   聡君    中村 哲治君
      永田 寿康君    野田 佳彦君
      平岡 秀夫君    山内  功君
      横路 孝弘君    西  博義君
      桝屋 敬悟君    黄川田 徹君
      西村 眞悟君    春名 直章君
      吉井 英勝君    北川れん子君
      保坂 展人君    山谷えり子君
    …………………………………
   議員           細野 豪志君
   議員           山内  功君
   議員           吉井 英勝君
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   国務大臣         細田 博之君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   内閣府副大臣       米田 建三君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   総務副大臣        若松 謙維君
   経済産業副大臣      西川太一郎君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  藤井 昭夫君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  松田 隆利君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  畠中誠二郎君
   衆議院調査局個人情報の保
   護に関する特別調査室長  小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  後藤  斎君     永田 寿康君
  山内  功君     野田 佳彦君
同日
 辞任         補欠選任
  永田 寿康君     後藤  斎君
  野田 佳彦君     山内  功君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七一号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七二号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七三号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(内閣提出第七四号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七五号)
 個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一〇号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一一号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一二号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一三号)

     ――――◇―――――
#2
○村井委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び枝野幸男君外八名提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤井昭夫君、総務省行政管理局長松田隆利君及び総務省自治行政局長畠中誠二郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○村井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
#5
○逢沢委員 自由民主党、逢沢一郎でございます。
 いよいよ、個人情報保護法案、最後の審議の機会となりました。きょうは、特に小泉総理大臣にも御出席をいただいております。限られた時間でございますが、どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、この個人情報保護法案、実は二年一カ月前、平成十三年に内閣が国会に提出をいたしました。既に二年が経過をいたしておりまして、実に六国会をまたいでまいりました。特に、さきの臨時国会では、与党・政府の判断で、提出をしておりました閣法を一度廃案にする、そして新たな法案を今度の国会で出し直す、こういう経緯もあったところであります。
 旧法も非常にいい法案であったというふうに認識をいたしているわけでありますけれども、メディアの規制につながるのではないか、あるいは、官に甘くて民に厳しいんじゃないか、そういう内外の声がございまして、それを与党としても真摯に受けとめて、よりすっきりした、また洗練をされた、そしてよりしっかりした法案を政府に今度出し直させた、その経緯を改めて確認しておきたいというふうに思います。
 与野党を通じて共通の認識だと思うんですね。つまり、個人情報をしっかり保護していかなきゃならない。同時に、個人情報の有用性、経済の成長にも、あるいは、行政を効率的に、能率的に進めていくためにも、個人情報をしっかり使っていく。その両方の大切さ、これはしっかり認識ができていると思いますし、また、国民にもそういった理解が広がっている、そのように私も思っております。
 とにかく、猛烈な勢いで高度情報通信社会が進展をしてまいりました。いわゆるIT社会の本格的な到来ですね。民間のコンピューターの中にも、あるいはお役所のコンピューターの中にも、いろいろな形で多くの個人情報があるわけであります。Eコマース、電子商取引、猛烈な勢いで進みつつありますし、また、片山総務大臣のリーダーシップでオンライン三法も成立をいたしまして、政府、地方も含めて、いわゆる電子政府、Eガバメント、この進展も著しいものがございます。
 こういった状況を考えるときに、やはり個人情報を適正に取り扱っていかなくてはならない、万一それが外に大量に漏えいをするというようなことがあっては大変なことだという認識をしっかり持つ必要がある。
 そこで、今度の法案で、個人情報を取り扱う事業者の方に一定のルールを強いた、あるいは義務を負っていただこう、こういうものでありますし、また、行政においてもしっかりした対応をやっていただこう、こういうことが法案の骨子であるというふうに承知をいたしております。
 また、今度の審議を通じて私はよかったなと思うのは、閣法に対して野党の皆さんが対案を出された。野党案を出された。私は、そのことは率直に評価をしたいと思いますし、そちらに座っておられる細野さん等を中心に大変な努力をされた、そのことを評価したいというふうに思うんです。
 ただ、野党案をいろいろ見てまいりますと、やはり幾つか問題もある。
 例えば、明確な概念が定着していない自己情報コントロール権を入れ込むというのはどうなのかな。あるいは、野党案では報道の定義というものはなされていないわけでありますけれども、適用除外の範囲を政令に定める、こういうふうに書いてある。それを読んでいけば、つまり、何が報道に当たるかは最終的には行政の裁量に任されるというふうに法案が読めるんですね。そこのところはどうなのかな。そういった問題点も改めて指摘をしておかなきゃならぬというふうに思います。
 あるいは、センシティブ情報の扱い。これも、与党でも議論をいたしたところでありますけれども、例えば本人の同意を得ないで個人情報をとってはならないということが厳格に世の中に行き渡ると、例えば保険の支払いなんかについていろいろ問題が出てくるのではないか。あるいは、取得について利用目的の通知を一々本人にする、書面かあるいは電磁的な方法でするということになると、例えば生命保険の業務なんて一体どうなるのかな。こういう疑問も指摘をされたわけでありますが、等々多くの問題があるということについても、改めて指摘をしておきたいというふうに思います。
 さて、総理に御認識をお伺いしたいというふうに思うわけでありますが、今度の法案の審議を通じて、報道をどう取り扱っていくかということが大変大きなテーマになりました。「「報道」とは、不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること」そして「これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。」、こういうふうに定義をいたしたところであります。
 私の個人的な認識では、取材の部分も報道に入る、そう言い切ってもいいんではないかというふうに思っておるわけでありますが、ところで、いろいろ議論をした末に例えば確認をされたこと、客観的事実として報道されたことが真実と異なった場合、いわゆる誤報であったとしても、それは報道だ、報道になるということを確認をしてまいりました。報道した内容が正しかった、あるいは間違っていたかということではなくて、客観的事実として不特定かつ多数に知らせたかどうかが判断の基準になる、こういうことを委員会の審議を通じて確認をしてきたわけであります。
 総理も、長い政治家としての経歴の中で、報道される対象としていろいろな経験をお持ちであろうかというふうに思うわけでありますが、私もいろいろな経験をしてまいりました。
 ちょうど一年ほど前でありますけれども、官邸に官房長官、福田さんを訪ねていったんですね。いろいろな話をいたしました。次の日の新聞に、内閣委員会筆頭理事の逢沢一郎は福田官房長官に個人情報保護法案の今国会成立を断念したということを伝えたということがかぎ括弧つきで、御丁寧にかぎ括弧つきで、次の、どの新聞とは申し上げませんけれども、朝刊一面に報道をされたわけであります。
 あの空間には逢沢一郎と福田官房長官、二人しかいなかったわけでありますから、何が真実であるかは二人しか知らないわけであります。しかし、翌日の朝刊にはそういう報道がなされて、これは誤報なんですね。しかし、それも報道だというふうに私どもは認識をいたしているわけであります。
 報道によっていろいろな被害を受ければ、それは民法であるいは刑法で争うということも、そういう道もあるわけでありますけれども、我々が審議をしてきた個人情報保護法案では、それは外に置いているということは、総理も御承知のとおりでございます。
 さて、そういう議論を総理、聞いていただいて、報道のあり方、そして個人情報の保護との兼ね合い、これはずっと長い議論でございますけれども、総理として一体どんな認識をお持ちであるか、見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#6
○小泉内閣総理大臣 逢沢議員が質問のみならず議員として自分の見解を述べる、大変いいことだと思っています。単なる質疑ではおもしろくないんです、国会のこの委員会の質疑。質問すればいいというものじゃないんです。議員は、どういう考えを持って、自分のを述べて、自分の見解と答弁者の見解とどう違うのか、非常にいい姿勢だと私はまず評価したいと思います。質問だけでは、国民が聞いていたっておもしろくないですよ。
 それと、今回野党が対案を出されたことも、私は評価したいと思います。責任ある政党として、政府を批判するばかりじゃなくて、自分がこういう考えを持っている、政党としてこういう考えを持っている、対案を出した、これは私は評価したいと思います。
 民主主義の時代におきましては、報道の自由、それから個人情報が侵害されることを防止する、この両立をいかに図っていくかということは極めて重要なことだと思います。
 私のことに関する報道については、まあ新聞についても週刊誌にしても、いかに虚偽報道が多いか。迷惑を受けている場合がたくさんあるんですが、それは政治家の宿命として我慢しなきゃならない。
 しかし、この法案というのは、個人の情報が侵害されることを防止すること、それから、報道の自由、表現の自由を確保すること、そういう法案を昨年審議していただきまして、今度は出し直したわけであります。
 今までの国会の審議を含めまして、決してメディア規制の法案じゃない。各党の意見を聞いて、修正して、出し直して、野党も対案を出された。よく審議を深めて、今後、IT社会、個人の情報がしっかり保護されるということは個人にとっても大事なことでありますし、これから便利な社会、行政の効率化、そういう時代を展望いたしますと、必要なことであります。同時に、メディアの公正な、正しい報道、表現の自由、これを確保していくという意味においても、今回の法案というものはぜひとも早期に成立していただきたいと思います。
#7
○逢沢委員 具体的なことを細田担当大臣にお伺いしたいと思います。
 この個人情報保護法が施行されたら、一体どういうことになるのか。例えば、私のところにもダイレクトメールが随分来ます。世の中からいろいろな声があるわけでありますが、例えば、こういうダイレクトメールが来るということは、自分の年収や貯蓄がどうもわかっているんじゃないか、あるいは、うちの子供が今度中学校に上がるということがわかっていなきゃこんな誘いが来ない、あるいは、自分がかつてこういう病気をしたけれども、そういう情報をだれかが知らなきゃこういった栄養補助食品の勧めなんか来ないだろう、そういうふうな報告が随分あるわけであります。
 もし、いや自分の個人情報が外に出ているなと感じたとき、どこに苦情を持っていけばいいのか。あるいは、事実関係をだれかが精査してくれるのか、あるいはそれをとめてくれるのか。そういうことについてはどうなるんだろうということを国民にわかりやすく説明をいただきたい。
 そして、逆に、事業者の立場の方が、自分は個人情報取扱事業者になるのかならないのか、あるいは、なるとしたらどんな注意を働かさなきゃいけないのかということについて、よくわからない。だれに聞いたらいいのか、市役所に行けばいいのか、消費者センターみたいなところに行けばいいのか、恐らくそういう実態になるんだろうと思います。わかりやすく簡潔に、短い時間で国民に説明をいただきたいと思います。
#8
○細田国務大臣 最近は、おっしゃるような事件といいますか、個人にとりまして、自分の情報が方々に漏れているのではないかと疑わさせられるような事象が多いわけでございます。そういったことに対してこの法案は一定の規律を設けようとする目的でございます。
 したがいまして、自分の情報につきまして、例えば、利用目的の通知、公表を義務づけるとか、名簿屋などへの横流し、転売を防ぐ、本人が同意しない限り第三者提供を禁止する、顧客リストがホームページなどから漏れることを防止するための安全管理措置を義務づけるということで、過失も多いのでございますけれども、そういった事態を避ける。それから、故意も非常に多いんです。多重債務者の情報が流れて、名簿が流れておるというようなこともございますから、しっかりとチェックをしなきゃいけません。このために、自分に教えてくれとか、あるいは訂正してくれ、利用を停止してくれということも言えるようになっておるわけでございます。
 どこへ行けばいいかということでございますが、各主務大臣も定めておりますし、また、国民生活センター、地方公共団体の消費者相談窓口等々の窓口を利用できるように準備をしておるところでございます。
#9
○逢沢委員 片山大臣に三十秒でお伺いいたしたいと思います。
 行政機関の方は、とにかく大事なことは、末端まで周知徹底をさせる、そういうことだろうと思うんですね、大臣。とにかく、今度はコンピューターを使う職員だけではなくて全体が対象だし、あるいは、電子情報だけではなくていわゆる紙情報、文書、それも全部対象になってくるわけでありますから、防衛庁のこともあったし、本当に周知徹底、大変だろうと思うんですが、二年以内にとにかくやっていただかなきゃいけない。どんな段取りで、大臣のことでありますからきっちりやられるとは思いますけれども、どういう計画をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
#10
○片山国務大臣 逢沢委員の言われるとおり、この制度が本当に実効を上げるかどうか、人ですよね、職員すべて。だから、私もこの教育研修が一番のポイントだと思います。今までもセミナーをやりましたり、いろいろな研修会をやったり、あるいは各省庁の連絡会議をやってまいりましたが、それだけじゃやはり私は不十分だと思いますので、今までのやり方を総点検して、例えば各省ごとにこの問題についてのガイドラインをつくってもらって、ガイドラインの中で部局ごとに教育研修の責任者を決めて、それをチェックしていく、こういうこと等、あるいは、いろいろな研修の、コンメンタール等の素材を、いいものをつくって、これは全部に配付して、その研修を徹底的にやるとか、今いろいろなことを考えておりますので、ぜひ期待にこたえるようにしっかりやります。
#11
○逢沢委員 しっかりやっていただきたいと思います。
 質問を終わります。
#12
○村井委員長 これにて逢沢君の質疑は終了いたしました。
 次に、桝屋敬悟君。
#13
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。
 個人情報保護法関連法案、審議も大きな山場を迎えております。我が国に個人の情報を守る、保護するという新しい法規範が導入される大変な今緊張期にあるというふうに私は考えております。
 特に、行政機関の保有いたします個人情報保護法関連法案につきましては、お役所あるいはお役人の考え方を変えてもらわなければならない。ITの恩恵によりまして随分と業務は効率化されてきましたけれども、個人情報のまさに山のように集積された、そんなお役所でありますから、同時に個人のプライバシーを侵している可能性もある、その危機感を持っていただかなければならない。大きな価値観の転換が今求められている、このように私は思っております。
 そこで、総理にお伺いしたいと思いますが、こうした本当に我が国に個人情報保護に関する大変な緊張感があるときに、二つの出来事がありました。金融庁の指導によって銀行が本人確認書類として住民票コード通知書を受け取ったという事案、もう一点は、この委員会でも議論になっておりますが、自衛官募集のための適齢者情報として各自治体からいわゆる四情報以上の情報が提供されていたという事実、この二つは私は本当に残念な事実であろうと思っておりますが、この二つの事案に対する総理の認識をお伺いしたいと思います。
#14
○小泉内閣総理大臣 後ほど担当大臣から答弁もあると思いますが、先ほど片山総務大臣が答弁したように、まずこれは人が大事なんです。この法案の趣旨以外に利用してはいかぬということだと思います。
 そういう意味において、今回、必要ではない情報をほかに提供する、あるいは本法案の趣旨以外のことをすることがないように、各職員に徹底した教育が重要だと思っておりますし、こういう今御指摘の事案に対して国民が不安を招かないような、この法案に対する懸念を抱かないような、理解を得れるような広報が大変重要だと思っております。
#15
○赤城副長官 自衛官の募集についてのお尋ねでございますが、自衛隊というのは我が国の平和と独立を守るというその任務を負って、その支えとなるのが自衛官でございますから、それの募集というのは大変重要であり、またその苦労も多いというところでございまして、これは、法令に基づいて、自衛隊の地方連絡部とそれから地方公共団体がその事務の一部を行います。
 また、その情報については、これは法令に基づいて情報をいただくということで、募集の目的に限ってさまざまな情報をいただいているということでございます。例えばダイレクトメールの発出とか、相談を受けるとか、そういう意味で情報をいただいております。
 なお、募集のために必要だ、こう言っても、それは必要最小限であるということが大事であろうということで、住民基本台帳法上何人でも閲覧できる四情報に限っていこう、こういうことで、昨年の十一月にそのことを担当者に伝え、また昨日は、その趣旨を徹底するために長官から通達を発出したということでございまして、これはあくまで法令に基づくものとしてやってまいりました。
 また、センシティブ情報についてはいただいていないということは、御理解をいただきたいと思います。今後とも、この情報については適切に扱ってまいりたいと考えております。
#16
○桝屋委員 今総理からもお話がありましたが、基本法については、やはり個人情報の有為性、有用性と表現の自由とのバランス、それから、行政機関の方については、やはり行政機関の適正な、かつ効率的な、円滑な運営と個人の権利義務の保護、この双方のバランスということがこの法案で問われているわけでありますが、総理、行政機関については、確かに、今赤城副長官からもお話があったように、役人は皆一生懸命になってみずからの業務を遂行しようとしている。その業務の執行ということは大事ではありますが、ともすると個人のプライバシーを侵してしまうということもある。私は、そういう個人のプライバシーを守らなきゃいかぬというまさに初めての法規範が我が国に導入される、そういう緊張感があるときだ、こう申し上げたわけです。
 そういう意味では、与党の一員でありますから余り言いたくはありませんが、言いたくはありませんが、何も防衛庁だけではない。私は、多くの役所に今回の防衛庁の事案についても背筋が冷たくなる思いをされている方が多いのではないか、襟を正していただかなきゃならぬ、このように思っているわけであります。もちろん、防衛庁や金融庁には猛省を促したい、こう思っているわけでありますが。
 総理、もうちょっと本音を言いますと、お役所はこの法律をつくるときは、やめてくれ、こういうのができると困る、おれは国民のためにまじめに一生懸命仕事をやっているんだ、その上個人のプライバシーを守らなきゃいかぬという新しい規範を持ち込まれたら本当に困ると、迷惑がっているのが私は本音としてあったと思います。しかし、そうではない。このIT時代の中で、やはり個人のプライバシーは守らなきゃいかぬということが徐々に定着をしているんじゃないかと私は思うんです。
 しかし、今回の事案でありますから、総理、ぜひ、まさにおっしゃったとおり、人であります。私、最近総理はちょっとお元気がないんじゃないかと思いましたが、先週の菅さんとのやりとりを見ていて、お元気だなと思って安心しましたけれども、あのパワーでもって、全役所、全役人に総理のリーダーシップで今のことを徹底してもらいたい。総理、もう一言決意を。
#17
○小泉内閣総理大臣 丸く穏やかに答弁すると、元気がない、元気を出して反論すると、絶叫しているとか、もういろいろな勝手なことを言われますけれども、いつも元気で改革に邁進したいと思います。
 今回の法案も、御指摘のように、いかに個人情報を保護していくか。IT社会において、我々も、すぐ何で自分の情報がこんなに漏れているのか、思いがけないところから自分の情報が漏れているということを経験する国民は非常に多いと思います。そういうのを防止する。この点について、個人の情報権、本人の同意なしに何でこんな情報が漏れるのかということを、もっと保護してくれという国民の声は実に大きい。
 しかし同時に、民主主義の時代ですから、報道の自由、表現の自由、特にメディアなど、これは、余りこの個人の情報を保護し過ぎると報道の自由を縛ることになるんじゃないかという懸念もあるのは事実であります。
 そこで、この問題、報道の自由、表現の自由と、個人の情報が侵害されることを防止すること、これは、今までの、昨年からの審議で十分議論を闘わせて今日の修正の法案を出してきたわけだ。
 でありますから、今言ったように、この法案の趣旨を各役所、行政それぞれが徹底的に理解して運営することが極めて重要だ。まさに人だ、よくこの趣旨が徹底されるように、全役所が真剣に、報道の自由と、個人の情報が侵害されることを防止するための一層の教育、それに基づいた運営が必要だと思っております。
#18
○桝屋委員 まず隗より始めよであります。役人自身、役人のみずからの業務を見直すことから私は取り組みを始めていただきたい。
 それと、総理、信用情報とかそれから医療情報とか、個別法の検討についても、ぜひ総理のリーダーシップで、この法律に照らして、即して見直しをお願いしておきたいと思います。
 それから、片山大臣に、最後五分間で議論したいんですが、私ども公明党は政策実現には極めてしつこい党であります。この個人情報保護関連法案というのは住基ネットから始まりました。住基ネットに返りたい、こう思っているんです。
 片山大臣、ことし八月から住基ネット、いよいよ本格稼働であります。この法律がいよいよ成立するということで、大丈夫ですねということを申し上げたいし、私は、前から言っておりましたけれども、今回のこの法律ができれば、あの作業をやった住基ネットのあの法律の中も、既存の住民基本台帳法からネットワークシステムをつくった。あのシステムをもう一回見直してもらいたい、もう一回セキュリティーを、さらなるセキュリティーに私は取り組みをしていただきたい、このことをぜひお願いしておきたい。
 それからもう一点。地方ですね、やはりこれから地方が条例でもってどうするのか。多くの市町村が条例を持っていますけれども、持っているところはもう一回見直してもらう、持っていないところはやはり早急に今回の趣旨を踏まえて制定作業をやってもらわなきゃならぬ。こういう御指導もお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#19
○片山国務大臣 法制ではこうなっているんですね。個人情報保護法が基本法制、行政機関の個人情報保護法がそれの特別法ですよ。住民基本台帳法はそれのさらに特別法なんですよ。そういう意味では、住民基本台帳のシステムが一番厳重でなきゃいかぬのですよ。言われるとおりなんですね。
 そこで、去年の八月五日から第一次稼働をやらせてもらいまして、そこで住基ネットのセキュリティー基準というのを決めて、例えば専用回線でやるとか、データは全部暗号化するとか、操作要員は限定してICカードでチェックするとか、それから、一たん事が起こったら緊急時対応計画でしっかり対応するとか、こういうことをやってまいりました。
 それから、八月五日、稼働が始まりましてすぐ、私どもの方に本部をつくりまして、緊急対策本部、本部長が若松副大臣ですよ。かなりしつこい人ですから。それからまた、学識経験者中心の調査委員会をつくりまして、そういうこともやっておりますし、それから、全地方団体のチェックリストというものをつくって自己点検をやってもらったんですよ。自己点検で不十分なところは外部監査法人に監査をお願いしたんですよ。
 だから、第一次稼働で、トラブルはありますよ、一億二千七百万のシステムが動くんですから、若干まだおくれているところもありますけれどもね。そういう意味では、若干のトラブルはあったけれども、本質的な、致命的な問題は起こっておりません。
 そこで、八月の末から第二次稼働、本格稼働を始めるわけで、その前にいろいろな御注文がありましたので、アクセスログ、これを開示する。自分の、本人確認情報がどう使われたか、提供先を、これは金も手間もかかるんですけれども、全地方団体もやろうということで、ぜひ八月末の第二次稼働からそれができるようにしたい。確約はできませんが、そういうことで万全の対応をしてもらいたい。その上にこの個人情報保護法が通るんですから、全般の仕組みが。だから、いよいよこの基本法と全部が合わさって、さらにうまくいくようになると私は思っております。
 それから、条例ですね。条例は、今地方団体で約三分の二がつくっているんです。六五%。それから、規則や規程まで入れますと約八割つくっているんですが、これは、前の国の法律を見てつくったんですから、例えば電算処理された情報ファイルだけが対象だとか、今回はこっちは紙情報も全部やるんですから、そこは広げてもらわないかぬし、例えば利用停止の請求権は、地方団体で認めていないのが半分以上あるんですよ。だから、こういうのも直してもらうとか、これも、中を見直して必要な改正をぜひしてもらいたいと思っております。
#20
○桝屋委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 それこそ、この四十時間、私は、野党の皆さんの真摯なお取り組みに敬意を表するとともに、我が党も、公明党も個人のプライバシーを守るために何とか役割を果たしてきたのかな、こう思っております。
 一日も早い法律の制定、法案の成立を祈りまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#21
○村井委員長 これにて桝屋君の質疑は終了いたしました。
 次に、山谷えり子君。
#22
○山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 本日は、個人情報の保護に関する特別委員会、総理御出席のもとにこうして締めくくり総括質疑の日が迎えられたということに、ある種の感慨を覚えます。与野党ともに本当に真摯な議論がございまして、問題点が浮かび上がってきた、そしてきょうの日を迎えたということを大変重く受けとめております。
 この法案というのは、社会のIT化進展の中で、行政機関においては個人情報の保護を充実強化させる。これは、実際には、昭和六十三年に制定された、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、これを、今風に言えばバージョンアップさせるということ。長いですね、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、それが行政部門。それから、民間部門においては、民間企業における個人情報の取り扱いについて規律、ルールの整備をするということで、官と民と両分野における新しいルールの確立、そして個人情報の保護を進めるということで、OECD加盟国はほとんどが整備されているわけでございますから、日本でもその整備というのは進めなければいけないというふうに思っております。
 けれども、これが二年かかったというのは、一たん出したものを廃案にしてまた出し直すという異例のことでございました。主にメディアの方から、これはメディア規制法案じゃないか、雑誌を黙らせる法案じゃないか、いろいろ言われました。小泉総理は、本会議でも、またきょうの席でも、表現の自由、報道の自由を大事にするというふうにおっしゃいましたけれども、報道の定義がちょっと狭いのではないかとか、あるいは主務大臣がそれを決めるのかどうかという危惧もあります。
 さまざまな危惧について、もう少し細かく、具体的にお話しいただけますでしょうか。
#23
○細田国務大臣 旧法案においては必ずしも、メディア規制を全く意図しておりませんで、最近起こっております、個人の権利義務に対するいろいろな不正な行為が頻発し出したことに対する対応であったわけでございますが、メディアからは非常に懸念が表明されたわけでございますので、これらに対応いたしますために法文を抜本的に変えました。
 第一に、基本原則といったものも削っておりますし、それから、報道機関等につきまして定義をはっきりと決めまして、また、著述についても適用除外、報道についても適用除外、かつ、それが例えば虚偽の内容であるかどうかというのは問わないで、すべて適用除外。雑誌においては、一部報道があるような雑誌が非常に多いわけでございますが、それも全部適用除外、それから、それがないような雑誌でも、これは著述で適用除外ということで、すべてを除外しております。また、出版については、単に個人情報を売るためのものがございますので、名簿の出版のような、これは対象になるとしても、一般の出版はすべて著述に当たるとして適用除外という、心配のない内容になっております。
#24
○山谷委員 私はジャーナリスト出身なものですから、本当に心配をしているわけでございます。
 そうしますと、メディア規制につながるとされた条項は削除されている。それで、適用除外について、報道機関、新聞社、通信社、それから今回はフリージャーナリストも含まれているわけですね。しかしながら、適用除外の項目に出版社の明記がない、この辺はいかがなものか。
 そしてまた、それによって、予備取材、先行取材というような部分が報道の概念に当てはまるか当てはまらないか、取材がしにくくなるのではないか、予備取材、先行取材が。そのような危惧についてはどのようにお考えでございましょうか。
#25
○細田国務大臣 出版社がいろいろな出版をしておられますけれども、例えば雑誌等を出しておられる場合、一部でも報道があれば、これは報道ということで、雑誌全体が除外されます。
 それから、著述でも、フィクションの本とかいろいろございますけれども、これらは、出版の中身は全部著述に当たるということで除外しておるわけでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、出版の中の特別な部分、最近は、CD―ROMに加工しまして、そこで名簿だけを販売して、会社役員名簿を何千名分とか、そういうものを対価をつけて売る場合がありますから、これは個人情報保護の対象になりますが、およそ本の格好で出すようなものについては、ほぼすべて適用除外であると考えていただいて結構でございます。
#26
○山谷委員 もうすぐ憲法記念日が参りますけれども、総理、表現の自由というのは、本当に基本的人権の中でも、学問的にも最も大事なものというふうにされております。
 そこで、表現の自由、学問の自由を妨げてはならないとする本法案の趣旨を徹底していただくようにお願いしたいと思いますし、また、ちょっとしたお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#27
○小泉内閣総理大臣 今回の法案はメディアを規制するものでは全くないという、ただいま細田大臣の答弁のとおりでありまして、報道機関におきましても、個人のプライバシーを侵害することのないように注意をしなきゃいけないと思っております。いわば、プライバシーの保護と報道の自由、表現の自由をどうやって両立させていくか、また健全な民主社会を維持していくかということについては、単に法律ができたから守られるというものでもないと思っています。お互い、節度を持って運営していかなきゃならないな。同時に、行政に携わる者は、この法の趣旨どおりに運営するようによく注意しながら、国民の不安を招かないように運営をする必要があると思っております。
#28
○山谷委員 個人情報保護法案は、IT社会における基盤法制でございます。しかしながら、今日、IT化に伴って、民間企業からの顧客名簿の流出とか、ホームページからさまざまな情報が流れております。例えば最近でも、証券会社とか百貨店とか電気通信事業者とか塾からさまざまな情報が流れておりまして、国民のプライバシー意識も高まっている中、これは非常に問題だという意識が高まっていると思います。
 国民生活センターが一昨年公表した調査によりますと、社会や生活の情報化によって、自分の個人情報が侵害されやすくなっていると七一%の人が感じているわけでございます。ですから、そこの保護を図らなければいけない。しかしながら、一方で、IT化によって新しいビジネスチャンスも非常に生まれているわけでございます。また、グローバリゼーションの中でも、そのようなことが、チャンスはもっともっと大きくなっていくだろうというようなことで、細田大臣、新たなビジネスチャンス、また経済効果、経済対策についてお話しいただきたいと思います。
#29
○細田国務大臣 山谷議員がおっしゃいますように、消費者の不安が払拭されることがさらに新たな、インターネットを初めとするITビジネスの発展につながるのではないか、そのとおりだと思います。
 このようなビジネスに一切手を出さないという消費者もおられます。なぜなら、自分の情報が漏れるのではないか、自分の住所を教えることで不安が増大するのではないかというようなことをおっしゃる方も多いわけでございますから、この法律によりまして、おかしな行動をとる、これは五千以上の個人情報を集めて運用するような者に限られておりますけれども、それより小さい小売業の方とか小規模の事業者は対象外にしておりますが、大きな個人情報を扱うようなところにはすべて消費者からの関与ができ、開示を求めたりその他のことができるようにしております。必要な場合には、関係の省庁、省庁がわからないという方には国民生活センター等に申し立てていただきたいと思っておりますし、まず、直接、相手方にお話しされても、もちろん結構なわけでございます。
#30
○山谷委員 法律が成立しても、本当にIT化に伴って新しい事態がどんどん出てくることと思います。
 ぜひとも、それぞれの業界ごとによってまた問題も起きるかもしれない、実態調査をして、分析をして、必要な見直しはタイムリーにしていくというような姿勢を守りながら、個人情報を保護していただきたいというふうに思います。
 これで質問を終わります。
#31
○村井委員長 これにて山谷君の質疑は終了いたしました。
 次に、石毛えい子君。
#32
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。
 本日は、個人情報保護の基本的論点をめぐりまして、政府法案そして野党提出法案に対して質問をいたします。
 まず、総理にお伺いいたします。
 自己情報コントロール権についてでございますが、私は、自己に関する情報について自分が管理できるということは、現代社会における最も重要な基本的人権の一つであるというふうに考えております。そして、このことを個人情報保護法案に明記することが、今回の法律制定におきまして最も肝心なポイントの一つであるというふうに認識をしております。しかし、政府提出の個人情報保護法案は、この自己情報コントロール権を明確にはしておりません。総理はどのようにお考えか、まずお伺いいたします。
#33
○小泉内閣総理大臣 自己情報コントロール権を明記するということについては、石毛議員の言っていることも私は理解できるんです。自分が関与しないで勝手に情報を流されちゃたまらぬと思っている国民はたくさんいるんですよ、現に。しかしながら、やはり報道の関係者からすると、これを決められた場合に、本人の同意なしに報道できなくなると報道の自由が侵害されるのではないかという懸念も、これまた理解できる。
 自己情報コントロール権を明記することについて、どういう内容なのか、その範囲はどうなのかということに対して、さまざまな見解があります。明確な概念として今確立していないこともありますし、報道の自由との調整もこれは明らかでありません。
 そういうことから、政府としては、適切でないということも考えておりまして、今回明記していないわけでありますが、本法案においては、個人の権利利益を保護する観点から、事業者による個人情報の取り扱いに対する本人の関与を重要な仕組みと位置づけ、開示、訂正、利用停止、第三者提供に当たっての本人同意などについては、明確に規定しているところでございます。
    〔委員長退席、蓮実委員長代理着席〕
#34
○石毛委員 委員会審議の過程で、本人関与に関しましてはさまざまに質疑が交わされたところでございますが、利用目的を本人に通知する、あるいは、第三者提供などに関しまして、必ずしも政府法案では本人通知が原則的規定になっておらず、公表ですとか、あるいは容易に知り得る状態というようなことで、明確にされ切ってはいないということを私は指摘させていただきたいと思います。
 そこで、総理が今御答弁くださいました、報道からの懸念、概念が確立していない、あるいは調整原理というようなこと、これは本会議答弁でも総理は御指摘なさいましたけれども、野党案は、こうした総理の御指摘を踏まえまして、どのように自己情報コントロール権につきましてお考えになるか。規定することの意義、また、どのように野党案にはこの意義が盛り込まれているか、そこの点を御説明いただきたいと思います。
#35
○山内(功)議員 自己情報コントロール権につきましては、これはもうかなり本委員会で議論になった点でございまして、私も何度か答弁をさせていただきました。締めくくり総括審議ということでございますので、もう一度しっかりと説明をさせていただこうと思っています。
 自分の知らない間に市町村から防衛庁に、自分の情報、例えば、保護者がだれか、父兄がだれか、健康状態はどうか、そして職業、電話番号まで提供をされて、それが利用されていたという事件が、先日明らかになりました。こういったことをなくさないといけないという思いが私たちにあります。もっと自分の情報については関与していく、そしてコントロールしていこう、それが自己情報コントロール権だと思っています。
 これは、憲法などで保障するプライバシーの権利から当然に導かれる権利だと思っておりまして、昔は、プライバシーの権利というのは、一人でほっておいてもらう、そっとしておいてもらうという権利だったわけですけれども、このように高度情報通信社会が広がっていきますと、そう消極的な面だけではなくて、もっと積極的に自己の情報をしっかりとコントロールしていく、そういう権利が認められてしかるべきだと私たちは考えております。
 野党案では、自己情報コントロール権につきまして、確かに、その要件効果が学説上なお検討過程にあるということを認めます。だから、確定的なものとしては明記はしておりませんが、社会的な認知の広がりを後押しするという意味も込めまして、野党案全体にその基本的考えを十分に反映させることができたと自負をしております。
 具体的には、目的外利用の制限についての例外事由を、政府案よりも縮小をしております。また、利用目的の通知、公表につきましては、原則通知に限っております。政府案より本人関与の度合いを強めております。そうした努力のよって立つ考え方として、やはり、自己情報コントロール権の基本的な考え方、すなわち、自己情報についての本人関与の重要性を第一条の目的規定に頭出しをしているという考えで野党案を作成させていただきました。
 自己情報コントロール権につきましては、確かに、総理もお話しされましたけれども、表現の自由との緊張関係にあることは事実であります。しかし、だからこそ、政府案には全く規定していない「表現の自由を尊重しつつ、」という規定をまず第一条に置いております。具体的には、六十五条で適用除外の範囲を広くとることなど、政府案より格段に表現の自由に配慮した、尊重されたものとなったと考えております。
#36
○石毛委員 続いて、総理にセンシティブ情報についてお伺いいたします。
 人種、信条あるいは健康などの状態、こうしたいわゆるセンシティブ情報は、自分自身のアイデンティティーといいますか、自分らしさの確認というようなこと、あるいは社会的差別にもつながりかねないようなそうした不安、こうしたことをきちっと自分が管理していくためにも、センシティブ情報についての規定というのは大変重要だと思いますけれども、政府案にはこの規定がなされておりません。
 総理は、センシティブ情報についてどのようにお考えになられるか、また、規定を置いていないことについてどのようにお考えか、重ねてお尋ねします。
 さらに、もう一点でございますが、センシティブ情報に密接に関係する医療情報ですとか、あるいは金融・信用情報など、こうした個別法の制定についてもこの委員会で随分議論をされたところでございますけれども、総理は、この個別法の制定についてどのような御判断をお持ちか、改めてお尋ねいたします。
    〔蓮実委員長代理退席、委員長着席〕
#37
○細田国務大臣 センシティブ情報という考え方があるということは事実でございますけれども、例えば、そのセンシティブ情報の例示とされておる中に、先ほどの、大変大事な個人の金融とか債務とか資産とか、そういう問題は実は除外されて議論されておるのが一般でございます。しかし、個人にとりましては、そういったことも非常に大事なことでございますし、それから、医療情報でない健康情報などもたくさんあるわけでございます。
 したがって、この法案は、むしろ、個人から見てこれは知られたくない、扱ってほしくない、移転してほしくないあらゆるものについての手続を定めておりますので、より広い感覚で取り上げられておる、限定しておらないということをまず申し上げたいと思います。
 それから、先ほどの例示がありましたような医療とか金融とか個別の分野で、この法律だけでは十分律し切れないものがあるじゃないか、確かにそういう面がございます。なぜならば、五千件以上の情報を取り扱って、そういった場合を対象にしておりますから、むしろ個別のデータの場合でも、金融や医療の情報は個人にとって非常にセンシティブな場合もございます。その場合は、やはり個別の法律でしっかりと秘密を守るようなことも必要でございまして、先般も、医師等に加えまして看護師さん等についてもその規制の枠を広げたことがございますが、そういったことは、政府部内でさらに必要性に応じて検討をしていく必要があると考えておるわけでございます。
#38
○小泉内閣総理大臣 今の答弁のとおりなんですが、センシティブ情報、いろいろあると思います、医療情報だけじゃない。自分の知られたくないことは人間だれでもあるわけでありまして、ましてや健康面については多くの国民が、自分の健康がどうか他人に知られるなんというのは、これは非常に人権の侵害だと思っている国民がたくさんいる。あるいは、自分の財産とか金融資産とか、最も隠しておきたい情報まで他人に知られるということがあってはならないと思っておりますし、今後、今までの国会の議論や、所管する分野、個別分野における個人情報の取り扱いの実態もやはりよく実情を調査しまして、各役所において幅広く追加的な措置の検討があれば、将来またそういう法的な対応も必要ではないか。今後よく検討していく必要があると思っております。
#39
○石毛委員 私は、この機会に総理にぜひ情報としてお受けとめいただきたいと思いますが、今回のこの委員会での質疑に当たりまして、厚生労働省から、保健医療に関する倫理指針、ガイドラインのようなことにどのようなものがあるか、そうした依頼をいたしまして、データと申しますか、ガイドライン、指針をさまざまにちょうだいいたしました。
 ここに一つだけ、「疫学研究に関する倫理指針」、これを持参いたしました。これには、確かに、昨今大きな議論になってまいりましたインフォームド・コンセントについては規定されておりますけれども、個人情報の保護の体制につきましては、その表現はありますけれども内容については具体的には何も規定されておりません。今後よく実情を検討してと申されましたけれども、もう実情がこういうことでございますから、一刻も早く法律の制定に着手をしていただきたいということを、私は強く要請をさせていただきたいと思います。立法府においてきちっと審議をすべきだというふうに考えます。
 そこで、野党提出法案につきまして、センシティブ情報についてどのように規定をされておられるか。類型化されていないということがこれまで委員会での政府答弁の主要な内容でございましたけれども、どのように考えておられるか。そしてまた、関連して、個別法の制定について必要性をどのように認識しているかということについて、お答えをいただきたいと思います。
#40
○山内(功)議員 センシティブ情報というのは、一般的に、公表されることを欲しないとか差別につながるような情報、大まかにそういうものをいうのだろうと思います。センシティブ情報につきましても、この委員会で随分と議論をさせていただきました。野党案では、センシティブ条項は必ず必要であるという思いで規定をさせていただいております。
 政府案は、センシティブ情報について定義があいまいだというようなことでこの規定を置いていないわけですけれども、私たちは、各種の法律や社会通念に照らしてみても、思想、信条、人種、民族など、これは憲法にも規定されているような用語でございまして、列挙した事由は概念についてもしっかりとしております。取扱事業者に不明瞭な義務を課すとは私は考えておりません。
 それでは、政府は過去一度もセンシティブ条項について考えたことがないかというと、例えばこういう規定がございます。旧通産省が一九九七年に告示したガイドラインに、人種、民族、門地、本籍地、信教、政治的見解及び労働組合への加盟、保健医療、性生活と類型化し、本人同意なしでの収集、利用、提供を禁止しているという規定がございます。また、個人情報保護条例を持つ地方自治体のうち約六割がセンシティブ情報に関する規定を持っておりまして、何の不都合もなく運用してきております。
 私どもも、センシティブ情報の取り扱いに関する規制を盛り込むのは国際的な流れだと認識をしておりまして、これまで政府は早く法案を通さないとEUとの情報の流通ができないと説明をしたわけですけれども、そのEU指令の中にも、加盟国は、人種、民族、政治的見解、宗教、思想、信条、労働組合への加盟に関する情報を漏えいする個人データの処理、もしくは健康または性生活に関するデータ処理を禁止するものとすると書いてあります。政府案よりも野党案の方がよりグローバルスタンダードに近いものだと考えております。
 石毛議員御指摘のとおり、今後、このような考え方をもちまして、個別的な法律の制定を急ぐべきだと考えております。
#41
○石毛委員 細田大臣は、民間取扱事業者の適用のラインを五千件というふうに何度も御答弁になっておられますけれども、センシティブ情報にかかわる部分は、IT化時代ですから、五千件にかかわらないというふうに断定するというのは言い過ぎだと思いますけれども、例えば、診療所ですとかあるいは保育所ですとか、五千件に累積しそうもない、しそうもないというのは少し言い過ぎかもしれませんけれども、恐らくしないであろうというところとセンシティブ情報が密接にかかわっているわけですし、委員会の質疑では、横路委員から、例えば、ひとり暮らし高齢者の名簿が販売されているとか、それから障害者データが販売されているとかというようなことが指摘をされました。
 やはり一日も早いセンシティブ情報に関する個別法の成立、これはある意味で、センシティブ情報を保護するという側面と、それからもう一つ、さまざまな課題を解決していく、そのためには情報を活用させていただくという側面も重要なわけですから、両方相まって、やはり国民に納得していただける個人情報の保護ということを早急に検討する必要があるということを私は考えるものでございます。
 さて、残された時間、本当にわずかですけれども、総理に改めてお尋ねいたします。
 この個人情報保護法案の審議にかかりましては、報道の自由をいかに守るかということが大きなポイントの一つでございました。五十条で政府法案が定めております適用除外で、その二項に新しく報道の定義を新設して規定いたしました。さきの国会と今国会での政府法案の大きな違いの一つでございますけれども、この五十条二項の新設は、今後、報道内容を規制する根拠法文となるおそれはないか、その点を明確に総理から御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#42
○小泉内閣総理大臣 全くそのおそれはないと思っております。報道の自由というのは、これはもう憲法上保障されている、民主主義社会にとっては最も大事な権利でありますので、この法案におきましても、その自律性が確保されるべきものであると思います。
 こうした観念も踏まえまして、主務大臣による勧告、命令などの関与を伴う個人情報取扱事業者の義務について、報道機関の報道活動を適用除外とする制度を設けることとしたところであります。
#43
○石毛委員 終わります。
#44
○村井委員長 この際、平岡秀夫君から関連質疑の申し出があります。石毛君の持ち時間の範囲内でこれを許します。平岡秀夫君。
#45
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 個人情報の保護に関する特別委員会での審議、私、きょうで三回目でございますけれども、特別委員会という位置づけではありながら、きょう初めて総理が出席されるということでございます。私も、この三回の質疑の中で、いろいろ論議してまいりましたけれども、その中で、あるいは質問をまだしていない部分におきまして、最も大事だと思っているものの中から、同僚の石毛議員が質問した部分は除きまして、二、三質問していきたいというふうに思っている次第であります。
 まず最初に、個人情報の保護をきちんとしていくためには、その保護を担当する行政機関をどこにすべきかという問題があろうと思います。
 政府の案では、主務大臣という形で、個人の情報の取り扱いをする業者が行う事業を所管する大臣というような位置づけにしていますけれども、これについては、主務大臣が一体どこなのかわからない、あるいは、主務大臣が本当にその適切な立場に立っているのか、こういった点からいろいろ問題があろうと思います。
 先ほど石毛委員の方からもありました、名簿取扱業者が、ひとり暮らしの老人の名簿とか、あるいは身体障害者の名簿であるとか、あるいは大学同窓の独身者名簿であるとか、そんなものを取り扱っているというような中で、一体だれが本当に主務大臣として担当するのが適切であるのかというようなことについても、大きな問題があろうかと思います。
 また、主務大臣がいろいろになりますと、その取り扱いがばらばらになってしまうというおそれもあるでしょうし、さらには、こういうことはないと思いますけれども、主務大臣という形になりますと、いろいろな政治的思惑が入るということも懸念されるということだろうと思います。
 そういう意味で、各国の例を見てみますと、イギリスには情報保護委員会、そしてフランスには情報処理及び自由に関する国家委員会といったような、委員会制度でやっている国もあるわけでありまして、私は、ぜひこの点については、第三者機関である独立行政機関としての委員会が所管をするという形が必要ではないかというふうに思っているわけであります。
 そういう目で見てみますと、野党法案では、個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取り扱いの確保を任務とする個人情報保護委員会というものを、内閣府の外局として設置しているという案になっております。このようにされた理由を、まず野党法案の提出者の方からお伺いいたしたいと思います。
#46
○山内(功)議員 事業を所管する主務大臣や省庁が個人情報についての監督をも兼ねるということになりますと、省庁が所管する事業について、個人情報の保護に名をかりて、みずからに都合のいい介入を図ったり、あるいは恣意的な関与をしていくという可能性が、可能性としてあり得ます。あるいは、特定事業者との癒着が起きる可能性も否定できないと考えております。
 また、各省庁、たくさんの省庁が個人の情報を保護しようということで、統一的な運用ができるのかどうか疑問にも感じていますし、さらに、各主務大臣の間に打った球が落ちる、主務大臣の間にぽてんヒットのようなヒットになる、そういうことによって主務大臣の網の目から漏れるようなケースが出てくる、こういうこともあろうかと思っておりまして、そういう問題をクリアするために、独立した中立公正な個人情報保護委員会が監督するシステムが私たちの法案でございます。
 特に、政府の個人情報保護法案は、法制化の過程で、表現の自由が大きな争点になりました。自民党から、この際、都合の悪いメディアを規制すべきだ、そういう暴論が沸き起こったことも記憶に新しいところだと思っています。
 そのような体質を持つ自民党議員が主務大臣として監督をしたら、一体表現の自由はどうなるのか。やはり政治的思惑に左右されない中立公正な監督機関こそが必要だと私は思います。野党案は、国民の表現の自由を重視する立場からも、省庁から独立した個人情報保護委員会の設置を盛り込んだものでございます。
 なお、同じような包括法の形式をとる欧州諸国も、ほとんどすべて同様の第三者機関を設置し、それによって監督していることを申し添えておきます。
#47
○平岡委員 今、私が質問したときのいろいろな、主務大臣が適当ではないんじゃないかというような理由、あるいは野党の方から、山内提出者の方でるる説明した内容、これを聞かれまして、総理、どのようにお考えになるでしょうか。この点については、この委員会でも細田大臣あるいは官房長官ともいろいろ議論しておりますけれども、総理としての率直な御意見をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#48
○小泉内閣総理大臣 主務大臣が一人じゃない、これは当然だと思います。例えば、医療情報はこれは厚生労働省、金融情報、これは金融庁、そのほか各役所それぞれ情報があるわけですね。こういう点につきましては、やはり全役所、政府が関係各省と緊密な連絡、協力をすることが必要なことは当然だと思います。そういう意味において、主務大臣が分かれておりますが、統一的な運用が確保されるように緊密な連携協力、これが必要だと思っております。
#49
○平岡委員 私が聞いているのは、そういう統一的な運用というような問題があるので、あるいはほかにもいろいろと理由は申し上げました、そういう意味で、野党案で示されているような、独立行政機関であるところの個人情報保護委員会といったような組織が個人情報の保護について担当するという仕組みをつくるべきではないか、この点についてどのようにお考えになるかをお聞きしたいんです。総理、お願いします。
#50
○小泉内閣総理大臣 私は、現行の主務大臣の担当で十分この法律の趣旨が尊重され、運用されると思っております。
#51
○平岡委員 総理からもう少し、なぜ主務大臣が適当であるのか、あるいは委員会にすることの問題点が指摘されるのかと思いましたけれども、全くそういう事情はなくて、自分の感想だけを言われたので、その感想に対して私が感想を言うのもちょっと失礼かもしれませんけれども、その程度の理解でこの問題について処理されたのでは、一体我々はこの委員会で何のためにこれだけの議論をしてきたのかさっぱりわからないというふうに私は思います。厳重に抗議を申し上げるとともに、時間がないので次の問題に移りたいと思います。
 それで、次の問題は、国民の皆さんが大変心配していることの一つに、防衛庁のリスト問題もありました、この前の適齢者情報の問題もありました。行政機関がいろいろ情報を持っているわけです、いろいろな手段で入手した情報を持っています、その情報がそれぞれの個人が知らないところで、いろいろなところで使われている。場合によっては悪用されているかもしれない、悪用という言葉が適当でなければ、目的外使用されているかもしれないといったようなことを心配しているわけであります。そういう意味で、この政府の案を見ますと、目的外使用についての規制というものが非常に甘いというふうに私は言わざるを得ない。
 そこで、野党案の方をちょっと見てみますと、野党案の方では、行政機関あるいは日本郵政公社のような独立行政法人などが持っている個人情報を目的外で使用する場合には、これは別途、今度つくられます情報公開・個人情報保護審査会というのがあるわけですけれども、これ自身は、本来政府案の中で予定されているのは、行政機関に対する不服申し立てがあったときに、その不服申し立てがどうであるかということを諮問するための機関としてつくるわけですけれども、さらに一歩進めて、野党案では、この審査会が目的外使用についての意見を求められる、それでこの審査会が意見を述べるという仕組みにしているわけでありますけれども、このように野党案がした趣旨をまず最初にお聞かせ願いたいと思います。
#52
○細野議員 今、平岡委員が御指摘になりました目的外利用という部分は、国民が見たときに、行政の中でどういうふうに個人情報を利用しているのか、これが役所の中で恣意的にどんどんたらい回しのようにされているんじゃないか、そんな懸念を持つ部分でございます。最も大切なところであるというふうに思っております。
 そもそも、行政機関というのはある特定の目的で個人情報を得るわけでございますので、原則は、その目的の中でその個人情報を扱っていくということになります。
 ただし、時として、本当に必要性が、これはもう本当に厳格に定められて、その部分で目的外利用するという場面があるわけですけれども、そういった場合については、野党案では、行政事務の円滑な遂行に著しい支障が生じる場合ということで、厳格な規定を設けております。政府案では、そこの部分を、相当な理由さえあれば利用できるという形になっておりまして、この部分で枠をはめる明確な基準をやはり設けるべきではないか。
 そのために、それぞれの官庁が判断するだけではなくて、その目的外に利用する場合には、先ほど挙げられました情報公開・個人情報保護審査会にきっちり意見を聞いて、これを統一的な基準で各省庁が目的外利用に枠をはめていく、そんな趣旨でこの審査会を生かしているということでございます。
#53
○平岡委員 今、細野提出者の方から説明がいろいろありましたけれども、先ほど私が指摘申し上げたように、政府案の中ではこういう点が全くルーズになっているというふうに言わざるを得ないんですけれども、この点について総理にお聞かせ願いたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、行政機関あるいは独立行政機関等が保有している個人情報を目的外で使用する場合には、法で定める目的外使用の認められる場合に該当するか否かを第三者機関がチェックする仕組みとすべきではないか、この点についての総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#54
○片山国務大臣 政府案も野党案も、目的外利用提供というのは原則禁止なんですよ。ただ、職務の範囲内で、個人の権利利益を侵害しないで、相当な理由があるというのは、どうしてもそれを目的外利用や提供しなければうまくいかないという場合にだけ認めているんですよ。
 いつも言うように、例えば恩給の支給を郵便局でやる。その場合に、恩給のデータを、その必要な部分についてだけ郵政事業者に渡すというのが目的外利用なり提供の一つの例なんですよ。だからそれは、政府案だとルーズで野党案だと厳格で、そんなことはありませんよ。これは、もう相当な客観性があり、だれも納得できる、そういう厳重な制限のもとに目的外利用や提供をやるんですよ。
 それで、もし適法でない目的外利用や提供があれば、それは利用停止を求めればいいんですよ。利用停止の請求をすればいいんです。そこで、行政機関の長がそれを決定した場合に、不服があれば審査会にかければいいんです。そういうことはきちっと担保しておりますので。
#55
○平岡委員 片山大臣、私が質問したことに答えてください。せっかく出てきて、わざわざ出てきたんですからね。私は、第三者機関が目的外使用についてちゃんとチェックする仕組みが必要ではないかということを聞いているんですよ。だれも、行政機関が目的外使用するということを前提に話しているわけじゃないわけですからね。もう片山大臣、いいです。もう時間がないですから、総理、お願いします。
#56
○片山国務大臣 私は、全部を第三者機関でチェックするようなことになると、膨大な量の審査をしなければならないので、相当な組織や人員を要するし、地方まで全部置かなきゃいかぬのですよ。行革に反して、大変ですよ。それは、行政側の方だっていろいろな資料を出すので、そういう意味では双方に大変な負担がかかる、常識的でないということを申し上げているわけであります。
#57
○平岡委員 今、片山大臣、大変問題言いましたよ。目的外使用はたくさんあると。国民が知らないところでそんなに目的外使用が行われているんですか。そんなこと言ったら、もう大問題ですよ。
 総理、最後に。ちょっと総理、今の答弁を聞いて、御感想をお聞かせください。もう時間がありません。
#58
○片山国務大臣 いや、あなたが言われるのは、一件一件を審査すると言われるから、それは大変な量ですよ。恩給だけだってどれだけありますか。何種類もあるんですから。
#59
○平岡委員 今のは、私の質問を曲解ですよ。目的外使用というのは、こういうものをこういうふうに使うということについてのチェックを言っているんですよ。それを、質問を曲解して、そんな激高して言わないでください。貴重な質問時間を、質問を曲解して、そもそも、最初に通告してあるんですから、ちゃんと説明してください。
 時間がなくなりましたので、これ以上質問すると、同僚の議員にちょっと迷惑をかけるのでやりませんけれども、この政府案について言うと、官民について言えば、センシティブ情報について特に慎重な取り扱いをするというような配慮がなされていない、そして民間については、主務大臣の関与による恣意的な統制が行われようとしている、官について言えば、行政機関等には目的外利用のチェックが甘い、国民の利益軽視、そういう問題があるということを申し上げて、政府案に対しては強く反対を申し上げたいと思います。
 以上です。
#60
○村井委員長 これにて石毛君、平岡君の質疑は終了いたしました。
 次に、黄川田徹君。
#61
○黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。
 総理には、昨年、郵政公社化法に関連しまして二度ほど質問をさせていただきました。今回は、我が国の国の形、これについてまずお尋ねいたしたいと思います。
 今、統一地方選挙後半戦、まもなく終わろうとしております。そしてまた、地方出身の私の目から見ましても、国民の意識、本当に大きく変わっていると私は感じております。そしてまた、単に考え方が多様化しているというだけじゃなくて、やはり、ハードの面、物質的な面から、もっと新しい価値を求めてやまないというふうなことを肌身で感じております。
 総理はあしたから訪欧ですか、海外に出られるわけでありますけれども、逆に、外に出ると日本の国がよくわかるというふうに言われております。総理も小泉改革ということで努力されておりますけれども、私は、とてもその効果があらわれていないというふうに思っております。そしてまた、国民に総理の改革の理念、これが本当に伝わっておるのかということを、選挙戦を通じて私は感じております。
 そこで、根本は、我が国の国の形、ちょっとずうたいが大き過ぎるのではないかということがありまして、規制緩和、行政改革、これについてまず最初にお尋ねいたしたいと思います。
 総務省によりますと、我が国の法律でありますけれども、戦後、昭和二十五年からでありますけれども、約七千四百本法案が成立しまして、現在生きているものは約千八百三十本、政令、省令を加えると約七千二百本にも及ぶところであります。幾ら法治国家とはいえ、やはり官僚支配の規制社会、これが浮かび上がるわけでありますけれども、総理、これに対する、現状をどう認識いたしますか。総理から聞いておきたいと思います。
#62
○小泉内閣総理大臣 本来は、法律が全然なくても平和的に、安定的に国家が運営されれば、これが一番いいと思います。しかしながら、すべて善人ばかりではありませんし、法律をつくっても、法律を破ろうとする人もいるのも事実でございます。
 そういう観点から、法律以前に、各国民が、それぞれの責任を自覚しながら、地域の発展のために、また国の発展のために努力する体制をいかに整備していくか。法律というものは、そういう環境を整備するという点について、法治国家として大変重要なものでありまして、できれば法律の数を少なくして、多くの国民が、みずから助ける精神とみずからを律する精神によって国づくりに励んでいけるような、そういう環境整備を政治がしていくのが極めて重要だと思っております。
#63
○黄川田委員 ちょっと抽象的に話しましたので、問いについての回答がちょっと、なかなか行き違いがあるみたいであります。
 実は、選挙を通じまして私地元で言われるのは、七千円台で低迷する株価、あるいはまた三百五十万人に上る失業者、そしてこのデフレ、どうするんだと。法律にがんじがらめになって、そして、政令、省令も含めて官僚支配、構造改革といいながら、規制改革、規制緩和、そういう中で本当に構造改革がなっているのかと。加えて、政権が発足してあすで二年目でしょう。どうなんですか、現状は。
#64
○小泉内閣総理大臣 政権を担当して二年、ようやく私の目指す改革も軌道に乗ってきたな、これからさらに、就任以来目指した改革に邁進していかなきゃならないと思っております。
 規制にがんじがらめになっている、規制というのは一面国民を保護するものであり、企業を保護するものでありますが、これが行き過ぎると逆に活動を阻害するものになっている。そういうところから、今回、構造特区という制度を設けて、各地域の意欲をいかに日本の経済再生に活用していこうかということで、規制改革等に向けても努力しているところであります。
 幸いにして、第一次特区については、非常に多くの各地方自治体から、これをやりたい、あれをやりたいと提案が出てきまして、四月には、既に先日、五十件以上にわたる地域の要望ということに対して認定をし、また、近々さらに六十件以上がこれをやりたいという要望が出ております、これについても認定する準備を進めております。
 さらに、法改正が必要なものについても、順次、地方の意欲を引き出すような、そういう特区については意欲的に取り組んで、何とか国民の意欲を国づくりに生かすような形で進めていきたいと思っております。
#65
○黄川田委員 なかなか本題まで時間がかかりますね、前段をやっていますと。
 いずれ、私から言わせれば、特区というものは規制であります。本来はそれがない方がいいわけなんですよ。総理は、まず手始めに始めて、それがよければ全国に広げるという話なんでしょうけれども。やはり、基本的な規制緩和の部分だと思うわけなんですよ。
 この規制社会の実態といいますか、今回の個人情報保護法案にも見てとれるわけなんでありますけれども、同法案は高度情報通信社会の進展を目的ということで大上段に構えているわけなんでありますけれども、どうしてもこのIT改革、諸外国と比べておくれているように思うわけなんでありますよ。
 そこで、この進展が遅いのは、官主導の体制が強くて、民間の中小事業者が公正に戦える、そういう環境が整っていないんではないかと私は思うわけでありますけれども、重ねてお尋ねいたします。
#66
○細田国務大臣 お時間の関係で手短に申しますが、今、IT戦略を見直ししております。出井ソニーの会長さん、慶応の村井先生初め十六人の専門家に入っていただいて、第二次をやっております。
 第一次は、いろいろな法整備だとか、手続の電子化だとか、あるいは教育、そういった環境をよくしようじゃないか、そして光ファイバー網を整備しようと、そういう環境整備でしたね。今度は、端的に言うと、全国民が待ち時間をゼロにするにはどうしたらいいんだ、病院へ行っても待たない、行政庁に行っても待たない、それから、わざわざどこかへお使いに行く必要もない、いながらにして手続ができるようになり、かつ、利便が上がるためにはどうしたらいいか、そういう観点から今やっていまして、しかも出井さんは、官庁は案文をつくるのに入るな、おれたちがつくると、こういうことでつくられて、それを今、各行政庁と一緒に調整しているところです。
 そういう中で、おっしゃったようなさまざまな中小企業者の問題もありますし、官主導の問題もありますし、まだ非効率な部分がいろいろありますので、それを一つ一つ点検しておるところでございまして、六月に報告を出します。
#67
○黄川田委員 立派な報告書を六月に待っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、また、インターネットの技術が進歩しまして、そしてまた、ブロードバンド化の時代ですね。ネット社会ではさまざまな問題が生じてくると思うわけであります。
 そこで、例えば、国民一人一人はキャッシュカード、あるいはまた電子決済ができるICカード、そしてまたこの八月には住基ネットカードですか、これらさまざまな、いろいろな個人情報を持つことになるわけであります。その際、そのような個人が有する個人情報がたまたま漏れたとき、だれがその個人を守ってくれるのか、そして、今回の法案ではここまでは個人情報を保護してくれないのではないかと思われます。
 そこで、今回、包括法で国民全体に網がけをしておるわけでありますけれども、このようにネット社会では個人は情報が漏れないように自己防衛せざるを得ないわけでありまして、この国民個人個人を守るために個別の法制化がおくれているように思われるわけでありますけれども、この点に関して、大臣の大局的な見解、そしてまた具体的にどのような分野にこのようなものをつくっていこうとするのか、お尋ねいたしたいと思います。
#68
○細田国務大臣 あらゆる分野におきまして、個人から見まして、侵害されているのではないか、自分の情報はどうなっているのかということについて御関心がおありだと思います。そういうことについて開示、訂正を求めたり利用停止等の本人が関与できる仕組みを制度化しているというのが今回の仕組みでございます。
 ただ、これは基本的には、大量な情報を処理する企業等の事業者、これが名簿をまとめて人に転売してみたり、悪い現象が出ておりますので、それらを、今法律上の手当てがございませんので、しっかりとした手当てをしていこうというのがこの法律の本来の趣旨でございます。
 ただ、うっかりミスもたくさんありますので、今、関係の省庁、消費者センターとか国民センターとかいろいろなところがございまして、個別企業、個別業界にも、これは御注意申し上げますよ、こういう苦情が来ていますよと言うと、大体頭をかいて、いや失礼しました、懸賞の応募が来たけれども、その応募者の名前がそのまま出てしまうようなソフトウエア上のミスがありましたと。過去に八年半で八十何件がありますけれども、そのうち六十件以上はうっかりミスなんです。
 ところが、中には故意、わざと非常にセンシティブな情報を流して、対価をたくさん取って、それが悪く使われるものがありますから、これらについては、情報の多寡によらず規制することが必要なものもございますから、そういうものについては個別法も必要でございます。
 それから、この法律によっても、もちろん十分対応できるだけの根拠が得られましたから、今までは注意をしておった主務大臣が、これはひどいということで追及することができるようになっておるわけでございます。
#69
○黄川田委員 一年生議員でありますので、なかなか総理とは質問する機会がないので、ちょっと話題を変えまして、行革問題について一点お尋ねいたしたいと思います。
 国家公務員は十年で二五%削減するとのお題目を掲げられております。しかしながら、民間は本当に血が出るリストラを行っておりまして、公務員に関しては二五%、お題目はありますけれども、実行は本当にされるのか、独立行政法人化とかいろいろな形の中で本当に実効性が上がるのかと思っておるわけであります。やはり、その核心は公務員制度改革、ここにあると思っております。
 そこで、現在、内閣官房を中心に公務員制度改革の検討が進められておりまして、伝えられるところによりますと、今国会に提出ということであります。
 しかしながら、今回の改革については、その内容について、天下りやあるいは採用試験の問題、給与の取り扱い、さまざま、官僚による官僚のための改革という批判がマスコミ等からも絶えないわけであります。そのほか検討の進め方につきましても、関係者との意見交換、意見調整が余り行われていないことや、広く有識者を交えたオープンな議論、これが余りなされていないのではないか、こう思っております。この点については、公務員の労働組合も強く不満を持っておるわけであります。また、ILOからも厳しい指摘がなされたことは、これは総理おわかりのところであります。
 このような中、三野党が四月三日に官房長官を訪問した際、官房長官は、関係者と十分な協議をした上で、納得をして決めたいと思っていると答えております。そしてまた、最近の新聞報道によりますと、坂口厚生労働大臣が二十二日、閣議後の記者会見で、公務員制度改革の関連法案について、政府と労働組合との間でよく話をすることが先決だ、余り急いで法案を出すことは控えた方がいい、こう述べておりまして、今国会での関連法案の提出は見送るべきだというふうな考え方を示したと私は思っております。
 そこで、小泉内閣の重要閣僚がこのような御意見を発言されているにもかかわらず、組合との協議もまとまらない中でこの法案の閣議決定を強行したら大混乱になると思っております。我々も覚悟を決めておりまして、四月三日の官房長官への申し入れの際、我が党の山岡本部長も重大な決意で臨むと表明しているように、そのようなことになれば野党三党あるいは野党四党結束して闘っていかなきゃならないということになっておりますけれども、ちょっと長くなりましたけれども、総理は、今までの経緯、経過を踏まえて、公務員制度改革、どんな形で進めてまいりますか。総理からお尋ねいたします。
#70
○小泉内閣総理大臣 国家公務員法改正につきましては、各政党また職員団体等からいろいろな意見があることは承知しております。この改正案を検討するに当たりましては、今御指摘のように、関係者と十分協議をしながら進めていきたいと思います。
#71
○黄川田委員 時間でありますので終わりますけれども、この個人情報保護法案以上に論判しなきゃいけないと思っております。
 終わります。
#72
○村井委員長 これにて黄川田君の質疑は終了いたしました。
 次に、春名直章君。
#73
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。
 初めに、防衛庁の適齢者リスト収集問題について、総理の姿勢と認識を伺いたいと思います。
 防衛庁が、自衛隊入隊を勧めるために、十八歳になった青年の氏名、住所、年齢、性別という四つの情報を適齢者名簿として集めていることが明らかになりました。三十七年間にわたって、全国の市町村を通じてそれを提供させていました。全体の三割近い八百二十二の市町村に提供させて、提供を断られた市町村に住んでいる国民の情報は、自衛隊が直接住民基本台帳を閲覧して集めていたとのことであります。そうしますと、毎年百数十万という規模の個人情報が本人の知らないところで自衛隊に集められていたわけで、国民は大変大きな驚きと危惧を感じています。
 ちょうどけさの朝日新聞に、「防衛庁の人権感覚が昨年の事件から何も変わっていない、世間に通じないものであることが分かりました。と同時に、防衛という名でこれから何が起こるのか、という怖さも感じました。」こういう率直な国民の投書が寄せられています。
 不安な気持ちを持つのは、私は当然だと思うんですね。総理はこのことをどのように受けとめていらっしゃるのか、お聞かせください。
#74
○小泉内閣総理大臣 後ほど担当大臣から答弁いたさせますが、自衛隊において適切な人材を確保するということは、これは大変重要なことは当然であります。
 その際に、自衛隊におきましても各地方公共団体に協力を求めているところでありますが、この募集業務について、情報というのは、この法案におきましても、本人の住所、氏名、生年月日、性別、これ以外は収集する必要ないことなんですよ。だから、これを周知徹底させまして、国民の不安を招かないように、あるいは誤解を解くような教育なり周知徹底、今後も必要でありますので、よく注意しながら適切な運営を図っていきたいと思っております。
#75
○春名委員 それで、今おっしゃったことは重要なことなんですが、同時に、私驚いたのは、一つは、十三歳の中学校一年生から名簿を集めているという問題。同時に、国民が強い批判を持ちますのは、その四つの情報だけではなくて、自衛官募集に全く関係ない、今おっしゃいました、健康状態や職業、技能、免許、続柄、世帯主なども、きょう配られた防衛庁の最新の資料でも、四百四十一の市町村から提供させていたということがきょう報道されております。
 それから、私は、委員会の審議の中で議論されたことについて総理の認識を聞きたいわけですが、こうして本人が知らないうちに集められた適齢者の名簿に基づいてダイレクトメールが発送されて、入隊の勧誘が行われる。そして、応募者に対しては、本人の同意もなく、その個人の情報が警察に行くことも明らかになりました。防衛庁は、警察の協力を得て、住所の確認だけではなく、隊員としてふさわしい者かどうかをチェックするというのが御答弁でありました。
 ふさわしい者かどうかをチェックするというのは一体どういうことか、明確な答弁はありませんでしたが、私は、やはりこれは個人の思想や信条という問題に深くかかわっているのではないかと思うんですね。自分の知らないところで、その四情報だけではなく、職業、特技、健康状態、そして思想、信条に至るまで、自分の秘密であるべきこういう情報が自衛隊や警察によって調べられて、その量が蓄積をされていく。
 これはやはり、先ほどの私の、投書も紹介しましたけれども、本当にこういう事態でいいのかと、今回改めて明らかになって、国民の批判、危惧、大変大きなものになっていると思うんです。これは明確に、このままではだめだと、しっかりやる必要があると思いますが、総理、いかがでしょうか。
#76
○赤城副長官 これは、さもいけないことが行われていたように御指摘でございますので、はっきりこの制度について御理解をいただきたいと思います。
 自衛官というのはまさに国の守りでございますから、その自衛官を募集する、人材を確保する、これは大変大事な業務でございます。
 そこで、防衛庁地方連絡部と同時に、地方公共団体も、これは法定受託事務としてこの募集の事務を行っているわけでありまして、また、その一環として情報をいただいているわけです。これは、あくまで募集の目的に必要な情報ということで限られておりまして、健康情報とかセンシティブ情報についてはいただいていないわけであります。
 なお、先ほど総理から答弁されましたように、募集目的のために必要な情報であっても、これは個人の情報ですから、やはり必要最小限に限るべきだろう、こういうことで、何人でも閲覧できる四情報に限定しよう、このことについては徹底したわけでございます。
 それから、後段の御指摘でございますが、防衛庁としては、その採用する自衛官について、その適性なり、例えば志願票に記載された事項を確認したり、欠格事由というのがありますから、その欠格事由を確認したりということをするのは、これは採用に当たって当然のことでございます。
 一方、警察については、募集について必要な協力をお願いするということは、別途これは法律に規定されていることでございまして、しかし、御指摘のような思想調査というものは行っておりません。
#77
○春名委員 ですから、応募者のことを警察に情報を持ち込むことは何にも必要ないわけでして、そのことをなぜやるのかということが第一大きな問題です。
 同時に、私どもは、地方自治体に自衛隊の募集事務そのものをさせることには反対ですが、しかし、仮に必要だとしても、個人情報保護の観点から、こんなやり方は私は許されないと思うんですね。実際、七〇%以上の市町村は、適齢者情報を提供しておりません。
 なぜかといいますと、募集業務の必要性ということを皆さんがおっしゃるけれども、同時に、個人情報保護の必要性、これをどう認識するのか、こういう真摯な議論の中で、個人情報の方をしっかり守るということが大事なんだ、こういう立場で、七割を超える市町村はこれに応じないということをしているわけでありまして、こうした国民全体、また地方自治体の意向をしっかり受けとめることが私はどうしても必要だということ、このことを改めて今回の問題で提起をしておきたいと思います。
 この事件は、政府提出法案の欠陥を露呈するものだと私は思います。行政機関の保有する個人情報の保護法案は、国民の個人情報を行政に不当に取得させないための行政の適正な取得という規定がありません。思想、信条、医療、福祉にかかわる給付、犯罪の経歴などの、特別留意すべき個人のプライバシーに係る情報、これも収集を原則禁止するという規定がありません。さらに、昨年の防衛庁の情報公開者リスト問題での国民の批判を受けまして、罰則規定も、業務のためにやったんだと言えば罰則の対象にならない。集めた個人情報を行政がその目的以外に利用することについても、相当な理由という大変極めてあいまいな理由でやれることになっているわけです。
 総理にお聞きをしたいんですが、これでは、個人情報を本当に守って権利利益を守るということよりも、行政の都合が優先されていると思われても仕方がないんじゃないでしょうか。総理の見解をお聞かせください。総理、総理、お願いします。
#78
○小泉内閣総理大臣 自衛隊に応募したいという人もいるんですよ、国民は。そういう方に対して、役所が、地方公共団体が便宜を図る、これはやはり行政サービスの一環なんです。そういうことと、個人情報について、この法律の趣旨以外に目的外利用はなされないように適切な運用が必要でありまして、この法案と自衛隊の問題について混同されないようにいただきたいと思います。
 要は、自衛隊につきましても、個人情報を保護するという趣旨を徹底いたしまして、国民に不安を抱かせないような運営が適切になされるよう指示をしていきたいと思います。
#79
○村井委員長 片山総務大臣。
#80
○春名委員 時間がないんですから、やめてください。(発言する者あり)
#81
○村井委員長 ちょっと、一言だけです。指名しております。短く、短く答弁してください。
#82
○春名委員 求めていないですから。早くしてください。(発言する者あり)
#83
○村井委員長 いや、指名しておりますから。簡単に。
#84
○片山国務大臣 今春名委員から三点言われまして、適正取得の規定がないと言うけれども、適正に行政機関や公務員が情報を取得するのは当たり前の話で、日本国憲法でも国家公務員法でも全部書かれているわけでありますから、改めて今回規定しなかったわけであります。
 それから、センシティブ情報ということをよく言われますけれども、すべての情報について、我々は、必要な範囲で必要な限度だけに使え、目的外利用や提供は理由がある場合、こういうことでございます。
 それから、罰則は、今回三条も追加したんですよ。我々は、もともとは、今ある国家公務員法の懲戒処分や守秘義務と刑法の処罰規定で対応できると思ったわけですけれども、いろいろな御議論があるものですから、今回追加いたしまして、民の方は、まず勧告をやって……
#85
○村井委員長 早く、短く。
#86
○片山国務大臣 指導をやって、命令をやって、その最後に罰則でございまして、官の方がずっと厳しいわけであります。
#87
○春名委員 私は、指してもいない人が出てきてほしくないんですね。
 それで、総理、応募したい人はいいんですよ。私はそんなことを言っているんじゃないでしょう、さっきから。本人の知らないところで、四つの情報、公開情報以外の情報も集めて、そして、大規模に集めてそれが警察にも渡っている、そんなことでいいんですか、こんな社会でということを言っているんですよ。そういう問題に対して疑念が出てくるのは当たり前のことなんです。それに対して今議論している法案が、そういう問題にきちっと対処できるのかということを問題提起しているんです。
 野党案は、こうした行政の都合を優先するような内容をすべてふさいで、個人情報をしっかり保護するというところに最大の配慮をしているということを強調しておきたい。
 最後に、野党提出者に伺いたいと思います。
 民間の部門の個人情報保護法も含めてですが、冒頭に質問しました防衛庁適齢者名簿の問題、それから昨年の防衛庁リストの問題、国民が大変不安で怒っているのは、行政や企業が勝手に、自分の知らないところで個人情報、プライバシー情報などなどが収集される、利用されているんじゃないか。これをなくす、ここに解答を出すことが、私は法律の大切なかなめだと考えております。野党案はこれにどうこたえているのか伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#88
○吉井議員 御指摘ありました自衛隊募集リスト問題のような事態というのは、要は、行政機関にも民間企業にも膨大な個人情報が集積されていること、そのデータがコンピューターで結合されると個人のプライバシーが丸裸になるという危険を示したという、この点が一番のポイントだと思うんです。
 きょうの議論というのは、防衛庁問題じゃなくて、むしろそちらだと思っていますが、現行法では、思想、信条、病歴、社会的身分など、特に重要な個人情報の他者による収集や取り扱いが禁止されていないことが、問題を起こす大きな原因の一つです。政府案には、個人のこうしたいわゆるセンシティブな情報の収集を原則禁止する規定はありません。
 野党案は、思想、信条、病歴、福祉の給付の事項、社会的身分などにかかわる情報について、あらかじめ本人の同意なしには取り扱ってはならないと、特に慎重な取り扱いを求めております。
 このいわゆるセンシティブ情報の収集禁止規定は、諸外国にもあり、また、経産省、総務省で、信用情報、通信情報を保護するガイドラインを設け、その中でも同じ規定を設けておりますし、地方の個人情報保護条例でも、個人の機微な情報の収集を原則禁止しているのが千二百五十二自治体に上っております。これは憲法の要請であり、国際的、国内的に大きな流れとなり、また実践の積み上げの中で法制化を可能としているものでありますので、野党はこの立場で御提案をしているものでございます。
#89
○春名委員 今お話しいただきましたように、野党案は、行政に関する個人情報保護法でも、行政の都合優先ではなくて、個人の情報、権利利益をきちっと守るということを貫いております。さらに、民間の方のその基本法についても、センシティブ情報の収集の問題など、今大きな問題になっていることについても、きちっと自己情報をコントロールするという立場から明確な対案を示しております。
 私たちはそういう立場でこの問題に臨んでいきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#90
○村井委員長 これにて春名君の質疑は終了いたしました。
 次に、保坂展人君。
#91
○保坂委員 社民党の保坂展人です。小泉総理に伺います。
 総理御自身おわかりのように、今度の法案は、戦後初めて報道を定義されました。この報道の定義は、「不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること」、こういう定義なんですが、かつて戦前に新聞紙法という法律がありまして、新聞紙とは何かを定義していました。これによれば、題号をもって、タイトルですね、定期的に発行されているもの及び半年以内に不定期に発行されるものはすべて新聞紙だったんですね。これが戦前の新聞の定義です。
 これと比較すると、今回の報道の定義は、戦前のこの定義と比べてかなり狭くなっているというふうに思います。戦前と比べれば、印刷技術やITや放送や、さまざま情報伝達が豊かになってきているんですが、この報道の定義を非常に狭くした理由を、総理の見解を伺いたいんです。
#92
○細田国務大臣 たびたびこの議論はこれまで討議したわけでございますが、報道につきましては、「客観的事実を事実として知らせること」及び「これに基づいて意見」「見解を述べること」という定義にしております。「不特定かつ多数の者に対して」という要件が付してありまして、およそ社会的出来事に関するものはすべて含まれるという意味では、報道の範囲は極めて広くとっておると思っております。
#93
○保坂委員 総理に伺います。戦前に比べて、今回は少し狭いということはわかりますね。総理の見解を。
#94
○小泉内閣総理大臣 法的な定義はともかく、戦前に比べて、言論の自由、報道の自由は十分確保されていると私は思っております。
#95
○保坂委員 それでは具体的に、この委員会で、総理、これはもう一般的に聞きますから、随分いろいろな議論をいたしました。
 特に、最近技術発展が著しい、例えばカーナビであるとか、いろいろ、こういう議論をしてきたなというものを持ってきましたけれども、カーナビでありますとか、あるいは携帯電話、あるいはパソコン、検索エンジンはどうなのか。あるいはパソコンに入っている年賀状ソフト、電話番号を入れればすべて打ち出してくれる便利なものです。あるいは電話帳ソフト、企業でも大変使っていますね、四千万件ぐらいのデータが入っています。さらにもっと応用していくと、営業用の情報サーバーなどがありまして、営業所において、顧客の営業のために、地図などとも合体をして、出かけていくなどのソフトがありますし、また、電話番号調べも、インターネット上でNTTのエンジェルラインなど、さまざま使われております。
 さて、当初の答弁では、これは内閣府の見解の方なんですけれども、内閣府の見解では、実はカーナビや携帯ナビで人をお尋ねするというのも個人情報取扱事業者に入るという答弁だったんですね。しかし、最近になって、これは入らないという話になりました。
 これはまず総理に、一般的に伺いたいんですけれども、官から民へ、なるべく民間でやるものは民間でやらせるというのが小泉総理の持論だと思うんですね。これは、官の方がむしろ強くなって、民間に目を光らせたり、国民のごく普通の一般的な活動が縛られたりとかあるいは萎縮したり、あるいは、ITが発展するんじゃなくてむしろ規制を受けて、なかなか経済がうまく伸びなかったり、こういう心配があるというふうに私は思っているんですが、いかがですか。総理に一言お願いします。
#96
○小泉内閣総理大臣 それは、民間がやっている事業、必要なことは、役所がやらなくても民間がやればいいことであって、それと同時に、民間が個人情報をすべて保護するとは限らないのが現状であります。むしろ、個人情報を流されて迷惑している国民もたくさんいる。そういう点に対する、個人情報が侵害されないように保護するのもやはり政府としての役割ではないか。この個人情報保護といわゆる民間の事業者に対する、特に報道、出版の自由、これをいかに両立させるかということで今回の法案が審議されているのでありまして、その点については十分配慮がなされなければいかぬと思っております。
#97
○保坂委員 それでは、法案の事務方として答弁をずっとお願いしてきた藤井審議官に一言お願いします。
 内閣府の見解をいただいて、きのうの見解ですが、カーナビ、電話帳ソフト、検索エンジン、携帯ナビなどは、一般的に使うユーザーは入りません、これは細田大臣もそう答えていただいています。ただ、三角のところで、インターネットで五千件以上の個人情報をデータベース化したもの、あるいはカーナビで五千件以上の個人情報をデータベース化して事業に用いているもの、例えば宅配業者、これは入りますか、藤井さん。
#98
○藤井政府参考人 お答えいたします。
 インターネットで五千件以上の個人情報をデータベース化したものにつきましてでございますが、これは全く、自宅のパソコンに取り込まれてほかの属性情報と自由に接続できるというような形になりますと、しかもそれが事業の用に供されるということになりますと、これは普通の、私どもの対象としているようないわゆる個人データベースということになろうかと思います。ただ、それにしても、その使われ方が社会的にも事業と言えるものであるかどうかというようなことで、また対象になったり、ならなかったりするということでございます。
 いずれにしても、普通の方が普通の使われ方をしておられるという限りにおいては、この法律は何ら負担をかけるということにはならないと思っております。
#99
○保坂委員 では、内閣府のきのうの見解で入るというものについては、住所、氏名、電話番号以外の情報と結んでいるもの、あるいは電話帳ソフトなどを加工してつくった名簿と。電話帳ソフトなどは、お店なんかでも加工して使っているんですよね。これは顧客リストとか、例えば住所、氏名、電話番号以外に、出身学校名とかこの方の趣味とかあるいは闘病中かどうかとかあるいは来店歴とか、さまざまな情報を入れて、商売をやっている方は使われている。
 細田大臣、米屋さんや本屋さんでも、五千件以上扱っている場合は個人情報取扱事業者に一応なるけれども、普通にやっていれば心配ない、こう言っておられましたが、それは変わりませんか。
#100
○細田国務大臣 この法律は、最近、非常に問題のあるケースが出てきておりますので、それにしっかり目を光らせて、政府によって力が及ぶようにする、あるいは個人によって力が及ぶようにするという目的でございますので、普通の町の本屋さん、米屋さんや酒屋さんが自分のお客さんをパソコンに入れてお得意先の名簿としていろいろ使う、五千件以上になることはまずないということで五千件になっているのでございますが、たまたま六千件あったということであれば取扱事業者にはなりますけれども、それをまたつかまえて、悪いこともしていないのに、ああだこうだということはない。
 ただ、中に、私の情報はどうなっているんだと聞く人があったら、それは対応すべきことになるということはありますけれども、それ以上のことはございません。
#101
○保坂委員 私も、深刻な事態、もう個別法でしっかり縛るべきだと思っているんです。例えば金融とか医療とか、さまざま、ひどい情報が出ていますよ、教育もそうです。ただ、これは一般法で、小泉総理、すべての国民を対象にしているんですよ。重要なのは、理念をうたっていて、これから個別法をつくっていくのではなくて、罰則があるんですね、これ。
 ですから、今細田大臣が答弁されましたけれども、法律を読めば、五千件以上の氏名、住所、電話番号以外に、例えば個人が、この方はA高校出身だ、あるいは病気療養中だ、介護ヘルパーの希望を持っているとか、そういうものを管理して、あるいは商売を始めたりとか、いろいろな形で個人情報を個人が持っているわけです。しかし、それが目的外に使われたりとか、あるいはそれを告発する人、私の情報をどうしてこの人が持っているのということになると、個人情報取扱事業者というふうに知らずに五千件を超えた時点でその人がなって、そして指導あるいは勧告、命令を受けて、これに従わないと、最終的に、悪い場合には半年以下の懲役または三十万円の罰金、最悪は逮捕まであるという罰則つきなんですね。
 ですから、これは、今、細田大臣の答弁だと、善意にやっている人はみんな大丈夫ですとおっしゃるんですが、社会的な混乱を招くんじゃないかと私心配しているんです。
 総理の見解を伺います。
#102
○小泉内閣総理大臣 どの法律でもそうだと思いますが、厳密に、五千件以上、それ以上超えたらだめだとか、住所、氏名、生年月日、性別以外に情報を持っている業者はたくさんありますよ。しかし、それは目的外に使用しちゃいかぬと。これはもう法律以前の問題という部分も随分あると思います。
 この点については、一部の業者によって個人の情報が侵害されている、あるいは個人のプライバシーが侵害されているケースがたくさんあるものですから、そういう点に対してはきちんと保護しようと。同時に、そういう業者に対しては、目的外に使用しないように常々注意してもらおう、また報道機関に対しては、表現の自由、報道の自由、これはしっかりと保障されているんだという点を政府はやはりわきまえて、適切に運用していかなきゃならないということであって、全部厳密に、これはどうか、あれはどうかと言われるときちんと答えられない部分もあると思いますが、その辺は、お互い良識を持って運営されなきゃならない点は十分あるし、今回の法案につきましては、そういうことがないように、適切な運営に配慮する必要があると思っております。
#103
○保坂委員 これは総括質疑で、刑罰がここにあるんですね。ですから、これは、もちろん悪い人もいるけれども、場合によっては冤罪ということもありますからね、事件の中には。えらいことになってしまったと。普通に商売をやっていたのに、五千件以上の顧客データだということで、例えば、宅配便をやっていたんだけれども介護サービスに切りかえるかというときに目的外使用だと言われたら、これは困るわけです。ちょっと、これは総理、もっと勉強して、しっかり認識を持っていただきたいと思います。
 防衛庁の問題、最後にやっておきたいと思います。
 昨日、委員長の指示で、防衛庁の集中審議、この委員会でやりましたけれども、これは、地方公共団体から防衛庁が一応これはもらっていいという範囲の四情報以外の、例えば両親の職業だとか、あるいは電話番号と郵便番号、さまざま、そういうものがあったケースについて、一覧表をいただきました。これ、一覧表ですね。そして、これは、北海道の函館のところで、私、間違いじゃないですかと聞いたところ、間違っていたんですね、北海道の函館の狭いエリアで。
 そして、これをきょういただきました、委員長の指示で。ちょっと汚いですけれども、赤くつけたところが三十数カ所ありますよ。これは全部違うんですね、これは全部違う。それで、これは、私驚いたのは、ふえていったのかと思ったら、群馬などでは四十二件あった電話というのがむしろなくなってしまったり、三重県は続柄が六十二とあったんですが、これは単なる記入ミスで四項目だけでした、こういう報告で今防衛庁が来ましたけれども、これは到底精査をしたと言うことはできないんじゃないか。
 ですから、役所の方は、情報をとるのは簡単だけれども、一体どれだけの情報をとって預かっているかというのはなかなか把握しにくいのです。これは大事な問題ですからね、総理も先ほど答弁されているように。しっかりと今回の防衛庁の、どういう情報のとり方をして、四情報以外に必要ないと思われる情報についてどういう実態があったのか、調査するように指示をしていただきたいと思います。
#104
○赤城副長官 まず、これは現行法令上、情報の提供は募集に必要な情報をいただくということになっておりますので、必ずしも四情報に限られるわけではございません。しかしそれは、最低限にする、最小限にするという意味で、今後四情報に限定をしていくということで周知徹底いたしました。
 それから、御指摘の調査の件でございますが、これは委員会からの指摘によりまして、限られた時間内で精いっぱい調査をいたしました。二十三日にその報告をいたしました。しかし、その際にも、これは十分精査をしてまいりますということを申し上げておりますので、その上で精査して、改めて現段階で正確なところをお出ししたということでございます。(保坂委員「時間がないので。総理にしっかり調査してくださいと言ってくださいよ。委員長、お願いしますよ」と呼ぶ)
#105
○村井委員長 答弁中ですから、お聞きください。
#106
○赤城副長官 これは、当初から精査をしてお出しをするということでございまして、基本的な部分、事実関係についてはそごがございません。
 なお、具体的な数字についての入れかわりはありますということは申し上げた上で、改めて現段階で最新の調査をお出ししたということでございます。
#107
○保坂委員 総理、どうですか。間違いがないようにしっかり調査して出してください。
#108
○小泉内閣総理大臣 法律が適切に運営されるよう調査して、国民の誤解、不安を解くように努力したいと思います。
#109
○保坂委員 終わります。
#110
○村井委員長 これにて保坂君の質疑は終了いたしました。
 以上で各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#111
○村井委員長 この際、枝野幸男君外八名提出、個人情報の保護に関する法律案及び情報公開・個人情報保護審査会設置法案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。細田国務大臣。
#112
○細田国務大臣 ただいまの枝野幸男君外八名提出の個人情報の保護に関する法律案及び情報公開・個人情報保護審査会設置法案につきましては、政府としては反対であります。
    ―――――――――――――
#113
○村井委員長 これより各案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
#114
○松下委員 私は、自由民主党、公明党並びに保守新党を代表いたしまして、ただいま議題となりました内閣提出の個人情報の保護に関する法律案等関係五法案について、賛成の立場から討論を行います。
 近年の高度情報通信社会の急速な進展のもと、各種の事業において、個人情報の利用は著しく拡大しております。しかし、残念ながら、顧客名簿の流出、インターネットホームページからの個人情報の漏えいなどの事例が発生しているのも事実であります。このような中、自分の個人情報が果たして適切に用いられているのかといった国民の不安感は解消されず、国民のプライバシー意識も高まりつつあります。
 一方、このIT時代において、個人情報の有用性に着目し、国民がIT技術の利便性を享受することも重要であります。すなわち、今我が国に必要なのは、個人情報の有用性に配慮しつつ、プライバシーを初めとする個人の権利利益を保護することであります。
 内閣提出の個人情報の保護に関する法律案は、まさにこのような今日的課題に的確に対応できる法案であり、IT時代における国民生活の保護のために不可欠な基盤法制であります。
 しかしながら、一部に、個人情報の保護に関する法律案はメディア規制を意図するものであるとの不安、懸念が払拭されない状況にあったことは遺憾であります。与党三党としても、このような不安、懸念を払拭するための努力を重ね、与党修正要綱を昨年十二月に取りまとめたところであります。
 内閣提出の個人情報の保護に関する法律案は、この与党修正要綱に沿って昨年廃案となった旧法案を修正したものであり、具体的には、一つ、旧法案における基本原則を削除する、二つ、報道機関等への情報提供者に対し、主務大臣は関与しないことを明記する、三つ、報道の定義を明記する、四つ、報道機関に個人が含むことを明記する、五つ、著述を業として行う者を個人情報取扱事業者に対する義務規定の適用除外とすることを明記するなどの修正を行っております。
 この修正によって、個人情報の保護に関する法律案がメディア規制を意図したものであるという不安、懸念は払拭できたものと考えます。
 また、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案は、昭和六十三年に制定された現行の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律について、一つ、保護の対象となる個人情報の範囲を電算処理された個人情報ファイルから、行政機関が組織的に保有するすべての個人情報に拡大する、二つ、新たに、訂正請求権、利用停止請求権を明記するなど、現行法を全面的に充実強化するものであります。
 なお、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案も、昨年廃案となった旧法案から与党修正要綱に沿った修正を行い、行政機関におけるIT化の進展状況にかんがみ、行政に対する国民からの信頼を確保するため、新たに罰則を設けています。
 このたびの内閣提出の個人情報の保護に関する法律案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案等の関係五法案により、官民の両分野において、IT社会にふさわしい個人情報の保護が推進されるものと確信しております。
 以上、内閣提出の個人情報の保護に関する法律案等関係五法案に対する賛成の理由を申し述べました。
 最後に、野党四党提出の法案には反対することを表明いたしまして、与党三党を代表しての賛成討論を終わります。(拍手)
#115
○村井委員長 次に、今野東君。
#116
○今野委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、民主党、自由党、日本共産党、社会民主党提出の個人情報保護関連法案に賛成し、政府提出の個人情報保護関連五法案に反対する立場から討論を行います。
 本日の総理の答弁は、取扱事業者について、その場その場で判断するのだという、個人情報について極めてデリカシーのないもので、私は愕然としております。
 防衛庁が自衛官募集のダイレクトメールを送るために、満十八歳を迎える適齢者の情報の提供を各市町村に要求し、石川県七尾市が提供した一覧表では、両親の離婚や別居などの家庭環境までもが推測できる内容となっていた事件が、先日発覚しました。この事件は、行政が自分の情報を勝手に収集、蓄積して活用しているのではないかという国民の不安や不信をさらに増幅させました。行政側の不透明な情報収集やセンシティブ情報の収集を明確に禁ずることのない政府案では、今後、類似の事件が再発するのではないかという国民の不信や不安を払拭できません。
 以下、野党四党案に賛成し、政府案に反対する理由を具体的に申し述べます。
 政府案には自己情報コントロール権に関する明確な規定がなく、個人情報保護とは名ばかりです。それに対し、野党案は、個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与することその他の個人の権利利益を保護する旨の規定を法律に明記しておりまして、自己情報コントロール権の社会的認知を後押しするための具体的な措置も講じております。
 真の個人情報保護を実現するために、野党案は、センシティブ情報について特に慎重な取り扱いを求める規定を設けておりますが、政府案にはそのような規定がありません。
 次に、個人情報の保護に関する法律案について申し述べます。
 政府案には、事業者に対する主務大臣の監督権限が依然残されておりまして、恣意的介入や癒着のおそれがあります。それに対し、野党案では、第三者機関に権限を与え、国会への報告を義務づけるなどして、最大限配慮する内容となっております。
 政府案の、個人情報取扱事業者に対する義務規定の適用除外要件については、自主努力義務規定を設けているため、報道の自由、表現の自由を制限するおそれがあります。それに対し、野党案は、目的のみで規定し、報道の自由、表現の自由を最大限に配慮する内容となっております。
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案について申し述べます。
 政府案では、個人情報の収集や個人情報の目的外利用についての裁量幅が大きく、本人の知らない間に個人情報が流用されたりするおそれがありますが、野党案は、一定の制限を設け、官僚の行動に歯どめをかけています。政府は、目的外利用の制限で足りるとしておりますけれども、国民の不安を解消できるものではありません。野党案では、慎重に慎重を期して、データマッチングに関する規定も設けております。
 また、政府案には裁判管轄に関する明示の規定がないために、東京地方裁判所以外には訴訟をできないことになっておりますが、野党案では、地方裁判所にも提起することができるものとしております。
 政府案の罰則規定は、官僚等が利己的動機で個人情報を不正利用した場合などにしか対応しておりません。そのため、防衛庁リスト事件のような問題は不問に付される可能性が非常に高く、行政機関に甘い法案となっています。それに対し、野党案は、行政機関に厳しい姿勢で臨み、実効性のある罰則を設けております。
 真の個人情報保護を目指し、同時に、表現の自由を初め、国民生活の自由に最大限に配慮した法案が野党案であります。
 法律は、すべて国民のためになければなりません。しかし、政府案は、個人情報保護に名をかりて、官僚や与党政治家にとって住みやすい世の中をつくるための法律にすぎません。政府案は、国民にとって都合のいい法律ではなく、官僚や与党政治家にとって都合のいい法律であることを指摘し、私の討論を終わります。(拍手)
#117
○村井委員長 次に、黄川田徹君。
#118
○黄川田委員 私は、自由党を代表して、内閣提出の個人情報の保護に関する法律案、行政機関における個人情報の保護に関する法律案等五法案に反対の立場、並びに、民主党、自由党、共産党、社会民主党共同提案の個人情報の保護に関する法律案、行政機関における個人情報の保護に関する法律案等四法案に賛成の立場から討論をいたします。
 さて、政府は、問題の多かった旧法案等を廃案として、新たに、旧法案から利用目的の制限などの基本五原則の廃止や適用除外対象の追加等の大幅な修正を行った個人情報保護法案や、個人情報を取り扱う行政機関の職員に対して新たに罰則規定を設けた行政機関における個人情報保護法案等を提出いたしました。しかしながら、内容的に問題が多いことには変わりありません。
 まず、政府提案の個人情報保護法案の問題点についてでありますが、政府案では、個人情報の取り扱いに関して、政府が基本理念と基本方針を定め、国、地方公共団体の責務を明確にするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務を定めることとなっております。
 しかしながら、これだけでは、個人情報の保護という本来の目的に反して、むしろ、政府・与党がジャーナリズムや表現活動に新たな制約を加えるのではないか、いわば、官が情報をコントロールするだけの法案になってしまう懸念が非常に強くあります。
 また、個人情報の収集、利用、第三者に対する提供に係る本人の権利、権益を保護するための自己情報コントロール権や、センシティブ情報の無原則な収集を許さないための取り扱いについての基本理念や具体的な事項がないなど、極めて重要な点について一切触れられていません。
 さらに、個人情報を取り扱う事業者の事業内容によって主務大臣を置くこととしているため、所管大臣ごとに異なる取り扱いがなされるなどの事態が生じる可能性や、公権力による表現、報道への不当介入を招くおそれがあります。
 次に、政府提案の行政機関が保有する個人情報保護法案についてでありますが、政府案では、センシティブ情報の慎重な取り扱いのための具体的内容についてこれまた一切触れられておらず、自己情報コントロール権についても法案の目的としていないばかりか、具体的な点についても抜け道が多いものとなっています。また、本人の同意、提供以外の目的外利用については第三者的機関がチェックするシステムがないなど、行政機関が恣意的に個人情報をコントロールしたり、他の目的に利用しかねない可能性をはらんでいます。
 以上、政府提案の五法案は問題点が極めて多く、到底容認できる内容ではありません。これに対し、民主党、自由党、共産党、社会民主党提案の四法案は、政府案に見られる問題点は解消され、真に国民生活に必要な内容となっていると思われます。
 よって、自由党は、政府提案の五法案に反対、民主党、自由党、共産党、社会民主党提案の四法案に賛成することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#119
○村井委員長 次に、春名直章君。
#120
○春名委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の個人情報の保護に関する法律案及び関連四法案に反対、並びに野党提出の個人情報の保護に関する法律案及び関連三法案について賛成の討論を行います。
 政府案に反対する理由の第一は、表現、報道の自由を侵害するおそれがあるということです。
 政府基本法案には、個人情報を取り扱う事業者を監督するために主務大臣が設けられています。主務大臣には事業者の取り扱う個人情報が報道目的なのか著述目的なのかの判断がゆだねられており、報道や著述が狭く限定されたり、恣意的な判断がなされるという、公権力が報道や著述に介入できる危険な構造となっていることは重大です。
 また、政府案は、放送機関や新聞社などに、個人情報の苦情処理や適正な取り扱いを求める規定を設けています。メディアが自律的に定めるルールや倫理に国が法律で指示すべきではありません。疑惑の政治家がこの規定を根拠に、苦情に応ぜよと要求し、報道取材活動を妨害する口実にもなります。
 一方、野党案には、表現、報道及び個人のプライバシーに公権力を介入させないために、これを実施する監督機関を、行政から独立性を持つ第三者機関で行うことを規定しています。
 政府は、第三者機関は行革に反すると言っておられますが、この必要性は、政府案を検討してきた専門家も参考人質疑で明らかにされました。しかも、第三者機関は、既にイギリス、ドイツ、フランスでも実施されている国際標準であります。
 反対理由の第二は、政府案には、思想、信条、病歴、犯罪歴など、個人の名誉、信用、秘密に直接かかわるセンシティブ情報の収集や取り扱いを禁止する規定が欠落していることであります。
 これらの個人情報は、野党案に規定されているように、民間事業者であれ行政機関であれ、法律に基づく場合や生命にかかわる緊急な場合など特別の場合を除いて原則収集禁止というのが、憲法に定められた幸福追求権や法のもとの平等原則からも当然です。
 センシティブ情報の収集禁止規定の必要性は、自衛官募集リスト事件、昨年の防衛庁の情報公開者リスト事件でも明らかであります。政府は、センシティブ情報を類型化できないからと拒否しています。しかし、この規定は、諸外国でも設けられ、国内では個人情報保護条例を策定している地方自治体の六割が既に設けて実施しているもので、何ら問題は起きていません。
 反対の第三の理由は、自分の情報の取り扱いに自分が関与し選択するという自己情報コントロール権の立場をとっていないために、企業や行政機関の運営が優先され、個人の権利が後景に追いやられていることであります。
 その典型が政府の行政機関法案の目的規定です。「行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護する」という規定に端的にあらわれています。
 また、個人情報の目的外利用についても、相当な理由があるときというあいまいな規定では、行政の都合や利便性に偏った判断で、個人情報が国の機関から地方公共団体まで全国の行政機関で使い回しされるおそれがあります。
 この点、野党案は、法案の目的に個人情報の取得、利用、提供など、本人が関与する自己情報コントロール権の立場を明記しています。
 目的外使用についても、第三者機関である個人情報保護審査会に諮問し、客観的立場からの検討を経てから使用の是非を決めるなど、行政の恣意的判断を排除する仕組みになっているのであります。
 第四の理由は、政府案の制定によって、金融、通信など手厚く個人情報保護策を講ずる必要がある分野の施策が後退するおそれがあることです。
 これらの分野は、現在、所管省で基本法案よりハードルが高いガイドラインを設けて個人情報を保護しています。ところが所管省からは、基本法に合わせてガイドラインのハードルを引き下げる意向が審議の中で明らかにされました。個人情報保護法の制定が個人情報保護策の引き下げの役割を果たそうとしていることは重大であります。
 以上、政府案について反対、野党案について賛成であることを表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#121
○村井委員長 次に、北川れん子君。
#122
○北川委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、内閣提出、個人情報保護関連五法案に反対の討論を行います。
 一昨年三月末に提出された政府案は、表現の自由、報道の自由等を制限し、個人情報保護の法制度としても欠陥が多く、私たち野党四党を初めマスコミや市民団体等からの激しい反対を受け、昨年末、廃案となりました。
 今回の個人情報保護関連五法案は、メディア規制というほんの一部について修正しようとする小手先の修正提案であり、各界の不安や疑問に真摯にこたえようとするものではなく、何とか法案を通すための妥協にすぎないものと言えます。
 まず、民間法制は、自己情報コントロール権の規定が不明確、不十分であること、個人情報取扱事業者に対する主務大臣の監督権限が残されたままであること、特に、何が報道に当たるのかを主務大臣が判断する仕組みとなっていること、個人のジャーナリストは除外となっても、出版社は明記されていないこと、センシティブ情報の取得の禁止がないこと等の大きな問題を抱えています。
 しかも、審議の過程で、報道の定義の根拠となった最高裁判決も検討が不十分なものであること、携帯電話、カーナビ、インターネットやホームページも主務大臣の監督下に置かれかねないし、年賀状ソフトを加工して使用した個人も対象となり得ること、適用除外でないのに主務大臣がいない業態もあることなど、法案の根幹に大きな問題があることが明らかになりました。
 次に、行政機関法制では、罰則の一部が手直しされただけで、自己情報コントロール権の不明確さ、情報の取得に関する歯どめが弱いこと、目的外利用等に関する行政の裁量幅が大きく、役所の内部での個人情報の使い回しを事実上許容していること、センシティブ情報の収集禁止規定も追加されていないこと、個人情報ファイルの事前通知、個人情報ファイル簿の作成、公表の例外が広過ぎること、データマッチング規制が盛り込まれていないこと、情報公開法にある裁判管轄の特例規定がないことなど、問題が依然として残っています。
 特に、防衛庁適齢者情報収集問題によって、情報取得と使用の実態、行政内部及び国と自治体における情報のやりとりによって歯どめが歯どめたり得ない問題や、センシティブ情報規制の必要性など、本案の欠点が露呈しました。
 個人情報保護関連五法案は、個人情報の保護のあり方を定め、また、報道の自由、表現の自由を初めとする基本的人権全般にかかわる重要法案であることから、十分かつ慎重な審議が求められていました。しかし、わずか四十時間にとどまり、重要法案の採決の前提である中央、地方公聴会も開催されていません。特に、裁判管轄の問題があるにもかかわらず地方の意見すら聞かないのは、大変疑問に感じます。また、各主務大臣にかかわる法案であるのに、全大臣質疑も行われておりません。担当大臣の答弁も、勉強します、検討します、これから詰めますといったように、あいまいかついいかげんの連続であり、審議はまだまだ不十分です。
 にもかかわらず、基本的人権や国民生活にとって非常に重要な案件である個人情報保護関連五法案を、十分な審議もないままに、拙速に、今まさに採決に至ろうとしています。統一自治体選挙中で、さまざまな政治課題について有権者の判断を仰いでいる時期に、一瀉千里に法案を採決しようとすることに対し、立法府の責務を果たし得たのかと後世必ずや大きく問われることと危惧いたしております。
 以上申し上げて、私たち社民党・市民連合の反対討論といたします。(拍手)
#123
○村井委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#124
○村井委員長 これより採決に入ります。
 まず、枝野幸男君外八名提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案の各案を一括して採決いたします。
 枝野幸男君外八名提出の各案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#125
○村井委員長 起立少数。よって、枝野幸男君外八名提出の各案は否決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して採決いたします。
 内閣提出の各案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#126
○村井委員長 起立多数。よって、内閣提出の各案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#127
○村井委員長 この際、ただいま議決いたしました各案のうち、内閣提出、個人情報の保護に関する法律案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案に対し、逢沢一郎君外五名から、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より順次趣旨の説明を求めます。細野豪志君。
#128
○細野委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党及び保守新党の各会派を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    個人情報の保護に関する法律案に対する附帯決議(案)
  高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、政府は、本法の施行に当たっては、表現の自由等の基本的人権を尊重し、個人情報の有用性に配慮しつつ個人の権利利益の保護に万全を期するよう、特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一 取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれの少ないものとして、個人情報取扱事業者から除かれる者を政令で定めるに当たっては、国民生活への過剰な規制やIT社会の発展の妨げとならないよう十分に配慮すること。
 二 利用目的による制限、利用目的の通知、第三者提供の制限、保有個人データに関する事項の公表、開示等に係る義務規定の例外事由の解釈に当たっては、個人の権利利益の適切な保護の観点から十分に配慮すること。
 三 主務大臣の権限行使に当たっては、「表現の自由、学問の自由、信教の自由及び政治活動の自由を妨げてはならない」とする本法の規定の趣旨を徹底すること。
 四 出版社が報道又は著述の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合は、個人情報取扱事業者に係る義務規定の適用除外となることを明確にすること。
 五 医療、金融・信用、情報通信等、国民から高いレベルでの個人情報の保護が求められている分野について、特に適正な取扱いの厳格な実施を確保する必要がある個人情報を保護するための個別法を早急に検討すること。
 六 第三者機関の意義について交わされた論議等さまざまな国会における論議を踏まえ、全面施行後三年を目途として、本法の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
    …………………………………
    行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案に対する附帯決議(案)
  膨大な個人情報を保有する行政機関の特性及び高度情報通信技術の急速な発展が国民生活に及ぼす影響にかんがみ、政府は、本法の施行に当たっては、個人の権利利益の保護に万全を期するよう、特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一 行政機関の保有する個人情報の開示請求権、訂正請求権及び利用停止請求権の実効性を確保するため、個人情報ファイルの保有等に関する事前通知並びに個人情報ファイル簿の作成及び公表に係る義務規定の適用除外の解釈に当たっては、個人の権利利益の保護の観点から十分に配慮すること。
 二 保有個人情報の目的外の利用及び提供が所定の要件に該当するか否かの判断は慎重かつ客観的に行うとともに、利用目的が異なる二以上の個人情報ファイルを電子計算機を用いて照合し、又は結合する場合には、個人の権利利益を侵害しないよう十分に留意すること。
 三 開示決定等の期限等については、請求者の権利行使を侵害しないように厳正に運用するとともに、個人情報に係る訴訟に関しては、地方在住者に対して不利益にならないように、本法施行後における当該訴訟の状況を考慮し、司法制度改革の動向を踏まえ訴訟の管轄について検討すること。
 四 思想、信条、宗教、病気及び健康状態、犯罪の容疑、判決及び刑の執行並びに社会的差別の原因となる社会的身分に関する個人情報の取得又は保有に当たっては、利用目的を厳密に特定するとともに、可能な限り法律その他の法令等によって取得根拠を明確にし、その利用、提供及び安全確保に特段の配慮を加えること。
 五 個人情報の取得に当たっては、防衛庁リスト問題、自衛官適齢者情報入手問題等の教訓を踏まえ、適法かつ適正な方法により行うこと。
以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#129
○村井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 両案に対し、それぞれ附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#130
○村井委員長 起立多数。よって、両案に対し、それぞれ附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの両附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。まず、細田国務大臣。
#131
○細田国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#132
○村井委員長 次に、片山総務大臣。
#133
○片山国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#134
○村井委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#136
○村井委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十四分散会

ソース: 国立国会図書館
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