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2003/07/25 第156回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第156回国会 本会議 第47号
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2003/07/25 第156回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第156回国会 本会議 第47号

#1
第156回国会 本会議 第47号
平成十五年七月二十五日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成十五年七月二十五日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 小泉内閣不信任決議案(菅直人君外十一名提出)

    午後三時二分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○下村博文君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 菅直人君外十一名提出、小泉内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#4
○議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 小泉内閣不信任決議案(菅直人君外十一名提出)
#6
○議長(綿貫民輔君) 小泉内閣不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。菅直人君。
    ―――――――――――――
 小泉内閣不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔菅直人君登壇〕
#7
○菅直人君 私は、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合を代表し、小泉内閣不信任決議案提案の趣旨弁明を行います。(拍手)
 まず、決議案を朗読します。
  本院は、小泉内閣を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 どうか、この不信任決議案に対して、野党はもとより、与党の中でも、今の総理大臣の言動やあるいはイラク支援法に対して、テレビの場を通しても、絶対に賛成はできないと言われている方が何人もおられるわけでありますから、与野党を超えてこの不信任案に対して賛同いただきますよう、冒頭に心からお願い申し上げます。(拍手)
 今国会は、総理の、公約が守れないことなどは大したことはないという発言に始まり、イラクのどこが非戦闘地域か、わかるわけがないという、イラクに自衛隊を送る法案を出している内閣の総理大臣としては考えられないような無責任な発言で会期末を迎えてまいりました。この二つの発言こそが、小泉総理の無責任さ、そして自民・公明連立政権の無責任さのすべてを語っていると思います。
 今、私は、日本が、日本社会が崩れつつあるという大変強い危機感を覚えております。きょう、朝の新聞を見ましても、社会保障制度の根幹の一つであります国民年金の未納者が何と三七%にも達しているとあります。今や、国民年金という制度が内側から崩壊しつつあるわけであります。また、自殺者が五年間連続して三万人を超えている。中でも、倒産や失業など経済的動機による、働き盛りの五十代の自殺者が増大いたしております。
 このような危機的な状況に対して、自民・公明連立の小泉内閣は、この間、一体何をしてきたのでしょうか。崩れ行く日本を立て直すどころか、構造改革なくして景気回復なしというスローガンを叫ぶばかりで、何一つ効果的な手は打てず、日本の危機は深まるばかりではなかったですか。
 その上、大義名分を欠いたイラク戦争に対する支持や、戦争の続くイラクへ自衛隊を送るためのイラク支援法の強行など、小泉内閣は日本を誤った道に導こうといたしております。
 今回の内閣不信任案は、単に小泉総理の退陣を求めるばかりでなく、解散・総選挙を求め、政権交代によって危機的な状況から日本を救い出す、国民のための政権をつくろうという野党の一致した、そして、国民の多くの皆さんの支持を得た、私たちの小泉政権に対する挑戦状であるわけであります。(拍手)
 さて、小泉政権の誤った政策を数え上げれば切りがありませんけれども、四点についてまず申し上げてみたいと思います。
 まず第一に、小泉総理が国民と約束した構造改革が全く進んでいないという一点であります。
 改革なくして成長なしと叫び続けてきましたけれども、一体、何が改革として実行されたのでしょうか。
 私は、改革の第一歩として、むだな税金の使い方をやめることが必要だと。
 例えば、あの諫早湾の干拓事業など、減反減反で全国で四割以上の農地が既に減反の対象になっている中で、なぜ海の上に農地をつくらなければいけないのか。与党の皆さんの中で説明ができる人があったら、一人でも言ってみてください。だれもができないわけでありますけれども、その税金のむだ遣いの公共事業をやめることすらできておりません。
 川辺川ダムに関連して多くの資金を得た自民党現職議員がおられますけれども、この事業も、農民の訴訟が勝訴したにもかかわらず、これすらとめることができないわけであります。
 さらには、三位一体改革と言いながら、補助金の削減対象の中にはなぜ公共事業を盛り込んでいないのでしょうか。まさに公共事業こそ、政治家がピンはねをし、そして官僚が天下りの材料にし、そして業界が談合を行う、そのまさに手品の種、そうしたむだ遣いの税金の種であるから、これだけは地方に移譲するわけにはいかない、国政が握っておきたいというのが、この三位一体改革から公共事業をわざわざ外して聖域扱いにした、その理由以外に考えられないじゃありませんか。
 こうした形で、今や、地方分権という言葉も、自由民主党が語る限り、その中身は全くの骨抜きであり、そして、分権どころか、結局は地方に負担だけを押しつけて権限だけは国が持っておこうという地方分権逆行三位一体改革だ、このように申し上げなければなりません。(拍手)
 そして、道路公団の改革などに関しても、いまだに、天下りの象徴とも言える藤井総裁の首一つ切れないで、扇大臣の顔色をうかがっておられるのかもしれませんけれども、これだけの、かけ声だけの改革にとどまっているわけであります。
 特殊法人の廃止・民営化といった問題も、統合・独立行政法人化という看板のかけかえでごまかして、さらには、医療制度の抜本改革という、厚生大臣の時代、私の後の厚生大臣を務められた小泉厚生大臣の時代からの約束も、結局は、先送りしたまま、負担だけを国民に押しつけているのが現実ではありませんか。(拍手)
 第二には、経済の失政であります。
 デフレ不況は悪化し、失業や倒産は増加し、財政の危機的状況はさらに深刻になっております。
 先日の予算委員会でも、国債発行三十兆円以下という公約が守られなかったということを聞いたときに、それは税収見通しが五十兆円のつもりが下がったので仕方がなかったんだ、柔軟かつ大胆にやっただけなんだ、このように答弁されました。
 しかし、五十兆円という税収見積もりを行ったのは、一体、だれが行ったのですか。これまで民主党のせいにされようというのですか。政府がみずから五十兆円の税収見通しを立てて、それを実現する責任を持っていながら、五十兆円が減ったのは私のせいじゃない、三十兆円を超えたのは仕方がなかったんだ、こんな無責任な答弁がまかり通っている。これをごまかしと言わないで何と言えばいいのでしょうか。(拍手)
 五百三十万人の雇用増という第一回目の骨太方針も、それじゃ五百三十万人が今の雇用にプラスされたのか、このようにお聞きしますと、決してそういう数字にはなっておりません。現実に、二年前の就業者数全体で見ますと、この二年間で、五百三十万人ふえるどころか、百万人以上、百二十万人以上の減少というのがまさに純粋な数字の就業者数であらわれているわけであります。
 このように、五百三十万人ふえたけれども、それは多分、別のところで七百万人減ったんでしょう、そういう答弁が返ってきそうでありますけれども、この答弁もごまかしであるということは言うまでもありませんが、ここまではまだ言っておられませんので、私からかわりに御説明を申し上げておきたいと思います。(拍手)
 第三には、政治改革を後退させたということであります。
 小泉政権が誕生して二年余りの間、どれだけの事件が発覚いたしたでありましょうか。昨年の鈴木宗男議員、坂井議員、大島議員など、政治と金にまつわる疑惑や事件が頻発いたしました。政治不信と日本社会の沈滞が、税金の使い道をゆがめる自民党流の利権構造に沿ったそうした政治である、それが原因であることは明々白々の事実であります。
 しかし、総理は、こういった政治と金の問題の改革を行うべきだと言いながら、現実には、こういった面で何一つリーダーシップを発揮しようとはしてこなかったじゃありませんか。
 そして、国会の終盤になりまして自由民主党が出してきた政治資金規正法改正案は、これは一体何ですか。十年前に、政治と金の問題で透明化を高めるために公開基準を年間五万円としたものを、今度は二十四万円に引き上げる。透明度を、わざわざ墨を塗って透明でなくするような改革案というもので、まさに、これが逆行でなくして何と答えられるのでしょうか。(拍手)
 このような中で、多くの閣僚がいろいろな不適格な発言を繰り返されました。衆議院議員あるいは与党議員、そして大臣の中には、レイプ容認発言、あるいは子供たちの犯罪に絡んだ不適格な鴻池大臣の発言、さらには、多くの閣僚がそうした不適格な発言をされました。
 しかし、小泉総理は、そうした大臣を任命した任命責任者であります。そういった観点からも、総理としての責任が強く求められる、このこともあわせて申し上げておきたいと思います。
 そして、こうした中で、もう一つだけ申し上げておきますけれども、小泉総理と私は、この国会の中で、五度、予算委員会で、そして五度、党首討論で討論をいたしました。そして、小泉総理の討論の答弁は、常に、総理大臣として答弁するという姿勢が全く欠けておりました。例えば、三十兆円の枠についても、二言目には民主党が法律で縛ったのはけしからぬと、全く話をすりかえております。
 先ほど申し上げましたように、私たちは、もし二年前に民主党が政権をとっていれば、税収をそこまで減らさないような、そうした内需拡大策をやることによって税収減を防ぐことによって、三十兆円の枠の中できちんとおさめることは十分に可能であったわけであります。(拍手)
 小泉総理は、みずからこの場所で国民に向かって、三十兆円枠を守るということを約束しながら、それができなくなると、その責任はあたかも野党にでもあるかのごとく責任を転嫁する、あたかも自民党の抵抗勢力に責任があるかのごとく責任を転嫁いたしております。
 しかし、道路公団の改革など、自民党の抵抗勢力の抵抗が強い問題にしても、抵抗勢力とは一体何ですか。自由民主党の国会議員じゃないですか。自由民主党の国会議員と自由民主党の総裁が争うことが、何が本当の意味の改革推進なんでしょうか。(拍手)
 つまりは、小泉総理の五〇%前後と言われる国民の支持率のその根源がどこにあるかといえば、まさに、自民党抵抗勢力とけんかをしている、けなげにけんかをして頑張っている小泉総理というところにその根源があるわけでありますけれども、それは、言葉をかえれば、みずからの党もきちんとした形でおさめ切れていないという、指導力のない総理であるということをみずから証明していることになるのではありませんか。(拍手)
 ましてや、閣僚までもが必ずしも総理と同じ方向の改革を進めていないということを言えば、小泉内閣総理大臣は、与党もおさめられない、みずから任命した閣僚を含む内閣をもおさめられない、全く指導力のない総理大臣であるということをみずから証明しているのではありませんか。(拍手)
 どうか、国民の皆さんにもお聞きをいただきたいのですけれども、抵抗勢力対小泉総理というのは、抵抗勢力が自由民主党議員の中の抵抗勢力であることを考えれば、まさに、ベンチの中で監督と選手がけんかをしているようなもので、そのけんかは確かにスポーツ紙の中ではおもしろいかもしれないけれども、フィールドでは、国民のために戦うべきフィールドでは、倒産、失業、そして赤字の累積と、まさに大量失点を繰り返してきたのがこの小泉政権ではありませんか。(拍手)
 そういう中で、小泉総理のもう一つの特徴をこの際申し上げておきますと、大変みずからを褒めることが天才的にうまい方であります。
 郵政事業の民営化についても、これまでは一言も声も発せられなかったのが、自分が総理大臣になって言い出したからみんなが言い出したんですと。それは、十年前に小泉総理が郵政大臣のときから一つとして郵政事業民営化が前に進んでいないから、十年前の公約を、前進していないからこそ、それが進んでいないからこそ、十年間変わらない公約を言い続けられているわけでありまして、つまりは、みずからが実行できていないことの裏返しである。それもすべては私がいるからこんなに頑張ったんだ、道路公団の民営化だって、だれも言わなかったのに、私が出たから言えているんだと。
 言えているだけなら、ふろ屋の話ではありませんけれども、ユウばかりではだめなんです。総理大臣は行政の責任者でありまして、言うのなら別の立場でできます。野党の党首でも十分に務まります。しかし、実行するためには、内閣の権限を持った総理大臣でなければできないのです。その総理大臣が、権限を持ちながら、言ったからといって褒めてください、言ったからといって皆さん褒めてくださいという、みずからを褒めるのは、私が見ている限り、率直に申し上げて、恥ずかしい思いさえしてくるのが私の実感であります。(拍手)
 さて、そこで、今、参議院で議論をされているイラクの問題について触れなければなりません。
 私は、日本外交の柱は、日米関係をしっかりとすること、そして、国連というものを大事にすること、そして、アジアの国々との連携をしっかりとしていくこと、この三本の柱から成り立っている。これは、自民党、小泉総理も基本的には同じ認識だと思います。
 しかし、小泉外交のこの二年間を見ておりますと、そうした三本の柱がしっかりと成り立っているとはとても思えません。ブッシュ大統領の顔色ばかりをうかがうような対米追従の外交に終始してきたのが、この二年余りではなかったですか。
 日本とアメリカとの関係をしっかりと、その信頼関係を維持し強めるためには、ただブッシュ大統領が言ったからそれに従うというのではなくて、みずからの主体的な考え方を持った中で、言うべきことは言い、そして同調すべきことは共同してやっていくという、まさに和して同ぜずという姿勢こそが今の日本外交に求められていると私は考えますが、皆さん、いかがでしょうか。(拍手)
 今回のイラク問題での対応は、まさに、そうしたアメリカ追従型の、ブッシュ大統領追従型の日本外交の自主性のなさを露呈したばかりではなく、まさに、日本を将来に向かって危うい道に導くものと言わざるを得ません。
 開戦時に、支持する理由として、大量破壊兵器が存在する、このように総理は言われました。しかし、この間の質疑の中では、大量破壊兵器の疑惑が国連などによって指摘されたからそう言ったんだと言われました。疑惑と、存在を断定することは、明らかに質的に違います。まさに誇張以外の何物でもありません。
 先日来日されたブレア・イギリス首相は、四十五分間で生物化学兵器がミサイルに搭載できるという、そうした誇張した表現をしたことによって、そして、それを漏らしたとされる政府高官が板挟みで自殺に追い込まれたことをもって、総理大臣としてやめるべきだという世論が今や三〇%を超えるところにまで達していることは、皆さんも御承知のとおりであります。
 独裁国なら知りません。民主主義国のリーダーが、総理大臣が、国民に向かって事実をねじ曲げた、誇張した表現をして、そしてイラク戦争という極めて重大な判断を、そのねじ曲げた、誇張したその主張によって国民を説得したとすれば、これはまさに総理大臣の資格そのものが問われている、このように言わざるを得ません。(拍手)
 さきの予算委員会でも、我が党の岡田幹事長が、何万人ものイラク国民、あるいはアメリカやイギリスの兵隊が亡くなったこの戦争に対して判断をするときにそんな軽い判断でよかったんですかということを指摘してくれておりますけれども、まさに、私は与党の皆さんにもそのことを申し上げたいと思います。
 これからイラクという戦地に皆さんは自衛隊を送る法案に賛成されたわけでありますけれども、その重さがどの程度のものかを、まさに真摯に、本当に受けとめた中で議論が進んできたのか、そのことを私たちはもう一度皆さんに申し上げておかなければなりません。(拍手)
 自衛隊の任務は、まさに、祖国日本の防衛であります。そして、国連の要請によって、停戦が達成された後のあのカンボジアなどに対するPKO活動を、それに加えて私たちは認めてきているわけであります。九月十一日のテロに対して、それを抑えるためにアメリカが自衛権の発動として行動したことに対して、それの支援をすることも、テロ支援法で例外的に認めてきたところであります。
 しかし、今回のイラク支援法の内容は一体どういうことになっているのでしょうか。
 既に予算委員会あるいは党首討論でも申し上げましたけれども、非戦闘区域というものが本当にイラクの中に存在すると思っておられる皆さんがどれだけいるのでしょうか。つまりは、非戦闘区域という概念を持ち込まなければ憲法との整合性がつかないから、その整合性をつけるための架空の概念として非戦闘区域という言葉を法律に盛り込んだのではありませんか。
 そうした架空の概念に基づいて、もし、自衛隊が戦地イラクに送られ、そして大きな戦闘に巻き込まれるようなことになったときに、本当に、それに賛成した与党の皆さんはみずからの責任をとるという覚悟で賛成されたのか、総理はその覚悟で法律案を出されたのでしょうか。
 先ほどにも重なりますけれども、それでは、イラクには非戦闘地域は存在するんだ、必ずあるんだ、間違いなく調査をすればあるんだと言われたから、それならせめて一カ所でもその場所を指摘してもらえませんかと問いましたら、何と答えられたか。重なりますけれども、そんなこと私がわかるわけはない、居直りの答弁であったわけでありまして、こんな無責任な人に日本の防衛の自衛隊のその最高責任者をお願いするわけにはいかないわけでありまして、そのことを強く申し上げておきたいと思います。(拍手)
 そうした中で、今、私たちのこの日本は、本当に行き詰まりの中にあります。私は、この日本がここまで行き詰まってきた大きな原因は、一つには、日本そのものがいろいろな側面で弱くなってきている。私たちは、強い日本をつくっていきたい、このように考えております。(拍手)
 治安の面でも、そして教育の面でも、そして技術の面でも、日本はかつては、日本の治安は、まさに世界で最も安全な国と言われました。また、教育においても、しっかりした教育がある時期までは行われているという認識がありました。技術革新においても、日本が世界をリードしてきた時代もあったわけであります。
 しかし、そうした状況に対して、本当にどういう形でこの日本を立て直そうとしているのか、総理の言葉からは、抽象的なスローガンは聞こえてくるけれども、具体的な改革の中身は何一つ聞こえてまいりません。
 私たちは、次の総選挙に向けて、強い日本をつくるための基本的な政策、政権政策、マニフェストをまとめて、そして国民の前に提示いたしたい、このように考えております。
 それに加えて、税金をむだに使うお化けがそこらじゅうにいるのではないですか。ピンはねをする政治家お化け、天下り先を求めていく官僚お化け、そして、談合を繰り返す業者お化けなど、そこらじゅうに税金をむだに食い尽くしていくお化けが存在いたします。そして、残念ながら、自由民主党はそのお化けと最も仲のいいお友達ではないですか。(拍手)
 そういった意味で、このお化けを退治するためには、自由民主党あるいはそれに寄り添っている公明党の、さらにはもう一つ保守新党といった、そういう連立政権であっては、そうしたお化け退治はとてもできないことは明らかであるわけであります。
 そういった意味で、私たちは、この不信任案をぜひとも総理にも真正面から受けとめていただいて、総選挙が行われるその中で、そうした強い日本をつくる、そして税金のむだ遣いお化けを退治するという二つの基本に沿った政権政策を打ち出すことによって、まさに国民の皆さんに政権を選択していただく、そうした戦いにしていきたいということをこの場で申し上げておきたいと思います。(拍手)
 最後に、もう一度申し上げたいと思います。
 我が国は、本当に危機的な状態にあるわけであります。しかし、小泉総理の、自民党内の抵抗勢力と争うことが人気の源というような、そのあり方そのものが、本当のところでは国民の皆さんの大きな不信の種を広げているのではないでしょうか。
 議院内閣制というのは大統領制ではありません。ですから、国民が選ぶのは、直接に総理大臣を選ぶわけではありません。つまりは、国会議員を選んで、その国会議員の多数派が総理大臣を選ぶわけであります。
 しかし、その国会議員の多数派の、抵抗勢力と言われる多数派の人たちと、そして、その選ばれる総理大臣とが、全く別の考え方を持っている。二年前の参議院の選挙でも、小泉総理は、郵政事業民営化と言われました。しかし、握手をしているある候補者は、体を張っても郵政事業民営化は阻止すると言いました。
 そういう選挙をもし次のときに戦うとすれば、国民は一体何をもって判断すればいいのですか。何をもって判断すれば自分たちの考え方が通るのですか。必ず与党と総理が一致した政権政策を打ち出さない限りは、国民の前に選挙を戦うという資格そのものが問われている、このことを私は改めて申し上げておきます。(拍手)
 そして、その上で、この全野党が一致して提出いたしました内閣不信任案に対して、ぜひ、与党の皆さんの中でも、多くの場所で今の小泉総理に対してふさわしくないとする発言をされている皆さんは、国民の皆さんの前の発言をきちっとこの場で姿勢にあらわしていただきたい。
 それに加えて、最後に、小泉総理にぜひともお願いを申し上げておきたいと思います。
 小泉総理は、まさか、この野党一致した内閣不信任案を逃げてしまうようなことはないでしょう。本当に自信があるのならば、このイラク支援法がもう一度国民の前で議論されるように、そして、今までの経済政策をきちっと国民が審判できるように、この内閣不信任案が議決されようがされまいが、この国会の中で解散をし、総選挙に訴えて、そして国民の声を聞くことを強く強く求めて、私の説明を終わりにいたします。
 どうも長時間ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(綿貫民輔君) 討論の通告があります。順次これを許します。額賀福志郎君。
    〔額賀福志郎君登壇〕
#9
○額賀福志郎君 ただいま菅直人党首の趣旨弁明を聞いておりまして、まことに心のない、内容のない、しかもなおかつ、あきれるとか、ごまかしだとか、そういう表面的な、捨てぜりふ的な言葉を吐いて趣旨弁明とする、そういう政治家を私は目の当たりに見て、大変悲しい思いがするのであります。(拍手)
 演説というものは、長ければいいというものではありません。やはり、きっちりと建設的な内容を伴って、説得力を持たなければならないのであります。こういうものを、口舌の徒と言われても仕方がないのではないかというふうに考えるのであります。(拍手)
 私は、自由民主党、公明党、保守新党の与党三党を代表いたしまして、野党四党提出に係る小泉内閣不信任決議案に対しまして、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)
 このたびの内閣不信任決議案提出に見られるような野党各党の行動は、国会が国民のために政策の議論を堂々と行う唯一の機関であるとの国民の期待から遠くかけ離れているばかりではなく、国会の責任を放棄しているものと見られてもいたし方がありません。党利党略優先の無責任な態度であると指弾しなければならないと考えるのであります。私は、ここに、本決議案には全く正当性がないことを断固明らかにしてまいりたいと思うのであります。(拍手)
 小泉総理は、就任以来、二年三カ月にわたり、いわゆる「聖域なき構造改革」の旗印のもとに、我が国の再生と発展を図り、二十一世紀の日本の躍進を確固たるものにするため、改革路線の構築に全力を注いでまいったのでございます。
 このため、小泉総理は、予算、税制、金融、規制緩和など、あらゆる政策手段を動員いたしまして、デフレ対応策を講じるとともに、構造改革を真剣に加速させてまいったのであります。
 つまり、今国会冒頭におきまして、十四年度補正予算を成立させた上で、十五年度予算とあわせ、雇用・中小企業対策、少子高齢化対応策、経済社会に対するセーフティーネットなどを充実させるとともに、新規産業創出分野や科学技術発展基盤となる分野を含め、大胆な歳出の重点配分を行ってまいったのであります。
 また、経済活性化のかぎとなる税制改革や金融政策にも万全を期し、行政改革も既に着々と成果を上げていることは、皆さん方も御承知のとおりであります。規制改革、制度改正についても、今国会におきまして、構造改革特区法改正案、司法制度改革関連法案などが次々と成立をしてまいったのであります。
 今日の歴史的・構造的改革というものは、一朝一夕にできるものではありません。私に言わせれば、与野党が真摯に議論をした上で、粘り強く、日本の将来を見定めていく改革をしていかなければならないと考えるのであります。私は、今日、あえて、これまでの小泉内閣の実績がすべて完璧であるとは申しませんけれども、引き続いて、政府・与党一体となってさらなる構造改革を推進していくことが時代の要請であると考えるのであります。
 ただいま菅直人党首が申しておりましたように、いたずらに揚げ足取りしかできない現在の野党の諸君の姿を見ていると、日本の未来のために改革を実行していく政策を一体持ち合わせているのかどうか、私は甚だ大きな疑問を持つのであります。(拍手)
 さて、今国会の審議におきまして、内閣並びに与党三党は、野党の諸君の意見を尊重して、常に丁寧な審議を心がけてまいったのであります。野党の諸君が徹底して反対をしていた個人情報保護法案は修正し、新たに提出をいたしたことは、御承知のとおりであります。その上に立ちまして、審議は衆議院で延べ十一日間、参議院においても九日間、連日、精力的な審議を行いまして、成立を図ったのであります。
 また、百五十四通常国会に提出され、継続となっていた武力攻撃事態対処関連三法案につきましても、衆議院での審議時間は百五十四回、百五十五回国会を通じて七十時間を超え、今国会におきましても、衆議院で約二十時間の徹底審議、参議院におきましても約五十三時間の審議の後に成立いたしたのであります。
 我々は、野党の皆さん方と真摯に議論をし、丁寧に国会を運営してきたことを国民の皆さん方にもぜひとも知っていただきたいと考えるのであります。(拍手)
 このように、我々は、有事法制の成立はまさに歴史的な事業であったと考えておりますし、国民も、二十一世紀の安全保障は自由民主党、保守新党、そしてまた公明党との連立政権によって初めて達成することができたと考えているものと思っております。その際に民主党も賛成の意を表明したということは大変歴史的な意味を持ったものと思うのであります。
 このように、小泉内閣と我々与党は、国家の基本となる重要法案の成立に向け、国民の皆様と国会における各党の理解と賛同を得るために極めて慎重な審議をしてきたことをぜひとも御理解いただきたいと思うのであります。
 さらに、延長国会において審議されているイラク人道復興支援特措法案につきましては、米英軍等によるイラク攻撃が終わり、イラク国民を支援する国際社会の取り組みが開始されている中で、我が国も主体的かつ積極的に寄与するため、人道復興支援活動等を行おうとするものでございます。
 このイラク人道復興支援特措法案につきましては、特別委員会を設置いたしまして、連続七日間の集中的な審議を行いました。民主党は、最終場面におきまして、驚くなかれ、自衛隊活動の削除など法案の根本を変える修正案を提出してまいりました。このような修正案はまことに非現実的であり、およそ体裁と体面を整えただけのものであり、とても建設的な対応とは思えません。
 野党四党の諸君は会期も押し迫ったこの時期になぜに内閣不信任決議案を提出したのか、まことに理解に苦しむのであります。会期末の国会を混乱させるだけが目的で、国民の信を問う衆議院の解散に追い込もうとする気迫は一つも見ることができません。本決議案を提出するタイミングはもはや過ぎ去っており、野党の諸君の感覚のずれを国民にさらけ出したも同然でございます。(拍手)
 内閣不信任決議案を、野党四党の結束を取り繕いたいという目的で提出したり、国会会期末のたびに決算大売り出しのように乱発されるのであっては、議院内閣制の権威が地に落ちることは、皆さん方が衆目の一致するところでございます。私は、野党の諸君の猛省を促したいと考えるのであります。(拍手)
 以上、野党四党提出に係る小泉内閣不信任決議案は、いささかの正当性もなく、いわば言いがかりとしか言いようのないものであることを明確に申し上げまして、与党三党を代表し、断固反対の意思を表明して、反対討論にかえたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#10
○議長(綿貫民輔君) 伊藤忠治君。
    〔伊藤忠治君登壇〕
#11
○伊藤忠治君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま上程されました野党四党会派共同提出の小泉内閣不信任決議案に、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 構造改革なくして景気回復なし、小泉総理の決まり文句であります。しかし、本当に構造改革と景気回復は実現したのでありましょうか。アドバルーンを次々と打ち上げるだけで、その内容はまさに空虚そのものであります。
 小泉総理の空演説、空約束、そして、それを追及されますと、その後で開き直る、詭弁を弄して批判者に対する非難、攻撃、これらの言動は、歴史においても権力者がしばしば見せた常套手段であります。こうした指導者をたまたまいただいた国家や国民は極めて悲惨な思いをし、歴史に大きな傷跡を残すということを銘記しなければなりません。
 さて、最も危険で無責任なのが、何といってもイラク問題への対応であります。大義なき戦争支持、自衛隊の派遣という行為は、我が国の戦後史にとって最大の汚点と言わなければなりません。(拍手、発言する者あり)黙って聞け。
 そもそも、国連決議なきアメリカ・イギリス軍によるイラク攻撃を支持したことは重大な瑕疵でありますが、大量破壊兵器に係る米英政府の情報操作によるマスコミ・世論誘導の疑惑などが深まるに従い、我が国政府の対米追従姿勢は我が国外交の致命傷になりかねない危険をはらんでおります。
 小泉総理は、単にイギリスとアメリカの情報をうのみにしただけであることは明白であり、長時間の国会審議においても、ついに、日本政府としての正確な情報把握の事実はなかったのであります。いや、そもそも日本政府が独自に客観的かつ科学的に情報収集に努めたという片りんすらうかがえなかったというのが実態であります。大義は崩壊したのであります。
 小泉総理は、そうした点をつかれると、突如としてお得意の詭弁、強弁、開き直りに終始し、過日の党首討論においても、戦闘地域、非戦闘地域の区別など自分にできるわけがないと、論語まで引用して開き直ってしまう。あなたは、そんな姿勢で日本国民たる自衛隊員を戦地に送り出そうとしている。自衛官にとっても、その御家族にとっても、本当にはらわたが煮えくり返る光景であったと思います。
 私たちは、歴史に禍根を残し、日本国民を戦争の危険に導くイラク法案を断じて成立させることはできません。あなたの重大責任を国会が黙過することはできません。小泉内閣は不信任されて当然であります。
 私が不信任案に心から賛同し、議員の皆さんに同調を訴える第二の理由は、我が国の深刻な経済不況、失業者の増大と雇用不安であります。
 小泉総理が誕生してから、景気はさらに低迷し、企業倒産が相次ぎ、失業率は拡大しているにもかかわらず、新しい雇用も生まれていると開き直る総理の姿勢は、国民の痛みを全く理解していないと言わざるを得ません。(拍手)
 多くの中小企業が貸し渋りや貸しはがしに苦しんでいるのも、小泉総理が金融危機はないなどという大本営発表を繰り返し、金融健全化を先送りしてきたことが原因であります。ついこの春まで健全だったはずのりそな銀行が経営危機に陥り、金融危機対応会議を開かなければならなくなったことが、小泉金融行政の破綻を如実に証明しております。
 まだまだ小泉内閣の口先だけの公約という名の公約違反は数々あります。国債発行三十兆円枠堅持、この程度の約束を守れないのは大したことはないと開き直りました。不良債権解消、ペイオフ解禁、医療制度抜本改革、地方への税源移譲による三位一体改革など、まさにしかりであります。虚言、妄言、はっきり言わせていただければ、うその積み重ねであります。金融庁の高木長官、道路公団の藤井総裁、この二人が今現在その職にあるのも、あなたの構造改革路線がいかにインチキなものであるかを象徴的に物語っております。(拍手)
 小泉総理は一刻も早く退陣すべきであります。
 さらに、総理自身が一たんは口にした、公共事業受注企業からの政治献金は禁止するという国民だれもが納得する改革についても、小泉内閣はいつの間にか投げ出して、逆に献金の公開基準を引き上げて、より一層国民に政治と金の関係を不透明にしようという大改悪法案にすりかえて提出しております。これを大うそと言わずして何と言うのでありましょうか。
 小泉ファミリー企業に関する疑惑解明も拒否しております。自民党長崎県連事件はどうなったのか。鈴木宗男さん、加藤紘一さん、大島理森さん、坂井隆憲さんなど、自民党政治家と金にまつわる不祥事は枚挙にいとまがありません。
 失業者や自殺者がふえる一方で、不正な政治資金を解明せず、政治家の汚職、政官業の癒着を断ち切れず、ますます政治不信を高めている小泉総理大臣に、これ以上、総理をゆだねておくことはできないのであります。
 総理が総理なら閣僚もまた閣僚、自民党議員も破廉恥の限りを尽くしております。その指揮下にある官僚もまた官僚であります。税金をむさぼる構造汚職、BSE放置問題、外務省疑惑問題、防衛庁の情報公開請求者リスト問題、帝京大学医学部入試口きき問題、犯罪加害者の親を市中引き回し打ち首発言、レイプ容認・奨励発言、ETFは絶対もうかる発言、一体どれだけの問題が出てきたのでありましょうか。小泉総理の中身のないパフォーマンスの陰で、政治がどれだけ薄汚れ、国民がどれだけ泣かされているのでありましょうか。
 私は、最後に訴えたい。
 私たちは、安全で不安のない日本、希望の持てる元気な日本を一日も早くつくらなければなりません。そのためには、政権交代を実現し、生活者起点の政治に根本から改革することであります。私たちには崇高なその責任があります。そのためにも、即刻、小泉内閣は退陣していただきたい。議会人として、党派を超えての力強い御支持をいただけるものと確信しまして、私の小泉内閣不信任決議案に対する賛成討論を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#12
○議長(綿貫民輔君) 都築譲君。
    〔都築譲君登壇〕
#13
○都築譲君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま提案のありました小泉内閣不信任決議案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、申し上げたいことは、小泉総理、小泉内閣の無責任政治は歴代自民党政権の中でも際立っております。このまま小泉内閣が続くならば、日本は崩壊への道を突き進んでしまうということであります。
 小泉内閣が発足してから、政治改革問題、経済・金融問題、雇用問題、医療制度改革、個人情報保護、有事法制、さまざまな日本の将来を左右する重要課題が数多く審議されてまいりました。国際的にも、イラク戦争・復興支援への対応、北朝鮮の核兵器保有問題と日本人拉致問題など、国家の主権にかかわる重大問題が相次いだわけであります。
 ところが、小泉内閣は、これら内外の重要課題に対し、口先だけのスローガンを唱えるだけで、無定見、無原則、無責任な態度に終始し、改革は何一つ実現いたしておりません。そればかりか、数多くの失政を繰り返し、株価の急落、倒産と失業者の急増、増税等による国民負担の増加などを引き起こして、日本経済と国民生活を危機的な状況に陥れているのであります。
 このように日本社会を崩壊させた最大の戦犯は、もちろん小泉総理であります。自由党を初めとする野党は、小泉総理の失政から国民を守り日本を再興すべく、小泉失政により日本社会が悪化した結果を国会等の場で繰り返し繰り返し事実をもって提示し、論理的に小泉総理を問いただしました。しかし、小泉総理は、何を聞かれても、それに真っ正面から答えることはなく、詭弁を弄し、問題のすりかえや、はぐらかしを行うばかりであり、国民の目を欺くばかりでありました。
 特に、野党が小泉総理の公約不履行を追及した際には、総理みずから、この程度の公約を守れなくても大したことではないと公然と開き直り、公約破りを国民に陳謝することもなく、その経緯を説明することさえしておりません。信なくんば立たずというあなたの書く色紙は、まさに政治不信の代名詞、一枚燃やせば笑ってへそが茶を沸かすごとき、ざれ言葉になってしまったのであります。(拍手)
 小泉総理は日本の最高指導者として失格であるばかりでなく、政治家としての資質すら欠けると思うのであります。
 そして、この総理にしてこの閣僚たちであります。
 福田官房長官は、イラクへの自衛隊派遣に関する野党の追及に対し、二転三転した発言を繰り返すだけで、国民が納得するような具体的な答弁は一切行いませんでした。また、北朝鮮問題へ対する消極的な対応や、あるいは、男女共同参画担当大臣を兼任しながら、集団レイプ事件に関連し、「女性も悪い」「男は黒豹だから、ふっふっふっ」と意味不明の集団レイプ擁護発言を初めとする問題発言が週刊誌で報道されるなど、内閣官房長官としての資質があるとは到底思われません。(拍手)
 他の閣僚の方々にしても同様であります。
 イラク問題について、川口外務大臣は、外務官僚の着せかえ人形、腹話術のごとき言動に終始しております。石破防衛庁長官は、自衛隊の責任者でありながらも、イラク復興なのか戦争参加なのか、イラクの現状を正視しようとせず、思い込みと言いつけられたとおりに自衛隊を派遣しようとしているのです。
 また、森山法務大臣は、刑務官による受刑者致死傷事件で迷走答弁を繰り返し、そして、明治以来の監獄法を改革する元気も気概もないのでしょうか。
 竹中経済財政・金融担当大臣は、無責任な机上の論理の経済政策を行って日本経済を危機的状況に陥れただけでなく、日本とアメリカの間で住民票移動を行い税金逃れをしていた事実や、あるいは特定金融商品を推奨するなど、経済財政の責任者にあるまじき言動を繰り返しているのであります。
 さらに、年金資金の株式運用の失敗で一年間に三兆円の大赤字、それでも、だれも責任をとろうとしない厚生労働省。天下りや等級格付など、高級官僚のやりたい放題の公務員制度づくりに奔走する石原行革大臣。あるいは、青少年問題の深刻重大さを全く理解しようとしない鴻池大臣。
 そのだれもが自分の無責任さを恬として恥じることがないのは、まことにあきれ果てたことであります。(拍手)
 小泉総理だからかもしれません。小泉総理を筆頭に、このような総無責任体制では、今そこにある日本社会の危機に対処することなど、できるわけがないのであります。
 以下、順次、小泉内閣の不信任の具体的な理由を述べてまいります。
 まずは、政治腐敗問題です。
 小泉内閣も、今までの歴代自民党政権と同様に、自民党を初め与党の政治と金にまつわる腐敗がとどまることなく噴出しました。
 昨年の通常国会は、冒頭から終盤まで、鈴木宗男衆議院議員の金銭疑惑が自民党政治の象徴として問題となり、鈴木議員の逮捕に至る事態となりました。
 それが、ことしになって、自民党の坂井隆憲衆議院議員は、政策秘書らが不正献金を受けて政治資金規正法違反で逮捕された上、議員本人も証拠隠滅の指示などで逮捕されました。そして、またもや全会一致で議員辞職勧告案を決議されながら、それを公然と無視して議員に居座り続け、いまだに、歳費も夏のボーナス三百万円ももらっている。
 大島理森前農林水産大臣は、昨年十月、大臣秘書官の公共事業口きき疑惑が浮上したのを皮切りに、国の工事を請け負う地元建設業者からの違法献金疑惑などが次々に表面化。しかも、疑惑の釈明をめぐって、本来、自分の顧問弁護士等に依頼すべき国会答弁案の作成を衆議院法制局に依頼した大島氏は、言いわけに終始したあげく、何の国民への説明責任を果たさないまま、農林水産大臣を辞任したのであります。
 また、保守新党の松浪健四郎衆議院議員は、暴力団の関係する会社による秘書給与の肩がわりが明らかになり、議員自身、その事実を認めながら、議員辞職は否定して居直り続けているのであります。
 これら政治と金の問題は、政治家、官僚、業者の癒着構造と、それを基盤とする利益誘導政治のあらわれで、これこそが、自民党政治の実相、実態であります。問題が起きるたびに口先で改善を言っても、自分の権力の源泉である利益誘導政治をみずから壊すことなど、できるはずがありません。問題解決を先送りして、同じような事件を繰り返すしかないのであります。結局、自民党政権を倒さない限り、これからも不祥事が起き続けることは明白であります。
 改革派を自称する小泉内閣は、政治改革には一切手をつけることなく、あまつさえ、今国会終盤に、与党による政治資金規正法の改悪案の提案を容認するなどしているのであります。
 このような態度は、断じて容認することはできません。
 次は、経済失政であります。
 小泉内閣の経済無策の結果、日本経済は、今や瀕死の状態にあります。株価は一時、最悪の七千円台まで急落し、約二十年前の水準に逆戻りしてしまいました。さらに、完全失業率は五%台の最悪水準が続き、改善の兆しは全く見られません。
 それにもかかわらず、小泉内閣は、平成十四年度に続き十五年度も、経済無策デフレ予算を強行したのであります。歳出改革、三位一体の改革の芽出しなどと改革イメージを振りまきながら、小手先の手直しに終始しておりました。小泉総理の金看板だった道路特定財源の一般財源化すら進んでいないのであります。一方、新規国債の発行額は三十六兆円強に達し、当初予算としては過去最悪となり、国債発行三十兆円枠の公約を公然と破ったのであります。
 小泉内閣は、これら失政のツケを回復するために、医療保険負担増を初めとする、介護保険の負担増、年金給付額の引き下げ、たばこや発泡酒の増税、自動車諸税の暫定税率の延長など、一方的に国民に負担増を押しつけております。
 他方では、日本の五大金融グループの一つであるりそなグループに二兆円もの公的資金を注ぎ込み、事実上、国有化による救済を行ったのであります。デフレ下のデフレ促進政策というとんでもない失政の結果であるだけでなく、経済大国日本の金融システムが崩壊寸前にあることを示す明らかな金融危機であるにもかかわらず、小泉内閣は、金融危機ではなく金融再生だと抗弁し、危機の実態を国民の目から覆い隠し続けているのであります。
 次は、無責任外交であります。
 小泉総理は、経済失政から国民の目をそらし、支持率を維持するために、外交でパフォーマンスを繰り返しましたが、小泉外交は、これまた無定見、無原則、無責任のきわみです。日本の国益を著しく損なったのであります。
 昨年九月の日朝首脳会談。党首会談で、小沢党首は、いち早く、北朝鮮は既に核兵器を保有していると指摘した上、核兵器保有問題、日本人拉致問題等について、明確な外交方針を確立して北朝鮮に対処するよう強く主張しました。しかし、小泉総理は、それに一言も答えないばかりか、日朝首脳会談と共同宣言では、日本が一方的に、国交正常化交渉の再開、食糧支援、経済協力等を約束させられたのであります。その結果、現在、北朝鮮問題はこじれ、何ら問題が解決されていないことは、国民周知の事実であります。
 さらに、イラク戦争・復興支援への対応も同様であります。安全保障の原則を確立するように重ね重ね主張してまいったにもかかわらず、小手先の法案と憲法解釈でその場しのぎをしているにすぎません。
 イラク戦争時に行われた党首会談においては、小沢党首は、イラク問題に関する五項目の質問書を提出し、国際安全保障に関する基本方針の確立を強く求めましたが、小泉総理は、無責任な答えに終始し、しまいには、小沢党首の厳しい追及に、米国を支持するか否かはその場の雰囲気で考えると答え、無原則を基本原則とするという前代未聞の外交方針を明らかにしたのであります。(拍手)
 また、今回のイラク復興支援法案の審議に際しても、野党が、小泉内閣がイラク戦争時に米英を支持した理由である大量破壊兵器の存在の問題あるいは自衛隊を非戦闘地域に派遣することが可能かどうかなどの本質的な問題についても、詭弁とも暴言ともつかない発言を繰り返し、正面から答えようとしませんでした。まさに、究極の無責任外交であります。
 以上、申し上げたように、小泉内閣の責任は極めて重大であり、このまま内閣が一日続けば一日、日本社会の崩壊が近づいてくることは明確であります。よって、私どもは小泉内閣不信任決議に賛成することを表明して、討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(綿貫民輔君) 穀田恵二君。
    〔穀田恵二君登壇〕
#15
○穀田恵二君 私は、日本共産党を代表して、小泉内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 小泉内閣が、米英による無法なイラク戦争に引き続く軍事占領を支援するため、今なお全土で戦闘が続くイラクに自衛隊を派兵するイラク特措法案の強行成立を推し進めていることに厳しく抗議し、武力の威嚇、武力の行使、交戦権を否認している日本国憲法九条に真っ向から違反する違憲立法を断じて許してはならないことを強く訴えるものであります。(拍手)
 小泉内閣を不信任する第一の理由は、憲法違反のイラク派兵法案をごり押しする小泉内閣の極めて異常な対米従属姿勢であります。
 イラク特措法案の出発点は、イラク国民からの要請に基づくものでも、国連の要請でもありません。ブーツ・オン・ザ・グラウンド、地上部隊を出せというアメリカの要求に従って、小泉総理が、初めに自衛隊派兵ありきで進めてきたものです。小泉総理は、米英軍によるイラク戦争は正しい、軍事占領も正当であり、それに協力するのは同盟国として当然だ、自衛隊を出してなぜ悪いと、一方的に自衛隊のイラク派兵を正当化してきました。しかし、こんな乱暴な議論は、国民にも国際社会にも通用するものではありません。
 第一に、イラク戦争の正当性が、今、当の米英国内で大問題になっています。
 米英がイラク戦争の最大の口実とした大量破壊兵器はいまだ発見されず、米英国内で、政府の情報操作の責任を追及する声が日増しに高まっています。ラムズフェルド国防長官自身が、戦争前に大量破壊兵器があるという劇的な新しい証拠はなかったと述べているではありませんか。
 小泉総理は、イラクが現に大量破壊兵器を保有していると断言しながら、みずからの判断の根拠すら示せないのであります。アメリカの言うことをうのみにした、一片の自主性もない外交を示すものであります。
 もともと、米英のイラクに対する武力行使は、国際法違反の先制攻撃であり、国連の安全保障体制そのものに対する重大な侵害にほかなりません。国連安保理事会がこの武力行使を認めていないことは、アメリカなどが画策した武力行使容認決議を国際社会の圧倒的多数が拒否した経過からも明白であります。
 今や、どこから見ても大義がないことが明白となったイラク戦争を正当化する法案を強行することは、断じて許されません。
 第二に、米英の軍事占領体制を自衛隊が支援することは、イラク国民の抵抗と反発を招くものだということです。
 安保理決議一四八三が占領体制を正当化しているという政府の主張は、国際的には全く通用していません。決議一四八三は、軍事占領を正当化したものではなく、占領が存在する事実を確認して占領当局に国際人道法上の責任を果たすことを求めたものにすぎません。これが多くの国際法学者の見解であり、フランス、ドイツ、インドなどが占領体制への派兵を拒否しているのもこのためであります。
 自衛隊派遣は、幾ら占領当局CPAの同意を得ても、イラクの正統な主権者であるイラク国民の同意に基づくものとは決してなりません。
 しかも、自衛隊が行う安全確保支援活動とは、イラク国民に対する復興支援ではありません。米英占領軍が治安維持、安全・安定の回復の名のもとに行う旧政権勢力の掃討、反米デモ鎮圧、占領に敵対する勢力に対する軍事作戦を支援するものにほかなりません。
 派遣された自衛隊は、イラク国民の目に占領軍の加担者、侵略者と映ることは明らかであり、米英占領軍と同じように、イラク国民から深刻な抵抗と反発を受け、自衛隊がイラク国民と砲火を交える危険きわまりない事態も起こり得るのであります。従来の政府見解が、占領行政は交戦権の行使に当たるとして、憲法第九条二項に照らしてこれを否定してきたことからも、今回の法案は合理化できるものではありません。
 第三に、自衛隊は非戦闘地域で活動するから憲法違反にならないと言いますが、これは全く虚構の議論であります。
 現に、米軍司令官自身が、イラク全土が戦闘地域であり、ゲリラ戦争の様相を強めていると述べています。連日、数十件の襲撃、衝突事件が起こり、ブッシュ大統領が主な戦闘は終結したと宣言して以降の米兵の死者は、既に百五十名を超えています。
 いまだ戦争は終わっていないイラク国内に非戦闘地域を設定することなど不可能です。どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、わかるはずがないという小泉総理の居直り答弁は、無責任きわまりないものです。
 また、自衛隊自身は武力行使をしないと強弁しても、武器弾薬を含む輸送、補給、医療など、米軍に対する自衛隊の後方支援活動が米英占領軍の軍事作戦と一体の武力行使となることは明白です。
 重武装した自衛隊部隊が米軍支援活動中に攻撃を受ければ、指揮官の命令のもとに、部隊として組織的に武器を使用し反撃することになるのであります。これが武力による威嚇、武力の行使、交戦権を否認した日本国憲法に反することは、余りにも明らかであります。
 今や、イラク特措法案の前提がことごとく破綻していることは、延長後の一カ月足らずの国会審議からも明らかであり、だからこそ、急速に反対の世論が高まり、国民の過半数が反対しているのであります。国民の反対を無視し、違憲の立法を強行成立させることは、到底許されません。
 イラク問題は、日本外交の根本を鋭く問うています。
 日本の支援は、イラク国民の意思を尊重し、イラク国民の要求に基づき、国連を中心とした、非軍事の人道復興支援でなければなりません。これは、すべての加盟国に人道救済、復興支援を求めている国連決議一四八三の内容にも合致するものです。我が党のイラク現地調査団によっても、イラクの人々が求めているのは医療、農業、雇用、教育などへの援助であり、軍隊の派遣を求める声はどこにもありません。また、イラク周辺の中東諸国を見ても、イラク戦争と軍事占領を是認している国はないのであります。
 イラクに自衛隊を派遣し、イラク国民に敵対して軍事占領を支援することは、イラク国民と日本の関係だけでなく、中東・イスラム諸国と日本の友好関係に深刻な障害をもたらすだけであります。
 小泉総理は、この間、日米同盟を強調して、アメリカのテロ報復戦争支援法を強行し、インド洋へ自衛艦を出動させ、また、アメリカがアジアで行う先制攻撃戦争を支援、協力し国民を総動員する武力攻撃事態法など、有事法制策定を強行してきたのであります。
 アメリカの要求につき従って、日本国憲法九条の平和原則を踏みにじり、まさに日本を戦争をする国にする、極めて異常な対米従属の小泉内閣に、これ以上、日本の進路を任せるわけには断じていかないのであります。(拍手)
 不信任の第二の理由は、小泉内閣の構造改革路線が国民の暮らしを破壊し、日本経済を大変な状況に陥れていることであります。
 今、日本経済の再建を進めるためには、個人消費を拡大し、国民生活と中小企業を応援することに軸足を置くことが重要です。
 ところが、小泉内閣の経済政策は、それと全く逆行しているのであります。
 小泉内閣は、不況下で深刻化している国民生活に追い打ちをかける、健康保険本人三割負担、雇用保険料引き上げ、さらには酒税引き上げなどの庶民増税を強行し、ことしから来年にかけて四兆円を超える国民負担増を押しつけ、ますます消費を冷え込ませているのであります。
 また、今やその誤りが明白な不良債権処理の加速策に固執し、貸しはがし、貸出金利引き上げなどで企業倒産と失業を増大させ、不況を一層深刻にしているのであります。中小金融機関のみならず、りそな危機に見られるように大手金融機関をも危機に追い込み、国民の血税の投入を強いるとともに、金融の仲介機能を著しく損ない、金融の深刻な萎縮、麻痺状態を引き起こし、それが実体経済の悪化をもたらし、さらに金融の危機を加速させるという悪循環を招いています。
 さらに、小泉内閣が大企業のリストラを応援し奨励する政策をとるもとで、戦後最悪の規模での雇用不安と所得低下をもたらしていることも重大です。
 完全失業率は五・四%、失業者は三百八十四万人と、戦後最悪を更新しています。勤労者世帯の所得の落ち込みはマイナス七・五%という史上最悪の驚くべきものです。その一方で、五人に一人の労働者が、政府の統計でも週に六十時間、年間で三千時間を超える異常な長時間労働を押しつけられています。今回の労働法制改悪は、これらの矛盾を一層深刻にするものであります。こうした無謀なリストラの推進は、日本の産業と企業の将来にとっても重大な障害をつくり出すものであります。
 このように、小泉内閣の経済政策は、日本経済のあらゆる分野で悪循環をつくり出し、完全な手詰まり状態に陥っているのであります。小泉総理は、二、三年我慢すれば明るい未来が来ると言いましたが、今、どこに明るい未来がありますか。国民には痛みだけで、ますます先が見えない泥沼状態ではありませんか。
 もはや小泉内閣に日本経済のかじ取りの資格が全くないことは、明らかであります。(拍手)
 不信任の第三の理由は、小泉内閣が政治と金の問題にまともにメスを入れず、国民の政治不信を増幅しているからであります。
 政官業の癒着構造を打破し、金の力で政治を動かす金権腐敗政治を一掃することは、この十年来、我が国政治の焦眉の課題です。
 昨年、国会で大問題となったムネオ事件を初め、一連の公共事業口きき疑惑や自民党長崎県連公選法違反事件などの腐敗事件で問われたのは、自民党議員が公共事業の口ききをし、その見返りに政治献金をもらう、あるいは政治献金をもらったところに公共事業の口ききをするという腐敗構造であり、これが税金の還流として国民の厳しい批判を浴びたのです。少なくとも国民の税金で賄われる公共事業の受注企業からの政治献金は許されないとして、各政党の対応が問われているのであります。だから、小泉総理も、昨年の国会で、法整備も含めてもう一段踏み込んだ仕組みが必要だと答弁しました。
 ところが、法整備の検討は与党に丸投げし、野党四党が昨年の通常国会に提出した公共事業受注企業の政治献金禁止法案は、審議すら行わず、たなざらしにしたのであります。そのあげくに、与党の提出法案は、献金規制には全く触れず、年間二十四万までの献金者名は一切明らかにしなくてよいとする、まさに企業献金不透明化、暗やみ法案であります。
 その上、日本経団連は、政治献金のあっせん再開を決め、消費税引き上げなど財界の要求実現に貢献する政党、政治家への献金を優先するとしています。この露骨な政治買収ともいうべき財界方針を自民党が歓迎していることは、極めて重大です。
 政治と金の問題にメスを入れず、国民の政治不信を助長する小泉内閣に、政権を担う資格はありません。
 最後に、これ以上、小泉内閣が継続することは、日本の進路を危うくし、国民の暮らしと日本経済を破綻させるものであり、その存在は到底認められません。このことを強く指摘して、小泉内閣不信任決議案に賛成する討論を終わります。(拍手)
#16
○議長(綿貫民輔君) 東門美津子君。
    〔東門美津子君登壇〕
#17
○東門美津子君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、野党共同提出の小泉内閣不信任決議案に賛成の立場で討論を行います。(拍手)
 小泉内閣が成立してから二年三カ月、この間に小泉内閣が行ったこと、小泉内閣が国民生活に与えた影響を振り返るとき、惨たんたる思いを禁じ得ません。
 小泉総理は、内閣発足以来、改革なくして成長なしと叫び続け、構造改革政策を推し進めてきました。しかし、現実には、改革の姿もなければ、成長のかけらもありません。完全失業率は五・四%と過去最悪の水準で高どまり、生活苦から自殺へと追い込まれる人の数は増加し、勤労者世帯の消費も一向に回復する兆しはありません。株価は幾分かは持ち直してはいるものの、低迷している状況に大きな変化があるわけではありません。
 このような経済状況の中で小泉内閣が選択した道は、またしても国民生活を犠牲にする予算でした。
 昨年の十月から、老人医療の窓口負担がアップされましたが、四月からは、サラリーマン保険料率が引き上げられ、野党が凍結を求めたサラリーマン健保の三割負担増も強行されました。介護保険料も引き上げられ、年金給付額は逆に引き下げられました。雇用保険も、昨年十月に保険料が引き上げられ、五月からは失業給付が削減されました。こうした施策に加え、酒やたばこの増税、配偶者特別控除の廃止、消費税の特例縮小などの増税が行われます。
 国民生活が困窮しているこの時期に、こうした景気回復に逆行する施策をよくぞ考えつくものだと思いますが、小泉総理の口癖は、改革には痛みが伴うであります。
 小泉総理は、国債の発行額を三十兆円以下に抑えるという公約を簡単にほごにし、公約など大したことではないと暴言を吐く一方で、皮肉にも、痛みが伴うというその公約だけはしっかりと果たしています。
 しかし、百歩譲って、改革には痛みが伴うものだとしても、その痛みはあらゆる人々が平等に分担すべきものであります。しかし、総理の求める痛みとは、圧倒的多数の庶民の痛みであり、不公平な痛みであると言わざるを得ません。
 世論調査では、「これ以上の痛みは受け入れられない」という国民が六四%、「失業するのではないか」と不安を感じている国民は七六%にも達しているのです。この数字を見るとき、国民にこれでもか、これでもかと痛みを押しつけてくる小泉内閣に不信任案を突きつけるのは、国会に議席を有する者として当然の責務だと考えます。(拍手)
 次に指摘したいのは、小泉総理を初め、内閣を構成する各閣僚の資質の問題です。
 まず、森山法務大臣ですが、森山大臣は、刑務所内で刑務官が起こした暴行死事件に関連して、受刑者は反社会的人間だと決めつける発言を行いました。森山大臣の真意はどこにあるのでしょうか。刑務所にいる受刑者には国家は何をしてもいいということなのでしょうか。人権を守らなければならない法務省のトップにある人の発言としては、余りにも軽率、余りにも人権感覚のない発言であり、閣僚としては失格です。
 また、鴻池大臣は、中学一年の少年が四歳の子供を殺害した事件で、両親を市中引き回しの上、打ち首にすべきだと発言し、これが自説だとも力説いたしました。事の真意を聞かれた大臣は、親を引きずり出せということだとも語っています。この感情をむき出しにしたような発言は一体何なのでしょうか。復讐すべきだ、見せしめにしろ、私的制裁、リンチも認めるという趣旨なのか、それとも、世間の感情をあおるのが目的なのか、わかりません。また、監禁されていた四人の女の子が救出された事件でも、今は被害者なのか加害者なのかわからないと言うに至っては、青少年担当大臣の資格はありません。
 さらに、福田官房長官は、男女共同参画担当大臣でありながら、だれもが驚き、怒った、自民党議員の、レイプをする人は元気があるとの暴言に関連して、被害者の女性にも責任があると、あたかもこれを擁護し、正当化する発言を展開するなど、まさに言語道断であり、官房長官としての資格はありません。
 さらに、証取法違反まがいの発言を行った竹中経済財政・金融大臣、公約を守らないのは大したことではないと言う小泉総理。まさに、この総理にしてこの閣僚ありということでしょう。小泉内閣の面々の暴言、放言はもはや常識を逸しており、小泉内閣には国を運営していく資格はないと判断せざるを得ません。(拍手)
 次に、イラク戦争への対応の問題です。
 本年三月、米英両国は、国連安保理の決議もなく、イラクへの攻撃を強行しました。自衛のための武力行使と安保理が行う武力行使以外は国連憲章によって禁じられており、米英のイラク攻撃は、国際法上、多くの問題が指摘されています。米英が攻撃の理由とし、小泉内閣が支持理由とした大量破壊兵器はいまだに発見されていないばかりか、むしろ、意図的な情報操作があったのではないかという疑いすら浮上しているのです。
 小泉総理は、あろうことか、大量破壊兵器がいまだ発見できない状況をただす議員に対し、フセインも見つかっていないが、それはフセインがいなかったということになるのかなどという答弁を恥ずかしげもなく、自慢げに繰り返したのです。大量破壊兵器がフセイン元大統領とともにテレビに映し出されていたというならともかく、国民をレトリックでごまかし、愚弄するかのような態度は、断じて許されません。
 小泉総理は、この大義なき侵略戦争を十分に検証することなく支持し、今また、これに加担するために自衛隊をイラクへ派遣しようとさえしています。これは、不当な占領に加担し、自衛隊員の命を危険にさらすというだけでなく、長年にわたって良好な関係を築いてきた中東諸国と日本との関係を破壊し、我が国の国益を大きく損なうものだと断ぜざるを得ないのです。
 川口外務大臣は、このようなときにこそ小泉総理をいさめ、日本の国益を守る立場にありながら、みずからの責任を放棄し、あいまいな官僚答弁を繰り返し、日々、我が国外交の権威を失墜させています。一体、川口大臣の答弁のどこに、外交官として最も求められている徳目である誠実さがあるのでしょうか。私は、これでよく一国の外務大臣が務まるものだと、逆に感心せずにはいられません。
 さらに、小泉内閣は、有事法制を成立させ、軍事優先、米国追従の道をひた走っています。私は、既成事実の積み重ねによって平和国家日本のあり方をなし崩しにしようとしている小泉内閣の手法を、断じて認めるわけにはいきません。
 また、米国の顔色をうかがう余り、日米安保条約からの不公平な痛みを沖縄県民のみに押しつけ、県民はもちろん、国民の九〇%以上が要求している日米地位協定の改定に手をつけることさえもできません。
 県土の約一一%、沖縄本島の約二〇%を占める、異常ともいえるほどの広大な米軍基地を沖縄県民に押しつけ続け、さらなる自然破壊をもたらす新たな基地を県内に移設するだけでなく、県民の生活を脅かし、レイプなど人権を侵害する米軍人軍属による事件にも何ら有効な手だてを講ずることができない小泉内閣は、即刻、退陣すべきです。
 以上、小泉内閣不信任決議案に賛成する理由を申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#20
○議長(綿貫民輔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#21
○議長(綿貫民輔君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百六十五
  可とする者(白票)       百七十八
  否とする者(青票)      二百八十七
    〔拍手〕
#22
○議長(綿貫民輔君) 右の結果、小泉内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 菅直人君外十一名提出小泉内閣不信任決議案を可とする議員の氏名
    安住  淳君    阿久津幸彦君
    荒井  聰君    五十嵐文彦君
    井上 和雄君    伊藤 英成君
    伊藤 忠治君    家西  悟君
    池田 元久君    石井  一君
    石毛えい子君    岩國 哲人君
    上田 清司君    生方 幸夫君
    枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
    大石 尚子君    大出  彰君
    大島  敦君    大谷 信盛君
    大畠 章宏君    岡田 克也君
    奥田  建君    加藤 公一君
    海江田万里君    鍵田 節哉君
    金田 誠一君    鎌田さゆり君
    川内 博史君    川端 達夫君
    河村たかし君    菅  直人君
    木下  厚君    北橋 健治君
    桑原  豊君    玄葉光一郎君
    小泉 俊明君    小平 忠正君
    小林 憲司君    小林  守君
    小宮山洋子君    五島 正規君
    後藤  斎君    今田 保典君
    今野  東君    近藤 昭一君
    佐々木秀典君    佐藤 観樹君
    佐藤謙一郎君    齋藤  淳君
    鮫島 宗明君    島   聡君
    城島 正光君    首藤 信彦君
    末松 義規君    鈴木 康友君
    仙谷 由人君    田名部匡代君
    田中 慶秋君    田並 胤明君
    高木 義明君    武正 公一君
    玉置 一弥君    樽床 伸二君
    津川 祥吾君    筒井 信隆君
    手塚 仁雄君    土肥 隆一君
    中川 正春君    中沢 健次君
    中津川博郷君    中野 寛成君
    中村 哲治君    中山 義活君
    永井 英慈君    永田 寿康君
    長妻  昭君    長浜 博行君
    楢崎 欣弥君    野田 佳彦君
    羽田  孜君    葉山  峻君
    鳩山由紀夫君    原口 一博君
    伴野  豊君    肥田美代子君
    平岡 秀夫君    平野 博文君
    藤村  修君    古川 元久君
    細川 律夫君    細野 豪志君
    堀込 征雄君    前田 雄吉君
    前原 誠司君    牧  義夫君
    牧野 聖修君    松崎 公昭君
    松野 頼久君    松原  仁君
    松本 剛明君    松本  龍君
    三井 辨雄君    水島 広子君
    山内  功君    山口  壯君
    山井 和則君    山花 郁夫君
    山元  勉君    横路 孝弘君
    吉田 公一君    米澤  隆君
    渡辺  周君    東  祥三君
    石原健太郎君    一川 保夫君
    小沢 一郎君    黄川田 徹君
    工藤堅太郎君    佐藤 公治君
    塩田  晋君    鈴木 淑夫君
    高橋 嘉信君    武山百合子君
    達増 拓也君    都築  譲君
    土田 龍司君    中井  洽君
    中塚 一宏君    西村 眞悟君
    樋高  剛君    藤井 裕久君
    藤島 正之君    山岡 賢次君
    山田 正彦君    赤嶺 政賢君
    石井 郁子君    小沢 和秋君
    大幡 基夫君    大森  猛君
    木島日出夫君    児玉 健次君
    穀田 恵二君    佐々木憲昭君
    志位 和夫君    塩川 鉄也君
    瀬古由起子君    中林よし子君
    春名 直章君    不破 哲三君
    藤木 洋子君    松本 善明君
    矢島 恒夫君    山口 富男君
    吉井 英勝君    阿部 知子君
    今川 正美君    植田 至紀君
    大島 令子君    金子 哲夫君
    菅野 哲雄君    北川れん子君
    重野 安正君    土井たか子君
    東門美津子君    中川 智子君
    中西 績介君    原  陽子君
    日森 文尋君    保坂 展人君
    山内 惠子君    山口わか子君
    横光 克彦君    江田 憲司君
    鹿野 道彦君    川田 悦子君
    田中  甲君    山村  健君
否とする議員の氏名
    安倍 晋三君    相沢 英之君
    逢沢 一郎君    青山  丘君
    赤城 徳彦君    浅野 勝人君
    麻生 太郎君    甘利  明君
    荒井 広幸君    荒巻 隆三君
    伊藤 公介君    伊藤信太郎君
    伊藤 達也君    伊吹 文明君
    石川 要三君    石田 真敏君
    石破  茂君    石原 伸晃君
    稲葉 大和君    今村 雅弘君
    岩倉 博文君    岩崎 忠夫君
    岩永 峯一君    岩屋  毅君
    植竹 繁雄君    臼井日出男君
    江藤 隆美君    衛藤征士郎君
    遠藤 武彦君    小此木八郎君
    小里 貞利君    小野 晋也君
    小渕 優子君    尾身 幸次君
    大木  浩君    大島 理森君
    大野 松茂君    大野 功統君
    大原 一三君    大村 秀章君
    太田 誠一君    岡下 信子君
    奥野 誠亮君    奥山 茂彦君
    嘉数 知賢君    梶山 弘志君
    金子 一義君    金子 恭之君
    金田 英行君    上川 陽子君
    亀井 静香君    亀井 久興君
    亀井 善之君    鴨下 一郎君
    川崎 二郎君    河村 建夫君
    瓦   力君    木村 太郎君
    木村 隆秀君    木村 義雄君
    岸田 文雄君    北川 知克君
    北村 誠吾君    北村 直人君
    久間 章生君    熊谷 市雄君
    熊代 昭彦君    倉田 雅年君
    栗原 博久君    小池百合子君
    小泉純一郎君    小泉 龍司君
    小坂 憲次君    小島 敏男君
    小西  理君    小林 興起君
    古賀  誠君    後藤田正純君
    河野 太郎君    河野 洋平君
    高村 正彦君    近藤 基彦君
    左藤  章君    佐田玄一郎君
    佐藤 静雄君    佐藤 剛男君
    佐藤  勉君    斉藤斗志二君
    坂本 剛二君    阪上 善秀君
    桜田 義孝君    笹川  堯君
    自見庄三郎君    塩川正十郎君
    塩崎 恭久君    七条  明君
    実川 幸夫君    下地 幹郎君
    下村 博文君    新藤 義孝君
    菅  義偉君    杉浦 正健君
    杉山 憲夫君    鈴木 俊一君
    鈴木 恒夫君    砂田 圭佑君
    園田 博之君    田中 和徳君
   田野瀬良太郎君    田村 憲久君
    高市 早苗君    高木  毅君
    高鳥  修君    高橋 一郎君
    滝   実君    竹下  亘君
    竹本 直一君    武部  勤君
    橘 康太郎君    棚橋 泰文君
    谷  洋一君    谷垣 禎一君
    谷川 和穗君    谷田 武彦君
    谷畑  孝君    谷本 龍哉君
    近岡理一郎君    中馬 弘毅君
    津島 恭一君    津島 雄二君
    土屋 品子君    渡海紀三朗君
    虎島 和夫君    中川 昭一君
    中川 秀直君    中曽根康弘君
    中谷  元君    中野  清君
    中村正三郎君    中本 太衛君
    中山 太郎君    中山 利生君
    中山 成彬君    中山 正暉君
    仲村 正治君    永岡 洋治君
    長勢 甚遠君    丹羽 雄哉君
    西川 京子君    西川 公也君
    西田  司君    西野あきら君
    額賀福志郎君    根本  匠君
    野田 聖子君    野田  毅君
    野中 広務君    野呂田芳成君
    葉梨 信行君    萩野 浩基君
    萩山 教嚴君    橋本龍太郎君
    蓮実  進君    馳   浩君
    鳩山 邦夫君    浜田 靖一君
    林 省之介君    林  幹雄君
    林  義郎君    林田  彪君
    原田 義昭君    菱田 嘉明君
    平井 卓也君    平沢 勝栄君
    平沼 赳夫君    平林 鴻三君
    福井  照君    福田 康夫君
    藤井 孝男君    二田 孝治君
    古屋 圭司君    保利 耕輔君
    星野 行男君    細田 博之君
    堀内 光雄君    堀之内久男君
    牧野 隆守君    増田 敏男君
    増原 義剛君    町村 信孝君
    松岡 利勝君    松下 忠洋君
    松島みどり君    松浪 健太君
    松野 博一君    松宮  勲君
    松本 和那君    三ッ林隆志君
    水野 賢一君    宮腰 光寛君
    宮澤 喜一君    宮澤 洋一君
    宮路 和明君    宮下 創平君
    宮本 一三君    武藤 嘉文君
    村井  仁君    村岡 兼造君
    村上誠一郎君    村田 吉隆君
    持永 和見君    望月 義夫君
    茂木 敏充君    森  英介君
    森  喜朗君    森岡 正宏君
    森田 健作君    森田  一君
    森山 眞弓君    八代 英太君
    谷津 義男君    保岡 興治君
    柳澤 伯夫君    柳本 卓治君
    山口 俊一君    山口 泰明君
    山崎  拓君    山中 貞則君
    山本 明彦君    山本 公一君
    山本 幸三君    山本 有二君
    吉川 貴盛君    吉田 幸弘君
   吉田六左エ門君    吉野 正芳君
    米田 建三君    渡辺 具能君
    渡辺 博道君    渡辺 喜美君
    青山 二三君    赤羽 一嘉君
    赤松 正雄君    井上 義久君
    池坊 保子君    石井 啓一君
    市川 雄一君    上田  勇君
    漆原 良夫君    江田 康幸君
    遠藤 和良君    太田 昭宏君
    河合 正智君    河上 覃雄君
    神崎 武法君    北側 一雄君
    佐藤 茂樹君    斉藤 鉄夫君
    坂口  力君    白保 台一君
    田端 正広君    高木 陽介君
    谷口 隆義君    西  博義君
    東  順治君    福島  豊君
    冬柴 鐵三君    桝屋 敬悟君
    丸谷 佳織君    山名 靖英君
    若松 謙維君    井上 喜一君
    江崎洋一郎君    海部 俊樹君
    金子善次郎君    熊谷  弘君
    佐藤 敬夫君    二階 俊博君
    松浪健四郎君    山谷えり子君
    粟屋 敏信君    宇田川芳雄君
    柿澤 弘治君    後藤 茂之君
    徳田 虎雄君    藤波 孝生君
    保坂  武君
     ――――◇―――――
#23
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小泉純一郎君
        総務大臣    片山虎之助君
        法務大臣    森山 眞弓君
        外務大臣    川口 順子君
        財務大臣    塩川正十郎君
        文部科学大臣  遠山 敦子君
        厚生労働大臣  坂口  力君
        農林水産大臣  亀井 善之君
        経済産業大臣  平沼 赳夫君
        国土交通大臣  扇  千景君
        環境大臣    鈴木 俊一君
        国務大臣    石破  茂君
        国務大臣    石原 伸晃君
        国務大臣    鴻池 祥肇君
        国務大臣    竹中 平蔵君
        国務大臣    谷垣 禎一君
        国務大臣    福田 康夫君
        国務大臣    細田 博之君
     ――――◇―――――
 去る二十三日及び昨二十四日は、会議を開くに至らなかった。
ソース: 国立国会図書館
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