くにさくロゴ
2002/11/28 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 環境委員会 第4号
姉妹サイト
 
2002/11/28 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 環境委員会 第4号

#1
第155回国会 環境委員会 第4号
平成十四年十一月二十八日(木曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     片山虎之助君
     小泉 顕雄君     上野 公成君
     岩佐 恵美君     筆坂 秀世君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     上野 公成君     小泉 顕雄君
     片山虎之助君     愛知 治郎君
     筆坂 秀世君     岩佐 恵美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小宮山洋子君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                山下 英利君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                井上 吉夫君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                真鍋 賢二君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   参考人
       グラウンドワー
       クおおたかの森
       トラスト代表   足立 圭子君
       日本湿地ネット
       ワーク      菅波  完君
       財団法人日本生
       態系協会会長   池谷 奉文君
       第二東京弁護士
       会公害対策・環
       境保全委員会委
       員        関口 佳織君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○自然再生推進法案(衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(小宮山洋子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 自然再生推進法案の審査のため、本日の委員会にグラウンドワークおおたかの森トラスト代表足立圭子さん、日本湿地ネットワーク菅波完さん、財団法人日本生態系協会会長池谷奉文さん、第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会委員関口佳織さんを参考人として出席を求め、御意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小宮山洋子君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小宮山洋子君) 自然再生推進法案を議題とし、参考人から意見を聴取いたします。
 本日は、ただいま議決しました四名の参考人の方々に御出席いただいています。
 参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 皆様には、大変お忙しい中本委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただき、本案の審査の参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の会議の進め方ですが、まず、足立参考人、菅波参考人、池谷参考人、関口参考人の順序で、お一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと思います。
 なお、御発言は、意見、質疑、答弁とも着席のままで結構です。
 それでは、まず足立参考人、お願いいたします。足立参考人。
#5
○参考人(足立圭子君) こんにちは。おおたかの森トラストの足立でございます。
 私はどうもかしこまった服装が苦手で、ノーベル賞の田中さんじゃないんですが、田中さんは作業着なんですけれども、私はどうもかっぽう着を着ないと落ち着きませんで、今日は着ていても落ち着かないので失敗があると思います。よろしくお願いいたします。
 まず、おおたかの森がどこにあるかということなんですが、パンフレットがあります。おおたかの森は都心から三十キロメートル圏内に広がる広さ五百六十ヘクタールの武蔵野台地に広がる雑木林です。最初からこういう名前があったわけではなく、私たちはこの雑木林を子供たちに引き継ごうというので名前を付けました。それがおおたかの森です。野生の生き物がすめるように、募金活動で森を買ったり借りたりして、自然を再生するボランティア活動に取り組んでいます。
 一番多い仕事は、枯れたアカマツを切ってきて炭を焼き、汚れた川に入れて、自然がよみがえり、水をきれいにしてくれます。取り出した炭を砕いて畑に入れると、土壌改良だけでなく、土を肥やしておいしい野菜が取れるようになります。また、森の一部を切って萌芽更新という作業をしますと、若い森になりますので、それを頼りにする生き物がやってきます。切った木でシイタケなどのキノコを作ります。これが四、五年するとぼろぼろになるので、ここにクワガタムシなどのいろいろな虫が卵を産みにやってくる。あるいは、切ったところに絶滅に瀕していた生き物が戻ってきたりしています。
 私たちは、森を子供たちに引き継ぐためには、子供と一緒に学び体験することに重点を置いています。「おおたかの森」二十一号が入っておりますので、それをごらんください。
 次に、おおたかの森トラストの地図がこの青い紙に載っております。
 おおたかの森の中でくぬぎ山は百五十ヘクタールの雑木林で、一番大きな緑の固まりです。ですが、残念なことに、ここ三、四年、雑木林の中に乱立した産業廃棄物のダイオキシン騒動で有名になってしまいました。雑木林の保全と再生の活動に力を入れている私たちにとってはとても不幸な出来事でした。
 ですが、幸いなことに平成十四年度に環境省と国土交通省によるくぬぎ山自然再生事業が決まり、この六月には埼玉県が中心になって私たち自然保護団体も加わったくぬぎ山自然再生計画検討委員会が設置され、くぬぎ山の中の百三十ヘクタール、くぬぎ山は本来百五十ヘクタールあります、その中の百三十ヘクタールについて保全、再生、活用に関する一体的な計画が検討され始めました。
 ただ、法の後ろ盾がない中で毎日が綱渡りの状態です。まるで信号のない交差点を渡るようで、たまたまとても優しい環境に対して配慮する人がいれば車は止まってくれますが、そうでなければ交通事故が起きているというのが私たちの現状です。
 おおたかの森トラストが発足して八年半、身近な自然環境の保全や再生に取り組んできた自然保護団体の立場から、子供たちの目から見てもはっきりと効果が期待される自然再生推進法の一日も早い制定を望んでいます。くぬぎ山自然再生事業の課題点を通して、法的な背景を持った自然再生事業の具体的な推進を是非ともお願いいたします。
 直接、自然再生推進法に関連することではありませんが、くぬぎ山の自然再生事業に関する総論的な問題点を二つ紹介いたします。その後、自然再生推進法の条文の中で特に留意することが求められる点について述べさせていただきます。
 次のページ、資料三、新聞記事です。八月二十二日、「くぬぎ山に伐採計画」という記事が載っています。
 最初に、昨年からくぬぎ山の自然再生計画が新聞に載り、今年の六月から計画作成の委員会による検討が進められていますが、くぬぎ山の現状は、自然を再生しようとする雑木林の保全さえもめどが立たず、次々に伐採されているというのが事実です。この数か月の間にも産業廃棄物施設の拡張や生ごみ処理工場の新設計画がありました。
 資料四、裏側です。十一月二十一日の新聞です。
 そして、つい最近、二十一日ですから、つい最近です。参議院環境委員会の方の視察があった日にも三千平米の雑木林が伐採されています。多分、視察に参加された委員の方々は現地をごらんになっていただいていると思います。私たちが携わっていれば多分この件はごらんになっていただいたと思います。
 そして資料五です。十月十八日の新聞あるいは十一月九日の、前のページとダブっております。
 生ごみ処理工場の新設計画は地元の反対で業者は計画を断念しましたけれども、地主さんの事情で雑木林を手放さなければならず、私たち保護団体が来年一月までに五百万円の募金活動を行っていますが、これで全部この用地を買うことはできません。
 再生の前に今ある自然の保全が第一だと考えますが、地権者の方々の同意ができる形で進めるためには、公有地化の推進以外に有効な手だては見付かりません。自然再生区域として実施する区域については、現況の自然を確実に保全するために大切な自然は公有地化していただけるようにしてください。そうしないと、せっかく再生した場所のすぐ隣が新たに開発されるといったばかな話になりかねません。
 次に、総論的な課題としては、くぬぎ山の場合、雑木林が伐採されて、産業廃棄物施設や資材置場などに開発された場所の施設を撤去、移転して、その場所に元の雑木林を再生することが計画の大きな柱となっていますが、現状の各種緑地保全制度は現在樹林地になっている場所が対象になる制度で、開発された場所には国の補助を伴った制度が適用されません。こうした施設の撤去や移転を進めるためには、土地買収費や施設撤去費、移転補償費の三つの手当てが必要ですが、国土交通省、環境省による自然再生事業は、施設撤去費だけが三分の一の補助で、大きなお金が掛かる部分は事実上、地元自治体の負担であって、これではごく少ない場所の自然再生しか実現できないことは明白です。立法化に際しては、例えば国土交通省が創設した自然再生緑地整備事業の強化を行い、土地買収費や移転補償費についても補助対象として、自然再生事業が具体的に推進可能な制度となるようにしてください。
 自然再生推進法案に関連して、二つだけ具体的な意見を申し述べます。
 一つは、第二条にある自然再生の定義についてです。
 過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的とする旨が第二条で規定されていますが、この法律により何が何でも自然再生の名目の下に新たな公共事業が実施されるのではないかとの批判が出ている中で、この自然再生の定義は非常に重要だと思います。現に、くぬぎ山に隣接する雑木林では、枯れたアカマツをただ切って積んでおく、そうすると松を枯らす虫がまた増殖しています。そこに何がすんでいるのかも考えないで広い範囲を同じに手入れをする平地林のモデル事業が十二月から農林水産省の公共事業で実施されようとしています。
 このように、「生態系その他の自然環境を取り戻す」と記された「その他」を法文に入れてしまうと、自然再生の定義があやふやになり、はっきり言ってざる法化されてしまうおそれが強いと思います。ここには、その他ではなく、過去に損なわれた生態系が機能する自然環境を取り戻すことを目的とする、に変更すべきだと考えます。あやふやな表現を使うことで後から子供たちも含めた国民の批判を浴びることのないようにしていただきたいと思います。
 もう一つは、第十七条二項に示された自然再生専門家会議に関することです。
 自然再生としてふさわしいことか否かをチェックする第三者的立場として、この専門家会議の役割は非常に重要だと思いますが、この構成メンバーに関しては、自然環境に関した専門的知識を有する者と規定されています。学識経験者を念頭に置いた法文だと思いますが、この法律の大きな特徴としてNPOの役割が公に位置付けられた点にあります。こうした点からも、専門家会議の構成には、単なる学識経験者だけではなく地域学、あえてこう呼ばせていただきます、地域学の専門家とも言われるNPOやNGOの代表がきちんと加わり、そうした団体からの立場で自然再生事業のチェックが可能となる仕組みを作っていただきたいと思います。
 おおたかの森の保護活動を行ってきた者として、特にくぬぎ山で今行われている様々な保護、保全、再生活動は市民だけではできません。かといって、行政だけでもできません。大人も子供も、それぞれの立場の人々が一つ一つの体験を通して積み重ねた結果が各地で行われる自然再生だと思います。専門家会議が単なる学識経験者だけでなくNPOやNGOの代表が加わることで、私たちにも責任が付いてきます。責任があるということはやりがいにもつながります。NPOもNGOも無責任なことはできません。無責任なことが多い現在、いつも子供たちは大人の行動を見ています。私たちと子供たちが責任ある市民になるためにも、自然再生の中で責任を持たせてください。地域で自然再生活動に取り組む市民団体の立場から、是非お願いいたします。
 以上です。
#6
○委員長(小宮山洋子君) では、次に、菅波参考人、お願いいたします。菅波参考人。
#7
○参考人(菅波完君) 菅波と申します。(資料映写)
 日本湿地ネットワークという、日本の中で各地の湿地の保全、これは川ですとか干潟ですとか、そういった水にかかわる地域の保全にかかわっている市民グループ、このネットワーク組織として日本湿地ネットワークは一九九一年から活動をしてきています。
 日本湿地ネットワークとしても、この自然再生推進法の動きについては注目をしておりまして、こちらの方に書いてございますけれども、日本湿地ネットワーク、JAWANとしてこの法案の研究を進めてまいりました。また、実際に、九月にはアサザプロジェクトの現地を視察、それから十月には、釧路湿原の自然再生事業について、現地に行って私もこの目で見て、問題の現場を確認してまいりました。また、先日は衆議院の環境委員会でも意見を述べさせていただいています。この立場から、今回の参考人に呼んでいただきまして意見を述べさせていただくという次第です。
 日本湿地ネットワークとしてのこの法案についての考え方は、現在の法案については廃案にすべきという立場でいます。その上で、私たちの意見というのは、我が国の湿地保全政策に関して次のような対策が必要なんではないかという提案をさせていただいています。
 まず第一点として、従来の公共事業への反省に立って、自然環境の保全を他の公益との関係で最優先するという、非常に理念的な部分ですけれども、そこを出発点にするべきだということです。これについては後で詳しく説明をさせていただきます。
 また、自然再生をするに当たって、自然の生態系が持つ特性を踏まえた原理原則への理解が必要だと。特に、ラムサール条約会議で検討されました湿地復元の原則と指針決議がございますけれども、こういった国際的な流れの中でやるべきである、そういう意見を持っております。そういった点から、この自然再生推進法案については不十分な点が多いというのが私たちの廃案にすべきという根拠にもなっています。
 特に、三番目に挙げておりますけれども、このラムサール条約会議、先日までスペインのバレンシアで行われておりましたけれども、過去の流れの中でも既に湿地の保全に関する法制度全体の見直しということが決議として挙げられておりまして、日本も締約国ですが、国としてこういった法制度全体の見直しをすべきという立場にあります。しかし、そういった法制度ができないまま、今、自然再生法というのが今動き出そうとしているということに不十分なもの、アンバランスなものを感じているというところです。
 そして、この自然環境の保全再生に関する抜本的な法制度の改革というものについて、NGO、市民団体主導で進めるべきだということを私たち日本湿地ネットワークの意見として申し上げています。
 御紹介しましたラムサール条約における湿地復元の原則と指針について、こういった決議が挙げられているわけですけれども、この内容について取り急ぎ要約したものを今こちらでパワーポイントで御紹介しています。正に、自然再生推進法の考え方と非常に似ている、若しくは同じ問題意識に立っているところがあると思いますので、これは非常に重要なポイントではないかと考えています。
 まず、その前提として、湿地の再生についてすべての条約締約国が積極的に推進すべきものだということが大前提として位置付けられています。それと併せて、湿地の再生や造成、新たに湿地を創出するというようなことがこの法案の中でも言葉が使われていますけれども、現時点では造成というレベルではないかと思いますが、それが自然の湿地の創出の代替措置にはなり得ないということが明確に示されています。
 その上で、対象湿地の選定、それから再生計画の策定に当たって、これは、ラムサール条約というのは保全すべき湿地を目録にして登録するという仕組みになっておりますけれども、環境が悪化した湿地、それから湿地として失われてしまった部分、それについてきちんとした目録を作るべきだという流れがあります。まず、全体として失われた自然環境、失われた湿地に、どこが失われたか、どこに対して再生の手を打つべきかという国全体の中での優先順位、必要性の高いところからやるべきだということが一つ重要なポイントだと思います。
 それから、四番目に書いてあるのは、集水域レベルで湿地の機能を評価する。非常に広域にわたって湿地の機能を評価する。例えば池とか川、その周りの里山ですとか森林の状態、その周辺の地形的なものを含めて広域的に湿地の評価をするということが大きなポイントとして、これは諸外国の中でも大きな流れとしてなっています。
 また、その中で、湿地再生については資源を利用する、例えば水を取るということも含めてですけれども、そういった環境面だけでなく、社会経済的な面での制約条件を改めて整理し直すということが位置付けられています。
 そうした上で、湿地再生をするための優先的な地域、潜在的な再生の候補地を選定するというのがここで、ラムサール条約で今正に話し合われている湿地復元の原則と指針に定められていることです。
 また、実際にそういったプロセスを経てどこの再生をするかを絞った上で、再生事業のプロセスとしては、この七番目にありますが、すべての利害関係者の参画を保障し、また総合的な目標、長期的な目標、そして具体的な目標、またその再生を進めるに当たっての具体的な評価基準、こういったものを明確化するということが重視されています。そして、複数の計画を比較しながら、具体的な目的の実行に本当に有効かどうかいろいろな段階でチェックをしていく。もちろん、事業の実施に当たってもモニタリングをしていく。そして、その過程過程で目的の実現に向けてのチェックと、この実施計画、目標設定の妥当性を検証しながら進めていくと。順応的管理とか適応的管理というような言葉が保全生態学の分野でも盛んに使われるようになっていますけれども、そういったプロセスの重要性が述べられています。これが世界的にも今進められようとしている湿地の再生、正にこの自然再生推進法でも見習うべき自然再生の道筋だというふうに考えます。
 実際、それがこの自然再生推進法でも踏襲されているのかどうかということが問題なわけなんですけれども、ある程度フレームワークとして似ている部分もあると思いますが、私たち日本湿地ネットワークとして今話題となっている釧路湿原の自然再生事業、それからアサザプロジェクトの現地を実際に見た上で、やはりこの法案についてはまだまだ問題が多いという結論に至っています。
 実際、釧路湿原の自然再生事業については、一言で言うならば行政主導で進められている自然再生事業としての限界を露呈していると言っては、まだ始まったばかりではありますけれども、そう言わざるを得ない状況にあるんではないかと思います。
 といいますのは、釧路湿原の自然再生事業については、過去に直線化した、河川改修によって直線化した川を改めて蛇行化させると。これは革命的なことだというようなことが一般の新聞でも取りざたされていますけれども、実際に現地を見てみますと問題はそれほど簡単ではないということがよく分かります。
 釧路湿原について湿原の乾燥化が進んでいる、湿原の生態系の状態が悪くなっているという問題はあるとしても、その保全のためのより重要な問題というのが実際にはまだまだ手が付けられていない。その中で今、自然再生事業が進められているのが現実だと思います。
 流域全体を視野に置いた再生計画作りということで、これまでも検討委員会などが行われてやってきていますけれども、現状追認の域を出ていないということを言い切ってもよいんではないかと思います。具体的には、農地開発、そして森林の管理、そういったところでまだまだ手を加えなければいけないところがあるわけです。
 そして、釧路湿原については国立公園になっておりますけれども、その認定、そしてラムサール条約の登録湿地としての指定の枠が狭過ぎると。その周辺の土地利用との関係で、また湿地の状態、生物の生息の状態を考えますと、むしろもう少し保全の区域を広げていくことをまず考えるべきではないか。
 また、国立公園の中でも農地の開発、それから周辺、釧路川流域周辺のまた山林などでの管理が全く行き届いていないという中で真っすぐにした川をもう一度蛇行に戻すという土木事業に走っているような印象がぬぐえません。
 また、市民参加がうたわれているところなんですけれども、市民側に限定的に参加のオプションが与えられている、行政が用意した場に市民が参加していくというような状況にすぎないのではないかと。もう少し自由な発想による市民の主体的な参加というものがあってもいいと思いますし、それは正にアサザプロジェクトが、この後に申し上げますけれども、目指して今チャレンジをしているポイントだというふうに思っています。
 それと、この湿地の再生事業、例えば河川を改めて蛇行化させる事業若しくは水門の管理によって湿原の水位を人工的に上げてみる、そういったことが行われているんですけれども、行われようとしているんですけれども、これ自体が調査に着手するという段階にすぎません。つまり、やってみて効果が出るか出ないか分からない、そういう状況にあります。
 例えば、直線化した河川を蛇行化させるということなんですけれども、直線化した後、切り離された蛇行した部分は三日月湖のような形になって、そこにはまた自然の定着した生態系ができ上がってきている、また直線化した河川についても、かなり年月がたっている中で、川の中州にそれなりに湿原の植物が、植生が復元しているような部分もあるというふうな状況にもなっています。そこをあえて人工的に蛇行化させることが本当にいいのかどうか。この再生事業をすること自体が、今それなりに定着している生態系に悪いインパクトを与えるということが実際に心配されています。そういうレベルでしかないというのが釧路湿原の自然再生事業の現状、非常に厳しい言い方をしておりますけれども、これはそう言わざるを得ない状況かと思います。
 また、国土交通省釧路開発建設部と環境省の東北海道地区の自然保護事務所ですか、連携が目指されていろいろな形で、タスクフォースですとか取組がされておりますけれども、まだまだ十分機能している段階ではなく、会議が増えて会議の参加者が増えた、また市民にとってもいろいろなところに呼ばれて出ていくことが多くなったというレベルにまだまだすぎないんではないかという印象を持っています。
 一方、アサザプロジェクトについては、実際に現地を見まして、これは本当に今目指すべき自然再生事業のモデルとして正に支援していかなければならない、これを中心にもっと仕組みを考えていかなければならないモデルではないかというふうに考えています。
 その内容というのは、書いておりますけれども、構想、計画、工事、それからモニタリング、一貫して市民が主導して地域の小学校とか農業者の方、林業者の方、漁業関係者の方、非常に多様な方が参画する中で地域の本当に全体の取組として今進みつつあるというふうに言っていいと思います。
 また、その二番目の点ですけれども、全体にわたって保全生態学の研究者が逐一その指導、実際の調査、そしてプランニングについても指導しているという中で、順応的な管理、適応的な管理というのがかなりよい水準で実施されているんではないかというふうに思います。これはほかの自然再生若しくは環境への対策の事業の中でも非常に進んでいるまれなプロジェクトではないかというふうに思います。
 そして、関係する行政機関との連絡調整役として市民団体が非常に重要な役割を果たしているということも特筆すべきだというふうに思います。これは行政機関同士の調整役を行政機関がやるということ自体がなかなか機能しにくいというのはもう明らかなところではないかと。それを市民グループが、アサザ基金というNPO団体がそこまで企画力を持ち交渉力を持ち運営を進めているということは非常にすばらしい今状況にあるんではないかというふうに思います。
 実際、アサザ基金の飯島さんが衆議院の環境委員会でも参考人として発言されました。そこで特に強調しておられたのは、公益の見直しが絶対に必要であるということでした。私自身もその言葉がなかなか理解しにくかった部分もあるんですけれども、日本湿地ネットワークとして取り組む中で思い出したことといいますか、少し昔の話になりますけれども、一九九九年の七月に、日本湿地ネットワークとして、日本の干潟、湿地の保全を求める署名というのを集めまして、国に対して十二万六千人分の署名を集めました。これは当然、九七年四月の諫早湾の締切り、その後の藤前干潟の保全、そういった流れの中で、国内から干潟、湿地の保全を求める声が非常に強くなっている、またその重要性が非常に大切になっているというところを受けてやったものです。
 その提出の際に、当時の環境庁の方のコメントが非常に印象的で、今でも忘れられません。環境庁の方は、干潟、湿地の保全については非常によく分かっている、皆さんのおっしゃることもそのとおりだと。ただ、他の公益との兼ね合いが非常に難しい、現状ではほとんど勝ち目がないというようなことをこぼしておられました。
 正に他の公益、公共事業の影響として自然環境の破壊が進んできていることはもう今更言うまでもないんですけれども、その中で、やはり自然が損なわれてきたという原点をやはりもう一度強調せざるを得ないと思います。従来型の公益を是非見直していただきたい。そうしなければ、従来の公益を前提にしたままでは、環境への配慮、自然の再生といってもかなり限定的なものにしかならない、ゆがんだものにしかならないというのは明らかだと思います。
 例えば諫早湾の干拓の問題、農地の造成とか防災を目的にして事業が進められています。その中で、事業の見直しについての動きもありますけれども、結局、今農水省の方でやろうとしている環境への配慮というのは、かつての干潟を淡水の水辺として保全するという正に木に竹を接ぐような、見当違いも甚だしい、それが自然への配慮だと。農と水辺の自然空間を創生するというようなことが言われていますけれども、このような正に自然再生、自然環境への配慮とは呼べないような状況が当然あるわけです。
 それは、例えば藤前干潟の埋立ての問題でも当初ありました。当時はごみ処分場を確保するという至上命題がありまして、当時の名古屋市長は早急にごみ処分場を確保しなければいけないということで、市内がごみであふれるとまで言っていたと思いますが、そのために人工干潟を造成する。実は、この話については、このごみ処分場の確保というところについての公益を一歩引いた形でごみ処分の在り方を考える循環型の社会を作り直すというところで、公益の在り方を見直したからこそ藤前干潟の保全が実現したということが言えると思います。
 時間がないので先を急ぎますけれども、自然再生事業が直面している釧路湿原にしてもアサザプロジェクトにしても、実際にまだ既存の公益との壁にぶつかって、そこを乗り越えられないでいるという状況があります。自然再生推進法についても、まずこの従来型の公益を見直す、自然環境の保全をそれより上位に位置付けるということをしなければこの法案は無意味ではないか、そこについての議論が全く欠けているのではないかということを思っております。
 長くなりました。失礼しましたが、以上で私の意見としては終わらせていただきたいと思います。
#8
○委員長(小宮山洋子君) 次に、池谷参考人お願いいたします。池谷参考人。
#9
○参考人(池谷奉文君) 本日はこのような貴重な席に私どもをお呼びいただきまして、大変ありがとうございました。
 日本は、第二次世界大戦の後、大変な国土の疲弊を招いたわけでございますが、それを復興するために豊かな生活を求めて各方面でいろいろ活躍をしてきたわけでございますが、結果として大変世界でもトップの生活をするようになったわけでございますが、その過程で、将来世代への財産であります自然生態系を大きく破壊してしまったという事実があるわけであります。そういったことから、今こういった自然を取り戻そうということに国の方でも動き出したということに関しましては、私どもとしても賛成をするところであります。
 スライドを使いまして、パワーポイントを使いまして、現在の状態、なぜ自然生態系を守らなきゃいけないのか、また世界の情勢がどうなっているのか、その辺りをちょっとお話をさせてもらいたいと思います。(資料映写)
 ここに映していますのは、私どもの人間の自然生態系とは何かというものでありまして、太陽光線と大気と水と土と、その上に乗っかっています多くの野生生物、主としてこの五つの要素とそれぞれの循環、これが自然生態系でありまして、この自然生態系が我々の人間の生存基盤であります。
 この自然生態系を我々生活の糧、資源という見方からしますと、生物資源と非生物資源に分けることができます。この自然生態系を原料といたしまして第一次産業、第二次産業で生産をし、流通をし、消費をしていくわけでございますが、特に戦後まずかったのは、人類生存の基盤であります自然生態系、この生物資源の部分、これはうまく使えば再生できるんでございますが、種を絶滅させているという事実がございます。大変多くの種を絶滅させています。これでは将来世代がこの遺伝子を使うことができないということで大変大きな問題が起こります。
 それから、あと一つの非生物資源でございますが、これは主に地下資源でございまして、これは掘れば掘るだけ私どもの生活は豊かになりますが、将来世代への財産はなくなってくるということになります。
 この自然生態系を破壊して大量生産をし、大量流通し、大量消費しますから、当然作ったものはすべてごみになるということで大量の廃棄物が出てくる、こういうことで、現在環境問題が大問題になってくるということになっているわけであります。そこで、特に生物関係の部分でございますが、自然再生をしようという話になるわけです。
 特に、自然再生が外国で進んでいますのが河川でございまして、自然再生の仕方には三つのタイプがございます。一つはタイプ1でございまして、以前自然だった川をコンクリ等で護岸し、直線化をしていった。その一部分をコンクリをはがして元の自然に近い状態にしていく、これが近自然工法、日本で言いますと多自然工法でございますが、これがタイプ1のものでございます。川の一部を自然に近い状態に戻そうというものであります。
 これはタイプ2のものでございまして、川の流れというものを堰やダムで止めてやります。かなり止めてきたわけでございますが、その堰やダムを取り外して元の川の自然を取り戻そうという考え方、これがタイプ2のものでありまして、これは今お示ししていますのはアメリカのメーン州にございますケネベック川という川に架かっています発電用ダムでございますが、このダムをアメリカの連邦政府が取り外そうということを決定いたしました。
 これを取り外して将来世代への遺伝子を守ることの方がアメリカの将来にとっては大切であるという判断をした第一号であります。各州におきましては、もう既に百数十のダムや堰を撤去しているところであります。
 こういった動きはヨーロッパにもございまして、これはフランスのロワール川でございますが、その支流でございますが、ここにダムがございまして、これをフランスでも撤去をいたしました。これは三つ目の撤去の事例であります。
 次は、川というものは本来蛇行しているものでございますが、その蛇行を取り戻し、はんらん原まで含めて自然に返そうという考え方でございます。ヨーロッパで一番大きな事例でございますが、デンマークのスキャーン川の事例であります。以前は蛇行している川であった、それを直線化し、ここは農業開発をした場所であります。それを再度、この農地を政府が買い取りまして、元の自然に戻そうということで、一九九九年から今年の十一月までの工事で工事が始まっているところであります。
 結果として元の自然に近い状態に戻そうと。ウエットランドの復元であります。これをしているところであります。
 結果として多くの野生生物が帰ってきた。この野生生物、この遺伝子が将来世代への重要な基本財産であるということになるわけであります。
 これは、ヨーロッパではそういったことばかりではなくて、各国を通ります例えばこれはライン川でございますが、ライン川も自然を復元していこうという協議がもはや始まっているところでございまして、この黄色い線は過去二百年のはんらん原の線でございまして、ここまで将来的には自然を戻していこうと。この色の濃いところ、ここは既に公有地化をいたしまして再自然化が進行しているところであります。
 最も川の再自然化で規模の大きいものがアメリカのフロリダに見ることができます。キシミー川の自然再生でございまして、以前はこういう蛇行をしている川であった、それを直線化をした。この直線化をすることによって農業開発が周辺で起こり、また水が下に一気に流れていってしまうということから、この周辺の野生生物の絶滅が多く見られるようになった。そこで、クリントン政権の時代から、この川を埋め戻して元の川に戻し、周辺を自然再生しようという考え方であります。
 これが現在、一九九七年から始まっております埋め戻して元の自然再生をしているところであります。この面積が一万ヘクタールを超える膨大な広さでございまして、将来世代にこういった多くの自然を残していこうということで、ブッシュ政権もこれを今押しているところであります。
 ここに住んでいますアメリカのトキであります。この遺伝子を失ってはならないと厳命を下しているわけであります。
 残念ながら、日本ではこのトキがこの中に入ってしまった。たった一羽を残すのみという状態になっているわけであります。
 自然再生は川ばかりではなくて農業関係でも行われているものでございまして、これはアメリカの中西部、世界一の穀倉地帯の昔の絵でございまして、多くの野生生物がたくさんいたんであります。
 それを農業開発をいたしました。この結果、どういうことが起こったか。
 そこにいましたこれはリョコウバトという、パッセンジャーピジョンといいますが、このリョコウバト、数億羽いたんでございますが、一羽残らずこれを滅ぼしてしまいました。多くの野生生物が絶滅したわけであります。そういった意味では、アメリカも自然破壊大国ではあるわけであります。
 そればかりではございませんで、こういった農業をやったことによって、実はこれはちょうど中西部がここでございますが、この色の濃いところ、これが土壌喪失が非常に激しいところ。このままいきますと、アメリカの農産物を作ることすら難しくなるということが分かったわけでありまして、つまり土壌と多くの野生生物を滅ぼしてきた。こういうことを反省いたしまして、アメリカでは一九八五年にCRP政策を掲げ、アメリカの農業政策を大きく転換をしたわけであります。
 この図は、一九九〇年の農業法によりましてCRPプラスWRP政策を足したわけであります。ウエットランド・リザーブ・プログラムでございますが、これは以前はこういう湿地であった、それを壊して農地にした、多くの野生生物が絶滅しているということが分かって、この自然を再度復元をして、農地を減らして自然を復元しているというのがWRP政策でございまして、その後の一九九六年農業法でもEQIP等の政策を掲げて、二〇〇二年の農業法でもそれをもっと強化をするということで、農業関係におきましても自然再生事業が大きく進行しているところであります。
 これはヨーロッパ、特にドイツでございますが、例えば子供たちにもはや舗装をしたコンクリートやアスファルトをはがしていこうということは、連邦自然保護法ですとか多くの法律で極力、地を戻すということを法律で書いて、全国を挙げてこれをはがしているところであります。
 多くの野生生物を守るには一つの原則がございます。なるべく土地を狭いよりも広く残す、同じ面積であればばらばらよりも一つにまとめた方がいい、できればつないだ方がいい、形は円形に近い固まりに、つまり固まりで残してつないでいく、これが多くの野生生物を守る最低限の基本であるというふうに言われているところであります。
 それをいち早く全国レベルで取り入れましたのがオランダでございまして、海岸線の自然と内陸部の湿地帯と、黄色が森林でございまして、この自然をずっと全部矢印のようにつないでいこうということであります。まさしく生態系をつなぐエコロジカルネットワーク、全国計画でやっている。こういうグランドデザインをきちっと持つということが国づくりにとって大変重要なことになるということであります。
 それを今度はヨーロッパ全体で広げていこうということで各国が取り組んでいるわけであります。
 これはアメリカでも同じでございまして、フロリダでございまして、フロリダの例では、ここにもございますフロリダ全体のこのブルーの部分、これは既に公有地化を済ましているところでございまして、今後これからこの赤い部分、これは戦略的に生態系をつなぐために重要な地域であるということを決めまして、それを順次買い取って将来世代に渡すフロリダをつくろうという国の方針であります。
 現在、自然再生推進法が議論されているところでございますが、これを推進させるために、時代としては今これを成立させるということは大変いいことだというふうに判断をしておりますが、ただ、それをさせる上で重要なのは、先ほどの話にもございました、段階的にきちっと、一回でうまくいくものではございません。自然環境というのは非常に多様化しているわけでございます。したがいまして、今後のモニタリングをしっかりするということと、それを支援しますNGOが重要な役を成すわけでございまして、このNGOの在り方、特に、何といいますか、今、問題になっています、外郭団体等が問題になっていますが、NGOがそういう形に、天下りの先になるようなことがあっては困るわけですが、業界団体のまたNGOになるとか、そういうことのないきちっとしたNGOが参画するということが重要な柱になるんだろうと思っております。
 以上でございます。
#10
○委員長(小宮山洋子君) 次に、関口参考人、お願いいたします。関口参考人。
#11
○参考人(関口佳織君) 第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会に所属しております弁護士の関口と申します。よろしくお願いします。
 第二東京弁護士会では、平成七年以来、我が国における自然破壊の現状や生物多様性のための法制度とはどうあるべきかといった問題に取り組んできました。こういった取組の中で、今年七月二日、この法案につき意見書を出しております。お手元に配付資料があると思いますので、ごらんください。こちらに沿った形で、若干順序が違ったり補足することもありますけれども、今日はお話しさせていただきます。
 第二東京弁護士会のほかに、日弁連、関東弁護士会連合会、第一東京弁護士会、札幌弁護士会、またNPOである日本環境法律家連盟がこの法案に対する意見書を出しております。いずれも法律家の目から見てこの法案の問題点を指摘し、十分な、かつ慎重な審議なしに本法案を成立させることに反対するものです。
 この法案には、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的とするとありますが、そもそもこのような法律が必要なのか疑問があります。自然再生とは何か、人間の行為により失われた自然が回復できるのか、またその回復させる手段によって新たな自然破壊が行われることにならないか、こういった基本的な問題意識がこの法案では最初から捨象されてしまっているように思えます。
 自然環境というものは非常に脆弱なものです。一度破壊されると、その回復には非常に長い時間が掛かります。しかも、人間の積極的な行為によって回復できるのか、回復のスピードを早めることができるのか、こういったことについてはまだ検討の途上です。
 さらに、自然再生事業には大規模な工事を伴うケースがありますが、そういった工事によって新たな自然破壊が行われないという保証はありません。先ほど菅波参考人がおっしゃった釧路の再蛇行化事業、これについても大規模な土木工事が想定されますが、これによって新たな自然破壊、これも心配されます。
 残された自然をいかに保全するかについて、改めて真剣な議論を行い、新たな具体的対策を示すことなく人為的手段による自然再生を優先させるのは、将来にわたる豊かな自然環境を確保するという観点からは非常にリスクが高いと言わざるを得ません。
 むしろ、自然再生は、残された自然の保全、これと一体として考えるべきです。残された自然環境の保全、野生生物保全のための法体系を確立した上で、自然再生はその一手段として位置付けられるべきものであります。
 さらに、この法案は、元々公共事業の反省と転換を図るという目的があったはずです。こちらの参考資料にも載っております二十一世紀環の国づくり会議、こちらの報告書には「衰弱しつつあるわが国の自然生態系を健全なものに蘇らせていくためには、環境の視点からこれまでの事業・施策を見直す一方、」、自然再生型公共事業を推進することが必要と、こういった提言があります。ところが、この法案では自然を破壊してきた公共事業に対する見直し、これが何ら示されておりません。あたかも現在行われている公共事業はそのままにして、新たに自然再生という名前の付いた公共事業、これを行おうとしているようにも読めます。
 例えば、諫早湾干拓事業、これについて干拓事業自体が生態系に与える影響を見直さずに、干拓後新たに陸の生態系、淡水の生態系を創出するとして、これが自然再生事業ということで行われてしまうことにならないだろうかということです。
 この法案には、現在残されている自然と再生されようとする自然との関係、特に生態学的なつながりが明確でありません。そして、公共事業に対する反省とその転換が示されていないと、こういったことから従来型の公共事業が自然再生型公共事業に名前だけを変えて行われることが危惧されます。
 さらに、具体的に問題点を述べます。
 この法案は自然環境をどのように取り戻すのか、国土と自然環境のグランドデザインを踏まえた優先順位やタイムスケジュールを示した自然再生事業全体に関する計画制度がありません。既存の国土整備や土地利用計画との連携もありません。
 この法案によれば、実施者が自然再生事業だと主張すれば何ら客観的裏付けがなくても自然再生事業となってしまいます。このため、独り善がりの場当たり的な、あるいは実験的とも言える自然再生が全国各所で行われる危険があります。
 この法案では政府が自然再生基本方針を定めることになっていますが、その基本方針の中で自然再生基本計画、こういったものも策定する必要があるんではないかと思います。
 次に、法案上はNPOに大きな期待が掛けられているように読めます。しかし、NPOが実質的に参加できる仕組みを整えなければ、NPOは協議会に出席して意見を聞きおかれるとか、さもなければ除草やごみ拾いといった維持管理だけにかかわる存在になりかねず、結果的にNPOが新たな公共工事の免罪符となりかねない危険があります。
 NPOは協議会の構成員として位置付けられていますが、実施者によるNPO選定の公平性を担保する制度がありません。恣意的に実施者に都合の良いNPOが選ばれ、あるいはわざわざ作られ、結果的に地域に密着して地道に活動を行ってきたNPOが排除される危険があります。
 興味深い事例を御紹介します。
 茨城県が湖沼法に基づく霞ケ浦水質保全計画に関連して、平成九年度から十三年度までの間に市民団体に委託した事業は合計二十五事業ありましたが、その委託先はたった四団体に集約されていました。しかも、その四団体というのは、茨城県が後押しをして設立した社団法人であったり、県が職員を出向させている団体でした。自然再生推進法においても同様の問題が起こり得るんではないかと思います。
 協議会において実施者に都合の良いものだけがその構成員になることがないよう、協議会の構成について公平性と透明性の確保を十分保証する手続規定、これが必要です。構成員の選定に当たっては、地域において現に活動している又は活動しようとしているNPOが排除されないようにしなければなりません。地方公共団体や省庁の天下り機関、また実施者のかいらい機関、こういうふうに見られるNPOが協議会の場を独占しないよう、本法案又は附帯決議として明記すべきではないでしょうか。
 また、法文上はNPOが実施者になることも想定されています。しかし、現実的にNPOが実施者となって協議会を構成し、運営し、実施計画を定めることができるのか、非常に疑問があります。
 現に霞ケ浦において、アサザプロジェクトですけれども、こちらのコーディネートを行っているアサザ基金が、この自然再生推進法案に基づいて協議会、アサザ基金の方では円卓会議というふうに称しておりましたが、その開催を呼び掛けました。そうしたところ、霞ケ浦工事事務所、これがそれに応じないと、そういう事態もあります。NPOが実施者になろうとする際には、関係行政機関に対し協議会運営の協力義務を課す、こういったことも必要ではないかと思います。
 地域固有の自然環境に即した自然再生事業を行うためには、その地域の自然環境の特性を熟知した地域住民及び地域のNPO、こういった人々の果たす役割は大きいはずです。そういった地域住民、NPOの活動を阻害しないよう、むしろ行政はその後ろ盾としてNPOなどが実質的に活動できるよう配慮すべきです。
 次に、この法案では客観的、科学的に自然再生に資する事業であるか、それについての保証、担保がございません。さらに、自然再生とはとても言い難いような事業が行われそうになったり、また実際に開始された事業が結果的に自然再生に逆行するようなことになっても、それに対する歯止めの仕組みがないことが大きな問題です。
 すなわち、実施者が自然再生事業であると主張すれば、それだけでこの法律上は自然再生事業になってしまいます。自然再生事業計画が過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことに資するかどうか、客観的、科学的な調査研究結果を示す必要はありません。また、第三者によるチェックもありません。したがって、実施者の主観により自然再生事業が誕生することになります。
 この法案の九条において、主務大臣が自然再生事業実施計画に関し必要な助言をすることができる、この場合自然再生専門家会議の意見を聴く、こういうことになっておりますが、助言の効力についてはその自然再生事業実施計画を修正させるとか事業に着手させないとか、そういうところまではできません。むしろ、十二条において、自然再生事業が開発行為等の許認可行為事業を含む場合、主務大臣は自然再生事業が円滑かつ迅速に実施されるよう適切な配慮をするものとすると、こういうふうになっておりまして、問題のある事業に対する歯止めになるどころか、逆に開発の規制が緩和され得る、そういう仕組みにもなっております。
 したがって、客観性、科学性の担保、それから歯止め、この二つの仕組みが絶対に必要だと考えます。
 第一に、自然再生事業に先立ち、自然再生全体構想及び自然再生事業実施計画の策定に当たっては、客観的、科学的な調査研究結果に基づいて行うこと。第二に、そのデータをすべて公開し、協議会構成員以外の市民にも公開し、意見を求めること。第三に、そのデータを下に構想及び実施計画を客観的、科学的に判断する第三者機関、仮に評価委員会と呼びますが、それを創設すること。第四に、評価委員会の評価に基づき、主務官庁が自然再生事業の認定を行うこと。第五に、評価委員会が自然再生に資さないと判断したときには、主務官庁は評価委員会の勧告に基づき協議会に対し修正を命じ、その修正がなされるまで事業に着手することができないといった規定を策定すること。こういった客観性、科学性の担保と歯止めの仕組みが必要であると考えます。
 また、自然再生事業と認定された事業については、その着手後も協議会に対しモニタリングを義務付け、更にそれを評価委員会がチェックし、仮にそれが自然再生に逆行するようなことがあれば事業の中止をも命じる権限を与える仕組みも必要であると思います。
 さらに、市民が着手後の自然再生事業の動きを監視し、おかしな点があれば意見を出し、それを評価委員会が取り入れて検討するような仕組みも整備されなければなりません。
 こういった客観性、科学性の担保及び歯止めの仕組みがないままで自然再生事業が各地で行われるようになる、このことには非常に危険を感じています。したがって、こういった仕組みを欠いたまま自然再生推進法が出発せざるを得ないということであれば、無限定な自然再生事業が行われないよう慎重に抑制的に行われるべきだと思います。
 少なくとも、当面の間、その地域の環境特性に十分な調査が行われ、専門家による評価がなされ、加えて再生手法についても十分な調査検討がなされている地域に限定して行うべきであると考えております。
 このほかにも、菅波参考人のおっしゃった六条の公益との調整といった問題、文言、これによってこの法の趣旨が骨抜きになる、そういった問題ですとか、また、こちらの三条に透明性を確保とありますが、自然再生基本方針を定める際の協議内容や協議会における協議内容を公開することが定められていないと、こういった問題点も指摘できます。
 この法案につきましては、弁護士会などから、進行した自然破壊に目を向けようとするその理念については評価がなされながらも、多くの批判を浴びています。その原因については、だれがいかに自然を破壊したのかという反省なしにこの法案が作成されているからにほかなりません。新しい酒には新しい革袋をという格言ではないですが、新しい革袋、つまりこういった法案を用意する前にまず自然を破壊した要因を真摯に反省し、自然の保全のためにどうしてもこのような法が必要であるときに再度検討すべき法案であると考えます。
 以上です。
#12
○委員長(小宮山洋子君) 以上で参考人の皆様からの意見聴取は終わりました。
 これから参考人の皆様への質疑に入ります。
 参考人の皆様にお願いいたします。
 御答弁の際には、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。また、時間が限られていますので、できるだけ簡潔におまとめ願います。
 それでは、質疑のある方は順次御発言ください。
#13
○愛知治郎君 自由民主党の愛知治郎でございます。
 本日は、参考人の皆様、お忙しい中をお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。今、御意見をお伺いしていて、大変本当に参考になりました。また、これからのことを考え、その意見を参考にしつつ、この法律検討してまいりたいと考えております。
 私自身は、環境に対する考え方、二十世紀は、これ時代で一くくりにするわけにはいかないんですけれども、今までは環境保全であるとか破壊しないようにする、事前的なことに一番重要点というか重要視していたんですが、これから二十一世紀、新たな時代、これは過去における負の遺産ですね、負の遺産を積極的に処理をしていくという作業が絶対必要だと考えております。もちろん自然破壊を食い止める、これは絶対大前提ではありますけれども、それを一歩進めて、例えば自然再生であるとか、また汚染された場所をきれいにする、そういった作業が必要だと考えております。
 そして、もう一つ、これ行政の問題なんですが、やはり法律という根拠がなければ何もできない、動けないということがありますので、大きな一歩を歩み出すためにもこの法律は必要だと考えております。
 先ほどから御指摘いただいたように、問題点、危惧されている点は多々あるとは思いますが、それを個別具体的にちょっとお伺いをしたい、私自身の意見を取り入れながらお伺いをしたいと考えております。
 まず、関口参考人、意見書を拝見をしました。先ほどの意見もありました。この中で、自然環境の定義付けが不十分であるという話をされました。また、これは足立参考人ですが、大変貴重な御提言をいただきました。その点を踏まえて質問をさせていただきたいんですが、私自身は、これは法律の専門家の方、関口参考人よく御存じだと思うんですが、余りにも、これは特に自然が微妙である、画一的に一律的に限定的に解釈できるものではないのではないかと考えております。
 余りに定義が明確にされてしまうと、それこそお役所仕事じゃないですけれども、全国的に土地、場所にかかわらず画一的な処理をされてしまうんではないか。だからこそ法律の解釈の幅を持たせて、そこに専門家であるより詳しい方々の意見を取り入れて、よりその場所、その環境に適した事業をしていく方が有効なのではないかという発想なんですが、その点の関口参考人の御意見を聞かせてください。
#14
○参考人(関口佳織君) 今、愛知議員の方からそういう御質問がありましたが、しかし余りにも無限定だとどのような自然再生でもやっていいのかという、こういう問題があると思うんですね。
 全国的に一律に決めるのは良くないというふうにおっしゃられましたけれども、逆に今こういうふうに単に自然再生と、こういうふうに無限定に行われると、かえって全国的に画一に、国交省なら国交省が決めたこういう基準でやりますとか、農水省なら農水省が決めたこういう基準でやりますとか、かえって画一的なことが起こるのではないかと思います。
 特に、定義について、がちがちにこういうふうにやりなさいというのはそれは細則の方に任せてもいいと思うんですけれども、むしろ大きな目標ですね、やはり生物多様性の保全とか生態系というものの位置付けは必要ですし、それからこの法律だけでなくてほかの環境保全法関係、そういうものとの位置付けというのも必ず必要なのではないかと考えております。
#15
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 だからこそ、NPOの方々とか専門家の方がどんどん積極的にかかわって意見をしっかりと述べて、よりよき事業にしたらいいかとは思うんですが、この点、これは菅波参考人、日本湿地ネットワークの辻さんのコメントを拝見して、先ほどの御意見も伺いまして、自然再生を口実にした新たな開発であるとか、既存の開発に対する御批判であるとか、十分分かります。そして、今ある公共事業ですね、自然を破壊しているところをやはり見直さなくちゃいけない、それが大事なんだという御指摘は十分分かります。
 ただ、私自身もこれは考えているんですが、鶏が先か卵が先かという話なんですが、言ってみれば親鳥、鶏の方が従来型の公共事業である、今度の自然再生というのは卵であるというふうに考えると、私は卵が先であろうと。というのも、今回非常に大きなポイントで、NPOの方とかNGOの方、一般の方々、多くの方々、より高度なというか事情に即した考え方のできる方々が参加ができるようになった、これは大きな大きな意味があると思います。
 逆に、こういった活動をまず、それでも新しいことですから、まだ実績がない。こういったところで実績を一つ一つ積み重ねて、また大本である親鳥である大きな公共事業、こちらにも影響を与えることができるんじゃないか、よりそういった形で参画ができていくんじゃないかと考えておるんですが、その点、菅波参考人の御意見を聞かせてください。
#16
○参考人(菅波完君) 難しい御質問かとも思うんですけれども、確かに今、各地の地域で行政がいろいろな懇談会を作ってそこに市民が参加して意見を出す中で自然環境の在り方変えていくという取組は進んできていると思います。その中で非常にいい取組が進みつつあるところもあると思います。ただ、それは、どれについてもやはり従来の公共事業の枠組みを少しずつ変えながら切り開いてきているということは共通して言えると思うんです。
 従来からの公共事業の枠組み、若しくは、正に釧路の実例を見ても、ここは農地として開発したところだからそこには手を付けずにほかのところで、国立公園の中で再生のための試験に取り組むということにお金を掛けているその外側で、市民団体がナショナルトラストで少しずつのお金を積み上げて用地を確保してそしてやってきているという積み上げがあるわけなんです。
 実際、今回の自然再生推進法についてはNPO、NGOが参加できる枠組みが用意されたというふうに書いてはあるんですけれども、それがやはり、我々が実際にこれまでの活動でやってきたような経験からいって、我々が歓迎されているなというふうには受け止められないところがあるわけなんです。
 ですから、その中でじゃ本当に、それこそ名古屋の例を先ほど出しましたけれども、名古屋で藤前干潟を埋めるか埋めないかのときには、ごみ処分場はとにかく今すぐにでも必要だ、今すぐ確保しなければ市内はごみで一杯になるというように市長が新聞の意見広告を出してまで言っておられたのが、百八十度転換してごみを減量するというふうに踏み切ったからこそ保全され、ラムサール条約の登録地としても今新しいスタートを切ろうとしているわけですから、そこを併せて見直さない限りはいけないと思う。
 だから、この自然再生推進法の枠組みが、本当に従来の公共事業の枠組みを見直すきっかけになるかどうか、そこがポイントだと思います。
#17
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 確かに、おっしゃることもよく分かりますし、ただ私自身は、やってみなければ、一歩目を歩み出さなければいけないと考えております。
 そしてもう一つ、今までの、もちろんこれは今までの自主的な取組というか、NPO、NGOの方々の取組を阻害するようなことがあってはいけないというふうには考えております。それは、事業をするときにその参考にというか、かかわった方々がしっかりと分析というか提案をなされて、今までの事業、取組というものを阻害しないようにまたアドバイスをするべきだと考えております。
 ところで、このかかわりなんですけれども、NPO、NGO、まずは一つは、足立参考人がおっしゃられたように役割が、NPOの役割が公に位置付けられたと、この点はやはり大きいと思います。
 ただし、先ほど、それでもう一点関口参考人がおっしゃっていましたが、事業主体になり得ないというか、なかなか力がないという話がありましたし、恣意的にかなり排除される可能性もあるんじゃないかと、こういう御意見をおっしゃられましたが、既存の公共事業であっても、これは税金を例えば事業であるから使う際に、これはもうだれでもいいというわけにはいかないと。私自身も、全部ではないですけれども、多少話を聞いている、中身を見ている段階で、やはり厳密なというか、かなりの大変な作業を行い審査をしている。実績に基づき業者を選定するとか、非常に大変な作業をしておられる。
 正に、新しくNPO、NGOの方々、多くの方々、専門家の方々も参加するときに、だれでもいいとかというのではなくて、一つ一つ実績を積み重ねて、それを慎重に審査した上で協力して参画してもらわなくてはいけないと考えておるんですが、この点、関口参考人、どう考えておられるか、御意見を聞かせてください。
#18
○参考人(関口佳織君) 今、審査というふうにおっしゃられましたけれども、こちらの法案の枠組みというのは、そもそもそこが一番異なっているんではないかと思うんですね。
 というのは、NPOというのは、審査される方ではなくて、合意形成に一緒に立ち会ってといいますか、一緒に合意を形成して、それからどういう事業をやっていくか一緒に考えて実行していく言わば行政の仲間なんですね。その辺りが今までの考え方と全く違っておりますので、NPOが力がなければむしろ行政の方が、先ほど後ろ盾という言葉を私も使いましたが、後ろ盾になって応援して、それでやれるようにやっていこうということも必要だと思いますし、それから行政の方で、今までの枠組みと全く違うと、そういうことで絶対これはできないんだとか、NPOにこんなことはできるはずがないとか、そういう目でまず見るようになってしまうともうこの法案の趣旨というのは全部飛んじゃうんだと思うんですね。
 むしろ、じゃ、行政の方でできないということであれば、なぜできないのか、それが、じゃ、その公益との調整なのか、それとも別の公共事業との絡みなのかよく分からないというようなときには、やっぱりNPOと話し合って合意形成ができるよう、そういう努力をしていくべき法案だと私は考えますけれども、そうではないですかね。
#19
○愛知治郎君 ありがとうございました。
 本当に、いろんな面でまずはかかわっていただく、これは大きな大きな第一歩だと考えております。それで、確かにいろんなかかわり方はありますけれども、行政の側は、不信感というか、よく分からない部分も確かにあると思います、今までなかなかやったことないんで。
 その点で、参考意見をいただくということに関しても、やはり全くどこのだれか分からない、どういう活動をしているか分からない状況があれば、それは聞くわけにいかないという部分もありますので、その実績というのは積み重ねていっていただくというのが一番だと思います。いい機会です。
 それから、これからNPO、NGOの方々は特に大きな大きな役割を責任を持って果たしていかなければならない。その際、やはりいろんな方々いらっしゃるのは事実だと思います。ですから、より安心できるような存在に、信頼のできるような存在になっていただきたいと考えております。
 今日も特にそうですけれども、昔はどうか分からないですけれども、今日の参考人の方々の御意見、この場、立法府のこの場でしっかりとした意見として参考にできるような状態になってきました。それは、皆様の活動、実績などから、我々が信頼に足るであろう、委員長でしょうけれども、信頼に足るであろうという判断の下に参考意見を聴かせていただいていると。
 このようなことがどんどんこれから増えていくべきだと思いますし、皆様の御努力にもこれからも期待をして、この法律、まあ自然を相手にしていますので、これから修正とか、場合によっていろんなケースが出てくるとは思いますけれども、一歩目を切るべきではないかと感じております。
 今日は、本当にありがとうございました。
#20
○ツルネンマルテイ君 参考人の皆さん、今日は御苦労さまです。
 用意された資料、あるいは今までの発言、本当にその中には興味深い、意味あるものがたくさん入っています。批判もたくさん入っていますし、批判というか、この法律に対する疑問というのが。もちろん、私たち民主党も、この法律の審議の中ではいろんなそういう問題点を少しでも減らすために一生懸命私たちも頑張ってきました。そして、できれば今日の皆様の意見も、まだちょっと審議の時間が残っていますから、その中に少しでも反映させるように私たちも更に協力したいと思っています。
 時間が非常に限られていますから、すべての参考人に質問できないかもしれませんが、一番最初には菅波さんに質問させていただきます。
 自分の発言の中では、非常にこの法案は直ちに廃案にすべきという提案もありました。それは非常に今の段階では難しいかもしれません。しかし、発言の中で時間が足りなかったかもしれませんけれども、レジュメの一番終わりの方にはもう一つ、この第六条を削除をするようにという提案もありました。
 実は、私もずっとこの六条は非常に気になっているものです。それをちょっと、どういうものかというのをちょっと一つの文だけですから読ませていただきます。第六条です。「自然再生は、国土の保全その他の公益との調整に留意して実施されなければならない。」というものを削除をするように提案されていますが、それもできるかどうか分かりませんけれども、その理由としてはこの公益ということを問題にしているということですね。
 私は、もし私の言葉で言わせれば、これも実は今までの公共事業と、これから私たちは環境と経済の両立の中で考えねばならないことを、かなりここに矛盾がありますね。つまり、今、この六条でいえば、環境が経済の一部である、環境が経済の一部であるというふうに今までずっとあったんですね。しかし、本当は、これからの私たちの環境保全とか環境回復は、経済が環境の一部にならなければならないというふうに、すべての中心に環境がなって、そこから私たちは経済活動をどのようにできるか。しかし、この六条はそれをまだ表していない。だから、私たちは、ここまでもう残っていますけれども、何とか私も、このことをちょっと菅波さんには質問、この私の今の指摘と、自分が考えている今までの公益というのは中止にする、同じような意味でしょうか。
 ちょっとそこについて、今の私の発言に対してお願いします。
#21
○参考人(菅波完君) 今、ツルネン議員のおっしゃったところと私の問題意識とかなり共通していると思っています。
 言ってみれば、この六条、「自然再生は、」というのがなくても、国土の保全その他の公益との調整に留意して実施するというのは何においても当たり前といえば当たり前のような話だと思うんです。それがなぜここにこうして大きく書かれているのかということに意思を感じるところでもありますし、例えばアサザプロジェクトについても、ここまで進めてきたものが、霞ケ浦の水位管理、冬に水位を上げるという、その管理という一つの公益をもって今存亡の危機に立たされている。それを見直してほしいという要望をしているけれども、それは国土交通省の方から受け入れられていない。
 結局、そこの土地をどう使うのかとか、治水とか利水とか、そういったものによってそこの自然環境に非常に大きな制限を掛けてしまうというのが今までの公共事業が掲げてきた公益だと思うんです。これは正に、その在り方をもう一度原点で考え直して再確認、必要性を再確認するとかいう、そういうプロセスを踏まない限り、自然環境をめぐる状況は変わらないんじゃないか。だからこそ、そこについての公益についての議論が必要だというふうに私は考えている次第です。
#22
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 私もやはり、ここで私たちは何とか新しい方向に環境と経済の両立を導かなければなりません。これもやはり私たちは党派を超えてこれからやらなければならないことです。
 次には、関口参考人に質問させていただきます。
 さっきのレジュメの中にも、あるいはほかの参考人の中でも、このNPOの役割はこれからどうなるかということ。表向きは非常に参画できるという形になっている。しかし、実際にはどうなるかということは懸念されているということ。その中では、レジュメの中には非常に興味深い言葉がありましたから、それをもう一回ちょっと読ませていただきます。
 NPO選定の公平性を担保される制度が必要、なぜならば、これもレジュメの、関口さんのレジュメの中ですけれども、恣意的に実施者に都合の良いNPOが選ばれ、あるいはわざわざ作られ、結果的には資金力、組織力に乏しい、しかし地域に密着して地道に活動を行ってきたNPOが排除されるおそれがある。協議会の構成員たるNPOが地方公共団体、省庁、天下り機関や又は実施者のかいらい機関、つまり操り人形ということですね、かいらい機関となることのないように手当てがなされなければならないというふうに、これは弁護士会の意見書の中にも似ているような文章がありました。
 ここで質問したいのは、仮に、その可能性は大きいんですね、この法律は可決されて、そして成立後、弁護士会としてあるいは個人としてもこのことがならないように、NPOの選定が公平性を担保できるように、弁護士会としてはあるいは個人としてはどのような運動を行う予定というか、つもりでしょうか。
#23
○参考人(関口佳織君) 弁護士会の活動ということになりますと、弁護士会も組織ですので、こちらも私が今こういうことをしますと言ってすぐに会の方でやれるというわけではないんですが、私の個人の考え方としては、弁護士として又は会の方でできればですけれども、協議会の場に積極的に参加ができないかと、こういうふうにも考えております。又は、協議会に参加していくというのがこちらの方でもいろいろと難しい。その地域の活動では、東京からその地域の、別の地方の活動に参加するというのが難しくても、やはり三条の方に透明性の確保という言葉がありますから、協議会の中身などはもうやはり全部公開されるべきだと思うんですけれども、公開されたものについてはやはりそれをチェックして意見を言っていきたいと。
 それで、NPOの方で例えば排除されたとか、それとか、どうも行政の天下りとか、かいらいと、今操り人形というふうに言いましたけれども、そういうNPOが独占していて自分たちが実質的に活動できないということになれば、弁護士としても積極的にそういう方に手を差し伸べていきたいと、こういうふうに思っております。
#24
○ツルネンマルテイ君 私たちの希望としても、やはりこういうNPOの側に立って、NPOがしっかりこの中で活躍できるように弁護士たちも頑張っていただきたい。もちろん私たちもそうしています。今は私たちも、仮にこれはこのまま可決されて、せめてその中に附帯決議ができれば、その附帯決議の中ではこのNPOの役割を、あるいはその透明性をもっと私たちも提案したい。それもこの委員会の一つの役割じゃないかなと私は思っています。
 次には、池谷参考人に質問させていただきます。
 さっきのスライドとかもありがとうございます。レジュメを読ませていただきましたから、このビオトープの方にかなりずっとかかわってきたということ。私たちも、御存じのように、これはドイツの方からスタートした。ビオトープという言葉そのものは、なるべくこういうのは日本ではやっぱりこういう片仮名を使わないで、これ日本語に、生き物がすむ場所ということの意味ですけれども、これもこの新しい法律の中でも生かす、もっとこのビオトープを生かすことができると思うんですけれども、このビオトープの中でもやはり問題点もあると思います。メリットもたくさんあると私も知っていますけれども、もしそのデメリットというか、うまくいかないということがあったら、どういうことが例えばあると思いますか。
#25
○参考人(池谷奉文君) 自然生態系、つまりビオトープといいますのは生物の生息空間ですが、人間が思ったようには動かないということがしょっちゅう起こるわけでございまして、そういうことの方が多いんではないか、実際に自然再生事業を進めた場合にはそういうことが多いんではないかと。そこで、アダプティブマネジメントといいまして、一回モニタリングをして、それを再度帰して、再度その自然に近い状態に戻していくと、そういうことが必要なんだろうと。
 ビオトープという考え方は、例えば日本ではトキを捕ってはいけない、でもトキの生息範囲は壊してもいいということになっています。だから、トキが滅びちゃうわけですね。
 それから、このビオトープという考え方は非常にいい考え方です。これをうまく生かしていくことが重要ですし、今度の自然再生法の中でもこのビオトープという考え方を生かした自然再生が必要です。それには、先ほど言いましたように、そう簡単にはいかない。ですから、そういった技術を我々は持っていませんから、モニタリングをしながら行くということが重要だというふうに考えています。
#26
○ツルネンマルテイ君 そのモニタリングという言葉は、私も非常にモニタリングそのものは必要だと思っています。
 たまたまつい最近、一つの大学の中庭ですか、そこにビオトープが作られたということ、それを見せてもらったんですけれども。そこの先生たちも懸念していることは、今はそれに一生懸命取り組んでいる先生たちがいますけれども、今度その人たちが別なところに行くと、本当にこの管理というのも、そのままほっておくとやっぱりこれもうまくいかないということですね。だから、ビオトープにしていても、そういう後のアフターケアというか管理も必要だと思っています。
 もう一つは、レジュメの中には、日本でもこのエコロジカルネットワークというのは、そういう考えが必要です。さらに、その中で提案というのは、再生すべき地域を示した全国方針図というか、結局グランドデザインだと思いますけれども、これを作るのを提案されていますけれども、もしこれを作るとしたら、だれが一番それの中心になって、団体が、どういうことが、それにも例えばNPOが加わることは考えるか。どういう意味で提案、だれが実際に作ってくれるということを考えていますか。
#27
○参考人(池谷奉文君) これは、基本的には全国であれば国でございますね。特に重要なのは、国土計画の中でこれを踏まえる必要があるんだろうと思います。これを作る過程の中で、当然NPOがかかわっていく必要があるんであろうと。それは全国レベルのもの、それから県土レベルのもの、それから市町村レベルのものがございます。現在、市町村レベルのものというものは法でまだ決まっていない、義務ではなっていません。そこで、市町村レベルもきちっとした国土計画というものを自分でできる体制が必要なんだろうと。
 そういう中で、ベースとしてエコロジカルネットワークというものを考えて、多くの都道府県、市町村で自然を既に壊しちゃっていますから、それをどう体系的に取り戻していくかというエコロジカルネットワークというものをさせるための手法を取り入れて、市町村又は都道府県、国それぞれのグランドデザインを描く必要があるんだろうというふうに考えています。
#28
○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。
 あと一つだけ。
 あと一分ぐらいしか時間ありませんけれども、足立参考人には本当にこのおおたかの森のトラストとかいろんな、本当に御苦労さまです。すばらしいNPOの活動ですけれども、この法律は今度は成立されたときは、やはり自分たちにとってはこれのメリット、さっきも少しありましたけれども、ひとつ一番大きなメリットというのは、いい方に考えればこの法律にはどういうものがあると思いますか。これが最後の質問になります。
#29
○参考人(足立圭子君) おおたかの森トラストで行われていることは、どっちかというと民間が先行だったんです。ですから、勝手に市民がやっているということであったんですけれども、ここで公共事業としての自然再生が取り入れられ、ただ、取り入れられても法律がありませんから、今までの、さっきおっしゃったように、だれかとても熱心な職員がいればできる、その方が異動してしまうとおしまいになるということが危惧されていたんです。
 ここで規定されると、最低でもやるんだということがうたわれる、そしてNPOが、それがきちんと携わるということがうたわれるので、私たちにとってはまず一歩としてはとても有り難いと思っています。
#30
○ツルネンマルテイ君 質問終わります。
#31
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 今日は、現実に現場、自然再生含めてやっておられる、現場で活動されておられる皆様方の御意見、私も様々な知見を得らさせていただきましたし、今後、この法案の審議に入るに当たって非常に貴重な意見をいただいたと思っております。
 最初に質問させていただこうと思いますのは、池谷参考人に、海外で自然再生事業取り組まられている具体的な事例、スライドを使って見せていただきました。そういう中で、生態系、遺伝子というものが大変大事であるということで、生物多様性大事であるというお話も伺わせていただきました。ある意味では、そういう生態系等々の中で、遺伝子含めてかなりのものが日本は減ってきていると。人口が日本は江戸時代三千万ぐらいで平衡的に推移しましたから、河川でもせせらぎ、小川というような形の自然も残っておったのが、高度経済成長を経て、大変箱庭のような土木事業を推進していかざるを得なかった事情が具体的にあると思います。
 大学でも、環境保全学科等々には昆虫学科というのがありまして、そういう中には、ただの虫という、普通の虫、特殊の虫ではなくてただの虫の重要性というのを非常に熱心に研究される方まで出てきております。
 どれぐらいこれ、例えば日本の生態系の中でそういう遺伝子、鳥も含めて、バードウオッチング熱心にやられていたということですが、ただの虫も含めて失われていったのか、そういう現状認識を一度お伺いさせていただければと思うんですけれども。
#32
○参考人(池谷奉文君) どのくらい日本の自然が失われたか、これは正確にはそういった調査を公の機関でやるべきであったわけでありますが、残念ながらそういったものはございません。
 ただ、形としてありますのは、例えば日本国土の自然林というものが全体の一七・九%になっている。つまり、五分の一以下になっているということは分かるわけでございますが、中身としてどのぐらいかということになるんでありますが、これは誠に恐縮でございますけれども、私、この五十数年日本の野鳥を見てまいりまして、野鳥といいますのは生態系の頂点にいるものでございますので、野鳥がどのくらいの数がどうなったかということは、実は日本の自然がどうなったかということをかなり表すんではないかという感じがしております。
 そういうことで見てみますと、この五十数年の間に、日本の野鳥の数でございますけれども、約一%になったんだろうというふうに考えています。日本のつまり自然というものが、実は九九%生態系としての機能を成していない。緑としてはあるんです。しかし、生態系としては機能していない。つまり、自然としては機能していない状態になっているんだろうというふうに考えております。
#33
○福本潤一君 ありがとうございました。
 一%になったということは、もう九九%が失われたという現実があるんだろうと思います。やはり、環境と生命の関係というのは、大変大きな影響を環境が与えて、また生命に、また病気も含めて健康に被害を与える要因にもなっていくわけでございますし、国が公共土木事業をするときに環境を改変するという事態は今までもありましたし、今後も続くだろうと思います。
 とはいえ、その改変する環境がどういう状態であるべきかというものに対して考える必要があるということで、河川法の改正のときにも水利とかまた治水以外に環境という概念も入ってきておりますし、旧来ですと考えられなかった未然防止を含めて、有害化学物質に対してのダイオキシン法とか循環型社会法とか、法律体系はそろえられていった最近の環境行政の流れがあると思います。
 昔から、一九六〇年ごろのローマ・クラブ含めて成長の限界ということがございましたし、開発と自然保護、この関係性というのが現実に問われていると。公共土木事業なくして例えば河川の治水等々できませんでしたし、そちらのところの利水に含めても、人口が江戸時代の三千万から今、一億二千三百万という四倍方になっている。世界の人口も四倍ぐらいに増えて、もう六十数億近づき始めていると。自然を全然変えないでそういう多くの人口を、また食糧の問題、エネルギーの問題解決していけれないと。そういう中で、二十一世紀に入ると人類の滅亡に向かっているんじゃないかという論調もありますが、と同時に開発もしなければいけないという現実がございます。
 狭い日本国土でございますので、これは全参考人にお伺いさせていただければと思います。現場をよく知っておられる、また自然再生に熱心に取り組んでおられるだけにお伺いしたいんですけれども。
 自然を保護するといっても、保護するべき自然は何かというふうに考えますと、ただ三宅島の火山の噴火のような状態、火山そのものをそのままほっておくわけにはいかない。改変事業をして、治水も利水も防災も、ダムも防災にも使われるという現実がございます。河口堰や何かでも、利水に利用するという形で国が公共土木事業として必要なときには実施するという現実がございますが、環境を変えないでやれるんならば一番いいんですけれども、全部の事業がはっきり言って変えます。木を一本切ってでも変えます。
 ですので、開発と自然保護、このバランスというものを日本の国土の中でやっていく場合、どの程度のことが開発進める中身の中に入り得るかという基本的なのを、現場で実施しておられる事業があられるだけに、皆さんに概念的な話も含めてお伺いできればと思います。四人の方によろしくお願いいたします。
#34
○委員長(小宮山洋子君) 皆さんにということですので、それでは足立参考人から順次簡潔にお答えいただきたいと思います。
#35
○参考人(足立圭子君) 先ほどもう一人、愛知先生がおっしゃった鶏が先か卵が先かという御質問と多分同じだと思うんですが、私は鶏も卵も必要だと思っています。
 おおたかの森は昔はススキの原だったんです。そこに雑木林を作って畑を作って人が住む。結果、野生生物がたくさん生まれてきたということなので、今までの開発ではなく、野生生物が住める開発をしていただければ問題ないと思います。
#36
○参考人(菅波完君) ラムサール条約で、国際的な湿地の保全を目指してやっているわけですけれども、そこで書かれているのは賢明な利用と、ワイズユースということですね。ですから、開発と保全が相対立するものだというふうには考えていません、バランスの中で成り立つものだとは思うんですけれども。これまでの開発が、例えば空港整備何か年計画とかそういった大きな目標の下に、利水の需要の長期見通しであるとか、そういったものの中でかなり強引な形で進められてきたという現実があるんではないかなと思います。
 ここまでいろいろな環境に対する意識も変わってきている中で、そういったこれまでの開発の基盤になっていた公益の中身をもう一度冷静に分析し直すということ。その中で新しい開発と保全とのバランスが見えてくる。そこの議論が足りないと私は思います。
#37
○参考人(池谷奉文君) 日本の多くの野生生物が滅びていった原因というものは大きく三つあるわけでして、一つは都市関連開発、あと一つは農林漁業開発、あと一つが外来種であります。
 この開発というものの在り方、例えば都市でいいますと、スプロールするすると言いながらスプロールしていった。つまり、どこを自然として将来世代に渡すのか、そういうグランドデザインを持たずにやっていったところに問題があるんでして、これをきちっとすれば十分共存することは可能であろうと。
 農林漁業も全く同じでございまして、どこを将来に渡すのかということなくて、戦後の拡大造林のように目先の利益を追って多くの山を壊したということがございます。ああいうことが起こるわけでして、つまり、そういったグランドデザインを持てば、日本でも開発と保全との共存ということは可能だというふうに考えています。
#38
○参考人(関口佳織君) 開発と自然保護のバランスということなんですが、これがどちらかが大事でどちらかは絶対に駄目だと、そういう関係には立てないと思います。
 ただ、これまでの特に公共工事が特に自然保護を破壊してきた、開発が優先される余り、どう考えてもバランスが取れない、自然が破壊されてきたということを今一番反省しなければならないのではないかと思います。
 夏に日弁連の公害環境委員会として北海道の日高横断道路、こちらの視察に行ってまいりました。この道路はもう二十年くらいずっと工事しておりまして、いまだに開通しておりません。それで、日高の、トンネルを中に掘る計画がありまして、両側、あとはトンネルを掘るだけという形になっているんですけれども、ただ、じゃ、長い間にこの道路の必要性というものが薄れてきたんじゃないか、この道路の必要性よりは環境破壊の問題が非常に大きくなってきているんではないかという声が大きくなっているんですけれども、それを、いったん始まった公共事業はなかなか止められない、それから元に戻すなんというのはもう言語道断といいますか、論外だという話になっていまして、すなわち過去の公共工事に関する反省がないんではないかと思います。
 この法案についても、これがそういう過去の公共工事の反省というものが含まれていないというのが非常に問題だと思いますし、それを反省した上でのこういった法案作りをしていただければと思います。
#39
○福本潤一君 公共土木事業に対する現実の問題点、私も皆様方の現実の現場の中からお伺いさせていただきました。
 そういう中で、一つの、国が環境行政を含めて公共土木事業実施主体でございますので、今後この法案に基づいて、先ほど効果のメリットの面ということでNPO、また地域の方々の参画が得られるということがございました。
 そういうときに、それが公益を代表しているかという問題がまた今後出てくるだろうと思います。その場合、NPOで、実際いろいろなNPO等も含めて活動されているときに、そのNPO、私は国からNPOに天下り、独立行政法人には天下りはあったにしてもNPOには余りないだろうと思います、むしろ天上がりじゃないかと思いますけれども、そのNPOの方が公益を代表しているという形でいろいろ選別するときに、見分け方みたいなものが、現実に実施主体の方からも御意見いただいておくと今後の参考になるかと思いますので、NPOの最初の三名の参考人の方、お願いできればと思います。
#40
○委員長(小宮山洋子君) 時間が限られておりますので、なるべく簡潔にお願いしたいと思います。
#41
○参考人(足立圭子君) 今まで長くやってきたということが条件だと思います。地域のことを、一年とかじゃなくて、ある程度の期間やっていたということが条件になると思います。
#42
○参考人(菅波完君) 例えば、海岸整備の検討会を作って、地域の方がコートダジュールみたいな海岸にしてほしい、それが地域の民意だということで進めるわけにはやはりいかないと思うんですけれども、殊に自然再生の問題については、保全生態学の立場からきちんとした科学的な道筋を立てる、それを国全体で、特に広域でプランニングをして、道筋を作った上で各それぞれの事業が動くような道筋を作ることが大事だと思います。
#43
○参考人(池谷奉文君) 天下りのNGOが、私はこのままおけばきっとできるだろうというふうに認識しています。これをやっぱり防ぐためには、そのNPOの又はNGOの構成員、この中にそういった関係の人がいないかどうか、このことをきちっとチェックする必要があると思います。
#44
○福本潤一君 ありがとうございました。
 一つの法案、今回は環境省管轄になるんだろうと思いますけれども、公共土木事業に次のいい波及効果を及ぼす、そのための様々な現場の取組に法案によって一つの自然を再生する事業をスタート、これがまたほかの国土交通省管轄の公共土木事業にもいい影響を与えていくのではないか、それを一つのきっかけにこの法案はできるんじゃないかというふうに思っていますので、またその点も検証していただければと思います。
 本日はありがとうございました。
#45
○岩佐恵美君 本日は、参考人の皆様にはお忙しい中、また御出席いただき、そして貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 最初に池谷参考人にお伺いしたいんですが、「ビオトープ十年の軌跡」という論文を書いておられますけれども、これを読ませていただきました。その中で、「ドイツの自然保護法では、生態学的に重要なビオトープを破壊することを禁止し、都市計画や農村整備では、計画の基本にビオトープの保護・復元・ネットワーク化が位置づけられている。」という、これは大変重要だなというふうに私、思いました。
 そして、後の方で日本の生物多様性国家戦略について述べておられるんですが、「守るべきあるいは復元すべき生物多様性について表した地図が添付されていない。国家戦略とは、長期的な視点でみた国益を考慮して立案される計画であり、主要な敵(生物多様性を脅かすもの)から生物多様性を守るための作戦であることから、いくつかの効果的な武器をもち、成果をあげられる戦略を策定することが求められる。」、こう記述しておられて、これは私ももっともだというふうに思っております。
 それで、先ほどからいわゆるグランドデザイン、エコロジカルネットワークというものを重視をしていくべきだと言っておられる、この点についても本当にそのとおりだと思うんですね。図面がなければ、ここでも書いておられるんですが、図面がなければ、例えばどこの土地を自然再生することが効果的であるかなどといったことが分かりにくい、正にそうだと思うんですね。
 実は、そういう視点から見ますと、今回の法案は、国交省や農水省が個別の事業対象箇所を決めることから始まります。国全体の生物多様性の箇所の環境の破壊の禁止とかあるいは保全という全体計画がない中で、事業者の都合で場所が決められるという仕組みになっているわけですね。ですから、こういうのでどうなのかというのが非常に一般的に危惧をされている面だと思うんですね。
 NGOの参加といいますけれども、NGOの参加というのは、計画が決まって国交省がここをやりたいと決まった後、協議会を作られて、そこをどうしようかというところで初めて参加をしてくるということになるわけですね。
 それでちゃんとしたものになるんだろうかということから、私どもは修正案を提案しているんですけれども、グランドデザインを今まず国が定めます。それによってNGOなどから必要な箇所を提案をするという、そういう仕組みにしたらどうかというふうに思っているんですね。その点について、池谷参考人のお考えを伺いたいと思います。
#46
○参考人(池谷奉文君) 例えば、今の四全総辺りを見ましても、言葉としてはエコロジカルネットワークという言葉は入っているのでございますが、具体的にそれは何を指すのかよく分からないわけでありますし、それがどのくらい現実に解決していったのかという、何というか、量も分からないわけでして、これでは意味が余りないのではないか。
 そこで、図としてはっきり国民にお示しし、ここはエコロジカルネットワークとして重要な場所である、だからやっていこう、それで今年はここまでやりましたよという、そういった指標がきちっと出る必要があるんだろうと思うんですね。そういったことが今までなされていないところに問題があったわけでして、私どもとしてはその辺をきちっと押さえておくことが今後非常に重要だろうというふうに考えております。
 特に、これからの平成十六年の国会でこの国土計画について見直しがなされると思います。十七年には具体的な計画が出てくるんだと思うんです。その中で今回のこのエコロジカルネットワークということをきちっと位置付けてもらえれば、この法律ときちっと整合性が取れるんではないかというふうに考えています。
#47
○岩佐恵美君 そこで、ちょっと菅波参考人に伺いたいのですけれども、先ほど御意見の中で、どうもこの法律ではNGOの参加というのが歓迎されないのではないかという危惧を示されました。
 具体的にはアサザ基金の直面している問題だろうというふうに私は思っているのですけれども、そのことで、先ほどの議論の中で、例えば環境保全とその利用、開発ということが議論になっていますけれども、まず今問題になっているのは、二十世紀型のそれこそ公共事業、環境破壊の公共事業が問題になっているのであって、二十一世紀型の私たちが考えている図というのは、まずは環境を保全しましょうと、それでもやっぱり環境をこういうふうに良くしたらもっと保全できますよとか、あるいはいい循環型のものに変えられますよとかという、そういうことで何とかしたいというのが、循環型のやり方が私は二十一世紀のあるべき姿なんだろうという気がするんですね。アサザ基金の皆さんは、二十一世紀型の循環的なそういう考え方の上に立っていろいろ自然再生ということをやっておられるのではないだろうかと。
 それと、この法律とが、そういうNGOの活動が好まれない、この法律とバッティングするという危惧を感じておられるということについてもう少しお話をいただきたいと思います。
#48
○参考人(菅波完君) アサザ基金の例について言えば、例えば湖岸の波を消すためのそだというのを作るのについて、地域の林業者の方から間伐材を工面していただいて、それを非常に安い値段、また作るに当たっても地域の子供たちに参加してもらって、そういう理解を得ながら、手作りのものなんかを使いながら、地域の中でそういう湖の生態系、そして地域の社会を一つ一つ積み上げていこうという取組として進んでいるものだと思います。
 ところが、それに対する国土交通省の方の水位管理の問題ですとか、これについては、もう市民がかかわる話題ではないというレベルで排除されてしまっているというような状況もあるわけです。その水位管理という一つの公益が、市民の参加するものではなく、もう聖域化して固定してしまっているというところが大きな障害になっていて、それを認めてしまうとすべての生態系、アサザプロジェクトでやってきた生態系の仕組みが成り立たないと。
 結局、いろいろなところで公共事業の悪影響として環境がぎりぎりのところでどんどんどんどん押し込められてきている中にあって、やはり保全の側にはもうほとんどのり代が残っていない、開発の公益のところについてはまだもう少し見直す余地があるんじゃないかという議論ができるんだと思います。
 そういう意味ではもう少し、アサザにしろ、自然再生に取り組んでいるプロジェクト、地域でやっている自然を守るための取組というのはほかにもいろいろあるわけなんですけれども、もう少しそういうものの成果とか到達点を検討する時間、それをきちんと全国に広げる仕組みとして成熟させる時間が必要なんじゃないかというふうに思っています。
#49
○岩佐恵美君 それともう一つ、アサザで私がちょっと感じたのは、各省庁の今縦割りの事業の弊害というのがありますね。治水、利水をめぐってやはり対立があるとか、あるいは防災だとかいろんな面であるんですけれども、やっぱり自然再生にとって、各省庁の縦割りの弊害をどう克服しながらやっていくかということについて言えば、やはり各省庁の、今度の法律による、国交省がやりたいところでぽんとやるとか、あるいは農水省のところよという、そういう箇所付けでそういう根本的な大きな問題が解決されない。NGOを始め市民あるいはNPOの皆さんが、そういう省庁の縦割りの弊害を除くというか、ちゃんと考えながらちゃんとした地域の再生事業をやっていくということが望ましい、理想だと思うんですね。理想というか、そうでなければ本当の自然再生できないんじゃないかというふうに思うんですけれども、今度の法律でその辺についてどうお考えでしょうか。
#50
○参考人(菅波完君) ちょっと話題を釧路の方に移すようなところがあるんですけれども、釧路で実際に北海道釧路開発建設部ですかがやっている事業、それから環境省がやっている事業、それぞれがタスクフォースというようなものを作って情報交換をしたり調整をしたりしようという取組がされているんですけれども、やはり、それが有機的に動いていくか、まだまだその部分での仕組みとしての解決策を探し出さないといけない段階にあると思います。
 先ほど、ラムサール条約の湿地再生の指針と原則というようなこともお話ししましたけれども、やはり広域的に、集水域というような言葉も使いますけれども、どういうふうな関係性の中にその地域にある公共事業が動いているか、それの影響があるか、どこに重点的に力を注ぐのが有効かということを考えていく仕組みというのが絶対に必要なんだと思うんですけれども、今のこの自然再生法の仕組みではまだそれが見えてこないというふうに思います。
 そういうことについての議論をしていかないと、やはりこれはばらばらの、自然再生事業がばらばらに動いて、いや、それぞれは善意を持って動いているんだけれども、全体としてはお金の無駄だと、効果もまだまだ技術的に確立していない、それがある程度自然度の高いところであちこち行われてかえって悪い影響も残ってしまった、そういうことになっては元も子もないと思います。
 今、アサザ基金は市民団体が主導して、研究者が指導して、行政機関の縦割りの上に市民がコントロールタワーというか、コーディネートの役割をやろうとしてかなり実現されていると思うんですが、これは本当に奇跡的な成功事例ではないかと。もう少しこういうことをきちんと実現するための、地方自治の問題かもしれませんし、仕組みの部分を検討しないといけないというふうに思っています。
#51
○岩佐恵美君 同じ質問を関口参考人にしたいと思うんですけれども、済みません、時間が余り残っていなくて、二分程度でお願いします。
#52
○参考人(関口佳織君) 縦割りの弊害なんですけれども、私もその釧路の例で非常に大きく感じているところです。
 じゃ、どうしたらいいかというのは、やはり横の連絡がということですよね。横の連絡と、それから横というよりはむしろ斜めに、今まで国交省がやっていたことについて環境省が物を言えるか、それともNPOが何か物を言っていけるかということで、要するにすごく理想的なことを言うと、行政の方で縦割り意識をまず取っ払ってほしいということなんですが、釧路の事例を見ているとなかなか難しいなというのは感じていまして、今の枠組みでやっていくのではちょっと悲観的にならざるを得ないと思います。
 アサザの例も出ましたけれども、奇跡的なというふうにおっしゃいましたが、そうやって市民が横断していろんなところで公益でやろうとしていても、なかなか行政の方がそういうふうに動いてくれないという問題点が残っていると思います。
#53
○岩佐恵美君 時間になりましたけれども、今アサザのことを言われましたけれども、円卓会議がなかなかうまくいかないということで、現地では大変大きな問題になっていますよね。その点について、関口参考人、聞いておられますか。
#54
○委員長(小宮山洋子君) 時間ですので、なるべく簡潔に。
#55
○参考人(関口佳織君) この自然再生推進法案に基づいて、まだ法として成立しないですけれども、その趣旨を受けてアサザ基金の方が協議会、まだ法ができていないので円卓会議という名前にしたというふうに聞いておりますけれども、それの実施を呼び掛けていたところ、霞ケ浦工事事務所の方で、他のNPOですとか他の市民の方々からも意見が出ている、だから一つのNPOとは組めないんだ、そういうような回答であったというふうに聞いていますが、アサザ基金としては、別のほかの入りたいNPOとかNGOを拒むものではないのに、なぜできないんだと。しかも、この法の趣旨からいって行政の方がなぜ拒めるのかと。協力しなければならないと書いてあるのに、どうして拒むのかという話を聞いております。
#56
○岩佐恵美君 ありがとうございました。
 終わります。
#57
○高橋紀世子君 自然再生推進法案についての菅波さんの所属している日本湿地ネットワークの見解、そして関口さんの所属される第二東京弁護士会公害対策・環境保全委員会の見解を読ませていただきました。私が考えているのと、何か大変おこがましいんですけれども、共通点が多く、大変うれしく思いました。
 この法案のような、目指す方向があいまいで、中途半端と言うとおかしいですけれども、中途半端な市民主導を演出するような法案には私はどうも賛成することができないんです。中に何を入れるか決めないうちに行政の容器を作って、行政の失敗さえ、それは市民も参加して決めたことだと、NGOを始めとする市民の責任へと転嫁するような事態さえ最悪の場合は予想されると思うんです。
 この点について、もう一度菅波さん、関口さんにコメントをいただければ有り難いと思います。
#58
○参考人(菅波完君) 市民の参加でこういう再生事業をやっていくというようなことについて、当初私たちも期待をしていたところがありました、この自然再生推進法の動きに。しかし考えてみると、私たちがやっぱり一番やってほしいのは保全であって、まず保全があってこそ再生。そうはいかないところであっての再生だと思うんですね。やはり、同じ国で力を注いでやっていくということであり、予算を掛けていくんであれば、どちらかといえばまず保全に力を注いでほしい、その仕組みを作ってほしいということが思いの一番大きなところにあります。
 例えば、重要湿地の五百に数えられている泡瀬干潟で埋立て事業が進められてしまうというような状況の中で、海草の移植の事業、そういったものが環境の配慮としてまだまかり通ってしまうような状況の中で、まずそれについての解決の道を作ってほしいというところが一番思いとしてあるところです。
#59
○参考人(関口佳織君) 今、菅波参考人がおっしゃったように、保全の中の位置付けというものでないのがまず一点。それから、何度も言っていますけれども、過去の公共事業に対する反省がないというのが第二点。第三点としましては、自然再生事業というのが、自然再生事業だと実施者の方が、やりたい人がそういうふうに言ってしまえば、何ら科学的な根拠もなくやれてしまう。それに対する修正又はその中止、そういった仕組みがないと、その三つが非常に問題だと思います。
#60
○高橋紀世子君 ありがとうございました。今のお話大変心に受け止めております。ありがとうございました。
 今度は足立圭子さんにお伺いいたします。
 身の回りの環境を改善するために個人的に行動されている足立さんに、同じ女性として、そして子育てを経験した母親として大変敬意を表しております。
 足立さんは、お書きになったエッセーの中で、私有地である所沢の雑木林を保護するための具体策がないことを指摘されていました。私は、この自然を守るためのビジョンと、それを達成するための具体策作りに行政そして私たち立法者がまず行わなければならないと思っています。行政の協力なしに、足立さんを始めとする市民が力を合わせ、九六年に購入される第一号地からの地道でそして勇気ある行動が、その後の大きく活動の輪を広げることになったことは言うまでもありません。
 行政、そして立法府が取り組まなければならないのは、市民と産廃事業者が雑木林などの土地の買入れ、買取り合戦をしなくて済むような対策を講じることだと思いますけれども、足立さん、いかがでございましょうか。
#61
○参考人(足立圭子君) 言われるほどそんな大したことはしていないんですが、私たちの、私たちと言わせていただきます、基本としていることは、人のせいにはしたくない、こうなったのも自分が悪いということが基本です。
 ですから、私たちNPOとして何ができるかということをやった結果、提案をしています。行政が買ってくれない、それは当たり前です。今までそういうことを声を大にして活動した人たちがいなかったわけです。声では出しても汗を流す人たちがいなかったわけですから。私たちは、まず汗を出して、実績を持った上で行政に話をしよう。行政が縦割りなのも当たり前です。ついでに政治家もそういう人たちに声をかさないのも、そういう人たちが少なかったからだということを一番念頭において動いています。
 ですから、だれがじゃなくて、まず自分たちが動いた結果、人を動かそうということが基本ですから、自然再生法も不十分なものは私たちがまた活動して具体的に提案をしていきたいと思っています。
 現に、くぬぎ山では自然再生法がない中で動き出しましたのでいろいろな不都合はあります。ですから、早くこれを作っていただてその繕いはみんなでしていきたい。また、その中に私も入りたいと思っています。
#62
○高橋紀世子君 ありがとうございました。人のせいにしない、自分で行動なさるということを本当に私も学ばなければならないし、敬意を表します。
 この次、池谷さんにお伺いします。
 池谷さんの具体的な全国的な方針図、そしてグランドデザインが必要だという考え方に私は大変共感します。全国的な方針が固まらないまま、専門家や住民の意向がしっかり政策に生かされるという担保がないまま、このようなプロセスだけを規定した法が作られることに私は強い不安を覚えます。
 政府は、これまで繰り返してきたように、ビジョンなき施策を作り続けるのではなく、まず具体的なグランドデザインを描き、それにのっとった形で自然再生推進法のようなものが作られるべきだと考えるけれども、いかがでございましょうか。
#63
○参考人(池谷奉文君) 先生御指摘の全く私どもそう思っています。本来であれば、今までの国土計画ですとか全総辺りできちっとそういうことを出してきてほしかったわけでありますが、残念ながらそういうことがなされておりません。
 そこで、先ほど申し上げましたように、これから全総計画等国土計画の中できちっと作っていく必要があるだろうと。具体的には、先ほど言いました今までの、先ほど言いました、私、四全総と申し上げましたが、実は五全総の誤りでありまして訂正させてもらいます。五全総で書きながら、実は中身がよく分からない。そこで、次の国土計画の中で、平成十六年、十七年の辺りの中できちっとそれを描いていく必要があるだろう。
 つまり、国のビジョンというものをきちっとまず出して、それから具体的な事業と行くのは当然のことでございますが、残念ながらそういうことが余りなされていなかった。これからまだ間に合うだろうと思うんですね。自然再生法、すぐ大きくそれが、事業がなされることはございませんので、これから十六年、十七年辺りできちっと議論してもらえればうまくいくのではないかなというふうに考えております。
#64
○高橋紀世子君 まだ間に合うとおっしゃったのが非常に印象的でございました。
 いろんなお話ありがとうございました。
#65
○委員長(小宮山洋子君) 以上で参考人の皆様への質疑は終わりました。
 参考人の皆様にごあいさつ申し上げます。
 本日は長時間にわたりまして貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
 次回は十二月三日午前十時に開会することとし、本日はこれで散会いたします。
   午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト