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2002/12/03 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 環境委員会 第5号
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2002/12/03 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 環境委員会 第5号

#1
第155回国会 環境委員会 第5号
平成十四年十二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小宮山洋子君
    理 事
                大島 慶久君
                清水嘉与子君
                山下 英利君
                小川 勝也君
                高橋紀世子君
    委 員
                愛知 治郎君
                井上 吉夫君
                小泉 顕雄君
                山東 昭子君
                段本 幸男君
                真鍋 賢二君
                小林  元君
            ツルネン マルテイ君
                福山 哲郎君
                藁科 滿治君
                加藤 修一君
                弘友 和夫君
                福本 潤一君
                岩佐 恵美君
   衆議院議員
       発議者      谷津 義男君
       発議者      山本 公一君
       発議者      奥田  建君
       発議者      田端 正広君
       修正案提出者   奥田  建君
       修正案提出者   田端 正広君
       修正案提出者   高橋 嘉信君
   国務大臣
       環境大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       環境副大臣    弘友 和夫君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  望月 義夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大場 敏彦君
   政府参考人
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       文部科学大臣官
       房審議官     有本 建男君
       文部科学大臣官
       房審議官     金森 越哉君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        大森 昭彦君
       農林水産省農村
       振興局長     太田 信介君
       林野庁次長    松本 有幸君
       国土交通省河川
       局長       鈴木藤一郎君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
       環境省自然環境
       局長       岩尾總一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○自然再生推進法案(衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(小宮山洋子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 自然再生推進法案の審査のため、本日の委員会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫さん、文部科学大臣官房審議官有本建男さん、文部科学大臣官房審議官金森越哉さん、農林水産大臣官房技術総括審議官大森昭彦さん、農林水産省農村振興局長太田信介さん、林野庁次長松本有幸さん、国土交通省河川局長鈴木藤一郎さん、環境省総合環境政策局長炭谷茂さん及び環境省自然環境局長岩尾總一郎さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小宮山洋子君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小宮山洋子君) 自然再生推進法案を議題とし、午前は政府に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言ください。
#5
○小泉顕雄君 おはようございます。自民党の小泉と申します。どうぞよろしくお願いをいたします。
 与えられた時間がわずかしかありませんので、若干の事項について質問をさせていただこうというふうに思います。
 この自然再生推進法案につきましてはいろんな意見がありまして、私のところにもいろいろなファクスなどが寄せられているわけですけれども、この法案が理念としているところ、あるいは目指そうとしているところというのは、私は大変大きく評価ができるというふうに考えております。現在の我が国の自然環境の状況というものをつぶさに見たときに、この法案が持っている意義というものは非常に大きいというふうにむしろ私は喜んでおるところでございます。
 特に、環境省につきましては、この環境問題というのが新しい世紀の大変重要な課題になってくる中で、これまでも自然の保全でありますとか、あるいは生物多様性の確保、さらには自然環境の保全行政、いろいろ取組を進めてきていただいたというふうに思うわけですけれども、しかし一方で、いろいろな困難な問題が多数あったのではないかというふうに思っております。
 特に、自然の再生ということについてはとりわけ難しい問題が数多くあったのではないかというふうに思いますし、それがゆえにこの法案というものが出されてきたというふうに思っておるわけですけれども。
 そこで、まずお伺いをしたいのは、この法律が制定をされることによって、環境省自身がこれまでの環境保全行政の中で感じてこられた困難というふうなものがどのように克服をされていく、あるいはどのような新たな展望が開かれていくというふうに考えておられるのか。またさらには、そういうことによって自然保全行政というものが大きく前進することができるというふうにお考えなのかどうか、その辺りについて御答弁をお願いしたいと思います。
#6
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本年三月に政府の新生物多様性国家戦略が制定されましたが、この中では、自然再生というものを今後の展開すべき施策の方向性の一つとして位置付けております。
 地域に固有の生態系の再生と、NPOなど地域の多様な主体が参画した新たな仕組み作りの必要性について記述がされておりますが、こういう中で、この法案は、事業の発案や調査設計という初期の段階から地域住民、NPOなどが参加するなど、多様な主体が参加して横の連携を確保するための協議会制度、各省庁との連携を図る推進会議の設置など、自然再生事業に取り組むに当たり、公共事業などにはない自然再生に取り組むための具体的な手順や枠組みを制度的に担保するものというふうに考えております。したがいまして、自然環境行政を推進する私どもにとっても大変意義のあるものということで期待しているところでございます。
#7
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 この法律では、特に私の関心のある文言として、自然再生事業を他の公益との調整を図りながらというような記述があります。実際に、この主務大臣というのは環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣ということになっているようですけれども、とりわけ環境大臣の責務というのは大きいものがあるというふうに思います。
 そこで、特に環境大臣が農林水産大臣あるいは国土交通大臣、さらには都道府県の知事さんであるとかあるいはNPOの皆さんの中に入られて、調整役として大きな力を発揮をさせていただかなければいけないというふうに思いますけれども、公益との調整ということは非常に多くの利害が対立するということは容易に想定をされます。私自身も、実際自分のこれまでやってきた活動の中でそういう板挟みになって苦しんだこともあるわけですけれども、公益との調整を図りながら自然再生事業というものを進めていくということについての環境大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#8
○政府参考人(岩尾總一郎君) 自然再生とその他の公益というものについては、どちらかが必ず優先するというものではなくて、それぞれの地域の自然的社会的条件に応じて個々に判断されるものと認識しております。
 環境省としては、地域の自然再生協議会にも積極的に参加し、関係省間の連絡調整に努めるとともに、国が主体的に事業実施に関与する場合には、必要に応じて自然再生推進会議の場も活用して関係省庁間の連絡を図り、自然再生事業の円滑な実施に努めてまいりたいと考えております。
#9
○小泉顕雄君 大いに力を発揮をしていただきますことをお願いをしておきたいと思います。本当に公益との調整というのは多くの苦労を伴うものではないかと思いますだけに、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、文部科学省に若干の質問をさせていただきたいと思います。
 この法案では、自然再生事業の当該地域というものを自然環境学習の場として整備をしていくというような方針がうたわれております。私は、これは非常に大切な視点だと思いますし、この点も高く評価をさせていただきたいというふうに思っているわけですけれども、こういう方針を実効あるものにするために、次の三つの点について見解をお伺いをしたいというふうに思います。
 まず一つは、自然再生という取組を進めていくためには、その事業に携わる人、さらにはそのような事業の重要性というものを認識できる人材、そういうものの育成が極めて大切であることは言うまでもありません。したがって、これは小学校、中学校あるいは高等学校を通じて児童生徒がどのような自然観を学校教育の中によって形作るのかということが極めて大切なわけであります。
 そういう立場から、現在の学習指導要領の中で、児童生徒が九年ないしは十二年間の学校教育を終えた段階でどのような自然観を持っているということを展望しておられるのかということをまず第一点にお伺いをしたいと思います。
 それから第二点目は、自然観を形成していく上でいろいろ重要な概念があろうかと思います。せんだっての池谷参考人でしたか、再三口にしておられたわけですけれども、遺伝子というものが将来の基本財産になるんだという考え方がありました。あるいは生態系であるとか群集であるとか個体群とかいうような、どちらかといえば生態学的な多くの概念というものがあるわけですけれども、こういうような概念というものを今の学校教育の中ではどういうふうに形成をしていく、定着を図っていくというふうに考えておられるのか。あるいはそういう概念の形成の重要性というものについて指導要領はどのような見解を持っているのかということをお伺いをしたいと思います。
 さらに三点目は、この法律を受けて、先ほど言いましたように、当該する再生事業地域というものが自然環境学習の場とするということなわけですけれども、では具体的に文部科学省としては、学校教育あるいは社会教育の面においてどのような自然環境学習の体制を整えていこうとしておられるのか。
 以上、三点について見解をお伺いをしたいと思います。
#10
○政府参考人(金森越哉君) 初めに、御質問の初めの二点についてお答えを申し上げます。
 学校教育におきまして、自然に対する畏敬の念や自然を愛することのできる豊かな人間性を持った子供たちを育成することは極めて重要なことと考えております。
 このため、新学習指導要領におきましても、例えば小学校一、二学年の道徳では、身近な自然に親しみ、動植物に優しい心で接すること。小学校生活科では、自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心を持ち、自然を大切にしたり、自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにすることなどを指導することといたしております。
 また、中学校理科では、自然環境を調べ、自然界における生物相互の関係や自然界の釣合いについて理解し、自然と人間のかかわり方について総合的に見たり考えたりできるようにすること。中学校道徳では、自然を愛護し、美しいものに感動する豊かな心を持ち、人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深めることなどを指導することとしているところでございます。
 また、学校教育におきまして、子供たちに自然に対する興味、関心や探求心を高めるとともに、生物や自然現象に関する基本的な概念や原理原則を理解させ、科学的な自然観を育成することは極めて重要なことと考えております。
 このため、例えば小学校理科では、観察、実験を通して、昆虫や植物の育ち方、動物と植物の成長と季節とのかかわり、植物の発芽や動物の発生と成長、人と他の動物の体のつくりと働き、生物と環境とのかかわりなどについて学習すること。中学校理科では、小学校理科で学習したことを基礎として、観察、実験等を通して、植物や動物の体のつくりと働き及びその種類や生活、細胞のレベルで見た生物の体のつくりと生殖、親の形質が子に伝わる現象などについての理解と認識を深めることといたしております。
 また、高等学校理科では、中学校理科で学習したことから更に発展させて、観察、実験等を通して、細胞、生殖と発生、遺伝などの生命の連続性、生物体内の外部環境の変化への対応、生物の分類と進化、生物界の多様性と歴史的変遷、生物体内の化学変化やエネルギー変換、たんぱく質や核酸などの働きなど、生命を維持する共通の原理などについて理解を深め、自然や自然現象について科学的な見方や考え方ができるようにしているところでございます。
 今後とも、地域の自然などを生かした特色ある取組を推進し、子供たちに自然を愛する心が育成されるとともに、科学的な見方や考え方が身に付くよう努力してまいりたいと存じます。
#11
○政府参考人(有本建男君) 先生御質問の三点目の点でございます。
 関係行政機関あるいは地域の公共団体、NPO等の地域の多様な主体が参画をいたしまして自然環境の保全あるいは再生、創出、こういったものを行うことは大変重要というふうに認識をしておりまして、その際に自然環境学習というものが果たす役割というのは大変大きいというふうに考えております。とりわけ、子供たち一人一人が環境についての意識を高め、責任ある行動が取れるようにするためには、学校教育における取組とともに、それと連携をしました地域における社会教育というものが非常に大切というふうに考えてございます。
 こうした取組というのは、それぞれの地域、現場におきましてそれぞれに応じて行われておるわけではございますけれども、文部科学省におきましては、地域の公民館あるいは博物館といったところでの環境学習というものを支援をいたしてございます。例えば地域の公民館におきましては、小中学校との連携で地域の自然観察や風景とか歴史あるいは文化財というものの講座を開く、あるいは博物館でその博物館の収集したものを企画展示をする、あるいは子供たちがそれを手助けをするというようなことを行ってございます。
 それから、先ほど御質問ございました体制につきましては、既に文部科学省は環境省あるいは農水省あるいは国土交通省と連携をいたしまして、子供たちができるだけ農村でありますとか山村、あるいは海とか川とか湖沼という自然環境に具体的に実際に体験をするということを、プログラムを組んでやりつつあるという状況にございます。
 以上でございます。
#12
○小泉顕雄君 ありがとうございました。
 もう時間がなくなりましたけれども、例えば医師を目指す高校生が高等学校で生物を履修していないということがあって、これが非常に大きな問題だということが最近言われるようになったように聞いています。私は、今のお話はよく分かるわけですけれども、特にこの自然再生事業とかあるいは自然と取り組む場合の重要な概念とかいうことについての生物教育というのは、私は今の日本においては必ずしも十分でないという認識を持っております。これはまた違うところでいろいろ議論をしていきたいと思いますけれども、いずれにしても小中高の生物教育の充実ということを強くお願いをしておきたいというふうに思います。
 時間が来てしまいましたけれども、最後に、私、前回質問に立ったときは大木大臣でございました。そのときに、六月五日を環境の日にして、何とか国民全体で環境問題に取り組めるようなきっかけにできないかというようなお願いをしたことがあるんですけれども、その点について御見解をいただければ有り難いと思います。
#13
○政府参考人(炭谷茂君) 先生ただいま御指摘の環境の日は六月五日ということで、環境基本法などに定めているところでございます。環境省としては、この日を含めまして六月を環境月間といたしまして、積極的な環境保全活動を実施していただけるよう様々な普及啓発活動を実施いたしております。
 一方、環境の日を国民の祝日に関する法律に基づく祝日とするとして、休日とすることにつきましては、「国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する」という祝日法の趣旨などを考慮しながら、国民的な議論が必要というふうに考えている次第でございます。
#14
○小泉顕雄君 終わります。
#15
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。
 正直申し上げまして、この法案に党として、会派としてどういう対応をするのかということで、党内あるいは中の部門会議で様々な議論が交わされました。そして、紆余曲折がございました。衆議院では我が民主党の奥田建議員が共同提案者という立場になりまして、おのずから会派としての態度も賛成というふうになってきたわけであります。
 その議論の主なものを私なりに整理してみますと、例えば自然再生事業、この言葉からは大変いい方向性の響きがあるわけですけれども、その反対にあるもの、疑念がぬぐい去れないという、疑問があるという点がまず考えられると思います。
 それは、再生ということをやるのもいいけれども、まだ日本のどこかで自然を大きく壊している事業が進んでいるのではないか、まずそういった事業を真っ先にやめていく方向性を打ち出すのが先決ではないか、こんなお話もありました。
 あるいは、自然再生事業という美名の下に、旧来型の公共事業をそのまま継続していくという懸念がぬぐい去れない。あるいはNPOの参加という、こういう崇高な内容も込められているけれども、具体的に実行、実施段階になったときにそれが本当に市民や市民活動をしておられる方にとって望ましい結果になるのかどうか、様々な疑念がありました。これは先日の参考人、弁護士会からお越しいただきました参考人の方々の意見にも厳しくそれが盛り込まれていました。
 逆に、もっと前向きに考えてみますと、自然再生法という法律ができれば、直接は関係なくてもその対極にある自然を破壊する事業をやりにくくなるのではないか。あるいは逆に、限られた予算の中で公共事業や様々な事業を行うときに、その自然再生とか自然環境に配慮した事業にその分だけ予算が付けられると、ほかの部分からスウエーするのだからいいのではないか。
 様々な考え方が錯綜して、むしろ後者の部分に期待をさせていただいて、そしてこの法案の至らない点は詰めさせていただいて、賛成に回ろうという結論に達しました。
 午後からの質疑は、福山委員がその辺を十二分に理解をして質問をさせていただくとして、私は、参議院ということでございますので、また一からという形で恐縮でございますけれども、この自然再生法、議員立法でございますけれども、この所管官庁は環境省、国土交通省、農林水産省という三省にまたがっています。それぞれの役所で、この法案の議論の中であるいはこの法案が成立した後、自然再生事業という名前の下にどういう方向性に期待を寄せられているのか、あるいはどういった事業に期待を寄せているのか、一言ずつまずお答えをいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(岩尾總一郎君) この自然再生法が施行されますと、私ども、これまでの公共事業などにはない自然再生に取り組むための実際の具体的な手順、枠組みなどが制度的に担保されるというように理解しております。法の施行によりまして、こうした考え方が幅広く国民の間にも定着していくものというふうに考えております。
 既に、各省連携、市民参加など積極的な取組を始めている事例もございますが、環境省といたしましては、この法案が成立した場合には、地域の自主的、主体的な取組を尊重しながら、より一層積極的に自然再生事業に取り組んでまいりたいと考えております。
#17
○政府参考人(太田信介君) 農林水産省におきましては、平成十一年以降、食料・農業・農村基本法、森林・林業基本法及び水産基本法におきまして多面的機能の発揮ないし環境との調和を規定するとともに、平成十三年におきましては、土地改良法におきまして地域住民の意向の反映あるいは環境との調和への配慮を規定するなどを通じまして、自然との共生及び環境との調和に配慮した政策へと転換を図っておるところでございます。
 この法案につきましては、地域住民やNPOなどのボトムアップの仕組みによります地域の自主性を尊重した形での自然再生活動を進めるというものでありまして、当省におきますこうした施策との連携を進めることによりまして相乗的な効果が発揮されることを我々としても期待しておるところでございます。
 この法案の趣旨に照らしますと、行政側が事業を選定するという形にはならないということになりますが、例えば農業関係で申し上げますと、水路、ため池等におけます自然環境の維持、再生に向けての地域活動などが考えられまして、農水省といたしましても、これらの地域住民、NPO等地域が主体的に行われる自然再生の取組につきまして、本法の目的に資するよう積極的に対応してまいる考えでございます。
#18
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 自然再生法案は、自然環境の保全、復元について行政とNPOとの連携が初めて法律で取り上げたものでございまして、これによって、現在既に市民団体などと連携をしながら進めている事業ですとか、あるいは今後行われる事業について市民団体との連携が一層推進されるものと考えております。
 私どもの省といたしましても、積極的にこの法案の趣旨に基づいて自然再生事業に取り組んでまいりたいと考えております。
#19
○小川勝也君 この法案の審議に際して、例えば釧路湿原とか霞ケ浦とかあるいはくぬぎ山などという固有名詞を耳にすることがありました。今、具体的な地名等はお答えいただかなかったわけでありますけれども、農林水産省、国土交通省からこういったところから声が上がってくるのではないかといった地点について、予想があればお答えをいただきたいと思います。
#20
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 本法案は地域の自主性を尊重したボトムアップの仕組みによって自然再生の推進を期待するものと、そういう御案内のとおりでございますが、行政側がそういう意味で事業を選定するという形になってございません。そういうことで、行政当局として特定の事業を想定しているということではございませんが、例えば各省連携あるいは市民参加によって取組が既に始まっているものとして、例えば釧路湿原ですとかくぬぎ山ですとか、そういったものが挙げられると考えております。
#21
○政府参考人(太田信介君) 私どもの方も特定の事業ということを特に想定しているわけではございませんけれども、既に各地域でそういった芽生えが始まっておりますので、これがこの法律によりまして裏付けをされ、更に進められることを強く期待しているところでございます。
#22
○小川勝也君 当然のことながら、今の時点で役所側がこことここに期待していますというのは多分言いにくいんだろうというふうに思います。しかしながら、市民運動とか市民活動というのは一朝一夕にできるものではありません。それなりに、やはり地域でそれなりの評価を受けたグループやあるいは個人が、あるいはしっかり活動の実績があって、それではこういう事業を今回の自然再生事業にしてもらおうじゃないかというふうに盛り上がっていくには結構時間が掛かると思います。
 そういった意味でいうと、言いにくいことかもしれませんけれども、今の時点でこういう地域からこんな声が上がっているぐらいはこの委員会でニュースとして御報告いただいてもいいんじゃないかと私思うわけでありますけれども、両省、いかがでしょうか。
#23
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省で自然再生に関して各地で既に検討会などが設置されているというところは聞いている範囲で十か所ほどございます。これが法律ができ上がった後にそっくり地域の推進再生の協議会になるかどうかは分かりませんが、私どもとして、主な構成員に専門家、NPO、関係自治体、関係省庁などが入っているような地域の検討会として十か所ほど承知しているということでございます。
#24
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 例えば、委員も御視察いただいたと思いますが、荒川などでも取組がなされておりますし、多摩川などではずっと以前からそういった市民団体との連携でいろんなことがなされております。霞ケ浦でもそういった事例がございますし、渡瀬遊水池でもございます。一々列挙はいたしませんが、様々なものが全国から提案されてくるだろうと、このように考えております。
#25
○小川勝也君 列挙してほしいと思ったんだけれども、差し支えがなければお答えください。
#26
○政府参考人(岩尾總一郎君) 差し支えないと思いますので申し上げますが、釧路湿原の河川環境保全に関する検討委員会、くぬぎ山自然再生計画検討委員会、それからアサザプロジェクト、三ツ又沼ビオトープパートナーシップ推進会議、サロベツ再生構想策定検討会、三番瀬再生計画検討会議、大台ケ原自然再生検討会、蒲生干潟自然再生事業検討委員会、樫原湿原地区自然再生推進計画調査検討会、グランドワーク三島実行委員会などを把握しております。
#27
○小川勝也君 最初から言ってくれれば良かったなと思うんですけれども。
 今出た中で、荒川の三ツ又沼ビオトープとくぬぎ山については当委員会で視察をさせていただきました。大変両地域とも今後の進展が望まれている、あるいは期待感を持たされる内容だったというふうに思います。しかしながら、河川関係、ビオトープは、これはやればいいに決まっているんですけれども、あとはお金の問題だなというふうな印象がありました。
 この点は後に譲るとしまして、くぬぎ山の再生ではちょっと心配な点がありました。それは、産業廃棄物の中間処理施設がありまして、当然のことながらいわゆる環境問題、これは化学物質の問題です。それと、いわゆる建設残土がくぬぎ山に埋められているということでありますので、土壌汚染の進行が進んでいるのではないか、あるいは地下水汚染が心配されるといった点が非常に気になりました。
 その点、もし再生の方向に向かうんでしたら、そこまで配慮をしなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、費用等もばかにならないなというふうな感想もありました。その点どういうふうにお考えなのか、環境省からお答えをいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十四年度において、埼玉県などが事業主体となってくぬぎ山の一部につき廃棄物中間処理施設の跡地に武蔵野の雑木林を再生しようという取組が始まりました。
 それに先立ちまして、地元自治体が対象箇所について事前に土壌調査を行い、土壌汚染については問題ないことを確認済みと聞いております。
 なお、当該事業対象地以外のくぬぎ山地区内で残存する林の中に残土処分が行われているケースも見られるということで、埼玉県では、残存する良好な里山の保全方策の在り方についても、専門家、NPOの参画を得て具体的な検討が始まったと聞いております。土壌調査の必要性なども含めて関係者の中で検討されるものと承知しております。
#29
○小川勝也君 農業と一体になった平地林ということで、クヌギ、コナラなどの広葉樹の落葉、落ちた葉っぱをこれは堆肥化して農業に使うという循環型のモデル地域でもありました。そして、その落ち葉を集める作業というのがこれが伝統文化で、学校から帰ってきた子供たちもみんな手伝って、こういうやつでみたいので草を掃いて、昔はしょいこで背負ってみたいな形で、今トラックで運ぶらしいですけれども。
 ということで考えますと、正に理想的な、先ほど来お話がありました環境教育も中に含んでいるような行事でありますので、当然子供たちにも参加してもらいたいわけでありますので、土壌がやはり安全だという形にならないと安心してできないわけでありますので、特段の御配慮をお願いしたいというふうに思う次第であります。
 さて、冒頭申し上げましたとおり、自然再生事業それ自身は、これはすばらしい響きなわけでありますけれども、その片方で自然をどんどん壊すような作業をしているのではないかという指摘も実はあるわけであります。
 まだ壊されているわけではありませんけれども、私の方にも、その懸念として沖縄の泡瀬干潟の埋立てに関係していろんな意見が寄せられています。
 当然のことながら、湿地あるいは干潟、これはラムサール条約で地域を指定して守っていこうということに日本も仲間入りをしているわけであります。しかし、この泡瀬干潟、その地域自身はラムサール条約の指定ポイントにはなっていません。さらに、ラムサール条約の条文をいろいろ見てみますと、指定された干潟は当然あらゆる角度から最大限の配慮をして守っていかなければならないけれども、それ以外の湿地や干潟についてもなるべく守っていこうと、開発する場合にはその必要性を十二分に検討をしてやっていかなければならないというような文章もございました。
 環境省としては、この沖縄県の中城湾ですか、泡瀬干潟の埋立て計画とか開発の是非についてどんな見解をお持ちでしょうか。
#30
○政府参考人(炭谷茂君) 泡瀬干潟につきましては、環境アセスメント等の手続におきましては環境省としては法的に関与する機会はございませんでした。しかし、泡瀬干潟は、クビレミドロ等の貴重な野生生物、多様な底生生物の生育、生息地、シギ、チドリ等の渡来地として重要な干潟だと認識いたしております。
 事業の実施に関しましては、基本的には内閣府及び沖縄県の事業者の責任において判断されるべきものであると考えていますが、環境省といたしましては、環境影響等において必要とされた環境保全上の措置が確実かつ適切に実施されることが重要と考えております。このような観点から、大臣からの御指示によりまして、内閣府に対し、本年十月十八日に当省の考え方を既に申し入れたところであります。
 今後とも、沖縄県の環境部局と密接な連携を図りながら、事業者において環境保全上必要な措置が確実かつ適切に実施されるよう注視するとともに、必要があれば助言する等、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
#31
○小川勝也君 干潟を埋め立てて何を造ろうという計画と承知していますか。
#32
○政府参考人(炭谷茂君) 現在の計画といたしましては、私ども承知しているところでは、一種のホテル等のマリン、ちょっと手元に資料は持ってまいりませんでしたけれども、マリン計画のような海洋を利用したレクリエーション基地、またホテル等の建設というふうなことで記憶いたしております。
#33
○小川勝也君 先日の参考人質疑のときに、我が会派のツルネン委員が、今回の自然再生法の中で公益、公益という言葉との関係に言及した条文に対して、この条文は要らないんじゃないかというふうな発言がありました。気持ちは私も同じものを持っています。
 しかし、環境を守ることが大事であるけれども、経済あるいはその地域の人たちの雇用はどうなってもいいということは私は申し上げるつもりは毛頭ありません。しかし、沖縄に行く人たちは、本州、本土に少なくなった自然や南方圏の自然を満喫したいがために沖縄に行きたいんだと僕は思う。貴重な自然環境を壊したところに造ったホテルに泊まって本当にお客さんは楽しいのか。
 そして、正に、内閣府、沖縄開発庁は沖縄の経済とか沖縄の利益とか、沖縄県に住んでいる人たちの雇用先を増やしたいと思っている。だから、計画を遂行したい。しかしながら、自然再生法を所管する環境省も同じ方向性でいいのか。私はラムサール条約の中身のことを一々あげつらうつもりはありません。そして、この自然再生法の審議ということを考えたときに、やはり今ある、残されたのは、私から言わせると限られた自然環境しかこの国には残っていない。だから、環境省が頑張らなきゃいけない、そんなときにそんな対応でいいのかなというふうに私は思います。もっと強く利害関係がぶつかっていいじゃないですか。沖縄県には沖縄県の考え方があるでしょう、守らなきゃいけないものもあるでしょう。しかし、環境省は認めたくない、認めない、しっかり言うべきだと私は思います。
 もう一度、答弁お願いします。
#34
○政府参考人(炭谷茂君) 私どもも、泡瀬干潟の重要性については十分認識している所存でございます。したがいまして、先日も内閣府に対しまして私どもの考え方を申し入れたところでございます。
 私どもといたしましては、このような環境保全上の措置が確実かつ適切に実施されるよう十分見守っていくとともに、必要があれば私ども助言をするなど、最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えている所存でございます。
#35
○小川勝也君 配慮したら干潟つぶしてもいいですよということを言っているんですか。
#36
○政府参考人(炭谷茂君) 私どもといたしましては、事業の実施につきましてはその事業の実施者の責任において判断すべきだというのを第一に考えておりますが、何よりも私どもは環境保全上の措置が、繰り返しになりますけれども、環境保全上の措置が適切かつ確実に実施されるということが重要というふうに考えておりますので、そのような見地から内閣府に対しまして必要があれば助言してまいるという姿勢でございます。
#37
○小川勝也君 冒頭、御答弁いただいたと思うんですが、私たちのこの国の歴史というのは干潟をどんどんどんどんつぶしてきた歴史です。これは釈迦に説法というものだというふうに思います。そして、残っているところが少ないから守っていこうじゃないかというふうな話になっているんです。
 自然再生事業のその再生の中には、干潟の再生という思惑も僕は若干含んでいるんだと思います。どんどんどんどん失われて、特に鳥の世界では、赤道から北極までとは言いませんけれども、長い時間鳥が飛んでくる。そして、その途中に休憩所がないとその鳥が飛べなくなるということが、このラムサール条約、あるいは今日も関係の方、見えていると思いますけれども、非常に世界の、地球の重要な課題だと思うんです。そして一方で、自然再生事業をやろう、少しでも元の自然を戻すんだと言いながら、その逆に、いや、環境に配慮してください、干潟つぶしてホテル建ててくださいと。それじゃ話にならないと思いますよ。
 局長に御答弁をいただいてもこれ以上の答えは出ないと思うので、今のやり取りを聞いて、鈴木大臣から一言いただきたいと思います。
#38
○国務大臣(鈴木俊一君) 泡瀬干潟の問題につきましては私も大変重要な干潟であると、そういうふうな認識を持っているところであります。
 法的ないろいろな立場がございまして、環境アセスメントの段階で環境省が直接かかわりを持つ立場になかったわけでありますけれども、その過程におきましても沖縄県の関係部局とよく連携を取らせていただいたというところであります。
 環境省の立場といたしましては、その環境評価によって示されました環境保全措置、こういうものを、これは何としても守ってもらわなければならないわけでありまして、先般、十月の十八日、この日はちょうど海上にブイが立てられて海上の工事に移るという、そういうことでございましたので、異例ともいうようなことだと思いますが、環境省の立場を事業者に申し上げさせていただいたところであります。
 この具体的なことにつきましては、この泡瀬干潟につきましては藻場の海草の問題がございますので、こうしたものを場当たり的にやるのではなしに、きちんと計画を立ててやっていただく、しかもその計画も公表をしていただく、それから海草の移植といいますものも、ただそこだけができたんじゃいけないので、これは世代を継いでちゃんとやるようにするとか、ほかにもございますけれども、決められた環境保全措置というものが守られなければこれは困るという強い立場を申し上げました。
 あの際、一回言って、それでもうあのとき環境省の話を聞いたから後は事業をそのとおり進めますということになっても困るわけですので、我々としては、また次のしかるべきときには改めてきちんとちゃんとやっているのかどうか、そういうことも見ながら保全措置の守ってもらうための申入れをやってまいりたいと思っております。
#39
○小川勝也君 現時点でこれ以上言っても無理があると思います。
 これ、送られてきたパンフレット、泡瀬干潟ですね。
 環境省が最終的に裁判所の役割を果たすわけではないと私は思います。それは、先ほど来申し上げているその他の公益とか、その他の利害とか、経済活動とか、生きていくということ、いろいろあるわけです。しかしながら、自然環境が大事だから自然を再生しなきゃならないという法律を今作っている。
 そして、どの干潟が大事でどの干潟が大事じゃないということはないんだと僕は思います。どこにはどういう特別な藻が生えているから大事だとか、どこにはどういう特別な生き物、もう絶滅に瀕している生き物がいるから守らなきゃいけないということではなくて、干潟とか湿地とか、それはかつてあったものなんです。あったものを我々がどんどんどんどんつぶしてきたわけでありますので、一義的には無条件でこれ以上減らしちゃ駄目だというふうに主張するのが環境省の役割だと私は思うんです。
 そして、環境省はびた一文減らしては駄目だという主張をする、そしてほかの事業主体とか開発主体の人たちは、さはさりながら経済活動したいので少しは開発させろと、そういう利害関係がぶつかったときに、いろんな人たちが、あるいは別な機関を含めてその是非を検討していく、そういう僕は環境省は立場にあるべきだというふうに申し添えたいというふうに思います。
 欧米各地にいろんな例があるかと思います。環境省は環境庁から環境省になったばかりでありますけれども、開発とか逆に、自然環境を守るということとこの重さを比べた場合、自然環境を守るということはそのぐらい重要なんだという地位まで上り詰めるように、私は環境省にそういったスタイルに変わっていただくように要望したいというふうに思います。
 それで、今回の法律案ですけれども、三省の連携という言葉がありました。そして、そこにNPOとか市民団体が加わっていくという、これが非常に二十一世紀型というか好ましい、うまくいけば本当に望まれる形になっていくなというふうに思うわけであります。
 そこで、その例として、先ほどもお話がありました霞ケ浦をどうしていこうかという提案が、アサザ基金の飯島さんを含める霞ケ浦・北浦をよくする市民連絡会議というところから常陸川水門の工事事務所や河川局長にも寄せられているというふうに思います。
 まず、詳しくお話を聞いたわけじゃありませんけれども、国土交通省霞ケ浦工事事務所に所長あてで地域のことを、霞ケ浦地域のことを考えて、各省にまたがる話ですけれどもこんな形にしたらいかがでしょうかという提案書が十月十六日付けで上げられています。その後、十一月二十二日に一回出されて、十一月三十日には、これつい最近ですけれども、河川局長あてに出されているわけであります。河川局長もしっかり目を通されているというふうに思いますが、こういった提案があるということについてどう思われるか。そして、この提案の内容に対する評価はどういうものか、まずお答えいただきたいと思います。
#40
○政府参考人(鈴木藤一郎君) この提案は十月十六日にNPO法人アサザ基金の飯島さんから、潮止め機能を有する常陸川水門の十二キロメートル更に上流に第二水門を新設して、現状では淡水となっている区間を塩水を混ぜる汽水区間にする、戻すと、こういうような提案等々を受けているわけでございます。
 今ございました事務所というのは霞ケ浦工事事務所というものでございますが、これは霞ケ浦の管理について広く意見を交換する場として、かねてから流域の住民、NPO、霞ケ浦の利用者及び関係行政機関などに幅広く呼び掛けを行っているわけでございまして、その中で霞ケ浦意見交換会、こういうものを設置することといたしました。
 この意見交換会において、今おっしゃいました委員御指摘のアサザ基金からの申入れの趣旨も踏まえ、この意見交換会でございますが、その趣旨も踏まえまして、先日、参議院の決算委員会でも扇国土交通大臣から答弁しておりますが、広く関係者が懇談し、議論をしていただくという場として考えております。
 そういった今回の提案に限らず広い視点からの提案もいただく場として、ただいま申し上げました霞ケ浦意見交換会を設置することといたしております。
#41
○小川勝也君 今まで以上に他省庁とも連携を密にしたいと思っていると僕は思う。それに、役所の考え方では浮ばない発想も市民団体や市民の方から提案があったら、良かったら取り入れればいいんだから、どんどんそういう意見というのは僕は来た方がいいと思う。
 こういう意見が寄せられるということは歓迎ですか。
#42
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 様々な御意見に私どもとしては歓迎でございます。耳を傾けてまいりたいということでございます。
#43
○小川勝也君 じゃ、所長から、例えば提案に対して、この要望に対するどんな答えを返したか御存じですか。
#44
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 先ほど申しました、ちょっと説明が抜けておりますが、今意見交換会には幅広く正に参加を呼び掛けておりまして、地元の青年会議所の方もおられますし、市長さんもおられますし、生協、いろいろ幅広い、学校の先生もおられますし、いろいろの方がおられて、そして大学の先生に座長をお願いしていると、こういう会議でございますが、残念ながら、説明が漏れておりましたが、この会議にはただいま御指摘のアサザ基金の飯島さんについては参加はまだしていただいておりません。事務所からは是非この会議に、今二十名ほど参加していただいていることになっておるんですが、是非参加していただきたいと、こういうお願いをしているわけでございます。
#45
○小川勝也君 答えになっていないよ。
#46
○委員長(小宮山洋子君) 質問に答えてください。
#47
○小川勝也君 所長あてに要望と提案を出しました。所長から飯島さんにあてた答えはどんなものか把握していますか。そして、その内容の要点をお答えいただきたい。
#48
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 先ほど申し上げましたように、答えといたしましては、先ほどの霞ケ浦意見交換会を設置することとしておりますので、この場において広く関係者が懇談し議論をしていただきたい、幅広い視点からの提案もいただき、今後の霞ケ浦の管理に対して有意義に活用したいと考えておりますので、貴団体におかれましても参加をいただけますようお願いいたしますと、このように答えていると承知しております。
#49
○小川勝也君 いや、全然違うんだよね。
 それで、逆水門をこうしたらどうだ、あるいは農業用水の取水地をこうしたらどうだと、こういうふうに役所間にまたがることだけれども、こういう提案をすれば農業もいいし漁業もいいし治水対策もいいというふうな提案をさせていただいたら、所長から木で鼻をくくったような答えを出したんでしょう。それは当方で答えるべき問題ではありません、考えておりませんというふうな木で鼻をくくったような答えを出したんじゃないんですか。
#50
○政府参考人(鈴木藤一郎君) そのようなことは承知しておりませんが、事務所としては、そういった問題について正に幅広い関係者の御理解と合意が必要だということで、正に幅広く参加をお願いしていると。今現在、飯島様におかれましては参加していただいておりませんが、引き続き、どうか幅広い会議の場に出席して御意見をおっしゃってくださいと、このように今折衝中と聞いております。
#51
○小川勝也君 質問と答えがかみ合っていないじゃない。
 飯島さんが現地の所長あてに、こういう提案がありますよというのを出したんでしょう。それに所長がどういうふうに答えをしたか聞いているんだよ。
#52
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 先ほどから何回も申し上げていることの繰り返しになるわけでございますが、そういう御提案に対して所長の独断で直ちに答えを返すということは恐らく難しいと思います。正に、幅広い関係者の御意見を聞いて、その場でもって相談しながら、治水、利水、環境、いろんな面で関係者がおられるわけでございます。そういった方々の御意見を聞きながら、是非ともこの会議の場でもって意見を言ってくださいと、このようなお願いをしているというふうに承知しております。
#53
○小川勝也君 私は今ちょっと資料を探していたんだけれども、見当たらないんですが、十一月二十二日付けで回答書が出ているんですよ、これ。今、福山委員からパスが来ましたので。
 それで、局長の後ろに持っている人がいるので、今、打合せしてくださいよ。
#54
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 今ごらんになっていただいたように、資料が手元にないわけでございまして、聞き覚えで聞いたわけでございます。それによりますと、ちょっと正確さがどこまであるかというのはあれでございますが、事務所の立場として、新しい水門については現在計画はございません、これはないのは事実でございます。それから、利水についてのお尋ねについても、それは利水者の立場があるので河川管理者として一存で答えるわけにはいかないと、そういったような趣旨でお答えをしたものと承知しております。
 いずれにしても、これはいろんな関係者がおられるわけでございまして、そしてその場で、先ほど申し上げました意見交換会の場で幅広く意見をおっしゃっていただいて、そして意見がまとまっていくということを期待しているわけでございます。
#55
○小川勝也君 今ここにコピーがありますので委員部に、局長に届けさせてください。(資料を手渡す)
 それで、ここに現物があります。冷たくされたから怒っているとかそういうことではなくて、議論に値する内容であればしっかり検討したら僕はいいと思う。科学的なことも工事の技術的なことも私は分からないけれども、この図を見せてもらった限りでいうと、非常に検討に値する案なんじゃないかと思う。
 ただし、そこに内在するのは何かというと、旧来型の役所の縦割りの構造だ。だから、結局、工業用水の余っている部分を農業用水に回せば、その今使っている農業用水は海水が流入してきて塩害が起きると、その水を取る場所を変えて省庁の枠を取り払えれば、工業用水の余った分を農業に回せば塩害もなくなるし、その工業用水に対するお金だって余計に金掛かっているんだから丸く収まるじゃないか、汽水域にはそれは多様な生物、シジミを取ればもうかるじゃないかというところまで提案してくれているんです。
 だから、感情的ないきさつがちょっとあるのかもしれないけれども、そういう案は省庁の垣根を今こそ取り払う、僕はこの法律の議論がチャンスだと思う。だから今回、この議論のときに質問させていただいたんです。だから、当然のことながら、工業用水は経済産業省、ダムとか河川はこれは国土交通省、農業用水は農林水産省と縦割りだけれども、その垣根を越えて真実に向かって向かってほしい。そして、その提案をNPOとか市民の方々がしてくれるんならばもう大歓迎だと私は思う。
 だから、時間もないということになってきましたので、河川局長から、今後様々な意見を受けたら木で鼻をくくらないで検討して、そして他省庁にも頭を下げたりお願いをしたりして、何とか少ない予算でみんなが幸せになる方法を今まで以上に検討してもらいたいと私は思うので、御回答をお願いします。
#56
○政府参考人(鈴木藤一郎君) おっしゃるとおり、私たち努力してまいりたいと思います。
 ただ、私も立場上、事務所の立場に立って考えて、ちょっとやっぱり言ってあげなきゃいけないかなと思うのは、事務所の立場としては、今、委員ございましたように、所管が工業用水を所管しているわけではございません、農業用水を所管しているわけではございません。そういう意味で、農業用水をどうこうとか工業用水をどうこうということを事務所の立場で言うことはできませんということを、それがやや文章的におっしゃるようなとらえ方をされたかもしれませんが、そこのところはそういう意味できちっと立場をわきまえた御回答をしているということでございます。
 何回も繰り返して大変恐縮でございますが、是非ともこの意見交換会に参加していただいてということを引き続きお願いしているという、そういった姿勢については是非とも御理解いただきたいと思います。
#57
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず、私は最初に鈴木大臣にお伺いしたいと思いますけれども、就任後の大臣発言に関して私も質問で取り上げてきましたが、やはりこれからの地球の未来世代のことを考えてまいりますと、地球憲章という、そういう指針というのは、精神という観点から考えても極めて重要である。環境教育の教材として是非活用すべきでありますし、今回の法案の中身はこの地球憲章とも極めて密接にかかわっている、そういう重要なものでございます。
 自然再生推進法案、これは損なわれた自然を回復させることにあるというわけでありますが、かつての水俣病というのが日本の環境政策に与えた影響は極めて大きい、一つの大きな教訓としてとらえていかなければいけないと。自然が損なわれて、十分と言えないわけでありますけれども自然が再生されて、自然の回復のプロセス、そういった面については生きた教材になってくるわけでありますし、今回の法案が法律になって施行されることによって様々なことが推進されていくならば、そういった教材を含めて更に効果的にやっていく必要があるんではなかろうかと。
 そういった点で、環境教育・学習推進法というそういった法律についても、やはり積極的に環境省は法制化を目指して頑張っていく必要があるんではなかろうかと思いますけれども、この辺について大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(鈴木俊一君) 加藤先生からは、かねてより環境教育の重要性について御指摘をいただいているところであります。
 今日の環境問題、それがどういう辺りから発生しておるということを考えますと、我が国の経済社会の構造の在り方、特にも国民一人一人のライフスタイルの在り方、そういうところから環境問題の多くが発生していると思います。それだけに環境教育ということは大切でありまして、特に幼児からあるいは高齢者に至るまで、またあらゆる場を通じて環境教育というものを進めていくことが大切であると、そういうふうに考えております。環境省といたしましても、文部科学省あるいはNPOの皆様方ともこれからも連携をしながら、この環境教育というものをどのように進めていったらいいのか、そういうことをしっかりと考えてまいりたいと思います。
 先生から、特に環境教育・環境学習推進法というような法律を制定したらどうかという具体的な提案をいただいたところであります。
 今、与党におきましても環境教育推進に関する小委員会というものが設置をされまして、環境教育の総合的な推進方策について検討されておりますし、また与党のみならず各党においても検討がなされているということを聞いておりますので、環境省といたしましては、こういう各党の検討にこれからも協力をさせていただきながら、私どもとしても今後の環境教育の推進いかにあるべきかを更に検討させていただきたいと思っております。
#59
○加藤修一君 それでは次に、外務省にお聞きいたしますけれども、同様に、今の話、大臣の話は国内の法制化の問題でありますけれども、これは同様に国際レベル、そういったレベルでもこういった枠組みが当然必要であると考えております。
 ヨハネスブルグ・サミットにおいても、持続可能な開発のための教育の十年、これは実施文書化されたわけでありますし、こういったことに関連して、やはり国際的な枠組みとして環境教育促進条約、そういったものを他省庁と連携して国際社会に発意すべきであると、こういう努力を積極的に外務省自身がやっていくべきではなかろうかと、こういうふうに考えておりますが、この辺についての見解を示していただきたいと思います。
#60
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。
 今、先生御指摘のとおり、我が国は環境保護と開発をともに達成する上で教育が重要な役割を果たすとの考えから、ヨハネスブルグ・サミットにおきまして、持続可能な開発のための教育の十年を提案するとともに、人づくりを中心とする小泉構想を発表し、持続可能な開発に対する我が国のリーダーシップを示したところと存じております。
 ただいま御指摘ちょうだいいたしましたが、この教育の十年に関する合意を受けまして、現在開かれております国連総会におきまして、我が国は教育の十年に関する決議案を提案させていただいております。この決議案を早期に成立させ、我が国といたしましては、ユネスコに持続可能な開発のための教育の十年の国際的な実施のための枠組みの作成を依頼いたしますとともに、各国がこれを踏まえて持続可能な開発のための教育を実施する、国内で実施していくために必要な政策を遂行していく、こういうことを働き掛けることを考えております。
#61
○加藤修一君 今、ユネスコの話もございました。確かに、国際的な協調をこういった環境教育の面あるいは教育全体的な面についてやっていくことは極めて望ましいことであると思います。そういった意味では、規制的なといいますか、促進をさせていくという意味で条約的な枠組みをやはり日本がイニシアチブを取ってやっていくべきだと私は考えておりますので、是非その辺についても積極的に検討をしていただきたいと思います。
 それでは次に、新生物多様性国家戦略の関係と自然再生推進法案の関係についてでありますけれども、いわゆる生物多様性条約に基づく我が国の新生物多様性国家戦略においては、生物多様性の回復あるいは自然再生に相当のページ数を割いているわけで、中身も極めて重要な点がございます。
 調査室がまとめた中には、その関連で、科学的データを基礎とする丁寧な実施が書いてございますし、あるいは、その実施に当たっては調査計画段階から事業実施、完了後の維持管理に至るまで、国だけではなく地方公共団体、専門家、地域住民、NPO、ボランティア等の多様な主体の参画が重要であり、そのための様々な仕組みの活用が重要であるというふうに書いてございます。
 そこで、これは当然、国内にかかわってくる話でありますし、国家戦略でありますから国の施策の体系であります。そこで、今の中身を踏まえた形で、今回の自然再生推進法案の中にはいかなる担保が政府側に準備されているのか、なければ、この法案が法律化された場合に効果的な在り方を目指してどういった関係の施策を作り上げていこうと考えているのか、この辺について御説明をお願いしたいと思います。
#62
○副大臣(弘友和夫君) 今御指摘のように、本年三月に策定されました政府の新生物多様性国家戦略では、今後展開すべき重要な施策の方向として三つ挙げているわけです。それで、一つが保全の強化、二つ目に自然再生、三つ目に持続可能な利用という、この三つの中で位置付けられたこの自然再生というのを、基本的な考え方を具体的に掲げているところでありまして、この法案は、その内容を踏まえつつ、自然再生のための具体的手順、枠組みが定められているものと認識をしております。
 ですから、この法律が成立いたしましたら、地域の多様な主体の参画による自然再生協議会の設置、運営、そしてまた専門家の参加による客観的かつ科学的な評価などを具体的に進める必要がありますけれども、これらの点につきましては、専門家やNPOなどからの幅広い意見を踏まえまして、自然再生基本方針の中で明らかにしてまいる所存であります。
 また、自然再生事業の実行に際しましては、環境省として、自ら適切な事業の推進に努めるとともに、自然再生に参加するNPO等を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#63
○加藤修一君 基本方針で明らかにされるということでありますから、極めてその辺が重要になってくると思いますので、十分抜かりなく作り上げていただきたいと思います。
 それで次に、この自然再生の推進事業、これは一般的な意味で私今使っていますけれども、これは始まったばかりでありまして、いわゆる自然再生の在り方が問われていると考えてございます。先ほど来話に出てきました釧路川の再蛇行化事業の関係、あるいは霞ケ浦の関係、くぬぎ山の関係、水域、陸域、あるいは人口が希薄な地域、人口稠密地域、そういったところを抱えている地域でありますけれども、自然再生に関しては多くの要因が絡んでいると。
 そこでお願いでありますけれども、この自然再生の推進事業が多くの効果をもたらすことが想定できるわけでありまして、ある意味では、ハードなアプローチばかりではなくして、地域社会学的なアプローチ、それを加味して総合的に考えるべきであると、いわゆるコミュニティー効果として環境、経済、社会的、文化的な効果があると考えられるわけでありまして、これについての計測方法、どうやって測るかと、そういったことでありますけれども、そういう計測方法、評価の枠組み、それを構築していかなければいけないと。その場合に、やはり地域モデル分析あるいはケーススタディーを積極的に行っていくことが極めて重要であると思っております。
 それで、自然再生及び事業にかかわるいわゆる事前分析、経過分析、事後分析、あるいは回復目標に至る、ある意味でライフサイクルの評価手順、そういったいわゆる経験、知見などを積み重ねていくべきだと私は思っておりまして、と同時に、情報開示を行っていくことも重要であると。さらに、効果的な自然再生のための推進事業に役立たせるために、そういう調査研究をきちっとやって分かりやすい形で情報開示をしていくことが望ましいと思いますけれども、この辺についてどのようにお考えでしょうか。
#64
○大臣政務官(望月義夫君) 地球環境科学のやはり学者である、専門家である加藤先生のおっしゃるとおりでございまして、地域における自然環境の特性だとか自然の復元力、それから生態系の微妙な均衡を踏まえてこれは実施されなければいけないと私は思っておりますけれども、事前の十分な調査や客観的かつ科学的な評価等は重要な課題と考えております。
 それで、例えば、現在、環境省で行っておる釧路湿原の自然再生事業でございますけれども、これにつきましても実は当初四億、それから補正で四億、八億のお金を投入して現在進めておるところでございまして、我々がちょっといろいろ打合せをした中で金額がもっと必要ではないかというような話をしましたら、たくさんのNPO、学者の皆様方、それから地域の団体の皆さん、もうありとあらゆる、三十四団体でございますが、学者の皆さんも参加しておりまして、これ本当に微妙な均衡、復元力ということで、お金を投入さえすればいいという、もちろん資金も必要でございますけれども、非常に微妙であると。そういうようなことで、湿原の再生状況、動物の生息状況に関するモニタリングと評価の実施を、評価の事業への反映ということで行っていきたいとしております。こういった意味で、自然再生推進法案はこの進め方を制度的に担保すると、そういったものであると認識をしているところでございます。
 最後になりましたけれども、環境省といたしましても、各地域の自然再生の参考にしていただくために、随時インターネット、ホームページを作りましてインターネットでこの会議録、それから自然再生の資料を発信するとともに、今後各地域で行われます自然再生事業についても同様に報告をしてまいりたいと、このように思っております。
#65
○加藤修一君 是非鋭意努力して、しっかりやっていただきたいと思います。
 以上です。
#66
○岩佐恵美君 今度の自然再生推進法案では、過去に損なわれた自然環境を取り戻すために自然環境の再生や創出などの事業を行うというものです。
 しかし、実際には、この法律案では中心的な事業主体となると考えられる国土交通省やあるいは農林水産省などは、依然として諫早干拓事業あるいは川辺川ダムなどの無駄で自然環境破壊だということで世論が強く反対している、そういう批判を無視して強行しています。ですから、多くの自然保護団体が、本法案は自然再生の名の下に従来型の公共事業を促進するためではないかと強く危惧している、これは私は当然のことだと思います。
 過去に損なわれた自然環境を取り戻すという新たな法律を制定するのであれば、従来型の無駄で環境破壊の事業はやめる、そのことが大前提にならなければならないというふうに思うのですけれども、その点、大臣のまず御見解を伺いたいと思います。
#67
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、この法案の目的でありますけれども、これは過去に損なわれた自然を再生をすると、それが目的でございまして、適切な手続を踏んで行われております他の事業を止めるというのが目的ではないということはまず御理解をいただきたいと思います。
 先生から、今行われている公共事業がすべからく自然を壊していると、こういうことでございますが、それにもやはり歯止めというものが必要であり、されているわけでありまして、例えば河川法などの個別法におきましては、自然環境の保全や環境との調和というものへ配慮する規定というものが規定されているわけでありますし、また環境影響評価の実施なども行われるということで、環境保全への取組というものは私は適切になされていると、そういうふうに考えているところであります。
#68
○岩佐恵美君 今行われている公共事業がすべからくという言い方をしているのではなくて、今例に挙げたのは川辺川ダムの問題だとか諫早の干拓事業を挙げているわけですね。
 それで、今一番大事なことは、先ほどから議論されていますけれども、辛うじて残されている自然環境をいかに守るかということなんですね。ところが、今度の法律のように新たな事業を進める法律は作るけれども、現在進行している自然環境の破壊を止める、そういう方策はない。現在、自然環境保全法で指定されている保護地域、これはもう極めて少ないというのは御承知のとおりです。しかも、今そういう、今の時代はそういう自然環境が特別な大事なところという、そういう特別の地域だけではなくて、身近な自然環境を含めてどう保全するか、そのことが重要な課題になっています。
 環境省は、昨年、五百か所の重要湿地を選定していますけれども、私は今求められているのは、湿地、干潟はもとよりですけれども、里山など次代に残すべき自然環境を広範な国民の意見を聞いてリストアップをしてその破壊を防止をするという具体策を取っていく、そのことが大事なのだと思いますけれども、その点いかがですか。
#69
○国務大臣(鈴木俊一君) 湿地につきましては、先生御指摘のように重要湿地五百というものを選定をしているわけでありますけれども、これは湿地以外にも重要な地域につきまして選定をすると、それは環境保全上も大変重要なことであると私も同様に認識をしております。
 特に、御指摘のございました里地里山でありますけれども、これは様々な人の営み、働き掛けを通じて環境が形成をされてきたわけでありまして、生物多様性の保全上あるいは地域に住む皆様方の身近な自然との触れ合いの場として大変な重要なものであると、そういうふうに考えております。
 そこで、環境省といたしましても、昨年十月に我が国の里地里山の概況について調査をし、その結果を発表をしたところであります。今後とも里地里山を含めた重要な自然環境につきましては、関係省庁とも連絡を図り、より一層のデータの収集も図り、またそれを整理をして今後の具体的な保全策の検討に活用していきたいと思っております。
#70
○岩佐恵美君 自然再生を行う場合でも、自然環境の現状をきちんと評価した上で、まずどこでどういう自然再生を行うべきか科学的に選定をする必要があると思います。法案にはそれがないまま、事業実施主体が自らの判断で事業箇所を選定するということになっています。これでは個々ばらばらに事業が行われて、その結果、国全体、地域全体の自然環境を保全するということではなくて、むしろ破壊をするというおそれすらあると思います。
 そこで伺いたいんですが、ラムサール条約の常設委員会は、各国に対し、第六回会議で採択された八つの総合目標の実施状況に関する六十三項目の質問への報告を求めています。その中の復元、機能回復に関する項目では、地域あるいは国の科学的な湿地目録の完成は今後も優先分野として、復元あるいは回復すべき湿地の優先度を特定するための評価を行いましたかと尋ねています。日本政府はどう回答したのでしょうか。
#71
○政府参考人(岩尾總一郎君) 我が国が本年六月末に作成、提出したラムサール条約の国別報告書で、復元あるいは回復すべき湿地の優先度を特定するための評価を行ったか否かとの設問に対しては、行っていないという回答をしております。
 その理由としては、我が国においては湿地の自然再生のための具体的な取組が始まったばかり、先駆的に開始したところでありまして、全般的な目録の作成については現在のところ実施段階に至っていないためであります。
 環境省としても、今後は同報告書で回答したように、関係省庁と連絡を取りながら、必要に応じて復元、回復が必要かつ実施可能な地域を特定できるように努めてまいりたいと考えております。
#72
○岩佐恵美君 結局、その日本政府の回答の趣旨というのは、全体的な科学評価もない、もちろん優先度を特定する評価もしていないので、優先度にかかわりなくやれるところからとにかくやってまいりましょうということなわけですね。復元、回復機能を図るためには、科学的な目録を作成して、それに基づいて優先度を評価し実施すべきだという国際的に求められていることと私は大きく懸け離れた日本の実態だと思います。
 先般の参考人質疑で池谷参考人は、エコロジカルネットワークを国土計画で位置付けて、ここに重要な場所がある、だからこうやる、今年はここまでやったという指標が出る必要があると述べておられました。私は、このような国全体の環境保全計画は環境省こそが自ら作るべきだと、そう思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#73
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘をいただきました国土の生態系の保全というものに関しましては、平成十二年の十二月に閣議決定されました新しい環境基本計画、その中で、生物の生息・生育空間の確保とそのネットワーク化を含めた生物多様性の保全のための取組を戦略的プログラムの一つとして位置付けるということがされております。
 そしてまた、三月に策定されました新生物多様性国家戦略におきましても、重要地域の保全や生態的ネットワークの形成などを重点的な施策としているところであります。
 こうした計画や戦略というものを私どももしっかりと踏まえまして、更なる調査の実施も含めまして具体的な施策の充実を進めることによりまして国土の生態系の保全を強化してまいりたいと、そのように考えております。
#74
○岩佐恵美君 この間、大気汚染のときにもちょっと議論をさせていただいたんですけれども、とにかく環境省の取組というのは非常に遅いんですよね。調査も遅い、手だても遅いんです。そこが私は非常に問題だと思っている。そういう遅い中で破壊するという事業だけがどんどん進んでいったら大変なことになるのではないか。これはもうみんな身をもって体験しているところなので、そのことをしつこく言っているわけです。
 実は先ほど申し上げたその五百か所の重要湿地についてでも選定しただけなんですね。その保全計画は全くありません。だから、私は絵にかいたもちとなっていると思っているんです。五百か所にも上る重要湿地のうち、今ラムサール条約に登録しているのは、今回新たに登録した愛知県の藤前干潟、北海道美唄市の宮島沼を加えてもわずか十三にしかすぎません。日本は登録箇所数ではラムサール加盟国の中で二十三位なんですね。面積では七十六位と低いんです。
 日本より国土面積が小さい国、いろいろ調べてみたんですが、イギリスは百六十九か所登録しているんです。イタリアは四十六か所、アイルランドは四十五か所、デンマーク三十八か所、ドイツ三十一か所、オランダも二十四か所あるんです。日本よりはるかに多いんですね。
 日本の十三か所というのは私は先進国として余りにもお粗末だと思います。三年後の第九回ラムサール会議までに二十二か所にする目標を掲げているんですが、二十二か所というのはオランダの現状にも届かない実態です。しかも、まだその候補地すら具体的に挙がっていません。このままでは二十二か所にすることすら本当に達成できるかどうかというのは疑問だと思います。
 先日のラムサール会議では環境省がアジア太平洋地域の干潟、湿地、百か所を指定するよう提案したと報道されていますけれども、私は、まず日本自身が自分の国の干潟、湿地の保全計画をしっかり立てて、そして箇所をこういうふうに増やします、だからアジア太平洋地域でこうしましょうというのが、提案するのが筋だというふうに思っているんですね。その点、いかがでしょうか。
#75
○国務大臣(鈴木俊一君) ラムサール条約の登録湿地をもっと増やせという趣旨の質問であったと思います。
 もう先生が御承知のことを繰り返して恐縮でございますけれども、ラムサール条約の締約国会議第七回、一九九九年に開かれたわけでありますが、そこにおきましては、条約の短期目標といたしまして二〇〇五年までに少なくとも世界で二千か所の湿地を登録するということが目標として掲げられました。
 それを受けまして、我が国といたしましても本年六月に、その二〇〇五年までに現時点の十一か所を二倍に増やすと、これじゃ数が少ないという御指摘でありますけれども、二倍に増やすということを国内目標として設定をして条約事務局に提出をしたところであります。
 御承知のとおり、先般、宮島沼、それから藤前干潟の二か所を新たに登録したところでありますけれども、二〇〇五年に向けて二倍にするという国内目標の達成はもとより、それに少しでも上積みできますように努力をしてまいりたいと思っております。
#76
○岩佐恵美君 対応が遅れているうちに、先ほども議論されましたけれども、沖縄の中城湾の泡瀬干潟のように、ラムサール条約に登録すべき重要な湿地、干潟、これが次々と失われていっているんですね。
 泡瀬干潟は今重大な危機に立たされていると私どもは考えています。泡瀬干潟は琉球列島に残された最大級の干潟です。環境省の調査によっても、沖縄本島の三大海草藻場の一つであることが確認をされています。
 今年の四月四日には、ラムサール条約事務局長から環境大臣あてに、泡瀬干潟の埋立てを危惧する手紙が来ています。これは、大臣、直接お目に掛かったときに私、お示しをいたしましたけれども、手紙では、このプロジェクトが全面的に実施されるならば干潟と周辺に重大な悪影響を及ぼすことになるとして、締約国会議の決議に明記されている潮間帯湿地に悪影響を与える現在の政策を見直し、長期的保全計画の導入を検討することなどを考慮するよう求めています。
 泡瀬干潟をつぶすということは、私は、今国際的にも大きな問題になっていると思います。ところが、沖縄総合事務局は十月に工事着工を強行しました。ですから、今緊迫した事態になっています。沖縄本島の有数の豊かな干潟を一方的に一方でつぶして、自然再生と言っても全く説得力がないと思います。国際的にも重要な泡瀬干潟、これを守るために環境省として最大限の努力をすべきだと思いますが、まず大臣の基本姿勢を伺っておきたいと思います。
#77
○国務大臣(鈴木俊一君) 泡瀬干潟で内閣府が事業主体となって事業が行われているということでございます。これにつきましては、先ほど小川委員の御質問にも答えたわけでございますけれども、法的な立場上、環境アセスメントに直接環境省は関与することはできませんでした。しかし、沖縄県の環境部局とはよく連携を取らせていただいたと思っております。
 その中で、事業をこれを進める前提として守らなければならない、事業主体が守らなければならない環境保全措置というものが示されたわけでありますから、環境省といたしましては、それを何としても守ってもらわなければならないと、そういう立場でございます。
 先般、十月の十八日に新たに海上部に工事が始まると、こういうことでございましたので、これは異例ではございましたけれども、私から特に指示をいたしまして内閣府に申入れをしたところであります。
 その内容は、海草の移植計画の策定と公表ということで、これは場当たり的にやられては困るということで、この海草の移植に当たっては科学的根拠に基づいてあらかじめ移植計画が策定され、かつ公表されるべきこと。それから、機械化の移植計画工法というものも問題になっております。この実用化に当たっては、十分な期間のモニタリングに基づき、科学的かつ総合的な観点から慎重に判断する必要があること。それから、希少なクビレミドロの移植技術でありますが、このクビレミドロが将来にわたって、一世代だけがただ移植されるんではなしに世代を継いでこれが保全されるよう、工事実施前に移植技術が確立したかどうかの確認を万全に期す必要があること等、概要でありますけれども、申し入れたところでございます。
#78
○岩佐恵美君 そこで、その海草の機械移植については、地元の環境保護団体の皆さんの具体的な調査によって、失敗だったということが追及されまして、沖縄総合事務局は、もう機械移植はちょっとできなくなっている、そこで手植え工法なら大丈夫ということで年度内の着工に踏み切ったわけですね。
 環境省に伺いたいんですが、手植え移植なら大丈夫なんですか。
#79
○政府参考人(炭谷茂君) 海草の移植などにつきましては、本州周辺に分布するアマモ類に関しましてはある程度の期間、移植された海草が維持された事例が幾つか報告されているところでございます。
 一方、泡瀬干潟に生育いたします熱帯性の海草、例えばボウバアマモやリュウキュウアマモなどでございますけれども、については移植事例が幾つかあることは承知しておりますが、その詳細については把握いたしておりません。
 いずれにいたしましても、長期的に観察された事例は多いとは言えないという現状でございまして、環境省といたしましては、手植えの工法も含めまして、海草の移植については慎重な対応が必要というふうに考えている次第でございます。
 このような見地から、先ほど大臣から説明いたしましたような申入れを内閣府に対してしたところでございます。
#80
○岩佐恵美君 沖縄総合事務局は、九月三十日の沖縄地区環境監視・検討委員会で手植え工法は適用性が高いと評価されたとしているんですね。しかし、実際には、監視・検討委員会では手植えならやってもよいなどという結論は出していません。海藻草類移植・保全ワーキンググループの野呂主査が監視・検討委員会の場で、亜熱帯性の藻場でどういうふうに移植が成功するのか判断できるデータがない、あくまで推測で、それもかなり大胆な推測しかできないと述べておられるんですね。
 九月十一日のワーキンググループでは、沖縄総合事務局や沖縄県が手植えならやってもよいということかと執拗に迫っているんですけれども、最後までオーケーは出ていないんです。ある委員は、手植え実験は三例だけだと、泡瀬に適用できるかどうかはこれから実験をしなければ難しいと発言して、野呂主査もたかだか五〇%程度の移植が可能と述べているわけですね。たかだか五〇%程度の移植が可能ということは、五〇%失敗するということなんですね。たった三例の小規模実験しかやっていない、かなり大胆な推測をしても成功率がたかだか五〇%という状況。
 今、海草について環境省の見解にもありましたけれども、そういうことから恐らく環境省が長期的かつ安定的な世代交代や藻場としての健全性の確保が、総合的に判断、健全性についてきちっと判断していかなければならないということを言っておられるんだと思うんですけれども、私は、実態はそういうふうにはなっていないというふうに思います。実は、海草の移植の専門家の方に伺ったんですけれども、海草の移植というのは世界的にも成功している例がないというんですね。そういう非常に難しいものだということが言われています。
 私は、環境省というのは自然環境保全に責任を持つ唯一の官庁なわけですね、環境省がどうこうした実態について判断をするかということが、それは環境省の今見識が問われているというふうに思います。ですから、泡瀬干潟については、環境破壊の工事は絶対に認めませんよという毅然とした態度を今環境省が取っていくことが重要だというふうに思います。
 政治的にもこれは本当に重要な問題ですので、鈴木大臣、随分頑張っておられるということは私も理解をいたしますけれども、本当に正念場を迎えていると思います。ラムサール条約の国際会議も終わった後でありますし、国際的にも注目されているこの事業です。何としてもむちゃくちゃなことはやらせないということで頑張っていただきたいと思うんですが、その点いかがですか。
#81
○国務大臣(鈴木俊一君) 環境省として環境保全を守るというのが、これはもう基本原則でございます。
 泡瀬干潟の事業については、環境評価の過程で出た環境保全措置、そういうものをもう事業者としてこれは守ってもらわなければならないわけでありますから、これは必ず守ってもらうようにしてまいりたいと思います。これから私どももよく注視をしながら、それから、一回申入れをしたわけでありますが、何かその申入れをしたことがもう、一回、何というんでしょうか、それで免罪符を受けたみたいなことにならないように必要に応じて、再度また必要に応じて、しっかりとしたその間の状況も十分判断して、必要に応じて申入れをまたさせていただきたいと思っております。
#82
○岩佐恵美君 工事をどんどん進めて既成事実を作りたいというどうも当事者のお考えのようですので、そこはきちっと対応していっていただきたいと、そのことを期待をしたいと思います。
 自然再生推進法案は自然環境の創出も掲げています。この法案が通ると、現在ある自然環境をつぶして人工的な疑似自然環境を作ることになります。例えば東京湾三番瀬の再生計画の中では、市川市の垂直護岸を更にかさ上げをして、その外側に人工海浜を造成するという案も出ていると伺っています。今、四メーター、今よりももっと更に二メーターぐらい上げるということで、何かちょっと六メーターとか八メーターの高さに上げるということのようですけれども、護岸を。沖合五百メーターか六百メーター先に人工海浜を作るということになると、砂を積むことになるわけですね。正に埋立事業そのものなんですね。
 私はその現地を見させていただいて、一体それだけの広大なところを、もし人工海浜を作るとしたら、その砂どこから持ってくるのかしらということも本当に心配になりましたけれども、とにかく新たな事業で既存の浅海域を埋めて人工海浜を作れば、そこの自然環境も壊す、生物多様性に重大な悪影響を与える、このことは明らかだと思います。
 自然再生法は、その事業に先立って、その地域の生物の生息状況などの自然環境の現状について十分調査をする、野生生物の減少など自然環境を損なってきた原因、メカニズムを科学的に解明する、新たな事業によって生物多様性などの自然環境がどう変化するかということを十分検討する、このことが不可欠だと思います。その上で、自然環境を損なってきた原因を除去をして、元の自然環境を復元する、このことが中心でなければなりません。
 この法案には、自然環境保全の専門官庁や専門的なNGOによる総合的な調査の実施、あるいは自然を破壊するような再生事業計画の変更、中止、これを求める仕組みが必要だと、どうしても必要だと思いますけれども、その点いかがですか。
#83
○国務大臣(鈴木俊一君) 自然再生事業でございますが、まず協議会が作られるわけでありますけれども、その協議会には専門家が参加をするわけであります。そして、その専門家が中心になりまして自然再生事業のモニタリング評価を行うことが必要と認識をしております。そして、その評価結果を自然再生事業にフィードバックをするということでございますから、自然再生事業の継続が適切でないと判断される場合にはその中止も排除されるものではないと、そういうふうに考えております。
 こうしたモニタリングや自然再生事業の評価など一連のプロセスは、基本理念にもありますように、透明性を確保しつつ、関係者が参加して実施されるものと考えております。
 この法案の下では、評価をフィードバックするということにより、自然再生事業の柔軟性を確保し、ボトムアップによって自然再生を進めていただくことが可能でございますので、御指摘の点につきましても十分対応できる仕組みになっていると理解をいたしております。
#84
○岩佐恵美君 先ほどから申し上げているように、川辺川にしても諫早にしても、あるいは今の泡瀬干潟にしても、環境省がきちっとその環境を守るという立場からやれているのかどうかということが本当に問われていると思うんですね。そういう状況の中で自然再生というその事業が進められるということに多くの皆さんが危惧を抱いているし、私自身も非常に危惧を持っているんですね。
 そこで、関口参考人は、この法案では客観的、科学的に自然再生に資する事業であるかについての保証がない、自然再生に逆行するようになっても歯止めの仕組みがないことが大きな問題と指摘をしておられますし、菅波参考人は、従来型の公益を見直して、自然環境の保全を上位に位置付けなければ意味がないというふうに言っておられるんですね。
 私は、環境省に事業官庁になってほしくないんです。事業を進めるという、そういうことで環境省が進んでいくのではなくて、環境省はあくまでもやはりきちっと規制を土台にした、乱暴ないろんなことがやられるということについてはきちっと物が言える、あるいは残された自然がもうわずかである、そのことについて保全を、ここはこう保全しなきゃいけない、ここはこういうふうにしなきゃいけないというような具体的にそういう点で調査をするとか科学的な知見を持つとか、そういう仕事をしてほしいんですね。事業官庁になってほしくない。その点が私の強い要望なんですけれども、大臣、残り時間少なくなってしまいましたけれども、お考えを伺いたいと思います。
#85
○国務大臣(鈴木俊一君) 質問の前半は、何かこの自然再生事業も中止や変更ができないのではないか、本当にできるのかということでありますが、先ほど答弁をさせていただきましたように、そもそも発案設計、調査設計という初期の段階から地元の方々それからNPOなど多様な主体が参画をして計画を作るという仕組みでございますし、それから事業の着手後におきましても、自然再生の状況を監視し、その結果を事業にフィードバックするなどの仕組みがございまして、そういう面におきましては中止や見直しも含めて事業への適切なフィードバックが可能になる、そういうものと思っております。
 それから、環境省が事業官庁になってほしくないというお話でございますけれども、環境の保全を使命とする環境省の役割というもの、期待というもの、そういうものをしっかりと心に置いて、これからこの法律が通りましたら環境省も主体となることもございますけれども、そういう基本的な国民の期待、そういうものは常にしっかり持って進めていきたいと思っております。
#86
○委員長(小宮山洋子君) 午前の質疑はここまでとし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#87
○委員長(小宮山洋子君) 環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、自然再生推進法案を議題とし、午後は発議者に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#88
○小泉顕雄君 御苦労さまでございます。自民党の小泉でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 発議者の先生方には、環境問題あるいは自然の保全ということが大変重要な課題になっているという現実を直視をいただきまして、このような評価すべき法案を提出をいただきましたことに、まず最初に深い敬意を表しておきたいというふうに思います。
 時間が余り与えられておりませんので、若干の点について質問をさせていただきますけれども、私が、大変恥ずかしい話ですけれども、大変勉強が不十分であるために、初歩的なあるいは基本的な質問も一部あるかと思いますけれども、事前におわびを申し上げておきたいというふうに思っております。
 まず最初に、この法案が自然再生事業として想定をしている対象というものについてお伺いをしたいと思います。
 午前の質疑でもあったわけですけれども、例えば、既にもう釧路湿原であるとかあるいはくぬぎ山とか、具体的な対象地域といいますかが話題になっているんですけれども、もう一度改めて、この自然再生事業の対象というものとしてどのようなお考えをお持ちなのかお伺いをしたいというふうに思います。
 具体的に言いますと、その対象事業として、例えばある一つの地域的な広がりを持ったものをやるとか、あるいはある特定の生態系をやるとか、さらには、もっと細かに言えば小さな、例えば絶滅が危惧されるような生物種というようなものにもこの法案というものは及んでいくのか、その辺のところをまずお伺いをしたいと思います。
#89
○衆議院議員(山本公一君) 小泉先生は勉強不熱心じゃございませんで、いつも部会に出てきておられますので熱心な先生だと思っておりますので、今後とも御協力のほどお願い申し上げておきたいと思います。
 御質問の点でございますけれども、この法律というのは個別の種に着目してそれを保護して増殖を行うという事業ではございませんで、あくまでも自然再生の対象というのは河川、湿原、干潟などの自然の環境でございまして、個別の種などはこれらの自然環境に依存する生態系の要素でございますので、自然再生事業を行う結果として個別の種も守られていけるものだと、そのように考えております。
#90
○小泉顕雄君 ありがとうございました。本当に勉強は十分でありませんので、お許しをいただきたいと思いますが、──はい、ありがとうございます。
 それでは、次の質問に移らせていただこうと思いますが、この辺が特に本当に私は不勉強だなと思いながら質問をするわけですけれども、この法案では、まず基本方針という言葉があります。それから自然再生協議会という言葉、あるいは自然再生事業実施計画、あるいは自然再生推進会議、さらには自然再生専門家会議ですか、いろんな言葉があるわけですけれども、実際に再生事業というものに着手し、そしてそれが推進をされていくための具体的な手順というものを私に分かりやすく御説明をしていただけると大変有り難いというふうに思うんです。
 というのは、前の、さきに衆議院の委員会での質疑の中にこんな御答弁があるんですが、こういう再生事業を決めていくときに、「だれかがリーダーシップを発揮して、ここの自然をこういうふうに再生しようというこの指とまれ式に、」こういう話が進んでいくというような御答弁もあったようなんですけれども、そのようなことが、もちろん本当なんでしょうけれども、その辺のところの再確認をしておきたいということと。
 それから、午前中もちょっと私は申し上げたんですけれども、こういう事業を進めていく上での公益との調整ということが非常に難しいことが生じてくるというふうに思っております。ですから、今のいろんな、今言いましたような手順の中で、公益との調整というのはどういう形で図られていくのかということをお伺いをしたいし、同時に、先ほどもちょっと言いましたけれども、地域であっても、あるいは種であっても、事業実施対象の選定というのは一体どこでどのように決定をされていくのか、本当にこの指止まれ式でいくのかどうか、その辺についての御説明をお願いをしたいと思います。
#91
○衆議院議員(山本公一君) まず、この事業の手順といいますかでございますけれども、政府においては自然再生基本方針をまず定めることに相なろうかと思います。
 この際に、私どもが非常に胸を張っていい法律になったなと思っておりますのは、その基本方針を定めますときに、七条の三でございますけれども、「環境大臣は」という主語を持ってくることができました。「環境大臣は、あらかじめ農林水産大臣及び国土交通大臣と協議して自然再生基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」というふうになっており、環境大臣が中心になってまず基本方針を定めまして、その後、具体的な実際の事業は、この法律の特徴でございますボトムアップの考え方に立ちまして、この指止まれというのが適当かどうか分かりませんけれども、一番その地域のことをよく分かっている方がまず実施者として活動をし始めていただきまして、そして自然再生協議会を組織をしていただきます。そこにはいろいろな多様な主体の方が参加をしていただくように相なろうかと思います。そして、その事業が、自然再生協議会において基本方針に即した全体構想や、そしてまた実施計画について協議をしていただきます。そして、その上で主務大臣に送付をして事業が決定されていくという手順になろうかと思います。
 私ども、この法案を作りますときに一番考えましたことは、多分、最大のエネルギーは、再生協議会を組織することに最大のエネルギーというのが必要になってくるのかというような認識を抱いております。
 それから、公益との調整についてでございますけれども、これにつきましては、今申し上げたような自然再生協議会が地元というか地域の方々を主体に実際問題組織をされてまいりますので、その組織をされて、そして実施計画をお作りになるときに実際問題に一番よく分かっている方々が公益との調整について議論をされるものだと、かように認識をいたしております。
#92
○小泉顕雄君 どうもありがとうございました。
 本当に公益の調整ということは難しい問題がありまして、私はかつて、私は京都の丹波というところの出身なんですが、そこにアユモドキという特別天然記念物の魚がすんでおるんです。これの保護活動をやったんですが、これをいわゆる生息地で個体数を回復をしていくというふうに取組をすると、例えば農業用水の改修の問題なんかが非常に密接に関連をしてきまして、その辺の要するにやっぱり地域の農業をきちっと円滑に進めるという方向と、一方では、そういう絶滅危惧種というものを守るという、その本当に調整というので大変苦労したことがあるわけですけれども、十分に公益の調整を図りながら再生事業を進めていただきたいというふうに思うんです。
 さっき、山本先生の方から具体的な絶滅危惧種とかあるいは希少種というものについての対応策というものはなかなかこの法案からは見えてこないというお話もあったわけですが、やはり個々の種というものは一つの系の構成要素であるわけですから、例えばこの地域を再生事業の認定を受けてやるとしたときに、個々の種というものに対する視点も必要なわけですから、その辺も十分に御配慮をいただきたいと思いますし、私は、でき得るならばそういうような絶滅危惧種、希少種に対してもこの法案というものが拡大的に適用されていくような方向が欲しいなという気持ちがしております。
 今言いましたように、ですから、このそういう絶滅危惧種にかなりこだわった質問を以下に、次に準備をしておったわけですけれども、先ほどのお話の中からなかなかそこまでというお話でしたので、この点は質問はとどめておきたいというふうに思うわけですけれども、繰り返しになりますが、いずれにしましても、個々の種というものがその地域の生態系なりあるいは群集というものを構成している要素であるわけですから、ある一つのものが欠落をするとすれば、それは本来のその地域にふさわしい生物相の姿ではないということもこれは事実なわけですので、そういう観点に立って、あらゆる構成要素の種というものに配慮をしながらの系を保全をしていくというような観点も是非持っていただきたいというか、持たなければいけないなということをここで申し上げておきたいというふうに思います。
 時間が余り本当にありませんので最後になろうかと思うんですけれども、午前中もちょっとお話をさせていただいたんですが、私は、現在六月五日が環境の日ということで制定を、制定といいますか、決められておりまして、この日を中心として環境問題に対する国民の意識というものを高めていこうといういろんな取組があるというふうに思っております。ただ、私は、できることならば、環境問題がこれほど大きな問題として騒がれ、騒がれているという言い方は適当ではないのかもしれませんが、大きな問題として指摘をされているこの時代にあって、やはり国民全体がこの問題に対して真剣に考える日がせめて一日でもあってはいいんじゃないかと。例えば全国もうノーカーデーにするとか、あるいは全国ごみゼロの日にするとか、そういった国民運動を起こすためにも、そういう環境にこだわる日があっていいという立場におります。
 かつても、大木大臣が在任中にもこのような趣旨のことを申し上げました。その折には、比較的前向きといいましょうか、私に対しては好意的な御答弁もいただいたわけですけれども、何としても私は六月五日を国民の祝日にしていただきたい。国民の祝日については多過ぎるとかいうような議論もあるのは十分知っておるわけですけれども、私は、環境問題の重要性を考えたときには、是非みんなが考えるべきだと思っております。
 そこで、今回この自然再生法案という法案を作っていただいた発議者の先生方が、次の新たなる課題として、何とか六月五日を環境の日として国民の祝日として、環境問題をみんなで考えていくようなきっかけにしていくんだというようなお気持ちがあれば、是非お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#93
○衆議院議員(谷津義男君) 今、先生の御指摘のありました環境の日については、私はやっぱり国民の環境意識を高める上において非常に大事なことではなかろうかというふうに思います。そこで、環境の日を、国民の祝日に関する法律ですか、この中に繰り込んで休日とするということについては私も同じ考えを持っております。かつてハッピーマンデーのときにも議員立法でやった経緯があるわけでありますけれども、こういった面で是非先生にも御協力をいただいて、これはやっぱり議員立法でやるべきかなというふうにも考えております。
 特に、私は地球温暖化の問題について一番大きな、難しいと思われるものは民生部門にあるというふうに認識をしている一人なんです。これはやっぱり、家庭の協力といいましょうか、国民の協力なくしてはこれは達成できないものがありますから、こういった面で環境という問題についての意識を高める上においても、この環境の日を祝日として、国民に多く理解してもらうということは大事なことだというふうに認識をしております。
#94
○小泉顕雄君 どうも大変力強いお言葉をいただきまして、ありがとうございました。
 今回、大変評価できる法案を議員立法で作っていただきましたが、そのエネルギーを引き続きその六月五日に、環境の日に向けて更に傾注をいただければ、これに過ぎる喜びはございません。
 以上で終わります。
#95
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。発議者の皆さん、お疲れさまでございます。どうかよろしくお願いいたします。
 私も、実はこちらにいらっしゃいます小川先生や福本先生と実はダイオキシンの特別措置法という議員立法に携わらせていただいた経験がありまして、本当に一年とか掛かりでこうやって議員立法でこぎ着けられたということに関しては、本当にお疲れさまだというふうに思いますし、敬意を表する次第でございます。
 ただ、私どもも、ダイオキシンの法案を作ったときに、やっぱりいろんなところから批判もいただきました。それで、多少自戒の念を込めて申し上げると、あのときに所沢の大気のダイオキシンの汚染ばかりに我々目が行って、どちらかというと土壌のダイオキシン汚染については注目が我々の中で少なくて、そこについて今法案を見返すと、ああ、ここは落ちていたなというようなことを感じることが実は現場を見ると多々ございます。
 今回こういう法案ができて、いろんなところから御批判もあり、それから、とにかく発射台として第一弾として出すことに意味があるんだと、後は運用上の問題で努力をしていけばという意見、いろいろあるというふうに思いますが、御努力は本当に評価をし、また、できれば今後、これ五年後の見直しという附則が付いたわけでございますから、真摯に、この法案の中身だけに執着することなく、より良い法案になっていきますように発議者の皆さんとともに私も議論を深めていきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 一つ午前中の質問で、埋立ての問題について、アサザの問題で環境アセスメント法案の限界のような話がありました。谷津先生がこの問題について一言お述べをいただけるということなので、御感想があれば一言いただけますでしょうか。
#96
○衆議院議員(谷津義男君) いや、実は私、午前中先生方の御議論を承っておりまして、はっと思い付くことがありました。それは、アセス法、平成九年に作られたものでありますけれども、実はこのアセス法につきまして、先ほどの議論を聞いておりますると、この沖縄の泡瀬地区の埋立ての問題につきましては環境省は直接言うことが、意見を述べることが全然できないんですね。
 これは一つは、地方分権推進法が施行された時点で実はそれができなくなった。というのは、この地域は沖縄県の知事のいわゆる何というんでしょうか、許可権というんでしょうか、その範囲内に入っておるということになりますと、地方分権の立場から環境省はそこに意見が言えないということになってきているんですね。ですから、今この泡瀬地区のこの問題について皆さん方から環境省にいろいろな御質問があって、非常に苦しい答弁をしているんですね。
 どういうふうにやっているんだと聞きますれば、環境省は沖縄県に対して言って、その沖縄県が国の施行者に対して言っておるというふうな、そういう形を取られていると。
 これはちょっと法律上の欠点じゃないかと私は思いましたものですから、これは、場合によっては議員立法でもいいからこれ改正しなきゃいかぬなというふうに思ったものですから、今そういうふうな発言をさせていただきました。
#97
○福山哲郎君 大変思い切った発言で、私も同感でございますが、横に鈴木環境大臣がいらっしゃいますので、まあ議員立法でやることも必要かもしれませんが、環境省としては是非前向きに取り組んでいただきたいと思うんですが、今のお話を伺っていかがでしょうか。
#98
○国務大臣(鈴木俊一君) いろいろ地方分権法の中で大変ストレートに環境省の立場が申せないということになっておりますことは、確かにいろいろ考えていかなければいけないと思っております。
 私どもとしましては、今与えられたところの中で、先ほど申し上げたとおり、非常にまどろっこしいといえばまどろっこしいといいますか、そういう形の中で最善を尽くさせていただいているということでありまして、今の谷津先生の御発言、ある意味では心強く思ったような次第であります。
#99
○福山哲郎君 是非真摯に受け止めていただいて、環境省がぐずぐずしていると谷津先生と御相談して議員立法で頑張らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私は今回、大きなお話とか自然再生推進法についての理念的なものということに関しては多々衆議院、参議院でも御議論がありましたから、少し細かくなって恐縮ですが、せっかく発議者の先生方お見えですので、少し条文に沿って、細かいことになるかもしれませんが、各NPOや各地域の皆さん、それから地方公共団体の皆さんも含めて、この法案がどのように運用されるのかということについてやはり非常に関心が高いので、少し細かいことになりますが聞かせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。今日は珍しく淡々とおとなしくやりますので、よろしくお願いいたします。
 第二条でございます。
 「この法律において「自然再生」」云々というふうにあるんですが、最後のところに、「その他の自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、」という言葉があります。ここは、「過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻す」という目的でこの法案、条文が出ているんですが、過去に損なわれた生態系を取り戻すのに新たに創出をするというのはどういう意味なのか。すごく細かいことになって恐縮なんですけれども、新たに創出をするということに対して、変な疑義とか、新たにこれに公共事業が加わるんじゃないかとか、そういう懸念を持っておられる方がいらっしゃいますので、そういう疑義を是非払拭できるように、済みません、御答弁をいただければと思います。
#100
○衆議院議員(山本公一君) 御承知のように、新生物多様性国家戦略におきましても、自然再生の例としてこのような文章がございます。大都市での森とも呼べる大規模な緑の空間を創出しネットワーク化することも、失われた都市の自然生態系を再生するものであるという、そういう文章がございます。
 その考え方を参考にいたしまして、過去に損なわれた自然そのままの状態を再現するだけでなくて、大都市における大規模な緑の空間を新たに創出することも、その都市全体で見れば失われた自然環境を取り戻すという意味で自然再生に当たるのではないかと、かように私どもは思っております。
#101
○福山哲郎君 分かりました。
 それで、これまた細かいことで恐縮なんですけれども、いろんな批判の中では、今、実際的には公共事業が走っている、全体の公共事業の見直しもしないで自然再生事業ばかりを言うこと自身が少しおかしいんじゃないか、今の全国にある公共事業を見直してというような議論もこの流れの中ではあるわけですが、この過去に損なわれたという過去というのは、済みません、どの程度までを指しておられるのか、それから損なう行為をした者というのは一体何者を想定しているのか、お答えをいただけますでしょうか。
#102
○衆議院議員(奥田建君) 過去と、確かに何年前とかいうことを区切ってありませんので、やはりここも抽象的な表現になるところかと思います。
 私自身、あるいは委員会での議論を踏まえてお答えさせていただければ、やはり過去の事業においても自然環境といった視点が欠落していた、あるいは足りなかった時代の事業といったものを過去という時点での定義といいますか、になるかと思います。そのほかにも、御意見としましては、環境アセスメント法の制定前の事業とすべきだというような御意見もありました。これは一つの考え方でありまして、いつの時点をとらえるかということは、やはりそこで中心になる自然再生協議会というものがありますので、そこに参加する方々の御意見、合意の下で考えていくべきことかと思っております。
 ただ、それと、損なう行為をした者は何者であるのかということですけれども、犯人捜しの議論に陥ることも多々あるかと思います。しかしながら、私個人としては、先ほど言いました自然環境に対する配慮が足りなかった時代のやはり私たち全体の社会活動自身が自然を損なった何者かという答えになるかというふうに思っております。
#103
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 というと、奥田先生おっしゃられましたように、過去というのは別にどれといって特定をできるわけでもなく、今事業をしているものも含めて、自然環境の自然再生が必要だと思われるものについてはこの法案の中では当てはまるというふうに受け止めて、奥田先生、よろしいわけですね。多分いいと思うんですけれども。
#104
○衆議院議員(奥田建君) 済みません。もう一度お願いできますか。
#105
○福山哲郎君 済みません。もう一度確認だけでお願いをしたいんですけれども。
 ということは、過去というのはいつといって特定できるわけでもなく、過去において自然環境を破壊されてこれから自然再生が必要だというふうに認知されれば、今継続中のものも、過去におけるものも含めて考えられるということでよろしいんですね。
#106
○衆議院議員(奥田建君) 継続中のもの……
#107
○福山哲郎君 例えば、事業が継続していることも、公共事業等で継続している事業も含めて、過去ということは含まれるということですね。
#108
○衆議院議員(奥田建君) 私の個人的な認識としてはそこまではありませんけれども、進行している事業に対しても、大きな地域の合意あるいは監督官庁との合意というものがあって出てくる意見あるいは取組ということであれば、それはその中に入ることもあり得るというふうに思います。
#109
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 それから、実は環境省の二十一世紀環の国づくり会議の報告で、自然再生型公共事業として、「豊かな生態系と自然景観等を保全・回復するための事業」というふうに表記があります。本法案では、自然景観というのはこの自然再生事業の中に含まれるのか、自然景観を、先ほど山本先生おっしゃられましたが創出することも本法案の対象となり得るのか、お答えをいただけますでしょうか。
#110
○衆議院議員(山本公一君) 自然景観は、自然環境の要素である地域の気候や地質等の様々な自然条件や多種多様な生物、それらで構成される生態系等により形作られているという意味におきまして自然環境に含まれる概念と考えております。したがいまして、自然景観についても本法案に含まれるものと考えております。
#111
○福山哲郎君 これも私の経験したことで恐縮なんですが、和歌山県の雑賀崎というところで自然景観が非常に、万葉の歌に歌われたという、自然景観が重要だということで、そこと埋立事業との間での非常に大きな住民と県側とのいろんな議論があったことがありまして、今一時期その工事はストップしているんですが、そういう点も踏まえて自然景観というのも今含まれるというふうにお答えをいただいて実は大変喜んでおりまして、京都も自然景観が大変豊かなところでございますので、私の地元なんですが、そういう点でいうと対象にしていただけるということで良かったなと思います。
 それから、再生についてですが、再生をする場合に、工事や事業を前提とせずに自然の回復力に任せる、自然というのは自然治癒力がもちろんあるわけですから、すべてが工事をしてやることだけではなくて、自然の回復力に任せることも自然再生の中には含まれると思いますが、発議者の先生方はそのような概念も含んでいるというふうに思われますか、お答えいただけますでしょうか。
#112
○衆議院議員(奥田建君) 条文に沿って御質問をいただいているということで、多分基本理念の部分についての御質問かと思います。
 条文の方でも第三条三項を中心にしまして、「自然環境の特性、自然の復元力及び生態系の微妙な均衡を踏まえて、」という形の表現になっておりますけれども、当然自然の復元力といったものを重視するのもこの事業であるかと思います。事業ということ自身が公共工事、公共事業というものではなくて、自然回復に対する取組といったものがすべてこの法案での対象となり得ると思いますし、そういった点を、自然回復力を十分配慮すべきことは当然のことであると思っております。
#113
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 また、本法案の例えば対象とならない地域はあるのかということをお伺いをしたいんですが、例えば河川法における河川管理計画とか、都市緑地保全法、都市計画法、森林法とのすみ分けを実際どのように図っていくのかと。例えば、環境省と国土交通省で覚書が交わされているような場合が幾つか存在をします。そのようなときに、この本法案の対象とならないような地域というのは最初から、何というか、囲い込みをされて排除されていたり、そういうことは実際にあるのかどうか、お答えをいただけますでしょうか。
#114
○衆議院議員(奥田建君) 個別法が入ってくると確かに答えにくい部分もありますけれども、当然、御質問の最後にありました囲い込みの中で排除されたりするようなことがあるかということに関しては、除外されるといったものはないというふうに考えております。
 当然、この法案自身が緩やかであるばかりに少し漠然としてあいまいもこなところがあるというのも確かだと思いますけれども、私自身は、いろんな個別法や省庁間が絡んだときでも調整と合意を求めていく法案であるというふうに理解しております。
#115
○福山哲郎君 除外する地域はないというふうにお答えをいただきまして、大変力強く感じました。
 また、対象区域についてですが、やっぱりその対象区域を考える場合に、自然環境の特性とか再生を妨げる要因等について科学的な知見とか十分な調査が私は必要だと考えているんですが、これから先、当面の間なんですけれども、いろんな学会だとか調査機関だとか研究者等から評価をされているとか、調査研究実績のある地域に、最初の段階、この法案が実施をされるに当たっては、最初の段階ではある種の、言葉はいいのかどうか分かりませんが、お墨付きというか、関係学会から評価されているとかいうことにある種限定してスタートして、実績を重ねていった方がいいのではないかという気がするんですが、その辺はいかがでしょうか。
#116
○衆議院議員(奥田建君) 当然、この自然再生事業、これにかかわらず各地域で取り組むものであっても、そういった十分な自然環境に対する調査というものは不可欠なものだと思っております。
 もちろん、協議会の中でも専門家の、科学的な知見を有する人たちの参加を求めるということもありますし、専門家会議といった機関を設けるということもありますので、調査、事前の調査、そして途中での調査といったものは不可欠な要素になってくるというふうに認識しております。
#117
○福山哲郎君 いや、これもいろんなところで懸念がありまして、例えば国土交通省が自分のところで対象区域にしたいというところを非常に先導的に進めていくようなときに、ちゃんと裏付けの問題とかがあった方がいいのではないかということもあって、余りこの法案が各省庁のよく言われています公共事業をやり直すとか、公共事業の名前の掛け替えだみたいな状況が起こらないためにも、今、奥田先生が言われたような状況はしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 それから、これはもう午前中の会議でもさんざん出ている話ですが、六条の公益の問題です。
 他の公益との衝突の場合に、どのような基準で調整を図るのかと。「国土の保全その他の公益」を恣意的に解釈する余地がある限り、そこの恣意的な部分に関しては非常に歯止めが利きにくくなっていまして、これをどう調整を図られるおつもりなのかについてお答えをいただけますでしょうか。
#118
○衆議院議員(山本公一君) この六条の規定につきましては、例えば災害防止等の公益との調整の必要性を一般的に規定をしたものでございます。自然再生とその他の公益のどちらかが必ず優先するという趣旨ではございません。それぞれの地域において、その自然的、社会的条件等に応じて個々に判断されるべきものだと考えております。
#119
○福山哲郎君 例えば、少し具体的な話で申し上げると、例えばここで自然再生事業が行われたというふうに、この対象区域ができたとします。ところが、そのすぐ周辺で公共事業をやっていて、ここと、この自然再生事業とこの公共事業が非常に利害がぶつかったり、自然の再生ということではぶつかるような状況がこれ多々起こり得ると私は思うんですね。
 そのようなときにどのように考えるのかとか、この自然再生事業で対象となったところを、横に、周辺で動いている公共事業がこの自然再生事業を妨げるようなことがあっては私はいけないというふうに思っていまして、そういった状況はどうしたらいいのかと想定されているか、お答えいただけますでしょうか。
#120
○衆議院議員(山本公一君) 今御指摘がございました再生事業とその周辺で行われる公共事業の関係につきまして、いわゆる自然再生協議会が全体構想を作成する段階で対象となる区域はどのように取るかとか、そしてまた自然再生の目標はどう決めるかなどについて定めることになっておりまして、その段階でそういう議論があろうかと、かように思っております。
 区域の周辺で実施される公共事業につきましては、先ほど御指摘がございましたような河川法などの各個別法において自然環境の保全や環境との調和への配慮が規定をされております。当然のごとく環境影響評価の実施をされるだろうというふうに思っておりまして、再生事業への影響も含めまして環境保全への取組が私どもは適切に行われると、かように思っております。
#121
○福山哲郎君 その適切に行われることを願うばかりですが、こういう場合が恐らく多々これから先、事例として積み上がってくるんだと思うんですね。その事例として積み上がってきたときにこの法案がどれほど有効に運用できたかどうかということも含めて、また元へ戻るんですが、五年後の見直しに向けてやっぱり弾力的に、そして機動的に改正も含めていろんな状況を考えていただきたいというふうに思います。
 例えば、現実に地域の協議会のNGOとかグループからこのダムを撤去しなさいというようなことが出された場合に、この自然再生事業の場合には私企業の所有物に対しても本法案による事業として進めることが例えば可能なのかどうか、その辺についてはいかがでしょうか。
#122
○衆議院議員(山本公一君) 御指摘の私企業の場合ですけれども、所有者が例えばもうこのダム等は役目が終わったと、老朽化してもう必要性自体がなくなったと言って撤去に合意した場合において、合意した場合において、その地域においてNGOの方々を含め自然再生協議会がその地域の自然再生を取り組むということにおいては、このいわゆる法律の適用範囲になっていくんだろうというふうに思っております。
#123
○福山哲郎君 ということは、その撤去の合意というのは、もちろん私企業ですから財産権の侵害とかが憲法上あるのでそこはなかなか厳しいと思うんですが、ただ現実には、そのダムの撤去の合意ではなくて、そのダムがあること自身が今の生態系や自然を破壊をしつつあるんだというような評価や調査結果が出てきたときに、この自然再生事業とそのダムの存在みたいなことが、先ほど申し上げたように、公益としてぶつかり合うわけですね。そのような状況のときにこの法案がどう運用できるのかというのは非常に重要な要素だと思うんですが、先生、いかがでしょうか。
#124
○衆議院議員(山本公一君) 私ども、今申し上げたように、あくまでもその所有者が不必要と考えた点において撤去ということになっていくんだろうと思っておりまして、私、これ私の正に個人的な見解でございますけれども、こういった公共物については、私の持ち物であろうが、また公の持ち物であろうが、それを必要とされる方々の意見というのもやっぱりあるんだろうというふうに思っておりますので、あくまでもその役割が終わったという合意がやっぱりお互いに必要なんだろうというふうに思っております。
#125
○福山哲郎君 役割が終わったかどうかというのもある種の価値ですし、それからその公共物の存在が自然や生態系を破壊しているかどうかということもある種の価値ですから、そこはその場での議論に応じて積み上げていかなければいけないというのはよくよく分かりますが、ただ、この法案を基にそういう問題提起をしていくことは十分可能になるという認識でよろしいわけですね。
#126
○衆議院議員(山本公一君) それでよろしいかと思います。
#127
○福山哲郎君 それからもう一つ、自然再生事業をやられるときに、いろんな手法で自然再生事業がやられる可能性がある。例えば、新たな技術的なものにしてもそうですし。そういう手法について、評価が固まっていない、先ほど調査委員会とか調査とか、それからある種の学会での評価とかがありますが、ここの自然再生事業をするときにこういう手法でやりたいです、こういう技術を使ってやりたいですといったときに、その評価は、まだ一定の評価がないような、そういう手法を事業自身に使われることはあり得るのかどうか、お答えをいただけますか。
#128
○衆議院議員(山本公一君) できるだけ評価が固まったといいますか、確立された手法を用いることが基本と考えております。
 そうした中で、自然再生事業というのは、基本的には自然の回復力というのを活用して、絶えず変化する生態系を対象とした事業であることから、実施者というのは、事業着手後も自然環境に悪影響を及ぼすことのないように状況を常にモニタリングをしていくことが不可欠であろうと、かように思っております。
#129
○福山哲郎君 これも何回も先ほどから申し上げているように、この法案、運用の仕方によっては公共事業の書換えだという懸念が多くのNGOや学識者からも言われています。
 そのときに、ある再生協議会ができて自然再生という事業が行われたときに、この手法が例えば間違っていたり、この手法が例えば別の意味で自然再生には資しない、資することなく逆に流れる可能性も十分あるというふうに思っていまして、そのときに別の意味の自然再生協議会ということは立ち上げることは、細かいような話ですけれども、例えばある自然再生事業がスタートしたと、スタートして何年かたった時点で、これやっぱり戻らなきゃいけないと、これひょっとしたら失敗かもしれないというようなことが起こったときには、別の意味での自然再生協議会というのは立ち上げるのは可能なわけですよね、その地域の盛り上がりや合意ができれば。細かい話なんですが、お答えいただけますか。
#130
○衆議院議員(山本公一君) 当然、万々が一そういうケースがあった場合にはそういうこともあってもいいんだろうと思いますけれども、あくまでも自然再生事業によって自然が破壊をされるということはあってはならないことでありまして、そうならないように、一番最初というか、立ち上がりのときの自然再生協議会においてきっちりした議論を我々は期待をいたしたいと思います。
#131
○福山哲郎君 そう山本先生のおっしゃるように願いたいのはやまやまですが、我が国の場合には、えてして事業として決まったら引き返すことができない国でございまして、そのまま突っ込むことも多くて、それがやっぱり今この自然再生というか生態系の破壊につながっていることもあって、できればそういう歯止めが掛けられればというふうに思いまして、すごいしつこい話だったんですが、お伺いをいたしました。
 それから、基本理念の三条のところにあります情報公開のポイントですが、透明性の確保を基本理念にはうたわれていまして、三条の二項にあります。これはもう当たり前の話だと思っているんですが、この自然再生推進協議会や自然再生専門家委員会その他の会議というのは、発議者の皆さんの思いでは、やはりこれは公開であり、議事録であり、議事録の公開、公表等は想定をされると、想定をされていると判断してよろしいんでしょうか。
#132
○衆議院議員(山本公一君) 各種会議につきましては、基本理念に盛り込まれておりますように、透明性の確保という趣旨に沿った運営を進めてもらいたいと思っております。
 ある意味からいえば、そういうことからいえば、御指摘いただきましたような議事録の公開等も透明性確保の一つの手段であるというふうに思っております。
#133
○福山哲郎君 済みません、これは事前通告にないんですが、ちょっとお伺いしたいんですが、その透明性の確保、議事録の公開とか公表は各自然再生協議会の判断にゆだねられるということなんですか。それとも、環境省が作られる基本方針の中にそこははめ込んで基本方針ができるというふうに判断をすればいいんでしょうか。お答えいただけますか。ごめんなさい、これは事前通告ないんですが。
#134
○衆議院議員(山本公一君) 三条にも書いてありますとおり、「透明性を確保しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施されなければならない。」というふうに文言ございます。
 ただ、いわゆる情報の公開、公表というものになじまない情報というのもやっぱりあるんだろうと思います。それは、個人の情報であったり、そしてまた希少種に関する生息とか生育地の情報であるとか、公表、公開になじまない情報までもということは、やはり現地の、現場の自然再生協議会の方々の判断にゆだねざるを得ないんだろうと思っておりますので、基本的には現地の協議会の方々の判断だろうというふうに思います。
#135
○福山哲郎君 そこは、おっしゃることはよく分かりますが、なるべく公開をするような方向で基本方針は定めていただきたいなというふうに希望したいと思います。
 それから、再生の基本方針、自然再生基本方針の問題ですが、この基本方針が非常に僕は重要だと思っているんですが、発議者の先生方には御苦労いただいたのに申し訳ないんですが、やはり非常にこの再生方針の中身については抽象的というか何というか、基本的方向とか基本的事項とか書いてありまして、具体的によく分からないんですけれども。
 より明確化するために、例えば事業を行う前の調査や科学的評価、先ほどから調査、評価が必要だという話になっていますが、調査や科学的な評価に対する基本的事項とか、それから事業に対する評価の方法ですね、これが非常に重要だと思うんですが、事業をどう評価するかという方法が明確化しないと、非常に恣意的にその事業が、こっちはオーケーだけれどもこっちは駄目みたいな話になると思うんですが、事業に対する評価の方法に対しての基本的事項についても定めるべきではないかと思うんですが、これは再生基本方針を作られます環境省さんにお答えをいただきたいんですが、どうでしょうか。
#136
○政府参考人(岩尾總一郎君) お答えいたします。
 自然再生事業の着手前後の調査、科学的評価、フィードバックに関する事項につきましては、法案の第七条二項第三号の「実施計画の作成に関する基本的事項」に含まれると思われますので、法案には特に明示されていないものと理解しております。
 自然再生における科学的知見の重要性にかんがみて、これらを進めるに当たりましては、基本的な考え方について、基本方針の中でできるだけ具体的に盛り込むことが必要というふうに考えております。
#137
○福山哲郎君 ありがとうございます。是非、できるだけ具体的に盛り込んでいただきたいと思います。
 もう一つ環境省にお伺いします。
 基本方針作成の際に、「広く一般の意見を聴かなければならない。」とされていますが、その結果をどのように反映されるおつもりなのか、具体的に、広く一般への聴き方というのはどのような手法をされるおつもりなのか、お答えをいただけますでしょうか。
#138
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本法案第七条四項に規定されておりますとおり、自然再生基本方針の案を作成する際には、パブリックコメントの募集などを通じまして広く一般の意見を聴くことが必要であると認識しております。いただいた意見については、基本方針の案にできる限り反映していくことが必要と考えております。
#139
○福山哲郎君 是非、そこの意見の反映については、パブリックコメント以外の方法もまたお知恵を出していただければなというふうに思います。
 それから、もう一度発議者の先生方に戻ります。
 基本方針が環境省ででき上がります。そのでき上がった基本方針を地域の当該事業の自然再生協議会の中にどのような手続でどういうふうに反映をしていくのかがちょっと実は僕はイメージができないんですね。例えば、その自然再生協議会でできた実施計画等が基本方針と合致しているかどうかという話も含めて、一体どうやってそこはチェックして、そこをつなぐのかということをもう少し具体的にお答えをいただけますでしょうか。
#140
○衆議院議員(田端正広君) 自然再生協議会は、あるいは自然再生、この全体構想、実施計画、こういったことをここで決定していくわけでありますから、そういう意味では基本方針がベースになって考えていかなきゃならない、また議論しなきゃならない、こういう流れになると思います。
 その中で、ここは十分にそれぞれ議論をして合意をしていかなければ実施計画は立ち上がらないと思いますが、その中で、この七条三項で、「環境大臣は、あらかじめ農林水産大臣及び国土交通大臣と協議して自然再生基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」という意味で、つまり、環境大臣が主導した基本計画、基本方針でございますから、そういうものがこの全体構想、実施計画の中でまとまっていくと、こういう流れになろうかと思います。
 そして、もう一方、この十七条ですね、十七条の自然再生推進会議が環境省、農林水産省、国土交通省において設置されますが、その下において今度専門家会議というものが設けられるということで、この専門家会議の意見を聴くものとすると、こうなっているわけでありますから、そういう意味では、この主管の各省あるいは都道府県、そういったところがそういう、この専門家会議の意見を反映させてやっていくと。そういう意味で、この二つが相まって動いていくという、こういう流れになると思います。
 したがって、基本方針というのは大変大事でありますが、環境省が主導して基本方針を作り、そしてまた専門家会議の意見を聴きながらフィードバックする、こういう流れになるのかと、こういうように思います。
#141
○福山哲郎君 今、田端先生お答えいただいたのは、基本方針について各省庁とやり、また専門家会議とやりということで環境省が基本方針を作るというのはよく分かるんですが、地域の協議会、自然再生協議会ができるわけですね。この協議会は構想を作らなければいけない、実施計画も作らなきゃいけないわけです。この構想と実施計画と基本方針が合致しているかどうかとか、その地域の当該事業の実施計画なり基本方針が、この基本方針、環境省の作った方針と実施計画がちゃんと沿っているかどうかということのチェックをしなきゃいけないはずなんですが、地域の再生協議会ができたからもうそれでいいやという話ではなくて、そこで基本方針に照らしてどうかということのチェックの道筋が僕はよく分からないと思っていまして、そこを少しお答えいただけますでしょうか。
#142
○衆議院議員(田端正広君) その点については、いかにチェックするかという点については、これは九条の六項のところに「主務大臣及び都道府県知事は、前項の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、実施者に対し、当該自然再生事業実施計画に関し必要な助言をすることができる。この場合において、主務大臣は、第十七条第二項の自然再生専門家会議の意見を聴く」ものとすると、こうなっているわけでありまして、そういう意味では、ここの基本方針との整合性というものをチェックする意味において必要な助言を主務大臣及び都道府県知事が全体構想の中に反映させることができると、こういう仕組みになると思います。
#143
○福山哲郎君 法律の文言上は、「助言をすることができる。」というのは私も理解をしているつもりですが、要は、各地域の自然再生協議会ができて、そこが実施計画を作った、構想を作ったと。要は、何が懸念しているかというと、さっきからもう一回繰り返しになるんですが、それが公共事業の掛け替えではないかみたいな話になったときに、その基本方針を作った環境省が助言しかできないのだったらその事業進んじゃう可能性があるわけです、もう一回。
 つまり、そこでチェックして、それはちょっとおかしいんじゃないですかというのをもう少し強く言えないんですかと。助言をするだけでは、さっき申し上げた基本方針と実施計画のそごみたいなのが生じたときにチェックできるのかどうかということが少し不安なので、お答えをいただきたいなと思っているんですが。
#144
○衆議院議員(田端正広君) つまり、助言ができるということはそういう意見を明確に反映させるということにつながるんだと思います。したがって、法文上は助言という表現になっているわけでありますが、きちっと意見をフィードバックさせてこの協議会の中でそこのところは検討すると。そこで合意がなければ実施計画に移らないわけですから、やはりそういう意味では合意を得るためのチェック機関になるんだろうと、こういうふうに思います。
#145
○福山哲郎君 そうすると、逆に言うと、環境省が基本方針に沿っているかどうかとチェックすることというのが非常に重要な役割を果たすということの認識だと思います。
 それじゃ次に、環境省さんにお伺いします。
 この法案が成立するかどうかは今日また御協議の上だと思いますが、例えば成立したと仮定をしたときに、環境省は速やかに自然再生基本方針を定めるべきだというふうに私は考えるんですが、環境省としてはいつごろまでにこの基本方針を策定しようとお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。
#146
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本法案の附則で平成十五年の一月一日から施行された場合、法案第七条の規定に従って速やかに基本方針の策定に着手する予定でございます。その場合、農林水産大臣、国土交通大臣との協議を踏まえた案の作成の後、一か月程度のパブリックコメントの募集、その結果の反映、さらに閣議決定、告示などの所要の手続が必要になると考えます。
 したがいまして、新年度から本格的な運用ができるよう今年度中をめどに策定できるよう作業を進めたいと考えております。
#147
○福山哲郎君 ということは、平成十五年の四月ぐらいからにはというイメージでよろしいわけですね。はい、分かりました。
 それから、今度は当該地域の事業に関係する例の自然再生協議会、八条についてちょっとお伺いをしますが、この八条の参加者の問題なんですが、この八条には、事業実施者、地域住民、NPO、専門家、土地所有者、参加しようとする者、関係地方公共団体、関係行政機関というふうに、これ多分例示規定で書かれていると思うんですが、これはすべて参加しない場合もあるのか、またNPOが参加しないまま事業が進められることもあるのか、若しくは地方公共団体や関係行政機関が参加しなくて進むこともあり得るのか。以上三つの場合についてお答えをいただけますでしょうか。
#148
○衆議院議員(田端正広君) すべて参加を義務付けているわけではありません。地域において活動する、自然再生に関する活動する者が参加しようという場合は、できるだけ多くの人が参加するという意味で多様な主体の参加と、こういうことになっているわけであります。
 それから、NPOであっても、自然再生に積極的に参加し活動する者であればこの協議会の構成員として地域外のNPOであっても参加できると。したがって、例えば、一つのNGOの組織が全国組織である場合、例えば京都支部とか大阪支部とかと、こういう支部がありますが、何というんですか、中央で参加するんではなくて、それぞれの支部なりそういう組織の現地で参加すると。だから、主体がそこの地域にいなくても参加できる、そういう意味では非常に公平にだれでも参加できるという仕組みになっていると、こういうふうに思います。
#149
○福山哲郎君 だれでも多くの参加がというのは非常にいいことなので、田端先生のおっしゃるとおりですが、逆に言うと、先ほど申し上げたように、NPOが参加しないまま事業が進むことは想定されていないと思っていいんでしょうか。
#150
○衆議院議員(田端正広君) 私はそういうことは現実にはないだろうと思いますが。
 NPOあるいはNGOあるいは市民代表という方ですね、必ず、こういう自然再生事業という地域にかかわった問題ですから、何らかの形で地域代表の方が参加するだろうと、こういうふうに思います。
#151
○福山哲郎君 地方公共団体、関係行政機関の場合はどうですか。
 例えば、我が役所はかかわりたくないというような状況が市町村の中では僕は起こり得るのではないかなということも考えていまして、そういった状況の中に地方公共団体が参加しないで協議会が立ち上がるようなことは考えられるんでしょうか。
#152
○衆議院議員(田端正広君) これは、ほとんどそういうことは考えられないと思います。
 この所管の環境省あるいは国土交通省、農林水産省という中央の直轄というのは非常に限られた事業になるんではないかと。そういう意味では地方が主体になるだろうと思いますから、地方の行政機関が入らないような協議会ということは、立ち上がりは無理だろうと思います。
#153
○福山哲郎君 今、田端先生すごく重要なことをおっしゃっていただいた、御答弁いただいたんだと思うんですが、私は、自然発生的に地域の中で自然再生協議会ができていく、NPOや地方公共団体やいろんな人が関係してということに関するスキームとしては、私は大変評価をしているんです。
 ただ、問題は、今おっしゃられたように、地方公共団体が絡まないことはほとんど想定できないだろうと、ほとんど絡む場合があるだろうと思うんですが、例えば、事業が実際に継続中だとか、例えば、この問題についてはそこの当該市町村の地方議会は予算決定でもう議会で承認しているようなものを、例えばNPOや関係者やら学者が、ここもう一回自然再生しなきゃいけないんだからといって地方公共団体に持ち込んでいったとしても、その地方公共団体、いや、もう私のところ、ここかかわりたくないねん、ちょっと勘弁してくれみたいな話になって、結局、自然再生協議会自身が立ち上がらないままずるずるずるというようなことが非常に私はこの法案のスキームを見て懸念をしているところでございまして、そこにきっちり地方公共団体なり国なりに自然再生協議会作ろうやというアクセスの保障みたいなものが実はないんですね。
 だからといって、すべてのNGOやNPOが、例えば科学的知見もなくどんどんどんどんこれはいかぬのやないかと言って反対のための反対をするような状況で地方公共団体に持ち込むことも、私は不要な混乱を招くことだと思っていますから、それはどちらもあり得るんですけれども、ただ、私は、地方公共団体が参加をしないことはあり得ないという状況の中で、各自治体がどれほどこの法案のスキームを理解をして、各NGOや学識者が持ってきたものに対して受け止めれるだけの容量というか心構えというか、そういうものができるのかということに対しては少し懸念をしているのですが、発議者の先生方、いかがでしょうか。
#154
○衆議院議員(田端正広君) 理論的な観点からいけばそういうことは考えられないことはないかと思いますが、しかし現実問題として、ここの地域をこういうふうに自然再生やろうという世論が起こった場合、その地域においても、例えば民主党の先生、地方議員の先生もいらっしゃるんだろうし、我が方も地方の議員もいると思いますから、行政の方が何となく冷たい反応であっても、世論を喚起してみんなで盛り上げていくという、そういう意味では、ここのところはやっぱり地域の皆さんの合意という方向に向けていくことが大事ではないかなと、こういうふうに思います。
#155
○福山哲郎君 田端先生のおっしゃるように動けば私もそれにこしたことはないと思っているんですが、やはり例えば吉野川の可動堰の問題にしても長野県の問題にしても、どちらかというと県議会の先生方がノーだというような場合が多々ございまして、そうすると、地方議会との非常に意見のずれみたいなのが出てきたときに、各市町村というのは動きにくいんだろうなと。そうすると、自然再生協議会ができるまでに、門前払いみたいな話とか、できるまでにとんざをすることが出てきやしないかなというのは、私は非常に、少し本当に心配をしていまして、そこをもう少しスムーズに、協議会ができるまでのアクセスというか、できるまでの手続がもう少し具体的にこの法案の中であればいいなというふうに私は正直言って思っておりまして、そこは検討課題として是非お知恵をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
#156
○衆議院議員(谷津義男君) 今、吉野川の可動堰の話がちょっと参考までに出ましたですが、実は私は、直接携わった当時自民党の政調会長代理で、この可動堰を、あそこを全部池田から私はずっと歩いてまいりまして、八十キロ、それを見まして、河口から。そうして、あそこの可動堰の話が出てきたときに実は、今県議会の話がありましたが、私もあの県議会に行きまして、その状況等を話しましたときに、割合とスムーズに県議会は納得しましたですね。
 それは、あれは白紙に戻せというふうに私どもは言ったわけなんですけれども、そのときに、知事それから市長、それから周りの、これはNGOの皆さん、NPOの皆さん、そういう人たちとも何回も協議をしました。そういう中で、話合いをしていると、自然とそういう人たちが、今まで全然合わなかった人たちが合うようになりまして、それで、同じように会議を同じ場所でするようになりまして、ああいうふうな白紙に戻す、そういうものになっていったわけですけれども、私は、その今のお話のような場合は想定はされますけれども、それはまた一方では、逆にいろいろとそういうふうなほかからの話によってもできるというふうに確信をしております。
#157
○福山哲郎君 私も谷津先生と同じ思いですから、そのような形が確信できればそれにこしたことはないんですが、やはり五年の間、実態をしっかりとウオッチをしながら事の推移を見守っていっていただきたいというふうに思いますし、私どももそのように努力をしていきたいと思っています。
 それから、地域で活動しているNPOというのは、NGOや市民グループというのは大変小規模のところが多くて、そういった小規模のところの協議会参加に当たっては、例えばネットワーク作りが必要だとか、NPOでもいろんな意見のところが地域であって、それぞれが、一つの考え方のNPOだけがその協議会に入っていくと多少そこは方向が、バランスが取れなくなるようなこともあって、いろんなNPOが例えば参加するためのネットワークを持って協議会を立ち上げるようなことも私は必要だと思っているんですが、そのような観点についてはどのようにお考えでしょうか。
#158
○政府参考人(岩尾總一郎君) 地域のNPOなどの民間団体は資金面、人材面で制約が多く、自然再生に必要な科学的知見や情報を独自に収集することが困難な場合もあると認識しております。こういう状況も踏まえて、法案の第十一条においては、主務大臣は実施者の相談に的確に応じることができるような必要な体制の整備を図れというふうに規定されているところと理解しております。
 したがいまして、環境省では、相談窓口として想定している自然保護事務所においてNPOなどの相談に適切に答えられるような地域の自然環境や自然再生活動に関する情報の整理、専門家ネットワークの形成など等を実施することによりまして、自然再生に参加するNPO等の支援を充実してまいりたいと考えております。
#159
○福山哲郎君 是非、そこは環境省さん、御尽力をいただきたいと思います。
 それから、協議会に関しては、環境省が関与しない場合というのはあり得るんでしょうか。環境省さん、いかがですか。
#160
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省としては、実質的に自然再生事業を行う立場はもちろん、行政機関の一つとしてこの自然再生協議会には積極的に参加していく考えでございます。
#161
○福山哲郎君 ということは、関与しない場合は余り想定し得ないということでいいんですね。
#162
○政府参考人(岩尾總一郎君) 関与したいと思っております。
#163
○福山哲郎君 先ほどの例の助言の話がありましたが、助言については、三省庁、いわゆる環境省、農水省、国交省全体で協議して助言をするのか、環境省が単独で助言をする場合もあり得るのか、そこは、基本方針を作るのは環境省なわけですから、そこはどうなるんでしょうか。
#164
○政府参考人(岩尾總一郎君) 環境省は関係三つの省間の密接な連絡調整を行う立場でございまして、自然環境の保全に責任を有する立場からしっかりと関与してまいる所存でございます。
#165
○福山哲郎君 要は、三省庁協議をしてということなんでしょうね。
 それからもう一つ、これも細かい話で恐縮なんですが、八条の「自然再生の目標」ですが、その目標というのは一体どういうものなのか。例えば、回復されるべき生態系について具体的な目標が含まれるのかですね。一体何をもってすればその自然再生事業が終了したというふうに考えるのか。
 これは発議者の先生方にお伺いをしたいんですが、この自然再生の目標ということについてどのようなイメージなり想定をされているのか、お答えをいただけますでしょうか。
#166
○衆議院議員(奥田建君) 今、目標といいますか、例えば昔の環境に戻すといっても、それが十年前の環境なのか百年前の環境なのかというようなところも確かに明文化されておるわけではございません。
 やはりそこは、一つの協議会での目標設定というものがどのように行われるかという点で、協議会での大きな仕事といいますか、作るべき道筋だというふうに思っております。
#167
○福山哲郎君 この自然再生の目標というのは、今、奥田先生言われたように非常に重要で、どこが終着駅なのかというかゴールなのかによって全然事業の中身も変わってきますので、そこについては少しこの基本方針の中にやっぱり観点として入れていただきたいなというふうに思います。
 それから、自然再生協議会の中に、先ほどから出ている客観性とか科学的知見とか調査とか専門性とかいうのがあるので、自然再生協議会の内部に科学評価委員会等を設置をして全体構想や実施計画の作成、見直しに生かすべきと考えているんですが、これは今日、附帯決議等でも御議論されると思いますが、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
#168
○衆議院議員(田端正広君) 自然再生協議会での決定というのが一番大事になるわけでありますから、そういう意味で科学的な客観的な評価というものをきちっとすることが大事だと思います。
 それはもうおっしゃるとおりなんですが、これはどういう形でその協議会の中に作るかということは、例えば小委員会とか分科会とかいろんな形があろうかと思います。例えば、釧路の場合なんかは五つか六つの小委員会ができていると思いますね。河川の関係とかあるいは湿原をどうするかとかあるいは生態系の問題の小委員会とか六つぐらいたしか小委員会があって、それぞれ協議されてそして全体の協議会の中で合意をしていくと、こういう形を取っているようでありますから、おっしゃるように科学的な客観的評価というものを重きに置いて、そしてそういう分科会方式であれ何であれきちっと議論をしていただいて全体の合意をしていくと、これが一番大事であろうと思います。
#169
○福山哲郎君 本当に細かい質問をさせていただいて恐縮でございましたが、この法案をより良くしたいという思いだということで御理解をいただきたいと思います。
 最後に、自然再生専門家会議というのはどういった分野のどのような専門家を想定しているのかお答えをいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#170
○委員長(小宮山洋子君) どちらが答えられますか。では、田端さん、どうぞ。
#171
○衆議院議員(田端正広君) これはもう先ほども少し申し上げましたが、十七条の一項、二項のところで専門家会議のことを法律できちっと明記しておりまして、そういう意味では、三省が密接に意見調整を図って、そして実施者に対する助言を行っていくという意味でその科学的な分野における役割をきちっと果たすべきだと、こう思います。
 特に私が言いたいのは、十八条のところで、主務大臣の序列を環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣という、これは普通の法律ではないそうでありまして、環境大臣を冒頭に持ってきたという意味では環境省に最も大きな役割があるという、重みがあるということを、そういう意味合いで述べているわけでありますから、この三省の調整の中で環境省の果たす役割は大変大きいだろうと、こういうふうに思っております。
#172
○委員長(小宮山洋子君) 岩尾局長、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#173
○政府参考人(岩尾總一郎君) 専門家会議の設置の件でございますが、様々なタイプの自然環境を対象として自然再生がなされるわけですので、多岐にわたる分野の専門家で構成される必要があると考えております。
 科学的な知見から生態系の調査研究、保全手法の解明を行う学問領域などの専門の先生方も含まれるものというふうに理解しております。
#174
○福山哲郎君 終わります。
#175
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 今年の九月の初めにWSSDの会議が終了いたしまして、持続可能な開発がキーワードであったわけで、その持続可能な開発への努力、これは仮文でございますけれども、実施計画の中では、第二項めで持続可能な開発の三つの構成要素、経済成長、社会開発、環境保全、こういった三つの要素を相互に依存し、補強し合う支柱として統合することをも促進する、そして貧困撲滅、持続可能でない生産形態、持続可能でない消費形態、それの変更、さらに経済社会開発の基礎となる天然資源の保護と管理は持続可能な開発の総体的目標であり、不可欠な条件であると、このようにございますが、これを踏まえますと、今回の自然再生推進法というのは極めて重要な位置にあるととらえなければいけないと、そういうふうに私も考えております。
 そこで発議者に質問でございますが、これらを踏まえまして、自然再生推進法の法制化、これをめぐる状況というものが私はあると思います。その辺についての基本的な認識を伺いたいわけでございます。
 極めて、NPOの活動それ自体がこの法案の在り方、法律の在り方ですか、それに大きく影響を与えるように私は思っておりますので、NPOの活動に対してどういう基本的な認識を持っているか、その辺についてお尋ねしたいと思います。
 第一点は、やはり環境教育の視点、そういった貢献の視点からNPOの活動をどのように認識しているか。二点目は、地域との一体的な活動がNPOを中心としてやっているケースもございます。そういった意味では連帯感の調整とかコミュニティーのいわゆる安定性にもつながる可能性があり得ると。三点目としては、環境教育などの活動を推進するに当たりましてやはり資金不足が大きな課題となっているわけでございます。そういった意味では、地方、国の政府と一層の資金的な支援、こういったものも当然必要でありましょうし、あるいはNPOの優遇税制、こういった面についても拡充をしていかなければいけないと。
 そういう周りの状況というのがあるように思いますし、私自身はそういったことをきちっとやっていく必要が当然あり得るなというふうに考えておりますけれども、この辺についての基本的な見解をお示ししていただきたいと思います。
#176
○衆議院議員(田端正広君) 加藤委員には大変環境問題に対して熱心にふだんから御議論いただいておりまして、かねがね敬意を表しているところでありますが、今お話しの、NPOの位置付けをどうするかというお話だと思いますが、これは大変私は大事な視点だと思いまして、この法律で、NPOの問題を法案できちっと明記した法律はこれは初めてじゃないかと思いますが、そういう意味では非常に画期的な法律だという認識を持っております。
 そして、このNPO団体が自然再生という一つの役割の中で積極的に実施者となることはもちろんですが、地域との関係、そしてまた行政機関との、何といいますか、調整、そういった役割も果たして、そしてまた環境教育という面においてもこれは大きくこれから大事な視点として頑張っていただかなきゃならない、そういう担い手になっていただくことを期待したいと、こういうふうに思います。
 この教育の問題は、加藤先生も大変御熱心なテーマでありますが、先ほどおっしゃられたように、ヨハネスブルクでも持続可能な開発のための教育の十年というものが、これが実施要項の中にも採択され、そして今、国連の決議の中でも大きなテーマになっているわけでありまして、これはそういった意味で環境教育ということとNPO、非常にこれから大きな役割、そして自然再生推進法がそこにまた加わっていくんだろうと、こういうふうに認識しております。
 そしてまた、問題はこのNPOの活動に対してでありますが、この法案の中、十一条において、実施者の相談に的確に応じる体制の整備ということを明記しておりますので、NPOの方に対しての相談体制をきちっと設けていくことが、政府においてもこれはやっていただかなきゃならないと思っておりますが、そういうことでNPOの今後の活動に大いに期待し、またNPOが大きく育っていただくことが大事ではないかと、こういうふうに認識しております。
#177
○加藤修一君 私も全く同感でございます。ただ、法律を作ってしまえば後は役所に任せるということではなくして、これは、発議者も含めて我々国会議員がこの法律がどういう形で具体的に効果的に実施されていくかということについてはやはり見守っていかなければいけないなと、そういう思いを深くしました。
 そこで、今、NPOの問題が、課題が出てまいりましたので、その辺についてもう少し踏み込んでお聞きしたいと思います。
 これは国土交通省にお願いしたいんですけれども、アサザの保護の関係で円卓会議が作られるという話をお聞きいたしました。国土交通大臣、扇さんが円卓会議について設けると。これ、霞ケ浦の水位操作の関係でございますが、その中で、霞ケ浦周辺の百二十一校、約四万人の生徒がアサザの里親に参加するなど、地元の自然再生への熱意に敬意を表すると、そういうふうに述べた後で、地域の自然再生事業に理解を示したと。また、鈴木環境大臣は、環境省としてもこの自然再生のモデル的運動が生かされるように努力したいと、こういうふうに述べておりまして、円卓会議を積極的に開催していくと、そういうふうに述べているわけでありますけれども、この辺はその後どういうふうな経緯になっているか、教えていただきたいと思いますが。
#178
○政府参考人(鈴木藤一郎君) 御説明申し上げます。
 霞ケ浦、私どもの出先機関でございますが、霞ケ浦工事事務所は、霞ケ浦の管理について広く意見を交換する場として、かねてから呼び掛けを行っておりました霞ケ浦意見交換会を設置することといたしました。この意見交換会は、アサザ基金からの申入れの趣旨も踏まえまして、先月、十月十六日でございますが、先ほど委員からもお話ございましたように、参議院の決算委員会で扇国土交通大臣からも答弁しましたように、広く関係者が懇談し、議論をいただくこととともに、広い視点からの提案もいただく場ということでございます。この意見交換会で出されます意見、提案につきましては、関係行政機関とも連携しながら、今後の霞ケ浦の管理に対して有意義に活用をしていくこととしております。
 流域住民、NPO、霞ケ浦の利用者及び関係行政機関などに幅広く参加を呼び掛けました。その結果、多くの方から賛同を得たことから、十二月の十五日に第一回目の意見交換会を開催する予定となっております。
 なお、今この中で、アサザの話が今ございましたが、NPO法人アサザ基金につきましては残念ながら今のところ不参加の意向と聞いておりますが、この趣旨をよく御理解いただいて、関係者の一員として是非参加していただけるよう、引き続き現在呼び掛けをしているというところでございます。
#179
○加藤修一君 今、アサザ基金の話が出ましたけれども、これ、不参加というのはどういう背景があるんでしょうか。お聞きしているでしょうか。
#180
○政府参考人(鈴木藤一郎君) その不参加ということに関連しまして、文書も出てきております。そのものの中から読み取りますと、意見交換会では縦割り行政の枠内にとどまるということなどを理由に不参加というふうにおっしゃっているように承知しております。
#181
○加藤修一君 いろいろ背景があったり理由があったりするということでしょうけれども、アサザ基金がやっている極めて大きな運動というのは、こういった霞ケ浦の浄化の問題を含めて影響力が大きいと私は思いますので、なるべく円卓会議に入ってこれるような形で話合いを更に進めていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。
 それと、今回の法案に関しましては、午前中からもいろいろな話がございまして、懸念しているところもございました。従来型の公共事業に行くのではなかろうかということとか公益性の問題とか、そういった面について、懸念はありますけれども、必ずしもそういうことではないというふうに理解しているところでございます。
 ただ、午前中もあったように思いますけれども、法案の中でフィードバックあるいはボトムアップをやっているのでそういうことは起こり得ないという答弁が午前中あったように思いますけれども、ということはどういうことかといいますと、自然再生事業にふさわしくない事業に対して改善命令や事業の認定取消し、こういったものも考えることが必要ではなかろうかと。この辺についての担保の在り方についてはどういうふうになっているか、政府の方から答弁を伺いたいと思います。
#182
○政府参考人(岩尾總一郎君) 本法案では、地域のNPOや専門家などが参加する自然再生協議会において自然再生事業実施計画の案について協議が行われることとされておりまして、基本方針を踏まえた十分な協議を通じて適切な実施計画が策定されるものと認識しております。
 また、事業の実施に当たりましてはモニタリングを行うことが必要でありまして、協議会に参加する専門家が中心となってその結果の科学的評価を行うことにより、中止や見直しを含め、事業への適切なフィードバックが可能だと考えております。さらに、本法案は、地域の自主的な取組を尊重するボトムアップの仕組みを取っていることから、国の関与も主務大臣による助言という緩やかな形となっておりますが、事業に問題がある場合には、専門家会議の意見を踏まえ、適切な助言を行ってまいりたいと考えております。
#183
○加藤修一君 そういうところについてはしっかりとやっていただきたいと思います。
 それから、前回の委員会では参考人を呼んでいただきまして質疑をしたわけでございますけれども、先ほど紹介いたしましたWSSDの関係の実施文書の四十二項目には生物多様性の関係が出ておりまして、「我々の地球、人類の安寧、そして人々の生活と文化的独自性にとって不可欠である。」と、生物多様性ということがですね。「しかしながら生物多様性は現在、人間の活動が原因で類をみない速さで失われつつある」と。そして、こういったことについては、「あらゆるレベルにおける以下の行動が必要である。」と。
 その以下の行動の中の一つとして、(g)の中には、(g)というところでは、「生物多様性を効果的に保存し持続可能な形で利用するために、ホット・スポット地域及び生物多様性にとって不可欠なその他地域のためのイニシアティヴを推進し、支援し、国家的、地域的なエコロジカル・ネットワークと回廊の開発を推進すること。」というふうになっているわけでありますけれども、これ、環境省、このエコロジカルネットワークの促進、これについてどういう認識をお持ちでありますか。また、今後どういうふうに促進しようと考えていらっしゃるか、その辺について。
#184
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘の文書、本年九月のWSSDで決議された実施計画の中にありますエコロジカルネットワークの構築については、我が国における生物多様性の保全を図る上での重要な課題という認識をしております。
 政府においても、本年三月に策定された新生物多様性国家戦略において、今後展開すべき重要なテーマとして生態的ネットワークの形成を掲げております。国土の空間的特性に応じた生態系の改善、回復を進める中で、地域固有の生物相を支え得る質の高い生態的ネットワークを進める旨、記述してございます。今後はこの国家戦略を踏まえて、森林における緑の回廊の設定、農地、河川、緑地等における生息空間の確保など、関係各省の取組を通じて水と緑によって有機的に連続された状態を創出してまいりたいと考えております。
#185
○加藤修一君 それは非常に分かるんですけれども、それで国土交通省にお聞きしたいんですけれども、この具体的な国土計画的なアプローチ、そういったレベルでの中身というのはどういう具合に整理されていますか。
#186
○政府参考人(鈴木藤一郎君) ちょっと若干具体的な例から御説明させていただきますが、埼玉県の生態系保護協会、それと私どもの荒川上流工事事務所、こういったところが中心になりまして、核となる複数の自然地を、河川や森林などの自然地で足りないところは補いながらネットワーク化することによって生態系が健全に機能するように自然を回復させると、こういったもくろみが進んでおります。これはかなり先進的な事例でございます。
 そういったことでございますので、私どもといたしましては、この本法案の、自然再生推進法案の目的、これ一々ここでは繰り返しませんが、そういった目的を十分に認識して関係する部局、例えば私どもで言えば河川局もございますし、都市局もございますし、港湾局もございます、様々な部局が連携して、例えば荒川など河川における湿地の再生や東京湾などの海域における藻場、干潟の再生、または都市域における残された緑地の保全や公園の緑地の整備、こういったものを通じてこのネットワークの推進を図ってまいりたいと考えております。
 なお、このネットワークについては、例えば都市の中で実施されるということになりますと、都市のヒートアイランド化の緩和ということにも資するというふうにも指摘されているところでございまして、まだまだこれから、緒に就いたばかりでございますが、本法案の目的にも沿って積極的に進めてまいりたいと考えております。
#187
○加藤修一君 是非積極的にお願いいたします。
#188
○岩佐恵美君 法案は第三条で、健全で恵み豊かな自然が将来の世代にわたって維持されるとともに、生物の多様性を通じて自然と共生する社会の実現を図り、併せて地球環境の保全に寄与するという理念をうたっています。この理念を目指すならば、今残されている自然環境を最大限保全する、このことがまず大切だと思います。ところが、この法律案にはそういう観点は示されておりません。
 提案者の谷津議員は、農水大臣として諫早、有明海の問題につきまして第三者委員会を設置するという英断をされました。そしてその意見を、第三者委員会の意見を尊重すると約束をされました。ところが、その後、農水省は第三者委員会が求めた潮受け堤防の短中長期の開門調査について、短期調査をしただけで中長期の調査を行わないまま内部堤防の工事を強行して、そして結局中長期の全面調査と有明海再生の道を閉ざす、そういう方向に今は向かっています。
 これは最近の新聞報道記事ですけれども、諫早湾の干拓事業、赤潮被害を誘発ということで、自然保護協会や学者の方々がそのメカニズムを解明をされたということですけれども、そういうことにはお構いなしに今農水省は工事の既成事実をどんどん作っているわけですね。自然再生推進法案の提案者として、農水省が広大な干潟を破壊するこのような事業を第三者委員会が求めた調査も行わないで強行している、その点についてどうお考えでしょうか。
#189
○衆議院議員(谷津義男君) 今先生御指摘のありましたように、私が大臣のときに第三者委員会、これはノリの問題に関しての件ですけれども、設置をさせていただきました。
 実はその前に、これは諫早湾の干拓事業は影響はないんだという学者の先生もいます。また、これは一番影響を受けているんだという先生もいます。そういう方たちはいずれも、個々ではあそこで調査をしていたという事実があるわけでありますから、私はむしろその第三者委員会を立ち上げることによってそこできちっと議論をしていただきたい。そして、そこで決められたものは、これは農水省として実施をしていかなければならぬということなんで、ただ、これは多数決で決めるものではないというふうに私は思っておりましたものですから、一人でも開門をして調査したいという方がいれば私は開門をして調査すべきであるというふうな認識の下でこのことに当たっておったわけであります。
 そこで、調査委員会が出された案は、今、先生がおっしゃっておられるように短期、中期、長期というふうに三段階で調査すべきであるというふうな、そういう結論が出ました。私は、当然これに基づいて農水省はすぐに実施をすべきであるというふうに思っておるわけであります。これは実はいろんな問題がありまして、長崎県は一切開門することには反対であるというようなことで、それはそれなりの理由があって言っているわけなんですが、そういう意見もありました。
 しかし、私は、この開門については、農水省の技術屋の方から言わせると、これは外へ出す水門であって海から中へ入れる水門ではないと、もしそれを開門するとそれが破壊されるというふうな、こういう意見もありましたものですから、それならばシミュレーションを作れということで、この開門のシミュレーションを作らせました。その結果、これは開けられるという自信を私は持ったわけでありますし、また技術の担当の人たちもこれは開けられるというふうな認識を持ったものと理解をしているわけであります。
 そこで、第三者委員会で出されたいわゆる短期、これは実施したわけでありますが、実際にこれは中長期の調査をしてみないと私は分からない。なぜかといいますと、この諫早だけがすべてであろうかと。あるいはほかにも相当大きな原因があるんではなかろうか。
 これは皆さんも御案内かと思いますけれども、海の恋人は森である、森は海の恋人という言葉がありますように、そういったことで漁業者の皆さん方が実際、山に行って植林をしているという、東北の方のそういう事例もあるわけでありますが、そういうふうなこともありはしないか。あるいはまた、そこの熊本の新港の問題もありはしないか、あるいは池田炭坑の海底の中の陥没もあるぞと、あるいはまたノリ業者の人たちが散剤をまきますから、これを捨てるんですね、あそこに、そういう影響もありはしないか。
 そういうことから、すべてを総合的に調査をしてその原因を突き止めなければこの対策は打てないよというふうな考え方があったものですから、これは中長期も調査すべきであるというふうに私は考えたわけであります。
 そういう中で、この工事を進めるということがありましたものですから、私は武部大臣に引き継ぐときに、この工事は中止しろというふうに私は引き継ぎをやったわけであります。そして東工区の工事はもう中止ということを決めたわけでありますが、その後、西工区、既にもう埋立てが済んでいるところに堤防を造りたいというふうな話がありまして、これは少し待ったらどうかと、調査が終わってからでも十分に間に合うんじゃないかというようなことを私は何回も申入れをしておったわけでありますけれども、どうしても長崎県の方でこれを実施をしろということで今いろいろ工事に着手をしたということでありますが、その前にやっぱりせめて中期の調査だけはやらないと原因が分からないぞというようなことで、場合によっては諫早湾ではないという結論が出るかもしれない、それならば堂々と工事をしたらいいではないかというようなことを私は申し上げているわけでありまして、その辺のところは早期にこれは調査をする必要がある。そして、その結論によって工事を進めるなり、やめるなり、そういう結論を出すべきだというふうに私は思っております。
#190
○岩佐恵美君 午前中の質疑では、自然再生を行うためには、その大前提として自然環境の現状あるいは価値について十分科学的調査を行って総合的な計画を作成することが不可欠だということを申し上げているわけですけれども、今言われたように、事業官庁はそういうことも無視をして今諫早ではどんどん工事をやっている、提案者のお考えにも合わないというやり方をしている、そういう下でこの法律が施行されていくことについて大変危惧を覚えるわけです。
 法案では、唯一、主務大臣が事業実施計画に助言するときや自然再生推進会議が連絡調整を行う場合に自然再生専門家会議の意見を聴くということになっています。これは先ほど議論があったところです。自然再生専門家会議の構成はどうなるのでしょうか。私はそのメンバーの選定に際して自然保護団体の意見を聴いてその推薦する専門家を加えるべきだというふうに思いますけれども、イエスかノーかで一言でお答えいただけますでしょうか。
#191
○衆議院議員(奥田建君) 一言でということですので、当然大切にすべき課題としてイエスというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#192
○岩佐恵美君 それはもう是非やっていただきたいと思います。
 法案の最大の目玉は、地域の多様な主体が案の段階から協議すること。しかし、その協議会は事業実施者が組織するものであって、住民は実施者がやろうとする自然再生について協議をするだけとなっています。市民が求める自然再生についてこの法律は可能なのでしょうか、端的にお答えをいただきたいと思います。
#193
○衆議院議員(奥田建君) この法案の最初の時点から、私たちも含めて期待とそして懸念とが交錯しておることは十分承知しておりますけれども、各地での住民参加、そしてボトムアップの姿を持った法案として自然再生に寄与するものと信じております。
#194
○岩佐恵美君 具体的にお伺いしたいんですが、東京湾の三番瀬の浦安区域の事例です。ここはもう既に埋立てが完了して三番瀬に面する部分というのは石やコンクリートの階段護岸となっています。現地では、それをはがして自然海岸に戻したいという市民の願いがあります。埋立地の先端に近い部分は都市整備公団が所有していますけれども、まだほとんど売れ残っていて未利用地となっています。そこを公園にすれば、その前面を自然海岸に戻すのが可能ではないかという提案が市民側から出されております。当然、その市民が公園化やコンクリートの除去という事業の実施者になれるわけはありません。ですから、この法案ができれば、市民団体が提起をすれば事業の具体化のための協議会が設置されることになるのでしょうか。
#195
○衆議院議員(奥田建君) 三番瀬の現状について詳しいわけではありませんけれども、大まかなアウトラインとして、既に千葉県あるいは関係市、専門家、NGO、市民といった形で円卓会議が開催されているというふうに聞いております。
 その階段護岸がどういう必要性の下に造られたのか。海岸侵食であるのか、あるいは波浪の穏やかにするためのものなのか、そういった機能も検討した上で、そういった全員参加の会議の協議会の中で決めていく、三番瀬全体の構想の中の一つの部分として決めていく話であるかと思っております。
#196
○岩佐恵美君 それで、先ほどの議論との関連もあるんですが、市民が提案しても関係行政機関が拒否をするということになると協議さえできないという実態になりますし、到底市民参加にはならないんじゃないか。結局、国土交通省が必要を認めて、これなら大丈夫というところしか対象にならないのではないかということを非常に危惧をいたします。
 市民参加の協議について、先ほどから出されているアサザの例で大変問題があります。自然再生のモデルとされている霞ケ浦のアサザプロジェクトは、NPO法人アサザ基金が核となって国土交通省や市町村、森林組合などをつないでネットワークを作って、自然再生型の湖岸植生再生事業や流入河川の水質浄化事業などを大規模に展開しています。周辺の森林の間伐材や雑木林のそだで消波堤を造って湖岸の侵食を防止をして、併せて林業も活性化をさせています。霞ケ浦の二千二百平方キロ、四十三市町村の百七十余りの小学校と協力して学校のビオトープでアサザを育て、豊かに繁殖したアサザを子供たちとともに湖岸に植えるということをやっています。同時に、多数のビオトープで広範囲な生物相の変化、これをモニタリングするという非常に総合的ですばらしい取組を行っておられます。
 ところが、国土交通省の霞ケ浦工事事務所は、湖岸の植生に重大な悪影響を及ぼす冬季の水位上昇、これを来年度の冬から再開すると一方的に発表しました。アサザ基金が水位管理などを協議する場の設置を申し入れ、扇大臣が設置に同意すると答弁したわけですけれども、現地の霞ケ浦工事事務所はいまだに拒否をしている。水位管理は湖の生態系にとって最重要な問題であるにもかかわらず、絶対に市民と協議をしようとしない。NPOの申入れに対してただ意見を聞きおくだけというかたくなな態度を取っている。これは午前中も議論されたところです。
 私は、こういう姿勢が改められなければ、地域の多様な主体が参加するという法案の仕組みもお題目に終わってしまうのではないかと思います。このようなことはあってはならないというふうに思いますけれども、端的にお答えをいただきたいと思います。
#197
○衆議院議員(谷津義男君) 午前中、私も議論を聞いておりまして、アサザ基金が本当に懸命にこういった努力をなされておるということに敬意を表するわけでございますけれども、アサザ基金が出された案というのも初めて先ほどの委員会の中で聞かせていただきました。こういう建設的な意見というのも非常に大事だなというふうに私は思うわけでありますが、一方、建設省の霞ケ浦工事事務所ですか、ここでそれをどうこうとする場合においては、実は私ははっと思ったのは、農業用水なんかの水利権の問題も一方にあるぞということを考えると、単に工事事務所だけの判断でこれをいいとか悪いとか判断することは私はちょっと難しいんではなかろうかなというふうに思うんです。
 そういうことを考えますと、先ほど局長の方から答弁がございましたけれども、十二月の十五日にこの意見交換会を開くということでありますから、積極的にそこに出ていただいて、そこでアサザ基金さんが考えたものをちょっと提案してみたらどうなんでしょうか。
 そして、私は、今、先生から御指摘がありましたように、役所の方も単に意見を聞く、ガス抜きみたいなことがあってはならぬと私は思うんです。そういう中、役所は専門家の集合体ですから、そういったものは十分に踏まえながら考えておると思いますけれども、しかし一方では気が付かないもの、これだけ幅広く活動しておりますと、そういうふうな面から見た、いわゆるこの、あるいは素人かもしれませんよね、アサザ基金の人は。しかし、そういうふうなことから見たものというのは非常に大事であるというふうに私は思うんです。
 実は私の方の、私の地域では水のことは古老に聞けという話すらあるぐらいですから、そういった面、しっかりとその辺の意見を聞きながらこれに対応するということも大事だろうというふうに思います。
#198
○岩佐恵美君 今のお話はアサザ基金については二つあります。
 一つは水位管理の問題なんです。これは国土交通省だけが関与している問題、だけがというふうに言い切れるか、県もありますので。ただ、国土交通省が窓口になると思います。もう一つは、先ほどの水の流れをどうしようかということで、水門を上に付けるとか、何ですか、汽水域をどういうふうにするかとか、取水をどうするかとかいうことと二つあるんですけれども。
 いずれにしても、今言われている会議を持って、そこに意見交換会の場を設置して、そこに出ていけばいいんじゃないのというお話があるんですけれども、これは新聞報道によりますと、交換会で集約された各種の意見は事務局が取りまとめ、学識経験者で組織する霞ケ浦部会、ダムフォローアップ委員会に提案する。同委員会で専門的な部分を詳細に検討し、霞ケ浦管理に有効と判断されたものは国交省に提案するというふうになっているわけですね。
 ですから、聞きおくということよりは少しは違うんだ、フォローアップ委員会で聴くんだからいいんだということなのかもしれませんけれども、なかなかこういう会議の場というのは、必ずしもこういう皆さんの意見が取り入れられるような、そういうものとはならないケースが往々にしてあるということなんですね。そのことをしっかり踏まえていただきたいと思います。
 水位管理については、これは国交省がちゃんと話合いをすればいいわけですから、そこのところは是非、せっかく今御答弁いただいたので、よくその水位管理の問題について調べていただいて、それで調整をお願いをしたいというふうに思います。
 それから、こういう協議会の場ですけれども、私は、協議会について、その専門家の問題はさっき申し上げましたけれども、協議会のメンバーが、NPOについて参考人質疑でも問題になったんですけれども、例えば自然再生法ができるということと併せて、建設業界と関係したNPOを設立をする、あるいは事業官庁がいろいろと息の掛かったNPOを作るというようなことで、こういうNPOがどんどん増えてそういう協議会に入ってくるということになると、本当に公正を期することができるんだろうか、そういう心配が今されていますし、現に、協議会というか、こういうNPOグループが中でぎしぎしするというような場面もあるわけですね。
 そういう点について、そういうことがないように公平を期すというようなことでやっていくべきだと思うんですが、この二点について、ちょっと時間もありませんので、端的に。
#199
○衆議院議員(谷津義男君) 私、非常に今大事な話をされたと思うんですよ。今、NPOといっても、それじゃ、恣意的にどこかと連携を取ってそういう意見を述べるというものが出てきたとするならば、これは自然の中にそういうものは私はばれちゃうと思うね。とても協議会の中ではその意見がずっと通っていくとはとても思わない。正に協議会というのは、専門家の方々も入るし、いろいろな地域の人たちも入るし、ほかのNPOだって、あるいはまた地域住民だって入ってきて構成するわけでありますから、そういった場合にはむしろ私は公平な議論ができ、そしてまた非常にいいものが出てくるだろうというふうに思うんですね。
 ですから、その辺のところは、私はこれからのこの法の精神、この法の精神に基づいてやるならば、そういうことはむしろ危惧だろうというふうに思いますね。
#200
○岩佐恵美君 二つ。──いや、そうじゃなくて、先ほどの水位管理の問題について、ちょっと谷津議員は、総合的な計画の問題とちょっと二つあるんだということを申し上げたんですが、その前半の方で御努力をいただきたいというふうにお願いしているんです。
#201
○衆議院議員(谷津義男君) この話はよく分かります。
 ただ、水の問題というのは、先ほど申し上げましたとおり、国土交通省の方の管理もあれば、農水省のものもある、あるいは、ここではないと思いますが、飲料水とか何かそういう総合的なものの中であるわけでありますから、そういうのを総合的に見た中で判断をしていかなきゃならないということがありますから、今お話がありましたような件については、私もちょっと考えるところがありますから、そういう意見はそれと申し上げておきたいと思います。
#202
○岩佐恵美君 公共事業官庁の事業ばかりが進むんじゃなくて、住民やNGOが求める自然再生が行われるようにするためには、その財政的な裏付けを保証することが大切です。
 法案は、「国及び地方公共団体は、自然再生を推進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。」と書いてあります。
 先ほど述べた三番瀬の浦安の場合には、階段護岸を撤去して自然海岸に戻すためには、その後背地の開発をやめて公園化する必要があるわけですが、浦安市だけではとても土地を買い取れないということです。
 それから、アサザプロジェクトの場合、休耕田を借り上げて、冬も流入河川から水を環流させて水質浄化を図るとともに、大幅に減ってしまったオニバスを育成して、その群落の復活を図っています。対象になる休耕田はたくさんあるんですが、借り上げ費用はすべてNPOの負担なので余り拡大はできないといいます。NPOの提案で地主に景観植物の栽培として転作奨励金が交付されているんですが、それも米政策の転換で打ち切られるおそれがあると心配されています。学校のビオトープ、私も見ましたけれども、大変手間暇掛かるものです。学校の要請に応じて、NPOは事業にも参加をしています。定期的な観察、管理をしているんですが、これはすべてNPOの自腹だということです。
 こういう経費について、私は必要な財政措置がされるべきだと思いますけれども、提案者、そして環境省、それぞれどうお考えか、お答えをいただきたいと思います。
#203
○衆議院議員(山本公一君) 私どもの立場からは、今、先生と御同様な考え方を持っておりまして、今現在も助成措置は取られておりますけれども十分ではないと思っておりますので、今後、NPOに対する財政的な支援ができるように政府においても頑張ってもらいたいと、かように思っております。
#204
○副大臣(弘友和夫君) 地域のNPO、NGO等の民間団体というのは大変頑張っておられるというふうに考えておりますけれども、その中で資金面、人材面で制約が多いと。それからまた、自然再生に必要な科学的知見、そして情報を独自に収集することは困難であるというふうな認識を持っております。
 このため、環境省といたしましては、地球環境基金というのを活用したNPOの活動の助成、また地域の自然環境や自然再生活動に関する情報の整理、専門家ネットワークの形成等を実施することによって、自然再生に参加するNPO等の支援を充実してまいりたい、十分じゃないかもしれませんけれどもこれを充実してまいりたいというふうに考えております。
#205
○岩佐恵美君 これだけ問題があって、肝心の自然保護団体、弁護士会などが強い危惧を述べておられます。私は、法案の撤回も求めておられるわけで、こういう状況の下で法案を拙速に通すということがどうなのかと、本当に好ましくないというふうに思っております。
 その点については御意見をと思ったんですが、もう時間も来ましたので、そのことを申し上げて終わりたいと思います。
#206
○高橋紀世子君 この法案の中で、自然再生事業を推進する主体が地域住民であり、NPOであり、それから専門家、関係行政機関などとなっていますけれども、私自身は、これでは責任の所在が不明確になってしまうと思うんです。市民が唯一の主体者であることを明確にした法案にすべきだと思うんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
#207
○衆議院議員(田端正広君) お答えいたします。
 地域の多様な主体が参加するという意味では、これはそういう無責任になるんじゃないかという御心配あるかと思いますが、そうではなくて、これは枠組みを定めたということであります。
 そういう意味で、実際には地域の公共団体、NPO、市民団体等々、たくさんの方が参加されるわけでありますから、むしろNPO、市民団体の方が行政の人と対等に立って、その協議会の中であるいは実施者として対等な立場でやっていけるという意味においては、私はこれは優れた仕組みになっていると、こういうふうに認識しております。特にこのボトムアップ方式というのはそういう意味では画期的な制度だと、こういうふうに思っておりますので、この市民、NPOの意見がより大きく反映される事業になっていくことを期待しているというわけであります。
#208
○高橋紀世子君 お言葉ではありますけれども、とにかく市民が主体を持つというようなことをもう少しはっきり明確にした方が私はいいように思います。
 それからもう一つ、全国的な方針が固まらないまま、専門家や住民の意向がしっかり政策に生かされるという担保がないまま、このようなプロセスだけを規定した法が作られることに私は強い不安を覚えます。まず、具体的なグランドデザインを描き、それにのっとって自然再生推進法のようなものが作られるべきだと考えるんですけれども、いかがでございましょうか。
#209
○衆議院議員(田端正広君) この自然再生事業に対する政府の基本的な考え方というのは平成十四年三月の新生物多様性国家戦略において示されているわけでありまして、この法律は、そうした考え方を基本に置いて、市民や専門家の方、地域の多様な方に参加していただいて枠組みを作って円滑に事業を実施していくと、こういう意味で大変意味があろうかと思います。
 だから、地域の、さっきも申し上げたこのボトムアップというのは、地域におけるグランドデザインというよりも、むしろ知恵を結集して、様々な多様な主体の参加の中から一番いい知恵を出し合って合意して事業を実施していくと、そういう意味では、私は、この事業というのは大変市民の意思が強く反映する事業になっていくであろうと、こういうふうに認識しております。
#210
○高橋紀世子君 なかなか市民の意見が通らないような気もしますけれども、やはり市民が主体である環境政策にしていっていただきたいと思います。
 それから、市民が主役の政党として出発した民主党だと思います。官僚主導のお上意識を脱却して、個人の自立と共生を目指す市民政党であると私は聞いております。中途半端な市民主導を演出する法案のようなものを自民党と共同提案するのではなく、真の市民主導を実現するような法案を提出すべきだと私は思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#211
○衆議院議員(奥田建君) 初めましてではありませんけれども、民主党の奥田でございます。岩本荘太先生からいろいろとふだんの御活躍の話は耳にさせていただいておりますけれども、大変厳しい御意見をいただきました。
 私どもも、これは市民が主導かと言われると、そうではないかもしれませんけれども、市民がより大きく参加、参画をしていく法案であるというふうに思っておりますし、私どもも、多くの団体からヒアリングした上で、そしてそこの問題意識を持って、対案をぶつけて協議に入っております。そして、もちろん対案が成立はしませんでしたし、問題点の積み残しもあるのも、朝、小川議員の発言なんかでもお分かりかと思いますけれども、四つの、透明性の確保あるいは自然再生という定義においての生物多様性の確保、さらには専門家会議を置いて客観的な幅広い評価というものをするんだというような点を中心に修正をいただきました。
 共同提案するのが目的ではなくて、こちらの方は国会対策上の、通常国会と臨時国会をまたぐという中で、ちょっと国会対策の方から、まあどちらのとは言いませんけれども、それまで協議を重ねてきた結果を担保する一つの方策としてこういった方法を取ったということでございます。
 この法案自体、推進法という形で、規制法ではありませんし、性善説、性悪説というのが法律の上であるかは別としまして、もしあるとすれば性善説的な緩やかな法案であって、この推進法にかかわってくる人たちではぐくんでいくべき法律であるというふうに私ども思っています。
 それと、もう一つ大きな争点でありました、やっぱり対立した公共事業についてどうするんだということも大きな争点でございましたけれども、これはこの法案でどうこうできるという問題ではなくて、もっとより大きな、私どもとしても、時のアセスメントという発想を中心にした公共事業基本法案、あるいは地方分権の推進という形での一括交付金法案、あるいは緑のダム構想、あるいは戦略アセスメントをもっと強化したい、環境アセスメントを強化したいというような法案は出しておりますし、先生も是非ごらんになって賛同者として応援していただければと思います。今、三回ほど前の国会からずっとつるされたままになっておりますので、是非ともよろしくお願いいたします。
#212
○高橋紀世子君 私、お言葉ではございますが、やはり市民が主導権を握るというようなことがどうしても必要だと思いますので、それをここに、いろいろ地域住民だとか、それからお役所の方とかということが同列に並んでいるような気がして仕方がないんですね。
 市民が主役ということを、市民の判断でできるというようなことを一言入れていただけたらと思いますけれども、もう一言お願いいたします。
#213
○衆議院議員(奥田建君) 市民が主役という、今の法案に関してですか。──市民が主役の民主党でございますということで。
 私ども、やはり今の政府の大き過ぎる力と関与から、地方、そして生活者、市民という、納税者、そういった形の声を大きく反映させていくというスタンスは当然参加している者全員が持っておりますので、どういうキャッチフレーズにするかは先生と少し違うところがあるかもしれませんけれども、基本方針と、そして党に所属している者全員の共通認識と思っております。
 それでよろしいですか。
#214
○高橋紀世子君 私、このあれを見ますと、やっぱり役所とか市民とが同列に並んでいるような気がしますので、市民が上ということを一言書いていただきたいというのが私の希望でございます。
 ありがとうございました。
#215
○委員長(小宮山洋子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について岩佐恵美さんから発言を求められていますので、これを許します。岩佐恵美さん。
#216
○岩佐恵美君 私は、自然再生推進法案に対する修正の動議を提出いたします。
 法案は、生物多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図ることを目的にしていますが、そのためには、まず進行中の環境破壊の事業をやめることが最も緊急の課題です。ところが、法案にはそのような視点がありません。
 自然環境の再生を図るためには、その前提として、残された自然環境の現状などについての科学的調査をしっかり行い、それに基づいて自然環境の保全及び復元の全体計画を作成することが必要です。ところが、法案にはそうした規定がありません。しかも、新たな事業の選定は、現在もなお自然破壊の事業を進めている公共事業官庁が主体となる事業実施者にゆだね、国民の側から必要な自然環境の復元を求める道は開かれていません。事業計画の案の段階から地域の多様な主体が参加するとしていますが、協議会の設置やその構成員の選定は事業実施者に任され、環境保全に取り組んできたNGOが排除される心配があります。さらに、自然再生に逆行するような事業に対する歯止めもありません。
 これでは、公共事業官庁などがやりたい事業だけがばらばらに行われることになり、自然再生の名の下に新たな公共事業を推進する手段とされるおそれが強いと言わざるを得ません。
 そこで、本法案に反対する立場から、地域で自然保護に取り組んでいるNGOなどが主体の、公共事業などで破壊された自然環境を真に復元するための仕組みに抜本的に組み替えた修正案を提案いたします。
 修正案の概要は、第一に、名称を公共事業等により損なわれた自然環境の復元の推進に関する法律と改め、自然環境が公共事業などによって損なわれてきたことを確認し、その復元を図ることを目的とします。あわせて、今後の公共事業で、自然環境の復元が必要な事態を招かないよう、国や地方公共団体に責務を課しています。また自然環境復元事業は、復元の障害となっている施設等を除去することを基本とし、新たな工作物の設置は最小限にとどめることを明記しました。
 第二に、科学的な調査・研究に基づいて、環境大臣が自然環境の保全・復元の基本計画を策定するとともに、専門家の自然環境調査委員会で、公共事業などによる自然環境への影響を調査し、復元の必要性を判定します。だれでも調査委員会に対して、環境が破壊された場所について、調査・判定を求めることができます。
 第三に、調査委員会が、復元が必要と判定したところについて、環境大臣が復元の目標などを定め、協議会を設置します。協議会に参加するNGOや専門家などは、公募します。原案では事業実施者が定めることになっている、事業の対象区域や事業内容等は、協議会が作成する全体構想で定め、事業実施者はこれに基づいて具体的な事業実施計画を作成します。
 第四に、環境大臣は、実施計画が適切かどうか、調査委員会の意見を聞いて確認し、必要がある場合には、計画の変更を求めることができます。
 以上が修正案の主な内容です。
 委員各位に是非御賛同くださるようお願い申し上げます。
#217
○委員長(小宮山洋子君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより自然再生推進法案について採決に入ります。
 まず、岩佐さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(小宮山洋子君) 少数と認めます。よって、岩佐さん提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#219
○委員長(小宮山洋子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 小川勝也さんから発言を求められていますので、これを許します。小川勝也さん。
#220
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました自然再生推進法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    自然再生推進法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、本法に基づく自然再生事業は、従来からの公共事業の延長として行われるものではなく、過去に行われた事業や人間活動等によって損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として実施される旨を周知徹底すること。
   また、全ての自然再生事業において、工事等を行うことを前提としない自然の回復力に任せることにより自然再生を行う方法も十分考慮すること。
 二、自然再生における客観的かつ科学的知見に基づく評価の重要性にかんがみ、自然再生全体構想の作成に当たっての調査及びその評価方法を自然再生基本方針に明記すること。また、自然再生協議会は、自然再生が地域における自然環境の特性、自然の復元力及び生態系の微妙な均衡を踏まえて、かつ、科学的知見に基づいて実施されるよう十分留意すること。さらに、当該自然再生事業の事前・事後を通じ、その科学的評価結果を踏まえた自然再生事業実施計画の作成又は見直しに関する事項について自然再生基本方針に明記すること。
 三、自然再生協議会の組織・運営の適正化を図るため、同協議会の組織化に当たっての幅広い参画機会の確保及び外部からの意見聴取や情報公開の徹底等、透明性確保に関する事項を自然再生基本方針に明記すること。
 四、自然再生事業の対象となる区域については、あらかじめ当該区域の自然環境の特性について専門家の参加のもと適切かつ十分な調査が行われ、自然再生の必要性が客観的かつ科学的に明らかにされた区域とすること。
 五、自然再生専門家会議においては、個々の自然再生事業の実施状況についても把握するとともに、外部からの幅広い意見聴取に努めること。また、同専門家会議及び自然再生推進会議においては、情報公開の徹底を図ることによって、その透明性の確保に努めること。
 六、自然再生事業の実施に当たっては、自然再生協議会へのNPO等の参加についてその公平性の確保に努めるとともに、NPO等の主体的役割の確保を図り、NGO等が従来から地域で行っていた自然再生に関する取組についても十分尊重すること。また、その自主性を尊重しつつ、NPO等に対する財政的・技術的支援措置を講ずるよう努めること。
 七、地方公共団体が地域の自然環境の特性等に応じた自然再生に関する施策を策定し、及び実施することにつき、これを十分尊重するとともに、必要な支援措置を講ずるよう努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#221
○委員長(小宮山洋子君) ただいま小川さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(小宮山洋子君) 全会一致と認めます。よって、小川さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鈴木環境大臣から発言を求められていますので、これを許します。鈴木環境大臣。
#223
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力する所存でございます。
#224
○委員長(小宮山洋子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#225
○委員長(小宮山洋子君) 御異議ないと認め、そのように決定いたします。
 本日はこれで散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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