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2002/11/21 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 国土交通委員会 第4号
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2002/11/21 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 国土交通委員会 第4号

#1
第155回国会 国土交通委員会 第4号
平成十四年十一月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     上杉 光弘君
     富樫 練三君     筆坂 秀世君
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     岩城 光英君
     筆坂 秀世君     富樫 練三君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                岩城 光英君
                木村  仁君
                沓掛 哲男君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                小池  晃君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       村田 保史君
       内閣官房内閣参
       事官       井上  進君
       防衛庁運用局長  西川 徹矢君
       総務省自治行政
       局長       芳山 達郎君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       資源エネルギー
       庁長官      岡本  巖君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省道路
       局長       佐藤 信秋君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
       国土交通省鉄道
       局長       石川 裕己君
       国土交通省自動
       車交通局長    丸山  博君
       国土交通省海事
       局長       徳留 健二君
       国土交通省航空
       局長       洞   駿君
       海上保安庁長官  深谷 憲一君
       環境省総合環境
       政策局長     炭谷  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (不審船対策に関する件)
 (土地税制の見直しに関する件)
 (道路特定財源の使途に関する件)
 (日朝国交正常化交渉の在り方に関する件)
 (民間都市開発推進機構の事業とその影響に関
 する件)
 (公共事業の在り方に関する件)
 (タクシー事業の規制緩和に関する件)
○建物の区分所有等に関する法律及びマンション
 の建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十日、大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤井俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣官房内閣参事官井上進君、防衛庁運用局長西川徹矢君、総務省自治行政局長芳山達郎君、外務省アジア大洋州局長田中均君、資源エネルギー庁長官岡本巖君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、国土交通省道路局長佐藤信秋君、国土交通省住宅局長松野仁君、国土交通省鉄道局長石川裕己君、国土交通省自動車交通局長丸山博君、国土交通省海事局長徳留健二君、国土交通省航空局長洞駿君、海上保安庁長官深谷憲一君及び環境省総合環境政策局長炭谷茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤井俊男君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題といたします。
 まず、去る十四日、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山下八洲夫君。
#6
○山下八洲夫君 委員派遣について御報告申し上げます。
 去る十四日、鹿児島県を訪れ、九州南西海域不審船事案に係る実情を調査してまいりました。
 派遣委員は、藤井委員長、森本理事、大江理事、木村委員、野上委員、池口委員、富樫委員、渕上委員、そして私、山下八洲夫の計九名であります。
 以下、調査の概略を御報告申し上げます。
 初めに、鹿児島空港から海上保安庁第十管区海上保安本部に向かう車中におきまして、同本部の業務概要について同管区本部長から説明を聴取いたしました。
 第十管区海上保安本部は、鹿児島、熊本、宮崎三県の周辺海域から東シナ海に及ぶ南北約七百キロメートル、東西約一千キロメートルの海域において、密航、密輸入、密漁等を取り締まり、当海域が台風、豪雨の常襲地域で活火山も点在することから、防災対策にも努め、また、昨年九月十一日の米国テロ後、原子力発電所等の警戒も一層厳重に行っているとのことであります。
 次に、第十管区海上保安本部を訪問し、同管区本部長から昨年十二月二十二日発生の九州南西海域不審船事案の概要について説明を聴取いたしました。
 まず、本事案の発生の経緯につきましては、昨年十二月二十二日午前一時過ぎ、我が国の排他的経済水域内において不審船が発見され、海上保安庁が漁業法に基づく立入検査のための停船命令を行ったものの、当該船舶はこれに応ぜず、同庁巡視船が警告等の正当な手順を踏んだ上で威嚇射撃を行うも、なお、当該船舶は応ぜず、ついには接舷を試みた巡視船に対し攻撃を行ったことから、巡視船が正当防衛射撃を行いました。直後、当該船舶は原因不明の爆発を起こして沈没し、去る九月十一日、二百六十三日ぶりに引き揚げられ、十月六日に鹿児島ドック鉄工株式会社に陸揚げされました。
 その間、十月四日、政府は、不審船船体等の検証により判明した数々の事実を踏まえ、総合的に判断した結果、本事案に係る船舶を北朝鮮の工作船と特定したところであります。また、九月十七日の日朝首脳会談において金正日国防委員長から北朝鮮の特殊部隊の関与を認める趣旨の発言がありました。
 なお、本事案の捜査手続については現在も継続中であり、一連の調査結果の最終的な公表にはしばらく時間を要するとのことであります。
 海上保安庁は、不審船に対し警察機関として第一義的に対処することを基本とし、さきの事案において発見された武器類の中には最大有効射程距離五千メートルを持つものもあることから、今後、不審船に対しては、事案発生当初、五千メートル以遠から対応することとし、そのため、遠距離からも正確な射撃可能な機関砲を有する高速高機能の大型巡視船等の整備を喫緊の課題とし、来年度予算に約百五十億円を要求しているとのことであります。
 次に、鹿児島ドック鉄工株式会社に向かい、工作船の船体、また、回収された同船に格納されていた小型舟艇、水中スクーター、武器等の視察を行いました。
 海上保安庁は、不審船の沈没直後から同船乗組員の捜索や証拠物の回収等を行い、さらに船体引揚げに向けて準備を行い、二月下旬から三月初めにかけては自航式水中カメラによる調査を、五月上旬には潜水士による調査を、六月下旬から九月中旬にかけては船体等の引揚げ作業をそれぞれ行い、九月十一日、船体を作業台船に設けられたプールに引き揚げました。その後、台船上において安全確認を行った後、十月六日、鹿児島ドック鉄工株式会社に陸揚げしました。
 工作船の船体本体は鋼鉄で建造されており、全長約三十メートル、最大幅は約五メートルで、発動機四基が船体前部に搭載され、スクリューが四つあり、甲板上の格納スペースにオール一本とゴムボート二隻が格納され、また、船尾には観音開きの扉があり、その内部に小型舟艇が格納されていました。
 船体は高速航行を可能とするため、四つのスクリューを横一列に配置し、船首部分が鋭くとがっているなどの特徴を備えていることから、漁船を改造したものではなく、当初から工作目的のために建造されたものではないかとの見方もあります。
 また、小型舟艇は、上甲板が木製で船体の一部が繊維強化プラスチックでコーティングされていると推測され、全長約十一メートル、最大幅約三メートル。それぞれにスクリューの付いた発動機三基、操舵区画にレーダー一台及びGPSプロッター一台等が装備されており、この操舵区画付近に直径約二十センチメートル、長さ約三十センチメートルの自爆装置と推測されるものを二個搭載し、船首付近に長さ約百七十センチメートルの水中スクーター一台を格納しておりました。
 武器類としては、そのほとんどが旧ソ連製武器に類似しており、携行型地対空ミサイルの発射装置二式、ロケットランチャー二機、対空機銃一機、自動小銃四丁、無反動砲一機、軽機関銃一丁、手りゅう弾六個等が回収されております。
 以上のほか、たばこ、菓子袋、毛布、編上靴、無線機、GPSプロッター、缶詰、携帯電話、金日成バッジ等が回収されております。
 なお、遺体につきましては、事案発生直後に二体、潜水士による調査時に二体、そのほか船体引揚げ時、船体安全確認作業時に遺体の一部、人骨を収容しております。
 以上が調査の概略であります。
 最後に、長時間に及ぶ私どもの調査に御協力をいただきました関係者の方々に対し厚くお礼を申し上げまして、御報告を終わります。
#7
○委員長(藤井俊男君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○野上浩太郎君 おはようございます。自由民主党の野上浩太郎でございます。
 今ほど不審船の視察についての御報告があったところでございますが、私も同行をさせていただきました。改めて調査に御協力をいただきました関係の皆様方に御礼を申し上げたいと思いますし、こういう機会でございますので、この不審船に関連をいたしまして数問、質問をさせていただきたいと思います。
 まずもちまして、九州南西海域におきまして起きましたこの今回の不審船の事案、本当に命を懸けて対応をされた海上保安庁、そしてまた引揚げに当たられた方々に対しまして深く敬意を申し上げる次第でございますし、本当に高く評価をしたいと思います。今回のこの事案の本当にこういう毅然とした対応といいますのは、四方を海に囲まれたこういう海洋国日本においてその安全と秩序を守るための本当に大きな抑止力として広く国内外に認知をされたのではないかなということを思った次第でございます。
 しかしながら、現地で実際に工作船を見させていただきますと、本当に爆風でかまぼこ形に船体が変形をしたり、弾痕の生々しい跡を見たわけでございますし、私の地元で発見をされましたこういう水中スクーターと同じような型の水中スクーターもございました。想像以上の、武器なども展示をされておりまして、本当に想像以上の重装備だなと思いましたし、御報告にもありましたが、本当にある一定の工作目的のために造られた武装船であるというような思いを強く持ちました。こういう船が本当に日本近海に出没している、こういう日本海の危機というもの、これを痛感をいたしましたし、今回それと対峙をしたこの事案、いかに激しくてまた危険な任務であったかということにも思いを致したわけでございます。
 そういう中で、今回この引揚げに当たって、現場の皆さんの声もいろいろとお聞きをいたしました。大変な重労働であったということでございます。現在この工作船の内部はきれいに見やすい形になっておるわけでございますが、現場の御説明によりますと、本当に引き揚げた当時は泥と油にまみれて、加えて本当に今、激しい臭気があったと、その現場にもまだちょっとこの臭気というものが残ってありました。そういう中で、危険物があるかもしれない、手探りの状態で安全確認の作業をすると。大変な御苦労であったろうと思います。
 また、その引揚げ作業に際しましても、度重なるこういう台風の襲来の中で、実際、七十八日間のうち二十日間しか作業に充てることができなかったということでございまして、本当に、夜の二時に起きて、朝の四時から夜の十時まで作業に当たったということでございまして、本当に改めて敬意を申し上げたいと思う次第でございます。
 引き揚げられた工作船の武器とか押収物の中には日本製の携帯電話ですとかGPSというものも含まれておったということで、こういうのは本当に新たな手掛かりになるのではないかなと期待をしたいところでございますが、そういう中で、扇大臣も先般現地に足を運ばれまして、実地でその工作船ごらんになったわけでございますが、改めて、その現地での御感想も含めまして、まず今回の不審船事案に係る全体的な所感をお聞かせを願えればと思います。
#9
○国務大臣(扇千景君) まず冒頭に、委員会として派遣をされたという御報告を今していただきました。まず、委員会として現場まで足を運んでいただいて、実物を見ていただいて、今御報告のとおり、皆さんが自分の目で見て危険性を感じていただいたことに、委員会の皆さん方に、心から派遣に行っていただいたことにお礼を申し上げたいと思います。本来であれば私も御一緒して説明したいぐらい私も行っておりますけれども、今日こうして委員会の報告をされたことにまず敬意を表したいと、委員長始め委員の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
 それから、今の御報告ですけれども、野上委員の御質問ですけれども、見ていただいてお分かりのように、戦後初の銃撃戦を行った生々しい現物でございました。昨年の十二月の二十二日に今事件が起こったという御報告をされましたけれども、私は二十七日にまず、三名の海上保安庁の職員、負傷いたしましたので、私は十二月の二十七日にまず飛びまして、三名の負傷者のお見舞いと、「あまみ」という船の百数十発被弾しているものを、まず昨年の十二月、事件後四日目に現地に入って見てまいりました。そのときから私は、沈んだものは必ず引き揚げる、でなければこの真相解明はないと言い続けました。そして、委員会にも昨年も御報告をいたしました。
 それがやっと、いろんな事情で、あるいは中国のEEZにあるということ、また、この十二月の二十二日から二十三日にかけてこの船を、当時は不審船でしたけれども、追跡するときに既に波が高くて、現場に到着するまでに海上保安庁の職員は、私はそれまで、失礼ですけれども、船酔いというのは一遍経験すれば二度と船酔いしないものだと、免疫性ができるんだと私素人ながら認識しておりましたけれども、海上保安庁の職員は、一度陸に上がると改めて船酔いというのはくるというのを初めて私知りまして、波の中で三時間、四時間揺れて行くと現地に着いたときには体力自体がなくなるほどの揺れの中で現地に行ったということも知りました。
 そして、今申しましたように、戦後初の銃撃戦ですから、どの程度の、何の目的で何をしに来たのかということ、また、どれほどの装備をしているかということを明快にしなければ今後の対策が取れないということで、一貫して引揚げを主張してまいりました。
 多くの皆さん方、多くの費用、後で費用のこともあると思いますけれども、それらのことを含めて、私は先日も、皆さん方が行ってくださる前にも私は行ってまいりましたけれども、この九州南西海域における当時不審船が、小泉総理の訪朝によって、北朝鮮とのトップ会談で初めて北が工作船と断言しました。そのことによって、我々はもっと深刻に原因の究明をして、そして今後の日朝交渉の中でこのことを明快にしていかなければならない。
 また、先生方がごらんいただいて、日本の近海をこれだけの船が行き来しているということは、漁船を操業する皆さん方あるいは漁業に従事する皆さん方、まして何の目的で来たか分からないということで、今の拉致の被害者が五名帰国しておりますけれども、やっと帰国できた皆さん方も、こういう人を拉致のために来たのかという、その目的が分かりませんので、今もって我々は、揚がってきた船、しかも、先生方が見ていただいた重装備は各国の製品があります。日本の製品だけではない、また北朝鮮独自の製品でもないものが多々ございますので、これは自衛隊あるいはアメリカ、ロシア等々と協力しながら解明に努めているという事態ですけれども、少なくとも、国土の十一倍の海域を持つ日本の海上保安庁の仕事というものがより重要であり、これを明快にすることによって、皆さん方に少しでも安心していただける、そして日々大丈夫だというような日時が送れるような状況にしていきたいと思っております。
#10
○野上浩太郎君 正に、今、大臣がおっしゃられた、それと同様の感想を私も持つわけでございますが、大事なのは、やはりこれからどういうふうにこの不審船、対応していくのかということに尽きていくんだと思います。
 この前の、先般の日朝首脳会談で、北朝鮮の国としての関与と、こういうことが明らかになったわけでございます。ところが、その日朝首脳会談の直前の九月四日ですか、日本海中部沖の公海上を北朝鮮の工作船らしきものが、不審船らしきものが航行をしていたと、そういう情報ももたらされたわけでございます。
 このような、この北朝鮮という国に対しまして今後どのような対応を取っていくのか。これは厳しく、激しく抗議をしていくことはもちろんでございますし、またその工作船の目的は何だったのか、あるいはだれの指示によるものなのか、責任はだれにあるのか、処分はどうするのか、拉致との関連はどうなのか、再発防止をどう図っていくのか、これからの課題が数多く残されておるわけでございます。
 今、大臣の方からもちょっとそのことにつきましてのお話もお触れをいただきました。重なるところは結構でございますが、改めて、北朝鮮に対する対応と、また併せて不審船に対する対応をお聞かせいただければと思います。
#11
○国務大臣(扇千景君) 今、野上委員がおっしゃいましたように、九月の十七日の日朝首脳会談によって完全に工作船であるという明言がされました。
 それから、今後、私どもは、今、日朝交渉でどういうことをというお話ですけれども、私は、少なくとも、昨年、これは臨時でございましたけれども、今度の工作船を引き揚げる費用として約五十八億八千万ぐらいの予算を是非取りたいということで、これは臨時にこれを五十八億八千万ですけれども取りました。
 少なくとも、まだ全部の精算ができておりませんから、これが最後幾らになるか分かりませんけれども、私は、少なくとも三名の負傷者、そして今後、日本がどれだけ費用が掛かったかというのが上がってまいります。それと、大変、今回は中国のEEZの中にあって、最後の引揚げの日も、中国側は四隻の監視船を出し、飛行機を飛ばしてこの引揚げに協力をしてくれました。その協力金というものが果たしてあるやなしや、中国側からもひょっとしたらあるかもしれない。
 それらの費用を全部総まとめにして、私は日朝交渉の中で、日本の被った金額プラスアルファの損害賠償も私は北に要求すべきだと思っておりますので、そういうことも含めて、今後は明快な対応を私はしていきたい。そのための日朝交渉というのの大事な場面であると思っていますので、私は、安全、安心のための費用というものは確実に北朝鮮にも損害賠償を求めるべきだという態度を今取っておりまして、海上保安庁長官にもその旨指示をしております。
#12
○野上浩太郎君 是非、引き続きそういう毅然とした明確な姿勢でお願いをいたしたいと思います。
 次に、この引揚げでは、御報告もございましたが、本当に多くの武器が押収をされました。ロケットランチャーがあり、その最大射程距離が五千メートル以上の武器もあったということでございます。本当に大変な重装備が明らかになったわけでございますが、この武器の検証結果等々を踏まえまして、装備面も含めて海上保安庁として今後どういうふうに対応をされていくのか、お聞きをしたいと思います。
#13
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明を申し上げます。
 今回引き揚げられました工作船の保有武器、種々のものが揚収されておりますけれども、御指摘のとおり、有効射程距離約五千メートルと言われております携行式の地対空ミサイル、あるいはこれも有効射程距離五百メートル程度と言われておりますが、対戦車ロケットランチャー、八十二ミリの無反動砲でございますとか、十四・五ミリの機関銃等々の武器が揚収されてあったわけでございます。一般的には、いわゆる不審船というものがこういうたぐいの装備をしているのではないかという可能性については私ども想定もいたしておったところではございますが、こうした武器はそれぞれ、有効な射程距離あるいは命中精度あるいは威力、それぞれ特徴がございますが、当庁といたしましては、これらの武器に対応するために、相手方の能力、それから特質に応じた私どもとしての手法、装備、こういったものを研究をし、訓練を実施しているところでございます。
 九州南西海域不審船の事案におきましては、このような私どもとしての警察機関として有する能力を総合的に発揮して対処はできたものというふうに考えておりますけれども、当庁といたしましては、今回のこの事案、それから、今後、進めております調査、こういったことによって明らかになってくる事柄も踏まえまして、我々、海上保安官の生命、身体、こういったものが安全を確保しながらということは当然必要でございますので、防弾対策でございますとか、武器の高機能化でございますとか、先ほどもお話ございましたように、荒天下で、場合によっては長時間追尾をするという必要も出てまいります。そのための高速・高機能大型巡視船艇、こういった整備等々も進めながら、他方では具体的な対処方法、こういったことにつきましても更に研究、訓練を重ねまして、今後ともこういった事案につきましては的確に毅然とした態度で対応できるようにしていきたいと、かように考えております。
#14
○野上浩太郎君 本当に早急な装備の充実というものは必要だと思いますが、あわせて、海上保安庁、不審船に対応するということはこれはもちろんもとよりでございますけれども、このほかにも、扇大臣から今、国土の十一倍の海域というお話ございましたが、密航、密輸始めとして、本当にいろんな事案を取り扱っていかなくてはならない、大変複雑化してきているわけでございまして、こういう複雑化、多様化、広域化する、こういう状況に対して、人員面でこの対応を今できているのかどうか、可能なのかどうか、今後どんな方針で考えているのか、この辺のことを併せてお聞きをしたいと思います。
#15
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 海上保安庁におきましては、現在、一万二千二百五十五人の職員が、船艇すべて合わせまして五百二十一隻、航空機七十五機という体制で今、先生御指摘のように、治安の維持のみならず、海上交通の安全確保、あるいは海難救助の問題、あるいは海上防災、あるいは海上環境の保全など、大変幅広いいわゆる海上保安業務、これに全力を挙げて取り組んでいるつもりでございます。
 御指摘のとおり、治安の面につきましては、不審船の問題だけではなく、いわゆる海上テロ、こういったことは、あるいは一方で巧妙化あるいは多様化する密航、密輸、こういった問題、これに厳正的確に対処をしていくためには、御指摘のとおり、人員面の強化も当然必要なことだというふうに考えてございまして、私どもといたしましては、現在、国家公務員全体、なかなか定員管理が厳しゅうございますけれども、その中で、今年度におきましては百人の新規増員が認められたところでございますけれども、来年度におきましても、治安対策の執行体制の強化、これを最重点課題項目としまして必要な増員要求をお願いをいたしておるところでございまして、今後とも、その治安の維持でございますとか、安全の確保でございますとか、そういったことにつきまして、効率的な業務執行体制も作りながら必要な要員の確保に精一杯努力してまいりたいと、かように考えております。
#16
○野上浩太郎君 それでは次に、海上保安庁と防衛庁の連携という部分について二点、質問をさせていただきたいと思いますが。
 今回の事案を受けて、大型巡視船艇、これが整備されるまでの間は、これは乗組員の安全が確保できる限界まで接近して対処するということになっておりますが、これはやはり安全上の問題等々を考えると、銃器の有効射程距離内に入って対応するということでございますから、安全上の問題も対応には限界があるわけでございますし、一方では、四月の四府省庁でまとめられました検証結果では、防衛庁が艦艇を当初から派遣をするというような方針もあるわけでございますけれども、大型巡視船艇が整備されるまでの間、あるいは整備されてからもやはり十分な連携を取っていかなければならないと思うわけでございますが、海上保安庁と防衛庁の連携の状況を各々お聞きをしたいと思います。簡潔にお願いをしたいと思います。
#17
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。
 先生御指摘のとおり、防衛庁との連携、これは大変大事なことというふうに思っております。
 九九年にございました能登の事案のその後、教訓あるいは反省、こういったものに基づきまして、防衛庁との関係につきましても共同対処マニュアルを、これを作りましたり、あるいは共同訓練、こういったものを実施して連携の強化に努めてきたところでございますけれども、昨年の十二月のこの事案、これを踏まえまして、政府として検証を御指摘のとおりさせていただきました。
 その結果としまして、更に情報については適切にこれを共有化していこうではないか。あるいは、不審船に対しましては、政府全体としては、政府としては海上保安庁がまず第一に対処をしていくことにはなっておりますけれども、これでは海上保安庁としては対処が不可能あるいは著しく困難というふうなケースも当然あり得るかもしれません。そういう場合には、海上警備行動による自衛隊の行動で対処していただくというふうなことや、あるいは工作船の可能性の高い不審船については、不測の事態に備えて、御指摘のとおり、政府の方針としましては当初から自衛隊の艦艇も派遣をしていただくというふうなことになってございますけれども、いずれにいたしましても、防衛庁と一層迅速な連携の確保、こういったものに努めまして万全を期していきたい、かように考えております。
#18
○政府参考人(西川徹矢君) ただいま海上保安庁長官の方から連携について御説明がございました。その重なる部分はちょっと省略させていただきまして、我々も、先生御指摘のように、連携について大変重視しておりまして、長官のおっしゃるような形で一緒に今まで同じような協力体制を強化してまいりました。
 少し付け加えさせていただきますと、とりわけ、日常におきます海上自衛隊とそれから海上保安庁の連携も高めるということで、平素から巡視船と自衛艦の間のいわゆる情報交換のための通信訓練とか、こういうことも不審船共同対処に係る訓練の一環としてやっておるところでございまして、これらの訓練を実際にいろいろやることによって連携を高めていこうということを考えております。
 それからまたもう一点、現在、政府を挙げまして、いわゆる有事法制等、いわゆる事態対処法制の検討を進める作業の一環といたしまして、テロ、不審船等の武力攻撃事態以外の緊急事態の対処という格好で総点検を行っております。これにつきまして、必要な検討を我々も現在、それぞれ内閣官房に調整をお願いしながら、防衛庁あるいは海上保安庁と連携を取りながらこの点の検討もしておりまして、いずれにしろ、国及び国民の安全にとって現実の脅威でございます様々な事態に対し有効な対応を確保するということで、これにつきまして政府も重大な責任があり、防衛庁としても今後とも不審船対策に万全を期していきたい、このように考えております。
#19
○野上浩太郎君 是非お願いしたいと思うんですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、ちょっと質問としては省かせていただきたいと思うんですが、この中で、やっぱり肝は情報の伝達、共有化ということであると思うんですね。
 能登半島沖のときには海上自衛隊から保安庁に行くのに六時間掛かっていると。今回もいろんな機器の伝送上の問題があったということですが、九時間掛かっているということでございますので、これをいかに早く共有化するかと。書類上でも不確実な時点においても通報するというようなことになっておりますので、是非、もう初動態勢、最初の共有化というのはすべての始まりですので、その点については是非速やかな情報伝達をお願いをしたいと思います。
 海上保安庁についての質問はまだちょっとあるわけでございますが、時間の関係上、申し訳ない、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 次の質問でございますけれども、これは、今、補正予算についての議論がされております。早急にデフレを脱却するための対応が必要なわけでございますが、その中で、今いわゆる都市再生ということについて非常に大きな声が聞こえてまいります。
 都市再生の重要性ですとか効果の在り方、こういうものはもう当然でございまして、論をまたないところでございますし、推進をしていただきたいんですが、これに加えて、やはり地方再生といいますか、地方都市再生、こういう視点が大変重要だろうと思うわけでございます。こういう都市整備地域のような限定的なイメージもありますし、あるいは新幹線ですとか道路ですとか物流ですとか構造改革特区ですとか、そういうものを総合的にやっていくいろんなやり方もあると思います。
 是非そういう視点を取り入れていただきたいなと思うわけでございますが、これは、いわゆる地方、地方ということをただ声高に叫ぶということではなくて、私自身、都市再生ということについて民間で最前線で携わってきましたので、都市再生というものはやはりその地方の再生なくしてあり得ないんだということを強く実感をするものでございますので、是非そういう視点を持って頑張っていただきたいと思うわけでございますが、大臣に、その補正等々につきまして、そういう視点も含めて、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#20
○国務大臣(扇千景君) 今、野上議員がおっしゃいました前段の、都市のことだけではなくて地方もというのは当然のことで、ただ少なくとも私は、何度もこの委員会で言っておりますけれども、二十世紀は均衡ある国土の発展ということで目標にしてまいりましたけれども、二十一世紀になって、とにかく日本じゅうがどこもみんな平均的にいっていればということで同数の点数を付けていますと、国際的にはもうすべて、港もあるいは空港も鉄道も道路もすべて国際的水準に達していないという現実で、限られた予算の中にどこでめり張りを付けるかということを私は是非していただきたい。それは地方を切り捨てるんじゃなくて、私は個性ある地域の発展という新たな目標を立てておりますので、地域の皆さん方が、やっぱり商店街の疲弊等々も含めて、地方は地方の商店街をどうするのかというようなこと。それから、都市といっても中核都市も小都市もございます。すべてのところが個性ある私は地方都市になっていただくことによってそれぞれの有効性というものが発揮されるであろう。
 特に、国土交通省は全国ネットでございますので、全国を十のブロックに分けて、私はそのブロック内の知事さんあるいは政令指定都市の市長、財界懇談会というものを、全国十の懇談会を立ち上げております。そこで、自分のところは何が一番大事なのか、飛行場を持ってくることが大事なのか、あるいは新幹線を持ってくることが大事なのか、あるいは道路を造ることが大事なのか、国際港湾と連結することが大事なのかと。それぞれの予算の中でどうそれを処していくかということを、各地域の懇談会の声によって、公共事業の優先順位、あるいは金額の投資額もそれぞれの懇談会で決めていただこうというシステムを作り上げておりますので、是非今おっしゃったような個性ある地域の発展をするために、是非、富山を富山の顔として、私は、すばらしい、富山に行かなければこれがないとか、富山だからこそこれができるというような個性ある地域を是非作っていただいて、その選択を私たちに進言していただいて、それに私たちは助けていく、また国としてできることはできるだけするという体制にしていきたいと思っています。
#21
○野上浩太郎君 本当に個性ある地域の発展のために地方再生が必要だというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますが、このデフレ対策のために土地税制、大変重要であろうと思います。今、土地税制の抜本的な改革、改正というものがこの資産デフレに大きく寄与するんだろうと思いますが、この土地税制も含めて、国土交通省所管の税制改正に懸ける意気込みといいますか、姿勢を吉村副大臣に最後にお聞きをして、終わりたいと思います。
#22
○副大臣(吉村剛太郎君) 現下の経済状況は大変厳しいものであるということは言をまたないわけでございます。なかんずく、株式、土地の下落は正に底が見えないと言っても過言ではなかろうと、このように思っております。
 そういう中で、当然のことながら、資産デフレの中で企業も個人もバランスシートが正にアンバランスになっておるということでございまして、我々所轄の土地に関しましては有効な手だてをしていかなければならないと、このように思っております。
 先ほどちょっとお話がありましたように、都市再生、また規制改革、また不動産市場の活性化、細かくはもう時間の関係で申しませんが、と同時に、今おっしゃいました、指摘されました土地税制、いわゆる取得、保有、譲渡、その各段階の税制といいますものがかつての右肩上がりの状況の中での税制であったと、このように思いまして、このデフレ下でどのように税制を新たに提言していくかということが一つの課題であろうと、このように思っております。
 取得段階での登録免許税並びに不動産取得税の軽減、また保有段階の固定資産税の軽減、また譲渡段階での譲渡益課税に対する軽減、さらに特別土地保有税、これは廃止に向けてというような要望を今国土交通省としては出しているところございます。
 以上でございます。
#23
○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。
 私も今回の工作船の視察に参加させていただきました。御了承いただいた委員の方々に大変感謝申し上げたいというふうに思いますし、現地で対応していただきました海上保安庁の皆さんにも大変感謝を申し上げたいと思います。
 実際に工作船の現物を見まして、私は、ここのところ拉致問題の陰で工作船の話というのが少し記事として取り上げられるのが少なくなったというふうに思っておりますが、やはりこれは日本にとって大変重要な問題であるという認識を改めてさせていただきました。
 そんな観点で、何点かまず質問をさせていただきたいというように思っております。
 工作船を引き揚げてからかなりの期間、実際にはかなり洗浄の時間がありましたので解析がまだ十分ではないというふうに思っておりまして、まだこれから十分解析をするという説明でしたけれども、現時点で、解析の結果、この工作船というものがどういうものなのか、特に目的がどういう目的で造られたかということについて、現在の解析結果、いろいろ微妙な問題もあるでしょうから、話せる範囲で是非御説明願いたいというふうに思います。
#24
○政府参考人(深谷憲一君) 先生に現地で引き揚げられました工作船をごらんいただきまして、正にその実体をつぶさにごらんいただけたものと思いますけれども、私どもといたしましては、従前から、いわゆる不審船、工作船、これらにつきましては麻薬の密輸入あるいは不法入出国、こういったことなどの犯罪に関与している疑いが極めて濃いというふうなものであろうというふうに考えてきたところでございます。
 ごらんいただきました工作船につきましても、ごらんいただきましたように、漁船に偽装して、また観音開きの扉を有している、その中には小型舟艇がある、あるいは機関、プロペラは四基もあるというふうな極めて特殊な構造、装備、それから相当の武器を積んでいる、あるいは小型舟艇、水中スクーター等々はあるわけでございます。こういったことから、総合的に勘案しまして、犯罪に関与していた疑いが極めて濃いというふうに認識をいたしております。
 ただ、現時点におきましては、捜査が現在続いておりまして、その具体的な行動、当該船舶の当該時期におけます具体的な行動目的、行動等につきましては現時点ではまだつまびらかにできる状況ではございませんけれども、いずれにいたしましても、国民の皆様に日本の海が安全で安心できるものであるというふうなことをきちっと、私どもも責務を負ってございますので、この工作船の活動内容あるいはその目的、そういったことの事案を解明すべく、また解明することは不可欠であろうと認識しておりまして、引き続き徹底的な捜査をしていきたいと、かように思います。
#25
○池口修次君 私が受けた印象をちょっと述べさせていただきますと、まず一つには、船というのは特殊な構造になっておって、小型船を収容するようにサイズが造られているということなり、小型船の中に水中スクーターを収納するスペースがあったりとか、若しくはほとんど船員の居住スペースがないというような説明も受けましたし、またさらに自爆装置も付いていたということからすると、私は、山下委員の報告にもありましたように、まさしく漁船を改造したというようなものではなくて工作目的、特に日本へひそかに上陸なり人を運ぶために造られた船ではないかという印象を受けました。
 一つには、何でそこまでして特殊な船を造る必要があったのかなというのが感じたわけですけれども、もう一つは、そういう船だということを前提にしますと、日朝首脳会談では北朝鮮もあれが自らの船だということを認めたという説明も受けました。その中で、宣言の中では、日本人へ不安を与えないというふうにしますよというふうに言ったわけですから、私はあの船もとても、これから、それじゃ、そういうのに使わなくて漁船で使いますよということはできませんし、まさしく人を運搬するような旅客船でも使えることはできませんから、その目的がなければほとんど必要がない船ではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、宣言に応じて、日本としては当然あの船を廃船をすべきであるという要求は妥当な要求だというふうに私は思っているんですが、この点について大臣のお考えがありましたらお聞きしたいと思います。
#26
○国務大臣(扇千景君) 池口議員も鹿児島まで行って現物を見てくださいましたということで、これはもう詳細なことを申し上げるまでもない、御理解をいただいていると思いますし、ただ私は、国民の皆さん方一人でも多くに今回の工作船の危険性というものを認識していただきたいということで、私は、引き揚げて、これ引き揚げたのが九月の十一日ですけれども、引き揚げた船そのものよりも、昨年の十二月の二十三日に「あまみ」という船が百数十発受けたということで、この被弾したものを国土交通省の玄関に移送しまして、多くの皆さんに見ていただくために一般公開いたしました。国民の皆さん方が多く国土交通省の玄関でこの「あまみ」の被弾状況を見ていただいて、とてもびっくりして、しかも弾によって、大小の弾が、ミリによって違います。それから、操縦席のガラスがこっぱみじんになっていまして、よくこれで日本側に死人が出なかったというような感想もいただいたり、私も実際に昨年「あまみ」を見ましたときに、本当に運が良かったと言わざるを得ないような、しかも今回、引き揚げてみましたら、先ほども話にありますように五千メートルの、被弾、能力のあるものも装備していたということで、私は、こんなに重装備しているというのを思ってもみなかったものをよく近くまで近づいて拿捕しようとしたなと空恐ろしい気がしないではありません。
 ただ、問題は、先ほどからも御論議にありましたように、野上議員からも御質問がありましたように、これを見付けることがいかに難しいかと。今、池口議員がおっしゃったように、漁船に似せて漁船の態勢をしているわけですね、上から見たら。ですから、自衛隊が見に行ったときに、今回もたまたま、行くときは素通りして、漁船だなと思って素通りして、帰ってくる飛行機から、ヘリコプターから操縦者がたまたま写した写真で何かおかしいと。しかも、それが、写真が伝送する機械を自衛隊が持っていなかったということで、わざわざ基地へ着いて写真を現像してみて初めて分かったというような、お粗末といえばお粗末なんですけれども、それほど敵はごまかし方がうまいということが逆に言えるので、これは困ったものなんですけれども。
 問題は、私は、日朝交渉で、今、私手元に持っていますけれども、この金正日の、国防委員長の言葉の中、もう一度私は念のために読ませていただきます。特殊部隊が自発的に訓練として行っていた、その部隊がどの部隊か探した、今検閲を行っている、そこまで行ってそんなことをしでかしたとは想像もしなかった、今後こうしたことが起こり得ないと申し上げる。私たち内部の問題であるが、特殊部隊が幾つもあり、それを過去の遺物として整理していきたい、両国首脳は地域の安全保障や双方の安全にかかわる問題について日朝間で協議、枠組みを作ると。これが日朝トップレベルの交渉の、現実に北朝鮮のトップから出た言葉でございます。
 ただ、私は、いかにも信じられないというか、特殊部隊が自主的に訓練として行っていた、そして幾つも特殊部隊があって、どの部隊がやったかということもこれも探したと。私は、こういう日朝のトップ同士の交渉の重要性というものが、今回のこと、この事案の、事例を、何の目的で、いつ、どういうことをしに来たか、そしてなぜ、何のためにこれだけの重装備をしているのかというのを全部リストアップして、これを相手になぜこうなっているんだと。ほかの特殊部隊が幾つもあるとおっしゃっているんですから、ほかの特殊部隊もこういう工作船を幾つも持っているのかどうか、何隻一体あるんですかということも私は日朝交渉で今後明快にしていって、いきなり工作船全部やめなさいと言っても、相手は日本だけではなくてほかの国へも行っているかもしれませんから、その辺のところは私はより明快にして、どういう状況にあるのか、何の目的で、どこの国を相手に造ったのかということも私は日朝交渉で明快にすべきだと思っています。
#27
○池口修次君 正に大臣の言ったことを私も是非要求をしていただきたいというふうに思いますし、ほかの国に行くといっても正規の状況で行くというふうにはとても考えられませんから、あの船の構造から言ったら。ほかの国にもいろいろひそかに行くということでしょうから、それ自体もやはり私は許してはいけないというふうに思っていますので、是非お願いします。
 それともう一点、今のお答えの中にも入っていたんですけれども、今回銃撃戦が行われて三名の方が負傷をしたということなんですけれども、ただやっぱりあの装備からすると、これで済んだというのは、非常に不遜な言い方かもしれませんけれども、まさしく装備を見ると我が方の船が沈没させられてもおかしくないというふうに思っております。ただ、説明ですと、向こうもどういうつもりだったかどうか分かりませんけれども、無反動砲というのは偽装をしてあったので取り出して使うことができなかったということも言っておりましたし、ロケットランチャーについても、何か慌てて撃ったので、どこかあさっての方向に行ったというような説明もしておりまして、被害としてはほかの自動小銃とかいうことがメーンだったというふうに説明を受けました。ただ、これは私が思うに、日本がそこまでやってくるというふうに思わなかった、油断があったんじゃないかというふうに思います。
 今回のこの事象があったわけですから、もし万が一、仮に同じような目的で来たときには、相手も、相手と言った方がいいかもしれませんけれども、余り特定は差し支えるかと思いますけれども、相当な準備をして、今回のような状況ではないというふうに予測をされます。若干、野上委員等の質問とダブりますけれども、そういうことを想定して、これからどういう装備などの強化をするのかというのを再度お聞きをしたいというふうに思います。
#28
○国務大臣(扇千景君) 答弁が重なるといけませんので。少なくとも相手の、今回重装備していたものがどの程度であるかは今、海上保安庁、防衛庁、ロシア等々から協力を得ながら、あらゆるものを明快にするために努力しております。ただ、海上保安庁長官に私は、これがいつ捜査が終わるんですかと聞いたら来年の三月と言うから、許せないと。海底ではなくて海上に揚げているのになぜそんな長く掛かるんだというんで、少なくとも一月末までには全部分かるようにしてくださいと。ただ他国に武器の照会をしておりますのでそれだけの時間が欲しいと長官自身は言っておりますけれども、私は一刻も早く、それはなぜかというと、さっきおっしゃった、池口委員がおっしゃった日朝交渉にこれはこうだと言えるためにも私は事実の明快な、詳細なデータが必要であるということで急がせたというのが現実でございます。
 それから、それに対抗してという話ですけれども、先ほど申しましたように、「あまみ」自身が操縦席だけでも防弾ガラスでもないなんというお粗末なことは、今まで銃撃戦を、戦後初ですから、やったことないんですから、そんなことしなくてもいいという最初から感覚でいたんですね。これでは海上保安庁の職員が命が危険にさらされるというのは明快でございますから、少なくとも操縦席の防弾ガラスは当然のこと、また被弾されたときに何ミリぐらいだったら防御できるというような装備も必要である。また、ヘリコプターが、ヘリコプターの底がもう全く武装していないという、これも危ない話でございまして、二重三重の防御が必要だということなんですけれども、正直申し上げて、どこまですれば安全かという保証はありません。これは相手が相手ですから。今回のことをもってしても、五千メートルも飛ぶなんと言われて、射程距離があるのに知らないでそばまで行ってしまったなんというのも、これも奇跡でございます。池口議員がたまたまロケットランチャーも向こう向いて飛んだからとおっしゃいますけれども、あれ、波があったから助かったんです。波の上下がなければ、まともにうちが沈没していたんです。
 ですから、そういう意味では、大体、概略で、私がその当時、海上保安庁にどれくらいあれば少なくとも船員たちの安全が図れるかと言ったら、その当時はそれは五百億はないとと言ったんです。ところが、今の政府の財政状況でございますので、細かいことは全部言いませんけれども、いわゆる安全を保障するために最低限、総額約、十五年度の概算要求で、その半分に近い二百十四億を遠慮しながら要求しておりますけれども、先生方に五百億取れと応援していただければ、もっと身の安全が図れるというところでございます。
#29
○池口修次君 私は、やはりある意味海上保安庁の人たちは命を張ってやっているわけですから、その辺にやっぱり報いるための装備をするというのはやっぱり国の責任だというふうに思っております。
 ちなみに、こういうのは比較がいいかどうか分かりませんけれども、五百億というのは、新幹線ですと七・三キロ、高速道路ですると八・七キロということで、参加した委員の中にも、じゃ、うちの高速道路削ってもいいからこれに回してくださいという意見もありましたので、是非、本当にどこまでかというのはなかなか難しいんですけれども、本当に最前線で命を張っている人が予防するような装備は是非実現をさせていただきたいというふうに思っております。
 では、ちょっと観点を変えまして、道路特定財源の話をお聞きをしたいというふうに思います。
 何回か私もこの委員会の中で道路特定財源の話は質問をさせていただきましたし、十一月五日のこの委員会の一般質疑の中でも何名かの委員の方が発言をし、議論をしておりました。ただ、私も、このとき聞いておりまして、少し大臣なり副大臣の答弁と事務方の答弁の食い違いみたいなものを感じましたので、ちょっとその点を再度確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 大臣、副大臣につきましては従来の答弁で、やはりこの道路特定財源というのは自動車ユーザーが特別に払ったものなので、ユーザーが納得するような使い方をしなきゃいかぬと。十一月五日の大臣の発言の中でも、私は一般財源化はいたしていないというような発言がされております。これは従来と同じだというふうに私は思っております。
 ただ、事務方といっていいかどうか分かりませんけれども、財務省なりは少し私は違った答弁をしているんじゃないかと。例えて言いますと、五年間を通して見ると、道路特定財源の総額と、それから道路予算の額を比べてみますと、道路予算の方が上回っていると。そういうことで、いや、特定財源は道路に全部使っていますよと、ただ、今まで一般財源から回ってきた分を減らしただけではないかというようなニュアンスに私は受け取りました。
 まず、そういうことなのかどうかというのを再度御答弁願いたいというふうに思います。
#30
○政府参考人(佐藤信秋君) 平成十四年度予算におきましては、公共投資関係費が一〇%削減、非常に厳しい方針の下で予算が削減はされていると。ただし、先生のお話の一般財源化されたかどうかと、こういう点につきましては、前回の御答弁でも、財政当局もそうでしたが、一般財源化されたわけではないということでございまして、十四年度、自動車重量税を、言ってみれば、当初の分で申し上げますと二千二百四十七億円、自動車重量税分が充てられていない、こういう状態ではありますと、これは数字の問題でありますが。これは十四年度限りのこととしての措置でありまして、しかも、なおかつ、実は十四年度は十三年度の補正と加えますと十五か月予算、こういうことでございました。そういう意味では、十三年度補正が五千五百億円の国費を道路整備にも充てていただいております。そういう意味では、十四年度の合計の税収と予算、こういうものを比べますと三千三百億円、言ってみれば道路財源以外の国費も充当していただいていると。
 さらに、五か年間という意味で申し上げますと、五か年間のこれまでの税収の十七兆円に対して、トータルでいただいている国費が二十一・五兆円であると。
 こういうもろもろの状況を考えまして、決して一般財源化されたものではないと、こういうことでございます。十四年度限りの、当初だけの数字上の問題と、こういうふうに理解しております。
#31
○池口修次君 ただ、最後に財務省の答弁が、現在の五か年計画では道路財源を上回る道路予算があったということで、この二千二百四十七億円については一般財源として活用させていただいたわけでございますが、五年間トータルで見ますと、その一部が、道路特定財源の一部が一般財源化されたわけではないということでございますと、ちょっと中身は非常に分かりにくい答弁なんですけれども、使わせてもらったと言っているんですよね、財務省は。
 私は、もしこの説明でいきますと、道路はもう道路特定財源でまず造るのがありきで、足りない分を国費を、一般財源を入れるということであれば、この財務方の説明はまあそうだなということですけれども、私は、基本的には道路というものは国費で、一般財源で造ると。これは、このときの答弁でもありますけれども、道路というのは基本的なインフラだ、これは国民すべてがひとしく負担をするのが正しいという答弁もされております。事実としても、それで足りないので、若しくは早く造らなきゃいけないので道路特定財源を作ったということからすると、この今の説明というのは私は理解できませんし、この説明をよしとしたら、じゃ、毎年二兆円か三兆円国費が入っているんですかね、じゃ、これを全部なくなっても一般財源化したんじゃないという説明が通ってしまいますから、私は、この説明は余りにもちょっと、今までの説明とは違い過ぎるし、私としては納得がいかないし、ユーザーも私は納得できないというふうに思いますが、その点、いかがでしょうか。
#32
○政府参考人(佐藤信秋君) ただいま申し上げましたように、十四年度と、こういう観点で申し上げますと、十三年度の第二次補正と十五か月予算、こういう考え方も成り立ち得ると申し上げればよろしいんでしょうか。そこで、逆に十五か月で見ますと、三千三百億円の特定財源以外の国費も必要であったと、こういう状態であるわけであります。
 税率をお願い申し上げるときも、今度また税率の延長もお願い申し上げるわけでございますが、お願い申し上げているわけでございますが、五か年間の国費の必要見込みに対しまして税収としていかがなものかということで、プラスマイナスした結果、税率の延長が必要であると、こういうこともまた御説明を申し上げさせていただいているわけでございまして、そういう意味では決して、特定財源が一般財源化されたと、こういう状態では全くないと、そんなふうに思っております。
#33
○池口修次君 ちょっと、最後、それじゃお聞きしますけれども、国土交通省の見解として、今まで大臣が御答弁されたのは、私は、道路特定財源については、暫定税率分も含めまして、常日ごろ大臣は重量税の話を持ち出して、持ち出してというか、失礼ですけれども、説明をされて、三万七千八百円のうち暫定分が二万二千八百円あるんですよと、だからユーザーが理解を得られなければ当然その二万二千八百円を返せという話になるという説明が今までしてきました。
 ですから、私は、やはりこの考え方に沿って、一般財源化ということはやっぱり基本を変えるわけですから、もしそうであれば、本当に受益と負担の関係で道路関係の税制を見直すということがあれば、ある意味私は理解する立場ですけれども、そうでない限りはやっぱりユーザーの理解が得られるような使い方をすべきだというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
#34
○国務大臣(扇千景君) 池口議員はよく私が答弁しておりますことを御理解いただいて、一般財源化することは、それはユーザーを裏切ることであるという認識は共通のものがあるので、大変私は有り難いと思っていますし、私は多くの皆さん方は同じ意見だと思います。
 それと、私は、暫定税率という、暫定というのは何を意味するのかと。私は経済財政諮問会議で学者とか民間の財界の皆さんいらっしゃいますから聞いたんです。暫定というのはどう解釈したらいいですか、どれくらいですかといったら、学者の先生で、まあ二、三年なのかな、いや数年かなといって、経済財政諮問会議のメンバーでさえ暫定という言葉がそれぞれ言い方が違う。特に、今回の暫定税率というのはこれ何年続いています。それでもユーザーの皆さんは我慢して払ってくだすっているんですから。
 私は、ユーザーの立場に立って我々は行政も行わなければいけないということで、この二万二千八百円というのを暫定でいただいているんですから、それは受益者負担という、これは、取りあえずやっぱりあの当時の道路を早く造って皆さんによく走ってもらおうという、これはやっぱり知恵だったんですね。ですから暫定と付いたんだと思うんですけれども、この暫定がいつなくなるのかということは、やっぱり私は政策上はきちんとしなきゃいけないという時期が来ていると思います。
 特に、今のように第三者委員会といいますか、民営化推進協議会でどうでもないああでもないと言われていますから、それを聞いておりますと、暫定というものを見直す時期がやっぱりいつか来るんだろうなと。全部、一一五、一万一千五百二十キロ仕上げたときに暫定がなくなるのか、その辺の話も、私はユーザーとしたらあってしかるべきだと思っています。
#35
○池口修次君 その上に立って、十五年度の件について、若しくはこれからのことについてお聞きしたいんですけれども、ちまた言われているのは、十五年度でも三千億近くが、オーバーフローという言い方がいいかどうか分かりませんけれども、十四年度の二千四百億に匹敵するものが三千億ぐらい出てくると。それをいろいろなところでいろいろな人が発言をしているようなんですけれども、例えば地下鉄建設に投入をするということなり、本四橋の赤字を毎年三千億で五年間掛けて一兆五千億ぐらい埋めるというような、いろいろ暫定税率もまず延長するかどうか決まる前からそういう議論がされているんですが、この今の検討状況についてお聞きをしたいというふうに思います。
#36
○政府参考人(佐藤信秋君) 現時点では、まず暫定税率を延長させていただく、こういうお願いを申し上げているところであります。そして、それを特定財源としてきちっと活用させていただく、これは国も地方もともにでございます。そういう中で、これから予算編成過程の中で、その暫定税率の延長が認めていただけるかどうかということも含めて予算編成過程の中で、じゃお認めいただくとすると、次にどういうような予算、どういうような全体の予算の組立ての中でどう活用させていただくか、手順としてはそういうことだと思いますので、まさしく今いろんな御検討をいただいている最中と、こういうふうに理解しております。
#37
○池口修次君 一つは、地下鉄建設という話がありまして、この理由が、これ非公式の発言だというふうに思いますけれども、渋滞緩和されるので道路関連ということでいいんではないかというような理由で言われているようですけれども、私は、例えば踏切を立体交差するとか、そういうことは道路関係かもしれませんけれども、地下鉄を造ることによって地下鉄に乗るから車に乗る人が少なくなると、三段論法、四段論法で道路関係だと言うのはちょっとこじつけが過ぎるんじゃないかというふうに私は思っておりますし、地下鉄を使うのは、決して今まで車に乗っていた人が地下鉄に乗り換えるんじゃなくて、大部分の人は車を使っていない人が乗るわけですから、もし地下鉄が本当に必要であれば、これはやっぱり道路関係予算、道路特定財源ではなくて、ほかで造るべきだというふうに私は思っております。
 それと、本四橋の赤字をどうやって補てんするかという話があるわけですけれども、じゃ、まず使うのであれば、この赤字というのは何で発生をしたのか。ちまた言われていますように、本四橋で三本も橋架ける必要がなかったんだということであれば、私はある意味政治の責任だというふうに思っております。そうしますと、じゃ、政治の責任の負担を自動車ユーザーだけが負担をするということがつじつまが合うのかと。私は、やっぱり政治の責任というのはいろんな面であるわけですから、すべての国民が納めた税金から補てんをするということであればその補てんの仕方というのは理解はするんですけれども、別にユーザーだけがそれに責任を負うというのは少し違うんじゃないかなというふうに私は思っておりますが、この点について御見解がおありでしたらお願いします。
#38
○国務大臣(扇千景君) 政治的な責任だとおっしゃったから、私は事務当局が答えるべきではないと思います。
 当然のことながら、私は政治判断が違っていたということを、成田の話もアクアラインの話も言い続けております。それはやっぱりそれとして、ただ私は、昨日も四国の財界がみんな私のところにいらっしゃいました。既に三本でき上がってしまった、しかもあの技術は世界に冠たるものであると。これはもう紛れもなく技術としては私は世界に誇れるものができたと思います。ですから、でき上がったものを壊すわけにいきませんので、じゃ、どうするかと。
 今、特定財源をというお話がありましたけれども、国土交通省でその話をしていません。本四の三本のために赤字を補てんするというのは民営化推進協議会でやっているだけの話で、私は全然関知していませんから、そのことは民営協議会に言っていただいたら分かるんで。
 私は、ただ、それよりも何よりも、少なくとも我々は、この問題で一番大事なことは、先ほども野上議員がおっしゃったように、地方はどうするんですかという話がありました。この暫定の特定財源の中でも国が取っているお金というのは三兆五千億です。地方は二兆二千億行っているんですよ。地方の道路を造るためにこの暫定税率の中から二兆二千億が地方へ行っているということから、私は、この特定財源を一般財源化することは総務省も物すごく嫌がっています、それはかつての自治省ですから。ですから、私は、国が、皆さんおっしゃいますけれども、この暫定税率の中で国が取っているものは三兆五千億で、あとの二兆二千億は地方へ分配しているんだと、地方の道路を造ることに役立っているんだということが余り理解されないで、国土交通省が全部取っているように思われていますので、是非その点は、私は、暫定税率を納めていただいているユーザーの皆さん方も全国の地方の都道府県に二兆二千億行っているんですよという認識を改めて持っていただいて、地方の道路を造るためにもこの暫定税率が役に立っているんだと。
 ただ一点、余りにも工事が遅れていて、もっと早く、ちょっと名前挙げたくないんであえて私挙げないんですけれども、この地下鉄でも何年たってもできていないところがあるんですね。それがもう上が渋滞でどうにもならないんです。ですから、そういうところには有効に使うことによってできるんではないかということで、あえて名前は言いません。
 ただ、ですから、そういう地方にも二兆二千億行っているということを是非先生方も御吹聴いただきたいと思います。
#39
○池口修次君 この議論というのは、多分いろいろ通常国会の中で大変な議論になるというふうに理解をしておりますが、私はやはり、税金というのは基本的には公平、公正ということですべての国民が同じように負担をすべきものの中で、やっぱりこの道路特定財源というのは自動車ユーザーだけが特別にプラスして納めておるという観点を、扇大臣は十分理解をしていただいているというふうに承知をしておりますが、やはりこの点を抜きにしてこの問題というのは語れないというふうに思っております。是非ユーザーが理解をできる結論になるようにこれからも御努力をお願いをしたいと、このように思っております。
 それと、次の質問に移らせていただきますが、これから環境対策については非常に大事な問題だということで、公共事業等も環境を重視した事業にすべきじゃないかというような発言も大臣はしていらっしゃるというふうに思っております。
 私は、環境が大事だと言いながらなかなか、いろいろな省で環境問題について議論をしているんじゃないかなというふうに実は思っております。そういう観点で、これからそんなに先ではなくてここ数年の中で、環境対策と、じゃ、その対策のためにどういった財源を使うのかということで、まず国土交通省として検討されている中身がありましたらお聞きをしたいと、このように思います。
#40
○政府参考人(佐藤信秋君) 沿道環境の改善は道路行政にとって大変重要な課題だと、こういうふうに考えております。
 この環境対策に対する取り組み方として、大きく分けて三つ申し上げたらよろしいんじゃないかというふうに思います。一つは渋滞緩和、混雑解消のための交通流に対する対策、もう一つは発生源である自動車の単体対策、さらに三つ目は交通需要の抑制と申しますか、マネジメント、こういう問題であろうかと思います。
 渋滞緩和に関しましては、まず幹線道路のネットワーク、あるいは交差点などのボトルネックの解消、あるいは踏切の解消、こういったものが大事な問題かと思っております。
 さらに、単体対策といたしましては、発生源対策として、今年度から低公害車の技術開発を関係機関とともに進める、あるいは来年度、燃料電池自動車の実用化を推進するために道路管理用の車両として試験的に導入する、あるいはまたさらに大型のディーゼル車対策としてDPFや酸化触媒の導入、こういったことを促進するということとしております。要求しておるところであります。
 さらに、交通流のマネジメント、こういう観点から申し上げると、環境ロードプライシングであるとか、あるいは基本的に持ち帰り車をやめようというような自治体と一緒になった運動であるとか、そうしたことを行っているところであります。
 こうした沿道環境対策につきまして道路事業の一環として実施させていただいておりまして、道路事業としては道路の特定財源を主体として推進をさせていただいておると、こういうところであります。
 今後とも、関係機関と連携しながら、環境改善の推進に努めてまいるということでございます。
#41
○池口修次君 それでは経済産業省にお聞きをしたいわけですけれども、最近の報道で聞くと、エネルギー特会を改定をするというか、中身としては、今まで税金が掛かっていなかった石炭に課税をしてそれを環境対策に使うような話が環境省と合意できたというような報道もされているわけですけれども、この中身について、どういう中身なのかというのをお聞きしたいと、こういうふうに思います。
#42
○政府参考人(岡本巖君) 私ども、温室効果ガスの約九割というのがエネルギー起源の二酸化炭素であるということから、従来から、省エネルギー対策あるいは新エネルギー対策、さらには原子力、燃料転換、そういったエネルギー起源のCO2排出抑制をもにらんだ一連の対策を石油特別会計あるいは電源特会において進めてまいってきているところでございます。
 この七月に総理からエネルギー政策についての見直しの御指示がございました。それを受けまして、私ども、一つには温暖化対策を更にしっかり進める必要があるということ、それからもう一つは、エネルギーのセキュリティーという面で見まして、中東の油への日本さらには周辺のアジア諸国の依存度というのが急増しておりまして、足下を見ました場合に、流動的な中東の情勢をもにらみました場合に、日本のセキュリティー戦略というのをもう一度立て直す必要があるということで、この観点からは、原子力と並びまして天然ガスへのシフトというものを加速するということも併せ考えているところでございます。
 今、石特会計におきまして、温暖化をにらみました省エネ、新エネ、あるいは京都メカニズムを使うようないろんな事業についての支援の強化ということも視野に入れながら、環境省さんとも連携をしまして、温暖化絡みのところ、あるいはそれに直結します省エネの部分の対策の強化というのは歳出面で是非とも進めてまいりたいと考えております。
 そういう歳出面の見直しとあわせまして、歳入の面で、負担の公平という観点から考えまして、従前、石炭については、割高、輸入炭に比べて大変割高な国内炭の引取りを関係業界にお願いするという状態が久しく続いていたんですけれども、十三年度でそういった状況も終わるということもございまして、今の時点で考えまして、負担の公平という観点から、石炭に新たに課税をさせていただくということを含めまして、石油特別会計あるいはそれと連動する形で電源特会の負担構造の組替えということについて今、政府部内で鋭意検討させていただいているところでございます。
#43
○池口修次君 じゃ、最後に、本元であります環境省としてはどういうことを今検討されているのか。
 以前お聞きした中では、場合によって環境税を導入するとしたら二〇〇五年なのかなというような話を聞いているわけですけれども、現時点、今、経済産業省と多少石油特会の関係で話がされているようですが、それ以外に、省独自若しくはどこかの省と関連して議論がされているのかどうかというのをお聞きしたいと思います。
#44
○政府参考人(炭谷茂君) 私どもといたしましては、まず、京都議定書の六%の削減の約束を是非とも達成したいということを基本にいたしておりまして、今年三月、政府におきまして地球温暖化対策推進大綱を策定いたしております。この大綱におきましては、それぞれ節目になります二〇〇四年、二〇〇七年に大綱の評価、見直しを行う、そして必要に応じて追加的対策を講じるというステップ・バイ・ステップというアプローチを取っているところでございます。
 この方針に基づきまして、私ども環境省といたしましては、第一ステップ、これは二〇〇四年までの間になりますけれども、この間におきましては、既存の、例えばただいま御説明がございましたエネルギー特別会計などがこれに該当いたしますけれども、特定財源のグリーン化を進めるべきであるというふうにいたしているところでございます。このような観点で、私ども、経済産業省と御協議をしているところでございます。
 また、二〇〇四年には今回のエネルギー特別会計の見直しも含めたあらゆる対策、施策の進捗状況や排出状況につきまして評価、見直しを行うということにいたしておりますので、環境省としては、その結果必要とされた場合には、二〇〇五年以降早期に温暖化対策のための環境税を導入するとの方針ということについて、引き続き具体的な検討を進めてまいりたいと考えているわけでございます。
#45
○池口修次君 今、環境省の方から、場合によっては二〇〇五年に環境税の導入も視野に入れているという話があったわけですけれども、前段で質問をして確認をさせていただいたのはある意味理由があるわけで、国土交通省としては道路特定財源の五年計画というのをほぼ確定しようとしている動きがあるということだというふうに私は理解をしましたし、経済産業省も石油特会をある意味見直しをして確定しようと、これについては環境省も話には入っているようですけれども。
 そうしますと、二〇〇五年に環境税ができたときに財源はどこから持ってくるのか。当然、一般財源というのはもうないと言っているわけですから、小泉首相が。言い方はちょっと失礼があるかもしれませんけれども、国土交通省としては、やっぱり省として五年間の使い道がありますから、そうすると、非常に一部心配されているようですけれども、今でも高い、例えば自動車ユーザーであれば自動車ユーザーのガソリンに更にまた環境税を掛けるつもりなのか、若しくは、産業界からも既に声が出ているようですけれども、その石油特会と環境税とダブルになるんじゃないかという声が出ております。
 私は、やっぱりこの点は、それぞれの税というのは余りばらばら、特に環境について、余りばらばらの省で検討する、若しくはそれは当然財源が必要ですからやるというのはやっぱりいかがなものかなと。やっぱり環境省が音頭を取って、じゃ、環境についてはこういう対策をして、こういう財源を確保しましょうというのを音頭を取る必要があるし、これはあえて言わせていただければ、国土交通省が考えている五か年計画とも全く関係がないということでは私はないというふうに思っております。是非、こんな観点で検討すべきじゃないか。少しやっぱり私は、環境省の動きというのが少し、今の環境が大事だと言っている割には二〇〇四年まではそれぞれの省の動きを見てというようなことではちょっと問題があるんじゃないかというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
#46
○政府参考人(炭谷茂君) ただいまも御説明いたしましたように、現在の温暖化対策、ステップ・バイ・ステップというアプローチを取っておる方針にのっとりまして、私どもできるだけ第一期においてはグリーン化を進めていただきたいということを申しておりまして、また、その方向で各省がそれぞれ着実な前進をしているのではないかと思っております。
 また、環境税につきましては、これは二〇〇五年度以降必要とあらばという方針で臨んでいるわけでございますけれども、現在の課税対象は、課税対象となりますのは、言わば化石燃料だけではなくて、またさらに、その他、温室効果ガスを出すものがかなりございます。例えば廃棄物の焼却、また埋立てというようなものも幅広くあるわけでございます。このようなものも含めまして、環境税というものの導入を検討していくということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、具体的な評価、具体的な制度の在り方につきましては、二〇〇四年の評価、見直しの際に税制全体の中で、また温暖化対策全体の中でということを見まして検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
#47
○池口修次君 時間になりましたので最後にしますけれども、今のそういう見解なんですけれども、私は、環境税と言うからには、欧州はほとんどそうなんですけれども、炭素税的なものが掛かるというのは一般的な常識だというふうに思っております。
 ただ、一方で、今のまま、じゃ自動車ユーザーが、これ以上税金を掛けていいのかということでいえば、私もユーザーの一員ですし、大臣も常々ユーザーの一員だと言っておりまして、これ以上の税負担はもうとてもじゃないけれども勘弁してくれという立場であるということを最後に申し上げまして、そうはいっても環境というのは大事ですから、もう少し全体的な調整の中で進めていただきたいということを発言させていただきまして、私の最後の発言というふうにさせていただきます。
#48
○森本晃司君 百聞は一見にしかずという言葉がありますが、私も十四日の日に委員長を中心に九州を訪問させていただきまして、工作船なるものを見てまいりました。我々より先に、既に扇大臣も見ておられた。また、新聞記事や、あるいはいろんなことの説明を我々も受けました。本当に、単に雑誌等々で見ているのと実際その場に臨んだのと随分自分で受け止める印象がかくも違うものかというふうに思いました。
 一つは、この船で、この船とよく、銃撃戦の弾痕の跡もありますが、負傷者三名を出したわけでございますけれども、「あまみ」始め海上保安庁、よくぞ頑張った、これをきちんとやっていなかったら実態はまだまだつかめなかったんではないだろうかということを一つは私は感じました。
 また同時に、先ほど来、最初に山下委員から御報告がありましたけれども、これはやはりもう北朝鮮のものだということは分かりますし、それから北朝鮮自身も認めているということであります。そうすると、その中で思うものは、工作船というのはいろんなときに使われる。行く途中に説明を受けたら、薬物の取引に工作船が使われることもありましょう、それと海上保安庁はいろいろ戦うわけですけれども、何か時価にすると五百億円ぐらいの薬物が接収されたとか、いろいろあります。あるいは密入国で来る場合もある。
 しかし、私はそこでちょっと頭に浮かんだのは、あの船見て、後ろ観音開きになっている。そこに小型船がある。そこにまだゴムボートがある。そして、まだ007に出てくるような水中スクーターがあって、やってきているということで、すごい、これは明らかに最初から工作船、漁船とか改造したんではなしに、最初から工作船としてあったものが漁船を装うたんだなと、先ほどから話が出ていますけれども、私もそのことは実感しました。
 もう一つ思ったのは、あそこに居住区、住む、人が寝る場所というのはほとんどないように我々は思いました。そして、この船で、ひょっとしたらこれと同じような船で、拉致された人たちはここに乗せられたんだろうか、こういう中で北朝鮮まで運ばれていったのかと。今、日本で拉致された被害者の方々あるいはその御家族の方々の問題がいろいろと議論されていますが、私はもうその場で見て、もしこれに乗せられていったんであればと思うと胸の痛む思いがいたしました。
 もう一つ思ったのは、あの工作船に何人乗っていたかは、遺体は二人か三人だったようですけれども、十数人乗っていたという。今回は拉致された人は乗っていないと私は思いますけれども、まだそういう報告、まだどうか、ありませんけれども、もしそういう人たちが乗っていたらどうなったんだろうか。これは恐ろしいことだなということ。これは、正に最初に申し上げましたように、百聞は一見にしかず、あの場に臨んだ私の思いでございました。
 大臣、我々より一足先に、すぐに現地へ行かれたようでございまして、いかがでございましょうか。私はこういう感想を持たせていただいたんですけれども。
#49
○国務大臣(扇千景君) 今、森本議員がおっしゃいましたように、私は、昨年この銃撃戦が行われました船が、鹿児島に帰ってまいりました「あまみ」、そして四隻が行ったわけですけれども、十二月の二十七日に私はまず「あまみ」を見に行って、三名のお見舞いをいたしました。そのときに、私は、「あまみ」の百数十発の被弾を見た途端に、何としてもこれは引き揚げると。しかも、戦後初の銃撃戦ですから、こんな恐ろしいことはないと思ったのが去年の十二月の二十七日。現物を見て、日本の船が、どれだけの海上保安庁の船が被害を受けたかということと、その負傷者の皆さんのあの状況を見たときに、何としても事件の究明をする、それが海上保安庁の役目であるし、また国土交通省としてそれを指揮監督していこうということを決意したのが、今、森本議員がくしくもおっしゃった、論より証拠といいますか、本当に見て初めて私はその決意を高くして、ずっと引き揚げる引き揚げると言い続けて、政府の中でも一番最初に私は、反発もありました。いや、そっとしておいた方がいいという声がなきにしもありませんでしたけれども、これは国民のために、また日本のために必要であると言い続けて、現実に引き揚げることができたわけでございますから、そういう意味では、私は、目と鼻の先の国からあれだけの重装備と、そして我が国をねらって、しかも我が国の海域内に年じゅう入ってくるという、こんな不審なことがあっていいんだろうかと。
 これは何としてもたださなければならないということで、先ほどからも申し上げておりますように、何としても解明をし、なおかつ、幸いなるかな、今まで一度も会ったことのないトップ同士が会って、日朝交渉というものが持たれるというこの場ができたことだけでも、私は、このことの追及と両国のお互いの今後再発しないという確約に持っていきたいと思っております。
#50
○森本晃司君 私と同じ思い、あるいは直接担当の大臣としてそれ以上の思いを持たれたかと思います。
 そこで、大臣、通告も何もしておりませんけれども、私、あともう一つ思うのは、この船はもっと多くの人に見てもらったらどうだろうかと。今、鹿児島のドックの中にあって、それで今の段階でまだいろいろ捜査のことがありますし、だれもかれもそこに自由に出入りするということはまたできませんかと思います。しかし、捜査をきちんとある程度終えた段階、そしてどこまでの基準で公開するのかどうかは別にしまして、これは私は、我々当然国を守る国会議員仲間も当然のことでありますが、これからいろいろと年末に向かって、あるいは来年度予算に向かって関係者がいろいろ予算を組むについては、後ほどまた私は申し上げたいと思いますが、この体制をきちんと、我々いろいろなことはしなきゃならないと思ったんですが、机の上で倍率何倍かという計算しているだけじゃ私はこの国を守るという状況にまで至らぬのではないだろうか。そういった関係の人もみんな見れる機会を作った方が私は絶対いいと思う。
 大臣のお考え、あるいはいろいろな今の段階では状況があるかと思いますけれども、お伺いします。
#51
○国務大臣(扇千景君) 森本議員がおっしゃるように、先ほども私は、まず「あまみ」の被弾状況を国土交通省に持ってきて一般に公開した。百数十発受けた船を見せただけでも、みんな見に来てくださって、みんな写真を撮って、ガラスの中に入れたんですけれども、それを全部全国を回遊するようにいたしました、「あまみ」は。
 けれども、今おっしゃったように、現物のこの工作船というものを公開するということは大変大事なことだと思いますので、私は、幸いなるかな国土交通省、インターネットも持っています。また、海上保安庁から上がってくる資料等々、現物を回遊するというのは大変大事なことですけれども、これはやっぱり保証がないんですね、危なくて。いつ、どこでねらわれるかもしれませんので、私は少なくとも国土交通省、全国のインターネットを張っておりますので、インターネットで公開をして皆さん方に供するということは、私は皆さんが共通認識を持ってくださる。今は拉致だけがテレビで言われておりますけれども、拉致以上に今後も、拉致はもうこれだけ言われたら拉致できないでしょうけれども、工作船というのは二度とないという、さっき私、金正日の、国防部長の談話を言いましたけれども、今後二度と起こらないようにということをお互いにトップ同士で言い合ったんですから、ですから私はそういう意味で金正日のこの言葉というものを実行する上においても、国民に認識していただくために、まずインターネットで公開するということを実現していきたいと、いい提案をいただいたと思っております。
#52
○森本晃司君 是非いろんな角度から御検討いただきまして、実物そのものを、回遊は仮に難しくても、見れるように私はしていただくことが非常に大事だと思っておりますので、我々も是非それの実現に向かって応援していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 そこで、こういった状況で、拉致された、そして今、日本に戻ってこられて、人たちがいてる、日朝国交のいろんな交渉に入っているわけです。今日は内閣審議官に来ていただいていますが、いらっしゃいますか。
 日朝国交正常化では二つの大きな問題点があるかと思います。
 一つは、この拉致問題、拉致被害者の家族の問題、それからもう一つは、核開発疑惑の問題、こういったことの今見通しが極めて不透明になっていますけれども、拉致事件の被害者や家族の永住帰国に向けて、今日も既に新聞に載っておりますが、「拉致被害支援新法 死亡情報家族も対象」ということで、いろいろと今、議員立法に向かって進んでいるところでございます。
 年金、医療、介護、就職、様々なそういった方々の問題がありますので、私はこの拉致被害者支援法、これは早期成立させる必要があるんではないだろうか、今、与党の中でまとめて早急に今国会に出して、来年のもう一月一日ぐらいからは実施できるようにはしなければならぬのじゃないかと、このようにも思っておるわけでございますが。
 同時に、単に議員立法であるということだけではなしに、政府は政府としての責任があるかと思いますが、その取組をもう始めなければならない、あるいは明確化しなければならないと思うんですが、その点についてお伺いいたします。
#53
○政府参考人(井上進君) 政府といたしましても、今、委員から御指摘ありましたように、北朝鮮によって拉致された被害者の方々及びその家族の方々が安心して生活できるように環境を作っていく、こういうことが急務であると考えております。
 このような認識の下に、被害者、拉致被害者の方々のための総合的な支援策につきましては、被害者の方々、被害者や御家族の方々の要望や関係地方自治体との連携を踏まえつつ、内閣官房が中心となって関係省庁間で実務担当者のレベルで会合を開催するとして、今、鋭意検討を進めているところでございます。
 現時点におきましては総合的な支援策の具体的内容等につきましては結論はまだ得ておりませんが、総合的かつきめの細かい支援策を早急に取りまとめるということで、引き続き作業を進めてまいりたいと考えております。
 その中で、現行法制下で措置できない施策の実現を図る場合にはやはり法律上の手当てが必要ということでございますので、国会の御協力を仰ぐことになると思いますので、その点は、その際はよろしくお願いいたしたいと思います。
#54
○森本晃司君 次に、外務省、今日は来ていただいているかと思いますが、今後の日朝国交正常化交渉において、拉致事件とそれから核開発問題というのは、これはこういったことの解決なくして正常化なしと、こういう姿勢で原則堅持、これが不可欠でありますけれども、そういうことで、私はもう一度そのことについて確認をしておきたいわけでございますが。
 拉致事件について、拉致を北朝鮮が認めたからこれで終わりということでは私はないと思っております。むしろ認めたときからこの拉致問題は更に始まったのではないだろうかと、そういうふうな思いで取り組まなければならないと考えておりますが、その見解をひとつお伺いしたいということと、もう一つは、一九五九年以降行われた北朝鮮への帰国事業で、在日朝鮮人の方々に伴って約千八百人の日本人配偶者含む数千人の日本人が同国に渡ったと言われております。ここで、こういった方々の、一点は安否の確認、二番目は希望者の早期帰国の実現、それから三つ目は、これは非常に難しいわけでございますが、日本へ極秘に帰っている人たちがいらっしゃるということでありますけれども、これは非常に慎重にしなければなりませんけれども、こういった問題について、国交正常化の正式な議題にして人道上しっかりとその方々を守っていくという結論を出すべきだと、こう思っておりますが、いかがですか。
#55
○政府参考人(田中均君) 委員御指摘の二点につきまして、私どもも思いは同じでございまして、拉致問題につきましては、正に今後、生存されている方々の永住帰国の問題、それから事実関係の徹底的な解明、その後に生じるであろういろいろな諸問題その他も含めて、正に今後、国交正常化交渉の中で最優先の課題として取り組んでいくべきものであるというふうに考えております。ですから、その点につきまして、正に拉致問題の解決というのは今後取り組んでいかなければいけない問題、九月の十七日の日朝首脳会談で終わったわけでは更々ないということでございます。
 それから、日本人妻の関係の諸問題、これにつきましては、先般の十月の末の再開された正常化交渉におきましても問題提起をしてございます。すなわち安否の問題、それから日本人妻の方々のふるさと訪問というか、故郷への一時帰国の問題等々、問題指摘をしてございます。今後の正常化交渉の中で当然のことながら取り上げていくべき課題だと考えておりますけれども、どういう形で取り上げていくかということについては、委員の御指摘も踏まえて十分検討をさせていただきたいと、かように考えるわけでございます。
#56
○森本晃司君 次に、内閣危機管理審議官にお尋ねしたいと思います。
 先ほど来、扇大臣の答弁の中にもありましたけれども、金正日国防委員長が工作船事件について特殊部隊の関与を認めた、再発防止を約束したということであります。私は、だけれども、どうも、この間その船を見て、再発防止を約束したからもう二度と起きないということはないんじゃないだろうか、まだまだこれは場合によっては続くのではないだろうかと思っておりまして、この不審船対策というのをよりこれから充実をしていかなきゃならないんではないだろうか。そして、非道な活動をしている、その活動を抑止して国民の不安を解消することが必要だと思っております。
 二十三日の参議院の本会議で小泉総理が、国民の安全にとって現実の脅威となっているこれらの事態に対して有効な対応を確保することは、政府の重大な責任だと痛感しております。こうした反省に立って、事態に応じて警察、海上保安庁等の警察機関と自衛隊のそれぞれの機能が最大限に活用されるよう、態勢、装備、相互の連携の在り方について一層の改善と強化を図り、国民の不安を解消していかなきゃならぬと思いますと、このように答弁されておられますが、不審船、工作船問題についてどのように取り組まれるか、お伺いしたいと思います。
#57
○政府参考人(村田保史君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、不審船あるいは工作船、これは改めて申すまでもなく、我が国それから我が国民にとってその安全を脅かす大変重大な問題であります。この問題について、さきの日朝首脳会談におきまして金正日委員長は同国の関与を認め、二度とこうした事案を生じさせない旨表明したわけでありますが、政府としましては、今後の日朝交渉を通じて事実関係の解明を求めるとともに、その再発防止を確保していく所存であります。
 他方、政府としましては、今後ともこうした不審船事案に対しては厳正な対処を行う方針であります。このため、従来から進めてきました海上保安庁と自衛隊による共同対処の態勢や装備の充実などの対策を確固として進めますとともに、両者による共同訓練などを通じて不断に改善を重ね、これにより不審船対策に万全を期してまいりたい考えであります。
#58
○森本晃司君 自衛隊との連携等々あります、警察との連携あります。
 私は現場に行って思ったことは、巡視船は当日はなかったので私はいずれまた巡視船も見せていただきたいと思うんですけれども、これは装備、大臣も度々おっしゃっておるけれども、よほど装備をしっかりしないと駄目だなと思いました。「あまみ」の負傷者の方、三名出たということでありまして、幸いその方々は元気になられて、私も状況を聞きましたら、もう任務に就いていらしててすごいなと思ったのと同時に、ただ、あと精神的な問題がありますから、その辺の問題のリハビリにもいろいろ尽くされているということではあります。だけれども、私は、もう負傷者が出るという、もうそうなれば出るんですから、そのためにそれを少なくするための装備というのは極めて必要ではないか。
 あの向こうの工作船、スクリューが四つ付いている、見ましたら。幸いそのうちの何ぼかが今回は動かなかったのであそこまでのことがやれたかと思うけれども、あの四つのスクリューが全部動いていたら、やっぱり取り逃がしていると私は思うんです。なぜかというと、不審船が聞いたら六十ノットぐらいで、日本が巡視船が三十ノットぐらいでしょう。六十ノットと三十ノットと競争したらこれは明らかに負けるわけでありまして、しかも、あの不審船の底が鋭角にびっとなっているのを波をばっと切りながら逃げていくのではないかと思っています。
 不審船事案対処の検証結果というのを見ると、不審船追跡能力、海上保安庁の巡視船、航空機では追跡能力が不足、あるいは情報それから通信監視能力、先ほど来出ておりました防弾対策、そういうことが十分ではないのではないかと、このように思っております。
 海上保安庁、責任者として装備についてどのように、今の状況にどのように臨んでおられるかをお伺いいたします。
#59
○政府参考人(深谷憲一君) 御指摘の装備の関係でございますけれども、海上保安庁といたしましては、先生御案内のとおり、平成十一年三月に能登半島の沖合の事案というのが発生いたしました。その事案を踏まえまして、当時関係閣僚会議で取りまとめられました教訓・反省事項というものがあるわけでございます。
 これに基づきまして、監視能力を強化する、あるいは対応能力を整備するということで、不審船を捕捉するのに十分な能力を有する船という意味で、高速特殊警備船三隻、これを配備したり、夜間監視機能を強化をしたヘリコプター、これを二機を配備するなどしてまいったところでございますけれども、先生御指摘のとおり、今般の九州南西海域不審船事案におきましては、巡視船が多数の被弾を受けるとか、既にお話がございますように、私どもの海上保安官三名が負傷するというふうな結果にもなっておるわけでございまして、私どもといたしましては、こうした現実を踏まえまして、今後海上保安官を更に、海上保安官の生命、身体、これを安全を確保するための現在での巡視船艇あるいはヘリコプター、この防弾対策の更なる推進、それから巡視船の武器の高機能化も実施しなきゃならないというふうに思いますし、御指摘のように、荒天下におきまして現場対処をしなきゃいけないということで、そういった気象条件の下におきましても迅速に現場に進出して遠距離から正確に対応できる、すなわち射撃できる武器、こういったものも装備した、いわゆる高速、高機能、大型の巡視船などもこれは整備する必要があるだろう。
 他方で、当然画像情報を含むいわゆる情報を的確に共有する必要がありますが、そういったための情報通信システムの整備、また、昼夜を問わない巡視船艇、航空機の監視能力の強化というものも必要だろうということで、こういったことについてその整備、装備の強化、これを早急に進めたいということで、来年度も、先ほど大臣からも御答弁ございましたような、所要額の予算を要求をさせていただいているところでございます。
#60
○森本晃司君 今、長官からお話があったとおりだと思っております。海上の安全を、また国民のいろんな不安を取り除くためにも、私は今回の一つの事件あるいはその工作船を引き揚げ、そしてその状況を見ることができたことを期に、更に私は海上保安庁もこの問題について充実をさせていかなければならない。
 予算については、幸い、我が委員長も御視察をいただいておりまして、同じ思いだと思いますし、これはもう党派を超えて、バスの中でもそんな話をしておりましたけれども、この問題については応援をしなければならない問題であると私は思っております。私も全力で応援していきたいと思っておりますが、いよいよ予算編成に向けて取り組む大臣の所信をもう一度お伺いさせていただきまして、私の質問を終えさせていただきます。
#61
○国務大臣(扇千景君) どれをどのようにするか、また相手がこうだから、こちらがこうするという、私は、一つ一つの事例は重なりますから省きますけれども、あれだけの重装備を持って、五千メートルの射程距離のものまで持っているとなりましたら、ロケットまで持っているというのじゃ、とてもこれ、対応能力、どこまで対応しても追っ付かないんです、今の現状では、正直申し上げて。
 でも、最低限、少なくとも海上保安庁の職員の生命を守るだけの最低限の装備の補充はさせていただきたい、補足はさせていただきたい。そういうことで、少なくとも安全な距離から正確な射程が可能で、悪天候の影響を受けにくい、高速、高機能の大型巡視船の整備、これはどうしても必要であるというのが、今、海上保安庁長官から言ったとおりでございます。
 二つ目には、巡視船とか航空機の防弾対策、先ほども申しました。それから、巡視船の武器の機能の高度化、これは二つ目に何としても大事である。
 三つ目には、赤外線による捜査とか監視装置とか高性能のレーダーなどが少なくとも対策を持つということでなければ、これはこの間も申しましたように、重装備しているのを知らないで近くまで寄ってしまったと。そばまで行って、もう至近距離まで寄ってしまったということでは困りますので、やっぱり少なくとも赤外線による捜索等々もできるようにしなければいけないと。
 そういうことで、平成十五年度、先ほど申しましたように、私は本来は五百億は必要であると言い続けているんですけれども、最低限の予算の中で遠慮しまして、二百十四億という今数字を出しておりますので、できれば五百億と言いたいところで、是非御支援を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。
#62
○森本晃司君 終わります。
#63
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#64
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 今日は、全体として三十分の時間をいただいておりますけれども、不審船問題と併せて、特に国土交通に関連します民間都市開発の問題について、二点、伺いたいと思います。
 最初に、不審船問題についてでありますけれども、私ども日本共産党は、既に今年の一月に、不審船問題に対する日本共産党の見解と提案、これを発表いたしました。その中で、特に排他的経済水域での不審船に対する対応として、周辺諸国と協力、共同して不審船などに対応できるように協議と連携の体制を取る、そして必要なルール作りを行うべきであるという提案をしてまいりました。そのためにも特に北朝鮮との外交ルートを開くことが急務であると、こう提案したところであります。
 その後、九月十七日の日朝首脳会談で、金正日国防委員長はこの不審船の問題について、これらは軍部の一部が行ったものと思われ、今後更に調査したい、このような問題が一切生じないよう措置を取る、こう述べたわけであります。不審船が北朝鮮のものであるということを認めました。
 これは平壌宣言の中で、「双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認した。」と、こういうふうにしっかりと位置付けられました。「また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。」とされて、この平壌宣言の一番最後の一文では、「双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。」となっています。
 今日は外務省においでいただいておりますけれども、外務省に伺いますが、この平壌宣言の立場というのは、不審船を含めた安全保障にかかわる問題について両国の間で今後これから解決していくための基本的な合意があったと、こういうふうに、問題はこれから解決するわけですけれども、この方向についての基本的な合意があったと、こういうふうに理解してよろしいかどうか。この点について、まず伺います。
#66
○政府参考人(田中均君) お答えを申し上げます。
 委員が御指摘になりました平壌宣言でございますけれども、幾つもの条項が実は関係があるわけでございますが、一つは正に正常化交渉、正常化というのはこの宣言に示された精神、基本原則に従ったものであるということ、これは一項にございますが、さらに、国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に誠意を持って取り組むということもうたわれております。それから、委員が御指摘の三項で、互いの安全を脅かす行動を取らない、それから遺憾な問題が今後再び生ずることがないよう適切な措置を取ることを確認した。それから四項のところで、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくということでございます。
 かつ、日朝の首脳会談におきまして、委員が御指摘のとおり、金正日国防委員長の方から、このような問題が二度と起こることがないよう措置を取るということでございます。
 したがって、私どもとしても当然、こういう工作船の問題については、これが二度と生ずることがないよう事実関係の確認も含めて正常化交渉、安保協議、この中で問題を解決をしていくと、話合いによって解決をしていくというのが基本的な考え方であり、その点については少なくとも平壌宣言では確認をされているということでございます。要は、この宣言が履行をされるように担保をするということだと思います。
#67
○富樫練三君 そういう中で、十月の二十九、三十日に日朝国交正常化交渉の第十二回本会談が開かれました。この席上で日本側から、二〇〇一年十二月に九州南西海域で沈没した不審船については北朝鮮の工作船であるというふうに結論付けて、そして日朝首脳会談において、金正日国防委員長が言及した調査、再発防止、これが履行されることを注視したいと、注目したいと、こういうふうに日本側としてはこの会談で述べたというふうに外務省の報告にあります。
 この十月二十九、三十日の会談なんですけれども、このときにこの日本側の見解に対して北朝鮮側はどう反応したんでしょうか。それから、このとき、既に日本側にはもう工作船、引き揚げた工作船の写真など証拠があるわけですけれども、そういう写真などを示して相手方に調査やその後の対策について迫ったのかどうか。それからもう一つ、北朝鮮側の調査とかあるいは措置がその後どう進展しているのか。これらについてはどうただし、どういう回答があったのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(田中均君) お答えを申し上げます。
 今、委員が指摘されたとおり、先般の国交正常化交渉、十二回交渉の場で、工作船について日本側より、昨年十二月に九州南西海域で沈没した不審船については北朝鮮の工作船であると結論付けたこと、それから日朝首脳会談において金正日国防委員長が言及した調査、再発防止が履行されることを注視したいと、こういう趣旨で発言を行ったということでございます。これに対して北朝鮮側から特段の回答はその場ではございませんでした。しかしながら、一貫してこの正常化交渉の中で北朝鮮側が言っているのは、平壌宣言は守るということでございました。
 お尋ねの写真等を示したかどうかということでございますが、前回の協議においてはそれを示すことはございませんでした。子細、より詳細なことは今後の協議の中できちんと取り上げていくというのが日本側の方針でございますし、前回の正常化交渉というのはどちらかというと日本のプライオリティーというか、優先度を明らかにして日本の主張を全部述べるということが基本的な考え方であったということでございますので、詳細につきましては、当然のことながら今後の正常化交渉あるいは安保協議の場できちんと取り上げていくということでございます。
#69
○富樫練三君 平壌宣言では双方は安全保障にかかわる問題について協議を行っていくと、こういうふうにしたわけですけれども、これについて、外務省北東アジア課の概要と評価という報告書というか、文書が出ているわけですけれども、この中では、両首脳は地域の安全保障や双方の安全にかかわる問題について日朝間で協議の枠組みを作り、日朝国交正常化交渉と連携しつつ継続的に協議していく、この点で一致したと、こういうふうに外務省は報告しています。
 この二十九日、三十日に行われた会談でありますけれども、これについての評価と概要、これも外務省の文書でありますけれども、これによれば、平壌宣言に基づいて十一月中に立ち上げられる日朝安全保障協議の場で、米国、韓国とも緊密に連携しながら北朝鮮に働き掛けていく考えであると、こういうふうに外務省の態度が出されています。ところが、その後、報道などによりますと、北朝鮮側は今月開催される予定になっております日朝安全保障協議の無期延期をほのめかしていると、こう伝えられています。
 そういう状況の下で、ある新聞の社説では、「政府には、北朝鮮に責任ある対応を迫ると同時に、交渉打開に知恵をしぼることが求められる。」、こういう社説を出した新聞がありました。あわせて、政府に対して、「いうべきはいう。しかし対話は閉ざさない。知恵と胆力が必要な時だ。」と、こういう主張も出されています。これらの主張というのは不審船問題に限らずに、拉致問題を含む交渉全体についての主張だろうというふうに感じ取られるわけですけれども、私は、工作船の問題を含めて、安全保障協議を立ち上げて問題の解決を、解明を図っていくということが、これがやっぱり問題解決の一番確かな道だろうというふうに考えます。
 正に粘り強い折衝が大事だというふうに私は考えますけれども、外務省としての基本的な姿勢をこの際伺っておきたいと思います。
#70
○政府参考人(田中均君) お答えを申し上げます。
 これも委員御指摘があったところでございますけれども、先般、朝鮮中央通信が外務省のスポークスマンの談話として、日本側が五名の拉致被害者を帰還させない限り日朝安全保障協議が無期限延長されることを含め重大な結果が生ずると、こういう趣旨の発言を行っているということでございます。これは北朝鮮の外務省のスポークスマンが言ったことでありますけれども、私どもがこの五名の拉致被害者の問題について今の日本政府の方針を変えられるかというと、それはそうではありません。日本政府の方針は維持をしていくということが基本的な立場でございます。
 一方において、先般の正常化交渉におきましても十一月中の安保協議の立ち上げについて合意をした、こういうことがございますので、当然のことながら、私どもとしては日本側の基本的な立場というものを維持したまま北朝鮮側と話合いを継続をするということでございますので、正に委員が御指摘されましたように、粘り強い態度で協議は対話を維持して問題の解決をしていくということが私どもの基本的な立場であろうというふうに考えます。
#71
○富樫練三君 この問題の最後になるわけですけれども、大臣に伺いたいと思います。
 不審船問題、これは日本の安全と平和にとって極めて重大な問題であるというふうに思います。この問題解決について今外務省からも基本的な姿勢の答弁がございましたけれども、様々な紆余曲折があったとしても、両国間の基本合意であります日朝共同声明、平壌宣言、このとおりきちんと解決していくということがやはり一番基本になるのではないかというふうに私は考えます。国土交通大臣の決意を伺いたいと思います。
#72
○国務大臣(扇千景君) 今日は朝から各党各代表者の質問の中でこの工作船の問題を取り上げていただき、また先ほども申しましたように、委員会として現地まで行っていただいて、そして工作船を引き揚げた物を見ていただいて、どの程度であったかという認識をしていただいたことを冒頭から感謝を申し上げましたけれども、本当に皆さん方の認識がまた再び私は高まってきたと。この解決なくして日本の国民の安全、しかも漁業者の安全は図れないという新たな認識に、委員会の皆さん方の党派を超えた一致した認識を私は聞かせていただいて心から感謝を申し上げるとともに、より一層、私たちは国土交通省として、先日も、御存じのとおり、この工作船問題で今後は日朝交渉の場でこれを完全に取り上げていくということの私はなければ日朝交渉は何のためにあるのかというふうにも思いますし、一番国民の生命、財産に危険を及ぼすということを対処するための日朝交渉でなければならない。
 そういう意味で、十月の九日でございましたけれども、国交正常化の交渉に当たりまして関係閣僚会議が行われました。そのときにも私は、工作船問題を基本方針として明快にすると、明記するということを、私は海上保安庁、安全保障協議会のメンバーとするようにということで私は官房長官に申し入れまして、そのように取り計らっていただきました。
 また、今、外務省から、局長から話がございましたけれども、我々は今後、今回の三人の負傷者と、そして被弾された我々の船、海上保安庁の船、なおかつこの中国のEEZにおいて引揚げに協力してくれた中国もどういうことを言ってくるか分かりませんけれども、例えば協力費というようなことを中国がもし言ったとすれば、その金額に我が国の被害額及び海上保安庁の職員の慰謝料等々も含めたものを私は当然金額としても北朝鮮に、私は損害賠償を、中国の話と我々の国の海上保安庁あるいは職員に関する補償というものも今後は要求していくことが私は日朝交渉の大事な場であると、こういう議論をせざるして何の会議であろうと言わざるを得ないというふうに認識しておりますので、引き続いて外務省に頑張ってもらって、私たちは気長に、なおかつ的確な交渉をしていただきたいと思っています。
#73
○富樫練三君 是非、この問題については平壌宣言に基づいてきちんと解決をしていくということが将来に向かって極めて大事だというふうに感じております。
 それでは、ちょっと残りの時間が十分ちょっとですので、二つ目の問題であります民間都市開発推進機構の問題について伺いたいと思います。
 最初、大臣に伺いますけれども、冒頭、民間都市開発の推進に関する特別措置法という法律がありますが、この第一条では、「都市開発事業を推進するための特別の措置を定めることにより、良好な市街地の形成と都市機能の維持及び増進を図り、もつて地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。」と、こういうふうに第一条で決められています。
 これは、民間都市開発推進機構、略称民都とか民都機構とか言っておりますけれども、このホームページでは、「本制度は、良好なまちづくりに向けた民間都市開発事業の促進を目的としたものです。」と、こういうふうにホームページには出ているわけです。すなわち、民都機構というのは良好な市街地の形成や良好なまちづくりを目的にしている、そのことによって地域社会に貢献しよう、これが目的だということだと思うんです。
 ところが、実態は、この目的である良好なまちづくりや地域社会の健全な発展とは全く違っているという点について三つほど事例を挙げさせていただきたいと思います。
 一つは、港区高輪でありますけれども、ここに今、住友不動産が超高層のマンションを建築中であります。この土地というのは民家と港区が、区が持っていた遊園地などがあったわけですけれども、これらの土地四千九百平方メートルを住友不動産が日本ビルプロヂェクトというところを通じて買い取って、その土地丸ごと民都機構が買い取った、そして住友不動産にそれを丸ごと無償で貸与をして、そこに百メートル以上の高層マンションを造ると、こういう工事が今進んでいるわけであります。三十五階建て、高さ百十九メートル。完成したら民都機構がその土地、今は民都機構が持って、所有しているんですけれども、その土地を住友不動産に譲渡をする、そして住友不動産は土地付きの分譲マンションとしてそれをお客さんに売ると、こういう仕組みで事が進んでいるわけです。
 ただ、問題なのは、地上げによって民家が追い出されて、児童遊園地まで、区立の、区の児童遊園地まで移動させられるとか、これは区議会でも問題になりました。民家から四メートル道路を挟んだすぐ隣接のところに百十九メートルの超高層マンション。ですから、風害とかあるいは日照であるとか、そういう被害が、環境破壊が進められようとしています。
 ところが、説明会や工事協定が、一部の住民とはやるんだけれども、それ以外の住民とは一切交渉もしない、話もしない、こういう、一部の住民は締め出されるという状況が生まれています。あるいは、建設する側は二〇〇三年問題があるからということで三年間の工期を二年間に縮めた。その結果、一日の工事の時間がどんどんどんどん長くなって深夜の一時、二時まで工事をやるという、住宅地としては正にもう非常識なそういう事態がたびたび発生している。一回や二回じゃないんですね。その都度、住民がパトカーを呼んで、警察に連絡してパトカーを呼ばなきゃ駄目なような、こういう事態まで発生しているというわけなんです。
 ですから、これは一つ高輪の例なんですけれども、同じような例が高輪でやっている長谷工のマンションでも起こっているし、また板橋の住友不動産が造っているマンションでも同じような事例が起こっているというわけです。
 ここで大臣に伺いたいわけですけれども、こういう事態であって果たして、民都機構が土地を買い取って無償で貸与してマンションを造る、これで良好なまちづくりだと、地域の、健全な地域社会を作ることに貢献していると言えるのか。大臣のまず基本的な認識を伺っておきたいと思います。
#74
○国務大臣(扇千景君) 今、富樫議員が幾つかの事例をおっしゃいましたけれども、それは各区が許可し、都が許可していることですから、個別のことに関して私がどうこう言うことはいたしません、それは原則として。ただ、今、民都機構と言われるものが少なくとも良好の、住民の皆さん方の良好な市街地の形成と都市機能の維持及び増進をするということがちゃんと明記されている以上は、私はじゃどこまでの範囲で皆さんに説明すればいいのか、あるいはそれが五十メートルなのか百メートルなのか、それは私はそれぞれの区役所あるいは都市、都知事ですか、都で許可されるときに私はきちんと話合いが持たれるべきであると。
 ただ、戦後今日まで、私は、二十世紀に建てられた建物というのが大体的に粗悪なものであったり、あるいは建て替えの時期が来ていると、耐久年数が来ているということにおいては、新たにまちづくりをするときには多くの皆さんの意見を聞いて新たな二十一世紀型の、バリアフリーもあるいは災害の避難所もあるような都市づくりをしていくべきだということのために転換しているという基本的な都市づくりの政策というものは国土交通省が指導しているということは事実でございますので、私は都市機能の、民都機構がどういう話し合いをしたかの私は事例は逐一聞いてはおりませんけれども、少なくとも今、富樫委員がおっしゃったように、ある地域の人にだけ説明をして、それ以外の人には説明しなかったという範囲がどういうことであったのかは私は存じませんから、それは区なり都なりが、私は、どの範囲の人にするかというのは私はきちんとあると思いますので、その辺のところはもし分かりましたら局長に答えさせます。
#75
○富樫練三君 個々の問題について一々答えなくても別に構わないんです。問題なのは今度のこの法律について、この法律をきちんと守らせる責任を負っているのはだれかといったら大臣なんですよ、これはね。個々の建築確認であるとか個々の問題についてそれは都とか区が対応するというのはたくさんあります。しかし、法律の基本をきちんと守らせるというのは、これは大臣の責任であるから、大臣も首を縦に振っていますからそのとおりだと思うんですけれども。
 そこで、民都機構がそういう民間の都市開発を援助する、支援する、これは大きく言って二つあるんですね。これは例えば今回の住友の例のように、土地をそっくり買い取って無償で貸与する、で、そこに大きなビルを造ったりマンションを造ったりと、これが一つの支援の仕方ですね。もう一つは、買い取った結果として、買い取った間の税金については、これは民都機構の方が、本来の土地所有者であった住友不動産に代わって、今は所有者だから税金は払ってあげると、こういう格好になるわけなんですね。
 そこで、伺いますけれども、この高輪一丁目の住友不動産が開発している四千九百平方メートルの土地でありますけれども、民都機構が幾らで買ったのか、それから民都が肩代わりする税金の税目と税額はおよそ幾らなのか、分かりましたら是非答えていただきたいんです。
#76
○政府参考人(澤井英一君) まず、民都機構が土地を取得しまして、保有している間に負担します税金の税目は固定資産税、都市計画税、特別土地保有税でございます。
 この土地の購入価格及びこれに関連した税負担という今のお尋ねでございますけれども、土地の購入価格あるいは税負担というのは、土地の購入価格を類推させるという意味で、これらの情報開示につきましては、今年二月の内閣府に置かれております情報公開審査会におきまして、これを公開することにより売主にとって多額の土地譲渡代金が入ったということが知られることによりまして他の取引関係で売主を不利な立場に置くというおそれがある、また、最終的には土地を買う買主についても、これを事業化するに当たっては、例えば請負代金を交渉する場合、あるいは入ってくるテナントと賃料の交渉をする場合等、取引上のいろんな場面で不利益をもたらしかねないということから不開示が相当という判断がこの情報公開審査会においてなされております。
 今後、民都機構にとりましても、こうした情報が出ますと民間都市開発事業を行おうとする事業者が大幅に減少するということも予想されますので、私どもといたしましては、情報公開審査会の判断に従いまして購入価格あるいはこれを類推させる税負担については非公開としております。御理解を賜りたいと思います。
#77
○富樫練三君 税額については、特に公務員の守秘義務という問題もありますから、それは簡単に公開するというふうにはならないだろうということは私も分かるんです。
 ただ、私どもが調べてみましたら、この四千九百平方メートルの土地というのは四十九億三千万円なんですよ。それで、一平方メートル当たりにしますと百万九千三百八十三円。で、調べてみましたら、この場所の一番直近の公示地価の、標準点の公示地価、これは九十六万円なんです。そうしますと、一平方メートル当たり大体五万円ぐらい、五万円近く高く民都機構は買っているんです、住友から。こういう格好になるんです。五千平米近くでありますから、その分だけでも二億四千四百二十万円も民都機構は高く買っているんですよ、住友から。
 それに伴う固定資産税や都市計画税なんですけれども、これは民都が肩代わりして払ってあげるわけですから、本来、住友が払わなくちゃいけない税金を民都機構が払ってあげるわけですから。これは、計算してみましたら、固定資産税だけで、これは推定ですよ、もちろん土地の価格から推定してやったわけですけれども、大体四千五百九十五万円。都市計画税が年間九百八十五万円ですから、一年間合計で五千五百八十万円もこれは民都機構が肩代わりしているんです。
 この民都機構というのはそもそも一体何なんだと。これは大臣が認めて、この土地を買うことについて、法律に基づいて大臣が判こを押すことによってこの住友から民都機構というのは土地を買い取る、こうなったんじゃないですか。したがって、大臣は判こを押すときにはその土地がどこにあって、どういう広さで、どういう場所で、用途は何なんだということを十分承知の上に大臣が判こを押して、それで初めて民都機構はこの住友不動産からその土地を買い取ることができる。ですから、そうやって大臣が判こを押すことによってそのまとまった土地になり、そこに超高層のマンションが造られることによって住民が今度は被害を受けると、こういう関係になっているということ、大臣も御存じですよね。
#78
○政府参考人(澤井英一君) まず前段の、期間中建て替えということで仰せでございますけれども、最終的にまた土地を譲渡する段階で保有期間中に掛かった税負担その他のコストはすべて譲渡代金として回収するという仕組みにまずなっております。
 それから、借入金をする場合に、国土交通大臣の認可という手続があるのは御指摘のとおりでありますが、これは民都の財務体質の健全性を損なうかどうかという観点からのチェックでありまして、例えば土地柄がどうであるか、本件の土地でありますと国道一号線を含む三方を道路に接道している極めて整形な土地であると、地下鉄の駅も近いという、土地のポテンシャルが高いという辺りの状況を踏まえて判断をするということでございまして、事業がどう行われるかということはまた別の問題でございます。
#79
○富樫練三君 私は大臣に聞いたんだけれども、今のは全然答えになっていませんので。
 それで、大臣は十分承知の上で判こを押しているわけなんだけれども、この民都が住友不動産から土地をまとめてどんどん買ったというのは集中しているんですよ。大臣、御存じだろうと思いますけれども。
 平成十年に七件、これ住友不動産から買ったのが。それから平成十一年七件。細かいことは知らないでしょうけれども、だから私があえて言うんですよ。平成十二年に三件、平成十三年に二件ですよ。その前後は全然買っていないんです。この間に実は住友不動産の元会長が民都機構の理事になっているんですよ。だから、住友不動産の役員が理事で民都機構に行って、ここが住友不動産からどんどんどんどん土地を買い取ると、こういう仕掛けになっているということはもうはっきりしているわけなんですね。そうやって、住友不動産に便宜を図るというか、支援をして、それで超高層マンションがどんどんできると。この民都機構というのは大体常勤役員七人いるわけですけれども、そのうち六人は天下りですよね。
#80
○委員長(藤井俊男君) 時間ですので、おまとめください。
#81
○富樫練三君 はい。
 こうやって天下りと業界代表で作られた民都機構が、これがそうやって住民に迷惑を掛けていると。私は企業が金もうけをするのはいいと思うんですよ、利益を上げるのは。ただ、それは社会的な責任や社会常識とかルールをちゃんと守ることが大前提ですよ。ところが、その民都の支援を受けたこの住友不動産やあるいは長谷工はそういう社会常識を全く守っていない。こういうところに支援していいのかと。これをきちんと指導する、民都機構に対して指導する、これは大臣の責任じゃないですか。
 最後に、大臣、きちんと答えていただきたいと思います。
#82
○国務大臣(扇千景君) 時間がないということですけれども、きちんと答えるよりも何よりも、私たちは、少なくとも民都機構が土地を買い上げて、仮に、それを保有して税金を払って何年かたったときには元に買い取ってもらう、買い取るときにはその間のものをすべて上乗せして買い取ってもらうということになっていますから、私は、民都機構が、今のこの事例を挙げられましたから、この事例は十年とか十一年というのは私が就任前のことですからそのことに関しては言いませんけれども、私は、民都機構そのものが土地を買うというときには、そこから土地を買って、今おっしゃった税金なり、あるいは開発なりをして元のところへ買い戻す、買い戻すときにはそれらの経費を上乗せして買い戻してもらうという、きちんとした私はその形になっていますから、民都機構が天下りがあったからどうかというのはもう一遍調べますけれども、天下りがあって一定のところへ特別な配慮をしたということは私の就任以後はありませんので、調べてみることにしましょう。
#83
○富樫練三君 終わります。
#84
○田名部匡省君 今日、不審船へ私行かなかったものですから、いろんな議論がありまして、小泉総理は改革なくして成長なしだとよく言われるんですけれども、予算の使い方、これは創意と工夫が必要だと思うんです、もっともっと、いろんな場面で。もう荒っぽいですよ、使い方が。そう思って先ほど来の話を伺っていましたが。
 私は、前にも申し上げたんですね。あの不審船の対策のためには海上保安庁と海上自衛隊とばらばらにやっちゃいかぬと、コーストガードの話もいたしましたが、おっしゃるように、国土の十一倍の海域を海上保安庁で全部やってくれと言われてもこれは難しいと思う。したがって、先ほども五十八億円の予算要求したり、一万二千二百十名おる、更に百名の増員をお願いしているということで、私も安全ということから考えるとこれは大事なことだと思うんです。
 だから、ばらばらにやるのはいかがかと。しかも、大型の巡視船も装備しなきゃいかぬと。ところが、自衛隊、海上自衛隊の方は、訓練はしているけれども、別に何にもしていないわけですね。ですから、そこのところは、人を増やすのも大型巡視船も結構ですけれども、あるものをいかに合理的に使って守るかということは大事だと、こう思うんで、この間もこのことを申し上げました。
 どうぞ、少子化によってもう財政も相当厳しいという中で、この予算の使い方というのはもっともっと考えて使ってほしいなという気持ちで聞いておりましたので、是非お考えをいただいて、本当に国民の負担を求めない形でいい方法というものを考えていただきたいということを、これは私の要望にとどめておきたいと、こう思います。
 そこで、最近、マスコミでばっかり我々は分かるんですよ。阪神公団の幹部が逮捕されたとか、私の青森県の道路公社の職員が汚職で逮捕されたとか、そんなのばっかり出てきますわ。
 そこで、本四公団の債務状況、実態は今どうなっているか。取りあえず、総事業費はあれ幾ら掛かったんですか、まずそこからお答えいただきたい。
#85
○政府参考人(佐藤信秋君) お答え申し上げます。
 本四公団の財務の状況と、こういうことでございました。平成十三年度末で申し上げたいと思いますが、営業中の道路の分としまして、負債が総額が三兆六千億円でございます。それに、従来の欠損金も含めましてトータルの償還に要する額、これ出資金等も入れますが、合計で出資金等も入れまして償還すべき額が四兆六千億円でございます。
#86
○田名部匡省君 あの工事に一体幾ら掛かったんですか。
#87
○政府参考人(佐藤信秋君) 建設費そのもので申し上げますと、大変恐縮でございますが、おおむねでございますが、約四兆円でございます。
#88
○田名部匡省君 今、年間の赤字は今どのぐらいになっていますか。
#89
○政府参考人(佐藤信秋君) これも平成十三年度の状況で申し上げます。管理費が二百四十九億円、さらに利払いが千二百五十億円、こういうことに対しまして、収入が八百四十三億円でございますので、当期の損失金として六百五十五億円でございます。
#90
○田名部匡省君 そこで、これも地元に負担を求めるとかなんとかというのがマスコミを通じて出ていますけれども、これは負担求めるようになるんでしょうか。
#91
○政府参考人(佐藤信秋君) 本州四国連絡橋公団につきましては巨額の債務を抱えている、こういう状況で、昨年の十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画におきましては、組織を民営化するとともに、債務は確実な償還を行うため、国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理するなどの基本方針が示されたところでございます。
 現在、道路関係四公団の民営化推進委員会でも新たな組織が債務を確実に償還できる方策などについて御審議なさっておられるところでありますが、これから予算編成過程の中で、更に政府としてもいろいろ検討してまいる、こういうことでございます。
#92
○田名部匡省君 地元では、地元負担はもう反対だ、けしからぬ、受け入れられないと、こう言って何か騒いでいるようですけれども、いずれにしても道路特定財源の一部を回すか何かしないとこれできないんだろうと思うんですね。大臣、どう思いますか、これ。
#93
○国務大臣(扇千景君) これは元々、国土交通省としては、私は昨年、大変精力的な委員会の開催をいたしまして、国土交通省の中で私は別途委員会を民間の皆さん方で立ち上げました。そして、諸井委員長という委員長を頂いて、そして私は昨年の十一月に総理にこの諸井委員会の答申をお渡しいたしました。その後に今の四公団民営化の推進委員会ができたわけでございます。
 私は、元々本四というのは、あえて今、田名部委員が本四という話をなさいましたけれども、本四は、いい悪いは別として、三本の橋ができ上がっちゃっているんです。あとの三公団はまだ工事中なんです。ですから、私はそれを別々にしたいという諸井委員会の答申を持っていったんですけれども、総理が今度の委員会で、いや、四公団一緒だというお話になったので、じゃ、本四の一番大きい債務をどうするんだということから今御議論があります。
 それで、余りにも料金が高過ぎるから一時半額にしたらどうだと、通行料金を。そうすればたくさん通るじゃないか、収入も上がるじゃないかというお話になったんですけれども、昨日も四国の財界の皆さん方が私のところへいらっしゃいました。私、聞いたんです。この橋ができて四国の経済状況は利益が上がったんですか、上がらなかったんですか、それが一点。
 それから、過去にここの料金を二割引き下げたことがあります。二割引き下げましたら通行量は一割増えました。だから、二割削減して一割しか増えなかったので、一割分がまた赤字の上乗せになった。だから、料金を安くしたらどれだけ交通量が増えるというその積算が、二割安くしても一割しか交通量が増えないという、過去にこれやってみたことがあるんですから、実験的に。
 そういう実験で、じゃ、安くした残りの一割分はだれが負担するんですか、地元ですかということも昨日も財界の皆さん方と話し合いました。そして、私は、便利になったために逆に四国の人は大阪や神戸や京都へ買い物に行って、地元に金が落ちないということもあるんですと正直に財界の皆さんがおっしゃいました。
 ですから、私は、本来、先ほども政治判断ですからという四国の本四の話が出ましたけれども、これは政治判断が悪かった、あるいは間違っていたかもしれないけれども、できてしまったものをいかに利用するかということで、私が昨日申しましたように、この橋ができたことによって附属する県が、皆さん方がどれだけの経済効果が上がったのか。それがやっぱり数字が出てこなければ、橋の工事としては赤字だけれども、全部が経済効果が上がって、所得税とかあるいは事業税とかあるいは固定資産税がたくさんなっていれば、私は経済効果は上がったと思うんですよ。
 ですから、そういう意味では、少なくとも本四の赤字というものの解決は頭の痛い問題ですけれども、それによって四国全体の経済効果が上がった、あるいは岡山も兵庫も大阪もその経済効果はあったということができれば、これはまた別の観点から私は考えられることだと思っておりますけれども、今申しましたように、料金を下げることによってより多くの人が通るという保証がないというところが頭の痛いところでございます。
#94
○田名部匡省君 造る前にいろんなことをやっぱりきちっとやらないと、大体国のやるのは何でもそれいけ、やれいけと、造れ造れといってやって、後になっておかしくなったと。最近マンションも、先ほど来あったけれども、そういうのをどんどんどんどん新橋のあそこの跡地に建てて、都内の方がもうどんどん減っちゃって空いていると。
 ですから、後々にどうなるかということを考えてやらないと、例えば料金を下げればトラック協会は喜ぶでしょう。あるいは私は、青函のトンネルのときも、青函連絡船をどうするんですかと。あるいはフェリーをどうするのという問題を提起したんです。大間のあれもそうなんですけれどもね。
 結局、どこかに今度は痛みが出るんです。そっちのことはだれも考えないんです。いいことばかり言って、一説には橋ができてむしろ京阪神の方にどんどん流れると。私は今、新幹線が十二月一日開業になりますけれども、喜んでばかりいられないよと。今度はどんどん仙台や東京に、ディズニーランドに連れていけといって子供たちがこれはみんな来ますよ。帰りは良くて安いものをどんどん買っていったら八戸経済界打撃が出るよと、僕はそのことを前から言っておった。
 それを造れ造れということなんで、いずれにしても、やっぱりやるときにはどういうふうになるかということを十分検証して今後やるときはやっていかないと、できてからばかり問題が起きているということなんですね。
 道路特定財源を一部使えと言ったら、東北、北海道の知事さん方が、何でおれらの税金をそっちに使うんだと言って、こんなことで騒いでいる。ですから私は、やっぱりどうしてもこういうものをやるときには、後からいろんなことをやり始めるといろんな文句が出てきますから、その辺をよく考えてやっていただきたいと思います。
#95
○国務大臣(扇千景君) これは私は、先ほども政治判断が間違っていたのではないかというお話、また私は大臣になりましてから、この本四の三本の橋、あるいはアクアライン等々も基本的にはグランドデザインがなかったということから、こちらへ造ればいい、いいといって、急いでじゃ第三セクターにしようなんといって、それでだれも責任を持たないような第三セクター、財界、地方自治体、国と三分担して、じゃ、だれが責任を持つのと言ったら、責任がないような天下りのトップを持ってきて、結局は早く造るために第三セクターを慌てて作って、今になって赤字でとても財界はお金を払えない、こういう結果が各地にあるわけです。
 けれども私は、この本四に関しては、申し上げにくいけれども、田名部議員も大臣経験者として、当時は自民党で、このことに苦言を呈さなかったということも私たちは政治の共同責任だと思っています。私もそうです。私は三本要らないと言って自民党で呼び出されて怒られたんですから。私は、真ん中は要らないと、西からと東からの二本で真ん中の分で四国一周の高速道路を継続しなさいと言ったら、ちょっとちょっといらっしゃいといって呼び出されて怒られたのが私は記憶に新しいところですけれども。
 今、田名部議員がおっしゃいましたように、少なくとも私のところへ、陸海空ですから、とにかく高速道路を造ってください、新幹線を造ってください、空港を造ってくださいとみんなおっしゃって、順番に造って、まず高速道路を造って、今度新幹線止まったら高速道路の通行車の通行量が減りました。新幹線ができて、今度は飛行場を造ったら、飛行機ができたので新幹線の乗車料が減りました。これも採算取れませんと。
 やっぱり全体的な人口とあるいは経済の生産率と、それから考えて全国のグランドデザイン、何でも欲しいといったら、それはただのものは何でも欲しい。けれども、それぞれの地域の特性を生かした、海で運ぶことがその地域に一番いいのか、道路で運ぶことが一番いいのか、新幹線で送ることがその地域に一番いいのか、飛行機か、そういうやっぱり判断はその地域地域の特性を生かしてやっていただいて、その地域に即した私は工事をしていくことが公共工事の基本であると思っています。
 ただ、一点付け加えさせていただくと、イギリスのドーバー海峡に海底トンネルを造っても漁業補償料は一銭も払っていません。日本はどれだけ漁業料等々の補償を払っているか。そういうことを考えれば、今、田名部議員が本四は幾らでできましたかとおっしゃいますけれども、本体の工事よりも補償料の方が大きいということも、かつて原子力船「むつ」で大変貴重な経験をしているわけですから、我々は国のためにどうあるべきかということを考える必要があると思っています。
#96
○田名部匡省君 私は農林大臣をやったけれども、橋のころは関係なくて、もちろん農林省に関係ない話で、しかし、みんな国民全体、自分のことには関心あるけれども、よその方をやるのは余り関心を持っていないから、それぞれが銘々勝手に造ってきたと、こう思うんです。ただ、その反省に立って今これからの時代をどうするんですかと。八百六十九兆円も借金作って、連結決算やってみて、一体だれが返すんですか。
 だからこういう議論をしているのであって、だから私は、例えば新幹線だって今まであれは盛岡から博多まで各県負担しないで造ったんですよ。青森県の方に、盛岡から先造るといったら三分の一出せと。一千九百億ですか。長野もでしょう。それをのんでやっているわけだ、今。後の借金のことは考えずに。同じことなんですよ、やっぱり。そういう負担を求めていくというんなら、これからそういう負担しなきゃ造りませんよと。新幹線は負担求める、長野にも青森以北も。しかし、こっちは負担なしだと。これじゃあなた、公平でないと私は思うんで、これからのことをどうするのかということをきちっと決めて掛かっていかないと、途中で負担させられると。しかも、在来線が三十二億赤字が出る、毎年。これも負担だと。こんな金が青森県ありませんよ。だから言っているんでね。
 だから、やっぱり政治が責任持ってきちっとそういうことをこれから、駄目なものは駄目と、やりたいというんなら少し出せという形をきちっと作っていかなきゃいかぬと思うから申し上げているんで、別にやったのはどうのこうの言いません、もう今さら変えるわけにいきませんから。まあこればっかりやっていると、今日は随分来ていただいているんで、次に進ませてもらうけれども。
 ところで、道路公団の子会社、関連会社、独占的に業務を受託しているというのでいろいろこれマスコミにも書かれておりますが、競争原理が働くようにして公団本体の経営改善につなげるべきではないかと私は思うんですけれども、これどうですか。
#97
○政府参考人(佐藤信秋君) 道路公団の子会社、関連会社につきましては、平成十三年度、行政コスト計算書を作成するに当たり、民間企業で用いられている基準で判定した結果、八十四社が該当しております。高速道路の維持管理業務の発注におきまして、順次公募型指名競争入札を導入してきておりますが、子会社、関連会社八十四社は日本道路公団の維持管理業務における発注額の約九割を受注しております。これら八十四社の平成十三年度当期利益は一社平均約四千七百万円、剰余金は一社平均約十三億円となっておりまして、子会社、関連会社が利益を蓄積しているとの国民の御批判があることは認識しております。
 現在、道路関係四公団民営化推進委員会において、日本道路公団に代わる新たな組織の在り方とともにいわゆるファミリー企業問題についても検討されておりますが、この結果も踏まえながら、これら会社との関係や業務発注の在り方などにつきまして抜本的な検討を行う必要があるというふうに認識しております。
#98
○田名部匡省君 私も高速道路をよく使うんです。この前も弘前の方へ、ずっと岩手県通って秋田県通って青森県の弘前へ行く方が早いんですよ。ところが、夜になると、下をトラックばっかり走っている、国道を。高速道路走っていないんですよ。だから、これどうなっているんだと言ったら、いや、とても往復の料金、高速料金払うともう大変ですと言うんです。高速道路走らないで国道走っているんじゃ、これどうなんだろうなと思って、そういうことも見ておって気になる。
 それから、三十メートル、五十メートルと車間距離のあれが一杯立っていますよね。あんなの見て走っているのはだれもいませんよ。随分立っている、どこにも。ああいうのを無駄だというんですよ。
 だから、もう少しいろいろ考えてみてごらんなさい。もう立派過ぎて、木を植えてみたり、まあそれは悪いことではないが、何でこんなにそのまま走ればいい道路にあんな工事までいろいろやるんかなと。しかも、都内に入ってくると電光掲示板、あんなの見て走っていたら事故を起こしますよ。外国の例をよく言うけれども、外国ではあんなのありませんから、余り、高速道路へ入っても。
 もう少しやっぱり、掛け放題掛けるというんじゃなくて、これは何のためにこんなに掛けるんかなと。電話だってそうでしょう。携帯電話持っているのに一キロに一か所ずつ、掛けるの見たことないが。そういう、もう少し頭使って、創意と工夫の中で、掛けないようにしてくださいよ。
#99
○国務大臣(扇千景君) 何キロ車間距離空けろとか、あるいは六十キロしか走れないとか、それで私も聞きました。六十キロというためには何キロの、まず道路を造るときに何キロ走るかという道路造りをしているんですから、ですから、何キロを走るあれを造るんですかと言ったら、百キロ出すために百四十キロの耐え得るような道路を造っていると、こう言うんですね、例えば高速道路。百キロ出すのに百四十キロのお金を掛けて走れるようにというのは当然のことですけれども、百四十キロ走れるような道路を造っていながら百キロ制限もほとんどないんです、大体八十です。
 百キロ走れるところというのは、この間、私、全国の表、今ちょっとないかと聞いたんですけれども、ないんですけれども、ドイツは百キロ以上無制限です、アウトバーン含めて。日本は百キロで走れるところというのはもう本当にわずかしかない。百四十キロ走れるようにという道路を造って百キロ走らさないというのは警察なんです。それから、何キロごとに何キロというのは全部警察なんです。これが私は、日本の車もそうです、田名部議員もすばらしい車をお持ちでしょうけれども、百四十キロ、百六十キロ出るという車を作っていながら百キロ以上出したことって、まあ違反、時々やっているでしょうけれども、ほとんどないですよね。私の車、二百四十キロまであるのかな。けれども、少なくとも、これドイツですから、それだけ走れるようになっているんですけれども、道路自体がそれだけ走れるような道路を造りながら走らさないというのは、私は、警察なんです。
 ですから、私は少なくとも、今おっしゃったように、制限が多過ぎるし、少なくとも国民をばかにした話なんですよ。国民の認識が悪くてマナーを守らないから制限するという、私は日本の国民侮辱されていると思っていますよ、逆に言えば。
 そういう意味で、ドイツは制限もない、そしてスピードリミットも決めない。それは国民信頼しているからなんです。ドライバーを持つか、免許証を持つ限りは、そのくらいのマナーは当たり前だという認識に立って私は交通ルールを守るということがなければいけないと思いますけれども、ただ警察は、安全に安全に、事故が起こらないように事故が起こらないようにという、それだけのためにあらゆる規制をしているというのはうちだけではないので、そういう意味では、安全を図るということに対してはそれだけ日本の場合は国民に丁寧だと言えば丁寧だと言わざるを得ません。
#100
○田名部匡省君 公団の問題、会計検査院がこの前何か発表しましたけれども、やっぱり株の保有し合っている、これが競争原理が働かないんだということ、何かありましたがね。
 いずれにしても、実態をもう少し明らかにして、そしてどういうふうにすればうまくいくかということをもっと真剣に考えて、とにかく一にも二にも国民に負担求めない、それが僕は改革だと思うんです。そのことにもう全省挙げて徹底的にやっぱりやってもらわぬと、何か各省ごとに、陳情者、私のところにももうどんどん毎日来ますよ。そんな全部やっていたら金幾らあったって足りないし、大事なものに使おうというんなら、その役所の中でも、例えば港湾の予算を減らすとかここを減らすとかいって高速道路というんならいいけれども、どこも減らせというところは一つもないでしょう、これ、役所、全部署。全部、頑張ろう頑張ろうと大会開いていますがね。これやっていたら、結局、借金しちゃうというしかやり方がないんじゃないですか。
 借金はだれが返すかというと、子や孫やだ。返せる金額じゃなくなっているのにまだ頑張ってやっていると。こういうことを改めていかぬと、何が必要かということをまず重点的に、次の世代の人たちが負担に耐えれる程度にして、一番大事な部分にやっぱり予算を使っていくというのが大事じゃないですか、今、景気悪いんですから。
 青森県だって、四十代、五十代が毎日一人自殺していますよ。これは全国だってやってみたら出ていると思う。残された子供はどうなるかと僕は言っているんですよ。みんなローンで車買って、ローンで家建てて、リストラ掛けられて失業して、どこへ金を借りに行くかというと簡単に貸すところに行く。それに責められて、毎日一人ですよ。
 そういうことを考えたら、やっぱり次の世代の子供や孫や、いつも言うでしょう、僕は。そういう気にみんながなってくれないと、皆さんだって子供いるでしょう、みんな。子供のためだと思ってやったらくだらないのに金使う気になりませんよと私は思う。今やることは何かという目標がしっかり定まっていないと、だから僕はいつも基本だ基本だ、スポーツも基本だと言うでしょう。基本がぶらぶらしているからこういうことになるんですよ。
#101
○国務大臣(扇千景君) 田名部議員のおっしゃることは政治家として一番大事な基本だと私も思っております。
 そして、今、大変道路公団の話が毎日、新聞に委員会の模様等々が言われておりますので、皆さん方は、道路公団のこととあるいは四公団統合のことが世間に一番報道されておりますけれども、私は、道路公団一つ取ってみても、この委員会でも私は随時数字を出してまいりました。それは、先ほど局長が言いましたように、子会社、関連会社を含めて八十四社あるという話でございますけれども、私はもっともっと道路公団の体質自体も変えていかなければならないと。
 いつも言いますように、少なくとも維持管理会社というもの、例えば保全だとかあるいは補修だとか、料金の収受業務でありますとか、あるいは維持管理という四つの維持業務関連そのもの自体取ってみても、少なくともこれは百六十三社あるわけですね。そして、そこへ天下りしているのが四十六社ある。そのように、先ほども局長が一社の余剰金が大体十四億という話をしましたけれども、民間で余剰金なんというのは大体四千から五千億です。それが十四億台もあるなんという、そして親会社は赤字で、こういう子会社、関連会社は黒字だというのはどういうことなんだと。
 これ、民営化民営化と言っていますけれども、道路公団民営化して、この関連会社、子会社、関連会社が全部黒字ですから、全部と言ってもいいです。九〇%以上黒字です。じゃ民間だったらそれが、株がなかったら、その民間会社は今度道路公団民営化したときに全部逃げてしまっていいのかと。何の今までの余剰金を取り上げる手もないということになったら、私はそんないい話ないと思うんです。天下りしていて、みんなで余剰金を分配して、はい、さようなら。これは通常世間で言う食い逃げということなんです。
 これでは私は、道路公団の、私は、真に国民の皆さん方の言われるような、ただ民営化したらいいということではなくて、今までの関連会社、子会社というのがどうなるかということを私はしていかなきゃいけない。
 高速道路、道路公団だけでも料金収受のあのもぎりというのをやっていますね。あれ、少なくとも全国で私どれだけあるんですかと調べたら、このもぎりだけでも全国二十五社あるんです。もぎりの人たちの二十五社に幾らお金払っているんですかと、年間八百七十五億払っている。こんなことETCにしたらただで済む。ETCの設置料掛かりますよ。けれども、ただなんですから、年間八百七十五億払っていることを考えれば、私は全部ETCにすればいいと言っているのもそういうことで、私は今、田名部議員がおっしゃったように、基本的な行政の計画というものがもっと二十一世紀型にならなければならないといういい教訓だと思いますので、今回の改革に対して是非皆さん方の強い視線、叱咤激励も含めて見ていただいて、追及していただいて結構だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
#102
○田名部匡省君 終わります。
#103
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 午前中から工作船の視察に行きましたことについて同僚議員からの質問やお話ございました。ほぼ私も認識同じくするところでございまして、また大臣からもその状況、対策、予算等についても御説明がありました。国の安全にかかわることでありますから、どうかひとつ十分これから先も頑張っていただきたいんです。
 そこで、お願いでございますけれども、一つは、やはり阪神・淡路の大震災、それから四国の宇和島の生徒のこと、それから大阪で起きました小学生殺人事件の問題にかかわる問題。今、社会的な問題になっておりますように、海上保安庁の乗員の方々、保安官の方々も、いわゆるああいう負傷された方が三名、ほかに乗組員の方がおられます。恐らく負傷をされた方は、一日も早く回復を願うところでありますけれども、なお乗員の方々の問題としての健康管理の、その後の、事件後の健康管理の問題について、今言われておりますPTSD問題、それからASDの問題等について、今後海上保安庁としても十分な対策を取られて、遺漏なきをひとつ、万全の体制を取られるよう、まずは御要望を申し上げておきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、質問に入りますけれども、まず総務省の方に御質問をさせていただきます。
 地方自治法施行令の第百六十七条の十について、地方自治法施行令の一部が本年の三月に改正をされました。その中にある第百六十七条の十の改正について御説明を願いたいし、また条文中にある最低制限価格制度はどのようなものかを御説明いただきたいと思います。
#104
○政府参考人(芳山達郎君) お答えいたします。
 地方団体の支出の原因となる契約でございますけれども、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって入札した者が落札者となるというのが原則でございますが、今、先生御指摘の自治法施行令百六十七の十でございますけれども、契約の適正な履行の確保またダンピング防止の観点から、いわゆる低入札価格調査制度、また最低制限価格調査制度というのを設けております。
 低入札価格調査制度でございますけれども、工事又は製造その他についての請負契約について、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者の当該申込みに係る価格では当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあるというような場合等々でございまして、その場合は最低価格の入札者を落札者とせずに、次に低い価格で申込みをした者を落札者とする制度でございます。
 また、最低制限価格の制度でございますけれども、工事又は製造その他についての請負契約について、特に必要がある場合にあらかじめ最低制限価格を設けまして、それでもって予定価格の制限の範囲内で最低制限以上の価格でもって申込みをした者を落札者とする、そういう制度でございます。
 十四年三月、今年の三月の改正内容でございますが、従来はこの制度についての導入が工事又は製造の請負契約についてのみしておりましたけれども、昨今の地方団体における請負契約が多種多様になってきておるということもございまして、工事又は製造の請負からその他の契約も含めるということにしまして、例えばコンピューターソフトウエアの構築でありますとか清掃業務でありますとか、建築等の設計業務などを含めて、すべての請負契約へ拡大をいたしました。この旨、平成十四年三月二十五日付けで各都道府県知事あてに総務省の局長通知として発出をしております。
 したがいまして、この制度の活用によりまして、契約の適正な履行の確保ないしはダンピング防止に効果がある、相当な効果があるものと考えておるところでございます。
 以上でございます。
#105
○渕上貞雄君 同じく総務省に質問をいたしますが、ILOの九十四号条約の趣旨の徹底について御質問をいたします。
 ILO九十四号条約では、国の、自治体といった公の機関が民間会社に公共サービスを委託したり公共事業を請け負わせたりするに当たって、その地域の平均的な労働条件を切り下げるような契約をしてはならないと定められております。残念ながら、我が国はこの条約を批准をしておりません。総務省の所管ではありませんが、このような精神をやはりしっかりと受け止めていただいて、各自治体に対してその趣旨を徹底していただきたいと思うんでありますが、いかがでございましょうか。
#106
○政府参考人(芳山達郎君) ただいまILO第九十四号条約でございますけれども、公契約における労働条項に関する条約ということでございまして、今御指摘先生ありましたように、公契約に基づく使用される労働者の労働条件を当該地方の関係ある職業、産業における同種の労働者の労働条件に劣らないものとすべきであるという具合な規定でございます。
 この条約の批准はまだされておらないというようなことで、我々、これ労働行政としての問題と理解しておりまして、当省としてこれについてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#107
○渕上貞雄君 総務省の方、どうもありがとうございました。あと質問ありませんから、どうぞお引き取り願って結構でございます。ありがとうございました。
 さて、そこで、国土交通省にお伺いいたしますが、バスの入札、落札についてであります。
 最近の入札の結果を聞きますと、公認の運賃とはほど遠い運賃で落札をするケースや、地域の生活路線維持にかかわる乗り合い事業も貸切りバスの運営実績を有しない事業者までもが入札に参加をし、結果的には安ければよいという破格の入札の例も最近出てきております。
 国土交通省はこのような入札、落札の実態をどのようにとらえられておるのか、御説明いただきたい。
#108
○政府参考人(丸山博君) 市町村等によりますバスの事業者の選定について、入札についてのお尋ねがございました。
 地方自治体がバス路線が廃止された後のコミュニティーバスをどうやって運行するかということを考えます場合に、その運行を委託いたしますバス事業者を入札により選定している事例があることは承知いたしております。
 入札がいいのか悪いのかと、是非についてはいろんな議論のあるところではあると思いますけれども、応札する事業者が所定の認可等を受けているということでございますれば、効率的な運行を行う事業者の選定方法の一つであるというふうに私どもは考えております。特に、入札をどうやるかというのは地方公共団体と民間会社の商行為の範疇でもございますので、そこは私どもは見守るという形にさせていただいておるところでございます。
 いずれにいたしましても、その結果、安全運行に支障が出るというようなことがないように監視をしていきたいというふうに思っております。
#109
○渕上貞雄君 次に、判断基準の明確化についてお伺いをいたしますが、今後ますます自治体運営のバス運行の入札等が増えてまいると思います。単に安い金額というだけではなくて、社会的価値が加味されるような入札等を考えるべきだと私は思います。そのためには、バス運行対策費補助交付要綱の七条三項にもありますように、判断の基準となる一定の要件を国土交通省として明確にして、判断基準をしっかり透明にするべきだと考えますが、見解はいかがでございましょうか。
#110
○政府参考人(丸山博君) お尋ねは、私どもが定めておりますバスの運行対策費補助金の交付要綱の第七条第三項の一定の要件についてでございますけれども、都道府県の定める一定の要件の下で最も少ない補助金で生活路線等を運行する者を補助対象の事業者として選定するということになっておりまして、具体的な条件につきましては都道府県にお任せをしておるということでございます。
 具体的な例で申し上げますと、北海道などは、単に価格が安ければいいということだけではなくて、例えば地域協議会において、地域住民にとって必要と認められた運行サービスの提供がちゃんとできることというのが一つ、それから生活交通路線の運行において十分な安全性の確保ができることという二つの条件を北海道の補助金の交付要綱で規定をしておられます。
 私どもが定めております一定の要件と申しますのは、地域協議会での議論を経まして、輸送の安全の確保、利用者の利益の保護など、北海道と同じようなもので、各都道府県がその地域の実情に応じまして適切に定めていただくようにということで決めさせていただいたものでございます。
#111
○渕上貞雄君 次に、タクシーの規制緩和、これは大阪地域の実態把握について御質問いたします。
 本年の二月の改正道路運送法の施行から十か月がたとうとしています。大阪地域では既に二十種類を超える運賃が存在をしておりまして、業界関係者さえ訳が分からぬような状況だというふうに言っています。これは本当に利用者にとって便利なものかどうなのかということは疑問のあるところでございまして、熾烈な競争になっている大阪地域で規制緩和前と現在では利用者は増えているのかどうなのか、また事業者全体の運送収入は増えているのかどうか、国土交通省は掌握されているのかどうか、お伺いいたします。
#112
○政府参考人(丸山博君) ただいま先生から御指摘をいただきましたように、大阪地域におきましては、改正道路運送法の施行後、いわゆる下限割れ運賃、自動的に認可されます認可運賃の下限を下回っている運賃、あるいは遠距離割引運賃など多様な運賃が他の地域よりも進んで導入されているというふうに認識いたしております。
 これらの運賃の認可に当たりましては、自動認可運賃の下限を下回る幅であるということで下限幅が大きいと、あるいは認可後において利用者の著しい困難が生ずるおそれはないかとか、あるいは不当な競争を引き起こしてないかということを検証する必要がございますので、認可に当たりましては、期限を付して、その間、事業者からは適時適切に状況を定期的に報告させるというふうにしたところでございます。
 実際上、運賃が適用され始めましてまだ、六月ぐらいから始まりましたので、まだ四か月ぐらいでございますので、今の時点で確としてこうだということは申し上げられませんけれども、今までの結果を御報告をさせていただきます。
 一つは、いわゆる下限割れ運賃を設定しております事業者についてでございますが、一日平均の一社当たりの営業収入を見ますと、全体としては上昇傾向にございます。また、収支率という面で見た場合には、これはどのくらいお客様に浸透しているかどうかというのが事業者によって違いますので、まだら模様なのかなということでございます。
 また、遠距離割引を実施しております事業者について見ますと、平均的な原価計算の対象となります事業者とほぼおおむね同様の動きをしております。原価計算対象事業者の指標が上がれば遠距離割引の事業者の指標も上がると、異なった動きはしていないということでございます。また、一日当たり日車営収と実車キロの水準を見てみますと、これは原価計算対象事業者を若干上回るものになっているということでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、まだ実施して四か月でございますので、今の時点で確たるものとしてこうだというのはなかなか申し上げにくいところではあると思っております。
#113
○渕上貞雄君 どうか、新しい制度を取り入れてまだ時間的にはたっていないんで、どうかひとつ実態調査をよろしく今後お願いを申し上げて、実態把握に努めていただきたいと思っています。よろしくお願いを申し上げます。
 次に、緊急調整措置の発動要件の見直しについてお伺いをいたします。
 緊急調整措置につきましては、附帯決議で「事態改善のため、機動的かつ適切に運用すること。」となっております。現在の発動要件は、ここまで深刻な供給過剰状態に陥ってしまい、もう実車率が下がりようのないところまで低下しているというのが現状でございまして、発動要件に矛盾というか、欠陥があるのではないかと思っています。
 そこで、実車率と日車運収の傾向値に基づくやり方ではなくて、適正な賃金、それから労働条件を確保できる輸送収入の水準を基にすべきではないかと思っています。特別監視地域と緊急調整地域の指定要件から実車率は除外をしていただいて、今述べたような方式に見直す検討をしていただきたいと思うのでありますが、その点はいかがでございましょうか。
#114
○政府参考人(丸山博君) 先生ただいま御指摘をいただきましたように、道路運送法の改正に当たりまして、特別監視地域、緊急調整地域の指定要件については、発動基準をあらかじめ実情等を十分勘案して具体的に策定し、機動的かつ適切に運用しろと、こういうことを言われておるわけでございます。
 その附帯決議を踏まえまして、私どもが今作っております指定要件でございますが、まず特別監視地域につきましては実車率と日車営収、一日一車当たりの営業収入、この二つの数字を用いております。緊急調整地域につきましては、これに法令違反と苦情等の件数、この二つを更に追加して指標として用いることにしております。この結果、この九月に全国七百三十三の営業区域のうち約三割に当たります二百十二地域が特別監視区域として指定されております。また、緊急調整地域としては沖縄本島が指定されているところでございます。
 なぜこういうふうにしたかということでございますが、実車率や日車営収につきましては当該地域において供給輸送力が過剰になっていないかどうかということを見るための指標として用いたものでございます。また、法令違反、苦情件数につきましては主として輸送の安全それから旅客の利便を害するようなことになっていないかと、そこを見るために私どもとして採用したものでございます。
 指定要件といたしましてどのような指標を用いるかということにつきましてはいろいろ議論のあるところだと思っておりますけれども、仮に日車営収のみを基準とした場合には、事業者の判断によりまして、日勤を隔日勤務にしてしまうということによりまして数値が大きく変わってしまうおそれがございますので、指定要件の客観性を確保するという観点から、日車営収と実車率を加えた複数の指標をもって供給過剰になっているかどうかを今判断させていただいておるということでございます。
#115
○渕上貞雄君 ちょっと時間がありませんけれども、最後に大臣に、工作船の問題を含めて、例えば操舵室のところのガラスがああいうような状況だったというようなこと。とりわけ国土交通省は、陸海空にかかわる安全の問題であります、とりわけ人命にかかわる問題。しかし、そこで働いている人たちの安全もやっぱり確保することを考えないと、悪いやつだけ捕まえることだけに主力を置くんじゃなくて、やはり安全問題を考えなきゃならない。
 例えば、陸上において、高速道路において、恥ずかしいことでありますけれども、大型バスを運転する人たちが酔っ払い運転をするようなことというのは、一体行政としてどういう監視しているかというのを世の中問われると思うんでありますよ。
 ですから、どういう、安全にかかわる、私はいつも安全問題について大臣に最後に質問しているわけですけれども、今回改めて、例えばタクシーであれば安い運賃で一体乗客の輸送安全が守れるかどうかなんということを考えると、ちょっと空恐ろしくなってくるわけでありますけれども、再度、積極的な大臣の取組の考え方を聞かせていただきたいと思います。
#116
○国務大臣(扇千景君) いつも渕上委員が運転する側の身の安全、また工作船に対しての海上保安庁の働く皆さん方の生命の安全、当然私は一番大事なことであるし、それがなければ国民の安心、安全を確保できない、命を預けるわけですから。
 そういう意味では、タクシーにしろ、バスにしろ、私は一番、個人で運転して事故を起こすというのは、それは個人の不注意ということもありますけれども、人の命を預かるわけですから、私はそういう意味では、最近行われて幾つか事例が出ました。営業バスの運転手の飲酒運転、これは許せないんですよね。営業バスですから何十人乗るんですね。事例の名前、言いたくないんですけれども、少なくとも今年の七月以降、JRの東海バス、それから神戸市の交通局、そして千葉観光と、三度にわたってこの飲酒運転による、酒気帯び運転による事故というのが発生したんですね。
 私はそのときに、私はプロたる運転手というものは、朝、朝礼するだけで、飲んだか飲まないか検査すると、こう言ってきたんです、最初。ですから私は、プロの運転手たるものに飲んでいるか飲んでいないかなんて素人みたいな検査するのは、それは失礼ですよと。朝、朝礼して、みんなの顔色見れば分かるじゃないと。もっと職業的な意識を持って、こんな一々、一人ずつこんなものを見せて、あんた酔っている、酔っていない、それは失礼だと。そんなプロ意識のない人に運転してもらったら私は残念だと言ったんです。
 だから、そこまでするなと言ったら、その後で事故が起きたんです。やっぱり私が、職業の意識を持った責任感のある人が少なくなったのかなと私が言って、私はプロであることを尊重しようと思って、これは失礼ですよ、朝礼して、みんなの顔見ただけでそれは信用しなさいよと言ったのが甘かったなと反省しながら、再度、これはもう人身にかかわることだから検査せざるを得ないということで、朝礼をして、この事故を起こしたところは特別検査が入りました。そして、私は厳しい行政処分を行ったんですけれども、再発防止のためには万やむを得ず、やっぱり朝点検して、確実な対面点呼の実施等々の緊急対策、そしてすべての事業者に飲酒運転防止対策の再点検を実施させると言わざるを得なくなったんです。
 ですから、そのことに対しては、私は残念ですけれども、十月に日本バス協会に対しまして、勤務開始前八時間は飲酒禁止をする旨の抜本的な飲酒防止運転対策というマニュアルを作りました。そして、それを策定させて実行さすという手だてを取らざるを得なかったぐらい、私は、プロとしての運転手の皆さんを信用している、その信用を裏切られたんではどうにもなりませんので、私は再度日本バス協会等々にこのことを申し渡しましたので、私は、もっとプロとしての見識を持って、お客様の生命、安全を守らないような人は職業に就くべからざると言いたいぐらい、私は運転手さんというものの職業に信任をしておりますので、その信任にこたえるように皆さんが指導していただきたいと思っています。
#117
○渕上貞雄君 終わります。
#118
○委員長(藤井俊男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#119
○委員長(藤井俊男君) 次に、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
#120
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
 マンションに関しましては、近年、建築後相当の年数が経過して建て替えを必要とする建物が増加しており、その建て替えを円滑に進めるため、さきの国会におきましてマンションの建替えの円滑化等に関する法律が制定されましたけれども、現行の建物の区分所有等に関する法律については、建て替え決議の要件が不明確なために区分所有者間の紛争が避けられないことや、適正な管理を行う上で十分に対応できないことが指摘されております。
 この法律案は、以上を踏まえて、建て替えの実施の円滑化と管理の充実等を図るために、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正するものでございます。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、建て替え決議の要件等を合理化し、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数決を得るのみで建て替えが実施できるものとしております。また、建て替え前後の新旧建物で敷地の範囲及び主たる使用目的を同一のものとする要件を緩和、撤廃するものとしております。
 第二に、敷地を共有する団地内の建物の建て替えに関して、一棟の建物の建て替え決議に加えて団地管理組合の四分の三以上の承認を得て当該一棟の建物の建て替えを実施できるものとする建て替え承認決議の制度と、各棟ごとの区分所有者の三分の二以上が賛成する場合に団地管理組合の五分の四以上の決議で団地内の全部の建物の一括建て替えを実施できるものとする一括建て替え決議の制度を創設することとしております。
 第三に、共用部分の変更に関する決議要件の緩和等管理の適正化を図る措置を講ずるものとしております。
 第四に、マンション建て替え事業の施行の一層の円滑化を図るため、組合による隣接地を含めたマンション建て替え事業の施行を可能とするほか、団地内のマンション建て替え事業について、一括建て替え決議が成立した場合の組合の設立、建て替え承認決議が行われた場合の権利変換計画の決定手続等につき必要な規定の整備を行うものとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 この法案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願いいたします。
 ありがとう存じました。
#121
○委員長(藤井俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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