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2002/11/26 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 国土交通委員会 第5号
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2002/11/26 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 国土交通委員会 第5号

#1
第155回国会 国土交通委員会 第5号
平成十四年十一月二十六日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     荒井 正吾君     狩野  安君
     小池  晃君     大沢 辰美君
     富樫 練三君     市田 忠義君
     大江 康弘君     森 ゆうこ君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     狩野  安君     荒井 正吾君
     市田 忠義君     富樫 練三君
     森 ゆうこ君     大江 康弘君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 俊男君
    理 事
                鈴木 政二君
                脇  雅史君
                山下八洲夫君
                森本 晃司君
                大江 康弘君
    委 員
                荒井 正吾君
                岩城 光英君
                沓掛 哲男君
                田村 公平君
                鶴保 庸介君
                野上浩太郎君
                松谷蒼一郎君
                吉田 博美君
                吉村剛太郎君
                池口 修次君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                谷林 正昭君
                続  訓弘君
                大沢 辰美君
                富樫 練三君
                田名部匡省君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       国土交通大臣   扇  千景君
   副大臣
       法務副大臣    増田 敏男君
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
       国土交通副大臣  吉村剛太郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       岩城 光英君
       国土交通大臣政
       務官       鶴保 庸介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       原田 晃治君
       国土交通省総合
       政策局長     三沢  真君
       国土交通省都市
       ・地域整備局長  澤井 英一君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建物の区分所有等に関する法律及びマンション
 の建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤井俊男君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大江康弘君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤井俊男君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務大臣官房審議官原田晃治君、国土交通省総合政策局長三沢真君、国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君及び国土交通省住宅局長松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(藤井俊男君) 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。
 建物の区分所有等に関する法律及びマンション建替え円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案について、何点かについてお尋ねをいたします。
 私は清水谷の宿舎に住んでおるわけでございますが、昨晩も委員長とは御一緒させていただきましたが、毎朝新聞を見てみますと、今朝の新聞には出ていませんでしたが、たくさんのチラシと申しますか、広告用のチラシが新聞の中に入っておりまして、そのほとんどがマンションかあるいは住宅関係のチラシでございました。住宅というものが国民の皆さん方にいかに関心が高いかということを感じているわけでございます。
 安心して住める住宅の確保ということは、私から申すまでもなく、極めて重要なことでございますが、平成二十二年には築三十年を経過したマンションが九十三万戸に急増いたします。また、一九八一年に現在の耐震基準が作られまして、それ以前のマンションが百万戸に達しておりまして、多くの建て替えを必要とするマンションがたくさんあるわけでございまして、そうした中で、マンション建て替えの喚起を促すためにもマンション建替え円滑法がさきの国会で制定されました。これは、先ほど来申し上げましたように、安心して住める住宅の確保、私は、いま一つは景気の回復の起爆剤になるんではないかと、こう思っておるところでございます。
 マンション建替え円滑法が制定をされたわけでございますが、景気の問題につきましては、景気はまだ一向に回復していないというのが現状ではないかと思いまして、まさしくデフレに入ったんではないかと言われている現状の中でございますが、私は、この景気の低迷の原因はいろいろあると思いますが、その大きな一つは将来の不安ではないかと思います。やっぱり将来の我々の生活設計だとかあるいは老後の不安だとか、いろんな将来の不安を解消することが大事な景気にも影響を与えるんじゃないかと。
 と申しますのは、我が国のGDPは今五百兆円であります。その六割が消費の三百兆円になりますが、今、将来が不安でありますから、おのずから国民の皆さん方が財布のひもをしっかりと締めている、なかなか財布のひもは緩まないということでございますから、消費の拡大にもつながらないし、また内需の拡大にもつながらないというのが今の現状じゃないかと思いまして、その将来の不安を解消する一つは、私は、ある意味では安心して住める住宅の確保、そして安心して暮らせる年金の充実だと思います。
 そして、そうしたことによって景気の動向が良くなるということを私は思うわけでございますが、もっと確実にするということは、やはり贈与税を大幅に減税することじゃないかと思います。今、国民の皆さん方の三割が六十歳以上の方であります。そして、国民の皆さん方の今の個人の金融資産というのは千四百兆円あると言われているうちの七割近くがその六十歳以上の皆さん方がお持ちになっておりまして、贈与税を大幅に減税することによって資産が流動化いたしまして、それを受けた若い皆さん方が、贈与を受けた皆さん方が資産形成の中で住宅を確保するとかあるいはマンション建て替えの機運が高まるとかいうことになりまして、景気にかなりの影響を与えてくるんではないかと思っておるところでございます。
 そうした中で、私たちは、今、マンション建て替えのこの機運が高まってきたわけでございますが、私は、前置きはさておきながら、さきの国会におきましてマンション建替え円滑化法が制定をされたわけでありますが、そのときも幾つかの質問をさせていただきました。そして、区分所有法の改正が不可欠であると、こう申し上げました。特に建て替え決議の要件、また大規模な団地等においての建て替えをよりスムーズにするために改正が必要であるということを申し上げましたが、極めて短い期間の間に、私のお願いに対する答えかのようにいい改正案を今回提出をしていただきまして、まさしくタイムリーではないかなと思います。どうか、このマンション建替え円滑法、そして区分所有法の改正案、両法案が成立いたしまして、マンション建て替えがよりスムーズに、円滑に進むことを期待申し上げまして、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 まず、法務省の方にお願いをいたしたいと思います。区分所有法についてお願いいたしたいと思いますが、私がお尋ねをいたしまして、極めて短い期間の間に法案を作成をされ、改正案を提出されたわけでございまして、大変な御労苦あったんじゃないかと思いまして、心から敬意を表する次第でございますが、一番苦心をされた点についてお聞かせをいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(原田晃治君) 今回の区分所有法の見直しにつきましては、法務大臣の諮問に基づきまして、区分所有建物の管理の適正化、それから建て替えの実施の円滑化を図る観点から、法制審議会の建物区分所有法部会において審議、検討を行いました。そこで意見が最も激しく対立し、我々として苦労したと、お尋ねでございますが、苦労した点は建て替え決議の要件をいかに定めるかと、この点でございました。
 現行法の建て替え決議の要件でございますが、五分の四の特別多数決が得られることに加えまして、いわゆる費用の過分性の要件というものがございます。具体的に言いますと、「老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、建物の価額その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要する」、そういう場合でなければ多数決で建て替えをすることができないということが定められております。
 しかしながら、この要件は非常に明確性を欠いている、区分所有者内の意思決定の基準として十分に機能していない、しかも決議がされてもその後の紛争を誘発していると、このような批判があり、この点については法制審議会の建物区分所有法部会でもおおむね認識は一致していたわけでございます。
 ただ問題は、じゃ具体的にその建て替え決議の要件をどのように定めるかと。こういう点になりますと正に様々な御意見がございまして、それぞれがそれぞれに合理的な根拠もあったということで、成案を得るのには相当に意見の調整に苦労した、こういうことでございます。
#10
○吉田博美君 かなり短期間の間で御苦労されたということはよく分かりましたが、ところで、建て替え決議の要件の見直しについてですが、従来からこのことが紛争の種になっておりました。
 建築後三十年等の要件を撤廃し、本案では単純に五分の四の多数決のみとなり、これで要件は明確になりましたが、この検討経過についてお聞かせいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(原田晃治君) 建て替え決議の要件につきましては、先ほど申し上げましたとおり、途中いろいろ変遷がございました。
 本年三月に取りまとめました中間試案におきましては、区分所有者及び議決権の五分の四以上の多数決を得るということのほかに、これまでの費用の過分性の要件に代わる客観的、明確性の高い要件として、例えば建物が新築された日から三十年又は四十年を経過したことというような要件を付加した案をお示しして、一般からヒアリング若しくはパブリックコメントに付したわけでございます。その後、この中間試案に寄せられた意見、さらには総合規制改革会議の委員等の方々からヒアリングを行いましたが、これを踏まえて検討いたしましたところ、むしろ五分の四以上の多数決だけで建て替えができるとする意見が相当強くなりました。
 さらに、やはり中間試案で示した多数決に加えて、築後三十年の経過を必要とする案もなお有力に主張されていたところでございまして、結局この法制審議会の建物区分所有法部会におきましては意見の一致を見ることができなかったということでございます。したがいまして、その同部会が今年の八月に取りまとめました改正要綱案におきましては両論を併記するという事態になったわけでございます。
 その後、この部会の要綱案を受けまして、今年九月、法制審議会の総会でこの両論のいずれが適当であるかという点について審議をいたしました。この際、この築後三十年の経過等を必要とするという案につきましては、やはり個々のマンション等の構造とか管理の状況が非常に様々である、そういう建物につきまして築後三十年という基準を一律に適用するというのはやはり合理性を欠くのではないかと。さらに、築後三十年を経過する前の建物につきましても建て替えの必要性が生じるという場合がございますが、その場合にその建て替えが実施できるような要件、これは客観的要件を別に定めるということが、非常に明確性を保ちながら、そのような要件を策定するのが非常に難しいと、こういう意見が大勢を占めまして、委員の大多数はこの案に反対、つまり三十年を要するという案に反対でございました。結局、五分の四以上の多数決のみで建て替えを認めるべきであるという意見が大勢を占めたということでございます。
 法制審議会の総会は、したがいまして五分の四以上の多数決のみで建て替えができるとする案を一本化するという形で要綱を決定し、法務大臣に対する答申がされた、こういう経緯でございます。
 今回の改正法案における建て替え決議の要件につきましては、今申し上げましたような経緯を踏まえて立案したものでございます。
#12
○吉田博美君 建て替え決議の案件が五分の四になったという経緯については今お聞きしたとおりではないかと思うんですけれども、一番心配しておりますのは、マンションの建て替えに、非常にマンションというのは独身用の、方々がたくさん住んでいるような場合もありまして、そうしたときに、建て替え決議をするときに棄権をされた人たちがたくさんもし出てきた場合に、五分の四というのは非常にクリアするのが厳しくなるんじゃないかなという懸念もあるわけでございまして、そうしたことも一つの心配点であるわけでございますが、次に移らせていただきます。
 管理の適正化のための措置として、管理組合法人の人数要件を撤廃するということですが、そもそも管理組合法人となるメリットはどこにあるのでしょうか、またどのような効果を期待しての措置なのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(原田晃治君) 管理組合、これは区分所有者の全員で構成される団体でございますが、そこが法人格を持つかどうかでどういう差異が出るかということを申し上げますと、管理組合が法人格をもし持たないとしますと、組合名義での不動産登記が、これはできないことになります。したがいまして、代表者の個人名義で登記をすることになりますが、これは相続の際とかに個人の相続人とそれから組合の財産とがいずれに属するかということが争われるようなことが起きる可能性がございます。それから、例えば修繕工事の請負契約とか管理委託契約を締結いたしますが、これも、もし管理組合が法人格を有しなければ、組合の名義で契約をすることはできないことになります。
 これは、そういう法人格を持つということで、いろいろ法律関係、対外的、対内的な法律関係が非常に明確になるというメリットが今申し上げたところから出てくるわけでございますし、さらに管理組合の財産と区分所有者の個人の財産との区別も明確になる。さらに、その管理組合法人は登記されますので、管理組合の存在とその代表者、代表権を有する者が明らかになります。したがって、これと取引をする者も、だれと具体的に交渉すればいいかということが公示されるということになります。
 したがいまして、管理組合法人、管理組合が法人格を取得しますと、今申し上げましたようないろいろなメリットが享受できると、このようになるということでございます。
#14
○吉田博美君 そして、規約や議事録などの関係書類を電子化したり、いわゆる電子投票で議決権を行使するようにするということでございますが、具体的にどのように行うのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(原田晃治君) 規約又は議事録を電磁的記録で作成する場合の具体的な方法でございますが、例えば磁気ディスクであるとか、それから磁気テープであるとかフロッピーディスク、これらに記録するという方法が一般に考えられます。さらに、今回の改正におきましては電磁的方法による議決権の行使ということも認めておりますが、これも具体的には、例えばEメールを送るという方法、さらには管理組合のホームページに書き込むという方法、このような方法が考えられるところでございます。
 これらの方法につきましては、今回の改正法案を受けまして、法務省令に具体的な方法について委任がされておりますので、法務省令で定めるということを予定しております。
#16
○吉田博美君 区分所有法には議決権行使がよく出てきますが、出席者が議決権を持っているかどうかという確認はどのようにして行うのでしょうか。
#17
○政府参考人(原田晃治君) 集会の出席者の本人確認につきましては、区分所有法自体には具体的に規定がございません。したがいまして、現実には、集会の事務を取り仕切る者、例えば管理者においてこれを適宜の方法で行っているわけでございます。
 一般的には、集会を開く場合に、その招集通知を区分所有者から届出のあった場所に対して送るということになりますが、この通知がこれまでは書面で一般的に行われておりました。したがいまして、集会に出席した者がその通知書面を所持しているということによって区分所有者本人であることを確認するというのが一般に行われていたのではないかと思われます。
 さらに、区分所有法では、代理人による議決権行使というのも認められております。区分所有法には委任状の提出などを要求するという具体的な規定はございませんが、やはりこれも一般的には委任状を提出するという方法によって行っていたと、こういうことであろうと思います。
#18
○吉田博美君 区分所有法は、十七条において共有部分の変更の要件が四分の三以上から過半数に緩和されたわけでございますが、形状又は効用の著しい変化を伴わない場合に限定されております。しかし、これだと解釈によっては紛争が起こることが懸念されますが、具体的にどのようなものをイメージして作られたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#19
○政府参考人(原田晃治君) まず、区分所有建物の共用部分でございますが、これは、区分所有建物の場合は区分所有権の目的となる建物の部分というのがまずございます。これはいわゆる専有部分でございますが、共用部分というのはこの専有部分以外の建物の部分を申すわけでございます。具体的に言いますと、例えば廊下であるとか階段であるとか、これらの構造上、区分所有者の全員又はその一部の者の共用に供される、このような部分でございます。さらに、例えば支柱、柱であるとか屋根であるとか外壁であると、これら建物全体の基本的な構造部分、これらが区分所有建物の共用部分と言われるものでございます。
 そして、その共用部分の形状の変更ということでございますが、それは例えば外観であるとか構造などを変更することを意味しております。さらに、共用部分の効用の変更というものは、その機能とか用途を変更するというふうに解されております。
 さらに、その共用部分の変更が今度は著しい変更に当たるかどうかでございますが、これはなかなか具体的に特定するのは難しゅうございまして、個別事案におきまして、変更を加える箇所であるとかその範囲、変更の態様及び程度、このような様々な事情を勘案して判断せざるを得ないと考えております。
 例えば、建物の維持保全の観点から定期的に実施することが予定されるいわゆる大規模修繕工事でございますが、外壁の塗装であるとか屋上防水、こういうものにつきましては、これは共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないという場合に当たると思われますので、過半数の普通決議でこれを決議できるということになろうかと思います。
 他方、その共用部分であります、例えば階段スペース、階段室を改造してエレベーター室にする、それから集会室を廃止して賃貸用の店舗に転用する、こういう場合は明らかにその共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴うという場合に該当すると思われますので、これは四分の三以上の特別多数決議を要すると、このようになろうかと思います。
#20
○吉田博美君 建て替え決議に関して、敷地の同一性の要件が見直されましたが、範囲はどこまで許されるのでしょうか。例えば、全く違う土地のところに建てることはできるでしょうか。その件について、お聞かせいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(原田晃治君) まず、今回の改正法案ではございませんが、現行法につきましては、建て替え決議により新たに建物を建築する場合には既存の建物の敷地と同一の土地に建築しなければならないと、このようにしております。
 しかしながら、具体的な建て替えの事案を見ますと、例えば、建て替えに要する費用を捻出するために敷地の一部を売却する、若しくは建築規制が変更されたということで同じ敷地であれば現在の建物と同一規模の建物の建築ができないと、こういうことがございまして、そういう場合には敷地の買い増しということが必要な場合も出てくるわけでございます。こういう場合に、現行法のように既存の建物と全く同じ敷地に新たに建物を建築しなければならないということにしますと、これは区分所有者の希望する建て替えが実施できないということになりまして、やはりその建て替えの円滑な実施が阻害されるというおそれがございます。
 したがいまして、改正法はこの敷地の同一性の要件を著しく緩和したわけでございますが、ただ、既存の建物と離れた土地、全く離れた土地に建物とかを建築するということができるとしますと、これはやはり同一場所での建物の所有とか使用の継続を希望しております区分所有者の利益を不当に損なうおそれがございますし、一般的な建て替えという概念からしましてもその概念からは外れてしまうのではないかということで、この敷地の範囲を全く別に自由に定めるということはできないということにしております。
 改正法案は、敷地の同一性の要件をしたがいまして完全に撤廃するということにはせず、新たに建築する建物の敷地が既存の建物の敷地とやはり一部重なり合っているということを要求することにしております。
 したがいまして、結論的に申し上げますと、既存の建物の敷地と全く同一ではなくても、一部重なっている土地であれば、そこで新たに建物を建築するということは可能でございますが、既存の建物の敷地と重ならない全く別の土地に新たに建物を建築するということはできないと、このようになろうかと思います。
#22
○吉田博美君 御説明でよく分かりましたが、ただ、一つ心配なのは、例えば山林等を開発をして、そして宅地にして、そこでマンションを建てたところで、土砂崩れの可能性が出てくるようなマンションもあるやに思うわけであります。そうしたところを想定をしたときに、できることなら違うところに、そういう部分では特例の中で違うところに土地を確保してマンション等が建て替えられるようにされた方がむしろ安心して住める住宅の確保にはつながるんではないかなと思っておるところでございます。
 また、次に移らせていただきますが、使用目的の同一要件が撤廃されましたが、そうすると、例えば店舗やオフィス、インテリジェントビルとかいろんなものに建て替えることが可能なんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(原田晃治君) これもまず現行法から御説明いたしますと、現行法は、建て替え決議により新たに建築する建物は既存の建物と主たる使用目的を同一とする建物でなければならないと、このようにしております。
 ただ、現行法のこの主たる使用目的が同一という点につきましては、何をもって主たる使用目的が同一と言えるかという点で必ずしも明確でないという点がございました。また、その周囲の土地の利用状況が変化いたしますと、場合によっては従前と異なる使用目的の建物に建て替えた方が合理的であると、それを多くの区分所有者が希望するという場合もあるわけでございます。したがいまして、新旧建物の間で使用目的の同一性を余り固く要求いたしますと、やはりその円滑な建て替えが阻害されるという事態が生じてきたということでございます。
 したがいまして、改正法案は、使用目的の同一性の要件を廃止いたしまして、新たに建築する建物の使用目的は既存の建物の使用目的と異なってもいいと、こういう規定を設けたわけでございます。
 したがいまして、今回の改正によって、住居に使用することを目的とした建物を、例えば一部、例えば一階部分を店舗用に変える、オフィス用に変えることによって、そこにテナントを入れてテナント料を取り、それを管理費用に充てると、このような建て替えも可能になったわけでございます。
#24
○吉田博美君 次に、マンション建替え円滑化法について国土交通省にお尋ねをいたしますが、まず、この両法案の成立によってマンション建て替えを円滑に進めるための課題は解消されたと思うのですが、この改正によりどのような効果を期待しておられるのでしょうか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
#25
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 マンションの建て替えに当たりましては、従来は、制度的な問題点といたしまして、建て替えに参加する区分所有者の集まりに法人格が付与されていないということがございました。そのために、建設会社等との工事の契約が結べない、あるいは従前の建物を除却するために必要となる抵当権の抹消ということに関して金融機関の理解が得られないというような、建て替えに当たっての様々な問題がございましたが、前国会で全会一致で成立いただきましたマンションの建替えの円滑化等に関する法律はこれらを解決するといったことができたわけでございます。
 さらに、残されていた課題でございますが、建て替え決議要件の明確化、あるいは団地の建て替え決議、一括建て替えですが、決議の手続の創設といったことが今回の改正法案に盛り込まれたわけでございます。
 団地形式のマンションを含め、マンションの建て替えが更に円滑に進む環境が整ったものと考えているところでございますが、なお、国土交通省といたしましては、合意形成あるいは転出者に対する居住安定措置を始め、補助、融資、税制等によりましてマンション建て替え全般にわたって総合的に支援していくということとしておりまして、これにより建て替えが円滑に進んでいくものと考えております。
#26
○吉田博美君 建て替えを円滑に進める方法として、建て替えによって得られるメリット、例えば耐震性やバリアフリー、どうなるのかなどアピールする必要があると思いますが、この点、どのように考えておられるでしょうか。メリットと併せてお聞かせください。
#27
○政府参考人(松野仁君) マンションの建て替えによって得られますメリットにつきましては様々ございます。
 例えば、住戸面積の拡大、あるいはその設備が新しくなる、水準のアップということによりまして居住環境が向上するということ。それから、エレベーターの新設、あるいは段差の解消、十分な通路幅の確保などによりましてバリアフリー化をすることができるということがございます。また、かなり古いマンションの場合は現行の耐震基準に適合していないというケースが多々あります。その場合は、新しい建物につきましては当然耐震基準に適合するということになりまして、耐震性の確保が図られます。それから、高層化が図られますと新たな空地が生じます。そういったオープンスペースの整備などによりまして居住環境の向上が図られるということもございます。またさらに、この建て替えの際に合わせて高齢者のための福祉施設あるいは子育て支援施設の併設といったことも可能になります。様々なメリットが考えられます。
 この建て替えのメリットがあるわけですが、それに伴いまして必要な費用負担も当然生じます。これらと併せて区分所有者の方々に広く周知すべきというところと考えております。
 そのために、建て替えを一方的に進めるということではなくて、建て替えのためのメリット、あるいは費用負担、それから建て替えをしない場合の改修の費用の比較検討ができるというようなことを可能にしておく必要がございます。
 区分所有者間の合意形成の円滑化が図られますよう、大臣の基本方針に基づきまして合意形成の指針、あるいは建て替えか修繕かを判断する指針といったものを作成していくということを考えております。
#28
○吉田博美君 築三十年以上のマンションになると年金のみで生活しておられる高齢者の方も多く住んでいると思われるのですが、私が一番気になるのは不動産取得税であります。建て替え費用を負担した上にまた不動産取得税の負担というのはかなり厳しいのではないかと思います。私は建て替えに関する特別な軽減措置が必要ではないかと考えておりますが、国土交通省のお考えをお聞かせいただけますか。
#29
○政府参考人(松野仁君) マンションの建て替えに伴って、建て替え後の不動産取得に伴います不動産取得税の負担がかなり厳しいのではないかという御指摘でございます。
 マンションも他の住宅と同様個人の財産でありますので、建て替え費用は基本的にはその区分所有者において負担すべきものではございますが、国も公共団体もそれに対する助成を少なくとも図っていくということを考えておりますが、更に税制上の特例措置も講じていくこととしております。
 先生御指摘の不動産取得税以外につきましても、譲渡所得課税につきまして従前資産の譲渡がなかったものとみなす、あるいは登録免許税につきましては従前の資産価額分について非課税とすると。あるいは転出される方、この方の場合には組合に買い取られて転出される場合の軽減税率、あるいはやむを得ない事情によって建替組合に買い取られて転出される場合の千五百万円の特別控除等の措置をしております。
 御指摘の不動産取得税でございますが、これにつきましては、住宅取得に際してはかなり従前から一般的に軽減措置が講じられております。そもそも、一千二百万控除あるいは土地に関しましては税額の四分の一減額といったことが講ぜられておりますので、特に土地につきましては、その住宅床面積の二倍までの税額を控除するということなどを考えますと、相当程度軽減されております。例えば、権利変換によりまして土地二千万、建物二千万といったものを得た場合の計算をしてみますと、これの評価額も固定資産税評価額は七割程度ということになりますので、それで計算いたしますと、建物については六万円程度、土地についてはほぼゼロとなるという、かなり今の制度でも軽減措置が図られているというふうに考えております。
#30
○吉田博美君 この両法案の成立によってマンションの建て替えがスムーズに進められ、それに伴って需要が喚起され、景気の回復にも寄与するものと期待しておりますが、何といっても手厚い支援を総合的に実施することが、相乗効果を生み出すことが肝要だと考えますが、この点について大臣の御所見を伺います。よろしくお願いします。
#31
○国務大臣(扇千景君) 先ほどから吉田議員に大変今回の法案を急いで作って努力していただいたと評価していただいて、大変有り難いと思っておりますけれども、元々、御存じのとおり、先ほどからのお話ありましたように、マンションの建替えの円滑化法、そして昭和三十七年に初めてできました区分所有法等々の改正、これと相まちまして、少なくともこれで私、三本柱がそろったと思っております。
 そういう意味では、今回のマンションの建て替えは、まずマンションというものを、それぞれの区分所有者いますけれども、自分の財産であるというこの大きな考え方、そして自分の財産をまず自分でどのように守るかというのは、いつも私申しますように、自助、まず自助ありき、自分で助ける、自分で守るというその自助が第一番だと思っておりますけれども、マンションの場合は区分所有がございますので、区分所有の管理組合でまず検討するということが次の共助、ともに助ける共助になると思っています。
 そういう意味では、自助、共助というものが相まって、後で税制等々の公助という、国の公助というものが入る。これが私は、共同住宅の在り方というものに対して本当に円満に解決できる。まして今後、この建て替えに関しましては、都市における居住環境あるいは地域社会の改造、さらには先ほどからお話に出ました少子高齢社会、そして住勤接近に対応した新しいライフスタイルというものも今求められておりますので、そういう創造を作っていくという一方で、私は、様々な年齢層にふさわしい区分所有というものの重みというものを、単なる生活事情とかあるいは経済事情を抱えた中でみんなで合意していく、この合意形成が一番大事だと思っておりますので。
 そういう意味では、昨年皆さんに御論議いただきましたマンション管理適正化法、これによってマンションの建て替えの相談、そういう意味で、マンション管理士というものも今もう既に相談員が五千名を超えております。そういうものを利用していただいて、私は、今後マンションの建て替えというものも自助、共助、公助という三段階にすべきだと思っていますし、また、吉田議員はイギリスにもスイスにも留学されてお住まいで外国のマンション等をよくごらんになっていると思いますから、いかに自分たちの持ち物を自分たちで大事にしているかというのを、日本よりもはるかに進んでおります。また、全体の外形の美観等々も、私はかなり吉田議員は外国で制限がある中で美観を守るというそういう私は経験をお持ちだと思いますので。
 そういう意味では、是非今回のマンションの建て替えによってより住みやすい、そしてより安全で、そしてより新しい、そして今の建て替えによって少なくとも子供が一人がせいぜいというマンションを少し広く取って二世帯同居というような、今おっしゃった将来の老齢社会に向かえるように二世帯同居できるような広さのマンションに建て替えるというものも選択できると、そういう私は幅広いマンションの在り方というものが今後私は課題になってくると思いますので。
 今おっしゃった生前贈与ということによって一緒に二部屋を改造して、そして一つになって、そして生前贈与分をしていただくと、私はより安心して安全な将来を設計できるということで、生前贈与の効果というものも、今回三千万というものを言っておりますけれども、五百五十万から三千万にということになれば、かなりの点で私は生前贈与というものも図られ、そして経済効果も上がり、そして老後の人生も安心だという、私は一挙三得ぐらいの効果が上がると思いますので、こういうマンションの建替え法を機に新たな生活スタイルというものが生まれてくると思いますので、是非そういう外国の御経験のある皆さん方のより御助言がいただければ有り難いと思っていますし、私は、今おっしゃった相乗効果を生むという点では今回の法案は大きなものであると考えております。
#32
○吉田博美君 大臣より高邁なお考えをお聞かせいただきまして私も同感をするところが多々ございまして、マンション建替え円滑法、この両法案が成立することによってできるだけ有効に土地も利活用しながら、できることなら本当に通勤が非常に簡単な、通勤に時間を要しない、あるいは高齢者の皆さん方が遠くから病院に行くのじゃなくて、本当に近くに病院に行けるような状況を作り出すということが、この両法案の成立にも大きな寄与をするところがあるんじゃないかなと思っておるところでございます。
 私は、またちょっと法務省の方にもう一度お聞きしたいと思うんですけれども、実は大規模な団地の建て替え等で五分の四の建て替え決議ができるようになったわけでありますが、今まではその敷地のほかの棟の皆さん方の全員の同意というものが必要とされたわけでありますが、今回は四分の三の同意を得られれば進められるようになったということはかなりの前進をしたと思われるわけでございますが、しかしながら四分の三ではかなりまだハードルは高いんじゃないかなという気がするんですけれども、その点も踏まえた中で、この改正についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#33
○政府参考人(原田晃治君) 実はこれまで区分所有法におきましては団地内の建物の建て替えについて特別な手当てをしておりませんでした。しかし現在、団地というのが相当に多くございますし、その多くがかなり老朽化しているという現状、したがってその建て替えをしないといけない時期に来ているという現状が目の前にあるわけでございます。
 そこで、今回の区分所有法の改正におきましては、今、議員の方から御指摘がございましたように、団地内の建物の建て替えについても手当てをいたしました。二つございますが、一つは、団地内の建物を一括して建て替えるというやり方でございます。それから、今、委員御指摘の、団地内の個々の建物を建て替える、その際に団地内の建物の建て替えにつきまして団地の敷地共有者のこれまでは全員の承認が要ったのを、必要としたのを、その四分の三で足りるとしたと、この二つの改正でございます。
 これまでの各建物を建て替える際に敷地全体の共有者の全員の同意が必要であるという考え方でございますが、これは区分所有法が特別の手当てをしていなかったために民法の共有の規定でこれが律せられていたわけでございます。その敷地にこれまで建っていた建物を壊して新しい建物を建てるということは、敷地共有者、つまり共有物のこれは変更に当たるということで、共有物の変更につきましては民法がこれ全員の同意が必要であるということにしておりますので、全員の同意が必要となされていたと解釈されていたわけでございます。
 しかしながら、これも委員から今御指摘がございましたとおり、まず全員の同意を取るということはこれはなかなか困難でございまして、これを要求するということは団地内の建物の建て替えをほとんど不可能にすると、こういう指摘が、非常に強い指摘があったわけでございます。そこで、全員の同意というものを少し緩和しようということで四分の三の同意ということにしたわけでございます。
 この四分の三が高い、まだ高過ぎるのではないかという御指摘でございますが、ただやはり共有土地上に新しくまたこれから何十年も存続期間のある建物が建つということでございますので、一気にこれを例えば三分の二であるとか二分の一であるとかいうところまで引き下げるということにつきましては、なお慎重に検討する必要があるのではないかということでございまして、まず四分の三という同意でその様子を見るということが適当であろうと、こういうことで四分の三の同意ということにされたということでございます。
#34
○吉田博美君 おおむね了解をいたしましたが、団地の全棟が建て替える場合に五分の四から、その中で各棟ごとに三分の二のということが決められておるわけですが、この根拠について、どういうことの中で取り決められたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#35
○政府参考人(原田晃治君) 今、議員の方から団地内の建物の建て替えのもう一つの方の新しい制度でございます団地内建物の一括建て替えの制度についての要件についてお尋ねがございました。
 これもう全く新しい制度でございまして、団地内の建物について、これまでのやり方であれば、各棟ごとに一戸一戸、その棟の区分所有者の五分の四の多数決で建て替え決議を行う、さらに敷地共有者の四分の三の同意が要ると。これまでは全員でございましたが同意が要ると、こういう形でございました。しかし、団地内の区分所有建物の建て替えというものを、得失を考えますと、例えば複数の棟、低い建物をまとめて高層の建物にする、それから建物部分の空き地の共用部分とこれ入れ替えたりする、建物の配置の変更をする、こういう敷地全体の利用方法を一体的に見直すというのは個々の建物の建て替えではなかなかできない、こういう指摘がございます。さらに、容積に余裕のある団地におきましては、例えば敷地の一部を処分することにより建て替えの費用を捻出するというようなことも可能でございます。
 いずれにしましても、団地につきましては、共用部分に緑地を置いたり福利施設を置くとか、いろんな全体のトータルプランを作って建て替えをすることによって大きなメリットが得られるということで、今回、団地内の建物の一括建て替え決議という制度を設けたわけでございます。
 もちろん、これは個々の建物が五分の四ということを参考にいたしまして、団地内の敷地共有者全員で構成される団地管理組合の五分の四の多数決で一括建て替え決議ができるということにしたわけでございますが、その際に各棟の区分所有者の賛否を見ますと、少なくとも各棟ごとに三分の二の数が賛成しているということが必要であるという要件を付け加えたわけでございます。
 これは、例えば十棟の建物がございまして、同じ数の区分所有者がそれぞれいるとして、八棟の建物の区分所有者が全員が賛成しますと、団地管理組合の五分の四の多数決だけでいいとしますと、理屈で言いますと、八棟の建物の区分所有者全員が賛成をすれば、あとの二棟の建物の区分所有者が全員反対しても一括建て替えができると、このようになってしまいます。しかも、一括建て替えというのは、例えばでき上がる建物の配置等の決め方によっては各棟の区分所有者に相当に大きな利害関係を及ぼすことがございます。したがいまして、少なくとも、各棟の区分所有者のかなりの数の方がやはり賛成をしているということを要件にせざるを得ないであろうと。
 その場合に、各棟の個別の建て替えに要求される五分の四ということであれば、これは非常にハードルが高いわけですし、一括建て替えを認めた趣旨が没却されてしまいます。そこをどこまで下げるかということでございますが、四分の三にするという考えもあったわけですけれども、ただ、五分の四から四分の三というのでは余り大きく下げたということにならない、そういう議論もありまして、最終的には、三分の二の賛成があれば、団地管理組合全体で五分の四という多数の決議も得ておりますので、三分の二という賛成さえ得れば一括建て替えの要件を満たすということにしようということにしたのが今回の改正の中身でございます。
#36
○吉田博美君 御説明をお聞きしまして理解をしたところでございますが、たしか総理府の時代に、国民の皆さん方にアンケート調査をいたしましたとき、あなたは国政に対する最も大きな課題は何かと。食糧の安定的供給と安心して住める国土づくりというのが答えとなったような感じがします。
 安心して住めるということはいかに国民の皆さん方にとって大事かということを感じたときに、私たちはやはり淡路・阪神大震災を忘れることはできないんじゃないかと思います。たしか富樫委員からいただいた資料の中に、一九八一年の耐震基準の前の建物がかなり崩壊をしたということをあの資料の中で見せていただきました。
 私は、本当にそのことを考えたときに、マンションの建て替えというものは本当に急務であろうと。それと同時に、先ほど大臣が言われた、本当に自助、共助、公助の形の中でマンションを建て替えることによって、より経済の活性化にもつながるし、本当により住まいのヨーロッパ型と申しますか、本当に安心して住居というものを、一生涯そこで住むことによって心の安らぎも得られるという、大事なことではないかなと思っておるところでございますが。
 私はそんな中で、淡路・阪神大震災を忘れることなく、やはりこれを、あのときにマンション建替え円滑化法とこの区分所有法の改正ができておれば比較的スムーズに建て替えができたんじゃないかと。かなり訴訟にまで持ち込まれたということを考えたときに、この法案が早く通って、そしてマンションの建て替えがよりスムーズに進むことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
#37
○谷林正昭君 おはようございます。民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 百分という持ち時間でございますが、力一杯やりますと体力的にもつかどうか分かりませんが、一生懸命やらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 去る十月十日に、第十四回の住宅月間、第十四回の住宅中央イベント合同記念式典が開催をされております。中馬副大臣もそこに出席をされ、そしてまた、高円宮殿下、妃殿下をお迎えして成功裏に終わったというふうに聞いておりました。そして昨日、たまたま私の机の上にこの国土交通省の広報誌が配付をされておりました。
 何げなくめくりますと、高円宮殿下がお言葉を述べられている、そして成功裏に非常に良かったという話がまた伝わってきました。たまたまこれを見たわけでございますが、胸が何となく、国土交通省とこういうかかわりがあるということも初めて分かって、熱くなる思いをいたしました。
 改めまして、殿下の御薨去されましたことを心から哀悼の意を尽くしておきたいと思います。余りにも早過ぎる、余りにも若過ぎる、こういう思いを持ちながら質問に入らせていただきたいと思います。
 さて、六月の段階で、この区分所有法が今改正されようとしていますよという話、そして一方ではマンションの建替え円滑法が新しい法律として出される、そういうときに議論をさせていただく場をいただきました。
 そこでまず、今この区分所有法の改正が出てまいりまして、率直にちょっと変だなというふうに思った内容がございます。
 六月段階で私の質問に対して、この区分所有法を変更するに当たり、決議するに当たり客観的要件、これについて質問をいたしております。そのときに、三十年、四十年がいいか悪いかということは議論のあるところだというふうに思いますが、客観的要件は必要という観点で質問をさせていただきました。そのときの答弁も、客観的要件はやはり要るという答弁がございました。ところが、四か月ぐらいたって今出てきた法律は、客観的要件は簡単に言いますと必要ない、あくまでも五分の四の要件だけで十分だ、こういうような話が今提案されております。
 私はこの客観的要件が消えたことに対して非常に心配をしております。中間報告では、老朽化あるいは損傷、一部滅失、このアとイの項に分けまして、甲と乙の両論併記、こういうものが出されておったわけですが、この両論どころか一つも、それが一つも残らず消えてしまった。この経緯について少しお聞かせいただきたいというふうに思います。
#38
○副大臣(増田敏男君) お尋ねにお答えを申し上げていきたいと思います。
 法制審議会建物区分所有法部会が本年三月に取りまとめました中間試案では、建て替え決議の要件といたしまして、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数決を得ることのほか、建物が新築された日から三十年又は四十年を経過したこと等の客観的要件を付加した案をお示しして一般からの意見等をお聞きをしております。
 しかし、その後の部会での審議では、五分の四以上の多数決のみで建て替えができるもの、こういう意見を有力に主張されました。結局、意見の一致を見ることができなかったために、同部会が本年八月に取りまとめました改正要綱案では両案が併記されたものとなっていました。おっしゃるとおりであります。
 これを受けまして、本年九月の法制審議会総会では、この両案のどちらが適当であるかという点について検討が加えられました。築後三十年の経過等の客観的要件を必要とする案につきましては、まず一番として構造や管理の状況が様々な建物に築後三十年という基準を一律に適用するのは合理的でないこと、二番目として築後三十年を経過するまでの間に建て替えの必要が生ずる場合についても建て替えが実施できるような要件を別に定める必要があるが、そのような要件を明確化の要請を満たしつつ定めることは困難であることなどの理由から、大多数の委員はこの案に反対をいたしまして、五分の四以上の多数決のみで建て替えを認めるべきであるという意見でございました。
 そこで、法制審議会総会では五分の四以上の多数決のみで建て替えができるものとする案に一本化する形で要綱を決定し、答申をいただいております。
 改正法案の建て替え決議に関する部分はこの要綱に基づきまして立案されたものですので、中間試案でお示しいたしました年数要件等の客観的要件は削られておるわけであります。
 経過を踏まえて御報告しました。
#39
○谷林正昭君 今の副大臣の御答弁では部会の意見と総会の意見が違ったということになるわけですね、そして総会で決定をしたということになるというふうに。それじゃ、何のために部会があるのかということに、私は言いたくなりますね。
 やはり、部会ではそれなりに真剣に、客観的要件というのは非常に大事だというのは、その建て替え決議をする前には、三年、四年、五年、ひょっとしたらその前から計画を立てて、こういう理由だから建て替えをしようじゃないかというコミュニティーが、あるいは情報交換をしなければならないというふうに私は思うわけでございます。そういったときに、やはり客観的要件というのは、やっぱり建て替えをしようじゃないか、あるいはそういう思いを醸成するには非常に私は必要であって、五分の四というのはあくまでも最後の手段である、こういうふうに思います。その最後の手段に行く前が私は大事ではないかというふうなものを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、じゃ、その客観的要件が障害になって、将来のことを考えたら客観的要件を付けていると紛争が起きる可能性があるんではないかという、そういう心配も先ほど審議官の方からも出されたように思います。その客観的要件が紛争の種になったという事例はあるんですか。
#40
○政府参考人(原田晃治君) 建て替え決議の効力が争われた紛争の件数でございますが、もちろん統計として調査しているわけではございませんけれども、この客観的要件が問題であるということが言われ始めたのは、やはりそういう具体的な事案が裁判の場に持ち込まれまして、訴訟で争われる、それが数年掛かるために建て替えが結局とんざしたと、こういう事例が何件かあったということでございます。
 この機会に、訴訟が提起されて判決まで至り公表された事案というのをちょっと調べてまいりました。五件ございますが、そのうち客観的要件、特に費用の過分性の要件を満たしているか否かが主要な争点となった事案が三件ございました。これらはいずれも建物の老朽化とか阪神・淡路大震災によって受けた損傷に対応するために要する補修費用、それから建物の価額につきまして建て替え決議の賛成者と反対者との間で非常に主張が対立した事案でございます。いずれもその判決が出されておりますが、最終的には補修費用が建物価額その他の事情に照らしていわゆる過分であるということは言えないということで、最終的には裁判では建て替え決議は有効であると判示しておりますが、最終的にこの裁判が確定するまで五年以上掛かったという事例も報告されていると、このように承知しております。
#41
○谷林正昭君 事例はある、したがって五分の四だけの方がスムーズにいくという、そういう判断は本当に大丈夫かなというふうに思います。
 じゃ、逆にお聞きしたいんですが、五分の四という数字、これはなぜ十分の九じゃないのか、五分の四の妥当性というのは何なんですか。
#42
○政府参考人(原田晃治君) 現行法でございますが、もちろん区分所有建物において建て替え決議がされますと、建て替えに反対する区分所有者、これは区分所有建物を売渡しをしてこの建物から退去せざるを得なくなります。また、建て替えに参加する区分所有者の立場を見ましても、この区分所有建物の買取りをするためにまた建て替え費用を負担するということで相当に金銭的な出費を伴うものでございます。したがいまして、これは区分所有者にとりましては非常に重大な効果を伴うものであるという認識を持っております。
 その決議要件を五分の四にしたということでございますけれども、現行の区分所有法上幾つか特別の多数決議を要する場面というのがございます。もちろん、原則は過半数という普通決議でございますが、例えば共用部分を変更する場合、それから大規模な滅失が生じた建物を復旧する場合、このような場合には、過半数という普通決議ではなくて、特に四分の三以上という非常に重い要件を課しているところでございます。この建て替え決議につきましては、先ほど申し上げましたように、区分所有者に対して非常に大きな利害関係を及ぼすということでございますので、更にその四分の三ではなくて、もう一つランクを上げた五分の四以上の多数決を要求しているということでございまして、これは昭和五十八年に初めて区分所有法で多数決による建て替えができるとした当時から五分の四というふうになっているものでございます。
 特に、なぜ十分の九にということでございますけれども、現行の五分の四という要件自体も現在の区分所有法の中では唯一のものでございまして、相当に厳格な要件であるというふうに理解しておりますし、これを更に厳格にするということになりますと、非常に建て替え、今回の改正は建て替えを円滑に行うという立法目的がございますので、余りにこれを高い要件にするということによって多数決による建て替え決議の制度の存在意義が大きく損なわれるのではないかということから、建て替えの実施の円滑化を図るということを目的とする今回の見直しの趣旨に反するのではないかということで現在の五分の四という要件を維持させていただいたと、このように考えております。
#43
○谷林正昭君 ちょっと論理矛盾があるような気がしますね。これまでは客観的要件をしっかり維持をしてきた、そして五分の四ということをやってきた。ところが、その客観的要件を外す、そして五分の四だけにするということは緩めるということなんですね。
 緩めるということを前提にするということになれば、次の質問に入りますが、それじゃ、その少数者の財産権の保障、こういう観点からこの客観的要件抜きでも問題は本当にないんですか。力だけの、強者の論理で建て替えやすくするために五分の四にしたというような今の答弁に聞こえましたけれども、そうしたら、そういうような少数者の、理由も分からない、客観的要件もない、だけれども五分の四の人たちで決めればそれでいい、ちょっと問題あるような気がしますが、いかがですか。
#44
○政府参考人(原田晃治君) 委員御指摘のとおり、改正法案は五分の四以上の多数決のみで建て替えを実施できるとしておりますので、現行法が多数決に加えて費用の過分性の要件を満たしているということを要求しているのに比べると、建て替え決議をすることができる場合が確かに増えてまいります。
 ただ、区分所有建物といいましても、これは建物でございますから永久に存続するということはできないわけでございまして、何らかの合理的な建て替えの制度というのは用意せざるを得ない。ただ、昭和五十八年改正前は、それは全区分所有者が同意しないとできないという非常に固い制度であったために、これはほとんど建て替え制度として合理性のあるものであるとは言えなかった。昭和五十八年に五分の四という多数決議プラス費用の過分性という客観的な要件を入れたわけでございますが、ところが昭和五十八年の改正後の経過を見ますと、先ほど申し上げましたように、費用の過分性という要件が客観性を欠くために、これが結局は円滑な建て替えを阻害しているという指摘があって今回の改正になったわけでございます。
 もちろん、このために少数者の権利が阻害される、侵害されるということはあってはならないわけでございますが、今回の建て替え制度の見直しに関しましては、やはり区分所有建物を建て替えるというのはだれが決めるのかという観点から最終的には議論がされたと認識しております。結局、これは国がどうこうするということではなくて、やはりそこにお住まいの方々、区分所有者が十分な議論を尽くし、十分な情報を与えられて、十分な時間を取って議論した上で、しかもその八割、五分の四という多数な方が賛成をするということであれば、これはそこに住まわれる方々の意思で決めるというのが本来あるべき姿であろうと。
 しかしながら、議論するに際して十分な情報も与えられず、十分な時間的余裕も与えられず、十分な保障もされないということでは、これは御指摘のように少数者の保護に欠けるということがございますので、今回の改正法におきましては、まず各区分所有者が適切な判断をすることができるように決議まで十分な時間的余裕を与える。これは集会の招集通知を二か月前に繰り上げました。これまで一週間だったわけですが、二か月前に繰り上げました。それから、建て替えの要否を判断する上で必要と考えられる情報、これを各区分所有者に個別に通知するということを義務付けました。さらに、その集会の一か月前には少数者において説明会を開催して、招集通知に記載された事項について説明をし、質問があればこれを受ける。そのようにして、十分な情報と時間を与えた上で、そこに住まわれる方が十分に討議を尽くし建て替えを決めていただくと、こういう仕組みにしたわけでございます。
 もちろん、少数者というのは必ず出てまいりますが、どうしても建て替えに反対である、しかも建て替え決議が成立した後、建て替え事業にも参加したくないと言われる方につきましては、これは売渡し請求権、これは賛成者の方から売渡し請求権を行使することによってその区分所有権及び敷地利用権の時価に相当する額を保障するという、こういう制度はきちんと用意しているということでございますので、少数者の財産権保障という観点からも手当てがされているというふうに考えております。
#45
○谷林正昭君 十分な時間と情報、二か月前で招集をして十分な時間とそして情報、その間に本当にそれができるかというのは、非常にそれは、後ほどまた議論させていただきますが、問題があるというふうに思っております。
 今の話では、売渡し請求権という話も出てまいりましたが、私に言わせれば、それは強制的に出ていけというのと一緒だというふうに思うんですよ。やはりマンションに住んでいる方々のコミュニティーの醸成、これは、今ほども言いましたように、何年も前から建て替える準備しようじゃないかとか建て替えた方がいいんじゃないかとか、これくらいたったらもう三十年になるよとか、あるいはここは雨漏りがひどいとか、いろんなそういう集まりが出て初めてそういう話が少しずつ醸成されていくというふうに思うんですね。ですから、ただ法的に二か月前に招集を、二週間を二か月前にしたからそれで時間が十分取れるはずだなんという話は、もうそれは別の話だというふうに私は思います。
 そこで、ちょっと心配なのは、例えば百歩譲ってこの五分の四だけでいいんだと、そして、それを五分の四にしたことによって、法案が成立したら建て替え決議が進むんだというふうに私は思いません。少しは進むかもしれません。しかしながら、都市開発に合わせたようなやり方あるいはその地域のまちづくりに合わせたようなそういうものには私はなかなか足並みをそろえるというのは非常に難しいんではないか。そういったときにどういうことが出てくるかといったら、四分の三では厳しいんじゃないの、三分の二にしましょうよ、あるいは三分の二、一気は無理だから四分の三にしましょうよというふうに、ただその数字のいじくりだけで促進しよう、円滑化しよう、こういうような決議、法改正になっていったら私は大変だというふうに思うんです。その辺はどうですか。そういうことを考えていないんですか。それとも、やがてはそうなるかもしれないなという思いはあるんですか。
#46
○政府参考人(原田晃治君) 改正法案は、先ほど申し上げましたように、建て替えの実施の円滑化の観点から現行法の見直しを行ったわけですが、その際には、もちろん決議要件についてその引下げをすべきであるという意見もございましたので、その当否についても検討いたしました。
 しかしながら、現在の区分所有法で建て替えがうまくいかないという最大の要因というのは、やはり費用の過分性の問題であり、これが多くの指摘であり、裁判例にも表れているということでございますので、まずこれを何とか改善したい。決議要件が厳格であることが建て替え実施の阻害要因になっているという意見は、ないわけではございませんが、非常に少数であったというふうに理解しております。
 それからもう一つ、先ほど申し上げましたとおり、決議に反対の方々の区分所有権、敷地利用権につきましては、これは賛成者の方がこれを売渡し請求権を行使して買い取らないといけないと、時価で買い取らないといけないということになりますので、余りに決議要件を引き下げますと、現実にその買取り価格、これ現にそこにお住まいの方々が負担されるわけでございますので、反対者の権利を買い取るための費用の負担が非常に重くなります。結局、建て替え実施の円滑化にはそれはつながらないと、こういう意見が多数を占めたわけでございます。したがいまして、今回の改正におきまして五分の四の決議要件の見直しについても議論はいたしましたが、更にこれを引き下げるということにはしなかったわけでございます。
 今回、このように建て替えの実施の円滑化につながる重要な改正をいたしました。現時点でこの決議要件を、これまでの審議の経過からしましても現時点でこの決議要件を見直す必要があるとは考えておりません。
#47
○谷林正昭君 現時点で考えていないということは、その進み具合を見て考えるという意味ですか。
#48
○政府参考人(原田晃治君) 現時点で考えていないということは、現時点で考えていないとしか言いようがないんですが、私どもも余りにも先のことをこの段階で申し上げるということは難しい。とにかく、審議の経過からしましてもこれを直ちに見直すというようなことはあり得ないと思っておりますし、現時点ではそのようなことは考えておりません。
#49
○谷林正昭君 問題は、先ほど言いましたように、都市開発だとかまちづくりだとか、そういうときに合わせてやっぱりマンションこの際建て替えようよという話の方が、声が大きい人たちの方が多くなってくる心配を私は今申し上げておりますので、そういったときに費用の過分性なんという話は、それは出せない人は出ていってもらった方がいいんじゃないのというようなことになったら大変だという思いを、後ほどまた触れますが、持ちながら今質問させていただいております。
 ちょっと話を横へそらしますが、今、敷地の同一性要件の緩和で、隣の敷地もその考えに入れてもいいという話になっております。
 そこで、これは私の思いですが、飛び地、先ほども吉田先生おっしゃいましたが、私の思いは、道路一本挟んで向かいの土地あるいは隣の土地、こういうものはどうなるんかなと。私の思いは、今、都市再開発なんてすれば、道を挟んで通路が付いている、そういうビルもあります。そういうことになってきますと、マンションのコミュニティーを考えたときに、道路を挟んで、法律で許されるものなら、通路を作って道路を挟んだ飛び地でも、こういうところでも可能ではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#50
○政府参考人(原田晃治君) 敷地の同一性でございます。
 今回の改正法によりまして、建て替えられる建物の敷地の全部又は一部が従前の敷地と重なっていないといけない、このようになっておりますが、これはどういう趣旨でこうなっているかといいますと、元々、区分所有法というのは区分所有権の対象となる建物の専有部分と、それから敷地の利用権というのを一体として考えております。建物の専有部分と敷地の利用権を分離して処分することはできないという非常に強い拘束がございます。
 したがいまして、現在の敷地と全く別の土地に新しい区分所有建物を建てるということは、今申し上げましたように、敷地を一体として考える区分所有関係、これを解消することを意味するものでございますので、もはやそれは区分所有建物の建て替えということはできないだろうと。したがって、現行法は同一敷地での建て替えしか認めていなかったわけでございますけれども、改正法はもちろんその基本的な考え方を変えるものではございません。
 ただ、敷地の完全な同一性を要求するということになりますと、これは先ほども申し上げましたけれども、例えば建て替えに要する費用を捻出するために余っている敷地の一部を売却するとか、建築規制の変更が生じたために同じ敷地であれば現在と同一規模の建物が建たないということで敷地の買い増しが必要な場合がある、こういう状況に対応できない、こういうことがあるもので規制を一部緩和したということでございます。
 したがって、従前の敷地要件との一体性が建て替え後の建物との間に認められる限り、隣地であろうと、また道路を隔てた土地であろうと、これを合わせて新しい敷地として使って建て替えを行うことは禁止されませんし、現行法でも実は規約敷地という概念がございまして、飛び地に例えばマンションの駐車場として利用するという形で敷地とするということもできるということになっておりますので、今、委員御指摘の点については、道路を隔てた土地を敷地とすることも可能であると、このように考えております。
#51
○谷林正昭君 可能であるということになってくると、非常に私は建て替えやすくなるというふうに思います。
 というのは、その土地を取得して、そこに要は戸数を増やせますから、その空き戸数を売却して現在住んでいる人たちの負担を少しでも軽くできる。そういうふうなことを考えると、私は道路を挟んだそういう敷地ぐらいは、今ほどおっしゃいましたように、これは大目に見ようとか、そういう意味じゃないんですね。法律に基づいてしっかり指導、周知すれば建て替えやすくなるんではないかなということを実は言いたかったわけでございます。ありがとうございます。
 次に、ちょっとうがった質問いたしますが、非常に建て替えを円滑化する、あるいは区分所有をしっかり見直しながら建て替えを円滑化するということでございますが、今、私は、将来的に問題になってくるのはリゾートマンション、リゾートマンションの建て替えあるいは取壊し、そういうことを含めて問題になってくるんではないかというふうに思っております。これは個人個人が持っているわけじゃないんですね。リゾートマンションというのは個人個人の部分もありますし、法人が持っている部分もあります。そういうところがたくさんある。そうなってくると、リゾートマンションの建て替え法、建て替えについてこの法律が該当するのか。
 それからもう一つは、ワンルームマンション、これも非常に厄介なものに私はなってくるんではないかなというふうに、ニーズがなくなればワンルームマンションなんというのはどんどん出ていきます。出ていったら空きます。空いたときに、じゃ、それを建て替えられるのかどうかということになっていきます。
 そういうようなことについて、このリゾートマンション、ワンルームマンションというのはこの法律に適用されるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#52
○政府参考人(原田晃治君) 今回の法案は区分所有法の改正でございまして、区分所有法は一棟の建物を区分して、その各部分ごとに所有権の目的とする場合のその所有関係、法律関係を定めたものでございまして、これはそういう種類の建物であればすべてこの法律が建て替えについても適用されるということになります。
 したがいまして、いわゆるファミリータイプの居住用分譲マンション、これが典型だと思いますが、これに限らず、リゾートマンションであってもワンルームマンションと呼ばれる建物であっても、一棟の建物を区分して、その各部分ごとに所有権の目的としているようなものであれば区分所有法が適用されるということになります。
#53
○谷林正昭君 適用されるということでございます。深い議論はまた後日やらせていただきたいというふうに思っております。
 次に、建て替え手続の充実についてお尋ねをさせていただきます。
 先ほど審議官の方から集会通知は二か月前に行われるから十分に時間があると、こういう話がありましたが、二か月前に通知する事項、これは示さなければなりません。その内容が、例えばここにありますように、その事項は建て替えを必要とする理由、それから費用額、それから建て替えがいいのか修繕がいいのか、そういう計画されたもの、そういうものを、あるいは建物につき修繕費積立金としての積み立てられている金額、こういうものを出さなければ招集できません。
 そういったときに、その内容が正確かどうか、多分どこかのディベロッパーか不動産会社か、いろんなそういうマンション管理士の皆さんだとか、そういう方々と相談をしながらそういうものを作成するというふうに思いますし、それは三か月前に作成して二か月前に出すというようなものでは私はないと思います。そういうようなことを含めて、その内容が正確かどうか、あるいは平等かどうか、こういうことを担保しなければならないと私は思います。
 それで、だれが作成して、その説明責任というのは後ほどまた触れさせていただきたいと思いますが、説明責任というのはどこにあるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#54
○政府参考人(原田晃治君) 委員御指摘のとおり、改正法案は建て替え決議を行う集会を招集する際には、建て替え決議の議案の要領のほかに、建て替えを必要とする理由など区分所有者が建て替えの要否を判断するために必要と考えられる情報を区分所有者に通知すべきであると、このようにしております。
 これらの通知事項は、基本的には建て替え決議を行う集会を招集する者、具体的に言いますと管理者、場合によっては区分所有者の五分の一以上の議決権を有する者、五分の一以上を有する者が作成して通知をすると、このようになります。
 また、集会を招集した場合には集会の一か月前までにこれらの通知事項に関する説明会を開催しなければなりませんが、そこでの説明につきましても集会を招集した者が責任を持って行うということになると、このように考えております。
#55
○谷林正昭君 もう一度聞きます。集会を招集した者とおっしゃいましたね。じゃ、その集会を招集する人はだれなんですか。
#56
○政府参考人(原田晃治君) 区分所有法上は集会を招集する者は管理者でございますが、具体的には理事長でございます。それが一般的であろうかと思います。
 ただ、先ほど申し上げましたのは、区分所有者のうちの一定割合の者も招集権があるという規定がございますので、そういう場合はそういう方が招集をするということもあり得るということでございます。一般的には理事長ということになっています。
#57
○谷林正昭君 管理組合の理事長ということですね。
 それでは、ちょっと質問通告したのと飛びますけれども、区分所有法上では管理組合は法的根拠は何にもないんですね。私は、そういうことになってくるとしたら、管理組合というものはしっかり区分所有法の法的に位置付けるべきだと思いますし、そこで管理組合理事長の責務だとか管理組合の責任というものを法律で明記するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(原田晃治君) 管理組合を区分法上もう少し明確にすべきではないかという御指摘であると思います。
 現行の区分所有法上、管理組合というものは、これは区分所有者全員を構成員とし、マンションが建ちまして区分所有者がそこに入居しますと、法律上当然に成立する団体ということになっております。
 このような管理組合につきまして、現行の規定を見ますと、区分所有法が定めるところによりまして集会を開く、それから規約を定める、更に管理者を置くことができるという規定がございます。さらに、区分所有法は、その集会の具体的な招集であるとか決議要件であるとか決議事項である、それから規約の定め方、さらには管理者の権限等について規定を設けておりますので、一応、区分所有法上は管理組合についてその目的であるとか意思決定の方法であるとか根本規則であるとか機関について規定を設けている、現行法上もその位置付けは一応明確にされていると、このように考えております。
 ただ、委員の御指摘は、恐らく現行法では不十分である、今回の法改正に当たり管理組合の組織規定を更に詳細なものにしたらどうかと、このような御指摘であろうと思います。
 これは、恐らく管理組合の中には、正に今、委員の御指摘のとおり、管理組合の組織規定をもう少しきちんと規定すべきようなものも確かに存在すると思います。
 ただ、実は現実の管理組合を見ますと、例えば区分所有者が数名しかいない非常に極めて小規模なものから、例えば百人以上の大規模なものまでございまして、その団体としての法的性格を見ますと、一方では民法上の単なる組合としか見れないものがございますし、他方、その組織における代表の方法とか集会の運営、財産の管理等、団体としての主要な点が確立されている、いわゆる法人格はないけれども社団であると、いわゆる権利能力なき社団に該当するというものまで非常に様々でございます。
 区分所有法に組織規定を設けるときどれを基準とするかということが非常に難しゅうございまして、むしろ個々の組織の実態を離れて団体の画一的な運営を強制するという結果になってしまうとこれは私的自治の観点からむしろ問題もあるのではないかと、こういう指摘があったわけでございます。
 そういうことで、今回、改正法案は管理組合の組織規定、詳細な組織規定を整備するということにはしなかったわけでございますが、ただ、改正法案は、今回、管理組合が法人格を取得するための人数要件を撤廃いたしました。つまり、これまで三十人ということですが、法人ですから二人以上であればいいと。そうしますと、管理組合が法人格を取得いたしますと、これはまた区分所有法に規定がございまして、民法の法人の規定が多数準用されております、それから機関等に関する規定も設けられております。
 したがって、管理組合が法人格を取得しやすくした、それで取得するということになりますと、この法律関係の明確化を意図し、団体の運営にその法律上の根拠を求めたいと、このような管理組合においてはこの管理組合法人になるという選択をすることができることになったということでございます。
#59
○谷林正昭君 済みません、私はちょっと法律、そういうその分野の法律にちょっと疎いものですからよく分からなかったんですが、私の言いたいのは、より管理組合に責任を持ってもらえるような、そういう位置付けにできないかと。いつも大臣がおっしゃいますように自助という、正に自助、自分たちのことは自分たちで考えてやっていく。
 今いろんな情報を見ますと、管理組合というのは非常に、持ち回りで一年交代で理事長をやったり、余り集まらなかったり、そういうような状況であるというふうにも一方では聞いております。そういう意味でも、やっぱり管理組合というものをみんなでやっていくんだよと、みんなで運営していくんだよと、自治というものをもっと大事にしようよというのが私はこれから重要ではないかと。
 そういう観点から、管理組合というものの責任、これを、そしてこういういざ建て替えというときには区分所有法という法律の中でしっかり位置付けていけば、そこに住んでおいでになる方々の責任もより責任感が強くなってくるんではないか。そして、それがコミュニティーの醸成に発展し、自治の醸成になっていく、そういうふうな思いでこういうふうな話をさせていただいているわけでございます。
 そこで、次の質問に入らせていただきますけれども、今、二か月前に通知をしなければならない、その通知した内容と現状が全く合わなかったと、そういうことになって紛争が生じる場合があるというふうに私は思います。そういうときには、開示情報の信頼性をより高めるために、それを評価する、客観的評価する、そういう機関を設けたらどうかな。そして、どこかのディベロッパーが計画を立てた、それが本当に今そこの状況に合っているかどうかということをだれかが、第三者が、当事者だけではなくて評価してもらう機関があったらより安心できるんではないか、よりどころになるんではないか、議論しやすいんではないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#60
○政府参考人(原田晃治君) 区分所有者が建て替えをすべきか、若しくは修繕をしながら現在の建物を使っていくかという判断をする場面、それから正に建て替えをどうするかと迫られる場面でございますが、その際には、委員御指摘のとおり、その建物の現況をできる限り正確に反映した情報が各区分所有者に提供されることが必要であると、このように考えております。
 特にこの通知事項の中で、例えば建物の取壊しとか新しく建てる建物の建築に要する費用の概算額、さらに建物の効用の維持又は回復をするのに要する費用の額、その内訳というようなものについては、例えば一定の技術的な指針が定められて、その指針に基づいて建物の現況に関する評価などを行い、区分所有者に情報として提供されることが望ましい。そういう意味では、一定のそういう評価をするような機関があるというのは本当は望ましいことであろうと思います。
 ただ、例えば、もっとも、この場合に特定の評価機関に評価をじゃ義務付けるかということになりますと、例えばその評価機関の資格要件をどのように定めることになるのか、そういう評価機関がきちんと評価をする業務を行っているのかどうかをだれが監督するのか。義務付けるということになりますと、正にその評価に要する費用については必ず区分所有者に負担を強いることになりますので、そういう形で義務付けをすることが適当かどうかと、こういう指摘がございまして、直ちに現時点でそういう評価機関に評価を義務付けるということについては採用せず、なお慎重な検討をすべきであろうと、このように考えたわけでございます。
 したがいまして、今回の改正におきましては、その情報の収集方法について特に法律で一定の規制をするということまではしなかったわけでございますが、現在、マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づきまして、建て替え、修繕等の検討のための技術的指針、これが作成されると、作成するということが検討されているということのようでございますので、法務省といたしましても、このような技術的指針が作成されれば、これに基づき建築士の方であるとかマンション管理士の方であるとか、専門家を活用して有益な情報が作成されること、これがやはりその内容の信頼性を高めることにつながるんではないかと、このように期待しているところでございます。
#61
○谷林正昭君 望ましい、そういう機関がある方が望ましいという答弁でございます。しかし、義務付けることは非常に難しい。私は機関があることと義務付けることは違うと思うんですね。その辺をよく検討していただきたいというふうに思います。
 私一分でしゃべると、あなた四分、五分しゃべるものですから、時間がだんだんなくなってきているんですけれども、済みません。
 次に、国土交通省にお尋ねいたしますが、今、国土交通省の方で建て替えの合意形成マニュアルというものを検討されているというふうに聞いておりますが、いつごろできるんでしょうか。
#62
○政府参考人(松野仁君) これについては前国会で可決成立していただきましたマンション建替え円滑化法の施行が十二月という、十二月中旬までにということになっておりますので、その時期に合わせて策定することを考えております。
#63
○谷林正昭君 合意形成マニュアルを今作っている、十二月中旬に向けて作っているということでありますけれども、基本方針なんかはもうできまして、パブリックコメントに掛かっているんですね。じゃ、この合意形成マニュアルというのは今作って、その十二月中旬法施行に合わせてぽんと出されるつもりなんですか。
 私は、そうじゃなくて今から情報をしっかり開示をしながら、よりよい、どう言いますかね、合意形成ができるマニュアル、それこそ国民の皆さんにこういう合意形成でいったらどうですかという案を作って、いや、こういうものも入れてくれ、こういうものも入れた方がいいんじゃないのという、そういう意見を是非聞くべきだというふうに思いますし、区分所有法の改正との関係、これはどう位置付けるのか、非常に難しいというふうに思いますけれども、その辺はどうでしょうか。
#64
○政府参考人(松野仁君) この合意形成マニュアルにつきまして十二月に策定ということでございますが、これもパブリックコメントで意見をいただいて、その上でまとめたいと考えております。
 それから、今回の改正との関係ということでございますが、一応十二月の段階では前国会で成立いたしました円滑化法の施行を前提として合意形成マニュアルを策定いたします。もし、この改正法が成立いたしますと、それから六か月ということになりますので、十二月の段階ではまだ施行されていない内容を前提とした詳しいマニュアルを作るというわけにはいかないわけですが、少なくともその段階でもし可決成立しておりましたら、どういった内容がこの改正法で盛り込まれているということは当然紹介をすると、改めてその改正法が施行されたときにマニュアルの見直しも図るということになろうかと思います。
#65
○谷林正昭君 パブリックコメントに掛けるということですね。
 それじゃ、またそういう意見が全国から集まるというふうに思いますし、今マンション建て替えの円滑化に対する基本方針も策定されてパブリックコメントに掛けられておりますが、私はあれを見た限りではちょっと大ざっぱ過ぎるんではないかなというふうに思いますし、例えば今、全国マンション管理組合連合会の方からもこの基本方針に対するいろんな意見、要望、こういうものもたくさん出ております。そういう要望、意見、そういうものも踏まえましてきめの細かい基本方針、あるいはそういう意見を踏まえて、今出しているパブリックコメント、何が何でもこれでいくんだということではなくて、見直すべきところは見直すべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#66
○政府参考人(松野仁君) 大臣の定めます基本方針につきましては既にパブリックコメントの実施を終えております。それにつきましては様々な御意見をいただいております。七十八の御意見が寄せられたところでございます。
 その中には、例えば都市再生等、良好な居住環境の確保に至る方法が建て替えであるということは短絡的であるという、当然、修繕あるいは建て替え両方を視野に入れたものとしなければいけないと、これは当然の御意見だと思います。
 それから、今、大ざっぱではないかという、例えばマニュアル、合意形成マニュアル、基本方針に触れられておりますが、これは基本方針では別途合意形成マニュアルを作成するという表現になっております。これは、確かにこれ自体は大ざっぱでございますが、別途作成するマニュアルは極めて管理組合の方々にも分かりやすいものを別途作成するという予定にしてございます。
 その他にも様々な御意見をいただいておりますが、これらはおおむねその御意見を取り入れていきたいというふうに考えておるところでございます。
#67
○谷林正昭君 その別途のものが出てきていないんですね、今のところ、別途示すというものが。その辺がやっぱり心配になるという意味でございます。
 時間の都合で先へ、是非見直すべきところは見直していただきたいというふうに思います。
 先へ進みますが、私がいつも、前回も心配しながら、是非そういう意見を大切にしてもらいたいということでお願いした内容が、高齢者の皆さんや障害者の皆さんや、いわゆる住的弱者、そういう社会的弱者の皆さんへの対策が非常に建て替え円滑化をするためには必要ではないか、そういうふうに思っております。
 附帯決議も前回の参議院で議論したときの、円滑化法を成立したときにも附帯決議をこの委員会で付けさせていただきました。そういうことを含めまして、そういう方々の支援措置あるいは居住安定確保、そういうものがどう進んできているのか、あるいは検討されているのか。附帯決議は全く参考にはしていないよ、今のところ考えていないよというのであれば少しまた考えなきゃなりませんので、その辺を聞かせていただきたいと思います。
#68
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおりの問題がございます。もちろんマンションには、年齢あるいは世帯構成、経済状況などの面で多様な方々が居住されております。建て替えに当たりましては、高齢であること、あるいは資力の不足というようなことによって建て替えに参加することが困難な方がいらっしゃいますが、これらの方々への対応が極めて重要であると思います。
 マンション建替え円滑化法第九十条におきましても、マンション建て替え事業者の、施行者並びに国及び地方公共団体が、大臣の定める基本方針に従いまして、賃借人及び転出される区分所有者の居住の安定の確保に努めなければならないということを明記しております。
 具体的な方針でございますが、基本方針に盛り込むべき内容として考えておりますことが、公共団体によります住宅のあっせん、それから公営住宅等の公共賃貸住宅への優先入居、あるいは従前居住者用賃貸住宅という制度を用意しておりますが、これにかかわります家賃対策補助、あるいは賃借人に対する移転料、つまり引っ越しの支払についての補助などを定めるということを考えております。また、建て替えを勧告するというケースがございますが、これにつきましては、公営住宅等への公募によらない入居を規定するとともに、家賃対策補助及び移転料補助を法律補助として実施するということにもしております。
 これらの措置によりまして建て替えに参加できない方々の居住の安定を図ってまいりたいと考えております。
#69
○谷林正昭君 六月の附帯決議を十分検討して、より安心できるそういう居住政策というものを求めさせていただきたいというふうに思います。
 次に、最近になって特に言われ始めたのは、この建替え円滑化法ができて言われ始めたのは、建て替えだけではやはり思わしくない、再生だとか修繕、マンション再生、大規模修繕をしながら長く使い続ける、住み続ける、こういうことが非常に最近特に言われ始めているというふうに思います。それに対して、マンションの長寿命化ということに対して何か措置が必要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#70
○政府参考人(松野仁君) 委員御指摘のとおりでございます。マンション建て替えの大臣の基本方針の中でも、建て替えということだけではなくて、マンションの適切な維持管理が大変重要だということも盛り込みたいと考えております。
 こういったマンションを基本的に基本構造を使って再生を図る、あるいは長寿命化、長持ちさせるような使い方をするということは今後の大きな課題でございます。基本的には、建物の構造体を長持ちさせるということがございます。家族構成の変化に対応した間取りの変更あるいは給排水設備などの更新を簡単にできるというようなことが必要なのではないかと思います。
 そういった観点から、スケルトン・インフィルという基本構造とそれから内部を容易に改善できるという考え方、SI住宅と言っておりますが、こういったものの技術開発に取り組んでおりますほか、耐久性というものに着目して住宅金融公庫の融資基準においてもそういった優遇措置を取る、あるいは住宅の品確法に基づきまして、住宅性能表示の中で劣化を遅らせる対策あるいは維持管理のしやすさといったものをランク付けをして、これを表示するといったところに取り組んできたところでございます。
#71
○谷林正昭君 マンションの再生あるいは長寿命化、研究を是非進めていただいて、できるだけ歴史を積み重ねれば積み重ねるほどやはりいい住まいだというふうな思いのマンションを、よりたくさん私は日本にあってもいいんではないかと、そういうふうに思います。
 次に、新しく区分所有法の中で一つの目玉商品になっているような気がいたしますが、団地、マンションの建て替えについてお尋ねをいたします。
 端的にお尋ねいたしますが、団地の一括建て替え決議の要件が改正をされまして、先ほども吉田先生の方から出ましたが、全棟の五分の四、各棟の三分の二の賛成で可能とすることの妥当性を聞かしていただきたいと思います。
#72
○副大臣(増田敏男君) 今回の団地の一括建て替えの制度を導入することとしましたのは、団地は、団地内の道路、緑地、共有施設などを含めました団地全体で良好な住環境を形成することが期待をされております。その建て替えに当たっても、団地全体の住環境を念頭に置いたマスタープランに基づくことが必要であります。また、団地の敷地の有効利用という観点からも、全体的な計画に基づきまして建て替えられる必要があります。
 団地の場合、各区分所有者は、全員で敷地を共有し、団地管理組合を構成して、団地内の各建物を含め団地全体を共同して管理しているのが通常でありまして、建物と敷地の管理は一体性を有しております。既存の各棟ごとの建て替え決議による場合には、一棟でも五分の四に達しない棟があると団地全体の圧倒的多数が建て替えを希望しても建て替えが不可能となってしまうことなどの理由に基づきまして、団地全体について、一棟の建て替え決議に必要とされるのと同じ五分の四の割合の賛成を要求することにより一括建て替えができるものとする必要性、合理性が認められたためであります。
 もっとも、団地内の区分所有建物の一括建て替え決議につきましては、団地内の建物の区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数決のみで足りるものとすると、例えば団地内の十棟のうち八棟の区分所有者全員が賛成すれば残りの二棟の区分所有者全員が反対しても一括建て替え決議ができると、このようなことになります。
 しかし、団地全体の多数者の意思で建て替えを望まない棟について建て替えを強制することについては、建物と敷地が別個の権利とする我が国の法制度との整合性を著しく欠くこと、また各棟ごとに五分の四以上の建て替え決議が成立しなければ団地全体の建て替えが実施できない現行制度との均衡をも欠くことにかんがみまして、改正法は少なくとも各棟の区分所有者及び議決権の三分の二以上が賛成していることを条件としたものであります。
 ただいま御説明したことからいたしますと、この団地の一括建て替え決議は制度として十分な合理性を有するものと考えております。
#73
○谷林正昭君 五分の四、三分の二、合理性があるという御答弁でございました。
 それじゃ、もしそういう決議がされれば進むということになるわけでございますが、その決議が実効性が上がるというふうには私はどうしてももうちょっと思えないんですね。この建て替えにつながるかどうか、この決議、この法律、ここまで緩和した、そういうことでつながるかどうか、どうお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(松野仁君) 団地型マンションにおきましては全体で建て替えを行うということが合理的なケースがございます。これまでは建て替え決議におきまして各棟ごとに五分の四ということがございましたので、一部の棟において建て替え決議が成立しないというケースがあり得たわけでございます。その結果、その他の棟の建て替え意欲自体が失われるケースも見られたということでございます。
 今回の区分所有法の改正によりまして、一括建て替え決議の導入がなされ、建て替え決議の要件が緩和されますと、このマンション建て替え、一括建て替え決議を前提として組合を設立するということができることになりますので、団地の建て替えの円滑化にもつながるというふうに考えております。
#75
○谷林正昭君 本当につながりますかね。私はもう少しテクニックが要るのではないかというふうに思います。テクニックというのは余り言葉遣いとしては良くないかも分かりませんが、例えばこういう意見を言わせていただきます。
 十棟ある団地で三分の二、四分の三、なかなか難しいという話が仮に起こったとします。そういったときに、その十棟のうち九棟は建て替えましょう、だけれども一棟だけは修繕して環境を良くしましょう。そのときに、建て替えたところへ私は入らなくてもいい、独り暮らしだから古いところでいい、修繕したところでいい、そういう受皿があれば私はより建て替えの合意形成ができるんではないかというふうに思います。
 しかし、そこに少し危険性があります。というのは、新しいところに住む人と古いところに住む人と感情問題が出てくる可能性があります。ところが、私は、先ほどから言っておりますように、そこのまずコミュニティーの醸成がしっかりしておれば、あるいはそういう話合いが日ごろからされていれば、住み替えというものもあるいは可能になってきて、建て替えというものも円滑化するんではないか、そういうふうに思いますが、もしそういった場合というのはこのマンション建替え法の法律上はどうなるんでしょうか。
#76
○政府参考人(原田晃治君) 法律上は一括建て替え決議は団地内建物の全部を取り壊すことを内容としておりますので、団地内の一部の建物を建て替えの対象から除外して建て替えるということは法律上認めておりません。
#77
○谷林正昭君 そこで私は少しテクニックという言葉を使わせていただいたんです。私は、今ほど言ったような案も全く切り捨てるのではなくて、検討の余地があるのではないか、そういうふうに思いますが、検討の余地あるかないか、聞かせていただきたいと思います。
#78
○政府参考人(原田晃治君) 一括建て替えの制度が団地内建物の全部を取り壊すことを内容としているということは先ほど法務副大臣の方から申し上げたとおりでございまして、一括建て替えというのは、団地内の道路であるとか緑地であるとか共用施設など、これを含めた団地全体のマスタープラン、いかに団地全体で良好な住環境を形成するか、こういう観点から全体を取り壊して建て替えると、こういう仕組みを考えたものでございまして、団地内に依然として古い建物とかそれに関連する附属設備等を残したまま他の建物について建て替えをするということは、団地内の道路であるとか緑地であるとか共用施設などを含めた団地全体の良好な住環境の形成のためのマスタープランを作るときに差し障りがあるのではないかと、こういう観点から全体の建て替えということにしたわけでございます。
 ただ、御指摘のような方法ということにつきましては、じゃ現在どうやったらできるかということでございますが、一つは、団地内の例えば建て替え対象の建物につき各棟をそれぞれ建て替え決議を得て建て替えると。建て替え対象の各建物の区分所有者、決議反対者と、建て替え対象外の建物が別にございますが、そこの建物の区分所有者との間で区分所有権の交換をするとか、そういう方法というのも考えられないわけではないと思います。
 ただ、いずれにしても、その方法を取るにしましても、今、委員御指摘のとおり、相当に事前にコミュニティーの中で議論がされて合意が形成されないとできないという点では、一括建て替えの中で一部排除するような方法を認めてやる場合であっても、今のような交換という方法を取る場合であっても同じだろうと思います。したがいまして、現時点では交換という方法で、しかもコミュニティーの中で十分に合意形成をした上でやるという方法で対応していただくということではないかと思います。そのように考えております。
#79
○谷林正昭君 私は、一括建て替えというのは、おっしゃいましたように、全体を町と考えて、そして団地づくりといいますか、まちづくりといいますか、そういうことが大事だと思いますから、古い建物を一か所だけ残してそういうグランドデザインができないというような意味は分かります。意味は分かりますけれども、古いのが一つぐらいあってもいいんじゃないかな、景観的に、私はそう思いますけれどもね。それは見解でありますから、お互いの見解でありますから。また私は是非検討していただきたい、そういう技術的なものを検討していただきたいというふうに思います。
 通告した内容を少し飛ばさせていただきまして、どうしても聞きたいなと思うものを少し出させていただきたいというふうに思います。
 それは、今新聞でにぎわしておりますけれども、空きオフィスがどんどん出てきている。その中で、国土交通省が後押しをして、その空きオフィスを居住化、いわゆる住宅にする、居住化する、そういうような支援措置が今言われておりますし、そういうことを努力しようということにもなっております。
 しかし、私、思いますのは、一方ではマンション建替え円滑法、区分所有法の見直しをしながら円滑を、マンション建て替えを円滑させていくということで、まちづくりと都市再生に合わせたそういうものを推進をする。一方では、今二〇〇三年問題と言われているように、二〇〇三年になればオフィスが大変たくさん出てくる、でき上がる。汐留だとか、いろんなところででき上がる。そういったときに、都心のオフィスが空いてくる。そういったときに、そこを全部といいますか、そこをできるだけ住居化の後押しをするということになれば、私は非常に余りにも東京一極集中といいますか、都市一極集中といいますか、よく大臣はグランドデザイン、まちづくりはグランドデザインが大事だ、こういうふうにおっしゃっておいでになりますが、今、その施策を両方進めるということは余りにも性急過ぎるのではないか、町に人が集中し過ぎる政策ではないか、そういうふうに思っております。
 そういう意味で、この空きオフィスを住居化するという国土交通省の後押し政策、それと一方では区分所有法を見直してマンションの建て替えを円滑にするというこの政策、両方一遍にやるということは私は性急過ぎる、人が都心に集まり過ぎる、都会に集まり過ぎる、地域のコミュニティーが壊れてしまう、こういうふうな思いを持っておりますが、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(扇千景君) 谷林議員が御心配をいただきましたけれども、一時、御存じのとおり、あらゆる人たちが自分の住まいを持ちたいということで東京の、例えば例を今東京を挙げられましたけれども、何キロ圏という遠隔地に住まいを持って通勤するという、そういう風土ができました。
 ところが、御存じのとおり、今大変地価が下落をいたしました。バブルがはじけまして、少なくとも今下落して、まあそろそろ下落がここら辺りかなという感がなきにしもあらずでございますけれども、今回は、そういう意味では、今まで遠隔地へ広がって通勤時間が大変掛かった人たちが今都心に回帰という傾向が出てきております。そのために、多くの通勤者の皆さん方がもう一度都心に帰ろうと。そして、例を挙げましたら、今大都市の実態見ますと、東京都心への通勤者の二三%が大体通勤時間が九十分以上、そして六五%が一時間以上掛かっているという、そういう状況でございまして、依然として多くの皆さん方が通勤時間に長時間を余儀なくされているという現状でございます。
 そのために、東京都心、四区、例えば千代田、中央、港、新宿、まあ東京の旧一区でございますけれども、衆議院選挙区でいえば。その居住人口は約五十五万なんですね。五十五万人なんです、四区で。そして、近年、増加傾向に転じていますこの五十五万人というのが、ほぼこの四区と同じ面積のニューヨーク・マンハッタン、ここでは人口は、四区が五十五万ですけれども、ニューヨーク・マンハッタンは百五十四万人なんです。依然として約三分の一にしかこの四区ですぎないんですね、ニューヨーク・マンハッタンの、同じ面積で。
 そういう意味から、少なくとも職住近接という、なるべく住まいの近いところに行きたいと、そして文化的で効果的な、あるいは家族的な愛情のある住生活をしたいという、そういう若者が増えてまいりまして、働き盛りで子供を持つと特にやっぱり子供との時間を持ちたいということでございまして、都心への居住の推進というのは少なくとも引き続いて住宅の対策上の私は重要な課題であると、そう思っております。
 ですから、今、谷林議員がおっしゃいましたように、私たちはこれらのことのために市街地の再開発事業、それから又は都心の共同住宅の供給事業等の補助事業の活用をしようということでこれも行っておりますけれども、都市型住宅供給に対する少なくとも容積率の割増し、先ほどもお話が出ました、狭いところで、近いけれども狭いということを、何とかこれを制度を割増しして容積率を見直していこうということも含めて私たちはこの政策を推進しておりますけれども、少なくとも委員もおっしゃったように、空きオフィスというものを少なくとも転用する場合には、この支援策につきましても私たちは来年度予算に向けてこれを検討し、そして先ほど申しました容積率を緩和するような、あるいは二世帯同居できるような、そういうものに対して支援をしていこうというふうに考えております。
 また、マンションが建築後三十年、先ほどから議論されておりますけれども、現在三十年たっているのが約十二万戸ございます。けれども、先ほどもおっしゃいましたように、十年後にはこれが約十二万戸から九十三万戸になるというマンションの今状況でございますので、そういう意味では、今回の都心居住推進策と併せてマンションの建て替えに伴う合意形成を円滑化するという今回の法制度を整備することは、私は、早急でこれをしなければならないということで、今、谷林議員がおっしゃったように、まだ性急過ぎるということには当たらないと。いわゆる諸般の事情を勘案した、なるべく近代的な二十一世紀型の居住環境の安全と安心とそして環境を図るという制度では、私は大変重要な課題を今論議いただいていると思っています。
#81
○谷林正昭君 お尋ねいたします。
 そうしたら、現在のいわゆる旧一区のマンション、これは大きいものから小さいものがあると思いますけれども、端的に言って坪幾らぐらいするんですか、マンションは。
#82
○政府参考人(松野仁君) マンションの分譲価格でございますが、今一区とおっしゃいました。この四区のデータを見ますと、平均の価格として、分譲価格で例えば港区が六千九百万とか、あるいは……(「坪単価」と呼ぶ者あり)坪単価ですか。坪単価は、平米当たり単価になっておりますが、平米当たりは、例えば港区が九十四万とか、そういった感じの数字になっております。あと、千代田区が百二万でございます。それからもう一つは中央区ですが、中央区は六十六万、ちょっと下がっております。それから、新宿区につきましては七十九万といったような数字になっております。
#83
○谷林正昭君 今ほどお聞きになりましたように、通勤で九十分掛かって都心へ勤めている、そういう人たちが果たしてこの値段でそこに住居を買えるかどうか。私は買えないと思いますね。
 そういう意味では、今、大臣がおっしゃいましたように、ニューヨーク・マンハッタンのようなスペースで百五十万人が住んでいる、旧一区は五十五万しか住んでいない、そこへそんなに人を集めてというような施策と伺いましたけれども、そのマンション……
#84
○国務大臣(扇千景君) 希望ですよ。
#85
○谷林正昭君 希望、希望でもいいです。その都心のマンションに、今どんどん造る、そこへどういう人たちが、どういう階層の人たちが入るんでしょうかね。九十分掛けて通勤している人たちが入るとは私は到底思えません。
 そういう意味では、その政策は本当に国民のためになっているのかどうか、お尋ねいたします。
#86
○政府参考人(松野仁君) 大臣が申し上げましたのは、象徴的な意味で都心四区ということをお話し申し上げましたが、都心居住ということで、国土交通省としては例えば二十三区というようなところも十分都心居住というような場として考えております。
 それを見ますと、分譲価格あるいは平均平米単価もかなりバラエティーがございまして、分譲価格も、高いところは七千万程度でございますが、安いところは三千万程度からございます。二十三区で供給されましたマンションの分譲価格のうち四千万以下の物件も四二・五%ということで、相当幅のある市場になっております。この住宅金融公庫の調査から見ましても、購入者の平均年収分布を見ますと、年収一千万以上の方は約二〇%、公庫の調査ですが、二〇%である一方、約四六%が平均年収七百万円以下ということでございまして、かなり幅の広い階層の方、若い人も含めてこういうマンションを購入していると、二十三区という都心居住の場で様々な市場が形成されているということでございます。
#87
○谷林正昭君 私は、逆らうわけではございませんが、都市再生といいますか、都心のマンションというのは国民のための政策とは到底正直言って思えません。(「思えない」と呼ぶ者あり)ええ。これは、何千万、一億近い金というのをためて買うわけにいきませんから、全部借金するんですね。月々五十万、三十万払えるわけないんです、サラリーマンは、勤労者は。そういうことを考えると、どういう人のための政策なのかということをやっぱりもう一遍しっかり議論するべき必要があるんではないかというふうに思います。
 最後に、住宅政策やまちづくりの中にマンション、これから建て替えるというそのマンションの位置付けというのは非常に重要になってくるというふうに思っております。それは、都市の活性化、再生という部分でも重要になりますし、一方では地方で環境だとか景観だとか、そういうことを考えたときのマンションの建設というものは野放しでは私は、いけないというふうに思いますので、そこら辺りの国土交通省の考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
#88
○国務大臣(扇千景君) 私は、先ほど来から谷林議員がおっしゃっていることに対して、少なくとも私たちが東京へ集まれと言っているわけではございませんで、皆さん方の自由な選択の中で、やっぱり子供ができると少なくとも生活時間という、家族時間というものの考え方が変わってくることも是非御理解賜りたいと思って、皆さん方の選択でございますので、ですから今、先ほど高いとおっしゃいましたけれども、生前贈与というようなことも税制の中で、皆さん方の家庭環境のために今回の税制改革に国土交通省としても提案しているということも御認識賜りたいと思います。
 それから、今の都市の中でのマンションの市街化環境とか、あるいは景観についてのお話でございますけれども、私も、先ほど吉田議員からも話がございましたけれども、やっぱり外国へ行ってすばらしい町並みだなと、あるいはパリへ行っても、イギリスのあの田園風景を見ても、パリのあのすばらしいシャンゼリゼを見ても、みんな高さが一定していて、そして景観もそろっている、色も合っていると、イタリーも特にそうでございます。そういうふうにやっぱりきれいだなと思えるものは一杯あるわけですけれども、私たちは都市の在り方について理想を述べれば、そういうパリの町並みとかロンドンのあの田園風景とかイタリーの町並みの色をそろえたああいう景観というものは、それぞれの都市の条例によって私はまちづくりというものはきちんとされるべきであろうと思いますけれども、日本はなかなかそこまでいっておりませんでしたけれども、私たちは今回の都市計画の制度におきまして、これらの地域が理想とするような都市像を実現できるようにということで、様々な規制とかあるいは事業手法というのが整えていこうと、遅まきながら。
 そういう意味で、都市計画の中にもそういうものを取り入れて緑を多くしようと。高さが緩和されて空き地のところには緑を入れよう、またビルの上には全部緑化しようと、ヒートアイランド現象を抑えようというようなことも全部取り入れておりますし、またマンションを誘導するというときには、御存じのとおりに第一種の中高層住宅の専用地域、これを定めまして、逆にマンションを抑制して戸建ての住宅を守ろうというようなそういう必要がある場合には、御存じのとおり、第一種の低層住宅地域というものも指定してございます。
 そういう意味では、私たちは、景観も含めまして詳細なまちづくり、あるいは都市計画というものを、良好な居住環境を確保するためには今後も地区計画制度、これを活用することが大変有効だと思っておりますので、それぞれの地区の計画というものを確実に地方自治団体の皆さん方と一緒になって作っていって、そしてそれを守っていただくということも大事なことだと思いますので、都市計画は公共団体が住民の意見を十分に反映して定める制度でございますので、住民の皆さん方と自分の住む地域が誇れるような地域にするために、私は用途地域あるいは地区計画の適切な運用が、この公共の皆さん方で地区計画として皆さんの力で作っていくということが、私は東京都でも自分のふるさとというものに言えるまちづくりになると思っています。
#89
○谷林正昭君 通告した質問、少し残りましたが、次の機会に譲らせていただきまして、私の質問、時間が来ましたので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#90
○委員長(藤井俊男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時十七分開会
#91
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#92
○森本晃司君 公明党の森本でございます。
 区分所有法改正案について質疑をさせていただきます。
 平成十二年にマンション管理適正化推進法、そして今年の六月、マンション建替え円滑推進法、そして今回の区分所有法改正、これでマンション建て替え促進に伴う法的枠組みが整うことになるかと思っております。私もかねてから党のマンション問題議員懇談会のメンバーとしてこの問題にかかわってまいりましたので、まずは関係者の皆さんの御尽力に心から御礼を申し上げたいと、このように思うところでございます。
 これで法的枠組みは整いますが、管理組合という生活者のコミュニティーの、この延長上にマンションの建て替えがあると、こういう立場から、私はそういう認識の上で生活者の視点に立ったマンション政策を確立する必要があると、そういう立場から質問をさせていただきたいと思います。
 まず法務省、最初は法務省関係に、少々細かな点ではございますけれども、押さえておかなければならない点でございますので、お伺いをさせていただきます。
 まず、今回の改正の目的の一つは管理の適正化です。その中で共用部分の変更の決議要件が緩和され、一般的な大規模修繕であれば四分の三以上の多数ではなく過半数でもOKということになったと認識をしております。その際、私は、建物が当然備えるべき基本性能として耐震性の確保、これが必要不可欠ではないかと思っております。三十年ほど前のマンションがいろいろ建ったとき、まだこういったことに対して、一応は認識はありましたけれども、阪神大震災のその以前と後との認識は大きく変わっているんじゃないかと、そういうふうに思っております。
 したがって、このマンションの建て替えについて、耐震性についてはもう過半数という形でもいいのではないかと、それは可能ではないかと思っておるんですが、考え方をお伺いします。
#93
○政府参考人(原田晃治君) 法律の基本的な建前を申し上げますと、過半数でできるか四分の三以上の特別多数決議が要るかどうかは、その共用部分の変更が形状又は効用の著しい変更に当たるかどうか、これに尽きるわけでございます。
 したがいまして、問題となるのは、耐震基準を満たすための改修工事が形状又は効用の著しい変更に当たるような工事、内容かどうか、こういうことになるんだろうと思います。もちろん、したがって、一概には言えませんが、具体的には変更を加える箇所であるとか範囲であるとか、その変更の態様及び程度を勘案して判断すべきであろうと思います。
 そこで、その耐震基準を満たすための改修工事がどのようなものがあるかということでございますけれども、私どもが承ったところによりますと、建物の状況等によりまして方法とか内容に大きな違いがあるようでございます。
 したがいまして、加工を加える程度等によっては、場合によっては、例えば建物の基本的な構造部分を取り壊して著しい加工行為を加えないといけないというようなもし工法であれば、これはやはり特別多数決議によらないといけないと思いますが、そうでなければ一般の過半数による多数決議で耐震工事ができると、このように考えております。
#94
○森本晃司君 今の答弁であれでございますが、特別な場合という、特別な場合というか、可能になる部分もあるという答えだと思うんです。過半数でもいいという答えが、一部分はそれでもいいという、形状を大きく変えない、構造を変えないということであればということです。
 最近、いろいろ耐震性の工事を行うのに、例えば炭素繊維を巻き付けるとかあるいは鉄板を巻き付けるとか、そういった補修する工事、あるいは柱の下部に免震材料を取り付ける工事、こういった工事等々が行われるようになりまして、その状況を見ますと、私は、やっぱりそれはそれでもう過半数の、今おっしゃった過半数の中に入るんではないんだろうかと、このように思っておりますが、いかがですか。
#95
○政府参考人(原田晃治君) 基準は先ほど申し上げたとおりでございます。耐震改修工事のうち、まず委員の御指摘の柱に炭素繊維とか場合によっては鉄板を巻き付けて補修する、これは耐震性が十分でない既存の柱等にそのまま炭素繊維シート等を巻き付けるだけということでございますので、これは建物の基本的構造部分を取り壊すなどの著しい加工行為を加えるものではないということで形状又は効用の著しい変更に当たらない、これは明らかであろうかと思います。
 もう一つの、柱の下部に免震材料を取り付ける工事でございますが、これも工事のやり方がいろいろあるようでございまして、建物の基本的構造部分である柱の下部をすべて取り除いてしまう、それでそこに免震性のある例えば免震部材、鉛プラグ入りの積層ゴム、こういうものを入れるということになりますと、その加工行為が場合によっては形状の著しい変更に該当する場合もあり得るのではないかと考えておりますが、いずれにしましても、これらの具体的な工事の中身によるということであろうかと思います。
#96
○森本晃司君 次にお伺いしますが、団地内建物の建て替え承認決議において、団地全体の四分の三以上の決議によって一部の棟の建て替えを承認するということに今回なります。
 その際に、建物の建て替えに特別な影響を及ぼすべきときはその建物の区分所有者の四分の三以上の賛成が必要とされていますが、この特別な影響、これは一体どのようなものが考えられるのか。これは明確なるガイドラインを整備する必要があると私は考えております。
 さらに、団地の建て替えが円滑にできるように建て替えを視野に入れた団地全体のマスタープランが必要であるかと思いますが、ガイドラインとマスタープランの作成について法務省の対応はいかに考えておられるか、お答えいただきます。
#97
○政府参考人(原田晃治君) まず最初のお尋ねの団地内建物の建て替えがその建て替えの対象となる建物以外の建物の建て替えに特別の影響を及ぼすべき場合、その場合は特別の影響を受ける建物の区分所有者の四分の三の同意が要ると、こういうことでございますが、具体的に言いますと、例えば建て替え対象になっている建物の床面積が建て替えによって大幅に増大するような場合を考えますと、全体の敷地利用権の持分割合に従い、本来ほかの建物に割り付けられるべき容積が最初の建て替え建物によって侵食してしまう。そうしますと、将来、他の建物が同様の建て替えをしようといたしましても容積率の関係で同様の建て替えができないと、こういう場合が典型的な例であろうかと思います。
 問題は、こういうものを明確なガイドラインとして規定できるかどうかということで、我々も少し考えてみたんですが、どうも建て替えに影響を及ぼすかどうかというのはかなり個別性、具体性のある話ではないかと思っておりまして、一概に明確なガイドラインを策定するというのは現時点ではなかなか難しいのではないかと、このように考えております。
 ただ、委員御指摘のマスタープランの必要性でございますけれども、それは団地の一括建て替えにおいてはもちろんマスタープランというのが一般に作られるわけでございますけれども、例えば団地内の建物を一棟ずつ建て替えていく場合でありましても、将来的に団地全体としてどのようなでき上がりの姿を想定するかというマスタープランというのが作られるということは一般的にあろうかと思っております。しかも、このマスタープランが作られませんと、一棟の建物の建て替えが将来の建物の建て替えに本当に特別の影響を及ぼすかどうか、これもなかなか判断ができないだろうと思います。
 そういう意味で、通常はやはり団地内の各建物について調和の取れた団地全体の建て替え計画を立て、そこでマスタープランを作成して、個々の建物の建て替えが他の建物の建て替えに影響するかどうかを判断できる、こういう形になるのが理想的であろうと、このように考えております。
#98
○森本晃司君 次に、区分所有法では、マンションの高齢化が進むと従前の居住関係の継続を前提として建て替えを行うことを想定していると、このように考えられます。しかし、マンションに入居してから、時間の経過により、周辺の土地利用の変化、それから人間関係、さらに世帯の構成の変化等々がありまして、従前の居住関係を継続しなくてもいい場合、あるいは継続が不合理かつ困難な場合が出てくるかと思われるわけであります。
 区分所有関係は民法の共有の法理ですが、権利関係が複雑なゆえにその維持には問題になるケースもある。実際にマンショントラブルが多いのもこの理由からだと、このように思われます。このような場合には区分所有関係の解消も選択肢として必要になるのではないだろうか、このように考えます。
 アメリカではそういった制度があるように聞いておるわけでございますが、日本でも現行制度に加えてそのような制度を、一棟のマンションと同様に、団地関係の解消も含めて区分所有関係の解消、清算が可能な制度を導入すべきと考えますが、それについてどのような見解なのか、お伺いします。
#99
○政府参考人(原田晃治君) 委員御指摘のとおりでございまして、アメリカにおきましては、州によってもちろん制度は多少異なりますけれども、複数の州法がこれを準拠しているとされます統一コンドミニアム法というのがございます。この法律によりますと、区分所有者の八割、五分の四の合意があれば区分所有建物の一括売却とその代金の分配による清算の手続を取る、正にこれ区分所有関係の解消ということでございますが、こういう制度があるようでございます。
 実は、区分所有法、今回の改正のための検討の過程におきましても、区分所有建物が老朽化した場合等に区分所有者が取り得る方策の一つとして、多数決による建て替えだけではなく、今申し上げましたような一括売却という制度を取るべきではないかという意見もあったところでございます。
 問題は、このような一括売却の制度を取ったときに、現在の区分所有建物、各専有部分に担保権が設定されていることが非常に多うございまして、担保権者との関係では、仮にこれを一括売却いたしましても、買い受けた者が同一人であったとしても担保権者との関係ではなお区分所有関係が存続する、直ちに解消するという形にはできないことになります。そうしますと、今度は担保権を消滅させるための制度として、買受人の方から何らかのアクションを起こし、その際に担保権者と買受人の間でどのようにして利害関係を調整していくかという非常に技術的にも困難な問題がございまして、これをなお慎重に検討を要するようなテーマであったと、このように考えております。
 このようなこともありましたために、今回は多数決で区分所有関係を解消できる制度については改正法案に盛り込むには至らなかったわけでございますが、今後、今回の改正による新法の運用状況を見守りながら、引き続き慎重に検討してまいりたいと、このように考えております。
#100
○森本晃司君 今後の課題として、私はそういったことも十分に取り組んでいかなければすべては解決しないのではないかと思っておりますので、共々に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
 次に、国土交通省にお伺いしたいんですが、最近の続く経済不況の中で、数多くの人がリストラになったり、あるいはまた、殊に中小企業の経営者の皆さんが、中小企業が倒産をしたりするわけでございます。その場合、今の日本の制度の中で、いろんな個人保証をしている中小企業の経営者の皆さんは、もうほとんど家も土地も建物も全部取られて、そしてもう再チャレンジ、せっかくの能力がありながらも再チャレンジできないという人たちが数多くいらっしゃるわけでございます。
 私は、リストラに遭った人、あるいは中小企業の経営者で再チャレンジできる人たちに公営住宅をいろいろな形で提供して、そしてそういう場を与えていくことが必要ではないかなというふうに考えているわけでありますが、よく話を伺ってみますと、中小企業の経営者は、前年度所得が高かった、あるいはリストラに遭う前は高給取りであったと、こういうことから公営住宅に申し込むことすらできないんではないかなというふうに考えていらっしゃる方々も数多くあるわけでございます。そこで私は、こういった、どのような手続が必要なのか、そういった皆さんにどうぞと言える広報活動も私は極めて大事なことではないかと思っております。
 同時に、リストラされた人、公営住宅に入る資格が仮にあったとしても、なかなか公営住宅にはその余裕がないという状況もあります。さらに、建て替えに伴う転出者についての居住安定を図る措置として公営住宅等の活用が掲げられていますが、やはり公営住宅には余裕がないということであります。
 私は、住宅のセーフティーネットとして、こういった人たちにも十分対応できるように地方公共団体による民間賃貸住宅の借り上げを一層強めていくことを考えておりますが、私、今、一挙に数多く申し上げましたけれども、こういった点についての答弁をお願いいたします。
#101
○大臣政務官(岩城光英君) 二点についておただしがありました。
 まず、リストラ等にお遭いになった方が前年度までかなりの収入があったために公営住宅への申込みができないんではないかと、こうお考えになっていらっしゃるという点についてお答えをさせていただきます。
 御承知のとおり、公営住宅に入居するためには一定の入居者資格、これを備えることが必要であります。細かい話になって恐縮でありますけれども、そのうち入居収入基準に係る収入を認定する場合は、原則としまして過去一年間の継続的収入を対象とすることとしておりますが、職を失われたり、また事業の廃止等によりまして収入がないこととなった場合につきましては、それ以前の収入については収入の認定の対象から除くものとして取り扱うこととしております。
 また、その際の手続についておただしがありましたけれども、申込者から退職証明書やあるいは税務署に提出した廃業届の写し、この提出を受けることとしております。
 したがいまして、前年に入居収入基準を超える収入を得ていた場合でありましても、申込み時点におきましてリストラ等により収入が著しく減少し、入居収入基準等の入居者資格を備える場合には公営住宅への入居が可能であると、このように考えております。
 次に、民間賃貸住宅の借り上げの促進についてのおただしでありましたけれども、委員のお話にもありましたとおり、地方公共団体によりましては公営住宅に余裕がない場合もございます。公営住宅の供給につきましては、地域の住宅事情、既存公営住宅の状況、さらに財政状況等を踏まえまして、地方公共団体の判断によりまして、建て替え等の直接供給あるいは民間賃貸住宅の借り上げ等の方法を選択し、行うものとなっております。
 効率的な公営住宅事業の推進の観点から、市場活用による民間賃貸住宅の借り上げを推進することは大切なことだと考えておりますので、今後とも地方公共団体の取組を支援してまいりたいと考えております。
#102
○森本晃司君 地方公共団体で、先ほども申し上げましたように、そういった民間の借り上げに尽くされているところもたくさんございますし、同時にまた、そういう中小企業経営者再挑戦のための枠を大きく増やそうと考えているところは数多くあります。例えば東京都は、そういった点についても積極的に取り組もうとしているところでございますので、どうぞ、そういったことについてはよく双方が話し合っていただきまして、研究して、そういうことが実現できるように推進方お願いをしたいと思っております。
 次に、原始規約についてでございますが、マンションの良好な居住環境の確保を図るために適切な修繕、建て替えができるように区分所有法及びマンション建替え円滑法が措置されたところでありますが、もう一つ大きな問題点がある。それは管理規約に関することでありまして、この管理規約というのは区分所有者等がマンションにおいて生活する上で守らなければならないルールを定めているものであります。
 この管理規約をめぐるトラブルというのが非常に多いわけでございまして、マンション管理センターに一体どれほどあるのかということ、相談状況を確認いたしますと、平成十二年の全体の相談件数が六千七十五のうちのこういう管理組合の運営規約に関するのは四千二百八十一、それから平成十三年では七千百十二に対して四千九百九十七あるわけでございます。そのあとは修繕やいろいろ工事に関することの相談事ではございますが、相談件数の七〇%、これが管理組合の運営規約に関することということになっています。
 こういったことに対応するために、今回の意義を踏まえまして、適切な管理規約の改正等が必要になりますが、マンション管理士等の専門家を活用したとしても、区分所有者の合意形成を図りながら管理規約の改正を行うことは多くの困難を伴う。したがって、管理規約をめぐるトラブルを未然に防止するためには、マンション分譲時に宅建業者やマンション管理業者が作成する管理規約の案が適切なものであることが一番重要ではないかと思われます。原始規約が適切なものであれば管理組合の運営が円滑に行われますし、適時適切な大規模修繕又は建て替えを行うこともできて、マンションにおける快適な居住環境を図ることができる。
 原始規約の適正化については、平成四年十二月に、建設省から業界全体へ原始規約の適正化を図るよう指導する、内容的には中高層分譲共同住宅に係る管理の適正化及び取引の公正の確保についての通達が宅建業法に基づいて出されていると聞いております。
 さらに、ちょうど私が建設大臣に就任している平成六年に、第一次の宅地建物取引業法の改正に向けた検討を行っていたことから、原始規約を作成する宅建業者やマンション管理業者へ強く指導することが重要であるという認識を私も前々から持っているわけでございます。
 法務省に伺いますが、今回の改正で新設されることとなる区分所有法第三十条第三項、ちょっと時間がありませんので読み上げることを省きますが、三項で規制されたことによって、現に区分所有者間の均衡が図られていない規約については無効となるのか、無効であるか否かはだれが判断するのか、この点について。また、既存の管理規約に遡及するのか、こういった点についてお伺いいたします。
#103
○政府参考人(原田晃治君) 今、委員御指摘の改正された区分所有法の三十条三項でございますが、要するに専有部分とか共用部分について、その形であるとか面積、位置関係、使用目的、利用状況、それから区分所有者が支払った対価、これらいろんな事情を総合的に考慮して、マンションに関する規約は、「区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。」とする規定でございます。もちろん、この規定は、「衡平が図られるように定めなければならない。」ということで、具体的な行為規範、行為を規律する規範でございますが、もちろんこれに反する場合にはこの規定に基づいてその効力は無効となると考えております。
 その規約が無効であるか否かの判断権についてお尋ねがございましたが、もちろん第一次的には管理組合であるとか区分所有者の判断によるということになりますが、もしこれが争われて法廷に持ち込まれますと、最終的には裁判所が判断すると、このようになると思います。
 それから、既存の管理規約に遡及するかどうかということでございますが、今申し上げました改正法案が新設しました規約の適正化に関する規定は、その規約について有効性を判断する、衡平さを判断する際の考慮要素を定めております。この規定に列挙されております考慮要素でございますが、全く新しく考えられたということではなくて、これまで規約の衡平さとか適正さが争われました裁判において現実に考慮された事項を参考に定めたものでございます。
 したがいまして、規約の衡平さを判断するに当たって従来裁判所が適用していた規範の内容をこれで自主的に変更するということではございませんので、単にこれを具体化したということでございます。したがって、その適用対象につきましては、当然、既存の規約でありましてもこの規定が適用され、無効になるということになります。
#104
○森本晃司君 原始規約というのは、実際にはマンションの分譲契約の際に作成されたいわゆる原始規約を入居者が無条件承諾をして設定されているというのが実情ではないかと思うんです。
 したがって、このような委任状によって同意を得て分譲業者が作成した原始規約の効力は暫定的なものであるということで、分譲終了後に区分所有者による集会を実際に開催して決議しなければ失効するものと改正すべきではなかったのか。今回、それを対象としなかった理由はどういうところにありますか。
#105
○政府参考人(原田晃治君) 委員御指摘のとおり、マンションの分譲業者が規約の原案を作成する、それからマンション分譲時に購入者全員からこの原案に対する合意書を徴収する、こういう形で作成されるものがいわゆる原始規約と呼ばれるものでございます。
 確かに、原始規約の中には内容に著しく衡平を欠くものがございまして、その是正を容易にするためにも、原始規約の効力は暫定的なものにすべきではないか、分譲後一定期間経過後には区分所有者によって改めて規約を作成させるようにすべきではないかと、こういう意見は確かにございました。
 ただしかし、原始規約全般についてその効力をも暫定的なものにしてしまうという考え方につきましては、元々、原始規約ではありましても、規約というものは管理組合における根本規範性を有するものでございますので、そのようなものが暫定的なものであっていいのかどうかという観点からの御批判がございましたし、特に区分所有者が規約の中身を見てこのマンションを買おうとする場合があるわけです。例えば、ペットマンションとして宣伝、分譲されたようなマンションというのは、規約の中にペットの飼育を許すという規約があるわけでございますが、これが分譲後、比較的容易に変更されてしまいますと、購入者が区分所有権を取得した動機自体を否定することになってしまいます。
 こういう問題点もございまして、改正法案では、規約の衡平性を判断する際の考慮事情を具体的に列挙して、これらの事項を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように規約を定めるという規定を置けば、原始規約を含めまして規約全般の適正化が図られるということで、今御指摘のありましたような原始規約の効力を暫定的なものにとどめるという方法は採用しなかったわけでございます。
#106
○森本晃司君 今日は法務省の副大臣もお見えいただいておりますのでお伺いいたしますが、今の点につきまして、これは法務省のみならず不動産業者を監督する国土交通省も、マンションディベロッパーに対して実際のマンションの分譲を受けた居住者による集会において管理規約を定めるように指導すべきではないか、このように思っております。既存の、衡平性に欠けるような原始規約について、適正化へ向けて国土交通省と一体となって取り組むべきではないかと思いますが、御見解をお伺いいたします。
#107
○副大臣(増田敏男君) お説のとおりでありまして、本改正法案では規約の適正化のための規定を新たに設けました。衡平さを著しく欠いた規約の是正が図られるものと期待をいたしておりますが、一方で、今回の改正内容について、多くの関係者に周知徹底を図る必要があると考えております。
 その具体的方策につきましては、国土交通省とも連携を図りつつ、過去の法改正時に取られた方法も参考にしながら検討していきたい、このように考えております。
#108
○森本晃司君 是非一体となって取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、副大臣、御多忙のようでございますので、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。
 次に、国土交通省に、総合政策局長にお伺いいたします。
 宅地建物取引業者やマンション管理業者を指導する立場にある国土交通省にお伺いいたしますが、例えば原始規約に標準管理規約との相違点を記載した上で、その理由をマンション購入者に対して説明しなければならないことを努力規定からマンションの分譲を行う宅建業者や管理事務を行うマンション管理業者に対して宅建業法やマンション管理適正化法によって義務付けとするべきではないだろうかと、このように考えますが、その見解はいかがですか。
#109
○政府参考人(三沢真君) 先生御指摘のとおり、マンションの管理規約がどのように設定されるかということはマンション購入者にとって極めて重要なことでございます。
 そういう観点から、現行法におきますと、共有部分とか専有部分に関する規約の定めなど、原始規約のうち重要なものについては、まず宅建業法の重要事項説明義務を課しているところでございます。
 それから、先ほど先生からもお話がございましたけれども、平成四年の通達によりまして、これは標準管理規約を普及してマンションの管理及び取引の適正化を図るという観点から、宅建業者及びマンション管理業者に対しまして標準管理規約を提示すること、それから原始規約と標準管理規約の主たる相違点の説明に努めるように指導をしているところでございます。
 それで、今お尋ねの、この標準管理規約との相違点についての説明を更に法令上、義務付けたらどうかというお尋ねでございます。
 これは非常になかなか難しい問題でございまして、標準管理規約そのものの位置付けが、これが法令上の位置付けによるものではなく一種のガイドライン的な性格であるということ、それから実態的にもその管理規約というのは相当いろいろなバラエティーがあるという現状からしますと、なかなか法令上の義務付けというのは非常に難しい問題があるかなという感じがしております。
 ただ、やはりマンションの購入者の方々が購入の時点で原始規約の内容をきちんと把握していただくということはもう極めて重要でございますので、これにつきましては引き続き標準管理規約の普及を図るとともに、宅建業者がその原始規約と標準管理規約の主たる相違点の説明に、これ努力義務でございますけれども、きちっとそういうことを履行するような指導を徹底していきたいというふうに考えています。
 具体的には、やはり今回の法改正の周知に合わせまして、再度、標準管理規約の周知を行いたいということとか、それから、当省それから関係機関のホームページでそういうことの更なる徹底を図る、あるいは関係業界にもそういうことをきちっともう一回周知徹底をするということによりましてその趣旨を一層指導していきたいというふうに考えております。
#110
○森本晃司君 最後に、大臣にお伺いいたします。
 今回の改正案でマンション建て替え促進の法的枠組みが整うことになります。しかしながら、原始規約の問題の解決、これは極めて重要な課題であると私は思っておりますし、適切な管理、円滑な合意形成は非常に困難な状況でありまして、居住者の合意形成ができなければ建て替えもできないものでありますから、本当の意味でのマンション問題の解決になかなかつながらないんではないだろうかというふうにも思う部分もあります。
 区分所有者間の十分な意思の疎通と活発な活動がマンションの長命化につながりまして、適切な時期の維持、修繕と建て替えの橋渡しになるので、管理組合という生活者のコミュニティーの延長線上にマンションの建て替えがあるということを再認識する必要があるのではないかと思っております。
 そこで、一つは、住宅政策でストック重視を推進する以上、マンションという超長期資産を適切に管理して大切に使用することが不可欠であると、そのために健全なコミュニティーを形成する必要がありますが、管理組合と管理会社との契約期間が一年更新が非常に多いと聞いております。一年ではやはり成熟した信頼関係というのはなかなかできないので、できれば三年ぐらいの期間に改善する必要があるんではないだろうか、これが一つでございます。
 そして二番目に、生活者のコミュニティーである管理組合を積極的に支援する、さらに、いずれかの時期に建て替えるか、区分所有関係を解消すると、これらのことがマンション問題の解決と地球環境に優しい住宅政策につながると考えますが、今回の円滑法の十二月実施に当たって、大臣の決意と取組を聞かせていただきまして、私の質問は時間でございますので終えさせていただきます。
#111
○国務大臣(扇千景君) 今、森本議員がるるお話しになりましたように、いかに今あるマンションを大切に使うかということが一番原点であろうと思いますけれども、少なくとも今、分譲マンション等々、総戸数というのは約三百八十五万戸に及んでおります。そして、先ほどからもお話し申しましたように、現段階で三十年の年月を経過したものが既に十二万戸、そして少なくとも十年後にはこれが九十三万戸に及ぶということで、マンションの中にも、ピンからキリと言ったら大変失礼ですけれども、マンションという名前もあれば、あるいは人によってはこれは億ションよなんて言う人もあるくらいいろんなマンションができております。そして、少戸数の集合住宅から大戸数の大集合住宅まで、これも千差万別でございます。
 けれども、私は、大なり小なりとか、マンションだ、億ションだということに関係なく、今あるストックのあるものを確実に私は、お互いの居住環境の皆さん方が円満な、今、森本議員がおっしゃったようなコミュニティーを作って、そして管理組合できちんと話し合って、改修する手順も私も幾つか知っておりますけれども、今年はエレベーターを替えよう、来年はここをメンテナンスしようと、みんな計画をお立てになっています。
 ですから、そういう意味で、管理組合がしっかりして、管理が行き届いたマンションほど値下がりがしておりません。そして、土地が下がって、みんな平均安くなっていても、管理の行き届いたマンションは値下がり率が低いという評価も得られて、中古でも買手があるというのもそこでございますので、マンションを買うときには建物よりも管理を買えと、そういう言葉があるくらい管理というものによってマンションの値打ちが変わってくるというのは事実でございます。
 ですから、先ほども私は吉田議員にも申しましたけれども、少なくともやっぱり自助、共助、公助と言いました。自分の持ち物は財産なんだから自分の手でまず大事にする、そして管理組合のともに助け合う、そして最後は公助として、国として何ができるかということが一番大事なことでございまして、今、森本議員がおっしゃいましたように、私たちは、やむを得ずそれを売って立ち退かざるを得ないという人のためには、少なくとも国庫の補助でございますとか、あるいは住宅金融公庫の、優先の入居、そして融資をしていこう、転居費用も持とうということと、最後には、十二月でございますので、税制改正が私は今後目玉になってくると思っています。
 その税制改正の中で私は一番大事だなと思っておりますことは、先ほどから御審議得られますように、やむを得ない事情によりマンションの建替組合等に買い取られて転出する場合の千五百万円の特別控除、これが私は大変皆さん方にとっては大事なことになると思いますし、もう一点は、マンションの建替組合等から売渡し請求を受けて権利を買い取られた場合等に、事業を継続するための土地を取得したときの土地価格の五分の一の相当額の控除、これがやっぱり私は、いろんな事情で、先ほどおっしゃったように、建て替えの組合に乗り切れない人たちのための対策というものが、あるいは国庫の、公住宅の供与と、あるいは税制面での両面の処置というのが私は大変大事になると思っていますので、この法案が通りました後も、十二月の税制に向けてこの処置をしていかなければいけないと思っております。
#112
○森本晃司君 終わります。
#113
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。
 私は、区分所有法の第六十二条からいわゆる客観的要件とか過分の費用と呼ばれている条項を全面的に削除することについての質問をしたいと思います。
 建て替えを進めるときには五分の四という多数決での決議が有効とされるため、二つの条件を削除してしまうということが提案されている今回の法案の内容ですが、一つは、老朽、損傷、一部の滅失その他の理由という建物の物理的状態についての前提条件の削除です。もう一つは、それを復旧するために必要となる費用の過分の費用、いわゆる比較条件の削除です。
 提案されているのは、これに代わる前提や条件は一切ない、ただ五分の四という多数決条項だけを残しました。しかし、一九八三年の改正では、まず多数決のその議決が有効となるこの二つの前提条件を現行法に加えたのです。
 その加えた理由と必要性をどのように見ていたのか、まず説明をお願いします。
#114
○政府参考人(原田晃治君) 建て替え決議の制度は昭和五十八年の区分所有法の改正で創設されたものでございます。委員御指摘のとおり、その改正の際に五分の四の特別多数決議による建て替え制度を設けたわけですが、そのときに費用の過分性の要件を満たしていることを要求したわけでございます。
 当時の国会における審議録等を改めて見てみますと、この費用の過分性の要件につきましては、その建物を維持することが客観的かつ全体的に見て不合理となった場合に限って多数決による建て替えを認める趣旨で設けられたものであるというふうに説明されておりますが、ただこの五十八年の改正の際には、さらに敷地の有効利用のために多数決により建て替えを認めるべきではないかという意見もあり、検討も加えられたと。この意見に対する各界の意見が賛否相半ばしたということで、多数決により敷地の有効利用という経済的な目的のために区分所有者の所有権を失わせることには消極的な意見も有力でございました。
 最終的には、当時の国会審議によりますと、全く新しい制度を導入するに当たって慎重を期すべきであるということで、敷地の有効利用のために多数決による建て替えを認めることとはしなかったと、このように述べられております。
#115
○大沢辰美君 いわゆる一九八三年の改正のときには、経済的な利益を求めるためにこの多数決で決めるということはいかがなものかということを確認をして、こういう法に作り上げられて今日に至っているわけですが、ところが今日の改正案では、建て替え決議が前提なし、また無条件に多数決だけで可能になるわけですから、当然の結果として経済的な利益の追求、また資産価値の増殖を目的にした建て替えも可能となるわけですね。その場合、建て替えに参加できない区分所有者、いわゆる財産権、私は無視されてもやむを得ない、こういうふうになるんではないかと、そのことを心配しているが、いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(原田晃治君) その五十八年の改正当時に、改正をする際に意図していたことが現実に機能しなかったというのが一つあろうかと思います。と申しますのは、費用の過分性という要件が非常に客観性を欠く不明確な要件であったために、本当に建て替えが必要だと最終的には裁判所が認めたような事案におきましても、これが数年間裁判所によって争われる、その間に建て替えが進まないために最終的にとんざしてしまう、こういう事態が現れました。それに対するいろんな御批判もいただいたということで、まず費用の過分性という要件が果たして適当であったかという反省が一つございます。
 それから、昭和五十八年当時に比べますと、やはり建て替えの必要性に直面しているマンションの数が当時と比べまして現在非常に多数に上っております。そういう中で、費用の過分性という非常に不明確な要件をこのまま残すということになりますと必要性のある建て替えができない、正に建て替えの円滑化をここで確保したいという法改正の趣旨が実現できないということで今回費用の過分性という要件を削除することにしたわけでございますが、これも先ほど申し上げましたとおり、少数者の権利を唯々諾々と奪うわけにいかないということで、情報提供であるとか考慮に要する期間であるとか、この点については十分な配慮をした上で改正をしたと、こういう経緯でございます。
#117
○大沢辰美君 過分の費用については後でまた論議をしたいと思うんですけれども、やはり五分の四の採決ということは五分の一の皆さんの財産権が本当に無視されてしまうという実態も生まれかねないわけですから、私は、この問題は正に憲法二十二条にうたわれている「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と。また、第二十九条には「財産権は、これを侵してはならない。」と。そして、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と明記していますね。そして、国民の基本的人権にかかわる問題だということを後で指摘をしたいと思う。だからこそ、この私的自治の名の下に多数決だけで決定すると少数者の権利が侵されることになると。
 この現行法では、今述べましたように、経済的な利益を前にして多数決で決めることは良くないということが決められたのが一九八三年の私は法であったと思うんです。ですから、本当に国民の皆さんの、マンションに住まわれている皆さんの居住の自由と財産権が侵害されることがないようにしなければならない、これが私は今日までのこの法律の、そして今回、法律はそれを生かさないといけない法の内容でないかと思うんですが、私はこの問題については、神戸市の問題や被災者の問題の復興をめぐる問題について後で関連して質問をしていきたいと思います。
 次に、震災に絡んで今回区分所有法の改正が、阪神・淡路大震災の後に被災マンションの復興対策のその教訓を踏まえたということを今日まで何回かこの法の説明の中に言われていたと思いますが、その被災したマンションの復興のために被災後どのような支援が行われたのか、まず説明をいただきたいと思います。
#118
○政府参考人(松野仁君) 阪神・淡路大震災復興時におけるマンションの再建についての支援策についてのお尋ねでございます。
 その際には、マンションの再建に対して、設計費あるいは建設費などにつきまして優良建築物等整備事業という制度がございますが、これによりまして通常の補助率よりも、通常は三分の二の補助率でございますが、高い補助率、五分の四による補助をいたしております。
 それから、住宅金融公庫融資もございますが、この建設資金に対する貸付金利の引下げを実施いたしました。
 また、既存不適格となっております容積率がオーバーしているようなマンションの再建の際には、普通に再建しますと従前の床面積を下回るということになってしまいますが、その再建を円滑に進めることができるよう建築基準法の総合設計制度の弾力的運用を行うべきということで、その考え方を取りまとめて特定行政庁に通知したと、こういったことを措置いたしました。
#119
○大沢辰美君 建て替えに当たっては、この当時、災害の廃棄物の処理事業という形で公費解体助成があったと思いますが、それについては確認できますか。
#120
○政府参考人(松野仁君) 解体についての助成についての……
#121
○大沢辰美君 解体です。
#122
○政府参考人(松野仁君) 解体ですか。
#123
○大沢辰美君 公費解体。
#124
○政府参考人(松野仁君) それは、このような優良建築物整備事業とか、そういったものの補助制度ではございません。もっと一般的な解体に対する補助制度があったかと記憶しておりますが。
#125
○大沢辰美君 行われたということです。そして補修についてはどうですか。
#126
○政府参考人(松野仁君) 補修については、基本的には通常の維持管理、補修ということで済む場合につきましては、これはマンションが私的財産、私有財産でございますので、基本的には積立修繕金で対応していただくということが基本でございます。
 その他に必要な場合は住宅金融公庫の融資の制度もございます。そういったものを活用していただくということになろうかと思います。
#127
○大沢辰美君 実際に八年近く経過しているわけですけれども、この阪神・淡路大震災のときに被災マンションの多くの人たちは建て替えするか補修するかで本当に困難な状況に追い込まれたことは事実です。そこで建て替えをされた人たちには確かにいろんな制度が施行されました。だけれども、補修については一切何もなかったというのが今までの実態であったと思います。
 そこで、被災後、建て替えか補修かの選択に直面した人たちが、マンションの復興にかかわった多くの人たちの私は話をお聞きしたわけですが、また被害状況を調査された専門家の皆さんもいろんな検討をされたわけですけれども、この対応の在り方を検討するために、補修か建て替えかですね、その援助がなかったという点でこれは本当に大変だったということをちょっと指摘をしたいと思います。
 一つの被災マンションの復興にかかわった関係者の方は、専門家派遣等のマンション復興支援体制が整備されるに従って、国も自治体も建て替えに向けての支援体制には財政的援助も含めて極めて手厚いサービスが用意されているにもかかわらず、補修には非常に、今何もなかったと言いますが、冷淡であるということが分かったという被災マンションの方。
 また、阪神・淡路大震災の被災マンションには補修に対する公費助成がどうしてなかったのでしょうかということですね。特に柱や、はり、そういう基礎構造の被害状況を正確に把握するための診断、そういう経験と技術を持ったところに依頼しなければやはりならないし、それは大変費用がかさむと。結局、この診断ができなかったために、やむを得ず建て替えに賛成したという人も多かったと。この診断をしないままの建て替えは駄目だということで最後まで建て替え決議に反対し続けた人も少なくありませんでした。
 だから、住民間の紛争を生み出した私は一つの大きな背景に、この建て替えか補修か、建て替えには援助はあったけれども補修には援助がなかったということがあったのではないかと。だから、私は、診断や補修に対する公的支援、これは本当にこれからの、阪神・淡路大震災を教訓にするならば、これからこういう事故が、もしもそういう震災などがあった場合に対応するために私このことを用意されなければ、これまでのこういう混乱、大変な事態がまた発生すると思われますが、こういう補修に対する、また診断に対する、調査に対する公的支援もこれから用意されるのでしょうか。
#128
○政府参考人(松野仁君) 補修につきましては、先ほどお答えしましたとおり、基本的に私有財産であるマンションの区分所有者の方々自らの責務としてやっていただくということが基本で、修繕積立金で対応するということが基本ではございます。
 国庫融資も用意しておりますが、委員が御指摘になりましたような耐震の性能といいますか、それから耐震診断に対する費用はやはりこれを助成していく必要があるだろうということで、建物の診断に対する補助制度、それから、実際にマンションの耐震改修工事が必要だという場合にはこれに対する助成制度を既に用意しております。これらを是非活用していただきたいというふうに考えております。
#129
○大沢辰美君 現在の老朽化されたマンションの問題はそれで対応できるかもしれませんけれども、今私がお聞きしたのは、もしもこのような、阪神・淡路のような震災があって被災マンションが発生した場合、今回、非常に建て替えか補修かの問題で困難を来したこの人たちの経験が生かされない。そのためには、補修を選ぶのか建て替えを選ぶのかの物差しをやはり援助してほしい、物差しを計る調査ですか、補修に対する金額はこれだけは掛かりますよ、建て替えにはこれだけ掛かりますよというような、そういう正確な援助を用意していただきたいというのが私の今の質問の内容なんですが。
 そこで、非常に、これは建築家とか、そういう人たちでできるはずなんですが、できない部分もあるという一つの例として、大変権威のある、福山大学の工学博士の南宏一教授という方がいらっしゃるんですが、この方が、いろんなこういう補修にするか建て替えにするかのコンサルタントチームが、阪神・淡路大震災では多くの方がかかわってくださったんですが、その人に対する指摘というんですか、意見というのを述べられていますので、ちょっとそこを読ませていただきますけれども。
 この先生は、このたびの地震で、大半の構造技術者は初めて地震によって建物が被災した経験を持ちましたから、被災した建物を十分調査することなしに復旧設計案を立てられるほど技術的蓄積はだれしも持っていないのが実情だったと。したがって、この建物の被災度調査、被災によって劣化した建物の強度解析などの詳細調査は行わないで計画された復旧案、これが建て替えか補修かという技術的な裏付けは十分なものとは言えないと思いますと。したがって、復旧設計案を合理的なものにするためには、まず建物の被災度を十分に調査して、それに基づく強度の解析を行って、その被災度に応じた復旧仕様、これも建て替えか補修かで確定して初めて復旧に対する必要な積算が可能になるものですと。したがって、詳細な調査に基づかない復旧案、さらにはそれに基づいた復旧費の積算はあいまいなものにならざるを得ないと思うと、この専門家の先生がこのように言っていらっしゃる。
 だから、本当に今日たくさんのマンションがある中で、こういう自然災害にしろ、地震にしろですが、阪神・淡路の経験を言ったならば、この方向付けをできる国の判断のできるこういう正確な設計、そして調査する施策が必要じゃないかと。それがやっぱり、公的支援で行わない限り、今言われた積立金だとかいうのではできないという実態がここにありますが、その点についてもう一度お尋ねします。
#130
○政府参考人(松野仁君) 耐震の、耐震といいますか、建物の耐震診断につきましては補助制度を用意していると。それから、改修についてはその補助制度を用意していると。もう一つ、委員御指摘になりましたのは、建て替えなのか改修なのかというこの辺の調査については、やはり費用が掛かるということでございます。
 この建て替えというものを一方視野に置いてその判断をする必要がある。そのための調査につきましては、今度、このたび優良建築物等整備事業の中で、その建て替えの前の段階としての補助が可能なことに措置いたしましたので、それを活用していただきたいと思います。
 それから、被災度判定についても震災後かなり研究をしてまいりまして、被災度判定の度合いにつきましてもこれをマニュアル化してきております。公共団体の段階でかなり大ざっぱな判定をしていただいて、更に必要な場合はそれは専門家の詳細な判定をするというようなこともできるようなことを考えているわけでございます。
#131
○大沢辰美君 本当にそういう程度でこの問題が解決できるように思いません。
 私は、もう一例、阪神の被災マンションでの教訓の重要な一つで、今の六十二条の改正と直接かかわる問題で質問したいと思います。
 被災マンションでは、建て替えと補修、どちらの場合もよく私は話し合って合意を得て進めたマンションも少なくありません。これはもう事実です。しかし、住民がよく考える時間もなく、あっという間に取り壊してしまったとか、中には建て替え賛成派と反対派で紛争になっているところがありました。
 なぜここまでに至ったのかという問題ですけれども、やはり建て替え賛成派も反対派のどちらも共通の判断材料となる物差し、この建物の被害上、構造上の診断は行われなかったということが、今、私もさっき言いましたけれども、あったわけですね。大きかったのは公費助成が建て替えに偏っていたこと。ですから、経済的利益を前面に出して、現在の建物区分所有法では持ち込めないはずの建て替え決議に賛成か反対かを迫ったことが今日の結果をもたらしたわけですけれども。
 ある被災マンションの事例なんですけれども、住民の皆さんを、集会を最初に震災後やって、開口一番、補修は技術的に可能ですと言ったわけですね。しかし、建て替えすれば一戸当たり負担額は一千万円で全員がお金を貸してもらえますと、こういうふうに説明があったと。七十歳でも九十歳でも貸してもらえます、公庫が立て替えますとして説明があった。建物ができ上がるまでは皆様お金は一銭も要りませんよという説明があるわけですね。補修の場合は、各戸当たりの負担額は七百五十万円です、しかし銀行はお金を貸してくれませんと、こういう説明があったというんですね。
 だから、多数の住民はこの一千万円の話に乗って、私はお金がないから建て替えだとか、一千万円もうかるんだったら建て替えだとか、資金不足の人までこういう建て替え志向に走ったという実態も一例でありました。さすがに後で、七十歳、九十歳でもお金を貸しますと言ったことは後日訂正したようでございますけれども、私は住民間の紛争を起こさないようにするにはどうしたらいいか。被災者の方は当時を振り返り本当に次のように言われています。大切なことは、理事会は現状のマンションを客観的に調査して、その結果を住民に公表して、時間を掛けて議論することであるということ。費用の過分性、いわゆるこれには余り触れていないのが当時でした。
 ですから、やはりコミュニケーションを続けて、都合のいい情報だけを出すんじゃなくて、公平な討論を広げていくということがやはり賛成や反対をできるだけ争わないような状態を作ることだと思います。もし、そういうものが作られてしまったら、本当に復元するのに大変な事態があったわけですから、だから、私は建て替え案と補修案を対等の扱いで同じまないたに乗せて平等に検討することがやはり一番望ましい在り方だと思うんです。
 だけれども、改正案では、再びこのような紛争が私は起きないようにするどころか、一九八三年、今説明をいただきましたけれども、改正で経済的利益を採決で決めることはいかがなものかということで客観的条件を位置付けたのに、今回この経済的利益を直接持ち込んだ法になっているわけです。
 ですから、やはり住民間の紛争の種を私はますます拡大するのではないかと思います。ですから、こういうことを、本当にマンション問題に取り組んでいらっしゃる方は本当に皆さん心配して、日本弁護士連合会も、また建設区分所有法の改正に求めたのは六十二条のこの客観的要件の削除じゃなくて、現在の不明確な規定を改正して、建て替えを希望する人も補修でいくことを希望する人も、どちらから見ても同じように判断できる規定を作ってほしいということなんですね。そのための具体的な提案までしているのに、一切無視して、結局はディベロッパーやらゼネコンだけが喜ぶような内容になっているというのが私たちの指摘です。
 ですから、この過分の費用という建て替え費用と補修費用を比較して採決参加できる客観的要件を削除するのじゃなくて、本当にこれを両記、両論の併記をした法制審議会の部会報告にあるように、やはり私はそこに重視をして客観的な条件をどう明確にしていくか、そのことを議論すべきであったのではないかと思いますが、この点についてはいかがですか。
#132
○政府参考人(原田晃治君) まず、費用の過分性の要件がうまく機能しなかったという反省に立って今回の改正、区分所有法の見直し作業が開始されたということでございますから、費用の過分性という要件をそのまま残すということは適当でないということは改正のための見直しのスタートから共通の認識であったと思っております。
 これをより客観的な要件にするかどうかということで、先ほど申し上げましたように、法制審議会の中間試案の段階ではいろいろ苦労をし、工夫をし、例えば年数要件というものを考えたわけでございますが、この年数要件につきましても、その年数要件が果たして合理的な説明ができるものかという点で多数の賛成が最終的には得られなかったということでございます。
 今回の改正法案は、それでは建て替えの在り方をどうするかという根本に立ち返って考えたときに、これも先ほど申し上げたところでございますが、要は建て替えについて法律で余り規制をするということではなく、やはりそこに住んでおられる区分所有者の方々が十分な情報と十分な時間を掛けて十分に意思疎通を行い、建て替えるべきか建て替えざるべきかを自らの判断で自らの内部の検討によって判断をしていただくと、これが本来あるべき姿であろうと考えたわけでございます。
 したがいまして、要件としましては、八割という要件が高過ぎるか、それとも低過ぎるかということはまだ御議論のあるところでございますが、少なくともその段階では、八割の方が十分な議論を尽くした上で建て替えたいということであれば、同じ区分所有建物、区分所有権を有する人と人の間の利害関係の調整としては十分に少数者の方々の意見にも配慮した調和の取れた建て替え要件になっているという判断がされて今回のような改正法案が提出されたと、こういう経緯でございます。
#133
○大沢辰美君 反省に立ったと言うけれども、立っていないですよ。
 この過分の費用というのは、確かに一九八三年に入れられて今日まで使われていた法であるけれども、このことをもって、あの阪神・淡路大震災のときにはその根拠が示されなかったために混乱を起こしたという経緯があるわけです。だから、その経緯も無視して、更にこの過分の費用を消したならば、もっと私は混乱を拡大されるということを指摘をしているわけなんです。これは私、一人や二人の方が言っているような内容じゃないんですよね。
 ちょうど、そうですね、震災から発生した六か月後だったでしょうか、震災マンションの方たちが作った復興協力委員会というのがあるんですけれども、この方たちがマンションの管理組合に出された答申書というんですか、そういう文書があります。これは非常に、公文書でありますので、読ませてこれもいただきたいと思うんですけれども、管理組合に出されていますね。
 建て替えの理由を述べているんですけれども、工事費だとか安全性だとか資産価値だとか、ずっと書いてあります。重要なところだけ読みたいと思いますが、資産価値のところを読みますと、補修建物の場合は市場流通性は極めて乏しく、担保価値も低い、一方、建て替えの場合は新築マンションとして市場流通を確保でき、担保価値も回復できると、こういうふうに書いていますね。
 資金の調達について、特に、補修の場合は、必要となる補修費用に対して、現時点では公的な融資額は極めて低い、また、全戸の資金計画の足並みがそろわなければ補修工事契約はできない、それに比べて建て替えの場合は、ここも建て替えが強調されて、公的融資の窓口も広く、利子補給制度も確立していると。
 もう一つの買取り請求とか売渡し請求について、補修の場合は、買取り請求に対して第三者、ディベロッパーですね、引き受ける可能性はなく、補修参加者が購入し、補修完了後、市場で売却することになるが、希望価格で売却換金することは非常に困難であると予想されると。
 建て替えの場合は、売渡し請求に対して、ディベロッパーが一括購入して新築の住宅を市場で売却する。その場合、建て替え参加者の資金立替え負担は発生せず、また、売却価格からディベロッパーの利益及び経費、工事費用、前払利息を差し引いた額を売渡し折衝することが可能であり、買取り請求額より高額で売渡し請求に対応できると。
 これが、震災後約半年間置いた中での、補修の場合は余り、大変ですよ、利子補給もありません、利子補給制度も確立しているけれども融資は窓口も狭いですよと、そういう言い方。だけれども、建て替えの場合は、言ったら、すべて整っていますよという一つの公式の文書で出されています。
 こういう形で、本当に私は、五分の四の多数で決議された被災マンションですけれども、建て替えられるマンションに戻れる人は私は圧倒的多数ではないんですよね。
 紛争のあったマンションの場合、二百二十戸の被災マンションがあった例をちょっと図で示している、これはちょっと個人の名前が書いていますのでお配りすることできませんでしたけれども、このマンションで入居、元住民が入居したのはわずか百九戸、半分にも達していないんですね。新しい住民が六十一戸で二八%、空き室が五十戸で二三%、約四分の一を占めているわけです。
 ですから、私は、こういう区分所有法の問題で、一部の人の反対のために多数の人が犠牲になっているのかという主張がよく出されてきますけれども、私はやはり多数の人の利益というものの中身には紹介したような実態もあるということを知っていただきたいと思うんですが。
 そこで、本当にこの問題を建て替えか補修かという問題で考えるときに、経済的利益が優先されて、その採決を五分の四ということでこのままこの改正案が突っ走ったならば一層大変なことになるということを先ほども申し上げましたけれども、重ねて申し上げたいと思います。
 このことを正すためには、この過分の費用という客観的条件を外すことができない最低の六十二条の改正を改めなければいけないと思いますが、もう一度、法務局ですね、お尋ねします。
#134
○政府参考人(原田晃治君) 経済的利益を追求する建て替えが可能になるために区分所有者間の紛争が一層拡大するのではないかという御指摘だろうと思います。
 もちろん、今回の改正におきましても五分の四という非常に多数の方の賛成というのが必要になりますし、現実にこれまで、例えば区分所有者全員の合意によって行われたマンションの建て替え事例の調査結果を見ますと、そのほとんどの事例で、余剰容積率などがあるために、例えば建て替え費用を捻出するため敷地の一部を売却することによって行われております。
 その建て替えの発意に至る動機について見ましても、その多くが雨漏りであるとか外壁がはげ落ちる、剥落する、それから給排水管等の設備が劣化する、そういう建物の老朽化を原因とする何らかの不都合が生じたために行われる例が多くて、例えば建築後わずかな年数しか経過していないのに、しかも使用上何らの支障もない建物を敷地のより有効的な利用を目的としてだけ建て替えるというのは、例えば建て替えて数年で建て替えをまたするというような例はほとんど見られなかったわけでございます。
 したがいまして、経済的利益を追求するだけのために高額の費用を負担して簡単に建て替えがされるという事態はそれほど心配をする必要はないのではないかというのが法制審議会でも議論をされた中身でございます。
#135
○大沢辰美君 確かに、老朽したマンションと被災で対応しなければならなかった建設、補修の問題とは条件が違うと思いますけれども、私は、改正案で、建て替え決議のための物理的要件と過分の費用要件を削除した代わりに、会議の招集時期とか通知すべき内容など、決議に至るまでの手続要件を整備したと法務省は説明されていますね。これは、管理組合の中などに建て替え検討委員会などを作って何年も何年も掛けて検討してきたマンションの場合は、私は今までなかった規定ですから改善されてきたと思っています。
 しかし、阪神・淡路大震災による被災マンションのような場合は別だと思うんですね。建て替えにするのか補修でいくのか、もう繰り返しますけれども、突然選択を迫られるわけです。法案では、会議の招集通知を出すときには建て替えを必要とする理由、建て替えをしない場合の費用の額を通知するとなっています。被災マンションで問題になったのは、建て替えの理由そのものが適正なのか妥当なのか、費用の算出根拠は適正だったのか、その調査をどこに委託するのかなどなど、招集の通知に盛り込まれるべき内容そのものが、是非や決め方が争いになったんです。
 法案では、招集通知の内容を本当にどこで、どのように決めて、どういう仕組みになってこの問題を解決できるのか、もう一度お尋ねいたします。
#136
○政府参考人(原田晃治君) 今回の改正法案の中では、今、委員御指摘のような建物の取壊しとか建て替えに要する費用額が幾らであるか、それから建物の効用の維持又は回復に要する費用の額、内訳がどうなっているかということを直接に建て替えの要件の中に盛り込むことはしないで、こういう事情というものは区分所有者の方々が自主的に議論をする中で判断すべき重要な要素の一つであるということで、情報提供という形でこれを充実させていこうというのが今回の改正法案の中身でございます。
 もちろん、今申し上げましたような維持、回復に要する費用であるとか、取壊し、建て替えに要する費用というのは一定の評価を伴うものでございますから、その客観性が高まれば高まるほど情報としての価値が高くなるということは委員御指摘のとおりであろうと思います。
 それで、これにつきましても、先ほど申し上げましたとおり、客観性のある技術的な指針が定められて、その指針に基づいた評価を行い、それが区分所有者に情報として提供されると、こういう仕組みがきちんと整備されれば、それは非常に望ましいということは言えようかと思います。
 ただ、これにつきましても、その特定の評価機関による評価を本当に義務付けてしまうのがいいのか、その場合の資格要件なり監督に関する責任をだれが負うのか、区分所有者が常にその評価に要する費用を負担させられることが適当なのかどうか、こういう点についてはなお慎重な検討が必要であろうと考えた次第でございまして、この点については、マンションの建て替えに関して、専門家の意見を区分所有者の方々が特に委員会を作って事情を聴取するなりしてできるだけ客観性の高い情報を集めて、これを各区分所有者に通知することによって、そこでの検討が非常に充実したものになるようにやっていただくということが望ましいというふうに考えている次第でございます。
#137
○大沢辰美君 何度も繰り返しますが、そういう事務的な報告で現場の実態を本当に把握していない。阪神・淡路の実態を教訓にすると言いながら、その人たちの苦しみをまたも何か、震災などの発生でそういう事態に遭遇した人たちがそういう思いを繰り返されるというのが、私は今度の改正案には解決の見通しがないということを指摘せざるを得ません。
 そこで、最後に大臣にお聞きしたいと思うんですが、こういうマンションの建て替え問題で、私、今、国や自治体に求められていることは何だろうかと。一つは震災被害などからの復旧対策で、今ずっと説明をいたしましたし、質問いたしましたけれども、私は、国と自治体は建て替えだけの支援措置に偏らずに、補修も、そして新たな機能を加える再生をも選択肢として提供し得る公費の調査、支援、そういうのが本当に大事じゃないかと。そのことによって住民合意を進めることができると思うんですね。ですから、大震災の教訓に照らして、特に構造部分に対する被害調査への支援は最も急がれる問題であるということを一つお聞きしたいと思います。
 いわゆる老朽化に対する対策は、やはり耐震診断だとかバリアフリーだとか、そういう促進するマンションの再生を追求できるように公的支援の措置が必要だということだと思います。建物の構造上の危険が迫っていたりしている場合、そういう勧告ができるよう改正も既に終えているわけですけれども、やはりそういう人たちが、立ち退かなければならない人たちが、住宅の確保、とりわけ公営住宅の提供が決定的に重要だということを通常国会でも論議をされたわけですが。特に、私は大臣に、今、ずっと建て替えか補修で本当に苦しんだ阪神・淡路大震災のあの事態の、今後ああいうことを繰り返さないために、建て替えに対する援助、そして補修に対する援助、それが公平に物差しとして提供できるような状況を作ることは、私は責任あるのではないかと思いますが、その点について質問を最後、大臣にさせていただきたいと思います。
#138
○国務大臣(扇千景君) 問題が三点あったと思うんですけれども、私は、先ほどから大沢議員がおっしゃいますように、阪神・淡路大震災の例をたくさんおっしゃいました。私も神戸出身でございますから、同じ思いで、私の実家も駄目になりました。
 けれども、あの当時、私、これだけの法案ができていればという感がなきにしもありません。あの当時、あれだけの大震災があると思いもしませんでしたし、またマンションで管理組合ができていないマンションがたくさんございました。ですから、私はこの法案が、少なくとも区分所有法、それからマンションの建替え円滑化法等々整っておれば、私はもう少しスムーズにいっていたんじゃないかなという反省も含めて、私は、皆さん方にこうして御協力いただいて、通常国会でもマンションの円滑化法が通ったことも私はよかったなと思っておりますし、また今、だれがどう判断するのかという大沢議員のお話もございましたけれども、私は、そういう意味では、マンションの管理適正化法というものも通って、そしてマンションの管理者の登録制度というものも導入しました。これによって、今、管理業務の主任者を少なくとも設置義務付けて登録した、そういう件数が今約二千百ぐらいになっております。それくらいの人たちの登録者ができて、これを管理業者として登録もできましたし、またマンションの管理士制度というものも制定していただきまして、現段階でこのマンション管理士というのは五千二百名近くに及んでおりますので、そういう管理組合がこういう人たちを利用して、建て替えるべきかあるいは修理するべきかという判断も、気楽に相談者として権威のある判断ができるようになったということも、私は、阪神大震災という貴重な経験をしたからこそこういうものを取り急いで法案化しようということにも、私は貴重な経験を役立たせていただいている一助になっていると思っております。
 それは、完全なものはありません、法案は何でも。一〇〇%ではないかもしれませんけれども、現段階では一番これが適正であるということで出さしていただいているわけでございます。
 それから、今おっしゃいました、マンションの躯体を生かして、あるいは少なくとも内部の改善とか増築を行う再生ということが必要ではないかとおっしゃいましたけれども、再生を願うということは、今の環境問題等々考えましても、資源の有効活用という面からこれを再生さすということは一番大事なことで、人間も同じでございまして、老朽化してまいりますと身体検査を受けて、部分転換を、部品を取り替えたりいたしますけれども、物事を有効に使うという意味では、建築でも再生ということは今おっしゃったように大変大事なことの一点であると思っておりますので、そういう再生にふさわしいという場合も必ずあり得ると私も信じておりますし、またそうあるべきだと思っております。
 それから二点目の、少なくともマンションの再生のために、建物等々の、家族構成の変化等々に応じて間取り等の変化とか、あるいは先ほども申しましたように、給排水の設備など新たに更新に適切な対応をさせるということが必要であるというのは、これはもう常識的なことでございますからおっしゃるとおりだと思いますし、私たちも目配りをしていきたいと思っております。
 そして、最後に、少なくとも平成九年から、私たちは、長期の耐用の都市型の集合住宅の建設あるいは再生技術の開発、これが一番大事だと思っておりまして、今日も朝から御論議いただきましたように、スケルトンとインフィルということで、少なくともスケルトン・インフィル住宅の技術開発、これを私たちはしておりますので、そういう意味では、阪神・淡路大震災の経験というものがいかに我々に役立っているか、また私たちはそれを見習いながら開発を研究していくということの大変重要な問題を提起させられたと思って、この法案の成立とともに、我々は他方ではその研究開発を一生懸命やっていきたいと、そう思っております。
#139
○大江康弘君 国連の大江康弘でございます。
 最初に、この法案、我々は基本的に賛成でございます。ただ、今日は田名部先生もおられませんし、いかんせん、国連加盟国じゃありませんが、加盟委員が多いものですから、いろいろまた会派で議論をしたいと思いますけれども。
 その前に、一つだけ国交省に褒めて、一つだけ苦言を申したいと思いますが。
 二週間ほど前に、日経新聞に二日続きでローマ史で有名な塩野さんを中心に対談をされておられました。非常にあの二日間の内容というのは読みごたえがあって、正に我々政治家が反省をしなければいけない。今、官と民というこの一つの対立軸、何でこういうゆがんだ対立軸にしてきたんだろうかということを、塩野さんは、やっぱり本来外国は公と私というこの対立軸でずっと今まで政治行政をやってきたという。それが日本に来たら官と民という形にゆがめられたという。やはりそこは政治不在、我々政治家が反省をしなければいけない部分ではなかったかなというふうに思います。正に我が意を得たりという、この二日間のあの記事を読んだんですけれども、これは非常にいい企画でありました。これは褒めておきます。
 一つ苦言を呈したいのは、その参加者の中に国交省の方が一人おられて、やはりあれは何か宣伝みたいに取られて、せっかく片っ方でいいことを言っているのに、そのいいことを言っているのを、正にそうなんですよという、何かこれ、読む人が見たらこれ国交省の宣伝かなと。やっぱりそういう意味では、ああいう企画というのは、出て言いたい気持ちは分かるんですけれども、やはり今は国交省のこの公共事業も含めていろんな部分で国民が批判起きておるという時期でありますから、私はやっぱりきちっと国交省に、国でやらなきゃいかぬ部分は国でというのを言ってほしい一人です。
 道路公団なんかも私はつぶすべきではないと思うんですね、私は個人の考えですよ。こういうのはやっぱり国がきちっと、大臣が言われておるように、グランドデザインとしてどうだといういわゆる公の部分が戦後ずっと語り継ぐことができなかったから、何か官僚だけが批判をされて、何か国から外すことがいいことだ、これが時代の流れみたいなことになって、非常に私は不愉快であって、一つはこういう大事なことを正に政治の場から離れたところで議論をされて、それが正に正義のようなごとく、審議会かその在り方か何か知りませんけれども、非常にこういういびつなことになってきておるということは残念であります。
 しかし、国民の世論の目というのはやはり絶えず我々は意識をしてやらなければいけませんから、そういう意味では、あの記事の中身に戻りますけれども、やはり言いたいこともあるだろうけれども、言いたいことがあるんだったらもっとほかの立場の人に代わりに言わせればいいんですよ。自分が出ていってこれは言いたいのは分かるけれども、あれが一つつや消しであったということを申し添えて、大臣、だれがって聞いておりますが、関東局の方です。その人を怒ったら駄目ですよ。その人はいいこと言っておるんですし。ただ、あれは企画としてはもう少しやはり考えた方がよかったんじゃないかなということは、これは読んだ者の感想として言わせていただきたいと思います。
 そこで、まず最初にこの法案でありますが、済みません、随分ちょっと話が最初からずれましたが、本題に入りたいと思いますけれども、もう朝から先輩の先生方、吉田先生始め、もうオールキャストがいい質問していただいて、もう何も言うことがないわけですけれども、何か言わぬといかぬので、まず法務省、質問をさせていただきたいと思いますが、結局これを変える。これは、今回二十年ぶりですね。三十七年に制定をして、五十八年に一度変えて、そして今日ということになれば、大体二十年に一度、そういう形で変えてきた。そういうことから見ると、時代の流れから見たら、少しスピード感に付いていけない部分があったのかなと。
 しかし、やっぱりもう残念かな、日本というのは何かどこかに犠牲がなかったら進んでいかないという、そういう部分があって、このきっかけは七年前の阪神大震災が、やはりこれが表面化してきた。裁判ざたになっていまだに続いておるという部分もあるやに聞きますけれども。やはりこの変えようとしたきっかけ、そのネック、その部分は今回で解消されたのかどうか。
 三本柱があれば家が建つと言われております。今回、三本のこの法律ができた、これで私はやっぱりきちっとしたものを作っていってほしいという思いの中で、法務省がずっと、我々がさきの通常国会でこの円滑化法をずっと審議をしておったときでもまだいろんな意見でもめて、よう結論が出せなくて、通常国会に出せなくて、今回出してこられたという、そこら辺りの経過と、いわゆる何がネックになったのか、そして、今回そのことがやっぱり出てきたということは、もうそういう部分が取り払われたのか、ちょっと聞かせてください。
#140
○政府参考人(原田晃治君) 今回、改正のきっかけとなった点でございますが、先ほど阪神・淡路大震災で建て替えが円滑に進まなかったということが一つきっかけになっているのではないかという御指摘でございましたが、それが正に一つきっかけになっております。
 それから、例えば現行の法律によりますと、建て替えに際しては単純な多数決、五分の四の特別多数決ではなくて、費用の過分性の要件というものが付け加わっているために、建て替え決議がされた後にこの費用の過分性の要件をめぐって争われる、それで建て替え決議があるにもかかわらず建て替えが進まないという事例が非常に増えてきた。
 例えばでございますが、平成八年の四月に築後二十九年が経過した建物において建て替え決議が行われた例がございます。ところが、現実には建て替え決議が行われたにもかかわらず、建物を維持するのにどれだけ費用が掛かるのか、現在の建物の価格は幾らか、その費用の価格は建物の価格と比べて過分なものとなっているのかどうかと、ことごとく建て替え賛成者と反対者の主張が対立したわけでございます。訴訟が提起されて、平成十三年に最高裁でようやく建て替え決議は有効であると確定したわけでございますが、その間五年間も、建て替え決議がされたにもかかわらず五年間もこれについて争われたために、建て替え決議に基づく建て替え事業が進行しなかったという例が報告されております。
 このように、現行の建て替え制度によりますと、この要件が明確性を欠いているというのが最も大きな問題点でございまして、実は前回、マンションの建替え円滑化法の審議の際にも法務省は呼ばれて、その当時の法制審議会での議論の経過を御報告申し上げたわけですが、その際にも、費用の過分性の要件自体を廃止することについては全く争いがなかったわけでございます。要は、それを客観的なものにするためにどういう改正をするかということで議論をしていたわけでございます。当時は、三十年という年数要件さえ入れれば、これは非常に客観的であるし、建て替えが検討されているマンションの多くが三十年たっているのだから、これで建て替えを円滑に行おうという需要も満たすではないか、こういうことで三十年という客観的要件も入れる案が本案として中間試案で検討されている、このように申し上げたわけでございます。
 しかしながら、この三十年というのも、再三申し上げておりますけれども、個々のマンションの管理の状況であるとか性能であるとかが、非常に具体的、個別のマンションによって異なりますので、これを一律に三十年という客観的要件を定立することについてはやはり実態に合わない。むしろ、三十年たったらマンションの価格は当然に下がるのではないかとか、三十年が近づいてきたら管理が手薄になるのではないかと、いろんな弊害が指摘されました。
 その中で、最終的には費用の過分性という不明確な要件は外す、しかし、マンションの区分所有者に十分な情報を与えた上で十分な審議をしていただいて、しかも八割の方が建て替えたいということであれば、これを建て替えを認めるのが現在の多くのマンションが直面している建て替えの問題に適切に対応する方策ではないかという議論がされ、結局、最終的には五分の四の多数決だけで建て替えができるという成案を得たわけでございます。
 今申し上げましたように、この要件の明確性、費用の過分性の要件がやはり建て替えの障害となっていたということは争いがございませんので、ここが排除されることによって建て替えを実施する際の区分所有法上の障害とされていた点は解消されるものと、このように考えております。
#141
○大江康弘君 今、相撲でも上手投げとか下手投げというのがあって、今度新しい技が出て、丸投げという、政治の世界でもこれは今はやってきておるわけでありますけれども、何かそういうことからしたら、今回、法務省は、それは確かに個人の財産権にこれはもう入っていく部分ですから、これは一番尊重しなきゃいかぬ部分ですね。ある意味では、国交省の円滑法というのは、これはでき上がった後、どういうふうにやっていくかという部分ですから、出口と入口との差が随分あるんですけれども。
 やはり五分の四、今朝ほども谷林先生からもそういう数字の部分がありました。私、前回のときにも、この五分の四の一つの数字の基本となる部分、これはどういうことかということをお聞かせをいただいたんですけれども、何か私にしてみれば、共有部分が四分の三ですね、四を一つ加えて下を五、それで三を一つ加えて四、五と四で五分の四でいいかというぐらいの感じにしか取れない。
 というのは、やっぱり気を付けないといけないのは、今回やっぱり私は、法律というのはどこに配慮をしなきゃいかぬのかというのは、あくまでもこれは最終的には、その法律を受けて、これは確かに、マンション建てたい、やりたいという意欲のある人には今回この法律すごくいいわけですね。しかし、それについていけない人の部分をどう補うかという部分が、これはやっぱり政治、行政がきちっと考えていかなきゃいかぬ部分であって、五分の四賛成できたらいいんだというこの丸投げ、幾らこれは時代のはやりだといっても、これは非常に今後いろんな僕はやはり問題が出てくるんではないかと危惧する一人であります。
 それだけに、なぜこの五分の四という、もう一度、しつこいようですけれども、この五分の四という数字に法務省はこだわるのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#142
○政府参考人(原田晃治君) 区分所有法上、五分の四という数字は建て替え決議の要件として唯一あるわけでございますが、これは、建て替え決議がされますと、建て替えに反対する区分所有者はその区分所有建物の売渡しをしてここから退去せざるを得なくなる。一方、賛成する区分所有者としても、もちろん建て替えのために多額の費用を要しますし、反対者の区分所有部分及び敷地利用権を買い取らなければならないということで、これは、建て替え決議というのは区分所有者に対して極めて重大な効果を伴うというものでございます。
 それで、決議要件につきまして区分所有法を眺めてみますと、一般的な集会の決議は過半数でございます。それから、特に共用部分を変更するとか大規模滅失が生じた場合の建物を復旧する、こういう非常に影響の大きいものについては四分の三という要件を定立しております。
 さて、この建て替え決議になりますと、更に今申し上げましたような区分所有者に対して非常に重大な影響を及ぼしますので、この四分の三を更に超える五分の四という非常に多数の同意を要求するというのが法の趣旨でございまして、これは実は五十八年の区分所有法に初めて多数決による建て替え決議の制度が導入された段階から五分の四という数字が出ておりますし、今回もこの五分の四という数字を変える必要はないであろうと。建て替えの円滑化を阻害している要因である費用の過分性について見直す、その代わりに手続保障を厚くする、こういうところについては手当てをいたしましたけれども、五分の四という数字については今申し上げましたような経緯からして特にこれを見直す必要はないであろうということで、そのまま五分の四という数字を残した次第でございます。
#143
○大江康弘君 だから、結局この五分の四決議というのがもう一つの大きなにしきの御旗になっていくわけですね。
 そうしたら、ずっと法務省のこの審議会、部会ありますよね、建物区分所有部会。ここでずっとやられてきて、あの当時、我々、三十年か四十年かという築後の一つの目安とも言われた、過分な費用の部分ということもその議題に上った。あれだけ、阪神・淡路大震災でもうつぶれた、あるいはもう半分つぶれ掛けておるといっても、これをやり替えるのかあるいは手直しでいいのかということで裁判にずっとなってきておるという今の現状を見たときに、我々この目で見て、これは建て替えた方がいいんじゃないかなというような分かるやつまでそういう直せばいいじゃないかともめるということになったときに、それじゃきちっと建っている部分、先ほど大臣が、老朽化という部分があって、人間でも老朽化するんだから、しかし、幾つでということ、大臣なんかを見ていたらもう本当にそういう年限関係ないみたいにお元気だから、ちょっと私はこれから言うこととは、整合性とは外れるんですけれども、これは建物と人間の違いだから御理解いただきたいと思うんですけれども、やっぱり法務省がこれを、三十年、四十年というけんけんがくがくの議論をやって、その結論をいただけなかった。いわゆるきちっと老朽化の基準を示すことができなかったということ、そういうことになったときに、後で国交省の部分と重なってくるんですけれども、私はやっぱりどこかで、幾ら管理組合が今回法人資格を持ってという、これはあくまでも契約したときのもめない部分の形の中での法人格だというふうにとらえておりますけれども。
 管理組合がそれじゃどれだけの権限でそういう大事なことを決めていくのかということになれば、私は、国交省がマニュアル作りを十二月の中旬にすると言うているけれども、そのマニュアル作りの以前の問題として、そこへ入っていく以前の問題として、ある一定の一つの老朽化の基準、建て替えの基準というものは住んでいる人たちにやっぱり示してやるのがこれは行政の親切ではないかな、というよりも責任ではないかなと思うんですけれども、何でそこの部分に入っていけなかったのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
#144
○政府参考人(原田晃治君) 入っていけなかったといいますか、この法律を細かく見てみますと、建て替えをする際に、まず取壊し、それから建て替えに要する費用を区分所有者に通知しなさいという規定がございます。それからさらに、このまま建物の効用を維持し、回復するためにどれくらい費用が掛かるか、これも通知しなさいという規定がございます。だから、この法律の中には実は建物を維持管理していくよりは建て替える方が合理的であるという思想自体はやはり残っているだろうと、このように考えております。
 ただ、それを建て替えの要件という形で実態上の要件といたしますと、これは正にこれまでの裁判例で争われたように、要件を満たしている満たしていないという争われ方をするものですから、建て替え決議がされた後にも要件を満たしていないという争われ方がされてしまうわけです。これを要件からは外す。しかし、建て替えが問題となっているマンションの区分所有者の方々が現実にこれは建て替えるべきかどうかを自分たちで御判断いただく際には、やはり今申し上げたような判断材料というのは十分に与えて、それで五分の四の方がこれは建て替えた方がいいというふうに判断されれば、これは法律でそんな建て替えは認めませんよと言う必要はないというのが今回の法の趣旨でございます。
 ただ、それが、それにしても、今、先生がおっしゃいましたように、何か客観的なもう少し目安みたいなのを踏み込んで書けなかったかということですが、結局それはなかなか、評価を伴う判断要素を要件という形で示すということにしますと、これまでと同じ轍を踏んでしまいます。かといって客観的な、具体的な数字にするということは、これは明らかに実態と合わない事態を招来いたします。そういうことで、今回は十分な情報を提供した上で区分所有者の方々が議論をしていただいて、自ら多数決、五分の四の多数決によって建て替えるかどうかを決めていただく、こういう制度を構築したと、こういうことでございます。
#145
○大江康弘君 いろいろ言っていただいて。要は、それじゃなぜ三十年、四十年と、一番これ分かりやすい数字じゃないですか、これ。築三十年になったら危ないんですよ、あるいは築四十年になったら、これは前回から大臣が答弁されるんでもう数字覚えましたけれども、今三十年が十二万戸ですね、十年たったら九十三万戸ということは、築二十年のやつが、いわゆる予備軍がそれだけあるということですから、一番これ分かりやすい、だれが見たって分かりやすい数字。今まで審議官が、いろいろ手紙で出したり何出したりという、その以前の問題としてもっと分かりやすい数字。だから建て替えよというんじゃない、三十年たったからこういうことを検討しなさいよという部分が僕はやはり最初は必要じゃないのかと、それは。
 だから、何のためにマンション管理士だとかあるいは建築士だとか、あるいはそれぞれの自治体においてはそれぞれの建設部か何か知りませんけれども、名前は知らないけれどもそういうやっぱりプロフェッショナルがおるわけですから、そういう人たちも巻き込んでしっかりと、入っていく以前に国としての私は明確な方向性というものを示してやるべきではないのかなというふうに思ったんです。
 もうこれは答弁要らないです。ちょっと今日時間なくなってきました。もう法務省、結構でございます。どうぞお引き取りください。
 大臣、ちょっと今の部分でもし後で答弁あったらしてください。
 それで、私は、このマンション法、前回も言いましたが、私なんかが住んでいる田舎では余り関係ないんですね、正直。これはやっぱり三大都市圏、そして東京をどうするか。大臣がこの法案を、円滑法をやってもいいよといった背景に、落ち込んでいく経済の低迷の中で、私は、道路を造るよりも家を造った方が、建物を造った方がやっぱり働く人のすそ野が広い。窓一枚、壁紙一枚にしてもやっぱりそういう需要というものの中で雇用も望めるという、これは僕は一つの政策としては非常にこれは正しいことだと思うんです。ここらが僕は政策転換という部分であると思うんですけれども。
 そういう中で、私は個人的には一極集中賛成なんです。やっぱり東京というのは賛成です。人間でも何でも、それはなぜかといったら、東京賛成かということじゃないんですが、中心主義というもの。何でもやっぱり中心がきちっとしておらなかったら全体が良くならない。体でも我々のこのおへその回りが一番大事なんですから、やっぱりこの中心を大事にしなきゃいかぬという。しかし、それがずっと、公と私の関係が官と民になってから非常におかしくなった。
 大臣は前に、東京都の都市計画道路を進めて八兆円、これをしたら四十兆円の経済効果があると、こんな数字を聞かせていただいたら、私の和歌山県のところなんかもう予算要らぬからそっちへ回すよと。実はこの間、不審船のときにも言ったんです。まあ、お互いそれぞれ委員の皆さんの地元が、これは道路と不審船を造るお金の出し方は別ですけれども、よし、これだけ国が大変なんだったら、おれのところ十キロ道造るのをそれをやめて、その分のお金を不審船対処の海上保安庁の船の造りに回そうじゃないかと。これを、ねえ、荒井先生、やりましょうよ。これをやっぱりやって、それをやったって僕は、それで県民が批判を、政治家を批判するようじゃ、もうそんな県なんかこれはやめたらいいわけなんですね。
 だから、そういう私は一つの部分を見ておっても、やっぱり東京というのは、この都市圏に日本国民の四分の一が住んでいる、そこに一部上場の六五%の会社の本店が来ておるという、マスコミなんか八五%、わずか国土の三%ないところにこれだけ集中しておるという。やっぱりこの法律というのは基本的に私は大事だなということを思うんです。
 しかし、反面、今の日本の、かつての建設省、そして今の国交省が一つだけ住宅政策において過ちがあるとするならば、私は、ウサギ小屋みたいな小さな家を造ってきた、日本の経済力とは正に反比例のような、反対のところにおるような住宅政策を進めてきた。そのことが私は、大臣、どこへ悪影響を及ぼすかといったら、私は教育に悪影響を及ぼしておるというふうに思うんです。
 大臣ところは二世帯同居で、三世帯、これが理想なんですね。結局、今の子供は知識があっても知恵がない。知恵はだれからもらうのかといったら、やっぱりおじいちゃん、おばあちゃんなんですね。ところが、日本の住宅政策が誤ってきた結果、本当に小さい家しか造らないから、田舎からおじいちゃん、おばあちゃんが出てきても、荷物持って泊まるつもりで出てきても、部屋を見たら泊まるところがない。ここで一週間も泊まって孫たちと遊ぼうと思って出てきたけれども、こんなところでいたら嫁や息子に迷惑を掛けるからといって、昼来たらもう夕方帰るという。ここら辺りの部分が、私は、おじいちゃん、おばあちゃんがせっかく出てきて、長年の知恵を子供たちに教えてやる、そういう知恵からやっぱり私は道徳心だとか、あるいは一つの、子供がどう生きていかなければいけないのかという学校で教えてくれない部分が、私は、この家というお互いがやはり帰る部分の中で非常に与えてくれた部分が大きいと思うんですけれども、悲しいかな、今までの住宅政策の私ははっきり言って誤りが、なぜこういう造りになってきたかということは後ほどまた質問もさせていただきますけれども、結局、居住面積、居住空間が狭かったという部分もあったかと思います。
 それだけに、大臣、こういう今までの過去を振り返ってみても、こういう家造りは駄目なんだ、せっかくこのマンション法をこう作り上げても、またぞろ同じような小さいものを、それは確かに選ぶ側の自由でありますけれども、最低限、私なんか思うのは、田舎からおじいちゃん、おばあちゃんが東京へ来てくれるという人には、そういう別個三LDKを四LDKにして、その一つ増えた部分を国が補てんしてやるとか、それはあくまでも触れ合いの間みたいな形でそういうことを与えてやるとか、そういう部分がなければ、私はいろんな意味でこういう法律を作っても、基本的に国交省がそういう部分まで目をやって、かゆいところに手が届く大臣ですから、これからきちっとしていただけると思うんですけれども、どうですか、大臣、そこら辺り。
#146
○国務大臣(扇千景君) おおむね大江議員がおっしゃったように、私どもの政策のいろんな点をよく聞いていただいて、また宣伝相務めていただいているところまで拝聴しまして、御礼を申し上げたいと思いますし、少なくとも私は大江議員等と、これから二十一世紀の政治家としてどうあるべきかということの基本がそこにあると思うんです。
 それは衣食住といいますけれども、戦後、今日まで我々は、食、衣、まず食から来たわけです。そして着る物、一番最後に一番高価なお金の高いのが住でございますので、しかも住が一番遅れたことはやむを得ないことだと思います。また、少なくとも狭い国土の中で七〇%山野でございますから、平地が三〇%しかありません。その狭い中で一億二千四百万がひしめいているわけですから、これはやっぱり住というものが一番最後になって、そしてなるべく働くところの近いところに住みたいというのはだれしも同じ思いでございますので、そういう不要な労力を、なくさないために職の近くに住んで、そしてできれば職に集中していきたいと、そういう思いもあって我々は衣食住の中で一番住が遅れたことだけは否めませんし、また日本の国土ということを考えますと、少なくとも我々は住が一番遅れたということも、またこれも致し方ないと思っています。
 確かに大江議員がおっしゃいますように、面積という面から見れば、居住戸数というのは今やっと行き渡っているというのが今の日本の現状でございます。ただ、大江議員がおっしゃったように、ウサギ小屋と言われたって、これはもうそのとおりでございまして、どれくらい違うかというのは、戸数当たりの一戸の平均面積、これが九十二平米でございます。それに対して、三大都市の借家の世帯の戸数の平均床面積は四十一、これ二分の一なんですね。ですから、少なくとも今おっしゃったように、我々の力では、マンション関係ないんですって大江議員がおっしゃいましたけれども、それが如実にこの数字に表れているわけです。
 ですから、私どもは何としてもこの居住水準を良くしようということで、大体家族四人、平均ですよ、今一・三人しか産みませんから、四人というのも少ないかもしれませんけれども、一家の、四人家族で少なくともマンションで九十一平米なんですね。ということは約二十八坪でございます、マンションの平均が。そうしますと、一戸建てで百二十三平米、一戸建てでは三十七坪でございますから、マンションがいかに狭いかという現実が目の前にあるわけです。特に今おっしゃいましたように高齢社会になっておりますから、この狭いわずか二十八坪のマンションの中で六十五歳以上の高齢者の住む住居率というのが三〇%にもなっている。ところが、廊下は狭い、車いすは通れない、手すりは付いていない、全部高齢者用のマンションになっていないことも事実でございます。
 ですから、先ほどもどなたかにお答えしましたけれども、空きビルで、ビルを今度は広い部屋に改築して住居にしようではないかということもしておりますし、新たに建つマンションに対しては高齢者にできるように、福祉と、そして少なくともバリアフリーを完備するようにということも今やっております。
 そういうことで、我々は少なくとも三つの柱を立てております。それは、一つは優良な持家の取得の支援、これを支援していこうと、そして二つ目には良質な賃貸住宅の供与の促進をしていこう、そして三つ目には、これも質の高い住宅を安心して売買できる市場の整備をしていこうということで、先ほども、今年の税制の面で、今、大江議員がおっしゃったように二世帯同居できるように、六十五歳以上が持っているお金を、子供たちと同居するためには今まで新築のみが税制で五百五十万の優遇税制を受けておりましたけれども、今度それを三千万にしようと。
 そうすると、おじいちゃん、おばあちゃん、あるいは両親と一緒に住む、新築だけではなくて中古、中古住宅の建て増しもあるいは改築も、これも三千万の枠を生前贈与すれば、今おっしゃったような教育面もあるいは人間的な生活面も、あるいは一緒に共同、年寄りと住むという、お年寄りも一緒に住むことによって安心を得られるという、一挙三得ぐらいありますので、それも今年の税制で改正しようと思っておりますので、あらゆる面で我々は居住というものが一番遅れたことは否めませんけれども、今からでも間に合う部分は確実に皆さんのお力をかりながら達成していきたいと思っております。
#147
○大江康弘君 ありがとうございます。
 私なんかは田舎で、おかげで月曜日から金曜日までこうして東京へ出稼ぎにやってきておりますけれども、土曜日、日曜日帰って、それなりにまあ自分の家があって、大臣のところみたいに一度入ったら三日ほど迷って出てこれないというような大きな家でもありませんけれども、私はやっぱり都会で住む皆さん大変だなと。
 しかし考えてみたら、これ日本の国土、面積三千七百七十九万ヘクタールですか、これは都市部と農村部に分けられて、そしてまたその間に山林があって、約七割が山という、こういう地形的なこともありますけれども、これ計算してみますと大体都市部で、後で聞きますが、一番私は居住空間が広げられなかったというこの原因がどこにあるのかという、これはやっぱり私は都市計画法で、昭和四十三年にできましたね、これもう三十年前です。そして農地法が昭和二十七年にできた、これは五十年前。
 そして、この都市計画法が昭和四十三年にできたときに農林省が慌てて結局、農地に市街化区域が来るんじゃないかということで、結局、そのときに談合ではないですが、当時の建設省と農林省がお互い領土合戦、正に関ケ原、領土の関ケ原合戦をやったわけですけれども、そのときに出てきた妥協案というのが市街化調整区域という部分。この部分がずっとやっぱり、私は日本の狭い、住む土地が非常に狭かったという、広げられなかったという原因があるんではないかなと。
 調べてみますと、大体都市部で市街化区域が百四十万ヘクタール、そしていわゆる未線引き区域、用途地域が百八十万ですね。これが三百二十万、これは国土面積のわずか八・五%、ここにもうほとんどの人口が集中しておる。農村部の四百八十三万ヘクタール、ここに農業者数は今三百四十万弱だそうですけれども、農村人口というのは家族も含めますから一千三百万人あるそうですけれども、そういう人を合わせたってもうわずか日本の国土の二〇%余りのところしか住んでおらない。諸外国は六〇%近い。そういう数字があるということを考えたときに、やっぱり私は、こういう狭い家しか提供してこれなかった、狭い宅地しか提供してこれなかったという部分は、かつての建設省と農林省とのいわゆる省庁争いのあれではないかなと。
 だから、そういう部分をやはりきちっとこれからお互いの省庁間の調整をしていって、どうこの居住空間を広げていくかという部分にやはりこの機会に言及していかないと、この八・五%というこの数字をやっぱりいかに高めていくかという努力をしていかない限り、私はいつまでたっても日本の住宅事情は変わらないのではないかなと思うんですけれども、局長、そこら辺りはどんな現状でありますか。
#148
○国務大臣(扇千景君) それは私が申し上げます。
 それは、少なくとも数字的なものは別としまして、やっぱり私は都市計画なり、少なくともグランドデザインがなかったということが原因していると思います。阪神・淡路大震災の例を取ってしても、もしも都市計画がもっときちんと戦災後できていれば、道路も何ももっと理想的な都市づくりが阪神・淡路大震災の跡地にはできたと思います。ところが、道路一つ広げられない。そして、きちんとした居住空間もできていない。ですから、今、先ほども私冒頭に吉田議員にお答えしたと思いますけれども、第一種地区、低住宅地区、そういう地区を広めて、そこには高層マンションが建たないようにするとか、あるいは中古の第二種にすれば少なくとも十五メートル以上駄目とか、そういう地域は作っているんですけれども、今おっしゃったように、日本の国土の中で集中するというときには空間を利用するしかないわけですね。
 ですから、今度の都市計画で特区を作るように、改めて虫食い状態のところを寄せて、そして大きな特区を作って、そこには高さで空間を利用してマンションを造るけれども、高くなった分、平地に空間ができたところは緑にしようとか、あるいは託児所も一緒にしようとか、そういう都市計画というのを、基本が日本には残念ながらなかったと。だから美観も悪い、見た目もばらばらだ、広告があらゆるところへできている、これも全部私は政策だと思います。そういう意味では、まちづくりも含めた国土交通省の都市づくりというものを作っていかなければならないと思っています。
#149
○大江康弘君 もう時間ないんで、終わります。
#150
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 大規模修繕の決議要件についてお伺いをいたしますが、マンションの住環境を良好に維持して保持していくためには外壁や屋上防水、給排水管等の大規模修繕を定期的に行うことが必要でありますが、これらの修繕費用は多額を要するために、現行法では大規模修繕を実施する場合には区分所有者の四分の三以上の特別決議を得なければならないようになっています。しかし、今回の法改正では、現状維持や原状回復を目的とする大規模修繕については、その費用の多寡にかかわらず、過半数で普通決議であることとしております。
 そこで、まずお伺いすることは、大変初歩的なことでありますけれども、特別多数決議と普通決議の違いについて御説明願いたいと思います。
#151
○政府参考人(原田晃治君) 区分所有法で集会の決議事項とされるものが幾つかございますが、法律上、その決議の多数決要件について特別の定めをしているものと、単に集会の決議で決すると定めているものと、二つございます。
 集会の決議で決すると定めているものにつきましては、これは過半数決議でいいということになっているわけですが、これがいわゆる普通決議と呼ばれるものでございます。
 それ以外に、その決議について、特に過半数を超える特別の多数の決議を要する決議事項がございますが、これがいわゆる特別多数決議事項と呼ばれるものでございます。
#152
○渕上貞雄君 では、特別多数決議は、文字どおり特別の決議という位置付けがされているというお話でございました。では、なぜ五分の四や四分の三という数字が決められているのか、その根拠についてお伺いいたします。
#153
○政府参考人(原田晃治君) 区分所有法上の決議要件を改めて見直してみますと、幾つかございます。
 まず、過半数決議、二分の一を超える決議でございますが、これはいわゆる多数決の原則ということで過半数にされていると思います。例えば、共用部分の管理に関する事項はこれでございます。
 それから、四分の三以上の多数を要するという決議がございます。これは、区分所有者への影響の度合いが大きいものについて、特に法律が特別多数決を要するとしているものでございます。これは、共用部分の変更で、形状等の著しい変更を伴うものがこれに当たるわけでございます。
 それから三つ目が五分の四以上という多数決、特別多数決を定めているものがございますが、これは特に建て替えという、特に区分所有者に重大な影響を及ぼす事項について、通常の特別多数決である四分の三を超える重い多数決の要件を課したものでございます。これは正に建て替え決議であり、団地の一括建て替え決議がこれに当たります。
 それ以外に、実は三分の二以上という決議がございますが、これは団地の一括建て替え決議の際に各棟においても少なくとも三分の二以上の人が賛成をしている必要があるという場面で使われております。これは、団地の一括建て替えによって各棟が建て替えられる、その際に少なくとも三分の二以上の人は賛成をしておく必要があると、こういう形で決議要件が定められております。
#154
○渕上貞雄君 物事の決議をしていく重要性に従って変えていると、こういうふうに理解しておけばいいですか。はい。
 では次に、法第十七条の改正では、改良を目的とし、かつ、著しく多額の費用を要しないものとの規定を形状又は効用の著しい変更を伴うものに変更されていますけれども、形状又は効用の著しい変更を伴うものとはどのようなことを指すのでありましょうか。それから、変更の理由も併せてお教え願いたいと思います。あわせて、現行の多額の費用とはどれぐらいのことを、どれぐらいの費用を指しているのか、お伺いいたします。
#155
○政府参考人(原田晃治君) まず、区分所有法十七条一項の改正の理由でございますが、これは、共用部分の変更について著しく多額の費用を要する行為を実施する場合に四分の三という特別多数決議が必要であると、こういうことにされております。そのために、例えば区分所有建物、特にマンションにおきまして、建物を維持し保全する観点から定期的に実施せざるを得ない大規模修繕工事というのがございます。具体的に言いますと、外壁の塗装であるとか屋上防水の工事でございますが、こういうものについては既に修繕積立金というのが実際には積み立てられておりまして、定期的に修繕行為があることが予定されているにもかかわらず、それが多額の費用を要するというこの一事をもって四分の三以上の特別多数決議が必要とされていると。そのために、この特別多数決議の要件を満たさないとその実施ができないというような不都合が生じていたということでございます。
 したがいまして、今回の改正の理由でございますが、このように建物の維持保全のために定期的に必要とされる大規模修繕工事につきましては過半数が賛成すればできるということにして、建物の適正な管理に支障がないようにしようということでございます。
 それから、二点目のお尋ねでございますが、形状又は効用の著しい変更ということでございます。これにつきましては、まず共用部分の変更が問題になりますが、この共用部分というものは区分所有の目的となるいわゆる専有部分、建物の専有部分以外の部分をいうわけでございまして、例えば廊下であるとか階段、これはいわゆる構造上その区分所有者の全員又はその一部の共用に供される部分、これが一つ当たります。それから、柱、屋根、外壁、これは建物全体の基本的な構造部分に当たりますが、これも共用部分に当たります。
 さらに、その共用部分の今度形状の変更でございますけれども、それは外観とか構造を変えることを意味しております。それから、共用部分の効用の変更、これは、その機能とか用途を変更することを意味しております。さらに、それが著しい変更に当たるかどうかですが、これは一概にこうということはなかなか申し上げられませんが、具体的には、変更を加える箇所、範囲、変更の態様、程度、これを勘案して個別的に判断されることになると思います。具体的に申し上げますと、いわゆる共用部分にあります階段室を改造してエレベーター室にする場合、それから集会所を、集会室を廃止して賃貸店舗に転用する場合、これらが著しい変更に当たると、このように言われております。
 それから三点目に、著しく多額の費用ということでございますけれども、これは、申し訳ございませんが、幾らという具体的な金額を申し上げることはできないだろうと思います。やはり、その基準となりますのは個々の区分所有者の負担すべき額の多寡ということになりますけれども、ここで問題となる変更行為の必要性の程度であるとか区分所有権の価値であるとか、積立金の有無であるとか額であるとか、さらには区分所有者の平均的な資力とか、このような個別の具体的な事情を考慮した上で、それが果たして著しく多額の費用に当たるかどうかという判断をせざるを得ないと、このように考えております。
#156
○渕上貞雄君 では次に、費用のいかんにかかわらず、区分所有者の半分によって共用部分の変更ができることについては、たとえ必要を感じていても経済的な理由で参加できない区分所有者にとっては大変重い負担になると思います。また、建て替えとなれば更に重い負担となるのでありますけれども、何か具体的な経済的な措置というのは考えられているのかどうか、お伺いいたします。
#157
○政府参考人(原田晃治君) 法律で特に手当てをしているということではございませんけれども、個々のマンションにおきましてはやはり定期的に必要となる大規模修繕工事でございますので、通常は各区分所有者から修繕のための積立金というものを定期的に徴収しているというふうに理解しております。しかも、このように積立金が積み立てられておりますと、基本的にはその範囲内で修繕がされるように計画をされるだろうと思いますし、仮に諸般の事情で修繕積立金の範囲を超えるようなことがあっても、それが著しく多額になって結局負担に耐えられないというような事態が生じることは余りないのではないかと、このように考えております。
#158
○渕上貞雄君 特別に経済的な負担を、経済的な措置を取ってやろうというような考え方はない、それはお互いに積み立てておきなさいと、こういう、冷たいのか温かいのかよく分かりませんね。
 次に、規約、議事録など及び集会・決議の電子化についてお伺いをいたします。
 規約、議事録等及び集会・決議については、区分所有者の全員の承諾があるときは電子的方法を認める改正でありますけれども、デジタルデバイドという言葉がありますように、電子化対応者とそれ以外の者に不均等が生じるおそれがございます。
 また、電磁的保存については、データを改ざんをされるという、改ざんという不安をぬぐい去ることができませんが、この点について、どのようにお考えでございましょうか。
#159
○政府参考人(原田晃治君) 今回の改正法におきましては、まず規約それから議事録については電磁的な記録によって作成することができるとしております。これは、その保存及び利用の効率化を図るということでございます。
 これにつきましては、もちろん管理組合の方で適切に保存、管理がされるわけでございますけれども、ただデジタルデバイドとの関係でいいますと、こういう形で保存されたものを仮に閲覧したいと区分所有者が来たときに容易に見れるかどうかということが一応問題になるかと思います。
 この閲覧の方法につきましては具体的には法務省令で定めるということになりますが、電磁的な記録に記録された情報の内容を例えば紙に打ち出すとか若しくはモニター画面に映し出す、こういう形で閲覧をさせるということを検討しておりますので、この規約、議事録が電磁的な方法、記録によって保存されることにより区分所有者がこれを見ることが困難になるというようなことは普通は考えられないだろうと思います。
 それから、書面による議決権の行使に代えて、今回は電磁的方法によって議決権を行使することができるとしております。これにつきましては、確かにデジタルデバイドと申しますか、そういう手段により得ないという方も皆無ではないと思いますが、ただ、議決権行使の方法につきましては必ずしもその電磁的方法でなくて書面によることもできますし、代理人によって議決権行使をするということも認められておりますので、これによって議決権行使が著しく阻害されるということはないであろうと、このように考えております。
 最後に、電子的データで保存するということにした場合にはデータが改ざんされるおそれがあるのではないかと、こういう御指摘であったと思います。
 これにつきましては、例えば議事録につきましては改ざんを防止するために作成者が電子署名をするという方法があろうかと思います。議事録については電子署名をすることを義務付ける、これによって改ざんを防ぐことは可能であろうと思いますし、場合によっては、電子的な、電磁的な記録によって保存されているデータを別途紙面に打ち出しておいて、これとの照合をするというような形でその正確性を担保するということは可能であろうと、このように考えております。
#160
○渕上貞雄君 建て替え決議についてお伺いいたします。
 現行の区分所有法では、費用の過分性の要件等を満たしている場合に、区分所有者及び決議権の各五分の四以上の特別決議を得て初めて建て替えをすることができますが、改正案では、費用の過分性の要件が撤廃され、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で建て替えを行うことができるようにしています。
 費用の過分性の要件を撤廃することは、建て替えるという合理的な理由がない場合であっても建て替えが可能となり、恣意的な決議が行われるということも考えられます。また、費用の過分性という要件があることにより、区分所有者においては少なくとも建て替えに向けての準備が可能であると考えますが、お考えをお聞きしたいと思っています。
#161
○政府参考人(原田晃治君) 本日、この建て替え要件から費用の過分性の要件を除くことについて度々御質問いただきました。繰り返しになるかもしれませんが、改めて少し整理して御説明申し上げたいと思います。
 現行法は、確かに今、委員御指摘のとおり、区分所有建物の建て替えに際しては、区分所有建物の効用の維持又は回復に過分の費用を要する場合に限って五分の四以上の多数決での建て替えを認めております。しかしながら、この費用の過分性の要件が非常に抽象的であるために基準として十分に機能していないという指摘があり、現実には決議がされたにもかかわらずその要件の充足性をめぐって裁判所で争われるということで建て替えが進まないという事例が起きてきたわけでございます。
 そこで、今回の改正におきましては、改正のための見直しにおきましては、まずこの費用の過分性の要件というものをどのように取り扱うか。少なくともこれをそのまま残すという選択肢は当初からなかったわけでございます。しかしながら、これを完全に取り去るかどうかということについては、もちろん、これまで度々申し上げてまいりましたけれども議論のあったところでございます。区分所有建物の建て替えが多額の費用負担を伴う、反対者にとっては当該区分所有建物からいずれ出ていかざるを得ない、こういう非常に重大な影響を及ぼすものであるために、この費用の過分性という要件に代わる何か合理的な少数者を保護するための手続若しくは要件を定めるべきではないかと、このような議論があったわけでございます。
 今回の改正法案におきましては、これにつきましては、実態的な若しくは客観的な要件という形ではなくて、やはり区分所有建物の建て替えは、そこに住んでおられる方々が十分に議論をした上で建て替えを判断していただくという観点から、このような私的な自治が有効に機能し、しかも合理的な判断がされることを担保するための措置を講ずる必要があると考え、建て替え決議のための手続を十分に整備するという手当てをしたわけでございます。
 具体的には、建て替え決議の手続に関して、区分所有者が建て替えの要否を十分に考える時間を確保するために、集会の招集通知の発出時期を、これまで集会の会日の一週間前ということでございましたけれども、これを二か月前に繰り上げた。それから、建て替えの要否を判断する上で必要と考えられる建物の取壊し又は建て替えに要する費用、建物の維持管理に要する費用、これらの情報を区分所有者に個別に通知させることにしたわけでございます。さらに、区分所有者が建て替えに関する説明を受け、必要に応じて疑問点を質問する、こういう機会を保障するために集会の会日の一か月以上前に説明会を開催することも義務付けております。これらの手続を経た上で、五分の四以上という圧倒的多数の賛成を得たということであれば、その建て替え決議が、あえて法律がそれを合理性を欠いているということで否定する理由はないであろうということで、今回の改正法案を提出させていただいたと、こういうことでございます。
#162
○渕上貞雄君 さて、ここで、大規模修繕に参加できない人や反対の人、そして建て替え決議に賛成できない人についてお話をお聞きしたいと思います。
 だれしも修繕や建て替えができればよいと考えると思っていますけれども、社会的な弱者や高齢者や障害のある方、あるいは病気や事故などで長期療養中の人やリストラに遭って現在失業中の方など、いろいろな経済的な事情を抱えている人も修繕や建て替えを行おうとするマンションに住んでいると思います。賛成したいけれども、経済的な理由で負担することができないために反対するということもあると思います。決議は二分の一や五分の四で行われてしまえば、終のすみかとして購入したマンションであっても出ていくことになりかねません。
 仮にこのような場合、これまでの質疑の中で大臣は公営住宅への優先入居や公営住宅と同様に家賃対策補助で救済するとお答えになっておりますけれども、具体的にはどのようなものなのか、お教え願いたいと思います。優先入居とはどのようなものなのか、家賃対策補助とは一体どれくらい補助するのか、だれがどれくらいの間支払をするのか、お教え願いたい。
#163
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
 建て替えの際に経済的な理由で参加できない方々に対する、言わば転出者に対する支援措置、委員御指摘のとおり、公共住宅に優先入居あるいは従前居住者用賃貸住宅制度というのもございます。これに対する家賃対策補助というのも用意しているところでございますが、具体的には、優先入居と申しますのは、入居の選考に際しまして優先的に取り扱うということで、抽せんに際して当選率を一般の入居希望者より有利に取り扱うと。これはもう公共団体の判断によりまして何倍に扱うかということはケースによって異なるかと思います。それは公共団体の地域にあります空き家の状況、応募の状況等を勘案した上で定めるということになろうかと思います。
 また、従前居住者用賃貸住宅という制度がございまして、家賃対策補助をするわけでございますが、その方が公営住宅の入居資格を有する場合には公営住宅に準じた家賃まで家賃を減ずる。
 それから、特定優良賃貸住宅制度というのもございます。この入居資格を有する方の場合には、特定優良賃貸住宅制度に準じた家賃まで負担を軽減するという制度を用意しているわけでございます。
#164
○渕上貞雄君 公営住宅に優先的に入居と言われましたけれども、さきに国土交通省からお伺いをしましたところ、平成十二年度末の東京二十三区内における公営住宅の空き戸数は九百三十一戸しかありません。また、公団住宅の空き戸数は二百四十二戸しかないとのことです。今後、この法案の成立によって建て替えが進むことになれば、それに比例をして転居せざるを得ない人が増えてくるものと思われますが、このような空き戸数ではとても十分とは言えないと思います。
 民間住宅を借り上げる場合であっても限界があるのではないかと思いますし、具体的にどのような対策をされようとしているのか、お教え願いたい。
 また、空き家戸数も少なく、民間住宅も借り上げたいとしても、本人が希望するような物件がないというような場合も十分考えられます。そのような場合、どのように対応されようとしているのか、まただれが対応するのか、お伺いいたします。
#165
○政府参考人(松野仁君) 御指摘のように、例えば東京では公営住宅の空き家というのは少なくて大変応募倍率が高い、公団住宅もそういう状況だということがございます。
 そういうときのために、公営住宅制度とは別に先ほど申し上げました従前居住者用賃貸住宅制度というものを用意してございます。これは公営住宅階層の方は公営住宅と同じ家賃まで家賃を減ずるということでございますが、公営住宅が不足しているような場合にこのような賃貸住宅制度を活用いたしまして、例えば公共団体が公営住宅と同様にどこかに建設するということもあり得ますし、あるいは一時的な大量な需要が大規模建て替えによって生ずる、一時的な需要だと見込まれるときは、例えば大量に民間、東京でありますと民間賃貸住宅たくさんございます。その中から大量に借り上げるということもできる、そのときに家賃補助も同様に実施できると、こういった柔軟な制度にしてございます。こういった制度を活用していきたいというふうに考えております。
#166
○渕上貞雄君 私は建て替えを促進させることも大事なことであると思いますけれども、新築や既存のマンションの耐久性を向上させるという技術をやはり集積をさせていくことも大事ではないかと。そのことによって、新築だけではなくて、非常にいいマンション環境というものを作ることになるのではないかというふうに思いますが、やはりそういう技術の集積をさせて業界に普及させるような政策を国として考えるべきだと思うのでありますが、大臣はいかがにお考えなのでしょうか。
 それから、今回のこの法案を読ませていただいて、非常に法案の条文が、自分の能力にもよりますけれども、難しいですね。大変、分かりにくい。したがって、もう少し分かりやすいようにするべきではないかというふうに思うんですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
 やはり区分所有法という、マンションに住む人が日常生活の中で必要とされるものでありますから、そういう法律というのはやはり分かりやすさというのが私は非常に大事ではないかというふうに思うのであります。例えば、同じ法案でも道路交通法のようにだれが読んでも分かりやすいというようなことで理解できるようになれば建て替えも促進されるし、住宅も、ああ、こういう住宅であれば、マンションであれば安心して快適に過ごせるのではないか、またそういうものを新しく建てようとすれば、ああ、そういう理由であれば建てやすいなというような、本文を読んでみて分かりやすい、こういう文章にすべきだと思うんですが、どういうふうに思っておられるか、法律の文章について御見解があればというように思っています。
#167
○国務大臣(扇千景君) まず最初に、長もちできるようなマンションであるべきであると、渕上委員のお話、もうそのとおりでございます。なるべく良質なストックを長期に使用するというのが本来の目的であるし、それが住んでいる皆さん方の、多くの皆さんの気持ちであろうと思いますけれども。
 これ三つございまして、できるだけ長もちできるようなマンションにしようということで、一つは、高い耐久性を持った建物の構造体と可変性の高い内装等により構成すると、こう書いてありますけれども、これは言ってみれば先ほどから言っておりますスケルトン・インフィルということでございまして、これはスケルトン・インフィルというのは、元々耐久年数が百年を目標にするということがこれ原点でございます。それほど、百年もつという高い耐久性と更新性を両立させた住宅ということでこのスケルトン・インフィル住宅というのを目指しております。また、これを普及し、開発していこうと。
 二つ目には、住宅の金融公庫融資の融資基準について、耐久性に配慮するということで、なるべく皆さん方に、あらゆるマンションの耐久性に配慮するために融資をしていこうということでございます。
 最後には、住宅の品確法に基づいて住宅の性能表示制度、これを行っていこう。住宅表示制度というのは等級三とか等級二がございまして、等級三というのは少なくとも七十年から九十年間は大規模な改修工事が不要であるということで等級三ということになっています。等級二というのは五十年か六十年間は大規模な改修工事は要らないということで、こういう住宅の品確法に基づいた性能表示することによって、老化を遅らせることの対策とか維持管理のしやすさ等について表示して情報の提供を行うということが多くの皆さんにお分かりいただけることではないかと思っておりますので、今後もそういう方式を進めていきたいと思っています。
 法案に関しまして理解しにくいではないかということですけれども、今回はこれ法務省さんの話でございまして、国土交通省だったらもっとあれかもしれませんけれども、これはもう法務省さんは法に基づいてきちんと法的な用語をお使いになりますから、我々にも分かりにくいなということがなきにしもあらずですけれども、こういう委員会で先生方と議論している間に、るる普通の皆さん方にも、ああ、そうだったのかとお分かりいただけるということで、法務省の下請をいたしております。
#168
○政府参考人(原田晃治君) もちろん、御指摘のとおりでございまして、区分所有法のような、特にマンションに居住する方々が利用される法律でございますから、できるだけ我々としても読みやすく分かりやすい法律の条文にしないといけないということでございます。
 今回の法律の読みにくさ、ちょっと考えてみますと幾つかあるんですが、一つは、やはり準用規定がちょっと多いんじゃないかと思っているんですね。この準用というのも、これは法制的なこれまでの慣用がかなり取られていた、いろんな経緯はあるのかもしれませんが。こういう点につきましても、今、内閣法制局というところで全法律一貫したやり方をしておりますのでそこに従っております。
 いずれこういう点も、済みません、これは個人的な意見としてしか申し上げられませんが、私個人的にはこういう準用というのではなくてきちんと書き下して分かるようにすべきだと本当に考えております。
 それから、非常に──よろしゅうございますか、なるべく分かりやすい法律に心掛けたいと、このように考えております。
#169
○渕上貞雄君 終わります。
#170
○委員長(藤井俊男君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#171
○委員長(藤井俊男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十八日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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