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2002/11/19 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第6号
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2002/11/19 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第6号

#1
第155回国会 厚生労働委員会 第6号
平成十四年十一月十九日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     風間  昶君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君     円 より子君
     朝日 俊弘君     福山 哲郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                今泉  昭君
                谷  博之君
                福山 哲郎君
                堀  利和君
                円 より子君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       原田 晃治君
       法務省民事局長  房村 精一君
       厚生労働省職業
       安定局長     戸苅 利和君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    河村 博江君
       国土交通省住宅
       局長       松野  仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案
 (第百五十四回国会内閣提出、第百五十五回国
 会衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
 また、昨十八日、浅尾慶一郎君及び朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として円より子君及び福山哲郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金田勝年君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(金田勝年君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君外五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(金田勝年君) 次に、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
 本来は財政金融委員会に属しておりますが、今日は、かなり重要な法案として、私、質問させていただきたくこの委員会に参らせていただきました。
 御存じのように、今日審議されます母子寡婦福祉法ですが、これは衆議院を通ってこちらに参りましたけれども、この法案がもし通らなくても、もう既に厚労省は、今年度の予算措置といたしまして、今年の十二月分から児童扶養手当が減額されることになっております。もう既にこれは国会審議と関係、関係なくではありませんが、三月の時点の予算が通った時点でもう減額が決まってしまっているわけですね。減額が決まっておりますが、残念ながら、これは私たち、もう一年半以上前から民主党でもワーキングチームを作りましてこの削減に反対してきたわけでございますけれども、既に決まってしまったと。今、これについてはもう手の施しようがない。
 そしてさらに、今回の法案に関しましては大きな、受給後五年で全額切られてしまうというようなこともあって、これも反対運動の中からようやく全額なくなるということは阻止できたわけですが、ほかにも多々問題点がございまして、私、今日は質問させていただきたいと参ったわけでございます。
 御存じのように、児童扶養手当と申しますのは、一九五九年の十一月に発足いたしました国民年金法によります母子年金、母子福祉年金、これは死別母子家庭にだけ対象として出るものでございますが、当時、同じように生別母子家庭も大変困窮した状況にありましたので、生別の母子家庭にも死別母子と同じような母子福祉年金や母子年金を出したらどうかということが議論されたわけでございますが、当時、離婚というのは保険事故になじまないという議論がございました。つまり、当事者の意思でいかようにも調節できるものを事故に入れると逆選択が起きる、これが主流だったわけですが、私は長い間離婚を、だれもが離婚などというものはしたいと思う人はいないわけで、人生の中で縁あって一緒になった人と、そして子供までなした人とずっと一緒に添い遂げられればいいと思っている方が大部分だと思うんですが、暴力ですとか浮気ですとか、様々な苦痛によって離婚せざるを得ない方たちがいるわけで、それが当事者の意思でいかようにも調節できるものかということに対してはもう一度考えることが必要なのではないかと思いますが、そのことがありまして、一九六一年に生別母子家庭を対象として、それも児童を対象として児童扶養手当法ができたわけでございます。
 当時は十五歳まででございました。それを長い間、母子世帯のお母さんたちが本当に日給月給の厳しい生活状況の中で、広島等から皆さん上京なさって、厚生労働省、その当時は厚生省ですが、陳情なさって、そしてようやく一九七六年に十八歳まで引き上げられた。そして、一九九三年の細川内閣のときに、十八歳では高校卒業できない人が出てくるということで高校卒業までというふうに、少しずつですが金額も上がり、そして年齢も引き上げられてきたというようなことがございます。
 そうした中で、一九八五年でしたでしょうか、このころ、七年で打ち切りという案が既にやはり出ました。また、児童扶養手当法の目的を変えて、児童に対して渡すのではなくて家庭に対してというふうに目的まで変えられたということがございましたが、そうした中で、ずっと私ども、まだ私、国会議員ではございませんでしたが、運動を重ねてきて、その成果を、成果といっても七年打切りをやめさせたりとか、父親の所得を入れるとか、その辺りのとても現実に即さないものを反対して、それを取り下げた経緯をこの「世紀をひらく児童の権利保障」というような本にまとめた経緯もございます。
 さて、こうした中で、十八歳という児童の年齢についてお聞きしたいと思っているんですが、一九八二年に世界の第十回世界労働組合大会というものがございまして、そのときに新しい社会保障憲章というのができました。そこの中で、法律が保障する家族手当制度は家族扶養の責任が一人の肩に掛かっている片親世帯に特に有利でなければならないという、そしてその必要性は死別以上に生別は高いというようなことがきちんと世界で、各国で保障されております、憲章として採択されております。
 そして、私が先ほどからるる児童扶養手当法ができた状況、母子福祉年金、これはもう今一九八五年の改正で遺族基礎年金として再編成されて裁定替えされておりますけれども、その母子福祉年金の補完制として児童手当の一種としてできたものでございますけれども、この児童扶養手当法において児童とは何歳を指すものか、ちょっとお答えいただきたいんですが。
#10
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子供が十八歳に達した年の年度末まででございます。
#11
○円より子君 児童福祉法においても十八歳未満を児童としておりますし、私が国会で議員立法で作りました児童買春・児童ポルノ禁止法とか、そういった子供の権利保障、様々なものを見ましても、条約や法律を見ましても十八歳、大体なっております。
 それは、十八歳までといいますのは、親が生活保持義務責任を負うからこそ、その責任を果たせるように保障せよというのが社会保障でございまして、家族給付に対するそれは権利要求だと思うんですけれども。
 そうしますと、今回、五年後に切るとかそういうことは、そもそも最初全額切ることになっておりましたが、例えば三歳までの子供がいるとか、大変、母親が例えば病気とか障害を持っていて貧困であるとかというときには考慮するというふうになっておりましたが、もし三歳の子を持つ母が離婚して、そして五年後に受給が切られるということになりますと、八歳ですよね。そうすると児童じゃなくなるというふうになるんでしょうか。そういったことを考えてこの最初の案をお作りになったんでしょうか。
#12
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭の生活の安定と向上のために児童扶養手当制度は大変重要な役割を担っておりますけれども、これだけで生活の安定、向上が図られるということでもございませんで、広い意味の母子家庭対策ということでは、子供が十八歳、そしてその十八歳に到達した年の年度末まで念頭に置いた対策が重要であるという考え方の下で従来からやってきております。
#13
○円より子君 もちろんこれだけで生活できるものではありません、金額的にも。ですが、後からお話しいたしますけれども、ほとんど常用雇用ができない。御存じのように、岩田さんもお分かりだと思いますけれども、女性は人生を細切れにされがちなところがあります。労働力を見ても、M字型になっておりますのは、結婚した後、子供が生まれる、育児等、またその後介護等様々な、夫の転勤もあります。どうしても仕事を続けたくても続けられない状況がありました。最近はようやく保育の現場も良くなってまいりましたけれども、私たちの先輩たちは本当に仕事を続けたくても続けられない、そういった方たちが多かったと思います。よほど親が面倒を見てくれるとか家の収入が、夫の収入が良くてベビーシッターやそういった人たちを雇えるとかという人以外はできなかったわけですね。やむを得ずお辞めになった方たちもたくさんいまして、そして例えば、まさか自分が離婚するなんて思っていないときに離婚ということになりますと、それはもう家を探さなきゃいけない、また仕事を探さなきゃいけない。そのときに採用上限年齢というのがありまして、試験すら年齢制限によって受けられない。日本では男女雇用機会均等法ができましたけれども、なかなか間接差別の年齢制限を撤廃するところまでは行っていなかったと思います。今も行っておりません。
 私も昨日、おとといと「とらばーゆ」や新聞の求人情報を全部見ましたが、もう私なんか五十を過ぎておりますとうんざりするぐらい、全部三十五まで、四十歳まで。そういったことばかりで、もう見るのが嫌になってしまいますよね。ハローワークに行っても、四十歳までという形で、仕事がございません。そうしますと、どうしてもパートですと景気の調整弁で使われますから、百万とか百三十万ぐらいの年収しかフルタイム働いたって取れないわけですね。そういったときに、この児童扶養手当というのは本当にどうしようもない、こんなのもらわなくたってやっていけるならやっていきたいというお母さんたちがほとんどなんですが、できないわけです。
 そうした中で、質問に移りますが、この五年で切るということは、今おっしゃったように、八歳とか十歳とかという子供たち、そしてこれが全額を切らなくなりました、ようやく。私も坂口厚生労働大臣にもいろいろ陳情いたしまして、これ五年で切ることはどうなのかということで最初の案は何とか撤回され全額切ることはなくなりましたけれども、もしこれが五年後施行されると私は裁判が起きるのではないかと思っております。
 それは、御存じのように、非婚の母が、認知されなかった子供がようやく父親に子供が認知されて、そのときに児童扶養手当の支給停止というものがございまして、そのときに憲法十四条違背として複数の訴訟が出たことは御存じだと思います。このとき、今年の一月三十一日ですけれども、最高裁が、法の委任の範囲を逸脱し違法であるとして無効としております。もちろん、このとき憲法判断はしておりませんが。
 憲法十四条というのはよく御存じだと思いますが、国会議員の方々に申し上げるのは恐縮でございますが、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」ということがしっかりとうたわれておりますが、これは例えば同じ十歳、先ほど申しました八歳でもいいんですが、の子供が、母親が五年前に離婚した子と最近離婚したばかりの子がいるときに、五年後の施行後のことですけれども、母親の収入が同じですのに五年前に離婚した子の方が受給額が少ないというようなことが起こり得るわけで、子供同士を比較すると不平等だと、こういったことは幾ら政府側が理屈があっても訴訟を防ぐことは私はできないだろうと思いますし、もしこれは、先ほど認知で支給停止ので最高裁が無効としましたように、五年後減額が児童扶養手当の目的に反するという形で法の委任の範囲の逸脱に当たるのではないかということで、この場合、国は勝てないのではないかと思います。
 こういったことがあることを一応意見として申し上げて、五年で切ることをもう一度これは削除なさったらどうか、御意見を伺いたいと思います。
#14
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正案では、児童扶養手当制度につきまして、離婚後の生活の激変の期間、一定の期間、これを五年程度と見ているわけですけれども、この間に自立促進のための様々な施策を集中的に講じて自立を促進するということと併せて総合的に母子家庭の自立の促進、生活の安定を図っていこうというふうに考えているものでございます。特に、今、大変母子家庭が増えている、今後もその傾向は変わらないというふうに思いますが、その中で、やはり児童扶養手当制度自体を安定的なものとして将来に向けて維持していくということが大変大事かというふうに思いますので、そういう観点からの今回の見直しでございます。
 この五年間が経過した後でございますけれども、今、委員が御指摘なさいましたように、私ども政府部内の検討の過程では一時五年間で支給を打ち切るということがございましたけれども、様々な関係者の御意見も踏まえまして、一律に打ち切るということではなく、その後も今後講じることとしている子育てあるいは生活の支援策、別れた夫からの養育費の確保策、そして就労などによる経済的な自立支援策、こういったようなものの状況も踏まえながら、いきなり五年で打ち切るということではなくて、一定額を率で削減するという方式を取りたいというふうに思っているわけでございます。
#15
○円より子君 五年でという期間なんですけれども、確かに、私も何万件の離婚件数見ておりますけれども、離婚直後、それからその前の別居の期間、その間が大変生活が厳しいことはよく分かっておりまして、その間に手厚くするということは大事だと思うんですね。そうしますと、逆に五年で切るということよりも、その間に手厚くする、増額すべきぐらいのことなんですよね。それを反対だということに対して大変遺憾だと思いますけれども、とにかくその五年の根拠について諸外国の例を参考になさったように思うんです。
 やはり岩田さんの答弁で、諸外国は離死別直後の激変の時期の緩和の措置として、米国は五年、フランスは一年、ドイツは六年と短期間の間に自立の努力をしてもらっていると答弁なさっています。私も、短期間で自立の努力をし、そして自立できればもう一番いいともちろん思っております。ただ、努力していないわけではないので、そこを皆さんの努力に政府なり私たちが後押しをするという、そういった形になっていかなきゃいけないんですが。
 実は米国の社会福祉改革法が一九九六年に改正されまして、AFDCの受給期間をこのときに五年間に制限したんですね。このことを局長はおっしゃっているんだと思いますが、それはなぜそのときアメリカができたか、五年に制限できたか、この背景を御存じなくておやりになったらそれはおかしいと思います。それは、アメリカの経済がそれまでずっと十年間、右肩上がりで大変な好景気だったために改正が可能だったんです。日本でもバブルのころは、母子家庭のお母さん、三歳の子供がいても、どういう状況であってもほとんど仕事が見付かりました。今、でも全然見付かっておりません。
 例えば、これ厚生労働省から昨日いただいた各年七―九の母子世帯の完全失業率の推移ですが、今年七月八・九%、八月一〇・三%、これが九月に七・三%と減りまして私ほっといたしました、これを見ますと。でも、今失業率、一般の平均五・四%ですよね。随分高いです。この九月で七・三%ということは、今御存じだと思いますけれども、竹中さんが不良債権処理の加速をおっしゃって、それ以来、銀行の信用収縮、資産圧縮はもうどんどん進んでおります。この十二月、それから来年の三月までにどれだけの企業がつぶれるか。もう日本は本当にどうも回復不可能なぐらいの経済状態になっているんじゃないか。何もそれを国民を脅して不安を募らせることはないわけですが、現実に大変な状況になっております。
 そして、こういった不況が一番早く現れるのが、弱者と言うとおかしいですけれども、やはり仕事がパートですとか臨時ですとか派遣ですとか、不安定な方たちに一番現れるんですね。私は離婚した女性たちのネットワーク、全国に持っておりますが、この三年前ぐらいから、忘年会を開いても子供たちとの合宿開いても、いつも出てくる話は、せっかくパートから頑張って正社員になれたのに、その会社が倒産したとかリストラに遭ったとか、もう本当にそんな話ばかりです。三年前からございました。
 それはどうしてかといいますと、先ほども申し上げましたように、中途就職ができるのは、大企業だとパートしかなく、正社員は中小零細企業、日本の場合は中小企業が九八%もありますし、七〇%以上が中小の従業員ですから、中小にも本当に種類がございますが、母子家庭のお母さんたちが就職するのは本当に小さなところなんですね。そういったところが一番まじめに働いても被害を受けているというのが現状でございまして、私は一生懸命五年の間に自立するための就労支援をしたいというお気持ちはよく分かるんですけれども、私もその方向で今後やっていくべきだというか、以前から本来はそうやるべきだったとは思いますが、先ほど申し上げたように、経済がいいときにこそおやりになるべきで、不良債権処理の加速も今は一番よくないし、こういった手当を受けるのも一番タイミングとしては最悪のときだと思います。
 五年後にちゃんと就労の実が上がるとお思いになっているんでしょうか。
#16
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員がおっしゃいましたように、確かに母子家庭の母親の経済的な自立支援に景気の動向、雇用失業情勢の動向というのは大変大きく影響するものであるというふうに思います。
 しかしながら、少し長いタームで見ていただければ、初めて我が国で母子家庭対策が導入されました昭和三十年代、このころは働く女性は未婚の若い女性でございまして、結婚なさった女性が働くというような実態がほとんどございませんでした。それが四十年代になり、少しパートタイマーで就労される既婚女性が現れ、そして五十年度以降、大卒の女性も含めて正社員として就業の機会がどんどん広がっていき、そして昭和六十一年の均等法の施行以降、育児休業法その他の関係の施策もございまして、ようやくここに来て女性も男性と同じ機会を得て働くことができるようになったということがあるように思います。
 そういった女性労働の歴史を踏まえて、従来は既婚女性が働くということが前提でなかった社会ででき上がった母子家庭対策の枠組みを、経済的な現金の給付という支援だけではなくて、経済的に活動していただいて自立を支援するための対策、そこを十分拡充をするということで今回対策の枠組みを決めさせていただきたいわけでございます。
 景気動向が御案内のように大変厳しゅうございますから、その中でいかに産業界の御理解をいただくか、そして国や地方公共団体自らもできることであれば事業をアウトソースするときに母子団体を使うとかといったような、あるいは直接雇用というようなこともあるかもしれませんが、産業界そして公共のセクション、そういうところが全力を挙げてどれだけ雇用の機会を確保することができるかということが大変大きな課題であるというふうに思っております。
#17
○円より子君 五年後のことですが、景気が回復して女性たちがしっかり就労できるようになっていることを私も願うものでございますけれども、その五年後の状況を見て減額率を定めるということになっておりますけれども、五年ごとに行われております全国母子世帯等実態調査は次が平成十五年なんですね。これを見ないで今回の改正になったわけですけれども、一応労研か何かに調査はさせていらっしゃいますけれども、今度はそうしますと平成二十年なんですね。その調査結果が出るのはこの五年後の削減率を決める後になってしまうんです。これ、前倒しにしてしっかりと調査なさるつもりはございませんか。大臣、いかがですか。
#18
○国務大臣(坂口力君) 円先生の様々な御主張を聞かせていただいておりまして、その御主張につきましては私も十分に理解できるところでございます。
 今回も、平成十五年の調査に間に合わなかったわけでございますが、しかし一定の調査をさせていただきました。この次の、五年後でございますから、少なくともその前年には一度調査をしなければならないというふうに思っております。それは前倒しをするのか、それとも別途この調査にふさわしい調査を行うのかということは決めておりませんけれども、少なくとも一年前には調査をしなければならない。現状をよく認識をしなければなりませんし、様々な団体の皆さん方にも現状につきましてよくお話を伺わなければならないと思っている次第でございます。
#19
○円より子君 就労支援の具体案についてお聞きしたいと思いますけれども、今回、自立支援教育給付と母子家庭高等技能訓練促進費、それから常用雇用転換奨励金の給付ということがありますが、それぞれ何名ぐらいを対象と考えていらっしゃいますか。
#20
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今おっしゃいました三つの給付金につきましては、来年度の概算要求に盛り込んでおりますので年末の予算編成過程でこれから査定がされるわけでございますが、概算要求の時点では、自立支援教育訓練給付金につきましては約六千人、母子家庭高等技能訓練促進費につきましては約二千人、常用雇用転換奨励金については約二千人ということで、合計約一万人を対象としたいというふうに厚生労働省としては財務省に要求をいたしております。
#21
○円より子君 今回の、もう既に減額になった、この法案が通らなくても減額になる人たちが三十三万人いるわけですけれども、そして今、全体に三七・五%のお母さんたちが、母子家庭の場合、パートや臨時雇用なんですね。そうしますと、その人たちの収入が大体百三十万ぐらいと。その人たちにこの支援策がしっかり実のある形で効果が出て、そして正社員になれるとか、また収入が上がるとかという形にしなきゃいけないわけですが、最初の自立支援教育訓練給付金の創設、これは受講料の八割相当額、上限三十万円、下限八千円という形で、受講料の一部を職業能力開発のための講座を受講した場合に講座終了後に支給するとなっているんですね。そういった金額がお母さんたちが出せるかどうかというような問題があります。
 それからもう一つ、パートをしながら何とか増収したい、子供を高校に行かせたい、そういったお母さんたちがパートを辞めてこの訓練を受けるなんということはできないわけです。この二番目の母子家庭高等技能訓練促進費もそうですが、これも二年又は三年掛かるような、資格を取れるようなものに対して、例えば三年掛かるとしたら、最初の二年は自分でお金を出して自活しながらやってくれれば後の一年分ぐらいは出しますよという、後からなんですね。
 そうすると、仕事を辞めて、その間だれが食べさせてくれるか。世帯主なんですね。そうすると、夜とかそれから土日とか、そういうときに仕事ができるのか。また、そういったときにちゃんと保育所があるのか。保育所があっても、子供とは、じゃ、もう四六時中接触もできないような状況になっていいのか。
 そういったことを考えますと、保育のことや、それから土日の相談業務、就労の訓練、夜間、それだけじゃなくて在宅でできる通信教育のようなものですね、そういったものをきめ細かく配慮しなければ、この二つの支援策は私は絵にかいたもちになると思いますが、いかがですか。
#22
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員がおっしゃるとおりであると思います。
 パートタイム就労に就きながら職業能力を更に高めて、そして安定的な常用雇用に移っていくというためには、お子さんを育てながら、そしてパートの就労をしながら教育訓練が受けられるということが必要であるというふうに思います。ですから、職業に関する相談や教育訓練の機関は、ウイークデーの昼間だけではなくて、夜あるいは週末にもやられる必要があるというふうに思います。公共的な講習を受講する場合の講習の設定の問題でもあろうかと思いますし、また民間の様々な教育訓練機会がございますから、それらの中から夜間や休日やっているものを活用する、あるいは通信教育を活用するということもあろうと思います。
 また、お子さんを見ていただかないといけないわけですから、教育訓練中の子育ての体制もしっかりしないといけないというふうには考えております。そのために今後やりたいというふうに思っているわけですが、講習会の会場に併せて保育のための事業を実施する、あるいは、これまでは介護人派遣事業と申しまして母子家庭にヘルパーさんを派遣する事業がございましたけれども、この派遣先が母子家庭の自宅に限られておりましたけれども、例えばお母さんが教育訓練を受ける場所にも派遣してもらえるなど、様々な工夫をしながら、この教育訓練が実際の能力アップに結び付き、そして正社員に転換するということに結び付きますように工夫を重ねてまいりたいと思います。
#23
○円より子君 今、全国には休日保育をやっているところは十三年度実績では二百七十一か所しかございません。これはたった一・二%なんですね、公立の保育所の中の。それから、延長保育も九千四百三十一か所、これは二分の一弱ですけれども、ほとんどが七時までの一時間の延長だけなんですね。
 ですから、こういったことを考えますと、母子家庭のお母さんだけに限らず、是非、保育というものが仕事をしながらのお母さんたちに対して十分配慮できるようなものであってほしいと思いますし、それから、今おっしゃったように、母子家庭のお母さんが職業訓練を受けるときにそういった保育ができるような状況、また先ほど申し上げた通信教育のときにもちゃんとこの教育給付金が出るような、そういったきめ細かい対策をしっかり打っていただきたいと思いますが。
 札幌にこの間行きましたときに、母子福祉会の札幌母連というところがあるんですが、そこは日曜日に講習会をお母さんのために開いていらっしゃいまして、ちゃんと日曜日の休日の保育をそこでやっていらっしゃるんですが、やはり市からの補助金がどんどん削られてまいりまして大変運営が厳しいというふうにおっしゃっていましたが、そこを利用していらっしゃるお母さんたちにとってはこんな有り難いものはないとやはりおっしゃっておりました。
 是非、そういう本当に自立したいというお母さんたちの声を吸い上げて、きめ細かい対策を打っていただきたいと思います。
 もう一つ、常用雇用の転換奨励金のことについてなんですが、先ほどから何度もパートから正社員に、常用雇用になっていただきたいとおっしゃっておりますけれども、今、現実にこの不況下で、正社員を派遣やパートに切り替えているのが現実なんですよ。とてもパートからこの五年間で私は常用に切り替わるなんてことはあり得ないと思っているんです。そうしますと、この四億五百万ですか、これがもしかしたら何も利用されないということもあり得るんじゃないかと思います。
 その懸念をまるで表すように、今年十月六日の読売新聞に出ていた記事でございますけれども、リストラされる社員の再就職を促す再就職支援給付金制度が昨年十二月にスタートして、今年の七月までの八か月間にわずか八人の再就職にしか利用されておりません。これはちょっと新聞記事ですから、数字、もしかしたら違うかもしれませんけれども、なぜ利用されていないかということは、離職から一週間以内に再就職しなければならないという条件が付いているからで、四千人見込んでいるんですよ。
 先ほど、私は一万人でも、三十三万人が減額されている中でたった一万人かという思いがありますが、でもこの一万人だけでもきちんと自立して常用雇用に移れれば、随分本当に助かると思います。一万人の雇用をするためには、民間会社だったら百億のお金が要ると言われています。それだけのちゃんと収益を上げていかないとできないんですね。一万人雇用するというのは大変なことです。でも、見込んだだけで、四千人見込んだらたった八人だというような形では、利用者がいないということは支援策がないに等しいんです。
 それだったら、今回二億しかもちろん削減していないとおっしゃっていますが、去年二十九万件の離婚があって大変な数の多分母子家庭が出てきて、そして児童扶養手当の対象者も出てきていますから、そのまま今までどおり支給すれば百何十億、百二十億ぐらいですか、必要になるわけですから、現実には百二十億ぐらい削減したのと同じわけで、その削減したことを取り繕うびほう策にしかすぎないと言われてもしようがないと。そういうふうにならないようにしなきゃいけませんが、私はこの三番目のものはほとんど今のような状況下では使える企業がないと思います。
#24
○政府参考人(岩田喜美枝君) 十三年に実施しました日本労働研究機構の調査によりますと、これは同じ会社でパートから正社員に替わったということだけではなくて、別の会社の正社員に替わったという場合も含まれるというふうに思いますが、母子世帯になる直前にパートであった方が母子世帯になった直後に、そのうちの約二割、二割弱は正規職員に替わっておりますし、また調査時点、それからしばらくたってからでございますが、調査時点では三割ぐらいの方が正規社員になっております。皆さんやっぱり正規社員になりたいということでいろいろ努力をされているんだと思います。
 しかしながら、今、委員も言われましたように、正規社員の雇用機会がだんだんスリム化されているということがございますし、それからそもそもやはり企業がパートタイマーに期待する能力、資質と正規社員に期待する能力、資質というのは違うということで、正規社員のハードルというのは大変高いものがあるというふうに思いますので、最初からいきなり正社員として入れないケースであっても、まずパートタイマーとして入ってもらってその能力や働きぶりを見ていただく、また数か月間のOJTで能力アップしていただくということでしっかり正規雇用に結び付けたいというふうに思っております。
 これも給付金を支給するだけでは本当に、給付金を準備するだけでは使い切っていただけるかどうかというのがございますので、各都道府県あるいは市単位で総合的な自立のための相談支援活動を実施することにいたしておりますので、その過程で理解のある企業をどういう形で探し出すか、人が歩いてやはり求人開拓をしたいというふうに思っておりますが、そういう形で母子家庭の活用について理解のある企業を把握して、その中からこういう奨励金を使って雇用に踏み切っていただくところが出てくるという、そういうことになるのかなというふうに思います。努力したいと思います。
#25
○円より子君 次に、児童扶養手当法の二条と十四条について質問します。
 この児童扶養手当法の第二条には、「児童扶養手当の支給を受けた母は、自ら進んでその自立を図り、家庭の生活の安定と向上に努めなければならない。」と明記されておりまして、これに呼応させるように今度は十四条に、正当な理由がなくて求職活動その他自立を図るための活動をしなかったとき等に手当を停止する旨加えられました。この活動しなかったということをどのように調査し判断するのか、大変私は懸念を持つわけです。
 まず、この条文は不要だと思いますけれども。例えば、皆様のお手元に資料をお配りしております。資料の四の「養育費等に関する申告書」というのを見ていただきたいんですが、それに付随して、ちょっと順番が違いますが、資料三、対象となる養育費等の範囲というようなことがいろいろ書いてあるんですが、これは先ほど申しましたように、この法案が通る以前に、もう審議される以前に児童扶養手当が削減されまして、そしてこの十二月の支給から減額されるものですから、減額されることを知らないお母さんたちたくさんいるんですね。
 この減額されること、去年から私たち運動しておりますが、離婚したときには新聞を取らない方もたくさんいらっしゃいます。厚生労働省は日経新聞に児童扶養手当の削減の広告といいますかPRを、パブリシティーを出していらっしゃいましたが、新聞も取れない人が日経新聞のような高い新聞がまず取れるかという、何という場違いなところに出すんだろうと思いましたけれども。そういった状況で、まず、そうですね、お母さんたち減額されるの知らなかった、この十二月に初めて、えっ、こんな減額になるのということを知るわけで、運動しようにも日給月給ですから陳情に来るような時間もなかったし、知らなかった方が大部分です。児童扶養手当一一〇番というのもやりましたけれども、みんな知りませんでしたと。朝のNHKで私のところが児童扶養手当一一〇番するというのを知って初めて知ったという人たちが多かったんですが。
 その十二月から減額するために八月に現況届というのを児童扶養手当をもらっている人は出さなきゃいけないんです。そのときの、これ最初の各自治体に送られた用紙なんですね、今皆様のお手元にあるのは。ここに家計の収入・支出状況について書けという欄があります。毎月の食費、光熱費、家賃、医療費、教育費まで書け。なぜ、離婚して大変な人たちが、離婚したということだけで児童扶養手当をもらうためにこんなことまで書かなきゃいけないのか。みんな現況届の窓口で何でこんな差別的な扱いを受けるんですか、人権無視だという声がたくさん私のところに掛かってきまして、そして即座に厚生省の方にマスコミと当事者とそして私たち民主党の議員で抗議をいたしました。それでやっとこれは撤回されたわけですが、でも既に自治体に行っておりましたので窓口では撤回せずにそのままやったところもあるとか、もっとひどいことを書かれているというのもございました。
 今度の、今私が申しました十四条で、自ら努力して、その正当な理由がなくて求職活動その他自立を図るための活動をしなかったときというのをどうやって調査し判断するのかというのが、このようなお米や野菜までもらっていたらそれも書けというような、こんなことを出す厚生労働省がちゃんとした、人権侵害ではない、プライバシー侵害ではない調査をするとは、窓口で、思えないというふうに、とても信頼できないと思っている人たちがたくさんいるんですね。このことが一つ。
 それからもう一つは、私のところでもたくさんの人たちが就労のために努力して、もう何十通履歴書を書いて求職のための手紙を送ったか分かりませんという人がいます。面接まで行かないで、残念ですがという手紙をもらう、電話をもらう、やっと面接に行っても、ああ子供さんがいるんですかと言って断られる、そういうケースがたくさんある中で、一回でも二回でも人間というものは落ち込むのが人情ではないでしょうか。それを二十通も三十通も書いても断られたときに、これは後で求職活動した保証のために取っておかなきゃいけないと思わなきゃいけないのか。大体嫌でびりっと破り捨てるのが常じゃないでしょうか。そして、また電話で、例えば先ほど言いましたような求人情報誌を読んで電話した、そこで断られた、その電話まで全部記録しておかなきゃいけないのか。
 一体どのように調査なさるのか、お聞きしたいと思います。
#26
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童扶養手当の趣旨は、そもそも法律の二条に、家庭の生活の安定と向上のために母子家庭の母親は自ら進んで自立を図らなければならないという規定が従来あったわけでございますので、その考え方に基づいて、今回、十四条に自立を図るための活動をしなかった者については手当の全部又は一部を支給しないことができるものということにさせていただいているわけでございます。
 この規定が想定しておりますのは非常にまれなケースでございまして、例えば、児童扶養手当というのは資産調査をしておりませんので、あるいはもう裕福な資産をお持ちで一生懸命就職活動をする必要がないという方もいらっしゃるというふうに思いますし、これもまたまれなケースだと思いますが、養育費を別れた夫から十分もらっているためにそんなに就職活動を急がないという方もあるかもしれません。そういう例外的なケースを想定しているわけですけれども、本人に働く能力があり、そしてそのために様々な就職活動の機会や能力開発の機会があるにもかかわらず全くそういう意欲を見せないようなケースが仮にあるとすればこの規定に該当するということになろうかというふうに思います。
 この求職活動の状況については、個々の母子家庭の個別の事情にかかわるものでございますので、原則としては毎年一回実施いたします現況調査のタイミングなどでお話をお聞かせいただくということになろうかと思いますが、プライバシーの侵害にならないようにどういう形で把握するのか、慎重に検討して自治体に指導してまいりたいというふうに思っております。
#27
○円より子君 今の、人権侵害にならないように、プライバシー侵害にならないようにということについて、大臣、どう思われますか。
#28
○国務大臣(坂口力君) 今、局長から答弁があったとおりでございますけれども、いろいろの調査はやらなければなりませんが、しかしその調査、行き過ぎてしまいますと今御指摘になりましたようなことになってしまうわけでありまして、調査の必要なことは御了解をいただきたいと思うわけでございますけれども、しかしそれが行き過ぎないようにどうするかということだろうというふうに思います。ここのところは少し詳細に都道府県なり市町村なりにやはり周知徹底をするようにして、そして適正に行われるようにしなければいけないだろうというふうに思っております。
#29
○円より子君 今、岩田局長が養育費についてもお話しになりましたが、今度のあれは養育費の所得への八割算入がございますが、私も父親が養育費を払うのは当然のことだと思っております。離婚しても養育責任があるわけですし、そして子供たちは、よほど自分に暴力を振るわれたり母親に暴力を振るっているのを見て父親を恐怖の目で見ていない限り、どんなことがあっても父親をやはり愛しておりまして、好きで会いたいと思っているんですね。
 私はずっと、養育費だけを要求するのではなくて、離婚しても例えば授業参観に父親を呼んでいる人もいますし運動会に呼んでいる人もいます、そういった形で父と子が面接交渉といいますか、行き来ができることが当然だと思って今まで活動してきたんですが、調査を何度か、十五年前、十年前、そして最近としましたが、やはり父と子の行き来があるケースの方が養育費を取り決めていなくても養育費を支払っているという現実が調査結果からちゃんと見えているんですね。できるだけ養育費をやはり支払ってもらうような方向で行政の支援をしていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですが。
 一つは、養育費を母親に取立て義務を明記しているんですね、これは母子寡婦福祉法第五条二項なんですけれども。母親は、離婚したときに、夫は名前も変わりませんし判こも変わりませんし保険証も変わりませんし、母親というのは就職探し以外に家探し、子供のそれこそ文房具の百点ぐらいのところに名前まで変えなきゃいけないというような、もう本当に様々な作業がございます。そういったときに、別れた父親が養育費払ってくれないことで怒り狂っているかもしれないときに、その父親に会って養育費早く払いなさいというのは、母親に取立て義務を書くというのは私は本末転倒ではないか。
 父親に払わせるためにはどうすればいいかということこそ法務省と厚生省は考えるべきで、法務省の方は、余り時間がありませんのでかいつまんで、強制執行受諾文言等を私は付けた方がいいということを考えて、それは来年から通常国会でお変えになるということも分かっていますが、例えば共同監護に、親権ではなくて、しますとか、それから面接交渉をセットで養育費と、もっと調停で利用してもらうとか、また、調停に来ない人が圧倒的に多いわけですから、協議離婚で、その場合には、子供がいる場合は、離婚のことは協議離婚で決めてもいいけれども、そのことと、養育費のことと面接交渉は調停に来るようにするとか、何かそういったことは考えていらっしゃらないんでしょうか。短くお願いします。
#30
○政府参考人(房村精一君) ただいま御指摘のように、離婚はもちろん協議離婚で、夫婦双方の合意のみで成立いたします。そのときに併せて子供の養育費の負担であるとか面接交渉の件も当事者間の合意が成立すれば全く問題はない。場合によれば公正証書で執行受諾文言付きで作れば執行までできるということになります。
 ただ、相手方がそれに任意に応じてくれないときにどうするかということですが、これは、家庭裁判所に調停の申立てをする、あるいは審判の申立てをするということで、比較的利用しやすい形で解決が図られるような制度の仕組みにはしてございますので、これをより一層利用していただきたいと、こう思っております。
#31
○円より子君 厚生省にもお伺いしたいんですが、例えば育児をしない男を父親とは呼ばないとか、たしか安室さんのパートナーだったSAMさんのすてきなポスターがありましたけれども、あの後あの御夫婦は離婚なさったんですけれども。私は、安室のパートナーの離婚なさったSAMさんに、例えばもう一回あのポスターを作って、養育費を払わない男は父親とは呼ばないぐらいのポスターをお作りになったらどうかと。
 どうしてかと申しますと、やっぱりアメリカと、裁判離婚と日本の協議離婚と制度が違うことはよく分かるんですが、社会的に企業のサラリーマンが今圧倒的に多い中で、離婚しても、君、ちゃんと子供に養育費払っているかというような、そういう状況ではないんですね。社会全体が、離婚した、さっき言いましたように、お母さんにその養育費の取立て義務を負わせるのではなくて、社会全体が、離婚しても親子であることには変わらないんだから養育費払ったらどうかというふうなことを、別に非難するんじゃなくて、言えるような状況を是非厚生省にも作っていただきたいと思うんですね。
 どうですか、養育費について、もっと払ってもらう施策を考えてほしいんです。
#32
○政府参考人(岩田喜美枝君) 我が国では離婚の九割が協議離婚でございまして、養育費の取決めをするのは離婚したカップルの三五%という統計もございます。現にもらっている方は二割ということでございますので、これを、離婚しても、離婚した父親は子供の養育費を払うという責任があるということを社会的なもう常識にするためには何をすればいいかということだというふうに思います。
 まずは、どういうポスターを作るかということも含めて啓発活動をさせていただきたいというふうに思っておりますし、また養育費のガイドラインも策定いたしまして、養育費の例えば相場というのはこういうものじゃないでしょうかということも提示をして参考にしてもらいたいというふうに思います。また、母子家庭の母親がよく行く場所など、例えば離婚の届出の窓口ですとか、児童扶養手当の申請窓口ですとか、母子寡婦団体の窓口ですとか、そういうところに養育費の取決めがいかに重要か、そしてそれを決めるためにはどういう手続があるかといったようなことの情報を提供し、そして相談に乗れるような体制を作ってまいりたいと思います。
#33
○円より子君 私たちのネットワークのアンケートでは、やはり養育費はスウェーデンのように国が立替払をしてくれるのが一番だというような声もありまして、例えば児童扶養手当で国が先にそれを渡して、父親から、父親に国が請求をして返してもらうというふうな、そういった方法も是非考えていっていただきたい。母親にその取立て義務を押し付けるのは酷だということをもう一度申し上げておきます。
 それから、先ほどの、「「養育費」とは、」というふうに書かれているんですが、来年からは子供あての通帳に入る養育費ももちろん所得の範囲に入るわけですけれども、一つは、住宅ローン等も養育費に含むと書かれているんです。別のところには財産分与や慰謝料は養育費には含まれないと。これは大変混乱すると思います。
 といいますのは、離婚時に財産分与や慰謝料として一括してお金を払える人なんてほとんどいないんですね。日本の離婚は性格の不一致なんて言われていますが、あれはうそで、実際に離婚する人はほとんど経済的理由です。そうしますと、夫の側がお金払えない。だから、養育費取り立てようとしても払えない人も大部分いるわけで、税制措置で養育費を払っていると控除ができるというのも既に財務省であるんですけれども、それをすると、今リストラのちょうどいい時期だから、そんな面倒くさいことやるなら辞めさせろというような形で実際に退職になった人もいるとか、男の人にとっても大変厳しい状況に今なっております。
 そういう中で、財産分与、慰謝料をもらっている人は離婚をした人の半数にしかすぎない、みんなお母さんたちは子供を抱えてゼロで別れているわけですね。でも、そのときに、何とか財産分与として今住んでいる家を子供と母親がそのまま住めるようにして、でも、ローンが大部分で、もらったからといって別に価値はないというようなときに、じゃ、ローンも含めて財産分与とするというケースが圧倒的に多いんですね。そのときに、その家のローンまで養育費に含めるということの是非をもう一度考えていただきたい。これは御答弁要りません。一応そのことを申し上げて次に移りたいと思いますが。
 住宅のことなんですが、生別、離別の母子家庭の場合は、持家率が一七・三%です、直近の厚生労働省の資料によりますと。死別ですと、持家率は六六・七%なんですね、これ、皆様のお手元の資料1でございますけれども。いかに生別の場合は家がないか。
 大臣もお医者様ですし、今まで厚生労働大臣も長くやっていらして、子供の健やかな成長のためには母親の精神安定、もちろんその経済安定がいかに大事かということをよく御存じだと思うんですが、住居というのはやっぱり、高齢者にとってもそうですが、母子家庭にとっても生活の基盤なんですね。それが民間住宅を借りるとき、賃貸を借りるときに保証人になってもらえないということで借りられないとか、国土交通省に聞きましたら、公営住宅も枠を作っていると言っていらっしゃいますが、優先枠随分あるんですよと御答弁なさっているんですが、高齢者の場合は生活保護とか年金等で働きに行かなくてもいいんですが、母子家庭のお母さんというのは働きに行くことと例えば保育園の送り迎え、そういうのがありますと、家と職場とが近くないと難しいんですね、保育所も。みんなそういうところは倍率が余りにも高くて大体当たらないということになっていまして、当たるのは遠くてとても通えるところじゃないということが多いので、この辺のことは国土交通省にしっかりやっていただきたいと思うんですが、もう時間もなくなりましたので、もう一つ、生活保護についてお話ししたいと思います。
 母子家庭の収入からいきますと、生活保護基準以下というのは何%ぐらいになるんでしょうか。──もし、昨日質疑通告しておりましたけれども、御存じなければ、約半分が生活保護基準以下で暮らしているんですね。実際に生活保護を受けておりますのが八・五%なんです。
 今年の九月に、皆さん新聞記事で御存じだと思いますが、倉敷市で母親が十一歳の娘を餓死させたという事件で、十一月六日に起訴された事件がございました。これは、神奈川県茅ケ崎市の母子寮を出て転々として、今年の六月に路上で会った男性の世話をする条件で同居を始めたということなんですが、この男性が入院して、生活に窮乏してこういった事件が起きたと。詳しい事件は分かりませんけれども、なぜこういう母子が生活保護を受けられなかったのか。
 そういうこともございまして、実は世界恐慌が起きました一九二七年から三一年のころ、その少し後に母子保護法というものが成立しましたけれども、当時は農村から都市へ不況のせいで流れ込んだ核家族がたくさんいました。地域社会と大家族制の中のセーフティーネットというものがなくて、ですから無産階級の人が多かったんですが、そのころ、もう母子心中事件がまれに見る多さで多発いたしました。
 私は、こういった母親だけを責めるのではなくて、母親がもっと窓口に行って生活保護を受けたり、子供だけでも児童の施設に入れるとか、何とかできなかったのかという思いはもちろんございますけれども、それを地域なり行政なりが生活保護が受けられるような、そういった状況になぜできなかったのかというのが残念でならず、今後もこういった問題が起きるかもしれず、それを何とか防いでいきたいと思うんですね。
 大臣、これから就労支援、本当にしっかりやっていかなきゃいけないと思うんですが、実は私、十年前から、「女性のための政治スクール」という形で、超党派で女性の議員を増やしたいと思ってずっと活動をして、全国から生徒さんが来ていらっしゃるんですが、もう随分たくさんの地方の議員さんを誕生させましたが、その一つのあれは、私どもは余り資金がございませんが、アメリカでもそういう運動があって、エミリーズ・リストというのがあるんです。
 それは、最初の、初期のお金はイーストのように大きく膨らむということで、これは女性たちがお金がないから、そういう形で初期に応援すればどんどん女性が増えるだろうという趣旨なんですが、何もこれは政治家のことだけではなくて、新しく起業をする人も、母子世帯がこれから自立するときも、すべて最初のお金というのがとても大事だと思うんですね、それから最初の手厚い支援ということが。そうすると、みんな元気になって仕事をしていけるようになり、それが子供たちにもいい影響を与えるということがあると思うんですが、こういった温かい最初に元気の出る、こういった元気のない時代だからこそ元気の出る施策として就労支援を是非具体化していただきたいこと。
 それからもう一つ、これは離婚の問題だけじゃないんですね。ずっと二十年間、離婚講座とか、いろんな離婚した人たちのネットワークで多くの女性たちの意見を聞いてまいりましたけれども、離婚は何も離婚した人たちだけの問題ではなくて、女性が働きながら子育てができるような環境整備がしっかりできていれば、たとえ残念ながら自分の意じゃなくても離婚したとしても子供と母親はうまく育っていける、生活していける、そういうジェンダーフリーの社会、男女共同参画の社会を片方で作るということが大事だと思うんです。
 この二つについて、大臣、最後に御答弁いただけませんでしょうか。
#34
○国務大臣(坂口力君) 私の知っております地方の女性議員も円先生のその会に出席をさせていただいているということをよく言っておりまして、御活躍のことはよく存じ上げているわけでございます。
 先ほどからお話しをいただきましたとおり、これから先、この母子家庭のお母さん方の就職をどうお世話をしていくかということが最大の課題になるだろうというふうに思っております。これは是非、厚生労働省の中にもチームを作りまして、母子家庭のお母さん方の支援をするチームを作って、そして更に具体化を進めていきたいというふうに思っておりますし、また様々な、特養を始め、福祉施設が多くできてきておりますが、福祉施設のいわゆる雇用につきましては是非とも母子家庭のお母さん方を優先をして考慮をしてほしいといったこともお願いをしたいと考えているところでございます。
 そうしたことを含めて、より具体的に、より積極的に進めさせていただきたいと思っているところでございます。
#35
○円より子君 終わります。
#36
○山本孝史君 大臣、御苦労さまでございます。
 本論に入ります前に、一問御質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 北朝鮮の拉致被害者の帰国後の支援立法を作られるというふうに聞いておるわけですけれども、私はその中で年金の支給についてどういう規定にされるのかということに大変関心を持っております。加入期間に算入することは当然だというふうに思いますけれども、年金の保険料を支払っていたということにするのかどうか、この点について是非、既に帰国されておられます中国帰国残留邦人の皆さん方への支援の拡充も念頭に置きながら検討をしていただきたいというふうに思っております。
 なぜならば、自らの意思で帰国できなかったということについてはどちらも同じ立場にあるというふうに思っておりますので、この点について、まず御答弁いただきたいと思います。
#37
○国務大臣(坂口力君) 北朝鮮の拉致された皆さん方の問題でございますが、一日も早くこの皆さん方の問題を解決をしなければならないということから、早くひとつ法律の改正が必要ならばそれをまとめて行いたい。これは厚生労働省が中心ではございませんで、内閣府の方でおやりをいただいているわけでございますけれども、もちろんその中に厚生労働省関係のことも多いわけでございます。
 それで、今その話が進んでいるところでございますけれども、今日いろいろの新聞にいろいろこの記事が出ておりますが、現実問題はそこまで実は煮詰まっていないわけでございまして、各党にもお話合いが多分間もなくあるだろうというふうに思っておりますが、今その具体的なことを、どうしたらいいかということを検討しつつある、煮詰めつつあると。しかし、そんなに長く時間を掛けられませんので、今週中にもそれはもうまとめなければならない話でございますからまた御相談もさせていただくものというふうに思いますが、今日のこの時点のところで、年金ならば年金をどうするかということはまだ決まった段階ではございません。したがいまして、今ここでこういうふうになる予定ですということを申し上げることはできませんけれども、年金の問題が大きな課題になることも事実でございます。
 それから、もう一つ御指摘になりました中国の残留孤児、お帰りになりました皆さん方が生活保護等を受けられて大変厳しい生活を強いられているという問題がございます。いわゆる戦争による犠牲者と申しますか、戦争の結果として生じた問題と平和時に拉致された皆さん方と立場は若干違うといえば違うわけでございますけれども、しかし長い間日本を離れて御苦労をされたという点では共通をしているというふうに思う次第でございます。
 現在、今、緊急にまとめられておりますのは拉致をされた御家族の問題をどうするかということでございますけれども、やはりそのことをまとめましたときに、そしてもし仮に北朝鮮との間の国交正常化が行われるというようなことになってまいりますと、北朝鮮から更にお帰りになる方も増えてくる可能性がございますし、戦後の混乱期に北朝鮮におみえになった、あるいは旧満州から北朝鮮の方に移行をされた方も多かったというふうにお聞きをいたしております。その人たちの問題がもし仮に出てきたときにどうするかといったような問題もございましょうし、そうした問題をこれから整理をしていかなければならない重大な課題であるというふうに認識をいたしております。
 厚生労働省といたしましても、その点十分踏まえながらやっていきたいというふうに思っている次第でございます。
#38
○山本孝史君 分かりました。
 本日の法案に関連しての質問をしたいと思います。
 大臣も御承知のように、私、長年、あしなが育英会の仲間と一緒に遺児家庭の支援活動をしてまいりました。母子家庭にとって必要なのは、仕事を確保するということと母子の心のケアをすることだというふうに思っております。
 今回の改正の趣旨と児童扶養手当の目的についてもう一度お伺いをしたいというふうに思いますが、児童扶養手当は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、十八歳の年度末まで支給するということになっております。
 岩田局長の先ほどの御答弁でもそうですが、離婚などの直後の大変困難な時期、生活が一変する時期、その時期に資源を集中的に投下して自立支援をし、その結果早く自立していただくために支給をすると、こういう御答弁をされておられますが、この御答弁と法律の法の目的に書かれております児童扶養手当の趣旨とは私は明らかに違うというふうに思っておりまして、今回のこの改正で児童扶養手当の性格が大幅に変わると私は受け止めておりますが、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
#39
○国務大臣(坂口力君) 私は趣旨は全然変わらないというふうに思っておりますが。
 今までのこの法律は児童手当を中心にするという考え方でございましたが、今御提示を申し上げて御議論をいただいておりますこの法案は、もちろん児童手当も大事でございますけれども、それは大事な柱の中の一つであると。ほかに就労の支援の問題でございますとか、別れた夫あるいはまたその他の家族からの支援の問題、そうした問題も全体を含めましてどう支援をしていくかということでございまして、今までの扶養手当一本やりと申しますか、ここを中心にしたところからもう少し幅広い、全体として、先ほどから出ておりますように、社会全体の在り方も含めてこの支援の対策を考えていくということだろうというふうに思っております。しかし、児童手当そのものに対します基本的な考え方は変わっていないと思っております。
#40
○山本孝史君 変わっていないと、こう御答弁になる。しかし、制度を改正されるその内容を見ると、明らかにこれは変質をしていこうとしている、私はそう思っています。
 自立支援とおっしゃっておられますけれども、仕事の場を確保するということが大切であるということは、これはもう大臣もよく御存じのとおりで、それはそれでやらなければいけない。しかしながら、一方でもう命綱にもなっているような児童扶養手当を減額をしていくということは決していい結果をもたらさないと私は思っています。
 その意味で、大臣も御支持者の中にたくさん母子家庭の方おられると思います。どんな生活ぶりをしておられるか、よく御存じだというふうに思います。この不況の中で一番しわ寄せを受けているのは母子家庭の母親でございます。今、児童扶養手当をもし改正するとすれば、それは減額をすることではなくて増額をすることであってというふうに私は思うんですけれども、そうではないんでしょうか。
#41
○国務大臣(坂口力君) 厳しい経済の状況の中でございますから、いろいろと厳しい環境におみえになることは十分に存じております。
 しかし、先ほども申しましたように、母子家庭が御主人に死別をされるとかそうした特定の人たちの問題でありましたものが、最近は離婚をされたり、母子家庭になられます御家庭が非常に増えてまいりました。ある意味では、離婚ということが一般的な問題、一般的なことというふうに思われるほど増えてきているわけでございます。
 こうした状況の中で、これからのこの母子家庭に対する支え方というのはやはり変えていかないといけない。生活費を支援をするという立場から、そうではなくて、全体の生活そのものをどう支援をするかということにしていかないと私はいけないというふうに思っております。したがいまして、現在の厳しい状況ではございますけれども、こういう時代であればこそ、早く私はここは転換をした方がいいと思っている一人でございます。
 そうした意味で、この法律ができまして、そうして五年間、五年後もう一度そこをどうするかということを考えなければならないわけでございますが、この五年間というのは我々にとりましていかにこの現状を改革をするかという大きな課題を担った五年間であるというふうに自覚をいたしておりまして、そうした意味で就労問題等、より積極的に今後取り組んでいきたいと思っているところでございます。
#42
○山本孝史君 今、この五年間しっかりやるからそれを見てくれと、皆さんの御心配されているようなことにはなりませんと。衆議院のときの御答弁では大きな責任をしょい込んだと、こうおっしゃいましたが、今は担っていくんだという、こういう御発言でございますので大いに私も期待をしたいというふうに思いますけれども、そのときにはもう大臣は大臣ではなくなっているんでしょうから、そういうことのないように、厚生労働省がしっかりそこは担ってもらわなければいけないというふうに思います。
 ただ、私、この日本の母子家庭対策を見ておりまして、厚生労働省の資料にも載っておりますけれども、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンといった諸国と比較して日本の児童扶養手当の制度は、一つには父子家庭を対象にしていないということ、もう一つは私的な扶養義務を追求する公的な制度を整備しないで養育費の確保を母親に押し付けているという、この二つの点において日本は非常に私は後れているというふうに認識をしております。
 この二点についてまずお伺いをしたいというふうに思いますが、まず父子家庭への支給の問題でございます。
 児童扶養手当のこの制度の創設の経緯については、先ほど円議員も御指摘をされたとおり、私もそのように理解しておりますけれども、現在、男女共同参画社会を口にするこの時代においてもなお母子家庭と父子家庭を区別する合理的な根拠は何なのか、並びに低所得の二人親家庭を支援するということと一人親の家庭を区別する合理的な根拠は何なのか、教えていただきたいと思います。
#43
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭と父子家庭の置かれた現状といいましょうか、ニーズは大変違うものがございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 母子家庭は、やはり離婚や死別を契機にいたしまして、その家計の収入の姿が激変するということがございます。一方、父子家庭は離死別で収入が大きく変わるということは通常はございませんで、むしろお困りになるのは子育てとか家事とか、そちらの方が困っておられるというのは各種の統計ではっきり出ているところでございます。
 そういうことでございますので、児童扶養手当につきましては引き続き、離死別後の生活の激変を緩和をするという役割でございますので、引き続き母子家庭だけに支給をするということ。そして、子育てをしながら仕事をするための子育て支援のところについては、母子家庭もそういうニーズは強いわけですけれども、父子家庭も同じく、あるいはそれ以上に強いものがあるということで、今回初めてのことですが、母子寡婦福祉法の中に父子家庭という定義を作りまして、子育て支援のところについては母子家庭、父子家庭双方を対象にする。そして、養育費、別れた子供を監護しない方の親から養育費を確保するという対策についても、女性、男性を区別することなく両方を対象とした対策にしているところでございます。
 また、低所得層の二人親家庭とどういうふうに違うかということについては、やはり二人親家庭と一人親家庭の場合には、収入を得るための経済的な活動ができる人は一人ですし、それから子育ても一人でやっていくということで、生活の自立のためには、親が二人そろっている場合と比べると、やはり一段と厳しいものがあるだろうというようなことから特別の対策を講じるということにしているわけでございます。
#44
○山本孝史君 視点を親に置くのか子供に置くのかということだと思うんですね。法律では、やっぱり私は子供に視点を置いて物事は考えるべきだというふうに思います。
 ニーズが違うんだというふうにおっしゃいました。子育てとか家事に困っているのは父子家庭の方が多いと。実態はそうかもしれません。しかし、母子家庭の皆さんも、もう一生懸命働いてきて家へ帰ってきて、そこからまだ洗い物をして洗濯をして掃除をしてということで、家事に困っているという状態は同じなんですよ、御存じのように。だから、その意味で私は母子家庭と父子家庭を区別する理屈はどこにもないというふうに思います。
 今回のこの法律改正で、従来、「母子家庭」というところに「母子家庭等」というふうに書いて、定義で「「母子家庭等」とは、母子家庭及び父子家庭をいう。」ということで、今回父子家庭も対象にしましたよと、こうおっしゃっているんです。だから、法律の頭は母子及び寡婦福祉法ということで、ここは「等」も何も入らない。父子家庭はここには出てこないんですね。中を読んでいくと、父子家庭はあるところでは対象になる、しかしあるところは対象にしない。なぜそういう差別的な扱いをするのかと私は思うんです。この話をすると、母子会の皆さん方の抵抗が強くて、なかなか父子家庭への支援が広まらないんだというようなうわさも耳にしましたけれども、そういうことではないだろうと。
 私は、やっぱり母子家庭だからとか父子家庭だからとか、あるいは母親だからとか父親だからというようなことを言うのは、国として男女の固定された性別役割分業というものをまだ頭の中に引きずっているんだと、私はそういうふうに思うんですね。
 男女共同参画社会を作るんだということを格好よく口にしながら、作ってくる法律はこういう法律しか作れない。せっかくの変更の機会にそうやって広めていこうということができないというのは、私は厚労省の頭は依然として古いというふうに思っています。何ぼ格好いいポスター作ったってそれは駄目ですよ、発想が違うんだから、根底から、と私は思います。
 それから、もう一つの問題、公的な扶養、養育費の確保制度の整備という問題ですけれども、これは坂口大臣にお伺いしたいと思いますが、御承知のように、子どもの権利条約の二十七条の四項で、養育費を回復するためのあらゆる適当な措置を取る義務が国には課せられているというふうに私は理解をしております。実際にこういった規定を設けられなくても、先ほど申し上げましたような、諸外国においてはいずれも離婚制度は裁判離婚だけになっておりますし、子供の養育費の取決めが判決又は当事者間の協議によって確定をして、国家による養育費の立替えの制度あるいは給与からの天引き制度が整備をされていると、こういうふうに理解をしております。
 今回の法改正にも出てまいりましたように、別れた父親の私的扶養義務を追及する公的な制度、諸外国のようなものを整備しないで、養育費を確保するのは母親の責任であるということで母親に一方的に押し付けていくという厚労省の姿勢は、先ほどSAMさんのポスターの話ありましたけれども、父親の子育て参加ということで社会的な子育てを進めようということを理念にしているにもかかわらず、離婚は私的な事柄なんだから当事者間で解決すればいいんだというようなことは、今申し上げましたような子育て支援、皆さん方は子育て支援というよりは多分少子化対策なんでしょうけれども、子育て支援ということを口にしておられる姿勢ともこれまた一致しないものじゃないかと私は思うわけであります。
 申し上げたように、優先されるべきは親の都合ではなくて子供の生活保障あるいは人権擁護という問題だと私は理解をしておりまして、御質問させていただきますが、養育費の確保について公的に関与することを私は許されると考えておりますが、そういった公的な養育費確保制度の必要性、大臣はお認めにならないのでしょうか。
#45
○国務大臣(坂口力君) この養育費の問題でございますが、これは先ほどからも議論がございますように、日本におきましては協議離婚が九割を占めているという現状があることも事実でございますし、ここは非常にデリケートなところであることも事実でございます。
 父親、父親と言ってはいけませんね、別れた片方の親に対しまして養育費を請求をするということが、これが成立をする場合もございますし、そういうことを話し合うことすら難しいというケースも存在をする、そういう話をすることによってかえって離婚ができないというケースもあり得るということを聞くにつけまして、ここは一律的になかなか言うことは難しいのではないかというふうに私は思っている次第でございます。しかし、それならば現状のままでいいかといえば、そうではない、そこをどう埋めていくかということが大変大事なことだというふうに思っております。
 これからより具体的なことを煮詰めなければならないわけでございますけれども、強制的に取るということができ得ないといたしましても、それに代わるべき何らかのやはり社会的な仕組みというものが必要であるというふうに考えているところでございまして、そういう意味では今後更に検討をここはしていきたいと。
 先ほど法務省からのお話もございましたけれども、それだけではなくて、厚生労働省といたしましても、この分野につきましては、別れました片方の親がその扶養義務があるということをどう認識をしてもらえるか、社会全体でやはりそのことを容認するような形にどうしていくかということを考えていかなければならないと思っている次第でございます。
#46
○山本孝史君 法務省の御見解をお伺いします。
#47
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、離婚に当たってはまず子のことを考えていただく必要があるというのはそのとおりだろうと思います。
 離婚に伴って当然、子供の監護をどうするかということの取決めもなされないと困るわけでございますので、一般に裁判離婚で行う場合には、子の監護について必要な事項を定めるということを法律で定めておりますので、それもできることとなっておりますが、それに至らない、裁判に行く前、前段階の調停で離婚をする場合、これも一般に調停条項に子の監護に関する事項を入れるということになっております。
 問題は協議離婚でございます。これも当事者間の合意で子供の監護のことについて話合いが決まるのが理想でございますが、なかなかまとまらない場合もございます。そういう場合に備えまして、離婚についての合意はできたけれども子の監護について合意ができない、こういう場合どうするかということで、こういう場合には裁判所に対しまして、家庭裁判所ですね、家庭裁判所に対しまして子の監護についての取決めをしてほしい方から調停なりあるいは審判なりということを申し立てて、そこで決めるという手続を用意してございます。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 これは訴訟と違いまして、原則として本人でも特に弁護士のような法律専門家の援助を得なくてもできるような仕組みになっておりますし、費用的にも、申立て費用もわずか、たしか九百円だったと思いますが、そういう形で家庭裁判所を利用して監護に関する取決め、養育費の支払等ももちろん含まれますが、そういうものを用意しておりますので、これをできるだけ利用していただきたいと、こう考えております。
#48
○山本孝史君 私、こういう制度を作ることで、先ほど来申し上げておりますように、子供に対する責任を公的な制度によって明らかにしていくということになると思うんですね。それによって、日本の社会は子供の人権を尊重しているんだ、児童養育における男女平等を目的にしているんだという強いメッセージを送ることになっていくというふうに理解をしておりまして、子育ての社会的支援を重要な課題と国民が認識をする、父親がもっと子育てに参加をしていくということの一つのきっかけにもなっていくのではないかというふうに思っております。
 したがって、是非この制度を検討をしないと、片っ方で増えていくんだ、足りないんだ、だから減らすんだということでは、何か対応としては不十分な感じがいたします。
 岩田局長にお伺いしますが、附則の六条に、扶養義務の履行を確保するための施策の在り方について検討すると、こう書かれております。いつごろまでに結果を得るお考えでしょうか。
#49
○政府参考人(岩田喜美枝君) 御指摘の規定については、児童扶養手当の受給状況ですとか、母子家庭の就労状況、養育費の取決め状況、そういう関連する分野の実態がどういうふうに変わっていくかということの調査や、そして諸外国の制度の状況なども勉強してみたいというふうに思います。また、家族法全般にわたるような問題意識を持つことも必要かというふうに思っております。
 そういうことで、現時点で具体的なスケジュールを決めているわけではございませんが、改正法の施行後の実績も踏まえながら、数年というタームで今後の基本的な対策の在り方について、中間的なものになるかもしれませんけれども、まとめるということで検討したいというふうに考えております。
#50
○山本孝史君 九六年、平成八年十二月三日、中央児童福祉審議会の基本問題部会、「母子家庭の実態と施策の方向について」という報告書、御存じだというふうに思います。「社会的公正の確保という観点を踏まえ、児童扶養手当を支給した上で、離婚した夫から、その所得等を勘案し、児童扶養手当の費用の全部又は一部を徴収できる仕組みを導入することも考えられるので、その可否などについて、理論面のみならず実務面における対応を含め検討すべきである。」ということだったと思います。
 与党側の抵抗でと言ったら失礼かもしれませんが、残念ながら実現をしておりませんけれども、この時点から既に厚生省は検討を重ねてきているわけですから、もう数年掛かって検討しますということをおっしゃるのは私は職務怠慢だと、こう御指摘をしておきたいと思います。
 民事局長、もう一問質問させてください。
 御検討の少額定期給付制度というものができてくると。来年の通常国会とでも聞いておりますけれども、この手続、何回も申告しなきゃいけないのか、あるいは一回でもいいのかとお聞きしましたら、一回でもよいということだったので、どういう考え方なのか、御説明いただきたいと思います。
#51
○政府参考人(房村精一君) 通常、養育費の支払の取決めは、大体毎月一定額を支払うと、こういう取決めになっております。現在の強制執行の考え方からいきますと、支払期日の到来したものについて強制執行するということになりますので、その養育費を負担する人が任意に支払わないときには毎月来るたびに強制執行の申立てをしなければいけないと、こういう非常に負担の重い仕組みになってしまいます。
 そこで、これを何とか簡単なものにしたいということで、養育費等の一定額の、少額の定期金給付については、将来支払期限の到来するものも含めて一括してその債務者の継続的給付を差押えができる、典型例は給与を押さえるということですが。そうしますと、その養育費の支払期日が来て、相手方の給料日が来るたびに会社から支払ってもらえるという、一回の申立てでそういうことが可能になると、こういう仕組みを実現するように今、法制審議会で検討しておりまして、来年の通常国会に提出したいと考えているところでございます。
#52
○山本孝史君 ありがとうございました。民事局長、結構でございます。ありがとうございました。
 この点については、岩田局長の、私、答弁聞いておりまして、ちょっとピントずれておるんじゃないかと、こう思っているんですが、この養育費の取決めに資するガイドラインを作っていろんな窓口に置きますと、こうおっしゃっておられます。それは離婚届の窓口だとかあるいは児童扶養手当の申請の窓口とかに置くと、こうおっしゃっておられるんですが、基本的に養育費の取決めは離婚届をする前にすることであって、離婚届を持っていったところに養育費のガイドラインが書いてあったって、そんなものは何の役にも立たないわけですから、せっかくお作りになったガイドラインをどのようにして配布されて、そしてまた国民の間に周知をしていくのかということについてはもうちょっと知恵を絞ってもらわないと私は駄目なんじゃないかというふうに思っております。答弁結構です。よく御検討ください。
 問題は、全額支給の上限の引下げの問題です。政令改正でこの夏から百三十万円ということが全額支給の上限になりました。これまでの全額支給限度額が二百四万八千円でしたけれども、これは大変に大幅に下がっておりますし、百三十万というのは、制度開始以来そんな低額で全額の支給額を決めてきたことはありません。一番厳しい制度に変えたのが今回の私は制度改正だというふうに思っております。改悪ですけれどもね。
 大臣、私、御承知のとおりのあしなが育英会で今年の八月に、これは遺児家庭でございますけれども、調査をいたしました。実態調査で、母子世帯の平均勤労月収十三万六百円、一般世帯の三五・八%と約三分の一しかありませんでした。常雇いが三九・七%。パート、臨時・日雇等が四二・六%。昭和四十九年、一九七四年に交通遺児育英会で私が最初の調査を担当してから初めて遺児家庭の中でパート労働あるいは日雇労働に従事しておられる不安定就労者の方が常雇いの方よりも多いという実態が出てまいりました。
 母子家庭の母親の八五%が働いている、世界一の数字だと。決して褒められた数字ではありません。しかも、パートやアルバイトの方々が非常に多いと。仕事を探してもない、やっと見付けたパートの仕事を二つ、三つと掛け持ってようやく得た収入が百三十万円。この百三十万円を超えたら、そこからは減額の対象にすると。どういう発想をしているんだろうと私には思えるわけであります。
 母子家庭の収入が低いのは、決して努力が足りないわけではありません。働きに働いて働いてこの金額ですから。しかも、男女間の賃金格差が大きくて、保育をサポートするような状況もないという中で全部母親にしわ寄せをしておいて、もっと働けということなんでしょうか。坂口大臣、御答弁ください。
#53
○国務大臣(坂口力君) 今お話しになりましたように、母子家庭のお母さん方がやはりパート等で働いておみえになるケースが多いということは、現実問題、それはそうなんだろうと私もそう思っております。そこをどう改革をしていくかということが今問われているんだろうというふうに思います。そこを問うことなしに、ただ生活費を支給するということだけを考えていてはいけない。問題は、今御指摘になりましたそこに最大の問題があると自覚をいたしております。
 経済が厳しいということもございますけれども、しかし、それにいたしましても、母子家庭のお母さん方が特にやはりパート等で働かれるケースが多いということは、それは、就職をいたしますときに母子家庭であるとかあるいはまたお子さんが、小さいお子さんがあるということが、それが一つのマイナス要因にされているといったようなことが多分私はあるんだろうというふうに思います。そうしたいわゆる格差というものを改善をしていくということが今最大の課題だというふうに思っております。そうしたことを、これからのこの雇用関係のことを考えていきます中でその格差をどうなくしていくかということが私は一番大事だというふうに思っています。
 一律にこの母子家庭の皆さん方を弱者と言うのは大変失礼だろうというふうに思っております。しかし、その皆さん方が就職一つをするにいたしましても、一般の方と比較をいたしましていろいろのハンディキャップをお持ちであることは事実でございまして、そのハンディキャップの部分をどう改善をするかということが今問われている、そのことに全力を挙げていかなければならないと。したがいまして、それはお子さんを預けられる場合にもしかりでございますし、また就労形態に対応したそのことをどうしていくかというようなことも大事でございましょうし、そうしたことを含めてでございます。
 先ほども議論がございましたが、今後、何らかの技術を身に付けたいというような、あるいはまた教育を身に付けて新しい就労の場に就きたいという御希望の皆さん方に対して、現在働いてもらいながらそこをどうするかということを、これは大変至難の業でございますけれども、それを可能にするのにはどうするか、どういう手の差し伸べ方があるかということも考えていかなければならないというふうに思っておりまして、そこにやはり我々知恵を絞らなければならないし、そして皆さん方におこたえをしなければならないと思っているところでございます。
#54
○山本孝史君 大臣も御記憶にあって答弁の中でもお触れになっておりますが、私も、昭和四十九年、五十年、一生懸命母子家庭のお母さん方に仕事を確保できるようにということで雇用促進法を作れないだろうかということでやってまいりました。五十年の四月一日、公明党の母子家庭の母等の雇用促進に関する特別措置法等々お出しをいただいて、政党の皆さんにも御協力をいただきました。この件についてまた機会があれば是非お話をしてみたいというふうに思いますが、従来からもやってまいりました母子家庭の母親に対する仕事の確保、能力の開発等々の部分が必ずしもというか、全くと言って私はいいと思いますが、その力を発揮してこなかったというふうに思っておりますので、この五年間、大臣、度々御答弁いただいておりますけれども、しっかりとした対応ができるように期待をしたいというふうに思います。
 それにつけましても、これも岩田局長さんに失礼ですが、衆議院の答弁を見ておりまして、生活実態ぶりがどうなんだといったときにいろんな調査を引用されて、いろんな調査といっても二つですけれども、御答弁されておられます数字がころころと変わって、頭の中がよく整理されておられないのかなというふうに、失礼ですけれども、思いました。
 そう思っておりましたら、ようやく昨日資料をいただきまして分かりました。平成十年度の全国母子世帯等の調査、あの調査の我々が一般目にします調査結果報告書には、年間収入は母子あるいは父子世帯別というのはあります。しかしながら、死別・離別別あるいは常勤・パート別の数字がありません。ここはちゃんとしたデータを分析してほしいと思っているんですが、そう思っておりましたら、局長さんお手持ちに、年間収入状況について生別と離別としっかりとクロス集計を掛けた表をお持ちで、これに基づいて御答弁をされておられるんだということが昨日ようやく分かりました。こういう、自分たちだけでデータを分析してその結果をもって答弁するというのは、それは質疑も混乱します。こういう資料はちゃんと委員会に出していただきたい。
 私、申し上げたように、遺児家庭、死別家庭を中心に支援をしてまいりましたので、昨日この数字を見て大変ショックを受けました。というのは、死別と離別家庭の数字で、平均収入は、これは総数でいきますと二百二十九万円ということになっておりますが、死別家庭の平均収入が二百八十八万円に対して生別家庭の平均収入は二百十六万円なんですね。中央値は幾らになるかというと、死別家庭が二百四十万円で、生別家庭は百八十六万円なんです。
 そういう意味で、一概に母子家庭というふうに言っておりますけれども、その中でとりわけ生別家庭の方たちの生活が非常に厳しいというのが、お手元の数字でもこうやってお持ちになっている。そういったところも、今回、これから先制度を改正する中に当たって是非しっかりとした調査をしていただきたいと思います。
 日本労働研究機構の調査は大変ずさんだと思っておりまして、これは独行法の審議の中でこういう機構は要らないという主張を私はさせていただきたいというふうに思っております。先に通告しておきます。
 それから、養育費の所得算入の問題ですけれども、この夏、厚労省は児童手当法の十三条に基づいて政令を改正して、養育費の八割に相当する額を所得に算入するということに決めました。法文上そのような権限が厚生労働省にあることは私も認めますけれども、養育費の扱いはこれまでも、先ほど申し上げましたように、中央児童福祉審議会でも大変議論されてきましたし、前回の昭和六十年改正においても、父親の所得によって支給を停止するという四条四項、五項の条項が、議論を経て、自民党の修正によって現在も執行が停止されているという問題で、この養育費の算入問題は大変重要な問題であったというふうに理解しております。それほど重要な問題を私たちは勝手に変えられるんだからといって変えてしまう。坂口大臣は、少し前後したけれども大勢に影響はないと、こういう御答弁もされましたけれども、これまでの経緯を踏まえれば、私は明らかに国会軽視だというふうに思います。これほどの大改正はしっかり国会に諮るべきだということを御指摘をしておきたいというふうに思います。
 それから、岩田局長に御確認をしておきたいんですが、この児童扶養手当法の第九条第二項の規定は、子供名義の口座に別れた父親から送金をされても、それが慰謝料だとか、先ほどローンの返済だとかいろいろ御定義ありましたけれども、そういったものも養育費を受け取ったというふうに理解するという条項でしょうか。
#55
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正案におきまして、従来から母親が受け取る養育費につきましては、従来からと申しますか、この八月の政令改正で収入にカウントするということにさせていただいたわけでございますが、今回の法律改正案におきまして、受取人が子供である場合についても同様の取扱いにさせていただきたいと思っております。そして、その子供に対して父親から直接に養育に必要な費用の支払いを受けた場合がこれに該当するというふうに考えております。
 今お尋ねの慰謝料などについては、これは被った精神的な損害の賠償であるというふうに思いますので、そのようなものは養育に必要な費用というふうには言えないと思いますので、養育費を受け取ったという整理にはしないということを考えております。将来の例えば学費を送金されたということについては、養育に必要な費用ということに該当をし、養育費を受け取ったことになるのではないかというふうに考えております。
#56
○山本孝史君 そこは大いに議論をして、学費というふうに書いてあるわけでも何でもないので、子供の名義の通帳に入ってきたらそれは全部養育費なんだ、また通帳持ってこいと、こういう話にもなりかねないわけで、養育費とは何なんだというところの定義をしっかりとお示しをいただきたいというふうに思います。それから、これはまた委員会にでも出してください、養育費というものがこういう定義だということを。
 それから、先ほども御質問ありましたこの養育費に関することで、この夏、自治体の窓口は大変に混乱をいたしました。この児童扶養手当の支給にかかわる業務を市町村にゆだねるという中で、市町村の側が、ゆだねられた仕事はしっかりやらなきゃいけない、養育費を幾らもらっているのか把握しなきゃいけないというのがその混乱の発端だと思いますけれども、先ほども円委員御指摘になったこういう大変細かなものが出てまいりました。今後、この養育費に関する申告書といったものが、この2以降の家計の収入状況についても引き続き書かせるというお考えなのか、あるいは養育費だけの部分の自己申告でいいというお考えになるのか、当然後者の方だと思いますけれども、御答弁をいただきます。
#57
○政府参考人(岩田喜美枝君) この夏の段階で混乱がございまして、大変申し訳なかったと思っております。
 最初に申告書の案としてお示しした書式の中には、先ほどの円委員がお配りになった資料の中にございますけれども、養育費を把握するために家計全体の収入、支出についてもお書きいただくという様式になっていたところでございます。様々の御意見をちょうだいいたしましたので、最終的には、一つは、養育費の申告書の様式はモデル様式で、自治体が最終的には自由に判断していいということを明らかにしたことでございます。二つ目には、そのモデル様式の中から家計の収入・支出状況に関する部分は削除した様式で最終的に各市などに通知を発出いたしております。
 今後、この書式の変更をする予定はございませんので、家計の収入・支出状況が付いていない様式がモデル様式になるということでございます。
#58
○山本孝史君 それについても、やはり当事者の方たちからの声は、窓口で、これはもう本当にプライバシーの侵害じゃないか、人権ないじゃないかと、こういうお声があるわけで、先ほど大臣も、調査は必要だけれども取り過ぎないようにと、こうおっしゃいましたし、衆議院段階でも、最初の案は非常に聞き過ぎているだろうというふうに思いまして、率直に私たちも認めながらと、こういう御認識も示されて、今、様式はそうしますという局長の御答弁でした。
 しかしながら、役所は正確を期すというようなことでいろいろやっていくんでしょうから、これはやはり当事者団体からの、受け取る側の方からも抗議を含めたような形で、窓口職員の研修が必要だというふうに思っておりまして、是非そういう体制を作っていただきたいと思います。御答弁をお願いします。
#59
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童扶養手当の申請の窓口に座る職員については、申請者の立場が十分理解できる職員が適切な対応をすべきであるというふうに考えております。
 各都道府県でこういった市町村の担当者会議や研修会を開催をするといったことをやっていただくことといたしておりますが、そのような場合に国としても助成ができるような予算措置を講じているところでございます。
 人権侵害に至ることがないように、当事者団体からも常々、意見交換をしながら、窓口の適切な対応がなされるよう研修を充実していきたいと考えております。
#60
○山本孝史君 そのようにお願いをしたいと思います。
 それからもう一つの問題は、五年後の減額率の設定の問題ですけれども、今日、大臣なり局長の御答弁をお聞きしておりまして、ちょっと私、認識を間違っていたというふうに思いました。
 というのは、五年後に減額をするというときに、一〇〇%から法律で書いてあります五〇%という、こういう幅があるわけですね。減額しないのかあるいは半分にするのかと、こういう幅の中でどこかに減額率を定められるのかなと私思っておりましたけれども、そういうことではないんですか。
#61
○政府参考人(岩田喜美枝君) 五年後の減額の措置が適用になる方が施行後五年後に出ますので、それまでの間に十分な周知のための時間的な余裕なども持てるようなタイミングで政令で具体的に削減率を何割にするかといったようなことを定めることになります。
#62
○山本孝史君 要するに理解を、ひょっとしたら誤解しているかなとこう申し上げましたのは、当初、この法案を作る原案段階で五年たったら打切りにするということをおっしゃっていたわけですね。全く支給しないと、半分どころじゃない、全く支給しないと、こう言っていたわけです。それを大臣と公明党さんと、こう新聞には書いてありましたけれども、与党の中でいろんなお声があって半分は支給するというところまで押し戻したと、こういう経過のように、新聞でしか私は読んでおりませんが、そういうふうに読んだ。
 そうすると、元々はもう出さないと言っていたやつを半分でも出してやるからいいじゃないかという話で、私が申し上げたのは、一〇〇から五〇の間の例えば八〇%だとか七五%だとかという話じゃなくて、これ元々五〇という話がここにあるんじゃないの。もう一〇〇は出しませんよと、元々ゼロだったんでしょう、だから五〇%というものにしていいという考え方が厚生労働省側であるんじゃないですか。
#63
○政府参考人(岩田喜美枝君) 五年後の削減率をどういう率で定めることが適当かということについては、今、全く具体的な数値はだれの頭の中にもございません。
 これからしっかり様々な自立支援策を講じていきまして、それらの状況を、統計調査なども工夫をして現状の把握をしっかりしながら、またNPOも含む母子関係で活動なさっておられる団体などの皆さんの御意見も聞きながら、具体的な削減率は政令で定めることになります。
#64
○山本孝史君 まず削減ありですか。削減しないということもあり得るんですか。
#65
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正法は削減をするということを前提といたしておりまして、その率を政令にゆだねているというふうに理解しております。
#66
○山本孝史君 そうすると、五年たつと満額はもうもらえないんだと、こういう改正をしたんだと。そこは幾らに減らしていくかは、九五にするのかあるいは半分にするのか、それはこれからの五年間の間のいろんな状況を見ながら決めていくと、こういう御答弁ですね。随分乱暴だというふうに思いますが。
 子育て生活支援策、就労支援策、養育費の確保策、経済的支援策の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて勘案すると。このときの勘案するための、それはいろんなものを含めて勘案するんだと、こうおっしゃっているんですが、その後減額をしていくということもあり得るという御答弁ですから、そうすると、その中で何か計算式のようなものを作って、これとこれをこう組み合わせてこういうふうな形で減額するんだと、みんなが納得できるようなそういう説明資料はお作りになるんですか。
#67
○政府参考人(岩田喜美枝君) 計算式のようなものが作れるかどうかということについてもこれから検討したいというふうに思っております。
 はっきりしておりますのは、子供が三歳に満たない小さな間は……
#68
○山本孝史君 それは分かっている。
#69
○政府参考人(岩田喜美枝君) はい。
 具体的な削減率の決め方につきましては、何を考慮に入れるかということについては再三御答弁申し上げているとおりでございますが、それを数式的な計算式として検討できるかどうかということについては、そのことも含めてこれから検討したいと思います。
#70
○山本孝史君 ここはやっぱり一番の問題だと思うんですよ、私。百三十万円にしたのも乱暴だと思うけれども。
 五年たったら元々打切りにしようと思っていたと、それを何か権利ではなくてお恵み的に半分だけでも出してやるからいいじゃないかという話では全くないわけですね。今ですら非常に細々としているやつを更に減らすという中で、どうなっていくか分からない。将来、母子家庭にとってこれは非常に不安なことだというふうに思います。
 昭和六十年改正のときに七年で打切りにすると、七年で打切りにするけれども、しかしながら義務教育を終了するまでは出すんだという、こういう仕組みになっていたわけですね。私、やっぱり義務教育は、先ほど円さんも御指摘ありましたけれども、私も一生懸命申し上げて、十八の年度末までにしようと。公務員の扶養手当が十八の年度末まで先になって、その後ようやく年金改正の中で十八の誕生月だったやつが十八の年度末までになった。高校三年生になった途端に児童扶養手当が切られるんだと残りの一年間どうするんですかと長年、母子家庭のお母さん方が言ってきて、ようやく年度末になった。
 私は、そのことをもってして義務教育というのは高校終了までを言うんだと、私はそういう理解をしております。したがって、今度も五年、七年という話ではなくて本来やっぱり義務教育終了まで出す、出し続けるというのが本当の姿で、しかも、それもこれだけ低くなった金額ですからそのままで私は行くべきだと思うんですが、五年後の減額率、どうしても下げたいという御答弁でございます。
 その前に、平成十四年度の予算、この関係の予算について、あるいは十五年度の予算について御答弁をいただきたいというふうに思いますが、と申しますのは、平成十三年度当初予算、六十九万人対象で事業費ベースで二千六百二十一億円でございました。途中で離婚家庭が大変増えたということで、決算ベースは七十六万人で、補正予算を組みまして二千八百二十三億円これに要しました。
 平成十四年度の当初予算、七十二万人で組んでおりまして、金額は二千六百十七億円ということになっております。平成十三年度の決算ベースよりも既に当初予算ベースではるかに下回る予算立てをしている。これは予算を作る段階でそれまでのトレンドを含めて考えますからこういう差ができてくるんだと思いますけれども、当然、今年度の児童扶養手当にかかわる予算はもう既に足りないという状態になっていて補正を組まざるを得ないというふうに考えますが、そのように理解をしてよろしいでしょうか。大臣、大臣、どうですか、補正予算。
#71
○国務大臣(坂口力君) 今お話しになりましたのは十五年度予算のことでしょうか。十四年度予算、十四年度の予算……
#72
○山本孝史君 十四年度予算。
#73
○国務大臣(坂口力君) 十四年度につきましてこういうふうに既に予算が取れてあるわけでございますが、これで足り得るかどうかということは今のところまだ明確でございません。
 それで、もしもそこが足らないということになればそれは補わなければならないということでございますから、今後この経過を見守っていきたいと思っております。
#74
○山本孝史君 絶対足りない、足りないんですよ、これ。平成十三年度の決算ベースで七十六万人で二千八百二十三億円なんです。今年は七十二万人で二千六百十七億円しか組んでいないんですから、このままでいけば当然足りなくなると。私は、当局もそうおっしゃっておられましたし、補正を組まざるを得ないんですと、こういう御答弁でしたので、当然組んでいただける、組まざるを得ないだろうと、こういう御答弁でございますけれども。
 そうすると、先ほど大臣お触れになった来年度以降ですが、平成十五年度の概算要求は七十七万人で二千五百二十八億円というふうに聞いておりまして、制度改正があって今年よりも減っているわけですが、多分これでも私は十五年度足りなくなるだろうというふうに思います。
 さて、問題はそこからなんです。これから先、離婚家庭は年間五万人ずつ増えていくだろうと、厚労省はそういう見通しをお示しになった。それに伴って児童扶養手当は当然増えていくということが予想される。それは自然増ということですからというふうに大臣もおっしゃっておられて、私もそうなっていくと思います。その自然増にかかわる部分すら確保できなくなるのではないかというのが私の懸念でして、今後こういう状況の中で予算要求枠、予算が足りない、毎年補正を組まなきゃいけないというような状況になったとすれば、今後更に所得制限を見直すと、ましてやと思いますけれども、この百三十万円の金額を更に低くするというお考えもお持ちになるんでしょうか、大臣。
#75
○国務大臣(坂口力君) 衆議院の段階でもお答えを申し上げましたけれども、この自然増の部分は今後とも確保をしていきたいと思います。
#76
○山本孝史君 自然増は制度改正が前提になっての自然増ですから、増えていく、何をもってして増えていくのかは改正をしていけば、ちっちゃくしていけば当然自然増は少なくなってくるわけで、だから、私が申し上げているのは、所得制限を厳しくすることはあり得るのかと。こういうことについてはないという御答弁と理解してよろしいですか。
#77
○国務大臣(坂口力君) そのように理解をしていただいて結構でございます。
#78
○山本孝史君 もう一つ、そうすると、五年から先の減額率の問題ですね。どうやって減らすのをするかということになると、今、所得制限は見直さないとこうおっしゃったので、じゃ、予算の範囲内で減額率を幾らに算定するかということを厚労省の担当者が机の上で鉛筆なめなめしながらその率を考えていくと、こういう理解してよろしいんでしょうか。
#79
○政府参考人(岩田喜美枝君) それは国会で御答弁、何度も申し上げておりますように、自立支援策の様々な効果を見ながらということを申し上げておりますので、また母子福祉団体その他関係者の御意見を十分いただきながら、納得をいただきながら削減率を定めていくというふうに申し上げているところでございますので、内部だけの事務的な作業で済ませるつもりはございません。
#80
○山本孝史君 自立支援策が功を奏したということは何をもってして判定しますか。
#81
○政府参考人(岩田喜美枝君) それもこれから詳細には検討いたしますが、例えば働いている方の比率、そしてその中で正規社員で働いている方とパートタイマーで働いている方の比率、そしてそれらの方たちの年収がどうなっていくか、別れた夫からの養育費の支払われる比率、またその額がどういうふうになっていくかなどを見てまいりたいと思っております。
#82
○山本孝史君 申し上げているように、離婚家庭が増えるということだけは確実です。養育費の確保策についてはまだこれから先数年掛けて検討しますと言っている。だから、この部分も進展がないということは明らか。
 生活の自立自立とおっしゃるんだけれども、申し上げているように、パート労働、百三十三万円で自立なんてしていないですよ、そんなもの。どこ削ろうかと思っているんだから。まずは着る物は買わないでしょう、新聞取らないでしょう、交際費一切なしでしょう、外食しないでしょう。子供たちが一体休みになったらお母さんどこ連れていってくれるのということを言われるのが一番つらいというのが母子家庭でしょう。そういう状態の中で、削るところ削れるところ全部削り切って、それでこのお金で何とかして子供だけを育てようと思って頑張っているわけ。
 その策がどれだけ今後改善されるのか。景気の状況を見ていけば、これから先そう母子家庭のお母さん方に仕事が回ってくるとは正直思えない、申し訳ないけれども。それほど日本の企業は冷たいから。
 だから、そういう状況の中で、申し上げているように、どうやって改善されるのか。パート労働の方が増えているんですからね、我々の調査でも。それほどに厳しい状況の中で、どうすれば自立したというふうに御判断されて、それで減額率を更に考えようかというのか。
 だから、どこをスタートにして減額率を考えるんですか。一〇〇%をスタートにして全額を支出しますというところからスタートして考えていくこれから五年先の中で、何をもってして改善されたかというと、百三十三万円が百三十五万円になったって、私はそれは改善されたと思えないんですよ。
 例えば今の、じゃ、パート労働の百三十三万円が幾らになったら改善されたとあなたは理解するんですか。
#83
○政府参考人(岩田喜美枝君) それは考慮すべき要素がたくさんございますので、パートタイマーの平均収入の百三十万が幾らになったら自立することになるかというのは大変お答えするのが難しいことでございます。
 ただ、この制度が目指しておりますのは、何とか児童扶養手当によらなくても母子が安定して生活できるようにということで、それはこの制度の仕組みを見ていただいたらお分かりのように、年収三百六十万、母子、親一人子一人の場合ですが、年収三百六十万の給与所得をもらうようになれば児童扶養手当から全く脱却していただくということでございますので、そういう姿が目指すべく、取りあえずの目指すべく自立の姿ではないかと思っております。
#84
○山本孝史君 時間になりましたので、この審議、また私も質問に立たせていただけると期待をしておりますけれども、やっぱりもっと母子家庭の生の声に耳を傾けていただきたい。
 今、法務大臣やっております森山眞弓さんも元は労働省の婦人少年局長ですね。私に言わせれば、自ら母子家庭のことを考える立場にいて、今、法務大臣として日本の民法を考えられる立場にいて、この間の国会答弁は、もう民法で既に扶養義務は手当てされておりますのでそれ以上の必要性はありませんと、こういう答弁でしょう。
 だから、私は、厚生労働省のお役人の方たちは、やっぱり役所の中にいるんじゃなくて、本当に困っておられるお母さん方の声をちゃんと聞いて、それで何をもってして自立というんだと。働いている人たちに、あなたたちは自立していますと、こう言えるんだったら言ってみなさいよ。そういう状況じゃないということを御指摘申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#85
○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#86
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。
 議題になっております母子及び寡婦福祉法等の改正法案について御質問させていただきたいと存じます。
 当初、私、今日、一番最初に質問させていただけるものと理解しておりまして、質問通告を法案全体にわたる感じで政府の方に通告させていただいたんですけれども、ちょっと順番がこういうことになりましたので、若干午前中の質疑と重複するところが出るかもしれませんが、お許しをいただきたいと存じます。
 御案内のように、母子及び寡婦福祉法、この沿革を振り返ってみますと、これは当初は、昭和二十七年の戦争未亡人対策として母子福祉資金の貸付等に関する法律、これが制定されました。そして、その後、昭和三十九年に母子福祉法に、そして更に昭和五十六年に今日の母子及び寡婦福祉法が制定されると、こういった経緯をたどってきたわけでございます。このようにその時代時代の要請にこたえまして的確な母子家庭対策等を取るべく、政府を始めとする多くの関係者の多大なる努力がなされてきたわけでございまして、今回この母子寡婦福祉法、かなり内容の豊かな、大きな改正が提案されたわけでございます。
 大臣の提案理由説明にもありましたとおり、父子家庭までこの法律の対象に入ってくるということで、父子家庭に対する子育て支援、これをも含むような、抜本的なといいましょうか、制度の充実が図られることとなっているわけでございまして、しかし、衆議院のこの法案に対する審議等の記録を見させていただきますと、あるいは今日の午前中の質疑も若干聞いておりますと、どうもこの法案は、児童扶養手当の支給総額を抑制するという意図でそういった法案を出してきたんじゃないかというような、そんな見方もちょっと一部見え隠れするような気がしたわけでございますけれども、改めて今回の改定の目的を簡潔に御説明いただきたいと存じます。
#88
○副大臣(鴨下一郎君) 副大臣を使っていただきまして、誠にありがとうございます。
 午前中からの御審議の中にもありましたけれども、今回の改正は、一つは離婚等の大変な、増えてきていると、こういうようなことで、先生今おっしゃっていたように、歴史的な経緯からいいますと、母子家庭をめぐる状況が非常に変化してきたと、こういうようなことに対応していこうじゃないかと、こういうようなことでの今回の改正でございまして、まずはその自立を促進していくということが大きな目標であります。
 そのために、子育て支援策、そして就労支援策、さらに養育費の確保策、さらに経済的支援策などについて総合的に展開して母子家庭を支えていこうと、こういうようなことでございまして、児童扶養手当制度の見直しもその一環として行うものでありまして、児童の福祉や自立が困難な者に対しましても母子家庭の自立が一層促進されるよう、さらにこの制度そのものが母子家庭が増加してもなおかつ持続可能な制度にしていこうと、こういうような趣旨での改正でございます。
#89
○藤井基之君 分かりました。
 そこで、今回の改正の背景といいましょうか、現状認識というものを改めてさせていただきたいんですが、現在、母子家庭の世帯数とかあるいは児童扶養手当の受給者数というのはどういうふうになっているのかというのをお尋ねしたいと存じます。
 御案内のように、今年の一月に発表されました国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、少子化によりまして我が国の十四歳以下の人口というのは、これは中位推計ですけれども、現在千八百十二万人でしょうか、この数字は平成二十五年には千六百五十六万人と、百五十万人以上減少すると見込まれている。そして、女性の平均初婚年齢、二〇〇〇年には二十四・四歳でしたけれども、これが五十年先になりますと二十七・八歳になるという、今後も高齢化していくとの推計が発表されているわけです。
 このような状況から考えますと、長期的に見た場合には、児童扶養手当の受給者数とか母子世帯数というのもあるいは減少するんじゃないだろうかと、こんな見方もあるわけです。しかし、その一方で、御案内のとおり、最近の我が国では離婚が急増しておりまして、核家族世帯であるとか母子世帯というのは増加しているわけです。このような時代的な風潮というものはなかなか止まりそうにない、今後も引き続きまして母子家庭というのは増え続けると、こういう見方が圧倒的なわけですね。
 今回の提案の理由にもそのような理由が述べられているわけですが、近年における離婚の状況、それから厚生労働省は将来的に母子家庭数がどのように推移するというふうにお考えになっているのか、その辺についてお聞かせいただきたいと存じます。
#90
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、離婚件数ですけれども、近年増加しておりまして、平成十二年では、約一年間で離婚した件数ですが、二十六万件、平成十三年は二十九万件ということで過去最高になっております。
 離婚された夫婦の中で子供がいらっしゃるのが約六割、そして子供がいる場合に母親の方が子供を引き取って監護するケースが約八割ということでございますので、六割に八割を掛けますと約離婚件数の半数が母子世帯を生んでいるということになります。
 母子世帯数は五年に一回調査いたしておりますけれども、平成十年は九十五万世帯、その五年前は七十九万世帯ということですから、これまた大変大きな増を示しております。
 こういった中で、児童扶養手当の受給者数ですけれども、平成十二年度末では約七十一万人、平成十三年度末では約七十六万人ということで、受給者数がこの一年間で約五万人増加をいたしております。
 今申し上げましたような離婚件数、母子世帯数の増加、児童扶養手当受給者数の増加、こういう傾向は引き続きしばらくは続くのではないかというふうに見ております。
#91
○藤井基之君 母子家庭の母親の方々というのは、どうもいろいろな資料を読ませていただきますと非常に就労意欲が高いんだということ、約八割の方が就労されているということでございます。しかし、御案内のように、昨今の景気の低迷から、就労経験とか実績がある男性の方ですら就職が困難な状況が今来ているわけですね。
 厚生労働省は、今お話にありましたように、今後離婚の増加傾向は変わらないし、母子家庭の数も増えていくだろうと、こういうことで今回の法案を用意されている。そして、この法案の本質的なことを考えますと、将来の本制度の在り方というのを考えると、母子家庭世帯の自立を図るといいますか、このことが何よりも大切な支援策になってくるんだろうと思うんですね。
 そこで、まず現在の母子家庭の母親の就業状況、特に、今日も午前中にも議論になっておりましたが、常用雇用とパートの割合の問題であるとか収入の状況等について改めて御説明いただきたいと存じます。
#92
○政府参考人(岩田喜美枝君) 厚生労働省が実施しております全国母子世帯等調査、平成十年の調査によりますと、母子家庭の母親の約八割が就労しております。この就労の内訳を雇用形態別に見ますと、常用雇用者が五一%、臨時、パートが三八%というふうになっております。
 母子世帯の平均年収は、同じ調査で見ますと、平成十年の調査ですが、二百二十九万円となっております。この母子世帯を更に正社員とパート、アルバイト等に分けて収入状況を把握するためには別の調査によらざるを得ないわけですが、平成十三年の日本労働研究機構が実施しました母子家庭に関する調査におきますと、有業の母子家庭の就労による年収は平均で二百四十五万六千円でありましたけれども、正社員の場合は平均で三百四十二万七千円、パート、アルバイトの場合には百三十三万三千円となっております。
#93
○藤井基之君 母子家庭のお母さんが現実に職を得るためには、母子家庭の身になって職業紹介をなされる、こういった仕組みが非常に大切になると思うんですね。今回提案されておる改正法の二十九条第二項に、「公共職業安定所は、母子家庭の母の雇用の促進を図るため、求人に関する情報の収集及び提供、母子家庭の母を雇用する事業主に対する援助その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。」と、こういうふうにあるわけですね。公共職業安定所は具体的には、じゃどのような支援を進めているんでしょうか。
 また、母子家庭が、今御説明ありました低所得だという理由というのは、非正規職員だとかパート労働の割合が高いということ、あるいは幼い児童がいることによって常勤が困難だというような状況、いろいろな状況があると思うんです。でも、この母子家庭の場合、一般女性の場合でも確かに所得が低いということが言われているんですけれども、一般女性の雇用と比較しても、パートであるとか非正規職員の割合が多くなっているのではないかと思うんですね。
 この母子家庭の母親の就労形態を改善していくためには、母子家庭独特の母親に対する政策とともに、その根本にあるような男女雇用機会の均等の実現であるとか賃金格差の是正であるとか、また正社員とパート労働の格差是正と、こういったことの総合的な労働対策というものも必要と思いますが、この点について、副大臣、どのようにお考えでございましょう。
#94
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、公共職業安定所がいかに母子家庭の母親に対して支援していくかと、これは極めて重要な視点だろうというふうに思いますし、従来からそういう意味ではきめ細かな言ってみれば職業相談、それから職業紹介の実施については今までもやってきたところでありますけれども、これからは更に、この法の改正に伴いまして、特に無料職業紹介を行う母子寡婦団体等に対しましても、これからは今まで持っていた公共職業安定所の職業紹介のノウハウのようなものをいかにこれから研修をして分かっていただくかと、こういうようなことも進めていくと、こういうようなことでございます。
 また、先生御指摘のように、確かに母子家庭の母はパート等の就労が多いということは事実でございまして、特に約四割、三八・三%がパートでありまして、全女性の三二・四%と比較してもその割合は非常に高くなっているわけでありますので、そういう意味で、できるだけハローワークの施策を通して、さらに今回改正のいわゆる就労支援策を総動員して、総合的に母子家庭の母親に対して常用雇用に転用できるようにというようなことを推進してまいりたいと、こういうことを考えております。
#95
○藤井基之君 ありがとうございます。
 厚生労働省の事業としまして、就職が困難な者に対して公共職業安定所等の紹介によって継続して雇用する労働者として雇い入れる、そういった事業主に対して支給するところの特定求職者雇用開発助成金という、こういう制度があるというふうに聞いております。この制度は、しかもこれは母子家庭のお母さん等もこれらの制度の対象になっているというふうに伺っているわけです。
 これまで母子家庭の母に対するこの制度の適用状況、これはどういう状況か、また今後これらについてよりその実効性を上げていくにはどのような施策をお持ちなんでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#96
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃる特定求職者雇用開発助成金は、高齢者や障害者など、特に就職についてなかなか困難な方々の雇用機会の増大を図るということが目的でありまして、これらの方々を雇い入れた事業主に対して賃金の一部を助成すると、こういうようなことでありまして、母子家庭の母もそういう意味では対象になるわけであります。
 今、適用状況について示せというようなことでありますが、ここ最近は伸びてきておりまして、平成十三年度には対前年度比で一二%増の二万一千三百七十八件、六十三億円の支給を行いまして、平成十四年度の予算においては二万七千七百七十三件で百六億円の計上をしているところであります。
 これからもこの助成金を更に活用しながら、またハローワーク等においても、こういう助成金があるというようなことについてのリーフレットの配布だとか、ホームページを通じてできるだけ多くの方に知っていただく、さらに事業主に対しての説明会の開催や寡婦等担当職業相談員による活用促進など、あらゆる手を使って本助成金の実効が上がるようにしてまいりたいと、このように思っております。
#97
○藤井基之君 副大臣の非常に前向きな御答弁、期待をしたいと思います。
 今回、改正法の二十八条で、母子家庭の自立支援のための環境整備の一環としまして、母子家庭の児童の保健所への入所に関する記述がございます。母子家庭の児童の保健所への入所に関しては特別の配慮をすることになっていると、こういうことでございますが、これは具体的にはどのような方策をお考えなのでしょうか。
#98
○副大臣(鴨下一郎君) 今回の改正では、安心して子育てができるサービスと生活の場の整備、こういうような大きな柱がございますけれども、母子家庭の皆さんが安心して子育てして、そしてさらに働くというようなことができるようにできるだけ児童の保育所への入所を適切に行っていきたいと、こういうようなことでありまして、特に今回の法案においては、保育所への入所選考に際して、市町村は母子家庭等の福祉が増進されるように特別の配慮が必要であると、こういうようなことを規定したところであります。
 また、保育所への入所選考に際しての特別の配慮には、母子家庭の母が就労・求職活動、職業訓練等を行っている場合については、これらの活動を行っている他の家庭の児童と比較して優先的に取り扱うというようなことを想定しているわけでありますけれども、その具体的な方法、基準についてはそれぞれの市町村がその実態に応じて適切に対応してもらいたいと、こういうようなことでございます。
#99
○藤井基之君 済みません。私の方がちょっと保育所と言うべきところを保健所と間違って、失礼いたしました。答弁で直していただきまして、ありがとうございました。
 次に、午前中も大分議論がございましたが、児童扶養手当の問題について御質問させていただきたいと存じます。
 離婚が増えるということで、この先児童扶養手当の受給者が少なくともこの短期的な状況を見ると増加していくだろうというふうに思われているわけですね。そのために必要な国費というものも、これも当然増えていくということだと考えられるんですが、この受給者の増加に伴って、今後これに必要な予算額というものをどのように見込んでいらっしゃるんでしょうか、御説明いただきたいと存じます。
#100
○政府参考人(岩田喜美枝君) 毎年約五万人程度受給者が増えるというふうに見込んでおりまして、五万人の増加で約百七十億予算が余分に要るということでございますので、この先そういった予算がしっかり確保できるように努力したいと思います。
#101
○藤井基之君 今回の児童扶養手当の見直しの関係ですが、改正法の十三条の二において、扶養手当の受給開始から五年若しくは離婚等の受給要件に該当するときから七年を経過した場合、最大で二分の一まで児童扶養手当を減額することができると、こういったような法定をされてきているわけでございます。この児童扶養手当の減額というのは、それは母子家庭によってはやっぱり大変厳しい措置になるのではないかと非常に心配があるわけでございまして、その御懸念が今日の午前中の質問にもあったわけでございます。
 この具体的な児童扶養手当の減額の割合というのは政令で定めるとされているわけですね。これについて、午前も質問ありましたけれども、具体的に、今検討中であることは重々分かっておりますけれども、どのような減額率をこの先想定されるのか、またそれはいつごろ定める予定なんでしょうか。特に、働く意欲があってもなかなか仕事に就けないような母子家庭の方については、何か特例的な措置というものがこの政令の中で書き込むことができるんでしょうか。この点について御意見をいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(岩田喜美枝君) 具体的に措置の減額率については政令で定めるということにいたしておりますけれども、この政令は、法律施行後の子育てや生活支援策、就労支援策、別れた夫からの養育費の確保対策、そういったような自立支援策がどの程度効果を上げることができるかといったような状況も見ながら検討していきたいというふうに思っているわけですけれども、最初の該当者が出ますのが法律施行後の五年後でございますので、それまでに十分な時間的な余裕が持てるよう、施行後三年目とか四年目とかそういうイメージでしょうか、そのころに検討し制定しておきたいというふうに考えているところでございます。
 その場合に、お子さんが三歳未満の場合についてはこの五年間に、三歳になるまでは五年間のカウントを始めないということにいたしておりますし、障害や病気を持っているということで就労することが難しいという方についてはこの措置を適用しないというふうにいたしておりまして、具体的にどの範囲の方を適用しないかということについても法律施行後、政令で定めるということにいたしております。
#103
○藤井基之君 厚生労働省が今年発表されました母子家庭等自立支援対策大綱、これによりますと、五年後の実施に当たっては、今、局長から御説明ありましたように、子育てとか生活支援、就労支援等の支援策の進捗状況であるとか離婚の状況等を踏まえて、十分な時間的余裕を持って減額措置を制定すると、このように書かれているわけでございます。
 まず、この大綱にもあるし、あるいはこれから政策的にもそういうふうにされると言われている五年というインターバル、いろいろな意味で、例えば時限的な取扱いをするときに五年というのは多く使われる数字なんですけれども、この今回の法改正において、五年という期間はどのような経緯があって、あるいはどのような見通しからまずこの五年というのは制定されたのでしょうか。
 それから、五年を経た段階における見直しのためにいろいろな手段で実情というものを捕捉しなければいけない、把握していかなければいけないわけですね。これについて、やはり通り一遍の調査等ではなかなか実情が分からないではないか。特に、いろいろな形で、これはプライバシーの問題等もあって、単純に、何というんですか、国勢調査みたいに調べますというわけにはいかない内容を含んでいるわけですね。これについて、厚生労働省、どのようにお考えなんでしょうか。
#104
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭に対する施策につきましては、今、委員が言われましたように、子育て支援策、養育費の確保策、経済的な自立支援策など、総合的に推進をするということといたしまして、その一環として、児童扶養手当についても、離婚などによる生活の激変を一定期間で緩和をし、その間に自立のための努力を最大限していただきたい、それを支援するという、そういう制度に見直しをすることといたしております。
 児童扶養手当の受給期間の現状を見ますと、これは平成十一年に都道府県等を通じて把握いたしました行政ベースの業務統計でございますけれども、一年未満が一四・五%、二年未満が一四・五%、三年未満が一二・二%、四年未満が一〇・二%、五年未満が八・七%、六年未満が七・四%、七年未満が六・〇%、七年から十年が一二・三%、十一年から十五年が一一・九%、十五年以上が二・四%となっております。
 お時間を今日ちょうだいして具体的に述べさせていただきましたけれども、これは業務統計であるということもあって国会で御説明したことがこれまでございませんでしたので具体的に数字を挙げて御紹介させていただきましたが、これによりますと、平均受給期間が約五年というふうになっております。そういうことで、生活の激変を緩和するための期間を考えるときにこの五年ということを一つの目安といたしたものでございます。
 また、委員が後半の部分で御指摘なさいましたように、母子世帯の実態把握の方法ですけれども、これまでに実施してまいりました五年に一回の全国母子世帯等調査や日本労働研究機構による特別調査などでこれまで把握いたしてまいりましたけれども、今後はより一層その実態を適切に把握することが必要であるというふうに思いますので、全国母子世帯等調査を中心に、調査の内容の設計ですとか調査の時期ですとか頻度ですとか、そういうことについては工夫を凝らしてまいりたいと思います。
#105
○藤井基之君 今、その五年という期間設定の裏付けとなる、もちろんそれだけで決められたとは思いませんけれども、数字をお示しいただきまして、ありがとうございました。衆議院のときの審議等を見ますとこの辺りが余り明確でなかったように思いまして、これだけの情報をいただければ、この五年というものの意味というものがある程度、その妥当性というものが分かったような感じがいたしました。ありがとうございました。
 続いて、児童手当の問題はこのくらいにさせていただきまして、これもいろいろと議論がありますが、養育費の問題について御質問させていただきたいと存じます。
 母子家庭の経済的な基盤を確立するために、離別した母子家庭の場合、別れたお父さんといいますか父親から支払われる養育費が、これがある意味で収入として非常に大切なお金になってくるわけでございます。しかし、これも厚生労働省にお伺いしたところ、養育費について現実に現在取決めをしているよという、そういう世帯というのは全体の大体三五%程度しかないんだと。しかも、そのうち養育費を継続して受給している割合というのはその二割ぐらいしかないと、こういうようなことをお伺いいたしました。
 子供の養育の責任というのは、たとえ離別しましても、父親にもあるし母親にもあるわけでございまして、父親の養育費の支払義務というのは法律上にやっぱり明確にすべきではないかというふうに考えます。
 この点について、今回の改正法の第五条におきまして、母子家庭等の児童の親は、当該児童の養育に必要な費用の負担等について扶養義務を履行するよう努めなければならないと、こういうふうに、ある意味でこれは努力的な義務とでもいいましょうか、そういった規定がなされたわけでございます。
 私ども、やはり憂いますのは、こういう努力規定の法定によります実効性をどのように確保していくかと、ここがポイントになってくると思うんですね。ですから、まずこれを、実効性を担保するための方策というものをお尋ねしたいと思います。
 また、養育費の支払の義務を励行させるためには、養育費について税制上の措置、例えば養育費の所得控除のようなもの、このような税制上の措置を併せて講ずべきではないかというふうにも考えるんですけれども、副大臣、いかがでございましょうか。
#106
○副大臣(鴨下一郎君) 先生が、養育費の実効性をどのように確保するのか、それから税制上の措置が必要でないかと、こういうような二点でございますけれども、今回の母子寡婦福祉法の改正案においては、国及び公共団体も、「母子家庭等の児童が心身ともに健やかに育成されるよう、当該児童を監護しない親の当該児童についての扶養義務の履行を確保するために広報その他適切な措置を講ずるように努めなければならない。」と、このように書いてあるところでありますが、このことにつきまして、養育費の支払いについてはできるだけ社会的な機運が高まるように、それから養育費の取決めや履行確保を促進するためにいろいろな措置を講じてまいりたいと。
 具体的には、養育費に関する広報啓発活動の推進や関係団体によるシンポジウムの開催、そして、午前中の御議論にもございましたけれども、ある意味での養育費の目安になるようなガイドラインの作成、こういうふうなことを進めていって、実効性あるものにしていきたい、このように考えているわけであります。
 また、子供を監護しない親が養育費を支払った場合に所得から控除できるといった税制上の措置については、現在、税制改正要望を提出しているところでありまして、これから税務当局とも協議をして、先生の御指摘のような方向で努力をしてまいりたい、このように考えております。
#107
○藤井基之君 ありがとうございました。
 続いて、日常生活支援事業について御質問をさせていただきたいと思います。
 母子家庭の母親というのは、家計の担い手であると同時に子供の養育を一人でやらなきゃいけないという、一人二役を演じているわけですね。母子家庭の自立のためには、仕事と子育て、これを安心して両立できるような、そういった支援をしてあげることが大切になってくるわけです。このために、第十七条において居宅における日常生活支援について規定をされているわけですが、日常的な子育て支援策としてはどのようにこの充実を図ろうとされているんでしょうか。
 それからまた、この同法改正案で、特にこれは父子家庭というものが今回法の対象になっているわけですね。この父子家庭に対する支援策、これについて、例えば、母子であろうと父子であろうと片親における状況というのは同じだという説もありますけれども、やはりいろいろ、困難の度合いというのは、母子家庭における非常に重要に考えなきゃいけない、そういった施策と、父子の場合にはやはりこういったことを中心に支援しなきゃいけないというのは、やはり違いがあるんだろうと思うんですね。これらの点を踏まえましてどのような対策を考えられているのか、御説明いただきたいと存じます。
#108
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員がおっしゃいますように、一人親家庭が安心して子育てと仕事を両立できるように支援することが大変重要であると考えております。
 このような観点から、今回の改正案では、一つは、市町村に対しまして、保育所の入所に際して特別の配慮を義務付けたということ。二つ目は、親が残業になったり出張になったり病気になったりといったときに子供一人置いていくということになりかねませんので、こういうときに子供を一時的に児童養護施設などで預かる事業がございます。数日間寝泊まりするのをショートステイ、夜間だけお預かりするのをトワイライトステイと呼んでおりますが、こういう子育て短期支援事業を法定化をするということをいたしました。また三つ目には、親が病気などのときに、家事や保育のサービスが必要になった場合に家庭生活支援員を派遣するという日常生活支援事業についても推進をしております。
 父子家庭につきましては、母子家庭と比べて何が困難かと申し上げますと、全国母子世帯等調査を見てもはっきり表れているわけですけれども、育児を含む家事ですね、家事が困難であるということを挙げる父子家庭が、大変その率が高いということが分かります。
 こういうような観点から、先ほど御説明しましたような各種の子育て支援策がございますが、これらは予算事業として従来から父子家庭に対しましてもその対象として実施をしてまいりましたけれども、今回の改正案では、法律の中で、母子寡婦福祉法の中で父子家庭を明確に位置付けまして、その上でこれらの子育て支援事業を父子家庭にも適用するということを法律上明確にいたしました。
 今回の改正を契機にいたしまして、母子家庭、父子家庭ともに子育ての支援対策の一層の充実を図ってまいりたいと思っております。
#109
○藤井基之君 改正法の第十三条に母子福祉資金の貸付け制度というのが規定されているわけですね。この制度の充実に向けて、今回新たに母子家庭の児童に対する貸付け制度の創設、これを図られたわけでございますが、この趣旨について改めて御説明いただきたいと存じます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
#110
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、今回の改正案では、これまで母親にしか貸すことのできなかった母子福祉資金貸付金のうち、特に児童本人が言ってみれば必要とする資金、例えば就学支度資金、それから修学資金、就職支度資金、修業資金ということにつきましては児童本人に直接貸し付けることができる、こういうようなことにしたわけでありまして、これはもう御存じのように、なかなか第三者の保証人が立てられないということで資金を調達するのがなかなか難しい場合が多いわけでありますので、そういう場合に母子家庭の母が言ってみれば保証人になれば児童本人に貸すことができる、こういうようなことで、言ってみれば第三者の保証人を必要なしに貸付金制度を使えるようにする、こういうようなことでありまして、言ってみれば母子家庭のお母さん方が要望なさっていたところの一つの大きなポイントだろうというふうに思っております。
#111
○藤井基之君 今おっしゃるとおり、今回の改正というのは、私は非常にこの制度をこれから先もっと広く活用していただくためには一つのいいアプローチだというふうに思っておりますので、その趣旨を踏まえた運用、つまり、手続論等に余りこだわらないと言うと言葉が、語弊があるかもしれませんけれども、やはり運用を、より借りられる方の状況を踏まえて借りやすくしてあげるという、そういう趣旨でこの法改正されていると思いますので、是非その方向で実行をお願いしたいと思います。
 改正法の第八条に移らせていただきたいと思います。
 八条では、従来の母子相談員というものを母子自立支援員というふうに名称を変えられたわけでございますね。今回の法改正の趣旨に沿った名称変更というような感じがするわけでございます。母子家庭の特に自立支援というものを側面から支えるものだということで、名前からしてそういうふうな意味合いが明確になってくるので、こういう命名も一つの方策かなと考えております。
 これに関係してお尋ねをしたいんですけれども、今までの母子相談員と言われる方、こういった方は実際には何人ぐらいいらっしゃってこの業務に携わっていらっしゃるんでしょうか。つまり、九十五万世帯、相談に応ずる必要が最大限出てくると思うんですけれども、この母子相談員という方はそれで本当に十分な数いらっしゃるのかどうか。
 また、厚生労働省は今後母子家庭が増加すると予想されているわけでございますよね。そうすると、今回新しくなる母子自立支援員とか、こういう方々の数を拡充していく必要が出てくるんじゃないかと思うんですけれども、これらについてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
#112
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十三年度末の母子相談員の総数を見ますと、全国で千二百二人でございました。
 母子相談員は、現在、都道府県、政令指定都市、中核市に配置されておりますが、今回の改正案によりますと、これらのほか、この母子自立支援員は配置の場所を拡大いたしまして、福祉事務所が設置されている自治体、市等にも配置をすることといたしております。
 母子自立支援員に要する経費は従前の母子相談員と同様に地方交付税で措置をされるということになっておりますので、母子自立支援員をこれから増員していただくために総務省の方と協議をしていきたいというふうに思っております。母子家庭に対して十分な相談体制が都道府県や市レベルで取れるように総務省の方に強く要望してまいりたいと思います。
#113
○藤井基之君 頑張っていただきたいと存じます。
 ただ、母子自立支援というのは、法八条に規定されているように、母子家庭の自立に必要な情報の提供、指導であるとか、職業能力の向上及び求職活動の支援という、今まで以上に大きな仕事に携わっていただくことになるわけでございますから、これらの職務を行うに必要な熱意と識見を持っている者から、都道府県、市町村というのはこの方々に依頼をするわけでございますね。そうすると、私は考えますのは、この趣旨に沿った職務を行うに必要な熱意と識見を持っている者、こういった人々を一体どのように確保していかれるおつもりなのか。また、こういった支援員になられたとしても、今度は支援者の方々に対してやはり支援のための体制を国としてあるいは地方自治体としても、それを強化していかなければいけないと考えます。いかがお考えでございましょうか。
#114
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子自立支援員の採用についてですが、非常勤職員と常勤職員を想定いたしております。非常勤職員につきましては、きめ細かな対応ができるよう、母子家庭の母親も含めてですが、広く民間から熱意のある方を適任者として採用をしていきたいというふうに考えております。他方、母子自立支援員の行う業務の中には専門性の高度なものもございますので、そういったものについては社会福祉主事などの資格要件を持っている方を任用する、常勤職員として任用するということが考えられているところでございます。
 母子自立支援員に対する支援策についてお尋ねがございましたけれども、厚生労働省自体があるいは地方自治体が研修会の機会を持っておりますので、この研修会の機会を拡充するということが最も大切かというふうに思います。
 また今般、母子自立支援員は、従来の母子相談員と比べまして、職業能力の向上や求職活動などの支援を行うということになっておりまして業務が拡大いたしております。そこの部分については特に公共職業安定所との連携が大事であるというふうに思いますので、公共職業安定所の職員との合同研修など、そういう工夫もしながら、母子自立支援員が十分に働くことができるように支援してまいりたいと思います。
#115
○藤井基之君 母子家庭等に対する日常生活の支援や子育てについての相談であるとか就業支援などの支援を行うために、これは行政が当然頑張らなければいけないわけですが、行政だけではやっぱり不十分になるわけですね。民間の関係者の方々との連携というものもこれも当然必要になってくるわけでございます。
 母子家庭等の自立支援に当たって、これまで母子福祉団体はどのような活動をしてこられたんでしょうか。また、厚生労働省として今後どのような役割をこういう民間団体に期待をされているんでしょうか。特に今回、先ほど御説明ありましたが、父子家庭もこの支援の対象として広く取り込まれてくるわけでございまして、そうした場合、今までいろいろと民間として中心になって頑張っていただいた母子福祉団体の方々が父子の家庭に対しても同様な支援が可能になっていくのかどうか、その点についても併せてお尋ねしたいと存じます。
#116
○政府参考人(岩田喜美枝君) 全国母子福祉関係の団体は、現在、各都道府県、政令指定都市に五十六団体ございまして、それが全国の協議組織を作っているわけでございますが、三十四万人の会員を擁しております。それぞれの団体は、財団法人、社団法人、社会福祉法人としての認可を受けているという、そういう団体でございます。
 これまで各団体は、それぞれの地域の母子福祉センターを拠点として行政が行っている母子福祉対策の中から様々な業務を受託をしてやってこられております。代表的なものを申し上げますと、介護人派遣事業、各種の相談事業、技能講習会の事業など、こういう事業を受託したり、また施設の運営なんですが、母子生活支援施設、保育所、児童館、老人福祉施設、こういった福祉関係の施設の運営の受託をされているケースがあります。また、さらには清掃業務の受託ですとか、公共施設の中での売店の経営などをやっておられたりしております。また、これらに加えて、近年では、幾つかの母子福祉団体では自らが無料職業紹介の許可を取って母子家庭の母親のために職業紹介をやるといった活動をやるところも出てまいっております。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 これからの期待でございますが、国、自治体、民間団体それぞれ役割があるというふうに思いますけれども、改正法に基づきまして、特にこの母子寡婦の団体に対しましては、新しい法律に基づいて都道府県等が実施をいたします母子家庭等就業・自立支援センター事業というのがございます。これは職業の相談から始まって職業能力の開発、実際の職業情報の提供まで一貫した就業のための、また自立のための相談、援助をする事業でございますが、こういった事業の全部あるいは一部を受託するということもどんどんやっていただきたいというふうに思いますし、また母子寡婦福祉団体自らが起業といいましょうか事業を起こして、そこで母子家庭の母親を雇用するというようなこともどんどんやっていただければというふうに思っております。
 委員がおっしゃいました、これからは特に子育て支援のところは父子家庭も対象として充実をさせないといけないわけでございますので、父子家庭にも十分な子育て支援サービスが行き渡るよう、母子寡婦福祉団体には特に留意をお願いしたいというふうに考えております。
#117
○藤井基之君 今回の法改正の趣旨説明におきまして、今回の改正には五つの柱があると、こういうふうに御説明をいただきました。そして、その五つの中の一つに国及び地方公共団体における総合的な施策の推進があります、こうも大臣から御説明をいただいたわけでございます。
 今回の改正法の第十一条におきまして、「厚生労働大臣は、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針を定めるものとする。」と規定されておりまして、また都道府県、市等の福祉事務所設置自治体は、母子家庭及び寡婦自立促進計画、これを制定するようになっているわけでございますが、この国の基本方針及び都道府県等の自立促進計画には具体的にどのような内容を盛り込むおつもりなんでしょうか。また、それはどのような手順に従っていつまでに定めるおつもりでございましょうか。副大臣のお考えを伺いたいと存じます。
#118
○副大臣(鴨下一郎君) 改正案の第十一条について、国の基本方針を定めなさいと、こういうようなことでありますが、今回の法案に基づき実施する子育て・生活支援策、それから就労支援策、養育費確保策、さらに経済的支援策が実際に密接に効果的に実施されるようと、こういうような目的で基本方針を定めると、こういうようなことでありまして、厚生労働大臣が定める基本方針の中には、一つには、母子家庭及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項として母子家庭等の数、所得、就労率等の動向を見なさいと、それから二つには、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項としまして母子家庭等対策の基本的方向性及び目標、国、地方公共団体の役割分担と連携、福祉と雇用の連携、そしてさらに重点施策として子育て支援、生活環境の整備、就労支援策、養育費の確保、児童扶養手当、母子寡婦福祉貸付金等の経済的支援、相談体制の強化、三には、都道府県等が作成する計画の指針となるべき事項、その他としまして、母子寡婦団体との連携、従事者の資質の向上等が厚生労働大臣が定める基本方針としてうたわれているわけでありまして、さらに都道府県等が策定する計画としましては、母子家庭及び寡婦の家庭生活及び職業生活の動向に関する事項、二つに、母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のため講じようとする施策の基本となるべき事項、三に、福祉サービスの提供、職業能力の向上の支援その他母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のために講ずるべき具体的な措置に関する事項、その他としまして、母子寡婦団体との連携、従事者の資質の向上、こういうようなことがそれぞれ国及び都道府県等に計画を立てると、こういうようなことになっておりますが、この策定に当たっては、先ほど申し上げましたように、母子福祉団体やNPOを始めとした母子家庭対策に関する様々な方々の御意見を幅広く伺った上で策定してまいりたいと、こういうふうに考えますし、この策定の時期としては、国の基本方針が策定され次第できる限り速やかに策定していくというふうなことを都道府県にもお願いしているわけでありまして、国としては来年の四月ぐらいまでに策定をしていきたいと、こういうふうに考えております。
#119
○藤井基之君 先月の、ちょうど今から一月ぐらい前でしょうか、十月の十七日に一つのニュースが報道されました。それは、岡山県の倉敷市の県営住宅で女の子、十一歳の方が餓死しているのが見付かったというんですね。この家庭は母一人子一人の母子家庭だと。経済的な困窮から十一歳の女の子が餓死してしまった。そして、その母親が扶養義務違反で逮捕されるという、そういった事件が報道されました。
 経済的な停滞が続いていますけれども、日本というのは世界でも豊かな国なんだと、こういうふうに私は考えて信じておりました。ただ、このような悲惨な事件が今の時期においても発生したということで非常に残念でなりません。母子福祉対策あるいは生活保護といったような福祉政策、この存在がこれはひょっとしたら必ずしも国民皆さんの間に徹底していないんじゃないか、あるいは御存じない方もいらっしゃるんじゃないかと、そんなことまで懸念をせざるを得ない状況でございました。
 このような悲劇が再び繰り返されることのないように、母子福祉対策の一層の充実であるとか国の福祉政策、これらにつきまして特に国民等に対して広報も徹底しておく必要があるし、行政もそれを法に従って的確な運用をしなければならないんだろうと思いますね。
 御案内の、今回の改正では、法の題目こそは母子寡婦福祉法のままでございましたけれども、法の目的に母子家庭等ということで父子家庭への実は支援もこの法律に取り込まれてきたわけでございますね。こういった新しい施策が時代時代に伴ってこの法の中に取り込まれてきているわけです。これらについても是非努力して、いろいろと関係者の努力等によってPRして国民にも関係者にもみんな知っていただいて、この制度というのを皆さんでせっかく作った以上はちゃんと活用していこうじゃないかと、こういった機運が是非とも必要だと思うんですね。
 私は、厚生労働大臣、今お着きになられたばっかしでございますので大臣に聞くのはあれだと思いますので副大臣にお尋ねしたいと存じますけれども、この法律、私は非常に重要な点が、時代に沿って正にこれから母子福祉対策上重要な、根幹になるようなことが幾つも改正法案の中に入っていると思うんですね。これの施行に当たります厚生労働副大臣の御決意をお尋ねさせていただきまして、質問を終わりたいと存じます。
#120
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生が御指摘になったようなケース、大変痛ましくて我々心を痛める次第でございます。
 そういう中で、母子福祉対策については様々な施策を動員してそしてやってまいりたいと、こういうふうなことでありますけれども、特に今回の法律に盛り込んでいる母子家庭対策等については、今、先生おっしゃっているように、より多くの方々に使っていただかなければ意味がないわけでありますから、そういう意味での福祉事務所の設置自治体に母子自立支援員、こういうような方もいらっしゃるわけで、そういう方々に積極的に言ってみれば情報も収集してもらわなければいけませんし、さらにいろんな意味で総合的に相談に乗っていただくような、こういうようなことも推進していかなければいけないわけでありますし、また児童扶養手当の支給申請時の相談だとか情報提供のときにも言ってみればそういう様々な情報をいただくと、こういうようなことを含めて、せっかくこうして改正をお願いしているわけでありますので、実効あるものにしていかなければならないと思いますし、できるだけ、今、先生から多岐にわたって御質問をいただいたわけでありますけれども、そういうすべての分野について、母子家庭のお母さんそしてお子さん方が、より自立でき、なおかつ安心して生活できるような形で今回の改正案を使っていただかなければいけないわけでありますから、広報にも努めてまいりたいと、このように考えております。
#121
○藤井基之君 ありがとうございました。
 終わります。
#122
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。
 大臣には大変御苦労さまでございます。
 今年の八月、私はある女性のみの研修会に伺わせていただきました。そこで、「女性と年金」という題で創作劇がありまして、女性が一生涯を通して本当に様々な人生模様があることを演じたものでありました。生涯専業主婦で人生を全うされる方、人生の途上で御主人に死別される方、また様々な理由で離婚され、母と子供で強く生き抜かれる方、また自己の才能を生かして仕事に喜びを見いだして生きられる方等々、女性の方々が想像もしていない悲喜こもごもの場面に遭遇する中で、たくましくユーモラスに生き抜く人生の創作劇でありました。
 私はこれが現実の女性の生活実像であろうと思いました。私たち政治家は、その生活の実像をきちんととらまえて、その様々なライフスタイルに公平な政策を進めていくべきではないか。それぞれの生き方にいろいろ言う方がいますけれども、政治はそうではいけない、一人の女性の生活実像にきちんと対応していかなければならないと強く感じた次第でございます。
 そこで、厚生労働大臣、御着席になって早速でございますが、近年、離婚の増加とともに、それに並行して母子家庭も年々増え続けて、現在九十五万世帯を超えております。この社会的背景についてどうお考えでいらっしゃるか、御見解を伺えればと思っております。
#123
○国務大臣(坂口力君) 少し、衆議院の本会議でございまして、遅れて参りまして、お許しをいただきたいと思います。
 今お話がございました、離婚がなぜ増えて、そして母子家庭がなぜ増えるかということは、なかなか一言で言い切れない問題だというふうに思いますが、一つは離婚に対する全体の考え方も変化をしてきているのではないかというふうに思いますし、また女性の皆さん方も自立をされる方々が増えてきているということもあるいは関係しているかもしれないという気もいたします。
 いずれにいたしましても、せっかく結婚をされた方々が離婚をされる、あるいはまた病気で死別をされるというのはまた別問題でございますけれども、そうしたことが増えていることに対しまして、やはりそれに対応した施策というものをやはり心掛けなければならない、そんなふうに思う次第でございます。
#124
○沢たまき君 これからはますます多様なライフスタイルが拡大していくのではないかと思います。けれども、親が子供の養育に対する責任をきちんと果たすことは当然です。
 私は、離婚後の養育費の支払が低い最も大きな理由は、やはり非監護者、すなわち母子家庭の子の父親の責任に対する我が国の法制度が甘過ぎるのではないかと思っています。したがいまして、母子家庭に対する支援策を講ずることのみではバランスを欠くことになるのではないでしょうか。その点、非監護者の責任と母子家庭の母と子に対する支援と両面の法制度がきちんと並行して推進される必要があると思っております。
 昨年、最高裁の調査によりますと、家庭裁判所の離婚調停では、子供の養育費の支払を約束しながら、半数の人が一年程度でそれをほごにしているそうです。お金はあるのに嫌がって払ってくれないとか、養育費より自分の借金の返済の方に回したとか、ひどいのは自分が遊ぶ方を優先するという無責任極まりない人もいるようであります。現行でも強制執行はできないわけではありませんが、請求する側の負担が、母でございますが、重くて機能をしておりません。
 そこで、法務省にお伺いいたしますが、こうした問題に関する最近の公的な調査結果などがあれば、概略御説明をいただきたいと思います。
#125
○政府参考人(原田晃治君) 手元に昨年八月に最高裁判所が調査を行った資料がございますので、これに基づいて概略、内容を御説明申し上げます。
 この調査は、東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所におきまして、平成十二年一月から六月までの間に調停成立で終局した離婚調停事件のうち、養育費の取決めがされたものをそれぞれ百件無作為に抽出いたしまして、権利者の方に照会書を送付して回答を求めると、こういう方法で調査をしたものであります。
 養育費の支払状況について調査結果を見ますと、回答がございました九十六件のうち期限どおり全額受け取っているという答えが四十八件で、これが最も多くございました。それから、期限どおりではないが全額受け取っているというのが十九件、一部について受け取っているが二十三件、全く受け取っていないが六件となっております。
 期限どおり支払われない理由につきましては、相手方にお金があるが支払おうとしないという回答が五十一件のうち二十一件で最も多かったわけでございます。それから、相手方にお金がないが五件、よく分からないが十一件、その他十四件と、このようになっております。
#126
○沢たまき君 今回の法改正の中で、養育費の確保について規定されましたが、その内容についてお伺いをしたい。また、厚生労働省として実効性を高めるためにどう取り組まれるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#127
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子に対する親の扶養義務につきましては、民法上既に規定されておりまして、そのことは離婚によって何ら変わるものではございません。したがいまして、離婚などによって子供を監護していない親はこの扶養義務に基づいて養育費を支払っていただくということが必要になります。
 今回の改正案では、そのことを明らかにするために、民法上の扶養義務を前提としつつ、母子及び寡婦福祉法の中に三つの点を規定いたしました。一つは、児童を監護しない親の養育費の支払努力義務、二つ目は、児童を監護する側の親ですけれども、これを監護しない親から養育費を確保するように努力を求めるという義務、そして三番目は、国、地方公共団体が養育費確保対策のために必要な措置を講じなければいけないといった義務、この三点を規定したところでございます。
 さらに、改正法の附則におきまして、法施行後の各種の施策の実施状況を勘案した上で、扶養義務の履行確保に関する施策の在り方についても検討するという旨規定をいたしております。
 また、養育費の取決めを促進するための具体的な国、地方公共団体における取組でございますが、一つには、積極的な広報啓発活動を実施するということがあると思います。また、国におきましては、養育費に関するガイドライン、幾らぐらい払うのが相場かとか、養育費を取り決めるときのフォーマットですとか、そういったものをガイドラインで示したいと思っているわけですけれども、そういうものをお示ししたり、また、養育費を取得するための手続について情報提供をしたり、御相談に乗ったりということをやっていきたいというふうに思っております。
 またさらに、養育費の取得のために、裁判の手続を使って取得をされたいという方のために、必要な経費が掛かるということでしたら、母子福祉資金の貸付金の中でそのことも対応できるように検討してまいりたいというふうに思います。
#128
○沢たまき君 ありがとうございました。
 児童の権利条約二十七条二項に親は児童扶養に対して第一義的責任を負っていることと明記してあることについて、厚生労働省、法務省はいかなる見解を持っていられるでしょうか、お伺いいたします。
#129
○政府参考人(岩田喜美枝君) 原則はそのとおりだと思いますが、現状は大変残念なことに、養育費の取決めがある母子世帯は全体の三五%、実際にもらっている世帯は約二割という、これが現状でございます。
 子供が心身ともに健やかに育つというためにも、養育費の支払を更に一般化するという、そのためのまずは、今は取決めが三五%、実行が二割という水準ですから、これを更に一般化するための社会的な機運の醸成ということが取りあえずは非常に重要ではないかというふうに思っております。
 こういう考え方に基づきまして、今回の改正案では、先ほど申し上げましたような広報啓発活動ですとか、ガイドラインの作成ですとか、情報提供、相談活動、そういうものをしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
#130
○政府参考人(原田晃治君) 御指摘の条約の条文の趣旨は、児童の扶養に対してはその親が公的扶養に優先して第一義的に責任を負うと、こういう趣旨であると理解しておりますが、我が国の民法上は、民法八百七十七条第一項に、「直系血族及び兄弟姉妹は、互に扶養をする義務がある。」と規定することによって、親が未成年の子に対し扶養の義務を負うことを明記しており、この規定は御指摘の条約の条文の趣旨にも適合するものと考えております。
 ただ、扶養義務の履行状況につきまして必ずしも十分でないという御指摘がございますが、これにつきましても、その履行確保のために様々な法制度が用意されておりますし、更に法務省としましても今後その履行確保の在り方について検討していきたいと、このように思っております。
#131
○沢たまき君 養育費の履行確保については、本法律案のみではなく、民法改正で養育費の支払確保をきちんと確立すべきであります。
 アメリカにおける給料天引き制度は、一九八〇年代の半ば以降、多くの州で推進をされております。また、児童の権利条約の中の二十七条一項で、子供には生活の保障を受ける権利があること、二項では、親は児童扶養に対して第一義的責任を負っていること、三項では、国には児童扶養に責任を負う親を援助する義務があることを明らかにしております。ここでは、非監護の親も児童に対しては第一義的責任と明確に述べております。しかも、この条約を我が国は一九九四年四月に批准をしているわけであります。
 この規定からいけば、国の責任で行う児童扶養手当以前の問題として国内法の整備を急がなければならなかったのではないでしょうか。いわゆる民法改正が早く行わなければならなかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#132
○政府参考人(原田晃治君) 先ほど申し上げました親が未成年の子に対して扶養の義務を負うと規定しております民法八百七十七条第一項の規定は、もちろん夫婦が離婚し直接に子を監護していない親にも適用されることを前提に、父母が離婚した場合、その子供の養育費について父母の一方から他方に対し、民法第七百六十六条一項、これでは子の監護について必要な事項を協議で定めるとなっておりますが、この規定により夫婦の一方から他方に対し子の養育費の支払を求めることができると、このように解されております。
 したがいまして、離婚した親の負担すべき子の養育費の問題につきましては、法制度上は、法の規定上は既に手当てはされていると、このように考えております。
#133
○沢たまき君 今、法務大臣の諮問機関であります法制審議会で強制執行制度の見直しが行われておりますけれども、内容はいつごろ発表になるのでしょうか。また、改正案の国会提出はいつごろになるんでしょうか。また、法制審議会では、非監護の親から給料天引き制度については強制執行制度の一つとして論議をされたことはないのでしょうか。
#134
○政府参考人(原田晃治君) 今お尋ねの強制執行制度の見直しにつきましては、現在、法制審議会の担保・執行法制部会において検討を進めているところでございます。
 今後のスケジュールでございますが、本年度中に法制審議会の答申を得て、平成十五年の通常国会に関係法案を提出すべく作業を進めているところでございます。
 この法制審議会の担保・執行法制部会において現在検討しております制度でございますが、子の養育費の強制執行において、支払日がまだ到来していない将来分の養育費も含め一括して債務者の将来の収入に対して差押えすることができるというようにするものでございます。このような制度が創設されますと、給料債権の差押えの申立てを一回行えば、その後毎月の給料日ごとに債務者の雇主から養育費の支払を受けることができるようになります。
 したがいまして、この検討中の制度が実現すれば、基本的にはいわゆる給料天引きと同様の効果が実現されると、このように考えております。
#135
○沢たまき君 今回の法律案は、法務省で準備されている強制執行制度の改正案が提出され施行されますとその実効性が高まってくると思いますが、厚生労働省はどのように受け止めていらっしゃるでしょうか、お伺いをしたいと思います。
#136
○政府参考人(岩田喜美枝君) 法務省の方で少額定期債務の強制執行制度の在り方について今見直しがなされ、次の通常国会という具体的なスケジュールまでお示しの上でのお話がございましたので、これが早く実現することを願っているところでございます。このことによって養育費の取決めについての社会的な機運が高まって、そして実際の支払が確実になされるということが前進するというふうに思いますので、大変期待をしているところでございます。
#137
○沢たまき君 そうなるといいと思っております。
 私も実は寡婦でございましたけれども、こういうことは全然できなくて、その都度やっております。そのうち面倒くさくなって、自分で一生懸命働いて子供を育てました。これは余談でございましたけれども。
 厚生労働省は、扶養義務の履行確保に関する施策の在り方についての検討を進めることになっておりますが、このことは法務省の強制執行制度の成案施行状況を見て御検討をなされるのではないかと思いますが、先ほども自立支援員の方々の話も出ましたし、そういう方々が多くなるようにという、そういう御要望があり、そういう検討をしているというふうなお話もこれあり、それから専門の方もということもございましたけれども、私はそういう場に法律の専門家、あるいは弁護士さんのように法律の専門家に相談するような場面も出てくるのではないかと思うのですが、そういう場所が必要だと感じているんですが、いかがでしょうか。
#138
○政府参考人(岩田喜美枝君) おっしゃいますとおりでございます。
 養育費について、一般的に制度の説明ですとか、どういうサービスが受けられるといったようなことについての情報提供ですとか、それを様々な場で様々な人が母子家庭の母親にやっていただくということだと思いますが、仮に裁判所の手続を使って強制執行をしたいといったようなことについては、やはり専門的な法律的な知識がないと難しいということになるというふうに思います。
 現在でも、都道府県で弁護士などを委嘱いたしまして法律相談、特別相談事業というのをやっておりますので、これを核にしてこれを拡充するような形でそういった専門的な相談にも応じられるような体制を作っていきたいと思います。
#139
○沢たまき君 法務省に伺います。
 これまでに家庭裁判所で離婚調停をされ、子供の養育費の支払を約束したにもかかわらず履行されていないもの、いわゆる離婚逃げ得について、新しい強制執行制度が成案となった場合、母子家庭の方はどういう手続をすればいいのか、分かる範囲で御説明をいただきたいと思います。母子家庭に負担が掛からないように配慮をしていただきたいと思いますし、いずれにしても逃げ得は絶対許さないという成案にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#140
○政府参考人(原田晃治君) 子の養育費につきまして、例えば家庭裁判所の家事審判とか家事調停でその額とか支払方法が定められた、これにもかかわらずこれを支払わない者に対して、これは現行法上ももちろん家事審判などに基づいて債務者の給料債権などを差押えをすることはできます。
 しかしながら、養育費の支払方法は、通常、毎月の定期払いとされるのが一般でございますので、その強制執行におきましては、今の法制度の下では毎月の支払日が到来するごとに支払がされなかった一か月分の養育費について強制執行の申立てを行う、これを毎月繰り返さなければならない。したがいまして、委員御指摘のように、これは母子家庭にとりましても手続上の負担が非常に重いという問題指摘があったところでございます。
 法制審議会の担保・執行法制部会におきまして現在検討中の制度は、先ほども申し上げましたけれども、この手続上の負担の重さを解消するため、子の養育費などの強制執行におきましては、支払日がまだ到来していない将来分の養育費なども含め一括して債務者の将来の収入に対して差押えをすることができるようにすると、こういうものでございます。
 したがいまして、例えば、何年何月から子供が二十歳に達する月まで毎月月末日限り月々十万円支払うと、こういう家事審判なり調停がされますと、それに基づきまして、毎月、例えば給料日が十五日であるとしますと、前の月の養育費につきまして、翌月の給料日の給料支払請求権、これを差し押さえると、これを二十歳になる月まで一括して差し押さえることができるわけでございます。
 こういう制度が創設されますと、最初に給料債権の差押えの申立てを一回行えば、その後、毎月の給料日ごとに債務者の雇主から養育費の支払を受けることができるようになります。その雇主の方が合意すればもちろん口座に振り込んでいただくということも可能でございますので、手続上の負担が重いという問題点はこれで解消されると、このように考えております。
#141
○沢たまき君 法務省に伺います。
 通告していないんですが、今のような経済、雇用の状態で、今のお答えだと、終身雇用の場合はそれでよろしいでしょうけれども、転職なさったときはどうするんでしょうか。
#142
○政府参考人(原田晃治君) 債務名義としましては、いずれにしても月々十万円支払うということでございます。
 その強制執行の方法としましては、例えば、要するに債務者である夫の財産を差し押さえるということになります。今一番分かりやすい例で言いますと、現在就職しているところの給料債権、これが一番確実でございます。したがいまして、その給料債権を今後子供が成人に達する月まで差し押さえるというのが一般でございますが、これが仮に転職をされて別の、第三債務者と申しますけれども、雇主が替わるということになると、改めてその別の雇主を第三債務者とする、つまり雇主とする給料債権を同じようなやり方で差し押さえて執行すると、こういうことになると思います。
#143
○沢たまき君 分かりました。
 今日、離婚に対する社会的な抵抗感が薄れている中で、今後ますます離婚が増えていくことが予想されるわけですし、また強制執行になった場合、離婚交渉自体も大変長引いたりして難しくなることが予想されておりますが、現行の裁判所の体制で十分な対応ができるのでしょうか。政府としてその対策をどう御検討していらっしゃるんでしょうか、伺います。
#144
○政府参考人(原田晃治君) 法務省としてお答えする立場かどうか、必ずしもはっきりしないんですが、我々の方から、もちろんこれは裁判所の体制ということでございますので、最高裁判所の方にこういう質問をいただいているということで確認したその結果をお伝えさせていただきます。
 最高裁判所からは、今後の離婚事件の動向などを踏まえ、今後とも適切に対処していくことができるよう必要な体制の整備に努めてまいりたいと、こういう返事をいただいております。
#145
○沢たまき君 しっかりおやりいただきたいと思います。
 また、家庭裁判所が調停や審判でかかわったケースであれば、支払が滞った際に家裁の離婚勧告や地裁による給料などの差押えが可能となりますが、いわゆる夫婦間だけの協議離婚の場合はどうなるんでしょうか。いかがでしょうか。
#146
○政府参考人(原田晃治君) 御指摘のとおり、裁判所がかかわる場合であれば、調停であるとか家事審判であるとか、場合によっては判決という形で強制執行ができる基となる債務名義というものができます。
 問題は、家庭裁判所が関与しないで協議離婚、当事者の協議だけで離婚が成立した場合でございますが、この場合にも養育費の支払につきまして公証人のところに行きます。そこで公証人に、金銭の支払、一定の金銭の支払を内容とし、強制執行を相手方が受け入れると、こういう内容の公正証書を作ってもらいます。そうしますと、それが、公正証書が直ちに先ほど申し上げました債務名義と、強制執行ができる基になりますので、これに基づいて給料債権等の債務者の財産に対して強制執行をすることができると、このようになっております。
#147
○沢たまき君 審議官、ありがとうございました。もう結構でございます。
 では、次のテーマに移らせていただきます。
 母子家庭の増加する一方で、母子家庭の平均年収は伸び悩んでおりまして、約、高い方で二百三十万円程度です。これは一般世帯の三分の一という低い水準にとどまっております。母子家庭を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。したがいまして、こうした事態を一日も早く改善し、母子家庭も一般家庭もひとしく自立して生活できる社会へ転換することが大事であります。
 そこで、今まで児童扶養手当が中心となっていた母子家庭支援を、きめ細かな就労サービスを始め、子育て支援や経済的支援、養育費の確保など必要な対策を総合的に行うことを目的としているのではないかと認識をしております。いわゆる母子家庭が自立し、親子がゆとりを持って生活ができるようにということが大きな目的であると理解いたします。
 先ほど山本委員が、大変厳しい収入の中で休みの日にどこかへ連れていけなんて言われるのが一番悲しいと母親たちが言っていたと言いますが、そうなんですね。今、例えばハリー・ポッターが来ていると子供たちは、ハリー・ポッター見たのか見ないのかとクラスの中で話題になります。母子家庭としては、何としてもこれを見せてやりたいというので、時間的なゆとりも十分にないけれどもこういうことをさせてあげたいというような、細かな、本当にささやかな楽しみなんですが、母子家庭がそうやって親子がゆとりを持って生活ができるようにしていただくことが大きな目的であると再び申し上げますが、私はそのように認識しておりますが、その点確認させていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。
#148
○政府参考人(岩田喜美枝君) 大変基本的なお尋ねですから大臣がお答えすべきなのかもしれませんが、事務的な割り振りで私の答弁になっておりましたので、恐縮です。
 正に今、委員がおっしゃいますように、離婚の増加というのはもう避けられないというふうに思いますので、その中で子育て支援、そして就労することによる経済的な自立、別れた夫からの養育費の確保、そして児童扶養手当、母子福祉貸付金などの経済的な支援、それらをトータルに講じまして、母子家庭の母親の自立の促進に政府としてはもう精一杯のことを本当に本気でやらせていただきたいと思っております。その結果、母子世帯の生計が安定をして向上し、そして子供たちが健やかに育つ、そういうことを目指した対策であります。
#149
○沢たまき君 そこで、やはり就労支援がどう効果を現してくるかというのが極めて大事であります。現在、ただでさえ経済・雇用情勢が厳しい中で、どうしたら母子家庭の就労が促進されて現在より収入面においても上昇させることができるか、これは大変難しいことであります。厚生労働省は、母子家庭の就労政策について相当な決意を持ってきめ細かに対応していただかねばならないと思っております。
 母子家庭の母は、何度も申しますが、パート労働者がほとんどでございまして、雇用面でも収入面でも大変厳しい環境に置かれております。いわゆる自立支援策の柱である就労支援をどう進め、どう効果あらしめるとなさっているのか、お伺いをしたいと思います。この問題は、ほかの委員からも伺われておりますが、大事なことなので再度伺わせていただきます。そして、やはりこれは大臣の御決意も併せてお伺いさせていただきたいと思います。
#150
○国務大臣(坂口力君) 母子家庭のお母さんがパートが非常に多いという現実がある。確かに、最初からお勤めになっていたような方は別でございますけれども、そうではなくて、御家庭におみえになった方で、そして急に離婚あるいはまた死別といったことになりましたときには、今までの経験も少ないということもあるだろうというふうに思います。そうした皆さん方に対して一体どうするか。これは、その母子家庭のお母さんにもよるというふうに思いますから、一律ではなくて、それぞれにやはり見合った対応をしていかないといけないというふうに考えております。
 そうしたお母さん方の、能力と言うと失礼でございますけれども、今までの労働経験あるいはまた技術のあるなし等々、そうしたことも含めて対応しなければならないというふうに思っておりますが、先ほども円先生にも御答弁申し上げましたとおり、その辺のきめ細かなところをどうしていくかということを、やはり、役所の中におきましても母子家庭のお母さん方の雇用につきましてのチームを作って、そこで具体的な問題をひとつ練り上げていきたいというふうに思いますし、それから、もう一つ申しましたように、特に今、厚生労働省は福祉関係の施設とも関係が深いわけでございますし、またそのお母さん方も、働いていただきます場合に、能力に応じていろいろな働き方があるというふうに思いますが、しかし福祉方面のお仕事というのは、やはり働いてもらいやすい分野でもないかというふうに思っております。そうした分野でより積極的に母子家庭のお母さん方を雇用をしていただくような体制というのもどう作り上げていったらいいかということも十分研究をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
 いずれにいたしましても、大きな課題を私たちも背負うわけでございますので、全力を挙げてやっていきたいと思っております。
#151
○沢たまき君 ありがとうございました。
 厚生労働省は、母子家庭の母等の就業を推進するために、就業相談から就業支援講習会の実施とか就業情報の提供等々、一貫した就業支援サービスや養育費の相談など生活支援サービスを提供するとして、平成十五年度の予算で都道府県、指定都市、中核市において母子家庭就業・自立支援センター事業を創設して推進するとしていらっしゃいますが、その事業内容と具体的推進に向けてどう取り組まれるのか。特に、母子家庭のお母さんに対して懇切丁寧に相談に応じてくれる窓口はできるんでしょうか。
 また、母子家庭の方々にどのように広報活動を行われるのでしょうか、その方針も伺いたいんですが。いろんな、扶養手当をいただく手続をしに行くところの窓口なんておっしゃっていましたけれども、小冊子とか何かというのはそうそう読まないんですよね。できれば、もう少し分かりやすいポスターとか、そしてお困りの方はこの窓口へというような誘導をして、そこへ来て相談をまずして、あなたはこちらの相談、あなたはこちらですねと割り振っていただくという総合案内所といいましょうか、そういうのを希望をするんですが、それも含めてどういう広報活動をなさるのか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。
#152
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭等就業・自立支援センター事業、こういうものを来年度から都道府県、指定都市、中核市において実施をするということを何回か答弁させていただきましたけれども、少しその業務を具体的にお話をさせていただければと思います。
 例えば、母子家庭の母親の職業適性とか職業能力についての診断ですとか相談というようなことですとか、それから初めて仕事をされる方あるいは長く離職なさっておられて久しぶりに就職するようなグループの方、それから今、正に仕事をしているんだけれども別の会社に転職を予定しているような方、あるいは自らビジネスを起こそうというふうに考えておられる方、経済的な自立といってもいろいろあろうかと思いますので、そういう層ごとに就業セミナーですとか転職セミナーですとか起業セミナーですとか、そういう形でやってまいりたいと思います。
 また、職業能力開発については、公共職業訓練施設を使ったり、それから都道府県によっては女性のための就業支援施設を持っているところもございますから、その施設の事業を使ったり、あるいは民間の専門学校などの教育訓練を使ったりということで、どういう教育訓練の機会が一番合っているかといったようなことをアドバイスをするということもやっていきたいというふうに思います。
 また、このセンターの中には就業支援員という職員を配置いたしまして、この人たちが地域の企業を訪問して、企業に母子家庭の雇用についての理解をいただく、できれば求人開拓をして求人をもらってくるというようなこともやっていただきたいと思っております。
 また、公共職業安定所、福祉人材バンクなどの職業紹介所と連携いたしまして、そちらが持っている求人で母子家庭のお母さんにすぐにでも役に立ちそうな求人があれば、その求人情報をじかにいただくといったような事業、言わば最初の職業相談から実際に就職するまで、これを一貫してお世話できるようなサービスの体系とそのサービス提供の体制を作っていただきたいというふうに思っております。
 最後にお尋ねになりました相談の窓口の件についてですけれども、どこに行けばどういう情報が得られるか、どういう相談に乗ってもらえるかというのを、今、委員がポスターということもおっしゃいましたので、そのことも含めて工夫をしてみたいと思います。
 最もまず頼りになるのは市の福祉事務所などに置かれることになる母子自立支援員だと思いますので、そちらに行けば全般的な相談がまずできて、更に具体的で専門的な相談が要るということであれば、じゃ、こちらに行きなさいということで更なる専門的な相談先を紹介をするということをやっていただけるようなことになるんではないかというふうに思います。
 もちろん、先ほど申し上げました都道府県、指定市、中核市に置かれる就業・自立支援センターでも相談にあずかりますし、また母子寡婦団体も民間の団体として各種の相談をやっていただくことを期待いたしております。
#153
○沢たまき君 ありがとうございます。
 次に、児童扶養手当法十三条の二の五年経過後の支給制限についてなんですけれども、第二項の「身体上の障害がある場合その他の政令で定める事由に該当する場合」とはどういう場合を言うのでしょうか、お伺いいたします。
#154
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の児童扶養手当法改正案におきましては、手当の受給開始から五年を経過した場合に手当の一部について支給停止をすることといたしておりますが、その場合に、身体上の障害があるなど自立が困難な状態にある場合にはこれを適用しないということにいたしております。
 その具体的な事由は政令で定めることになりますが、現段階でイメージしておりましたのは、受給資格者である母親自身が障害があるとか疾病を持っているとかというケースと、それから母親が育てている子供さんの方に障害があるとか病気があるといったようなことを想定しておりました。
 この政令につきましては、法律施行後三年から四年ぐらいのときにどれだけの率で減額を、児童扶養手当の減額率をそのころ決めたいというふうに思っているわけですけれども、その時期に合わせまして具体的な範囲を決めたいというふうに思っております。
 専門家の御意見も伺いたいと思っておりますし、関係方面の、関係者の、関係団体の御意見もお伺いしたいというふうに思っております。精神障害を持っている場合はどうかとか、要介護状態にある親を介護している場合はどうかなどのお尋ねもあろうかと思いますので、そういうことについても政令を制定するまでの間に十分検討してまいりたいと思います。
#155
○沢たまき君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 今回の改正法案につきましては、与党協議の段階で与党から激変緩和措置を求めてまいりました。本法律案の中でいかなる必要な激変緩和措置が取られているか、御説明をいただきたい。
 また、衆議院の厚生労働委員会で我が党の福島委員が、今月、八月に施行された児童扶養手当見直しで支給金額が減額となる家庭を対象に設けられる特例児童扶養資金について、経済的に困難な家庭は償還免除の対象にすべきだと主張し、これに対しまして岩田局長は、減免の対象になるよう検討する旨御答弁いただきました。
 そこで、本法律案の中に規定されている五年経過後の支給制限の対象となる母子家庭についてもこの特例児童扶養資金を活用することは可能なんでしょうか。
#156
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、今回の法律改正の検討の過程でいかなる激変緩和の措置が取られたかということについてでございますが、一つには、今年の八月の所得制限の見直しによりまして児童扶養手当が減額になる方がおられますので、それらの方につきましては減額になった額と同額のものを特例児童扶養資金として無利子でお貸しをするということにいたしたいというふうに思っております。
 また、今回の改正法律案に盛り込んでおりますけれども、児童扶養資金について、一定の条件の場合には返済の一部の減免の制度を導入しようということも検討しているところでございます。
 もう一つのお尋ねでございますが、今回の法律案に盛り込まれた五年後の減額措置によって手当が減額となる受給者についても同じような激変緩和措置を取るべきではないかという委員の御主張かというふうに思いますけれども、五年後の減額措置については、その具体的な内容は法施行後のこれから取り組む様々な自立支援のための施策の効果なども踏まえながら検討することといたしておりますので、その場合に貸付金などが必要とされるかどうかといったようなことも併せましてそのときまでに勉強してまいりたいというふうに思います。
#157
○沢たまき君 最後になりますが、またその場合に同様に経済困難な家庭には減免措置を講じられるべきだと思うんですが、これもいかがでしょうか。
#158
○政府参考人(岩田喜美枝君) その場合の経済的に困難な家庭のための償還免除の問題についても併せて勉強させていただきたいと思います。
#159
○沢たまき君 ありがとうございました。
 終わります。
#160
○井上美代君 日本共産党の井上美代です。
 私は、まず厚生労働省が今回の法案に先立って今年の八月に行った児童扶養手当の見直しについて質問をしたいと思います。
 児童扶養手当法では手当額についての規定は全部支給のみです。全部支給が手当の基本となり、別に条件を付けて一部支給停止があるということなんです。八月の見直しでは、全部支給が受けられる所得の上限は、母一人そして子一人の母子家庭の場合には、年収が二百四万八千円未満というところから今度は百三十万円未満に引き下げられました。年収が二百万円に満たないような母子家庭からも給付額を引き下げたのです。非常に意見がたくさん来ております。
 そもそも、八月の見直し以前の二百四万八千円というこの金額ですけれども、どういう理由でできたものなのかということを説明願いたいと思います。
#161
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今年の八月の政令改正前は、児童扶養手当の金額は全部支給と一部支給の二段階でございました。全部支給の収入限度額についてですけれども、母一人子一人で母が給与所得者のケースですけれども、二百四万八千円と設定されておりました。これは所得税の非課税水準でございました。
 具体的には、収入額から給与所得控除額、基礎控除額、扶養控除額、寡婦控除額、社会保険料控除額を差し引いた額が非課税水準になるよう設定された収入水準でございます。
#162
○井上美代君 それでは、八月の見直し以降の基準となった母子二人世帯で年収百三十万円未満というのはどのような基準でしょうか。
#163
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今年の八月に政令改正をさせていただきましたけれども、これは母子家庭が増加する中でいかに児童扶養手当制度を将来に向かって維持できるか、維持するかという観点から様々な自立支援策を講ずるということと併せて実施をしたものでございまして、全部支給を受けられる者の所得制限の限度額は百三十万円と設定をいたしました。
 その百三十万円という水準についてですけれども、母子家庭の平均的な所得水準を考慮して百三十万円までの者については全部支給とする、その一方で、それを超える収入がある者につきましては一部支給とするわけですけれども、就労による収入が増加するに従って手当を加えた総収入がなだらかに増加するようにということで手当額をきめ細かく低減する、そういう方式を導入したわけでございます。
 これは、従来の仕組みでは、就労による収入が増加しますと、それがある水準を超えますと児童扶養手当と合わせた総収入が逆に減少してしまうといったような不都合がございましたので、そういうことがなくなるように、そして就労による収入が増えれば総収入も必ず増えるということで、自立をして頑張れば総収入が増えるという、そういう仕組みに改めるということで改正したわけでございます。
#164
○井上美代君 この所得税の非課税ラインの二百四万八千円というのは最低限の生計費で、これ以下の収入には課税しないという、そういう金額ですね。
 今回、全部支給の上限を百三十万円未満まで引き下げるということ、これは最低限の生計費を下回る収入しかない母子世帯に対して支給額を減らすということになるんですね。特に、上限ぎりぎりの年収二百万円前後では、これは年間でいいまして十二万円もの減額になるという大変なことなんです。
 これに対してもいろんな手紙が来ております。私の事務所に送られました手紙から母子家庭の実情を紹介しますと、昨年は百八十三万円の年収で全部支給を受けて何とかやってきました、この八月からの見直しで月額で八千三百七十円の削減となり、三万四千円という通知を先ごろ受けました、年間で十万円強の削減になります、食事代が賄えたものが通信費ぐらいしか賄えないものになりましたと、このように言っておられます。そして、生活の見直しを迫られ、今七万八千円掛かっている住居費を公営住宅の当選で何とかしなければいけないと、そういうところまで来ている、解決策は今のところ何もありません、時給が一千二百円のパートタイマーで子育てを考えて二十八時間しか働けない、パート賃金は昨年二百円下がり、今年も年度途中での引下げも伝えられ、不安な日々を送っています、一人息子は五年後に十四歳になりますが、減額されることを考えたら気持ちが本当に落ち着きませんと、このように言われているんです。これが八月の見直しの結果です。
 大臣、こういう家庭からの削減は私は許されないというふうに思うんですけれども、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。御答弁、お願いします。
#165
○国務大臣(坂口力君) 確かに、母子家庭のお母さん方の中で非常に御努力をされて、そしてお勤めになっておみえになる方が多いこともよく存じております。問題は、そういう御家庭のどこに焦点を当てるかということだと私は思っております。
 いわゆる生活費を支給するというようなやり方もそれはございましょう。しかし、この母子家庭のお母さんというのは、自力で生きる力というのは大変強い方々だと私は思っております。自分でやはり生きていくという強い信念をお持ちの方が私は多いというふうに思っております。そのお母さん方にどうおこたえをしていくかというところが一番大事なところであって、今御指摘になりましたような、ほとんどの方がパートだといったような、その事態をどう改善をするかということに焦点を当てなければ、私は母子家庭のお母さん方は浮かばれないというふうに思う次第でございます。
 母子家庭のお母さん方をすべてくるめて弱者と考えるのは、私は考え方が違うのではないかというふうに思っております。しかし、そのお母さん方がいろいろの普通の御家庭と比較をいたしまして格差があることは事実でございまして、そのハンディキャップをどう是正をしていくかということが一番今問われている、そのことを今正すべきときに来ているということでございまして、私たちはそのことに全力を挙げたいと考えているところでございます。
#166
○井上美代君 大臣の御答弁にありましたけれども、私どもは、やはり母子家庭の母というのは確かに自立心もありますし、頑張りますし、粘りもありますし、子供だって平均二人は育てているんですから、少子化の問題を考えるときに母子家庭にこそ、感謝されてもこのように冷たい仕打ちというのは考えられないんですね。
 今申し上げましたように、時給というのが一千二百円というパートタイマー、しかもそれが二百円下がるというようなことが起きているわけなんですけれども、私は弱者とは考えておりませんけれども、こういう社会の問題に対して大臣はそれを変えることができるんでしょうか。いかがですか。
#167
○国務大臣(坂口力君) これはやはりかなり努力をしなければ変わらないと思っています。その努力をどうするかということを今問われているというふうに思います。今までそうした角度から母子家庭のお母さん方を見てこなかった、むしろ何らかの財政的支出をすればいいのではないかという考え方で参りましたけれども、その考え方では母子家庭のお母さん方を救うことはできない。本当に生きがいを持ってお一人で生きていただくためには、やはりそれ以上に必要なことがあると私は思っているわけでありまして、そのための努力をどうするかが今問われているというふうに思っております。
 したがいまして、先生御指摘のように、今日言って明日それができる話でないこともよく分かっておりますけれども、一日も早くそのお母さん方にお報いをする立場を作り上げていかなければならないと思っているところでございます。
#168
○井上美代君 御答弁では、私はそれだけの理由では、最低生活費から更に支給額を削り込むわけですから、やはりその理由にはならないと思います。本当に必死で働いている、子育てをしている、こういう所得の低い母子家庭を励まし、そして温かい光を当てるのが私は政治の役目だというふうに思っているんです。しかも、母子家庭の収入分布の中央値とかパートの平均年収とか、そんなあいまいなことで不安定な基準を持ってきたのか、本当にこれは私理解できないんです。非常に不安定な中身だというふうに思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 私は、次に法案の支給五年を超えた月からの減額についてお聞きをしたいというふうに思います。
 児童扶養手当の支給対象となる子供の年齢というのは義務教育終了時、つまり中学生まででした。今日、十八歳になってからの年度末までというように徐々に徐々に改善をされてきました。今まで子供の年齢を引き上げてきたのは、一体それはなぜだったのかということを、局長、説明願います。
#169
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童扶養手当の支給対象年齢についてですが、昭和五十一年度から三年間掛けて段階的に実施したのですが、義務教育終了前の者から十八歳未満の者に拡大をいたしました。当時は、この児童扶養手当制度が母子福祉年金の補完的な役割を担っているという位置付けでございました。そこで、母子福祉年金が支給対象児童を母子年金と合わせまして十八歳未満とそのときに拡大になりましたので、それに準じまして児童扶養手当制度においても同様の措置を講じたというふうに理解をしております。
 また、平成六年度におきましては、十八歳未満の者から十八歳に達する日以後最初の三月三十一日までの間にある者に拡大されました。これは、高校進学率が非常に高まりまして、一般的には十八歳ということになりますとまだ高校を卒業しておりませんので、子供は就学中で稼得能力がまだないということにかんがみてそういう措置を取ったというふうに理解しております。
#170
○井上美代君 児童扶養手当が子供のやはり成長を支えるということ、子供のための手当だからということだと思います。それを今度は、支給から五年たてば、子供の年齢に関係なく、支給額を最大で半分にまで削ることができるというふうにしたわけですね。所得が一定考慮されるといいますけれども、減額されることに変わりはありませんですよね。親の負担も重くなる。高校を卒業するまでというのは本当に大変なことです。子供の成長を支えなければいけないという、こういう最も重要な目的を持っているということを今言われたんですけれども、根本からやっぱりそれを否定することになるんだということを私は申し上げたいんですけれども、局長、いかがですか。
#171
○政府参考人(岩田喜美枝君) 何回か御説明させていただいたんですけれども、やはり母子家庭にとってこの児童扶養手当制度というのは経済的な自立のために不可欠であるというふうに思いますので、母子家庭が増える中でこの制度をいかに将来に向けて維持するかという観点が大変大事だというふうに思ったわけでございます。
 そういうことで、様々な自立支援策を講ずるということと併せて支給期間を取りあえず五年で一区切りと考えて、この間に、例えば離婚で母子家庭になった御家庭などについては生活の姿が全く変わるわけですから、そういった激変の時期、激変を緩和をして、この間に自立支援策を集中的に講じて自立の支援のお手伝いをしようという全体の対策の目的や枠の中で是非御評価をいただければというふうに思います。
 特に、高校生になれば生活費が重くなるということでございますけれども、そのことについても、今般、母子寡婦福祉法の改正の中で、子供自らが自分の就学のための貸付金を受けられる、そして母親が保証人になれば第三者の保証人が要らないという仕組みにいたしましたので、高等学校に進学する、大学に進学するという場合にはこの貸付金を利用していただいて、そして子供さんが大人になって就職した後、返済の条件も非常に緩やかなものにしておりますので、それを活用していただくということも併せて考えていただければというふうに思います。
#172
○井上美代君 離婚時の激変緩和というのを午前中から何回もお聞きしているんですけれども、やはりその趣旨というのは、児童扶養手当法のどこにも激変緩和というのは出てこないんですね。そもそも、離婚後の激変緩和という基準を持ってくること自体がこの制度の趣旨に反しているというふうに思うんですよ。年齢の関係なく減額をする、そのしわ寄せは、母親はもとより、当然子供にも来るわけなんです。子供の生活を圧迫し、そして教育を受ける権利を制限することに結果としてはなっていくんですね。少子化対策を強調しながら、一方でどうして子供をないがしろにするということができるのでしょうか。私はこれはおかしいというふうに思っているんです。
 しかも、この五年という数字が問題です。五年という年限が出てきた理由についてお聞きしたいと思います。八年とか十年とかそういうことでなくて、なぜ五年なのかということをお聞きしたいと思います。
#173
○政府参考人(岩田喜美枝君) 離婚等による母子家庭になったその直後の生活の激変を緩和をして自立のめどを立てるためにどのくらいの年数が掛かるかということについてですが、それを判断するときの一つの目安といたしまして、平成十一年のこれは業務統計でございますけれども、それによりますと、平均の児童扶養手当の受給期間が約五年であるということ、こういうことも目安として判断したわけでございます。
#174
○井上美代君 今、実態調査で平均受給期間が五年だからということを言われたんですけれども、私は、これについては、大臣もそうですけれども、答弁のところで既にそういうふうには言っておられないんじゃないかというふうに思います。
 私は、厚生労働省にこの平均受給期間五年はどこから来た数字なのかということをずっと尋ねていたんです。平成十一年度、つまり一九九九年の調査で平均受給期間は五・〇一年だと、こういうふうになっているということを説明を受けました。この平均受給期間の五年はマスコミでも既に報道されてきた数字です。
 この五・〇一年はどういう調査に基づくどういう数字なのでしょうか。手当を受けていた母子家庭というのは、結婚したり、それから所得が上がったり、子供が高校を卒業したりして手当の受給資格を失うまでの受給期間の長さを調査して平均した数字なのでしょうか。そこをお答え願います。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
#175
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今申し上げました平均受給年数五年というのは、都道府県を通じまして把握いたしました行政調査でございます。資格喪失者について、その資格を喪失するまでの受給の期間を調査をしたのかということについては、そうではございませんで、五年という数字については、児童扶養手当を受給している方の平均の受給期間でございます。
#176
○井上美代君 受給を受けている人の平均だというふうに今答弁ありました。この数字というのは、一九九八年の調査時点で受給者がそのときまでどれぐらいの期間受給していたのかという、今答弁にあったとおりですが、そういう数字と私も聞いたんです。受給開始から停止までの期間を平均したものではないということですね、今のことで言えば。局長はそうだとおっしゃっております。
 これはもう非常に重大な問題なんですね。私は、去年からこの五・〇一年という数字はどういう数字なのかということをずっと説明を求めてきたんです。その基になった資料の提出を求めてきましたけれども、五・〇一年というのは受給してから受給停止になる間の期間の平均値だと説明を受けたんです。受けてきたんです。
 しかし、そうではないという説明を受けたのは先週の金曜日です。金曜日にこの説明を受けたんです。しかも、深刻なのは、坂口大臣も私と同じ認識にあったということですね。
 今年の二月の二十七日ですけれども、衆議院の厚生労働委員会の審議で水島広子議員が質問をしました。そうした中で、なぜ五年なのかという、こういう質問を大臣に水島議員がしているんです。それに対して大臣は、「生活の激変を緩和していくための期間を考えます場合には、現在の平均受給期間、これはやはり一つの目安になるだろうというふうに思っています。今までどれぐらいの長さの期間に受給をしておみえになって、そしてもうその受給期間が切れたかというのは、今後の大きな一つの目安になる」と。「その受給期間が切れたかというのは」と、こういうふうに言っていらっしゃるんです。そして、目安になるということを答弁しておられます。つまり、受給期間が切れるまでの平均期間として答弁をしておられるということです。そして、その後の水島議員とのやり取りもそういった前提でずっと進んでいるわけなんです。
 私、ここに水島さんとの質問と答弁を持っていますけれども、水島さんは、「今回の見直し案についての質問を続けさせていただきますが、まず、五年で減額することの根拠を伺いたいと思います。なぜ五という数字が導き出されてくるのでしょうか。」と、こういうふうに聞いておられます。それに対して大臣は、生活の激変を緩和していくための期間を考える場合には、現在の平均受給期間、これはやはり一つの目安になるだろうというふうに思っています、今までどれぐらいの長さの期間に受給をしておみえになって、そうしてもうその受給期間が切れたかというのは今後の大きな目安になりますと。そして水島さんは、「大体の人が平均で五年で離脱するわけだから、あなたも五年以上もらうというのはおかしいんですよということを言いたいということなんでしょうか、」と、こういうふうに聞いておられます。そうしましたら大臣は、「そこまで言うつもりはございませんけれども、平均をとれば大体この辺になっている。大体この辺の皆さん方がこれで五年以内ということになっております」と、こういうふうに言っておられるんですね。
 これははっきりと、受給が開始されて、そしてそれが停止されて、その平均が五・〇一年ということを言っておられるんです。私も先週の金曜日まではもう疑わないでそういうふうに思っておりました。しかしながら、やはりそれは間違っているということが分かったんです。だから、大臣も間違った認識の下に答弁をされているのではないかというふうに私はこの会議録から見ているんですけれども、その点いかがでしょうか。
#177
○政府参考人(岩田喜美枝君) 五年程度という数字につきまして、ちょっと二種類の数字がございまして、それが混線しているようなので、まず私の方から数字の御説明をさせていただきたいと思います。
 いずれも業務統計でございますけれども、今、委員が言われました五・〇一年、これも多分五年と言っていると思いますが、五・〇一年は、受給者の平均の受給期間、現在受給中の方の平均の受給期間です。別の数字でございますけれども、これは本人の所得が上がって所得制限に達して、それで児童扶養手当から抜けていったといいましょうか、自立していかれた方、この方も受給がもう終わっている方ですが、この方たちの平均受給期間は五・五六年でございましたので、これもおよそ五年というふうに言うときにこちらの数字が念頭にあったりということで、二つの数字がちょっと若干混線していたのではないかというふうに思います。
#178
○井上美代君 大臣、どのようにお考えですか。私、大臣にお願いしたので。大臣が水島さんにお答えになっておりますので、大臣がどうなのかということをお聞きしたいと思います。大臣、お願いします。
#179
○国務大臣(坂口力君) 今お読みいただいたのは、それはそういうふうに答えたんだというふうに思いますから、それは変えようがありません、そのとおりだと私思っております。私も、理解は、そのときの理解はそういうふうに理解をいたしておりました。
#180
○井上美代君 私、やはり大臣がお認めになったわけなんですけれども、恐らく、私にもずっと説明をしてくださったのはそのように言っておられましたし、そして大臣もやっぱりそのように答弁されているんですね。だから、私は、これは非常に大きな、間違った言ってみれば答弁であったというふうに思うんですね。大変、大臣がそのようにお答えになったということは、これはやはり問題であるというふうに思うんです。
 この平均受給期間五年というのは、五年後の削減の根拠になった数字なんですね。この五年ということは、母子家庭の人たちというのは非常にこの五年にこだわって、もう次々と手紙が来ているわけなんです。受給開始から停止までの期間という前提で法律が作られたのに、今その前提のところが違っているということですので、私はここが今明らかになったというふうに思うんです。
 だから、法案の言ってみれば前提が崩れた以上は、法案を撤回して出し直すということが大事だと思いますけれども、少なくともこの五年を削減するという条項、この条項を削減するということをしていただきたいというふうに思います。
 そもそも、私もこの数字については資料も今出しておりますけれども、資料も見ていただきたいと思いますけれども、調査があるんですけれども、一番最後にもらったのがゆうべの十一年の調査なんです。この調査が五・〇一を出して、ゆうべ五時半に持ってこられましたけれども、これで私も全く違って認識していたことも先週の金曜日からはっきりしていますし、大臣も違った認識で答弁をしておられるということです。
 だから、そういうことで、私は、この五年というのは全く母子家庭をないがしろにした余りにもひどい決め方だと思うんですね、調査の根拠がないんですから。だから、そういう意味でこれは削減してほしいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#181
○国務大臣(坂口力君) そんなに違っていないと思うんですね。
 この五年という数字は、今、局長の方から二つお挙げになりましたが、いずれもいわゆる五年台の数字でございまして、結果としてはそんなに違っていないというふうに思いますが、先ほどからお答えをいたしておりますように、いずれにいたしましても、この五年間の間にどれだけ、母子家庭の母等に対しまして雇用の問題等をどれだけ前進をさせることができるかという、そこに懸かっているわけでありまして、その結論を五年間の間に見て、調査もさせていただき、そしてまたいろいろの団体の皆さん方の状況についてもお聞かせをいただいて、そして結論を出すと、こういうふうに言っているわけでありますから、この五年間の猶予の間に今ここにありますことがどれだけ前進ができるかということに懸かっているというふうに理解をいたしております。
#182
○井上美代君 私、資料も出しているんですけれども、この資料の折れ線グラフがあるところの下の方ですけれども、調査は五年ごとに厚生労働省はやっていらっしゃるんです。五年ごとにやっているんですけれども、一番上の一九八八年、そしてその次は一九九三年です。そして、一番下のところに一九九九年というのがあります。これは、一番下のは五年ごとの調査ではないんです。これは行政調査ということで表には出せないといってずっと出してこなかった中身なんですね。しかしながら、ゆうべ五時半に持ってきてくださいましたのでここに載せましたけれども、この一番右側を見てください。ここに五・〇一というのが初めて、初めて公開されたんです。
 だから、ここの調査というのが五年ごとの調査と違うというのは、その下に「一九九八年母子世帯等調査では、受給期間についての調査はない。」と、このように言っておられるんですね。五年ごとのにはないんです、五年ごとのには、この一九九八年の調査は。調査はあるんですよ。だけど、そこからは受給期間というのは消えてしまっているんです。設問になかったのかどうかよく分かりませんけれども、そこには調査をしていないんです。消えているんです。一番五年というのが大事なときなんですね、五年したら半減するわけですから。これを、五年をどこから出してきたかというのはもう非常に重要な中身なのに、その数字ももう今ごろになってやっと出てきているというような数字で、この基本になる数字がもう今ごろになって出てきて、しかも五年というのはいろいろあるなどと答弁をされているんですけれども、そういうことで私はこの法案の審議はもうこれ以上できないというふうに思います。だから、私はもう審議を切ってほしいと、ここでもう私は審議はもうやりたくないです。やれないです。やれないです。私は留保します。留保します。余りにもひどいじゃありませんか。
#183
○委員長(金田勝年君) 井上美代君、質問を続行してください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#184
○委員長(金田勝年君) 速記を起こしてください。
#185
○井上美代君 私は、この調査の、ゆうべ出してきたその調査ですけれども、この調査を今ごろになって出してくる。これは通常国会に出ていた法案ですからね。それをずっと聞いていたんですよ。それなのに出してこないで、ゆうべ出してきたなんというのは本当にひどいと思いますよ。今出したの、ゆうべ持ってきたから今出したんですよ。皆さん方、見たことないでしょう、これは。見たことないと思いますよ。これは余りにもひどいですよ。
 だから、私はもう本当にこういう調査をしていなかったと、出してこなかったということが、一体何で出してこなかったのかということを私は答えてほしいと思いますよ。
#186
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子世帯の実態につきましては、五年に一度全国母子世帯等調査というのを実施しておりまして、その調査結果はその都度取りまとめて公表をいたしております。
 そして、今問題になっております受給期間についてなんですが、平成十年の全国母子世帯等調査の調査項目の中には受給期間についての調査項目が含まれておりません。これは、この調査がいわゆる承認統計でございまして、調査の企画から総務省統計局の方と議論して調査を設計していくわけですが、どの調査についてもそうなんですけれども、調査対象者の負担が過重にならないようにということで調査項目の数はある程度に絞り込む、ある程度の数以下に絞り込むような指導を受けております。
 平成十年の調査の企画をいたしましたときには、養育費についてしっかり調査をしたいという、養育費の問題をこれからどうするかという問題意識がございましたので、養育費の調査について調査項目を増やしました。そのあおりを受けた形で受給期間の項目は落としたわけですけれども、それは今見ていただいておりますように、受給期間は行政的な業務統計で取れますので、わざわざサンプル調査をせずとも行政調査で取れるという判断がございましたので、平成十年の調査設計をするときには養育費の調査項目を増やし、受給期間の項目は落としたということでございます。
 そして、業務統計とはいえ、これは内部限りで取り扱っていることではございませんので、必要な数字については、新聞発表等積極的にしなかったということはあるいはおしかりを受けるかもしれませんけれども、お尋ねがある都度、国会の議員の先生にもマスコミにもこれらの数字はお出しをしてきておりました。
 ですから、昨日、今日の御質問の関係であろうかというふうに思いますけれども、井上委員の方からも御請求がありましたので、こういう資料をお出しをしたということでございます。
#187
○井上美代君 今出されたもので、数字で五・五六というのがあるんですけれども、五・五六、今出されたの、これはどうなっているんでしょうか。それで、なぜ出してこなくて、昨日も聞いていませんよね、そして今ここで出たんですけれども、一体どういう数字でしょうか。
#188
○政府参考人(岩田喜美枝君) 五年という、五年余りといいましょうか、約五年の数字が幾つも議論に上りますと混線するのかなというふうに思いまして、もう少し混線しないように御説明する努力をすべきであったかと思いますが、今受給中の方の平均受給期間として五・〇一年を丸めて五年というふうに、大臣にもそのように事務方の方から御説明をしておりましたし、国会でもそのように御説明しておりました。
 もう一つの、今申し上げました五・五六年の方は、先ほども申し上げましたように、所得制限の最高基準をオーバーして児童扶養手当がもらえなくなった方、ですから自立によって児童扶養手当から脱却した方と言ったら表現が適当ではないかもしれませんが、その人たちに限って集計をしてみますと、ですからこの方たちはもう今はもらっておられません、この方の平均の受給期間が五・五六年であったということで、これも五年程度ということで御説明の中で使ったりしておりました。
#189
○井上美代君 何しろびっくり仰天しているんですけれども、五・五六なんというのはもう全く今出してきて、そしておっしゃるのは所得をオーバーした人のどうこうと言っておられるけれども、それはちょっとやっぱり、所得に達していない人の話をしているんですから、やはりこれはちょっと受給者全体の平均というふうにはならないと思うんですよ。何でそれを今ごろ言っているんですか。おかしいよ。五が多いから、それが混線するからなどということは根拠にはなりませんよ。やっぱりこれは、しかも公開もしていないわけでしょう。今出してきたわけでしょう。もう一年ぐらいたっているじゃありませんか、この問題をいろいろ論議してから。それまで一切公開もしないで、そして五年というのを据えてくるなんというのは非常にもう悪いと思いますよ。
#190
○政府参考人(岩田喜美枝君) これまで様々な場所で、個々の議員の先生方ですとか、各党の御説明の機会ですとか、対マスコミに対してですとか、五年とか五・五年とか、そういう数字はしばしば使ってまいったつもりでございましたので、別に業務的な内部資料だからということで中に秘していたわけではございません。
 なぜこれを目安にしたかということについては、努力をして自立をしてくださる方がどのくらい自立に時間が掛かったかということを見るためには最適な指標ではないかというふうに思っているわけでございまして、そのためにこの五年というのも念頭に置いて、五・五年ですが、これも念頭に置いて判断をいたしております。
#191
○井上美代君 これまでも各先生に話をしてきましたというふうにおっしゃっているけれども、一番この数字にこだわっていた私には一度も説明はありませんでした。こういう数字があるなんて思いもしないで、私は先ほどから五・〇一を一生懸命追及していたんですけれども、今、五・五六ですか、こんな数字を聞いてびっくりいたしますよ。こんなやり方ないと思います。そして、裏付けもないのに五年だなんて決められて、母子家庭はどうしますか。そこで怒っているんですから。
 そして、この法案の一番のかなめのところは、五年したら削られるということなんです。自立や就労支援などというのはうれしいことなんですよ。うれしいことなんです。しかしながら、それを五年したら半減して削ってしまうというところにこの法案の問題があるんです。そのかなめのところのその法案の五年を、五・五六だとか五・〇一だとか、今までも諸先生に説明をしてきましたとかって、大うそだと思いますよ。私はそこを聞いてきたんですから、この一年。だから、説明は一度も受けておりません。おかしいと思いますよ。このまま続けられないです。(「それじゃ、やめればいいじゃない」と呼ぶ者あり)簡単に言わないでください。
#192
○委員長(金田勝年君) 質問を続行してください。
#193
○井上美代君 この五・五六というのは受給者の平均ではないでしょう。五・〇一は受給者の平均です。だけれども、五・五六というのは何の平均なんですか。
#194
○政府参考人(岩田喜美枝君) 所得制限まで、所得の上限まで児童扶養手当を受給なさっておられて、収入が増えて所得制限をオーバーする収入を得ることになって児童扶養手当の支給が停止になった、ですから経済的には児童扶養手当から抜けて自立をされたといいましょうか、それらの方の児童扶養手当の平均受給期間でございます。
#195
○井上美代君 もう本当によく答弁をしてくださいますが、所得上限がオーバーしたというふうに今言われましたけれども、これはやっぱり私はごく一部の人だと思うんですよ。今、受給をされている人たちというのはもっと大変な人たちがされているわけですから、だから所得上限オーバーした人と言われましたけれども、これはごく一部の人であるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#196
○政府参考人(岩田喜美枝君) 手元に具体的な人数は、申し訳ございませんが、ありませんけれども、我々が目指している姿というのは、様々な自立支援策を講じて収入が上がり、その結果、だんだん児童扶養手当の金額が下がり、最終的には児童扶養手当が支給されなくなるという、その姿がモデルでございますので、そういう所得の上限まで御自分の稼得収入が増えて受給が終了された方というのがこれからの自立モデルを考えるときに一つの目安として非常に有効な年数であるというふうに判断したものでございます。
#197
○井上美代君 数字が全くもう根拠がありません。そういう数字を今日出してこられるなんて想像もしていませんでしたけれども、ますますこれは大変だというふうに思います。
 やはり大臣、法案の根拠が私はもう崩れたんだというふうに思います。だから、やっぱり私はこれは撤回をして凍結させていただく以外にはないというふうに思います。大臣、御答弁願います。
#198
○国務大臣(坂口力君) コンマ以下の話はいろいろありますけれども、大体、ここに先生からいただきましたこのペーパーを見ましても、これは一九八八年、それから一九九三年、それも皆五・二、五・二になっているわけですね。ここで、一九九九年のところでは、これはそこを調査をしていなかったということでございますけれども、児童扶養手当の受給状況調査からすれば五・〇一であるということでございますから、大体この五年という数字はそんなに大きな違いがあるわけではありませんで、これは大体これで、大体傾向を見ましてもこの数字はこれでいいんではないかと私は思います。
#199
○井上美代君 大臣の御答弁をいただきまして、これはまた大変だと思います。認識が全くしていただいておりません。
 今、私が表にして出しましたのは、それは受給期間の平均なんですね。大臣が水島議員に御答弁されているのはまたそれとも違うんです。そして、受給を開始したときから停止したときまでの平均で大臣は御答弁されているんです。だから、全然、私が今日出しました表というのは受給期間の平均なんです。
 しかも、三つの段になっておりますけれども、上二つは五年ごとにやっているもの、そしてこの一番下のは、九九年とありますけれども、行政調査なんです。ここに並べられないもう一つ九八年のが、五年ごとのがあるんですけれども、この受給期間という設問を取り除いていらっしゃるんですね。だから、やっぱり認識も違うんです。大臣の認識も違いますし、表も違うんですよ、この三つは同じじゃないんですよ。
 このようなことですので、もう今日は時間になりましたのでこれでやめますが、引き続き問題やらせていただきます。
#200
○西川きよし君 西川でございます。よろしくお願いいたします。
 朝から諸先生方、御苦労さまでございます。大変に緊張感のある、本当にまじめにそう思います。まだまだ奥行きがあるな、いろいろ考えなければいけない部分が多々あるなというふうにも感じております。
 諸先生方、いろんな角度からの御質問でございますが、私自身も母子世帯の対策、これに当たりましては、私の生活におきましてもそうですが、身の周りといいますか、たくさんの母子家庭の方々がおられまして、サラリーマンの方であったり、また弟子であったり、そしてまた私事でございますが、恐縮ですが、私の妻も実は母子家庭でございまして、第二次世界大戦によりまして戦争未亡人と家内のお母さんがなったわけですけれども。昭和二十七年ですから、朝から聞いておりますと、それを契機といたしまして我が国の母子福祉対策も整備をされてきたというわけでございますけれども、妻の場合は戦後の混乱期と併せまして更に複雑な事情と申しますか、お父さんが米国の軍人であったわけですけれども、一度もお会いしたこともなかったということで、お母さんと二人で頑張ってきたということをお母さんからもよくお話を聞かせていただきましたが、今までにも、当時の思い出話を聞きますと、そしてまた家内に私は、私も二十一年、家内も二十一年生まれでございますけれども、家内と出会うことによって人生の考え方というものがすっかり百八十度変わってしまいまして、福祉とか、そしてまた慰問だとかいうような方向性に進み、今はこの委員会にもお世話になっておりますけれども、本当に庶民の代弁者として一生懸命に頑張らなければいけないと思います。
 大体、今お話をさせていただいたことで母子家庭というものがどんなものかということを自分も勉強させていただいたんですけれども、幸いにしてうちの家内は親戚の方とか、妻からしての母の姉だとか妹、おばさんたちに支えられたというお話でございますけれども、幼いころには随分いじめに遭ったというんですか、電車に乗ってもバスに乗りましても、お母さんがつり革を持っておりますと下で家内が火が付いたように泣くそうですけれども、おうちに帰るとあざになったり血が出ていたり、それはそれは、昭和二十一年、二年、三年、四年、五年、六年となりますと、家内が四歳、五歳、六歳ぐらいになりますと、青い目で金髪の子供などを見ますと、それは気持ちがいいわけがないわけですね。兄弟が、また親が、おじいちゃんやおばあちゃんが戦争で命を失っているわけですから、当然といえば当然のことであるわけですけれども。そういった僕たちは夫婦の出会いがございまして、自分が、先ほども申しましたように、そしてまた縁と申しましょうか、家内が母子家庭ということで随分と周りにそういう方々が増えてまいりました。
 そして、ここで一つお伺いしたいのは、常に子供の幸せを、子供の幸せをということが今度の法律にもうたわれているわけですけれども、子供の幸せを第一に考えるということが根底にあると。今後の母子家庭対策の第一に子供の幸せを考えるということがうたわれている、この点につきまして私自身も大いに賛同いたします。
 この子供の幸せ、大臣、どのように受け止めておられるのか、まず坂口大臣に御答弁をいただきたいと思います。
#201
○国務大臣(坂口力君) 西川議員がいつも弱い立場の人たちと申しますか、これから大きく成長しなければならないそうした人たちに対して目を向けていただいていることを大変敬意を表しております。
 ここにあります子供の幸せを第一に考えるというのは、母子家庭になりましても、あるいは両親がそろっておりましても、やはり子供がどういうふうにすれば一番成長をしていくか、子供たちが一番安心をして成長することができるかということを中心に考えてあげなければいけないんだろうというふうに思います。
 今までの考え方はどちらかといえば財政支援ということを中心にして私は考えてきたと思いますし、またそれで済んだ時代もあったわけでございます。しかし、これだけ例えば高齢者なら高齢者が非常に増えてくる、それから障害者の皆さん方も立派に成長されるようになってまいりまして、そして社会で活躍もされるようになってくる、あるいはまた先ほどから議論になっておりますように離婚ということも珍しいことではなくて通常行われるようになってまいりました。
 したがいまして、そういう皆さん方に対してどう対応をしていくかというのは、それぞれ、障害者は障害者、それから母子家庭のお子さんはお子さん、それぞれにハンディキャップを持っておみえになると思うんですね。そこのハンディキャップをどうなくしていくかということが一番大事になってくる。その後はそれぞれ競争をしていただく、元気にやっていただくということが大事であって、そのスタートラインに並ぶところに格差があってはいけないと、そこを一直線にするという努力が私は社会に求められていると思っております。
 そうした意味で、今回のこの母子家庭のお子さん方に対しましても、そういう家庭が得られるように、すなわち母子家庭のお母さんに対してどういう支援をするかということが今問われている。その支援の仕方によってお子さん方は同じようなスタートラインに立つことができるようになる。ただ財政的な支援をするというだけの、何かそれによりまして非常に暗い気持ちを持たせるというのではなくて、お母さんに堂々と働いていただけるような立場を作ることがより大事ではないか、そんなふうに私は思っている次第でございます。
 そうした趣旨を込めて今回出させていただきましたし、それを実現をいたしますためには社会全体がよほどやはりそういう立場で支援をしなければいけないというふうに思います。もちろんのこと、我々役所といたしましてもそのことを十分念頭に置いてやらないといけない、そういうことでございます。
#202
○西川きよし君 私もできる限りは、三人子供を育ててみて、御協力を、奉仕をさせていただこうということで春と秋にはあしなが育英会街頭募金に協力をさせていただいておるんですが、せんだっても、朝からお話がございました、今あちらの方にいらっしゃいますが、山本先生も御一緒に大阪の難波の駅前というところで毎年やらせていただいておりますけれども、自死、そしてまた災害、交通事故、病気で親を亡くされたという子供さんたちが一生懸命頑張っているわけですけれども、お力になれたらということでやらせていただいているんですけれども、それはそれはみんな真剣に一生懸命頑張っておられます。
 子供は社会の宝と、将来はこの子供たちが社会を担い、そしてその時代時代の高齢世代を支えるという立場になっていただくためにも自分も協力をさせていただいているわけですけれども、社会全体でどういうふうにこの子たちを育てていこうと大臣は思われているんでしょうか。
#203
○国務大臣(坂口力君) どういうふうに育つかは、それぞれのお子さんの持ち味もありますし、それからお子さんの能力によっても違うというふうに思いますが、いずれにしても、このお子さん方がいわゆる競争ラインに立てるようにしてあげて、その後はそれぞれ努力をして、やはり御自身で成長をしていただくということでなければならないのではないかと。
 先ほどお話の出ました、山本先生からもお話が出ました交通遺児の方々の問題も私はそうだと思うんです。私もかつてから、交通遺児の皆さん方のこの問題、そしてそれに取り組んでおみえになります皆さんの問題、よく私も存じ上げているところでございますが、そうした皆さんがやはり一般の御家庭のお子さんと同じようなスタートラインに立てるようにする。その後は、それは私は努力次第だと思うんです。
 一般の御家庭の中にも、お父さんお母さんそろっている皆さんの中にも、そろってはいるけれども、しかし、うまくいかない、財政的にも非常に厳しいというところもあるわけでございます。人生様々でございますから、そうした中で、しかしお子さん方には少なくとも出発点は同じラインに立っていただけるようにして、その後はしっかりと御自身で努力をしていただくということが私は大事ではないかというふうに思っております。
#204
○西川きよし君 ありがとうございました。
 本当に、私も思うんですけれども、みんなで、社会でこの国がどういうふうに子供たちを育てていくかということを真剣に方向付けをしなければいけないというふうに思います。
 しばらく大臣にはお休みをいただきまして、母子家庭に限りますけれども、一人親世帯の子育てには大変な御苦労があるということは間違いないと思うわけですけれども、子供がいない方々もいずれは少なからずやっぱり年金や医療にお世話になるわけです。その子供たちに支えられる日が来るわけですから、そういう意味では、やはり社会におきましても子育てを支え合う精神、大変に重要だと思いますけれども。
 その一環といたしまして、児童扶養手当についても、自立の妨げになっているとは思いませんし、やはりその自立の支えとなっていると思いますし、できる限り守っていく必要もあると私は強く感じているわけですけれども。ましてやこの不況のさなかです。多くのお母さんが子供のために不安定な身分の下で必死に働いておられます。更に不安を大きくさせてはいけません。今対応しなければならないことなのでしょうかということの、法律を読ませていただいてそんな疑問も感じますし、ましてこれだけ厳しい所得制限があるわけですから、この点につきましては、先ほど来御答弁いろいろ、先生方の答弁にもありましたけれども、法案の細部について確認の意味も含めましてお伺いをしたいんですけれども。
 この児童扶養手当の対象となっている方の中で、離婚等による母子家庭以外の、例えばおじいさん、おばあさんが子供を育てていると、いわゆる養育者が受給者となっているケースですね、違った、こういう方々はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。政府参考人にお伺いします。
#205
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子世帯の母親以外の受給者、いわゆる養育者でございますが、その数は平成十四年三月末時点では四千九百十九人、おおむね五千人ということでございまして、ここ数年は若干増加の傾向にあると思います。
#206
○西川きよし君 確かに受給者全体から見ますと数は少ないかも分かりませんけれども、しかし、それにいたしましても、この数千人、四千九百人以上いるということでございますが、例えばおじいさん、おばあさんが子供を育てているような場合ですけれども、この十三条の二でございますけれども、受給者、「母に限る。」とありますが、これは母以外は削減の対象としないということでよろしいのか、その辺りの御答弁をいただきたいと思うんですが、これは副大臣、お願いいたします。
#207
○副大臣(鴨下一郎君) 西川先生の大変言ってみれば幅の広い観点からの御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 先生が御指摘のように、今回の法改正につきましては、自立を支援するということと子供の幸せを第一に考えると、こういうようなことを中心的な言ってみれば考え方として改正に当たっているわけでありまして、その中で、先生御指摘の、母に限定した減額対象者というようなことでありましたけれども、祖父母等の養育者を対象としないというようなことでありまして、これは児童を監護する者が祖父母などの養育者である場合には就労により自立することを求めることが難しいと、こういうようなことでありまして、母とは異なり、五年後の減額の対象にしないと、こういうようなことにしている次第でございます。
#208
○西川きよし君 それでは、次へ進ませていただきます。
 二の2ですけれども、受給資格者が身体上の障害がある場合、ちらっと沢先生からも出たんですけれども、その場合、他の政令で定められる事由に該当する場合には支給制限をしない旨の規定がございますけれども、例えばでございますが、お母さんには障害はないといった場合でもその家庭のおじいちゃん、おばあちゃんを在宅で介護されているようなケース、こういうケースではなかなか働く機会も狭まるわけですから、お母さんが障害の状態にない場合でもといったケースについては適用の除外をする必要があると思いますが、この辺りの政令部分ではどのような想定がされるのか、引き続き副大臣にお願いします。
#209
○副大臣(鴨下一郎君) 三歳未満の児童を監護している場合は三歳までの期間は五年間の全額支給期間の計算に含めないという取扱いをしているということと、障害それから疾病を有するなど自立が困難な状態にある場合にはこの規定を適用しないというように、就労による自立が困難な方々に対してはきめの細かい配慮をすると、こういうようなことでありますが、ただ、障害、疾病を有するなど自立が困難な状態にある場合の具体的な内容につきましては、この法案が成立した後に政令で定めると、こういうようなことであります。
 ただ、現段階では、例えば受給資格者である母親自身が障害や疾病を有している場合、それから受給資格者が監護している児童が障害や疾病を有している場合などが想定されるところでありますが、先生の御質問では、この政令について、就業支援策等の状況も踏まえて五年後の適用に当たっていろいろとこれから今、先生おっしゃっていたようなことも配慮して、そしてどうするかというようなことでありますが、受給資格者である母親が家庭において要介護状態にある例えば自分の親ですね、そういう方の介護をしている場合などは、他のケースにおける対応についても政令制定までの間に十分にいろいろな方の御意見を伺って検討をしていきたいと、こういうような状態が今の段階でございます。
#210
○西川きよし君 ありがとうございました。
 どうぞ不安のないように、御不自由のないようによろしくお願いを再度申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 次に、子育ての支援策についてお願いをしたいんですが、母子家庭等の日常生活の新事業の趣旨、内容についてまず政府参考人に御答弁いただきます。
#211
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭、父子家庭におきましては、子育てと仕事の両立が大変困難でございます。例えば、母親が仕事を探す、あるいは仕事に就くために教育訓練を受ける、そして実際に仕事を始める、その場合にも、残業があったりそれから出張があったりということで、仕事と子育ての両立が大変難しい時期がございます。また、母親自身が病気になって子供の面倒が見られないというようなこともございます。そういったときに一時的に家事とか保育のサービスをするための、母子ヘルパーというふうに言っておりますが、通称しておりますが、そういう方を家庭などに派遣いたしまして家事や子供さんの世話などの支援を行う、そういう事業でございます。
#212
○西川きよし君 このサービスの提供の場所として、児童の居宅に加えまして提供者の自宅等を活用するという点でございますけれども、この場合、ヘルパーさんの自宅あるいは子供の自宅、いずれにいたしましても密室での対応になると思うわけです。大変不安を感じます。
 当然ながら、その介護人となる方には様々な場面での子供への対応等々の知識や経験が必要になってくると思うわけですけれども、この介護人になる方の要件として、ヘルパーさんのヘルパー講習会修了者とされていますが、もう一度申し上げます、ヘルパー講習会修了者とされているわけですけれども、これは具体的にはどのような講習会を意味をしているのかということを是非御答弁いただきたいと思います。
#213
○政府参考人(岩田喜美枝君) これは都道府県などが主催する就業支援講習会で得られる資格なんですけれども、母子ヘルパーとして決められた時間数講習を受けていただいて、ヘルパーの資格、一級、二級、三級とございますが、受けていただくケースがございますが、それ以外にも、例えば高齢者を念頭に置いたヘルパー制度がございますので、その高齢者を念頭に置いたヘルパー制度の資格を持っておられる方にはそれにプラスをして保育サービスに必要な知識や技能を習得するための講習を受けていただいて、その上で派遣をするということにいたしております。
 いずれのケースでも、やはり密室といいましょうか、第三者の目のないところでお子さんを預かって世話をしていただくということですから、倫理面も含めてしっかりした方でなければいけないということでございますので、研修をしっかりしてまいりたいというふうに思います。
 あわせて、実態としては母子ヘルパーになられる方御自身が母子家庭の母親であるケースが多いんですね。母子家庭の母親自身が講習を受けて資格を取って、自分たちの仲間である他の母子家庭の御家庭に行って子供さんの世話をするというケースが多うございますので、そういう場合にはよく母子家庭としての事情にも共感を持てる人たちがやっていただいていると思いますので、事業自体は順調にいっているというふうに思います。
 引き続き、研修などについてはしっかりやってまいりたいと思います。
#214
○西川きよし君 どうぞ、大変大事なことでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。それでなくても、本当に毎日の報道の中では子供の虐待の報道がたくさんございますので。
 時間が来ましたので、最後の質問にさせていただきたいと思います。
 一級のヘルパー研修でございますが、この内容というのは高齢者への対応がほとんどでありまして、今回、このような場合にも活躍していただくという意味からいたしまして、研修のカリキュラムの追加を何とかお願いしたい、考えていただけないのかというふうに私自身思います。やはり、利用者の家庭にしろ提供者の家庭にしても、ある意味で密室となるわけですから、今、局長もおっしゃいましたけれども、ある意味で密室となるわけですから、そこのところはしっかりとした研修等々を受けていただくといったことが大変に必要ではないかなというふうに思います。
 たくさん用意をいたしましたけれども、次に回させていただきます。
 大変大事なこの最後の質問は是非副大臣に御答弁をいただいて、本日の最後の質問にさせていただきます。
#215
○副大臣(鴨下一郎君) 先生の御懸念は、お母さんがいないときに母子ヘルパーが家庭に行ってというようなことで、言ってみれば二人きりになるというようなこともあるわけでありますから、そういう意味で、ある意味できちんとした訓練を受けた立派なヘルパーさんがたくさんいてほしいと、こういうような趣旨だろうというふうに思います。
 今回、カリキュラムの追加等については、ヘルパー一級も対象にするなど、内容については十分に拡充していきたいと、こういうふうに考えておりますし、それから先生がおっしゃっていたような保育サービスの必要な知識それから技能、こういうようなものをきちんと習得できるための一定の講習の受講も必要な条件にしようと、こういうふうなことも考えております。
 また、最終的には、言ってみればヘルパーさんの倫理面での問題についてもきちんとした研修をしていただくと、こういうようなことも盛り込んでまいりたいと、このように思っております。
#216
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 終わります。
#217
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこです。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、質問に入る前に鴨下大臣に伺いますが、先ほど岩田局長が五・〇一という数字を丸めると五だというお話があったんですけれども、五・五六という数字を丸めたら幾つになるんですか。
#218
○副大臣(鴨下一郎君) 五・〇一と五・五六、こういうようなものを総合して五に近いと、こういうような形で考えているわけであります。
#219
○森ゆうこ君 五・五六は五に近い。どういう計算なんでしょう。またその件については後でお願いしたいと思いますが。
 いろいろお話がありました。午前中から今までいろんなお話がありましたけれども、政府は、今までの経済的、金銭的な援助から自立支援に言わば政策転換していくんだ、自立支援を重点にしていくんだということでよろしいでしょうか。鴨下副大臣、お願いいたします。
#220
○副大臣(鴨下一郎君) 今回の改正の大きな柱の一つは、母子家庭のお母さんにも経済的にも精神的にも自立していっていただきたいと、こういうような考えが一番ベースにあるということでございます。
#221
○森ゆうこ君 本気で政府がそのように考えてこの改正案を提出したのであれば、自立支援策の実効性というものをきちんと検証しなければいけないと思います。
 常用雇用転換奨励給付金の実効性については午前中も指摘がありました。私は、ショートステイ、トワイライト事業など、児童養護施設、児童福祉施設の利用を想定しているこれらの自立・子育て支援策について、実効性があるのかどうか検証したいと思いますが、このショートステイ、トワイライト事業などについて、どのような試算に基づくものでしょうか。
#222
○副大臣(鴨下一郎君) 結果的には、お母さん方が安心して子育てできる、こういうようなサービスと生活の場を整備していこうじゃないかと、こういうようなことでございまして、今回の法律案においても、これまでの予算事業として実施していた例えば親、親というか、母が急な残業や出張それから疾病等の際にショートステイなどを行う子育て短期支援事業について市町村が児童養護施設その他の施設において実施できる旨、明確に法律の中に位置付けたというようなことでございます。
#223
○森ゆうこ君 この試算ということについては今明確なお答えはなかったんですが、取りあえず受入れ体制としては児童養護施設などを考えているわけですけれども、その現場からの声というものはきちんと聞かれましたでしょうか。
#224
○副大臣(鴨下一郎君) それぞれ、例えば母子寡婦団体も含めて、関係団体の皆様も含めて、利用がどういうふうにあるべきかと、こういうようなことをお伺いした上での話でございます。
#225
○森ゆうこ君 私は週末に地元の児童養護施設を訪ねて、園長先生そして職員の皆さんからお話を伺ってまいりました。そして、全国児童養護施設協議会からもお話を伺いましたけれども、今回のこのトワイライト事業、ショートステイの事業の拡充について現場へのそういう問い合わせはなかったというふうにお答えをいただきました。
 今、児童養護施設の現状がどのようなものかということを大臣は把握していらっしゃいますでしょうか。
#226
○副大臣(鴨下一郎君) 児童養護施設はいろんな意味で、例えば虐待を受けたお子さん、そういう方も含めた、言ってみれば子育ての環境になかなか恵まれない、こういうような方々をお受けしているわけでありますけれども、現実には社会福祉法人等で経営者の方々がもう極めて個人的に非常に一生懸命やっていらして、相当いろんな意味で不自由な中で頑張っていらっしゃると、こういうようなことはよく存じております。
#227
○森ゆうこ君 実は、この児童養護施設の現状というものが大変変わっております。といいますのは、児童虐待防止法ということで皆さんの社会での関心が高まったということで、虐待の通報が増えたんですね。その結果、これは個別の施設、私が訪れた施設での報告ですけれども、入所の理由、入所児童の主訴、主な原因となっているものが虐待というのが六二%あると。しかし、入所してからいろいろ調べてみると、ほぼ九〇%の入所児童が被虐待児であると。
 その結果どういうことになっているかというと、つまり虐待を受けているという子供たちは情緒や行動、性格形成などに深刻なダメージを受けていて、感情のコントロールも利かない、爆発的、破壊的な行動を起こしやすいということで、とにかく今毎日がトラブル続き。無断外泊、夜間徘回、そしてまた不登校の問題もあるということで、現場の皆さん大変苦慮していらっしゃる。
 そんな状況の中で、今回、この自立支援策の一環としてショートステイ、トワイライト事業、お考えになるのは結構なんですけれども、全くこれ予算が仮に付けられたとしても現場では対応できないと、こう言っているんですが、いかがですか。
#228
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、DV法施行以来、非常に虐待を含めたお子さんたちが養護施設に殺到しているという、こういうようなことも存じておりますが、ただ、今回の例えばトワイライトステイ若しくはショートステイというような話は、これはまたそれとは別の意味で、お母さん方の言ってみれば就業支援、それから子育て支援をするための目的でありますので、同時に並行して行っていくというようなことであります。
#229
○森ゆうこ君 政治家としての御答弁をお願いしたはずだと思います。
 職員はこういうふうに言っておりました。ずたずたになっている子供たちの心をケアしてあげられない現状がつらいと。そして、全国児童養護施設協議会からは、都市部ではもう九割を、やはり九割を超える入所者の原因が虐待であると、もう本当に九割の子供たちが。そういう精神的にダメージを受けている子供たちが八割以上になるともうこれは学級崩壊ならぬ施設崩壊。そういう現状をきちんと調べもしないで、それで自立支援策ということでトワイライト、ショートステイを拡充すると。これは、さっきも申し上げましたけれども、本当に金銭的な援助だけじゃなくて自立支援策を重点化していくんだ、そこに力を入れていくんだと本当にお考えだったらこういうこともきちんと調べるはずじゃないですか。
 つまり、私が言いたいのは、今回のこの母子寡婦、この今回の法改正が、つまり児童扶養手当の予算の上限が一杯になったので給付削減という財政上の都合でやられるものであって、自立支援策というのはアリバイ作り、言わばアリバイ作りではないかというふうに思いますけれども、これについていかがでしょうか。
#230
○副大臣(鴨下一郎君) 先生もよく御存じの上でおっしゃっているんだろうと思いますが、だんだんと時代の流れとともにある意味でお母さん方のマインドも変わってきているんだろうと思いますし、そういう中で依存をしているということだけではなく自立して頑張りたいというお母さん方も非常に増えているんだろうと思います。そういう意味で、この時代の流れの中でいかに国が自立を支援できるかと、こういうようなことで考えているわけであります。
#231
○森ゆうこ君 いや、だからその自立支援策をきちんと実効性を確保すると、そこまで考えて本当にやっているんですかということを言っているんですよ。
 それで、次の質問に移りたいと思いますけれども、政府の保護が切り捨てられるんであれば自立支援の環境整備を国が責任を持って行うということをまず先行すべきと考えますけれども、その自立支援の一つというか大本はとにかく扶養義務の履行の確保ということだと思うんですが、この点、法務省にお伺いしますが、養育費の未払の率というのはどれぐらいでしょうか。
#232
○政府参考人(原田晃治君) 養育費の未払、履行率について法務省で正確に調査をしているわけではございません。ただ、昨年、最高裁判所が行いました調査によりますと、調査に応じた、回答を寄せた者のうちの約五〇%がきちんと払ってもらっているという答えであったと思いますので、それ以外のところが完全な履行という状況ではない、一部支払とか遅れながらの支払ということもあると思いますが、それが恐らく家裁で調停や審判で養育費が定められた場合の一般的な全国的な傾向であろうと推察しております。
#233
○森ゆうこ君 そして、この養育費の債権者は子供であると思います。その子供のための債権である特殊性を考慮して特別の強制執行制度ということで、先ほども御答弁がありましたのでこの点については省かせていただきますけれども、ただ、そもそもこの債権を確定するまで、先ほどは確定した債権の強制執行についていろいろな御説明があったと思うんですが、そもそも債権を確定するまでが大変だということを伺っております。現行制度では非常に煩雑で費用も掛かる、素人には難しいということで、この点で簡易迅速な養育費の確定制度というのを導入してはいかがでしょうか。
#234
○政府参考人(原田晃治君) 委員御指摘の養育費の確定というのは、恐らく裁判による判決とか調停とか審判とか、それをもって強制執行ができるような債務名義を作る手続をもう少し簡易迅速にできるようにしたらどうかと、こういうことであろうと思います。
 実は、現在、このような債務名義につきまして一番簡単に取れるやり方としては、家庭裁判所に調停の申立てをしていただく、これが当事者にとっても非常に負担の掛からないやり方だと考えております。
 と申しますのは、家庭裁判所というところは夫婦、親子間の関係につきまして後見的な立場からいろいろ援助して、その夫婦関係、子の福祉の実現を図っていくというところでございますけれども、養育費につきましては、まず家庭裁判所に行きますと家事相談という制度がございますし、そこでいろいろ相談に乗っていただけますし、さらに申立てに要する費用もわずか九百円、九百円を出しますと、これはまず家庭調停委員という方々が相手方も呼び出して話を聞き、事情を聞いた上で適切な養育費が幾らであるということを当事者の合意がまとまるように援助してあげる、それで調停が成立しなければ、この手続はそのまま、更に追加費用を払うことなく家庭裁判所の審判に移行します。これは家庭裁判所には家裁調査官という専門家がおりますので、調査官を利用しながら適切な養育費の額を定め、これを家事審判という形で債務名義を作ると、こういうことができる仕組みになっております。
#235
○森ゆうこ君 今の御答弁ですと、既に簡易迅速な養育費、債権の確定制度があるというふうにお考えだそうですけれども、本当にそれが簡易迅速なものであれば、その養育費の取立てがうまくいかないとか、債権の決定が余りよく行われていないとか、そんな現実が起きてこないわけですね。
 つまり、今の現状の制度では簡易迅速な養育費の確定制度にはなっていないという認識の下で新たな例えば交通事故類似の子供の年齢等に応じた養育費表とか、そういうものがガイドラインとしてある程度厚生労働省は作るそうですけれども、こういうものを利用して本当に簡易迅速に養育費が離婚の時点で確定すると、そういう制度を利用すべきだと考えます。
 そこで、ちょっと時間がなくなってきましたけれども、この養育費に関して、扶養義務の履行ということに関してはほかの諸外国ではどのような制度がありますでしょうか。
#236
○政府参考人(原田晃治君) 養育費の確定といいますか、幾らを支払うという形であれば、諸外国におきましても同じように家庭裁判所における調停とか審判という制度がございますし、もちろん裁判という制度もございます。
 それから、先ほどの話で履行の話が出ましたけれども、これは途中でちょっと答弁が止まってしまったんですが、家庭裁判所におきまして調停とか審判で養育費の額を定めますと、もし履行がされなければこれは家庭裁判所で履行勧告という制度がございます。これも家庭裁判所の調査官が相手方のところに行って支払いを催促する、それでも払わないときには履行命令という制度もございます。履行命令に応じなければ一定の過料が科せられると、こういう制度がございますので、もしその制度が必ずしも十分に機能していないということであれば、ある意味では十分なPRが若しくは周知徹底ができていないという点は反省すべきであろうと思いますが、家庭裁判所の機能というのは諸外国と比べても決して劣るようなものではないと、このように考えております。
#237
○森ゆうこ君 今のような法務省の見解ですと、元々の子の扶養義務という、養育義務は親にあると。あくまでもそれがなされなくて、その代わりを国がやると。この保護、政府からの保護が切り捨てられるという改正案ですよね、金銭的に言うと、鴨下大臣。
 それで、そういうことを決めるときに、扶養義務の履行の環境整備ということについて国がこれ努力義務で、しかもさっきの御答弁を伺うとPR活動とか何かそういう漠然としたもので、結局扶養義務を履行しないそういう人たちに対して強制的にやらせていくということが、又はその債権それ自体を確定するというような本当に必要なことが実行されないんじゃないかと思うんですけれども、法務省がこういう感じですと何か全然環境整備ということで信頼できないんですけれども、大臣、いかがですか。
#238
○副大臣(鴨下一郎君) 諸外国の例を今、法務省の方からの答弁でありましたけれども、我が国は、我が国の大半が協議離婚というような、こういうような現状の中で養育費をいかに確実に支払ってもらうかと、こういうようなことについてはこれはいろいろと難しい部分もあるんだろうと思いまして。
 ただ、厚生労働省としましては、社会的な機運をいかに盛り上げていくかと。広報じゃ生ぬるいというような話ありましたけれども、そういうようなことを周知徹底していこうじゃないかと、こういうようなことと、それから養育費についての取決めをどういうふうに促進していくかというようなことで、先ほどから答弁にもありましたけれども、おおむねこのくらいの養育費が妥当であろうと、こういうようなことのガイドラインをきちんと作っていこうじゃないかと。こういうようなことを含めて、ある意味で養育費をきちんと確保できるような、こういう施策をやっていこうじゃないかと、こういうことでございます。
#239
○森ゆうこ君 現在の法務省の方、先ほどの御答弁、現在の制度でも別に他の国に劣るものではないというふうなお話ですけれども、まず現状の認識が今の制度が役に十分立っているというようなことでは更に改善して新たな制度を設けるというように動かないと思いますし、その現状の認識そのものが間違っているんじゃないかということを私は指摘したいと思います。
 それで、鴨下副大臣に伺いたいんですけれども、先ほどもお話ありましたが、政府は少子化対策を重点政策、最重要課題ということで取り組んでいると思いますけれども、子供を育てている人の給付を削減するというのは、一方で少子化対策を更に加速させなきゃいけないと言っているときに、これは全く政策矛盾ではありませんか。
#240
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、少子化対策というのは国の言ってみれば根幹を成す重要な政策であることは間違いないわけでありまして、ただ少子化の一番の原因は晩婚化、晩産化、こういうようなものが極めて重要な要素になっていると、こういうようなことであります。
 ただ、今回の児童扶養手当の削減というようなことにつきましては、これは母子家庭の既にお子さんを産んでいらっしゃるお母さん方が安心して子育てできる、こういうようなサービスをどういうふうに提供するかと、こういうようなことでありまして、ある意味で総合的には少子化対策になるんだろうと思いますが、むしろ積極的な意味では子育てを支援していこうと、こういうような趣旨でございます。
#241
○森ゆうこ君 厚生労働省は、先日お見合い事業に補助金ということが出ておりましたけれども、この補助金は幾ら出すんですか。
#242
○副大臣(鴨下一郎君) 一部の新聞等で、お国がお見合い事業をやるのかと、そういうのは余計なお世話だと、こういうような話も御批判としてあったと思いますが、これは多くのバリアフリー事業の中の一環として、多くのメニューの中の一つでありまして、一件当たり一千万ぐらいの事業でございます。
#243
○森ゆうこ君 バリアフリーの中の一環でお見合い事業というのがどうも理解できないんですけれども、結婚そして出産という順番をどうしても守らなきゃいけないということなんでしょうか。結婚促進策というのは少子化対策ではないと思いますよ。
 それで、ですからさっきから現状の認識が間違っているんですよ。法務省は法務省で現行の制度でもう胸を張れると言っているけれども、全然役に立たない、立っていないんですよ。そして、支援策をやると言っても、現実的に、じゃ受入れ施設のどういう現状か。虐待児で一杯でもうどうしようもない状況で、この現状も把握していない。女性が結婚しない、今、男性でも女性でもいいですけれども、結婚しないのは出会いがないからじゃないんです。女性が特に結婚しないのは、結婚とそして出産というのが女性の一生、人生を考えたときに、とってもリスキーなんですよ、リスクが高いんです。お分かりでしょうか。
 こういう現状をきちんと認識していただかないといけませんけれども、また次回質問させていただきますが、これで終わります。
#244
○大脇雅子君 それでは、まず今般の改正案の位置付けと評価に関連してお尋ねをいたします。
 本改正案提出の趣旨は、母子家庭等の状況変化を踏まえて、母子家庭等の自立の促進を図りながら児童の健全な成長を確保するということが課題となっています。その柱は、何度も繰り返されるように、子育て支援と就労支援と扶養義務の履行確保と児童扶養手当制度の見直しとなっているわけですが、既に今年の八月から実施されている児童扶養手当に関する見直しでは、百三十万円を一つの分岐点として、それまで母一人子一人二百四万八千円というものが下がってきたと。この百三十万円に基準を設定した理由を確認をしておきたいと思います。そして、この見直しによって減額された件数とその財政効果についてお尋ねします。
#245
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭が大変増えていく中で児童扶養手当制度をいかに維持するかという観点と、そして従来は就労による所得がある一定水準を超えますと児童扶養手当も含めた総所得が逆に減るという不都合があったということ、これらを総合的に見直しをするということで今般の八月の政令改正になったわけでございます。
 この改正において、全部支給を受けられる者の所得の制限限度額を百三十万というふうにいたしましたけれども、それは母子家庭の平均的な所得水準を考慮いたしまして、それまでは平均的な所得水準よりも低い家庭については全額を、そしてそれを超える収入のある方については一部支給としまして、就労による収入が増加するに従って手当額がきめ細かく低減するような、そういう仕組みにし、自立の促進に資するということを考えたわけでございます。
 まだこの実際の減額は今年の十二月の支給分から始まりますので実績は出ていないわけでございますが、予算上の、積算上のものでございますけれども、今回の見直しによりまして、手当額が変わらない方が約三十七万人、受給者全体の約五一%、手当額が減額になる者、十円など非常に少額の方も含まれますけれども、手当額が減額になる者が全体で三十三万人で四六%程度、手当額が増額になる者は、新たに受給される者も含みますが、約二万人で全受給者の三%程度というふうに見込んでおります。
 この見直しによる財政効果でございますが、十四年度は年度途中からの実施になりますので国費ベースで百二十億、地方負担を含めますと百六十億、そして平成十五年度ではこれが通年化いたしますので、概算要求におきましては国費ベースで約三百六十億、事業費ベースで約四百八十億程度の削減額を見込んでおります。
#246
○大脇雅子君 そうしますと、この十二月から施行されるその減額においても、かなりの額の財政効果を認められているわけであります。ということは、それだけの額の被害を受ける母子家庭が多いということであり、かなり深刻な効果をもたらすだろうということは予測されるわけであります。
 さて、今度母子家庭に関する支援策が母子家庭等ということになっておりまして、父子家庭もその範疇となりますが、この父子家庭の拡大対象というのは大体どのくらい拡大していくだろうと、そして、それの一つの予算の見通しというものはどのくらいにお考えでしょうか。
#247
○政府参考人(岩田喜美枝君) 最初の答弁に対する先生のコメントについてでございますが、児童扶養手当額については申し上げましたような削減の効果を見込んでおりますけれども、母子家庭対策全体といたしましては、一つには、母子家庭の数が大変増えるということ、そしてもう一つには、自立支援策に予算を充当するということから全体として予算が減額になるということはございませんで、ほぼ前年度と同額の予算を要求いたしております。
 次に、母子家庭についてのお尋ねでございますが、法律上初めて父子家庭を位置付けまして、その父子家庭に対しましては市町村に対する保育所の入所に際しての特別の配慮の義務付けの対象、そして二番目には、親の残業や病気などの場合に子供を児童養護施設などに一時期預かる子育て短期支援事業、ショートステイとかトワイライトステイとか言っておりますけれども、これを法定化するということ、三つ目には、親が病気などのために家事や保育ができないときに家庭生活支援員、母子ヘルパーというふうに言っておりますが、家庭生活支援員を家庭等に派遣する日常生活支援事業、これらを法律に基づいた事業として片親世帯の子育て支援事業として推進していくことといたしているわけでございます。
 父子家庭は平成十年の全国母子家庭等調査によりますと十六万世帯ということになっておりますけれども、これらの事業につきましては従来から、予算事業ではございましたけれども、父子家庭も対象といたしておりました。十五年度の概算要求に当たりまして、母子家庭、父子家庭と分けた積算はいたしておりません。
#248
○大脇雅子君 ただいまの局長のコメントに対するコメントでございますが、やっぱり平成十四年百二十億で平成十五年三百六十億、国予算ベースで減額されるということは、予算全体としては前年度と同一であったとしても、受給される母子家庭の言わば扶養手当としては非常に大きく、四六%の人が減額されるということで、たとえ千円でも母子家庭にとっては貴重な財源であり生活費であるということから考えると、私は効果は大きいというふうに申し上げたいと思います。
 さて次に、子育て支援の充実策で保育所の入所に関して母子家庭等に対する特別の配慮をするということになっておりますけれども、これはどのような配慮を考えておられるでしょうか。
#249
○政府参考人(岩田喜美枝君) 一人親家庭──母子家庭、父子家庭ですけれども、例えば、就職活動をするとか就職のために教育訓練を受ける、そして就職ができて就労を始めるといった場合に、子供が小さい場合には保育所を利用するということが大変重要な条件になるわけでございます。
 そのために、保育所に入所を希望する場合には選考に当たっての特別の配慮を自治体に、市町村に義務付けたわけでございます。市町村には具体的にどういう方法で、どういう基準でこの特別な配慮をお願いするかということについては施行までに明らかにしてまいりたいというふうに思いますが、例えば、待機児童がいるようなところでよくやられていることなんですけれども、入所選考の基準を点数化して、優先度を点数化して入所児童を決めるというやり方をいたしております。その場合に、両親がそろっている家庭の子供と比べて片親の場合にはその点数に加算するといいましょうか、加配するといったような形で優先的に取り扱うというようなことが想定されると思います。
#250
○大脇雅子君 養育すべき子供を抱えているということで職業訓練も大変ですし、就労自体がなかなか困難だということで、保育所の入所要件で就労先が決まっていなければ保育所への入所が困難であるということで、結局膠着状態になって困る母子家庭がいますので、就職先が決まっていなければ保育所へ入所ができないというこの基準については是非市町村に対しても見直しを、そういうことを提起していっていただきたいと思います。
 さて、基本方針が定められるということになりました。母子寡婦福祉法の第二章で厚生労働大臣が策定するとされております。父子家庭に対する施策も併せて基本方針で打ち出すべきではないかというふうに思っています。
 今回の法改正では「女子」という文言がそのまま使用されておりますが、男女雇用機会均等法の改正では「女子」が「女性」というふうに改正されたいきさつからしても、この法案の名前も「母子」というのもおかしいんではないかというふうに思いますし、そして「女子」が「女性」になっていないのはおかしい。そういう文言の修正というのは、実は法律の魂を体現する言葉でございますから、それについてお考えを伺いたいと思います。
#251
○副大臣(鴨下一郎君) 二点お尋ねがありました。
 一つは、父子家庭に対する施策を盛り込むべきかと、こういうようなことでありますが、今回の改正においては、扶養義務履行については母子家庭と父子家庭双方を対象にしているわけでありまして、母子家庭と寡婦に対する施策のうち、子育て支援策については父子家庭にも同様に適用していくと、こういうようなことであります。
 また、貸付金や就労支援策等のその他の施策については母子家庭と寡婦のみを対象としているために、基本方針においては父子家庭に対する施策について法律上は規定しなかったと、こういうようなことでございます。
 ただ、これからも基本方針を、市町村が策定して、そして自立支援計画は各自治体がある意味で独自性を反映して策定していくことを予定しておりますので、その際に各自治体がその判断において父子家庭に対する施策を盛り込むというようなことはむしろ望ましいんではないかと、こういうふうに考えているわけでありまして、こういうような観点から自立支援計画の指針となるべき国の基本方針をお示しする際には父子家庭に対する施策も併せてお示ししたいと、こういうふうなことでございます。
 また、先生御指摘の「女子」という文言については、「配偶者のない女子」という文言が定着していることから今回の改正案においては変更しておりませんが、これから母子福祉団体などの関係者の御意見や他の先生御指摘の様々な法令の改正状況を踏まえて検討はしてまいりたいと、こういうようなことでございます。
#252
○大脇雅子君 就労支援についてお尋ねしますが、多くの母子家庭の母から寄せられている声によりますと、必死に働いても通常家庭のおよそ三分の一の収入の程度で複合就労も非常に多い、二つだけでなく三つの掛け持ちをして子育てを必死にしているという家庭も多いわけであります。就労状況の統計では、平成十年度について見ますと、八四・九%が就労しているんですけれども、その内訳は、常用雇用が四三%、臨時、パートが三二・六%、不就労が一三・六%となっています。
 それぞれパートの常用化に対する支援金なども決められておりますけれども、どの部分にどのような支援を具体的に考えていられるのでしょうか。
#253
○政府参考人(岩田喜美枝君) その前に、先ほどの御質問の最後に言われましたまだ就職する前の求職中の方も保育所に入所できるようにということについてでございますが、現在既にそういう取扱いにいたしております。今回、母子家庭の就労支援対策を講ずるに当たりまして再度自治体にそのことを徹底して、まだ就職、就業できていないけれども求職活動をしないといけないという方については保育所に入れるということを徹底したいというふうに思います。
 次に、就労支援対策についてのお尋ねでございますけれども、母子家庭が就労により経済的に自立をするためには四つの領域があると思います。
 一つは、就職相談といいましょうか、どういう仕事が向いているか、どういう仕事が可能か、どういう能力を持っているかといったようなことについての就業相談の実施というのが一つの領域でございます。
 二つ目の領域は、就業のための、あるいは更に多くの収入が得られる、更に多くの収入を得るための転職に向けてのということかもしれませんが、職業能力の開発という分野があると思います。これについては、今回も幾つかの新しい財政的な支援のための予算要求も十五年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。
 三番目は、実際の就業のあっせんということになろうかと思います。これについては、公共職業安定所との連携というのが大変重要になるというふうに思いますし、また母子寡婦福祉団体自体が無料職業紹介の資格を取って自ら職業紹介をするということも始まっておりますので、そういうことも有効ではないかというふうに思っております。
 四つ目の分野は、所得の増大に結び付くような雇用機会をいかに作り出すか、雇用創出の分野でございまして、これは民間の企業にお願いするということと併せて国や自治体も自ら母子家庭の母親を雇用する、あるいは事業をアウトソースするといったようなことで雇用機会の創出を図るということが必要ではないかというふうに思っております。
 これらの四つの分野の就労支援策を展開する、そのための仕組みとして、今般、改正法に基づきまして、都道府県、政令市、中核市において母子家庭等就業・自立支援センター事業というものを創設することを予定いたしておりまして、先ほど申し上げました四つの分野について一貫したサービスができるように体制を都道府県等に整備していただきたいというふうに思っております。
 以上でよろしゅうございますでしょうか。
#254
○大脇雅子君 就労支援については母子福祉団体と連携して取り組むということになっておりますが、母子家庭の生活保障のためにはNGOだとかNPOが重大な役割を果たしていると思います。そうした団体も幅広く含めてしかるべきだと考えますが、この母子福祉団体についての要件等について、具体的にどのような団体を考えておられるのか、あるいは検討しておられるのか、お尋ねします。
#255
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子寡婦福祉法におきまして、母子福祉団体については社会福祉法人あるいは公益法人の法人格を持つものと規定されております。したがいまして、NPO法人については母子寡婦福祉法に言う母子福祉団体とはされていないところでございます。
 しかしながら、近年、NPOでも、NPOの中から母子の支援のための活動をするグループが出てきておりますので、こういった団体にも母子家庭対策について一定の役割を担っていただきたいというふうに考えているところでございまして、改正法に基づいて都道府県が実施をします様々な事業、子育て支援事業ですとか就業支援事業に当たっても、NPO団体などの活用も考慮に入れて進めてまいりたいというふうに思っております。
#256
○大脇雅子君 さて、ただいま様々な方が、この五年という期間をめぐっての質問や疑念が相次いだわけです。
 現行の第六条二項の請求期限五年間の規定を削除するということは、それによってこれまで受給資格の認定が閉ざされていた母子家庭を救済することになるとは考えますが、さらに十三条の二の一項では、五年あるいは支給要件に該当するに至った日の属する月から七年というようなことになって、「政令で定めるところにより、その一部を支給しない。」とされているわけです。
 この五年間というのは、今、児童扶養手当の受給状況調査による平均受給期間の五年とか、あるいは離婚の激変緩和による自立までの期間とか、様々言われているわけですけれども、ただ、五年といっても、例えば年齢に関係がなくこの五年ということを検討されるんでしょうかね。というのは、子供って大きくなっていきますから、大きくなればなるほど教育費も増えていきますし、生活費も増加していくわけですね。
 それは自立ができるできないとは全くまた違った次元で経費が増加していって、例えばニューヨークその他、そういうところで養育費に関するガイドラインなどありましても年齢によって決まっているわけですが、この児童扶養手当のその運用について「政令で定めるところにより、その一部を支給しない。」となっているわけですけれども、この場合、子供の年齢の要件というものは勘案されるのかということ、それからまた具体的にどうやって、二分の一までは駄目というふうになっているわけですけれども、この刻みを入れていかれるつもりなのか、具体的に運用についてお尋ねします。
#257
○政府参考人(岩田喜美枝君) 受給期間五年が経過した後の減額率の政令の定め方において、子供の年齢を考慮することがあるか否かということにつきましては、現時点ではそのことは念頭にございません。
 ただ、この改正法の十三条の二に書いてございますように、子供が満三歳に達した日の翌月の初日から五年の起算を始めるということになっておりますので、子供が三歳に達するまでについては五年の計算を始めないという、そこで小さいお子さんを監護しているお母さんたちはなかなか自立が難しいことが多いということで考慮はいたしておりますけれども、それを除いて、将来削減率を定める政令の中で年齢の要素を考慮するということは現時点では予定をいたしておりません。
 いずれにいたしましても、該当する方が出てくるのは五年先でございますので、その間の様々な自立支援施策の効果などを見ながら、どういう減額の率にするかということについてはその時点で検討いたしたいというふうに思っております。現時点で腹案があるわけでは全くございません。
#258
○大脇雅子君 大臣にお尋ねしますけれども、今の局長の答弁なんですが、やはり合理的な政令を定めていただかないといけないと思います。
 それで、先ほど西川議員の方も、子供を中心に考えるべきではないかというふうに考えますと、子供の生活費というものの増加というのはこれはもう大変で、裁判所でも、やっぱり中学、高校に行けばクラブ活動費も要りますし、衣類も大きくなりますし、食費もたくさん食べますし、教材費も掛かりますし、これはもうやはり減額のところで年齢基準を入れないということは非常に不合理になると思うんですが、いかがでしょうか。
#259
○国務大臣(坂口力君) この五年間というのは、その間にどれだけ全体として努力をするかということに掛かっているということは先ほども御答弁を申し上げたところでございますが、先ほど局長が答弁しましたとおり、この法律によれば、それは減額をするということを明確にしているわけでありますから、その刻みをどうするのか、その減額が一%なのか一〇%なのか二〇%なのかということはこの五年間でどれだけ就業その他のことをなし得るかということに掛かってくるというふうに思っています。
 今、そのほかに先生から御指摘ありましたのは、そうはいうものの、お子さんの年齢によってもまた問題があるではないかという御指摘でございました。そうした年齢によってこの率を変えるとか、あるいはまた年限をどうするとかというところ、今のこの中にはございませんけれども、しかしその時点で政治的判断をしなければならないこともあり得るというふうに思っております。
#260
○大脇雅子君 そういう年齢によっての刻みを検討してほしいということもさることながら、基本的に三歳から五年で、八歳から減額措置が始まるとすれば、子供はこれから教育費が要る、これから大変だというときに減らされるということは非常に不合理で、五年ということに私は合理性がないんだということを申し上げたいと思います。
 それから、十四条に追加された四号で、「正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかつたとき。」というふうに書いてありますが、この要件についてちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#261
○政府参考人(岩田喜美枝君) この条文は、大変まれなケースだというふうに思いますけれども、自立のための活動、例えば仕事に就くための教育訓練を受講するとか、実際に求職活動をするとか、そういった自立を図るための活動をそうする能力があるにもかかわらず全くしないといったようなケースを想定しているわけでございます。
 いずれにいたしましても、そういう事情を把握するに当たりましては、これまでの委員会での議論にもございましたように、プライバシーなどの侵害にならないように慎重に対応するように考えていきたいというふうに思います。
#262
○大脇雅子君 大臣、その自立の確認作業についての大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
#263
○国務大臣(坂口力君) 自立につきまして、この十四条の第四号には、自立を図るための活動の状況についてはというふうに書いてあるわけでございまして、個々の母子家庭の個別の事情にかかわるものでありますことから、その調査に当たりましてはプライバシーの侵害が生じないように、これは通知を自治体等に徹底をしなければならないことだと思っております。
 しかし、それじゃ何も調査をしなくてもいいかといえば、そういうわけにもまいりませんから、そこは調査はさせていただきますけれども、しかしそこはプライバシーに余りにもかかわらないように十分な注意が必要だと思っているところでございます。
#264
○大脇雅子君 時間ですから、次に質問は移させていただきます。
#265
○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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