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2002/12/02 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第10号
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2002/12/02 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第10号

#1
第155回国会 厚生労働委員会 第10号
平成十四年十二月二日(月曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     堀  利和君     江田 五月君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                江田 五月君
                谷  博之君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   参考人
       財団法人日本薬
       剤師研修センタ
       ー理事長     内山  充君
       日本製薬団体連
       合会会長     藤山  朗君
       スモンの会全国
       連絡協議会議長  高橋 豊榮君
       NPO法人医薬
       ビジランスセン
       ター理事長    濱  六郎君
       スティーブンス
       ・ジョンソン症
       候群患者の会   湯浅 和恵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十九日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金田勝年君) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案を議題といたします。
 本日は、本案について五名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。
 参考人の方々を御紹介いたします。
 財団法人日本薬剤師研修センター理事長内山充君、日本製薬団体連合会会長藤山朗君、スモンの会全国連絡協議会議長高橋豊榮君、NPO法人医薬ビジランスセンター理事長濱六郎君、スティーブンス・ジョンソン症候群患者の会湯浅和恵君、以上の方々でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも、発言は着席のままで結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず内山参考人から御意見をお述べいただきます。内山参考人。
#4
○参考人(内山充君) 薬剤師研修センターの内山でございます。
 本日は、新しい独立行政法人につきまして意見を述べさせていただきます機会をいただき、ありがとうございました。
 私は、お手元にお配りいたしました陳述要項に従いまして申し上げたいと思います。
 私自身は、医薬品、医療機器等の品質、有効性、安全性を評価をするという仕事を長いことやっておりまして、その立場から申し上げます。
 新しい法人は、科学技術行政としての薬事行政に不可欠な業務を行う機関として設立されたものであると考えております。お手元の要旨にございますように、一では性格、二では組織と制度について、三でその運営の特徴につきまして、私が考えている点について述べさせていただきます。あと、個別事項につきましては注文も含めて述べたいと思っております。
 薬事行政は、医薬品の開発から製造、それから臨床治験、承認審査、市販後安全対策、それから適正使用、それから最後に被害救済まで一連の措置を通じまして、国民の健康と安全を守るための適正な評価をやっており、それに基づく規制の仕事をやっているのが薬事行政でございます。薬事行政は、正確なデータと最新の知識と情報、広範な視野等によりまして公平中立に行われます、評価科学と私書きましたけれども、レギュラトリーサイエンスと呼んでおりますが、詳しくはこれは御説明申し上げませんけれども、ニュアンスはお酌み取りいただけると思います。その評価科学に基づいて行政が行われるわけであります。
 行政の最終決定と責任は当然現在の医薬局に残る、医薬局にあるわけですけれども、行政措置をする根拠としての科学的な判断というものが非常にたくさん要求されます。その判断をする中心機関としての性格を新しい法人は持っているというふうに考えます。
 最近の薬事行政の国際化あるいは合理化の努力の表れといたしまして組織改編等が順次行われておりますが、先日の薬事法の改正もその一環として行われたものでありますが、大幅な改編とかあるいは拡充等ができない時期がありました。それを過渡期と呼んでいるもかしれませんが、その過渡期からだんだん完成に近づいているのではないかという感じがいたします。
 次に、その組織、制度についてでありますが、御承知のとおりの三機関の機能を統合して行う法人でありますが、重複を避けて、機動性を有し、弾力的運営が可能であるというふうに期待しております。先ほど述べました製造とか臨床治験とか市販後安全あるいは被害救済まで相互の段階の連絡が密に取れるようになり、行政上の矛盾がなくなるだろう。それから、同一の根拠が適用されます。全過程を通じまして相互にフィードバックされることになろうかと存じます。また、非常に重要な問題が起こったときに、重点あるいは緊急事態への対応も更に、あるいはまた技術の進歩とか合理化への対応も、弾力的な運営によって可能になると考えております。
 科学技術行政のために役に立つ評価というのは、進歩をする科学技術と医療とか医薬の研究の成果に即応するということで、いろんな問題を含んでおります。もちろん、技術やそれから知識に内包される倫理問題もありますし、リスクベネフィット、それから相互作用、副作用の予知とか早期発見、それから情報収集とその効果的な開示、それから危険防止の対策など、非常に多くの人員とそれから人材を要求する作業でございます。
 国際的にも、最近、科学が進歩するに従って、これらに必要な人数であるとか人材が求められているというのが国際的な傾向でもあります。三番目に書きました運営の、理想的評価科学の実現に必要な人材と人員確保が可能になるということが、私は実は最もこの行政法人に期待しているところであります。
 私は、相当長い間、先ほど申し上げました医薬品ばかりではなく、食品、化学物質、家庭環境の物質等を含めまして、有効性、安全性を評価するという研究事業、研究業務をやっておりましたが、これまで公務員の定員削減というのが行われておりまして、これは公務員全体、すべての部門に原則として均一に掛かってまいります。均一に掛かってまいりますので、重要なところだけではなくて、だけというか、重要なところかあるいは重要でない部門かということと関係なく、一律に定員削減が各省庁ごとに掛かってくるということになっておりました。
 私のおりました国立医薬品食品衛生研究所でも、私が入りましたときは三百六十名ぐらいおりましたけれども、私が辞めますときには二百八十名ぐらいになっております。仕事はもう十倍以上重要な奥の深いあるいは幅の広い仕事を担当しなければならないというような、言わば悲劇をさんざん味わってまいりましたので、この状態ではこういった安全確保という意味で国民の請託にこたえられないというふうにかねてから考えておりました。
 したがいまして、今回の行政法人が、言わば理想的といいますか、より良い評価科学の実現に必要な人材と人員の確保ができるのであれば非常に喜ばしいこと、それから、できるようにしていただきたいというふうに考えております。
 四番目に書きました個別事項につきまして簡単に申し上げます。
 この独立行政法人の設立によりまして、審査の効率化ということが言われております。しかし、審査の効率化は、より早いばかりがいいというわけではありません。早いことがかなり主張されておりますが、私はより正しく、あるいはより説得力のある審査をやっていただけるようになるだろうと考えます。
 それから、二番目の審査、監視、安全対策の緊密な連結責任。薬事法の改正でもこれと同じような精神が盛り込まれておりますが、医薬品の製造も含めて、品質の事前審査が可能になるということであるとか、あるいは添付文書とか附属情報が十分整備されるであろうということであるとか、あるいは被害救済に至るまでに関しまして薬事行政全体に関連した人たちが共同での連結責任を負うことができるということで、そういう点のメリットが出てくると考えております。
 それから、三番目は研究振興についてですが、国に代わって、国に代わってというか、国がやらなければならない研究振興というのは実はありまして、これはどうしても必要である、しかし企業のやるべきことではないということなのかもしれません。これにつきましては厳密な評価を行い、安易な研究振興ではなくて真に必要性の高い研究を推進することができるのではないか。研究者にインセンティブを高めると同時に責任感も要求するということが必要かと思われます。
 研究予算、経費が、これが単年度予算でなくて繰越しで使えるようにしていただければ大変研究者としては助かるのではないかと考えます。
 国際化、国際対応は、当然のことながら、皆が一緒になってそして十分な整備の実績を現していただければ、これができると考えております。
 時間、超過して申し訳ありません。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
 次に、藤山参考人にお願いいたします。藤山参考人。
#6
○参考人(藤山朗君) 製薬団体連合会の藤山でございます。
 本日は、新独立行政法人の在り方につきまして、当業界に対し、意見陳述の機会をお与えいただきましたことに感謝を申し上げます。
 優れた医薬品を創造し、より早く疾病の治療や健康の増進に貢献するということは、製薬企業の基本的な使命でございます。グローバルな競争がますます激化する中にありまして、製薬企業がその生命線であります研究開発に最大の努力を傾注することは当然でありますが、産業ビジョンにも示されておりますとおり、我が国の行政の役割も国際水準にイコールフッティングすることが強く望まれるところでございます。
 この観点から、先般、薬事法が改正されまして、また産業ビジョンが策定されましたことは、初めて本格的な産業政策が提唱されたものとして我が製薬業界はこれを歓迎いたしております。
 その一環といたしまして、このたび、バイオ、ゲノムの世紀にふさわしい薬事行政を推進し、国レベルでの実施体制を整備するために新たな独立行政法人を設立するということにつきましては、当業界として賛意を表するものでございます。
 しかし、組織は、よくその機能を果たすためには、運用の在り方が最も重要なことでございます。せっかくのこの機会でございますので、新しい組織につきまして、主として運用面を中心に以下の諸点につきまして要望いたしたいと存じます。
 第一は、治験相談及び承認審査体制の充実強化についてということでございまして、治験相談、これは開発の初期段階から治験相談というものが行われるわけでございますが、この治験相談から承認審査までを一貫性を持ちまして、一体化した業務と考えていただきたいということでございます。
 それから第二に、申請、審査過程を効率化し、審査期間の短縮化を図っていただきたい。これは、先ほど内山参考人も言われましたように、ただ単に短縮化を図るということではございませんで、内容の充実、効率化を含めて若干なりとも短縮も図っていただければということであります。
 第三に、医療上特に必要性の高い医薬品につきましては、ファストトラック制を導入していただきたいことでございます。
 それから第四、最先端の科学技術知識に対応できる専門性の高い審査官の確保策を講ずるとともに、国際標準となり得るよう体制強化を図っていただきたい。そのためには、恐らく産官学の人材交流というものも必要ではなかろうかというふうに考えております。
 第五に、審査は国の行政事務でございますので、審査手数料は適正な水準に設定をしていただきたいことでございます。これはあくまでも本来国の行政事務であるということは、先ほど内山参考人も言われたとおりでございます。
 第二に、安全性情報処理の拡充についてでございますが、膨大化する安全性情報に的確に対応するためには、製薬企業だけでなく、行政及び医療関係者が共同して網羅的な情報ネットワークを構築することが必要でございます。さらに、国際化の進展に伴いまして、先進諸国の行政機関相互の連携等の必要性が高まっておりまして、行政の果たすべき役割はますます重要になっております。
 一つは、こうした中におきまして、新独立行政法人が医薬品の安全性情報を医療関係者、製薬企業から集約し、その情報を科学的に分析し、その結果を医療関係者、製薬業界が迅速に共有できる、また国際的にも共有できる体制を構築していただきたいことであります。
 第二に、各セクターの役割と費用の分担の在り方につきましても、関係者間で十分協議をし、納得のいく解決を図るようにしていただきたいと存じます。
 第三に、新しい研究開発の支援の在り方についてでございますが、ゲノム創薬を始めとする最先端医療分野の基礎研究成果を技術移転し、産業化につなげていく上におきまして、バイオベンチャーの果たす役割は大きいと考えます。
 このため、当業界は、現行の出資事業はこれを廃止し、新たに産業活力再生特別措置法、十一年に制定されましたこの特別措置法によるいわゆる日本版バイ・ドール条項を導入した研究委託制度の創設を要望してきたところでございまして、今回これが法案に盛り込まれましたことに賛意を表し、その成立を期待いたします。
 第四といたしまして、健康被害救済業務についてでございますが、一つ、生物由来製品の感染被害救済制度、これが新しい救済制度として創設されるということでございますが、この創設につきましては、その必要性を理解いたします。
 二つ、新救済制度は、現行の医薬品副作用被害救済制度とは完全に独立したものとしていただきたいと存じます。
 三番目に、生物由来製品は、血液製剤を含みます特定生物由来医薬品、それ以外の生物由来医薬品、それから生物由来医療機器に分類されるわけでありますが、感染被害の発生のリスクというものはそれぞれ大きな差異があるものと思われますところから、この拠出金につきまして、リスクに応じためり張りのある拠出金率を設定するようにしていただきたいことでございます。
 第四に、なお、現在、医薬品機構は出資事業を行っておりますがゆえに法人税課税法人となっておりますけれども、この両救済業務は当然非課税であるべきものと我々考えておりまして、非課税化を強く要望いたします。さきに挙げました新しい研究委託制度が実現いたしますと、この課税問題は解決するものというふうに私どもは考えております。
 以上でございます。
#7
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いいたします。高橋参考人。
#8
○参考人(高橋豊榮君) 私は、一九七〇年発症の薬害キノホルム、いわゆるスモンの被害者です。三十年近く被害者救済とノーモア・スモン、薬害根絶を訴え、運動に取り組んでまいりました。現在はスモンの会全国連絡協議会議長をしております。
 スモン裁判で、後に最高裁判事となった東京地裁の可部裁判長は、キノホルム剤についての厚生当局の関与の歴史は、その有効性及び安全性の確認につき何らの処置を取ったことの歴史ではなく、かえって何らの処置をも取らなかったことの歴史であると言っても決して過言ではない、この悲惨な疾病は正しく社会的に作られた病と言うべきであり、まず第一に解決の責めを負うべきものが製薬会社であるとしても、国もまたその職責上かかる空前の被害の収拾解決に全力を傾注するのを当然とすべく、製薬会社と共同して患者救済の責めに任ずべきものと言わなければならないと述べています。
 こうしたスモン判決の十地裁での国敗訴と、この写真にも、資料にお渡ししましたが、見られるように、スモン被害者が全国から上京し、連日国会を訪れ、与野党に要請した結果、医薬品副作用被害救済基金法と同機構はできたものです。
 この機構の初代理事長は高裁裁判長を退官された方でした。それは被害者や国民を納得させるためでした。私たち被害者も納得していました。ところが、いつの間にか理事長が厚生省薬務局長の天下り先の指定席になってしまいました。逆に、機構の民主化のために被害者団体代表かその推薦する者を役員にの要求をしてきましたけれども、無視され続けてきました。
 また、薬害エイズ裁判の教訓から、研究開発部門と安全監視部門を分離した、それもこの法案で覆されようとしています。
 被害者が命の代償を払って、三十年間も二度と薬害を起こさないでと訴えて作り上げてきた救済機構の名も消え、審査も安全対策も丸投げされる。一挙に三十年間の被害者の努力は消される。この法案はこのままでは通さないで抜本的な再検討をしてほしいというのが薬害を受けた被害者みんなの願いなんです。
 この薬害根絶という課題を抱え、三十年近く運動を続けてきた私たちは、この間、大きな薬害が重なり合い繰り返し起こっていること、また、サリドマイド裁判以来、歴代の厚生大臣が薬害裁判の被告になり続けている情けない姿を見てまいりました。そうしたことから、このたびの独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案について、全国薬害被害者団体のメンバーとして、またスモンの会全国連絡協議会議長として、次の見解を表明いたします。
 一つ、国がまずなすべきことは国民の命と健康を守ることです。雪印食品を見れば分かるように、幾ら安くても国民は危険なものは買いません。少し値が張っても安全なものを買います。国民は、命と健康を守れる安全対策がきちんとできた国の責任を持った機関を望んでいるのです。
 独立行政法人通則法二条に、独立行政法人というのは、国が自ら主体となって実施する必要のないもののうちで、民間に任せても構わない業務云々とされています。医薬品や医療用具などの審査や安全対策は国が主体となって直接に実施する必要のあるものであって、独立行政法人の定義には当てはまらないものであるということを私は強く指摘しておきたいと思います。
 当時、史上最大の薬害と言われ、一万数千人の犠牲を出したスモンの血のにじむような運動の中で、ようやく薬事法を改正して、副作用報告を受けたときは市販の薬を直ちに回収できるよう国がその権限を直接使えるようにしたにもかかわらず、それを使わず、薬害エイズで被害を拡大させたことは記憶に新しいことです。厚生労働省が権限は渡さず国が持っていると幾ら言っても、副作用情報報告を受理し、安全情報を調査し、提供するという基本的な市販後安全対策を独立行政法人に任せてしまえば、国が実効性のある権限行使をするなど期待できません。何しろ、自分がそれらすべてを持っていたときですら使わず、薬害エイズで被害を拡大させたのですから。それから数年しかたっていないというのに、はやその教訓を無視する。国民の命を何と考えているのでしょうか。国民の願いを全く無視し、国の責任を放棄し、この独立行政法人に丸投げするというのがこの法案なんです。
 独立行政法人に下請に出すのではなく、国が責任を持って薬害や食品公害のないような体制を整えることこそが最も必要なことではないでしょうか。今、国が最もしなければならないことはそのことなんです。
 二つ、薬の開発助成、安全調査と審査、被害者救済まで一つの機構で扱おうとしているのがこの独立行政法人法案です。ある被害者が、相反する警官も泥棒も何もかも一緒にしたような法案だと言いました。そのとおりです。今までに薬害を起こしたその反省のかけらも見えません。薬害エイズの教訓に学び、審査部門及び安全対策部門、被害者救済部門、薬の研究開発部門をそれぞれ分離し、特に審査部門及び安全対策部門は国の責任と費用で公正かつ慎重に行うよう求めたいと思います。
 三つ、独立行政法人が非公務員型であるということは、天下り、天上がりが自由で野放しということを意味しています。現在、人事院規則で制約があっても、薬務局長がミドリ十字社長に天下り、エイズ裁判で刑事罰を受けた反省は一体どこに行ったというのでしょうか。
 この法案では、利害関係者であるから製薬会社の現職重役は役員の理事になれないという制限をしていますが、元重役の理事就任はできることになっています。しかも、理事には組織運営の経験がある者を予想しているという十一月七日の厚生労働省説明を私たちは聞きましたが、天下り又は天上がりを考えているということであり、更に製薬会社と厚生労働省の癒着が進むことを示唆しています。
 しかも、この法案では、非公務員型ですから、役員でなければ制限なくこの機構に採用できます。専門家という名の下に製薬会社の社員が出向などの形で容易に出入りできるわけです。極端な場合は、大型新薬が完成する前に実務担当者をA製薬会社から採用し、通過し終われば次の大型新薬を控えたB製薬会社と交代させるという談合と同じことが公的機関で行われる、その道を開いていると言えます。
 あるいはまた、大手の製薬会社から十人ずつ採用し、お互いに副作用の監視を甘くし、出向の会社に帰るときのために報告書に手心を加えるということも可能な法案です。その上、お金まで製薬会社に出させるというのですから驚き入ります。審査を早くするという十一月二十四日の日本経済新聞の報道を受け、翌日、製薬会社株が上がったことはこのことと無関係ではないと思います。
 大臣に報告もしない、国民の代表である国会議員にも、私たち当事者である被害者にも話さないうちに、何か月も前に真っ先に製薬会社には職員の増員まで説明している。そのことがこの法案の意図しているものを端的に示していると思います。
 要するに、この法案は、国民の健康や安全ではなく製薬会社の利益を優先するためのものであると言っても過言ではありません。これではまた薬害が起こります。国民の命の安全や健康は保障されません。
 四つ、現機構でも、被害者代表か推薦する者を理事にと要求しても入れませんでした。その結果は、国民一般に被害者の救済制度があることが余り知らされず、しかも、支給条件を厳しくし、救済人数が少なくなって金が余ったからと製薬会社からの徴収金を少なくするということが行われてきました。そうした問題がありながらも、評議員制度があって、一応消費者代表が形の上では入っていましたが、今度の法案には評議員制度すらもなく、トップダウンで理事長の指示どおりに運営されることになっています。国民に救済制度を知らせる意味からも、歴史的経過からも、被害者救済機構に被害者代表か推薦する者を役員に入れることを引き続き要求し続けます。
 五つ、生物由来製品にかかわる健康被害を救済制度の対象とすることは、医療の現状から当然だと考えますので、賛成いたします。
 以上、被害者としての意見を述べさせていただきましたが、要するに、この法案は国民の命にかかわる重要法案ですから、審理に慎重を期すべきです。今国会で慌てて成立させるようなことはしないでいただきたい。市販後安全対策部門及び審査部門は、始めから終わりまで国が経費も含めきちんと責任を持って行う、加害者と被害者と同じ組織に置くという人間の感情や尊厳を無視したことをしない別組織にするなど、抜本的に検討し直していただきたいとお願いいたします。
 命の問題ですから、野党とか与党とかいう立場を離れて、再検討をお願いいたします。
 以上です。
#9
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
 次に、濱参考人にお願いいたします。濱参考人。
#10
○参考人(濱六郎君) 濱でございます。
 私は、二十年以上、病院の内科医としまして診療をしてきました。良い薬がなければ医療は成り立たないということは、したがって非常によく知っております。一方、公衆衛生学を学び、臨床薬理学者としても大学で医学、薬学を教える、大学で学生を指導してきました。薬を医療の現場で適切に使用するために、副作用を監視し、無効、有害な薬を監視し、情報を発信してきてまいりました。
 一九九七年からは病院を退職して、有益な薬と無効、有害なものを見分けるための仕事に専念してきております。製薬企業の援助は一切受けないでやっております。企業に頼ると評価が企業に甘くなり、偏るからであります。このような仕事をしている医師として、今回の法案に対する考えを述べさせていただきます。
 この法案の最大の問題は、薬の審査や監視を実際に担当する職員に製薬企業の社員を大量に投入するという点であります。
 今、高橋さんが述べられたように、スモンを始めサリドマイド、薬害エイズ、硬膜のヤコブ病、それから薬害肝炎、これらの薬害を、日本の企業はこういう大規模な薬害を繰り返し繰り返しやってきました。一部の企業だけではありません。大多数の製薬企業が何らかの薬害に関与してきております。
 今度の新法人は、そのような企業の人物が大幅に参加してくるわけです。そして、企業の意見は取り入れられても、これを監視する組織がありません。理事長が理事を決め、理事会が職員を決める。大企業の意向が大きく人事に影響するわけです。甘い審査とか危険なものを医療現場に放置しておくことも可能であります。公正な審査や市販後の監視ができるはずがありません、こういうことでは。
 こんなシステムはヨーロッパにももちろん、アメリカにもありません。アメリカは、費用の半分以上を企業の資金で賄っておりますけれども、人についてはメーカーには頼っておりません。日本は、お金だけではなくて人まで企業に頼ろうとしているわけです。後で述べますけれども、審査や監視を国の機関がしていても、アメリカよりもひどい審査が行われております。今よりも更に悪くなるということは目に見えております。
 先日、私たちが日本にお招きしました国境なき医師団のエレン・トゥーンさんという方にこのシステムのことを話したところ、即座に、これは鶏の番をキツネにさせるようなものだということを言われました。全くそのとおりだと思いました。国民の命が懸かっているわけです。
 アメリカは、以前は審査が厳しいことで有名でありまして、日本もお手本にしないといけないというふうに言われましたけれども、今やむしろずさんなことで有名になっております。イギリスの医師会雑誌、これがそうですけれども、今年の九月十四日の表紙には、FDAの建物とともに、FDAの持ち主はだれか、製薬企業か、それとも国民かというふうな大きな見出しがあります。
 重大な害でいったん中止した危険な過敏性腸症候群の新薬を、FDA内部の反対意見を押し切ってまで再度承認してしまいました。これだけではありません。最近六年半で、アメリカで販売許可されて、アメリカあるいは外国でも危険だということで中止されたものが十三剤もあります。一年あたり二剤ずつ中止になっております。審査期間を短縮したためであります。
 そのアメリカでも承認しなかった新薬が日本でも承認されました。イレッサであります。
 大臣はここにいらっしゃっていますでしょうか。いらっしゃっていませんか。議員の皆様、大臣はもっと早く審査が必要だというふうなことで独立法人が必要だと言われますけれども、今まで、今でも拙速でいい加減なものがよく承認されております。この典型的なイレッサについて詳しく述べたいと思います。議員の皆さん、よくお聞きいただきたいと思います。
 イレッサは、肺がんに用いられる抗がん剤です。この八月三十日に承認されました。十月二十八日には八十人以上が重篤な、死亡の危険もあるような間質性肺炎、重篤な肺炎になりました。その半数は死亡したというふうに考えられます。
 よく調べると、これは販売前から危険性が分かっております。動物ではがんに効く用量よりもはるかに少ない数分の一の用量で毒性が出ています。人で使う用量の五分の一で肝臓の壊死まで起こっているのです。だから、動物の段階でも、臨床に使って良い結果が出るという予測ができるはずがありません。
 臨床試験でも実際に毒性が明らかになっています。よく聞いてください。腫瘍が小さくなる率が八%です。イレッサの害による死亡が七%出ています。大部分が間質性肺炎です。死亡しない間質性肺炎はもっとあります。だから、わずかにがんが小さくなる割に、その代わりに同じくらいの人が死ぬということになります。皆さん、こんなものが薬として使える必要がない。
 ところが、実は、メーカーは八月十九日に寿命延長効果がなかったということを公表しました。日本の審議会に相当するアメリカの抗腫瘍剤諮問委員会は八月二十日にイレッサは有用という評価をしたのですけれども、FDA自身が八月十九日のこの報告を重視して、迅速審査の対象なんですけれども、それでも承認を延長しました。日本の審査センターでも当然この報告を受け取ったはずですけれども、しかし、日本では承認されたのです。
 こういうことが、ここ一日、二日で調べました。これだけの資料、すぐ調べられます。これだけの資料があります。厚さ十センチ余りになりますが、こういう資料を一日ぐらいあればポイントのところは分かります。こういうふうに専門家であれば分かるんですけれども、それが審査で承認されてしまった。
 このようなことは日常茶飯事です。例えば、血糖を下げるのと同じ用量を動物に使っていると心臓が悪いということが分かっている薬、これはアクトスという糖尿病の薬があります。薬と言えないものですね。発売されて、すぐに私たちは警告しました、心臓が悪くなると。半年後に心不全が報告されて、警告が出されました。
 ほかにもあります。慢性心不全に用いられるアカルディという強心剤がありますが、短期には効果があるんですけれども、これを長期間使うと死亡率が一・八倍に高まります、使わないよりも。その結果がアメリカでもうすぐ報告されるというときに、この結果を待たずに、その直前の一九九四年に駆け込みで承認されました。こんな危険な薬を、薬と言えないようなものを売り続けているのは日本だけであります。ところが、このものが標準的な心不全の薬の十倍以上も高い値段で売られております。臨床試験の評価と承認時の間違った審査、市販後の安全対策が有効にされていなかったという、このために価値判断が誤って価格にも反映したというふうに考えられます。
 本来、新薬の審査とか安全対策は、開発振興とは独立させて、企業とは資金的、人材的に完全に独立させた組織、つまり直接国が実施すべき最重要業務です。審査能力のある人材が国に乏しいということを理由に、企業に頼らざるを得ないというふうな説明もされています。しかし、医療の開発に必要な必須薬というものはほぼ開発し尽くされています。ここ十年来がそうです。真に画期的な新薬というものは急速に減少してきまして、現在、国民のためになる本当に意味のある新薬は一つか二つであります。あとは新規性のないゾロ新とか先ほどのイレッサのようなものだけです。新規なだけで価値の未定なもの、危険なもの、そういうものがたくさん出てきます。今後も当分このような傾向が続きます。このようなことから、欧米では審査要員は縮小の傾向で検討されているほどであります。
 特殊分野の専門家というものは、自分自身の専門分野の審査には甘くなります。その分野の、特殊分野の権威になればなるほど総合評価の客観的な質が落ちるという研究さえあります。したがって、特殊な分野の審査といえども、安全対策には優秀なむしろ非特殊分野の医薬専門家がかえって適切であります。そういうものからすれば、こういうふうに検討すればすぐ問題点が分かります。
 厚労省では、薬食審への組織改編を計画し始めたときから、新薬の審査は細分化して一つの分野に数人の専門家を配置するというふうな方式に変えました。今後、バイオ、ゲノム関連の特殊分野で審査するためにもこの数人の中に新法人で採用する企業の人材が入ってくる、こういうことになります。そうなると、どうなると思われます。企業の思いどおりになるのが目に見えるようであります。
 新法人は運営の資金面でも企業からの大幅な資金増が予定されております。アメリカのように五〇%以上が企業資金で運営されているのでは、公正な審査、監視は不可能であります。昨今アメリカで承認された新薬の中に問題薬が続出しているということはこれをよく物語っております。新薬は薬食審で審査されるので国のチェックは働くというふうな説明もされておりますけれども、審議会方式で薬害を防止できてこなかったということは、過去の数々の薬害が証明しております。しかも、今後ますます細分化されてチェックは難しくなります。
 アメリカでは、イレッサの検討の際、企業の説明、それから抗腫瘍諮問委員会の説明、それからFDAそのものの説明がありました。FDAが承認延期の最終決定を下しております。この新法人はこの三者を一緒にしてしまうというものです。しかも、実質的に審査する人材はすべて新法人に移行します、国にはおりません。国独自の判断などできようはずがありません。
 組織の健全を保つには、活動内容が開示されて第三者の監視が必要であります。監視を受けない組織は必ず暴走いたします。数々の薬害の歴史が示すように、企業は暴走してまいりました。適切な監視を受けてこなかったためであります。医薬品は専門性の高い分野です。国で審査したとしても、それを監視する第三者の機関が絶対に必要であります。アメリカでも市民監視組織の医薬専門家の意見をしばしば聴取しております。このようにしてもまだ問題薬剤が続出しております。
 日本では、審議会委員に薬害被害者代表とか推薦する医薬専門家の正式参加は全くございません。今こそ私たちが一九九六年に提案した、国の承認とか安全対策が適切かどうかを監視する公的な医薬品監視組織が必要であるということを訴えたいと思います。
#11
○委員長(金田勝年君) 時間が来ておりますので、まとめてください。
#12
○参考人(濱六郎君) もう少しで終わります。
 薬は本来、利潤を得るためのものではありません。病をいやし、健康を回復させるためのものだという原点に立ち返る必要があります。この考え方に立って考えますと、ヨーロッパで行っておりますように、真に価値のある薬と無価値、有害な物質を区別する作業が国がやらなければならない課題です。そのようなところに人材とか金をもっとつぎ込むべきであります。
 今度の法案は、これと全く逆の方向に向かうものだというふうに思います。白紙に戻して一から考え直していただきたいというふうに考えます。どうか、どうか、是非考え直していただきたいというふうにお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
#13
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
 次に、湯浅参考人にお願いいたします。湯浅参考人。
#14
○参考人(湯浅和恵君) スティーブンス・ジョンソン症候群患者の会の湯浅和恵と申します。
 今日は、私たち患者の意見をこのような場で述べさせていただく機会を与えていただいたことを深く感謝申し上げます。
 私は、初めに申しておきますけれども、ちょっと後遺症でのどが過敏になっていますのと、ドライアイのために途中でせき込む場合と、あと目薬を差す場合があるので、お許しいただきたいと思います。また、こういう場には不慣れでございますので、あらかじめ用意してきたものを読ませていただきますことを御了解いただきたいと思います。
 本法案については、医薬品等の審査、安全監視、副作用被害者救済、研究開発振興を一つの独立行政法人で行う一方で、医薬品副作用被害救済に関しては現行の救済業務の仕組みを変えずに引き続き円滑に健康被害給付を実施するものと説明されています。
 私が強調したいことは、現行の医薬品機構は、副作用被害救済の責務を十分かつ円滑に果たしているとはとても言えないということです。それは全体の給付件数を見ても明白です。また、救済の認定基準の厳しさや給付金額の少なさも問題であり、これは司法の立場からも強い批判が出ていますので、後に御紹介します。
 お手元の資料をごらんの上、話を聞いていただきたいと思います。資料を何枚か用意していますので、これはごらんになっていただきたいと思いますが。
 また、東洋大学社会学部福祉学科片平教授の御協力の下で患者会の実態調査を行いました結果、救済を受けていないのが、ただいま会員の六五・二%、これは五十五年以前の発症であるということと、この制度自身を知らなかったということがほとんどでございます。また、五十五年以前の発症の患者の数は会員の約四分の一でございまして、その当時はまだ多少目が見えていたのがほとんど今は視力が出ないという方がほとんどでございます。
 再認識していただきたいのは、薬害や副作用被害は毎年大量に発生し、大切な人生を奪ってしまうほど重篤なものを多く含むということです。そして、安全対策と救済措置がいかに重要か、私たちは身をもってそのことを体験しました。
 私は、昭和五十三年に歯学部を卒業、五年間の勤務医を経て昭和五十九年の一月に開業いたしました。八年目の平成三年の夏に風邪を引き、近医にて処方された風邪薬によってスティーブンス・ジョンソン症候群より更に重篤な中毒性表皮壊死症を発症しました。突然の発症でした。高熱から始まり、ひどい腹痛を伴い、皮膚が赤くはれ水膨れが破れ、全身に広がりました。三つの病院を転々とする間に目がどんどん見えなくなり、真っ赤な下痢も始まりました。顔もひどい状態だったようですが、周囲の配慮により鏡を見たのは半年たってからでした。
 退院後は、現役復帰の願いを掛けて必死に通院しました。四回の角膜移植、白内障、術後性続発性緑内障等の手術を十数回受けました。当時専門医も分からず、市販の本で調べて現在の病院に通っております。突然の入院生活を強いられ、自分が開いた医院の存続は大変なものでした。八か月に及ぶ入院及びその後の治療費は莫大であり、またその医院を人任せにせざるを得なくなったための赤字も膨大でした。やむなく平成五年の三月末に廃業いたしました。
 私が罹患したスティーブンス・ジョンソン症候群及びライエル症候群は、全身やけどを負ったような状態となり、後遺症として視力障害、呼吸器疾患、肝機能低下等が挙げられます。多くは視力障害で、ドライアイによる目の痛みに常に悩まされ、その痛みは想像を絶するものであります。
 厚生省によれば、過去四年間で一千百八十四人が発症し、百五人が死亡しているとのことです。解熱鎮痛剤、抗生物質、市販の風邪薬等、ごく一般に使用されている薬が原因となって発症します。安易な医薬品の使用や適応症の拡大が被害拡大の原因となっています。また、早期診断の後れにより、薬剤の中止や早期治療が行われなかったために、みすみす重症化した例は数を挙げたら切りがありません。医療現場や患者に危険情報が周知徹底されていれば防げた被害も少なくないのです。
 私の場合も、高熱から始まった病気が何であるか診断が付くまでに日数を要し、最後に薬の副作用だと診断が付くまでに私はかなり重症化してしまっておりました。今思い起こしますと、最初に掛かった医師がこの病気を知っていたなら、こんなに後遺症でつらい思いをしなかったのではという悔しさが残ります。安全対策の後れによって命が左右されるのは大変遺憾なことだと思っております。審査、安全対策はきちんとやっていただきたいと思います。
 また、被害救済制度については、救済の内容を充実し、救済を受けやすくするとともに、制度の周知徹底をしていただきたいと思います。法案の中で生物由来製剤に係る健康被害を救済制度に加えることとした点は評価しますが、それだけでは到底不十分です。
 私は、医薬品副作用被害救済機構を知ったのは昨年のことでした。患者の会のホームページで知った次第です。私は平成七年に左目〇・〇一、右目〇・〇四で身体障害者の認定を受けておりますので、そのとき既に機構法が定める障害年金の二級に値しておりました。しかし、当時は機構の存在を知るすべがなく、六年後にようやく認定され、現在は支給されています。医療手当は二年という時効が決められており、一番費用が掛かった時期に受けることはできませんでした。六年間の不支給金は一千万を超えておりますので、それが支給されていたならもう少し家計も助かっただろうと思います。機構の周知不足は厚生労働省も認めているところであります。
 私は、会の相談係を務めており、機構への申請の手続の相談にも応じております。会員の中でも、私のように発症してから十年以上も経過して救済機構の存在を知ったけれども、カルテの保存期間を過ぎていたり、医師の協力が得られないため投薬証明書、診断書等などの書類がそろわず、支給されないままでいるケースも多くあります。また、医師の方でも、機構のことを御存じない方もたくさんいらっしゃいます。SJSの角膜移植などを大きく手掛けておられる某府立医大の先生は、今年初めて知って書き方が分からないとおっしゃっていたケースもございました。また、不受理になって不服申立てをするに当たっても、専門家でない私たちが幾ら頑張ってもどうにもならないケースもございます。私たち患者の多くは目に障害が残っていて、文字による情報入手は不可能と言っていいのです。
 さらに、認定基準の厳しさ、給付額の少なさにも問題がございます。このことに関しては、平成十四年九月四日に行われた民事裁判の判決の中で、司法の立場から医薬品副作用被害救済制度の救済の現状を批判し、早急な改善の必要が提起されています。
 お配りした資料四に載せたとおり、高等裁判所新村正人裁判長は、現行の医薬品副作用被害救済制度は医薬品製造販売者の拠出に係る潤沢な財源を有しながらその役割を十分に果たしているか甚だ疑問であり、早急な改善が図られるべきではないかと考えると述べています。司法からの提言を受け止め、しっかり議論していただきたいと思います。
 最後になりますが、昭和五十五年に始まった救済制度は、スモンの被害者の方々の努力によって創設されたものです。しかし、薬害、副作用被害者の本当の望むような運営と制度改革は行われていません。本法案は国民の生命、健康にかかわるものですので、今国会で成立させるような拙速は避け、国民が納得できるような慎重な審理をお願いして、私の意見を終わらせていただきます。
#15
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#16
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、一言お礼申し上げたいと思いますが、本日三時という時間帯にもかかわりませず、参考人の皆様方には御出席いただきましたことを私からも心からお礼を申し上げたいと存じます。
 今、各々の参考人の先生方から御意見いただきました。これは御存じのように、小泉総理が今改革を進めておられる特殊法人の一環としてこの法案も提出をされたということでございますが、一番大事なことは、やはりその改革については中身が伴うということが私は一番大事だろうと思っています。看板倒れに終わらないということでなかろうかと、こう思うわけでございますが、そのためには、やっぱり事務を徹底的に見直すとか内容充実を図っていかなければならない、そのことによって国民へのより良い医療、福祉等の提供をすることでなければならないと、こう思っております。
 そういう観点から、まず最初に内山参考人にお聞きいたしたいと、こう思うのでございますが、今、参考人も述べておられましたように、分野につきましては専門家でございますのでよく承知ををされていると思うのでございますが、審査や安全対策については、審査、副作用等の情報の収集、それから整理、提供等の政策判断を伴うものを新法が行い、承認に係る最終的な判断や薬事法に基づく回収命令等の行政措置については国が実施するという役割分担によって、新独法の体制を充実していくということでございますが、そこで、審査や安全対策を新独法に行わせることとした場合にどのようなメリットがあるのか、お聞かせをいただきたい、こう思っております。
 それから、藤山参考人にお聞きをしたいわけでございますが、従来、三機関で行われた業務を統合するだけではなくて、より安全で有効な医薬品、医療機器等を国民に提供していくという、そういう業務実施体制の整備を行っているものであると、こう聞いておりますが、特に承認審査関係については、従来三機関で行われていた審査関係の業務が統合されて業務が充実されるということでございます。そこで、いわゆる審査関係業務の統合、充実について実際に医薬品の審査を受ける業界としてどのように評価をしておられるのか、お二方にお聞きをしたいとまず思います。
 私の持ち時間、往復で十分でございますので、簡潔に、またほかの参考人の方にもお聞きしたいものですから、よろしくお願いしたいと思います。
#17
○参考人(内山充君) 審査あるいは安全対策を新しい独立行政法人に行わせることにした場合の最大のメリットは、私先ほども申し上げましたけれども、独立行政法人は問題の所在を、いろいろな問題の所在を最も早く、それから最も多くの情報を得る立場になれるという感じがしております。これまでの各課に分かれた行政ではなくて、それが一連の共同責任の下に行われる行政、調査あるいは判断であるということから、最も多く知り得るということでございます。
 それから、先ほど来お話が出ておりましたように、少なくとも運営上で運営が正しく行われる必要があることは言うまでもありません。それは人の問題、それからお金に絡む問題、それから責任をどういうふうに感じるかということだと思います。
 私は、新しい機構の職員がそういったことはもう十分承知の上、これは企業からの人もどんどんたくさん入ってくるとは私は思っておりませんけれども、少なくとも、どこから来てどういう人間であろうと、機構の職員になった以上は機構の持っている業務の責任を果たすべく十分な責任を果たすというふうに考えておりますので、その辺はむしろ、私どもが監視なり、それから指導なりをする立場にあるのかもしれません。注意するつもりでおります。
#18
○参考人(藤山朗君) 御質問の御趣旨は、ただいま三機関で分離して行われております審査が一つに統合されることによってどのようなことが期待できるかと、こういうことでよろしゅうございますでしょうか。
 現在の特に機構とセンター二つに分かれて実施されておりますことで我々が一番不自由を感じていると申しますか、諸外国、特にFDAと比べて大変な違いがありますのは、FDAの場合ですと、最初に治験届を出しましてから各段階で行われます治験相談、それから審査までが一貫して行われるのに対しまして、現在、機構、センターに分かれておりますために、治験相談と審査とかがばらばらであると。したがって、時によると相談の段階と審査とで矛盾した指摘が行われる場合がある、こういうことがございます。
 これが統一されて一つの機関で実施されることによりまして、現在より、今までよりも審査の内容についてもよりレベルアップし、充実されることを期待しておりますが、我々が一番大きく審査面で期待しておりますのは、この治験相談から審査までを一貫したものとしていただくことによって、より審査が内容が充実し、かつ無駄が省けて多少のスピードアップにもつながるのではないか、こういうことでございまして、我々はスピードアップだけを決して求めているわけではございません。
#19
○伊達忠一君 ありがとうございました。
 それでは、全員の参考人の方にお聞きをいたしたいと思います。
 今、この新独法の母体であります一つに、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構は、いわゆるサリドマイド事件やスモン事件を契機として、医薬品による副作用の被害者を迅速に救済するために設立されたものと、こう聞いております。
 新独法は、この医薬品副作用被害救済業務ですか、を引き続き行うとともに、新たに今お話に出ました生物由来製品による感染被害救済業務を行うことにしているわけでございますが、このことにつきまして、いわゆる生物由来製品による感染被害救済制度が新たに創設されることについてどのように考えておられるのか、各参考人にお聞きをいたしたいと、こう思っております。
#20
○委員長(金田勝年君) 時間が限られておりますので、簡潔に一言ずつお答えいただきたいと思います。
#21
○参考人(内山充君) 私は、三年ほど前まで企画・制度特別委員会というところで、患者団体の方々からも十分お話を伺いながら、血液製剤等についての救済につきましてお話を伺ってまいりました。今回それが実現するということでございますので、欠けていた部分がカバーできるということで大変評価しております。
#22
○参考人(藤山朗君) 生物由来の感染の被害につきましては、現在までは、医薬品では血液製剤、血液関連製剤及び生血以外では発生をしておりませんので実績がないわけでございますが、未知のウイルスを含めまして、未知の病原体を含めますと完全にその可能性を否定することはできないという意味で、このような救済基金が必要であるということについては私どもも理解しておりますし、協力するつもりでおります。
#23
○参考人(高橋豊榮君) 救済することに賛成です。
#24
○参考人(濱六郎君) 私も、救済制度、この生物学的製剤に関する救済制度ができるということ自体には賛成でありますが、ただ、それが新法人によってこういう企業の方が参入するという、そういう組織になるということ自体はやはり問題ですので、それと抱き合わせということでは良くないと思います。
#25
○参考人(湯浅和恵君) このことに関して、救済制度に加えることに関しては賛成でございます。
#26
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 今日は、参考人の皆さん、大変ありがとうございました。大変限られた時間ですので、課題を絞って、しかも限られた参考人の方に質問させていただくことをお許しいただきたいと思います。
 実は私、この法案について、そもそもこの法案は特殊法人の合理化法案の一つとして出てきたというところに議論がおかしな方向に行ってしまうというか、不十分な形になってしまうという問題を持っているな、特に御存じのとおり、衆議院ではこういう機会も持てずに四十六本まとめて議論をしたという大変荒っぽい審議をしてきてしまったなという反省を持っています。
 そういう意味で、この参議院でこういう機会が持てたということは大変良かったと思うんですが、そのことを踏まえて是非皆さんにお尋ねしたかったのは、先ほど委員からも御指摘がありましたけれども、この法案の中に盛り込まれている新しい中身は、生物由来製品の被害救済制度について新しい制度を作りましょうということがさきの国会の薬事法等の審議の中で附帯決議が付けられて、それでその法案がたまたま今回大きくまとめられる独立行政法人何とか何とか機構の中にやらせようということになって新しい制度がそこに盛り込まれてしまったと、こういう経緯があるんですが。
 そこで、まずスモンの会の高橋参考人、それからスティーブンス・ジョンソン症候群患者の会の湯浅参考人には、今そういう救済制度が作られるということは必要だというふうにおっしゃいました。ただ、果たしてこの医薬品副作用被害救済の制度と全く同じ組立て方で、全く同じ機構で、全く同じ独立行政法人にやらせるということについてはどうなんだろうかという議論があるんですね。一緒にやっていくということについて、もし御意見があればお聞かせいただきたいというのが一つです。
 それからもう一点は、もうまとめて質問しちゃいますが、濱参考人には、この独立行政法人には随分といろんな業務をあれもこれもくっ付けて肥大化し過ぎているというふうに私は思って、そういう意味では切り離すべきところは切り離して、国に返すべきところは返して、分離すべきところは分離してというふうに思うんですが、濱参考人の方から見られて、今回この独立行政法人に盛り込まれたあれもこれもという業務の中で、何をどう整理して、国のやるべき部分そしてその他がやるべき部分、そしてそれをどうチェックするかという仕組みの在り方について、何か御提言があれば御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 以上、お三方に限ってお尋ねいたします。
#27
○参考人(高橋豊榮君) 救済制度そのものを作り、一緒にすることには賛成なんです。ただ、例えばスモンと同じ薬害でもサリドマイドといろいろ対応は違うと思うんですよ、それぞれの病気や薬害によって。だから、そこの辺りは一つの機構でやってもそれぞれ違う対応をしなければならないでしょうということなんです。
 それよりも、私たちが問題にしているのは、審査も安全調査も研究開発も、極端に言えば、研究開発をやって助成をやっておいて、審査は自分のところでやって、今度被害が出たら救済はここでやる、同じところでやる、とんでもない話だと、そこのところが問題なんだということを言っているわけです。
 それと、はっきり安全性の確認や何かは、国の責任として国が金も出し責任も持ってきちっと審査、安全調査、国民を守るようにやっていかなければ、もう製薬会社が金集めて、そこで人件費や何やらを多少出させておいて下請に出すという、そういうやり方はないでしょうと、そのことを言っているわけです。
 以上です。
#28
○参考人(湯浅和恵君) 私も高橋参考人とほとんど同じなんですけれども、それぞれの病気によっていろいろな救済の仕方が違うと思いますので、その点はよく区別して救済をしていただきたいと思います。
 また、今聞かれたこととちょっとあれかもしれませんけれども、いろんなのを一緒にして救済制度がすごく隅に追いやられてしまうんではないかということをちょっと危惧している次第です。
#29
○参考人(濱六郎君) 先ほどの御質問ですが、国でなくて新しいこういう機構というものができるとすれば、そういうところでやるものとしては、例えば希少薬といいますか、非常に少ない病気に対する治療薬、それの開発というものは、これは国が直接やらなくても企業等を振興しながらやっていくということは、これはやっていただいて結構だと思います。ただし、それを承認するということに関しては、これは国が直接やはり関与しておるべきだと。
 もう一つは、市販後の監視ですよね。安全性がどう保たれているか、あるいは有効な状態がずっと保たれているのか、あるいは価格との関係で効率がいいのか、きちんと公費として保険で面倒を見るという、そういう値打ちがあるのかどうかと、そういう研究をヨーロッパでは大いにやっておるわけですけれども、そういう研究に関しては国が率先してそこに資金と人を投入してやはり監視をしていくと、こういう体制でなければ、これは企業の人が入った、そういうところでは決して公正な審査あるいは監視というものはできないと思います。国がやっていてもかなりまだ不備はあるというふうに思いますので、さらにそういう国がやることを監視する、第三者が監視する、そういうシステムが必要だということを言っております。
 これは、例えば人の体に関しまして見ていただいたらよく分かるんですけれども、非常に精巧にできておりまして、一つの大きな大事な機能がありますと、それが暴走し始めるとそれに対して、例えば血圧が上がり過ぎるとそれを下げるというそういうフィードバックの機能というものが人には非常にうまく備わっておりますが、そのフィードバック機能がなくなれば、これは体はめちゃめちゃになるわけでありまして、そういうものが、組織が暴走しないためにはやはり監視というものが非常に大事だ、フィードバック機能というものが非常に大事だと。そういう面でこれは二重、三重にそういう監視機能というものを作る、これが一番大事なことだと思います。
#30
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
#31
○沢たまき君 公明党の沢でございます。
 医薬品による副作用の被害救済制度については、現在も医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が行っているところですが、しかしながら生物由来製品による感染被害については対象となっていませんでした。そのため、我が党としては、従来から早期に救済制度を創設するよう要望を申し上げてきたところでございますし、私も国会で坂口大臣に質問をしてまいりました。今般、坂口大臣の御尽力によって、この独立行政法人法において生物由来製品の感染被害救済制度が創設されることになりました。このことは大きな前進であると思っております。
 そこで、藤山参考人にお伺いいたしますが、今回の生物由来製品による感染被害救済制度の創設によって感染被害者の方が迅速に救済されるところとなりますが、一方で企業の負担が増えますが、このことについてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#32
○参考人(藤山朗君) 新しい救済制度ができることによって企業の負担が増えることは事実でございますけれども、これはいわゆる関連製品を作って販売している企業に応分に負担しろと、こういうことになっております。
 私どもが要望しておりますのは、関連製品と申しましても、先ほど御説明申し上げましたように種類が幾つかありまして、それぞれによってリスクがかなり異なる。特に、これまでも実績があり、かつ非常に対応が、我々、通常の製品につきましては十分な対応をしてできるだけそういう可能性が低いように努力をしておりますし、これまでも実績がほとんどないわけですが、生血液というのは、これは最大限の対応をしておりますけれども、非常に対応が難しいと。それから、これは国がコントロールして日赤にやらせておる事業でございまして、多分に国がもっともっと政策として関与しなければならないものであると、企業の事業とはちょっと性格が違うわけでございます。これが一番確率が高いわけでございます。
 そのほかの製品につきましては、未知のウイルスを含めて、未知の病気への対応を含めて、事実上非常に可能性が低いところまで我々コントロールしておりますので、そういった点も含めて、まず負担についてはその製品のリスクに応じためり張りのある負担にしていただきたいということと、日赤のやっております生血液については、これは別に考えていただくべきではないのか、むしろ国がその部分を負担していただく必要があるのではないかというのが私どもの意見でございます。
#33
○沢たまき君 生物由来製品の安全確保策の強化について伺いますが、生物由来製品による感染被害者救済制度創設のきっかけは、血液製剤による感染被害の発生であると聞いております。
 こうした生物由来製品による感染被害の事例を受けて、さきの通常国会においては薬事法が改正され、生物由来製品の安全性の確保対策が強化されたわけでございますが、そこで内山参考人に伺わせていただきますが、さきの薬事法の改正において行われました生物由来製品に関する安全確保対策の強化についてはどのように評価していらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
#34
○参考人(内山充君) 先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、血液製剤による一番よく知られているのはHIVの被害でございますけれども、これに関しましてはそれまで該当する救済制度がなかったということで、これをどうやって作ろうかということで寄り寄りみんなで非常に知恵を出し合って、法律にないものは作れないというところで実は壁にぶち当たっておりましたが、今先生おっしゃいましたように、この法人の計画の中に、それから薬事法の中で特定生物由来製品という枠を設けて、代表的には血液製剤でありますけれども、それに関する安全性の確保対策をまず決めるということと、それから救済まで含めてそれが対処できるようになったということは非常に進歩だと思っております。
 それから、特に生物由来製品に関して、未知の感染症まで含めてこれを取り扱うことができるということ。それから、今お話しの中の薬事法における安全対策の評価ということに関しましては、現在最高の技術、これはNAT検査なんかを言うわけですけれども、最高の技術を全部動員して、そして執拗にできることは全部やるというような感じの安全対策の中身になっておりますから、今のところはこれしかできないだろうというふうに考えております。
 ただ、これは技術の進歩もあることだし、それから先ほど未知のと申しましたけれども、また新しい事実が見付かれば、それに対する対応を大至急検討して追加していく必要があろうかと考えております。
#35
○沢たまき君 安全対策については、現在国に寄せられている大量の副作用等報告の収集、整理、提供等を新法人において行うこととすることによって安全対策が高度化、重層化することになると聞いておりますが、そこで内山参考人にお伺いしますが、安全対策を新法人の主要業務の一つとして行っていくことについてどのように評価されているか、お聞きしたいと思います。
#36
○参考人(内山充君) 安全対策というのは、情報の収集、それからそれの解析とそれから適切な開示及び迅速な対策ということになろうかと思います。
 先ほども、その点につきましては、この法人の組織がこれまでにも増して最も多くの情報を最も速やかに収集できる体制になっているというふうに考えますので、対策まで含めまして最も速やかな対応ができるのではないかと思われます。
 それから、安全情報というのは、一口に収集と申しましても極めて膨大な数になりますので、それを一か所でやるために十分なこれもやはり費用とそれから人手が必要になってまいりますが、それらに対しては対応ができる組織だと考えておりますので、これまでよりははるかに、これは国際的なレベルまでその辺は上げられるのではないかと期待しております。
#37
○沢たまき君 研究開発の見直しについてちょっと伺いたいんですが、二十一世紀はバイオ、ゲノム時代とも言われておりますが、国際的にも新薬の開発の競争が激化の一途をたどっておりますが、こうした状況を踏まえて、医薬品、医療機器の研究開発は国としても重点的に取り組んでいくべき分野であると考えております。
 今回の独立行政法人化に当たって医薬品機構の研究開発振興業務は一部を見直した上で新独法に継承することとなると聞いておりますが、そこで藤山参考人に伺いますが、産業振興的観点から見た場合、今般の研究振興に関する見直しをどのように評価されているか、お伺いしたいと思います。
#38
○参考人(藤山朗君) 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構というものがこれまで基礎研究の推進、これは医薬品の開発研究そのものを支援してきたわけでありますが、もっと基盤的なところの基礎研究の推進を目的として、これまで出融資事業を行うとともにオーファンドラッグの開発支援事業というものも行ってまいりました。
 このうち、出融資事業ということにつきましては、今般の改正案におきましては、これは廃止して新たに研究委託事業を行うということが盛り込まれております。出資事業ということになりますと、国と民間企業が共同出資してバイオ分野などの基礎研究を実施するということでございますけれども、この制度の問題点といたしましては、出資者が複数いることによりまして特許等の権利関係が複雑になりましたり、意思決定に時間が掛かるといったようなことが問題になってまいりましたので、今般この事業を廃止することによって新しい制度に移行しようということについては賛成でございます。
 研究委託事業につきましては、いわゆる日本版のバイ・ドール法を適用していただきまして、バイオベンチャーなどの支援をひとつ強力に進めていただきたいというふうに考えております。
#39
○沢たまき君 終わります。
#40
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 今日は、貴重な時間を、重要ないろいろな御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。まず感謝を申し上げたいと思います。
 私は、まず藤山参考人にお聞きしたいと思います。
 参考人のお話の中でもちょっと触れられましたけれども、日本製薬団体連合会が本法案についての説明を最初に厚生労働省からお受けになったのはいつだろうかというのを、関心が広がっているようですので、是非お答えを願いたいと思います。
#41
○参考人(藤山朗君) お答えいたします。
 正確な日時は承知しておりませんけれども、八月に勉強会におきまして担当レベルでの話合いがあったということを後で聞いております。私のところへ直接この情報が上がってまいりましたのはお盆休み前後ではなかったかと思います。
 こういった勉強会と申しますのは、厚生労働省が政策を作る際に、担当者がその実態を知るという趣旨で業界との意見交換をする、こういう趣旨のものでございまして、行政の民主的な運営という面では必要なものではないかというふうに考えております。
#42
○井上美代君 ありがとうございます。
 被害者の皆さんが説明をお受けになったのは九月の中旬ですので、それよりも早く説明をお受けになったということですね。
 それでは次に湯浅参考人にお聞きしたいと思います。
 今この法案について、被害者の皆さんよりも先に日本製薬団体連合会がお聞きになったということなんですけれども、一つはそれをどのようにお考えになるかなということでひとつお聞きしたいと思います。
 もう一つは、湯浅さんにお聞きしたいのは、御意見を聞いておりまして、非常に救済の活動、いろんな情報を伝えていくというのが遅かったということを、湯浅さん自身も大変つらい体験となっているわけなんですけれども、体験をされているということもありますので、この副作用の情報収集だとか、それを伝えていくことが非常に大事で、現場の先生もよく御存じないというのも出ておりますので、どういうふうにすればいいだろうかというふうに思っておりますので、御意見がありましたら是非聞かせていただきたい、提言していただきたいというふうに思います。
 以上です。
#43
○参考人(湯浅和恵君) 初めの質問でございますけれども、私たち患者の会が後で知ったということは、私たちが一番被害を受けておりますので、大変遺憾に思っております。やっぱり同時にそういうことはお知らせいただきたかったなと思います。
 また、全国のお医者様に対する周知徹底でございますけれども、特に私にこれといったいい案はないんですけれども、やっぱりどの先生方もこの病気のことを知っていただきたいというのはもう本当にみんな患者の会の願いでございまして、たまたま掛かった先生方によって後遺症が左右されるのは遺憾だと思っておりますけれども、具体的にどうしたら全国の先生方に行き渡るんだろうかという具体的な案はちょっと今すぐは浮かびませんが。申し訳ございません。
#44
○井上美代君 どうもありがとうございます。
 次に濱参考人にお聞きしたいのですが、安全対策業務にかかわって副作用情報の収集、整理そしてまた分析、それに基づく対応が私大変重要であるというふうに思っておりますが、今回独法化に当たり、情報の収集、整理そしてまた分析というのが厚労省から独法に移されていきます。それで、このことに対する先生の御見解を是非お聞きしたいというふうに思います。
 よろしくお願いします。
#45
○参考人(濱六郎君) 現在でも、副作用情報が医師から直接厚生労働省に報告されることもありますし、企業に報告されてそれから企業が報告するというシステムもございますけれども、いずれにしましても、先ほどちょっとアクトスのことで触れましたですが、以前は副作用情報を集めたものを厚生労働省でインターネットで公開しておりました。一年間ぐらい公開しておりましたが、現在では全然公開されておりません。
 しかし、情報というのは、それほど整理しなくても、ともかく医師から上がってくるものはこういうものが来ていると、それを評価するのはそれぞれの人間でありますから、それをきちんと全体に公開してほしいというふうに思います。それは別にそれほど大きな、大人数がなくてもできると思いますので、独立法人に移行して企業の人を採用するというそういうシステムを取らなくても、人数を少しだけ増やして厚生労働省自体で行うということは十分にできることでありますから、そういう形で情報を開示するということをしっかりとやっていただきたい。何もこれは独立法人に移行する必要はないというふうに考えます。
#46
○井上美代君 どうもありがとうございます。
 それでは次に高橋参考人にお願いをいたします。
 先ほど、藤山参考人の御答弁がありましたけれども、法案が製薬会社に先に説明があっているというこの問題について一つはどういうふうにお考えになるのかということをひとつお願いしたいのと、もう一つお聞きしたいということがあります。
 それは、今回機構の名称が変わります。そして、救済という言葉がそこから削られてしまう。何か私どもはこのことだけでも国の責任が後退するというふうに思うわけなんですけれども、本来の被害者救済から医薬品の開発中心の機構に変質していくんじゃないだろうかという、そういう心配をかなり多くの方からお聞きしているんですね。だから、救済業務の問題についてもいろいろお話を伺ったんですけれども、更に御意見があれば、是非この機会に述べていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 その二問です。
#47
○参考人(高橋豊榮君) 私たちがどうなるのかということを厚生労働省に質問していると、あんた方の恒久対策は一歩も減さない、後退させない、絶対安全、今から後退させないから心配するなということをぎっしり言ってきたんですよ。そうしておいて製薬会社には説明してあるんですね。出てきたものを見たら全然違うんですね、私たちに言っていたことと中身が。すごい腹立ちましたよ。
 はっきり言って、被害情報が集まって、スモンの被害者として、私は機構法ができたときの事務局長です、スモンの。薬事法を私たちは変えて、もし副作用情報が大きゅう出てきたらすぐ国は責任を持って回収すると。もうこれで懲りたと思っていたんですよ、サリドマイドとスモンと続いたから。ところが、全然そのことは使わないでしょう。使わないで薬害エイズで被害を拡大させたでしょう。幾ら国が権限持っているから何か言っても、またそれから製薬会社に先に説明する、被害者本人には説明しない、そういうことをやる。信用せい言って、言う方が無理ですよ、こういうことをやっておいて、自分が。そのことが一つ。
 それからもう一つは何でしたか。
#48
○井上美代君 機構から文字が消えたりしているんですけれども、そのことについて。
#49
○参考人(高橋豊榮君) それはもう、必死になって私たちがやって、実は私たちはそれ以前の薬害だからといってこれの適用は受けていないんですよ。それでも、薬害を後、起こしたらいかぬと、ノーモア・スモン言いながら今も運動を続けている。この法案についても、一円の得にもならぬのにこれ言っているのは、そのことを言っているんです。
 だから、被害救済基金というのは名前も機構もきちっと残していただきたいし、それからスティーブンス症候群は、言っていますように非常に審査を、私も高知で同僚の先生が薬害を受けてやったことがあるんですけれども、申請したらなかなか通さないんですよ。何回も何回も厚生省と交渉してやっているうちにやっと通した。そういう非常に厳しいことをやって通さない。そうしてお金が余ったといって徴収金は減す。そういうことをやってきているんですよ、現に。
 それから、知らなかったら言いますけれども、私たちはもうこれができてからずっと、各病院や診療所の窓口へもこの制度があるということを、チラシ置いておけということや、ぎっしり毎年のように要求してきた。何もしないんでしょうが。
#50
○井上美代君 終わります。ありがとうございました。
#51
○西川きよし君 先ほど少し聞き漏らしたんですけれども、バイ・ドール法のことでお伺いしたいと思うんですけれども、これは、医薬品等の研究開発に関しまして、これまでの出融資事業から特許権が受託者に帰属する研究委託事業、いわゆるこのバイ・ドール法ですけれども、そのメリットですね、そして委託先の選定方法、公平な選定が確保されるかということについて、まず藤山参考人と濱参考人に第一問目にお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#52
○参考人(藤山朗君) 委託先の選定について私どもが直接かかわるわけではございませんので、ちょっと私がお答えするには適当でない御質問かと思いますが。
#53
○参考人(濱六郎君) 私もそういう研究がどういうところに委託されるかということ自体を今回問題にしておるわけではありません。一番問題であるのは、企業からの人が組織に入ってそれで薬の承認の審査を行う、それから市販後の安全対策を行うところのその業務に直接タッチする、それでまた企業に帰っていかれると、このところを問題にしているわけでありまして、是非その点について聞いていただければお答えしたいと思います。
 今お聞きされた内容の件に関しては、余り詳しくはございませんので、お答えできかねます。
#54
○西川きよし君 これからまだまだ委員会も続きますので、今日皆さん方にお伺いした内容をしっかりあしたからの委員会質問にもプラスにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、医薬品そして医療機器の審査です。この審査は、これまでは公務員である審査官が担当してきたわけですけれども、今後は非公務員であります機構の職員が行うことになりますが、そういたしますと人件費は基本的に製薬会社から手数料の収入によって賄われるということになりますが、そうなると果たして公正な審査ができるのかなと、我々も、素人ですけれどもそういうやっぱり疑問を持つわけですけれども。
 これについてお伺いを皆さんにいたしますと、大臣はこういうふうにお答えになりましたので、今から僕が申し上げることをよくお聞きになってお答えをいただきたいと思います。検査をするときには手数料は当然もらうが、それによって検査結果をゆがめるようなことは研究するべき人の立場から考えられないので、全く心配はしていない、こういうふうにお答えをいただいたわけですね。
 これについて、高橋参考人、いかがでしょう。
#55
○参考人(高橋豊榮君) 人間というのはお金もらったら弱いですよ。そのことをはっきりわきまえているべきですよ。それが一つです。
 だから、製薬会社から金を取るんではなくて、安全対策や何は国の費用でやらんといかぬということを私たちは言っているんですよ。投げたらいかぬと、製薬会社から金もろうてそんなことするなと。はっきり言って農薬の入った野菜は買わないでしょう、国民は。ということは、高くても安全なものを国民は買うんですよ。税金をそういう安全に使っても国民の反発はないと思うんですよ。逆の使い方をせんとってほしいと。それは、いろんなことを言うけれども、毎日毎日の安全でしょう、安全の問題でしょう、食品や医薬品というのは。ここをきちっとしないで、ここへ金を使わないでほかへ使うのは間違いじゃないですかと。例えば公取なんか、独立法人、金のことがちょっと何すればわあわあわあわあ言いますけれども、命やこの健康の問題を何でもっと問題にせぬのかと、私はそのことを指摘したいと。
 ただ合理化のために三つあるところを、二つあるところを一つにして金が安くなった、製薬会社から金集めるから税金安くなる。国民はそんなことを望んでおるんじゃないですよ。金は要っても安全にきちっと生活できることを、そのことを望んでいるということを知っていただきたいと思うんですよ。
 以上です。
#56
○西川きよし君 ありがとうございました。
 最後の質問にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、この癒着の防止、今のに関連するわけですけれども、癒着の防止という観点から、新しい機構の職員を製薬会社などから採用するのを規制して、機構の役員や職員が製薬会社などに転職をするのは禁止すべきではないかという意見がたくさんあります。
 これに対して、今度は、これからを聞いていただきたいんですが、政府側は、製薬会社などから採用する場合は、この企業と身分上のつながりを持たないことを条件とし、任命権者が適切に判断をすることで、審査そして調査、そういったことに疑念が生じないようにしたいというふうに考えております。今後は就業規則や倫理規則などを作ることなどを検討しております。そして、機構の役員や職員が製薬会社に転職をするのを禁止するのは職業選択の自由に反するのでなかなか難しいですけれども、役職員には退職後守秘義務を法律上定めているのでこの心配はないというふうに答えられましたんです。
 これについては、それでは濱参考人、お答えいただけますでしょうか。これを最後にしたいと思うんですが。
#57
○参考人(濱六郎君) 転職、身分のつながりはないというふうにおっしゃいますけれども、それがどういうことを意味するか非常にあいまいです。実際に転職をすることが規制できないということであれば、守秘義務を幾ら課したところで、これは人のことですからどこでどういうふうに漏れるか分からない。それと、漏らした方だけに罰則規定がありますけれども、漏らされた方に対する罰則規定が何もない。こういう状態では、しかも罰則規定、守秘義務に違反した場合の罰則なんかも非常に低い。そういう状態でその守秘義務が守れるのかどうか。
 それから、資料の提供を求めても、求めに応じなくても三十万円という罰金しか掛からないと。そういう罰則規定でどうして資料の提供を積極的にさせることができるのか。しかも、それをしなくて通過すれば、これは百億円、何百億円、あるいは場合によっては年間一千億円以上も収入が見込まれると。そういうふうな状態にある者にどうして守秘義務ということだけで規制することができるのかということを非常に疑問に思います。
 したがって、これはもう本当に国の機関として、国の組織として実際に実施するということをしなければ不可能だと、そういう公正な審査というものは不可能だというふうに思います。
 人が金をもらって公正なことができないというのは、研究者にとっても、これはもう非常に、企業から研究費をいただくと公正な研究結果が出ていないということを研究している、そういう研究結果も公表されております。実際にそれができません。そういうことがありますので、実際に公平な審査はできないというふうに思いますので、是非ともこのことはよくお考えいただきたいというふうに思います。
#58
○西川きよし君 ありがとうございました。
 終わります。
#59
○大脇雅子君 今日は貴重な御意見をありがとうございました。
 スモン、サリドマイド、エイズ、それからヤコブのライオデュラの問題等々、多くの人たちの命と引き換えたように薬事法の改正が行われ、こうした医薬品医療機器総合機構法案というものがあったと思うんですが、どうして日本でそういった場合の緊急対応が遅れて被害を拡大してきたのかということを考えますと、この教訓を、今回の医薬品医療機器総合機構というものを設立し運営するに当たってどう生かしていくのが一番いいのか、この点について御意見ございましたら五人の参考人の方にお尋ねをしたいと思います。
#60
○委員長(金田勝年君) 順次お願いいたします。
#61
○参考人(内山充君) 過去の教訓を生かすということは最も大切なことであろうと思われます。これもやはり知るべきことをすべて能率よく知るということ、それから、それを分からない場合に自分だけで判断しないでなるべく多くの人と共通の情報を持ち適切な判断をするということが最も大切であります。その判断というのが、私が先ほど来申し上げております評価科学というサイエンスとして今取り上げられつつあります。
 私は機構にそういう雰囲気を実は期待しておりまして、先ほど来機構が、御質問の内容と外れるとおしかりいただくかもしれませんが、国の直接関与の仕事でないような印象であるとか、それから企業の下請であるような印象であるとか、それからそこの職員は企業のお金で雇われているような感じの発言というのがございましたけれども、私は決してそういうふうには考えておりません。そういうものはすべてを含めて、過去の教訓を生かして、そして正しい評価をするということに生かされるべきだと考えておりますから、今度の機構の運営には期待をしているということでございます。
#62
○参考人(藤山朗君) 先ほどFDAですら審査は最近不十分というお話もございましたけれども、現在の日本の審査における最大の問題点は審査に掛かっている人員が余りにも少な過ぎる。FDAに比べますと十分の一ぐらいでございます。
 そういったものの質量の増強が必要であるというところから、国家公務員定員法などの関係もありましてこういった機構という形になってきたと、こう思っておりまして、さらに内容及び人材の数、こういったものの充実はどうしても必要でございますので、今回の機構という形については私ども賛成しているわけでございます。
 こういったエージェンシーを作って、それに業務の一部を委託するということはヨーロッパでも各国で割に行われているところでございまして、例えば人の交流なども実際に行われておりますけれども、それによって癒着が起きたというふうには私どもは考えておりません。
 例えて申しますと、英国のこの機構に相当する組織はMCA、メディスン・コントロール・エージェンシーでございますけれども、このMCAの現在の長官のドクター・キース・ジョーンズという方は元民間の製薬企業の研究者でございまして、私もその当時からよく知っている人物でございますが、それによって英国のMCAが企業寄りであるという批判は聞いたことがございませんし、これは純粋に運用の問題であるというふうに考えております。
#63
○大脇雅子君 五十分までしか時間がないので、済みません、時間ですので、よろしくお願いします。
#64
○委員長(金田勝年君) 限られた時間ですので、簡潔にお願いいたします。
#65
○参考人(藤山朗君) 以上でございます。
#66
○参考人(高橋豊榮君) 教訓を生かすというよりも、私は教訓を無視している。最初意見のときに無視しているという言葉を使いましたけれども、エイズの問題が起こったのは本当にこの間でしょう。そのときに、スモンが薬事法を変えてあったのに回収しなかった。それを、本当この間のことだ。またこういう法案を出してきている。これは、教訓を大事にして今後起こさないようにするということじゃなくて、無視してやろうとしているんです。それに私は腹が立つんです。
 国がきちっと審査をし、それからこれにかかわってきちっと調査、審査やった人は天下りしなさんな、命にかかわることで。そこまできちっと厳しくやったら癒着と言われないでしょうよ。二年たったら天下りできるんだったら、ミドリ十字のエイズ起こしたようなああいう問題が出てくるんですよ、それでも。それぐらい厳しい規範を持つべきであるということです、本当に教訓を守ろうとするんなら。そういうことです。
 以上です。
#67
○参考人(濱六郎君) 教訓といいますのは、やはりそれが生かされて初めて教訓を生かしたということであります。
 今まで高橋参考人もおっしゃいましたが、一九七九年に薬事法が改定になりました。これはサリドマイド、スモンの薬害を反省したからであります。ところが、それ以前の十年間に比べると、それ以降の八〇年以降かえってたくさんの薬剤、新薬が承認されました。それまでは三十種類、年間ですね、一年間三十種類ぐらいであったのが四十種類、五十種類と、一年間にもうどっと承認されました。
 その結果出てきたのが、例えばいわゆるホパテン酸に始まる、ホパテに始まる脳代謝改善剤、それからこれまで薬害を起こしてきました、薬害エイズを起こしてきた血液製剤、それの新しい承認が取られる。こういうふうなことで教訓が生かされないままずっと来ました。その間、八〇年代にはヤコブ病の乾燥硬膜もアメリカでは一例で中止したのに日本ではずっと続けて使われたと。ソリブジンの事件が九〇年代になっても起こっておりますし、薬害肝炎も現在も起こっております。それから、今度のイレッサ、これも大きな薬害になると思います。それから、アクトスという、必ずこれは動物実験で悪いということが分かっているものが実際に使われております。必ずこれも薬害として大きく取り上げられる可能性があるものです。
 こういうふうに教訓が一向に生かされていません。しかも、それを更に企業の人が入った組織でやろうとしていると。これでは絶対に教訓は生かされないというふうに確信いたします。
#68
○参考人(湯浅和恵君) 私も不勉強ながらも、そういう数々の新薬の開発における薬害がどんどん増えているということは耳にしておりますけれども、薬が素早く承認され被害が起きたときに回収が遅れるというのが何か今までの、承認されるのが何かなかなか遅くて、被害が出てもなかなか回収されないというのが今までの現状だったようにも思いますけれども。
 ちょっと個人的なあれですけれども、私たちのSJS及びTENを二年間にわたって二十二例発症した薬がございまして、その薬に関してMRが各医師たちの元に行って、先生、死んでいないからどんどん使ってくださいという説明をしたということをちょっと耳にしまして、このことは私はすごい遺憾でありました。このことだけはちょっと一言申し述べさせていただきました。
#69
○大脇雅子君 先ほど、藤山参考人、失礼しました。ちょっと時間がございますので、要するに、こうした今までの薬害訴訟の過去の経験を生かすためにあるべき機構への御提言ございますでしょうか。
#70
○参考人(藤山朗君) これは各参考人の皆さんから言われましたように、たとえ費用の一部を負担しても、この費用の一部を負担するということは各国で行われていることでございますが、やはりこれは明確に国の責任であるということで国が責任をきっちり果たしていただくことが必要でございますし、機構は十分必要なだけの機能を充実した上できっちり中立を守った運営をやっていただきたい、これは純粋に運営の問題であるというふうに考えております。
#71
○大脇雅子君 ありがとうございました。
 終わります。
#72
○委員長(金田勝年君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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