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2002/12/03 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第11号
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2002/12/03 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第11号

#1
第155回国会 厚生労働委員会 第11号
平成十四年十二月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     堀  利和君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     鴻池 祥肇君     吉田 博美君
     堀  利和君     岩本  司君
     小池  晃君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                斎藤 十朗君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                吉田 博美君
                朝日 俊弘君
                今泉  昭君
                岩本  司君
                谷  博之君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  坂井 隆憲君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  安倍 晋三君
   副大臣
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       佐々木真郎君
       内閣官房内閣参
       事官       小熊  博君
       警察庁警備局長  奥村萬壽雄君
       総務大臣官房審
       議官       衞藤 英達君
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       法務省入国管理
       局長       増田 暢也君
       外務大臣官房参
       事官       齋木 昭隆君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       財務省国際局長  溝口善兵衛君
       文部科学大臣官
       房審議官     木谷 雅人君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省医薬
       局長       小島比登志君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   坂本由紀子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    河村 博江君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    上田  茂君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       環境大臣官房審
       議官       小野寺 浩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援
 に関する法律案(衆議院提出)
○独立行政法人労働者健康福祉機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人福祉医療機構法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人労働政策研究・研修機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞ
 みの園法案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人雇用・能力開発機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨二日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省アジア大洋州局長田中均君外十一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(金田勝年君) 次に、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院厚生労働委員長坂井隆憲君から趣旨説明を聴取いたします。坂井隆憲君。
#6
○衆議院議員(坂井隆憲君) ただいま議題となりました北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、北朝鮮当局による未曾有の国家的犯罪行為によって拉致された被害者が、本邦に帰国することができずに北朝鮮に居住することを余儀なくされるとともに、本邦における生活基盤を失ったこと等その置かれている特殊な諸事情にかんがみ、被害者及び被害者の家族の支援に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、帰国した被害者及び帰国し、又は入国した被害者の配偶者等の自立を促進し、被害者の拉致によって失われた生活基盤の再建等に資するため、拉致被害者等給付金の支給その他の必要な施策を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、この法律において被害者とは、北朝鮮当局によって拉致された日本国民として内閣総理大臣が認定した者をいい、認定に当たっては内閣総理大臣は、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとしております。また、被害者の配偶者等のほか、被害者の家族についても定義を置いています。
 第二に、国は、安否が確認されていない被害者等の安否確認及び帰国等のため、最大限の努力をするものとすること、また、国及び地方公共団体は、有機的連携の下、帰国した被害者等の支援のために必要な施策を講ずること等としております。あわせて、国及び地方公共団体は、被害者の家族に対しても、安否情報の提供や相談に応じること等きめ細やかな対応に努めることとしております。
 第三に、国は、被害者又は被害者の配偶者等の帰国等に伴い必要となる費用を負担することとしております。
 第四に、国は、帰国被害者等が本邦に永住する場合には、帰国被害者等に対し、これらの者の自立を促進し、生活基盤の再建等に資するため、拉致被害者等給付金を五年を限度として毎月支給することとし、また、被害者が永住の意思を決定することにつき困難な事情があると認められる間は、当該被害者に対し、本邦に滞在している間の生活を援助するため、滞在援助金を毎月支給することとしております。また、これらの給付金等については、譲渡等を禁止し、かつ非課税としております。
 第五に、国及び地方公共団体は、帰国被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、相談に応じることや日本語習得を援助すること等必要な施策を講ずるものとしております。
 第六に、国及び地方公共団体は、公営住宅等の供給の促進、職業訓練の実施及び就職のあっせん、並びに就学の円滑化及び教育の充実等の必要な施策を講ずることとしております。
 第七に、国民年金の特例として、拉致された日以降の期間であって政令で定めるものを国民年金の被保険者期間とみなし、国がその期間に係る保険料に相当する費用を負担すること等により年金額を改善することとしております。
 なお、この法律の施行期日は平成十五年一月一日とし、この法律の規定について施行後三年を目途として検討し、必要な措置を講ずることとしております。
 以上が本案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。
 ただいま提出者の方からお話がありましたこの法案の中身について伺わさせていただきたいと思いますが、法案はその目的の第一条におきまして、今回の拉致につきまして「未曾有の国家的犯罪」というふうに認定をいたしております。私も、平穏に我が国の国土の中において暮らしておられた方々をその日本の国土から連れ去って、全く縁もゆかりもないところに連れていくといった犯罪ということは正に未曾有の国家的犯罪だというふうに思いますが、そのように認定するに至った経緯について、まず提出者に伺いたいと思います。
#9
○衆議院議員(坂井隆憲君) さきの日朝首脳会談において、金正日国防委員長が小泉総理大臣に対し、拉致問題について過去に北朝鮮の関係者が行ったことを率直に認め、遺憾なことであり、おわびすると述べたところであります。
 拉致事件については、引き続きその事実解明に努めているものと承知しておりますけれども、今述べたとおり、北朝鮮の特殊機関の一部が拉致を実行したことについては北朝鮮も認めていることから、本案において「未曾有の国家的犯罪行為」と表現したところであります。
#10
○浅尾慶一郎君 未曾有の国家的犯罪という、これも提出者に伺いますけれども、国家的犯罪と言うからには、一部の妄動主義者あるいは冒険主義者の行為ということではなくて、もう少し幅広い北朝鮮の関与を認めているという理解、私もそのとおりだと思いますが、そういう理解で提出者、よろしゅうございますね。
#11
○衆議院議員(坂井隆憲君) 金正日氏が北特殊機関の一部が拉致を実行したということを言っておりますので、我々としてはそういうふうに認識しております。
#12
○浅尾慶一郎君 もう一回確認いたしますが、金正日氏の述べていることは一部の妄動主義ということでありますが、未曾有の国家的犯罪と。正に今回のは未曾有の国家的犯罪ですから、一部の妄動主義者、冒険主義者ということではなくて、もう少し国家的な関与のある犯罪というふうに提出者は認識しておるという理解でよろしゅうございますね。
#13
○衆議院議員(坂井隆憲君) 当時の犯罪としては、おっしゃるとおりだというように認識してはおります。
#14
○浅尾慶一郎君 正に一部の妄動主義、冒険主義ではなくて、国家的な犯罪だというふうに、この法案が衆議院及び参議院を通ると立法府の意思として認識するということで、提出者、理解、確認ですけれども、よろしいですね。
#15
○衆議院議員(坂井隆憲君) 立法者としてはそのように認識しているところであります。
#16
○浅尾慶一郎君 それでは、安倍官房副長官に伺います。
 そういたしますと、金正日氏が日朝首脳会談で申した一部の責任ということではなくて、立法府の意思としてはこれは国家的な犯罪だというふうな認識になるということだと思いますが、今後の交渉の中で、そのことも踏まえて交渉されるというふうに政府の立場としても考えておられるということでよろしゅうございますね。
#17
○内閣官房副長官(安倍晋三君) この立法の趣旨につきましては、提案者である坂井委員長から答弁されたとおりだと思います。
 この犯罪につきましては、金委員長からこれは妄動主義、冒険主義という言及はあったわけでございますから、国家の機関の関与を認めているわけでございますから、私どもは北朝鮮に対していろいろな今要求をしているということでございます。
#18
○浅尾慶一郎君 先方は一部ということで責任逃れをしているということでありますが、我が国の立法府の意思として、本日この法案間違いなく可決されるものと思いますが、委員会で可決し、本会議で可決した際には、国家的な犯罪、一部ではなくて国家ぐるみの犯罪という、立法府は少なくともそういう意思になるというふうに私は認識をいたしますので、是非とも今後とも政府の中においてはそのことを踏まえて交渉をしていただきたいと、こういうふうに思います。
 さて、平成十二年の十一月九日付けの当院の地方行政・警察委員会の質疑の中でも、こうした拉致というものは実行犯及び首謀者が海外にいるわけでありますから時効は成立しない、海外にいる限りにおいては時効は中断しているという御答弁をいただいたわけでありますけれども、そうした理解でまず警察庁よろしいかどうか、再度確認をお願いします。
#19
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 刑事訴訟法第二百五十五条でございますけれども、犯人が国外に逃亡している場合には国外にいる期間は時効の進行が停止というふうに定めておるところでございます。
#20
○浅尾慶一郎君 それでは、現段階で北朝鮮側に引渡しを求めている犯人は何名おりますでしょうか。
#21
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 今、二名、北朝鮮側に引渡しを要求をしておるところであります。
#22
○浅尾慶一郎君 辛光洙とよど号に絡む人という理解でよろしゅうございますか。
#23
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 一名は原敕晁さん拉致の実行犯である辛光洙でございます。それから、いま一名は有本恵子さん拉致の実行犯である、よど号犯人の一人であります魚本公博、これは旧姓安部公博でありますけれども、この二人につきまして北朝鮮側に対して身柄引渡しを要求しております。
 なお、そのほかのよど号グループのメンバーにつきましても北朝鮮側に引渡しを要求しているところであります。
#24
○浅尾慶一郎君 大変多くの方が拉致をされているということでありますから、今後ますますいろんな実行犯及び首謀者というものが明らかになってくると思いますし、明らかにしていかなければいけないというふうに思いますが、そうしたすべての人の引渡しを求めていくべきではないかというふうに思いますが、安倍官房副長官、どのように思いますか。
#25
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま警備局長がお答えをしたわけでございますが、今犯人として私どもが認定をしているのは、今、警備局長からお答えをした二人でございます。
 今後、捜査の結果、犯人が、私どもが引渡しを要求すべき容疑者が確定していけば当然要求をしていくということになると思います。
#26
○浅尾慶一郎君 日本の当局の方で犯人であるという認定をしていかなければ要求はできないわけでありますが、具体的に考えれば、今お話の出た二人だけでとてもあれだけ多くの人を拉致することはできないわけでありまして、既に報道されておる中でも、日本に帰国をされている五人の方々も複数の人に取り押さえられたり囲まれたということでありますから二人以上ということだと思いますが、そういう理解に官房副長官も立っておられるかどうか、その点を確認さしていただければと思います。
#27
○内閣官房副長官(安倍晋三君) まだ実行犯につきまして、また犯行当時の状況につきまして捜査の解明が終わっていないという段階では予断を持ってお答えをするわけにはいかないわけでございますが、私ども、少なくとも十件十五名の方々が拉致をされているという認定をしているわけでございますから、当然かかわった人たちはそれなりの人数に達するんであろうというようには考えております。
#28
○浅尾慶一郎君 先ほども申し上げましたが、実行犯の引渡しということもそうでありますが、例えて言いますと、例えば地下鉄サリン事件のときに、今裁判をされておりますオウム真理教の教祖である麻原彰晃は、実行犯でありませんが首謀者ということで裁判にかかっているということから考えますと、未曾有の国家的犯罪というふうに立法府として認定するわけでありますから、実行犯にかかわらず首謀者の引渡しということも当然求めていくべきだというふうに思いますが、官房副長官、いかがお考えですか。
#29
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 日朝首脳会談におきまして、金正日国防委員長より小泉総理に対して、拉致事件に関連した責任者らは処罰を受けた旨の説明がございました。また、北朝鮮側からは、九月末に訪朝した我が国の事実調査チームに対しまして、拉致事件の責任者として二名が処罰された旨の説明を行ったわけでございます。
 また、この点も含めまして拉致問題に関する事実関係につきましては、その詳細を判断し得る材料がないというのが実情でございまして、現在、被害者の御家族から出されました疑問点及び警察当局から提出がございました再調査事項を踏まえて作成をいたしました追加照会事項を北朝鮮側に手交し、速やかで誠意ある回答を求めているところでございます。
 拉致問題につきましては、今後とも国交正常化交渉の場で北朝鮮に対し追加情報の提供を求め、事実の解明に努力をしていきたいと、このように考えている次第でございます。その上で、北朝鮮に対して具体的にいかなる対応を求めていくかにつきましては、事実関係の調査結果を踏まえながら総合的に検討していきたいというふうに考えております。
#30
○浅尾慶一郎君 今の未曾有の国家的犯罪であるということが認定されたわけでありまして、首謀者が二名だけということになると、金正日の説明どおり一部の盲動主義、冒険主義者が行った犯罪ということで先ほどの議論と矛盾をしてまいるというふうに思うわけでありますので、引き続き首謀者ということの引渡しを求めていくべきではないかと、このように思いますが、その点について、今日は田中アジア局長もお越しでありますので、アジア局長に伺ってまいりたいと思います。
#31
○政府参考人(田中均君) ただいま安倍副長官から御答弁をされたとおりでございまして、私どもとしては、事実関係が十分解明されていない、正にこれから十分な事実関係の究明をもって実行犯、責任者も含めきちんと解明をしてまいりたいと、かように考えております。
#32
○浅尾慶一郎君 事実関係が解明されていないのはそうかもしれませんが、法案で、未曾有の国家的犯罪というふうに立法府はこれから断定をすることになるわけでありまして、そうだとすると、先ほど来申し上げていますとおり、一部の盲動主義者の犯行ではないと少なくとも日本の三権の一つである立法府は判断をするということになるわけですから、再三申し上げていますとおり、そのことを、引渡しを求めていくことが必要だと思います。
 別の観点から伺いますが、少なくとも実行犯そして首謀者の引渡しを応じるということが国交正常化の条件にしていくべきではないか、あるいは最低限、法治国家としてそうした断定を立法府においてすると、あるいは日本の国家主権が踏みにじられたということを考えると、友好国に対して経済協力ということは行うわけでありますから経済援助の条件とすべきではないかと思いますが、その点について官房副長官の考えを伺いたいと思います。
#33
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 今、私ども国交正常化に向けて交渉を、再交渉をスタートしたわけでございます。しかし私どもは、ただいま五人の被害者の方々が国内に帰国を果たされた後、この方々の御家族の一日も早い帰国について先方に要求をしているところでございます。さらには、八名、亡くなられたと言われている八名の方、また不明である二名の方についていろいろな調査、私どもが確認できる材料、資料の提供を今求めている最中でございます。さらには、今、委員が御指摘されました、実行犯がだれなのか、また責任者がだれなのかということは当然はっきりしていかなければならないと、こう考えているところでございます。これは場合によっては正常化交渉の中で、あるいはいろいろな場で我々は求めていかなければならないわけでございますが、こうした懸案が処理されなければ当然正常化はないというふうに私は考えております。
#34
○浅尾慶一郎君 そうだとすると、少なくとも、現在政府として氏名も含めて認定をしております、先ほど警察庁の方から御答弁いただきました二名の方の引渡しがなされない限り正常化はないという理解でよろしゅうございますね。
#35
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 私どもは、また正常化交渉の中で先方といろいろな議論をしていくわけでございます。引渡しにおきましては、法的な枠組みの整備ということも他方必要であるわけでございます。そういうことを総合的に判断をしながら結論は出していかなければならないと、こう考えております。
#36
○浅尾慶一郎君 確かに、日朝間で犯罪引渡条約といったようなものはございません。しかし、私の理解では、任意に自首をされる人を我が国の捜査当局が逮捕するということを妨げる、そうした条約がないことによって妨げるものではないというふうに理解しておりますが、そうであれば法的な整備は必要ないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
#37
○内閣官房副長官(安倍晋三君) この点につきましては、ただいま私ども交渉をしていかなければならないという状況でございまして、犯人の引渡しについてのお互いの理解を深めていくことも当然今後必要であろうと、こう考えております。
#38
○浅尾慶一郎君 申し上げたいのは、現在既にその二人の引渡しを求めているということであります。それは別に新たな法整備というものがなされているわけではないという理解ですけれども、その点の確認を、どなたかお答えいただける方、答えていただけますか。
#39
○政府参考人(田中均君) 現に引渡しを求めているわけでございますが、これは当然のことながら我が国として引渡しを求めることができるということであって、先方が国交がない段階において国際法上引き渡す義務が生ずるかどうかということについては種々検討を要する必要があるところでございます。
 通常であるならば、法的な枠組みの中で先方が引き渡す義務を作るということが必要であろうというふうに考えます。
#40
○浅尾慶一郎君 警察庁に伺いますが、警察庁の理解は、先方に義務が、今の段階で条約がないということであれば義務がないということですけれども、当然我が国の主権として求めているということでよろしゅうございますか。
#41
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 私ども、外務省を通じまして二人につきまして引渡しを求めておるところでございます。これは日本として引渡しを要求しているという理解であります。
#42
○浅尾慶一郎君 それでは、法案の中で政府の責務を定めておる部分がありますけれども、政府の責務として、本来、この未曾有の国家的犯罪の被害者は個々人でありますけれども、個々人がそうした犯罪によって被った様々な損害に対する損害賠償ということを今後求めていくということになってくると思いますが、個々人対国家ということを考えた場合に、政府がそうした国家賠償に対する支援をしていくことも当然していかなければいけないと思いますが、提出者はなぜその責務の中に拉致被害者が北朝鮮に対して行う損害賠償ということに対する政府が支援をするということを法案の中に盛り込まなかったんでしょうか。
#43
○衆議院議員(坂井隆憲君) この法案に目的の規定を設けておりますが、この目的の規定にも掲げているところでありますけれども、この法案は、将来に向けて被害者等の自立、拉致により失われた生活基盤の再建を支援するものであり、個々の被害の補償ないし賠償的な観点ではありません。
 また、給付金の支給については北朝鮮に代わって補償しているものではなく、したがって北朝鮮に対して直ちに求償をするというようなことを考えているわけではありません。
#44
○浅尾慶一郎君 まず、前段の損害賠償については、この法案にかかわらず、政府として拉致被害者が北朝鮮に対して損害賠償を求めていくということを支援していくべきだと思いますが、その点について安倍官房副長官、どのように考えておりますか。
#45
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 拉致問題につきましては、事実関係の解明とともに、生存者の御家族の帰国の実現など、御家族を始めとする関係者が納得する形で問題が解決をされることが重要であると、このように考えておるところでございます。
 その上で、北朝鮮に対し、具体的にいかなる対応を求めていくかということでございますが、事実関係の調査結果を十分に踏まえながら、国際法の観点からも十分に考えながら検討を行って、必要があれば当然求めるべきものは求めていかなければならないと、こう考えているところでございます。
#46
○浅尾慶一郎君 二十四年間、拉致によって自由を奪われていたということは当然損害賠償の対象になると普通考えればなるわけですから、これは別に拉致という犯罪でなくても国内における犯罪においても損害賠償の対象になるわけですから、先ほど申し上げましたように、国対個人ということになるとなかなか交渉も難しいというふうに思いますので、その点については十分な支援を日本の政府としてしていくべきだというふうに私は考えます。
 それから、後段の給付金のところについて、先ほど提出者、これは考えようによっては、我が国として単独に行うものだから給付金について求償を北朝鮮に求めるものではないというふうな趣旨の御答弁があったと思いますが、そもそもそうした拉致というものがなければそうした給付金も発生しないわけでありますから、本来は日本の政府が払う、払ったものを北朝鮮に対して求償をしていく、請求していくということは当然だと思いますが、そのようには考えられないんですか。
#47
○衆議院議員(坂井隆憲君) 先ほど御答弁したように、この法案自身が北朝鮮に対して直ちに求償することは法案の趣旨からして考えておりませんが、ただいまの御質問については、今、安倍官房副長官からお話がありましたように、事実関係の調査を踏まえつつ、国交正常化に向けた過程の中で総合的に検討されるものと承知しているところであります。
#48
○浅尾慶一郎君 事実関係の調査を踏まえてというふうにおっしゃいましたが、事実関係の調査が普通あって未曾有の国家的犯罪ということを法案の中で書き込むはずなんです。それがない段階で書き込むというのはおかしいと。私はこれは未曾有の国家的犯罪だと思いますけれども、だからこそ、とりあえず政府が給付金を払っている、それを北朝鮮に対して求償を請求していくということは当然のことだと思いますが、安倍官房副長官、そのように考えられませんか。
#49
○内閣官房副長官(安倍晋三君) これは、この法案は衆法ということで議員提案でございます。私どもの政府の理解といたしましては、この被害者の方々が失われた年月によって本来であれば当然持っているべき生活の基盤を持っていない、その生活の基盤を私どもが国として支援をしていくということで、給付金あるいは将来の年金について定めたものでございます。
 一方、この方々が与えられた苦痛というものに対してどうするかという議論が当然あるわけでございまして、そういう慰謝の部分についてはこの法案は含んでいないんだろうと、こう思うわけでございます。それは恐らく、私どもは、また御家族の皆様はこれは北朝鮮に対して求めるべきものなんだろうと、こう考えておられるということを私どもお伺いをいたしております。
#50
○浅尾慶一郎君 北朝鮮に対して当然いろいろと求めていかなければいけないと思いますが、我が国としても、その求めるに当たって外交カードを作っていかなければいけないと思います。
 現行の外為法では、我が国独自の判断で我が国の安全保障上の理由によって外国送金を止めることができない仕組みになっております。
 時間の関係で、財務省来ていただいておりますが、そうした外為法の改正をすることが別に直ちに送金を停止するということではなくて、改正をすることによって、我が国の安全保障上の観点からの判断によって送金を止める権限を政府に与えるというような法改正案ということも当然考えられるわけでありまして、そうした考えについて官房副長官のお考えを伺いたいと思います。
#51
○内閣官房副長官(安倍晋三君) かつて北朝鮮がテポドンを発射したとき、浅尾委員とともに外為法の十六条を改正すべきではないかということで草案も一緒に作ったことがあるわけでございます。
 ただいまの御指摘でございますが、一般論として申し上げれば、もう委員御承知のように、外国為替及び外国貿易法上、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、国際平和のため国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるときには海外への送金を停止するなどの措置を講ずることができるとされております。
 外為法第十六条第一項前段の、条約その他の国際約束を誠実に履行するために必要があると認めるときとの要件については、例えば国連安保理決議千三百七十三、平成十三年九月二十八日採択は、国連加盟国に対してテロ行為に対する資金供与を防止するなどを求めておりまして、この決議に基づきテロリストに対する送金等を我が国が我が国単独で停止することは可能であると、このように考えているところでございます。
 ただし、我が国が単独で送金等を停止すべきかについては、我が国の国際社会の一員としての義務を果たすとの観点から、具体的な事案に応じて関係省庁間で協議の上、国際社会の動向、我が国への影響等を勘案して我が国が総合的に判断することであると、このように考えております。
#52
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますが、今の御答弁ですと、北朝鮮という国家がテロリストという認定をすれば我が国として送金を停止できるというふうに御答弁されたという理解でよろしいですね。
#53
○内閣官房副長官(安倍晋三君) ただいま我が国が交渉をしております特定国を念頭に置いた仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、送金等を停止すべきかについては、実効的な資金凍結措置を行う観点からは主要国と協調しつつ検討していくことが望ましいこと、そして安全保障上の問題を含めて我が国の外交上の判断、そして国際社会の動向等の具体的な状況に応じ我が国が総合的に判断していくこととなると考えております。
#54
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 北朝鮮による拉致という国家的犯罪によりまして、拉致被害者が二十四年以上、二十四年間の長きにわたって帰国することができず、日本における生活基盤が失われ、家族や友人とも切り離されてきた、その苦労は本当に察するに余りあると思います。私どもは、八八年に当院予算委員会、国会で初めてまとまった形でこの拉致問題を質問で取り上げた、そういう政党として、被害者及び家族に対する支援、これは早急に一日も早く行う必要があると考えておりますし、今回の法案に共同提案として加わって、一日も早く法案が成立するようにと考えております。
 また、私たちは、拉致問題はもちろん、ほかにも北朝鮮の核疑惑あるいはミサイル問題などを解決するためにも正式の交渉ルートを持つべきだということを主張してまいりました。その点で、日朝間の諸懸案を包括的に取り上げて話し合うための日朝首脳会談、これを開催した小泉首相の決断を支持し、協力を惜しまない旨を表明してまいりました。
 首脳会談の中で北朝鮮が拉致の事実を初めて認めたわけでありますが、これは正に絶対に許すことのできない国際犯罪、国家的犯罪であります。ほかに拉致はないのか、責任者はだれだったのか、拉致された人が一体どういう扱いを受けてきたのか、生存が確認されていない方々の消息はどうなっているのか、様々、真相を全面的に究明していくことが必要だと思います。また同時に、責任者の処罰、それから被害者への北朝鮮による謝罪と補償、これも当然求めていくべきだと考えております。この点でも、小泉内閣が日朝平壌宣言に基づいて今包括的に粘り強く交渉を続けるという姿勢を私どもは見守ってまいりたいというふうに考えております。
 今日はそういうことを踏まえて、本法案の具体的な中身の問題についてお聞きを、お尋ねをしたい、今後の改善すべき点なども指摘をさせていただきながらお聞きをしたいというふうに思っています。
 そこで、最初に提出者にお伺いをしたいんですが、今回の給付金の支給について、厚生年金の標準的な年金額を参考にしたということなんですけれども、現時点で帰国されている被害者の方は四十代から五十代の現役世代だと、お子さんはまだ学生だということでありまして、退職者を対象とする年金額ということがなぜ参考にされたのかということについて御説明をいただきたいと思います。
#55
○衆議院議員(坂井隆憲君) 拉致被害者等給付金の金額については、異なる立場からいろんな議論がありました。一般的な制度である生活保護の水準よりも高くすべきであるということについては異論はありませんでしたけれども、どこまで高くするかということは、いろいろとほかの制度とのバランスなどもありますので、そういうものも考慮する必要があって、そういう形の中で様々な議論があって厚生年金の標準的な年金額を参考とするということとしたものであります。
 なお、この法律では、拉致被害者等の給付金だけでなくて、国民年金の特例措置を設けているほか、被害者等の方々に対して、国及び地方公共団体が住宅面、雇用面、教育面など幅広い分野で支援策を推進していることについても御理解をいただきたいと思います。
#56
○小池晃君 本法案の第五条では、具体的な拉致被害者等給付金等の支給、その在り方については内閣府令で定めていくというふうにされております。
 そこで、政府にお伺いしたいんですが、家計調査、これは二〇〇一年の家計調査などを見ますと、四十歳から四十九歳では実収入は五十八万七千八百二十一円、五十歳から五十九歳で六十三万八百三十円というふうになっております。こういう世代は、言わば一番生活費も学費も掛かる世代だと思うんですが、今回の給付で四人世帯で三十万円と、こういう水準は、これは何とか内閣府令の中でならないのか、ちょっとやや低過ぎるのではないかという印象を受けるんですが、この点についてどのようにお考えか、御説明願いたいと思います。
#57
○政府参考人(佐々木真郎君) 拉致被害者等給付金の金額の水準につきましては、先ほども答弁がありましたように、異なる立場からの様々な議論があったということを御理解いただきたいと思います。また、この法律の下で、この給付金だけではなくて、国民年金の特例措置を設けているほか、国及び地方公共団体が住宅面、雇用面、教育面など幅広い分野で支援策を推進していくというトータルで様々なことをやっていくといったことも御理解をいただきたいと思っております。
 なお、この金額の是非ということで、法案には三年後の見直し規定がございます。まずは制度を運用させていただきまして、その中でもし問題点があるとすれば、今後の被害者の置かれた状況などを勘案し、その見直しの際に検討することとしたいと考えております。
#58
○小池晃君 この点は是非御検討いただきたいと思うんです。
 それと、永住意思決定時に、これは質問、今はしませんが、意見として申し上げておきますけれども、永住意思決定時に月額の四倍分、これは生活基盤を作るためにということで特別に支払うんだと思うんですが、いろんな微妙な問題ありますので、永住意思決定ということに至らなくても一定期間生活基盤を置くという事態、十分あり得ると思うんですね。ですから、やはりそういう事態も含めてここは十分に配慮をする必要があるのではないかというふうに思っておりますので、その点での配慮、検討を是非お願いしたいと。永住意思が完全に決定したときに一時金を払うというだけではない配慮を検討すべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、併せて提出者にお伺いしたいんですが、これは給付金等の支給について、第五条でこれ永住の意思決定のときから五年という制限が法律上入っております。この五年間という制限を本法案で設けた理由についてお聞かせ願いたいと思います。
#59
○衆議院議員(坂井隆憲君) 拉致被害者等給付金の支給の上限を五年としている理由でありますけれども、この法律案自身に、帰国被害者の「自立を促進し、被害者の拉致によって失われた生活基盤の再建等に資するため、」ということがあります。生活基盤の再建又は構築に資するということの、こういう趣旨にかんがみますと、一方では失われた生活基盤の再建にある程度の年数が掛かるなとも考えられること、他方で被害者等が少しでも早く我が国の社会で自立して生活できるように支援に取り組むことが国などの責務であるということから、適度な年数を設定し、被害者等の自立実現の一つの目途とすることがむしろ望ましいのではないかと考えるところであります。
 こういうことを総合的に考慮しまして、給付の年限を五年と定めたということであります。
#60
○小池晃君 同時に、現在示されている細目によりますと、年額五百八十万円以上の恒常的な所得があった場合にはこれは支給停止ということになるわけであります。雇用の援助などがきちっと的確に行われていって、早く自立できて給付を受ける必要がなくなる、これ当然望ましいことだと考えるわけですが、この法律でいうと、自立できていない、五百八十万円に達しない場合でも五年で打ち切られるということになってしまうと。
 これはあってはならないことだと思うんですが、私は、もしも不幸にして、今の経済情勢の中であります、もしも不幸にして自立できないという場合は当然これは支援を続けるのが筋でありまして、五年ということをあえて設ける必要はないのではないかというふうにも思うのですが、その点提出者はどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#61
○衆議院議員(坂井隆憲君) この法律は、拉致被害者等の給付金だけでなくて国民年金の特例措置も設けておりますし、被害者等の方々の自立を促進するために、国、地方公共団体が、住宅面、雇用面、教育面など幅広い分野で支援していくこととしているわけであります。
 給付金については、被害者等が永住の意思を行ってから五年間支給されますけれども、その趣旨にかんがみますと、一方では失われた生活基盤の再建にある程度の年数が掛かると思われること、他方、被害者等が少しでも早く我が国の社会で自立して生活できるよう支援に取り組むことが国等の責務でありますから、適度な年数を設定し、被害者等の自立実現の一つの目途とすることがむしろ望ましいということであります。
 こうしたことを総合的に考慮して給付の年限を五年と定めたものであって、目途を設けることには理由があると考えているところであります。
#62
○小池晃君 衆議院でこの問題について政府側から御答弁がございまして、これは附則の三条で三年後の見直しがあるんですが、政府側の御答弁は、実施状況を勘案して支給期間の延長ということも可能としてはあるのかなと答えていらっしゃいます。
 そこで、提出者にお尋ねしたいんですけれども、今の考え方も、できるだけ早く自立をやはり進めていくためのものなんだというふうに私お伺いしましたし、やはり当然自立が困難な状況にあれば、この三年後の見直しのときに、あるいはそれ以後も、やはり当然延長していくということが考えられるかと思うんですが、提出者としてのお考えをお聞きしたいと思います。
#63
○衆議院議員(坂井隆憲君) 御指摘のとおり、この法律では、附則第三条で「この法律の施行後三年を目途としてこの法律の実施状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」としているところであります。
 私としても、この法の実施状況等を勘案して検討を加えた結果として支給期間の延長を行うこともあり得るものと、そのように認識しているところであります。
#64
○小池晃君 これはやはり当然こういう見直しの時期には、事態によっては延長という方向で、自立を支える方向でやっていくべきだということを申し上げておきたいと思います。
 さらに、拉致被害者、帰国した際のお父さん、お母さん、父母の方々の扱いの問題なんですが、これは父母が高齢で収入がなく、また同居で同一世帯、同一生計というふうになっていった場合には、今回の法案のこの給付金等の算定において世帯人員数にこれは入っていくんでしょうか。私はその世帯人員数に入れるのが望ましいのではないかと思うんですが、その点についてお伺いをしたいと思います。
#65
○政府参考人(佐々木真郎君) 拉致被害者等給付金の支給金額の算定等、基礎となります世帯人員は、帰国した被害者及び被害者の配偶者、子及び孫の人員数で算出いたしますので、被害者の父母の数は入りません。
#66
○小池晃君 ここはやはり実態から見ても、私はその世帯人員数に入れていくという対応が望ましいのではないかと思いますので、今後の検討を是非お願いしたいというふうに思います。
 それから、年金の問題についてお伺いしたいと思うんですが、今回の法案では拉致された期間は年金の被保険者とみなすという扱いになっておるわけですけれども、例えば拉致された後に被害者本人あるいは御家族が二十歳、年金の加入年齢を迎えたような場合の扱い、こういった場合に被保険者になっていくのはどういう仕組みになるのか、その仕組みについて御説明をいただきたいというふうに思います。
#67
○政府参考人(吉武民樹君) 今回の法律案の第十一条第一項におきまして、北朝鮮当局によって拉致された被害者につきまして、「拉致された日以降の期間であって政令で定めるもの」について国民年金の被保険者期間とみなすというふうに規定をされております。
 それで、国民年金の被保険者資格につきましては、元々二十歳に達したときに取得するということになっておりますので、拉致されたときに二十歳未満の被害者の方につきましては、二十歳に達した日の属する月から被保険者期間とみなすと、みなすことになるよう政令で定めることになるというふうに考えております。
#68
○小池晃君 その他の社会保険関係についてもお伺いしたいと思うんですが、医療の問題であります。
 現在、帰国されている拉致被害者の方々の現時点での医療保険の適用等は一体どうなっているのかということと、これは就職されれば被用者保険ということになっていくと思うんですが、それまでの間は国保ということだと思うんですけれども、この保険料の負担等について何らかの御配慮等、そういったことは検討されているんでしょうか、お答え願いたいと思います。
#69
○政府参考人(真野章君) 今回帰国されました五人の方々につきましては、すべてそれぞれの住所地の市町村の国民健康保険に加入されたというふうに承知をいたしております。
 これらの方々の保険料についてでございますが、前年所得がないということでございますので、基本的に保険料軽減対象に該当するというふうに考えております。
#70
○小池晃君 それから、介護保険の適用等についてお伺いしたいんですけれども、拉致被害者の配偶者で今後第一号の被保険者として給付を受ける、介護給付を受ける可能性もあるかと思うんですね。その点で、これは今まで加入期間ないということになる可能性もあるわけですが、そういう場合に介護給付が受けられるのか、特にペナルティーというか不利になるような点はないのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#71
○政府参考人(中村秀一君) 今の先生の介護保険についてのお尋ねでございますが、介護保険の被保険者というのは一号被保険者と二号被保険者から構成されております。
 今お尋ねの一号被保険者の方、この方の要件は市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の方ということになりますので、これに該当いたしますと介護保険の被保険者としての資格を取得することになります。また、給付の対象になった場合には当然要介護認定を受けて給付の対象になるということだと思いますけれども、一切そういうことについてペナルティー等はございません。
#72
○小池晃君 ありがとうございました。
 この支援策、若干もう少し何とかならないのかなという点もないわけではないですけれども、今後とも検討を加えていただいて、いろいろな面で被害関係者支援するものとして充実させていただきたいということを求めたいと思います。
 あわせて、昨日、中国残留孤児の皆さんが国会にお見えになりまして、皆さんおっしゃっていたのは、国家犯罪によって引き裂かれたということであるのに、北朝鮮被害者の対応は不十分であるというふうには思いますが、これと比べると一層冷たさが身にしみるんだというお話を昨日されておりました。六百人以上の方が訴訟を起こすという準備もされています。実際は、高齢だったために帰国されてからの勤続年数が非常に短いので厚生年金は極めてわずかであるし、国民年金はもう三分の一分、二万数千円しか出ていないということで、九九年十二月に厚生省が行った調査では、孤児として帰国された方の六五%が生活保護を受給されているということであります。
 私は、国の責任で残留孤児作ったということを考えれば、こういった方々にもこの際もっと手厚く経済的支援を行っていくべきだというふうに考えるんですが、厚生労働大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(坂口力君) 今回、拉致被害に遭われた皆さん方とそして中国残留邦人の方々は、ともに長い間諸外国において居住を余儀なくされたという点では私は共通しているというふうに思っております。しかし、中国残留邦人の場合には、これは戦時中のことであり、そしてまた拉致された皆さん方の場合には平時、平和なときに起こった話である。これは、先ほどからお話がございますとおり、平時における北朝鮮の未曾有の国家的犯罪行為によって起こったことである、そういう点での違いがあるわけでございます。
 御指摘いただきましたように、中国からお帰りになりました皆さん方も、多くの皆さん方が生活保護をお受けになっている。そして、高齢者であるというようなこともございまして、様々な手は差し伸べてきてはおりますけれども、なかなかそこが十分に機能していないということもあるわけでございまして、我々も様々な試みをいたしてまいりましたし、手を差し伸べております。
 しかし、現在この制度がこれで十分だというわけではないことは承知をいたしておりまして、これからも我々は十分に手を差し伸べなければならないというふうに思っておりますが、しかし今回の拉致の皆さん方とはこれは違うのではないかというふうに実は思っております。
 この戦時の話は横並びで考えなければならない様々な問題がございまして、その横並びで考えなければならないそうしたこととの整合性というものがあるわけでございますが、拉致の皆さん方にはそれは比べるものがない、比べようがない非常にはっきりとした存在であるといったことを私たちは念頭に置いているわけでございます。
#74
○小池晃君 もちろんそういう特殊性があることは私も承知をしております。しかし、一方でやっぱり共通性もあるわけでありまして、やはり余りにも違い過ぎるんだという残留孤児の皆さんのお気持ちも理解できないわけではないと思うんですね、大臣も。
 例えば、具体的に見ると、日本に帰国された中国残留孤児の方々又は中国に残っている家族の方に対する渡航費用の支援、今回の北朝鮮の被害者のものについてはあるんですが、これは中国残留孤児の方々にはどういう支援が行われているんでしょうか。何か支援が行われているのか、その点をお伺いしたいと思います。
#75
○政府参考人(河村博江君) 帰国されました中国残留邦人の方々につきましては、日本に定着しあるいは自立していただくということを目的として、従来から帰国者の日本社会への適応あるいは定着促進、あるいは自立支援、そういった施策を講じておるわけでございまして、そういった点につきましては今後とも引き続き帰国者の支援のために施策の拡充に努めてまいりたいというふうに思っております。
 御指摘の帰国者とそれから中国の養父母との往来に関する渡航等につきましては、こうした目的に照らしまして国が直接実施するという必要まではなかなか認め難いというふうに思っておりまして、財団法人中国残留孤児基金におきまして適切な支援を行っていくべきものと思っております。
#76
○小池晃君 これは、今、財団法人中国残留孤児援護基金、これによる事業の実績を見ますと、中国残留孤児帰国者総数が約六千二百人に対して、九八年から二〇〇〇年九月三十日現在までの訪中帰国者は七十四人、訪日養父母は四十人しかいないと。しかも、養父母に会うことに限定しているということがありまして、孤児の家族に会いに行くときとか、あるいは病気のお見舞いなども対象外となってしまうと。
 私は、これはきちっと国が責任を持つ制度として、これは完全に国庫負担が全く入っていない制度でありますので、やはり国が責任を持って渡航希望者に対しては今以上の渡航支援をすべきだと。少なくとも、今一円も出されていない国庫補助金をこういった事業に対して出すなど検討する必要があるのではないかと考えるんですが、その点、いかがでしょうか。
#77
○政府参考人(河村博江君) これまで養父母の訪日の人数につきましては、累計で三百九人の養父母が訪日されております。それから、中国帰国者の養父母に会いに行く訪中につきましては、これまで二百八十名の方が訪中をされておるというのが実態でございます。養父母が亡くなられた方という方ももちろんおられましょうし、それから自費で渡航されている方というものもあると思います、実数は把握しておらないわけでございますけれども。
 養父母が訪日を希望されるケースにつきましてはほぼ希望どおり訪日ができておりますし、それから帰国者が訪中を希望されるケースにつきましては、なかなか全部の希望を満たすという、単年度で満たすということはできない、希望者の半分ぐらいが現実に訪中をしておる。その中で帰国の年数が高い方を優先し、あるいは養父母の年齢が高い方を優先して、何とか需要を満たすように努力をしておるというのが孤児基金の援護の実態でございます。
 先ほど申し上げましたように、国はやはり定着促進あるいは自立支援という方に力を注いでおりまして、こうした養父母に会いに行く、あるいは来ていただくというのは民間団体であります中国残留孤児基金において対応していただくのが適当ではないかというふうに思っておるところでございます。
#78
○小池晃君 もう時間ですので質問しませんが、自立支援と定着促進といっても、そちらも非常に不十分なんですね。
 例えば、中国から帰国された方の語学研修が四か月間だけで、実際に今回、国家賠償訴訟原告団の皆さんの調査結果を見ますと、大体日本語が話せるというふうに答えられた方は一%しかいないわけです。ですから、やはり自立支援、定着といってもその事業も不十分である。しかも、往来事業については国の国庫負担入っていないと。やはり、この点でもきちっと孤児の皆さんの不安を解消するようにこの際検討すべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
#79
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこでございます。
 横田めぐみさん、蓮池薫さんそして曽我ひとみさん、その他大勢の方が拉致された新潟の選出でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、国家賠償請求問題について伺います。
 警察が少なくとも拉致被害者を何件何人というふうに認定してから、外務省が外交上の問題を理由に捜査に非協力的であったと聞いております。実際、先国会の予算委員会で、外務省が拉致問題の解決よりも国交回復を優先し拉致問題の棚上げをしていたかと私が質問しましたところ、安倍副長官は当時の外務省にそのような空気があったことを認められていますけれども、外務省の捜査妨害とも言えるこの行為は国家賠償請求の対象となる違法な行為であると私は思います。
 この二十年以上、日本国政府の行ってきた違法行為に関して、将来、拉致被害者の皆さんから国家賠償請求が提訴された場合、日本国政府はどのように対応されるおつもりでしょうか。安倍官房副長官に伺います。
#80
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 国家賠償を請求するかどうかということにつきましては、被害者の方々のお考えによるというふうに考えておりますし、政府に対して国家賠償請求が提起されるといった仮定の御質問へのお答えは差し控えさせていただきたいと、このように思いますが、一般論として言えば、こうした請求が出された場合にはその内容を国家賠償法の規定に照らした上で判断する必要があるというふうに考えております。
 また、本件については、その時々のその政権においてどのような努力がなされていたかということも勘案をしなければならないわけでございますが、現在、私どもは家族の皆様方と一体となって、北朝鮮に対しまして家族の皆様も返してくれるように、そしてまたいろいろな不明の点について私どもがはっきりと確認できるような資料を出すように請求をしていきたい、こう考えているところでございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
#81
○森ゆうこ君 私は、今回委員長提案という形で提出されたこの支援法が、逆に日本国政府への国家賠償請求の道を閉ざすものになるのではないかと危惧しておりますけれども、この点について提案者に伺います。
#82
○衆議院議員(坂井隆憲君) この法案は、第一条の目的に書いてありますように、北朝鮮による未曾有の国家的犯罪行為が原因であること、北朝鮮に居住することを余儀なくされ、本邦における生活の基盤を失っていることなどの特殊事情にかんがみて、被害者等の支援に関する国等の責務を明らかにすることと、被害者等の自立を促進することと、拉致によって失われた生活の基盤の再建に資することを目的とするものであります。
 したがって、本法は、将来に向けて被害者等の自立、拉致により失われた生活基盤の再建を支援するのが目的であって、過去の被害の補償ないし賠償的な観点というものを法案化したものではありません。
#83
○森ゆうこ君 ただいま提案者からそのような説明がありましたけれども、安倍官房副長官、もう一度お願いしたいんですが、つまり、この支援法によって将来、先ほどの御答弁では被害者の皆さんと一体となってやっておられるというお話でしたけれども、仮に日本国政府への国家賠償請求があった場合、この支援法によってその道が閉ざされるということはないと官房副長官もお考えでしょうか。
#84
○内閣官房副長官(安倍晋三君) この法案につきましては、ただいま坂井委員長が御答弁されましたように、この二十四年間の間、本来日本にいれば構築されたであろう生活の基盤、その基盤について、我が国がその基盤に対して、失われた基盤をお手伝いをしていこうということでございまして、給付金制度と、そしてまた将来の年金制度の給付についてこの法律で定めているわけでございまして、この被害者の方々が日本から突然連れ去られてしまったという犯罪に対する賠償ということとは性格が異なるというふうに我々も理解をしておりますし、被害者の方々もそのように理解をしているということでございます。
 よって、この被害者の方々がそういうように考えられたときに、この法案があることによって請求ができなくなるという性質のものではないというふうに考えております。
#85
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 それでは、次の問題に移りたいと思います。食糧支援問題について伺います。
 WFP、国連世界食糧計画から北朝鮮に対する食糧支援要請を受ける政府の窓口は、実務的には外務省と理解しておりますが、この点、国会には以前より飢餓撲滅議員連盟というのがありまして、国会議員側の窓口として機能してきたと思っております。
 ところが、最近になりまして、十一月十五日、緊急の呼び掛けがあり、十一月二十一日に設立総会があったWFP議員連盟、国連世界食糧計画国会議員連盟が本当に慌ててというか、本当に緊急という形で設立されたのですけれども、私は、これについて、WFPを通じて北朝鮮から食糧支援要請があった場合に、このWFPを隠れみのに北朝鮮に対する食糧支援をすることが目的ではないのかと、これはあくまでも私の憶測でありますけれども、そのように大変危惧しております。
 こういった最近のWFPを隠れみのに北朝鮮に支援をする動きを牽制する意味から確認しておきたいんですけれども、WFPから支援要請があった場合、日本政府はどのように対応するのでしょうか。今のこのこういう時期に北朝鮮に対して食糧支援をするおつもりなのか、外務省並びに官房副長官にお尋ねいたします。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
#86
○政府参考人(齋木昭隆君) お答えいたします。
 国連の世界食糧計画、WFPからは、先月下旬、十一月の二十日でございますが、関係国に対して緊急食糧支援に関するアピールということで、北朝鮮については食糧約五十一万トンのアピールを、全世界に向けてそのアピールが出たわけでございます。
 政府といたしましては、北朝鮮に対する食糧支援につきましては、人道上の考慮というのは当然あるにせよ、今北朝鮮をめぐるいろいろな状況、要素といったものを考えながら検討していかなきゃいけないというふうに認識しておりますので、今回のそのWFPのアピールが出たからといって直ちに北に対する具体的な食糧支援の検討に入るということは考えておりません。
#87
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 我が国は今まで百二十万トン近くの食糧の支援を行ってきたわけでございまして、私どもといたしましては、この人道上の支援は別に考えて、戦略的には行わないという建前でやってきたわけでございますが、しかしながら、これは何となくコンセンサス、国民の間もコンセンサスがあって、それはそうはいってもこうした善意を示せばいろんな変化があり得るであろうということもやはり、私のこれは想像でございますが、あったんではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 そうした今までの経緯もよく検討しながら、今般アピールがあったWFPの、五十一万トンが不足をしているというこのWFPのアピールにどう対応するべきかということでございますが、基本的にはただいま齋木参事官が答弁で述べたとおりでございまして、今、政府としては全く考えていないということでございます。
#88
○森ゆうこ君 ところが、外務省の外郭団体である日本外交協会が北朝鮮に食糧支援した、この間しましたね、大変問題になっておりますけれども。この問題に関しまして、どのような経緯でなされたものなのでしょうか、外務省に伺います。
#89
○政府参考人(齋木昭隆君) この件は、先月の下旬でございますけれども、社団法人日本外交協会が、手持ちの援助物資の一部である乾パンあるいは強化米、こういったものを専ら民間の資金を使って北朝鮮に対して支援のために送りたいということで送った事業であります。
 外務省は、この件、この支援自体には関与しているわけじゃございません。日本外交協会も、今回のこの支援につきましては、NGOである外交協会が人道的な見地から協会独自の判断として行ったものであるということを対外的にも説明しておるというふうに私ども承知しております。
 この日本外交協会のこういった活動につきましては、外交協会の活動を定める定款というのがございますけれども、その定款との関係でこれが直ちに問題となるというものではないというふうには思いますけれども、外務省としては、この話につきましては、先月の下旬にこの件を相談を受けたときに、具体的には十一月の二十二日であったと思いますけれども、協会側に対しては北朝鮮に対する食糧支援に関する政府としての基本的な立場、これを説明するとともに、たとえ外交協会がどうしても民間として行う支援であるということであったとしても、当分の間この実施は見合わせた方がいいんじゃないかとか、あるいは、どうしても実施するという場合には、援助される物資が北朝鮮の中のどこに届けられることになるのかということについてもきちんと確認する手だてを講じておくべきではないかということで、いろいろと慎重に対応してほしいということは申し伝えたわけでございます。
 そこから先は外交協会としての独自の判断ということで、先ほど申し上げたように、人道的な見地から実施をしたというふうに理解しております。
#90
○森ゆうこ君 日本外交協会に対してペナルティーは考えていますでしょうか。先ほど齋木参事官はNGOというふうにおっしゃいましたけれども、日本外交協会は明らかに外務省の外郭団体ではありませんか。
 ここに今日付けの報道がありますけれども、同協会は十年以上前から、外務省からいろいろな協力を求めたりするときに走り回ったりするので、その協力金として外務省の機密費から多額のお金を受け取っていると。しかも、昨年度も在外公館の設備メンテナンス約二億円、外務省ホームページの海外安全情報の運営約六百四十万円など、そのほか、今年四月の外務省タウンミーティングの運営約八百五十万円も委託された。ただのNGOだ、民間だというわけにいかないんじゃないでしょうか。
 日本外交協会に対してペナルティーを考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#91
○政府参考人(齋木昭隆君) 外郭団体というお言葉がございましたですけれども、外交協会というのは外務省を主務官庁とする公益法人、社団法人ということで位置付けられております。私どもの何か意を受けて活動しているとかいうことではございません。独立した団体でございます。
 いわゆるNGOと言われる組織はいろんなのがございますけれども、法人格いろいろ持っている中で、この外交協会の法人格をあえて分類すれば、この公益法人というのもNGOの中に位置付けられるというふうに考えております。
#92
○森ゆうこ君 私は実態を言っているんです。先ほども御説明したとおりです。かつて、ピースウィンズが日本政府の批判をしたとのことで陰の外務大臣に呼び出されて一種のペナルティーを与えられたと思いますけれども、当然、このような我が国が今北朝鮮と大変な状況にある中で勝手にこういうことをするということに関して、私は日本外交協会に対して外務省はペナルティーを与える必要があると思います。
 ですけれども、この問題についてちょっと議論する時間ありませんので次の問題に移りますが、北朝鮮赤十字の人たち、この間、五人の拉致被害者の帰国の際、政府専用機に同乗してきた北朝鮮赤十字を名のる者たちへ、ビザは当初何日間有効なものだったのでしょうか。また、彼らに在留資格の延長を許可しましたか。そして、それ、もし延長を許可したとしましたら、だれが許可をしたのでしょうか。法務省に伺います。
#93
○政府参考人(増田暢也君) お尋ねの人物二名につきましては、本年十月十五日に短期滞在、在留期間十五日で我が国に入国しております。これにつきましては、その後在留期間の更新をしております。だれがというのは、法令に基づきまして東京入国管理局長が行っております。
#94
○森ゆうこ君 なぜ拉致被害者にとっては監視役と言われていた赤十字を名のる二人の滞在延長を許可したのでしょうか。金正男のときもそうだったと思うんですが、日本は入国管理が甘いのか、あるいは北朝鮮だけには甘いのか。事なかれ主義で入管行政が運営されているのは極めて問題であると指摘しておきたいと思います。
 時間がありませんので、次の問題に移らせていただきます。
 田中局長お見えですので、田中局長に伺いますが、日朝国交促進国民協会という団体をよく御存じのことと思いますが、ここに案内状のコピーがあるんですが、これによりますと、十二月二日に同協会主催の講演会で講演される予定となっておりますが、そしてまたそれが急遽キャンセルされております。これは事実なのでしょうか。また、その経緯について御説明をお願いいたします。
#95
○政府参考人(田中均君) その団体から私のところに講演の依頼がございまして、いったんお引き受けをしたのは事実でございますが、種々検討の末、私の日程の問題、その他公務の問題もございましてお断りを申し上げたということでございます。
#96
○森ゆうこ君 日朝国交促進国民協会というのは民間の交流団体ですけれども、発行紙それから設立宣言などを読みますと、日本側が最大限の経済支援をして国交を樹立するのが良いと宣言する随分北朝鮮シンパというふうに受け取れる団体です。このような団体からの講演依頼を受けるのは、田中局長御本人としては不本意かもしれませんけれども、今、正に拉致問題が明らかになった、しかも国交正常化交渉という非常に難しい局面で軽々にこういうことをお受けになるということは、基本的に田中局長が国交正常化を急ぐ余り、やはりいまだに拉致問題を二の次に考えているのではないかというふうに私は思います。
 そこで、最近、田中局長が水面下で北朝鮮側と交渉をしているという様々な記事を見ますけれども、水面下で交渉しているのは北朝鮮に対する食糧支援でしょうか。また、先ほども伺いましたが、食糧支援をWFPを隠れみのに使って行うつもりでしょうか。田中局長に伺います。
#97
○政府参考人(田中均君) 先ほどの団体のお尋ねですが、私は、村山前総理にお願いをされて、客観的にお話をしてくれということであったのでいったんお引き受けをしたということであります。日本は自由な国ですから、そこでお話をすることがいけないということにはならないというふうに思います。
 委員が御指摘の二番目の点でございますが、少なくとも私は、この一年間、拉致問題をどういうふうに解決するか、拉致問題は解決しなければいけない問題であります。日本の安全をどういうふうに担保するか、外務省員として当然のことだと思います。そういうことのために日本の主張を貫いてきたつもりであります。今の、水面下ということを言われましたけれども、これも、いかにして日本に滞在をしておられる五人の被害者の方々の家族を一刻も早く日本に戻っていただくかと、そういう政府の方針に基づいて率直な意見交換をしてきたということであり、食糧支援云々という話は当たりません。私は、政府の方針に従って仕事をしているつもりでございます。
#98
○森ゆうこ君 安倍官房副長官に伺います。
 政府のこの北朝鮮問題の実務担当者が日朝国交促進国民協会、こちらのこれは機関紙の一部なんですけれども、例えばこういう団体から来たお祝いのメッセージを載せているような団体です。日朝国交促進国民協会創立二周年に際してということで、朝鮮対外文化交流連絡協会、これは、安倍副長官はこの団体御存じだと思います。朝鮮総連の傘下団体です。こういうところから来たメッセージを機関紙に堂々と載せているような団体です。北朝鮮問題の実務担当者がこういうところで講演をするということ、こういうことが逆に今の状況の中で北朝鮮側からなめられる、そういうふうにはお考えになりませんか。
#99
○内閣官房副長官(安倍晋三君) その団体がどういう団体か私よく存じ上げないわけでございますし、田中局長はそれはもう既にいろいろな点を勘案してお断りになったということでございます。
 例えば、もし私に依頼がございましたら、その団体に参りまして私の持論を堂々と述べたというふうに思います。
#100
○森ゆうこ君 私たちは今、あらゆるカードを有効に使って早急に拉致問題を解決しなければいけない、そして国民の、この我が国の安全保障に関する様々な問題を早急に解決しなければならない、そういう状況の中で、北朝鮮になめられるようなこともしちゃいけませんし、有効なカードを裏で適当に使ってしまう、そういうことがあってはならないと私は思います。
 本日、私の主張したかったことは、この支援法について、先ほども、いろいろ問題はあるんですけれども、少なくとも国会が拉致問題を全面的に支援するとの意思表示をすることには意味が本当にあると思っています。ですから、今日ここで可決され、明日本会議でも可決されると思いますが、反面、人道支援であれ、そして苦渋の選択であれ、北朝鮮に対して水面下で様々な支援が逆に今の段階で行われるということは阻止しなければいけないと思うんです。
 例えば、金融庁が行っています朝銀への公的資金の投入です。金融庁は、日本の金融機関だからとの理由で、これは投入されますと一兆四千三百億円の裏での資金援助ということになるわけですね。結果として北朝鮮の利益になることは拉致問題の全面解決までする必要はないし、ある意味では兵糧攻めをしている最中に、どんな理由そしてどんな形であれ、北朝鮮にとって利益になることはしないでいただきたいと私は思うんですけれども、官房副長官、最後にこの点について一言お願いします。
#101
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 朝銀につきましては、もし不正融資等々があれば徹底的にこれは捜査をしなければならないわけでございますし、事実、既に捜査当局が朝銀にも、あるいは朝鮮総連にも司直の手を入れたということでございます。今後とも、私ども、そういう態度は貫いていきたい、こう考えているところでございます。
 一方、公的資金の投入につきましては、これは当然法令に基づいて、また朝銀側とも定款を定めているわけでございますから、この定款のとおりに朝銀側が果たして国民の疑惑を招かない、そういう体制をちゃんと作っていくか、定款を守っていくかということが大変重要なポイントではないだろうか、こう考えているところでございます。この投入につきましては、当然これは法令にのっとってしかるべき適切な処置を取っていくというふうに考えております。
#102
○森ゆうこ君 時間ですので終わりますが、とにかくあらゆるカードを政府がきちんと使ってこの問題を早く解決することが、すべての国民が望んでいる、私たち新潟県民は特に望んでいるということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
    ─────────────
#103
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鴻池祥肇君が委員を辞任され、その補欠として吉田博美君が選任されました。
    ─────────────
#104
○大脇雅子君 私は、本法案が拉致被害者の方々の自立と生活支援を行うということでございますので、賛同をいたします。そして、死亡ないしは不明者も含めて、真相解明が一刻も早くなされることを心から祈るものでございます。
 しかし、その前提に立って、現在この法案が「北朝鮮当局による未曾有の国家的犯罪行為」としているわけでございます。国連に加盟をしている北朝鮮の正式国名は朝鮮民主主義人民共和国、デモクラティック・ピープルス・リパブリック・オブ・コリアでございます。日本の法律に、国家的な未曾有の犯罪を犯した当事者だとしても、「北朝鮮当局」という呼び方というのは法律として品格に欠けるのではないかと私は法律家として思わずにはいられません。ピョンヤンの共同宣言におきましてもこの言葉は使われていないのに、どうしてこの法律にだけ「北朝鮮当局」という言葉が入ったのか、発議者の方にお尋ねをいたします。
#105
○衆議院議員(坂井隆憲君) 御指摘のように、本法案は、法案の名称から「北朝鮮当局」という言葉を使っておりますが、我が国は北朝鮮を国家として承認しているわけではありません。これまでに制定された法令等見ておりますと、やっぱり北朝鮮との表記がなされていることもありますし、当局という言葉を使っているケースもありますし、そういうことを考えまして、本法案においても北朝鮮との表記を用いることとしたわけであります。
#106
○大脇雅子君 北朝鮮との国交正常化はないことは確かですけれども、国連に加盟している国でございますし、法律として私はその点、やはり言ってみれば俗称で呼ぶことについては問題があるというふうに思わずにはいられません。
 そして、本法案の立法は議員立法で行われておりますが、これは本来内閣が責任を持って提出すべき法案だと考えますけれども、これまでの取組を含めて、官房副長官はどのようにお考えでしょうか。
#107
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 政府といたしましては、先般、私が議長を務めております拉致問題に関する専門幹事会におきまして総合的な支援策を取りまとめたところでございます。その支援策の中で立法を必要とするものにつきましては、これは私ども検討した結果、極めて速やかに実施をしなければならないとの観点から議員提出ということでお願いをさせていただいた、そういう経緯があるわけでございます。
#108
○大脇雅子君 拉致被害者家族等の帰国要求のために御家族と一体となって苦労をしておられるという官房副長官始め、皆様方の御苦労を多とするものでございます。
 しかし、家族の中の曽我ひとみさんのケースを考える場合に、その夫が軍事裁判の対象となる事情とか、あるいは恩赦を希望しているということで、極限の中で結ばれました家族のきずなと、母親として子供と引き裂かれているということに日本人の多くの女性が心を痛めていると思います。支え合う連れ合いと御一緒に帰国されていない場合、こうした個別事情を考慮して交渉を今後されるのでしょうか。そしてまた、このケースの見通しはどんなものでございましょうか。安倍官房副長官にお尋ねいたします。
#109
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 私は、曽我ひとみさんとは既に三回お目に掛かっておりますし、先般はゆっくりお話をさせていただいたわけでございます。曽我さんは、日本に残って、そして子供たちと主人を待ちたいということをおっしゃっておられるわけでございます。
 ここでいろんな方々がそれぞれ曽我さん、またあるいはほかの被害者の方々の胸中を推測されるわけでございますが、その推測の前提となっているのは日本における常識であって、この方々が北朝鮮においてどのような生活をしているかということについては、私ははっきり申し上げまして想像力がないなと、そんな感じがいたしておるところでございます。
 ですから、ここはもう既に曽我さんもそういうことをおっしゃっているわけでございますから、私は、曽我さんと話したこともない方が勝手な推測をして帰りたいのではないかということは、それは言うべきことではないんではないかと、このように思っているところでございます。
 また、ジェンキンスさんとのことでございますが、ジェンキンス氏が帰国する、帰国というか我が国に来ることにおいては、確かに御指摘のような問題点もあるわけでございます。私どもは、米国に対しまして事情等について説明をしておりますし、また米国側からのいろんな説明も受けておりまして、情報交換も行っているところでございます。また、昨日は、ベーカー大使がスピーチにおいて、曽我ひとみさんに同情するということもおっしゃっておられるわけでございます。今後とも、私どもいろんな努力は続けていきたいと、こう考えているところでございます。
#110
○大脇雅子君 想像力がないと御批判を受けましたが、私は戦争中、軍国主義の下で食べ物のない中で母親の愛に守られて肩を寄せ合って生きてまいりました体験がございますので、やはりそうした状況の中でどんなにかつらい思いもされているのではないかというふうに推し量るということは、これは人間として当然のことではないかというふうに思っております。
 一日も早い御家族のつながりが回復されることを心から祈って、日本政府の力添えをお願いを私もしておきたいと思います。
 さて、この法案ができたことによって、この法案は確かに拉致家族に特記されておりまして、大臣も戦争中と平時とは違うという点において行われましたけれども、法律の、被害者の立場からいたしますと、周辺の問題は幾つかあると思います。一つは、正当な理由がない身柄の拘束とかあるいは冤罪とか、犯罪被害者等についてはどのような立場から救済がされるべきかと。人道的見地からの救済や対処が必要だと思いますが、この点についての発議者と官房副長官の御意見をお尋ねいたしたいと思います。
#111
○衆議院議員(坂井隆憲君) この法案の提案者としては、この法案は、御案内のとおり、北朝鮮当局によって拉致された被害者及び被害者の家族の支援に関する国及び地方公共団体の責務を明らかにし、その被害者等を対象としていろんな支援策を盛り込んでいるわけでありますから、提案者としてはただいまの御質問にお答えする立場にはないものと、このように考えております。
#112
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 今、御指摘のございました国内外における身柄の拘束や冤罪等々についてその方々との比較ということでございましたが、この拉致は、この趣旨にうたってあるように、未曾有の国家的な犯罪であるという位置付けでございますから、今、委員が御指摘になった冤罪等とはこれは性格が異なるというふうに考えているところでございます。
 国内の冤罪等については、もし無罪となった場合には刑事補償法による補償を受けるということになっているわけでございます。
 また、海外で邦人が逮捕拘禁された場合には、政府としては、在外公館を通じ、相手国当局に拘禁された邦人について、その事実関係や当局による取扱い等について情報収集や弁護士紹介等の可能な支援を実施し、相手国の法令に基づく適正な取扱いが確保されるよう努めているということでございます。
 海外における犯罪被害者に対しては、在外公館では本人の要望に応じて可能な範囲で適切な支援を行っているということでございます。
#113
○大脇雅子君 先ほど小池議員が中国残留孤児・邦人に対する支援政策について質問されました。私は、この問題も、自分の意思ではなく置き去りにされ、今なお日本の中で生活保護世帯が非常にたくさんおられて、支援金等の交付も不十分なまま訴訟が大量に提起されたということでございます。この中国残留孤児に対する支援に関して実態調査などを行われて、政府としては今後どのような施策を講じていかれるのでしょうか。
 また、ソ連によるシベリアの抑留というのは拉致と同じ私は根を持つものであろうかと思いますが、戦時であったにせよ、これは戦後起きたことでもございますし、いかなるふうにお考えか、お尋ねをいたします。
#114
○国務大臣(坂口力君) 先ほどもお答えを申し上げたとおりでございますが、中国に残留されてそして帰国をされた皆さん方と、そして拉致被害者の皆さん方は、ともに長い間、外国で生活することを余儀なくされたという点では共通をしているわけでございます。
 しかし、今お挙げになりました中国に残留されました方々あるいはまたシベリアの問題等々、これらはすべて戦争という一つの出来事の中で起こったことでございます。それに引き換えまして、この拉致事件というのは、平和なときにこれは北朝鮮の国家的犯罪によって引き起こされたものでありまして、そういう面では、これは比べることのできない違いがあると我々は考えているわけでございます。そうした意味で、今回この北朝鮮の被害者の皆さん方に対します問題を取り上げさせていただきました。
 今もこの中国残留孤児、今はもう孤児という言葉は適当でないかもしれません、中国残留者と申し上げますか残留邦人と申し上げた方がよろしいんでしょうか、そういう皆さん方の問題やそれからシベリアの問題、あるいはまた年金等にかかわりましてはこれは沖縄の問題等もあるわけでございますし、その他、外国にはお見えにならなかったけれども日本の国の中の様々な原爆やあるいはその他被害をお受けになりました戦争ということによって起こりました様々な各種団体の皆さん方の御意見というのもあるわけでございます。そういう意味で、この戦争被害によって起こったところの問題は、そうした皆さん方と横並びでいろいろ考えなければならない問題もあって今日を迎えているというふうに理解をいたしております。
 中国残留邦人につきましては、お帰りになりましてから、日本の国といたしましても、帰国旅費でありますとか自立支援金の支給でありますとか、あるいはまた中国帰国者定着促進センターを始めといたしまして様々なセンターがございますが、この自立支援員によりますところの日本語教育、生活指導、就労指導というふうなことを行ってきたことも事実でございますし、住宅や子女の教育等のあっせんというのもいろいろの角度から行ってきたことも事実でございます。
 しかし、そうはいいますものの、中国からお帰りになりました皆さん方は年齢がかなり高いということがございますし、それから言葉の壁というものがなかなか取れない。高齢ということもございますし、中には文字そのものが読めないという皆さん方も中にございまして、したがいまして、言葉というものが普通考えておりますようになかなか進まないといったような現実のありますこともよく存じているところでございます。
 厚生労働省といたしましても、もう少しそういう人たちに手を差し伸べることができないかというので、東西二か所ではございますけれども、もう少し、四年たちましてもなおかつそうした言葉等に慣れることのできない人たちに対して手を差し伸べるというふうなことも十三年度行ったところでございますが、様々な課題が残されていることも承知をいたしております。
 シベリアの皆さん方につきましても、これはもう何度も国会でも議論をされたことでございまして、このシベリア抑留中に傷病をお受けになる、あるいはまた死亡された方には、戦争によります傷病と同様に障害年金でありますとか遺族年金の支給を行ってきたところでございます。
 また、シベリアに抑留された方々の問題につきましては、昭和五十九年の戦後処理問題懇談会におきまして様々な議論をされました結論として、これ以上国において措置するべきものではないという結論がそこに出ているというふうなこともあるわけでございます。繰り返し繰り返しいろいろとあらゆる角度から議論をされてまいりましたけれども、現在一つのそうした結論を得ているということもございまして、我々、それらのことも尊重をしていかなければならないと思っているところでございます。
#115
○大脇雅子君 生活自立支援がどんなに大変かということを考えましたときに、この支給期間は五年で限られているということの根拠とその効果について、発議者の方にお尋ねをいたします。
#116
○衆議院議員(坂井隆憲君) 拉致被害者等給付金の金額及び支給期間については、先ほども答弁しましたところでありますが、金額については、まず異なる立場からもいろいろ議論がありまして、一般的な制度である生活保護の水準よりも高くすべきであるということは大体異論がありませんでした。ただ、どこまで高くするかについては、他の制度とのバランスなども考慮する必要がありますので、様々な議論があった中で厚生年金の標準的な年金額を参考としたものであります。
 ただ、この法律では、拉致被害者等給付金だけでなくて、国民年金の特例措置も設けておりますし、被害者等の方々に対して国及び地方公共団体が住宅の面とか雇用の面とか教育面など幅広い分野で支援策を推進していくことも措置しておりますので、その点御理解をいただきたいと思います。
 支給期間については、その上限を五年と定めておりますが、これは帰国被害者の自立を促進するということも目的の一つであります。自立を促進し、生活基盤の再建又は構築に資するために支給するという給付金の趣旨にかんがみますと、失われた生活基盤の再建にある程度の年数が掛かると思われること、他方で、被害者等が少しでも早く我が国の社会で自立して生活できるよう支援に取り組むことが国等の責務でありますので、適度な年数を設定し被害者等の自立実現の一つの目途とすることがむしろ望ましいということなどを総合的に勘案して五年ということで定めたものであります。是非御理解賜りたいと思います。
#117
○大脇雅子君 確かに、拉致されていた期間を保険料の納付済期間と算定するのは妥当な施策だと思われます。
 しかし、日本の現実は、無年金障害者問題、在日朝鮮人での無年金者、恩給欠格者など、制度の適用の上で無権利状態にある人たちがたくさんいらっしゃいますが、これらも冷静に受け止めた場合、早急な施策が必要と考えますが、いかがでしょうか。
#118
○政府参考人(河村博江君) 無年金障害者の問題でございますが、年金を受給していない障害者に現金給付を行うことにつきましては、本年八月に示されました坂口大臣の私案というものを踏まえまして、拠出制の年金制度を始めとする既存制度との整合性の問題、あるいは給付に必要となる多額な財源確保の見通しの問題、そういった問題につきまして十分検討していく必要があるというふうに思っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この施策の検討に当たりましては、年金を受給していない障害者の方々の人数あるいは実態、そういったものを把握する必要があるというふうに考えておりまして、対象者の所在の把握がなかなか難しいということも考慮をしながら、現在、調査方法につきまして検討を進めているところでございます。
#119
○政府参考人(衞藤英達君) 委員の方から恩給欠格者のお話ございましたので、御答弁申し上げます。
 恩給欠格者問題を含みますいわゆる戦後処理の三問題につきましては、昭和五十七年に、関係者からの強い御要望がございまして、先ほど坂口大臣からもお話ございました戦後処理問題懇談会を設けて、その対処方針について検討したところでございます。その結果、昭和五十九年に同懇談会から、いわゆる戦後処理問題についてはこれ以上国において措置すべきものはないが、政府において相当額を出捐し、事業を行うための特別の基金を創設する旨の報告がなされたところでございます。引き続きまして昭和六十三年、政府として平和祈念事業特別基金等に関する法律を提案、成立させていただき、同法に基づきまして、平和祈念事業特別基金を設立して、関係者に対して慰藉の念を示す事業を行っているところでございます。
 特にお話の恩給欠格者に対しましては、同基金が実施している書状等を贈呈する慰藉事業につきまして、関係者の強い御要望を踏まえて、平成元年度以降、徐々にではありますがその範囲を拡大しているところでございます。
 今後とも、基金法に基づきます慰藉事業を適切に推進することによりまして、関係者の心情にこたえたいというふうに考えてございます。
 以上です。
#120
○政府参考人(吉武民樹君) 在日の外国人の方々で年金を受給していない方々についてのお尋ねでございますが、委員御案内のとおり、昭和五十六年に、難民条約の批准に伴いまして、内外人平等の取扱いを行うということで国籍要件を撤廃いたしましたが、この際に、将来に向かって効力を持つということで整理をされたところでございます。
 国民年金制度は、制度に加入していただきまして一定の期間保険料を拠出した方々に対して老齢年金などの給付を行うという、こういう社会保険方式を取っておりますので、国籍要件が撤廃された時点で制度の適用対象とならなかった方々につきまして給付を行うということは、年金制度の基本にかかわる問題となりまして非常に困難だろうというふうに考えております。
#121
○委員長(金田勝年君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#122
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。
    ─────────────
#123
○委員長(金田勝年君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。
 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#124
○委員長(金田勝年君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時まで休憩といたします。
   午前十一時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開会
#126
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#127
○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 独立行政法人労働者健康福祉機構法案外八案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬局長小島比登志君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#129
○委員長(金田勝年君) 次に、独立行政法人労働者健康福祉機構法案、独立行政法人福祉医療機構法案、独立行政法人労働政策研究・研修機構法案、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法案、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、独立行政法人雇用・能力開発機構法案、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案及び社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#130
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 ちょっと出席が悪いようですが、委員会は始まったと理解をして、質問をさせていただきます。
 十一月の二十八日、前回の委員会における審議の中で、二、三宿題が残りましたので、まずはその宿題の部分から今日は入らせていただきます。
 最初に大臣に、医薬品機構、医薬品医療機器総合機構法案について、前回の委員会で私は、この法案の提出の仕方が必ずしも適切な形ではなかったんではないか、特に生物由来製品に係る救済制度が新たに盛り込まれた中身になっていたわけですから、それはそれで明確にお示しになって、きちんとその点について議論をしてくださいと、こういう形で提出すべきではなかったのか。とりわけ、内閣府の方からの説明では、あたかも新たな政策内容は含んでいないんだというような説明もあったりして、やや親切な提案の仕方ではなかったというふうに私は思えてなりません。
 その点について先日も問題を指摘させていただいて、その経緯も含めて、大臣御自身が内閣府の方ともちょっと協議をして改めてお答えをするというような答弁をいただきましたので、その後、内閣府との協議を踏まえて、改めて今回の法案の提案の仕方について、大臣としての御所見をお伺いしてから質問に入りたいと思います。
#131
○国務大臣(坂口力君) 前回は大変失礼をいたしました。
 御指摘をいただきました点につきまして、内閣官房、いわゆる行政改革推進事務局の特殊法人等改革推進室でございますが、ここと協議をし、確認をさせていただいたところでございます。
 その結果、一つは、生物由来製品感染等被害救済業務につきましては、特殊法人等整理合理化計画に直接の記述はございませんものの、さきの通常国会において成立しました薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の審議に際しまして、国会修正により追加されました附則第二条第二項におきまして規定をしていただいたところでございます。もうその内容まで申し上げることは控えさせていただきたいと思いますが。そして、特殊法人等関連四十六法案に含めて提出をすることとさせていただいたということでございます。
 生物由来製品の感染等被害救済制度の創設につきましては、特殊法人等改革との関連から見れば以上のとおりでございますが、一方、薬事行政の推進という観点から見ますと、さきの通常国会での改正薬事法の審議におきまして、参議院修正により設けられました附則を踏まえ、できるだけ早く法制の整備を行いたいと考え、そのとき、現行の副作用被害救済制度は、現在の医薬品機構法を根拠として医薬品機構において実施されていることから、感染等被害救済制度につきましても、これと同様に医薬品機構において実施できるよう、そのための法案の準備を進めたところでございます。
 他方、政府内において、特殊法人等整理合理化計画の実施法案につきましては今国会に一括して提出することとされ、その方針に基づきまして、現在の医薬品機構を独立行政法人化する本法案についても今国会に提出させていただいたところでございます。こうした状況を踏まえまして、制度をできる限り早期に成立をし、新法人の設立と同時に制度が開始されるように本法案に感染等被害救済制度を盛り込ませていただいたところでございます。
 経緯はこういうことでございますが、今回の法律の審議を進めるに当たりまして配慮すべき点があったのではないかという御指摘は率直に認めさせていただきたいと存じます。今回の法案に盛り込んだこと自体につきましては、改正薬事法附則の検討規定の御趣旨を踏まえて、感染等被害救済制度の早期実現を図りたいと考えたものでありますことも御理解をいただきたいと存じます。
 以上のようなことで、内閣官房と議論をいたしました結論を今申し述べさせていただいたところでございまして、先生から御指摘をいただきましたところ、配慮に欠けていたという点につきましては、率直におわびを申し上げたいと存じます。
#132
○朝日俊弘君 今、率直な御答弁をいただきました。経緯についてはまだ言いたいこともございますが、率直なお答えをいただきましたので、これ以上は申し上げませんが。
 ただ、一つだけ私の意見として指摘しておきたいのは、確かに薬事法改正のときに、附則で、生物由来製品に係る被害救済制度を早急に作りたいと、こういうのを盛り込みました。そういう意味では、早急に対応していただいたこと自体は頭から否定するものではありませんが、そもそも私は、被害救済制度という制度を作って、それをどこにやらせるかとか、どういう機構で担わせるかという議論がまずあってしかるべきだったと思うんですね。その上で独立行政法人にやらせるとすればどういう方法があるかというふうに、一段階抜けていると思うんですよ。いきなり独立行政法人の機構法の中にぽっと出てきたから、おっと、これは一体何だというふうになってしまったと私は思っていまして、そういう点では、確かに修正部分を受けての対応ではあったけれども、必ずしもその意図というかねらいを的確に受け止めていくような提案の仕方ではなかったなというふうに思っています。是非、こういうことは一つの経緯として十分踏まえておいていただきたいなと。
 このごろ、やたら一括法案というのが結構あって、かなりいろんな乱暴な議論もどうも平気で行われるような嫌いがあるものですから、改めてここは注意を喚起しておきたい、こんなふうに思います。
 さて、その上で、次の宿題はちょっと細かい点ですが、社会保険診療報酬支払基金について、その新しい形がどういうふうになるのかよく見えないので、改正前と改正後とどうなるのか説明してほしいと、こういうことで何点か説明を求めました。その際、ちょっと厳密には検討させてくださいという項目がありました。そのことで、これはまとめて聞いちゃいますので二問、お答えください。
 一つは、その支払基金の会計なり決算について、会計検査院の検査対象に現在はなっていると思うんですが、新しい民間法人になった場合にはどうなるのですかと。その場合に、それは当然、検査対象になりますという性格のものなのか、それともできる規定なのかという点について明確にお答えをいただけなかったので、この点について改めてお答えをいただきたいということと、それと併せて、支払基金に政府がどういう形でお金を出しているのか。法案の中身では、いわゆる基本金規定を廃止して、政府の拠出というところはもうゼロにするんだというお話でしたが、説明の中で、審査支払業務の手数料の一部を政府は払っているというような御説明もあって、あれ、これはどういうことだったかなというふうにちょっと疑問に思いましたので、その部分について改めて正確に、何の費用をどういう規定に基づいて、どれぐらい払っているのかということも説明併せていただければと思います。
#133
○政府参考人(真野章君) 前回は失礼いたしました。
 支払基金の審査支払の費用は各保険者から審査支払手数料によって賄われておりますけれども、一部の公費負担医療につきましては、審査支払手数料についても国庫負担が行われていることなどを踏まえますと、支払基金は、会計検査院法第二十三条第一項第三号、会計検査院は必要と認めるときは云々の会計経理の検査をすることができると、そういう意味では先生御指摘のできる規定に該当するということでございますけれども、民間法人後もそういう意味でできる規定によって検査の対象になるというふうに承知をいたしております。
 それから、今申し上げました一部の公費負担医療ということでございますが、審査支払手数料につきましては、基本的には各保険者の保険料収入等で賄われておりまして国庫負担は行われておりませんが、二つございまして、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づきます原爆被爆者に対する医療の給付、それから戦傷病者特別援護法に基づきます戦傷病者に対する医療の給付につきましては審査支払手数料も国庫で賄われておりまして、その総額は両方合わせまして約二億ということでございます。
#134
○朝日俊弘君 以上のお答えで分かりましたが、いずれにしても、前回も私の方からも指摘をしましたが、民間法人化されたからといって、その運営なり会計なりの在り方が不透明になるような話では困りますし、必要に応じてきちんとチェックを掛けるということも是非しなければいけないし、場合によっては国会でどうなっているんだという議論も当然あってしかるべしと、そういうことの中で新しい形態も十分に会計の透明性が確保できると、こういうことでなきゃおかしいと思いますので、その辺は改めて再確認をしておきたいと思います。
 さてそれでは、以上で前回の委員会の宿題は終わりまして、次に、前回の委員会でなお質問をし続けたかったところで残っていた課題について、幾つか順次お尋ねをします。
 まず、最初の幾つかの質問はこういうふうな観点からお尋ねをしたいと思っています。つまり、今回は独立行政法人法の中に生物由来製品に係る感染症等被害救済制度が盛り込まれて提案されているわけですが、しかしそもそもこの医薬品及び生物由来製品、とりわけ私は生物由来製品のところに重点を置いてお尋ねしたいと思いますが、については、そもそも承認審査がどうなのか、次に安全対策がどうなのか、そしてその上でなおかつ生じてしまった健康被害対策をどうするのかと、こういう段階があるだろうと思うんですね。今回の法案の中身を見てみますと、その承認審査から安全確保対策から健康被害救済から、全部ここに盛り込んでいるようにも見えないことはない。もう少しここのところを、一体国はどうするのかというところからもう少しきちんと一つ一つ説明を受けたいと、こんなふうに思っています。
 そこで、まず第一段階、承認審査の段階において医薬品及び生物由来製品、とりわけ生物由来製品の承認審査の段階において国はどのような役割を持って何をどこまでするのか、その責務は何なのかということをまず明確にしていただいて、その上で独立行政法人には何をしていただくということにしているのか、ここのところをきちんと区分けして御説明をいただきたいと思います。
#135
○政府参考人(小島比登志君) お答えいたします。
 生物由来製品の承認審査についてのお尋ねでございますが、国といたしましては、医薬品の承認制度に関する政策的な企画立案を行うこと、これはもちろんでございますが、承認審査の段階における国の役割といたしましては、個別の承認品目について、具体的な担当課は医薬局の審査管理課でございますが、そこが新法人の審査結果の妥当性をチェックし、その審査結果を考慮し、審議会の意見を聴いた上で厚生労働大臣が最終的な承認判断を行うということにいたしております。
 一方、機構においてどういうことが業務として行われるかといいますと、機構は、新機構は個別の品目につきまして、承認申請前の治験相談、これは現在の機構でも行われているわけですが、これを実施することによりまして、企業における適切なルールに基づく治験が行われるように指導をする、それから承認申請のあった案件につきましては、医薬品、医療用具の有効性、安全性に関する書面の信頼性調査、あるいは製造施設等への実地のGMP、GCP等の適合性調査、こういった調査を行うとともに、生物由来製品につきましては、一般の医薬品に対する従来の品質有効性及び安全性に関する科学的評価に加えまして、法律第四十二条に基づく基準への適合性等、感染症リスクとそれを踏まえた品質の安全性確保に関して一層重点的な評価を行い、その結果を審査報告書として取りまとめて厚生労働省の方へ提出する、それに基づいて先ほど申し上げましたようなチェックをして、最終判断を厚生労働大臣が行うというふうなシステムを取りたいというふうに考えているわけでございます。
#136
○朝日俊弘君 そうすると、今の説明でいうと、この今度新しく独立行政法人となる機構はその審査にかかわる資料なり情報を集めて、判断をするところは厚生労働省の医薬局が判断をする、つまり国が責任を持って判断をするというふうに理解してよろしいですか。
#137
○政府参考人(小島比登志君) 機構の方からは承認結果というのが出てまいりますが、あくまで判断は国が責任を持って判断をするということでございます。
#138
○朝日俊弘君 分かりました。
 その次、安全確保対策、特に生物由来製品については、市販後の感染症の発生情報などをどれだけ的確に集めて、しかもその集めた情報をどれだけ正確にリスク評価をし、そしてその評価に基づいて対応策、例えば回収命令を出すとか出さないとかいうことが求められると思うんですね。
 そこで、その安全確保対策、とりわけ市販後の安全確保対策の在り方について、じゃ国は何をどこまで責任を持ってやるのか、そしてその上で、この機構は何をどこまで請け負うのか、この点について御説明ください。
#139
○政府参考人(小島比登志君) 生物由来製品に関する安全確保対策のお尋ねでございますが、先般の薬事法改正によりまして、生物由来製品の安全確保対策といたしまして新たに感染症定期報告という制度が設けられたわけでございます。それら現行の薬事法の規定に基づきます製造業者等からの報告を受けている感染症、いわゆる個別の症例報告、それから医療機関から直接入手する症例情報、こういったものを合わせまして、今後、独立行政法人新機構の方で受理、整理、調査を行うことになると考えております。
 一方、厚生労働省の医薬局安全対策課におきましては、随時この新機構から報告を受けまして、薬事・食品衛生審議会への報告や審議会の意見等に基づく危害防止措置の実行及びその公表等を行うことになろうかと思います。
 若干具体的に申し上げますと、新機構が受理した報告につきましては、すべていったん安全対策課にリアルタイムで報告をされます。緊急かつ重要な案件につきましては、即座に安全対策課がその後の安全対策の実施に至る、先生御指摘のありました回収命令でありますとか緊急安全情報でありますとか、そういったものの実施に至るまでの一連の業務を行うこととしております。
 一方、蓄積されてまいりましたデータを基に解析した解析あるいは疫学的調査に基づいて、その結果を新機構は安全対策課に報告をすることになっております。そして、報告を受けた安全対策課は、それに基づきましてまた回収命令、行政処分等の安全対策の企画立案、実施等の業務を責任を持って行うことになるということでございますし、また省内の情報収集体制や健康危機管理体制の整備ということを今進めているわけでございますが、こういった情報も医薬局の安全対策課に集まってまいりまして、医薬品等、生物由来製品を含む健康被害防止のための措置を厚生労働省として行っていくということを考えているわけでございます。
#140
○朝日俊弘君 すると、機構に情報が集まるでしょう。これはリアルタイムで医薬局安全対策課に来るわけでしょう。そうしたら、機構はただ通るだけ、意味がないんじゃないの。
 つまり、情報というのは、まずはリアルタイムできちんと確保し、しかもどう評価するかというのが大事だから、機構は適切に評価できない可能性があるんじゃないかという心配を持っていたんだけれども、今の御説明だとリアルタイムで来ると、こういうことでしょう。厚生労働省まで入るわけでしょう。そうしたら、逆に機構は何をやるんですか、ちょっと分からなくなっちゃうんですけれども。
#141
○政府参考人(小島比登志君) 情報にもいろんな種類の情報がありまして、あるいは死亡事故でありますとか重大な障害の発生とか、そういったものも機構に参りますが、それはリアルタイムで厚生労働省の方が受け取りまして、即座に行政処分の方の対応をする。しかし、それ以外にも三万件に及ぶ様々な副作用情報が寄せられているわけでして、その収集、整理、調査、あるいはそれの提供、そういったものは機構の通常業務として行われることになろうというふうに考えているわけでございます。
#142
○朝日俊弘君 分かりました。
 ちょっとしつこいですが、そうすると、情報の中でリアルタイムで厚生省の方にすぐに送るものとそうではないものと情報を区別するわけですよね。区別するというのは、そこに判断が入るわけですよね。そうすると、機構の判断によって誤った整理がされるということもあり得ることになりますよね。
 いや、だから、ちょっと今、最初は全部送るみたいなことを言っていたから。今の説明だと必ずしも全部送らないと。リアルタイムに送るものと送らないものとがあって、一部分の情報は機構で判断して処理するということのように聞こえたんですが、そういうことですか。
#143
○政府参考人(小島比登志君) すべての情報はリアルタイムで厚生労働省の方へ参ります。その中で取捨選択をして、これは大変だということの部分は厚生労働省がすぐに対応する。しかし、それ以外のたくさんの情報があるわけでございますから、それは機構の方でもって収集、整理、それから提供というふうな業務をまた別途これをやっていくということでございまして、情報はとにかくすべて一応はリアルタイムで厚生労働省に入るというシステムを考えているわけでございます。
#144
○朝日俊弘君 そうすると、その中で情報の意味というか価値というか、重さというか、というのを判断するのは、じゃ厚生労働省がやったらいいじゃないですか。その全部の情報来るわけだから。何も機構にやらせることないじゃないですか。
#145
○国務大臣(坂口力君) そこのところをもう少しかみ砕いて申し上げなければならないと思うんですね。私も何度かそこは聞き直したところでございます。
 年間三万件からの情報が現在も来ているわけでありまして、現在は六人の人間が中心になって処理しているわけであります。六人でそんなことができるのかと、こう言ってきたわけでございますが。それは、その中で主なものにつきましては、今、局長から答弁ありましたように、もう死亡事故だとか重大なのが行ったという、そういうようなのはこれはもうすぐ分かるわけでありますから対応ができる。しかし、参ります情報の中には、これはどういう情報なのかということをもう一遍聞き直さなきゃならない、医療機関なら医療機関にもう一遍聞き直して、どういうことなのかということを整理をしなきゃならないようなものがその中にはかなりたくさん含まれているといったようなものがある。
 今までは、そこのところはアルバイトの人を頼んでみたりなんかしていろいろやってきたようでございますけれども、しかし、それであってもそこにはもう少し科学的な整合性が要るだろう。蓄積されたものでそこはもう少し整理をして、そして厚生労働省に上げるものはその中からまた上げるということをしないといけないたぐいのものがある。何度もキャッチボールをして整理をしなきゃならないものがかなりあるということでございます。
 そこの整理をしたものを厚生労働省の方に、いや、実はこういうことでございますということを上げてもらうという、そこのところはこの新しい法人のところでやってもらわなきゃならない部分がある、こういうふうに私、理解をいたしております。
#146
○朝日俊弘君 そうすると、私は、国の責任とこの機構の責任がどうなのかということを明確にしておきたいんですよ。最終的にはもちろん国がどうなのかという責任を問われることになるんだろうけれども、情報の振り分け方によってその判断を部分的にでも機構がするとすれば、機構の部分で情報の振り分けと収集をするとすれば機構の責任というのも当然問われますよね。
 そうすると、あってほしくはないけれども、もしそういう収集のミス、あるいは情報の判断に誤りがあったら機構を訴えるということもあり得るわけですよね。最終的には国の責任があるんだけれども、一体新しく作られる機構、独立行政法人は何をどこまでどういう責任を持ってやるのかというところを明確にしてほしいわけですよ。
 もう一遍答えられませんか、そこのところ。分からない、私の言っていることが。分かりやすいことじゃないですか。
#147
○国務大臣(坂口力君) おっしゃっていること、よく分かります。今御指摘になりましたように、最終的な責任は国の方がこれは持つ。これはもう決まっている。
 それで、それじゃどこを独法の方にゆだね、どこを国の方がやっていくか。局長が言いましたように、最初いろいろの情報が来るのは、国の方にも独法の方にも両方これは入るようにしておきたい、両方とも。それで、両方とも入るようにしておいて、国の方でもう即刻これは早く手を打たなあかんと、代表的なものはすぐこれは分かるわけでありますから、いい。
 しかし、私は、その時点のところで入ってきたものをそのまま全部これはオープンにできないのか、公開できないのかと、こう言ったわけでございますが、中にはそれを公開するにもよく聞かないと分かりにくいものも率直に言ってその中にはかなり含まれている。それは少し整理をしてもらわなきゃならない。それを整理をして、この入ってまいりました、こういうものが入ってまいりました、整理をしたものを国の方に上げてもらう。だから、そこでこれは出さない、これは出しますということではなくて、そこで副作用としてのものは整理をされたものを国の方に上げてもらう。それで、そこの方で国の方は判断をする。
 だから、国の方で全体で三十人ばかり人がおりまして、その中でここの部屋のところは六人ということを申しましたけれども、その人間はそのまま今後も置いておいて、そこを減らすことはない。その整理をされたものを見て、そこでこれはこういうふうにしなきゃならないというチェックを国の方が行うという仕組みになるというふうに理解をしていただきたいというふうに思います。
#148
○朝日俊弘君 説明は分からぬでもないんですけれども、結局、私、こだわっていますのは、これは生物由来製品というのは、ある意味ではこれから未知のウイルス等の感染も含めて、あるいは今まで日本ではなかったものも含めて、ちょうどエイズのようにあり得ると思うんですね。
 そうすると、この情報は物すごく大事な情報なのかどうなのかというのを分けるのがその後の言わば帰趨を制するような場合もあると思うんですよ。だから、生物由来製品であるがゆえにより一層情報の評価、つまりリスク評価とリスクマネジメントが物すごく難しいと思うんですよ。だから、私は、ここのところは、ある情報は機構で整理してもらってとか言わずに、やるんだったらむしろ国がきちっと一元的にやるというふうにしないとまずいんじゃないかと思っているんですよ。
 後でも言いますけれども、何かやたらあれもこれも機構にやらせようというふうになっているものだから、それは厚生省、たった六人しかいないからとおっしゃるけれども、そんなのは、またこういう行革の下で大変だろうとは思うけれども、新しい生物由来製品の安全確保対策には必要だと言って大臣が頑張るしかないじゃないですか。それだったら応援しますよ。だから、どうも承認審査のところ、特に生物由来製品の市販後の安全確保対策、とりわけその情報の選択とリスクマネジメントのところは、ここは安易にアウトソーシングしちゃ駄目だと私は思うんですね。
 この点について、細かい点の説明はいいですが、考え方としてどうですか、大臣。
#149
○国務大臣(坂口力君) 考え方としましてはよく理解できます。
 そこは今まで以上に難しくなってくる。目に見えるものとかなんとかというのでないわけでありますから、そこは非常に難しい問題が今まで以上に薬の副作用と、薬の場合にはその前に薬を飲んだ飲まないということがあるわけでありますからまだ分かりやすいわけでございますが、生物由来のときにはそこのところも非常にあいまいと申しますか、非常に難しい判断になることは間違いございません。
 したがいまして、そこのいろいろの情報が参りましたときに、それはそれぞれの医療機関なり製薬会社にいわゆる問い返す、そしてそこの整理はちゃんとしてもらわないとなかなか判断の材料になりにくい。だから、そこの整理は機構の方で是非ある程度お願いをしたいというふうに思っています。
 それは今までのこちらの方の六人でやっておりましたその内容、陣容よりももっとその点のいわゆる専門家をそろえてそこはやってもらいたいというふうに思っています。そこで整理をされましたものをどう判断するかということについては厚生労働省の中で今までどおりそこはやっていきたい、最終判断のところは。そういう整理の仕方をしながら今後進めていく。
 ですから、本当は少なくても現在のあります数倍は人がいないと、もっとそれでも足らないと言われればそれはそのとおりですけれども、少なくとも数倍の人はいなければならないわけでございますが、これはなかなか厚生労働省のそれぞれの持ち場、こういうところがたくさんございまして、本当はそこに人をどれだけでも欲しいわけでございますけれども、なかなかそうもいかない状況にあったことも事実でございまして、私も今までこの分野は非常に心配してきたわけでございます。例えば、ヤコブならヤコブのあの審査をしましたときにも、あれは一人の人がやっていたわけで、これはもうこんなことでよくぞそんなことをやっていたと思いますけれども、その当時はそうだったわけでございます。
 それで、ここはやはりある程度の陣容を整えながら、そして整理をするものは整理をして、そしてその人たちの意見も聞きながら、しかし最終的な判断のところはこれは国の方がちゃんとそこは行う、責任を持って行うということにしなければならないというふうに思っている次第でございます。
#150
○朝日俊弘君 ちょっとここ、宿題にしましょう。考え方は分かっていただいていると思うんですけれども、その各論がどうも、もう少し詰めて、幸い木曜日もあるようですから、ここはもう一遍改めてどういうふうに整理するか、あと聞きたいことがたくさんあるので、ちょっと宿題にしておきます。
 次に、このような形で相当に厳しい安全確保対策をやってもなおかつ健康被害が生じた場合、その健康被害救済の対象とするかどうかの認定を含めて、これは認定の判断の問題が一つ大事な問題としてある。それから、その認定を受けて今度は具体的に救済業務をどうするかという問題がある。この部分について国はどこまでやるのか、そしてこの機構はどこまでやっていただくのか、この点についてまず御説明ください。
#151
○政府参考人(小島比登志君) 新たに制度化されます感染等被害救済制度は、現行の副作用被害救済制度と同様、製薬企業等の社会的責任に基づく共同事業として実施されるものでございまして、新機構においては給付申請の受付とともに、国の判定結果に基づく救済給付の支給、製薬企業等からの拠出金徴収の業務等を行うものでございます。
 本制度の国のかかわり方でございますが、現行の医薬品副作用被害救済制度と同様でございまして、救済給付の基準設定あるいは制度の企画立案、それから被害の判定業務、さらには新機構に対する救済業務にかかわる事務費の一部補助ということを通じまして、制度の円滑かつ安定な運営を図っていく責務を有するというふうに考えております。
#152
○朝日俊弘君 そうすると、少なくとも一番大事な被害の認定といいますか、健康被害の状態を把握をしアセスメントをし判断をするという仕事は国が行うということに理解していいですね。その場合、どこがやりますか。
#153
○政府参考人(小島比登志君) これは医薬局の中の安全対策課と総務課にございます医薬品副作用被害対策室の共同作業になろうかと思います。
#154
○朝日俊弘君 分かりました。
 それじゃその次に、今個々の説明でも幾つか出てきましたけれども、生物由来製品の承認審査、安全確保対策、そして被害救済、各段階において審議会という言葉が何度か出てきましたが、ちょっと整理をして、一体どの審議会のどの部分がどの業務を担うのか、少しまとめて整理をしてお示しください。
 といいますのは、これはさきの通常国会でも私、指摘をさしていただきましたけれども、審議会の方も随分と大まとめにされてしまって、薬事・食品衛生審議会というのができているわけですけれども、その中に何と調査会とか部会とか含めると六十近いものが入っていて、それのメンバーをずっと私ちょっと計算してみたら八百三十四人もいる、メンバーが。そこでどういうふうにやるのかなと思って心配していますので、つまり統合をして肥大化した審議会が本当に機能するのかいなという心配を持っていますので、各段階において審議会のどの部分がどういう役割を担うのか、ちょっと説明をしてください。
#155
○政府参考人(小島比登志君) 生物由来製品に関する承認審査、安全対策、被害救済の各段階における審議会の役割分担でございますが、まず承認審査におきましては、生物由来製品であります新医薬品ということで、最新の科学的知見に基づき承認にかかわる意見を厚生労働大臣に述べるというのが役割であろうかと思うわけでございます。
 担当部会につきましては、承認する対象ごとに異なりまして、医療用医薬品であります生物由来製品につきましては薬事・食品衛生審議会の中にございます薬事分科会の医薬品第一部会及び第二部会、それから医療機器であります生物由来製品につきましては医療機器・体外診断薬部会ということで、それぞれの所掌の部会において承認に対する審議が行われるというふうに考えております。
 安全対策におきましては、医薬品、化粧品、医薬部外品につきましては医薬品等安全対策部会におきまして、医療用具につきましては医療用具安全対策部会におきまして安全対策の必要性等を御審議いただくことを予定しておりますし、また血液製剤及び遺伝子組換え製剤においては血液事業部会におきましても審議を行っていただくことを予定しております。
 また、感染被害救済におきましては、救済給付の決定に際しまして、薬剤の適正目的、適正使用の判断など医学、薬学的判定を行う役割を担っているわけでございますが、これを担う部会につきましては、現行の副作用判定部会というものを新たに改組をいたしましてその対応をしてまいりたいというふうに考えておりますが、いずれにしましても、それぞれの部会においては専門分野における科学的知見から述べられる意見につきまして最終的な政策決定はあくまで厚生労働大臣が行うということでございます。
#156
○朝日俊弘君 何かちょっとまとめて聞いても、どこに何がどうなるのかよく分からないところがあるので、また一覧表にでもしていただければと思うんですが。
 ただ一点、ちょっと追加して聞きたいんですけれども、私は、医薬品副作用の被害判定の問題というかレベルと、生物由来製品に係る感染症を中心とする被害判定、救済の問題とはかなり質が違うと思うんですね。何か今御説明を伺うと、ちょっと改組してというふうなことをおっしゃったんですけれども、従来の医薬品副作用被害という範疇ではちょっと対応し切れないんじゃないかと思うんですが、どうですか、そこは何か考えておられますか。
#157
○政府参考人(小島比登志君) その点につきましては私ども御指摘のとおりだと思っておりまして、改組のやり方にはいろいろありますけれども、例えば別途調査会を、専門の調査会を設ける等、まだ検討中ですが、そういうことも検討してまいりたいというふうに考えております。
#158
○朝日俊弘君 恐らく専門分野も違えば、何というか、発想というかアンテナも大分違うと思うんですね。ですから、ここはひとつ従来の組織なりメンバーに固定せずに、もっと敏感なアンテナを張れるような形を是非検討してほしいと思います。
 大分時間が使っちゃいましたので、あとちょっと幾つか質問を省略しますが、今の審議会の問題と関連して一点だけお伺いしたいことがあります。
 さきの通常国会における薬事法の改正にかかわって本院で附帯決議を付けました。六項目の附帯決議がありました。今日はちょっと一つ一つお尋ねしようと思ったんですが、大分時間が掛かっちゃいましたので、その中の一つだけお尋ねします。
 薬事・食品衛生審議会の血液事業部会に患者側の代表を是非参加するようにということで附帯決議をさしていただきました。この点については、その後検討されて一定の結論を得ておられるんでしょうか。この点だけ絞って附帯決議については伺います。
#159
○政府参考人(小島比登志君) さきの国会で、安全な血液製剤の安定供給の確保に関する法律の成立によりまして薬事・食品衛生審議会の血液事業部会、そこで審議すべき事項が大幅に増えたということで、様々な関係者の意見をお聞きする必要が生じてきたということでございまして、このため、平成十四年十一月五日に開催された血液事業部会の第一回会合におきまして、同部会の体制が拡大され八名の委員が新たに加わったところでございますが、このうち二名の患者団体の代表の方に加わっていただきまして法律の施行に向けた審議等を行っていただいているという状況でございます。
#160
○朝日俊弘君 早速に対応していただいているということで、その点は評価をしたいと思いますが、新しい制度をうまく動かしていくために、やっぱりユーザーというか被害者というか、そういう立場の率直な意見を最大限受け止める仕組みというか、あるいは運用、運営を是非考えていただきたいなと、こんなふうに思います。
 そこで、今日の質問の最後に、二点ほど大臣にお伺いをして質問を締めくくりたいと思いますが、一つは、昨日、参考人の皆さんにいろいろ御意見を聞かせていただきました。とりわけ第一点のお尋ねは、これは大臣にお尋ねしてもさっきの議論と関連する話ですし、ちょっとお答えにくいかなと思いながら、あえてお尋ねするんですが、結局この新しい機構は、元をずっとたどっていくと、スモン訴訟の和解を一つの契機として作られてきた被害者救済基金というのが一つスタートにあって、その後その被害者救済基金に、どこでどういういきさつだったか今日は詳しく述べませんけれども、研究振興調査という業務が加わって、さらに、今度はその被害者救済基金と研究振興調査機能に加えて、医薬品医療審査センターが行っていた業務と、さらに医療機器センターが行っていた業務と、更に付け加わったと、こういうことですね。
 恐らく、いろいろ特殊法人の整理合理化という大方針があるものですから、幾つかある機構は関係しそうなところはまとめちゃえという発想が分からぬでもないんですけれども、しかしだんだんだんだんこういうふうに肥大化してくればしてくるほど、一体何をやる機構なのか、仕組みなのか、そして当初の機能と役割というのはどうなったのか、かなり訳が分からなくなるというか、目的が不明確化するというか、拡散するという感じが否めませんし、そういう意味ではもっと機能、役割を明確化してこの部分とこの部分というふうに、無理に統合せずに組織を区分けして、その役割を明確化してやった方が本当は、大臣、やりやすかったんじゃないかと思うんですが、ここはどうですか。
#161
○国務大臣(坂口力君) 素直に言わせていただければ、御指摘のとおり、研究調査なんというようなところはこれは別にやらせていただいた方が、これは我々の方もやりやすいし、聞いていませんけれども、多分皆そう思っているだろうと思うんですが、しかし、いわゆる様々持っております各省庁の機構を整理統合しろという一つの大前提の下にやらなきゃならなかったわけで、また厚生労働省はいろいろのをたくさん持っているものですから、もっと少なくならないかもっと少なくならないかという、何にいたしましても整理統合では一番成績の悪いのが厚生労働省ということにレッテルも張られているような状況でございまして、そうした中で、一つにしながら、しかしその中で区分は区分として明確にしていこうということでお許しをいただいたわけでございますが、これからもそういう歴史的経緯というものを十分にわきまえて、そのことが埋没してしまって、なぜこれがスタートしたかということが分からないようなことになってしまってはいけませんので、その点には十分配慮した内部の体制にしていきたいというふうに思っているところでございます。
#162
○朝日俊弘君 本来でしたら、やっぱり昨日の、たしか濱参考人もおっしゃっていましたけれども、確かにむしろオーファンドラッグなどの開発など、むしろそういうところにやってもらった方がいいような部分もあるんじゃないかと。
 しかし、特に私は、BSEの問題もあり、あるいは原子力発電所の問題もあり、つまり、今何が問題になっているかというと、リスクをどう評価し管理するかというそこのところは大いにいろいろ競争していただいたらいい、市場原理で頑張っていただいたらいい。しかし、いろんなところで生ずるであろうリスクについてはきちっと評価をし、管理をし、マネジメントするというところについてはきちんと人も掛ける、金も掛ける、組織も掛けるという考え方をそろそろ取っていく必要があるんじゃないか、そういう課題が実はこの厚生労働省関係だけじゃなくて、結構出てきているんじゃないか、その一つの例がこれだし、もう一つの例がBSE対策の問題ではないかと私は思います。
 そういう意味では、今回、私自身はこういうふうに大きくまとめてしまうことについて正直言って今でも賛成できません。むしろきちっと明確化して最小限の統合、取りまとめの方がいいと思っているんですけれども、仮に、今ちょっと大臣最後におっしゃいましたけれども、今の形がやむを得ざるものとした場合でも、機構の中の組織編成というか、あるいは仕組みの在り方というか、もう少し、当初被害者救済というところからスタートしたということを念頭に置いて、もちろん機構そのものの組織の在り方は機構の中で考えていただくことになるんだろうとは思いますけれども、あれもこれも何か並列的に並べるのではなくて、めり張りを付けて、こういう目的があったんだよというところはそこは強調した形の組織の組立て方もあり得るんじゃないかと思うんですね。この点について、大臣のお考えをお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#163
○国務大臣(坂口力君) 今お話をいただきましたところは私たちも気を付けてやっていかなければならない点だというふうに思っておりますので、これは新しくできましたところが中心にやることではありますけれども、しかし、独立行政法人というのはこれだけじゃなくほかのもそうですけれども、ある程度独立をさせてやらせていますけれども、責任だけは全部厚生労働大臣が取らなきゃならぬことになっているんですね。正直言って、私の立場は立場として、独立行政法人できるのはいいが、責任は全部取らなきゃならないし、独立してやらさなきゃならないし、正直言って大変なことだなと、率直にそう思っているわけでございます。
 したがいまして、独立してはやっていただきますけれども、そういう危機管理のところはしっかりこれはやってもらわないといけませんし、過去の今までの歴史的経緯というものも十分に踏まえてやっていかなければならないというふうに思っておりますので、御指摘いただきましたことを十分に生かしていきたいというふうに思っております。
#164
○朝日俊弘君 終わります。
#165
○谷博之君 私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。今申し上げました政党名以上に元気よく質問をしてまいりたいと思いますので、前向きの温かい御答弁を期待しております。
 まず、法案の質問の前に一点、直近のちょっと大きな社会的な問題になりました件についてお伺いをいたしたいと思いますが、先月の十一月の二十八日に、ALS患者ですね、筋萎縮性側索硬化症の患者の皆さん方の選挙権の訴訟の問題がありまして、これは報道のとおりでありますからあえて申し上げませんが、制度のないのは違憲状態だと、こういうことで東京地裁の福田剛久という裁判長からそういう判決が下りました。賠償請求そのものは退けて、いわゆる代筆投票ですね、これをめぐって要するに一つの判決が出たということなんですが。
 これは、今全国にALS患者というのが日本ALS協会の調べでも六千二百人と言われていますが、そのうちの二千人から三千人、この方々が人工呼吸器を装着しておられるということでありまして、しかも在宅と。今の選挙制度というのは、御案内のとおり、郵便投票も認めておりますけれども、これはあくまで本人の自筆ということでありますし、したがってこういう全く動くことのできない方々の在宅における投票行為というのは非常に難しいわけなんですけれども、こういうふうな中でこの判決が出たことについて、大臣の見解、そして総務省の今後の対応についてまずお伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(坂口力君) 総務省の方からは後でお述べをいただくというふうに思いますが、こういう結論が出ましたことを私たちも尊重しなければならないというふうに思っております。総務省とよく協議をさせていただきまして、そして必要な改革を加えていきたいというふうに思っております。
 この問題は、昨年の何月でございましたか、西川議員からもお取り上げをいただきまして、厚生労働省といたしましても一つの宿題になっていた問題でございました。これが一つの裁判という形でのひとつ結論を出していただいたわけでございますので、よく総務省と協議をさせていただきたいと思っているところでございます。
#167
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございましたように、十一月二十八日に東京地方裁判所で判決がございまして、損害賠償の請求は棄却されましたけれども、その理由の中で、選挙権を行使できるような投票制度が設けられていなかったということが憲法に違反する状態にあるという大変厳しい御指摘をいただいたというふうに思っているところでございます。
 総務省といたしましても、ALS患者の方々を始めといたしまして、投票が困難な方々の投票機会を確保することは大変重要な問題と認識しているところでございます。
 ただ、委員御指摘のように、この郵便投票につきましては、かつて昭和二十年代にいわゆる在宅の投票がございましたが、選挙の不正等がたくさん起こったということを踏まえていったん廃止されたものが、今のような形で昭和四十九年に制度化されたという経緯を持っているものでございまして、私どもといたしましては、選挙の公正をどういうふうに確保していくかと、こういう面も考える必要があろうかと思っております。
 ただ、いずれにしても、大変重要な御指摘でございますので、今後幅広く検討を進めてまいりたいと、かように考えているところであります。
#168
○谷博之君 実は私も当委員会で西川委員が以前質問されたということも存じておりましたし、それから私も実は地方の県議の時代に、当時、県の選管委員長にこの質問などもいろいろさせていただきました。結果的に、そういう長い歴史があるわけですけれども、その結果こういう司法の場で一定の見解が出たということで、今お話のありましたように、これは極めてやっぱり重い決定ということで、是非ひとつ受け止めていただきたいと思っております。
 それから、ALS患者の投票権ということですけれども、選挙権ということでありますが、これは、ALSだけで私ないと思うんですね。同じような症状で在宅で療養されておられる方々というのも私はあると思いまして、そういう意味では、単にALS患者だけということではなくて、そういう視点からも幅広くやっぱりしっかりこの制度を作っていくといいますか、そういう方法を考えていくということが大事だと思っておりまして、これは、今の御答弁は御答弁として前向きに私も了とさしていただきますけれども、是非そういう点についても御検討いただきたいと。
 ついでと申しますか、私どものちょっと事情を申し上げますと、民主党の中にも、この問題は非常に大きい問題だということで、厚生労働の一つの部門の中にこの問題を研究する、そういうチームも作って少し検討していろんな提言もさしていただこうと、こんなことも考えておりますので、この点についてもひとつ御報告をあえてさせていただきたいと思っております。
   〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕
 続きまして、法案の審議に入りたいと思います。
 まず、独立行政法人の医薬品医療機器総合機構法案の内容でありますが、いろんな角度でもう既に質問等もされておりますし、そして昨日の参考人の意見陳述等でもいろんな意見が出されております。そういう意味では若干ダブるところもあるかもしれませんが、重ねていろんな角度から確認も含めて質問をさしていただきたいと思っておりまして、まず一つは、スモンやエイズの患者団体の人たち、そしてまた昨日の参考人の人たちの中からも、今度の動きというものを大きくこのように指摘しております。
 薬害エイズの反省から、旧厚生省は旧薬務局を解体をして医薬品の研究開発部門と審査・安全監視部門を分離したはずですね。これが、今度のこの法案によって、医薬品の審査安全対策の部分と、そしていわゆる製薬業界を中心とした、そういうところへの振興業務というんでしょうかね、そういうものが何かまた一緒になったような感じがして、元の旧薬務局にまた戻ったような感じ、こういうふうなイメージを与えてしまうような気がいたします。そこに来て、製薬メーカーから金も人も出してもらうということでありますから、非常にそういう点では、ある意味ではいわゆるその機構の姿というのは非常にあいまいな形になってしまう危険性があります。
 そこで、私は、こういういわゆる製薬企業からのそういう職員の出向の禁止とか、あるいは以前にそういう製薬メーカーに勤務の経験がある、こういう方々の今度の機構への役員になることの禁止とか、こういう一つのいわゆるガイドラインというものをしっかりやっぱり作っていく必要があるんじゃないかというような気がしているんですが、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#169
○政府参考人(小島比登志君) 新法人の職員の採用に当たりましては、優秀な人材を確保するということが大変重要だと考えておりますが、これにつきましては、あくまで個々人に着目いたしまして、医学、薬学、獣医学、統計学等についての高度な知識や経験を有すること、それから自らの業務の公共性や使命について十分な理解と認識を有すること、それから製薬企業等における職歴を有する者にあっては当該企業等との身分上、経済上のつながりを有さないこと、こういった考え方でやっていくことが必要だと思っておりまして、いわゆる企業からの出向というものはこの条項に該当するということでございますから禁止するということで、新法人自ら採用規定、その他倫理規定を策定し、公表していくとともに、公募を採用方法の中心としていくことで信頼される採用形態というふうにしてまいりたいというふうに考えております。
 もう一つは、退職後の製薬企業等の役員をどうするかということでございますが、新法人の役員の就任に当たりましては、現職の製薬企業の役員は新法人の役員になることができないということを個別法において定めておりまして、こういった趣旨を踏まえますと、大臣の方から衆議院の審議でも御答弁しておりますように、製薬企業等の元役員は原則として理事長には任命しないという考えでありまして、新法人の理事長につきましても、理事を任命する際にはこのような考え方を大臣の方から示されていくものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、新法人と製薬企業との関係について疑念の持たれることのないよう、職員の採用や役員の任命については十分新法人とも私ども相談してまいりたい、より適切な組織体制を構築してまいりたいと考えております。
#170
○谷博之君 重ねてお伺いをしたいんでありますが、現在の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構の役員の名簿が、今私、手元に持っているんですが、六人の方々が全員、これは厚生省等のいわゆる天下りの人たちですね。この問題については、今も御答弁ありましたように、衆議院で我が党の家西議員なども質問しておりまして、大臣からもいろんな御答弁もいただいておりますけれども、私は、この役員の中に本来であれば、例えば副作用の被害者とかあるいは医療の消費者、医療消費者といいますか、そういう立場の人がやっぱり当然入ってしかるべきじゃないかというふうに思っているんですが、これは六人が六人ともそういう立場であるというのは非常に私はちょっと偏り過ぎているなというふうに思うんですが、この点は大臣、どう思われますか。
#171
○国務大臣(坂口力君) しゃくし定規を当てたことを言わせていただければ、理事長はこれは大臣が選び、そしてその下の理事につきましては理事長が選任をするということになっているわけでございます。しかし、それはそうでございますけれども、その理事がすべて天下り先というのでは、これはやっぱり新しくスタートした内容が私は問われるというふうに思っております。
 したがいまして、その新しい理事に製薬会社等の人を選んではならないというふうに言えば、それはその下の理事についても同じようなことは言えるし、そしてまた、そうかといって官僚出身者だけで占めるというのもこれも避けなければならないというふうに思っております。
 そうした意味で、適切な人を任命するということになるわけでございますけれども、その中には、今、委員が御指摘になりましたような、医療消費者とおっしゃいましたかね、そうした人をこれは決して除外をしているわけではございませんし、適切な人があれば当然その中に入れられれば入れた方がいいというふうに思っている次第でございますが、ここはしかし私がすべて権限のある話ではございませんのでこれ以上申し上げることはできませんけれども、しかし御指摘いただきました趣旨は十分に尊重したいというふうに思っております。
#172
○谷博之君 今の大臣の御答弁で、多分この動きは一定の私は弾みが付くものというふうに思っておりまして、前向きにその内容を受け止めさせていただきたいと思っております。
 そういう大きな話といいますか、基本的な話をお伺いした後、今度はちょっと具体的な話になって大変恐縮でございますが、SJS、いつも私はこの委員会で取り上げていますが、スティーブンス・ジョンソン症候群とそれからTEN、これは中毒性表皮壊死症ですね、いわゆるこの病気の関係する患者の方々の問題をちょっと取り上げたいと思っております。
 私もいろんなのを調べてみましたらば、このいわゆるSJSとTENの関係というのは同じ同一カテゴリーの疾病だと言われていまして、SJSが進行して、移行してTENになるというふうな、そういうふうなことをちょっとお聞きしたことがございます。
 厚生労働省は、現在このSJSとTENの患者が年間どのぐらい発症しているかつかんでおられるか、まずお聞きしたいと思いますが。これは、実は私最近、NHKの教育テレビを見ておりまして、埼玉医科大学の伊崎誠一教授という先生が、医療現場では非常に薬害の、特にSJS、TENの患者さんの数が多いということで、製薬メーカー辺りから厚生労働省に上がってきている数字は、後ほど数字出ると思いますが、三百か四百ぐらいかなと思うんですが、実際はもっと多いんではないかというふうに言われていますが、この辺はどのようにとらえておられますか。
#173
○政府参考人(小島比登志君) スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症の年間発症件数というお尋ねでございますが、厚生労働省といたしましては、平成十二年四月一日から平成十三年三月三十一日までの一年間に医薬品の副作用によるとして当省に報告されたいわゆる二つの病気の症例としては三百二件の発症を把握しているところでございます。
 この症例件数は、今、先生御指摘のように、薬事法に基づきます企業報告及び医療機関から直接厚生労働省へ報告される医療機関報告の合計の件数でございまして、実際の発症数がどのくらいかということにつきましては、私どもとしては、つかんでいる数字はこの三百二件であるという以外にはちょっと今のところ申し上げられないという状況でございます。
#174
○谷博之君 数字のとらまえ方がそういう形で行っているから多分、現実にはもっと多いというふうに我々は当然考えておりますけれども。
 もう一つ、昭和五十五年に制度ができて以降二十二年間、こういう方々の障害年金の請求の問題をひとつ次にお聞きしたいと思っていますが、これは十一月の十三日に厚生労働省とこの患者の会の皆さんの話合いがありまして、そこで担当者の方から報告をいただいた数字では二十二年間で請求件数が三十二件、そして支給件数が二十八件と、こういうふうな数字を出していただいておりますが、この数字は間違いないかどうか。そして、毎年三百件からこういう方々が発症しているにもかかわらず、二十二年間でですよ、わずか請求三十二件というのはこれは私はどういうふうなことなのかというふうに思っていまして、この少ないというその原因は一体どういうところにあるんでしょうか。
#175
○政府参考人(小島比登志君) ただいま先生御指摘のスティーブンス・ジョンソン症候群につきましては、障害年金の請求件数の合計は三十二件、支給件数は二十八件でございまして、いわゆる中毒性表皮壊死症につきましては同じく請求件数が三十一件、支給件数が二十二件というふうに数えているところでございます。
 これにつきましては、医薬品副作用被害救済制度は、健康被害を受けた者からの請求に基づきまして、入院相当の治療が必要な健康被害や障害の状態が国民年金の一級、二級程度の障害等、重い副作用に対しまして重点的な給付を行うという趣旨から、申請されない方もいらっしゃいますし、申請がいわゆる却下されるというふうな方もいらっしゃるのではないかと思っているところでございます。
#176
○谷博之君 私どもが一番やっぱりこの問題をいろいろ考えてみますときに、こういう例えば状態に陥った患者さんが大変御苦労されてそういうふうな、何というんですかね、闘病生活といいますか、そういうものを進めていくわけですけれども、こういう制度とかいろんなものを実は後で聞くとか、あるいは実際の医療現場のそういう先生方からそういう内容を後になって聞いてそういう制度があるんだということが分かったというようなことで、私はやっぱりそういう制度の中身そのものの周知徹底というのも非常に不足しているんじゃないかというふうに思っているんですが、この点についてはどういうふうに考えられますか。
   〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕
#177
○政府参考人(小島比登志君) 今の御指摘の点は大変私どもも重要な事柄であるというふうに思っておりまして、いろいろ努力はしております。
 現在の医薬品副作用被害救済制度につきましても、その実施主体である医薬品機構におきまして、医療機関、行政機関、医療関係団体へのパンフレットの送付、また患者さんが持っていかれるようにリーフレットを配って、医療機関、薬局等に置いていただくということもやっております。それから、医療関係雑誌への広報の掲載あるいは機構のホームページでの制度内容の具体的な紹介というのをやっておりますし、厚生労働省といたしましても、政府公報の活用あるいは厚生省ホームページでの制度の内容の紹介、都道府県会議等々を通じて医療機関や市町村への広報のお願い等々あらゆる努力をしておりますし、これからも鋭意こういった努力を引き続きやってまいりたいというふうに考えております。
#178
○谷博之君 一番こういう制度の普及という意味では、大変な重要な立場にあるのがいわゆる医療現場の医師の方々、あるいは医療関係者の方々だと思うんですね。
 今日、文部科学省からも実は来ていただいておりまして、いわゆる医療専門職のそういう、具体的には大学の医学部のそういう学生の皆さん方に、どういうふうな実際こういう薬害についての教育が現場で行われているんだろうかというようなことを実は私も注目しまして、資料を幾つか取り寄せさせていただきました。
 ここに、東北大学医学部の医薬品副作用救済制度に関する教育状況についてという、こういう資料があるんですが、私、医療専門家でないので細かくは分かりませんが、ただ率直に言って、さっと見た感じだけですが、確かにこの医薬品の副作用の問題ということについての一定の、何というんでしょうかね、授業科目というものがあって、そして特にその中で、担当項目ということでいわゆる医療保障制度と医薬品産業というふうな、そういうふうな担当項目で授業もやられているようでありますけれども。
 こういうことで、例えばその授業を受けた医学生の皆さん方が将来医療現場に入っていったときに、実際に医療現場でいわゆる重症型のこういう薬疹に遭った方々に遭遇したときに、具体的にどのように対処すればよいのかというふうな、そういうふうな現実問題としての現場での重症型副作用に対応するそういう授業といいますか、そういうふうなことがどこまで実際そういう大学の医学部等でもやられているんだろうかというふうなことを実はちょっと率直に疑問に感じました。
 したがって、この点についてどのような内容になっているか、まずお教えいただきたいと思っています。
#179
○政府参考人(木谷雅人君) 薬害の問題は大変重要な問題と認識しておりまして、各大学におきましては、医薬品の副作用、薬物障害などの医学的な観点だけではなくて、医の倫理、社会学、人権学習的な観点から授業の充実が図られてきていると承知をいたしております。特に、医薬品副作用被害者救済制度に関する教育につきましては、公衆衛生学や医学概論、臨床薬学等の授業の中で実施をされているわけでございます。
 また、もっと実践的な教育をということでございますが、御案内のとおり、医学部におきましては、高学年におきまして基本的な診療能力を身に付けさせるために附属病院で長期の臨床実習が行われているわけでございますが、この臨床実習の場においても、具体の症例を通して医薬品の安全性や副作用等に関する教育がなされているところでございます。
 現在、各大学におきましては、医学生が医学生として最低限の到達目標を設定をいたしましたモデルカリキュラムに基づきますカリキュラムの改革が進められているわけでございますが、こうした主体的な取組を通じて、今後とも、今日の医療の課題にきちっと対応して理論と実践の両面においてこの教育が一層充実されるよう文部科学省といたしましても促してまいりたいと考えております。
#180
○谷博之君 重ねてお伺いしたいと思いますが、先ほどの朝日委員の方の質問でも出ておりましたけれども、いわゆる副作用の情報については、いろんな製薬メーカー等から厚生労働省に入ってくる、あるいは医療現場からもそういうものが入ってきて、年間数万件、三万件云々と言われましたけれども、そういうふうな件数が上がってきていると。
 逆に、そういうふうな副作用の実態というものを、私は、教育の現場とか、あるいはもちろん医療の現場でもそうですが、これをフィードバックして、そういうものを、次の研究なり治療なりにそれを役立てていくというふうなこともやっぱり必要なんだろうと思うんですが、そういう意味で、文科省が他の省庁とかそういう機関とどのような連携を取ってこれから特に教育の現場でこうした問題を取り組んでいこうとしているのか、重ねてお伺いします。
#181
○政府参考人(木谷雅人君) 大学病院では、医薬品の副作用や相互作用の情報につきまして、当該医薬品の添付文書や医薬品の市販後調査の結果を受けた厚生労働省の緊急安全性情報等の発表、あるいは製薬企業等からの情報を不断に入手して学内に情報を周知し、診療はもとより医学教育等にも活用していると承知をいたしております。
 文部科学省といたしましても、厚生労働省から得られましたこのような情報を附属病院を含む国公私立大学に速やかに周知をいたしまして、その活用を促しているところでございます。
 今後とも、厚生労働省と連携を一層密にいたしまして、情報の速やかな共有、そしてそれを診療や教育の場において活用されるよう努めてまいりたいと考えております。
#182
○谷博之君 文科省の質問はこれで終わりますので、どうぞ御退席ください。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、私、いつも委員会で、二度ほどもう取り上げさせていただきましたけれども、五十五年以前の要するに被害者の救済の問題なんですが、いわゆるSJS等のこういう患者の皆さん方の視力のいわゆる障害認定基準といいますか、それとか、障害年金支給のいわゆる申請前への遡及の問題、こういったことはこれからも、今度の法の改正の後でも政令等で更に見直しがされていくんだろうと思っていますけれども。
 いわゆる先ほど申し上げました五十五年以前の被害者に対する救済ということになりますと、この制度が五十五年にできたわけですから、それはさかのぼらないというのが今までの基本的な考え方であったわけですが、大臣は、いろんな委員会等でも、断定はしませんけれども検討に値するような御答弁等もしていただいておりますけれども、これはこの問題、私は政令で改正するというわけにはいかない、むしろ法律というふうな分野での見直しになるのかなというふうな気がするんですが、こういう点の一つのこれからのやり方、手法を大臣はどのように考えておられますか。
#183
○国務大臣(坂口力君) このスティーブンス・ジョンソン症候群だけではございませんで、他の問題も同様でございますが、なかなか法律というのは、あるいはまたそういう制度というのは、できたときから後には適用されますけれども遡及をしないということがございまして、何とかそこを少し風穴を空けることができないものだろうかというので法制局等とも何度もお話もさせていただいたりしているわけでございますが、率直なところを申しまして、これ、なかなか名案がないというのが現状でございます。
 しかし、私は、このスティーブンス・ジョンソン症候群というのは副作用の中でもなかなか特異な存在だというふうに今思っております。と申しますのは、例えば、キノホルムならキノホルムを使いますとこういう病気が起こりますという、薬とそれから病気とが直線で結ばれているものは非常に単純明快でございますが、このスティーブンス・ジョンソン症候群というのは、いわゆる対象になる薬というのは、私も最近聞いてびっくりしたんですが、千二百種類もあるんだそうでございます。一対一で結び付かない千二百種類もの薬の種類があって、それでその中のどれを服用したときにどうなるかということがなかなか分からない。したがいまして、普通の副作用の話とは若干これは違うのではないかという気もいたしております。これは薬の方ももちろんございますけれども、それに対応する個体の側の反応の仕方といったようなものもあって、非常に複雑なこれはケースではないかというふうに思っております。それだけに、何か特に考えられることはないかというので、現在もなおいろいろと検討しているところでございます。
 今日はまだ御報告を申し上げられるところまでいっておりませんが、そういう状況を踏まえているということもお含みおきをいただきたいというふうに思います。
 そしてもう一つは、いずれにいたしましても、目が乾燥するということがあるわけで、それが大変な苦痛になっているわけでございまして、いわゆる治療用の涙液、治療用点眼薬と申しますか、そうしたものの開発研究、これは可能だということでございまして、現在、東京医科歯科大学におきまして検討をしていただいているところでございます。これはもうかなり使用可能なところまで来ているというふうに聞いておりまして、期待を寄せているところでございます。これでございますと一日に数回点眼をすればそれでもつということだそうでございますので、できましたら患者さんにも非常に福音では、非常にいいのではないかというふうに思います。
 それからもう一つは、涙腺の再生医療でございます。涙腺が破壊されておると申しますか、涙腺に異常があるわけでございますので、そこを再生させることはできないかという研究、これもお願いを申し上げておりまして、そうした一方で研究を進めて、一度そういう被害を受けられた皆さん方に対する治療方法というものが確立できないかということも併せてこれはやっていかなければいけないというふうに思っておりまして、今、できる限り早く研究をしていただきたいというのでお願いを申し上げているところでございます。
 そうした病気の持ちます特殊性にも注目をしながら、一方におきましてそうした研究にも研究費を出しているということも御理解をいただきたいというふうに思います。
#184
○谷博之君 一つは制度の遡及の問題と、それからSJSの治療方法についての詳しい説明をいただきまして、ある意味では意を強くしたところでありますけれども。
 具体的にちょっと一つの例を私申し上げたいと思うんですが、そういう大臣の今の御答弁を受けまして、実は私のところにいろいろ御相談に来られている方がおられまして、神奈川県の川崎市に住んでいる女性の方で、この方はいわゆるよく使われている抗ヒスタミン剤のポララミンという薬を服用いたしまして、結果的に重篤な光の光線過敏性皮膚症という、こういう病気になってしまいまして、昨年の十月に機構がこの副作用と認めて医療費の給付を認めたと。ところが、障害年金は不支給と決定して、昨年十二月にこの不服審査をこの方が申立てをしたと。ところが、残念ながら十月二十三日付けで本年これが棄却されたわけです。棄却された理由は、日中の半分以上が起きていて、光を遮る方法を取れば発症は抑えられると、こういうことから、この機構法の施行令別表にある身体機能の障害又は長期にいわゆる安静を必要とする状況ではないというようなことでこの方が不支給の決定を受けているわけなんですが。
 具体的に、しかしこの方の状況というのはもうほとんどいわゆるこの別表にあるような状況にあるにもかかわらず、残念ながらこれが支給の対象になっていないということでありまして、こういう一つの別表の規定が極めて私はケース・バイ・ケースであいまいな部分があるんじゃないかという気がするんですね。
 それと、例えばこの方は自分は当然これに該当するケースだというふうに言っているんですが、そうではないというふうに要するにこれを認定をしているわけですけれども、私はその言葉の、認定する側は認定する場合の基準があって、その方の状況を見て支給とか不支給の状態の決定をしているんだろうと思うんですが、しかしそれは不服審査を受け付ける窓口機関までちゃんと設置しているわけですから、どういう形でそれをこの対象となる人たちに対してこの支給の該当にしていくかというようなことについて、私は今の姿勢というのは限りなくその件数を少なくするといいますか認めないという方向で何かやっているような気がしてならないのでありますけれども、そこら辺の、どういうふうな状況で支給、不支給の決定をしているのか、詳しくちょっと説明をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#185
○政府参考人(小島比登志君) 今、先生御指摘の抗ヒスタミン剤の使用によります光線過敏型薬疹を発症された方への薬害被害者救済制度における年金の支給ということでございますが、この被害救済制度におきます障害年金の給付基準は国民年金法の傷害年金一、二級に準じた給付基準ということに設定されておりまして、それに該当するかどうかは個別事例ごとに判断をするということでございます。
 個別事例でございますので、詳しくは御本人のプライバシーの問題もあるのでお答えはできないわけですが、一般的には、私どもとしましては、光線過敏型薬疹によります日常生活は遮光、すなわち光を遮る等の措置ということで発症が抑えられることから、先生御指摘がありました、身体の機能障害又は長期にわたる安静を必要とする病状がこれらの要件と同等以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものという要件には該当することは考えにくいという判断を下したわけでございます。
 確かにおっしゃるように、この文言ははっきりと、ある面で抽象的ではございますが、私ども事例の積み重ねでいろんな判断をしてやっぱり公平な判断というものをしていかなきゃいかぬということで、今のような審査請求につきましては却下の判断をさしていただいたということでありまして、決して認定をしないようにしないようにという方向でやっているわけではないということは御理解をいただきたいと思います。
#186
○谷博之君 私どもの方が偏見が入っているのかもしれませんけれども、非常に御本人からすればこういうふうなケースで何でというふうな気持ちもやっぱりあるんだろうと思うんですが。そういう意味では、せめてどういう基準でどういう判断でそういうふうな決定を下したのかということについて、やっぱり私は説明する責任といいますかいろんな情報を提供するという責任があるんだろうと思うんですが、ここら辺は私どもにいろんな話を聞かしていただく限りでは十分それがなされていないような気もいたしまして、あえてこの場でこういう問題についての具体的なケースを聞かしていただいたわけでありますけれども、その辺はひとつ御理解をいただきたいと思います。
 それから、もう時間が大分進んできましたので、ちょっと途中一、二問省きまして、医薬品のいわゆる製造過程における、あるいは研究開発過程における実験動物の問題について次にお伺いしたいと思っております。
 ずっとこの委員会でも説明がありましたけれども、日本はアメリカと比べて医薬品の治験の問題等については非常に時間が掛かっていると。そういう部分の体制をしっかりと整備するということで今回の法改正が出されてきているというこういう説明もあったわけでありますけれども、そういう医薬品の開発過程の中で、いわゆる人間に対する臨床試験の前に非臨床試験として動物実験が繰り返し行われていることはもう御案内のとおりです。
 これは、日本動物実験学会あるいはその協会では五年に一遍、実験動物がどのぐらい使われているかということを調査しておりまして、二〇〇〇年の調査では回収率が八〇%で全国で約九百万匹、犬とか猫がこの実験動物として使われていると、こういうふうな数字が出てきていますね。
 これ大変な数字だと私は考えておりますが、これはどこからそれを供給するかということでありますけれども、これは一つは、都道府県でそれぞれ捨てられた犬や猫を言うならば集めて、ドッグセンターとかそういうものがありますけれども、そういうものから供給されるというケースも非常にあるようです。これは単にその供給先は製薬メーカーであると同時に、大学の医療機関とかそういうふうな教育機関にもこれが供給されていると、こんなように我々は聞いております。
 日本ではこういうふうな動物に対する法律がどうなっているかというふうなことをいろいろ考えて調べてみましたら、環境省が所管をしておりますけれども、動物愛護法という法律、動物の愛護及び管理に関する法律、これは一九九九年に改正されておりますけれども、この法律の中では基本的には動物は命ある存在だということを一つきちっと規定しております。
 こういうふうな改正についても、もう御案内かと思いますけれども、国会にも請願等が出てまいりまして、多くの超党派の国会議員の皆さん方もこの請願の賛同人にもなっているわけです。その請願の中に五項目あったわけですが、そのうちの一項だけ、この実験動物についてのこの部分の改正がなされないでいるのが今の日本の実態だというふうに我々は聞いております。
 それで一つ、まず環境省にお伺いをいたしたいわけでありますけれども、現在そういう動きを受けて動物愛護法に基づいて行われている実験動物の飼養及び保管に関する基準、こういう基準の改正作業に今入ってきているというふうに言われておりますけれども、これはどういうふうな状況になっているか、お知らせいただきたいと思います。
#187
○政府参考人(小野寺浩君) 動物愛護管理法第五条及び第二十四条では、これまでに犬及び猫、展示動物、実験動物、産業動物を対象とする飼養及び保管等に関する基準を定めてきたところであります。
 このうち制定が昭和五十年と最も古い犬及び猫の基準については、今回の法改正で飼養動物の所有者責任の強化が図られたこともあり、本年五月に家庭動物等の飼養及び保管に関する基準として決定、告示を行ったところであります。
 御指摘の実験動物の飼養及び保管等に関する基準、その他の基準につきましても、順次検討を進め、見直していきたいと考えておるところでございます。
#188
○谷博之君 その際、例えばイギリスなんかでは、来年、包括的動物保護法の改正というものをイギリスは何か取り組んでいるようでありまして、動物福祉と動物保護団体の意見を求めて、しっかりその中に組み入れていくというようなことをやっているようであります。
 日本の場合は、そういう意味では、今おっしゃったようなその作業の中に、具体的にどのようにこういう市民とかNGOの皆さん方の参加、意見をそこに反映していくのかということですが、この点はどのようになっておりましょうか。
#189
○政府参考人(小野寺浩君) 動物愛護管理法に基づく基準等の見直しの際でありますが、これまでも法に基づく関係審議会への意見聴取、またパブリックコメントを実施するなど、NGOの方々も含め広く国民の御意見をお聴きした上、見直しを進めてきているところでございます。
 今後行われる基準の見直しの実施に際しましても、同様に対処することと考えております。
#190
○谷博之君 これは環境省に限らず、厚生労働省も同じような問題があるんだろうと思うんですが、是非私、環境省には強くお願いをしたいと思っておりますのは、日本の場合は、特に動植物の保護とかそういう観点で言いますと、全体としての法の整備というのが一部欠落している部分があると思います。これは、いわゆる野生生物保護法という法律とか、それとか、いわゆる外来種、輸入種の規制法とか、そういういろんな法律がまだ日本はできていないという、しかもそういう中で既存の動物、植物がいろんな目的で飼われているわけですが、その一つの大きな目的としてこういう動物実験のための犬や猫が要るということでありまして、これは本来、生物、動物を使わなければ薬の本当の意味の試験ができないんだろうかというふうな、こういうところまで実は話はさかのぼっていってしまうと思いますけれども。
 したがって、限りなくこういう動物は数を少なくしていくというのが私は基本ではないかというふうに考えております。そういう点も是非含めて、環境省の皆さんには今の取組の中で前向きにひとつ取り組んでいただきたいと思っております。
 答弁は、これで終わります、結構です。
 それで、そういうことを含めて厚生労働省にお伺いいたしますが、こういうふうな試験に用いられる動物に対する倫理的な配慮というものはこれは重要だというふうに考えておりまして、生物学的安全性評価の基本的考え方ということで厚生労働省が具体的なそういう検討を、そういう案を作ることで進めておられるというふうに聞いておりますけれども、これはパブコメにもそういうふうなことが出ておりますけれども、その進捗状況はどのようになっておられるでしょうか。
#191
○政府参考人(小島比登志君) 今、先生御指摘の生物学的安全性評価ガイドラインというものがございまして、これは人体に移植、挿入、接触等により使用される医療用具についての人体に対する生物学的な有害作用の評価を行うための動物実験というふうなことになるわけでございますが、これのガイドラインを今年九月に改正案を公表いたしまして、現在パブリックコメントに寄せられた意見を整理しているところでございます。
 本改正におきまして、ISO基準に定められた動物福祉に関する事項を遵守するようガイドラインに盛り込む予定としております。具体的には、項目を立てまして、八、動物福祉、試験に動物を用いる際の動物の取扱いについては、動物の愛護及び管理に関する法律及びISO10993に、動物福祉に関する要求事項等に従い動物の福祉に努めることといった条文を挿入していきたいというふうに考えております。
#192
○谷博之君 そこで、ちょっとまたEUの例を出して恐縮なんですけれども、EUで今年の八月、いわゆるこういうことがあったわけなんですが、それは、日本の場合でもいろんな製薬メーカーが新しい薬を研究開発するということで、いろんな実験等に取り組んでおられます。ところが、すべてその取り組んだ実験の成果が言うなら実って新しい薬が生まれてくるということではないと思うんですね。やっぱりいろんな失敗があったりして、その実験したデータというのはそのまま使われなくなってしまうというふうな、こういうことが非常にあるんだろうと思うんです。
 これはAというメーカー、Bというメーカー、Cというメーカー、それぞれがみんなそれぞれ研究段階で研究されておられる。当然それは各メーカーごとにそういうふうな資料が蓄積されているわけですね。同じ実験動物をする場合でも、そういう動物がそれぞれのメーカーで同じような試験をして使われているということになるわけですから、この数たるや非常に増えちゃいます。したがって、今、EUと話しましたけれども、EUではお互いが研究開発したそういうデータ、資料については共有をして、そしてそれをオープンにしていこうという、こういう試みを実は始めたということなんですが、私はやっぱり一年間に一千万頭からのそういう動物を使うということ、この数を考えたら、やっぱりそれは動物、命ある存在、これを大事にするということになれば、この数を減らすための努力、そのためのEU方式というものも私は非常に重く意味があるというふうに考えております。
 したがって、こういうふうなことについてのいわゆる実験結果のデータベース化、そしてそれを公開するというそういう方向、これを是非これからひとつ検討してもらいたいと思うんですが、この点が一つ。
 それからもう一つは、日本の新薬開発の過程というのは、動物実験を含めて透明性が非常に薄いといいますか、ちょっとブラックボックス的なところがあります。そこで、国と製薬会社だけではなくて、第三者機関が間に入ったいわゆる実験動物の入手先から許可に至るまでのチェック体制を作ると、こういうふうなことも必要なのではないかというふうに考えておりますが、この二点、お答えいただきたいと思います。
#193
○政府参考人(篠崎英夫君) 前段の方について私の方からお答えをさせていただきますが、先生御指摘のように、製品化に失敗した化学物質、そういうもののデータベース化をすれば不必要な、先ほど御指摘がありました一千万頭にもわたるというそういう不必要な動物実験を避ける、そういう効果が考えられるわけでございますが、また一方、そういうものを発表することによって企業の知的財産権というそういう観点からの問題もあろうかと思います。今後検討していきたいと考えております。
#194
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品の承認審査に用いられるデータ作成のための動物実験ということでございますが、この動物の受入れあるいは管理、処分等々につきましては、非臨床試験における信頼性の確保というところから、私どもといたしましてはいわゆるGLPのチェックリストというのを作りまして、飼育施設、動物用品の衛生的な管理の方法がどうなっているか、動物の発注、受領がどうなっているか、あるいは試験前、試験中に生じた疾病及び死亡動物の取扱いというものを製造所調査のときにチェックをするようにというふうなことでやっているわけでございます。
 それでは足りず、第三者の更に監視によるチェックを行うべきではないかというふうな御指摘ではないかと思います。どういうふうな方策があるのか、私どももちょっと考えが付きませんが、いろいろ担当部局、関係省とも相談して、いろいろどんな方途があるのかというのを考えていってみたいと思います。
#195
○谷博之君 実験動物の話について若干幾つかお伺いしましたけれども、私も実はこの問題は非常に関心を持っておりまして、何度も自分の過去の話を出して申し訳ないんですが、県会議員時代には何度かこの質問もさせていただきました。現実にそういう飼われている犬や猫がそれぞれの機関に出されている状況も確認をさせていただいたこともあります。
 しかも、実験動物になる犬とか猫というのは非常にある意味では私は虐待に近いような、そういう使われ方をしているケースもありまして、動物愛護団体からはこれは極めてやっぱり問題があるというふうな声も聞いているわけですけれども、それは薬を造るためにはそういうものが必要だと言えば人間が生きるための手段としてそういう動物を使うということになるわけですから、これはいろんな議論の分かれるところだと思うんですが、ただ、基本的に言いますと、そういうふうな虐待を受けるというか、そういう形で使われている犬や猫の数を限りなく少なくするということが、私はやっぱり考えていく必要があるというふうに考えておりまして、そういう視点からこの質問をさせていただきましたが、いろいろ答弁をいただきましたけれども、是非ひとつ現実の大きな問題ということで受け止めていただいて、これからの前向きな取組を是非御期待したいと思っております。
 それから、残り時間で今度は社会保険診療報酬の支払基金のこの法案について二点だけお伺いしたいと思っています。
 まず一つは、今回の法改正でいわゆる役員の問題が、またここでも触れたいと思っております。
 従来、役員の方法が大臣の委嘱から大臣の認可に変更になりました。先ほど私は社会保険診療報酬支払基金の役員名簿というものをいただきまして、これを拝見しておりまして、いわゆる常勤の役員が四人おられます。これは、そのうち二人は厚生労働省出身のといいますか、霞が関からの天下りですね、こういうふうな配置になっております。全基労という組合が調べた資料によりますと、この機構の理事長の報酬といいますか、これが年収約二千万円、そして退職金と給与を合わせると六年間で一億三千八百万、これだけのお金を実はこの人はいただくわけなんですよ。これ実は、大臣、この事実、これこのとおりなんでしょうか、まずちょっと確認したいんですが。
#196
○政府参考人(真野章君) 現在の支払基金の理事長の年収でございますが、他の特殊法人その他と比較をいたしましてそう高くはないと思っておりますが、先生御指摘のとおり、約年収は二千万円でございまして、六年在職した場合、退職金と合わせますと、今おっしゃいましたように、約一億四千万円程度というふうになろうかと思います。
#197
○谷博之君 この金額が高いか安いかは、これはいろんな判断があると思いますけれども、(「高い」と呼ぶ者あり)高いですね、確かにそうだと思うんですね。これ、ちょっと私、常識的にはこの数字というのは何とも認め難い数字なんですが、この辺の、いわゆる今後のこういう皆さん方の待遇といいますか、そのことについてはやっぱり私、今答弁はすぐは求めませんけれども、是非ひとつ、現実に合った、庶民感覚のそういう視点からもう一回私は見直すべきじゃないかという気がしているんですが、それがひとつ私は行政のスリム化というか無駄をやっぱり少しずつ改革していくことだと思うんですね。ですから、これは強く要望ということでひとつ受け止めていただきたいと思います。
 それから、最後に一点だけ、この支払基金の中で現在正式の職員が約六千三百人おられます。それ以外にもパートの職員がおられまして、このパートの人というのは月に十一日から十三日間、主にレセプトの分類業務等をやっているわけですが、こういうパート職員も含めて、今後民間法人化されても職員の処遇を変えることはないのかどうか、ここのところをお答えいただきたいと思います。
#198
○政府参考人(真野章君) 社会保険診療報酬支払基金の民間法人化でございますが、その法人格に変更はございませんので、正規職員及び臨時職員につきまして、雇用契約のほか就業規則、労働協約など労使間の協議で定めたものにつきましては、民間法人化に伴い変更等が生じることはないというふうに考えております。
 なお、民間法人化の後、これらに変更等の必要が生じた場合には、これまでと同様、労使間で真摯に協議がされるというふうに考えております。
#199
○谷博之君 時間が来ましたので、終わります。
#200
○国務大臣(坂口力君) 申し訳ありません。先ほど、涙の、涙腺の研究につきまして東京医科歯科大学と申しましたが、これは東京歯科大学の間違いでございましたので、訂正させていただきます。
#201
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 独立行政法人医薬品医療機器総合機構について質問をいたします。
 まず、副作用被害の救済業務について質問いたします。
 独立行政法人を作る目的というのは行政サービスの質の向上にあると、こういうふうにされております。この点でいえば、何よりもまず救済業務の抜本的な改善が求められていると思っております。しかし、今回の法案では救済業務は総合機構に引き継がれるだけで、給付対象、給付水準は改善されません。現在の給付業務は余りに貧弱なため、どれだけ多くの方が涙をのまなければならなかったかということを、私はいろいろな話を聞きながら考えております。
 この間、私はスティーブンス・ジョンソン症候群の患者の方々などの様々な要望をお聞きしてまいりました。昨日も参考人がお話もされて、改めて今日の時点に立って考えさせられているところです。その参考人の中では、この承認審査の甘さ、そして市販後の安全対策が有効にされていないと、このようなことなど重大な問題点が昨日の参考人の方々から指摘をされました。
 とりわけ、スティーブンス・ジョンソン症候群、これは長いのでSJSと、こういうふうに言われておりますので、私も以下SJSと申し上げたいと思いますが、私持っているのは二〇〇〇年の数字なんですけれども、この二〇〇〇年の数字を見ても、風邪薬に入っている成分など、二百五十九種類の成分で引き起こされている本当に重篤な副作用、薬害副作用被害だというふうに私は理解しております。
 先ほど大臣が、千二百種という、非常に複雑だということで特異な存在ということを言われたんですけれども、本当に大変な中身だというふうに思います。一つの薬でないだけに、一つの成分でないだけに、この問題が非常に複雑で大変なことになっているんだというふうにも理解しております。皮膚がやはり焼けただれてしまうということ、それから死亡率も二〇%に上るということ、また年間で、今答弁の中で三百二という件数が出ましたけれども、年間で大体三百件数起こっているということが厚生労働省でもはっきりしているわけなんですね。このSJSの患者の方々を通して、改めて救済機構の救済業務の問題点というのが浮き彫りになってきているんじゃないかなというふうに思っております。
 この点で、私が注目している文書があります。それは、旧厚生省が立ち上げた有識者の研究会が一九七六年に発表されました報告書なんです。「医薬品の副作用による被害者の救済制度研究会報告」と、こういう名前が付いているんですけれども、この報告書で、旧厚生省の薬務局はこの報告書をベースに現在の医薬品の副作用被害救済機構を立案して、そして一九七五年に機構を創設しましたというようになっているんですね。
 私は、大臣にお伺いしたいんですけれども、この報告書を是非読んでいただきたいということで、私は文書をお預けいたしました。大臣、もう本当にお忙しいお体だから大変かなというふうに思いましたけれども、ごらんいただけましたでしょうか。
#202
○国務大臣(坂口力君) 拝見しました。
#203
○井上美代君 本当に忙しい中で見ていただいているということで、うれしいことです。
 この報告書というのは大変重要な提起をしています。しかし、この報告書が求めた給付水準と比べても、現在の給付機構というのは余りにも貧弱だというふうに思っております。年金給付の対象となる障害等級の問題、そしてまた医療費や医療手当の支給を、入院を要する程度の重篤な場合に限っている問題、先ほど谷さんがちょっと触れられたんですけれども、そしてまた保険外の医療費負担への給付の問題もなどなど、報告書が求める水準が実現していれば多くの人が救われていた、それでもこの報告書が守られていたら救われていただろうと私は思っております。報告書を作成した有識者の意見はほとんど反映されていないというのが、今日もう一度現状を見渡してみてそのようになっているという実態があります。
 そこで、もう一つ大臣にお伺いしたいのですけれども、現在のこの救済機構を設立する法律が一九七九年に制定された際に、九月四日の参議院の社会労働委員会における附帯決議が上がっております。その附帯決議をごらんになったことがあるでしょうか。これも文書でお預けはしたんですけれども、お忙しいお体だから探すのも大変だしと思ってお預けいたしました。見ていただけましたでしょうか。
 ありがとうございます。見ていただけたようです。
 これは七項目ありますけれども、この四項目めに注目をしてほしいんです。救済給付の給付水準に、そこに書いてあるんですね、「救済給付の給付水準については、被害者の実情に即し、また他の諸制度も勘案し、その改善が図られるよう配慮すること。」と、そこに書いてあるんです。言うまでもなく、附帯決議というのは、これは法的拘束力はありません。しかしながら、道義的、政治的な拘束力があります。そして、社会の情勢はますますこの附帯決議の文字どおりの実践を求めていると思っております。
 被害者の生活というのは、救済されることなく困難を極めているということはもう大臣も御存じのとおりであります。副作用被害は増大傾向にあり、新薬の開発競争はますます激しくなっているわけなんです。医薬品の産業の発展のためには、医薬品に対する国民の信頼というのはやはり欠かせないはずだというふうに思います。そのためにも副作用被害に対するしっかりとした救済制度が確立されなければいけない、そして国民の多くはそのことを求めているというふうに思うんです。
 大臣は、今年の六月、私、SJSを取り上げてこの問題を質問させていただきましたけれども、そのときに救済機構の救済業務については、おっしゃったことは、どうしたら皆さんに対応できるか、様々な角度から議論していると、こういうふうにおっしゃいました。そしてまた、最も適した方法は何か議論しているので、いましばらくひとつお許しをいただきたいと、こういうふうに答弁をしてくださいました。そして、先ほど谷さんにもお答えになったような一定のこともしてくださっているということも分かるわけなんですけれども、しかしながら私は、その後の厚生労働省の対応というのは本当に全く誠実さを欠いているというふうに思っているんです。
 私は、SJSの方たちと何回か交渉に御一緒させていただいております。しかしながら、この半年近く、とりわけSJSの患者の会、支える会の方々、もう必死で厚生労働省の交渉に臨んでおられます。これはもう本当に必死の姿です。そういう中で、私はやはり翻弄されている、本当に失望させられてきたということを実態として自分の目で見ているんですけれども、それはもう本当に様々な角度から議論をしているというふうには言っておられるんですけれども、その議論の中身というのは私たちには一向に見えてこないわけです。大臣は、先ほどもこのようなことをということで言ってくださいましたけれども、ようやく少し見えたかなというふうに思っているんですけれども、なかなかそれが私たちの目に見えてこない。
 大臣、もはやもう患者の方たちのその状態というのは、昨日も参考人の一人に立たれた湯浅さんの証言を聞きながら、本当にこの実情というのは、患者の実情というのは待ったなしなんだということを思いました。言ってみれば、歴史をさかのぼってみますと、二十年間以上も何にも解決策を講じてこなかったその行政の責任が問われているんだというふうに私は思っております。先送りをもうしないで、先送りをしないで時間を区切って、私はこの救済業務の改善方向を示していただきたい。大臣にもう是非そのことをお願いしたいと思っているんです。
 先ほどは時間もなかったのであれだけしかおっしゃれなかったと思いますけれども、きっと大臣はいろんなことをやってくださっているんだというふうに思います。傍聴席にも患者の方たちおいでになっておりますので、是非その続きを答えていただきたいんですけれども、改善方向を示していただきたい、このように思います。よろしくお願いします。
#204
○国務大臣(坂口力君) 今年の六月でございましたか、御質問をいただきましたのが。そうですね、六月の四日ですね、御質問いただいておりますし、ほかの皆さん方からも御質問いただいてもおりますし、私も患者さんの皆さん方とお会いもさせていただいたりもいたしております。皆さん方が大変御苦労していただいていることは、私も十分に存じ上げているところでございます。
 先ほども申しましたとおり、一つの薬だけで起こります副作用という形ではなくて、多くの薬剤との間で起こり得る病気である。しかも、そのお薬もあるいは幾つかの複合的なものの中で起こるのかもしれない、非常に他のいわゆる薬害というふうに言われますものと比較をいたしましても特異な存在にあるというふうに理解をしているところでございます。したがいまして、そうしたことも踏まえて皆さん方に何かおこたえができないかということを私も念頭に置きながらいろいろなことを考えているところでございます。
 問題は、今御指摘をいただきましたように、一つは五十五年以前に罹患された皆さんの問題がございますのと、それからそれ以降の皆さん方の問題で、いわゆる年金等の問題も一級、二級と、それに匹敵する皆さん方のところにはそれなりのことがされているわけでございますが、そこに至らない皆さん方の問題もこれありといったことだろうというふうに思っております。それらのことも十分理解をした上で、そしてどういうふうにしたらいいかということを検討いたしておりますが、今それ以上のことをちょっと申し上げられませんけれども、いろいろと考えていることだけは御理解をいただきたいと思います。
 ライ症候群のような他の方々の問題もこれあり、いろいろの方々の問題がございますので、そうしたことも念頭に置きながら私はやらなければならない立場でございますので、いろいろの角度から見ているというふうに思っております。
 その中で、先ほど申しましたように、他の薬剤の被害の皆さん方と比較をいたしましても、このSJSの皆さん方というのは、これは薬害の中でも特異な存在にある。いろいろのよく似た症状の方も、先ほどもお話に出ましたけれども、あるといったようなことで、これらをどう整理をするかということだろうというふうに思っておりまして、今様々な角度から整理をしているところでございます。
 今日、十分にお答えすることができ得ませんけれども、決して足踏みをしているわけではないということだけ今日は御理解をいただければというふうに思っております。
#205
○井上美代君 足踏みをしてはいないということなんですけれども、いましばらくいましばらくということで先へ先へと送られるようなことが決してないように、そして特異な存在という言葉で表現されましたけれども、確かに因果関係にしても難しいというふうに思うんですけれども、だからこそ早くこれを整理してきちんと解決をする方向を作り出してほしいというふうに思います。だから、是非先送りがされないでできるだけ早くに解決をしていただかないと、もうぎりぎりのところで今患者さんの訴えがあっているということを繰り返しお願いをしたいというふうに思います。
 私は、SJSのこの問題で給付の改善以前の問題として、現行制度の下で十分に給付対象であるにもかかわらず給付されていない問題を取り上げます。
 SJSの患者を苦しめているというのは、先ほどからお話がありましたように、目に残る後遺症です。皮膚や粘膜が回復しても、目が回復する人は三割にとどまるというふうに言われております。三分に一度目薬を差さなければならない。昨日も参考人で来られた方、委員の方たちはごらんになったと思いますけれども、もう本当に度々目薬をやりながら参考人の質疑をされました。この目の痛みとの闘いで二十八年間生きてきたという患者もいらっしゃいますし、逆さまつげが両方で二百本あるという方もいらっしゃいます。目が開けていられないんです。何度も角膜の移植手術を繰り返したなど、患者の苦しみというのはもう想像を絶するものであると私は聞きながら思っております。
 患者の皆さん、もう当然眼科に大変長期にわたって通院をされております。病院で処方される目薬だとかそれからコンタクト代だけでも年間で五十万円になる人もいます。交通費を合わせればもっと費用が掛かりますし、遠くから電車で通ってきている人は交通費も掛かっているわけなんです。
 ところが、私驚いたわけなんですけれども、こうした患者さんに救済機構から医療費だとか交通費に充てる医療手当が支給されていないということなんです。厚生労働省は、救済機構の施行令には書いてあるんですけれども、支給対象は病院への収容を要すると認められる場合となっているから当てはまらないというものですと、通院程度では無条件に駄目だ駄目だと、こういうふうに言われているということなんですね。
 そこで、私は施行令を読んでみたんですけれども、厚生労働省の読み方には大変に疑問を感じました。
 それは、旧厚生省の薬務局の解説書があるんですね。それで、この解説書にはどう書いてあるかというと、病院への収容を要すると認められる場合とは、現実に入院治療が行われる場合に必ずしも限定されるものではないと、こう書いてあるんです。そして、入院と同程度の疾病の状態にあると認められる場合であれば、諸事情からやむを得ず自宅療養を行っている場合などを含むものであると、こういうふうに旧厚生省の薬務局の解説書に書いてあるわけなんです。入院という規定を機械的に当てはめていくということはやはり避けるべきだとはっきりそこに書いてあるんです。私が言っているんじゃないんです、そこに書いてあるんです。三分に一回目薬を差さなければならない。また、なかなか治る見込みがないんですね。それこそ十年も二十年も通院していらっしゃる人たちなんです。これがどうして入院よりも軽いと、そういうふうに言えるのでしょうか。私はとてもそういうふうには言えないというふうに思うんですよ。政令を素直に読めば、当然支給されてしかるべき内容があるわけなんです。そこをやはり認めていただきたいというふうに思っているわけです。
 東洋大学の片平教授が調査されたものがあるんです。それもそちらにお渡ししてありますけれども、SJS患者実態調査というのがあります。この点で要望が強く出ている通院費の補助というのがあります。通院費の補助を求めていらっしゃる方、患者さんは八六%に上っております。私は、この問題は直ちに改善できると思うんです。改善して患者さんを救済していただきたいと、もう切に思います。
 局長、私は局長が立ち上がられないように、大臣にこれは、局長の答弁はこの間私はお聞きしているんです。もう既にお聞きしているんです。だから、大臣に、これ何とか解決できないかということを大臣にお尋ねしたいんです。局長はもうお聞きしておりますので、大臣、よろしくお願いいたします。
#206
○国務大臣(坂口力君) 確かに、政令の第一条の中の(3)のところに、今御指摘のありましたように、「疾病が「病院又は診療所への収容を要すると認められる場合」とは、入院治療を疾病の重篤度を計る一つのメルクマールとする趣旨であり、現実に入院治療が行われる場合に必ずしも限定されるものではないから、これと同程度の疾病の状態にあると認められる場合であれば、諸事情からやむを得ず自宅療養を行つている場合等を含むものである。」、こう書いてあるわけでありますから、もう書いてありますとおり、このことは適用すべきである、そういうふうに思います。
#207
○井上美代君 政令を今、きっと消えそうになった政令だったんだろうと思うんですけれども、読んでいただきまして、これをやはり実践に移していただくということで御答弁いただいたということでよろしいでしょうか。
 はい。この政令を守っていただくということで、何かちょっと一つ救われたような思いになるんですけれども、私どもは患者の皆さんと一緒にどのようにやっていただけるかということをしっかり見詰めていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 私は、次にお聞きしたいのが、安全対策を独法に移していかれるという、この問題について触れて質問をしたいというふうに思います。
 今回の法案では、今まで厚生労働省の医薬局安全対策課が行っていた医薬品の副作用対策にかかわる業務の一部が新機構に移されることになっておりますよね、この法案では。この点について厚生労働省と新機構の役割分担が一体どのようになっているのか、どこがどう変わるのか、はっきりしないです。だから、ここのところを簡潔に参考人の方に述べていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
#208
○政府参考人(小島比登志君) 副作用情報の収集を始めといたします諸般の安全対策につきまして、国と新法人の役割分担でございます。
 まず、医薬品の市販後安全対策につきましては、製造業者等から報告を受けている副作用等に係る個別症例報告や医療機関から直接入手する症例情報につきましては、今後は独立行政法人において受理されますが、その受理された報告につきましてはすべて安全対策課にもリアルタイムで報告をされるということでございます。その報告を見まして、緊急かつ重要な案件については即座に必要な行政措置を取ると。
 一方、集積されたデータを基にした解析あるいは疫学調査につきましては、その独法がその結果を安全対策課に報告をいたしまして、そしてその報告を受けた安全対策課は、それに基づきまして必要な場合には行政処分あるいは安全対策の企画立案、実施等の業務を責任を持って行うというふうな業務のやり方になるのではなかろうかと考えております。
#209
○井上美代君 何かすごく速く読まれまして、はっきりはしません。ですけれども、先ほどから同じような質問も出ておりますので、それを併せて二つの機構がどのようなことをするのかということを今説明いただきました。
 それを受けまして、副作用の被害は拡大傾向にあるわけなんですけれども、副作用情報も年々増えてきておりますよね。これは膨大なものになってきていると思いますが、副作用対策というのは、もう本当に言うまでもなく国民の命に直結する問題であるというふうに思っております。言ってみれば、それがその後のいろんな判断をそこから出していくということになるというふうに思うんです。だから、もう本当に基礎になるというふうに思います。その対応をもし誤れば、言ってみれば重大な事態を招きかねないというのがこの情報だというふうに思います。
 今回の法案で、副作用対策の業務が国の直接の責任から離れて独立行政法人に移されることには重大な問題があるというふうに私は思っているんです。この問題を考えるために、これまでの厚生労働省の副作用対策がどうだったのかということをSJSを例に見て考えてみたいと思っております。
 厚生労働省がSJSについて最初に医療関係者に医薬品対策を指示したのはいつだったでしょうか、教えてください。
#210
○政府参考人(小島比登志君) 厚生労働省におきまして医薬品の副作用としてSJSを把握した時期について、残された資料等を基に確認いたしましたところ、具体的な時期は不明でございました。
 しかしながら、昭和四十九年十月に当時の厚生省薬務局安全課が発行いたしました「医薬品副作用情報」ナンバー九の別添として添付されております「医薬品副作用モニター報告の概要」、ここにおきましてSJSの進行型であるライエル型皮膚炎及び中毒性表皮壊死に関する記載があることから、少なくとも昭和四十二年から四十九年までの八年間においてスティーブンス・ジョンソン症候群が医薬品の副作用として発現することは認識していたものと推察されます。
 また、厚生労働省としては、医薬品等の副作用情報を収集し、「使用上の注意」の改訂等、安全対策を通知により指示することにしておりますが、SJSについて残された資料を基に確認いたしましたところ、初めてSJSに関する「使用上の注意」の改訂を指示したのはいつかということは不明でございました。
 しかしながら、現在の「使用上の注意」にSJSに関する注意事項が記載されている幾つかの医薬品について企業照会等により確認しましたところ、昭和四十五年にスルファジメトキシン、サルファ剤でございますが、につきまして、SJSについて「使用上の注意」に記載して注意を喚起している事実は確認できましたが、当該改訂が当方の指示か否かについては不明でございました。
 当方による改訂指示があったものの例としては、抗てんかん薬でありますカルバマゼピンが昭和五十年七月にSJSに関する「使用上の注意」の改訂を行っていることが確認をされました。
 以上はいずれも「使用上の注意」にSJSに関する記載がある一部の医薬品について調べたものであるため、必ずしも最初に指示したものとは限りませんが、遅くとも昭和四十五年当時にはSJSに関する記載が「使用上の注意」に記載され、医療関係者に対して情報提供されていたものと考えられます。
#211
○井上美代君 かなり今詳しく出されたんですけれども、七〇年ごろ、一九七〇年ごろに出されていると。不明な部分も随分あるようです。
 このSJSの特徴というのは、発生する医薬品が非常に多岐にわたり、どんな薬でも起こり得るということにやはり特徴があるというふうに思います。この特性を把握するためには、全国でどれだけ、どんな薬で発生しているのか、副作用情報の収集、分析が非常に重要だと思います。
 このSJSについて、厚生労働省が全国からの報告件数を集計したのはいつですか。そしてまた、全国集計値の推移を述べていただきたいと思います。参考人、よろしくお願いします。
#212
○政府参考人(小島比登志君) 厚生労働省におきまして、平成十二年十一月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報」百六十三号におきまして、医薬品の副作用によるSJSあるいは中毒性表皮壊死症に関する副作用報告数を集計し、その内容について公表をしております。
 企業及び医療機関から医薬品の副作用によるとして厚生労働省に報告されましたいわゆるSJS及び中毒性表皮壊死症の報告数の推移は、平成六年度百五十二件、平成七年度二百二十一件、平成八年度二百六十四件、九年度二百六十一件、十年度三百二十件、十一年度三百一件、十二年度は、これは十四年の発表でございますが、三百二件というふうになっております。
#213
○井上美代君 一九九三年以前は資料が残っていないということですけれども、一九九四年にこのSJSとTENと合わせて百五十二件というのが、TENも合わせてですよね、これは、百五十二件ということが今出されております。その以降、年々ずっと増えてきていることが今の御答弁で分かったというふうに思います。
 SJSの患者の会、それから支える会の方々は、この数字を初めて聞いたときに大変驚いたということを言われておりました。そんなにたくさんの人が被害に遭っていたのか、そんなにたくさんの人が全国にいるのか、この事態の深刻さを改めて認識したと、このように言っておられます。
 報告件数の推移を見ますと、九〇年前後には百件を超える件数になっていたのではないだろうかということですね。そして、厚生労働省の対応というのは一九七〇年ぐらいからはかなりはっきりしてきているわけです。そして、今言われましたように、はっきりと数字が出てくるのが二〇〇〇年なんですね、二〇〇〇年。そして、今御答弁あったように、定期的に発行しておられるのかな、「医薬品・医療用具等安全性情報」という冊子があるんですね。その中で全国的な集計を発表してきたということですね。そして、様々な薬で起こり得るという、その危険性を国民に警告をしてきたということなんです。それが今の御答弁の中でもはっきりしたと思います。
 私がお尋ねしたいのは、一九七〇年ぐらいからはっきりしてきているにもかかわらず、その統計も集計もしないままに二〇〇〇年を迎えてしまっているということ、二〇〇〇年にまでどうして遅れてしまったのだろうかというのが私がお聞きしたいところなんです。一体なぜこんなにまで遅れてしまったのだろうかということですが、局長の御答弁を願います。
#214
○政府参考人(小島比登志君) 先生御指摘のように、確かにSJSあるいはTENの副作用の数を報告したのが平成十二年でございましたが、それまでは私どもといたしましては、医薬品の副作用によるSJSあるいはTENにつきましては、厚生労働省に報告されました副作用報告に基づき個々の医薬品において「使用上の注意」の改訂等を行い医療関係者に情報提供をする、それで副作用ができるだけ起こらないようにしていただきまして、起こった場合には副作用被害救済制度の対象になるかどうかという判断をしていただくということでございました。
 ですから、昭和六十年には、注意喚起ということで、「医薬品副作用情報」にSJSに関する記事を掲載する等により注意喚起を促してきたわけでございます。しかしながら、平成十二年に、より一層情報提供する必要があるという判断をしたことから、今お示ししましたような医薬品・医療用具の安全性情報としてその発生件数を公表しているというところでございます。
#215
○井上美代君 私は、やはりもう非常に遅れたという問題を本当に深刻に受け止めていただきたいというふうに思います。
 そして、二〇〇〇年の十一月にこの数字が出てきているんですけれども、やはり私は、これは厚生労働省が出されているんですけれども、この時期に、この年の八月ですけれども、SJSの患者の会と支える会の方たちが厚生労働省と交渉を行っておりますよね、八月に。全国的な集計値の調査も何とかしてやってくださいということを要求しております。その対応でやっとこれを出されたんじゃないだろうかと思っているぐらいなんです。だから、余りにも遅かった数字ですけれども、私は、やはりこの二十年以上の間、この問題を見て見ぬふりではなかったんだろうとは思いますけれども、やってこられなかったことというのは深刻にやはり受け止めていただきたいというふうに思います。
 次に進みたいと思いますけれども、いずれにしましても、副作用情報の収集だとか解析、そしてそれに基づいてどういう安全対策を講じるか、国民の生存にかかわるもう本当に重要な業務だと思うんですね。SJSについてももっと早く国民、医療機関に注意が喚起されていればもう本当に救われる人がいたのではないかというふうに思うんです。
 昨日も参考人の陳述ありましたけれども、何しろ参考人の方はSJSからあっという間にもうTENに進行してしまっていたんですね。病院を三つ回されるわけなんです。そして、どこでもお医者さんがそのことを分かっていないわけなんです。やっと三つ目のところで八か月入院をして、その痛さに耐えながら死ぬ思いを体験したということなんですけれども、退院後六、七年で角膜手術を四回、それを手始めにいろんな手術をしておられて、十数回の手術をしていらっしゃるんですね。そして、ついに一方の目は見えなくなってしまって、そして視覚障害二級をもらっていて、しかも緑内障を併発しているんですね。本当に大変だったろうと思いました。パニック障害というふうに自分は言われたんですけれども、そういう苦しみの中で安定剤なしには暮らせないというようなそういう状態に追い込まれていらっしゃるんです。これが言ってみれば診断の遅れ、そして重症化、そしてお医者さんが対応できなかったという、こういう非常に重要な教訓をそこに残しておられるわけなんです。もう本当にお医者さんがSJSについて知らなかったり知識が乏しかったりという、ここにはやはり私は厚生労働省の責任というのがあるんだというふうに思います。対応を誤った例もたくさん聞いております。このSJSの問題を通しても、私はやはり副作用情報の収集だとか解析、これは大変重要な業務であることが分かるというふうに思います。
 こういう大変な重要な業務を今回独法に移すということですが、これは私は改革の方向が逆行しているのではないかということをずっと思い続けております。この間の答弁を聞いていますと、情報が膨大で業務が膨大になるから移すんだとか、行政の中心ではなくて実務的な業務だから移すんだとか、そういう答弁がされております。
 やはり、今までの様々な経過も踏まえて、命にかかわるこの安全対策業務は厚生労働大臣の直接の責任の下に置くべきではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。大臣に御答弁お願いします。
#216
○国務大臣(坂口力君) 先ほども御答弁を申し上げたところでございますが、その責任は厚生労働大臣が取るということに間違いがございません。
 今回の独立行政法人というものができたといたしましても、その責任体系は今までどおり何ら変わるところはございません。しかも、厚生省そのものがやはり審査であれ、あるいはまた研究であれ、あるいはまたその安全性であれ、そのチェック体制もやはり作って今までどおりこれはやっていくわけでございますし、そうしたことに対する責任に何ら変わるところはございません。
 ただ、先ほどからも申し上げておりますように、これはかなり件数の増えることでございますし、そしてそれに対する体制がかなり必要であることも間違いはございません。今まで以上に多くの陣容を整えて、そしてこれに対応をしていかなければならないことも事実でございます。
 先ほどからもお話が出ておりますように、厚生労働省が責任を持っておりましても様々な問題が出てきたわけでございます。それは、いわゆる厚生労働省の体制にも私は影響があったというふうに思いますが、その体制はそうせざるを得ない、そういう国全体の中でやむを得ず少人数でやってきたということもございました。しかし、そんなことは言い訳にはならないわけでありまして、これから責任を持ってやっていきますためには、それ相応の体制を作り上げていく以外にないというふうに思っております。
 そうした意味で、責任は明確にしながら、そしてより多くの人がここに参画をして、そして国民の皆さん方の安全を守っていける体制を作り上げるということが今私に課せられた仕事だと思っております。
#217
○井上美代君 今、責任は大臣にあるということでした。これは法案の中できちんと押さえられているところです。だから、私も責任は、最終責任は大臣にあるということをよく承知しております。
 しかしながら、たくさんの情報をどのようにやはりしっかりと厚生労働省が握っていけるのかということ、それはやはり独法に渡してしまうわけですから、そういう点で、しかも非公務員になって、そして薬剤のそういう会社から、企業からどんどん入ってくるわけですから、そういうところで本当に、責任を取るのは大臣だけれども、守っていけるだろうかということを思います。
 政府が今目指している方向というのは、私は、今まで数多くの悲劇を招いた薬害の歴史というのがあったと思います。その教訓というのがありますけれども、やはりその教訓を思うときに、それをやっぱり私はこの法案というのは踏みにじっているというふうに思うんです。
 東京HIV訴訟の確認書というのがあります。ここには、厚生大臣は医薬品の安全確保のため厚生大臣に付与された各種権限を十分活用して、悲惨な被害を再び発生させることがないよう最善、最大の努力を重ねることを改めて確約すると、このように書かれております。
 今回の法案は、医薬品の審査、そして市販後安全対策にかかわる部門の予算だとか人事権も大臣自らの直接の責任から手放してしまうことになります。それはもう現実が独法になったらそのようになっていきます。これは今までの薬害の歴史を踏まえない私はものだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#218
○国務大臣(坂口力君) 先ほども申し上げたとおりでありまして、そういう今までの様々な薬害を乗り越えてきて、そしてそれを繰り返さないためにどうしたらいいかということだろうというふうに思っております。
 厚生省の中だけでそれができ得るかといえば、それはでき得ない状況になっているという現実を私は直視をしなければならないというふうに思います。この厚生労働省の中でそれができない限り、やはりそれをできる体制を作らなければなりません。その体制を作るということに、そしてその様々な体制を作りながら、そこで責任はやはり取るということを明確にこれはしているわけでございますから、独立行政法人というものが、独立はいたしますけれども、しかしそこで行われることにつきましてもすべて責任を取っていかなければならないという体制でございますので、それは私は今までのことを忘れたのではなくて、今までのいろいろなことがありますから、そういう体制の中でより多くの人がそこに参加をして、そして皆さん方におこたえをしていくというのが私の責務だと思っております。
#219
○井上美代君 時間が参りましたので私はこれで質問を終わりますけれども、やはりこの三つの組織を一つにし、独法にしていくということが、やはり違ったものを一つにしていくわけですから、それが大臣の言われるように、大臣が責任を取らなくて済むようなそういうものになるかどうかということを疑問に思っております。今後、徹底して審議を尽くしていかなければいけないということを申し上げて、質問を終わります。
#220
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 本日、まず私の方からは社会保険診療報酬支払基金に関連をいたしましてお伺いをいたします。
 この基金の民間法人化につきまして、特殊法人改革の観点から、そしてまた規制改革の観点から検討されてきたと、そういうことであったと思うわけですけれども、三月の二十九日に閣議の決定がされました規制改革推進三か年計画では「保険者の本来機能の発揮」という項目が掲げられております。まず、この趣旨、政府参考人の方から御答弁をいただきたいと思います。
#221
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の規制改革推進三か年計画でございますが、今年の三月二十九日に閣議決定をしておりまして、「保険者の本来機能の発揮」ということで、保険者によるレセプトの審査、支払、保険者と医療機関の協力関係の構築、保険者による被保険者、医療機関に対する情報収集、保険者の自主的運営のための規制緩和等の措置ということが閣議決定をされております。
 御質問の保険者本来の機能というのを一言で言えというのはなかなか難しいところがございますが、やはり保険者というのは、被保険者から集めました保険料を財源といたしまして、被保険者の健康を保持、増進をする、そして病気にかかった場合には早期に回復をしていただくと、そういうことを被保険者と一緒にやっていくということが期待されているんではないかと。そういう保険者の機能、役割をこういう形で推進していこうというものでございます。
#222
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、今出ましたレセプトの審査でございますけれども、レセプト審査、支払を各保険者が自ら行う場合の条件についてでございますけれども、これまで、公的保険にふさわしい公正な審査体制や守秘義務の、ちょっと舌の回りが悪くて済みません、守秘義務の担保などを早急に検討して、それから実施に移すと、このような答弁をされておりますが、この公正な審査の体制と守秘義務でございますけれども、守秘義務の担保とは具体的にどのような条件をお考えなのか、これもまた難しい答弁になるかも分かりませんが、よろしくお願いいたします。
#223
○政府参考人(真野章君) 今、鋭意検討しているところでございますので、なかなか明確にはっきりという格好にはならないかと思いますが、三つ条件がございまして、公的保険にふさわしい公正な審査体制ということでございまして、法令等に基づいて適正、公正に審査が行われることが求められますので、そういう公的医療保険の運営にとって公正な審査体制というのはどういうものが担保できるかというようなことから検討いたしておりますし、それから患者情報保護のための守秘義務の担保につきましては、審査支払業務を行う方がレセプト情報の漏えいなどを行うことがないようにどうやって保険者等への指導監督を行うかというような問題、さらに審査、支払に係ります紛争処理のルール、これは今、支払基金におきましては再審査を含めましてルールがはっきりしているわけでございますが、直接審査ということになった場合にどういう形でその紛争処理のルールを明確にする、お互いで合意できるかと、それが公的医療保険の審査としてふさわしいものであるかどうかということを検討する必要があるということで、そういった点につきまして現在鋭意検討を行っているところでございます。
#224
○西川きよし君 将来的に保険者が自ら行うとなった場合に、局長さんの御答弁にもありました公正な審査体制が大変に重要である、もちろんのことでありますが、そしてそのためにこの保険者の審査能力の向上ということも求められていくと思うわけですけれども、そうした観点から一つお伺いをいたします。
 昨日、そしてまた一昨日ですけれども、毎日新聞に大きく一面にも報道されておりますけれども、柔道整復師の保険請求の問題についてお伺いしたいと思います。
 今までも何回かお伺いをさせていただいたんですが、一昨日は一面のトップで報道されておりますし、整骨院や接骨院の柔道整復師が保険適用になる捻挫、打撲の手当てをしたとして保険請求した患者数は同じけがで実際に手当てを受けた人数を大幅に上回ることが分かったという紙面でございまして、そしてこの根拠として、報道では次のような指摘をしております。少し読ませていただきます。
 厚労省は昨年十月、柔道整復師が国民健康保険、政府管掌健康保険、老人保健に出した申請書約九十六万四千枚のうち約五万枚を調べました。その結果、捻挫が全体の七七・五%、打撲が二一・五%、計九九%を占め、推計で約九十五万四千人分に上ったと。調査しなかった組合健康保険などを加えれば、捻挫と打撲の保険請求は更に増えているだろうと。ところが、厚労省が昨年、二十五万世帯七十五万人を対象に行った国民生活基礎調査による推計では、捻挫と打撲を含む骨折以外のけが、やけど、一般病院以外の整骨院、接骨院、はり、きゅうなどの通院者は約十万八千人。一方、腰痛や肩凝りが原因の通院は百三十九万人に上るなど、保険適用外の患者が多数通っているというふうに、こういうふうに報道されているわけですけれども、この事実関係について、是非もう一度、局長の方から御答弁をいただけたらと思います。
#225
○政府参考人(真野章君) 平成十三年十月に請求されました柔道整復に関します療養費の支給申請書は九十六万四千枚ということでございまして、先生御指摘のとおり、打撲、捻挫、両方合わせますと九九%でございますので、これに九九%を掛けますと九十五万四千という推計はそのとおりかというふうに思います。
 他方、平成十三年の国民生活基礎調査でございますが、これにつきまして、骨折以外のけが、やけどの損傷であんま、はり、きゅう、柔道整復師の治療を受けた者は確かに十万八千人と推計をされています。
 ただ、この調査は、厚生労働行政の企画運営に必要な基礎資料を得るということを目的といたしまして、全国の世帯、世帯員を無作為に抽出して調査をいたしております。一方、先ほどの申し上げました平成十三年十月の調査は、政府管掌健康保険、国民健康保険及び老人保健の療養費支給申請書、そういう意味では悉皆調査ということで、調査の方法が異なるということと、それから国民生活基礎調査の調査の場合に、最も気になる傷病について記載を求めています。
 そういう意味では、たくさん傷病名が挙がっておりまして、普通、高齢者でありますとほとんど対象になるような病名もたくさん出ておりますので、そういう場合ですと、最も気になる傷病というのを、これは調査員が面接で調査をするということになっておりますけれども、複数の傷病がありますと、今一番気になっている病気は何ですかと言われれば、多分他の病名をお答えになったのがかなりあるんではないかということから、確かに数字は九十五万と十万ということでありますが、調査の対象が違うということと、それから調査の中身で今申し上げましたように最も気になる傷病ということをお答えいただいたというふうなことから考えますと、なかなか単純な比較というのは難しいんではないかというふうに思っております。
#226
○西川きよし君 今、十三年度の国民調査というのを、私もこの数字を持っておりますんですが、国民生活基礎調査というわけですけれども、今、局長さんの方からも御答弁がございましたけれども、十三年度国民生活基礎調査、この七十四というところですけれども、総傷病数というのがあるんですけれども、この中で骨折以外のけが、やけどについては八十万六千というのが総数で、まあまあこういう八十万六千という総数ですから大部分は病院に行かれているんじゃないかなというふうにも思うわけですけれども、それにしても、次のこの九十五万という数字とはかなり差があるようにも思うわけですけれども、これだけの差、これはどういうふうに、疑問を抱くわけですけれども、いかがなものでしょう。
#227
○政府参考人(真野章君) 今申し上げましたように、最も気になる傷病をお書きくださいということでありますので、ほかに気になる病気、例えば高血圧、糖尿病等の病気がございますれば、答えとしてはそちらの方に記入がいっているんではないかということで、同じ人を同じように調べたということではありませんので、なかなか非常に差があるというのは先生おっしゃるとおりですが、調査の方法がこのようにかなり異なっておりますのでなかなか単純な比較というのは難しいんじゃないかと思います。
#228
○西川きよし君 この厚労省医療課のコメントとして今度はお伺いしたいんですけれども、「実態より保険請求が圧倒的に多いのは問題で、保険者に協力を頼んで調査する」という、こういった文面があるわけですけれども、実態より保険請求が圧倒的に多いという、このコメントはそちらの方ではされたのかされていないのか、これもお伺いしておきたいと思います。
#229
○政府参考人(真野章君) 先ほどの……
#230
○西川きよし君 医療課のコメントで……
#231
○政府参考人(真野章君) 医療課でですね。取材でございますので、私がこのとおり課の職員に確認したわけではございませんので確たることは申し上げられませんが、やはり柔道整復師の件数が伸びているということに関しまして問題意識を持っているのはそのとおりであります。
#232
○西川きよし君 分かりました。
 次に、その二年前には、これからもその不正防止の効果が、一つ四番目を飛ばさせていただきまして、時間が、済みません、短くなりましたので、二年前には、これからも不正防止の効果が上がりますように、まずは指導監査の充実ということで対応していってもらう、そして大変力強い、いきますという御答弁をいただきまして、この新聞にある厚労省のコメントでは、対策を取ってきたが効果は上がっていない、こういうふうに認められたわけですけれども、余りあっさり認められるとこちらの方も余り質問のしがいがなくなるわけですけれども、そんな差もあれば大丈夫かいなというようなことも思うわけですけれども。
 こうした疑念といいますか、持たれること自体が不正に何ら関係のない多くの柔道整復師の方々にとっても大変迷惑ではないかなと。国会図書館やとか、そしてまた全国の方々からもたくさんお手紙いただきました。そういった図書館の資料だとか、そしてまたいただいたお便りだとか、まじめにやっている者がばかを見るので、いいことはいい、悪いことは悪いという、是々非々というんですか、そういう立場で西川さんに頑張ってもらいたいということで、何年か前から僕も質問をさせていただくようになったんですけれども。
 いずれにいたしましても、現状においてはどの程度の改善が図られているのか、またこれまでの対応策の効果がどうであったのか、こうした検証を必ず行っていただきたいというふうに思うわけですね。実態調査をこれからやっていただけるかどうかというのをちょっとお答えいただければと思います。
#233
○政府参考人(真野章君) この委員会でも先生から御指摘を受けまして、平成六年以降数次にわたりまして支給基準の適正化を図るということから、長期、多部位の施術に係ります逓減制の強化、それから平成十一年には審査委員会を全都道府県に設置をいたしまして、保険者、施術者、学識経験者の三者構成によります全件審査の体制を整備をすると。さらには、指導監査要領を平成十一年に策定いたしまして、指導監査の基準を統一化するというようなことを行ってまいりました。そういうことをきちっとやって、期待にこたえるべく対応するということを申し上げてきたわけでございます。
 そういう意味では、例えば柔道整復審査会での、各県の審査委員会での審査の状況、さらには、ここでは再審査請求もできるということになっておりますので、例えば再審査請求をどの程度やって、それから施術者からの意見をどの程度聞いたかというようなことをきちっと把握をしてみると。それから最後は、その療養費請求書は保険者に返ってまいりますので、保険者として、報道されたようなことの疑念があるということであれば、これはまた保険者は保険者で被保険者からきちっとお話を聞くということもできますので、そういうことにつきまして、柔道整復の審査委員会の活動の状況の実態をきちんと把握し、また各保険者に指導を更に強化をしていきたいというふうに思っております。
#234
○西川きよし君 ありがとうございます。
 今、全部をもう真剣にお伺いさせていただきました。じゃ、その調査はしていただけるということで御理解させていただいてよろしい。
 はい、ありがとうございました。
 その実態調査を今度は待たなければならないとしても、仮にいろいろと対応策を取ってこられたとしても、実際に効果が上がらない、今度上がらないということであれば、受領委任払いの在り方についても再度見直しを求める声も強まってくるのではないかというふうに考えるわけですけれども、当時の局長さんの御答弁では、受領委任払い制度について、これまでの沿革的な理由から今更廃止ということにはならないと全く否定的な見解を示されておられました。
 今後の調査結果の内容次第ではそうした対応も含めた検討がされるのかどうか、それとも何が何でも受領委任払いは堅持していくという前提に変わりがないのかどうかということも最後に大臣にこれは御答弁をいただいて、最後の質問にさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#235
○国務大臣(坂口力君) 柔道整復師にかかわります療養費の問題につきましては、これは柔道整復の対象疾患というのは、御存じのとおり、骨折、脱臼、打撲、捻挫と、この四つになっているわけでありまして、それで骨折及び脱臼については、これは応急手当て以外のものは医師の同意が必要と、こういうことになっているわけですね。ですから、柔道整復のところで独自にできることは、打撲、捻挫、この二つに限られるわけでありますから、ここが的確にやられているかどうかということが問題だというふうに思います。
 したがいまして、それは腰痛であろうと肩凝りであろうと、みんな打撲、捻挫と言われては困るわけで、打撲とか捻挫というのは概念のはっきりしたことでありますから、ここはきちっとその症状に合わせて診察をしていただき請求をしていただくということでなければなりません。ここはもう明確だと私は思います。
 この新聞等に出ております問題も、ここが明確にやられているかいないかということが私はそこに出ているというふうに思っておりますので、ここにつきましては明確に行われるようにこれは指導も強化をしなければなりませんし、そして調査もしなければならないというふうに思っているところでございます。
 そうしたことを踏まえた上で、今ありました受領委任払い制度ということをどうするかということになるわけでありまして、この問題を初めからぼんと皆取ってしまうということになれば、まじめにやっている皆さん方に対する影響も大きいというふうに思います。一つどこかで悪いことをやるところがありますと、みんな同じようにやっておるんじゃないかというふうに見られるわけで、そういう面では、これは病院でも何でも一緒ですけれども、まじめにやっている人がお気の毒でありますから、そのことには配慮をしなければならない。
 しかし、初めに申しましたように、どうも捻挫や打撲でないものを捻挫や打撲というふうに言っているということであれば、これは許し難いことでありますから、ここは正確に我々も指導していきたいと思っております。
#236
○西川きよし君 まだ少し時間が残っておるようでございますので。
 ありがとうございました、御丁寧に御答弁をいただきまして。私ももうこちらにお世話になりまして十六年になりまして、もう来年で十七年になるわけですけれども、いつもこちらでは本当に是々非々といいますか、そうした基本精神にのっとっていろいろ質問もさせていただいておりますし、本当に、今までの厚生労働大臣にしかられるかも分かりませんけれども、いつも質問によく分かるように御丁寧に心ある御答弁をいただいて、感謝をいたします。坂口大臣、ありがとうございます。
 せんだっての五百八十万分の一というポリオの質問のときもそうですけれども、御当人にとりましてはやはり一分の一ですと。いまだに名前も告げずにファクス、メール、送られてきたんですけれども、お一人の人のためにも、我々はこうして税金をいただいてお仕事をさせていただいているわけですから、しっかりとこれからも頑張りたいし、今日の内容もそうですけれども、双方、厚生労働省もそうですけれども、やっぱりこういった柔道整復師の皆さん方、本当に双方がより良い方向で、そしてまた信頼を持たれるということが一番大切ではないかなと思います。
 どうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。
#237
○森ゆうこ君 よろしくお願いいたします。
 通告しておりました問題に入る前に、一つ大臣に伺いたいんですけれども、先ほどからの議論の内容を聞いておりまして、私、逆に責任の問題についてますます分からなくなったんですね。とにかく、どんな形になっても最終的な責任は国が取ると。薬の承認審査、市販後の安全管理についても独法化して、アウトソーシングなんだけれども、最後は厚生労働大臣が責任を取る。そのことはそれでいいと思うんですけれども、そうするとこの独立行政法人の責任はどうなるのかということが逆に出てくると思うんですね。
 大臣が度々使われるお言葉ですけれども、手は放すが目は離さないと。これはちょっと子供に似ているんですよね、手は放すけれども目は離さないで見守っていると。だけれども、最後の責任は全部親が責任を取るということになりますと、子供はやっぱり自分は責任を取らなくていいんだから好き勝手なことをやっちゃうと、そういうことも起きるんじゃないかと思いまして。
 厚生労働大臣、厚生労働省の責任は分かりました。そうしますと、独立行政法人の責任はどのようになるのでしょうか。この点についてお答えいただきたいと思います。
#238
○国務大臣(坂口力君) それは、独立行政法人は独立行政法人としてもこれは責任を取らなければならない。
 子供が悪いことをすれば親が責任を取る、しかし子供も責任を取らなければならない、それは当然のことであります。しかし、子供が責任を取ったら親は知らぬ顔をしておってもいいかというふうに言われれば、それはそうではありません、最終的には親が責任を取るんですということを私は申し上げているわけであります。
#239
○森ゆうこ君 それでは、今の件につきまして政府参考人に伺いますが、具体的に独立行政法人はどのような形で責任を取られますでしょうか。又は、罰則規定がありますか。
#240
○政府参考人(小島比登志君) 要するに、独立行政法人側が緊急な業務に対応できないような場合には業務改善命令等の行政的な措置ができるということになっております。
#241
○森ゆうこ君 この点についてはもう少し私は──ありますでしょうか、あと。
#242
○政府参考人(小島比登志君) もう一つ、職務上の義務違反があるときは役員の解任もできることになっております。
#243
○森ゆうこ君 役員の解任ができるだけでは、その役員の方はそんなに重い罰則ではないと思うんですね。もっと厳しいやはり罰則なりを規定しておかなければいけないと思います。この件につきましては、次にまだ審議の予定があると思いますのでもう少し詳しく検証したいと思いますけれども。
 今回の独立法人化の中で、今の責任の問題にもありましたけれども、国が直接やらなくても安全性の確保はできるという御答弁があったわけでございます。本当にそのことがきちんと確保されるのであれば、それをチェックする体制が整って、しかもそれに違反した場合の厳しい罰則が科せられるのであれば、私は、更にもっと進めて民間に任せてもいいのではないかと思います。
 例えば、自動車は極めて危険な乗り物です。しかし、国土交通省の基準よりもむしろトヨタやメルセデスの社内基準の方がより厳格な基準を持っている、こういうこともあります。これは、不良品、欠陥品を市場に出せばその企業は社会的制裁で倒産、そして不買運動を起こされるからなんです。
 すべてを公で目配りするより、社会的制裁があるので自主的な基準にゆだねてもいいのではありませんか。社内の一時的利益を優先させ、コンプライアンス、遵法精神というものをないがしろにした企業、三菱自動車や雪印や牛肉偽装にかかわった様々な企業は社会的に抹殺されています。
 大臣に伺いますけれども、いっそ、公は厳格な基準を作り、あとは私に任せるおつもりはありませんでしょうか。大臣に伺います。
#244
○国務大臣(坂口力君) 分野によりましてはそれはそういうこともあり得るというふうに思いますが、今御論議をいただいておりますこの分野におきましては一足飛びに民営化というわけにはまいりません。これは公が責任を持ち、そしてやっていくということになります以上、その手の届くところにやはり置いておかなければならない。それでも不安だというお話が出ているぐらいでございますから、そこはやはり、責任を持ってやっていくためには、やはりこの独立行政法人といったところで今やっていくのが適切だというふうに思っております。
 しかし、今までやってまいりました分野におきましては、物によってはそうしたことも今後考えていかなきゃならないものも出てくるだろうというふうに思っております。
#245
○森ゆうこ君 今回のこの医薬品医療機器総合機構法案に関しましては、企業からのお金も入る、人も入るということで皆さんが大変な御心配をされているわけです。
 それで、きちんと監督はしていくから大丈夫というお話だったんですけれども、そういう不正な行為、又は検査の結果等、恣意的な行為を防ぐために、それぞれの機構の自律ということを期待するとすれば、内部告発者の保護を制度化する必要があるのではないかと思います。
 今回、そのような形でこの医薬品機構でも内部告発者保護の制度を創設すべきであると考えますが、そのようなものは今回の法案にありますでしょうか。
#246
○政府参考人(小島比登志君) 今回の法案にはありません。
#247
○森ゆうこ君 どのようにやはり不正をチェック、事前にチェック、そして又は、起きた場合に早急にチェックして、それに対する罰則を加えて防いでいくということが必要だと思いますし、この内部告発者の保護についても検討されるべきだと思いますが、昨日、参考人からの様々な御意見を伺いました。その中で、NPO法人医薬ビジランスセンターの理事長の濱六郎さんからは、鶏の番をキツネにさせるようなものだというような御指摘、それから、今日もおいでになっていらっしゃいますが、スモンの会の全国連絡協議会議長高橋豊榮さんからは、薬害の教訓を全く無視しているというような御発言があったわけです。
 この法案の審議に関しましては様々な疑問が出てきているわけですけれども、どうしてもこれを成立させなければならないというお考えでしたら、私は、やはりこのような不安を持っている国民に対してきちんと説明すべきだろうと、その説明責任がまずあるのではないかと思います。
 そこで、特に、この機構に対しては企業からのお金が入るわけですけれども、一般の人から見ますと、医薬品の検査や審査をする機構に製薬会社からお金が拠出されるということに対して非常に不信感を抱くと思うんですが、このことについて、その不安を払拭するような説明を是非お願いしたいと思います。
#248
○政府参考人(小島比登志君) 製薬会社からのお金が入るという点でございますが、一つは医薬品の審査手数料というお金でございます。これは今でも私どもが承認審査をやっているときに実費という概念で製薬メーカーの方からいただいて、それが費用の一部に充てられているわけでございまして、これはほかの国を見ましても、やはり実際に審査を受ける側が手数料を払うというふうなシステムというのはある意味で合理的ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
 それからもう一つは、被害対策の拠出金、今あります副作用拠出金あるいは感染拠出金というのがございますが、これは製薬メーカーの社会的責任としてやはり被害制度を盛り立てていかなきゃいかぬというふうな合意の下の拠出金ということでございます。
 もう一つは、安全対策のための費用を各メーカーから拠出をしていただくということでございますが、これは安全対策を充実をするということで、その安全対策が充実した結果、私どもの方としては基本的に行政権限といいますか、医薬品の回収命令でありますとか、あるいは緊急安全情報の発出とか、そういう行政行為の前提として集まってきた情報を使えるということでございますし、また国民の皆様方あるいは製薬企業も整理された情報のネットワークの恩恵を受けるということもあるわけですから、それは拠出ということについて合理的な納得を得られると思います。
 要するに、自分たちの利益のためにお金を出したから危ない医薬品も副作用も報告しなくてもいいだろうというようなことにはならないのではないかというふうに考えているわけでございます。
#249
○森ゆうこ君 なかなか今のような御説明だと皆さんからの納得は得られないのではないかなと思うんですが、逆に、先ほどから薬害の教訓というお話が出ておりますが、大臣、これは通告していませんけれども、教訓を無視しているというような指摘があるわけですけれども、私は逆にそれであれば大臣の方から、今回のこの医薬品医療機器総合機構法案に関しては今までの薬害についての教訓をこのように生かしていますという、逆にそういう説明をしていただきたいと思うんですが、これは今考えた質問なので申し訳ありませんけれども、答えていただけませんでしょうか。
#250
○国務大臣(坂口力君) 今考えていただいたそうでございますが。
 今までの過ちを繰り返してはならない。しかし、過去のことをずっと私、振り返ってみました。私になりましてからもヤコブの問題大きくなりまして、そして和解をさせていただいたわけでございますが、そのヤコブ病一つを振り返ってみましても、最初ごろ、厚生労働省の中で脳硬膜の輸入を承認をするといったときにも、これは国内の処理も外国からの処理も一人の人間がやっていた。これはスーパーマンでもなかなか一人でやるということは私はできない相談だと。それはやはり厚生労働省としての体制に不備があったというふうに私は理解をいたしております。
 したがいまして、時代の変遷とともに内容も変わってまいりますし、そしてまたそうした発生件数も増えてくる、それに対するやはり体制を強化をしていかなければならないわけであります。強化をしたいんですけれども、総定員数に縛られていて厚生労働省の中だけでそれをやっていこうと思いましても限界がある。
 確かに今、六人に安全性なら安全性の問題をやっている、あるいは審査の方もよく似た人数でやっている。それは確かに増えてはきてはおりますけれども、現在の体制にそれで十分かといえばそれは私はやはり十分でないと思っております。どれほどパートで人を雇って、そして手伝いをしてもらったとしましても、中心のところをやる人間がそれでは十分にこなしていけないということでありますから、もう少し専門的な立場でここをやっていただく本当の専門家の集団がやはりなければならない。その人たちにお手伝いをいただくということはそれは私はあっていいのではないかというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、今回の制度の中で、何人ぐらいになるかよく分かりませんけれども、恐らく三、四十人の人はそこに張り付いて安全性ならば安全性の問題についてやってくれるものというふうに思っております。そして、しかしその人たちだけに任せてはいけませんから、やはり厚生労働省の方も六人なら六人の体制はそのままで残して、そしてチェックをしていくということでなければならないというふうに思っている次第でございまして、そうした重層的にチェック機関を作りながら、そして国民の皆さん方に安心していただける体制を作り上げていくということにしないといけないというふうに思っています。
 それでもう一つは、審査を行う、あるいはまた安全性を行う、あるいは救済を行う、そうしたところは厚生労働省の中にも今までどおり残しまして、そして医政局に残すところは今までどおり医政局、そして薬務局の方に残すところは薬務局ということにして、分離をした状況はそのまま堅持をしながらこれからもやっていくということにすれば私は今までと同じようにチェックをしていけるのではないかというふうに思っている次第でございます。
#251
○森ゆうこ君 審査する人数を増やして充実させるという点は私は評価したいと思いますけれども、要するに、いったん別々にした方がいいというふうに言われて分けたものをまた一緒にしたという部分でやはり懸念が残ると。それについては昨日の参考人の質疑が終わりまして、与党の先生方からも、帰るときに、やっぱりこれ一緒にするのはまずいんじゃないかというお話も出ておりましたので、無理にこの法案を今回通すということではなくて、もう一度よく考えて、(発言する者あり)だれとはお名前は申し上げませんけれども、もう一度よく考えて、本当に後に憂いを残さないようにこの法案は特に成立を見送るという、こういう英断も必要ではないかと思います。
 それで、ちょっと別な問題に移りたいと思いますが、バイ・ドール方式についてちょっと質問させていただきたいと思います。
 バイ・ドール方式が取り入れられるということに関しましては、研究者のモチベーションを高め、田中さんのようにノーベル賞を受賞される方がどんどん出てくるかもしれないということもあって私は大変結構なことだと思うんですけれども、ただこれも公正にやられるかどうかという、研究開発の委託を受ける企業の選別が公正にやられるか、そしてあと一般国民からすると税金を原資とする国費を投入して製薬会社だけがもうかるんじゃないかというところが気掛かりだと思うんですが、この点、バイ・ドール方式導入で一般国民にどのようなメリットがあるのか、それと併せて、どの企業がこれを委託されるのかというその委託先、それが公正に選ばれる、どのように公正に選ばれるのか、この点について伺いたいと思います。
#252
○国務大臣(坂口力君) 次から次と新しいことを言われるものですから私はなかなか付いていけないんですが、結局、おっしゃっていることは、研究委託をしたときにその特許権がどこに帰属をするかということをおっしゃっているんだろうと思うんです。それを委託をする以上は委託先の企業にその特許権も手渡すということでなければこれはならないということを言っておみえになるんだろうというふうに思いますが、それはそのとおりであるというふうに思っておりまして、本事業の本来の目的であります国民の保健医療水準の向上に寄与する医薬品、医療器具等の開発を促進することにつきましても大きなそれはメリットのある話でございまして、我々もそのとおりに考えているところでございます。
#253
○森ゆうこ君 一般国民にとってはどのようなメリットがあるのか教えていただきたいと思うんですが。
 そして、大臣が新しい質問と言ったのは、研究開発を委託される企業をどういうふうに選ぶのかというところを、これちょっと新しい質問でした、済みませんが、お答えいただけると思いますけれども、お願いします。
#254
○政府参考人(篠崎英夫君) ちょっと補足をさせて御説明をさせていただきますと、国民に対してはやはりいい医薬品を開発する、そういうことによって国民全体の保健医療水準の向上、そういうものに寄与するんではないかというふうに思っております。
 また、公正な選別につきましては、第三者の評価機関を作ってきちっと公正に審査をしたいというふうに考えております。
#255
○森ゆうこ君 第三者の機関というのはどのようなものを想定していらっしゃるんでしょうか。
#256
○政府参考人(篠崎英夫君) この中にいわゆる委員会のようなもので関係の方面の専門家等の入ったそういう機関を、委員会のような機関を作って公正に審査をするということを考えております。
#257
○森ゆうこ君 それはこの機構の中に委員会を別に作るということでよろしいんでしょうか。
#258
○政府参考人(篠崎英夫君) そのように考えております。
#259
○森ゆうこ君 また新しい事実を発見したという気分ですが。
 次に、もう少し時間がありますのでもう一つ聞かせていただきたいと思うんですけれども、優先審査制度について伺いますが、これはいい場合と悪い場合と両方あると思うんですけれども、優先審査という、何が優先されるのかという、優先審査に回されるのかということについて、ルール、どのようなルールに基づいて決められるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#260
○政府参考人(小島比登志君) 医薬品に係る優先審査でございますが、これは薬事法第十四条第五項の規定によりまして、希少疾病用医薬品及び医療上特にその必要性が高いと認められるものについて行うことができるというふうにされております。そして、医療上特にその必要性が高いというものは、一つには、適用疾病が重篤であると認められること、二つ目は、既存の医薬品又は治療方法と比較して有効性又は安全性が医療上明らかに優れていると認められること、この二つの要件をいずれも満たしていることが優先審査の要件というふうになっております。
#261
○森ゆうこ君 これまた新しい質問といって怒られると思うんですが、政府参考人、お答え願いたいんですけれども、優先審査制度に乗って承認されたイレッサという薬、昨日の参考人からのお話でも出ましたけれども、これでいろんな被害が出ているということについて、優先審査というのはもろ刃のやいばといいますか、ある意味急がれる、薬の審査が早まるということでいい点もある反面、このようにいろいろな問題も起こるわけですけれども、それに関して何か考えていらっしゃいますか、対応策なり。
#262
○国務大臣(坂口力君) 特にがんのお薬につきましては、これは現在のところ、残念ながら副作用を伴わない、そしてがんに的確に効く薬というのはほとんどない、ないと言うと言い過ぎですけれども、ほとんどないと言っても言い過ぎでないような現状にあるわけですね。大変残念なことだと思うんですが、現在の医療レベルからいえばそういう状況にある。
 したがいまして、今御指摘になりましたこのお薬も、肺がんの新薬でございまして、これは副作用、本当はあってはならないわけでございますけれども、がんのお薬であります以上そういうわけにもいかない、多くの副作用の出る方々が存在するということも事実でございます。しかし、このお薬で治っている人もかなり、治っていると申しますか、一時良くなって、そして病院から今までだったらもうおうちに帰ることができなかった人が少なくとも一時はおうちに帰れるように回復をなさる方もその中には存在をするということでございまして、そうしたところをどう評価をするかという大変難しい問題を含んでいるというふうに思っております。
 したがいまして、副作用は副作用としながら、私たち、そのことを十分に注意をしながら、しかし作用の方につきましても目を向けて、特にがんの場合にはどうしていくかということを十分に考えなければならないというふうに今思っている次第でございます。
 それから、先ほど、ちょっとさかのぼって申し訳ないんですが、現行制度と新しい制度を比較をして、新しいのは規制と振興を一緒にしたけれども、それは前は違うのに、分離しておったのを一緒にしたというふうに言われましたけれども、これは前にもちょっとお答えを申し上げたんですが、現在の制度の中にもこの規制部分というのは入っているわけで、現在も振興と規制が一緒になっているわけで、それをこちらにも、新しいものも一緒になっていると。ただ、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター、ここのところがプラスして余分に入ってきたということはあるわけでございますけれども、今までの現行におきましても規制の部分と振興部分とは一緒になっているということをひとつ御理解いただきたい。
#263
○森ゆうこ君 時間ですので終わります。
#264
○大脇雅子君 それでは、最後に質問をさせていただきます。
 独立行政法人雇用・能力開発機構法案について、先回の質問で積み残した部分、御質問させていただきます。
 厚生労働大臣が緊急の必要ある場合と判断した場合には、大臣が特に機構に対して求職者に対する職業訓練に必要な措置を取るように求めることができるとされております。この場合、具体的な措置とは一体何で、機構はどのようにその対応をするということでしょうか。
#265
○政府参考人(坂本由紀子君) 厚生労働大臣が求職者に対する職業訓練の実施を緊急に行う必要があると判断する場合としては、具体的には、天災の発生でありますとか経済事情の急激な変動等がありまして、一つには全国的あるいは地域的に大量の離職者が発生した場合、もう一つは高年齢者や若年者など特定の層に大量の離職者が発生した場合というものが想定されるものと考えます。
 このような場合には、雇用・能力開発機構は、厚生労働大臣の要求内容に応じまして、都道府県労働局、公共職業安定所及び地方公共団体と連携をいたしまして、民間への委託訓練でありますとか公共職業能力開発施設における訓練の拡大によって必要な職業訓練を量的に確保するということに加えまして、対象者の特性に配慮した職業訓練を実施するというようなことを行うことになります。
#266
○大脇雅子君 そういたしますと、今回の不良債権処理の加速で失業者が大量に出たような場合はこうした対象に考えられるんでしょうか。
#267
○政府参考人(坂本由紀子君) 大量の離職者が想定されるというような場合には、厚生労働大臣から緊急の必要があるということで、雇用・能力開発機構に対しまして職業訓練の実施を要求するということになろうかと存じます。
#268
○大脇雅子君 職業能力開発促進センターあるいは職業能力総合大学校とか開発大学校、短期大学校等の設置運営がこの能力開発機構で行われるわけですが、十一月に発表された雇用失業情勢を考えますと、五・五%の失業率、そして厚生労働省の予測におきますと、二〇〇四年度は六・八%、あるいはまた、若者の失業率がとりわけ高くて就職をあきらめてしまっている人があり、それを加えるともう一〇%に近くなるんだという見方もございます。
 既に卒業したり、フリーターや臨時その他の形態で働いている若年労働者を対象に、優先的に入学のための便宜を図るとか、職業訓練に積極的に取り組むべきだと思うが、いかがでしょうか。
#269
○政府参考人(坂本由紀子君) フリーターや学卒で早期に離職をした人たちにつきましては、職業意識の形成という点で不十分な場合が多い状況がございますので、このキャリア形成を支援するという観点からは、職業訓練のほかに意識啓発の取組を実施することが重要であるというふうに考えております。
 このため、今後、職業意識啓発でありますとか、安定的な職業に就くことについての意識を喚起するというためにグループカウンセリングでありますとかセミナー等を行いまして、その上で、職業能力開発大学校等におきまして、これまで学卒者に対する訓練のノウハウ等がございますので、それを生かした職業訓練に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 なお、現在、職業訓練大学校におきまして、長期の訓練課程の入学者は、その多くが新規の高卒者となっております。ただ、募集に当たりましては年齢制限等は特段にございませんので、今後、高等学校のほかに、事業主団体でありますとかハローワーク等を通じてフリーターなどの既卒の若年の方々に周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
#270
○大脇雅子君 勤労者財形促進業務として、助成金等の支給や持家の取得資金、教育資金等の融資が図られるとありますが、現在、勤労者が置かれている厳しい状況を受けますと、これらはどのように事業が展開されるのでしょうか。
#271
○政府参考人(松崎朗君) 財形制度につきましては、御案内のように、自営業者、そういった方に比べましてやはり財産形成という面で立ち後れが見られております。これは、勤労者に対しまして自主的な財産形成、そういったものを支援して勤労者の生活の安定を図るために、事業主それから国が積極的な援助を行うという制度でございます。このうち、雇用・能力開発機構は、国の助成金の支給業務、それから融資業務、これを担当しているわけでございます。
 今後とも、こういった厳しい状況ではございますけれども、勤労者の財産形成の必要性というのは非常に高いと考えておりまして、独法後におきましても引き続き、特に制度の周知、その内容の魅力、そういったものをいろいろPRいたしまして適切な制度運営、そういったものに努めていきたいというふうに考えております。
#272
○大脇雅子君 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案についてお尋ねをいたします。
 昨日の参考人の質疑におきましても、様々な疑問が提示され、国民の医療行政全般に対する信頼ということが揺らいでいるということが分かりました。
 同じ質問を参考人にさせていただいたんですが、スモンとかサリドマイド、エイズ、ヤコブ等、長い間の被害者の拡大が放置されて非常に悲惨な状況に置いてきたということが繰り返されたわけです。その結果生まれたこの総合機構が果たして、今回独立行政法人化されて、真に薬事行政と被害者救済に役立つだろうかというような疑問が持たれていると思います。
 国民の医療行政全般に対する信頼とこうした薬害の被害の歴史を踏まえて、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
#273
○国務大臣(坂口力君) 先ほどからもいろいろな角度から御答弁を申し上げておりますが、結局のところは二つだろうと思っております。一つはやはり安全性の問題、一つは審査の問題。
 ここにどういう優秀な人材を結集をして国民の皆さん方におこたえすることができるかということに懸かってきているというふうに思います。もちろん責任体制の問題もございますが、それはもう先ほどから御答弁を申し上げているとおりでございます。質の高い審査を効率的に実施をしますために優秀な人材を確保して審査体制を強化をするということに努めたいというふうに思っております。
 もう一つは、国が責任を持ちながらも、年間三万人にも及びます膨大な副作用情報というものをデータ化し、そして新法人が疫学的、統計的に解析をして、そして厚生労働省にもそれを分かりやすく提供をする。そうしたところで、この中でも、新法人の中でもチェックをし、そして厚生労働省もチェックをするという体制を確立をすると。
 この二点が最も大事なことで、そのことがやはり国民の皆さん方におこたえをすることだと私は考えている次第でございます。
#274
○大脇雅子君 その新機構の役員に元製薬会社の役員が就任するということは許されないのではないかと様々な人が疑問を提起されております。こうした新機構の役員や業務についての情報公開や透明性の確保というものはどのようにお考えでしょうか。
#275
○国務大臣(坂口力君) 役員のことは、理事長はそういう製薬会社の人を、元製薬会社の人も含めて、そういう人を就任させないということにしておりますし、就任させないということは、理事長が次の理事を選びますときにもその趣旨は生かされるものというふうに考えているところでございます。
 透明性を高めるということにつきましては、先ほどから議論になっておりますような、副作用の様々な角度から寄せられてまいりますデータと情報といったものにつきましてもよく整理をしてできるだけオープンにいたしまして、多くの皆さん方にどういう情報が集まってきているかということがお分かりいただけるようにしたいというふうに思っている次第でございます。しかし、余り生のままで出しますと混乱をするということもございますから、そこはよくお聞きをし、整理をした上でお示しをするということになるだろうというふうに思っております。
#276
○大脇雅子君 このごろ、高齢者に投与される薬の相互副作用、複合副作用の問題が社会問題化しております。新しい、今、新薬等、日進月歩の中で、この高齢者に対する複合副作用問題というのは今課題になっているでしょうか。ちょっと付加してお尋ねしたいと思います。
#277
○政府参考人(小島比登志君) 私ども、申し訳ありませんが、その問題についてまだ余り承知しておりません。
#278
○国務大臣(坂口力君) 御趣旨を十分に私が理解しているかどうか分かりませんが、高齢者が多くの薬を医療機関からちょうだいをして、そして飲んでいるということは事実でございますし、一つの病院からもらっている薬というのはそれはそれなりに、副作用等がないように、あるいは、副作用と申しますか、その薬と薬との間の整合性も考えてお出しをいただいているというふうに思いますけれども、幾つもの医療機関から薬をもらうということになってまいりますと、そこにいわゆる様々な作用が働き合う、中には同じような種類のものが多く出されて、そして過剰になりましたり、あるいは薬と薬との間で作用が打ち消されたりといったようなことが起こってくる可能性がございます。そうしたことは、副作用という問題とは別にして、その薬の効果という問題での問題が出てこようかというふうに思いますし、一方におきましては、過剰に投与されることによって起こってくる副作用といったものもそこに懸念されるわけでございます。
 したがって、今後寄せられてまいりますその副作用等の問題の中には、そうした多くの医療機関で同じような薬をもらって量的に非常に多いといったようなことによって起こってくるものも含まれるはずでございますから、寄せられました副作用情報というものをよくお聞きをし、そういった点もよくチェックをして整理をしなければならないというふうに思っております。
 高齢化社会におきます一つの問題点だというふうに思います。
#279
○大脇雅子君 よく私どもの心配を受け止めていただいて有り難いと思います。
 これはかなり、次の二十一世紀というか、これからの高齢化社会で大きな社会問題になろうかと思いますし、高齢者の人たちがその薬の一つ一つの副作用を完全に理解しているということは分かりませんし、それにやはり二錠飲めと言われたのを心配で四錠飲んでしまうという人もたくさんいると聞きますので、これはやはり市街の様々なホームドクターや医師会とも協力されまして、是非きちっと対応をしていただきたいと思います。
 それでは最後に、社会保険診療報酬支払基金についてお尋ねいたします。
 これは民営化のメリットをどのように考えておられるんでしょうか。
#280
○政府参考人(真野章君) 今回の支払基金法の改正でございますが、特殊法人等整理合理化計画に基づきまして、政府の関与を必要最小限にとどめると、そして自主的かつ効率的な法人運営を図れるよう改正を行うものでございまして、まず政府からの拠出を含みます基本金を廃止をする、それから役員の選定方法を大臣の委嘱から支払基金が選任し大臣が認可するということに改正をする、それから事業状況報告書等に関します大臣の承認の廃止ということを行うことといたしております。こういうことを機に、法人の自主的な運営の下でIT化の推進などを通じまして一層の事務処理の効率化が図られるものと考えております。
 また、民間法人化後は、特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準に従いまして企業会計原則に準じて会計処理の見直しを行うなど、透明性の高い運営が図られることになるというふうに考えております。
#281
○大脇雅子君 幾つかの質問がされているわけですけれども、レセプトに対する適正な審査や支払をすべきだと思いますが、そのチェックの機能ということをしっかり果たしていくということが国民の信頼を維持するために必要だと思うんですが、このチェック機能を果たす機関についてお尋ねをいたします。
#282
○政府参考人(真野章君) 支払基金は、民間法人化後も多数の医療機関と保険者の間での膨大なレセプトの審査支払事務を適正かつ効率的に行うという使命を持っているというふうに思っております。
 このために、今回の改正に当たりましても、審査支払業務が適正かつ効率的に行われるように、まず理事会でございますが、これは現在の四者構成、保険者、被保険者、診療担当者、公益代表者という四者構成を維持します。それから、審査の観点におきましては、審査委員会を保険者、診療担当者、学識経験者という現在の三者構成を維持するということによりまして適正かつ効率的に行われるように担保をしたいというふうに思っておりますし、また厚生労働大臣は予算それから役員の選任の認可という権限を引き続き持つということでございますので、適切な指導監督を行いたいというふうに思っております。
#283
○大脇雅子君 終わります。
#284
○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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