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2002/12/10 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第13号
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2002/12/10 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第155回国会 厚生労働委員会 第13号
平成十四年十二月十日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     鴻池 祥肇君
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     今泉  昭君     櫻井  充君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金田 勝年君
    理 事
                武見 敬三君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                山本 孝史君
                沢 たまき君
    委 員
                狩野  安君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                藤井 基之君
                宮崎 秀樹君
                森田 次夫君
                朝日 俊弘君
                櫻井  充君
                谷  博之君
                堀  利和君
                風間  昶君
                井上 美代君
                小池  晃君
                西川きよし君
                森 ゆうこ君
                大脇 雅子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   坂口  力君
   副大臣
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       石田 直裕君
       文部科学大臣官
       房審議官     木谷 雅人君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       スポーツ・青少
       年総括官     徳重 眞光君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   鈴木 直和君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
       厚生労働省健康
       局長       高原 亮治君
       厚生労働省健康
       局国立病院部長  冨岡  悟君
       厚生労働省労働
       基準局長     松崎  朗君
       厚生労働省老健
       局長       中村 秀一君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人国立病院機構法案(第百五十四回
 国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る六日、小泉顕雄君が委員を辞任され、その補欠として鴻池祥肇君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 独立行政法人国立病院機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局国立病院部長冨岡悟君外九名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(金田勝年君) 次に、独立行政法人国立病院機構法案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入らせていただきます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○武見敬三君 まず、この独立行政法人国立病院機構法案の問題についてお尋ねをする前に、実は緊急で、保険者によるレセプトの直接の審査と支払、またこれに付随する形での医療機関との契約等の問題についての省令を出すかあるいは出さないか、この問題が急浮上してきたという、そういうお話を承っておりますので、改めてこの点に関する御見解を厚生労働大臣に求めておきたいと思います。
 この保険者による直接の審査及びその審査を第三者の民間へ委託するということを認めるということについては、私はまだ極めて大きな問題をたくさん残している、安易にこれを実施すべきではないということを強く考えます。既に閣議決定等なされているようではありますけれども、それを今日に至るまで新たに省令として厚生労働大臣お出しにならなかったというのは、私はこれは御見識であったんだろうと思います。それを改めて、この期に及んで出そうということになったのは一体なぜか。
 特に、この問題を考えてみますと、第三者、民間企業等に委託をした場合の守秘義務を明確に課する法律上の根拠ができておりません。患者の疾患にかかわる情報というのは、これは個人のプライバシーにかかわる最も重要な情報であるということはもう大臣もよく御存じのことであります。したがって、この法律上の守秘義務を明確に課すことなしにこのような情報を第三者の民間業者に提供するということは、私は極めて重大問題だというふうに考えますが、この点大臣はどのようにお考えになるでしょうか。これが第一点であります。
 それから第二点は、前の、さきの厚生労働委員会でも御質問させていただきましたが、昭和五十五年の一九八〇年、社会保険の支払基金あてで厚生省の保険局長通達が出されて、その中でいわゆる適応外処方について、全国で画一的な審査を避けて、医学的に患者の疾患の個別の状況というものを勘案して審査するよう指導がなされておりました。それは、正に医師の裁量性を尊重する姿勢を明確にしていたわけであります。
 この私の質問に対して、保険局長の方からも今日もこの通達は有効であることを事実上納得させる御答弁をちょうだいをして、大臣の方からもこの医学的根拠に基づく説明文書等を添える必要性などが指摘されたというふうに記憶をしております。
 そういたしますと、例えばこの保険局長通知あるいは通達といったようなものは、実際に保険者が直接に審査やあるいは第三者に、民間に委託するというような形になった場合に、こういう通知の内容、有効性というものは、このような直接審査や民間に委託した場合の審査にどのような形で効果を有するようになるのでありましょうか。これを準用するような形を考えるのか、あるいは新たに局長通知というようなものを出す必要性があるのかどうか、この点について実際に大臣の御見解を聞いておきたいと思います。
 そして、第三番目に、これはもう私は皆保険制度の根幹にかかわると思うんですけれども、このような形で保険者が直接審査、支払、そして医療機関との割引契約等を結ぶということを認めてしまうような形になってしまいますと、実際そういう保険者は、直接審査をすることになった医療機関、あるいは割引契約をするようになった医療機関にのみその被保険者を誘導して、そして実際のところ、そうした被保険者の方は自分の信頼する医師や医療機関であったとしても自分の属する保険の保険者が指導し誘導する医療機関の方に行かざるを得ないという状況に事実上追い込まれることになってしまいます。
 そうすると、我が国の皆保険制度の中の実は最大の長所というのは、国民が患者として医師及び医療機関を選択する自由というものが大きく認められている、そのことによっていつでもどこでも患者は医療機関で診断、治療を受けることができる。そのために、特に初期診断、初期治療という面においてその機会を大きく公平に国民に提供されていることを通じて、病状が悪化する前にこうした診断、治療を通じて健康を回復する確率が高い、このことが我が国の皆保険制度の私は最大の長所だと考えています。
 しかし、その大前提は、患者が医師及び医療機関を選択する自由というものがこの皆保険制度の中で認められているということが大前提にございます。しかし、保険者が直接審査、支払、医療機関との割引契約等を行うというような形になってまいりますと、この大前提が崩れてしまって、我が国の皆保険制度がその一番の長所たる機能を失う可能性が極めて高まってくる、こうした問題を引き起こす可能性が極めて高い。それだけにこの保険者による直接のレセプトの審査、支払、そして民間への委託、そして医療機関との直接の契約といったようなことは、実は法律上はそのようなことが可能なように書かれているわけでありますけれども、現実を考えたときにそれは決して好ましいことではない。
 役人であれば六法全書の中だけで物を考えていりゃいい。しかし、政治家たるものは六法全書の中だけで物を考えるのでなくて、現実を直視して、そして政策を考えるのが私は政治家の見識だと思います。したがいまして、この点に関する厚生労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(坂口力君) 診療報酬の審査、支払につきましての御質問でございますが、先ほどもお話がございましたとおり、三月の二十九日に閣議決定をされたものがございます。その中では、本年度中に処理をするということになっているわけでございますが、三月二十九日に閣議決定をして本年度中にと言われましてもあと一日か二日しかなかったわけでありまして、それは無理な話。
 しかも、今お話がございましたように、このレセプトの直接審査にかかわります問題は、公的な保険にふさわしい公正な審査体制があるかどうか、あるいはまた患者情報保護のための守秘義務の担保があるかどうか、あるいはまた審査、支払にかかわります紛争処理のルールが明確化されているかどうか、こうしたことが明確になって初めて俎上に上ってくるものだというふうに認識をいたしておりました。したがいまして、そういう状況がなかなか確立をされない段階のところでこれにゴーサインを出すということは控えるべきだというので今日を迎えているわけでございます。
 しかし、一方におきまして、規制改革委員会、あるいはまた経済財政諮問会議等におきまして、この閣議決定をされたものの中で実行されていないのはこれだけだから早く実行しろというお話があることも事実でございます。
 しかし、先ほど申し述べましたような三つのこの要件がいまだ確立されていないところでこれを直すということは混乱を招きますといったようなことを中心にしまして今日を迎えているところでございます。
 今、そうした条件をどう具体化をしていくかということを現在検討しているところでございまして、この検討が、これらのことが検討されました暁におきましては私はやむを得ないことではないかというふうに思っておりますが、しかしここはきちっと押さえておくべきところだというふうに思っている次第でございます。
 それから、先ほど御指摘になりましたその局長通達につきましては、ちょっと私、勉強してまいりませんで内容等を十分に存じ上げておりませんけれども、医師の診断に対する、あるいは治療に対する尊重というものは十分にこれは当然していかなければならないわけでございますし、そのことをゆがめるようなことがあってもなりませんし、また患者の自由というものを損なうようなことになってもいけない。そこが一番ポイントだろうというふうに思っております。
 それらのことを十分踏まえた上で、政府の方なり、政府の方と申しますか、経済財政諮問会議なりそれから規制改革、規制会議等にも報告をしたいというふうに思っている次第でございます。
#8
○武見敬三君 最後の御指摘は誠に重要な点で、特に保険者が自分の保険に属する被保険者に対して医師及び医療機関を直接契約しているようなところのみに誘導するようなことは、正に患者にとっての最大の自由である医師及び医療機関を選択する自由というものを大きく損ねて、皆保険制度の一番の基本というものの大事な長所たる機能を損なうということが極めて大でありますから、そのようなことは絶対にないように厳しく御指示をいただきたいというふうに思います。
 その上で、実際にこのような直接審査、支払になりますと、保険者というのはとかくただただ単に医療の質の問題ではなくて医療費の支出を抑制しよう、自分たちの負担を少なくしようということばかり考える傾向が極めて強い。したがって、こういう適応外処方等を通じた医師の裁量性の尊重ということが損なわれる可能性が極めて高くなります。それは公平性を損なうだけではなくて正に医療の質そのものを損なうということになっていくことは極めて大でございまして、このようなことがないように徹底的に厚生労働大臣としての御指導をお願いをしたいというふうに思います。
 基本的には、このような改革あるいは改悪というのはすべきでないというのが私は本来の見識であろうと思います。
 それでは、その上で今度は独立行政法人国立病院機構法案についての御質問をさせていただきたいと思います。
 これは副大臣、木村先生にちょっとお尋ねをしたいわけでありますけれども、これは一つの独立行政法人で百四十四の施設をまとめて管理運営されるということになるわけでありますが、しかしその場合に一番これ懸念されるのは、個々の病院が独立した経営をそれぞれの施設長の責任の下でどこまできちんと確立できるかという点なんです。その一つの大きなポイントは人事と会計であります。
 その人事について見れば、例えば施設、この事務長さん、今までこれはいろんなところで見てみるとやっぱり天下り先になっておる。これからの病院経営というのは非常に難しく、その経営の専門的な知識を十分に持った方でないとうまくいくわけがない。ただ単なる天下り先で第二の人生で過ごせるようなほどのんきな仕組みの仕事ではございません。したがって、最も適材適所を施設長が大幅なきちんとした人事権を持ってこうした事務長などを自らきちんと、自らの責任に基づいてこれを登用することができるようにするということをしておきませんと、これは極めて大きな基本的な経営上の欠陥を残すことになります。
 この点についてどのようにお考えになるか、副大臣の御所見をいただきたいと思います。
#9
○副大臣(木村義雄君) 武見先生がおっしゃっていることも誠にもっともなことなんです。
 この国立病院でやっぱり大きな問題というのは、さはさりながら、やはり政策としての国立病院としてどういうように位置付けていくか。特に、ネットワークの問題、それはいざというときの、言ってみりゃ肝心な地震とか災害とかそういうときにどういう体系が組めるかと、これはやはり一つの個別病院では対応ができない。そのときに、ネットワークを活用して、ある意味で百四十四になるんですか、取りあえず当面は、その病院群が総力を結集して当たらなきゃいけない面もある。
 そういう中において、いかに先生がおっしゃった個別病院の特色、独自性を発揮していくか。ここはある意味で二律背反みたいなところもあるわけでありますけれども、基本的に、基本的に武見先生がおっしゃっている方向というのは私は極めて大事なことではないかと、こういうふうに思っているわけであります。ですから、その方向で進んでいかなきゃいけないと。
 それで、もちろん事務長さんになる人も第二の人生なんていうのはとんでもない話でありますから、もうおっしゃられたように、極めて緊張感を持ってこの病院の事務長という重大な職責を全うしていただかなきゃいけないわけでありますから、それにふさわしい人になっていただくのは当然なことであります。
 また、なりたいと思う人はやっぱりそういう勉強をしておいてもらわなきゃいけないのも、これも当然でありますから、そういうことも含めて、これから先生がおっしゃるような個別病院の独自性、これはもちろん政策医療の中のネットワークという前提はありますけれども、最大限それを生かすような方向性を出すのは当然のことだろうと思っております。
#10
○武見敬三君 基本的な認識として共有するものができたということは大変有り難い。
 そこで、国立病院部長にお尋ねをしたいと思いますけれども、実際にこの独立行政法人が一括して全国百四十四の職員を直接雇用計画をするというような形にしてしまいますと、正にその百四十四の病院の中でいろんな人事交流をやってたらい回しにするような話まで出てきちゃうんですよ。
 そうではなくて、実際に各個別の病院が、そうした施設長の責任と権限の下でそれぞれ事務長やあるいは職員を雇用することができるという個別契約をきちんと結ぶことができるようになれば、全国で賃金を一律化するというようなことにもならないし、人事異動を通じて賃金の調整を図らなければならないなんていうこともないわけでありまして、黒字病院、赤字病院によってそれぞれ責任を持って施設長というものが人件費等を勘案して経営の方針を策定することができるようになるんです。
 そうした言わば人件費等にかかわる経営的立場にある者の裁量性というものをきちんと確保するということを考える上においても、私は各個別の病院が直接このように職員を雇用することができるという形にすることが必要と考えるわけでありますが、この点についてのお考えはどうでありましょうか。
#11
○政府参考人(冨岡悟君) 独立行政法人になりました時点におきましてそれぞれの病院が創意工夫して特徴ある運営をするという点につきましては、それが望まれておりますし、その方向で進むべきものと考えております。
 この独立行政法人の人事と申しましょうか、そういった点につきましては理事長が行うということになっておりますが、それをどのように実施するかといった点については、正に法人運営の基本としてそういった責任ある立場で検討すべき点ではありますが、それぞれの病院が院長の下で意欲を持って運営に当たれるという点から考えますと、従前はどちらかというと国の施設でありまして厚生労働大臣が直接任命すると、そういったことでありますけれども、これからは、先ほど申し上げましたような観点から、組織や人事につきまして院長の意向が反映するようなシステムをどう持っていくかと、そういった点が大きな課題であると思っております。
 また、話に出ておりました事務長につきましては、事務面の責任者でありまして、その意味で重い職務を負っておりますが、こういった人につきましては、病院長と一体となって同じ方向を持って同じ意識でもって病院運営に当たるのが必要なものと考えております。こういうふうなことから、こういうことにも配慮しながら、組織としてのこういった人事の在り方を検討すべきものと考えております。
 以上でございます。
#12
○武見敬三君 院長と正に一体であるという事務長の職責、位置付けということであれば、院長に大幅なそういう事務長を任命する権限というものをやはりきちんと与えていただきたい。幾ら経営の独立性を考えて、そして効率的に経営せよと口では言っても、こういう権限をきちんと移譲して、施設長に対してその権限とまたその裏付けとしての責任を明確にしておくということなしに、やはり経営的な面で効率的なインセンティブというものは働かない。
 この点については、社会保険病院というのが全社連という組織の下で五十四の病院が束ねられてきたということの問題点をかつて指摘させていただいたことがあるんですけれども、正にそれは全国一律の賃金で、赤字であろうが黒字であろうが施設長は全く権限なく、こうした人件費等の問題について効率的に新たな方針を打ち出すということもできずにいたというような状況があったわけであります。
 したがって、その悪い教訓というものをきちんと踏まえた上で、こうした施設長の責任とそして権限というものをやはりこの独立行政法人の下で最大限きちんと確保した上で、こうした経営を責任を持って自律して効率的に運営できるような条件をそろえてあげるということがやはりなければ、これはかつてからよく言われているような護送船団方式という形の、悪い形がそのまま現れてきてしまって、結果として、効率的な経営をしようとする好ましい、黒字で政策医療の面でも優れた病院というものが、むしろ悪貨とも言われるべきそういった赤字で政策医療についても十分な成果を上げ得ないような病院に駆逐されてしまうような状況というものが出てきてしまうということが大変に懸念されます。したがって、その点はもう十分に御注意をいただきたいと思います。
 それから、もう一つ私が懸念しておりますのは、実際に各病院から本部の基金に対して拠出金というのが出される。これは黒字であろうが赤字であろうが拠出金は診療収入の何%から必ず取るんだというようなやり方を社会保険病院の場合にはやっておったわけでありますけれども、まさか国立病院の場合に黒字であろうが赤字であろうが実際に拠出金を必ず徴収するんだというような、そういう画一的なことはおやりにならないんだろうと思いますが、この点は国立病院部長、どうなんですか。
#13
○政府参考人(冨岡悟君) ただいまの点につきましては、現在、私どもが考えておりますこれから検討すべき内容についてお話し申し上げたいと思います。
 まず、独立行政法人になりますと、個々の病院ごとに企業会計方式によりまして財務諸表が作成されるわけでございます。病院ごとの区分経理を行って、黒字となった病院の黒字分につきましては、基本的にはできる限り当該病院の将来の施設・設備整備や医療機能の向上に用いられるような方向にしてまいりたいと、かように考えております。
 しかしながら、そういったことで、将来、そういった機能強化とか建て替えるといった場合でも、なかなかそれの実現までに時間が掛かると、というか、当座は必要ないということもありましょうし、また、どうしても個々の病院の年度年度の計画といったものにつきましては、ぶれというものが出てまいります。そういった場合に、必要な資材を買うとかいった、そういった資金調達をどうするかといった問題もこれは避けて通れないものと思っております。
 全体の交付金、この額を過大なものとしないためにも、法人内部で病院間の融通を当面行うということは資金管理上、効率的かつ必要な事柄ではないかと考えております。ただし、この間の資金融通は将来は基本的には黒字の病院に還元されるべき、弁済されるべきものと考えます。
 そういうことから、こういった資金融通はいろんな変動を手当てするという点が一番望ましいわけでございまして、できる限り一時的又は限定的なものであることが望ましいと考えております。そして、この資金融通を調整するといったそういった規模につきましても、同様の考え方から必要以上に大きくする必要は毛頭ないと考えております。
 基本的には、当該病院の政策医療に見合った適切な額の交付金をまず算定することが重要でありますし、赤字病院の一時的あるいは限定的な資金繰りにつきましては、先ほど申し上げましたような病院間の資金融通を活用すると、こういったシステムが現実的ではないかと思っております。
 ただし、こういったものが本当に法人運営につきまして適切かどうかと、現実的かということにつきましては、実際シミュレーションといったものを行いまして、専門家の目も経まして、いいものにしていく必要があるんじゃないかと思っております。
#14
○武見敬三君 これは拠出金という形で本部の基金にお金を納める、そしてその中からプール金を作って、そして建て替え等についての貸付金として出すというほかに、改めてまた貸付分のような形で別途また黒字の病院からお金を徴収するというようなことも検討の中にあったように思います。
 このような形で黒字の病院からお金を吸い上げますと、本来剰余分として黒字の中から自分の病院の施設の整備であるとか、むしろその医療の質向上のために使おうとすることができるような独自の経営努力によって生まれる果実というものがその分少なくなってしまう。それが赤字病院に回されるという形になったことによって、その黒字の優れた病院というものがより好ましい病院として発展していく流れが阻害されるということは物すごく懸念されます。したがって、こういう黒字病院については、運営費の交付金というものを徐々に縮小していって、しかし、その黒字の部分については、でき得る限り剰余分として自らの病院をよりよい病院にするための新たなキャピタルコストとして使えるようにしていくと。
 他方で、赤字の施設については、本当に政策医療としてどうしても続けていくことが必要だということであれば、それはむしろプール金のような形ではなくて、運営費の交付金として私はきちんと補てんをしていくという形で、他の黒字の病院の好ましい分を阻害しないような形の財政の仕組みにしていくことの方がはるかに好ましい。それによって独立した経営というものを実現していくと同時に、護送船団方式としての悪い側面というものを可能な限り回避していくという、そういう仕組みを作っていくことが必要だと。
 しかも、赤字の施設の中から、さらに一方的に診療報酬の中から拠出金をも徴収するようなやり方でやってしまうというようなことは、余りにもやり方が画一的でずさん過ぎるというふうに思えてなりません。
 最後に、大臣にお伺いしたいのは、このように一つの独立行政法人の下で百四十四もの医療機関というものを束ねて運営するというのは、引き続き護送船団方式としての非常に悪い側面を残す可能性が極めて高いんです。したがって、運営面でよほどそれぞれの病院の経営の独立性をきちんと権限を与えてあげて、確保して、そしてまたその責任の所在を明確にしつつ、定期的にその病院の評価というのを、ただ単に効率性という観点からだけではなくて、優れた政策医療をきちんとやっているのかということをも含めて評価をしつつ、もしその評価にそぐわないような病院長であったらすぐさまその首をすげ替えるというような、そういうことをもできるような形でやる。
 しかも、実際に政策医療としてもその効果が上がってこないような病院であれば、やはり赤字でどうしようもないということであれば、必然的に退場していただくような、そういう考え方で新たな運営方式に移譲させる方式であるとか、あるいは売却してしまうようなことをも含めて、全体とした運営方式の在り方について厳しくやはり整理をしておかなければならないと思います。
 最後に、その点についての大臣の御所見を伺って、私の質問を終わります。
#15
○国務大臣(坂口力君) 独立行政法人の今後の在り方についていろいろと御提言をいただいたわけでございますが、御指摘をいただきましたようにこれから、百四十四もあるわけでありますから、それをどのようにしていくかということは大変大きな問題だというふうに思っております。
 したがいまして、一つは、独立行政法人としてのいわゆる政策医療をどう推進をしていくかということ、それからもう一つは、地域におきますその地域の意見というものをどうくみ上げていくかということ、この二つのことは非常に大事なことだというふうに思っておりますが、それを踏まえた上で積極的に独立性を、独立した運営ができていくように対応していかなければならない。それは独立した運営を行っていくということは、政策医療で質の向上を目指すとともに、経営的にもやはり自立をしていくということが大変大事だというふうに理解をいたしているところでございます。
    ─────────────
#16
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
    ─────────────
#17
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
 提出されました法案の質問に入ります前に、一点大臣にお伺いいたしたいと思いますが、私は、十月二日の参議院の決算委員会で、ALS等のいわゆる筋萎縮性側索硬化症の方々を中心とし、在宅で人工呼吸器の装着をしている患者の皆さん方のたん吸引行為の問題について質問をいたしました。
 それに関連をしてお伺いを前段でしたいと思いますけれども、そのときの大臣の答弁は、結論から申し上げますと、このように答えております。「やはり検討をする時期に来ていると私個人は思っております。したがいまして、関係者の間でよく議論をさせていただきたいと存じます。」と、こういうふうに答えています。
 そういうことで、もう二か月余がたちましたが、その後どのような検討をされておられるかお伺いいたしたいと思います。
#18
○国務大臣(坂口力君) 十月の二日でございましたか、決算委員会におきまして先生から御質問をいただいたわけでございまして、今お話しをいただきましたような答弁をさせていただいたというふうに記憶をいたしております。今までから長い間これは言われてきたわけでございますけれども、なかなか関係者の意見調整といったようなこともありまして今日を迎えているわけでございますが、もうぼつぼつ決着を付けなければならない時期に来ているということを申し上げたというふうに思っております。
 その後、十一月の十二日の日に日本ALS協会の皆さん方と直接お会いをさせていただきました。直接お会いをさせていただきまして、皆さん方からもいろいろとお話を伺ったところでございまして、そのときに是非早く結論を出していただきたいというお話でございましたので、私の方からひとつ検討会作ってやります、それで早く結論を出すようにいたしますということをお答えをさせていただきました。
 そのときに、それじゃその検討会、いつまでにその結論を出していただけますかというお話があったものでございますから、桜の花の咲くころまでには結論を出したいというふうに思いますというふうにお答えを申し上げたところでございまして、もう検討会のメンバーもほとんど決定をいたしておりまして、そして第一回をいつ開くかということで先生方の意見調整を現在させていただいているところでございます。
 検討会に間もなく入りますので、お約束を申し上げた春までには結論を出して、そしてお答えができるようにできるだけしたいと、そういうふうに考えている次第でございます。
#19
○谷博之君 桜の花の咲くころというと、日本も南北に長い列島ですが、沖縄で咲くころというふうに理解をいたしまして、春も早いうちと、このように結論を受け止めさせていただきたいと思っております。
 大変前向きの御答弁をいただいたわけでありますけれども、現実に今の動いている状況、私もちょっと非常に関心がありまして、厚生労働省の関係者の方あるいはALSの患者の方々ともお話をしているわけですが、既に平成十四年度の老人保健事業推進費等補助金でこの十二月から具体的ないわゆる支援のシステムに関する研究事業がスタートしたり、あるいはまた、同じように老健局が中心になりまして、補助金事業として現在、ホームヘルパーと医療行為の研究というふうな事業も、いわゆる医療法人社団誠心会というところを中心に検討が始まったということで、これ非常に、私は先ほど大臣が御答弁された検討会の動きと相まって非常に注目をしているところでございますが、こういうそれぞれの二つの研究事業が今後どのような形で成果を上げて、そして先ほど御答弁いただきました検討会に反映されていこうとしているのか、この点について重ねてお伺いいたしたいと思います。
#20
○政府参考人(中村秀一君) 今、先生からお話のありました老人保健健康推進等事業でございますけれども、自治体や関係団体の方から高齢者の介護や老人保健等に関連した事業を広く募りまして、特に先駆的あるいは試行的な事業等に対して助成を行うものでございます。約三十二億円くらいの予算を計上しておりまして、様々な応募がございまして、今年度二百三十件採択しているところでございます。
 御質問のありましたホームヘルパーと医療行為、あるいは安全かつ効果的な吸引等のケア技術の向上などをテーマとする研究事業について、今年度助成を行っているところでございます。
 最初のホームヘルパーと医療行為につきましては、埼玉の医療法人の方から申請があり、ホームヘルパーさんに対するアンケート調査を実施したり、定期的な研究会を行ったり、またその成果を市民の方々にもお知らせするという意味でシンポジウムの開催等を行っているところでございまして、いずれにしても研究中でございますので、報告書を作成していただいてこちらに提出願うと、こういうことになっております。
 もう一点、安全かつ効果的な吸引等のケア技術の向上につきましては、財団法人の日本訪問看護振興財団の方に助成しているものでございまして、様々な機器、人工呼吸器を装着している在宅療養患者さんにつきまして、実態の把握、御意向、様々なモニタリング、テレビカメラ等を用いたモニタリング、あるいは自動吸引装置を用いましたケアの実証研究等々について研究をさせていただくということでございます。
 いずれの事業につきましても、今年度末を目途に研究報告書が取りまとめられる予定でありますので、先ほど大臣からも御答弁申し上げました検討会の方にもできればその成果について御報告できたら、間に合えばというふうに思っております。いろいろな多角的な検討が必要だと思いますので、何らかの形で検討の際の参考となり得る研究成果になるということを私どもも期待いたしているところでございます。
#21
○谷博之君 いろいろと御説明いただきまして、ありがとうございました。
 それで、一点だけ最後にちょっと要望的な質問になるかと思いますが、実は大臣が御答弁いただいたその検討会、これから進めていくわけですが、どうも聞くところによりますと、医政局医事課がいわゆるまとめ役になってその検討会が進められるような話もちらっと聞いているわけでありますが、これは私は、医事課という課が医師の側に立つ課というふうにはあえては申し上げませんけれども、いろんなそういう分野からの対応もするような課だろうというふうに推察しておりまして、できるならばこういう吸引行為についてはいわゆる大臣官房がまとめ役になって全体としてやっぱり方向を決めていくという、そういう体制を取るべきではないかというふうに考えているんですが、この点についてはどういうお考えでございましょうか。
#22
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいまのALS患者のたんの吸引の問題でございますけれども、医学あるいは法律学などの専門的な見地から、公開の場で、この検討会は公開で行おうと思っておりますが、公正に当該行為の患者への危険性ですとかあるいは具体的な実施方策などについて検討を進めたいと考えております。
 これは医師法上の医行為の取扱いにかかわる問題でございますので、医事課、私どもの医政局が事務方としてそれを担当するというふうに考えておりますけれども、訪問看護制度を所管する先ほど御答弁ありました老健局ですとか、あるいは難病対策を所管する健康局とも緊密に連絡を取りながらやろうと思っておりまして、大臣官房ということでなくて、大臣直接の指示をいただいて、省として検討していきたいと考えております。
#23
○谷博之君 いろいろな御答弁をいただきまして、おおむね了といたしまして、是非そういう方向で、大臣が冒頭お話ありましたように、そういう体制で、しかもそういう時期を目標にして、我々そして特に患者側からもいろいろ出ておりますそういう要望や意見なども含めて、前向きなひとつ御検討をいただき結論を出していただきたいと、このように考えております。
 それでは、続きまして独立行政法人国立病院機構法案についての質問に入りたいと思います。
 私は大きく二つの質問をさせていただこうと思っていますが、まずその一つは、政策医療と地域医療の臨床評価指標についてお伺いしたいと思っていますが、個々の病院がいわゆる独法化して、その後の中期計画を第三者が評価するための尺度として臨床評価指標というものが検討されているというふうに聞いております。その際、神経難病とかあるいはてんかんとか重症の心身障害者等々のこういう方々の医療というものは、非常にこういう政策的な医療になっている分野の、現在、国立療養所等があるわけでありますけれども、こういうところの意見がその検討の中でどのように反映されていくのかということは、ある意味では当事者の人たちは心配をしているわけであります。
 臨床評価指標として余りにもここに医療経済性とか効率性というものが持ち込まれますと、大変こういう方々は採算性や効率性だけでは評価し切れない、そういう領域があるということで、非常にここのところが、大臣も御理解、認めているところでありますが、難しい面があるんだろうというふうに思っています。治癒率とか平均在院日数の短縮とか、そういうことで評価されていくということになると、非常にそういう意味での問題点が残るんではないかというふうに思っております。
 そこで、こういうような急性期医療評価と難病等効率の悪い、収益性の低い部門を同一に評価すること自体は非常に無理があると思っておりまして、この点について大臣はどのように基本的にお考えでございましょうか。
#24
○政府参考人(冨岡悟君) 医療サービスの内容に関します評価の客観的な指標としましては、御指摘のような臨床評価指標といったものが考えられるわけでございますが、これをどのように設定するかというのは非常に重要で、また慎重に検討すべき事柄でありますが、御指摘にもありましたが、急性期の医療と難病等の慢性期医療とでは患者さんの状況や提供される医療の内容が異なるわけでございますので、当然のことながら、それに沿いました異なる評価といったものが必要でございます。
 そういうことから、その基準につきましても、急性期医療では御指摘のように平均在院日数といったものが考えられるわけでございますが、慢性期医療といった点につきましては必ずしもふさわしくないわけでございまして、難病患者さんの受入れ実績とかいった、それから家族との相談にどのように応じたかとか、いろんなそういったきめ細かな観点からの評価になろうかと思っているところでございます。
#25
○谷博之君 国の予算を一つ取ってみても、投資効率の高いというか、先駆的なそういうふうな医療機関に特に重点的に予算が配分されていくというような、そういうふうなことが傾向としてあるわけですけれども、しかし、民間では担うことのできないこの分野の医療というものが、それは国が責任を持って支援をしていくという、ここがやっぱり私は一番大事だと思っているんですね。
 これは、私の地元の栃木県の話を申し上げて恐縮ですが、国立栃木病院というのがございまして、ここはこの地域屈指の最大の総合病院でございまして、特に小児医療を含む地域医療を確保する意味で非常に大きな役割を果たしているというふうに言われております。
 県の担当責任者にもいろいろお話を聞きますけれども、今後とも、栃木県が保健医療計画というものをこれから作って、あるいは計画していく中で、この栃木病院は今後更に母性や小児の医療にかかわる機能の大変大きな役割を果たす医療機関として期待をしているということを表明しております。
 そしてまた、栃木県は、現在、小児医療センターの整備とか小児救急体制の整備に着手しているところですけれども、そういう中で、今後ともこの国立栃木病院は、成育医療とか小児救急医療とか小児の高度医療、こういう分野などで正に大事な、中核的な役割を果たすものというふうに期待をしているところなんです。
 そういうことで、こういう具体的な例を踏まえて、特に先ほど申し上げましたような政策医療と地域医療、このいわゆる中期計画の目標として、特にそのうち小慢を含む難病医療、そして小児救急の臨床評価指標について、具体的に、何を今後どのように取り組もうとしているのか、そしてどのような目標を立ててこうした検討に入っていこうとしているのか、この辺を重ねてお伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(冨岡悟君) 御指摘の小児慢性疾患を含みます小児関係の難病、小児救急、こういったものにつきましては、独立行政法人への移行後におきましても機構が積極的に取り組むべき医療分野であると考えておりまして、地域の実情に応じまして適切に対応していくべきものと考えております。
 御指摘のその場合の評価基準ということでございますが、なかなか、かなり専門的にこれから詰めていくべき指標だと思っておりますが、小児の救急につきましては、やはり、どういった症状の患者さんをどれだけ受け入れるかと、そういったこと、それから紹介率とかいったこと、それから地域の医療機関との連携といったこと、こういったことが評価の観点の一つになるのではないかと思っております。
#27
○谷博之君 実は、今度のこの独立行政法人化に向けて、やっぱり一番当事者である小慢を含む難病患者並びにその家族の方々は、具体的にこういうふうな、いわゆる政策医療の分野に入るこの医療のこれからの進む方向というものを非常に懸念をしたり、そしてあるいは期待をしたりしているという、こういう部分があります。
 例えば、具体的な例を申し上げたいと思いますが、国立療養所山形病院の例でありますけれども、ALSの、先ほど申し上げた患者さんの具体的な例でありますけれども、こういう方々は、自宅と、それから中間施設と、それから専門医療機関と、それから長期に療養する機関と、いろんなところで自分の療養生活というものを送っているわけですね。ALSの協会で調べても、全国で六千三百人患者がいると言われておりますけれども、このうちの半分、三千人がおよそ在宅で療養生活を送っている。
 こういう方々が今申し上げましたように在宅とか医療機関で入院をしたりして治療を受けているわけでありますけれども、問題は、これをどうやって連携をして療養生活に当たっていくかというのが大事だと思うんですね。この部分が実は今度のこの動きの中で大きな私は問題になってくると思っています。これを山形病院は、その連携を取って、地域におけるそういうシステム作りということで、国立病院がそういう役割の一端を担って今活動されていると、こういう報告を私どもは聞いております。
 そういう意味で、重ねてお伺いをしたいわけでありますけれども、今申し上げましたように、国の十分な支援がこういう国立病院や療養所に対して今後ともこういう法制化の中でも継続し、力を更にそこに注いでいかなきゃいけないと思っておりますけれども、これらについてのお考えをお聞かせいただきたいと思っています。
#28
○国務大臣(坂口力君) 今お話ございましたように、重心でありますとか筋ジストロフィー、あるいはまた精神難病といったような、そうした皆さん方につきまして、国が中心的役割を今までも果たしてまいりましたし、これから先、独立行政法人になりましてもそこは変わるところがないというふうに確信をいたしております。
 これからもこうした皆さん方の問題を政策医療の中心、かなめとして取り上げていきたいと思いますし、今、山形病院の事例を御紹介をいただきましたけれども、大変それは期待の持てると申しますか、大変参考になる例だというふうに思いますから、そうした地域との連携といったものもより積極的にこれからはやはり進めていかないといけないんだろうというふうに思っております。
 病院の中におけるいろいろの治療も、あるいはまたケアといったようなものにつきましても、これは大事でございますが、それだけではなくて、やはり地域との連携というものも密にしていかないといけないというふうに思っておりますから、それらのことも参考にさせていただいてこれから進めるようにしたいと思っているところでございます。
#29
○谷博之君 この問題の実は最後に、この山形病院の関係者から私のところにちょっとお手紙をいただきました。その中に、このようなことをその方は触れておられます。二十一世紀はどんな人にもひとしく必要な医療や生活支援がなされなければならない時代にありながら、現在、在宅療養が困難な方々が、その条件が整えられるまでの限定された期間でさえも気兼ねなくゆっくり安心して療養できる環境がますます狭まっているような気がしてなりませんと、こういうふうな御指摘もされておりまして、今、大臣の答弁もありましたけれども、具体的なそういう努力をされている事例などもよく研究していただいて、今後ともそういう面での努力を注いでいただきますようによろしくお願い申し上げたいと思っています。
 それから、大きな二つ目の問題でありますが、これは衆議院の委員会でも随分触れられていることでありますし、当委員会でも今後触れられる問題の一つと思いますが、賃金職員の雇用形態の改善、特に看護師の配置不足についてお伺いしたいと思っています。
 私、自分の地元に国立東宇都宮病院というのがございまして、そこに何度か、そこで働く皆さん方の労働条件というか労働状態についての視察をさせていただいたことがございます。
 重症、重篤ないわゆる障害を持つ人たちがその一つの病棟に入院をされておられまして、何十人もいるそういうふうな患者に対して夜間たった二人の看護師さんがいわゆる夜間の勤務に就いておられる、そういう状態を夜中の十二時ごろ、私、見学をさせていただいて、これは大変だなと、どういう状態が起きるかもしれないという中でこの二人の体制で四十人、五十人の患者さんをずっと診ているということは、非常に私は重い仕事ではないかなというふうな感じをいたしました。
 そういう事柄を目の当たりにしながらお伺いをしたいわけでありますけれども、今回の独立法人化する、先ほど出ました百四十四の施設の看護師の数は賃金職員の看護師も含めてどのぐらいいらっしゃるか、そしてそのままの現行の体制が移行していくというふうに考えておられるのか、そしてまた、それで必要十分な体制が取れるというふうに考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#30
○政府参考人(冨岡悟君) まず、お尋ねの人数の点でございますが、平成十四年十月現在におきまして、国立病院・療養所に勤務する看護職員数は二万九千八百三十八名でございます。うち、賃金職員は四千四十二人となっております。
 独立行政法人に移行した後の看護体制につきましては、この独立行政法人全体を運営する責任を有します法人の長、またその前段階な法人の長となるべき者がその責任におきまして、全国の国立病院の政策医療をどのように展開していくかということを考える中で各病院の在り方、運営体制の在り方を精査し、人員配置につきましてもその中で必要な人数、雇用について検討していく事柄でございます。
#31
○谷博之君 今の答弁は、これは衆議院の委員会の質問に対しても一貫して答弁されている内容だと思っておりますけれども、最後に、私はちょっとこの問題についての意見を含めた質問をいたしますが、その前に重ねてお伺いしたいんですけれども、大臣が衆議院で看護師の十分な確保は重要というふうな答弁をされておりますね。しかし、そこの中で、対ベッド数という考え方ではなくて、入院期間等も加味した考え方も必要というふうな答えとか、あるいは政策医療の体制に応じた看護体制を考えていくと、このような答弁をしておりますけれども、しかし、このことを突き詰めれば、これはいわゆる政策医療の現場では基準看護をあえて破ってもこれから現実対応していくと、こんなふうに受け止められがちなんですが、その辺の内容はどうなんでしょうか。確認したいんですが。
#32
○国務大臣(坂口力君) 私が衆議院の方で答弁をさせていただきましたのは、看護師職員の数につきましては、これは決められてはおりますけれども、最低限の人数が決められてはおりますが、しかし、患者さんのいわゆる入院日数が短くなって、短くしていくということになりますと、そうすると次に新しい人がまた入ってくるわけでありまして、そして新しい人が次々入ってまいりますと、検査ですとか様々な問題がそこに起こるわけでありますから非常に忙しくなる。入院期間を短くすると、そうすると非常に忙しくなるというのが現在どこでも言われているところでございますし、私も事実そうだと思うわけです。
 そういたしますと、入院期間を短くするということは、少ない看護師職員等の、看護師さんだけではありませんけれども、職員数で回すということは非常に難しくなってくる、やはりそれなりの職員数を整えないとやっていけないことになるのではないかということを私は申し上げたわけでありまして、今お話を聞きますと、逆の方向に取っていただいているようでございますが、そういうことでは決してございませんでした。
#33
○谷博之君 分かりました。
 それで、最後に、先ほど申し上げましたように、聞きたいというふうなことをお聞きしたいんですが、実は平成十六年四月の独立行政法人化に向けてこういう賃金職員の雇用形態の改善を含めて事前の労使間協議を早期に始めるべきではないかということなんですが、実は一九九九年十一月二十四日に第百四十六回臨時国会の衆議院の行政改革特別委員会で、いわゆる独立行政法人化に向けての労使の間の、労使といいますか、ここに働くそういう皆さん方に対する移行に向けてのいろんな協議、そういうものについて質問をしまして、当時の総務庁の続総務庁長官、そしてまた持永総務政務次官、この方々がいろいろお答えをしております。
 まずは持永総務政務次官は、そこの職場にいる人たちの半分以上の労働者の人たちの合意がないとこれからのそういう労働条件というのは決定できませんと、こういう答弁をしたり、続総務庁長官は、独立行政法人への移行準備として、法人の成立時に速やかに労働協約が締結できるように成立前に関係者が事実上の交渉を行うことも可能であると、こういう答弁もしていますね。
 これは総務庁の答弁ですから、現実にこの委員会では云々という話はあるかもしれませんが、少なくとも、先ほど来賃金職員の看護師の質問もいたしましたが、これらはすべて新しいそういう理事長、新しい責任者が決まって決めることなんだという答弁をずっと繰り返しされているんですが、それは、その前に、十六年の四月からの独法化の前に、半年前からそういう体制に入りますということだと思うんですけれども。
 だけれども、少なくとも、その以前からそこに働いているそういういろんな職員の方々は、自分の将来の労働条件やそして具体的なそういう内容はどうなっていくのかということについて非常にやっぱり危惧をし心配しているわけですね、自分自身のこととして。とすれば、少なくとも、最終的にはそういう新しい体制での決めになるかもしれませんけれども、私は、こういういろんな、以前にこういう答弁等も国会でやられているわけですから、もう少し前向きにこの問題について取り組むべきだと思っていますけれども、今申し上げましたような賃金職員の雇用形態の改善も含めて事前の労使間協議を早急に始めることについての御答弁を求めたいと思っております。
#34
○政府参考人(冨岡悟君) 法人が発足する予定は十六年四月でございますが、長となるべき者は施行以降指名可能になりまして、半年前の十月から指名可能になります。その意味では、本来的には法人との協議になるわけでございますが、その以前から、長となるべき人が決まった段階で、そういった責任を持った方が決まった段階においてそういう責任ある人の下で処理されるというふうになる、そういうふうに申し上げているところでございます。
 どうしても責任ある方、交渉できる方が決まって、ある程度骨格といったものが見えてこないとなかなか実質的なそういったことにはならないのではないかと、そういうふうに思っております。
#35
○谷博之君 時間が来ましたので、残念ながら終わらせていただきます。
#36
○櫻井充君 私は国立療養所に四年間勤務しておりました。ですから、国立療養所の内容は相当分かっているつもりでして、私が勤めていた病院がひどかったのかほかの病院も同じなのか、そこら辺はよく分かりません。いかにひどかったかという話をさせていただければ、この委員会で質問している時間全部使い切れるぐらい内容は極めてひどかったと私は思っています。ここで個別のことについて触れないようにはしますが、しかし御答弁によっては事例を挙げていかなきゃいけないかもしれないとも思っております。
 そこの中で一つ、私は医長になったときに東北地方医務局に呼ばれまして何と言われたかというと、政策医療をやれと、そして他の公立病院とか民間病院でやれる医療はなるべくやらないようにしなさいと、まずそういう指示を受けました。その上で、今は国立といえども赤字を垂れ流しておくわけにはいかないのでなるだけ収益を上げるように努力しなさいとも言われました。
 ですから、その際に、政策医療を行ってどうやって収益を上げることができるのかということをその場で問うたときに、全くだれも答弁できなかった、お答えはいただけませんでした。つまり、いろんな目標が掲げられているわけですけれども、相矛盾していることが極めて多いと思っています。
 もう一点挙げますと、療養所というのは元々は外来を持たなかったところだったはずです。私も外来一日七十人ぐらいの患者さんを診ておりましたけれども、そういった約束事がきちんと果たされていない。そして、今回提出されたこの内容を見ても、極めてあいまいなまま独立行政法人に移行されてしまっているのではないだろうかと、そういう気がいたします。
 その観点から、まず第一点に、今後、日本全体としての医療提供体制の中で、国立病院というのは、若しくは療養所も含めてですけれども、どういう位置付けにあるべきとお考えなのか。その点について坂口大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(坂口力君) 今までの国立病院、そしてこれから独立行政法人になるわけでございますが、この独立行政法人をどういうふうに位置付けていくかということは、今いろいろ御指摘がありましたように、過去の経緯等を踏まえて考えましたときに、非常に分かりづらい面が確かに私もあるというふうに思っております。
 その中で一つやはり明確にしておかなければならないのは、先端医療も含めた政策医療というものをやはりこれは担当をしなければならない。先ほどから、谷議員からの御議論がございました、例えばそういうALSでありますとかあるいは精神・神経疾患の方でありますとか、そうした方々の疾病というものを診ていくということもございますけれども、しかし、一般的な治療の中での先端的な医療というものもやはり担っていただく分野ではないかというふうに思っている次第でございます。
 ただ、それは全体としてそうでございますが、地域によりましても、地域というものの理解というものもやはりしていかなければならない。その周辺に一般のそういう先端的な医療も受け持つようなところがたくさんある中で競争してそれをやっていただくのか、そういうときには独立行政法人としてやらなければならないことを地域の中でいろいろの方とのお話合いの中で決めていくのかということは率直に言って私はあるというふうに思っておりますが、おしなべて総論的に申し上げれば、政策医療というものを中心にやっていくということが、この独立行政法人に課せられた最大の課題であるというふうに思っております。
 したがって、それをやっていきます場合に、それじゃ財政的にそれが見合うのかという問題が必ず付いて回るわけでございます。それが特別な疾病の問題等を取り扱っていくということになってまいりますと、それは採算性というものは非常に合わなくなりますから、その分につきましては交付金をどれだけ出すかという話になってくるわけでありまして、今までの国立病院のときよりもそこはより明確にしていかないといけない。
 採算性に合わない分野を行う場合にはどれだけの交付金を出すか、あるいは、もう少し先端的な医療を行うという場合には、それは採算が合う面もあるわけでありますから、そこをおやりをいただくときにはどういうふうにするかということを、少しより具体的に今までよりもやはりしていかないといけないのではないかというふうに思っている次第でございます。
 お答えになったかどうかちょっと疑問でございますけれども、まず、それだけ申し上げて、また御議論、御疑問の点にお答えしたいと思います。
#38
○櫻井充君 今、政策医療という御答弁がございました。その政策医療というのは以下の十九分野だと、こう指定されているわけですが、十九分野といっても、これだけぱっと見れば全部の分野が入っているわけですね。そこの中で先駆的な医療や難治性の疾病等に関するということがございますけれども、しかし、果たしてそれが先駆的な医療や難治性の疾病なのかどうかということを診断するためには、もう当たり前のことですけれども、一般の患者さんも診ざるを得ないということになるんだろうと思うんですね。ですから、そうなってくると、果たしてどこまでが国立病院としての役割になってくるのかというのは明確ではないんじゃないだろうか。
 例えば不整脈の、循環器の疾患がありますから不整脈なら不整脈の治療でいうと、以前は、アブレーションのように焼いたり、カテーテルを入れて焼いたりするというのはこれは極めて珍しい治療法でした。しかも、これは先駆的な治療だったと思います。今は随分いろんなところの病院でやれるようにもなりました。ペースメーカーもしかりだと思います。かと思えば、一方では薬物療法で構わないというようなものもあるとすると、どこまでを政策医療ととらえればいいのか。その点について御答弁願えますか。
#39
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘になりましたところはなかなか、ぴたっと線を引いて、こちらが政策医療でこちらが一般医療だということを言うのは甚だ難しい話だというふうに思いますけれども、しかし、全体で見て、やはり政策医療を中心に考えて、それに付随をしてくる一般医療というのは必ずある。それからまた、一般医療の中にもそこに若干政策医療的なものが入ってくるものも若干それはあるというふうに思います。
 したがって、政策医療というふうに主張をいたしましても、例えば今お挙げになりました心臓なら心臓の疾患についての先端的な医療を行っているというふうに言っておりましても、一年か二年いたしましたらそれはもう一般的な医療の方に入っていくということだってそれはそこはあり得る話でございますから、そこを明確な線を引いていくということで、引いた線がずっと時代の変遷を経てもそれが変わらないというわけにはいかない。やはりそこはある程度動くものだというふうに思わざるを得ませんけれども、しかし、その時代時代の先端的医療をどうやっていくかということはあるわけでありまして、心臓ならば心臓の、その治療に対するそのときそのときの先端医療をどう求めていくかということになるんだろうというふうに私は思います。
#40
○櫻井充君 先端医療をやっていくというのは、これは国立病院の担っていく役割の大きなもちろん一つだと思っています。
 ただ、大臣、もう一つ別な観点から考えていきますと、民間病院の今三割ぐらいが赤字だと。もちろん、国公立病院は民間と同じような経営を求められれば赤字になるんだろうと思います。しかし、私は、国立病院は黒字になる必要性がないと思っておりまして、それはなぜかというと、民間病院でやれないことをやるということになれば、ただし無駄なことを全部じゃやっていいかということではないと、そこはもう全く違いますけれども、基本的には赤字になって仕方がないものだとは思っています。
 ただし、民間病院の今三〇%が赤字だという状況があって、もう一つは、厚生労働省は、ベッドが多いのでベッドを削減しなければいけませんねというお話もされているはずなんです。そのことから考えていったときに、これは国立病院のベッド数を削減していこうとするのか、民間病院を削減していこうとするのか、この提供体制の問題というのは極めて重要なことなんだろうと思うんですね。交付金を投入して、しかも固定資産税等も全部免除されていくような病院と、そういうものを全部支払いながら運営していかなければいけない民間病院とは大きなハンディキャップがございます。
 もう一点言うと、例えば健診を受ける場合に、労災病院で健診を受けるときには、たしか労働省からだったと思いますけれども、補助金が出ていて、民間の病院で受けるよりも六千円ぐらい安く受けられますから、結局民間の病院で受けるよりは、皆さんはそういう公的病院に行くというのが当然というか、そういうことになったりしているわけであって、今の在り方で民間を圧迫するということはないのか、その辺についての御所見をいただきたいと思います。
#41
○政府参考人(冨岡悟君) 先生重々御案内のように、国立病院・療養所は二十年近く前から再編成に取り組んでおります。その中で、国として、言い換えますと政策医療としての機能を果たしていないところ、また、果たすことができないといったところにつきましては移譲なりということを進めてきたわけでございまして、そういった中で、私どもとしては再編成を通じ機能強化を図る一方で、そういった譲れるものは譲るといったことをずっと取り組んできた次第でございます。
#42
○櫻井充君 いや、民間を圧迫することになりませんかという話をしているんですけれども。
#43
○政府参考人(冨岡悟君) その意味では必ずしも、その地域といったところにおきまして国がやらなくても対応できるといったものにつきましては、そういった地域の適切なところに移譲をするといった形で国としての役割は終えると、そういったことをしてきたわけでございます。
#44
○櫻井充君 そうしますと、私は療養所で四年間ほとんどぜんそくの治療をやってきたんですよ。患者さんの八〇%以上が気管支ぜんそくの患者さんで、これはもう民間病院で本当は診れるはずなんですけれども、そういう患者さんの治療を行ってきたわけです。
 そうすると、そういう役割というのは、じゃ基本的には終えるということですか。私がもし民間病院に行けば、それは民間病院でやっているんです、同じことを。たまたま療養所にいたから療養所でやっていただけの話でして、民間病院にいたって同じようにやれるんですよ、こんなの。そのことについてどうお考えなのかということです。
 つまり、先駆的な医療をやるということに対して否定しているものではありません。しかし、民間でやれるものは民間でやろうというのは、これ医療だけではなくて全部に対して小泉内閣の基本方針ですから、その意味において、民間病院でやれるものは民間病院の方に移譲をきちんとするべきではないのかと。そして、その上で、国立病院なりの統廃合をもう少し進めていくか、もっと別な形の政策医療を求めていくような、そのような必要性があるんではないかと思っているんですが。
 改めて御質問いたしますけれども、大臣にお伺いしたいんですけれども、今の国立病院の在り方で、一般的な治療も随分やられているわけですけれども、これは民間を圧迫しているということにはなりませんか。
#45
○国務大臣(坂口力君) ある意味では、それは圧迫しているというところも私は率直に言ってあると思っております。それは現在の国立病院の行っている中身というものが地域との連携の中でやられているかといえば、決してそうではありません。それは国立病院として何をやるかということになっている。そして、それは様々な分野にこれは発展をしてきている。いわゆる総合病院としての非常に大きな役割を演じている。
 地域におきましては、その中で非常に程度の高いものを、あるいはまた非常に重症な人を受け入れるといったような側面があることは否定できませんし、そういう意味では、一般の病院と同じことは、同じ患者さんがいるけれども重症度等によって違うということも中にはございますから、一概に、現在いわゆる国立病院がおやりになっていることと一般病院のおやりになっていることとがすべてが同じということは言えないというふうに思いますが、中にはそれは、一般の病院で済むことを国立病院の方に患者さんがお見えになって、それを診ているという側面も確かにそこは存在をすると。これから先、そこをどうしていくかということになるんだろうというふうに思います。
 それは取りも直さず、独立行政法人の病院がこれから何をしていくかということになるわけでございますが、一つは、その上で、そういいました、政策医療というものは何かということをその中で詰めていかなければならない。だから、政策医療のその中身はそれぞれの地域によって私は違ってくると申しますか、それぞれの地域のいろいろの御意見を伺うことによって一つは決まっていくんではないか。
 独立行政法人全体として、百四十四の中でのやはり役割分担というものも私はあると思います。その中で、例えば筋ジスなら筋ジスを診るところはどことどこでひとつお願いをするかとか、そうした問題は私は起こり得るだろうと。やはりすべてのところでそれを行うというのではなくて、専門的にどこかが引き受けていくということはあり得るんだろうというふうに思いますが、それだけではなくて、やはり地域との中での何を担うかという問題が私はこれから大きい課題になってくるというふうに思っております。そうした意味での話合いというものが一つのポイントになってくるのではないかというふうに思います。
#46
○櫻井充君 地域でということになったとすると、果たしてその運営主体がこの独立行政法人という形でいいのかどうか、ここは問題になるんだろうと思うんですね。
 特に、僕は、地方医務局、今回、地方医務局ではなくて何か別な名前で残るようですけれども、そういうところが管轄するということ自体、結局地域となかなか話合いができなくなってしまうんじゃないんだろうかと思うんですよ。医療の地域の体制でいうと、僕はやっぱり県がやるべきだと思っていますけれども、果たして県が国立病院に対してそうなってくるとどのぐらい意見を言えるのかと。
 例えばある一つの県があったときに、新たなる病院を作ってくるときに、もし国立病院が地域の病院で例えば救急なら救急をやりますよとか小児救急をやりますよとか、そういうことをきちんと打ち出してくれて、県との話合いに応じてくれてやっていくんだということになってくれば、確かに地域性というものは出てくるんだろうと思うんですね。
 そこら辺のところでいってくると、結局のところ、大方針は厚生労働省が握っているようなことになってしまうと、なかなか地域と話合いができなくなってしまうんだろうと思いますけれども、そこら辺の決定権というのは独立行政法人は持ち合わせているんでしょうか、単独でです。今までであれば、東北地方医務局にお伺いして、地方医務局から厚生労働省の本省に行って、そこで決定されて返ってくるというようになっていましたけれども、今度はそのようなことに関して単独で決めることは可能なんでしょうか。
#47
○副大臣(木村義雄君) この点は先ほどの武見先生の御答弁と関連をしてくるわけでありますけれども、もちろん、先ほど言っていましたように、政策ネットワークとしての制約はこれはありますけれども、基本的には個別の病院を重視していくということにもうかじを切ったわけですよ、今回、独立行政法人ということで。
 かじを切って、できるだけその病院に自主的で決められる範疇を増やしていこうという方向性を出したわけですから、それは、今言ったところの地域性のというのは、それぞれの病院長がどこまでそれを、そこの重きを、重点を置いて取り組んでいただけるか、正にそれはその病院長がどこまで頑張っていくかにも懸かってくるわけでありまして、それは今度の方がはるかに今までと違った面で地域のいろんな要望にこたえていける可能性を持っているんですから、そこは十分にやっていただけるかは、それから先は新しい病院長の経営者としての感覚だと思います。
#48
○櫻井充君 そうすると、結局国立病院、独立行政法人は地域医療も担っていくということになるわけですね。
#49
○副大臣(木村義雄君) それはもちろん政策です。政策ということと、僕はそこを何度か答えていますけれども、それは地域の必要性にこたえるのは当然であります。ただし、先ほどから答弁しておりますように、また先生も思っておられるように、民間病院でそれを担っていただけるところがあればそれにこしたことはないんです。だから、民間病院で担っているところがなければ、それは地域にある程度協力していくのは、それは当然のことじゃないですか。
#50
○櫻井充君 民間病院でそれができればそこが担っていく、それは当然のことだとおっしゃいました。それは僕も当然だと思います。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 しかし、元々国立病院があって、民間病院がそこのところに作りたい、その地域に作りたいと思っていたとしても、国立病院があるからそこに参入できない地域も一杯あるわけですよ、元々言えば。そうしてくると、本当に独立行政法人という形でいいのかどうかという議論が必要だと思っています。
 それは、宮城県に鳴子というところがありますけれども、鳴子が町立病院に生まれ変わりました。この間、町長さんとお話ししたんですけれども、町立病院になって極めて良くなったと、しかも地域の住民の方から物すごく良くなったという声をいただいていると。大体、おしかりも少しあるけれども、四対一ぐらいで評価されていると。
 何が良くなったのかといいますと、基本的には自分たちで方針をきちんと決めた上で、あの当時も国立病院のときはリハビリをやっていたんですけれども、リハビリをやると言いながら理学療法士さんが一人もいなかったんですね。そこに今七人の理学療法士、七人だったかな、理学療法士さんもおられる。それから、住民側の苦情というものも直接、例えば極端に言ったら、お酒の席だとか近所と話合いをしたときに役場の職員がこう言われている、それをすぐに病院に伝えて、そして改善の努力をしてきていると。ですから、極めて風通しが良くなって、それから、地域がある程度の方針を決めていくことに関して迅速に対応できるようになってきたと、こういうメリットを挙げられておられました。
 ですから、大事な点は、おっしゃることはよく分かります、しかし、本当にそのまま独立行政法人化することがいいのか、若しくは地域に移譲してしまってそのような形で運営してもらうのがいいのか、そこら辺のところの議論というのはきちんとやらなきゃいけないんじゃないかと思いますが。
#51
○副大臣(木村義雄君) おっしゃるとおり、今度の中には五年間で見直しするんですよ。そういうことも含めて、これは必要な病院か必要じゃない病院かも含めて、五年間たったらそこは見直ししているんです、それは外部の行政評価とかいろんな手続あるかもしれませんけれども。ですから、その段階で先生のような話が当然出てきてしかるべきだと、私はそのように思っています。
#52
○櫻井充君 それでは、その実情に合った病院を作っていただきたい。というのは、とにかく病院を作るというよりも、患者さんに合った医療提供体制を作っていっていただきたいと思っています。
 その意味で、もう一つ、私はやはり国立病院ってこれから何をやるのかというと、もう少しきちんとした研究をやっていくべきなんだろうと思っているんです。特に臨床研究です。我が大学病院って、東北大が特別かもしれませんけれども、基礎研究を随分やってまいりました。大学病院は教育病院でしょう、そして研究病院なんですが、我々の病院は基礎研究が極めて多かった病院です。日本の医学の研究を見てきてみると、臨床の研究というのは極めて少ないんですよね。
 その意味で、国立病院なら国立病院でテーマをきちんと決めていただいた上で、その研究をもっともっと充実させていく。ここの中の評価の中で財政の面が随分挙げられていましたけれども、研究がどのぐらい進められていくかとか、そういうことをきちんと評価するという、そういう機構はあるんでしょうか。
#53
○政府参考人(冨岡悟君) 政策医療の四つの柱という中に、医療だけではなくて臨床研究、いろんな医療関係職員の研修とかいったもの、それから臨床研究、それからいろいろ得た知見の発信、こういったことがあると思っております。
 その意味では、臨床研究というのは非常に重要な分野だと思っておりまして、そういったことをどのように実施するかという目標が厚生労働大臣から法人に対して与えられまして、法人はそれを受けて計画を作って実施し、それをどのようにやっているかということが評価されると、そういうことになっていくと考えております。
#54
○櫻井充君 私が勤務していた病院というのは基礎研究棟がありまして、一応、そこに施設、十億ぐらいだったかと思いますけれども、それで作られたそうなんですけれども、私が行ったときだれも使っていないんですよ。そうやって、施設はあります、ここで研究するんですという、そういう姿勢はあるんですけれども、人がいなくて全然できていないということもあるわけですよ。
 ですから、その体制整備とかいろんなことをおっしゃいますけれども、きちんとやっていただいて、要するに今までであると、こういう体制を整えたから後は大丈夫ですというお話をよくいただくんですが、これからそうじゃなくて、どういうものが上がってきているのかということが極めて重要なのであって、そこら辺のチェックをきちんとしていただきたいと思います。
 なぜこんなことを言うかと申しますと、実は今、私、ある方から依頼を受けて調べている最中なんですが、三度の房室ブロックで、これは極めて有名な病院の附属病院でこういうことが起こったんですが、三度の房室ブロックだと診断をされて、我々の感覚であればすぐに入院だと思います。三度の房室ブロックですから、心臓がすぐに止まる若しくは不整脈を引き起こして亡くなる可能性があるから、私は、すぐに入院させて、少なくとも体外式のペースメーカーを植えるか若しくはモニターをするというのは当然のことだと思っていました。
 しかし、極めて有名な大学の極めて有名な先生がどうされたかというと、二週間ほうっておきました。彼はインドに旅行に行って、その後、戻ってきて入院させた後にモニターも付けずに、ペースメーカーを植えるのを連休があるからと言ってその連休の後にしましょうと。その連休の初日に亡くなったというか倒れて、結局、十日後に亡くなりました。
 こういう症例を見ていると、本来は助かるはずであって、その治療の標準化というものがあればごく当たり前に行われるべき治療、助かった患者さんだったと思うんです。それが助かっていかないというところに私は今の日本の医療の、何というか、貧弱な、しかも一番大きな問題を抱えていると思うんです。
 この点について、ちょっと国立病院の話から外れるんですが、三度の房室ブロックの場合にやはり死の予見というものがあるわけであって、緊急に入院させるか若しくは、入院させて、僕の感覚であれば一時的な体外式のペースメーカーなりなんなりを植えるか若しくはモニターで記録するなり、そういう措置が必要だったと思うんですが、その点について、厚生労働省、どう思われますか。
#55
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生御指摘の三度の房室ブロックにつきましては、基本的な認識といたしましては大変重篤な疾患でありますし、基本的には入院、治療が必要ではないかと。特に、今、先生も御指摘になりましたように、ペースメーカーが最善の治療というふうに認識をいたしております。
#56
○櫻井充君 この方は本当に、名前を出してもいいんですけれども、極めて有名な方なんですよ。こういう治療が行われている実態について、厚生労働省、どう思われますか。
#57
○政府参考人(篠崎英夫君) もしそういうことが事実であるとすれば大変残念なことであると思いますし、また私どもも今、EBMに基づいた診断あるいは治療というものが必要であろうというふうに考えておりまして、最も普通の病気から順次診療ガイドラインを作成していこうと、このように考えているところであります。
#58
○櫻井充君 そのガイドラインの作成のためにはデータが本当に必要なわけですよ。そういう臨床のデータを取っていきます、その医療の標準化をやるために、行っていくために国立病院は研究機関となります、臨床の研究を主としてやっていきますということであれば、これは地域の医療もやりながら、そういう患者さんたちも診ながら実践していくことになります。ほかの民間病院ですと極めて忙しいですから、なかなか臨床のデータを集めてくることが難しいということになれば、こういうことこそ国立病院がやれば全体の底上げにつながっていくんだろうと思うんです。
 ですから、是非、政策医療といってあいまいな形にするのではなくて、もう少し目的意識を持った独立行政法人化、そういう方針を立てていただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょう。
#59
○国務大臣(坂口力君) どういう部分を担当するかということも大事でございますが、その中の質をどう上げるかということもこれまた併せて大事なことだというふうに思います。今、お話ございました第三度の房室ブロックというような場合にそれをどうするかという、篠崎局長からも話がありましたが、そういうガイドラインというものをやはりきちっとしておく必要がございますし、現在、この疾病だけではなくて、様々な疾病に対応する医師の姿勢というものが、いろいろ格差があり過ぎるといいますか、その医師によってやり方が余りにも違い過ぎるといったことが私は日本の医療として指摘すべき重要な点だというふうに思います。
 したがって、その辺のところを一定のガイドラインを作って、少なくとも基礎的なことは一致をしてお互いにやるという、そしてそれだけのデータが存在をするといったことを整理をしていかないとこれは質的上昇に結び付いていかない。そうした意味で、臨床研究ということをお取り上げをいただきましたけれども、それは一つの大事な方法だというふうに思っております。
#60
○櫻井充君 是非御検討いただきたいと思います。
 それからもう一つ、今回の独立行政法人化で従来の地方医務局のような中間の機関を置くことにしておりますが、この機関自体不要ではないんでしょうか。
#61
○政府参考人(冨岡悟君) 全国で百四十四の病院を政策医療のネットワークとして目的を遂行するわけでございますが、その場合に、やはり同じ成果に向かって、中味はいろいろ多様でございますが、向かって効率的にそして効果的に推進するというためには、やはり組織といったものをしっかりさせて体系的に取り組むといったことが必要かと思っております。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 その場合に、ブロック単位、現在、地方厚生局ございますが、どうしても中央が全部あらゆることについて、いろんな点について相談に応じたり、いろんな資金を配分したり評価するといったことについては、やはり中央ではなかなかし切れないという面もありますし、やはり地元事情に通じた管理部門といったものがふさわしい分野もあるのではないかと思っております。
 ただ、その場合に、やはり我々として非常に気を付けなくちゃいけないことは、中央のそういった管理部門と、地方と申しましょうか、ブロックの管理部門が重複しているような無駄だったり、それからあと、そういったことはやはりどうしても避けなくちゃいけませんし、役割分担をしながら実態に合った効率的な組織を法人として構築していくことが重要じゃないかと思っております。
#62
○櫻井充君 地方医務局があった方がよっぽど効率悪かったですよ。私、医師の数が足りないということを地方医務局に話をしに行きましたけれども、全く無視されましたし、何の役割も果たしていませんよ。
 もう一つ言うと、あの人たちの役目というのは何かというと、あとは、東北地方医務局なら医務局管内で、国立病院・療養所の中で看護婦さんたちやそれから臨床検査技師の方々、二年とか三年とかの間にローテーションするわけですよ。そのローテーションを決めるぐらいなものでして、役割なんか何もないんですよ、実際。そして、いろんなデータを取るんであったとすれば、今やインターネットでちょっとボタンを押せばすぐ中央に行くんですから。
 ましてや、例えば先ほど谷先生から話があった国立療養所の山形病院なんかは、そんな東北地方医務局なんて関係なしにきちんとしたネットワークを作られているわけですよ。彼は、木村格先生は、山形を八つに分けてちゃんとネットワークを作って、今度その後東北にどう広げるかと。そういうのに対して厚生労働省でたしか研究費出しているじゃないですか。何もそんな東北地区だけ、東北・北海道地区だけ見て、それで地域の実情がよく分かっているなんて、そんな、でたらめですよ。何言っているんですか。
#63
○国務大臣(坂口力君) 局長の言う気持ちは私も分かるわけでございますが、しかし、ここはこれからやっていくわけで、それで、余分なもう職員はそれは要らないわけですから、それは引き揚げる。厚生労働省、足らなくて弱っておるところもあるわけでございますから、それは余分な人を置いておく必要はありませんので、それはもう適宜、それは新しい制度ができ上がったらそれに対応をやはりしていくということが大事でありますから、そこはそういうふうにしていきたいというふうに思います。
#64
○櫻井充君 組織そのものをもう一度見直していただきたいと思いますよ、大臣。
 大臣、僕、何のときだったか忘れましたけれども、百人ぐらいの規模というか、どの組織だったかな、ここら辺のところにやっぱり人手必要ですよねという話をしたときに、大臣がそこに人手をなるだけ多く配置するように努力しますとおっしゃっていたわけであって、こういう不要な組織をやめて、こういう不要な組織をやめてそちらの方に人員を配置した方がよっぽどいいですよ。
 もう一点お伺いしておきたいのは、そうすると、今度は東北とか北海道の医務局、医務局じゃなくて何局になるのか分からないけれども、今度結局は、また従事者、看護婦さんとか婦長さんとか、そのクラスの人たちはまたローテーションさせるんですか。
#65
○政府参考人(冨岡悟君) 人事異動につきましては、基本的には法人としての判断になるかと思いますが、ただ、先生御指摘の点につきましては、確かにいろんな職種があってそれぞれ人事異動しておるわけでございますが、ローテーションが短いとかそういった点につきましては、確かに私どもとして、やはりこれから先々を見て経営を考えながら効果的な運営をするという点で、確かに今の点については、法人移行に当たりまして十分反省して見直す点はあろうかと思っております。
#66
○櫻井充君 経営のためにローテーションどうするんじゃないですよ。あなた間違っていますよ。医療の質を担保するためにということでしょう。
 要するに何かというと、二年程度だと、看護婦さんたち異動したって、そこでやり方を覚えるまでなかなか時間掛かるわけです、そこのやり方というのがあるから。そこで人間関係をきちんと作り上げて、その婦長さんが思ったような病棟を作ると思ってやったってなかなかできないんです。できないまま、そのまま過ぎてきているわけじゃないですか。だから、医療の質なんか担保できないでしょうよ。
 今の本省だって同じでしょう。二年間でローテーションしているから、みんなつつがなくやっていって、つつがなくやっていった人たちがどんどん出世していっているんでしょう。そういうことじゃないですか。それと同じようなことをまたやるんですかということですよ。
 それよりも、そこの病院に就職したんだったらば、そこの地域、その人たちの方こそ地域をよく分かっているんだから、無駄なローテーションなんかしなくたっていいじゃないですか。そのローテーションさせるための係が東北の医務局の役割の一つでしょう、調整するのが。そういうことやらなくたっていいから、やる必要性がないんだから、そんな業務もやるようなところだったら無駄じゃないですかと私は言っているんですよ。もう一回御答弁いただけますか。
#67
○政府参考人(冨岡悟君) 先ほどの私のお答えの中で、先生、誠に申し訳ございませんでしたが、それは医療の中身を向上させるという意味でも、当然私が先ほど答えた中に含まれる問題でございまして、言い忘れたものでございます。
 そういった中で、ローテーションとかそういった人事、これは極めてその法人独自の判断になろうかと思いますが、その中で地方ブロックの仕事についての御指摘だと思いますが、やはり全部、今度本部は東京に置かれることになっておりますが、東京ですべてをそういったことをやるというだけじゃなくて、東京ではやっぱり全体としてのそういった事務、そしてより身近な部門ではそういったことをするといった仕事、そのすみ分けをした上で分担していくのではないかと思っております。
#68
○櫻井充君 分担していくのではないかと思っていますって、こんな、いい加減じゃないですか。組織作ったらどういう役割を果たすのか最初から決めてなくて、のではないですかって、どういうことなんですか、その答弁は。
#69
○政府参考人(冨岡悟君) この組織につきましては、独立行政法人におきましては、その内部組織をどうするかといったことにつきましては、制度的には法人がそういったことを決定していくということになっておるものでございますから、今後のそういったことを検討していくという意味におきまして申し上げたわけでございまして、そういう意味では、そういった中央とブロックで適切な効果的な分担、そういったものを考えていく必要があると思っております。
#70
○櫻井充君 要するに、じゃ中央と地方でも何でもいいですよ、そうすると、その人たちにもそれなりの権限があるわけでしょう。全部が全部院長の権限じゃないんでしょう、そうなったら。私、勤めていたところの院長が何て言っていたかというと、まあ厚生省全体で言うと課長補佐ぐらいかな、院長はと言っていたんですよ。僕らにはそのぐらいしか権限がありませんよって。だから、本当にこの病院を良くしていきたいと思って院長にすべての権限を与えるとすれば、そういう地方医務局みたいなものは要らないんですよ、中間のところは。どうせそこでまた頭を抑え付けるんだから。
 何回も言いますけれども、じゃ、あえてお伺いしますが、ローテーションはやらせるんですか、ローテーションは全く廃止するんですか。
#71
○政府参考人(冨岡悟君) 人事につきましてはいろいろ考慮する点があると思います。それはやはり、多分ほかの組織、いろんな点でもあるかと思いますけれども、やはり一か所にとどまったり一つのところにとどまったりするという適切な年限と申しましょうか、そういった考慮も必要かも分かりません。そして、ある意味では別の勤務地で活躍するといったこともまた一般的に意味がある点もあるわけでございます。
 そういったいろんな点を考えまして、病院をどうしたら、先ほど申し上げましたように、中身の点また効率の点、そういった点から、どういうふうに向上させるかという観点から組織の全体の管理者がそういった方針を決めていくべき問題だと考えます。
#72
○櫻井充君 地域に密着して地域医療も担っていくということになったら、その地域に固定した方がよっぽどいいんじゃないですか。そうじゃないと地域のことよく分からないんですよ。はっきり言っておくと医者より看護婦さんの方が大事なんですから、地域に関して言ったら、よく知っているのは。そして、これから訪問看護とかいろんな部分が増えてくるわけですからね。その意味でいったら、その人たちを固定していった方がよっぽどいいんですよ。
 それを、今だって、それはローテーションのメリットだけおっしゃいましたよ。デメリットが全然出てこないじゃないですか。それのどちらがいいかということですよ。だから大事な点は、この組織が独立行政法人になったときに何を担っていって、そしてその各々のスタッフがどういう役割を果たすかということが明確にされていないからそんないい加減な答弁になってくるんですよ。こうなるんじゃないでしょうかとか、そんなことしか言えないじゃないですか。こんなことやっていたら国立病院なんか信頼されませんよ、言っておきますけれども。まあ言ってももうしようがないでしょう。
 もう一つ、結核について、国立病院・療養所で、今度一県一つで診ることになりました。しかし、医学教育の点からいうと、本来であればその結核病棟を大学病院に私は置くべきだと思っています。特に、今度研修を義務化されました。そうすると、今たしか大学病院で病床があるのは十幾つしかありませんから、この学生たちは、学生たちはというよりも医者になってから結核の患者さんを、入院している患者さんを全く診ないで過ごしてしまうということがあるんだろうと思うんです。
 実際、その地域でシネのカンファランスなんかをやっていると、肺炎を繰り返しているといって写真見せていただくと、これは明らかに結核だと思われるような写真があるんですね。ですから、これから例えばエイズだとかそれから免疫が低下するような病気というのは増えてくるでしょうから、そういう意味において、やはり結核というのはきちんと診れるような体制を作らなきゃいけないと思うんです。
 治療の体制上、確かに一県一つで療養所なりなんなりに併せまとめてくるということも大事かもしれませんけれども、むしろ教育の面も併せて考えてくると、大学病院自体に結核病床を置くことの方が私は重要じゃないかと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
#73
○政府参考人(木谷雅人君) 委員御指摘のとおり、医学教育におきまして結核に関する教育は重要であり、感染症等の授業の中で行われるものと承知をしております。
 例えば、大学病院のうち、国立大学につきましては十大学病院において、また公立大学におきましては六大学、私立については四大学病院において結核病床が設けられておりますし、また国立におきましては、三十一大学病院において結核予防法第三十六条の指定を受けた結核患者の医療に当たっている。また公私立大学については、すべての大学病院がこの指定を受けているというふうなことでございます。このほか、すべての大学病院において、それぞれの病院、さらには地域医療機関との連携を必要に応じて図りながら、臨床現場を通じて結核に関する教育が行われているというふうに承知をいたしております。
 昨年三月、すべての国公私立大学医学部の協力を得てまとめられました医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいても、感染症関係の中に結核に関する内容がすべての医学生の到達目標として設定をされておりますし、また、大学関係者も参加して厚生労働省の方で作成されました卒後臨床研修の指定基準案におきましても、経験が求められる感染症に係る疾患、病態として結核が規定されております。
 文部科学省といたしましては、この結核に関する教育の重要性にかんがみまして、大学病院、さらには地域医療機関との連携を含めまして、各大学の取組を支援をしてまいりたいと考えております。
#74
○櫻井充君 大臣、医者として、結核という疾患をきちんと診ておいた方がいいと思われますか。
#75
○国務大臣(坂口力君) 今回、研修制度をやるわけでございますが、その中でやはり結核というものについて触れる機会があれば、是非これは触れておいていただきたいと思うんですね。
 最近、かなり新しく結核患者さんが増えてきているということも事実でございますし、そうした疾患に最近触れることが少なくなってきたことも事実でございますけれども、しかし決してなくならない、むしろ最近は少し増えぎみになってきているといったところもあるわけです。年齢的なものもございます。高齢者に多いといった年齢的なものもございますけれども、そういうところがあるわけであります。
 これはそんなに難しいことではないと言うとしかられるかもしれませんけれども、そういうレントゲン写真なら写真をちゃんと読む、見るということが、これが済んでおりますとそんなに大きな間違いは私はしないだろうというふうに思いますが、その点の基礎的なことがないと大変大きなことになってしまうという気がするわけであります。
 最近もじん肺の患者さんの問題ございまして、じん肺と結核との合併、あるいはじん肺とがんとの合併といった問題がございまして、そうしたときに非常に見落としが大きいという話がございまして、基礎的な診る目というものを養っておくべきだというような御指摘もいただいたところでございます。それはきちっと把握できるようにやはりしておいた方がいいと。
#76
○櫻井充君 レントゲンの読みだけではないと思うんですね。要するに、感染症の患者さんたちにどう接していくかというときの極めて大事な、まあ大事な疾患というんでしょうか、その基礎になる疾患の一つだと私は思っています。その意味でいうと、大学の教育の中で患者さんに、入院している患者さんにもう出会えなくなってきている。今度は二年間の研修の間にどうかというと、大学でスーパーローテートを行ってくると、結局は結核の患者さん、入院している患者さんには接しないまま研修も終えてしまうということになってしまいます。ですから、教育機関としてどういうふうな位置付けで、感染症なら感染症というのはどうあるべきなのか、そして今度は卒後研修として、その次のステップとしてどうあるべきなのかということがきちんとされていると、本当はどこの機関にどのぐらいか患者さんがいた方がいいのかという話というのは出てくるんだろうと思うんですね。
 ところが、今、結核の、大学で病床がなくなっていっている理由を調べてみると、結局のところは不採算だということで切り捨ててしまっているようなところが多かったりとかですね。ですから、そういった原則経済がすべてだというような形で医療がとらえられている、そして教育がとらえられているところに大きな問題があるんじゃないかというふうに思っています。
 是非、そこら辺の提供体制、治療は国立病院でやっていきます、政策医療として結核をやりますということになっていますけれども、教育という点も考えた上で、大学病院のところに病床を設けるなどもう少し工夫をしていただきたいと思います。
 独法化に関してはこのぐらいにいたしまして、後、歯科医診療についてちょっと質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、学校保健法に関してなんですけれども、学校保健法の十七条に、「地方公共団体は、」これこれしかじかと書いてありまして、「その疾病の治療のための医療に要する費用について必要な援助を行うものとする。」と、ここに、十七条に明言されています。十七条の政令で定める疾患ということで一から六まで定められておりまして、以下の疾患に関して言うと病名だけが列挙されています。例えば、「トラコーマ及び結膜炎」、「白癬、疥癬及び膿痂疹」とか「中耳炎」とか。ところが、五番の歯科のところ、「齲歯」に関して言うと、「乳歯にあつては抜歯により、」とか「永久歯にあつてはアマルガム充填」とか、こうやって事細かに「治療できるものに限る。」と。
 なぜ、歯科の疾患に関して言うと、ここまで治療が制限されているんでしょう。なぜこういう政省令が決められているんですか。
#77
○政府参考人(徳重眞光君) お答えいたします。
 学校保健法に基づきます医療費の援助制度でございますけれども、これは、児童生徒が学校の健康診断の結果に基づいて適切に治療が受けられるよう、経済的な理由によって修学が困難と認められるいわゆる要保護及び準要保護の児童生徒の医療費の援助を行うものでございます。現在、医療費援助の対象となる疾病につきましては、伝染性又は学習に支障を生ずるおそれのある疾病のうちから、齲歯など、早期発見、早期治療が有効な疾病を政令で指定しているところでございます。
 委員御指摘のように、虫歯、齲歯の治療方法に関しましては、乳歯については抜歯、それから永久歯については、アマルガム充てん、複合レジン充てん、銀合金インレーの治療を対象としているところでございます。
 これらにつきましては、昭和三十三年の学校保健法の施行以来、歯の治療法について見直しをしてまいりました。現在、見直しという指摘がございますけれども、児童生徒におきます疾病、慢性疾患の状況、あるいは環境の変化等を背景といたしまして、文部科学省におきまして、財団法人日本学校保健会に委託をする形で、健康診断の基本的な在り方、それから健康相談の在り方、さらには事後措置の在り方など、学校におきます保健管理の在り方について様々な観点から幅広く検討をしていただいているところでございます。
 医療費援助の対象となる疾病や治療方法につきましては、この検討結果を踏まえまして広く検討をすることとしておりまして、その中で齲歯の治療方法の在り方につきましても検討してまいりたいと考えております。
#78
○櫻井充君 これは、現場の歯医者さん困っていらっしゃるんですよね。要するに、じゃ、ここに書いてある、まず答弁になっていないんですが、何で歯科だけはこうやって治療法が決められているんですか。
#79
○政府参考人(徳重眞光君) 昭和三十三年の学校保健法施行以来、歯の治療につきまして、これは幾つかの指定をしてございます……
#80
○櫻井充君 何で歯科だけそうなっているの。医科はないでしょう。
#81
○政府参考人(徳重眞光君) 虫歯の治療方法につきましては様々な治療方法があるということで、これは虫歯の治療として通常用いられるものを指定したものと考えております。
#82
○櫻井充君 じゃ、中耳炎というのは、じゃ、これだって薬剤の治療もあるかもしれないし、切開もあるかもしれないじゃないですか。こういうのは何にも書いていなくて、これだけ何で特別書くの。
#83
○政府参考人(徳重眞光君) 先ほども申し上げましたように、虫歯の治療方法というのはいろんな方法がございます。そういうことで、検討を加えました時点におきまして、虫歯の治療方法として通常用いられる方法をここに指定をしたというふうに理解をしております。
#84
○櫻井充君 じゃ、今これは現状に合っていますか。要するに、乳歯にあっては抜歯、歯を抜けと書いてあるんです。これだけは認めると書いてあるんです。こんな、現状に合っていますか。
#85
○政府参考人(徳重眞光君) 乳歯の点でございますけれども、これは永久歯に生え替わる時期であることを考慮しまして、抜歯による治療ということで対処をしていると考えておりますし、また永久歯の治療につきましても、三十三年の学校保健法施行以来、見直しを加えてまいっております。
 治療方法の在り方について、現在行っております健康診断を始めとします学校におきます保健管理の在り方についての検討結果を踏まえまして、また児童生徒の齲歯の治療状況を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
#86
○櫻井充君 答弁になっていません。駄目。悪いけれども、国対から止めるなと言われているけれども、駄目だよ、そんな答弁じゃ。
#87
○委員長(金田勝年君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#88
○委員長(金田勝年君) 速記を起こしてください。
 それでは、質問の方をもう一回だけ。
#89
○櫻井充君 要するに、じゃ、乳歯にあっては抜歯しろというのは現状に合っていますか。現状の治療はこういうことなんですかという、合っていますか。合っているか合っていないかだけ。
#90
○政府参考人(徳重眞光君) 乳歯につきましても治療が大切であるという点は認識をしております。
#91
○櫻井充君 答えになっていないでしょう。
 だから、合っているのか合っていないのかを聞いているんじゃないか。
#92
○政府参考人(徳重眞光君) 合っていない現状はあろうかと思います。
#93
○櫻井充君 そのとおりなんですよ。合っていないんですよ。合っていないということに、じゃ、いつごろから気付かれていましたか。
#94
○政府参考人(徳重眞光君) この点につきましては、学校におきます保健管理の在り方につきまして、平成十二年度から、先ほど御答弁しましたように、財団法人日本学校健康会に委託をしまして、健康診断の基本的な在り方等について検討していただいているところでございます。この時点ぐらいから歯についてもいろいろな意見がありますことは承知をしているところでございます。
#95
○櫻井充君 要するに、現状に合っていないことを全然理解していないから、いつまでたっても放置されているんですよ。
 それで、今なんか健康診断の在り方を議論してそれからやりますと言っているわけでしょう。何も健康診断の在り方じゃなくたって、少なくとも、今乳歯にあってどういう治療をされているのかとか、それから永久歯にあってどういう治療をされているのか、じゃ検討したらいいじゃないですか。そのことぐらい変えておくのは簡単なことでしょう、これは政省令ですよ。
#96
○政府参考人(徳重眞光君) 学校保健法におきます基本的な仕組みと申しますのは、学校の健康診断に基づきまして、その結果に基づきまして疾病の予防あるいは治療の指示をする等適切な事後措置を講ずるということを柱にしておるわけでございます。その治療が経済的な理由で受けられないといったことは困るわけでございますので、早期発見、早期治療が効果的な疾病をいわゆる学校病と指定をしまして、医療費を援助するということでございます。
 このように、学校病につきましては、学校の健康診断で発見されることを前提としておりまして、学校病の指定についての検討に当たりましては、健康診断を始めとする保健管理の在り方についての検討結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
#97
○櫻井充君 こういうのを結局文部科学省に任せていちゃ駄目ということじゃないですか、こんな答弁じゃ。厚生労働省、どう思われますか。
 子供たちがこういうことで、特に歯科は八〇二〇運動だといっていろんなことをやっているわけですけれども、そうすると、子供のときの予防なりなんなりが大事で、しかも経済的に恵まれない方々に対してもきちんとした治療をやってあげるというのは、これは当然のことだと思うんですよ。そのときに、乳歯にあっては抜歯しかできないとか、これだけしか補助が出せませんなんて、こんな制度おかしいでしょう。
 実態に合っていなかったらすぐ変えるというのは、これは当然のことだと思うのに、こんな程度しか答弁できないんだったら、私、文部科学省が見るんじゃなくて厚生労働省がごらんになった方がよっぽどいいんじゃないかと思いますけれども。どうですか、大臣。
#98
○国務大臣(坂口力君) これは文部科学省がおやりになっている範囲でございますから、私が余りとやかく言うのは失礼かというふうに思いますけれども、しかし、健康診断の話でございますので、そして、所によって非常に詳しくなっていたり詳しくなかったりというようなこともあるようでございますから、それらを総じて、またいろいろと御相談を申し上げていきたいと思っております。
#99
○櫻井充君 現場の先生方、困っています。そして、それを実際に受けている子供たちも困っているんですよ、親御さんも。特にこうやって失業者が増えてきている中であっては大変なんですから、そこら辺のことを是非考えて早期に変えていただきたいと思いますし、言っておきますが、今日のやり取りは、これは全国の歯医者さんが知ることになりますからね。文部科学省、それでいいですね。
 あともう一点。歯科関係に関してお手元に資料を配らせていただきましたが、これは兵庫県の歯科医師会から出された資料を図式化したものです。八〇二〇によって削減される医療費ということでして、兵庫県の歯科医師会で調べたところによりますと、七十歳以上の方々で八〇二〇を達成した方が三二・八%、未達成者が六七・二%でした。その結果どうなったかというと、八〇二〇達成者の方々の医療費は、歯科医療費も全部含めてですけれども、未達成者よりも二〇%安かったと。もしこれ全員の方々が、もちろんこれは理論的な話ですけれども、治療を受けられて八〇二〇を達成できると一兆円以上の医療費を削減することができるんだというような提案をいただきました。
 今、広島市の歯科医師会でどういう動きをしているかといいますと、全部調べ直して、やはりこういうことが事実なのかどうかの調査をしていこうじゃないかと。ところが、レセプトを調べたりとか、いろんなことをやろうと思っているんですけれども、なかなかその調査研究ができていかないという現状がございます。
 厚生労働省として医療費を削減していくということは大きな目標の一つだと思うんです。しかも、それはきちんとした形でこういう治療をやることによってむしろ減らすことが可能だとすれば、積極的に推し進めていく研究ではないのかなというふうに思うんですが、その点について御見解をお願いしたいと思います。
#100
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生の御提案といいますか、広島市がやろうと思っているレセプトを活用した調査につきましては、一つは個人情報保護の観点からも十分注意する必要があるのではないかと思っておりますことと、それから、確かにこの調査によりましてこういう結果が出ておりますけれども、その歯科診療と医科診療の因果関係、それをきちっと解明する必要があるのではないかというようなことも考えております。
 したがいまして、兵庫県などの調査結果の検証をよく行った上で、必要があればそういう調査の実施についても検討したいと考えております。
#101
○櫻井充君 終わります。
#102
○委員長(金田勝年君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩といたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#103
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、独立行政法人国立病院機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#104
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。
 午前中の同僚議員の質問に引き続いて、独立行政法人国立病院機構について幾つかのお話をさせていただき、また御質問もさせていただきたいと思います。
 まず最初の段階では、独立行政法人の法律案に至る前段の話として、午前中にもいろいろお話がありましたけれども、国立病院・療養所についてはかねてから統合、廃止、経営移譲を含めた再編成の経過がございます。そこで、まず最初に、ちょっと質問を幾つかまとめながら、時間を節約して質問をさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 まず最初の質問は、これまでの国立病院・療養所の再編成の計画について、その基本的な中身、概要について御説明をいただくと同時に、あわせて、その計画に基づいて、今日までの進捗状況、どこまで到達したのか、そしてさらに今後どういう方針なのか。これまでの経過、到達点、そして今後の方針、まとめてまずお伺いをしたいと思います。御説明をお願いします。
#105
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所につきましては、行政改革の一環といたしまして、統廃合又は経営移譲により再編成を推進することによりまして生み出された要員、資源を集中し、国立医療機関にふさわしい高度又は専門医療施設を作っていくという考え方で作られました。昭和六十一年一月に再編成計画が策定されまして、平成十一年三月には新たに再編成計画を追加いたしました。これによりまして、昭和六十一年当初の二百三十九病院でありましたものを、統廃合、経営移譲によりまして八十七病院を削減し、最終的には百五十二病院とする計画でございました。
 その進捗状況でございますが、八十七病院を削減する計画のうち、この十二月一日に実施した二つのケースを含めまして現在までに五十八病院を削減し、八十七病院のうち未実施は二十九病院となりました。なお、来年の三月には更に八病院の移譲などを行うことといたしております。
 今後の予定につきましては、平成十五年度末までには十九病院を更に削減し、七十七病院を実施済みにいたしまして、全体計画の九割が終了する見込みでございます。そして、独立行政法人移行までには再編成が完了しないケースが十ケース見込まれますが、これは、国立病院機構が国の再編成業務を引き継ぎまして、病院の移譲、統合又は廃止に係る業務を行うことといたしております。
 以上でございます。
#106
○朝日俊弘君 その後の問題をどうするかというのはまた後でお伺いしますが、その前に、今御説明いただいた中で、特に地元の自治体へ経営移譲した事例がどれぐらいあって、それはどういう形態、例えば自治体が自治体病院として直に引き受ける形になったのか、それとも、自治体が引き受けるけれども実際の運営はどこかほかのところに、法人に委託するという形になったのかという運営形態も含めて、具体的に、今お話があった全体の数の中で自治体が引き受けたケースはどれぐらいあって、その内訳にはどんなものがあるのか、ちょっと御説明をください。
#107
○政府参考人(冨岡悟君) 地元自治体が引き受けてくれましたケースは合計二十二病院でございます。内訳は、市が十二病院、町が四病院、一部事務組合が六病院でございます。このうち、自治体がじかに運営しておりますのは七病院でございまして、残りの十五病院は管理委託といった運営で行われております。
 この管理委託の内訳といたしましては、地元の医師会が七病院、社団法人地域医療振興協会が四病院、特定医療法人へ二病院、済生会へ一病院、浜松市医療公社へ一病院となっております。
#108
○朝日俊弘君 いずれにしても、自治体がお引き受けになるわけですから、地方公営企業ということで形は運営されていっていると思いますが、さて、経営移譲を受けて後の実態はどうなっているんだろうかというのが心配しているわけであります。個別には、私も、その後非常にうまくいっているし、市民にも身近い存在になってきたという話も伺っていますけれども、しかし相変わらず経営の負担になって経営は苦しいという悲鳴も聞こえてきているわけですね。
 そこで、今日は総務省の方にもおいでいただいていますから、数としては全体として二十二ということですからそんなに多い数ではないにしても、地域医療を担うという主たる理由から自治体が引き受けた、その自治体病院となって以降の病院の経営の状況なり運営の状況について、その後はどうなっているのか、ちょっとお聞かせください。
#109
○政府参考人(石田直裕君) 今ほど御答弁がありましたとおり、国立病院の地方公共団体への移譲はこれまで二十二病院について実施されておりますけれども、これらのうち、平成十二年度までの決算までに譲渡されました十八病院について見ますと、経常収支が黒字のものが八病院、経常収支が赤字のものは十病院となっております。
 主な赤字の要因といたしまして、団体の方にお聞きしましたところ、まず地域医療確保の観点から、不採算診療科目、小児科等でございますけれども、を運営、維持しているところがあるということ、また移譲に伴いまして施設改修等を行ったことによりまして病床の一部が利用できなかった期間がある、あるいは減価償却費の増加が発生したところがあるということなどが挙げられると考えております。
 これらの病院につきましては、移譲後間もないものが多く、引き続き私どもとしては経営状況の推移を見守っていく必要があると考えておりますけれども、いずれにいたしましても、地域医療の確保の観点から、当該病院の役割、機能を踏まえまして、適切な診療体制を確保するため、今後とも一層の経営の効率化に努めるよう要請してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#110
○朝日俊弘君 今のお話でかなり赤字を抱えて苦労されているというところも見て取れると思うんですが、いずれにしても経過がまだ余りたっていないところが多いと思いますから、是非それはそれで自治体の御努力をお願いしながら、一定の気配りを持ってフォローをしていただきたいなと思うんですが、さて、国立病院・療養所からの経営移譲を引き受けた当該自治体病院のみならず、自治体病院全体の経営状況が相当に厳しいというのはもう数年来言われているわけであります。
 最近、聞くところによりますと、幾つかの自治体ではもう直営で持っているのをやめて公設民営方式を検討したり、あるいはもう自治体病院としては持ち切れないので民間の病院にそのまま移譲したり、さらには部分的には病棟の縮小とかいうような話があちこちから聞こえてくるわけですね。
 つまり、もちろん自治体病院によってもいろいろ状況、実態はあると思いますが、トータルとして、自治体病院の現状というか、どういう状況に置かれていて、今どういうことが求められているのか。とりわけ自治体病院の経営の在り方について、相当厳しい環境の中で自治体病院協議会の方でも様々な工夫なり努力をされているというふうに伺っていますが、個別自治体病院ということよりは、むしろ自治体病院全体を取り巻く状況の御説明と、今後の経営改善方策についてどんな方向を模索されているのか、また総務省としてもどんなふうにお考えなのか、併せてお聞かせいただければ有り難いと思います。
#111
○政府参考人(石田直裕君) 平成十二年度決算におきます千二の自治体病院の経営状況を見ますと、経常損失を生じた事業数の割合は全体で四七・五%、経常損失は約七百八億円となっておりまして、先生御指摘のとおり、かなり厳しい状況ではございますけれども、近年やや改善の傾向にはございます。
 いずれにいたしましても、このように自治体病院は極めて厳しい経営状況に置かれていることや、あるいは現在病院経営を取り巻く環境は大きく変化いたしていますことから、総務省といたしましては、地域の医療ニーズを的確に把握しまして、病院の役割、診療科目、病床規模などについて見直しを行うことや、必要に応じまして病院自体の再編成についても検討していただきたい。さらには、経営意識の向上を図るとともに、民間委託の推進など、経営全般の効率化を推進することなどを要請しているところでございますけれども、今後とも、地方公営企業法の全部適用や、あるいは現在私どもで法制度化について検討中の地方独立行政法人制度の導入なども含め、経営の自主性を拡大していくことにより、より一層の効率化に努めるよう求めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#112
○朝日俊弘君 ちょっと今もお話が出ましたけれども、私の理解では、実は私も元々が自治体病院出身でございますから、従来の議論はどちらかというと地方公営企業法の一部適用から全部適用へと、こういう話が主たる議論で、それに向けて賛否両論と、こういう話が多かったわけですが、今お話があったように、何か国レベルで考えている独立行政法人ということを横目でにらみながら、地方版の独立行政法人ということも検討されているやにお聞きします。
 まだ私も、どういうものになるのか、国の独立行政法人をそのままに考えていいのか違っているのか、それから、従来からある地方公営企業法、それの全部適用とどこがどう違うのか一緒なのかというところがよく分かりません。是非この機会に、現在検討中である地方版独立行政法人について、検討状況とその検討されている中身について、現段階でお示しいただける範囲で結構ですから、御説明いただければと思います。
#113
○政府参考人(石田直裕君) 国におきましては、御案内のとおり、中央省庁等改革の一環といたしまして独立行政法人制度が既に制度化されておるわけでございますけれども、一方、地方公共団体におきましても、試験研究機関など国における独立行政法人化が図られた機関と同様の性格を有する機関が多数存在しておるわけで、平成十二年十二月に閣議決定されました行政改革大綱におきましても、国における独立行政法人化の実施状況等を踏まえ、独立行政法人制度の地方への導入を検討するとされたところでございます。
 このため、総務省といたしましては、地方独立行政法人制度につきまして、公立大学や公立病院、その他の地方公共団体が経営する企業、あるいは公設試験研究機関等の事務事業を対象といたしまして具体的な制度設計を現在進めているところでございますが、一般の行政部門を対象といたしました通常の独立行政法人制度をそのまま現在の地方公営企業分野に導入する場合には、事業分野の特性の違いがございますので、幾つかの課題がございます。現在、これにつきまして、私ども、地方公営企業と独立行政法人制度に関する研究会を設けまして検討いたしておりまして、年内にも研究会の報告書を取りまとめることとなっております。
 今後、これらの報告書等を踏まえまして、病院事業を含む地方公営企業分野におきます地方独立行政法人制度の制度設計を行っていきたいと考えておりますが、現行の地方公営企業制度はあくまでも地方公共団体の組織の一部であるということに対しまして、地方独立行政法人制度は、地方公共団体は別の法人格を有するということなどがございますので、まず地方自治法等の現行の地方制度の枠組みから外れることによりまして、契約や財務運営、人事管理等で弾力的な経営が可能になると考えております。あるいは、予算単年度主義を取らず、中期目標、中期計画に基づく経営が行われるために、予算執行における機動性、弾力性が増しまして、中期的視点に立った経営が可能になることなどの違いがあると考えております。
 以上でございます。
#114
○朝日俊弘君 ちょっと念のため確認をさせていただきたいんですが、今検討中で年内にも結論が取りまとめられると、こういうことですが、そうすると、その結論が取りまとめられたその後のステップとしては法改正に着手すると、こういうことと理解していいのかどうか。その場合に、どういう法律の改正が想定されるのか、地方自治法の改正なのか独自の法律なのか、しかもそれは次の通常国会を目途に検討されているのか。その辺ちょっと追加的に御説明いただけますか。
#115
○政府参考人(石田直裕君) 法制度といたしましては、地方自治法と全く違った独立行政法人制度に関する法律ということで予定しておりますけれども、できるだけ早く法制化したいということでございます。
#116
○朝日俊弘君 そうすると、いつまでにとかいう段階は今の段階ではまだ明確にお答えできないようですが、いずれにしても検討作業は進められて、どういう名前になるのか、地方版独立行政法人というのが仕組みができて、その中で、現在ある自治体病院もその中に位置付けられてくることもあり得べしと、こういう理解でおおよそ間違いないのかなというふうに思いますが。
 そうすると、国は国で、国立病院、国立療養所が独立行政法人国立病院機構というふうになると。一方、少し時間差はありますが、自治体の方でも似たような独立行政法人という病院もこれから出てきそうだと、こういうことでありますが。
 さて、今回、百四十四の病院を一まとめにして一つの独立行政法人ということで法律の提案がされているわけですが、これ大臣にちょっとお伺いしますが、これで一区切りということになるんでしょうか。要するに、この法律で独立行政法人化された以降のこの国立病院機構の今後の更なる再編成の考えありやなしや含めて、これで終わりと一応お考えなのか、それとも、いやいやその次はこんなふうに考えていますというのがあるのか、その辺について、今後の基本的な考え方で結構ですからお示しください。
#117
○副大臣(木村義雄君) 独立行政法人ができた後いかにやということでございますが、取りあえずは、今二十九がまだ未実施になっていますが、それの統廃合、移譲等に全力を挙げますが、御承知のように、この中期計画、五年間のうちで中期計画を終了させて、そこで外部の有識者等も含めて業績評価をやるわけです。業績評価ではもちろん、経営状況とか、それからまた地域医療との関係とか政策医療のでき具合とか、そういうのはあるんですが、そこでもって五年間の中期計画終了後に業績評価を経て、先生が期待しておられるかどうか、それは知りませんけれども、そこで改めてもう一度見てやる、見て検討すると。これはどうしようもないなというものがあれば、新たな計画を策定するのは当然のことだろうと思っています。
#118
○朝日俊弘君 そうすると、一つの節目節目でその在り方については当然に検討を加えられていくものというふうに理解をしたいと思うんですが。
 さて、今日はその先の話はちょっとおいておきます。
 二つ目の問題として、今回の独立行政法人の中に含められなかった、つまり今までどおり国立機関として存続されるところについて若干幾つかお尋ねをしておきたいと思います。
 私の理解では、国立病院として存続されることになった施設については二つのタイプがあって、一つは、国立の高度専門医療センター、いわゆるナショナルセンターとしての機能を担う病院というのが一つのグループとしてある。それからもう一つは、ハンセン病の療養所、十三ですか、現在ありますが、そのグループが残ると。こういう二つの大きなグループがあると思うんですね。
 そこで、まず前者の国立高度専門医療センター、ナショナルセンター六か所については一体どういう機能と役割を想定されているのか御説明をいただきたいと思うんですが。
 ちょっと事前にいろいろ調べてみましたら、六か所のうちに、別の制度ですけれども、二か所は特定機能病院の指定を受けていろいろやっておられるわけですが、ほかの四か所はそうではないと。何かそれぞれに、役割とか機能、想定されているものが違うのかなと思ってみたり、基本的には同じなのかなと思ってみたり、ちょっと理解が十分できませんので、まずは国立の高度専門医療センターの果たすべきあるいは担うべき機能と役割について明確にお答えいただきたいと思います。
#119
○政府参考人(冨岡悟君) 国立高度専門医療センター、いわゆるナショナルセンターは、我が国における死亡数、患者数、医療費のいずれを取っても大きな割合を占めるがん、脳卒中、心臓病など、その制圧が国民的願望となっている疾病につきまして、高度先駆的医療の実施、病因、病態の解明、診断や治療法の研究、医療従事者の研修などを一体的に行うための中核的機関として設置したものでありまして、高度な病院と研究所が一体となって運営されているということでございます。
 具体的には、国立がんセンター、国立循環器センター、国立精神・神経センター、国立国際医療センター、国立成育医療センター、それともう一つは十五年度に予定しております国立長寿医療センターの六つでございますが、機能的には高度な診療機能と研究機能を併せ持つという点では共通面がありますが、やはりそれぞれ担当する分野が異なって、それぞれ政策医療の中心的な役割を担っているという点がございます。
 それから、このうち、がんセンターと国立循環器センターは特定機能病院になっておりますが、神経センター、国立国際、それから成育医療センターはできたばかりでございますが、これはまだそういうことにはなっておりません。これは、実際の長年の歴史の中での診療の実績といったものから、この二つが特定機能病院になっているということかと考えております。
#120
○朝日俊弘君 そうすると、まだこれからできるやつもあって六か所ということのようですが、今の説明でそれなりに位置付けというのは分からぬでもないんですが、それじゃ、それと、ちょっと追加の質問になって失礼ですが、このナショナルセンターと、これから百四十四まとまっていく独立行政法人国立病院機構との関係はどうなりますか。
#121
○政府参考人(冨岡悟君) 例えばがんセンターで申しますと、がんの国立病院の政策医療のネットワーク、この中心的な機能を果たしているという点でこのナショナルセンターと国立病院機構との関係がございます。こういった関係は、循環器におきましてもほかの病院におきましても同様の関係で、それぞれその分野の中心的な役割を担って、その成果を普及するなり、そういった研修とか、そういうふうな連携を保っているということでございます。
#122
○朝日俊弘君 そうすると、後で触れますが、いわゆる政策医療ネットワークのそれぞれのかなめ、それぞれのセンター的役割を担うと、こういうことで理解をさせていただきたいと思いますが、それじゃ、もう一つのグループ、ハンセン病の療養所についてお伺いしたいと思うんです。
 私の理解では、今、療養所に残っておられる皆さんの様々な声をお聞きすると、二通りに分けられると思うんですね。一つは、引き続き入所されているんだけれども、全体として高齢化され、いろんな合併症も出てき、介護も必要になってくると。ですから、引き続き入所生活は続けたいんだけれども、様々なこれまででは不十分なサービス、是非改善してほしいと、こういう要望が一つあります。
 それからもう一つは、せっかく法律も改正されて施設から出られる、社会復帰、社会参加できるということになったので、是非地域で頑張りたいと思うんだけれども、何せ長年療養所の生活をしてきたからなかなか思うに任せない、どうしても社会生活をしていくための支援、あるいは、地域で医療を受けるといっても、ハンセン病の治療を地域の病院が引き受けてくれるということにはなかなかならない、どうしたらいいだろうか、こういう悩みを持っておいでの方、大まかに分けて二通りの悩みをお持ちだと思います。
 そういう皆さんの思いを受け止めて、十三のハンセン病療養所のこれからをどんなふうにしようとされているのか、今後の方向についても御説明いただければと思います。
#123
○政府参考人(冨岡悟君) ハンセン病療養所につきましては、全国十三園に十四年五月一日現在で四千六十四名の方が入所しておられます。平均年齢を申し上げますと、七十四・九歳ということで、大変高齢化が進んできておりまして、生活習慣病等の合併症を有する方、さらには身体障害、それから視覚障害を有する入所者の方が増加してきておりまして、日常生活上の不自由度の進行等の問題を抱えているところでございます。
 先生御指摘のように、現在、こういった方々に対しましては、二つの面からの対応が必要になっているものと考えております。
 一つは、医療の確保という点でございます。
 悪性新生物等の専門的な医療を必要とする入所者につきましては、専門病院等への入院委託による治療、それから政策医療ネットワークを活用した診療援助、それから全国四か所の園に治療センターを設けての治療、こういったことが必要で、対応をいたしております。それから、老人、身体障害者、盲人に対します処遇改善、福祉の向上、いわゆる三対策も重要でございまして、これについても鋭意進める必要があると考えております。
 それから、いま一つの点は、先生御指摘のように、園を出まして地域で生活したいという方もおられるわけでございまして、そういった方にはその御要望に沿うために支援することがこれまた必要でございます。平成十五年度におきましては、国立ハンセン病療養所における社会復帰の支援体制を強化するために、十五年度要求としてケースワーカーの増員要求、こういったものを行いまして支援体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
 こういうことを通じまして、今後ともハンセン病療養所におきまして医療、福祉の充実及び社会復帰の支援、これに努めてまいりたいと考えております。
#124
○朝日俊弘君 今日は細かい点までは一つ一つお尋ねしませんけれども、是非、国の機関として残されたハンセン病の療養所、よりきめ細かなニーズへの対応に向けて御努力をお願いしたいというふうに思います。ついつい従来どおりということに流れがちですけれども、やっぱり年齢の変化なり、あるいは思いの変化なりありますから、そこのところを十分受け止めた対応を是非お願いしたいな、こんなふうに私からもお願いを申し上げておきます。
 さて、その次に、今回の独立行政法人となることによって一体これまでの国立病院・療養所の在り方がどう変わるんだろうかということについて幾つかお尋ねしようと思ったんですが、実は、今日、午前中にも武見先生から個別の施設ごとの裁量の幅をもっと認めていくべきではないかという御指摘もありましたから、ここは、私の方からは二つの質問に絞ってお答えをいただきたいと思います。
 一点は、どうしても私なりにすとんと落ちないのが、百四十四の病院を一つの巨大組織として、言わば日本最大の病院チェーン組織として残すというところがどうもよく分からない。多分、これだと当然徳洲会の規模も凌駕するだろうと思うし、日赤や済生会も一つのチェーンといえばチェーンですけれども、それをはるかに上回る病院チェーンができると。何でこの百四十四の病院を一つの巨大組織として残すことにしたのかという点がまだいまだに納得できないんですね。ちょっと御説明ください。
#125
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所は今も実は大変大きな組織でございまして、御指摘を受けますとそのとおりでありますが、これを一つの法人として発足させようという意図でございますが、国立病院機構が今後担うべき役割につきましては、国としての統一的な方針の下で、全国的に厚生労働大臣の示す中期目標の方向に沿いまして政策医療ネットワークを構築していこうというものでございます。
 その場合、情報の共有化や人材の育成、交流により全国の関係する病院での最新の医療技術を共有する、それから豊富な症例を収集することによりまして臨床研究を進めていく、それから例えば難病の処遇のように他の医療機関ではなかなか対応が難しいような患者さんについても全国的に一定の受皿を確実に確保する、こういったことで一つの法人形態がふさわしいのではないかと考える次第であります。
 さらに、国家の危機管理の際に多数のスタッフを長期に派遣する必要がありますが、こういった場合につきましては全体として相協力して対応する必要がございます。
 こういった理由から単一の法人としたわけでございますが、またナショナルセンターとの連携、政策ネットワークという点からもこういった形態がふさわしいのではないかと、そのように判断しているところでございます。
#126
○朝日俊弘君 やっぱり聞いても分からないですね。
 ちょっと違った側面から、時々大臣にお尋ねすると非常にクリアな説明をされるから、今度は大臣にお尋ねしましょう。
 今度のこの法改正で、要するに国立病院・療養所が国立病院機構になるということで、国民の皆さん、利用者の皆さんから見ると、一体何がどう良くなるのかしらと。今の御説明もかなり苦しい説明だなと思いながら聞いていたわけですが、我々にではなくて国民の皆さんに対して、今度の法改正で国立病院・療養所はこう変わりますという御説明を是非国民に向かってしていただきたいんですが、大臣。
#127
○副大臣(木村義雄君) 最初に私がやって、後は大臣がメーンを話していただきますけれども。
 やっぱり変わったなと、こう言われるのが大事だと思うんですね。今度の中で、私もよく言うんですが、親方日の丸的な甘えや頼りがあったんじゃないかと。それは今度は違いますよと。先生がおっしゃるような患者本位の、ああサービス良くなったなと。それで、国鉄からJRになったときに確かに変わりましたねと。ああいう感覚をやっぱり病院の皆さんが、職員の皆さんが意識をしてもらって、そしてその変わった意識でもって患者さんに接していただき、患者さんの方が、ああやっぱり今までの国立病院形態から独法になってこれは生まれ変わったと。私はここが今度の法案で一番期待している部分なんですよ。ですから、そこをどうやって今の職員の方々に理解していただけるか。正に意識改革が、一番私はここが大事なところじゃないかなと。
 あと、もちろん組織とかいろんな問題があると思いますけれども、私はここに非常に重点を置いているわけであります。
#128
○国務大臣(坂口力君) もう私、言うことなくなりましたけれども。
 今までは一つの国の方針に従って、国立病院というのはどちらかといえば堅いお役所というような感じでやってきたわけでございますが、しかしこれからそれぞれの独立行政法人の自由裁量というのは非常に大きくなるわけですね。
 今まで確かに、例えば看護婦さんの数一つにしても事実少なかった。これ、日赤だとか済生会だとかと比較いたしましても随分少ないですね。そうした人の配置等につきましても、それじゃ赤十字や済生会はどこかから金をもらってやっておるかといったら、そうじゃないわけで、これ、自立して彼らはやっているわけですね。それはどこが違うのかと私もいつも思っているわけでございますが、それはやはり自立して自分たちの考え方でひとついろいろのことを考えてやっているというところが違うと。
 私は、そういう意味で、今度この独立行政法人ができて、そして地域に合ったような、そして一方では政策医療も行いながらも、その中に密着をして、やはり皆のために尽くしていくんだという、そういう思いでやっておれば、そこに人は、必ずまた患者さんは寄ってくると。ということになれば、そこでやはりもっと人の配置もし、患者さんに対しましてもサービスが行き届いていくということになってくるんではないかというふうに思っておりまして、そこのところがいま一つこの国立病院とは違うところだと。そこが踏ん切れるかどうか、先ほどの話じゃないが、そこが踏ん切れるかどうかということになってくるというふうに思うんです。
 ただ、午前中にも話がありましたように、余りしかしそこをやり過ぎると一般病院の邪魔になってということにもなってくるわけですから、そこが難しいところではありますけれども、しかしどこまで自立をしていくかという、そこがやはり私は患者さんから見ましてやはり変わったなということになるかならないかの境目ではないかと思っております。
#129
○朝日俊弘君 お二人ともどちらかというと期待感を込めてお答えになったというふうに思うんですが、ただ私もサービスが変わったというふうになってほしいと思います。思うんですが、じゃそのための条件があるのかなということで、ちょっと次の質問に移ります。
 お許しをいただいて皆さんのお手元に、今も大臣の方からもちょっとお話がありましたが、「一般病院の入院患者百人当たり職員数、開設者別(十二年度)」と、こういう一枚の資料を、これは厚生労働省の方がお作りになったものを参考までに配付をさせていただきました。
 ちょっとこの資料をどう見たらいいのかも含めて後で御説明いただきたいと思うんですが、一番下の欄のところに国立病院と国立療養所とそれぞれ欄を分けて入院患者百人当たりの職員数がトータル百四人とか八十八人とか出ていますね。そのずっと上の方を見ていきますと、都道府県立病院ではどうか、あるいは日赤病院ではどうか、農協さんの厚生連の病院ではどうかと、こういう数字が出ていますね。上の段と下の段と明らかに違いますね。百人当たりの職員数はこれだけ違う。
 もう一つ言いますと、ここへもう一つOECD各国の表を並べてみると、もう一つうんざりするんですね。日本の一ベッド当たりあるいは百ベッド当たりの職員配置数の二倍、三倍を欧米の各国は配置しているわけで、それも今日併せてお示ししようかと思ったんですが、ちょっと現実と落差があり過ぎますからそれはおいておきまして、同じ日本の中の同じ病院の中でもこれだけ違う。
 一体これで、今お話しのような、きちっとした、サービスが良くなった、変わりますというふうに言えるんだろうか。あるいは、この間しきりに繰り返し言われるのが政策医療政策医療。先ほどの坂口大臣の御説明をかりれば、先駆的、先端医療もやる、あるいは特別な領域、難病などについてもやっていく、なかなかここからここまでが政策医療だという線引きは難しいけれども、そういうことをやっていくんだと、こうおっしゃっているんですね。
 果たしてこれだけの、こういう人数でやれますか。うそ言っているんじゃないですか。
#130
○副大臣(木村義雄君) 朝日先生は医師の資格をお持ちですし、私はノンプロですから、プロフェッショナルとノンプロフェッショナルの違いがあって、先生ある程度御理解をしながらこの表を見られていると思うんですけれども。
 まず、国とか日赤のグループと、それから国立病院のグループと、それから医療法人、いわゆる民間病院のグループがあるわけでありますけれども、やっぱりそれぞれのある意味で特色が現れているんですね。どこで切るか、どういう観点で比較するかというのは大事なんですが、やっぱりその中で医療の中身、医療の中身というのが重要じゃないかと思うんです。
 例えば大学病院等で医師が三十九人なんてこんな多いのは、恐らくこれは臨床のところとか何とかも含まれてこういう数字になっているんだろうと思いますし、先ほど大臣が言った高度先駆的な医療、先進医療なんかも非常に取り組んでいる部門はこの一番上の方のグループに当てはまるんだろうと。
 一方で、民間の方を見ますと、これは国立病院よりもはるかに少ないわけでありますが、例えばここで医療法人を見ていただきますと、看護婦さんは十人少ないけれども、人員から見ると、この補助の方を非常に増やしているんですな。例えばこれ、どういうのかというと、療養型病床群という制度がありますが、これを随分相当そちらに移行をして新たな診療報酬体系を取ってやっている部門とあると思うんですが、その点、国立病院のグループは言ってみればその中間に位置していると、こういうことが言えなくもないんですけれども、私はやはりその中で医療の違いというのを、私はここは重要な要素じゃないかと。
 それで、その中でもってどうしていただくかといったら、やっぱりそれでも民間から比べれば、民間だってこれピンからキリまであるんですよ、ピンからキリまであるんです。その中で、平均的にこういう数字でありますけれども、恐らく国立病院から比べたらはるかに同じような内容をして安いコストでやっているところもこれはたくさんあると思うんですね。私は、ここはむしろ職員配置というか、やはりコストパフォーマンスのある医療をしてほしいなと。それで、その部分の正にコストパフォーマンスを考えていただいて、浮いた分でできるだけ政策医療は担っていただくけれども、あとの足りない分は、これはそれこそ国からの支援が出るわけでありますから、そこは当然活用していただくわけでありますけれども、決してこれ、だから国立病院が人数が少ないというのは一概にこの数字からは私は言えないと。むしろ民間と比較していただければ、やはり民間よりは随分高コストな医療経営を行っているんじゃないかなと、そういうふうに強く感じるわけであります。
#131
○朝日俊弘君 手に持っている資料は同じなわけですよね。どうしてそういう説明ができるのか理解できない。
 もちろんこれは統計ですから、だからそれはピンからキリまであると言ったらそのとおりです。だけれども、ピンからキリまであるのを一定の統計で平均値を取るのもまた意味があるわけですから、そのレベルで議論をしているので、これ素直に読めば、国立病院のところと国立療養所のところが少なくとも、資格のあるなしで比べたらどうかとか議論はありますが、少なくとも一番少ないじゃないですか。
 今日、午前中に櫻井議員がいろいろ、国立病院は民間の医療を圧迫しちゃいけないと、こういうお話をされておりましたけれども、民間の医療機関、医療法人がこれだけの人数で一生懸命頑張っている、さらにそこへ国立病院・療養所は一体どういう出番があるのかなと。これを、数字をまずは素直に受け止めて、この数字で本当にいいサービスに変わったというものを作り出せる基盤があるのか、あるいは先駆的医療や高度専門医療やあるいは難病などの特定の領域の医療について政策的な医療をきちんと担うと言い切れる基礎的条件があるのかどうか、私は大いに疑問だと思うんですよ。
 ここについて、本当に医療を担おうと思うのなら、まずはマンパワーを確保すると何で言えないんですか。
#132
○副大臣(木村義雄君) この表をよく見ていただいたら、例えば国立病院と医療法人を比べます。医師では半分ですね。看護婦さんも六十対四十八、十人違うと。じゃ、最後のトータルでは確かに医療法人が増えているのは、先ほど申しましたように、看護補助とか何かでぽんと伸ばしているんですよ。ですから、医療の中身によって全然違うんです。
 例えば、私から言わせれば、国立病院の中で、本来であれば療養型病床群にしてもいいような病棟をまだまだ普通の一般病棟と同じ扱いにしている面もあるんじゃないかなと。これはもっともっとちゃんと検証してみなきゃ一概には言えませんけれども、私は、療養型病床群が民間の病院に非常に多くて、例えば国立病院なんというのは本当にわずかですな。こういうところを見ても、医療の中身、それに対する人員の配置、私はもう少しやはりこれは再検討の余地があるんじゃないか、そこは新しい理事長にそういうことも踏まえてやってもらわなきゃいけないわけでありまして。ですから、単なるこの数字でもって見ても、私はそれでもまだまだ民間の努力に比べれば国立病院の努力というのは今までは大変に残念なものがあったと。しかし、今度のこの独法を契機として、民間のいいところ、先ほどもお話ありましたけれども、民間のいいところを是非見習っていただいて、これはしっかりやっていただく必要があるんじゃないかなと、こう思うわけでありまして、そこが私は最大の前提だと思っております。
#133
○朝日俊弘君 もう水掛け論はやめます。ただ、もう少し、二点だけ指摘しておきます。もうお答えはいいです。
 一つは、資格を持たない人の数が多いから医療水準が悪いという言い方はやめた方がいいです。かなりのベテランの方がある意味では非常に親切なサービスを提供しているということがよくあることですから、資格のあるなしでサービスの質が高いとか低いとかいう言い方はやめた方がいいと思います。それが一つ。
 それから、少なくともこのマンパワーについてもう少し謙虚に、何かいろいろ言い訳される前に、確かにマンパワー確保については検討すべき課題だと、これからそういう意味では独立行政法人に変わっても引き続き是非検討していってほしいというぐらいの何で前向きなことが言えないのか、訳が分かりません。
 これは私の意見として申し上げておきます。
 それで、ちょっと時間がなくなってきましたから、次の質問に切り替えます。
 今、来年の八月に向けて、医療法上の一般病床と療養病床についてどちらを選択しますかということを届け出ることになっていまして、それが来年の八月、タイムリミットが迫ってきています。聞くところによると、まだまだ思いあぐねている病院も多くて、七割方はまだ決めていないというか、申請をしていないと。三割方の病院が、例えば半数ぐらいは一般病床としてやりたい、半数ぐらいは療養病床としてやりたいと、こういう手が挙がりつつあるという段階のようですが、じゃ国立病院・療養所はどういう病床区分を申請するおつもりなんですかということを聞きたい。
 あわせて、多分、国立病院機構になったら病院と療養所という区別はなくなるんだというふうに私は理解していますが、それがもし続くのなら続くでどういう病床区分にするのか、一つにまとまるならまとまるでどちらの病床区分を申請されるおつもりなのか、いつごろ申請されるのか、その点についてお聞かせください。
#134
○政府参考人(冨岡悟君) 国立療養所におきまして、主として長期にわたり療養を必要とする患者さんを入院させるという、こういうふうな性格のものにつきましては、重心病棟、筋ジス病棟、神経難病病棟、こういったものがございます。その多くが人工呼吸器等の管理が必要な患者さんや、それからいわゆる超重症児といった医療的ケアの高い患者さんを受け入れているというふうな実態もございまして、療養病床の考え方になじむかどうかにつきましてはこういった点をよく勘案して慎重に検討すべきものと考えております。
 いずれにしましても、国立療養所の状況に応じまして、実態に応じまして適切に療養病床の選択の是非について検討して判断してまいりたいと思っております。
 なお、お尋ねのもう一点につきまして、独立行政法人になった場合の病院、療養所の区分という点のお尋ねでございますが、法的には現在、設置法におきまして病院、療養所というふうに書き分けておりますけれども、それから外れるものですから、法的にはその概念の区分けというのはなくなります。
#135
○朝日俊弘君 ちょっと、もうちょっとはっきり言ってください。療養病床を申請する考えはない、すべて一般病床として申請するつもりだと、こうお答えください。違いますか。
#136
○政府参考人(冨岡悟君) 先ほどお答えしたとおりでございますが、長期にわたって療養を必要とされている方は、国立療養所の場合におきましては、重心病棟、筋ジス病棟、神経難病病棟、こういったものが主体でございます。
 こういった病棟につきまして療養病棟になじむかどうかという点につきましては慎重に検討すべきものと考えておりますが、いずれにしましても実態に即し適切に選択してまいりたいと、かように考えております。
#137
○朝日俊弘君 終わります。
#138
○沢たまき君 公明党の沢たまきです。どうぞよろしくお願いいたします。
 最近、ちょっと私が地方へ行きましたときに、この本を読んでみたらというので読ませていただいた本がございました。「医療が病いをつくる」という大変ショッキングなタイトルの本を読ませていただきました。これは、熊本のある市民病院の院長から御紹介を受けて読ませていただいたんですが、内容は表題ほどショッキングではありませんで、この著者でいらっしゃる新潟大学医学部医動物・免疫学教授の安保先生は、現代の医学が検査任せの診断学に移ってしまい、専門化、細分化した科の医者が病気を局所の破綻として理解し薬を出して対症療法を行う治療学になってしまったというようなことを医療上の問題として免疫学的に指摘されているもので、私のように医師でない者にも理解ができる内容になっておりました。特に、生体反応のほとんどは全身反応としての広がりを持つものであり、その局所的破壊も全身と関連している、二十一世紀を迎えた今、このような対症療法から抜け出し、原因療法を行う医療に脱皮するときに来たのではないかと指摘をされております。
 特に、第三十三回日本無菌生物ノートバイオロジー学会を二〇〇〇年に主催をした小澤敦会長の細分化した医療に対する厳しい言葉を引いていらっしゃいました。
 少し長くなりますが引用させていただきますと、「現代においては、生物学のパラダイムが要素還元主義的方向に大きく変化し、分子レベルの研究が支配的になって来ております。一方還元主義的な物の見方は、複雑な生命現象の全体像をとらえていないことも認識されるべきです。総合的、全体的視点を欠いた単なる学問の細分化の推進は、複雑な生命現象の解明に役立たないことを指摘したいと思います。」と。特に最後の部分は、単なる学問の細分化は生命の働き全体を見てはいないという、役に立たないという厳しい指摘をされております。
 そこで、坂口大臣に、今申し上げましたこのお二人の先生に対する、医療に対する御感想をまず伺わせていただければと思っております。
#139
○国務大臣(坂口力君) 私、その本を読んでいませんから何とも申し上げられないわけでございますが、この安保先生というのは新潟大学の先生で、そして白血球の中にも交感神経支配と副交感神経支配のものがあるということを発見されたと申しますか、主張されている先生ではないかというふうに思います。
 この先生がおっしゃっていること、患者さんは部分的に見るのではなくてトータルでやはり見なきゃならないというお話でしょうから、そういう意味ではそれはそのとおりというふうに思うわけでございますが、問題は、現在の科学の中でだんだんと細分化をされてまいりまして、そして細分化されたことによってより具体的にきめ細かくいろいろの部分が分かってきたというプラス面もあるわけであります。
 問題は、個々に細分化され、そしてそこでいろいろの研究が積み重ねられて分かってまいりましたことをその部分だけで見ずに、それらを総合的にもう一遍元に戻してどう見るかということに尽きてくるだろうというふうに思っておりまして、それは細分化が悪いことではありませんけれども、細分化されたものをもう一度またトータルに戻してどう見るかというのが医師としての役割ということを言っておみえになるのではないかというふうに私なりに今お聞きをして理解をしたわけでございますが、そうしたことはやはり心掛けねばならないことだというふうに私も思っております。
#140
○沢たまき君 ありがとうございました。
 現代医学の方向にある意味での警鐘を鳴らされていると、私はそう思って読ませていただきました。やはり医療の方向性は国がリードする立場にあるわけですので、参考になるのではないかと思ったので御紹介をさせていただきました。
 さて、政策医療の体系を拝見しますと、各分野に細分化され過ぎているのではないかという思いがいたしておりますが、国の医療政策の方向として、患者さんを中心とした全人的医療の確立など、総合的、全面的な研究がなされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#141
○国務大臣(坂口力君) これも先ほど申し上げたことに共通するわけでございますけれども、全人的な医療というものを進めることは当然のことながら大事だというふうに思っております。ただ、全人的な医療を進めていきますためには、様々な角度から見ないことには全人的なものは見られないというふうに思います。
 最近、様々な角度からいわゆる病気の状況というものを把握することができるようになってまいりました。そうした、今までには考えられなかったけれども、しかし医学の進歩によっていろいろの角度から体の状況というものを把握できるようになったということはあるわけでありまして、それらのことを踏まえて、そして全体として見るという目を忘れてはならないという御主張だろうというふうに思いますが、そのことにつきましては私もそのとおりだというふうに思っている次第でございます。
#142
○沢たまき君 ありがとうございました。
 この患者さんが中心、全人的医療の取組というのは医療改革の中で真剣に取り上げていただきたいと、強く要望させていただきます。
 さて、国立病院・療養所の経営の改善につきまして伺わせていただきますが、平成六年度から経営改善が図られ、経常収支率が向上してまいりました。一般会計からの繰入額は平成六年度の二千五百八十八億円から平成十四年度には千二百二十二億円、約千三百六十六億円少なくなってきております。この減少した大きな理由は何でしょうか。
#143
○政府参考人(冨岡悟君) 平成四、五年ごろ、国立病院・療養所の経営は極めて悪化しまして、経営状況は本当に危うい状態までなったわけでございます。そこで、厚生本省、当時の厚生本省及び現場の病院・療養所が一体となりまして経営改善に取り組んだ結果が出てきているものでございます。
 平成四年六月には国立病院・療養所経営改善懇談会、様々な分野の専門家から報告書をいただきました。そして、まず診療収入等の収入に見合った支出を原則とした事業計画を各病院ごとに作成し、それぞれ全国で経営改善に本格的に取り組んだところでございます。中身は、賃金職員の適正化、それから再編成の推進によります診療部門の人員体制の強化、こういったことに取り組んだほかに、収入増加方策及び経費節減方策を強力に推進したということでございます。
 具体的に申し上げますと、収入の増加という点では、平均在院日数の短縮とか、入院の基本料の上位所得、紹介率の向上、こういった努力をいたしました。それから、診療報酬請求事務につきましても漏れのないように注意いたしました。それから、経費節減方策につきましては、医薬品等の節減、在庫管理の徹底、それから効率的な病棟運営、庁費、いろんな消耗品とか光熱費のたぐいでございますが、こういったものの節約、こういった様々な努力を重ねた結果、今日に至っているものでございます。
#144
○沢たまき君 要するに節約をしたということですかね、当たり前のことなんですけれども。
 次に移らせていただきますが、国立病院と療養所が独立行政法人化いたしますと、この経営方法はまた大きく変わってくると思っております。これまでの現金主義による官庁会計が廃止されて、発生主義の企業会計に取って代わるわけで、予算配付も使途内容を特定しない渡し切りの運営費交付金になりますね。また、事前関与から事後評価へ移り、財務諸表や中期計画、事業計画の公表が義務付けられます。つまり、これまで以上に経営の効率化へのインセンティブの付与が働くことになります。したがいまして、それぞれの病院では効率化に向けた経営戦略が進められていると思いますが、しかし効率化を進める余りに不採算医療が切り捨てられたり、地域医療との連携がおざなりになるんではないかと心配されるところであります。
 そこで伺いますけれども、こうした不採算医療とか地域医療との連携と経営の効率化をどのように両立させていくべきだと、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。大臣でも病院部長でも結構です。
#145
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院機構の使命は、自らの経営責任の下で安定した運営の下で政策医療の充実ということでございます。そういうことで、効率化のみを優先して、本来行うべき政策医療がおろそかになったりサービスが低下するようなこと、これは決してあってはならないことでございます。
 そういうことから、業務の効率化と医療の適切かつ確実な実施、サービスの向上、これが両立し得るように厚生労働大臣が二つの面の中期目標を示しまして、それぞれの達成目標を示します。法人におきましては、これを目指しまして計画を作りまして、その達成を目標にするわけでございますので、こういった政策医療、医療サービスの向上、これをおろそかにしますと決していい評価は受けられないと、そういうことになります。
 こういったことを通じまして、採算面と医療内容の向上、この二つを図っていけるものと考えております。
#146
○沢たまき君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 車の両輪といいましょうか、両立は絶対させていくべきだということでよろしいわけですね。
#147
○政府参考人(冨岡悟君) はい。
#148
○沢たまき君 はい、よろしくお願いいたします。
 国立病院・療養所が地域医療連携による新入院患者の確保とクリティカルパス等による効率的な入院治療管理、後方病床との連携による早期退院などを推進して、急性期入院と急性期特定入院の加算、両方とも加算ですが、適用病院としての対応が必要だと思いますが、その適用条件はどうなっているでしょうかがまず一つ。
 それから、百四十四の独立行政法人に移行予定の国立病院と療養所のうち、急性期入院加算と急性期特定入院加算の病院はどのくらいあるでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#149
○政府参考人(真野章君) 前段について私からお答えさせていただきます。
 急性期入院加算でございますが、要件といたしましては、他の医療機関から紹介された患者の割合が三〇%以上であること、平均在院日数が十七日以内であること、詳細な入院診療計画が作成されていることなどが算定要件となっております。
 それから、急性期特定入院加算でございますが、先ほどの急性期入院加算の算定要件に加えまして、外来患者数が入院患者数の一・五倍以内であること、地域医療連携室を設置し地域医療との連携体制が整備されていること、疾病別患者数や手術件数等、診療実績の開示を行っていることなどが算定要件となっております。
#150
○政府参考人(冨岡悟君) 後段でございますが、国立病院・療養所で適用となっているところは、急性期入院加算の適用病院が二か所、急性期特定入院加算の適用病院が二か所となっております。
 この数がこれにとどまっている理由は、平均在院日数といった点でなかなか、これから努力しないと該当しないということでございまして、その点についての今後の努力がもっともっと必要と思っております。
#151
○沢たまき君 また、国立病院と療養所が独立行政法人化いたしますと、各病院の独自性が大変重要になってくると思います。今までは厚生労働省が企画立案を担ってまいりました。そして、全国八つの地方厚生局が企画調整を行ってまいりました。したがいまして、現在の国立病院・療養所は独自に企画立案をしていたわけではありません。
 しかし、各病院の経営効率化が求められる中、企画立案部門は大変極めて重要だと思っておりますが、厚生労働省としてはここら辺をどう支援されていくおつもりでしょうか、伺わせていただきます。
#152
○政府参考人(冨岡悟君) それぞれの病院におきます企画立案機能の充実という点については、御指摘のとおり非常に大きな課題だと思っております。その強化、それにつきまして本当に今後取り組む必要があると思っておりますが、そしてそれを支援する必要があると思っておりますが、やはり病院全体として、院長先生を中心として全体としての戦略能力を高める機能をどう支援していくかというふうな観点からの支援方策を検討してまいりたいと思っております。
#153
○沢たまき君 よく分からないのですけれども、支援するのは大事、企画は大変大事、全体として院長さんと皆さんの戦略を、取りあえずは病院が一応独自でやっているのを採点するという、こういう方式なんでしょうか。
#154
○政府参考人(冨岡悟君) 済みません、分かりにくい説明で申し訳ございませんでした。
 私が申し上げた趣旨は、やはり病院は一つの組織体として院長先生を中心に戦略を練って遂行し、またそれを反省して次のステップに進む、こういうふうな過程にこれから入っていかなければならないと思っておりまして、そのためのデータの提供とかいろんなノウハウの提供とか、そういったことを通じまして、ある意味ではそういうノウハウを高めていくということがやっぱりまず基礎にあるんじゃないかと思っております。
 その意味で、例えば単純ないろんなこういった対応ということもありますけれども、まず全体としての意識改革も含めまして、そういうふうな取り組むことを支援していきたいと、そのように考えております。
#155
○沢たまき君 はい、よろしくお願いします。
 国立病院の経営改善と同時に最も大事なのは医療サービスの向上。診療サービスとともに一方の疾患別政策医療ネットワークに臨床の研究と教育研修の上でどのように参加していくのか、部長に再びお伺いいたします。
#156
○政府参考人(冨岡悟君) まず、ネットワークにつきましては、全国的なネットワークを使っての症例データベースの構築や、それからインターネットを利用した病理カンファレンス、こういったことが私どものほかにない特徴であると思っております。
 こういうことで、例えば気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎の診療ガイドラインの作成とか、抗うつ薬やぜんそくの新しい吸入ステロイド薬の治験とか、こういった臨床研究を進めると、こういったような取組にもこれからは取り組んでいけるのかなと思っております。
 それから、こういった成果を地域のお医者さんや看護師さんの皆さんの研修会や、それからまた先ほどのインターネットを通じまして発信しまして、それを地域に浸透していくと、こういったこともこれから取り組む課題じゃないかと考えております。
#157
○沢たまき君 次に、国立病院の医療事故についてお伺いさしていただきます。
 本年五月の読売新聞の報道によりますと、昨年度の国立病院や国立療養所などの国立医療機関が起こした医療事故は九十三件ありました。これも読売新聞が情報公開請求に対して開示した資料で判明したということですが、独立行政法人化後はこうした医療事故についても積極的に情報公開をすべきだと考えております。厚生労働省の見解をお伺いいたします。
 また、本年一月の九日ですが、内閣府の情報公開審査会第二部会は、事故の発生日時や原因、担当医、患者家族への謝罪文などは開示すべきであるとする答申を出しましたが、この答申に対し、厚生労働省はどのような対応をなされたのか、併せて伺わせていただきます。
#158
○政府参考人(冨岡悟君) 病院を運営していく上で、医療事故の発生防止、こういったことは本当に基本的な重要なことだと考えておりまして、いろんな会議、いろんな情報伝達の機会、事あるたびに周知を図るようにしております。
 医療事故発生の防止を図っていくためには、医療事故に係ります情報公開がその原因究明や発生予防の観点からも大事であると思っておりまして、現在もいろいろ充実に努めておりますが、独立行政法人化後におきましても継続的に情報を収集、分析し、その結果を公開する、こういった努力が必要かと思っております。そういった対策が今後とも図られる必要があると考えております。
 それから、もう一つお尋ねの後段でございますが、本年一月九日の情報公開審査会の答申におきまして、事故の発生日時や患者家族への謝罪文といった項目などについても開示すべきというふうな判断がされておりますが、この後の医療事故報告書の開示に当たりましては、この答申によって示された基準に沿う形で開示しているところでございます。
#159
○沢たまき君 独立行政法人に移行した後ですが、厚生労働省への医療事故の報告の体制はどのようになるんでしょうか。また、医療事故防止対策はどう行われていくんでしょうか。
#160
○政府参考人(冨岡悟君) まず、これまで国立病院・療養所におきましては、医療事故発生防止を図るために、平成十二年度におきまして、リスクマネージメントマニュアル作成指針を作りまして、医療事故防止マニュアルの作成、院内に潜在する事故発生リスク、ヒヤリ・ハット事例と言っておりますが、を把握するシステムの作成、それから医療事故防止委員会の設置やリスクマネジャーの配置など、こういった総合的な医療事故防止体制の整備を図ってきたところでございます。
 それから、平成十三年度から各病院に医療事故報告書の提出を求めることとしております。これを本省におきまして収集、分析しまして、各種の会議や研修などにおきましてそれを返す、成果を返すということで、更なる医療事故の防止を図っているところであります。
 さらに、平成十四年度におきましては、各国立病院・療養所におきまして、八十六名のリスクマネジャーの担当者を配置いたしたところでございます。
 こういうことで、事故の防止に一層努めているところでありますが、今後ともこういった人の充実や対策の充実を図ってまいりますが、こういった今まで続けてきました努力は独立行政法人化後におきましても続けられる必要があると考えておりまして、十分その点を注意してまいりたいと考えております。
#161
○沢たまき君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 最後になりますが、先般の委員会で政策医療の中に小児救急医療がなぜ入らなかったのかということを伺ったのでございますが、時間の関係で大臣の御答弁を伺えませんでした。衆議院の附帯決議では、「小児救急など必要な医療を政策医療に位置づけることを検討すること。」と決議されました。小児救急医療を政策医療に位置付けることについて大臣のお考えをお伺いさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
#162
○国務大臣(坂口力君) 小児救急医療につきましては、国民が安心をして子育てができる環境を整備するという意味で大変大事だというふうに思っておりますし、そして地域医療計画の達成のためにもこの小児救急医療の体制の整備が必要であるというふうに思っております。小児救急医療を政策医療の中に含めるということでこれからは推進をしていきたいと思っております。
#163
○沢たまき君 ありがとうございました。
#164
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 国立病院の独立行政法人への移行に当たって様々な問題がありますけれども、重大なのは、雇用がきちんと継続されるのかどうかという点だと思います。特に賃金職員の総数は今年十月一日現在で七千五百七十三人。これだけ大量の労働者の二〇〇四年四月以降の雇用の保障というのは重要な問題だと思うんです。そもそも、現時点でも賃金職員の皆さんは大変な状況に置かれている、厳しい状況に置かれている。
 最初に労働条件をお伺いしたいんですが、国立病院部長、そもそも夏季休暇、結婚休暇、育児休業、介護休暇、こういう世間で当たり前の休暇、休業、これは賃金職員の方は取れるんでしょうか。イエスかノーかで結構です。
#165
○政府参考人(冨岡悟君) 賃金職員につきましては、夏季休暇、結婚休暇及び介護休暇は、人事院規則に定められておりませんで、認められておりません。育児休業につきましては、国家公務員の育児休業等に関する法律が適用されないため、取得は認められておりません。
#166
○小池晃君 さらに、例えば採用半年間ということで見ると、定員職員であれば年休も夏休みも取れるのに、一方、賃金職員は全くないという状況であります。昇給も十年後ぐらいから頭打ちになってしまう。賃金水準は劣悪なのに休暇は少ない。だから、結果としては、逆に定員職員よりも賃金職員の方の方が労働時間が長いというようなケースも起こっているわけであります。
 ところで、お伺いしたいんですが、賃金職員の中で十年以上勤務をしている方、あるいは二十年以上勤務されている方はそれぞれ何名いらっしゃるんでしょうか。
#167
○政府参考人(冨岡悟君) 賃金職員は一年以内の日々雇用ということで任用されておりますが、中断の上、繰り返し雇用ということで、十年以上繰り返し雇用されている方は二千三十五人であります。そのうち、二十年以上の方は三百二十八人となっております。
#168
○小池晃君 もうほとんど常勤と変わらない仕事を実態としてはされていながら、十年、二十年、賃金職員のままで勤務を続けていると。本当に胸が痛むような事態なわけであります。これは、定員職員とほぼ同様の、実態としては同様の勤務をしながら、なぜ賃金職員という扱いになってきたのか、御説明願いたいと思います。
#169
○政府参考人(冨岡悟君) まず一つには、定員事情が、国家公務員の定員事情が大変厳しい中で、看護師等の医療職種を中心に定員増に努めてまいりましたが、それでもなかなか大幅な定員の増が難しかったという点が一つでございます。
 もう一つの理由は、技能・労務職員につきましては、昭和五十八年の閣議決定によりまして、それらの業務の民間委託等の推進とこれらの職種の採用抑制が定められたこと、こういったことが二つの要因と考えております。
#170
○小池晃君 すなわち、実態としては定員職員と同様の業務を行っていたと。定員の枠があるからそういう扱いになっていた、形式的に賃金職員になっていたということであって、業務の実態としては定員職員と同様の業務を行っていたという認識でよろしいんですね。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
#171
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所の賃金職員は年度当初に日々雇用として年度末までの期間を区切って雇用しているということでありますが、勤務時間は他の定員職員と同様でございます。
#172
○小池晃君 要するに、実態としては同じだと。ちょっと素直に答えていただきたいんですけれども。
 以上を踏まえて大臣に私はお聞きしたいと思うんですが、こうした賃金職員の方々というのは大変な御苦労をされて、それによって国立病院の医療というのは支えられてきたと思うんです。定員外の職員としての様々な不利な面もあったと思うんです。八一年の三月には、当時の園田厚生大臣は、いまだ解決しないことは申し訳ない、今後とも制度改善に誠意を持って当たり、速やかな解決を図りたいと発言をされているんですね。
 坂口大臣は現時点で国立病院の最高責任者であります。長年にわたってこういう処遇をしてきたことをどのように考えておられるのか。七千五百七十三人の賃金職員の方がここにおられると。今日は傍聴の方の中にも恐らく賃金職員の方がおられると思うんですけれども、そういった方々を前にしてお話しされるつもりで是非大臣の率直なお気持ちを私はお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#173
○国務大臣(坂口力君) 賃金職員の皆さん方が大変御努力をしていただく、そして一般の職員の皆さん方と同様な休暇等が取れないというような事実が続いている、そういうことでは、非常に立場としてはお気の毒な立場だというふうに私も理解をいたしております。
 これから独立行政法人になりますときに、この皆さん方をどうするかということ、そして全体の定員をどうしていくかということを、次の理事者と申しますか、中心になる人が積極的にやはりお考えをいただきたい。そして、全体としてどういう病院を目指していくか、その中に人の配置をどうしていくか、そうしたことをやはりお考えをいただかなければならないわけでありまして、そういうお考え方の下に新しい体制で再スタートをする、現状のままでは膠着状態になっているわけでありますから、新しい体制の中でこれはスタートをする以外にない、こういうふうに思っております。
#174
○小池晃君 お気の毒とおっしゃるけれども、これは国が作った処遇なわけですから、私は国に責任あると思うんですね。だから、いま一つ踏み込んだ御発言が欲しかったと思うんですが。
 しかし、大臣おっしゃるように、これは正にこれからの問題だと。正にこの御努力に、御苦労に報いるべきときだと私は思うんですね。それが今回の独立行政法人の移行の中でどうなっていくのかというところで、私、問われていると思うんです。
 そこで、今後の雇用について議論をしたいんですが、これは民間の例なんですけれども、九一年の六月に進学ゼミナール事件という事件の最高裁判決が出ています。これによれば、期間満了後の雇用の継続に期待することに合理性がある場合においては、解雇に関する法理が類推適用されるものと解するとされております。これ民間の場合なんです。しかし、民間の場合では、短期の労働契約を反復更新して実質的に常用雇用と同じ雇用をしてきた場合、これは雇い止めの意思表示は無効だと、これが過去の判例であります。
 国立病院も、この際、これは独立行政法人になるわけですから、民間法人ではありませんけれども、労働基準法の適用対象となっていく、労働契約の対象となっていくわけですから、私はここで、大きな考え方として、民間では常識になっている判例を踏まえてここは対応していくということが求められているんじゃないかと思うんですが、国立病院部長、いかがでしょうか。
#175
○政府参考人(冨岡悟君) 民間におきます有期契約の反復更新の判例につきましては私どもも承知いたしておりますが、国立病院機構の職員は国家公務員型としているわけでございまして、国家公務員法上の任命行為として雇用されるものであります。
 国家公務員につきましては国家公務員の判例があるわけでございまして、過去の公務員に関する判例からも、民間の雇用契約による判例法理がそのまま適用されるということではないものと理解しております。
#176
○小池晃君 いや、そのまま適用しないというのは、私、質問で言っているんですから、これは違うんだと。ただ、民間ではこれは違法なんだと。大臣もおっしゃったように、膠着状態をこれは解決する私はある意味ではチャンスだと思うんですよ。そのときに、大きな考え方として、こういうことも踏まえて対応できないのかというふうに申し上げているんです。
 大臣、私、申し上げたいのは、これは定員内の職員については附則の第二条で引き継がれることが法定されているわけですね。定員外の賃金職員については法律には何の規定もないんです。実態として同じ仕事をしながら、独立行政法人になった後の雇用については賃金職員は法律上は何の保障もないと。大臣は衆議院の審議の中で、雇用の引継ぎは新しい理事長が判断することだというふうにおっしゃいましたけれども、それではその労働者は一体どうなるのかと。これは新しい理事長が決まるのは来年の十月です。そして、それまで生殺しみたいな状態になってしまうということになるじゃないですか。
 そうさせないために、私は大臣に、これは政治家として大臣に是非答えていただきたいんですけれども、今みたいなしゃくし定規な法律解釈だけでいったら、これはいろいろあるかもしれない。しかし、新法人理事長に全員きちんとお願いしますと引き継ぐと、私、これこの場ではっきり言うべきだと。そのことを受け止める人を私は理事長に選びますと言っていただきたいんです。
 これ、笑い事じゃないですよ。七千五百七十三人の生活が懸かっているんですよ。この責任、あなたあるんです。政治家として、この七千五百七十三人の、あなた、言わばその人たちの言ってみれば雇用主、責任者であるわけです。そういった人たちに、やっぱり大臣の答弁を聞いて安心できるという発言を是非私していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#177
○国務大臣(坂口力君) これは衆議院でもお答えをしましたように、来年の十月には新しい理事長さんを決め、そしてそれぞれの病院の院長さんになる人を決めていくわけでありまして、それからの半年間の間にそれぞれの病院がどういうふうな形態でこれから行くかということをお決めをいただくわけでございますから、その中ですべてのことは決定されていくということになるだろうというふうに思います。
 したがいまして、過渡期的ないろいろの問題は私はあるんだろうというふうに思いますが、それはその次の役員に就かれる皆さん方のひとつお考えを十分に尊重してこれは決めていくべき話でありまして、私がここでその皆さん方を飛び越えてどうするこうすると言うことは、それは私は言い難いことでございます。
 したがって、できるだけ早く後を引き継ぐ皆さん方はお決めをしたい、そしてそれは経営能力もあり立派な人をひとつお決めをしたいというふうに思っておりますから、その人に御信頼を申し上げてお任せをしたいと思っております。
#178
○小池晃君 私、それは無責任だと思うんですよ。だって、無責任ですよ、これは。
 七千五百七十三人の皆さんは何も好き好んで賃金職員になったわけじゃないんです。これは、賃金職員という不安定な身分にしたのは、数十年にわたってそういう状態に置いてきたというのは国の責任なんですよ。これ、解決すべきものを今までほっておいたわけですよ。そもそも国立病院時代に解決すべき問題を持ち越したわけです。だから、私は、独法移行に当たって、独法になってから以降のことはそれはいろいろあるかもしれない、しかしそこに引き継ぐということは私これ国の最低限の責任じゃないかと思う。
 これ、法律には書けないということなのかもしれない。しかし、私は、ここのところは、やっぱり七千人余りの人が今不安におののいているわけです。自分の雇用どうなるのかというときに、やはりその人たちのことはちゃんと申し送るからと。そこから先どうなるかというのは、それはあるかもしれません。しかし、大臣のお言葉として、そういった人たちはちゃんと申し送りますと。私、これは最低限の責任じゃないかと思うんですよ。
 それを言っていただきたいんです。大臣、もう一度お願いします。
#179
○国務大臣(坂口力君) 私に今課せられているのは、次の理事長さんをどういうふうに選び、そしてどういう立派な病院を作っていただくかということでありまして、その皆さんにお願いをするということでございます。
 したがいまして、その理事長さんが、百四十四もあるわけでありますから、それらの病院に対しましてどのようなそれを病院にしていただくか。そして、理事長さんがそれぞれの病院の院長さんをお決めいただいて、そしてどういうそれを病院にしていただくか、恐らく今まで以上に発展的に立派な病院にしていただけるものと期待をいたしております。その中でこの人の問題というのは解決をしていただくわけでございますから、それを、手腕を私はお待ちを申し上げたい、お願いを申し上げたいと思っております。
#180
○小池晃君 ですから、その新しい理事長さんをお決めになる、お願いすると。そのお願いする中に、やはりこの七千五百七十三人の賃金職員のことは私は気に掛かっている、これを是非お願いすると、そのことも含めるということをやっぱりこれは言うべきだと私は思っているんですよ。
 これは、やっぱりこれをお願いするというのは最低限の責任ですよ、国として。やはり実態として同じ仕事をしていたにもかかわらずこういう扱いをしてきたというのは、これは正に国の制度、定員の問題だけでそうなってきたわけですから、そこのところをひとつこれは頼むと。そこから先どうなるかというのは、それはあるのかもしれない。しかし、やはり国としてこの間これだけの御苦労を掛けてきたわけですから、そこのところも含めてお願いすると、これぐらい言えるじゃないですか。大臣、是非言ってください、それは。
#181
○国務大臣(坂口力君) 問題は、そこから先がどうなるかということをどう決めていただくかということなんですよ。
 だから、平成十六年の四月にどうかということだけではなくて、その後その病院をどうしていただくかということが一番大事な話であって、それ次第によっては、今までおみえになった皆さん方の人数だって、それは多過ぎるということになってくる可能性だってあるわけでありますから、私はその次の理事長さんになっていただく方、そしてまたそれぞれの病院長さんになっていただく方、事務長さんになっていただく皆さんの手腕に御期待をしたい、そして今まで以上に立派な運営をして、そして皆さん方にそこで働いていただけるような体制を作っていただきたい。その能力を私は今見定めて、そしてそういう人を選ばなければならない。その後のことは、それは細かなことは言わない、その皆さん方にお任せをしていくというのが私の今の立場だと思っております。
#182
○小池晃君 私はその後のことを言っているわけじゃないんです。そこまでのことを言っているんです、坂口厚生労働大臣の責任として、そこに引き継ぐときに。
 私たちは国立病院を独立行政法人化すること自体に反対であります。しかし、この総定員法の枠組みが外れるということは数少ない私はメリットだと思う。これこそ、この間本当に引っ掛かってきたこの賃金職員という問題を解決する私は逆にチャンスだと。
 それから先のことを私は言っているんじゃないんです。お願いするというときに、それはこういう経営能力もお願いする、しっかりやってください、しっかり運営していってください、地域の住民の方も頼みます、そして雇用も。定員職員についてはこれは法律でちゃんと決められているわけです。法律で書かれていない賃金職員のこともどうかよろしく頼むと、これもやはりお願いするうちの一つに入るんじゃないですか。これはやはりその中に私は含めるべきだと。
 再度、大臣にこの件について、このことも含めてお願いすると言っていただきたいと思います。
#183
○国務大臣(坂口力君) 何度も申し上げておりますように、その後の経営につきましてはすべてその人にお任せをするということでありますから、その皆さん方に立派にひとつやってもらいたいということでございます。それは、そのときにこうしてください、ああしてくださいという条件を付けるということになってくれば、それはその後のことをその人たちにやりにくくするわけでありますから、その人たちにひとつその後のことは考えていただくということになるだろうというふうに思います。
#184
○小池晃君 私は、この独法になって、一方では企業会計的手法で職員をコスト削減に駆り立てる、他方では賃金職員にはこれまでの努力に報いることをしない、本当に独立行政法人という形になるのに都合のいいところしか取っていないんじゃないか、御都合主義だというふうに言いたいと思います。
 続いて、以前の当委員会でも質問をしましたけれども、国立秋田病院の問題についてお伺いしたいんですが、秋田病院は、これは当初は地域の一般医療のために必要だということで移譲対象だったわけです。これは引受手がないということで廃止対象になりました。立地条件のいい秋田の重心病棟を何で日本海の荒波のたたき付けるような道川病院に移すのかということをここで質問しました。これは大臣も覚えていらっしゃると思うんです。これは結局、地元の本荘市や住民の強い反対にもかかわらず一方的に廃止ということを決定されましたが、これは無責任だと思うんですけれども、事態は進行しているわけです。現地の人々の願いにこたえる対応が求められていると思うんですが。解決が求められていると思うんです。
 まず参考人にお伺いしたいのは、廃止は来年十二月ということなんですが、今、秋田病院を頼りにされている患者さんの受入先はこれは当然責任持って確保していくということだと思うんですが、いかがでしょうか。
#185
○政府参考人(冨岡悟君) 秋田病院の廃止に当たりまして、患者さんの受入先を確保するよう努めることは私ども当然のことと考えております。
 厚生労働省としては、患者さんや家族の方々に対しまして適切な時期に主治医の先生等から十分説明することとなります。具体的にはどうするかという点につきましては、現在秋田病院に入院されている重心の患者さんにつきましては道川病院の新病棟への転院を予定しております。その他の入院・外来患者さんにつきましては、患者さんの意向を尊重し、道川病院を含む他の医療機関への転院等、適切な対応をしてまいりたいと思っております。
#186
○小池晃君 現在、病院の廃止後の跡地を地元で今後どうするかが議論されております。福祉施設を作ってほしい、医療施設を作ってほしい、そういう希望も大変強いというふうに聞いております。大臣も、これは前回審議の中で、地元の意見を無視しないようにというふうに答弁されてきました。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、今後の計画については、これはこの間の経緯も踏まえて、国有財産を現地の皆さんに有効に活用していただけるような配慮を十分にしていただきたい、このように考えるんですが、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(坂口力君) これは地元でよく協議をしていただいて、跡地利用というのをどうするかということを地元でやはり決めていただかなければなりません。どうしたことに使うのが一番いいのかといったようなことになるわけであります。
 私の地元におきましてもそういうことが起こりましたけれども、それはちょうど駅裏でいい場所だったものですから、そこは公園にするということで皆さんがお決めになった、それもそれは一つの私は方法だと思うんです。立派な公園ができ上がりました。だから、そこはどうするかということは地元の皆さん方よくお話をして決めていただきたいというふうに思います。
#188
○小池晃君 その際に、地元の方々の協議ももちろんなんですけれども、十分に国としても配慮をしていってほしいということなんですが、その点についてお答えいただきたい。
#189
○国務大臣(坂口力君) 小池委員のお話はどういう具体的なことを指しておみえになるのかよく分かりませんが、それはどこがお買い上げをいただくのかということによって対応は違ってくるわけでありますから、それが、市町村がそれをお受けになるということになれば、それはそれなりに対応するように既にすべては決まっているわけでございますから、それにのっとってやっていくということだろうと思います。
#190
○小池晃君 ここは地元のこの間の経緯、いろいろあったわけですから、これは是非十分に配慮をした対応をしていただきたいと思います。
 残された時間、国立病院の看護体制の問題について、先ほども御議論ありました。大変劣悪であるということだと思うんです。私、ナショナルセンターの看護実態についてお聞きをしたいと思うんです。
 国立病院のナショナルセンターは、高度先進医療の実施、臨床研究、教育研修、情報発信の全国の中心機関と位置付けられている。しかし、その看護実態は、二〇〇一年の労働組合の調査では、月九日以上の夜勤が約四割、三人夜勤は二五%にとどまっております。一方、同様に高度先進医療を行っている国立大学附属病院の三人夜勤は昨年度全体で六一・三%です。
 私、お聞きしたいのは、ナショナルセンターの一つであります大阪吹田市の国立循環器病センターの三人夜勤の現状は一体どうなっているか。これ現状をお答えいただきたいと思います。
#191
○政府参考人(冨岡悟君) 国立循環器病センターは、十九の病棟、看護単位で運営されております。それぞれの看護体制でありますが、それぞれの病棟の機能、性格に応じて看護体制を組んでいるところでございます。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
 そういうことで、急性期の重症患者が多数入院しているようなところ、それからそういう症状が比較的落ち着いた患者さんが入院するところ、いろいろあるわけでございまして、それに応じて看護体制を組んでおるところでございます。
 非常に夜勤の体制の厚いと申しましょうか、多いところは四人四人のところもありますし、中には、ICUでは八人八人といったところもございます。そういうことで、全体として三人以上の看護師による夜勤体制となっているところは十九のうち九でございます。
#192
○小池晃君 聞いたことだけに答えてくださいね。
 最先端の医療を行っている循環器病センターでも半分以上の病棟は二人夜勤なわけです。十九病棟中九病棟が三人夜勤ですから、残り十病棟はこれは二人夜勤だと。
 重症患者が多くて過酷な勤務を強いられている中で、大変な悲劇が起こっております。
 大阪の国立循環器病センターに勤務していた二十五歳の看護師の村上優子さん、この方、二〇〇一年二月十三日、勤務を終えて帰宅後にクモ膜下出血で勤務先病院に搬送されて、三月十日に亡くなっている。二十五歳の看護婦さんであります。御遺族は過労死認定を求めて坂口大臣あてに公務災害の申請をされております。
 これ勤務実態見るとすごいんですよ。これ、村上さんが勤務していた脳神経外科病棟は、重症、高齢の患者さんが非常に多いと。業務は非常に多忙で、二人夜勤で、休憩もまともに取れない。超過勤務、恒常化していたわけです。日勤から深夜勤になる場合には、普通は定時の十七時に日勤を終えても翌日零時半の出勤までは七時間半しかありません。そういうときでも四時間を超える超過勤務をやっているんですね。
 例えば、二〇〇〇年十月五日の、この方、メールを友達に毎日毎日打っているわけです。パソコンから打ったり携帯から打ったりしている。そうすると、十月五日のメールでは、日勤が忙しく帰ったのは二十二時半、寝る時間がほとんどなく深夜に突入、始まったときからふらふらでしたと書いてある。この日は十七時に終わるはずが二十二時まで続いた。二十二時に家に帰ったら、ちょっと休んだらば、零時半から仕事に入っているんです。さらに、二〇〇一年の一月六日のメール、この日は十七時に終了する日勤なんです。ところが二十二時四十三分のメールで、まだ病院にいます、仕事が片付きそうにありませんと友達にメールを送っているんです。だから、この時点だとしても五時間四十三分の超勤なんです。さらに、一月十六日、これ十七時終了の日勤です。二十時四十二分に送ったメールでは、無事仕事を終えることができましたと。だから三時間半の超勤です。こういう記録が克明に残っているわけなんですね。
 倒れた二月十三日、十九時半終了の遅出勤務だった。ところが、この日も約二時間の超勤をやっているんです。二十一時四十五分、最後のメールは、取りあえず帰ってきました、とにかく眠過ぎる、そうあったそうであります。しかも、研究発表がありますから、自宅に持ち帰って資料整理している。それから、驚くことに、この病棟、二十一人中五人が新人なんです。だから、本当に教育係もやらなきゃいけない。もう体も心も本当に緊張した状態です。一か月の時間外労働は八十時間に及ぶと推定されている。これ、もし時間外労働がなかったとしても、本当大変な勤務なはずです。ところが、更にこれだけの時間外労働をせざるを得なかったという実態がある。その中で二十五歳の若さでクモ膜下出血でお亡くなりになった。
 大臣にお伺いしたいんですが、私、勤務の一端を御紹介しましたけれども、大変過酷な勤務をされているというふうにお思いになりませんか。
#193
○国務大臣(坂口力君) 具体的なお話でございますので、どういう状況であったかということは私も存じておりません。ただ、御遺族からの公務災害の申出によりまして、循環器病センターからそういう申出があったという報告が来ていることは承知をいたしております。
 お亡くなりになったという事実、大変深く受け止めているところでございます。
 現在、国家賠償請求事件として司法の場におきまして係争中であることも承知をいたしております。したがいまして、公務災害の認定でありますとか、こうした裁判の過程でそれらのことは、今おっしゃいましたようなことは明らかになっていくものと存じます。その結論を待たせていただきたいと思います。
#194
○小池晃君 私はそういうことを聞いているんじゃなくて、今のこの話を聞いたらば、大変だったなと人間として思わないのかと、そういうことをお聞きしたかったんですよ。それから先のことはこれからお聞きするんです。
 大臣、私の今紹介したその話だけでも、これは大変な仕事だったと思いませんか。その率直な御感想を私お聞きしているんです。ちょっとお答えいただきたい。
#195
○国務大臣(坂口力君) 断片的にお話を聞いただけでは分かりません。全体としてどういうことであったのかということをよく私も聞かせていただきたいというふうに思っております。
#196
○小池晃君 労働基準局にお伺いしたいと思うんです。
 昨年末に脳・心疾患の過労死の認定基準が改定されました。それまでは直前あるいは一週間前の業務過重、あったわけですけれども、それに加えて発症前の長期間にわたる過重勤務、過重業務について基準を示されたと思うんです。この変更点について、特に時間外労働の状況についてどう定めたか、御説明願いたいと思います。
#197
○政府参考人(松崎朗君) お尋ねの件は、労災保険のいわゆる過労死の認定基準でございます。
 これ、新しい点としましては、新たに長期間にわたる疲労の蓄積を考慮するとともに、業務の過重性を評価する負荷要因の明確化を図る、こういった点が主要な改正点でございます。御指摘のとおり、昨年の十二月に行っております。
 特に、長時間の疲労の蓄積の評価でございますけれども、これ、まず時間外労働時間につきましては、月四十五時間を超えて長くなるほど発症との関連性は徐々に強くなるという点、それから二番目といたしまして、発症前一か月間に百時間を超え、又は二ないし六か月間の間に月平均で八十時間を超える場合には発症との関連性が強いこと、こういったことを判断の目安として示しておるところでございますが、業務の過重性の評価に当たりましては、労働時間のほかに就労状況等、総合的に評価するという内容でございます。
#198
○小池晃君 これ、公務災害の場合も、認定基準も全く同様であります。
 今お話あったように、基準では業務の過重性の評価に当たっては、時間だけではなくて、交代制勤務や深夜勤務あるいは精神的緊張を伴う業務、こうしたことが併せて検討されると思うんです。
 参考人にお伺いしたいんですが、これは、村上さんの仕事は、もう深夜勤務を含む交代制で、しかも重症、高齢の患者さんを多く診ている、生死にかかわるストレスにさらされている。時間だけではなくて、これらの点からも業務の過重というのは明らかではないか。私、これ一日も早く公務災害の認定をすべきではないかと考えるんですが、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘の事案につきましては、人事院が定める公務上災害の認定指針、先ほど御指摘がありましたが、労災の認定基準と同様でございます。この指針に照らしまして、過重な負荷を受けていたか否かについての判断が難しいという状況のため、同指針に基づきまして人事院に協議しているところでございます。
#200
○小池晃君 どこが難しいんですか。こんなの明らかじゃないですか、過重だというのは。三交代で、しかも、言ったように、大変ナショナルセンターで重症の患者さんが多い病棟だ、二人夜勤だ、新人看護婦一杯いる、研究までやらなきゃいけない。仕事の時間の問題だけじゃなくて、中身だって過重だというのは、あなた、こんなのだれが見たってはっきりしていますよ。
 しかも、これだけの超勤をやっているという、これ実際、メールで打っているわけですから、メールというのはちゃんと時刻が残るわけです。これ、厚生労働省が決めるわけでしょう、過労死基準を。そして、一般の企業にはそれを守らすわけでしょう。それが、回り回って厚生労働省の職員に適用するときには難しいですって、こういう話はないですよ。これ真っ先にきちっと自分たちが決めた基準に基づいて、これはできるだけしっかり認定していく、これこそ厚生労働省の取るべき態度じゃないですか。
 大臣、いかがですか。これ公務災害として認定するというふうに、私は直ちにその検討に入るべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#201
○国務大臣(坂口力君) これは基準を決めたわけであります。しかも、過労死の場合の認定につきましては昨年これを作り替えたわけでありまして、慢性の、何といいましょうか、急性のものだけではなくて慢性に疲労が蓄積をしている場合にもその範囲に、中に入れるということにしたわけでありますから、それらの基準の中にこれが当てはまっておりますれば、それは過労死に適合するということになるというふうに思いますから、それは冷静にその状況を判断させていただければ、これは出ることだと思っております。
#202
○小池晃君 判断難しいなんという言い方は本当にやめていただきたいと。これやはりきちっと認定をするべきだと。
 しかも、これ、いろいろとお話聞くと、病院側は超過勤務は十六時間だけだと言っているそうなんです。ところが、超勤の超勤簿というのはやっぱり、これ私も現場で働いていましたから分かりますけれども、なかなか付けづらいわけですよ。実態としては、十六時間だけなんて言っていますけれども、例えば、倒れた二月十三日の病院の記録の超勤、一時間だけです。二十時半まで勤務したとされている。しかし、村上さんが送ったメールの記録では、二十一時半に勤務を終えて帰宅をしていると。違うわけです。一月六日も、病院側の記録は二時間の超勤ですけれども、先ほどこれ紹介しましたように、五時間四十三分後に仕事が終わらないというメールを送っているんです。それから、一月二十五日も、病院側の記録では一時間の超勤なんですけれども、メールが送られた記録では五時間の超勤になっている。こんな具合に、実際に病院が記録している超勤の数字と、御本人がメールという形で幸いにも残されていた記録を見ると全く違うという実態があるんです。これはやはり、ここのところをきちっと正確に把握をして、直ちに公務災害認定すべきだと思うんですが。
 私、ここで、この問題調べていて引っ掛かったことは、厚労省は昨年四月六日に労働局長あてにサービス残業根絶の通達を出しました。使用者には労働時間管理する責務があるということを明らかにして、始業・終業時刻を確認し、記録すること、タイムカードなど客観的な記録を基本情報とすることを使用者に求めている。
 ところが、国立病院、タイムカードないんですね。これ、国立循環器病センターもないわけですよ。これはどうも一般的にそうらしいんですが、国立病院部長、お聞きしたいんですが、なぜおひざ元である国立病院にはタイムカード導入していないんですか。
#203
○政府参考人(冨岡悟君) 現在、国立病院・療養所におきましては、人事院規則に従いまして、他の行政機関と同様に出勤簿、超過勤務命令簿等によりまして労働時間の管理を行っているところでございます。
#204
○小池晃君 私は理由を聞いたんですけれども。だって、一般企業にはタイムカードなどでちゃんと客観的に記録せよと言いながら、自分たちの直営事業と言っていい国立病院でやっていないっておかしいじゃないですか。大臣、これおかしいと思いませんか。これは、やっぱり直ちにタイムカード、私、導入すべきだと思うんですが。
 労働基準局にお聞きしたいんです。これ、タイムカード導入されていない職場で、例えば、これ一般論ですけれども、携帯電話やパソコンのメールによる残業や帰宅の連絡、これは労働時間把握の客観的資料として扱うことができるんでしょうか。
#205
○政府参考人(松崎朗君) まず労働時間の把握でございますけれども、先ほど先生おっしゃいましたように、これは使用者の責務でありまして、使用者が各労働者の始業、終業、そういった時刻をきちんと確認するということが必要でございます。そのために昨年の、十三年の四月に出しました通達におきましても、これは確認の方法として、使用者自らが確認する、又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎とする、このいずれかの方法が原則であるというふうにしております。
 ところが、こういった方法が取られていない場合があるわけでございまして、そういった場合にどういったものに基づいて労働時間を確認するかということになるわけでございますけれども、これは原則としましては、個々の事案ごとに実態に応じて判断せざるを得ないということになります。
 したがいまして、お尋ねの携帯電話のメールの送信記録につきましても、その具体的な事案に応じて判断するということになろうかと思います。
#206
○小池晃君 要するに、客観的資料として認めることも場合によってはできるということだと思うんです。
 もう一点問題あります。
 この亡くなられた村上さんのいる病棟では、こういう業務内容とチェックリストというのがありまして、勤務前までに患者の状態、処置などの情報収集を行うことが求められていた、要するに始業前に業務することが文書で示されているんですね。これを見ると、日勤の場合は、患者の疾患、状態の確認、患者のケア、昼の内服薬のチェック、検査の確認、要するに勤務開始の四十分ぐらい前からこれをやれなどということになるんです。準夜勤の場合は、これはカルテから必要な情報を収集、内服薬、点滴薬などの確認、カルテを用い点滴薬を二人で確認、書いてあるんですね。一時間以上前から出勤して準備をしているのが実態だそうであります。
 労働基準局にまたお尋ねしますが、これ一般論として、こういった業務に不可欠の準備作業というのは、これは当然労働時間に含まれると思うんですが、いかがでしょうか。
#207
○政府参考人(松崎朗君) まず原則労働時間でございますけれども、これは一言で申し上げれば、使用者の明示又は黙示の指揮監督の下にある時間ということになるわけでございます。
 したがいまして、今御指摘のような病院の始業時刻前に病棟を巡回する時間でございますけれども、こういったものは通常の場合ですと使用者の明示又は黙示の指揮監督下にあるというふうに思われますけれども、具体的には実態に即して個別に判断するということになろうかと思います。
#208
○小池晃君 これは正に含まれるケースなんですよ。これはもう最高裁判例でも確定していると思うんです。私、こういう実態があると。
 そういう中でお聞きしたいのは、これ、国立病院が公務員型の独立行政法人に移行した場合は労働基準法の適用の対象になるんでしょうか、国立病院部長。
#209
○政府参考人(冨岡悟君) 労働基準法が適用されます。
#210
○小池晃君 ということは、勤務時間について労働基準法の適用となるということは、これは正にサービス残業の根絶の通達の対象として、これは適正な時間管理が求められるというふうになると思うんですが、この点、再度確認をしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#211
○政府参考人(冨岡悟君) それぞれの制度の下で法に従いまして適切に運営する、対応する必要があると思います。
 なお、ちなみに申し上げますと、私どもは現在、厚生労働省全体の超勤を減らす、必要以外の超勤はなるたけしないと、そういったような方針の下に全国の現場にもそういう意向を伝えまして、そういう運動に取り組んでいるところでございます。
#212
○小池晃君 いや、ちょっと質問に明確に答えていらっしゃらないと思うんですが、国立病院は独立行政法人、公務員型の独立行政法人に移行した場合は労働基準法の適用になるということでありました。ということは、要するにそのサービス残業根絶の通達の対象として、通達が出ているわけです、この通達に基づく対応が、適正な厳密な時間管理が求められていくということでよろしいんですねということをお伺いしているんです。
#213
○政府参考人(冨岡悟君) 労働基準法の下で適正に運用することになるということでございます。
#214
○小池晃君 何か正面から答えていただけないんですけれども、おっしゃっていることはそういうことだということで私の方で通訳をしておきますけれども、まあそういうことだと思うんです。
 一方、ナショナルセンターは独立行政法人には移行いたしません。しかし、高度先端医療を行っているナショナルセンターの看護の状況というのは、これはもう全国の国立病院のみならず、民間病院も含めて私は大きな意味を持っていると。こういう状況を放置することは私は許されないというふうに思うんです。
 その点で、これは、二度とこのような悲劇を起こさないために看護師の緊急な増員が求められていると思うんですが、具体的な増員計画、出されているのであれば、それもお示しいただきたいというふうに思います。
#215
○政府参考人(冨岡悟君) 大変厳しい定員事情の中で、国立病院・療養所、ナショナルセンターも含めまして、看護職員の増員、体制の整備につきましては、再編成を通じた再配置等も含めまして大変努力してまいりました。
 十五年度の概算要求におきましては、ナショナルセンター全体で看護師の増員要求を六十三名出しておりますが、このうち国立循環器病センターにつきましては二十五名の増員要求を行っているところでございます。
#216
○小池晃君 増員要求しているということからも、本当に業務過剰だったというのは、逆に言えば私は明らかなんじゃないかと。厚生労働省自身が、これ業務が大変だからこそ、これは増員要求したんだと思うんですよ。
 そこで、大臣、最後に私、この問題で大臣にお伺いしたいんですが、本当に最先端、言わば国循といえば日本の循環器治療のメッカですよね。非常に有名な病院であります。こういう本当に世界的とも言っていい病院だと思うんですが、こういう病院が本当に職員の自己犠牲的な労働に支えられていると、非常に前時代的な実態があるんじゃないだろうかというふうに思うんです。しかも、ここはどこかの民間法人が運営しているわけじゃないんで、国の病院なんだと。国の病院でこういうことが起こっているわけです。
 村上さんはお母さんも看護師さんだそうで、看護師で働くお母さんを見て育ったそうです。九七年から循環器病センターに勤務をされて、働くことに大変誇りを持っていたというふうにお聞きしています。お母さんが、お手紙をいただいているんですけれども、今現在も患者さんのためにと大勢の看護師さんが自分の時間を犠牲にして働いています。なぜ人一倍心の優しい我が子が死ななければならなかったのか。日々思うことは、ただただ無念の思いだけですと。この悲しみ、苦しみは私たち家族だけで十分ですと。我が子の死を無駄にしちゃいけないということを訴えておられるわけです。
 私は、こういうことを二度と繰り返しちゃいけない。こういう悲劇繰り返さないために、大臣としては、この今の国立病院全体の看護体制の在り方、とりわけナショナルセンターの今のこの実態をどのような姿勢で改善していこうと臨まれるのか、大臣に最後にお伺いしたいというふうに思います。
#217
○国務大臣(坂口力君) いずれにいたしましても、亡くなられましたその看護師さんに対しましては心から哀悼の意を表したいと存じます。
 これから、循環器センターだけではなくて、厚生労働省翼下の多くの病院において御苦労をいただいております従業員の皆さん方に対して、労働が余りにも過重になり過ぎないように十分配慮をしていただくように、各関係機関には十分な連絡を取りたいというふうに思っております。そして、増やすべきところはこれは増やしていかなきゃいけないんですから、我々はその人員につきましては要求をしていきたいと思っております。
#218
○小池晃君 もう本当にこういう痛切な教訓を是非今後の病院運営に生かしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。
 あわせて、先ほどのことですけれども、もう一度、やはり一日も早く公務災害として認定するということをするべきだと。これが最低限の、私、国としての責任だというふうに思いますので、申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に、今資料をお配りしていますけれども、十月からの老人医療の実施状況について、今日ちょっと併せてお聞きしたいと思います。
 これ、十一月十四日の当委員会で、私この問題取り上げて、いろいろと手続が難しい、複雑だということで、これが簡素化がされていないと、市町村によってもばらばらだということを御指摘を申し上げました。真野局長の方から、今後とも都道府県を通じて市町村に示した方向で是非取り組むように指導を引き続き続けたいと御答弁いただいたんですけれども、どうも一向に進んでいないようなんです。
 これ、私がお配りしたのは、実は私が入手をいたしました厚労省の資料から作成したものです。まだ厚労省としては発表されていないと思うんです。
 これを見ますと、まず一枚目は、これはいわゆる高額所得で二割になった人の数と、それから、二割じゃなくて私は一割だと申請してそれが却下された人が何人かという、それから、低所得者の申請して低所得のUとTというふうに認定されたのが何人かという数字であります。
 二枚目を見ていただくと、それを率に換算してみました。そうすると、驚くべきことに、例えば二割から一割への変更の変更率も非常にまちまちであります。却下率が、これを見ますと、ずっと見ると、最低の和歌山が六・四%に対して、最高の秋田で六五・三%が却下されている。もう本当に大分都道府県によって対応が違うわけです。
 それから、私が驚いたのは、低所得者の比率が全然違うんですね、都道府県によって。これを見ますと、やはり最高は和歌山で一六・八%。それに対して、一%以下の県が宮城、福井。それから、二%以下の県が山形、群馬、新潟、富山、岐阜、静岡、滋賀、徳島と。何で低所得者の比率がこんなに県によって違うんだと、こんなはずないじゃないかと思うんですが、こんな実態があるわけです。
 さらに、三枚目をめくっていただくと、これはいわゆる手続の簡素化の実施状況ですけれども、これは全部集計していないようですね。集計段階の数字のようなんですが、これも集計分だけでもばらばらなんですよ。例えば高額医療費、一番右側に毎回申請とあるのは、要するに初回だけ申請すればいいですよというのが厚生省の通知で出されたんですが、やっぱり毎回申請しないと駄目ですよという自治体が、これ、数えると千を超えるわけですね。だから、これ、私、放置できない状況じゃないかなというふうに思うんです。
 しかも、何でこんなことになっているのか全く分からない。なぜ一割負担への変更や、あるいは低所得者の認定が自治体によって、県によってこんな格差があるのか。私、これ、直ちに原因を調査をして、これ改善を図るべきだと思うんですが、これ、そもそも何でこんなことになっているんですか、ちょっとお答え願いたいと思います。
#219
○政府参考人(真野章君) 私ども、今、精査中でございまして、資料としてまだまとめたものはございません。その時々、状況を把握をいたしまして、今、先生御指摘のように、確かに都道府県ごとにばらつきがあるというのは、また私どもも認識をいたしております。ばらつきがあるからこそ、その辺の指導、私どもの基本方針をお示しをして、都道府県を通じて市町村に対して理解をいただくように指導をしているわけでございます。
 変更の場合も、申請者によりましては、通知が参りまして、二割だけれども一割の可能性もありますよということになれば、まずは一割の申請をしてみようという方もおられるわけでございまして、中身につきましても、市町村におきましてとにかくその申請してきた理由、その他につきまして今調べております。その辺の言わばことにつきましても、市町村での実情把握を私どもお願いをしているところでございます。引き続きそういう指導並びに都道府県を通じまして指導し、市町村の実情把握というものに努めたいというふうに思っております。
#220
○小池晃君 これは、法案審議の中で、非常に今度の仕組みは複雑だと、分かりにくいと。これは、高齢者、こんなの分かるわけないということをさんざん主張しましたけれども、これは自治体の方も分かっていないんじゃないですか、こんなふうになっているということは。全く、だって、ちょっとの違いだったら分かりますけれども、低所得者一六%認定している県と一%以下、未満しか認定していない県が出ているというのは、私、本当に制度そのものの欠陥がこういった形で出てきているんじゃないかと思いますよ。
 これは本当に重大な事態だと思いますし、さらに負担軽減も全く市町村によって対応ばらばらであります。これ、私は前回も指摘しましたけれども、こんなふうに、厚生労働省がやりなさいと言ったことが全然もうやられていないわけですよね、言ってみれば。三分の一の自治体では毎回毎回高額医療費申請しないと駄目だというふうになっているわけですよ。これは私、何かのんきに構えている状態じゃないと、直ちにこれは実態調査をして、やはり指導を徹底していくということが必要なんじゃないですか。これは自治体として徹底を、市町村として徹底を図るべきだというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#221
○政府参考人(真野章君) 私どもも認識といたしましてはこういう状況というのも認識をいたしておりまして、まずはしかし、十月の施行ということに当たりましては、市町村側も証の交付その他の業務に最優先で取り組むと、そして高額療養費の場合には療養費払いというようなこともございまして、それについての対応がはっきり決まっていないという部分もかなりあったわけでございまして、そういうところにつきまして私どもとしては、高齢者の負担軽減をお約束をしている以上、自治体でもその部分を理解して対応してほしいということを指導しているわけでございまして、これは引き続き都道府県を通じまして市町村に対する指導を強化をしたいというふうに思っております。
#222
○小池晃君 通告していませんけれども、大臣、ちょっとこういう実態があるんです。これはやはり、市町村、都道府県によってこれだけ対応にばらつきがあるというのは私は問題があるんじゃないかというふうに率直に思うんですね。大臣としてどうお考えか、これは直ちにやはり手を打つべきだというふうに思うんですが、その点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#223
○理事(中島眞人君) その前にちょっと委員長からお聞きしますが、保険局長、これは厚労省で作った調査なのかな。
#224
○政府参考人(真野章君) 今申し上げましたように、厚労省保険局総務課調査というふうになっておりますが、私ども、こういう都道府県を通じまして業務の状況がどういう状況であるかというのは、私ども調査、調査といいますか把握をいたしておりますけれども、こういう形で資料を作成したことはございません。
#225
○小池晃君 いや、これはここにあるんですよ、違う形の表ですけれども、そこから必要な数字だけ引き抜いて私が表にしたんですけれどもね。でも、この調べた数字は、この項目は、これは厚生労働省の調査であることは間違いないですよね。
#226
○国務大臣(坂口力君) この集計はまだ途中経過のものだというふうに聞いておりますので、ちゃんとでき上がりましたら、それに対してどうするかということは対応したいというふうに思います。
 しかし、それにしても、まだでき上がっていない途中の厚生労働省のデータが小池議員のところへ出ているということ自体が私は問題だと思っております。
#227
○小池晃君 何で問題なんですか。それは行政情報ですよ、重要な情報ですよ。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
 それが都合の悪いデータだったらずっとこのまま黙っておいて、それで私がこういうふうにやらなきゃこんなの出てこなかったわけですから、これはやっぱり重大じゃないですか。
 大臣、そもそも、その出方がどうのこうのというより、こういう重大な事態を放置していいんですか。そういうわけじゃないでしょう。そのことを国会で私ただしているんじゃないですか。それを、資料の入手がどうのこうのなんて、そんなの筋違いですよ。おかしい。
#228
○国務大臣(坂口力君) 最終のちゃんとしたデータならこれはやむを得ませんけれども、それで発表されたものならいいですけれども、未発表のものがそもそもそういうところで流れていくというこの厚生労働省の体質そのものに私は問題があるということを言っているわけです。
 だから、そういう途中のものをもって言われても、これは駄目です。これは最後に、最終的にこれでき上がったもので、本当の数字でどう評価をするかということに私はなると思うんです。だから、そういう意味で我が厚生労働省の中にも問題ありでありますけれども、しかしそういう途中のデータをもって言われても困るということでございます。
#229
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず私の方から、全国百四十四か所にあります国立病院それから療養所が独立行政法人になることで、やはりその地域にお住まいの方でありますとか、もちろん、入院や通院中の方々にとってみますと、素朴に本当に、一体何がどう変わるのかな、よく皆さん方にお伺いをされるわけですけれども、そういった不安がやっぱり周囲の皆さんにもあります。
 衆議院での御議論で特にそういったお話も流れの中でお伺いするわけですけれども、衆議院の議論の中では、例えば、木村副大臣ですけれども、これまでの親方日の丸という意識を改革すること、それに伴うコスト意識を喚起することが大事であると、このような答弁をされておられます。やはり、結果といたしましてサービスの向上につなげていただくということが大切ではないかなと思うわけですけれども、ここで改めて参議院の方で木村副大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#230
○副大臣(木村義雄君) 先生から御理解をいただきまして誠にありがとうございます。
 やっぱり、本当に変わったなとおっしゃられたように言っていただくということが私は大変重要なことじゃないかと。そのためにはやはり、もちろん患者さんへのサービス、これが基本であります。しかし、そのサービスを限られた言ってみれば予算とか何かの範囲内で、あるいは病院の経営の範囲内でやっていくには、それはやはり職員の方々のコストパフォーマンスを十分に発揮してもらわなければこれはいけないわけでございまして、この辺が正に車の両輪かなと、こういうふうに思えてならないわけでございまして、そして、もちろん、期待にこたえていただけない病院は五年後に中期計画の見直しが待っているわけでありますので、ここでしっかりと、もちろん業績評価も踏まえて、この中期計画の見直し、このときにはっきりとしたそれぞれの病院の私は成績なんかが上がってくるのではないかなと、それでそれを見てやっぱりどうしていくかということが本当に大事だと、こう思うわけでありますけれども。
 もうこれはむやみにどうとかそういうことをするんじゃなくて、やっぱり、先生が先ほどからおっしゃられたように、患者のサービスが向上したと、国立病院は独立行政法人になって本当に変わったな、こう言われるように努力をしてまいりたいと思っております。
#231
○西川きよし君 もちろん我々もそれは望むところでありますけれども、どうぞひとつ。
 そこで、今回の独立行政法人が行う政策医療をどう考えるか。大臣も何度か御答弁なさっておられますけれども、重複するところはお許しいただきまして、私なりにきっちりとお伺いをいたしまして、議事録にもしっかり自分なりに残しておきたいと思います。
 厚労省側の説明では、国民の健康に重大な影響のある疾病に関して先駆的な役割を果たす、そしてまた、他の医療機関、特に民間等のほかの医療機関では十分に対応することが困難な難病等の医療を担うことというふうに御答弁もあるわけですけれども、これは不採算で民間病院等では対応できない医療を独立行政法人で行っていくということでいいのかどうか、そして、この際、現在の国立病院・療養所が一般会計から繰り入れられているように、独立行政法人にも運営費交付金が措置されることでいいのかどうか、この辺りの御答弁を今度は部長の方からよろしくお願いいたします。
#232
○政府参考人(冨岡悟君) お答えいたします。
 国立病院機構は、国の方針の下で、筋ジス、難病等、民間等他の医療機関では対応困難なものなど、国の政策医療として機構が担うべき医療等を実施するものであります。そのため、この着実な実施のために必要な運営費交付金を交付するものでございます。
#233
○西川きよし君 そこで、先日、衆議院の方でも、大阪でございますが、私も大阪でございますけれども、大阪市の話ですけれども、大阪市における小児救急の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 十一月十六日の朝日新聞でございますけれども、大阪市内における小児救急受診時の急患受入れ病院が大阪市内で見付からずに隣の市へ救急車で搬送されたという内容の記事があったわけですけれども、この事例の特定について、先日の御答弁ではただいまは調査中であるということでございました。調査結果はただいまのところいかがでございましょうか。よろしくお願いいたします。
#234
○政府参考人(篠崎英夫君) 御指摘の報道の件でございますが、若干繰り返しになりますけれども、大阪の市内で休日・夜間の小児救急患者の受入れについて、留守番電話となっていてつながらなかったとか、あるいは満床などの理由によって断られて、結果として隣の市に所在する救急病院に搬送されている事例があるのではないかと、こういう報道がされたわけでございます。
 大阪府を通じまして、十一月の十九日から大阪府に調査を進めていただいておりましたが、今のところでは、救急病院の認定に際しましては専用又は優先病床を二床以上確保するように大阪の市内の病院にはお願いをしている。そして、この救急病院に対して、大阪府の救急医療情報システムというのがございますが、これは定時に、午前十時と午後八時の二回、どれだけの空床があるということをそこのシステムに上げている。また、埋まった場合には変更時に随時入力をするようにしている。その端末、救急隊はその情報を見て救急病院に運ぶと、こういうシステムになっているわけでございますが、大阪市内は全体で休日・夜間の小児救急医療を担当する病院は常設七つございまして、そのほかに輪番で三つの病院が参加をしているということでございますので、一番少ないときで七つ、多いときで十の病院がそれに参加をしているということであります。
 それで、こういう救急隊の方から連絡があった場合には、外来等で診療することを拒むことは決してないけれども、たまたまベッドが一杯だった場合には入院はできませんよと言うことはあるということでありまして、そういうことを判断して救急隊がほかのところへ連れていくということもあり得るということでございました。また、空床情報に若干時間差が生じることがあるわけではありますけれども、ただ、だからといって留守番電話で対応しているところはないというのが今までの私どもの把握しているところでございます。
 いずれにしましても、小児を含む救急患者を受け入れる病院は迅速に医療の提供を行わなければならないわけでございますので、昨今話題になっておりますように、休日・夜間における小児救急医療の確保には全力を挙げなければいけないと考えておりまして、去る十一月二十五日に、初めてでございますが、都道府県の小児救急担当課長会議というのを招集をいたしまして、この大阪の事例も紹介して、都道府県に全力を挙げてこの問題に取り組んでいただくようお願いをしたところでございます。
#235
○西川きよし君 二十五日に会議まで開いていただいたということで心強いわけですけれども、この大阪の事例は、では、いまだに分からないということでございましょうか。
#236
○政府参考人(篠崎英夫君) この二十五日の会議のときに、いろいろなところで報道されているところも、新聞等も全部資料として入れまして、また、都道府県においてどういうそういうときには対応をしているかという、うまくいった事例あるいはうまくいかない事例も含めて議論をしていただきました。
 この大阪の中身につきましては、私ども現時点ではこの程度の把握でございます。
#237
○西川きよし君 今、新聞をちょっと見ておりまして、最後のところ聞き漏らしたんですが、もう一遍、済みません。
#238
○政府参考人(篠崎英夫君) 調査の結果と申しますと、今の時点では今申し上げたところが調査の結果でございます。
#239
○西川きよし君 できればまた再調査の方、結果が分かればまた教えていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 大人はもとより、ここのところこういった子供たちの本当にこういう報道を目にすることが珍しくないということでございますけれども、急病の子供を受け入れる病院が本当にないということ、本当に助かる命が助からないということでは、本当に絶対にあってはならないと思います。
 自分も三人育ててみて、大変な目に遭ったというのは言葉が余り良くないかも分かりませんけれども、夜中じゅう走り回ったこともありますし、また、周囲の人たちで今幼い子供たちを持っておられる方々もたくさんおられますし、こういうお話をよくお伺いしますしお願いもされます。
 そこでお伺いしたいんですが、先ほど沢先生の方からも御質問がありましたけれども再度お伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
 現在の国立病院・療養所が実施をしておりますそこの政策医療でございますけれども、出ました十九分野のうちに小児救急が入っていないわけですけれども、これまでの質疑でも、先ほども申しましたように、少子化が進みまして、医学生の中にも小児科を志す人が大変少なくなっております。そしてまた小児科の開業医さんも大変少なくなっておる状況でございますが、この小児科救急医療という分野こそ本当に正に、国立病院・療養所、平成十六年度からは国立病院機構になるわけですけれども、こちらが取り組む政策医療そのものではないかというふうに思います。
 ここで坂口大臣にひとつ御答弁をいただきたいと思うんですけれども、これまで検討いたしますという御答弁をいただいておるわけですけれども、ここはひとつ、来年度からでも国立病院が取り組むといった強い決意の御答弁がいただけたらと思うんですけれども、坂口大臣の御答弁をよろしくお願いいたします。
#240
○国務大臣(坂口力君) 先ほども沢議員にお答えをしたところでございますが、この小児救急というのは誠に大事なところでございますし、政策医療として当然取り上げるべき問題だというふうに思っております。
 ただ、現状が、各現在の国立病院、そして将来独立行政法人になるわけでございますが、それらのところにすべてその状態が整っているわけではないものでございますから、一度に一律にというわけにはなかなかいかないだろうというふうに思いますが、条件を整えまして、整ったところから取り上げていくというふうにさせていただきたいと思っております。
#241
○西川きよし君 御答弁ありがとうございました。
 この国立病院の小児救急という取組については、例えば大阪の場合ですと、国立の大阪病院では、去年でありますが、診療の時間を五時までであったわけですけれども八時まで延長するというお話が出まして、やはりそうしたサービスの向上を図っていただく、そういった点につきましては、職員については国の定員の制約とかあるいは国の予算という制約が、これは必ずここでいろんなお話合いが出るわけですけれども、そういった中でお金の話、そして今後法人化された後につきましては、これは個々の施設が施設長の判断、裁量でその患者あるいは地域のニーズに応じたサービスが実施できるということになるのでしょうかということを部長にお伺いしたいんですけれども、この三時間延びただけでも、地域の皆さん方というんですか、本当に喜んでおられるわけです。もっともっと進めていただきたいんですが、後段の質問の部分をよろしくお願いいたします。
#242
○政府参考人(冨岡悟君) 病院が地域のニーズを酌んで柔軟に対応する、そういったことはこれから必要なことでありまして、そういうふうな方向で制度改革と申しましょうか、独立行政法人への移行に当たりましてはそういった方向で是非とも取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
#243
○西川きよし君 そういった方向というのは、今僕が御質問させていただきましたことを一〇〇%御信頼申し上げてよろしいということでしょうか。
#244
○政府参考人(冨岡悟君) 同感でございます。
#245
○西川きよし君 長い間お世話になっておりますが、この委員会で同感という御答弁をいただいたのは初めてでございますので、もうこれは一〇〇%、大臣も横におられまして証人になっていただきますので、よろしくお願いいたします。現地へまた勉強しに行きたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、こちらは、政策医療の一つとされております成育医療について是非今日お伺いしておきたいと思います。
 成育医療、人間の一生を、受精から誕生、成長、妊娠、そして次の世代へと流れる一つのサイクルでとらえまして、そして一貫して支えていくという考え方からでございますけれども、今年の三月に国立成育医療センターが開設をされておりますが、この成育医療センターの理念と申しましょうか、方針、是非引き続き部長さんにお伺いをさせていただきたいと思います。
#246
○政府参考人(冨岡悟君) 近年の急速な少子高齢化が進む中で、将来を担う児童の健全な育成を図るための環境づくりの推進が求められているところでありますが、特に、母性、小児疾患に対する高度な医療だけではなくて、周産期、小児期、成人期を一環とした包括的医療である成育医療の拡充、推進が重要な課題となっております。
 そこで、御指摘のように、今年、国立成育医療センターがオープンしたところでございますが、中身は、高度専門医療センターとして、病院と研究所が連携し、小児医療、母性・父性医療及び関連・境界領域を包括する成育医療を推進するとともに、具体的には小児の広範囲熱傷、ぜんそく、急性心筋症等の高度先駆的医療、小児難病の克服、生殖補助医療の推進等の臨床研究、成育医療を推進するために医師等医療従事者の研修、成育医療に関する情報の収集及び最新の知見を全国に提供する、こういった様々な機能を中心に、成育医療に係る先導的役割を担うとともに、医療水準の向上を図ることをねらいとしております。
 今後とも、成育医療に関する全国の政策医療ネットワークの中核的施設として機能強化に努めてまいりたいと考えております。
#247
○西川きよし君 ありがとうございました。
 今から四年ほど前でございますけれども、当時、国民福祉委員会という名称でこの委員会が行われておりました。この成育医療につきましての対応方針をお伺いした記憶がございますのですが、当時の状況といたしまして、小児科を受診している成人の割合が増えていると。その背景には、例えば小児の慢性疾患のうちで先天性代謝異常など希少な疾病については小児科以外の専門医が非常に少ない、そういったことがあると言われております。
 そうした患者さんが継続的に専門医の診察を受けられる、そしてそれが全国どこにお住まいであっても対応ができるようなネットワークの構築、これは正に真に必要な政策医療であると私は思うわけですけれども、今後も成育医療という分野をどのように進めていかれるのか、どのようにお考えになっておられるのかというのを引き続きまた部長さんにお願いをしたいと思います。
#248
○政府参考人(冨岡悟君) 現在、先ほど申し上げました成育医療センターを中心にしまして、全国のブロックの中心となる基幹医療施設とそれから数多くの専門医療施設といった施設が一体となりまして、全国的な政策医療ネットワーク、五十施設で構成しておりますが、これを構築し、整備を進めているところでございます。
 まだ必ずしも十分機能という段階には来ていないと思っておりますが、この政策医療ネットワークにおきましては、新しい概念であります成育医療の理念やネットワークの趣旨を周知いたしますとともに、先ほど申し上げました成育医療センターの機能、こういったものの普及を図りまして、今後とも政策医療ネットワークの機能の充実を図ってまいりたいと、以上のような計画を持っております。
#249
○西川きよし君 どうぞより良い方向にひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後の質問は坂口厚生大臣によろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この小児医療、とりわけ小児救急については政策医療の一つといたしまして取り組むべき課題であると思う一方で、それを実施することが経営の効率化に逆行することになるかもしれません。しかし、そこは運営費の交付金による措置をすることで対応していくべきことではないかなと思いますし、この独立行政法人の移行後の取組については大臣がお約束をする立場にはならないというふうに思うわけですけれども、そこは大臣が今後国立病院機構に何を期待されるかという、そういった観点からの御答弁、お考えなどを最後にお答えをいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#250
○国務大臣(坂口力君) これから独立行政法人化をされていきます病院の中で、この小児医療というものをどのように位置付けていくかということにかかわってくるわけでございますが、その中でいわゆる政策医療としてこれを取り扱っていくということであれば当然でありますし、その方向性であったといたしましても、やはり運営費の交付金の交付基準の検討というものはしなければならないわけでありまして、その中で十分やっていけますように適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
#251
○西川きよし君 ありがとうございました。
#252
○森ゆうこ君 国会改革連絡会(自由党)の森ゆうこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 少し質問の順序を変えて質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、今ほど西川委員の方からも小児救急医療についての問題提起ございましたが、救急医療問題について質問させていただきたいと思います。
 まず、さきの国会でも私の方から質問させていただきました。また、先般お亡くなりになった今井澄先生からも同じ質問があったと思いますが、救急救命士の問題でございますが、その後どのようになっておりますでしょうか。
#253
○政府参考人(篠崎英夫君) 救急救命士の業務の在り方につきましては、救急救命士の業務のあり方等に関する検討会というのを立ち上げまして、本年四月以降検討を重ねてまいりまして、大臣からも年内にはとおっしゃいましたが、年内に向けて、もう十二月でございますので、最終段階の検討に来ているということでございます。
 本検討会の下に作業部会を設けておりまして、その作業部会での今の案について申し上げますと、三つございまして、除細動と気管挿管と薬剤の投与と三つございますけれども、まず除細動につきましてはプロトコール、つまり標準的な実施手順の作成、そして普及、それから必要な講習の実施、そして医師への報告様式の普及など、事前、そして特に事後のメディカルコントロール体制を早急に整備した上で、平成十五年四月を目途に、医師の包括的指示による実施を認めるべきであるというのが今作業部会からいただいておるところでございます。
 それから、気管挿管についてでございますが、医師の具体的指示の下、これによらなければ気道確保が困難な事例に限って、平成十六年七月を目途に、必要な講習、実習を修了するなどの諸条件を満たした救急救命士に気管挿管を認めるべきこと、あわせて、病院実習を始め必要な知識、技能の十分な習得、事前、事後のメディカルコントロール体制の整備などの具体的な諸条件を満たすべきこととなっております。
 それから、最後の薬剤投与についてでございますが、直ちに結論を出すことは困難であり、ドクターカーなどにおいて薬剤投与の有効性と安全性に関する研究、検証を心拍の再開に必要となる最小限の薬剤に限定して実施をし、そして十五年中を目途にその結果を得るようにすること、こういった方向性が示されておりまして、この作業部会の御意見を基にして、この十二月中の親検討会において結論を出していただきたいと考えているところでございます。
#254
○森ゆうこ君 ただいま救急救命士の問題については作業部会の御報告、取りまとめがありました。検討会の中間報告につきましては、前回、ワーキングチームの報告をそのまま最終報告としたという経緯もございますので、私としては、たしか明日開かれるというふうなお話も伺っておりますが、その前にここで大臣と多少意見交換をさせていただいて、その結果に少し反映させていただきたいという気持ちから、今日ここで質問させていただきたいということなんですけれども、これはちょっと通告していないかもしれませんが、今は救急救命士でした、それでは歯科医師に対する救急医療の研修についてはどのようになっていますでしょうか。もしお答えができましたらお願いしたいと思います。
#255
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生の御質問は、歯科医師の卒後の救急の研修の御質問でしょうか。もし、そうだといたしますと、歯科、特に口腔内における救急医療というのは非常に大事でございまして、それに付随する救急医療の実習というのは大変重要だというふうに考えておりますので、現在、歯科の卒後臨床研修も医師にその二年後から始まることになっておりますので、卒前のカリキュラムも含めて、検討会でそのことも含めて検討している状況でございます。
#256
○森ゆうこ君 実は、今日の発売の文芸春秋の中で、札幌の医師が歯科医師に対して救急救命の研修を行って、その際、実習として気管内挿管等させたということで今公判中であるという記事でございまして、厚生労働省からも、医師法に照らし合わせた御判断というのがその公判の中で証言としてされているわけですけれども。
 先ほどの救急救命士の問題に関しましても、除細動については四月から可能になるとのことでございますが、気管内挿管については十六年七月というようなこともありますけれども、私としては、特に除細動器について、心室細動という言葉は、国民がこのたびの非常に国民的な悲しい出来事によって皆さんがよく知るところとなったわけで、突然死の多くがこの心室細動という心臓のけいれんによって起こって、このワーキングチームの報告書にも書いてありますけれども、心室細動の第一選択治療というのがこの除細動器であると報告書にも書いてありますし、またアメリカで人の集まるホール、体育館それからスーパーとかデパートとか、そういうところ、公共施設へ除細動器が配置されているという認識がおありになるということもこの報告書に書いてあるわけです。
 そういうことで、この迅速性が強く求められているということですから、いろいろな環境を整備して一斉にスタートということではなくて、まず除細動や気管内挿管をできる、そういうメディカルコントロールのある程度整っている場所から、できる地域から先行して導入すべきではないかと考えます。先行して、導入地域で何か問題点が出てきたとすれば、それをフィードバックしていけばいいのではないかと。まず、早く始める、現場で要求されているということもありますから、まず早く始めることが大切だと思いますが、この点について、その先行実施のお考えはないかどうか、これは大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#257
○国務大臣(坂口力君) それにお答えする前に、歯科医師の方の救急医療につきましては、たしか櫻井議員から前回御質問があったというふうに思っております。
 その直後、検討し、そして先ほど局長からも答弁ありましたように、歯科医師につきましても、救急体制の確立ということから救急医療についての研修をしていただくように、たしかその方向で今決めているというふうに思っております。もう一度よく確認をいたしますけれども、そういうふうに思っております。
 と申しますのは、歯科医師の場合にも局所麻酔をされることがございますので、局所麻酔におきましてショック状況等が起こることがございます。したがいまして、そうしたこともございますので、そうした方向で進めているというふうに今記憶をいたしております。
 それから、今お話のございました除細動についてでございますけれども、これは優秀な器械もできたことでもございますしいたしますので、早期実現を目指しているところでございまして、これはそうした方向で決定をしていただけるものというふうに認識をいたしております。
 それから、気管挿管の問題につきましては、これはかなり訓練を要する話でございまして、だれがいつでもできるという話ではございません。したがいまして、十分な訓練を積んでいただくということを前提にした上で、その皆さん方にそれをしていただけるようにするという方向に多分なるだろうというふうに思っておる次第でございます。
#258
○森ゆうこ君 その訓練というのを、もう既に日赤病院とかそういうところで、地域のメディカルコントロール体制が整って、研修を実際何度も行われて、そしてやっているというところもあるわけですから、実際、気管内挿管というのは練習しないとお医者さんでもできない人結構いらっしゃるそうですね、うなずいていただいておりますけれども。そういうところでやっている救急救命士さんたちはお医者さんより上手なんですよ。私も現場を確認させていただいてまいりましたけれども。
 そういうところで、まず、全般的に体制が整ってからではなくて、先にもう始めていいところがあるんじゃないですかとお聞きしているんです。先行してやってみて、そしてまたいろんな問題が出てくると思いますが、それについて体制を整えていくということもできるんじゃないかと思うんですが、もう一度大臣から、先行導入の、先行実施というところについて御答弁お願いします。
#259
○政府参考人(篠崎英夫君) 大臣の前に申し上げますが、私どももいったん決まればそれは一日も早く実施したいという気持ちは持っておりますけれども、例えば、今の気管挿管が十六年の七月になっておりますのは、来年早々から卒前、そして卒後のカリキュラムを組み直さなきゃならないわけであります。そしてまた、国家試験をやっておりますが、その国家試験の問題にもこういう問題を、気管挿管を前提とした問題を入れるというようなことにもなってまいりますし、それからそのための教材を作らなきゃなりません。座学の教材あるいは実習での教材も作らなければなりません。
 それから、実際にそれができましたら、いよいよ講習会をしなければならないわけでありまして、そういうような手順を考えますと、それは早ければ早いほどいいにこしたことはないんでございますが、気管挿管等は危険を非常に伴う行為でもありますので、慎重の上にも慎重を期して、また十分な準備を整えてやるべきではないかというのが私どもの考えでございます。
#260
○森ゆうこ君 実際にちゃんとできるところがあるんですから、やってみたらどうかと言っているわけで、それをやってみて、必要な試験問題も逆に分かるんじゃないんでしょうか。
 結局、いろいろな救急医療問題、先ほども話を出しました歯科医師の、今、救急医療の指導をされていた大学の先生が訴えられていると。医師法違反ということですね。医師でなければ医業をしてはいけないという医師法に問われていると。非常に、先ほども大臣がお答えになりましたが、局所麻酔なんかで、今年の六月にもありました、四歳の女の子が歯の治療中に突然容体が急変したと。そういうところで歯医者さんは何もできないというような状況があって、そういう現場の声を聞いて歯科医師の救急医療の研修をしていたそういうお医者さんが医師法違反の罪に問われると。
 この救急医療問題を突き詰めるとやっぱり最後は医師法に突き当たるんですけれども、大臣に伺いますが、医師法の、救急救命士問題で結構です、救急医療ということに関してですが、医師法の改正についてのお考えはないでしょうか。大臣に伺います。
#261
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生御指摘の札幌の例につきましては、現在公判中のことでございますので具体的なことを申し上げるのは差し控えた方がいいかと思いますが、一般論で申し上げますと、医師法という法律、あるいは歯科医師法、それぞれの国家資格に法律がございます。この救急救命士も救急救命士法という法の中で医行為が認められておるわけでございまして、どういう場合にどういう医行為が妥当かというのは、こういう法律によって、それぞれの国家資格の法律によって決まっておる場合もありますし、また、医行為というのは日進月歩でいろいろ状況が変わりますので、それぞれの状況に応じて検討会等を設けてその妥当性を判断するということになっておりますから、直ちに医師法の改正ということが必要かどうかというのは、そういう前提がいろいろございますので、それをそういう前提条件でいろいろ議論した後のことでございまして、先生今御指摘ではございますが、直ちにこの改正ということには結び付かないのではないかと思っております。
#262
○森ゆうこ君 大臣に、大臣にお願いします。
#263
○国務大臣(坂口力君) 今、局長から答弁のあったとおりでございまして、この救急救命士の問題におきましても、どういう状況のときに救急救命士がそうした気管挿入なら気管挿入をしてもいいかということを決めるわけでありまして、その段階においては医師法というのは触らなくてもいけるのではないかと。いわゆる救急救命士が気管挿管をいたしますときに、これは医師の具体的な指示の下で行うわけでありますから、そういう前提を置くということになればいいのではないかということだというふうに思っておりまして、ですから今すぐに医師法を改正をするということを我々は今は考えておりません。
#264
○森ゆうこ君 法律も、そして午前中の質問に出ておりましたけれども政令も現状に合わなかったら変えればいいんですよね。私たちは法律のために存在しているわけじゃない、人々の暮らしは法律のために存在しているわけじゃなくて、人々の暮らし、今の現状がきちんとルールを持って行えるように、いろんな問題が起こらないようにするために法律があるんですから、現状に合わなかったらやっぱりすぐ改正すればいいんじゃないでしょうか。
 今ほど大臣は今回の救急救命士問題で医師法の改正は考えていないとの御答弁でしたけれども、医師の指導の前提というところがまた私は問題だと思うんですね。
 医師がいない、プレホスピタルと言うんでしょうか、一番最初はバイスタンダー、そのすぐそばにいる家族とか友達とか通り掛かった人、救急というところでいえばバイスタンダー、すぐそばにいる人、すぐそばにいる人たちがまずすぐ何ができるか、そして救急救命士さん、それで病院の救急救命センター、そして専門医というところへ行くんだと思います。その段階で医師の指導が仰げないところが救急の場だと思うんですよね、一番最初の。救急というところで考えれば、やはり医師のいないという、医師の指導が受けられないということを前提にやっぱり体制を整えていかなければいけないと思いますので、そういう意味でやはり医師法についても考えるべきだろうということを指摘しておきたいと思います。
 そこで、次の問題に移りたいと思います。というか、国立病院の問題に、質問に行きたいと思いますが、まず最初に確認しておきますが、今回、独立行政法人化する病院はすべて政策医療関連でしょうか。つまり、地域医療を担うものではないのかということの確認でございます。
#265
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所は、その担うべき医療につきまして全国的な提供体制の在り方を勘案して各施設に機能を付与しているところでありまして、その意味で政策医療を担うものでございます。地域医療の中核的な役割を果たしている自治体等の公的医療機関とはその意味で性格を異にしておりますが、国立病院・療養所におきましては、原則として地域における基本的、一般的医療の提供については他の公的医療機関等にゆだねるという考え方に立っているところであります。
 そうした医療機関が十分に存在しない場合には国立病院・療養所が地域のニーズに応じた医療にも取り組んでいくことが求められていると、そういう関係であると思っております。
#266
○森ゆうこ君 地域医療も担う、時には担うということなんですね。
 それで、今回、国立病院が独立行政法人化するということで、その国立病院の役割は何かということがいろいろ御議論されているわけですけれども、私は、国立病院から日本の医療改革を進めるということが必要ではないかと思います。つまり、国立病院は独法化した後もすべてのモデルケースになるべきであると。
 そして、国民が国家公務員としての医療関係者に何を期待しているのかという観点から伺いますが、まず最初に伺いたいのは、国立病院におけるジェネリック、後発医薬品の使用頻度は今どの程度でありましょうか。
#267
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院・療養所におきまして後発医薬品の採用は大分後れておりました。平成十二年度調査では〇・六四%という水準でありました。この当時の全国レベルの採用状況は七%でありまして、かなり低い状況でございました。こういう状況を踏まえまして、今年六月には全国の病院・療養所に後発医薬品の使用促進について督励いたしまして、使用の推進を図ってきたところでございます。
 そういうことで大分進んでまいりまして、今年の九月末現在では、採用品目数の割合で見ると、平成十二年度当時の〇・六八%から五・三%へと進んだところでございます。
 今後とも努力してまいりたいと考えております。
#268
○森ゆうこ君 ジェネリックの使用に関しては、医療費を抑制するという点、そしてもう一つは、要するに使用頻度が高い、臨床的に処方が何度もされていてもう使い方もそれから安全性もある程度確立しているものがジェネリックになるわけですよね。そういうことで、標準的な医療行為のモデル作りということを考える点でも、このジェネリックの使用ということは国立病院であるからこそまず真っ先に進められるべきではないかと思いますが、もう一度この点について御答弁をお願いしたいと思います。
#269
○副大臣(木村義雄君) 先生がおっしゃるジェネリックの使用のみならず、すべての面において本当はモデル病院になってもらいたいんですよ。ところが、今のところは何か逆の意味の悪い方のモデル病院みたいなところも言われますから、そういう意味じゃ困るんで、正に今度の独立行政法人化によりまして、そこは病院長に相当な権限が任されているわけでありますので、病院長が、ジェネリックの使用だとかそういうところにも、正に自分の判断として、病院の効率経営も十分に検討していかないと、さっき言っている五年後の見直しのときにやっぱり結果が出ちゃうわけでありますから、そういうことも踏まえて、ジェネリックだけではなくて、あらゆる意味でもモデルになってほしいなと。
 私は、この百四十四施設、独立法人化されるんですけれども、その病院の努力によっては、単なる国立病院じゃなくて、先ほど話が出ていましたけれども、センター的な病院にむしろ昇格する病院が現れてもいいなと、こういう期待を持っているわけでありまして、先生のモデル、モデルというのも、いい方のモデルを是非作ってほしいなと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#270
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 今、大臣からもお話がありましたけれども、EBMの確立にせよ、電子カルテの導入にせよ、医療事故の防止、これは国立病院は大分批判されております。そして、先ほどの救急医療体制の確立にせよ、やはり国立病院は民間病院のお手本となるべきではないかと思います。この点については今、まずモデルになるべきだというふうに副大臣から御答弁いただきましたので、次の質問に移らせていただきたいと思うんですが。
 私、午前中から質疑を伺っていまして、例えば、暇なときには一般診療もするという、これ表現は悪いんですけれども、要するに、政策医療はするけれどもその地域の医療の担い手ともなっていくと。暇なときには一般診療もするというふうに言うと聞こえはいいんですけれども、私は、国家公務員型、そして政策医療ということでやるんであれば、しかも税金を入れるわけですよね、ということであれば、例えば、そんなに地域医療と、ほかに病院があってもそういうことをするというような人手があるんであれば、逆に人員整理をするべきであると、そのように考えます。
 一定数の医療関係者が公務員である必要はあると思うんですけれども、その役割を明確に設定すべきと考えます。国家万能、医者万能であるはずもなく、何でも国で行うのは無理だし、無駄ではないかというふうに考えます。このような現状認識の下で、国家公務員に実施させる国の機関としての医療施設の役割を考えるべきだと思うんですが、先ほどの御答弁では一部時には地域医療も担うんだというふうなお話もありましたけれども、どちらかにはっきり区別したら、はっきり特化させたらいかがでしょうか。政策医療、そして不採算のところをやるのか、患者本位の自立した病院経営をやっていくのか。このどちらも目指していくというのは大変難しいと思うんですけれども、この辺整理をして、中途半端ではなくてどちらかに特化した方がいいのではないかと思うんですが、坂口厚生労働大臣の御所感を伺いたいと思います。
#271
○副大臣(木村義雄君) 基本的に先生が考えていることとそんなに違いはないと思うんですね。
 先ほど国立病院部長も話していましたけれども、基本的には政策医療なんです。それはまた効率的にやらなきゃいけないと。そして、どうしても地域で一般医療で担っていただくところがあれば何もやることは必要ないんで、もしそれで暇だったら、それは正に五年後の見直しの中で処理をする話であります。
 ただ、部長が言っていましたので、どうしても地域でそういうところがなくてやはり必要だというところは、それはあえて否定する話ではないと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、基本的に暇なところがあればそれは削るのは私は当然だと思っております。
#272
○森ゆうこ君 それで、今までは国家公務員であるということを前提に御質問しましたけれども、私は、なぜそもそもこの独立行政法人だけが、国立病院だけが公務員型になるのかと。
 この間、先般採決いたしました独立行政法人についてはすべて非独立公務員型でございます。まだペンディングになっています医薬品医療機器総合機構については非公務員型でございますが、この両者の違いは何でしょうか。両者の違いを明確に説明していただきたいと思います。
#273
○政府参考人(冨岡悟君) 両者の違いと申しましょうか、公務員型と非公務員型の違いという意味でよろしゅうございましょうか。
#274
○森ゆうこ君 公務員型にする、ほかのは非公務員型で国立病院だけが公務員型にするという、これだけを公務員型にするという理由を述べていただきたい。
#275
○政府参考人(冨岡悟君) 失礼いたしました。
 国立病院機構を公務員型といたしましたのは、難病、重症心身障害、筋ジス等、他の供給サイドでは十分な対応が困難な患者の治療、処遇、それから大規模災害や海外事案への対応等、国家の危機管理の際の職員の派遣等の業務を勘案した結果でございます。
 仮に非公務員型とした場合には、争議権が付与されるわけでございまして、こういったことによる業務の停滞等が生じるおそれをなくしたものでございます。
 それから、国の機関であります国立高度専門医療センターとの人事交流を含む各種の交流を維持するということも有意義なことでございまして、そういう観点からも公務員型の方が適切と考えております。
 なお、ちなみに、現在、国立病院・療養所は国の機関、公務員そのものでございまして、そこから公務員型の独立行政法人に移行するということでございます。
#276
○森ゆうこ君 いろいろな理由をいただきましたけれども、職員の身分が公務員であれ非公務員であれ、今後もこの独立行政法人化した、全部で四十六法人、全部成立すればそうなると思うんですが、ところには国費の補助が出るわけですよね。しかも、渡し切りという形になるわけです。公務員であれ非公務員であれ、国費の補助が出ている以上、そういう団体に対しては国は指示できるし、そして指示に従わせなければいけないと思うんですよ。ですから、国立病院だけ例えば政策医療をやる、それから災害時の派遣がある、そのようなことが私は公務員型にする明快な理由にはならないと思います。
 むしろ、国立病院も非公務員型にしてはいかがでしょうか。そうすると、先ほど同僚委員が質問しておりました賃金職員との処遇格差の問題、これも私は解決するのではないかと思います。非公務員型にして、皆同じ公務員ではない普通の雇用者ということで、新しい独立行政法人で職員全体の処遇について、賃金体系について先ほどからもお話がありますその施設長が権限を大変持っていらっしゃるということですから、責任を持って新しい職員の処遇についてお考えになればよろしいのではないかと思います。今までの話では、単に今まで特殊法人だったとか厚生労働省の病院部だったかの違いで国立病院は公務員型の独立行政法人にする、ほかのやつは非公務員型にするというふうに聞こえるんですけれども。
 ちょっともう時間がなくなりましたのでこれを最後にしたいと思いますので、最後に私の申し上げました点について大臣の御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
#277
○国務大臣(坂口力君) 公務員型、非公務員型、ありますけれども、公務員型にしました理由は先ほど局長が申し上げたとおりでございます。現実問題として、そんなに差があるわけではありません。いずれにいたしましても、しっかりやってもらわなければならないことに違いはないわけでありますから、公務員型であれ非公務員型であれ、独立行政法人としてこれはしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 公務員型というふうに言いますと、なぜかという議論も率直に言ってあるわけでございますが、先ほど局長が答弁しましたような、そういう国家の管理の問題、国の様々な問題で外国へ行ってもらわなきゃならぬとか、いろいろな問題もございますから、そうしたことも含めて一応公務員型にしたということでございます。
#278
○森ゆうこ君 終わります。
#279
○大脇雅子君 独立行政法人の法人化についてお尋ねします。
 さきに審議いたしました厚生労働省所管の独立行政法人に引き続きまして、国立病院についても独立行政法人化する。これまで、既に国立から地方自治体へ移管した地域における医療体制については先に他の議員の御質問がありましたが、具体的には、移管した後の地域医療の変化、あるいは職員の雇用状況の変化等、どのように把握しておられるでしょうか。
   〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
#280
○政府参考人(冨岡悟君) 私ども、いろいろお聞きしたという範囲の調査でございますが、それを少し御紹介申し上げますと、国立病院・療養所の再編成により移譲された病院は専らその地域で地域医療を担っているわけでございます。そういうことから、例えば外来診療について土曜日の午前や平日の午後に診察を行うようになったということで、これまでよりも地域医療に、地域に根差した病院運営になったという例もあります。また、地域の状況を把握しまして、需要を把握しまして、要望のあった診療科、眼科、耳鼻咽喉科、小児科、こういったものを設置したといった例も見られます。また、療養病床や介護老人保健施設を運営すること等、地域医療の実情に対応した運営が行われ、より地域に密着したような運営がなされてきていると、そのような傾向がございます。
 それで、運営状況について私どもの知る範囲で少し申し上げますと、赤字でありました国立病院を引き受けまして、移譲後も赤字の場合、そういった場合には期限を区切りまして運営費の補助も行っておりますが、十三年度で見ますと二十病院のうち十五病院に補助金を交付しておりまして、ということは五病院は黒字に転換したということでありまして、そういう意味でも変化があったというふうに考えております。
#281
○大脇雅子君 雇用については。
#282
○政府参考人(冨岡悟君) 失礼しました。
 雇用につきましては、地域の医療需要にこたえるため、スタッフの充実、そういったことが行われたと、そういうふうな、例えば専門の診療科のお医者さんとか、そういう人を雇用と申しましょうか、充実したというふうな例も伺っております。
#283
○大脇雅子君 そうしますと、これまでの移管の効果とか影響をどのように受け止められているのでしょうか。
 そして、今回の国立病院の独立行政化法人の行く末などについて大臣はどのように意味を考えていらっしゃるでしょうか。
#284
○副大臣(木村義雄君) もう御承知のように、今回の国立病院・療養所の再編成で、基本的に国が担うべき医療、つまり政策医療でございますが、それを実施する病院は国立病院として一応残したと。そして、それ以外については、今、部長から話がありましたように、再編成を進め、統廃合等を行いまして、地方や民間移譲を進めてきたわけであります。
 そして、こういうような中で、今、部長が話しましたように、非常に地域の方々、患者さんにとっても好感を持って迎えられているところもあるわけでございますし、また黒字化したところもあるわけでございまして、ある意味で、やればできるというような面も十分にこの辺から推察できるのではないかと、こう思うわけであります。
 今回の独立行政法人化におきましては、これからも国立病院機構として担うべき医療、政策医療をしっかりとやっぱり明確化していかなければいけない、はっきりしていかなければいけない面も当然出てくると思うわけでございます。
 しかし、それは政策医療を行うにはやはり非常に限られた財政状況の中で効率化というものが当然あってしかるべきでございまして、そういうところも十分車の両輪として進めていただく中から、やはり、何回も申し上げているんですけれども、患者さん本位のサービスを実施していただく、しかもそこは今言ったようにコストパフォーマンスも重視していただくと。そして、こんなに国立病院というのは良くなったんだな、生まれ変わったんだなといって患者さんに喜んでいただけるような、またそれを通じて地域にも喜んでいただけるような、そういう国立病院、また機構に変わることを大きく期待をしているわけでありまして、努力をしてまいりたいと、このように思っております。
   〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕
#285
○大脇雅子君 機構の資本金というのは全額政府出資でありまして、出資額は機構が国から承継する資産の額から負債の額を差し引いた額というふうにされております。国立病院機構が独立行政法人に移行して法案の意図する趣旨に沿った役割を十分果たしていくためにはどのような資本金が必要かという問題があります。
 国からの承継資産はおよそどのくらいで、負債の額はどのくらいと見込んでおられるのでしょうか。そして、そのような資本金というのは大体どのぐらいの規模になるのでしょうか。
#286
○政府参考人(冨岡悟君) 先生御指摘のように、国立病院機構は、機構に移行する病院・療養所の土地建物を所有することになります。
 一方、建物整備等に係る借入金が債務になります。したがいまして、その資本金は総資産から総債務を引いたものとなるわけでございますが、債務について申し上げますと、実はこれ確定作業中でございまして不確定な要素がございますが、おおむね八千四百億円程度と今のところ見込んでおります。
 一方、これは債務でございますが、総資産額については、独立行政法人移行に際しては時価評価で把握しなければならないわけでございまして、今後設置します資産評価委員会による正式な鑑定、この手続が必要でございます。だから、それを待たなければなかなか言えないわけでございますが、非常にごくごく大まかに言いますと、最近、地価の動向、建物の経年変化などによってかなり資産価値は落ちていると考えられますが、少なくても資産としては一兆円前後にはなるのではないかと、かように思っております。これは推計でございます。
 ですから、その差引きがその資本金の額ということになります。
#287
○大脇雅子君 そうしますと、土地建物の資産の確定とか権利保全、あるいは評価というものはこれからの評価委員会の鑑定にまつということでありますが、現在の国立病院や療養所の成り立ちは、旧陸海軍病院からの承継が多くて、土地の範囲や面積が不確定な施設が大半であるということが移行について言われております。
 そうしますと、資産の確定のための評価はもとより、実測、登記等には多大な努力と経費を要すると思われますが、その経費負担というものはどのくらいに見込まれるのでしょうか。そして、それを負担するのは国なのでしょうか、独立行政法人なんでしょうか。経理上の処理をどのようにするつもりなのでしょうか。
#288
○政府参考人(冨岡悟君) 御指摘のように、陸海軍の施設を引き継いだ病院につきましては、土地の境界がはっきりしないとか、なかなか、測り直さなければならないといった点があることも事実でございます。このため、資産確定のための実測、登記等については、独立行政法人移行前の平成十五年度、それから今年度の残り、その期間に国として総力を挙げて実施し、確定したいと思っております。なかなか大変な作業になると思っておりますが、費用負担は国の負担でございます。
 ちなみに、これらに係る費用を申し上げますと、平成十四年度予算で約一億八千万円予算措置されておりまして、引き続き十五年度では約六億七千万を概算要求いたしているところでございます。
#289
○大脇雅子君 膨大な作業だということが分かりました。でき得る限り評価委員会の鑑定ともども、これはしっかりやっていただかないといけないと思います。
 それから、長期借入金というものができる、そして機構は施設整備等のためにそうした借入金のほかに債券を発行することができるとされておりますが、この施設整備のために、先ほど借入金は八千四百億と言われましたけれども、債券の発行等、具体的にはどんなふうにするのか、どのように考えておられるんでしょうか。例えば、発行する債券の具体的な方式、あるいはどこにどのようにしてこれを販売するのかとか、あるいは政府が行う債務保証というのはどういう条件になるんでしょうか。
#290
○政府参考人(冨岡悟君) 現在、国立病院・療養所の施設整備、医療機器の整備に充てる費用は、専ら財政融資資金からの長期借入れで賄っております。国立病院機構においても、機構債の発行等により長期資金の借入れを行い、施設整備等の費用に充てることとしております。
 まず、具体的に一つ一つ御説明申し上げますと、長期資金の借入れに当たりましては、診療収入による、診療収入で償還していくわけでございますが、償還確実性を踏まえて計画する必要がございます。さらに、手続としましては、この法案の十六条におきまして、厚生労働大臣の事前認可が必要でございます。厚生労働大臣はあらかじめ独立行政法人評価委員会から意見聴取を行います。こういうことによりまして、健全な財政運営に配慮した上での借入れを認めるということになります。
 次に、機構債の発行につきましては、実は今後、機構本体の信用格付、資産等の確定を進めまして、これを踏まえて、借入条件、機構債の発行条件、引受機構など具体的な手続を検討していくことになります。
 また、政府保証につきましては、直ちに政府保証なしでは機関債を発行することが困難な場合に限りまして、業務の公共性、公益性を踏まえまして、資金調達を円滑に行うために付与されるものでありまして、これは毎年度の予算において限度額が国会の議決を経て付与されることとなります。
 いずれにしましても、長期資金の調達はこれまでと変わるわけでございまして、機構の施設整備のための長期借入金等については、効率的、安定的な業務運営が行えるよう適切に行っていく必要が出てまいります。
#291
○大脇雅子君 先ほどの借入金で、整備に要するのがおおむね八千四百億と言われたんですが、大体この内容はどういうものなんでしょうか。
#292
○政府参考人(冨岡悟君) 現在の借り入れたものが八千四百億ということでございますが、これは、例えば統廃合のために病院を建て替えたと、二つを一つにするために、最近そういうことで非常に多く費用が掛かっておりますが、そういったこととか、老朽のものを建て替えたとか改修したとか、それから大型の医療機器を購入すると、そういった額のトータルが八千四百億ということでございます。
#293
○大脇雅子君 それはそうですね。
 そうすると、将来の借入金とかあるいは機構債などの見通しというのはまだ全然分からないわけですか、どのくらいの規模になるのかということなど。
#294
○政府参考人(冨岡悟君) 最近の傾向を見ますと、実はここのところ、別の御説明の中で統廃合が進んでいると申し上げましたが、実はこれは、そのために整備費がかなり必要であったし、これからも少しの間それが続きますということでもあります。それが一段落、見通しが付きますと、その需要が減りまして、通例の老朽借入れ、それから補修といった普通の巡航速度の整備に変わってくると思われます。
 そういうことで、そういう整備をどうするかということによって資金需要見通しというものは変わってまいりますが、いずれにしましても、最優先しているのは再編成と老朽で危険なものの整備と、そういうことが一段落すれば資金需要は今よりも少し減るのではないかというのが見通しでございます。
#295
○大脇雅子君 国立病院が政策医療に特化したとしても、一般診療もするわけですから、そして医療機器その他医療の投資は年々増えこそすれ減っていくというのは余りないのではないかというふうに思いますと、この独立行政法人化というのが果たして意味があるのかどうか、形を変えた国立化の維持のような気がいたします。
 それでは、その業務等についてお尋ねしますが、第十三条の一項で機構が行う業務について定めがありますが、第二項には、それらの業務に支障のない範囲内で、その建物の一部、設備、器械及び器具を機構に勤務しない医師又は歯科医師の診療又は研究のために利用させることができるとされていますが、具体的にはこれは提携する地域医療機関とかあるいは大学等の医療機関に勤務する者を対象とする趣旨でしょうか。この診療又は研究とは具体的に何を考えているのでしょうか。
#296
○政府参考人(冨岡悟君) この規定は、国立病院・療養所の果たすべき役割の一つとして、地域の開業医の先生、それから勤務医の先生のために国立病院・療養所の病院の開放、高度医療機器の共同利用、専門検査の受託が位置付けられておりますので、そのような目的のために病院の開放化に取り組むための規定でございます。現在の国立病院の厚生労働省設置法におきましてもこのような規定があるということでございます。これは、特定の医師、歯科医師といった方にということを念頭にということではなくて、こういった診療のために使うことを可能にする規定でございます。
 なお、この規定につきましては、例えば純粋に研究のための施設の利用という点に関しましては、医師のみならず薬剤師、看護師等を含めました医療関係者を含め、国立病院等の施設の使用は可能でありまして、この規定は専ら診療のために使用することができるということを規定している規定でございます。
#297
○大脇雅子君 分かりました。
 それでは最後に、今度改正法の附則の第五条関係において、機構の成立の際に現に国が有する国立病院及び国立療養所の所掌事務に関する権利及び義務は一定のものを除き機構が承継するというふうになっておりますが、具体的には除かれるものは一体何をイメージしておられるのでしょうか。
#298
○政府参考人(冨岡悟君) 国立病院機構が成立する際に国が有します権利及び義務に関しましては、ナショナルセンター、それから国立ハンセン病療養所に係るものを除きまして機構が承継することになっておりますが、附則五条におきましては、国立病院・療養所の所掌事務に関するもののうち機構に承継されるものについて規定しておるわけでございまして、御指摘の除外されるものといたしましては、非常に細かい話でございますが、本省、地方厚生局の物品等で、新設される国立高度専門医療センター特別会計や一般会計に承継されるものがそちらに帰属するという、ある意味では非常に技術的な、整理のための条文となっております。
#299
○大脇雅子君 最後に、大臣にお尋ねいたしたいのですが、命と健康を守る病院で、今までの経過からすれば国立病院というのは地域においても主導的な地位付けのあったところであろうかと思いますが、今後、独立行政法人化する場合に厚生労働省としての監督、指導というものはどのようにお考えでしょうか。
#300
○国務大臣(坂口力君) 独立行政法人につきましては、自主独立の精神で、そして積極的なひとつ対応をお願いをしたいというふうに思っておりますが、しかし全国的な一つのネットワークもあるわけでございますし、そしてまた公的なことにもより多く関与をしていただかなければならないわけであります。
 とりわけ、政策医療ということについて大きな働きをしていただかなければならないわけでございますので、国としても十分な指揮をしていくということはやらなければならないというふうに思っております。ただ、運営そのものにつきましてはできるだけ各病院にお任せをしたいというふうに思っております。
#301
○委員長(金田勝年君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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