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2002/12/05 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 文教科学委員会 第8号
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2002/12/05 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 文教科学委員会 第8号

#1
第155回国会 文教科学委員会 第8号
平成十四年十二月五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     川橋 幸子君     神本美恵子君
     堀  利和君     岩本  司君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     扇  千景君     泉  信也君
     畑野 君枝君     八田ひろ子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大野つや子君
    理 事
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                佐藤 泰介君
                山本 香苗君
                林  紀子君
    委 員
                有馬 朗人君
                有村 治子君
                泉  信也君
                大仁田 厚君
                北岡 秀二君
                後藤 博子君
                中曽根弘文君
                岩本  司君
                江本 孟紀君
                神本美恵子君
                山根 隆治君
                草川 昭三君
                畑野 君枝君
                八田ひろ子君
                西岡 武夫君
   国務大臣
       文部科学大臣   遠山 敦子君
   副大臣
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       文部科学副大臣  渡海紀三朗君
   大臣政務官
       防衛庁長官政務
       官        佐藤 昭郎君
       文部科学大臣政
       務官       大野 松茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      上原  哲君
       防衛庁防衛局長  守屋 武昌君
       文部科学大臣官
       房長       結城 章夫君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       山元 孝二君
       文部科学省研究
       振興局長     石川  明君
       文部科学省研究
       開発局長     白川 哲久君
       文化庁次長    銭谷 眞美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○放送大学学園法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本私立学校振興・共済事業団法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人日本スポーツ振興センター法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人日本芸術文化振興会法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人科学技術振興機構法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人日本学術振興会法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人理化学研究所法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨四日、堀利和君及び川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君及び神本美恵子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大野つや子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送大学学園法案、日本私立学校振興・共済事業団法の一部を改正する法律案、独立行政法人日本スポーツ振興センター法案、独立行政法人日本芸術文化振興会法案、独立行政法人科学技術振興機構法案、独立行政法人日本学術振興会法案、独立行政法人理化学研究所法案及び独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案の審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官上原哲君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、文部科学大臣官房長結城章夫君、文部科学省科学技術・学術政策局長山元孝二君、文部科学省研究振興局長石川明君、文部科学省研究開発局長白川哲久君及び文化庁次長銭谷眞美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大野つや子君) 放送大学学園法案、日本私立学校振興・共済事業団法の一部を改正する法律案、独立行政法人日本スポーツ振興センター法案、独立行政法人日本芸術文化振興会法案、独立行政法人科学技術振興機構法案、独立行政法人日本学術振興会法案、独立行政法人理化学研究所法案及び独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案の八案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○有馬朗人君 おはようございます。有馬朗人でございます。
 多少講義調になりますのでお許しいただきます。お返事は短くしていただけると幸いでございます。
 まず、研究費配分関係の特殊法人の独法化について御質問させていただきます。
 細川内閣時代、総理の私的懇談会といたしまして国際文化交流に関する懇談会が設けられまして、私はその座長として日本の文化交流を根本的に改善すべく討論を重ね、平成六年六月に答申をまとめまして、当時の村山総理大臣に提出いたしました。
 そのとき、日本学術振興会の財政基盤、人員構成をブリティッシュカウンシル、ドイツの学術交流会などと比べましたが、余りにもその格差に愕然といたしました。
 そこで、答申に、国際交流基金及び日本学術振興会について、二十一世紀の初頭にはその事業規模が倍増され、実施体制も充実強化されるべきであると要請いたしましたが、その結果、どのくらい実現いたしたでありましょうか。もう既に二十一世紀の初頭でありますので、お聞きいたしたいと思います。
#7
○政府参考人(石川明君) ただいま有馬先生からお話がございましたその懇談会報告が取りまとめられた平成六年当時と現在と日本学術振興会の予算額あるいはその定員について比較をしてみますと、予算額は当時百七億円でございましたけれども、現在千百五十三億円ということで、約十一倍に増加してございます。また、定員は五十一人から八十人へと約一・六倍に増加しているところでございまして、特に平成十一年には、御存じのとおり、科学研究費補助金の交付業務の一部を国から移管をしたということを契機に、予算、定員とも大幅な拡充が図られているところでございます。
 また、科学研究費補助金の配分審査に当たりましても、大学等の研究者約三千七百人を審査員に委嘱するなどいたしまして、日本学術振興会の事業としては、振興会の職員だけではなく、全国の多くの研究者の協力を得て実施されているところでございます。
 今後とも事業及び実施体制の充実強化には努めてまいりたい、このように考えております。
#8
○有馬朗人君 ただいま大きく予算が増えたとおっしゃられましたけれども、その中、かなり科研費の分が入っていますね、その点確認いたしたいと思いますが。
#9
○政府参考人(石川明君) おっしゃるとおりでございます。
#10
○有馬朗人君 それを除くとどのくらい増えていますか。今御返事いただかなくても、この次お聞きすれば幸いです。
 次に、日本学術振興会に対しまして、最近、外国人二人、日本人三人の委員から成る外部評価委員会が作られ、私も委員長として参加いたしました。
 その際、日本学術振興会が果たしている役割に対して依然として職員数が少な過ぎる、先ほど一・六倍というお話がありましたけれども、少な過ぎると委員全員が完全に同意いたしました。そして、この点について改善することが最も必要なこととして答申した次第であります。この点につきまして、文部科学省にこの場をかりて強く要望させていただきたいと思います。
 この点に関しましては、文部科学大臣の御見解及び御方針をお聞かせいただければ幸いでございます。
#11
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘の点、しかと受け止めさせていただきます。
 これまでも日本学術振興会の業務の重要性、それから最近の業務の拡大に比して非常に職員数少ないと思ってまいりました。現在お願いしております来年度の予算要求におきまして、新たに学術システム研究センターを整備して研究経験を持つ人を配置することを考えておりまして、職員の増員を要求いたしているところでございます。
 少しずつながら、確実にこの問題について対応してまいりたいと思います。
#12
○有馬朗人君 どうぞよろしくお願いをいたします。
 米国のNSFやイギリスのリサーチカウンシルのように、欧米には研究支援を行う代表的な機関が存在しております。我が国でもこれらに伍する機関が必要であり、日本学術振興会を国を代表する学術振興のための機関として発展させるべきだと思いますが、独立行政法人化により、今後どのようにこの問題に対して対応していかれるか、お聞かせいただければ幸いであります。
#13
○副大臣(渡海紀三朗君) 先生御指摘のように、この振興会、日本の学術振興のNSFそれからイギリスのリサーチカウンシル、これに相当するようなそういう機関であると認識をいたしております。そういう中で、今回独立行政法人になることによりまして、これは独立行政法人一般的なことでございますが、国の関与をできるだけ弱めることによってより独自の自主的な運営ができる、そういったことで弾力的な運用をすることにより、より機敏に様々な問題に対応ができる、これが一つの大きな特徴であろうと思います。
 しかしながら、ある面、この研究開発分野においてしっかりとした国のサポートというものも大事でございますから、そういった点で我が省といたしましても今後とも支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#14
○有馬朗人君 是非ともよろしくお願いをいたします。
 科学研究費補助金がこの十年間急激に増加したことを研究者の一人として心から喜んでいる次第であります。この十四、五年間の伸び方、今年度の総額、来年度予算等につきまして、まずお聞かせいただきたいと思います。
 その際、文部科学省及び日本学術振興会で科研費事務に当たる人々の人員数の変化についてもお教えください。科研費の年々の増加は歓迎すべきことでありますが、業務を担当する職員数が少な過ぎると私はかねがね考えております。この辺についてどうお考えか、お聞かせいただければ幸いです。
#15
○政府参考人(石川明君) 科学研究費補助金の推移についてのお尋ねでございますけれども、予算額について申し上げますと、年々着実に増加を見ておるところでございます。平成元年度に科学研究費補助金五百二十六億円でありましたものが平成十四年度には千七百三億円と、三倍以上に増加しているところでございます。特に、そのうち日本学術振興会が交付する種目の予算額は八百五十三億円ということになっておりまして、また来年度は総額千九百二十五億円、前年度に比べまして二百二十二億円の増額要求を行っております。
 また、これに相応する事務体制でございますけれども、平成元年度におきましては九名で担当しておりました。平成十四年度現在では日本学術振興会を含めまして二十三名、約二・五倍という体制でこれを担当しております。
 また、先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、日本学術振興会では審査、評価の業務に携わる職員それ自体は十一名でございますけれども、こういった研究課題の選定に関する審査、評価について科学研究費委員会におきまして第一線の研究者約三千七百名の協力を得まして厳正公正な審査、こういうものを行っているということでございます。
#16
○有馬朗人君 二十三名とお聞きしました。やはり、千七百億を超える科研費の事務でございますので、やはりこの辺を充実していただきたいと思います。
 科学研究費補助金の審査、評価の話が今ありましたが、これまで以上に公正な配分審査が行われるべきだと考えておりますが、日本学術振興会における科研費の審査体制はどのようになっているのでしょうか。
 私は、米国のNSFやDOEなどへ申請されました研究費申請書の審査をアメリカにいたときにも日本にいるときも極めて多数依頼されましたし、今も依頼されております。このような経験から、私は昔から、英語で提案書を書かせ、審査、評価の一部を外国人研究者にすべきだと主張し、今回も学術振興会の外部評価答申で提案いたしました。
 このようなやり方への文部科学省のお考えをお教えください。
#17
○政府参考人(石川明君) 科学研究費の審査についての英語あるいは外国人の審査員の導入についてのお尋ねでございます。
 科学研究費補助金の審査、評価につきましては、先ほど申し上げましたとおり、外部の大学等の第一線級の研究者約三千七百名によりまして厳正公正な審査、いわゆるピアレビューが行われております。こういった審査の体制の中に外国人研究者を参加させるべきではないかという御指摘につきましては、審査、評価の在り方に関して私どもも検討すべき課題の一つだというふうに認識しております。そして、この点につきましては、科学技術・学術審議会におきましても議論が行われているところでございます。
 この議論の中では、様々な御意見ちょうだいしておりますけれども、例えば提案書を英語で書かせるということに伴う研究者の負担の問題でありますとか、あるいは評価に要する期間が長く掛かってしまうんではないか、あるいは評価者としてふさわしい海外の研究者に関する情報収集をどういうふうにやったらいいのか、そして申請者のアイデアなど知的財産の管理、保護みたいなものが上手にできるんだろうかと、こんなようなことなども指摘されておりまして、これらを踏まえながら十分に検討していきたいと、こんなふうに思っております。
#18
○有馬朗人君 英語で申請書を書かせる、一部でいいんですが、そういうこともお考えください。特に、外国との競争の激しいところでは外国人の目を通すことが必要であると私はかねがね考えているところであります。
 プログラムオフィサー等についても御質問申し上げたかったのですが、時間の関係で省略いたしますが、ただ大学の現場の教員、若い教員がこのプログラムオフィサーとして一年、二年学振で過ごすということは良いことでありますのでお考えいただきたいと思いますが、ただ、その人たちが帰るところ、大学にまた戻れるようにしていただきたい。NSFなんかは正にそうしておりますので、その点お考えいただきたいと思います。
 ノーベル賞受賞者の多くが若い段階での業績に対して賞を与えられておりますことからも、創造性豊かな優れた若手研究者が自由な発想を生かせるような施策の推進が重要でございます。そのため、日本学術振興会の特別研究員事業のような制度を一層推進すべきだと考えておりますが、どうでしょうか。
 ただし、一つ注文があります。若手研究者はなるべく方々の研究機関で他流試合を行うべきであります。自分の出身校にそのまま残るべきではないと私は長年考えているわけであります。純血主義、いわゆるインブリーディングは全くよくないので、この点につきましてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 まず、特別研究員事業のような制度を一層推進すべきことについてのお考えをお聞かせください。そして、その上でインブリーディングを避ける方策があればお聞かせください。
#19
○大臣政務官(大野松茂君) お答え申し上げます。
 我が国が科学技術創造立国を目指していきます上で、将来の研究活動を担うところの創造性豊かな優れた若手研究者の養成確保を図ることは極めて重要でございます。科学技術基本計画におきましても、「優れた若手研究者がその能力を最大限発揮できるように、若手研究者の自立性を確保する。」、こうされているところでございます。
 このため、文部科学省といたしましては、日本学術振興会の特別研究員事業など優れた若手研究者が主体的に研究に専念できる機会の確保に向けた施策を推進いたしますとともに、科学研究費補助金等の競争的資金において若手研究者向けの研究費の充実を図っているところでございます。今後とも引き続きこれらの施策を推進してまいりたいと考えております。
 また、若手研究者が様々な研究機関において研究経験を積むことは、多様な研究環境の選択による研究者自身の自律性と研究能力の向上という観点からも、また異なる経験を持つ若手研究者の受入れによる研究機関の研究の活性化という観点からも極めて重要でございます。このため、日本学術振興会の特別研究員につきましては、原則として大学院在学時の所属研究室以外で研究を行うことを採用の条件としております。
 若手研究者の流動性の向上を図っていくことは極めて大事でございますので、今後ともよろしく御指導賜りますようにお願いいたします。
#20
○有馬朗人君 大変ありがとうございます。
 ただ、原則としてというのは駄目なんです、必ず破られますので。極端に言えば原則はやめていただきたい。要するに、全部他研究機関に行ったときに始めて若手研究者は特別研究員になれるというくらい強くおっしゃっていただきたいと思います。
 グローバル化社会の下での学術の発展には海外との交流が不可欠であります。今後ともその必要性は増大していくものと考えられます。その要請に対応するためにも、長年にわたり各国対応機関とも協調しながら多角的な学術交流を行ってきた実績のある日本学術振興会の国際交流事業をより一層充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#21
○副大臣(渡海紀三朗君) 先生御指摘のとおり、研究開発の分野で国際交流というのは大変これは学術という意味でも重要であるというふうに考えておりまして、これまで学術振興会が様々なプログラムを通じて、世界の四十か国、七十三の学術振興機関との間で継続的にいろいろな交流を促進をしてきたところでございます。
 これらは大変諸外国からも高く評価されておるところでございまして、今後とも、これは科学技術基本計画の中にもしっかりとした国際的な協力ということも書いてあるわけでございますし、また、人類共通の課題をやはり世界各国が協力をして解決をする、そういった大きな意味もあろうと思いますので、我が省といたしましても、積極的にこの支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#22
○有馬朗人君 その際、是非イスラム圏及びアフリカ、この諸国との学術交流についても将来大きな柱としていただきたいと思いますので、お願いをいたします。
 今後とも一層学術研究が推進されるべきでございますが、文部科学省の学術研究推進のための取組状況はいかがでございましょうか。特に、最近、ともすればトップダウン的に応用技術へ重点が傾きがちであります。基礎概念が明らかになり、方向が見えてきたものを発展させる、そしてそれを実現させる上で国が力を入れることは誠に賛成でありますが、そしてその際にはトップダウン方式が有効であると思います。しかしながら、一方で私は、特に大学ではボトムアップを大切にしていただきたいと強く望んでおります。
 例えば、ノーベル賞や数学のフィールズ賞などの独創的創造性に基づく研究は完全にボトムアップ型であり、トップダウンからはまずそのような研究は生まれてこないということを御認識賜りたいと思います。このような独創性のある研究がどんどん出てくるよう、基礎科学、基礎技術の研究費をこそ国として、特に文部科学省として重点項目としていただきたいのです。そして、このような研究が生まれたとき、ボトムアップ方式で伸ばしていただきたい、援助し伸ばしていただきたいと思います。
 元々、旧文部省はボトムアップ型が中心でありましたが、トップダウン方式の科学技術庁と合併したことにより最近トップダウン型が強くなり、ややボトムアップ型の研究への意欲が弱くなっているのではないかという嘆きが大学や国立大学共同利用研究所などで大きく上がっていることを私は大変心配をしております。
 この点に関しましては、大臣のお考えをお聞かせいただければ幸いであります。
#23
○国務大臣(遠山敦子君) 日本の物理学をずっと牽引してこられました有馬委員のお話でございまして、大変説得力があると思います。
 ノーベル賞のような、未知の分野について挑戦をし、そして新しい知の地平を切り開くということができるのは、正に研究者が自由な発想によって自らの知的好奇心を満たすと、そういう研究がベースにあるということはおっしゃるとおりでございます。
 私どもといたしましては、旧文部省と旧科学技術庁が一緒になったわけでございまして、私は国家的な課題であるトップダウン型の技術中心の研究もやっていく必要はあろうと思いますけれども、しかし将来の国力、本当の意味での人類への知的貢献ということからいいますと、基礎研究の重要さというのはこれはだれも否定することができませんし、正にそのことができるのは我が省だけでございます。そのことについてはしっかりやっていきたいと思います。科研費を中心とする、基礎研究の充実につきまして、資金面でもあるいは組織面でもしっかりやっていくのが私の任務かと思っております。
#24
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 トップダウン型とボトムアップ型、二つの省庁が合併することに対しまして、私は大変一時危惧をいたしましたけれども、幸いうまく調和していい面がたくさん出てきていると思いますので、この両方の面を生かしてお進みいただきたいと思います。
 科学研究費補助金の増大とともに、その使い勝手が良くなったことを大変有り難く思っています。特に、研究者や大学院学生が海外の国際会議などに出やすくなったこと、外国人を長期、短期に及び呼びやすくなったことは私が大学にいたころと天地雲泥の差になりました。このことによって、日本の研究者の顔、日本における研究の実力が外国からよく見えるようになってきました。このためにノーベル賞受賞者が増えてきたのだと私は思っております。文部科学省始め国の御努力に対しまして、心から感謝をいたす次第であります。
 次に、科学技術振興機構について御質問申し上げます。
 まず、この機構と学術振興会との関係についてであります。どちらも研究費の配分に関するものであり、しかも同じ文部科学省の下にあります。私は、初めはこの二つをまとめた方がよいのではないかと考えた時期もありました。しかし、日本学術振興会は、先ほどから申し上げているように、言わばボトムアップ型のやり方で大学における自主的な学術研究の支援等を行う機関である、そういう点でボトムアップ型を中心に動いているわけでありますが、国からのトップダウンの戦略に基づき科学技術振興を行う科学技術振興事業団とは引き続き別の機関でそれぞれの業務に実施していくべきだと考え、二つ独立した機関を設置する方向で私は賛成し、その考えの実現に努力してまいりました。しかし、日本学術振興会と科学技術振興事業団に業務の重複はあってはならないと思います。
 そこで、この両機関が独立行政法人化する際に、業務の重複がないように整理されているかどうかについてお聞きいたします。
#25
○副大臣(渡海紀三朗君) 有馬先生が同じような考えを、統合すべきじゃないかという考えを持った時期もあったということを聞いて、私も大変安心をいたしました。
 しかし、今おっしゃいましたように、この両機関というのは、ある意味性格がまるで違う。同じ組織の中に、それを一緒にすることによってプラスになる部分が余り実はなくて、一緒にすることがかえってマイナスになる面が多いだろうという判断だと思うんですね。これは議論のあるところであろうと思うんです。ちょっと余分なお話ししますと、衆議院でも実は議論があったわけでございますが、そういう中で、決定としては今おっしゃったような整理がされたわけでございます。
 その中で、重複事業につきましては、やはりこれはきっちりと合理化をしなきゃいけないということで、簡単に申し上げますと、事業団のポストドクター支援事業、それから研究者の海外派遣・招聘事業等を廃止をいたしまして、そして学術振興会の方に統合をいたしました。それ以前にも様々な工夫はいたしておりますけれども、十四年度に最終的にこのことをやりまして、これによりまして両機関の行う業務に重複はないというふうに考えておるところでございます。
 今後とも、しっかりと連携はするわけですが、業務が重複していないかということはよく点検をいたしまして、そういうことがないように心掛けていきたいというふうに考えておるところでございます。
#26
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 将来とも、この二機関は相互協力の度合いを強めていただき、時に業務の見直しを図っていっていただきたいと思います。後ほどまた、両機関の協力の仕方や将来像の検討がどのように行われているかについてお聞きいたしたいと思いますが。
 少し違った観点でちょっとお聞かせいただきたいことがあります。そのまず前に、科学技術創造立国を目指す我が国といたしましては、科学技術をより一層振興していかなければなりません。特殊法人の独立行政法人化に当たりましては、事業の見直しや合理化を行った上で、真に必要な業務について取組の強化を図るべきだと考えておりますが、科学技術振興機構の独法化に当たりましては特にどの点に注意をしながら取り組んでおられるか、お聞かせいただければ幸いであります。
#27
○大臣政務官(大野松茂君) 科学技術振興事業団の独立行政法人化につきましては、特殊法人等整理合理化計画を受けまして、事業団が行っている業務のうち、日本学術振興会が実施をする同種業務との統合や、あるいは競争的資金供給業務の運用改善、評価体制の構築、また分かりやすい成果の公表を行うこととするなど、全般的な業務の見直しを行っているところでもございます。
 一方、この科学技術振興機構につきましては、一つには、国が定める戦略目標に基づくトップダウン方式による公募型の基礎研究、二つには、大学等の研究現場で生まれる研究成果を企業等に技術移転をして実用化を図る技術移転事業、三つ目には、青少年を始めとする国民に対する科学技術の理解増進、こうした三点を中心といたしまして、科学技術振興のための業務を総合的に行うことを目的といたしております。言わば、第二期科学技術振興計画で定められている重要事項の実施を担う中枢的機関として位置付けられております。
 今後とも、事業や業務運営の評価を適切に行いつつ、必要な業務につきましては強化を図り、科学技術創造立国の実現を目指してまいりたいと、こうしているところでございます。
#28
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 今のお返事の中に子供たちの理科教育のことがお触れになっておられましたが、この点につきましてちょっとお伺いいたしたいと思います。
 私は、様々な実験教室などで体験をいたしましたり、現場の熱心な理科教員とお話をしておりますと、子供たち、青少年は理科好きだ、むしろ理科好きだと判断をいたしております。理科離れという言葉がどうも独り歩きをしているように思います。しかも、口がちょっと悪い言い方でありますが、現場を知らない人がそうおっしゃるという面があると思いますので、この理科離れという言葉をなるべくお使いにならないようにしていただきたいと思っています。青少年が萎縮してしまっているからであります。
 そこで、文科省は今いい方向でお進みになっておられますが、そのことについてお聞きいたしたいと思います。
 理科離れ対策とおっしゃらずに、青少年の科学技術・理科好き増倍運動というふうなことを今お考えでおられますので、是非ともこの点についてお聞かせいただければ幸いであります。
#29
○副大臣(渡海紀三朗君) 有馬先生とは、これは党で恐縮でございますが、理科大好きプランとかスーパーサイエンスハイスクールとか、一年掛かりでいろんな議論をさせていただいたところでございます。
 そのいろんな議論も踏まえた上ででございますが、今、やはりこの振興事業団を通じて様々な情報発信をする、できるだけ分かりやすい、デジタルな教材も利用して、これは主に、今、お台場に日本科学未来館も開設をいたしました。そういうところでいろんな体験をしていただく、それから、いろんな教材を作って全国の科学館などに発信をして、できるだけ分かりやすく子供たちに興味を持っていただく。やっぱり興味を持っていただくことが非常に大事であろう、そのための施策をやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
 私は、少し脱線をさせていただきますが、未来館というすばらしいものができたわけですから、あそこへ全国の子供ができるだけ実は来れるチャンスを作ってやってくれということを常にいろんなところで申し上げてきたわけでございまして、修学旅行に来たらがばっと連れていくとか、作文の、原子力なんかもコンテストがあるわけですから、頑張って賞を取った子供はまずあそこでとにかく表彰してやってくれとか、そういった機会を一杯作って、そして、理科というのは面白いよ、科学は面白いよということをまず子供が分かる体験をさせることが大事であるというふうに思っております。
#30
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 ただいまの御答弁の中の終わりの方のお台場のことでありますが、上野の科学博物館、それからお台場の未来館、そしてまた、これは工業界が中心にやっておりますが、北の丸にあります科学技術館、この三館が一緒になって子供たちのツアーを組むというふうなことを今考えているところでございます。
 さて、同じことを二度三度申し上げて恐縮でありますが、私は、将来、科学研究費を始め科学技術振興のため、アメリカのNSFのような強力な機関が必要だと考えております。このため、両機関の協力の仕方について更に強力に進めていく必要があると思いますが、将来、十年の規模の将来であります、あるいは二十年の将来の規模でよろしいのですが、将来をどのように構想されているか、お聞かせいただければ幸いであります。
#31
○国務大臣(遠山敦子君) 我が国の知的存在感を国際的にも高めていきますために、今私どもの省で持っておりますこの二つの機関がそれぞれの特色を十分発揮してもらって、そして、それらの特徴を十分伸ばした上で連携すべきものは連携するというやり方で、強力なサイエンスやらテクノロジーのバックアップ機関として発展してもらいたいと思っております。
 そのうまいバランスを考えませんといけないと思いますが、幸いに、これまでは別の省庁であったわけでございますが、幸いに一つの組織の中に入りましたので、これからそこのところを、その理念に向けてしっかりやっていきたいというふうに私は考えております。
#32
○有馬朗人君 私は、原理的には、研究費は多くの機関から来ることがよいと思っております。そういう意味で、同じ省であろうと二つあることは、私は、それぞれの機関が特徴を持ってやっていただければ結構だと思います。
 アメリカでも、NSF、先ほど申しましたDOE、NIH等々、違った機関から大きな研究費が来ることによってアメリカの研究者が大いに励まされますので、私は、二機関であるということを、その特徴を生かしてお進みいただきたいと思います。
 次に、研究関係の特殊法人の独立行政法人化について考えさせていただきます。
 一九九七年当時の総理大臣橋本龍太郎氏を会長とする行政改革会議で国立大学や国立研究所、国立病院などの独立行政法人化について激論が行われました。そしてその結果、今日の流れが作られたわけでありますが、私は、そのときの委員の一人といたしまして、国立大学の独立行政法人には大反対をいたしました。私は、しかしながら、当時の理化学研究所の理事長といたしましては、理化学研究所は真っ先に独立行政法人化すべきだと主張をいたしました。
 その理由は、一九九三年より既に理化学研究所は、二年ないし三年ごとに外部評価を行います。しかも、その評価委員会の委員の半分は外国人でございますし、そのような委員会の議論を踏まえまして五年ないし十年にわたる将来計画を立てるとか、SPring8やRIビームファクトリーなどの大加速器から始まり、脳科学研究センターなどを含んだ基礎科学研究から応用研究、そして研究成果を社会へ還元すべく特許の産業化やベンチャー創設などを図っているとか、正に独立行政法人としてふさわしい性格を持っていたからであります。また、理研で行われる研究の自主性は、もちろん運営はかなり自主的に行われてはおりましたけれども、時にやはり科学技術庁を始めとした省庁の下にある制約を受けるということがありましたので、独法化によって一層の自主性が得られることを望ましいと考えたからであります。
 このような国際的にも大きな成果を上げていた、そして今もいる研究所が、特殊法人だからという名をかされているために、悪名高き他の特殊法人と一緒くたにされまして、親方日の丸的な非能率的な運営で金食い虫であるという批判のとばっちりを受けることに私は我慢ができなかった。そういうことから、理化学研究所をまず独法化の最初にしたいと私は考えたわけであります。幸い、今回そういう御提案が出てまいりまして大変うれしく思っておりますが、少し遅過ぎたと思っております。
 理化学研究所に限らず、特殊法人の研究機関が独立法人化するときには、当然、更に優れたものにすべく努力をしなければなりません。そこで、幾つか御質問を申し上げます。
 その前に、地財法などについての税法上の特別措置などを独法化以後も理化学研究所で継続できるよう御努力を賜ったことに対しまして心より感謝を申し上げます。
 理化学研究所は、独立行政法人により、一体全体どのように変わるのでしょうか。特に理事長裁量権はどのように強化されるのでしょうか、この辺についてお伺いいたします。
#33
○副大臣(渡海紀三朗君) 一般的に、独立行政法人化、これは先ほどもお話をいたしましたが、事前チェックや監督を極力、国によるですね、排して法人に幅広い裁量を与えた上で、厳格な外部評価が行われると、こういうことになるわけでございます。先生の御認識と全く同じだというふうに思っております。
 その中で、いわゆる中期目標を作って、与えてという言い方、中期目標を出させていただいて、中期計画は、これは独自に作っていただくわけでありますし、また予算の執行性の問題からは、従来の補助金と、今年は、今年度は補助金になっていますが、出資金と言われた種類のお金からは非常に弾力的な運用が可能になります。そのことによって、これを裁量するのもある意味理事長でございますし、また理事長が人事権の中で理事の任命をこれまでと違いまして許可なしに行えると、このことが非常に大きいのであろうというふうに思っております。
#34
○有馬朗人君 具体的に、研究における自主性というのはどれほど、そしてどのようにして保障されていくのか、お聞かせいただければ幸いであります。
#35
○政府参考人(石川明君) 理化学研究所におきます研究についてのお尋ねでございますけれども、理研につきましては、これまでも総合研究所としての特徴を生かしながら、先端的、融合的な研究に自ら積極的に取り組んできて、大きな成果を上げてきているというふうに認識しております。
 そして、このたびの理化学研究所の独立行政法人化ということによりまして、法人の自己責任の原則が明確になりますとともに、自主的、自律的な運営が行われるということになりますものですから、こういった観点から、研究を進める上でも理化学研究所の一層の自主性、主体性というものが発揮されていくものというふうに考えております。
#36
○有馬朗人君 特殊法人時代は主として出資金で運営されておりました。この出資金は予算執行上、使い勝手の大変良いものでありましたが、独法化を行った際、むしろ予算執行の上で制限が強くなることを心配をしているわけであります。
 そこで、使用上の自由度が出資金に近い運営交付金が十分に確保されなければなりませんが、その点につきまして文部科学省のお考えはいかがでありましょうか。
#37
○政府参考人(石川明君) おっしゃるとおり、理化学研究所におきましては、長い間出資金によりまして事業が行われてまいりました。十四年度につきましては補助金によって措置をされているというような事情はございますけれども、今後、独立行政法人化が行われた上は、やはり研究開発の機動性とか柔軟性の確保ということが必要になるというふうに思っておりますし、これに伴いまして、柔軟な予算執行が可能な運営費交付金により財源措置がなされるということに私どもも大きな意義があると思っております。
 そして、この運営費交付金の十分な確保には私どもも精一杯の努力をしてまいりたいと、このように思っております。
#38
○有馬朗人君 科学技術の研究を発展させ、活力を向上させる上で、アメリカなどで行われておりますポスドクや助手クラスの若手研究者に任期制を導入するということを私はかねがね主張しておりました。やっと日本でもそれが実現できてきているわけであります。
 ただ、私は任期制をだれにでも付ける、教授も助教授もだれにも付けるというふうに言っているわけではございませんで、若手として任期制時代を経験し、他流試合で訓練を受けた上で、教育力、研究力が十分であると認められたら速やかに定年までの安定した雇用、アメリカ流に言えばテニュアにすべきであると主張しております。
 さて、理研では、急速に進みつつある新しい分野、例えば脳、たんぱく質などの研究において、契約雇用制の研究者が大活躍をしています。
 そこで質問申し上げますが、理事数や事務職員数の算定基準にこのような契約制職員が考慮に入っていないのはなぜでありましょうか。
#39
○政府参考人(石川明君) まず、今回の独立行政法人化に当たっての役員の問題でございますけれども、これは特殊法人等改革推進本部の基本方針におきまして、新独立行政法人の役職員数は事業見直し後の事業内容等に応じて必要最小限のものとするというような形になっておりまして、今回の理化学研究所の独立行政法人化に当たりましては、その役員数につきましてこの原則を踏まえながら、また理化学研究所の特徴を考慮しながら、円滑な研究実施が図られるように関係省庁と調整しつつ検討を行ってきたところでございまして、今おっしゃいましたたくさんの契約職員を抱えておるというようなことも、当然この中の検討要素として私どもも協議の中で申し述べてきたわけでございます。そして、そういった協議の結果、こういった特徴を考慮しながら検討を行いまして、所要の理事数の算定がなされているということでございます。
 また、事務職員につきましては、近年の予算規模の拡大に伴いまして増員を図ってきているところでございますけれども、独立行政法人化後におきましては、より自主的、主体的な運営が可能となるというようなことでございますので、その中で適切な事務体制の構築に向けた検討が行われていくものと、このように考えております。
#40
○有馬朗人君 一つお願いがございます。
 ポスドク等一万人計画の推進者の一人といたしまして、文部科学省を中心とした国の努力を大変評価し感謝いたしておりますが、せっかくポスドク終わった人々の就職がいま一歩はかばかしくないことを心配しております。ポスドクを経験していない人は助手とか助教授とか研究員にはしないというような方針が取れないものでありましょうか、お伺いいたします。
#41
○政府参考人(山元孝二君) お答えいたします。
 ポストドクター等の養成確保につきましては、おかげさまで第一期の基本計画において、専ら量的な点に重点的に施策を進めてまいりました。しかし、これからはやはり質的な面、これが非常に重要だと思ってございます。
 先生の今の御指摘の数字的な意味合いで少しちょっと補足させていただきますと、そのポスドクの経験者の就職状況でございますが、平成十二年度中にポスドク支援を終えた約二千四百名の就職状況のデータがございます。約五五%が常勤の職に就いておられると、こういう数字が確かにございます。しかし一方で、日本学術振興会の特別研究員の就職状況、ここでは平成六年度の二百八十四名の状況でございますけれども、直後にはやはり六〇%程度でございますが、一年経過後には七四%、五年経過後に八四%と、一応は伸びているところではございます。
 ただ、本件のこういう質的な状況のこれにつきましては、今のポスドク期間終了後のこういう対応の問題、あるいは今総合科学技術会議も含めて議論をされておるんですが、フェローシップ型でやっていくようなやり方もあれば、競争的研究資金が伸びておりますので、その研究費の中でポスドクを大いに採用していく、こういうものをどんなバランスでやっていったらいいんだろうかとか、あるいは量的な問題についても本当にこれから更にどう持っていったらいいのかとか、いろんな課題がございます。
 本件について、科学技術・学術審議会に人材委員会を設けておりまして、実は昨日も本件の議論を正にしたところでございます。こういう検討をしっかりとやってまいりたい、そういうふうに思っているところでございます。
#42
○有馬朗人君 宇宙航空研究開発機構について、残された時間、御質問申し上げます。
 第一の質問は、独立行政法人通則法以外にわざわざ第二十条で、主務大臣は、「中期目標(宇宙科学に関する学術研究及びこれに関連する業務に係る部分に限る。)を定め、又は変更するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の学術研究の特性への配慮をしなければならない。」とされていることについてであります。
 過去、宇宙開発委員会の委員の顔ぶれを見ますと、宇宙科学の基礎的研究計画にボトムアップの考え方を反映させるのは無理な顔ぶれであったと私は思います、人数の上でも。現在、文部科学省では宇宙開発委員会の下に宇宙科学部会というふうなものをお作りになると聞いておりますが、応用、利用という観点とは違う学術研究者の声がきちんと反映され、正当に考慮されるようにしていただきたいと思います。
 この点につきまして文部科学省はどのようにお考えか、手短にお返事いただきます。
#43
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 今、先生の方から宇宙科学研究について御指摘があったわけでございますが、この宇宙科学研究を今後とも発展させていくためには、先生もお話ございましたように、ボトムアップ的な特性を踏まえた組織運営が必要であるというふうに考えておりまして、先生御指摘の法案におきます第二十条、学術研究の持つ特性に配慮しなければならないという規定も正にそのゆえんでございます。
 そこで、今後、この法案に基づきまして宇宙開発委員会の方で宇宙開発に関する長期的な計画が策定されることになるわけでございますけれども、その段階でも、宇宙科学につきましては研究者の自主性や自律性を最大限尊重するということが必要であるというふうに考えておりまして、このため、今後、宇宙開発委員会の方とも御相談申し上げまして、宇宙開発委員会の中に宇宙科学を中心とする学術研究者主体の審議組織を置きまして、研究者の声が十分反映されるような体制を確保すること、これを検討してまいりたいと思っております。
#44
○有馬朗人君 宇宙科学技術でロケットの開発等、技術の開発も非常に大切であります。それはやはり国としてやらなきゃいけないと思いますので、この際、トップダウンのやり方が大変大切だと思いますが、同時に、エックス線天文学であるとか、そういう面での基礎科学はボトムアップで伸びてきておりますので、両方をここでうまくお進めいただければ幸いであります。
 こういう点から、もう少し広く見まして、宇宙科学だけではなく、高エネルギー物理、原子核物理、核融合科学、天文学などの巨大科学分野を含め、将来計画と評価をまずきちんと文部科学省の科学技術・学術審議会において行うべきだと考えております。
 この点をお願いをいたしまして、私の質問がちょうど時間が参りまして終わろうと思いますが、最後に、先ほど国立大学の独法化に関する私の初めの反対意見は申しましたけれども、その後、いろいろな考えを変えてきておりますので、またいつかその点に関しましては開陳いたします。
 これで終わらせていただきます。
#45
○岩本司君 おはようございます。民主党の岩本司でございます。
 本日は、独立行政法人科学技術振興機構法案並びに独立行政法人理化学研究所法案、この二法案につきまして国民の皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは科学技術振興事業団の役員ポストについてお伺いさせていただきます。
 質問は、各党各会派の委員の皆様方とこれはもうもちろん重複します。それは、天下りですとか、その後の渡り鳥と言われるような、正確に言うと渡り人間なんですが、そういうことはやめてもらいたい、国民の皆様方が今もう、何というんですか、もう怒りに変わっていると。ただ、これは公務員制度改革でも議論が深まっておりますが、今までの戦後のこういう流れの中で、キャリア制度とも切っても切り離せないような、そういう根本的な問題もあるわけでありますが、この役員ポストについて質問をさせていただきます。
 まず、理事長さんが年間に支給される総額、これは二千四百三十一万九千七百十六円なわけでありまして、専務理事さんが二名、人数でいいますと、理事長さん、今、金額申し上げましたが、理事長さん一名と専務理事さん二名、また理事さんが四名、また非常勤の理事さんが三名、また非常勤の監事さんが一名と、こういう、旧体制では十一人ですね、役員の皆さんの数が。これが新しい独立行政法人化されますと七人になる、四人減るということでございまして、理事長さんはもちろん変わらないんですが、専務理事さんの二名がなくなると。理事さんの七人が独法化されました後は四人になると。監事さんは今まで一人だったのが今度は二人になるということでございますが、二人に監事さんが増えるわけでありますけれども、一名は常勤で、今までは非常勤だったんですが、一名が常勤でもう一名が非常勤になるだろうということらしいんですが、まだ決まっていないらしいんですが、その点についてお伺いしたいというふうに思います。
#46
○政府参考人(山元孝二君) 御説明いたします。
 監事の件でございますけれども、御指摘のとおり、現在の科学技術振興事業団、残念ながら、監事の役割が非常に重要な中で非常勤監事という形で発足してございまして現在に至っておるわけでございますが、ただ、この非常勤監事の方にできるだけ、月でもできるだけ多くの時間来ていただくようにということで、月の十七日はほとんど常勤に近い形で現在やっていただいておると、そういう状況でございます。
 そういうことを踏まえ、さらに今の特殊法人のこういう独立行政法人化に当たっての監事の役割、この重要性のますますの大きなところがございますものですから、今、概算要求に当たりまして、できるだけ常勤化ということをお願いしておるところでございます。
#47
○岩本司君 できるだけ常勤化ということですね。
 その非常勤の理事さんの場合は出勤日数が月に二日、一日当たり約時間数が一時間。ですから、月に二日、一時間ずつ出勤されていると、非常勤の理事さんですね。
 この一時間の勤務なんですが、これは会議か何かでしょうか。
#48
○政府参考人(山元孝二君) 役員の構成というのは専ら常勤の理事の方々、専務理事、理事長、こういう方々がメーンとしてもちろんやっておられるわけでございますが、そのほかに非常勤理事として大学、それから民間企業あるいは公的研究機関、正に産学官の出身者の方にわざわざ非常勤として、理事として御参加いただいてございまして、月二回の理事会議ございますので、この会議に出席していただいておるわけでございます。
 ただ、それだけじゃもちろんございませんので、できるだけ専門的な立場からの御意見を聞くために事業団の職員がこの非常勤の理事の方のところにお伺いしてお話を聞くとか、そういうことも適宜やっているというふうに聞いておるところでございます。
#49
○岩本司君 そうですか。分かりました。会議ということですね。
 会議かどうかなと私もちょっと疑問だったものですから。会議でなければ、これ、月に二日出勤して一時間の勤務日数。一般の国民の皆様にしてみれば、じゃ、年間に二十四時間しか働かないのというふうになるわけで。しかし、もちろん、日本の未来や科学技術の発展のために今までの知識や経験をこの会議で出していただくということであればそれはそれで、それはそれでといいますか何といいますか、今後この独立行政法人化されても三年若しくは五年で、議論を続けた中に見直すところは見直す、廃止するところは廃止すると、石原行革担当大臣もはっきりおっしゃっているわけですから、それは今後とも議論といいますか、追求していきたいというふうに思います。
 で、非常勤の監事さん、これ先ほど週に四日で一日大体、これ調べましたら四時間半なんですけれども、非常勤の監事さん、この監事さんというのはどういうお仕事をされているんですか。
#50
○政府参考人(山元孝二君) 正に会社、失礼しました、こういう法人における執行的なところについて、専ら内部の監査機能ではございますけれども、そういう業務を資金的な面あるいはそのほかのいろんな面からのチェックという、そういうことを専ら役割としているわけでございます。
 そして、事業団の監査結果に基づきまして、必要があるときには理事長あるいは文部科学大臣に意見書を提出することができる、意見を提出することができる、そういうことにももちろんなっているわけでございます。
#51
○岩本司君 ということは、監事さんはなるべく常勤にしたいというふうに冒頭おっしゃっていますね。ということは、週に四日、一日四時間半、今までそういうチェックをされていたのが、常勤でもう毎日チェックをするというような認識でよろしいですか。
#52
○政府参考人(山元孝二君) もちろん、この任務に専念していただくことは当然のことだと思います。
#53
○岩本司君 当然のことですね。
 それで、非常勤の理事さん、また非常勤の監事さんの資料を請求しましたところ、ちゃんと資料を提出していただいて本当に感謝しているんですが、国民の皆様方が一番関心のある渡り鳥と言われていることなんですけれども、その監事さん、非常勤の方ですね、この方も科学技術庁に入られまして、大学を卒業した後ですね、これ大学卒業してすぐじゃないですが入られまして、財団法人ですとかまた科学技術振興事業団、そういうところに替わられているんですね。で、何といいますか、その知識と経験を日本の科学技術の未来の発展のために、何といいますか、今までの自分が経験してきたそういう知恵もすべて出すということでその経験も生かすということでしょうけれども、替わるときに、何といいますか、まだ僕ははっきりこの方のお名前もここで申し上げていないんですけれども、分かる範囲で結構ですが、替わったときにそれぞれ退職金というのはこれはいただいているんですか。
#54
○政府参考人(結城章夫君) この科学技術振興事業団の非常勤の監事の方でございますけれども、元々国家公務員でございますが、それを退官されております。したがって、その退官のときには国家公務員としての退職金をもらっておると思います、おります。その後、この科学技術振興事業団の前身でございます新技術事業団の職員をされておりまして、更にそこも辞められまして、今財団法人の専務理事をされておる、それが今本務でございます。新技術事業団を退職されるときもその時点で退職金はもらっておると思います。現在、科学技術振興事業団の監事でございますけれども、それは非常勤でございまして、あくまでも本務の方は財団法人の専務理事が本務になっております。
#55
○岩本司君 ということは、もちろんこの財団法人の専務理事と今兼務されているんですか。
#56
○政府参考人(結城章夫君) はい。財団法人の専務理事を本務とし、兼務でこの事業団の非常勤の監事をされておるという状態でございます。
#57
○岩本司君 正にこれ今国民の皆様方が、何といいますか、そういうもうやめてもらいたいと、しかし現にそうなっているわけですよね。それを議論して改革していくのがこの委員会のまた会議でございますので、それはまあ今からの話でございますので、分かりました。また追求していきたいというふうに思います。
 で、非常勤の監事さんなんですが、今まで、この方だけかどうか僕分からないんですけれども、もう大体今までの経緯、何と言ったらいいんですか、私も何かあれなんですけれども、今まで例えば渡り鳥と言われているように退職して退職金をもらって渡るじゃないですか、その渡り終わったというか、その後に非常勤の監事としてまたその渡り終わった後に戻ってくるというようなことはあったんですか。
#58
○政府参考人(結城章夫君) いわゆる渡りというのの定義があるわけですけれども、特殊法人の役員から特殊法人の役員に移るというのが通常渡りと言われているものでございます。この科学技術振興事業団の役員について見ますと、そういう渡りになっている対象者はおりません。
#59
○岩本司君 対象者はいないということですが、ただ非常勤、これ財団法人の専務理事されている方が、元お役人さんなんですけれども、今兼務されているわけですよね。今度は非常勤の監事をやめて常勤にしていこうというようなことをおっしゃっていますけれども、じゃ、それをして兼務、常勤になった場合、今の非常勤の監事さんの月給も月五十五万二千円で年間に六百六十二万四千円なんですね。これ非常勤で週に四日働いているので、単純にこれ倍にしても一千二百万ぐらいになるわけですよね。例えば財団法人のそういう専務理事とかされていて非常勤をやめて常勤にしていった場合に、じゃこれ兼務されるんであれば年間に幾らですか、二千万、専務理事クラスで大体年間二千万ですから、二千万プラスの千二百万で三千二百万ぐらいになるわけですね。退職金とかまたもらっていったらこれもうすごい金額になっていくわけですが、非常勤をやめて常勤にされていくということであれば、兼務も認めるわけですか。
#60
○政府参考人(結城章夫君) 現在の非常勤の監事が常勤になるということは、ポストとしてそういうふうになるということでございまして、現在非常勤の監事をされておりますこの方がそのまま横滑りするということは、そうなるとは限らないわけでございます。
 仮に今のこの方が非常勤監事から常勤の監事に横滑りするとすれば、現在の財団法人の専務理事はこれは当然辞めていただくことになります。常勤の監事というのはそれに専念するわけでございますから、ほかの職を兼務することは通常できないわけでございます。
#61
○岩本司君 それは当然の話なんですけれども、国民の皆さんから見て当然のことが今まで当然になってないものですから確認させていただいたんですが、分かりました。
 次に、理化学研究所の役員ポストについてお伺いしたいんですが、こちらは非常勤の理事ですとかそういう監事ですとか、そういうことにはなってないんですね。こちらは新しく独立行政法人化されますと、副理事長が今までいらっしゃったのがなくなると。これも科学技術事業団みたいになくなると。
 ただ、監事が二人以内だったんですね、特殊法人のときは、なんです。それが独立行政法人化されますと監事が二人になるんですね。これも一人監事が増える方向になるんですけれども、副理事長のポストがなくなった代わりに監事が二人になるということでございますが、これは監事さんを今までどおり一人にできないんですか、やっぱり支障がありますか。副理事長さんのポスト、ポストの話じゃ、まあポストの話なんですが、なくなるとやっぱり支障がありますですか、理化学研究所。
#62
○政府参考人(結城章夫君) 今回の独立行政法人、我が省に限らずたくさんございますけれども、これは一斉のルールがございまして、共通のルールがございまして、監事というのが非常に重要な職務であるということで主務大臣が直接任命することになっておりますけれども、これからできます独立行政法人、大きいものも小さいものもいろいろございますけれども、必ず監事は二名ずつ置くことになっております。そのうちの一名は外部の方を登用するというような、こういう共通のルールで独立行政法人の設計がなされておるわけでございます。
#63
○岩本司君 ありがとうございます。
 それでは、私が今申し上げたのはこの渡り鳥、渡り鳥と言われているそういう方々も、そういう人たちも、その人じゃなくてシステムがいけないということを申し上げていますことを確認させていただきたいというふうに思います。
 次に、科学技術振興事業団についてお伺いしますが、旧科学技術庁が所管しておりました科学技術振興事業団につきましては、戦略的創造研究推進事業による競争的研究資金の配分、また研究者の交流支援、また産学官連携に関する事業などが旧文部省が所管しておりました日本学術振興会の実施する事業と似通っていることについて、特殊法人等の整理また合理化に関する議論が行われる以前から指摘されてきたところであります。
 文部科学省におきましては、省庁再編以降、これまで両法人の事業の整理また統合を順次進めてきたものと認識しております。ついては、個々の具体的な事業について、これまでどのような考え方に基づいて整理統合を行ってきたのかお伺いしたいと思います。
#64
○副大臣(渡海紀三朗君) それでは、少し具体的に説明をさせていただきますが、従来より業務の整理合理化に積極的に取り組んでおりまして、近いところでは、平成十三年度に引き続きまして十四年度におきましても特殊法人整理合理化計画、これを受けまして、まず、これは十三年度ですね、失礼いたしました。十三年度では、JST、振興事業団の国の戦略目標を踏まえて、また学振においては大学主導でそれぞれ実施していた政府出資金による基礎研究事業について、学振の事業の新規採択を終了し廃止をいたしました。そして二つ目には、振興事業団のワシントンの事務所を廃止をいたしまして、学振の海外連絡センターに統合をいたしております。三つ目は、JSTにおいて行っていた外国人研究者を我が国の国立試験研究機関等へ招聘する事業につきまして、学振が大学等を招聘先として実施する事業に統合をいたしております。これが十三年度でございますが。
 十四年度におきましては、学術振興会におきまして、JSTですから振興事業団におきまして、国立試験研究機関等で研究をするポストドクターを対象に支援をやっておりました生活費、研究費等を支援した事業について、これを学振でする事業に統合をさせていただいておりますし、また振興事業団の実施しておりました国立試験研究機関等のポスドク等を海外に派遣する交流事業でございますが、滞在費、研究費等を支援する事業について学術振興会が大学等の研究者を対象に行っていた事業と統合すると、こういった整理作業をやらせていただきまして、両機関の間では、これは有馬先生の御質問にもございましたが、重複はないというふうに考えております。今後ともそういうことがないように、きっちりと情報交換、連携を図りながら、この両機関を我が省としても支援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#65
○岩本司君 重複がないというふうな御答弁でございますが、国民の皆様方にしてみれば、文部省と科学技術庁が統合されたわけですね。文部省と科学技術庁が統合する方が大変なんじゃないかというふうに、普通はそう思うんですよね、そうまた国民の皆様方も感じている方いらっしゃるんですが。旧文部省と旧科学技術庁が統合されたときに、もう全体的な再編・統合でございましたので六か月間掛かったということでございますけれども、その点について御答弁お願いします。文部省と科学技術庁が統合する方が大変じゃないのかと。
#66
○副大臣(渡海紀三朗君) 今、委員御指摘のように、これは省庁再編という様々な議論の中でなされた一つの中央省庁の再編の一環でございます。確かに大変な面もあろうと思いますが、先ほど来大臣もお答えになっておりますように、統合による別の面での成果というものもあろうかと思います。
 私は、これは、常に物事というのはプラスの面もあればマイナスの面もある。そのマイナスの面を極力やっぱり排するように結果を出していかなければいけない。
 一つ、マイナスとは言いませんが、これは有馬委員にも御指摘をいただいたわけでありますが、要は学術振興というものが後退をするんではないか、これは研究者といいますか大学関係者の中で非常にそういう意見があることも事実でございます。
 しかし、それはそうならないように、例えばそれぞれの分野で様々な審議会なり、その審議会にやっぱり研究者、いわゆる学術に携わっている、基礎研究に携わっている研究者のメンバーに一杯入っていただくことによって、しっかりとそういうことにならないように配慮をしていく。また、総合科学技術会議というものもあるわけですから、国の戦略というものはしっかりとそこで立てていく。
 様々な方法によって負の部分はカバーをしながら、むしろプラスになる面、総合力を発揮して、例えば従来は研究は研究だけやっていればいいんだと、これは私の私見でございますけれども、そういった白い巨塔的な問題がありました。私は、ちょうど昭和四十一年から四十五年に大学におりましたが、大体初めから終わりまでずっとストでしたね。バリケードの中で大きくなった世代でございますが、これはやっぱり当時の学術研究の世界が余りにも白い巨塔と言われた、有馬先生には恐縮でありますが、国立大学の頂点である東京大学を始めとして、そういった議論があったわけなんですね。
 そういうことを考えますと、今度独法化も含めて、また文部省が従来、私は科学技術の仕事をやらしていただくのはこれで三回目でございますけれども、設置法の中にははっきりと、もうこれでやめます、時間がありますから、だけど、要するに国立大学を除くと書いてあるんです、科学技術庁の設置法には。これで日本の研究開発がうまくできるのか、やっぱりそれは疑問だったんですね。そういった意味では、今、私は今回就任をさせていただいて当初申し上げましたのも、二つが一緒になって何が良くなったのかということをしっかりと検証させていただきたいというふうに申し上げたわけでありますが、そういったプラスの面を考えながらやっている。
 今日は独立行政法人の議論でございますから、そういった面において最後にお答えをさしていただきますと、この二つをやっぱり一緒にした方がいいんじゃないかという議論はあるんです。これも先ほど有馬先生のときにもお答えをしましたが、しかし従来の経緯、それからやっぱり、じゃ二つにすることよりも、より機動的に一つずつ性格の違うもの、ボトムアップとトップダウンという形のものを当面この形でやっていく方がいいであろうという結論の下に今回の実は法律は作られているわけでございます。当然、独立行政の法人になった以降も同じような議論というのは私は続いていくものだというふうに思っております。
#67
○岩本司君 ありがとうございます。
 トップダウンとボトムアップ、これをちょっと残していきたいという話でございますけれども、今回の法案に特殊法人宇宙開発事業団、また独立行政法人航空宇宙技術研究所、また大学共同利用機関の宇宙科学研究所と、この三つが統合されまして独立行政法人の宇宙航空研究開発機構になるわけですけれども、今回、一緒にもう法律、議論ここでするわけですけれども、今おっしゃったトップダウンとボトムアップ、これをやっぱりそれぞれやった方がいいと。
 しかし、宇宙航空研究開発機構はトップダウン型なんですね、宇宙開発事業団、あと航空宇宙技術研究所、これはボトムアップ型なんですが、今回、トップダウン型とボトムアップ型、宇宙三機関統合されるんですが、いかがでございますか。
#68
○政府参考人(山元孝二君) 今の宇宙三機関の統合でございますが、これは一つのきっかけは、平成十年、十一年に宇宙開発事業団のHUロケット、これの失敗がございました。また一方で、平成十二年に宇宙科学研究所、ここでのMロケットの方の打ち上げ失敗、これもあったわけでございます。そういうことで、我が国の宇宙開発、こういう担っている機関の在り方、これが政府部内においても、あるいはいろんな関係者の間においても非常に活発な議論がなされてきた。それを契機にこのたび統合という話でこの法案が出されているわけでございます。
 その内容といたしまして、実は宇宙開発事業団と宇宙科学研究所、これはトップダウンとかあるいはボトムアップとかおっしゃいますけれども、もっと別な言葉で申し上げますと、宇宙開発事業団は実利用通信衛星とか放送衛星とか、そういう実利用の衛星を開発し、それを打ち上げるためのロケットを開発し、そして種子島で打ち上げていくと、そういう機能を持っているわけでございます。一方で、宇宙科学研究所の方は、天文の科学衛星、そういうものの衛星の開発、そしてそれに見合ったロケットの開発、そしてそれを内之浦で打ち上げていくと。正にその両方とも、ロケット、衛星の開発とか打ち上げ、これを行う機能として両機関があったわけでございます。
 その際、それぞれの事業はこれからも拡大していく必要があるわけでございますが、例えば安全性とか信頼性とか、こういう基盤的な研究部分、こういうところは一足す一を逆に二どころか三、四というふうに、そういう一つの大きな方針の中でやっていった方がより効率的でございましょうし、そういう強化につながっていくであろうと、こういうことがございます。
 一方で、衛星を打ち上げます場合に、打ち上げの話がございますと、そういう管制的な仕事がございます。それから、衛星が飛んでいる間のそういう追跡管制もございます。こういうところは逆に非常に共通的な業務がございます。こういうところは逆に整理合理化、あるいはそういうところを考えていきますと、統合による効果が出てくるわけでございます。
 そういうことで、先ほどの副大臣の御説明にございましたように統合効果のプラスの面が非常に大きい、しかもこれらを一つに統合することによって、大きく我が国の宇宙開発基盤、その推進する機関が非常に強化されていく、そういうことから統合がなされたと、こう認識しておるところでございます。先ほどの科学技術振興事業団とそれから日本学術振興会のプラス、マイナスの面に比べましたら明らかに差があるのではなかろうかなと、こう認識してございます。
#69
○岩本司君 ありがとうございます。
 アメリカのNASAの、正確な数字、今資料を持っていないんですけれども、そういう御答弁、流れが変わっていきましたので申し上げますと、その十分の一ぐらいの予算で日本は開発しているわけです。当然、統合して集中して使うところには使うというふうにしなければいけないわけで、もう当然のこれは流れなんですが、先ほど副大臣おっしゃった、トップダウンとボトムアップだから一緒にできないんだと、そういうことをおっしゃったんで、じゃこれトップダウンとボトムアップが一緒になっているじゃないですかというふうになるわけであって、それは国民の皆様にしてみれば、それはもうできれば、これほとんど似ているわけですから、有馬元文部大臣もおっしゃっているわけですから、私は統合すべきだと思います。
 そのデメリット、統合すると、もうそれは今もこういう天下り問題がクローズアップされている中、当然、統合すると理事長のポストが一つなくなるじゃないかと、そういうデメリットもあるとは思うんですが、もちろんそれだけじゃないと思いますけれども、これはやっぱり国民の皆様の声をもっと聞いていただいて、できる限りの努力をしていただきたいというふうに思います。
 次に、科学技術振興事業団の中で日本科学未来館が運営されているんですが、建設費が百八十七億八千五百二十八万九千円と。ランニングコストが三十二億四千二百五十三万四千円、年間の入館料収入が一億四千八百八十七万三千円なんですが、このランニングコストが三十二億、年間の入館料が一億円と。もちろん、これはビジネスじゃないわけですから、余りそういうビジネスに走っても、その目的がもちろん違うわけですが。
 ただ、毎年毎年三十億円を、これ一生ランニングコストとして払い続けるということなんですが、先ほども有馬元文部大臣がおっしゃっていましたが、同じような施設が都内にたくさんあるんですね。それはもちろん一つ一つきれいに比べればどこか違いますよ。しかし、国民の皆様はもう箱物は要らないと言っているわけです。
 もちろん、景気が良ければそれはいいんですよ。子供たちに体験してもらってと、それはいいと。しかし、それはまだたくさんあるわけですから、造ってしまった後に、もっと利用してもらうために今からやらなきゃいけないなんて、それは逆ですよ。必要だから造るのであって、造った後に入れなきゃいけないから、入れなきゃというのはちょっと語弊がありましてちょっと失礼しますけれども、逆ですよ、必要だから造るのであって。
 もちろん、視察も当委員会で行かしていただいて、それは立派な施設で、それはあった方がいいですよ、それは。あった方がいいですが、もう箱物は要らないと。もうこれは造ってしまっているわけで、もちろんこれは大変すばらしいものですから、そういう努力も、全国の修学旅行の皆さんが東京に来たときに見てもらうと、それはもう今からやることじゃなくて、それは先に計画して造るものだったんですが、逆になりましたが、それはそれでやっていかなければいけないんですけれども。
 この日本科学未来館の隣に土地が空いていますが、そこを購入してまたそういうものを造ろうかというような、議論の段階ですけれどもあったように聞いておりますが、そういう計画はございませんですね。文部大臣、お願いします。
#70
○国務大臣(遠山敦子君) あの未来館の横に土地があるということにつきましての御質問でございますけれども、私は、国民が科学技術について理解を深め、そして未来に向けて子供たちにいろいろその成果を教えていったりすることは大変大事だと思っておりますが、今お話しの点につきましては、私どもとしては具体的なプランは持っておりません。
#71
○岩本司君 ありがとうございます。確認させていただきました。
 もちろん、景気が良くなって国民の皆さんが豊かになって、そのときにはもういいんですよ。いいというか、何というんですか、それは、子供たちの未来のためにそういう施設というのは僕はいいとは思いますけれども、こういう御時世ですから、それは。はい、ありがとうございます。
 理化学研究所についてお伺いしたいんですが、これは私は賛成の立場なものですけれども、これは、過去にもうすばらしい先生方が、長岡半太郎先生、本多光太郎先生、鈴木梅太郎先生、湯川秀樹先生、朝永振一郎先生、こういう先生方がもちろんノーベル物理学賞を受賞されたり、もうすごくこの国の、私たち今こうして世界の中でトップクラスの教育を受けていると言われるぐらいの国にもなったわけですが、これ設立されたのは、長岡半太郎先生の時代は大正六年なんですけれども、資料を請求しまして、提出していただきましてありがとうございました。
 昭和三十三年の事業費でございますが、昭和三十三年当時は五億二千七百万円だったわけです。四十五年たった平成十四年、七百九十八億六千万円と、五億円から四十五年たって七百九十八億円になっていると。もちろん、先ほど冒頭申し上げましたけれども、私は賛成の立場ですから。
 ただ、こういうノーベル物理学賞を受賞された方々がいらっしゃったときは昭和三十三年以前なんですが、ちょっと国民の皆様にこの場で教えていただきたいんですが、その昭和三十三年以降、四十五年たった平成十四年、この四十五年間で、こういう先生方もこういうすばらしい発明をされたというようなことがあれば御紹介いただきたいと思います。
#72
○政府参考人(石川明君) 理化学研究所の活躍についての御激励のようなものと私ども受け取っておりますけれども、確かに、先生今お話しございましたように、大正六年に設立されて以来、長岡半太郎先生ですとか鈴木梅太郎先生とか、日本を代表する優れた研究者、学者を輩出しております。
 確かに予算も大きくなっておりますけれども、これはまた様々な、何といいましょうか、研究規模が拡大することによる増加ですとか、あるいは物価水準なども当時と違いますので、予算が大きくなっているからそれだけまた必ずしも有名な先生が輩出するかというと、そういったことにはならないような事情もあるわけでございますけれども。
 確かに、今お話の出ましたような先人に比肩するような方が、すぐ固有名詞が出せるかというとなかなか出しにくい面もございますが、理化学研究所といたしましても今現在も大変優れた研究をやっておりまして、例えば論文掲載数なんかにおきましても年間千件以上の掲載を行っておりますし、また国内外に、例えば特許数ですと九百件の特許を有している、そして百社程度でございますけれども、百社ぐらいにその許諾をしているとか、そういったようなことをやっておりまして、私どもとしては、昔に劣らず優れた研究活動をやっていると、このように認識しております。
#73
○岩本司君 これで質問を終わります。
 ありがとうございました。
#74
○山根隆治君 まず、私は、宇宙航空研究開発機構法案につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 独立行政法人の航空宇宙技術研究所は、国の研究所から特定独立行政法人に組織変更をされ、そして今回また宇宙三機関が統合するということで、非常に組織的な混乱がその都度起きていたのではないかということが予測をされるわけでございます。職員の方の士気であるとか、それから組織の変更に伴う無駄なコスト等の問題が私は避けられなかったろうというふうにも思っているわけでありますけれども、今回の宇宙三機関の統合によるメリットというのはどんなところにあるのか、役員の数あるいは予算、職員数等における効果、メリットというものはどのように御認識されておられるか、お尋ねをいたします。
#75
○国務大臣(遠山敦子君) 宇宙三機関の統合によりまして基礎的な科学研究から実用的な研究開発まで一貫して実施することができる組織となるわけでございまして、宇宙開発プロジェクトが一層効率的それから効果的に推進できるようになるというのが私としては一番大切なことではないかと思います。
 もちろん、規模の問題、あるいは予算の問題などもあろうかと思います。その点については政府参考人の方からお答えさせていただきますが、その内容面につきまして具体的にどういうメリットがあるのかということで話させていただきますと、一つは、プロジェクトの実施に当たりまして基礎から開発まで幅広い人材を有するということになりますので、横断的に多様かつ強力なチーム編成が可能になる、しかもプロジェクトごとにそういう組織を柔軟に作っていくということによりまして研究成果が上がりやすくなるわけでございます。
 二番目には、ロケットの開発、打ち上げ、追跡管制について一元化することができる。これは大変効率的に業務が行えるようになるわけでございまして、効果が出やすいわけでございます。
 それから三つ目には、各々の機関が持っておりました大学あるいは産業界とのネットワークがあるわけでございますが、これらがそれぞれに持っていたものが一緒になるということによりまして、その機関を中心にしてそうした大学あるいは産業界等、社会との連携のやり方が更に深まっていくということが挙げられると思います。
 このような点を重視いたしておりまして、それにしましても事業を重点化したり、あるいは試験施設などを整理合理化して効率的な事務管理あるいは経営の管理体制を構築してまいりたいというふうに考えております。
#76
○政府参考人(白川哲久君) 私の方から、予算面と役職員定数等について補足をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、三機関の予算でございますけれども、実はこの三機関の宇宙関係の予算は、最近大変合理化の努力をしておるところでございまして、三機関合計で平成十一年度の時点で二千百八十億でございました予算が、今年度、平成十四年度には千八百五十六億になっておりまして、この間に三百二十四億、約一五%の減少ということで、これまでの間も相当の合理化を行っておるということをまず御理解いただきたいというふうに思います。
 それから、この三機関統合に当たりまして更に見直しを行いまして、宇宙科学研究所が取り組んでまいっておりますミューXというロケットがありますけれども、このロケットの研究開発は中止をするとか、試験施設設備の整理合理化等を行いまして、より戦略的に重要な分野、そちらの方に強化をするという措置を取ってございます。
 それから、役職員の関連でございますけれども、まず役員につきましては、これは法定をされておるわけでございますけれども、この三機関の統合によりまして、理事長級が二人、それから理事二人及び監事二人の計六人の削減が行われておりまして、十七人であったものが十一人ということで統合効果が出ておるわけでございます。
 それから、職員数につきましては、新独立行政法人の役職員数は事業見直し後の事業内容に応じ必要最小限のものとするという、これは政府の特殊法人等改革推進本部の方針でございますが、これが示されておりまして、統合後の新機構におきましても、事務・管理部門の合理化、射場、追跡管制等の事業運営の合理化、こういうことを通じまして可能な限りその削減に努めていくべきものというふうに考えております。
#77
○山根隆治君 平成十一年から十四年度で三百二十四億減になっていると、こういうふうな三機関での予算の削減ということについての今数字を挙げての御答弁がございました。
 三機関が一緒になってからの削減はどうなのかということが一番関心のところでございますけれども、今お話の中でございましたように、ロケット、MXロケットですか、の研究開発の中止であるとか、あるいは国際宇宙ステーション計画の縮小等の削減ということは承知をいたしているわけでございますけれども、したがって、三機関が統合することによって予算が削減をされてきたというよりも、むしろ大半が研究開発などの削減に伴うものだというふうに私は言わざるを得ないというふうに思っております。
 したがいまして、この三機関の統合ということについては、統合そのものについては私自身賛意を示したいとも思いますけれども、しかしそれによるメリットというものは、考えてみるとこれはまだしっかりとしたものが表されていないというふうに思わざるを得ません。この点について、時間の関係もありますので余り深追いはできませんけれども、私どもはこの法案につきましては党内で種々協議、論議、鳩首協議をしてもまいりましたけれども、方向性としては、論議を通じて、衆議院の論議を通じてもなおこれは賛成しかねるというふうな立場で、この点について御指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、お尋ねをいたしておきたいと思うんですけれども、ロケットの発射実験について異常な膨大な予算というものを伴わざるを得ないということでございますけれども、その削減の手法というのは様々なものがあろうかと思います。例えば、ロケットそのものの発射実験というものをコンピューターによるシミュレーションというふうな形でそれが実施できないだろうかというふうなこと、素人考えでありますけれども、そんなふうな思いもいたします。
 と申しますのも、御承知のように、自動車会社も衝突のショックがどの程度のものかというのはコンピューターによるシミュレーションということを行われていますし、それから航空機につきましてもその操縦というのがシミュレーションでも行われるというふうなことがございます。ロケットと比較するというわけには単純にまいりませんけれども、ある段階である限定的なものであるにしろ、そうしたやはりシミュレーションというものを私は日本の技術、能力をもってすれば開発ができていくのではないか、そういうソフトも開発が可能ではないかというふうに私自身は考えるわけでありますけれども、この私の提案について御答弁、御見解を求めます。
#78
○政府参考人(白川哲久君) 今、山根先生から御指摘があった正にとおりでございまして、この宇宙開発分野では、実は、先ほど来話が出ておりますが、HUAロケットが二度も失敗をしたということもございまして、そのときの宇宙開発委員会の検討の中で、今正に先生がおっしゃいましたように、地上の試験等で確認することが困難な部分の技術的な実証、充実、そういう観点からはコンピューターのシミュレーション技術が大変役に立つということで、それの高度化を図りまして、高い信頼性を確保するための技術手法を確立すべく宇宙開発事業団等でも様々な取組をやっておるところでございます。
 先生からロケットの話がございましたが、例えばロケットの開発におきましても、エンジンの流体解析のツールを用いたシミュレーションによりまして、従来は一つ一つ試作試験を繰り返しておった開発手法が大変効率化されるとか、衛星開発の分野におきましてもシミュレーターを使いますことによって設計・検証作業の確実化、迅速化が図られるとか、さらには、現在宇宙ステーションを国際的に建設中でございますけれども、宇宙空間における宇宙機の挙動等をビジュアルに再現するバーチャルリアリティー、そういうものを活用いたしまして搭乗員や運用担当者が事前のイメージアップを図ると、こういった多くの場面で私ども宇宙開発の分野でもシミュレーションの技術を活用をしておるところでございます。
#79
○山根隆治君 当委員会にも有馬先生もいらっしゃいますけれども、そうした優秀な頭脳をもってすれば、まず不可能と思うと不可能になってしまうんですね。それができ得るというふうに思ったところからすべて大きな発明というものにつながっていくわけですから、大きな、世界にないような私はシミュレーターというものの開発を是非していただきたいというふうに思っております。
 さて、この開発機構でございますけれども、例えばHUAロケットを生産をしていくというふうなこと等いろいろな事業がこれから展開をされるわけでございますけれども、実際の経営のこれからの見通しというものはどのように立てておられるのか、お伺いしたいと思うのです。例えばHUAロケットでも、今なかなか受注があるようなないようなよく分かりませんけれども、あるいはオファー、そういったものが今現在、世界から寄せられているのかどうか、そのことの確認をひとつさせていただきたいと思います。
 それから、時間も余りありませんのでまとめてお伺いいたしますけれども、それから売れる事業ですね、事業展開というものはこれから何か企画があるのかどうか、それもお伺いしたいと思いますし、それから実は本年の四月末に開かれました総合科学技術会議の宇宙開発利用専門調査会の中で、ロケットや衛星の部品が調達できない問題が起こっていると、こういうふうな報告もあるわけでありますけれども、この部品の製造ライン等の問題についてはどのようなこれから対策を取っていかれようとするのか、現状認識含めてお尋ねいたします。
#80
○副大臣(渡海紀三朗君) 全般的な意味では、これからやはり競争力を高めていくという、このことが大事であろうと思います。そのためには、まず十四日の打ち上げ、四号機でございますが、これはしっかりやると。それから、これからは、宇宙開発委員会の先生方とお話をしておりますと、やっぱり衛星の技術というものをもっと高めていく必要があるだろうと。ロケットでいいますと、もう少しパワーアップしたやつを何とか開発をして、一個上げるんではなくて、衛星を、二個一遍に積んで上げればこれは当然安くなるわけですから、そういった意味でも競争力が出てくる。
 部品等につきましては、様々な検討委員会で実は検討をされておるわけでございますけれども、既に宇宙開発事業団の中でもそういう検討委員会を作っておられまして、そして、やっぱり国として自律性を確保する、要はしっかりとした製品を他国に頼らないでちゃんとやれるという体制を作るためにも、一定の量を確保するような方策をどうやって取っていくか、これも大事だろうというふうに思っております。
 残余の点につきましては、これは産業界の問題でございますから局長の方からお答えをさせていただきたいと思います。
#81
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 山根先生の方から商業的な利用がどういうふうになっているかという御質問があったわけでございますが、現在、我々、HUAのロケットの開発を一生懸命やっておりまして、先ほど渡海副大臣の方からもお話ございましたように、来週の土曜日にこれの四番目のロケットを打ち上げる予定になっております。
 そこで、このHUAロケットの商業衛星打ち上げの件でございますけれども、この受注活動につきましては、これは民間ベースで、現在、株式会社ロケットシステムというところが行っておるところでございます。この株式会社ロケットシステムによりますと、多いときでは実は三十基程度の商業衛星打ち上げの契約を保有をしておったというふうに聞いておりますけれども、先ほど来お話が出ておりますHUロケットの二度の失敗がございまして、かなりの契約が解除をされたというふうに聞いております。
 しかしながら、現在も約八基の契約が残っておりまして、現在、これまで民間ベースの交渉を続けてきたようでございますけれども、この契約につきましては現在も継続されておるというふうに伺っております。
#82
○山根隆治君 なかなかちょっと時間がなくて追っ掛けられないのが残念ですけれども、次、法文そのものについてお尋ねをいたしておきたいと思います。
 本法案の第二十八条に「財務大臣との協議」というところがございます。これにつきましては、実は事前にお話ししていなかったので唐突で恐縮でありますけれども、条文にこういうことはなじむのかどうか、ちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 わざわざ財務大臣に、予算等、保険金の金額を定めようとするときとか、そうした財政にかかわる問題で相談をしなくてはいけないと。何をやるにつけ財政がかかわってくるわけであります。それが、わざわざこうした協議事項というのを入れるということの意味はどんなものなのか。文部科学省としては余計なお世話だということを言いたいんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、この点について、この法文作成の過程でなぜこういう文言が入ったのか、お尋ねをいたしたいというふうに思います。
 それから、もう一点続けてお伺いしてしまいますが、第四条の平和目的のためというところがあるわけでございますけれども、この平和というものの一体定義は何なのかということをお尋ねをこの際しておきたいというふうに思います。
 以前、参議院でも、参議院科学技術振興対策特別委員会、これは四十四年六月ですけれども、附帯決議の中で「平和の目的」ということを、言葉、文言を使っておりますし、四十四年の五月の九日には、衆議院で決議がされて、「ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り」という文言が使われているわけでありますけれども、この法案の中に書かれている平和というものの定義というものはどのように考えるのか、お尋ねをいたします。
#83
○副大臣(渡海紀三朗君) それでは、ちょっと順序は逆になりますが、この「平和目的に限り」という部分は、従来の解釈はそのまま踏襲をされるというふうに考えております。
 国会決議等の従来の法制局解釈、また国会の理解といいますか、お互いの約束、これをそのまま踏襲をさせていただく。簡単に言いますと、要は公益的な、そういった防衛庁の兵器と一緒になって使わないというふうな文言、それから、一般的に定着している技術そのものについては、これは防衛庁が使うことも差し障りがないといった、こんな文言であっただろうというふうに記憶をいたしておるところでございまして、細かくは申し上げませんが、要は従来の見解をそのまま今後とも踏襲をさせていただくということであろうと考えております。
#84
○政府参考人(白川哲久君) 山根委員の方から、第二十八条、「財務大臣との協議」の事項について御質問ございました。
 この条項につきましては、例えば第一項でございますけれども、第六条第二項の規定による認可をしようとするときにはあらかじめ財務大臣に協議しなければならない、これは一例でございますが、この第六条第二項と申しますのは、機構が資本金を増加をすることができるときの主務大臣の認可でございます。
 機構は将来的にも政府から資本金を受け入れる可能性もございますし、そういうことになりますと、当然ながら財政との兼ね合いということが出てくるわけでございまして、そういう点につきましてはこうやって財務大臣との協議を法定をしておるということでございます。
 この辺につきましては、これは例えば現在の宇宙開発事業団法にも同様の趣旨の規定がございますし、そのほかの独立行政法人につきましてもほぼ同様の規定が入っておるものというふうに理解しております。
#85
○山根隆治君 じゃ、ほかの全部の規定も私自身はやっぱりちょっとおかしいというふうに思わざるを得ません。財務省にみんなかかわるのは当然のことであって、わざわざそこに書いてくるというのは、やっぱり財務省の圧力なのかどうか、それももう本当に私は疑問です。
 これはやはり、この宇宙開発機構の独立性ということからしても、財務省がかかわるということについては、当然なことをわざわざ書かなくてはいけないという、明文化する、法文化するということについては私はいささか疑問を感じ、その点問題提起をさせていただくにとどめたいと思います。
 それから、平和の定義について今御答弁をいただいたわけでありますけれども、平和そのものは何なのかということを私も考えてみたいと思っておるんですけれども、それはやはり、語源的には平和というのは世界各国で平和の定義が全く違うわけですね。つまり、戦争がない状態というものが平和であるとか、あるいはまた、もっと宗教的な意味合いを平和というものに持っているところが世界じゅう多いわけです、語源的には。
 そういうことになると、一体平和とは何なのかということの今の私のお尋ねとは少し御答弁はそごを来しているというふうに私自身は考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、ロケットの平和利用ということと絡めまして、実は来年に情報収集衛星が打ち上げられるということになっているわけでございます。
 今朝の新聞見ますと、イージス艦の派遣が決定されたということがございました。昨日の、私、通告ということでありましたけれども、今朝の新聞ですから間に合いませんでしたけれども、この情報収集衛星については、今までアメリカの民間会社からいろんな資料等の提供を受けてきたということがあるというふうに承知をいたしておりますけれども、今後、日本がこの情報収集衛星を打ち上げた暁には、そうしたアメリカからの商業ベースでの情報収集費用というものは掛からなくて済むのかどうかということが一つ。そしてもう一つは、イージス艦との打ち上げ後は情報の共有というか、連携というものが行われるということになるのかどうか。
 この点について、ちょっと唐突で申し訳ないんですが、今日の新聞見ての話ですから、御答弁、分かる範囲で、御理解していただいている範囲で御答弁いただければと思います。
#86
○長官政務官(佐藤昭郎君) 今、山根委員からの御質問で、情報収集衛星が打ち上げられた後、現在、防衛庁等が利用している米国の商業衛星についてはもう要らなくなるのかといった趣旨の御質問、まず第一点だと思います。
 専守防衛を旨とする我が国にとりまして、平素から常に、委員御案内のように、国の安全に必要な情報の収集、処理を行うとともに、必要な各種情報機能の充実を図ることは極めて重要でございます。その際、我が国独自の情報収集手段の保有、これは今回の情報収集衛星になるわけでございますが、それとともに情報源の多元化というのにもやはり配慮する必要があると考えております。
 そういう意味で、今回、情報収集衛星が打ち上げられた後も、これら我が国独自の情報収集手段と併せまして、従来より利用しております米国の商業衛星による情報画像、これはやはり両方活用しまして我が国の専守防衛という旨に合致する国の安全に必要な情報収集に当たっていきたいと、このように考えております。
 それから、イージス艦のあれでございますが、これは我が国のテロ特措法に基づく目的にのっとりまして今回出していく。ローテーションの問題でありますとか、それからイージス艦の今の、失礼しました、護衛艦、補給艦の活動しておりますこの業務におきます隊員のアメニティーですね、大変な酷暑の中に、厳しい条件の中で補給艦の安全を図っているという護衛艦の任務に照らして、これを、より隊員の安全あるいは補給の安全を考えてよりやりやすくなるということで今回派遣していこうということになったわけでございます。そういうことでございまして、情報収集衛星の関連につきましては直接はないと。
 ただこれは、情報収集衛星をこれからどのように活用していくかにつきましては、内閣官房長官を委員長とする情報収集衛星推進委員会、ここでこれから議論していくということでございますので、個別具体的な情報収集衛星の活用については、その審議、その経過を待つということになろうかと思っております。
#87
○山根隆治君 審議を待たずしても、それは軍事的にはもう常識的な話で、やっぱりイージス艦との連携、情報の交換ということは是非これはもう必要なことだろうというふうに思っております。
 それから、先ほど平和の話ございましたけれども、やっぱり平和というのは少なくとも、いろんな定義がありますけれども、日本の国民の生命と財産を守る、そして戦争のない状態ということを平和ということで端的に表現するとすれば、私は、今もう六十六基打ち上げられている人工衛星につきましても、そうした収集機能というもの、今までなかったかもしれないけれども、それなりに今後のいろんなロケットの打ち上げ等については、私は、我が党もいろんな議論がありますけれども、幅広い懐の深い政党ですからいろんな議論は横の中にもあろうかと思いますけれども、私自身は非常に有効活用を、費用対効果ということを考えた場合にはある一定の役割というものを、他の商業用の衛星等についてもやっぱり活用ということをこれは積極的に私自身は考えていくべきだろうというふうに思っております。これは私の意見です。
 次に、日本学術振興会法案につきましてお尋ねをさせていただきます。
 先ほど来、岩本議員の方から科学技術振興事業団との合併ということについての角度からの御質問もございました。私どもはこういう観点からこの法案についてはどうしても賛成できないというふうな方向性というのを持っているわけでございますけれども、それはもう衆議院の論議、先ほど岩本議員の論議に終結させていただきたいと思いますけれども、私は、あと七、八分の時間でございますので、まとめて科学研究費補助金の問題につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 一つは、審査体制の整備ということでございますけれども、これは申請が非常に多い件数でございますし、そして、有馬委員も先ほど御指摘ございましたように、その審査をするスタッフの数が本当に極端にアメリカ、ヨーロッパに比べて少ないと。しかし、今の日本の経済状況から、財政状況からしてこれを大きく引き上げるということは難しかろうというふうに私は理解するわけでございますが、したがって、例えば、申請回数が今、年に一遍であるところを二回に増やすこと、あるいは大学の研究者のOBの方にボランティア的に御協力をいただく、そういうふうなことができないだろうかということをお尋ねをさせていただきたいと思います。
 そしてまた、審査員の登用につきましては、有馬委員も先ほど御提言ございましたように、是非ともこれは外国の能力、外国人の方にも是非参加を、協力を要請するということがこれから非常に大事だろうというふうに私自身も考えておりますので、この点については要望にいたさせていただきたいと思っております。
 以上、二点ですか、お尋ねをいたしましたので、まとめて御答弁をいただければ有り難いと思います。
#88
○政府参考人(石川明君) 科学研究費補助金につきましての審査体制についてのお尋ねでございます。
 なかなかこの数ということにつきましては、各国で審査制度等が異なるために一概に諸外国と比較をするということは難しい面がございますが、我が国におきます科学研究費の補助金の審査につきましては、第一線級の現役の研究者ですとかあるいはOBの方なども含めまして、今現在約三千七百名で構成される科学研究費委員会及び約五百名で構成される科学技術・学術審議会の学術分科会科学研究費補助金審査部会というような場で厳正公正に行われているところでございます。
 特に、平成十一年に科学研究費補助金の一部の種目を日本学術振興会の方に移管をした際には、これまでこういった審査体制が約二千人であったところを二倍以上の四千二百人、現在のほとんど同じ規模でございますけれども、これに大幅に拡充をしたところでございます。
 また、委員から御指摘のありました外国人研究者等の活用につきましても、これは今後私どもとしても検討していくべき課題だなというふうに考えておりますが、やはり研究者の負担あるいはその評価に要する期間、あるいはどういったふさわしい方がいらっしゃるかという情報収集の問題等々いろんな問題が考えられるところでございますので、これらのことを併せ考えながら検討してまいりたいと、このように考えております。
#89
○山根隆治君 この科研費につきまして、申請の書類、今厳正公平にというふうなお話ございましたけれども、申請書類については大学名あるいは研究者名が当然記されているかと思います。しかし、結果として国立大学の関係者が非常に多いという結果も一つあるわけでございまして、私は、結果がそういうことだから結論付けるわけではありませんけれども、やはり一つの配慮として、私大関係者にも公平感というものを広くアピールするという意味でも、私はその申請書類に大学の名前であるとか個人の名前というものは伏せて審査書類として提出を求めるべきではないか、あるいは工夫を、何らかの工夫が必要ではないかというふうに考えますけれども、この点について御答弁求めます。
#90
○政府参考人(石川明君) 現実の審査についての個人名ですとか大学名についてのお尋ね、御懸念でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在の審査体制につきましては、四千二百名といった第一線級の研究者を活用してといいますか、お知恵をいただきながら、書面、ヒアリング、それから合議制による厳正公正な審査、ピアレビューといったようなもので行っているところでございます。
 また、これはあらかじめ定めております審査方針等に基づきまして申請された個々の研究計画の内容について行われるということでございますので、審査に当たっては、研究目的の明確さ、あるいは研究の独創性、あるいは当該学問分野や関連学問分野への貢献度等、こういったものを考慮して、研究成果が期待できるものかどうかという観点から選定しております。
 したがいまして、御懸念のような個人名や大学名などによりまして審査結果が左右されるということはないものと考えております。
#91
○山根隆治君 ないものと考えている人と考えていない人がいるわけで、考えたら検討したらどうかということを申し上げたわけで、ひとつ話題にしていただいて省内でも御議論を是非この点していただきたいというふうにも思います。
 それから最後に、もう時間がなくなりましたのでお尋ねしておきたいと思いますけれども、補助金を出して、その成果の検証というか評価、これはどのように行われているのか。例えば、補助金を出していて部品等を、部品というかいろいろな材料等を購入をする、その期間だけの評価ということになるのか、それとも、その補助金が打ち切られた後も研究は続き、一定の結論がその先、数年後に得られるというふうな場合に評価というものはなされているのかどうか、お伺いします。
#92
○政府参考人(石川明君) 科学研究費補助金の事業の評価の観点でございますけれども、採択されました課題につきましては、基本的には研究期間中は毎年、研究実績報告書を提出していただくということとともに、終了後には成果発表ですとかあるいは成果報告書の作成というようなことを行うことにしておりまして、これらの研究実績報告書等というものはデータベース等により一般に公開してございます。
 また、研究規模が大変大きなもの、大きな研究種目、例えば研究費総額が一億円以上あるいは研究期間が三年以上にわたるようなものにつきましては、中間の段階もそれから事後の段階でも評価を小まめに実施をしておりまして、特に二年目には現地調査をやったり、あるいは五年ぐらいの期間が掛かるものにつきましては、二年目に現地調査をやったりあるいは終了後の事後評価としてヒアリングなどを実施したりして充実した評価をしておるところでございます。
#93
○山根隆治君 本当の最後の質問になりますけれども、この科研費の問題につきまして、先ほど御答弁の中に出ましたけれども、実際に私たちの生活に直結するあるいはその効果を期待できるものについての重点的な配分というのは当然かと思いますけれども、しかし抗生物質でもそうでございましたし、そのほか様々な世界的な発見というのは、全く最初のねらいと違ったところで新しい結論、すばらしいものが、発明というのが行われるということがあるわけで、私は研究者の、直接的には生活に役に立ちそうもない、しかしどうしても興味のある、我々がとても計り知ることができない知的な欲求を満たすための研究にもこの補助金というものは有効に活用すべきであると思います。
 そういう意味では、そうした人たちに対しての、やはり一定の割合で、この補助金につきましては一定の割合の予算というものを確保する必要があろうかと思いますけれども、この点について、私の提案についての御見解を最後に求めて、質問を終わります。
#94
○副大臣(渡海紀三朗君) 先生御指摘の点は全くそのとおりだというふうに思っております。
 やっぱり時代のニーズ等も的確に我々も把握をいたしまして、そういった分野に、重点的とまでは言えないかもしれませんが、しっかりとした研究費を付けていくと。それこそ日本が将来にわたって科学技術創造立国として未来を切り開いていく私は決め手になると思っております。
#95
○委員長(大野つや子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#96
○委員長(大野つや子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、扇千景君及び畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君及び八田ひろ子君が選任されました。
    ─────────────
#97
○委員長(大野つや子君) 休憩前に引き続き、放送大学学園法案外七案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#98
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
 今回提案されました独立行政法人改革の法案、各法案について基本的に賛成する立場でございますが、若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、宇宙開発事業団と、旧文部省の所管になると思うんですが、宇宙科学研究所が、過去、ロケット及び衛星を開発、打ち上げをしてみえたわけでございますが、どういうような経過になっているのか、この際、お答えを願いたいと思います。
#99
○国務大臣(遠山敦子君) 宇宙開発事業団は創設されましてから三十年余になりますけれども、日本の宇宙開発活動を支える基幹ロケットとしてのHUAを開発いたしますとともに、通信衛星あるいは地球観測衛星の開発によりまして、国と国民の安全の確保あるいは国民生活の豊かさと質の向上等を図るというようなことを任務としているところでございます。
 HUAロケットにつきましては、御存じのとおりと存じますけれども、先般、九月の三号機の打ち上げの成功によりまして、世界最高水準の信頼性を備えたロケット技術の確立に向けた重要な一歩を踏み出すことができたと考えております。来週、四号機を打ち上げますので、これは是非とも成功させて、更にその信頼性を高めたいと思っているところでございます。衛星につきましても、これまでの四十基以上の衛星開発、打ち上げによりまして様々な成果を上げてまいっているところでございます。
 宇宙科学研究所につきましては、昭和三十九年にその基となる研究所ができまして今日に至っているわけでございますが、大型衛星中心の欧米とは異なりまして、ほぼ年一基、中・小型の衛星を打ち上げてまいっております。そして、その中・小型科学衛星の打ち上げに適した世界水準の科学衛星打ち上げ用ロケットを開発いたしまして、これまで二十基以上の科学衛星を打ち上げたわけでございます。これら科学衛星を利用いたしました研究の成果といたしましては、エックス線天文学、これは宇宙研の誇りとする研究成果でございますが、そのほかにも太陽観測衛星「ようこう」を用いました世界最先端の太陽観測の成果を上げるなど、極めて高い評価を得ているわけでございます。
 今後、新機関がこれら二機関の事業を引き継いでより発展させていくことができるよう努めてまいりたいと考えております。
#100
○草川昭三君 私どもも随分以前に糸川ロケットという、そういう名前から旧文部省関係の研究所、そしてまたその後はNASDAという形で大変大型の衛星に取り組んでいるという、それなりの評価をしておるわけでございますが。
 今回の法案で、この二つの機関というものが航空宇宙技術研究所とともに一つの独立行政法人になるわけですが、我が日本の宇宙関連予算というものは、ヨーロッパあるいはアメリカに比べますと非常に限られているわけでございますが、今から考えればこの二つの機関というのは旧文部省あるいはまた科学技術庁に分かれてきたわけですが、最初から一本の形でスタートできなかったのかどうか、こんなような感じがするわけでございますが、歴史的なひとつ反省の意味も込めた見解を賜りたいと思います。
#101
○副大臣(渡海紀三朗君) 今、草川先生から歴史的なということがございましたが、正に大臣の方からも若干説明がございましたように、歴史的な経緯が両機関かなり異なっております。
 先生御指摘の糸川先生がペンシルロケットの実験を打ち上げたということが原点になって、昭和三十年に東京大学の科学衛星研究やその打ち上げのための、先ほどお話にありました中・小型の固体燃料ロケット研究開発の進展に伴い、三十九年に東京大学の宇宙研究所が設置されております。後に、昭和五十六年に大学共同利用機関となって現代に至っておるわけでございますが。
 一方、NASDAの方は、比較的技術が進歩いたしまして、また様々な通信衛星とか気象衛星、こういったもの、ある意味、国策に沿った比較的大型な衛星のニーズが高まってきたという中で、どういう体制でやるのがいいかと。そういった議論の中から宇宙開発事業団が創設された、四十四年に創設されたというふうに聞いておるわけでございます。
 一緒にできなかったのかなというのは、私も、そういうふうに先生に言われますと、できないことはなかったかもしれませんが、当時の現状判断としては、目的も全く違っている、またタイプも違っている、そういうものでありますから、むしろ別々にやって、そしてしっかりとその目的に沿った開発をやった方がいいんだろうということで来たわけでございますが。
 これは午前中の議論にちょっとあったんですが、平成十年、十一年に相次いでHUの八号機とそれから宇宙研のミューXの四号機、これが事故を起こしまして、宇宙開発というものをもう一度見直さなきゃいけない、こういった機運の中で、同時にそれぞれの機関が持っている技術というものが、やはり組織でございますのでだんだん拡大をしておりまして、一部やっぱり似たような部分もあるねと、こういう議論を総合的に経た結果として、最終的に今回の統合に至った。
 そして、やっぱり主に大学がベースとなってやってきたこの共同利用機関、基礎研究、科学研究を中心とするものから実用研究に至るまでを一貫して責任のある体制の中で新しい法人を作ってやった方が日本の宇宙開発に資するだろうと、こういうことで今回こういう独立行政法人を一体化するということを判断したというふうに考えておるところでございます。
#102
○草川昭三君 先ほど大臣の答弁にもございましたように、いよいよ来週十四日ですか、HUAの四号機というものに挑戦をするわけでございますが、我が国のロケットと、特にアメリカ、アリアン等のヨーロッパの主要ロケットについて、これまでの打ち上げの実績、あるいはコスト、打ち上げ能力、信頼性はどういう状況になっているのか、お尋ねをしたいと思います。
#103
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 草川先生の方から海外の主要ロケットはどんなふうな状況にあるかという御質問がございました。欧米のロケットは、我が国よりも圧倒的に打ち上げ数が多いのが実情でございまして、技術やノウハウの蓄積によりまして一般的には成功率が高いわけでございます。
 他方、我が国のロケットに関しましては、先ほど副大臣の方からお話しございましたHUのロケットの失敗があったわけでございますけれども、振り返ってみますと、NT、NUの時代からHT、HUと来まして、現在のHUAまで、全体を通算をしてみますと、海外のロケットと比較しても遜色のない成功確率であるというふうに御報告できると思います。
 それから、コスト面でございますけれども、これも現在のHUAでは、国際競争力を高めるためにコスト低減に向けていろんな工夫をやっておりまして、ロケットの機体やエンジンの構造の簡素化、あるいは部品点数や溶接箇所の削減と、こういうことを行うことによりまして、現在では海外の主要ロケットとほぼ同等の打ち上げコストを実現をしたところでございます。
 また、打ち上げ能力という観点から考えましても、来週打ち上げる予定でございますHUAの四号機、標準型と我々言っておりますけれども、低軌道でございますと十トンの衛星、静止トランスファー軌道の場合は四・六トンの衛星の打ち上げ能力がございまして、これも海外の主力ロケットとほぼ同等の能力を有しておると、そういうふうに考えております。
#104
○草川昭三君 今、海外のロケットの例が御報告されたわけでございますが、問題は、日本の例えばNHKの放送衛星あるいはNTTの通信衛星、あるいはまた日本の商社等が宇宙開発の窓口というんですか共同所有をするような例もあると思うんですが、日本の使用する衛星であり、それが海外のロケットで打ち上げられている例を御紹介願いたいと思います。
#105
○政府参考人(白川哲久君) 海外のロケットによって日本の衛星がどのくらい打ち上げられておるかという御質問でございますけれども、日本の衛星のうち海外のロケットで打ち上げられました衛星は、これまで累計二十三基でございます。そのうち九基は米国のロケットで打ち上げられておりまして、十四基は欧州のロケットで打ち上げられておると、こういう状況でございます。
#106
○草川昭三君 これから日本も宇宙時代に入るわけですから、せっかく日本で利用する星があるならば、それは日本で打ち上げるというのが基本的なことだと思うんですが。
 コスト面と信頼性、二つあると思うんですね。今の大臣の答弁なり副大臣の答弁では、信頼性については十分ヨーロッパと競争ができますよ、欧米とも競争ができますよということであり、コストの点についてもというお話でございましたが、国産のロケットというのは、当初私どものお聞きしたところではかなり、百七十億とか二百億近かった。これが先ほどの御答弁で、十二月の十四日のところに打ち上げる機種では八十億か九十億ですか、ちょっと正確に私は分かりませんが、それぐらいに価格というのが下がってきた。それで十分競争ができるというような話でございますが、将来もうすべて日本で使う衛星は全部日本で打ち上げるということを目標とするならば、どういう問題点を克服すればいいのか、お伺いしたいと思います。
#107
○政府参考人(白川哲久君) 草川先生御指摘のとおり、商業衛星の打ち上げの受注獲得ということを考えますと、低コストであるということとともに非常に高い信頼性が要求されるわけでございます。
 そこで、現在の主力ロケットでございますHUAロケットの開発に当たりましては、まず国際競争力を高めるためにコストの低減に向けまして、先ほど御説明いたしましたような工夫をたくさん行いました結果、これも先生今おっしゃいましたが、HUのロケットの場合ですと百九十億くらい一機当たり掛かったものが、現在のHUAでは八十五億とか九十五億とか、その辺の数字で打ち上げることができるようなところまで参っておるわけでございます。
 それからまた、今後のことを考えますと、このHUAロケットの国際競争力を更に高めるという観点から、やはり日本の非常にアクティブな民間の活力、それが必要になる局面になっておるというふうに考えておりまして、民間の効率的かつ迅速な経営手法によるコストの低減化、あるいは製造責任の一元化による品質の向上、この辺を図るべく、実はこのHUAロケットの標準型につきましては、民間移管を行うということにしたところでございます。既に宇宙開発事業団では、移管の候補先といたしまして三菱重工業を選定をいたしまして、年内にも民間移管に関する契約を締結すべく現在作業を進めております。
 他方、国も役割がもちろんあるわけでございまして、このHUAロケットの自律性の確保に資する基盤的な技術の維持向上、あるいは打ち上げのための射場の維持運用、こういう点につきましては、民間の活動に対する支援として国が引き続き果たしていく役割があるというふうに認識をしております。
 こういった官民の努力を通じまして、HUAロケットの国際競争力の向上を図っていきたいというふうに考えております。
#108
○草川昭三君 午前中にも議論になったと思いますけれども、いわゆる八号機の打ち上げの失敗で、たしか会計検査院の方からも十一年のときにいろいろと指摘があったと思うんです。その内容はもう私ども今は申し上げるつもりはありませんが、その指摘に対してどのようなフォローアップというんですか対応を立てられたのか、そこに絞ってお答えを願いたいと思います。
#109
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、HUロケットの失敗の後に会計検査院の方から平成十一年度の決算検査報告の中で何点か指摘を受けたところでございます。かいつまんで御報告いたしますと、当面はやはりHUAロケットの開発への重点化を図るべきではないかとか、宇宙開発事業団の内部だけではなくて外部の知見を積極的に導入して基盤技術の向上に努めるべきであるとか、また一つの製作会社が責任を持った体制へ移行することも検討してはどうかとか、こういった何点かの御指摘を受けたところでございます。
 実はこれらの御指摘は、宇宙開発委員会の方からも同様の御指摘を受けておったところでございまして、これらに対応するために、HUAロケットの開発基盤技術の研究開発に重点化してそこへ勢力を注ぐということ、あるいは関係企業と民間合同チームを設置をいたしまして、関係企業間における技術情報の相互の開示等によりまして企業間の技術の調整とか情報の共有が迅速確実に行えるように工夫するとか、それから、実はこれは三機関の統合につながる動きになったわけでございますが、宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所、宇宙科学研究所の合同による運営本部を設置するとか、そういった対策を講じてきたところでございます。
#110
○草川昭三君 それで、ちょっとここは丁寧にお答え願いたい質問をしたいんですが、ミューXロケットの打ち上げの失敗の原因は、ただいま答弁があったように、製造工程だとかテスト工程あるいは品質管理工程に問題があったというようなことが若干会計検査院からも指摘をされておるわけですね。また、今の答弁も、今後の方向としては行いたいというお話がありました。
 それで、最近、東京電力の原子力発電所での事故でございますが、配管の亀裂が問題になっているわけです。当然配管の亀裂ということになると大変なことですが、日本は非常に優れた能力がある非破壊検査というのがあるわけです。パイプを切断をして傷を見付けるというのではなくて、そのままの配管を非破壊、破壊をしなくて検査をするという技術に、非常に得意な分野であると言われておったにもかかわらず、原子力発電所でもそういう事故があり、あるいはロケットの製造過程にもそのような点が散見をされている。こういうことについて、問題が起きる前に十分な対応ができたのではないだろうか。この非破壊検査の在り方、これをどう今後したらいいのだろうか。これは品質管理の体制の在り方についてもお伺いをしたいと思うんです。
#111
○政府参考人(白川哲久君) 先生御指摘のとおり、ミューXの四号機の打ち上げ失敗の際にも会計検査院の方から御指摘がございました。宇宙開発委員会の技術評価部会で原因の調査検討を行ったわけでございますが、先生御案内のとおり、このときの原因はミューXのロケットの第一段のモーターのノズル部の素材に欠陥あるいは表面亀裂がございまして、これが原因であったわけでございます。
 そこで、再発防止対策として、ノズル部の素材の耐性の強いものへ変更するということと、もう一点は、今、先生から正に御指摘ございましたロケットの構造部品の非破壊検査の向上ということでございました。この非破壊検査に関しましては、残念ながら宇宙科学研究所における非破壊検査における取組及びその検出能力が十分でなかったわけでございます。
 そこで、先ほどもちょっと御答弁申し上げました宇宙三機関の運営本部の方で非破壊検査の専門家の協力を得ながら検査手法に係る研究開発を行っておりまして、次回打ち上げ予定のミューXの五号機のノズル部に関しましては新たに開発いたしましたエックス線を使いました非破壊検査手法を使いまして、これまでもきちんとした検査を実施したところでございます。
 それから、二点目の信頼性確保の体制についても御質問ございましたけれども、宇宙科研では、平成十二年度からミューXロケット全般に係る信頼性に関して専任的に責任を負う信頼性管理主任者、これは工学系の教授の方が就任をされておりますが、これを置きまして常設的な信頼性管理機構による管理を行いますと同時に、外部の専門家も含む信頼性確認会議、これを開きまして、定期的な評価機能を強化いたしまして信頼性の確保に万全を期しているところでございます。
#112
○草川昭三君 我々は、一般生活では信頼性確保ということについてはなかなかなじまない言葉ですが、要するに一〇〇%完璧でなければいけないと、こういうことだと思うんですよね。いわゆるゼロディフェクトというんですか、そういうことで取り組んでいただかなきゃいかぬわけでございますが、HUあるいはミューXと失敗が続いた原因の中で、先ほども答弁の中に一つ素材の問題がございました。何か宇宙開発について根本的な、構造的な問題というものがあるんじゃないだろうかということを私は聞きたいわけです。
 特に、日本の素材ということになりましたら、製鉄技術は世界でトップですね。あるいは、特殊鋼についても世界でトップですよね、これはもう言うまでもありませんけれども。それからまた、非鉄金属等についてもトップだと思っていたわけですけれども、素材についてなおかつ問題があるとするならば、これは加工技術が今度は非常に優れていても素材に問題があるとするならば、いわゆる原点に戻らなければいけないと、こういうことにもなってくるわけですが、宇宙開発についての根本的な、構造的な、構造的に何か問題があるのかないのか、これをお伺いしたいと思います。
#113
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 なかなか難しい御質問でございますが、HUの打ち上げが失敗をいたしました際に宇宙開発委員会の方で改革方策についての報告書が出されておるわけでございますが、その中での御指摘は、我が国の宇宙開発全体を俯瞰をいたしますと、先生も先ほどお触れになりましたが、欧米に比べて小規模な予算、人員で、開発自身は効率的に行われてきておるけれども、経験や知識の厚みが少なくて基盤技術への取組が弱かったのではないか、あるいは宇宙開発は様々な技術を必要とし、多くの組織、人員がかかわる大規模な事業であるけれども、取りまとめに当たる宇宙開発事業団自身のプロジェクトの管理技術、その辺に課題があったんではないかというふうな御指摘があったところでございます。
 したがいまして、こういう御指摘に基づきまして、その後、宇宙開発事業団の方では、例えば必要な基礎的技術データの取得や限界試験等による設計余裕の確認の充実といった経験の蓄積、技術基盤の強化、先ほど先生が御指摘になりました素材の件なんかもこの辺に入っておるというふうに考えておりますけれども、さらには、全体として十分なシステム、取りまとめ能力を持つメーカー一社が全体を責任を持って取り組むと、メーカーの責任体制を明確にするということでございますが、そういった取組を進めておりますし、ミューXの関連では、宇宙科研における対策といたしまして、設計担当者や加工組立て担当者の間での問題認識の共有が不足しておったんではないかとか、あるいは宇宙開発実施機関と製造メーカー等との連携、それが必ずしも十分でなかったんじゃないかというふうな指摘もございまして、先ほどお答えいたしましたような信頼性管理主任者の設置等の信頼性向上の対策を講じてきておるところでございます。
#114
○草川昭三君 是非、今回の法案の成立によって、過去の反省を十分つかんでいただいて、問題点が解決をされ、宇宙大国として日本の明るい展望を築いていただきたいと思うわけであります。
 そこで、今度ちょっと場所的な話で今後の見解をお伺いしたいわけですが、種子島と内之浦に現在二つのそれぞれの打ち上げ施設があるわけですが、これはもう統合したらどうだろうかという感じがします。私は片一方しか見ていませんので何とも言えませんけれども、何か制約条件というのがあるんじゃないか。例えば、現地では漁業補償の関係とか、年間何か月より打ち上げは駄目ですよというような話があったやに私、過去聞いたことがあるんですが、もしそのような問題点があればどのように場所的な制約を克服されるのか、お伺いしたいと思います。
#115
○政府参考人(白川哲久君) 今、草川先生の方から種子島と内之浦の射場の件について御質問があったわけでございますが、まず種子島の方の施設でございますが、これは宇宙開発事業団が打ち上げ用に利用しておるわけでございますけれども、大変大型の液体燃料ロケットでございますHUAを打ち上げております。他方、内之浦の方は宇宙科学研究所の打ち上げ施設でございまして、これは中・小型の固体燃料ロケットでございますミューXを打ち上げておりまして、この二つのロケットはやはり大きさや燃料等がかなり異なりますので、打ち上げ施設自身も異なった構造になっておりますから、現状においては共用するということは大変難しいわけでございます。
 したがって、現状では、我々は、仮に二つの打ち上げ施設を統合するということになりますと新たな発射施設の整備が必要になりますので、現時点では既に整備をされております両施設を有効に活用するということが一番合理的かなというふうに考えております。
 他方、統合の機をとらえまして、打ち上げ施設以外の打ち上げ時の仕事、すなわち打ち上げ管制とか追跡管制とか、その辺は一元化が可能でございますので、この辺は一元化いたしまして効率的な運用体制に再編をするというふうに考えております。
#116
○草川昭三君 時間が来ましたので最後の一問だけ。
 これは午前中もちょっと名前が出たんですが、金額的には大したことないんですが、もう非常に私は大変不愉快な感じで見てきた経緯があります。これは何かといいますと、理化学研究所なんです。平成十年ですが、この理化学研究所に大型の超精密加工装置というものを購入しまして設置をするわけですけれども、設置をしようと思ったんですが場所が悪かったと、据付けが完了をしていないにもかかわらずお金を払った、代金を支払ったという、こういうことがございました。
 金額は大したことないんですけれども、これはいろいろと当時指摘をされたと思いますし、検査院の方からもあったと思うんですが、こういう信じられないようなことが現場ではどうして起きたのだろうか、これはもうこの研究所自体の大変私は汚名だと思っているんですが、その点についてどのようにお考えか、お答えを願いたいと思います。
#117
○政府参考人(石川明君) ただいま草川先生からお話がございましたように、平成十年に確かにそのような事案がございまして、会計検査院から、十一年になりますけれども、指摘を受けているところでございます。当時は文部科学省でなくて科学技術庁でございますけれども、科学技術庁といたしましては、この検査院の指摘を受けまして、理化学研究所に対しまして、当該指摘に基づいて、平成十年度に完了していなかった事業分として、輸送費それから据付けの費用に当たる委託費の約九百万円でございますけれども、これを国に返納するように指示をいたしますとともに、再発防止の徹底等を図るように指導したわけでございます。これによりまして理化学研究所は、当該費用の国への返納それから関係責任者の処分を行いますとともに、再発防止を図る観点から、会計規程の全面的な改定でありますとか、あるいは経理処理体制の強化、こういった改善措置を講じております。
 ただいま先生からもお話がありましたとおり、私どもとしても大変情けない事態だとその当時考えておりますし、二度とこういったようなことが起こりませんように、委託費等の適正な執行のために今後とも必要な指導を十分行ってまいりたい、こんなふうに考えております。
#118
○草川昭三君 終わります。
#119
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
 私は、まず独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案、これについてお聞きしたいと思います。
 今朝ほど来お話がありますけれども、この法案といいますのは、特殊法人である宇宙開発事業団、昨年独立行政法人になったばかりの航空宇宙技術研究所、そして大学共同利用機関である宇宙科学研究所、こういう性格の違った三つの機関が統合する独立法人、これを定める法律です。
 そこで、まず大臣に基本的なお話を聞きたいのですが、宇宙の開発というものについては、平和利用と並んで、自主、民主、公開、こういう原則があると思います。宇宙開発に当たってはこの原則の下に進めていくということは大変重要なことだと思いますが、大臣の御認識はいかがでしょうか。
#120
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘の平和、自主、民主の原則につきましては、昭和四十四年の宇宙開発事業団法の審議過程で、参議院の科学技術振興対策特別委員会におきまして附帯決議が行われたということは承知をいたしております。これまでも宇宙三機関におきましてこれらを踏まえて宇宙開発が進められてきたところでございまして、このような考え方につきましては新機構においても尊重されるべきものと考えております。
#121
○林紀子君 今、大臣のお答えにもありましたけれども、これは科学技術を進めていく上の原則だと思います。参議院の科学技術振興対策特別委員会、一九六九年ですが、ここの宇宙開発事業団の附帯決議でも、このことは、「平和の目的に限り、かつ、自主、民主、公開、国際協力の原則の下」という言葉がありますし、また原子力の問題でも、この基本法には、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」と第二条にある。こういうことですね。ですから、科学技術に関しましては、あらゆる成果を公開する、社会発展に役立たせる、こういうことが原則だというふうに思うわけです。
 ところが、今回のこの新機構法案では、新たに秘密保持義務、これが十六条に設けられまして、職員に秘密保持義務というのを課すことになっている。どうしてわざわざこの規定を、今までのこういう特別委員会の附帯決議であるとか、また法律であるとか、こういうものに反して規定を設けるということになったのでしょうか。
#122
○政府参考人(白川哲久君) 林先生の方から御審議いただいております新機構法案に秘密保持の規定を置いた理由についてお尋ねがございました。
 まず、現状について御説明をする必要があるわけでございますが、現在、宇宙開発事業団の役職員につきましては法令上の秘密保持義務は課されていないわけでございますけれども、残りの二つの研究所、法人につきましては、まず一般職の公務員である宇宙科学研究所の職員、それから公務員型の独立行政法人でございます航空宇宙技術研究所の職員につきましては、現行でも国家公務員法によりまして守秘義務が掛かっておりますし、また特別職の公務員でございます航空宇宙技術研究所の役員につきましては、これは独立行政法人通則法によりまして守秘義務が法定をされておるところでございます。したがいまして、私どもは、この両研究所の業務を継承する機構の役職員に対しましても国家公務員並みの秘密保持義務を課すことは必要であろうという判断をしたわけでございます。
 具体的に何点か申し上げますと、宇宙科学研究所では、大学の共同利用機関としての機能を継承いたしますので、外部の研究者の知的創造物に関する情報でございますとか、あるいは大学院生の研究、指導を行います、そういった個人情報の保護、さらに、国際宇宙ステーション計画などに伴います国際協力の円滑化の観点からも必要でございますし、また、産業界との連携促進の観点、こういう観点から考えまして、秘密保持義務を法定することが必要であるというふうに判断した次第でございます。
#123
○林紀子君 今回、この三機構が非公務員型になるわけですよね。ですから、ここで働く方たちは全部非公務員ということになるわけですけれども、それでは、この職務上知ることのできる秘密というのは、もうちょっと具体的に言いますとどういうことですか。
#124
○政府参考人(白川哲久君) 先ほどの御説明とダブるわけでございますが、先生の御質問は、秘密というのは具体的にどういうことが考えられるかということであろうかというふうに思います。
 先ほども申し上げましたように、宇宙科学研究所の関連で申し上げますと、大学等の外部の研究者の知的創造物に関する情報とか学生の個人情報、それから外国機関の技術情報、新機構が業務を行う上で連携協力の相手方になります企業の営業秘密あるいは国の安全等に関する情報、そういうものについては秘密情報として扱われるべきものというふうに考えております。
#125
○林紀子君 そうしますと、最初に大臣は自主、民主、公開というのは原則だというふうにおっしゃいましたけれども、この公開の原則というのとバッティングする、抵触する、そういうことはないんですか。そういうことになってしまうんじゃないですか。
#126
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、現状におきまして、宇宙科学研究所の職員、航空宇宙技術研究所の役職員は国家公務員法並みの守秘義務が掛かっておるわけでございます。しかし、国家公務員法並みの守秘義務が掛かっておるからといいまして、公開との関係で問題が生じておるというふうに我々は認識をしておりません。
 先ほど御報告いたしました新機構において秘密の情報として扱うべきようなもの、これは別途独立行政法人につきましては御案内のとおり情報公開法が定められたわけでございますが、この情報公開法の中でも不開示の情報が示されておりまして、先ほど申し上げましたような情報につきましては、情報公開法においてもこの不開示情報の範囲に含まれるというふうに考えられるものでございますから、今回機構に対しまして守秘義務を法定をするわけでございますけれども、むしろ情報公開法で不開示とすることが認められている情報についてより的確な管理を行うということになるわけでございまして、公開の原則に反するというふうには理解しておりません。
#127
○林紀子君 今いろいろ御説明をいただきましたけれども、こうした条項をわざわざ設けなければいけなくなったというその背景というのは、情報収集衛星の事業、先ほど来お話がありましたけれども、ここにかかわってくるんじゃないかというふうに思うわけですね。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、文部科学省が昨年の九月に行政改革推進事務局に提出した報告ではこういうふうに書いてあるわけですね。宇宙開発事業団が行う事業には、情報収集衛星のように、国の安全保障を取り扱う必要があるとの観点から守秘義務などの規程を設けることが必要不可欠だと、こういうふうに文部科学省自身がおっしゃっているわけですね。だから守秘義務を設けることになった、設けざるを得なかった、こういうことなんじゃないですか。
#128
○副大臣(渡海紀三朗君) 先ほど来、政府参考人がお答えをしておりますように、そのことのみで実は守秘義務を掛けているというわけではございません。
 先ほどから申し上げておりますように、国際的な問題もございますし、大学の研究という問題もございますし、また産業界、これは企業もある意味企業秘密というものを持っておるわけでございます。公開の原則ということでございますから、その原則には外れない、そういう範囲の下でやはり守るべきものを保護していくという趣旨でございますから、安全保障のみを理由にして守秘義務を掛けているということではないと考えております。
#129
○林紀子君 今回、この特殊法人を改革して三機関統合する。私はこの宇宙三機関統合準備会議というところが出されている「宇宙三機関統合後の新機関の在り方について」という報告を拝見いたしました。
 そこには、基本的な理念ということで大変立派なことがうたわれているんですね。「宇宙を最大限に活用することを目指し、これを通じて人類の繁栄と文明の発展に世界の国々とともに貢献する。」、こういうことが書いてあるわけですけれども、本当にこの理念を生かすならば、宇宙開発の平和利用の原則にまず立ち返る必要がある、そして情報収集衛星などはやっぱりやめるべきだ、そして自主、民主、公開の原則を貫くべきだと思いますが、再度、どうですか。
#130
○国務大臣(遠山敦子君) 情報収集衛星の趣旨といいますものは、外交防衛等の安全保障、それから大規模災害等への対応など危機管理のために必要な情報収集を主な目的とした衛星でございます。その利用の一つとして、防衛庁もその衛星を利用することとしていると承知いたしております。
 情報収集衛星の開発及び打ち上げと、宇宙開発事業団法第一条、それから本法案第四条に規定します平和の目的との関係につきましては、この衛星導入時の国会での議論におきまして、情報収集衛星の導入は国会決議の「平和の目的に限り」の趣旨に反するものではないとされておりまして、特段の問題があるとは理解しておりません。
#131
○林紀子君 平和利用の目的に限るというものに反しないと言うんですけれども、どうして反しないのかということは今の御説明からは分かりません。そして、これが防衛庁が使うということになりましたら、先ほどイージス艦の話もありましたけれども、やはり今は情報というのが軍事にとってどうしても欠かせないことである。そういうことを考えましたら、今のお話だけでこれが平和利用の目的というところにバッティングしないということはどうしても分からないわけですけれども、時間の関係もありますから、これは、この先もうちょっと論議を進めていきたいと思いますが、今日はここにとどめて、次の話をお聞きしたいと思います。
 この新機構には、大学共同利用機関である宇宙科学研究所も統合されてしまうわけですね。
 国立大学大学共同利用機関というのは、国立大学法人として独立行政法人通則法と違う特例を設けるんだと。これはもうこの委員会でも何度も工藤局長からもお話がありました。この国立大学法人自体も私たちは初めから反対ですし今も反対なわけなんですけれども、この新機構では国立大学大学共同利用機関、失礼しました、大学共同利用機関ですね、それが通則法をそのまま適用する独立行政法人になってしまうということじゃないでしょうか。
 ですから、研究所がこれまで養ってきた研究者の自由な発想を生かして宇宙科学研究を推進する体制、新機構の中ではどのような組織編成になるのでしょうか。
#132
○大臣政務官(大野松茂君) 大学の共同利用機関である宇宙科学研究所、御指摘のとおりでございます。
 研究者の自主性また自律性を尊重する体制の下で宇宙科学研究が進められてまいりましたし、我が国の宇宙科学の中心として、世界最高クラスの研究水準を達成してきていると思っております。新機関につきましては、宇宙科学研究所を引き継いで、大学の研究者等との共同また連携協力によりまして宇宙科学研究を実施して、我が国における宇宙科学研究の中核的存在たるべきことが期待されております。
 このような中で、新機関の在り方等を検討いたしました宇宙三機関統合準備会議の本年三月の最終報告の中におきまして、研究者の自主性また意思を十分尊重し、研究に対する強い意欲を大切にすること、そして常に外部の研究者が人事や研究計画の選考に参画すること、これらの提言がされております。
 我が省といたしましても、現在の研究水準を維持発展させるためには、この提言の趣旨を踏まえつつ、研究者の自由な発想を生かした研究を行い得る組織運営がされることが必要であると、こう考えております。法案におきましても、第二十条に、主務大臣による中期目標の策定等の際には学術研究の持つ特性に配慮しなければならない旨規定をしております。
 宇宙科学研究が適切に推進される体制が構築されるよう、今後とも努めてまいりたいと思います。
#133
○林紀子君 今二十条のお話もありましたけれども、しかし通則法の大網というのはかぶせられるわけですよね。ですから、通則法が決めている三年から五年の中期目標とか中期計画、そういうもので本当に宇宙科学という壮大なスケールの研究の評価というのができるのかどうか、非常にこれは疑問だと思います。結局、基礎研究の分野がどんどん後回しにされてしまうのではないかという心配は本当に常に付きまとってしまうわけですね。
 これは内閣府にお聞きしたいと思いますけれども、実態はどうかということで、総合科学技術会議の平成十五年度科学技術関係概算要求の優先順位付け、これで科学衛星はどういう評価をされておりますか。
#134
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。
 平成十五年度の予算編成が非常に間近に迫っておるわけでございますが、総合科学技術会議の活動の一環といたしまして、担当大臣と有識者議員の方々が、研究開発資源の適正化と申しましょうか重点化と申しますか、そういう観点から、今年九月から、関係府省が要求いたしました概算要求のうち主要なものにつきまして、いわゆるS、A、B、C、いわゆる優先順位付けを行いました。それで、十月十八日に担当大臣及び有識者議員名で公表をいたしているものでございます。
 それで、御指摘の科学衛星でございますが、対象となりましたものが第二十一号科学衛星ASTRO―F、それから二十三号科学衛星ASTRO―EU及び月周回衛星SELENEが優先順位付けの対象となりまして、これらの優先付けにつきましてはBというランクになってございます。
 なお、優先順位付けBという意味でございますが、問題点を解決し、効果的、効率的に実施していただきたいという趣旨でございまして、科学衛星につきましても非常に多額な経費が衛星自体掛かるものでございますので、できるだけ経費を圧縮していただきまして、工夫しながら是非やっていただきたいという趣旨でございます。
 それから、この優先付けの結果及びその趣旨につきましては、担当大臣及び有識者議員が直接文部科学大臣のところにもお伺いいたしまして御説明をいたしておる次第でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
#135
○林紀子君 今御説明ありましたS、A、B、CとあるうちのBになったということですよね。
 これにつきましては、前宇宙科学研究所長の西田さんという方が、Bランクになったということは一体どういうことなんだ、日本のエックス線天文学は長年にわたって世界をリードする実績を上げ、数年前に開催されたヨーロッパの宇宙科学の将来計画策定会議では、常に日本のエックス線天文衛星「あすか」の成果を下敷きに議論が進められたんだ、本当に世界的にこういうすばらしい研究なんだということも書いていらっしゃって、そしてこの評価は疑問だと、重点四分野以外の分野にも目配りしてバランスを取ることが重要じゃないかと、こういう批判の文書を書かれましたので、それはもうよく御存じだと思いますけれども、この批判に一体どうお答えになるんですか。
#136
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど草川委員の御質問にもお答えしましたとおり、日本の宇宙科学研究というのは内容面においてトップクラスのものを含んでいる、世界のトップクラスに達しているものを含んでいると私は考えております。
 科学衛星計画につきましても、評価を担当した総合科学技術会議の有識者議員によりましてある評価を得たわけでございますが、これは再ヒアリングも行っていただきまして、その結果、当省の説明に対して前向きの見解をいただきました。
 今回の総合科学技術会議の評価方法につきましては常に改善の努力がなされるべきであると考えておりまして、私もその点につきましては同会議の席上でも申し上げたところでございますが、西田前所長の見解も有識者議員の方々の努力への期待の表れだというふうに評価をいたしております。
 そういうことで、特に科学、学術の研究の中でのプライオリティーなりその評価というものは、私どもの科学技術・学術審議会において審議をして、しっかりとその内容については評価をし、またサポートをしていきたいというふうに考えております。
#137
○林紀子君 やはり三つの機関が統合されて、一番基礎的な研究のところがどんどん縮められていってしまうんではないか、そういうことがあっては絶対にならないという思いですし、情報収集衛星の事業はそのままにして、そして伸ばしていかなければいけないこの基礎的な宇宙科学の部分が縮小されていってしまう、そういうことが絶対にあってはならないということを私たちも今後見守っていきたいし、こういうようなことがありましたら、特殊法人改革などというその掛け声というのは絶対掛け声倒れであり、特殊法人改革とも言えない、改革とも言えないというふうに思うわけです。
 その次にお伺いしたいのは、三機関統合準備会議、先ほども引きましたこの報告では、新機関は、民間では実施困難なリスクの多い研究開発、技術実証などを推進し、その成果の速やかな民間移転を進めることにより産業競争力を強化することというふうに書かれておりますし、総合技術会議でも、民間でできることは民間でとの方針の下、政府主導の下で確立した技術については、速やかにかつ積極的に移転し、利用されることを基本とするというふうに書いてあるのを読みました。
 そして、技術移転の第一号として、HUAロケットが三菱重工に技術移転をすることになっていると思いますけれども、それでは、どういうルールでこの民間移転が行われるのか、費用はどういうふうになるのか、特許などもどういうふうになるのか、そういうルールはどうなっているかというのを御説明いただきたいと思います。
#138
○政府参考人(白川哲久君) お答え申し上げます。
 林委員御指摘のように、宇宙三機関統合準備会議でそういう方向性が議論されたわけでございますが、そういうふうな方針に基づきまして、HUAロケットの標準型につきまして民間移管を行うこととしたわけでございます。
 このため、宇宙開発事業団は、移管対象企業の募集、公募を行いました。それで、選定基準、幾つかございますが、例えば、製造責任の一元化がきちんと果たせるか、あるいは国際的な競争への対応という観点から大丈夫かとか、幾つかの選定条件への適合性につきまして審査を行いました結果、先月の二十日でございますが、移管候補先として三菱重工を選定したところでございます。現在、宇宙開発事業団と三菱重工の間で交渉が行われておりまして、年内にも民間移管に関する契約が締結される予定というふうに承知をしております。
 この契約が締結をされますと、今後、先生御指摘ございましたが、例えば工業所有権の実施許諾あるいは技術資料の提供等によって具体的な移管が行われることになりまして、その移管に伴う対価につきましては、移管先の企業がロケットを打ち上げた際に一定の対価を徴収するという方向になるものと考えております。
#139
○林紀子君 HUロケットは約二千七百億円開発に掛かったということですし、HUAロケットは一千三百億円、合わせて四千億円もの開発費が掛かっているということも伺いました。
 ロケットの開発は、これまでの国民の税金投入されたことによってここまで来た、国民の財産だということが言えると思うんですね。ですから、その成果を民間にできることは民間にということで安易に移転をしていくということでは、やはり国民の納得は得られないというふうに思うわけです。本当に国民の理解が得られるように、それだけ掛かった経費は一体民間に行くときどうなるのかということも、今後の移転ということも含めましてきちんと透明性を高めていく必要があると思いますので、そのことにつきましては、今後も情報公開、もちろん透明性を高めるようにということもここで是非強調しておきたいと思います。
 次に、独立行政法人日本芸術文化振興会法案についてお聞きをしたいと思います。
 昨年十二月の特殊法人等整理合理化計画では、「芸術文化活動に対する助成事業」というところで、国からの補助金を受けて実施する助成については、当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了する、また基金については、助成については原則として追加的な国費投入を行わない、こういうことが書かれているわけですから、関係者の皆さんは大変今不安に思っているわけですね。
 そこで、これも芸術文化活動に対する助成事業について大臣の基本認識をお伺いしたいと思いますけれども、これは十一月の七日に、まだ答申案という段階ですけれども、文化審議会から「文化芸術の振興に関する基本的な方針について」というものが出されましたね。ここで、国の役割、これは、個人や団体の活動として限りがあるところに必要な手だてを差し伸べること、また文化芸術の頂点の伸長と、それから文化芸術のすそ野の拡大、これを基本とすることが必要だということが書かれております。
 大臣の御認識もこういうところにありますでしょうか。
#140
○副大臣(河村建夫君) 私からお答えさせていただきますが、林委員御指摘の社会の基盤としての文化芸術の振興を図っていくということは非常に大事なことでございます。
 昨年、文化芸術振興基本法が成立したわけでございまして、この精神、今、委員御指摘をいただきましたが、そのことを踏まえながら国民に夢と希望を与える文化芸術の振興を図っていこう、そして、その頂点を極めるとともに、やっぱり国民一人一人が生活の中で文化に楽しめるというそのすそ野の拡大ということ、これも正に文化芸術振興基本法の大きな精神の中にあるわけでございます。
 このために、これを踏まえながら、文部科学省といたしましては、文化芸術創造プラン、新世紀アーツプランと言っておりますが、これを立てまして文化芸術の振興を図っておるところでございます。
 特に、我が国の芸術水準を高める上での直接的な牽引力となることが期待をされるような芸術団体の公演事業に対して重点的に支援を行うと同時に、将来、文化芸術のトップを担うべき、正に次の時代を担っていく新進の若手芸術家の海外留学とかあるいは国内研修、発表機会、そういうものをきちっと確保していく、こういうことも併せて支援をやっておるわけでございまして、また、あわせて、先ほど御指摘の文化のすそ野を更に拡大するという意味からまいりますと、芸術文化振興基金がございます。これによって幅広い創造活動の支援をする、あるいは文化のまちづくり事業、あるいは国民文化祭の開催、こういうものも併せて支援をし、地域文化の振興へも力を入れておるところでございます。
 今後とも、文化芸術振興基本法の趣旨を踏まえながら、この考え方、先ほど御指摘の考え方を踏まえながら、各種支援策の充実をこれからも大いに図っていきたい、このように考えております。
#141
○林紀子君 そういう御認識があるという上で御質問をしたいと思いますけれども、私たちは党の国会議員団として先ごろ新国立劇場の演劇芸術監督と懇談をする機会を持ちました。
 そこでは、芸術監督は、日本は元々の文化予算が少ない、パリには五つの国立劇場がある、しかし日本には一つだけですと。また、スウェーデンへ行くと、国立俳優養成所が五つあって、その生徒たちを五年間マンツーマンで教えている。日本はどうですかと聞かれたので日本には演劇大学さえないんですと言うと、じゃ、だれが一体舞台に出ているのかと逆に質問をされてしまった。日本には種も光も水もあるけれども畑がない、演劇大学というような、こういう畑がないんだ、この点が日本の後れているところですと、こういう話を伺ってきたんですね。
 諸外国では、国立や公的の演劇養成機関、演劇大学など、どれくらいあるものなんでしょうか。
#142
○政府参考人(銭谷眞美君) 諸外国の状況でございますけれども、国公立の演劇関係の学部、学科の設置状況というものにつきましては、海外の大学等の設置形態が日本の大学の制度とは必ずしも同一に論じられないために一言で申し上げるのは大変難しいかなと思っております。
 ただ、今お話にもございましたが、例えば海外の公的な演劇の高等教育機関で代表的なものを申し上げれば、国立という形態ではフランスの国立高等演劇学校、州立という形態ではドイツのベルリン芸術大学、オーストリアのウィーン音楽演劇大学などに演劇関係の学部、学科が設置されているということは承知をいたしております。また、アメリカでは、国立大学はないわけでございますが、州立大学に演劇関係の学部、学科がかなり設置をされているということは承知をいたしております。
#143
○林紀子君 各先進国といいますか、そういう国には国立、公立、こういう大学がある、演劇大学や演劇を養成する機関があるというお話ですけれども、こういう諸外国の例にも倣って、日本でも演劇の養成所設置や研修事業を行う予算を組むこと、また国立大学に演劇学科を設置する、こういうことを検討するべきではないかなと、本当に畑を作らなくちゃいけないなと私も思ってきたわけですが、いかがでしょうか。
#144
○政府参考人(銭谷眞美君) 我が国における演劇分野の人材の養成につきましては、大学の学部や専修学校、各種学校等の学校教育において行われるとともに、多くの劇団が附属の養成施設といったようなものを設けて実施をしているという実態にございます。
 大学について申し上げれば、私立大学でございますが、日本大学の演劇学科、多摩美術大学の映像演劇学科など、幾つかの大学で行われております。それから、国立大学においては東京芸術大学音楽学部に、映像・身体表現に先端的なテクノロジーを結び付け、音楽芸術の新たな可能性を追求し、二十一世紀をリードする芸術家養成を目指した音楽環境創造科を今年四月に設置をしたところでございます。大学においてどのような分野の教育研究組織を設けるかは、第一義的にはやはり各大学において主体的に検討されるべきことと考えます。
 なお、国立劇場あるいは新国立劇場においては歌舞伎等の伝統芸能の後継者養成、あるいはオペラの歌手やバレリーナなどの研修を実施しているわけでございますが、今後、演劇の研修をこの新国立劇場においてどのようにしていくのか、これは私ども課題であると思っております。
#145
○林紀子君 新国立劇場ではそのお話も聞いてきたわけですが、やはりそこの舞台監督である方が、国立大学の演劇科というのがやはり日本でも必要じゃないかということをおっしゃっているわけですし、また、学習院大学のフランス文学科の佐伯隆幸先生という方が書かれた論文も見ましたけれども、フランスの例を参考にして日本でも演劇大学というのを作らなくちゃいけないんじゃないかと、そういう動きも始まっているということですので、是非今後の課題としてお考えいただきたいと思います。
 それから、これはトップクラスのところの話ですけれども、すそ野の話ということでは、民間でも公的資金、公的支援というのを大変必要としております。
 これまた私たちは六つの民間劇場を運営している世田谷の本多劇場の本多一夫社長とお話をしてまいりました。ここの劇場のある下北沢では、この劇場ができたために芸術家がいろいろ集まる、若者の間では下北沢という場所は全国で住んでみたい町の一位か二位になっているというふうに聞いたわけですね。ですから、町づくりにも大いに貢献をしているということなんだと思います。
 本多社長は、民間劇場の運営ということでは日本では黒字の劇場はありません、公的支援をもらうには舞台監督がいることなど条件が非常に厳しい、しかし若い人を育てたいという意欲は大変大きいものがありました、そのためにも、けいこ場が欲しい、五十坪ぐらいのものがどうしても必要だというふうにおっしゃっておりました。
 文化庁は、こうした民間劇場の実態というのをどのようにつかまれておりますでしょうか。
#146
○政府参考人(銭谷眞美君) 我が国における文化芸術活動は、公立の文化施設、それから今お話のありました民間劇場、ホールなどを拠点として全国各地で行われているところでございます。したがって、その存在は大変文化芸術にとって重要なものと認識をいたしております。
 それで、私ども、これらの実態についてでございますが、公立文化施設については全国公立文化施設協会の行う調査統計資料、それから民間劇場、ホールにつきましては経済産業省の行っております特定サービス産業実態調査や全国ホール協会の資料等を通じて把握に努めております。
 現状を申し上げますと、公立文化施設は約二千百館ございます。それから、会社や法人、団体などが所有する民間の劇場、ホールが約六百館ございます。この民間の劇場のうち、会社や個人所有の劇場、ホールは百三十五館程度でございます。
 近年の推移を見ますと、公立文化施設や会社以外の法人や団体が所有する劇場、ホールはわずかながら増加を続けております。一方、会社所有や個人所有の劇場、ホールはやや減少傾向にあるというふうに認識をいたしております。
#147
○林紀子君 調査ということでは、私も、今、銭谷次官がお挙げになりましたこの通産省の報告と統計を見たんですけれども、数だけではそれこそこういう統計でいいと思うんですけれども、じゃ、具体的に、そこがどんな状態で、どんなことが困っていて、どんなところを伸ばすべきかというのが文化庁の調査の役目なんだと思うんですね。
 ですから、本多劇場で私たちが聞いてまいりました、けいこ場を作る、維持することを援助する、また公的支援の条件を緩和する。それにですから資するように、民間劇場のそうした中身に関するような、運営に関するような民間劇場の現状を調査する、これが非常に必要だと思いますし、こういうことが先ほども町づくりに役立っているというお話しましたけれども、地方や民間にとって文化振興になるということは間違いないと思います。
 ですから、是非、援助、調査、検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#148
○政府参考人(銭谷眞美君) 文化庁といたしましては、公立文化施設あるいは民間の劇場が我が国の文化芸術活動に果たしている役割にかんがみまして、本年度から民間劇場を含む劇場や文化会館の行う自主企画・制作公演などへの支援を実施をいたします芸術拠点形成事業というものを開始をしたところでございます。始まったばかりでございますが、来年度以降も是非この事業は継続をし、充実をしてやっていきたいと思っております。
 民間の劇場、ホールは、設置された経緯は様々でございますし、経営方針などもそれぞれ独自の考え方の下に運営に種々努力をしていると考えております。繰り返しになりますけれども、これらの劇場、ホールが我が国の文化芸術活動において果たしている意義にかんがみ、文化庁としても更に実態の把握に努めてまいりたいと、かように考えております。
#149
○林紀子君 最後に、新国立劇場の芸術監督は、独立行政法人になれば、目標を立て、評価されることに対して、だれが評価をするのか、評価する人間の選択が問題になるというふうにもお話しになっていらっしゃいました。国が目標を立て評価する、それが芸術文化の内容にまで踏み込むということになる。こういうことになりますと、表現の自由にかかわる重大な問題だと思います。芸術文化に対してはこうしたことはやるべきではないということを指摘いたしまして、質問を終わります。
#150
○委員長(大野つや子君) 他に御発言もないようですから、八案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより八案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#151
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、放送大学学園法案等特殊法人改革関連八法案すべてに反対の討論を行います。
 すべてに反対する最大の理由は、国民生活に必要不可欠な教育、芸術文化、スポーツ、学術及び科学技術の分野での後退をもたらすものだからです。
 以下、具体的に反対の理由を申し上げます。
 日本スポーツ振興センター法案は、国立競技場に全面的な民間委託を導入しスポーツ振興に対する国の責任を後退させる一方で、センターをギャンブルであるサッカーくじの運営を中心とした機関に変質させるものです。
 日本私立学校振興・共済事業団法案は、現在、経常費の一割程度の私学助成を底上げすることが求められているにもかかわらず、助成の内容を国からの直接交付に切り替え、政策目標の設定と事後評価など独立行政法人システムの導入によって、私学助成の変質と削減を推し進めるものです。
 日本芸術文化振興会法案は、芸術文化振興基金などへの国の支援は抑制する一方で、本来自主的で創造的であるべき芸術文化活動に対する権力の介入につながるもので容認できません。
 宇宙航空研究開発機構法案は、宇宙開発の平和利用の国会決議にも反する情報収集衛星の事業はそのままに、独立行政法人化で合理化、効率化を追求し、結果として基礎研究である宇宙科学研究の後退につながるものです。
 理化学研究所法案は、中期目標、中期計画とその評価の導入により科学研究の自由な発展を阻害するものです。
 放送大学学園法案は国民負担の増大につながるなどの問題があり、日本学術振興会法案、科学技術振興機構法案も基礎研究の発展を損なうことになり認めることはできません。
 国民から求められている特殊法人改革は、サッカーくじなど青少年に悪影響を及ぼす事業はきっぱり中止し、官僚の天下りを規制し、国民にとって必要な事業は伸ばすことです。
 日本共産党は、国民生活に役立つ特殊法人改革に全力を尽くすことを表明して、反対討論を終わります。
#152
○委員長(大野つや子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより八案の採決に入ります。
 まず、放送大学学園法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#153
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、日本私立学校振興・共済事業団法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人日本スポーツ振興センター法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人日本芸術文化振興会法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#156
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人科学技術振興機構法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#157
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人日本学術振興会法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#158
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人理化学研究所法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#159
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤泰介君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤泰介君。
#161
○佐藤泰介君 私は、ただいま可決されました放送大学学園法案等八法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送大学学園法案等八法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、右各法律の施行に当たっては、各法人の業務が、教育、文化芸術、スポーツ、学術及び科学技術の分野であることにかんがみ、その特性に十分配慮するとともに、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、独立行政法人への移行等に当たっては、自律的、効率的に運営を行うという独立行政法人制度の趣旨が十分発揮されるよう、その運用に万全を期すること。
 二、独立行政法人への移行等の後においても、民間に委ねられるものは民間に委ねるなど、事務・事業や組織の見直しを行い、経営の一層の合理化、効率化と経費の削減に努めること。
 三、独立行政法人及び日本私立学校振興・共済事業団の長の選任においては、当該分野に識見を有する適切な人材を広く内外から起用するよう十分配慮すること。その他の役員の選任についても同様とすること。
 四、独立行政法人及び日本私立学校振興・共済事業団の役員の報酬及び退職手当については、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえ、法人の業務及び役員の実績を的確かつ厳格に反映させること。また、文部科学大臣は、独立行政法人の役職員の報酬及び退職手当の水準を、国家公務員及び他の独立行政法人の役職員と比較できる形で分かりやすく公表し、国民の理解を得るよう努めること。
 五、独立行政法人及び日本私立学校振興・共済事業団が所期の成果を挙げるためには、的確で厳正な業績評価が重要である。このため、明確かつ具体的な中期目標や評価基準を設定することとし、また、公正で客観性のある厳格な評価を確保するよう、評価者の人事及び評価の方法には細心の配慮を払うこと。
 六、独立行政法人等への移行に当たっては、これまで維持されてきた当該特殊法人等の職員との雇用の安定を含む良好な労働関係に配慮すること。
 七、放送大学学園が特別な学校法人に移行した後は、私立学校法の趣旨にのっとり、自主的、自律的な学校運営の確保に十分配慮すること。
 八、学術及び科学技術に係る法人においては、研究分野の特性等を踏まえ、その研究評価体制・手法について、継続的に見直し、改善を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#162
○委員長(大野つや子君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(大野つや子君) 多数と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、遠山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。遠山文部科学大臣。
#164
○国務大臣(遠山敦子君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
 どうもありがとうございました。
#165
○委員長(大野つや子君) なお、八案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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