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2002/11/26 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 財政金融委員会 第7号
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2002/11/26 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 財政金融委員会 第7号

#1
第155回国会 財政金融委員会 第7号
平成十四年十一月二十六日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     段本 幸男君     清水 達雄君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     後藤 博子君
     櫻井  充君     海野  徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
    委 員
                後藤 博子君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                西田 吉宏君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                海野  徹君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                円 より子君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
   国務大臣
       財務大臣     塩川正十郎君
       国務大臣
       (金融担当大臣) 竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       衞藤 英達君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       総務省自治財政
       局長       林  省吾君
       財務省主計局次
       長        勝 栄二郎君
       財務省関税局長  田村 義雄君
       財務省理財局長  寺澤 辰麿君
       厚生労働省職業
       安定局次長    三沢  孝君
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
   参考人
       国民生活金融公
       庫総裁      尾崎  護君
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本銀行理事   三谷 隆博君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○電子情報処理組織による税関手続の特例等に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、段本幸男君が委員を辞任され、その補欠として清水達雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官衞藤英達君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治財政局長林省吾君、財務省主計局次長勝栄二郎君、財務省関税局長田村義雄君、財務省理財局長寺澤辰麿君、厚生労働省職業安定局次長三沢孝君及び農林水産省総合食料局長西藤久三君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案の審査のため、本日の委員会に参考人として国民生活金融公庫総裁尾崎護君、日本銀行総裁速水優君及び日本銀行理事三谷隆博君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(柳田稔君) 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今日は二つの独立行政法人化の法案について九十分時間をいただいておりますので、まずこの独立行政法人に関する内容について議論をさせていただきました後に、時間が余りましたら少し財政運営の話などについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、万博協会の方からお伺いをしたいんですが、これは衆議院の特殊法人特別委員会でも既に我が党の永田議員やあるいは自由党の都築議員がいろいろお伺いをしておりますので、重複を避けて質問をさせていただきたいと思います。
 最初から結論を申し上げるのはどうかと思いますが、やはり私としては、この万博公園、私も大阪に住んでいたことありますのでよく存じ上げているんですけれども、あの協会を独立行政法人にするというのも確かに一案ではあるんですが、せっかくですから、大阪府に寄附されるのかあるいは売却するのか、いずれにしても、大阪府に管理していただくということも一つの案ではないかなと、個人的にはそう思っております。
 ただ、その話を財務省の事務局の方にお話をしましたところ、いやいや、国と大阪府はやはり別々に運営しているわけですからただで差し上げるわけにはいきません、両方とも財政は苦しいわけですので、大阪府から何がしか公園を提供するということに関して見返りがないとそう簡単にいきませんと、こういうお話だったんですね。これも分からないではないんですが、しかし国民から見ると、国と大阪府は別と言われても、みんな要は公的部門じゃないですか、同じでしょうという感じもいたしますので、今日はこの万博協会の独立行政法人化をめぐって、一体、国や地方自治体などの財務状況がどうなっているのかということについてちょっとまずお伺いをしたいと思います。
 そこで、財務省にお伺いをしたいんですが、国の財務状況はバランスシートで見るとどのようになっておられますでしょうか。
#9
○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。
 国の貸借対照表、BSにつきましては、平成十二年十月に平成十年度の版を発表して以来、今年で三回目の発表になっております。また、このBSは国の一般会計と三十八の特別会計を連結しておりまして、資産と負債の網羅的把握によって、また、発生主義とか時価会計等の企業会計の手法を導入することによって、国の財政事情の開示について国民に対する説明責任を果たしておると考えております。
 またさらに、今年のBS、国のBSにつきましては、十二年度版ですけれども、実は八十一の特殊法人等を含めた連結対照表を掲載いたしております。それで、十二年度版におきましては、一般会計と特別会計を連結した国全体の財政事情は、十二年度末の資産が約七百三十三兆円、負債が約九百二十一兆円となっております。
 また、国の貸借対照表は、国が対外的に有している資産及び負債を計上するものでありますので、地方公共団体に対する債権債務もこの中に含まれております。
 以上でございます。
#10
○大塚耕平君 今、地公体向けの債権債務も入っているというお話だったんですが、大臣、地公体向けの債権債務があるということは、例えば仮に大阪府から国が何らかの債務を負っているとした場合に、その大阪府から負っている債務と言わばチャラにする形で公園を差し上げるということは理屈の上では考えられるんですね。
 今、冒頭から勝さんから地公体向けの債権債務も入っているという御回答があるとは思わなかったので、少し通告してあります内容と変わるかもしれませんが、総務省にお伺いをしたいんですが、そうすると、大阪府は国に対して何らかの債権を負っておりますでしょうか。
#11
○政府参考人(林省吾君) 大阪府自身がバランスシートを作成しているという報告は受けておりますが、その中身について詳細を承知しておりませんので、正確なお答えをお許しいただきたいと思います。
#12
○大塚耕平君 そうしますと、今、大阪府については突然お伺いしましたので結構でございますが、地方自治体全体のバランスシートはどのようになっておりますでしょうか。
#13
○政府参考人(林省吾君) バランスシート自身は、私ども、地方公共団体が住民に対して説明責任を果たすためのものでありまして、ストックベースでの財政状況を把握するためのものと、こう理解をいたしております。そういう意味では、地方団体三千三百余あるわけでございまして、それぞれの団体がそのような努力をいたしております。
 地方団体の作成状況につきまして御報告を申し上げておきますと、都道府県の場合はすべての都道府県が作成済みでございます。また、市区町村にありましては、これは十三年八月末現在の調査でございますが、作成済み及び作成中の団体はまだ全体の約三七%、千二百十四団体にすぎない状況にございまして、ただ、まだ作成を検討中の団体が増加いたしておりまして、これを含めますと全体の約九割が作成済み又は作成を検討中ということになっているわけであります。したがいまして、国全体としてのバランスシートは、そういう状況でございますので、私ども今持ち合わせていないところでございます。
#14
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 全体で七割は作成済みないしは作成中というお話ですが、作成中というのは、いつできるか分からないわけですし、そういう意味では、作成済みが、事前に少し数字伺っておりますけれども、全体の一六・八%、作成中が二〇・六%、作成済みのものは二千八百八十三団体のうちの五十六団体にすぎないということなわけですが、大臣、副大臣、結局、今回は万博公園ということで大阪府と何らかの形でもし貸し借りがあればチャラにできないかということですが、こういう話は全国で起こり得るわけですよね。例えば、国が持っている財産をどこかの市町村に差し上げましょうと。そのときに、私のところに御説明に来てくださいました財務省の方がおっしゃるように、いやいや、国と市町村は独立採算ですから、例えばどこかの市にそこの市にある国有地を上げるのに、ちゃんと見返りをもらわないと上げられませんと言うと、その例えば国有地をある市町村に上げるという、まあ的確な表現が見当たりませんが、グロスの取引だけ見ると、その国有地を市町村に上げるために、市町村がまた国に対して支払をしなくちゃいけないと。そうすると、その地元では多分大騒ぎになりますね。その市町村に、今財政が苦しいのに、そんなに財源がない、こういうことになるわけですが。
 したがって、私は今回のこの万博協会の件でつくづく思いますのは、日本は、国も地方自治体も、それから先ほど国のバランスシートに特殊法人も入っているというお話でしたが、もうみんな財政状況が苦しいと言っているわけですから、ところが、相互に貸し借りがあるんですね、実は。これを全部ネットアウトして、言ってみれば企業の連結決算に当たるようなことをそろそろおやりになる必要があるのではないかと。そういう中で、そうすると万博協会も、仮に国と大阪府の間ではうまい組合せがなくても、債権債務の帳消しについてうまい組合せがなくても、もう一つどこか別のところを絡めて三角トレードみたいなことが成立することも論理的にはあり得るわけですよね。
 私はかねてこういう問題意識は国会に来る前から持っておりますので、実は、今年の通常国会の行政監視委員会で地方債について総務省に質問をしました。それはどういうことかというと、とうとう地方債も、ある自治体が出したらよその自治体がその地方債を持っているなんという財務状況に今なり始めて、一番そのとき指摘したひどかった例は、京都市が自分たちの発行した市債を資産として持っているという状況なわけですね。これでは一体地方自治体が幾ら全体として債務を負っているのか分からないので、地方債の保有状況を調査してください、保有者別構成を調査してくださいということを総務省に正式にお願いをしてありまして、総務省も調べますという御回答だったわけですが、その後どういう状況になっておりますでしょうか。
#15
○政府参考人(林省吾君) 地方債の保有状況につきまして御質問をいただき、調査すべきではないかという御指摘をいただいたのは事実でございます。
 私ども、確かに、地方債につきましてできるだけの現状を把握したいということで、これまでは引受別の形で決算統計等で調査をいたしておったわけでありますが、御指摘を踏まえまして、今後は保有状況につきましても調査をしてみる必要があるのではないかということで準備をいたしているところであります。
 特に、地方債の引受状況につきましては、特に民間からの借入れにつきましては、御指摘もいただいたわけでありますが、証書借入れに係るものと証券発行によるものがございまして、このうちの証券発行に係るものにつきましては、日銀等の方でも調査をされているものですから保有状況が把握できるわけでありますけれども、証書借入れによるものにつきましては、最終的な保有状況、私ども把握していなかったのは事実でございます。この点につきましては、御指摘を受けまして、今後私ども保有状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
 これは、実は決算統計と合わせてやることによりましてより正確な数値が把握できるものですから、私ども、十三年度の決算統計は現在集計中でございますが、御指摘の点につきましてはこの中に含んで調査をいたしていなかったものですから、追加調査をするという方向で、ただ、地方団体の御理解をいただきながら調査を進めてまいらなければならないものでございますから、正確な数値を把握するための方法等につきまして今意見交換を行っているところでございますが、十三年度の決算統計が年明けには、集計の後、公表できる予定になっておりますので、それまでには、この保有状況につきましても、追加調査をした結果と合わせて御報告ができるようにしたいと考えております。
 なお、せっかく御指摘をいただいたものですから、今後とも継続的にやはり調査をする必要があるとも考えておりまして、明年度以降の決算統計におきましてもそのような調査をすべく、地方団体の御協力をいただけるよう現在協議をいたしているところでございます。
#16
○大塚耕平君 これはたしか六月ぐらいの行政監視委員会で申し上げていた件ですから、そうすると、十三年度の決算が出てきたところで調査をするということであって、現時点では、六月から今日に至るまで特に具体的な調査はしていないと、こういう理解でよろしいですか。
#17
○政府参考人(林省吾君) 正確にお答えを申し上げますと、平成十三年度の決算統計は、既に従前の様式によりまして報告をいただき現在集計中でございまして、年明けに公表できるような作業をやっているわけであります。その中に御指摘の保有状況についての調査が含まれていなかったということで御指摘をいただいたわけでありますので、それまでに、決算統計の数値と符合するような形で、正確に把握できるような形で、その部分につきましては追加調査をすべく、ではどういう方法でやったら決算統計と合って、地方団体の御協力がいただけるか、それを相談しながら今準備をいたしておりますが、いずれにしても、全体的な決算統計の数値が公表できるようになるまでには、その部分も含めて調査結果をまとめたいと、こう考えているところです。
#18
○大塚耕平君 それでは、再度総務省にはっきり明言していただきたいんですが、十三年度の決算が公表されるときに合わせて、例えば地方自治体同士が持ち合っている、言ってみれば株式の持ち合いのように地方債を持ち合っていたり、最もまずいケースは、自分たちが発行した債券を資産として持っているようなケース、こういうことについて何らかの公表を、調査結果を公表するとお約束いただけるということでよろしいですね。
#19
○政府参考人(林省吾君) 地方公共団体自身の地方債の保有状況につきましても現在把握できていないところでございますが、この点につきましても、先ほど申し上げましたような調査に合わせて、結果を取りまとめの上、御報告をできるようにしてまいりたいとこう考えております。
#20
○大塚耕平君 明確にお約束をいただいたものと理解して、先に進ませていただきます。
 どうしてこういうことを聞いているかといいますと、塩川大臣、覚えていらっしゃるかどうか分かりませんが、行政監視委員会のときに、地方債は財源保証を国がしているんですかという話をお伺いしましたら、片山大臣はそれはそうですとおっしゃって、塩川大臣は、いやいや地方債の償還財源はあくまで地方債の自助努力で、国が必ずしも保証しているわけではないと、こういうやり取りがあったわけですね。まだ決着していませんけれども。おまけに、地方債も、BIS規制が新しくなると、これはリスクウエートがゼロでなくなりますから、地方債の発行環境がどんどん厳しくなると。したがって、地方債が一体だれによって保有されているのかをそろそろきちっと国として把握しないとまずいですよと、こういうやり取りの結果、今の話があったわけです。
 少し脱線しましたけれども、地方債も含めてやはりそろそろ国と各地方自治体が、それぞれバランスシートがどうなっていて、お互いに債権債務を負っていて、それを全部ネットアウトすると、日本の公的部門として一体幾らの資産と幾らの負債がネットで、グロスじゃなくてネットであるのかということを把握していくという作業の過程で、恐らく今回の万博公園のような、資産をどういうふうに処理したらいいかという妙案が出てくるはずではないかと。
 そういう努力をしないと、どんどんどんどん国と地方公共団体のバランスシートが見掛け上膨らんでいってしまって、例えば、公的部門はそんなに大きくないんだというふうに霞が関の皆さんが主張する場合にでも根拠がないわけですよね。実はネットアウトしてみたら、確かに日本の公的部門は小さいかもしれない、ところがグロスのバランスシートだけ見ると大変な規模になっていますのでよく分からないということでございますので、このバランスシートについては地方公共団体もこれからきちっとフォローアップをしていただきたいと思います。
 この万博協会に絡んで最後に、先ほど財務省の方から特殊法人もこの国のバランスシートに入っているというお答えだったわけですが、特殊法人とか公益法人とか、これもバランスシートをきちっとすべて把握して統合する必要があると思うんですけれども、これは、私は例えば特殊法人は総務省の行政管理局のお仕事ではないかと思っているんですが、総務省では把握していらっしゃいますでしょうか。
#21
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
 各特殊法人は、その設置法等に基づきまして毎事業年度、財務諸表を主務大臣に提出して承認を受けることになっております。したがいまして、そういう財務諸表、バランスシートは一応各特殊法人にあるわけでございます。また、こうした特殊法人の財務諸表の作成基準も財政制度等審議会の公企業会計小委員会が設定されておりまして、各特殊法人において統一の取れた取扱いが担保されているというふうに承知いたしております。
 私ども行政管理局の方では、行政改革の一環としましてこういう財務諸表のディスクロージャーを徹底していくということで各般の改革措置を取ってまいったところでございますが、今先生お尋ねの全体としてのバランスシート、そういうものにつきましては、特殊法人も非常に様々でございまして、民営化途上の特殊会社等々もございます。したがいまして、全体としてのバランスシートというものは私どもで作っているということでございません。
 ただ、先ほど財務省の方から御答弁がございましたように、国の貸借対照表の試案として、平成十二年度版におきまして、国単体のバランスシートだけでなくて、国が説明責任を負うべき特殊法人等ということで、そういうものも含めた連結貸借対照表を掲載されておるということで、国、特殊法人を通じました財務状況がそういう形で明らかにされているというふうに承知いたしております。
#22
○大塚耕平君 要は、一言で言うと、トータルは総務省は把握していないということですが、そうすると、特殊法人、公益法人の全体のバランスシートは財務省が把握しているという理解でよろしいでしょうか。
#23
○政府参考人(勝栄二郎君) 特殊法人につきましては、各設置法に基づきまして財務諸表を作成、公表しておりますが、それに加えまして、昨年度より、特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針というものを、先ほどありましたように、財政制度審議会の公企業会計小委員会で議論していただきまして、それに基づきまして、今は民間企業と同様の会計処理により、各特殊法人は財務諸表を作成、併せて公表しております。
 それに基づきまして、先ほど申し上げましたように、十二年度の国の貸借対照表におきましては、国と一体として特殊法人等八十一につきまして連結対照表を作りまして、それで、その結果ですけれども、国及び特殊法人等間の債権債務をすべて相殺しまして、資産は約七十五兆円増加、負債は約八十五兆円増加ということになっております。
#24
○大塚耕平君 負債と資産、それぞれむしろ増加するわけですか、全部相殺すると。なおのこと財政が危機的状況だということが言えるんではないかと思いますが、大臣、妙案はないわけですが、財務省が特殊法人等の会計基準は決めておやりになっているわけですが、いわゆる公会計をどうしていくかということに加えて、その公会計で作った貸借対照表を、公的部門として全体を把握するという作業をこれから是非政府においてはやっていただきたいと思っていますので、今、例えば地方自治体も作業中だということは分かりますので、総務省と財務省で今後の重要な課題として取り組んでいただきたいということをお願いしておきます。
 併せて、そのように公的部門全体の資産、負債の状況、貸借対照表がどうなっているか分からないという状況の中においては、万博公園を、これを独立行政法人化して独立採算で運営するということが適当かどうかということは、情報不足でとても判断しかねるというふうにも思いますので、衆議院でいろいろ議論になりました点も含めて、残念ながら現時点ではこれの独立行政法人化についてはちょっと賛成いたしかねるということを申し上げまして、次にNACCSの方に移らせていただきますので、万博関係の方はもしあれでしたらもうお引き取りいただいて結構でございます。
 次に、通関の絡みのセンター運営をしておられますNACCSですが、このNACCSを独立行政法人化するということなんですが、その前にちょっと幾つか、それを判断するに当たってお伺いしたいことがあるんですが。
 NACCSは、海上関係と空の関係で、海上NACCSと航空NACCSと分かれているというふうに伺っておりますけれども、海上NACCSについては今年の四月から利用料を大幅に下げまして、主要な業務については従来の半分程度になっているという話を聞いたんですけれども、そこのところの事実関係を御開示いただけますでしょうか。
#25
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、本年の四月からでございますが、海上システムの利用料金を大幅に引き下げておりまして、具体的に少し申し上げますと、基本料金、毎月払うものでございますが、これを月当たり一万円から五千円ということにしておりまして、またパッケージソフト利用料金も月当たり五千円から三千円、それから中心となります従量料金でございますが、主要なものを申し上げますと、輸入申告の関連業務、これが百二十円を六十円、輸出申告は百円を五十円、入港届関連は二十円から十円ということでございまして、五〇%、半額を引き下げております。
#26
○大塚耕平君 五〇%下げることができたということは、今まで高過ぎたということじゃないですか。
#27
○政府参考人(田村義雄君) 今回、四月から行っておりますこの価格改定は、基本的には、これまでの民間あるいは官民、国も利用料金払っておりますから、これらの利用状況及び、特にセンター自身の効率化に向けての努力等を勘案しまして、更に今後利用量が増えるであろうというような想定見込みも勘案しまして見込んだものでございますが、五〇%を引き下げることになりましたので、今年度もそうですが、ここ二年ほどは少し収支については赤字を見込んでおりますが、中期的に見れば回復できると、そのように見込んでおります。
#28
○大塚耕平君 今回、独立行政法人化して独立採算でということでこの法律が上がってきているんですけれども、いきなり自分たちの営業活動の利用手数料を半額にするというのは民間企業ではちょっと考えられないことのような気もするんですが、もう一度聞きますけれども、今までが高過ぎて、これが日本の通関コスト増につながって、日本の対外競争力の相対的低下につながっていたという認識はございませんですか。
#29
○政府参考人(田村義雄君) 国際物流の改革ということがいろいろなところで言われておりますし、現に大きな動きがございます。そういう中で、通関業務及び通関に関連した言わば民間業務双方を、それを効率的に一体として扱っているNACCSについてはこれまでもいろいろ努力をしてきておると承知しておりますけれども、やはり全体的にNACCSの料金が高いというのがここずっと議論としてあったことは事実でございます。
 そういう批判を一方に受けながら、またNACCS自身の努力、あるいは民間が想定しておりましたよりもかなりの利用量が増えてきておりますので、今もNACCSの利用量全体で九割まで来ておりますので、そういう利用量の増加に伴いまして今回の五〇%引下げが可能になったということでございますが、五〇%という数字、もちろん利用の中身によりまして少しそれは凸凹ございますが、総じて五〇%引き下げたということで少し収益の方にはマイナスになりますが、これを四月から実施し、国際物流の改革等においてもそれを資していこうということでございます。
#30
○大塚耕平君 直観的には、何の根拠もないですよ、私も。しかし、五〇%急に下げられたということは、これは今までは営利でやっていたわけじゃないですから、通関コストをどのくらいにすることが日本の貿易にとって通関業務が競争力を阻害することになるのかならないのかということについて、十分な精査が行われていなかったのではないかと推測します、私は。
 そこで、副大臣にお願いをしたいんですが、五〇%下げられたということは、その五〇%下げた後も、これが合理的な利用料かどうか私は全く信頼ができませんので、航空NACCSの方も含めて、副大臣自ら通関手数料については、どういう根拠で設定されていて諸外国と比べてどうなのかということを今後チェックしていただきたいと思いますが、お約束をしていただけますでしょうか。
#31
○副大臣(小林興起君) 大塚委員の御指摘ごもっともでございますので、その方向できちっとしたいと思います。
#32
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 次に、実はNACCSに関しては、今回の小泉首相の構造改革特区構想に絡んで、私の地元の愛知県とかあるいは茨城県からも幾つか特区絡みで要望が出てきているんですね。一つは利用料をただにしてくれというような話ですので、これはちょっと難しいかなというのはよく分かります。
 少し、システムの話なので御関心のない方は分かりにくいかもしれませんけれども、今まで専用端末でやっていたものを普通のパソコン上で使えるように既になっておりますので、これをさらにいろんなサービスと合体してシングルウインドー化をしたいということで、これを早くやってくれということを茨城県や愛知県から、これは特区構想に絡んで言われていると。また、特区構想に絡んでいなくても恐らく各地からそういう話が出ていると思うんですが、このシングルウインドー化はいつできるんでしょうか。
#33
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 御質問の輸出入及び港湾関連手続全体のシングルウインドー化でございますが、もちろん構造改革特区の推進と並行いたしまして、構造改革特区ということに限定するのでなく、むしろ全国においてこのシングルウインドーを実施すると、そういうふうに規制改革事項の一つとして今進めているところでございます。
 このシングルウインドー化につきましては、関係府省、特に国土交通省等と連携協力をしながら、来年度のできるだけ早い時期、夏ごろまでにと考えておりますが、それまでに実現をしたいと思っておりまして、この目標に向けまして今鋭意システム開発作業を進めているところでございます。
#34
○大塚耕平君 関税局長、シングルウインドー化ってどういうものか分かりますか。
#35
○政府参考人(田村義雄君) シングルウインドーのシステム自体は、基本的には今通関関連の手続についてはNACCSが中心になって行っておりますが、それだけではなくて、例えば入港届一つやるにしても通関手続だけではなくて港湾等の手続とも関連いたしますし、そういうものを一つの、一回の例えば入力によって、そういう各いろいろな地域にそれらが同時に発信できるように、そういうことにしてシングルウインドー化する。そのために、通関手続のみならず、港湾手続、そういったものを一体としてシングルにするというふうなシステムだと承知しております。
#36
○大塚耕平君 ありがとうございます。突然聞いたのに的確にお答えいただいて、ありがとうございます。
 夏ごろまでにとおっしゃっていますけれども、夏といっても六月、七月、八月と、人によっては九月も夏だと言いますけれども、いつこれは完成するんですか。
 というのは、私がこんなことをお伺いするのは、通関業者の皆さんは、このシングルウインドー化がいつ完成するかによって、彼ら自身の社内システムとか何かもいろいろ開発しているわけですよね。夏ごろと言われても困っちゃうんですけれども、もうこれが二年三年先の話なら、例えば三年後の夏ごろとかいうなら分かりますけれども、もう十一月ですよね、今。もう間もなく十二月です。来年の夏ごろというのは特定してください。完成は例えば七月一日からとか八月一日からとか、そういうことがアナウンスされないと、関係業者さんはみんな困っちゃうんですよね。
#37
○政府参考人(田村義雄君) 月を特定していただきたいということでございますけれども、私どものNACCSはともかくといたしまして、港湾EDIの方は今は特定重要港湾にはすべて進めておりますが、さらにそれを重要港湾にまで広げたいと思って考えておるところでございます。そうすると、平成十五年度一杯でもやっと七十港ぐらいまで入りますので、どこをもってということはありますが、ただいまいずれにいたしましてもNACCSと港湾EDI等の接続試験を今ずっとつなげております。やっておるところでございますので、これらの接続試験をできるだけ早く終えて、そして七月か八月かはっきり月は固定できませんけれども、そのシステムが供用開始ということを、ともかく夏にということで今国土交通省とやっておりますので、何月とまではちょっと恐縮でございますが申し上げられませんけれども、夏ということで明言をしておりますので、九月というのはもう秋だと思いますので、それより前にともかく供用開始できるようにしたいと思っております。
#38
○大塚耕平君 少なくとも八月末ということはこれではっきりしたわけですけれども、どんなに遅くてもですね。これ、どうしてこんなことをお伺いしているかというと、大臣、去年の臨時国会のときに、去年の補正予算の中にシステム関係の予算がいろいろ入っているけれども、訳も分からないで、システムだと、e―Japan計画だからってお金付けても、みんな分からずに発注して無駄になるだけですよというお話を申し上げたと思うんですが。
 例えば今のような話も、いろいろ接続テストをやっているからどうなるか分からないので、業界用語でカットオーバーと言いますけれども、カットオーバーがいつになるか分からないということはこれは民間企業のプロジェクトではあり得ないことですね。いわんや、もう半年先に迫っていること。そういうテスト期間も全部含めて、何月何日から一応スタートさせるつもりなので関係企業の皆さんよろしくお願いしますと、これが本来あるべき姿で、それができないのに独立採算の独立行政法人化なんて私は無理じゃないかなと思うんですけれども、これはこの際どうですか、もうどこかに民営化で、入札でNACCS全体を民営化しますということで入札に掛けたら結構入札に応じてきますよ。結構な国庫収入になると思いますけれども、副大臣どうですか、入札で民営化されませんか、これ。
#39
○副大臣(小林興起君) NACCSのやっております仕事が、やはり通関という国家がやるべき仕事と正に密着をしているところでございまして、これを民間にゆだねることができないのでこういう形になっているというのは御承知かと思いますし、NACCS自体は今のシングルウインドー化も自分のところはきちっとやっているわけですけれども、それと関連するところについて、例えば国土交通省の関連機関と一緒にやろうということでございますから、向こうとの整合性を保つためにこれが八月末までにはということを申し上げているわけでございまして、これはNACCSそのものについてはもうきちっと何の問題もなく見通しを立てて運営しているということを御理解いただきたいと思います。
#40
○大塚耕平君 今、この通関業務自体は重要な国の業務だというお話があったんですが、この通関業務、通関手続、これは諸外国ではどういうふうになっておられますか。分かる範囲で結構なんですけれども、教えていただけますか。
#41
○政府参考人(田村義雄君) 私どもの承知している範囲でございますが、アメリカ及びドイツ、イギリス等におきましては、これは国そのものが通関手続システムを運営しております。また、韓国とかシンガポールにおきましては、政府も出資しておる政府出資法人が運営しているということでございまして、国又は政府出資法人ということでございます。
#42
○大塚耕平君 一番コアになる、最後の通関のデータを集計したり、あるいはそれを精査する、審査するという部分が国の業務だということはよく分かりますが、恐らく、その周辺業務で民間企業に委託をしたり、あるいは民間企業にゆだねてもできるような部分というのはかなりあるのではないかというふうに思いますので、先ほどの利用料の話と同様に、副大臣には、このNACCSの業務について、本当にNACCSでなければできないのかということについて、きちっともう一度御自分の目と耳で御確認をいただきたいと思うんですが、これもお約束していただけますか。
#43
○副大臣(小林興起君) 貴重なお仕事を与えていただいて、感謝を申し上げながら、責務を果たしたいと思います。
#44
○大塚耕平君 ありがとうございます。
 確かに、急にこれ全部民間にといっても難しいということは分かりますので、万博協会に比べれば独立行政法人化して今の形態を維持するということはやむを得ないかなというふうにも思いますので、現時点では恐らく賛成をさせていただくと思いますが、衆議院で自民党の河野議員とか我が党の永田議員、社民党の植田議員が質疑された議事録も読ませていただきましたが、それぞれから御指摘のあった点について、真摯に受け止めて御対応をいただきたいということをお願い申し上げまして、NACCSについても一応終わらせていただきますので、関係の方はどうぞお引き取りいただいて結構でございます。
 それでは、この後、ちょっと財政運営について大臣、副大臣と議論をさせていただきたいと思うんですが、資料の方、もしよろしかったらお配りいただけますでしょうか。
 副大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども、今、日本は大変な財政赤字を抱えて、財政負担をなるべく減らしていくということもあって、例えばこういう独立行政法人化についても、国の負担をなるべく軽くするという意味もあるわけですよね。この国の財政負担、財政運営をこれからどうするかというのは本当に重要な懸案なんですが、副大臣は、これから長期金利はどうなっていくというふうに今予想をしておられますか。
#45
○副大臣(小林興起君) 政府関係者というか、財務省におる者として、これからの長期金利がどうなるかということについて答えることは差し控えたいと思っておりますけれども、一般論としては、この長期金利と、特に国債の長期金利のようなものにつきましては、やはり景気が良くなるという見通しがあれば上がってくるというのが常識だと思います。
#46
○大塚耕平君 そうすると、景気が回復すると長期金利は上がると。
#47
○副大臣(小林興起君) 回復するだろうという予想が……
#48
○大塚耕平君 あれば、長期金利は上がるということですね。回復すれば上がりますよね。
 じゃ、この後景気が更に悪くなってきたらどうなられますか。それは、副大臣がどう予想するかということに加えて、経済の原理原則からいくと、今の現下の日本の債務の状況も、公的債務の状況も踏まえて考えると、更に景気が悪くなってくると長期金利はどうなりますか。
#49
○副大臣(小林興起君) 今、懸命に補正予算まで組んで景気のてこ入れをしていくというところでございまして、これから悪くなるというような恐ろしい仮定の質問には答えられる立場にございません。
#50
○大塚耕平君 いや、日本が悪くなるかどうかというよりも、今の日本のように多額の公的債務を抱えた国が、例えば更に景気が悪くなる場合には論理的に長期金利はどうなるかと。
 じゃ、今度はこれ大臣にお答えいただきたいんですけれども、日本がじゃないですよ、日本のような国がもっと景気が悪くなった場合には長期金利はどうなると思われますか。
#51
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、表面金利はやっぱり安定して、上がることはないけれども、実質金利は上がっていくだろうと思っております。
#52
○大塚耕平君 表面金利は上がることがないというお話なんですけれども、日銀総裁においでいただいて早々恐縮ですけれども、ちょっと同じことを日銀総裁にもお伺いしたいんですが、大臣は、今、日本のような状態の国がもっと景気が悪くなったら、表面金利は上がることはないけれども、実質金利は上がるかもしれないと、こうおっしゃったわけですが、総裁は、これ一般論です、日本のケースじゃないです、一般論としてどのようにお考えになられますか。
#53
○参考人(速水優君) これ以上景気が更に悪くなるということになれば、なかなか金利は上げられないことになっていくんじゃないかと思います。
#54
○大塚耕平君 そうすると、まずそこの入口の部分で私はちょっと認識が違うんですけれども、今より景気が悪くなると、確かに、今も長期金利が安定しているのは、先行き日本はなかなか景気が良くならないという市場の予測を反映して低いという面もありますが、これ更に悪くなると、国債発行とか何かで景気対策をやらざるを得ないという連想になると、むしろ国債の需給がもっともっと崩れていって、長期金利は上がっていく、表面金利は上がっていくということもあり得るんではないかと思うんですが、これは塩川大臣、そういうふうにはお考えになられないですか。
#55
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、余り偉そうなこと、分かりませんけれども、私は表面金利は上がらないと思います。けれども、実質金利は、負担ですね、いわゆる金利負担というものは私は非常に強くなってくるんじゃないかと。つまり、実質金利は上がってくると思っております。
#56
○大塚耕平君 ということは、それは仮に塩川大臣のおっしゃるとおりだとすると、表面金利は上がらないと、しかし実質金利は上がるということになると、これデフレがもっと進むということを言っておられるわけですか、そういう理解でよろしいですか。
#57
○国務大臣(塩川正十郎君) 結局そういうことです。
#58
○大塚耕平君 そうすると、今お手元にお配りした、今日もちょっと一枚紙をお配りさせていただいたんですが、(2)と書いてある方ですね、この縦の方をごらんいただきたいんですけれども、スタートからちょっと議論が食い違ってしまったんですが、景気回復すると長期金利は上がっていくと、これはさっき小林副大臣がそのようにお答えになりました。景気が破綻すると、国債増発の連想から僕は表面金利は上がると思いますけれども、しかし今、大臣、副大臣とも、日銀総裁も同じようなお答えだったと思いますが、表面金利は上がらないと。しかし、大臣、今おっしゃったように、デフレ傾向で実質金利は上がるかもしれないと、こうおっしゃったわけですが、そうすると、いずれにしても実質金利は上がるわけですね。上がっていくわけです、実質金利は。実質金利が上がっていくと、これは国債の価格というのはどのようになりますでしょうか。これは副大臣にお答えいただきたいんですが。
#59
○副大臣(小林興起君) 国債価格は相対的に下がるということになると思います。
#60
○大塚耕平君 実質金利ですから、表面金利がどうなるかにもよりますが、しかし表面金利もある程度連動すると価格は下がるということだと思いますが、今、日本の国債を大量に保有している先は──済みません、大臣は御高齢なので立ったり座ったりすると大変申し訳ないので副大臣にしばらくお答えいただきますが、日本の国債を大量に保有している先はどういった先になりますでしょうか。
#61
○副大臣(小林興起君) もちろん、多いところは市中の金融機関だと思われます。
#62
○大塚耕平君 価格が下がっていくわけですから、市中金融機関の決算には相当な影響が出てくるわけであります。市中金融機関以外にはどういう先が持っていますでしょうか。
#63
○副大臣(小林興起君) 我が国の場合は日本銀行もかなりたくさん持っております、と思われます。
#64
○大塚耕平君 ここは日銀には通告していないので三谷理事でも結構ですが、国債価格が低下していったとき、日銀にはどのような影響が出ますでしょうか。
#65
○参考人(三谷隆博君) 日本銀行の持っている国債の表面的な値段が仮に下がれば、その分含み損は出ているということになります。
#66
○大塚耕平君 分かり切ったことを聞いているようで誠に恐縮なんですが、市中銀行も日銀も、これは長期金利が上がってくると大変な問題を抱えると。とりわけ市中銀行に至っては、今ただでさえいろんな問題を抱えていますので、大変苦しい状況になります。それから、国も国債の発行コストが上がってきますから大変苦しい状況になるわけですが、したがって、現下の財政運営あるいは経済政策運営で最も重要なことは、私の意見としては長期金利を上昇させないようにうまく運営していくことだというふうに思いますが、ここは塩川大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。
#67
○国務大臣(塩川正十郎君) もう一回ちょっと。
#68
○大塚耕平君 今の日本の政府の財政運営、経済政策運営の非常に重要なポイントは長期金利を上昇させないような工夫があるいは努力が必要だと私は思っておるんですが、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
#69
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、やっぱりそこで購買力平価を変えていく努力をするべきだと思います。つまり、そのときに円安にうんと進んでいけばその緩衝は十分にできるんではないかと思っておりまして、国際金融との関係、つまりレートとの関係が非常に微妙だと。そこで、輸出の関係等いろいろ、そこで一番大事なのが潜在的生産力といいましょうか、それがどのように発揮されていくかということが、そこが日本経済の将来の私一番のポイントだと思っておりまして。
#70
○大塚耕平君 大臣は今、為替を少し円安にしていくことが重要だということをおっしゃったわけですよね。そうすると、為替が上がっていけば輸入物価は上がりますから、金利には上昇圧力が掛かりますが、それは特に構わないという理解でよろしいですか。
#71
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、その分経済成長に影響してくると思いますね。経済成長が、名目的成長が上がるものですから、その分が金利に、実質負担は下がってくると、そう思います。
#72
○大塚耕平君 非常に合理的なお答えだと思います。おっしゃるように、円安になって外需の部分で日本の成長率が高くなれば、それに見合った分だけの長期金利の上昇であれば構わないと、こういうことだと思われます。
 しかし、そのようにうまくいくかどうかは分からないわけでして、円安に、私もどちらかというと円安論者なんですけれども、になればいいですけれども、しかし一方で、これもちょっと通告してなくて恐縮なんですが、日銀総裁はかねてどちらかというと円は強い方がいいというお考えのようにも新聞等で拝見しておりますが、今の点については速水総裁はどのようにお考えになりますでしょうか。
#73
○参考人(速水優君) 為替の動向については昨日も御質問に答えて若干申し上げましたけれども、これは、通貨を出す以上は、出した通貨がやはり世界じゅうに好んで持っていかれるように、そしてその通貨の価値が下がっていかないように、安心してみんな持っていくように私どもは発行元として、また物価の安定、通貨の安定を調節していくことが日本銀行の日銀法にも最初に書かれている私どもの義務でございますから、もうおっしゃるまでもなく当然のことだと思います。
#74
○大塚耕平君 私なりに解釈をすると、為替の円安、円高ということをお伺いしたところを通貨の価値という言葉で置き換えていらっしゃいますので、円安だからといって必ずしも通貨の価値が下がったとは言えない面もあるということなのかなというふうにも理解はしたいと思うんですけれども、為替をどういうふうに運営していくのがいいかということは取りあえずおいておきまして、先ほどの質問に戻らせていただきますけれども、このお配りさせていただきました絵にありますとおり、恐らく、これからやはり長期金利が塩川大臣がおっしゃるようにその経済成長のスピードと歩調を合わせて上がっていくんならいいんですけれども、そうではなくて長期金利の方がピッチを上げて上がっていくという状況になると、大変困ることが出てくると。この点については多分御同意をいただけると思うんですけれども、しかし、そういう中でまた今度補正予算も組まなきゃいけないですし、やがて今度当初予算もやってくるわけですが、今は八十兆の予算に対して税収は四十兆を切ろうとしているような中で、今後の財政ファイナンスの在り方について少し大臣のお考えをお伺いしたいんですが、裏側の横の方をちょっと見ていただきたいんですけれども、一枚紙の裏側の方でございます。
 これは私なりの理解でありますが、今、日本はずっと財政赤字を抱えているわけですけれども、財政赤字は、発生側の要因は、これは歳出が増え過ぎるか、歳入が減るか、このどっちかしかないわけですよね、発生側の要因としては。その結果発生した財政赤字をどうやってファイナンスするかということについては、右側にありますように、民間部門に国債を持っていただくか、先ほどの話で言うと民間銀行が国債を今一杯持っているわけですよね。あるいは増税等によって国民に負担していただくか、あるいは先ほど話に出ましたように中央銀行に持っていただくか、あるいは、先ほどNACCSのところで入札に掛けて売ったらどうですかと申し上げましたけれども、政府の資産を売却していくか、これだけしか選択肢はないわけであります。
 そういう中で、またこの縦の紙の方に戻っていただきたいんですが、大臣は今後の財政ファイナンスの在り方について、何を基本として、特に足りなくなったところをファイナンスしていくお考えでいらっしゃいましょうか。
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、経済学議論だから私ちょっと分かりませんけれども、日本の現在を考える場合、この四つがこうありますよ。この四つじゃない、もう一つ抜けています、大事なことが。これは歳出削減なんです。これが抜けていますよ。ここ、歳出が抜けておる。これを取り入れるとするならば、一ページのところへ返って、これは非リカード的効果をねらうと、それはもうそちらの方しかないですよ。
#76
○大塚耕平君 済みません、途中で発言して。一応私も理解していることを理解していただかないといけないんで。
 今おっしゃった点は、だから、この横の紙の財政赤字の発生要因の方を是正するということなんですね、歳出を削減するということは。そういうことですね。
 そうすると、今、先に非リカード的世界と言っていただいて大変有り難いんですが、ちょうど今ホットな話題として雇用保険料の引上げを見送るという話がされておりますけれども、これは人によっては一般財源で足りない分は充てろという方もいらっしゃいますけれども、これは大臣はどういうふうに雇用保険料引上げを先送りしたことに伴う対応をされるつもりでしょうか。
#77
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在のところ、雇用保険並びに中小企業の融資等について言われておりますことは、セーフティーネットの強化ということを言われております。セーフティーネットの強化はなぜ必要なのかと言えば、不良債権の整理が急速に、急激に加速されていくことから起こってくる現象であると。
 ところで、現在、それじゃ不良債権の整理は加速されておるのかというと、まだそこまで行っていない。これからされるであろう、しかしその規模についても分からない。私は、ただ債権の整理を破壊的整理だけをするんじゃなくして、企業再生に重点を置いた不良資産の整理を図るべきだということは私の長年の主張でありますし、今回もそうしてもらいたいと思っております。
 ですから、セーフティーネットと言うけれども、最初にセーフティーネットありき、その上で不良債権を整理するというんではなくして、不良債権の整理の経過を見た上でセーフティーネットをしけばいいんじゃないかと、こういうことを思っております。それでは間に合わないじゃないかという議論もあります。
 ところで、現在の時点で見ますと、セーフティーネットを今の現状において運用を適正にするならば、何とか当面のセーフティーネットは賄い得る状態にあります。雇用にいたしましても、中小企業のことにしても。しかし、これで十分とは私は思いませんから、その分の補充は今度の補正予算で若干をし、そして十五年度予算で本格的な整備を整えるということをやればいいと思っております。これはセーフティーネットに対する私の考えなんです。
 そういう状態の中において、今度はセーフティーネットの中の雇用の状態を見ますならば、雇用財源に若干のまだ余裕があるわけであります。ですから、この余裕を、やりくりをどうするかということについて考慮を払っていけば、当面の措置は私付くと思う。一方、それじゃ雇用保険の方はどうなのかといいましたら、保険料は再三にわたって引き上げてきております。ちょっと急激な引上げじゃないかと私は思っておるんです。
 そこで、今回セーフティーネットの要素が、これからの需要がどうなるか分からぬところへもってきて、それで、ただ雇用保険料の財政上の問題だけで単純に保険料を上げてこれを処理するということは、余り私は行政的な努力をしていないんじゃないかと思いますので、そのためにも一度、雇用保険の会計状況を精細に精査し、それから給付とそれから負担の関係をこの際しっかりと見直してもらいたい。特に給付関係においては若干考慮するべき点があるんじゃないかと私は思うておるんです。そして、その結果として、給付の面と、それでもなおできないというんならば、当面の間、財政的な措置も必要だろうと思っております。
 それで、財政措置をしても永久にそれがもつわけじゃございませんので、いずれは保険料の方も考慮しなきゃならぬと思いますけれども、現在、労災保険が引き下げてもいいという状況に財政状態はあります、労災関係の。そうすると、労災の保険料とそれから雇用保険とを合わせてセットで料金問題を考えてもいいんではないかと思っておりますので、ですから、今、当面この補正予算に際して雇用保険料を引き上げる必要ないじゃないかと。そこはちょっと辛抱してもらって、つらいだろうが辛抱してもらって、当面の間、給付と財政の関係をもって乗り切ってもらいたいと。
 いずれ十五年度になったら新しい事態が展開してくると思いますが、そのときには保険料の見直しは起こってくるであろう。けれども、先ほども言ってくどいようでございますが、労災と合わせたセットで考えてもらいたい、こういうことが私の言っていることです。
#78
○大塚耕平君 お考え方としては論理的だと思います。
 厚生労働省来ていただいていると思いますのでお伺いしたいんですが、私の理解では、今回引き上げないと、まず来年度は二千五百億ぐらい財源が足りなくなると思っていますし、それから今年度も、今年度というか二〇〇一年度から二〇〇二年度に掛けて千九百億ぐらい足りなくなるという理解なんですけれども、財政状況について数字をちょっと言っていただけますか。
#79
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。
 平成十四年度の予算で申し上げますと、平成十四年度の予算では差引き剰余でマイナス三千五百五十億円ということでございます。平成十五年度の概算要求、今しておるわけでございますけれども、その予算によりますと差引き剰余マイナス四千三百四十四億円ということでございます。
#80
○大塚耕平君 厚生労働省に引き続きお伺いしたいんですが、十四年度の三千億強の不足分は、これはどういうふうに措置をされるんでしょうか。
#81
○政府参考人(三沢孝君) 十四年度につきましては、本年の十月から雇用保険の料率千分の二、弾力条項を発動して引き上げております。千分の一が大体千五百億円程度でございます。十月からということで半年なものですから、大体千五百億か千三百億円ぐらいの収入になるということでございます。
 そのほか、本年度の補正予算で受給者増に見合う額の補正を要求するということにいたしております。
#82
○大塚耕平君 つまり、今年度の不足分は十月からの料率引上げと補正の中での若干のチューニングで何とかなるということでよろしいですね。再確認ですが、よろしいですね。
#83
○政府参考人(三沢孝君) そのように思っております。
#84
○大塚耕平君 その想定は、今後失業率がどういうふうになるという想定でそう言っておられますか。
#85
○政府参考人(三沢孝君) 私ども、失業率の状況を判断するに当たっては、雇用保険の受給者が保険財政に大きな影響を与えるものですから、その受給者の数がどう変化しているかというのが大きな影響だと思います。
 最近の受給者の状況を見てみますと、十三年度と比べてみますと、この二か月ほど受給者実人員が若干の減少をしていると、こういうこともございますので、このような見通しを立てているところでございます。
#86
○大塚耕平君 今十一月ですけれども、これから、だから十二月から来年の三月まで失業率は下がるということを言っておられるんですか。
#87
○政府参考人(三沢孝君) 失業率と雇用保険受給者実人員の関係、いろいろと議論されるんですけれども、雇用保険受給者実人員が増えたからといって直ちに失業率が増加するというわけでございません。と申しますのは、現在完全失業者三百六十五万人おります。雇用保険受給者実人員が大体百十二、三万人というところですから、その間が非常に大きいものですから、必ずしも失業率の動向云々ということを我々として申し上げているつもりでございません。
#88
○大塚耕平君 それはなるほどというお答えなんですが、つまり今後、来年の三月まで受給者は今よりもそんなに増えないという前提で三千億強の不足財源は何とかなると言っておられるわけですね。受給者は減るということを予想しておられるということですね。
#89
○政府参考人(三沢孝君) 減るというわけではなくて、若干増減なりはするかもしれませんけれども、我々の予想の中には入っているという理解でございます。
#90
○大塚耕平君 分かりました。一応誤差の範囲というふうに承っておきますけれども。そうすると、来年度の四千三百億ですか、この不足分は何とかして埋めなきゃいけないですね。
 もう一度大臣にお伺いしますけれども、確かにこの後、不良債権処理の動向によっては失業者、つまり受給者が増えるかどうかはまだ分からないということを先ほど冒頭におっしゃったわけですけれども、それはそのとおりだと思います。しかし、今の見通しで来年度四千億にならんとする財源が不足するこの雇用のセーフティーネットの部分に、先ほどおっしゃったようないろんな組合せでという考え方は分かりますけれども、現時点ではどういう方針で、もうすぐ当初予算も始まりますよね、編成作業が、今やっておりますけれども。どういう御方針だと理解したらよろしいでしょうか。来年度分ですよ。
#91
○国務大臣(塩川正十郎君) えらい細かい話になってきて、余り正確な数字は把握しておらないんですけれども。
 私は今、担当主計官等呼びましていろいろと協議しましたところで、現時点、つまり九月末ごろ時点でありますけれども、雇用関係予算の執行状態を見ましたら、まだいろんな、四千億円程度余裕がある、まだこれから、未使用の分があるんです。その分はどのように活用できるかということの方を聞きましたら、これがなかなか使い方が窮屈なんですね。何でも使えるものじゃなくて、役所というのは皆そうですけれども、何でも、事業一つ見ますと、各局の中の課がありますから、課ごとにポケット作っちゃうんですね。そのポケットにちょびっとずつ残っておる、それを合わせたら相当な金額になると、こういう状態なんです。
 それで見ましたら、九月末現在ぐらいで、大体あったかと思うんですが、四千億円ですか、まだ未執行のやつがあるんですね。これ、どうせ使うわけですね。その分の枠組みを外したら自由に使えるじゃないかと。そこを僕は相談せいと言っておるんです。そうすれば、それ、一つの財源じゃないかと。こっちを見ておったら、これ足らぬのやと、何千、何百億円足らぬのやとキーキーキャーキャー言っていますが、片っ方ではぽんと空いておる、そんなの随分あるんです。例えば、昨年の第一次補正予算で雇用関係重点にやりましたね。あのときの財源、あのとき付けたのは確かに七千五百億円ほどいたしましたですね。
#92
○大塚耕平君 三千五百億です。
#93
○国務大臣(塩川正十郎君) そうですね。あの予算の中の一つとして九百五十億円ぐらい余っているやつがあるんです、何だったか、事業があるんですよ、雇用対策事業の中。そういうようなものを開放してばらしたら使えると。また、違うところではまた四百何億余っているんですね。そういうのを整理したらどうだと私は言っておるんです。
 これは、今まで大蔵省って親方日の丸でしたから、そんなもの足らぬかったら、ああそうか、それじゃ出せ、こっちは、おい、また補正だと、こうやっていましたけれども、私は、親方日の丸ではよういかぬ。きちっと、どれだけ余っておって、どういうのにどう使っているんだということを知った上でないとやらぬということですから、そこをきちっとしてほしいと、僕はそう言っておるんです。
 足らぬならば、足らなければそれは補正で処置してもいいです。私は何もあえて駄目だと言っていないんですよ。しかし、一回、一度雇用の関係の、これは保険でやっているんですから、ですから加入者と使用者、この間で、いわゆる負担している者で、この間で一回相談してもらって、給付と負担の関係を相談してもらって調整して、それでもどうしても足らぬのやと、財政的援助しろというならば、我々はそれしようと。けれども、できるならば、両者で共同事業としてやっている保険なんだから、両者の間で賄うて均衡を取ってもらいたい、それがこの保険制度というものを永続させていく基礎じゃないかと、こう言っておるわけでして、決して私は財政的支出を嫌がってそんなもの駄目だと言っているんじゃありません。雇用は非常に大事ですから、私は、その点は十分に対策すると思いますけれども、その前になすべきことをやってもらいたいということなんであります。
#94
○大塚耕平君 非常によく分かりました。僕も大賛成です。三沢さんが頭ひねっていますから。
 大臣、僕も計算しました。雇用対策関係のもろもろの事業、例えば大臣がおっしゃった緊急地域雇用創出特別交付金、補正予算で付けた三千五百億ですけれども、これは十四年度、十五年度、十六年度まで掛かりますから分散させなきゃいけないんですが、そういうものも一応現時点で全部合計して十三年度末で幾ら余っているかというと、四千八百四十二億円も余っているんですね。例えば、退職前長期休業助成金とか、要するに、幾つかの項目のうち、あるものについては多額のものを付けているけれども利用者が数人とか、そんなものも一杯ありますので、大変いい御発言だと思いますので、雇用関係対策資金としてひも付きで予算化してあるものについて未使用のものを全部洗い出して、それが役所に眠っちゃって何か外務省のプール金みたいにならないようにしていただきたいというふうに私も思っていましたので、本当にいい御発言だと思います。
 大臣がここまで、財務大臣がおっしゃるわけですから、厚生労働省、これは坂口さんにそういうふうに進言されるんですね。
#95
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。
 財源の話でございますけれども、例えば交付金、地域の交付金三千五百億円組んでおりますけれども、これはすべて都道府県に配付済みでありまして、国には一銭も残っていません。したがって、十五年度、十六年度、二千億使えるということになっていますけれども、いずれも国にはなくて地方公共団体に全部配付済みでありますので、その財源を当てにするということは到底不可能であります。
 それから、雇用保険の方で財源がまだ残っているんじゃないかというお話がございましたけれども、雇用保険の労働者に払われます失業給付のほかに、これは事業主だけから保険料を徴収している雇用保険三事業と、先ほどの給付金のお話でもありましたけれども、あるいは事業主からちょうだいいたしております保険料で賄っている事業がございます。その事業についても、近年は赤字なのですけれども若干の余裕があるということは確かでございます。
#96
○大塚耕平君 塩川大臣、あんなことを言っていますよ。あんなことを言っていますけれどもね。
 それは分かりますよ、都道府県にばらまいちゃったというのは。その結果何をやっているかというと、去年の臨時国会でも申し上げましたけれども、例の三千五百億円で化石の穴掘りに学生を雇ってみたりとか山の草むしりに学生を雇ってみたりとか、これが雇用対策だといって各都道府県がやっているわけですよ。まあ、すべてじゃないですよ、非常に極端な例を申し上げていますけれども。そんなことをやっているから現場現場で一体雇用対策どうなっているんだという話になるわけですよね。
 これは冒頭の資産、負債の話と一緒ですよ。渡しちゃったというのは分かるんだけれども、それは国から自治体に渡したと言っているだけで、元は国民の税金ですから、国民の税金を公的部門の中でどうやって持ち合っているかなんということは、国民は知ったこっちゃないですよ、そんなことは。それだったら戻して、使っていないんだったら戻して、大臣がおっしゃるように今足りない財源に充てるというのが一案と、もう一つは、今申し上げたように、本来やるべきことをやらないで現場で雇用対策資金が死んじゃっている部分があるわけですから、その両方に向けて、つまり現場が当初の目的どおりきちっと雇用対策資金を使うように各都道府県等々を指導するということと、それから、それでもちゃんと使えない、余ってしまうという場合には雇用対策資金としてむしろ吸い上げると。
 この二つについて、きちっと検討して対処するということについて、厚生労働省の御答弁を求めます。
#97
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。
 地域の交付金につきましては、私ども、先般来、いろいろな御意見がございます。そういう御意見も踏まえまして、現在その改善の検討をしております。したがいまして、この地域の交付金については、その趣旨、目的に沿った形で適正に運営されるよう今後とも努力していきたいと、こう思っている次第でございます。
#98
○大塚耕平君 大臣、ついでにもう一つ情報を申し上げておきますけれども、厚生労働省の雇用関係三事業というのは、雇用安定事業だけじゃなくて、あと能力開発事業とか、それから雇用福祉事業というのがあって、そういうものも全部ひっくるめるともうちょっと財源出てくると思います。だから、きちっと余っている資金は把握をして、それを財源として御活用いただきたいということを申し上げておきます。
 厚生労働省に関してはもう質問出ませんので、もうこれで結構でございます。
 さて、今日はお忙しい中、日銀総裁にもおいでいただいているわけですが、先ほどの紙に戻らせていただきますけれども、大臣、この縦の方でございますけれども、何度も見ていただいて恐縮なんですが、非リカード的な世界、国民になるべく負担を求めないで運営するんだということを大臣は先ほどおっしゃったわけですね。その結果、ここの絵に書いてありますように、歳出削減・見直しというのも当然あるわけです。
 もう一つは、これはこの間、林委員が中央銀行はこんなに便利なものだとは知らなかったというふうに御発言になったわけですが、中央銀行が便利なものだということが分かってしまったわけですので、中央銀行による財政ファイナンスということも、是非は別にして一つの選択肢だということになるわけですが。
 そこで、日銀総裁にお伺いをしたいわけですが、日銀は現下の日本の財政危機の中で財政ファイナンスについてどのように貢献をしていくおつもりなんでしょうか。日銀総裁にお伺いしたいと思います。
#99
○参考人(速水優君) お答えする前に、さっき私の言ったことをちょっと取り違えておられるようだったんで、それだけ申しておきます。
 円が安くなるということは、円の購買力、パーチェシングパワーが落ちるということなんです。お分かりですね。内外で円を持っている人が持っている資産を減らしていくことなんですよ。そのことはどういうことかというと、国内には千四百四十兆円の円預金や預金が、マネーフローがごらんのようにあるわけですし、海外でも随分国として円を持っている国もあるし、個人で持っている、円で取引、そういう人たちの持っている円が値下がりするという、購買力が減ってしまうということですから、そこのところは信認を失うということですから、失っていくということを忘れないでください。あなたも中央銀行におられたのだから、通貨の信用というのがいかに大事かということをよく頭の中に入れておいていただきたいと。それだけちょっと追加します。
 それで、今の御質問ですが、国が日本銀行の借入れを行う、それで赤字をファイナンスする、それを期待していいかどうかという御質問だと受け止めましたけれども、現在、日本銀行、これ国債だけでも約八十三兆円、うち短期が二十八兆ぐらいありますから、中長期は五十五兆円ぐらい持っているわけですね。これはもう日本銀行の持つ資産の最大のものでありますし、銀行券の私どもの負債に見合う資産としても最大のものであるわけですね。
 この財政ファイナンスというものが、国債ですけれども、現在、日本銀行は金融政策として金融緩和策というものを思い切って取っているわけで、その中で国債借入れなどによって、国債の買入れですよ、これは借入れでなくて、国債を市場から買うことによって市場に流動性を供給するという形で国債は増えてきているんです。これは、金融市場における流動性の水準を経済情勢等に照らして適切なものに調整していくために国債の買いオペ、売りオペというのをやっているわけですね。
 日本銀行としては、間接的にせよ、政府の資金調達を円滑化する目的で資金供給を行っているんではありません。そこはしっかり、これは財政法にもちゃんとはっきり書いてありますからね。中央銀行が財政ファイナンスを行わないという考え方は、日本の財政運営に対する内外への信認を維持していく上で極めて重要なことでありまして、財政法にそうした趣旨が明確に盛り込まれております。お貸ししているんではないんです。国債を買って持っているわけです。そこは間違えないようにしていただきたいと思います。
#100
○大塚耕平君 政府の資金繰りを円滑化することが目的ではないと、今はっきりこうおっしゃったわけであります。
 そこで、実はこの間の株式取得に関する話を絡めてお伺いしたいわけでありますが、実は、この紙の一番右下にありますように、これは、私も総裁がおっしゃったように元中央銀行員ですので、是非皆さんにも御理解いただくためにも私の口からも申し上げますけれども、日銀がやっている政策はいわゆる金融政策、マネタリーポリシーと信用秩序の維持という、プルーデンスという、なかなか業界用語でなじみの薄い言葉ですが、プルーデンス政策と両方あるわけで、今回の株取得はこのプルーデンス政策に絡んで日銀が株式を取得するということになったので、これは本筋の金融政策とは違いますよということをずっと日銀は言っておられるわけであります。
 しかし、このプルーデンスの方で非常にびっくりするような、今までだれも想像もしなかった、言ってみれば日銀にとって未踏の領域に入ったということは、そっちで未踏の領域に入るような厳しい経済状況なわけだから、マネタリーポリシーの方でも未踏の領域に入ってもいいんじゃないかという人が多分これから出てくると思うんです。私は違いますよ。
 そこで、やはり私個人は、日銀側の不良債権処理とかいろんな問題で政府が早く動いてくれるように一石を投じたんだということであればもう十分その目的は達成したので、プルーデンス政策についてもきっちり正常な姿に戻すべきではないかと。何となれば、この銀行の株式取得というのは、本来、本当にそれが金融行政にとって必要なことであれば財政資金を投じてやるべき政策に、日銀が私がやりますと言って手をかしたというふうに取れなくもありませんので、先ほど総裁がおっしゃったように、政府の資金繰りを助けることは財政法で禁止されていると、それはそのとおり。日銀なりにちゃんと論理の整合性は付いているわけですが、しかし外から見ていると、いや、だってそれは本来財政資金でやることを日銀がやったという意味では同じじゃないかというふうに、ごく一握りの金融の世界以外の人たちはみんなそう思うんですよ。
 だから、私は正常な姿に戻していただきたいと思っているわけですが、そのためにも、幾つかやはり今回の株式取得には、もう相当論点整理はさせていただいたつもりですが、まだまだ積み残された問題があるということを、実務的な話を二点ほどお伺いしたいんですが、例えば、いよいよ今週から株式を取得するわけですが、トリプルBマイナス以上のものしか買わないということでスタートするんですが、買った後にトリプルBマイナス以下に下がっちゃったら日銀はどうするおつもりなんでしょうか。
#101
○参考人(速水優君) 今の御質問の方は三谷理事から答えてもらいます、担当ですから。
 株の買入れというのは、金融政策とおっしゃいましたけれども、今度やったことは金融政策でも何でもないんです。これを金融政策と思っていただいたらば大変私どもも迷惑します。
 なぜこういうことをやったか、ここでも説明したことあるかもしれませんけれども、まず第一に、金融機関が体力を失っている、不良貸出し処理の過程で金融機関の体力が相当低下しているということが一つ。それからもう一つは、株の保有というのは、御承知のように銀行が株を持つというのは世界でも日本とドイツだけ。ドイツはうんと減らしている。日本は余り減っていないんですね。先ほどもあれが出ていましたけれども、今でこそ国債をかなり持っていますけれども、銀行の株保有というのは、全体の株の二割ぐらいのものは銀行が持っているんですね。そういう歴史的な経緯から多数の株式を銀行は持っているわけです、最も値が動くものをですね。危機を分散するために株式というのは資本主義経済で成り立っているわけですから、元々動くものなんですね。それを金融機関が、不特定多数の預金を集めて、その預金の運用先として株を持つということは私は適当なやり方ではないと思うんですよ。諸外国でやっておられることの方が正しいと思います。
 そういう意味でも、そうかといって今たくさん持ち合いをしているのを一遍になくすことはできません。金融機関が持っているその保有株というのは、特に最近の株価の変動、それから時価評価が始まったというようなことがあって、昨年の九月から非常に銀行の経営に大きなおもしになってきているし、ひいては自己資本の圧縮につながっていくわけですね。そういうことは非常に目に見えてきているわけなんですね。現にもう昨年の九月以降そういう現象が起こっているわけです。
 そういう現状の中で日本銀行としては、金融システムの安定の確保と不良債権問題の克服に向けた環境を整備するという観点から、金融機関が保有する株式の価格変動リスクを軽減しようということで、甚だ異例なんですけれども、必要な措置として一時的に金融機関から保有の株式を買うと。しかも、いろんな条件と限定を付けて買うということをやったわけですね。
 この買入れというのは、流動性の供給でもなければ株価の押し上げでもないんです。これは、先ほど申し上げたように、そういう意味でも金融政策ではありません。いわゆる金融政策として行っているんでなくて、銀行の今困っている不良貸出しの縮小であり、そしてまた自己資本の確保ということを今やらなきゃならないというふうに判断したから私どもはこういう異例の措置を取ったわけで、一時的な措置であるということを御理解いただきたいと思います。
#102
○大塚耕平君 総裁、私も誤解されると悲しいですから、私ももちろん株購入が金融政策だとは思っていませんので。それはここに書いてありますので。一時的だということも理解しています。一時的な効果は十分発揮したので元に戻した方がいいんではないかと、こう言っているわけですね。
 ちょっと時間を超過しましたので、三谷理事、手短にお答えいただきたいんですが、先ほどの質問、トリプルBマイナス以下に保有中になってしまったら、総裁は一時的にと言いましたけれども、今のままだと最長平成二十九年まで持つわけですから、途中でトリプルBマイナス以下になったらどうされますか。手短にお願いします。
#103
○参考人(三谷隆博君) おっしゃるように、取得時点でトリプルBマイナス以上だったものが、ダブルB以下に落ちることは可能性としては全くないではありません。
 ただ、そのことをもって直ちに売却を行いますと、その企業の株価下落を加速するということも含めて、当該企業の信用と信認等に不測の影響を及ぼしかねないということもございます。
 私どもとしましては、公表していますとおり、十九年の九月までは一応原則として保有し続けるということにしておりまして、その間、格下げを理由とした売却は考えておりません。
#104
○大塚耕平君 それは、そういう方針でいくということはなるほどということですが、しかし、やっぱり国会で審議しないからそういう細かいことが全然分からないわけですよね。聞いてみて初めて分かるわけです。それでいいのかということはこの間から申し上げているとおりです。
 それと、株式を売ってきた銀行に対して瑕疵担保責任を要求するかどうかということについてお伺いしたいんですが、例えば、ある銀行が日銀に株式を買わせました。買った後にその企業から融資を回収して、その企業が資金繰りが苦しくなって業績が悪化するということもあり得るわけですよね。そういうことも含めて、日銀に株式を売却した後に金融機関がいろんな行動をその発行企業に対して取る可能性があるわけですが、その結果として、かなり株価が下落して日銀が損失を被ることもあるわけですよね。そういう場合に、日銀は瑕疵担保責任を売却金融機関に要求されるんでしょうか。
#105
○参考人(三谷隆博君) そういう瑕疵担保責任のようなものをあらかじめ盛り込んでおきますと、そもそも金融機関にとっての株価変動リスクというものを除去するというわけにはいきません。したがって、私どもとしては、そういったことは現時点で全く考えておりません。
#106
○大塚耕平君 そうすると、今私が出した具体例について御意見をお伺いしたいんですが、ある銀行がある企業の株を日銀に売りました。その企業に対して、もう株式持ち合いの関係もなくなったので融資を大幅に回収するというような行為の結果、その企業が経営が苦しくなった場合でも瑕疵担保責任は要求しないという理解でよろしいですか。
#107
○参考人(三谷隆博君) そういうケースが本当にあり得るのかどうか。金融機関として株式を仮に日銀に売却したといたしましても、貸出しが残っていると。その貸出しを全額回収できれば別でしょうけれども、通常、そういう場合というのは、回収不能の部分が相当出てきてかえって金融機関が傷を負うこともあり得るわけで、私どもとしては、今申し上げたように、そういうふうな形での、やや性善説かもしれませんけれども、そんなことで金融機関がみだりにその企業をつぶしていくというふうなことはないと考えておりますし、そういった意味で、今申し上げたように、瑕疵担保責任も考えていないということでございます。
#108
○大塚耕平君 最後の一問。恐縮です、時間を超過しておりまして。
 最後に総裁にお伺いしたいんですが、かなり多くの人たちが、今回の株式取得によって、今お聞きいただいているように様々な問題を抱えているこういう株式取得という蛮勇を振るわれたことに関して、日銀はやはりとうとう非伝統的な政策領域に足を踏み入れたのではないかと思っている人たちが一杯いるわけですが、私は、何度も申し上げますが、このマネタリー政策、金融政策のところについてはそういうことはあってはならないと思っているわけですが、総裁は、日銀が非伝統的な政策領域に足を踏み入れたかどうかという点についてどのようにお考えになっているかお答えいただいて、最後にしたいと思います。
#109
○参考人(速水優君) そういう政策、新しい政策に踏み込んだということではございません。先ほど申し上げたように、一時的な措置として来年の九月ぐらいまでに二兆円ぐらいの株を買って、それを私どもの方で五年間は持っていますよと、そういうことを決めたわけです。
#110
○大塚耕平君 ありがとうございました。
#111
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。
 難しい財政・金融ゼミナールの後で頭も大分疲れている状態なんですが、伺いたいと思います。
 今度の法律は、独立行政法人通則法にのっとって独立行政法人化を図ろうという、こういう法律なんですが、御承知のとおり、私たちはこの通則法には反対いたしました。そのときの理由は、国民サービスをいつでも国から切り離して民営化を進めていこうということになるということが一つと、国民の公共サービス、これを独立行政法人が行うことによって国の責任があいまいになっていくということになるんじゃないかということで反対したんですが、そういう点で衆議院においてはこの二法については反対いたしました。
 そこで、若干、万博協会について幾つかの点、確かめておきたいというふうに思います。
 これは、七〇年のあの万博、その跡地及びその剰余金、その利用について、これは非常に高い公共性を持つということと同時に、民間の意見も十分に反映するような、そういったものにする必要があるということで認可法人にされた。当時の論議を聞いておりますとそういうことが出ておりますね。
 そういったことで協会が設立されてきたわけですけれども、今度の独立行政法人化によって、財務省に伺いますと、そのことによって、何といいますか、協会設立当時に掲げられました公共性、これがむしろ高まるんだというふうに説明されているんですね。しかし、法案を見てみますと、財務大臣の関与がかなり削減されていくわけですよ。そういう状況の中でどうして公共性が高まるのか、実際は公共性の担保はむしろ弱まるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、財務大臣、いかがでしょう。
#112
○副大臣(小林興起君) 今度の独立行政法人につきまして、きちっと中期目標等を設定をさせるというようなことの中にきちっと国としての監督をすることになっておりますので、そういう意味では公共性というのは保たれるというふうに思っております。
#113
○池田幹幸君 それじゃ伺いますが、当時から三十年たって、この跡地についてはかなり市民やそれから大阪府民から親しまれる公園になっているわけですね。ところがその一方で、七九年には自然文化園の入園料が有料化されました。九二年には、財源不足を補うためとして、この自然文化園、また入場料金の値上げが実施されました。
 今後のことを考えますと、独立行政法人化によってこういった国民負担を増やしていくような方向、そういったことがむしろこれを機会に追求されていくんじゃないか、その懸念もあるわけなんですけれども、それはどうですか。
#114
○副大臣(小林興起君) 常識的には、やはり独立行政法人の一つの目標として効率性というのがあるわけでございまして、そういうことに重きを置いて、しかしもちろん公共性は保つわけでございますけれども、運営していくというようなことの中で、今日、この経済状況の中で安易なそういう料金の引上げがあるとはとても考えられないと思います。
#115
○池田幹幸君 そうであればいいんですが、今おっしゃったように効率性とか収益性を当然求めることになりますね、独立採算、独立行政法人になるわけですから。そのことを考えますと、最近の動きを見ると非常に懸念が高まるんです、逆に。
 というのは、九六年、プールが営業休止になりました。九七年三月、アーチェリー場が閉鎖。それから、最近の話です、これは今年の話ですかね。地元吹田市の健康づくり推進事業団、これが主催するマラソン大会、これは貸出し区域が従来と違って制限されちゃったという動きもあります。結局これ、このことで愛好家から非常に疑問の声が今上がってきております。そして今年は、万国博ホール、これを存続するかどうかという問題が今起きてきていますね。だんだんだんだん事業内容が後退していっているんですね。その過程でこの独立行政法人化という問題が出てきているわけです。
 そういうことがありますから、地元でも吹田市長などが、今までは評議員制度を取って地元の意見を吸い上げていました。この評議員会がなくなるんじゃないか、そういう懸念の声が高まっているんですね。
 ともかく、地元の地方自治体の意見がきちんとした形で反映されるような、そういった仕組みが次々となくされていくおそれというのは非常に高まっている。いや、そんなことは絶対ないんだとおっしゃるならば、そのことをはっきり言っていただきたいと思うんですけれども。
#116
○副大臣(小林興起君) これまで確かに、万博協会のときにはこの評議員制度というんですかね、評議会というのがあったわけでございますが、今度の確かに法律改正にはその項目が出ておりません。しかし、理事長の下に諮問機関を設けて、そこの業務運営に地域の声を取り入れるということにしていきたいと思っておりますので、そういう意味では、地域の声が十分に反映されるという、そういう当たり前の仕組みになろうかと思います。
#117
○池田幹幸君 そこには従来と同じように地元の市長、ここは吹田ですけれども、吹田の市長なんかが入るというふうなこともあるんですか。考えておられるんですか。
#118
○副大臣(小林興起君) 今その方が入るかどうかということは私の口からは申し上げられませんが、皆様方からごらんになって、なるほどなと、地域の声が入るなという仕組みを作ることが重要でありまして、特にお地元の池田先生のお声も反映させていかなければならないと思っております。
#119
○池田幹幸君 それじゃ、ちょっと別の特殊法人、国民金融公庫の問題について伺いたいと思います。
 資料を配付していただけますか。
 国民生活金融公庫では、一九八六年以来、十六年間にわたって不当労働行為事件が争われております。この間、九五年には、東京都労働委員会で不当労働行為であるという救済命令が出ました。そして、その出た後、公庫はこの命令に従わないで東京地裁に行政訴訟をしたわけですね。それから何年かたちまして、一昨年二月、地裁判決が出ました。この地裁判決では、残念ながら賃金差別、昇格差別、三名についてのみ認められて、十六名は認められなかったわけですね。そこで、申立人、東京都労働委員会、そして公庫、三者ともに控訴するということで、今、高等裁判所でこれが争われている、こういう事件が今起きております。
 その事件の内容をちょっとかいつまんで申し上げておきますと、七五年、これ大分古いですね、一九七五年ごろから、公庫の方では、労使協調の組合に変質させようと、組合を、そういうことを目的にして計画的に行動してきたわけですが、それを見ますと、七五年に本店人事部長の指揮の下に組合員一人一人について徹底的に活動状況、思想信条についてまず調査をすると。そして、指導的な組合活動家、この影響力を弱めるために、その活動家に近い人を配転、配置転換等々やっていくと。それから、活動家に対する賃金差別、昇給差別、これをやって、見せしめ的なことをやって揺さぶりを掛けて、公庫に協調的な者を組合役員に送り込んでいくという、こういうこともやってきた。そしてその結果、涙ぐましい行動の結果、成功しまして、従来の活動家が少数になると、賃金差別それから昇給差別を徹底させていった、こういうことが起きました。
 私、今、特殊法人改革ということが云々されているわけなんですけれども、特殊法人そのものが作られましたのは、本来国の責任に属するそういった仕事についても民間の経営手法を取り入れてやっていった方がいいんだと、その方がかえって目的達成されるんだという理由でもってこの特殊法人というのは次々作られてきました。
 そういった特殊法人の中で、労働組合の活動家や思想信条による差別、そういったことが行われているとすれば、それは極めて重大な問題だし、特に国民金融公庫というのは地域に根差した金融を進めていく上で非常に重要な存在なんですけれども、そういった中で四半世紀にわたって賃金差別や昇格差別ということがやられているということはゆゆしき問題だと。これ基本的には労使間で解決すべき問題だということはあるんですけれども、しかし、これは所管官庁たる財務省にとっても非常に重大な責任を負っておると私は思います。
 そういった観点から、財務大臣並びに今日御出席いただきました国民生活金融公庫の総裁、尾崎総裁に伺っていきたいというふうに思います。
 まず、総裁に伺いたいんですけれども、裁判がずっと続いてきたわけですけれども、そこで公庫では、組合活動家や思想信条による差別はしていない、賃金とか昇格の差は十九名の能力が劣っているからだという主張をなされています。しかし、そういう主張は十九名のうち十六名については認められたと、三名については認められなかったということもあるんですが、労働組合を労使協調の組合に変質させようという、そういう意図を持っていろいろ手を尽くしてきたと、そういう事実については、かつてこれやってきたということ、その事実については、これは総裁も認めておられるんですね。
#120
○参考人(尾崎護君) ただいま委員からお話がございましたのは七五年当時のことでございまして、お配りになられました資料も、これも大変古いもののようでございます。私どものところにはその記録というものが残っておりませんで、どういうような状況であったのか、しっかり把握しかねる状況にございます。
 ただ、私ども、組合に対しまして思想信条、組合員あるいは職員に対しまして思想とか信条に関する報告を求めたことはございません。それは現在も求めておりません。昔がどうであったのかというのは、それは古いところはちょっと分かりませんけれども、推察いたしますに、そういうことはなかったというように思います。
#121
○池田幹幸君 非常に古い話だということで覚えていないとおっしゃるんですが、問題は、二十五年にわたって賃金差別、昇格差別が続いて、現在もその状態があるということです、問題は。
 もう既に定年退職された方もいるんです。まだ退職されていない方もいらっしゃる。古いとおっしゃるが、九五年に東京都労働委員会の救済命令が出ている。それに従わなかった。どんどんどんどん時間を稼いできたんですよ。それだけの問題があるということを、大臣、ひとつ頭に入れておいていただいて、後で大臣に伺いますので、と思うんですね。
 そこで、お配りした資料を見ていただきたいんですけれども、これはまずすべてが裁判所に提出された資料です。
 一枚目が、これが本店人事部長から各支店長あてに出されたもので、墨で塗ってあるところは、私、個人名余り出さぬ方がいいだろうと思いまして、私の方で塗りました。あと、すべての資料、墨で塗ってあるところは全部私の方で塗ったものです。
 この人事部長から労働組合カードの作成ということが指示された。その指示に基づいて七五年からずっと作られ、毎年作って報告されているんです。そのうち幾つか、私、大分手に入れたんですけれども、抜粋をしてきたのがここへ示した資料なんですけれども、二枚目は、これが七六年、翌年ですね、七六年に出された資料なんですが、今、総裁、思想信条についての報告は求めていなかっただろうとおっしゃったけれども、求めているんですね。だからこそ、こうやってここへ書いています。
 右下に通し番号があります、二ページ目の左側を見ますと、それぞれについて、これ共産党の共をマルで囲ってマル共党員と書いてありますが、これは恐らく日本共産党の党員だということだと思うんですけれども、どうしてそれをお知りになったのか分かりませんが、マル共党員であるとか、マル共党員に近いであるとか、民青員、民主青年同盟員と思いますけれども、民青員であるとか、こういったことが書いてある。役員について全部報告がこう書かれているんです。
 こういうフォームをわざわざ全部全国の支店に出して書かせているんですから、そういうようにして書いたと。ただ単に思想信条を調査するだけじゃないんですよ。やっぱりそれを調べるということは、それを調べた上で何やるか。行動があるんです、対策があるんです。
 その次のページを見ますと対策がちゃんと出ています。共産党グループの色分けというようなことがこうやって書かれておりますね。これについてまた後で説明しますけれども、総裁、こんなことは求めていないとおっしゃったけれども、人事部長の指示はあくまでも、こんなことを求めるということは、元々が労使協調の組合に変質させていこうという意図があるから、こんなカードを作りなさいよという指示をしたとしか私は思えないんですよね。そのことは一つ申し上げておいて、進みますけれども。
 二ページ目の対策のところの色分け、これ、支部内に何人共産党がいるかというようなことが書かれておりまして、下線したのも私の方で下線引いたんですけれども、女子層の動向が支部の体質を左右することから、まずグループを明白にするため監理課に集めたと。これもう、その人たちを監理課に集めちゃったというんですね。それで遮断するわけですね、ほかの人と。そして遮断した後で、グループ外の職員に対しては役席がいろいろ説得工作すると、こう書いてあります。
 そして、その次はちゃんとしたこと書いてありますね、下から四行。今年四月人事異動により、上級層の充実に伴って総会等における良識的発言は増加したものの、まだ迫力に欠けるため、今回の委員改選に当たり良識層から、これ墨で塗ったところは名前なんです、これ、個人の名前、この人を送り込むことに成功したと書いてある。公庫の当局の方から人を送り込んだんですね。今後も良識層のリーダー養成及び若手職員との対話を一層密接に行い、良識職員の養成に努めていきたいと。もう明らかに、何か共産党を敵視したという、私は余り気分良くはありませんが、日本共産党を敵視して、それと良識派というのを作って、共産党に対峙するのは良識派だそうですけれども、そういうことを意図してこれやられたということ、これはもうはっきりここに表れているんじゃありませんか。総裁、さっき否定されたけれども、それは否定できない事実でしょう。
#122
○参考人(尾崎護君) 先ほどお答えいたしましたとおり、この資料自体について私ども存じません。ちょっと拝見しますと、ここに「甲第四一四号証の二」と書かれておりますので、訴訟に提出された資料ではないかと思うんですけれども、私どもは、この訴訟の席におきましても、訴訟の場におきましても、この資料については知らないというようにお答えしているのではないかというように思います。
 それで、そのような証拠を基にして、先ほど委員のお話にございましたように、救済申立てを行った十九名のうち十六人については救済命令を取り消すという、そういう地裁の判決があったということは、これは確たる事実でございます。
#123
○池田幹幸君 それは違うんです。これは私申し上げましたように裁判に提出された書類なんです、証拠書類なんです。そして、この事実があったことについては公庫側も認めているんです。ただ、これは思想信条の調査ではないし、これに基づいて賃金差別したんじゃないんだと。賃金を、この労働組合の役員たちの賃金を低くしたのは、その役員の中でも共産党派と公庫側が認定した人の賃金を安くしたのはその人たちの能力が劣るからなんだということを主張されたと。裁判所でそういうことは、私は正しくないと思うけれども、認められた、一応、十六名について。三名については認められなかったんですよ、あなた方。この事実については認めているんです。事実はあるけれどもこれに基づいて差別したんじゃないんだというあなた方の主張なんです。
 しかし私は、これに基づいて賃金を下げたと、それがずっとその事態が続いていると、二十五年にわたって。いいことでないと思うが、もしあなた方それを許されるというなら、ちょっと更に進んで私伺っていきたいと思うんですよ。
 同じように、四ページ目、資料の三。これについては、鹿児島支店長が本店人事部長にあてた文書なんです。その四ページの右下の方には、店内におけるマル共分子の活動についてという報告がずっとあるんですよ。そしていろいろ書いてあって、五ページ目右側、以上マル共グループの活動は、今のところ外部関係と組合の内部問題に限定されているため、業務への影響はほとんどないと書いてある。ところが、その下を見ると、今後ともマル共分子の排除には十分留意する必要があると。つまり、あなた方が共産党だというふうに認定する、断定する、そういった人については排除していこうと、そういうことが目的としてなされてきているんですね。このことがはっきり表れているでしょう。更に読み進んでいきますと、そのこともっとはっきりしますよ。
 六ページ見ていただきますと、左側の(2)というところでは、労務面では、マル共のという、これ個人名二名の名前書いてあります、の転勤に替わって良識派の増加を機会に副調クラス、副調査役というんですけれども、副調査役クラスを中心にした良識層の拡充を図りながら、一層跳ね上がり分子の孤立化と組合民主化の推進に重点を置いて、健全な労使関係の樹立を目標に体制を整えてきたと、こういうことを目標にしてやってきたと書いてありますよ、はっきりと。そして、今度の支部委員の改選で有力な良識職員を支部委員会に送り込むことができたため、うまくいったと書いてある、所期の成果が現れつつある。正に所期の成果でしょう。共産党を排除しようという、そういった労使協調の組合を作ろうという所期の目的を、成果が現れてきたと書いてあるんですね。
 そしてまた右の方を見ますと、要するに一番影響力の強い人、それはまあ地域の役員ですから、労働協約によって転勤させられない、だからその下にある人を配転すると書いてある。そして、女子職員に対する影響力から見て、この際、このトップを除く二人を転勤させなければ女子の体質を変えることは困難と思われる、こういうところまで書いているんですね。
 だから、最初七五年にこの通達を出して、これ翌年の七六年のやつですよ、全部。これに基づいてやられてきて、賃金差別がやられて、それがもう四半世紀続いているんだ。これ見てあなたどう思われますか。これを、この文書が出たこと自身は事実なんですよ。
#124
○参考人(尾崎護君) 繰り返し同じことを申し上げて恐縮でございますが、この文書につきましては、地方裁判所におきましても不知であると、我々は知らないということをお答えしておるわけであります。現在、いただきました地裁の判決というのはそのような検討を経た上での判決でありまして、その結果につきまして、都労委それから国民生活金融公庫双方とも東京高等裁判所に控訴をしている、で、現在訴訟が係属中であると、そういう状況になっているわけでございます。
#125
○池田幹幸君 それじゃ、何もかも事実が本当になかったんだということであなたは全部逃げようとしておられるわけですが、古い話だといっても、九五年ということになりますと、尾崎総裁はもう既に、国民金融公庫ですね、当時、国民金融公庫のもう総裁になられている。なられたのはたしか九四年でした。九五年には都労委の救済命令が出ました。都労委の救済命令が出て、十九名全員救済命令ですよ。そのときのことはよく御存じですよね。
 何でそのときに、本当に正常な労働組合、労使関係を作っていこうとするならば、東京都労働委員会のそれに対して配慮し、その救済命令に従うというふうなことを考えなかったんですか。明らかにあなた方はこういうことをやってきた、その下地があるから、こういう目的に沿えば、違法であれ何であれ続けるんだということじゃないですか。
#126
○参考人(尾崎護君) 都労委の救済命令が出ましたのは、御指摘のとおり私が就任後まだ一年たたないうちでございましたが、したがって非常によく印象に残っております。
 ただ、内容を検討いたしましたところ、私どもはその内容に納得いかないものがございましたので、法律の規定に従いまして、地方裁判所に行政訴訟をして、もう一度検討していただくと、御判断を仰いだわけでございます。その結果が先ほど申しました十六名についての取消しということでございました。
#127
○池田幹幸君 これは裁判で不知であると言ったとおっしゃったけれども、労働組合カード、これを作成を命じてきたことは、これはもう事実でしょう。
#128
○参考人(尾崎護君) 現在、国民生活金融公庫には、政府系金融機関労働組合とそれから国民生活金融公庫労働組合と労働組合が二つございます。それぞれといろいろと交渉をしておるわけでございますけれども、決して差別をするようなことはいたしておりません。
#129
○池田幹幸君 いやいや、私が伺っているのは、労働組合カード、私が見せたこれ、カード。この作成を指示したことは事実でしょうと。今もそれやっているんじゃないですか。
#130
○参考人(尾崎護君) 失礼いたしました。言葉が足りませんでした。
 労働組合カードは現在でも作っております。現在もございます。
 しかし、その内容は、先ほど申しましたように二つの組合がございまして、公庫といたしましても、各支店での交渉ということもございますものですから、労組の役員の役職、氏名、それぞれの組合員数、それから労組支部との協議の状況、そういうようなことを把握しておく必要がございますので、そのような記録は現在いたしております。しかし、その内容はおっしゃいますようなことではございません。
#131
○池田幹幸君 最後の資料四、七ページ目ですけれども、これを見るとがらっと変わりまして、かなり組合役員から公庫が共産党だと判断するグループを追い出して良識派グループで固めていったという、その後ですね、五年ぐらい掛かってこれができましたということで出ているわけですけれども、そういうところから大体労働組合カードの中身も変わってきたように、私もその後のやつを見ると確かに分かるんです。
 ただ、この当時やっていたやつについていえば、もうこれは間違いない事実ですよ。というのは、当時、良識派だとされていたある人事課長ですね、人事課長をあちこちの支店で務められた方がこれ証言していますね、その後。実際上、自分自身がどうやって尾行したり何だかんだしながら労働組合の活動家を監視してきて離反することをやってきたかということと、それからどういった形でそういった労働組合の役員の評価を低めていくかという評価の仕方についてまでもいろいろここで証言していますよね。
 だから、そういったことから見ても、おやりになってきたことは決して、ここでそんなことはありませんというふうにおっしゃったけれども、そうじゃないでしょう。これをそういう形で否定していけば、これずっとこの四半世紀続いてきたこの不正常な状態が今後も続いていくことになりますよね。一体、このことだけ私は尾崎総裁に伺っておきたいんですが、特殊法人国民生活金融公庫では、特定の政党を差別し敵視し、そういったことをすることが許されるというふうに考えておられるんですか。
#132
○参考人(尾崎護君) そのようなことは考えておりません。
#133
○池田幹幸君 そこで財務大臣に伺いたいんです。もう時間なくなりました。今お聞きのとおりのことを、確かに擦れ違いの面ありました。しかし、これはもう明らかに証拠として出ているし、決して労働組合の活動家ではない当時の人事課長までがこうやって証言をし、これは今日の資料の中にはありませんけれども、ずっとやってきているんです。その実態を見て、一体このままでこの状態を放置しておいていいというふうにお考えでしょうか。特殊法人においてこんなことがまかり通れば、これはもう決して特殊法人改革だとか何だとか偉そうなことは言う資格ないと思うんですよ。改革すると言うのなら、まずそこの中の最も基本的なところの改善をやるべきだろう、そういった是正措置を財務大臣としても当然求めていくということが必要なんじゃないかと思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。ちょっとこれは大臣に伺わせてください。
#134
○国務大臣(塩川正十郎君) もうえらい古臭い話が出てきたんで、こんなんあったんかなと私も聞いとったんですが、これはやっぱり公庫と当事者の間で話をしてもらうということにしなけりゃ、我々としても介入のしようがない。これは、こういうことがないようにするのは一番もう賢明なことだと思って双方努力すべきだと思っております。
#135
○池田幹幸君 古い話とすれば、さっき言いましたように、そこの四半世紀前、七五年の時点で差別を受けた、不当な差別を受けたのがずっと今まで続いているんです、最後まで。今の問題なんです、これ。四半世紀前、民主主義がまだ後れていたなと思うころに起きた問題が、四半世紀後の今日にもそれが続いている、これが問題なんですよ。そのことをやっぱり反省していただかないと、それを放置してきたのは大蔵省、財務省なんですから。
 そんな昔の大臣のこと知らぬという、そういうわけにもいかぬのですよ。現在の大臣が、こういったことについての是正措置、これは介入せよと私は言っていないです、労使問題に介入せよと言っているんじゃない。こういった基本的な問題について反省するような形で求める、これ当然のことじゃないでしょうかね。もう一度伺います。
 終わります。
#136
○国務大臣(塩川正十郎君) これはやっぱり当事者同士の話でございますから、私からもよく公庫の方にちゃんとするように、当事者間で、言っておきますから。
#137
○池田幹幸君 終わります。
    ─────────────
#138
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として海野徹君が選任されました。
    ─────────────
#139
○平野達男君 国会連絡会の平野達男です。
 法案の質問に先立ちまして、農林水産省が最近出された岩手県の中央卸売市場の青果部の卸売業者に関する処分に関して何点かお尋ねをしたいと思います。
 これは委員の皆様御承知のように、卸売市場というのは、これは今回の場合、青果部なんですけれども、生産者がありまして、生産者に対して出荷者ということで、農協、経済連、全農なんかが一応、生産者が生産したものを集めてそれを市場に持っていって卸売業者に販売をお願いすると。競りを掛けたりあるいは相対で取引したりして決めるわけですが、この今回出された処分は、その卸売業者に対して営業停止命令を出すという非常に強い措置でありました。
 お手元に、私の資料として、私の資料じゃない、今日は委員会提出資料としてプレスリリースの資料がございます。ここに書いてありますように、処分につきましては、一年間、五番目なんですけれども、業務の一部の停止の効力発生日ということで、二十六日、今日から最長一年間業務停止を命じるという措置でありまして、対象となった業者については株式会社岩果という、これは卸売業者です。それから、場所につきましては、これ盛岡市の中央卸売市場、青果部であります。それから、処分の内容については、集荷業務を一切やるなということで、事実上のもう死刑宣告に等しいかなという感じが若干するんでありますが。
 そこでまず、違反の内容で、卸売市場法第五十一条第二項及び第三項の規定に基づき発出した業務及び会計並びに財務に関する改善措置を取るべき旨の命令の不履行と、ちょっと難しい表現がございますけれども、これは具体的に何かをちょっと御説明いただけますか。
#140
○政府参考人(西藤久三君) 御説明申し上げます。
 株式会社岩果に対して先生今御指摘のような処分を発したわけでございますが、株式会社岩果は生産者等から委託を受けて農産物を販売するわけですが、その単価、数量、金額等の数字が異なる二種類の売買仕切り書を作成しまして、そのうち一方を出荷者に送付しており、出荷者に対して未払が存在する可能性があることから、関係する出荷者に対し取引の内容を改めて通知することによりまして、未払金があるかどうか、そういう確認を求め、請求があった場合には支払うよう本年七月に卸売市場法に基づきまして、先生御指摘の五十一条第三項に基づきまして業務に関する改善命令を発したものでございます。
 また、同株式会社岩果は、財務の状況が卸売市場法に定める財務基準、具体的には私ども流動比率ということで、流動負債に対する流動資産の割合が一を超える、一〇〇%以上であるということを基準にいたしておりますが、これを満たさないことから、財務の健全性を確保するための合理的な経営改善計画を作成し直ちに実行するよう、これも本年七月に市場法の五十一条二項の規定に基づきまして改善措置を命じていたわけでございます。
 この実行状況が十分でないということから今回の措置に至ったものでございます。
#141
○平野達男君 今のお話をお伺いしますと、いわゆるある卸売業者が出荷者から青果を預かって競りに掛けたところ、キロ当たり例えば百五十円で落とされたと。落とされたんだけれども、出荷者に対しては百四十円だというふうに偽って、偽ったというか報告をして百四十円しか払っていなかったというような疑いがあるというようなことではなかったかと思うんです。
 通常、これを業界用語では減仕切りとか、あるいはその逆のケースを増し仕切りとかと言っている場合があるんですが、これは業界用語でありますけれども、この減仕切り、増し仕切りというのを少し簡単に御説明いただけますか。
#142
○政府参考人(西藤久三君) 生鮮食料品の卸売市場におきます取引では、今、株式会社岩果のような卸売業者が、農協等の出荷者から農産物の委託を受け、また出荷者から買い付けをして、それを競り等により仲卸業者なり売買参加者、青果業者の小売業者の方等に販売することによって行われておるのが実情でございます。
 卸売業者は、出荷者から委託を受けた場合、競り等により取引された数量、単価を販売原票に記載して、その取引内容を出荷者に送付する、これを売買仕切り書と言っていますが、販売原票の取引内容を正に転記した上で、卸売業者等の販売手数料、これには更に、運賃をもし負担すれば運賃、通信費を負担すれば通信費等を差し引いた金額を記載し、出荷者に送付し、それを支払うということなんですが、このような委託の場合に、現実の販売原票と売買仕切り書は同じ金額が当然記載されるわけですけれども、販売原票に基づく金額よりも低い金額を仕切り書に記載して、その差額を、まあ利益といいますか、手元に留保するということがいわゆる減仕切りという形で言われておりますし、逆に、販売金額よりも高い金額を売買仕切り書として記載して出荷者に利益を与えることが増し仕切りという、これは言わば有力な出荷者等に対して、その出荷を確保するといいますか、そういう点で出荷者にメリットを与えると、そういうことで行われているというふうに承知をいたしております。
#143
○平野達男君 そうすると、今回のこの処分というのは、岩果という卸売業者に仕切り書の改ざんという事実があったという疑いが非常に強いということで処分を出したという、こういう理解でよろしいでしょうか。
 そうしますと、この岩果という卸売業者なんですけれども、実はこれは一九九三年、平成四年度なんですが、一度処分を受けております。そのときの経過について御説明いただけるでしょうか。経過、事実関係。
#144
○政府参考人(西藤久三君) 今回の例でございますが、私ども、岩果の販売代金の売買仕切り書の作成に当たりまして、一部の取引、これ大体概観しますと、この二年半の取引のうち、全体の三分の一ぐらいに当たるものにつきまして、販売原票と記載内容の一致しないもの、二種類が作られているという状況で、これについての事実関係の確認をずっと求めてきているという状況でございます。
 先生御指摘の一九九三年、平成四年に同岩果に対して処分が行われておりますが、その状況について申し上げますと、開設者である盛岡市が、平成四年度、株式会社岩果に対して開設者として検査を実施し、実際の販売金額と異なる金額が記載されているという、不適切な売買仕切り書の作成が行われているということが確認され、このため、開設者である盛岡市が株式会社岩果に対して二日間の卸売業務停止処分、これは具体的には、近在野菜、近在の果実部門の卸売業務の停止ということで、部分的ではございますが、二日間の卸売業務停止命令処分を行ったものと承知をいたしております。
#145
○平野達男君 これはちょっと通告を申し上げませんでしたけれども、このときもやっぱり仕切り書の改ざんではなかったかと思うんですが、二日間だったというのは、ちょっと今回の措置に比べれば随分軽い感じがしますが、これは何でだったんでしょうか。これは通告していませんでしたから、もし分からなければ後でもいいんですが。
#146
○政府参考人(西藤久三君) その当時の結果はつまびらかにはしておりませんが、改善措置が講じられたと、当該会社から改善措置が講じられたという事実を確認して措置を行ったというふうに承知をいたしております。
#147
○平野達男君 そうしますと、仕切り書の改ざんは、その時点においては一応業務改善命令のとおり動いたから処分は二日間という御説明だったと思うんですが、どうも、考えようによっては、仕切り書の改ざんというのはその後もずっと続いたんではないかという感じが非常にします。
 そこで、こういう仕切り書ということについてはだれが検査をするかということなんですが、その以前の、その質問に入ります前に、まず、検査の国の役割、それから開設者あるいは岩手県の役割というのはこれは法律上どのようになっておるんでしょうか、先にちょっとこの確認をさせていただきたいんですが。
#148
○政府参考人(西藤久三君) 卸売市場法に基づきまして、中央卸売市場卸売業者、現在議案になっております株式会社岩果は中央卸売市場の卸売業者でございますが、当該卸売業者に対する検査は、卸売市場法四十八条の規定に基づきまして、農林水産省及び開設者である盛岡市が実施いたしております。
 当初、農林水産省における検査体制は、本省における中央卸売市場検査官五名と地方農政局の検査官七名、計十二名を中心にいたしまして、さらに、本省地方農政局の市場業務担当職員、これはもちろん検査官の発令をいたしておりますが、三十名がそれぞれ補助をする体制で検査を実施しているという状況でございます。
 こうした体制の下に、農林水産省では、中央卸売市場の対象業者が現在全部で二百七十三業者でございます。年間約四十社ということの実績でございますので、私どもが直接立入検査をできるのは六、七年に一回という実情でございます。一方、開設者である地方公共団体においても、同様の規定に、検査担当職員によりまして、年間、整理をしてみますと、約百三十社について、ということは、大体各社一、二年に一度、開設者からの立入検査を行っているという状況でございます。
#149
○平野達男君 そうすると、開設者はその一、二年の、まあ二年に一遍ということだと思うんですけれども、検査をしていて今までに仕切り書の改ざんの事実は見付けられなかったということでありますね。
#150
○政府参考人(西藤久三君) 先ほど平成四年度の処分の状況を申し上げましたが、その後、平成六年、それと平成六年以降、開設者によりまして、七年の十月、十年の一、二月、十一年の二月ということで岩果に対する検査を実施いたしておりますが、その際の検査においても、いずれも売買仕切り書の作成に関する不正行為は認められなかったという報告を受けております。
#151
○平野達男君 そうすると、今回の国の検査で見付かった仕切り書の改ざんの期間というのは、大体どのぐらいの期間ですか。十一年以降ですか、それとも、以前も入りますか。
#152
○政府参考人(西藤久三君) 今回の私ども市場法に基づく立入検査は、十三年の九月にまず実施をいたしておりまして、そのときの売買、そういう仕切りの状況の確認、一日の事例を確認しておかしな事例が見付かったものですから、さかのぼって整理をし、私ども承知をしておりますのは、当事者が申しておりますのは、平成十一年四月以降の対応であったというふうに承知をいたしております。
#153
○平野達男君 分かりました。
 そこで、今回の問題は、仮に買い付けだとすれば、これは問題は発生しないわけですね。卸売業者が出荷者から買い付けをして、その段階での契約に基づいて支払いをすると。ところが、委託ということであると仕切り書の改ざんということが問題になってくるわけですが、新聞報道等によりますと、この岩果という業者はまだこれは買い付けだというふうに言い張っているんですが、買い付けか委託かという判断というのは、これはそんなに時間が掛かるものなんでしょうか。
 と申しますのは、これは出荷者、特に生産者にとってみればこれは非常に重要な問題でありまして、どういう値段で自分が売れているかということについては、物を出した段階でこれを把握していなければおかしいわけです。ところが、これは検査、去年、十三年に入ってまだ買い付けなのか委託なのかについてもはっきりしていない、これはどういうことなのかということについてまずお尋ねしたいと思うんですが。
#154
○政府参考人(西藤久三君) 中央卸売市場における青果物の取引、先ほど先生からも御指摘がありますように、委託の場合と、卸売業者が産地から買い付けをして自らの責任において売る場合と。それで、販売伝票そのものには、先生御指摘のとおり、当然のことながら、これは委託を受けた品物であるのか買い付けたものであるかという記載はございます。そういう記載事実だけを整理いたしますと、株式会社岩果の近年の青果物のうち九五%以上は委託で、買い付けの割合は五%未満という伝票上の処理になっております。そういう報告を受けております。
 ただし、今回、そういうことで個別に精査した結果、売買仕切り書の三分の一相当が二重整理されているということで、彼らは、表面上これ委託として整理してあるが、実は買い付けであったということを主張しているというのが実態でございますので、その事実関係を売買当事者の間で確認を求めていると。私どもしかし、今まで報告を受けていた経緯は、ほとんどが株式会社岩果の場合は委託による売買であったという報告を受けている実情にございます。
#155
○平野達男君 これ、もし委託だとすれば本当に重大な問題に発展するわけですが、まだもし業者が買い付けだと言い張っているのであれば、一番いい例は、出荷者にも確認をする。それから仲卸業者にも確認をする。つまり、仲卸業者がどれだけのお金で買い取ったか。それから出荷者にどれだけのお金が支払われたか。それは岩果を通じて調べるんではなくて、両者に開設者なり県なりあるいは国なりが直接聞いてみれば、これはすぐ分かることだと思います。これについてはどのように思われますか。
#156
○政府参考人(西藤久三君) 今回の取引を含めて、正に売買そのものが出荷者と卸売業者の間の当事者間の取引で行われている実情から、私ども再三にわたり確認を、当事者との確認を求めている状況でございますが、実際上、その確認が十分できていないという状況の中で今回のこのような処分に至ったわけでございます。
 あわせて私ども、この処分の経過、内容について、言わば市場の関係者、市場の開設者、あるいは全国の卸売業者、あるいは出荷者団体を通じて状況の周知徹底を図っておりまして、そのことを通じて関係者の意識醸成を図っていきたいと。もちろん、当事者である岩果に対しては、当然のことながらその確認行為の、今回の処分も、早期の確認と報告を求めているという状況にございます。
#157
○平野達男君 いずれ、これもし委託ということになりますと、まず、仕切り書改ざんがどのぐらいの期間でやっていたか。それから、どれだけの取引で行われていたか。それで、減仕切りということでありますと、生産者若しくは出荷者が本来受け取るべきお金を受け取らなかったということになります。これをかつ業者が意図的にやっているとなれば横領の疑いも出てくるわけですよね。ですから、こういったものは、岩果を通じて調べるということではなくて、もう少し広範に、しかも迅速に調べるということが事実かと思います。
 ただ、農林省さんの肩を持つわけではありませんけれども、今回の措置を出すに当たって、まず何といっても市場の混乱を防がなくちゃならなかったということで、まずその受皿を準備しなくちゃならないということで、去年の検査から今日まで余り公にしないでやってきたという事実もありますし、本格的な調査はこれからだということだと思うんですが、一年、最長一年ということではなくて、迅速にやれば結果はすぐ出てくるものだということで、この件に関しましてはまだまだお聞きしたいことがあるんですが、時間になりましたので、法案に関してちょっと一点御質問をさせていただきたいと思います。
 NACCSの話につきましては、先ほど同僚委員が質問をしましたので、これは割愛させていただきますが、日本万国博の記念機構についてお伺いします。
 これは、なぜ民営化ができないかということをお話聞きますと、一つは固定資産税の問題があると、それからまた出資金の問題があるということでありますが、これは、もしそうであれば所有権は全部国と大阪府が持っておくということで、財産権そのものはもう変えないということで、管理委託という手があるんじゃないかというのが一つ。それから出資金につきましては、これは特別会計にやっておけばいいわけですから、特別会計という形で別会計にして経理をしておくという形で、民間への管理委託ということは、これは十分可能ではないかと思うんですが、それに対しての財務省さんの見解をちょっとお伺いします。
#158
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 特殊法人整理合理化計画を策定する段階で、日本万国博覧会記念協会の組織形態をどうすればいいかと様々な角度から議論をいたしたところであります。先生御指摘の国営公園にする案、府営公園にする案、民営化案、様々な議論をいたしました。
 今先生御指摘の案は、国出資分と大阪府出資分をそれぞれが出資を引き揚げて国営公園と府営公園にして、あわせてそれを民間に管理委託するということだろうと思いますが、府営公園案を議論した際に、大阪府の考え方は、この万博記念公園は、我が国初の国際博覧会というナショナルイベントの成功を記念して設けられた全国でもグレードの高い公園であり、広く国民一般の利用に供されていると、したがって、協会解散後も、仮に協会を解散した後も国の責任において良好に維持管理すべきであるというのが大阪府の意見でございます。仮に府にお願いをするということの場合どうでしょうかと。府の考え方は、府において管理することになれば、本来国の責任においてなされるものを肩代わりするものであり、将来にわたって府の負担が一切生じないようにすべきであるという御意見でございました。
 ということで、府の公園案がうまくいかないということがあったわけでございます。
 具体的に、それでは、じゃ、府の部分は府に返し、国の部分は国が返してそれを民間に委託するとどういう問題があるかということでございますが、一つは、国と府の間であの万博公園の二百六十ヘクタールの面積を、又は施設をどのように分割をするかということがまず技術的な問題としてはございますが、あともう一つ、この万博記念公園が成り立っているゆえんは、基金というものがございまして、基金の運用益でその収入を賄っているということでございますので、この在り方をどうするかというようなものも非常に難しいということで、基本的に、国営とか府営にするということは、特殊法人を民営化するという、合理化するという考え方の行政改革からはどうもうまくいかないねということで、独立行政法人で合理的な効率的な経営にするということになったわけでございます。
#159
○平野達男君 時間がないのでまとめます。
 今の御答弁で分からないわけでもないんですが、やっぱり分からない。要するに、少なくとも国と大阪府との関係でいえば、持分権比率というのはこれは簡単に決まりますから、それで、出資金なら出資金の比率でもって決めればいいということで、あと、その中で管理委託をするかどうかのテクニックの問題だと思うんです。
 今の答弁の中では、官から民へという小泉内閣の方針の中で、何で民でできないかということに対する答弁が何もなかったんですね。これは公園だから国で管理するという前提のそういう答弁なんで、本来であれば、何で管理委託ができないかというそのデメリットというのをもう少し説明していただきたかったのでありますが、時間でありますので、もし御答弁できるんであれば御答弁いただいて、私の質問を終わらせていただきます。
#160
○委員長(柳田稔君) 簡潔にお願いします。
#161
○政府参考人(寺澤辰麿君) 誤解があってはいけませんが、管理委託というのは、公園を国ないし府が運営をするという前提で管理を委託するわけなんで、もし先生の御質問が、例えば国が持ってそれを無償で貸し付けると。貸し付けてそこでやってくださいとか、有償で貸し付けるということであれば話は変わると思いますけれども、管理委託というのは、管理は国ないし府がやる、その実際の行動を委託する、運営を委託するということですから、あくまでもそれは国なり府が行うということになって、後者であれば、有償貸付けであれば、これは固定資産税の問題が出てまいります。と同様の問題が出てくることでございます。
#162
○大渕絹子君 大臣にまずお伺いをしたいんですけれども、今回、特殊法人改革に取り組まなければならなくなってきた歴史的な背景をまずお聞きをしておきたいというふうに思います。
 一九八〇年代、九〇年代、決算剰余金が四兆円、五兆円という形で出ていたときに国会での質疑をさせていただいた者なんですけれども、そのとき私たちは国債の償還に充てるべきであるということを強く主張したんですけれども、当時の政府は特殊法人を次から次へとたくさん作っていったんですね。私は、今は決算剰余金があるからそういうことができるんだけれども、それじゃ、その決算剰余金などというのは全く見込めない、国家が財政難に陥ったときにこれらの特殊法人の扱い方、積み上げられた基金はどうするのかという質問に対して、その基金、国が財政難に陥ったときにはそれらの基金というのは取り崩してでも国家に入れて、国家の財政難を潤すような方向で使うというようなことを答弁をされていたわけなんですね。
 ですから、そういうことと今回のこの特殊法人改革あるいは特殊法人を廃止をしていく方向ということは結び付いているのかどうかというのをちょっと確かめておきたいと、こういうふうに思うわけでございます。その背景についてお聞かせください。
#163
○国務大臣(塩川正十郎君) 特殊法人の改革をしようということの一番の趣旨は、やっぱり特殊法人が、監督がやっぱり手薄になるということと、透明性が薄いということ、ここをもう少し厳格にやっていこうということが改革への道、それと同時に、できるだけ独立独歩で経営させるようにして親方日の丸はもうやめようじゃないかと、こういう考えがこれに反映されておるということでございまして、今回独立行政法人にしましたのは、先ほどおっしゃった財政上の理由もございますけれども、それよりもより以上に、特殊法人の扱い方を考え直したということが、これが行政改革として改めたということが主体であります。
#164
○大渕絹子君 そうしますと、その特殊法人を次から次へと作り上げてきた過去の政治は間違いであったということをお認めになるんでしょうか。
#165
○国務大臣(塩川正十郎君) 間違いであったと私は思わないです。やはりそれだけのニーズがあって、またそれだけの使命をやってきたんですけれども、そこは先ほど言いましたように、管理上ルーズな点があったと。要するに、主務大臣で何でもできるというような、そういう管理上のルーズなこともあったということと、それからもう一つは、これのニーズについてもう少し考え直さなきゃいけないという、要するに、そういう行政的なあるいは政治的なニーズが変わってきたに伴って特殊法人の在り方も変えていったらいいじゃないかと、こういうことであります。
#166
○大渕絹子君 政権が政権維持のために官僚には天下り先を提供をする、そして業界にはその特殊法人を通じて予算の配分をやっていくということ、それから、それを通じて政府・自民党には票も金も上がってくるという、このいわゆる鉄のトライアングルを確固たるものにするために特殊法人というのは必要であったんですね、過去において。過去においてというか、今現在もそうなのかもしれませんけれども。必要であったけれども、政官業の癒着の構造の中で非常に腐敗とか政治不信というのが高まってきて、今回ここにメスを入れざるを得なかったというのが今回の特殊法人改革の真相ではないかと思うのですけれども、いかがですか。
#167
○国務大臣(塩川正十郎君) 何かそれは赤新聞の週刊誌のような話ですね。そういうものだけで判断しているものじゃございません。
 確かにそういう面も、疑わしいということで報道もされたことはあります。それは私たちも余り強く否定もしませんけれども、それよりも、大きい政治の流れの中に見た場合、やはり特殊法人が、そのときそのときに行政で即応し得なかったもの、あるいはまた行政では機動的に対応できなかったものが、特殊法人では機動的に、そして要するに、何といいましょうか、的確な措置ができるというので作っていった。
 けれども、状況が大分変わってまいりまして、例えば建設関係一つ見ましたかて、第一次総合国土開発からずっと進めまして、第四次、四全総に至りますまでに随分と特殊法人が果たしてきた役割は私は大きかったと思います。そういうことではあるが、しかし現在においてはもうそういうことよりも府県に仕事を任した方がいいじゃないかという、そういう、仕事も変わってきた。そこで特殊法人の在り方も変えようということです。
 何も建設だけではございませんで、福祉関係もそうだし、あるいはまた産業政策全般についても農業関係についてもそうだし、そういう点全部見直して、新しく独立して経営し得る体制を作らそうと、いつまでも政府におんぶにだっこということじゃない、こういう体制をちゃんとしようということでございました。
#168
○大渕絹子君 それでは、天下りの規制についてお伺いをいたします。
 現在、通関情報処理センターでは理事長さんが大蔵省出身で、民間に一時、民間といいますか、これは新都市情報システム代表取締役社長から現在の理事長になっているわけですけれども、役員の方、理事の方が五名いらっしゃるんですけれども、その方たちが全部、四人は大蔵省、それから一人の方は外務省出身という、いわゆる天下りでございます。
 さらに、万博記念協会の方も同じでございまして、大阪府からの採用の方がお一人、あとほかの三人の方は、それぞれ大蔵省、通産省、自治省の採用された方の天下りということになっておりますが、今度この独立行政法人に移行をしていく場合に、こうした現状のようなことが規制をされるような中身になっているのでしょうか。
#169
○副大臣(小林興起君) 今度独立行政法人を作るときに、全体にかかわる法律、独立行政法人通則法があるわけでございますが、その第二十条によりまして、独立行政法人が行う事業に関して高度な知識及び経験を有する者、あるいは当該事業を適正かつ効率的に運営することができる者の中から主務大臣がまず理事長を任命すると。理事長がほかの理事を任命していくわけでございますけれども、そういうふうになっているわけでございます。
#170
○大渕絹子君 理事長が選任をするというその規定はありますけれども、その官僚の天下りを規制をする、何%とか何割とかという細かいところまでの規制はどういう形になるんですか。
#171
○副大臣(小林興起君) 法的には今言いましたように適材適所という考え方に立っておりますので、まず全体的な、もちろん今日のこの時代でございますから、いわゆる役員の数はどんどん減らす、効率化を図る、これはもう独立行政法人の長たる者の当然の使命でございまして、そうすると、その中に少数精鋭の適材適所という者を置くということになろうかと思います。
#172
○大渕絹子君 決算書を見させていただきますと、役職員の給与についてというところがあるんですけれども、通関情報処理センター、役員給与、職員給与、総額で結構ですが教えていただきたい。日本万国博覧会記念協会についてもお願いをいたします。
#173
○政府参考人(田村義雄君) お答え申し上げます。
 決算書上の役職員の給与総額ということでございますと、十三億二千二百四十二万円となっております。
#174
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 平成十三年度の役職員給与支給額は、総額で六億八千三十三万円となっております。
#175
○大渕絹子君 役員と職員と別々におっしゃっていただけますか。
#176
○政府参考人(寺澤辰麿君) 失礼しました。
 理事長外三名の役員給与が七千五百五十一万円、六十五名の職員給与が六億四百八十二万円でございます。
#177
○大渕絹子君 通関情報処理センターでは常勤の役員の方が六名おられますけれども、平均すると一千九百万円ぐらい、平均額でですね、そして職員の給与が八百万円程度ということになります。それから、万博記念協会の方は役職員の方が一千九百万円弱ですね、四名で。平均です。そして、職員の方は九百万円強というぐらいになっていますね。
 それぞれ、通関情報処理センターの方は百三十二名職員の方がいられますし、万博記念協会の方には六十五名の職員がいられますけれども、それぞれ総額をその職員数で割った金額ですと今私が申し上げたような金額になるわけですけれども、これから行政法人に移っていく中で、これらの給与の規定というようなものは現在とは変わっていくのでしょうか。
#178
○政府参考人(田村義雄君) まず、現在の水準でございますが、先生が言ったとおりの水準でございます。例えば、職員の一人当たり平均八百十七万円という数字でございますが、先ほど申し上げた決算書全体の役職員給与総額は実は法定福利費も入っておりますので、これは足し算とは少し違っているということだけは申し上げておきたいと思います。
 それから、今後でございますけれども、独立行政法人化後は独立行政法人通則法上、法人自身が定めることとなっておるわけでございますが、役員につきましては、国家公務員の給与あるいは民間企業の役員報酬等、法人の業務実績等を考慮して定めなければならないとされておりまして、また職員につきましても、非国家公務員型、NACCSは非国家公務員型でございますが、この場合には、法人の業務実績を考慮して、かつ社会一般の情勢に適合したものとなるよう定めなければならないというようにされております。
 このほか、給与水準を一般に公表することとされておりますし、また、役員報酬等の支給基準につきましては、独立行政法人の評価委員会、これが社会一般の情勢に適合したものかどうかを主務大臣に意見を申し出るというようなことも規定されているところでございます。
#179
○大渕絹子君 事業収入の推移でございますけれども、通関情報センターの方では事業収入がおよそ九五・二%を占めておって、正常というか普通の業務ができる状況にあるというふうに思うんですけれども、万博協会の方は事業収入がおよそ全体の、ちょっとお聞きをしましょうか、事業収入と、それから事業外収入の比率についてお伺いをいたします。
#180
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 平成十三年度でこの協会の公園勘定、公園に係る収入は、公園事業収入が十五億七千万、エキスポランド運営収入が二億九千四百万円でございます。それから基金勘定、基金を運用しておりますが、これが六億九千八百万の収入がございます。それ以外に、管理勘定で余裕金等を運用しております収入が七億四千六百万、合わせまして三十三億八百万でございます。
#181
○大渕絹子君 非常に基金の運用益とか余裕金の運用益で大きな事業収入を得ているということは、健全な運営をされているというふうには思えるわけですけれども、いつまでもこれが継続してやっていけるのかどうかというところを考えますと少し不安はあるかなというふうに思います。
 それで、上げた当期利益金の取扱いなんですけれども、私は、国やそれから大阪府が出資をして上げている収益ですから、当然上がった利益については国や大阪府に上納する、還付するというのは当たり前のことだというふうに思うのですけれども、通関センターもかなりの収益を上げていますけれども、それらについて今後の利益の扱い方はどのようになさるんでしょうか。
#182
○政府参考人(田村義雄君) まず、通関情報処理センターの方からお答え申し上げますが、この剰余金でございますけれども、剰余金が上がりますと、やはり仮に経済社会情勢が変動しまして収支状況が悪化するというようなことが想定できるわけでございますので、その際に利用料金を値上げというようなことにすることなく運営するために積立金を備えておりまして、今、十三年度末において二十四億八千三百四十五万円ほど積立金を持っているわけでございます。
 今度、独立行政法人化に際しまして新しいセンターに承継されていくわけでございますが、この際におきましても、新センターの業務運営上必要な金額につきましては新センターの積立金として整備をするというように考えておるところでございます。
#183
○政府参考人(寺澤辰麿君) 万博協会の基金なり余裕金は、非常に低い入場料で公園事業を、収益性の低い公園事業を独立採算で運用するために必要なものでございます。これが独立行政法人になりますと、独立行政法人では公園勘定と基金勘定と二つの勘定を設けますが、公園勘定で業務の効率性等によって出た収益につきましては、一定の積立金を積み増す以外に納付金の規定を設けております。基金勘定につきましては、基金として最終的にはまた運用するという形になることになっております。
#184
○大渕絹子君 一番最初に国が財政困難なときにはということを私が申し上げたのはこのことに掛かってくるわけでございまして、できる限り上げられた利益については、それは国に還付するのが当たり前でございまして、まだ移管をしていく中で評価委員会で残す金額を決めてと言っていますけれども、そこは極力、国に還付できるものはもう最大限還付をするというのを大原則にしていだだくということを、大蔵省の評価委員会が決定をするわけでございますので、是非、大臣も御指導をいただきたいというふうに思います。
 それから、最後に、資本金の増加について、必要があるときは認められるという項目がありますけれども、この「必要があるとき」というのはどんなときなんでしょうか。万博の方の法律にこれが載っているんですけれども、答えていただきたいと思います。ちょっと通告しておりませんでしたが、第五条のところ、第二項、「機構は、必要があるときは、財務大臣の認可を受けて、」というんですが、この「必要があるとき」というのはどんなときを想定されているのかというのを教えていただきたいと思います。
#185
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答え申し上げます。
 現在の独立行政法人の考え方では、公園勘定と基金勘定に分けて、基金勘定の運用益をある程度公園勘定の収入に充てることができるということで、独立採算で行うことができると考えておりますけれども、例えば大規模な災害が生じた場合、公園の施設等が破壊された場合というような場合には、何らかの形で基金を取り崩して充てることができるということになっておりますけれども、国から支援を受ける可能性がございます。
 また、建物、施設等を新たに設ける場合に、基金の財務内容から必要があるという場合には出資を求めるということもあろうかと思いますが、これは可能性を書いてあるわけでございまして、現在の基金の財務状況をそのまま引き継ぐということでございますと、当面この出資金の必要はないものと思っております。
#186
○大渕絹子君 必要があるときは国からまた出資金を募れて、例えばもう全く事業が成り立たなくて倒産をしたときは、じゃ、どうなるんですか。
#187
○政府参考人(寺澤辰麿君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、この機構は、公園の勘定におきましては、公園収入と基金の運用収入の一部を充てるということで、収益性の低い事業を行っているわけですが、それ以外に基金を持っておりますので、通常、破綻をする、財政的に赤字になるということは考えられないと思っております。
 考えられるとすれば、先ほど申し上げましたように、大規模な災害等によって施設が破壊された場合等があろうかと思いますけれども、そういう場合には基金をある程度充てるということにしておりますので、更に基金を、現在持っております基金でも間に合わないような大規模なものがあった場合ということが恐らく政府から支援を受ける状況になろうかと思います。
#188
○大渕絹子君 しかし、通則法の中では、最悪倒産したときには、独立行政法人全体ですけれども、国庫が救済をすることに仕組みとしてはなっていますよね。結局、最終的には資本の増強も、それから赤字で行き詰まったときも国庫によって賄われるということになっているわけですから、ここは肝に銘じてそうしたことにならないようにやっていただくということを私は求めて、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
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#189
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子君が選任されました。
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#190
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#191
○大門実紀史君 日本共産党の大門です。
 両法案に反対の討論を行います。
 国民の願う特殊法人改革とは、無駄を削減して、国民生活に必要な部門はむしろ充実をすること、また天下りをなくし、利権、癒着構造にメスを入れることであります。
 ところが、今回の特殊法人改革は、単なる衣替えにすぎず、国民の願いとは懸け離れた見せ掛けの改革でございます。電子情報処理組織の改正法案も看板の掛け替えにすぎません。万博記念機構改正案も、むしろ採算性を重視する余り、施設利用料の値上げ、サービスの後退など公共性を損なう懸念があります。
 以上のことから、日本共産党は両法案に反対をいたします。
#192
○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決に入ります。
 まず、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#193
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#194
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、峰崎君より発言を求められておりますので、これを許します。峰崎直樹君。
#195
○峰崎直樹君 私は、ただいま可決されました電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案の両案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党並びに各派に属しない議員大渕絹子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 通関情報処理センター及び日本万国博覧会記念協会の独立行政法人への移行に当たっては、自律的、効率的に運営を行うという独立行政法人制度の趣旨が十分発揮されるよう、その運用に万全を期すること。
 一 両独立行政法人の長の選任においては、当該分野に造詣の深い適切な人材を広く内外から起用するよう十分配慮すること。その他の役員の選任についても同様とすること。
 一 両独立行政法人の役員の報酬及び退職手当については、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえ、法人及び役員の業務の実績を的確かつ厳格に反映させること。また、財務大臣は、両独立行政法人の役職員の報酬及び退職手当の水準を、国家公務員及び他の独立行政法人の役員と比較ができる形で分かりやすく公表し、国民の理解を得るよう努めること。
 一 両独立行政法人への移行に当たっては、これまで維持されてきた職員との雇用の安定を含む良好な労働関係に配慮すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#196
○委員長(柳田稔君) ただいま峰崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#197
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、峰崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩川財務大臣。
#198
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏んまえまして配慮してまいりたいと存じます。
#199
○委員長(柳田稔君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#200
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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#201
○委員長(柳田稔君) 次に、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。竹中金融担当大臣。
#202
○国務大臣(竹中平蔵君) ただいま議題となりました預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 我が国経済において、金融機関が担う資金決済の安定確保は、極めて重要であります。
 このため、金融機関の破綻時に全額保護される決済用預金を設けるとともに、仕掛かり中の決済の結了のための措置等を講ずることにより、我が国の金融機能の一層の安定化を図ることとし、あわせて、流動性預金の全額保護を平成十七年三月末まで継続するため、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、為替取引等に用いられ、かつ、要求払い・無利息である預金については、決済用預金として、金融機関の破綻時にその全額を保護することとしております。
 第二に、金融機関が破綻前に依頼を受けた振り込み等の仕掛かり中の決済の結了を可能とするため、仕掛かり中の決済債務を全額保護することとしております。また、預金保険機構が、破綻金融機関に対して決済債務の弁済のための資金を貸し付けることを可能とし、あわせて、決済債務の弁済や相殺を可能としております。
 なお、流動性預金は、平成十七年三月末まで全額保護することとしております。
 次に、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案につきまして御説明申し上げます。
 我が国の金融機関等においては、収益性の向上に真摯に取り組み、経営基盤の強化を図ることが求められておりますが、合併等の組織再編成はそのための有力な手段であると考えられます。
 このような観点から、金融機関等の組織再編成を円滑化するための特別措置を講ずることにより、金融機関等の経営基盤の強化を期し、もって我が国の経済の活性化に資することを目的とし、この法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、当分の間の措置として、合併等の組織再編成に伴い必要となる総会手続等を簡素化するための特例を設けることとしております。
 第二に、経営基盤の強化に関する計画を平成二十年三月末までに提出し、主務大臣の認定を受けた金融機関等について、根抵当権の譲渡に係る特例等の措置を講ずることとしております。
 第三に、組織再編成を行うことにより低下した自己資本比率を回復するため、預金保険機構が整理回収機構に委託して、優先株式の引受け等や、協同組織中央金融機関が引き受けた優先出資等に係る信託受益権等の買取りを行う措置を講ずることとしております。
 第四に、当分の間の措置として、合併等を行った金融機関等の預金者等に対し、合併等の後一年間に限り、保険基準額の特例を設けることとしております。
 以上が、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#203
○委員長(柳田稔君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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