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2002/12/10 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 財政金融委員会 第11号
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2002/12/10 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 財政金融委員会 第11号

#1
第155回国会 財政金融委員会 第11号
平成十四年十二月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     福本 潤一君     山本  保君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     松井 孝治君     大塚 耕平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                入澤  肇君
                尾辻 秀久君
                林  芳正君
                峰崎 直樹君
                浜田卓二郎君
    委 員
                上杉 光弘君
                佐藤 泰三君
                清水 達雄君
                田村耕太郎君
                中島 啓雄君
                西田 吉宏君
                溝手 顕正君
                森山  裕君
                若林 正俊君
                大塚 耕平君
                勝木 健司君
                櫻井  充君
                円 より子君
                山本  保君
                池田 幹幸君
                大門実紀史君
                平野 達男君
                大渕 絹子君
                椎名 素夫君
   国務大臣
       国務大臣
       (金融担当大臣) 竹中 平蔵君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等
 に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、福本潤一君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。
 また、去る六日、松井孝治君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 両案に対する質疑は既に終局しております。
 この際、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案の修正について峰崎君から発言を求められておりますので、これを許します。峰崎直樹君。
#4
○峰崎直樹君 ただいま議題となりました預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 小泉総理はこれまで再三にわたって、金融システムは健全であり、ペイオフは予定どおり実施すると明言してきました。しかし、総理は、金融危機ではないと言いながら、なぜ政策転換するかの説明責任を果たすこともなく、ペイオフ凍結の二年間延長を決定いたしました。すなわち、本法律案は、正に小泉経済失政の象徴とも言える法案なのであります。
 現下の金融危機の本質は、大手銀行の過少資本問題です。すなわち、大口問題企業に対する引き当て不足、繰延税金資産の過大計上及び公的資金による自己資本のかさ上げにより、表面上は八%以上の自己資本比率を確保している大手銀行が、現実には過少資本であり、したがって貸しはがしに走らざるを得ないという構図があるわけです。この結果、中小企業等に対する金融仲介機能が失われ、経済再生の大きな妨げとなっています。
 現下の金融危機を克服する唯一の道は、民主党金融再生ファイナルプランを直ちに実行することです。しかし、その間、一年程度の時間を要するというのであれば、事ここに至ってペイオフ凍結解除を再延期することもやむを得ないと考えます。政府案のように延長期間を二年間とすることは、中小企業に対する貸しはがしを二年間も放置をするということになりかねません。
 また、永久に全額保護の対象とする決済用預金を創設することは、全額保護の対象でない預金が決済用預金に預け替えされることにより金融機関の資金繰りがかえって不安定になるなど、大きな問題があります。
 これらの考えに基づき、本修正案では、普通預金、当座預金等の全額保護のための保険金の額の特例について、期限を一年延長して平成十六年三月三十一日までとするとともに、決済用預金にかかわる改正部分を削除することとしています。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#5
○委員長(柳田稔君) これより両案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#6
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 ただいま議題となりました預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案について、原案に反対、峰崎委員から提出された修正案に賛成の立場から討論を行います。
 初めに、預金保険法改正案について意見を申し上げます。
 委員各位も御承知のとおり、預金の全額保護を行わない制度のことをペイオフ制度と言います。平成十七年度にはペイオフ制度を解禁するが、一部の預金は全額保護するという論理構成は、ペイオフ制度ではないペイオフ制度を導入するという摩訶不思議な物言いであり、国産牛肉を輸入牛肉と偽る行為と本質的には同じです。また、竹中大臣は、平成十六年度中に不良債権問題を解決し、金融機関経営の健全化を図るとおっしゃっているのですから、そもそも平成十七年度から全額保護の決済性預金を導入する必要はありません。このような重層的な論理矛盾を抱えた本法案は、残念ながらかなり筋が悪いと言わざるを得ません。
 また、過日の本委員会の質疑でも指摘しましたように、企業の資金決済、仕掛かり中の決済を守るのが本法案の目的とするならば、企業の重要な資金決済手段である仕掛かり中の手形を保護するために、破綻金融機関に預けられている手形発行企業の定期性預金を、当該手形決済に優先的に充当するという優先弁済制度を設けるのが論理的というものです。金融庁の検討不足と言わざるを得ません。
 また、仮に、金融庁の想定するように、全額保護の決済性預金が金融機関の信用不安対策として有効であるとしても、それは、現在のような超低金利下における場合だけであることを指摘しておきます。
 すなわち、超低金利下では、定期性預金に預けても決済性預金に預けてもどうせ同じ、それなら全額保護の決済性預金に預けておくというインセンティブが働くことも分からないではありません。しかし、今後、金利上昇局面が到来した場合には、無利息の決済性預金と利息収入が期待できる定期性預金は、どちらに預けても同じとはなりません。全額保護の対象ではない定期性預金を預けても安心な金融機関に預金シフトが起きることが予想されます。すなわち、全額保護の決済性預金を導入したことが、結果的に信用不安を生み出すことになります。
 金融の世界は、他の産業分野に比べ、相対的に論理性が高いと言えます。論理矛盾したことを行えば、論理矛盾した結果が生まれることを金融庁は十分に肝に銘じていただきたいと思います。
 次に、金融機関等の組織再編成促進特別措置法案に反対する理由を申し述べます。
 本法案は平成十五年から施行されるものです。先ほども申し上げましたように、竹中大臣は平成十六年度末までに金融機関経営を健全化する方針を示しておられますので、本法案施行時点においては、金融産業は依然脆弱な環境の中にあると言えます。したがって、経営不安のある金融機関の合併促進を図るというのならば理にかなった法案と言えます。しかし、本院のみならず、衆議院における質疑においても、竹中大臣並びに金融庁は、必ずしもそのことを認めることなく、健全な金融機関同士の合併を念頭に置いて、合併後の金融機関に公的資金を注入することや、合併時に預金全額保護限度額を引き上げることなどを主張しています。健全な金融機関同士の合併であれば、そうしたことは必要ないはずです。これもまた内外に論理矛盾をさらした答弁と言わざるを得ません。
 その結果、本法案が成立すると、その仕組みが、既に一兆円の公的資金が投入されている朝銀信組に適用される蓋然性が高く、諸般の事情を勘案すると、これもまた大きな問題であると言わざるを得ません。金融庁の今後の対応は厳しく監視する必要があります。
 地域金融機関の再編は確かに必要です。しかし、郵便局や系統金融機関を含め、金融産業全体の将来像、青写真をどのように想定しているのか、国民にどのような金融インフラを提供しようとしているのか、金融庁ほか関係省庁からそれらに関する情報が全く提示されていません。このような法案は、論理矛盾を抱えているだけではなく、残念ながら、付け焼き刃、その場しのぎの内容と言わざるを得ません。
 さらには、過日の質疑の際に見られましたように、合併に伴う合併行の抵当順位の変動といった、極めて基本的かつ重要な問題に当局責任者が即答できず、責任者自らが陣頭に立って十分に検討したとは到底思えない法案と言えます。
 以上のような様々な理由から、本法案にも残念ながら反対せざるを得ません。
 なお、現下の金融経済情勢の下、ペイオフ解禁の再延期自体はやむを得ないものと考えます。したがって、峰崎委員提出の修正動議には賛成するものであります。
 最後に、金融庁におかれては、この際、過去と決別し、真に国家、国民の立場に立った金融産業政策を企画立案することを求めて、私の反対討論を終わります。
#7
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 私は、政府提出の二法案並びに民主党提出の修正案に反対の討論を行います。
 まず、預金保険法の一部改正案についてであります。
 今回のペイオフ解禁の延期は、不良債権の加速策と一体のものであり、不良債権処理の加速の期間が終わる二年後に解禁するというものであります。預金の全額保護措置の解除は景気の回復を前提にすべきであり、不良債権の処理の加速を迫り、金融機関の整理、淘汰を推し進めながら、同じ期間に期限を切ってペイオフの解禁を図ることは、中小金融機関からの預金流出を加速し、預金者の不安をかえって増幅するものであります。
 次に、地域金融機関再編特別措置法についてであります。
 本法案は、地域金融機関に収益力の強化を求め、合併・再編を促進しようとしています。しかし、地域金融、とりわけ協同組織金融機関は地域経済や中小企業を支えることが本来の役割であり、そこにこそ生きる道があります。政府主導の合併・再編はこれらの金融機関の経営にプラスにならないばかりか、それに伴う店舗削減やリストラによって、不況で苦しむ中小企業に追い打ちを掛けることになることは明らかであります。
 最後に、民主党提案の修正案は、ペイオフ解禁を政府案よりも結局早めようというものであり、現下の経済状況から理解できるものではありません。
 以上の理由から、政府提出二案及び民主党提出修正案に対し、いずれも反対の立場を取るものであります。
#8
○平野達男君 私は、ただいま議題となっている政府提案の二法案並びに民主党提案の修正案に反対の討論を行います。
 まず、今回の改正案の大きな柱であるペイオフ完全実施の二年延期という明白な政策転換について、政府は必要な説明を全くしていません。来年四月からのペイオフの完全実施は政府の公約でありました。不良債権処理の加速の実施を背景として、政策強化という言葉にすり替え、ペイオフ完全実施を延期せざるを得なかった経済の状況、そこに立ち至った理由をきちんと国民に説明しないのは、説明責任の回避であり、経済失政の隠ぺいと言われても仕方ありません。
 法案の前提であるペイオフ実施延期の説明責任を果たさない以上、本法案を認めるわけにはいかないのであります。
 次に、預金保険法等の改正案では、決済性預金の保護策として普通預金にゼロ金利の決済用預金を設け、それを全額恒久的に保護する措置が盛り込まれています。これは、本来、ペイオフ実施を前提として講じようとした措置であり、来年四月から決済用預金を作る意義が明確ではありません。決済性預金といいながら、預金金利をゼロにすることで、預金者に預金の全額保護のコスト負担を求めているのと同じであります。そもそも、決済性預金を含め、ペイオフの実施ができる経済、金融環境を作り出すことが政府の役割であるにもかかわらず、これでは当初から政治責任を半分放棄しているようなものでもあります。
 金融機関組織再編特別措置法案では、優良な銀行が他の銀行を救済合併するときの自己資本比率の低下に対し、公的資金を投入して自己資本の増強を図ることとしています。
 合併は、合併する銀行双方にメリットがあるから実施するのであり、自己資本が低下しても経営上問題ない、あるいは経営努力によってカバーできると見込まれる場合に合併は実現されるべきであります。したがって、こうした措置は本来不必要なものであり、かえって銀行の経営基盤の強化への努力に水を差しかねません。
 民主党提案の修正案についても、反対討論の内容をすべて補強するものではありませんので、反対いたします。
 以上、反対の理由を述べて、私の討論といたします。
#9
○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次両案の採決に入ります。
 預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、峰崎君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(柳田稔君) 少数と認めます。よって、峰崎君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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