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2002/11/12 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第3号
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2002/11/12 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第3号

#1
第155回国会 内閣委員会 第3号
平成十四年十一月十二日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                野沢 太三君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (科学技術政策
       担当大臣)    細田 博之君
       国務大臣     鴻池 祥肇君
   副大臣
       内閣府副大臣   米田 建三君
       総務副大臣    加藤 紀文君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村 隆秀君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       小熊  博君
       内閣府大臣官房
       審議官      大前  茂君
       内閣府政策統括
       官        安達 俊雄君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       内閣府国民生活
       局長       永谷 安賢君
       警察庁長官官房
       長        吉村 博人君
       防衛施設庁施設
       部長       大古 和雄君
       防衛施設庁業務
       部長       冨永  洋君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   楢崎 憲安君
       法務省矯正局長  中井 憲治君
       法務省人権擁護
       局長       吉戒 修一君
       外務大臣官房審
       議官       渥美 千尋君
       外務大臣官房参
       事官       齋木 昭隆君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     石川  薫君
       外務省条約局長  林  景一君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        遠藤純一郎君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       岩田喜美枝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (食品安全行政に関する件)
 (男女共同参画社会の形成に関する件)
 (北朝鮮による拉致問題に関する件)
 (警察行政に関する件)
 (構造改革特区制度に関する件)
 (いわゆる従軍慰安婦問題に関する件)
○警備業法の一部を改正する法律案(第百五十四
 回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付
 )

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣参事官小熊博君、内閣府大臣官房審議官大前茂君、同政策統括官安達俊雄君、同男女共同参画局長坂東眞理子君、同国民生活局長永谷安賢君、警察庁長官官房長吉村博人君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、同業務部長冨永洋君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、法務省矯正局長中井憲治君、同人権擁護局長吉戒修一君、外務大臣官房審議官渥美千尋君、同参事官齋木昭隆君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君、同条約局長林景一君、文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、国土交通省海事局長徳留健二君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川敏夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○亀井郁夫君 自民党・保守党を代表して、質問させていただきたいと思います。私もつい先日まで内閣府におりましたんですけれども、そういう経験を踏まえながら、是非こういうことをやってほしいという思いも込めながら質問をしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最初にお尋ねしたいのは、企業の自主行動基準の問題でございますけれども、近年、企業の倫理観が問われるような事件が随分起こっておるわけでございます。今年に入りましても、一月の雪印食品を始めといたしまして、全農チキンフーズ、協和香料化学、ダスキン、日本ハム、最後は東京電力という形で事件が次々と発生したわけでございます。私自身も長く産業界に身を置いておった者といたしまして大変残念に思うわけでございます。企業の経営倫理は今はどこに行ったんだろうかという思いもするわけでございます。
 こうした倫理観を失った事件が続発する背景に、私は戦後五十年の教育の結果だと思うわけでありまして、戦後の教育が全く倫理教育を無視してきたということの結果がこういうことになったと思うわけでございますけれども、今、ここでやはり企業に対してそういった倫理観を求めていく必要があろうかと私は思います。
 まず、そういう意味で、自主的に企業の倫理の確立に取り組んでいる企業もございまして、国民生活局の調査によりますと、回答企業の六〇%ぐらいは倫理規定を作ってそういう対応をしようと努力しているというふうに聞いておりますけれども、政府や経済界においてこうした問題に対する取組をもっとしっかりやってほしいと思いますが、これに対する考え方、状況等についてお尋ねしたいと思います。木村政務官、お願いしたいと思います。
#6
○大臣政務官(木村隆秀君) 亀井先生には前政務官として国民生活、とりわけ消費者行政のことに対して大変熱心にお取り組みをいただいたと伺っております。是非今後ともいろいろと御指導をちょうだいをいたしますように、まずお願いをしたいと思います。
 今、先生が御指摘をいただきましたように、近年、消費者の信頼を損ねる企業の不祥事が続発していることは大変残念なことでございます。
 そんな状況の中で、今、先生の御質問にもございますように、経団連では十月の十五日に企業の行動憲章というものを改定をいたしました。その中で、新たに消費者・ユーザーの信頼を獲得をするんだ、また、社内外の声を常時把握をして企業倫理の徹底を図る、また、経営トップ自らが問題解決に当たる姿勢を内外に表明をして説明責任を遂行するんだ、そんな新たな項目を設けたところでございます。また、各企業におきましても独自の倫理規定の策定や体制整備の動きが見られるところでございまして、内閣府のアンケート等によりますと、社内規定の策定状況、もう既に今お話がありましたように上場企業の六割は策定をしておるわけでございますけれども、三割の企業が新たに策定へ向かっての今検討を進めているということを伺っています。
 政府としては、企業が企業倫理を確立していくためのいろんな環境整備を進めていきたいというふうに考えております。全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願いをしたいと存じます。
#7
○亀井郁夫君 是非ともそういう立場から指導していただきたいと思います。
 次に、これに絡みますけれども、公益通報者の保護の問題についてお尋ねしたいと思います。
 これまでの多くの企業の不祥事件というのは、多くが企業内からの通報という形で社会的問題になったケースが多いわけでございます。そういう意味では、組織内におけるこうした通報者というのは、ある意味では密告者という暗い影もあるわけでございまして、同時にまた社内での処分という問題もございまして、非常に問題になるわけでございまして、こういう方たちをどのような形で保護していくかというのが大きな課題になるわけでございます。
 そういう意味では、内部告発ということよりも、表現的にも公益通報者という表現において今政府でも取り組んでおられますけれども、企業内の組織の風通しをよくするというふうな考え方から企業も取り組んでいく必要があると思います。そういう意味では、いわゆるそうしたヘルプラインというものを充実していこうということでアプローチしている企業もたくさんあるわけでございますが、しかしまだ回答企業の中には四〇%ぐらいにとどまっているというふうな話も聞いておるわけであります。
 こうした通報者の保護の法制化につきましては、やはり企業の方も作ってほしいというのが多いわけでございまして、必要というのが四〇%、場合によっては必要というのが五二ということですから、合わせて九二%、九割以上の企業もこういうものを作ってほしいということを言っておるわけでございますから、是非とも取り組んでいただきたいと思います。
 既に先進国では、アメリカやイギリスやニュージーランド等でもこういう制度が作られておりますけれども、やはりアメリカのようなドライな格好じゃなしに、イギリスのようなヘルプラインを中心にした形での法制にした方がいいと私は思うわけでございますけれども、こうした公益通報者保護の制度についてどのように政府は考えているのか、永谷局長にお尋ねしたいと思います。
#8
○政府参考人(永谷安賢君) 先生御指摘のとおりでございまして、企業の内部からの通報というのが最近端緒になっていろんな不祥事が明るみに出るという状況が生じております。そういう中で、通報者が通報した事実をもって例えば解雇をされるとかそういうような不利益を受けない、そういうふうに保護するという公益通報者保護制度の構築というのは、正に企業がある種の緊張感を持ってコンプライアンス経営に取り組むためのツールとして非常に緊急なテーマ、課題ではないかなというふうに認識しております。
 今、先生御指摘になりましたように、公益通報者の保護を制度化しているところというのは既に諸外国でもあります。御指摘のように、イギリスなどでは、第一義的には企業内部に通報して、そこでらちが明かなかった場合に外部に通報するというような制度化が図られております。
 今御指摘ございましたように、私どもの国民生活審議会の消費者政策部会で現在この問題について審議をしているところであります。今御指摘になりましたようなイギリスでの導入状況とか、あるいはこういう制度を日本の文化的風土の中になじませていくためにどういう工夫が必要かとか、そういうふうなことを併せて考えながら、なるべく速やかに、法制化ということも含めて公益通報者保護制度の具体化について早急に検討していきたいというふうに思っております。
#9
○亀井郁夫君 次に、消費者問題について、特に消費者の保護の問題についてお尋ねしたいと思います。
 最近の牛肉のBSE事件、それからいろいろと食品関係問題になりましたけれども、やはり生産流通の分野における行政というのが、どうしても生産者サイドあるいはサービスを提供するサイドという形で、消費者のサイドにシフトされていない行政が多いわけでございますけれども、これから是非とも、政府の施策も消費者サイドに軸足を置いてやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
 そういう意味では、現在の消費者保護基本法というのがございますけれども、これも成立してからもう既に三十年以上たっているわけでございまして、そういう意味では、社会の取引状況も大きく変わっておりますので抜本的に改正する必要があると思いますけれども、政府としてはどのようにお考えか、木村大臣政務官、お願いしたいと思います。
#10
○大臣政務官(木村隆秀君) 先生御指摘のように、法制定から三十年経過をしております。消費者を取り巻く環境はこの間大きく変化をしておりまして、例えば電子商取引なんというような法制定のときには全く想像もしなかった取引が起きております。また、そういうような状況の中で、新しいトラブルといいますか、想定をしなかった問題等々がいろいろ起きているわけでございまして、これらを踏まえて当然法改正を進めていかなければならないというふうに思っております。
 国民生活審議会におきましても、法改正を含めましてただいま議論を進めていただいておるところでございますけれども、その中間取りまとめが十二月に、そして五月には最終報告を取りまとめをいただく予定で今審議をしていただいておりますので、それを受けまして直ちに改正へ向かった手続を進めていきたいというふうに考えております。
#11
○亀井郁夫君 是非とも前に進めていただきたいと思いますが、その際に是非お願いしたいと思いますのは、消費者が弱者としてこれを単に保護するんだ、保護の対象として消費者を考えるということではなしに、より十分な情報に基づいて主体的に消費者そのものが動いていく、関与していくという形で消費者の権利と義務というものをはっきり基本法に明確化していく必要があろうかと私は思いますけれども、こういう点について木村政務官のお話を聞きたいと思います。
#12
○大臣政務官(木村隆秀君) 御指摘のとおり、今回の法改正に当たりましては、しっかり消費者の権利と義務というところを明確にしていきたいというふうに思っております。
 これまでの消費者行政というのは保護をするという観点が非常に強かったわけでありますけれども、これからは消費者の自立に向けた体制固めをしていかなきゃならないのではないかというふうに思っております。
 世界の消費者行政の基本になっておりますのが、アメリカのケネディ大統領の消費者の利益の保護に関する特別教書というものがその基本になっているわけでありますけれども、その中に、安全、知る、選ぶ、意見反映、この四項目が大切であるというようなことがうたわれているわけでございまして、消費者が十分な情報を得ること、そして自由な選択ができること、それによって安心、安全な消費生活を営むことができる、そのための消費者政策を展開をしていくことが大切であると。また、その観点に立った、法改正の中でもしっかりと明記をしていきたいというふうに考えております。
#13
○亀井郁夫君 もう、是非とも頑張っていただきたいと思います。
 次に、取引の関係でお願いしたいのは、不当表示や強引な勧誘等、非常に消費者に甚大な影響を及ぼすような実態があるわけでありますけれども、公正取引委員会に対して是非お願いしたいのは、単に市場の公正競争の確保ということだけではなしに、消費者を欺くようなそうした勧誘行為等については積極的に取り締まってほしい、ある意味では公正取引委員会しかないと私は思いますので、そういう形で頑張っていただきたい、消費者の方に、立場に軸足を置いた行政をやっていただきたいと思いますけれども、これについて公正取引委員会の気持ち、思いを是非聞かせていただきたいと思います。
#14
○政府参考人(楢崎憲安君) 先生御指摘のように、不当表示等が相次いで発生しているわけでございますけれども、公正取引委員会といたしましても、食肉の不当表示事件あるいは健康食品や健康器具の不当表示、あるいは当選商法と称して高額な商品を買わせる等、様々な消費者の適正な判断をゆがめる行為につきまして全力を挙げて排除に取り組んでいるところでございます。
 一方、先生御指摘のように、公正取引委員会は、事業者間の競争、市場における競争を維持促進するという競争政策を担当しているところでございますけれども、事業者間の競争だけじゃなくて、需要者である消費者が適正な商品選択ができる意思決定環境が整備されるといったことが必要でございまして、正に競争政策と消費者政策が一体のものとして取り組む必要があると、こんな観点から、有識者等から成る研究会を開いて検討しているところでございまして、そういった御議論等を踏まえまして、今後とも消費者政策について積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#15
○亀井郁夫君 次に、食品の安全確保の問題についてお尋ねしたいと思います。
 昨年九月の牛肉のBSE問題を契機といたしまして、食品関係についていろんな問題が起こったわけでございます。品質保持期限の一方的な変更だとか原産地の変更だとか、不許可の添加物を使用する等、そういう意味では、何か食品会社というのは腹痛さえ起こさなきゃ何でもいいんだというような感じでやっているんじゃないかというふうな腹立たしさも感じたわけでございますけれども、それは私だけではないと思います。
 特に、従来、食品については、ブランドを守るという感じで、品質を守るという感覚がある意味では薄かったのではないかと思いますし、これに対する担当が厚生労働省と農林水産省という二つにわたっているということにも大きな原因があろうかと思いますけれども、特に、食品に付いている賞味期限という表現と、それから品質保持期限というのと消費期限という三つの言葉がございますけれども、これ、JAS法と食品衛生法との関係でこんな形になっておるわけでありますけれども、一般消費者には全然分からないわけでございますね。そういう意味では、こういうことについてしっかり国民に分かるようにしながら、表現も統一していく必要があるんじゃないかと思うんですね。
 そういう意味では、今度できます食品安全委員会、できましたから、食品安全委員会辺りで相当リーダーシップを持って食品の安全問題について対応していただきたいと、こう思うわけでございますけれども、こういう問題についてどう考えておられるのかと。
 さらに、食品安全委員会を設けられたということで新聞には出ておるんですけれども、まだまだ準備委員会だけであって具体的に動いていない。聞くところによると来年の予算ということですから、来年の春以降だというふうな話を聞くわけでございますけれども、それではなかなか効果は出てこないということで、是非とも早い時期にこの食品安全委員会がチェック機関として十分機能して、国民に食品に対する安全を、食品に対する安全というものをみんなが実感できるような仕組みを作っていただきたいと思うんですけれども、担当大臣に是非ともこの辺についての考え方をお尋ねしたいと思います。
#16
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど来、消費者の権利とも関連させて亀井委員がおっしゃっておりますように、食品の安全性を国民の間に信頼を取り戻していくためには、消費者の健康保護を最優先とする食品安全行政というものを確立していかなければならないと、こう考えております。
 そして、従来は食品のリスクを評価する立場と、それからそれを管理する立場というものは一緒でありましたので、そこにいろんな混同が起こったことがあったのではないか。したがって、リスクの評価というものは、これは一元的にあくまで科学的、客観的に行わなければならない。
 そういう意味で、今度、私が今作業をしております食品安全委員会は、厚生労働省あるいは農水省という所管を超えて、食品の安全性を確保するために必要があれば科学的、客観的なリスク評価を実施して勧告を両省にも行っていく、関係省庁に対してもそれぞれ的確な対応を促すということを役割としておりまして、いずれにせよ、この食品安全委員会と関係の各省庁との適切な緊張関係を持ちながら食品の安全を確立していきたいと、こう思っているわけであります。
 それから、表示の問題で縦割り行政の弊が見えるじゃないかという御指摘でございました。消費期限、賞味期限あるいは品質保持期限、これは一体どう違うんだ、大変分かりにくい話でございますから、これにつきましては、厚生労働省と農林水産省が共同会議を年内、大体十一月下旬ごろをめどにしているようでありますが、立ち上げまして、この用語の統一とかそういう問題を速やかに協議していくと、こういうふうに聞いております。
 それから、まだそういう食品安全委員会ができていないじゃないかと、こういう御批判、六月十一日の閣僚会議でこういうものを作れという御指示を、取りまとめをいただいて今検討作業を進めているわけですが、食品安全基本法を作り、そしてこの食品安全委員会を作るということで、今、委員がおっしゃいましたように、来年の通常国会を目標に今法案を提出する準備をしているところでございまして、これはもっと早くせよという御趣旨かと思いますが、予算そのほかも関連いたしますので、予算やいろんなことを念頭に置きながら必ず来年の通常国会には出すと、こういうことで今作業を進めておりますので、御理解をいただきますようにお願いをいたします。
#17
○亀井郁夫君 是非とも縦割り行政の壁を破ってすばらしい委員会を作ってほしいと思います。
 それから、もう一つお願いしたいのは、委員の選任について、やはり技術的な専門家というものを是非十分入れてもらって、チェックに粗相がないようにお願いしたいと思います。
 それから、大臣にもう一つ聞きたいのは、青少年の健全育成という問題でございますけれども、非常に最近青少年の凶悪犯罪が多いわけでございまして、そういう意味では、各県とも青少年の健全育成条例というのを作っておるわけでありますけれども、しかし、各県の条例は一つだけマスコミ関係が全部落ちておるわけでございまして、そういう関係で非常に困っているというのが実態であります。
 特に、コンビニなんかに行きましてたくさん出ておる雑誌を読みますと、これがという内容のものがたくさんあるわけでありまして、これを孫たちが読んだら大ごとだなということがたくさんあるわけでございますけれども、それはなかなか今は規制されないというのが実態であり、各県からは、やはり青少年健全育成条例というものを全国的な立場から中央で作ってほしいという要請が非常に強いわけでございますけれども。
 これの担当は内閣府でございますけれども、総務庁以前は青少年問題審議会があって、去年の行革でなくなりましたけれども、ここでも青少年育成基本法を作りなさいとか、青少年プランを作りなさいというふうなことも最後の答申で出ておるわけでございますけれども、参議院でも三年前からこの基本法を作ろうという動きをしてきておるわけでありますが、まだ実を結んでいないのが実態でございます。特にマスコミ関係の反対というのは大変なものがあるわけでございまして、これを乗り越えてやっぱりやっていかなきゃいけない問題でもございます。
 そういう意味では、青少年の問題というのは国の将来にとって大変大事な問題でございますので、これについての取組を是非やっていただきたい、私は思うわけでございますが、大臣のこれについての御所感、方針をお聞かせ願いたいと思います。谷垣大臣。
#18
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、亀井委員がおっしゃったコンビニ等のポルノの問題、これは青少年のもの、児童を対象にしたものに関しましては、今、数年前に議員立法で児童ポルノ、児童買春の法律を作っていただきましたので、今、議員立法としてどう改正をしていくか御検討をいただいていると聞いておりますので、我々も十分にそれを関心を持って今見ているところでございます。
 それから、私の所感からいたしますと、少年の非行情勢ということでちょっと今考えていることを申し上げますと、凶悪犯、特に強盗が増加するというような大変深刻な状況にあるというふうに見ておりまして、治安回復のかぎも少年問題にあるというふうに思っております。
 そこで、少年事件捜査力の強化や、あるいは少年相談や街頭補導を通じての問題行動での、問題行動のまだ段階で、要するに事前ということですが、段階で指導、助言していくと。それから、少年サポートセンターというものを作りまして、ここを中核として関係の機関や団体、ボランティアと連携を強化するというようなことをやっております。ボランティアも、率直に申しますとかなり高齢化をしたりしておりますので、やっぱり若い方に、青少年犯罪という、対応していくということになると、若いボランティアをどうして参加していただくかというようなことを今いろいろ工夫しながら取り組んでいるところでございます。
#19
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 谷垣大臣、もうよろしゅうございますから。ありがとうございました。
 次に、男女共同参画の問題についてお尋ねしたいと思います。
 二十一世紀の我が国社会にとって女性の参画というのが大事なことは今更言うまでもないことでございまして、そういう意味では、平成十一年に男女共同参画社会基本法というのもできたわけでございまして、そういう形でこれから進んでいかなきゃならない、当然のことだと思うわけでございますけれども。しかし、男女共同参画というのは、男女がお互いにお互いの違いを認め合いながら、生かし合いながらともに手を携えて頑張っていくというのが私は基本的な考え方だろうと思うわけでございますけれども、しかしこの男らしさ、女らしさということについていろいろと世の中に誤解もあるようでございますので、是非確認しておきたいということで御質問するわけでございます。
 最近、千葉県の千葉市に男女共同参画ハーモニー条例案というのが出ました。これは、男女共同参画基本法に基づいて各県が条例を作るということになっておりますので市や県が作っておるわけでありますが、その一つで作られたんですが、そこの中には、女らしさ、男らしさという言葉を一方的に否定するのは行き過ぎではないかと、簡単に言ったらそういうふうな表現が入っておりましたが、これに対して大変一部の批判がありまして、結果としてはそれが落とされるということになったわけでございます。
 そういう意味では、男女共同参画社会の基本法に、これが男らしさ、女らしさを認めることが違反しているんだというふうな主張が行われたわけでございますけれども、私はおかしいのではないかと。お互いに違いを、男らしさ、女らしさを認め合いながらやっていく、これが男女共同参画基本法の基本的な考え方ではないかと思うわけでございますけれども、これについて、この法案の所管の官房長官にお聞かせ願いたいと思います。
#20
○国務大臣(福田康夫君) 男らしさとか女らしさ、これはやっぱり男女という性別がある限りあるのではないかと思います。ただ、時代が変わり、社会の情勢が変わって、その考え方に多少の違いがあるということがあったとしても、男女の性別というところから出てくるものは、これは否定することはできないと思っております。
 そもそも、男女共同参画社会というのは、この法律の前文に書いてありますとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会であると、こういうことでございまして、これは、このことは男らしさとか女らしさ、これを否定しているものではありません。しかし、男らしさとか女らしさ、こういうことでもってパターン化してしまうということは、これは一人一人の個性と能力を十分に発揮することは時としてはできなくなるというような環境を作ってしまうというおそれがございますので、これを強調し過ぎるということについては問題があるのではなかろうかと。しかし、これも時代及びそれぞれの属する社会とかオケージョン、いろんな場合がございまして、一概に言えないところだと思っております。
#21
○亀井郁夫君 お話しのように、男らしさ、女らしさという言葉も時代によって変わってくるでしょうし、男以上に男らしい女性もおりますし、そういう意味ではいろいろとあろうかと私は思います。
 ただ、この基本法において、結果平等を求めているんだという考え方が多いわけでありますが、私は、これは条件の平等を求めているんだ、機会の平等を求めているんだと私は思うわけでございますけれども、そういう意味で、結果の平等なのか条件の平等なのか、これについては官房長官、どのようにお考えでしょうか。
#22
○国務大臣(福田康夫君) この男女共同参画社会基本法であります、ここには、男女が均等に政治的、経済的、文化的、また社会的な利益を享受することができ、そして男女ともに責任を担うべき社会を形成する、これがこの基本法に書いてある目標だというように思います。
 その目標を達成するために、いろいろな条件とおっしゃいましたが、これはいろいろな機会を与えるということと理解をすべきだと思います。いろいろな機会を確保することによって男女が参画しやすい環境を整備する、そういうことでその目標を達成する、そういう機会を提供するということが大事だと思いますので、条件とかそういったようなことでない、機会を選択することもできるわけですから、そういうことで我々は理解いたしているところでございます。
#23
○亀井郁夫君 よく分かりました。
 次に、これに絡んで、はやっている言葉でジェンダーフリーという言葉があるわけでありますけれども、ジェンダーというのは社会的、文化的に形成された性別というふうに定義されておるようでございますけれども、こうした考え方で、これを乗り越えるということで、これを否定するということでジェンダーフリーという言葉が日本では随分使われておるわけでございますけれども、私が調べたのでは、アメリカではジェンダーイクオリティーだとかジェンダーフェアネスという言葉はあるけれども、ジェンダーフリーという言葉はないようでありますけれども、余り使われていないようでございますけれども、この辺についての考え方を是非聞きたいと思うんですが、特に、こうしたジェンダーフリーの思想が男女共同参画基本法の基本になっているんだというふうな話が多いんですけれども、これについてそうなのかどうなのか、そういう意味では局長にお尋ねしたいと思います。
#24
○政府参考人(坂東眞理子君) 御指摘のとおり、ジェンダーという言葉は、社会的、文化的に形成された性別という意味で男女共同参画基本計画においても使用しておりますけれども、ジェンダーフリーという用語はアメリカでも使われておりませんし、北京宣言及び行動綱領や最近の国連婦人の地位委員会の年次会合の報告書などでも使われておりません。もちろん、日本の男女共同参画社会基本法、男女共同参画基本計画等の法令においても使用しておりません。
 したがって、我が局、男女共同参画局としては、ジェンダーフリーの公式的な概念はこれこれでございますということをお示しできる立場にはございませんけれども、現在、一部に、男性と女性の区別をなくするんだ、男性と女性を画一的に扱うんだ、画一的に男性と女性の違いを一切排除しようという意味でジェンダーフリーという言葉を使っている方がいらっしゃる、そういうことは大変一部に誤解を持たれているんだなと思いますが、男女共同参画社会はこのような意味でのジェンダーフリーを目指しているのではなくて、男女共同参画社会基本法で求められているとおり、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会、男女が差別を受けることなく、対等なパートナーとして様々な分野に参画し、利益も責任も分かち合っていけるような社会を目指しているというふうに思っております。
#25
○亀井郁夫君 分かりました。そういう意味では、ジェンダーフリーという言葉は日本でよく使われていますけれども、世界的に通用している言葉ではないということがよく分かったわけでありますが。
 しかし、このジェンダーフリーという考え方から、いろんな政策面においてもいろんな影響を及ぼしておるわけでございまして、特に、文部科学省から出しております「未来を育てる基本のき」というパンフレットがありましたけれども、それを見ますと、男の子はたくましく、女の子は優しくとか、あるいは男の子は黒のランドセル、女は赤のランドセル、こういうのはいけないんだと、こういうのをジェンダーバイアスというんだそうですけれども、そういうことでこれをもう否定しなきゃならないというふうなことが書いてあるので驚いたようなわけでございます。
 そしてまた、厚生労働省の出している「思春期のためのラブ&ボディBOOK」というのがありますけれども、中学生向けの性教育の雑誌でございますけれども、これについても本当にいかがなものかということがたくさん書いてあるわけでございますが、ここで特に、産むか産まないかということを決めるのは女性なんだ、女性本人なんだというふうなことが書いてあり、自分で決めなさいということを中学生に教えているというふうな実態でありますけれども、しかし、こんなことをやることは、そういう意味では堕胎を勧めているようなことにもなりますし、あるいはまた妊娠中絶については配偶者の同意が必要だという母性保護法にも反するというふうなことが堂々と、役所が見ているはずの、作ったはずのものに書いてあるということで、非常に問題だと私は思うんですね。
 特に、最近問題になったのは、千葉県で、千葉知事の方から出た条例の中に、入札参加資格を見るときに、審査する場合に、これは共同参画推進の取組を見るんだということが出てきたわけでございまして、これに対しては千葉県の県議会の自民党が反対して今ペンディングになっておるわけでありますけれども、そこまでやはり見ていかなきゃいけないのかと。これは結果平等を求めていると思いますけれども、それじゃやっぱりおかしいんではないかというふうな気もするわけであります。
 さらには、農林水産省が進めております家族経営協定、これも基本法の精神にのっとってやるんだということになっておりますけれども、確かに、農家に奥さんが給料をもらってやるという家庭もあってもいいかもしれませんけれども、しかし、夫婦で力を合わせながらやっている農家にそういった契約思想を入れて、この思想を持ち込んでいって、そして家族経営協定を結びなさいというふうなことを推奨するということは、それでなくても家族が崩壊しているわけでございますけれども、そういうのを進めることが果たしていいのかどうなのかというふうに思いますけれども、こういうことがちゃんと、農水省のことなんですけれども、これにちゃんと書いてあるんですよね。この内閣府の男女共同参画のパンフレットに書いてあり、そしてこの共同参画の雑誌もちゃんと書いてあるわけですね。だから、そういうことを進めることがいいのかどうなのか、私は行き過ぎじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、米田副大臣にお考えを聞きたいと思います。
#26
○副大臣(米田建三君) 大変盛りだくさんな御質問で、一言ではお答えしにくいんですが、まず教育の問題に関して何点か御指摘がございました。
 男女共同参画社会に関する教育につきまして正確に申し上げるならば、男の子らしさ、女の子らしさを強調し過ぎる余り、子供たちの本来持っている固有な個性や才能、これを狭めてはならぬというところに本来の趣旨があるわけでありまして、したがって先ほど官房長官もお答えを申し上げたとおり、決して画一的に機械的に男女の違いを認めないと、こういうことではないということであります。したがって、そういう誤解を生まないような施策の進め方というものが大事だろうと思います。
 なお、文部科学省の委託事業として発行されている、「未来を育てる基本のき」という冊子がありますが、ここにつきまして、男らしさ、女らしさを押し付けることの問題をこれは指摘したものでありますが、列挙した個々の慣例等について、それを否定的にとらえた上でその見解を逆に押し付けようとしているのではないかと、こういうふうに受け取られる向きもあったということは承知をしております。したがいまして、誤解の生じないように今後とも適切な対応がなされるように、関係省庁とも緊密な連絡を図ってまいらねばならないというふうに考えております。
 また、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」という、この厚生労働省の所管団体の発行した冊子につきましても先生今言及されましたけれども、基本的には現実に中学生の、中学生向けのこれは冊子でありますが、中学生においても性体験を経験する児童が大変増えておるという、こういう現実があります。性教育というものはこれはやはり必要であろうと。
 しかし一方で、先生が御指摘されたような産まない自由、産む自由云々というふうな、産むか産まないかというふうな記述、ここに今手元にありますが、結婚するかしないかとか、いろいろなことを書いてございますが、元々子供が子供を作っちゃいけないわけで、子供が結婚していいということにはなっていませんので、冊子のこの表現の問題なんでしょうが、性教育は当然これはもう必要になっている、現実の問題として。しかしながら、一方でやっぱり一定年齢までの子供のあるべき姿というものをきちんと社会が教えていくという、このことも忘れてはならぬことだろうというふうに考えております。
 また、千葉県の条例の問題がありました。
 御指摘の入札参加資格に対する考慮につきましては、これは条例案から削除されたわけであります。本来、入札制度の趣旨というものは、納税者の納めていただいた税金によって公共的な事業を行う際に、公明かつ透明なルールによって、しかも廉価で高い技術によって仕事をしていただくということに趣旨の力点があるわけであります。その辺のところが恐らく議論の中心になって、少し趣旨が違うのではないかというふうな反対意見もあって削除という流れになったんだろうと思いますが、いずれにしましても、条例というものは各地方公共団体においてその地域の特性に応じ、また住民の意向を踏まえて作成できるということにもなっております。
 男女共同参画の考え方の本来の趣旨をしっかり御認識をいただいた上で、今後それぞれの地方公共団体の判断の下で、男女共同参画推進の正しい取組が推進されることを期待をしておるところであります。
 また、農水省の家族経営協定についての御言及もございました。
 一般に自由な民主的な社会においては、個人の暮らし方あるいは家庭の在り方にまで公権力が口を挟むのはいかがなものかというそういう御意見、一般的な原則論としては私は正しいと思っております。農家の家族経営協定の次は商店の家族経営協定だ、次は零細中小企業工場主の家庭の家族経営協定だというふうに拡大しかねないではないかという御批判があることも承知をしております。
 ただし、この今回の趣旨につきましては、あくまでも男女を問わず意欲や能力が十分に発揮されるそういう社会が必要なんだという、そういう前提の下に進められている施策でございまして、やはり画一的なルールを強制的に押し付けるものであるというこういう誤解を生まないような努力が必要である、そういう考え方を基本にしながら男女共同参画の推進を図る必要があると、この問題につきましてもそのように考えております。
 以上です。
#27
○亀井郁夫君 ありがとうございました。
 是非誤解がないように十分指導していただきたいと思います。
#28
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。
 先週に引き続いて、今日も拉致問題の話を取り上げて質問をさせていただきます。
 先週、官房長官の方の私の受けた御答弁への感じでございますが、相手のあることだし交渉事なんだし、いろいろ御心配いただくのは有り難いのだがと、何かくどいというふうにお感じになられたのでしょうか。今日は、質問に入ります前に、大変恐縮でございますけれども、私なりの問題意識をお話しさせていただいて、少しかみ合う議論をさせていただいたらと、このように思います。
 やっぱり昨年の九月十一日の米国同時多発テロ以降、世界の政治というのは大きく変わってきているわけでございます。今回の日朝正常化交渉も私はその延長線上にあると考えております。テロが起こる、それからテロへの報復といいますか、テロを根絶するんだと、それを武力を用いるんだということがあるのでしょうけれども、アメリカのニューヨークからアフガンへ地理的場面が移り、そしてまたイラクへ場面が移っていると。イスラエル、パレスチナの間の衝突は自爆テロという形で続いている。また、一般市民を巻き込むような国内テロ事件というのも、観光客でにぎわっておりましたバリ島で起き、そしてロシアの劇場でも起きたと、こういう冷戦後の大きな流れがあるわけでございます。
 こうした状況の中に、アメリカのブッシュ大統領は、湾岸戦争後に大変人気の高かった父親ブッシュ大統領のたどられた道、その轍を踏むことなく今回中間選挙で勝利された。アメリカ議会のイラク攻撃容認決議を背景として、国連安保理でもアメリカの方でイニシアチブを取っていると、このような認識があるわけでございます。
 しかし一方、テロの背景には、経済のグローバリゼーションの影の部分としまして富の格差が非常に大きく拡大してきている、それから地球環境の破壊の問題も南北問題として拡大している、エイズなどの疫病の蔓延ですとか貧困の拡大というものがありまして、そういうものがテロの温床となっている、こういう認識も事実として確かめられてきているのではないかと思います。
 分かりやすく、誤解を恐れず単純に自分の言葉で申し上げさせていただきますと、平和を構築するためには、武力、軍事力でもって勝利をかち取るというこういう道があり、それから、でもそれだけではなくて人権といいましょうか人間の尊厳といいましょうか、人間の安全保障というそういう言葉を日本の政府も使っているわけでございますけれども、人権というものをグローバルに普遍化させるという、この道があると私は思っております。そして、武力によって正義をかち取るという方向は、ともすればナショナリズムに陥る危険がありますし、また人権のグローバリゼーションにつきましても、甘いとか、それから価値観の押し付けであるとか、こういう問題も、批判も、理想主義に走り過ぎて現実的でないというような批判もあるわけでございます。
 思い出しますと、民主党の鳩山代表に中曽根総理が、人権とか友愛とか平等だとかという、人権という言葉を鳩山代表が使うときに、ソフトクリームのように甘いものであって夏が過ぎれば溶けてしまうだろうというような、こんな言葉があったことを私は印象的に覚えておりますが、私は、人権というのは実は甘いものではない、むしろ利害が相反する者同士の、何といいましょうか、ぎりぎりのところでお互いがどういうふうに折り合いを付ける、ぎりぎりのところの選択を迫られるという非常に厳しいものではないかというふうに考えております。
 今回、米国のちょうど中間選挙と日本の小泉内閣の改造のこの時期というのは割合奇妙な類似点があったように思っております。どういうことかといいますと、外交か国内経済かという、これに対する政権への信任が国民に問われたと、こんな感があったと思います。もちろん抱えている問題は違うわけでございますけれども、外交か国内経済かという、そういう二つの軸が問われて、どちらかというと、どちらも外交に対する国民の評価は高かったということが結果だったのではないかと思います。
 しかし、アメリカでは、イラク問題等々余りに政治的にこれを利用し過ぎるのではないかというこういう批判も現にあったわけですし、アフガンに対する空爆の決議のときには、バーバラ・リーさんとおっしゃる女性たった一人の下院議員がその決議に反対した。しかし、今回のイラク攻撃容認決議でしょうか、アメリカ議会の決議に関しては、たった一人でということではなくて、もちろん過半数には至りませんでしたけれども、かなりの議員が反対を表明していると、こういう状況があると思います。
 こんな図式、大変私の個人的なことをここで述べさせていただいて恐縮ではありますけれども、そういう図式の中で、今回、日本の拉致問題を考えるというのが私の考え方の道筋なわけでございます。そういうことに立って、そういうスタンスで私は質問させていただいている。
 ですから、日朝正常化交渉の開始を私は評価いたします。小泉総理が重い重い扉、北朝鮮の扉を開けさせたということは評価するものでございまして、それに絡まって拉致問題、拉致事件、それから事件によって被害を受ける被害者の人権の問題ということがあるとすれば、拉致問題の解決なくして正常化交渉なし、拉致問題の解決なくして正常化交渉もなければ経済協力もなしと、こういう強い態度を政府が取っていらっしゃることには私は賛成なんです。
 ただ、私が先日来、くどいと思われたかもしれませんが、質問をさせていただいたのは、この際、日本も人権という、あるいは人道と言った方が分かりやすいでしょうか、そういう問題について道を誤ってほしくない、二十一世紀の日本は人権大国として生きていきたいと、こういう思いがあるからこそ、このような、先週のような質問をさせていただき、また今日もそうした問題について質問させていただきたいと思っているわけでございます。
 長広舌を振るいまして申し訳ございませんが、そういう前提の質問ということでよろしくお願い申し上げます。
 まず、拉致問題についてでございますけれども、ちょうど先週のこの内閣委員会のころに、安倍副長官、中山参与が政府の方針を拉致被害者の方々にお伝えに行かれたわけでございますね。拉致被害者の方々は、そうした日本の政府の姿勢について理解をされたということでございましょうか、お尋ねします。
#29
○国務大臣(福田康夫君) 昨年の九月十一日以降の様相をたどって、現在に至るまで御説明をいただきました。
 基本的には、九月十一日のテロの関係でいろいろな世界の情勢が変化してきているというこのことは、私率直に認めてもよろしいんではないかと思います。しかし、このことと北朝鮮の問題、これは関係ないというふうには言いませんけれども、この北朝鮮の問題につきまして、やはり戦後五十七年間国交がないというそういう状況を、これを何とかして改善しなければいけないのではないかというのは、これは政治家として当然の考え方であり、そのために多くの方々が今まで努力してこられたんですね。ですから、そのことを考えますと、単に九月十一日のことだけではないということでありまして、我々、いつこの国交正常化についての話合いができるかという機会を常々探し求めてきた、そういうタイミングを探し求めてきたと、こういうことであります。
 そんなふうなことで、今回、そういう糸口ができたということでございますので、何とかこの平壌宣言に盛り込まれた合意事項をお互いに誠実に遵守して、そして平和なこの地域の確立というものを作り出したい、そんなような思いを持っているわけでございます。
 そういうことはともかくとして、御質問について端的にお答えしますと、十月の二十四日に発表されました拉致被害者五人及びその家族の帰国問題に関する政府の方針について、これは政府として被害者御本人の方々の御意見を事前に確認したのではございません。しかしながら、御家族の方々の御意向など、種々事情を総合的に勘案いたしまして策定をいたしたものでございます。この方針については、発表の直後に中山内閣官房参与を通じて御家族に連絡し、御家族から理解をいただいております。
 また、先般、今御指摘ございました十一月の三日から六日に安倍官房副長官と中山参与が拉致被害者五人の方々及びその御家族を訪問いたしまして懇談してきた際にも、政府の方針として御理解いただいていることを被害者御本人からも直接確認をしております。
 以上であります。
#30
○川橋幸子君 私も官房長官のおっしゃった戦後の長い歴史に端を発しているということは同感でございます。第二次大戦があり、そして朝鮮戦争がありベトナム戦争がありカンボジアの内紛がありと、非常に近いところで私どもはそれを、海で隔てられているということから、日本は平和ぼけなんて言われましたけれども、あったと思っております。
 私も政府の方針転換は分かるのです。しかし、私が心配いたしましたのは、政府の方針とその被害者、拉致被害者御本人の何というんでしょうか、自由な意思決定、自己決定というものは、これが合致することが必要だということだと思うんです。自己決定について、何か政局絡みの話、政権絡みの話というものは交えないでほしいというのが私の希望であったわけでございます。幸いにして理解は得られたということでございますけれども、私も良かったと思いますけれども。
 少し、またこれもくどいと言われそうでございますけれども、ここ一週間ばかりの新聞記事で中山恭子参与の言葉があちこちでメディアから引用されておりました。どういう言葉であったかといいますと、本人や家族の意向と関係なく、国家の意思として五人の永住帰国を目指すべき。非常に外柔内剛といいますか、官邸の信頼も、あるいは家族の会、親の世代の家族の会でございますけれども、信頼も高かったということでございますけれども、私は、先ほど申し上げましたように、個人の尊厳、個人の自己決定、やはり尊重してほしいと思うわけでございますね。短くメディアが引用するものでございますから、誤解が、私が誤解をしているのかも分かりません。本人や家族の意向と関係なく、国家の意思として五人の永住帰国を目指すべきだと、この言葉の真意について、どなたか。
#31
○政府参考人(小熊博君) 中山参与は、本件は国として対応すべき問題である旨の発言をいたしております。これは、拉致問題とは日本国民が拉致されたという問題であり、帰国した拉致被害者の方々五人及びその御家族の帰国問題については、本人の意思も大事ではあるが、国家としてどのように対応するかをきちんと意思表示することがまず重要であるとの趣旨であり、永住帰国を目指すべきだとの発言はしていないと聞いております。
 このような観点から、十月二十四日に発表されました拉致被害者五人及びその御家族の帰国問題に関する政府方針を中山参与から発表直後に御家族に連絡し、御理解をいただき、また、安倍官房副長官とともに拉致被害者と御家族を訪問した際には、被害者御本人からも政府の方針として御理解をいただいているところでございます。
#32
○川橋幸子君 先週の質問の中に、拉致被害者・家族支援室が発足したということ、大変私も結構なことだと思うという発言をさせていただいて、なお被害者の心のケアの問題についてお尋ねをさせていただいたわけでございます。
 今回、一週間たちまして、まだ検討中だというふうなことでございますが、支援のための何らかの立法措置を考えておられるという、そういう報道がありました。立法措置を講ずるか講じないかのそういう形式、形式も大事ですね、形式だけではなくて内容について、やはり私は、被害者、拉致された被害者の方の心のケア、あるいは、北朝鮮に残っておられてもし日本の方に永住帰国されるとすれば、生活の支援、経済的な支援も大切でございますけれども、心のケアというものが必要ではないかということを改めてお尋ねさせていただきたいと思います。
 質問をいたします前に、毎日の斎藤学さんとおっしゃる、精神科医の方だと思いますけれども、そういう方の御意見、それから、十一月四日に朝日に掲載されました小針進さんとおっしゃる、これは静岡の方の大学の先生の意見、これは通告させていただいております。
 つまり、カウンセリングというのは、あなた、かわいそうね、気の毒ねと言うだけではなくて、会話をしながら本人が自己決定していく、それによって自分が決めるから人から強制されたのではないという、そういう心のケアが、厳しい過程でしょうけれども、できていくと思うわけでございます。そうした、生活万全の支援と同時に、心のケアについて御配慮いただきたいという希望でございますが、いかがでございましょうか。
#33
○国務大臣(福田康夫君) 拉致被害者の方々、またその御家族が我が国の社会に溶け込んで安心して生活できる、そういうような環境を作るということは、これは急いでやらなきゃいかぬことだと思います。そういうことで、政府とか関係地方自治体、これが密接に連携協力しながら、一体となって支援を行っていくことが必要でございます。そういうような認識を持ちまして、政府として、安倍内閣官房副長官を議長とする拉致問題に関する専門幹事会におきまして総合的な支援策を取りまとめていこうということになっております。被害者や御家族の方々の要望とか関係地方自治体との連携を踏まえながら、現在、鋭意作業を進めているところでございます。
 そういう一環として、被害者の方々の心身の健康を保持増進することはこれは不可欠でございますので、被害者の方々が置かれた環境の激変を考えますと、とりわけ精神的な、委員御指摘のケアの重要性は高いというように考えられますので、御本人の御希望があれば適切な支援を行うことができるよう取り組んでまいりたいと思います。
 先ほどの御質問と関係あるんですけれども、本人の意思ということが自由に表明できないという、そういう段階にあって、これは当然のことながら公表する、報道するということはできないんですね。ですから、そういう状況の中にあってこういう問題にどうやって取り組むかということは、それなりの工夫は必要だというように考えております。
#34
○川橋幸子君 拉致事件について、政府としては国連の人権委員会の枠組みでの解決を、これは家族の会の御希望だったというふうに報道されておりますけれども、今度は政府としてもそうした枠組みを活用したいということで国連人権委員会の方に齋木参事官が出向かれたというふうに報道されております。大変御苦労さまでございました。
 どのような依頼をなされて、また、人権委員会の方では、これからということだとは思いますが、どのような感触でそれを受け止められたのか、御報告いただきたいと思います。
#35
○政府参考人(齋木昭隆君) 先週の木曜日でございますけれども、十一月の七日、ジュネーブで、国連の人権委員会の下にございます強制的失踪作業部会というのがございます、それが開催されまして、この北朝鮮による拉致の被害者の御家族の方々の言わば御要望を受けまして、その御家族の方々の代理人ということで私が出席いたしまして、御家族に代わりまして、被害者の方々の所在を確認する、その作業を是非改めてやっていただきたいということで申立てを行ってまいりました。
 御案内のように、この強制的失踪の作業部会と申しますのは、国連の人権委員会の決議に基づいて設置された作業部会でございます。失踪者の御家族と、それから関係国政府、この場合には日本国政府と、それから先方は北朝鮮でございますけれども、その間の連絡を行い、失踪者の所在の確認を行うということを本来の目的とする、そういう作業部会でございます。
 昨年の四月でございますけれども、この作業部会は、拉致の被害者の関係者の方々が行いました所在確認のための要請、一応これを受理して作業を行っておったわけでございますけれども、相手方の北朝鮮側からは十分な情報が得られなかったということで、審議をこれ以上継続していくことは難しいという、そういう決定を行っておったわけでございます。ただ、最近の拉致問題に関する新たな局面の展開を踏まえまして、御家族の方からは是非この作業部会の申立てを再度やりたいと、自分たちが今回行くことはできないので政府として代理で再度申立てをやってほしいということで、協力の御依頼を受けたわけでございます。私どもとしましては、政府として当然この御家族の代理人として対応するべきであると考えまして、この作業部会に私が出席してまいったわけでございます。
 私からは、作業部会のメンバーに対しまして、九月十七日の小泉総理のピョンヤン訪問を受けました様々な状況の展開にも言及いたしまして、今回、この再申立てを行うに至った事情、理由につきまして詳細に説明をいたしました。そしてまた、この問題の審理について、作業部会としての理解を是非お願いしたいということで要請をしたわけでございます。
 作業部会の席上、委員の側からも様々な質問が投げ掛けられまして、私の方からは、一つ一つ詳細に事情の説明をいたしました。最後に、その作業部会の議長を務めておられます、これ、ペルーの元外務大臣をしておられる方ですけれども、この方、議長の方からは、日本政府からの説明が非常に明快であるということと、また新たに詳細な情報提供があったということでこの問題の全体像がよく理解できるようになりましたという、そういうコメントをちょうだいしたわけでございます。
 作業部会といたしましては、今回の私どもの申立てを踏まえまして今後の対応をどうするかということを検討するということになっておりますけれども、我々政府といたしましては、この拉致問題、引き続き様々なチャネルを通じて北朝鮮側の前向きな対応を引き出していきたいというふうに考えております。
 こういった意味では、今回の国連の作業部会における手続も事実の解明のための一つのチャネルということになることを強く期待しておる次第でございます。
#36
○川橋幸子君 丁寧な御報告をありがとうございました。
 国連人権委員会の方の作業部会のペルーの方の議長の感触、大変心強いものがあると思いますし、やはり小泉総理も国際協調の中で核の問題もこうした人道への問題も解決していかれるということであるといたしますと、今後とも政府としてのサポートをよろしくお願いしたいと希望させていただきます。どうもありがとうございました。
 以上で拉致の話を一応終わりまして、次に人権擁護法案と男女共同参画会議等の問題について質問を移らせていただきます。
 さて、人権擁護法案の審議が始まったわけでございます。民主党では、人権委員会の独立性を保つためにも、この委員会は、この法案の中に規定される人権委員会はせめて内閣府に置くべきだと、こういう強い民主党案を提案しているということでございます。
 改めてお伺いさせていただきます。こうした人権委員会の独立性を保つために、委員会は法務省所管ではなく内閣府に置くべきだと、こういうことについて官房長官にお尋ねさせていただきます。
#37
○国務大臣(福田康夫君) 今回、新たに設置されます人権委員会につきましては、人権擁護をその所掌業務とします法務省に人材とかそれからノウハウの蓄積がある、こういうことを考慮しまして、委員会の独立性にも配慮した形で法務省の外局として設置すると、こういうようにされているものと承知しております。
#38
○川橋幸子君 官房長官、御存じでいらっしゃると思います。こうした人権委員会、人権を救済する機構の設置につきましては、パリ原則ということで政府の関与から独立したところに置くようにということがあるわけでございます。
 さて、この法案に関して、昨日来大変大きな事件が報じられているわけでございます。名古屋刑務所の刑務官五人が逮捕されたという事件でございました。氷山の一角であって類似の事件があるのではないかということで、日弁連もあるいは市民団体もこの問題はずっと問題視してきたということであるわけでございます。
 取りあえず、この五人の刑務官の逮捕の事件について、概要と、どう法務省として受け止めておるのかということを御報告いただきたいと思います。
#39
○政府参考人(中井憲治君) 先週末の金曜日でございますけれども、八日でございますが、名古屋刑務所に勤務しております刑務官五人が名古屋地方検察庁によりまして特別公務員暴行陵虐致傷の容疑で逮捕されました。御案内のとおりでございます。非常にこの事態については重く大きなものであると、かように受け止めております。
 事案の概要についてお尋ねでありますが、これは、刑務官五名が共謀いたしまして、平成十四年九月二十五日、名古屋刑務所の保護房におきまして、刑務所に収容中の当時三十歳の受刑者に対しまして、その必要がないのにその腹部に革手錠のベルトを巻き付けて強く締め付け、腹部を強度に圧迫するなどの暴行を加え、よって加療約四十日間を要する外傷性腸管膜損傷等の傷害を負わせたというものであると承知しております。
 事件の詳細、事実関係につきましては今後の捜査等で明らかになっていくものと思いますけれども、本件につきましては、事件発生直後から法務省矯正局の指導の下、名古屋矯正管区、これは地方支分部局でございますけれども、及び名古屋刑務所におきまして可能な限りの調査を行いつつ、速やかに名古屋地方検察庁に通報いたしました。これとともに、名古屋刑務所におきまして事案のことを公表いたしまして、その後、検察庁の捜査に全面的に協力したものであります。
 今回の事件につきましては残念の極みと言わざるを得ないところでございまして、矯正当局といたしましても改めて襟を正すべく、逮捕の当日、名古屋矯正管区長におきまして名古屋地方検察庁に対し刑事告発をいたしました。
 このたび、関係者の逮捕ということで強制捜査が開始され、継続されているわけでございますけれども、矯正当局といたしましても、名古屋矯正管区及び名古屋刑務所に対しまして引き続き指導を徹底いたしまして、捜査に全面的に協力させます。これはもとよりでありますが、当局といたしましても可能な限りの調査も併せて行いまして、これら捜査や調査の結果等を踏まえまして、改めるべき点があればこれは改め、処分すべき者は処分するなど、事案の再発を防止すべく、鋭意適切に対処したいと考えているところであります。
#40
○川橋幸子君 新聞によりますと、名古屋では九八年にもこうした問題が弁護士会に人権救済を求めるということで訴えられていたということがあったとか、あるいは岡山でも類似の事件があって、書類送検ですか、法務省の方でされたとか、法務省といいますか検察庁でされたということとか、私は、氷山の一角が今回の五人の刑務官の事件であったと思うわけでございます。
 国連規約人権委員会も、かねてから革手錠のような残酷な非人間的な戒具を用いることにつきまして重大な懸念を表明していたということでございますが、にもかかわらず、人権擁護を社会的な使命とする、政府の使命とするそうした地方組織でもってこのような事件が起きたと。やはり法務省の中で人権委員会を設けるということは、これは法務省としてもむしろ客観的な第三者機関に預けるということが適切だと、省としても悩まれることではないのでしょうか。
#41
○政府参考人(吉戒修一君) 人権擁護法案でございますが、現在、参議院の法務委員会で御審議中でございます。今日も朝から参考人の質疑が行われているところでございます。
 人権擁護法案につきましては、先生御案内のとおりだと思いますけれども、この法案によりまして新しく設置される人権委員会でございますが、これは国家行政組織法第三条第二項に基づいて設置される独立の行政委員会でございます。しかも、委員長及び委員の任命方法、これは国会の同意を経まして内閣総理大臣が任命いたすと。また、委員長及び委員につきましては身分保障それから職権行使の独立性等の明文の規定もございます。したがいまして、人権委員会の委員長及び委員の職権の行使に当たりましては、内閣でありますとかあるいは所轄の法務大臣などから影響を受けるということがないように、高度の独立性が確保されているものと考えております。
 したがいまして、今般の名古屋の事件は非常に残念な事件でございますけれども、人権委員会におきましては、法務省の矯正部門でこういうふうな事件が起きた場合におきましても十分適切に対処できるものというふうに考えております。
#42
○川橋幸子君 前国連のメアリー・ロビンソン人権高等弁務官が、法務省の下に置かれる人権委員会では真に独立性が保てないということで小泉総理に対して親書を渡しておられたということで、この人権委員会、今回の法務省の所轄下の下での人権委員会の設置について強い懸念を表明していたわけでございます。
 それから、今、法務省の方の御答弁で、要するに法務大臣の指揮は受けない、独立のものであると言われるわけでございますけれども、職員は法務省の職員で、人事交流もあるわけですね。
 それから、パリ原則といいますのは、やはり同委員会が独立して独自のリソース、スタッフだとか予算だとかリソースを持てるような組織であることを定めたものでありまして、もう既にアジア各国でこのタイプの人権委員会ができてきている、こういう状況なわけでございます。
 まず、総理にメアリー・ロビンソン人権高等弁務官からの親書が手渡されていたことにつきましてどう思われますでしょうか。官房長官にお尋ねいたします。
#43
○政府参考人(吉戒修一君) 今、委員御指摘のメアリー・ロビンソン前国連人権高等弁務官から小泉総理あての手紙の件でございますが、これは人権擁護法案に関しまして、今年三月と六月と二度にわたりまして書簡が寄せられているところでございます。
 これらの書簡におきまして、今、委員御指摘のような、法務省の下に置かれる人権委員会では真に独立性は保てないというような懸念が表明されたという事実はございません。恐らく委員の御指摘は、六月の二通目の書簡に、日弁連とか……
#44
○川橋幸子君 答弁、短くしていただけませんか。
#45
○政府参考人(吉戒修一君) じゃ、ございませんということで。
#46
○川橋幸子君 日本の人権政策というのは、どうも自分の国に都合の良いところだけをつまみ食いするようなダブルスタンダードではないかと、このように私はかねて、それこそ重大な懸念を持っているところでございます。
 例えば、国際人権B規約の選択議定書を批准していない先進国というのは日本とアメリカだけと言っていい状況でございます。この条約の批准国は、もう何回も質問させていただいていますが、百二か国が批准しているわけですね。百二か国です。それなのに、日本の場合は近い将来批准する向きがなく、その理由についても、国会等でお尋ねしましても納得のいく説明がなされていないというふうに考えます。
 一体、人権に関する国の政策、国際協調から様々な人権の諸政策があるわけです。今度の人権救済機関のような、そうした人権政策があるわけでございますが、そうした総合的な人権政策、国の政策はいつどこでだれが検討し、決定するのでしょうか。お尋ねさせていただきます。
#47
○国務大臣(福田康夫君) 人権に関しましては、女性、子供、高齢者、それから障害者、同和問題とか、また外国人に関するものなど様々な問題がございます。各府省庁がその所管事務との関連でそれぞれの専門性を踏まえて対応しているということでございます。
 したがいまして、この分野においても、関係府省庁の連携協力、これが必要でございまして、本年三月に策定された人権教育・啓発に関する基本計画において、政府は、人権教育・啓発の総合的かつ計画的な推進を図るために、関係府省庁の緊密の連携の下に一体となって人権に関する施策を推進する、こういう仕組みになっております。
#48
○川橋幸子君 先日、これは十月三日の決算委員会でございまして、最高裁、法務省が審査の対象省庁でございました。この問題につきまして私はその場で質問をさせていただいたわけでございますけれども、かねて我が国司法の独立性の問題から最高裁がこの人権B規約選択議定書の締結に反対している、女子差別撤廃条約も含めてそうした個人通報制度については反対しているということを一般に言われていたものですから、最高裁の方にお尋ねしてみたんです。最高裁が一番この問題については反対しているやに世間一般に伝えられておりますが、本当にそうなんですかと言いましたら、最高裁の答弁者の方は、最高裁判所が言うのはおかしいことではありますが、それは冤罪でございますとおっしゃったんですよ。もし冤罪なら冤罪を晴らすように最高裁も御努力いただきたいと、このようなことを要望したところでございました。
 それから、森山法務大臣の御答弁の方でございますが、個人通報制度という条約の持つ意義というものはお認めになったといいますか、政府は認めておると。しかし、非常にそこのところが御説明しにくいんですけれども、具体的な、個別具体的な事案についてこのような場合はどうするか、このような場合はどうするかというようなことを検討しているというのが現在の状況だとおっしゃった上に、まあ大変非常にそこのところが説明しにくいんですけれどもねという苦しい答弁をしておられたわけでございます。
 百二か国が批准し、そして我が国司法の独立、百二か国批准している国あるいは未批准の国の中で、その国の司法の独立を理由にしてこの条約を問題視している国は一か国もないということなのですね。是非この人権の問題についても総合調整する機能を内閣に置かれる、今回の人権擁護法案の所管は内閣としていただくと、そういうことを要望させていただきまして、もう一点、関係いたしますが、女子差別撤廃条約選択議定書の批准を求める、批准についての質問に移らせていただきます。
 第百五十一回、第百五十三回、第百五十四回ですから今年の七月末で終わった前通常国会でございます。参議院の外交防衛委員会及び参議院本会議では全会一致で女子差別撤廃条約選択議定書の批准を求める請願が採択されております。官房長官は御存じでいらっしゃいましょうか。こうした国民のニーズといいますか、国民の要望を踏まえて立法府が意思表示をした請願採択であるわけでございますが、行政としては受け止める義務があるのではないでしょうか。女子差別撤廃条約の選択議定書の批准国数ももう四十一か国、多数に及んでいると聞いております。官房長官にお尋ねさせていただきます。
#49
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のありました請願が百五十一、百五十三、百五十四回の外交防衛委員会と本会議で全会一致で採択されていると、これは承知しております。
#50
○川橋幸子君 重ねて、それでは立法府のそうした意思というものを行政側は受け止める必要があるのではないでしょうか。
#51
○国務大臣(福田康夫君) 政府は、男女共同参画社会の形成に向けて、女子差別撤廃条約の積極的な遵守と、それから同条約の趣旨に沿った施策の充実に努めておるところでございます。
 女子差別撤廃条約の選択議定書等が定める個人通報制度、これは条約の実施の効果的な担保を図るという趣旨から注目すべき制度であると考えておりますが、司法権の独立を含めまして、我が国の司法制度との関連で問題が生じるおそれがあると、こういう指摘もございますので、この選択議定書についてはその締結の是非について真剣かつ慎重に検討をしているところでございます。現在、政府が行っております検討内容の詳細や検討の終了時期について明らかにできる段階ではございませんけれども、今後更に検討を続けていきたいと考えております。
 なお、男女共同参画会議の苦情処理・監視専門調査会において、平成十四年度の監視テーマとして地球社会の平等・開発・平和への貢献が選ばれておりまして、その中で男女共同参画に関連の深い各種の条約等の国内への取り入れ状況も取り上げる予定でございます。
#52
○川橋幸子君 もう先取り答弁をしていただいたようでございますけれども、男女共同参画社会基本法の七条では国際的協調の理念がうたわれ、十九条では国際的協調のための措置がうたわれ、そして男女共同参画基本計画では未批准国際条約の締結の検討がうたわれているわけでございます。
 人権の問題と異なりまして、こちらの方の男女共同参画の政策については、いつ、どこで、だれが検討しているんだろうかというような、こういう国民の目にとっての分かりにくさというのはないわけでございます。疑問の余地はない。もしそうなら、男女共同参画会議の意見を求められてはいかがでしょうか。男女共同参画会議は全大臣が参画された上で、そして民間議員が参画されておる。大変分かりやすい舞台作りでございます。
 日本がまだその条約を批准するに日本の国内の法制度が至っていないのかどうか、もし至っていないとすれば、そのように整備する必要があるのではないかと私は思いますけれども、男女共同参画会議の意見を聞く、こういう立法府としての手順を踏まれるお考えはありませんか。
#53
○国務大臣(福田康夫君) 検討させていただきます。
#54
○川橋幸子君 重みのある検討させていただきますのお一言だと思いますので、私も信頼させていただきます。
 さて、もう一点、男女共同参画会議の関係の質問をさせていただきます。
 ライフスタイルの選択における税と年金と雇用システム、これは政策パッケージとして性中立的な制度となるように影響調査専門調査会ですか、が検討を重ねているところでございます。
 この部分、雇用システムについて、特に今、雇用の多様化が進んで、パートタイム労働が常用雇用が減少する一方で増えているということでございますが、これにつきまして、厚生労働省の方では研究会の最終報告が出た後、労働政策審議会というところで検討しているわけでございます。この問題については、かねて参議院の野党の超党派の議連、パート議連と申しますけれども、労働時間が短いからという理由で差別的取扱いをしてはならないと、ごくごく当たり前の意見書を出しまして、官房長官につきましても要望させていただいたと。多分御記憶でいらっしゃるのではないかと思います。
 そこで、前回、これは八月八日の決算委員会でございますが、私が、税、年金についてはある程度検討が進んで経済財政諮問会議の方にも御報告されたようでございますが、雇用システムの部分についての検討も急いでいただいてこの調査会の方の報告をまとめていただけないかという質問をいたしましたところ、官房長官、ポイントだけ御紹介させていただきますと、「決して遅れることのないように努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。」と、こういう御答弁をちょうだいしておりました。
 厚生労働省の方の審議会の結論の前にむしろ、内閣の総合調整機能という観点から、税、年金に御意見を寄せられたと同様に、こちらの御意見も出されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(福田康夫君) 男女共同参画会議の影響専門調査会におきまして、男女共同参画の観点から、御指摘の税制、社会保障制度、雇用システムについて検討を行いまして、四月に中間報告を取りまとめました。今後は、国民からの意見などを踏まえまして議論を深めて、そして本年十二月に社会保障制度などを中心として報告を取りまとめる予定でございます。
 雇用システムにつきましては、パートタイム労働のみならず、個人の働き方、そして生き方など社会全体の在り方を含めた幅広い観点からいろいろと検討する必要があるということから、来年以降、より力を注いで議論を進めることにいたしております。
 なお、今後、男女共同参画会議の検討結果を踏まえまして、関連施策の総合調整を強力に行い、そして男女共同参画社会の形成を積極的に進めてまいりたいと思っております。
#56
○川橋幸子君 来年以降と聞いて、がくっときたところでございます。前のお約束と私もこれはお約束が違っているのではないかと思います。でも、もう残された時間が二分しかないのでございます。
 谷垣大臣には、もう一つまた新しいお役目を担われて大変御苦労さまでございますが、おめでとうございますという言葉と同時に、食品の安全だけではなくて御本人の健康安全にもお気を付けいただきたいと思います。
 ということで、短い時間で大変恐縮でございますが、犯罪件数は史上最高になり、一方、検挙率は史上最低と、日本は安全の国だというこの神話というのは完全に崩れ去ったような感じがいたします。本当にまた機会を改めてお伺いさせていただきますが、一番肝心の、今こうした危機的な状況に対して警察行政はどう対応していかれると思うのか。所信でも伺いましたけれども、もう少し御自身のお言葉で御説明ちょうだいしたいと思います。
 質問の中では、ニューヨークのジュリアーニ市長、例のテロ事件で活躍されたあの方がニューヨーク市警察を担当されていたときに犯罪の激減に効果を上げられたというようなことが警察白書で述べられている。是非、谷垣大臣に、今の警察行政の一番難しいところ、いま一度お取組の姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
#57
○国務大臣(谷垣禎一君) 川橋先生に温かいお言葉をいただいて感激をいたしております。
 それで、国家公安委員長の仕事として、今御指摘のように大変治安が悪くなっている、何を取り組むかということですが、ニューヨークのジュリアーニ市長の取組のこともお触れになりました。私は、やっぱり警察組織というのは人で成り立っていると思うんですね。人がやっぱり高いモラルを持って、治安を維持するために、市民のために働こう、国民のために働こうと、こういう気持ちがなければいけないと思います。
 そういうことを前提としまして、警察にいる人材の有効適切な配置ということがやはり私はまず第一にあるべきだろうと思います。それから第二に、そういう有効適切な人材を配置した上で、きちっと適切な教育を施していくということが第二番目であろうかと思います。それから第三番目は、こういういろいろな、犯罪も広域にわたり、いろいろな技術の進展もあるわけですから、科学的な捜査力というものも付けていかなければいけないだろうと。それから四番目としては、警察が幾ら頑張りましても、警察だけで物事が解決できるというわけにはいかないだろうと思います。やはり、地域社会であるとかあるいは家庭であるとか学校であるとか、そういうような地域社会の結び付きというものが私は大事だろうと思います。
 その一つ一つについて本当はもう少し詳細にお答えをしたいんですが、多分、詳細にお答えする時間はもうないんだろうと思いますから、また後日川橋先生と議論をさせていただくのを楽しみにして、このぐらいで今日は終わらせていただきます。ありがとうございました。
#58
○川橋幸子君 ありがとうございました。終わります。
#59
○松井孝治君 民主党・新緑風会の松井孝治でございます。本日はITに関しまして細田担当大臣、そして構造改革特区に関連をいたしまして鴻池国務大臣に質疑をさせていただきたいと存じます。
 最初に、細田大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 ITの担当としてこれは非常に重い責任を今担われていると思うんですが、十一月七日にアメリカのFCC、連邦通信委員会というんでしょうか、電波政策に関してある報告を出しております。IT政策を今後抜本的に見直し強化をしていく上で、電波制度というのは非常に重要なものであるというのは国際的に幅広く指摘されているものでございますが、細田大臣、このFCCの発表を御存じでございましょうか。
#60
○国務大臣(細田博之君) 実は、松井議員から御質問があるということで急遽勉強いたしまして、FCC、連邦通信委員会が内部に設置いたしました周波数政策タスクフォースから周波数政策に関する提言の報告を受けた旨、報道発表したということでございます。今後、FCCにおいて具体化に向けた案の策定と意見募集等の手続を予定していると聞いております。
#61
○松井孝治君 ありがとうございます。
 本日は副大臣にもおいでをいただいております。副大臣、恐らくこれはよく御存じだと思いますけれども、当然お読みになられていると思います。簡単に、どんな内容であるのか、御説明いただけますでしょうか。
#62
○副大臣(加藤紀文君) 今のお尋ねのFCCのタスクフォースが委員会議に提言した主な項目というのが四つばかりございます。
 簡単にということでありますから、取りあえず項目だけを報告させていただきますと、一番目がFCCの規則の柔軟化、これ規制緩和の一環であります。そして、二つ目が非常に弱い電力の無線局の柔軟な運用ということでありまして、三つ目が時間分割による電波共用の促進と、そして四つ目が用途を制限しない共同利用の拡大ということであります。
#63
○松井孝治君 ありがとうございます。おっしゃるとおりでございますね。
 これまでの電波政策というのは、基本的に旧郵政省、今の総務省が免許制度を持っておられて希少資源である電波の割当てを効率的にやると、いろいろ御苦労されてこられた。国際的には、これをオークションというやり方で電波の割当てというものを考えていく、市場原理を活用してやるという考え方も従来取られておったわけです。このオークション制度についてはいろいろ賛否もありますし、非常に行政コストが高くなるという批判もございました。
 ところが、今回のFCCの発想は、今正に加藤副大臣おっしゃったように、従来の電波政策に対して、例えば共同利用帯を設けるというような形で、従来であれば高速道路のレーンを、個別の免許事業者に細いレーンを割り当てて、その周波数帯はあなたが使います、Aという事業者が使います、Bという事業者が使います、これが一杯になってくると使っていないところを見直して更に再配分しようということで、今日も政府の関係者の方、たくさんお見えでございますが、御苦労されていた。ところが、通信技術、電波技術の発達によって、共同利用帯とか時間分割をして、あるレーンを幅広くいろんな方々に使わせようというような発想が今回FCCのそのタスクフォースのレポートで出されたと思うんです。
 私、これは非常に重要なレポートだと思っておりまして、是非これ、米国でもいろいろ専門家の意見を聞いてこういうレポートを出したようですが、従来の電波政策、コマンド・アンド・コントロールというのが基本原則だったと思います。この基本原則がすべて米国でも否定されているわけではないと思うんですが、副大臣の方から今後の電波政策、こういう国際的な議論の流れも踏まえてどのような展開を考えておられるのか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
#64
○副大臣(加藤紀文君) 松井委員御存じのように、我が国の電波政策は情報通信審議会及び電波有効利用政策研究会において今現在検討中でありますが、正に我が国の電波政策の中期ビジョン、それと新たな電波再配分方策の検討をしているわけでありますが、それを踏まえて見直していこうということであります。
 そして、今お話しのアメリカと日本では周波数の利用状況とか逼迫度合いが違うとは言いながら、このFCCの報告を精査して、日本の電波政策の見直しに役に立つといいますか、取り入れるものはできるだけ取り入れていこうということで今検討している最中でありますので、いずれの日かまた御報告に行けると思います。
 以上であります。
#65
○松井孝治君 ありがとうございます。
 細田大臣、IT担当大臣ということで、今、総務副大臣、加藤副大臣から御答弁をいただいたわけですが、今後の電波利用というのは非常に重要なんですね。ラストワンマイルの問題というのはやっぱりこの電波利用で解決できる。そのときに、アメリカでも情報関連産業や、例えばマイクロソフトのようなところが今一番関心を持っているのは無線、電波の部分をどう有効利用するかということで実は今回のFCCの報告というのが出てきたという状況にあります。
 これ、どうしても総務省のお立場からいうと、従来の電波行政のいろんな遺産があります。実際、割り当てている事業者がいて、そこを再配分するにしても、どうするかという調整が必要です。なかなかやっぱり実際の事業にとらわれてしまう部分は、これはどうしてもあるんです、これは。単に批判をするだけじゃなくてですね。
 そのときに、やはりIT担当大臣として、もう少し横断的に高度情報通信社会を築くという意味で、むしろこれは何のために内閣府にそういう担当部署があるかというと、個別の事業省ではどうしても従来のしがらみがあって百八十度かじを切るということはできないときに、やっぱりIT担当大臣が内閣全体の立場からやっぱりこれはもう少し全面的な電波政策の見直しをすべきだというような指導力を発揮されることは、私は非常に大事だと思います。
 専門家の間では、アメリカの今回の電波政策の見直しに対して日本は二周ぐらい後れているんじゃないかという議論もあります。審議会で従来から議論をされているということですが、今、加藤副大臣からも前向きな御答弁はいただいておりますが、是非これIT担当大臣として、これは総務省に任せるということではなくて、内閣全体の立場から御指導、御検討いただきたいと思いますが、細田大臣の御見解はいかがでしょうか。
#66
○国務大臣(細田博之君) 私もこの携帯電話を持ちましてインターネットに接続し、通信を行い、あるいはニュースを取ったり、あるいはチケット予約をしたりというようなことをやっておりますが、もう時にこれがパンクするような実態も見てきております。これからまた画像情報とか、あるいはいろんなコンテンツをここにダウンロードしていくとか、もう非常に情報処理量が増えていく、それに加えていろんな、テレビを地上波デジタルにするとか、いろんな意味で電波の広範な利用の拡大が起こっておって、日本も非常に交通混雑でもう大変な状況に近くなっておることはよく認識しておるつもりでございます。
 したがいまして、本年六月のe―Japan重点計画二〇〇二においても、我が国における最適な周波数再配分方策の検討と電波の有効利用促進に関する施策を盛り込んでおり、総務省を中心に検討が進められておるわけでございますが、やはり諸外国の例に見られるとおり、予想以上にこういったことは進んでおりますので、できるだけ早期に手を打っていかなきゃならないと思いますので、委員おっしゃいますように、私どもIT担当大臣としては、あるいは戦略本部として、早急に総務省を中心としながらより良き方向に善処してまいりたいと思います。
#67
○松井孝治君 是非よろしくお願いします。
 新しい、例えば五ギガ帯というような周波数帯を例えば有効利用するときに、そこをまた従来の発想で事業者に免許で割り当ててしまうと、これ割り当てたものをまた再配分するのはえらい大変なんですね。アメリカなんかでは、やっぱり相当の周波数帯域にわたってアンライセンスド、要するに免許なく使わせるということを導入しているわけです。それを、そういう周波数帯を、新しく使用可能になった周波数帯をまた免許を与えてしまうとそれだけ、日本の今おっしゃったような非常に混雑した状況、これが緩和できません。同時に、非常に混雑している状況があると同時に、非常にすいているところもあるんですね。公共の用に供する周波数帯なんかはがらがらであったりする。それはそれで混線防止というのも大事なことなんですが、いざというとき使えなきゃ駄目ですから、防災無線なんかは。ただ、今はそれが技術的にそういうものをうまく時間的に区分をしていくという技術が可能になっていますので、そこら辺の公共用途の無線周波数帯の開放も含めて、是非電波政策の全面的な見直しを内閣を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 ちょっとそれに関連をいたしまして、電子政府の問題について細田大臣にお伺いをしたいと思います。
 加藤副大臣、所管外の委員会でもございますので、もう結構でございます。ありがとうございました。
 政府は、e―Japan戦略の中で、電子政府の実現というのを非常に重要課題として位置付けられております。恐らくもう細田大臣御存じだと思いますけれども、あるコンサルティング会社が電子政府の進捗状況というのを評価していまして、日本政府というのは二十三か国のうち十七番目なんですね。これは広くこの関係者の間では、日本政府の電子政府に対する取組が非常に後れているというのは有名な話でございます。これはしかし、今までそういう状況である以上、しようがないですね。是非これは細田大臣のイニシアチブでこういう汚名は返上していただきたいと思います。
 簡単な例を申し上げますと、これ十月二十九日の朝日新聞の朝刊、「電子政府 業者依存で割高発注」というような記事が出ています。電子政府というふうに格好よく言っているんだけれども、実態は、各省がばらばらに発注して、しかも各省の発注の仕様、基準を決めているのが業者であったりするものですから非常に割高なものになって、しかも中身が必ずしも十分なものになっていない。よく言われるような、昔、一円入札という話がありましたが、最近でも国税庁のシステムなんかで、最初にある企業が一万円で入札をして、その次の年には六十一億円で随意契約をしているなんてこともあります。
 これは、そういう国税庁のシステムだけではなくて、今この電子政府の一環で電子入札、電子入開札の制度なんというのも導入されていますけれども、これもいろいろ政府側からお話を聞いてみると、一生懸命今連携しようというふうに努力をされているというふうには伺ったんですが、国土交通省のシステムとそれから総務省のシステムが並列してある、これは公共事業を中心とするものと非公共の分野を中心とするものが並列であるというような話もあります。それから、例えば給与計算ソフトについても各省がばらばらに購入しているというような話もあります。
 ですから、これは是非、大体、これは計算の仕方にもよりますけれども、情報調達、政府の電子調達のような情報関連の調達予算というのを想定しますと、国と地方で二兆円以上というふうに言われているわけですね。この二兆円をどういうふうに使うかによって、正に高度情報通信社会の形成に大きく寄与できるのかどうかというのが本当に決まってくると思います。
 この各省ばらばら、今や総務省がある程度束ねているというんですが、その総務省と例えば国土交通省でもシステムが併存しているとか、必ずしもお話を伺っていても総務省が全体的に政府としての調達方針を決められるに至っていないんじゃないか、改善の努力はされていますけれども不十分なんじゃないかという印象を私も強く持っております。アメリカもイギリスも、政府調達庁というようなものを作って、政府全体で整合性が取れた調達システムを作っているという話もあります。
 そういう意味で、電子政府の進捗の後れというものを何とか取り戻して世界最先端の電子政府をもう早急に作るためにも、これは是非IT担当大臣である細田大臣に、各省のばらばらということではなくて政府全体としての戦略的な調達ということをお願いしたいんですが、簡単に御答弁いただけますでしょうか。
#68
○国務大臣(細田博之君) 二〇〇三年度末を目標として電子政府を構築するということですから、もう余り時間もないわけでございます。そういった中で、議員おっしゃいましたように、二十三か国中十七位というのをゴボウ抜きにしまして、少なくとも入賞ぐらいにならなきゃ、六位入賞ぐらいには持っていかなきゃならない。そのために、非常に各省庁におきまして努力をいただいているところでございます。
 そして、委員おっしゃいましたように、本来共通に整備すべきシステム、例えば府省の認証システムとか電子申請を受け付けるシステム、文書管理システム、その他共通にすべき課題がたくさんございますので、これらは共通の仕様を定めて、これを踏まえて整備するということにしておるわけでございます。
 政府の行為はいろいろございますので、許認可の申請ですとか、あるいは先ほどおっしゃいました事業の発注ですとか入札等、あるいは物資の調達とか、それぞれに特色はあろうかと思いますので一概には言えないとは思いますが、おっしゃいましたように、非効率な、それぞれに弊害があるいは障害が生ずるようなシステムの開発ということはやるべきではありませんので、その点の交通整理をしながら進めてまいりたいと思っております。
#69
○松井孝治君 ありがとうございます。
 正にそうでして、高度な電子政府を実現するためには、いろんな各省の入札や調達のシステムや、あるいは認証の在り方、それからいろんな行政情報がこれからたまってまいります。それをどういうふうにストレージするのか、そういう技術的な可能性。あるいは、そのときにセキュリティーをどう確保するのか、あるいは先ほども申し上げましたように、コスト面で合理的なシステムをどう組んでいくのか、あるいは一般利用者とかあるいは調達に参加しようとする企業の利便性というものも考えなければいけない。これを本当に総合的に戦略的に是非システムとして構築していただかなければいけない。
 今、各省の中でもCIOというのを置いて、そこの連絡会議を作ろうというような動きはあると聞いていますが、政府全体でCIOのようなものを、きちっと専門的な知識を持って戦略をかけるような部署あるいはそういう人材をそろえていただきたい。その際に、従来各省はどちらかというと、天上がりといいまして、ベンダーと言われるような企業のSEさんが派遣されてきて、すべてがすべてそういう人ばかりじゃないと思いますが、中には自分の企業がいい受注を取りやすいように仕様書を書くような、そういう専門家の登用じゃなくて、本当の意味での専門家をもっと拡充していかなければいけない。
 これは政府の方々もいろいろお話聞くんですが、どうも聞いてみると、やっぱり従来のローテーション人事の中で、素人なんだけれども一生懸命勉強されているというようなレベルの方も多いと聞いています。ですから、そうなってくると、はっきり言ってベンダーのSEさんの言いなりになってしまう。これは本当にお金が無駄だけじゃなくて、セキュリティーの問題とか情報システムの高度化の問題、本当に将来の電子政府の機能という意味でどうしても後れを取ってしまう。
 ですから、やっぱり人材登用の在り方も含めて、私もこの間、いろんな日本人の方で海外に住んでおられる方々なんかからもお話を聞いて、いや、ちょっと日本政府だけは、いろんな話をしていても、ほかの国の政府とは話が通じるんだけれども、日本政府の情報担当の人たちは話が通じないよという苦情もあります。そういうことも踏まえて、是非細田大臣にはリーダーシップを発揮していただきたいと思います。もう答弁は結構でございます。
 引き続きまして、細田大臣、ちょっと関連しますので、もう少々お残りをいただきまして、特区の問題につきまして、鴻池大臣においでいただきましたので、御質問をさせていただきたいと思います。
 鴻池大臣は当院、参議院議員でもあられるわけで、法案はまだ今衆議院で審議されている状況でございますので、余り個別の法案の審議を当院に来ていない段階で申し上げるのもどうかと思いますが、やはり是非、参議院の大臣であるということもあって、今回の法案あるいは今後の規制改革についての大臣の御見解を伺いたいと思っております。
 鴻池大臣は、せんだって大臣になられたわけですが、今、特区問題を担当しておられて相当各省と激しく大臣レベルでも交渉されたというふうに伺っております。小泉内閣が発足して一年半たつわけですが、これまでの規制改革の状況というのを率直に、今、大臣として各省と交渉していろいろ御苦労もされたり、ああこんなことも難しいのかと思われたりする点もあると思うんですが、この一年半の小泉内閣の重点政策である規制改革についての進捗状況というのを、今、大臣どういうふうに評価をしておられますでしょうか。
#70
○国務大臣(鴻池祥肇君) 小泉総理の、右手を高く挙げて民間にできることは民間にというあの基本路線がどのように進んでいるかということでございますが、本年三月に改定をされました規制改革推進三か年計画、ここには今までなかなか手が着けられなかった教育あるいは福祉、人材等といったようなところに計画が盛り込まれておるということで、それに着手をしていることは現実であります。
 そういうことから見れば相当な前進というものの評価ができると思うのでありますが、一方全国的に、御存じのとおり規制というものの歴史あるいは大義というものによってなかなか手が着けられない部分もございます。そういうことによって特区構想というものができて、まずはパイロットケースで一点集中、風穴を空けろ、こういうことで担当大臣に命ぜられたんではないかと私は承知をいたしているところであります。
#71
○松井孝治君 今、大臣が、なかなか手を着けられないところがあると。聖域と言われるような規制がたくさんあるんですね。恐らく、私どもも新聞報道でしか拝見していませんが、今回の特区構想も随分内閣官房主導で議論をされてきたようですね、株式会社の医療の参入とか。どうも内閣官房のお話を伺っていると、あるいは特区構想を議論していた委員会のお話などを伺っていると、随分今の法案に実際体化されているもの以外にも内閣官房自身も規制改革はできるというふうに思っておられた部分もある。それから、地域からも法案を作るに当たっていろんな要望を出したところ、これはいろんなものが出てきているんでしょうけれども、中には相当野心的で、実現性も内閣のリーダーシップがあればできるというようなものもあった。しかしながら、やはり結局政府内部で、あるいは政府に先立って与党内でいろんな審査をされる中で、おっしゃったようにどうしても突破できない壁があったんじゃないかと思うんですね。
 それを、もっと前から言うと、全国的な規制改革をやる上でどうしても突破できないところを今、大臣おっしゃったように風穴を空けていこう。風穴は何のために空けるかというと、その穴を広げていくために空けるわけですね。ですから、その試みは私自身もそういうやり方があってもいいんじゃないかと、全面的に突破するんじゃなくて風穴を空けて、そこを穴を広げていこうじゃないか、そういう発想があってもいいと思います。そういう意味では今回の特区法案は一つの試みとして評価はできる部分があろうと思うんですけれども。
 実際、大臣、この法案をやられて、今おっしゃったようにいろいろ各省折衝もやられたというふうに伺っています。その中で、今回の法案に体化された特区制度というのを今の時点で今回の法案の仕上がりを大臣としてこれはもう非常に満足だというふうに考えておられるのか、それともこれはある種の、今風穴という言葉がありましたが、ここは一里塚でこれをどうやって広げていくかが今後の課題だと思っておられるのか、そこら辺の大臣の率直な御感想を伺いたいと思います。
#72
○国務大臣(鴻池祥肇君) この特区構想が七月に出てずっと推進をされております、ほぼ第一弾の幕切れで私が大臣に就任をいたしました。もう九割方進んでおりました。ですから、批判、批評、反省という部分が私の発言には当たらないかもしれませんが、一つはやはり七月からこの構想が出て八月三十日の締切り、そしてこの法案審議を衆議院でお願いするまで極めて短時間でございました。そういう意味でPR不足もあったかもしれませんし、誤認をされた部分もあったと存じておりますが、この短い期間に四百二十六の提案が出てきた。そして、それを精査をいたしまして、全国レベルで考えられるもの、あるいは特区で考えていかなければならないもの、そういうものを精査いたしまして打撃率は六〇%になっておるということで、私は第一回にしてはこれは大できであるというふうに思っております。
 ただ、法案を提出のときの記者会見で私はマスコミから問われました、松井委員と同じような御質問も一部あったわけでありますが、すっきりしているかどうかと。私はすっきりしていないと申し上げたんです。あとの四割が不満であるということではなく、やはり今、松井先生おっしゃったように、総理そして各省の大臣がこの次は必ず強いリーダーシップを発揮していただきたいと、そういう思いを込めて申し上げたというところでございまして、私自身も力不足、説得力不足ではございましたけれども、どうしてこの特区構想というものが各省庁で御理解が非常に難しい部分があるのだろうかという、そういう思いがすっきりしないという部分でございました。
#73
○松井孝治君 率直な御感想をいただいたと思うんですね。すっきりしない。私もそうなんですよ。法案の審議はこれからですけれども、どうもいい発想はあるんだけれどもすっきりしない。
 それは二つありまして、中身の規制改革の中身がどうももうちょっといろいろ構想があってできるようなものが、鴻池大臣は九割方仕上がったところでぼんと飛び乗られたわけで、その限りで一生懸命やられたんでしょうけれども、これがやっぱりここまでやるんなら、しかもパイロットケースでやって場合によっては後戻りすると、非常に弊害が大きいという場合は後戻りするわけですよね。そうだとしたら、何でパイロットケースでもうちょっといけないのかなというすっきりしない部分と、制度的にもう少し、いい制度あるんですね、ノーアクションレターなんてね、地方自治体が霞が関に、今までだったら恐れ多くて、今日も霞が関の方おいででございますけれども、恐れ多くて聞けない。だけれども、これはよろしゅうございますねというふうに聞いて、霞が関がそれに対して返答しなけりゃいかぬというような制度も盛り込まれているわけですよね。ちょっとこれは後でお話しますが、いい着眼点はあるんだけれども、もう一歩何で踏み込めないのかなという気がしております。
 ちょっとその中身の話、もうちょっと全体の趣旨について聞こうかと思ったんですが、今、鴻池大臣から大体私の問題意識と同じであることが分かりましたので、中身についてちょっと伺いたいと思うんですが、例えば、我が国の総理大臣経験者の方でも、ある病気になられて日本ではどうしてもその先端的医療が受けられないということがあります。どうされるかというと、この医療先進国と言われる日本で治療あるいは手術を受けずに海外に行かれて、それである手術とか治療を受けられるというケースがあります。これは民間の方でもよく聞く話ですね。
 なぜかというと、やっぱり今の保険制度の中ではそういう治療が認められていない、あるいはある新薬とかある手術が今の日本の制度の中では認められていないということがネックとしてある。したがって、もうそんな別に日本の制度の中で守られる必要はないので自分のオウンリスクで、あるいは費用も高く掛かるでしょう、きっと。病気ですから、飛行機に乗って非常に肉体的な負担もあるだろう。しかしながら、それをアメリカならアメリカに行ってそういう治療を受けられる、自分の命の引換えですから、これはもうやむを得ないということで受けられる、そういうことがあるわけですね。
 それに対して、例えば、私もいろんな構想を拝見をいたしましたが、丸の内にある非常に限られたエリアを認定をして、そこでは株式会社が医療に参入してもいいと、その地域に限定で、丸の内のある地域に限定して株式会社が医療に参入してもやむを得ない。それから、そこで行われる診療はいわゆる混合診療というのを認めていこう、あるいはそこで使われる治療は、日本では未認可の新薬、しかしながら国際的には標準治療薬として認定されているもので日本で認定されていない治療薬たくさんあるんですね。私も同僚議員でがんから立ち直られた方なんかから聞いていますと、こういう薬こういう薬、全部欧米で使えるのに日本ではまだ使えないというものがある。それを確かに今一般的に医療制度改革で混合診療を認めるかどうかは大変なことです。皆保険の制度をどうするかということにかかわります。株式会社の参入もそうでしょう。それでぼろもうけする人たちがいるかもしれない。しかしながら、そういうものについて、ごく限られたエリアで実験的に認めてみる、こういう発想が結局、そういう発想も内閣官房の方で具体的な提案を受けて各省と交渉されたと聞いていますけれども、認められていないですね。結果としてこの制度に乗っかっていないですね。
 こういうものについて、大臣は率直にどういうふうに評価されて、今後この法案をどういうふうに運用していこうとされているのか。法案の改正も含めて、あるいはこの両院における修正というようなことも含めてどう考えておられるのか、率直にお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(鴻池祥肇君) 松井委員はいわゆる霞が関の優秀な御出身でいらっしゃいます。そのお立場というか前身の御経歴の中から大変有り難い、厚い御理解をいただいているということに私は今大変感激をいたしているところであります。
 特に、医療に株式会社参入はいかがかといった主題、テーマでございましたので、率直に申し上げまして、私はこのテーマというものは極めて重要であるし、この特区構想の目玉商品であると、このようにとらえております。
 私の友人というか知り合いで財界の大御所もおられるわけでございますが、そういう方にいい医者を紹介してやると日本の医者に言われて、どこといってメモをもらったらそれはアメリカの病院だったと、こういう話があります。もちろんそれなりの費用も相当なものだろうと思いますけれども。
 株式会社にすれば、まず金が集まると、株式で。そこで、日本にはないような高級医療機器・器材、また相当腕利きのお医者さん来てもらえる。もっといえば、最近病院へ行きましても愛想の悪い看護婦さん一杯おりますけれども、大変愛想のいい看護婦さんも来ていただける。そういうことで、私はやはり、今いみじくも丸の内とおっしゃいましたけれども、丸の内特区である病院からそういう提案がなされておりました。これにつきましては様々な御意見がございまして、これを特区に定めるということは今回は見送らざるを得なくなりました。冒頭申し上げましたように、総理あるいは担当大臣の強いリーダーシップを期待しながら、今後も継続してこれに対しては進めて、推進していきたいという覚悟を新たにいたしておるところでございます。
 あわせて、教育の分野、農業の分野の株式会社構想というものにつきましても大きな目玉の商品であると認識を持ちながら推進してまいりたい、協議をしてまいりたい、このような思いであります。
#75
○松井孝治君 非常に前向きな御答弁をいただいたと思うんですね。
 ちょっと補足的に伺いたいんですけれども、例えば医療の株式会社参入、あるいは混合医療を認めていく、あるいは例えば新薬なんかも柔軟に使えるようにしていく、そういうことについて例えば今後更に検討するということになると、これは法改正を、更なる法改正を近い将来想定しておられると考えてよろしいでしょうか。
#76
○国務大臣(鴻池祥肇君) まずは関係省庁との協議から始めなきゃならぬと思いますが、御理解が深まってくればそのような法改正につなげていかなければならないものであるというふうに思っております。
#77
○松井孝治君 担当大臣の強い意志でございますので、調整は必要かとは思いますが、是非とも、今回の法案に満足をせずに、更なる法改正も含めて前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 私、さっき鴻池大臣がすっきりしないと、私もそう思うと言った点がもう一つありまして、今のは具体的などういうものに特例を認めていくかという分野の問題ですっきりしないと。
 もう一つは、さっきちょっと言いましたけれども、いい制度が盛り込まれているんですね、今回ね。例えば、さっき言いましたノーアクションレター。地方自治体からいうと、この法律の解釈はこういうことでよろしいですかということになるとオーケーというふうに答えなきゃいかぬと。ところが、これはまた法案審議の中で具体的にはやりますけれども、ノーアクションレターって探したんですけれども、どこにもないんですよ、この法律の中に。レターじゃないんですね。
 要するに、レターと言うからには文書で回答する、それから、私も多少行革のことを勉強しましたので諸外国の制度も知っているんですが、普通はある期限以内に文書で回答するというふうにしないとしようがないわけですよ。これは当然ですよね。言った言わないみたいな、担当が、いや、答えましたよと。そんなものは言った言わないみたいな話あるし、後々何も残らない。そうじゃなくて、やっぱり行政の透明性をきちっと増すためにも、お問い合わせのあったこのことについては、我々は解釈はこういうことでございますというふうに文書で残す。
 しかも、よくありますよね、何か届出とかいって、届出受理しないで何か月も何年も放置しているなんということがありますが、そうじゃなくて、ある期間内にはきちっと解釈をまとめて文書で回答してくださいというのはこれは当然のことだし、せっかく内閣官房の方、今日後ろにもお見えでございますが、私も、ノーアクションレター制度を導入して、これは画期的なものです、画期的だと思ったら、レターになっていない、しかも回答期限も決まっていない。
 恐らくこれは、各省庁がそんなことをされたら困ると。いついつまでに回答しなきゃいかぬ、自治体や民間にそんなものを回答するという義務を負いたくないという、恐らくは私は、はっきり聞いていませんが、各省庁の抵抗で、内閣官房はそういう意向を持ったにもかかわらず、そういう文章が入らなかったと思うんです。これは、私さっきの、恐らく、医療特区の話で言うと、医師会の抵抗もあったでしょう。いろんな各省の協議、あるいはその後ろにあるいろんな団体との協議、事実上はそういうことをするのが政治ですから、分かります。そういうことではなくて、これは各省と総理のリーダーシップで、どこまで強いリーダーシップを持たせるかという、ある意味では政治と官僚の関係だと思うんですよ。
 こういう問題については、私は是非鴻池大臣に前向きな御答弁をいただきたいんですが、これは個別の団体との関係ではなくて、いかに今後行政を、これは基本指針も総理大臣が出されます、特区の認定も総理大臣がする、そのときに各省が同意するしないなんというのも、実は同意しないときにどういう事情があるかとかいうこともはっきりしない。要するに、各省は不同意だと言ってしまえばそれで拒否権を発動できるような仕組みにもなっていたり、今のノーアクションレター制度で文書でいついつまでに回答するなんということが入っていない。せっかくいい発想なのに、最後の詰めが誤っているんです。
 恐らくは、僕はこれ、鴻池大臣は九割方でき上がったところで最後乗られたけれども、恐らく鴻池大臣に上がってくる話は、やれ厚生労働大臣との折衝とか、例えば医師会が反対しておられるかもしれない、それに対する折衝、こういうところに追われてしまう。そうすると、意外と、ノーアクションレター制度を導入されましたよ、こういう条文があるよと言っても、それが文書であるかどうかなんということは、まあ普通の、私が常識で考える限り、忙しい大臣はそこまではチェックできないというのが僕は正直なところだと思います。
 だけれども、そこの今の、文書で一定の期間内に回答するというようなことは非常に実は重要なんです。こういうところをきちっと詰めて、僕は必要だったら国会で議論をして、これは別に与野党の立場を超えた話だと思います。むしろ政治主導、官邸主導、内閣主導でこういう規制改革を突破するその武器を、どこまで強い武器を内閣に与えていくかという判断だと思うので、私はこういう問題は、委員長、是非、これから法案審議ですが、与野党を超えて、普通だったら担当大臣は、政府・与党の調整の結果閣法として提出した法案の修正なんということは、これは普通の常識で言えばそんなもの担当大臣は認めるわけにいかない。自民党さん、与党さんも決してそういうことは、一事不再理といいましょうか、もう通してしまったんだから認めるわけにいかないというのが従来の考え方だと思うんですよ。
 しかし、やっぱりこれはさっきおっしゃったように、正に風穴を空けて日本の規制改革のエンジンにしていこうという発想ですから、是非、例えば今のノーアクションレターの話なんかを例に取ってお伺いしますが、大臣のイニシアチブでそういういいものにできるんなら、法案修正をこの両院で議論してもらいたいというようなことも含めて御答弁いただければ大変私は力付けられると思いますが、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(鴻池祥肇君) 閣法で出しておる以上は最善のものであるという答えをしなければならない立場でございますけれども、ただいま松井委員の御提案あるいは御指摘のように、これをより良きものにしていかなきゃいかぬというもっと大事な大義がございますので、御議論をいただいた上で、そういった修正なり御提案があれば、聞く耳は十分大きな耳で聞かせていただきたいと思っています。
 もう一つの、ノーアクションレターという制度につきまして御指摘がございました。今、後ろからメモが回ってきました。法文上、速やかにということは書いてあるそうですが、書面により回答せよということは書いておりませんが、これは私のリーダーシップによりまして、書面により回答をしてもらう、このようにさせていただくように各省庁と話をしたいと、このように思っております。
#79
○松井孝治君 本当に今の御発言は、私、従来であればなかなか考えられないことをおっしゃっていただいたと思います。非常に評価をしたいと思います。
 できれば、書面によりというのは、そこまで大臣がおっしゃっていただいたんですから、是非、これは今衆議院で審議中ですから、我々がどこまで踏み込んでここで答弁を求めるのかはまた議論があろうかと思いますが、是非国会において修正をしていただきたい。それぐらいのことは本当に簡単にできる修正でございますので、是非お願いをしたい。
 同時に、速やかにというのも、これもう一つ分かりにくいんですね。速やかにとか、地方自治法で当分の間とあって、その当分の間が何十年も続いているとか、こういうことが従来いろんな法律であるんです。ですから、速やかにと言うんだったら、もう基準を決めたらいいじゃないですか、例えば三週間以内にとかですね。そういうことも含めて、私は是非法案修正をこの国会においてしていただきたいと思います。
 これはどこまでこの今の一般質疑で大臣に答えていただけるのか分かりませんけれども、今うなずいていただいておりますが、一言いただけますか。
#80
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま衆議院で審議が始まったばかりでございまして、衆参の顔の立て合いも当然、私も国会対策委員長をしておりましたからよく分かるわけでございますので、十分御議論を党内あるいは与野党、十分していただきまして、より良きものに進めたい、このように思いを新たにいたしております。
#81
○松井孝治君 大変、大臣、勇気付けられる御答弁をいただきました。大変なリーダーシップだと思います。率直に評価をさせていただきたいと思います。
 これはやはり物によっては与野党できちんと対決をしなければいけない話もあろうかと思います。例えば、さっきの医療の特区の問題についても私は個人的意見を申し上げましたが、いろんな恐らく与野党内部にも議論があろうかと思います。ただ、一致できる点は、これは衆議院であろうと参議院であろうと、是非より良いものにするための努力は私は惜しんではいけないと思っております。
 これは、次の点は私は御意見を申し上げるだけにしたいと思いますが、特区の問題というのは、下手をすると、規制というのは財政的な、財源的な制約じゃないんですね。ですから、ある地域で特区と認められたものについて、それがその地域の利権になってしまうことがあるんです。要するに、うちの地域はこういう特例を認められた、それはいろんな政治家の方々も動かれた、それで認められた。これが全国的になってしまうと、それは面白くないということが時々あるんですね。研究者の方なんかはこの特区制度をもういろいろ経済学者なんかは分析していまして、大臣がさっきおっしゃったような規制改革の言わば風穴を空けるパイロットプランであって、そこから更に広げていく、これに価値がある、私もそう思います。
 同時に、地域の方々はどういうふうなとらえ方をしておられる方がいらっしゃるかというと、これはうちの地域の特例だと。そうすると、うちの地域でこういう規制改革が認められたら、それは地域の活性化の目玉になるというふうに思っておられる方がたくさんいらっしゃるわけです。典型的に言えば、例えばカジノをどこかで作ると。よそで作られてみんなカジノが解禁されたら、地域の活性化にならぬわけですね。ある程度の間その特例が認められないと、民間の業者が参入するといっても、設備投資のコストも掛かる。それがもう一年や二年で認められたら困る。
 だから、カジノの例がいいかどうかは別として、ほかの規制でも、教育の規制あるいは医療の規制でも同じようなことが起こるわけです。ある一定の地域活性化とか産業集積をそこの特区制度でもたらそうとすると、それは同時に、ある期間はうちだけに認めてもらわないと困るという発想が出てくると。こうなってくるとややこしいところがあって、私がすっきりしないと言った三つ目の理由というのは、やっぱり地域の特権化してしまうことなんですね。
 私は、ここはもうこれ以上、さすがに私も厚かましくありませんので、また法案審議に譲りたいと思いますが、是非、大臣に聞いていただきたいのは、そういう地域の既得権益化してしまうということを防ぐための手だてを考えていかなきゃいかぬ。さっきおっしゃった風穴、言わば全国的な規制改革の一つのサンプルであり、風穴にしていくためのブリッジのような規定がないというのは、私はちょっと残念だなと思っていることだけ申し上げておきます。
 もう時間もなくなりましたので、ほとんどこれが最後の質問になってしまいます。
 最初に規制改革の評価を鴻池大臣に伺いました。それで、今九割方のっていたけれども、その一割の部分でも相当交渉が御苦労されたというような話は鴻池大臣の御答弁の端々から私も感じ取ることができました。
 それで、規制改革というのは非常に大変だと思うんですね。今も会議があって、オリックスの宮内さんが議長ですか、になっておられて非常に御苦労されて、宮内さんを更迭するなんという意見も政府部内から出てくるなんという話が私の耳にも伝わってきます。政府部内の役人が、宮内さんは規制改革でけしからぬからこういう人は首にしようという動きすらあるという話も聞いています。それぐらい規制改革というのはある意味ではいろんな抵抗される方もあって、厳しい仕事だと思います。
 それで、今の政府部内での規制改革の担当というのは、規制改革全体はこれまだ石原さんやっておられるんですよね。何か余り最近聞きませんけれども、たしか石原大臣がやっておられたというふうに漏れ伺っておりますが、特区担当で風穴を空けるといって言っておられるのは、今ここにいらっしゃる鴻池大臣。
 石原大臣のときにも問題になっていましたが、例えば石原大臣が規制改革といったときに、ITの部分はなぜか抜けるんですね。なぜ抜けるかというと、ITは別紙とか書いてあるわけです、役所から出てくる紙に。何でIT別紙なのかと。ほかの部分はメニューが書き込んであるんだけれども、IT別紙と書いてあるわけです。それはどういうことかというと、ITの規制改革は一義的には竹中大臣、昔でいうと。今はこの分野も細田大臣が引き継がれているはずでありますが、細田大臣がITはIT担当としてIT制度をどう変えるかというのは細田大臣の仕事だということになっているわけです。
 そうなってくると、規制改革は石原大臣がいて、今どういう議論をしておられるのかよく分かりません。石原大臣もいろいろお忙しいですよね、道路公団問題とか、お忙しい。そして特区の部分で風穴を空けるというふうに一生懸命やっておられる鴻池大臣がいらっしゃって、今日も御質問させていただきましたが、IT分野はITという担当で、これは総務大臣とか経済産業大臣とは別に細田大臣がいらっしゃる。
 そういう状況の中で、三人の大臣が個別の役所、総務省とか経済産業省、厚生労働省、文部科学省とか、そういう個別の役所、ここは基本的にはそう簡単に規制改革させてたまるかと思っておられる方が多いのも事実。これを三人がばらばらで、ばらばらと言っては申し訳ないけれども、現実には三人の規制改革関連の大臣がいてやっている。
 私は、こんなことで本当に政府の規制改革というのは進むのかどうか、極めて疑問だと思うんですが、これは本来、任命権者である小泉さんに聞かなければいけない話。ですが、今回非常に厳しい折衝を続けられてきた鴻池大臣に、本当に政府の規制改革の、大臣の分担関係も含めて、これでいいと思っておられるのか、御苦労されてきた一人の政治家としての御感想を伺いたいと思います。
#82
○国務大臣(鴻池祥肇君) 総合規制改革会議、これには適宜私が行っておりますことを御報告したり、あるいは御指導いただいたりはいたしておりますので、てんでんばらばらではないということだけは申し上げたいと思います。
 ただ、私が承知しております役割というのは、やはり最先端で、私、剣道をやっておりました。先鋒から大将まで選手がおるわけです、五人。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将と。先鋒になるのは勢いが良くて必ず早いときに勝負を付けると。先鋒が勝つとそのチームは勝つという、そういったものなんです。私は中学から剣道をやっていて、何の役割をしておったかと、その先鋒の役割をしておりました、先鋒。それを私の仕事だと承知をしながら風穴を空けていく。そして、風穴が空けば隣の村にも北海道にも沖縄にもいい意味で飛び火をしていただくことを念頭に置いて今頑張っているつもりでありますし、松井委員の御心配、御指摘もそれなりのこともあるなというふうにも理解しております。
 もっと綿密に連絡を取りながら、より良き方向に進めたいと思っておるところであります。
#83
○松井孝治君 ありがとうございました。
 本来であれば、細田大臣にもお残りいただいたので一言御答弁いただこうかと思っていたんですが、もう時間が超過をいたしましたので、細田大臣には意見、議論を聞いていただいてありがとうございました。是非、今後とも規制改革に向けて政府一体となった取組をしていただきたい、そのことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#84
○委員長(小川敏夫君) 午後三時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#85
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○白浜一良君 谷垣大臣、御苦労さまでございます。国家公安委員長だけでも大役でございますのに、加えて食品安全委員会担当大臣と、またこのたびは産業再生機構担当大臣ということで、能力があるから期待されていると思うんですが、重要な役目でございますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 それでは、何点か、これから立ち上がっていくことばかりなんですが、食品安全委員会と産業再生委員会につきまして、若干、可能な範囲で結構でございますので、お考えをお示しいただきたいと思います。
 まず、食品安全委員会の件でございますが、これは当然BSE問題が発端でございまして、続きまして、いろんな形でいわゆる食品表示の虚偽の表示が次から次へ発生いたしまして、食というのは国民の生活の基本でございますから、これをしっかりせないかぬということで、実は昨年、今年か、三月の予算委員会の総括質疑のとき、私、総理大臣にいろいろお考えをお伺いしまして、やっぱりその監督官庁が駄目だと、もう少し違うところ、内閣府にしっかりそういう食品安全を担当する部門を作った方がいいということを申し上げたわけでございますが、当然、総理もそういうお考えを前向きに示されました。
 ということで、この委員会が立ち上がることが正式に決まったわけでございますが、しかし、この食品の問題を考えます場合に、やっぱり消費者が信頼しているというのが一番大事なんですね。消費者の立場になって、心配でならない、本当かなと、こういうことが一番まずいわけでございまして、そういう国民の信頼ということに関していいますと、やっぱり情報開示というか、情報をしっかり公開するということがまず前提で大事でございますし、その上で、リスクコミュニケーションとよく言われますが、消費者との参加、対話という、ここの信頼関係がなければ務まらない、食品安全という面でいうと、ことだと思うんですが、まず基本的にこのことに関しましてお考えを伺いたいと思います。
#87
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、白浜委員がおっしゃいましたように、かつての食品行政では、いわゆる危険性といいますかリスクの評価とそれからリスクを管理していくところが一体であったところに問題があったんだろうと。そういう意味で、まずリスク評価を科学的にやる独立の機関を作らなければいけないということで食品安全委員会を新たに作ろうということになったわけでございますが、消費者の健康保護を最優先にした食品安全行政を進めていきますには、今申しましたような科学的、客観的なリスク評価、それからそれに基づいて的確にリスク管理をしていくと、それに加えて、行政の透明性の確保といいますか、消費者とコミュニケーションをしながら情報を共有していくと、こういうことがなければいけないんだろうと思います。
 要は、科学的な安全というもの、科学的な安全性の確認というだけでは必ずしも国民の安心にはつながっていかないと、そのためにはやはり今のようなコミュニケーション、透明性というようなものが必要になってくるのではないかというふうに考えております。
 食品安全委員会の仕事は、まず第一に、科学的、客観的立場から食品のリスクを評価していくと。それから二番目に、リスク管理を行う行政機関、農水とか厚生労働省ということになると思いますが、勧告を行うと。それから三番目は、そういったリスク管理機関が実施した規制や指導のモニタリングをしながら、消費者等とのリスクコミュニケーションを行っていくという、それを独立した機関として内閣府に作られるものでございますけれども、こういう食品安全委員会と実際にリスクを管理していく農水あるいは厚生労働省と適正な緊張関係を持ちつつやっていくということが、それでしかも、それはばらばらではいけませんので適切な緊張関係を持ちながら一体としてやっていくということが大事かなと考えております。
#88
○白浜一良君 それで、そういうことなんで、実際、来年の四月からこれは制度が立ち上がるんですが、いろいろ委員会をされますね、いろんなテーマで。議題が起こればされるわけでございますが、そのいわゆる委員会の議事録の開示というのもこれは非常に大変大事でございまして、このいわゆる委員会の議事の開示ということに関しましてはどの程度お考えになっていますか。
#89
○国務大臣(谷垣禎一君) その辺りはこれから詰めていかなきゃならないところもあるんですが、科学的なリスク評価を行う食品安全委員会はもちろん、その下部機関である専門調査会も含めて原則としてやはり会議を公開するということにしたいと。それから、食品に関する個別のリスク評価の結果などについても、ホームページを活用するなど、一般消費者にも分かりやすく説明していく機会を多用したいと。それから、必要に応じて消費者、事業者、科学者等の関係者が参加する意見交換会等も随時開催していきたいと、こういうようなことを今検討しているところでございまして、こういうことを通じて透明性を図っていきたいと、こう思っております。
#90
○白浜一良君 今、基本的には公開したいということで、それがやっぱり信頼の基になりますので、そういう方向でしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、リスク管理はおっしゃったように農水と厚生でやるわけでございますが、本委員会で専門調査委員を作られますですね。この役割なんですけれども、いわゆる立入調査する権限というのを付与されますか、その調査委員に。
#91
○国務大臣(谷垣禎一君) 立入検査とおっしゃいましたけれども、ここは科学的なリスク評価を行うということで、具体的な規制とか立入調査のリスクといった、これはどちらかというとリスク管理の仕事だというふうに考えておりまして、食品安全委員会ないしは専門調査会に現場への立入り等の権限を与えるということは今予定しておりません。
 ただ、リスク評価に当たっては、現場の状況をよく把握しなきゃならないのはこれは当然のことだろうと思いますので、必要に応じてリスク管理機関からヒアリングを行う、実際に委員会を運営していく際にはそういったことができるように十分留意していかなきゃならないと、こう思っております。
#92
○白浜一良君 おっしゃるように、ここは大変大事でございまして、というのは、リスク管理は厚生省並びに、厚生労働省ですか、並びに農水省がやるわけでございますが、実際、食品安全委員会がそのリスク管理をしている両省庁に向かってもある一定の実効性を持たないとこれは意味がないわけでございまして、ですから、その辺が実効性あるように、本委員会としては、むしろリスク管理がおかしい場合は国民の声を味方にしてしっかり監督させるようにできるぐらいの力を持ってほしいということで、私は確認のために申し上げたわけで、この点いかがでございましょうか。
#93
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃったとおりだと思います。
 さらには、やはりここがリスク管理機関に対してやはりちょっと問題があるのではないかというようなことを考えたときは勧告することができなきゃいかぬと思うんです。それで、そういう場合に、食品安全委員会が管理機関に対して勧告をしたような場合には必ずその内容を公表していくということを予定しておりますし、勧告を行った場合には、委員会においてリスク管理機関がどのような措置を講じたのか、それからその措置の実効性等についてもモニタリングを行えるようにしたいと。それから、委員会は勧告を行った後、措置の実施状況等を踏まえて、リスク管理機関に対して再度勧告を行うことも可能であるというような制度にしたいと、こう思っております。
#94
○白浜一良君 どうかそのように、実効性のあるように頑張っていただきたいと思います。
 それで、これはまだ分かりませんが、四月一日から設立ということを聞いているんですが、この委員会は、まだ委員は決まっていませんですね。今後の大体のスケジュールはどういうふうにお考えになっていますか。
#95
○国務大臣(谷垣禎一君) 通常国会に食品安全基本法とこの委員会の設立を定める法律、これどういうふうに仕組むか、まだ細かなところまでは詰まっておりませんが、出すことは当然、その予定で準備しておりますが、さてそれが四月一日になるかどうかというのはまだちょっとはっきり申し上げられない段階でございます。
#96
○白浜一良君 今の段階でそういう御答弁が無理なのかもしれませんけれども、来年の通常国会、一月召集でしょう、どういうふうな流れになるか分かりませんが、少なくともやっぱり年度というのは一つのいい区切りですから、鋭意そういう新しい年度からスタートできるように努力したいとか、そのぐらいは言っていただいてもいいんじゃないですかね。
#97
○国務大臣(谷垣禎一君) そういうふうに努力したいと思っております。
#98
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから、産業再生機構につきまして、本日、官邸で産業再生・雇用対策本部ですか、第一回の会合をされたということを伺いました、報道もされておりましたけれども。これは、本来言えば、銀行並びに民間企業が自主再建していくのが資本主義のルールでございますが、なかなかそういう、手負いでございますので、政府が機構を作ってそういう債権処理をしやすいようにしようという、これは私、非常に大事な部門。不良債権といいますと、どちらかというと貸手ばっかりの方が注目されておりますが、もっと大事なのは借り手の方でございまして、ここをきちっとしなければならない、これは当然でございます。
 それで、これは大体スケジュール的には来春からというふうにこれも一部報道されておりますが、これからいろいろ準備されるんだと思いますが、大体どういうタイムテーブルで今後のことをお考えになっているんですか。
#99
○国務大臣(谷垣禎一君) 実は、準備室というのが八日に、私も八日に任命を受けましたが、八日に四名任命されまして、今日更に八名追加、八名だったかと思いますが、追加されたところでございまして、まだ言うなれば走りながら考えているような状況でございます。
 それと、また、この機構を立ち上げますにはかなり、企業をどう再建していくかというようなことになりますと、かなり技術的にもきちっと詰めておきませんと、動かしてみたらとっても使い物にならなかったというようなことになってもいけないと思いますので、余り拙速なことはできないなと、かなり細部まできちっと詰めて作りたいと思っております。
 もちろん、ぐずぐずするわけにはまいりませんので、これも当然通常国会には提出するということで今大車輪でハッパを掛けながら始めたところでございますが、これはさっきの食料の方よりもまだ、四月一日に努力するというのがちょっとまだそこまではっきり明言できない段階でございまして、これから頑張らせていただきたいと思っております。
#100
○白浜一良君 おっしゃるとおりで、これからなんで大変だと思います。
 それで、これからには違いないんですが、何点かテーマになることを確認をさせていただきたいと思うんですが、いわゆる何らかの基準を設けられて個別企業、銀行と相談されていわゆる再建できるかどうかというのを検討されるんでしょう。非常に大事な部門なんで、それを判断するのが産業再生委員会ですか、これを設けられると。一方で、再生機構という機関、預金保険機構の中にそういう機関を設けられると。この委員会と機構の関係というのはどういう関係をお考えになっていますか。
#101
○国務大臣(谷垣禎一君) 機構は、この組織の詳細も今まだ十分に申し上げにくいんですが、これはいわゆる預金保険機構の下にRCC、整理回収機構と並んで民間の株式会社として設置していこうというふうに思っておりますので、ここはいわゆる株式会社の社長というものがいるわけでございますね。これがこの機構のトップであります。
 それで、その仕事は、メーンバンクや企業間で再建計画が合意されつつあるなどによって、これから作られる機構が実際に再建できそうなものの債権を主として非メーンバンクから要管理等の債権を買ってくる、そして再生していくということでございますが、その再建計画が果たして妥当なものであるのかどうか、あるいは債権を買ってくるときの価格が客観的に見て妥当なものであるのかどうかというのは、これは恣意的に判断してはなりませんので、産業再生委員会というものをこの機構の中に、今のところは中と考えておりますが、これも余り決め打ちで言っていいかどうか分かりませんが、そういうものを作りまして、そこに企業再生とか不良債権問題に見識のある方に入っていただいて、客観的に担保していこうと。
 そういう関係になっておりますので、今のところはこの組織、機構内にそういう委員会を置くという方式ではどうだろうというふうに考えております。
#102
○白浜一良君 分かりました。
 それで、今日の朝刊見ましてもいろいろ書いておりますが、幾つかいろいろテーマがあるわけで、例えばいわゆる資金ですね、いわゆる買取り資金をどうするかということで、これは要するに、今預金保険機構の中には金融再生勘定というのもあるんですが、そういうこともお使いになる考えなんでしょうか。別枠でこの産業再生機構独自の勘定を作られる予定なんですか。それはまだ決まっていませんか。
#103
○国務大臣(谷垣禎一君) そこもまだ決まっておりませんで、あらあら考えますと、預金保険機構が産業再生機構の設立のために出資してもらわなきゃなりませんから、そうしますと、それは政府保証による資金調達というようなものが必要になってくる可能性が高いなというふうには思っておりますが、まだここのところも、これからいろんな仕組みの間の利害得失を少し検討したいと思っております。
#104
○白浜一良君 今日、朝の衆議院の財務委員会ですか、塩川大臣が十兆円規模は要るだろうと、こうおっしゃったという。余り根拠ない話だと思いますが、預金保険機構の金融再生勘定はそんなお金ございませんし、いずれにしても、どこかから調達せにゃあかんわけで、民間から調達できるかも分かりませんが、民間そのものはお金がないわけでございますから。
 だから、今日の朝刊見ますと、何か日銀が当然政府保証はせにゃあきませんが、特別のそういう資金を提供してもいいと、こういうお考えも報道されていますが、この点はいかがですか。
#105
○国務大臣(谷垣禎一君) これも、そういう報道を私も拝見しましたけれども、まだ日銀がそういうことを検討しておられるのかどうかも具体的な報告は受けておりません。いろんなことを頭に入れながら、何が一番いい方法か、今これから検討したいという段階で、するという段階でございます。
#106
○白浜一良君 そうですよね。余りばたばたと具体的なことを聞きましても、まだおっしゃられる段階じゃないと思いますが。
 ただ、これだけ私、お願いしておきたいと思うんです。要するに、要管理債権以下だと、こうおっしゃるでしょう。基本は私はそれでいいと思うんです、考え方は。ただし、銀行の自己査定がいろいろ問題あるという。ですから、ここはちょっとフレキシブルにお考えになった方がいいと。要するに、銀行査定による要管理債権以下じゃ心配で、ある意味で要注意債権の中にも再生機構で処理した方がいいような債権があると私は思うんですね。ここはちょっと柔軟に対応された方がいいんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがですか。
#107
○国務大臣(谷垣禎一君) 砂利だと思っていたら砂金が混じっていたということがないとは言えないと思いますので、要は、関係機関がこれを再生させられると判断するかどうかということだろうと思います。その辺はまだ決め打ちにしないで、いろんな可能性をよく検討したいと思っております。
#108
○白浜一良君 もう質疑やめますわ、これ以上言うてもあれなんで。
 いずれにしても、建設省もいろいろ言うていますし、経済産業省もいろいろ言うでしょうから、当然、金融庁は銀行抱えているわけで、ここを調整するというのは物すごい力が要る仕事だと思いますので。だけれども、今の金融、経済の日本の実態から見ると大変大事な部門でございますので、しっかり組み上げていっていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 もう時間がちょっとしかないんですが、細田大臣の科技庁の関係、来ていない。だれも来ていらっしゃいませんか。
 じゃ、以上で終わります。
#109
○吉川春子君 前回の委員会で慰安婦問題を質問しましたけれども、官房長官は、この問題は極めて困難だと、アジア女性基金ですべて解決されたものでないこともよく分かっていると答弁されました。問題解決に向けてどうすればいいのか、何とか解決したいと私は熱望しておりますが、政府の考えを伺っていきたいと思います。
 ILOの条約適用専門家委員会は、これまで五回日本へ意見を公表しています。二〇〇一年、二〇〇二年と続けて、時期を失する前に慰安婦と慰安婦を代表する団体と協議してアジア女性基金とは別の方向を見いだすことを希望すると、こういう趣旨の意見を公表しました。
 私は、ILOの強制労働条約違反の問題について九八年にも質問しましたけれども、まず慰安婦は、一九三二年、日本も批准している強制労働条約、二十九号条約に違反する性的奴隷制であると言われ、また九七年意見でも、強制労働の除外条項には該当せずに、日本は条約違反が存在したと、日本の条約違反が存在したと再度確認しています。
 専門家委員会がこのように日本は二十九号条約違反だと繰り返し指摘していることは大変重要だと考えますが、官房長官、いかがですか。
#110
○国務大臣(福田康夫君) これは以前にも御答弁申し上げたこと、内容になるかもしれませんけれども、いわゆる従軍慰安婦問題を含めまして、さきの大戦にかかわる賠償並びに財産及び請求権の問題は、日本政府としては、サンフランシスコの平和条約、二国間の平和条約及びその他関連する条約等に従って誠実に対応してきていると。元慰安婦に対し個人補償を行うことは考えていない。しかし、政府としては、いわゆる従軍慰安婦問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であると、こういう認識を持っておりまして、これまでもおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明してきておるわけでございます。
 また、本件問題への対応については、国民的な議論を尽くした結果、既に高齢となられた元慰安婦の方々の現実的な救済を図るためにアジア女性基金により対応するということが最も適切かつ最善の方法であると、こういう判断をしまして、これまで基金の事業に対して最大限の協力を行ってきたわけでございます。
 政府としては、今後とも、こうしたアジア女性基金の事業に表れた日本国民の本問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるよう最大限の努力を行っていく考えでありまして、すべてこれでもって解決しているというようには考えておりませんが、今申しましたような考え方を持って今後対応していきたいと思っているところです。
#111
○吉川春子君 ILOの専門家委員会が、日本は一九三二年に批准している強制労働条約に違反していると、これを繰り返し意見として述べております。この問題について大変重要ではないかということを私は申し上げたわけですけれども、政府としては、当時、日本が批准していた条約に、慰安婦の一連の行為、これは違反していたと考えるんでしょうか、それとも違反していなかったと考えるんでしょうか。ILOは明確に違反ですよと言っておりますが、どうですか。
#112
○政府参考人(石川薫君) お答え申し上げます。
 当時の行為がILOの強制労働ニ関スル条約、二十九号条約でございますけれども、に違反であったか否かを判断するには、五十年以上前の第二十九号条約の適用に関する各締約国の考え方や国家実行を踏まえた上で、個別具体的な事案につき、各条文ごとに条約違反の有無が慎重に検証される必要があると考えております。
 実際のところ、この二十九号条約に関する当時の締約国の考え方や国家実行については不明な点も多く、また個別の事案の事実関係についても資料の散逸等の事情によりまして検証が困難かと存じております。
#113
○吉川春子君 そういう問題を踏まえて、ILOは条約違反ですよという意見を言ったのは五、六十年前じゃないんですよね、もうごく一、二年前。もうずっとそういう考えで来ているんですけれども。
 この条約において強制労働というのは、ある者が処罰の脅威の下に強要され、かつ右の者が任意に申し出たるにあらざる一切の労務を言うとされていますね。九三年に、当時の河野官房長官談話では、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧によるなど本人の意思に反し集められた場合が数多くあり、さらに官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった、また、慰安所における生活は強制的な状況の下で痛ましいものであったというふうにしています。
 そして、これは防衛庁の資料室から出てきた膨大な資料、それを綿密に検討いたしまして、そして政府は一つ一つの状況を判断して、当時、そしてこの談話を発表しているわけなんです。抽象的な条約の解釈ではなくて、そして個々の慰安婦の方にも面談し、あるいはいろんなことをした上でこの河野官房長官の談話が発表されております。
 この談話によれば、本人の意思に反して集められた、官憲が直接これに加担した、また慰安所における生活は強制的な状況で痛ましいものだったと、ここまで個別具体的に判断をしているんですけれども、それでも政府は、国際法学者かどうか知りませんけれども、そんな客観的に、自分が犯したことなんですよ、法学者が仮にそういう論文書いたとしたら、それはその人の考えかなということで済むんだけれども、自分の行ったそういうことについて、そんな他人事の答弁じゃ駄目なんですよ。
 強制労働違反だったと思うのか、でなかったと思うのか。慰安婦問題が少なくとも国民的に明らかになって十二年もたっているでしょう。資料も膨大に発表しているでしょう。それにもかかわらず、そんな学者的な答弁で私が納得すると思いますか。もう一度ちゃんと答弁してください。
#114
○政府参考人(石川薫君) 委員御指摘の点、よく拝聴させていただきました。
 恐縮でございますが、私どもといたしましては、この条約との関係におきまして申し上げさせていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたような五十年以上前のこの条約の適用に関する各締約国の考え方でございますとか、いわゆる国家実行でございますが、そういったことを踏まえた上で本件については判断する必要があるのではないかと考えている次第でございます。
#115
○吉川春子君 そうすると、日本はこの十二年間、これについて判断もしてこなかったし、これからも判断するつもりがないと。ILOが何遍強制労働条約違反だと指摘しても知らぬ存ぜぬで、そんな答弁でのらりくらりと国際舞台を泳いで渡ろうと、そういうことですか。
#116
○政府参考人(石川薫君) ILOとの関係で申し上げたいと存じますけれども、委員御指摘のILOにおきましては、ILO条約勧告適用専門家委員会というものが御承知のとおり条約違反と指摘しているのではないかという御指摘であろうかと存じますけれども、この委員会は、ILO条約の各批准国における適用条項について、各国政府や労使団体がILOに提出した報告に基づいて検討を行う機関であると承知しております。個別の事案について独自に調査を行い、事実認定を行う機関ではないと承知しております。
 また、この専門家委員会は、個別の事案につきましては、条約の有権的な解釈、適用を行う機関ではなく、ILOとしての最終的な見解を与える権限は有していないというふうに存じております。
#117
○吉川春子君 もうそんな答弁、何遍も聞いているんですよ。
 でも、ILOはその提供された資料に基づいて判断を下しているんです。だから、日本政府がそうじゃないというんだったらば、また日本も膨大な資料を持っているわけですから、国民に発表しない情報だって持っているわけだから、それを使って、いやこんな汚名はうちは納得できないと、我が国は納得できないと、強制労働条約違反じゃないですよという資料を自分で出して覆せばいいじゃないですか。そういうこともしないというのはどういうことですか。
 それと条約適用委員会が判断できないとすると、じゃこのILO条約はだれが判断するんですか、どこに判断する権限があるんですか。その二つ、はぐらかさないで。
#118
○政府参考人(石川薫君) 第一の点についてまずお答えさせていただきたいと存じます。
 私どもといたしましても、これは個別具体的な事案につきまして条約違反であるかどうか、それを慎重に検証される必要があると考えておるということは先ほど申し上げさせていただいたとおりでございまして、一つの問題は、委員の御指摘ではございますけれども、個別の事案の事実関係については資料の散逸等の事情により検証が困難であるというふうに存じておる次第でございます。
 ILO条約の解釈につきましては、最終的にはILOの締約国が参集する場でございます総会が有権解釈の権限を持っているというふうに承知しております。
#119
○吉川春子君 そうすると、日本は総会で何か責められない限りは、もうこれは資料の散逸等を理由に違反するのかしないのかもどっちも判断をしないと、こういう姿勢ですか。これは政治的な問題ですので、官房長官。これは何遍も突き付けられていて、日本は、じゃそうじゃないんだとか、いやそうですとか、どっちも言わないなんて一番ひきょうじゃないですか。これが身に加えられた冤罪だというんだったら晴らさなきゃならないし、そうだというんだったら受け入れなきゃならないし、それを条約適用委員会には判断する基準がないんだなんということで六年も七年も逃れているというのは、もうこれはひきょうとしか言いようがない。そういう日本のイメージをILOの締約国に与えるだけじゃないでしょうか。官房長官、どうお考えですか。
#120
○国務大臣(福田康夫君) この問題は戦争の最中に起こったことですね。そして、その戦争の最中にいろんなことが起こったんだろうと思うんです。そのうちの一つだというふうに思いますが、これは先ほど来申し上げているように、そういうことは日本人として、日本国としてこれは決して看過することはできない、そういう意味において今までも何度もこのことについて言及しているわけであります。多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題である、こういう認識の下に何度もおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明してきたと、こういうことでありまして、決してこれから逃げているわけじゃありませんよ。
#121
○吉川春子君 二十九号条約違反だと突き付けられているわけですよ。それから逃げているんですよ。逃げないでください。受け入れるのか拒否するのか、それはやっぱり日本としてはっきりしなきゃならないと思いますよ。
 続けてもう一つ伺いますけれども、個人の請求権の問題もILOで議題になっていますね。それで、一九五一年の吉田首相あてにオランダの全権大使スティッカー外相がサンフランシスコ条約十四条b項で国家の請求権は放棄しても個人の請求権は消滅しないことの確認を求めまして、それに対して当時の吉田全権大使がそれは認めているということなんですけれども、これは、ですからそのサンフランシスコ条約締約諸国全部に当てはまることですよね、個人の請求権は消滅していないという点は。どうですか。
#122
○政府参考人(林景一君) 御指摘の吉田・スティッカー書簡におきまして、当時の吉田全権が表明いたしましたこの請求権についての考え方というのは、これは単にオランダとの関係ということだけではございませんで、平和条約についての我が国の立場を表明したものということで結構でございます。
#123
○吉川春子君 それで、九一年か二年当時の柳井条約局長だったと思うんですけれども、個人請求権は消滅しないけれども、これは外交保護権なき請求権だということをおっしゃっていますが、この外交保護権なき個人請求権という意味はどういうことですか。
#124
○政府参考人(林景一君) ちょっと法的な問題でございますので、若干お時間をいただいて御説明させていただきたいのでございますけれども……
#125
○吉川春子君 簡単でいいです。
#126
○政府参考人(林景一君) はい。済みません。
 外交保護権と申しますのは、自国民が外国による国際違法行為によって損害を被った場合に、その本国が被害者である自国民について生じた損害に関しまして救済が相手国で与えられるように必要な措置を取る、そういうことを相手国に要求することができるという国際法上の権利でございます。
 今御指摘の平和条約におきます請求権の処理の関連でオランダ政府と日本政府の間で話合いが行われまして、その解釈が表明されたことの内容でございますけれども、これは御指摘のように、オランダ側はオランダ国民の私的請求権が平和条約によって消滅することにはならないという立場の確認を求めたのに対しまして、日本側がオランダ政府が平和条約の署名によりまして自国民の私的請求権を剥奪し、その結果、こういう係る請求権がもはや存在しなくなるものとは考えないということを言いつつも、同時に平和条約の結果として係るこういう請求権、個人の私的請求権につきまして満足を得ることはできないということを、そういう解釈を示して、そういうやり取りをしまして、その上で平和条約を締結したわけでございます。
 ということで、この平和条約の規定によりまして、従来から政府が申しておりますのは、連合国国民の請求権は救済されないことになったと、平和条約によりまして。そのことを一般国際法上の外交の観点から、一般国際法上の概念であります外交的保護権の観点から御説明したのが先ほどの柳井答弁ということでございます。
#127
○吉川春子君 要するに、個人が請求権を持っているから裁判を起こす、そして裁判を継続する、それについては何ら問題はないということですね。イエスだけでいいですから。
#128
○政府参考人(林景一君) 相手国におきまして裁判を提起すること自体は、その権利を剥奪することはできないわけでございますけれども、それが救済されない。そして、外交的保護権の観点から申し上げれば、そういう法的に救済されないという事態につきまして、相手国が我が国の国際法上の責任を追及することがもはやできなくなったと、これが平和条約の締結の効果としてそうなったということでございます。
#129
○吉川春子君 だから、その救済されないという意味が、裁判で救済されないという意味じゃなくて、相手国の政府が代わって救済を求めることができないという意味だということは、私の方からかいつまんでそういうことですねということで先へ進みますけれども、官房長官、ILOはアジア女性基金では慰安婦の皆さんが満足をしていないということでアジア女性基金以外の方法で救済の手段を考えなさいということを日本に意見として、オブザベーションとして提出しているわけです。
 それで、先ほど来の官房長官の御意見はアジア女性基金でこれからもやっていくよということなんですが、アジア女性基金では満足していないので、そして受け取っていない人も多数いると思われますので、それ以外の方法を時期を失することなく検討しなさいと、これをILOは言っているんですけれども、アジア女性基金以外の方法で慰安婦を救済する方法についてどういう検討をされるおつもりなのか、その点について伺います。
#130
○国務大臣(福田康夫君) ILOの条約勧告適用専門家委員会が慰安婦問題について被害者の補償のための別の方法を見いだすことを希望するというなどのオブザベーションを出しておるわけでありますけれども、我が国としてはアジア女性基金以外の事業は考えておりません。
#131
○吉川春子君 ILOのオブザベーションについては拒否すると、その点について、ということですね。これはしかし大変重要な答弁だと思うんですけれども、そういう、今これからILO専門家会議が開かれようとしていますけれども、そういうところで、アジア女性基金以外の方法は考えていないと、そういう態度で臨むということですか。再度確認をいたします。
 それと、アジア女性基金を受け取っていない人、つまりILOが言うところの満足していないと思われる人の数をお示しいただきたいと思います。
 二点です。
#132
○国務大臣(福田康夫君) ILOの条約の、これは、この条約については、あくまでもこれは各国政府、労使団体がILOに提出した報告に基づいて検討を行う機関である、したがいまして、同委員会のオブザベーションは加盟国を法的に拘束するものではないと、こういうことになっております。そのことはそれとして、我が国としては、このアジア女性基金の事業によって日本国民のこの問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるよう、これからも最大限の努力を行っていきたい、そのように考えておるところでございます。
 それから、人数のことについては、これは、この人数は分からないですよ。人数は申し上げるようなデータはございません。
#133
○吉川春子君 官房長官、ILOはそういうことを言える機関じゃないと、このようにおっしゃいました。それでは、国連社会権委員会におきまして、日本に対して、内容はほぼILOと同様の文言だと思いますけれども、勧告を出しております。そして、国連社会権規約委員会、A規約委員会は、アジア女性基金が多くの慰安婦によって受け入れられていないということへ懸念を表明して、そのほかの方法で、年齢も考えて、大急ぎで対策を講ずるべきだと、提言及び勧告ということで、締約国である日本に勧告をしておりますけれども、この国連の勧告についてきちんと私は受け入れるべきだと思いますが、その点はいかがですか。
#134
○国務大臣(福田康夫君) 遅きに失する前にということでありますけれども、政府としては、この問題への対応について、国民的な議論を尽くした結果、既に高齢となられた元慰安婦の方々の現実的な救済を図るために、サンフランシスコ平和条約等の当事国間では請求権の問題が解決済みであるということから、アジア女性基金によって対応するということが最も適切かつ最善の方法であると、こういうことで、この事業に対して最大限の協力を行ってきているところでございます。
 したがいまして、今後とも、政府としては、こういうアジア女性基金の事業に表れたこの日本国民の問題に対する真摯な気持ちへの理解が得られるよう、最大限努力を行っていく考えでございます。
#135
○吉川春子君 私たち野党、つまり共産党、民主党、社民党は、戦時性的被害者問題解決法案を提案して、この慰安婦問題を解決する道筋を示しました。そして、私は意外だったんですけれども、被害者や被害者を支援するNGOだけではなくて、この被害者の存在する各国政府もこの私たちの法案について非常に支持をしてくださり、また、積極的な評価もいただいているわけです。
 官房長官、アジア女性基金は終了をいたしました。そして、もう予算も、償い事業については予算も付かないはずです。このアジア女性基金にしがみついて、これでやっていく、これでやっていくと言いましても、国際的にも説得する力は全くないと思うんです。そればかりか、日本は繰り返し、国連人権委員会やILOや、そういうところでそういう勧告を受けながらも拒否し続けていくと、こういう非常にマイナスのイメージになると思います。そればかりではなくて、本当に年老いた慰安婦の被害者の皆さんたちが、本当に余命も少ないのに解決の手も差し伸べないということで本当に日本はいいんだろうかと。こういう問題が突き付けられていると思うんですけれども、官房長官、その点についてはどうでしょうか。
#136
○国務大臣(福田康夫君) アジア女性基金の事業は、インドネシア、フィリピン等に対しては継続をしておりますし、今後とも、この基金の事業を続けることによって日本人の気持ちを表していきたいと思っております。
#137
○吉川春子君 官房長官、お時間だそうですので私はもうこれで終わりますけれども、インドネシアとかはまだ続けているという言い訳がまだ成り立ち得ますけれども、韓国、台湾、フィリピン、オランダは終わったと。ここの慰安婦の皆さんたちが納得していない、その点について何とかしなさいという、そういう勧告、意見がILOと人権委員会から来ている。この点についてどうするかということを最後に伺いたいと思います、この問題の最後に伺いたいと思います。
#138
○国務大臣(福田康夫君) ただいま私、事業をどういうふうに申しましたか。正確には、申請を締め切ったと、こういうことでありまして、事業そのものは継続しているということであります。
 その後は先ほど答弁したとおりでございます。
#139
○吉川春子君 もうお約束のお時間ですので。
 私は、やっぱり今、イラクへの攻撃問題とかあるいはテロ問題とか、国連を中心に国際協調の下で解決するという機運もかなり強くあるというふうに考えておりまして、やっぱり慰安婦問題も日本に突き刺さったとげなんですね。これをあいまいにしてはやっぱり日本の国際的な評価は決して高まらないということを私はいろんな国際会議に行くたびに感じておりますし、外務省の皆さんはそういうことを感じてないとしたら、それはもう外務省じゃないですよね。
 それにもかかわらず、何というんですか、布団をかぶっている、毛布をかぶっているという状態で国際社会を切り抜けていくとしているとしか私は思いませんけれども、そういう態度は絶対日本の外交にとっても経済にとっても金融にとってもプラスにならない、アジアの中で信頼を失うばかりなんだということですので、谷垣国家公安委員長が内閣を代表して一人いらっしゃいますので、私は長官に申し上げておきますけれども、この問題を思い切って大胆にやっぱり解決していくこと、お金だけじゃないんですね、そういうことを強く申し上げまして、官房長官が記者会見のため退席されましたので、次の質問に移りたいと思います。
 警察署協議会についてお伺いいたします。
 警察署協議会が作られた動機なんですけれども、動機というか、経過、趣旨について伺いますが、背景は、警察官による多くの職務関連犯、隠ぺいが行われた、神奈川県警事件とか、あるいはそれに続く新潟県警、埼玉県警の不祥事、こういうものが発覚して、桶川のストーカー殺人事件とか栃木のリンチ殺人事件とか、警察の怠慢によって市民の命が犠牲になるという事態が発生して、国民の警察に対する不信が極限状態に達したと。そういう中で、刷新会議が設置されて、刷新会議の緊急提言が出されたという経過であったと思います。
 そして、その提言では、「第一 問題の所在と刷新の方向性」の中で、「今日の警察の不祥事の問題点や原因を探り、解決の方向性と処方箋を考えるには、まず、我が国の警察の持つ問題点を解明しなければならない。」として、閉鎖性の危惧、国民の批判や意見を受けにくい体質などが指摘され、刷新の方向性が示されました。そして、警察が抱える問題を改めるためにということで、地域住民の意見や批判に謙虚に耳を傾けるため警察署評議会の設置を提言したと、仮称ですね、そういう経過があったというふうに私は承知しておりますけれども、大臣いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(谷垣禎一君) 吉川委員の御質問に答える前に、先ほど白浜委員の御質問に答えたときにちょっと間違ったことを申しましたので、白浜委員いらっしゃいませんが訂正させていただきますが、産業再生機構の設立準備室四名プラスあと八名と申しましたけれども、今日、四名に加えて十五名任用していただいたので、今現在十九名です。
 そこで、吉川先生の御質問にお答えいたしますが、警察署協議会は平成十二年七月の警察刷新に関する緊急提言の中で提唱されて、それを平成十二年の警察法改正によって導入したものですが、そのねらいは、警察がその役割を果たして治安をしっかり守っていくというためには、住民のやはり希望といいますか警察に期待するところというものを十分に受け止めなければいけないし、またそうして、それを進めていく、警察が仕事を進めていくに当たりましても住民の御理解がなければうまく進んでいかないということを考えまして、それを警察署協議会という形で果たしていこうというので作られたものでございまして、現在、活発に工夫していただいて活動しているというふうに理解しております。
#141
○吉川春子君 先ほど私が申し上げました認識についてはいかがですか。
#142
○国務大臣(谷垣禎一君) 警察刷新に関する緊急提言というのは、幾つかの不祥事が起きまして、そこで警察の綱紀をもう一回確立して国民の信頼を得ていくためにはどうしたらいいかということでこういう提言をいただいたわけでございます。
 そうして、そういう今の提言の目的を達成していくためには、先ほど申しましたように、国民の要望をしっかり受け止めて、そして国民、住民の理解を得ながら進めていくということが何よりも大事であると、こういうことだろうと思います。したがってこういう機関を設けたと、こういうことでございます。
#143
○吉川春子君 別に違うことをおっしゃっているんじゃないなというふうに受け止めまして、設置の目的に沿った会議の内容、運営になっているかどうかということを伺います。
 警察の不祥事、警察官の非行問題は社会的にも大変問題になり、住民の関心も高いわけですが、警察署協議会においてこういう問題、警察官の非行問題とか不祥事とか、警察にとっては余り触れられたくない問題について触れられているんでしょうか、取り上げられて議論されているのでしょうか、伺います。
#144
○国務大臣(谷垣禎一君) まず第一に、こういう住民の声に耳を傾けるという機構そのものがもう一回警察の綱紀を確立していくというそのプロセスの大事な一面でございますけれども、そういう、今度は具体的にできた警察署協議会の中でも、今、委員が指摘されたような問題はいろいろ議論をされて、またそういう御意見も拝聴していると、こういうふうに聞いております。
#145
○吉川春子君 私がこの質問をするに先立って受けましたレクによれば、余りそういう問題は取り上げられていないというふうにちょっとレクで受けたんですけれども、それが間違っていたのかもしれませんね。
 日弁連の各県警へのアンケートによれば、警察署協議会の議題、議事内容、委員からの意見は、警察官の増員要求、ひったくり取締りなど治安対策の強化、暴走族の取締り強化、少年非行対策、駐車違反の取締り強化、交通事故防止などであって、余り警察が触れてほしくない問題は議題になっていないと、こういうふうに報告されております。
 日弁連の人権擁護大会というのが開かれたんですけれども、そこに提出されました資料によると今のようなことだったんですけれども、しかし住民の側は、警察官の非行とか非行問題の原因とかその防止にも強い関心を持っています。これらの問題に住民の意見がもっと反映されるようにすべきだと思いますが、若干、大臣と私の認識が違いましたけれども、でもこういう問題が反映されるべきだというふうに大臣もお考えのようですが、そのためにも警察業務報告など、これを協議会に提出を義務付けて正確な資料に基づき議論を行うようにすべきだと思いますが、その点についてはいかがお考えですか。
#146
○国務大臣(谷垣禎一君) この警察署協議会の運用の仕方はガイドラインみたいなものも設けましてやっていただいておるわけでありますけれども、私は警察の方からこういうことを議論してくれというような方向ばかりでこの協議会を運用するのは必ずしもよくないと思います。
 それで、今、委員が指摘されたような業務報告なども行って、これは義務付けているわけではありませんが、かなりいろんなところで業務報告を行いまして、そういう不祥事等についても御報告申し上げているというふうに聞いております。
 しかしながら、それと同時に、今、委員が指摘されましたような暴走族をどうするとかひったくりをどうするとか、あるいは万引きをどうするとか、こういうようなことの住民の御希望は非常に強いんです。やはりそういうところをしっかり警察はやってほしいと、こういう御意見も非常に強くありまして、私が聞いておりますところでは、例えば万引きが多いじゃないかということでPTAの方と一緒になって巡回をするようなことになって万引き等が非常に激減したというようなことも聞いて、そういう議論も望ましい成果を上げているのではないかなと思っております。
#147
○吉川春子君 警察署協議会設置の経過、そういうところから見ても、今私が申し上げましたようなことをきちっと議論をすべきだと思うんです。そして、業務資料も提出されているということですので、その方向を是非もっときちっと強めて、そういうことも、警察官のいろいろな不祥事とかそういう問題もきちっと議論できるような資料を是非提出して、今後ともその努力をしてほしいと思います。
 それで、協議会のメンバーについてお伺いいたしますけれども、警察刷新に関する緊急提言において、警察の持つ問題点として国民の批判や意見を受けにくい体質を挙げているのはさっき指摘したとおりなんですけれども、地域住民の意見や批判に謙虚に耳を傾ける警察署評議会(仮称)の設置を提案したわけですね。それで警察法の改正が行われて警察署協議会が設置されたわけですが、その中で、提言の中でも、保護司会、弁護士会、自治体、学校、町内会、NPO、女性団体、被害者団体等の関係者など地域における有識者から成る警察署評議会を設置するとしておりまして、それらの団体を代表する委員を予定しているわけです。
 この公正な人選を確保するということが非常に重要だと思いますけれども、委員の構成について、比率について御報告いただきたいと思います。
#148
○政府参考人(吉村博人君) 数字的なことでございますので私の方から答弁をさせていただきますが、先ほど来からお話がございますとおり、管内の住民の、あるいは管内の会社等の中から警察署の運営についていろいろと協議をしていただくということで警察署協議会を設置をしておるわけでありますが、現時点で千二百六十五の協議会が全国で設置をされておりまして、一万人余りの委員が委嘱をされております。一万一千人余りの委員が委嘱をされておるわけであります。
 これを分野別に見ますと、一番多いのが管内のいわゆる事業者の方で全体の約二〇%、自治会等の関係者が一三%、それから地域防犯活動等の団体関係者が一〇%、自治体関係が九%、以下、交通安全活動団体、教育関係、医療・福祉関係、保護司、法曹関係などとなっているところでございます。
#149
○吉川春子君 その公正な委員の人選ということは非常に重要な問題ですね。
 それで、住民の多様な意見が公正に反映されるものでなくてはならないんですが、そういう担保があるのかどうかという問題です。
 警察庁の警察署協議会の設置及び運営に関するガイドラインでは、公安委員会が委員を委嘱するに当たり、都道府県警は、公安委員会を補佐する立場から、候補者に関する参考資料の提出を行うことになります。候補者を人選するに当たっては、自治体、学校等の意見を聴いたり、推薦を受けることも考慮するというふうになっていますね。
 私は、そういう団体の推薦に基づかないで、警察が意にかなったというか、好きな人を人選するという、息の掛かった人を人選されるおそれも多いので、こういうことを防ぐためにも警察庁のガイドラインを、所属団体の推薦を受ける、推薦ということを重視していただきたいと思いますが、大臣、その点はいかがでしょうか。
#150
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、委員のおっしゃったガイドラインですが、委員もちょっと読み上げていただきましたが、「候補者を人選するに当たっては、特定の居住地域、所属組織、年齢層等特定分野に偏り、又は固定化することのないようにする。また、自治会、自治体、学校等の意見を聴いたり、推薦を受けることも考慮を要する。」と、こういうふうになっておりまして、委員がおっしゃったように、そういう考慮をしながら各都道府県で選定をしていただいているというふうに思っております。
#151
○吉川春子君 だから、推薦も受けるんだけれども、今は推薦よりもかなり警察署自身が団体の推薦ではなくて選任しているという事例が多いので、その点は非常に問題を残しているのではないかと思うんです。
 それで、先ほど御報告いただきました協議会メンバーなんですけれども、地域防犯活動団体関係者、交通安全活動団体関係者、これを合わせると、約、約というか、一八・七%、二割近くいるわけですね。これは正に、警察と日ごろ親しく活動をともにしている団体だったり、元警察官関係者がいるとか、そういう団体、ここが非常に多くの数を占めているということは私は問題だというふうに一つ指摘をしておきます。例えば、弁護士、法曹関係者は、その十分の一というか二・二%なんですね。だから、もっと地域の弁護士会からの推薦ということを、率を上げるとか、何か警察と仲良くやっている団体の数が多いと、やっぱりそれは厳しい指摘にはならないと思うんですね。
 だから、一つは推薦ということ、もう一つは、やっぱり警察とはちょっと距離を置いているような、あるいはその専門的な分野のそういう人たちの比率を増やしていくということが公正な協議会メンバーという形になるのではないかと思います。その点について、大臣、もう一度お伺いいたします。
#152
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどお挙げになった地域防犯活動団体とか交通安全活動団体に属していただいているという方も、必ずしも警察の、これ御用団体みたいにおっしゃいましたけれども、それはやはり、やや認識として委員も改めていただきたいと思います。やはり、その町で治安を維持したり生活の安全を確保していくためにはどうしたらいいかという熱心な方が集まっておられるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#153
○吉川春子君 私の質問に答えていただきたいのですが、私は御用団体だなどと申し上げておりません。この方たちは日常的に当然警察に協力してこういう活動をしているわけなんです。
 警察署協議会というのは、さっきも言いましたように、いろいろな地域の要望を聞くという側面と、警察の不祥事とか警察官の不祥事とか、そういう余り触れられたくない問題でも、しかしそれについてきちっと議論し意見を言う、そういうことが存在意義なのであって、防犯活動、交通安全活動は大いにやっていただく。それはそちらでやっていただければいいわけで、そういう意味で私は、もっと弁護士の推薦を多くするとか、それから団体からの推薦、警察が一本釣りで引っ張るんじゃなくて、団体からの推薦という形で人選の公正を期していただきたいと、そういうことを申し上げたんですけれども、その点について大臣はいかがお考えでしょうか。
#154
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げましたように、ガイドラインで多様性に、偏らないように配慮するというようなガイドラインも作っておりますし、その場合にいろいろな推薦等も考慮しろというふうにしておりますので、私はそれにのっとってやっていただいているというふうに思っております。
#155
○吉川春子君 のっとってやっているとお考えかもしれませんけれども、やっぱりそういう、この警察署協議会をうまく機能させるかどうかという一つのメルクマールといいますか、やっぱり公正な人々によって行われているかどうか、そして警察に言いにくいこともきちっと言えるようなそういう人たちをちゃんと配置してこの会議が行われているかどうかということが非常に重要だし、そのことがやっぱり警察が地域の住民から信頼を受けるということにもつながっていく、警察のためにも国民のためにもいいんだというふうに私は思うわけです。
 その点についてもう一度大臣のお考えを聞きたいと思うのですが、警察官の懲戒処分は法改正以降も余り減っていません。これは、そちらからいただいた表を見ますと、二〇〇〇年が五百四十六人、二〇〇一年が四百八十六人、そして二〇〇二年の上半期がもう既に三百十九人と、これは二〇〇一年の上半期が二百十五人に比べると、もう既に多くなっているわけですね。
 だから、警察官の不祥事とか警察官の非行問題は後を絶っていないわけですから、こういう問題についてやはり住民の声を、意見を十分に聞いて、こういうことを改善していくということがこの警察署協議会に与えられた任務ではないかと。そういう意味で、警察主導の運営ではもちろんそれはうまくいかないわけですけれども、やっぱりこれは警察の協力団体というよりは、警察のお目付役というか、言いにくいこともばんばん言って、警察に良くなってもらう、こういう役割を重視していくために、私はその人選の問題について、くどいようですけれども、公平な人事を是非実現していただきたいと、そのことを申し上げて、大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#156
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど申し上げたような目的で作られた警察署協議会でございますから、そこにどういう方に入っていただくかということは、より良いものを目指して努力するというのは当然だろうと思います。しかし、現実にそのある警察署で不祥事が起きた場合、その次の機会に警察署協議会を開いたときに、その不祥事について全く口をぬぐったままで運営するということは現実にはあり得ないのではないかなと私は考えております。
#157
○吉川春子君 時間ですので、終わります。
#158
○島袋宗康君 このたびの内閣改造で、構造改革特区担当として御就任おめでとうございます。
 そこで、改革特区をめぐっては、八月末までに地方自治体などから四百二十六件という提案がなされていると。もうこれは大変な数でありますけれども、そこで鴻池大臣に対してお尋ねいたします。
 構造改革特区について、国民に具体的な成果が見えるよう、大胆に取り組んでいくと述べておられますけれども、具体的にはどのように取り組んでいかれるお考えなのか、お聞かせください。
#159
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員の御出身の沖縄県からも数件の提案をちょうだいをいたしております。
 四百二十六件を精査をいたしまして、そして全国的にできるもの、あるいは全くこれは誤認されているなと思うもの、しかし一方ではやらなければならぬものというものを今回、第一次募集で進めておるところでございまして、二次募集を既に今月から一月十五日締切りで二次募集の提案を募集をさせていただいております。
 午前中にも松井委員の御質問の折にも申し上げましたように、極めて短期間の提案をお願いをいたしましたのが、時間が非常に短うございましたものですから、やはり誤認、あるいは取りあえず出しておこうといったようなところも多うございました。しかし、二次募集の提案募集につきましては、より具体的なものがあろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この日本列島の中で活力が徐々に失われてきておるその中に構造改革特区を作って、一点でも活力を取り戻すべく規制改革、規制緩和に努力をしていきたい、今申し上げましたように、先行実施する価値のあるものを見付けてそれに邁進していきたいと、このように思っておるところであります。
#160
○島袋宗康君 日本の経済活性化のために、是非頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
 沖縄では、今年九月に完全失業率が九・四%に達する最悪の雇用状況が続いておりますが、その点について内閣府はどのように考えているのか、お尋ねいたします。
#161
○副大臣(米田建三君) 島袋先生お尋ねのとおり、今年九月、沖縄県完全失業率九・四%ということになりました。
 しかしながら、この数字を見るときに、就業人口の増加の中で生じておりまして、月間有効求人数につきましても、過去の失業率のピーク時、すなわち平成十年でありますが、それと比較をいたしましても、四千六百九十人から一万二百四十九人へと、実は二倍以上に求人数が増加しているなど、これまでの取組の成果ともいうべき明るい側面を一方に抱えながらの数字であると、このことにも注目する必要があるというふうに考えております。
 しかしながら、九・四%という高い失業率が示されていることは事実でございまして、このような沖縄における雇用情勢を十分に踏まえまして、関係省庁及び沖縄県が連携して更なる産業・雇用対策の検討を行うために、十一月の八日に内閣府の主催で産業・雇用対策連絡会議を開催をいたしました。
 八日の会議では、沖縄振興計画及び分野別の諸計画の着実な推進を図ることを確認すると同時に、追加的な産業・雇用対策につきまして一か月以内に取りまとめを行うこととしたところでございます。
 今後、沖縄県及び関係省庁とともに、その取りまとめに向けまして鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
#162
○島袋宗康君 沖縄の若者が非常に失業者が多いということで、大体平均すると一五%から二〇%ぐらいの若者が失業者が多いのではないかというような指摘をされております。是非この失業率解消に努めていただきたいと思います。
 そこで、沖縄振興計画に基づく分野別計画が四分野、沖縄県知事から国に提出され、去る九月十日に主務大臣の同意がなされました。その一つに職業安定計画があります。この計画に国は今後どのような取組をなされるお考えなのか、承りたいと思います。
#163
○副大臣(米田建三君) 本年の三月に沖縄振興特別措置法が制定をされ、新たな振興計画が策定されたわけでありますが、より具体的な行動計画として、今お尋ねのとおり、分野別の諸計画を作成することとし、特に雇用問題の重要性にかんがみまして、その一環として雇用の創出やあるいは人材の育成を目的とする職業安定計画が策定され、去る九月十日に国としても同計画の同意を行ったところでございます。
 同計画におきましては、この計画に基づく各種雇用関係施策による新規の雇用者数を十六年度までの三年間に二万人、新規学卒者の就職率を十三年度の六二・四%から十六年度は七五%に、また公共職業訓練施設等における職業訓練の受講者数を十六年度までの三年間に四万一千人等々、具体的な目標を掲げまして、まず雇用の創出に向けて雇用開発の促進と求職者の支援、また若年労働者の雇用促進等、更には人材の育成に向けましても、公共職業能力の開発施設やあるいは事業主等における職業能力開発の充実、戦略産業の人材育成支援等の諸般の対策をきめ細かく推進することとしております。
#164
○島袋宗康君 是非その具体的な問題について強力に取り組んでいただきたいと要望しておきます。
 細田大臣はいらっしゃいますか。細田沖縄北方対策担当大臣が沖縄を訪問された際に、沖縄県当局及び県議会から十数項目の要望がなされておりますけれども、内閣府はこの点についてどのように対処されるお考えなのか、承りたいと思います。
#165
○副大臣(米田建三君) 細田大臣の沖縄訪問の後、私も沖縄を訪問させていただきまして地元の御要望をるる伺いました。
 稲嶺知事からは、新大学院大学の設置の促進、また雇用対策及び企業立地の推進等十三項目、沖縄県議会からは米軍基地の総合対策等三項目の要望がなされたというふうに、大臣に対する要望としては以上の要望がなされたというふうに聞いております。要望の内容につきましては、全体として重く受け止め、誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。
 また、御要望のございました太平洋・島サミットにつきましては、既に去る八日、官房長官より、来年五月十六、十七日に沖縄で開催をすると発表をさせていただいたところであります。
 また、厳しい雇用情勢の下で、産業・雇用対策につきましても一層の充実を図るべく、関係省庁の協力を得まして、産業・雇用対策連絡会議を八日に先ほど申し上げたとおり開催をし、追加的な諸対策の検討を進めているところでございます。
#166
○島袋宗康君 そこで、内閣府沖縄担当部局は、平成十五年度概算要求の力点をいかなる点に置いて、いかなる施策を推進しようと考えているのか、お伺いいたします。
#167
○政府参考人(安達俊雄君) 十五年度内閣府沖縄担当部局の概算要求につきましては、沖縄振興計画策定後の初めての概算要求となるものでございまして、新たな振興計画の示す諸対策の着実な推進を図るべく、所要の予算要求を行っているものでございます。
 こうした中で、概算要求におきましては、特に厳しい雇用情勢等を踏まえまして、自立型経済の構築に向けた産業の振興、人材の育成等に力点を置くこととし、観光リゾート産業、情報通信産業等の各般の産業の振興に係る措置や、新大学院大学構想の推進、国立高専の建設促進等の人材育成の諸対策を重視しつつ、予算要求を行っているところでございます。
#168
○島袋宗康君 沖縄新大学院大学構想の推進のために開催された二回にわたる国際顧問会議ですか、について、その概要を報告していただきたいと思います。
#169
○副大臣(米田建三君) 国際顧問会議は過去二回行われたわけでありますが、本年のノーベル生理学・医学賞を受賞されたシドニー・ブレナー博士を始めとするノーベル賞受賞者を含む海外の一流の学者、科学者などによって構成されております。第一回は本年の四月に米国で行われました。第二回を六月に沖縄で開催したわけであります。参加者の諸先生には大変熱のこもった御議論をいただきました。
 これらの会議におきましては、内閣府より、世界最高の研究・教育水準を有し、しかも国際性、柔軟性、あるいは世界的な連携、産学官の連携、これらを基本コンセプトとする大学院大学を沖縄に創設したいという構想を御説明申し上げ、顧問会議の各参加者より力強い御賛同を賜ったところでございます。
 さらに、教育・研究分野につきましては、生命システムに焦点を当てまして、生物学、物理学、そして計算科学、ナノテクノロジーなどを融合した領域とするという、こういう明確なテーマを掲げる方向での基本的な考え方が支持されました。
 さらにはまた、トップレベルの人材をどう引き付けるのかというこの方策、そして大学院大学の組織体制の構築、施設や設備の整備、産学の連携の在り方、そしてまた、当然ながら候補地の選定基準など、大学院大学の在り方について幅広い御議論をいただいたわけであります。
 加えまして、学長等を中心とした教授陣を人選するための小委員会の設置、そして大学院大学の社会的認知を高めるための国際セミナーやワークショップの開催、そしてまた大学院大学における研究活動を円滑に立ち上げるための研究事業の実施など、創設準備の進め方につきましても具体的に提言をちょうだいをしたところでございます。
#170
○島袋宗康君 今ちょっと触れておられましたけれども、今後の進め方として、設立準備作業等、先行的に事業をしていかなくちゃいけない問題等というのはどういうものがあるのか、その説明をしていただきたいんですけれども。
#171
○政府参考人(安達俊雄君) お答え申し上げます。
 まず、学長の選考でございますが、研究、マネジメントの両面で優れた方を学長として招聘することが極めて重要でございます。現在、国際顧問会議の委員に対しまして学長候補の推薦をお願いしているところでございまして、来年一月開催予定の第三回の会議の際に議論をいただいた上でこの候補者のリスト作成をしていただきたいというふうに考えております。
 また、大学院大学の設置場所でございますけれども、県内多くの市町村から誘致要望が寄せられているところでございまして、現在、沖縄県におきまして有識者から成る検討会を設置し、候補地の検討が行われているところでございます。国といたしましては、この検討結果を踏まえまして、ベスト・イン・ザ・ワールドと申しますか、世界最高の水準の大学院大学を実現するためのベストの適地はどこであるかというこういう考え方に立ちまして、更に国としての十分な検討を行い、候補地を絞ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、先行的事業といたしまして、沖縄の知名度を向上させるというねらいもございまして、沖縄で来年度、国際セミナー、ワークショップを開催するということで準備を、ワーキングチームを中心に具体的な検討を進めていただいているところでございまして、予算におきましても来年度所要の予算要求をさせていただいているところでございます。まずはこの予算の確保が喫緊の課題ということでございまして、年末の予算編成に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#172
○島袋宗康君 是非そのように取り組んでいただきたいと思います。
 今年も沖縄では数多くの米軍による事件、事故が発生しております。そこで、今年沖縄で発生した米軍による主な事件、事故について、日時、発生場所、内容等、その概要を簡潔に報告していただきたいと思います。
#173
○政府参考人(冨永洋君) 本年に入りまして沖縄県において発生しました在日米軍に関連しました主な事件、事故につきましては、まず航空機関連でございますが、四月八日に嘉手納飛行場におきまして、フレアと呼ばれます訓練用照明弾がF15戦闘機から離脱し完全燃焼したという事故、それから四月二十四日に発生いたしましたF15戦闘機から風防ガラスが落下した事故、また八月二十一日に沖縄南方海上において発生いたしましたF15戦闘機の墜落事故、また十月二十五日、伊江村において発生いたしましたMC130輸送機からの水タンクが落下した事故といったものがございます。
 その他、米軍人等によります事件、事故といたしまして、北谷町において八月四日に発生いたしました米海兵隊員による交通死亡事故、同じく北谷町におきまして九月八日に発生いたしました米海兵隊員による飲酒ひき逃げ事故等がございます。
 以上でございます。
#174
○島袋宗康君 私のメモには久米島沖のパヤオ、漁船の威嚇事件もあります。それから、名護市の畑に米軍の重機関銃弾着事件があります。そのほかにもたくさんありますけれども、今の報告はどういうところから出ているんですか。もっとあるんじゃないですか。
#175
○政府参考人(冨永洋君) 主な事件、事故ということで御質問ございましたので主な事故の例を申し上げまして、御指摘のような事故等はございます。
#176
○島袋宗康君 特に名護市の畑に対して機関銃が撃ち込まれて、足のすぐ近くに着弾したという点についてはこれは大事件だと思いますよ。すぐ人命にかかわる大きな問題だと思いますけれども、そういったことについても余り皆さん方は触れられていないようでありますが、とにかくこういった事件、事故について、やはり沖縄サイドから政府に対してどのような抗議あるいは要請がなされているのか、それを報告していただきたい。
#177
○政府参考人(冨永洋君) これらの事件、事故につきましては、沖縄県あるいは関係市町村等から防衛施設局あるいは防衛施設庁あるいは防衛庁の方に対しまして、事故原因の究明とか再発防止あるいは綱紀粛正、安全管理の徹底といったことについて求める意見書が提出され、あるいは要請等がなされているという状況でございます。
#178
○島袋宗康君 今述べられたそれぞれの抗議や要請に対して政府はどのように対処したのか、お伺いいたします。官房長官。
#179
○国務大臣(福田康夫君) 今年に入りまして、沖縄において在日米軍に関連する事件、事故が続いて発生しまして、大変これは遺憾に思っております。
 政府といたしましては、沖縄県民の御懸念について十分承知をいたしておりまして、これまで米側に対しては遺憾の意を表明するとともに、原因究明、再発防止の申入れを累次にわたり行ってまいっているところでございます。
#180
○島袋宗康君 今までの政府の対応というものは、今後米軍に強く申し入れるとかあるいは再発防止に努めるとか、そういう事件、事故に対する対応というものが同じことを繰り返しやっております。
 今年に入ってから、いわゆるこの一連の米軍の事件、事故に対する県議会の抗議決議あるいは要請行動というのはもう昨日で七回、臨時議会が行われているんですよ。七回ですよ、今年。これは他府県では二、三年に一回ぐらいしか臨時議会開かれていないというのが実態なんです。沖縄県では、日常的にこういった事件、事故に対する抗議決議、要請がやはり県議会の方で今年で七回も開かれているんですよ、臨時議会が。ところが、同じような政府の対応で、本当に沖縄県というものは、これこそ議会を開くたびごとにこんな決議をして政府に要請をする。大変な費用です、これ。
 こういったものを私たちは繰り返してはならないということで、厳重に、米軍に対するやはり対応というものはしっかりしてもらわぬといかぬじゃないですか。その辺をもう一度答えてください。
#181
○国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げましたとおりで、我が国政府としてあらゆる機会をとらえて米側に対して事件、事故の防止等につき申入れを行ってまいっております。私も、つい最近でございますけれども、駐日米大使にこの問題について強く防止及び要請をいたしました。
 それから、もちろん外務省も対応いたしておりますけれども、米軍及び地方自治体等の関係者が協力してこの問題に取り組むことも重要という考え方に基づいて、これら関係者で構成します三者連絡協議会、三者協とか、事件・事故防止のためのワーキングチームなどにおいて協議をいたしておりまして、そういうことを通じて米国軍人等による事故、事件阻止のための各種具体的方策の策定に努めております。
 今後とも、具体的事案に応じた適切な対応を粘り強く取ってまいりたいと考えておるところでございます。
#182
○島袋宗康君 嘉手納飛行場では爆音訴訟も行われまして、一定の勝訴をしておりますけれども、今度は普天間飛行場、これはもう戦後五十七年間ずっと普天間飛行場使われております。今の段階で騒音訴訟が行われております。日本でも恐らく初めてじゃないかと思いますが、現地司令官に対する、いわゆる訴訟相手として司令官を告訴しているというふうな状況であります。
 それぐらいもう地域の周辺では大変な騒音で困っている。だから、日本政府に対してもその対応や、あるいは、現地司令官が告訴されるなどということはそれは日本でも初めてでありますから、そういう沖縄の事件、事故、あるいは騒音等の問題についてはもっとやっぱり政府が責任を持ってこれをどうしていくのかというふうなことについて、その解消のために相当の努力をしていかなくちゃならない。
 だから、私たちは、せめて普天間の飛行場はやっぱり県外あるいは国外に移設をすべきである、そのことによってしか沖縄のいわゆる整理縮小あるいは撤退というものはなし得ない、こういう観点から、やはりそういった騒音問題、事件、事故、こういった相次ぐ中で、政府が全くそのことについて、無関心とは言いませんが、全然前進がないということでは、沖縄県民は非常にこのことについて大きな不満を持っております。
 だから、もっと、今の御答弁をいただいたわけですけれども、やっぱりそういった同じ繰り返しでは県民は納得しないというふうに思うわけですよ。やっぱりその辺をもう少し官房長官として県民にこたえるようなお気持ちで御答弁いただきたいというふうに思っております。
#183
○国務大臣(福田康夫君) 普天間飛行場におきます航空機の騒音問題は、これは周辺住民にとって大変深刻な問題であるという認識はもう十分いたしております。そこで、騒音軽減に真剣に取り組んでまいってきておるのでありますけれども、今後も地元の方々の御負担を軽減するべくしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#184
○島袋宗康君 普天間米軍海兵隊飛行場の名護市への移設受入れの条件として、岸本名護市長は国、県、市の三者で基地の使用協定を結ぶことを前提にしております。政府は米軍に対し、どのように安全な基地として実効性を確保されるおつもりか、お伺いいたします。
#185
○政府参考人(大古和雄君) 普天間飛行場代替施設の使用に関する協定につきましては、本年の七月二十九日でございますけれども、関係閣僚、沖縄県知事及び名護市長の間で代替施設の使用協定に係る基本合意書に署名が行われたところでございます。安全対策及び騒音対策等の代替施設の使用に係る措置として含まれる基本的事項を取りまとめるとともに、使用協定の内容について日米合同委員会等で合意を得るというふうにしたところでございます。
 なお、この基本合意書の策定に当たりましては米国政府と協議を行いまして、普天間飛行場代替施設の供用開始までに日米両政府間で適切な合意が結ばれる必要があること、及び使用に関する協定に含まれる措置について、今申しました基本合意書と同様の事項を盛り込むこと等につきまして、これは七月二十五日に開催された日米合同委員会で合意したところでございます。
#186
○島袋宗康君 今の日本政府は、あの一九九五年度少女暴行事件の県民大会を八万五千人集めて、そして海兵隊の整理縮小、いわゆる米軍の整理縮小、そして二番目に大きな課題は日米地位協定の抜本的な改定、それさえも全然抜本的にやっていないじゃないですか。そんなことで今の名護市長が結ぼうとしている使用協定なんかできるはずがないんじゃないですか。うそもいい加減にやってください。冗談じゃないよ。
#187
○政府参考人(大古和雄君) この使用協定につきましては、安全性、騒音及び環境への影響等につきまして、住民生活への影響を最小限に抑えるということを目的として締結されるものでございまして、この点については、さきに述べました基本合意書においても確認されているところでございます。
#188
○島袋宗康君 ですから、そういうふうな日米地位協定の問題ですら解決できない政府が、どうしてこんな、本当に使用協定です、これ。こんな細かい点まで、本当に地位協定も見直しもできない政府がこんなことできるんですか。日本政府は、沖縄県側から見ると本当にこれはむちゃくちゃな要求だと思っているはずですよ、皆さん方は。できっこないんじゃないですか。
#189
○政府参考人(大古和雄君) 今、基本合意書で確認されたのは今後の使用協定に盛り込まれる基本的事項ということでございまして、今後、県庁それから名護市の間で十分協議を重ねまして、その中身については整理するものとなります。
#190
○島袋宗康君 私やそういう名護市長が今皆さん方にお願いしているこの使用協定そのものは、やはり抜本的には日米地位協定の大きな枠があるわけですね。その中で、しかも細かい地位協定を市が提案しても、恐らくその地位協定の中でこれは議論しても始まらないだろうというふうに私は思っています。
 ですから、普天間の移設で名護市に移設するようになっておりますけれども、そういった使用協定などというものによって、本当に名護市長が考えている使用協定そのものが結ばれて、本当に安全な運行ができるのかというふうなことについては、県民挙げてこれは問題にしておりますから、これ以上はもう時間ありませんから、これは非常に難しい問題だと私は思っておりますので、やはり抜本的な地位協定の改定というものに踏み込んでいただかないことにはこの問題は処理できないというふうに私は思っています。
 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#191
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。
 私は、昨日、おととい、男女平等省とそれから男女平等政策特区を提案させていただきました。特に経済特区については、鴻池大臣からも強い御賛同をいただいて、意を強くしているところです。
 そうはいいましても、その男女平等省ができるまでの間は、福田官房長官にも坂東局長にも厚生労働省にも頑張っていただかなければいけません。今日は、福田官房長官と今の男女共同参画局始め各省庁にどういう方向で頑張っていただきたいのか質問して、意見を述べさせていただきたいと思います。
 今日は、内閣府にある総合調整機能について質問させていただくことになっていたんですけれども、実は今朝から亀井郁夫議員のお話を伺ったり、それから新聞記事を見たりして、その前にちょっといろいろお聞きしたいことが出てきましたので、今日はそのことを最初にやります。
 まず、例の、ちょっと今朝亀井さんとお話ししたんですけれども、やっぱり意見が合わないようでして、そこで私は、やっぱり亀井先生の考えていらっしゃることが世間の大方の考えかなとも思いますので、それに対して異論を唱えたいと思います。聞いてください。
 亀井議員は、「ラブ&ボディBOOK」というこれを、厚生労働省の団体である、どこでしたっけ、冊子を作って配ったんですね。それに対して、これを絶版にせよという意見があります。この本というのは、この冊子は、異性とどのように付き合ったらよいのか、望まない妊娠を避けるためのコンドームやピルの紹介、それから性感染症にはどのようなものがあるのかなどについて詳しく紹介しています。その詳しさがあだになったのか、なぜかこの小冊子に関しては国会議員の間でも賛否両論が入り乱れています。
 衆議院議員では、山谷えり子議員が、中学生に危険性もあるピルを勧めるのはよくないと、そういう委員会で質問もなさって、回収を強硬に主張されています。質問主意書でも、中学生に危険なピルを勧める悪い本であるといって主張なさっていらっしゃいます。ここにいらっしゃる亀井議員も、八月三十一日の朝日新聞で、やはりこの本はいかがなものかと。「ラブ&ボディBOOK」はいかがなものか、産む、産まないを決めるのは女性本人であると言っているということは堕胎を勧めていることにもなると、今朝もこの本を批判なさっていらっしゃいます。どうもこのお二方の主張は、中学生にピルの使用を教えたり、それからコンドームの着け方まで教えるのは早過ぎるんじゃないかということだろうと思います。
 でも、一方では、民主党の女性議員が最近の朝日新聞で、小宮山さんが、是非この本は絶版にしないでほしいと言っていらっしゃいます。私も、この本は是非絶版にしないでほしいと思います。もし私が中学生のころにこのような本ができていたら人生変わっていたと思いますね、マッチベターに。
 例えば、私が中学生のころなんかは、足首の細い女はいいとか、それから男は千人斬りが男らしいとか、女は逆に、何しちゃいけない、これしちゃいけないって。そして、女性の中には、いろんな社会事情、家庭事情もあったんでしょうが、お兄さんとかお父さんにいたずらされて、その結果、今みたいにこういうケアがなかったものですから、結局は、性虐待という言葉ですね、今で言えば、そういう行為を受けて、女の子は自分が悪かったんだと自殺して悪い評判になったり、かわいそうな女の子たちがいました。
 それに対して、こういう本があったとしたら、「ラブ&ボディBOOK」ですね、どんなにか子供たちは救われると、私は自分が子供だったころを思い出して思うんですね。
 例えば、亀井先生はいろいろ気になさるところだけを挙げていらっしゃると思うんですが、私なんかはとてもいいと思うところはどういうことかといいますと、さっきの千人斬りのところでいきますと、男の子でも、初体験をしなきゃいけない、早くしなきゃいけないってせっつかれている、それも先輩の男の子たちから言われて。でも、そんな必要はないんだよと、みんなそれぞれなんだよと。そういうことにだけ気を遣っている子供というのは、学校がつまらないとか、親とうまくいかないとか、自分を受け入れる人がいないとか、もっと人に認められたいとか、何かほかの原因があるかもしれないんだから、ただそのことだけをうのみにしちゃいけないよとか。
 それから、例えばこういうこともあります。女性で援助交際している子たちが何十%かいますね。そういう子たちに対しても、やっぱりこれは性犯罪なんだということ。そして、そういうことをやるのは性犯罪であってよくないんだけれども、でも、それにはまっちゃっているあなたはそうせざるを得ない心の痛みがあるんじゃないか。だから、はまるのはSOSなんだから、何があなたを苦しめているのか。その正体を少しでも知るためには、気持ちを聞いてくれる学校の先生とか、あるいはあのカウンセリングの先生に相談した方がいいよとか、こういうことというのは私たちのころは全然言ってもらえなかったですよね。
 それから、ここには、男の子が毛深いとか、いろんなペニスがどうたらこうたらとか、昔ながらのにきびの話も、いろいろ悩みがありますね。女の子だったら、ぺったんこの胸がどうたらこうたらとか、そういうものに対してもきちんと答えてくれている。私らのころはそんなこと答えてくれなくて、あなたは生きている価値もないんだよみたいな、そういう言われ方をしたものです。
 それから、ここでマスターベーションに夢中になる男の子の話もあります。別に、マスターベーションたくさんしたからって頭悪くはなるわけじゃないんだよと。自分のペースでちゃんと考えてやりなさいと。
 ちょっと私の言い方は乱暴ですけれども、もっと丁寧に分かりやすくそういうことをいろいろ書いてあるんですね。性器の形や色のこともです。
 これは、もう本当に思春期のころというのは、皆さんも思い出してみてください、非常に不安なものだと思うんですね。ですけれども、これを実行するためには、例えば、ここにこういう言葉があります。この本の中に、男の子と女の子に向かって言うメッセージが違います。例えばこういうメッセージがあります。女の子はノーを言おうということですね。
 私たちのころは、男の人にノーを言うと男の人に嫌われるからノーと言っちゃいけないという、みんな暗黙の了解でそういうものがありました。だから、うまくうまくしなを作って逃げるとか、けんかしちゃいけないんですね。
 だけれども、女の人はちゃんと自分がどうしたいか主体性を持つことが大事だと。自分の体と人生は自分で守らなくちゃいけないんだよって。自分で決めていく権利があなたにはあるんだよって。もうそういう練習を中学生のときからさせようとしているんですね。いきなり大人になってから大人になれなんて無理なんですね。だから、やっぱり中学生のときからそういうことを言ってほしい。
 じゃ、男の子に何と言っているかというと、本当の男の人というのは、女性を対等のパートナーとして認められる力量のある人、尊重できる男の人、これが本当の男なんだって。だから、男の人は、おれは男だなんて強がっていないで、もっと自分らしく生きていようよと、こういうことを言っているんですね。
 女の人にはノーと言おうよというんですけれども、このノーと言うというのは、石原慎太郎さんも「「NO」と言える日本」なんという本を書いていますけれども、男と女の関係というのはちょっとアメリカと日本の関係に似ているんですね、ちょっと語弊があるかもしれませんが。結構お互いに利用し合っていながら、いざとなるとノーと言えないのがアメリカに対する日本と同じで、男と女の関係でも、いざとなると女の人は男にノーと言えない状況があるんですね。それは、弱いからでなくて、そういう状況があるということを私は言いたいわけです。特に中学生のセックスの場合、大人になっても女の人は実はノーと言えない状況があると。
 そこで、皆様にお配りしたこれを見てほしいんです。男らしさ女らしさの一枚の表をお配りしましたけれども、ちょっとこれを見てください。左側から見てください。
 男らしさと女らしさを上下に書いてあります。女らしさを上に持っていきたいところですが、どうしてもこの表はこうでなくてはいけないんですね。まず、男らしさのプラスイメージを見てください。男の人というのは子供のころから、今はちょっと違っていると思いますが、少なくともここにいらっしゃる方たちはどういうふうに男らしさというものをしつけられたというと、男はでかい夢を持てよ、野望を持てよ。そして、男は沈着冷静でなくちゃいけないぞ。そして、男は自分で考えて、決断力、実行する、大胆に実行するんだよ、行動するんだよ。そして、社会のリーダーシップ握って、経済性身に付けて、そして強くなったら男というのは優しくなるんだよ、社会性もできてくるんだよ、包容力もできるんだよ。そして、おれに任せておけと、これが男ですよね。そういう男の人は、りりしくて、たくましくて、めったに泣かなくて、視野が広くて、そして私たちは、そういう男の人に女はみんなあこがれるわけです。おれに付いてこいなんて言わなくたって、こういう男の人がいたら、私たちはみんな吸い寄せられるように付いていってしまう。
 そして、それで男の人たちも、結構これって男らしさの理想のイメージですからストレスなんですね。その結果どうするかというと、会社や国会でいい顔をしても、うちに帰ると結構暴力振るっちゃったりする男の人がいる。身勝手で、威張っていて、そして戦争好きで、嫉妬深くて、そういう男の人は結構奥さんには暴力を振るっちゃったり、子供に暴力を振るっちゃったり、横柄だし、乱暴だし、そういうことですよね。ワンマンで、頑固で、どなって、乱暴でと。これが言ってみれば、一生懸命男らしさを生きている男の人の言ってみれば裏ですね、ストレスですね。これが事件を引き起こすものです。だから、男らしく生きよう生きようとしている人は逆にこういうストレスがたまっている人もいる、もちろんそうでない人もほとんどかもしれませんが。
 じゃ、ちょっと女らしさの方を見てください。女らしさというのは、らしさです。男もらしさですから本物ではないということです。らしさというのは社会規範なんですね。だれかが作ったものなんです。文化の操作なんですね。
 女らしさ、左側から見てください。男の人たちが、ある年代層の男たちが好きな女、従順、おとなしい、そのくせしんが強い。家事は何言ったってきちんとやってくれる。料理がうまい。忍耐、しかも控え目で、素直で、料理はできる、洗濯は黙っていてもやる、それからお茶と言えば給茶器のようにお茶も出てくる。明るい、蛍光灯じゃないんだから女にだけ明るさを求めるなと私は言うんですけれども。でも、女は愛きょうがあって、しかもきれいでなくちゃいけない。気配りがあって、きゃしゃで、美しくて、優しくて、上品で。洗濯して手が荒れているのに、料理して手が荒れるのに、手は白魚のような手を求められる、これが女です。
 この女らしさというのは、上の男らしさと比べてみてください、価値は同じではないんです。男らしさというのは、これは一人前の人格を持った人間になる素質です。自分で考えて、行動して、何かをなす。すなわち、自立して、独立して、一人前になる人間の資質なんですね。だけれども、女らしさを見てください。しんが強いとか、優しいとか、控え目とか、従順と、ここには人格になる要素は何もないんですね。ないんです。言ってみれば、人の世話をして、だれかからいい人ねと便利がられる素質なんですね。
 すなわち、これは女は女にしかなれない、人間になれない。だから、女の人には不定愁訴が多い。こうやって女の人は一人の、もしかしたら、さっき、今朝、亀井議員は男らしい女の人もいるとおっしゃいました。ここにいる例えば女性議員を見てください、あるいは官僚の方たち見てください。それぞれ仕事を持っている女性たちはみんなこの男らしさを持っています。自分で考え、決断し、行動する。これを悪口を言って男勝りだとか言いますが、私ら人間ですから、こういうものをみんな持っています。みんな持っているんだけれども、もし女らしく生きろと言われて、この下の部分だけを生きさせられた女たちはみんな病気になっちゃうんですね。だから、実に女の人の病気は神経症とか何かは非常に多いです。働いている女の人の方が少ないですね、家庭の主婦よりは。これは統計で出ています。
 そうやって健全な人間性を抑圧された女性の、右側見てください、これが自己主張できない女性はふて腐れたり、すねたりします。ふて腐れたり、すねたりする女性は男性から見るとかわいいかもしれませんが、これは自分を生きていない女性です。そして、ヒステリーだったり、暴力を振るったり、社会性がないのはそうですよね、持っちゃいけないんですから。浅はかですし、女は意地悪です。みんなどこか意地悪というのは健全な人間性をある意味で抑圧されているからですよね。すなわち、女の人は女らしさを生きると自己主張がない。すなわち、自分がないわけですから、人間になれないわけですから、人格が作りにくいわけですから、ノーが言えないんですよね。
 そして、このプラスイメージの男らしさを持っている人とプラスイメージの女らしさを持っている人が一緒になったら、必ず女らしさを生きている人は男らしさを生きている人に支配されちゃうんです。だから、おれに付いてこいなんて言われなくたって、男らしさを、この社会規範を生きている男の人は嫌でも女の人が付いてきてくれるんですね。こういう構造になっています。これが、悪いですけれども、この言葉嫌いでしょうが、男社会が作った男と女の在り方。ですから、らしさなんですね。あくまでもらしさです。
 そして、男らしさと女らしさは同じ価値ではありません。これは上下関係です。ですから、ボーボワールが、男を生きた人は、男は一級市民、女は二級市民と言ったのはこのことなんですね。すなわち、男は作られる、女は作られるというのは、このらしさで、こうやって生まれたときから作られていくわけです。私らはみんなこれに苦しんできました。
 そして、何で、じゃこの「ラブ&ボディ」の本の中で、男の子に対するメッセージと女の子に対するメッセージが違うのかといえば、こういう背景があるからですね。すなわち、女の子はノーが言えないような、そういう育てられ方をしてしまっている。男は、大きく大きく象さんになれ、昔、テレビ番組にあったそうです。女は小さく、女はそう言っていないです。大きく大きく象さんになれ、小さく小さくアリさんになれ。それを私は言葉を当てはめると、大きく大きく男は象さんになって、女はアリさんになる。すると、アリンコになった女は、象に踏み付けられたって、象はアリンコを踏み付けてもへでもないですね。もうごろっともしないですね。そうやって、ある意味では、女の人たちは男の人たちに日常的に踏み付けられる状況にいる。それが男らしさと女らしさの社会規範であり、その背後にあるのは支配という構造なんですね。
 これを見てほしいです。そして、何でこの「ラブ&ボディ」が大事かといえば、私が今申し上げたように、あからさまなことは言っていないけれども、そのことを踏まえた上で、女の人がノーと言えるということ、あるいは男の人と話し合って、避妊を決めたり、あるいはセックスするか決める、そのことがどんなにか大事か、それを中学生のころからきちんと練習していかなくてはいけない、そういう考えですね。
 でも、今朝、亀井先生からお伺いしたお話だと、今もって女は見ざる言わざる聞かざるがいいと。要するに、子供というのは大の大人から見ると、女子供は守ってやればいいんだと。すなわち、見ないでいい、聞かないでいい、知らないでいい。すなわち、子供と女に対してだけはまだこの国は封建制度なんですね。見ざる言わざる聞かざるを子供と女はやっていれ、それに対して私たちは、いや違うんだよ、だから男女共同参画社会にしてほしいと。
 すなわち、この世の中に抑圧された人たちがたくさんいればいるほど社会は不穏になるんですね。ですから、むしろみんながセックスをやって楽しければ、それで男の人も女の人も幸せなら、むしろその方が犯罪が増えるよりはいいわけです。ただし、ほっておけば男の人が勝手にしてしまうから、女の人が少し自立、しっかり自立心を持ってノーが言えるようになれば、そこに事件性は少なくなってくるわけですよね。だから子供にもきちんと情報を与える。
 そして、今一番増えているのは感染症です。性病です。十代の子供たちの間に、避妊もしないでするセックス、きちんとした知識もない状態でするセックス、そのせいで非常に子供たちの間に性病が増えています。HIVのことは余り言われませんが、これも少しずつ少しずつ増えています。アジアでは、八百万人の人たちがHIVそれからエイズにかかっている人たちがいて、一日に一万五千人ずつ増えていると言われています。
 そして、日本は、私のかつての学生たちもそうでしたが、アジアに行く学生たちが非常に多いです。困ったことは、大人の男のまねをして、学生のくせして百円で買える女の人を買うということです。そういうことに対して、日本は国内できちんとした性教育をしなければいけない。その性教育を道徳教育とおっしゃっているけれども、道徳教育ではなくて、きちんと自分の体は自分で管理をする、相手を痛め付けない、相手と話し合える能力を身に付けるという、そのことが、それこそが道徳だと思うんですね。セックスするのが早いか遅いか、そういうことを決めることでもない、純潔教育を推し進めることでもない。
 例えば、こういうことを言ったら分かっていただけるかもしれません。今朝の話で面白かったのは、政務官の方が、電子商取引から予想もしなかった問題が出てきたと、こういうことをおっしゃっています。電子商取引から予想もしなかった問題が。すると今、こういう本がコンビニで売られています。こういう本には、十四歳、十五歳、十六歳の女の子がどうやってセックスをしているかということがたくさん載っています。これはいろんな統計とまた違う状況です。これを見たら、ここでやっている、国会でやっていることがいかに時代後れか。
 私たちはこの情報にきちんと向き合って、しかもばかにしたり切り捨てたりするんでなくて、この人たちがきちんとある時期もういいよと言うまでもしかしたら教えていかなきゃいけないんですね。
 例えば、十五歳で、脱処女と言っています。脱処女と言うんですね。十五歳で二八・五%、十四歳で二二・七%、十六歳で二一%。十五歳、一番多いですよね。中学三年生です。ここにある私のところの統計によれば、これは例えば東京都の幼稚園・小・中・高等学校性教育研究会が今年の一月──これはさっきスーパーで買ってきた雑誌です。これは、一月に東京都内の高校生男女総計三千六十四人を対象に実施した調査では、高校三年生に対していつ初体験をしたのかと聞いたところ、中学三年生と答えたのが男子が一二・三%。どれだけ正直か、どっちが正直か分かりませんね。こっちはもしかして頑張っちゃってうそを言っているのかもしれないし、こっちはちょっと先生の調査だからと思ってうそを言っているのかもしれない。分からないけれども、とにかくこういう数字が出ています。女子は九・一%です、中学一年生で。現在の中学三年生にじゃ初体験済みかと聞いたところ、男子の六・八%、女子の八・七%、それが経験済みと答えています。経験済みの前にはいろんな段階があるわけですよね。
 問題なのは、厚生労働省の母体保護統計では二十歳未満の人工妊娠中絶が二〇〇一年度は四万六千五百十一件です。六年連続で増加していて過去最高なんですね。二十歳未満の妊娠中絶が一三・六%を占めている。もうこうなってきたら、ただセックスをするなとかそういうことではなくてきちんとした情報を与えてやる、後は、するかどうかはあなたがきちんと決めるんだということで、ほったらかさないで徹底して一緒に話をしてあげる、そういう性教育をできる大人と先生がいなければいけないんですが、現実に学校には先生いないんですね。その話ができる先生がいないんです。
 みんな先生まで、私らなんか言われたのは、おい、おまえ足首太いな、そんなの男に嫌われるぞと、私らの先生でさえそう言いました。それから、私たちの中学校の先生はセクハラしましたね。キャンプに行って悪いことをしました。今の先生だってそういうセクハラ先生が一杯です。おまえでぶっているなとか、おまえそれじゃ男に嫌われるぞとか、とてもひどいです。そういうの一杯あるんですね。大学でもそうです。そういう中で女の子たちはとても傷付いていて、勉強どころではなくなって、男の子に好かれるためにはどうしたらいいかとか、そんな方向に行ってしまう子供もいるぐらいなんですね。
 じゃ、お母さんとお父さんはそういう教育ができるのかというと、お母さんとお父さんは絶対にそんなことは話してくれないわけですね。きちんとした性教育のできる人はほんの数%しか親ではいません。それほど親も性というものを自分なりに克服していないんですね。克服と言うとおかしいですが、自分なりにコントロールできる自分の体と心という立場で性を考えていないということですね。
 そういう日本において、やっぱり学校教育に意味があるとしたら、私はこういう副読本をきちんと配って教室で先生たちが学生ときちんと話してくれることだと思うんですね。学校が私にとっては救いだと思うんです。私も子供のころはまだ家庭よりは学校の方が救いだったし、先生のことを信じていました。ですから、これは絶対に絶版なんかしてはいけないと、私はそういうふうに思っています。
 それで、坂東眞理子男女共同参画局長にお伺いします。この本は男女共同参画の視点の目的に合致していますでしょうか、いかがでしょうか。
#192
○政府参考人(坂東眞理子君) この「ラブ&ボディBOOK」については誤解を招く表現があったというふうに指摘があったということを聞いておりますけれども、それに対してどういうふうに判断をするか、男女共同参画の視点も含めましてどう対応するかということにつきましては、この団体の所管省庁である厚生労働省の方で適切に対応していらっしゃるというふうに認識しております。
#193
○田嶋陽子君 それでは、岩田喜美枝厚生労働省雇用均等・児童家庭局長にお伺いします。
 厚生労働省としては、この母子衛生研究会がどのような意図で「ラブ&ボディBOOK」を作成配付なさったと把握していらっしゃいますでしょうか。
#194
○政府参考人(岩田喜美枝君) 「ラブ&ボディBOOK」は、旧厚生省の中に女性健康手帳検討委員会という検討委員会が設置されまして、その研究結果を参考にいたしまして、母子衛生研究会が独自の事業として、もちろん専門家の意見も聞かれて作成し、希望する自治体に意向を聞いた上で無料で配付をしたというふうに承知をしております。
 この冊子の内容については例えばピルの副作用についての記述がないなど各方面からの御意見もありましたので、そういう御意見も踏まえて財団としては追加資料を作成をし、また要望のある自治体に配付をしております。
 財団といたしましては、事業は今年度で終了し、この冊子を更に増刷する、更に配付をするという予定はないというふうに聞いております。
#195
○田嶋陽子君 済みません、確かめたいんですけれども、財団ではもう配付する予定はない。厚生労働省はどうなさるんですか。
#196
○政府参考人(岩田喜美枝君) 答弁の中でも御説明させていただいたんですが、この事業は財団の独自事業でおやりになりましたので、継続すべきであるとか中断すべきであるとか、私どもは言う立場にはないというふうに思います。
 そして、今回作成しましたものはすべて希望する自治体に配付済みでございまして、これ以上増刷するとか配付するという予定はないということでございますし、また自治体、特に教育委員会の中には、いったんは受け取ったけれども使用しないというふうに方針を決めたところも、少数ですけれどもおありのようで、そういうところは財団の方が引取りをするというふうに聞いております。
 そして、厚生労働省としてどうするかということですけれども、今、委員が言われましたように、十代の人工妊娠中絶が増えていることとか性感染症が増えているということ、そしてまた性に関する情報が非常に興味本位で、子供たちがそれに取り囲まれているという状況は、大変危機的な状況であるというふうに思っております。
 したがって、やはり二つのことを教えないといけないと思うんですね。一つは、性についての健全な意識というんでしょうか、やはり性についての規範をどう考えるかということを、我々親の世代も含めて、それもしっかり教えるべきことは教えないといけないというふうに思います。あわせて、性に関する知識、科学的な知識を具体的な避妊方法も含めて早い段階からそれは教えていくということも併せて必要ではないかというふうに思っております。
 こういう考え方に立ちまして、思春期の性の問題に家庭がどういうふうに対応したらいいんだろうか、あるいは地域社会がどういうふうに対応したらいいんだろうかということがございますので、厚生労働省としての学習の教材を早急に開発したいというふうに考えておりまして、そのための予算を財務省の方に来年度要求をしているところです。
#197
○田嶋陽子君 せっかくいいものを作ったのに、確かにピルに関してはもう少し補足した方がいいと思います。ですけれども、認可されるのはバイアグラは一年で、ピルは三十八年もたって認可されたわけですね。その間に何を検討なさっていたのか。
 私はイギリス、フランスで状況を見てきましたけれども、ほとんどの女性がピルを使っています。そして、ピルの危険もきちんと告知した上で、その上で、みんな危ないと思えば分かるわけですね、お医者さんとの相談で使っているわけですから、それをやめる。それはもう大人としての本人の選択ですよね。その場合はやっぱり見ざる聞かざる言わざるじゃなくて、きちんと情報提供する。もう使っていない人はいないぐらい使っているわけで、この危険性ということはもう世界保健機構がきちんと血栓症その他のことも出しているわけですね、何%オーケーかオーケーでないか。それを何で今、日本のこの三十八年もたってやっと許可にしたのに今の時点でこんな先祖返りみたいな変なことが起きるのか。これはもう時代錯誤も甚だしいと私は思うんですね。
 中学生にピルの話なんかというんだけれども、あのピルというのは毎日の犬の散歩と、ちょっと例え悪いかもしれない、犬の散歩と同じで、もうきちんきちんきちんとやらないと駄目なんですね。だから、避妊をするということは、人の体を抑圧するということはどんなに大変かということをやっぱりもう生理が来た段階から子供たちに教えていく。その上でその手段を選ぶか選ばないか、違う手段を選ぶかどうするかというのは子供たちと先生とでしっかり考えて決めていくことだと思うんですね。
 私は、厚生労働省はせっかくこの財団がやったこれだけのいい本を、どう補てんしようと追加しようと構わないのでそれを何とかして使うと。わざわざ予算取ってこれから作ってと、また何年掛かるんでしょうか。それよりも私は、その財団を援護してきちんと話合いをして、絶版にしないで発行し続けてほしい、もう続けてやってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#198
○政府参考人(岩田喜美枝君) この財団が作りました冊子は、国が補助しているわけでもなくて財団が独自の判断で作られたものでございますので、それを絶版にすべきであるとか、逆に増刷、継続使用するために国が予算を投入して作成すべきであるとかということについては、やはり政府と公益法人との関係で、適切な関係といいましょうか、適切な距離を置くということが必要ではないかというふうに思います。
 厚生労働省として、先ほど申し上げましたように、そんなに時間は掛からないというふうに思いますけれども、厚生労働省としては納得が、私どもとしてこれが最もいいというような教材を是非、様々なお立場の専門家の御意見も聞いて、早い段階で作成したいと考えております。
#199
○委員長(小川敏夫君) 時間が来ていますが。
#200
○田嶋陽子君 来ていますか。
#201
○委員長(小川敏夫君) はい。
#202
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 それでは、まず福田官房長官に、前回の委員会に引き続いて北朝鮮の拉致問題についてお尋ねいたします。
 先週、私は新潟市を訪れまして、横田めぐみさんが拉致された現場に足を運んできました。今までにも私は何度も行っているんですけれども、改めてその場に立ってきました。本当にその通りというのは普通の通りなんです。めぐみさんの家から、元の家のあった場所から目と鼻の先の道なんです。人通りもきっちりとある、どこにでもある住宅街です。こんな普通な町で普通の生活を送っていた普通の中学生めぐみさんが、拉致により一瞬にして異常な状況に陥ったわけです。私は今もこの平穏な町を見て、この事件の悲惨さを改めて痛感してまいりました。
 そこでお聞きしたいんですけれども、私は前回の質問で、北朝鮮側の発表がいかに科学的にあり得ないかということについて申し上げました。真相はまだやみの中です。絶対に究明しなければいけません。国交がない北朝鮮といえど、真相解明に迫る方策は政府にあるはずです。少なくとも今、私そして国民が、こういうやり方なら事実は解明できるだろうと納得できるような具体策を、長官、教えてください。
#203
○政府参考人(齋木昭隆君) ただいまの御質問でございますけれども、御案内のように、十月の二十九日、三十日に、マレーシアのクアラルンプールで日朝の国交正常化交渉を行ったわけでございますけれども、その際に私どもの方からは、拉致の被害者の御家族の方々から提出いただいたいろいろな疑問点、これは北朝鮮から既に提供のあったいろいろな情報でございますけれども、それに対する疑問点、それから私どもの警察の当局からお預かりしたいろいろな再調査要求事項、こういったものを踏まえまして作成いたしました追加的な照会事項、これを交渉の場で北朝鮮側に手渡したわけでございます。そして、手渡した上で、それぞれについて速やかかつ誠意ある回答をよこすようにということを要求したわけでございます。
 これに対しまして北朝鮮側からは、国内に持ち帰って関係機関ともよく協議した上で、できる限り早く回答するように努力するということを述べたわけでございます。
 その後、クアラルンプールの交渉から二週間近くになるわけでございますけれども、私ども政府といたしましては、その後どういうことになっておるのかということにつきまして迅速な回答を求めるべく既に督促を行ったところでございます。
 今後とも、政府といたしましては、拉致問題、これを国交正常化交渉における最優先事項ということで取り上げていく考えでございますが、まずはその事実関係の解明について北朝鮮側からの誠意ある対応を引き続き強く求めていく、そういう考えでございます。
#204
○黒岩宇洋君 北朝鮮が誠意ある対応をするのかどうかというのは私甚だ疑問です。私、この前申し上げましたとおり、日本にいて十三人のうち八人が亡くなる可能性というのは一京分の一なんですね、一以下なんです。一京って分かりますか。一兆の一万倍ですから、よく万が一という言葉がありますけれども、万が一の一兆倍あり得ない話なんです。ですから、事実というものをきっちりと本当に国民に分かるように、外務省主導なのか、とにかく解明していただきたいと、本当にこれはもう切にお願いいたします。
 それで、その解明に対して、やはり何らかの制裁措置等を私は使ってもいいんではないかと思っておるんですが、一九九八年、北朝鮮が日本に向けて弾道ミサイルを発射したときの問題で、当時の日本政府は、ピョンヤン―名古屋間の旅客・貨物チャーター便の運航不許可や、あと食糧支援を当面見合わせる等、数項目の制裁措置を講じています。私は別に、何も強硬手段に訴えて国交正常化を阻めとは言いません。しかし、やはり正常化のためにも拉致事件真相解明は避けては通れないはずです。真相解明の手段として制裁措置を私は有効に使うべきだと思っています。今回の拉致事件というような、本当に国家的犯罪のようなこんな重要な凶悪な犯罪が明るみに出た以上、政府として断固とした措置を講ずるものと思われますけれども、官房長官のお考えをお聞かせください。
#205
○委員長(小川敏夫君) 福田国務大臣、いかがですか。大分政策判断のようですが。
#206
○国務大臣(福田康夫君) 拉致問題につきましては、現在家族を含めた被害者の方々の早期帰国及び真相究明に全力を挙げて取り組んでおります。先般の日朝国交正常化交渉においても、先ほど御答弁申し上げたとおり、これらの点についてまずは北朝鮮側に強く求めたところでございます。
 今後、北朝鮮に何を求めていくかということにつきましては、国交正常化交渉の中で総合的に検討していくと、こういう考え方であります。
#207
○黒岩宇洋君 総合的というお話でしたけれども、ちょっと個別なこともお聞きいたします。
 新潟市の市民の人ならだれでも知っている万景峰号というのがあります。これは年に三十回ほど新潟港に寄港する北朝鮮の船です。在日朝鮮人の祖国訪問や物資輸送に使われています。本国への不正送金など対日工作の役割などという、本当に疑惑の船であります。せんだっても、十月二十一日、またもや新潟港に入港しました。新潟の人は、本当にこの船を不吉な船と忌み嫌っています。税関もほとんどノーチェックで、何が入ってきて、そして何が出ていくか全く分からないという、これはもう日朝関係筋でも公然と言われています。この万景峰号の寄港制限を私は行ってほしいと思うんですけれども、その意思は政府にはおありですか。
#208
○国務大臣(福田康夫君) 新潟港は、関税法に基づく指定された開港というんですね、開かれた港でございまして、開港は国際通商に開放された港とされておりまして、関税法上、外国籍の船舶の入港を禁止することを定められてはおりません。
#209
○黒岩宇洋君 実は、先ほどの九八年のミサイル発射の際も、この万景峰号の寄港制限というのは真剣に政府で検討されたはずです。その当時、当時の運輸省の結論は、港湾法の十三条、「港務局は、何人に対しても施設の利用その他港湾の管理運営に関し、不平等な取扱をしてはならない。」という規定を根拠に、一つ、港湾法上寄港制限措置は不可能、二つ目、北朝鮮を追い詰め過ぎるのは得策ではないとして寄港制限を見送りました。
 しかし、過去に青森県知事が高レベル放射能廃棄物を積んだ輸送船の接岸を拒否した際、政府は、当時の科学技術庁長官、谷垣長官でしたけれども、あと通産大臣、ひいては首相までもが知事の説得に当たり、結果的には接岸を許可させました。ということは、逆に、新潟港の管理者である新潟県知事に寄港制限を政府が依頼することもできるはずです。
 もはや、先ほどの二つの理由のうちの二番目の理由、北朝鮮を追い詰め過ぎる云々などとは、私はもう悠長なことを言っている場合ではないと思います。それなら、寄港制限を政府が知事にお願いすれば事足りるわけですけれども、その意思は政府にはございませんか。
#210
○国務大臣(福田康夫君) ただいまの御質問に対しては、そういうような仕組みになっていないんです。法律的にそういうことができるようになっていないということであります。
#211
○黒岩宇洋君 当時の、今の万景峰号、ミサイルのときの九八年の記事ですと、政府の方が、入港は駄目だということなら自治体にお願いしなければならないということで悩んでいると。とにかく、国の権限では寄港制限を実施することはできないということを強調したとあります。逆に、新潟県港湾空港局の方は、自治体の判断だと言われても困ると、もし寄港拒否をしたら政治問題に巻き込まれると、こういう表現です。
 ということは、この政治問題について、政府が責任を持って、そして国の方から自治体にお願いするということは可能なはずだと思いますけれども、いかがでしょうか。長官、お願いします。
#212
○国務大臣(福田康夫君) 繰り返しますけれども、そういう法律的な仕組みになっていないということです。
#213
○黒岩宇洋君 どうも今まで私が見てきたものとちょっと、理解がしかねるんですけれども、また次の質問に行かせていただきます。
 次は、朝銀について聞きます。朝銀信組について質問いたしますけれども、今までも北朝鮮への不正送金疑惑がささやかれ続けた朝銀ですけれども、九七年からの相次ぐ破綻で既に一兆円近くの公的資金を投入してきました。そして、最後のハナ信組にまたもや四千四百億円の公的資金が投入されようとしているわけです。
 北朝鮮にとってはこの朝銀の再建問題というのは米支援などよりもはるかに関心が高い、利害に直結していると言われているわけです。確かに預金保険法、五十九条ですけれども、基づけば、公的資金投入というのはやむなしという結論に達するんだと思います。しかし、今までも、朝銀信組と朝鮮総連の関係性を排除するという観点から、日本人理事長の就任や、そのほか特定の団体との関係を明確に否定させたりなど、今までも法律解釈ぎりぎりの手段を金融庁は講じてきたわけです。とすれば、まだまだ公的資金投入への条件のハードルを上げることは私は可能だと思います。
 とにかく、真相解明には、これ目的は真相解明なんです、拉致事件の、あらゆるカードを、それも有効なカードを切るべきだと私は考えていますけれども、この朝銀の再建カードほど北朝鮮にとっては利害が絡む有効なカードはないはずです。拉致事件解明の外交上の切り札に朝銀への公的資金投入見直しという手段を使うおつもりはございませんか。
#214
○政府参考人(齋木昭隆君) 朝銀信組の話でございますけれども、これは御案内のように我が国の法律に基づいて設立された我が国の金融機関でございます。したがって、破綻した国内金融機関の処理を行う場合と同様、この問題については基本的には国内の金融行政の問題であろうというふうに考えております。
 他方、国交正常化の話でございますが、これはさっきも申し上げましたように、拉致問題の事実解明最優先ということも含めて、正常化交渉の場において、日朝双方が日朝平壌宣言の精神、それから基本原則に従って誠実に協議を行って実現していくという、そういうことでございます。
 したがって、この金融機関、破綻した金融機関の処理という国内の金融行政上の問題をこの交渉の場によって実施するという、この二つの問題というのは、いささか性格、性質を異にしているんではないかなというふうに考えております。
#215
○黒岩宇洋君 とにかく、私、この前申し上げましたけれども、新潟の救う会に行ってきました。そこでやっぱり御家族の方とかそのほか拉致被害者の学校の先生とか、そういう方にお会いするわけです。そうすると、本当に、今まで平穏で幸せだった生活が本当にひどい悲惨な事件で不幸に陥れられたと。とにかく、今はどうなっているんだ、とにかく事件のことは解明してほしいと。私は、ともすれば、今非常に彼らの感情というのも危険な状況になっています。本当に、言うこともかなり突出したことを言いますし、言える状況にも今なってきています。
 私はあくまでもこの日朝の国交正常化というのは重要だと思っています。怒りだけでは解決しませんし、むしろ家族の悲しみというもの自体が今後、今、北朝鮮でも悲しんでいる人たちがいるわけですから、その中で、あくまでも私もこの平和をここで祈念はしておるんですけれども、しかしその前段階として、今非常に拉致事件でヒステリックになっている、その方々の感情的なものも抑える意味も含めて、私は、政府に真剣に、こうなれば事実は解明するんだという意気込みと、先ほども申し上げましたけれども、国民や私どもの新潟県民が、これなら事実だ、とにかく政府が何とかしてくれるだろうと、そういう信頼できるような状況をとにかく作ってください。福田長官、重ねてお願い申し上げます。
 次に、これも長官にですけれども、新障害者基本計画と新障害者プランについてお聞きいたします。
 私は、今年の七月十六日の内閣委員会において基本計画の策定について私は質問いたしました。実質、策定に当たる新しい障害者基本計画に関する懇談会にどうか国民の声を届けるために国会議員を入れてくださいと要求しましたけれども、その委員の中には障害者の方が入っているからそれで十分ということで、あっさり断られました。
 私は、これはちょっと認識の誤りだと思っています。というのは、今後、我が国の社会は急激な高齢化が進んでいきます。高齢化ということは障害を抱えていく可能性というのは大変高いわけです。すなわち、高齢化社会は言い換えれば障害者社会にもなっていくと言えるわけです。政府答弁の認識は、障害者問題が何か特別なものか、あるいはささいな問題と考えているとしか私には思えません。年はだれでも取ります。ということは、障害者問題は特別ではなく、だれしもの問題であるわけです。そして大変重要な問題です。ですから、一部の懇談会の中で完結するのではなく、国民的にこの障害者の問題というものを私は議論していかなければいけないということをこの場で改めて強調させてもらいます。
 それで、またその際、私はもう一つお聞きいたしました。新障害者基本計画に障害者差別禁止法の制定を明記していただきたいと私は求めました。
 現行の障害者基本法は障害者の生活の自立と社会参加にかかわる大変重要な事項についてすべて努力義務となっており、このことは事実上障害者に対する差別を助長しています。例えば、障害者の生活の自立上最も重要な民間企業の雇用率、これは法定雇用率は一・八%ですけれども、現実は一・四九%にとどまっているわけです。ちなみに、私の前にいた職場、この会社は障害者の雇用率は一一・〇八%。個々の能力に応じた仕事を任せれば障害者の方でもきっちりと働けますし、いい仕事もするんです。
 しかし、現状では雇用率未達成企業の割合は五五・七四%。過半の企業が法律違反をしながら、罰金を払えばそれでいいという、これが現状なんです。この現状を障害者差別禁止法を制定せずして人権擁護法案等で打開できるとお考えなのかどうか、これが一点。
 そして、そのときに官房長官は、障害者に対する差別についての救済措置に対して検討すべきであると、そして種々の制度の見直しを絶えず進めていくと御答弁されていますけれども、その進捗状況と具体の取組はどうなっているか、併せてお答えください。
#216
○国務大臣(福田康夫君) 幾つか御質問ございました。
 障害者等に対する不当な差別的取扱いの禁止については、今国会で御審議をいただいております人権擁護法案で手当てをいたしております。また、政府としては、障害者の社会参加を促進するために、平成十四年度中を目途に障害者等にかかわる欠格事由の見直しを行うことといたしておりまして、これまでに対象六十三制度中五十八制度の見直しを終えました。今回におきましても警備業法の改正について御審議をいただいているというところでございます。
 こういうように、障害者の権利を尊重し、社会経済活動への参加機会を確保するために様々な制度の見直しを絶えず進めていくということが必要でございますが、障害者差別禁止法の制定を新しい障害者基本計画に具体的に盛り込むことにつきましては、年齢とか性別などの他の差別事象とのバランスをどう考えるか、また一般企業、事業者の理解を得ることができるかどうか、そういうような検討すべき課題が多く、難しいと考えております。
#217
○黒岩宇洋君 障害者の問題というのは、先ほどの田嶋さんの女性の問題とも近いもので、やはり、私は嫌いな言葉ですけれども、障害者というのはやはり社会的には今、弱者なんです。そういう意味で、今の欠格条項云々というのは、元々差別的にハードルを掲げていたものを取り払うという大変消極的なものです。やはり障害者の方というのは、身体であれ精神であれ、そして、精神、身体、知的と障害があるわけですから、そういう方々がやはり社会参加をしていくためには、むしろ積極的に政府、政治の方で後押ししていただきたいということを重ねて私はお願いしておきます。
 それでは次に、谷垣大臣の方に質問いたします。官房長官、どうもありがとうございました。
 せんだっての質問で白浜委員もおっしゃっておりましたが、谷垣大臣の能力が高いばかりに何でもかんでも仕事をほうり込まれて大変だと思いますけれども、治安に食に産業にと、何かまるで国民の安全を一手に谷垣大臣がしょっているような感想を私持っていますけれども、しかし、大変重要な問題ですので、是非御奮闘していただきたいと私はお願いしておきます。
 それでは、まず食品安全基本法と食品安全委員会についての質問をいたしますけれども、食品安全基本法では基本理念の中に国民の生命及び健康の保護と、これを掲げている点は私は今までの現行の食品衛生法などの公衆衛生の向上及び増進といった内容からは大きく前進していると思います。しかし、最終的に食品を摂取し、その安全性を享受する消費者についての位置付けが基本理念の中に明記されていません。私は、やはりこの法の基本理念に食品の安全は消費者の権利である旨を明記する必要があると私は感じています。やはりこの視点が欠落していたことが昨年来のBSE問題を始め、一連の食品の安全にかかわる不信感や消費の低迷につながった面が大きいわけです。欧州連合やイギリス、フランス各国でも、消費者の利益の保護といった明文化により消費者の位置付けを明確にしています。
 食品安全基本法の概要では、関係者の責務・役割のくくりで消費者の役割についてさらっと触れていますけれども、私は消費者の責務や役割ではなくて、あくまでも食品の安全は消費者の権利であるということを明確にしていただきたいと思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#218
○国務大臣(谷垣禎一君) 余り能力がありませんのにいろんなことをやらせていただいておりまして、うまく答弁ができますか、ちょっと不安なんですが、食品安全基本法につきましては、食品安全行政に関する関係閣僚会議で基本的な取りまとめをいただきまして、その中で、今おっしゃっていただいた目的及び基本理念として国民の生命及び健康の保護等を考えると。
 それから二番目として、事業者の責務として、食品の安全性を確保するための一義的な責任、それから正確かつ適切な情報の提供というふうに整理をしていただいて、この取りまとめに即して今、法案の制定に向けた検討を進めているところです。
 そこで、安全な食品への消費者の権利というふうにおっしゃいましたが、これはここで言っております事業者の責務というものと対応するものだろうと思うんですね。それで、具体的にこの法案の中でどういう責務とかそういうものを記していくのかという中で今の問題が整理されてくるのではないかなと今考えております。
#219
○黒岩宇洋君 生産者側の利益追求の過剰によって、私はやっぱり本来は食は安全だと思うんですけれども、それは完全に今覆されています。
 私、せんだっても内閣府の方と話したときに、食品というのはまず安全が建前だろうという発言が出たときに大変怖いものを感じまして、今、それはむしろ安全でないことがもう前提のようになっているわけです。薬害エイズとかのときも、しかも薬はもっと安全だという表現が出ますけれども、そうでしょうか。薬なんてものは本当に危険極まりないものになってきていますから、そういう中で私は消費者の権利だとあえて言うのは、その権利をやはり国は保護しなければいけないと、その思いで、私は、谷垣大臣、是非その分野、お願い申し上げておきます。
 そうしましたら、次は食品安全委員会についてお聞きします。
 これ概括的なところを聞きますけれども、さきのBSEの問題で最大の反省点、教訓は、リスク評価の甘さと縦割り行政の弊害、私はこの二点だったと思います。でありますから、食品安全委員会の設置のポイントは、やはりリスク評価機関を新たに独立させるという点と縦割り行政の排除という、このことだと私は思っています。
 それで、まずリスク評価に関してですが、どうもこの委員会の構成というものを見ると、形は今までと変わりましたが、中身が変わっているのかというと首をかしげざるを得ません。しかも、大変これ分かりづらい構成なんですけれども、専門調査会の上に乗っている委員会の委員が全員専門家となっています。今までも農水省や厚労省でリスク評価してきた方は専門家のはずです。だから、学識経験者とかそういうのを言っているんでしょうけれども、専門家は専門家のはずなんです、どちらも。
 私は、科学的なリスク評価は専門調査会の機能として、そしてその上の七人の委員会にはより総合的、そしてかつ政策的なリスク評価機能を持たせるべきだと考えています。そのために、やはり委員の中に生産者と消費者の代表を入れるべきだと私は考えます。イギリスとフランスも、これBSEに端を発して食品安全に関する行政組織というものを立ち上げましたけれども、両国とも少なくとも消費者の代表はその行政組織に入っています。
 次に、縦割り行政の弊害の排除について申し上げますけれども、この安全委員会は独自の試験機関を持たないために、各省の試験機関に調査研究を委託し、その結果をデータ付きで委員会に上げてもらうことになると聞いています。これでは、縦割り行政を引きずるだけだと私は感じております。
 この二点のことを考えると、どうもBSE問題の反省、教訓が生かされているとは思えません。しかも、初年度予算措置が二十億という額、私はこれを読むと、何か精神的に頑張ろうとか、何かたるまずにいこうとか、そのぐらいにしかちょっと見えないんで、私、残念に思っているんですけれども、本当にこの食品安全委員会で我が国一億二千七百万人の国民の食の安全というのを本当に守れるのかどうか、私も今この場で安心したい気持ちがありますので、谷垣大臣、お答えください。
#220
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、黒岩委員は、BSE問題を発端とする原因といいますか、リスク評価とリスク管理が一体になっているということと縦割りということを挙げられました。
 それで、今のリスク評価とリスク管理という点に関しては、やはり独立の委員会を作る、そこで科学的にリスクのアセスメントといいますか評価をやっていこうということですので、今、委員は生産者や消費者の代表を入れろというふうにおっしゃいましたけれども、私は、ここは科学的な、例えば毒性学とかそういう専門家を、もちろん毒性学だけではありませんけれども、それからいろいろな生産過程というようなものもあるんだろうと思うんですが、そういう専門家を入れて科学的、中立的にやるということで今考えた方がいいのではないかと、こういうふうに思っております。
 それで、ただ、今日の午前中からの御議論でもございましたけれども、食品の問題に限らず、ほかの原子力や科学技術等々もみんなそうですが、安全というものと国民が安心感を持つということは同じではないわけですね。科学的に安全ということをこの委員会は専門家でやっていただこうと思っておりますが、それを公開をするとか、あるいはいろんな形での消費者や生産者とのコミュニケーションもしていくというようなことで、プロセスを積み重ねていかないと安心には結び付かないというふうに思いますので、それは徹底してやらせていただく必要があるのではないかなと思います。
 それからもう一つは、縦割りの弊ということでは、やっぱりここは、現実にリスクを管理していくのは農水省や厚生労働省、あるいは地方自治体という場合もあると思うんですが、そういうそれぞれの権限にこだわらず、必要とある場合にはどんどん、私たちは、この作る委員会は勧告も出していかなきゃなりませんし、午前中申し上げたことですけれども、そういう勧告を出したような場合には必ずその勧告の内容も公開をしていくというような手だてを講じて、縦割りにならないようにしたいと思っております。
 それからもう一つは、今、人のことをおっしゃいまして、結局、ここはまだ十分に人がいないんじゃないかという、それではほかのところを頼らざるを得ないじゃないかと。現実問題、科学的にこういうことを評価できる人がどれだけどこにいるのかというのも実は大問題でございまして、アプリオリにそういう人がもうすぐ得られるという状況ではないんだろうというふうに私は思います。
 実は、外国のこういう問題、アメリカ等でもいろいろ機関を作っておりますが、そういうところの方にも伺いますと、なかなかまず人を確保するのが大変だということをおっしゃっておりまして、すぐにそういう意味で人を集めるのに、何というんでしょうか、あちこちのノウハウをかりないとなかなか適切な評価をしていく体制ができないのではないかと現時点では考えております。
#221
○黒岩宇洋君 確かに、安心と安全は別ですし、フランス辺りだとちょっと消費者の意見が突出して、行政側も、自分たちの役割は消費者の保護であって消費者の安心を求めるものではないという、それも私分かるんですけれども、やはり今までも専門家は本来役人ですから中立的にやってきたと思うんですけれども、今までが何か中立的でなかったなら中立的という意味も分かるんですけれども、どうも今までの反省が、BSEのあれを見ても、どう見ても余り的確に自分たちの非を認めていないんで、じゃ、その非を認めずに今回作っても、果たしてどこまで実効性が担保されるかという懸念がありますので、どうか谷垣大臣、とにかく目的は食の安全ですから、その点よろしくお願いいたします。
 それでは、ちょっと時間なくなりまして、私、この前竹中大臣に一つ質問を時間の関係でできなかったんで、産業再生機構に対してなんですが、谷垣大臣がこの担当者になったということで御質問をします。
 まず、この経済総合対策、デフレ対策の目的というのは、私は、不良債権をゼロにすることではないはずです。不良企業を再生させて経済を活性化させることこそが目的のはずです。そのためには、やはりどうしようもない不良と、まだ芽のある不良を見極めなければいけません。例えば、不良高校生がたばこを吸ったらすぐ監獄行きでは更生ができないわけです。
 そこで、新機構の業務においての最大のポイントは、あくまでも再建可能企業と不可能企業の選別であると私は考えています。再生機構の中に有識者による産業再生委員会を設置し、この委員会が企業を選別するとありますけれども、しかし政府案を見ると、再生機構が債権を買い取るのは、主力銀行と企業の間で再建計画が合意されつつあるなど、再生機構が再生可能と判断する企業とだけしか決まっていません。こうなると恣意的な判断が生じるという、大変私は懸念を感じております。しかも、現行では整理回収機構も企業再生業務を行っているわけです。RCCが駄目なら産業再生機構、それでまた失敗したら別の機構というわけでは、結局最後は国民にツケが回ってくるわけです。
 しかも、新機構は、時価を原則として、RCCよりも価格設定を高めにすることで銀行からの買取りをスムーズにすると見られていますけれども、その場合は、再生に失敗すればより一層国民負担が大きくなるわけです。旧日本長期信用銀行が一次国有化された際、政府はそごうを再建可能と判断、長銀のそごう向け債権をRCCに売却しなかったということもありました。最終的には破綻したわけですから、ともすればやはり企業選別に対する政治介入とか、こういったことも懸念されるわけです。
 ですから私は、政治介入等の排除をする仕組みをきっちり作って、そしてこの機構をうまく機能させるための再生可能企業の選別のまず明確な基準、そして選別過程の透明性、そして再生委員会の人選について、大臣の構想で結構ですので、手短にお願いいたします。
#222
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、十月三十日の総合対策を超えるものはまだ余り実は決められていないんです。また、決める体制、今一生懸命大車輪でやっているわけですが、今おっしゃった、まず選別の基準が変な圧力とかそういうものなしに透明性あるいは妥当性をどうやって担保できるか。
 それから、さっきおっしゃったことの中に関連してまいりますが、不良債権を余りにも高い価格で買えば後ツケはたくさん回ってくる、しかし安過ぎればなかなか売ろうという人もいないという、非常にある意味ではジレンマがあるんですが、その価格の妥当性をどうやって担保するかということになりますと、この機構の多分中ということに、ここもちょっとまだ完全に詰め切れていないんですが、多分機構の中に産業再生委員会というものを作りまして、そして機構そのものの在り方もきちっと詰めなければいけませんが、要は、そこにどういう人を得てきちっと判断をしていくかということになると思います。
 まだ具体的にどういう方かということは全く白紙でございますが、企業の再生とか、そういうものに十分な見識のある方が来ていただいて、しかも世間から見て、ああいう方が聴診器を当てて大丈夫だと、あるいはもうこれは駄目だと、こう判断するならこれは仕方ないなと思うような重みといいますか、信頼のある方を得るのがやはり私は非常に大事だろうと思っております。
 まだいろいろ申し上げたいことはあるんですが、余り頭が整理されないままにしゃべってはいけませんので、とにかくこれから精力的に仕組みを詰めてまいりたいと思います。
#223
○黒岩宇洋君 ありがとうございました。
 終わります。
#224
○委員長(小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#225
○委員長(小川敏夫君) 次に、警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。谷垣国家公安委員会委員長。
#226
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました警備業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、最近における警備業の実情にかんがみ、警備業者等の欠格事由について、暴力団員と密接な関係にある者等を追加するとともに、精神病者に係る事由の見直しを行うほか、変更の届出手続を簡素化すること等をその内容としております。
 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
 第一は、警備業者等の欠格事由に関する規定の整備についてであります。
 その一は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定による一定の命令等を受けてから三年を経過しない者を、警備業者、警備員、警備員指導教育責任者及び機械警備業務管理者の欠格事由に追加するとともに、暴力団員等がその事業活動に支配的な影響力を有する者等を、警備業者の欠格事由に追加することとするものであります。
 その二は、精神病者に係る欠格事由のうち、警備業者、警備員及び機械警備業務管理者に係るものを、心身の障害により業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるものに改めるとともに、警備員指導教育責任者に係るものを削ることとするものであります。
 第二は、変更の届出に関する規定の整備についてであります。
 これは、警備業者は、一定の事項の変更に係る届出書については、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会にのみ提出すれば足りることとするものであります。
 その他所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
#227
○委員長(小川敏夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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