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2002/11/19 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第5号
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2002/11/19 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第5号

#1
第155回国会 内閣委員会 第5号
平成十四年十一月十九日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     松井 孝治君
     川橋 幸子君     角田 義一君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     角田 義一君     川橋 幸子君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任
     筆坂 秀世君     富樫 練三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                富樫 練三君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   副大臣
       総務副大臣    加藤 紀文君
       経済産業副大臣  西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○古物営業法の一部を改正する法律案(第百五十
 四回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送
 付)

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、大塚耕平君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として松井孝治君及び富樫練三君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 古物営業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として、警察庁生活安全局長瀬川勝久君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川敏夫君) 古物営業法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森下博之君 皆さん、おはようございます。自由民主党の森下博之でございます。古物営業法の一部を改正する法案につきまして御質問させていただきます。
 本法案は、さきの通常国会に提出をされたところでありますが、衆議院では、未付託のまま一度も審議もなく継続審査となったところであります。今期臨時国会になりまして、先週、参議院に送付をされたところであります。
 そこで、まず、今回の改正案について、その趣旨を御説明願います。
#7
○政府参考人(瀬川勝久君) 今回の改正の趣旨についてのお尋ねでございます。
 高度情報通信ネットワーク社会への移行とともに、インターネットを利用した古物取引が量的に拡大をしてきております。これに伴いまして、ホームページを利用した無許可営業が出現をしてきており、また古物商が取引の相手方を確認する方法に関しまして、平成十二年の十月でございますが、当時の社団法人経済団体連合会から規制緩和要望も出されているところでございます。
 一方、だれもが手軽に古物取引に参加できるいわゆるインターネットオークションが発達をしてきておりまして、財産犯人が、財産犯を犯した者でございますが、インターネットオークションを利用してその盗品等を処分する事例が多発をしてきております。これには、少年による犯行を始め、財産犯を誘発しているという状況が見られるところでございます。さらに、財産犯に係る最近の犯罪情勢は極めて厳しく、また広域化してきております。
 こういったことから、電子メール等を利用いたしまして、品触れ制度を一層活用することが求められているような状況にございます。
 このように、古物の取引におけるインターネットの利用の拡大等の状況にかんがみまして、古物営業法の目的である盗品等の売買の防止、速やかな発見等が効果的に達成されるようにするため、今回の改正では、まず第一に、ホームページを利用して取引を行う古物商の遵守事項について定めるということにいたしました。また二つ目に、古物商が買受け等の相手方を確認するための措置に関する規制緩和を実現するというふうに考えております。また三つ目に、古物競りあっせん業、これはいわゆるインターネットオークション等でございますが、これに関しまして、営業の届出、申告その他の遵守事項、競りの中止の命令、それから業務の実施方法の認定に関する規定というものを新設をいたしたいと考えております。さらに四番目として、品触れの方法としまして電子メール等を利用する方法を追加しようとするものであります。
#8
○森下博之君 今、局長から御答弁ありましたように、今回の改正案は、我が国の経済活動の適正な発展と国民生活の向上に大変寄与するという点で、一日も早く、審議を尽くしまして成立を図るべきだと思うわけであります。
 次の質問をさせていただきます。
 谷垣国家公安委員長に承りたいわけでありますが、ネットオークションの大手業者、三社と言われておるわけでありますが、今回の改正法案に対しまして当初は極めて強い反対意見を持っておられたと承っております。警察庁との話合いが順次なされたやに承っておりますが、どういった意見の集約といいますか、話合いがされたのか、また法成立後の運用が過剰な規制になるのではないかという懸念もお持ちだと承っておりますが、そのような懸念を払拭するためにどのような手だてをお考えになっておられるのか、承りたいと思います。
#9
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の古物営業法の改正では、去年の十月から十二月にかけまして、今三社とおっしゃいましたが、大手三社ございます。そういった事業者に法案の骨子をかなり詳細に御説明しまして、そしてその了解を得る一方で、事業者の御意見も入れまして、法案の策定作業を進めてきたんでございます。
 そういうことだったんですが、今年の二月下旬ごろから、事業者の方々の中から、インターネットオークションの定義の中であっせんという言葉を使っております。こういう用語を使うことに反対である、それから法文化した制度の内容、いろんな遵守事項等がございますが、それについても反対するようになられたわけでございます。
 そこで、今年の三月以降、事業者からはいろいろ御懸念の点を文書、要請書で承ってきたわけですが、率直な意見交換を重ねまして、改正法の解釈や運用についていろいろ説明をしたり、御協議をしたりしまして、それでその結果、今年の六月に至りまして、警察庁から事業者にこれまでいろいろ説明してきたとおりの適正な法運用がなされることが担保されることを前提として従来の反対の立場を撤回すると、こういう趣旨の御理解をいただいたものというふうに報告を受けております。
 今回の改正は、私どもとしては必要最小限の内容となっておりまして、過剰な規制となるものではないというふうに考えておりますけれども、これから下位法令、政令等を定めていかなければならないわけですが、このときは事業者からもよく御意見を伺って検討を進めていかなきゃならぬと考えておりまして、インターネットオークションにおける盗品等の売買防止あるいは取引安全、こういったことのために、引き続き事業者、警察官の協力関係を意見交換をしながら深めていかなければならないと思っております。
#10
○森下博之君 本委員会で先週、通過、成立をいたしました警備業法の一部を改正する改正案につきまして、立案過程において、障害者に係る欠格条項の見直しについて事前に国民の声を聞く、パブリックコメントというそうでありますが、それが実施をされたわけであります。古物営業法の一部改正案では、パブリックコメントが実施をされたかどうか、この点、お伺いいたします。
#11
○政府参考人(瀬川勝久君) 警備業法につきましては、障害者に係る欠格条項の見直しという点について、大変これ国民の関心の高い事項であるということで、また障害者の社会参加の在り方という面から特に社会全般の意見を聞く必要があるというようなことで、特別にパブリックコメントを実施したものでありますけれども、法令の改正につきましては、これは正に国民の代表である国会において御審議いただくということでございまして、本来、パブリックコメントの対象とはされていないわけでございます。
 したがいまして、今回の古物営業法につきましては別段パブリックコメントという形は実施しておりませんが、今回の改正につきましては、昨年の四月以降、インターネットオークションの事業者を含みます各界の有識者における研究会で御議論をいただいておりますし、それから主要なインターネットオークション事業者の方々やあるいは古物商の業界団体の方々に対しましても法案の内容を詳しく何度も説明をさせていただきました。
 また、今年の二月の上旬には報道機関を通じて公表もしておりまして、こういったことで私どもとしましては、国民各般の御意見、多様な御意見や情報等をできるだけ把握をして改正の作業を進めてきたと考えているところでございます。
#12
○森下博之君 衆議院の方の委員会におきましては、民主党から提出をされました修正案を拝見をいたしたところであります。新設をされる古物競りあっせん業者に係る改正規定をすべて削除するとしており、その提案理由説明では、今回の法案の規制等には全く実効性がないとか、法改正を必要とする悪質なインターネットオークションが横行しておるという事実はないと述べられておるところであります。
 私は、いささか見解を異にするものであります。今回の法改正には実効性があり、古物競りあっせん業者についての規定を新設する必要があると思うわけであります。この点、より分かりやすく明快なお答えをいただきたいのでありますが、私の持ち時間は十時十六分まででございます。その間に自由にお答えください。
#13
○政府参考人(瀬川勝久君) まず、今回の改正の必要性でございますが、最近の治安状況を見ますと、刑法犯の認知件数が戦後最高を記録をしております。中でも窃盗犯の増加が著しい、こういう状況でありまして、インターネットオークションにおける盗品の処分状況が最近の統計では、推計でございますが、八千七百件、三億五千万程度、二年九か月の間でございますが、この程度あるというふうに推計されるところでございます。
 インターネットオークションは、非常に匿名性が高く、また、非対面性といいますか、対面せずに取引ができる、あるいは競りの方法を取ることができるということで盗品の処分の場として非常に利用されやすい環境にある。これが少年でありますとかあるいは特殊な物品を処分しようとする者にとって非常に好都合な場となっていると考えられるわけであります。
 こういった状況から、財産犯の防止と被害の回復を図ることが急務だということで、今回の改正でインターネットオークション等について必要最小限の規制を設けるということにしたということが必要性であります。
 次に、効果でありますが、この改正法におきましては、事業者に対して一定の遵守事項や競りの中止命令、あるいは認定制度等を定めることにしておりまして、これにより盗品の速やかな発見、それから被害回復、ひいては盗品の売買防止、あるいは消費者の保護、更には取引の安全の確保ということにつながるものと考えております。こういった高度情報通信社会における電子商取引の活性化というものをもたらすという効果もあるものと考えております。
#14
○森下博之君 終わります。
#15
○松井孝治君 民主党の松井でございます。
 本日は、谷垣大臣始めとして政府側から御出席をいただいておりますが、基本は谷垣大臣にお尋ねをしたいと思います。
 委員長に申し上げますが、政府参考人にも御出席を求めておりますが、あくまでも補足的に、私が政府参考人に御答弁をお願いした場合のみ政府参考人を御指名いただきたいと思います。委員長は指名権があるわけですから、よろしくお願いをいたします。
 それでは、質疑を始めさせていただきたいと思います。
 今、せんだっての衆議院の議論あるいは今同僚議員の御質問にもございましたが、今回の改正の趣旨、今私も伺っておったわけですが、インターネットオークションの規制というのは、これは私が知る限り世界で初めて今回規制が導入されたと思っております。諸外国でもこういう規制を導入するかどうかという議論が行われている事例はあるようですが、例えば、ある国では、パブリックコメントに掛けましたらやはり非常に反対論、慎重論が強くて、まだ導入されていない、そういう事例もあると聞いております。
 今政府参考人からも少し趣旨の説明がございましたが、今回のインターネットオークションの規制を導入されるに当たって具体的にパブリックコメントをどのように導入されたのか、外部の有識者あるいは関係者の意見というものを、やはりこれは新しい規制の導入ですが、どういうふうに聞かれたのかということを是非伺いたいと思います。
 石原国務大臣もお見えでございます。やはり新しい規制を導入するというのは重みのあることでございます。今日は、経済産業省、そして総務省からも副大臣に御出席をいただいておりますが、政府全体として、こういう新しい形態のビジネスといいましょうか、インターネットオークション自身をビジネスと言えるかどうかについても若干議論があるようですが、まず谷垣大臣に、今回の規制導入に当たって広く一般の声、パブリックコメントのようなものを求められたのかどうか、端的にお答えいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回の改正に当たっては、去年四月以降五回にわたりまして、インターネットオークション事業者を含む各界有識者の研究会で御議論をいただきまして、「高度情報通信ネットワーク社会における総合的な盗品等流通防止対策について成案を得て、国民に問うことが望まれる」と、こういう御提言をいただいて検討を進めたわけであります。
 そこで、この法案の内容は今申し上げた研究会の報告書の内容を具体化するもので、今年二月にその研究会で改正内容の骨子について御検討をいただきまして、その際にも、盗品等の売買防止と速やかな発見等を確保する目的にかなった適切なものであるという御了承をいただきました。
 昨年の十月以降、主要なインターネットオークション事業者に対しても法案内容の説明と御意見を伺っております。また、二月上旬には古物商業界団体にも同じようなことを行いまして、そして二月上旬には本法案について報道を通じて公表するなどの検討を進めてきたところでございます。
 それから、いわゆるパブリックコメント手続は、閣議決定で行政内部で制定手続が完結する政令とか省令などを対象として、法律案については国民の代表である国会において御審議いただくと。ですから、本来その対象としていないというのが閣議決定でございますので、そういうパブリックコメント手続自体は実施しておりません。先ほど申し上げたような研究会その他で御議論をいただいたということであります。
#17
○松井孝治君 今の御答弁ですが、パブリックコメントは求めておられないというのが結論であろうと思います。
 当然、法律案を策定されるわけですから、それは関係者の意見を聞くというのは当然のことでありまして、それは、何回やられたか今御説明ございましたけれども、それは当然のことだと思います。
 私の手元に今これ、規制改革推進三か年計画閣議決定、平成十四年三月二十九日、今年の三月末の閣議決定文書がありますが、規制の設定又は改廃に係る意見提出手続ということで、明確に政府の方針としてパブリックコメントを求めると書いてあります。
 おっしゃるように、文言を読みますと、これは政省令の策定過程において、特に政省令は役所の判断でできますから、これはパブリックコメントを求めなければいけないということになっているんですが、これは私は、やはりこういう新しい規制改革を行う上でパブリックコメントを当然求めるというのは、実際そういう役所、ほとんどの役所は恐らくそういうパブリックコメントを法律においても、もちろん国会でも議論するけれども、その案を閣議決定するわけですから、その前にパブリックコメントを求めるというのは、これは当然のことじゃないかと思っているんですが。
 今日、石原大臣、お見えでございます。この問題については個別に通告していませんけれども、やはりこういう新しい規制を導入するに当たっては、この閣議決定文書を、文言をどう読むかという解釈においては法律家であられる谷垣大臣はそういう解釈をされましたけれども、やはり政府として、新しい規制導入に当たってはこの趣旨にのっとればパブリックコメントを求めると。個別の事業者は、それは警察が意見を聴取されれば、いろいろ警察にお世話になることもありますから、なかなか警察に対しては自由に物は言えない、そういうこともあると思うんですね。だけれども、パブリックコメントで広くオープンに、ある期間を定めて意見を言われれば、いろんな形でそれは意見が出てくるということもあろうと思うんですが、これ通告外の御質問で恐縮ですが、せっかく石原大臣お見えでございますので、今後の規制改革に当たってのパブリックコメントというのは、これやはり法案の策定においても政府としては、この閣議決定が拘束力をそこまで持っているかどうかは別として、閣法として法案を議論するときには、やはりパブリックコメントの手続を踏まえるというのが望ましいというふうに御判断なられませんでしょうか。
#18
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま、本法律案をめぐるパブリックコメントの実施につきましては、谷垣大臣が御答弁されたとおりでございます。
 まず、今、委員が御指摘の三か年計画は、総合規制改革会議で取りまとめ、内閣として最大限尊重するということを決定させていただいております。
 委員御承知のことだと思いますけれども、新規に規制を作るときは、内閣法制局あるいは総務省あるいは財務省の審査が求められております。このほか、今、委員が御指摘になっているように、やはり新しい規制など、特にインターネットをめぐって等々は利用者の数も倍々ゲームで増えてきているということもありますし、その公正性の確保と透明性の確保というものを国民の皆様方から意見を聞くことによって図っていく観点から、パブリックコメントというものは一義的には私は必要なことだと思っております。
 今後とも、今申しましたことが適切に守られていくかどうか、一義的に関係の府省庁で適切に御判断される問題ではありますが、貴重な御提言でもございますし、総合規制改革会議でも、もちろん政省令についてということでございますけれども言っておりますが、必要に応じまして関係府省庁に、やはり国民の声を広く聞くというこの制度もまだ導入されたばかりでございますけれども、実施していくことが望ましいと思っております。
 余談でございますが、百数十年ぶりの公益法人改革に当たっては、パブリックコメントを求めましたところ数多くの意見が寄せられ、これを参考に有識者の方にまたお集まりいただいて問題点の整理をさせていただいております。
#19
○松井孝治君 ありがとうございます。
 おっしゃったとおりだと思うんですね。この今年の三月の閣議決定文書というのは、これも一つの試みですから、是非、今の石原大臣、前向きな御答弁をされたと思いますが、閣議決定違反であったかどうかは別として、今後の法案の、こういう規制を新たに導入するものについてはやっぱりパブリックコメントという手続を大切にしていただきたい、そのことは私からも改めて谷垣大臣にも申し上げておきたいと思います。
 さて、石原大臣、もう少々、お時間限られているとは承知しているんですが、お伺いしたいことがございます。
 石原大臣がいらっしゃる間にちょっと今の関連で申し上げたいんですけれども、この規制改革推進三か年計画には「規制の新設審査等」という項目がありまして、今、石原大臣がおっしゃったような項目がございますが、それと同時に、規制の新設の場合は、原則として見直し条項を盛り込むという規定が入っていることは石原大臣御承知のとおりでございますし、閣議決定をされていますから、大臣も御承知のとおりだと思うんです。
 しかしながら、これ「原則として」ですから、これまた法律家の大臣ですから、「原則として」と書いてあるじゃないかということなんですが、これはもう少し終わりの方で御質問しようと思ったんですが、石原大臣、お時間の御都合もあると伺いましたので、石原大臣にも聞いていただきたいと思いますので大臣にお尋ねしますが、この閣議決定文書の、新規規制については基本的に見直し条項を盛り込むという閣議決定文書がありますが、今回の法律を見ますと、古物営業法の改正案を見ますと、見直し規定は入っていないんですね。じゃ、その原則以外の、特例的にどういう事情があったから今回見直し規定が入っていないのか、閣議決定違反でないということを御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
#20
○国務大臣(谷垣禎一君) えらい、委員長もおられますが、法律家法律家と言われて、えらい細かな議論をやっているわけではないんですが。
 今回の古物営業法の改正は、社会秩序維持の基本に係る必要最小限度のものだというふうに我々は考えておりまして、インターネットオークションにおきましては少年による盗品等の処分事例も現に数多く見られておりますが、匿名性等があって盗品等の処分が容易な環境、インターネットオークションにあると。それで、これまで盗品等の処分に適した場を持たなかった少年にとって格好な処分の場となることを防止する必要があるという観点から今度の規制が作られたわけですが、こういう観点からしますと、今回の改正内容は、青少年の健全育成という観点からも、あるいは社会秩序維持の基本という意味から考えましても、一番基本的な規制のみを行っておりまして、見直し条項を設ける、先ほどおっしゃったような閣議決定があるわけですが、このような必要最小限のものでありますから、その趣旨・目的等に照らして適当としないものについては見直し条項を盛り込むこととはされていない閣議決定の趣旨にも沿うのではないかというふうに思っております。
 もちろん、今後、古物取引の実態とか盗品等処分の状況に大きな変化が生じました場合にはいろんな見直しをやっていくことは当然だと思っておりますが、以上のように考えて、見直し条項を入れなかったわけでございます。
#21
○松井孝治君 私、今、大臣が非常に技術的なことだとおっしゃいましたが、これ全然技術的なことだと思っていないんです。必要最低限のことだから見直し規定は要らないと判断をしましたとありますけれども、規制を新設した場合は、やっぱり原則として、各府省は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、見直し条項を盛り込むと。要するに、見直すことが不適切だというふうに判断しないものについて、不適切だと判断するもの以外については、原則としてこれは盛り込むというふうに書いてあるんです。必要最小限だから見直し規定も入れない。その判断について、本当に見直し規定を入れたら本当にそれが不適切なのかどうかというと、私は到底納得できないわけであります。
 今日のこの私のいただいた時間の中で、やはり本当に必要最小限のものなのか、この規制がどういう意味を持つのかについて、是非議論を深めていきたいと思っております。
 まず、私は警察がこういう行政規制に乗り出すということは余り好ましいことではないと思っています。これは、今日は経済産業、総務、各副大臣にもお見えいただいておりますけれども、インターネットオークションが、ほかの分野、一般的な商取引というのは一杯あるわけですね、そういう商取引の分野についてと全然違う異質性がどこまであるのか。ほかの商取引の分野は、これは経済産業副大臣が主として御担当ですけれども、例えば訪問販売とか電話勧誘とか、新しい商取引の種類が出てくるわけですね、経済が発展するに従って。それに対して商取引の規制というのは個別にいろんな法律で経済的に取り組んでいるわけです、今まで政府が。それに対して、今回なぜそれを、例えば経済産業省でビジネスの規制の在り方、例えば消費者被害が出てくるような問題は結構ありますね。ですから、過去も割賦販売というものが出てきたときに、それに応じて割販法なりがある、あるいは電話勧誘とか通信販売が出てきたら、それに応じたやっぱり消費者被害というのが出てくる。それに応じて、これはビジネス上の取引の規制の在り方ということで、いわゆる経済官庁がその規制を行ってきたわけですね、必要最小限の。
 ところが、今回、経済官庁が規制を行うという前に、まず警察の方でこういう古物営業法の改正というような形で規制を行われた。閣議決定されていますから、経済産業省もあるいは総務省もこの規制には納得をしておられるんだとは思いますけれどもね。これは谷垣大臣にまずお伺いしたいんですけれども、どういうことで経済取引に対する、インターネットオークションというようなものに対して警察がいきなり、行政規制だとは思いますけれども、規制に乗り出されるということになったのか。なぜ、経済官庁によるビジネス上の規制というものを検討せずに、いきなり入り込まれたのか。そこについて御答弁を求めたいと思います。
#22
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回、こういう形でインターネットオークションに対する規制を設けましたのは、取引一般のルールというようなことに着目しているわけでは必ずしもございませんで、インターネットオークションを通じた古物取引が非常に盛んになってきたと。そうしますと、盗品等の処分が現に多発してきている、そういう、先ほどもちょっと申しましたけれども、匿名性があったりして非常に少年犯罪等の場になっているという現実を踏まえまして、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図ると、こういう観点から今回の立法を考えたわけです。
 今、訪問販売とか通信販売を松井委員はお引きになりましたが、一般にこういうところでは古物取引が行われるという形態では必ずしもありません。それでまた、訪問販売や通信販売で盗品等の処分が現に社会問題化している状況にもないだろうというふうに私は思っております。
 その一方、古物取引が一般に行われる形態としては、インターネットオークションのほかに、フリーマーケットとか、あるいは新聞、雑誌等の売ります買いますコーナー、あるいは電子掲示板というようなものが挙げられておりますが、どの程度こういうところで盗品等の処分状況があるかということを、調査結果を見ますと、これは平成十二年一月一日から十三年の九月二十日までの調査でございますが、フリーマーケットでは三件、それから新聞、雑誌の売ります買いますコーナーでは一件、電子掲示板では七件というような調査結果がございます。
 これに対して、インターネットオークションでの盗品等処分状況というのは三百四十件に上るというわけで、こういう古物取引の形態の中でもインターネットオークションを利用した盗品等の処分は突出しているんじゃないかというふうに我々は判断をしたわけでございます。もちろん、こういった数字は暗数がございますから、いろいろ解釈は可能でございますが、それにしても非常に突出していると。
 それに加えまして、先ほども申し上げたところでありますが、高度の匿名性というようなことがあって古物の売買が成立しやすいのだろうと。インターネットを用いることによっていつでもどこからでも取引に参加できると。あるいは、競りの方法を使っていることで、売主、買主の双方にとって納得のいく合理的な価格形成がされる上に、一種の娯楽性もあるのかもしれません。そういった要素によってこういうものが非常に使われているということであります。
 それから、インターネットオークションでは、古物の売却をしようとする場合には、相手方は古物商と異なりまして古物に関する専門的知識を有しない消費者が入ってくるのが普通である、だから盗品等の処分に利用しやすい場となっているんだろうと、そういうことに着目してこういう立法改正を考えたということであります。
#23
○松井孝治君 私も、盗品取引の場に使われているというケースがあるということについては、それは問題があると思います。問題があると思いますが、だからといって、本当にこういう法案がいいのか、あるいは、後で伺いますが、実効性があるのかについては非常に私疑義があると言わざるを得ないと思っております。
 まず、インターネットオークションについてのどういう具体的なトラブルが生じているか。今盗品の事例をおっしゃいましたけれども、これは私が関係者から伺いましたところ、もちろん盗品が出されたり、あるいは、いわゆる盗品かどうか分からないけれども、これ例えば変な話ですけれども、警察官の制服なんかがインターネットオークションに出されているケースがあると。これは支給されたものであれば盗品とは言えないんですが、不適切であるということは、これは言うまでもないわけですね。そういう事例がある程度あるというのは分かっています。
 と同時に、インターネットオークションの場合は、これオークション業者というのは掲示板を提供しているだけで、あとの売買の契約というのはその掲示板でコンタクトを取られた当事者間で契約がその後に成立するということになるわけですが、むしろ私が有識者からお話を伺っている限りにおいては、そこから後のいわゆる詐欺のようなことのトラブルの方が多いんじゃないかという話も聞くわけです。だから、私は別に商取引を規制しろという立場ではないんですけれども、今の時点において。
 今日、西川副大臣にお見えいただいておりますけれども、経済産業省はこれまで、先ほど申し上げたように、活販法とか、あるいは商品取引所法とか、海外先物の法律であるとか、あるいは訪販法、通信販売、電話勧誘販売などに関する行為規制を入れ込んだ特定商取引に関する法律とか、いろんな法律を制定して、個別のビジネス上のトラブルについて適正化というものを図ってこられていると思います。
 その中で、本当にこのインターネットオークションについて、個別のビジネスとして、経済産業省は消費者保護部門もお持ちですけれども、本当にビジネス上のトラブルというのは、今盗品の話が出ましたけれども、恐らく盗品よりも多いと言われているビジネス上の、インターネットオークションを通じたビジネスについてのトラブルというのをどう把握をしておられたのか。経済産業省としてインターネットオークションを通じた商取引についての規制が必要だというふうに考えておられなかったのか。私が聞きたいのは、警察規制ではなくて、経済産業省のビジネス適正化規制のようなものの必要性は感じておられたのかどうかをお伺いしたいと思います。
#24
○副大臣(西川太一郎君) そういうお尋ねがきっと出るだろうと思って今調べさせておりまして、前段につきましては後ほど数字のようなものを先生に御報告をさせていただきたいと思いますが、後段の基本的な当省の姿勢といたしましては、できるだけ成長分野でございますこの分野に規制は掛けたくないと、こういう認識でおります。
 今次のこの法案につきましては、閣議に出されます前に、警察庁とも十分協議を詰めまして、いわゆる公序良俗を維持する上で最低限の規制であるという理解の下で承知をいたしておりまして、くどいようでありますが、私どもとしては運用を見守りながら、できる限り規制はない方がいい、こういう姿勢でニュービジネスを育てていきたいと、このように考えております。
#25
○松井孝治君 今、別に事前通告をして消費者トラブルの件数をお尋ねしていたわけではありませんから、そこは間に合わなければ結構ですけれども。
 やはりこういう個別の規制を導入するからには、そのインターネットオークションというものが社会的にどういう問題を引き起こしているのか。それは盗品売買につながっているという一つの弊害もあるでしょうけれども、それが一つの、さっき谷垣大臣がおっしゃったように、対面を伴わない商取引につながるわけですから、別の商行為上の規制が必要かどうかという判断も必要なんですね。私が言いたいことは、別に、だから規制してくださいということではなくて、政府全体として、インターネットオークションというのがどこに悪い影響を与えているのか、それをどう取り除くのがまず先決なのかということをきちっと議論をした上でこの法律改正というものが出てきているのかということについて疑問を感じざるを得ないと思うんです。
 ですから、そこは是非経済産業省としてもお調べをいただいて、私は別に今法律規制が必要だと思わないんですが、むしろ経済産業省が判断されたように、これは法律規制でいきなり事業者を縛るというよりは、むしろ、少し推移を見守って、事業者間のじゃ自主的などういう契約形態を整えていくのかという判断を待った方がいいと思うんですね。
 やっぱりインターネット社会というのは基本的に原則は自治に基づいた社会ですから、ですから、やはり今回の警察庁の法案、政府が出された法案というのはそういう部分での検討を踏まえずに、やや、古物営業法という枠組みがあるからこれで使えるなという判断をされたんじゃないかと。本当に私自身がまだ、今、谷垣大臣がおっしゃった被害件数、それは被害があるのは事実でしょう。ただ、被害が何件か、あるいは先ほどおっしゃったのは月次か何だったか、ちょっと私聞き漏らしましたけれども、何百件かの被害があるからといって、こういう形でインターネットオークション業者を世界で初めての規制に踏み込むのがいいのかどうかということについて、やはり議論の慎重度が足りないような気がしてなりません。
 むしろ、今回の法案についてということになりますと、両副大臣ともに、あるいは石原大臣も含めて、これは閣議決定したものですから、口が裂けてもこれが不適切とはなかなか思っておられても言えないというのが正直なところだと思いますので、むしろ、ただ、このインターネットの社会というものが基本的に、これはもう内閣委員会ですから余りインターネットの講釈を垂れてもしようがないかもしれませんが、やっぱり利用者相互の信頼関係に基づいてベストメソッドを作っていこうという、そういう枠組みでできたのがインターネットの社会なんですね。
 後で私も御質問の中で明らかにしていきますが、インターネットオークション事業者が、じゃ何か個別の、ビジネスにかかわる個別の取引についての情報を持っているかというと、持っていないんですよ。掲示板を提供していて持っているのは、そこでどんな取引が、どんな会話がなされているのかというのは、例えば一参加者が見るのと同じ情報しか見れないんですよ。そういうところの中でインターネットオークション事業者に情報収集の義務を課するとか、あるいは報告義務を課する、罰則的な義務を課するというのは、本当にこれ、私、概念矛盾も引き起こしているんじゃないかというふうに思います。
 お尋ねをしたいんですけれども、経済産業副大臣は商行為全般を見ておられます。それから、総務副大臣、加藤副大臣もお見えでございますが、情報通信社会というものを見ておられると思います。そういう中で、このインターネット社会が今進展している中で本当に今後のインターネット社会における経済取引規制の在り方というのをどうお考えになっているのか。
 今、本当に町の酒屋さんでも、場合によっては八百屋さんでもインターネットを通じて売買をするということは十分あり得るわけですね。じゃ、そこでトラブルが出てきたら何でもかんでもまず規制を掛けましょうということになるのかというと、恐らくおのずとバランスがあって、どの程度の被害があるか、と同時に、インターネット社会で非常にそれはビジネスのツールとして便利なわけですから、それをいきなり、芽が出て、若干悪意でそこに付け込む人たちがいたからといって、直ちに私は法規制を導入するというのは必ずしも適切ではないと思うんです。
 それから、石原大臣もお見えでございますが、やっぱり基本的に事前規制的な発想で事業者に届出をさせて管理監督を国家がするということではなくて、やはりこれ、事後規制へという流れがあるのは、もう与野党問わず政府全体として、あるいは政治全体が今認識している状態だと思うんですが、今後のインターネット社会における経済取引の規制の在り方について、まずは経済産業副大臣、そして総務副大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
#26
○副大臣(西川太一郎君) 先生の御指摘のとおりだと私は基本的にまず申し上げておきたいと思います。
 卑近な例でございますが、東京の下町に、裏路地に小さな畳屋さんがございまして、ここが、若だんながインターネットで畳のへりをお見せして発信したところ、もう間に合わないぐらい注文があったとか、それから、これはNHKのテレビの受け売りで恐縮でございますが、日本酒の醸造メーカーさんがやはりインターネットで大変御商売が隆昌に向かわれたというような例、枚挙にいとまがありません。
 一方で、先月の末にベルギーで第四回のグローバル・ビジネス・ダイアログ・オン・イーコマースという国際会議がございまして、加藤副大臣、御都合で御出席ができなかったので、私が両省を代表するような形で伺いました。その際にも、国際的に、この法案には直接関係ございません、気を付けて申し上げなければいけないと思いますが、例えば児童ポルノのようなものが流されたり、いろいろ公序良俗に反する、匿名性を悪用する形のものが出ている。また、ビジネスに戻りますと、提示された商品とは全く似ても似つかないものが送られてくるというような消費者苦情の相談もたくさんございますことは事実でございます。
 したがいまして、私どもとしてはこの分野をビジネスモデルとして育てていきたいし、大変潜在的な成長力のある分野でございますので何とかしたいと思いますが、一方で消費者保護という形もきちっとやっていかなければいけないと、大変悩ましい思いであります。
 しかし、最後に、ある新聞のこれも受け売りですが、専門家が水道法で水道業者を取り締まるのは分かるけれども、その水を使ってお豆腐を作るお豆腐屋さんを取り締まってはいけないと、こういうおもしろい例えが出ておりましたけれども、私もこれらの規制につきましては必要最小限にしていただきたいと、経産省としてはそのようにお願いをしたいと思っております。
#27
○副大臣(加藤紀文君) お答えいたします。
 インターネットやインターネットビジネスの普及促進に取り組んでおります総務省といたしましては、この電子商取引の促進というのは重要な政策課題だと思っております。
 したがいまして、電子商取引の促進という観点からいたしますと、その取引にかかわる規制というのはそれぞれの各分野において果たしてその必要性があるのか、十分勘案して慎重に検討すべきだと思っております。
#28
○松井孝治君 今の両副大臣の御答弁というのは本当に政府部内の温度差というのをはっきり表していると思うんです。本当に今の、特に西川副大臣の水道規制とその水道を使ったお豆腐屋さんの規制とは違うと、本当におっしゃるとおりです。
 やっぱり、警察のお立場で公序良俗を維持していかなきゃいけないというのは、それは私も分かるんですが、やっぱりこれは非常に危険な発想につながりかねない。しかも、経済的にいろんな問題が出ているそこについてもまだ、むしろビジネスの進展の度合いを見ながら慎重に規制をしていこうというお考え、要するに、慎重に規制をしていくというのは、規制を導入するかどうかも含めて慎重に判断していこうという経済官庁を代表してのお二人の副大臣のコメントがおありでした。
 にもかかわらず、警察規制がそれに先行しているということについては、公序良俗を維持しなければいけない、あるいはこういうインターネットオークションを通じて盗品が売買されてはいけないという判断はよく分かりますが、やっぱりこの発想については私は危険性を感じないわけにいかないし、是非、これは石原大臣、お時間が限られていますから大臣から御答弁をいただきたいんですけれども、今後のインターネット社会における規制の在り方というのは、これは是非慎重に、今回、本当に石原大臣がいつごろこの法案の内容をお伺いになられたのか、規制改革担当として事前にお話があったのかどうか私、知りませんけれども、この今回の法案も私どもは反対の立場ですけれども、今後これがまた一つの突破口になって、どんどんインターネット社会で公序良俗を乱すようなものが少しでもあればすぐ経済的な規制に先んじて警察規制が行われるというようなことにならないように、是非、これは規制改革全般論ですが、インターネット社会における規制の在り方について石原大臣には慎重なお取組を期待したいんですが、一言御答弁をいただいて、後はもうお時間がございますでしょうから、御退席をいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま松井委員がおっしゃられたように、私も事後チェック型の社会へ転換していくための規制でなければならないという一般論については正に同一の考えを持っておりますし、仮に個別の事案において、今回、社会的規制という形で警察の方でお取り組みいただいたわけですけれども、事前規制というものを設けるような場合があったとしても、それが必要最小限であり、そしてまた、その規制によりまして事業者が過度の負担を負うことのないように、やはり一度入れた規制でありましても不断の見直しを行うということが重要でありますし、それを十分検証していくことが規制改革担当大臣の仕事だと思っておりますし、さらに、付言をさせていただくのであるならば、委員がお示しいただきました総合規制改革会議の三か年計画は、毎年様々な規制において、できてしまった規制についての検証、見直しを行っております。
 今回、必要最小限の規制であり、安心して電子商取引ができるようにということで警察庁の方で取りまとめたこの法案に、万々が一、過度の負担を招くようなことがあれば見直しを行ってまいるということをお約束申し上げさせていただきたいと思っております。
#30
○松井孝治君 石原大臣、結構です。ありがとうございました。
 今、委員の皆様も聞いていただいたと思うんですが、やはり今回の規制の導入について、政府部内でも正直申し上げて懸念する声があるんです。それは二つの意味で、今回の法律の運用において本当に過剰な負担を生まないかという懸念もございますし、それから、今後これが一つのステップになって警察の社会的規制というのが広がっていくかどうかについての懸念があろうと思います。
 警察庁の方からも事務的にいろいろお話を伺っておりまして、必ずしもそんなこういうことをどんどん広げていくというつもりはないんだというようなことは事務的には伺っているんですけれども、谷垣大臣、両副大臣あるいは今の石原大臣の御答弁も踏まえまして、本当に今後Eビジネス、これはさっきの大臣のお話だと、対面性がないからいろんな消費者トラブルとかあるいは犯罪の温床にもなりかねない。なりかねないけれども、こういうものについて警察が規制を導入するということについて、Eビジネス全般について規制を広げていくというおつもりはないのかどうか、その点だけ、できれば大臣からそこについての慎重姿勢をお伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(谷垣禎一君) 松井委員が御心配の点は私もよく分かりますし、そういう御判断を私も共有する点があるんです。特に、Eビジネスの今後の発展の方向というのはいろんなのがまだ予測できないところがあると思いますし、そういうところは育てていかなきゃいかぬと、そういう御発想も私は共有するところであります。
 それで、e―Japan重点計画の二〇〇二という中でも、情報の自由な流通と民間の自由な活動の確保が大前提としていろんな議論が組み立てられているわけでございますが、そういう中で安全性とか信頼の確保に努力を行う必要もある。そこのところで警察ができることは何かという問題意識は持っておりますけれども、しかし、今、委員が御心配になるように、今具体的にこれ以外のものに関して全体に、Eビジネス全体に対する警察が規制を考えているというようなことはございません。また、今回はこれ古物でございます。古物営業法で決めているわけでございますが、古物以外のものに現在規制を及ぼしていくというようなことを考えているわけでもございません。
#32
○松井孝治君 是非、今の大臣の御答弁をしっかり守っていただいて慎重に、この法律の運用もそうですが、今後の政府としてのEビジネスに対する規制の取組という意味では慎重に取り組んでいただきたいと思います。
 今、古物に限定されるというお話がありました。これ正に私がこれから聞こうと思っていた点なんですけれども、実は古物といいますと、世間一般からいうと美術とか骨とう品とか、そういうものを想定してイメージする方が多いわけですが、古物営業法の古物というのは、これは答弁求めるとまた時間が掛かりますからあれですが、例えば中古車は古物なんですね。それから、古物営業法の許可対象の事業者はどういうところがあるかというと、個別の企業名出すのもなんですが、例えばヨドバシカメラとかですね、これ古物商なんですよ。なぜかというと、それは中古品を少しでも売るし、下取りをされていますから。
 ですから、実は、古物に限定、古物に限定とおっしゃいますけれども、中古車事業者も一般の家電の量販店もこれ古物商なんですね。ですから、この規定は古物に限定していますというふうに大臣おっしゃると、一般の方々は、ああそうかそうかと、一部の美術とか骨とう品とか、そういうことを扱われる事業者が対象なのかというふうに思われるかもしれませんが、本当に幅広い事業者が古物を扱っておられるということは、これは委員の皆様にもあるいは国民の皆様にも知っていただかなければいけない。だからこそ私は懸念を、ひょっとしたら杞憂かもしれないけれども、懸念をしているわけでございます。
 確認的に、これもしあれだったら政府参考人から一言いただきたいんですけれども、今回の改正法におけるインターネットオークションへの規制というのは、インターネットオークション事業者というのは、これは古物であるか新品であるかを問わずオークションの掲示板なんかも立ち上げておられますが、その個別の規制というのは古物のみに掛かるわけですよね。新品の部分については掛からないと考えてよろしいですね。
#33
○政府参考人(瀬川勝久君) 御質問のとおりでございます。古物のみに掛かる規制でございます。
#34
○松井孝治君 もう一点伺いたいんですが、今回のインターネットオークションに係ります規制は、いわゆるCツーC、コンシューマーからコンシューマー、消費者から消費者という取引を念頭に置かれたものであって、BツーC、例えば問屋さんとかと消費者の関係とか、あるいはBツーB、事業者同士の関係というのは、ネット上での古物の取引として、今回の改正、インターネットオークションじゃなくて古物商自身についての規制の改正部分も今回の法律にありますが、そういう部分として規制対象になることはあったとしても、インターネットオークション規制、新たに導入されるインターネットオークション規制にBツーCとかBツーBは対象にならないと考えてよろしいでしょうか。これも政府参考人で結構です。
#35
○政府参考人(瀬川勝久君) 今回の改正によりまして古物競りあっせん業に係る規定を導入いたしますのは、正にインターネットにおける盗品の処分が多発したということに対するための必要最小限度の規制でありますが、御質問にありますとおり、インターネットオークションにおきましては、通常いわゆるCツーCの取引で行われているというふうに承知をしております。
 BツーC、BツーBの取引についてのお尋ねでございますが、これはインターネットオークション、いわゆるインターネットオークション、古物競りあっせん業に係る規制でございますので、競りの方法を用いていない限り、適用になることはございません。また、古物以外の商品が取り扱われるものについても規定の適用はございません。さらに、営業として反復継続性が認められないという場合にも適用されることがないものというふうに考えております。
#36
○松井孝治君 以下は個別にできるだけ、運用上これはっきりしない部分が多いものですから基本的に政府参考人にお尋ねをしておりますけれども、基本的にこれは大臣も御同席ですから、大臣も含めてそういう認識を共有していただいているという前提でお話をしております。もし、大臣において違うとおっしゃるんなら、ここの政府参考人の答弁はもう大臣も含めて、御同席の下での答弁だということをもう一度確認をした上で政府参考人にお伺いいたしますが、例えば私が自分のホームページからインターネットオークション、例えばヤフーさんならヤフーさんのオークションサイトに、ある出品物のページにリンクを張るとしますね。これは古物営業法のあっせんに該当しますか。
#37
○政府参考人(瀬川勝久君) 今回新たに規定をいたしますあっせんでございますけれども、これは古物を売却しようとする者と古物を買い受けようとする者が、その事業者の提供するシステムを利用することにより、競りの結果として相互に結び付くという機能が生ずることを指しております。
 したがいまして、御質問のようにインターネットオークションの古物が出品されているページへのリンクを張るというのみの行為にとどまるものである限り、そのような行為は古物競りあっせん業に該当するものではないと考えております。
#38
○松井孝治君 当然そうだと思います。
 ただ、本当に難しいのは、これ、インターネットオークション事業者というのも実は掲示板を貸しているだけなんですね。個別の売買というのは、その掲示板を見て後で連絡を取られた方々同士で行われるものであって、本当にじゃどこまでで線を切るのかというのは、今例えばリンクを張っただけではそれは対象にならないというふうにおっしゃいましたけれども、その線引きというのは非常に難しいんだということを今の御答弁を聞いてみられた方もお感じになられると思います。逆に言うと、リンク張っただけでも同じことじゃないかというふうに世の中には思っておられる方もいらっしゃるんです。それぐらいの規制が今回の規制であるということは申し上げておきたいと思います。
 余り時間がございませんので、ちょっと確認的に更に御答弁を求めていきたいと思います。
 この古物営業法でのあっせんという言葉が、これは衆議院の内閣委員会でも同僚の枝野議員から大分、大臣とやり取りがあって、文部科学省の政務官までおいでいただいて日本語の問題も含めて御議論をいただいたのを議事録で拝見をいたしましたが、やはり世間一般で言うあっせんという言葉とちょっと意味合いが違うんだなという気がいたしました。
 古物営業法で今回あっせんという言葉を用いておりますが、これは当たり前のことだと思いますが、このことによって他の法律で用いられているあっせんという言葉の概念が広がったり変わったりするということは当然ないと。本当はこれ法制局でも呼んで法制局に確認した方がいいのかもしれませんが、これ政府参考人にお尋ねしますが、当然そういうことはないと考えてよろしいですね。
#39
○政府参考人(瀬川勝久君) 他の法律の規定の解釈は、それぞれの法律の趣旨に従って行われるというものでありまして、今回の古物営業法の改正におきましてあっせんという用語を使用するかどうかということとは本来関係がないものというふうに考えております。
 したがいまして、この改正案であっせんという用語を用いることによりまして、ほかの法律で用いられているあっせんの概念が広がったり変更したりということはないものと考えております。
#40
○松井孝治君 ちょっと条文に即してお尋ねをしたいと思います。
 この法案の第二十一条の二に確認というのがあります、「相手方の確認」。古物競りあっせん業者は、いわゆるインターネットオークション業者は、古物の売却をしようとする者からのあっせんの申込みを受けようとするときは、その相手方の真偽を確認するための措置を取るように努めなければならないという規定がございます。
 これ、具体的にはどの程度の確認をすればいいんでしょうか。程度によって非常に事業者の負担も変わってくると思うんですが、具体的に教えていただけますか。
#41
○政府参考人(瀬川勝久君) いろいろな確認の方法が考えられると思いますが、例示的に申し上げますと、例えば古物の出品者から住所、氏名等の入力を受けると同時に、有効なクレジットカードや銀行口座の番号について、そのクレジットカードや銀行口座を使用するということを前提として登録を受けてリアルタイムで認証するということにしている事業者もおられます。そういったやり方は、相手方の真偽を確認するための措置に努めているというものと認められるというふうに考えております。
 そのほかにもいろいろな方法があろうかと思いますが、負担になるのではないかという御指摘でありますが、例えばこういったリアルタイムでの確認というものが非常に困難と認められる、非常に大きな負担となるというふうに認められる事業者につきましては、個別具体的に所要の配慮を行うことが必要だろうというふうに考えておりまして、例えばリアルタイムでは行わないけれども、ほかの経済的な負担が少ない手段で真偽を確認するための措置に努めるというような場合、またフリーメール以外の電子メールを利用した認証というようなやり方も考えられると思いますし、できるだけ負担の少ない方法での確認の措置を取るように努めていただきたいと考えております。
#42
○松井孝治君 是非、そこら辺の経済実態を踏まえていただきたいと思います。
 同時に、今、正に局長がおっしゃったように、もうこれやっているんですね、実を言うと。だから、やっている規定を導入する、だから実害がないだろうということで閣議決定に至っているんだと思いますが、本当に事業者間が自らの取引上の安全を確保するためにも当然そういうことをやるわけですね。そういうものをまた条文に書き込むという必要性がどこまで本当にあるのかなという気がいたします。
 続けます。
 法案の第二十一条の三、盗品の疑いがあると認めるときには警察官にその旨を申告しなければならないということで、インターネットオークション事業者に義務が掛かっていますけれども、これさっきから申し上げているように、インターネットオークション事業者というのは掲示板提供しているわけで、そこに入ってくるためにある種の確認を今求めているというのは事実ですが、本当にそれが盗品であるかどうかなんというのはこれ全く確認のすべが普通に考えてないんですね。それは警察庁の方もよく聞いておられると思いますけれども、具体的などこまでの確認をしなければいけないのか。盗品の疑いについて、これは例えばオークションの運営で知り得た情報ということでいいと解していいんでしょうか。
#43
○政府参考人(瀬川勝久君) 盗品等の疑いがあると認めるときといいますのは、盗品等の疑いを主観的に事業者が認めるときというふうに考えておりまして、例で申し上げますと、例えば古物競りあっせん業者が被害関係者から通報を受ける、その内容が非常に合理的で、確かにその方が被害に遭ったものだということが合理的に分かるというような場合でありますとか、あるいは、例えば公務員の身分証明書といった、盗難でありますとか横領とか、何らかの犯罪でなければそういったものは出てこないだろうというものが出品されているということを認識した場合というような場合には、古物競りあっせん業者においても盗品等の疑いを認めることができるのではないかと考えております。
 義務の内容でございますけれども、そういう疑いを認めたということを警察に申告していただくということで足りるものでありまして、特に出品物に盗品等の疑いがあるものが含まれているかどうか調査する義務を負うというようなものでは毛頭ございません。
#44
○松井孝治君 分かりました。非常に積極的に調査義務を負うことはないという御答弁だったと思います。
 次に、法案の第二十一条の四、ここに国家公安委員会規則で定める内容というのがございます。要するに、データ保管義務が掛かっているわけですが、保管努力義務が掛かっているわけですが、これもどの程度のものにすればいいのか。例えば半年間のログを残せばいいのか、もっと一年、二年残さなければいけないのか、あるいはそこはまだ省令で決めるのでこれからだということであれば、その省令を決めるときには当然、さっきのパブリックコメントの話がありましたけれども、ここの省令の決め方、あるいはそのイメージみたいなものがあれば御答弁ください。
#45
○政府参考人(瀬川勝久君) これは国家公安委員会規則において定めることとしているわけでございますが、例えば出品及び落札の年月日でありますとか、古物の品目、数量あるいは取引当事者の住所、氏名といったものはどうかということで検討することとしております。その保存期間等についても一定のものを定める必要があるだろうと考えております。しかし、御指摘ありましたログの保存というものを直接内容とすることは考えておりません。
 それから、その決め方でございますが、先ほどパブリックコメントの議論がございましたけれども、政省令規則等についてはこれはパブリックコメントを実施することとしておりまして、当然、この公安委員会規則の制定に当たりましてもパブリックコメントを実施することを予定しております。それからさらに、関係するインターネットオークション事業者の方々からもお話をよく伺いまして、必要な調整を十分図ってまいりたいと考えております。
#46
○松井孝治君 次に、法二十一条の六、ここに海外事業者の規定がございます。二十一条の五にマル適マークみたいなものがあって、これも非常に私は、こういう法規制でマル適マークを導入するのがいいかどうかは疑問がありますが、もう時間がありませんので意見を述べるのは差し控えますが、二十一条の六に、それは海外事業者にも適用すると書いてあります。海外事業者ということなんですが、これインターネットオークションの場合、何をもって国内事業者と海外事業者を区別するんですか。端的にお答えください。
#47
○政府参考人(瀬川勝久君) 事務所が国内にあるか海外にあるかということで判断しようと考えております。
#48
○松井孝治君 事務所とかなくてもインターネットオークションってできるんじゃないですか。ですから、事務所をあるかないかで一つ峻別されるという基準は明確に示されましたけれども、そもそも、事務所なくても海外でサーバー立ち上げて、国内に事務所なくたってインターネットオークションってできるんですよ、恐らく。だから、今のお話自身がやはりこの法律の本質を現していると思いますね。別にこれ答弁要りませんけれども、本当にこういう事務所が、じゃなければいいのかというと、幾らでも、そこが実際の犯罪の巣になってしまうということは考えようと思ったら幾らでも考えられるんですよ。ですから、やっぱり私はこれは、本当の規制って、別にもっと規制を強化しろという意味じゃないですよ。だけれども、そこに一つのこの法案の本質が現れているという意見を申し上げておきます。
 続けます。時間がありません。
 法案の第二十一条の七、「競りの中止」という条項がございます。これは、盗品であると疑うに足りる相当な理由があれば警察本部長等がそのオークションを中止しろということが言えるという規定でございますが、これ非常に難しい話でして、例えばある年式の、例えば平成十年型の白いカローラというものが最近盗まれたと。それが出ているということになったら競りの中止ができるんですか。そうすると、平成十年式の白いカローラと思われるようなものが出ている場合には、全部そのオークション、警察本部長の指示で止められるというふうな規定にも読めるわけですが、この警察本部長等の裁量の範囲が広過ぎないか。これについて、これはちょっと大臣、御答弁ください。
#49
○国務大臣(谷垣禎一君) 今のお尋ねの点は、じゃ、同じ年次の同じカローラの白いものを盗まれたとすれば全部止められるかと、それはそんなことはとんでもない話でありまして、社会通念上、その車が盗品であると疑う根拠がもう少し客観的、合理的でなきゃならないと思うんですね。例えて言えば、インターネットオークションに出品されている古物の特徴と、それから窃盗など財産犯の被害届が提出されているそのものとの特徴とか、シリアルナンバーなどによって合致する場合とか、あるいは官公庁の身分証明書など、窃盗や横領の被害に遭わなきゃ出品されることのないものが現に出品されている、こういう場合だろうと思います。
 そこで、今おっしゃったことは、余りにもそういう相当な理由とかいうような抽象的な文言が多くて概念が、構成要件が明確になっていないんではないかという御疑問をお持ちなのではないかと思いますが、実際にその執行に当たるのは都道府県警察の職員でございます。その適正な執行が確保されるように、この解釈、内容等については、通達等を作って都道府県警察の第一線に示すことを予定しております。
#50
○松井孝治君 正にそうなんですね。
 ですから、結局、私も警察庁の方とお話をしましたら、それが競りの中止まで行くかどうかという判断は、例えば平成十年型の白いカローラというのが出品されていたというときには、警察庁の職員の方が、じゃ、どういうものかということを、その買手を、ある意味では買手の立場でその方に対して、じゃ、これはどういう車ですかと更に詳細に確認をされる、それで、十分盗品と疑うに足りる理由がある、今、大臣がおっしゃったような理由がある場合には、それは競りの中止を求めるというふうにつながっていく。これはある意味では捜査上の問題と非常に混然一体としてくるわけですね。
 これは、警察の方は、捜査上の問題とは違います、行政規制ですというふうにおっしゃるんですが、じゃ、どういうものが盗品なのかどうかということになってくると、これはもう正に捜査上の問題なんですね。そういうことをしないと本当にオークションの中止というところまで行けない。あるいは、枝野議員が衆議院で話をされましたけれども、そのオークションの中止をした瞬間に、ああこれは警察から感づかれたなといって出品している人は分かるわけですよ。そうすると、また本当にそれが捜査上の判断として適切かどうかという問題にもなってくる。私が言いたいのは、この法案というのは、やはり非常に裁量の余地が広くて、しかもその裁量というのが、捜査当局の裁量、そういう情報との照合がなければある意味では実効性がない法案なわけであります。
 もう時間が来ましたので、本当はあと幾つかお伺いしたい点もあったんですけれども、インターネットオークションについては、まだ日本にそういうビジネスモデルが導入されて日もないわけです。その中でいろんな事業者が個別具体に、さっきの本人確認の手段を取るとか努力をしておられるわけです。そういう努力を待たずにこの規制をするというのは、非常にある意味では、捜査当局と一体である行政部署であるところの警察官署というものがこういうインターネットオークション規制を行うというのは、私は、非常に危険な部分があるし、裁量の余地が余りにも広過ぎる。しかも、その裁量というのがどうしても捜査当局の情報を得た裁量にならざるを得ない。この問題については非常に危険性がある。一定の、もちろん大臣がおっしゃった社会的な規制の必要性は分かるんですが、どうしても、警察当局がこういう規制に乗り出す、そうしたときに、過剰な規制にしたくないのでどうしても一定の規制に歯止めを掛けるためにも裁量の判断というものによらざるを得ない部分が出てくる。そこの裁量が警察当局の捜査上の裁量と混然一体としてしまうことについて非常な危惧を感じるわけであります。
 是非、石原大臣からは、今日は今後の見直しということについても考えていかなければいけないという御答弁がありました。また西川、加藤両副大臣は、インターネットビジネス、Eビジネス、電子商取引全般について慎重な今後の取組が必要だという話もございました。
#51
○委員長(小川敏夫君) 松井君、時間が過ぎておりますので、簡潔に願います。
#52
○松井孝治君 是非その点について政府部内の関係者に御努力を要請して、私の質問を終わりたいと思います。
#53
○白浜一良君 大臣、御苦労さまでございます。十五分でございますのであっという間に終わると思いますが。
 まず大臣にお聞きしたいと思いますが、今も懸念のお話ございました。しかし、こういう法案が出てくる背景というのがあるわけでございまして、便利な社会にますます時代はなっていきます。しかし、便利な社会になるということは、逆にその便利さを利用して様々な犯罪が生まれるのもまたこれ事実でございます。今回の法改正の大きなテーマになっていますのは、ネット社会になってきていますから、オークションも対面オークションじゃなしにこういうネットでオークションをやると、こういう時代になってきているわけで、多少調査されたんでしょう、若干の調査結果が出ておりますが、ネットオークションの場が盗品の売買に使われているということ、特に青少年の犯罪にこれつながっているという事実が実はあるわけでございまして、そういう面で今回の法改正と、こういうことでございます。
 しかし一方で、こういうものは本来、第三者機関を設けて自主規制方式でやった方がいいんじゃないかと、こういう考えも一つあるのもまた事実でございますが、今回法改正をされるということで、そういうふうに最終的に判断された意味というものをまず大臣からお伺いをしたいと思います。
#54
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、白浜委員おっしゃいますように、インターネットオークションを通じて、先ほどもるる申し上げておりますような匿名性とかそういうものを悪用して、青少年犯罪等、盗品等をそこで売却することが増えているという実情がございます。今、毎年、戦後最高の犯罪が行われている中で、その大部分は盗犯でございます。少年による盗犯が非常に増えている。ここにやはり、このインターネットオークションのような場に一つ誘因と言うとちょっと言葉は悪いんですが、悪用されている面がございますので、それを何とか抑えたいという気持ちは私どもに正直言ってございます。
 他方、先ほどから御議論のように、ここは自由に新しい手法を通じて発展していかなきゃならないところでありますから、我々も妙な踏み込みをしてはいけないという気持ちもこれは十分にあるわけでございまして、特に事業者に加重な負担を掛けて新しい業域の、領域の発展を阻害するというようなことはいけないと、こういう二つ中でどうしたらいいかということで今回を作ったわけでありますが、私は、最近の犯罪情勢を見ますと、警察だけの力でできるというようなことにはかなり限界があるのではないかと。やっぱり一般社会の御協力というもの、御理解を得ながらやっていくということでないと治安というものは再び確立することができないんではないかと、こんな気持ちを持っておりまして、今回の場合も、古物の取引にかかわっておられる古物商やあるいはインターネットオークション事業者に御協力をいただかないとなかなかできないんではないかと。そこで、できるだけ御負担を掛けないように、しかし協力していただく場を作るにはどうしたらいいかと、こんな発想で考えさせていただきました。
 えらい漠然とした話でございますが、そんな気持ちでございます。
#55
○白浜一良君 それで、私は、いろいろ問題はございますが、そういう面では一歩前進だと、こういうふうに受け止めておる一人でございます。
 それで、今回の法改正で一点だけちょっと局長にお伺いしますが、取引記録の原則保存、これを義務付けていらっしゃるわけですね。それで、対面販売の場合は帳簿を付けたりいろんな方法がございますよね。ネットでオークションでやる場合はそういうものがないわけですね。ですから、そこでおっしゃっている取引記録というのは、このネットオークションの場合は何を意味されておるんですか。
#56
○政府参考人(瀬川勝久君) 具体的には国家公安委員会規則等で決めることとしたいと考えておりますが、今検討しておりますのは、例えばインターネットオークションに出品した方あるいは申し込んだ方等に関しまして出品、落札の年月日でありますとか、どういう古物であるかという古物の品目数量でありますとか、取引当事者のお名前でありますとか、そういったことについて記録をしておいていただくということを考えているものでございます。通信の秘密その他の御議論も若干ございましたけれども、ログそのものを保存をすることを義務付けるというようなことは考えておりません。
#57
○白浜一良君 今おっしゃったことは言わば項目をおっしゃっているわけですね。そんなのだけれども、自主的に記録を残すわけじゃないわけで、ネット上に残っておるわけですね。ログ全体を証拠品として押収したり、そういうことはしないと、こういうことでいいんですか。
#58
○政府参考人(瀬川勝久君) 押収というお話でございますが、犯罪捜査の場合に、令状に基づきましてどのようなものを押収するかというのはまた別の問題だろうというふうに思います。
 今回、私どもが改正法でお願いをしておりますのは、記録されたものについて報告徴収の規定で報告していただくというようなことをお願いするというものがございます。これにつきましては、記録しておられる内容について文書等で回答していただければ足りるということで、ネット上のいろんな、何といいますか、ハードディスクとかそういったものに保管してある場合においてそのハードディスクそのものを何か提出を求めるとか、そういったものは本法においては想定をしていないところでございます。
#59
○白浜一良君 分かりました。じゃ、まあそういうことでお願いを申し上げたいと思います。
 それで、関連して、今回のネットオークションの話じゃないんですが、私、大臣、大手の書店から、昔からちょっと関係ございました、いろんな陳情を受けていることがありまして、これはいわゆる実際の本屋さんの盗品の話でございまして、それで私もこれ見せてもらったんですが、この日本書店商業組合連合会ですか、というのがございまして、それで平成十二年に万引きの実態調査をこの組合連合会でされているんですね。
 いろいろな調査結果が出ているんですが、これを見ますと、一店当たりの被害件数は十六件、八割が男性だと。階層別に言うと八割が小中学生、特に中学生が四〇%を占めていると。被害額は平均して一店舗当たり七十一万円。想定の万引き被害というのは売上額の〇・八五%、こういうことらしいんです。
 それで、大事なのはここでございまして、万引き発生状況の特徴として、近くに新古書店がある場合の一店当たりの被害件数は十八・一件。ところが本屋さんの近くに新古書店がない場合は十・九件、明らかに違うんですね。大きな本屋さんの近くに新古書店があって、そういうところは物すごく多いんですよ、万引き件数がですね、ない場合は少ない。これはもう明らかにデータとして出ているわけですね。ということは、非常に本屋さんの近くに新古書店があった場合はその本屋で万引きして換金しやすいと、こういう衝動性があるんでしょう。そういうことだと思います、このデータは。
 そういうことで、いろいろ問題点を私も今まで指摘してきたわけですが、この調査のデータに関しまして、大臣はどういう所感をお持ちになりますか。
#60
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、白浜委員がおっしゃった万引き問題実態調査報告書というんでしょうか、私もさっと目を通させていただいて、確かにいわゆる新古書店というのが近くにあるかどうかという比較を行って、近くにある方が万引きの被害が多いというデータが出ているわけですね。ただ、万引き被害が多いか少ないかというのは、その書店の規模とか店員数とか品ぞろえとか、そういったいろんな要素が多分影響しているんだろうと思うんです。お尋ねのはかなり大きな本屋さんがなさったんだろうと思うんですね。
 それで、またこの調査に回答した書店の数が全国の書店のうちのごく一部にとどまっておりますので、本調査結果をもって直ちに新古書店の増加か、万引きの増加かとちょっと断言しさるには若干ちゅうちょは覚えます。
 しかし、過去、都道府県警を通じてのサンプル調査を実施した結果によりますと、換金目的の万引きの事例というのもやっぱりある程度あるわけですね。だから、そしてその処分先に当然新古書店が含まれるということも事実だろうと、こう思っております。
#61
○白浜一良君 それは当然断定できないんですけれども、ちっちゃな本屋で、見渡せるところは万引きないんですよ。やっぱり大きな書店でなかなか隅から隅まで目が行き届かないところが被害に遭うわけで、当然でございまして、何らかのそういう誘発要因になっているということを私は申し上げているわけです。
 前回、この古物営業法改正のときにいろいろ議論があったんですが、平成七年の当時は地行委員会というところで法案審議をされていたんですが、そのときに、当時の局長の答弁で、各店ごとに管理者を置き、買取りなど業務一切をアルバイト任せにするというようなことがないよう、また盗難品の買取りが行われないように責任を持って従業員を指導監督させると、このように当時の局長は答弁をされているわけでございますが、しかし、それ以後も、法改正してそれ以後もこういう答弁されているんですが、決して減っていない、こういう事実をどう受け止めていらっしゃいますか。
#62
○政府参考人(瀬川勝久君) 御指摘の問題につきましては、警察庁も書店の方からいろいろ御意見も伺っておりますし、都道府県警察を通じて先ほど大臣も答弁いたしましたようにサンプル調査も実施をしております。それから、新古書店に対しましても買取り時の本人確認義務でありますとか、不正品の申告義務を確実に履行するように社員に対する指導、教育を徹底するようにという行政指導をしております。
 これによりまして、新古書店側も平成十三年の十二月でございますが、万引き商品買取り防止のためにリサイクルブックストア協議会というようなものを設立をしていただきまして業界としてこの問題に取り組んだり、あるいは法律上は求められていない一万円未満の買取りであっても、業者によっては相手方の、持ち込んできた人の身分確認をするというような自主的な措置も講じられております。
 それから、その管理者の問題でありますが、社員教育の問題ということだろうと思いますが、これも御努力をいただいておりまして、警察も協力して行っております。先般も、警視庁管内でございますが、このリサイクルブックストア協議会が主催して加盟五社の店長五百名に対していろいろ防犯上の講習を行うというような会を行いました。警視庁からも担当者を講師として派遣するなど、協力を行っているところでございます。
 今後とも、書店主の方あるいは新古書店側とよく連絡を取りまして、こういった万引きの防止に努めてまいりたいと考えております。
#63
○白浜一良君 もう時間なのでこれ以上議論できない。大臣、やっぱりこれ、時間ないので聞けないんですが、立入検査もできるんですよ。やっぱり強い意思をある意味で示さないといけない面もあると思うんで、今回のネットオークションの件もそうでございますが、やっぱり実効性がある、歯止めになるということが大事でございまして、最後に大臣の御決意を伺って、質問を終わります。
#64
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、書店における万引きを取り上げられましたけれども、万引きは特別な技術は必要としないけれども、したがって手を染めやすい、ほっておくとこれは法軽視とか盗犯を増やしていくということになりますので、これはきちっと取り組まなきゃならぬと思っております。
 そういう意味で、それぞれの店舗にもいろいろな取組をしていただいておりますが、そういうのを更にお願いすると同時に、先ほど局長が申しました協議会などを通じて新古書店業界の対策、きちっとやってもらうように更に働き掛けたいと思っておりますし、そのほか非行防止教室などを警察もいろいろやっておりますが、そういうものを通じて万引きの対策はきちっとやっていきたいと、こう思っております。
#65
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 古物営業法改正のまず目的を伺いますが、インターネット上で古物などの売買がかつてなく大量に行われるようになって、便利さもある反面、トラブルも多発しています。今回の改正案は、インターネットオークションでの盗品の売買防止のために、ネットオークションの場を提供している業者に対して一定の規制を行うというものですね。したがって、扱われた商品に不具合があるとか、見込み違いなどのトラブル予防、被害者から買手を保護することなどは直接的には目的とするものではないと、このように理解しております。
 今回の法改正によって古物営業法の法益の変更はないと、こういうことでよろしいですか。大臣に一番基本的な、法益はちょっと難しいからいいですけれども、そういうことですねという。大臣に。
#66
○国務大臣(谷垣禎一君) 易しいところをお答えいたしますが、今、委員がおっしゃったようなことで、あくまで盗犯というか、盗まれた物、そういうものの防止を目的としておるということでございます。
#67
○吉川春子君 警察庁が発表したネットオークションでの盗品売買の推計値は大変大きなものです。それをもって警察庁は法律の必要性を強調しております。また、マスコミ報道で、見えぬ取引、犯罪の温床などという報道もあります。
 それで、伺いますが、盗品がそれほど多数出回っているものなのかどうか、ネットオークションの出品数と、推計値ではない実際に盗品等の処分件数について御報告ください。
#68
○政府参考人(瀬川勝久君) ネットオークションの出品数については、現時点のものは全体は正確にはちょっと把握をしておりませんが、ヤフーで約三百万ぐらいという大まかな数字で認識をしております。非常に動く数字でございますので、正確なお答えはちょっといたしかねます。
 それから、盗品等の発見といいますか処分の状況でございますが、これは平成十二年の一月一日から平成十四年の九月三十日までの間の調査でございますけれども、件数で六百三十件、処分額で二千三百六十五万六千円というふうになっております。
#69
○吉川春子君 出品数をどういうふうに調べるかなんですけれども、瞬間的に今どれぐらいという数で見た数字だと思うんですけれども、私は一億四千万件の出品数があると、ヤフーで、昨年末だけで、というふうに聞いております。いずれにしても、その中で今の六百三十件という数は非常に少ない、発見数が少ない、検挙数が少ないというふうに言えると思います。しかもこれは、今おっしゃったヤフーが本人確認を導入後は犯罪件数は減少していると。やっぱり業者の自主努力で減らせるということも明らかになっております。
 それで、昨年の八月に、先ほど来議論がありました高度情報ネットワーク社会における古物営業の在り方等について、セキュリティシステム研究会、これは警察安全局長以下、警察とか業界の社長、経団連、法律学者などがメンバーですけれども、報告書が出ています。
 内容は、ネットオークションについては業界においてガイドラインを作成し、これに基づく自主規制を進めていく方法も効果的だ、法的規制についてはその自主規制の効果を踏まえてなお必要があるかどうか見極めていくべきだとしています。そして、ネットオークションの盗品流通防止は幅広い関係者の自主的な取組に負うところが多いとの意見の一致を見たと言っています。また、必ずしも現在の古物営業法の枠組みにとらわれない幅広い議論が必要になる、こういう指摘がなされているわけですが、報告書の結論とは逆に法による規制を行うことにした理由について、大臣、簡単に御説明していただきたいと思います。
#70
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、吉川委員おっしゃいましたように、その研究会でいろいろ御議論をいただいたわけです。それで、去年八月は、研究会から、今後速やかに高度情報通信ネットワーク社会における総合的な盗品等流通防止対策について成案を得て国民に問うべき旨の提言を受けまして、それを受けて警察庁で関係者といろいろ議論をしながら、古物営業法の一部改正ということで対応しようという検討を進めたというふうに理解をしております。
 特に、改正法のインターネットオークション関連部分につきましては、去年の十月から十二月にかけまして、対象となる事業者に法案の骨子を詳細に説明して、了承を得ながら事業者の意見も取り入れて作成作業を進めたと、こういうことでございます。その後は研究会で改正内容の骨子を検討いただきまして、今年の二月には、その目的にかなった適切なものであるという理解をいただいて、政府部内の調整を経て今年三月十五日に閣議決定をして国会に提出させていただいたと、こういう経緯でございます。
#71
○吉川春子君 法案の骨子を研究会で検討したということを私は聞いているのではなくて、研究会の結論が出て四か月ぐらいの間に法案を作るという決断を警察がして、そしてその法案を作るという方向に行ったと、その変化はなぜ生じたのかということを私は伺ったんですが、了解も得られたという今お話ですが、私は業界については限りなく反対に近いのかなと業界の声明を読んで認識をいたしました。
 つまり、法案が成立した後の法の運用、適用について過剰な規制がないように制度的担保が明確になっていない点に強い懸念がある、それから、定義にあっせんという文言が引用されていることは法技術として稚拙である、あっせんの問題についてはこの後でまた伺いますが、として、業界として法案に反対するという立場に固執するのではなくという文言は入っているんですけれども、国会で御議論いただくことが重要であるというふうにしていますね。だから、もう断固法規制でいくんだと、こういう結論を警察が出したので、それは了解したというより了解させられたということが業者と警察の文書のやり取りの中ににじみ出ているというふうに思いますが、その点については、大臣、いかがですか。
#72
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の御質問は事業者の理解という点ですか。
#73
○吉川春子君 そうです。
#74
○国務大臣(谷垣禎一君) その点では、今、委員もおっしゃったんですけれども、ヤフー、それからディー・エヌ・エーですね、それから楽天、これが三大事業者であると思いますが、この三社の役員といろいろ議論、会談をしまして説明に努めまして、そういう理解を求めた結果、今これは議員も一部お引きになりましたけれども、これまで説明してきたとおりの適正な法運用がなされることを担保されることを前提として従来の反対の立場を撤回すると、こういう形になったわけです。
 その中に、確かに事業者として法案に反対するという立場に固執するのではなくというふうに書いてあるわけですが、今申し上げたような趣旨でございます。
#75
○吉川春子君 じゃ、局長、お手を挙げていたので伺いますが、今、大臣が言われた担保が明確になっているということを前提として撤回すると、その文章はどこにあるのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
#76
○政府参考人(瀬川勝久君) 今回の規制は、私ども、盗品等の流通の防止を図るため、現状にかんがみまして必要最小限度のものというふうに考えておりますが、関係の事業者の方とは累次文書等のやり取りもしておりますし、それからいろいろ御説明もしております。それからさらに、事業者の方等は、正にこの国会等の審議におきまして今お尋ねにありますような点についてお答えをさせていただいておりますが、そういったことが、審議を通じて私どもの考え方というものが明らかにこの国会の場でされていくということについて担保されるという意味で表現をしておられるものというふうに考えております。
#77
○吉川春子君 事務当局なんですから、具体的に、技術的に、ここにこういう資料がありますというふうに、聞いたらそこを示すという答弁を是非お願いしたいと思います。
 実は、そういう制度的担保が明確になっていない懸念があると業者は言っているんであって、担保があるのでこれを撤回するという文章は、レクのときも伺いましたけれども、それはないという説明でありました。
 それで、業界の問題について、じゃ関連して伺いますけれども、あっせんの意味について、これについては大変問題点が業界からも指摘されておりますが、私自身も問題だと思うので伺います。
 今回の改正の二条で、古物営業の業者の中に古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法により行う業者、こういう定義が三号にあるんですけれども、あっせんという言葉は物事を仲介するとか取り持つという意味ですけれども、インターネットオークションの場を提供する行為をあっせんというふうに呼ぶということは日本語の意味からも適切ではないと思いますが、この点は端的に言ってくださいね、延々と説明受けていますが、エキスだけ言ってください。
#78
○政府参考人(瀬川勝久君) 古物営業法で今回使いましたあっせんといいますのは、インターネットオークション事業者について規定全体の中でその意味を考えたときに、古物を売却しようとする者と古物を買い受けようとする者とが、その事業者の提供するシステムを利用することによって、競りの結果として相互に結び付くという機能が生ずることを指すものであります。
 古物営業法においてはこういった意味で用いられておりまして、いわゆるインターネットオークションの性格を表すのに最も適切な用語であると考えております。
#79
○吉川春子君 業界の方として、自分たちはあっせんということはやっていないと、それで古物競り広告業という呼び名はどうですかという提案を出していますね。この広告業という呼び名を退けた理由は端的に何ですか。
#80
○政府参考人(瀬川勝久君) 広告という言葉でございますけれども、これは売主の意向を広く一般の人に知らせることを意味するわけでありまして、ただいま申し上げましたようなインターネットオークションにおきまして古物の売買をしようとする者が、提供されるシステムを利用することによりまして競りの結果として相互に結び付くという機能について十分表現するものとは言えないということで、その広告という用語は使わなかったわけでございます。
#81
○吉川春子君 あっせんということの方がもっとちょっと実態と合わないという疑いは私も業者ならずとも持つなということを強く思うわけです。
 それで、古物競りあっせん業者は営業開始から二週間以内に公安委員会に届出の義務を負うということになっていますね。だれが届け出るのかという問題で、業者の側は、インターネットオークションは種々の形態があり、現在の多くのサイトが提供しているものは競り売りではなく一種の広告にすぎない。仮にインターネット上の競り売りについて届出制としても、オークションサイトはその対象外となると考えるというふうにも言っているわけですね。
 警察庁自身も、あっせんという文言は、今、局長は完璧なものだとおっしゃったけれども、文書で活字になっている中にはあっせんという文言はネットオークションを表す用語として完璧なものではないというふうにおっしゃっているんですね。ないものの、法令用語として表現するために選択できる文言を検討した結果、あっせんというものになったというふうに言っているんですけれども、非常にだれが届出対象者なのかはっきりしないということにもなりかねず、届出制はこのあっせんという言葉を使ったために有名無実になるおそれはありませんか。
#82
○政府参考人(瀬川勝久君) あっせんという、これが完璧だと申し上げたつもりはございません。最も、その機能を表現するのに最も適切なものと考えているというふうに申し上げたものでございます。
 それから、当該事業者の提供するシステムを利用することによりまして、競りの結果として相互に結び付くということでございますので、そういう競りを行えるようなシステムを提供している事業者において届出をしていただくというふうに考えております。
#83
○吉川春子君 あっせんという用語をめぐっていろんな解釈があって、国会でもいろんな議論があるわけですけれども、そういう疑いを持たれるような文言については、これは刑罰を伴う、古物営業法は刑罰を伴う法案でもありますので明確に定義を法文上にしておくべきだと思います。あっせん収賄罪とかあるいはあっせん利得罪とか、そういうものに定義がないからといって、それはもうあっせんの日本語どおりの言葉を使った法律でございまして、今度の場合は非常にそのあっせんという言葉に新たな意味を加えるような用い方がされているわけですから、これは法文上に定義を置くべきではないかと思うんですが、置かなかったのはなぜでしょう。
#84
○政府参考人(瀬川勝久君) あっせんという言葉でございますが、一般的にある人とその相手方の間の交渉が円滑に行われるように第三者が世話するということを意味すると考えておりまして、今回のお願いしております改正法におきますあっせんもこういった意味の言葉の中に入っているものというふうに、含まれるものというふうに考えております。
 また、あっせんの、何といいますか、この法律における具体的な意味合いにつきましては、この法令に則して解釈されるべきものでありまして、その意義というのは先ほど来御説明をしておるところで明らかなものだと考えております。
#85
○吉川春子君 ですから、確信を持ってそういう言葉を使うのであれば、国民の側に混乱が起きないように定義規定を置くのが私は筋ではないかと思います。
 また、例えば国家公安委員会の定める盗品売買防止、速やかな発見などの基準に適合することについて公安委員会の認定を受けることができる、その旨表示することができると二十一条の五、一項、二項に定められておりまして、いわゆるマル適マークを与えるということになっております。しかし、オークション業者は売買される個々の商品について点検して保証するものではなくて、同時に、さっきの警察の数字でも四百万点もの商品が取引されており、そういうことをするのは不可能ですね。かえってマル適マークの表示は個々の取引において内容も保証されるものだという誤解を利用者に与えかねないのではないでしょうか。
 そして、いわゆるあっせん行為もしていないのであるし、こういうマル適マークを与えるということは、警察の仕事を増やすという以外には余り意味がないのではないかと思うんですけれども、その点については大臣はどうお考えでしょうか。
#86
○国務大臣(谷垣禎一君) 余り実効性がないんではないかというお問い掛けですが、これは、利用者に推奨するとともに、利用者自身が安全な取引を提供してくれるインターネットオークションを判別することができるようにする意味ですが、今おっしゃったように、何と言うのでしょうか、これはそれでもって全部、無数にある取引を全部保証できるわけではもちろんありません。
 もちろんありませんが、例えば本人確認に努力をするとか、本人確認の方法をいろいろ考えるとか、そういう手法をきちっと取っていただいているところは、全体として、何か起こったときにそれに対する、例えばそこで売買したようなものは、盗品であれば、即時取得、あれ売買何か月か、二年でしたっけ、二年例外がありますから、仮に盗品であれば二年間は返さなきゃならないという取引の不安があるわけですね。そういう場合に、やっぱり一定の本人確認なんかの努力をしておられる売買商というかインターネットオークションでやれば、いろんな後の手掛かりが出てくるわけです。
 完璧に、じゃそれで全部売買を、盗品の売買を取り締まれるか、なくせるかといえば、それはそんなことは申し上げられませんが、いろんなことを押さえていく手掛かりをきちっと持ったオークション市場であると、こういうことだろうと思います。
#87
○吉川春子君 例えば三大業者というのが今ほとんど一〇〇%このネットオークションの場を扱っているわけで、しかもそのうち九割がヤフーというふうに聞いております。ヤフーにマル適マークが付いていようがいまいが、これを利用せざるを得ないと。そして、特にその商品の、今、大臣がお認めになったように、その商品の安全性というものを、この業者はそういうものを確認して扱っているということでは毛頭ないわけですから、私は余りこのマル適マークというのは意味がないなというふうに考えているわけです。
 それで、もう一つ重要な問題について伺わなくてはなりません。それは、盗品等の疑いのある古物について直ちに警察へ申告しなくてはならないと、努力義務規定かもしれませんが、こうなっております。実際は、平成十二年、十三年の間のネットオークションにおける警察の盗品の検挙数は三百八十二件でありましたけれども、出品総数一億四千万点の中で、ヤフーが、業者が発見することができた盗品はゼロと聞いております。そして、利用者からの申告で盗品であったと判断できたものもゼロですね。
 ですから、要するに警察がネットオークションの場を見ていて、盗品かなと思ってそれで捜査に乗り出して検挙したという数字がさっきの数字でありまして、業者自身とかあるいは利用者の申告によって盗品売買防止の効果が上がったものは、今まではゼロ、今度は少しは出るのかどうか分かりませんけれども、その効果の割には今度は規制が掛かるというリスクがあるわけで、このリスクの方が非常に大きいのではないかと、このように思いますが、いかがでしょうか。
#88
○国務大臣(谷垣禎一君) 実際どれほど盗品を摘発できたかというと、確かに数は余り多くないわけです。しかし、検挙率とかあるいは被害届率というようなものを掛けてみますと、相当な暗数があるというふうに私たちは理解をしているわけです。
 それから、自主的努力によっては、これだけあるときに業者はもう実際は何もできないじゃないかというわけですが、しかし被害関係者から合理的な内容の通報を受ける場合というのはやっぱり私はあり得るだろうと思いますし、盗難や横領に遭わなければ出品されるとは考えられない物品が出品されるという場合もあり得るわけですね。
 現実に発売前の人気ゲームソフトがインターネットオークションに出品されている。これはオークション業者が見付けたわけではありませんが、そのソフトのメーカーが発見して、当該ゲームソフトは盗品であるというふうに判定された例がございます。
 ですから、外形的に判断できたり、あるいは通報によって判断できる場合というのは私は十分にあり得ることでして、そういう場合はやはり届出義務というものを遵守し届け出るということをやっていただいたら随分犯罪の抑圧、防止に資するというふうに私は思います。
#89
○吉川春子君 今、大臣がおっしゃったのはメーカーですよね。メーカーというのは競りあっせん業者ではないわけで、私が今伺ったのは、この法律に言う競りあっせん業者が届出義務を今度負うことになる、それについての効果はいかがなものかというふうに疑問を呈しました。
 それから、相当数の暗数があるというお話もされまして、この計算の根拠については詳しく伺うと実は大変興味深い数字になると思うんですが、時間がありませんのでちょっと今日はできませんが、その相当の暗数があるという計算自体が非常に疑わしいのではないかという指摘もあるわけです。
 それで、もう一つ、これが最後の質問になりそうなんですけれども、古物競りあっせん業者は、古物の売買をしようとする者のあっせんを行ったときは、書面又は電磁的方法による記録の作成、保存に努めなければならないと。先ほど来同僚議員の質問にもありました。これらは、憲法二十一条二項、あるいは電気通信事業法の通信の秘密保持との関係で大変問題が大きいと思います。不正アクセス防止法に対する附帯決議として参議院の地方行政・警察委員会が、通信履歴、ログについては、憲法に保障されている通信の秘密の趣旨を損なうことがないように慎重に取り扱うことという決議を付しています。
 先ほど、ハードディスクそのものを提出を求めるんじゃないと局長の答弁があったんですけれども、このような通信履歴の作成を業者に一定の、ハードディスクはないにしても、これをその業者に命じて、警察が必要に応じて閲覧できるという体制は、やはり私は通信の秘密とか憲法に抵触するおそれさえあるのではないかと。盗品売買を防ぐというこの目的の下に個人情報の保護が危機にさらされるというような、両方の法益を比較考量した場合はもう明らかに前者だと思うんですけれども、そういう危惧があるものにそこまでやっていいのかと、こういう思いが強いんですけれども、この点について大臣の認識を伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどの、ちょっと付け加えますが、メーカーが発売前のゲームソフトを発見したという事例ですが、発見したのはメーカーです。それで、そのメーカーは、インターネットオークションをやっている事業者に、これは盗品ですよというふうに通報した事例でございます。ですから、そういうふうに通報された場合には十分に協力をしていただくことができるのではないかなと思っております。
 それから、通信の秘密との関係をおっしゃいましたけれども、直接ログの保存自体を努力義務の内容としているわけではありません。先ほども局長が御答弁したと思いますが、一定の盗品等の速やかな発見等を図る観点からこれこれを記録しておいてくれということをお願いしているわけでありまして、通信の秘密と抵触するものではないというふうに思っております。
#91
○吉川春子君 ログそれ自体、全部じゃないんですけれども、九割方ですね、いろいろ警察からお話を伺うと、九割方、それは出さなきゃ、保存しなきゃならないと。どこの、職場のか、自宅のか、カフェで、どのコンピューターから発信したのか、そういうことまで必要ないという程度の問題でして、私は、この問題はかなり重要だということを指摘いたしまして、時間ですので質問を終わります。
#92
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康でございます。
 平成十三年八月に出されましたセキュリティシステム研究会の報告書「高度情報通信ネットワーク社会における古物営業のあり方等について」の中で、三つの問題点が指摘されております。一つは、無許可営業の検挙事例が顕在化していること、二つ目に、現行古物営業法に基づく諸規制が適合していないこと、三つ目に、ネットオークションに盗品等の出品による検挙事例が相次いでいることの三つであります。
 そこで、幾つかの点についてお尋ねいたします。
 まず、無許可営業と盗品販売の相関関係はどのようになっているのか、その現状についてお伺いいたします。
#93
○政府参考人(瀬川勝久君) インターネットを利用した取引は匿名性があるということで、いつでもどこからでも参加できるというものでございます。そのため、インターネット上では意図的に古物営業法の規制を逃れるということも簡単でありますし、また十分な法的知識がないままに無許可で古物営業を営んでしまうというような危険性も高いと考えられるわけであります。これは、言わば違法行為が行われやすい環境であるとも言えるわけでありまして、例えば少年の盗品等処分事例も多発しているというようなことからも、盗品の処分に非常に適しているというふうに見られるところであります。現に、ネット上での古物の無許可営業というのも顕在化をしております。これにつきましては、古物業界からも規制の要望がなされているところでございます。
 それから、無許可で営業を営む者につきましては、古物営業法で例えばいろいろ盗品等の売買防止等のために遵守事項等を決めておるわけでございますが、これはもちろんでございますけれども、そういった遵守事項をこの無許可でやっている方々が遵守するといいますか、適切にその遵守事項を履行するということは必ずしも期待できないわけでありまして、そういった無許可の形での古物の取引が増大すれば、必然的に盗品等の売買が増加をされるということを懸念しているわけでございます。
#94
○島袋宗康君 次に、ネットオークション大手事業者の出品物における盗品発見の現状はどのようになっているのか、お伺いいたします。
#95
○政府参考人(瀬川勝久君) インターネットオークションにおける盗品等の処分状況でございますが、私どもが都道府県警察を通じて調査した結果によりますと、平成十二年の一月から十四年九月までの二年九か月でございますが、件数にいたしまして六百三十件、金額で二千三百六十六万という状況でございます。これに、窃盗犯の検挙率や被害届出率に基づきまして暗数を推計をしてみました。といいますのは、警察が把握、検挙しているというのは非常に潜在化している事例の一部、氷山の言わば一角にすぎないということで推計を試みたわけでございますが、その結果、全体では八千七百件、三億五千万程度に達しているというふうに認められるところでございます。
#96
○島袋宗康君 ネットオークションにおける盗品等の出品による検挙はどのような経過で発見され、検挙されるに至っているのか、お伺いします。
#97
○政府参考人(瀬川勝久君) 事例的に申し上げてみたいと思いますけれども、例えば、窃盗の被害者がインターネットオークションを閲覧をしておりまして被害品を探していたと、その結果、自分の被害品とシリアルナンバーが一致する、あるいは特徴が一致をするというものが出品されているのを発見する場合というのが現実にございます。
 それから、警察等のサイバーパトロールというのを警察は実施をしておりますが、これによりまして、非常に不自然な形で出品されているといいますか、犯罪の被害に遭わなければ出品されないような物が出品されているというようなものを見付ける場合もございます。
 こういった場合に、警察といたしましては、刑事訴訟法に基づき、犯罪がありと思料する場合は捜査を開始するということになるわけでございますが、捜査の過程におきましては、必然的にインターネットオークション事業者の方々の協力も得るなどいたしまして、出品者について人定事項などを把握し、その処分ルートの解明を進めて犯人を割り出していく、こういう流れになっていくものというふうに言えようかと思います。
#98
○島袋宗康君 個人のいわゆる出品物に対して、いわゆるこれが盗品であるというふうなことについて、警察はどのようにその出品物に対しての盗品であるということを判断するような段階、そういったふうな段階はどういう経過でなされるのか、お尋ねします。
#99
○政府参考人(瀬川勝久君) ケース・バイ・ケースでいろんな場合があるだろうと思いますけれども、例えば、非常に特徴のある物あるいは非常に希少、高価な物というようなものにつきまして被害届が出されている場合に、サイバーパトロールといいますか、インターネットオークションにつきましてずっと警察でそういうものを閲覧をしていく中で、そういった被害届が出されている物について合致するものを発見するということはございます。
 それから、最近あった事例でございますけれども、実際に弾丸を発射することができるけん銃がインターネットオークション上で取引をされていたというような事例もございまして、これも警察がいろいろサイバーパトロール等を実施する中で発見をし、犯人の検挙に至っている、こういうような事例がございます。
#100
○島袋宗康君 それから、外国人による盗品等の出品の事例はどのようになっておりますか。また、日本人によるものと比率はどのようになっているのか、お伺いいたします。
#101
○政府参考人(瀬川勝久君) インターネットオークションにおける盗品等の処分状況につきましては先ほど御説明したとおりでございますが、その出品者が外国人か日本人かという国籍での調査は私ども実はしておりませんので、御質問の事例につきましてただいまここでお答えできないことを御了解いただきたいと思います。
#102
○島袋宗康君 その外国人による盗品出品についてのいわゆる日本人との比較、そういったふうなものについては私は是非必要だと思うんですよね。ですから、これはやっぱりお答えがないというのは非常に残念に思いますけれども。
 やっぱり外国人の犯罪が非常に多くなっていると、あちこちで盗難事件が発生するというふうな状況ですから、警察でより日本人との比較、外国人がいかに犯罪が多いのかというふうなことをやっぱり国民に一定の知らせは必要じゃないかというふうに思いますが、その辺についてはどうお考えですか。
#103
○政府参考人(瀬川勝久君) 大変貴重な御指摘だと思いますので、今後は是非その点にも十分配慮して調査することとしてまいりたいと考えます。
#104
○島袋宗康君 平成十四年二月一日のセキュリティシステム研究会による「古物営業法の一部改正についての意見」の中で、インターネットオークションの運営基準の内容等について、運営基準の内容の検討に当たっては、インターネットオークション業者が盗品等の売買防止等のための措置を的確に実施するための専任組織、そして責任者を設けることについても考慮すべきであるというふうにしておりますけれども、この点は今回の改正案についてどう反映されているのか、お伺いいたします。
#105
○政府参考人(瀬川勝久君) このセキュリティシステム研究会の文書にございます運営基準でございますが、これは、この改正法の二十一条の五にあります業務の実施方法の認定の基準という形で法律に盛り込んでいるものでございます。
 その内容でございますけれども、盗品等の売買防止及び速やかな発見に資するものを内容としていろいろ決めていきたいと考えておりますが、具体的には、今後のことでございますが、インターネットオークション事業者の意見も踏まえながら検討していきたいというふうに考えております。その中で、その研究会にあります、またお尋ねにあります専任組織や責任者についてどのように取り扱うか、十分事業者の方の御意見も聞きながら決めていくこととしたいと考えております。
#106
○島袋宗康君 この専任組織あるいは責任者というのは法律で定められているわけですから、一定の、やっぱりいつごろまでにこうやるというふうなことは考えておりますか。
#107
○政府参考人(瀬川勝久君) この法律につきましては公布後一年をもって施行するということとしておりますので、その時期までに十分検討をして制定してまいりたいと考えております。
#108
○島袋宗康君 憲法二十一条の通信の秘密及び検閲の禁止との関係で今回の古物営業法の改正における問題点が指摘されていると思いますが、それはどのような点なのか、そして憲法二十一条の規定を今次の改正案はどのようにクリアしているとお考えなのか、御所見を承りたいと思います。
#109
○国務大臣(谷垣禎一君) 憲法二十一条との関係につきましては、今度の法律では、古物競りあっせん業者に係る記録の作成それから保存、この努力義務、それから報告徴収をする、求めると、こういう規定がございますが、これが憲法二十一条に定める通信の秘密と抵触するのかどうかと、こういう点を政府部内でも検討したところでございます。先ほど来の御議論にもございますが、いわゆるログそのものの保管を義務付けているわけではない、こういうことで通信の秘密と抵触しないという検討結果でございました。
 それから、改正法による記録の作成、保存あるいは報告徴収についても通信の秘密に触れるような運用ということは想定していないところでございまして、その点についても関係省庁とも協議を詰めた上でこのような成案を得たわけでございます。今後とも運用に当たりましては、当然のことながら憲法二十一条ということを十分に想定しながら運用していかなければならないと思っております。
#110
○島袋宗康君 それで、今危惧されているのが、この法律が制定されることによって憲法二十一条の問題点について政府が余り積極的にそのことを、憲法違反するようなことがあってはならないというふうにやっぱり危惧するわけですよね。その点についてのしっかりしたやっぱり対策を立てないと、国民は、何でも政府が規制することによってある意味ではこれも秘密条項が侵されるんじゃないかというふうなことも危惧しているわけですから、その点についてやっぱりきっちりとした方策を立てないといかぬじゃないかというふうに思いますけれども、もう一度長官のお考えを聞きたいと思います。
#111
○国務大臣(谷垣禎一君) その辺は十分念頭に置いて今後の運用を図っていきたいと思っております。
#112
○島袋宗康君 ネットワークオークション事業者等の自主規制のためのガイドライン作成の問題は現在どのようになっているんですか。
#113
○政府参考人(瀬川勝久君) インターネットオークション事業者の自主的な取組の現状についてのお尋ねということだろうと思いますが、大手三社について見ますと、例えばクレジットカード認証による本人確認措置というようなものを取っておりますし、それからフリーメールアドレスの登録禁止でありますとか、あるいは一定の出品物についてはシリアルナンバーを表示をするというような措置が規約で定められております。
 それ以外には、例えば事業者が落札者から商品代金を一時預かって、商品が出品者から落札者に渡った時点で出品者の銀行口座に振り込むという制度を採用したりしております。これは、言わば詐欺被害のようなものを防止するための措置でございます。それから、フリーメールアドレスの登録をもう規約で禁止をしているというような事業者も、大手三社以外の事業者でもございます。
 インターネットオークション事業者が行っておりますこういった自主的な取組は、盗品等の流通防止と被害の回復を図るという観点で大変意義のあることであるというふうに考えているところでございます。
#114
○島袋宗康君 終わります。
#115
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。
 今回のこの古物営業法の一部を改正する法律案には、ネットオークション業者に対して規制を掛けて、盗品が流通する前に取締りをして盗品の売買を防ごうとする、そういう意味もあります。しかし、本来、盗品については被害者届に基づいて警察が捜査するということになっていると思います。ところが、実際には警察は余りその仕事を果たしていないわけですね。盗品を発見することが十分にできていないというのは、私は警察サイドの捜査体制に問題があるのではないかと思います。
 先ほど瀬川局長はサイバーパトロールという言葉を口になさいましたけれども、警察内の組織には最新のインターネット技術を駆使したサイバーパトロールという部署があるということですが、このインターネット上の盗品に対してはどの程度の成果を上げておいでなのでしょうか。
#116
○政府参考人(瀬川勝久君) サイバーパトロールと私ども言っておりますのは、ネットワーク上を流通する違法有害な情報を把握していろいろな各種措置を講ずるというための警察活動を指しておるわけでございますが、積極的……
#117
○田嶋陽子君 簡単にお願いします。
#118
○政府参考人(瀬川勝久君) はい。
 サイバーパトロールによる具体的な成果事例といたしましては、例えば、駐車中の車から盗まれたタイヤを売りさばいていた事案をサイバーパトロールで発見したというような事例でありますとか、先ほどちょっと御答弁いたしましたが、けん銃を密売していたというようなものをサイバーパトロールで発見をしたりとか、さらにまた、これはオークションではございませんけれども、児童ポルノの取締り等にサイバーパトロールは大きな成果を上げているところでございます。
#119
○田嶋陽子君 今、児童ポルノの話が出ましたが、このことに関してもまた後でもってお願いしますけれども、このサイバーパトロールが果たしている役割とそれから実際に消費者が果たしている役割と、私はその実力においてどこに差があるんだろうという気がするんですね。
 現実には、今日の産経新聞の朝刊に出ていたんですけれども、その盗まれた人たち、自分たちのオートバイの部品を盗まれた男の人が、男性はネット競売のサイトで被害品を発見するんですけれども、その男性は証拠品として一万九千円で落札して、それから警察署に被害届を出したんですね。それからまた、オートバイ三台の部品が盗まれて、その男性三人がまた一生懸命犯人を追及して、この情報をきっかけにして大阪府警は十九から二十歳の無職少年ら五人を逮捕したという。
 これは、こういうことを考えますと、私は、今警察のこのサイバーパトロールの捜査する能力というのは、この少年たちの、執念と新聞では言っていますけれども、その執念に相当するこのインターネットを駆使する能力と比べると余り差はないんじゃないかというか、余り仕事をしていらっしゃらないんじゃないかというふうに思うんですよね。
 その点に関して、どうでしょうか、私はもう少しこの警察のサイバーパトロールの能力を強化するとか、やるべき仕事があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#120
○政府参考人(瀬川勝久君) サイバーパトロールという警察活動の重要性については御指摘のとおりだろうと思いまして、こういった高度情報通信社会でございますので、ますます我々力を入れていかなきゃいけないと思います。教育にもそうでございますし、それから、そういった能力を持つ方を中途採用するというようなこともやっておりますし、警察としてもサイバーパトロールの強化に努めているところでございます。
#121
○田嶋陽子君 私は、今回のこの法律に関しては、言い方がちょっとひどいかもしれませんけれども、警察の無能力さ、非力さを業者に転嫁する何か小ずるい法律のような気がするんですね。同時に、やっぱりこうやってインターネット上で盗まれた品を自分たちで追及していく、追跡していくというのは、これは逆から言うと警察に対する不信というのがあると思うんですね。どっちみち言ったってやってくれないんじゃないか。私らは自転車とか、まあ車になると警察に頼みますけれども、自転車だったらもう警察は、何だ自転車なんてと調べてくれないよなという、大体そういう不信の念というのかな、そういうのもあったりすると思うんですね。
 だから、ここのところを警察は、私はもう少し、事業者に自分たちのできないことを協力をお願いすると先ほど谷垣大臣はおっしゃいましたけれども、協力をお願いするんなら法律なんかにして規制を掛けない方がいいよなと私なんかは思っちゃうんですね、協力なら対等なんですから。ですから、その辺のところをちょっと私はいろいろ不信に思います。この法律は要らないんじゃないのかなと思います。
 ただし、先ほどちょっと局長がおっしゃってくださった、この児童買春の問題に関してこのサイバーパトロールが力を発揮してくださる、あるいはこれからもそのつもりでいらっしゃるということをもう一度ここで再度お願いしたいんですね。
 この秋に、この児童ポルノ・買春、一九九九年にできたんですけれども、見直しの時期に来ています。以前の黒澤前局長さんはこう言われていました、女性と子供を守る守護神と。この児童ポルノに関して一生懸命頑張ってくださったわけですよね。瀬川局長も是非この児童ポルノの件に関してはサイバーパトロールで取り締まっていただきたい。これはいろんな問題を含んでおりますので、どうかよろしくお願いしたいと思いまして、場をかりてお願いしておきます。
 それで、私はもう一つ、規制緩和ということから申し上げますと──その前に瀬川局長の決意をお伺いしたいと思います、児童ポルノに。お願いします。
#122
○政府参考人(瀬川勝久君) サイバーパトロールによりまして児童ポルノの摘発も行っているところでございますし、さらにまた今年の六月から実は児童ポルノ画像自動検索システムというものも運用を開始しているところでございます。児童ポルノの画像というものをインターネット上で自動的に検索をいたしまして、そこで発見をし犯人の検挙にまでたどり着くという仕組みでございまして、実際に成果も上がっております。
 今後とも、サイバーパトロールを強化し、インターネット上の児童ポルノに対して徹底した取締りに努めてまいる所存でございます。
#123
○田嶋陽子君 盗品の件と同様、是非これからも続けてよろしくお願いいたします。
 それで、次の質問ですけれども、平成十二年三月三十一日の閣議決定では、規制緩和推進三か年計画というのがありますよね。その中で、横断的検討が必要だということで、見直し規定が必要だとあるんですけれども、この古物営業法の一部改正法に関しては、見直し規定の条項が盛り込まれていないと思うんですけれども、なぜこの見直し規定を盛り込まなかったのでしょうか。谷垣大臣、お願いします。
#124
○国務大臣(谷垣禎一君) これは今日の議論にも既に出たところでございますが、盗品等の売買の防止とか速やかな発見を図るために、そして被害の迅速な回復を図っていくという意味で、社会秩序維持の基本に係る必要最小限な取締りだという観点から、先ほども御議論がありましたけれども、政府は規制緩和で見直し規定というものを設けるように閣議決定をしておりますが、その場合の例外規定に当たるんではないか。つまり、こういうものを作るときは見直し規定を置けというのが政府のあれであるわけですね。それの例外に当たるのではないかというふうに考えたわけでございます。
#125
○田嶋陽子君 私は例外に当たらないと思います。この法律通すんだったら、やっぱり見直し規定は入れるべきではないかと思います、閣議決定までしたことですので。これはお願いですけれども、入れてください。
 それから、次の質問ですけれども、私はこの法律は余り役に立たないと思っています。意味がないと思っています。そこで、現実問題としてこのインターネットのオークションにはどのような緊急な案件があるのかを洗ってみたいと思います。
 例えばヤフーオークションでは、最大手であるここでは売手と買手の相互評価のページがあります。そこでは、商品の取引がスムーズにできました、ありがとうございましたという良い評価とか、品物が説明と違っていますなどと、その売手と買手が相互評価し合っているところですね。
 売手と買手は、このネットオークションの掲示板に載った評価を頼りに売り買いをしているという現状が既に確立しているわけですね。現在存在するシステムの中で、消費者側の自分で自分の身を守るという最大限の努力はされているわけです。しかも、先ほどのニュースのように、犯罪人を自分たちで追及することまでやっているわけですね。こういう自助努力がなされています。
 そこで、今度必要なのは、いざ送られてきた品物が説明のものと違っていたとか、送金していたのに品物が届かないとか、品物を送ったのに送金がないといった取引後の件に関して、必要なのは警察の全力を挙げた協力体制だと思うんですが、この件に関して警察はどのような協力を具体的にしていらっしゃるんでしょうか。あるいは、広報その他で、どういう場合にはどうしたらいいかとか、こっちに来いとかあっちに行けとか、そういう広報はしていらっしゃるのでしょうか。
#126
○政府参考人(瀬川勝久君) インターネットオークションについてはいろいろトラブルが随分多発をしておりまして、ネット上でもそういった表示といいますか、コーナーがあるということも承知しておりますが、警察にも多数相談が寄せられております。昨年中は二千九十九件、今年の上半期だけでも千五百件近い相談が寄せられているわけであります。
 警察では、警察安全相談という窓口を設けておりますが、特にこういったハイテクの問題につきましては専門の係を置きまして、情報セキュリティーアドバイザーというような者がおりますが、専門の窓口を設けているわけであります。この種トラブルにつきましては、そこで対応いたしまして、事案により、犯罪になるものは捜査をいたしますし、犯罪が成立しないようなものにつきましては、例えば消費生活センターを御紹介するというようなこともしております。
 一方また、消費生活センターの方に寄せられた相談の中から、これは犯罪ではないかというものが警察に寄せられるようなこともございます。こういった機関とも連携しながら、相談者の立場に立って警察としてはしっかり対処してまいりたいと考えております。
 それから、広報でありますけれども、やはり新たな手口といいますかによりいろいろ被害が出ているというようなものにつきましては、警察として犯罪捜査に支障を来さない範囲で広報をして、国民の方にお知らせして、それぞれの自主防犯意識といいますかというものを促すということも重要だと考えておりまして、そういった広報にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#127
○田嶋陽子君 今回、この法案を作るに当たってセキュリティシステム研究会での議論を募ったということなんですけれども、消費者保護という観点から、このインターネットオークションでの消費者教育についてはどのような議論がなされて、今後それをどう生かしていきたいと考えておいででしょうか。
#128
○政府参考人(瀬川勝久君) セキュリティシステム研究会の報告書でございますが、平成十三年の八月に出されました。この研究会には消費者機関からも委員の御参加をいただいておりまして、消費者からの相談に対応する現場の視点でインターネットオークション関連の苦情も取り上げて検討していただきました。
 その報告書では、インターネットを利用した無許可の古物営業に関して、法的知識の不足に起因するものを防止することに資する取組を推進するというような記述もございます。利用者に対する啓発に努める必要性についても取り上げられているものというふうに認識をしておりまして、今後、私どもといたしましても、盗品等の流通の防止、それから消費者の保護ということに資する広報啓発に努めてまいりたいと考えております。
#129
○田嶋陽子君 先ほど、あっせんという言葉はもう衆議院のところからずっと出ているんですけれども、やはり私はネットオークション業者としっかり書いてほしかったなと思っているんですが、この件に関してはこれからも変えるお気持ちはありませんでしょうか。
#130
○政府参考人(瀬川勝久君) 繰り返し御答弁するようになるかと思いますけれども、インターネットオークションには、古物の売買をしようとする者が、提供されるシステムを利用することにより競りの結果として相互に結び付くという機能があるわけでございます。
 今回の改正は、正にこういった機能によりまして盗品等の処分にインターネットオークションが利用されているということに着目をして、盗品等の売買の防止を図るための制度を構築しようというものでありますので、今回の改正の趣旨を明確にするためにも、法制上、インターネットオークションの定義付けに当たって、そういった機能の面を含む表現を用いるということが必要であろうと考えております。
 インターネットオークション業という表記にしてはどうかということだと思いますが、インターネットオークション業という表記をしたとしましても、その具体的内容は何だということになりますと、それに対するまた定義規定を置かなければいけないということになりまして、そうしますと、やはり古物でありますとか、競りでありますとか、あっせんでありますとか、そういった用語をどうしてもやっぱり用いる必要があるのではないかと考えております。
#131
○田嶋陽子君 でも、ITという、インターネットという時代の先端を行くものに対してできる法律が、その先を行った感じがすればいいんですけれども、何かこの法律は方向性が間違っているという気がするんですね。その上言葉までも古くさくて、確かに法律の業界の中ではそういう古い言葉を使わないと整合性はないと思うんですけれども、これから子供たちもインターネットを使うんですね。それで、よく言われるように、英語では法律は子供が読んでも分かるようなものです。日本の法律の言葉というのはその業者、業界の人が読まなきゃ分からないという、非常に何か規制緩和がされなきゃいけない分野ですよね。真っ先に、新しいこういう法律を作るときには、やっぱりだれにでも分かる、法律は国民のものですから、本当に小学校を出て、中学校を出たその人たちでも読んで分かるような、そういう言葉に私は早急に規制緩和、こういう言葉が正しいかどうか分かりませんけれども、法律業界の規制緩和をしていただきたいと思います。
 これは私たちみんなの法律じゃないですよね。何か法律を読める人、扱っている人たちの利益になるような、そういう嫌な思いまでさせてしまうような、そういう言葉の羅列、私はそれはやっぱり国会で言葉を換えていかなければいけないなと思います。真っ先に、この法律に関しては、子供たちでさえもこうやっていろんな犯人を捕まえたりなんかしているんですから、その子たちが読んでも分かるようなものに換えていっていただきたい、私はそう要望します。いかがでしょうか、御意見をお願いします。
#132
○国務大臣(谷垣禎一君) 法律上でどういう用語を使っていくかというのは、もういろいろ工夫をしなければならないんだろうと思います。一方で、今日の御議論にも出ておりますが、インターネットオークションとかログの保存とかいう言葉を聞いただけで、何のことだかさっぱり分からない、混乱してしまうという御意見もあって、できるだけ片仮名を使わないようにという御意見も一方でございます。他方、実際はそのインターネットという言葉をみんな利用者は使っているんだろうという御議論もあって、どこら辺りで分かりやすい用語を求めていくかというのは結構衆知を集めていかなきゃならないところだと思いますので、大いにこれからも議論をさせていただきたいと思います。
#133
○田嶋陽子君 確かに片仮名を使ったら分からないという人はインターネットを使っていない人だと思います。これからそういう人たちは使う人だと思います。そういう人たちはこれから学ぶと思います。ですから、現に使っている人のための法律の言葉であってほしいと、私は現実重視で行きます。
 次です、慌てていますね、あと二分しかないです。もうまとめに入りますけれども、インターネットオークションというのは、インターネットという場での取引なんですよね。顔が見えないという心配はあるんですけれども、個人と個人との間にかなり原始的な商取引が行われているんです。さっきも申し上げたように、総合的な評価もし合いながら商取引をしているわけで、これは先ほども大臣あるいは副大臣あるいは局長のお言葉にもありましたけれども、市民の自立した商取引なんですね。それに変なものを吹っ掛けるというのは私はやっぱり時代錯誤だという気がするんです。
 それよりはやっぱり消費者の教育が大事だと思うんですね。ですから、この場合は、メディアの流す情報を読み解くようなメディアリテラシーってありますけれども、この前は、消費者が自分で判断して、こうやって犯人まで追跡できるような能力を身に付けた人たち、そういう人たちがいるわけですから、そういう人たちができ上がるように、消費者リテラシー教育というんですか、消費リテラシー教育というんですか、それを推し進めていくことが必要ではないかと思うんです。
 私自身は、政府がしなきゃいけないことは、この消費者間の自立した商取引を支えること、それから消費者教育によって支援する立場を取る、その方向性でいくべきだと思うんですね。そして、単なる国家の介入だけにならないように私は注文を付けたいと思います。
 私はこの法案には反対します。そして、この法律はできても消費者にとってもネットオークション業者にとっても大きなメリットはないし、現状も余り変わらない、そういうふうに思います。やはり商品が多いところや使いやすいところには人が集まります。取り扱う商品の量が多ければそれだけトラブルも多くなると思います。ですから、まずは消費者の自立を考えて、消費者への教育の場と機会を作ることが、一見遠回りには見えますけれども、本当の意味でも先ほどからおっしゃっている消費者の保護になる一番の近道だというふうに私は考えます。
 以上です。ありがとうございました。
#134
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 衆院の内閣委員会でも、そして本日でも大分議論が尽くされまして、私の質問も大分ダブりが出てきているんですけれども、理事の皆さんに頼んで質問時間を取っていますので、同じような質問で何々委員と以下同文というわけにもいかないので、重複ございますけれどもお許しください。
 それでは、谷垣大臣に御質問いたします。
 私は、正直申しまして、今回の古物営業法の改正案の提出には唐突さと、言葉は悪いんですけれども、拙速さを感じずにはいられません。オークション業者と話をしても全く同様のことをおっしゃっていまして、何で今ごろこんなに急いでこの法案を改正しなきゃいけないんだろうと、業界団体でも作りたいのかななんておっしゃっていましたけれども、決してそんなことではないと私は思っておりますけれども、何度も議論にのってますけれども、他国ではこの種のインターネットオークションに対して規制する法律が存在しないと聞いています。ですから、大変これもう突出した法案なんですけれども、そして、確かにインターネットの普及でオークションでもトラブルの発生が増大はしているんでしょうけれども、社会問題化しているような節には私には思えません。
 そして、ネットオークションの大手三事業者と警察庁のやり取り、私、書面でこれすべて拝読いたしました。かなり苦しい押し問答の末、六月四日の事業者からの最終回答を見ますと最後まで不平がたらたらのようだと私には見受けました。その後、ある新聞がヤフーなど容認と見出しに書きまして、そして警察庁の方も事業者は納得しているとおっしゃっていましたけれども、先ほど吉川委員からも指摘ありましたけれども、今回六月四日の最終回答をどう読んでも事業者が納得しているとは思えませんし、むしろ国会でしっかり審議してどうにかしてくださいというお願いに私には読めます。
 実は、現にヤフーの担当者にも聞きましたけれども、盗品流通防止という趣旨には理解を示したんだけれども改正案には納得しかねるというお言葉をちょうだいしております。繰り返しますが、他のインターネット先進諸国でもこのような法律の例がなくて、しかもまだ社会問題化しているような緊急性もない。この状況でほぼ一〇〇%のシェアを占める事業者たちとの話合いを早急に閉じて、そして今臨時国会で改正案の成立を急ぐその理由をお聞かせください。
#135
○国務大臣(谷垣禎一君) 衆参通じまして黒岩委員の御質問が今回の改正案の審議の最後でございます。いろんな御議論がございまして、私も今、黒岩さんの御議論もそうだと思いますが、新しく発展していく、こういう分野での発展ということを阻害することのないようにという御趣旨が、今の御議論の中にもあったろうと思います。私もそれはそのとおりだと思いますし、先ほどの田嶋議員の御質問の中にあったことですが、公安委員会と申しますか警察がこういうインターネット上のいろいろなトラブルに対する対応に十分な体制ができているのかどうかというお問い掛けも、我々に対しまして重要な問題を提起していただいたと思っております。
 そういう意味で、それでまだ一つ、実は私、これは事務当局と十分打ち合わせたわけではないんですが、私が感じておりますことの一つは、窃盗と申しますか盗犯と申しますか、こういうものの意味合いというものが社会によって随分違うんではないかということを感じております。例えば、アメリカ社会などではいろいろなものを盗まれた場合、盗まれたらもうほとんど出てこない、窃盗犯はほとんど捕まらないというのが、ある意味ではアメリカの犯罪事情を裏付けているのではないかというふうに私は思うんです。
 それで、それに比べますと、アメリカの場合は窃盗犯でも重要なものに特化していくという形があると思います。日本は、もう少し窃盗というものを広くとらえたいという対応で今までやってきたと思います。ところが、それが今、戦後平成十三年度は二百七十三万六千件という、今年もそれを凌駕しそうなんですが、犯罪が増えている中で、私どもはもう一回盗犯というものに対する態度をどうするかということを考えなければならないなと、これは一度この委員会で私は申し上げなければならないというふうに思っております。
 それで、それを、盗犯を防ぐのに今度の法律がどれだけ役に立つかということになりますと、技術的な問題やあるいは通信の秘密というようなこと、いろんなことがございますから、今度の法律でできることは限られたことかもしれないなという気持ちは私もございます。
 しかしながら、同時に、こういうことを積み重ねていくことが新しく発展していく市場を安心して使えるということにも資するのではないか。これも細かく議論しますといろんなこれからも御議論があると思いますが、そういうようなもろもろの思いを込めましてこういう改正法案を出させていただいているわけでございますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
#136
○黒岩宇洋君 大臣も私と同じような感覚をお持ちなのだなと思いながらも、何問かしつこく聞かせていただきます。あくまでもこの法の趣旨貫徹させる実効性が低い割には、なぜ拙速にもこんなに規制を急ぐのかという、この疑問を解きほぐすために幾つか聞かせていただきます。
 次、この二十一条の三で、あっせん業者に盗品等の申告義務を課しています。しかし、私は、この義務が盗品等の流通防止につながるとは到底思えません。
 まず、その理由の第一点。これも先ほどから何度も指摘を受けていますけれども、オークション事業者及び利用者が盗品を見付けることはほぼできないだろうということです。これ、さっきから何度か出ていますが、一億四千万以上の出品総数の中で、今まで事業者が及び利用者も一つも盗品であると判断できていないということからもこれは私は明らかで、申告義務が現実に履行されることすらないのではないかと私は考えます。
 二番目に、やはりこの規定が罰則規定のない努力義務という点です。既にもう事業者は自助努力をもって警察とも連携を取っていると聞いています。ならば、今更何でこんな努力義務を課す必要があるのかという、これは二点目です。
 三番目なんですけれども、これはやはり盗品の疑いがあると認めるその申告義務の要件のあいまいさです。
 今年の五月二十四日の大手三事業者の質問への警察庁の回答がここにあります。委員の皆さんも読まれていると思うんですけれども、ちょっとしつこいですけれどもあえてこれ読ませていただきます。
 疑いがあるという申告義務の要件は一体何かというときに、これも局長が何度か答えていますけれども、疑いを主観的に認めるときに申告をしていただくと、これはいいんです。次に、個々の事案について、ある事業者は盗品等の疑いを認めないが、他の事業者は当該疑いを認めることもあり得るということ、これもいいでしょう。次に、さらには、例えば、事業者によっては、盗品等である旨の連絡を受けただけで主観的に盗品等の疑いがあると認めることもあるでしょうし、事業者によっては、盗品等である旨の連絡を受け、さらに、対象となる品の保証書の写しなどが送付された場合であっても、連絡を受けた内容について確認したり送付された保証書の真偽について確認することができないために盗品等の疑いがあると主観的には認めることができないとすることもあると考えますと。盗品等の疑いがあると認めるかどうかはあくまで主観的な認識の問題ですので、それまでの事業者の経験値、知識等によって左右されることになり、客観的、絶対的な基準があるものではないと、こう回答しているわけですね。
 これを読むと、申告義務の履行があるやなしやの以前に、果たしてこれ、申告する義務というものが発生するのかと、そのような私は疑問すら覚えます。
 このような三点の理由から、私は、この第二十一条の三の申告義務の規定によって本来の趣旨である盗品等の流通を防ぐことの実効性というのは大変に乏しいと考えますが、いかがでしょうか。
#137
○政府参考人(瀬川勝久君) 実効性が乏しいのではないかということでありますけれども、例えば累次御答弁を今までもさせていただきましたけれども、インターネットオークション業者が被害者から通報を受ける場合でありますとか、あるいは何らかのきっかけによりまして、盗難等の被害に遭わなければ出品されるとは考えにくい物品が出品されているということを知る場合もあるわけであります。そういった場合に、これは、この事業者の方たちはインターネットオークションという言わば営業を行っていただいているわけでございますので、そういった立場から、これは警察へそういった場合には通報、通告をしていただくということをお願いをするということは、これはあっていいのではないかなと、こういうふうに思います。
 また、単なる努力義務だということで実効性がないのではないかという御趣旨もあろうかと思いますけれども、インターネットをめぐるいろんな状況ということも勘案し、また逆に、いろんな行政処分でありますとか罰則でありますとか、そういったものを付けた場合には、逆に自らがそういった主観的な疑いを認める場面に陥ることを避けるということで、そういったものをできるだけ何といいますか、見ないようにするといいますか、というようなことにもなりかねないというようなこともありまして、格別の行政処分や罰則等の担保もしない努力義務ということにしたわけでございます。
 しかし、こういった努力義務について履行をしていただく事業者につきましては、認定制度というものの対象ともなってくるだろうということと考えておりますので、そういったことによりまして、こういったインターネットオークション営業というものが健全な形で発展していくということに資するものであるというふうに考えているところでございます。
#138
○黒岩宇洋君 似たような御答弁も聞いていますので、なかなか疑問は晴れないんですけれども、次に質問いたします。
 古物競りあっせん業者には、その届出義務、そして盗品等の申告義務、さらには競り中止命令に伴う義務が課されますけれども、このことによって事業者が民事裁判において事実上不利益となることはないかという懸念があります。
 警察庁のお話ですと、事業者は今法律の改正に際して民事上について不利益を被るか否かを大変心配していると。それに対して警察庁は、全く心配ないと答えているようです。
 しかし、例えばある方がインターネットオークションに参加して入札されて、盗品をつかまされたとしましょう。そのときにどう考えるかというと、まずは出品者を恨んだり訴えるかもしれません。しかし、よく考えると、都道府県の公安委員会に届出をしているあっせん業者だから自分は信頼してオークションに参加したんだと、しかも、その事業者は盗品申告の義務を負っているし、盗品の競りの中止命令にも従う義務を負っているんだと、それならなおのこと心配ないと、信頼したんだと、これはあっせん業者の責任だと訴える方が出てくるのではないかと私は思います。まず、訴えられれば、それだけで企業として名誉、時間、金銭において事実上不利益を被るはずです。
 また、実際の裁判になったときに、裁判規範としては裁判官はもちろん民法を照らすんですけれども、そして古物営業法に照らすことはないんですが、ただ、やはり原告が、公安委員会に届け出ていた業者だから信頼していたんだと、こう強弁したときに、果たして届出制がなかったときと比べて不利益を被ったりはしないんでしょうか。
 どうも、先ほど申し上げたように、今法律の改正では、盗品流通防止という法の趣旨に対する効果が期待されない割には、課される義務、規制、そして今私が申し上げたような付随的な不利益が大き過ぎるような気がいたします。事実上、民事において、あっせん事業者は今法律の改正により不利益を被ることはないんでしょうか、お答えください。
#139
○政府参考人(瀬川勝久君) 事業者の民事上の責任の有無というのは、これはもう一義的には事業者と利用者の間の利用契約の内容ということで決まるものだろうというふうに考えておりまして、御質問にもありましたとおり、今回の古物営業法の改正は全くそういったものとは関係がない、契約の内容を否定したり変更したりというものではないというものであるということを御理解をいただきたいと思います。
 それから、届出でありますが、これは何といいますか、届けの形式としても一番緩やかないわゆる事後届出の制度でございまして、何か要件を審査して認めるとか認めないとかいうような判断を行政側としてするものでは全くございません。
 そういった誤解が生じるのではないかというお尋ねだろうかと思いますが、そういった誤解が生ずることがないように、今回のインターネットオークション業者の届出制というものの内容につきまして、広く理解を得るための努力はしてまいらなきゃいけないというふうに考えております。
#140
○黒岩宇洋君 私は、今後やはりいろんな裁判とか起こされたり事実上の不利益を被って、そのときに改めてやっぱりこのあっせんという言葉でもめると思います。あっせんしたんじゃないかとか、そういうことになることを私は懸念していますけれども。
 次に質問いたしますが、若干はしょりましてよろしいですか、競りの中止命令について付随するところでちょっとお聞きします。
 これ、ちょっと大変細かいことをお聞きするんですけれども、警察庁はこの競りの中止命令に対しての対応結果の報告は命令の範囲外であると、こうおっしゃっています。では、この対応結果の報告は二十二条三項の報告徴収のここの必要な報告に含まれるのでしょうか。これはどちらも罰則を伴う規定ですから明確にしてください。お願いいたします。
#141
○政府参考人(瀬川勝久君) 警察本部長等が発した競りの中止命令に対して事業者が違反する、それに従わないというような場合につきましては、これは罰則の適用があるわけでございまして、通常、その場合におきましては、警察としては、罰則の適用ということで言わば捜査ということになるだろうというふうに考えておりまして、その時点におきまして、行政法規上にあります報告徴収というようなことを行うことはないものというふうに考えております。
#142
○黒岩宇洋君 ですから、命令に従わない場合は即捜査、それは分かります。実際には命令に従って競りの中止をしているとか、そういう状況が続く中で、全くこの対応結果の報告というのは求めないんでしょうか。求めないならば、わざわざここに対応結果の報告は云々かんぬんと出ているんですが、これは一体何を想定しているんでしょうか。お答えください。
#143
○政府参考人(瀬川勝久君) 競りの中止命令に従って措置をいろいろ講じていただいたというような場合には、この二十二条三項の報告を求めるということは一般的にはあり得るものと考えております。
#144
○黒岩宇洋君 では、その報告に対して、報告しなかった場合は罰金ですけれども、罰則の適用があるということですね。
#145
○政府参考人(瀬川勝久君) そのようになろうと思います。
#146
○黒岩宇洋君 こんなことで報告を義務付けられて、しかも罰則の適用だなんといったら、私は、事業者としては甚だもうがんじがらめの状況だという、私はそういうふうに認識します。
 そうしましたら、済みません、じゃ最後の質問にします、大分順番ぐちゃぐちゃになったんですけれども。
 この本人確認の措置についてのところなんですけれども、この具体的なことは私の前の議論の中でされましたので、この措置というのは銀行のカードやクレジットカードとの連携だということをお聞きしましたけれども、既存の、今、大手三社はもう既に行っているから問題ありません。問題はあくまでも新規参入、それも中小企業、こういった業者なんですけれども、やはりオンラインでリアルタイムで確認するということになれば、それ相当の設備投資、そして資本投下が必要となります。それに、初めてインターネットオークションに参入しようとするような企業では、まず信用もございません。信用度の低い企業が信販会社やそして銀行と組んで本人確認のシステムを導入することは、困難というより私は不可能に近いと思います。これでは、いかに努力義務といっても、明らかに新規参入の障壁になると私は考えます。努力義務だから中小企業は守らないでいいよというのなら、逆にこの義務を設ける意味がなくなってしまうわけです。そもそも、こんな努力規定を入れなくても、自然と私は消費者、利用者が企業を選ぶはずです。
 現在、既存の業者が本人確認を行っているわけですから、それを行えないような業者にユーザーが集まるとは思えません。私は、それでも企業はどんどん新規参入して、その企業は努力をして、今申し上げた本人確認を行うことができるような、そのようなユーザーのニーズにこたえる、そういう立派な業者になっていく、こちらの方が私はいいんではないかと考えております。
 本人確認の努力義務規定を盛り込まない方がむしろ産業が活性化し、それでいて本人確認がないことによるトラブルの防止は利用者の、自分の業者選択にゆだねるという、正に自己責任の原則に合致すると、このことの方が、今日も何度も議論にのっていますけれども、規制緩和の時代に合っていると思いますけれども、いかがでしょうか、お答えください。
#147
○政府参考人(瀬川勝久君) 新規参入の障壁に本人確認の努力義務がなるのではないかという点と、既に実行していることを法で義務化するということの意味はどうかという二点のお尋ねかと思いますが、まず、新規参入の障壁にならないのかという点でございますけれども、確かに、リアルタイムでクレジットカードや銀行口座の番号を認証するということにつきましては、経済的な負担も伴うというふうに考えられます。中小業者が新規参入しようというときには、そういった措置が経営的に困難というようなこともあろうかと思います。
 その場合には、例えばリアルタイムで行わないクレジットカードの認証といったやり方、これは、相対的には効果は低いわけでありますが、経済的負担も低い、少ないということで、そういったものにつきましても確認措置としてはやっていただいているというふうに認められる場合もあるというふうに思いますし、それから、フリーメール以外の電子メールを利用した認証というのは割と簡便に行うことができるのではないかというふうに考えております。したがいまして、必ずしもこの規定が新規参入の障壁になることはないというふうに考えます。
 それから、大手三社が既に実行していることを努力義務化するということの意味ということでございますが、これは、やはり法律上努力義務として明確に位置付けるということで、本人確認ということの効果、これは、盗品の流通を防止し被害品を回復するということで効果が上がっていると私ども認識をしております。その効果の維持強化を図ることができるというふうに考えているところであります。
 また、更にこれを法的に示すということで国民全体の意識を高めることができる、事業者の方々の意識も高めることができるということであろうと思います。
 さらに、今後新たにインターネットオークションを営もうとするという事業者の方に、こういった確認措置の実施を促進することができるということになろうかというふうに考えているところでございます。
#148
○黒岩宇洋君 この新規参入障壁については、実は大手事業者が一番心配しているんです。彼らからすれば、懐深く、どんどん新規に入ってきてください、一緒に活性化しましょうという、こういう思いがあるんですね。
 ですから、やっぱり民間の企業の方、そして市場というものはこういう感覚を持っているということを改めて警察庁の皆さんにも御理解いただいて、しかるべき行政指導を行政としてしていただくと、そう思うことで最後に締めくくらせてもらいます。
 どうもありがとうございました。
#149
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#150
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の古物営業法の一部改正案に反対の立場から討論を行います。
 本法案に反対する第一の理由は、今回の法改正によって、ネットオークション上の商品取引に関する個人情報が危険にさらされるからです。
 本法案は、ネットオークション業者に対し、古物売買の記録の作成及び保存を努力義務にするとともに、警察本部長等が盗品に関し必要な報告を求めることができるとしており、警察がネット取引に関する個人情報に深く関与する可能性が生まれます。憲法の保障する通信の秘密や個人情報保護はいかなる場合でも徹底されねばならず、侵害されないように慎重な検討が必要ですが、法律上その懸念は払拭されておりません。本法案は、盗品の流通防止のためという法益が安易に優先されており賛成できません。
 第二は、構成要件が極めて不明確であるという点です。
 本法案は、ネットオークションの場を提供する業者を古物競りあっせん業と呼ぶこととしていますが、インターネット上で古物取引の場を提供するにすぎない業者をあっせん業と見ることは、日本語の意味からも無理があります。業者も、自らを古物競り広告業とし、あっせんという文言を使うのは法技術的に稚拙であると強い拒否反応を示しています。警察庁自身も、あっせんという文言はインターネットオークションを表す言葉としては完璧ではないと、今年五月二十八日付けの業者あての文書で認めています。あいまいな文言を刑罰法規に適用することは罪刑法定主義に反するおそれがあります。また、業界の納得なしには盗品流通防止の実も上がらないと言わなければなりません。
 第三は、インターネットオークションでの盗品流通の実効性が乏しいのに、規制のみが掛かる点です。
 法案は、ネットオークション業者に盗品摘発のための様々な義務や努力義務を課していますが、業者は出品物を直接手にしないばかりか、品質も保証しないというシステムなので、盗品かどうか業者に判断させることはほとんど不可能です。実態としても、これまで業者によって盗品が発見された事例もゼロです。ネットオークションの盗品取引・流通防止の対策を検討してきた警察庁生活安全局長の私的諮問機関、セキュリティシステム研究会の昨年八月に出した結論は、業界の自主規制をまず行い、法規制については業界の自主努力の効果を見定めて検討すべしとしました。研究会の求める自主規制の効果を見定めないうちに法規制を打ち出してきたのは時期尚早と言わなくてはなりません。
 以上の理由で、本法案には反対であることを表明し、討論を終わります。
#151
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 古物営業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(小川敏夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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