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2002/12/10 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第11号
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2002/12/10 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 内閣委員会 第11号

#1
第155回国会 内閣委員会 第11号
平成十四年十二月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     松井 孝治君     大塚 耕平君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     松井 孝治君
     鈴木  寛君     川橋 幸子君
     畑野 君枝君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                阿部 正俊君
                亀井 郁夫君
                森下 博之君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                阿南 一成君
                上野 公成君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                野沢 太三君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                松井 孝治君
                白浜 一良君
                山口那津男君
                筆坂 秀世君
                島袋 宗康君
                黒岩 宇洋君
                田嶋 陽子君
   衆議院議員
       内閣委員長    佐々木秀典君
       内閣委員長代理  熊代 昭彦君
       内閣委員長代理  石毛えい子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣     鴻池 祥肇君
   副大臣
       外務副大臣    矢野 哲朗君
       財務副大臣    小林 興起君
       文部科学副大臣  河村 建夫君
       厚生労働副大臣  鴨下 一郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        木村 隆秀君
       財務大臣政務官  田中 和徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鴫谷  潤君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中城 吉郎君
       内閣法制局第二
       部長       山本 庸幸君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁刑事局暴
       力団対策部長   近石 康宏君
       法務大臣官房審
       議官       原田 晃治君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  玉井日出夫君
       厚生労働大臣官
       房審議官     阿曽沼慎司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     恒川 謙司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     青木  豊君
       厚生労働省保険
       局長       真野  章君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       国土交通大臣官
       房審議官     松本  守君
       国土交通大臣官
       房審議官     石井 健児君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○構造改革特別区域法案(内閣提出、衆議院送付
 )
○特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)

    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る六日、鈴木寛君及び畑野君枝さんが委員を辞任され、その補欠として川橋幸子さん及び筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 構造改革特別区域法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣法制局第二部長山本庸幸君、内閣府男女共同参画局長坂東眞理子君、法務大臣官房審議官原田晃治君、文部科学省高等教育局私学部長玉井日出夫君、厚生労働大臣官房審議官阿曽沼慎司君、同恒川謙司君、同青木豊君、厚生労働省老健局長中村秀一君、同保険局長真野章君、同年金局長吉武民樹君、国土交通大臣官房審議官松本守君及び同石井健児君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川敏夫君) 構造改革特別区域法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松井孝治君 おはようございます。民主党の松井孝治でございます。
 これまでの委員会に引き続きまして、引き続き残っている論点について、本日も鴻池大臣を中心にいたしまして御質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、これは厚生労働省の政府参考人の方にお伺いをさせていただきたいんですけれども、今回の特区法案におきまして、特別養護老人ホームにつきましてはPFI方式とか公設民営方式というような形で曲がりなりにも民間参入が認められております。しかし、同じ厚生労働省でも病院、医療機関については、この特区構想においても、これまでの委員会で累次議論をされてきたことでありますが、民間参入が一切認められておりません。
 どうして、特別養護老人ホームは一定の条件を課して民間参入を認めている、しかし医療機関は認められないのか。これは、特に事務方というのはいろんな議論をしますときに、バランスを判断をして、こちらとこちらとどういう守るべき法益があるのか、その比較考量において制度をきちっと検証するはずでございます。それについてどういう理由で片方は一定の条件で認めて、どうして医療の方は認められないのか、これについて合理的な御説明を伺いたいと思います。
#7
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今回の特区制度におきましては、特別養護老人ホームの経営につきましては特区において試行的に株式会社が行うということを認める一方で、医療機関の経営につきましては株式会社の参入は認めていないというところでございます。
 これは、人の生命、身体にかかわります医療は、そもそも営利を目的とすべきものではなく、医療法上非営利の原則が明記をされているということが一つ。また、介護施設が高齢化の進展に伴いまして今後更に整備が必要であるということに対しまして、病院は全国的に必要病床の整備がなされておりまして医療提供体制は既に充実をしているということ等から、医療機関の経営については株式会社の参入を認めることは不適当であると判断し、株式会社の参入を認めなかったということでございます。
#8
○松井孝治君 人間の生命、身体にかかわるという意味では、特別養護老人ホームでも重度の介護を必要とする方がいらっしゃると思うんですね。したがって、厚生労働省さんの言い分では、それは厳格な基準の下での民間参入しか駄目だと。そういう意味において、特養ホームには認めて医療機関には認めない。
 同じように身体、生命にかかわるという意味では非常にお年寄りで、私も幾つかの特養ホームを見させていただきましたが、もうはっきり言って病院だから株式会社参入を認めなくて特養だったら認めるという意味では、やっぱり命を預かるという意味では特養ホームに勤めておられる方々も非常な厳格な倫理観を持ってお勤めだと思いますが、特養ホームは生命、身体にかかわらない、そういうものだから認めるという判断ですか。もう一回ちょっと確認的に答弁をお願いします。
#9
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 特別養護老人ホームは生命、身体にかかわるわけでございますけれども、介護分野につきましては既に有料老人ホームでありますとかケアハウスあるいは在宅介護などにおきまして介護株式会社の参入が認められているということでございます。したがいまして、今回一定の制限の下に特区において試行的に株式会社が特別養護老人ホームの経営を行うことができるということでございますが、医療につきましては法律上非営利原則が明記されておりまして、株式会社の参入を認めていないということでございますので、医療分野と介護分野について同一に論じることはできないというふうに考えております。
#10
○松井孝治君 いわゆる経緯論はいいんですよ、経緯論でこれまで認められていないというのは分かっているんですよ。それを介護の分野ではある時点で判断をして、それを民間参入を一定の条件でケアハウスなり認めるという判断をこれまでしてきたわけですね。今回も更に特養ホームにそれを拡充するという判断をしてきたわけですよ。
 にもかかわらず、医療について、さっき病床数も十分でこれ以上増やす必要はないという話でしたが、これまで盛んに、参考人質疑も当然ごらんになられていると思いますけれども、病院の院長さんも来られて日本の医療の質というのが不十分だ、民間であるという理由で排除する必要はないんだ、もっと質的充実を図っていくべきなんだという意見がこの委員会でも議論されている。鴻池大臣もそういう方向で議論されている。しかし、合理的に、何で特養の世界では認められて医療では認められないのか、どういうところが決定的に違うんですか。もう一回、説明していただけますか。
#11
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今御説明したことでございますけれども、更にもう一点付け加えさせていただきますとするならば、医療は介護サービスとは異なりまして、提供側と患者側の情報の非対称性というのが大きいわけでございます。したがいまして、ある意味では誘発的な需要を生み出すおそれが大きいということから、介護分野以上に慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
#12
○松井孝治君 情報の非対称性という話はこれまでも盛んに議論をされてきました。情報の非対称性が大きいからどうして医療法人でなくてはいけなくて株式会社だったら駄目なのか。むしろ、参考人質疑でも株式会社とかあるいは法人であるとかいうことを問わずに、むしろそれは情報提供を盛んにしていかなきゃいけない、その医療の質を高めていかなければいけない、その観点において株式会社であるということが決して、それは株式会社だから情報の非対称性が解消できない、そういうことではないという議論が、この委員会でも私だけではなくて与野党いろんな議員からそういう議論が提起され、また参考人からもそういう議論が提起されていますが、株式会社だから医療に関する情報の非対称性が解消できないというのはおかしいんじゃないですか。
#13
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 当委員会でもいろいろ議論がなされていることは私ども承知をいたしておりますけれども、株式会社の場合、当然でございますけれども、売上げの増大あるいはコストの削減に努めるわけでございまして、したがいまして医療分野に進出をいたしました場合、収益性の高い分野に集中したり、あるいは過剰診療のおそれがあるということから医療費が高騰するということもございます。あるいはコストの削減の面から考えますと、人件費を削減し、あるいは不採算医療から撤退をするというふうなことから適正な医療が提供できないおそれもございますので、私どもとしては慎重に考えなければならないのではないかと申し上げている次第でございます。
#14
○松井孝治君 それじゃ伺いますけれども、今までに民間で株式会社で医療を行っている機関が何十とありますよね、何十とあって、それはどういう評価なんですか。その個別の、ほかの医療機関とどういう差があるんですか。具体的に言ってください。
#15
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今までの我が国の株式会社立の病院でございますけれども、元々従業員の福利厚生を目的として設立されたものでございまして、現在六十二病院ございます。基本的にはそれぞれの会社の従業員の方のために設立されてきているということでございます。具体的な収支の関係は十分承知はしておりませんけれども、成り立ちからすれば今の株式会社病院というのはそういう会社の従業員の方のためにやるものだというふうに承知しております。
#16
○松井孝治君 余りいい加減な答弁をされない方がいいと思いますよ。会社の方だけのための株式会社の病院になっているかどうかというのは、一杯データがあるんですから、それを、具体的にどういう問題があるのか、株式会社、そんなに慎重に議論する必要があるというなら、株式会社の六十二あるところをきちんと評価して、こういう問題があるんだと、ほかの病院に比べてこういう問題があるんだということをきちっと言ってくださいよ。もう一回答弁してください。
#17
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 個別に十分その六十二の株式会社病院の実態について全部調査はしておりません。したがいまして、一概に申し上げられませんけれども、スタートといたしましては、今申し上げましたように従業員の福利厚生を目的としてスタートして、その後近隣住民の方々の希望に応じまして一般の住民の方も対象としているんではないかというふうに考えております。
#18
○松井孝治君 ですから、従業員を対象にしているかどうかという経緯論を聞いているんではなくて、株式会社が信用できない、問題がある、慎重に検討しなければいけないと言うんなら、株式会社制の病院についてのきちんとした評価をして、こういう問題があるんです、おっしゃるようなクリームスキミング、こういう状況が起こっているんですと。別に個別の病院の悪口をここで言ってくれと言っているわけじゃないんですよ。そういう評価もせずにこの議論を、株式会社参入の議論をしておられたんですか、今まで。
#19
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 六十二病院全体を調査したものはございません。ただ、私どもの典型的な八病院についての調査結果によりますと、かなり三病院は赤字で本社から補てんをされているというふうなこと、あるいは五病院は黒字だと、そういったようなことしか今のところ把握しておりません。
#20
○松井孝治君 私は経営状況が赤字か黒字かという話を聞いていないんですよ。さっきも参入に対して慎重であるべき理由で別に経営状況が赤字だとか黒字だとかいうのは挙げておられないでしょう。そうじゃなくて、さっき挙げられたのは情報の非対称性とか医療の質の確保とか、あるいはクリームスキミングが起こってしまうと、そういう話をされているわけでしょう。
 だから、そういうことについて、株式会社六十二もあるんですから、きちんと評価をして、何かこの前私伺いましたら、病院のある民間機関がランキング出していて、その百の中に、全国で病院幾つあるのか、私、今数字、手持ち持っていませんけれども、その百傑の中にその株式会社の病院も入っているんですよ。そういう優れた医療を行っている株式会社もあるんですよ。だから、それをどう評価しているのか、そこをきちっと説明しないで、これだけ委員会で議論になっている医療についての株式会社参入について、それは駄目ですと。福祉で、特養で一定の条件付けてでもとにかくやってみようというふうに努力はされている、これについても私は問題はなしとはしないけれども、それに対して真面目に検討しているとは思えないんですけれども、もう一回答弁してください。
#21
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 株式会社の参入につきましては、今申し上げましたように株式会社の企業行動によります売上げの増大だとかコストの削減ということを目的とする部分がございますので、そういう意味ではいろんな弊害が懸念されるということを申し上げておるわけでございますが、具体的に現在ある日本の六十二の株式会社において具体的なクリームスキミングといいますか、そういうのが起きているかどうかということについては私ども十分承知はしておりません。したがいまして、その点については少し勉強させていただきたいというふうに考えております。
#22
○松井孝治君 審議官が勉強させていただきたいとおっしゃいましたから、それは是非勉強をしていただいて、この特区法案の対象をどうするかという議論は、また一月十五日までに第二次募集をされて更に議論をされるというふうに聞いていますから、そこは私も何でもかんでも株式会社がすべていいなんということは言いません。ただ、株式会社であることを理由に排除するのが本当にいいのかどうか、きちんとした議論をして株式会社の参入を今回認めないという話をされていたのならともかくとして、今のような話だとちょっと私は納得できないと思います。
 鴨下副大臣、今のお話聞いておられたと思いますけれども、政治家としてこういう議論を聞かれて、副大臣の場合はお医者様であるというバックグラウンドもお持ちでございますが、一言御感想を伺いたいんですが。
#23
○副大臣(鴨下一郎君) 先生おっしゃるように、株式会社が必ずしも言ってみればクリームスキミングのようなことをするというような性悪説に立っているということではございません。
 ただ、やはり医療若しくは先生おっしゃっているような例えば特別養護老人ホームの介護というような問題からいいますと、例えばおむつを換えるというところから致命的ながんの治療をするための手術をする、こういうような非常に段階的に様々な分野がありますから、そういう中でできる限りいろんな経営主体について参画をしていただこうというようなことで言えば、ケアの部分についてはできるだけ門戸を開こうじゃないか、ただ、最終的なところの医療の最も生命にかかわるようなところについてはもう少し議論をする必要があると、こういうような認識でありますので、株式会社必ずしも駄目だとか、株式会社だったらそれは営利だけでとんでもないことをすると、こういう議論ではないということだけは申し上げておきたいと思います。
#24
○松井孝治君 今の副大臣のお話はある程度分かるんですけれども、ただ、そういう株式会社、必ずしも駄目だということではなくて、中身の議論をするという議論がなされていないということは、今の私の政府参考人、審議官への御質問とその答弁で私は相当程度明らかになっているんじゃないかと。要するに、最初からその評価、少なくとも六十余りの実績あるにもかかわらずそこのサーベイをしていない、それで理屈を付けて株式会社参入を阻んでいるというふうに聞こえてしまう議論であったと思います。
 鴻池大臣、今の話も聞かれていて、これまでも委員会で何度も答弁をしていただいていますけれども、普通役人というのは、役人のいいところというのは、やっぱりこっちを認めてこっちを認めないというときに合理的な理由を付けるというのが役所の基本的なトレーニングなんですよね。ましてや同じ役所なわけですよ。別に旧厚生省と旧労働省というわけでもない。
 旧厚生省の同じ役所で、片方は介護について、これだってお年寄りの身体、生命を預かる非常に大事な仕事ですよ、リスクのある仕事ですよ。それについては認めている。昔からケアハウスについてはもう以前に認めている。条件は私厳し過ぎると思いますよ、厳し過ぎると思いますが認めている。他方で医療については、どうも今のお話を聞いていると、まともに株式会社の参入について具体的な株式会社のビヘービア、行動についての評価もしないで、株式会社は、いや、クリームスキミングします、こんな医療みたいな情報の非対称性がある分野には株式会社無理ですよ、いや、病床数はもう日本は足りているんです、老人ホームとは違うんですと、そういう言い方をされると、これまでのこの委員会の質疑は何だったんだという感じ率直に言って私は持つんですけれども、大臣の御見解、御感想を伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまの鴨下副大臣の御答弁につきましては、ある意味で私もほっとしているというか、今後ぴしゃっと門戸を閉ざしていない、いろんな意見の交換しようじゃないかという、そういうふうに受け取らせていただきまして、正に今後ひとつよろしくいろいろと御指導賜りたいなという感がいたしております。
 審議官の悪口をともに言うわけじゃございませんけれども、病院六十二のうち数個の病院を見て赤字だ黒字だと、こういうことは余り意味がないんではないかと私も思います。病院が赤字といえば都立病院以下各公立の病院みんな赤字であります。都立病院なんか年間五百億、六百億の税金が病院に注入されておるというような状況でありますので、その辺の議論から出発をいたしますとこの特区の議論が間違ってくるんではないかというふうに私は思います。
 もう一点、私は何度も大きなお声で小さな声で申し上げておるのは、全国で株式会社やろうと言っているんじゃないんです、特区は。一点でやってみたらどうかと。まして、建築会社がやるんじゃない、銀行がやるんじゃない、商社がやるんじゃない。病院が、立派なお医者さんが高度な医療、研究を兼ねてやってみようと。それは日本人の命を救うためなんだと。株式会社にしたら命が危ないと言う、片方は。私は命が大事だということでやってみようという方をどうしても支持したいと、このように思っております。
#26
○松井孝治君 本当に大臣のおっしゃるとおりだと私は思います。是非、この後大臣にちょっと厚生労働省とハイレベルで交渉していただいて、また次の法改正が待っていると思いますので、そこで今の御意見、御見解を生かしていただきたいというふうにお願いをしておきます。
 そして、今私若干特養の方は一生懸命やっておられて、医療はまじめに検討したのかという話を申し上げましたが、特別養護老人ホームについて同僚の黒岩議員の方から既に先日の委員会でずっと御議論をされているとおりであります。
 確かに、特区においてPFI方式というやり方ですが参入が認められたのは私は一歩前進だと思います。ただ、その参入条件というのは非常に厳しいわけですね。これはもう既に委員会で議論になっていますから繰り返しませんけれども、この参入条件は、株式の東証、大証の一部、二部上場であるとか、あるいは純資産が三億円以上、税引き前利益一億以上。
 今どきそんな企業どこにありますか。そういう税引き前利益が一億円以上なければいけない、あるいは上場していなければいけない、こういう条件を課されてしまうと、実際に特養をやろうという方で、一杯いらっしゃいますよ、私も存じ上げている方で。やってみたいと、そういうことで役に立ってみたいと。だけれども、現実にはやっぱり門戸を閉ざしているとしか言いようがないわけですね。これは大臣、私、何の基準で税引き前利益一億とか、あるいは東証、大証、名証の一部、二部上場でなければいけないと、何の基準で決めているかというふうに調べてみたんですね。そうしたら通達なんですよ。
 よく大臣、局長通達とかなんとかいろいろ聞かれると思いますけれども、だれの通達かというと、これを根拠にしている通達というのは、実はケアハウスの参入に当たっての通達なんですけれども、またそれを社会福祉法人の施設設置許可の通達を援用しているとかややこしい問題はあるんですが、簡単に言えば課長さんの通達なんです、課長さんの。別に僕は課長だからレベルが低いとか高いとか言いませんよ。
 ただ、ここで大臣が一生懸命厚生労働大臣とも折衝をされて、どういう条件で特養ホームに民間の会社が参入できるか。しかも、PFIというやり方ですから自治体との契約なんですよ。だから自治体は、そういう意味では契約で縛っているんですよ。何重にも縛っておいて、なおかつそこに経済的な基礎が必要だと。その経済的基礎はどういうことですかと言ったら、いや税引き前利益を一年間で一億円出さなければいけません、あるいは株式一部、二部上場せにゃいかぬ。これを決めているのは、それだけのハイレベルでこの法律をようやくここまでまとめ上げられてきて、その実質的な参入条件を決めているのは課長通達なんです。
 政府参考人、一言だけ確認をいたしますが、私が今申し上げた経済的基礎の具体的な条件、これはもう団体事務だとか何とかかんだいいですよ、そういう前振りはいいですから。厚生労働省として十分な経済的基礎を有するということは、一億円以上の税引き利益又は東証、大証などの一部、二部上場条件であるということを、何のどういう文書でそういうものを元々基準として地方に投げ掛けているということが、課長の通達で投げ掛けられているということについて、そういう私の理解で誤っていますか。
 ちょっと政府参考人、誤っているか誤っていないかだけお答えください。これは何とかかんとか、技術的なことですとかあくまでも我々の指針ですとか、そういうことは要らないです。私の認識が誤っているかどうかだけお答えください。
#27
○政府参考人(恒川謙司君) 先生御指摘の通達は、軽費老人ホームの設備及び運営についての一部改正について、平成十四年の通達のことを御指摘だというふうに思いますが、これは厚生労働省老健局計画課長名の通達でございます。
#28
○松井孝治君 大臣、分かっていただけましたか。これだけ国会で議論をしていて、しかし実際のそのハードル、これを厚生労働省が全国の都道府県とか市町村に通達を出すわけですね。これは普通の都道府県とかあるいは市町村、こういう通達というのは無視できないんですよ、それは。これは団体事務ですよと厚生労働省さん必ずおっしゃいます、それはそうなっています、団体事務です。もし、それは私は、うちの自治体は聞きませんと言うのは自由です。でも、忘れていけないのは、こういうものについては補助金があるんですね。厚生労働省から四分の三補助がこの施設に、ケアハウスなんか施設整備ですよ、これはまだ制度でき上がっていませんけれども、民間参入、補助金が出るわけですよ、ある一定の要件の下で。そういう補助金握られているところが、いや、こういう条件でないといけませんよと通達出されたら、これは普通の自治体はそれは聞かざるを得ないのは当然なんですよ。
 だから、我々がこうやって国会で議論をし、非常に大臣レベルで折衝をして苦労をしてある要件でこれを民間参入を認めようというものは、実は一片の課長通達によってそこのハードルは事実上コントロールされている、それは当然国会での審議に付されているわけではない。
 このことはちょっと大臣、是非頭に置いていただきたいと思います。大臣、もし一言御感想があれば。
#29
○国務大臣(鴻池祥肇君) この特区の構想が出て、そして、ただいま御審議を法案としていただいているわけでありますけれども、推進のための責任者、これは内閣総理大臣でございます。私は調整役でございます。この特区の構想をとにかく相進めるのであるという決意の下に、大上段にこの構想を進めておられるのは内閣総理大臣であるということを認識をしていただきたいと思うわけであります。
 その内閣総理大臣が、できないものはどうやればできるかと。この言葉を下敷きに、我々はそれを信じながら進めてきておるわけであります。あるいは、難しいことを折衝をしているという現実から考えれば、ただいまの委員と役所のやり取りにつきましては極めて不快千万、このように思っております。
#30
○松井孝治君 本当におっしゃるとおりなんですね。やっぱり、私は別に役所の通達を全部なくせということではない。しかしながら、こういう議論をしているときに、やっぱりこの通達については、この通達を引き続き基準として今採用されるというのは厚生労働省のスタンスだというふうに私は理解しておりますが、そこのスタンスは是非見直していただかないと、これは形だけ整えて事実上は入ってくるなと言っていることにほかならないと思います。そこは是非今後議論をしていただきたい、これはお願いをしておきたいと思います。
 それで、これは伺っておきたいのですが、そういうハードルを越えて民間が入ってきますと、入ってきたときに、社会福祉法人とか、今申し上げましたように、あるいは社会福祉法人ですね、具体的には、事業者としては。これは施設整備として四分の三の国及び自治体の補助ですかね、が行われますが、今後、この特区において民間参入が行われた場合に、きちんとした同じような補助金は受けられるんですか。それとも民間企業だからこれは受けられないんですか。
#31
○政府参考人(恒川謙司君) 社会福祉法人が特別養護老人ホームを設置する場合には施設整備費補助金が交付されるのは先生御指摘のとおりで、その負担割合も、国が国庫補助基準額の二分の一、都道府県が当該四分の一を負担し、設置者たる社会福祉法人が残りの費用を負担するというのが現行の制度でございます。今回、特区においてPFI方式の下で特別養護老人ホームへの株式会社の参入を認めることとしておりますが、これについてはここの場でも何回も御議論させていただきましたように、憲法上の制約もあり、株式会社に直接施設整備費補助金を交付することはできないこととなっております。
 しかし、厚生労働省としましては、平成十五年度予算の中で、構造改革特区において介護サービスの提供等に関する事項を盛り込んだPFI協定の下、地方自治体がPFI事業者の建設した特別養護老人ホームを買い取った上で、これを事業者に貸与し運営させる場合、その買取り費用を新たに国庫補助の対象とするよう財政当局に要求しているところでございます。
#32
○松井孝治君 株式会社を参入したときに、そこに対してどの程度補助をするのかという議論はあるかもしれません、確かに。
 ただ、今、大臣ちょっとこれは聞いておいてほしいんですけれども、大事なことをおっしゃって、やっぱり憲法上の制約というのがあるんですね。これはもうはっきり言って役所ではどうにもなりません。憲法上は、憲法八十九条、公の支配に属しない慈善とか博愛の事業、教育もそうですけれども、公金を支出してはならないと、こう書いてあるんですね。
 ですから、公の支配というのは何なのかという解釈の議論はあります、最終的には、何らかの法人の根拠法があって、そこを解散を命ずることができるというのは恐らく従来の政府側の解釈だと思うんですね。これは今の特別養護老人ホームとか、あるいは教育の問題で私立学校に私学助成金を出しているのが本当に憲法違反であるのかないのかという議論があるところなんです。ですから、例えば今の私立大学に対して本当に公の支配が及んでいるのかというような議論もありますね。あるいは私立中学・高校、本当に公の支配で、じゃ文部省が言って、はい、おまえ解散と言えるのか、というような議論もあります。
 ですから、憲法を今遵守する立場でいえば、その公の支配というのをどう解釈するのか、これからそういうものに対して一定の行為規制を掛けた上で株式会社に対してそれなりの、例えば教育でいうとバウチャーを出そうなんという発想ありますね。バウチャーという形で利用者が株式会社に対する教育についても使えるような補助制度を作ろうなんという動きも根強くあります。だから、そういうものについてこの公の支配をどう解釈するかという議論があります。
 と同時に、本当に憲法の八十九条の規定というのはこのままでいいのかと。今の状況だって、公の支配というのは、実効的に支配していないところにお金出ているじゃないかという議論があるわけですが、これは本当は大臣と両副大臣にお答えいただくつもりだったんですが、余り時間もなくなってきたので、ちょっと大臣、この憲法八十九条、公の支配の解釈論とかそういうちょっと細かいところはいいです、この憲法八十九条の解釈というのは、解釈というか、これについて大臣自身は政治家として、今、閣僚としては余り言えないと思いますが、政治家としてどういう思いを持たれるか、一言感想を伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私はこの特区の推進のみが頭の中に一杯でございますので的確な答弁ができないかもしれませんけれども、私はやはりこの憲法論議に、そして結論の出ないこういった論議に振り回されるということは避けていただきたいなというふうに思います。いたずらに論議に振り回されるよりも、公の支配というものをどう考えていくかと。公正な競争を通じて国民のニーズに合わせていく、そして特区というものをもって活力を与えていくというのがこの構想でありますので、私自身は、やはり株式会社でありましても、あるいは既に既存の公の支配に類するものでありましても、同じレベルのところで感覚を持っていかなければならないだろうということは、行為規制の範囲内でこれを見ていく、こういう必要があるのではないかという思いでございます。
#34
○松井孝治君 憲法解釈論に入ってしまうと袋小路に入ってしまうので、むしろ今の現行憲法の解釈の中で公の支配というものをもう少し幅広くとらえて現実的な解決策を見いだすべきではないかというような御答弁だと私は承りました。
 鴨下副大臣は先ほど御答弁いただきましたので、河村副大臣の方から、これは特に私立学校への補助金はこれに当たるのかどうかという議論がずっとございますが、一言、もし大臣、政治家としての御見解がございましたら。
#35
○副大臣(河村建夫君) 私も第八十九条を最初に見たときにこれはと思ったのでありますが、その後、現実に私学助成をやっているわけでありますから、どういう考え方でやっているかということを調べてみますと、やっぱりこれは私立学校に対しては学校教育法それから私立学校法、さらにこれは後にでありますけれども、私立学校振興助成法という法律を作りまして、これに基づいて各種の監督規定が設けられているということから公の支配に入る、そういうことで助成は問題ないという解釈になっておるわけでございます。
#36
○松井孝治君 もう一歩踏み込んで、例えば株式会社のようなものが将来参入が認められたと、教育に対して。そういうものに対してひょっとしたら、程度の差はあるかもしれませんよ、公の支配の強さの度合いに応じて。当然、国公立の学校と私立学校と、またそれなりの行為規制のみが掛かる株式会社が一定分野に参入する場合、そこは株式会社の参入というのはこの公の支配、一定の行為規制が掛かれば公の支配と解することができると、政治家としては御判断されますか。
#37
○副大臣(河村建夫君) これは非常に微妙なところだと私は思うんです。それで、株式会社で学校を作った場合の今の私立学校法とかそれから私立学校助成法、学校教育法、学校教育法はこれは教育ですから考えられると思うんですけれども、私立学校法は入ってまいりませんので、この辺をどの程度公の支配と見るかということですから、どういう更に法的な支配を必要とするか、これはやっぱりちょっと検討をしなければ、今の時点でそのまま株式会社に助成をすることが公の支配だということは難しいのではないか。
 さらに、これは憲法とは関係ありませんが、今経常費に助成をしているわけですね。そうすると、これができるということになると、株式会社の配当等も含めてそういうものに税金を使うということに、形になってしまいますから、これはかなり政策判断を要する問題ではないかと、このように考えております。
#38
○松井孝治君 少なくともフラットリー・ノーというか、まず入口からそういうことはあり得ないというふうな御答弁ではなかったというふうに私は今解釈しますので、是非そういうことも含めて御検討を、これはもう政治家でないと無理です。これは官僚にこういうことを、憲法の解釈にかかわることを議論しろと言ってもなかなか難しいことですから、政治的にそういうことも含めて御議論をいただきたいと思っております。
 ちょっと時間がなくなりましたので、あとちょっと急ぎますけれども、前回伺った鴻池大臣の権限、特に私は今の法律上、今の状況というのはこの前伺いました。ただ、この法案、基本的にもう採決が近づいております。この法案が成立した場合において、この法律上、この前申し上げました特命大臣、内閣府設置法上に基づいた強い権限を持った特命大臣というのがあるわけですが、この法律が施行された後に鴻池大臣が内閣府設置法上の特命大臣になり得るのかどうか。これは内閣府設置法でいろんな事務が書いてあったりしますから、これは純粋に法律的に、政府参考人、法制局の方から、法制的にそれは特命大臣となり得る要件を満たしているというふうに判断されるかどうか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(山本庸幸君) 御指摘の点は内閣府設置法の運用に関する問題ですので、本来であれば内閣府の方からお答えすべき問題だと思いますけれども、お尋ねですので、あえて私の方から申し上げます。
 構造改革特別区域に関する事務は経済に関する重要な政策に関する事項にかかわるものでありますし、また閣議において決定された基本的な方針に基づく内閣の重要政策にも関係するというふうに考えられますので、内閣府設置法第四条第一項、第二項に規定する事務に該当するのではないかと思われます。そうであるとすれば、同法第九条第一項の特命担当大臣の所掌事務になり得るものと考えられます。
#40
○松井孝治君 明快な御説明、ありがとうございました。
 私もそう思います。ですから、制度上、少なくともこの法律ができ上がった、それで本部というものも法律上位置付けられておられる、その中で恐らく一定の位置付けを鴻池大臣は担われるということはもう事実上固まっていると思うんですが、そうなってくると、法律上はこれはもう十分特命大臣としての要件は満たしている、あとは法制局の方から今御答弁いただきましたようにその法律の運用をどうするかという判断になってくると思います。
 そこで伺いたいんですが、今日は特区室の審議官もおいでいただいておりますけれども、これは内閣官房として、本当はこれ御担当は内閣官房でも別の部署なのかもしれませんが、内閣官房としての、組織としての意向として審議官の方からお答えをいたしますということでございましたので、審議官の方に確認をさせていただきたいんですが、今法制局の方から法制上は適用可能だと、特命大臣発令可能だと判断すると、あとは運用の問題ということですが、この特命大臣を鴻池大臣に発令するかどうかというのは、事務方として何か問題がありますか。それとも、これはもう内閣総理大臣の意思において、内閣総理大臣がそれを発令するというふうに言えば発令されると考えてよろしいでしょうか。
#41
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。
 私は構造改革特区担当大臣の下の事務方ということでございますので、この御質問に答弁することが適当かどうかという問題はございますけれども、一般論として言えば、任命権者である総理大臣の政策判断というふうに承知しております。
#42
○松井孝治君 これは鴻池大臣にお伺いしても自分の権限を強めてくれみたいな話ですし、そうでなくても政治家としてのリーダーシップがおありの方だというふうに私ども認識しておりますので、そういう権限によらなければ仕事はできないみたいな議論は、恐らく美学からいっても余りお好みになられないと思いますから、あえて大臣には伺いませんが、今の話を総括してみれば、法制的にも十分それは、今回のこの法律の施行を担当する事務というのは特命大臣の事務に足る事務であるというふうに、一般的に言えば内閣法制局というのはなかなか硬い解釈をされるところなんですが、そういう内閣法制局も法制的にはそれは十分可能ですというお話でしたし、今事務方も内閣官房を代表してそれはもう総理の政策判断だと言われたということは、私はこの場で確認しておきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、最後の御質問を大臣にさせていただきたいと思いますけれども、これはもう以前からお話をしているところでございますが、やっぱり各省との関係の調整というのは難しい。ですから、今、特命大臣の話も私申し上げた。ここで最後、個別には通告をしておりませんけれども、やっぱりこの法律の特例規定を見直すということについて、今法律上、個別の各省が見直すということになっているんですね、法律の三十六条は。「関係行政機関の長は、」という主語になっている。総理大臣を位置付けるとしたらその他というところに位置付けるしかないという状況になっています。
 これは私、次なる法律改正のときには必ず改正をして、やっぱり政府全体の観点から、あるいは内閣総理大臣を補佐する鴻池大臣が政府全体の観点から、おい、この規制はもう特区だけじゃなくて全国に及ぼすべきじゃないかという議論を提起できる、そのときにやっぱり各省をないがしろにしてやれということではありませんが、そういう法制に私この法律を作り変えていただきたい。やっぱり各省だけに任せると、個別で特区で認められたものについても、それをいろんな形でバリアを高くする、あるいはそれを全国に広げるのなんかはとんでもないという話になってしまう。ここはやっぱり政府全体として、鴻池大臣のリーダーシップあるいは総理大臣のリーダーシップでそれを全国に広げるような仕組みに是非改善をしていただきたいと思いますが、最後に鴻池大臣の決意を伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(鴻池祥肇君) 野党第一党の方から私の立場について随分御心配をいただきまして、有り難いことだと存じております。
 前回も御答弁申し上げましたように、いろんなタイプがあると思いますけれども、役職によって仕事ができるタイプ、なくても頑張れるタイプと。私はどちらかというと後者の方でございますので、人事に関しましては、一切関係者、総理を始め皆さん方にお任せをするところでございます。
 しかし、先ほどの御議論の中で私もまた声を荒らげてしまったわけでございますが、一課長を侮辱するわけではございませんけれども、どうやればできるか、できないことをどうすればいいかという総理の大変重要な決断というか指導に対して、役所の課長さんがどうやったらできないようにしようかという御判断をいただくということは極めて不愉快なことであるというふうに私も先ほど答弁を申し上げたわけでございまして、そういったところを排除しながら、ほとんどの国民、ほとんどの政党の皆さん方が、この規制改革ということをやらなければ、構造改革をやらなければ日本の国に活力は戻らないという同じ視点からこの特区という構想も出てきたというふうに思えるわけでございますので、今、松井委員からの御提案というもの、極めて重要なことだと存じます。十分耳を傾けながら今後に対処していきたいと存じております。
#44
○松井孝治君 終わります。
 ありがとうございました。
#45
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 社会保険労務士法の特例について、まずお伺いいたします。
 構造改革特別区域法案では社会保険労務士に労働契約の締結、変更及び解除に係る求職者又は労働者の代理業務を認めるとしていますけれども、現在、弁護士にしか認められていない業務を社会保険労務士に認める理由は何でしょうか。
#46
○政府参考人(青木豊君) 今回の特例措置は、求人数は相当あるけれども求人数ほど就職者が増加しないでせっかくの求人が無駄になっているというような地域におきまして、社会保険労務士の業務を規定している社会保険労務士法の規定の例外を設けまして、一定の要件に該当する社会保険労務士は求職者や労働者の求めに応じて労働契約の締結、変更、解除について代理を行えることとしているものであります。
 この特例措置によりまして、労働問題の専門家である社会保険労務士が求職者や労働者の代わりに労働契約の締結等について企業と交渉を行うことができるようになります。これによりまして円滑な労働契約の締結等が促進されまして、雇用のミスマッチの解消に大きな効果を発揮できるということで、今回このような業務の拡大をするということにしたものでございます。
#47
○吉川春子君 この法律の改正につきまして日弁連等から反対意見が寄せられておりまして、中間搾取を禁じた労基法六条の例外を認めることへの疑問、果たして需要があるのかという反論。また、自由法曹団は、民法の禁じる双方代理になるおそれがあるのではないか、こういう意見を述べております。双方代理あるいは利益相反行為等を弁護士法では禁止しているのに社労士法では今回規定しなかった、その理由はなぜですか。
#48
○政府参考人(青木豊君) 今御指摘になりました双方代理は民法百八条によりまして禁止されておりまして、今回の法案においてもその特例を設けておりませんので、社会保険労務士が労働契約の締結等に際して双方代理を行うことは違法となるわけであります。
 今回の特例措置により認められる業務は労働者本人に直接大きな影響を及ぼすものであるということから、一定の能力を有した適正な職務執行を行っている社会保険労務士のみに今回の特例業務を認めるということにいたしました。また、都道府県労働局長の認定を受けることを検討しているところでございます。
 そのようなことで設けなかったということでございます。
#49
○吉川春子君 今、こういう業務が行える弁護士法には禁止規定があるんですね。もちろん民法に大原則の双方代理禁止という原則があるのは当然なんですけれども、それを個別の法律に設けているんですが、今の御答弁では、なぜ社労士法にはその禁止規定が設けられなかったのか、またその担保があるのかということについての答弁としては非常に不十分だと思います。
 それで、大臣、鴻池大臣にお伺いいたしますが、今度のこの社労士法の改正は、社労士会からの要望があったわけではないんです。それから、弁護士会の方は反対していると。国民の利益を守る立場から、やっぱりこれまでやってきたように、社労士法の、社労士の業務の拡大というのはしてきているんですけれども、その場合も、両方の意見を聞いたり十分検討したりして法改正を行ってきたんですね。
 ところが今回は、夏休みに地方公共団体から特区の要請が上がってきた、それを受けて、どちらの意見も聞かずに、十分検討せずにこういう法律の改正をしてきたというのは私はちょっと拙速ではないかというふうに思うのですが、この件について大臣はいかがお考えですか。
#50
○国務大臣(鴻池祥肇君) 吉川委員、もう既に何度も御理解ある発言をいただいておりますように、この特区の提案というのは、地方公共団体、地方からの提案であるということでございまして、この自発的な計画を作成をされたものを私どもが評価をし、そして実施するものでございます。
 本件につきましても、特定事業の実施主体から意見を聞くと、いわゆる地方公共団体がですね、そういうことにも相なっておりますので、法案を提出するに当たりまして必ずしも社会保険労務士や弁護士会との調整が必要であるとは思っていないところであります。
#51
○吉川春子君 地域経済の活性化ということは私たちも非常に必要だと思っています。そのためにいろいろな法改正を行う場合に、私としては、これまでのしがらみをもう断ち切るんだというお考えは伺っていますけれども、やっぱり慎重にやるべきことは慎重にやって、法改正を、諸般の比較考量、そしてその住民の利益を守る、労働者の利益を守る、そういう立場から是非進めていきたいということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、パートタイム労働者の社会保険適用基準について、被保険者の資格、その根拠について伺います。
 千二百万人のパート労働者のうち、厚生年金、健康保険の未加入者は六四・四%というふうに言われておりまして、約三分の二の人がこれに当たるわけです。社会保険の適用基準、すなわちパート労働者が健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格を取得するための要件は何ですか。そしてまた、その根拠は何によっているんでしょうか。
#52
○政府参考人(真野章君) 健康保険及び厚生年金の被保険者は、適用事業所と常用的使用関係にある者ということになっておりまして、それぞれ健康保険法三条なり厚生年金保険法第九条に被保険者の定義がございます。
 この常用的使用関係の有無ということでございますが、労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案し、個別事例に即して認定をするという取扱いになっております。
 具体的には、一日又は一週の所定労働時間及び一月の所定労働日数が、当該事業所におきまして同種の業務に従事する通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数のそれぞれおおむね四分の三以上である就労者を原則として常用的使用関係にある者というふうにして取り扱っているところでございます。
#53
○吉川春子君 その根拠は何でしたっけ。
#54
○政府参考人(真野章君) 根拠、被保険者の定義そのものは先ほど申し上げたとおりでございますが、今申し上げました具体的な取扱いにつきましては、昭和五十五年の六月に保険局の保険課長、それから社会保険庁の健康保険課長、厚生年金保険課長が出しました文書でございます。
#55
○吉川春子君 通達ですか。
#56
○政府参考人(真野章君) 文書の形態は、発翰文書がございませんので、通達ではございません。
#57
○吉川春子君 ちょっと、時間もないので端的に答えてください。内簡でしょう。
#58
○政府参考人(真野章君) 通常、内簡と言われているものでございます。
#59
○吉川春子君 先ほど、一片の課長の通達でというお話がありまして、これは、パート労働者の社会保険適用基準が一片の課長通達でさえないということをまず指摘しておきたいと思います。
 それで、内簡というのは大変古い日本語で、パソコンでも一発では出てこないんですけれども、内容も非常に問題があります。まず、その加入要件、社会保険の適用基準を事業所単位で考えるというふうになっております。同じ労働時間のパート労働者でも社会保険に加入ができる場合とできない場合が出てくるんですね。
 それは、例えば一日五時間半働くパート労働者であるとします。ところが、所定労働時間が七時間の事業所では社会保険の適用がありますけれども、八時間の事業所では適用がない、こういう矛盾になるわけですね。このことについて、その四分の三という基準を当該事業所単位で考えていくということによって、そういうパート労働者の間に不公平が生ずるということについてはどのように思いますか。
#60
○政府参考人(真野章君) 当該事業所におきます同種の業務に従事する者ということで、事業所の同じ現場で、現場といいますか、同じような業務を行っている方々と比べて四分の三と、おおむね四分の三ということが判断として常用労働者ということになるということでございまして、先生の御指摘な部分もございますが、逆にまた画一的に時間で決めますとそれぞれの事業所なり現場で異なるということもございまして、私どもとしては、当該事業所のよく似た業務というものとの比較というのが今のところ取扱いとしては適当ではないかと思っております。
#61
○吉川春子君 この社会保険の適用基準なんというのは画一的じゃないと困るんじゃないですか。A事業所に五時間三十分勤めているパート労働者は社会保険の適用がある、B事業所に勤めているパート労働者は同じ五時間三十分勤めても社会保険に適用がない、これは非常に同じパート労働者の間に不公平を生みますよね。こういう事業所単位の適用ということは問題だとは思わないんですか。
#62
○政府参考人(真野章君) 先ほど来申し上げておりますように、事業所との常用的雇用関係にあるかどうかということを判断するわけでございますので、事業所との関係において判断すべきものというふうに思っております。
#63
○吉川春子君 答弁になっていませんよ。常用労働者ということはもう前提で聞いているんですよ。そして、四分の三ということを言っている。
 ところが、Aの事業所とBの事業所で所定労働時間が八時間と七時間というふうに違えば、それぞれ五時間三十分働いているABのパート労働者が、一方では社会保険の適用がある、一方では社会保険の適用がないと、常用労働者で。そういう差が生ずるということについてどうですかと聞いているんです。
#64
○政府参考人(真野章君) 常用労働者という部分において、私どもとしては、当該事業所のよく似た業務に従事される者との関係でおおむね四分の三というのを言っているということでございます。
#65
○吉川春子君 私の質問分かっていただけますか。
 その所定労働時間が八時間のところと七時間のところだと、四分の三の値が違ってくるじゃないですか、算数で計算すれば。だから、五時間三十分それぞれ働いている労働者でも、七時間と八時間では四分の三という基準をクリアできる事業所とできない事業所が出てくるんですよ、所定労働時間ということでやるわけですからね。事業所単位の所定労働時間ということでやるわけですから。そういう差が出てくるけれども、それは不公平ではないのかと聞いているんです。常用労働者ですよ。
#66
○政府参考人(真野章君) 先生の御前提の常用労働者という場合に、私どもはそれぞれの事業所の四分の三ということが常用労働者かどうかのメルクマールだということを申し上げているわけでございまして、確かに、所定労働時間が八時間と七時間の事業所があれば、実際に業務されておられる方の時間数によってその適用が分かれるというのはその御指摘のとおりでございますが、その当該事業所におきます当該事業所との常用的関係かどうかという判断を、当該事業所のよく似た業務との関係の四分の三という基準をもって私どもは判断をしているというふうに申し上げているわけでございます。
#67
○吉川春子君 よく似た業務とかそういうことは今は関係ないでしょう。それはもう当然の前提で聞いているんですから。
 この内簡、課長の通達ではないお手紙、拝啓から始まるんですからね、この文書は、大臣。拝啓時下ますます何とかかんとかと、こういうのが始まるんですよ。そこに基準が示されているんです。そして、それが当該事業所ごとに判断するので今のような矛盾があります。
 それから、もう一つ申し上げますけれども、今、パート労働者は掛け持ちで二つ以上の事業所で働く労働者が増えています。それは、使用者の方が社会保険の企業負担、使用者負担を払いたくないと思えば、四分の三以下で切るわけですね。そうすると、それではお給料が生活を維持するのに足りませんから二つ以上働くと。これがダブルパートの労働者が増えている理由です。
 それで、その場合に、これはもう完全にその四分の三ということはクリアできません。ある事業所で十九時間、もう一つの事業所で深夜また十九時間と、三十五、六時間働いても結果としては四分の三に当たらないので、この方々も社会保険の適用から外れるわけですよね。これはやっぱり非常に、老後の生活とか、あるいは社会保険、健康保険とかそういう適用を除外されるわけですから、大変な問題ですよね。
 こういう問題について、私は、結論的には労働時間を合算して社会保険の適用基準というものを決めるべきではないかと思いますが、その点については改革の意思はおありですか。
#68
○政府参考人(真野章君) 今申し上げておりますように、厚生年金なり健康保険の被保険者かどうかというのは事業所との常用的雇用関係があるかどうかということに着目して適用するということになっておりまして、今、先生御指摘のように、複数の事業所で先ほど来問題になっておりました四分の三という基準をクリアしていないという場合には、これはなかなか今までのことからいたしますと適用するというのは非常に難しいんではないかと。また、実務的にも、それぞれの事業所、事業主が就労者の他の勤務時間その他をどういうふうに把握するのかというような実務的な問題もございまして、なかなか難しい点が多いんではないかというふうに思っております。
#69
○吉川春子君 やっぱりこういうところを本当に改革いたしませんと、こういうところは是非構造改革という形でやっていただきたいと思うのですが、パート労働者で母子家庭で、そして昼間だけ働いたのでは生活できない、子供を寝かし付けてまた夜働くと、そして四十時間近い労働をしても健康保険も年金も入れない、こういう悲惨な状況にあるわけで、それは今の制度自体に非常に大きな原因があると思うわけです。
 それで、続いて伺いますけれども、百三十万の壁ということがよく言われますけれども、パート労働者の社会保険適用基準としてこの百三十万ということが基準になるのでしょうか。
#70
○政府参考人(真野章君) 百三十万円ということでございますが、これは被扶養者の認定要件といたしまして、主としてその被保険者により生計を維持する者に該当するかどうかという判断でございまして、パート労働者が健康保険なり厚生年金の被保険者かどうかというのは、先ほどの議論でおおむね四分の三というところで判断をすると。そして、それに該当しないという場合には、国民健康保険や、年金でいきますと国民年金の第一号の被保険者になるわけでございますが、国民健康保険や第一号の被保険者になるのかどうか、それから健康保険の被扶養者になるのかどうかと、そういう場合のメルクマールでございまして、百三十万円未満の場合には健康保険や厚生年金の被扶養者になりますし、百三十万円以上の場合は、今申し上げました国民健康保険や国民年金の第一号の被保険者の適用を受けるということでございます。
#71
○吉川春子君 端的に言えば社会保険の適用基準にはならないと、百三十万は、そういうことですね。
 それで、会計検査院、おいででしょうか。会計検査院はパートタイマー等の短期労働者の健康保険及び厚生年金について徴収額が不足しているという指摘を毎年しておりますが、その基準、根拠は何によっていますか。また、この三年間の徴収不足額、金額は幾らに達しているでしょうか、年度別でいいんですけれども。
#72
○説明員(増田峯明君) 私どもの検査の中で常用的な使用関係にあるか否かの判断につきましては、先ほど厚生労働省の方から御答弁がありました取扱い基準に基づいて判断をさせていただいております。
 指摘の結果でございますけれども、過去三年、十三年度まででございますが、まず十一年度につきましては千八百七十四事業主、五十九億一千六百二十八万余円、十二年度は一千七百六十七事業主におきまして五十四億九千五百八十三万余円、十三年度は千五百十八事業主につきまして四十三億二千二百二十万余円の徴収不足を指摘いたしているところでございます。
#73
○吉川春子君 確認いたしますが、内簡の基準によってこの会計検査を行って不足額を徴収しているという理解でよろしいですか。
#74
○説明員(増田峯明君) おっしゃるとおりでございます。
#75
○吉川春子君 一九九六年十月三十一日の社会保険審査会裁決について伺いますが、会計検査院が今のような検査を実施されまして、社会保険に加入していなかった市役所の臨時職員、仮にXとしますが、加入漏れであると指摘されて、茨城県知事が健康保険、厚生年金保険の被保険者資格の取得を確認する処分をいたしました。つまり、今までは入っていなかったけれどもこれからは社会保険に入りますよ、あなたは被保険者ですよという確認処分をしました。そして、Xは二年分の年金等の保険料を負担しなければならなかったので、資格確認処分を不服として社会保険審査会に審査請求をいたしまして、知事の確認処分は妥当性を欠くとして取り消されましたね。この理由は何だったんでしょうか。
#76
○政府参考人(真野章君) 平成八年十月三十一日の審査会の裁決でございますが、おおよそ先生おっしゃるとおりでございます。それにつきましては、裁決書の中で請求人の主張がもっともであると思われるような記述があったにもかかわらず、著作物、新聞記事が出されても保険者がこれを訂正するための措置を講じたと認められないと、したがってというようなお話、それから先ほど先生御指摘がありました内簡という形態が通達とは違うというようなこともありまして裁決が行われたというふうに承知をいたしております。
#77
○吉川春子君 要するに、パートタイム労働者が百三十万ということが社会保険適用の基準であるかのように誤解したのは無理からぬ理由があると、それは新聞、マスコミの報道でもあるしということも書かれておりました。そして、保険者の取扱いを示したと思われる内簡は、今答弁がありましたように、通常、責任ある官庁が出す通達の類とは異なったものだと、内容も、おおよそでしたっけ四分の三というような具体性に欠けた、おおむね四分の三以上というあいまいな表現があったりして実務的な判断基準としては使えるか疑問だと、こういう裁決の内容で、最後に、パートタイマーに対する社会保険適用の問題は社会的にも大きな問題であるので、当審査会としては明確な基準の下にその適用を行うように切望すると、こういう意見が付されましたが、このことについてどのような対応を取られたのでしょうか。
#78
○政府参考人(真野章君) そういう会計検査院の指摘、それから裁決その他等を受けまして、私ども、従来からの指導ではございますけれども、先ほど来お話の、おおむね四分の三以上の場合の社会保険の適用をきちっとするという指導をいたしておりますし、新規の適用事業所の事業主説明会、事業主に対する定期的な指導など、機会あるごとにその周知徹底に努めているところでございます。
#79
○吉川春子君 一般のパートタイム労働者がそういうものを誤解するような内簡の内容だということなので、当該事業所に徹底するだけでは足りないのではないですか。そして内簡という、課長の通達でもない、お手紙ですよね。拝啓時下ますます御清祥のこととお喜び申し上げますと、こういうところから始まって、パート労働者の社会保険の適用基準は以下以下ですというお手紙なんですよね。だから、この裁決が指摘するとおり、実務的な判断基準として使えるかどうか疑問だというふうに言えると思うんです。そして、しかもこの内簡は、今となってはこれは廃止しなくてはならないものではないんですか。地方分権一括法が通りまして、この内簡というものは廃止されたのではありませんか。
#80
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の内簡は、確かに都道府県の民生部局の保険課長あてでございますけれども、これは、この業務は地方事務官制度の廃止に伴いまして各都道府県社会保険事務局が引き継いでおります。それから、厚生年金なり健康保険の適用というのは、そこの事務として現在もございますので、そういう意味では判断の基準として今も私どもとしては当然有効だというふうに思っております。
#81
○吉川春子君 もう地方分権一括法が成立して機関委任事務も廃止されて、だから内簡というのはもう、通達でもないものでいいかどうかという議論を最初に申しましたけれども、それに加えて、これはもう法律の改正によって廃止されちゃったもの、それがいまだに基準として、一千万人以上いるパートタイム労働者の社会保険の適用基準として生きていると、しかも、いろいろと指摘しましたように、事業別に個別に判断するとかいろいろな問題点があるわけなんですけれども、こういうものを今後もあいまいな内簡のような形の基準をそのままずっと維持していくつもりなのかどうか、これについての改革というか、きちっと基準を示していくとか、そういう意図は、そういう取組というのは全然なさらないんでしょうか。
 本当に私としてはもうあきれるばかりと。お役所というのは文書に文書を積み重ねてやっていくでしょう。そういう初歩すらないということに対して、非常に怒りすら、パート労働者の立場に立ったら怒りすら感じるんですけれども、どうでしょうか。
#82
○政府参考人(吉武民樹君) 委員御質問にございます短時間労働の方々の、私どもの年金の関係で申しますと、厚生年金適用についてでございますけれども、昨年末に女性と年金の検討会の報告書が取りまとめられまして、これを踏まえまして、平成十六年の年金改革に向けまして社会保障審議会の年金部会においても御検討をいただいているところでございます。
 その御議論の検討過程におきまして、特に女性と年金の検討会の検討過程におきましては、厚生年金等の社会保険の適用基準につきまして、通常の就労者の方の就労時間の二分の一以上、あるいは二分の一以下であっても年収が六十五万以上の方について適用してはどうかというような提案もなされております。この提案を一つのベースとして検討が進められております。
 いずれにしましても、就業形態が多様化しておりますので、そういう状態の中で短時間労働者に対しまして被用者にふさわしい年金保障の充実を図るといった観点から、短時間労働者の方に対します年金給付と負担の在り方、それから現実には、これは適用拡大をいたしますと事業主の保険料負担の問題がございますし、それから御本人にとりましても厚生年金の保険料負担の問題がございますので、その負担の影響等の課題にも留意しながら今後検討していく必要があるというふうに考えておりまして、適用基準の在り方につきましても平成十六年の年金改革に向けてこれから幅広く議論してまいりたいというふうに考えております。
#83
○吉川春子君 もう一つ申し上げたいのは、国家行政組織法の十二条四項におきまして、「法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。」ということは明確にされております。
 これは法律の根拠もなしに、会計検査院が入ればこれは違法だということで、その二年分さかのぼって取り立てられる。これは会計検査院がいけないというふうに私言っているんじゃなくて、その内簡という不明確なものに基づいて厚生労働省の方がやっている、それの会計検査という形でおやりになっているんだろうとは思いますけれども、そういう強制力が働くという結果になるわけですよね。そういう非常に法律的に不備だという問題が一つあります。
 それで、大臣、いろいろ今細かい法律的な解釈論をお聞きいただいたわけですけれども、これから先はちょっと大臣に質問をいたします。
 今、パート労働者の社会保険の適用問題というのは非常に深刻な大問題でございまして、やっぱり一生懸命働きながら保険の適用がない、社会保険の適用の条件から漏れてしまう、こういうパートタイム労働者がたくさんいるわけです。例えば、三十五時間、四十時間働いて、そしてやっぱり老後のためにも、あるいは自分の健康を害したときにもそういう社会保障の恩恵を受けられるということは、やっぱり日本国民として当然そういうことが与えられなきゃならないと思うんですね。
 そういうことも加味いたしまして、今非常に不明確な社会保険の適用基準、短時間労働者に対する適用基準について、こういうところを是非構造改革で、本当に弱者、こういう方々のために構造改革をしていただきたいと、パートタイム労働者の問題について大臣の御所見をお伺いして、私、持ち時間が少なくなりましたので、終わりたいと思います。いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私の身の回りにもパートで働いておられる奥様方、たくさんおいででございますが、ただいまの御議論を聞いておりまして、いろんな問題があるんだなというように思いました。勉強させていただいたわけでございますが、大変そっけない返答で恐縮ですが、私自身に与えられました任務と違う議論のことでございますので、答弁は控えておきたいと思います。
#85
○吉川春子君 そうですか。
 地域経済の活性化ということを考えたときに、やっぱり働く人たちの処遇をどうしていくか、賃金とか社会保障とかそういうものをどうしていくか。そして、将来に不安のないそういう生活の中で初めて消費も需要も喚起されて消費も拡大していくのではないでしょうか。
 そういう中で、今パート労働者は真っ先に解雇されますし、雇い止めという形で解雇されますし、雇用保険も同じような問題があるわけです。今日は雇用保険の問題に触れる余裕がありませんでしたけれども、やはり雇用保険に入っていないパート労働者も多数います。そういう中で、社会保険の適用の問題について今様々な議論が行われていますけれども、是非パート労働者の権利を守ると、そういう立場に立った構造改革あるいは年金改革が行われますように私は強く要望をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#86
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。
 まず、大臣にお伺いいたします。
 小さく産んで大きく育てるという言葉がございます。私は、今回の構造改革特別区域法案は、名前は非常に堂々としておりますけれども、体質はどうもひ弱な構造ではないかというような感じをしております。そこで、国の援助なしでうまく立ち上がっていくのか、歩いていけるのかというふうなことがいささか危惧をしておりますけれども、これに対する大臣の御自信のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#87
○国務大臣(鴻池祥肇君) 島袋委員の絶えず御心配の御発言、十分承知をいたしておるところでございますが、特に、財政措置がない、パンチ力がないよという思いも根底におありというふうにも、続いております御質問にかいま拝見できるわけでございます。
 この特区の構想そして推進に当たりましては、まず試しだということの御認識をちょうだいしたいと思います。やってみようじゃないかと。財政措置、あるいは法的な、税制の措置もないと。地域から、沖縄県から、秋田県から、こういった地域からの思いというものを十分受け止めて、そしてできるものからできるだけ早く、できないものはどうすればできるかということを規制の中で考えていくということであります。そして、御心配に至らないようにフォローをしていかなければならないと、このように考えておるところであります。
#88
○島袋宗康君 試しにやってみたいというような方向性は分かりますけれども、やっぱり地方の財源というのは非常に厳しい状況でありますから、これから質問いたしますけれども、この法案については地方の自主性あるいは自発性、主体性というようなことが強調されているようであります。何事をやるにつけても先立つものというのが、やっぱり物事はなかなか成立しないというふうなことが世間の常識となっております。今、地方には自主財源が乏しいということが現下の状況でありますので、国から地方への財源の移譲を行って、地方に先立つものを渡してあげないと地方は特性を発揮できないのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えになっておるか、再度お伺いいたします。
#89
○国務大臣(鴻池祥肇君) 地方への財源の移譲につきましては、構造改革特区の取組とは先ほど申し上げましたように別問題でございますけれども、現在、国庫補助負担金、交付税、税源措置を含む税源配分の在り方を三位一体で今検討いたしておるところでありますので、御承知をいただきたいと思います。
#90
○島袋宗康君 その三位一体の改革というものを、これからやはり地方が期待できるような方向性が見いだせるのか、あるいはこのまま推移していくのか、その辺の状況はどんなものですか。
#91
○国務大臣(鴻池祥肇君) その件につきまして、正に委員御指摘のように議論をいたしておるところでございます。
#92
○島袋宗康君 緩和の対象となる規制の範囲にかかわる問題についての話になりますが、国があらかじめメニューを示しておいて、その範囲内でこれは緩和してよい、これは緩和してはいけないというような規制の緩和、撤廃なら、地方の自主性といってみても、やはり地方は国の掌中で踊らされているにすぎないというふうなことが言えるのではないかと。それで果たして地方の自主性が発揮されて本当の意味での構造改革あるいは規制の緩和に結び付くことになるのかどうか、その辺についてお尋ねいたします。
#93
○国務大臣(鴻池祥肇君) メニューをあらかじめ示すのではないかという御指摘でございますが、これに関しましては、この特区構想は全くそういうことはしない、あくまでも御提案を地方からいただくと、こういうことでございまして、八月三十日に締め切りました、そして本法案を御審議をいただいております過程におきましても、メニューを示したということは一切ございません。あくまでも地方からの提案、提言というものを受け付けさせていただいて、これをいい意味で精査をいたしながら本日に至っているというところでございます。
 ただ、委員の御心配、御指摘の中には、そうであっても、省庁の方からのある意味での抵抗があるのではないかということもお含みであろうというふうに拝察するわけでございますが、これに関しましては、先ほど来の質疑、御議論の中にございますように、正に総理が、できないことはどのようにすれば可能になるかという、そういう大きな指針を逆に覆して、いかにすればできないようにしようかという、こういう役所もこれありというようなこともかいま見えてきておりますので、こういったことにつきましては委員と同じ心配をするものでございますし、これをできる限り排除をいたしまして地方からの提案を十分受け止めなければならぬという覚悟を新たにいたしておるところでございます。
#94
○島袋宗康君 今の決意をお聞きいたしまして少し安心しましたけれども、是非その方向で頑張っていただきたいというふうに思います。
 この法案で認定する程度の規制緩和ならば、何も及び腰の規制緩和の実験を地方にやらせてみるまでもなく、国の責任で政府が真正面から堂々と規制改革を推進してはいかがでしょうかというふうなことをまずお聞きしたいと思います。
#95
○国務大臣(鴻池祥肇君) 衆参の御議論の中で、やはり強烈にそうすべきであるという政党あるいは委員もおいででございました。ただ、それは大変理想でございますけれども、規制の中には歴史もあり、それなりの意味する理屈、理由もこれありということで、全国的な規模で一挙に規制改革というのはできない。それゆえに、この特区ということで、地方の提案を受けながら、一点集中し突破口を作っていこうというのが特区構想でございます。
 これがうまくいけば隣にいい意味で火が着いていく、もっとうまくいけば全国に燎原の火のごとく広がっていくということを期待しながら我々は進めていっておるところでございますので、どうかひとつ御理解をいただきたいと思います。
#96
○島袋宗康君 最後にいろいろ難癖を付けたような質問をいたしましたけれども、小さく産んだこの法案が大きく育つように念じつつ、再度大臣の御所見を、御自信のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#97
○国務大臣(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
 この法案を成立させていただきまして、そしてこれを生かす殺すというのはやはりまず政治家の認識であろうと思いますし、私どもこれを担当いたしております者のいい意味での迫力ではないかというふうに思っておるところでございますので、小さく生まれるかもしれませんけれども、是非とも、いいものが一つ、いいものがまた一つ、いいものが三つ目、これが今申し上げましたように燎原の火のごとく全国に広まっていき、そして沈滞をいたしておりますこの日本列島に明るいものが生まれることを期待をいたしておるところでございます。
#98
○島袋宗康君 まだちょっと時間がありますけれども、沖縄は自由貿易地域とかあるいは金融特区とかあるいは情報特区とかいうふうなことが政府によって指定されておりますけれども、大臣として、今度の構造改革特別地域において、沖縄の立場から、あるいは沖縄の現状を、この特区ができることによってどういうふうな形で、担当大臣ではありませんが、この法案の担当大臣として、沖縄の今の状況というものを、どのようにこの特区ができることによって方向性が見いだせるのかというふうなことが、何かありましたら御所見を承りたいと思います。
#99
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先日も、沖縄県に対しまして、沖縄というところは、東京との距離から見ればアジアの非常に重要な地域、都市と等距離にある、そして正にきれいな空気、海、こういった自然環境に恵まれたところでございます。そういった中で、沖縄県の過去の歴史、そして現状をかんがみた場合に、我々とすれば、いかに沖縄県が本土と同じレベルで御活躍できる県民が多く生まれることを期待をしながら、いろんな各省それぞれが努力を今までいたしてきたところでございます。
 ただ、残念ながら、失業率始め、経済的にも効果が本土並みには表れていないというのも現状でございます。それゆえにいろんな施策が講じられているところでございますが、特区からいえば、どうかひとつ、逆に、このような規制というもの、あるいはこのような提案を受け入れてくれれば沖縄県は、沖縄県のこの地域は活性化するんだという御提案をどうぞひとつ沖縄県の、特に若い県の職員、あるいは市の職員、村の職員の皆様方、また経済界の皆さん方の御提案をちょうだいをするということを御期待申し上げ、そしてともに沖縄県の発展を図っていきたいと、このように思っているところでございます。
#100
○島袋宗康君 非常に大事なことを発言をしていただいて、本当にありがとうございます。
 私も、いわゆるその立場でこれから一月の十五日に向けて相談してみたいというふうな決意を申し上げて、大臣のますますの沖縄県に対するいろいろな考え方を県民に本当に伝わっていくような体制を作っていけば有り難いというふうに思っていますので、御努力をお願いして、終わります。
 ありがとうございました。
#101
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。よろしくお願いします。
 私は、特区のことについてなんですけれども、大臣いらっしゃいますが、私がこれから質問することは、この間の十一月二十八日の質問のときにもそうだったんですけれども、答弁としては否定的な答えをいただきました。ですけれども、私は、この特区の成功、地方自治の経済を活性化するということは、その土地に住んでいる人々の自由度が高まらないとこれは成功しないと思います。特に、地方で働いているのは、女性たちはパートの女性で既婚女性たちです。その人たちが地方経済に活力をもたらすかどうかのかぎを握っていると私は考えています。
 一般論になりますけれども、女の人たちは男の人たちがやることに表舞台では参加させてもらえない状況が戦後何十年と続いてきました。例えば、女性の生き方は結婚が一番の幸せだと言われて、女性の場合は戸籍婚をすれば配偶者控除とか配偶者特別控除の税制上の優遇措置があったり、あるいは年金保険料を支払わなくても第三号被保険者として年金を受給できるというような、そういう制度上の特典が与えられました。
 ですけれども、それは裏を返してみれば、その特典、優遇措置と言われているものは実はサラリーマン男性への優遇であって、女性の立場に見ると優遇イコール女性の自由を抑圧するものであった。女性はその制度内で、働けば不利になるから、女性は自分の経済能力を実現できないままこうやって何十年もたってきた。
 確かに、戦後五十年、女性はそうやって男性を補助的に助けることで日本の経済は活性化してきましたけれども、時代が変わりました。今、男性たちは仕事がなかったり、いろんな意味で不景気のあおりを食らって仕事がなくなって、自殺する男性も増えてきたと言われています。今この時期に女性の足を縛る様々な制度、規制を解かなければいけないと思います。そして、特にもう子育ての終わった既婚中年女性の足をほどかないといけないと思います。その足が配偶者控除であり配偶者特別控除であり、そしてまた若い女性たちにとっては夫婦別姓の問題もあります。あらゆる、頭の先から足の先まで、女性は男性中心社会の中で、法律的に、社会慣習上からも規制を受けているんですね。その規制をまず、鴻池大臣は、ほかの大臣方とも話し合って、解放する方向に持っていきながらこの特区をやっていただきたいと私は思っております。
 先月、十一月二十八日の私の質疑に対して、財務省の加藤治彦審議官はこうおっしゃいました。特区において、国税に関するものは国民の平等権からいって難しい、地域によって差を設けるということは国税として適当ではないと言わざるを得ないと、中抜きしましたけれども、このような答えをいただきました。ということは、特区において配偶者控除とか特別控除廃止に関する試しはできない、しにくいということですね。
 ですけれども、もう一度考えていただきたいということです。この配偶者控除と配偶者特別控除は、これは先ほど財務省の加藤治彦審議官がおっしゃったような国民の平等権からいって平等ではないということです。なぜなら、フルタイムで働いている妻を持つ男性はこの配偶者控除を受けられないわけですね。それからまた、その制度内にいる女性も専業主婦で働いている人と働いていない人がいて、働いていない専業主婦の夫は控除を受けられるけれども、百三十万円以内で、働いている人は控除を受けられないという、またその制度内でもいろんな差別が生じているわけですね。ここで税制をすっきりさせていただきたいと私は思っています。
 私の考えとしては、一九八六年に男女雇用機会均等法が施行されたその時点で、この配偶者控除と配偶者特別控除は廃止の方向に向かって進むべきだったと思います。もしその方向に向かって進んでいたら、十六年後の今はもう少し解放されて、女性が活性化されている日本になっていたと思います。この責任は一体だれにあったんでしょうか。官僚ですか、政治ですか。
 私は、この機会均等法が施行された時点で官僚の方たちがどんなふうにお考えになっていたのか、お答え願いたいと思います。財務省の加藤審議官、よろしくお願いいたします。加藤さんではなくて……
#102
○委員長(小川敏夫君) 財務省は田中政務官ですか。
#103
○田嶋陽子君 失礼しました。よろしくお願いします。
#104
○大臣政務官(田中和徳君) お答えをいたします。今日は加藤審議官は来ておりませんので、田中和徳大臣政務官、答弁を申し上げます。
 男女共同参画社会、今はもう議論の余地のないそういう社会が到来しておりますし、またそのことをやはり政府挙げて取り組んでいかなければならないわけでございます。
 ですから、一九八六年という御指摘がありました。今の考え方についての責任というのは、これはいろいろと考え方、受け止め方があると思いますけれども、やはりうまくいっていないところは、当然のことながら、私たちが今後政治の中にあってそれを促進をするために、推進をするために努めていくということが私は責任を果たしていくことだと、このように認識をしております。
 これは政府全体のことでありまして、決して財務省という一省の問題ではなかろうと、このようにも思っておるところでございます。
#105
○田嶋陽子君 それでは、一九八六年以降、段階的にこの二つの控除を廃止しなかったということは、官僚と政治家、両方の責任というふうに受け止めました。
 ということは、早速にこの件は、もし特区というところでやるのが不都合であるならば、私は、これは即刻全国展開してくださるように配慮してくださるように、そこに力を出していただきたいと鴻池大臣にお願いしたいんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#106
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま大臣政務官の御答弁、正に私もそのように思っております。
 委員おっしゃいましたように、特区になじめない御提案でございます。政治家として御意見を拝聴させていただき、私なりに解釈をしながら、政治家として時あるところにお話をしたいと、このように思っております。
#107
○田嶋陽子君 十二月になってから、固い自民党ですら男女共同参画の立場から配偶者特別控除は廃止した方がいいんではないかという意見になってきました。それは大変喜ばしいことだと思います。
 私も去年から、決算委員会や内閣委員会でこのことをしきりに質疑してまいりました。ですけれども、配偶者特別控除だけの廃止ではこれは不十分です。配偶者控除も一緒に近いうちに、二〇〇四年の税制の改革のときに実行していただきたい。それでなければ日本の経済は活性しない。急がば回れだというふうに私は考えています。日本の国民の半分を占める女性の力をもっと信頼して活用する方向に行く。女性一人は専業主婦になれば男一人のために尽くすようになっていますが、その女性たちが国民のために一人の社会人として働けば二・七兆円の税収入があるんですね。女性を一人の人間として扱う制度に早く進めていっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、配偶者特別控除を廃止した場合のその税収入七千億円は、これは企業に回すとか、新聞の報道ではそういう言い方がされています。私は、財務省としてはそういう言い方を報道にさせてはいけないと思います。それから、男女共同参画社会の局長さんもこういう言い方をさせてはいけないと思います。
 前にも言いましたけれども、女性からはぎ取った、あるいは女性を妻として持っている男性からはぎ取ったそのお金は、子育て支援あるいは弱者、今子育てをしている若者たちが弱者なんですね、その人たちは子育てで大変苦しんでいます、その子育てをしている若い夫婦の弱者たちにあらゆる形で回すとか、いわゆる手当で出すというその方針を、ビジョンをはっきり国は出していただきたいと思います。
 その点に関して、男女共同参画局長の坂東さん、どんなふうにお考えでしょうか、あるいはどのような方策を持っておいででしょうか。
#108
○政府参考人(坂東眞理子君) 配偶者特別控除、配偶者控除につきましては、男女共同参画会議の影響調査専門調査会の方から、男女共同参画の視点から見直す、また負担がそれによって増えることがないように調整をするという言い方で御意見をいただいており、それを専門調査会の大沢会長の方から政府税調の石会長の方に申入れをしていただいておりますが、その後の動きについては担当省庁の方で御検討していただいているというふうに思っております。
#109
○田嶋陽子君 私は、坂東局長の方から、そのことも担当大臣福田官房長官を通してあらゆるところでこれまでも発言してくださったと思いますが、これからも発言していっていただきたいと思います。
 次に、また皆さんは、何だ、これは特区とは関係ない男と女のことかとおっしゃるかもしれないですけれども、経済を活性するためには、既婚女性の活性化ということ、その人たちの足の鎖を解くということ、それが大事だというふうに私は信念を持っております。
 最近、児童虐待が増えています。児童虐待というのは、多くの場合、母親による、子供を殺すこと、いじめることです。母親がどれだけのストレスを受けているかということ、それから、母親はもう子供に向かわないで、路上で人を刺したり、それから介護している人を殺したり、殺人にまで至るようになりました。
 これは、女が特別ひどくなったんではなくて、たまたま解放され掛かってきた女性の向くエネルギーが、自分を解放するためにうまく働かないでそういう方向に動いているということなんですね。これは急に世の中が変わったことでも何でもありません。その殺すエネルギーを、子供を殺すエネルギー、近所の人を殺すエネルギーを仕事に向けたいと思います。それを仕事に向けていくのが政治だと思うんですね。それが今の日本には欠けていると思います。
 そして、若い女性たちが今結婚しなくて事実婚をしています。その大きな理由の一つが、これが夫婦別姓です。夫婦別姓のことに関して、私はまたこれを特区でやりたいと思います。
 もし特区でこれをやりたいという、そういう応募があった場合に、坂東局長はどのように対応なさいますか。
#110
○政府参考人(坂東眞理子君) 選択的の夫婦別氏のことをおっしゃっておられると思うんですけれども、その選択的夫婦別氏制度につきましては、今、大変いろいろな立場からの御意見がございまして、政府として検討している最中ということですので、一部の地域、特区で先行的にこの別氏制度を行うということは難しいのではないかなと思います。また、その特区の中でだけそれが認められたといたしましても、それ以外の全国的な部分では認められないということですと、かえって不自由といいますか、不便さが増す、社会生活の上においていろいろなそごを生ずることになるのではないかなというふうに考えております。
#111
○田嶋陽子君 法務省の原田審議官にお伺いします。
 この夫婦別姓を特区でやるということに関して、もしそういう申出があったとしたらどのように対応なさいますか。
#112
○政府参考人(原田晃治君) 夫婦別氏制度を特定の地域のみに導入するということにつきましては、二つの観点から検討すべき問題点があろうかと思っております。
 一点は、まず特区制度の基本的な考え方にかかわるものでございますけれども、特区制度というのは、やはり当該地域の特性、それから規制の趣旨、目的に照らして、当該地域についてのみ規制の特例措置を講ずる、この合理性が説明できるということが前提になっていると思われますが、夫婦が同一の氏を称するか別の氏を称するかという問題につきましては、構造改革特区か否かによって区別をすべき地域の特性が存在する問題ではないのではないかと考えております。
 それからもう一つ、特区における特例措置を設けることがこのようにその地域の特性と結び付いているということからいたしますと、特区制度の対象とされる事項は、規制改革による直接的な影響の及ぶ範囲が特区内で完結するということが一応の前提になっていると思われますが、例えば、構造改革区内に本籍を定める夫婦が特区の外に居住する場合というのがございますし、特区以外の地に本籍地を定めている夫婦が特区内に居住するという場合もございます。さらに、本籍地を特区内に定めた夫婦が本籍地とか住所を特区の内から外へ移すという場合もございます。こういうことを考えますと、夫婦別氏という制度を特区制度の中で実現するということについてはやはり基本的に問題があろうかと考えております。
 むしろ、夫婦別氏制度につきましては、特定の地域の住民だけでなく、広く国民にかかわる問題と認識しておりまして、国民一般に平等に適用されるべき制度として全国的に一律に導入するか否かを検討すべき事項であると、このように考えております。
#113
○田嶋陽子君 それでは、原田審議官にお伺いします。
 全国的に平等にということで、それでは法務省の今後の姿勢を教えてください。どのような考えで、どういう計画で、どういうふうにおやりになりたいとお考えですか。
#114
○政府参考人(原田晃治君) これまでの法務省の取組も併せて御紹介いたします。
 選択的な夫婦別氏制度の導入の問題につきましては、法務省としても平成八年に、これは法務大臣の諮問機関でございますが、法制審議会でこれを導入するという方向での答申をいただいております。その答申の内容を踏まえて、少しでも多くの方々に御理解を得られるよう努力を続けてまいりました。しかしながら、なお、これを政府として法案を提出するということにつきましては、国民一般の多くの方の理解を得ることが難しい状況にあると言わざるを得ないというのが現在の状況であると認識しております。
 この問題でございますが……
#115
○委員長(小川敏夫君) 答弁、簡略にお願いします。田嶋さん、質問時間過ぎております。
#116
○政府参考人(原田晃治君) 分かりました。
 婚姻制度とか家族の在り方と関連する重要な問題でございますので、国民各層や関係各方面で議論を進めていただき、なるべく早く結論を得たいと、このように考えております。
#117
○委員長(小川敏夫君) 田嶋さん、簡略にお願いします。
#118
○田嶋陽子君 時間がなくなってしまいました、四十四分までなんですけれども。
 これは国民全体になじまないんではなくて、自民党の人たちが反対しているんですね。国民は半数以上の人たちが、特に若い人たちはこれに賛成しているんですね。そのことを今日は、途中になってしまいました。それから、自民党の人たちが言っている、夫婦別姓にすると家族が崩壊するという考え方は全く間違っているということも今日申し上げたかったんですが、統計上あるいは社会現象上。ですけれども、時間がなくなって残念ですが、ちょっとここで終わります。また続きます。
#119
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。
 今まで、本当に長きにわたって特区法案についての論議がなされました。大変有意義な議論であったと私は感じております。途中、阿部理事の熱弁に与野党から拍手が沸き起こったり、松井委員の御質問、まるで私、講義のような思いで聞き入らせていただきました。その中で、この特区法案そのものにとどまらず、様々な法体系や役所の権能も含め、この国の形というものがうっすらと見えてきた、そんな気さえいたします。
 そのような高尚な議論の中で恐縮ではございますけれども、大変小さいことなんですが、一つだけ聞き忘れていたことがございました。それは、私の住んでいる新潟県南魚沼郡大和町の出した特区の提案についてです。新潟県百十一市町村のうち六市町村から提案がなされていますが、そのうちの貴重な一つの提案です。
 これは、都市公園法及び施行令に特例を設けて、大和町にある県営公園である都市公園内に浴場を施設とした日帰り温泉施設を造れないのかどうかという、こういうものなんです。ちなみに、この都市公園というのは私の家から二百メートルぐらいのところにあるんですけれども、私の町は大変に雪深い地域で、冬になると、単なる公園ですと雪に覆われてだれもそこに行かないんですね。ですから、この地域特性を考慮して、どうか日帰り温泉施設を都市公園の有効活用にしたいと、こういう提案なんです。
 ここで国交省にお聞きします。簡潔にお答えください。
 今、都市公園内に日帰り温泉施設というのが設置できるか否か。そして、できないとしたら法文上の根拠を端的に教えてください。そして三つ目、今後設置できるようになるのか。このことについてお答えください。
#120
○政府参考人(松本守君) お答え申し上げます。
 都市公園はいろんな機能を持っているわけでございまして、先生御指摘のように、都市公園にできます施設につきましては、都市公園法及び都市公園法施行令で具体的に列挙しております。
 この中で、浴場施設につきましては、運動施設、宿泊施設、休養施設などに併設される場合については設置できるわけでございますけれども、銭湯のように、公園の利用とは全く関係なく、専ら入浴だけを目的とするような施設については現行制度上は設置できないというふうになっております。
 ただ、一方で、全国各地で地域の多様な資源を生かした特色ある公園造りというものが進められておりまして、国土交通省といたしましても、こういった各地域の意欲ある公園造りについては更に推進すべきであるというふうに考えております。
 そうした中で、お尋ねの温泉施設につきましても、都市公園で様々なレクリエーション活動を行うというようなニーズの高まりの中で、施設を設置したいというような動きがあることについては私どもも承知をいたしております。
 したがいまして、豊富な温泉の活用、あるいは福祉施設と公園を一体に整備するというような中で、こういった地域の実情によって温泉施設の設置が公園の利用の活性化、あるいは地域の振興に寄与するということも想定をされるというふうに考えておりますので、今後必要な見直しを行いまして、全国の公園の中で、先生御指摘の温泉施設も含めまして必要な見直しを行いたいというふうに考えておりまして、今後とも多様な施設が設置できるように検討してまいるというふうに考えております。
#121
○黒岩宇洋君 私、これ聞いたのは、こういう答弁を聞きたかったからなんですよ。私はレクで、なぜできないか、そして今後できるかについては理解しているんです。ですけれども、今回、私は大和町の担当者に聞いたんですけれども、このことで二つの重要な問題点を指摘したいんですけれども、やっぱり今、一つの担当省庁と地方公共団体及び事業者の意思疎通というものが今後きっちりとできていけるのかという、これ大変懸念しているわけですね。
 結論として、役所での書面の回答、この件についてもそうなんですけれども、私は前々回、中山間地、棚田のあるところの保全目的でどうだという、これが私、再々回答までですから三回、特区推進室とあのときは農水省のやり取りを見ているんです。特区推進室というのは本当に市町村の意見を酌み取っているんですよ。何がしてほしいかということをきっちり文書で書いているんですね。それについて返ってくる役所の答えというのは完全にずれているんですよ。どうなっているの、これどうしてというところに、もうずれてずれてほとんど答えていない。こういう状況では、法案が作られてからも今後の二次募集でどんどんどんどんはねられるんじゃないかという懸念があります。
 この懸念は、やはりノーアクションレターにも私、通ずると思うんですよ。機関についてとか、あとは書面とか方法について議論されましたけれども、やはり内容、質も重要なんですよね。今回、役所の担当者、町役場といっても行政の担当者に聞いたんです、本当にこれできるようになるのと。それで、どう理解しているのと、さっぱり分からないと。こういう状況ですから、今後、自治体と民間業者の間でもこのノーアクションレターというのはあるわけですけれども、結局は、何にも分からないんじゃ、機関も方法も関係ないわけですよ。
 今回、私考えている、思っているのは、この法案が通るかどうかが重要じゃなくて、今後の運用というのが大変重要なわけですから、その点で、今、審議官がおっしゃったようなそういう表現では多くの国民は全く理解できないですし、役所の人間も理解できない。そうすると、特区構想が本当に私は進んでいくことに対して懸念が生じております。これ第一点。
 第二点目なんですけれども、これは余り今詳しく説明ありませんでしたが、まず二点目について申し上げますけれども、いわゆるポジティブリストの限界というのが実は今回の都市公園法で新たに私は見えてきたと思うんです。これは先日の参考人質疑でも議論されましたけれども、やはり規制改革というのはポジティブリストからネガティブリストに変えていくんだと、これが一つの目的だということが議論されたんですけれども、今回、実は都市公園法と施行令で百何十もの、こういうものは作っていいとあるんですよ。もう細かくて読みませんけれども、細かく、これは作っていい、だけれどもこの限定列挙以外は駄目ですというポジティブリストなんですね。
 そこに、今、銭湯と言いましたけれども、銭湯なんてないですよ。今、日帰り温泉というのはすごくはやっているわけですし、人が集まるんですよ。そういうものが漏れているんですよ。一々このことについて議論しなきゃいけない。私、聞いたら、この施行令に条例でも対応という一文を入れて、施行令改正で、一々今度は各自治体が条例を作って日帰り温泉入浴ができるという、こういう仕組みなんですね。こんなんじゃ私は規制改革だとも何とも思えないという、これは二点目の指摘なんです。
 それで、私、こういったことをかんがみて、改めてこの特区構想の機能というものを考えてみました。繰り返しますが、目的はあくまでも官から民へ、そして国から地方へということですね。しかし、私は、今回いろんな議論をする中で、この特区を進めることによって法律の虫干しができるんじゃないかと、そのことを痛感しているんですね。これこの前も申し上げました社会福祉法の五十年前の、脱税その他の不正の目的云々なんて、そんな業者駄目だとか、大臣、こんな概念はもうやっぱり一回虫干ししてきれいにしてほしいんですよ。
 そのほか、今回も都市公園に料理店を作っていい、飲食店を作っていいと書いてあるんですけれども、括弧で、料理店、カフェー、バー、キャバレーその他のものを除くと書いてあるんですね。じゃ、何が飲食店だというと、風俗営業法と出てくるわけですよ。何かとにかくそこら辺ごちゃごちゃしちゃって、飲食店だけれども料理店を除く、こんなのがまだ通用している法律なんですね、これ都市公園法施行令ですよ。
 だから、こういうものが私、実は本当にこの特区構想というものがきっちり進めば、このような不具合な規制や条文というものをどんどんどんどん正せると思うんですよ。長年、各省庁という、たんすの奥にしまっている、もう湿った、ともすればカビが生えたような法律、条文、規制、これをこの特区構想の中で、特区法案で見直すいい機会だと思うんです。そして、その機能がこの構想には備わっていると思うんです。
 私は、鴻池大臣がリーダーシップを発揮されて、各省庁ときっちり横断的にこの特区構想に取り組んでいただけましたら、今までは絶対に手が付けられなかったような奥の方に眠っている法律まで手が届くんだと、私はそう思っております。そう考えると、本当に構造改革特区担当大臣のお仕事というのは、しかも力というものは物すごいものになるんですね、これはしっかりと構想どおりいけば。そして、そういったことに本当取り組んでいただきたいというこれはお願いなんですけれども、加えて申せば、先ほど申し上げたとおり、とにかく運用というものが大事です。ですから、こういったものにきっちりと目を光らせていただきたいんです。
 そこで、あえて木村政務官にお聞きいたします。
 木村政務官、本当に長い時間、座っている時間が長かったんですけれども、本当にお疲れさまでございました。今回、今私が申し上げたお願いなんですね、運用とかに目を光らせていただきたいと。大臣はきっちりと切り込んでくださると思うんですよ。ただ、振り返ったら後、だれもいなかったじゃ困るわけですね。そういう意味で、木村政務官がきっちりと補佐していただきたいんですが、この規制改革を進めるんだというその御決意をお聞かせください。
#122
○大臣政務官(木村隆秀君) 質疑の中でも大臣の熱意ある答弁はもう御理解をいただいていると思います。特区室、室長以下二十七名の職員がおりますけれども、この法案を上程をいたしましてから今日まで各役所との交渉の姿を見ておりまして、大臣の意向を酌んで一生懸命みんなが一丸になって今日まで進んでおるように理解をしております。私も、大臣を微力でございますけれども補佐をさせていただきながら、みんなが一丸になって、どうしたら地域の要望が、民間の方々の提案が実現できるのかと、そんな思いで一生懸命頑張っていきたいと思っております。
#123
○黒岩宇洋君 木村政務官、その心意気で本当に頑張っていただきたいと私もお願いしておきます。
 では最後、トリを今、木村政務官に務めていただいたんで、大トリを鴻池大臣に務めていただきます。
 とにかく、今までいろんな議論あったんですけれども、私は初回の質問で、大臣御記憶でしょうか、第四条の八項で内閣総理大臣の認可基準というのがありますと。三つありますけれども、特に重要なのは二つ目ですと。経済的社会的効果を及ぼすものであることとありますが、これは各委員からも指摘で、経済的でなきゃいけないんですかと、こう表現したときに、大臣は、これは明文で言っているにもかかわらず、いや、そんなことじゃないんだと。私、ここまで大胆に切り込まれる大臣というのは初めて拝見したんで、その意味も含めて期待しておるんですが、どうか大臣、この規制改革という、そして我々がわくわく、そして自由に濶達に生きれる社会を作る、そのことに対しての大臣の意気込み、もう改めてなんですけれども、お聞かせください。
#124
○国務大臣(鴻池祥肇君) 御指摘や励ましや御注文をたくさんちょうだいをいたしました。ありがとうございました。
 意気込みは今なお衰えておりません。この法案を成立していただきまして、その後も非常に重要な仕事が私どもに課せられていると思いながら、今後もこの特区の構想について充実をさせていきたいと思っておるところでございます。
 ただいま都市公園にすばらしい温泉を造っていくという、これについて、嫌みじゃありませんよ、私はここへ座っていて何かよく分からなかったんですが、委員はよくお分かりになりましたか。
#125
○黒岩宇洋君 全然分かりませんでした。
#126
○国務大臣(鴻池祥肇君) できるんですか、できないんですか。お分かりになりましたか。
#127
○黒岩宇洋君 一応できるらしいんですね。
#128
○国務大臣(鴻池祥肇君) それじゃ結構なことだと存じます。
 できるかできないかといったことも含めて、私ども今後、例えばの例でございますけれども、絶えずチェックをしながら、決して先ほど松井委員から御指摘いただきましたように強い権力のある閣僚ではございませんけれども、声だけは大きい、そして体型は木村政務官とよく似ておりますので、ともに手を携えて頑張ってまいります。委員の皆様方の御指導を心からお願いを申し上げる次第であります。
#129
○黒岩宇洋君 そうですね。本当に実は私も不安なんですよ、できるかどうか。私の何せ徒歩二百メートルのところに日帰り温泉……
#130
○国務大臣(鴻池祥肇君) できるの、できないの。
#131
○黒岩宇洋君 結論、できるんですか。
#132
○委員長(小川敏夫君) 直接の会話はやめてください。
#133
○政府参考人(松本守君) お答え申し上げます。
 できる方向で検討させていただきたいと思っております。
#134
○黒岩宇洋君 済みません、駄目そうです。これ大臣、頼みますね。できる方向で検討、こんな言葉では私はできるとはちょっと思えないんで、どうかその点も含めて、これはたった一つ、枝葉末節ですけれども、ただ一事が万事ということがございますので、大臣の方できっちりと運用の方、目を光らせていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#135
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#136
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、構造改革特別区域法案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#137
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。
 短時間、十分ではございますが、小泉総理に御質問をさせていただきたいと思います。
 小泉総理には、御就任以来、構造改革なくして成長なしとの旗印の下に聖域なき構造改革を提唱されまして、民間でできるものは民間へ、地方でできるものは地方へ任せるとの方針でこれまで改革を進めてこられたわけでございます。
 特に、特殊法人の関係につきまして見ると、百六十三ほどありましたものがこれまでに既に六十九が整理済みとなっておりまして、残る九十四につきましても、今国会で四十九法人について特殊法人化あるいは独立行政法人化若しくは民営化ということで、法律ももうほとんど成立を見ているような状況でございまして、百十八法人がその意味では既に改革の見直しを受けておる。三分の二以上の法人がここで整理をされまして、要員の見直しなり、あるいは天下りの防止なり、さらには財政資金の投入を大幅に減らすと、こういう方向で動いているわけでございます。
 その中で、まだ対象になっておらないものも幾つかあるわけですが、大変大物でございます道路関係四公団民営化の委員会が、六月から大変御苦労をしていただきまして、百五十時間以上の御審議と伺っておりますが、先ほど、六日の日ですか、答申をちょうだいしたわけでございます。
 この答申を、膨大なものでございますが、私も拝見をいたしますと、大変大事なことが幾つか盛り込まれているわけでございます。四十兆円に及ぶ借金の返済をこれからどうするかと、これがまずは第一課題になるわけでございますが、今後の効率的な運営を考えまして、組織を、四公団を五つの民営会社に分割をする。しかも、道路資産の保有並びに借金返済のために保有機構を設立して効率良くこれを進めること。また、将来の問題考えまして、建設につきましては、作られた民間会社の自主判断を尊重する中で新しい建設方式を幾通りか御提言をいただいておるわけでございます。最後の段階で今井委員長が辞任されるという出来事がございましたが、残された委員の皆様の多数意見ということで、御答申出たわけでございます。
 この答申を受けまして、総理の所感若しくは今後の取組についてお伺いをいたしたいと思いますが、よろしくお願いします。
#138
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 道路民営化推進委員会の七人の委員の方々には、この六か月大変精力的に熱心に議論をしていただきまして、心から感謝を申し上げております。特に、合宿ということまで一時期はされて、膨大な資料を持ち寄りながら熱心に多くの国民が関心を持つこの道路の問題を討議していただいたということは、我々議員としても敬意を表すべきものだと思っております。最終的に、七人全員が一致した意見にまとまらない点もございましたけれども、よく見てみますと、かなり多くの点で七人が共通した認識を持つ点が出ているわけであります。私は、多くの成果が上がった委員会だと思っております。
 最終的に、委員会の結論は多数決という手法によりまして答申が出されたわけでありますが、具体的に言えば、建設費の削減とかあるいは債務の返済そしてファミリー企業の問題等、かなりこうすれば見直しできるんだ、いい方法があるんだということで一致を見る点もあります。また、まとまらなかった対立点も多少ありますが、私は基本的にこの委員会の結論を尊重して、どうしても最後まで七人の方々がまとめることができなかった点、これを今後自民党内、与党内の方々の意見も踏まえながら政治の場でまとめていくような調整、努力が必要ではないかと思っております。
 これにはかなり時間が掛かると思いますが、私は、政治家の責任として、あの七人の委員会の皆さんが一生懸命出してきた結論というものを基本的に尊重しながら対処をしていきたいと思っております。
#139
○野沢太三君 御苦労が多いかと思いますが、ひとつリーダーシップを発揮していただいて、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、構造改革特区の本題の質問に入りたいと思いますが、この特区の法案は、私拝見いたしますと、今年の四月二十四日に経済財政諮問会議で提案されて、もう本日採決しようかというスピードアップされた改革になっておるわけでございます。これはやはり地方の熱意と、これを促していただいた総理のリーダーシップが非常に大きなこれは力になっていたかと思います。特に我が参議院から担当にお出になっております鴻池大臣のリーダーシップ、誠に水際立ったものがありまして、同僚として大変うれしく思っておるところでございます。
 そこで、ひとつこれからの進め方としまして、地方、民間からの御意見を十分に拝聴する中で、是非これを具体化するためには各省庁あるいは関係法令を相当整理していかなきゃいけない、相当その意味では政治のリーダーシップが重要ではないかと思うわけでございます。
 特区の推進本部長としての総理の御決意をお伺いいたしたいと思います。
#140
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 構造改革特区というものは、全国一律に規制改革をしようとするとなると多くの問題なり反対があると、そういう点も踏まえまして、特別の区域に限っては思い切って規制を改革して、今まで中央一律という考えの発想から転換して地域の特色なり地域の個性を出していこうじゃないか、また、民間も規制が改革されれば今までできなかった事業も展開できるということによって新しいサービス展開ができるのではないか、その意欲を国としても受け止めようじゃないかということで、まず国がこうやれということじゃなくて地方が手を挙げてください、どのぐらい意欲があるかどうか見てみましょうということで始めてみたわけであります。
 実際、始めてみますと、各役所、強い抵抗もございました。このような改革はできない。しかし逆に、そこまでやるんだったらば一地域、特別の区域だけじゃなくていい、全国で、じゃやりましょうという思い掛けない反応も出てきたわけであります。これはかなりそういう面で効果はあったかと。
 鴻池大臣、精力的に各役所、説得をしていただきまして、また地方からの意欲をどうやって取り上げていこうかということで努力をしていただきました。今回で終わりではありませんので、今後、第二段階、この進展を見ながら、さらに、特区が地域の活力を引き出し、そして同時に多くの国民が、ああ、このような規制改革しても心配ないなという形でこの特区を見習っていただければ、特区じゃなくて全国的に規制改革が広がっていくものも今後かなり出てくるのではないかと私は思っております。
#141
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
 今日は総理をお迎えしてということで、総理あるいは内閣全体のリーダーシップに私強く期待をして、一連の質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初、鴻池大臣からこの委員会でるる御答弁をいただきました。私も四回質疑に立たせていただきまして、そのたびに、この特区の構想を規制改革の突破口にするんだ、それについての鴻池大臣の非常に強い意気込みを感じてまいりました。
 しかし、これ総理に聞いていただきたいんですが、鴻池大臣、非常に強い意気込みを持っておられるんですが、今日も各省の方お見えいただいておりますが、各省は必ずしもそうじゃないんですね。むしろ私が見る限り、随分鴻池大臣とそごのある答弁をされています。私は、これは思い切って、与野党を問わず、この特区を使って全国的に規制改革を前に進めようという意欲のあるこの委員会の委員たくさんいます。それが非常に明らかになったのがこの一連の委員会質疑だったと思います。
 今日は、是非総理に、それを更に総理のリーダーシップで、各省にも、いろんなその背後にも抵抗勢力が一杯います。それはひょっとしたら与野党を通じているかもしれない。それを突破していくんだという是非強いリーダーシップのある御発言を期待したいと思います。
 まず最初に、この委員会で随分議論になりましたのが、これは医療とかあるいは教育についての株式会社の参入問題です。これは大臣と事務方の答弁が百八十度違うと言っていいぐらいのことがしばしばございました。これをちょっと総理にも聞いていただきたい。
 まず、これはじゃ教育からいきましょうか。学校への株式会社の参入の問題について、大臣は非常に意欲的な考え方をお持ちでした。しかし、事務方はことごとく理由を付けて反対をしておられる。これは事務方がいいです、かえって。副大臣だと上手に答弁されますから。事務方に、何で学校に株式会社参入できないのか、文部科学省として反対なのか、端的に御答弁願います。
#142
○政府参考人(玉井日出夫君) お答えを申し上げます。
 教育はやはり公共性が重要でございますので、そういう意味で我が国は、民間活力を特に生かす形から学校法人という形を通じて私立学校が大きな役割を果たしているわけでございます。したがいまして、株式会社が直接学校を設置するのはいかがであろうかということを申し上げてきたわけでございますが、ただ、申し上げておりますのは、今回の特区で、せっかくの御提言でございましたので、それができるだけ実質的にできるようにということで、学校法人の設立要件を大幅に緩和させていただいているわけでございます。
#143
○松井孝治君 公共性がある、したがって株式会社には任せられない、これは基本的な論理なんですよ。これ、総理よく聞いておいてください。
 それから、じゃ厚生労働省、医療、病院の分野に株式会社が参入できない、これについての端的な理由、午前中にも言っていただきました。あの理由を端的にまとめておっしゃってください。
#144
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答え申し上げます。
 医療は人の生命、身体にかかわることでございますから、特区の制度の対象とすることには課題が多いというふうに考えております。
 株式会社の医療経営への参入につきましては、株式会社はできる限り多くの利潤を追求するということを本質としておりますので、これを実現するためには、経費の減少でありますとか、あるいは売上げの増大による利益の確保等を目的とするわけでございまして、適正な医療を提供できなくなるおそれがあるんではないかということから不適当ではないかと考えているところでございます。
#145
○松井孝治君 こういうことなんです。私、今日ちょっと風邪ぎみでして、薬飲んでいます。この薬は全部民間の企業が作っているんですね。それから、私もよく飛行機に乗ります。この飛行機は人の生命を預かっているものですよね。民間の航空会社が使っております。
 だから、問題は、株式会社だったら公共性を担えないとか、あるいは株式会社だったらそういう人の命を預かれない、もうこういう発想はいい加減やめにした方がいいんじゃないかと。必要な規制はやればいいですよ、株式会社はこういうことをしてはいかぬ、あるいはこういうことをしなさいと義務付けをする。だけれども、株式会社を入口から排除するような議論をいつまでしているのかなという議論をずっと大臣とさせていただいてまいりました。
 もう一つ、今日午前中の質疑で、総理は認識しておられるかどうかあれですが、特別養護老人ホームは一定の条件の下に民間の参入を認めたんですね、今回。それは特別養護老人ホームも人の命を預かる。お年寄りでやっぱり重度の方もいらっしゃる。それは認めて病院はどうして認められないんですかということについて、正直言って私は納得できる答弁を得られなかった。恐らく、隣にいらっしゃる鴻池大臣も表情を見ている限りにおいてはどうも釈然としないという表情をしておられました。
 例えば、特別養護老人ホーム、これPFI方式という自治体と民間が契約するようなやり方です。非常に縛りが掛かっています。その特別養護老人ホームに参入するときに、経済的な基礎を有することというのが法律にも条件が書いてあるんですね。経済的基礎を有するとはこれ何だろうということで同僚の議員からも御質問があって、私もそれに刺激を受けて調べて役所の方から聞いてみました。そうすると、東証、大証、一部、二部上場であること、又は直前の一年間で一億円以上の税引き前利益を上げていること、こういうことを要件とするというのが厚生労働省の答えなんです。しかも厚生労働省の、一億円以上の利益を一年間で上げていることですよ、税引き前の、あるいは東証、大証、名証で一部、二部上場であること、こういうことが、民間で特別養護老人ホームをPFI方式という自治体と契約を交わしてやるようなやり方でもその条件を満たさないと入れませんという答えなんです。
 それは、じゃ法律上どこに書いてあるんですかという話を申し上げました。いや、それは法律ではありません、この法律が認められたら通達でやるんですと。実は、それに類似のケアハウスみたいなものに民間参入を認めたときも通達でそういうふうな条件を作っています、同じことですとおっしゃる。じゃその通達ってどういう根拠で出しているんですかと言いましたら、こういろいろ引っ張り出してみたら、私は資料要求してみましたら、大証あるいは東証の一部、二部上場企業でなければ民間参入できないという条件は、実は厚生労働省の課長の通達なんです。そういう通達をここの国会で議論をして、鴻池大臣も御苦労されて各省と折衝されて法律を作って、どういう条件で民間参入を認めるかという議論をしているときに、課長通達で一部、二部上場企業でないと特別養護老人ホームに入れない、そういうことを実質上のバリアを設けておられるということが明らかになったんですよ。
 これちょっと、私が意外なことを言っていると思われたら困りますから、政府参考人、午前中も御質問をいたしましたが、私の認識、課長通達にのっとった基準、これは正確に言うと前のケアハウスの話ですが、それをまた今回応用しようとしておられるという意味で、私が言っている課長通達に基づいてそういう経済的基礎、上場基準みたいなものを参入要件に位置付けられているということは間違っているか正しいか、それだけお答えください。
#146
○政府参考人(恒川謙司君) 午前中お答えしたように、この通達は厚生労働省老健局計画課長名で出されているものでございます。
#147
○松井孝治君 ありがとうございます。
 そういうことなんです。ですから、先ほどおっしゃったように、公共性が理由、あるいは人の身体、生命にかかわるものは株式会社にゆだねてはいけないという理由、あるいはそれよりは一歩は進んでおられるかもしれない、特別養護老人ホームについては一歩進んで、ある条件の中で条件を満たしたら民間の株式会社の参入も認めるよと。ただ、その条件は、法律上の条件以外に、課長通達で東証一部、二部上場でなければいけない、あるいは年間一億円以上の税引き前の利益がなければいけない、そういうことを決めているのが今の現状なんです。
 その中で、鴻池大臣が実は非常に獅子奮迅、この委員会では、委員の皆様方がずっと参加しておられますから皆さん見ておられることですが、それと対決する姿勢をとっておられます。
 これ、鴻池大臣、ちょっとこの際、締めくくり総括ですから、ちょっと今の部長あるいは審議官の答弁、あるいは事実上の参入障壁、そういうことも含めてこれどう考えられているか。株式会社の医療、教育あるいは福祉の分野に対する参入についての従来の各省あるいは行政の取組についてどう思っておられるか、是非率直な御意見をいただきたいと思います。
#148
○国務大臣(鴻池祥肇君) 総理が御出席でございますので、総理の前で悪口雑言は控えたいと思っておりますが、基本的に、何度も申し上げておりますように、教育の分野あるいは医療の分野で株式会社が入っていく、多様化するニーズの中でいろんな方法を考えていくというのは、全国一律で全国的にやろうという、全国的にお願いしたいと言っているわけじゃなく、一点集中、一か所でやってみませんかと。医療も高度な医療の先端技術の中で一か所でやってみると。北海道から沖縄まで全部株式会社にしようと言っているわけじゃないということを度々申し上げておりますが、発想は、どうしてもそれがまずいということで、規制改革のためにハードルを逆に上げていくという様子が見られるということは極めて不愉快極まりない。我々が推進しよう、また委員の皆さん方が大変な議論を重ねてこの日本列島に活力を生んでいこうという中で、極めて不愉快な行為であるというふうに私は言わざるを得ません。
 全国一律ではなく、大変多くの国民の多様化したニーズをどう受け止めていくか、しかし全国的な規制というのは難しいから、一か所で一度試みにやってみようというのが医療の分野であり、また教育の分野であると心得ておるところであります。
#149
○松井孝治君 総理にお伺いしたいと思います。
 今、大臣がおっしゃったようなことを大臣は実はもう何回も何回もずっとおっしゃっています。しかし、各省の答弁、部長さんとか審議官とか局長さんとかの答弁、今日に至るまで全然変わらないんです。公共性だ、人の命にかかわることは株式会社に任せられない。株式会社に全部やれと言っているわけじゃないんですよ。規制なしにやれと言っているわけじゃないんですよ。株式会社で医療やったって、それはお医者さん、きちっとした医師免許を持った人が命を預かってやるわけですよ。それを、しかも全国の一点でまずやってみようということに対していまだにこれだけ抵抗がある。これ、総理のリーダーシップ。大臣がこれだけおっしゃっていても答弁変わらないんですよ、各省の。
 是非ちょっとこれ、今回の法案は法案として、また次に法改正を検討しておられるというふうに聞いています。総理のリーダーシップで、株式会社がやっぱり医療とか教育に参入する。総理のモットーですよね、民間でできることは民間でやらせると。必要な規制を僕は全部撤廃しろなんて言っていませんよ。それについて総理、是非強力なリーダーシップ、御答弁をいただきたいんですが。
#150
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の特区に関しては、まず地方から手を挙げてくれということが一つの趣旨であります。地方から手を挙げたことについては検討していこうということでありますので、私は、今言われたように、株式会社だから公共性がないという議論には全く賛同はできません。株式会社でも十分公共的なサービスなり公共的な商品を作って、あるいは提供して社会的な公共活動をしている株式会社たくさんあるわけですから、心配な点はどうやって防ぐかということを考えれば、株式会社だって、教育だって医療だってやっておかしくないはずであります。
 今の御質問の趣旨等を含めまして、今後、特別な地域でそういう手を挙げてくる地域が出てくるかどうか、また株式会社、特別な地域に教育なり医療なり参入して、多くの国民もこれならおもしろいな、心配ないなというものが出てくるかどうかよく見守りながら規制改革特区構想を進めていきたいと思います。
#151
○松井孝治君 ありがとうございます。もう総理が明確に株式会社だという理由で参入を否定しないというふうにおっしゃいましたので、是非、総理のリーダーシップでやっていただきたいと思います。
 ちなみに申し上げておきますと、総理の認識を新たにしていただきたいんですが、株式会社で教育や医療をやりたいというのはもう提案出てきていますので、そういうものが出てきているということを踏まえて、是非検討していただきたいと思います。そこは恐らく、ちょっと衆議院の議論を見ましたけれども、総理、ちょっと誤解をされているんじゃないかなと思いました。
 それで、そういうふうに各省と大臣だけでは前に進まないことがあるんですよ。これだけの剛腕大臣で前に進まないんだから大変なものだと思いますよ、各省の抵抗というのは。
 それで私、総理に是非ちょっとこれ理解していただきたいのは、鴻池大臣の肩書は担当大臣なんですよ。これ、総理は認識しておられないかもしれないけれども、各省に聞いたんですよ、内閣の事務方、総理の部下にも。担当大臣です、特別の権限はないんです、普通のほかの大臣と並びなんですと。
 ところが、実はこれ、行革の一環で、内閣府で総理の特命を帯びた大臣については強い権限を与えられるという規定が法律上あるんですよ。法律上あって、この法律が成立したら鴻池大臣を特命大臣にすることができますかということをあの頭の固い内閣法制局に聞いたんですよ、午前中に。そしたら、法律的にできますと。総理の部下の特区の担当の方とかあるいは内閣官房に、そういうことはじゃ法律の運用上できるのかというふうに聞きましたら、いや、これは総理の判断さえあればできますと。
 特命大臣は何が違うかというと、各省の普通の大臣はよそ様の権限について口出しできないというのが今の内閣の法律的な整理なんですよ、権限の整理なんですよ。特命大臣になれば、きちんと勧告して、それで勧告、言うことを聞かないときには、最後、総理の裁断を仰げると。総理の内閣法六条に基づく指揮監督権の発動を求めることができるというところまで実は権限整備してあるんですよ。それは総理の後ろにいらっしゃる秘書官が昔、行革を担当しておられたときにそういう法制を作っておられますよ。そういうものを作って、やっぱりこれ各省と大臣が幾らリーダーシップあっても、みんな後ろで舌出すような人がいるんですよ。
 だから、これは法制的にできるということですし、もう運用だけの問題ですから、私はこの法案が通りました暁には、是非、総理の判断で、力の強い人ですよ、力も強いし声の大きい人だけれども、やっぱり権限の後ろ盾、伝家の宝刀で抜かなくてもいいんですから、その権限の後ろ盾は特命大臣に与えなければいけないと思うんですが、総理の御見解いかがでしょうか。
#152
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは法的な問題じゃないと思います。役所が反対するというのは、役所だけの反対じゃないんですね。背後に多くの関係する団体、議員、付いているんですよ。だから、大臣の権限とか以上に、もう鴻池大臣やっていますから、そういうのをよく踏まえてやれば、法的な権限を与えるかどうかという問題じゃなくて、いかにそういう反対を説得していくかというむしろ政治的な問題だと思っています。その点については、余り私は法的な権限とかいうものにはこだわっておりません。
#153
○松井孝治君 いいです、法的な権限こだわらなくてもいいんです。とにかく実質を与えてください。ただし、今、特命大臣でないと、自分のスタッフも内閣官房の間借りであるとかいろんなことが、実は総理が御存じないようないろんな制度的な縛りにつながっているんです。だからこそ私は申し上げているんです。
 ですから、そういうことも含めて、きちんと大臣の下に、総理が後ろ盾になって、各省と思い切りやってくれと、構造改革やってくれという指導力を僕は発揮していただければいいと思います。
 その意味で、ひとつこれもお願いしたいんですが、この法律上、極めて巧妙なことになっているんですよ。法律の評価で、特区における規制改革の評価、例えばさっきの特養老人ホームに民間参入を認めるというような特例ができますね。これを特区だけじゃなくて、じゃ民間、もう全国にこの判断を広げていっていいじゃないかという規定があるんです、法律上。ところが、その判断をするのは結局だれかというと、鴻池大臣じゃないんですよ。個別の各省がそれを認めて、全国に広げてもいいと思ったときに初めてその規制改革は、規制緩和は全国的に広がるということになっているんですよ。
 私は、これはまず運用でもいいですよ、できれば法改正してほしいけれども。そういうものを個別の各省に認めさせるということではなくて、政府全体の判断として、内閣総理大臣が最終的に責任を負うような形で規制改革を全国に及ぼすというような仕組みを作っておかないと、各省の大臣があるいは各省の役人が反対している限り、いつまでたってもその特区の中の特例的なものにしかならない。それだったら、改革の突破口としてこの特区制度を導入した意味がないんです。
 ですから、私、総理にお願いしたいのは、それを全国的に規制改革を広げるかどうかの判断は内閣全体として、総理大臣がヘッドになって内閣全体として、せっかく本部も作ったんですから、判断を行うと、そこを明言していただきたいんですが、いかがでしょうか。
#154
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは現在でも内閣全体で当たっていますから、鴻池担当大臣の指導の下に、最終的にどこが問題かまとまらないという場合には私に意見を仰ぎますから、内閣全体として当たればいいと。私はしっかりとやってくれと鴻池大臣に指示を出しているんですから、私は今のような現在の法体系でも十分可能だと思っております。
#155
○松井孝治君 それができないから言っているんですよ。
 今回の質疑を見ていても、鴻池大臣と平然と食い違った答弁をみんな事務方がされます。鴻池大臣が繰り返し言っても前に進みません、政府側の答弁が。だから、これはもう一段強いリーダーシップ、総理が、別に法律に基づかなくてもいいですよ。ただ、節目節目で総理指示を出して、さっき総理が踏み込んで答弁をされたように、学校や病院に対する株式会社の参入、これはいつまでも抵抗しているんじゃないと。むしろ参入する前提で、じゃどういう条件だったら参入できるのか、そういうことを議論しろというような指示を節目節目で総理が出されないと、そういう形でバックアップを鴻池大臣にされないと、この役所の仕組みというのはそんな簡単に変わるほど甘いものではない。
 だから、その意味での総理のリーダーシップを是非御発言で期待したいと思います。御答弁をいただきたいと思います。
#156
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 既に鴻池大臣に指示出していますから、鴻池大臣は、さらに今回が終わりじゃない、これからやると言っていますから、その指導力を期待しています。そこでどういう返答が出てくるか、それを見て判断するべき問題だと思っています。
#157
○松井孝治君 もう私に与えられた時間は切れますので、是非、総理それから鴻池大臣、これ各省任せにせずに総理自身の判断として、あるいは鴻池大臣は総理を補佐される、できれば僕は特命大臣としての位置付けぐらいは簡単なことですから与えていただきたいと思いますが、各省の縦割りの、しかもその背景にはいろんな関係団体やあるいは議員だっているかもしれない、そういうものが付いて鉄壁の守りをしているのを崩していただくために一段のリーダーシップを発揮していただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#158
○岡崎トミ子君 岡崎トミ子でございます。
 総理、御苦労様でございます。あとこの国会は四日ということになりましたけれども、どうも最後まで何かもめそうだというふうに思うんですよね。道路四公団民営化の問題で最終報告が出されまして、案の定、出された途端に与党の方からは、もうこれは自民党の大幹部ですよね、全く相手にしない、こういう言い方をしたり、国土交通省の方はこの案を与党に持っていったらもうどなられるだけだと、これは総理がきちんとしたリーダーシップを発揮して、総理に説得してもらわなきゃいけない、こんなことが聞こえてきておりました。
 私は、さすがに総理だなと。昨日の決算委員会では、七人の侍、全部で七人じゃありませんでしたけれども、出されたこの報告書の正当性を認められて、そしてこれからは政治の責任だということを明快におっしゃられた。
 そこで私はお伺いしておきたいと思いますけれども、三つのハードルがあるというふうに思っております。法案化が骨抜きにされないか、そしてきちんと与党の合意は得られるだろうか、国会の論議に耐えることができるかということでございますけれども、先ほどの答弁を伺っておりましたら調整、これは時間長く掛かるかもしれないというふうにおっしゃっていて、私は大変心配になりました。これは、道路は造らない、本当に明確に無駄な道路は造らないという大原則、これを変えないという御決意かどうか、伺いたいと思います。
#159
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 誤解があっちゃいけないんですけれども、私は道路を造らないとなんか一言も言っていませんよ。七人の委員の皆さんも道路を造らないとなんか一言も言っていないんです。
#160
○岡崎トミ子君 はい。そうですそうです、分かっています。
#161
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そうですね。
 マスコミの報道を一部見ていますと、道路を造らないことが善、造るのは悪、もう偏り過ぎているのがあるんであきれている面もあるんですけれども、そうじゃないんです。今後必要性の高い道路は当然造っていかなきゃならない、優先順位を決めるのも大変難しい。
 ただ、この法案については、最初、民営化するということだけでも大反対だったんですよ、民営化なんかができるわけがないじゃないかと。それがもう今や民営化は当たり前になっているんです。そして、民営化の段階でいろいろな議論をしていただき、そして民営化になった暁にはどういう形で道路を造っていくかというのがこれから大きな問題になっていくわけです。
 その中で私は、今余り結論めいたことを言うのは誤解を招くかもしれませんが、民営化されますと今までの公団方式で予定を立てていた道路が全部できるとは限りません。そこが問題なんですね。民営化になった場合に、今まで計画し、できると思っていた道路が今までのままで行くとできなくなる、その部分をどうしようかというものは今後大きな問題になってまいります。
 しかし、この七人の委員会の六か月にわたる熱心な議論によって、まず必要性の乏しい道路というのは、全部国費で造るのは無理だなというのがだんだん分かってきた。今まで造ってきた道路も規格を変更するとか工法を変更するとか、あるいは入札方法を改革することとかいう方法で今までのコストよりもはるかに、一割以上あるいは二割ぐらいは削減できるというようなのも分かってきた。あるいはまた、道路公団に関連するファミリー企業の在り方も問題があるんじゃないかという点も分かってきた。かなり成果は出ているんです。そして、今後民営化した暁に、民営化でできる部分と、そして民営化会社の独自の判断でこれは無理だという部分についてどういう形で国と地方が必要な道路を造っていくかというのはこれからの私は問題だと思います。
 だから、民営化になったら道路を造らないという考えはこれは誤解だということをよく認識の上でこれは議論しないと、道路を造らないのは善、造るのは悪という取り方をして対立はあおりますが、決してそうじゃない。よく議論する必要があると思いますから、私は答申を尊重して、これからのまとまらない点、対立した点をどうやって政治の場で、政党の意見、地方の意見、道路必要だという意見を聞きながら調整していくのが政治の役割じゃないかというふうに考えているわけです。
#162
○岡崎トミ子君 最後の言葉だけでよかったかななんて思っちゃいましたけれども、済みません、もう時間がだんだんなくなってしまいましたので。
 それでは、本当に丸投げなんていうふうに言われたのは実はそうではないというような御答弁なども、ずっと決算委員会の方も、私もきちんと読ませていただいてよく理解しているつもりでございますので、どうぞ最初におっしゃられた大原則を守って、しっかりと無駄な道路は造らないということできちんとお金も返していく、孫子の代まで借金を残さない方法を考えていただきたいなというふうに思っております。
 それで、構造改革特区、次の目玉でございますけれども、ここで私は二つのことをお聞きしたいと思いますが、一つは、今回の特区制度の設計過程におきまして半年間で二百件以上の規制緩和が進められてきた。これは許認可などは一万二千件ぐらいあって、どのぐらい規制緩和ができるかというふうに言ったら、もう何か気が遠くなるほどなんですね。そのうちの今回の二百件以上の規制緩和ということですから、小泉総理がずっと言われてきた、聖域なき構造改革というふうに叫び続けられている総理としては、この二百件程度というのは突破口として打ち出しても甘い評価はできないなというふうに私自身も思っているところなんですけれども、私は、今回のこの特区は実験の場として、挑戦する実験の場として是非利用していただきたいなということで、お願いなんですね。
 そのいい例がNPOの移送サービスの問題なんです。高齢者と精神障害者とそして体に障害を持つ人たちについての移送のサービス有償化を認めるというこの特例措置なんですけれども、国土交通省の方は全国実施を行う前の三か月程度先行で実施するという条件を付けておりますけれども、これは本当おかしいというふうに思うんですね。三か月程度で全国実施するということを言うのではなくて、これは全国的に展開する仕組みをまず考えて、ここからはみ出さない形で試行してみましょうという、こういうやり方に聞こえるんです。
 そうじゃなくて、もう既にNPOの皆さんたちは一九七〇年代から始められているものでありますので、この皆さんたちの行っていることに関して、NPOの皆さんたち、たくさん安全性と信頼を確保できる仕組みを考えております。これを生かしてこれをまずやらせていただきたいということで、皆さんが出されております要望を読んでみます。
 これ、国土交通省の方は二種免許を取得することを義務付けるということについてかなり固いらしいんですけれども、こちらは一種免許を取ってから一定期間の運転経験のある方に限る、研修を義務付ける、それから運行管理をするコーディネーターの人を決めて無理のないスケジュールで運転をしていただく、任意保険にちゃんと入っていただく、さらに、営利で移送サービスを行っている会社等の邪魔にならないような工夫として、非営利とする、それから会員制か登録制にする、利用者は移動困難な方に限ると、こういう提案を出されております。
 こういう提案はそのまま全国に通用すると思いますけれども、少なくとも特区で試してみる、挑戦してみる。この議論の分かれるテーマにつきまして是非総理の方から、思い切った実験の場にしていいんじゃないかと。NPOの移送サービスについて、この考え方前向きに行っておりますので、ここに明快な答えを出していただいていいんじゃないかと思います。
 というのは、一九七〇年代から始めましたNPOのボランティア精神で始めた方はもう既に三千五百台走っています。それから、介護タクシーというふうに言われているプロの運転手さんの方は二千三百五十台ですから、圧倒的に、NPOのこのサービスがなくなったら今パニックになります。大変なことになるんです。これはなくなっちゃいけないものなので、この人たちの努力を買うという意味でも、総理の一言、これが大変大事だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#163
○国務大臣(鴻池祥肇君) 岡崎委員のただいまのお話について、大変貴重なことだと存じます。ただ、私の所管外でございますが、国土交通省としてもやはり事故等のことを考えて、いろんなことについての、規制ではありませんが、時間を掛けておるんではないかと思います。
 私どもといたしますれば、やはり先行的に特区で実施をいたしまして、いい意味で、全国的にいい意味の副作用が流れていくということについては大変重要なことであると認識をいたしているところであります。
#164
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、鴻池大臣が答弁されましたけれども、これも検証段階だということのようであります。私は、岡崎議員の質問の趣旨、意義のあるものと考えておりますし、今後このボランティア輸送についても特区としてやっていく価値あるものではないかと思っていますので、どういう先行の準備期間が必要とするか、初めて伺ったわけで、実情はまだ詳しく分かりませんけれども、既に非常に多くの皆さんが喜んでいるという実態があるならば、規制改革の一つの手段として十分実施に向かって努力する価値があるものではないかと考えております。
#165
○岡崎トミ子君 積極的な御答弁と受け止めました。
 まずは、本当にやってもらってみる。挑戦する特区だということについてNPOの皆さんたちが励まされたのではないかというふうに私は思っておりますが、やってもらってみて評価というものをあらゆる角度からきちんとやる。その結果、試してみた結果すべてそれを取り入れて全国展開する必要はないわけなんですけれども、そのアプローチの方が関係省庁とか関係者の皆さんたちはやりやすいですし、建設的だろうというふうに思うんですが、もしこの挑戦する特区ということを実験するとしますと、今の移送サービスのことに関しましても、影響を受けやすい住民それから消費者、そしてこのNPOで利用される方、こういう現場のNPO、こういった視点を取り入れた評価というのを行うべきだというふうに考えますけれども。
 この評価が大事なんです。その点に関してはいかがでしょうか。こうした市民の目線ですとか消費者の目線ですとか、NPO自身ですとか利用者、この観点で評価もしていただくということが大事だと思っておりますけれども、総理、御答弁お願いします。
#166
○国務大臣(鴻池祥肇君) 評価の件でございますが、本法案、成立をちょうだいをいたしました時点から、その評価の方法、システムについて考えることを着手するつもりでございます。
 そして、その評価の方法、中身についてでございますが、衆参を通じましての評価の体制についての御提案がございました。また、岡崎委員からのただいまの非常に評価が重要であるということを勘案をいたしまして、評価のシステムを作っていきたいと考えております。
#167
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 総理、先週、私はこの構造改革特区に関してどぶろく特区に関して質問をいたしました。実は、この第二次募集以降に公共団体などから再挑戦の提案があった場合には改めてきちんと対応するということを鴻池大臣とそれから森山財務大臣政務官から御答弁をいただきました。前向きだというふうに思っております。
 グリーンツーリズムの目玉の一つとして農家の民宿で自家製でどぶろくを提供できるようにするというものなんですけれども、このどぶろく特区構想を総理、面白いと思いませんか、わくわくすると思いませんか、お答えください。
#168
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もうちょっとどういうことか、もうちょっと説明してよ。
#169
○岡崎トミ子君 農家の方が今グリーンツーリズムで、民宿に皆さんおいでくださいという運動を全国で展開しております。
 これは岩手県でどぶろく特区をやりたいというふうに言ってきているわけなんですね。そして、私は、本当に新鮮で安全なものを直接農家の人たちが食べ物で提供する。話も弾む。夜になったら、実はこれ私のうちで作った自家製のどぶろくよと言って会話が進んでいく。私のところにメールも入っているんですよ、いやあ、おじいちゃん、おばあちゃん作ってくれたこのどぶろく、とてもおいしかったよ、リンゴのワインもおいしかった。これ大丈夫なんです。こういうことを特区ならば可能だということで、面白いものだと。
 鴻池大臣、面白いものがこの特区にはいいというふうにおっしゃっているんですから、ここで総理、一言言ってくださったら、次の第二次締切り、一月十五日でございます、正月のさなかと言ってもいい、そのときが締切りですから、是非とも総理の御答弁を聞いております。総理。
 時間ないんですよ、あと二分しかない、二分しかないんです。
#170
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かにお話を聞いていると面白いなと、思わず乗り気になるような御質問でありますが、地方で特色を出したいと。では、問題点まだいろいろ伺っていませんけれども、問題点があったとしても、どうしたら実現していけるかという視点で私は検討してみたいと思っております。
 まだはっきりした答弁できないのは残念でありますが、では、これを実現していただくためにはどういう問題点があるのかという形で、阻止、駄目だというんじゃなくて、どうやったら実現できるんだろうか、どうやったら面白くなるだろうか、特色が出るだろうかと、そういう視点で検討してみたいと思います。
#171
○岡崎トミ子君 これは今まで財務省が言っているのは、地域の作物を集めて既存の業者に作ってもらえばいい、これ農協とかそういうところで作ってもらったらいいと言っているんですよ。私は個人の農家が自分の自家製のを出すという、ですから、その人たちの思いと全然違っている、この間のギャップを埋めていただくのが鴻池大臣と小泉総理でございますから、二人が本当に力を合わせてこれをやろうとすると、これできるようになるものですから、是非ともこの現行の対応で可能というふうに言っているものと、いやそうじゃない、今新しく特区の中でやっていきたいというこのギャップ、こういうものが三百十一ぐらいも今回もあるんですよ。多分そうなんです。
 だから、このギャップを埋める努力、最後にお聞きしたいと思います。鴻池大臣と小泉総理にお伺いしたいと思います。違っていることについてのギャップを今のように埋めていくという御答弁を是非伺いたいと思っております。
#172
○国務大臣(鴻池祥肇君) 前回も岡崎委員から同じお話がございました。私は、単純明快に面白いと、このように申し上げました。
 私も民宿へ行ったりしますと、おばさんがうちで造った酒よといって梅酒を出してくれたり、いろいろしております。その範囲でなぜいけないのかという委員のおっしゃる溝というものが正に法律の間あるいは規制の間にあるというふうに思います。しかし、民宿あるいはお百姓屋でも宿泊してもいいという、そういう特区の方向付けの中で、梅酒はいいけれどもどぶろくは駄目よという発想は、私は変えなきゃいかぬのではないかという思いでございます。
 そういった中で、法律あるいは規制と私どもの特区推進の考え方との溝につきまして、総理の御指導をいただきながら十分埋める努力をしていきたいと、このように考えております。
#173
○岡崎トミ子君 総理はにこにこ聞いていらっしゃいましたから、前向きだということを確認して、私は終わりたいと思います。これができるかどうかが構造改革特区が本当にすばらしいものであるかどうかを確認していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
#174
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。
 今回の特区の規制緩和の特例措置について当委員会で一番問題になりましたのは、教育や医療の分野で株式会社の参入を認めるべきか否かという点であります。
 私は、この参入を殊更排除する必要はないと、このように考えております。御答弁を聞いておりますと、担当の鴻池大臣はかなり積極的な御意見をお持ちのようでありますが、文部科学省あるいは厚生労働省がそれぞれ掲げる参入排除の根拠というものは、私にとってはとても説得力のあるものには思えませんでした。
 そこで、ちょっと違った視点から私、幾つかの例を挙げたいと思います。
 教育や医療に携わる人たちというのは、知識、技術を提供できる一定の資格を持った人々ということで資格制度になっているわけです。医師あるいは教員の免許制度というものであります。
 ところで、弁護士という職種もこれもまた資格制度でありますけれども、この弁護士の業務の場合は、破産をした場合、これは弁護士の資格を失います。欠格事由になっております。それはそうでしょう。経営のアドバイスすべき人が破産をしているようじゃ、これはとても信頼を得られません。ですから弁護士の資格がなくなるわけですね。
 ところが、医者は破産しても欠格事由になりません。それはやっぱり、破産するか否か、経営できるか否かという能力と医療サービスを提供できるかどうかという能力、これは別のものだと、こうやって現行法は考えているからなんです。
 教員はどうでしょうか。これも免許状、あるいはその業務をするに当たって、破産したからといって資格を失う、免許を失う、こういう制度は現行法にはありません。この分野でも、教育サービスを提供するということと経営の問題は切り離されて別に考えられているということでありまして、先ほど来いろいろと株式会社にするとサービスの質が変化して良くないと、こういうことを並べられておりますけれども、この現行法ですらその資格という面から見ると、これは経営とサービス提供は別に考えているということなんです。
 それからもう一つの例を挙げます。
 弁護士の分野あるいは税理士の分野でよく行われることでありますが、かつて法人化が認められていない時代に、施設とかあるいは設備とかあるいはマンパワーとか、こういうサービスの提供を会社を作って、株式会社、有限会社を作って弁護士、税理士に提供する、そしてサービスだけを受け取る、その対価を払う、こういうやり方がかなり広く行われておりました。
 これもまた会社方式によって、その施設やあるいは設備やあるいはマンパワー、この維持が安定する、経営が安定する、そして、それらのサービスを提供するための資金集めにこの会社というものは非常に便利であるから、そういう理由で実際に広く行われていたわけであります。そんなことを考えますと、私は、株式会社の経営に持つ力、あるいは資金調達をする力、これはもっともっとこの特区構想で生かされていいと思うんですね。
 それで、各役所の言うことで唯一実質的な理由があるなと思われたのは、これは既存の経営主体が株式会社に参入されては困る、もう今でさえ手一杯だから新規参入は困ると、そういう政治的な力が働いているということが背景にあるように思われます。それは、いみじくも総理が先ほど政治的な問題であると、こうおっしゃられたとおりだと思います。
 しかし、特区という限られた地域で株式会社の参入を認めたとしても、それは地方自治体が提案してくるわけでありますから、もう既に、その地域の中でどういう医療サービスが提供されるべきかというその在り方については、もう地方自治体のフィルターというものを一度通っているわけですね。また、株式会社の形態ができたとしても、それは株主の目というものもあるでしょうし、利用者の目というものもあるでしょうし、利用者の利益を犠牲にして利益を得るような経営だったら、それはもう成り立ちませんよ。
 ですから、そういう様々なフィルターも掛かっているということを前提にすれば、私は、それでも参入したいと、そういう株式会社の経営努力というのは認めるべきだと、そういうふうに思うんですね。そんな中で、仮に利益を出すことができれば、それはむしろ他の経営主体がそれを見習うべきことなんであって、とてもそれは排除するという理由にはならないだろうと私は思っております。
 そういう中で、政府の中でも考え方が食い違うところがあります。この提案された法案ではそこまで書かれておりません。是非とも、これから新たになされる提案も出てくるでしょうし、また法改正も視野に置いてこれから検討されると思われますので、総理として、これからの方向性、是非ともこの特区の構想をいい方向で生かすように御決断をいただきたいと思うわけであります。どうぞ総理のお考えをお述べいただきたいと思います。
#175
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御指摘の趣旨こそこの構造改革特区構想に出ているわけですので、今、山口議員の言われている趣旨が生かされるようにこの特区構想を進めていきたいと思っております。
#176
○山口那津男君 次に、このたびアメリカのアーミテージ国務副長官が来日をされました。関係閣僚と総理も含めていろいろ会談をされたようであります。ここで、イラクの状況に対して、万一の場合の対応の準備を進めている、こういう発言があったと伝えられているわけですね。これは武力行使も選択肢になり得る、こういうことと受け止められているわけであります。
 しかし、もしアメリカがイラクを攻撃するような事態になるとしても、我が国を始めとして国際社会が協力していくためには新たな国連決議を必要とすることも示唆したというような伝えられ方もある中で、総理として、そのような場合に新たな国連決議があった方が望ましいと考えていらっしゃるかどうかについてお答えをいただきたいと思います。総理に伺っています。
#177
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、イラクが国連安保理決議を誠実に履行するかどうかが問われているところであります。まだ攻撃が始まっていないのに、始まったらどうするかということを私が話すべき時期ではないと思っております。
#178
○山口那津男君 また、関係大臣との間で、そういう場合に、我が国として、憲法の範囲内で新たな立法措置、あるいは難民の支援、あるいは給油範囲の拡大、そしてまた周辺国の支援等について検討するやの伝えられ方もあるわけでありますが、これらの場合も、事が起こってから検討するではかつての愚を繰り返すことになりかねません。ですから、いろいろな選択肢を検討する必要は私はあるだろうと思っております。
 そういうこれからの在り方について検討する用意があるかどうかについて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#179
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては、いかなる国に対しても武力行使はできない、そういう前提でアフガニスタンに対しても復興支援、国づくりにどのような支援ができるかということで支援をしているわけであります。あるいは東チモールでもそうです。当然、中東、イラクに対しても、将来イラクの復興、国づくりに何ができるかということは当然検討していくべきでしょうし、これからもどのような国際情勢が変化するか分かりません。ある程度の予期できる点は予期しながら対応を考えていくというのは政府としても当然だと思っておりますが、どういうことをやっているということについて、今この時点で私が言うべきものでもないと思っております。
#180
○山口那津男君 先ごろ、政府はイージス艦の派遣を決定されたわけであります。これに対してアーミテージ副長官は賛意を表し、高く評価したと、こう伝えられているわけであります。ここで米側から感謝の意が伝えられるということは、やはり米国の国益にかなうところがある、ひいては国際社会の利益にかなうところがあると、こういう判断をしているんだろうと思います。
 一方、我が国の世論調査、ごく最近に行われた世論調査によりますと、この派遣決定については賛成よりも反対の方が上回っていると、こういうデータも出ているわけですね。ですから、私は、国民に対してこのような派遣の決定がどのような国益にかなうのか、それは国際社会に対する利益ということもあるでしょうし、また我が国にとっての国益ということもあろうかと思います。そういうことを国民に対してよく説明をする必要が政府にはあると思うわけであります。
 この点について、総理の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#181
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イージス艦は護衛艦なんですよね。何かどこか戦闘行為に参加すると誤解している国民もあると聞いていますが、まず護衛艦だと。今までの護衛艦の交代期に来ていると。現在出ている護衛艦よりも性能が高いという点において、私は、よりテロ対策支援活動が円滑にいくという点で派遣をしたわけでありますので、このテロ特措法とかあるいは派遣計画に反対した人はともかく、賛成した限りは何ら特別なことをやっているとは思っていないんです。ふだんの支援活動を円滑にするための行動をしていると。
 この一年間やってみて、性能のいい護衛艦が出てくれた方が活動している自衛官のためにもいい、連帯して協力して活動している外国の方々にとってもこれは喜ばしい、歓迎すると。性能が悪いものよりも性能がいい、居住環境が悪いものより居住環境がいい、だれでもそうでしょう。普通のものであるというふうに考えております。
#182
○山口那津男君 国内の自衛隊員の活動に好ましい影響を及ぼすと、これはこれで理解できるわけでありますが、それだけだったら何もアメリカの副長官が謝意を表するということまで至らないだろうと思うんですね。やはりアメリカにとって、あるいは国際社会にとってこれだけ利益があるということが背景にはあるだろうと思うんですね。その点について、総理からもう少し御説明があってしかるべきかと思いますが、いかがでしょうか。
#183
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはもう性能の点についても、レーダーの情報についても、あるいは、私は能力等について専門家ではないから詳しいことは分かりませんけれども、レーダーの把握する範囲、これも今までの護衛艦よりも広い、探索能力というんですかね。それから、今までの護衛艦にない、一遍にいろんな情報を処理できる、処理能力も高い。
 そういう点に見れば、いつテロ対策が起こるか分からない、しかも補給、日本の自衛艦が外国艦に補給、給油していますけれども、これは六時間走りっぱなしで給油するというんですから、止まって給油できないというんですから。しかも、その給油最中、しているほど一番防御体制が弱くなるときだと。そういうことを考えれば、探索能力も高い、処理能力も高い、そういう性能が高い護衛艦がそばにいてくれるということは隊員の、活動している職員なり隊員なりの意識というものも格段に安心感は違うと思いますね。
 だから、性能の悪い護衛艦をよこすよりも性能の高い護衛艦をよこしれくれた、自衛隊員の能力も練度も高い、質も高いと感謝されておりますけれども、更にいい護衛艦を派遣してくれたことによって隊員としての士気も高くなるし、隊長の方におきましても、悪い居住環境よりもいい居住環境で働いてもらう方が隊員の健康のためにもいい、歓迎するということは私は十分理解していただけるものと思っております。
#184
○山口那津男君 そういう理由だけだったら私どもは反対をしないわけでありまして、十分な説明にはなっていないと。もう少し説得的な説明を加えるべきだということをお伝えしまして、私の質問を終わります。
#185
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。
 私は、本会議でも質問いたしましたけれども、景気の悪さに加えて、今政府が進めている規制緩和万能主義ですべてを市場原理にゆだねる、これは弱肉強食をもたらすものであり、働く人たちの労働条件を悪くして、生活と仕事の安定が奪われています。私は週に数回タクシーに乗るんですけれども、タクシーの運転手さんとの会話を通じて、本当にこの人たちの生活が大変だということを感じています。今日は、タクシーの労働者の例を引きながら、総理にお伺いしたいと思います。
 不景気でお客さんが大体減っていると。それで、規制緩和でタクシーの台数が増えて一層過剰になっています。実車率が四二・九%、二〇〇〇年度ですが落ち込んで、一日の一台当たりの営業収入が三万千八百二十八円に減少、それがタクシーの場合は全部賃金にそのまま跳ね返ってくるわけです。
 総理、お手元にも表をお渡ししましたが、ちょっと、このパネルと同じものです、見ていただきたいのですが、(図表掲示)この青い方は男性の労働者の年収の平均です。そして、このグリーンの方が、ちょっと見えにくいかもしれません、一段下にあるのが、これがタクシー労働者の賃金です。この表は厚生労働省の資料と、それから労働省のセンサスによって作りました。このように、一般の労働者、九一年でいいますと五百三万、タクシー労働者は三百八十二万、これだけ差があったんですけれども、今、二百九十九万、三百万円を年収で割っているというところまで賃金が落ちているんですね。
 この実情をごらんになって、どんなふうに総理としてはお考えなんでしょうか。御認識というか、印象をお伺いしたいと思います。
#186
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も総理になる前はタクシーよく利用していた方ですし、選挙になりますとタクシーの運転手さんがよく応援してくれますし、知り合いもタクシー運転手、私は多い方だと、国会議員の中では、思っております。
 タクシーの運転手の労働状況も厳しいものだと認識しておりますし、今仕事がない、あるいは乗客が少ないにもかかわらずどんどん台数が増えているということで、タクシーの運転手さんの勤務状況、大変だなというふうに思っております。こういう景気の悪いときにはなおさらではないかと心配しております。
 いずれにしても、こういう過酷な条件が少しでも緩和されるように経済状況を好転させていかなくてはならないなと思っております。
#187
○吉川春子君 景気が悪いということも非常に大きな要因なのですけれども、同時に、景気のいいときから、バブルのときからこれだけ格差があったんですが、規制緩和がずっと進んできまして、今年の二月に更にタクシーの台数を大幅に増やすということが行われました。
 需給調整の廃止、そして自由参入、増車も減車も原則自由になったんです。これが、例えば仙台では増車が相次いで、二〇〇二年の九月末で一〇%タクシーの車が増えた。二百台以上増えて、そしてタクシーの運転手さんの収入に、営業収入に跳ね返り、一日一車当たりで三万七千三百五十円、これが二〇〇二年には三万四千二百九十二円となって、三千五十八円減少しています。これを年間に直しますと二十四万円ダウンになるわけです。
 規制緩和ということが、不景気だけではなくて、規制緩和ということがこれだけ賃金のダウンをもたらしています。全国的には、申請状況を見ますと百六社が参入いたしまして、五千台余りタクシーの台数が増えたわけです。そうしますとどうなるかというと、お客さんを奪い合う、そして長時間働く、過密労働になる、過労運転を招くと、こういうことになるわけですね。大体不景気で収入が減っているところにもってきて、今年の二月のそういう更なる規制緩和、なぜこういうことをおやりになったのか、その点についてお伺いします。
#188
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 物事には常にプラスとマイナス、両面出てくるものだと思っております。規制緩和についても、プラス面もあればマイナス面も出てくるでしょう。タクシーの場合におきましても、規制緩和することによって、意欲のある事業者にとってはいろいろ今までできなかったことも創意工夫によってはできるようになる、今まで禁止されたサービス、いろいろあれこれ工夫しながら提供できる面もあろうかと思います。
 一方、運転手の皆さんにとってみれば、労働条件が今までよりもきつくなるという面も出てくると思います。今御指摘のように、今まで規制された台数がどんどん入ってくる、仕事を奪われちゃう、同じような給料を稼ぐためには長時間労働しなきゃならないと、寝てる暇はない、体を壊す。ふだんでもタクシー運転手さんの皆さんというのは徹夜で働いて、そして朝帰ってきて朝寝るという、一般の方に比べてみると不規則な生活を余儀なくされているわけですね。そういうきつい条件が更にきつくなるんじゃないかという心配されるのも私は無理ないことだと思っております。
 そういうことを考えまして、一方で規制緩和で今までできなかったいろいろなサービスが展開されるいい面と、それによってしわ寄せされるような面というものをどうやって緩和していくか、あるいは直していくかということをやっぱり労使一体となってよく考えていくべき問題ではないかなと思っております。
#189
○吉川春子君 忘れてはならないのはタクシーは公共交通機関であるということなんですよね、もうもちろん御存じのとおりですけれども。それで、こういう公共交通機関のドライバーが低賃金で働いていいのかという問題があるわけです。ほかは低賃金でいいという意味では決してないんですけれども、公共交通機関。
 そして、二十代、三十代のタクシーの運転手さんというのはほとんどいないんですね。五十代以上に記録を見ますとなっています。それは生活できないからなんですね。そして、こういう長時間やらなきゃならないというようなこととかいろいろありまして、やっぱり公共性を損なう、安全性を損なう、こういう面が出てくると思うんです。
 先ほどのパネルをもう一度出しますと、賃金がどんどん下がっていますね、総理。そして、この赤いグラフは何かというと事故率なんですよ。タクシー千台当たりの事故率がすごく上がっておりまして、ごらんのように賃金の低いのと事故率が上がっていくのとは、何というんですか、逆になっていくわけですね。
 そういうことを考えますと、やっぱりタクシードライバーの労働条件というのをきちっとしないと安全性が守られない、このようになると思うんですけれども、その点、総理、いかがお考えですか。総理。簡単にしてください。
#190
○政府参考人(石井健児君) 恐れ入ります。
 先生御指摘のタクシーの事故状況でございますけれども、御指摘のとおり、交通事故件数全体は増加をしております。一方で、死亡事故につきましては、平成元年と比較をしますと六割程度に減少しておるという状況でございます。これらの事故増加の要因でございますけれども、自動車交通全体の事故件数がこの平成元年から十三年に至ります過程でほぼ同様の増加傾向を示しておりますことから、基本的にはやはり全般的な交通量の増加などによる交通環境の悪化というものが背景にあるものと考えております。
 ただ一方、先生おっしゃいますとおり、この規制緩和に伴ってこうした安全面で障害が生じることがあってはなりませんので、私どもといたしましても、規制緩和後のタクシーの安全確保につきましては適正な労働時間などの確保に引き続き努力をしてまいりますが、本年二月の改正道路運送法施行に当たりましても、運行管理者試験制度の導入による運行管理者の資質向上など、その徹底を図ることとしておりますし、また監査体制の強化、違法行為に対する一層厳正な行政処分など、事後チェック体制の充実を図ることとしております。
#191
○吉川春子君 総理、是非この事故率がどんどん上がっていくというような、そういうところに追い込まれていくようなタクシードライバーの劣悪な労働条件というのは、これはもう是非避けていただきたいと、最後にまとめて御答弁いただきたいと思います。
 時間が限られておりますので、もう一つ総理にどうしても質問したいことがあります。それは、事業者に対する監督という問題なんですけれども、タクシー労働者には基本給というものがほとんどないんですね。自分が稼いだ水揚げで、それで六割と四割とか、五五%対四五%とか、こういうことになりますので、今のように台数が増えてお客さんが少なくて水揚げが少ないとそれに伴って自分の給料が減っていくと、こういう賃金体系になっています。
 それで、そこも一つ問題ですけれども、それに輪を掛けて累進歩合制というものがあります。例えば、売上げが三十万だとその労働者の取り分は三〇%、売上げが四十万になると労働者の取り分も四〇%、売上げが五十万超すと、労働者の取り分も五〇%ということで、水揚げの多さに比例して歩合も高くしていくという、こういう累進歩合制ということを取っている会社がありますが、これははっきりと厚生労働省が通達で禁止していて、違法な制度なんですね。
 ところが、これは労働省が毎年監査にも入っていますけれども、五%程度の事業所でこの累進、累進課税はいいんですけれども、累進歩合制というものが取られておりまして、それで、それが是正されないで放置されているんですね。
 それで、私は五%という数字ではなくて、タクシーの運転手さんとの会話を聞いていますと、まずいろんな形であれ累進歩合制というのはほとんどの社が取っていると思うんです。しかし、こういうようなことをやれば、ますます働く人たちの賃金が劣悪になります。会社はある意味では損しないけれども、全部そのしわ寄せが労働者に来ると、それで労働省も禁止していると思うんですけれども、総理、是非こういう違法行為はきちっと、見逃さないで、きちっとした賃金が労働者に保障されるように、こういう点では規制を強めてタクシードライバーの生活を守っていただきたい。それが本当の意味での構造改革にもつながるんではないかと思いますので、その二点について、最初の事故率と、その二点について総理に御答弁をお願いします。もう時間が来ているんです。
#192
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 時間ありませんが、事故はそれはどういう状況でも、ないように努めなきゃなりませんし、いらいらが高じたり、体の状況悪いと事故にも影響する面は多々あると思っております。
 また、賃金体系とか水準については、基本的には労使間で決めるべきものだと思いますが、タクシー運転手さんについては労働基準関係法令で最低賃金額は下回ってはならない、また歩合給制度についても一定の保障給を定めなければならないとされておりまして、政府としてはこの労働基準関係法令の違反がないよう監督指導に努めてまいりたいと思います。
#193
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。
 私の時間はたった五分で限られておりますので、多くの質問はできませんが、よろしくお願いしたいと思います。
 沖縄には招かざる客の米軍が主人公のような顔をして、沖縄本島の二〇%を占拠して五十七年間も居座り続けております。沖縄は、在日米軍基地の七五%が集中する米軍基地押し付け特区になっております。私は、太平洋戦争の負の遺産とも言うべきこのようなマイナス特区、不利益特区は早々に返上した方がよいと思っております。私は、日米安保体制下において、在日米軍基地の七五%が沖縄に偏在しているということは日米安保体制のゆがんだ構造であると考えております。
 小泉総理は、真っ先に沖縄への米軍基地の偏在という日米安保体制のこのゆがんだ構造を改革していただきたいというふうに私は思っております。総理は、その部分、いわゆる沖縄の負の問題について聖域と考えておられるのかどうか、お伺いいたします。
#194
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この在日米軍基地の整理縮小、これは当然進めていかなきゃならないものと思っております。特に、今御指摘されましたように、沖縄には七五%もの基地が集約されている、集結しているという状況、沖縄県民の皆さんに多大の御負担を掛けているというのも事実だと思います。本土に復帰して以来、米軍とのいろいろな問題についても頭を悩めることも多いのが実情だと思っております。
 そういう中で、政府としては、SACO等を通じまして、沖縄特別行動委員会、これの沖縄の基地をどうやって縮小していくかということについても今懸命に取り組んでいるところであります。普天間の移設問題もその一つでございます。また、この基地等にある、多大の負担を掛けている沖縄の振興策をどう考えていけばいいか、これについても常日ごろから特別な配慮がなされなければならないということで、この振興策についていろいろな案が出てきております。これをどうやって取り上げていこうかということについても、小泉内閣としても懸命に取り組んでおります。
 非常に多くの問題が基地の存在することによって出来しておりますが、日本政府でできることと、それからどうしてもアメリカとの協議、協力を要することの問題、いろいろあると思いますが、私は、沖縄県当局の意向を重く受け止めまして、今後も沖縄の振興のために、そして基地整理縮小のために、小泉内閣としても一段の努力をしていかなければならないと思っております。
#195
○島袋宗康君 時間がありませんので前に進みます。
 沖縄では、またもや米軍兵士の犯罪が発生いたしました。しかも、今回は一兵士ではなく海兵隊少佐という幹部兵士による強姦未遂事件です。沖縄県警は、凶悪事件として逮捕状を取り、容疑者の身柄を引渡しを要求いたしましたが、またもや米軍は日米地位協定を盾に取ってこれを拒否いたしました。外務大臣は、このような事態になっても、再度身柄の引渡し要求はしないと明言をしております。
 沖縄県民は、日米地位協定は米軍優位の不平等条約だと思っております。それは、もはや運用の改善程度では納得できないほどフラストレーションがたまっています。抜本的な改定が必要であります。小泉総理は、これを聖域とせずに、断固改定要求をすべきと考えますが、いかがですか。
#196
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の事件につきまして、アメリカ側より拒否回答がなされたということは大変残念だと思っております。
 しかしながら、この事件に関してはアメリカ側も捜査へ、日本側に全面協力するということを約束しております。今後とも、この本件についてアメリカ側の捜査協力を求めながら、事件の解明を進めて厳正な処理を実現していきたいと思っております。
 また、日米地位協定についても、この問題はその時々の問題についていろいろ沖縄県民の憤慨を買っている問題でもございます。この沖縄県民の憤慨というもの、これを厳しく受け止めながらも、現時点においては運用の面で改善できる点、これについて努力をしていき、今後、この運用の改善が十分効果的でないという場合には、この地位協定の改定も視野に入れて折衝しなきゃならぬなと思っております。
#197
○島袋宗康君 時間ですので終わります。
#198
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。
 五分です。小泉総理には二つのことをお願いします。
 経済特区構想のことでは規制緩和という流れに沿ったものと理解しておりますけれども、私がこのことでずっと言い続けていることは、女性に対する規制を緩めてほしいということです。この特区法案では、地域の活性化と自主性に任せるとあります。この地域の活性化と自主性を担うのは地域の一人一人の住民なんですが、その住民の半分は女性です。しかも、その地域の経済活動を担っている女性たちはパートの人がほとんどですが、その人たちはほぼ子育てを終え掛けた中年の女性たちです。その中年の女性たちはいろいろな目に見えない鎖があって、十二分に働けません。それが何かというと、その女性の規制とは、一つは配偶者控除と配偶者特別控除です。それから、第三号被保険者の年金制度の件です。それからあと、若い人も含めて夫婦別姓ということです。これは本当は戸籍制度の撤廃ということにつながりますが、いずれにしろ、この三つが女性が取りあえずは自由になるための羽を折っている制度です。
 まず、この特区構想と同時に、早急に足並みをそろえて全国区でこの女性に対する規制緩和をやってほしいと思います。首相、イエス、ノーで答えてください、決意のほどを。
#199
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これ、イエス、ノーで答えられる問題じゃないんですよ。今、それは配偶者控除をなくせ、配偶者特別控除なくせと言ったとしても、恐らくこの中にも絶対反対と言う人いますよ、これやったら。
 だから、こういうのはイエス、ノーじゃなくて、今、税制調査会で検討していますから、その論議をよく見極めて多くの国民の理解を得れるような努力もしなきゃいかぬと思っております。
#200
○田嶋陽子君 こういうところにも反対がいるとおっしゃいますが、小泉総理は構造改革を強力に推し進めていらっしゃいます。ここの意見も聞かないこともあると思います。ですから、この件でも、小泉首相はもし男女平等ということがこれからの日本を作る大事なことだと判断なさるなら、強力に推し進めてほしいと思うんですね。
 小泉総理にお願いします。小泉総理の構造改革は、私は基本的には賛成して応援しております。ですけれども、小泉さんは片足立ちのフラミンゴみたいなものです。なぜかというと、小泉さんのおっしゃる構造改革のイメージは経済財政ばかりのイメージです。ですけれども、経済財政改革と同時に社会生活改革をやらないと駄目なんです。国民に対して、どういう生活が待っているのかをイメージできるようなメッセージを送ってほしいんですね。
 ですから、新年に、もし小泉総理は演説をなさるときには、こう言ってほしいんです。男の人たちよ、働きバチになっていないで家庭に帰って子育てをせよ、老人介護をせよ、今まで十二時間働いていたその四時間分を女によこせ、ワークシェアリングをせよ、パートの賃金、同一価値労働同一賃金にせよ、そういういろんなことが全部あるんですけれども、あらゆることを変えないと女にまつわることは日本国変わらないんですね。小泉総理は、フラミンゴをやめてその二つのことをきっちりと、どういう生活を私たちはよしと思っているのか、そのことを言ってほしいんですね。
 先ほどタクシーの運転手の話が出ましたが、私は朝晩タクシーに乗っています。そうすると、タクシーの運転手はこう言います。もうバブルはないよ、景気回復なんかないよ、でも、おれたちはこれでいいんだ、だから生活を守りたいんだ、自分の身の回りにいる人間と仲良くやりたいんだ、こういうことを言うんですね。
 だから、ばか働きしなくてもいい、ばか景気もいい、だけれどもやっぱり今の生活を守れるような量から質へのそういう生活になるということを小泉首相はメッセージとして新年に流してほしいんです、国民に向かって。今みんな国民はおろおろしています。そういう国民に対して安心と安定を与える首相の言葉が必要だと思います。
 いかがですか。
#201
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 男と女、仲良くいい暮らしをしていくように、仕事も家事も育児も分かち合って仲良くやっていくのが一番だと思います。
#202
○委員長(小川敏夫君) 田嶋さん、もう時間が来ていますので。
#203
○田嶋陽子君 はい。
 総理、では、そのように新年におっしゃってください。よろしいですね。イエスとおっしゃってください。
#204
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 仲良いことが一番いいことだと思います。
#205
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋です。
 私も時間がありませんので一問だけお聞きいたします。ちょっと通告と違って、最後、医療の株式参入について触れるので、総理、お聞きになられてください。
 私は、総理のおっしゃる官から民へ、そして国から地方へという構造改革の理念には全くもって同感です。その理念を達成するための一つの挑戦がこの構造改革特区法案であると、そう私は理解しております。しかし、今回の質疑を通してこの法案の様々な不備が露呈されたと、私はそう感じております。
 私は、第一回目の質問で鴻池大臣にこう申し上げました。この法案をこれを料理店に例えると、私はこの料理店に入りたくないと。なぜならば、先ほど申し上げた理念という看板はいいんです、看板はうっかり入りたくなるんですけれども、どうもここに十一条から並べられた十五条ですか、メニューが少ないんですね。そして、メニューの中身も、わくわくするようなものが載っていないんですよ。これは、鴻池大臣がよくおっしゃる英語での授業というこういうメニューも載っていないんですね、ここには。加えて、レシピがまずい。これは第一条の「目的」でいいことが書かれているんですけれども、それ以下の条文で、もうしっちゃかめっちゃかに、このメニューができそうもないというそういう調理法が書かれているんですよ。ですから、私はこういう料理店にはなかなか入りたくない。ただ、ここで私が期待しているのは調理人の腕前。そうです、鴻池大臣という調理人がきっちりと腕前を発揮して、そしていい料理を作っていただきたいと、そう申し上げました。
 しかし、その後の質疑をまた重ねていくと、どうもこれは料理人の腕だけでは難しいんじゃないかという懸念が生まれてきました。鴻池大臣は本当に、さすがに総理が任命された大臣ですから、すご腕であることは当委員会でもう証明されているんです。しかし、料理人一人の料理屋ならいざ知らず、多くの省庁の役人という店員と共同作業して、そして無数の法律というこの素材を料理しなければいけないんです。そこで必要なのはやはり料理店のオーナーの力なんです。そうです、総理の力なんです。総理が経営者としてきっちりと経営の腕、すご腕を私は見せていただきたいと思っております。
 私、今日の総理の御発言を聞いておりましていささか心配しておるんですが、今まで当委員会は、お役所の方にこの改革に対する抵抗ぶりをおっしゃっていただいて、その後に鴻池大臣にばっさりと切り捨てていただいて、我々盛り上がってきていたんですけれども、それを更に私は総理にばっさりと切っていただきたかったんですが、どうも水を差されているような、そんな気がしておるんです。
 そこで、ちょっと一点お聞きいたします。
 これは先ほどの医療なんですけれども、私が聞くところによりますと、日本医師会は医療に関連する規制改革特区対策委員会なるものを設けて、全国津々浦々の医師会に指示を出してこの医療分野の提案を出すことに圧力を出していると、そのように私は聞いております。例えば日本医師会のホームページによりますと、現在関係各方面に働き掛けている、医療に関する特区は取り下げられたので一定の効果はあったと思う、ただ構造改革特区推進本部では再び提案を受け付けようとしている、警戒を緩めてはならないと、こう書いてあるわけですね。
 これは、明らかに圧力を掛けた成果を誇示して、今後もそのような圧力を掛けるということを宣言しているわけですよ。そうした中、勇気を振り絞って幾つかの病院やそして大学がこの医療特区の提案を出してきているわけです。そして、鴻池大臣も、この国を良くしよう、そして構造改革を進めようという強い政治信念の下に既得権益からの圧力を覚悟して闘っているわけです。
 今地方そして民間というのは本当に先ほども総理が認めた団体からの圧力におびえているんです。ですから、私は、この医療の分野においても、抵抗勢力に屈することなく、地方や民間からの株式会社参入の声や、そして構造改革の声を上げる勇気を与えるような総理からの明確なメッセージを発していただく必要があると思っているんです。総理だって闘いを挑まれているんです。そして、総理が任命した鴻池大臣は必死で闘っているんです。まさか鴻池大臣を見殺しにしたりはしないと私は総理、信じております。
 今申し上げたこの医療の分野への明確なメッセージを御発言ください。お願いいたします。
#206
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この特区構想というのは、今まで反対でできなかった分野に穴を空けていこうと、だから特区構想なんです。今言われた反対というのはもう承知しております。その反対の海を泳いでいかなきゃならないのが鴻池大臣でありますし、その反対をどうやって説得して協力を求めていくかという面において今苦労してもらっているわけであります。
 まず、反対される方々の心配をなくして特区で試してみようということでありますので、その心配を除外する努力と、特区によって国民がどのようなサービスを今よりも受けることができるかという両面を考えながら私は進めていかなきゃならない問題だと思っております。
#207
○委員長(小川敏夫君) もう時間が来ていますが。
#208
○黒岩宇洋君 とにかく今回の質疑で本当に具体の提案がどうもできそうもないどころか、まずできそうもないというのが我々の感想なんです。ですから、先ほど総理のおっしゃられた荒海を総理も鴻池大臣もちゃんと渡り切ってほしいんです。鴻池大臣がおぼれて総理が元の岸にいたなんということがないように是非よろしくお願いいたします。
 終わります。
#209
○委員長(小川敏夫君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
 他に御発言もないようですから、本法律案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#210
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、構造改革特別区域法案に対し反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、これまでの経済的規制緩和に加えて、国民の生命、健康、環境などを守るための規制を構造改革特区を突破口に緩和、撤廃しようとしていることです。
 法案は、株式会社の農業経営への参入を認めています。これは小規模農家を優良農地から締め出し、価格競争によって農業経営を苦境に追い込むものです。日本農業の困難は、政府が進めてきた農産物の輸入自由化、価格支持政策の廃止などにあります。
 また、特別養護老人ホームに株式会社の参入を認めていることは、入所者のサービス低下につながります。
 病院や学校への株式会社の参入を進め、刑法の賭博罪に当たるカジノ特区まで検討しているということが明らかになりました。国民の生命、身体、健康、公序良俗、消費者保護の規制まで緩和、撤廃しようとしていることは重大であり、到底認めるわけにはいきません。
 第二は、構造改革特区は、関連分野として従来の公共事業を一体で進め、新たな浪費、地方財政危機を深刻にするものとなるからです。
 国際物流特区構想は、規制緩和と関連する大水深バースの建設、関連道路などの基盤整備などを行うことになっています。政府は、特区には財政措置を講じないとしていますが、国土交通省の来年度予算概算要求では、構造改革特区を支える基盤整備のために必要な連携事業を強力に進める費用として二千五百億を要求しています。このように特区構想の関連分野の事業に予算が配分される仕組みを作り、見直すべき公共事業も推進されることになります。これでは新たな公共事業の浪費を作り出し、地方財政危機を一層深刻にするものです。
 最後に、構造改革特区は地域経済の活性化につながらないばかりか、住民への負担と犠牲を一層強めることになるからです。
 政府は、構造改革特区を設けて規制緩和を行うことが地域経済を活性化しデフレ対策になるとしています。しかし、小泉内閣の総合デフレ対策の中心は不良債権処理の加速であり、地域経済を支えてきた中小零細企業の倒産、リストラ、失業を一層増大させ、地域経済に大きな打撃を与えるものです。日本経済を疲弊させている原因は、規制緩和の遅れにあるのではなく、医療始め社会保障の連続改悪など、国民負担を増やす小泉構造改革そのものにあります。
 私は、規制緩和万能主義ではなく、国民生活や中小企業の営業を守るための民主的規制は逆に強化するなど、今の社会に合ったルールを確立することを求め、反対討論を終わります。
#211
○委員長(小川敏夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 構造改革特別区域法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(小川敏夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 長谷川清君から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川清君。
#213
○長谷川清君 私は、ただいま可決されました構造改革特別区域法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    構造改革特別区域法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、抜本的な規制改革及び地方分権の推進の観点から次の諸点に留意し、適切な措置を講ずべきである。
 一、本法の適用状況について、少なくとも年一回以上、その効果、影響等を評価し、その結果、当該規制の特例を全国的に展開すべきとの結論に達した場合には、速やかに所要の措置を実施し、規制の特例措置が特定地域の既得権益とならないよう十分な配慮を行うこと。
 二、本法成立後においても、講ずべき規制の特例措置の項目について、これまでの間において地方公共団体及び民間事業者等から提案がなされたものについて更なる検討を行うとともに、追加の提案を定期的に受け付け、次期常会への所要の法律案の提出を含め必要な措置を講じること。
 三、追加の提案を募集するに当たっては、地方公共団体及び民間事業者等に構造改革特別区域制度の意義、目的、進め方等を十分に周知させるとともに、地方公共団体及び民間事業者等からの相談を幅広く受け付け、これらに対して真摯に対応すること。
 四、政令、主務省令、訓令及び通達に係る規制の特例措置の内容並びに構造改革区域計画の認定等に係る関係行政機関の長の同意の基準については、関係行政機関の長の裁量の余地を極力小さいものとするよう、構造改革特別区域基本方針において明確な基準及び方向性を定めること。
 五、構造改革特別区域で講じることができる規制の特例措置の追加の決定に当たっては、内閣総理大臣及び担当大臣が指導力を発揮するとともに、関係行政機関の意見等をすべて公開するなど提案に対する政府の対応の明確化に努めること。
 六、構造改革特別区域において実施される規制の特例措置の効果等の評価に当たっては、これを関係行政機関の長のみに委ねるのではなく、民間事業者、消費者等第三者の意見を踏まえつつ構造改革特別区域推進本部において政府全体として行い、全国における規制改革を推進するため必要な措置を講ずること。
 七、地方公共団体から構造改革特別区域において実施し又はその実施を推進しようとする特定事業及びこれに関連する事業に関する規制について規定する法律等の規定の解釈について確認を求められた場合は、関係行政機関の長は、速やかに書面又は電磁的方法により回答すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員会の各位の御賛同をお願いをいたします。
#214
○委員長(小川敏夫君) ただいま長谷川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#215
○委員長(小川敏夫君) 多数と認めます。よって、長谷川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 鴻池国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鴻池国務大臣。
#216
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の実施に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございました。
#217
○委員長(小川敏夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 鴻池国務大臣は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#219
○委員長(小川敏夫君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、警察庁刑事局暴力団対策部長近石康宏君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#221
○委員長(小川敏夫君) 特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院内閣委員長佐々木秀典君から趣旨説明を聴取いたします。佐々木秀典君。
#222
○衆議院議員(佐々木秀典君) 衆議院内閣委員長の佐々木秀典でございます。
 ただいま議題となりました特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
 現在の我が国社会において、民間非営利団体、いわゆるNPOは、多様かつ先駆的でしかも人間味のあるサービスを提供することで、行政や企業では満たされない社会的ニーズにこたえ、重要な役割を果たしております。二十一世紀の我が国においては、行政、企業、NPOが相互に連携しながら活動を行い、安定的で活力のある社会を築くことが期待されております。
 平成十年十二月に施行された特定非営利活動促進法は、社会貢献活動を行うNPOが法人格を取得する道を開きましたが、同法の附則において、特定非営利活動法人制度については、法施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとするとされております。
 また、特定非営利活動を推進し支援する観点から、法を更に幅広くかつ適切に活用できるようにすべきであるとの指摘がなされております。
 そこで、今回、特定非営利活動の一層の発展を図るため、その活動の種類を追加し、設立及び合併の認証に係る申請手続を簡素化するとともに、暴力団を排除するための措置を強化する等の改正を行う本案を提案した次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず第一に、本法別表に掲げる特定非営利活動の種類に、新たに情報化社会の発展を図る活動、科学技術の振興を図る活動、経済活動の活性化を図る活動、職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動及び消費者の保護を図る活動を追加することとしております。
 第二に、特定非営利活動法人の設立及び合併の認証に係る申請書類の簡素化を図ることとしております。
 第三に、暴力団等を排除するための措置の強化を図るため、特定非営利活動法人の設立及び合併の認証基準を強化し、役員の欠格事由を追加するとともに、所轄庁は、特定非営利活動法人が暴力団等であるとの疑いがあると認めるときは、警察庁長官又は警察本部長の意見を聞くことができること等としております。
 第四に、租税特別措置法に定める、いわゆる認定NPO法人に対する寄附又は贈与を行った者に係る寄附金控除等の特例について、本法に明記することとしております。
 第五に、特定非営利活動法人の理事等が、所轄庁に対して必要な報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は所轄庁による検査を拒んだ場合等の罰則規定を追加することとしております。
 なお、本案は、平成十五年五月一日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案の趣旨及び内容であります。
 本案は、去る十二月四日、衆議院内閣委員会提出の法律案とすることに決し、同月六日、衆議院本会議で可決したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#223
○委員長(小川敏夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 この際、本法律案に対して、委員長から、各会派の御意見を踏まえながら、確認の意味も込めまして、法案提出者、竹中国務大臣及び警察庁に対し若干の質問をいたします。
 その第一は、今般、法改正に至った背景、理由についてであります。
 NPOを含む民間非営利団体は、我が国において、行政でも営利企業でもなく、第三の主体として国民の多様化したニーズに効果的かつ機動的にこたえるとともに、個々人の自己表現の意欲を生かすことのできる仕組みとして、今後ますます重要な役割を果たすことが期待されております。
 その一方で、現行法は、制定の過程におきまして、民法に基づく公益法人制度の問題等様々な論点が指摘されておりましたが、早期の法制定の要請を踏まえて成立した経緯もあり、法制定が制度完成ではないという理解も成り立ちます。このような成立の経緯もあり、同法附則には、法施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ぜられるものとする、このように規定しております。
 今般の法改正はこの附則の規定を受けてのものと理解いたしますが、現在の特定非営利活動法人制度についてどのような検討が行われたのか、その際、既存制度に対しどのような認識、評価をされたか、併せてお伺いいたします。
#224
○衆議院議員(石毛えい子君) 民主党の石毛えい子でございますが、御答弁申し上げます。
 ただいま御指摘をいただきましたように、特定非営利活動促進法は、その法の附則において三年以内に検討を加えることとしておりました。法施行後、超党派の議員から構成されるNPO議員連盟、その議員連盟を中心に活発な議論、検討を重ねてまいりました。この過程で、昨年の十月一日に、税制度に関しまして認定NPO法人制度がスタートをしております。
 もう一方で、活動分野についての見直し等々の御意見も踏まえて今回の改正法案に至りましたが、現行のNPO法制度の下では法施行後NPOの認証数は増加の一途をたどっておりまして、現在では約九千法人を数えるに至っております。近年、毎月ほぼ三百程度のNPO法人が成立、活動をするようになっており、活動は確実に定着しているものと認識をしているところでございます。
 そこで、本改正法案では、法施行後のこうしたNPO法人の実態を踏まえて、更に市民の自由な社会貢献活動を促進するとともに、NPO法人の健全な発展のために必要な見直しを検討し、取りまとめたものでございます。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。
#225
○衆議院議員(熊代昭彦君) 法案の元々の提出者としまして少しだけ補足をさせていただきたいと。
 今お答えになったとおりでございますけれども、法律そのものについての評価は、一つは徹底的な規制改革、今の言葉で言えば規制改革をやりまして、基本財産がゼロでいい、基本財産というものは要らないと、一億とか三億とかいう話が従来のものでしたが、それを要らないと。それから、収入要件、一千万ぐらいなければ駄目だとかいうものを徹底的に改革しましてゼロにいたしました。それから、一つだけ問題点としましては、準則主義というんですね、要件が合えばもう登記するだけで準則で成り立つと、そういうことにしてくれという話がございましたが、それはそれに非常に近い認証ということにいたしました。この問題につきましては、今検討されております非営利法人法、民法、公益法人そのものを改正する非営利法人法の中で検討されております。これは今回の改正でも未解決でございます。
 そのほか、法の要件に合えば必ず認証しなければならない、しかも四か月以内にしなければならない、不認証にする場合は必ず文書で理由を付けなければいけないということを付けるとか、情報公開とセルフガバナンスを徹底するということでやりましたので、その限りでは大変喜ばれて大変成功であったというふうに思っております。
 そのほかの現在の問題点というのは、今、石毛先生が御報告があったとおりでございますけれども、法律の制定そのもの、そして徹底的規制改革というのは大いに評価されてきたのではないかというふうに考えているところでございます。
#226
○委員長(小川敏夫君) 第二は、既存のNPO法人への影響の有無についてお尋ねします。
 今般の法改正により既存のNPO法人が事務的に対応しなければならなくなるのでしょうか、あるとすればいかなる事項なのか、明らかにしていただきたい。まず提案者に確認いたします。
#227
○衆議院議員(熊代昭彦君) 結論的に申し上げますと、今回の法律改正で、既存のNPO法人は定款などの事務的な対応が求められることは基本的にはないという認識をしております。改正法案が成立いたしますと、定款に事業年度を定めていない場合は定めなければならない。それから、従前に収益事業のほかにその他の事業を営んでおりまして、かつその事業内容の記載が定款上不明確な場合というのは、例えば収益事業と書いてあればいいんですけれども、収益事業のほかにその他の事業と書いて中身が書いていないと、こういうときは若干問題でございますので、一年以内に定款を定める必要があります。しかし、ほとんどの法人はこれらを既に定めております。そういうことで、定款変更の必要のある法人というのは本当にまれであるというふうに考えております。
 なお、改正法案では、特定非営利活動事業とそれ以外の事業を明確に区分することとしなければならないと、それから収益事業という文言が法律からはなくなりましたけれども、これまでの定款に収益事業というふうに書いてあるものは、それは当然その他の事業として解釈されますので、それをそのまま残しておいて直す必要はないと、このように理解しているところでございます。
#228
○委員長(小川敏夫君) ただいま提案者から答弁をいただきましたが、ただいまの点については本法の担当である竹中国務大臣からも答弁を求めます。
#229
○国務大臣(竹中平蔵君) 本日、御審議をいただいております改正NPO法案は、市民の自由な社会貢献活動を更に促進するとともに、NPO法人の健全な発展に寄与するものでありまして、政府としても極めて重要なものであるというふうに考えております。
 担当大臣として御指摘の点にお答えさせていただきますが、先ほど提案者が、熊代議員がお答えになりましたとおり、ごく一部の例外を除きまして、既存法人は定款変更等の事務的な対応が求められることはないものと認識をしております。改正法案が成立すれば、周知活動も含め法の的確な運用を図ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
#230
○委員長(小川敏夫君) 第三は、特定非営利活動の種類の追加に関してお尋ねします。
 現行法第二条が規定するNPO法人の活動分野は十二項目となっております。この規定は例示列挙ではなく限定列挙であるため、NPO法人格を得ようとする団体は、この十二項目のいずれかをその目的としなければなりません。
 しかし、NPO法審議の際、十二項目の各項目の理解に当たっては、できる限り柔軟に解釈して、広範な活動を取り込むことが立法趣旨であるとの議論が行われております。特に、衆議院内閣委員会はその趣旨を附帯決議で明確にされております。
 ところが、本法案は、NPO法人の活動分野を「情報化社会の発展を図る活動」、「科学技術の振興を図る活動」、「経済活動の活性化を図る活動」、「職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動」及び「消費者の保護を図る活動」と五項目を追加し活動範囲を拡大してはおりますが、依然として限定列挙のままであります。
 NPO法人の活動分野は社会経済情勢の変化とともに今後更に拡大していき、活動分野を限定するということは適当ではないとも考えます。立法趣旨の原点に立ち返れば、限定列挙ではなく例示列挙にすべきではなかったかとも考えるのでありますが、例示列挙にされなかった理由をお伺いいたします。
#231
○衆議院議員(熊代昭彦君) 法案を作成する段階では、委員長御指摘のように例示にいたしまして、最後に、前項各号に準ずる公益活動を行うものということで付け加えた原案を書いたこともございます。
 しかし、いろいろ検討してまいりましたらば、やはりこれは民法というのが公益活動の根本法でございますので、これとそうすると全く同じになってしまうんですね。ですから、特別法でありますのでやっぱり民法とは、少し限定されたものでなければいけないということで、できるだけ厳選をしまして十二項目に収めたという経緯がございます。
 しかし、御指摘ございましたように、附帯決議におきまして、別表十二項目については多様な特定非営利活動を含むように広く運用するように努めることという附帯決議もいただいておりますし、我々いろいろ検討しましたけれども、これで相当程度読めるんではないだろうか、ほとんど読めるんではないだろうか、ひょっとして読めないのは、今回付け加えました消費者保護がちょっと難しい面もあるかなというようなことでございました。
 そういうことで、形式的には極めて限定している、しかし実質的には相当に広いということでございますが、今回、今御指摘いただきました五項目を加えましたのは、特にこれもできますよ、できるだけこういう活動は積極的にやっていただきたい、そういう積極的な意味を込めて加えたいと、こういうものでございます。
#232
○委員長(小川敏夫君) 第四は、予算準拠原則の削除に関してお尋ねします。
 現行法第二十七条第一号では、会計原則の一つとして予算準拠の原則を規定しておりました。この規定は、資金面におけるNPO法人の透明性を確保するために置かれたもので、NPO法人は、この規定に基づき、予算に基づく収入や支出を行うことになっておりました。
 本法案では、この予算準拠の原則を削除しておりますが、その理由を御説明いただきたいと思います。
#233
○衆議院議員(石毛えい子君) お答えいたします。
 NPO法人に限らず、法人運営を適切に行う上で予算を作成することは一般的には当然でありますし、そこで、現行NPO法では、念を入れるという意味で、あくまで入念規定としてこの予算準拠の原則を設けてまいりました。
 しかし、商法等他の一般的な法令には予算準拠規定はないということから、NPO法人だけが、他の法人とは異なり、いったん成立した予算に法人運営が過度に制限されると理解される可能性もあるということ、それからまた、社会貢献活動に携わるNPOの特性として、新しい事業、例えば災害などが起こった場合に突発的に災害支援などに携わる必要性などが生じてまいりますが、予算準拠の原則がシビアに理解されておりますと機動的な対応に支障を来すということが問題として認識されるようになりました。
 このため、今回の改正では予算準拠規定を削除することとしたものでありますが、当然のこととして、決算においてきちっと説明責任を果たし、透明性を確保するということは当然のことでございまして、これからも法人としての適切な運営がなされるものと理解しているところでございます。
#234
○委員長(小川敏夫君) 第五に、NPO法人に対する税制上の措置についてお尋ねします。
 今日、国民全般の生活水準の上昇や価値観の多元化に伴い、国民が行政や企業に求める財やサービスが総じて多様化、高度化してきております。それに伴って、行政や企業が対応し切れない領域が拡大しております。
 NPO法人は、行政や企業が対応し切れない領域、例えば老人介護や障害者支援、地域に根差した環境保全、災害救護等、社会的に重要な役割を果たしております。しかしながら、NPO法人には財政基盤の脆弱なものが多く、NPO活動を実施していくためには財政基盤の強化が必要であり、そのためにはNPO法人に対する税制上の支援策が必要ではないかと考えます。
 法制定当時においても、NPO法人に対する税制上の支援の必要性につき議論が行われたのでありますが、まず社会貢献活動を行う団体に法人格を付与することが優先されたため、税制等を含めた支援は盛り込まれなかった経緯があります。その後、平成十三年十月からは、認定NPO法人に対する税制上の優遇措置が設けられましたが、認定を受けたのは、現在、十法人にすぎません。
 本法案においては、この認定NPO法人への支援を明記するのみとなっており、すべてのNPO法人に対する税制上の支援策を規定するものではないと考えます。提案者は、NPO法人に対する税制上の支援策をどのようにお考えか、お伺いします。
#235
○衆議院議員(熊代昭彦君) 法律を制定するときも、税法上の優遇措置、必要であるということで盛んにそれを主張しておりました。ただ、三年間の実績を見て、その公益活動が考慮するに足りるということならば税法上の優遇措置を付けようという案でございましたので、それならば三年以内に改正でいいんじゃないかというので当初の案から削られた経緯がございます。
 委員長御指摘のように、その三年よりも少し前に、十三年十月一日ということで税の優遇措置を入れました。支援税制を入れたわけでございます。それは、しかも三年の実績じゃなくて二年の実績ということで、短い期間で判定をするということで入れていただきました。
 しかし、それとともに、いわく言い難しという、行政の裁量が一杯ありまして、何が公益かいわく言い難いと。いわく言い難いけれども、これは認める、これは認めないということではいけないので、すべて細かく文章で書いてほしい、はっきり書いてほしいということで要求をしまして、その中身を固めて了承もしたんですけれども、実際気付いてみるとこれが物すごい厳しかったということで、我々も大変問題に思っておりまして、六か月を待たず一つだけは改正をしてもらいましたけれども、項目だけは。しかし、余りに近いというので、今年が本格的に税の優遇措置の、支援税制の改正の年であるということで、今懸命に自由民主党の方でも党税調で頑張っているところでございます。最終場面を迎えております。
 それで、公益ということを判断するのもなかなか難しいものですから、アメリカの例を見まして、パブリックサポートテストということにいたしました。三分の一は広く少額の寄附が集まっていると。総収入の三分の一は広く少額の寄附が集まっていると。こういうことで、寄附金の三分の一ですね、こういうことをテストの基にしたわけでございますが、なかなか厳しい状況でございまして、日本の状況に合わせれば、三分の一じゃなくて五分の一で十分なんじゃないだろうかという要求を出しております。
 また、寄附金、広く集めるということですので、大きな寄附がばっとあった場合はいけないので、分子には入れますけれども、分母にそれを算入するときには、分母は総収入でございますけれども、分子に算入するときには寄附金総額の二%を計算して、それだけを入れると。一人の人の支配に属さないと、こういうことをやっていたわけでございますが、それも、二%厳し過ぎるということで五%ということを出しております。
 また、少額の寄附を、三千円未満は足切りにしておりましたが、やはり千円というのが圧倒的に多いというので、千円はオーケー、千円未満は足切りということとか、それから、二つ以上の市町村で必ずやっていなければ駄目だと。三つぐらいの要件がありますが、そのうちの一つは必ず二つ以上の市町村でやる。広域性の要件と言っておりますが、これも、例えば七十万都市で一生懸命やっていても駄目だということになりますと問題でございますので、これも削除してほしいと。
 また、一つの新しい哲学を加えまして、アメリカの場合は広く集まっているということとともに、国とか州とか国際機関から寄附をもらいますとこれもパブリックから認められていると、パブリック機関ですからね、パブリックから認められるということで分母分子に加えますので、三分の一要件を極めて簡単にクリアできるということでございます。日本は分母分子から除いている、あるいは、分母には入っているけれども分子には二%条項が掛かるとか、そういう厳しい条件がございますので。
 総括的に申し上げますと、アメリカに勝るとも劣らない寄附文化を育てられるような、そういう立派な支援税制にしてほしいということで、今懸命に努力しているところでございます。
#236
○委員長(小川敏夫君) 最後に、NPO法人に対する警察の関与についてお尋ねします。
 今回新たに設置された本法案第四十三条の二は、所轄庁は、NPO法人が暴力団等であるとの疑いがあると認めるときは、警察庁長官又は警察本部長の意見を聴くことができると規定しております。また、四十三条の三は、警察庁長官又は警察本部長は、NPO法人が暴力団等であると疑うに足りる理由があり、所轄庁が適当な措置を取る必要があると認めたときは、所轄庁に対し意見を述べることができると規定しております。
 NPO法人を暴力団が組織したり、暴力団を糊塗するために関連団体を使ってNPO法人を作るということは絶対にあってはならないことでありますが、しかし、本来、すべてのNPO法人の活動内容は個々に違っていても、各法人の自主独立性は保障しなければならないものではないかと考えます。
 この点から考えますと、第四十三条の二及び第四十三条の三は、運用いかんによっては第三の主体であるNPO法人に対し警察の関与が強くなりはしないかとの疑念が生じ、NPO法人にとってはもろ刃の剣になりかねません。
 まず、こうした疑念に対する提案者のお考えをお伺いします。
 また、両条文は所轄庁の関与を強める内容であると考えますが、提案者はNPO法人の自主独立性の確保をどのように保障すべきとお考えか、お伺いいたします。
#237
○衆議院議員(石毛えい子君) 現行法でもNPOの認証の基準では暴力団を認めないということにしておりますし、それから役員の欠格事由といたしましても暴力団の構成員等は排除するという規定がございます。ですから、本来、暴力団がNPOの活動を進めるということはあってはならないことでありますけれども、昨今、実際の問題として暴力団関係者がNPOを組織し、恐喝などの事件を起こしているというようなことも問題として指摘されるようになりました。
 そこで今回の改正法案になったわけでございますけれども、本当に委員長が御指摘のとおり、暴力団によるNPO法人格の悪用を排除するということ、それから、もう一方でNPO法人の自主独立性を保障するということ、とりわけNPO法人の自主独立性を保障するということがとても重要でございますから、その基本的な姿勢を守りながら、昨今問題になっております暴力団によるNPOへの参入ということをどうして防いでいくかという、このNPO法人の自主独立性の保障とそれから暴力団の排除という、この両面にこたえられるように改正法案を取りまとめる私どもは努力をしてまいりました。
 改正法案四十三条の二と四十三条の三でございますけれども、いずれにいたしましても、その法文の中では、警察当局は相当の理由がある、つまり根拠がある場合にのみ意見陳述を行うことができる、また、所轄庁の意見聴取も、疑いがある場合には理由を付して、この理由を付して意見聴取ができるというふうに法文を厳密化してございます。そこで、警察当局及び所轄庁の関与が不必要に強くならないように、そのような相当の理由がある、また、理由を付してという文言を法文の中に規定したというところでございます。
 この改正法案によって市民の自由なNPO活動を制約することはないというふうに私たち改正法案の作成に携わりました者は理解をしているところでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#238
○委員長(小川敏夫君) ただいまの点について、警察庁に確認いたします。警察庁の答弁を求めます。
#239
○政府参考人(近石康宏君) 警察といたしましては、いやしくもNPO法人に対しまして恣意的に関与しているなどの批判を受けることのないよう、法の適正な運用に努めてまいる所存でございます。
#240
○委員長(小川敏夫君) 以上で委員長からの質疑は終了いたしました。
 これにて本法律案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、直ちに採決に入ります。
 特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#241
○委員長(小川敏夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#242
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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