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2002/11/11 第155回国会 参議院 参議院会議録情報 第155回国会 共生社会に関する調査会 第1号
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2002/11/11 第155回国会 参議院

参議院会議録情報 第155回国会 共生社会に関する調査会 第1号

#1
第155回国会 共生社会に関する調査会 第1号
平成十四年十一月十一日(月曜日)
   午後二時二分開会
    ─────────────
  委員氏名
    会 長         小野 清子君
    理 事         有馬 朗人君
    理 事         清水嘉与子君
    理 事         羽田雄一郎君
    理 事         風間  昶君
    理 事         吉川 春子君
    理 事         高橋紀世子君
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                橋本 聖子君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                郡司  彰君
                小宮山洋子君
                鈴木  寛君
                千葉 景子君
                弘友 和夫君
                山本 香苗君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
    ─────────────
   委員の異動
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     鈴木  寛君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         小野 清子君
    理 事
                有馬 朗人君
                清水嘉与子君
                橋本 聖子君
                羽田雄一郎君
                山本 香苗君
                吉川 春子君
                高橋紀世子君
    委 員
                有村 治子君
                大仁田 厚君
                大野つや子君
                小泉 顕雄君
                後藤 博子君
                段本 幸男君
                中原  爽君
                山下 英利君
                岡崎トミ子君
                神本美恵子君
                郡司  彰君
                小宮山洋子君
                千葉 景子君
                弘友 和夫君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        岩波 成行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○共生社会に関する調査
 (海外派遣議員の報告に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(小野清子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日までに、田浦直君、鈴木寛君、平田健二君及び田嶋陽子君が委員を辞任され、その補欠として橋本聖子君、神本美恵子君、千葉景子君及び福島瑞穂君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(小野清子君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 風間昶君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(小野清子君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○会長(小野清子君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に橋本聖子君及び山本香苗君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○会長(小野清子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 共生社会に関する調査のために、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○会長(小野清子君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○会長(小野清子君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○会長(小野清子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 共生社会に関する調査のために、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続については会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○会長(小野清子君) 異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#11
○会長(小野清子君) 共生社会に関する調査を議題といたします。
 先般、本院から、アメリカ合衆国及びカナダにおける共生社会の構築に関する実情調査並びに両国の政治経済事情等視察のため、海外派遣が行われました。
 この際、派遣議員から報告を聴取し、本調査会の調査の参考にしたいと存じます。
 まず、私から報告させていただきます。
 平成十四年度特定事項調査第四班報告書。
 平成十四年度特定事項調査第四班は、障害者の権利・政策、児童虐待及びドメスティック・バイオレンスの実情調査のため、平成十四年九月三日から十二日までの十日間、アメリカ及びカナダを訪問、アメリカではカリフォルニア州において、カナダではブリティッシュ・コロンビア州において、それぞれ調査を行ってまいりました。
 派遣議員団は、清水嘉与子議員、千葉景子議員、渡辺孝男議員、林紀子議員、山本正和議員及び私、小野清子の六名であります。
 まず、アメリカの障害者の権利・政策についてでありますが、この問題を語るときに欠かすことのできないのが一九九〇年に制定されましたADA、障害を持つアメリカ人法であります。この法律は、障害者に対し、雇用、公的サービス、民間事業者の運営する公共施設及びサービス、電気通信等に係る差別的取扱いの排除を規定しており、同法の受益者は全米で四千九百万人、カリフォルニア州では四百五十万人と言われております。
 私どもが訪れたカリフォルニア州では、連邦政府に比べて差別禁止について厳しい対応をしており、例えばADAにおきましては、十五人以上の雇用者を雇用する企業等への雇用差別を禁止していますが、同州では雇用者五人以上の企業を対象としております。
 この法律制定に当たっては、障害者団体が大きな役割を果たしましたが、議員団は自立生活センター、障害者権利教育擁護基金、世界障害者問題研究所の非営利三団体を訪問いたしました。自立生活センターは一九七二年に設立され、障害者自立運動のパイオニア的存在であり、同様の組織が今日、全米で四百か所も生まれております。これら三団体は、スタッフの半数以上が様々な障害を持った人たちで運営され、障害者の差別禁止、社会的自立援助、社会への啓蒙等の活動を進めております。
 議員団との間では、障害を持つ子どもも持たない子どもも普通の同じ学校で学ぶことの重要性、全米の関係団体が連携して議会へ働き掛けることの重要性、障害者雇用に向けたジョブコーチ制度の状況、障害者雇用確保に向けた企業への雇用割当て制度の在り方等について意見交換を行いました。
 次に、児童虐待についてであります。
 アメリカでは年間約百万件の児童虐待が確認され、死亡件数は約二千件、虐待の六割近くがネグレクトであります。カリフォルニア州では児童虐待への対応は早く、一九六三年に児童虐待通告法が整備されており、虐待の通告があった場合には児童家庭サービス所管の部署のソーシャルワーカーが状況を調査、虐待が存在する場合には子どもを親から切り離し、七十二時間以内に裁判所に保護要請が出されることになります。裁判所が子どもの保護が必要と判断すれば、養子、里親、保護施設等の外部の保護先に送ることになります。
 このような児童虐待への対応に関し、議員団は児童虐待及びネグレクトに関する省庁間調整委員会、ロサンゼルス郡児童福祉局及びロサンゼルス児童裁判所を訪問しました。
 省庁間調整委員会は、児童虐待の予防・証明・治療等の進め方に関して省庁間の調整を行う郡レベルでは最大のネットワーク機関であり、子どもの虐待レビューチームを組織、予防に向けたプログラムの開発や支援を行っております。郡の児童福祉局は、二十四時間対応のホットラインを設置、虐待の存在が確認された場合にはソーシャルワーカーが子どもの保護を行う一方で、親の教育や家族再生に向けた取組を行っており、そのためのプログラムを三十以上持っております。また、児童裁判所は全米で唯一ロサンゼルスにある児童虐待専門の裁判所であり、この法廷には四歳から十八歳までの虐待を受けた子どもが、強制ではないものの、弁護士とともに出廷、自らの意見を述べることができます。
 次に、ドメスティック・バイオレンスについてであります。
 一九九三年の資料ではありますが、アメリカでは約四百万人の女性がドメスティック・バイオレンスの犠牲になっており、カリフォルニア州においては年間百五十件近い殺人事件も発生しています。同州では、一九八八年にドメスティック・バイオレンス防止法が、九三年にはドメスティック・バイオレンスに関する刑罰や刑事手続が刑法典に規定され、年間約十九万七千件のドメスティック・バイオレンス関係の禁止命令が出されています。犯罪が初犯であったりすると、加害者は刑務所に拘禁される代わりに一年間の加害者プログラムの受講が義務付けられますが、そのプログラムの実施は民間の非営利団体が実施しております。
 議員団は、その団体の一つであるマンアライブを訪問するとともに、ドメスティック・バイオレンスを専門に扱う裁判所を訪問、家族法を担当する中でドメスティック・バイオレンスを扱っている裁判官と面談いたしました。
 マンアライブのプログラムは、男性が社会的観念として持っている女性よりも優位な存在であるとの信念を、男女は平等であるという信念に再教育するためのプログラムであります。また、面談した裁判官は、自ら年間四百件近い保護命令を出し、加害者プログラムの受講者には九十日ごとに出廷させて、プログラムの進捗状況を報告させるとのことであります。
 このほか、うつ病や様々な人間関係に悩む人たちの相談を受けているマリーナ・カウンセリングセンターも訪問、カウンセリングに際しての留意点、セラピストになるための条件等について意見を交換いたしました。
 次は、カナダについて申し上げます。
 まず、障害者の権利・施策に関しましては、州政府が中心的役割を果たしており、ブリティッシュ・コロンビア州では、子ども家庭問題省や人的資源省が中心となって進めております。一九八一年の国際障害者年を契機といたしまして、「完全参加と平等」の下、介護を必要とする未成年とその家族に対するプログラムや、障害を有する成人が地域社会へ参画するためのプログラム等が用意されており、特に昨年五月の総選挙において自由党が政権に就いてからは、できるだけ政府の関与を避け、障害者がコミュニティーで自立して生活できるよう、地域のニーズを承知している非営利の団体等に資金を提供、そこから個別のサービスを提供する方向を目指しています。
 これに関連いたしまして、脊髄損傷を始めとしたリハビリの治療・研究・教育を行っているG・F・ストロング・リハビリセンターを訪問、同施設での治療はあくまで社会で自立して生活していくためのワンステップであり、同施設から出た障害者が一般社会で自立して生活するまでの移行期を過ごすためのアパートも確保しているとのことでありました。
 次に、児童虐待についてでありますが、一九六〇年以降、各州で独自の法律が制定されており、ブリティッシュ・コロンビア州では九六年に子ども家庭コミュニティサービス法が制定されております。また、対象となる子どもの年齢も各州で異なり、同州では十九歳未満の子どもを対象としております。同州の虐待件数は、九五年のデータですが約二万一千五百件であり、虐待により家族と生活できない子どもは、親の同意や裁判所の命令によって里親やグループホーム等で生活しているとのことでありました。また、通告に関しては、子どもにかかわる専門家には虐待の通告義務が課せられ、通告を怠った場合には刑罰が科せられることになっております。
 この後に触れますドメスティック・バイオレンスの問題を含めて、同州のホッグ子ども家庭問題大臣と意見交換を行いました。
 ホッグ大臣からは、児童虐待、ドメスティック・バイオレンス及び障害者問題の分野においては野心的改革を行っており、児童虐待については、政府が保護をする子どもの七割は片親家庭であり、政府が子どもを保護した場合には年間四万カナダ・ドルの費用が掛かるが、これまでのチャイルド・センター型の保護政策を、家族や親族を含めた大家族等による家族中心型の保護政策に転換することにより、政権交代後十五か月の間に政府が保護する子どもの数は八%減少しているとのことでありました。
 また、ドメスティック・バイオレンスについては増加傾向にありますが、被害女性のためのサポートグループの育成、加害者である男性を対象とした人間関係の結び方のグループセッションも行っており、裁判所も初犯についてはこのようなグループに送るようになっている。障害者については、特に知的障害者の社会参加のために、これまで政府が基準を定めて提供してきたサービスを、障害者本人のニーズに合ったサービスを非営利団体等を通じて提供していくために、この秋に法案を提出する予定である等の意見が述べられました。
 次に、カナダのドメスティック・バイオレンスについてでありますが、カナダでは特別の法律は持たず、女性に対する暴力として刑法で対応しております。カナダ人女性の半数が十六歳以降に少なくとも一回以上の暴力を経験し、その四分の一は配偶者又はパートナーからの暴力であり、ブリティッシュ・コロンビア州では約一万一千人強の女性が配偶者から暴力を受けたという報告もなされております。被害者の支援については、同州では民間のボランティア団体を中心としたサポートグループがその役割を担い、被害女性のためのシェルターも民間の非営利団体によるものでありますが、その数は不足しているとのことであります。
 この問題に関連いたしまして、被害女性のサポート団体である被虐待女性サポートサービスを訪問、弁護士費用補助の予算が前年比三九%も削減され、そのため、被害女性が弁護士を雇うことができなくなることにより、裁判所での被害女性の主張が認められにくくなっていること、加害者更生のプログラムの効果は極めて疑問であり、加害者更生プログラムを実施しても被害女性の危険性は解消されない懸念がある等の意見が述べられました。
 また、女性の法的平等を推進している非営利団体ウエストコーストLEAFも訪問し、訴訟等に介入することによって男女平等権を獲得していく方法等について意見交換を行いました。
 以上が調査の概要でありますが、最後に、今回の調査に当たり御協力をいただきました在外公館及び訪問先の関係者に対して厚く御礼を申し上げ、報告を終わらせていただきます。
 引き続きまして、他の派遣議員の方々からも御発言をいただきたいと思います。なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 清水嘉与子君。
#12
○清水嘉与子君 それでは、少し記憶も薄れつつありますけれども、感想を少し述べさせていただきたいと思います。
 今回の視察先というのが、普通の派遣で行きますような政府関係のところというよりも、NPOなどのボランティア組織、そういう団体が多かったんですね。これは事前に調査室の方でかなり綿密に調べてくれて、活発な活動をしているところということになったこともあって、いずれも、そのお会いする方々、皆さん、大変自分たちの活動に自信と誇りを持って活躍しておられまして、そして、政府に対してももうきちんと対等な役割をしているというようなことを任じていらっしゃる、そんな方々でございました。
 二つ目には、児童虐待とか家庭内暴力、これは日本より歴史があるということもあって大変な数でございます。圧倒的に数も違いますし、また人種問題等もあってかなり複雑な様相を呈しているというふうに思いましたけれども、それに対応してきめ細かいプログラムが用意されていたというふうに思っております。しかし、なかなか、それでは、そうはいいながら、予防することに対しての難しさ、これはまだなかなか解決方法が出ていないという実感がありました。
 三つ目には、特に私は関心を持ちましたのは、障害者の自立している様子を目の当たりにしたということでございます。日本でも障害を持ちながら自立している方々というのはたくさんいるわけですけれども、特に私たちが拝見した中では、障害を持った方々が特に目立った存在ということではなくて、普通に車いすに乗っている、普通に目の見えない方が存在しているというふうな感じで活躍しておられたことがとても印象的でございました。
 特に、これはカナダのリハビリテーションセンターでお会いした方なんですけれども、日本だったら施設に当然入っていらっしゃるような方だったんですけれども、脊椎損傷で呼吸管理ももう器械を使っているような方だったんですけれども、私たちが理事長の説明を聞いているときにずっとおられるのでどうなったのかと思いましたら、その方も理事の一人でおられて、自分も障害者のカウンセリングを担当しているということでございました。
 そして、地域で十分住み続けられているわけですけれども、地域の支援のシステムがうまくいっているのだというふうに私は思いましたけれども、その方がおっしゃるには、自分が何が必要なのかということを分かっているわけだから、医者でも看護婦でもヘルパーでも自分が必要なときに雇う、むしろそういう方々に自分の障害のことを教えてあげる、そういう気持ちで支えてもらう、支えているんじゃなくて、自分がもう自立しているんですね。その姿勢がとてもはっきりしていて私も感心したわけでございます。
 一方において、そうはいいながら、自立できないで、なかなか、向こうの障害を持っていらっしゃる方々は、日本のように特に障害を持っているから特別何かしろというのでなくて、むしろ健常者と差別をしてくれるな、差別をしてくれないで平等に扱ってほしいということを盛んにおっしゃって、そういうふうにみんな意気軒高に働いていらっしゃるわけですけれども、そうはいいながら、やはりそこに乗れない方々もおられるわけでして、例えばホームレスになって物ごいをしている姿なんかもそこで見られるという状況でございまして、真の共生社会の実現というのはなかなかこれ難しいものだということを実感いたしました。
 また、今回、視察をさせていただきましたのが主に身体障害者の方々が多うございまして、特にこれから日本でも問題になると思いますけれども、精神障害者の問題というのはなかなかまだ十分な状況が拝見することができませんでした。これはなかなか向こうでも難しい問題として、これからの課題だというふうなことをおっしゃっておられましたけれども、たくさんの課題が残されているなということを実感してまいったところでございます。
 以上でございます。
#13
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 千葉景子君。
#14
○千葉景子君 会長から御報告がございました。そして、清水嘉与子委員の方からも御報告がございまして、多少重なる部分があろうかと思いますけれども、感じたところを三点ばかり御報告させていただきたいと思っております。
 まず指摘したいことは、既にこれも触れていただいておりますけれども、障害者の権利・政策、児童虐待あるいはドメスティック・バイオレンス等に関する取組において、やっぱりNGO、NPOを中心とした市民の活動が大変重要だということを痛感をいたしました。公的な基盤やあるいは活動を方向付ける法律の整備等が必要であることは当然のことではございますけれども、それを実践し、人権尊重の共生社会を築くということは、やっぱり市民の本当に大きな力あればこそだということを実感した次第でもございます。
 今回の調査では、政府や公的機関での意見交換だけではなくて、先ほどお話があったように、事務局の御準備、そして在外公館の御協力もあり、市民団体、NGOの皆さんと数多く懇談の機会を得たことというのは大変有意義だったというふうに思っております。
 NGO、市民活動が社会に大変根付き、そしてまた信頼を得ていること、また政府や公的部門と対等なパートナーシップを築いているということを感じてまいりました。我が国においても、近時、それぞれの分野において市民参加やあるいはNGOの活躍などが大変活発になっておりますけれども、今後ともより一層の発展が期待されるのではないかと思います。そのためのNPOに対する法的な位置付けとかあるいは活動支援、こういうことの強化がこれから求められるのではないかというふうに思います。
 ただ、正直言って、アメリカ、カナダでも、それぞれ調査に協力いただいたNGO団体の皆さんも財政確立には大変苦慮をされておられるようで、寄附の募集をしたり、あるいは朝食会などを開いて資金を集めたりしているというお話も聞いて、やっぱりNGOの皆さんが活動を継続して、また社会に定着、信頼を得るために不断の努力を続けておられるということに心から敬意を感じた次第でもございます。
 ただ、それに関連してちょっと気になったことは、国や自治体が今大変財政が悪化をしているために、どうしても予算が削減をされて、それが弱い立場にある人々の部分にしわ寄せが来ているのではないかという感もいたしました。
 できるだけNGOの自律性とかあるいは家族を中心にした取組をむしろ活発に進めているというお話がございまして、それも一つの方向性だというふうに思うんですけれども、どうもそれがある意味では財政削減を何か言い訳することにつながっていやしないかと、ちょっとそんな懸念を感じた次第でもございますが、是非、そういうことではなくして、やっぱり一番、これから重要な共生社会を確立をするという部分に、財政のしっかりした基盤、公的な部分でもそこが重要ではないかというふうに思います。財政悪化で弁護士費用の補助が削減されたというふうなお話を聞きまして、大変私もそこは残念に感じたところでもございます。
 次に、障害者、子ども、女性などの立場に配慮したシステムがそろっているということを感じたところです。児童虐待、ドメスティック・バイオレンスなどの救済について、法律は日本でも整備をされてきつつございますけれども、それを容易に利用して、そして迅速な効果を上げるという意味では、まだこれから検討すべき点がたくさんあろうかというふうに思います。
 訪れたロサンゼルスの児童裁判所とかあるいはドメスティック・バイオレンスを専門に扱う法廷の存在などは、やはりこれから私たちも参考にしていくことができるものではないかというふうに思っています。一般のほかの裁判と一緒にされると、やっぱりなかなか順番が回ってこないとか、あるいはそういう場所ですと、女性や子どもが訪れるというのは非常にいろんな障壁があるというようなこともございますので、問題に即応したシステム、救済の場が作られているということが、私も一つのこれからの参考になるのではないかというふうに感じました。
 次に、障害者、児童虐待、ドメスティック・バイオレンスなどの問題と家族という問題も私はちょっと関心を持たせていただきました。
 例えば、今回の調査で、先ほど清水委員の方からもお話がございました、障害者の皆さんとお目に掛かりましたけれども、障害者をとかくサポートするのは家族の役割というように思われがちですけれども、家族は決して介護者じゃないんだと、むしろ介護は社会がしっかり支え、家族は精神的な本当に家族としての支えを行うというようなお話も伺いましたし、児童虐待を受けた子どもと里親制度などが非常に普及をしている。ですから、家族がいいのか、あるいはそういう少し離れた形で子どもの養育の場を設定をするというやり方がいいのか、そんなことも一つのテーマではないかというふうに思います。
 また、ドメスティック・バイオレンスの場合も、被害者の救済と同時に加害者教育などが強化をされております。それによってまた家族の統合ということも考えるのかと思いますけれども、これが興味深かったのは、大変この加害者教育が効果を上げるというふうに評価をされる方と、いや、あれはほとんど効果はないんだと、九九%、これは全然駄目なことだというNGOの皆さんなどもおられまして、ここで意見が分かれているというのが非常に興味深く、私たちも十分これから勉強させていただく必要があるのかなと感じた次第でございます。
 そのほか、今回の調査の成果がこれからのこの調査会の議論の何か糧になれば大変幸いだというふうに思っております。
 最後に、今回の調査に大変協力をいただきました関係のNGO等の皆さん、政府機関の皆さん、在外公館、とりわけ本当に事務局の皆さんが、相手方が、どうして私どものところが分かったんですかというような、本当に小さなNGO団体などもお訪ねすることができまして、そういう準備をしていただいたことにも心から感謝を申し上げて、御報告にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#15
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 それでは、林紀子君。
#16
○林紀子君 日本共産党の林紀子です。
 皆様方が今御報告をいたしましたので、大分重なる点があるんですけれども、私たちも、今回の調査団は、領事が、これはお世辞半分もあったのかもしれませんが、全員ノートを広げてメモを取りながら話を聞くような調査団は初めてですというふうにおっしゃってくださったほど精力的にお話を聞いてきたと思っております。
 私も、NGO、NPOとの協力関係、政府との協力関係ということでは、やはり日本と随分大きな違いがあるなということを痛感をいたしました。
 個々の問題につきましては、児童虐待については、今までお話がありましたけれども、ロサンゼルスにあります児童裁判所というのが私大変印象に残っております。
 たしか三十六と言ったと思うんですけれども、その裁判所に小さな法廷がありまして、そして虐待された子どもも親も、それから弁護士さんとかケースワーカーとか、そういう関係者も全部待合室で待っているわけですね。そして、次々と法廷に呼び出されますと、みんなそこへぞろぞろと入っていくわけですけれども、非常に周りは縫いぐるみがあったり漫画が飾られたりしていて、子どもにも親しみやすい、裁判所というイメージがないんですけれども、まるで小児科の病院で待っている人たちのようだなという印象を受けたんですが、そういうところで子どもたちのこれからの処遇をどうするかというのを関係者がみんなで話し合って判事が判定を下すということにしているわけです。
 私も、改めて日本の児童虐待防止法というのを見たんですけれども、やはりこの日本の法律というのは、どうしたら虐待されている子どもを今救い出すかというところに非常に大きな力点があると思うんです。それは、確かに今救い出さなければ命にもかかわるわけですから、それは是非必要なんですけれども、しかし子どもの一生ということを考えますと、その救い出された子がどういうところで生活をしていくのか、それが非常に大きな問題だなと思いましたので、日本ではまだこの司法の場でそういう判定を下すというようなことが果たしてなじむのかどうかは分かりませんけれども、複数の関係者が、今後の子どもの行方というか処遇の仕方というか、そういうことを本当に子どもも含めて、四歳以上の子どもは自分で意思が表明できればそこへ出て自分の意見を言うことができるということになっているんだそうで、そういうことが必要だと。児童虐待防止法につきましても見直しの時期になるわけですから、それを考えていかなければいけないと思いました。
 また、ドメスティック・バイオレンスにつきましては、日系の女性弁護士さんのカネコさんという方がロサンゼルスではわざわざ私たちを待っていてくださいまして、日本でもドメスティック・バイオレンスの法律ができたことで、アメリカにいる日本女性が帰国後も安心できるということだと大変喜んでくださったのが印象的だったんです。
 そして、そこで説明をしてくださったのは、日本女性がアメリカ人と結婚してアメリカで居住権が得られていても、離婚するとその権利が消滅して帰国しなければいけない。だけれども、ドメスティック・バイオレンスが原因で離婚するというふうになると、子どもと引き離されるということを考えて、それでは自分は暴力に耐えても一緒にアメリカでいたいということで、なかなか自分の立場を主張できないけれども、そういうことはやはりおかしいのではないかということで、ドメスティック・バイオレンスに限って離婚しても居住権が引き続き得られるようにというような法改正もしたという話を聞いたんですね。日本でも、東南アジア系の女性の皆さんが同じような立場にあるというのは何度も聞いておりますので、そういうところは今後、こういうものも倣いながらDV法も改正をしていくことができるんじゃないかというふうに感じたわけです。
 障害者の問題につきましては、やはり障害者の自立ということでは仕事ということが、仕事にいかに就けるかというところが一番重要だと思うんですけれども、各企業に何%雇用すべきだということは割り当てないと、それには反対しているんだというお話があったんですね。それは、先ほど清水議員のお話がありましたように、障害者でも、ある仕事に対して健常者と同じ資格を持つことができると。そういう場合には、健常者と差別しないでほしいと、その資格で同等に競争するんだと、そういう立場だというお話を聞いたんですね。
 何%というふうに雇用割合決めてもちっとも効果がないじゃないかという話もあったんですけれども、しかし、同じ資格を持って同等に競争するということを国民全部に理解をしてもらう、啓発をすることで、こういう立場でお互いにやっていくんだというんですけれども、それだけで本当に障害者の仕事が高まるのか、失業がないのか。確かに、障害者の失業率は高いんだということも言っておりましたので、これだけで解決するものかどうかというのは、私もちょっと疑問に感じたところです。
 まだ言いたいところがありますけれども、ちょっと時間がオーバーいたしましたので、これで終わらせていただきます。
 大変、送り出していただきまして、これから生かしていくことができると思います。ありがとうございました。
#17
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 以上で海外派遣議員の報告は終了いたしました。
 次に、ただいまの海外派遣議員の報告を踏まえ、委員相互間の意見交換を行います。
 意見交換は、午後四時をめどにさせていただきたいと思います。
 御意見のある方は挙手をしていただきまして、会長の指名を待って発言されますようお願いいたします。
 なお、多くの方が御発言できますように、一回の発言はおおむね三分程度とさせていただきたいと思います。
 それでは、御意見のある方は挙手を願います。
#18
○岡崎トミ子君 本当に皆さん、御苦労さまでございました。
 私はDV法に関して発言をしたいと思っておりますが、ちょうどこのDV法が成立しましてから一年経過したということで、内閣委員会で福田官房長官が所信的な発言の中で、DV防止法に取り組んでいきたいということで力強くおっしゃいましたので、そのことで内閣委員会で質問をいたしました。そのときに福田官房長官は、いや、是非民間と行政と警察、この連携をしっかりしてもらいたい、谷垣国家公安委員長の方にも連携して、そのようなことが大事ではないかというふうに申し上げました。しかし、残念ながら、これを組織的にやるということについての明確な答えをいただくことはできませんでした。
 なぜその質問をしましたかといいますと、仙台のシェルターの、民間の方からの提案でありますけれども、イギリスの児童虐待で殺人事件が起きたということの事件を参考にして、この児童虐待は、それぞれの専門家はそれぞれの部署で一生懸命対応したけれども、結局その子どもが死に至ってしまった。それはなぜなんだろうかということで、それが法律にまで高められていくときに、過去の失敗から学ぶということを義務付けたんですね。ですから、事件が起きるたびに、なぜこうなったのかということについてしっかりとした委員会を作って、そこから学んでいくということをしたわけなんです。
 ですから、谷垣国家公安委員長の方にも、今どのぐらい、DV法で、亡くなった人がいるか、以降いらっしゃるかということを伺いましたところ、大体殺人事件は百件から二百件ということでしたけれども、その二百件がDVによって亡くなられたかどうかということについての調査はされておりませんでした。
 ですから、やはり事件が、すぐ、生々しいときには確かに警察の調書を公開ということはできないだろうと思いますし、裁判が終わらなければそれは公開することはできないだろうと思いますけれども、それが終わった後で、公開できるようなものに関しては、なぜそういうふうに死に至ってしまったのかの連携、そのためには民間、警察、行政というだけではなくて、第三者委員会を立ち上げてやることが大事なのだということをイギリスの例は示しておりました。
 その提案は共生社会調査会の方にも提案をして、この委員会が調査をするなりそういう役割を担うことができたらいいのではないかなということを申し上げたいというふうに思います。
#19
○会長(小野清子君) ありがとうございました。
 ただいまのは御提案ということでよろしゅうございますね。
#20
○岡崎トミ子君 はい。
#21
○後藤博子君 ありがとうございます。
 何か今回すごくハードだったということをお聞きしておりまして、大変お疲れさまでございました。ありがとうございました。
 私、今のをお聞きしておりまして、四歳から十八歳までの子どもさんを裁判所で、法廷の場で意見を聞くということは日本ではまだないんじゃないかと思うんですけれども、今すごく衝撃を受けまして、そのことに関して、もし何かもう少し、さっき先生がおっしゃいましたが、具体的にちょっとヒアリングしてあればお聞きしたいと思います。
 それと、それを受ける裁判官といいますか判事さんが、あのいかついイメージの判事さんが子どもの気持ちをどこまで分かるんだろうとか、それに対する判事さんそのものがトレーニングか何かされているんだろうかとか、そういうことも併せてお尋ねしたいと思いました。
 あと数点ありますが、まず、じゃ、そのぐらいでよろしいでしょうか、お願いいたします。
#22
○林紀子君 私の思い出すところをお答えして、ほかは補足をしていただけたらと思うんですけれども。
 子どもの問題につきましては、ですから、虐待している親とそれから虐待された子どもが同じようなところに出ていって、果たして子どもが本当のことというのが言えるのかどうかというような質問も私たちの方からもしたんですけれども、もしそれが難しい場合は、日本の法廷でも、特に女性の性被害などを受けた場合は別の部屋で話を聞いて、証言をしてということもできるようになりましたけれども。ですから、隣の小さな部屋で判事とか弁護士とか、子どもについて聞き取りをするということもあるんだと。
 四歳以上ということなので、果たして四歳ぐらいの子どもでどういう話ができるかどうか分かりませんけれども、しかし、それは自分にかかわる問題なので話を、それは強制的じゃないと、話をしたいという子どもについてはそこへ来て、弁護士さんも付いているわけですね、子どもにも。それから、親にも弁護士さんが付いているんですけれども、そういう形で意見を表明するということでした。しかし、今までの例だと、子どもたちは虐待されてもやっぱり親に会いたいという気持ちはあるからそこに行きたいということも非常に多いので、余り行きたくないという子どもはそんなに多くないというような話も聞きました。
 それから、あと判事さんですけれども、私たちに対応してくださった判事さんは女性の方でした。多分女性の判事さんが多いんじゃないかなと思うんですけれども、それはたしかきちんとした訓練を受けているというふうに言っていましたよね。それはちょっとほかの方に、記憶が定かでありませんので、お願いしたいと思います。
#23
○千葉景子君 私も、これまでの裁判所のイメージとかあるいは仕組みだと、子どもがそこに行ってなかなか意見を述べるというのは難しいのではないかと思いました。傍聴もさせていただきまして、ちょうど、何歳ぐらいでしょうか、五、六歳かなと思うような子どもが、そこに置いてあるクマの縫いぐるみをいじりながら裁判の中に参加をしていましたけれども。
 どうなんでしょうか、ただ対応の仕方が形式的ではなくて、いろんな人が自由に裁判官に向かって話をしたり、あるいは横にいるその子どもに説明をしているのか、そういう対応があったり、そういうことであり、裁判に必ずカウンセラーなども一緒に参加をして、子どもの将来についてどういう方向がいいかという検討をするということでしたので、かなりやっぱり私たちが想像する裁判とは違うのかなという感じがいたしました。
 そういう意味では、なかなか日本で即ということにはなりにくいのかと思いますけれども、先ほど私が意見、感じたことですけれども、子どもを中心に考える法廷とか女性を中心にして何か仕組みを仕組んだ法廷とか、やっぱりそういうことが、まず土台がないとなかなかその子どもが素直に意見を述べるというのも簡単なことではないんだろうなという感じはいたします。
#24
○清水嘉与子君 今、裁判官の資格のことをちょっとおっしゃいましたけれども、これは事務局がまとめておいてくださった中にあるんですけれども、弁護士資格取得後十年間の弁護士経験が必要であるとか、それから州知事からの任命あるいは選挙での当選が必要だとか、判事のほかにコミッショナーがいて、上級裁判所で採用され、これも弁護士資格が必要である。あるいは判事と同様の、あるいは補助的な業務を行うレフェリーというのがいまして、これも弁護士資格が必要で、上級裁判所によって採用されるというふうに、いろんな役割の人がいるんですけれども。
 児童裁判所の判事になると、セミナーとかトレーニングのためのプログラムを受講しなきゃならない、必ず。そして、毎年、どのようなセミナーを受講したかを州政府に報告するというふうなことで、かなりその方々は訓練とかそういうことを受けている方々に限られているというふうに伺っております。
#25
○後藤博子君 そうですか。ありがとうございます。
 訓練やそういうものでできるものなのかとか、子どもを産んで育てた経験があるとかないとか、感性とかいうものはただ単にペーパーだけでもできないんじゃないかなということで、裁判官になる方々というのは、そういうことで裁判官になって、小さい子どもの気持ちやあれを聞け、受けることができるんだろうかとか、素朴なことを今思ったものですから質問をさせていただきました。参考にさせていただきます。ありがとうございます。
 まだありますから、ほかの方にも回していただいて、時間があればまた。
#26
○小宮山洋子君 ドメスティック・バイオレンスのことについてもう少し伺いたいんですが、ここで作ったときに、幾つか宿題として三年後の見直しに残していることがあります。
 その一つが加害者更生プログラムで、これについては男女共同参画局、男女共同参画会議の方で今いろいろ海外の例も調査をしていただいていると聞いているんですが、いらした中で、例えばカナダの方の被虐待女性サポートサービスでは、加害者更生プログラムの効果は極めて疑問というふうになっておりますよね。それから、アメリカのカリフォルニアの方では、犯罪が初犯だったりすると加害者は刑務所に拘禁される代わりに一年間の加害者プログラムの受講が義務付けられているといいますけれども、これは、こちらの方はどんな内容のことをしていて、こちらは効果があるからこういう形を取っているのか。
 この間、法律を日本で作るときにも様々やっていらっしゃる先進的なところからできるだけの資料はもらうようにはしたんですけれども、非常に効果があるというところと全くないというところと余りに差があって、前回作るときには頭出しもできなかったので、その辺のことが調査の中で分かったことがありましたら教えていただければというふうに思います。
#27
○林紀子君 私もそのことは非常に関心を持って行ったんですけれども、サンフランシスコのマンアライブというところから話を聞いたんですけれども、シンクレアさんという学者さんだったと思うんですけれども、その方が延々と話をしてくださって、私たちが質問をする時間もなくなってしまったぐらいだったんですけれどもね。
 でも、その方が主張をしていたのは、そもそもドメスティック・バイオレンスというのはどうして起こるのかと。やはり男性が女性より優位なんだというそれがもう頭の中に染み付いている、そういうところから生まれるんだというそもそもの話からしてくださったんですね。そういう考えに基づいて、裁判所からも受講しなさいという人も受け入れながらやっていると。初犯でということは、そういう考え方に染み付いているけれども、やっぱりそこではっと気が付いて、ああそうじゃないんだということが分かった場合、そういうところは百八十度転換する人もいますという話だったんですよ。だけれども、何回も重ねるというのはそれがなかなか克服されないということなのかと思うんですけれども。ただし、このマンアライブでやっているようなそういう教育の仕方というのは全米でもまだ少数派だと言うんですね。
 で、アメリカに行って非常にいろいろなところ、NGOやNPOで聞いて感じたことは、何でも資格なんですね。あらゆるものが資格、資格というところで、資格が取れればそれで世間に通用するということなんですけれども、そのいろんな資格を取ってやっていても、このシンクレアさんという人も必ずしも全部が効果的ではありませんと、私たちのところが一番効果的ですというような意味合いを込めておっしゃっていたんですけれども。
 だから、やっぱりまだアメリカでもこれは少数派だということではまだまだ全体には広がっていないし、そのプログラムというものを本当にもっと開発して考えていかないと実用的にはならないのかなという印象を私は受けたところです。
#28
○千葉景子君 私も両極があるというので、非常に行って何か悩んできちゃったという、こういう感じがするんですけれども、一つはアメリカの方は、DVばかりではなくてカウンセリングというのが非常に日常生活にもごく普通のことになっている。だから、行ったNGOなどでも、そういう特別なことではなくてもいろんな人が自分の悩みを持ちながらそこに相談に来ると。そういう意味ではカウンセリング社会みたいなところがあって、そういう意味で、やっぱりカウンセリングの効果とか、あるいはそれが大変役に立つというのが割と強調されるのかなという感じがいたしました。
 それに引き換えて、ちょっとカナダの方は、どちらかというとカウンセリングというよりは、むしろ刑罰をもってきちっと処罰をすることでそのDV被害に対応するということが主体になっているような感じがいたします。で、そういうときにやっぱり裁判所が、何というんでしょうね、財政悪化で裁判所が閉鎖されるという話も言っていましたけれども、何かそういうことがあったり、先ほどのように弁護士費用が足りなくてなかなか裁判に訴えられない。だから、今大変女性が困っているんだというお話がありまして、片方、どちらかといえばそういうカウンセリングなどを中心にしたアメリカ的な手法、カナダ全体かどうかは知りませんけれども、ブリティッシュ・コロンビア州などではむしろ刑罰というか、処罰をきちっと厳格にすることによって対応すると。
 大きくはちょっとそういう違いがあるのかなという感じがいたしましたけれども、なかなか本当にその効果については、私もまだ今回の調査だけでは悩み深くなっただけで、どうなんだろうという今状況です。
#29
○吉川春子君 関連して。関連というのは、DVがテーマなのでちょっと関連して。
 皆さん本当に御苦労さまでした。調査の御報告も伺いまして、とても参考になったなと思います。
 それで、会長報告の中に、ドメスティック・バイオレンスでアメリカでは四百万人の女性が犠牲になっておって、年間十九万七千のDV関係の禁止命令が出されるということが一つありますね。それから、その何行か下に、面談した裁判官が「年間四百件近い保護命令を出し、」というふうにあるんですけれども、この禁止命令、それから保護命令、この二つの関係といいますか、違いといいますか、この点がちょっと分からなかったので御説明いただければと思うんですが、いかがでしょうか。
#30
○会長(小野清子君) 千葉議員の方、どうでしょうか。
#31
○千葉景子君 私はちょっと今直ちに、記憶をたどっておりますので、済みません。
#32
○会長(小野清子君) では、資料を精査いたしまして御報告、後ほどさせていただきます。
#33
○吉川春子君 はい、分かりました。よろしくお願いいたします。
#34
○小宮山洋子君 先ほどいただいたお答えに一言だけよろしいですか。
#35
○会長(小野清子君) はい、どうぞ。
#36
○小宮山洋子君 ありがとうございます。
 是非、その調査されてきてまだ疑問が残られたということもあるようですけれども、今内閣府の男女共同参画局でも一年掛けて調査をしてくれていますので、昨年もそうしていただきましたが、是非、三月ぐらいにまとまるかと聞いていますので、またその報告もこの調査会で受けていただいて、皆様が見てこられたことと併せてそこでディスカッションなどをして、また三年後の見直しを是非ここでやっていく仕組みを作る中に生かしていただければということをお願いしたいと思います。
#37
○山下英利君 冒頭に、本当に派遣、大変御苦労さまでございました。
 ただいま報告をいただきまして、アメリカのカリフォルニアという地域、それからカナダのブリティッシュ・コロンビア州という地域と、ここを御選定になったという背景も併せてお聞きしたいなと思ったのは、やっぱりこれ拝見していますと、アメリカは、本当に、州法と連邦法があって、カリフォルニア州というのはいろんな面での規制が一番厳しい州であると。しかも、連邦法を超えて州法で厳しく規定する部分があるということもあります。ですから、それはアメリカでいう、国民が人種的にいろいろまたがっているというところもあるんですけれども、カリフォルニア州の規制というのは大変そういう意味で我々参考にするべきではないかなという気もいたしますけれども、一方では、またその辺の背景もよく考えて比較していかなきゃいけないのかなと。これを見ますと本当に一直線で、正に訴訟の国だなという印象を私は受けるわけです。
 ですから、ただ言えるのは、一番大事なところというのは、このNPO、これがどういうふうに機能しているか、またそれに対して州政府がどういう形でバックアップしているかというところというのは、日本の国でいえば地方分権化を進める上での大きい要素じゃないかなと私は思うわけです。
 特に、ここでまず虐待が起こったときの初期動作として、ソーシャルワーカーがかなりの権限を持っているんじゃないかなというふうなイメージがありましたんで、その辺のところもちょっとお聞かせいただきたいなと。そのかなりの権限がもしあるとすると、それはどういう形で与えられているのか。それから、実際にそれが起こってしまった後、例えばNPOが加害者プログラムという形での更生に入っていくと、そういったときに、そのNPOというのはどういう役割であって、どういう、何といいますか、言ってみれば行政の代わりにとにかくこの加害者を更生させるという意識付けというのはどこにあるのかなと思います。
 それで、またこれアメリカとカナダを比較すると大変面白いのは、アメリカがそういう形でいっている中にあって、カナダはむしろ大家族主体のプログラムに変えてきていると。同じ地続きの国でありながら、やはり家庭というところへ軸足を置いたプログラムに変えてきているというところは大変興味深いんで、その辺もいろいろ参考にしていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。
 それから、あと一点だけなんですけれども、先ほどちょっとお話ありましたそのNGO、NPOの資金調達、これが非常に財政的にも厳しいという中で、やはりそれぞれ個別のそういった地域のNPOを今育てようという話は、実際に実があるような形で。ですから、例えばアメリカの場合でも州政府が独自に資金調達をするなりしてその財政を賄っていくと。NPO自体がなかなかそういった資金調達ということが無理なときにどうやって支えてやれるかというようなところも、やはりこれはこの調査会ということではなくて、全体的な考え方の中で一つのポイントかなというふうに私は受け取らせていただきました。
 ありがとうございます。
#38
○会長(小野清子君) 大変こう具体的に質疑が深まってまいりましたんですけれども、実際に私どもがその場に参りまして質疑応答をしたというのは時間的制限もございまして、相当質問はしたつもりではおりますけれども、こうやって皆さんの質問を伺いますと、それほどの深まり具合がどうだったのかという気持ちがなきにしもあらずですけれども、でも、お話合いの中では非常に多くの先生、ほとんどが数回となく質問を繰り返しながらの状況ではございました。
 それぞれがまだメモを十分にチェックしておりませんので、今すぐお答えというのが無理な部分は、先ほどの吉川先生と同様に、もう少し調査してきたメモをひもときまして、お答えできるところはお答えさせていただきたいと思いますけれども、今のに対しての御発言を、林議員。
#39
○林紀子君 ほんの一部だけで申し訳ありませんが。
 児童虐待の場合のケースワーカーの役割というお話がありましたけれども、ロサンゼルスの郡の児童福祉局というところでお話を聞いたときには、二十四時間ホットラインで児童虐待という問題について連絡を受け付けるということになっているということなんですが、それは、警察というところにまず直接話が行くということが多いんだと思うんですね。そこからケースワーカー、全部かなりネットワークがうまく取れているんだと思うんですけれども。ケースワーカーにも話がすぐ行くけれども、ケースワーカーがそして裁判所に、さっき言いました裁判所に対してこういう状況だということについては書類などをそろえて出すらしいんですけれども。しかし、それはあくまで子どもを助けるというような意味合いでケースワーカーがそういう働きをするんだということなんですね。
 だから、私たちがお話を聞いて思ったのは、児童虐待についても、それからDVについてでもそうですけれども、特にカリフォルニアというのはたくさんの人種が、白人だけではなくてたくさん、ヒスパニックも、黒人も、それから日系人もという形でいて、言葉が、英語がしゃべれない人も多いので、二十四時間全部別の言葉で対応はできないのかもしれませんが、日本語でそういう人たちを助けるという人たちも方々でお会いしたんですね。ですから、それぞれの言葉でまたそれぞれ助けていくという状況があるんだなということは非常に感心をいたしました。何かちょっと話が横道にそれましたが。
#40
○千葉景子君 NPOのお話がありまして、今回のこの共生社会ということに限らないのかと思いますけれども、やっぱりNPOの成熟度といいますか、それがやはりかなり高いという感はいたしました。障害者の問題などに関するNPO団体などはむしろ国の障害者施策、州の、国の障害者施策をむしろリードしてきたというような感じもございますし、そういう意味では、多分NPOに対する様々な税制やいろいろな措置が取られているものとは思いますけれども、これはかなり自律性と、それから財政的なやっぱり力というものも持ちながらやっているNPOもかなりあるなという感じがいたしました。
 でも、反面、先ほど触れましたように、財政難でいろいろ苦心惨たんしているという団体もありますので、やっぱりできるだけサポートをする必要はあるのと同時に、若干時間的にも、あるいは日本のNPOが今後更に成熟していく、こういうことを十分に私たちも、何というんでしょうね、手を突っ込むという意味ではなくて、見守りつつサポートしていくということが大事なのかなという感じはいたしました。
#41
○郡司彰君 児童虐待もDVも本質的には同じ問題があるんだと思いますが、分かりやすくDVのことでいいますと、被害者は法や裁判によって救済をされる。救済をされたといっても、心のケアの問題や何かが出てくる。
 加害者と言われる人たちの更生プログラムというのが言われておりますけれども、このプログラムというのは、例えば加害者の方がいろんな優位性を持ってやったとかという、いろんなことはあるかもしれませんけれども、自分も悪かったなと思っているかもしれない、あるいは悪くなかったなというふうに思っているかもしれない。その更生のプログラムというのは、再びそういうことを起こさないということに対してのプログラムなのか、その加害したという人の、男性ということでいえば男性の方の心の救済みたいなものになっているのかによって、その結果が良かった悪かったというのは相当違ってくるんだろうと思うんですね。
 ですから、DVの方でいえば男性が圧倒的に多い。その男性が更生のプログラムを受けるというのは、社会的に見てもう一回起こさないということが更生プログラムの満点なのか、起こした人が、もう起こしていないけれども、心の中ではおれは間違ったことはやっていないんだというままで亡くなってしまうまでのことに関して、やっぱりこういうことはいけなかったのかなとかという、その辺のところを救おうとしているのか。その辺のところはどういう、ちょっと私は精神的な領域は余りふだんからかかわりがないものですから、多分アメリカや何かではそういう問題も相当あると思うので、その辺はどういう理解をされているのかなということをちょっと。
#42
○会長(小野清子君) お邪魔したときには、お香をたいたり、非常に雰囲気としてはだだっ広くないところで様々な、何というんでしょうね、子どもは縫いぐるみですけれども、大人の方も気分転換になるようないろんなものが飾られたりぶら下がったりしている中で気分をほぐしながら、今、先生おっしゃいました自分自身に対する自問自答をそこでゆっくりと相手になりながら執り行われているような感じがいたしましたけれども、林議員の方からよろしくお願いいたします。
#43
○林紀子君 先ほどマンアライブ、大学の先生がずっと、今お香をたいていたところもそこですけれども、そこでこの所長さんが言っていたのは、個々人のそういう考え方というのを更生をしていく、直していくということも大事なんだけれども、これは男が女を支配するという、そういう社会通念そのものというのが根本にあるので、そこのところというものを、何というんですか、社会全体としてその考え方を直していくということもやっていかなくちゃいけないんじゃないかという、だからドメスティック・バイオレンスというのはそういう社会的な通念全体から発生しているものだと、そういう考え方なんだと思うんですけれども、そういうことはおっしゃっていましたよね。
 ですから、今、御質問にぴったり合うのかどうか分かりませんけれども、一人一人の男性について、ドメスティック・バイオレンスが犯罪だということさえ思わなかった人たちには、これが犯罪なんですよということをきちんと知らせることによって、ああ、そうかと自覚をして、それこそ百八十度変わるということもあるけれども、もっと発生を防いでいくというのは、社会全体のそういう考え方、ジェンダーの考え方ということになるんでしょうけれども、そういうようなものというのが必要なんだというふうにその先生はおっしゃっていたんですね。だけれども、これは、それが少数派だという話だったんですけれどもね、まだ。
#44
○会長(小野清子君) お茶を出したり、非常に私たちにも同様のサービスをしてくれましたけれども、そのような対応で雰囲気作りから飲物の提供から、様々な形でまず精神的に落ち着かせて、それから、今、林議員からお話がありましたように、社会的通念とあなたの考え方はどうであるという整理を順次していかれているような印象を受けたところでございますが、千葉議員、どうでしょうか。
#45
○千葉景子君 そのマンアライブという、そこのかなり特徴的なことなのかなという感じもいたします。ほかの裁判、ドメスティック・バイオレンス専門の裁判所でも、更生プログラムに付してそれを、何か月に一回どうなっているか報告を受けつつ再生を図っていくということでしたけれども、じゃ、その際の更生プログラムが具体的にどういう内容だったかというのは必ずしも十分にお聞きし得ていないものですから、そのマンアライブの考え方と、それからそれがアメリカでの更生プログラムの思想のすべてかというと、そうとも言い切れないかなという感じがいたします。
#46
○清水嘉与子君 さっき山下先生が行政とNPOの関係のことをちょっとおっしゃったんですけれども、私たちがずっと拝見してきたNPOの方々というのは、必ずしも行政の下請でやっているというのではなくて、独立独歩、本当に自分の関心のあるところをぎゅっとやっているという感じのところで、だからそこで救われる。そこに関係を持った方々はそういうプログラムを組めるしというような感じで、必ずしも行政から、問題があるからここへ行きなさいというふうに言われているような感じではどうもなかったんですね。
 そういうわけで、それぞれの本当に特徴のある、マンアライブ、何度も出てきますけれども、本当にすごい勢いでやっておられたけれども、それが、最終的に初犯の人が本当に一年も来るのかななんて感じもしましたし、本当にどういう効果があるのかなということはよく分からなかったんですけれども、ただ言っていらしたのは、その一年のコースを終わった人がレクチャーを先生になってやると効果があるんだというふうなことを言っておられたのがちょっと印象的だったんですけれども、それもやっぱり、つまり自分が、そういう立場になった人がまた人に指導する方がいろんな意味で効果は見られますよというふうなことはおっしゃっておられましたけれども。
 そんなことで、必ずしもすべてそういう体験した人がいろいろなことを、どうやってそこに組み込まれるのかよく分からない点もありますけれども、そこのNPOに参加した人たちはまた違った経験をするというような感じで見てまいりました。
#47
○神本美恵子君 障害児のことなんですけれども、ここでは、議員団との間で障害を持つ子どもと持たない子どもが同じ普通の学校で学ぶことの重要性が意見交換されたというふうにありますが、具体的に、今、日本ははっきり学校制度が別学体制になっていますけれども、大体先進国と言われるところは共学体制に移行しつつあるというふうに聞いているんですが、私も、これはずっと障害児が社会で完全参加して、自立して平等に生きていくためには、障害者が健常者に近づいていくという発想ではなくて、健常者も障害があるままのその姿でともに対等に生きていく社会でなければいけない、それが共生社会だと。そうするには、もう生まれたときから常に障害者がいて当たり前というような、健常者がそういうことを学ばなきゃいけないと思うんですね。
 そういう意味で、同じ学校で学ぶというのは非常に重要なことだと思うんですが、具体的にどういうふうに行われているのか、特に知的障害の子どもさんも一緒に学ぶようになっているのかというのを、もし見られたり聞かれたことがありましたら教えてください。
#48
○会長(小野清子君) 私の意識では、そういうお話はいただいたんですけれども、具体的なところまでは入り切れずに終わった感じがいたしますが、議員の先生たち、補足していただけるようであれば。
#49
○千葉景子君 今、会長がおっしゃったように、なかなかそこまで、例えば学校現場というところは直接に調査することができませんでしたし、話としては、重要性は話題になった以上には、なかなか深めるまでにはちょっと残念ながらいかなかった感じがいたします。
#50
○吉川春子君 私も、ちょっとそれをすごく問題意識として、報告をお聞きしながら思ったんですけれども、今後の私たちのバリアフリーのテーマの中で是非深めていった方がいいかなと思いますが、障害を持つ子どもと持たない子どもを、特に障害児を持つ親としては同じところで学ばせてほしいという希望を強く持っているんですけれども、一方、受け入れる学校は、施設とか教職員の体制とかでやっぱり養護学校へ行った方がお子さんの能力は引き出されるし発達しますよということで、私が前に住んでいた東京のあるところでも非常にトラブルになって、何年も何年も、同じ学校で学ばせろ、いや駄目だというその争いが続いたことがあって、これは一番障害を持つ子どもにとって不幸なことではないかなと思って心を痛めていたんですけれども。
 そういう具体的な事例を今度は時間の関係もあって見る機会がなかったそうですが、子どもの教育の中でどっちの方向へ行くのがいいのか。私は、今の日本の体制の中では、例えば重度のお子さんなんかは養護学校の方がいいかなとかという思いがあるんですけれども、専門家ではありませんのでこれが正しいかどうか分かりませんが、是非そういう問題もバリアフリーの問題と併せてこの調査会のテーマとして、一年間やるそうですので検討してほしいなと、そのことをちょっとさっきから思っていましたので、関連ということで意見表明をさせていただきました。
#51
○小泉顕雄君 失礼します。
 限られた時間の中で多方面の御視察をいただきまして、大変御苦労さんでございました。
 お話をお伺いしていまして、一つはNGOが非常に大きな役割を果たしているということ、それからもう一つは、障害者の問題であってもDVであっても、あるいは児童虐待であっても、その救済のシステムというのが非常に整っていたというのが大きな柱ではなかったかと思うんですけれども、なるほどそのようなものかなというふうに私も漠然とした印象を持ちますし、日本を考えたときにそういうシステムというものがいま一つ整っていないのかなという印象を強く持つわけですけれども。
 先ほど来、具体的に例えば里親の問題であるとか、あるいはカウンセリングの問題であるとか、あるいはケースワーカーの問題であるとかいうようなことも個々には出ておったわけですけれども、それぞれの先生方が日本の現状を見たときに、アメリカあるいはカナダで特に決定的にこれだというか、日本に本当に非常に大きく欠けているということを痛感されたような事例というものを一つ一つ御紹介をいただけたらうれしいと思います。
 一つは、それは具体的な施策であっても結構ですし、あるいは日本人にはない思考のパターンといいますか、そういうようなものであってもいいと思うんですけれども、特に痛切にお感じになられたことを御紹介いただけると大変有り難いと思うんですが。
#52
○清水嘉与子君 児童虐待と家庭内暴力に関しましては、とにかくきめの細かい、何か起きたときに被害者に対するきめ細かいプログラムができていた、それから加害者に対してもある程度のものができていたというようなことは感じますけれども、しかし根本的に、じゃそれを本当になくす方向にどう動いているのかということについては残念ながら見えなかったんですね。
 それから、障害者に関しては、私はさっきもちょっと申しましたけれども、考え方が基本的に違うんじゃないか。要するに、日本のようにとにかく障害を持っていたらなるたけ保護をして、大事に扱って保護しましょうみたいなところから、そうじゃないんだ、そんな保護なんて要らないんだと、逆に。保護なんか要らないから、むしろみんなと同じにしてくれ、余り差を付けてくれるなというような生き方をしていらっしゃる。今度お会いした方々がそういう方々多かったわけですけれども、むしろ変なハンディを付けてくれるな、自分たちは能力でちゃんと認めてほしいと。ただ手が悪い足が悪いで、能力はちゃんとあるんだから、そこの能力で見てほしいというようなところが、やっぱり日本の場合にはちょっとそのハンディをどう補いましょうか、どうしたらいいでしょうかという形になりますでしょう。ですから、いろんな場合に、どこか施設に入れて大事にしましょうとか、そういう形がどうしても出てきちゃいますけれども、そうでない、一般の社会にどうやって自立していただけるのかという政策が進んでいるような、そこが大きな違いかなというふうに受け止めてまいりました。
 それは、一つの法律のせいかもしれませんけれども、その法律ができることによって本当に住みやすくなるのか。日本の障害者の方がちょうどそこにおられて、アメリカのこの法律があるから、差別というのはしちゃいけないという法律があるからここにいられるので、日本だったらとても住みにくかったということをおっしゃっておられました。それがとても印象的でした。
#53
○千葉景子君 今の清水委員のお話と、私も共感するところもございます。
 さらに、やっぱりここかなというのが一つあるのは、日本をちょっと自らも反省しながら考えると、縦割りで物事をやるのではなくて、やっぱり一つの課題に対して、公的な部分あるいは政府、自治体といいましょうか、そういうものと、それからNGO、そしてそれに該当するその当事者、それが、何というんでしょうね、一体として一つの物事をどういう解決をしたらいいかという仕組みがかなりできている。そこは今の日本の現状とはやっぱりちょっと違うかな、参考になるところかなという、そういう印象は受けました。
#54
○林紀子君 私は、先ほどから御報告している中で、やはり児童虐待、それからドメスティック・バイオレンスについても、その人の立場に立った、先ほどの司法というようなものも、特別な子ども裁判所だとか、それからDV裁判所とかというのを設けているということは、その人の立場に立ってどうするかということが随分きちんと考えられているんじゃないかなというふうに思ったんですね。
 一つ、それとだから反対といいますか、そういう実情をかえって逆に浮き上がらせたんじゃないかと思ったのは、カナダに参りましたら、このブリティッシュ・コロンビア州というのは、政権が今までと替わって、そしてその児童虐待についても劇的な変換の施策を行うんだと、そのホッグ子ども家庭問題大臣といいましたか、お会いしてお話聞きましたら、その大臣が開口一番におっしゃったのは、児童虐待に今までこの州では一人四万ドルも一年間に出していたと。四万ドルというと、日本の円に直すと三百何十万円ぐらいになるんでしょうか。今、円は八十円ぐらいだったですかね、カナダ・ドルは米ドルより安いんですけれども、三百数十万円今まで掛かっていたと。だから、それを何とか変えていって、その家族の中で、大家族の中で見るように児童虐待もしたらいいんじゃないかと、全部何でも州が引き受けるんじゃなくてというふうなお話だったんですけれども、それはやっぱりお金の面からそういう施策というのを見るということに後戻りしちゃっているのかなというふうに、逆に私は感じてしまったんですね。
 NGOの方たちともお話ししましたら、やっぱりそういうところの福祉みたいなところが、そういうことでお金の面で削られるというのは非常に厳しいということをその後もお話をなさっていましたけれども。
 だから、お金が掛かる部分もあるんですけれども、やっぱり子どもたち、それからドメスティック・バイオレンスに遭っているそういう女性たち、そういう弱者のところをどうやってすくい上げていくかということを、本当にカリフォルニア州なんかはいまだに一生懸命やっているところなんじゃないかなと、そこがちょっと違うかなということを印象を持ってまいりました。
#55
○会長(小野清子君) 私も一言述べさせていただいていいですか。
 諸先生たちのところで非常にインパクトがあったんですけれども、カウンセリングというのは、日本の場合には超ベテランの方が付かれるという常識なんですけれども、大学を卒業してすぐ、このマリーナ・カウンセリングセンターというところは現場ですぐ当たらせるんですね。そして、本人が戸惑いやらいろいろなことを感じたものを週に二回くらい、更に上にいる方、いわゆるセラピストになった方から指導を受けながら三千時間、間違いなかったですね、三千時間、時間を積み上げて本当のセラピストになっていくということで、現場にすぐ出すんですね。これはちょっと日本の考え方と違うなということで、非常に印象に残っております。
#56
○山本香苗君 先ほどのちょっと話に戻りますが、障害児教育のことについておっしゃられた先生方いらっしゃったんですけれども、たしか、今文科省の方においてこれについて調査研究という形でされていると思うんですけれども、本調査会においても、是非ともこういった点もお話を詰めていきたいなと思っておりますが、一点だけお伺いしたいと思います。
 アメリカにおいては、ADA法というものがあるということで、非常に進んでいるというふうに言われているわけなんですが、先ほどの清水先生のお話にもあったように、このような日本版のADA法というものが、国の事情等々違いますけれども、そうしたものを制定することの是非について、今回行かれた先生方にちょっとお伺いしたいなと思うんですが、よろしくお願いいたします。
#57
○清水嘉与子君 これは、それこそこれからの日本の、日本にもかなりいろんな細かい対策法はあるわけですけれども、そういった法律を勉強しながら、実態を考えながら何ができるか。その中には今のおっしゃったことも入ると思いますけれども、それも含めて考えたいというふうに思っております。
#58
○千葉景子君 私も、同感でもございます。先ほどの私の話ともちょっとかかわるんですけれども、これまでもそれぞれのいろんな分野の施策というのがあるんですけれども、やっぱりどうしても縦割りというか、それぞれの省庁などにも即した形で作られている。やっぱり基本となる、全体をまず基礎付けるような法律の整備というのが必要なのかなという感じは持っておりますけれども、今後の是非検討の課題にしていただけたらというふうに思います。
#59
○林紀子君 私も、同じくです。というのは、ADA法というのは、それこそ障害を持った人たちは差別はしないということが根本なんだと思うんですけれども、それをじゃ具体的に考えていくと、先ほどの仕事の問題につきましても、教育の問題につきましても、既にここでいろいろお話出ていると思うんです。ですから、そういうところももっと具体的に、日本の実情に即してどうやったら一番いいのかということも研究しながら、それじゃ、その上に成り立つものが何なのかというのは正に今後の研究課題であり、そういう意味では、私も非常に、今回行かせていただいて、その一端が分かったということはうれしかったと思っております。
#60
○中原爽君 DVにつきまして、NGOの役割でありますけれども、先ほどいろいろお話が出ておりますが、この報告書の中身で申し上げますと、アメリカの場合は、加害者が刑務所に入るという、刑務所で拘束されるということに代わりまして、NGOの方で組んだ受講プログラムを受講するという形で記載されておりますが、カナダの場合は、加害者じゃなくて被害者の方の救済、特にシェルターや何かについてNGOが役割を果たしているという御説明になっております。
 そうしますと、国によって、加害者に対応するNGO、あるいは被害者に対応するNGOというふうに分けて考えていいものかどうかが一つと、日本の場合には、こういったNGOの加害者、被害者に対する役割そのものが本当に実行される可能性があるのかどうか、この二点を伺いたい。
#61
○清水嘉与子君 アメリカとカナダのNGOの、お分けになっておっしゃいましたけれども、たまたま私たちが行ったところがこういうのであって、両方の機能をみんなNGOが果たしているというふうに私は考えております。
 日本でも、こんなに活発じゃないにしても、それぞれのNGOの方々がシェルターを作ったり、いろんなことで苦労をしてやっていらっしゃる。それからまた、加害者のプログラムを作ったりというようなことは動いているわけでございます。やっぱり、アメリカとかカナダの方がずっと歴史があって濃密なことをやっているのかなという感じはいたしますけれども、日本でも動いていることは動いているというふうに思っております。
#62
○千葉景子君 私も、本当に御訪問した先が偶然そういう形だったのかと思いますけれども、アメリカでもやはり加害者側というだけではなくて被害者の救済のためのNGOの活動というのは活発に行われているやにもお聞きをいたしますし、ただカナダの方は、私がちょっと最初に触れたように、どうも加害者更生ということに対してどちらかというと余り評価をしていないのかなと。そういう意味で、被害者救済のシェルター活動などは非常に活発なんですけれども、加害者の更生というところに、これは私たちの訪問先にもよりますので一概に言えませんけれども、そういうちょっと軸足が若干違うかなという感じはいたしました。
 いずれにしても、やはり日本でもこれから公的な部分、そしてNGO、ここはどちらが主になる従になるというのではなくして、やっぱり双方が連携と協力を緊密にすることによって大変効果が上げることができるのではないかと、こんな感想を持たせていただいています。
#63
○林紀子君 私もお二人と同じなんですが、やはり裁判の中で、初犯の人はそれこそNGOで、加害者ですね、教育を受けるということが組み込まれているので、アメリカというのはやはり加害者更生のためのNGOというのが活発なのかなというふうに思ったんですが、日本でも加害者に対する、加害者というか、加害者になりそうな人も含めてそういうNGOで訓練をするようなところができ始めているという話を聞きました。
 それからあと、被害女性の場合につきましては、私たち、ドメスティック・バイオレンスの法律を作るときに随分そういう方たちからもお話を聞きましたが、まずやっぱり被害に遭った人をすぐ救助しなくちゃいけないということで、日本ではそれが非常に大きく、法律ができて以降ますます広がって、それに国の方が補助金、自治体が補助金を出すというところまで行っておりますので、日本でもどっちかといったら被害者救済がかなり前面に出ているかと思いますけれども、だからこそ加害者のプログラムの問題というのは今後の問題として非常に重要なんじゃないかと思っております。
#64
○中原爽君 ありがとうございました。
#65
○千葉景子君 ちょっと付随して、ふと思い出したというか、エピソードといえばおかしいんですけれども、カナダの方ではどうもやはり裁判できちっと処罰をするということを求めるNGOなども多いような感じがいたしました。
 ところが、やっぱり今犯罪等が増えて刑務所とかそういう施設が一杯になってしまっているようです。そういう施設も少なくて、それなものですから、警察の方でなるべくそういう施設に収容しなきゃならないような事件には消極的で、すぐ、財政も困難な折、罰金の取れる交通違反ばっかり取り締まっていると、そんなことをぼやいておられる方もちょっとおりましたので、制度とは別に、実態としてはなかなかいろいろ困難があるのかなと。厳しく処罰ということを求めつつも、なかなかその実が十分に上がらないという部分も実態としてはあるやに感じました。
#66
○岡崎トミ子君 今、前回のときの千葉さんの発言の中で、公的機関とそれから民間とどちらが大切ということではどちらも大切にその力の配分をしなければいけないということでしたけれども、日本の場合にはまだ一年ということで、各都道府県にあります支援センターというものが大変忙しくて、やろうと思ってももう限界ぎりぎりだという声がたくさんありますよね。
 こちらの方は、心の悩みですとか、そのほか仕事の支援ですとか、そういう相談以外にこのDVの問題があって、保護命令の書類を書かなきゃならない問題があって、非常勤の人は残業手当がない、残業することができないということで、被害者を十分に支援する仕事ができないというのが最大の悩みだというふうに聞いているんですね。
 そうすると、各県にある仕事がそういう状況であると、これからやらなきゃいけないのは、市町村の支援センターを充実させていかなきゃならない。せめて政令指定都市などは、そういう力を持っているところはそれをやってもらわなければいけないというのがありますし、公的な機関の仕事ということでは女性の自立支援というのがすごく大事になってきますけれども、それは経済的な自立も、それから住宅も、そういうことで、住宅の場合には千葉県野田市ですか、市営住宅に入居することの規制緩和というのがあるということでしたけれども、向こうの方でその後の生活、どういうふうに自立しているか、そういう話などはありましたでしょうか。そういう支援プログラムというか、そこはありましたでしょうか。
#67
○千葉景子君 これもにわかになんですけれども、そこまでなかなか深くお聞きできなかったように思います。どうだったでしょうか。
#68
○会長(小野清子君) 今のところ、少々浮かびが来ないようでございますので、改めてこれも皆さん、もう一度ひもといてみまして、お答えできるようであれば出させていただきます。
#69
○岡崎トミ子君 是非仕事をしたいという人たちの、就業を目指す人に対する職業教育制度なども、この延長線上にはそういうこともあるという検討をしていかなければいけないというふうに思います。
#70
○会長(小野清子君) ありがとうございます。
 その話は、今思い起こしますと、何かあったような気もいたします。
#71
○福島瑞穂君 ありがとうございます。社民党の福島瑞穂です。
 非常に精力的に視察をされていて、ちょっとうらやましいような、すばらしいような気がします。
 聞きたかったことは、ちょっと今、岡崎さんが質問されましたことと同じことで、これだけ精力的に取り組んで、その後どうなっているのかというのはもう質問されたので、二つありまして、先ほどケーススタディーをやったらどうかというのがありました。DV防止法が施行された以降も、例えば女性ではなく家族が殺されるという事件がむしろ増えたりしていますので、まだDV防止法ができて間もないですから見直しはちょっと早いですけれども、是非この共生社会で、いずれ時間がたったときに、今のDV防止法のフォローアップと見直し、何が問題かということを是非やったらと。ここで法案を作り、かつ提案もしたので、是非そのケーススタディー、何が問題なのかということを是非この調査会で何らかの機会に持っていただけたらありがたいと思います。
 それから二つ目は、児童虐待防止法の見直しもあり、かつDVの見直し規定も三年でありますので、児童虐待とDVが非常につながっている部分があると思います。
 先ほど、千葉委員の方から家族の問題などがちょっと指摘をされたんですが、DVと児童虐待の関連性やそのことなどについて、もし言及等があったのであれば是非教えてください。
 以上です。
#72
○会長(小野清子君) はい、ありがとうございます。
 では、これも聞き及びということでさせていただきます。
#73
○有村治子君 貴重な報告、ありがとうございました。
 そのお話を受けて、特に小泉先生から質問が出た、特に今回いらして一番観点の違うところがどこかということで、私も触発されて質問をさせていただきたいと思います。
 その質問の前に、まずちょっと私も感じたことなんですが、先日、総務大臣賞を受賞されました竹中ナミさんという方で、この方は障害者の自立を本当に一生懸命やっていらっしゃる方なんですが、キーワードがチャレンジドを納税者にということで、敬意と愛情を持って、障害を持たれている方を、天からチャレンジするという課題を与えられた人々を、与えてもらう人じゃなくて、納税という形で税金を与える人にしていこうというような動きをしていらっしゃいます。
 彼女たちが主張されるのは、補助金は要らないと、その代わりに仕事をくれということを特に主張されています。そこで御紹介されたのが、ある民間企業がマイスプーンという器械を作っていまして、それは、首から下が不随の方々がだれかに介護してもらうんじゃなくて、自分で器械を使って三十分ぐらい掛けて御飯を食べられるというものなんですが、竹中さんがおっしゃるには、一見これは冷たそうに見えるかもしれないけれども、基本的に私たちが求めるのは自己選択だということをおっしゃっていました。介護する人に気兼ねなく自分で食べられるというのは、私たちチャレンジドにはすごく大事な価値観なんだということを言われて、すごく発想の転換ということを私自身も痛感しました。
 それとともに、先日、国連障害者の十年政府ハイレベル会議というところに私も参加させていただきまして、彼らからもやっぱり同じ主張が聞かれたんですが、障害者からも収入があれば所得税は取ってほしい、むしろ取ってほしい、その代わり障害を持った人たちが自立していくための、その公的なアシスタントをするための助成は引き続き維持してほしいということを言われて、私自身発想の転換になったのは、やっぱり障害を持った方々が自尊心というか、本来持つべき自信というもの、尊厳というものを持ちながらどう普通に、ふだんどおりに生きていくかということは、自己選択とそれから尊厳ということがすごくキーワードになっているなということを改めて痛感いたしました。
 そこで、今回調査にいらしてくださった先輩方にお伺いしたいんですが、この調査の視察を踏まえて、日本でこれから私たちが勉強や討議を進めていく上でキーワードになるもの、あるいはてこになるのはどの部分だということで、私自身はこの夏調査して、やっぱり主体性とか自己選択、尊厳ということを改めてキーワードとして認識したわけですが、そういうコンセプトというのがあれば是非教えていただきたいと思います。
#74
○清水嘉与子君 障害者と簡単に言いますけれども、だれが障害者なのか、障害者から見れば普通の、普通のじゃなくて、少しおかしい人も、精神的におかしい人もいるかもしれませんし、必ずしも、障害を持っていたって、それによってハンディを付けられるということ自身が問題なのであって、やっぱり私は、それはその障害と付き合いながら自立していく。その自立のチャンスをもし奪っているとすれば、それはやはり平等にチャンスを開くというのが大事なことではないか。おっしゃるように、チャレンジできるようなそのチャンスを与えるということは大事なことだと思うんですね。
 ですから、さっきからずっとお話出ていますけれども、今回、私たちはこの問題を取り上げるわけですけれども、日本の中に、隅々にある偏見、差別、こういったものにもう一回目を当てて、本当にそれをどう取り除いたらいいのか、まず子ども時代からですね、取り除いたらいいのかということについて、それこそ私たちもチャレンジしていきたいというふうに思っています。
#75
○千葉景子君 有村委員が自己選択という言葉を使われましたけれども、私も大変同感するところです。これからのここのテーマ、コンセプトをどうするかというのはなかなか難しいところはあるかと思いますけれども、やはり一人一人が自己選択を、自己、自分が選択した人生をやっぱりきちっと歩むことのできるようなそういう社会というのが目指すところかなという感じがいたします。
 私も今回、障害者の皆さんとも随分お目に掛かって、とってもすてきに、そしてこちらが本当に励まされ、あるいは何か力を得るような、そんな本当に力強く元気に生きておられる皆さんばかりだったのがとても印象的でもありました。
 そういう意味では、何かその受けたものをどう表現するかちょっと私も戸惑っておりますけれども、そんなことを基本に、念頭に置きながら議論を進めていくことができたらというふうに思います。
#76
○林紀子君 今、お話がありましたことを全部ひっくるめるような話になるかもしれませんが、障害を持っている人たちも本当に一人一人が掛け替えのないそれこそ人権を持っているということで、一番それを基本に据えなければいけないんじゃないかなというふうに思ったわけですね。
 先ほど来御紹介がありましたけれども、ストロング・リハビリセンター、カナダに行きましたときに、その方は脊椎損傷という方なのでかなり重度な方だと思うんですけれども、本当に私たちを全部案内してくれたし、その方がまた先生になっているというお話ありましたけれども、やはり自立をしていくということが、その施設にいていろいろ面倒を見てもらったら本当に楽だけれども、そうじゃなくて、地域に出て自立をして自分で生活をしていくんだということがどんなにすばらしいことかということを熱を込めて話をしてくださったので、それは私、本当に大きな衝撃というぐらいの感想を持ちましたので、そこを本当に、自立というところを含めて考えていかなくちゃいけないなというふうに思っております。
#77
○会長(小野清子君) 私もいろいろな場面で違いを聞き、驚き、丸のみではなくて、では日本では何をどのようにいい意味で取り入れたり、あるいは日本人はどうあるべきかを考えるというふうな視点で大変学ばせていただいたという気持ちがいたします。
 今、林議員からお話ありましたように、首から下がほとんど、自己呼吸もできないような方が結婚をしたと。看護婦さんと結婚をした。看護婦さんと結婚をしたということは、彼女に私を介護してもらうためではなくて、あくまでも愛する相手として結婚したのであって、私に対する治療や補完作業は全部別の者がやる。一人の人間としてたまたま看護婦さんであったというふうなお話を聞かされまして、改めて、何かしら私どもの考え方の違いを背中まで見透かされたのかなという、そんな思いまでいたしましたので、本当に非常に奥深いものとか、私たちが考え付かないところをいろいろと教えていただけたというのが大変大きな印象でございました。
 そういうことをこういう場をもって諸先生たちと一緒に、今後どういう具合にそういう皆さんと共生していくかということが勉強させていただいた大変大きな財産になったと思っております。
#78
○後藤博子君 ありがとうございます。
 質問ばっかりで、お疲れだと思いますけれども、今DVとかいうのは出てきたんですけれども、ネグレクトについてちょっとお尋ねしたいと思います。
 六割以上がネグレクトということでありますけれども、日本は、まだ身体的虐待の方が半数以上じゃないかなと思うんですね。そのネグレクトに対して、文化の違いとか虐待に対する考え方の違いとかあるかと思いますけれども、その点について、何か現地でのヒアリングがあったら教えていただきたいと思います。
 今、アメリカ社会では三人に一人が未婚の母になっていますし、十八歳までに何か四〇%ぐらいが離婚をしてしまうような社会現象がありますし、もう私なんか、このままいけば日本も遅かれ早かれそういう方向に行っているのか行ってしまうのか、今そういう危機を非常に感じておりまして、是非この共生社会ではその防止するための意味も込めていろんな問題に取り組んでいきたいと思っておりまして、ちょっと済みません、ネグレクトについてのヒアリングがありましたらお尋ねしたいと思います。
#79
○千葉景子君 なかなか十分な調査ができたかどうかというのはあれなんですけれども、一つ感じましたのは、やっぱりネグレクトの問題考えるときには、女性、家族といいますか、社会に参加をしそして家族構成をするというときのサポート体制、保育とかですね、そういうことの体制がやっぱり必要なんじゃないかなということを感じます。
 というのは、アメリカの場合には子どもに対するネグレクトの判断基準が相当厳しい。例えば、ちょっと買物に行くので子どもを家の中に一人で置いておいた、そしたらお隣からも、あれはネグレクトだという通報をされてしまって、もう大変なことになったという。これはちょっと極端なのかもしれませんけれども、そういう状況もあるようで、だからといってネグレクトが大変アメリカにそれも含めて多いとは言えないんだと思うんですけれども。
 ただ、そうなるとやっぱり自分の生活と両立するための施策みたいなもの、サポートの、そういうことも十分に持ちながら、そしてやっぱりその中で、ネグレクトしなくて済むそういう体制を作ることも忘れてはならないのかなという感じがいたしました。
#80
○林紀子君 私も、車の中に子どもをちょっと置いておいたり、それから一人で留守番させたり、小さな子どもを、そうすると、それは親がほうりっ放しにしたということでネグレクトと周りの人から見られるという話を聞いて、そういう意味ではアメリカの社会というのは非常に厳しいというか、そういうものに対しての厳しさというのがあるのかなということは思ったわけですね。
 だから、それ以上余り話は進まなかったんですがね、何というのかしら、地域全体というような連帯がないと、もう一対一で子どもを見なければいけないと、一対一というか、一家族が必ず見なければいけないということになりますと、今みたいにちょっと置いていってもネグレクトみたいなところに結び付くのかなという気も逆にしたわけなんですね。
 だから、日本ではそれまでネグレクトとは言わないと思いますけれども、私も割合がどうか分かりませんが、やはりネグレクト、本当に子どもの世話をしない、それが結局餓死とかそういうことで死に至らしめるような場合もかなりあるんじゃないかと思うので、それは決して見過ごしにできないし、きちんと対処していかなくちゃいけない問題なんだなというふうに思いました。
#81
○後藤博子君 ありがとうございました。
 六割近くということの割合が、ネグレクトに対して、今ここ書いてありますように大きいものですから、こんなにあるのかと。ただ、日本じゃ虐待で、何だかんだですぐ殺されますけれども、放任とかそういうことで死んでしまうというのが六割近くもあるのかなとちょっと数字的に驚きました。ありがとうございます。
 最後にちょっとお尋ねしたいのが、裁判所は比較的早い段階で、子どもと分離といいますか、判断を下しますよね、ちょっとここ書いていたんですが。比較的、七十二時間以内にというふうに書いていまして、日本に比べるとすごく対応が早いんでそれはそれですばらしいと思うんですけれども、判断を下したことすべてが、その一〇〇%が適切ということではないかと思うんですが、それに対していろんな問題も片方ではあるのではないかと思います。その場合、裁判所はどこまで関与していくのか、あるいは裁判所がそれをどう支援していっているのかということが、もし、分かっている範囲で結構ですけれども、あれば教えていただきたいと思いますが。
#82
○清水嘉与子君 ちょうど私たち、裁判所へ行ったときに、里子に出された子どもがその里親と合わなくてもう一回裁判に来ているというケースに遭いました。そこでどうしたらいいのかということを盛んに相談をして、ですから、そういうケースもまたフォローできるような仕組みになっているんだろうと思います。それは、ですから郡の、政府の関係者が、ケースワーカーかなんかがやはりそういうことをずっとフォローしていって、問題があればこっちに来るという仕組みになっていたようです。
#83
○後藤博子君 ありがとうございました。
#84
○会長(小野清子君) いかがでございましょうか。──よろしゅうございますか。
 では、他に御発言もないようでございますので、本日の意見交換はこの程度で終わらせていただきます。
 委員各位には、貴重な御意見をいただきまして誠にありがとうございました。ただいまの皆様の御意見につきましては、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じますし、また、お答えできなかった分に関しましては、再度御報告できるようにさせていただきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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